【ラブライブ!ss】海未「Printempsを倒します」【安価】 (546)

SFファンタジー風のRPGのストーリーです
安価で戦闘や選択肢を決定し、反映していきます

苦手な方はブラウザバックで

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1449760417


海未(私は今、A-RISEの三英雄が天下を牛耳る国…ハーバラの官邸前にいます)

海未(ただ目的もなくそこにいるわけではなく、反体勢派の一員として、…いわばクーデターに参加しようとしているのです)

海未(…と、考え事をしていると、クーデターの発起人で、私の親友の高坂穂乃果はそわそわした様子で私に話しかけました)

穂乃果「海未ちゃん、準備オッケーだって。ことりちゃんが電力施設を制圧できたって」

海未「…はい」

穂乃果「…じゃ、行こう」



海未(…穂乃果の怖いもの知らずな様子に、少し怖じ気づいてしまったのか、それとも…)

海未(…私の心にブレーキがかかったみたいです)

海未「…本当にやるのですか?彼女たちを拘束して…国を解放するなんて…」

穂乃果「うん。やるよ。弱肉強食の世界なんて、もううんざりだよ」

穂乃果「三人で、約束したじゃん。“みんな”で叶える物語にしようって」

海未(私たちがこうして決起したのも、権力集中の政権のせいで迫害された人々がいるからです)

海未(しかし…こうして力を力でねじ伏せてしまっては…彼女たちとやってることは何ら変わりないのでは…?)

海未「そこに…彼女たちは含まれないのですか?」

穂乃果「…話の通じない人が、私たちのことを理解できると思う?」

海未「……………」

穂乃果「理解、できない?海未ちゃんも」

穂乃果「それとも理解するのはイヤ?」

海未「……………」

穂乃果「……どちらにしても迷ってるよね。そんな甘い覚悟の人に背中を預けるわけにはいなかいなぁ」

穂乃果「てなわけで、ありがとう海未ちゃん。もう用済みだよ。邪魔になる前に消えてもらうよ」

海未「…!」

海未(穂乃果は剣を抜きました。磨かれた刃に映るその顔に、弱きを助け強きを挫く正義のヒーローの面影は残っていません)

海未(一瞬うろたえてしまいましたが、私のやるべきことははっきりしました)

海未(親友を王道に戻せ、と)

海未(今この場にいるのは穂乃果と私だけ)

海未(剣や武術で、穂乃果に遅れを取るとは思えません)

海未(これなら、穂乃果を無力化して拘束できます)

海未(多少手荒くなりますが、穂乃果と戦います!)

※戦闘の進行について




・戦闘は安価のコンマ2桁の数値と行動の選択で決定します

コンマ1の位…敵味方の行動の成否を決定(以下行動値と呼称)

コンマ10の位…敵の行動の選択



・各キャラに能力値を設定しています
体力(受けられるダメージの上限。0になると敗北)

技量(相手より技量が上回ると差額分のダメージ加算)

敏捷(相手より敏捷が上回ると行動値判定の範囲が有利になる)



・行動値判定の基本範囲

0→敵の行動が失敗、与ダメージ3
1→同上、与ダメージ2
2→同上、与ダメージ1
3,4,5,6→両者行動成功。攻撃タイプの三すくみで成否の判定。与、被ダメージは1。
7→味方の行動が失敗、被ダメージ1
8→同上、被ダメージ2
9→同上、被ダメージ3

※敏捷が高いと自分の行動失敗範囲が減り、相手の行動失敗範囲が増える



・攻撃タイプが定められており、各キャラが取れる行動に影響します

格闘攻撃→魔法攻撃→間接攻撃→格闘攻撃…
(→の方が劣勢で、両者行動成功時に劣勢だと行動失敗します)



海未「…私にはやらねばならないことがありま
す」

海未「刃を向けるなら容赦しません」

穂乃果「…もう、負けないよ…!」




海未※(9/9/8)の行動→ <<8 下から選択、行動値コンマ1の位で判定

※(体力/技量/敏捷)

1,格闘攻撃(剣)
2,間接攻撃(弓)
3,防御(両者行動成功時の与、被ダメージを0にする)

穂乃果(8/8/9)の行動→ <<8 コンマ10の位で決定

9,8,7→防御
6,5,4,3→格闘攻撃(剣)
2,1,0→???



海未<穂乃果の行動値テーブル

9→穂乃果行動失敗、与ダメージ2
8→同上、与ダメージ1
7,6,5,4→両者行動成功
3,海未行動失敗、被ダメージ1
2,同上,被ダメージ2
1,同上,被ダメージ3
0,同上,被ダメージ4

穂乃果「私は、もう今までの私じゃないよ!」

海未「……?」

海未(穂乃果は突然、剣のみねを私に向けまぶたを閉じました)

穂乃果「確かに海未ちゃんに剣の腕じゃ勝てないけど…」

穂乃果「他のことなら勝てるのもあるんだよ!」

海未「……!?」

海未(穂乃果が剣の角度を変えると、まるで太陽光を鏡で反射したようにまぶしく輝きます)

海未(思わず目をそらしてしまいました)

穂乃果「そこだっ!」

海未「くっ!」

海未 (目眩ましで油断しましたが、穂乃果の剣を小手で弾いて致命傷は防ぎました)

海未 (しかし…あの剣の光り方は不可解です。何か小細工が…?)



海未:体力9→8



穂乃果「…さすがだね。油断してても反応が追い付いてる」

海未「小細工はもう通用しませんよ」



海未の行動→ >>13 剣、弓、防御から選択 行動値コンマ1の位



穂乃果の行動→ >>13 コンマ10の位で判定、パターンは前ターン参照

すみません、>>15 でお願いします

海未(…あの目眩ましの種が割れない内に攻勢に出るのはリスクが大きいです。冷静に弓で牽制しましょう)

穂乃果「…行くよ!海未ちゃん!」

海未「…っ!」ヒュン

海未(先手を切って穂乃果が走ってきました。弓で迎撃できるくらいの間合いはあるはずです)



穂乃果「そんなの!避けてみせるよ!」

海未「!!そんな!」

海未(射線上に確実に捉えていたはずの穂乃果は、矢を通りすぎて私の目の前にいました。そのまま走った勢いで体当たりをかましてきます)



海未「ぐぅっ!」

穂乃果「私が勝つために手に入れた力は、光の速さにだって追い付くよ!」

穂乃果「…そのために、悪魔とだって取り引きしたんだから…」

海未(…穂乃果の言葉を真に受けるなら、今の穂乃果には常ならざる力があるということでしょう)

海未(……A-RISEの統治下で禁忌とされていた、“魔法”を使っている。そう考える他ありません)



海未:体力8→7


海未「魔法…そんな危険なものを…」

穂乃果「…そうだね。もう後戻りできないところまで来てるんだよ、私は」

海未「…っ」



海未の行動→ >>19 剣、弓、防御から選択 行動値コンマ1の位判定


穂乃果の行動→ >>19 コンマ10の位判定 行動パターン↓

9,8,7→防御
6,5,4,3→剣
2,1,0→魔法

海未「…もう、私の知るヒーローはどこにもいないのですね…」

穂乃果「…うん」

海未「…しかし、彼女が残したものはまだ私の心にあります」

穂乃果「………………」

海未「私がいる限り、まだ後戻りする手立ては残っているのですよ?」

穂乃果「…っ」

海未「……覚悟が揺らいだようですね…」ヒュッ

穂乃果「あっ…!」

海未(説得できるとは思ってませんが、隙を作るには言葉で攻めるのもありでしょう)

海未(……できるなら、説得したいところですが…)




穂乃果:体力8→6 (判定ダメージ1 技量ダメージ1)

穂乃果「…だったら、海未ちゃんなんていなくなっちゃえ…!私を惑わせるもの全部なくなっちゃえ…!」

海未「それでは支配者たちとやっていることは変わらないですよ…!あなたの信念は…!」




海未の行動→ >>22 行動選択(剣、弓、防御)コンマ1の位行動値判定

穂乃果の行動→ >>22 コンマ10の位行動判定↓

9,8,7→防御
6,5,4,3→剣
2,1,0→魔法


穂乃果「もう様子見はしないよ!覚悟して海未ちゃん!」

海未「っ!」

海未(姿勢を低くしてものすごいスピードで向かってきました。私に構えさせる隙も与えないくらいに)

海未(これも、魔法の成せる技、なのでしょうか?)

穂乃果「てえぇぇやあぁ!」

海未「くっ、なんの!」

穂乃果「…今の攻撃を弾くなんて、やっぱり海未ちゃんは強いなぁ。…邪魔になる前に倒さないと!」

海未「無傷ではないですがね…!」



海未:体力7→6

海未(先ほどから穂乃果から強い殺気を感じます。気持ちを抑えられなくなってきているのでしょう)

海未(…ここで私も強気に出るのは危険です。冷静に戦わなければ)


海未の行動→ >>25 剣、弓、防御から選択 行動値コンマ1の位判定


穂乃果の行動→ >>25 コンマ10の位判定 行動パターン↓

9,8,7→防御
6,5,4,3→剣
2,1,0→魔法

海未「…本当に、私の命を奪う気なのですね」

穂乃果「…海未ちゃんが立ちふさがるなら」

海未「なら、私もあなたの命を取ります」



穂乃果「!!」

穂乃果「……そうだよね。海未ちゃんならそうするよね」

穂乃果「…ホントは私と同じで……バカだから!」

海未(穂乃果は地面に剣を走らせ、勢い良く切り上げます。その動きがはっきりと見えました)

海未(すかさず矢をつがえていた弓を投げ捨て、穂乃果に体当たりをします)

穂乃果「うあっ!」

海未「…そうですね。私はバカです」

海未「矢の使い方を間違えるくらいに」

海未(仰向けに倒れこんだ穂乃果に馬乗りになり、右手に握ったままの矢を眼球に向かって突き刺します)

穂乃果「……えっ…?」

海未(過度の興奮状態で痛みを感じなかったのか、目に矢が刺さったことを穂乃果は理解していないようでした)



穂乃果:体力6→3 (判定ダメージ2 技量ダメージ1)

穂乃果「…矢が、目、に…?」

海未「……最後の警告です。考え直すなら…私も今までの関係に戻れるよう努力します」

海未「…そうでないなら、…残念ですが手を下します」

海未(…脅し、といえば聞こえはいいですが、今の私は本当に穂乃果を殺めることに抵抗はありません)

海未(彼女の選択次第で、やってしまうかもしれません)

穂乃果「………………」



※穂乃果の選択→ >>29 コンマ1の位行動値判定↓

9,8,7→「…私の負け、だね…」
6,5,4,3→「出来るはずないよ、海未ちゃんに」
2,1,0→「まだ私は負けてないよ!」

穂乃果「出来るはずないよ、海未ちゃんに」

穂乃果「考えてみてよ。海未ちゃんのこれからを」

穂乃果「私がいなくなったら、ことりちゃんと海未ちゃんと考えた作戦は失敗するんだよ?」

穂乃果「そしたら…もう誰もA-RISEを止められないよ?」

海未「あなたがいなくたって、私がやります」

穂乃果「そうだね…。だけどことりちゃんはどうかな?」

穂乃果「ことりちゃんは…海未ちゃんについてきてくれるかな?」

海未「………………」

穂乃果「……海未ちゃんらしくない、大それたことは考えない方がいいと思うよ?」

穂乃果「同じバカでもそんなことができるのは…海未ちゃんじゃなくて私だから」

穂乃果「黙って私についてくればいいんだよ。グズの海未ちゃん」

海未「……!」



海未(つまり私はあなたにとって傀儡でしかなかったと?一人では何もできない愚図だったと?)

海未(…だったら見せてあげますよ…!)

海未(私があなたにただ着いてきた訳ではないということを…!私は迫害されてきた人々を救うために力を尽くすということを…!)

海未(決してあなたのためではなかったということを!)



海未「…そんな風に思ってたんですね……」

穂乃果「そうだよ。海未ちゃんがどこか踏み外そうとする度に私が手を引いてきたんだ」

海未「では、もうあなたは必要ありません。私の道を示す人間が、こんな穢れた人間なら。一人でさまよっていた方がマシです」



海未(もう一本、矢を取り出して…今度は心の臓に向けて突き刺しました)



穂乃果「あっ………………」

海未(そして矢を抜き取ると、短い断末魔と共に穂乃果は動かなくなりました)







海未「………………」

海未(私もひどく興奮状態だったようです。いくら空気を吸っても体に酸素が行き渡らず、激しく脈が打つばかりです)

海未(ありえないことをしたと思っても、実感が湧かないのです)

海未「……行きましょうか」



海未(……彼女の遺体を間近で一瞥して、立ち上がろうとした時です)



穂乃果「……ひひ」

海未「…!?」

穂乃果「……一回くらい、海未ちゃんに勝ちたいんだよね……」

穂乃果「例え、命掛けでも!!」



海未(穂乃果は私の足首をつかみ、…その後は覚えてません)

海未(凄まじい光が辺りを包んで…何もかもを消し飛ばしていったとしか…)

海未(…穂乃果の持っていた、魔法の力とでもいうのでしょうか)

「ほ、穂乃果ちゃん!?まさかっ!?」

「う…嘘…。穂乃果ちゃん…海未ちゃん…」

「ことりちゃん、しっかりして!」

「何で…?何で二人とも……」

「…わからないけど…お互いを傷つけあったあとがあるから……」

「ありえないよっ!あんなに仲良しだったのにっ…」

「……ことりちゃん。始まる前に穂乃果ちゃんが言ってたこと、覚えてる?」

「………………」

「どんな結果になっても立ち止まらないで、って」

「………………」

「今は…A-RISEを倒そう?」

「………………」



「穂乃果ちゃんの残してくれた光は…私たちに力をくれたから」

「穂乃果ちゃんっ…!…うわぁぁぁん…!」

「絶対勝てるよ。……悲しむのは…その後にしよう?」










海未(……気がつけば、見慣れた部屋のベッドに横たわっていました)

海未(ここは…ことりの部屋、ですね)

海未(……なぜ?私は……穂乃果の発した光に巻き込まれて…)

海未(……穂乃果は…?)

海未(……いいえ。…間違いなく絶命したでしょう。あの出血量ではどんな治療も無意味でしょうし)

海未(そして……今頃になって自分のしたことの罪の大きさに悪寒が走りました。あの時の興奮が余計に罪悪感を煽ります)



海未(起き上がれもせずガタガタと震えていると、ドアが開いて人が入ってきました)

「……海未ちゃん。まだ…起きないか…」

海未(この部屋の主、ことりです。言葉の後に涙を拭ってベッドに近寄ります)



ことり「……置いてかないでよぉ…穂乃果ちゃんも…海未ちゃんも…」

ことり「三人一緒じゃないと…ダメなんだから……」

海未(涙を流しながら、独り言のように語りかけます。…その言葉がなおのこと私の心を突き刺していきました)



ことり「……もう、私どうしたらいいかわかんないよぉ……。…穂乃果ちゃんと海未ちゃんがいないと…街のみんなをどう導いていけばいいかなんて…」

海未(………………。…ことりの言葉を真に受ければ、穂乃果の作戦は成功してA-RISEを打倒したのですね)

海未(しかし、支配権を持ってもことり一人では癒着や裏取引の横行するこの社会を正すのはできないと嘆いているわけですね…)



ことり「海未ちゃんだけが頼りなの……。穂乃果ちゃんは…目を覚ますかどうかもわからないし…」

海未「…!?」

ことり「海未…ちゃん…?」



海未(穂乃果が…生きている!?)



ことり「海未ちゃん…!?目が覚めたの…!?」

海未「ことり…」

ことり「よかった…!ホントによかった…!」

海未(ことりは横たわる私に覆い被さるように抱きつきました。その温かさで私もようやく生きている実感と…多少震えが止まりました)


海未「…ごめんなさい…。穂乃果は……」

ことり「謝らなくていいよ…!海未ちゃんがいてくれればことりはなにもいらないよ…!」

海未「ですが…」

ことり「わがまま言わないから…もう、一人にしないで…!」



海未 (ことりは相当追い込まれていたようです。わんわん泣きながら私を放してくれません)

海未(聞きたいことはたくさんあるのですが、この状態では難しそうです)



海未「…その…穂乃果、は?」

ことり「穂乃果ちゃんは……」

海未「いえ……やめておきます。…私が手を下してしまったのですから」

ことり「…まだ、生きてるよ」

海未「………………」

ことり「魔力を全部使い果たして、身体と精神が繋がらない状態、だけど……」

海未「魔法、ですか」

ことり「そう。魔法」

ことり「簡単に言えば、魔法の力さえ補充できれば穂乃果ちゃんも意識を取り戻すんだ」

海未「…しかし、あれだけの致命傷を受けて身体は生きているのですか?」

ことり「それは……。私たちの仲間が方法を探してくれてるけど…」

海未「………………。この話はやめにしましょう。どの道私と穂乃果の考えは相容れないのですから」



ことり「え……」

海未「穂乃果のやり方はあの支配者たちと何ら変わりません。相容れないものを排除していく。かつて描いた理想とは真逆です」

ことり「そ、それは…」

海未「それに、穂乃果は他人の意志など眼に入ってないのです。私もことりも仲間という名の傀儡に過ぎないということなのでしょう」

ことり「な、何を言ってるの…?」

海未「…私はまっぴらごめんです。そんな人間と一緒に行動したくないです」

ことり「そんな…」



海未「……やめましょう。こんな話をするのは」

ことり「………………。…うん」

海未「それより現状を知りたいです。私はなぜここにいるのか、ハーバラは今どうなってるのかなど、知りたいことは山ほどあります」

ことり「そ、そうだね」



海未(ことりから状況を聞き出しました)

海未(予想通り…クーデターは成功し、A-RISEの3名を拘束。前政権の支配者たちと利権に群がるものたちもろともを街から追放したということ)

海未(その一部が蜂起し現政権…ことりともう一人が組むPrintempsを打倒しようと画策していること)

海未(そして私は…一度死亡するほど焼かれたというのですが、ことりの魔法によって一命をとりとめ3日眠っていたということ)

海未(この3日で大分状況は変化したようですね)



海未「……これからことりは、どうするつもりですか?」

ことり「…穂乃果ちゃんを助けたい。穂乃果ちゃんと海未ちゃんがいないと…みんなをまとめるなんてムリだもん」

ことり「海未ちゃんも……力を貸してくれるよね…?」



海未(不安げな顔で私を見つめることりですが…)

海未(命を助けてくれた恩義があるとはいえ、穂乃果の…私の理想を踏みつぶす敵の手伝いなど…)

海未(ですが、今私にできることは考え付かないですね。レジスタンス組織に与するのも、旧支配者の肩を持つということですし…)

海未(どうしましょうか)





>>38 選択↓

1,ことりのお願いは断れないです
2,あなたも穂乃果と同類でしたか
3,穂乃果が目覚めた時、支配権を破棄させるのであれば

2

海未「あなたも穂乃果と同類でしたか」

ことり「…え」

海未「自分の目的のためなら、平気で人の心をにぎり潰すような…下衆なのですね」

海未「…私の気持ちがわかりますか?」

海未「信じていた人間が一番嫌いな下衆で…それでもすり寄ってきた時の悲しみがわかりますか?」

海未「…今日中には出ていきますので、…部屋から出ていってください。このままその顔を見ていると…叩っ切ってしまいそうです」

ことり「あ……う……」


海未(ことりの表情は、本気で恐怖を表していました。そして、悲しみも)

海未(一瞬だけ目線が合った時に全てを察してしまったのでしょう。私の悲哀と憤怒を)

海未(ことりは何も言わず、部屋から走り去っていきました。……下手をすれば逆上されて命を奪われていたかもしれませんが、ことりにはできなかったのですね…)




海未(身体に異常はないので、荷物をまとめたらすぐにことりの家を後にしました)

海未(「今までお世話になりました」と簡単な書き置きをのこして)







海未「さて、どうしましょうか」

海未(私が望むのは誰も虐げられられない平和な世界)

海未(混沌とした現状からそれを作りあげるには…)

海未(……考えが浮かばないですね)

海未(今はハーバラの街で起こるトラブルを解決していくことくらいしか、私にはできないですし)

海未(……後は、穂乃果やPrintempsが使った…魔法に対抗できるものを用意すること、ですか)

海未「とりあえず、追放された者が集うガウラの方へ行ってみましょう」

海未(列車に乗ってガウラの街まで来ましたが…)

海未「ここが本当に…?どんな抗争があればこんな廃墟に…?」

海未(激しく戦闘していたのか、高層ビルの窓は残らず割れてアスファルトは歪み崩落しています。駅近くの大きな道路というのに、人や自動車の往来もありません)



海未「……ここの誰かに事情を聞かないと埒が明きませんね」

海未(人のいそうな場所…どこでしょうか?)



>>43 場所選択↓

1,警察署
2,病院
3,学校
4,ショッピングモール
5,教会

4

海未(…近くに複合商店街がありましたね。そこなら人がいるでしょう)







海未(…と思ったのは浅はかでした。ここには誰もいません)

海未(そして…それ以上に衝撃だったのは…)

海未「これは…ひどいですね…。こんなに荒らされているなんて」

海未(まさしく略奪です。食料品店からは根こそぎ食べ物がなくなり、衣料品は服としてではなく雑巾のように使われたあとがありました)

海未(……そこまで物資に困窮する状況であると。この難民キャンプはもはや無法地帯であると。そう思ってしまいました)



海未「……ここにいてもしょうがないですね。別の場所にいきましょう」

海未(…と踵を返した時、突然声をかけられました)



「そこの剣士さん!ちょっと手を貸して!」

海未「…?私ですか?」

海未(声をかけたのは私より背の低い、軽装な女性です。走ってきたのか少し息切れしています)

「人がガレキの下敷きになってるの!私一人じゃどけられないから、力を貸してほしいの!」

海未「お安いご用です。案内してください」

海未(弱い人を助けるのに理由はいりません。手遅れになる前に救出しますよ!)



「ここだよ!」

海未「はい。…ワイヤーが邪魔して動かなさそうなので、切断します。少し離れててください」

「うん!」

海未(剣を抜いて払い抜けばガレキに絡んだワイヤーは簡単に切れました。…彼女は少し驚いたようですが、私の技は大木だって両断できます)

海未「さあ、どかしますよ」

「いくよっ…えいっ!」

海未「とうっ!」

海未(…思いの外彼女は力持ちらしく、私が力を入れずとも大きな棚を動かしました。…ワイヤーさえ切れれば私は不要でしたね)



「キミ!意識はある!?大丈夫!?」

海未「…打撲は多少ありますが、命に別状はないみたいですね。安静にしていれば意識を取り戻すと思いますよ」

「なら、病院に連れていかなきゃ!剣士さん、片方の肩持って!」

海未「はい」

海未(正義感の強いことで。…私も正義感には自信があったのですが…)

海未(…少し、人を信用できなくなってるのかもしれませんね)

__病院


海未(病院にたどり着いた私たちは、その壮絶な光景を目の当たりにしました)

海未「…なんてけが人の数ですか…受付まで使ってるなんて」

「お医者さんの数も足りてないにゃ…」

海未「幸い、この方は特別な治療が必要ないのですが…」

「寝かせてあげるベッドもないよ…」



海未(…病院の入り口で途方にくれていると、医者らしき人が私たちに話しかけてきました)

「怪我人かしら?どんな状態かわかる?」

海未「意識はないですが、外傷は足と背中に打撲があるだけです。安静にできる場所はないですか?」

「重体ではないのね。ならエントランスの簡易ベッドで容体を見るわ。こっちに来て」

「あ、ありがとうございます!」



海未(鋭い眼のドクターは無表情のまま案内してくれました。連日の勤務で疲労がたまっているのでしょうか)

海未(ドクターに指示されるまま、ベッド呼ぶには貧相なマットの上にけが人を運びました。そして簡単に診察したあと、ドクターは立ち上がります)



「この人はあなた方のご家族?」

「ううん、違うよ。ショッピングモールでガレキの下敷きになってたから助けたんだよ」

「……義理がないなら、お引き取り願える?ご覧の通り人が住まうスペースもないのよ」

海未「そのようですね。では、お願いします」

「ちょっと!その言い方はあんまりだよ!助けた人の安否がわからないままなんて後味悪いじゃん!」

「トラブルは最小限にしたいの。患者もスタッフもピリピリしてるから」

海未「そうですよ。医者のコンディションが患者の行く末を決めてしまうのですから。ドクターの指示に従いましょう」

「……うん」



海未(納得はしていないようですが…)

海未(彼女の底抜けな思いやりに、何だか昔の穂乃果を思い出しました。あの、眩しくて暖かい太陽のような面影を)

__病院・屋外



「ありがとね、剣士さん」

海未「大したことはしてないですよ。見つけたのはあなたですし」

「…でも、何かお礼がしたいにゃ。お医者さんとケンカになりそうなのを止めてくれた件も含めて」

海未「大丈夫です。あなたの正義感を私ももらいましたから。大切なことを思い出した気がします」

「正義感なんて、そんな…」



「あ、いた!どこ行ってたんですか!」

「にゃ!?何で私を探しにきたの!?単独行動だって言ったじゃんか!」

「姐さん一人にするのが怖いからですよ!この情勢ですし!」



海未(…どうやらお連れの方が迎えにきたようですね)

「すみません、そこの剣士さん。姐さんがお世話になりました!」

海未「いえいえ、お気になさらず」

「さ、帰りますよ!みんな待ってます!」グイッ

「あ、待ってよ!私、星空凛!また会ったら絶対お礼するからねー!」

海未「そうですね。またどこかで」



海未(星空凛、ですか。どこかの令嬢なのでしょうか。お付きの人間がいるなんて)

海未(……まあ、それは置いて。この難民キャンプの情勢を少し探りましょう)




海未(病院で少し聞き込みをして、気になる情報をいくつか入手しました)

海未(まず、現政権に対する反抗作戦ですが…指揮をとるのは実戦経験のある警察署の署長だとか。警官や軍人、大体の役人はPrintempsに鞍替えしているということなので、人材は乏しいようですね)

海未(そして…“魔法を売る”怪しげな巫女がこの街に現れたという噂も耳にしました)

海未(穂乃果やことりに魔法を授けたのもその巫女かもしれませんし……。探して話を聞く必要がありそうですね)

海未(そうと決まれば徹底的に探します。手がかりは多くはありませんが)


海未「…方言でしゃべる巫女、背中に長刀…見つければ間違えることはないですが、所在が見当もつきませんね」

海未「…魔法なんて禁忌のものを売るからにはがめつい性格なのでしょうか?だとすると今も誰かに魔法を売ってる?」

海未「……だからと言って、商店街で売ってるわけでもなさそうですし…」



「ま、待てー!ドロボー!」

海未「!!」



海未(条件反射のごとく、身体が走り始めました。建物をネズミのように登っていった影を追いかけます)

海未(私に壁登りの技はありませんが、壁に剣で切れ目を入れて無理やり登ります)

海未(その異様な光景にビックリしたのか、犯人が屋上で足を止めてこちらを凝視していました)



「うっそ、やっぱりタダ者じゃないよ!あの剣士さん!」

海未「さあ、観念なさい。火事場泥棒などと卑劣な行為、許しません」

「あはは…こりゃマズイかも」

海未「って…あなたは…!凛ではないですか!」



海未(見間違えるわけありません。さっき正義感を見せてくれた少女が、ハート型の宝石を持って私の目の前にいます)

凛「こ、これには事情があるの!」

海未「事情、ですか?盗みを働くほどの」

「関係ないよ。それは禁忌のものだから、勝手に使われると困るんよ」



海未(私の後を追ってきたのか、盗まれた本人も屋上へ来たみたいですね。壁の傷だけでよじ登るなんて、ただ者ではなさそうですが)

海未(目線をそっちに向けると、紅白のエキゾチックな衣装に…柄の長い槍のような刃物)

海未(……あれ?この人は…もしかして…)



海未(私がまさに探していた人ではないですか?しゃべり方も妙なイントネーションですし)



凛「そんな危ないもの売って、儲けようっていうの!?どうかしてるよ!」

「関係ないやろ。うちがなにしようが」

凛「じゃあ、街のこの有り様は何!?Printempsに魔法を売ったからみんなこんなに苦しんでるだよ!それでもあなたは知らんぷりするの!?」

「正義を語るんやね、天下の大泥棒のクセして」

凛「!!」



海未(まくし立てるようにしゃべる凛のせいで会話に入れませんが…)

海未(状況を整理すると、まずこの巫女はPrintempsやこの街の人間に魔法を売り荒稼ぎしていたと)

海未(その状況を見かねた…盗賊の凛は魔法の元になるあのハート型の石を奪った、と)



凛「剣士さん!力をもう一度貸して!私も悪党だけど…街がこんなことになるのはイヤなんだよ!」

「うちはただ商売しとっただけ!こんなことになるなんて微塵も思ってなかったんよ!」

海未「………………」



海未(…さて、私はどうしましょうか。この状況は法や倫理では正しい判断ができないような気がします)

海未(私が選ぶべき道は…)



>>52 選択↓

1,どちらもモラルを乱す悪、両成敗です
2,Printempsに力を授けたというのなら、私の敵です
3,あなたから魔法が失われるのは、私にとっても不都合です
4,私の立ち入るべき問題ではないです、立ち去りましょう

4

海未(…私の立ち入るべき問題ではないですね。魔法の出所がわかったところで、対抗手段が得られるわけではないですし。彼女から魔法を買い取るお金もないですし)

海未(この抗争に巻き込まれてPrintemps側にも反体制派にもマークされるのは避けたいですからね。立ち去りましょう)



海未「…面倒ですね。当事者同士で解決してください。では」

「ちょっ。剣士さん、この状況でどっかいくん!?」

海未「保安官にでも見られたら面倒じゃないですか」

凛「正義より大切なこともあるんだよ!?」

海未「私には関係ないですし、興味もありません」



海未(……凛のいうこともわかりますが…私のなすべきことはそうではないのです)

海未(……行きましょう)

海未(…建物を裏から飛び降りると、表に野次馬や警官が集まっているが見えました。騒ぎになっているみたいですね)

海未(まあ、関係ありません。去りましょう)


「何か騒がしいわね。ケンカでもあったの?」

海未「おや…あなたは」

海未「さっきの先生ではないですか」

「?…あ、さっきの剣士さん」



海未(病院にいた鋭い眼光のドクターが、リアカーを押して毛布を運んでいました。仕事中でしたか)



「…何があったかわかる?場合によっては私も出動しないといけないのよね」

海未「悪人同士の抗争ですよ。警察の方に任せればいいんじゃないですか?」

「そうね。…でも、物騒よね」

「こんな毛布なんかでも追い剥ぎに遭いそうで怖いわ」

海未「悪人にとっては、相手が医者だろうがなんだろうが構わないですからね」

「うーん。…剣士さん、ちょっとお手伝いというか…護衛をお願いできるかしら」

「……この毛布の下に、貴重な薬品が入ってるのよ。もちろん、報酬は出すわ」



海未(報酬は…踏み倒されることはないでしょう。医者ですし)

海未(…この薬で、多くの人の命を救えるのも事実です)

海未(さて、どうしたものでしょうか)



>>56 選択↓

1,お受けします。
2,お断りします。
3,報酬はどれだけ出せますか?

1

海未「お受けします。その薬で多くの人を救ってください」

「ありがと、美しい剣士さん」



「自己紹介がまだだったわね。今はフリーのドクターの、西木野真姫よ」

海未「元反体制派の園田海未です。微力ながらお供させていただきます」

真姫「元…?…つまり、A-RISEを打倒する…Printemps寄りだったってこと?」

海未「まあ…はい。訳あって、彼女たちとは袂を分かちました」

真姫「そう…。複雑なのね」



海未「真姫も今はどこにも所属していないということですよね?」

真姫「そうよ。元々勤めてた国立病院はPrintempsに付き従う連中が多かったし。でも、…弱い人たちを見棄てるのは奴らも変わらなかったから、私は出ていった」

海未「…似た者同士なのかもしれませんね。人の心を捨てきれず、人の世から離れていくところが」

真姫「嫌いじゃないけどね、そういうの」



海未「真姫は戦えますか?自衛はできないと私も正直守りきれるかどうか…」

真姫「見くびらないでくれる?軍医にもなれるよう、最低限の訓練は受けてきたわ」

真姫「それに、魔法についても少し調べてみたし」

海未「?」

※属性について

・各キャラには属性が2つ備わっており、魔法攻撃や防御で優劣があります。攻撃側が優勢の場合、ダメージが1増加。防御側が優劣の場合、ダメージが1減少。

・属性の優劣のテーブルはこちら(→が劣勢、攻防同属性の場合は防御優勢)

炎→森→地→雷→氷→炎→…

光→魔→幻→闇→光→…

例)海未は(氷)と(魔)の複合属性の[海]属性なので、(雷)と(光)が弱点で(炎)と(幻)に耐性があります




※特性について

・各キャラには条件つきの特性が備わっています。

例)海未の特性→一閃(相手が行動失敗したとき、行動の効果を倍加)



※真姫のステータス

・(体力/技量/敏捷)=(8/8/7)

・選択可能な行動→短機関銃(間接攻撃)
劇薬(直接攻撃)
鎮痛剤(体力回復2、行動値判定なし)

・属性→火(炎と闇の複合属性)

・特性→再生(ダメージを2以上受けた→体力回復1。体力0の時は無効)

海未「よく調べましたね…」

真姫「もう出回ってるのよ、魔法。これで悪事を働いてる奴らもいるみたいだし」

真姫「中でも、列車を襲撃したり駅を占拠する悪党のせいで流通が麻痺してるのが痛いわね」

海未「………………」



海未(…この街の情勢は混乱していくばかりです)

海未(こんなのが、あなたの望みだったのですか…?穂乃果…ことり…)



真姫「…しかしまあ、誰もいないわね。みんな野次馬に行ったのかしら?」

海未「病院までの帰り道は短いとはいえ、誰ともすれ違わないのは不可解ですね」

真姫「人避けの魔法でも使ったんじゃないの?」

海未「…根拠のない推測しかできそうにないですね」



海未(…それが返って警戒心を強める結果になったと、犯人に言ってやりたいですね)

海未(この後の奇襲に即座に反応できたんですから)



真姫「……あまり見たくないものね」

海未「?」

真姫「あそこ。ガレキで隠してるけど、あの下に遺体があるのよ」

海未「!…それは嫌ですね…」

真姫「さっさといきましょ」



海未(真姫が瓦礫の横を通り過ぎようとした時です)

海未(瓦礫から突然手が伸びて、彼女の足を掴んだのです)



真姫「きゃっ!」

海未「っ!!」

海未(即座に剣を抜き死体の腕を切り落としました。ドス黒い血飛沫がアスファルトに点を打ちます)

海未(しかし、瓦礫は動きを止めず、死体は立ち上がります)



海未「……本当に遺体、ですよね?生きてないですよね?」

真姫「し、知らないわよ!ありえないって!」

海未「来ますよ!武器を構えて!」

真姫「わ、わかってる!」




>>61 海未(9/9/8)の行動選択↓
剣(直接攻撃)
弓(間接攻撃)
防御

コンマ1の位行動値判定
対 遺体(10/5/3) の行動値テーブル↓

9→海未行動失敗、被ダメージ1
8,7,6,5→両者行動成功
4,3,2,1,0→遺体行動失敗、4から行動値が減るごとに与ダメージ1増加。特性によりダメージ倍加。


遺体の行動→コンマ十の位判定
9,8,7→防御
6,5,4,3→直接攻撃
2,1,0→???


海未「まず距離を取りますよ!真姫、下がってください!」ヒュッ

真姫「う、うん!」

海未「……効いていない?」



海未(確かに矢は遺体の胴に刺さりましたが…怯む動作を見せません)

海未(…まあ、いいでしょう。真姫を後退させる隙は作れました)


真姫「や、やってやるわよ!生きていない生命体なんてこの世に存在し得ないんだから!」




>>64 真姫(8/8/7)の行動選択↓
1,短機関銃(間接攻撃)
2,劇薬(直接攻撃)
3,鎮痛剤(体力満タンのため選択不可)
4,防御



>>64 コンマ1の位行動値判定

9→真姫行動失敗、被ダメージ1
8,7,6,5→両者行動成功
4,3,2,1,0→遺体行動失敗、行動値4から与ダメージ1ずつ増加



>>64 コンマ十の位遺体(10/5/3)の行動判定
9,8,7 →防御
6,5,4,3→直接攻撃
2,1,0 →???

1

真姫「どんな仕掛けか知らないけど、脳が弱点なのは多細胞生物の常よ!」

海未(彼女は白衣の裏から小さめの銃器を取りだし、引き金を引きました。絶え間ない炸裂音とともに遺体の頭部から血が弾けます)

海未(…銃器は非常に強力ですが、所持制限が厳しくごく一部の旧体制派くらいしか扱えない代物です)

海未(…真姫もかつてはA-RISEに忠誠を誓った、というのでしょうか)



真姫「効いてるみたいよ、海未。まだ倒れないみたいだけどね!」

海未「ですが行動に異常をきたしてますね。これならすぐに鎮圧できるでしょう」



遺体:体力10→2(判定ダメージ5 技量ダメージ3)

海未「さあ、終わらせてあげましょう」





>>67 海未(9/9/8)行動選択(剣、弓、防御)
コンマ1の位行動値判定
コンマ十の位遺体(2/5/3)行動判定



>>69 真姫(8/8/7)行動選択(短機関銃、劇薬、防御)
コンマ1の位行動値判定
コンマ十の位遺体行動判定

劇薬

真姫「物理がダメなら今度は化学よ!」

海未(真姫はリアカーから怪しげなマークのついた瓶を取り出して、ガラスの破片に中身を塗りました)

海未(そして、ためらいなく遺体の心臓のある部分へと突き立てます)



真姫「強烈な凝固剤なら、動脈を塞ぐことだってできるわ。血液が循環しないなら、人の身体は動かせないはず…!」

海未「考えましたね…。ですが、そんな薬を使ってよかったのですか?」

真姫「いいのよ。希釈しないと使い物にならない薬品だから。多少減っても問題ないって」

海未「…こう見えて横柄なのですね。まあ、効果はあったみたいですね」

真姫「当然よ。自然の摂理なんだから」



海未(遺体はピクリとも動かなくなりました。…真姫の気転に助けられましたね)



遺体:体力2→0

海未「…しかし、気味が悪いですね。死者が生者を襲うなんて」

真姫「まあ、十中八九魔法よね。誰かがゾンビを作り上げる魔法を放ったとか、じゃない?」

海未「………………」





『…すごいなぁ。あの状況で冷静に戦うなんて』

『さすがはことりちゃんが認める戦士、だね』

『…でも、ことりちゃんを悲しませる奴は許さないよ』






海未(……何やら気配がします。穂乃果が使った魔法とは違う、混沌とした力を…)

海未(…瓦礫から?…よく考えるとおかしな点があります)

海未(建物の外壁の破片にしては量が多過ぎますし、“全て”コンクリートです)



海未「……!」シュバッ

真姫「ど、どうしたのよいきなり!コンクリートなんか切って!」

海未「姿を現しましたね!魔法使い!」

「ぴゃあ!看破されちゃったの!?」




海未(遺体を操っていた人物は瓦礫に擬態していました。…恐らく、私たちを襲撃したのも計画的犯行でしょう)

海未(それはつまり…Printempsに対する明確な反逆者、園田海未を抹殺するために送り込まれた刺客ということでしょう)



海未「目的がなんであれ、死者を冒涜する行為は許されませんね。成敗します!」

「こ、怖いなぁ…。…でも私にも大事な使命があるから負けられないよ!」

真姫「あ、あんたは…Printempsの…」

海未「!?真姫、知ってるのですか!」

真姫「ええ。クーデターの首謀者の、小泉花陽よね?わざわざ実効支配者自ら出向くなんて、海未は余程のお尋ね者なのかしら?」



海未(Printempsは、穂乃果とことり、あともう1人で構成していると聞きましたが…)

海未(まさか、直々に始末にくるなんて…)

海未(小泉花陽。死者をも操る魔法の使い手、ですか)



海未(……彼女を無力化できれば、Printempsの支配は恐らく崩壊させられます)

海未(ならば、尚更負けられません!)






※花陽のステータス

・(体力/技量/敏捷)=(9/7/7)



・行動パターン…

9,8→地の魔法(地属性魔法攻撃)

7,6→魔の魔法(魔属性魔法攻撃)

5,4→回復魔法(体力 2、行動値判定なし)

3,2→防御

1,0→???



・属性→土(地と魔)



・特性→反撃(防御成功した場合、相手にダメージ2)

海未(彼女は丸腰ですが…異様な気配を感じます。慎重にいかなければ)






>>74
海未の行動(剣、弓、防御)選択
行動値コンマ1の位判定
花陽の行動コンマ十の位判定

※海未8>花陽7 の行動値テーブル

9,8→海未行動失敗。行動値が増えると被ダメージ1ずつ増加

7,6,5,4→両者行動成功

3,2,1,0→花陽行動失敗。行動値が減ると与ダメージ1ずつ増加

海未(…迂闊には攻められませんね。真姫を守ることを念頭に置かないと)

海未(……ジリジリと摺り足で距離を縮めますか)



花陽「いいのかな?私に魔法を唱える時間を与えて」

海未「挑発のつもりですか?私も戦いには慣れているので相手のペースに乗せられることはないですよ?」

花陽「さすがだね。でも、挑発じゃないんだよね」



海未(先程からただ私に声をかけているだけですが…。もうすでに魔法を放ったとでも?)



