山内麿我「なんだよ、ムカつく和菓子屋だなーー!」 (80)


ゴム屋おのでらです。
今回は原作の方であるニセコイのお話となります。

少し長めになるのと、小咲ちゃん達が大変なことになるので、見る際にはお気をつけてご覧ください。


最近、何故か知りませんがアンチと思しき方がいて、かわいそうだなとおもってます。
このssは、僕と、これを読んで楽しく思ってくれる方のためにやろうと思います。


アンチなどという恥ずかしくて暇人で構って欲しい哀れななのは放っておきます。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1448558750



とある日、
凡矢理市和菓子屋おのでらにて…


春「今日はお客さん少なくて暇だね〜」

小咲「そうだね。でも今日は天気も悪いし、お客さんも来づらいしね」



トコトコトコ…

内山麿我「えっと、和菓子屋のおのでらって店は………お、ここか」

ウウィーーン

春「あ、お客さんが来た!」

小咲「本当だ。いらっしゃいませ〜」


山内「えぇ〜と、ここが和菓子屋のおのでらって店で間違いない?」

小咲「はい、うちが和菓子屋おのでらです」

山内「実はさ、妻からここの和菓子買って来いって頼まれててさー、この店のどら焼きと栗饅頭欲しいんだけど……」

春「はい、ありがとうございます!!」

小咲「すぐにお持ちしますので、そちらでかけてお待ちください」

山内「うぃ〜す」

山内「…………おいッ、この後用事あっからさ、早く準備してくんない?」
イライラ

小咲「あッ、はいただいまーー!」

春「もう、何よあの客!? 感じ悪ッ」

小咲「もう春ったら、お客さんなんだしそんなこと言わないの」

そして数分後…

小咲「お待たせいたしました。こちらがどら焼きと栗饅頭です」っ

山内「お、どもーー」

春「お会計は、2000円ちょうどになります」

山内「ハイハイ、2000円ね……」ガサゴソ

山内「あ、そうだ! 確かこの店の割引券持ってたんだけど、これまだ使えるよね?」っ

小咲「はい、割引券ですね。少々お待ちください」

春「えっと…割引券で300円割引だから、お会計は1700……」

小咲「あッ!?」

春「どうしたのお姉ちゃん?」

小咲「この割引券、昨日までだ……」

春「え!? あ、本当だ……」


山内「おい、いつまで待たせるんだよ。この後用事あんだっつの!」イライラ

小咲「あのぉ………申し訳ないんですけど、この割引券は使えません」

山内「はぁッ!? そんなわけねぇだろ、ここの店の割引券だろ、コレ!」

小咲「ひゃッ」ビクンチョ!

春「いえ、この割引券の期限が昨日で切れてまして」

山内「なんだと、一体どこにそんなこと書いてんだよ?」

小咲「ええっと…券の裏側の隅の方に小さく書かれてますよ。ほら、ここ……」


山内「なんだよそれッ!? こんな小さな字じゃ気付かねえだろーーが!!」

小咲「ひゃッ!!」ビクンチョ!!

春「お姉ちゃん! ちょっとお客さんッ、お店の中でそんは大声で怒鳴らないでください!! お姉ちゃんが怯えてるでしょーーー」

山内「ハァッ………用意が遅くて客を待たせるくせにこんな分かり辛え割引券なんか渡しやがってよ、客のことなめてんのかぁーーー!?」

小咲「ひゃうぅぅ、ご…ごめんなさい」ペコッ

春「お姉ちゃん、こんな客に謝んなくていいよ! そんなの、自分で割引券の使用期限を確認しなかったのが悪いんじゃないんですか」

山内「なんだとこのクソガキがぁッ!! こっちは用事前にわざわざ来てやったのに客のこと舐めやがってよ………、なんだよ、ムカつく和菓子屋だなーーー!」

小咲「そ、そんなぁーーー!!」
春「ひどいッ!!」


次の日、学校で……

小咲「ってことが昨日あったの……」

楽「そっか、それで小野寺朝から元気なかったんだな……」

集「それは災難だったなぁ〜」

千棘「何よそれ、その客最低ねッ!!」

鶫「ええ、お客であるという立場を利用して理不尽な文句を叩きつけるとは!」

万里花「随分とタチの悪いクレーマーですわね」


楽(俺がもしその場にいたら、かっこよく小野寺のことを守ってやれてたかもしんねぇのに………ッ)グッ

るり「それで、その客ってどんな感じの人だったのよ?」

小咲「えっと……確か、結構おじさんだったと思うんだけど髪の毛が茶髪でネックレスとかもしてて、チャラチャラした感じの人だったかな……?」

千棘「うわッ、いい歳こいてチャラ男でクレーマーって、つくづくムカつく客ね」

万里花「ほんと…、残念な殿方ですわね」

楽「そっか…小野寺も大変だったな」

千棘「それで、その客とは結局どうなったの?」

小咲「うん。それが納得いかないのか
いくらこっちが説明してもなかなか帰ってもらえなくて、割引券を使わせるようにってせがまれて、結局3時間くらい居座られたんだ……」

