兵士「こちらで地図を描かせて貰えないでしょうか?」(199)

__『始まりの洞窟』Lv1__
ッザッザッザ...
ミノタウロス『グルルルルルルルルル...我ノ許可モ無クノウノウト入ッテクルトハ、貴様覚悟ハ出来テイルナ!!!』

兵士「あっ、申し訳御座いませんわたくし国土地理院の使いの者ですが...こちらの現場責任者のような方は...」

ミノタウロス『...ワタシデスガ』

兵士「あっ、それは失礼いたしました、では改めまして...私国土地理院からの依頼でこちらのダンジョンの地図を
作って欲しいとの事で参った次第で御座います」

ミノタウロス『ハア、オツカレサマデス』

兵士「それでですねこちらで地図の作成をしたいのですが...よろしいでしょうか?」

ミノタウロス『マア...イイデスヨ』

兵士「あ、どうもありがとう御座います、では早速作業の方に入りますのでどこかスペースをお借りしてもよろしいでしょうか...」

ミノタウロス『エ、ドコデモカマイマセンヨ』

兵士「重ね重ね申し訳御座いません...では作業の方に入りますので何か質問等が御座いましたら遠慮なく申し付けて下さい」

ミノタウロス『ダイジョウブデス』

兵士「はい、かしこまりました...」バサッ

ミノタウロス『...』

兵士「地形は滑らかな斜面...地層は所々に鉱石有...」カキカキ

ッザッザッザッザ
ミノタウロス『グルルルルルルルルル...我ノ許可モ無クノウノウト入ッテクルトハ、貴様名ヲ名乗レ!!!』

勇者「貴方がこの洞窟で冒険者を相手に大暴れしている魔物だな?率直に言うこの
洞窟から出て行いけ」

ミノタウロス『タワケガ、ココハ元来我ノ所有シテイル洞窟ゾ出テ行クノハ貴様ラノ方也!!』

勇者「僕の親友を傷つけて...許さない!!!」

ミノタウロス『ッハッハッハ!!アノ小娘ノ事カ!?逃ゲル姿ガ滑稽デ笑イガ止マラナカッタゾ!』

勇者「覚悟は出来ているな...?」


兵士「ダイアモンドでも無い...じゃぁこの鉱石は...?」


勇者「...っき君!!」

兵士「はい?」

勇者「君なにをしている?!!危ないから下がろ!」

兵士「あぁ、私の事は放っておいても構いませんので続けて下さい」

勇者「彼は人質か?!」

ミノタウロス『国土地理院ノ派遣ラシイ』

勇者「えぇ...?」

勇者「っま、まあいい!続けるぞ!」

ミノタウロス『ドコカラデモ掛カッテ来イ!!小娘ェ!!!』

勇者「ウオオオオオオオオオ!!!!!!!」


兵士「奥の方に癒しの湧き水と赤い宝箱あり...」


ミノタウロス『グオオオオオオオオ!!!!』ブウウウンッッッ!!!!

ドゴオオオオオンッ!!!!

勇者「甘い!!」

兵士「よし!」

ミノタウロス『何故貴様ハ戦ウ?!』

勇者「ハアハア...あの村人達の笑顔を...守る為だぁ!!!」ドゴオン!!!

ミノタウロス『グウウウウウ!!!!...何故ソコマデシテアノ村を守ル!!貴様二トッテアノ村ハ
何ダ?!』

勇者「...守られるべき人が居る...それだけだ!!」

ミノタウロス『ッフ...ソウカ、オ前ハコノ先途方モ無イ旅ヘ出ル事トナルダロウ...道中デノ苦悩
二耐エラレル自信ハ?』

勇者「大有りだ!!!」

ミノタウロス『良かろう!!!その覚悟!!しかと受け取った!!我に止めをさs「すいませ~ん」

兵士「地図の作成が終了いたしましたのでこちらに受領印をお願い出来ますか?」

ミノタウロス『...エェ...?』バタアアアアン...

兵士「大丈夫ですか?」

ミノタウロス『これまでの戦闘を見てきて大丈夫かって聞くか?』

兵士「あ、申し訳御座いません...分かるようなサインでも結構ですので」

ミノタウロス『...』サラサラ

兵士「お手数をお掛けして申し訳ございません~では作業の方は終わりましたので何か
不具合でもございましたらこちらの電話番号までお掛けくださいませ、では失礼しました」
ッザッザッザ

勇者「...」

ミノタウロス『...放っておいても死ぬから奥の宝箱の中身取って良いよ...』

勇者「すまない...」
ッザッザッザ
__勇者、Lv1の洞窟をクリア__

__Lv3『灼熱の斜塔』__
炎龍『グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!』

兵士「溶岩で道の切れ目が分かりませんねぇ...困った」

炎龍『グルルルルルルルル...ギャオ、ギャオ』

兵士「あ、本当だ、道だけちょっと色が濃いですね、すいません」

炎龍『...』
ッザッザッザ
勇者「これが...伝説の龍...!!」

炎龍『グオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!』ブオッ

僧侶「吐き出す炎は3000度...体は鉄をも溶かす灼熱の鎧...」

魔法使い「でも私が居る限り大丈夫!!」

勇者「...」

僧侶「勇者様!いきましょ...どうなされましたか?」


兵士「年代物の鎧ですねぇ、300年前の炎龍討伐に来た騎士団の物ですよこれ」

炎龍『ギャオ、ギャオ』

兵士「あ、やっぱり分かっちゃいます?オークションで買うと結構値段張るんですよね~」

勇者「ッ君!!」

兵士「あ、こんにちは骨董品の収集ですか?」

勇者「今回はおふざけで済まされるような戦いじゃない!ここから立ち去れ!!」

兵士「った、立ち去れですって?まだ地図も完成してないのに...!」

魔法「今回...?」

勇者「かくかくしかじかなんだ」

魔法「へえ...空気読めない人なの?」ヒソヒソ

炎龍『グルオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!』

勇者「龍はの方はやる気みたいだ...彼には可哀想だが僕らは戦うしかない!!」

兵士「グネグネしてて分かりずらいなぁ」

勇者(彼が地図を描き終わる前に...終わらせる!!)


兵士「あっ!分かったかも!!」


勇者「っみ、みんな!!急いで倒すぞ!!!」

「「はい!!」」

炎龍『グルルルルルルルル...我、汝に問わん...汝、真の力を欲するか...』

勇者「真の力...?」

炎龍『左様...ココよりさらに北へ向かわれよ...さすれば真の力が備わらん...』

勇者「...その言葉、信じていいのか?」

炎龍『信じるも否も...貴様の覚悟次第也...さらばだ!!!』グウオオオオ!!!!!!!!!!!!

僧侶「飛んでいた...」

兵士「あちゃ~現場責任者がどっか行っちゃった...もう完成したのに」

勇者「真の...力...?」フラッ
バタッ
魔法「勇者?!どうしたのしっかり!!」


兵士「すいません、サインでも結構ですのでどなたか...」

竜剣士「?」

__勇者Lv3灼熱の斜塔クリア?__

__灼熱の里 宿 Lv?__
勇者「...ン...ここは...?」

兵士「あ、どうも」

勇者「僕...倒れて...」

勇者「っき、君が運んでくれたのか...?」

兵士「はい、お二人とも人一人運ぶ程体力が残って無かったみたいでしたので...あった」ガサゴソ

勇者「...?」

兵士「こちらにサインをお願いできますか?」

勇者「...」サラサラ

兵士「はい確かに、ありがとうございました、ではすべての作業が終了致しましたので
何か不具合や質問等がございましたらこちらの電話番号までお願い致します、失礼しました」

勇者「...特に不具合は見当たらんしな...」

__灼熱の里 宿 Lv?クリア__

__試練の丘 Lv5__
試練の像『...』

兵士「...」

試練の像『...ナンスカ?』

兵士「こちらの現場責任者の方は...」

試練の像『俺ダケド...何カ用ッスカ?』

兵士「ここのダンジョンの地図を作成したいのですが...よろしいでしょうか?」

試練の像『...駄目ダ』

兵士「...申し訳ありません、理由をお聞かせ願えないでしょうか」

試練の像『ココハ試練ノ丘!地図ナドノ様ナ物ヲ持タセテハ試練二ナラン!!
地図無キダンジョンハ自ラヲ鍛エ上ゲル事二ナル!!』

兵士「あちゃ~そう言うダンジョンか~...参ったな...」

試練の像『ソウイウ事ダ、シカシココマデ来レタ実力ハ認メヨウ、コノ光ノ輪カラナラ
安全二入リ口ヘ帰レル』

兵士「しかしそうも行かないんですよ~...ダンジョンの地図を描くまでは出るなって上司から
言われてまして...う~ん」

試練の像『ツーカ、オ前ドウヤッテココマデ来タノ?途中ノ中ボスハ?』

兵士「あぁ、危害攻撃を貰ったので倒しました」

試練の像『...オマエ勇者ジャ無イヨネ?』

兵士「はい、国土地理院からの派遣の者です」

試練の像『...描イテイイヨ、地図』

兵士「え?よろしいのですか?!」

試練の像『モウドウデモイイヤ...』

兵士「あ、ありがとうございます!ではこれから作業の方に入りますので質問等が
ございましたらいつでもどうぞ」

試練の像『ハイ』ポリポリ

兵士「台座の下の隠し扉は入ってもよろしいでしょうか」

試練の像『ッハ?エ?何デワカンノ?』

兵士「はい、この手のダンジョンはこういった部屋が多いのですぐに見分けが付くんですよ」

試練の像『...ヤハリコノ俺ヲ倒テカラ二シロ!!!!』

兵士「えぇ?!(高音)何かご不満な点でも...?」

試練の像『答エロ!貴様ナニモノダア!!』

戦士「ああん?ナンか騒がしいなぁ...」

勇者「随分と気性が荒いね...?」


兵士「えぇ...っく、クレーマー?え?どうしよ...」


勇者「...」

僧侶「あ、あの方は!!」

魔法「何で?!」

兵士「あ、どうもご無沙汰しておりますぅ~」

試練の像『答エロ!!』

戦士「え?なに?何でお前が怒られてんの?」

兵士「ちょっとこちらで不手際があったのかと思われますが...」

試練の像『貴様ラモコヤツノ仲間カ?!!打チ倒シテクレル!!』ブウウンッ!!!!