真姫「!!海未っ、足元!!」

海未「えっ?」



海未(私が足元へ視線を向けた時には、まるで蛇のように連なった瓦礫が足に絡み付いていました。力は強く、そのまま転ばされました)



海未「くぅっ!」

花陽「うーん。まだ連結が甘いかな?引っ張っただけでちぎれちゃいそうだよ」



海未(瓦礫の蛇は彼女を守るように前に立ち、とぐろを巻いています)

海未(……どうやら、あれを倒さなければ彼女に触れることも叶わないようです)






海未:体力9→7

真姫「大丈夫!?海未!?」

海未「ええ、転んだだけです」

真姫「ならよかった。…安心して反撃できるわ」

花陽「……先生も海未ちゃんの仲間なの?」







>>77
・真姫の行動(短機関銃、劇薬、鎮痛剤、防御)選択
・コンマ1の位行動値判定
・コンマ十の位花陽の行動判定



※真姫7=花陽7の行動値テーブル

9,8,7→真姫行動失敗、行動値増加ごとに被ダメージ1増加

6,5,4,3→両者行動成功

2,1,0→花陽行動失敗、行動値減少ごとに与ダメージ1増加

劇薬

真姫「あなたは岩石の魔法を操るようね」

花陽「半分正解かな。大地と魔物を司る土属性。先生は聡明だね」

真姫「お褒め預りありがとう。でも操るのが物質なら対処法はあるわ!」



海未(真姫は薬品が入った瓶をそのまま彼女へ投げつけました)

海未(それを感知した瓦礫の蛇は瓶を尻尾ではたき落とします)



真姫「……ふふふ。やっぱり焼けたわね」

花陽「あ、危ないなぁ。というか、すごく熱いよこの薬!?」

真姫「酸じゃ溶かすのは難しいと思ったから、熱反応を起こす調合をしてやったわ。これじゃあなたのエレメントは瓦礫に行き渡らないわよね?」



海未(……?真姫の言っていることがわからないのですが…)



花陽「…すごいなぁ。魔法の本質を推測だけで見抜いちゃうなんて」

花陽「けど、詰めが甘いよ!」



海未(薬品がぶちまけられた瓦礫の蛇はピクリとも動かなくなりましたが、彼女はその焼けた瓦礫を超能力のように浮かばせ真姫に飛ばします)

海未(反応が遅れた真姫は、肩に瓦礫を受けてしまいました)



真姫「うっ!あっつ!」

花陽「まだアツアツだよね。…そっか、熱すれば威力も上がるか…」






真姫:体力8→7
花陽:体力9→9


※花陽は行動判定1,0で“ゴーレム錬成”を行います。
・ゴーレム(1/7/7)が戦闘に参加し、花陽に対する攻撃をかばいます。
・ゴーレムが行動するのは、花陽の行動判定で1,0が出た時で、行動タイプなしの地属性攻撃を行います。



海未「真姫、さっきの薬品の理屈がわからないのですが」

真姫「推測だけど、魔法は自然の摂理を過剰反応させて起こすものだと思ってるわ。だから…岩石が高熱を帯びたら溶岩になって…地属性ではなくなる、って感じだと思う」

海未「……なるほど。溶岩は彼女の魔法の範疇ではないと。冷め始めた岩しか操れなかったと」

真姫「それで理由になるでしょ。さあ、行くわよ!」



海未(…ひょっとして、真姫はものすごい天才なのではないでしょうか?私には思いもよらない事象でしたので)

海未(…まあ、種が割れたとくらいに思って、戦いに集中しましょう)






>>80
・海未の行動(剣、弓、防御)選択
・コンマ1の位行動値判定
・コンマ十の位花陽の行動判定



>>82
・真姫の行動(短機関銃、劇薬、鎮痛剤[海未・真姫選択]、防御)選択
・コンマ1の位行動値判定
・コンマ十の位花陽の行動判定

劇薬

海未「真姫、援護は頼みましたよ!」

真姫「任せて!」



海未(相手だって攻略法をこうもあっさり見つけ られて焦っているはず。なら、畳み掛けるが吉!)



海未「えぇいやぁ!」

花陽「か、壁を走ってる!?何てスピードなのぉ!?」

海未「取りましたぁ!」

花陽「いっ…!」



海未(地属性というならば、地面に足をつけていなければ効果は薄いと考えました)

海未(壁づたいで上から叩けば、反撃も難しいですし。予想通り彼女は腕に瓦礫をまとわせ剣を防ぎます)

海未(……ですが、私とて修行を積んでいます。岩石は切れないものではないのです)



花陽「いったぁ……コンクリートを切り裂くなんてどんな技なの…」






花陽:体力9→6(判定ダメージ1+技量ダメージ2)



※回復が選択された時体力満タン状態だった場合、または行動判定で失敗となる数字が出た場合、行動失敗となります。

海未「真姫、続いてください!」

真姫「うん、行くわ!」ヒュン



海未(真姫は先程と同じ熱反応を起こす薬品を彼女に投げつけました。私が彼女の視界を遮っているので気付かれていないようです)




ガシャン



花陽「あ、あつっ!?熱いっ!」

真姫「傷口に染みるでしょ?」

花陽「え、えげつないよー!このドSドクター!早く傷を塞がないと!」



海未(慌てているのか、冷静なのかわからない様子でのたうち回る姿は少し滑稽ですね)

海未(しかし、驚異的なことを目の当たりにしました)



花陽「ふ、ふうぅ。何とかなったかなぁ」

真姫「え……傷がなくなってる」

海未「砂利で塞いだとでもいうのですか…?」



海未(大地を司るというなら、土を身体に変えるのも納得できそうですが…。これでは泥人形と変わらないですよ)





花陽:体力6→6(判定ダメージ1+技量ダメージ1-回復2)

花陽「海未ちゃんもすごく強いけど…ドクターさんも頭が良くて手強いね…」

花陽「私もパワー全開でいくよ!」

海未「……!」



海未(まるで地震の初期微動のように、地面が小刻みに揺れ始めました。……彼女から感じる混沌とした力もさらに強くなっています)

海未(本気、ということですか。…冷静に行動すべきですね)



海未「真姫、私の後ろについてください。……危険だと判断したらすぐに逃げてください」

真姫「…わかった。海未、あなたも逃げるのよ」

海未「ええ。死ぬつもりはありません」



花陽「いくよ!」






※次のターン、花陽は大技を繰り出します。
・ダメージ5、攻撃タイプと属性は無し
・行動値テーブルが変動します


→対海未(8>7)
9,8,7→海未行動失敗、被ダメージ5
6,5,4→両者行動成功、与・被ダメージ5
3,2,1,0→花陽行動失敗、与ダメージ5

→対真姫(7=7)
9,8,7,6→真姫行動失敗、被ダメージ5
5,4→両者行動成功、与・被ダメージ5
3,2,1,0→花陽行動失敗、与ダメージ5

真姫「…ここで打って出るべきか」

海未「身を守るべきか…」





>>87
・海未の行動(剣、弓、防御)選択
・コンマ1の位行動値判定




>>89
・真姫の行動(短機関銃、劇薬、鎮痛剤、防御)選択
・コンマ1の位行動値判定

防御

機関銃

海未(……相手が行動を起こすまで様子を見た方がよさそうですね)

海未(振動が強すぎて歩くのもままならないですし)



真姫「…こんなに隙があるなら逆にチャンスじゃない?妨害して止められたなら一番いいでしょ?」

海未「!!真姫、いけないっ!」



花陽「!!」



海未(彼女へ放たれた弾丸は…まるで津波のようにめくれ上がったアスファルトに飲み込まれ消えました。そして、波は入り江に吸い込まれるがごとく尖った槍の形を取ります)

海未(あまりに常識外れな光景に立ちすくむ私の上を波は通り越して、後ろの真姫へと向かいます)



真姫「あっ、ぐぅっ……」

海未「ま、真姫っ!しっかりしてくださいっ!」

花陽「…難しいなぁ、やっぱり魔法で戦うのって。ただ力を解放するだけじゃ武器にならないもん」

花陽「けど…あなた達を倒すくらいはできそうだね」



海未(真姫は急所こそ避けたようですが、変形したアスファルトが太ももを貫通してます。非常にまずい状態です…)

海未(…いいえ。冷静になりなさい園田海未。狼狽える前に真姫の安全を確保する最善策を打たなければ)

海未(彼女を倒す。できる限り素早く)





真姫:体力7→3(判定ダメージ5-特性による回復1)

海未「真姫、立てますか?」

真姫「ええ…何とか」

海未「……一回でいいです。銃で威嚇射撃してください。その間に接近して剣で一撃入れます」

真姫「そ、それは…。…海未にも当たるかもしれないわ…!私…射撃はあまり上手じゃないし…」

海未「時間がありません。あなたの傷が悪くなる前に彼女を倒さなければならないのです。…多少の損害は覚悟しています」

真姫「……わかったわ」



花陽「…どう来るの……?」






※連携技について


・味方の行動値が同じ数字、もしくは足して10になる場合、連携技が発動します

・連携技が発動すると敵は行動失敗となり、ダメージは(連携した味方の技量の和-敵の技量)となります






>>92
・海未の行動(剣、弓、防御)選択
・コンマ1の位行動値判定
・コンマ十の位花陽の行動判定


>>94
・真姫の行動(短機関銃、劇薬、鎮痛剤[海未/真姫]、防御)選択
・コンマ1の位行動値判定
・コンマ十の位花陽の行動判定

鎮痛剤 真姫

海未「行きますっ!はぁっ!」

真姫「ま、待って!まだ準備がっ!」



花陽「焦っちゃったのかな?海未ちゃん」

花陽「残念だけど、手負いの敵を生かしておくほどぬるくないんだよね、私」



花陽「…ごめんね、先生?」

海未「…!?」



海未(正面から向かう私には目もくれず、彼女は真姫のいる方向に手の平を向けます)

海未(…彼女の、混沌とした力が手の平に集中するのが目に見えてわかりました)



花陽「魔法の基礎となる魔属性、パワーだけ出すならこれが一番なんだよね…」

花陽「だから、もう助からないよ」



海未「真姫っ、避けてっ!!!」



海未(集められた力は赤黒い光条となって私の横をかすめました。空気が裂けるような音が耳を塞ぎ、眩しくもないのに目を塞がずにはいられないです)

海未(…その後の状況を確認するまでには少し時間がかかりました)



花陽「……またやっちゃった…。…ことりちゃん、また泣いちゃうよ…」

海未「………………!ま……真姫………?」



海未(……最悪の結末でした)

海未(…赤黒い閃光を受けたであろう真姫の肩は、まるで燃え尽きた炭のように白化し、風に吹かれただけでパラパラと粉々になって宙を舞います)

海未(目を見開いて自分の肩を見ていた真姫でしたが…傷口に触れて筋繊維が灰塵と化した時、断末魔と共に倒れ込みました)



真姫「いやあああぁぁァァアアアアっっ!!」

花陽「………………」

海未「………っっぇああああ!!」ザッ

花陽「あうっ……!」



海未(もはや衝動のように降り下ろした剣は、敵の胸部に肉薄し私の顔に血の斑点を描き出しました)

海未(…穂乃果と戦った時と同じです。敵を殺めることになんの抵抗もなくなってしまいました)







真姫:体力3→0

花陽:体力6→3(判定ダメージ1+技量ダメージ2)

海未「……所詮あなた達は奴らと変わらないっ…!力で異端を排除する独善なんですっ…!」

花陽「…世の中には変えられないし、変えちゃいけないルールだってあるんだよ」

海未「そんなもの、私が思い描く理想には必要ないんですっ……!」





>>97
・海未の行動(剣、弓、防御)選択
・コンマ1の位行動値判定
・コンマ十の位花陽の行動判定

花陽「…ことりちゃんも言ってたけど、怒るとほんとうに怖いね。まるで魔物だよ」

海未「魔物で結構ですっ!人を苦しめる輩を喰らい尽くせるならっ!」

花陽「…でも。魔物を狩るのもまた人間だよ」



海未(先程と同じ、赤黒い閃光が敵から放たれたます。……ですが、不思議と危険だとは感じられません)



海未「こんなものぉぉお!!」

花陽「き、効いて…ない…?もしかして海未ちゃんも魔の属性を備えてた…?それとも気合い…?」





海未:体力7→7(判定ダメージ1-属性耐性1)

海未(あと、一撃。あと一撃決まれば…!)




>>100
・海未の行動(剣、弓、防御)選択
・コンマ1の位行動値判定
・コンマ十の位花陽の行動判定

花陽「今の海未ちゃんはどんな隙にでも食らいついてきそうだね…。怖いなぁ」



海未(瓦礫が浮かび上がり、敵の装甲として貼り付きます)

海未(…チャンスです!)



海未「たあぁぁあっ!」

花陽「海未ちゃんの技ならコンクリートだって切り裂いちゃうだろうけど、枚数を重ねれば!」

海未「ふんっ!」バキッ

花陽「あがぁっ!」



海未(走った勢いを殺さず、そのまま敵の膝にローキックを入れます。予想外の外道な技に敵は対応できてません)

海未(…こうしてやると、剣を降り下ろせば頭を叩き切れる状況になります)

海未(………………私は迷わず全力で剣を振り抜きました)



ガッ



海未「……何を思いとどまってるのですか、私は…」

花陽「う…あ……」



海未(…全力で、敵の肩を切り落としました。この後に及んで、命を取るのをためらいました)

海未(……なぜ、なんですか。私…)






花陽:体力3→0(判定ダメージ4×特性による倍率2+技量ダメージ2)

海未「…真姫っ!しっかりしてくださいっ!」

真姫「………………」



海未(完全に意識がありません。…肩は…腕が取れてしまってもおかしくないくらいに損壊しています)

海未(……呼吸も脈も、もう数分ともたないでしょう。…私に、真姫を助けられる手段は……ありません)



海未「…ごめんなさい、真姫。約束、守れませんでした……っ」

海未(……今の状況では遺体を葬ることもできないので…私には、優しく抱きしめてあげることしかできません)

海未(…その後、そっと真姫をリアカーに寝かせて黙祷しました。…無力な私を許してください……)


海未「……でも、…あなたは生きています」

花陽「は…あ…、なん…で……ずらした…の?」

海未「…わかりません。私の潜在意識がなぜかそうさせたとしか…」



海未(…ですが、私は許せないはずです。街をこんな状況にし、仲間を殺めた人間を許せるはずがない)

海未(……いまなら改めて彼女にとどめを刺すこともできます。…ですが、思いとどまった理由もも知りたいです)

海未(…どうするべきなのでしょう…?)




>>104
・海未の行動を選択↓

1,問答無用…!処断しますっ…!
2,捕虜として、利用価値があります
3,見せしめに、反体制派へ突き出します

2

海未「…捕虜として、利用価値があります。ご同行願いましょうか」

海未「……下手に逆らわないように、……これで拘束しますね」



海未(重機で使われていたと思われる太いワイヤーを切り出し、彼女の首へ巻き付けます)

海未(……力を入れて引けば、頸椎がへし折れるように)



花陽「…さすがに、…脳髄がやられ、たら再生…できないし、なぁ……。…大人し、く従うよ…」

海未「完全な不死身という訳ではないのですね。…穂乃果がそうであったように」

花陽「そう、だね。こうや、って捕まえられ、ちゃうと…抵抗できない、し」

海未「ふむふむ…」



海未(こうしている間にも彼女の傷はどんどんふさがり、流れた血があるべき場所へ戻っていきます)

海未(……大地が生命の源、というのはその通りなのかもしれませんね)



花陽「これから…どうする、の?」

海未「……真姫を病院に送り届けます。…病院は彼女の安否を知らなければならないでしょうし」

花陽「……ふふ。すごく冷静、だね、海未ちゃん」

海未「これでも腹の虫は収まる気配がないのですが。…あまり気に障ることを言うなら首から下を発狂するまで痛めつけてもいいのですよ?」

花陽「こ、怖いなぁ…」

__病院



「…そうですか。…西木野先生は……」

海未「…ええ。私のせいです。私を付け狙う者との戦いに巻き込まれて……」

「……延命もできますが、意識を取り戻すかは不明ですし…魔法で受けた傷は治し様がありません」

海未「わかりました…。…すみません」



海未(病院について、院長らしき人に真姫を引き渡しました。…守りきれなかった罪の意識から視線を合わせられません)


「……しかしあなたは、こうしてPrintempsの現体制のトップを打ち負かせた。…これで混乱が収まり治療の必要な人間が減るのなら、西木野先生も本望でしょう」

海未「…慰めはやめてください……。私の非力さが犠牲を増やしてしまったのは事実なんです…」



海未(…私のやりたいことはPrintempsから街を解放するというのではなく…人の力になりたいだけなのですから…)



花陽「高慢だね。海未ちゃんは何もわかってないよ」

海未「………………」

花陽「力を振るえば誰かが傷つく。当たり前のことだよ。誰も傷つけず海未ちゃんが力を振るう方法なんてないのに」

海未「………………。何が言いたいのです?」

花陽「…海未ちゃんや穂乃果ちゃんが前に目指していた誰も傷つかない世界なんて、ありえないよ。…バカな穂乃果ちゃんでさえ理解したのになぁ」

海未「…!!」



海未(無意識の内に彼女の胸ぐらを掴んでました。しかし、驚く様子もなく不敵に笑っています)

海未(……穂乃果を唆したのは、この人間なのですかっ…)



花陽「…さすがに病院ではやめようね?患者さんも驚いてるよ」

海未「………………」

海未(…彼女の言うとおりなのは腹立たしいですが、ここは収めましょう。…まだ聞く機会はあります)

海未(彼女から手を離すと当時に、エントランスの扉が開きました)

海未(…また、患者が増えたのでしょうか…)



「すみませーん!ここの責任者は在籍してますかー!?」

海未(入ってきたのは、警察部隊の装備をした女性です。…先程の巫女と盗賊の制圧をしていた方と思われます)

海未(……ふと、その警官と目線が合いました)



「……あなた。…園田海未ね?」

海未「?」

「そして、そのリードで繋がれているのは小泉花陽。…すごい組み合わせね」

花陽「……あ。これまたマズイ人がきちゃったよ」

海未「え?」

花陽「この警官さん…絢瀬絵里ちゃんは元は凄腕のバウンティハンターで、反体制派の指揮を取ってる人だよ」



海未(…つまり。絶賛指名手配犯の花陽は彼女にとってはかっこうの獲物という訳ですか…)



絵里「調べられてるのね。まあいいわ。二人とも大人しくして」

海未「わ、私は」

絵里「言い訳は署で聞くわ。懸賞金もかかってる凶悪犯と同行してるっていう時点で、あなたも聴取の対象よ」

海未「……!」



海未(職権濫用…。いえ、もう法など機能してないのと同じですから、なんでもありなのでしょう)

海未(……ここで拘束されれば、花陽を手放すことになります。それが悪いのかはわかりませんが)

海未(…どうしましょうか)




>>108 選択↓

1,逃げますよ、花陽!
2,…聴取に協力させていただきます
3,そちらが力で抑えつけるなら、こちらも力で!
4,私は彼女と関係ないので。失礼します

1

海未「逃げますよ、花陽!」

花陽「うぇえ!?」



海未(彼女の手を引いて、一気に警官を突っ切ります。幸い、一人だったので簡単に突破できまして)



絵里「ちょっ!待ちなさいっ!」

海未「法も何もないなら、あなたの指示に拘束力はありません!」

絵里「力ならあるわよ!」



海未(警官は携えていた…散弾銃を私達の背中に撃ち込んできました)



花陽「あ、危ない!」ガッ

海未「…アスファルトがめくれ上がった…あなたの魔法ですか」

花陽「痛いのは勘弁だからね…」

海未「…何のつもりですか、私を守るなど」

花陽「特に理由はないよ。海未ちゃんは敵じゃないから守っただけ」

海未「…意味がわかりませんが、まあいいでしょう。今のところは敵対するつもりはないと、そう理解しておきます」

花陽「それでいいよ」








絵里「……逃げられちゃったわね。…手の空いた制圧班、指名手配犯の追跡を」

絵里「魔法…あれが…。…とんでもないものを敵にしちゃったのかも」

絵里「ね、希?」



「ははは…絵里ちも皮肉を言うようになったんやなぁ…」

絵里「あなたのせいだからね」

絵里「…ま、情状酌量してあげるから、取り引きしましょう?」

絵里「魔法…あれに対抗できるのは、やはり魔法よね。…我々にその技術を提供しなさい」

「あー…ちなみにうちに拒否権は」

絵里「ありません。拒否した場合は反逆罪で最悪極刑ね」

「あちゃー…」



海未「まだつけられてるようですね」

花陽「…うん。警察が…4人追ってきてる」

海未「わかるのですか?」

花陽「見える範囲くらいなら足音で判別できるから」

海未「……あなたは魔法を上手く使いこなしていますね」



海未(…彼女が敵なのが恐ろしいくらいに)

海未(しかし、いくら魔法で探知できても、状況は打開できません)

海未(何か別の手を打たなければ)



花陽「海未ちゃん、これからどうするの?ガウラの方でもお尋ねものになったみたいだし」

海未「………………」



花陽「…決めてないんだね。まあ、状況は最悪だしね」

花陽「私が行方をくらましても、Printempsの政権に群がる権力者はことりちゃんをまつり上げて圧政を続けるだろうしね。それで…ことりちゃんにはそれをまとめるリーダーシップはないし」

花陽「穂乃果ちゃんが目を覚まさない限り、何も変わらないんだよね」

海未「……あなたの目的は、穂乃果の蘇生ですか?」

花陽「そう。だから、ある人を探してるの」



海未(花陽がポケットから一枚の紙を取りだしました。…どうやら、指名手配書らしいです)

海未(そして…私はこの人物に心当たりがあります)



海未「星空…凛」

花陽「穂乃果ちゃんを目覚めさせるには、凛ちゃんの魔力が必要なの。…光の魔力がね」

花陽「同じ属性の魔力をイグニッションにして、魔法活動を再起動させるって仕組みなんだけど…私の知る限り光の魔力をもつのは凛ちゃんしかいない」

海未「………………」



海未(ここで、花陽に凛と出会ったことを話すべきでしょうか)

海未(凛と出会えば、…穂乃果は目を覚ますことになります。…それがいいのか悪いのかは判断できません)

海未(ただ私が利用されただけ、という結果にもなりえますし、穂乃果が改心する機会を得られるとも考えられます)

海未(………………)






>>111

1,凛と、この街で出会いましたよ
2,そうですか。情報ありがとうございます
3,…つまり、炎の魔力を持つ人間ならば真姫を蘇生できると


3

海未「つまり、炎の魔力を持つ人間ならば真姫を蘇生できると」

花陽「…理論上は。もちろんその人が魔法を十分に扱えないといけないけど」

花陽「まあ、真姫先生の方は問題ないかな。魔力はしっかりあったし、たとえ絶命しても魔力が肉体を循環すれば蘇生するはずだよ」

花陽「……そして、炎の魔力を持ってる人を私は知ってるんだ」

海未「……誰なんですか」



花陽「穂乃果ちゃん、だよ」

海未「!!」



花陽「偶然にも利害が一致したね。真姫先生を蘇生するには穂乃果ちゃんの力が必要で、穂乃果ちゃんを目覚めさせるには凛ちゃんの力が必要」

花陽「海未ちゃんが真姫先生を蘇生させたいなら…私と力を合わせて凛ちゃんを探すのが一番なんじゃないかな?」

海未「……そうですね。真姫はこのどうしようもない世界に必要な存在です」

海未「あなた達をどうこうするのは、真姫を蘇生させてからでもいいですし」

海未「……協力しましょう。…星空凛の行方は知っています」

花陽「!!?」



海未(彼女はこれまでの余裕な表情から一転して、渇望するような目で私に迫ります)



花陽「ど、どこにいるの!?教えて!」

海未「恐らく、ここの警察に捕まったか、警察を撒いたと思います。あなたに会う前に盗みをしてたのを見ましたから」

花陽「そうなの!?じゃあ、…警察の追っ手を捕まえて情報を吐かせなきゃ!」

海未「やり口が汚いですね。まあ、私も同じことを考えましたが」



海未(……奇妙な共同戦線ですが、真姫に、穂乃果に酬いれるなら苦ではありません)

海未(花陽と共に戦います)












絵里「……うーん。気配を探知されてるみたいね。困ったわ」

「しょ、署長!大変ですっ!」

絵里「なに?トラブル?」

「確保した盗賊のリーダーが、脱走しました!」

絵里「は?」

「しかも、魔法を売りさばいていた巫女を連れて!」

絵里「…ウソ。……さすがに伝説の盗賊は違うわね」

絵里「……私も現場に出るわ。さて、久々に腕がなるわね」

花陽「さすがに四人を相手にするのはまずいよね。何か分断する方法はないかな?」

海未「警察は二人一組で行動すると聞いたことがあります。二人だけをおびき寄せて叩くのは可能かと」

花陽「そうなんだ。あとは合流されないようにすればいいんだね」

花陽「なら、簡単だよ」



海未(何か作戦を思い付いたのでしょうか。歩きながら地面を眺めています)



花陽「アリ地獄、で分断しようかな」

海未「アリ地獄?…砂場はないですよ?」

花陽「砂はないね。でも地下に引きずり込むだけなら路面を陥没させればいいよね」

花陽「丁度ここの下が下水道の合流地点みたいだし、ぴったりだと思わない?」

海未「なるほど…いい作戦ですね」



海未(Printempsのブレーンは彼女なのかもしれませんね。穂乃果は…小細工などできないですし、ことりも大ぞれたことはしない性格ですし)



花陽「海未ちゃん、悪いんだけどここで待機してて。私は下で準備するから」

海未「わかりました。…では」



海未(彼女の首につないでいたワイヤーを剣で切断しました。…恐らく花陽も私の力を利用したいと思っているでしょうし、逃げることはしないでしょう)



花陽「頃合いかなと思ったら地面を二回鳴らして。それで崩落させるから」

海未「お願いします」

海未(花陽は裏路地の方へ入って穴を掘ったみたいです。姿はこれで捉えられません)

海未(私は近くにあったベンチに腰をかけて警察が来るのを待ちます。花陽の探知が正確なら、すぐに見つかるでしょう)



「いた。ターゲットよ」

「のんきにベンチでくつろいじゃって…」

「……あれ?小泉花陽は?一緒じゃないの?」

「さあ?逃げられたんじゃない?」

「まあ、いいわよ。署長からは発砲許可は出てるし。力ずくで確保して聞き出せば」



海未(……建物の屋上で隠れているつもりですか。こんなゴーストタウンみたいな場所では音は驚くほどよく聞こえるのですよ?)



「そうね。あ、でも殺しちゃダメよ。急所は外して」

「はいはい。狙撃手も楽じゃないわね」



海未(狙撃……。スコープの反射光が目立ってますよ?)

海未(……この距離なら弓でも狙えます。先手を取るのも悪手ではないかと)

海未(どうしましょうか)



>>116 選択↓

1,立ち往生したトラックを盾にしてやり過ごしましょう
2,撃たれる前に牽制して、引きずりだします
3,当てて敵の戦力を削ぎます

1

海未(下手に騒ぎにすると作戦が失敗しますね。遮蔽物を探してやり過ごしましょう)

海未(あのトラック…あれなら身を隠せそうです)



「ターゲット、移動してる。…ち、見えなくなった」

「気づかれた?…なら正面からね。二対一なら余裕でしょ」



海未(うまくいきましたね。建物を降りてこちらに向かってきます)

海未(私もベンチに戻って花陽に合図を出せるようにしましょう)



「動かないで。指名手配犯の逃亡に協力したのは立派な違法行為よ。拘束させてもらう」

海未「………………」ニコッ

「…なによその余裕こいた顔は」

海未「…失礼。あまりにも稚拙な作戦でしたので」コンコン

「な、なんですってぇ!?」



花陽「作戦っていうのは敵にバレちゃいけないんだよね」



海未(花陽の嘲笑するような声と共にアスファルトに亀裂が走り、警察の二人の足元だけ崩落しました。最小限の音しか鳴らず、遠くなら荷物を地面に降ろしたくらいにしか聞こえないでしょう)



「きゃぁあっ!」

「か、陥没ぅ!?」

花陽「ようこそ、アリ地獄へ」



海未(私も下へ降りましょう)

海未「とうっ」

花陽「ナイス判断だよ、海未ちゃん。完璧だね」



海未(悪臭たちこめる地下には暗がりから紫の眼を覗かせる花陽と、汚水にまみれた警察二人)

海未(作戦はうまくいったみたいですね)



花陽「さて、仕上げだよ」

海未「はい。無力化します」

「うえぇぇ…。気持ち悪い……」

「ちょっ…小泉花陽もいるわ……!やつら…手を組んだの…?」


海未「行きます!」

花陽「援護はまかせて」






>>120

・海未(9/9/8)の行動(剣、弓、防御)と行動対象(狙撃手、突撃手)選択

・コンマ一の位行動値判定

・コンマ十の位相手の行動判定






>>122

・花陽(9/7/7)の行動(地魔法、魔魔法、回復魔法、召喚魔法、防御)、行動対象(狙撃手、突撃手)選択

・コンマ一の位行動値判定

・コンマ十の位相手の行動判定






※花陽のステータス

・(体力/技量/敏捷)=(9/7/7)

・特性:反撃(防御成功したとき、相手に2ダメージ)

・属性:土(地と魔)

・コマンド↓
防御
地属性魔法
魔属性魔法
回復魔法(体力 2)
召喚魔法(ゴーレム召喚。行動タイプなし地属性攻撃。一度だけ身代わりになり、その際消滅。複数体召喚は不可)






※狙撃手(5/6/7)(雷属性)のコマンド↓

9,8,7→直接攻撃(ナイフ)
6,5,4,3→間接攻撃(狙撃銃)
2,1,0→防御





※突撃手(7/5/6)(森属性)のコマンド↓

9,8,7,6,5,4→間接攻撃(散弾銃)
3,2,1,0→防御



狙撃

魔属性魔法


※海未8>狙撃手7の行動値テーブル

9,8→海未行動失敗、行動増加毎に被ダメージ増

7,6,5,4→両者行動成功

3,2,1,0→狙撃手行動失敗、行動値減少毎に与ダメージ増




花陽「さて、この魔法はどうかな」



海未(花陽はまぶたを閉じて両手に赤黒い光を溜めます。魔属性の魔法…でしょうか)



狙撃手「全部あんたらの手のひらの上ってこと?なめたマネしちゃって!」

海未「!」



海未(速い!姿勢を屈めたまま…狙撃手は花陽に向かって飛び掛かりました)

海未(割って入るしかなさそうですね!)



海未「ふんっ…」

狙撃手「んっ…浅いね…」



海未(精神統一をしている花陽をかばうように相手の突進を身体で受け止めます)

海未(ナイフを素手で止めてしまったので傷はありますが…まあ、問題ないです)



海未「はっ…!」

狙撃手「おっと、危ない」

海未「ちゃんと受け身を取れるとは、なかなか訓練されてますね」

狙撃手「そちらこそ。いい背負い投げじゃない」





海未:体力9→8

※花陽7>突撃手6の行動値テーブル

9,8→花陽行動失敗、行動値増加毎に被ダメージ増

7,6,5,4→両者行動成功

3,2,1,0→突撃手行動失敗、行動減少毎に与ダメージ増






突撃手「な、なにあれ…?あれが…魔法?」

突撃手「何かされる前にやらないと!」



海未(もう一人の…軽装の警官は散弾銃で花陽を撃ちます。暗い地下下水道に光が放たれます)



花陽「……怖いね、弾丸って」

突撃手「え…?」

花陽「あんまり持ってたくないから返すよ!」



海未(前にかざした両手はまるでそこだけ時間を止めたようでした。散弾はすべて赤黒い光に捕らえられ、次の瞬間には方向を360度変えて警官を襲います)



突撃手「うあっ!!」

花陽「うーん、集中すると無防備になっちゃうなぁ…」

海未「の割には余裕みたいですね」

花陽「放ちたい魔法が妨害されるのはイヤだけどね」






突撃手:体力7→4(判定ダメージ1 技量ダメージ2)



海未「敵もなかなかのやり手と見ました。油断なきよう」

花陽「だね。連係も考えていかないと」







>>126

・海未の行動、行動対象選択
・コンマ一の位行動値判定
・コンマ十の位相手の行動判定




>>128

・花陽の行動、行動対象選択
・コンマ一の位行動値判定
・コンマ十の位相手の行動判定


狙撃

魔属性

海未(地下の光源は先程開けた穴から射す光だけです)

海未(暗がりにいれば、光の真下にいる相手はこちらを捉えられないはず)

海未(足音を立てず回り込んで、弓矢で攻撃しましょう)



海未「っ!」ヒュ

狙撃手「あぐっ!!いつの間にそこに!」

狙撃手「このっ…!」パンッ

海未「ぐっ…なんのこれしき!」



海未(なかなかにいい反応をしますね…弾丸が頬を掠めました)

海未(ですが、相手は首もとに矢を受けています。致命傷でしょう)






海未:体力8→7

狙撃手:体力5→1(判定ダメージ1+技量ダメージ3)

花陽「邪魔されない方法、かぁ」

花陽「…じゃあこれならどうかな?」



海未(汚水の底にたまっていたヘドロが、花陽の前に壁を作りました。障壁とは考えましたね)



突撃手「こ、こんな泥の壁なんて!」バンバンッ

花陽「流体ってすごい強度にすることもできるんだよ?散弾じゃ抜けないよね」

花陽「まあ、物理に寄らない魔法には影響ないんだけど」



海未(乱射された散弾は泥の壁を抜けることはなく、取り込まれました)

海未(そして、その泥を切り裂くように赤黒い光条が辺りを薙ぎ払います)



突撃手「あっ…うそ……」

狙撃手「!!あんた、それ…」

突撃手「脚が……炭みたいに……」

花陽「うーん、やっぱり目でみないと狙いをつけづらいなぁ。気配だけじゃ難しいよ」





突撃手:体力4→1(判定ダメージ1+技量ダメージ2)

海未「……降参するなら今の内ですよ?知っている情報を洗いざらい吐くなら治療もしてあげます」

花陽「そうだね。逆らうなら…魔法の実験台になってもらおうかな。身も心も私の思いのままになる魔法のね」

狙撃手「うっ…」

突撃手「…どう、しよう…?」





>>132 行動値判定

9,8,7,6→誰が、あんた達の思い通りに…!

5,4,3,2→命は…助けてくれるのよね…?

1,0→悪人の取り引きに応じるくらいなら…!

狙撃手「だ、誰があんた達の思い通りに…!」

突撃手「ちょっ、あんた、何言ってんのよ…!」

花陽「……だってさ、海未ちゃん」

海未「…はい。ではこうしましょう。花陽、泥で身動きを封じておいてください」

花陽「うん、わかった」



海未(満足に動けない彼女から通信機と思われる端末を剥ぎ取り、発信します)

海未(……初めから応援をこれで呼べばいいものを。功に焦ったのでしょうか)



海未「あー、応答願います。どなたか応答願います」

『こちらB班。どうしたA班』

海未「A班ですが、敵襲に遭い捕虜となりました。こちらの要求を飲まない限り、命は保証しません」

『お前…何者だ…?』

海未「あなたには関係ありません。…指揮官と通信を繋げなさい」



花陽「うわぁ…すっごい悪役やってる」

花陽「……意外とハマり役かも」

狙撃手「や、やめてよ…署長に迷惑かけないで…!」

突撃手「あ、あんたが私達だけでできるって言って応援呼ばなかったからっ…!」

海未「自分の置かれている状況を理解してますか?あなた達に逃げる手段はないですし、私達の判断でどうにでもできるのですよ?」

花陽「だから、言うこと聞こうね?あなた達のためにも」

『こちらCP。…犯人さん、ご機嫌よう』

海未「…やはりあなたですね、絢瀬絵里」

海未「私を付け狙っていたあなたの部下を捕縛させてもらいました。彼女らを無事に解放するには、こちらの要求を飲んでいただく必要があります」

絵里『…で?要求は?』



海未「星空凛の身柄をこちらに引き渡し、ガウラの街から出るまで干渉しない。これだけです」

絵里『………………』






絵里『…残念だけど、その要求は受け入れられないわ』

海未「ほう」

絵里『星空凛は現在巫女の東條希を連れて逃亡中。…あなたが欲する情報はこれしかないわよ?』

海未「……そうですか。ならば警察の名誉をかけて星空凛を確保し、引き渡してください」

絵里『……いいえ、あなたの要求は受け入れられないと言ったはずよ』



絵里「私が彼女達を解放するから」



花陽「わぁ…かっこいい」

海未「ふむ…あなた自身が現場に出向いてきたと」

突撃手「署長…!?」

狙撃手「な、なんでこんなところに…!?」

絵里「また抜け駆けするイケない娘がいたからね。尻拭いのつもりが大変なことになってるじゃない」



海未(陥没させた穴から飛び降りてきた…指揮官。現れ方はまさにヒーローですね)

海未(…戦闘は避けられませんね)






※絵里のステータス

・(体力/技量/敏捷)=(8/10/8)

・属性:水(闇と氷)

・特性:制圧(前ターン行動失敗している場合、行動失敗判定が両者行動成功判定になる)



・行動パターン

9,8,7,6→間接攻撃(散弾銃)

5,4,3,2→防御

1,0→???





絵里「私の部下に味なマネしてくれちゃって。加減はしないわよ」

海未「花陽、準備を」

花陽「うん。大丈夫だよ海未ちゃん」





>>136
・海未の行動選択
・コンマ一の位行動値判定
・コンマ十の位絵里の行動判定



>>138
・花陽の行動選択
・コンマ一の位行動値判定
・コンマ十の位絵里の行動判定

召喚

絵里「………………」

海未「!」



海未(無言のまま銃を構えました。その姿からはただならぬ殺気を感じます)

海未(ただ逃げるだけでは捉えられてしまいそうです)

海未(ならば反撃に転じるまで!)



海未「はっ!」ヒュン

絵里「……」バン

海未「うっ…!」



海未(相手にも矢は当たりましたが、私も散弾を受けてしまいました)

海未(先程の傷と合わせて少し辛くなってきましたね…)






海未:体力7→5(判定ダメージ1+技量ダメージ1)

絵里:体力8→7

※花陽7<絵里8の行動値テーブル

9,8,7,6→花陽行動失敗、行動値増加毎に被ダメージ1増

5,4,3,2→両者行動成功

1,0→絵里行動失敗、行動値減少毎に与ダメージ1増






花陽「こっちにも気を払わないとダメだよ?」

絵里「…?」



海未(花陽は声をかけましたが、別に魔法を唱えている様子はありません)

海未(一体なにが…?)



絵里「…何もないじゃない。ハッタリ?」

花陽「私じゃなくて、絵里ちゃんの後ろ」

絵里「え?」



ガバッ



海未(警官に振り向く隙も与えず……汚水から表れたヘドロの人形が絡み付きます)



絵里「きゃっ!!ちょっ、何よこれっ!放しなさいっ!」

花陽「うん、いい格好だね。そのまま口にヘドロを注入しちゃおうか」

絵里「な、や、やめなさ…あっ…」



海未(人形の手は彼女の口の中へ伸び、そのまま侵入していきます。…間違いなく、身体に毒があるヘドロですので効果的と言えるでしょう)



花陽「なんかゾクゾクしちゃうね。こういう猟奇的なのって」

絵里「うぇ…おぉ…ぁあっ……ぐぇ…」

花陽「…あ、そんな状態でも銃は構えられるんだ。…人形さん戻ってきて」






絵里:体力7→5(判定ダメージ2)


※次のターン、特性により絵里は花陽に対する行動で失敗しなくなります

※花陽に対する攻撃はゴーレムが身代わりになります

絵里「泥人形…?こ、これが…魔法…?」

花陽「よろこんでいただけて光栄だよ。次はどうしようかな?」

海未「油断はいけませんよ」






一つ下
・海未の行動選択
・コンマ一の位行動値判定
・コンマ十の位絵里の行動判定



>>
・花陽の行動選択
・コンマ一の位行動値判定
・コンマ十の位絵里の行動判定





※海未8=絵里8の行動値テーブル

9,8,7→海未行動失敗、行動値増加毎に被ダメージ1増

6,5,4,3→両者行動成功

2,1,0→絵里行動失敗、行動減少毎に与ダメージ1増

※花陽の行動の安価は>>143

※再安価します、すみません

・海未の行動一つ下

・花陽の行動>>146

回復 海未
無理なら魔属性魔法

海未(無理はいけませんね…。ここは相手の目の前で守りを固めて、花陽が魔法を使いやすいようにしましょう)



絵里「っ!やる気っ!?」

海未「おっと、そちらも身構えてましたか」




海未「でも、完全な防御など存在しませんよ」



海未(相手も守りに徹する気だったようですね。銃身で剣を弾く構えを取っています)

海未(まあ、突きは盾でしか防げないのですがね)



絵里「うぐっ……」

海未「隙だらけですよ」





絵里:体力5→4



※防御選択時に行動失敗した場合、判定ダメージが発生します

花陽「さて、今度はこっちの魔法でいくよ!」

絵里「!!」



海未(赤黒い光が花陽の両手で弾けます。危機を察知したのか警官は咄嗟に距離を空けます)



花陽「なーんてね。海未ちゃん、治してあげる」

海未「ひっ」



海未(魔の力をまとった花陽の手が散弾を受けた太ももに触れます)

海未(…一瞬身構えてましたが、その力はすごく心地よく痛みが引いていきました)



花陽「普通なら地属性の魔力で代謝を上げるんだけど、海未ちゃんは魔属性だからね。魔力を活性化させた方がいいと思ったんだ」

海未「…ありがとうございます。本当に傷がふさがっていますね」

絵里「そ、そんなことまでできるの…?…A-RISEの連中が禁止するのもわかるかも…」






海未:体力5→7

海未「準備は万端です。行きますよ!」

花陽「うん。優勢な内に追い詰めるよ」

絵里「…でも、私は負けられない…!部下のためにも…!」








>>150

・海未の行動選択

・コンマ一の位行動値判定

・コンマ十の位相手の行動判定



>>152

・花陽の行動選択

・コンマ一の位行動値判定

・コンマ十の位相手の行動判定

海未(こちらが攻めに転じているので、行動を警戒されているのは明らかです。相手の行動を予測して先読みするのは無茶と思います)

海未(ならば、手数で押して反撃する隙を与えなければいいです)



海未「邪道ですが、これなら!」

絵里「え、何本矢をつがえてるのよ!?」



海未(でたらめにたくさん射れば、反射的に避け続けるはずです。その中で、虎視眈々と一本だけ狙いをつければ…)



絵里「このっ…!」ダンッ

海未「うぅっ!」



海未「…なんの!痛みなど…!」



海未(先に散弾銃を撃たれましたが、照準が甘かったのか私の足下に過半が着弾しました)

海未(脚に多少被弾しましたが、ふんばって構えを維持します)



海未「ふぅっ…!」ヒュヒュヒュン

絵里「くっ…でたらめな狙いで…!」

海未「そこっ!」シュッ

絵里「あぁうっ…!」



海未(狙い通り避けてくれて…狙い通り一本だけ足の甲に当たりました)

海未(しかし、私もくらっていますので…。厳しい状況ですね)





海未:体力7→5(判定ダメージ1+技量ダメージ1)

絵里:体力4→3

花陽「ほらほら、こっちも見て見て」

絵里「くぅ…!」



海未(私が矢を射る間に花陽は暗がりから赤黒い閃光を走らせています)



絵里「…!!」バンッ

花陽「?どこ撃って…?」

海未「!花陽、上です!」

花陽「え?うわぁ!!」



海未(上に残ったコンクリートを散弾で割り、花陽の上に降らせます。…並みの人間の判断力ではないですね)



花陽「う…危ないなぁ。泥人形がなかったら直撃だったよ」

絵里「うそ…完全に不意をついたのに…」

花陽「一応、ゴーレムの魔法は自律してるからね。主の危機を探知すれば、守ってくれるよ」



海未(ヘドロまみれになった花陽が瓦礫の下から出てきました。すぐにヘドロは花陽の手のひらに集まり、汚水の中へと帰りましたが)






花陽:体力9→9(ゴーレム消滅)

海未「花陽、大丈夫ですか」

花陽「海未ちゃんこそ。治療したほうがいい?」

絵里「…まだ余裕だっていうの…?」





>>156

・海未の行動選択

・コンマ一の位行動値判定

・コンマ十の位相手の行動判定



>>158

・花陽の行動選択

・コンマ一の位行動値判定

・コンマ十の位相手の行動判定

海未に回復

海未(…相手もそろそろ体力的に限界のはず)

海未(…仕留めます!)



海未「行きます!」

絵里「くっ…」



海未(やはり相手の反応は遅れています。…行ける!)



海未(しかし、撃たれた脚に痛みが走りもつれました。こんな時に…!)



絵里「このっ…!」

海未「うぅっ…!」



海未(隙だらけのところを銃床で殴られてしまいました。…みすみすチャンスを逃すなど…!)