楽「なんだよそれッ!?聞けば聞くほど許さねえなその客」

千棘「ホントよね、私がいたら追い帰してやったわー!」

るり「家の人はいなかったの?」

小咲「お父さんもお母さんもその時用事で店にはいなくて私と春だけだったの。でも、あの場にお母さんがいたらもっと揉めてたかもしれない…」

楽「はは、確かに小野寺のお母さんならありえるかもな」


春「お姉ちゃんーーーーーーたたたたたた大変だよ!!!!」バタバタ

小咲「わッ、春!?」

楽「どうしたんだよ春ちゃん!? そんなに慌てて…」

春「あッ、一条先輩…………と、とにかく大変なんです!!」

小咲「大変って、一体どうしたの?」

春「お姉ちゃん、とにかくこのネットニュースの記事を見て!!」っ

小咲「記事って………"内山麿我和菓子店でトラブル 「わがまま」批判に反論"って書いてあるけど?」

集「あれ、内山麿我って確か……」

るり「舞子くん知ってるの?」

集「確かその人、ダンサーとか俳優とか色々と活動してるマルチタレントの人だよ!」

楽「へえ、そんなタレントがいるんだな」

鶫「それで、そのダンサーの男の一体何が大変だと?」

春「大変なのはそのダンサーよりも記事の内容なんです!とにかくお姉ちゃん、その記事をはやく読んでみてよ!!」

楽「記事の内容?」

小咲「ああー!」

楽「うおッ、どうしたんだ小野寺!?」

小咲「この記事に載ってる人………、昨日のお客さんだ」


http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira095205.jpg




一同「な、なんだってぇーーーーーー!!!?」


集「ということは、ダンサーの内山麿我が昨日小野寺の店にやってきたクレーマーってことになるね」

万里花「まあ、そんな偶然もあるんですわね!」

千棘「その内山麿我って人、そんなに有名人なの?」

春「ええ、それなりに有名なダンサーですよ。あの浜崎あゆみのバックにとついてたことがあるくらいですし。私も何度か見たことあるんですよ!」

小咲「そっか、あの時春がどこかで見たとか言ってたのって、こういうことだったんだ」

楽「それで小野寺、その記事には一体どんなことが書かれてあるんだ?」

小咲「あッ、えっとね………………………、なんだかあのお客さんが批判されて反論してるって内容だよ」

るり「それって、一体どういうことよ?」

春「あの客、店から出て行った後自分のブログにウチのお店の悪口書いてたんですよーーーーッ!!!」

楽「な、なんだって!?ホントかよそれ!!」

春「ホントですよ! この記事を見た後気になっていそのブログを見たら、こんな風に書かれてあったんですッ!!」っ

楽「え〜となになに……"本当に失礼な店員でムカついたな"って書かれてあるぞ!」

千棘「うわッ、酷いわね! "3時間交渉したけど結局割引券は使えず終いで、時間返せよ"って書いてあるわ!」

鶫「こっちの段には、"店主は今いないと居留守を使いやがった"とも書かれてますよ!」

るり「まさかこんな事をブログに書くだなんて……酷い客ね」

楽「なあ春ちゃん?もちろんこのブログに書かれてるような酷い対応はしてねぇんだよな?」

春「そりゃそうですよッ!! 私とお姉ちゃんは普通に接客したつもりだし、あれはどう考えてもあの客のわがままなんです!! 割引券の使用期限をちゃんと見てない方が悪いに決まってるじゃないですかッ!!」

楽「ああ、そうだよな。大人なんだし、そういうのは事前に確認してから使うべきだよな」

春「それに、どうしても許せない一言が書いてあったんです…………」

楽「え、許せない一言って?」

春「記事の下の方のこの段に書かれてる『最近のおのでら、調子のってるんじゃねーかな?』って一言です。こんなの酷すぎますよッ!!!」

千棘「何よコレーーー、悪いのは自分のくせに小咲ちゃんや春ちゃん達が悪いみたいに書かれてるじゃないのよ!!」

鶫「しかもコレを書いたのは一般人ではなく世間に少なからず影響を与える立場である有名人。知名度のある者が特定の店を名指しで批判するだなんて、大人のすべき事ではありませんねッ!」

