凛「ふーん、アンタが私の」 チェイス「プロデューサーだ」(192)

モバマス×仮面ライダードライブ

気まぐれもっそり更新。目玉焼きにはコショウ派

チェイス「俺の名はチェイス。アイドルの番人。同時にプロデューサーだ」

チェイス「人間社会を学ぶべく、アイドル事務所というところで働く事になった。社会勉強、というものらしい」

チェイス「何をすればいいのか正直全く分からないが、与えられた仕事は全力で取り組むのが人間のルールだろう」

ちひろ「チェイスさん。まずはチェイスさんが担当するアイドルの娘達を紹介しますね」

チェイス「わかった」

ちひろ「初めての事で色々大変でしょうけど私も出来る限りフォローしますから。アイドルの娘達もみんな良い子ですしね」

チェイス「そうか。感謝する」

ちひろ「いえいえ。では応接室にいきましょうか。みんな集まっていますから」

チェイス(人間社会を学ぶ良い機会だ…俺に何が出来るかは分からんが、ベストを尽くすとしよう)



剛「あれ?今日はチェイスいないんだね進兄さん」

進之介「ああ、チェイスなら今日からアイドルのプロデューサーだってさ」

剛「ちょっと何言ってんのかわかんないんですけど」

ちひろ「…という訳で、新人プロデューサーとしてしばらく皆さんと一緒に働くことになります」

チェイス「チェイスだ。よろしく頼む」

凛(新しいプロデューサーが来るって聞いて集められたら)

みく(真紫のライダースーツ姿にゃあ…ヤンキー?)

未央(なんか機嫌悪そうに見えるけど、私達何かしたっけ…?)ヒソヒソ

卯月(えっと…そう見えるだけなんじゃないですか?…わかりませんけど)ヒソヒソ

幸子(こ、怖くなんてないですよ、ビビッてなんかないですからね…)ビクビク

ちひろ「何か新しいプロデューサーさんに質問はありますか?今のうちですよー」

未央「え、何その転校生みたいなノリ」

チェイス「何人かに怯えられているようなのだが、何故だ?」

みく「あ、プロデューサーが質問しちゃったにゃ」

凛「しかも自覚あったんだね」

ちひろ「プロデューサーさんがムスッとした顔をしているから怒っていると思われているんじゃないですか?」

チェイス「そうなのか。表情というのは、どうにも難しいな」

ちひろ「ほらほら、第一印象は大事ですよ?笑顔笑顔」

卯月「頑張りますっ!」

チェイス「いきなりどうした」

未央「あ、ごめんなさい。ちょっとこの娘「笑顔」ってフレーズに過剰反応しちゃうんです」

凛「気にしないでいいよ。それ以外は平々凡々な娘だから」

チェイス「なるほど。色々あるのだな」

みく「とりあえずこれからツッコミ不足に悩まされそうなのは理解したにゃあ…」

幸子「ま、まぁ?どんなプロデューサーさんでもボクのカワイサを引き立ててくれれば何の問題もないですけどねっ」

卯月「頑張りますっ頑張りますっガンバリマスッガンバッガンバッガンガンガンバッ」

チェイス「こうして俺はプロデューサーとして働くことになった」

ちひろ「誰に話しかけているんですか?」

ちひろ「あ、やっぱり似合うじゃないですかスーツ。チェイスさん細くてスタイル良いからスーツ姿が映えますねえ」

チェイス「俺は、どうにも落ち着かないが」

ちひろ「流石にあの服でプロデュース業は出来ませんからね。我慢してください、スーツは社会人の戦闘服ですから」

チェイス(プロデューサーというのは戦闘する必要もある職務なのか。成る程、俺がこの職場に連れてこられた理由に納得した)



メディック「ハート様。今日の夕食は如何致しましょう?」

ハート「そうだな…また皆で外食といこうか」

ブレン「あ、ならまたチェイスにも声を掛けましょうか」

ハート「いや、アイツは今アイドルのプロデューサーで忙しいらしい」

ブレン「ちょっと何言ってるのかわからないんですけど」

チェイス(ここがダンスルーム、というところか)ガチャ

ベテトレ「ストップ!島村、ステップが遅れてるぞ、頭からやり直しだ!」

卯月「す、すいませんっ!」

卯月「ご、ごめんなさい2人とも。私のせいで…」

未央「い、いやいや…私も散々ミス出しちゃってるし…」ゼェ、ゼェ

凛「気にしなくていいよ。未央のほうがずっとヘマしてるしね」

未央「ぐふっ…事実だけど優しさが欲しいよしぶり~ん…」

チェイス(ダンス、か…よく分からんが、3人とも頑張っているようだ)

チェイス(後でマッドドクターで回復させるとしよう)

ベテトレ「おや、貴方は…?」

チェイス「むっ?」

凛「あっ」

卯月「チェイスさん、どうしてここに?」

未央「いやいや、プロデューサーなんだから私達の様子を見に来ても不思議じゃないでしょ」

チェイス「励んでいるようだな、3人とも」

卯月「えへへ…恥ずかしいところを見られちゃいましたね」

チェイス「確かに、島村だけワンテンポ遅れていたな」

卯月「あぅ…」

未央「まあまあ、レッスン厳しいからねぇ~」

凛「でも卯月だって毎日ちゃんと頑…、努力してるよ」

チェイス(今「頑張っている」、と言いかけたな…)

ベテトレ「努力するのは当然の事だ。これぐらい他のアイドル達も当たり前にやっているだろ」

ベテトレ「お前達はまだまだ新人なんだ。他より何倍も努力して当然だろう」

未央「ぐっ…それはそうですけど…」

凛「ぐうの音も出ない正論だね」

チェイス「成る程。華やかな表舞台の裏にこういった努力の積み重ねがあるのだな」

卯月「そ、そこまで言って貰えるほど頑張っ」

未央「あーそうだプロデューサー。折角だからプロデューサーも踊って見せてよ」

チェイス「俺がか?」

凛「ちょっと未央。何をいきなり…」

未央「だって私達プロデューサーの事まだ全然知らないからさ。ほら、コミュニケーションってやつ?」

ベテトレ「そういう事はレッスンの後にしろ。お前はただ休憩したいだけだろ、本田」

未央「ソ、ソンナコトハナイデスヨ?」

チェイス「…俺は別に構わないが」

凛「ちょっ、別に未央の冗談に付き合わなくてもいいんだよ?」

チェイス「さっきお前達が踊っていたダンスを俺がやればいいのだろう?」

チェイス「音楽と合図を頼む」

ベテトレ「えっ?あ、ああ…」

凛(ちょっと未央どうするのコレ…あのプロデューサー生真面目そうだから真に受けちゃったじゃない)ヒソヒソ

未央(あっれぇ~…一休みしたかっただけで軽いジョークのつもりだったんだけど)ヒソヒソ

卯月「ガンバリマスッガンバリマスッガンバリッ、ガンッ、ガンッガンガンッガンガンレオンッガンレオンッ」

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チェイス「SAY☆いっぱい輝く 輝くSUPER ST@Rに♪」

凛(あ、ありのまま今起こっている事を話すよ…)

チェイス「小さな一歩だけど キミがいるから♪」

未央(冗談で「プロデューサーも踊ってよ」って言ったら私達より遥かにキレッキレに踊りだした…)

未央(終始真顔で。やたら低いイケメンボイスで頼んでも無いのにご丁寧に歌まで歌ってくれてるし)

チェイス「星(せい)いっぱい輝く 輝く星になれるよ♪」

凛(何を言ってるのかわからないとは思うけど…)

卯月「ガンバリガンバリガンガンガンバガンバガンバガンバルガー」ガタガタ

凛未央((こっちも何を言ってるのかわからない!))

チェイス「運命のドア 開けよう♪」

ベテトレ(なんでスーツ姿であんなに踊れるんだ…)

チェイス「今 未来だけ見上げて♪」ビシッ

凛「踊り切った!」

未央「歌いきった!」

ベテトレ(歌とダンスは見事なんだが…終始無表情なせいでちょっとした恐怖映像になってしまっているな…)

チェイス「どうだ、こんなものでいいのか?」ブイッ

未央「ダブルピースでキメたっ!?」

凛「でも真顔のままだから違和感が凄い!」

チェイス「成る程…やはり表情が重要なのだな」

未央「凄いねプロデューサー…昔ダンサーでもやってたの?凄すぎて地味に引いたんだけど」

チェイス「いや、ダンスも歌もこれが初めてだ」

凛「私、もうアイドルやめる」

未央「しぶりんの心が折れたっ!あとそれ私の持ちネタだからっ!」

卯月「ガンバリガンバガンガンガンバリガンダムバルバトス」

未央「しまむーもいい加減戻ってきて!カムバック、現実!」

チェイス「大変だな、これがアイドルというものか…」

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ウヅキ…オキナサイウヅキ…

卯月(誰…?誰か私を呼んでる…?)

ウヅキ、オキナサイウヅキ…オキナサイ、オイオキロ

卯月(誰か…遠くのほうで手を振ってる…あれ、誰…?)

卯母「卯月、起きなさい卯月ー」

卯月(あれ、ママだ…ママがお花畑の中で私を呼んでる…)

卯母「もう、寝ぼすけさんねぇ卯月は。ほら、こっちにいらっしゃい」

卯月(ママがお花畑の中で、川の向こう岸から呼んでる。いかなきゃ…)

卯月(…ん?お花畑?川の向こう側?)

卯母「卯月ー、どうしたの?早く、こっちにいらッシャイ」

卯母「ホラ、ぱぱモコッチデマッテイルワヨ、うづき…」グヂュ…

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卯月「島村家っ!両親ご存命です!!」ガバッ

凛「うわっ、ビックリした…」

未央「ど、どうしたのしまむー。何か変な夢でも見た?」

卯月「あれ…ここって?」

凛「医務室だよ。卯月レッスン中にバグってそのまま倒れちゃったんだよ」

未央「大変だったんだよー、床の上でガタガタ小刻みに震えながらガンバリマスガンバリマスって」

凛「うん、ファンはもちろんご家族にも見せられない姿だったね」

未央「プロデューサーがここまで運んでくれたんだよ?」

卯月「そうだったんですか…また、迷惑かけちゃいましたね…」

凛「迷惑だなんて思ってないよ。今日のレッスンはもういいってさ。今日はゆっくり休んでまた明日から頑張ろう?」

卯月「はいっ!頑張ります!」

未央「…おぉ~…」

凛「本当に治ってる…」

卯月「え?どうしたんですか?2人そろって鳩がトレーラー砲くらったような顔で…」

未央「いやね、しまむーの頑張りますバグが治ってるから・・・」

卯月「えっ…?あ、そう言えば…私「頑張ります」って言っても正気のままです!」

凛「いや、本来ソレが普通なんだけどね…バグ抱えるアイドルなんて斬新過ぎでしょ」

未央「いやぁ~、それにしても最近のミニカーって凄いよね。人間の心の闇まで治せるなんて」

卯月「ミニカー?」

凛「うん。プロデューサーが救急車のミニカーを変な道具に填め込んで卯月の体にバリバリ~ってやったら」

未央「ガタガタ痙攣してたしまむーが大人しくなって、ご覧の通りだよ!」

卯月「…」

卯月(思い出した…)