海未:体力5→3(判定ダメージ1+技量ダメージ1)

花陽「海未ちゃん!」

絵里「邪魔しないで!」



海未(叩き伏せられた私に銃を向けた警官に、花陽は赤黒い光を放ちました。察知した警官も身を引いてかわしましたが)



花陽「無茶はダメだよ?海未ちゃんは私にとっても重要な人物なんだから」

海未「…すみません。悪いくせですね…」

花陽「もうしないでね?」



海未(魔の光を帯びた手で私の傷口をなぞると、すぐにふさがりました)

海未(しかし、隙だらけの花陽を攻撃しないほど、あの警官は甘くはないようです)



絵里「隙だらけよ!」バンッ

海未「…!」



海未(咄嗟に身体が反応しました。相手に背中を向けていた花陽を突き飛ばして伏せさせ、私は横へ転がります)

海未(間髪入れずに警官に向かって駆け出して、体当たりをかまします)



絵里「ぐぅっ…なんて反応…!」

海未「……不思議ですね。魔の力が身体をめぐっている時は、感覚が冴えているように思えます」

花陽「いたた…。海未ちゃん、ちょっと乱暴すぎだよ?」






絵里:体力3→2



※行動失敗時には、相手が回復のコマンドでもダメージを受けます

花陽「相手はかなり疲弊してるね。行けるよ」

海未「はい、大詰めです」





>>162

・海未の行動選択

・コンマ一の位行動値判定

・コンマ十の位相手の行動判定



>>164

・花陽の行動選択

・コンマ一の位行動値判定

・コンマ十の位相手の行動判定

回復 海未

絵里「なめてくれちゃって…!」

海未「…!」



海未(相手もまともに身体が動かないのでしょう。銃の先は離れていてもブレているのが見えます)

海未(しかし、散弾は反射で避けられるものではありません)

海未(ならば反撃に徹するまで!)



海未「…っ!」

絵里「よ、避けない…!?」

海未「そこですっ!」ヒュン

絵里「くぅぁっ…!」



海未(致命傷さえ避ければ、どうにでもなります。…美しい戦いではなくなりますが)






海未:体力5→3(判定ダメージ1+技量ダメージ1)

絵里:体力2→1

花陽「もう。また海未ちゃんは」

海未「私の戦い方はこんなものですよ」

花陽「回復にも限度があるから、程々にね」



海未(花陽が私の腕に触れた時です。警官はアクションを起こしました)



絵里「そう、何度もさせないわよ!」



海未「!!これは…!」

花陽「きゃっ!!」




海未(フラッシュバン…!?視界が…!)










海未(……視界と聴覚が戻ってきた時には、すでに相手は次の手を打っていました)



絵里「さっきの仕返しよ…!存分に味わいなさい!」

花陽「うあっ…やめ……」

絵里「ふふ、私も嗜虐心は理解できるのよね」

海未「っ!花陽を放しなさい!」



海未(警官は花陽を取り押さえ、下水に顔を突っ込ませています。先程ヘドロを食わされた仕返しでしょう)

海未(剣で突きを繰り出しますが、やはり避けられました。この状況でもまだ冷静ですね)



海未「花陽、無事ですか!?」

花陽「うぇぇ…ぁう…」

海未「…しばらくしゃべれそうにないですね…」






花陽:体力9→3(判定ダメージ3+技量ダメージ3)
敏捷7→6



※絵里は行動判定で1,0の場合、閃光弾を使用します。攻撃タイプはなし、行動成功時に相手の敏捷を1下げます。

海未「……あなたも満身創痍でしょう。大人しく取り引きに応じてはくれませんか?悪いようにはしません」

絵里「…………………」



海未(何か考えているようですね。彼女がここまで冷静なら、取り引きに応じてくれるかもしれません)




>>168

・コンマ一の位判定

9,8,7→「…わかったわ。協力すればいいんでしょ」

6,5,4,3→「勝ったつもりかしら?なめられたものね」

2,1,0→「…犯罪者との取り引きはできないわ」

絵里「…わかったわ。協力すればいいんでしょ?」

海未「……その言葉、信じていいのですね?」

絵里「悔しいけど……その娘たちを助けるにはそれしかないんだから」

海未「賢明な判断、ありがとうございます」






花陽「うへぇ…気持ち悪ぅ…」

海未「大丈夫ですか?花陽」

花陽「うん…。…絵里ちゃん、何でこっちの取り引きに応じたの?」

絵里「……現場の指揮官としての判断よ。…一番大切なのは、隊員の命だから」

絵里「それに、星空凛の所在を突き止めるのは急務だし。…あなた達を確保するのはその後でもいいわけだし」

花陽「……絵里ちゃんみたいな人がこの国のトップならなぁ……」

絵里「何か言った?」

花陽「ううん。何でもないよ」



花陽「とりあえず隊員さんは返してあげるね」



海未(首から下を泥で埋め立てられていた隊員たちですが、花陽が触ると泥は弾けました)



突撃手「うう、助かった…」

狙撃手「す、すみません署長…!私たちが下手打たなければ…!」

絵里「いいのよ。無事ならそれで」

絵里「それに……私達にとって今一番重要なのは、反抗作戦でしょ?この二人をどうこうするのは優先すべきことじゃない」

狙撃手「署長……」

突撃手「署長っ!しょちょ~うっ!」



海未(お調子者の隊員のひとりは、泣きながら署長に抱きつきました)

海未(…信頼、されているんですね)

海未「…では、星空凛を捜索しましょう」

絵里「まだ脱走して時間は経ってないわ。屋外は警官を張り巡らせてるから…ガウラの街で潜伏している可能性が高い」

花陽「……魔法を売っていた巫女を連れ去ったって言ってたよね?」

絵里「ええ。東條希…カンダーランド出身の巫女。それがどうかしたの?」

花陽「…どの属性の魔法を使ってたかわかれば、探知できるかもしれない」



海未(……思ったのですが、花陽や…Printempsのメンバーと、その巫女の魔法の出所は別なんでしょうか。それに…魔法を“売る”という仕組みがわかりません)



絵里「私が彼女たちを確保した時は……特に使った形跡はないわね。どんな魔法かも不明よ」

花陽「そっか…」

海未「一つ聞きたかったのですが…」

花陽「?なに、海未ちゃん」

海未「魔法はどういう仕組みで発現させているのですか?」



花陽「…これだよ。この“ラブカ”って結晶が触媒になるの」



海未(花陽のブレスレットに埋め込まれていた赤い結晶…確かに凛が手に持っていたものと同じです)



花陽「たぶん、その希ちゃんって人もカンダーランドからラブカを持ってきてるんだと思う」

海未「……なるほど。そのラブカを売りさばいて儲けていたと」

絵里「押収物にも同じものがたくさんあったわ。取り押さえた荒れくれ者も持っていたし」

海未「…では、あなたとその巫女は直接関係ないと」

花陽「うん。まさかこれを商売に使うなんて人、考えられないよ」






海未(………………。…どうやら、東條希はPrintempsとは無関係のようですね)

海未(カンダーランド…一度赴いて調べる必要があります)

絵里「何か手掛かりは他にないかしらね?」

花陽「……わからないね。手当たり次第に探すしかないかも」

海未「………………」



海未(……凛はラブカを巫女から盗みました。しかし、ラブカは警察に押収され巫女共々取り押さえました)

海未(その時にもし、ラブカはカンダーランドから持ってきたと聞き出したとしたら…)



海未「…花陽、確か凛は指名手配されるほどの盗賊のリーダーでしたよね?」

花陽「うん」

海未「警察の包囲を突発するくらい訳ないくらいの」

絵里「過去に一回やられているわ」





海未「……彼女の目的がラブカだとすれば、もうすでにカンダーランドへ向かっています」

絵里「?どういうこと?」

海未「凛と東條希が揉めていたのは、ラブカをめぐってのことです。…本来略奪を望まない凛は、警察や東條希から奪い取ることを避けて原産地に向かうはずです」

絵里「ああ…確かに。希は口軽いからベラベラしゃべってそう」

花陽「なら、行き先は決まりだね。凛ちゃんも争いを本当は好まないから、その予測は正しいと思うよ」



絵里「街での捜索は各隊員に任せて…私たちはカンダーランドに向かいましょう」

海未「はい、急ぎます!」


花陽「移動手段はどうする?Printempsの勢力下の街を避けて行くと、徒歩なら数日かかるよ?」

絵里「列車は走ってるけど…私たちが乗車するのは、いらない争いを起こす原因になるわ」

海未「警察の車両は使えないですか?」

絵里「…目立つのはNGよ。一応反体制派トップの私が現体制のトップと共に行動してる訳だし、隠密にいかないと」

花陽「……まあ、凛ちゃんたちま同じ状況だし…列車で先回りするか、徒歩で後を追うかの二択だよね」



海未(…果たして、どちらの方法が良いのでしょうか?)





>>173 選択

1,徒歩でPrintempsの勢力下を迂回しましょう

2,争いは避けられないですが、列車で向かいます

3,貨物列車に忍び込めば、穏便に済ませるのでは?

1


海未「遠回りですが、徒歩でPrintempsの勢力下を迂回しましょう」

花陽「…本当にいいの?盗賊団の移動速度は私たちより倍速いと思うよ?」

絵里「奴らがモノを探してる間には追い付くでしょ。確実さが最も重要よ」






海未(必要な物資を集めて、早々に出発しました)

海未(真姫のいた病院の院長に…まだ真姫を助ける方法が残っていると告げると、延命しておきますと言ってくれました。…感謝しなければ)

海未(警察の署長…絵里は影武者を立てて指揮官を離れるようです。その真相はあの場にいた隊員にしか知らされていないとか)

海未(花陽はそもそも居場所を体制派にすら知らせていないようで、どんな行動をとろうが問題ないとのことです)






海未「うーん。日がくれてしまいましたね。出発時間が遅かったですから、あまり進めませんでした」

花陽「夜中は危険だから、凛ちゃんたちも休むと思うけど…」

絵里「真っ暗なのよね…。方向がわからなくなるくらい……」



海未(一歩夜中の街の外に出れば、光は存在しません。ただ静かで、磁気嵐が不気味に通り抜ける平原や森は、生き物の闊歩を許しません)

海未(科学がいくら発達しても、自然は支配できないのが道理です。だから、人は作り上げた街で搾取し合う)

海未(私たちの国の、限界なのかもしれませんね)



海未「絵里、怖いのですか?」

絵里「…よ、夜中はダメなの…。作られた暗闇ならまだマシだけど……」

花陽「じゃあ、あの集落で休ませてもらおうよ。私たちの勢力争いなんて関係ない場所だから」

海未「そうですね。そうしましょう」


海未「すみません、夜分遅く。旅の者なのですが、この集落に一晩泊めていただけませんか」

「今夜は珍しい。来客がまたいらっしゃった」

「まあ、こんなチンケな集落で良ければ」

海未「ありがとうございます」



海未(集会所と思われる大きな建物に、宿が併設されていました)

海未(謝礼を払って部屋を借ります)



絵里「先客がいるの?」

「ええ。ハーバラの街で先生をやっていたという人が。カンダーランドへ帰郷するようでして」

絵里「へえ。列車を使わないんだ」

「盗賊の襲撃とかなんとかで、列車がジャックされたようで。徒歩を余儀なくされたらしいですね」

花陽「……?何か腑に落ちないね…」

絵里「?どういうことかしら?」

花陽「凛ちゃんの率いる盗賊団は、資源の最適な配分を調律するってスタンスで活動してるんだ。だから、公共性の強いものには手を出さないはずなんだけど…」

絵里「……他のゴロツキが幅を効かせているとは考えづらいし…。…統率ができなくなってる、とか?」

花陽「……わからないけど…私が把握してるより、もっと強い勢力が動いているのかも」

絵里「……今考えてもしょうがないわね。今日はもう休みましょ?」

花陽「そう、だね」



海未(一応、その先生に顔をあわせておきましょう。お互いに情報共有は大切です)

海未(それに、絵里や花陽は顔が知れていますから、それが原因でトラブルになる前に手は打っておきたいですし)



海未「こんばんは。あなたも旅人ですか?」

「ええ。そうよ」

海未「列車が襲撃されたそうで。徒歩を強いられたみたいですね」

「はた迷惑な話よ。まあ、急ぐわけじゃないからいいけど」



海未(赤いリボンが特徴的な先生は、集会所のベンチに座って外を眺めています)



「あなたは?どこへ行くつもり?」

海未「カンダーランドへ。探し物があるんです」

「へえ、疎開とかじゃなくて」

海未「そうですね。その後ハーバラに戻ってやらなければならないことがあります」

「……見たところ戦士、よね?PrintempsとA-RISEの戦いに参加するの?」

海未「……そう、なりますね。…どちらに刃を向けるかはわかりませんが」

「もしかして傭兵?」

海未「いいえ。…ただ、どちらの支配も気に入らないだけです」

「そうなんだ…」



「私はもっぱらA-RISEを支持してきたけど…この情勢じゃ教え子たちどころか自分を守ることも難しいし」

「落ち着くまで故郷へ帰ろうかなって」

海未「…子供たちは?疎開しなかったのですか?」

「……親の大半は、Printempsの勢力へ亡命して去ったわ。残された子は…反体制派の警察が保護してる」

「私はお役御免ってわけ。…子供たちは本当に信じるべきことを教えられないまま、居場所を決められてしまったわ…」

「……何のための教師なんだか。…わからなくなっちゃったのよ……」



海未(先生は、無表情のまま涙を流していました)

海未(…強い信念を持っていても、それを実現できない自分が情けないのでしょうか)

海未(……何と声をかければいいのでしょうか)






>>177

1,信念より安寧が大切な時もあります

2,あなたが信念を捨てなければ、必ず誰かに引き継がれます

3,作ればいいじゃないですか。子供たちが信念を見つけられる場所を

2

とりあえず、登場人物の現状をまとめると
A-RISE…拘束された後、ハーバラから追放 その後の消息は不明
高坂穂乃果…反体制派のリーダー、現政権のprintempsのトップ 海未とクーデター直前に対立し、現在意識不明の状態 魔翌力の属性は光、炎
園田海未…元反体制派の主要メンバー 意見の相違により穂乃果、ことりとは袂を分かつ。その後ガウラの街での戦闘で瀕死になった真姫を蘇生させるために利害関係が一致した花陽、絵理と共に凛が行ったと思われるカンダーランドへと出発した 魔翌力の属性は海(氷と魔)
南ことり…反体制派の主要メンバー 現政権printempsの実質的トップ リーダーシップが取れないため傀儡になりつつある

海未「あなたが信念を捨てなければ、必ず誰かに引き継がれます」

海未「今自分ができることを精一杯やるしかない。大丈夫、いつか必ずあなたの思いは伝わります」

「………………」



「……ははははは。なかなか…青臭いこと言うじゃない」

「けど…私が子供たちに教えたかったことをそのまま言われるとは思ってなかったわ」

海未「…先生は、私と同じ熱くて青臭い理想をお持ちですから」

「あなたに先生って呼ばれたくないわね。同じ思いを心に持った変人なんだから」



「にこ、って呼んで。矢澤にこ。教え子たちからはにこにーって呼ばれてるけど」

海未「はい、にこ。私のことは海未と呼んでください。元Printemps側の園田海未です」

にこ「元、ね。確かに海未にはPrintempsは似合わないわ」



にこ「何かありがとうね。イライラだとか落ち込んだのとか、海未と話したらすっきりした」

海未「例には及びませんよ。にこのような熱い思いを持った人が、この国には必要なんです。こんなところでくすぶってもらっては困ります」

にこ「ははっ、まだ私に働けって?」

海未「ええ。カンダーランドでも教師はできますよ」

にこ「……それもそうね。私にはそれしかできないし」

海未「応援しますよ」

にこ「ねぇ。行き先が同じなら、一緒に行かない?」

海未「……私には癖の強い連れが二人もいますけど、大丈夫ですか?」

にこ「問題ないわよ。私の教え子だって一筋縄じゃ行かない子ばかりだったし」

海未「まあ、達観しているにこ先生なら、彼女らもおてんば娘といったところなんですかね」

にこ「人を年寄りみたく言うのやめてくれる?」






海未「旅の都合、盗賊や…人間と戦う可能性もありますが、大丈夫ですか?」

にこ「元々軍の教導隊で教えてたから、戦闘は問題ないわよ。武器の整備もぬかりないわ」



海未(椅子の足元にあるケースには…恐らく小銃サイズの銃器が入っているのでしょう。小柄なにこが大きいサイズの銃器を携行するあたり、腕に相当覚えがあるんでしょうか)



海未「それなら問題無さそうですね。人数が多い方がもしもの時安全ですし」

にこ「そうね。よろしくお願いするわ」







※にこがパーティーに加わりました

__ステータス

・(体力/技量/敏捷)=(5/9/9)

・特性:精神(技や特性効果を無効化する)

・属性:陰(魔と森)



__コマンド

・間接攻撃(突撃銃)

・支援魔法(次のターン技量+1。対象選択可)

・防御



落ちた前スレはここhttp://ex14.vip2ch.com/i/responce.html?bbs=news4ssnip&dat=1421145165

>>178 さん、情報のまとめありがとうございます


__翌朝

海未「では、先を急ぎますよ」

花陽「…海未ちゃん?その人は…?」

海未「昨日この集落に泊まっていた先生の、にこです。行き先が同じようなのでご一緒してもらおうかと」

絵里「一晩で口説き落とすなんて、なかなか…」

海未「誤解を招く言い方はよしてください」



にこ「……癖の強いって言ってたけど、Printempsのメンバーと反体制派の指揮官じゃない!何がどうなったらこんな一触即発な連れを持つのよ!」

海未「利害の一致とか、取り引きの結果とかですよ。まあ、私がいる間は争いは起きないし起こさせません」

絵里「……そういうことよ。私はガウラの警察署長の絢瀬絵里。海未と協力して逃走中の星空凛を追跡しているわ」

花陽「別に私は争いたい訳じゃないんだけどなぁ。…Printempsの小泉花陽です。とある事情で凛ちゃんの行方を追ってるよ」

にこ「や、矢澤にこよ…。…カンダーランドまでだけどよろしくにこ♪」



海未「…ん?」

花陽「んん?」

絵里「ハラショー♪よろしくね可愛らしい先生♪」



花陽「……気圧されてキャラ被っちゃった?」

海未「大丈夫です。目的を達成するまでは無駄な争いはさせませんので」

にこ「あー…はい。気を遣わせないように頑張りますよ…」


海未「この先には大きな川がありますね…。橋には検問があるかと」

絵里「果たして、どの勢力が管理してるのかしらね」

花陽「うーん、どの勢力でも面倒はさけられないと思うよ。一層のこと渡し船を見つけた方がいいかも」

にこ「…あなた達が一緒に行動してる時点で異常だしね。けど、海未と私だけなら、橋がどんな状況か調べてくることはできそうよ」

海未「さて…どう手を打ちましょうか」






>>187 選択

1,時間が惜しい、正面突発です!

2,争いは避けなければ…渡し船を探しましょう

3,私とにこで橋の様子を探り、花陽と絵里で渡し船を探しましょう

2

海未「争いは避けなければ…渡し船を探しましょう」

絵里「…地図を確認したけど、渡し船が出てそうな集落は国家直轄の橋のずっと下流よ?さらに長い距離歩くことになるわ」

にこ「あなた達の事情なら確かに急いだ方がいいのかもだけれど…検問でトラブル起こして時間をロスするのもマズいんじゃない?」

花陽「…まあ凛ちゃんたちも同じ状況だし、あっちが泳いで渡りでもしない限り大丈夫だよ。確実に追い付く方が大事です」

海未「はい。では、下流の集落へ向かいます」



__下流の集落

海未(集落に到着したのは昼過ぎです。特に変わったこともなく歩を進めていたのですが…)

海未 (たどり着いた集落は、悲惨な状況でした)



にこ「な、何よこれ…」

絵里「……略奪。金目のものはもちろん、人さらいまで……」

花陽「…うそ、だよね…?…こんな酷いの、今まで起きたことないよ…?」

海未「………………」



海未(何者かに襲撃されたかのような廃村に成り果てていました)

海未(家は潰され、畑は根こそぎ作物を抜き取られ、そこにいたはずの人間も恐らく……)

海未(……花陽の言ったとおり、こんな悲惨な略奪は類を見ません。…秩序の崩壊が招いた賊の台頭、というのでしょうか)

海未(…行き所のない怒りが拳を強く握らせ、瓦礫を叩きます)



海未「……ん?」

にこ「どうしたのよ、海未」

海未「いえ、…何か、瓦礫の下に気配を感じまして…。水、のような何かが…」

絵里「井戸、かしら。……賊から身を隠すなら、都合のいい場所かも」

花陽「……うん。確かに。人の魔力の反応がするよ」

海未「調べましょう。助けられる命があるなら、できる限りのことはします」

海未(荷物の中にあったワイヤーを命綱のようにしばって、瓦礫の下にある井戸を降ります)



絵里「調べ終わったら言って。引き上げるから」

海未「ありがとうございます」



海未(絵里から借りたライトで井戸の中を照らして調べます)

海未(…盗難を恐れたと思われる金品や利権書などが散乱してます)

海未(そして…)



「ひっ……」

海未「大丈夫ですよ。私は賊ではありません。悪いタイミングでこの集落に訪れた旅人です」

「ほ、ほんと…?」

海未「ええ。あなたの気配を察知したので助けにきました」

海未(子供が一人、隅でかがんでいました。……私の勘って、意外と当たるみたいですね)



海未「もう賊は去ったみたいですので、一緒に上がりましょう」

「う、うん!」

海未(子供を抱えて離れないように固定しました。後は…)



海未「絵里ー!引き上げてくださーい!

海未「………………絵里?」


絵里「……ねぇ、二人とも」

にこ「どうしたの?絵里」

絵里「この惨状、どう思う?」

花陽「……正直、私も予想外で…。こんな小さな村を跡形もなく消し去る人達が出てくるなんて…」



絵里「……本当に、人なのかしら?」

花陽「え?」

絵里「建物を破壊するなら、一番効率的なのは火を放つこと」

絵里「でも、この集落には燃えたものは一切ないわ。…人間の力だけで、この建物全てを壊せるかしら?」

にこ「そうよねぇ…。そのためだけに重機を持ってくる訳もないし」

花陽「……まさか、ねぇ」



にこ「花陽、何か心当たりあるの?」

花陽「……動物を使役する魔法というのもあるけど……それじゃないと思う」

絵里「?順を追って説明して」

花陽「…魔法生物を召喚する魔法……あまりに難解で私は習得を諦めたけど…」

花陽「けど、もし巨大な魔獣やドラゴンを召喚できる人がいるなら、村一つを壊滅させることなんて訳ないよ」






「ん?まだ生き残りがいたか」

「構わないさ。あれも出荷よ出荷」

「根こそぎ、がマスターの支持ですものね」



絵里「!!そこの三人組!武器を捨てて手を上げなさい!」スチャ

「!銃!?あいつ、警察かよ!」

「てか、気取られた!?」

花陽「大人しく投降した方がいいと思うよ?」

「…可愛らしいお嬢様が生意気言うものですわね」

にこ「……やる気のようね。まあ、まともな人間だとは微塵も思ってなかったけど」


※花陽、絵里、にこが今回のローグたちとの戦闘に参加します




※ローグスa(ファイター)のステータス

・(体力/技量/敏捷)=(9/3/7)

・属性:地

・行動テーブル↓
9,8,7→チャージ(次のターン与ダメージ+1)
6,5,4,3→直接攻撃(剣)
2,1,0→防御




※ローグスb(ハンター)のステータス

・(体力/技量/敏捷)=(5/8/6)

・属性:雷

・行動テーブル↓
9,8,7,6→間接攻撃(弓)
5,4,3,2→防御
1,0→全体間接攻撃(ダメージ1固定)




※ローグスc(ソーサレス)のステータス

・(体力/技量/敏捷)=(5/9/5)

・属性:氷

・行動テーブル↓
9,8,7→回復魔法(体力+2)
6,5,4,3→魔法攻撃(氷属性)
2,1,0→防御




絵里「海未がいないけど…やるしかないわね!」

花陽「うん。いろいろ聞きたいこともあるし」

にこ「まったく…命知らずね」



>>192
・絵里(8/10/8)の行動(散弾銃、閃光弾、防御)と対象(ファイター、ハンター、ソーサレス)選択

・コンマ一の位行動値判定

・コンマ十の位相手の行動判定




>>194
・花陽(9/7/7)の行動(地属性魔法、魔属性魔法、回復魔法、召喚魔法、防御)と対象選択

・コンマ一の位行動値判定

・コンマ十の位相手の行動判定



>>195
・にこ(5/9/9)の行動(突撃銃、支援魔法、防御)と対象選択

・コンマ一の位行動値判定

・コンマ十の位相手の行動判定

散弾銃
ファイター

地属性 ファイター

ファイター 銃

※行動順は敏捷の高い順で決定します




※にこ9>ファイター7の行動値テーブル

9→にこ行動失敗、被ダメージ1

8,7,6,5→両者行動成功

4,3,2,1,0→ファイター行動失敗、行動値減少毎に与ダメージ1増加



(にこ:突撃銃)(ファイター:防御)(行動値8)



にこ「実際に発砲するのなんていつ以来かしら」ズドドド

ファイター「!!なんのためらいもなくぶっぱなしてきたよ!あの小さいの!」

にこ「ま、ブランクもあったし当たらないわね…」

ファイター「銃を相手にするなんて聞いてないって!しかも軍隊仕様の!」

絵里「制圧射撃サンキューにこ!さあ、こっちよ!」

ハンター「あの警官、いつのまに後ろに!囲まれた!」

※絵里8>ファイター7の行動値テーブル

9,8→絵里行動失敗、行動値増加毎に被ダメージ1増加

7,6,5,4→両者行動成功

3,2,1,0→ファイター行動失敗、行動値減少毎に与ダメージ増加




(絵里:散弾銃)(ファイター:剣)(行動値5)



絵里「背中を向けていいのかしら?」ダンッ

ファイター「あぐぁっ!」

絵里「所詮素人ね。勝ち目は与えないわよ」

ソーサレス「…マズイ相手と戦っているのかも知れませんね…」

花陽「はは、今ごろ気づいたの?どんくさいなぁ」



ファイター:体力9→1(判定ダメージ1+技量ダメージ7)

※花陽7=ファイター7の行動値テーブル

9,8,7→花陽行動失敗、行動値増加毎に被ダメージ増加

6,5,4,3→両者行動成功

2,1,0→ファイター行動失敗、行動値減少毎に与ダメージ増加



(花陽:地属性魔法)(ファイター:チャージ)(行動値1)




花陽「じゃあ、あなたから消えてもらうね」

にこ「!!砂嵐!?花陽の魔法!?」

絵里「これは…迷惑ね…っ!」

ファイター「なっ……え…?ど、どこに…?」

花陽「目の前にいるよ」



絵里(突然砂嵐が吹き荒れて花陽は姿を消した。私からも見えない)

絵里(でも、声は遮られることなく響いてる)



花陽「触ったものを全部金に変えられる手、って夢みたいだよね」

花陽「…試してみよっか」

ファイター「な、やめっ…!」






絵里(その後すぐ砂嵐は止んだ)

絵里(そして、いつの間にか花陽はにこの隣で構えていた。…くすんだ鉛の塊になった賊を残して)



花陽「ダメ、かぁ。私じゃ金は無理だね」

にこ「ちょっ…」

絵里「錬金術の研究もいいけど、あまり非人道的な行為はやめてよ。…気分が悪くなるわ」

花陽「うん。この術は自重するよ」

ハンター「ウソ…でしょ……?…返事しなさいよっ…!」

ソーサレス「こんな高次元な魔法、使える人間がいたのですか…!?いったいあなたは…!?」




ファイター:体力1→0(判定ダメージ2+技量ダメージ4-属性ダメージ1)

花陽「数は減ったね。どんどん攻めるよ」

にこ「…まあ、因果応報なのかしら。まだ価値のある金属になっただけマシだと思うし」

絵里「…あなたは、恐ろしい人ね。人の命をそうも簡単に…」

ソーサレス「…うろたえてはいけません。必ず隙はあるはずです」

ハンター「で、でも、負けたら何されるかっ……!」





>>200

絵里の行動、対象選択
コンマ一の位行動値判定
コンマ十の位相手の行動判定





>>202

花陽の行動、対象選択
コンマ一の位行動値判定
コンマ十の位相手の行動判定





>>203

にこの行動、対象選択
コンマ一の位行動値判定
コンマ十の位相手の行動判定

閃光弾 ソーサレス

召喚
ソーサレス

支援 花陽

敵の選択が必要ならソーサレス

※敵が複数で、味方に支援or回復の場合、相手のパーティーの最も敏捷の高いキャラで判定します



※にこ9>ハンター6の行動値判定

9→にこ行動失敗、被ダメージ1

8,7,6,5→両者行動成功

4,3,2,1,0→ハンター行動失敗、行動値現象毎に与ダメージ1増加



(にこ:花陽へ支援魔法)(ハンター:弓)(行動値5)




にこ「花陽」

花陽「?なにかな、にこちゃん」

にこ「そんな怖い顔しないで。女の子はいつも笑顔でなきゃ♪」



絵里(妖しく光る花陽の眼は別の意味で怖いわね…)

絵里(その表情がお気に召さなかったのか、にこは花陽の手をとってウィンク。笑顔を促す)



花陽「……ありがと。何か…捨てちゃった大切なものを少しだけ取り戻せた気がするよ」

にこ「笑顔は花陽ちゃんの力になるにこ♪ほら」

ハンター「…緊張感あるのかしら!?なめてるの!?」ヒュン



絵里「!!にこ!!」



絵里(痺れを切らした賊の一人は矢を放った)

絵里(それはにこの腕に刺さったけど、彼女は笑顔を崩さない)

絵里(一体…何なの…?)



花陽「これがにこちゃんの魔法かぁ…。笑顔の魔法。すごく素敵だね」ニコッ

ハンター「……ひっ」



絵里(笑顔でにらむ花陽は余計怖い気がするんだけど…)

絵里(でも、花陽の身体からは赤黒い魔力が弾けて溢れてるみたい。…本当に魔法、なのかしら)




にこ:体力5→4

花陽:技量7→8


※絵里8>ソーサレス5の行動値テーブル

9→絵里行動失敗、被ダメージ1

8,7,6,5→両者行動成功

4,3,2,1,0→ソーサレス行動失敗、行動値減少毎に与ダメージ増加



※敵が回復を使用する際、最も体力の減ったキャラを回復します



(絵里:閃光弾)(ソーサレス:回復魔法)(行動値6)






絵里「花陽!にこ!伏せて!」

花陽「へ?」

にこ「オーケー!花陽も!」ガバッ

花陽「うわぁ!」



絵里(私がフラッシュバンを使うのを察したにこは、ムリヤリ花陽を伏せさせた)

絵里(手慣れてるわね…元は軍人かしら)



ソーサレス「うっ!眩しいっ…!」

絵里「こっちよ!」

ソーサレス「あうっ…!」



絵里(視覚聴覚がダメになってるところ悪いけど、背負い投げで転ばせてお腹にエルボーを打ち込んだ)



ハンター「くそっ…!このっ…!」ヒュン

絵里「おっと。見えないのによく矢を放てるわね」

ソーサレス「…さすがに…効きましたわね…」

絵里「……魔法、ね。すごく面倒な相手だわ」



絵里(この魔法使い、お腹の露出した服装だから狙ったけど…内出血してたのがもう引いてる)

絵里(この再生の魔法、どう対策すればいいかしら)






ソーサレス:体力5→5(判定ダメージ1+技量ダメージ1-回復2)

ソーサレス:敏捷5→4

※花陽7>ソーサレス4の行動値テーブル

9→花陽行動失敗、被ダメージ1

8,7,6,5→両者行動成功

4,3,2,1,0→ソーサレス行動失敗、行動値減少毎に与ダメージ増加



(花陽:召喚魔法)(ソーサレス:回復)(行動値1)





花陽「ふーん。あなたも魔法を買ったんだ」

花陽「でも、使うには相応しくないかな。小悪党が使いこなせるものじゃないよ」ゴゴゴゴ



絵里(すさまじい地響きと共に地面が陥没と隆起を繰り返す)

絵里(……やっぱりPrintempsの主要メンバーね。…スケールが違うわ)



ソーサレス「大地を砕くだけですか?遊んでいるのですか?」

花陽「……ふふ」

ソーサレス「?」



ソーサレス「ぐぎゅぅっ…!」メリメリメリ



絵里(花陽が不敵に微笑んだ瞬間、地面から巨大な岩の手がせりあがって魔法使いを握り潰した。不様な悲鳴と人体の壊れる不快な音がこだまする)



絵里「えぐいわね…」

花陽「そうかな?生き埋めにするよりかはましだと思うよ」

にこ「…時々花陽の性格がわからなくなるわ…。お人好しなんだかサイコパスなんだか…」

花陽「私もよくわからない。元々こんな性格だった気もするし、ただのお人好しだった気もするし」



花陽「けど、敵には容赦しないよ」



絵里(巨大な手は、そのまま魔法使いを地面に叩きつけた。その後は花陽のそばまで来て、拳骨を構えてる)



ハンター「し、しっかりして!大丈夫!?」

ソーサレス「あ……が……」




ソーサレス:体力5→1(判定ダメージ4)

花陽:次ターンからダメージをゴーレムが代わりに受けます

にこ「さて、あんたはどうする?そいつを捨てて逃げた方がいいんじゃない?」

花陽「酷い提案だね、にこちゃん。仲間を見捨てれば生かしてあげるだって」

絵里「…好きにすれば?小悪党の行方を追ってる場合じゃないのよ」



ハンター「……くそっ」

絵里「…殊勝なことね。でも、温情はかけてあげないわよ?」





>>209

・絵里の行動、対象を選択
・コンマ一の位行動値判定
・コンマ十の位相手の行動判定




>>210

・花陽の行動、対象選択
・コンマ一の位行動値判定
・コンマ十の位相手の行動判定




>>212

・にこの行動、対象選択
・コンマ一の位行動値判定
・コンマ十の位相手の行動判定

散弾 ソーサレス

ハンター 地属性

突撃銃
ハンター

※にこ9>ハンター6の行動値テーブル

9→にこ行動失敗、被ダメージ1

8,7,6,5→両者行動成功

4,3,2,1,0→ハンター行動失敗、行動値減少毎に与ダメージ増加




(にこ:突撃銃)(ハンター:防御)(行動値6)





にこ「……あまり動かれても面倒ね。着実に追い詰めてあげるわ」ズドドド

ハンター「…っ!慈悲もないのかよ…っ!」

にこ「ないわよ。私に悪意を向けた時点で敵だから」



絵里(にこの弾丸は当たりはしなかったけど、敵二人を引き離すことに成功した)

絵里(ここがチャンスね!)




(絵里:行動値5)(花陽:行動値5)→連繋発動


※連繋するキャラのターゲットが分散されている場合、各ターゲットが受けるダメージの低い方を全体化します。





花陽「絵里ちゃん、ちょっといい?」

絵里「えっ」

花陽「試してみたいことがあるの」



絵里(突然花陽が私の隣まできて、ハンドガードを握る私の手に彼女の手を重ねる)

絵里(……すると、花陽が放った赤黒い光とは違う、青っぽい薄暗いが私の身体を走った)



花陽「…うん。いけるね。絵里ちゃんの持ってる…闇の魔力。私が制御してあげるから、銃に込めて撃ってみようよ」

絵里「………………」

花陽「大丈夫。絵里ちゃんはただ集中して引き金を引けばいいだけ」



絵里(…正直、得体の知れないものに対する恐怖より、怖いもの見たさとか単純な好奇心の方が強かった)

絵里(無言でうなずいて、言われるがまま横たわる魔法使いに照準を合わせてトリガーを引いた)



絵里(弾丸はもはや物体ではなくなり、青黒い霧みたいだった。音も消音器をつけたように吸い込まれ、霧に包まれた魔法使いは…)



ソーサレス「……っぁ…た、す……け」

絵里(……霧に飲み込まれて、姿を消してしまった)



花陽「……まるで死霊だね。…ほら、霧がもう一人の敵を引き込もうと蠢いてるよ」

絵里「……これが私の、魔法…?」

ハンター「く、くるなぁっ!うわぁぁあ!」

絵里(霧は一人では飽き足らず、猟師を足元から取り込み……消し去ってしまった)



花陽「…なるほどね。闇は霊とか異界と近い魔法なんだね」

絵里「なにが…どうなったの…?」

花陽「連れていかれたんだよ。別の世界に」

絵里「それって…」

花陽「うーん、黄泉の国とか、冥府とかかな」

絵里「……!!」



絵里(…好奇心で知った私の力は、私が最も苦手なものだった)




ソーサレス:体力1→0(絵里10+花陽8-ソーサレス9)

ハンター:体力5→0(絵里10+花陽8-ソーサレス9)

にこ「恐っろしい魔法ね。なに、絵里の魔力を引き出したわけ?」

花陽「うん。闇属性をもった人は初めてだから戸惑ったけど、上々だね」

絵里「………………」



絵里(……小悪党の自業自得とはいえ、後味が悪い。…私の中には、こんな不気味な力が……)



「絵里ー!花陽ー!にこー!聞こえませんかー!」

花陽「あ、海未ちゃんのことすっかり忘れてたね」

にこ「可哀想だから引き上げてあげましょう」

絵里「ええ…」



海未「はあ、…置いていかれたかと思いました…」

にこ「そ、そんなことしないにこ♪ね、絵里ちゃん?」

絵里「え?あ、そうね…」

花陽「海未ちゃんは大事な仲間だよ?」

海未「…私だって心細いんですからね?」



海未「…で、何かあったんですか?銃声や地震が鳴ってましたが」

花陽「この集落を襲ったかもしれない賊が現れて。応戦してたの」

海未「なるほど。……で、その金属の人形は」

にこ「花陽がミダスの手をやろうとして失敗した残骸」

花陽「失敗じゃないよ。金に変えるにはエネルギーが足りなかっただけ」

海未「……まあ、それはいいです。問題は、このままでは情報を聞き出せないことです」

にこ「その子からは?何かわかった?」

海未「いいえ。何も教えられなかったみたいで」

花陽「そっか……。なら、この人を元に戻してあげようかな」



花陽「……はい、元通りです。逃げられないように手足は鉛のままだけど」

ファイター「た、助かった…」

海未「初めまして。少しお伺いしてもよろしいでしょうか」

ファイター「…あんた、この期に及んで改まって…皮肉か?」

海未「いえ、私とあなたは直接敵対してないので。礼節は大事かと」

ファイター「なんだそれ。ま、いいか」

ファイター「知ってることは教えてやるよ」


海未(賊の戦士と思われるこの人から、裏で彼女らを操る人物がいることがわかりました。集落を襲い、財も人も根こそぎ奪うのもその人の指示だそうです)



花陽「一体何者なのかな?腕っぷしだけでローグたちを支配できるとは思えないし」

ファイター「……あんたより強力な魔法を使う、…正しく魔女だったよ。この集落を破壊した時だって、巨大な蛇を召喚して村人を残らず蹂躙していたよ」

花陽「……全然心当たりがないよ。正直、私より魔法の扱いに長ける人なんて想像もつかないし」



絵里「……人さらいをする理由は何かしら。そんなに労働力が必要なことをするの?」

ファイター「…わからない。魔女の本拠のカンダーランドに連れていかれた後は、不明だ」

絵里「ふーん。直接行ってみないとわからないわね」



海未「それより…この指名手配書の人物を見かけませんでしたか?」

ファイター「星空、凛…」

ファイター「……うん、襲撃した際にこの集落にいた。変な巫女と共に私たちに反抗してきたけど、魔女の蛇に返り討ちにあって逃げた」

海未「!!本当ですか!?」

ファイター「ああ。…まさか、川を泳いで渡るとは思ってなかったが」

海未「すでに川を…」



海未(魔女…蛇…カンダーランド…。気になる情報が沢山ありますが、まずは凛の行方を追うのが先です)



海未「ありがとうございます。…花陽、彼女の拘束を解いてあげて下さい」

花陽「いいの?また悪さするかもしれないよ?」

海未「賢明な判断ができるのであれば、もう悪事は働けないでしょう。…それを上回る悪逆で報復されますから」

ファイター「はは、違ぇねぇ。もう鉛の塊になるのはこりごりだ」

花陽「…それって私のせい?」

ファイター「少し上流にボートをつけてある。あんたら、渡河に困ってるなら使ってけよ。私はこっち側で事が収まるのを待つからよ」

海未「…ご助力感謝します。…では、達者で」

ファイター「あんたらもな」



海未(賊、とはいえ、竹を割ったような清々しい方でした。…彼女にもう、悪を成す理由はないのでしょう)






絵里「…さて、予期せぬアクシデントで足が手に入ったわね」

にこ「…誰か操縦できるの?ボート」

絵里「うーん。それよね」

海未「残念ながら私は無理です」

花陽「私もダメかな」

にこ「……しょうがないわね。私が操縦する」

海未「にこ、できるのですか?」

にこ「…たぶん。昔上陸作戦で使ったことあるし」

絵里「頼もしいわね。お願いするわ」



絵里「…この先の支流に入れば、カンダーランドのすぐ近くまで着けるわ。陸路より断然早いし」

にこ「なるほどね、そのルート採用。じゃ、早速出発するわよ。みんな乗った乗った」





海未(思わぬところで近道、出来そうですね)

海未(恐らく、凛たちとほぼ同じ時間にカンダーランドへ着けるでしょう)

海未(……しかし、何か私たち以外の、大きな存在がそこにいるように思えます)

海未(………………。気を引き締めなければ)

海未(夕方にはカンダーランドの街の近く、ボートが停泊してある桟橋までつきました)

海未(奥地の辺境にしては、船の数が多いですね。漁村ではないのですが)

海未(…運搬用の船舶なのでしょうか)





海未(そして、もうひとつ問題が)

にこ「この子…連れてきちゃったけど、どうするの?」

海未(廃村に置き去りにされた子どもを連れてきてしまったのです)

海未「あのまま廃村に置き去りにしておく訳にはいかないでしょう。ここの…教会かどこかで保護してもらいましょう」

にこ「ダメなら私が引き取るわよ。それが私の仕事だし」

海未「お願いします」


海未(…にこの本来の姿は、先生ですよね。それが一番安心できる気がします)





絵里「日が暮れる前に市街まで行きましょう。すぐそこだから」

花陽「……なんだか街の方が騒がしいけど…。誰かが戦ってるのかな?」

にこ「!花陽、わかるの!?」

花陽「うん。誰かが…魔法を使ってる」

海未「私も何となくですが感じ取れます。幻覚…を使ってるような…」

にこ「何だっていいわよ!私の故郷で何してくれちゃってんのさ!…行くわよ!」

絵里「手遅れになる前に行動した方がいいわね。急ぎましょう」

花陽「だね。凛ちゃん、大丈夫かな…」

海未「行かねばわかりません。さあ、走りますよ!」


海未(市街地へたどり着くと、喧騒は耳でわかるくらいに大きくなりました)

海未(黄色の靴の…盗賊と思われる勢力と、紫のたすきの僧兵と思われる勢力があちこちで戦っています)

海未(僧兵たちは火を起こしたり、雷を落としたり……魔法を多用していますが、盗賊たちは身のこなしと気合で突破しているようで。盗賊たちに大勢は傾いているように思えます)





海未(傷ついて倒れた僧兵に、事情を聞いてみました)



海未「一体何が…?」

「奴ら、魔法で世の中を乱した報復と言って、この街の寺社を力ずくで占拠して嗅ぎ回ってるんです…」

「私たちは、何も知らないっていうのに…」

「あんたらは…どっちの味方なのさ…?」



花陽「…やり方が全然凛ちゃんらしくないけど…黄色の靴の盗賊は、確かに凛ちゃんの勢力だよ…。どうしちゃったの…」

にこ「どうもこうもないわよ!賊は賊よ!追い払ってやりましょう!」

絵里「さっきの賊が言ってた…魔女の正体をつかむなら、星空凛の勢力に取引を持ち込むのもあり、かしら。彼女とも接触できそうだし」

海未「………………」



海未(凛を見つけることが一番大切ですが…)

海未(この混乱の中ではうまくいかない可能性が高いですね…。…状況を利用して、最適な立ち回りをしなければ)





>>221 選択

1,盗賊を捕らえて、凛との交渉材料にしましょう

2,盗賊に取り入って、凛と魔女の情報を探りましょう

3,混乱に乗じて寺社を探り、魔女の正体を暴きましょう

4,手分けして両者に取り入って、必要な情報を集めましょう

2

海未「…凛にたどり着くには、盗賊たちに力を貸すのが最も効率的ですね。共に行動すれば魔女についてもわかるかもしれませんし」

にこ「ちょっと、正気!?罪もない人が賊に襲われてるのよ!!」

絵里「…私も同感だわ。……ここも、あの集落と同じように荒廃してしまう」

花陽「私は海未ちゃんの意見に賛成かな。真姫先生や穂乃果ちゃんの延命も、どこまでもつかわからないし。早く凛ちゃんを見つけ出さないと」



にこ「あんた達の仲間のためにカンダーランドの人たちを見殺しにするっての!?冗談じゃないわよ!!」

絵里「なるほどね。あなた達が星空凛を追う理由はそこにあったのね」

絵里「……じゃあ、あなた達に与するのは危険だわ。高坂穂乃果が戻れば、事態は最悪の展開になる」



海未「…そう、ですか」

絵里「海未、あなたも考えてみて。本当に高坂穂乃果を復権させていいの?あなたの敵ではなかったの?」

花陽「違うよ。穂乃果ちゃんは海未ちゃんの一番の親友。穂乃果ちゃんはいつも海未ちゃんのことを自慢気に話してたもん」





海未「……………」





海未(…穂乃果は私をそのように……)

海未(あの時、私のことを傀儡でしかないと言ったのは……?)