るり「しかもこうしてネットニュースにもなっちゃうだなんて…」

春「あぁぁぁーーーーもう最悪ッ!! なんなのよあの客、ダンサーだからなんだか知らないけど、調子に乗ってんのはアンタの方じゃないの!!」

楽「まあまあ春ちゃん、落ち着けって!」

小咲「うぅぅ………これからお店、大丈夫かな?」

楽「小野寺?」

小咲「こうやってネットでうちのお店の悪い噂が広まって、評判が落ちちゃったら、もう誰も、うちのお店に来てくれなくなるのかな……………ぅぅ」シクシク

楽「小野寺………」


春「そんな、大丈夫だよお姉ちゃん! このブログだってあの客が書いたインチキなんだし、誰も信用なんてしないって」

千棘「そうよ小咲ちゃん! 小咲ちゃんちのお店なら大丈夫だって、ねえ鶫?」

鶫「ええ、もちろんですとも。」

万里花「確かに、小野寺さんのお店の和菓子はなかなか口に合いますものね」

集「そんな心配しなくても大丈夫だって小野寺」

るり「そうよ。アンタんちの和菓子の味はみんな知ってるから」

小咲「うぅぅ……みんなぁ」ウルウル


楽「……なあ小野寺」

小咲「一条くん?」

楽「俺、小野寺の家の和菓子スゲェ好きだぞ。だから、そんな不安がるような顔すんなよ。もしも誰も小野寺んちの店に来なくなったとしても……………俺がいるからさ!」

小咲「い、一条くん………/////」

春(まあ、お姉ちゃん作るのは出来ないから、盛り付けと形整えるだけなんだけどね……)

小咲「みんな、ありがとう!」

楽「そうだよ小野寺、気にする必要なんかねえって。それにこの記事やブログだって、よく見たらみんな山内麿我のことをバッシングしてるけど、小野寺の店を悪く言うコメントはねえみたいだし」

小咲「え、ホントに!?」

集「確かに、コメントとかも見てみると、殆どは山内麿我に対する批判コメントだね」

るり「つまり、みんな山内麿我の方がおかしいって思ってくれてるってことよ」

千棘「そうよ、小咲ちゃんと春ちゃんは何も悪くないわ。悪いのは全部この山内っていう客よ!」

万里花「ブログで店のことを批判したものの、見事にブーメランで自分が批判されていますわ。哀れですね……」

鶫「この様子から察するに、小野寺様の店の評判も下がる事はないと思いますよ」


小咲「ホントに……そうだと嬉しいんだけどな」

春「でもこれからどうしようか、お姉ちゃん? あの客、多分うちの店にはもう来ないとは思うけど、でもまたお母さんがいない時にああいうのに来られると大変だと思うよ」

楽「なら、俺が今度小野寺んちで警備員でもやるよ」

小咲「え、警備員?」

楽「ああ、俺は小野寺んちで何度か働いた事あるし、何かと対処しやいすと思うんだ!」

小咲「ホントに!? ありがとね、一条くん///」

楽「お、おう//」

楽(よし、これで小野寺の前でいいとこ見せてやるぞッ!!)

春(一条先輩、なんか怪しい……)ジトーー


千棘「なら、私も小咲ちゃん達に協力するわ!こんなもやしだけじゃいざという時に頼りになんないわよ!」

楽「なッ、誰がもやしだよ!? 俺1人で十分だっつの」

千棘「何よー!小咲ちゃん達が大変なら私だって協力するわ、ねえ鶫」

鶫「はい、お伴しますよ、お嬢」

小咲「みんな……ありがとね!」


こうして、楽や千棘達が小野寺家の店を守ることになった


とある日、山内麿我の自宅にて…

山内「おい、これは一体どういうことだよッ!!」バシンッ

妻「どういうことって……見ての通りですけど」

山内「なんだよコレ!? なんで離婚届なんか置いてあんだよッ!!」

妻「私もう……我慢の限界です、あなたには耐えられませんッ!! あなたはわがままで自分勝手で子供みたいで、もううんざりなんですよッ!!」

山内「何がうんざりなんだよ?」

妻「今回のことだってそうでしょ!? いい大人が、しかも一般人ではないタレントである人が和菓子屋さんを名指しで自分のブログに書くだなんて………どうなるかわからないの!?」