チェイス『痛みは一瞬だ』チューン マッドドクター フルブレイク ドクター


卯月(私、あまりの痛さに気絶しちゃったんだ…)

凛「卯月、大丈夫?」

卯月「はい。もうすっかり。疲れも取れちゃいました。ちょっと行っちゃいけない世界が見えましたけど」

未央「それを大丈夫と言っちゃう時点でまだちょっとバグってるよ、しぶりん」

チェイス「何かあった時に為にと何台かシフトカーを持ってきていて正解だったようだ」

チェイス「島村の事は気がかりだが本田と渋谷に任せるとしよう。さて、次は…」

ちひろ「あ、チェイスさん。卯月ちゃん達の様子はどうでした?」

チェイス「千川か。3人とも賢明にレッスンに励んでいたぞ」

ちひろ「みんな頑張り屋さんですからねえ。とりあえず今日はこの調子でアイドル達の様子を見て回ってください。まだ挨拶していない娘も沢山いますし」

チェイス「この事務所にはアイドルが大勢いるのだな」

ちひろ「そうですね。200名ちょっとでしょうか?もちろんチェイスさんに見てもらうのはほんの一部ですから、安心してください」

チェイス「そうだな。1人で200名近くのプロデュースなど現実的ではない」

ちひろ「そうですよねえ、もしそんなことしてる人がいたら人間やめちゃってますよ」

チェイス(俺も人間ではないのだが…)


モバP「ヘクチッ」

芳乃「そなたー、風邪でしてー?」

モバP「んー…緑色のカネゴンに悪口言われてる気が…」

チェイス「千川に言われたとおり、色々見て回るとしよう」

チェイス「ここは…さっきとは別のレッスンルームか」


みく『~~っ』

李衣菜『~~っ』


チェイス(あれは前川、と言ったか…もう1人は始めて見る顔だな。2人とも何か歌っているようだが…)

チェイス(む…前川と目が合った。見つかってしまったか)


みく「こんなところで何してたのにゃ?ガラス越しにジーッと見てるからビックリしたにゃ」

チェイス「すまん。千川にあちこち見て来いと言われてな」

李衣菜「ねぇみく。もしかしてこの人が例の?」

みく「そうにゃ。今日からみく達の担当になったプロデューサーさんにゃっ」

李衣菜「この人が噂の、紫のライダースを着こなすロックな新プロデューサー!?」

チェイス「前川、彼女は何を興奮しているんだ?」

みく「気にしないでいいにゃ。李衣菜ちゃんはちょっとにわかロックこじらせてるのにゃ」

李衣菜「にわかじゃないし!ちゃんとロックだし!」

チェイス「李衣菜、と言ったか」

李衣菜「えっ?あ、はい。多田李衣菜です」

チェイス「では多田。ロックとはなんだ?」

李衣菜「ふぇっ?」

チェイス「音楽のジャンルの一種だと言う知識はあるのだが、君の言い方では別の意味合いもあるように聞こえる。教えてもらえないだろうか」

李衣菜「えっと、あ、その、そうですねロックと言うのは…」

みく(にわかに何て残酷な…本人に悪気も他意も無いのがタチ悪いにゃあ)

李衣菜「えーっとですね…あ、そう!ロックって言うのはですね…!」

チェイス「前川。お前達はここで何をしていたんだ?」

みく「いやいや李衣菜ちゃん今一生懸命考えてたにゃ。もうちょっと待ってあげようよ」

チェイス「他にも色々見て回る必要があるのでな。答えにくい質問だったのなら、また後日にしようと思ったのだが」

みく「タイミングが悪すぎるにゃ。見てみるにゃ。必死に搾り出したにわかなりのロックを語ろうとした瞬間スルーされたあの姿を」

李衣菜「」

チェイス「すまなかった多田。ロックについては次の機会にじっくり聞かせてもらうことにする」

みく「助かったにゃ李衣菜ちゃん。良い機会だからブレッブレのロック定義しっかり定めておくにゃ」

李衣菜「ぶ、ブレてないしっ!ただちょっと言葉にするのが難しかったと言うか…そうっ!上手い言葉のチョイスが出なかったってだけで!」

チェイス「呼んだか?」

みく「チョイスって言ったのにゃ。アナタはチェイスにゃ」

チェイス「そうか。何かこのやり取りに既視感を感じるな」

みく「えっと、さっきの質問だけどみく達はここでボーカルレッスン中だったのにゃ。一応みく達ユニット組んでCDも出してるしにゃあ」

チェイス「ボーカルレッスン…歌、か?」

李衣菜「アスタリスクってユニットなんですけど、聞いた事ありません?自分で言うのも何ですけど結構注目されてるんで」

チェイス「いや、全く知らん」

李衣菜「」

みく「チェイスチャン…李衣菜ちゃんの事嫌いなのにゃ?」

チェイス「何故だ?」

みく「あ、これ天然にゃ。ナチュラルボーンハートクラッシャーにゃ」

チェイス「俺は何かやらかしてしまったのか」

みく「李衣菜ちゃんはわりと打たれ弱いのにゃ。おーい、戻ってくるにゃ。アイドルがそうそう白目剥いちゃ駄目にゃあ」

李衣菜「…はっ!…なんだ、夢か…」

みく「思い切り現実にゃ」

チェイス「すまない多田。お前達の知名度の問題ではない。俺はそういった人間の文化に疎くてな」

みく(人間の?)

李衣菜(文化?)

チェイス「悪意は無かったんだが、すまなかった」

李衣菜「あ、いえいえ。私の方こそ、ちょっと騒がれたぐらいで調子に乗っちゃってたみたいですし…」

みく「天狗になりかけていた鼻っ柱へし折られて白目剥くのは、結構ロックだよね」

李衣菜「え、ホントっ?」

みく「そこで喜ぶんじゃないにゃ。みくは嫌だよ、相方の売りが「白目剥きます」なんて」

チェイス「そうか、それがロックというものか」

みく「ちょいちょーい。そっちも誤った認識をしないでにゃあ」

みく「って言うかボケ2人でみく1人じゃツッコミ足りないにゃ!」

李衣菜「わ、私ボケじゃないしっ、ロックだし?」

みく「ほらもうツッコミどころ曝け出してるにゃあ。みく達はアイドルにゃっ!この調子じゃまたアメトークに呼ばれちゃうにゃあ!」

チェイス「渋谷達を見ていても思ったが、アイドルと言うのは色々大変なのだな」

李衣菜「あ、凛ちゃん達のところにはもう行ったんですか」

みく「確かニュージェネトリオはダンスレッスンだったかにゃ?」

チェイス「ああ、3人とも頑張っていたぞ。ダンスの良し悪しは正直俺にはわからなかったが…踊ってみたんだが」

みく「いやいやプロデューサーなのにダンスの良し悪しわかんないってダメじゃない?」

李衣菜「って言うか、プロデューサーさんが踊ったんですか!?」

チェイス「見よう見まねだったが、実際やってみれば何か感じるものがあると思ってな」

みく(この人の踊っている光景が全く想像できないにゃあ…)

李衣菜「あ…、じゃあ今度は歌ってみます?丁度ボーカルレッス中ですし」

チェイス「俺が、歌を?」

李衣菜「実際やってみれば何か感じるものがあるかもしれないんでしょう?まあ、ぶっちゃけ個人的な好奇心もりますけど」

みく(いや絶対好奇心9割でしょ李衣菜ちゃん)

みく(…まあ、でもみくも正直興味あるにゃ)

みく「チェイスチャン、その様子じゃどうせ歌のこともよく分からないんでしょ?プロデューサーがそれじゃみく達アイドルも困るのにゃ。だから、実際経験してプロデューサーとして必要なものを掴んでみるのにゃ!」

チェイス「成る程…一理あるな。猫の耳を頭につけているが前川は聡明なのだな」

みく「ん?もしかして今までみくのこと内心ディスってたのにゃ?」

チェイス「そうだな。何事も挑戦するべきだ。事実俺はそうしてここにいるのだしな」

みく「スルーかにゃ?あれ、もしかして嫌われてるのはみくの方だったかにゃ?」

李衣菜「おーっ、プロデューサーさんやる気満々ですねぇ。じゃあ、曲はどうしましょうか。あ、あとマイクとかもセットしないと…」

チェイス「必要ない」スッ

みく(にゃっ?スーツの懐からイカついメリケンサックみたいなモノ出したにゃ…)

李衣菜(何かロックっぽくて格好いいデザイン!紫色だし!)

チェイス「歌うときにはステージを用意するのが人間のルールだろう」 チューン アメイジングサーカス


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チェイス「Like a Spinning Wheel 回り出した運命 For Real♪」

みく(あ、ありのまま起こったことを話すにゃ…)

李衣菜(プロデューサーさんがミニカーをメリケンみたいなモノに入れた途端、レッスンルームが突然豪華なライブステージになった…)

みく(眩しいぐらいのスポットライトに何故かバックバンドまでどこからともなく出てきたにゃ…)

李衣菜(な、何を言ってるのかわからないと思うけど私達自身何が起こっているのか…)

チェイス「 So you are the one それぞれの想いを乗せて加速し続ける Speed♪」

みく李衣菜((そしてめっちゃ歌上手いし!!))

チェイス「誰が一番早く 辿り着くかdrive♪」

みく(あ、歌い終わったら景色が戻っていくにゃ…)

李衣菜(あっという間にもとのレッスンルームに…最近のミニカーって凄い機能ついてるんだねえ…)

チェイス「…こんなものか」

みく「歌って踊れるプロデューサーとかチートすぎにゃ。もうチェイスチャンがデビューすればいいにゃ」

李衣菜「やめてよみく。そうしたら絶対私たちより人気出るよ…」

みく「そしたら益々バラエティ番組のオファーばっかりになるにゃあ…またアメトークに呼ばれちゃうにゃあ。ロンハーはもう嫌にゃあ…」

チェイス「…よくわからんが、俺の歌は駄目だったのか?」

みく「駄目じゃないのが駄目なのにゃ!新人アイドルのなけなしのプライドと自信を奪い去るプロデューサーとか斬新すぎにゃあ!」

李衣菜「ちょっと売れたぐらいで有名人になったつもりでいた自分が恥ずかしいよ…私なんて全然じゃない…みくの安直な猫キャラに便乗してデビュー出来ただけだよ…」

みく「李衣菜ちゃん、気をしっかり持つにゃ!あとサラッとみくの事ディスるのやめてにゃ!」

李衣菜「いいよねぇみくは…笑って貰えて…どうせ私なんて…」

みく「戻ってくるにゃ李衣菜ちゃん!あとみく芸人さんじゃないのにゃ!」

チェイス「やさぐれてしまったな」

みく「どこのどなたのせいなのかにゃあ!?」

ワラエ、ワラエヨ…ワラウナァーー!!