海未(……わからない)

海未(真姫の命を取り戻したいのは変わりません。ですが…)

海未(……私の心の中に、穂乃果の復活を望む気持ちが、忌むべき敵の復活を望む気持ちがあるとでもいうのでしょうか…)






↓4つ下までで一番多かった選択肢で進行します



1,穂乃果は敵です。いない方がいいに決まってます

2,穂乃果は親友です。例え世界の敵だとしても、そこだけは譲れません

3,真姫を助けるためです。穂乃果はその後打ち倒します

海未「穂乃果は親友です。例え世界の敵だとしても、そこだけは譲れません」

花陽「海未ちゃん…。…わかってきたみたいだね。きれいごとを並べるより、自分欲しいものに一歩でも近付こうとする眼差し。そういう人が今一番必要なんだよ」

にこ「……そう。…じゃあ、あんたは私の敵ね。とんでもない馬鹿だわ」



絵里「…高坂穂乃果の復活を助長する気はないわ。この街で暴れる賊を野放しにするつもりもない。でも…私の本当の敵は星空凛」

絵里「あなた達がどうこうしようと、私の仕事には関係ない。…仮に高坂穂乃果が実権を握ったとしても、私が叩きつぶす。それだけよ」

絵里「行きなさい。私にはこの街を守るっていう大事な仕事があるから。邪魔するなら、その時は排除する」

にこ「ちょっと!逃がすっていうの!?」

絵里「……彼女達と戦って無傷で済むわけがない。その状態じゃ、街を守れないわ」



海未(にこは下唇を噛んで絵里をにらみつけています。彼女の怒りは最高潮なのでしょう)

海未(しかし絵里は冷静…冷酷な表情のままにこと視線を合わせません)



海未「…ありがとうございます。短い間でしたが、お世話になりました」

絵里「……できれば、敵にはしたくないわ。そうならないことを祈ってる」

花陽「うん。なるべく…戦乱を治められるよう努力するよ」

にこ「なんなのよっ…もう!……海未!」

海未「はい」

にこ「あんたが馬鹿でガキなのはわかったから、…やるからには最後まで折れるんじゃないわよ!次会ったらぶっ飛ばすけど!」

海未「…心得ました。…あなたを屈服させてでも、押し進みます」






※絵里、にこがパーティーから抜けました

海未(盗賊たちに話をかけると、意外な反応をされました)



海未「あの、少しよろしいですか?」

「あ?なんだてめぇ…って」

「こら!この人は姐さんの!」

「しっ、失礼しました!」

海未「???」



海未(…何故だか私の顔は盗賊たちの間で知れ渡っているようでした)



海未「…私のこと、知っているのですか?」

「姐さんの恩人ですから!」

「恩人は手厚く歓迎するのが習わしでして。失礼ながら、調べてさせてもらいました」ペラッ

海未「これは…」



海未(取り出された紙には、私の写真と…懸賞金が書かれていました。いつのまに…)



花陽「昨日の日付だね。ことりちゃん、仕事が早いなぁ」

海未「ことりが?」

花陽「うん。…私が魔法で擬態して海未ちゃんのことを監視してたのも、ことりちゃんのお願いだから」

海未「………………」

花陽「…たぶん、海未ちゃんだけは失いたくなかったんだよ。ことりちゃんの手の届くところに置いておきたいんだと思う」

花陽「…どんな形であっても」



海未(ことり……。…想像以上に追い詰められているようですね…。…私がことりを見捨てたばかりに……)



「ま、とにかく姐さんのところに案内します!ついてきてください!」

「持ち場は私が何とかしておく」

海未「お願いします」

海未(案内されたのは、軍から強奪したと思われる装甲車。電子戦用の機材が多数搭載してあります)



「凛姐さん!園田海未さんをお連れしました!」

「!!ホントに!?」



海未(後部のハッチが勢いよく開いて、あの時見た小柄な少女が飛び出します)



凛「ほ、ホントだ!海未ちゃん!」ガバッ

海未「う、おわっと」ダキッ

凛「もー!なんであの時そそくさと退散しちゃうのさ!おかげで警察に捕まるわせっかく手に入れたラブカを全部押収されるわで大変だったんだからねー!」

海未「それは…申し訳ないです」

凛「まあ、そのおかげでもっと大事な情報…と仲間を迎えられたんだけどね」

海未「?」



海未(相変わらず無邪気な顔で話しかけてきます。…少し、お手伝いをしただけの仲なのですが。その人懐っこさが人心を掴む才能なのかもしれませんね)

海未(少し恥ずかしくて視線を逸らすと、装甲車からもうひとつ人影が)



「…あ、あの時の剣士さん。やっぱ凛ちゃんの知り合いだったんやね」

海未「巫女…魔法を売っていた…」

「希だよ。東條希。わけあって、凛ちゃんのところの盗賊団でお世話になってるん」

海未「そうでしたか。…申し遅れました、園田海未です」





花陽「……凛ちゃん」

凛「えっ……その声は……」

花陽「やっと……やっと見つけたよっ!」ガバッ

凛「か、かよちん…?…ホントに……かよちん…?」ダキッ

花陽「うんっ…!凛ちゃんっ…凛ちゃん!」



海未(その光景に私は面食らいました。ほぼ感情の波がない花陽が、涙を浮かべて凛を抱き締めて離そうとしません)

海未(……凛を探していた理由は穂乃果のことだけではないと、私でもわかります)

海未(しかし、凛は…)



凛「……離してよっ!」バッ

花陽「!!!」

凛「何がPrintempsなの!何が革命なの!バッカみたい!」

凛「結果こんなヒドイことになって…まだA-RISEがいたころの方がマシだよ!」

花陽「そ、それはっ」

凛「にゃー!にゃー!聞きたくない!偽善者にすらなれないバカとなんて話したくない!」

花陽「!!!」



海未(…まさか、凛からこんな罵声が出てくるとは思いませんでした。私に文句を垂れる様子とはまるで違う、悪意があります)

海未「凛、少し席を外して話しましょう。冷静さを欠いては、無駄な争いを引き起こすだけです」

凛「…そうだね。ちょっと海未ちゃんと話してくるから、希ちゃん、よろしく」

希「しょうがないなー」



海未(雑木林の一角にある公園で、街灯に照されたベンチを見つけました。ここなら落ち着けるでしょう)



海未「…あれでも、花陽は同じ目的を持った私の仲間です。…何があったか教えてもらえませんか」

凛「同じ目的?」

海未「はい。…ガウラの街の病院で治療をしていた鋭い眼の先生がいたじゃないですか」

凛「うん。見つけた怪我人を診てくれた先生だよね」

海未「故あって彼女と行動を共にしていたのですが…戦乱に巻き込まれて、仮死状態になってしまったのです」

凛「うそ……お医者さんまで…?」

海未「……………」

海未(花陽の弁明をしたいところでしたが、…これは花陽自身が成したことです。私だって憤りを感じますので…言葉を続けることができませんでした)



海未「彼女を救うには…魔法の力が必要なのです。それも、炎の力を持つ人間の」

海未「それを持っているのは……高坂穂乃果。同じく仮死状態となったPrintempsのメンバーだけだと、花陽は言っていました」

凛「…じゃあ、先生を助けられないじゃん。ならどうしてかよちんと一緒に行動してるの?」

海未「穂乃果を救えば、真姫も蘇生できます。そして、穂乃果を蘇らせることができる光の力を持つのは……」

海未「凛、あなただけです」

凛「私……?」





希「凛ちゃんもヒドイなぁ。せっかく会いに来た友達をこんなにボロクソに言い倒すなんて」

花陽「…力を持たないものは、力を振るうことができない。支配する力もないのに世直しをしようとしたから、ただいたずらに人を傷つけただけ」

花陽「私は…凛ちゃんが一番嫌いなことをやってたんだ…。良かれと思ってやったことは、実は無意味で迷惑なだけ…」

花陽「誰も幸せにならない…偽善者ですらない人が、一番嫌いなんだよ…」

希「…確かにね。それはバカでしかないよ」

希「でも、そんなバカが力を持ったら?世界中の人に影響を与えるくらいすごい力を持ったら?」

希「凛ちゃんは…花陽ちゃんに力があるって認めてないかもしれんけど、うちはそうは思わん」

希「一回でダメなら二回。それでダメならもう一回。そうやって試行錯誤する気概がまだあるやん。海未ちゃんと一緒に、革命をやり直したいんでしょ?」

希「それも立派な力やよ」



花陽「……希ちゃん」

希「なぁに?」

花陽「…私、すごくびっくりしてる。私のやったことを非難して、私のやろうとしてることを賛成してくれる人がいるなんて」

希「……うちやないよ。たぶんそれ」

花陽「え?」

希「それ、海未ちゃんが一番先だよ」

花陽「ううん、海未ちゃんは穂乃果ちゃんのための共同戦線だよ?」

希「その先のこと、考えたことある?Printempsと決別した海未ちゃんのやりたいこと」

希「それは、花陽ちゃんと同じでしょ?」

花陽「……………」


凛「…もしかして、私のところに来たのってそれのため?」

海未「私はそうですが…花陽は違うようです」

凛「………………」

海未「あなたと、仲直りしたい。ただそれだけではないでしょうか」

海未「……教えてください。花陽と、何があったかを」



凛「……かよちんがPrintempsの活動を始めたのって、いつぐらいからか知ってる?」

海未「…いえ。穂乃果とことりは教えてくれませんでした。花陽の存在を知ったのも、昨日のことです」

凛「たぶん、海未ちゃんが穂乃果ちゃんと一緒にレジスタンス活動を始めたのと同じくらいだよ」

海未「………………」

凛「海未ちゃんに教えなかったのは、かよちんの思考は海未ちゃんが受け付けないと判断したからだと思う」

凛「……その頃のかよちんは、もう荒んでて…A-RISEを追い落とすことしか考えてなかった」

凛「だから、私はかよちんと距離をとって盗賊を始めたの。誰かを追い詰めるだけが、世の中のバランスをとる方法じゃないって」

凛「…元々、かよちんには世の中を治めることなんてできっこないと思ってたけどね」



海未「…でも、あれだけ突き放したのは?はっきり言って異常ですよ?」

凛「大人げないかなーとは思ったけど、…かよちんには少し反省してもらわないと。たくさんの人が…意味もなく死んじゃったから」

海未「………………」

凛「……もう、私の知ってるかよちんはいないから…。…かよちんを守れなかったから……」



海未(この街の惨状を見て、凛は失望してしまったのでしょうか。きっと、花陽を止めようと努力して、上手くいかなかったのでしょう)

海未(親友を闇から救い出せなかった自分に失望し、その状態で悪びれもしない親友に失望し…)

海未(……まるで私と穂乃果、じゃないですか)





>>234 選択

1,あなたの決断は正しい。報復もバランスの一つです

2,…花陽にもう一度道を示してあげましょう。彼女の心を変えられない道理はありません

3,私は花陽を後押しします。良い結果が得られるまで革命を続ける気ですから

3

海未「私は花陽を後押しします。良い結果が得られるまで革命を続ける気ですから」

凛「そう、なの?今の政権で支配するんじゃないの?」

海未「…であれば、私はもう花陽に殺されています。トップの南ことりに良からぬ影響を与える、異分子ですから」



凛「…わけがわからないよ。かよちんはいったい何を考えてるの…?」

凛「戦いが続けば、それだけ命が奪われるっていうのに…」

海未「それでも、虐げられて追い詰められて、ただ耐えるだけの人生よりずっと価値があります」

海未「そういう希望を持った人が集まれば、世界に希望を拡散させられるはずです」



海未「ああ、そうですね。…私のやりたいことも、それです。やっと答えが見つけられました」

海未「革命というのは煽動。人々に希望を持ってもらうための戦いなんです」

凛「でも…私は認められないよ。戦いに負けた人は希望を見ることができないなんて」

凛「それは正義っていえないよ…」



海未「……では、花陽を許す気はないのですね?そして…私と相容れることも」

凛「…ごめん。できない」

海未「わかりました……。それもあなたの正義です」

海未「……どうか、そのままでいてください。私が失った正義の心を持っている人…ですから」

凛「…うん」






凛「……かよちんに、お別れをいわなきゃ」

海未「………………」



海未(…これでよいのです…。純粋な正義の心を持った人間がいなければ、弱者は救われません)

海未(ただ…真姫を、穂乃果を救う手段は……もう…)





希「お、二人とも戻ってきた」

花陽「凛ちゃん…海未ちゃん…」

凛「……長々とは話さないよ。いいたいことだけ言うから」

海未「………………」

凛「かよちん。…ううん。Printempsの小泉花陽さん」

凛「私はあなたを許すつもりはないよ。海未ちゃんの手前、手は出さないけど…」

花陽「……………」

海未「…それが凛の遺志です。…穂乃果を救う手段は失われますが、仕方ないです」



花陽「海未ちゃん」クイクイ

海未「?どうしました?」



海未(花陽が手招きしてます。…密談でしょうか)



花陽「まだ、あるよ。穂乃果ちゃんを救う方法」ヒソヒソ

海未「…それはいったい」ヒソヒソ

花陽「……ラブカに、凛ちゃんの魔力を吸収させれば、できるよ」ヒソヒソ

海未「えっ?」

花陽「ラブカを使って、凛ちゃんにとどめを刺す。それで魔力は転移するよ」ヒソヒソ

海未「ほ、本気で言っているのですかっ…!」



海未(花陽の提案は、まさに非道の体現でした)

海未(なんのためらいもなく発せられた言葉。生気は失せ狂気が満ちた紫の眼)

海未(……花陽は、もう凛のことが見えてないのでしょう。かわりに…同じ志を持った私が彼女の瞳に移る最後の人)

海未(……私はどうすれば……)








>>238 選択

1,…やりましょう。あなたを捨て置けませんから

2,…希がいてはうまくいきません。私が注意を引きます

3,どうか考え直して…!あなたの大事な人でしょう…!?

4,あなたは危険すぎます…!

3

海未「どうか考え直して…!あなたの大事な人でしょう…!?」

花陽「決めたの。罪を償うって」

花陽「私の償いは、…描いた理想を完全に成し遂げること。目の前の善い行いで清算できることじゃないよ」

海未「でも…!その後あなたは後悔する…!」

花陽「それは罰、だね。清算しきれなった分の罰」

海未「そんな…。あなたは、そんな覚悟を…」



希「……凛ちゃん」

凛「うん…。行こう、希ちゃん」

花陽「!まっ、待って凛ちゃん!」

凛「もう話すことはないよ。…それとも何?戦うの?」

海未「…いいえ。行ってください」ギュッ

花陽「は、離して海未ちゃん!」


海未(凛たちの乗った装甲車はすぐにその場を去りました)

海未(まるで表情をうかがえない花陽と、やるせない気持ちのまま彼女を抱き押さえる私を残して)



花陽「………………」

海未「………………」

花陽「……そんな…。これで…穂乃果ちゃんを救う方法は……」

海未「あなたが間違った道を行くよりましです。…死者は、甦らないのです」

花陽「うっ…あぁ……」ポロポロ



海未(革命はうまくいかず、仲間を救うこともできず、親友と決別し…なお、自分の欲するものに手は届かず)

海未(残ったのは…邪魔ばかりする同志だけ。…こんな状況では、気が狂って泣きたくもなります)

海未(私にできるのは、ただ抱きしめることだけ)

海未(…花陽とて、脆弱な人間です。だから、助け合わなければ)

海未(……それは、私にしかできないこと、だと思います)

海未(その感情は同情や使命感ではなく…)

海未(自分のやりたいことができる素直さへの尊敬や…私のやりたいことを応援してくれる優しさへの親愛、なのでしょう)

海未(だから…花陽を絶対に守ります。道を踏み外さないように、誰かに引きずり下ろされないように)


__集会所

海未(落ち着く場所を求めて、この街の集会所に来ました)

海未(そこには、戦火を逃れた人々が避難しています。窮屈ですが、戦いに巻き込まれるよりかは)

海未(…花陽を少し、休ませないと)



海未「…もうこの街でやれることはありません。夜が明けたら、ハーバラまで戻りましょう」

花陽「……穂乃果ちゃんが、いないと…」

海未「確かに穂乃果の求心力は他の誰より優れています。…しかし、花陽や私にだって人に希望を持たせる力はあります」

花陽「……でも、どうやったらいいかわからないよ…」

海未「私にだってわかりません。できることをやるしかないのです」

花陽「………………」



「え?盗賊たちが撤退してる?」

「なんでも、魔女が現れたらしくて。大蛇が盗賊を蹴散らしたってさ」

「ほぇー。悪人じゃないんだねー魔女」



海未「魔女…少しお話を伺ってもよろしいですか?」

「ん?昔からこの街の地下に住んでるって魔女なんだけど、私たちも全然その姿を見たことなくてね」

「ときどき神隠しに遭う人がいるし、悪い魔女なのかと思ってたけど」

「こうして街の危機を救ってくれたし、案外いい人なのかも」

海未「……………」



海未(…神隠し……人さらいと同じでしょうか?何か多くの人の手がいるから、集落を襲わせた…?)



海未「ちなみに、魔女は今どこへ?」

「さあね。地下じゃない?」

「一番大きな神社の境内から地下につながってるって聞いたことあるよ」

「けど、怖くて近寄れないよー」

海未「…ありがとうございます」



海未(……聞いてみたいことがたくさんありますね。戻る前におもむいてみますか)

海未(もしかしたら、穂乃果や真姫を救うのに協力してくれるかもしれませんし)



海未「花陽。予定変更です。夜が明けたら魔女に会いに行きましょう」

花陽「…なんで?」

海未「もしかしたら、真姫や穂乃果を救う魔力を持っているかもしれませんし。集落を襲った理由も聞きたいですし」

花陽「…!そっか!そうだよね!魔女さんなら…!」

海未「ええ。まだ一縷の望みはあります」



海未(花陽の瞳に少しだけ光が射しました。その表情を見られただけで、なんだか嬉しくなります)

海未(もう、あなたを絶望させたりしませんよ)



__翌朝



海未「ここですね。一番大きな神社」

花陽「歓迎、してくれなさそう。私が街をこんなにした元凶だし…」

海未「大丈夫。私がついてますよ」

花陽「…そうだね」



海未「……誰もいませんね。参拝客はともかく、関係者も見当たらないです」

花陽「…だって、ものすごい魔力だよ?普通の人でも近寄りたくないくらいに」

海未「無人の廃屋、にしては綺麗で手入れが行き届いてますが…」

花陽「とにかく、誰もいないなら境内に入っちゃおうよ」

海未「そうですね。埒があかないです」



海未「…やはり中にも誰もいないですね」

花陽「けど、人が通った形跡があるよ。この靴の型とか」

海未「……行ってみましょう」




“またお客さんかしら?忙しいわね”




花陽「!その声…!」



海未(境内を歩いていると、頭の中に直接響く声が。若い女性、でしょうか。花陽は何か聞き覚えがあるようですね)



“まあ、いらっしゃい。あなたたちも中々の使い手と見たわよ”



海未「!壁が回転した…?」

花陽「忍者屋敷じゃないよ、ここ…」

海未(壁の奥は階段でした。予想通り地下へ続いています)



海未「…洞窟、ですね。自然のままですか…」

花陽「……なんだろう。この洞窟、何かおかしいよ」

海未「?」

花陽「色んな属性の魔力があちこち飛び回ってる。洞窟なら、氷とか地、あと闇くらいしか集まらないのに」

海未「魔女の住みか、ですし。不思議ではないと思いますよ」

海未(いくつか分かれ道がありましたが、炭鉱用のランプが灯っている道は1つだったので迷いませんでした)

海未(そして最奥部には人が生活しているような場所がありました)



「こんなところまで来るなんて勇者?それとも気狂いかしら?」

花陽「!やっぱり、その声…!」

海未「!!あなたは…!」



海未(予想だにしない人物がそこにいました。私も、その人を知っています)


花陽「優木あんじゅ…さん」

あんじゅ「お久しぶりね、花陽ちゃん。あの時はお世話になったわ」



海未(…旧支配者の一人、A-RISEの優木あんじゅがチェアに座ってこちらに微笑みました)

海未(気狂いはどちらですか…。その微笑みだけで足が震えて視界が定まりません)



花陽「まさかあんじゅさんが魔女だなんて…」

あんじゅ「ツバサのあんぽんたんが融通効かないだけで。私は裏で魔法の研究をしてたのよ」

あんじゅ「魔法の抑止力は魔法しかないからね」

花陽「…やっぱりあんじゅさんは抜け目がないよね。私はそういうところ、好きだったなぁ」



あんじゅ「ところで、何か用があってきたのよね?まさか私にとどめを刺しにきた?」

花陽「ううん。そのつもりはないかな。外の世界がどうなっても、あんじゅさんは気に止めてなさそうだし」

あんじゅ「別に国を治めるとかそんなの興味なかったし。ただツバサと一緒にいると面白いから付き合っただけで」

花陽「そうだよね。あんじゅさんはそういう人だよね」



あんじゅ「まあ、私はツバサを生き返すまで隠居してるから。外の世界は好き勝手にどうぞ」

花陽「ツバサさんが…?」

あんじゅ「ええ。…まさか、私と英玲奈を逃がすために仮死状態になるまで戦うなんてね…」

あんじゅ「…この話はやめましょう。悲しくなってくる」

花陽「ごめんなさい…変なこと聞きました」



あんじゅ「あなたもリラックスしていいのよ?…園田海未ちゃん?」

海未「は、はい」

あんじゅ「鳩が豆鉄砲食らったみたいな顔してるけど、大丈夫?」

海未「ええ…」



海未「…賊に指示を出して集落を襲わせたのは、あなたですよね?」

あんじゅ「そうよ。ちょっと人手がいるのよ、ツバサの蘇生に」

海未「どういうことですか?」

あんじゅ「ツバサも変な属性を持っててね。蘇生術を使うのに必要な属性の人間を探してたんだけど」

あんじゅ「なかなか見つからないから、私の魔力を増幅して賄おうと思ったわけ」

花陽「…そっか!この変な魔力の正体は…あんじゅさんが全ての属性に微弱ながらも通じてるから、だよね?」

あんじゅ「正解よ。さすが花陽ちゃん」



海未「魔力の増幅というのは?どうやって?」

あんじゅ「ラブカの精錬。それくらいしか知らないわ」

花陽「………………」

海未「…そもそもラブカとは何なのですか?何に由来するものなのですか?」

あんじゅ「……簡単に言えば、人の想いの結晶よ」

海未「…?」

あんじゅ「人の想いには特別な力がある。それを発現させるくらいに強くする増幅器が、ラブカ」

あんじゅ「精錬するには多くの大きな想いを集めて形にするんだけど…」

あんじゅ「……想いを引っこ抜かれた人間は、人として生きられない」

海未「……!!」



海未(つまり…意志の存在しない人間。置物と何ら変わらない人間)

海未(ラブカを精製するには…人の命とほぼ同等のものを人から奪う必要があるということ)

海未(そんな、非道なことっ…!)



あんじゅ「…顔が強ばってるわよ?」

海未「………………っ」

あんじゅ「まあ、ツバサを生き返すためなら何だっていいけどね」

あんじゅ「…つまらないこと話しちゃって、何だか悪いわね。お詫びに何か協力させてよ」



海未(……この人ならば、その気になれば穂乃果や真姫を救うこともできるのでしょう)

海未(やってることは魔女そのものですが、…もう、手段を選べるほど時間も選択肢も残っていません)

海未(どうすれば…)





>>245 選択

1,実は私たちも、仮死の人間を蘇生させたくて…

2,いえ、結構です。お邪魔しました

3,では、その命をもらいます。悪の魔女に粛清を

4,…私たちに、力を貸してください。外の世界は今、混沌としているのです…

4

海未「…私たちに力を貸してください。外の世界は今、混沌としているのです…」

あんじゅ「……ははは」



あんじゅ「やっぱり面白いわね、あなた。現支配者を仲間にしておいて、旧支配者にも協力を乞うなんて」

あんじゅ「その敵を取り込もうとする貪欲さ、ツバサとか穂乃果さんにもない気質よ」

海未「は、はぁ」

あんじゅ「協力、してあげてもいい。ツバサを無事目覚めさせられればの話だけど」

花陽「なら、私たちも協力するよ」

あんじゅ「…ツバサのことだし、Printempsの勢力に反抗すると思うけど、いいの?」

花陽「構わないよ。必要ならPrintempsを畳むつもりだから」

あんじゅ「花陽ちゃんが見据える先が、私にはわかんないね」

海未「…綺羅ツバサも同じことを思い描いたと思いますよ。多くの人が希望を持って生きる世界を」

あんじゅ「ふーん。一味違う平和を求めてるのね」

あんじゅ「…さて、もうそろそろ帰ってくるこ頃ね」

花陽「??」

あんじゅ「召喚魔法よ。大蛇を人集めに使わしたの」

海未「召喚魔法…」



海未(魔物をこの世に送り出す魔法、ですか)

海未(…しばらくすると、洞窟内に轟音が鳴り響きました。巨大な何かが、地面を擦る音)



あんじゅ「ご苦労様。一人で行っても何とかなるものね」



海未(音が止んだ後私たちの背後には…真っ白な鱗の大蛇が首をもたげて舌をチラチラさせていました)

海未(その迫力に絶句する私たちをよそに、あんじゅは蛇の頭を撫でて慈しみます。蛇も表情を変えませんが、何だか満足げな様子です)



あんじゅ「じゃ、今日の成果を吐き出そっか」

花陽「えっ…胃袋の中にいるの…?」

あんじゅ「蛇には手も足もないからね。くわえようにも牙が邪魔だし」



海未(言葉どおり蛇は人を吐き出しました。意外に少なく、二人しかいませんでした)

海未(……そして、その面々が見覚えのある人々と気付くまで、そう時間はかかりませんでした)



「うへぇ…死ぬかと思ったにゃ…」

「召喚魔法やし、食物を摂取しないから助かるとは思ってたけど…」

あんじゅ「うん、最高よ♪やっぱりあなたを選んで正解だったわ」

海未「…凛…希……」

花陽「捕まっちゃったんだね」


凛「あ、海未ちゃん。てか、ここどこ?」

あんじゅ「魔女の住みか。ご招待してあげたの」

凛「!!お前がっ…!」

あんじゅ「ようやく見つけたのよ。ツバサと同じ雷の魔力。一回取り逃がしちゃったけど」



あんじゅ「ありがとね、希ちゃん。あなた魔力のおかげで大蛇もたどり着けたみたいだから」

希「そうやって人の命を弄んで…!もう騙されないよ!覚悟しい!」

あんじゅ「私は約束を守ってるわよ?この街を守ったし、国家から独立する計画も順調だし」

あんじゅ「あなたの願いは叶えられてると思うんだけど…。それで、クライアントにたてつく のはどうなのかしらね?」

希「ラブカがあんなトチ狂ったものだって知ってたら…!」



海未(凛と希は臨戦態勢です。武器を構えて敵意を明らかにしています)

海未(どういう事情、なんでしょうか)



海未「クライアント?」

あんじゅ「カンダーランドの独立のために力を貸す代わりに、ラブカを売って資金調達と魔法の流布をしてもらってたの。…まあ、契約不履行な訳だけど」

希「何が不履行や!独立の前に国が滅んじゃうよ!」

凛「世界から秩序を奪ったのも、私からかよちんを奪ったのも…お前だっ!絶対許さない…!」



あんじゅ「だってさ、花陽ちゃん」

花陽「凛ちゃん…。それじゃあ未来は変えられないし、過去は変えられないよ」

凛「えっ…?なんでかよちんが…?」

あんじゅ「頼りにならないあなたの代わりに世界を変えるお手伝いを頼まれたの。…あっ、ホントに花陽ちゃんを奪っちゃったわね」

凛「…っ!」



希「海未ちゃんも!騙されちゃダメ!この魔女は他人のことなんて考えてない!」

凛「海未ちゃんならわかるよね…!?」

海未「………………」



海未(私は、どうするべきでしょうか)

海未(間違いなく、あんじゅは魔女です。世界を混沌に陥れる悪の使い)

海未(しかし…私の目的に一番近い人でもあります)

海未(………………)





>>249 選択

1,あんじゅは真姫を、穂乃果を救う最後の希望。絶対守ります

2,…ここで凛に恩を売れば、あんじゅの力を借りなくても…

3,私怨の戦いに興味はありません。失礼します

海未「あんじゅは真姫を、穂乃果を救う最後の希望。絶対守ります」

花陽「同感だね。これ以上に恵まれた選択はないもん」

あんじゅ「あなた達…。…まあ、守られるほど私も弱くないけど、気持ちはもらっておくわね」



凛「そんな…海未ちゃん……」

希「凛ちゃん!来るよ!」


__あんじゅのステータス

(体力/技量/敏捷)=(10/8/9)
属性:無
特性:増幅(弱点属性で攻撃した際属性ダメージが倍になるが、属性攻撃の被ダメージ倍加)

__コマンド
・魔法攻撃(相手の弱点属性になる)
・直接攻撃(剣)
・召喚魔法(5/8/9の大蛇を召喚。属性、攻撃タイプはなし)
・防御



__凛のステータス

(体力/技量/敏捷)=(8/6/10)
属性:天(雷と光)
特性:翻弄(両者行動成功枠が二つ減り、行動失敗枠が両者に一つずつ増える)

__行動パターン
9,8,7,6→直接攻撃(短剣)
5,4,3→???
2,1,0→防御



__希のステータス

(体力/技量/敏捷)=(10/8/6)
属性:金(幻と地)
特性:幸運(両者の行動失敗枠が一つずつ減り、両者行動成功枠が二つ増える)

__行動パターン
9,8,7→直接攻撃(長刀)
6,5,4,3→魔法攻撃(幻属性)
2,1,0→防御




あんじゅ「海未ちゃんと花陽ちゃんから頼まれたからには、負ける訳にはいかないわね」

凛「絶対お前を倒して…海未ちゃんとかよちんを取り戻す!」

花陽「凛ちゃんは何もわかってないなぁ。私たちはもう誰の指図も受けてないんだよ」

希「でも、あんなに正義感たっぷりな海未ちゃんが魔女と手を組むなんて…」

海未「私が正義?…だったら良かったのですけれど…。どうやら私は、そうではないので」

あんじゅ「じゃあ、そんな立派な戦士の海未ちゃんにプレゼント」

海未「?これは…ラブカ…!?」

あんじゅ「あなたならもう使えるはずよ。魔力をそんなに敏感に感じ取れるんだもん」

海未「………………」


海未(人の命を弄ぶようで一瞬ためらいましたが…)

海未(…こうなってしまったものはしょうがありません。人の世のために使うのがせめてもの手向けでしょう)


※海未が氷の矢(氷属性、間接攻撃)を修得しました



>>252
・海未の行動(剣・弓・氷の矢・防御)と対象(凛・希)選択
・コンマ一の位行動値判定
・コンマ十の位相手の行動判定


>>254
・花陽の行動(地魔法・魔魔法・召喚・回復・防御)、対象選択
・コンマ一の位行動値判定
・コンマ十の位相手の行動判定


>>255
・あんじゅの行動(魔法・剣・召喚・防御)、対象選択
・コンマ一の位行動値判定
・コンマ十の位相手の行動判定

召喚 希

召喚

※あんじゅ9>希6の行動値テーブル(希の特性により変動)


9,8,7,6,5,4→両者行動成功

3,2,1,0→希行動失敗、行動値減少毎に与ダメージ1ずつ増加


(あんじゅ:召喚)(希:防御)(行動値5)




あんじゅ「さて、二人の手前カッコ悪いところは見せられないわね」

あんじゅ「まずは契約を反故にした希ちゃんから♪」

希「なっ…」


海未(大蛇は希を丸呑みにすると言わんばかりに大きな口を広げて襲いかかります)


希「ぐっ…きっついわぁ…」

あんじゅ「へえ。この子のバカ力を正面から受けるなんてね。関心するわよねー」


海未(希は噛みついてくる大蛇の下顎を踏みつけ、上顎を長刀で押さえてこらえています)

海未(メリメリと軋むが洞窟に響き、すぐに希は力尽きると思いました)


凛「希ちゃん!頑張って!今助けるよ!」

あんじゅ「おっと。一旦引いて」


海未(凛が人間離れした跳躍力で大蛇の頭上を取り、短剣を振りかざします)

海未(状況を判断したあんじゅはすぐに大蛇の身を引かせましたが……。相手のチームワークは良いようですね)





あんじゅ:次ターンから大蛇が5ダメージまでかばいます

※花陽7>希6の行動値テーブル(希の特性により変動)

9→花陽行動失敗、行動値増加毎に被ダメージ増加

8,7,6,5,4,3→両者行動成功

2,1,0→希行動失敗、行動値減少毎に与ダメージ増加


(花陽:召喚)(希:長刀)(行動値3)





希「ありがとな、凛ちゃん」

凛「ううん。気にしないで。仲間は絶対に守る、私の流儀だから」

希「なら、うちも報いなきゃなぁ。花陽ちゃんの相手は心苦しいだろうから、任せてとき」

花陽「やっぱり優しいね。希ちゃん」


海未(周囲の魔力が花陽に集中するのがわかりました)

海未(周りが地の魔力ばかりだからでしょうか。いつも以上に大きく感じます)


希「おっきな魔法を使うつもりかもしれんけど……。…やらせんよ?」

海未「!花陽、危ない!」


海未(魔力を扱っている時はほぼ無防備。それは私でもわかります)

海未(その間に狙われたら…!)


花陽「大丈夫だよ、海未ちゃん。この程度平気 だから」

希「へ…?突き刺さらん…?」

花陽「自分を石化させれば大抵の武器はしのげるよ。身体が欠ける分のダメージは防げないけどね」


海未(突き刺した長刀は通らず、切っ先が花陽のお腹から離れません)


花陽「…ふふ。逃がさないよ」


海未(誰が予想したでしょうか。希の頭上から石像のように成形された鉱物のライオンが降ってきました)

海未(希をそのまま組み伏せ、宝石のように光る牙を突き立てます)


希「うあっ…!……?なんか…気持ちいい……?」

花陽「あっ…希ちゃんも地属性だったかぁ…」

凛「!この!希ちゃんを離せ!!」

花陽「凛ちゃん…邪魔しないでほしいな」

凛「絶対やだ!希ちゃんにヒドイことする奴はぶちのめしてやるにゃ!」


海未(凛の反応はやはり早いです。すかさず駆け出し飛び蹴りをライオンにかまします)

海未(ライオンの彫刻のようなたてがみは砕けましたが、まだ動くようです)


花陽「あーあ、渾身の出来だったのに」

海未「…彫刻を楽しんでたのですか?」

花陽「せっかく地の魔力が一杯なんだもん。使わないと。ゴーレムを出すだけなら一瞬で出来るけど、それじゃつまらないよ」

あんじゅ「花陽ちゃん、魔法を楽しんでるわねー♪」



花陽:体力9→8、次ターンからゴーレムが体力1までかばいます

希:体力10→9(判定ダメージ1 技量ダメージ1-属性ダメージ1)


海未「花陽、自分を犠牲にする戦いは許しませんよ。…でも、楽しむのもどうかと…」

花陽「海未は真面目だよね。まあ、それがいいんだけどね」

あんじゅ「魔法は戦うだけの力じゃないし。使い方を磨くのも大事よ」

凛「…魔法のせいで奪われた命もあるのに…」

希「だから、うちらで止めなきゃいけないよ。Printempsも、あの魔女も」



>>259
・海未の行動、対象選択
・コンマ一の位行動値判定
・コンマ十の位相手の行動判定

>>261
・花陽の行動、対象選択
・コンマ一の位行動値判定
・コンマ十の位相手の行動判定

>>262
・あんじゅの行動、対象選択
・コンマ一の位行動値判定
・コンマ十の位相手の行動判定

剣 希

防御 希

凛 剣

※あんじゅ9<凛10の行動値テーブル(凛の特性により変動)

9,8,7,6,5→あんじゅ行動失敗、行動値増加毎に被ダメージ増加

4,3→両者行動成功

2,1,0→凛行動失敗、行動値減少毎に与ダメージ増加


(あんじゅ:剣)(凛:?)(行動値9)





凛「攻められっぱなしじゃまずいね」

凛「行くよ!魔女!」


海未(凛は先に鉤のついたワイヤーをあんじゅに向けて投げつけます)

海未(…あんじゅはそれを意に介しませんが、当然のごとく大蛇の頭が間に割って入ります)


凛「へへ、かかかったにゃ」

あんじゅ「?」

凛「とぉりゃぁぁ!」


海未(鱗を貫き大蛇に食い込んだワイヤー。伸縮するそれが縮む力を利用して凛は勢いよく宙を舞います)

海未(その勢いのまま短剣を構え、大蛇の頭に突き刺しました)


凛「へっ、これでどうだ!蛇は頭を押さえればどうってことないんだよ!」

あんじゅ「あら、やられちゃった。やるじゃない、凛ちゃん」


海未(蛇とは思えないおぞましい咆哮が洞窟内に反響します。竜、に近い邪悪な魔物のそれに、私は耳を思わず塞いでしまいました)

海未(そして、大蛇は力なく横たわります)


あんじゅ「私も本気出さないとダメみたいね」

凛「大蛇を突破できたし、いけるよ!希ちゃん!」

希「うん!」



あんじゅ:体力10→10(判定ダメージ5。大蛇消滅)


※凛は行動判定5,4,3でワイヤー攻撃をします。行動成功すると、相手は次ターン行動成功しなくなります(凛が失敗した場合は凛にダメージ)。


※海未8>希6の行動値テーブル(希の特性により変動)

9,8,7,6,5,4→両者行動成功

3,2,1,0→希行動失敗


(海未:剣)(希:防御)(行動値6)






海未「恨みはありませんが、私の大切な人を救うためです。悪く思わないでください」ガンッ

希「なんでPrintempsのリーダーを助けようとしてるかは知らないけど…世の中の敵に肩入れするのはいただけんなぁ」ギリギリ


海未(剣と長柄でつばぜり合い。お互いに引く様子もなく、膠着状態が続きます)


希「目的さえ果たせればそれでいいの…?」

海未「綺麗事並べて諦めるよりかは」

希「…!そんなの…うちがやった失敗と同じ…!」

海未「言ったはずです。綺麗事なんて糞喰らえです」

希「海未ちゃん…!」


海未(…希は、私を引き込もうとしているのでしょうか)

海未(……いいえ。関係ありません。花陽を一人にするなんてできませんし…私がやりたいことを見つけたのですから)

(花陽:防御)(希:幻魔法)(行動値3)



希「らちが開かんなぁ…」

海未「こうしてつばぜり合いで拮抗する相手もなかなかいないので。何だか嬉しいですね」

希「うちはそういう趣味ないんやけど」


希「なら、ここで魔法や」

海未「!長刀だけ残して…消えた…?いえ、幻と入れ換えただけ、ですね」


希「隙だらけやで、花陽ちゃん」

花陽「幻属性、ね。残念だけど見切ってるよ」

希「えっ…?」


海未(私の視界からいつの間にか消えた希は、何故か花陽の後ろに回り込んでいました)

海未(花陽の延髄に向けてソバット打つ構えをしましたが、花陽は薄ら笑いをしたまま振り向きもしません)


海未「花陽っ!」

花陽「だって、魔属性で押さえつけられる属性だもん」バリバリッ


希「うぁぁあああっ!」


海未(希の足が花陽に触れた瞬間、赤黒い魔の電流がスパークしました。希は足を押さえてのたうち回ります)


花陽「幻惑は私にも…海未ちゃんにも効かないと思うよ?」

海未「眼では追えませんが、力の遷移は感じられますし」

あんじゅ「素晴らしいわね、まったく。ツバサが一目置くワケだ」

凛「希ちゃん!しっかりして!」



希:体力10→8(花陽の特性によるダメージ2)

海未「花陽、ケガはないですか」

花陽「大丈夫だよ。反撃は得意なの」

凛「…かよちんの悪い癖にゃ…」

希「し、死ぬかと思ったわ…。花陽ちゃん、かなりのバケモノやん…」

あんじゅ「いやいや、あれだけの魔力を流されて立ち上がるのもバケモノだけど」


凛「希ちゃん、バラバラに当たってたら勝てないよ。力をあわせなきゃ」

希「そうやね…。連携といこか」


海未「!身構えて、二人とも!来ます!」





※次ターン、凛と希は連携技を使用します

・ターゲットは行動値の一番低かったメンバーになります

・凛、希の敏捷は二人の平均の8で判定します

・ダメージは凛、希の技量の和14-ターゲットの技量となります。二人が行動失敗した場合も二人にそのダメージが入り、その後ターゲットが二人に行動を起こします




>>267
・海未の行動(剣、弓、氷の矢、防御)選択
・コンマ一の位行動値判定

>>269
・花陽の行動(地魔法、魔魔法、召喚、回復、防御)選択
・コンマ一の位行動値判定

>>270
・あんじゅの行動(魔法、剣、召喚、防御)選択
・コンマ一の位行動値判定

防御 希

防御

召喚

※最も行動値の低い花陽がターゲットになります
(花陽:防御)(行動値0)

・花陽7<凛、希8の行動値テーブル
9,8,7,6→花陽行動失敗
5,4,3,2→両者行動成功
1,0→凛、希行動失敗



凛「行くよ!希ちゃん!私に構わずやって!」

希「うん…!凛ちゃんのこと、信じてるよ…!」


海未(号令と共に凛が姿勢をかがめて猛ダッシュします。弾丸のような速さには、眼で追うのが精一杯です)

海未(黄色の影は私やあんじゅには目もくれず花陽の下まで一直線に這っていきました)


花陽「なんて速さなの…!?」

凛「これも希ちゃんの魔法なんだって。自分の身体にかかるリミッターを錯覚させて身体能力を限界まで引き出すってさ」

凛「かよちんには効果がないかもだけどね!」ドサッ

花陽「あうっ…!」


海未(勢いを殺さず、凛は花陽を抱え込んで洞窟の壁に叩き付けました。そして花陽の首と足を押さえつけ、身動きを封じます)


凛「希ちゃん!頼んだ!」

希「凛ちゃん!ちゃんと避けてよ!」


海未(幻惑の魔法なのか、希は私とあんじゅを何事もなったかのように素通りし、花陽と凛に向けて長刀を構え走ります。…このままいけば、二人とも串刺しになります)

海未(…救援が間に合わない!)