山内「どうなるって………そんなの知るかよ。これは俺の描いてるブログだし、自分のブログに何を書いても自由だろ」

妻「そういうところが子供なのよッ!! 私、小野寺さんのところの和菓子大好きだったのに……こんなことになって、もう買えに行けないじゃないのッ!!」

山内「なら最初から自分で行けやッ、俺に頼むなっつの!」

妻「私はその日用事があって凡矢理市まで行く余裕がなかったからあなたに頼んだのよ! それなのに割引券のことで揉め事起こすだなんて………、割引券のことに関して言えばどう考えてもあなたが悪いわよ。向こうのお店には落ち度はないわ」

山内「おい、お前までネットで俺のこと批判してる奴らみたく俺が悪いって言うのかよッ!!」

妻「だってそうじゃない!! いい歳した大の大人がこんなことで記事になって、恥ずかしいと思わないの!? もう私……あなたとはやっていけませんよ。そもそもあなた、本当に私のこと愛してくれてたの?」

山内「おい、何言うんだよ! 好きだから結婚したんじゃねーかよッ!」

妻「私、なんだかあなたから大切に扱われていない気がしてたのよ。付き合ってる頃だって、する時もあなたいつもつけないで生でしたじゃないの………なんだか私、その頃から疑わしくなったんだわ。なんだか大切にされてないような感じがして………」

山内「いや待てよ! 確かにする時はゴムつけないで生だったけどよ、でもそのおかげで俺たちの間にも無事子供が出来たじゃん!」

妻「ええ、おかげさまで周囲からは"できちゃった婚"なんてレッテル貼られたけどね」

山内「確かに子供出来たけど、でもちゃんと結婚して責任取ったんだしそれは別にいいだろ?」

妻「もう……なんなのよあなた。私、あなたのことがわからないの! あなたは一体何がしたいのよッ!?」

山内「アホなんかお前はーッ? もうやってらんねーーよ! しばらく俺は帰らねえからなッ!!」

ガタンッ

山内「チッ……あぁぁーームカムカすんなッ!」

山内「さてと、ああは言ったけど、これから何処別に行こうか。ったく、なんでこんな事になるんだよ!!」イライラ

山内「そうだ………そういやこうなったのってあの和菓子屋が原因だよな。よし、そうと決まれば………」




和菓子屋おのでらにて…

小咲「一条くん、今日はわざわざ来てもらってありがとね///」

楽「べ、別にいいって礼なんてよ。俺はただ、小野寺の力になってやりてえだけなんだし……///」

小咲「ううん、みんなのおかげで今日は気分良く仕事が出来たと思うの。千棘ちゃん達も本当にありがとね」

千棘「いいっていいって〜、小咲ちゃんに何かあってからじゃ遅いもんね」

鶫「ええ、いざとなればビーハイブ総出で小野寺様のお店兼宅をお護りするための準備と手筈は整っておりましたが、今日はクレームを言うような客はいなかったようですね」

小咲「うん。今日はいつも通りの普通のお客さんがたくさん来てくれたし、前みたいなトラブルにはならなくてよかったな」

春「お姉ちゃ〜〜ん、もうそろそろ時間だよ!」

小咲「あっ、本当だ。もうこんな時間になってる。じゃあ、今日はもうそろそろでお店を閉めるから、一条くん達もそろそろあがってもらっても大丈夫だよ」

楽「おう、そうか」

千棘「なら、着替えに行きましょう〜鶫」

鶫「ええ、お伴します」





ウィーーン

楽「あれ、もう閉店すんのに客が来たのか?」

春「あ、すいませんお客さん。今日はもう閉店なんですよ…………って、うわあぁぁぁ!!?」

楽「おい、春ちゃん!?」

千棘「春ちゃん、一体どうしたのッ!?」

春「あ、あああああんたッ、あの時のダンサーの客ッ!!」ソワソワ

山内「…………………………」

小咲「はわわ、本当だ! あの日のあのお客さんさんだ!!」ビクビク


千棘「コイツが、この店のことをブログに書いて小咲ちゃんと春ちゃんに迷惑かけてるチャラ男ダンサーの客ね!」

鶫「もう閉店間際だと言うのに、一体何の目的でここに来たのだ?」

楽「…………………チッ!」


スタスタスタスタ

小咲「あ、一条くん……!」


楽「おい」

山内「アァン? なんだよテメェは?」

楽「わけあって今この店の手伝いをしてる者だけどよ……あんた、この店に何の用で来たんだッ!?」

山内「ハァ〜、なんだよ、テメェもここの店員なのか? おいおい、客に敬語と使えねえのかよこの店は!? 注文した商品出すのも遅えし、割引券も使わせねえし、本当にダメな店だよなぁーーーw」