チェイス「怒られてしまった。前川と多田には悪いことをしたな」

チェイス「歌ったら喉が渇いたな。確か社内にカフェがあった筈だが…」

幸子「あれ、プロデューサーさん。こんなところで何をしてるんです?」

チェイス「輿水、だったか。色々と見て回っているところだ」

幸子「初日とは言えフラフラして暇そうですねえ。そんな調子でボクのプロデュースが出来るんですか?」

チェイス「別に暇ではないのだが。…そうだな、確かに俺にはプロデューサーとして足りないものが多すぎるようだ」

チェイス「歌って踊れても特に意味は無い事は分かったのだが」

幸子「ちょっと何言ってるのかわかんないんですけど」

チェイス「ところで輿水。お前は何をしている?」

幸子「ボクは丁度レッスンもお仕事も区切りがついたんで、カフェでお茶でもしようと思っていたところですよ」

チェイス「丁度良い。俺もカフェを探していたところだ。案内してくれないか?」

幸子「…ま、仕方ないですね。カワイイボクは心が広くて優しいですから。右も左も分からないプロデューサーさんを案内してあげますよ!」

チェイス「左右はわかるのだが」

幸子「言葉のあやってやつですよ!あ、でも案内する代わりにお茶ぐらいご馳走になりましょうかねぇ」

チェイス「手数料、というやつか。わかった」

幸子「え?いや、ちょっとしたカワイイお茶目なジョークのつもりなんですけど…」

チェイス「大人は子供のワガママに付き合うのが人間のルールだろう」

幸子「誰が子供ですかっ!あとワガママってなんですかワガママって!」

チェイス(14歳は子供ではないのか…?人間の社会というのは実に複雑なのだな…)


イラッシャイマセー プレーンシュガーヒトツ

幸子「はい、ここが社内カフェですよ」

チェイス「道案内感謝する。好きなものを頼むといい」

幸子「本当にいいんですか?お言葉に甘えちゃいますよ?」

チェイス「遠慮することはない。アイドルとコミュニケーションをとるのもプロデューサーの仕事の内だろう」

チェイス(と、剛がやっていたゲームに書いてあったしな)

幸子「フフーン、ボクの気を引こうという算段ですね?まあ、ボクはカワイイですから。貢ぎたくなる気持ちもわからなくはないですけど」フンスッ

チェイス(ちょっと何言ってるのかわからないんだが)

幸子「すいませーん、注文お願いしますー」

?「はーい」トタトタ

チェイス(…?何故、頭の上にウサギの耳を…?)

幸子「あ、今日菜々さんシフトの日だったんですね」

菜々「いらっしゃい幸子ちゃん。アイドル活動1本じゃあまだまだ苦しいですからねぇ。臨時ですけど、まだしばらくはウェイトレス兼業ですねえ」

幸子「そんな事言って、最近よくテレビにも出てるじゃないですか。あ、そうそう。この人は今日からしばらく事務所で働くことになった新しいプロデューサーさんです」

チェイス「チェイスだ。…君もアイドルなのか?」

菜々「はい。安部菜々17歳。歌って踊れる声優アイドル目指して、ナナはウサミン星からやってきたんですよぉっ! キャハっ☆」ピース

チェイス「…」 チューン マッドドクター

幸子「ちょっとプロデューサーさんっ!菜々にいきなり何をっ!?」

チェイス「すまん。島村のようにバグを抱えているものだとばかり…」

菜々「アバババババババババババババ」ビクンッビクンッ

幸子「菜々さんがっ!陸に打ち上げられたウルメイワシみたいになっちゃってるじゃないですかっ!」

チェイス「安心しろ。マッドドクターの効果は治療だ。命に別状は無い」

幸子「ほ、本当ですか…?」

チェイス「ただし、死ぬほど痛いらしい」

幸子「菜々さぁーん!!」

菜々「…うぅ~ん…お母さん…その芋焼酎まだ飲んでるんだってばぁ………はっ!?」

幸子「菜々さんっ!大丈夫ですか?」

菜々「あれ、ナナは一体…」

幸子「プロデューサーさんの不意打ちミニカー攻撃で気絶してたんですよっ。一体何考えてるんですかプロデューサーさん!」

チェイス「すまなかった。俺はてっきり心に病を抱えているものだと…」

菜々「あ、いえいえ。突然ビックリさせてしまったナナも悪かったですし…、って…」

菜々(あれ?体が軽い…立ち上がっても膝が痛まない、腰にこない、肩が軽い…?目の霞みも眩暈もしない…え、若返った?)

幸子「どうしたんですか菜々さん?」

菜々「い、いいえ何でも…」

菜々(最近のミニカーって凄いんですね~…ナナの子供のころのミニカーと言えばドアが開くぐらいだったのに…)

チェイス「どうした、何か体に不調があるのか」 チューン マッドドクター

菜々「いえいえいえいえいえいえっ!不調どころか快調ですっウサミンパワーフルスロットルですよっ!?」

チェイス「やはり、心の…」スッ

幸子「プロデューサーさんっ、アレは菜々のキャラなんです!ああいう路線で売ってるんです!突っ込んじゃいけない領域なんですっ!」

チェイス「そうなのか…すまない。余計な事をしたようだ」

菜々「あはは…だ、大丈夫ですよー」

菜々(むしろ幸子ちゃんの必死なフォローに傷つきましたよぅ…)

チェイス「ところで、ウサミンとは何なのだ?」

菜々「」

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チェイス「多田にも「ロック」とは何なのかと尋ねたのだが、ウサミン、ロック…アイドルという世界にはまだまだ俺の知らない事があるのだな」

幸子「李衣菜さんにそんな質問したんですか…何となくリアクションが想像できますね…」

菜々「はい、お待たせしましたー」  ウサギノオネエサン、コッチニプレーンシュガー

幸子「ありがとうございます菜々さん。プロデューサーさん、ご馳走になりますね」

チェイス「沢山食べて大きくなるといい。それが子供というものだろう」

幸子「さっきから子ども扱いしますけどボクはもう14歳で、立派なレディなんですからねっ!?」

チェイス「人間社会では20歳から成人と認識されるルールではないのか?」

幸子「カワイイボクはそういう枠に嵌らないんですよっ!プロデューサーさんは女の子の扱い方が全然ダメダメですねぇ」

チェイス「成る程…輿水の言う「カワイイ」というのも、ロックやウサミンというこの業界独特のものなのだな」

幸子「にわかロックやウサミンと同カテゴリーにしないでくださいよ!」

菜々「幸子ちゃんも、ウサミン星人の目の前なんですからもうちょっと言葉をオブラートで包んでくださいね?」

チェイス「安部は異星人なのか?」

菜々「えっ?あ、ええっと…そ、そうですよ?ナナは声優アイドル目指してウサミン星からやってきたんですよー?」

幸子(菜々さん、若干膝を震わせながらキャラを貫いた…このプロ意識は流石のボクも尊敬します…)

チェイス「驚きだな。だが、機械生命体なんてものが存在するのだ。異星人がいても不思議はないのかもしれん」

菜々(ナナが言うのもアレですけど、信じられてしまうのも複雑ですね…)

幸子「機械生命体って、時々ニュースで聞く怪物の事ですよね。暴れて街を壊したり人に危害を加えるっていう」

菜々「なんて言いましたっけ…ろい、ろり…コイニョーボー?」

チェイス「耳の裏を見せろ」

菜々「えぇっ!?な、ななんですかイキナリッ!?」

チェイス(いや、フリーズは既に倒されていたのだったな…)

菜々「もう、ビックリしましたよぅ…えっと、何でしたっけ?あ、そうそう。ホイコーローの話でしたよね」

幸子「食べたいんですか?違いますよ菜々さん。ロリショージョですよ」

菜々「幸子ちゃんの事じゃないですか、それじゃあ」

幸子「ボクのどこがロリですかっ!」

菜々「いやいや、14歳はロリ枠じゃないですか」

チェイス「ロイミュード、だぞ」

菜々幸子「「あ、そうそう、それそれっ!」」


モウ、ロックモハーモニーモナインダヨ… オレガサイゴノキボウダ

幸子「ロイミュード?って、まだ駆逐されてないんですよねえ…」

菜々「警察の人達も頑張ってはいるみたいですけど、相手が相手ですからねぇ。人間相手ならともかく」

チェイス「安部も人間ではないのだろう?」

菜々「えっ!?えっと、あ、いやいや!ウサミン星人は平和主義ですからっ!」キャハッ

チェイス「…」チューン マッドドクター

菜々「病んでないですーこれがナナのキャラなんですー!」

幸子(とうとう自分でキャラって言っちゃいましたね…)

チェイス「すまん。何故かとても不安になるのだ」

菜々「うう…いいですよ、どうせナナはイタい子ですよぅ…でも負けません、ウサミンは自分を曲げません…」


みく「っ!?今みくの持ちネタが奪われた気配がっ!」

のあ「突然何を言っているの?」

みく「何か不穏な気を察知したのにゃ…って、いつの間にかみくのハンバーグがカツオの生け作りに掏りかえられてるにゃ!」

のあ「不思議なこともあるものね」モッキュモッキュ

みく「思いっきりハンバーグ頬張ってるにゃあ!!」

チェイス「輿水は、ロイミュードが嫌いなのか」

幸子「嫌いって、あんな迷惑なバケモノ達を好きな人がいる方がおかしいですよ」

チェイス「…そうか」

幸子「?」(なんでプロデューサーさんが寂しそうな顔をするんだろ)

幸子「あ、もうこんな時間になっちゃいました。すいません、ボク明日早いのでお先に失礼しますね」

菜々「あ、はーい。お疲れ様でした幸子ちゃん」

チェイス「お疲れ様だ、輿水」

幸子「プロデューサーさん、ご馳走様でした。早くこのボクにふさわしい有能プロデューサーになってくださいねっ」トテトテ

チェイス「…」

菜々「幸子ちゃん、実は前にロイミュード事件に巻き込まれたことがあるんですよ」

チェイス「なん…だと?」

菜々「あ、もちろん怪我をしたりした訳じゃないんですよ?ただ、営業先で偶然ロイミュードが暴れたそうで…」

菜々「街を破壊して回る紫色の怪人を実際目撃しちゃったんです。当時はショックでレッスンにも出られなくなっちゃっていたそうです」

チェイス「そうか…怖い思いをしたのだな」

菜々「でも、そのロイミュードも仮面ライダーに倒されたそうですし。幸子ちゃんも今ではすっかり元気になりましたし」

チェイス「…」

チェイス「すまない、おれもそろそろ行かなくては」

菜々「えっ?あ、はい。じゃあお会計しちゃいますねー」

チェイス(街を破壊する紫色の怪人、か…)


-砕け散れ仮面ライダードライブ!ロイミュードの未来の為に!-


チェイス(やはり今更、なのだろうな…)

チェイス(だが、それでも今は…)

チェイス「とりあえず、引き続き事務所を回ってみるとしよう。ご馳走様、また来る」


アリガトウゴザイマシター ナァネーチャン、マヨネーズナイ?