凛「任せてって。気配で避けられ……え?」

希「はあぁぁぁっ!」

凛「ま、待って!手が…!壁の中に…!」


ザクッ

花陽「…残念♪壁に触れさせたら魔法で溶け込めるんだよね」

凛「…え……う、そ……っ」

花陽「戦略的にはよかったと思うけど、想像力不足だよ、凛ちゃん。そんなわけでこの手はもらってくね」ガリッ

凛「あっ……ぅう……あ」


海未(一瞬のことでしたが…。花陽は壁に溶け込むことで難を逃れ、押さえつけていた凛の手を壁にめり込ませました。こうなれば、希の追撃を避けたくても避けられません)

海未(そして、おそらく石化したであろう凛の手を迷わず叩き折りました)


希「そんな……凛ちゃん…!!」

花陽「…凛ちゃんの命を奪ったのは希ちゃんだよ。…その命で償ってね」ザクッ

希「うあっ……花陽、ちゃん…」


海未(凛を串刺しにした長刀を引っこ抜き、そのままへたりこんだ希の胸へ突き刺します)


花陽「…あの時、私を励ましてくれてありがとう」バリバリッ

希「あああぁぁぁあっっっ!」


海未(笑顔とは裏腹に、長刀に空間を歪ませる程の魔の電流を走らせます。怒りとも憐れみともとれる暴虐を受け、希は力なく倒れました)



凛:体力8→0(連携ダメージ7+特性ダメージ2)
希:体力8→0(連携ダメージ7+特性ダメージ2)

あんじゅ「花陽ちゃんは恐ろしいわね。こんな人を敵にしてたって考えたら、ゾッとしてきたわ」

花陽「でも、それでもあの時あなた達を仕留めることは出来なかった。そっちの方が恐ろしいです」


花陽「さて、あんじゅさん。凛ちゃんと希ちゃん、どうします?私は凛ちゃんとちゃんと決別したいかなぁと」

あんじゅ「…まあ、希ちゃんは契約を反故にしたし、処断しないと示しがつかないのよね。凛ちゃんは…魔力をいただいた後は任せるわ」

花陽「だってさ、海未ちゃん。海未ちゃんはどうしたい?」

あんじゅ「海未ちゃんがそうしたいなら、延命もできるわよ?やるとは言ってないけど」

海未「……………」


海未(…凛と希は私の敵ではない、のですが…)

海未(花陽とあんじゅにとっては、決別しなければならない存在ということでしょう)

海未(……口を挟むべきなのでしょうか)





>>274 選択

1,……穂乃果と真姫が助かるのならどちらでも構いません

2,花陽、あなたは凛とやり直すべきです

3,契約を履行すれば文句はないのですね?あんじゅ?

4,凛、希。私に忠誠を誓いなさい。引き換えにその命を引き取ります

4

海未「凛、希。私に忠誠を誓いなさい。引き換えにその命を引き取ります」

凛「……え…?」

希「海未……ちゃん……?」

海未「答えなさい。このまま死神の迎えを待つか、私の前であがき続けるか」



花陽「……あははは。海未ちゃんは覇の道を征くのかな?」

あんじゅ「王の資質を持ってるのかもね。…海未ちゃんなら、あるいは…」



凛「……海未ちゃんが王さま、か……。…悪くない、かも」

希「凛…ちゃん…」

凛「…かよちんはもう元には戻らないし、魔女は許せるわけがないけど……」

凛「そんな人たちすら分け隔てなく仲間にいれる海未ちゃんは…ホントの意味でこの国を治められるんじゃないかな…」

希「……それは、…凛ちゃんの…思いやない…。…客観的に見た……推測だよ…」

凛「……そんなの、もういいの。こんな私が誰かのために全力になれるなら…。…本懐、だよ」

希「………………」



あんじゅ「……王様の御心は絶対ね。ほら、希ちゃん。そんなところに突っ伏してないでいくわよ」

花陽「凛ちゃん。…私のことをどう思ったっていいけど、海未ちゃんだけは裏切らないでね?」

海未「花陽…あんじゅ…」



海未(二人は、傷ついた凛と希を魔法で治療し始めました。切り取られた手を何事もなかったかのように接合し、身体に空けられた穴を脅威的なスピードで塞いでいきます)


海未(……私が王…?……考えたこともありませんでした)

海未(………………)

海未(……しかし、それも方法の一つです。皆がそれを望むなら、応じてみせましょう)



希「……わかったよ。…海未ちゃんにかけてみる」

凛「海未ちゃん。私と希ちゃん、そして私の部下は…あなたに忠誠を誓います」

海未「…そんな仰々しいものは望んでません。世界を変えてゆく仲間となってくれれば、それでいいんです」

希「それが…海未ちゃん、かぁ…。王様って呼び方は相応しくないのかも」

花陽「…そうだね。海未ちゃんは海未ちゃんだもん」

あんじゅ「……もういがみ合いも無意味ね」

凛「そう、だね。海未ちゃんを見てたらちっぽけなことに思えてくるにゃ」

海未「皆、私を何だと思ってるのですか…」

あんじゅ「さて、役者は揃ったわね。ツバサと穂乃果さん、それに海未ちゃんのお仲間を蘇生していく旅ね」

海未「はい。真姫はガウラにいますが…穂乃果とツバサは?」

花陽「穂乃果ちゃんは…オトノキの街だよ」

あんじゅ「もろPrintempsの本拠地じゃない。大丈夫なの?」

花陽「大丈夫じゃないね。…特に海未ちゃんはことりちゃんが躍起になって探してるもん」

あんじゅ「それは…面倒ね。…ツバサはハーバラの街で英玲奈が世話してるわよ」

凛「ハーバラで…?A-RISEと敵対する勢力の街じゃ…?」

あんじゅ「ハーバラの地下迷宮はA-RISEメンバーくらいしか攻略できないわよ。用心深いツバサが念入りに作ったんだから」



海未「…穂乃果を蘇生させなければ真姫は助けられませんが…。Printempsの本拠地に乗り込むのは得策とは言えません」

希「うん。優先順位をつけるなら…まず、ツバサさんの復活から、やね」

あんじゅ「…まあ、この5人の戦力なら正面から叩き伏せられそうだけどね」



海未(……どうしましょうか。戦力を割けば効率よく事を進めることも可能です。…もちろん、リスクを伴いますが)





>>278 選択

1,ツバサの蘇生を最優先しましょう

2,オトノキに乗り込みます

3,あんじゅと凛はハーバラへ向かい、私と花陽と希でオトノキを制圧します

1

海未「ツバサの蘇生を最優先しましょう」

花陽「それが一番効率的、だよね…」

あんじゅ「情勢がどう転ぶかわからないんだからね。すぐできることはすぐやらないと」

海未「はい。急ぎましょう」


凛「けど、移動はどうするの?列車を使ったって着くのは夕方くらいだよ?」

あんじゅ「ご心配なく。とっておきのモノがあるのよ」

希「とっておき?」

あんじゅ「空から行くわよ。防空システムの網の穴は英玲奈がデータ採ってるし」

海未「航空機、ですか?取り回しに不自由するのでは?」

あんじゅ「ノーノー。航空機やヘリじゃなくて」


あんじゅ「…召喚魔法、使えるのは大蛇だけじゃないって話よ」

花陽「まさか…ドラゴンとか、ですか?」

あんじゅ「正解よ♪試すのは初めてだけど」


海未(ドラゴン、ですか。…あんじゅも、魔法を楽しんでいるようですね)

海未(まあ、急ぐに越したことはないですから。乗せてもらいましょう)


海未(あんじゅの案内で神社の境内の出口まできました。複雑な洞窟や隠し扉の多い建物なので、時間はかかりましたが)

海未(…出口付近からは、朝の日差しが暗所に馴れた眼を強く刺激します)




花陽「………………」

あんじゅ「…どうしたの?花陽ちゃん?」

花陽「…ううん。なんでもないよ。まさか、ありえないから」

海未「何か気になるものが?」


海未(花陽が歩幅を縮めて何か考えています)

海未(魔力に人一倍敏感な花陽が何かを察知したということは、十中八九何かあるのでしょう)

海未(……しかし、私には何も感じ取れません)


花陽「……呪術の気配なんて、ことりちゃんじゃあるまいし」

海未「……ことり?呪術?」

希「あー、一応呪術もこの街じゃ継承されてるよ。使う人はおらんけど。危ないし、技を誰かに盗まれたって言ってたし」




花陽「!!やっぱり!!」

海未「花陽?」

花陽「外に出ちゃダメ!!」



あんじゅ「え?」

凛「なに…?」

希「ん?」

海未「何が…?………………うぐっ!」


海未(先頭を歩いていた私を、突然床板をぶち抜いて現れた土の巨大ミミズが天井をぶち抜いて吹き飛ばしました)

海未(これは…花陽の魔法ですね…。出口に何かトラップが…?)



「……かよちゃん、何で邪魔するの…?」

花陽「…ことり、ちゃん。どうして…追ってきたの?」

ことり「…もちろん、海未ちゃんを守るためだよ。かよちゃんは何でこんなところまで来てるの?海未ちゃんを見張っててって言ったよね?」

花陽「……海未ちゃんが行くから。海未ちゃんについていきたいから」

ことり「……もういいよ。誰も私の味方をしてくれないってわかってるから」

ことり「だから、力ずくで力を貸してもらうしかないの」

ことり「…ね?凛ちゃん、希ちゃん、あんじゅさん」


あんじゅ「出たわね…傀儡師のことりちゃん…」

凛「あ、あれ…?身体が…勝手に…?」

希「な、なに…これ…?蜘蛛の巣…?」

ことり「しばらく言いなりになってね、三人とも」

花陽「…っ!ことりちゃん…そのやり方はないよ!」





海未「花陽…吹っ飛ばすなら先に言ってください…。受け身を失敗したら痛いじゃ済まないです」

ことり「海未ちゃん…ひさしぶり、だね」

海未「!ことり…本当にことり、ですか…?」

海未「そして…なぜ皆、花陽に武器を向けているのですか?」

花陽「マリオネット。ことりちゃんの十八番だよ。海未ちゃんが引っ掛かりそうだったから、とっさに吹っ飛ばしちゃった」


ことり「海未ちゃん。…やっぱり…私は海未ちゃんがいないとダメだよ…。海未ちゃんがいないと…こうして平気で人を傷つけちゃうし…。私自身も心が凍えてつらいの…」

海未「………………。…知っています」

海未「…ことりは、穂乃果や私のためなら、モラルなど簡単に飛び越えてしまうことも。…あなたに、あなた自身の意思決定がないことも」

ことり「………………」

海未「私もそうでした。花陽と会うまでは」

海未「しかし、今は…。花陽と共に成し遂げた い夢があります」

海未「…邪魔しないでいただけますか」

ことり「…たった2日で、海未ちゃんはかよちゃんを選ぶんだ…」

海未「ええ。私が決めたことです」

ことり「……どうやったら…海未ちゃんは私と……」


ことり「……海未ちゃん。私じゃ…ことりじゃダメなの…?私だって…海未ちゃんと穂乃果ちゃんが夢見てた世界を目指してるんだよ…?」

ことり「…答えてくれないなら、私…みんなを一人ずつ消してくしかなくなっちゃうよ…?」

海未「……!」


海未(…ことりは、想像以上に不味い状態でした。…私がことりに従わなければ、仲間を一人ずつ抹殺すると)

海未(…ことりはそれくらい平気でやるでしょう。脅しとは思えません)


凛「…海未ちゃん、逃げなよ。…海未ちゃんには、このどうしようもない世界を変える力があるんだよ」

希「うちもそう思う。…たかがうちらの命で、海未ちゃんの魂を売っちゃダメや」

あんじゅ「…二人みたく聖人めいたことは言えないけど、…海未ちゃん、あなたの選択を信じるわ」

花陽「海未ちゃん…私は海未ちゃんの意志に従うよ」




>>184 選択
1,…せめて親友として、あなたを介錯しましょう…
2,彼女らを解放してください…私はことりの下へ帰ります
3,……それがあなた達の本懐というのなら…私は絶対に世界を変えます
4,………………。

※安価ミスりました

>>285

4

海未「………………」

ことり「…海未ちゃん?何か言ってよ。…私、本気だよ?」

海未「……ことりを救うには、どうしたらいいのでしょうか」

ことり「え?」



海未「…ここであなたを斬り伏せたり、心の穴をその場しのぎで塞いでも…ことりは救われません」

海未「…親友として、あなたの心に寄り添いたいのです。それが、私のできる…私のやりたいことですから」

ことり「………………」



海未(ことりの曇った瞳は私を直視しようとしません。何かから逃げるように視線を動かし続けます)

海未(…もう、あの時のように私は逃げたりしません。敵をも救う理想をもって、世に王道を打ち立てます)

海未(その覚悟を示すように、もう見捨てないと伝えるように、ことりを強く抱き締めました)



海未「ことり。…私じゃ駄目でしょうか。世界を変革するのが私じゃ駄目でしょうか」

海未「……穂乃果でなければ駄目でしょうか…」



ことり「……私の知ってる海未ちゃんは、もういないんだね…」

ことり「私と同じで、穂乃果ちゃんと同じ道を進む海未ちゃんは…もうとっくにいないんだね」

ことり「……でも…。…海未ちゃんが見せてくれる道も悪くない、かも」



海未「……私と一緒に行きましょう、ことり。あなたの失ったものを、それ以上の価値のものにしてプレゼントしたいんです」

ことり「うん…!」

海未「……花陽」

花陽「何かな?海未ちゃん」

海未「…一つ、頼まれてくれますか?」

花陽「うん、いいよ。どんなこと?」


海未(…あまり聞かれたくない内容なので、手招きして小声で伝えます)


海未「……今、穂乃果とことりを会わせるのは良くないと思うのです」ヒソヒソ

花陽「まあ、ね。またおかしな精神状態になっちゃうよね」ヒソヒソ

海未「…なので、穂乃果と真姫とツバサの蘇生を任せてもいいでしょうか」ヒソヒソ

花陽「…つまり、ことりちゃんに海未ちゃんが同伴して私たちとは別行動ってこと?」コソコソ

海未「ええ…。…ことりをつなぎ止められるのは、恐らく私しかいないと思いますし」ヒソヒソ

花陽「………………」



海未「……駄目、ですか?」ヒソヒソ

花陽「…海未ちゃん、ずいぶんことりちゃんに甘いんだね」ヒソヒソ

海未「…ことりがああなったのも私の責任ですし…親友、ですから」ヒソヒソ

花陽「………………。…わかったよ。…私は海未ちゃんの一番になれないのは残念だけど…、相棒ではあるつもりだから」ヒソヒソ



海未(花陽は何だか悲しそうな笑顔でうなずいていました)

海未(その時の気持ちは、私の心を深く貫き、痛みを刻みます)



海未「ことり、行きましょう。私がついてます」

ことり「うん…!」



凛「えっ…?海未、ちゃん…?」

あんじゅ「……それが海未ちゃんのやり方、か」

希「ホントにええの?花陽ちゃん」

あんじゅ「海未ちゃん、とられちゃうよ?」



花陽「いいの。やることは変わらないし…海未ちゃんの一番最初の仲間ってことは変わらないから」

※海未がパーティから外れました。この後は花陽の選択肢を軸にストーリーを進行します



花陽「あんじゅさん、行こう。止まってる暇はないよ」

あんじゅ「そうね。私には直接関係ないことだし。花陽ちゃんが海未ちゃんと同じ考えなら、協力してあげたいし」

凛「……私がついていきたいのは海未ちゃん、なのに…」

希「確かになぁ。うちらが忠誠を誓ったんは海未ちゃん。花陽ちゃんについてく義理はないなぁ」



花陽「かまわないよ。海未ちゃんに反逆しないなら、私に同伴しなくてもいい」

花陽「…海未ちゃんに仇為すことをしたなら、必ず始末するけど」

凛「…なら、私はこれで。…凛なりに、海未ちゃんの役に立つことはできるはずだから」

希「…そやね。てな訳で花陽ちゃん、お別れや」

花陽「そっか。じゃあね」


あんじゅ「…でも、凛ちゃんいないとツバサも穂乃果さんも蘇生できないわよ?…いえ、ツバサは私の魔力でなんとかなるけど」

花陽「……海未ちゃんなら、嫌がる味方に強制はさせないよ」

花陽「…あんじゅさん、厳しい仕事になるかもしれないですけど、協力してもらえますか?」

あんじゅ「……私に魔力を使い果たせと。なかなかエグいこと言うわね」

花陽「……必要ならラブカ精製のために人間を狩ります」

あんじゅ「オーケーオーケー。それなら採算とれるわ」



あんじゅ「……なんで凛ちゃんを逃がしたかは言及しないけど…」

花陽「………………。…後ろから、刺されたくなかったからです」

あんじゅ「そっか。…花陽ちゃんの業の深い所行を見たら、絶対殺してでも止めるものね」

花陽「……その時は、私も凛ちゃんを…」

花陽(あんじゅさんの召喚した飛竜に乗って、日が昇りきる前にハーバラの街へ到着しました)

花陽(そして、荒廃した旧官邸前まで足を運びます)



あんじゅ「あーら、ここまでヒドイとはね。塀が意味ないじゃん」

花陽「……ここは、穂乃果ちゃんが海未ちゃんを道ずれにした場所ですから」

あんじゅ「あー。あの強烈なフラッシュは穂乃果ちゃんの」

花陽「そうです…」


花陽(……海未ちゃんのこと、まさかこんなに思い悩む日が来るなんて。運命はわからないよ)


花陽「…どうやら、レジスタンス組織の反抗作戦の対応で都心部は手薄みたいですね」

あんじゅ「そうよね。Xデーは今日だものね。なら地下迷宮の探索も思うように進んでないのかな」

花陽「一気に突破しちゃおう!」



花陽(あんじゅさんは下水道のマンホールに似せた地下迷宮の入口を開けて、潜入します)

花陽(……地下迷宮はぼんやりと明るいんだけど…壁には血痕が走って、道の脇には肉塊が転がってました)

花陽(…侵入者を排除する何かがあるのかな?)



あんじゅ「あ…ヤバいかも」

花陽「?どうしたんですか?」

あんじゅ「極秘製造の生体兵器が脱走して地下迷宮を占領してるみたい」

花陽「え?」

あんじゅ「英玲奈のヤツ、私はあれだけ危ないって言ったのに…」

花陽「…そんなにヤバいの?」

あんじゅ「私とツバサと英玲奈の遺伝子からベースを作って、投薬や機械化で強化。これだけでも十分ヤバいと思わない?」

花陽「あー、はい…」



花陽(…前途多難な迷宮探索になりそうです)





あんじゅ「生体兵器の位置を特定するのは不可能だわ。もしかしたらもう外に出てるのかも」

花陽「…そうだとしたら、どうなるの?」

あんじゅ「目にしたあらゆる生物を排除しようとするわね。本能は機械で制御する予定だったし、誰に似たんだかすごく攻撃的だったし」

花陽「…はい。なるべく出会わないことを祈りましょう」


あんじゅ「さて、シェルター区画までのルートは二つあるけど。どっちで行くかな」

花陽「どんなルート?」

あんじゅ「今いるセキュリティ区画から直行するか、英玲奈の使ってた研究区画を横切るか。研究区画までは近道があるけど、…生体兵器が脱走したのも研究区画よ」

花陽「………………」


花陽(もし、生体兵器に帰巣本能があれば研究区画を住みかにしてるはず。危険は免れないかな)

花陽(セキュリティ区画なら、あんじゅさんの指示に従ってる限りは安全だね)

花陽(…まあ、生体兵器がセキュリティ区画を徘徊してる可能性もあるけど)

花陽(どうしようかな)








>>293 選択、コンマ一の位行動値判定

1,研究区画を突っ切りましょう(行動値6でも遭遇)

2,セキュリティ区画を進みましょう(行動値7でも遭遇しない)

3,私の魔法で道を作ります(次回、行動値テーブルが変動)



生体兵器の様子↓

9,8,7→生体兵器と遭遇

6,5,4,3→何事となかった

2,1,0→生体兵器の手がかりを発見

2

花陽「セキュリティ区画を行こうよ。もし研究区画を住みかにしてたらマズイよ」

あんじゅ「まあ、その通りね。そうしよう」



あんじゅ「一応、セキュリティシステムは生きてるとは思うから。引っかかるとガードマシンが襲ってくるわよ」

花陽「あんじゅさんはトラップの配置は知ってるんですよね?」

あんじゅ「知ってるけど、生体兵器が暴れ回ったせいでそのとおりにはならないかも」

花陽「……いざとなったら破壊、だね」

あんじゅ「そういうこと」






あんじゅ「この辺は生体兵器が来た様子はないわね」

花陽「あの、生体兵器ってどんな感じのやつなんですか?」

あんじゅ「……ゾンビがパワードスーツ着てる、そんな感じね」

花陽「うわぁ…」

あんじゅ「クローン技術はあまり進んでないし。機械で無理くり動かしてるのよ」

あんじゅ「英玲奈はあなた達への最終兵器になるとか言ってたけど、体制崩壊で見事に暴走オチだし。あー、英玲奈のやつ、後でヤキね」

花陽「……英玲奈さん、大丈夫なのかな?シェルター区画に侵入してたら…」

あんじゅ「…大丈夫よ。アイツはそこまでマヌケじゃない」




あんじゅ「この先の階段から、セキュリティがあるわね。遠回りして作業用のはしごから降りれば安全だけど、正しい手順で進めばセキュリティ解除できて近道よ」

花陽「…どうしよう?」








>>296 選択、コンマ一の位行動値判定

1,階段、行きます(行動値9,5,4,0でセキュリティ作動)

2,はしごで降ります

3,魔法で通路を作ります(次回行動値変動)



生体兵器の様子↓

9,8,7→生体兵器と遭遇

6,5,4,3→何も起きなかった

2,1,0→生体兵器の手がかり発見

1

花陽「階段から行きます。セキュリティの案内、お願いしますね」

あんじゅ「わかったわ」



あんじゅ「説明すればすごく簡単だけど、床のパネルを一筆書きで進めば解除されるの。できるわよね?」

花陽「なるほど。それは知らないと突破できないね」

花陽「けど、二人いる時は?いちいち一人が待ってないといけない?」

あんじゅ「まあ、そうなるわね。道筋を知ってる私から先にいくわ」



花陽(……まるでゲームの謎解きです。効果的ではあるんだけど)

花陽(ツバサさんはそういう遊び心のある人なのかな?)

花陽(…とか思ってたら、セキュリティ一時解除のアナウンスが流れました。あんじゅさんは薄暗い下層へ行ったみたいです)



花陽「…まあ、あんじゅさんの行った道順なら間違いないよね」ツカツカ

花陽「………………。はい。解除です」

あんじゅ「毎回面倒なのよね。ツバサの趣味のせいで」

花陽「やっぱり趣味なんですか」

あんじゅ「ゲーム好きなのよ。見た目に違わず子供っぽいのよねー」

花陽「意外な一面です。もっと厳格な人なのかと」

あんじゅ「自分のルールにはね。それ以外はテキトーよ?」

花陽「…ツバサさんの人物像が大分変わりました」

あんじゅ「下層まで来たらあと少し。警戒しながら進もう?」

花陽「はい」



あんじゅ「下層は本格的な迷路よ。それでいて常にセキュリティが作動してる」

花陽「…大丈夫なんですか、それ」

あんじゅ「生物を感知するセンサーが至るところにあって、30分間連続反応すると構内に強力なマイクロウェーブを流すトラップ。危険よね」

花陽「巨大な電子レンジ、ですね。…確かに確実に死滅させられるね」

花陽「つまり、30分以内にこの下層を出ないといけないってことですよね」

あんじゅ「正解♪道を知らないと間違いなく人間爆弾になるわよ」

花陽「早く行きましょう」

あんじゅ「焦らなくても大丈夫よ。正解のルートはあるから」







>>300
・コンマ一の位行動値判定



イベントのテーブル↓

9,8,7→生体兵器と遭遇
6,5→シェルター区画に到着
4,3→???
2,1,0→生体兵器の手がかり発見

花陽「でも、本当に生体兵器なんていたんですか?セキュリティを作動させててもおかしくないと思うんですけど」

あんじゅ「知能は朽ち果ててるかもしれないけど、私たちの記憶は残ってるはず。危険だと頭に入ってる場所には近づかないわよ」

花陽「…そう、ですか」



あんじゅ「…ん?何か落ちてる」

花陽「なんですか、それ」

あんじゅ「…生体兵器のパーツの欠片ね。剥がれ落ちたんだと思う」

花陽「…明らかに弾をはじいた形跡があるんですけど…」

あんじゅ「誰かが生体兵器と交戦した、のかしら。まあ、該当するのは一人しかいないけど」

花陽「英玲奈さん、ですか?」

あんじゅ「そういうこと」



あんじゅ「これは回収しておきましょう。魔力がまだ残ってるから、撒き餌に使えそうだし」

花陽「同じ魔力をたどって追跡もできますし」

あんじゅ「まあ、追うことはないと思うけどね」

あんじゅ「さて、ようやくシェルター区画よ」

花陽「すっごい分厚い扉…」

あんじゅ「この奥は私たちA-RISE以外の侵入を許してないからね。物理的にも、仕組み的にも」



あんじゅ「……ロック解除、と」

花陽「端末もないのに…どんなカラクリなんですか?」

あんじゅ「網膜認証に見せかけた魔力探知機よ。ツバサはそのことを知らないけど」

花陽「ツバサさんはどれだけ魔法を毛嫌いしてるんだろう…」

あんじゅ「誰もが振るえる力でないといけないって、常々言ってたしね。だから必要な修練の少ない銃火器の普及を進めたの」





「やっと戻ってきたのか。待ちくたびれたぞ」

あんじゅ「ごめんごめん。魔力の補填になかなか手間取っちゃって」

「まあ、こいつを呼び戻せるならいい」

「…例え、そこに敵がいたとしても」

花陽「いやだなぁ、英玲奈さん。私はもうあなた達と争うつもりはないですよ」

英玲奈「それならいいが。無策に戦っても本当の勝利は得られないからな」



あんじゅ「英玲奈、研究区画の生体兵器が脱走してるっぽいんだけど、何かわかった?」

英玲奈「多少痛め付けてやったが…まだこの地下迷宮にいることくらいしかわからない。…まあ、研究区画まで足を伸ばせば制御システムの更新が可能だ」

あんじゅ「他人事みたいに…。あんたが作ったんでしょ?」

英玲奈「今優先すべきはそれじゃない。ツバサの蘇生だ」

あんじゅ「……もし迷宮の外に出たら大惨事よ?」

英玲奈「………………。それは時間の問題、だな」

あんじゅ「やっぱり放置する気なんじゃん!」





花陽(…もし生体兵器が街に解き放たれれば、壊滅は免れないかな…)

花陽(…海未ちゃんなら、それを許す気はないと思うけど……。…Printemps側の拠点がなくなれば、海未ちゃんは動きやすくなる)

花陽(………………)





>>304 選択

1,英玲奈さん、あんじゅさんが蘇生してる間に何とかしましょう

2,英玲奈さんの思惑通りなら、それでいいと思います

3,私一人で仕留めてきますよ。Printempsの戦士てして

2

花陽「英玲奈さんの思惑通りなら、それでいいと思います」

あんじゅ「いいの?Printemps側の人たちに犠牲が出るし、後始末も面倒よ?」

英玲奈「なに。私とお前、それにツバサが入ればどうにかなる。それに…小泉花陽はもうPrintempsを見限っているようだ」

花陽「正直、その通りかな。ことりちゃんじゃ支配なんてできないし、…穂乃果ちゃんをあっちに戻すのも少し考え物だと思うし」

あんじゅ「…つまり、新しい支配者には海未ちゃんが相応しいってこと?」

花陽「……………」



英玲奈「園田海未、か。…私は彼女を知らないが、ツバサより王に相応しい人物なのか?」

花陽「王、にはなりたがらないかも。支配でなくて、この国に生きる一人ひとりの意志を尊重する。そんな世界を作りたいんだと思う」

英玲奈「…それは、平和と矛盾するぞ?」

花陽「はい。抵抗権を否定した平和なら必要ないですから」

英玲奈「………………。…力を持った夢想家ほど、厄介なものはない」



あんじゅ「私は割と賛成よ?このまま支配を続けて緩やかに衰退するよりは面白そうじゃない」

英玲奈「………………。…それも一つの考え、か。私も身の振り方を考えなければならないのかもな」

花陽「はい。英玲奈さんほどの人なら、世界を変えてしまうから。賢明な判断をお願いします」

あんじゅ「じゃあ、ツバサのおたんこなすを叩き起こしてくるわね。多分1日くらいかかるから、二人で散歩でもしてくれば?」

英玲奈「そうだな。外界と隔絶してた期間が長いし、情報がほしい」

花陽「そうします。行きましょう英玲奈さん」

英玲奈「ああ。園田海未の従者、小泉花陽。君をエスコートしよう」

花陽「お願いします」



花陽「特に行きたくない理由がなければ、研究区画で生体兵器を調べておきませんか?」

英玲奈「それもあり、か。始末する時に有利に働く」



英玲奈「シェルター区画から直接つながる道がある。長い水路だが。…そこからいくぞ」

花陽「通れないように水没させてるんじゃないんですか?どうやって通るんです?」

英玲奈「…1分息を止められれば、抜けられる」

花陽「お、泳ぐんですか…?」

英玲奈「君は重たい武装をしてないだろう?問題ないさ」

花陽「そういう問題じゃ…」



英玲奈「ここだ。…行くぞ」バッ

花陽「うぇぇえ!?服脱ぐの!?」

英玲奈「無駄な労力を割きたくない。ほら、花陽も」

花陽「も、もうっ!」バッ



花陽(泳ぐの得意じゃないんだけど…)

花陽(それに…下着とガンホルスターだけの英玲奈さん…。…何だか変に意識しちゃうよ…)


花陽(…普段はこの水路、強烈な電気を流してて生物の始末とかに使うみたいです。電気を止めたら脱出路として使える辺り、設計者の抜け目の無さを感じます)

※あんじゅがパーティから外れました

※英玲奈がパーティに加わりました




__英玲奈のステータス

・(体力/技量/敏捷)=(10/2/2)

・特性:全力(残り体力を技量、敏捷に加算する)

・属性:宙(光と氷)


__英玲奈のコマンド

・間接攻撃(拳銃)

・魔法攻撃(光・氷複合属性)

・魔導兵器(間接・魔法複合タイプ。自分の行動失敗枠+1)

・防御




花陽「」ハァハァ

英玲奈「魔術師様は運動不足か?」

花陽「泳ぐの…得意じゃないです……」

英玲奈「まあよくついてこられた。少し休んでからいこう」

花陽「は、はい…」



英玲奈「…しかし、どんないきさつなんだ?Printempsを離れて…園田海未に付き従うのは」

花陽「……あなた達を打ち倒す前、海未ちゃんと穂乃果ちゃんは決闘したんです。Printempsのやり方に違和感を覚えた海未ちゃんが穂乃果ちゃんを…倒しました」

英玲奈「…なるほど。あの時リーダーがいなかったのはそういう理由か」

花陽「でも、海未ちゃんも瀕死の重症で…ことりちゃんが命をつないでたんですが…」

花陽「海未ちゃんはことりちゃんの下から離れて、Printempsを倒すべく旅に出たんです」

英玲奈「…Printempsな対する明確な反逆者、か。…革命家への道はそこから始まったのだな」

花陽「はい。私は海未ちゃんの監視をことりちゃんにお願いされました。あわよくば無力化して連れ帰るようにって」

花陽「けど、私は海未ちゃんに負けました。逆に捕らえられてしまいました」

英玲奈「……強いのだな。園田海未は」

花陽「強いです。身も心も。…それで、利害が一致した私と海未ちゃんは行動を共にするようになったんです」

英玲奈「利害?」

花陽「仮死状態の助けたい人がいる。助けるにはとある人間の魔力が必要。それだけだったんですけど…」

英玲奈「…園田海未に惹かれていったのだな」

花陽「はい。…悪逆を演じてきた私にすら手を差し伸べる人間は、海未ちゃん以外にいなかった」

花陽「……海未ちゃんの見据える先には私のほしい世界があるし、海未ちゃんのためならどんなことでもできる。…海未ちゃんとその思想を、愛してるから」

英玲奈「……そうか」



英玲奈「お前を救ったのは園田海未とその愛、なのだな」

英玲奈「…花陽のような人間が増えれば、世界も…」

花陽「?」

英玲奈「いや、なんでもない。私には関係のないことだ」

英玲奈「行くぞ」

花陽「は、はい」

花陽(濡れた身体でしばらく通路を歩くと、広いフロアに出ました)



英玲奈「ホールは無事か。ヤツの気配もない」

花陽「あ、あの…英玲奈さん」

英玲奈「どうした?」

花陽「服、ないでしょうか…?」

英玲奈「そんなに気になるか。…ロッカールームには何かあるだろう」

花陽「はい…。少し借ります…」

花陽「英玲奈さんも服着てください…」

英玲奈「…そうだな」



花陽(英玲奈さん、いくら人が私しかいないからって無防備すぎです。目のやり場に困ります)

花陽(でも、迂闊に動くのはマズイかも…。どこかに潜んでるのかもしれないし、手がかりは服といっしょに置いてきたし…)

花陽(生体兵器に遭わないことを祈るばかりです)





>>311 コンマ 一の位行動値判定

9,8,7→生体兵器に遭遇

6,5,4,3→何も起きなかった

2,1,0→生体兵器の手がかり発見

英玲奈「…袋小路か、ロッカールームは。ここで出くわしたら厄介だな」ガチャ

花陽「嫌なこと言わないでくださいよ。本当にいたら…」

英玲奈「!!入るな!」

花陽「うぇぇっ!?」



花陽(ドアを開けた英玲奈さんは、突然私を後ろに突き飛ばしました。そしてドアを閉め直します)



英玲奈「こんなところにいるとは…。マズイな」

花陽「…いたんですか?」

英玲奈「ああ。多分こっちに気づいた」

花陽「………………」



花陽(…見つかったなら、当然私たちに襲いかかってくるはず。選択肢は倒すか逃げるか…)

花陽(戦うとしたら、ホールまでおびき寄せないと)







>>315 選択

1,ホールまでおびき寄せて戦いましょう

2,構外まで逃げましょう

3,制御システムの更新をやってみてください。ここは私が食い止めます

3

花陽「制御システムの更新をやってみてください。ここは私が食い止めます」

英玲奈「正気か?ぶっちゃけ私より強いぞ?」

花陽「英玲奈さんがすぐに制御下に置くはずですから。時間稼ぎくらいならできますよ」

英玲奈「…そうか。ならば、その期待に応えなければならないな」



花陽(英玲奈さんは私の目をしっかり見たあと、ホールの方へ走っていきました。無表情なのはいつも通りだけど、なぜだか楽しそうに)

花陽(…さて、私はどうしようかな)



花陽「時間稼ぎなら打って出るより、徐々に後退していく方がいいかな」



花陽(…そんなことを考えてると、ロッカールームの扉が焼き切られて開いた)

__魔導生命体のステータス

・(体力/技量/敏捷)=(10/9/9)

・属性:無



__魔導生命体の行動パターン

9,8→防御

7,6→魔法攻撃(相手の弱点属性をつく)

5,4→魔導兵器(間接・魔法複合タイプ)

3,2→突撃(近接攻撃、攻撃判定を同じ行動値で2回行う)

1,0→クールダウン(体力+3、次ターン必ず行動失敗する)







花陽(ドアの向こうから現れたのは…)

花陽(反重力?で浮いてる人型の機械。配線の絡んだ全身には血糊がこびりついてる)

花陽(……一目見ただけで、危険な存在だと本能が告げてる)

花陽(……けど、やるしかない、かな)






>>318

・花陽(9/7/7)の行動(地魔法、魔魔法、召喚魔法、回復魔法、防御)選択

・コンマ一の位行動値判定

・コンマ十の位相手の行動判定

・行動値が奇数の場合、英玲奈の作業が一つ進行します。三つ進行すると魔導生命体を管理下に置くことができます

防御

※花陽7<魔導生命体9の行動値テーブル

9,8,7,6,5→花陽行動失敗、行動値増加毎に被ダメージ増加

4,3,2,1→両者行動成功

0→魔導生命体行動失敗、与ダメージ1



(花陽:防御)(魔導生命体:魔法攻撃)(行動値:7)




花陽(…詳しい戦闘スタイルとか聞かなかったから、動きが読めないなぁ…)

花陽(…まず、ホールまでおびき寄せよう)



花陽「こっちだよ!」

「……………」



花陽(…反応はなかったけど、私が逃げ出した方にちゃんとついてきてる)

花陽(陽動は成功かな…)







花陽(……………あ、れ…?)



花陽「……なんだか…眠く………………」

花陽「ま……さか……」



花陽(胞子が……漂ってる……)

花陽(すでに、魔法を…?)



花陽「………………」スゥスゥ

「……………」









花陽「………………あぅ…っ」



花陽(…身体に走る痛みで目が覚めた)

花陽(多分、毒針を背中から刺されたみたい…。倦怠感と激痛が一気に襲ってくる)

花陽(…森属性の魔法…。私はすごく苦手だよ…)



花陽「に……にげなきゃ……」





花陽:体力9→3(判定ダメージ3+技量ダメージ2+属性ダメージ1)

花陽「」ハァハァ



花陽(何とかホールまでたどり着いたけど…)

花陽(かなりの痛手を負っちゃったから、どうにもならないかも…)

花陽(……英玲奈さんに助けを求めることも考えないと…)





>>322

・花陽の行動選択

・コンマ一の位行動値判定、奇数ならば作業量+1

・コンマ十の位相手の行動判定

※花陽の行動に“救援要請”が追加されます。使用すると英玲奈が戦闘に参加しますが、魔導生命体の制御は不可能となります

防御

(花陽:防御)(魔導生命体:魔法攻撃)(行動値3)





花陽(…ううん。まだいけるよ)

花陽(…海未ちゃんなら味方を信じて耐え忍ぶはずだもん)

花陽(…私も実践しなきゃ)



花陽「私は逃げないよ!どこからでもかかってきて!」



花陽(魔のエネルギーを身体に流して身体能力を高める)

花陽(でも本当の狙いは、相手に光の魔法を使わせること。魔属性の弱点ではあるけど…)

花陽(穂乃果ちゃんがよく使ってた魔法だから、対策もよく知ってるよ!)

花陽(…予想通り生体兵器は腕の部分に光を集めて、レーザーを照射してきた)



花陽「…私には地の魔法だってあるの!」



花陽(瞬時に床をめくりあげてレーザーを遮断、床が貫通する前に相手の横に回り込んで魔力を直接浴びせました)

花陽(さすがにダメージが入ったのか、後ろに宙返りして警戒。私の様子を伺ってるのかな…)





魔導生命体:体力10→8(特性ダメージ2)

花陽(…元々人間ベースだから隙はあるね)

花陽(英玲奈さんがコントロールを得るまで何とかできる、かな…?)



英玲奈『花陽、無事か?』

花陽「英玲奈さん…?」

英玲奈『まだ生きてるようだな。…あと少しで制御システムを再起動できる』

英玲奈『…死ぬなよ』



花陽「はい…!」





>>325

・花陽の行動選択

・コンマ一の位行動値判定、奇数の場合英玲奈の作業量+1

・コンマ十の位相手の行動判定

再安価
>>327

防御

(花陽:防御)(魔導生命体:クールダウン)(行動値7)






花陽 「…慌てずに様子を見て…」



花陽(………………?)

花陽(生体兵器は浮遊をやめて動かなくなりました)

花陽(…英玲奈さん、やったのかな?)