戦士「おっと」ガキイインッッ!!!

試練の像『ヌウウッ!貴様ラハ勇者トソノ仲間カ!!』

勇者「はい、こちらで真の力を手に入れるべくここまで参りました」

試練の像『ヨカロウ!!貴様ラマトメテ掛カッテコイ!!!』


兵士「地図作成の方は...」

魔法「あんたも話聞いてたでしょ?!命が惜しかったら離れてなさい!!」

試練の像『我ヲ倒セルノナラ地図ノ作成ヲミトメル!!』

兵士「パワー系のお客様かぁ~...困ったな」

勇者「君は下がってて!ココは僕らの仕事だ!!」

兵士「皆様...ここまでしてわたくしの地図作成を...」ジーン...

戦士「違う!!」

魔法「地図はどうでもいいの!!」

兵士「では私も行かせて貰います!!皆様のお手を煩わせるわけには参りません!!」ッザッ!!

勇者(早い...!!)

兵士「失礼します!!!!」ブウウウウンッ!!!!!
ガシッ!!
試練の像『グウウウッッッ!!!!ヤハリ貴様力ヲ隠シテオッタカ!!』

兵士「地図の!!!」ブンッ

試練の像『甘イ!!』カキンッ
ブウンッ!!!!
兵士「作成を!!!」カキンッ!!

試練の像『ナニ?!』

兵士「認めてください!!!!!!!!!」ズシャアッ!!!!

試練の像『グアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!』

兵士「どうですか!!!」

試練の像『認メル!!認メルカラ止メハセメテ勇者二!!!!!」

兵士「ありがとうございます!!!」バサア!

兵士「ウオオオオオオオオオオオオオ!!!!」カキカキカキ


試練の像『...アレ君ノ仲間?』

勇者「...同業者かもしれん」ザシュッ!!

試練の像『グウウウウ!!!我ヲ倒ストハ!!!貴様ハ真ノ力ヲ手二入レル二相応シイ!!
奥ヘト進ミ真ノ力ヲ手二入レヨ!!!!!』ピカーッ

魔法「っき、消える?!」

シュウウウン...

戦士「...」

勇者「行こう...」

僧侶「ナンか...納得が...」

魔法「言っちゃダメ」

勇者「彼の地図が出来上がる前に行こう!」
ッタッタッタッタ

兵士「出来たアアアアアアアア!!!!」

兵士「すいません!どなたか受領印を...誰も居ない?」

__勇者Lv5試練の丘クリア__

__最果ての街 宿屋兼酒場 Lv??__
勇者「...」


兵士「...」カキカキ

兵士「カウンターの机に若干の傾き...」カキカキ


勇者「...彼はいつから」

ママさん「うん...あの子朝ウチに来てからずうっとコーヒー一杯で粘ってて...
何でもこの街の地図を作成したいとか...国土地理院の派遣の方だそうよ?知り合い?」

勇者「何度かダンジョンで...」

ママ「そう...あの子井戸の底の宝箱の場所まで描いてるの...盗賊って訳でも無さそうだし...」

勇者「彼は...アレが仕事らしいです」

ママ「ふうん...?」

兵士「...よし、出来ました」

勇者「やぁ、おととい振りだね」

兵士「あ、どうも~今日はお休みですか?」

勇者「そう言った所だ...もう地図の作成は済んだのかい?」

兵士「はい、完璧です」

ママ「ちょっと見せて?」

兵士「どうぞ...何か足らない所がございましたら申し付けて頂けると幸いです」

ママ「...凄い...私この街で生まれ育ったけど...行った事のない小さな路地裏まで...」

兵士「この街は歴史も長いので過去の地主やら町長らが隠した宝箱が多々ありまして...探すのにちょっと手間取りました」

勇者「ほぉ...」

兵士「これでノルマは達成しました...5日の休暇です」

ママ「貴方...いつからコノ仕事を?」

兵士「もともと測量やら絵描きを少しばかり噛んでおりましたので国土地理院の理事長から依頼された次第です
でも描いてる期間は5ヶ月位かな...」

勇者「それじゃぁ僕と君が会った始まりの洞窟が君の初仕事だったのか?」

兵士「う~ん厳密に言うと始まりの村からですね」

勇者「と言う事は僕の故郷にも来てたのか?」

兵士「実家が村の郊外にありますので親の顔を見てくる序にですけど...あの裏庭に
小さな祠がある家って勇者様のお宅ですか?」

勇者「っそ、そうだ」

兵士「あぁやっぱり、あの祠の奥に古びた剣が供えられてますよね?アレ見たときびっくりしましたよ~
いきなり私に語り掛けてくるんですもん」

勇者(え、知らない)

兵士「その剣ってば私に『その地図勇者に見せるなよ!絶対に見せるなよ!!』って
うるさくて、ははは、しかし!私も仕事です!お客様の秘密は絶対に...あ、喋っちゃった」

勇者「...」ワナワナ

ママ「ちょっと...大丈夫...?」

兵士「どうしよ...守秘義務破っちゃった...僕クビ...?」オドオド

勇者「兵士」

兵士「っは、はい?」

勇者「僕達と...冒険をしないか?君と居ると上手くやって行けそうな気がするんだ」

兵士「...申し訳ございません...そのご要望にはお答えできません...」

勇者「...」

兵士「私がいると足手まといになりますし、仕事もまだ残ってますので...」

勇者「...そうか...でも...」

兵士「いつか...いつか一緒に冒険できると良いですね...ママさん、ビーフストロガノフ一個お願いできますか?」

ママ「そのメニューは取り扱ってないわ...」
__最果ての街 宿屋兼酒場 Lv??クリア__

__南の小島 海賊の砦 Lv1__
船長「ヒャッハー!久々の大仕事だったぜぇ!!!!」

船員「僕らの初仕事ですがね」

船長「野朗共!!港に着いたぜ!錨を降ろせ!!」

船員「二人しか居ないんだから手伝ってください」

船長「おう」

ザッパーン!

船長「しかし姫様を誘拐できるなんざぁラッキーだったぜ!!」

船員「昼寝してた所をかっさらっただけじゃ...」

船長「いいんだよォ!!これで身代金がガッポガポだぜぇ!!!」

姫「ちょっと!!埃溜まってるじゃない?!ちゃんと掃除してるの?!」

船長「っか、海賊は掃除はしねえんだよォ!!」

姫「君!!埃はたき持ってきて!!汚くて見てられないわ!!」プンプン

船員「アイアイサー」

船長「勝手な真似はゆるs

姫「雑巾!絞ってきて!!!」

船長「はい」

ドンドン!!!

「すいませ~んどなたかいらっしゃいますでしょうか~」

船員「船長、客です」

船長「でてやんな」

船員「どちら様でしょうか」

兵士「あっ夜分遅くに申し訳ございません、わたくし国土地理院から派遣されて参りました
兵士、と申します~、実はこの島の地図を作成しに参った次第なんですが現場責任者の方はいらっしゃいますでしょうか...」

船員「あ、わざわざこんな所までお疲れ様です...船長~!国土地理院の方ですよ」

船長「いかにも!!この俺が船長だ!!」

兵士「あ、どうも~、先ほど申し上げた通りなのですが」

船長「あぁ!!気の済むまで描いていきな!!」

兵士「ありがとうございます~...では早速...」ガサゴソ

船長「その服どっかで見覚えあんな~」

兵士「コノ国の下級兵の服です~」カキカキ

船長「っき、貴様!!!姫の救出にきやがったな!!?」

兵士「姫様?あぁ誘拐されたらしいですね」カキカキ

兵士「騎士団の連中が必死こいて捜索してました」カキカキ

兵士「難破船の中にダイアモンドと伝説の鎧...」カキカキ

船長「ええい!!ふかしこきやがって!!てめえも姫を救出に来たんだろうが!!よこせこんな物!!」

兵士「あぁ!!僕の愛用のペンが!!」

船長「WRYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYY!!!」ボキイッ!!!

兵士「なっ!何をするだァーーッ!!ゆるさんっ!!」

船長「ええいやかましい!!おい!!こいつを縛り上げろ!!」

船員「俺一人でですか?」

ドンドン!!!!

船長「今度はナンだ!!!」

ドンドンドンドン!!!!!!!!!!!!!

船長「ッチ...礼儀がなっとらんぞ!」

ドンドン...

船長「...ッ」

ドゴオオオオオオオンッ!!!!!!

船長「ウひゃぁ?!」

戦士「おォ~脆い壁だぁ」

盗賊「この壁作ったの何年も前だから所々腐ってたのよね」

船長「お、オマエ!!」

盗賊「ただいま、義父さん」

船長「い、今までどこ言ってたんだ!!」

盗賊「その小物っぽさも変わってないね」

船長「って、てめえ...!」

勇者「感動の再会のところ悪いが姫様を返してもらおうか?」

船長「んだ小娘ぇ?!扉壊しやがってぇ!!」

姫「何よ騒がしい...勇者?!来てくれたの?」

勇者「親友が捕まったんだ助けに行くのは当たり前だよ、じゃぁお城へ帰ろうか?」

姫「は~い、じゃあ掃除頑張ってねぇ」

船員「アイアイサー」

船長「っま、待て!話はまだ...」

盗賊「義父さん、もう海賊ごっこはやめなよ、そんな事しても母さんは帰って来ないよ?」

船長「う、うるせぇ!連れ子の分際で文句いうんじゃねえ!」

盗賊「それじゃぁ、もう戻らな...?


兵士「フウン!!ホオン!!オオン!!アオン!!」


盗賊「...あそこで野獣の咆哮をしてる人は...?」

戦士「あぁ?!こんな所にまで来るんか?!」

勇者「っど、どうしたんだ?」

兵士「愛用のペンが~ペンが~オオン!!」サメザメ

勇者「ペン?」

『愛用のペン』→/\ ポッキリ

勇者「ぽっきり折れているな...踏んだのか?」

兵士「またもやパワー系のクレーマーでぇぇンアッー」

勇者「あぁ、あいつに折られたのか...」


船長「オオン、アオン」ガミガミ!!