チェイス(…考えても仕方ない。今はやるべき職務をこなすことだけを考えよう)

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みく「はぁ~…」

凛「どうしたのみく。随分疲れてるね」

未央「またのあさんにオモチャにされたとか?お弁当のハンバーグをカツオの生け作りに摩り替えられたとか?」

みく「オマエ一枚噛んでたのかにゃあ?何でズバリ当てられるのにゃあ?」

卯月「あ、未央ちゃん当たりましたね。凛ちゃん達と3人で「今日はみくちゃん、のあさんに何されるかな」って予想しあってたんですよ」

みく「もっと他にする事あるにゃ?そんなヒマあったらレッスンしてるにゃ!」

凛「ちなみに私の予想は「シューズをアナゴに摩り替えられる」で卯月は「楽屋のみくのお弁当の中身がさかなクン」だったよ」

みく「わあ、凛チャンは「摺りかえられる」は当たってた惜しかったねー、ってなるかにゃあ!あと卯月ちゃんに到っては猟奇的すぎにゃあ!想像しちゃったじゃないかにゃあ!」

未央「んで、何をそんなに疲れた顔してるのさ。話してごらんよみくにゃん」

みく「この疲労感の半分は今オマエラから与えられたけどにゃあ」

みく「…まぁ、いいにゃあ」

凛(ここで「まあいい」って言っちゃうから)

未央(イジられちゃうって気付かないんだねぇ)

未央「まあまあ、それは半分の半分冗談だとして」

みく「75%も本気なのにゃ」

凛「で?何かあったの?」

みく「何かもなにも…」

みく「チェイスチャン…新しいプロデューサーにゃあ…」

凛「あ~…」

未央「あ~…」

卯月「プロデューサーさんがどうかしたんですか?」

凛「いやいや、分かるでしょ。今日一日の出来事を振り返れば」

未央「特にしまむーは直接的に被害を…、あれ治療だったんだっけ?」

卯月「はいっ!プロデューサーのお陰で体調万全です!」

みく「何かあったのかにゃ?」

凛「大したことじゃないよ。ちょっと卯月が臨死体験したってだけ」

みく「なんだ、ホントに大したことじゃ…あるにゃあ!何一回死に掛けてるにゃあ!?」

凛「プロデューサーのお陰で卯月が抱えていた心のバグが晴れたんだよ」

みく「その代償が生死の境目に行って来るってハイリスクすぎるにゃあ…」

卯月「それでみくちゃんはどうしたんですか?」

みく「被害者自ら軽く話題転換してきたにゃあ…まあ、いいけど」

未央(この切り替えの早さもみくにゃんが不動のイジラレストたる所以だよね)

凛(さり気なく卯月の臨死体験すら「まあいいけど」で済ませたしね)

卯月「プロデューサーさんと何かあったんですか?猫キャラだからって安易にお魚でも食べさせられました?」

みく「うーん、卯月ちゃん地味に毒強いにゃ?バグ治ったんじゃないの?」

未央「しまむーは割りと素でこんなモンだよ?」

みく「ニュージェネろくでもないにゃ…チェイスチャンと何があったかっていうか、何ていうか…」

みく「チェイスチャンのせいで李衣菜ちゃんが闇落ちしたにゃ」

凛「プロデューサー何やらかしたの」

みく「「ロックとはなんだ」って真顔で聞いちゃったにゃ」

未央「ロックなアイドル目指してるクセにロックの定義を聞かれるとフリーズするのが李衣菜ちゃんなのに…何てことを」

ガチャッ

チェイス「む?」

凛「あ、噂をすれば」

未央「初日から色々やらかしちやってるみたいだねぇ、プロデュー…さー?」

みく「…何なのにゃ?その珍妙な姿は」

チェイス「これでありますか?色々と見て回りながら他のアイドル達と自己紹介も兼ねてコミュニケーションを図ったのでごぜーますが」

凛(まず目を引くのがコアラの着ぐるみ姿って事だよね…)ヒソヒソ

未央(よく見て。手の先に爪がついてるし眼帯もしてる…)ヒソヒソ

卯月「どうして眼帯の上から眼鏡してるんですか?」

みく「両手に抱えた大量のパンとドーナツは…いいにゃ。誰に会ったか分かり安すぎるにゃ」

チェイス「生魚も大量に貰ったのですよー」

みく「うにゃあ!!」

卯月「わぁ、生臭いです」

凛「って言うか口調がうつってる、混ざってる!無表情で言われると違和感が!違和感が!」

未央「無駄に良い声してる分破壊力がすっごいんだけど」

ちひろ「初日はこんな感じで色々バタバタしていましたが、チェイスさんは生真面目な上にとても物覚えがよく、数日もすると346プロの中でも有数の有能プロデューサーになりました」

ちひろ「…まあ、事務所の皆さんがチェイスさんに慣れただけ、とも言えますけど」


時子「ちょっと豚!一体何なのよこの仕事は!」

チェイス「俺のことか?俺は豚ではないのだが」

時子「アァン?豚が飼い主に口答えしていいと思ってるの?」ヒュンッ

チェイス「事務所で鞭を振るな。危険だろう」パシッ

チェイス「それに、今回の仕事は財前の得意分野のはずだろう?」

時子「…チッ。確かにねぇ…けど、この共演者のラインナップは何なのよ、嫌がらせのつもりなら上出来よ?」

チェイス「及川に向井に大沼か。何か問題があるのか?モバPに進められたメンバーなのだが」

時子「OK…諸悪の根源はアイツな訳ね…」

楓「プロデューサーって、お酒は飲まれるんですか?」

チェイス「いや、飲んだことも無いな」

楓「そうなんですか。ちなみに私は今、特に焼酎を推奨中なんですよ?」ンフッ

チェイス「そうか。飲み過ぎないようにな」

楓「…」

楓「私、今焼酎を推奨中なんですよ?」

チェイス「そうらしいな。仕事に支障のない程度に頼むぞ」

楓「…」

楓「くすん」

チェイス「何故泣くのだ」

楓「プロデューサーさん、きらいです」スンスン

チェイス「なぜだ」

蘭子「闇に飲まれよ!(お疲れ様ですっ)」

チェイス「…?」

蘭子「むっ?其の者は我が魔力に身を焼かれるというのか(えっと…伝わりませんか?)」

チェイス「…すまんが、何を言っているのか全く分からん。アイドルの世界ではそういう言語を用いる場合もあるのか?」

蘭子「こ、この魔眼は我のみに許された魔導書《グリモワール》に記されし闇の契約…(あ、あの、これは私の…個性、と言いますか、えっと…)」

チェイス「…ふむ」 チューン マッドドクター

未央「プロデューサー!待って待って!」

凛「それ病気じゃないから!治らないから!」

卯月「ある意味不治の病ですね」

チェイス「よくわからんが…そうか。大変なのだな」

蘭子「」クスン

乃々「あうぅ…み、見つかったんですけど…」

チェイス「デスクの下で何をしている森久保。そろそろレッスンの時間だろう」

乃々「ほ、ほっといてほしいんですけど…もりくぼはこのまま静かに過ごしたいんですけど…」

チェイス「日々レッスンに励みファンの期待に応えるのがアイドルの使命ではないのか」

乃々「も、森久保には重過ぎる使命なんですけど…背負いきれないんですけど…」

チェイス「自信が無いのはレッスンが足りないからだろう。レッスン内容の増強をトレーナーに通達してある。存分に励んでくるといい」

乃々「プロデューサーきちくなんですけど、悪魔なんですけど…ああ、なんですかこのミニカー、もりくぼは駐禁車両じゃないんですけど…」ズリズリ

チェイス「俺は鬼畜でも悪魔でもない。しいて言うなら死神だ」

乃々「なおさら怖いんですけど、ああっ、連れて行かれ…」ムーリィー ズリズリズリズリ

チェイス「頼んだぞフッキングレッカー」

ちひろ(最近のミニカーって凄い)

チェイス「…」

のあ「…」

チェイス「…」

のあ「…」

?(わかるわ)

のあ「…っ!」プルプルッ

チェイス「…」

?(ワカルーヨ)

チェイス「…っ!」プルプル


アナスタシア「シトー?あの2人は何をしているんですか?」

みく「分からないけど多分どーでもいい事にゃあ」

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凛「プロデューサーも随分慣れてきたね。正直最初はどうなるものかと思ったけどさ」

チェイス「そうなのか?だが確かに、プロデューサーとしての仕事は大方覚えたな」

未央「愛想が皆無だから営業活動とか絶望的だと思ったけど基本スペックがチート級だからもう業界中の有名人だもんねぇ」

チェイス「俺が有名になっても意味が無い。俺の使命はお前たちを有名にする事だ」

チェイス「3人とも、そろそろ仕事に行く時間だろう。無駄話はここまでだ」

卯月「はーい。じゃあ行ってきますねプロデューサーさん」

凛「また誰かにマッドドクター使っちゃ駄目だからね」

未央「今度またあの格好いいバイクに乗せてねー」

チェイス「…やれやれ」

ちひろ「みんな、すっかり打ち解けましたねえ」

チェイス「そうか?」

ちひろ「そうですよ、みんな毎日とても楽しそうです」

ちひろ「ところで…」

ちひろ「もう少しかかりそうですか?「捜査」の方は」

チェイス「…やはり千川は最初から知っていたのだな」

ちひろ「ええ。本願寺さんから直接ご連絡を頂いて、チェイスさんをこの事務所にお招きしたのはこの私ですから」

ちひろ「あ、ご心配なく。事情を知っているのは今のところ私だけですから」

チェイス「強力して貰えて助かる」

ちひろ「いえいえ、こちらもアイドルの娘達の為ですし」

チェイス「中々ボロを出さなくてな…手ごわい相手だ。もうしばらく、ここで働かせてもらいたいのだが」

ちひろ「それはもちろん。むしろ本格的にプロデューサーになってほしいぐらいですしね」

チェイス「…俺にその資格があるとは思えんが」

~数日前~


チェイス「重加速反応、だと?」

進之介「ああ。ここ何日かで頻繁に起こっているらしい」

ベルトさん『規模も小さく、ごく短い時間で発生しているせいで通報もされていなかったから今まで誰も気が付かなかったみたいだね。中々珍しいパターンだ』

チェイス「その反応元がこのビル、と言う事か」

進之介「346プロ。いわゆるアイドル事務所だな。軽く聞き込みをしてみたけど社内の関係者も重加速には誰も気が付いていない様子だった」

霧子「ロイミュードがこのビルに潜んでいる可能性は限りなく高い筈なんですけど、これといった騒ぎも起こっていないのが不気味ですよね。目的が分かりません」

チェイス「それで、俺に潜入捜査をしろというのか。進之介や霧子では駄目なのか?」

進之介「俺達は今別の事件を追っている最中だし、特状課の他の面子は潜入捜査なんて向いてない人ばっかりだしなぁ」

チェイス「剛がいるではないか」

霧子「剛だとあの子自身が騒ぎの元になりそうですから」

ベルトさん『剛はどうにも派手に動いてしまうからね、君が適任なのだよ』

進之介「頼めるか?チェイス」

チェイス「任せておけ。ここに潜り込んで重加速の原因を突き止めればいいのだろう?」

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チェイス(とは言え、俺がここに来てからは一度も重加速反応を感じない)

チェイス(効果範囲の中にいれば俺が気づかない筈は無いのだが…)

小梅「ぷ、プロデューサーさん…これ、拾ったの…」

チェイス「どうした白坂。…何だこれは」カチッ

小梅「め、目玉みたいだから…誰か、落としたのかなって…」

チェイス「だとしたら一大事だが…何かの玩具のように見えるが?」カイガンッ ピニャコラタ

チェイス「誰かの落し物かもしれん。元あった場所に戻してくるといい」

小梅「わ、わかった…本物じゃなくて、ちょっと、残念…」トテトテ

チェイス(このように至って平和な日々だ…ロイミュードは既にここにはいないのか?それとも俺に気付いて動きを見せずにいるのか…)

チェイス(もうしばらく様子を見るとしよう)


ユルセーン! アイコンオトシター! アイコンオトシター!