花陽「……まあ、好都合だけど…」



花陽(…身体にめぐらせてた魔力を解いて息をつきました)

花陽(……それは、毒針の有害成分が私の身体を蝕むことを意味するのですが…。…気づくのが遅かったです)



花陽「うっ……あっ………や……」



花陽(……私の再生魔法は外傷には強いけど、…苦手な魔力が再生を阻害しちゃう…)

花陽(……気後れが最初にきて、その後視界がぼやけてきて、音が遠くなって……)

花陽(……床に倒れたのかもわからない内に、意識が…薄れて……)

花陽(………………)





花陽:体力3→0(判定ダメージ3+技量ダメージ2)

魔導生命体:体力8→10

英玲奈「…接続を確認。システムオンライン」

英玲奈「……ふう。これで復旧か」



英玲奈「……花陽?」

花陽「………………」

英玲奈「お、おい。しっかりしろ!」

花陽「………………」

英玲奈「毒針…森の魔法か…!」

英玲奈「マズイな…。魔力が身体を巡ってない」

英玲奈「解毒はできそうだが…魔力の補填をしなければ、…ツバサと同じ、か」



英玲奈「死ぬなよ、と言っただろうに…」



__シェルター区画


英玲奈「…あんじゅ」

あんじゅ「あら、早かったわね……あ」

英玲奈「…花陽の無茶のお陰でこいつの制御は取り戻せたが…」

あんじゅ「……無茶、しちゃったのね」



あんじゅ「…あなたの命をかける場所は、ここじゃないでしょうが…」

英玲奈「……何とかならないのか?」

あんじゅ「……地の魔力、ね。希ちゃん辺りが持ってたと思ってたけど…。現実難しいわね」

英玲奈「…花陽が力尽きたと園田海未に知られれば、我々は疑いの目で見られる。それは避けたい」

あんじゅ「リアリストねぇ」



あんじゅ「なら、英玲奈がやればいいんじゃない?」

英玲奈「……何をだ?」

あんじゅ「高坂穂乃果の蘇生。幸い英玲奈は光の魔力を持ってるわけだし」

英玲奈「!…バカ言え。一番の敵だぞ」

あんじゅ「でも、納得してもらえると思うわよ?花陽ちゃんの意思を継承したってことで」

英玲奈「………………」

あんじゅ「……私たちが海未ちゃんと敵対しない方法は、それしかないと思う」

英玲奈「………………」

あんじゅ「あとは、私たちの眠れる王様がどういう反応をするか、ね」

__カンダーランド・駅構内



希「思ったより混乱してなかったね。うちらを見ても襲いかかってこないし」

凛「元々怨みで戦いをする人たちじゃないよ、たぶん。戦う理由がないなら、しないほうがいいじゃん」

希「そうなんだけど…。…すごく注目されてるやん?何でかなー、とか思ったわけ」

凛「有名人の宿命にゃ。ま、嫌ならこの街から出ようよ」





希「…うちは、この街を守るために色々やってきたんやけどなぁ…」

凛「それなら尚更だよ。…忘れてるかもしれないけど、凛たち警察のお尋ね者だよ?何か起きる前に出ないと」

希「だけど…」

凛「ここにいても海未ちゃんの役には立たないにゃ。ハーバラに戻って…できることをしないと」

希「……そう、やね…。カンダーランドには穏やかな風が吹いてるもんなぁ…」




凛「凛たちにできること。…何だろうね?」

希「まあ、ここにいてもなんも思い浮かばないけど…」

希「警察がどこまで追ってきてるかは知る必要がありそうやね」

凛「うーん、そうだね。あのバウンティハンター、しつこそうだし」

希「絵里ちのこと?…まあ、うちもこうして脱走しちゃったし、間違いなく追ってきてるはずや」



凛「まあ、それはそれとして。その絵里ちって人もラブカを欲しがってたにゃ」

希「あー…」

凛「もし、この街に訪れてたら。間違いなく警察権で押収するよね」

希「うん、間違いないよ。この混乱で好き放題職権濫用してるもんなぁ」

凛「……それは面白くないにゃ。世の中的にも、海未ちゃん的にも」

希「?」

凛「警察…つまり反Printemps派にまで魔法が行き渡ったたら、混乱は余計治まりづらくなるにゃ。それは阻止したいよね」

希「凛ちゃん、まさか」

凛「うん。警察の連中を調べて、ラブカを奪い返す」



凛「まさに盗賊団の仕事にゃ!」

希「うーん、大胆すぎやない?」

凛「希ちゃんは他にいいこと思い付いたの?」

希「例えば…Printempsの最前線にスパイする、とか?直接海未ちゃんの役に立つと思うんやけど」

凛「おお、何かそれもありかも」





>>338 選択

1,警察の様子を探って、ラブカを回収しよう

2,Printempsに入り込んで、密偵しよう

3,やっぱり、ハーバラとか荒廃した街の復興に協力しよう

1

凛「やっぱり警察の様子を探って、ラブカを回収しよう」

希「…凛ちゃんの決定に任せるよ。うちらの筆頭 は凛ちゃんやし」





凛「メンバーのほとんどはもうハーバラ郊外のアジトに向かってるけど、カンダーランドに常駐してるグループもいるにゃ。合流して街の様子を聞き出そう」

希「どこにおるん?」

凛「たぶん地下鉄のはぐれ路線。そこを拠点にしてるはず」

希「?」

凛「開発途中で計画が凍結しちゃった路線があるの。そこは誰にも見向きもされない場所なんだ」

希「そこを間借りしてるわけね…。盗賊団のネットワークはすごいなぁ」

凛「でも、警察が本気で調べたらバレちゃうかも。急ごう!」

希「うん!」






希「…まさか通気ダクトから入るなんてなぁ」

凛「列車の通る道を人が歩くのは目立つからね。仕方ないにゃ」

希「何だかネズミさんもおるし…」

凛「でもすぐに着くから安心して」



凛「ほら、あの網の下」

凛「これのロックはこうやって…」カシャン

凛「網をよけて…」



「あれ?姐さん、まだカンダーランドに?」

凛「警察の連中がラブカを嗅ぎ回ってるみたいでね。何か知ってる?」

「この街の僧兵からラブカを押収してるってのは聞いてます。治安を乱す元凶だとか言って」

希「絵里ち…。…やりたい放題やな」



「もうあらかた集めたんじゃないですかね?あいつら」

「あ、そのコンテナを列車に積んでるの見ましたー!夕方発の貨物列車ですね!」

凛「…まだ間に合うね」



希「けど、どうやって取り返すん?コンテナはさすがに運べんよ?」

凛「…例えば、列車の操作を奪う、とか」

希「え?それは凛ちゃんのポリシーに反するんじゃ?」

凛「………………」

「何も駆動車輌を奪う必要はないじゃないですか」

凛「え?」

「そうそう。貨物列車を走行中に切り離してうちらの列車にドッキングすればいいですよねー」

希「おおう…大胆な発送やね」

凛「…それにゃ!私と希ちゃんが警察の貨物列車に潜伏して、走り出したら切り離す」

凛「その後私たちの列車で向かいに来てもらえば…完璧じゃん!」

希「大胆やけど…面白そうやん!よし、乗った!」

__カンダーランド・駅車輌基地



凛「あの列車にゃ」

希「警察がやっぱり見張ってるね…」

凛「ひそかに列車に潜り込むのは無理そうかな」

希「どうするん?それじゃ」

凛「………………」






>>342 選択

1,凛が警察の注目を集めるから、希ちゃんは裏から列車に入り込んで

2,うちが魔法で警察を幻覚させるから、凛ちゃんは列車に忍び込むんや

3,警察の数はそんなにいないから、叩いて黙らせちゃおう!

4,発車を待って、この先の高架橋の上からタイミング良く飛び込むなんてどう?

2

希「うちが魔法で警察を幻覚させるから、凛ちゃんは列車に忍び込むんや」

凛「え、でもそれじゃ希ちゃんが」

希「別に大丈夫だよ、凛ちゃん一人でも。発車したら貨物列車を切り離せばいいだけなんやから」

凛「もし、希ちゃんの身に何かあったら…」

希「……大丈夫や。なんとかなるって」



希「ほら、行った行った。うちに任しとき」ポンッ

凛「にゃっ。希ちゃん!」





希(もう既にうちは魔法を掛けてる。うちが“絵里ち”に見える魔法をね)

希(凛ちゃんを警察の死角に押し込んで、うちはそのまま警備してる二人の前に立つ)





希「お疲れ様。二人とも」

「お疲れ様であります!異常はありません、絢瀬署長!」

希「そう。まだなのね」

「まだ、とは?」

希「今追跡してるホシ、星空凛がこの列車を狙ってるって情報が入ってね。…正直、あなた達じゃ荷が重いと思ったのよ」

「つまり、絢瀬署長直々に警護にあたると?」

希「そういうこと。ここは私に任せて、あなた達は地下の盗賊のアジトの制圧に合流して」

「「了解であります!」」





希(…ふう。うまくいったかな。凛ちゃんも貨物車輌に入り込んだし)

希(あとは列車の出発までここで警戒するだけ…)



希(……ん?誰が来る…?)



「全く。アジトに星空凛はいないってあれほどいったのに。絵里のやつは話を聞かないんだから」



希(…赤いリボンの小さな兵隊さんが愚痴を垂らしながらこっちに来てる)



「…ん?あれ、絵里。こんなところで何やってんのよ。あんた直々に警戒してるわけ?」

希「そうよ。星空凛がエサに食い付くかなと思って」

「……………。…いや。ありえないでしょ」

希「え?」

「絵里はアジトの制圧作戦の指揮を採ってるはず。…こんなところにいるのはありえないわよ」



「…それに。…あいつ、この街に来てから一度もショットガンを置いてないわ。警戒心が強いからね」

希「………………」

「…あんた、武器は?まさか丸腰で星空凛と戦うつもりなわけ?」

希「………………」

「……あんた、何者?」





希(……バレてる。この人は絵里ちのこと、よく知ってる人や)

希(言い逃れはできそうもないかぁ)

希(……なら、戦うしかないかなぁ)





「偽者よね!?ホンモノなら私の名前を言ってみなさいよ!!」

希「……知らんよ。キミの名前なんて」

「ようやく自白したわね!だったら、絵里に変わってこのにこにーがあんたを取っ捕まえてやるにこ!」



※希がにこと戦闘します。



__希のステータス

・(体力/技量/敏捷)=(10/8/6)

・特性:幸運(自分と相手の行動失敗枠-1、両者行動成功枠+2)

・属性:金(幻と地)


__希のコマンド

・防御
・直接攻撃(長刀)
・魔法攻撃(幻属性)





__にこのステータス

・(体力/技量/敏捷)=(5/9/9)

・特性:精神(相手の特性、コマンドの追加効果を無効化)

・属性:陰(魔と森)


__行動パターン

9,8,7→防御
6,5→間接攻撃(突撃銃)
4,3→魔法攻撃(魔属性)
2,1,0→補助魔法(技量+1)





希6<にこ9の行動値テーブル(にこ特性により希の特性無効化)

9,8,7,6,5→希行動失敗、行動値増加毎にダメージ増加

4,3,2,1→両者行動成功


0→にこ行動失敗、ダメージ1





>>347

・希の行動(長刀、魔魔法、防御)選択
・コンマ一の位行動値判定
・コンマ十の位相手の行動判定

魔法

(希:幻魔法)(にこ:突撃銃)(行動値:7)



希「推測で見破ったみたいやけど、これは魔法なんやよ。見切れるかな?」

にこ「魔法…。やっぱり」



希(絵里ちの姿は敵さんには見えてるけど、それは幻惑。うちはもう敵さんの背後についてる)

希(よし、気づいてない!とった!)



にこ「あんた…眼を騙すのは得意かもしれないけど、気配は全然よ」

希「え?」

にこ「そこにいるリアルは変わらないんだし」


ボコッ


希「うっ…ぐ…!」



希(背中を向けたまま銃のストックで殴ってきた…!)



にこ「…ふーん。やっぱりね。絵里が言ってた巫女…東條希。あんただったわね」

希「は、はは。…ども」

にこ「盗賊と手を組むなんてどうかしてるけど、牢屋で過ごせばすこしは変わるんじゃない?」

希「……残念やけど、そのつもりはないよ…!」



にこ「カンダーランドのため?それとも…」

希「海未ちゃんのためや。うちは、海未ちゃんにかけたんや…!」

にこ「海未…。…やっぱりあの時始末しておけばよかったわね」






希:体力10→6(判定ダメージ3+技量ダメージ1)

希(敵さんは相当な手練れみたいや…隙が全然ない)

希(…いざとなったら、凛ちゃんに援護を求めた方がいいかもしれんなぁ)



にこ「…あまり発砲させないでよ?音が出ると後始末が面倒なのよ」

希「どぞどぞ。どんどん発砲しちゃってくださいな」

にこ「……薄っ気味悪いわね、あんた…」





>>351

・希の行動選択
・コンマ一の位行動値判定、凛を呼ぶがコマンドに追加されます
・コンマ十の位相手の行動判定

直接

(希:長刀)(にこ:補助魔法)(行動値:8)






にこ「…ダメよ、にこ。相手のペースに飲まれちゃ。いつも笑顔でみんなを笑顔に」

にこ「それがにこの魔法だもんね!」



希「笑顔の魔法、ね…。ゴタイソウなもんやなぁ」

希「…世の中、それでどうにかなったらよかったんやけどね。今は力でしか世の中を動かせないよ」



希(長刀を握り直して兵隊さんに向かって飛び込む。銃の取り回しの効く範囲の内に入った!)




にこ「信じ続けてがむしゃらに頑張れば絶対叶う。…海未はそう言ってたわ」

希「…海未ちゃんが?」

にこ「…あんたにはわからないでしょうけどね!」ドンッ

希「うわぁっ!」




希(恐れもせず長刀の間合いの中に飛び込んできた!ヘッドバットもらっちゃったわ…)







希:体力6→2(判定ダメージ4)

にこ:技量9→10

希(まずいわぁ…。あの兵隊さん、的確に急所をついてくる)

希(銃は飾りで格闘の方が強いんじゃ…)



にこ「さて、力量の差はわかったかしら?今降参するなら絵里に突き出すだけで済ませてあげるけど」

希「………………」



希(背面服従しておくのもあり、やよね?)





>>355

・希の行動選択、凛を呼ぶ、にこに従うも選択可
・コンマ一の位行動値判定
・コンマ十の位相手の行動判定



希「はいはい、降参降参。うちじゃどうしようもないわ」

にこ「……本当に?不意打ちとか企んでるじゃないの?」

希「それなら…、その場に伏せて手は後ろで組めばいいんやっけ?」

にこ「……抵抗する気はないのね。わかったわ」




にこ「…さて、手錠はかけたし。絵里のとこまで同行してもらうわよ」

希「あら?兵士さんは事情聴取とかせぇへんの?」

にこ「私がやるとキツイ尋問になるわよ?いいの?」

希「あー。そりゃ堪忍してほしいなぁ」





希(…これで列車を警護する人間は取り除けた。…あまり良い手じゃないけどね)

希(……凛ちゃん、後は頼んだよ…!)

__貨物列車内部


凛「…希ちゃん、大丈夫かなぁ。もう発車予定時刻だよ…」

凛「外にはヒト一人いないし、どこいっちゃったんだろ…」

ガタン




凛「あっ…発車しちゃった…」

凛「……ううん。ネガティブに考えてちゃダメにゃ。希なら絶対大丈夫」

凛「私は私の仕事をきっちりこなすだけ」

凛「失敗できない仕事だからね!」







『姐さん!そちらの様子は!』

凛「オールオーケーにゃ!貨物は推察どおりラブカだったし、いつでもジョイントを切り離せるよ!」

『ラジャー!あと1分ほどでそちらに追い付くんで、先に切り離してブレーキをかけてください!』

凛「うん、わかったよ!」



凛「ふふん。まさか盗賊が列車の設備を持ってるとは思わないよね!ジョイントを手動で外すツールも完備してるんだよ!」

ガコン



凛「さて、車掌さんはいつ気付くかなぁ?貨物列車ごと盗まれたなんて」

凛「まあ、中身が車掌さんにも知らされない極秘だったのが仇になったってことで。バイバイにゃ」

『ベストタイミングです、姐さん!すぐこっちに連結しますね!』

凛「りょーかい。…ふう。あとは持ち帰るだけにゃ」


凛「さて、基地に帰るにゃー」

「そーっすね」

『……応答願う!誰か聞いてないの!?』

凛「ん?どうかしたの?そんな慌てて」

『ね、姐さん!警察の連中がうちらのアジトに!!』

凛「!!」




凛(出し抜かれた!こんなに行動が早いなんて!)

凛(マズイにゃ…。相手も列車を奪われるとは思ってないけど、私たちも帰る場所を強襲されるなんて!)

凛(いますぐにもどらないとだけど…この貨物列車で行くのはバカげてるし…)

凛(…どうすれば……)




>>359

1,構ってらんない!このまま戻るよ!

2,私は徒歩で基地に戻るから、列車を他の街のアジトに持って行って!

3,アジトは放棄するよ!キミも逃げて!

凛「私は徒歩で基地に戻るから、列車を他の街のアジトに持って行って!」

「で、でもそれじゃ奴等が基地を制圧するまで間に合わないですよ!」

凛「なら奪い返すだけ!仲間を見捨てるわけにはいかないの!」



「…わかりました。姐さんに従います」

凛「頼んだよ!アジトに着いたら厳重に保管するように言っておいて!」

「はい。…姐さんも一つ、持って行ってください」

凛「えっ」

「奴等もたぶん魔法を使ってきます。…魔法に対抗できるのは魔法ですから」

凛「でも…これは…。人の命から作った…」

「二度とこんなものを使わせないように、悪が悪を成敗するんです。…それが盗賊、でしょう?」

凛「………………」



凛「……わかったよ。…私は盗賊だもんね」




※凛が電撃ワイヤー(攻撃タイプなし、雷属性)を習得しました。

__カンダーランド・盗賊のアジト



凛(もうアジトは警察の捜索が入ってて侵入も出来なさそう)

凛(やっぱり徒歩じゃ時間がかかりすぎたかな)

凛(通気ダクトからなら様子を探ることはできそうだけど、…警察を追い払う一手が思い浮かばないにゃ…)



凛「…でも、アジトに残ったメンバー、誰も連絡がない…。…みんな捕まっちゃった…?」

凛「……それを調べるためにも潜伏しよう」









凛(アジトの真上の通気孔までたどり着くと、…事態はかなりマズイことになってた)

凛(…うちのメンバーが…縄で縛られて尋問されてる…)




にこ「…よくできた盗賊ね。ここまでやっても仲間を売らないなんて」

「……姐さんは絶対捕まえさせない。あんたらみたいな悪どい国家の犬なんかに!」

にこ「ふーん。…星空凛はよっぽど優秀なリーダーなのね。絵里のやつがしつこく追いかける理由もわかった気がする」



にこ「……けど、あいつはどうかしらね?」

にこ「東條希。今頃絵里にとんでもないことされてるんでしょーね」

にこ「元々盗賊団じゃないし、簡単に裏切るかもしれないわよ?」

にこ「さて、あんたらはここで這いつくばってなさい。処分はまた後でね」





凛(…あの兵隊さん、部屋を出てくみたいだ)

凛(ダクトから飛び出して奇襲すれば、拘束できるかも…)






>>363

1,部屋を出てくのを待って、メンバーを確実に助けよう

2,それより…希ちゃんが危ない…!助けにいかなきゃ…!

3,……やろう。署長との交渉材料に使えるし(コンマ一の位行動値判定)




3の行動値テーブル

9,8,7,6,5→オーバーキル、拘束失敗
4,3→拘束成功
2,1,0→拘束失敗、にこと戦闘

2

凛(それより…希ちゃんが危ない…!助けにいかなきゃ…!)

凛(けど、場所がわからない…。用心深いあの署長だし、もうここにはいないのかも…)

凛(……ううん。ここで考えててもダメ。とにかく情報を集めなきゃ)






にこ「さて、絵里のところに戻るかな。もうそろそろアジトの捜索も終わる頃だし」



凛(…ダクトの中からあの兵隊さんを追跡することにしたにゃ)

凛(たぶんあの兵隊さんは署長の側近か客人。いつかは署長のところに戻るはず)



にこ「……この作戦が終わったら、絵里はハーバラに戻るわよね…。あいつともお別れか…」

にこ「……私も、新しい居場所を見つけたと思ったんだけど…」

にこ「………………」



凛(兵隊さんは独り言を呟いて足を止めちゃった)

凛(カンダーランドの人なのかな?治安維持のために署長に協力してただけ…?)



にこ「……ううん。あいつには、にこが絶対必要よね!この国のためにも私も一緒にハーバラに行こう!」

にこ「あいつの隣にしか、私の居場所はないからね…!」



凛(…吹っ切れたみたいなセリフを言って、兵隊さんは走り出した)

凛(ちょ…狭いダクトをハイハイで進むの辛いんだから、そんな急がないでー!)

凛(どうにかこうにか兵隊さんを見失わないように追跡して、…気付けばアジトの外)

凛(兵隊さんは警察の装甲車に入ってった。…あそこに希ちゃんと署長が…?)

凛(…どんな話してるんだろう…。警備をいないし盗み聞きしよう)




希「ホントに…?ホントにカンダーランドを…?」

絵里「そうよ。そのためにあなたと別れてハーバラでお金を稼いでたんだから」

にこ「マジで…?…大胆なことするわね…」

絵里「にこも力を貸してくれる?…カンダーランドの独立に」



凛(カンダーランドの…独立…?)



絵里「本来ならA-RISEに手切れ金を払ってカンダーランドを手放してもらう算段だったけど…」

絵里「…私の稼いだお金は、カンダーランドの復興資金とPrintempsの侵略に対する防衛費にするわ」

希「それって……新しく国を旗揚げするってこと…?」

絵里「……そうなるわね」

にこ「絵里がリーダーならみんな納得してくれるわよ。盗賊を追い払った街の英雄なんだから」



絵里「……いいえ。リーダーは私じゃない」

絵里「あなたよ、にこ」

にこ「…え?」

絵里「私は所詮バウンティハンター。ただの稼ぎ手なのよ」

絵里「人の行く末を考えて導く力があるのは…あなたよ」

にこ「……そう、なの…?」

絵里「希もそう思うわよね?」

希「えっ?うち?」

希「うちはわからんけど……カンダーランドが平和でいい国になるなら、うちは歓迎するよ?」

絵里「…カンダーランドの住民からも歓迎されてるみたいだし、…やってみない?にこ」

希「…うちからもお願い。もう…この街が荒らされるのは見たくないよ」



凛(………………)

凛(希ちゃんの願いは、カンダーランドの平和と繁栄)

凛(……そうだよね。…こんなに確実に自分の故郷をよくしてくれる人がいたら、…海未ちゃんについてく意味もなくなるよね…)

にこ「……ここで断ったら、ただのヘタレよね」

にこ「…いいわ。絵里、国を立ち上げて…Printempsと海未のヤツをぶっ飛ばしてあげましょう!」

絵里「ありがとう、にこ。命をかけて尽くすわ」

希「……海未、ちゃん…」



凛(……希ちゃんも、この新しい国のために何かしたいと思ってる)

凛(今止めなきゃ、もう海未ちゃんのもとには戻ってこれない)

凛(けど、この国は希ちゃんのホントに欲しかったもの…)

凛(……私は、凛は…どうすればいいの…?)





>>370

1,…私には止められないよ…。あんなに希望に満ちた顔を奪うことなんてできない…

2,…私には関係ないよ。海未ちゃんの悲しむ顔は見たくないし、連れて帰る!

3,…これは裏切りだよ。面倒事になる前に三人とも倒さなきゃ

4,………………

1

凛(私には止められないよ…。あんなに希望に満ちた顔を奪うことなんてできない…)

凛(……希ちゃんを、引き止められない…)



凛「…捕まった他のメンバーを救出して…さっさと帰ろう…」

凛「……海未ちゃんに、何て言えばいいんだろう…」



「ごめん、って言っておいてな、凛ちゃん」

凛「!!」



凛(気付いたら希ちゃんが装甲車から顔を覗かせてた。…すごく申し訳なさそうな顔で)



希「……海未ちゃんに拾われた命だけど…、…うちはカンダーランドを独立させるためにあれこれしてきた」

希「……許してとは言わない。気に入らなかったら潰しにきてもいい」

希「でも…海未ちゃんが信じてくれるなら…。…カンダーランドはうちらの任せてほしいって、…伝えてくれるかな…凛ちゃん」



凛「……わかったよ。…希ちゃんがいるなら、その二人も大丈夫だと思うし」

凛「……でも、希ちゃんが隣にいない寂しさで…」

凛「凛は…ダメになるかもしれない…」



希「凛ちゃん…」

にこ「?希、誰と話してんの…って、星空凛じゃない!盗賊のリーダーの!」

希「待って!手を出さないで!」

にこ「って言われても…絵里!どうすんの!?」

絵里「………………」



凛(希ちゃんの声で署長と兵隊さんが出てきた)

凛(兵隊さんは焦ってるみたいだけど、署長は突然通信機を取り出して通話し始めた)



絵里「……長官、聞こえますか?」

絵里「絢瀬隊は星空凛の確保に失敗しました。足取りも全くの不明です。…作戦を切り上げます」

絵里「あとそれから……。……ただいまを持って絢瀬絵里は警官を辞職します」



凛(目標を目の前にして確保失敗の報告。そのついでに辞職表明。…やっぱりこの人わからないにゃ)

絵里「……というわけよ。あなたと盗賊団を追及する理由はなくなったわ」

絵里「……行きなさい。海未に建国を伝えてちょうだい、希の友達さん」

希「絵里ち…。…ありがとな」

絵里「…でも、次会う時は敵かもしれないのは忘れないで」

凛「わかったよ…絵里、ちゃん」



にこ「……もう!あんたがわからないわ、絵里」

絵里「いずれ離脱しなきゃいけなかったのよ。今がそのタイミングだと思っただけ」

にこ「ったく、ヒヤヒヤさせるんだから…。…星空凛!」

凛「なに?兵隊さん」

にこ「海未に伝えなさい。戦いたくなかったら、まず会いに来いって。迎賓してあげるわよ」

凛「うん。伝えるよ」



希「……今までありがとね、凛ちゃん」

凛「こっちこそ。……どんなことがあっても、希ちゃんは凛の友達だよ」

希「当たり前やん。…だから…こんなに…つらいのかな…」

凛「いっしょに……いられないのが…こんなに、悲しいなんて…!」ポロポロ



凛(たったそれだけなのに、涙は止まらない。まう会えなくなるわけでもないのに)



希「泣いちゃ…ダメや…!」ポロポロ

凛「わかってるよ…!」ポロポロ

希「じゃあ…もう振り向いて…いかなきゃ!」

凛「……じゃあね…!希ちゃん…!」






凛(私は駆け出した。後戻りできないくらい遠くまで)

凛(…道の途中で流した涙は、どこまで離れても途絶えることがなかった)


__ハーバラ郊外・駅舎



凛(…私はカンダーランドを離れて、海未ちゃんと合流することにした)

凛(カンダーランドの争いの元だったラブカは既に遠くのアジトに運んだし…。絵里ちゃんはいつ気付くかな)

凛(…もうカンダーランドでやれることもなさそうだから、列車でハーバラまで戻ってきた。とはいえもう夜だから、どこかで休もう)



凛「海未ちゃん…どこにいるのかな」



凛(…Printempsの一人、南ことりのカウンセリング?をかって出た海未ちゃん)

凛(凛が海未ちゃんなら、そのままPrintempsに入り込んで内側から侵食してくけど…)

凛(…海未ちゃんもそう考えると思ったからハーバラまで戻ってきたんだけどね)



凛「…そう言えば、かよちんがあんじゅさんと一緒に官邸に潜入したんだっけ」

凛「…様子を見に行くかな」



凛(別に心配とかそういうのじゃなくて、…海未ちゃんの頼まれ事をしっかりやってるかどうかの確認ってだけ)

凛(あと、あわよくば寝床を食べ物をもらえるかなと思って)



凛「官邸、か。そんなに遠くないね」

__ハーバラ・官邸


凛「…あれー?廃墟だにゃ…」



凛(A-RISEの本拠の官邸はものの見事に廃屋となってた。ガラスは粉々塀も粉々、壁も粉々)

凛(…外から見たら人の気配なんてしないけど…)

凛(A-RISEほどの人たちだ、絶対地下にシェルターを作ってるにゃ)



凛「ほら、こんな不自然なところにマンホールがあるもん」



凛(伊達に盗賊やってないよ。構造物の作りを察知するのは得意だし)

凛(…マンホールを避けて地下に入り込むと、やっぱり迷路みたいなストラクチャーが広がってた)

凛(そして、異様な気配が凛の背筋に寒気を走らせた)



凛「な…なに…?」

「………………」



凛(…浮いてる)

凛(人型の機械が凛の目の前に浮いてる。顔の部分はバイザーで見えなくなってて、中に人がいるかどうかもわからない)

凛(わかるのは…すごくヤバイやつだってこと…!)








>>376

1,と、とにかく逃げるにゃ!

2,戦うしか…ないよね!

3,とりあえず…話しかけてみよう

3

凛(…とりあえず、話しかけてみよう)



凛「あ、あの」

凛「ここの管理者さんですか…?」



凛(目のない視線でこっちをにらみつけてたけど、突然身体の向きを変えて移動し始めた)

凛(ハンドサインでこっちに来いってやりながら)

凛(危害を加えるつもりはないのかな?…でも罠かもしれないし)

凛(…ただ意志表示ができないだけかもしれないし、話せる人に会わせてくれるかもしれないし。追いかけよう)




『今日はやけにお客さんが多いな。まあ話くらいは聞いてやるか』

凛「誰?どこにいるの?」



凛(館内放送でうんざりしたような声が流れた。…浮いてるアレが凛の存在を知らせたのかな?)



『動くなよ、星空凛。セキュリティが作動したら命の保証はできない』

凛「え?」

『迎えに行くからそいつの側で待っていろ』

凛「わかった」



凛(…たぶんA-RISEの人だけど、話は聞いてくれるみたいだ)

凛(…大人しく待ってよう)

凛(しばらくすると静かな足音が聞こえてきた。音の響く通路でもこんなに静かだし、スニーキングに慣れてる人なのかな)



「おっと、まだ動くな。盗賊団の首領星空凛。目的は知らんが大人しく居住区まできてもらうぞ」

凛「…統堂英玲奈、さんだね」



凛(拳銃をこっちに向けて背後に回ってきた。…今は指示に従おう)



英玲奈「お前が抵抗しないなら、私たちも危害を加えるつもりはない。こんな情勢だ、無駄な殺生は避けるべきだろう?」

凛「そうだね。早く居住区に案内してほしいにゃ」

英玲奈「…ついてこい」



凛(私の目の前を横切り来た道を戻る英玲奈さん。その後ろには浮いてるアレが続く)

凛(…どうやら、アレはA-RISEが開発した兵器みたいだね。彼女を守るようにプログラムされてるんだ)

__居住区


英玲奈「戻ったぞ」

「あら、早かったわね。侵入者さんは御しやすかった?」

英玲奈「物わかりのいい奴だ」

凛「…争ってる場合じゃないからね、あんじゅさん」

あんじゅ「あ、凛ちゃんだったか」



凛(仮眠室のベッドに横になってたあんじゅさん。気だるそうに身体を起こして私の方に向き直る)



あんじゅ「カンダーランドに残るんじゃなかったっけ?……もしかしてなんか大きな動きがあった?」

凛「うん。私を追跡してきた警官の絢瀬絵里がカンダーランドの独立を宣言したんだ」



英玲奈「ほう…あの絢瀬が」

凛「英玲奈さん、絵里ちゃんのこと知ってるの?」

英玲奈「絢瀬を賞金稼ぎから足を洗わせて警官にしたのは私だ」

凛「そうだったんだ。…でも絵里ちゃんの給与は全部カンダーランドの独立のための資金になる予定だったんだよ?」

あんじゅ「署長で収まる器じゃなかったかー。…まさに群雄割拠ね」



英玲奈「恐らく園田海未もPrintempsを内から掌握しA-RISEの残存勢力や絢瀬の独立国家と事を構えるだろう。内戦どころの騒ぎじゃなくなってきたな」

あんじゅ「こうしてまた衰退してくのね…。…まあ私はその先にあるものを見たいんだけど」

凛「…私は海未ちゃんを信じるよ」

英玲奈「お前も花陽と同じようなことを言うのだな」

凛「…え?かよちんと?」

あんじゅ「海未ちゃんが作る世界を見たい、一緒に作りたいって」

凛「……そう言えばかよちんは…?あんじゅさんに着いていったよね…?」

英玲奈「………………」



あんじゅ「…花陽ちゃんはそこにいるわよ」

凛「え?」




凛(あんじゅさんのベッドの向かい側に、生命維持装置が繋がれた人が寝かされてる)




あんじゅ「そこの生体兵器のコントロールを取り戻すために、暴走したそいつに挑んで…」

あんじゅ「……仮死状態。ツバサと同じになっちゃったわ」

英玲奈「………………。…すまない」

凛「………………」



凛(その人の近くまできて顔を覗く。…よく知る人の、一番好きな表情が見えた)

凛(安らかな寝顔。遠い昔、守りたいと思った表情)

凛(…懐かしさや安心感と同時に、なぜかさびしさが押し寄せてきた)




あんじゅ「海未ちゃんも言ってたけど、凛ちゃんの大切な人なんでしょ?…また会いたいなら力を貸してあげるわよ?」

英玲奈「お前は休んでろ、あんじゅ。魔力は全然回復してないんだろう?」

凛「……かよちん」

凛(私が感傷に浸ってるのを悟ってか、二人はこれ以上口を開くことはなかった)

凛(自分でもよく分からない感情が頭の中をグルグルして、その場で立ち尽くすばかり)

凛(でも、重い空気は開いた扉が外へ流してくれた)



「あんじゅ!英玲奈!無事だった!?」



凛(私より小柄で…でも、底知れない器の大きさを感じられるその人は、大きな声で仲間の名前を呼んだ)




英玲奈「うるさいぞツバサ。起きて早々騒ぐな」

あんじゅ「変わりはないみたいね。よかった、蘇生は成功よ」

ツバサ「なんで二人とも落ち着いてるのよ。侵入者よ侵入者!」

凛「あー、はい。侵入者です」

ツバサ「!!」



凛(古めかしいライフルをこっちに向けてる。…あんじゅさんが言ってたとおりあんまり融通のきかない人なのかも)



あんじゅ「武器を置きなさいってツバサ。凛ちゃんは敵じゃないわよ」

ツバサ「それは私が決める。盗賊団の首領星空凛。なんのつもりかしらないけど、私が相手よ」

英玲奈「……じゃあ私がお前の相手だツバサ。私の客人に手を出すなら」

ツバサ「…なんのつもりよ英玲奈。あんたのコミュニティに星空凛なんていたの?」

英玲奈「お前がグースカ寝てる間、巷の情勢は大きく変わった。…私たちを取り巻く環境もな」

あんじゅ「…力だけじゃもうどうにもならないくらいに、世の中終わってるわよ」

ツバサ「………………」




凛「……始めまして、星空凛です。あんじゅさんと英玲奈さんにはお世話になってます」

ツバサ「ごめんなさいね、私も動転してたみたい。綺羅ツバサよ、英玲奈のお客さん」




凛(武器を置いて握手を求めるツバサさん。…この人がA-RISEのリーダーか)

凛(…なんだか暑苦しい人にゃ)

凛(あんじゅさんと英玲奈さんと一緒に、ツバサさんにこの国の情勢を簡単に説明した)

凛(魔法のこと、ラブカのこと、Printempsのこと、それを乗っ取ろうとする海未ちゃんのこと、カンダーランドにできた独立国家のこと、荒廃したA-RISEの街のこと)

凛(…ツバサさんはさっきまでの血の気の多い人格はどこへやら、冷静に事を分析して処理するリーダーっぷりを見せてくれた)



ツバサ「そう、だったのね…。私を目覚めさせたのは、あんじゅの魔法…」

あんじゅ「黙ってて悪かったとは思ってるけど、仕方なかったのよ。それより、これからどうするか、よね」

英玲奈「……私は高坂穂乃果を蘇生しに行く。止めるなよ」

ツバサ「…そんなに園田海未さんと対立したくないの?てか、どんな人なの?あんじゅ?」

あんじゅ「あんたにも穂乃果ちゃんにもない、独特の思想を持った人よ。この世界を本当に次のステージに乗っけるかもしれないって人」

英玲奈「星空だってその一人だ。園田海未の思想を信じて…あらゆる人に可能性を見出だす世界を作る。…それだけの力を持った人間なのだろう」




ツバサ「…でも、それじゃ戦いは終わらない」

凛「終わらなくていいと思ってるんじゃないかな?戦いが終わって支配する、されるくらいならお互いにせめぎ合ってる方が健全だってことだよ」

ツバサ「……それは、世界の衰退を意味するわよ?」

凛「そう思うなら海未ちゃんを打ち倒せばいい。…私は、心に希望を持てないなら平和や繁栄なんていらないから」



あんじゅ「…だそうよ?…私には何が正義かなんてわからないし、訪れた世界を楽しませてもらうことにするわね。…しばらく力も戻ってこないし」

ツバサ「あんじゅ…その享楽主義はどうにかならないかしらね…」

英玲奈「お前はどうする、ツバサ?A-RISEの残党をまとめて復権するか?」

ツバサ「…彼らがそれを望むなら。世界の繁栄が人間を救うと信じる人がいるなら」

英玲奈「…そうか」




ツバサ「…あなたはどうする?星空凛さん」

凛「…私は……」






>>384

1,英玲奈さんと一緒に高坂穂乃果さんを蘇生させるよ

2,あんじゅさん、…かよちんの蘇生、手伝ってくれますか?

3,海未ちゃんの行方を探すよ

4,………………

2

凛「あんじゅさん、…かよちんの蘇生、手伝ってくれますか?」

あんじゅ「それは構わないけど、私の魔力が回復するまでにはまだまだ時間がかかるわよ?」

凛「ラブカを使っても…?」

あんじゅ「…かなりの量が必要になるけど、できるわ。…でも、あなたはラブカを使うことに否定的だったじゃない」

凛「………………」




凛(…奪いとったラブカを使えば、あんじゅさんを回復させてかよちんを蘇生できる。関係のないたくさんの人の思いを使って)

凛(そしてかよちんは…たくさんの人をラブカを使って傷付けてきた。…こんなの、許されるはずがない)

凛(でも、……もう一度、かよちんに会いたい。人を傷付けることに抵抗のない魔導士じゃなくて、そこに寝てる私の大切な人に)

凛(…これはただの私のわがままだ。私欲のために悪を働く正義の敵の所業だ)

凛(………………)



英玲奈「星空凛、…悪を躊躇うな。その葛藤の間にもお前の助けを求めている人間が力尽きていく。お前の心は後悔に食い潰されていく」

ツバサ「…同意見ね。愛する人のためなら世界中の人間を敵にしてもいいと思わないと。正義なんて、愛の前じゃなんの価値もないのよ」

あんじゅ「あら、二人が人生相談してあげるなんて珍しいわね。自分に関係ないことには全然首突っ込まないのに」

ツバサ「…こんな思い詰めた顔してたらどうにかしてあげたくなるでしょ」

英玲奈「人の心を捨てたつもりはない。目の前の困ってる人間を助けるのは当たり前じゃないのか」

あんじゅ「あははは。これだからあんた達は面白いのよね」



凛「……お願いします、あんじゅさん。かよちんを…ホントの意味で救いたいんです」

あんじゅ「…オーケー。約束するわ」

英玲奈「…もう夜遅い。今日はここに泊まって、明日からにしろ」

ツバサ「大丈夫。星空さんとあんじゅなら。小泉花陽の心を解き放てるって信じてるわ」

凛「……はい!」






>>387>>391 で安価を取り、多かったキャラに視点を合わせます


1,海未&ことり

2,凛&あんじゅ

3,英玲奈&ツバサ

2

__ハーバラ・Printemps陣営地



海未(花陽と別れて、私とことりはハーバラまで戻ってきました)

海未(……ことりも私も様々な勢力から命を付け狙われる身。安息を得るには、敵にならない人間ばかりいる場所でなくては)

海未(私たちには平穏な時間が必要です。ことりが、自らの意志で私と道を共にすることを選んでくれるまで…)



海未「おはようございます、ことり」

ことり「おはよう、海未ちゃん。今日はどうするの?」



海未(Printemps勢力の詰所に到着したのは昨日の夜遅く。ことりの配下は何も言わずに寝床を用意してくれましたが…現在、Printempsと反乱勢力の抗争の状況は掴めていません)

海未(……このままPrintempsを乗っ取るつもりならば、私が前線に立つことで信頼を勝ち取りますが…)

海未(……私がここにいるのは、あくまでことりの静養のため。戦いに身を投じては、ことりが弑虐を止めることはないでしょう)



海未「反乱勢力と決着はついてないみたいですね…。あなたを休ませたいからハーバラまで戻ってきたのに…」

ことり「海未ちゃん、私は戦うよ。海未ちゃんの力になれるならPrintempsだって踏み台にさせてもいい」

海未「……いいえ。ことりが戦う必要はありません。あなたの手を汚させたくないのです…」

ことり「でも、海未ちゃんの力になりたいの…!」



海未「あなたの力を、私は御せません。あなた自身もどう力を振るえばいいかわかっていない」

ことり「!!それは…!」

海未「…だから、見極めさせてください。私がことりに何をしてもらえばいいのかを」

ことり「……わかったよ…海未ちゃん」



海未(誰かのためなら不可能を可能にしてしまうことりです。ことりと、その手勢の采配を誤れば…)

海未(…改めて、私は手に世界の流れを変える鍵を持っているのだと自覚しました)




ことり「…とりあえず戦線の報告だけど、反乱勢力側に裏切り者が出たみたいで部隊は混乱してるみたいだよ」

海未「裏切り者…。こちらに寝返ったのですか?」

ことり「ううん。独立したって言った方がいいかな。…とにかく、今日はたぶんあっちは攻めてこないと思う」

海未「…好都合ですね。戦う必要がなくなるのですから」



ことり「それと…ちょっとヘンな情報なんだけど」

海未「変?」

ことり「反乱勢力の部隊に同じ顔の人がたくさんいたって報告が、こっちの隊員さんからあがってるの」

海未「同じ、顔…?」



海未(…なぜだか背筋に悪寒が走りました)

海未(クローン…?…いえ、実用できるくらいの技術はないはず…)

海未(………………。…これは調べておく必要がありそうです)



海未「…それについて調べてみましょう、ことり」

ことり「うん」

__ハーバラ・緩衝地帯



海未(同じ顔の人間の手がかりを求めて、バリケードの乱立する市街地にやってきました)

海未(ここはPrintemps側とA-RISE側の陣営の丁度間にある場所。拠点にするにはあまりに敵に近いため、どちらも手が出せない緩衝地帯になっています)

海未(ですが、相手の拠点に攻め入るならここで準備しているはず。仮に攻めるつもりがなくても偵察くらいはいるでしょう)

海未(…一般人を装って聴き込みをしますか)



海未「ことり、あなたは偵察部隊と合流してください。私がA-RISE側から聴き込みしますので」

ことり「…気をつけてね。海未ちゃん、一応賞金首だし…襲われるかも…」

海未「…その時は助けてくださいね?」

ことり「任せて、海未ちゃん」




海未(人の気配のないゴーストタウンで車両の駆動音はよく聞こえます。Printemps側の部隊配置はことりから聞いてるので、それに載ってない車両の持ち主は間違いなくあっち側でしょう)

海未(何気ない感じで車両に近づいて運転席を覗きます)



「……あれ?海未ちゃんじゃん!」

海未「!あなたは!」

「久しぶりー!園田さん!」

「全然連絡取れないからまずいことに巻き込まれたのかと思ってたよ!」



海未(…古き学友のヒデコ、フミコ、そしてミカ)

海未(こんなところで顔を合わせるとは思ってもいませんでした)


海未「あなた達こそ!どうしてこんな危ない場所に!?」

フミコ「…穂乃果を、探してるんだ。あの日以来ずっと行方知れずで…」

ヒデコ「…あれだけこの国を変えようと必死だったのに…。…クーデターを成功させたのはことりちゃん…」

ミカ「…穂乃果の掲げた理想は、どこに行っちゃったのかな…?」



海未(…彼女たちは穂乃果を裏からサポートしていました。資材調達や情報収集、他にも私の知らないところで活躍しているのでしょう)

海未(…穂乃果の友達だから、の一言で行動してしまう彼女たちは、穂乃果と計り知れない絆で結ばれているということです)

海未(……穂乃果の安否を確認したいのも当然の理屈でしょう)



ミカ「園田さん、穂乃果がどこにいるか知らない?」

海未「……詳しい場所までは知らないですが、恐らくオトノキのどこかにいると思います」

ヒデコ「ホントに!?」

海未「…ことりが言ってましたので、間違いないかと」

ミカ「ことりちゃん、かぁ…」



海未(ことりの名前を出した途端、三人は視線を下げて暗い顔をしました)

海未(…ことりの…Printempsの支配体制に不満があるのでしょうか…?)



フミコ「…どうして穂乃果と海未ちゃんとことりちゃんで活動してたのに、最終的に成功したのはことりちゃんなのかな…」

ミカ「穂乃果がやるから、私たち応援してきたのにな…」

ヒデコ「…何か、裏であったんじゃないのかな…」

海未「………………」




海未(…私と穂乃果とことりの間で何か仲違いが起きた、と推察しているわけですね…)

海未(…そして、穂乃果は追い落とされことりが頂点に立っている。それがあまりお気に召していないというのでしょうか)

海未(……真実を話すべきなのでしょうか?)