楽「ッ!!」
グッ


小咲「い、一条くん!!」

春「もう我慢出来ない、私もこの際だし一条先輩みたくビシッと…」

千棘「春ちゃん待って!!」

春「え、桐崎先輩……!?」

千棘「ここは、楽に任せてみましょう」

春「え!? で、でも………」

千棘「楽なら大丈夫よ。それに楽がダメでも……………ねッ?」

鶫「心得ておりますお嬢! 皆様は、この私が必ずや守り切ってみせます」

小咲(みんな………)

春(先輩の顔、凄く真剣な顔に見える……)



楽「取り消せよッ!!」

山内「ハッ………取り消せって、一体何をだよ?」

楽「小野寺の和菓子屋はな……ダメなんかじゃねえよ!! 味だって良くて、おのでらが仕上げたり形を整えたりした和菓子はすげー綺麗で心がこもってて、それを食べてくれた人が美味しいと笑顔になってくれんのが、小野寺は何より大切にしてる事なんだよ!!」

小咲「い、一条くん………………」
千棘「ったく、もやしのやつ……………」

楽「俺はこの店が好きだ。それを、自分が悪いのに小野寺や春ちゃん達に理不尽に文句つけて、挙げ句の果てにはブログで店の名前まで醸して…………いい歳した大人が子供じみた格好悪いことしてんじゃねェーーーーーーぞッ!!!」

春「い、一条先輩………///」

楽「小野寺だって春ちゃんだって、お客さんのためにいつもこの店で一生懸命働いてんだよ!! あんたみてぇなのにいくら話しても伝わんねえかもしれねえけどな、この店は本当に良い店なんだよ! その店を、俺が大好きな店を理不尽なわがままで悪く言ったあんたを俺は許すことが出来ねえッ!!」

山内「は〜ぁwww で、なんだよそれ?何、俺にどうしろっつうんだよ?」

楽「だから小野寺達にちゃんと謝れよ!! そして謝ったらさっさとこと店から出てってくれ。もう閉店の時間なんだよ。あんたがここにいたら店にいる小野寺も春ちゃんにも迷惑だし、これから帰りの支度を始めるつもりの俺たちにも迷惑だ。店側の迷惑も考えられないだなんて、あんたは客以前に人としてダメだろ!!」


小咲(うぅぅぅ……一条く〜ん//////)

春(せ…先輩が、あの一条先輩が…………かっこいい////)

鶫「おお、良いぞ一条楽! ビシッと言ってやったな!!」

千棘「………………………ったく、バカもやし」シュン



山内「うるせぇーーーッ!! ガキのくせに何格好てんだよお前ww 俺はこの和菓子屋のせいで人生大変になってんだぞ!」

小咲「た、大変にって!?」

春「そうな…私達何もしてないけどッ!」

山内「俺の奥さんここの和菓子が好きらしくてよ、でも俺がこの間のことブログで書いて炎上しちまったらよ、もうこの店では買えないってガキみてぇなのにこと吐かすしよぉーー!」

春「は、はぁ〜!? そんなの、あなたが悪いんじゃないんですか!? ブログの件だって完全に自業自得だし、アンチの奥さんが機嫌悪いのだって知りませんよ!」

千棘「そうの、春ちゃんの言う通りだわ! だいたいアンタねぇーー、大人のくせにこんなことして恥ずかいとか思わないわけッ!? 」


山内「るせぇーんだよ、ガキはすっこんでろよ!!」

千棘「なッ、誰がガキですって!!」 ムカッ

鶫「貴様ァーーー、お嬢に向かって無礼なッ!!」カチ


山内「ハッ…………マジわけのわかんねえ店員ばっかだなこの店は。だいたい、ネットとかでも俺のことわがままだとか芸能人だから調子に乗ってるだとか言ってくるバカがいるけどさ、だけどそいつらは同時にその自己規制精神の狭い視野のせいで知らぬ間に他人の自由を侵食し迷惑をかけてることも知ってみてほしいね」キリッ