チェイス「島村、渋谷、本田の3人は今日は沢芽市でダンスチームとコラボイベントだ」

未央「おー、ストリートダンスが有名なところだよね」

凛「ビートライダーズ、だったっけ?私達のほうが下手だったりしたらどうしようね」

卯月「凛ちゃん脅かさないで下さいよー、正直自信無いんですから」

チェイス「安斎と片桐は風都でラジオ出演だ」

都「おおっ!あの有名ラジオですかっ!?」

早苗「よーし、お姉さん本気で振り切っちゃうわよー?」

チェイス(張り切る、の間違いではないのか?)

チェイス「三村は鴻上ファウンデーション主催のケーキ大食い大会にエントリーしておいた。励んでくるといい」

かな子「」

チェイス「安部さんは天ノ川学園で月面ライブだ」

菜々「ちょっ、何でナナだけさん付けなんですかっ!?」

チェイス「年長者には敬意を払うのが人間のルールだろう」

チェイス「前川と輿水、多田は雑誌グラビアの撮影だ。今日は俺も同行する」

みく「え~…、チェイスチャン一緒なのかにゃ?」

李衣菜「別にいいじゃん。プロデューサーも今じゃすっかり仕事に慣れたし」

みく「初対面で闇に墜とされたクセににゃあ」

幸子「流石自称ロックはメンタルがタフですねぇ」

李衣菜「ちょっ、自称って何さ!?」

チェイス「そこの3人、騒ぐな。…では今日も各自仕事に励んでくれ」 ハーイ ニャッ ウーサミンッ アイコンオトシターッ


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みく「到着にゃあー!」

チェイス「多田と輿水はまだか…3人でタクシーに乗ればよかったのではないか?」

みく「チェイスチャンだけバイクにゃ?みく一度後ろに乗ってみたかったのにゃあ」

チェイス「すまんな、車の免許はトライドロンしか持っていなくてな」

みく「え、ライドロン?何にゃそれ?」

チェイス「む、2人も到着したようだな」

幸子「ちょっとプロデューサーさんっ!スピード出しすぎじゃないんですかっ?ボクのプロデューサーがスピード違反で切符切られるなんて許されませんよっ?」

李衣菜「みくズルいよー!プロデューサー、帰りは私乗せてくださいっ!」

チェイス「また、ジャンケンすればいいだろう?」

みく(李衣菜ちゃん、チェイスチャンのこのガイコツデザインのバイクにすっかりお熱にゃ…まあ、みくから見ても「ロック!」って感じのバイクだもんにゃあ…)

みく(あれ、もしかしてチェイスチャン、元ヤン?)



拓海「へくちっ!」

P「どした拓海。前川にでも噂されたか?」

拓海「何でそんなピンポイントなんだよ…」


スタッフ「346プロさん、今日はよろしくお願いします」

チェイス「こっちこそ、よろしく頼む」

前多輿「「「よろしくお願いしますっ」」」

スタッフ「あ、そうそう。申し訳ないんですが今日は急遽臨時のカメラマンでお願いしたいのですが…よろしいでしょうか?」

チェイス「こちらとしては構わないが。何かあったのか?」

スタッフ「いえ、雇ったカメラマンが何かいきなり「大体分かった」とか言いながら何処かに行ってしまって…」

幸子「何ですかそれ。無責任な人もいるものですね」

みく「全くにゃ。けしからんにゃ」

李衣菜「で、臨時カメラマンって、あっちにいるパーカーの人ですか?」

スタッフ「ええ、今紹介しますね。詩島くーん、346さんが来たよー」

臨時カメラマン?「はいはーい。おっ、本物の346プロのアイドルさん達だねぇ。どうもっ、今日一日キミ達を撮らせてもらうからヨロシクね~」

チェイス「名刺だけでも」ズイッ

臨時カメラマン?「」ブホッ

チェイス「どうした、初めて仕事をする相手とは名刺を交換するのが社会人のルールだろう」

剛「オマエ本っ当にプロデューサーしてんのなぁ!?」

チェイス「名刺マッテルーヨ」

剛「モッテネーヨ!」

剛「ゴホンッ…えーっと、気を取り直して。俺が今日キミ達を撮らせてもらう詩島剛。ヨロシク」

幸子「プロデューサーさんのお友達ですか?」

剛「誰がっ」

みく「仲良さそうにしてたけどにゃ」

剛「違う違う!断じて違うダチなもんかっ!むしろ何度も殺りあってるわ」

李衣菜「え、何その関係ロックなんですけど」

チェイス「気にしないでいい。剛は無駄に騒がしいが腕は良い」

剛「オマエも無駄に人の神経逆撫でるよなぁ?」

チェイス「剛。写真と握手、サインまでは許可するがうちのアイドルへの過度なスキンシップは禁止させてもらうぞ」

剛「あーっもう!普通にプロデューサーしてやがるのがすんげぇ納得いかねぇ!」

みく「…やっぱり仲良さそうに見えるけどにゃあ?」

李衣菜「だよねぇ…プロデューサーもちゃんと友達いたんだね」

幸子「みくさんと李衣菜さんみたいな掛け合いですね」

みくりーな「「えっ、あんな感じなの?」」

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剛「っはぁ~…疲れたわぁ…346プロのアイドル相手のお仕事ってテンション上がってたのによぉ…何でよりによってアイツが付き添ってんだよ」

チェイス「オツカーレ」

剛「ホントに疲れたわ、疲労原因さんよぉ」

チェイス「良い仕事だったぞ」スッ

剛「あン?何だよこれ」

チェイス「知らないのか、オロナミンCだ。スポンサーは大事にするのが業界のルールだろう」

剛「オマエの差し入れなんて…って、そーだな、スポンサー様は大事だな」

剛「…進兄さんから聞いた。346プロで重加速反応が出てるんだってな」

チェイス「俺が赴任してからは、一度も反応が無いがな。俺に気づかれたか、もしくは既に別の場所に移ったか…」

剛「ハッ、トロくさいヤツだな。オマエがモタモタやってっから逃げられたんじゃねえの?オマエじゃなくて俺に任せてくれりゃあよかったのになぁ、進兄さんもクリムも」

チェイス「剛ではこういった捜査に向いていないそうだからな」

剛「気付け進兄さん。コイツはもっと不適切だろ」

幸子「思ったより早く終わりましたね」

みく「チェイスチャンのお友達、腕のいいカメラマンらしいからにゃあ。意外な交友関係にゃ」

李衣菜「カメラマンさんの方は頑として友達じゃないって言い張ってるけどね。じゃ、今のうちジャンケンしよっか」

みく「おっ?帰りのチェイスチャンバイク後部座席争奪戦にゃ?」

幸子「フフーン、今度こそボクが勝ちますよ」

みく「幸子ちゃんちっちゃいからあんなスピード出されたらあっという間に振り落とされちゃうにゃ」

李衣菜「そういうみくこそ。行きで乗ったんだから帰りは自重しなよ。私と幸子だけでジャンケンすればいいじゃん」

みく「嫌にゃあ!みくだってまた乗りたいにゃあ!」

ギャーギャー

剛「おーおー、あっちは女の子3人盛り上がっちゃってるねえ、モテモテじゃんか。機械人形とも知らずに」

チェイス「…やはり、そういうことなのか」

剛「あん?何言ってんだオマエ…」

ギュュュュュュンッ

チェイス「…っ!これは…重加速だと?」

剛「うぉっ!?マジか…ってことは、このスタジオにロイミュードがいるって事かよ」

チェイス「やはり狙いは346プロ…アイドル達か」

剛「おいおい…って事はここに来ているあの3人の誰か、もしくは全員が狙いって事かよ…」

チェイス(だが、今まで動きを見せずに潜んでいたと言うのに、何故このタイミングで…)

剛「俺がいる現場で動き出すとは運のない野郎だ。おいチェイス。オマエはあの娘達を守れ。ロイミュードは、俺がツブす」

チェイス「分かった。くれぐれも油断するなよ」

剛「余計なお世話だっ!オマエはせいぜいアイドルの番犬やってろ!」ダダッ

チェイス(ロイミュードの狙いは前川、輿水、多田の誰かという事か…?しかし、今は彼女達の安全が最優先だな…)


みく「うにゃああっ!?何にゃっ?何なのにゃっ?体がゆっくりしか動かせないにゃあ!?」

李衣菜「うわわっ、こ、これっ、巷で噂の「どんより」ってヤツ!?えっ、じゃあ、この近くに機械生命体とかってのがいるってコト!?」

幸子「…っ!?」ビクッ

チェイス「お前達、無事か?」

みく「チェイスチャン!…あれ、何でチェイスチャンは普通に動けるのにゃ…」

チェイス「プロデューサーだからだ」

李衣菜「プロデューサーって凄い!」

みく「絶対嘘にゃあ…」

チェイス「急いでここから逃げるぞ」ドクター サーカス レッカー

幸子「に、逃げるって言われても、どんよりでまともに動けません…って、あれ?」

みく「フツーに動けるようになったにゃ…なんで?」

チェイス「そのシフトカーを持っていろ。それを身につけていればこの重加速の中でも動くことが出来る」

李衣菜「重加速って、このどんよりの事ですか?何か格好いい呼び方ですね」

みく「言ってる場合かにゃ!チェイスチャン。どんより起きてるんだからロイミュードがいるんでしょ?」

幸子「そ、それにこのミニカーは一体何なんですかっ!?何か隠してますよね、プロデューサー!」

チェイス「…事務所に戻ったら話す。今はとにかく…」 ドーン

みく「こ、今度は何にゃっ!?」

コブラ型「…」フシュー

幸子「ひっ…!ろ、ロイミュード…!?」

チェイス(剛はどうしたのだ…いや、最初から複数いたということか?」

コブラ型「…ミツケタ、オマエダ」チャキッ

チェイス「…っ!輿水!」バッ

幸子「えっ…?」

コブラ型「ジャマヲ、スルナ」ドゥッ

チェイス「ぐっ…!」

みく「チェイスチャン!?」

李衣菜「プロデューサー!」

チェイス「むぅ…、輿水、怪我は無いか」

幸子「ぼ、ボクは大丈夫ですけど、プロデューサーさん、ケガを…!」

チェイス「問題ない。…む?」

チェイス(しまった、今の衝撃でマッハドライバーが…)キョロキョロ

コブラ型「ツギハ、シトメル」チャキッ

幸子「ひっ…!」

チェイス(まずい、だが、しかし…)


-菜々「街を破壊して回る紫色の怪人を実際目撃しちゃったんです。当時はショックでレッスンにも出られなくなっちゃっていたそうです」-


チェイス(止むを得ん…!)ブレイクアップ

魔進チェイサー「むんっ…!」ドガッ

コブラ型「グッ…キサマ、ソノスガタ…シニガミカ!」

魔進チェイサー「名乗る必要があるのか?」ガッ バキッ

みく「…え?…何なのにゃ、これ…」

李衣菜「プロデューサー…なの?あれが…?」

魔進チェイサー「はぁっ…!」ガン バシュバシュ

コブラ型「グアッ! オノレ、ターゲットヲメノマエニシテ…」

魔進チェイサー「終わりだ」チューン チェイサー スパイダー

魔進チェイサー「はぁぁっ…!」 エグゼキューション スパイダー

コブラ型「グアアアッ!!」 ドォーン!