魔法「ペンの一つや二ついいじゃないの」

兵士「死んだ兄さんの形見やぞ」

兵士「う~ん...ペン折られたら地図作成出来ない...参ったなぁ」

勇者「他には筆記具は無いのか?」

兵士「コノ島に来る途中に嵐で落してしまいまして...」

僧侶「一つくらい描かなくてもいいんじゃ...いったん陸に戻ってペンを買いもう一度くれば...」

兵士「納期がありまして...今から戻ってこちらへ帰っても期限切れでOUTになります...はぁ~上司に
説明するしか無いか...お騒がせしました、失礼します」

勇者「何で着たんだ?桟橋に船は見当たらなかったが」

兵士「ウソォ!?」

船員「あぁ、ナンか小船が流されていってましたよ」

兵士「オオン」

__海賊の砦 Lv1クリア__

__船内 Lv?__
兵士「いや~何から何まで申し訳ございません」ペコペコ

戦士「一人で砦までいこうなんてお前根性あんな~」

勇者「今まで見てきたがちょっと無茶しすぎじゃないか?何故危険を冒してまで
地図の作成を?」

兵士「そうですね~...前までは僕の兄さんが作成の担当をしていたのですが
作成の途中で殉死しちゃいましてその引継ぎに僕が選ばれたんです」

魔法「じゃぁあのペンは兄さんの遺品だったんだ...」

兵士「そう言う事になります」

勇者「では、地図の作成はお兄さんの叶わなかった願いでもあったのか...」

兵士(いやそこまで執着してたわけでは...)

兵士「そうですね、ウン」

姫「仕事熱心な子もいたのね~」

兵士「っは、勿体無いお言葉...」

魔法(一応礼儀は弁えているんだ)

勇者「港に着いたらどうするんだ?」

兵士「そーですねー、取り合えず状況報告をメール便で送り、ソノ後の返答次第ですね」

勇者「街に少し留まるのか?」

兵士「はい、港町に地理院職員用の官舎がありますのでそちらで寝泊りします」

姫「じゃあ私達もそこに泊めて貰わない?私が言ったらみんなも泊めてくれると思うし」

勇者「部外者がいいのでしょうか...」

兵士「事情を説明したら泊めてくれると思いますよ?」

勇者「それなら良いが...」

魔法「その方が宿代浮くし寝られるしで一石二鳥ね」

戦士「んじゃ決まりだな」
__船内 Lv?クリア__

__地理院用官舎 Lv?__
当直「はぁ?6人も泊めるのか?」

兵士「あぁ、何とか頼めるか?」

当直「う~ん出来ない事は無いんだが...一人一部屋はちょっとキツイなぁ...」

兵士「誰か他にも?」

当直「あぁ地理院の幹部連中だ、何でもここの会議室で何か大事な会議しててな?会議終了後に直でここに泊まるらしいぜ?」

兵士「部屋は幾つ空いてるんだ?」

当直「二部屋だなぁ、3人で分けて詰めりゃぁ何とかなるべ?」

兵士「背に腹は変えられんか...俺は野宿かな...」

当直「誰が泊まるんだ?まさか市民でもなかろうに」

兵士「勇者ご一行と姫様だ」

当直「あぁ?何でご一行が?」

兵士「沖にある海賊の砦で姫様救出してきたらしい、で、港に帰る途中でココに
泊まると言う話が出まして」

当直「ほーん...」

兵士「女性が5人で男一人だ」

当直「はいはい了解しましたっと...男一人?オマエはどこで寝るんだ」

兵士「官舎の外で寝るさ、野宿は慣れてるさ」

当直「あぁ...まぁご一行のメンバーとは寝にくいやな...おk、部屋は手配出来た
ご一行中に入れていいぞ」

兵士「あぁすまん、お待たせしました~!大丈夫で~す!」

当直「後で毛布貸すわ、海辺の夜は冷えるぜ」

兵士「重ね重ね申し訳ありません」

当直「ははっ、なんだそりゃ」

兵士「俺の口癖だよ」

勇者「すまん、手間取っただろう?」

兵士「いやぁ融通の聞く人でしたので」

当直「へへっどうぞごゆっくり」

酒場にて...
兵士「...」カキカキ

勇者「おや?また仕事か」

兵士「あ、どうも...部屋の心地はどうです?」

勇者「あぁいい部屋だよ、ありがとう」

兵士「それは良かった」

勇者「店の地図を?」

兵士「いえ、ちょっと親に手紙を...」

勇者「手紙か、僕は長らく書いてないなぁ」

兵士「便箋残ってますけど使います?」

勇者「いや、遠慮しておくよ...父はそういうのが嫌いらしい」

兵士「へぇ~厳しい家庭だったんですか?」

勇者「僕の家は勇者の血を引いている唯一の家系だからね、厳しくなるのも無理はないよ...」

兵士「そりゃそうか」カキカキ

勇者「君は僕と同じ村の生まれだったね、勉強はどこで?」

兵士「あぁ~確か村の教会で勉強教えられましたねぇ...あの年増のシスター怖かったなぁ~」

勇者「ほぉ奇遇だな、僕もそこの教会だぞ」

兵士「そうなんですか?あっじゃぁたまに理科の授業に講師で来る先生覚えてます?
あの白衣のウラにカメムシの死骸着いててそっれがまた臭いの何の...ははっ」

勇者「すまない、僕は夜に個別で教えてもらってたんだ...父が勝手に頼んでな」

兵士「あ~そっかー...あっもしかしてシスターの部屋で勉強してましたか?」

勇者「あぁ」

兵士「あ、やっぱり!僕本読んでて遅くまで図書室残ってたんですが、その時によく女の子の
笑い声が聞こえるってんでビびりながら帰ってたんですよ~、あれ勇者様だったんですね」

勇者「図書室...あの地学と歴史のカテゴリに?」

兵士「はい、特に地形やらの本は読み漁って年増シスターに本がヨレヨレになった
って怒鳴られましたよ~」

勇者「やっぱり...あれ君だったんだな、よく勉強を抜け出して図書室へ行ったんだが...
部屋の置くに揺らめく影があったからとても驚いたよ...」

兵士「あのきゃあああって可愛い悲鳴勇者様だったんですね...」

勇者「可愛いとは何だ」

兵士「へへっ、それでシスターがすっ飛んできてゲンコツ食らいましたよ~...覚えてます?」

勇者「あぁ、闇の奥でウゴッって声が聞こえたよ」

兵士「はははっ...おっとそろそろ閉店時間ですね」

勇者「そうだな、戻るか」

兵士「店長、お勘定」

「はいよ」
__
___

___
__
勇者「ではまた明日に」

兵士「はい、よい夢を」

勇者「あぁ」


兵士「さぁてと...寝るか」
__地理院官舎 Lv?セーブ__

__地理院官舎 Lv?__
ジュウウウウウウウウウ...

兵士「ン...クォクォは...」

勇者「おっ、起きたか?今朝飯を作っている所だ、もう少し待てっててくれ」

兵士「な、何故BBQセットで...?」

魔法「何故はこっちのセリフよ、何で官舎の外で寝てるのよ...」

勇者「そうだ、びっくりしたぞ?朝外へ出てみたら君が毛布に包まってるんだ」

兵士「えっ、ええまぁ、一身上の都合により...」

勇者「ナンだそれは...まぁいい、温まるようスープも作っておいた。もう出来るぞ」

兵士「ありがたき幸セッーックショイ!!!」

魔法「凄いくしゃみね」

勇者「外で寝るからだ...ほら出来たぞ」

兵士「頂きます...」ズズッ

兵士「うめえ...」

勇者「最初は一人で旅をしていたのでな、調理の勝手が自然に身に付いたんだ」

魔法「勇者の作る料理って全部おいしいのよね~」パクパク

兵士「いや~勇者様と結婚する人は幸せ者ですな~」パクパク

勇者「ははっそんな相手が生きてる間に見つかるといいがな...」

兵士「いや~すぐに見つかると思いますよ~?」パクパク

勇者「ほう?じゃあ君が立候補するか?」

兵士「そうしよっかな~」ハッフハッフ

勇者「ッッッ///?!」

魔法(バカが自滅しおってからに)

兵士「あ~美味かった...ゴチになります!」

勇者「お、おう...///」

兵士「片付けは僕がやりますよ」

魔法「ありがと~」

兵士「いえいえ」

勇者「...///」
__地理院官舎 Lv?クリア__

そして
兵士「んじゃぁお世話になりましたホントに」ペコリ

当直「おうオマエも地図作り頑張れや」

兵士「ははっまだまだ掛かりそうだけどな...」

勇者「もう行くのか?」

兵士「はい、今朝メール便が届いたのでちょっと本部まで帰らないといけないんです」

勇者「そうか...またどこかで」

兵士「はい、勇者様も体に気をつけて下さい」

勇者「...今朝言った事は...」

兵士「?」

勇者「...何でもないよ、また会ったら話そうと思う」

兵士「じゃあそれまでは生きながらえてますね」

勇者「ははっ言うじゃないか」

兵士「おっと、そろそろ行かないとやべえ、それでは...お元気で」

勇者「あぁ」
__クリア__

__最果ての廃村 井戸の底 Lv?__
老人「いつまで拗ねておるのじゃ...」

兵士「だぁって僕この仕事以外に何も出来ないって烙印押されちまったらもうアカンですよ...」カキカキ

老人(こいつが来た時は勇者の威厳もココマデ落ちたかと思ったが...違って良かったわ)

兵士「はぁ~...まさかリストラされるとはなぁ~...やっぱ納期の滞納かなぁ...」

老人「こんな所の地図を描いてどうするのじゃ?」

兵士「僕も分かりませんよ~...何でもいつか来る日の為にこれを完遂せん、って上司に言われたんで」カキカキ

老人「適当な上司じゃな」

兵士「悪い人じゃないんですがねぇ...良くも悪くも仕事熱心な人で」カキカキ

老人「しかし長いのう...丸描いてちょんですまんのか?」

兵士「いや~申し訳ありません、この井戸の奥のダンジョンが意外と長い物で...」

老人「...なぜそれを」

兵士「長いことやってたら慣れてきて分かるんですよ、お客様の後ろの岩、ちょいと捻ればあら不思議...でしょ?」

老人「貴公ォ...まさか勇者...?」

兵士「僕は違いますよ?」カキカキ

「よいしょっ!よいしょっと!」

老人「誰じゃ?」

魔法「ふぅ...後でもう五人くらい降りてくるから待ってて...ってまたいたんだ?」

兵士「お久しぶりですぅ~」カキカキ

魔法「まあもう驚かないわよ...どこにでも居そうだもの貴方」

勇者「降りるぞ~?」

魔法「いいわよ~、ってかまた地図描きさん居るわよ?」

勇者「ええ?!」ズデンッ!!!

兵士「うっわ...大丈夫ですか?」

勇者「あっ...あぁ...是非も無し...」プルプルッ

老人「君は魔王討伐の為に冒険をしているのかね?」

勇者「っはい、ここに来る途中の街で貴方の情報を聞きました...こちらの井戸に
魔王討伐に不可欠な物があると」

老人「...勇者だけ、着いて参れ。他はココで待っておれ」

兵士「う~ん...ここの空間は...?」

老人「さぁ、こちらですj「すいません、こちらの空間の作りがちょっと気になるのですが
どんな感じデ...」

老人「あのさぁ...君空気読めないって言われるでしょ?」

兵士「すいません仕事なもので...」

老人「リストラされたんじゃ無かったのか...」

兵士「ノルマまではヤれとのお達しでして...」

勇者「リストラされたのか?!」

兵士「へへっ、お陰さまで...派遣なので退職金も出ませんよ...次の給料が退職金ですなHAHAHA」カキカキ

勇者「何故僕を頼らないんだ!言ってくれれば何らかのコネが...」

兵士「コネとかそう言うのあまり言わないで貰えますか...?僕コネで出世した奴が一番嫌いなんです」

勇者「っす、すまない...」

兵士「はぁ...まぁ生きていくなら使えるコネも必要になってくるんでしょうね...」

老人「あの~そろそろ行こうか?」

勇者「あっ、すいません...」

兵士「う~んこの空間をどうするか...」

勇者「老人、彼も連れてってよろしいでしょうか...?」

老人「えっ、本気で言ってるの?」

勇者「お願いします!」ペコッ

兵士「あっ頭下げんで下さいよ...僕の仕事ですし...」

老人「んっ~...まぁエエじゃろ....着いて来い、ただし下手な真似はせんようにな...」

勇者「ありがとうございます!」

兵士(そこまでするか?)


戦士「おーおーようやるわ、へっへっへ」

僧侶「勇者様...愛する人の為に...」ウルッ


兵士(なーに言ってだこいつら)

老人「早よせい」

兵士「っは、はい」ッタッタッタ

兵士「...」ッボー

勇者「...」ッザッザ

勇者「前みて歩かないと転ぶぞ?」

兵士「あ...すいません」

勇者「ショックだろうな...やり慣れた仕事なのだろう?」

兵士「まぁ...これ以外にまともな仕事は貰ったこと無かったんで...」

勇者「地図作成の後はどうするんだ?また元いた隊に戻るのか?」

兵士「ははっ...それが元いた隊はもう解隊してみんな方々の部隊へ散りました...知ったのは最近です」

勇者「そうか...では...」

兵士「実家に戻って村で仕事探そうと思います...まだ親孝行らしい事も出来てないのになぁ...
フリーターになっちゃいました」

勇者「っじゃ、じゃあ僕らと一緒に...!」

老人「勇者殿着きましたですじゃ、こちらの部屋に...ただし兵士、てめぇは駄目だ」

兵士「りょ、了解しました」

老人「どうぞ...」

勇者「はい」ッザッザッザ

老人「オマエの気になっている空間はコノ部屋の奥にある、後で入れてやるから我慢せい」

兵士「はい」

バタンッ

兵士「あいつの鼻毛根こそぎ引き千切ってやろう...」カキカキ

『デテイケ...』

兵士「ん...?誰か...」

守護の像『貴様ハ器二非ズ、即刻立チ去レ!!』

兵士「えぇ...?あの...どちら様でしょうか...」

守護の像『我ハコノ祠ノ守護神也!』フンヌッ

兵士(ほォ、ナイスバディーな石造やな)

守護の像『モウ一度忠告スル。貴様ハ器二非ズ...即刻立チ去レ!!』ジャキンッ!!

兵士「うおう石の剣...」

兵士(弱そう)

守護の像『今迄、自惚レ二浸リ退魔ノ力ヲ我ガ物トセントスル者ガ絶エルコトナク
コノ祠二訪レタ、シカシソノ者共ハ得ラレル力ガ大キスギ、皆自ラヲ滅ボシテイッタ...
我ハモウソノヨウナ悲劇ヲ見タクナイ...分カッテクレ』

兵士「いや...僕には関係の無い事なので...僕はただの地図描きですし...」

守護の像『我ノ忠告ハ聞ケヌト言ウノカ!?』

兵士「き、聞かぬ聞けぬじゃなくて、もう勇者様が部屋に入っているので...」

守護の像『アア嘆カワシイ!!我トテモ嘆カワシイ!!』プンプン!!

兵士(くっそ~面倒なグラマー石像め...)

守護の像『モウ!何デ皆分カッテクレナイノダロウカ!!』ゲキオコ

兵士「っす、すいません...」

守護の像『大体ハ最初二忠告スレバ分カッテクレルノニ君ハ頑固ダナ!』

守護の像『マッタク!君ミタイナ子ハ会社ダッタラスグニリストラノ対象ダゾ?
タマニハ目上ノ者ノ言ウコトヲダナアァ...』グチグチ

兵士「」プチン

兵士「ハあああああああああああああ?!もうされちゃったんですけど~?!リストラアアアアア!!」

守護の像『ッヒイ!切レル十代?!』

兵士「こちとら一つのダンジョン一生分の体力使ってんのにリストラされてんだぞォ!客に下げたくもない頭下げて
アホズらでペッコペッコしてたんだヨォ!!!」

守護の像『ア、アマリッカッカスルト早死二スルカラ...ッポ、ポテチ食ベルカ?!』オロオロ

兵士「いらねえよそんなジャンクフードォ!!何味だア!!」

守護の像『ノ...海苔塩...』

兵士「俺はうす塩派だアアア!!」

守護の像「オ、落チ着ケ?!悩ミガアルナラ聞イテヤルカラ!』

そのころ
老人「オオ...この強大な退魔の力を...さすが勇者殿...」

勇者「思いが繋がれば苦しい事も乗り越えられるのd

「俺はうす塩派だアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!」

勇者「ッヒイ!!すいませんコンソメ派です!!」

老人「あ、あやつ何を...」

勇者「まさか魔物に?!」

老人「この祠には魔物はおりません...しかし守護の像であれば...まさか?!」

勇者「兵士...ッ!」ッタッタッタ
__

兵士「この石!!石!!」

守護の像『タ、タダノ石ジャ無イゾ!!』

兵士「御影石か?!大理石か?!」

守護の像『シ...シチリア島ノォ...』

兵士「ただの観光地の石やんけ!!」

守護の像『ナッ?!聞キ捨テナランゾ?!コノ石ハ紀元前二

兵士「始まりの洞窟にも紀元前の地層くらいあるわ!!この小石!!小石!」

老人「な...なーにやっとるかアアアアアア!!!」

勇者「兵士、やめろ!!」

兵士「だってこいつがぁ!」

勇者(後でお客様センターに電話されるぞ?)ヒソヒソ

兵士(それは困る)

守護の像『ビエエエエエエエエン!!』

兵士(これもう戻れませんよ...?)ヒソヒソ

勇者「君が蒔いた種だ、君が何とかしなさい」

兵士「っさ、先ほどのォ...無礼の数々真に申し訳ありませんでした...」ドゲザ

守護の像『ヒックヒック...ウス塩一派メェ...グスッ』

兵士「え...のり塩もいけるように頑張りますので...」ドゲザ

守護の像『許サンゾ...ウス塩...』

兵士「いや...ウス塩も中々イケルかと...」

老人「まったく!貴様と言う男は!」

勇者「守護の像、真に申し訳ございません...今回の件は僕に免じて流してやってはもらえないでしょうか...」

守護の像『貴公...退魔ノ力ヲ我ガ物二...ヤハリ一族ノ血ヲ引ク者...イヤ愛スル者、友人
ヲ思ッテイタカラコソナシ得タ事也』

勇者「っは...ありがとうございます」

そして

兵士「のり塩も中々いけますね」パリパリ

守護の像『ダカラ言ッタデアロウ、新境地開拓コソポテラーノ醍醐味ダト』

兵士(ポテラーとは...?ウゴゴゴゴ)

勇者「よし、準備は整った、行こう」

兵士「こちらも地図か完成しました」

兵士(結局あの空間は老人の当直室でした~)

守護の像『...ナア』

勇者「?」

守護の像『我モ外ノ世界トヤラヲ見テミタイゾ』

兵士「え、出られるんか」

守護の像『元ヨリ退魔の力ヲ護ルノガ我ノ宿命也、護ル物ガ無クテハ食イッパグレル也』

戦士「食いっぱぐれちゃうナリか」

守護の像『左様』

勇者「しかし...そのままの姿では街にも入れないしなぁ...」

老人「守護像は石像に取り付いている妖精ですぞ」

守護の像『ア、ゾウ言エバソウダッタ』
ボフンッ
守護精「ふぅ~...何千年振りの空気...ンッー!」セノビ

兵士(石像の方が心なしかナイスバディだな)