一同「…………………」
ポカーーーン



楽「いやいやいや……かっこつけて言われても全く意味が分からねえんだけど」

千棘「しかもドヤ顔とかしてるし、腹が立つのを通り越して呆れるわ……」

鶫「この男は一体何を言ってるのでしょうか…………」


千棘「と、とにかく用がないんならさっさと帰りなさいよ、この勘違い男!!」

楽「そうだ、これ以上小野寺を困らせるんじゃねえ! それと、帰る前にちゃんと一言詫び入れてもらおうか!」


山内「何が詫びだよ、ガキのくせして一丁前みてぇな口だな、おい。それに用ならあんぞ。おい、店主はどこだ?今日はいるんだろ?」

小咲「あ、あの…実はお母さん、今日も用事があって……」

山内「おい、俺が来た時も同じ言い訳だったじゃねえかッ!? この店は店主にも合わせねえのかよ」

楽「おい、小野寺に怒鳴るんじゃねえよ!! 本当に今日も小野寺のお母さん、用事で出かけてんだよ」

小咲「そ、そうなんです。だからお母さんは今日はいないんですよ〜!」オドオド

山内「嘘言ってんじゃねーーーぞ!!」

春「嘘じゃないです、本当にいないんですって!」

千棘「ちょっとアンタ、女の子に大声で怒鳴るなんて最低よ!!」

鶫「貴様、それでも男か!?」

山内「何なんだよどいつもこいつもよーーーーッ!! こうなったのも全部この店のせいだろうがッ!? この店のせいで俺の人生最悪じゃねえーーかよッ!!」


楽「まだ言うのかよ、小野寺んちは何も悪くねぇーよ!」

小咲「そ、そうです。私達何も悪いことなんてしてませんよ」

春「そうよ、なんでうちの店のせいでアンタの人生が台無しになんのよ!?」


山内「少し店の文句書いただけでブログ炎上するわ、ネットにもああだこうだと書き込まれるわ、挙げ句の果てにカミさんに離婚届出されるわ……………なんなんだよ、チクショーーーッ!!」

小咲「へっ……離婚届って?」

楽「離婚って………、アンタとアンタの奥さんが離婚届するかどうかは知らねえけど、なんでそんなことまで小野寺達のせいになるんだよ!?」

山内「カミさんはこの店の大ファンらしくてよ、今回の俺のブログの炎上でもうここじゃ買い物出来ねえって嘆かれた挙句、結婚したのも出来婚がきっかけで、恋人の頃からゴム使わねえで生でしてたから、だから大切にせれてないんじゃないかって、そう思ってるらしいぜ……」


千棘「な……何よそれ!? アンタ、本当に最低ね!!」

鶫「聞くに堪えないほどのとんでもないダメ男ですね」

春「そんなの、私達関係ないじゃないんですか!? 自分勝手にもほどがあるわ!」

小咲「そ、そうです!! これ以上、うちのお店にいちゃもんをつけるのはやめてくださいッ!!」

楽「お、小野寺……!」

春「いいぞ〜お姉ちゃん、もっと言ってやれー!!」

山内「なんだと、この…………テメェに俺の気持ちがわかんのかよ!!」


グイ、シュッ!!

小咲「きゃッ!?」

楽「小野寺、危ないッ!!」シュッ


o(#゜Д゜)_‐=o)`Д゜)・;

バキッ、ドサッ、バタン!


楽「…………………………ウ、ウゥゥ……」

小咲「きゃあぁぁぁーーーーーー!! い、いい一条くん、しっかりして
ーーー」

春「きゃぁぁーーッ!! い、一条先輩が殴られて倒れた!?」

楽「…………ウウ、ウググ……」

千棘「ちょッ、楽ーーーー!! はやく、はやく救急車を呼ばないと」


山内「やべ……つい勢いで殴っちまった!!」

鶫「貴様、小野寺様を護ろうとした一条楽に手を出したな!!」カチッ

山内「待てッ、わざとじゃねえぞ! これはそこのガキが勝手に入り込んできて、それで…………あぁぁもういいぜ、こうなったらここにいる全員殴り殺してやるぜぇーーー!!!」オリャ

鶫「ぐッ…やむを得ん! 撃つぞ!!」

千棘「ちょッ、待ちなさい鶫、ここは店の中よ!!」

春「そうです、ここじゃ撃たないでくださいッ!!」


ドドドドドドドド…!