李衣菜「な、何がなんだか…ロックすぎでしょコレ…」

みく「ち、チェイスチャン…なんだよにゃ?」

チェイス「…恐がらせてしまったようだ。すまない」

幸子「あ、ああ…」

チェイス(剛の言う通り、やはり俺はこの役目には不適切だったのだろうな…)

ベルトさん『成る程…やはりロイミュードが現れたか』

進之介「狙いはアイドル…チェイスの言葉通りならターゲットは輿水幸子14歳。偶然にもチェイスが担当しているアイドルの1人だった訳だ」

ベルトさん『しかし奇妙な話だね。彼女を狙うなら今までいくらでも機会はあっただろう。何故今になって』

剛「奇妙なのはそれだけじゃないぜ」

進之介「剛っ!戻ってたのか」

剛「悪い、俺の方は逃げられちまった。まさか複数体いるとは思ってなかったわ」

進之介「アイドルの娘達は無事だったんだ。気にするなよ」

剛「まっ、そのアイドル達のプロデューサーさんは、随分気にしちまってるようだったけど」

ベルトさん『そちらの話も聞いているよ。よりによって、チェイスが洗脳されて街で暴れた時に居合わせていたとは』

進之介「彼女、輿水幸子にとってチェイス…いや魔進チェイサーはトラウマになってるんだな…」

進之介「で、チェイスは?」

剛「あの娘らを事務所に送ってったよ。まるでお通夜みたいな感じでさ。…ま、ヤツにとっちゃ過去のツケが来たって事なのかもな」

ベルトさん『だが、あの破壊行動は彼の意思では無い。…やるせないものだな』

進之介「それで剛。奇妙な事がそれだけじゃない、っていうのは?」

剛「ああ、それそれ。問題なのはチェイスのことよりそっち。俺がヤリあったロイミュードなんだけどさ」

剛「ナンバーが無かったんだよ。胸のところに、あるはずの数字が」

ベルトさん『ナンバーの無いロイミュード?そんな馬鹿な。ロイミュードは108体、ロイミュードが独自に同種を増やすことなど出来ないはずだ』

剛「それに、チェイスが倒したほうはボディを破壊してもナンバーが出なかったらしいぜ」

進之介「ベルトさん、一体どういう事だ?」

ベルトさん『うぅむ…今の段階では推測するにしても情報が足りないね。仮に番号無し(ノットナンバー)とでも名付けるとしようか』

剛「あと何体いるのかすら分かんねえもんな。今のところ唯一分かってるのは…」

進之介「標的が346プロの輿水幸子…って事だけか」

進之介(彼女、輿水幸子が魔進チェイサーだった頃のチェイスと遭遇していたという事実と今回の一件、何か関係があるんだろうか…?)

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ちひろ「お帰りなさい。…大変だったみたいですね」

チェイス「仕事は問題ない」

ちひろ「問題なのは、チェイスさんの本来のお仕事の方、ですよね?」

チェイス「…」

チェイス「輿水の様子はどうだ?」

ちひろ「みくちゃん達がついてくれてますけど、やっぱり相当ショックだったみたいですね。何だかんだで幸子ちゃん、チェイスさんに懐き始めてましたし」

チェイス「輿水からすれば騙され、裏切られたようなものだろうな」

ちひろ「みくちゃんと李衣菜ちゃんはビックリはしていましたけど、プロデューサーさんを悪く思ってはいないようですね。でも幸子ちゃんの場合は…」

チェイス「分かっている。輿水の反応は当然のものだ。輿水に落ち度は無い」

ちひろ「…これから、どうするつもりですか?」

チェイス「ロイミュードの狙いは輿水だ。これは間違いない。だが、これ以上俺がここにいては…」

ちひろ「目の当たりにしてしまったみくちゃん達はともかく、他の娘達にはまだチェイスさんの素性は伏せてあります。幸子ちゃんが狙われている以上チェイスさんがこのままプロデューサーを続けてくれる事がベストだと思いますよ?」

チェイス「すまん。…ではもうしばらく、続けさせてもらおう」

ちひろ「気にしないで下さい。みんな良い子ばっかりですし、幸子ちゃんも分かってくれますよ」

チェイス「だと、いいのだがな」

チェイス(所詮俺はロイミュード。業務はこなせても人間と心を通わせる事など、やはり出来ないのだろうか…)



?「…ふーん…」

未央「ねえプロデューサー。最近さっちーと何かあった?」

チェイス「さっちー、とは誰を指している。小林か?」

未央「本家じゃないよ!幸子幸子、輿水さんちの幸子ちゃんだよ!」

チェイス「ああ、そっちか」

チェイス「特に、何も無いが。どうしてそう思う?」

未央「いや~、ちょっと前まで結構一緒にいること多かったのに最近は妙にお互い避けてるっぽいって言うか…」

チェイス「気のせいだろう」

未央「んー、そうかなぁ…ま、気にしすぎかもね。ちゃんとみんなに平等に構ってあげなきゃダメだよプロデューサー?」

チェイス「俺はお前たちの母親なのか」

凛「嫌だよ、こんな母親」

未央「おや、しぶりん。随分早いね」

凛「未央こそ。…ねぇプロデューサー。ちょっと話があるんだけど」

チェイス「ここでは話せない事なのか」

凛「ちょっとね。少し付き合ってくれる?」

未央「およ?2人きりになりたいなんて大胆ですなぁしぶりん」

凛「うん、悪いけどプロデューサー借りるよ未央」

未央「うん?あ、うん、別にそれはお構いなく…」

チェイス「…なら、応接室に行こう。今の時間なら誰も来ないはずだ」

凛「うん。未央、また後でね」

未央「ごゆっくりー」

未央「…え?」

卯月「おはようございまーす。…あれ、どうしたんですか未央ちゃん。鳩がオメガドイラブ喰らったような顔ですよ?」


----------------------------------------------------

チェイス「話というのは何だ?渋谷」

凛「プロデューサー。本当は何の目的でこの事務所に来たの?」

チェイス「…やはり、聞いていたのはお前か渋谷」

凛「気付いてたんだ?別に、盗み聞きする気は無かったんだよ。偶然ちひろさんと話している声が聞こえたから、さ」

チェイス「お前が聞いたとおりだ。俺は、ここに捜査目的で来た」

凛「それって、この前幸子やみく達が襲われたロイミュードってヤツの件だよね」

凛「ねえ…プロデューサーって一体何者なの?」

凛「警察って風じゃないし、思い返せば私達ってプロデューサーの事まだ何も知らないんだよね」

チェイス「何者か、か…」

凛「…言いたくないようだったら、別に無理に聞いたりしないけどさ」

凛「何と無く、最近のプロデューサーは色々1人で抱え込んで悩んでるように見えたから。お節介だよね」

チェイス「心配をかけてしまっていた訳か。すまないな、渋谷」

凛「…うん、そう面と向かって素直に言われると調子狂うんだけどさ」

チェイス「言いたくない、という訳ではないのだが…そうだな。しいて言うなら、俺自身、自分が何者なのかわからんのだ」

凛「…色々訳ありって事?」

チェイス「そうだな。訳ありだ」

チェイス(霧子や進ノ介達のお陰で俺は再び仮面ライダーとしてやり直す事が出来た。だがそれでも、俺の過去が変わる訳ではない。今回の一件が良い例だ)

凛「…よくわかんないけど、ちょっと安心したよ」

チェイス「む?」

凛「てっきり誤魔化されたり煙に巻かれるかと思ったんだけど。ちゃんと真剣に応えてくれたからさ。ほんと、真面目だよねプロデューサー。そんなに堅いと友達いないんじゃない?」

チェイス「…」グサッ

凛「あっ、心配しなくてもプロデューサーの事情は内緒にしておくよ。…でも、出来ればいつか、みんなにちゃんと話してくれるかな」

チェイス「ああ、その為にも今はお前達のプロデュースに全力を尽くすとしよう」

凛「ふふっ、期待してるよ」

チェイス「…ところで」

チェイス「本田と島村はドアの向こうで張り付いて何をしているのだ?」

凛「え?」



幸子「はぁ…」

みく「どうしたのにゃ。さっきからため息ばっかりだにゃあ」

幸子「えっ?…ああ、どうしてボクはこんなにカワイイんだろう、こんなにカワイイといつか世界中でカワイイボクを奪い合う「第1次輿水カワイイ大戦」が起きてしまうんじゃないか、などと時々不安になってしまって悩んでまして…」

みく「ごめん、熊本弁はわからないにゃあ」

幸子「どノーマルな標準語ですよ!?」

みく「幸子チャンは誤魔化すのヘタだにゃあ…チェイスチャンの事考えてるにゃ?」

幸子「だっ、だだだ誰があんな紫ドクロムッツリライダーのことなんて!」

みく「ひでぇ言い様だにゃ」

みく「ちひろさんから聞いたにゃ?チェイスチャンは昔悪いヤツラに操られてた事があるにゃ。幸子チャンが会ったのは悪いヤツに洗脳されてたチェイスチャンなのにゃ」

幸子「…ボクだってその話は聞きました」

みく「だったら…」

幸子「分かってるんです、頭ではちゃんと。…でも、駄目なんです…恐いんです」


-砕け散れ仮面ライダードライブ!ロイミュードの未来の為に!-


幸子「…ごめんなさい。少し1人にしてもらえませんか?」

みく「うん…ゴメンにゃ?幸子チャンを責めてる訳じゃないのにゃ」

幸子「それも分かっていますよ。ボクは器が大きいですから」

みく「うん、その調子で早くいつものちょろさとリアクションに定評のある幸子ちゃんに戻って欲しいにゃ」

幸子「台無しです!」

チェイス「輿水はもう行ったのか?」

ちひろ「はい。今日は凛ちゃん達と雑誌インタビューが入っていましたので。ついさっき出ていきましたよ」

チェイス「俺がついていたほうが良いのではないか?輿水が標的なのだろう」

ちひろ「その辺はご心配なく。警護を頼んでおきましたから」

チェイス「…抜かりの無い事だ」

ちひろ「ふふ、褒め言葉と取っておきますね」

チェイス「なら、俺は俺の職務を遂行するとしよう」

ちひろ「はい。チェイスさんは今日は…」

デテイーヨ デテイーヨ デテイーヨ デローヨ

チェイス「む…、すまん。俺だ」

ちひろ「あ、はいどうぞ」

ちひろ(え…何、今の着ボイス)

チェイス「前川…?レッスン中の筈だが…、もしもし?」

みく.『チェイスチャン大変ニャ!事務所の中にロイミュードがいるニャ!』

チェイス「何…だと?」

みく.『レッスンルーム出たらいきなり襲われたニャ!何とか必死に逃げたんだけどもう追い付かれちゃうニャ!』

チェイス「落ち着け前川。今はどこにいる」

みく.『地下の駐車場ニャッ!ここに隠れて…ニャッ!?ニャァアア!!』ブツッ

チェイス「前川どうした。…前川」

ちひろ「ど、どうしたんですか…?」

チェイス「…すまない、行ってくる」

ちひろ「えっ?あ、はい。…お気をつけて!」

チェイス(どういう事だ…狙いは輿水では無かったのか…?間に合えばいいのだが…!)

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凛「それにしても珍しい組み合わせだよね」

芳乃「でしてー」

幸子「そう言われればそうですね。脈絡がないというか何というか」

芳乃「年末のー、ドームライブのインタビューとの事でー」

凛「あ、そっか。丁度私達って取材以来の時地方イベントだったり病欠だったんだっけ」

幸子「要するに余り者ですか。ボクに対する扱い方が分かってないですね」プンスカ

凛「…幸子」

幸子「何です?」

凛「大丈夫?さっきからソワソワして落ち着かないみたいだけど」

幸子「ひぇっ!?そ、そんな事ないですよ?普段どおりのカワイイボクカワイイじゃないですか」

芳乃「全然、落ち着いているようにはー」

凛(強がっちゃって…ま、自分が怪物に狙われてるんだから無理も無いけど)

凛(ちひろさんは「護衛」をつけたって言ってたけど…まさか)ジッ

芳乃「…ほー?」キョトン

幸子「ま、まだ着かないんですか?もうちょっとスピード出してくれてもいいんですよっ?」

運転手「ハハッ、安全運転が一番だよ」

芳乃「幸子殿ー、そわそわしていましてー」

幸子「ぼ、ボクはいたっていつも通りでごぜーますよ!」

凛「うん、落ち着こう幸子。口調が別人だから」

運転手「賑やかでいいねぇ」

運転手「…このまま、楽しいドライブで済めばいいけどな」ボソッ

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チェイス「前川、どこだ?」

チェイス(地下の駐車場…確か前川はここに逃げてきたといった。しかし…姿が見当たらない)

チェイス(既に捕らえられたか…重加速の気配は感じなかった。遠くには行っていない筈だ)

チェイス「…隠れていないで出て来い」

バット型「…」ユラッ

チェイス(本当に事務所の中に…。しかもやはりナンバーが無い。何なのだこいつは。…だが、今は)

バット型「シニガミ、ジャマヲスルナ」

チェイス「仕事の邪魔なのはお前達のほうだ」

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キキーーッ!!

凛「うわっ!」

幸子「わわっ!?」

芳乃「でしてぇー」

幸子「ちょっ!急ブレーキなんて危ないじゃないですかっ!」

運転手「あ、ああ…すまない」

凛「どうしたの、猫でも飛び出してきた…?」

芳乃「おやー、あれはー…?」

コブラ型「…」

スパイダー型「…」

幸子「ヒッ…!?」

凛「ロイ、ミュード…?」

芳乃「ほー、奇怪なー」

幸子「ど、どうしましょう!プロデューサーさんもいないのにっ!」

凛「落ち着いて幸子!ちひろさんが確か護衛をつけてくれるって言ってたんだけど…」

幸子「誰もいないじゃないですかっ!」

芳乃「むー、こちらに向かってきますー」

コブラ型「…ミツケタ」

スパイダー型「アノムスメダ」

幸子「ぼ、ボクを見てる…っ?」

凛「幸子っ!落ち着きなってば!」

幸子「お、落ち着いていられますかっ!?」

運転手「そうそう、ひとまず落ち着きなって」ガチャッ

凛「え…?」

運転手「君達は車の中で隠れてて。危ないから外に出ないように」

幸子「う、運転手さん…?」

コブラ型「…ジャマダ」

スパイダー型「ドケ、ニンゲン」

運転手「そういう訳には、いかないな」

進ノ介「市民を守るのが、警察官の使命なんでね」

進ノ介「やっぱり出てきたな番号無し(ノットナンバー)。狙いは輿水幸子。もう間違いないな」

ベルトさん『どうやら決まりだね。進ノ介。相手はまだ未知の能力を持っている。十分注意したまえ』

進ノ介「了解。それじゃあ行くぜベルトさん!」

ベルトさん『OK! Start Your Engines!』

進ノ介「変身っ!」 ドライブ! タイプスピード!

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チェイス「前川を、どうした」

バット型「…」

チェイス「問答無用か。いいだろう」シグナルバイク ライダー!

チェイス「変身」チェイサー!

バット型「カメンライダー…ジャマモノハ、ハイジョスル!」

チェイサー「むんっ!」ドガッ

バット型「グアッ!」

チェイサー「もう一度聞くぞ。前川を、どうした」シンゴウアックス!

バット型「グオオーッ!」

チェイサー「聞く耳持たず、か。仕方ない」

今日も仕事だ寝る

ロイミュ組のまったり飯SSまた書きたい

チェイサー「むんっ!」ザシュッ

バット型「ガアッ!」

チェイサー「終わりだ」ヒッサツ!

バット型「グ…ッ」

チェイサー「…」マッテローヨ マッテローヨ

バット型「…ナン、ダト?」

チェイサー「…」イッテイーヨ!

チェイサー「ハァッ!」フルスロットル! ブォンッ!!

バット型「グヲアアアッ!!」ドォーン!

チェイサー(おかしい…。前の奴もそうだったが手応えが無さ過ぎる。こいつらは一体…)

チェイサー「いかん、今は前川を探さねば」

?「サガシテイルノハ、コノムスメカ?」スッ

チェイサー「っ!」

みく.「チェイスチャン…ごめんニャ…」

スパイダー型「ウゴカナイデモラオウカ、シニガミ」

チェイサー「前川…」

スパイダー型「サァ、ヘンシンヲトイテモラオウカ」

チェイサー「…仕方ない」シュゥン

チェイス「これでいいだろう。前川を放せ」

スパイダー型「イイダロウ」

スパイダー型「タダシ、ソノベルトブレイクガンナートヒキカエダ」

チェイス(用心深い奴だ…だが、ここは前川の身の安全が最優先だ)スッ

チェイス「わかった。言う通りにしよう」ポイッ カチャンッ

みく.「チェイスチャン…」

チェイス「さあ、前川を放せ」

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ドライブ「2対1か…。でもコイツら何か弱くないか?ベルトさん」

ベルトさん『油断は禁物だ進ノ介。一気に勝負をかけよう』

ドライブ「了解。なら、コレだな」ファイア オールエンジンッ

ドライブ! タイプトライドロン!

コブラ型「ムスメヲワタセ!」

ドライブ「そう言われて素直に渡す警察官がいるかっての!」ドガッ

スパイダー型「メザワリナ…カメンライダー!」

ベルトさん『何を企んでいるか聞きだしてみようとも思ったが、どうやらこのロイミュード達は能力も知能も随分劣化してしまっているようだね』

ドライブ「そうみたいだな。じゃあ、このまま倒しちまうぜ」カモン! ソーラー!ウィンター!コマーシャル!

ベルトさん『ああ、長引かせては彼女達の仕事に支障が出てしまうからね』タイヤカキマゼール! ウェザーリポート!

ドライブ「いくぜっ!」ヒッサーツ! 

スパイダー型「ムッ…!?アシガ、コオッテ…」

コブラ型「ウ、ウゴケン…!」

ドライブ「ハァーーッ!!」フルスロットル! ウェザーリポート!

スパイダー型「ガァァアッ!」ドォーン!

コブラ型「グアアッ!」ドォーン!

ベルトさん『nice drive !」

ドライブ「ふぅ…」

進ノ介「もう大丈夫だ。怪我はないか?」

凛「う、ぅん。私は大丈夫だけど…、って、あれ…?」

ベルトさん『進ノ介。輿水幸子がいないぞ!』

凛「えっ、嘘…!さっきまで隣にいた筈なのに」

進ノ介「もう1人の娘も居なくなってる…いつの間に」

凛「ど、どういう事?幸子も芳乃も一体…」

ベルトさん『進ノ介、これはまさか…』

進ノ介「ああ、ちょっとヤバい事になってるな…」

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ちひろ「はい、はい…えっ、幸子ちゃんだけじゃなくて芳乃ちゃんまで?…はいそうなんです。こっちもみくちゃんが…!」

みく「んっ?みくがどうかしたかにゃ?」ガチャッ

芳乃「呼びましたのでー?」

ちひろ「…え?」

モバP「どうかしたんですかちひろさん。受話器片手に鳩がオレンジスパーキングされたような顔して」

ちひろ「え…みくちゃん?ぶ、無事なんですか?」

みく「何のことにゃ?あ、無事と言えばちひろさん、みくのケータイ知らにゃい?さっきから見当たらないのにゃ」

モバP「俺は芳乃とさっきからみくのケータイ捜索につき合わされてるって訳です。これがホントのケータイ捜査官…ンフッ」

芳乃「そなたー、ちょっと古いのですー」

ちひろ「よ、芳乃ちゃんは今日はインタビューで凛ちゃん達と出かけたんじゃあ…」

芳乃「ほー?それならば先ほど延期になったとー」

モバP「ええ、電話を貰いまして。急に暇になったので」

ちひろ「じゃ、じゃあ…今頃…」

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チェイス「ぐっ…あ…」

みく.「ごめんニャ、チェイスチャン。でもチェイスチャンも悪いのニャ」

みく.「だって、プロデューサーなのに自分のアイドルの区別もつかないんだもんニャア」

チェイス「ぐっ…、お前は…」

みく.「幸子チャンも確保出来た事だし、このまま眠っていてもらうニャ」シュゥゥン

ロイミュード---「ゆっくりお休み。プロデューサーさん」チャキッ

よし寝る。今日はオフだからだらだら書くつもりでごぜーますよ
本物の芳乃だったらロイミュードは遭遇することすら出来ないよなぁ…

カクサーン!

ロイミュード---「っ!?」ドガガガッ

ロイミュード「チッ…、とんだ邪魔が入ったか」

?「悪かったなぁ。正直ソイツを助ける気なんか無ぇんだけどよ」

マッハ「今、ソイツに死なれると悲しむ娘達がいるんでねっ!」バシュッ

ロイミュード---「くっ…!ここは任せるぞ」

スパイダー型「リョウカイ」

マッハ「逃がすかよっ!」

スパイダー型「オマエマアイテハ、コッチダ」ブォンッ

マッハ「おっと…!ったく、面倒臭ぇなぁ!」ゼンリンッ!

マッハ「おらぁっ!」バキィッ!

スパイダー型「グアッ!」

マッハ「弱っ…。進兄さんの言ってた通りだなコイツら。なら、マッハで決めるぜ!」ヒッサツ! フルスロットル!

マッハ「ッリャアーーッ!!」マッハ!

スパイダー型「グワアアッ!!」ドォーン!