>>398 選択

1,ありのままを伝えましょう。あとは彼女たちの判断です

2,うまく話をまとめられれば、彼女たちを仲間に迎え入れられます

3,私が語るべきことではないです

1

海未(ありのままを伝えましょう。あとは彼女たちの判断です)



海未「…穂乃果は、私の命を奪おうとしてきました。…私が敵になるとわかってしまったからでしょう」

フミコ「え…海未ちゃんを…?」

海未「はい。…穂乃果は一刻も早く支配体制を崩壊させたかったのでしょう。…やってることは体制側の人間と変わりませんが」



海未「…私もそのまま終わるわけにはいかなかったので、……穂乃果を殺めました」

ミカ「……そんな…」

海未「…しかし、お互いに力を使い果たして…穂乃果は今でも意識が戻っていません」

海未「…あの日のクーデターは、ことりと…花陽がA-RISEを打ち倒し実権を掌握しました」

ヒデコ「そう、だったんだ…」



海未「…知っての通り、ことりには体制を仕切る統率力はありません。…この混乱の原因は、私と穂乃果にあるのです」

フミコ「…海未ちゃんは、どうしたいの?責任を負うの?」

海未「……私を信じる仲間のためにも、…革命を続けます。求めた結果が得られるまで」

ヒデコ「そっか…」



ミカ「…ありがとう、園田さん。何があったか知れて安心したよ」

ヒデコ「尚更穂乃果のこと、ほっとけなくなったね。…今の海未ちゃんを見て、穂乃果は何を思うかな」

フミコ「穂乃果に聞いてみなくちゃね!」

海未「…私の前に立ちはだかるなら、何度でも戦います。私の中に芽生えた穂乃果の理想を共有したいなら、喜んで手を取ります」

ミカ「穂乃果に伝えておくよ。園田さんが思い出と一緒に待ってるって」

フミコ「悔しいけど、穂乃果の一番の理解者は海未ちゃんだね」

ヒデコ「…だから、二人が争ってほしくないよ。…私の勝手な感想だけど」

海未「…その気持ちに応えられるよう、努力します」

海未「…ところで、皆さんは同じ顔の人間があちこちにいるという噂は知ってますか?」

ミカ「…そっち側でも噂になってるんだ」

ヒデコ「まあ、敵側からしてみれば不気味だしね」

海未「…?含みのある言い方をしますね」

フミコ「……実はね…」



フミコ「あの技術を確立して反抗勢力に提供したのは私たち…なんだ」

海未「……え?」

ヒデコ「……事の始まりは穂乃果の提案だった。『私たちの勢力って、人手が全然足りてないよね。…ラブカを使ってロボットみたいなのを作れないかな?』って」

ミカ「ラブカは人の想いの結晶。意志の力があればものを動かすことができるんだ」

フミコ「でも、ロボットを動かす駆動機関なんて専門外だし、人手として使える素材がなかったし」



海未「……では、同じ顔のあれは…?」

ミカ「……A-RISEの統堂英玲奈さんは、クローンの研究をしてた。とはいえ、成果は芳しくなかったみたいだけどね。パワードスーツを組み込むことでようやく操作できたとか」

ヒデコ「A-RISEがいなくなった後、その研究機関を偶然見つけて、…丁度いい器だと思ってラブカを持たせたら、…人格が発現したのよ」

海未「…それは……」

ミカ「確かに倫理観に反することだと思うよ。けど、発現した人格はラブカにされた人の意志そのものだった。…ただ使い捨てられるよりいいんじゃないのかな…?」



海未(…借り物の肉体に、切り離された魂。…異形と呼ぶ他ありません)

海未(…個人的には嫌悪感がありますが…今重要なのはそれではありません)

海未(統堂英玲奈が作ったクローンということは、兵力として使えるクローンということ。身体能力は驚異的なもののはずです。そしてラブカを核として動くということは、魔法を操ることができるということ)

海未(…Printemps側はかなり不利な戦いを強いられます)


海未「……なぜ、A-RISE側に技術提供を?穂乃果の敵のはずですよ?」

フミコ「…ことりちゃんを完全に信頼するのは…できないから、かな…」

ミカ「…このままことりちゃんの勢力に支配されたら、何も変わらないよ」

ヒデコ「……穂乃果がやることに意味があるんだからね」

海未「………………」



海未(…ことりへの抑止力として、バラまいたのですか。…まあ、穂乃果ならその災いの芽をものともせず進みそうですが)

海未(しかし、私にとってはかなり厄介な存在ということがわかりました)

海未「……色々教えていただいて、ありがとうございました。…私はこれで」

ヒデコ「海未ちゃん。…海未ちゃんはこれからどうするの?…やっぱり、ことりちゃんのところに戻るの…?」

海未「…はい。穂乃果がいない今、ことりの側にいられるのは私しかいません。…一人にさせたら、取り返しのつかないことになります」

ミカ「……やっぱり三人揃ってないとダメだよ。今の園田さん、無茶してる」

海未「……はい。私は無茶することでしか事を成せない不器用者ですから」

フミコ「海未ちゃんばっかり苦難を背負う必要はないよ!……私たちと一緒に、穂乃果を助ける方法を探そうよ…!」

海未「………………」



海未(…穂乃果が……私の信じた穂乃果が戻って来たなら、ことりも道を踏み外すことはないでしょう)

海未(それは甘美で理想的な状況です。今の私が欲する未来です)

海未(……そうなれば、今まで積み上げてきた私だけの信念は溶けてなくなります。花陽と、凛と、希と。真姫や絵里やにこ、それからあんじゅがくれた“園田海未”は消え去ります)

海未(……私は“穂乃果の戦友”に戻ることになります)

海未(……私の心は…どちらを求めているのですか…?)





>>405

1,……あの頃に戻りたい。穂乃果と、ことりと、笑い合える時間に

2,…私を待っている人は、穂乃果とことりだけじゃありません

3,私は越えなければなりません。高坂穂乃果を

2

海未「…私を待っている人は、穂乃果とことりだけではありません」

海未「私が作る世界を見たい、という仲間がたくさんいるのです」



ミカ「…そっか。もう、穂乃果の従者はやめたんだね」

ヒデコ「…海未ちゃんがリーダーの組織か。…案外穂乃果以上にうまくいくのかもね」

フミコ「…頑張ってね、って言いたいところだけど…穂乃果と敵対するなら応援できないかな…」

海未「ええ、わかってます。敵は叩き伏せて、仲間は導きますから」


海未「…穂乃果も、私の仲間にしてみせます」





海未(…それしか、穂乃果を殺めずにすむ方法がないですから)

海未(ヒデコとフミコ、ミカはオトノキへ向かうと言って、車を出しました)

海未(花陽たちが穂乃果の蘇生に向かっているとは伝えてあるので、もし鉢合わせても…血腥い争いは避けてくれるでしょう)



海未(…情報は手に入れましたが、クローンにどう対処すればいいかは別の問題です。もう少し詳しく調査する必要がありそうです)

海未(……ことりと合流し、A-RISEの研究機関を調べてみますか)






海未「ことり、今戻りました」

ことり「海未ちゃん、おかえり」

海未「…どうしたんですか?そんな困った顔して」

ことり「なんかね…A-RISEのメンバーの目撃情報があってね」

海未「A-RISE?あんじゅならあの時いたじゃないですか」

ことり「そっちは問題ないと思う。今凛ちゃんと一緒に行動してるみたいだし」



ことり「…問題は綺羅ツバサと、統堂英玲奈。姿をくらましてたけど、さっきオトノキの方に向かったって…」

海未「……!」



海未(…とうとう動き始めましたね。…ツバサの蘇生は上手くいったということでしょうか)

海未(…しかし、なぜオトノキへ…?まさか…穂乃果を……!?)



海未「ことり、花陽は一緒にいましたか!?」

ことり「ううん。二人だけみたい。凛ちゃんのとこにもいないよ。…さっき連絡してみても応答しなかったし」

ことり「…A-RISEに報復されちゃったのかな…」

海未「っ…!」



海未(……花陽がついてないということは…蘇生させた後、…始末したということでしょう…)

海未(そして、次の標的は…穂乃果)

海未(…止めなければ、穂乃果も…)



海未(…手遅れになる前に、動かなければ…!)





>>409

1,A-RISEの二人を追いかけます!穂乃果が危ない!

2,凛とあんじゅと連絡を取りましょう。あんじゅなら止められるかもしれない…!

3,まだ花陽を助けられるかもしれません…!A-RISEの施設を強行調査します!

2…かな?

海未「凛とあんじゅと連絡を取りましょう。あんじゅなら止められるかもしれない…!」

ことり「そうかもしれないけど…。凛ちゃんは今通信車両に乗ってないよ?どうやって連絡とろうかな…」

海未「盗賊団から離れて行動してましたか…面倒なことになりましたね…」



海未(磁気嵐のせいで、携行できる通信機器はせいぜい視認できる範囲くらいでしか機能しません。キャンセラーのついた電子戦用の機器でようやく長距離の通信が可能になります)

海未(凛とあんじゅとコンタクトをとるには…直接行くしかないようですね)



海未「…直接会いに行きましょう。A-RISEの通信機器を使わせてもらった方が、後を追うより確実です」

ことり「わかったよ、海未ちゃん」



ことり「凛ちゃんとあんじゅさんは…官邸跡地にいるって報告があったよ」

海未「距離はそこまで離れていません。すぐ向かいます」



海未(凛がなぜあんじゅとともにいるのか、一緒に行動していた希はどうしたのか、色々聞きたいことはあります)

海未(…ですが、穂乃果が亡き者になるかもしれないという焦りが足を早めました)

※視点が凛に切り替わります



__ハーバラ・旧官邸地下シェルター区画




凛(あんじゅさんの状態はあまり良くないみたいだった。魔力もそうだけど、体力的にもかなり疲弊してるらしい)

凛(自分自身が持つ魔力がそもそも少ないのに、ラブカで無理矢理増幅して魔法を扱ってるんだからね…。身体に負荷がかかるのは仕方ないよね…)

凛(……そんな状態でまたラブカで魔力を無理矢理注ぎ込んだら…。…あんじゅさんが、壊れちゃう)

凛(…やっぱり元気になってもらうのが一番だと思うから、ここでかよちんとあんじゅさんのお世話をすることにした)



あんじゅ「悪いわね…こんな不甲斐ない始末で」

凛「気にしないでいいよ、あんじゅさん。もう私たち、仲間でしょ?」

あんじゅ「…そうよね。仲間よね」

凛「そうそう。あんじゅさんにはやってもらわなきゃいけないことがあるから、その他の身の回りのお世話は凛に任せるにゃ」

あんじゅ「ふふ、こき使う気なのね」



あんじゅ「まあ、セキュリティはあの生体兵器がやってくれるし。凛ちゃんにやってほしいのは足りなくなった物資の調達かしらね」

凛「…うん。盗賊団のメンバーに言えば持ってきてもらえると思う」

あんじゅ「便利な配送サービスなことで。盗賊やめて運送業やればいいんじゃない?せっかく資本は揃ってるんだし」

凛「平和になったら考えてみるよ」

あんじゅ「……暇そうにしてるわね、凛ちゃん」

凛「だって、炊事お掃除洗濯、なんでもあの生体あさんがやっちゃうんだもん」

あんじゅ「英玲奈の遺伝子ね。ツバサも私も家事はからっきしだもん」

凛「実は凛もにゃ…」

あんじゅ「…じゃ、そんな凛ちゃんにお仕事をあげるわね」

凛「?」

あんじゅ「地上にある屋敷から、ここのコンピュータのアクセスプログラムを持ってきてほしいのよ」

凛「アクセスプログラム?」

あんじゅ「うん。アクセス権限が英玲奈にしか与えられてないから、動かせないのよね。通信を取りたくても取れないから、不便でしょ」

凛「…そうだね」

あんじゅ「たぶん英玲奈の部屋のどこかにあるはずだけど」

凛「……たぶん、同業者がいるにゃ。火事場泥棒ってやつが」

あんじゅ「下着泥棒とかだったら最悪ね。できれば私の部屋のものも持ってきてほしいけど」



凛(……でも、私がここを離れていいのかな?)

凛(例えば、生体兵器がコントロールを失ってあんじゅさんやかよちんを襲うことだってあり得るし…)

凛(刺客がセキュリティを掻い潜ってくるかもだし…)



>>415

1,すぐ戻ればいいよね!行ってきます!

2,不測に備えて待ってるにゃ。通信はこの街のメンバーのを借りるよ

3,ツバサさんと英玲奈さんが帰ってきてからでもいいんじゃない?

2が安定っぽいけど……

1で

凛「すぐ戻ればいいよね!行ってきます!」

あんじゅ「お願いね、凛ちゃん。端末に施設のマップデータを送ったから、それで場所を確認してね」

凛「うん!」



凛(…すぐ戻るとは言ってみたものの、やっぱりここはA-RISEの秘密が隠された施設。探索したくなるよね。だって、私は盗賊だよ?)

凛(他の同業者に漁られる前にその秘密を回収するのもいいよね)



凛「さて…どこへ行こうかな」






>>419

1,研究区画かぁ。あの生体兵器の秘密がここに…?

2,官邸にも倉庫があるんだ。何か面白いものがあるかも

3,ツバサさんの部屋って、妙なこだわりがありそうだよね

4,へへ、凛があんじゅさんの部屋を漁ってやるにゃ…

5,ううん、やっぱりプログラムをすぐ取りにいこう


・コンマ一の位偶数で野党と遭遇

3

凛(ツバサさんの部屋って、妙なこだわりがありそうだよね)

凛(冒険して面白いのはそういう場所にゃ。行ってみよう)






__官邸・ツバサの部屋




凛「ここだね。ツバサさんの部屋」

凛「…ダイヤル式の錠なんて、今時なかなか…。…ツバサさんらしい、懐古趣味だにゃ」

凛「まあ、私の得意分野でもあるんだけどね」



凛(いくらツバサさんとはいえ、こういう専門分野の知識はないよね)

凛(私はこのタイプの錠は何度も開けてるし、手順に従ってやれば必ず開くにゃ)

凛(多少時間はかかるかもだけど、今私の邪魔をするのは同業者くらいだし)

凛(…とか言ってる間に解錠できちゃったよ。…1のゾロ目とか、裏の裏をかいたつもりなのかな…?)



凛「よし、わくわくしてきた!ツバサさんの秘密、絶対つかんでやるにゃ!」

「ごくろうさん。どこのシマの人間か知らないが、礼を言っておくぞ」

凛「!!」



凛(どうやら物陰から私が解錠するのを待ってたらしい。こずるいヤツにゃ)

凛(ここらへんをシマにしてる反社会組織の連中みたいだけど…)

凛(……どうしようかな?)





>>422

1,そうなんだ。じゃあ、私の用事が済むまで待っててね

2,ふーん、まあいいや。私は別のとこ漁らせてもらうね

3,……私のこと、知ってる?

3

凛「……私のこと、知ってる?」

「は?」

凛「黄色い靴の盗賊団って、聞いたことないかな?」

「…お前がそれだとでも言ってるのか?警察や軍すら壊滅させられなかった、あの星空凛の」

凛「ご本人だって言ったら、どうする?」

「………………」



凛(…相手はウソかホントか判断に困ってるみたいだ。ホントなら、私の仲間との抗争は免れないし)

凛(ま、どちらにしても無力化はさせてもらうけど)



「…いや、こんなところにいる訳が…」

凛「続きは夢の中で考えるといいにゃ」

「…!!なに!?」



凛(重りのついたワイヤーを投げつけて隙だけの相手に絡ませた。その後、もらったラブカを強く握りしめてみると…)



バリバリバリ



「ぎゃぁぁぁあ!!」

凛「すっごい電撃…。これが凛の魔法…」



凛(死にはしないけど、意識を奪うくらいの電流が流れた。…これは便利かも)



凛「…さて、ツバサさんの部屋を物色しよう」

__ツバサの部屋



凛「これは…なかなかお金になりそうなものばかり…」



凛(アンティークのついた家具とか、手入れの行き届いた蓄音機、ラックにかけられた木材と鉄の銃などなど。あっちの退役した兵士が隠居してる屋敷みたいな雰囲気だ)

凛(……あまり大量の荷物は持って帰れないから、ツバサさんの一番大切そうなものを探そう)



凛「フォトフレーム……あ」

凛「あんじゅさんと…英玲奈さん。…たぶん政権が樹立する前の写真にゃ…」



凛(…A-RISEのメンバーは、最初は海未ちゃんみたいに革命家として活動してたって聞いたことがある)

凛(軍の叩き上げ隊長のツバサさん、敏腕デカの英玲奈さん、出所不明のあんじゅさん。三人がクーデタを起こして国を乗っ取ったんだっけ)

凛(すすと返り血で汚れた笑顔の三人を見ると……)



凛「……ううん。海未ちゃんは違うよ。海未ちゃんは…ツバサさんたちみたいにはならない」



凛(……海未ちゃんの作る国は、…かよちんみたいな人を増やす国じゃない)

凛「…さて、棚の中はっと」

凛「……?何かの報告書?」



凛(執務用の机の中に、いくつか文書が入ってた。…重要機密ってやつじゃないかにゃ?)



凛「……中継電波塔建設計画…こっちは…カンダーランドにおける非科学的技術使用者の抑圧…」

凛「……黄色い靴狩り…こわいこわい。…オトノキの反政府組織の調査報告…海未ちゃんのことかな?」

凛「……生体兵器による治安維持…。…これはマズイやつにゃ」



凛(さらっと目を通したけど、表沙汰にすると国家転覆の危機すら有り得るブラックな活動が多々あった。いや、もう転覆しかけてるんだけど)

凛(……もしツバサさんがまた実権を握った時に使えそうだから、これは拝借するにゃ)

凛(ヘンな連中に秘密をばらされるより、いいでしょ)

凛「さて、一通りは見たかにゃ」

凛「どれをおみあげにしようかなー?」



凛(持って帰れそうなものはあまりなかったにゃ。部屋の家具とか設備ばっかで、手荷物が全然ないんだもん)

凛(あまり荷物を増やしたくないし、一つに絞ろう)






>>429

1,A-RISE三人の写真…これはツバサさんの宝物だよね

2,このライフル…たぶんツバサさんが愛用してたヤツにゃ

3,IDカード…地下の施設で使えないかな?

4,……やっぱ下着とか、プライバシーに係わるものは持ち帰るべきだよね?

1

凛「あんじゅさんの秘密を暴いてやるのもいいよね」

凛「ツバサさん以上に謎の多い人だし、何か重大なことを隠してるかも」

凛「…よし、あんじゅさんの部屋を探ろう」





____あんじゅの部屋


凛(…あんじゅさんの部屋の扉に鍵はかかってなかった。…不用心だにゃ)

凛(これなら苦労なく侵入できる、と思ってノブに手をかけると…)



バチッ

凛「にゃ!!電気!?」

凛(…おかしい。私のグローブは絶縁だし静電気は起こらないはずなのに)

凛(…扉自体に魔法がかかってるのかな?そうなると侵入はできないかな)



凛「…侵入口がなければ作ればいいにゃ。丁度便利そうな魔法が使えるし」

凛「…まさか、部屋の壁にまで魔法はかけてないよね?」


凛(短剣に電気を這わせて扉の横の壁に突き刺すと、ゆっくりと貫通した。電熱で焼き切った感じかな)

凛(…どれだけの電力なんだろうね、私の魔法)




凛「…ふう。一丁あがりにゃ」

凛(私一人が入れるくらいの小さい穴を空けて、くぐり抜けたらロープで通せん棒をしておいた。またヘンな連中に妨害されてもアレだし)

凛「さて、ガサ入れガサ入れ♪」

凛(…予想通りというか、あんじゅさんの部屋はなかなかファンシーな趣味をしてるにゃ。パステルカラーで統一された家具やカーペット、クッションやぬいぐるみもたくさん)

凛(…けど、片付けができない性格なのか生活ゴミや脱ぎ捨てられた服が散乱してる。…見せしめに持ち帰ってあげようかな)



凛「…なんだろう。あのぬいぐるみから視線を感じるんだけど…」

凛「………………」

凛(気になってそのぬいぐるみを手にとってみると、突然色が抜けて雪だるまみたくなった。とっさに手を放して短剣を構える)



凛「な、なに!?」

『…にゃ?』

凛「にゃ…?」


凛(聞こえた声と共に、ぬいぐるみはフェルトをまとって新しい形をとった。オレンジの短髪、無邪気な笑顔、黄色の足元…)

凛(……これって、私…?)



凛「………………」

『ふう、大復活にゃ!…にゃ?』

凛「だ、誰!?何者!?」

『うーんと、あなたの魔力をもらって再起動しました、あんじゅさんの魔動人形だにゃ!』

凛「……あんじゅさんの?」

『うん。あんじゅさんが帰ってこないから電池切れしちゃったけど…これで会いにいけるにゃ!』

凛「……そっか」



凛(…特に害はなさそうだから、持って帰ろう。自分で歩いて動けるみたいだし)


凛「…私は星空凛。あんじゅさんに頼まれて必要物資を回収にきたの」

『そうなんだ…。それならお手伝いするにゃ!』

凛「え?」

『あんじゅさんとその仲間のお手伝いをするのが使命なの。そうやって作られたからね』

凛「…もしかして、あんじゅさんのお手製?」

『うん!ラブカと中の針金で動いてるのにゃ!』

凛「なるほどね…。…でも、その見た目は?なんで私に似てるの?」

『ラブカに宿る魔力で姿が変わるように細工されてるにゃ!あんじゅさんの遊び心だにゃ!』

凛「それは…面白いね」



凛(…思えば、変身する前は英玲奈さんに似てたかも)



凛「キミの名前は?名前がないと呼びづらいにゃ」

『うーん。前はえれなって呼ばれてたにゃ!けど、えれなって呼ぶ度に英玲奈さんも振り向いて、あんじゅさんが怒られてたにゃ!』

凛「…まあ、そうなるよね」

『うん、じゃあ今度は“りん”にするにゃ!魔力をもらった人の名前にするのが通例だし!』

凛「……そうだね」



凛(……紛らわしいことになりそうだけど、それはそれで面白そうだし、いっか)

凛「…さて、大事なものを探さないと」

りん『にゃ!』



凛(ベッドの上に端末があったにゃ。…どんな情報が残ってるかな)



凛「…磁気嵐の根源……仮死からの復活……。…魔法はそのために…?」

凛「……なんだろ、これ?地図の上から…何の紋様だろう…?…魔方陣ってやつ…?」

りん『それは磁気嵐を遮断する魔法にゃ!莫大な魔力が必要だけどね!』

凛「……そんなこと、ベラベラしゃべっていいの?」

りん『にゃ……』

凛「……聞かなかったことにしておくにゃ」



凛「……?古い拳銃が二丁?」

凛(およそこの部屋に似つかわしくないものがベッドの隣の棚に入ってた。自衛用とも思えないし)

りん『それ、英玲奈さんとツバサさんが一丁ずつくれたものにゃ!昔使ってたものだよ』

凛「………………」



凛(これは、思い出のつまった宝物なのかな…)



凛「……これは、契約書?……高坂穂乃果?」

凛(……外国の言葉で書かれた契約書だけど、サインはあんじゅさんと高坂穂乃果の文字。……マズイものを見つけた気がするにゃ)

凛(……これも回収にゃ)




凛「さて…他には……剣の鞘?」

凛(…そういえばあんじゅさんは剣を持って戦ってたっけ)

凛(……?あれ?あの剣って、どこから取り出したの?魔法で取り出したのかな?)


りん『その剣を鞘から抜いた時に、魔法はこの世に解き放たれたにゃ!』

凛「え?」

りん『ラブカの剣が抜かれれば魔力が世界を覆うし、納めれば魔力は消え去るにゃ!』


凛「……この剣って、持った人にすごい魔力を与えるの?」

りん『うん!』



凛(…つまり、この剣をあんじゅさんが抜いたからA-RISEが台頭したし、戦乱の世が始まったと)

凛(……いざというとき、役立つかも。この鞘)

凛「さて、どれを持ち帰ろうかな。身重になるのもしゃくだし、どれか一つにしよう」

りん『選ぶにゃ選ぶにゃ!』



>>440

1,やっぱりこの拳銃かな…思い出の品だもんね

2,この端末にもあんじゅさんの役に立つ情報があるかも

3,魔剣の鞘…隠し持っておこう

4,お望みどおり服を持っていこうかにゃ、脱ぎ捨てたやつをね!

5,…ラブカが大量にあったけど、やっぱり回収しておこうかな

3

凛「魔剣の鞘…隠し持っておこう」

凛「…あんじゅさんから剣を奪って鞘に納める時が来るかもしれないし…」



凛「…ここはもう用済みだね。…まだ探索を続けようかな?」





>>443

1,さっさと英玲奈さんの部屋からプログラムを入手して帰ろう

2,研究区画で生体兵器の情報を探ろう

3,倉庫に何かある気がするにゃ…

4,…やっぱり海未ちゃんを探しにいこう

5,……希ちゃんを連れてくれば、かよちんを助けられる…のかな…?

3

凛「倉庫に何かある気がするにゃ…」

凛「使えそうな物資が見つけられるかもだし…持ち帰れなくても後で回収すればいいし」

凛「見るだけ見ておこう」

りん「にゃー」





凛「…ん?開いてる…」

凛「…というか、物色中かな」



凛(倉庫の扉は開いていた。一足遅れかな?)

凛(……まだ物音がするけど、仕掛けようか、それとも待ち伏せするか…)





>>446


1,面倒にゃ、叩いて黙らせるよ

2,待ち伏せして確実に無力化しよう

3,脅し半分で説得しよう

4,りん…キミなら注意を引けるよね

2

凛「待ち伏せして確実に無力化しよう」

凛「それまでは扉の裏で待機にゃ」



凛(どこの勢力の人かは知らないけど、私と同じ場所に潜り込んだのが不運ってことで)

凛(ワイヤートラップで拘束させてもらうよ)



「………………」

凛「………………」



凛(扉の向こう側から気配がする。たぶん一人だ)

凛(足音が近い。もう出てくるかにゃ?)



ガタン



凛「にゃ!?」



凛(半開きの扉は閉じられて内から鍵を掛けられた。その数秒後には窓ガラスを割る音が聞こえた)

凛(やられた!あっちも気づいてた!)

凛(でもなんで…?音も消してたはずなのに…)

凛(…もしかして、魔力を感じ取られた…?)



りん「中にいた人、なかなかの魔力を持ってたにゃー」

凛「やっぱり…。…魔法も考え物だね」

りん「りんは魔力を追跡できるけど…どうするにゃ?」

凛「…どうしようかな?」




1,…追うよ!大事なものが盗み出されたかもしれないし!

2,また先を越される前に、英玲奈さんの部屋のプログラムを取得しよう

3,研究区画のデータを他の誰かにとられるのはまずいよね…



>>450安価選択1,2,3で

1

凛「追うよ!大事なものが盗み出されたかもしれないし!」

りん「にゃ!ヤツは正面ゲートの方に行ったにゃ!」

凛「うん!いくよ!」



凛(来た道を引き返して正面ゲートまで突っ走る。幸い相手の足は速くないみたいで先回りできそう)

凛(罠を仕掛ける時間はないけど待ち伏せはできるね)



凛「さて、どんな命知らずが潜り込んだのかにゃ?」

「あ…凛ちゃんだったか、やっぱり」

凛「!!ことり、ちゃん…!?」



凛(なんでことりちゃんがここに…?A-RISEにとどめを刺しにきた…?)

凛(ってか、海未ちゃんは一緒じゃないの…?…ことりちゃん一人だとキナ臭いにゃ)



ことり「ねぇ凛ちゃん。ここの地下施設の入り口を教えてくれないかな?けっこう迷子になっちゃったんだよね」

凛「…海未ちゃんは?」

ことり「海未ちゃんも入り口を捜索中だよ」



凛(海未ちゃんもいるんだ。…けど、いまいち信憑性がないなぁ)

凛(…騙し討ちの可能性もあるし、無力化してから海未ちゃんを探してもいい、かな…?)



凛「どうしてここに?A-RISEに何か用があるの?」

ことり「そうだね…穂乃果ちゃんが危ないから、ちょっとお手伝いしてもらおうと」

凛「…?」



凛(どういうこと?穂乃果ちゃんが危ない?)

凛(…穂乃果ちゃんの生命維持がもう限界近いから、急げってことなのかな…)

凛(……だとしたら、狙われてるのは…私?)



凛「……どちらにしても、ことりちゃんは信用できないにゃ。あなたのことは全然わからない」

ことり「…こうしてる間にも、穂乃果ちゃんが危ないの。言わないなら力ずくで聞き出すけど、いいかな?」



凛(……あっちも全然私を信用してないね。経歴が盗賊だし)

凛(…懐柔するか、力ずくか。難しいとこだね)




>>453

1,海未ちゃんのところに連れていって更正させないとね!

2,やめようよ、私もことりちゃんも海未ちゃんの仲間だよ?

3,取引しよう。かよちんの蘇生を手伝ってくれるなら、私もことりちゃんのお手伝いするから

3

凛「取引しよう。かよちんの蘇生を手伝ってくれるなら、ことりちゃんのお手伝いするから」

ことり「?かよちゃんに、何かあったの?」

凛「A-RISEの作った生体兵器の暴走を止める時に…やられちゃったんだ」

ことり「………………」




凛(ことりちゃんは困ったような、悲しむような、よくわからない表情で黙りこんだ)

凛(…ことりちゃんの瞳には海未ちゃんしか映ってないかもしれないけど…かよちんだって同じ志を持った仲間だったはず。…乗ってくれると信じてるよ、ことりちゃん)



ことり「…かよちゃんは…。……うん」

ことり「いつだって、私と穂乃果ちゃんを正しい道に誘導してくれたのはかよちゃん。…海未ちゃんと穂乃果ちゃんの争いを止められるのも…」

ことり 「…わかったよ、凛ちゃん。私に任せて。かよちゃんの蘇生は私がやる」

凛「…ありがとう、ことりちゃん。あなた自身の判断に感謝するよ」



ことり「…その前に、まず穂乃果ちゃんの安全を確保しなきゃ」

凛「?どういうこと、それ。穂乃果ちゃんが危ないって」

ことり「A-RISEの綺羅ツバサと統堂英玲奈がオトノキに向かったって情報があって。…それって、穂乃果ちゃんの息の根を止めに行くってことでしょ?」

凛「………………。なんだ。それは違うよ」

ことり「え?」

凛「二人は逆に穂乃果ちゃんの蘇生に向かったにゃ。かよちんとの約束、でね」

ことり「ほ、ほんとに?」

凛「にゃ。あんじゅさんが地下にいるから、聞いてみるといいよ」

ことり「……なんだぁ。思い違いかぁ」



凛(壮大な思い違いをしてたらしいことりちゃんと…海未ちゃん)

凛(危機感が強いのはいいけど、疑ってばっかりだと自由な国なんてできっこないと思うにゃ)

凛(…その辺も海未ちゃんに言っておかないと)

凛「さて、海未ちゃんを探して合流したいとこだね」

ことり「私が呼んでくるね。凛ちゃんはまだ用事があるみたいだし。正門前で落ち合うことにしよ?」

凛「うん、そうするね」








凛(…もうそろそろプログラムの回収に向かおう。早くしないとあんじゅさんに怒られそうだし)



凛(…はい。ここが英玲奈さんの部屋)

凛(…マップを見ないとわからないくらい変な場所にあるにゃ。…客室と客室の間って、…謀殺でもする気だったのかな)



凛「鍵は普通の客室と変わらないヤツだ。…偽装、なのかな」

凛「これなら簡単に開けられるにゃ」カチャカチャ



凛(でも、そんなに危機感がない訳がないのが英玲奈さん。開けたと同時に網膜認証が作動したから、反射的に電磁波で強制停止させた)

凛(魔法がなかったらアウトだったよ…)



凛「さて…捜索捜索♪」


凛(中はまるで監視室のように、いくつものモニターとコンピュータが配置されてた。真ん中にベッドはあるけど…こんなところで寝れるのかな?)

凛(…えーと、アクセスプログラムは…マスターキーにくっついてるって話だけど…)



凛「……んー、全然探せないにゃ…。これは人間の住む部屋じゃないよ…」

りん「こまった時はベッドの下にゃ!」

凛「そんな思春期の少年少女の隠し場所なんて…あった」



凛(英玲奈さん、少年少女だったにゃ…)

凛(乱雑にしまわれた工具箱の中に、鍵束を見つけた。メディア媒体らしきものもいくつかあるし)

凛(それから…ツバサさんっぽいぬいぐるみと、あんじゅさんっぽいぬいぐるみが置いてある。…宝物、なのかな)

凛(あと、護身用なのかリボルバー式の拳銃も置いてある。…かなり使用感があるし、相棒だったりするのかな)



凛「…このアクセスプログラムを使えば、ここのコンピュータの情報を閲覧できる…」

凛「……さて、ここだけの話で覗いちゃおう♪」



凛「…リニアレール敷設計画……エネルギー資源としてのラブカ…」

凛「…密告者…監視協力…?…囚人への人体実験…?…すごいものを見ちゃったにゃ…保存保存」

凛「……個人データ…綾瀬絵里…?…絵里ちゃん、かなりにらまれてるにゃ」



凛「…データ用量がすごくて私の端末じゃ保存仕切れないにゃ。絞らないと」

凛「……いや、データだけ一つのコンピュータに圧縮して持ち帰ることもできるかな…」

凛「どれを持って帰ろう?」




>>458

1,二人のぬいぐるみにしよう。大切なものだよね

2,データを一つのコンピュータにまとめて持ち帰ろう

3,リボルバーにしよう。本領発揮できる武器は必要にゃ

4,…アクセスプログラム、複製しようかな。もしもの時役立つかも

1

凛「二人のぬいぐるみにしよう。大切なものだよね」

りん「にゃ。英玲奈さんは意外に子供っぽいところがあるにゃー」

凛「…A-RISEって、思ってたより人間味のある人達なのかもね」



凛「さて、ことりちゃんと合流しよう。正門前だね」

凛「…海未ちゃん、希ちゃんのこと言ったらどう思うかな…」

凛「……ううん。海未ちゃんならわかってくれる。信じる力を一番信じてるのは海未ちゃんだもん」





凛「おまたせにゃ、ことりちゃん。海未ちゃんも久しぶり」

海未「凛…!無事でよかった…!」

凛「にゃ?凛は危ない目になんて遭ってないよ?」

海未「A-RISEの施設に単身乗り込むなんてどうかしてますよ!協力者とはいえ、セキュリティが働いたら…!」

凛「ははは。私は盗賊、しかもリーダーだよ?そんなヘマしないって」

海未「…そう、ですよね。不要な心配でしたね」




ことり「まあ二人とも、あんじゅさんのところにいこうよ。…かよちゃんの様子も確認しておかないといけないし」

海未「はい…!花陽が…そんなことに…」

凛「…大丈夫にゃ。あんじゅさんと、ことりちゃんと海未ちゃん、そんで私が力を合わせれば。絶対かよちんを目覚めさせられるよ」

海未「はい…!」



____官邸地下・シェルター区画


あんじゅ「はぁい、おかえり凛ちゃん。それから…ようこそ、海未ちゃん、ことりちゃん」

海未「お邪魔します、あんじゅ」

あんじゅ「まあ、話したいことは一杯あるだろうけど、私は早速あの二人と連絡取らないといけないからね。その後で」



凛「はい、これだよね。アクセスプログラム」

あんじゅ「マスターキーごと持ってきちゃったかー。ふふ、英玲奈の秘密を暴露してあげちゃおうかしらね♪」

凛「はは…」

ことり「?凛ちゃん、何かあったの?」

凛「にゃ…なんでもないよ」

海未「???」



海未(バツの悪そうな凛に微笑みかけてあんじゅは奥の部屋に入っていきました。…なぜでしょうね)




凛「あの、海未ちゃん」

海未「凛、聞きたいことが」



海未(思い切り被ってしまいました。凛も私に聞きたいことが?)



海未「…凛から先にどうぞ」

凛「にゃ…。希ちゃんのこと、なんだけど…」

海未「…私もそれを聞きたかったです。今どこで何をしてるんですか…?」

凛「……話せば長くなるんだけど…絵里ちゃんと、にこちゃんと一緒に、カンダーランドに新しい国を建てたんだ…」

海未「!!?」

ことり「えっ!?ホントなの、それ!?」



海未(あまりにスケールの大きい話に、頭の処理が追い付きません。旧体制側の反逆者が、まさかそんなとんでもないものだなんて…)



凛「…絵里ちゃんが警察署長してたのも、バウンティハンターしてたのも、全部カンダーランドの独立のための資金稼ぎだったんだ」

凛「それにカンダーランド出身のにこちゃんと、希ちゃんが同調して……」

凛「……海未ちゃんと一緒に、この国を改めることはできないって…。だから、ごめんなさいって…」



海未(…ごめんなさい、ですか。希は…私を裏切るような行為に罪悪感を感じているということでしょうか)

海未(希がラブカを売ってお金を稼いでいたのもカンダーランドのため。彼女の願いはそこにあるのは明白です)

海未(そこに…私が口を挟んでいいのでしょうか…?)

凛「…海未ちゃんとは対立したくないって、三人とも言ってた。だから…一回会いにきてって」

海未「…そうですか」

ことり「…ワナかもしれないよ。どのみちハーバラの国とは対立するだろうから、その有力者の海未ちゃんを亡き者にしたいのかもしれないし」



海未(……この場で判断するのは難しい問題ですが…。…私がどうしたいのか、ことりと凛に伝えなければ)

海未(…彼女たちも迷うことになってしまいます)



>>463

1,会って話さないとわかりませんね。罠であれば突破するまでです

2,…希は私を裏切りました。粛正しなければなりません

3,ハーバラが落ち着いてからでいいでしょう。急ぐ案件でもないです

4,…私は関与しません。あちらが平穏無事なら、関わる必要はありません

1

海未「会って話さないとわかりませんね。罠であれば突破するまでです」

凛「海未ちゃん…!」

海未「…とはいえ、事情が変われば絵里や希に刃を向けざるをえません。…彼女らが、自国の権益のみを主張するのであれば」

ことり「…そう、だね。各地の有力者が独立したら収拾がつかなくなっちゃうし…特例として同盟するか、独立を認めないか決めないと」

凛「……大丈夫だよ、あの三人ならわかってくれるよ」



海未「こうなると、あちこちで反乱が起きる前にカンダーランドの国と話を付けなければならないのですが…。…ことり、あなたが一緒だと不要な疑いをかけられてしまいます」

ことり「わかってる。…私は、凛ちゃんと一緒にかよちゃんの蘇生を試みるよ」

海未「ことり…」



海未(…ことりの眼に、私は映っていませんでした。そこにいる凛と、大切な仲間の花陽。ことりの力を必要とする人を真っ直ぐ捉えています)

海未(…そうです。ことりの本質は穂乃果と同じだと思っています。目的に向かってがむしゃらに駆け抜けるという気質)

海未(違うのは、ことりの目的は特定の人であるということ。穂乃果のように誰も彼もと手を伸ばすのではありません)

海未(……やっと、力になりたい人を見つけたのですね。…私はあなたの助けを欲してなかったのですから)



海未「…わかりました。カンダーランドへは私一人で向かいます。凛、ことりをお願いできますか?」

凛「任せて!かよちんの復活のため、ことりちゃんの手足になるよ!」

ことり「お願い、凛ちゃん!」

海未「さて…あんじゅがそろそろ戻ってくる頃ですか」

凛「…噂をすればなんとやら、にゃ」

ことり「おかえりなさい、あんじゅさん」

あんじゅ「はぁい。戻ったわよ」



あんじゅ「ツバサと英玲奈はもうオトノキに着くって。…まあ、Printemps勢力が守ってるから簡単には穂乃果さんのとこにはいけなそう」

ことり「あはは…そうだよね」

あんじゅ「悪いんだけど、あいつらに手を出さないよう衛兵に命令出してくれない?ことりちゃん」

ことり「はい。…通信機は生きてるんですか?」

あんじゅ「ここの電波塔は生きてたみたいだし、あいつらも通信指令車で行ったしバッチリよ」

ことり「さすがですね。電波塔を増設して磁気嵐に負けない通信網を作ろうってしてたんですもんね」

あんじゅ「…ツバサのやつ、計画バレてんじゃん。あーあ、乗っ取られちゃうぞ」



凛「あ、はははは…」

海未「凛?さっきから変な笑いばかりですよ?」

凛「にゃ…うちの情報網から知っただけだよ?」

あんじゅ「ホントかしら?さっきから凛ちゃんの魔力が二つ感じられるんだけど、何か隠してない?」

凛「や、やっぱりあんじゅさんには隠せないかぁ」



海未(凛は観念したようで、ずだ袋を開けて中身を出しました)

海未(凛のことです。どうせ官邸を物色してたのでしょう)




「にゃ!狭っ苦しいとこは勘弁にゃ…」

あんじゅ「あら、ぬいぐるみ持ってきちゃったんだ」

ことり「!!!」

凛「うん…あんじゅさんの部屋に入ったら、ね…。動き出したんだ」

海未「…魔法の成せる業、ですか?」

あんじゅ「そういうこと。私のお手伝いさんとして作ったんだけど…英玲奈の魔力はきれてたかー」

凛「その代わりに私の魔力を吸ったみたいで。一人にするのも可哀想だから拾ってきた」


ことり「かーわいいー♪♪これ、もらっていい!?」ギュッ

「にゃぁぁぁ」



海未(凛そっくりの動くぬいぐるみはことりに抱きかかえられ、じたばたしてます。まあ、かわいいもの好きのことりの執着心が、そう易々と離してくれるとは思えませんが)

あんじゅ「まあ、気に入ったならあげるけどね。半分実験で作ったようなもんだし」

ことり「ほんと!?」

あんじゅ「あいつらの尻拭いのお礼ってことで。いいかしら、凛ちゃん」

凛「…本人に聞いた方がいいと思う」

りん「え!?見棄てちゃうにゃ!?」

ことり「私は見捨てないよー♪かわいいりんちゃん♪」

りん「にゃぁぁやめるにゃぁ」

凛「…早く私の魔力切れないかな。すごく複雑な気分だよ… 」

海未「よかったじゃないですか、凛自身の身代わりになってくれたんですよ?」

凛「真顔でこわいこと言うのやめて」



あんじゅ「じゃ、ことりちゃん借りるわね。海未ちゃんはどうするの?もう出発しちゃう?」

海未「はい、…花陽の様子を見た後に」

あんじゅ「まあ、知っての通り仮死状態よ。…大丈夫、私も協力するから。絶対上手くいく」

海未「お願いします。…あと、穂乃果と…真姫のことも」

凛「…ことりちゃん。海未ちゃんにはもう一人蘇生したい人がいて…それには穂乃果ちゃんの魔力が必要なんだ」

ことり「…事情は知らないけど、海未ちゃんのお願いなら聞くよ。…穂乃果ちゃんに頼んでみる」

海未「ありがとうございます、ことり。私のわがままを聞き入れてくれて…」







海未(花陽は居住スペースのベッドで生命維持装置に繋がれていました。見たことのない安らかな寝顔をして)

海未(…本来の花陽は、こういう人なのでしょう。戦乱とは無縁の、心優しい女性)

海未(凛の親友を、取り戻さなければなりません)



海未「…花陽。あなたが本来のあなたでいられるよう、この国を導いてみせます」

海未「ですから、…どうか無事で」

凛「大丈夫にゃ。絶対かよちんは海未ちゃんのところに帰ってくるよ」

海未「…お願いしますね、凛。…あなたにも祝福がありますように」



海未(…私にはこんなにも頼れる仲間がいて。…守らなければならない仲間がいる)

海未(…ならば、絶対成し遂げます。まず、隣にできた国と手を結ぶことから。大丈夫、彼女らはわかってくれます)




>>468>>470
まで安価選択、多いものに視点を当てます

1,海未

2,ことり&凛

3,ツバサ&英玲奈

1

1

____ハーバラ・駅構内



海未(カンダーランドに戻るのに、列車を使おうと駅まできましたが…)

海未(…カンダーランドに関が設けられて検問をしているようで、貨物列車以外はストップしているようです)

海未(いくら独立するとはいえ、正式な声明も出していない状態で検問なんて…。…陰謀を巡らせてるのでしょうか)



海未「別の足を探さなければなりませんね」

海未「……おや?」



海未(またあの集落から河を渡るか貨物列車に忍び込むかなどと考えていたら、見覚えのある紫のたすきの二人組が駅から出ていくのが見えました)

海未(カンダーランドの僧兵…。…こんな情勢だから余計きな臭く思います)

海未(…ここをたつ前に彼女たちの目的を探っておくべきでしょうか…)





>>474

1,友好関係を築くのでしょう?ならば変に詮索するのは危ういです

2,…ならば私もカンダーランドへ潜入して、そこで情報を集めましょう

3,私たちに害を及ぼすかもしれません。…場合によっては排除します

2

海未(…ならば私もカンダーランドへ潜入して、情報を集めましょう)

海未(凛ほど上手くやる自信はないですが、バレた時はバレた時です。別の手を打ちましょう)

海未(貨物列車に潜伏して、カンダーランドへ行きましょう)





海未「…車両を列車で輸送?この情勢で?」

海未「…まあ、好都合です」



海未(貨物の集積所には、少し不可解な物資がありました。銃器や燃料、その他機械類…とても、敵になるかもしれない国に輸送していいとは思えないものが)

海未(…この国にも裏であちらと繋がっている人間がいるのかもしれませんね)

海未(貨物の中には乗用車があります。トランクに身を隠せば目立たずたどり着けるでしょう)



海未「さて…少し、休みますか」



海未(休息できる時に休んでおかないと、次に眠れるのはいつかわかりませんから)



海未(希…絵里…にこ…。あなた達は……)

____カンダーランド・集積所



海未「………………ん」

海未「…揺れが収まった…。到着しましたか」



海未(トランクで爆睡してたようです。外に出てみると、もう日が沈みかけていました)

海未(何事もなかったのは幸いですね。…一応、私は賞金首らしいので)



海未「長居は無用ですね、泊まれる場所を探しましょう」



海未(列車をあとにして、市街地へ歩みを進めます。どうやら郊外に集積所があるようなので、急いで街へ向かいましょう)



海未「夜に行動すれば警備の手薄なところへ忍び込めますね」

海未「ですが、危険を伴いますし…大人しく休むべきでしょうか」



>>479

1,危険は避けます。夜が明けるのを待ちましょう

2,人の集まりそうなところ…宿屋で情報を集めてみますか

3,僧兵の件もありますし…寺社に忍び込んでみましょう

4,警察署…絵里の部下を調べますか

5,まだ難民キャンプは存在してます…潜り込むのもありですね

5

海未「まだ難民キャンプは存在してますね…潜り込むのもありですね」

海未「恐らく学校が使われているはず…向かってみましょう」





____カンダーランド・学校



海未(日が落ちる前に何とか学校へたどり着きました。予想通り戦乱で帰るべき場所を失った人間や私たちの国から密入国してきた人間がいて、ほぼ全ての部屋に明かりがついてます)



海未「さて…私も難民を装って情報を集めましょう」

「あんた、こんな時間に外出?」

海未「いえ、今ここへ来たばかりです。行くあてもないので、こちらにお世話にはなれないでしょうか」



海未(校舎の昇降口で様子を確認していると、後ろから私へ向けられた声が。何やら疑っているような口振りなので、やんわりと自分の状況を説明しました)

海未(…しかし振り返ってみると、私に向けられたのは声だけではないことがわかりました)



「あんたの神経のつくりは全然わかんないわね、海未」

海未「…にこ。なぜあなたがここに?」

にこ「私の勝手でしょ。むしろこっちのセリフだわ、それ」



海未(私に後ろから呼び掛けたのは、カンダーランドの国の主要人物…矢澤にこでした。その手には小銃を携えて)

海未(……あの時の件もありますし、疑われているのは間違いないでしょう)



にこ「確かに星空凛に来いって伝えてとは言ったけど、スパイまがいのことするのは承知しないわよ」

海未「…信用はしてくれないのですね」

にこ「当然よ。…盗賊とつるんで、Printempsを乗っ取って勢力を拡大なんて…悪党じゃない」

海未「正義を騙るつもりなどないです。必要であればどんな汚れ仕事だってやり遂げますよ」

にこ「…あんたのそういうとこ、嫌いだわ」



海未(…信用うんぬんではなく、嫌いと)

海未(これでは…懐柔は難しそうですね…)


にこ「まあ、何でもいいわよ。大人しくついてきてくれる?」

海未「嫌だといったら?」

にこ「撃つだけ。絵里や希にはスパイを始末したとだけ伝えるわ」

海未「………………」



海未(…話を聞いてくれる様子ではないですね。にこは私を捕らえるか始末するかしか考えてません)

海未(……私にできるのは、力ずくで黙らせるか、大人しく従うか…それとも…)

海未(どうしましょうか)





>>484

1,逆に捕らえて情報を聞き出しましょう。手っ取り早いです

2,彼女の意志に従いましょう。争いに来たわけではありません

3,…言葉を伝えることを諦めてはいけません。私の目的を伝えればわかってくれるはずです

4,隙を見て逃げ出しましょう。彼女に伝えられる言葉はないですし

5,従う振りをして油断したところをやりましょう。保険としてこの国を壊滅させる算段も講じておきます

3

海未(…言葉を伝えることを諦めてはいけません。私の目的を伝えればわかってくれるはずです)



海未「…私は争いを望んでません。どうか武器を置いてくれませんか」

にこ「は?この状況で血迷ってんの?」

海未「ええ、いかれと言われるかもしれません。でもこれから盟友になるかもしれない人間に剣は向けられませんし、恫喝に屈するつもりもありません」

にこ「何か言いたいのよ?意味がわからないんだけど」

海未「あなたと、これからのことをもっと話したいんです。武器や謀略ではなく、言葉と心で」

にこ「………………」



海未(にこは息を長く吐き出すと、銃床を地面について手を目元に当てました)

海未(呆れられてる気もしますが、戦意はなくなったようですね。それだけでも十分です)



にこ「…あんたのそのバカさ加減は死んでも治らなさそうだわ。撃たれるかもしれないのによくもそう…」

海未「にこは撃たないと、信じてましたから」

にこ「……はぁ。まあ、いいわよ。このままほっといても無害そうだから、好きにすれば?一応国賓にって扱いだから同行させてもらうけど」

海未「にこ…ありがとうございます」



海未(にこの心を折るつもりはなかったのですが、図らずもそうなってしまいました)

海未(でも、これでいいんです。私のなすべきことは協力関係を取り付けることですから)

海未(にこは私と同行してくれるようですが、もう夜も遅いので休みましょう)



海未「時間も時間ですし、今日はここで一夜を過ごしますね。にこ、あなたはどうしますか?」

にこ「…わざわざ絵里のところまで帰る理由もないし、私もキャンプのボランティアに参加しようかしらね」

海未「にこの本来あるべき姿だと思いますよ」

にこ「あんたも手伝うのよ。タダ飯食らいは許さないからね」

海未「お安いご用です。本当はこういう仕事をやりたかったんです」




海未(…剣を振るうことくらいしか取り柄のない私に、できる仕事は限られてます)

海未(困っている人への根本的な救済はできませんが、不安を少しでも和らげられるのなら雑用でも喜んでやります)

海未(…それが積み重なれば、みんなの慈愛の気持ちを繋げられると信じて…)



にこ「さて、いくわよ海未」

海未「はい」

にこ「私は配給の手伝いに行くから、あんたはゴミの処理をお願い」

海未「はい、任せてください」



海未(キャンプの管理は行き届いてるのか、治安的にも衛生的にも良好な状態に見えます)

海未(とはいえ、にこ達に同調した人間だけでは頭数が足りていないのは一目瞭然です。スタッフの顔には疲労の色が浮かんでます)

海未(休んでもらうためにも、私が代わりに何人分も働かないと)



海未「そんなフラフラでは避難した人たちも不安になってしまいますよ。少し休んでください」

「…そうしたいのはヤマヤマだけど、代わりにやる人なんていないし…」

海未「私がやります。引き継ぐ仕事も私にどんどん申し付けてください」

「そんな、ボランティアの人に代わってもらって休むなんて」

海未「できたばかりの国ですし、お互いに助け合って結束を確かめるのも悪くないと思いますよ」

「………………」



海未(スタッフさんはしばらくポカンとして、その後笑いながら言葉を続けました)



「ふふふふ。恐れ入ったよ、署長みたいに志の高いこと言うんだね」

海未「絵里みたいな…それは買いかぶりすぎですよ」

「さすがに署長が認めた人間だね。ここはあんたの言葉に従っておくよ」

海未「…はい。しっかり休んで、明日に備えてください」



海未(…やはり絵里たちが陰謀を企てているというのは杞憂でしょうか。付き従う者にまで私のことが伝わり、私の言葉に耳を傾けてくれる)

海未(……それくらい、私を警戒しているとも取れますが。真意は本人から聞くしかないでしょう)

海未(安易な思い込みで裏をかかれたくないですから)



海未(作業に没頭していたようで、気が付けば消灯時間になっていました。キャンプの人々は寝静まり夜番のスタッフが少人数巡回しています)

海未(いろいろと情報も聞けましたし、私もにこと合流しましょう)



海未「にこ、お疲れ様です。そちらはどうですか?」

にこ「明日の支度を終えたところよ。後は寝るだけ」

海未「雑務班も今日の仕事は終えました。…私たちも休みましょう」

にこ「ええ。…その前に少し話でもしない?」

海未「はい、私もそうしたかったです」



海未(人に盗み聞きされそうにない屋上に出て、星一つ見えない夜空を見上げました。この磁気嵐は視界まで奪うのですか)

海未(にこはフェンスに寄りかかって静かに口を開きました)



にこ「…どう思った?今のこの国を見て」

海未「みんな復興への活力にあふれてて良い空気だと思いますよ。一つの目的に向かっている感じですね」

にこ「……そう。あんたは誉めるのが上手いのね」

海未「え?」

にこ「実際には物資の不足から来る略奪や変化を受け入れられない人間が反乱を起こしてるのよ、外では」

海未「……………」

にこ「あんたのとこへも物資を奪いにいったり法外な取引を持っていった人間もいる。それを絵里が必死になって抑圧してる」




にこ「…結局、国としてまとめることなんてできなった。…それが結果よ」

海未「………………」

にこ「…まだ、私たちは犠牲を払わなきゃいけないのかしらね…」



海未(A-RISEの失脚から続く動乱で、既に国力は機能していない状況。それでも国として人々を引っ張っていくにこたち)

海未(もう犠牲を出さないと思って旗揚げしたのに、犠牲者が増えるばかりでは…やりきれませんね)

海未(……いずれ、私も同じ状況に立たされるのは予想できます)

海未(……それでも、その道をゆくのでしょうか)



>>491

1,ここで諦めるのは、犠牲者の意志を踏みにじることと同じです。やり遂げなければいけません

2,…それでも、私はやります。あなた達の国をも救えるくらいに、大きくなります

3,あなた達では不可能でしたか。…国民も裏切り者を信用できないですしね

4,……泣き言ですか。…私の尊敬しているにこは、弱音など私に吐かないと思ったのですが

2

海未「…それでも、私はやります。あなた達の国をも救えるくらいに大きくなります」

にこ「……つまりそれは、私たちが立ち行かなくなったら攻め滅ぼすってこと?」

海未「…そうなる前に私たちに助けてを求めてほしい、そう思えるくらいに頼れる隣人になると言っているのです」

にこ「………………」

海未「……とはいえ、無意味に民を困窮させ続けるのであればその時は…」

にこ「わかってるわよ、それくらい。そうならないように頑張るわよ」



にこ「完全に信頼はできないけど、それくらいの距離感が必要なのかもね。特に希は依存しやすいし」

海未「依存が深まれば癒着して、腐敗します。それでは前体制と何も変わらないですから」

にこ「A-RISE体制も腐敗を恐怖政治で隠してただけだしねぇ…。…まあ、それでも統率できてたのがA-RISEの手腕なのかもね」

海未「そうですね。彼女らから見習うべきものもあるかと」



にこ「…まあ、あんたの思惑はわかったわ。ベッタリ仲良くする気はないけど、見捨てるほど距離を置く訳でもない。お互い頑張って国を治めていきましょうね、と」

海未「お互い寝首をかかれないように、です。間者はどこに潜んでるかわからないですから」

にこ「ええ。…あんたのとこで迷惑かけてるバカどもの始末はこっちでやるから、心配なく」

海未「お願いします。お互いの成すべきを成せば上手くいきます」

にこ「……ホントにどうにもならなかったらあんた達の手も借りるかもだけど」

海未「……まあ、格安で承りますよ」

にこ「頼れる隣人さんも見つけたことだし、私たちも休みましょ」

海未「ええ、では」



海未(同盟、までとは言わないまでも良い印象を持ってもらえたと思います。あとは正式に絵里や希と話をつけて…私も国へ帰りましょう)

海未(…今日はもう寝ましょう)



にこ「宿泊スペースも余裕ないから私と作業車のシートでだけど、いい?」

海未「ええ、さっきまでトランクで寝てましたので随分恵まれてます」

にこ「あんた…何してるのよ…」



海未(にこはやれやれとため息をついて私の肩に手を置きます。そのまま肩を押して歩き始めました)

海未(…一応、仲間と認めてくれたんでしょうか)



にこ「あんた…賞金首なんだからね。…私も盗賊とやPrintempsと手を組んだの許したつもりはないし、…気を付けなさいよ」

海未「はい、肝に命じておきます」



海未(…私たちを潰す手段も取れると。利用価値がなければ)

海未(仲間と呼ぶには少し物騒ですね…)


海未(夕方眠ったせいか、なかなか寝付けず気が付けば朝日が窓から射し込んできました)

海未(にこは連日の疲れか寝息をたてて爆睡中です。…参りましたね)

海未(…磁気嵐も去ったことですし、ラジオでも聞きますか。…もちろん、にこを起こさないように車外の設備で)



海未「…あっちの様子をうかがい知れればいいのですが」


海未(チャンネルを手動であわせていると、ニュースらしき音声が入ってきました)





『綺羅氏が復権の声明を出して一日ですが、周辺勢力はどのような反応でしょうか』

海未(…綺羅氏…綺羅ツバサが…?…穂乃果の蘇生に向かって……)

『やはりA-RISEを支持する人間はまだまだいますね。あちこちで歓迎するムードが出来上がってます』



『その反応が気になるのは…Printempsの勢力でしょうね。この混乱の原因ですから。Printemps側からの応答は未だにありませんが』

海未(……私がいないから、決め兼ねていると…。…一刻も早く連絡をとる必要があります)



『それから、カンダーランド独立派も黙ってはいないでしょう。情報はまだ伝わってないでしょうが』

『もう既に綺羅氏と統堂氏がカンダーランドへ向かっていると。果たしてその真意は』

海未(…二人が…?…だとすると、ものすごくまずい状況です)

海未(…言ってしまえば、にこ達は漁夫の利で国を得たというもの。そんな不届き者を支配者は看過しないでしょう)

海未(…直々に潰しにきた、のでしょうか)


海未(……一刻も早く国へ戻って指揮を取れないといけません。…ですが、それはにこ達を見捨てることになるのでは…?)

海未(……どうすればいいんですか…!?)





>>497


1,にこ達とA-RISEのクッション役にならなければ、この国は崩壊します

2,どうにかしてあんじゅと連絡を取りましょう。彼女なら、あの二人を止められるかもしれない…!

3,…いいえ、私が成すべきは私の国を守ること。彼女たちの意思決定に干渉するのはいけません

4,…私たちの国を守るのに、A-RISEと今敵対してはいけません

5,穂乃果のことが気になります。二人に確認しなければ

1

海未「にこ達とA-RISEのクッション役にならなければ、この国は崩壊します。良き協力者になるかもしれない人たちを見捨てるわけにはいきませんね」

海未「にこと…絵里と希に伝えなくては」



海未(急ぎ作業車へと戻って就寝中のにこを起こしました。不機嫌な顔をしましたが、それどころではありません)



海未「にこ、寝てる場合じゃないですよ。事態は思ったより急転してます」

にこ「んあ……?ぁによ…」

海未「絵里と希のところに行きましょう、今すぐに」

にこ「…??」

海未「運転は私がしますから。絵里たちの場所を教えて下さい」

にこ「ふぁぁ~あ、…魔女の潜んでた神社よ」

海未「あの神社、ですか」



海未(どんな思惑があるのでしょうか。確かに役場だと簡単に居場所が特定されますし、カモフラージュの意味はあるとは思いますが…)

海未(…何だか因縁めいたものを感じますね)

海未(……まあ、そんな話を眠そうなにこに話しても伝わらなさそうですし、寝かせてあげますか)



海未「……事情は絵里たちと一緒の時に話しますので、まだ寝ててください」

にこ「…そうさせてもらうわぁ…」

____カンダーランド・神社



海未(さほど距離もなかったので、すぐにあの神社へと到着しました)

海未(石段から先は車ではいけないので徒歩ですが…にこはまだ起きる気配がありません)



海未「にこ、着きましたよ。ほら、起きて起きて」

にこ「あとから五分…」

海未「…もう、あなたもこの国の指揮する人間なんですよ?」

にこ「………………zzz」

海未「……仕方ありませんね…」



海未(…担いでいきましょう。にこは持ち運べるくらい小さいですし)

海未(…にこや私の武器も置いていくわけにはいかないので、米俵のように担ぐしかなさそうです)







____




海未「ぐっ…さすがに堪えますね…」



海未(左の肩ににこを担ぎ、背中に弓と鏑、腰に剣、右手にガンケース。その上でこの石段を登るのはさすがに辛いです)

海未(ようやく踏破し一息つけようよ腰を降ろすと、見覚えのある人物が視界に入りました)



海未「………………希」

希「う……海未ちゃん…?」



海未(掃除をしていたらしい彼女は、私の顔を見るなり手を止めなんとも言えない顔をします)

海未(私も、何と声をかけていいやらわからず鳥たちの声だけが響きます)



希「…それ…にこっち?」

海未「ええ…疲れで爆睡中ですが」



希「…よかった…報復にきたワケじゃないんやね…その様子じゃ」

海未「……あなたが仲間であることには変わりありませんから」

希「海未ちゃん…」



海未(希は安堵した表情で私の所に駆け寄ります)

海未(…希が私を裏切ったとは思っていませんので。希の欲することは私の願いの一部だということには変わりありませんから)

希「でもどうしたん?こんなに朝早く。にこっちからはお昼前くらいに連れていくみたいなこと聞いてたんけど」

海未「急を要する事態が迫っているのです。A-RISEが、綺羅ツバサと統堂英玲奈がこの国へ向かっていると」

希「え?」

海未「私の国のラジオを傍受していたら、そんな情報が。事実の可能性が高いかと」

希「そんな…なんで…」

海未「…彼女らが復権を望むのなら、Printempsに対向できる足掛かりが欲しいのでしょう。…手始めに、どさくさに紛れて独立したこの国を平らげる気なのでは」

希「……ここまで上手くいってたのに…」



海未(魔女に魂を売り、仲間を信頼を反故にしてまで望んだ国。それが、早々に危機に晒される)

海未(希の瞳は不安と、それ以上の闘争心を宿しています。A-RISEであろうと排撃してやろうと)

海未(……ですが、国力もない今剣を取れば国はバラバラになってしまいます。…それは止めなければ)



海未「…力んではいけませんよ、希。力で解決すれば、この国は形を保てなくなります」

希「…でも、そんな英雄が現れたら…みんな着いていっちゃうよ…」

海未「…私に任せてはくれないでしょうか」

希「え…海未ちゃんに…?」

海未「…あなた達の統治に干渉してしまうことは重々承知です。ですが…同じ志を持った人間を助けたいのです」

希「………………」



海未(陰謀なのか、真心なのか。希は私を疑っているのか信じているのか)

海未(……真心であることは真ですが、A-RISEの台頭を妨げたいという陰謀めいた意味もあると言えばイエスと答えます)

海未(……希は、判断しませんでした)



希「……絵里ちと一緒に考えるよ。海未ちゃんの提案は魅力的だけど…ウチ一人で決めていいことじゃない」

海未「賢明な判断です。私もいつまであなたの味方でいられるかわからないですから」

希「うん……そうやね」

____神社・架設テント



海未「お邪魔しています、絵里」

絵里「お久しぶりね、海未。こんなに早く来るとは思ってなかったけど」



海未(日が昇りきらない内に絵里は神社に現れました。その顔には疲労の色が見えます)



海未「…お疲れのようなので手短にいきます。ほら、にこも起きてください」

にこ「…起きてるわよ。さすがに」

希「ほんとにー?にこっち、ここにどうやってきたかってわかってないのにー?」

にこ「う、うるさいわね。寝ろって言ったのは海未よ」

絵里「人が寝ないで指揮取ってるときにヌケヌケと…。あなた達少し腑抜けてるんじゃない?」

海未「んんっ。そういう談話は後でお願いします。本題を切り出しますと…」



海未(3人に会話させているといつまで経っても本題を切り出せないので私から振ります)




海未「絵里、希からA-RISEのことは聞いてますね?」

絵里「ええ…まさか英玲奈のヤツがこんなに早く動くなんて…」

海未「…?統堂英玲奈のことを知ってるんですか?」

絵里「…私を警察の役職につけたのは英玲奈なのよ。飼い殺しにする気でいたみたいだけど」

海未「…まあ、こうして反旗を翻したわけですが」

絵里「元からそのつもりだったし。まあ、昔のよしみで適当なところで妥協点を見つけて、支配権を乗っ取ろうって魂胆みたいだけど」

海未「…その話、私に任せてはくれないでしょうか」

絵里「え?」

海未「このままいけばあなたのいうとおりこの国は乗っ取られてしまいます」

絵里「…そうね。今の私たちには、彼女らをはね除ける余力はないわ。落とし所次第では、提案を飲むことも考えてる」

海未「…まだそれは待ってください。私は…私たちはそんな乗っ取りを認めません。そんな事態が起こったのなら、私たちはカンダーランドと戦わねばなりません」

絵里「なら、どうするのよ。私たちはやっぱり戦わなきゃいけないって言いたいの?」

海未「…いいえ。私がA-RISEを牽制します。そんな腐敗を深めることをするならば打ち倒すしかない、と」



にこ「ちょっと、話が読めないんだけど」

希「A-RISEがうちらの国を乗っ取るなら、海未ちゃんは敵になるって。そういいたいんやろ?」

海未「ええ。そう突き付ければ、抑止力になるかと」




海未(どちらにも牽制の意味をもつ小狡い謀略です。絵里たちに恩を売り付け、A-RISEの台頭を妨害する陰謀屋の所業です)

海未(絵里は納得してくれるでしょうか)






>>505 コンマ1の位絵里の選択判定

0~2:世話になるわね…ありがとう

3~6:あなたの望みは何かしら?

7~9:…なめないでもらえるかしら

どうなるか

絵里「あなたの望みは何かしら?私たちに恩を売り付けたいわけ?」

海未「…きれい事を言うつもりはありません。そう捉えるならそれで構いませんよ」


海未「あなた達にはこの国を続けてもらいたい。それが私の望む世界の一部となりますから」

希「……海未ちゃんの理想はどこにあるん…?全然見えなくなっちゃったよ…」

にこ「…まあいいじゃない。一方的な信頼を見せつけられても裏がありそうだし、こうやって利用してるしさせてる関係ならわかりやすくて」

絵里「…そうね。信頼はできないけど、信用はできるわ。英玲奈たちが共通の敵である限り」

海未「それでいいです。利害が一致している間はお互い助け合いましょう」



海未(これで、この国とA-RISEに割り込むことの正統性が裏付けされました)

海未(そしてお互いの不可侵も確認できましたし、役目を果たせたと言えるでしょう)

海未(あとは、A-RISEの二人をどう牽制するかです)



海未「では、これで。お世話になりました」

絵里「ええ。…連中はもうこの街に入ってるらしいわ。ここの石段の下で待ってたら会えるんじゃないかしら」

海未「…わかりました」

海未(石段の一番下で待っていると、二人組の女が神社へ向かってくるのが見えました)

海未(にこのものより古そうな小銃を持った小柄な人と、軽武装の長身な人)

海未(……何度となく見た、支配者の顔でした)



「ここがあんじゅの使ってた神社ね」

「ようやくか。お前が勝手な予測であちこち回るから余計な時間を使っただろうが」

「はいはい反省してますよー長官殿」

海未「…綺羅ツバサに、統堂英玲奈ですね?」

「…?君は…君が園田海未か」



海未(長身の人…英玲奈は手配書と私を照らし合わせて納得したようでした。そして口を開きます)



英玲奈「こんなところで会うなんて、君も陰謀屋だったのかな?」

海未「そんな大ぞれたことじゃありませんよ。ただ友人に会いにきただけで」

英玲奈「友人、か」



海未(特に英玲奈は警戒するでもなくその場から動きません。血の気は薄いようですね)

海未(何か言いたげな英玲奈を尻目に、小柄な人…綺羅ツバサが言葉を発します)



ツバサ「園田海未さん、穂乃果さんがあなたを探してたわよ」

海未「穂乃果が…?」



海未(約束は果たしてくれたようですね。そこは安心しました)



ツバサ「あなたがおこなった革命を各地を回って見て、自分がどうしたいか決めたいって。それからあなたの下へ行って、てね。あ、もちろんあなたの仲間のドクターのことは話しておいたわよ」

海未「…その件に関しては、お礼を言わせてもらいます。ありがとう」

ツバサ「礼を言われる筋合いはないわよ。だって、穂乃果さんが私と手を組んでくれるかもしれないから」

海未「は…?」



海未(意味がわかりませんでした。穂乃果が、A-RISEと組む…?)


ツバサ「まあ、世間話はさておき。…私たちを待ってたのよね?何でかしら?」

海未「それはこちらが聞きたいです。…まあ大方、絵里をゆすってこの国の支配権に干渉しようという魂胆なのでしょうけど」

ツバサ「それもいいけど、ねぇ」

海未「……?」



海未「…どちらにせよ、あなた達が私の国や絵里たちの国に干渉するのであれば、私は全力であなた達を斬ります。お覚悟を」

ツバサ「肝に命じておくわ。…本当に言われた通りね、あなた」

英玲奈「…では、失礼するよ」



海未(二人は表情を崩さず私を通り過ぎ、石段を登り始めました)

海未(…私の読みは外れていたのでしょうか?それとも駆け引きをしている?)

海未(その不敵な笑みをしばらく忘れることができませんでした)

※視点1,2,3のいずれかを選択します



>>512 選択

1,凛&ことり&あんじゅ

2,穂乃果

3,海未

1

____ハーバラ・官邸跡



凛「かよちんを助ける方法、か。どれがいいのかな」

ことり「ラブカを集めるか、希ちゃんを連れてくるか、だね。希ちゃんの方は難しそうだけど」

あんじゅ「そりゃそうだけど。まあ、ラブカを集めて私がやるってのもなかなか時間がかかりそうよ」



凛(海未ちゃんがカンダーランドへ向かって翌朝。残った私たちはかよちんをどう助けるか作戦を考えていた)

凛(…あと、それからのことも)



あんじゅ「凛ちゃんは押収したラブカは使いたくないって言うし」

凛「あれはカンダーランドから魔法を奪い取るための策だもん。自分たちで使うつもりはなかったにゃ」

ことり「そうなると、新しく作るしかないよ?」

凛「……それはダメだよね。もう作らせないよ」

あんじゅ「じゃあ、ばらまいた分を回収するの?」

凛「…悪党からなら、気兼ねなく回収できるよね。そうしようか」

あんじゅ「骨が折れることで…。ま、あなた達らしいけど」



凛(海未ちゃんだって、多分この意見には賛成するはずだよ。こんなきれいにまとまる選択、他にはないにゃ)



ことり「じゃあ、魔法を使った事件の場所を洗っておくね」

凛「ことりちゃん、お願い。近場から攻めていこうよ」

あんじゅ「じゃあ私は旧体制側の様子でも探るかな。あっちにも出回ってると思うし」

凛「うん、ツバサさんと英玲奈さんの後の様子も気になるし。私も各地の団員から情報を集めるよ」

凛(ことりちゃんとあんじゅさんが情報収集のために官邸から出てしばらくすると、人が一人廃墟に向かってきた。どんな物好きだろう)

凛(…まあ、こんなところに来る人間は普通じゃないのは当たり前なんだけどね)



「…ここ、だよね」

凛「にゃ?どうしたの、キミ」

「私と、海未ちゃんが戦って、全部が始まった場所」

凛「……え?」



凛(官邸の外壁をじっと見つめて一人言をつぶやく女の子)

凛(…予想が正解だとしたら、この人は…)



凛「もしかして…高坂、穂乃果ちゃん?」

穂乃果「…へ?私のこと、知ってるの?」

凛「うん。海未ちゃんの…友だちでしょ?」

穂乃果「友だち、なのかな。もうよくわかんないや」



凛(穂乃果ちゃんは困ったように笑顔を作りながら答えた)

凛(……どうしよう。ここにとどまってもらって海未ちゃんと話をしてもらうべきか、それとも…)






>>517

1,海未ちゃんはここに帰ってくるよ。それまで待っててくれないかな?

2,ツバサさん達から聞いてるかもだけど、とあるドクターを蘇生してほしいんだ。そこまで案内するよ

3,私、星空凛。海未ちゃんと一緒にこの街をよくしていこうとしてるんだ

4,あなたの仲間のかよちん…小泉花陽ちゃんが重体で…。一緒に助けてくれないかな?

5,海未ちゃんはここにはいないよ。それじゃ、私は急ぐから

4

>>454でことりちゃんの事もこうやって説得してるから一番沿ってる気がする

凛「あなたの仲間のかよちん…小泉花陽ちゃんが重体で…。一緒に助けてくれないかな?」

穂乃果「えっ…かよちゃんが…?」

凛「うん…A-RISEの作った生体兵器と戦って…それで…」

穂乃果「…戦うの苦手って言ってたのにな。何がかよちゃんを駆り立てたんだろう…?」

凛「海未ちゃん、だよ。海未ちゃんの理想に夢を見て、かよちんもその手伝いをしてたんだ」

穂乃果「そっか…」



凛(穂乃果ちゃんは下を向いたまま少しだけ笑うと、しんみりと言葉を続けた)



穂乃果「…私は、海未ちゃんに負けたんだね。志も飲み込まれて、仲間も奪われて、そして戦いにも負けた」

凛「………………」

穂乃果「もう、私には何も残ってないや。何でかA-RISEの二人に助けられて…共闘の誘いを断って…あてもなくさまよってたけど…」

凛「………………」

穂乃果「…何か、バカらしくなってきちゃった。海未ちゃんとことりちゃん、それにかよちゃんがそれだけうまくやってるなら、私のいる意味ってあるのかなぁ…?」



凛(まるで穂乃果ちゃんから生気を感じられない。自分がいなくてもこんなにうまく回るなら、自分の存在意義を見失う、よね…)

凛(ならなおさら放っておけないにゃ!)



凛「かよちんは助けを待ってる。それが穂乃果ちゃんだったらどれだけ嬉しいことだと思う?」

穂乃果「…私?」

凛「そう、穂乃果ちゃん。かよちんの仲間なんでしょ?仲間を助けるのは当たり前だけど、ありがたいことにゃ」

穂乃果「…そう、だよね」


穂乃果「わかったよ、凛ちゃん。私にもお手伝いさせて。…私の生きる意味が欲しいんだ」

凛「もちろん、よろしくにゃ!」



凛(海未ちゃんのためにも穂乃果ちゃんを繋ぎ止めたいと思ったけど…)

凛(今は、このさまよえる女の子に道を示してあげたいと思ったにゃ)

____官邸地下・居住区



穂乃果「…かよちゃん、…こんな寝顔なんだね」

凛「うん…ぎらぎらしてた時とは全然違うよね…」



凛(かよちんの顔が見たいとってことで、穂乃果ちゃんを居住区へ案内した)

凛(かよちんの肩に手をおいて耳元でささやくと、穂乃果ちゃんはすぐに私の方に振り向いた)



穂乃果「…ありがとう、凛ちゃん。今、やっと生きてる感じがするよ」

凛「生きてるよ、穂乃果ちゃんは。だから、今度はかよちんを、ね?」

穂乃果「うん…!」



凛「さて、と。まだ情報は集まってないし。行き当たりばったりでいこう」

穂乃果「?何を探すの?」

凛「ラブカにゃ。あんじゅさんが国中にばらまいたから、それを使って悪さする奴らがいてね」

穂乃果「あー、なるほど。悪党を成敗しつつラブカを集めてかよちゃん蘇生の魔力にしようと」

凛「正解にゃ」

穂乃果「あの人、初めからそのつもりだったんだ…」

凛「にゃ?」

穂乃果「A-RISEのあんじゅさん。あの人からラブカをもらったんだけどね。もう、わけわからないね」

凛「うん。私もあの人のことは全然わからない」



凛(やっぱり、あの契約書は本当だったんだ)

凛(…でも、全く意味がわからない。ラブカを敵である穂乃果ちゃんに渡す理由って…?)



凛「わからないことはおいといて、どこにあると思う?ラブカ」

穂乃果「うーんとね…」





>>522

1,学校かな?木を隠すならなんとかで、避難所に潜んでるかも

2,繁華街かな?悪党のアジトもありそうだし

3,警察署かな?混乱に乗じて警察が悪さしてるかも

4,緩衝地帯かな?独立側の人たちもいるだろうし

2

穂乃果「繁華街かな?悪党のアジトもありそうだし」

凛「うん、そうだね。繁華街にいこう。マトモな人はいないかもだけど、逆を言えば倒していい人ばっかりってことにゃ」



凛(穂乃果ちゃんは聞いたとおりにリーダーシップがある人だ。海未ちゃんとはまた違う言葉にできない説得力のあるオーラ)

凛(…なんとなく、かよちんが惹かれたのもわかる気がするにゃ、根っこはそんなに悪い人でもなさそうだし)





____ハーバラ・繁華街



凛「非常事態だけあって、がらんどうだね」

穂乃果「…不思議な感覚だね。海未ちゃんとことりちゃんと一緒に来た時はすごく面白そうな街だったのに」



凛(高層ビルの向こう側を眺めようとする穂乃果ちゃん。その笑顔に少し痛みを感じたのは、…なんでだろう)




穂乃果「……魔法の気配は感じないね」

凛「私も。力のある悪党なら持ってると思ったんだけどなー」

穂乃果「…気を付けよう。何かおかしいと思う」



凛(おかしい、のかなぁ?ただ単純に魔法を使う人がいないだけだと思うんだけど)



穂乃果「……あ、人が倒れてるよ」

凛「この顔…有名な賞金首だと思ったにゃ」

穂乃果「ホント?…だとしても、おかしくない?警察に謝礼金もらうなら身柄を放置するわけないし」

凛「…そのとおり、なんだよね。誰かに倒されたとは思えないね…でも他にこの人が路上に倒れてる理由がわからないよ」

穂乃果「………………」

凛「まあ、私たちが助ける義理もないし行こう」

穂乃果「…そうだね。ラブカも持ってなさそうだし」



凛(私と穂乃果ちゃんが後ろを向いた瞬間、異様な気配が迫ってくるのを感じた。殺意を噛み殺していた猛獣が狩りを始めるように)



穂乃果「!!凛ちゃん!!」

凛「くっそ…!」



凛(猛獣は私に飛び掛かってきた。反応がなんとか間に合ってその顎を短剣で押さえつけて踏ん張るけど…)



凛「な…なにコイツ…?」

穂乃果「どうみても生き物じゃないよね…!魔法でできた化け物だよ…!」

凛「…ぅにゃあ!」



凛(穂乃果ちゃんの言ったとおり化け物だ。シルエットのように影のない一色の、犬の形をしたもの)

凛(何をしてくるかわからないから、一旦相手の首を弾いて穂乃果ちゃんの隣まで後退した)



穂乃果「…倒すしかないみたいだね。誰の思惑か知らないけど」

凛「うん…!穂乃果ちゃん、手伝って」

穂乃果「もちろんだよ」

>>527

・凛の行動選択
・コンマ一の位行動値判定
・コンマ十の位犬の影の行動選出



<凛(8/6/10)のコマンド>

1,直接攻撃(短剣)
2,ワイヤー(行動成功時、次ターン相手は行動成功しなくなる)
3,魔法攻撃(雷属性)
4,防御






>>528

・穂乃果の行動選択
・コンマ一の位行動値判定
・コンマ十の位犬の影の行動選出


<穂乃果(8/8/9)のコマンド>

1,直接攻撃(剣)
2,魔法攻撃(光属性)
3,補助魔法(相手の技量-1)
4,防御






※穂乃果のステータス
・(体力/技量/敏捷)=(8/8/9)
・属性:陽(光と炎)
・特性:根性(体力が0になった時、1回復し、自爆コマンドが使用可能になる。行動成功時、自分と相手に8ダメージを与える)



※犬の影のステータス

・(体力/技量/敏捷)=(10/8/8)
・属性:魔

<コマンドテーブル>
9,8,7→直接攻撃
6,5,4,3→魔法攻撃(魔属性)
2,1,0→防御

クリティカル来い

1

※凛10>犬8の行動値テーブル

9,8→凛行動失敗

7,6→両者行動成功

5,4,3,2,1,0→犬行動失敗



(凛:ワイヤー)(犬:魔法攻撃)(行動値:3)






凛「はたして攻撃が通るかわからないけど、短剣で触れたから打撃は通るはず!」



凛(ワイヤーの先を壁に括り着けて走りながら引っ張る)

凛(敵意を感じなかったのか犬は私を目のない視線で追うだけで意識は穂乃果ちゃんに向かってるみたいだ)



凛「こっちだよ!」



凛(犬の足元にワイヤーが通ったところでUターン。犬の足を括って転ばせた)

凛(あとは縛るだけ!)



凛「これでどうにゃ!」

穂乃果「おお、すごいね凛ちゃん!すばしっこさと早業がマッチしてる!」

凛「ふふん。私も名の売れた盗賊だもん、名前負けはしないよ!」



凛(犬の足の一本をワイヤーで巻き付けて、身動きをとれなくした)

凛(何をされるかわからないし、まずはこうだよね)






犬:体力10→7(判定ダメージ3、次ターン単独行動成功しなくなる)


※穂乃果9>犬8の行動値テーブル

9,8→穂乃果行動失敗

7,6,5,4→両者行動成功

3,2,1,0→犬行動失敗



(穂乃果:剣)(犬:魔法、単独行動成功無し)(行動値:1)






穂乃果「私もいくよ、凛ちゃん!」

凛「うん!」



凛(穂乃果ちゃんは海未ちゃんとは違う両刃の剣を鞘から抜いて犬の首筋を突き刺した。無駄のない剣技は海未ちゃんのものとそっくりだね)

凛(身体の自由を奪われた犬に避ける手段はなく、いとも簡単に貫通する)



穂乃果「…!やっぱりまだ倒れないか。てか、生き物の弱点をついてもあまり効果はないみたいだね!」

凛「!!穂乃果ちゃん、危ない!」

穂乃果「おっと。ありがと凛ちゃん」



凛(…やっぱり動きが洗練されてる。…海未ちゃんと同門の弟子と言っても違和感がないくらい)

凛(…長い間、海未ちゃんと剣技を磨きあってたんだ。素人の私にもわかるよ)



穂乃果「足を引きちぎって抜けるなんて、…それも狼の習性なのかな」

凛「感心してる場合じゃないよ。暴れられたら抑えられない」

穂乃果「そだね。早いこと終わらせよう」






犬:体力7→4(判定ダメージ3)

>>534

・凛の行動選択
・コンマ一の位行動値判定
・コンマ十の位犬の行動判定




>>535

・穂乃果の行動選択
・コンマ一の位行動値判定
・コンマ十の位犬の行動判定

えい

ほの

(凛:ワイヤー)(犬:直接攻撃)(行動値:4)






凛「手負いだけど…確実に!」



凛(確実に動きを封じるために、足で死角をとってから首にワイヤーをかける)

凛(足のない犬は反応できても動きがついてこないから無抵抗と同じ。簡単に吊し上げられた)



凛「さて、もう抵抗できないね」

穂乃果「うん。これで終わりだよ」






犬:体力4→2、次ターン行動成功しない

(穂乃果:剣)(犬:魔法攻撃)(行動値:0)







穂乃果「凛ちゃん、そのまま押さえてて」

凛「うん。けど、どうしたの?」

穂乃果「いやね、魔法で作られた生き物なら調べたら何か手がかりがありそうで」



凛(そう言いながら穂乃果ちゃんは剣を突き立てて犬のお腹をかっさばいた)

凛(字面的にはスプラッターな感じだけど、血は出ないしそもそも生き物かどうかも怪しいからね。抵抗はなかった)



穂乃果「…ラブカだ」

凛「え?」

穂乃果「身体の中に一個ラブカが入ってた。…多分これが原因なんじゃないのかな」

凛「……でもこれ、ヒビ入ってるよ」



凛(犬から取り出したラブカには、大きなヒビが走ってた。そこから魔力が抜けるみたいに光る粉が噴出してる)

凛(……でも、わかったのはそれだけ。なんで犬の中に入ってたのか、なんで犬が襲ってきたのか、その理由を知る手がかりにはならなかった)



穂乃果「でもまあ、一応魔力としては使えるね。もらっておこうよ」

凛「…そだね。あんじゅさんに見せたらこの犬の正体もわかりそうだし」

穂乃果「…あれ?凛ちゃん、あの人と知り合い?」

凛「まあね。かよちんの蘇生のお手伝いしてもらってるんだ」

穂乃果「そうだったんだ…」



凛(穂乃果ちゃんが剣を引き抜くと犬は光る粉になって姿を消した)

凛(穂乃果ちゃんはバツの悪そうな顔をして剣を納めた。…あんじゅさんのこと苦手なのかな)






犬:体力2→0

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2016年04月02日 (土) 22:35:02   ID: 6vD7cRjJ

前のやつのほうがすきだ

2 :  SS好きの774さん   2016年04月29日 (金) 22:24:42   ID: 3n1821Ig

そして彼女たちはそれぞれの悪の道を進み行くか・・・。

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