勇者「ほぉ...これはすごい...」

魔法「おぉ...」


老人「ここにサインを?」

兵士「はい...確かに受領しました」

兵士「それでは僕は次の仕事がありますので...」ヘコヘコ

勇者「次の?まだノルマがあるのか?」

兵士「次で最後の仕事です」

勇者「ノルマが終えたらどうするんだ?」

兵士「実家の方に直で帰ります、近いうちに寄ろうとは思ってたんでいい機会かなっと」

守護精「あれ?一緒に旅してたんじゃなかったんだ」

兵士「結構な確立で出会いますよ」

守護精「ふ~ん、スーパーで毎日ボーっとしてるおっさん並に会うんだ」

兵士「えぇ...(困惑)」

勇者「守護精殿はいかがなされますか?」

守護精「街に行って見たいな~」

勇者「では一度街へ行きましょうか...兵士は」

魔法「彼ならもう出たわよ」

勇者「えぇ?!」

老人「ノルマがと呟いてナメクジの如く這い出て行きましたぞ」

勇者「ハア...」
__最果ての廃村 井戸の底 Lv?クリア__

__淫魔の潜む古城付近 村__
勇者「魔王の城まであと少しだ、みんなここまで一緒に着いて来てくれて本当にありがとう」

戦士「今更水臭い事言うなよ~」

僧侶「そうです!感謝したいのは私の方ですよ!」

魔法「あんた達と冒険して初めて書庫に居るよりも楽しいって思えたわ」

守護精「しかしうす塩と別れて数ヶ月経つが見ないのう」パリパリ

勇者「あぁ...たぶん彼は実家に帰ったんだろう、もう一度会ってみたいな...」

魔法「ほぉ~?」

戦士「お前ってばダンジョンに入ったらまずあいつの事探すもんな~?愛っていいわ^~」

勇者「んな!?///ち、違う!!彼の安否を心配シテダナ!!」

守護精「あら^~」

勇者「まったく...///古城の情報を集めてくるから」

__
勇者「古城には何が...?」

「古城には魔王城の正門を開く為の呪文書があるらしいぜ、まぁもっとも...伝説って言う説が
デカイわな...あと何かあったけか?古城の事で」

「古城?あぁ、最近になってから淫魔ッツーのが城に群がりやがってよ、情報聞いた男達み~んな
古城に行ったんだが...だ~れも帰ってこなんだ」

「そう言えばアノ地図描きさんも帰って来ないなぁ」

「今頃絞り取られてたりしてな、っはっはっは!!」

勇者「地図描き?!それはどんな男だ?!」

「えぇ?確かコノ国の下級兵の服着てて...なんか言ってたっけな~?」

「あぁ、確か「地図描きたいのですが古城にはどちらから行けばよろしいでしょうか」的な事言ってたな」

勇者「...」

「変な理由作らないでもはっきり言えばいいのにな、でも何ヶ月も前の話だぜ?」

「もう死んでるかもなぁ」

勇者「あ、ありがとうございます」フラフラ...

__
戦士「ったーー!!ババ引いちまった~」

魔法「ちょっと!カードに海苔ついてる!」

守護精「真に申し訳ない」パリパリ

勇者「...」フラフラ

戦士「おーお帰り...どうした?」

勇者「彼が...」
カクカクシカジカ

戦士「...」

魔法「...」

守護精「うす塩も美味い!」

勇者「...」ズウウウウウウウウウウン...

魔法(これ以上にない位落ち込んでる...どうやって励まそう...)ヒソヒソ

戦士(事が事だしなぁ...兵士の野朗気持ちは分からんでもないが...こっちの身にもなってくれ...)ヒソヒソ

勇者「...僕は今まで恋と言う物はした事がなかった...そう言うのも良く分からなかった
しそれにピンと来る男も今まで居なかった...でも今回僕は初めて恋と言う物をしたんだと思う...」ブツブツ

戦士(あーヤバイ奴かも)ヒソヒソ

守護精「浮気は許せないっちゃ!!」プンプン

戦士「おい、海苔ついてんぞ」

魔法「まぁ~...そういう事もあるわよ!うん!」

勇者「ねえよ!!!そういう事なんて凄く稀だよ!!人間の女に寝取られたらまだチャンスあるけど
淫魔に取られたらもうだめジャン...ヒッグ...ウグ...ウワアアアアアアアアアアアアアアアアン!!」

戦士「お、落ち着け!!骨だけでも拾ってやろうぜ!?な?!」

魔法「そうよ!!その淫魔に文句いってやりましょ!!」

勇者「ウワアアアアン!!」
_
__

__
_
勇者「入るよ」

魔法「うん」

戦士「いつでもいいぜ」

僧侶「...」ゴクリッ

守護精「...」パリパリ

ギイイイイイイイイ...

勇者「...兵士...迎えに来たよ」ホロリ...

魔法(...なんだかんだ言って...思い出に残る奴だったわね...」

戦士(意外と強いんだよな...あいつ...一度決闘してみたかった)

勇者「...」


兵士「だああああから!!何度言えば分かるんですか!!下着はちゃんと洗濯籠にって
言ってるでしょうが!!!」

淫魔「すいません!すいません!」ペコペコ

兵士「たたむ時もキチンと畳まないと皺になりますよ、はいやり直して下さい」

淫魔「フエエエエエン!!」

兵士「僕だっていつまでもココに居られないんですから自立して下さいよ...ん?」

勇者「...」

戦士「...」

魔法「...」

兵士「あぁ!お久しぶりですね...

勇者「...」ツカツカツカツカ

兵士「っど?どうしました...?」

勇者「...」ガバッ
ギュウウウウウウッ
兵士「え?!へ?!///」

戦士「後で殴らせろ」

兵士「なんで?!」

兵士「あ...あの~何が...」

勇者「...下の街で聞いたんだ...君が古城に行ったって情報...」

兵士「は、はぁ...」

勇者「何ヶ月も出てこれなかったんだろう...?君の事を聞いた時はとっても心配したぞ...」

兵士「え...あの~僕達他人なのに何故そこまで?」

守護精「うわ~無いわ」

魔法「あんたぁ...」

兵士「え?え?」

勇者「...鈍感」

兵士「っす、すいません...」

勇者「何故何ヶ月も姿を消していたんだ...?」

兵士「えっ、それは...」

淫魔「あの~...」

兵士「あ、畳み終わりました?」

淫魔「え、あぁはい...」

勇者「話を逸らすな!何故君は何ヶ月も姿をくらましていた!?」

兵士「っそ、そんな怒る事は...」

勇者「怒るに決まっているだろう!どこの洞窟に入っても廃村を回っても君が絶対に
いたんだ!僕は君目当てに洞窟に入った時もあるぞ!君に会いたい時にだ!」

兵士(えっ?えっ?告白?んな訳ないか)

兵士「あー...良く分かりませんが...とても心配をかけたみたいで...」


守護精「君は終始空気だね」パリパリ

淫魔「はぅ...」

守護精「ここまで言っても気づかんとはこいつ精子空っぽになってるんじゃないか?」

兵士「コノ野朗...」

勇者「...///」

兵士「あの~...自信過剰みたいな人間に見られたく無いので一応聞きますが...そう言う事ですか?」

勇者「そう言う事だ...///」

兵士(どう言う事だこれは...分からん、僕はいつどこで勇者様を堕とした...?)

兵士「え~っとぉ...」

勇者「好きなのだ、狂おしい程に」

兵士(アチャー)

兵士「...」

勇者「...///」

兵士(参ったな、断る理由が見あたらない...)

兵士(しかし、僕が知らないウチに何やったんだ?)

兵士「...返事は...もう少し待って貰えますか?」

勇者「...」コクッ

兵士「すいません...自分もちょっと...いや、かなり動揺してて...」

淫魔「あのぉ~...」

守護精「お、やっと名乗りでたか」

淫魔「兵ちゃん...この人達は誰...?」

戦士「兵ちゃん...ブフッ!!!」

勇者「...随分と馴れ馴れしいじゃないか?」

淫魔「そりゃ...半年近くも一緒に居たんだもん...ね?」

兵士「まぁ...間違っては無いですが」

戦士「そいえば何でここに何ヶ月も?」

兵士「あぁ、前にこの城に来た時に測量気無くしまして...しかもこのダンジョン
無駄に長い所為で見つけるのに手間どってたんですよぉ、そうしたダンジョンで
迷子になっていた淫魔を発見し救助したってわけです」

勇者「そうじゃない!!何で何ヶ月もいたかって聞いてるの!!」

兵士「ヒイ!!住み良かったんですぅ!!」

勇者「仕事はぁ?!」

兵士「ここで最後の仕事でした」

勇者「じゃぁ終わったのなら出てきなさい!!」

兵士「すいません!!すいません!!」

戦士「キャラがブレる程怒ってるなぁ、くわばらくわばら...」

僧侶「はは...まぁなんともなくて良かったですね...」

守護精「しかし残念じゃのう、てっきり搾り取られている物かと思うてワクワクしたのじゃが」

兵士「それが貴方の心に潜む闇ですか」

淫魔「兵ちゃん出て行っちゃうの...?」

兵士「一応実家にも顔出さないといけないしなぁ、それに次の仕事も」

淫魔「そっか...寂しくなるね...」シュン

兵士「仕方が無いだろう...?お前もそろそろ自立をだなぁ...」ブツブツ

勇者「...君も一緒に...「つーかお前も早くガキんとこ戻ってやれよ」

勇者「ん?」

兵士「いつまで親子喧嘩してんだよ」

淫魔「だぁって~!あの子ったらごめんの一言も無いのよ~?」

兵士「お前が悪いんだろうが、夜中遅くに酔って帰ってくるからって心配してるってのに
何だあの態度は」

淫魔「だって...なんて謝って良いのか...」

兵士「だから子どもが謝るまで待つってか?」

兵士「情けねえなぁ、お前何百年生きてきたんだよ」

淫魔「だぁって子ども出来たの初めてだし...」

兵士「ったく...もう付き合いきれん、僕は出るからな!」

淫魔「えぇ~!?もうちょっと待ってよぉ~!」

兵士「うるさい!さっさと街戻って謝ってこい!!」

淫魔「ヒイイン!」

勇者「あの~...」

守護精「今度は勇者が空気になったな」

兵士「よおし分かった!!街まで出るぞ!強制だ!」

淫魔「えぇ?!待って待ってまだ心の準備が!!」

兵士「勇者様!手伝って下さい!」

勇者「え?え?うん...」ガシッ

淫魔「ちょっと待ってェ~!」
ーー
ーーー

ーーー
ーー
兵士「お~い、入るぞ」

子ども「あ!お兄!」

兵士「おーよしよし...さぁ入れ!」

淫魔「ヒイン!」

子「...母さん」

淫魔「ハ...ハロー...?」


勇者(ねぇ...二人は何で喧嘩を?)