竜「坊ちゃーーーーーーん!!」

千棘「うわ、今度は何!?」

鶫「こいつらは、一条楽の…集英組の者共ではないか!!」

山内「うわ、なんだよこいつら!!?」

組員A「あ、竜さんいやしたぜ! 坊ちゃんがあそこで倒れてます!!」


竜「なんだとぉーーー!? 坊ちゃん、しっかりしてくだせえ!!」

楽「リュ……リュウ!? オマエラ、ドウシテ…ココニ……?」

小咲「一条くん、怪我してるんだししゃべっちゃダメだよっ!!」

竜「こりゃ一体どういう事だい!?坊ちゃんの帰りが遅いんで迎えに来たらこんな事になっちまって………、坊ちゃんはどうして倒れてるんだいッ!?」

小咲「い、一条くんは、襲われそうになった私をかばってくれたんです! そしたら今のように倒れこんじゃって……」


竜「襲われたっていってぇ誰に?………
アァッ、テメェは確かビーハイブの!! テメェが坊ちゃんを襲ったんかいッ!?」

鶫「なッ!? わ、私ではないぞ! 一条楽を殴り倒したのは私の目の前にいるこの男だ!!」


山内「あん?」

竜「ほぉ〜う、そうかい……………おい兄ちゃんよ、よくもうちの大切な坊ちゃんに手出してくれたなぁ…アアンッ!!」

山内「うわ、な…なんだもアンタら!? もしかして、ヤクザかッ!?」ビクッ



組員A「竜さん、この男どうしてやりましょうかね……」

組員B「とりあえず、適当にバラした後海にでも沈めときますかい……」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ


山内「ひ、ひいぃぃぃ〜〜 〜〜〜〜!」
ガクブル



春「ひぃッ…………ここ、怖い!」フルフル

千棘「アンタ達ひとまず落ち着きなさいって、春ちゃんが怯えてるじゃない!」


山内「いや、あの…これはっすね、そこのガキ…じゃなくて、そこのお坊ちゃまが飛び込んでして、それで勝手に……」

竜「おうおう、男が言い訳とは情けないのお………。男なら、テメェでした事はテメェでケジメを取らねえとな………!!」


スゥ……ガシッ!!

山内「ひいぃぃッ!? ゆ、許してくれーーーー」

竜「坊ちゃんに手出した落とし前つけてもらおうじゃねえか………やっちまえ野郎共!!!」

組員達「おぉぉぉぉーーーーー!!!」


山内「ギャアァァァァァーーーーーーーーッ!!!!」

ゴボッ、バキッ、ボコッ!!

楽「ヤ…ヤメロォ………テメェラ………!」


ミシミシミシミシミシミシ………!!

小咲「あれ…なんだかお店がミシミシ言ってるような…?」

千棘「うわぁ!! なんか、すごい音立てて店が軋んでるように見えるんだけど?」

鶫「まさか、集英組が暴れているせいで店に大振動が起こり、建物が崩れはじめているのか!?」

春「えぇぇーー!そんなぁ……!?」

千棘「ちょ、アンタ達もうやめなさい!このままじゃ楽ごと店が潰れちゃうわよ!!」


組員達「オラオラ、坊ちゃんの仇だーーーー!!」


千棘「ダメだわ、こっちの声が聞こえなてない!!」

小咲「はわわ……暴れないでぇーーー!!!お店が潰れちゃうよ!」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ!!

小咲「うわあぁ〜〜、凄い揺れ!?」

千棘「このままじゃ危険よ! みんな、お店の外へ避難するわよ!」

鶫「おい、集英組!! お前達のせいでこの店は今にも崩れだしそうだぞ、お前らも早く避難しろ!!」

竜「バッキャローー! 坊ちゃんの敵を目の前にして逃さ出すわけ行かねェーーだろッ!」

小咲「待った千棘ちゃん、一条くんを運びださないと」

千棘「よし、それじゃ私が肩持つから、小咲ちゃんは反対側を持って脱出するわよ!!」

小咲「わ、わかった!」

ミシミシミシミシ………ガゴーーーンッ!!!

一同「ッ!?」

春「きゃあぁぁぁーーーー天井が崩れ落ちてくきた!!!」

鶫「このままでは瓦礫の下敷きとなるぞッ!!」

千棘「は、はやく出口まで!!」

楽「……………………ウゥ」

小咲「一条くん、しっかりして!!」

ガゴガゴガゴ………ドゴォォォーーーンッ!!




一同「うわあぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーッ!!!!!」




こうして、私達は崩れた瓦礫の山の下敷きとなりました。
お店が崩れ落ちてすぐ、近所の人が通報し、現場にかけつけたレスキュー隊の活躍もあり、私達は瓦礫の山からなんとか助け出されたのでした。しかし、助け出された全員が生きていたわけではありませんでした。

まず、私の妹の春ですが、今回遺体を含め助け出された中で最も見るも無残な姿となってしまっていました。春の上に降ってきた瓦礫は岩のように大きく、春の体の半分はそれによって潰されていたのでした。発見された時には体半分が潰され息をしていない状態で、その場で死亡が確認されたそうです。
次に鶫ちゃんですが、鶫ちゃんは店が崩れる寸前に千棘ちゃんを庇おうと彼女に覆いかぶさるように倒れこんだようで、そのおかげで千棘ちゃんの命は助かりましたが、落ちてきた瓦礫が鶫ちゃんの頭に当たりこれが致命傷となってしまったようです。助け出された後、直ぐさま近くの病院へ救急搬送されましたが、頭に受けた傷が相当深く大きかったため、出血死してしまいました。

