李衣菜「ロックンロール」夏樹「ロッキンガール」 (28)


百合です



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夏樹「……」


夏樹「……」ムクリ

夏樹「…………」

李衣菜「……」

夏樹「……ふァ……」

夏樹「あー……」

李衣菜「……ムニャ」

夏樹「だりー」

李衣菜「……」スヤスヤ

夏樹「……ったく、気持ちよさそーに寝やがって……」

李衣菜「……」スヤァ

夏樹「ほら、起きろー!」

李衣菜「ぅう~ん……」

夏樹「朝だぞー! おーきーろー!」ユサユサ

李衣菜「ん~……、ぅ……おきてる、おきてる……」ムニャムニャ

夏樹「……」

李衣菜「……」

夏樹「……おはよ」

李衣菜「……」スヤ

夏樹「……寝るなー!」ユッサユッサ

李衣菜「……うぅ~~ん……」






夏樹「いただきます」

李衣菜「いただきまーす」

夏樹「……」モグモグ

李衣菜「……納豆」

夏樹「あ、苦手だった?」

李衣菜「そうじゃないけど」

夏樹「うん」

李衣菜「なつきちだったら、朝ご飯もロックな感じだと思ってた……」

夏樹「ロックな朝ご飯ってなんだよ……」モグモグ

李衣菜「えっと……、こう、チーズとか、ハムとかの、ブロック状の大きいやつを……」

夏樹「……」モグモグ

李衣菜「ガブリと」

夏樹「ただのガサツなヤツだろ、それ」

李衣菜「違ったかー」

夏樹「早く食べないと、遅刻だぞ」

李衣菜「はーい」

夏樹「……」モグモグ

李衣菜「……あ」

夏樹「ん」

李衣菜「私が混ぜれば、納豆もハードなビートを熱く刻むぜ!」ニッチニッチ

夏樹「……」モグモグ

李衣菜「決まった……!」ニチニチニチ

夏樹「はよ食えー」






李衣菜「うわわ、時間ない、時間ない!」ドタドタ

李衣菜「バッグよーし! ヘッドフォンよーし!」

李衣菜「……」

李衣菜「前髪……」チョイチョイ

李衣菜「……」

李衣菜「……フッ」ニヤリ

夏樹「キメ顔の練習してんじゃねーよ」

李衣菜「ちょ、ちょ、ちょっと! 見ないでよ!」

夏樹「どいてどいて、鏡貸して、鏡!」ズイッ

李衣菜「ちょっと、もうー!」

夏樹「んー……」ワシャ

李衣菜「……」

夏樹「んんー……」バサッ

李衣菜「……」

夏樹「んんんー…………」ワシャワシャ

李衣菜「……何してんの?」

夏樹「いや、トサカが……、キマらねーから……」グイッ ワシャ

李衣菜「どうせすぐ、メット被るじゃん。崩れるじゃん」

夏樹「わかってねーなぁー、だりーは……」

李衣菜「なにが」

夏樹「自分を曲げずに、ロックを貫く! そういうポリシーが込められてるんだよ、このヘアスタイルには」

李衣菜「おぉ……!」

夏樹「見えなくても、崩れるって分かっていても、アタシはアタシのスタイルにこだわる! それがロックの魂!」

李衣菜「おぉー! なるほどー! カッコいいっ!」

夏樹「……フッ」ワシャワシャ

李衣菜「……」

夏樹「……も、もうちょい待って……」バサッ

李衣菜「……時間ー……」

夏樹「……うーん」ワシャ

李衣菜「あー、もう! こっち向いて!」グイッ

夏樹「うおっ」

李衣菜「こう、やっ、て! っと……こうして」ワシャワシャ グイーッ

夏樹「……」

李衣菜「……はいっ! もうこれでいいでしょ!」

夏樹「お、おう……」

李衣菜「ほら、早く行かなきゃ! 遅刻遅刻!」ドタドタ

夏樹「あっ、ちょっとだりー!」

夏樹「……」


夏樹(鏡……)


夏樹「…………」

夏樹「……バッチリじゃん」






~事務所~


ガチャッ


夏樹「ギリギリセーフ!」ダッ

李衣菜「……」ヨロヨロ

夏樹「いやー、危なかったぁ。遅刻するかと思ったぜー! な、だりー!」

李衣菜「なつきちのバイクの運転の方が危ないよぉ……、うぅっ」

夏樹「間に合ったんだから、気にすんな」

李衣菜「飛ばしすぎだってば……」

夏樹「ほら、いつまでもグッタリしてないで、シャンとしろよ、ロックアイドル」

李衣菜「む……」シャン

夏樹「あはは、そうそう」

P「待ってたぞー、二人とも―」

夏樹「あ、Pさん。おはよーっす」

李衣菜「おはようございまーす!」

P「すぐ二人でレッスンの予定だけど、その前に、多田は俺と打ち合わせでー」

李衣菜「リーナって呼んでくださいよぉ!」

P「木村はちょっと待機しててくれー」

夏樹「はいよ」

李衣菜「じゃ、なつきち、後でね」

夏樹「おう」

P「行くぞー多田―」

李衣菜「リーナですっ!」タタッ

夏樹「あはは……」

卯月「――おや?」ヒョコ

夏樹「うわっ」ビクッ

未央「おやおやぁ?」ヒョコ

凛「二人一緒に出勤してきたね……」ヒョコ

夏樹「……って、みんないたんだ。おはよ」

卯月「おはよう!」

未央「ねえねえそれより! どしたの二人揃ってさ!」

凛「李衣菜も、夏樹のバイクで来たってことは……」

夏樹「ああ、うん。今ウチ、だりーと一緒でさ」

こんな感じです

凛「へぇ……」

卯月「同棲だね!」

未央「若い二人が、一つ屋根の下で夜を……」

夏樹「あはは、なーに言ってんの」

凛「でも、最近でしょ、一緒に住みはじめたの」

夏樹「いや、先々週くらい……、かな?」

卯月「うそっ! 知らなかったー!」

夏樹「まあ、Pさんくらいにしか言ってなかったし、一緒に出勤するのも、今日がはじめてだったしなぁ」

凛「でも、同棲なんて、なんでまた?」

夏樹「いや、実はさぁ――……」










~回想・事務所~


李衣菜『うぅ……』ジャカジャカ

夏樹『……ん? おーっす、だりー』

李衣菜『あ、なつきちー……』

夏樹『お……、ギターやってたんだ!』

李衣菜『う、うん……』

夏樹『なるほどな、ついにだりーも、本気でロックやる気になったか』ウンウン

李衣菜『しつれーな! 私はいつだって本気でロックだよ!』

夏樹『どうかなー、ニワカだしなぁーだりーは』ケラケラ

李衣菜『うっさいー……』

夏樹『……』

李衣菜『……』

夏樹『……』

李衣菜『……』

夏樹『……』

李衣菜『……』

夏樹『……弾かねーの?』

李衣菜『えっ!? い、いや……だって、なつきち見てるし……』

夏樹『なーに恥ずかしがってんだよ。いいじゃん、弾いてみせてよ』

李衣菜『でも、まだ練習中だし……』

夏樹『上手い演奏聴かせろ、ってわけじゃねーよ。だりーがギターやってるとこ、見たいだけだから』

李衣菜『……』

夏樹『……別に間違ったって、笑わないって』

李衣菜『じゃ……、ちょっとだけ……』

夏樹『おう』

李衣菜『……』ジャーンジャーン

夏樹『……』

李衣菜『……』ジャカ…

夏樹『……』

李衣菜『…………っと』ジャン…

夏樹『……』

李衣菜『……あれ……』ジャ…

夏樹『……』

李衣菜『……』ジャン

夏樹『んー……』

李衣菜『……うぅ』

夏樹『いや、まあ、でも、思ったより全然……』

李衣菜『……』

夏樹『コードも頭入ってるみたいだし、譜面も追えてるし――……』

李衣菜『今度のライブで』

夏樹『え』

李衣菜『この曲、やることになって……』

夏樹『……はぁぁ!?』

李衣菜『歌いながら……』

夏樹『えぇー……』

李衣菜『……』

夏樹『また、Pさんの無茶ぶりだろ……』

李衣菜『やれんのか? って言われて……』

夏樹『なんて答えたの』

李衣菜『やりますよ、って』

夏樹『はぁぁ……』

李衣菜『なつきちぃ~、どうしよぉ~……』

夏樹『情けない声出すな』

李衣菜『……だってぇぇ』ウルウル

夏樹『……よし、分かった』

李衣菜『へ?』

夏樹『特訓だ』

李衣菜『トックン?』

夏樹『だりー、アタシのウチに来な!』

李衣菜『えぇぇ!?』










未央「へぇ~……」

卯月「それで、夏樹ちゃんの家に泊まりこんで、ギターの練習がんばってるんだね!」

夏樹「そういうこと。まったく、世話が焼けるよ……」

凛「そういう割には」

夏樹「ん」

凛「楽しそうだけど、夏樹」

夏樹「そう?」

未央「そうだねー」

卯月「ねー」

夏樹「ま、確かに……、退屈はしねーかもな……」

卯月「ふふっ」

未央「でも、リーナもさ、結構変わったよね、雰囲気」

凛「ああ、分かるかも」

夏樹「そうかぁー?」

凛「前までは、一人で窓際にたたずんで、ヘッドフォンでつけて……」

未央「カッコいいけど、近寄りがたい感じっていうの?」

卯月「クールでアンニュイっていうか!」

夏樹「フリだよ、フリだけ」

未央「あはは」


夏樹(……にしても)

夏樹(アイツのニワカなロックのポーズも……)

夏樹(周りからは、そう見えるもんか…………)

凛「やっぱり」

夏樹「ん?」

凛「李衣菜のことは、夏樹が一番分かってるんだね」

夏樹「は? なんだそりゃ」

未央「……」ニヤニヤ

卯月「……」ニヤニヤ

夏樹「え、何この雰囲気」



李衣菜「なつきちー! お待たせー! 早くレッスン――……」

未央「……」ニヤニヤ

卯月「……」ニヤニヤ

凛「……」ニヤニヤ

李衣菜「何この雰囲気!」

今日はここまでです

ゆっくりですみません

すみませんでした
出直してきます

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