兵士(子どもさんが酔って帰ってきたこの馬鹿に注意したら喧嘩へと...らしいです)


淫魔「えーっと...そのぉ...」モジモジ

子「...反省してる?」

淫魔「...はい...とっても...」

子「...いつ家へ帰ってくるの?」

淫魔「あ...今日までにも...」

兵士「...もう許してやってくれるか?」

子「うん...」

兵士「よし、いい子だ...じゃあ僕とはもうお別れだ」

子「え...行っちゃうの?」

兵士「あぁ、帰らないと僕の母さんが心配するからね」

子「そっか...またいつでも来てね!」

兵士「おうよ、いつでも邪魔するぜ」
ーー
ーーー

ーーー
ーー
兵士「よっし...じゃあ僕も家に帰るか...」

勇者「まだ帰ってなかったんだ」

兵士「えぇ、ここでゴタゴタに巻き込まれなけりゃすぐにでも帰れたんですが...へへ」

僧侶「じゃあ私達ともお別れですか...?」

兵士「そうなりますね」

勇者「え...(返事聞いてない...)」

戦士「で?返事どうすんの?」

魔法「逃げるなんて事は無いよねぇ?」

兵士「えうっ...あぁ...」

勇者「...」モジモジ

兵士「えーっとぉ...どうしましょう...」

勇者「...」

兵士(いきなり言われても困るんだよなぁ...しかし断る理由は無し...)

勇者(そりゃそうだよね...いきなり言われたら迷うよね...)

兵士「う~ん...今度でいいですか?ちょっといきなりすぎて...」

魔法「今度って...次会えるの何時か分からないよ?」

兵士「しかしココで返事をッて言うのも...何か中途半端では?」

戦士「中途半端...」

兵士「だって...勇者様たちの仕事はまだ済んでいないですし...」

勇者「そうだよね...いきなり過ぎたよね...」

兵士(しかしここで返事を先延ばしと言うのもアレかなぁ...何か情けないかなぁ)

魔法「はぁ~...勇者も遂に身を固めるチャンスが来たと思ったのになぁ...残念」

兵士「身を固めるってそんな大層な、僕らまだ未成年ですよ?」

僧侶「れ、恋愛に年齢は関係ないと思います!」

兵士「でも僕らもまだ若いですしねぇ?将来に向けてやらなきゃいけない事が
山ほどあるし...」

戦士(十数年生きたくらいでなにを悟ったようなことをを...)

勇者「...」イライラ

勇者「わかった、もういい」

兵士「ん?」

勇者「...ここまで悩まれたら誰から見ても結果は
火を見るよりも明らかだよね」

兵士「え?どう言う...」

勇者「確かに僕らはまだ若いし、新しい恋を探す事も出来るよね?」

兵士「ファ?!何悟ったような事言ってるんすか?!」

戦士「おま言う」

兵士「まっ、待ってくだせェ!話を聞いておくんなまし!」

勇者「もういいよ、無理しなくても」

兵士「あっ!いや!告白して下さった事に関しては僕はとても嬉しいですし!
でもいきなりだったもので覚悟がまだ...!」

勇者「迷惑を掛けた、大変申し訳ない」

兵士「えっとその!」

勇者「みんな、先を急ごう」

戦士「え...?良いのかよ?」

僧侶「も、もう少し話し合われた方が...」

勇者「彼にはもうこれ以上迷惑を掛けられない、それに言う通り僕らには
まだ仕事が残っている、先を急ごう」

魔法「あんた...それで良いの?」

勇者「あぁ、魔王討伐の前に浮かれていたよ、やっと目が覚めた」

兵士「えぇ...えーっと」

戦士(こりゃぁ...面倒な事になったぜ)ワクワク

守護精(修羅場はええのう)

僧侶(この人いたんだ)

勇者「では行こうか」ッザッザッザ

魔法「え...あぁ、うん...」チラッ

兵士「...」

僧侶「っま、またいつか...」

戦士「まぁ...体に気を付けろや」
__淫魔の潜む古城 Lv.? クリア__

__地理院用官舎 Lv.?__
兵士「なぁ僕が悪いのか?!ワシがいかんのか?!」

当直「う~む...俺からすりゃどっちもどっちだなぁ」

兵士「その心は」

当直「勇者様も返事を焦り過ぎた、その結果まともな思考が出来ず返事を
急かし結局自滅した、で、てめェは優柔不断でクソ男と」

兵士「僕悪く無くない?」

当直「その考えがもうあかんわ...そうだなぁ、そう言うなれば...乙女心は川の流れのように...」

兵士「川の流れってもなぁ...」

当直「じゃああのタイミングで告られなくて...ナイスなタイミングで告られたらどう返事してた?」

兵士「う~ん...」

当直「やっぱりな、お前の勇者様への想いは中途半端だったんだ、その
タイミングでおK出さなくて良かったな、おそらくおk出してたら早い段階で倦怠期迎えてズルズルと...」

兵士「じゃあ僕はどう返事すればよかったのかなぁ...」

当直「知らんがな、直接聞いて来いや」

兵士「えぇ?現時点でどこにいるかもわからないんだぞ?」

当直「じゃぁ逆玉はもう諦メロン」

兵士「...そろそろ魔王城かな」

当直「...え?!分かるの?!つうか行くの?!そこで会ってどうすんだよ?!」

兵士「え?(男なら)行かんのか?」

当直「行かんでしょ」

兵士「いやでも今行かないと何かなぁ...あれじゃないか?」

当直「まぁ...半月たってもモヤモヤが取れねえなら行ってみろよ」

兵士「よっし!イクゾオオオオーー!オエ!(嘔吐)」

当直「今の時点で緊張するなよ」
__地理院用官舎 Lv?クリア__

少し経って 二ヵ月後...
__魔王城 Lv10 正門__
勇者「遂にココまで来れたね」

魔法「うん...」

戦士「ここが正念場ってトコだぜ...っへ腕がなるぜ」

僧侶「ずいぶんと禍々しいところですね...」

勇者「...」

魔法(あの時から...元気ないわね...)ヒソヒソ

戦士(まあだ気にしているのか...魔王討伐に影響が出なけりゃ良いが...)ヒソヒソ

魔法(大体兵士も兵士よ...あの後から一向に姿見せる気配無いしさ...)


勇者「急ごう」ッザッザッザ

戦士「そんなに急いだって兵士が居るわけないぜ」

勇者「っば、バカにするな!!彼のことはもうとっくに諦めがついた!」

戦士「ほォ、それなら安心だ。まさか魔王と戦ってる最中にあいつの事考えてて
返り討ちに会うってなったら情けねえもんな?」

勇者「あっ、当たり前だ...!」

戦士「よ~し、なら入ろうぜ...おーい牛女!!邪魔するぜーーーーー!!!!」

勇者「牛...?」

『誰が牛と言ったゴルアアアアアアアアア!!!!!!!』ドガアアアアアアアアアアアアアアアアアンッッ


戦士「ご在宅みたいだな、イクゾ」

鉄鋼魔人「あ、すいません入城の前にこちらで手続きをお願いします」

戦士「あっはい」

魔法「えらく簡単に入れるじゃない...?気を付けて罠かも」

鉄鋼魔人「ははは、これでも厳しい方なんですよ、半月前に妙な客人がこちらで問題を起こしまして...」

魔法「ふーん」

僧侶「その客人も城の中に捕らわれているのですか?!」

鉄鋼魔人「いえ、15分ほどごねて帰りました、なんて言ってたかなぁ、『勇者様に会わせろ』...だったかなぁ?」

魔法「...服装は」

鉄鋼魔人「下級兵の服を着用してて...兵士の剣、あとペンを大量に所持してましたね」

戦士「...野郎はどこ行きやがった?」

鉄鋼魔人「さぁ...そこまで把握しておりません」

勇者「っな..何故...っ」ワナワナ

鉄鋼魔人「はい、手続きが終了致しました...では、ごゆるりと...開門!!!」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ....
戦士(引き戸なのか)

勇者「え...ちょ...っく、詳しく...」

魔法「それは後!!今は魔王を倒すのが先よ!!」ズルズル

勇者「え、え、ちょ」

魔法(あいつ...ドエライ爆弾落としやがって...)

戦士(野郎面白すぎるぜ...)


魔王「ココまで良く来たわね!!!!勇者一行よ!!!」

勇者「えー...」

魔王「な、何腑に落ちないって顔してるのよ...」

戦士「覚悟は出来てるか牛女ァ!?両親の敵討ちに着てやったぜ!」

魔法「大切な師匠を...返して!!」

僧侶「孤児院の子供達への...弔い合戦です!!」

勇者「う~ん...」

魔王「ちょ、みんな真剣なんだから乗ってやりなさいよ」

勇者「っこ、このモヤモヤで...どうしろと...」

戦士(う~ん聞かない方が良かったかもなァ...)

魔法(僧侶が聞くからよ!)

僧侶(すいません!すいません!)

戦士(お前も聞いてたじゃんかよ)

魔王「早くしなさいよ!!」

魔王「そっちがやる気出さないならもう知らない!!」プンプン!!

勇者「ちょ...心の整理が...」

魔王「もういい!!遠くへ吹き飛びなさい!!!」
ブウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウンッッッ!!!!
魔法「!移動魔法?!」

僧侶「それも強力な...っ!!」

戦士「っす、吸い込まれる!!?」

勇者「あ、ちょ、待っ...」
シュウウウウウウウウウウウウン......
__魔王城 Lv10 クリア?__

__名も無き大陸__
シュウウウウウウウウウウウウウウウ...

「「「「うわ(お)~!!!」」」」

ドデンッッッ!!!