あの山内というお客さんですが、彼も瓦礫の山から助け出されましたが内臓が潰されたらしく、病院へ運ばれましたが、そのまま帰らぬ人となったようです。後日、私と私の両親宛に山内さんの奥さんから謝罪の手紙をもらいました。それを読むたび、私は複雑な気持ちとなります……

ちなみに、あの場にいた集英組の人達はみんな死んでしまったようです。

そして千棘ちゃんですが、鶫ちゃんのおかげで命は助かりましたが、瓦礫に足を取られて転倒してしまったらしく、受身もうまく取れない状況であったの加わり足を複雑骨折してしまい、現在も入院しているようです。
そして、私と一条くんですが、私達2人だけは奇跡的に軽傷で済みました。でも、一条くんの方は山内という人に殴られたあの時、頭を打ってしまい、さらに瓦礫の下敷きになったこともあり病院へ行くのが遅くなったこともあり、大きな病院に入院しています。頭の打ち所が悪かったらしく、今現在も昏睡状態であれ以来目を覚ましていません。
でも、私は信じています。いつか必ず一条くんが目を覚ましてくれることを。私はそれからほぼ毎日、一条くんの病室へお見舞いに行ってます。

お店が崩れ、私達小野寺家は職も、住む住居も失ってしまいまたが、一条くんのご学友であるたいう理由で、集英組の方から新築を建てる際の資金を出してもらえることになりました。来月、和菓子おのでらがあった場所に、新しく私達の家兼お店が建つ予定です。
ちなみに、新しく建つおのでらは和菓子ではありません。今回の教訓を受けて、妊娠や性病のリスクも考えず中出しするような内山麿我のようなダメ男を1人でも世の中から無くそうと考え、和菓子から完全シフトして、コンドーム専門店のゴム屋おのでらというお店を新しく始めることになりました。お父さんとお母さんと私で、今は亡き春の分まで家族で力を合わせて頑張るつもりです!


あれから、学校でもいろいろなことが変わりました。
まず、一条くんが昏睡状態となってしまったことにショックを受けた橘さんが不登校となってしまいました。噂では、ヤケを起こし18歳未満でありながら本番OKのソープランドで働いているようです。
舞子くんですが、理由はよくわかりませんが突如学校を自主退学し、ラーメン職人になると言い出してフィリピンへ単身留学しまようですが、乗っていた飛行機がハイジャックされ、そのまま墜落し死んじゃいました。
るりちゃんですが、いつの間にか自分で宗教を開き、空中浮遊の練習で忙しいのかあまり授業に顔を出さなくなりました。
春のお友達の風ちゃんは、春が亡くなったのがよほどショックだったのか、ある日学校の屋上に離婚したばかりの教頭先生を呼び出し、そのままフェラチオをした状態で共に身投げし、ちょっとした事件となりました。
ポーラさんは、鶫ちゃんが亡くなったことを機にビーハイブを抜けたようです。聞いた話では、大道芸人として生きる道を選び、日本ではやっていけないと言い出しルーマニアへと旅立ったようです。


そして、私はというと……


客「すいません、このコンドーム二箱ください」

小咲「はい、ありがとうございます」



私は学校終わりになると、来月から始まるゴム屋おのでらのため、今のうちからコンドームについて1つでも多くのことを知っておこうと、学校近くにある大きなドラッグストアのコンドーム売り場でバイトをしてます。

私には、2つの夢が出来ました。
1つは目覚めた一条くんに告白して、お付き合いをして、そしてゆくゆくは結婚して幸せな家庭を築くこと、
そしてもう1つは、ゴム屋おのでらを凡矢理市で……いえ、日本一大きなコンドーム屋さんにすることです!

その夢を叶えるため、私は少しずつですが前へ進んでいます。

客「ども〜」

小咲「ありがとうございました」

店長「お〜い小野寺さん、そろそろ時間だから、今日はもう上がっていいよ」

小咲「あ、はい。お疲れ様でした!」




私はずっと待っています。
一条くんがいつか目覚めるその日まで

そして、2人で幸せな家庭を築いて、日本一のコンドーム屋さんになってみせます!!


小咲「……………待っててね、一条くんッ!!」



END

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom