夏樹「アツい仕事じゃん」 (33)

夏樹「ヤベーよ。モバPさん!」

モバP「どうしたのさ」

夏樹「だりーのヤツがギターを覚えはじめてさ…このままだと、ロックアイドルの座を奪われちまうぜ」

モバP「李衣菜ちゃん…これでエアギターをやる必要ないんだね。彼女が重役の前でエアギターしたときは死ぬかと思ったよ」


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夏樹「そんなわけで、アタシとしては……ロックでアツいところを派手にアピールしたい」

モバP「派手にアピール…ね。しかし、予算がね」

夏樹「そこを何とか……」

モバP「ちひろさんが激怒して、怒り心頭でハゲちゃうよ?」

夏樹「頼むぜ!モバPさん」

モバP「はぁ………わかった、何とかするさ。では、この書類にサインしてくれる?」

夏樹「オーケー!サインぐらいするぜ!!」


木村夏樹は、速攻でサインした。書類に目を通す時間はなかった。

空港


モバP「おはよう」

夏樹「空港に集合って聞いて来たんだけどさ…マジで海外?」

モバP「イエス。さぁ、行こうか…かなりロックな企画だよ!」

夏樹「ロックってことはイギリス?アメリカ?」

モバP「ノー。C国だよ」

夏樹「は?オイオイ、そこって……ヤバくね?」

モバP「サインしたでしょー?さぁ、レッツゴー」

……
………

C国


モバP「ここは、C国の首都。ちなみに、C国に日本大使館は存在しない」

夏樹「マジかよ」

モバP「テロとか色々あるから。今回は櫻井・西園寺グループのコネとマネーパワーで無理矢理、入国したんだよ」

夏樹「櫻井・西園寺グループ……ハンパねぇな」

モバP「よし。僕が撮影、アシスタント、ナレーションするから、夏樹ちゃんは散歩ロケな」

モバP「C国の街を散歩してね。ゆるふわなアイドルが、よくやってる散歩ロケって、感じでさ」

夏樹「オーケー…。ところでさ、護衛とか防弾チョッキとかいらねぇの?」

モバP「護衛は雇っても、逃亡するからいらないね。護衛を雇う費用は無駄だよ」

モバP「防弾チョッキは、爆弾や機関銃には関係ないからさーつけなくていいよ!」

夏樹「おぉ……ロックだぜ」

モバP「この国は暑いしーハハハ!防弾チョッキだとかヘルメットなんて暑いだけさハハハ!」

夏樹「お、おう」

モバPさぁ撮影しようか!」

撮影中 REC●

モバP「皆さん、こんにちはー。プロデューサーです」

夏樹「今日はC国にきているんだ」

モバP「夏樹ちゃん、良い天気ですねー」

夏樹「そ、そうだな!」


ドカーン!


夏樹「きゃあ!」

モバP「隣の地区で爆発があったみたいだね。ロケットかな?爆弾かな?さぁ、ぶらり散歩しようか」

夏樹「ここの街並みはハードコアって感じだな……」

モバP「視聴者の皆さんにもハードコアが伝わるといいねぇ」

夏樹「お!アレは何だ?」

モバP「おやおや、夏樹ちゃんが発見したようですよ!」

夏樹「黒い…?」

「………」

ミートボールのような黒い物体は、焼け焦げた臭いがする”何か”だった。


モバP「ああ、それは人だね」

夏樹「ひっ」

モバP「ロケットでも被弾したのかな?真っ黒コゲだねーアハハ」

夏樹「ハードっていうか情緒があるっていうか……」

夏樹「小梅的に言ったら『デス』『ホラー』っての?」


<死ぬやつは良い豚どもだ!死なないやつは悪い豚どもだ!

ドカーン!

<○族の豚野郎は消毒だぁああああああ!


夏樹「きゃぁあああああああああ!」

モバP「ただの手榴弾だ。問題ない。撮影を続行するよ」

夏樹「お、おう」

夏樹「ああ…ヤバイ感じだ」

モバP「ほほう、夏樹ちゃんでも危険を感じるんだ?」

夏樹「え?そりゃアタシだって、しっかり身の安全を確保したい時くらいあるぜ」

夏樹「ピンチや危険を何でも『アツい』『ロック』とか言うのは、アイツだって」

モバP「ハハハ。確かに」


パン! ドガガガガガッ!!

<[ピーーー]や![ピーーー]や!

夏樹「…そういや今、気付いたけど電柱や電線を全然見ないな」

夏樹「電気とかどうしてんだここ?」

モバP「よい質問だね~視聴者の皆さんもご存知だとは思いますが……」


<アニキィイイイイイ

ザクッ ザクッ

<ヒャッハーアアアアアアアアア

ドガガガッガガガ!!

モバP「周辺諸国に攻められたC国は切羽詰まって、自国に核ミサイルを撃ち込んで」

モバP「自国もろとも攻めてきた敵軍を吹き飛ばしたってワケです」

夏樹「自国の核ミサイルによる攻撃で、電線やライフラインは全部、吹き飛んだのか!へぇ!」

モバP「放射能の心配はないから安心してね」

夏樹「安心だな」

夏樹「なかなかアツい仕事じゃん!攻撃したC国のソウルを感じるぜ」

モバP「そうだね。C国は現在、民族抗争、軍閥争い、テロリスト流入などで混乱の極み」

モバP「まぁ、なかなか思い切ったことをするよね…あ!」

夏樹「ん?」

モバP「夏樹ちゃんも『アツい』って使ったねぇ、李衣菜ちゃんみたいだ。アハッハハハ」

夏樹「え?結局『アツい』とか使ってるって?いやいや、今のは『デス』とか『ホラー』じゃねぇだろ?」

夏樹「使っていいとこさ…なぁ?」

<蛆虫、出てきやがれぇえええ

ドガガガガガガガガッ! 

<生きてかえすな

<ウアアアアアアアアアアアアアア



夏樹「スゲー。激しい戦闘だ。デカイ銃で撃ちあってるぜ」

モバP「あれは自動小銃だね。あの鉄砲で一発、太腿を撃たれたら大きな血管がブチ切れて、死んじゃうんだなぁーアハハハ」

夏樹「マジかよ。視聴者はドキドキもんだな!こりゃあハードコアだ」

モバP「体の中では、金属の弾がクルクルと回転するんだよ~」

夏樹「マジか…かなり『ロック』だ」

モバP「体の中を、小さいオッサンがバック転しながら進むみたいなもんだからね」

夏樹「ああ、そりゃあ死ぬわ。『ロック』だ、ガチだわ」

モバP「うん、『ロック』でガチだね」

モバP「そろそろ食事にしようか、夏樹ちゃん」

夏樹「そうだな。レストランとか食堂とかあんのかな?」

モバP「あそに店があるよ。撮影交渉してみようか」

夏樹「撮影許可がねぇとな。お偉いさんに、お叱りうけちまうもんな」

撮影一時中断


<ハロー!タベモノ、ミール、プリーズ!シンデレラ!

<ナニ?この外人。[ピーーー]よ!カメラよこせ[ピーーー]

<金をもってそうだ。身包み置いてけよ!っていうか[ピーーー]

<ミール、プリーズ、平和拳法、サムライ、シブリン

 ボキッ 

<ぎゃああああ

<腕がぁぁあ腕ががああっ…ひっ、ひっ

<ミール、プリーズ、ニンジャ、サスケ、ナマハムメロン

 ドゴッ ぐしゃぐしゃ!

<わ、わかった!OK!

撮影中 REC●


夏樹「………」

モバP「撮影許可おりてラッキーでだったね」

夏樹「………うん」

モバP「ほら、笑って笑って!ミートボールだよぉ!」


皿に盛り付けられたミートボール。そのミートボールを見た木村夏樹は

街で見た”黒焦げになったミートボール”を思い出した。


夏樹「ミートボール……おうぇっおおおおろろろろろ」

モバP「ダメだぞ?笑わなきゃ~。ほらほら、笑顔でカメラにピース!」

夏樹「お、おう!」


木村夏樹の渾身のダブルピース。普段では、なかなか放送されない表情にファンは歓喜した。

事務所


夏樹「マジでヤベーよ。モバPさん!」

モバP「どうしたんだい?」

夏樹「この前の撮影をインターネットで公開したら、アクセス数がハンパなかったぜ!」

モバP「おお!よかったね」

夏樹「だりーに勝てた気がしたよ。ありがとよ」

モバP「どういたしまして」

夏樹「ところで、相談なんだけどさ。プロモーションビデオの撮影はエレベストでやらねぇか?」

モバP「おいおい、予算も限られているし難しいよ。ちひろさんが激怒しちゃうね」

夏樹「エレベストで撮影すれば、アツいプロモーションビデオになると思うんだけどさ」

モバP「うーん。コストカットカットカットカットして……僕が夏樹ちゃんと荷物を背負って登山ってことかい?」

夏樹「モバPさんのアツい仕事に期待してるぜ……な!」

モバP「もう~……何でも『アツい』を使えば良いってもんじゃないよ…ったく」

夏樹「いやいや、使っていいとこさ、なぁ?」

モバP「え?」

夏樹「アタシを背負ってエレベスト単独登山ってのは、アツい仕事だよ…なぁ?モバPさん」

モバP「しょうがないなぁ。二人でアツい仕事しようか」

おわり

ありがとうございました。HTML依頼してきます

昔、ロケットを被弾すると「人間ミートボールになる」と本で読みましたが
ソ連とアフガンの戦争に関する本でしたので
今の技術でつくられたロケットに関しては不明です

鉄砲の弾については下みたいな感じです
→を弾だとおもってください

空中(左から右へ進む)
→ → → → →

体内(左から右へ進む)
→ ↑ ← ↓ →

体内(左から右へ進む)
→ ↓ ← ↑ →

訂正します。こっちが正しいです。
体内で弾頭が回転します

なつきち何してんの


ところでエレベストっていうのはわざとなのか?

エベレストの誤字があったので以下の通り、訂正します。申し訳ない。

>>21
夏樹「ところで、相談なんだけどさ。プロモーションビデオの撮影はエベレスト(Everest)でやらねぇか?」

モバP「おいおい、予算も限られているし難しいよ。ちひろさんが激怒しちゃうね」

夏樹「エベレストで撮影すれば、アツいプロモーションビデオになると思うんだけどさ」

モバP「うーん。コストカットカットカットカットして……僕が夏樹ちゃんと荷物を背負って登山ってことかい?」

夏樹「モバPさんのアツい仕事に期待してるぜ……な!」


>>22
モバP「もう~……何でも『アツい』を使えば良いってもんじゃないよ…ったく」

夏樹「いやいや、使っていいとこさ、なぁ?」

モバP「え?」

夏樹「アタシを背負ってエベレスト単独登山ってのは、アツい仕事だよ…なぁ?モバPさん」

モバP「しょうがないなぁ。二人でアツい仕事しようか」

おわり

>>29
ありがとうございました。ガチで間違っていました。
すみません。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年11月05日 (木) 14:44:09   ID: vjmEo-mD

ロックってなんですか?

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