魔法「いったぁ...ここどこよぉ~?」

僧侶「いつつつつ...どうやら遠くへ移動させられたみたいですね...しかもかなり
遠くへ...」

戦士「くっそ~...あとちょっと...って事も無いか」

勇者「みんな...本当に申し訳ない...グスッ」

魔法「まぁ...しゃーないっちゃーしゃーないわよ...」

戦士「まさかアイツが来てたとは思わんよなぁ...」

勇者「僕は...彼の事を諦めたつもりでいたのに...!」

戦士「え?どこら辺が?」

魔法「一応諦めた事になってたっぽいわね」

勇者「諦められない...!!でももう手遅れになってしまった...!!」

戦士「あ、案外近場かもしれないぜ?」

僧侶「そうですよ!船で二、三日って事もありえますよ!!」

勇者「うっ...うぅっ...兵士に会いたい...!!」

魔法「はぁ...また帰って話し会えばいいじゃない?僕らはまだ若い、そうでしょ?」

勇者「...」

戦士「もう自分に嘘つくなよ?嘘ついて後に響いたら面倒だからな」

勇者「うん...もう自分の心を偽らない...」

魔法「って言うか粘ったのが15分ほどって案外...」

勇者「ウワアアアアアアアアアン!!!」

戦士「っば、バっカお前そりゃぁ...いっちゃ駄目だ!!」

僧侶「っそ、そうですよ!魔王城であんな事出来るなんて根性ありますよ?!」

勇者「そ、そうかなぁ...?グスンッ」

僧侶「はい!愛があるから魔人相手に!!」

勇者「あ、愛ってそんなぁ...エヘヘヘ...」モジモジ

魔法(とりあえず戻ってよかったわね)

戦士(あのまま魔王と戦ってたらと思うと...ゾッとするぜ)

僧侶「ひとまず町か村を探しましょうか」

勇者「そうだね、街道っぽい道もあるから辿ってみよう」

魔法「馬車の通った後も新しいし、結構近そうね」

戦士「どっちにするよ?」

勇者「右」

魔法「左」

戦士「どっちだよ」

僧侶「看板か何かあればいいのですが...」
ガラガラガラガラガラ...
勇者「ん?馬車が来た」

戦士「調度いい、町の場所聞いてみるか」

勇者「すいません」

「はい?」

勇者「ここから一番近い町はどちらでしょうか...」

「一番ちかい?う~ん参ったなぁ...ここ調度、町から町へ通ずる道の中間でしてねェ...
どちらの町へ歩いてもそんな距離ないですよ」

勇者「分かりました、引き止めて申し訳ない」

「しかしあんたら...ここらへんに他の道は無いが...どこから来たんだ?」

勇者「あぁ、ちょっと魔法で飛ばされまして」

「へ~ん魔法ねェ...ここいらじゃ珍しいですなぁ、おっと時間がねえや、では良い旅を、
ハイヨ!!」バシンッッッ!!
ガラガラガラガラ...

僧侶「参りましたね...どちらへ行きましょうか...」

戦士「二手に分かれて見てみるか?」

魔法「でも、来たばかりで危険じゃない?」

戦士「まだ日は高いぜ、様子見に行って来て帰っても昼前にはどちらで宿決めるかも
相談できるんじゃないか?」

勇者「そうだな...その案に賛成だ」

戦士「じゃあ俺と勇者とで別れればパワーバランスも取れるな...僧侶はどっちにするよ?」

僧侶「うーん...では戦士さんの方で」

魔法「じゃぁあたしは勇者とね、集合はここで良いわね?」

戦士「あぁそうだな、じゃあ行くか」

勇者「いい宿期待しているよ」

戦士「っへ、そっちもな」
__

__北の港町 Lv?__
「獲れたての新鮮な鯖だよー!」
「ここの海でしか取れない真珠だよ~!今ならお買い得だ!」

魔法「うわ~...賑やかね...」

勇者「港町か、ここなら宿も多そうだ」

「おや?あんた魔法使えるのか?」

魔法「え?まぁ人並み程度には」

「こりゃ珍しい!隣の大陸来たんだべ?船で来ようものなら3ヶ月は掛かるぜェ?」

魔法「隣の大陸...?それって...」

「何でもでかい王国と魔王城がある大陸でよ、中々いける機会が無いもんじゃけん
この国の政治家と資本家くらいしか行かないんだよぉ!あんたら金持ちだねェ!」
!」

魔法「3ヶ月...運賃は?」

「一人100万だろ?保険やら飯代やら含めて」

勇者「そうですか...情報ありがとうございます、どこか両替が出来る金融機関はどこにありますか?」

「あー...あるっちゃああるんだが...ここだけの話、この町の金融機関は信用しない方がいいぜ...?
銀行はこの町一帯を持ってる地主が経営してるんだけどもよ?それがまた悪っるい手口でよぉ?
宝石の換金の際もケチ付けて低い金で買って高い金で売りやがるんだよ」

勇者「それは問題だな...」

「しかも外からきた観光客が両替するときも...うその為替表示して金を多く巻き上げてんだよ...
まぁ港町がここしか無いから俺ら漁師も我慢しないといけないんだがなぁ...そろそろみんなの怒りも限界に来てるぜ」

魔法「国は何をしているの?」

「なーんにも?その地主ってば力持ってるから何も言えないし...協定結んでる
輩もいっから文句言わないんだよ」

勇者「...ありがとう、この町で寝泊りするのはやめた方がよさそうだな...」

「そうしときな...宿の連中も地主の奴と繋がってる、珍しい隣の大陸からの客だ...目を付けられない筈がねえ...」

勇者「隣の町に両替できるところは...」

「そうさね、両替するなら隣町の方が安心できるぜ」

勇者「何から何まで申し訳ない」

「いいって事よ...おっと漁の時間だ」

魔法「ありがとう!...隣町に期待ね」

勇者「そうだね」
__

__新緑の里 Lv?__
戦士「ここは良い所だぁねェ...」ゴロゴロ

僧侶「そんなに寝転がったら草がついちゃいますよ?」

戦士「あと少しだけぇ~...」

僧侶「全くもう...先ほど隣の町の情報を聞いてきたのですが...あまり良い情報はありませんでした...」

戦士「じゃあ勇者達はこっちに来るだろうぜ」

僧侶「だといいのですが...」

戦士「ンナ事よりどっかに地図売ってないかなぁ~...ってもこっちと元いたところの貨幣違うだろうなぁ」

僧侶「見るだけ見てみますか?」

戦士「んだな、ヨッコイショッ」

僧侶「売店らしき店があったのでそこへ行って見ましょうか」

『売店』

戦士「やっぱ金使えないな...」

僧侶「困りましたね...」


「おっお前さん!どうやって港町の地図書いたんで?!」

「え?丘から見下げて...」

「手段じゃねえ!どうやってここまで細かく描いたんだ?!」

「え?地図描きならこんくらい普通ですよ?」


戦士「...」

僧侶「あ、あり得ません...こんな事...」


「すまねえがこの地図は売れねえ...この地図が地主にバレタラとんでもねえ事だ...」

「え~?三日も寝ずに描いたのになぁ...」

戦士「おい...」

兵士「ん?うおっ!!何故ココに?!」

戦士「そりゃこっちのセリフだ!!えぇいこっち来い!!」

兵士「お兄さん許して!」
__

__
戦士「さあてと?訳を話してもらおうか」

兵士「訳も何も僕らはいつも行き当たりばったりで会ってるんですから今更
驚くような事は...ねえ?」

僧侶「こんかいばかりはちょっと...」

兵士「えぇ...普通に船でここまで来ましたが、皆さんは違うので?」

戦士「船?」

僧侶「どうやら別の島か...他の大陸飛ばされたのかも...」

戦士「っど、どうやって元の大陸?に帰るんだ?!」

兵士「船で来たのなら船で帰ればいいんじゃ?」

戦士「だから...あっ~!!くっそ...訳わかんねえぜ...!!」ボリボリ

兵士「頭強く掻いたらハゲますよ」

戦士「うるせえ!」

兵士「あっ!そんな事より勇者様は?!」

戦士「あぁ?魔法使いと一緒に隣町に出てるよ、まぁこっちに来るだろうがな」

兵士「あ~なんて話そうかなぁ~」

戦士「あ?...あぁ...あぁ!!」

兵士「母音だけ使うとは器用ですね」

戦士「ここに飛ばされたのも!元はといえばお前が魔王城で変な事しなければ!!」ユッサユッサ

兵士「ななななななんすか?!」

僧侶「実は...」カクカクシカジカ

兵士「ほお~...それ僕のせいですか?」

戦士「いや...違うけどさぁ!あぁもぉ!!」

(店の前でやらんでくんねえかな)

勇者「はぁ...意外と歩いたね」

魔法「あー疲れたぁ...二人とも~隣町には泊まらないほうが...


兵士「そろそろ縄解いて下さいよ」

戦士「そうだ、何で縛ったんだろ」シュルシュル

兵士「ふぅ~...新たな性癖に目覚める所でした」

魔法「...」ツカツカ

戦士「お、来たか...?」

魔法「フンッ!!」

兵士「うお!また縛られるのか!!」

魔法「戦士!目隠し!」

戦士「えぇ?!お、おう!」

勇者「...」

魔法「見ちゃだめ!!」

勇者「な、な、な...」

兵士「え?え?何怖い!」

勇者「何故...ここに...?」

兵士「え?え?勇者様?ちょ、助け」

勇者「...」ガシッ

兵士「ひえ...?」ギュウウウウ

勇者「無事で...よかった...グスッ」

兵士「あー...よく見えないんで分かりませんが...お久しぶりです」


魔法「あれ?案外ふつうなのね」

戦士「どうなるかと思ったんだよ」

魔法「いや...メンヘラ見たいに泣き喚いて...」


勇者「うっ...ヒッグ...今までどこへ?」

兵士「はは...各地で地図描いて回ってました...ここへは三ヶ月ほど前に来ました」

勇者「三ヶ月...?僕らはつい今朝方魔王城へ来たんだぞ...?」

兵士「...あー何となく分かったかも」

戦士「何がだよ」

兵士「さっき飛ばされたっていいましたよね?」

戦士「あぁ」

兵士「魔法で飛ばされたんでしょ?魔王に」

兵士「飛ばされている間に三ヶ月たったんじゃ?」

戦士「おいおい待ってくれよ...俺ら三ヶ月も飲まず食わずで飛ばされたってか?」

兵士「魔王ならそんな魔法もアリでしょ」

勇者「ふむ...それなら辻褄が...しかし君は何故ここへ?」ギュウウウウウ

兵士「背骨折れる」

兵士「あぁ、魔王城の用事を終えた後地理院官舎に寄った時にですねー当直の
奴と一緒に飲み会して...多分そのときでしょうね~その場のテンションといいますか...別の大陸で地図
描いたらんかいってなったんでしょうな~、したらいつの間にかココに」

勇者「そ、そうか...」

魔法「案外酒に弱いのね」

戦士「しょうもねえぇぇぇ...」

兵士「僕だってねぇ来たか無かったですよこんな僻地...でもまぁ来ちまったものは
仕方ないですわな」

勇者「こちらへ来てからはどうやって生計を?」

兵士「地図とコンビニ店員を少々」

勇者「そうか、では僕らと一緒に行動しよう」

兵士「うわ、いきなりですね」

勇者「もう逃がさないぞ?」ギュウウウウウ

兵士「そろそろ離して貰えるとありがたいのですが...」

兵士(胸の控えめな膨らみがイイ!!)

魔法(とか思ってそうね、こいつ)

僧侶「お金換えてきました~」

戦士「お、ありがと」

勇者「しかしこれからどうするべきか...」

僧侶「そうですね...一度教会へ行って見ますか?」

兵士「教会なら一日二日は泊めてくれそうですね」

勇者「しかしこの大所帯で泊めてくれるだろうか...」

僧侶「あ、それもそうですね...」

兵士「ひとまず僕のテント行きます?」

戦士「3ヶ月もテント生活だったのか?」

兵士「まぁ使える金も限られますし...」

勇者「では野営地へ行ってみようか」
_
__

__
_
『広域公園』

魔法「...ここで三ヶ月も?」

兵士「はい。」

戦士(浮浪者かよ...)

勇者「ココが君のハウスか...」ワクワク

僧侶「教会などはどこに...」

兵士「近場の教会でしたらこの公園を出てすぐの所にありますよ、結構でかい
教会なんで4人くらいなら泊めてくれるんじゃないですか?」

勇者「君は泊まらないのか?」

兵士「え?だってテントあるし」

戦士「しかし...よくこの公園で三ヶ月も暮らせたな」

兵士「住めば都ですよ、なんか飲みます?っても茶とコーヒー位しかないすけど」

カチッ ボオオ...
兵士「ガス買わねえとそろそろ切れるな...」ブツブツ

魔法「今まで何食べてたの?」

兵士「今まで山菜つんだり狩猟を少々嗜んできたのでそのノウハウを生かして
辛くもココまで生き延びました」

勇者「ワイルド...」キュン


兵士(何か悪い男に騙されそうですね、勇者様って)

戦士(いや、まぁ...今まで大事無くてよかったよウン)

魔法(そうならないようにアンタがしっかりしなさいよ)

兵士「ん?今まで忘れてたけど守護精様はどこへ?」

勇者「あぁ」チャキン

兵士「?」

勇者「この剣の中だ、魔王城へ行く前にこの剣に守護精を憑かせたんだ」

兵士(おぉマスターソードみてぇだなぁ)

魔法「憑依させる直前まであの子ごねて苦労したのよね~」

兵士「のりしお近づけたら反応しますかね」

カタカタカタカタッ...

兵士「おぉ~元気だ(^ω^)」

戦士「あまり遊んでやるな、憑いて以来一回も食わせてやれてねえんだよ」

僧侶「まぁずっとポテトチップばかり食べてましたし...少しの間は制限させましょうよ」

僧侶「ではそろそろ教会の方へ行ってみましょうか?」

兵士「あぁ、案内しますよ」

戦士「頼むぜ」
_
__

__
_
シスター「宿泊ですか?」

兵士「どうにか頼めませんか...」

シスター「あぁ、大丈夫ですよ。確認までに神父様に相談してきます」

兵士「すいません、頼みます」

2分後

神父「あ、いいっすよ(快諾)」

勇者「申し訳ない、これから世話になります」

兵士「じゃぁ僕はテントに戻りますので」

勇者「すまない、明日、また...」

広域公園 兵士テント

兵士「ファ~...腹減ったなぁ~」

兵士「あ、ガス買わねえと...ヨイショ」

兵士「のり塩渡すんじゃなかったな」
_
__

__
_
『売店』

店員「お、先輩!いつものガスですか?」

兵士「うん、取り置きあるよね」

店員「ばっちし取ってますよ~?あ、オーナーが!先輩の時給上げるかもって!言ってましたよ~?いいな~!」

兵士「お?マジで?そりゃありがたい」

店員「はい!三組のボンベ十個が合計で五千と六百Gです!」

兵士「ほい、釣りは取っとけ」

店員「ちょうどっすよ~!アハハ!!」

兵士「んじゃまたな」

店員「は~い...今日入った情報ッス、港町の地主が先輩の事探ってるッス、気を着けて」

兵士「あぁ...」

兵士「ッチ、地図描きも楽じゃねえな」

爺「兄ちゃん歩く時は気をつけな、どこに地主の手下がいるか分かったモンじゃねえぜ」

兵士「はい、気を付けます」

爺「教会の勇者御一行...魔王に飛ばされてきたのか、気の毒に」

兵士「あの方々なら意地でも帰るでしょう」

爺「ッヘ、そんくらい骨がありゃ俺もこの大陸で骨を埋めずに済めたかもなぁ...」

兵士「...戻ります」

爺「今日も良い天気だねぇ~...」プルプルッッ

婆「今日は曇りですよお爺さん、ッホッホッホ」

婆(ボウズ、ヘマして地主に掴まんじゃないよ)

兵士(勇者様達には無事に大陸から脱出してもらわないとな)

兵士(しかし僕に何が出来るのか...)

兵士「椎茸焼こっと」
_
__

__
_
『大教会』
戦士「いや~寝るとこがあって良かったぜ」

僧侶「とりあえず暫くは雨風は凌げそうですね」

勇者「兵士大丈夫かな...」

魔法「アイツなら平気でしょ」


神父「皆様、ここまでの長旅お疲れ様でした」

勇者「今日は真にありがとうございます、何か手伝える事があれば何なりと」

神父「手伝える事...は御座いませんが...何卒無事にこの大陸から脱出して下されば
私どもの一番の幸せです...」

__
_
『大教会』
戦士「いや~寝るとこがあって良かったぜ」

僧侶「とりあえず暫くは雨風は凌げそうですね」

勇者「兵士大丈夫かな...」

魔法「アイツなら平気でしょ」


神父「皆様、ここまでの長旅お疲れ様でした」

勇者「今日は真にありがとうございます、何か手伝える事があれば何なりと」

神父「手伝える事...は御座いませんが...何卒無事にこの大陸から脱出して下されば
私どもの一番の幸せです...」

勇者「どうやら状況は芳しくない様子ですね」

神父「はい、あの地主の傀儡の下、多くの自治体の町長や弱小の地主がこの地
を追い出されました...この町にもいずれは...」

戦士「まぁ安心しろよ!俺らがいれば地主なんて何のことは無いぜ!」

魔法「ハードル上げるのやめてよね」
_
__

__
_
?「まだ見つからないのか?」

?「っは...申し訳ありません、彼奴は隣町で潜伏しておまして...」

?「ふうむ...今回はあまり事を荒立てたくは無い、しかし奴は確実に消すのだ...ワシの秘密を
知られた以上は絶対に生かしておけぬ、行け」

?「はい...」シュタッ


?「ッフッフッフ...奴の死に様を考えただけでもご飯三杯いけるY」
_
__

__
_
リリリリリリ...
兵士「もう秋も終わるなぁ」
ッザ...  ッザ...

兵士「...」ッサ

兵士(こんな夜中に何者だ...?)

ジイイイイイッッ...

兵士(チャックが開いたら...ヤる!)ジャキンッッ!!

「兵士~...?起きてる...?」

兵士「ウヒャアアアアアアアアア!!」ブンブンブンッッ

勇者「ふぇ?!お、落ち着いて!!」ガシッ!! ブウウンッッ!!!

兵士「うおっ!!背負い投げ!!?」バシンッッ!!

勇者「へ、兵士!ごめんね!!」ギュウウウウウ

兵士「い、いえぇ...勇者様の正当防衛なのでエエエエエ」バキボキ

兵士(エドモンド本田かよ...)

兵士「こ、こんな夜中にどうされました?」

勇者「最近、兵士と一緒に居られなかったでしょ?だから...来ちゃった...///」

兵士「お、おう...///」

勇者「それと...前に兵士に告白した時に僕随分と酷い事兵士に言っちゃったから...謝ろうとおもって...」

兵士「え?あぁ...」

兵士(そんな事あったな...いろいろあって忘れてたわ...)

兵士「お茶とか無いですがゆっくりしてって下さい」

勇者「うんっ!」ギュウウウ

兵士「ちょっと力緩めてくれるとあり難い」

兵士「ふぅ...(貧乳もええわ)」

勇者「僕ってばまた...えへへ...///」

兵士「よーしお父さんも抱きついちゃうぞ^~」

ッザ ッザ ッザ ココダ... ヒトリカ...?
兵士「...」

兵士 勇者「...」チャキ...

兵士(まだ抜刀しないで)

勇者(うん)

イクゾ オウ ブオンッ!!

兵士「今!!」シャキンッッ!!
勇者「ッ!!」ジャキンッ!!

バリバリッ!!! ズシャアアアアッッ!!

刺客1「ウがぁ!!!?」ブシャアアッッ!!

刺客2「うお?!」ズデンッ!!

兵士「何モンだ」

勇者「ヤる?」

兵士「まだだ、てめえのボスが知りたい」

刺客2「っへ、教えやしねえよ...」

兵士「...地主だな」

刺客2「ッ?!っさぁな...」

兵士「おKおK、もう直接話しに行くからいいわ」

勇者「直接って...」

兵士「殴りこみですよ、公園でコソコソ生きるのにも飽きて来ました」ガサゴソ

勇者「わ、ワイルド...」キュン

兵士(ワイルドではないと思うが...)

兵士「勇者..手を貸してくれませんか...いや、ついて来い!」

勇者「っは、はいいイ...」キュンキュン

_
__

__
_
_地主私邸Lv?_

「ウアアア!!」 ゴロンゴロンッッ

「っしゅ、襲撃!!襲撃d 
ゴスッ

勇者「フ...」ッシュ

「ウッ!!」

兵士(つえ~...)

兵士「ありがとう、僕の後ろに着いててくれ」

勇者「うん」ッサ

兵士「さあてと...」

兵士「地主よ!この襲撃に気づいているはずだ!!隠れてないで出て来い!!この女装癖!!!!!!」

勇者「じょ、女装??」

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