マッハ「ふぅ、良い画…って言ってる場合か」シュゥンッ オツカーレ

剛「おい、生きてるか?」

チェイス「むぅ…、剛か…。ヤツは、どうした」

剛「あー、ザコが邪魔で逃げられちまった。ったく…オマエがマヌケな手に引っかかるからこんな面倒な事になるんだろうが」

チェイス「すまん」

剛「もう後は俺と進兄さんに任せて引っ込んでな。マッハドライバーもブレイクガンナーも奪わちまって役立たずだもんな」

チェイス「そういう訳にはいかん。ヤツは、輿水を確保したと言った。捨て置けん」

剛「」イラッ

チェイス「いざとなればプロトゼロの姿でも戦える。俺は…っ!」バキィッ

剛「調子のんな。そんなボロッボロのクセに」

剛「その幸子ちゃんってのはロイミュードをめっちゃ恐がってんだろ?そんな娘をバケモノ姿で助けるって?だからオマエは所詮機械人形だっつーんだよ」

チェイス「剛…」

剛「オマエはここで大人しくプロデューサーさんやってろ。幸子ちゃんは俺達が助けてきてやるよ」

チェイス「…」

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幸子「…ん、…あれ、ここは…?」

芳乃?「おや、目がさめましてー」

幸子「芳乃、さん…?えっ、あれ?確かボク達はお仕事に行く途中で、車に乗ってて…」

芳乃?「途中で、ロイミュードに襲われましてー」シュウウ

コブラ型「コンナスガタノ、バケモノニ」

幸子「ひぃっ!」

ロイミュード---「良い反応をしてくれるな。やはり見込み通りだよ、君は」

幸子「ろ、ロイミュードが、もう1匹…」

ロイミュード---「なに、別に命を貰おうという訳じゃない」

ロイミュード---「君のその「恐怖心」。俺が進化する為の贄にさせてもらおうというだけさ」ククッ

幸子「ふ、フフーン!そうは問屋が卸しませんよ!きっとすぐにプロデューサーさんが…」

ロイミュード---「ほぅ?かつて自分を危機に晒した怪物に助けを求めるのか?」

幸子「…っ!」

ロイミュード---「それに、そのプロデューサーも戦う術はもう無いだろうしな」チャキッ

幸子「そ、それは…プロデューサーさんの…!」

ロイミュード---「変身する手段も無く、あれだけ痛めつけておいた事だ。到底ここまでは来れまい」

ロイミュード---「残る邪魔者は後2人の仮面ライダー…尤も、人質がいる以上迂闊な真似は出来ないだろうがな」クックッ

幸子(…プロデューサーさんごめんなさい…、ボクは…)

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チェイス「…」ボロッ

ちひろ「チェイスさんっ!?」

みく「ちょっ、凄い怪我にゃあ!」

チェイス「前川、本物か…無事で何よりだ」

みく「チェイスチャンが全然無事じゃないにゃあ!こ、こんなときこそいつものあのミニカー使うにゃっ!」

チェイス「大丈夫だ。それより…輿水は」

ちひろ「…ええ、ロイミュードに攫われてしまったようです」

チェイス「そうか…すまん」

みく「チェイスチャンのせいじゃないにゃ!と、とにかくこの怪我を何とかするにゃっ!」

ちひろ「凛ちゃんは泊さんが無事に保護して下さいました。今はもう事務所に戻ってきていますよ」

チェイス「進ノ介と剛に助けられたな…それに引き換え、俺は…」

ちひろ「…ベルトを奪われてしまった事も聞いています。とにかく、今は休んでください」

ちひろ「みくちゃん、悪いんだけどチェイスさんを医務室に連れていってあげて?」

みく「任せるにゃっ!」

チェイス「…」

みく「にゃっ、どうしたにゃ。痛むのかにゃ?」

チェイス「いや、何でもない」

チェイス(考えれば電話の時点で違和感はあった…気付くことが出来なかったのは、やはり俺がロイミュードだからなのだろうか…)

チェイス(プロデューサー失格だな、俺は)

休みだからのんびり書こうと思ったら日中爆睡してた・・・疲れてるのかな、憑かれてるのかな…
ダラダラやりたくないしそろそろ完結させられるよう頑張るトカ
でも寝る

みく「ホントに大丈夫?病院いったほうがいいにゃ」

チェイス「大丈夫だ。心配させてすまない」

チェイス「前川はそろそろ収録の時間だろう。輿水の事は進ノ介達に任せて自分の勤めを果たしてくるといい」

みく「でも…」

凛「みく、プロデューサーの事は後は私が見ておくから、いってきなよ」ガチャ

みく「凛チャン。無事だったのにゃ?」

凛「プロデューサーの仲間のお陰でね。心配なのは分かるけどさ、私達に出来る事なんて無いんだし、今はやらなきゃいけない事をやろうよ」

みく「…わかったにゃ。色々モヤモヤするけど、お仕事で発散してくるにゃ!」

チェイス「ああ、頑張ってくるといい」

みく「じゃあいってくるにゃ!凛チャン、チェイスチャンを頼むにゃ!」タッタッ

凛「うん、いってらっしゃい」

凛「…ボロボロだね」

チェイス「不覚を取った」

チェイス「プロデューサーでありながら、自分の担当するアイドルに化けた敵を見抜けないとは」

凛「そんなのプロデューサーじゃなくても、多分私達だってわかんないよ。それにプロデューサーはまだみんなと出会ったばっかりなんだし」

チェイス「そういうものか」

凛「そういうものだよ。だからあんまり落ち込まないでいいと思うよ」

チェイス「俺は、落ち込んでいるのか」

凛「…いっつも無表情だから分かりにくいけど何となくそう思ったから…違った?」

チェイス「いや、そうなのかもしれんな…」

凛「…」

チェイス「…」

凛「ねえ、幸子のこと助けにいかないの?」

チェイス「進ノ介と剛が向かっている」

凛「そうじゃなくて、プロデューサーはここで待ってるだけ?」

チェイス「俺は、戦う術を失ってしまった。それに…」

-剛「その幸子ちゃんってのはロイミュードをめっちゃ恐がってんだろ?そんな娘をバケモノ姿で助けるって?だからオマエは所詮機械人形だっつーんだよ」
-

チェイス「俺には、輿水を助けに行く資格が無い」

チェイス「プログラムを書き換えられていたとは言え、俺が過去に街を破壊し、人々を傷つけた事には変わりない」

チェイス「輿水の中にも、未だにロイミュードへの恐怖心が刻み付けられたままだ。そんな輿水を、彼女にロイミュードへの恐怖心を植え付けた張本人である俺が何をしてやれるのだろうか」

凛「…」

チェイス「機械の人形は、やはり人と心を通わせる事などできないのだろ…」

凛「ゴチャゴチャうるさいよ」ベシッ

チェイス「…痛いぞ渋谷」

凛「叩いたからね」

チェイス(怪我人なのだが…)

凛「プロデューサーの過去はよく知らないけど、過去は過去でしょ?そりゃ昔やったことは今更無かったことには出来ないけどさ」

凛「プロデューサーは今は私達のプロデューサーじゃない。プロデューサーがアイドルを助けるために資格なんているの?」

凛「プロデューサーだから。もし資格が必要だっていうなら、それだけで十分だと思うけど。違う?」

チェイス「渋谷…」

凛「恐がらせちゃった人が助けちゃいけないルールなんていうのは、どこにも無いんだよ。プロデューサーはどうしたいの?」

凛「このまま事務所でお留守番?それとも…」

チェイス「俺は…」

チェイス「…すまん渋谷。少し外回りに行って来る」

凛「ん、ちひろさんには私から伝えておくよ」

チェイス「…感謝する」

凛「いいよ。お土産期待してるね」

チェイス「ああ。最高の土産を連れて帰ってこよう」ガチャッ タッタッタッ…

凛「…ああして、生真面目なのが良い所なんだろうけど」

凛「少しは頼ってくれていいんだからね、プロデューサー?」


チェイス(むぅ…ライドチェイサーが見当たらない…剛め、ライドクロッサーを使っているな…」 プップー

?「よぅ、どこに行くんだ?」

チェイス「お前は…」

進ノ介「行き先は同じだろ。乗っていくか?」

チェイス「お前達は剛と共に輿水のところに向かったのでは無いのか?」

ベルトさん『誰かさんが「アイツは絶対自分で助けにいくつもりだ』と言って聞かなくてね。ここで待っていたら案の定という訳だよ』

進ノ介「プロデューサーだもんな、チェイスは」

チェイス「適わんな…」

ベルトさん『輿水幸子の居場所はチェイスが事前に手渡していたシフトカーによって判明している。剛は既に到着したようだが敵の大群に阻まれてしまっているようだね』

進ノ介「大群って…ロイミュードは108体しかいない筈だろ」

チェイス「ヤツは、おそらくロイミュードではない」

進ノ介「はぁ?どういう事だ?」

ベルトさん『私も同意見だ。そもそもナンバーを持たないロイミュードなどありえない。チェイス、プロトゼロでも000という番号をつけている』

進ノ介「じゃあアレは?以前みたいに未来から来たロイミュードとか…」

ベルトさん『可能性は0では無いが、恐らくその線は無いだろう。あの事件でこの時代にやってきたロイミュードは全て撃退している』

チェイス「あのロイミュード達は、おそらく元となる1体から分裂、増殖したものだ」

ベルトさん『だろうね。そう考えると著しい能力と知能の劣化も納得がいく』

進ノ介「…繋がった。もし、そのロイミュードもどき…番号無し(ノットナンバー)がロイミュードと同じ能力を持っているとしたら、輿水幸子を狙った理由は…」

ベルトさん『進化体…もしくは、超進化体にすらなれるかもしれないね。自己増殖能力を持つ進化体、考えたくも無い事態だ』

チェイス「急いでくれ進ノ介」

進ノ介「ああ。…でも、制限速度は破れないからな」

チェイス「もどかしいな…」

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ちひろ「あんなボロボロの体で行ったんですか?はぁ、本当にもう…」

凛「やっぱり止めた方がよかった?」

ちひろ「…いいえ、どの道飛び出して行ったでしょうし。泊さん達もいますからきっと大丈夫ですよ」

芳乃「…むー?」

李衣菜「ん?どうしたの芳乃」

芳乃「よからぬ気がー、近づいてきているのでしてー」バァンッ!

菜々「たっ、たたた大変ですっ!」

みく「うわビックリしたにゃ!どうしたのにゃ、ウサミン星にオルフェノクかにゃ?」

菜々「違いますよっ!ライダー怪人は主に千葉ではなく埼玉に…ってそれどころじゃありません!」

菜々「ロイミュードです!ロイミュードの大群が事務所に向かって来てるんですっ!」

ちひろ「っ!?」

みく「うにゃっ!な、何で346プロが狙われるのにゃっ!」

芳乃「人質ー、でしょうかー?」

李衣菜「ちょっ、どうするのさ!プロデューサーもいないのに!」

凛「落ち着きなって…、でもどうしよう。警察に連絡すれば…」チュドーン!

みく「ひゃあ!攻撃されたにゃっ!?」

ちひろ「ちょっと待って下さい。今外の防犯カメラの映像を…って」

凛「…え?」

李衣菜「こ、これって…」


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マッハ「ぐぇっ!」ドシャッ

マッハ「チクショウ、雑魚のクセに数多すぎてキリがねぇ!」

マッハ「こうなったらデッドヒートで一気に…」

進ノ介「剛っ!」キキーッ!

マッハ「進兄さん!…って、ソイツも一緒かよ」

チェイス「無事か、剛」

マッハ「ズタボロの役立たずに心配されるいわれはねぇよ。何しにきやがった」

チェイス「自分のアイドルを助けに来てはいけないのか?」

進ノ介「チェイス…」

マッハ「…ああ、そーかい。幸子ちゃんはあそこの廃倉庫の中だ。その前に、このウジャウジャと鬱陶しいやつらを何とかしないとなぁ」

コブラ型「…」

バット型「…」

スパイダー型「…」

マッハ「もう何体ブッ壊したか覚えてねぇよ。ライドクロッサーも酷使しすぎてオシャカになっちまったし」

進ノ介「確かに、これはちょっと骨が折れそうだな…」

チェイス「強行突破、といくには無謀な数だな」

?「なら、もう少し人手が必要だろう?」

進ノ介「…っ!お前…」

寝る。ようやくクライマックス。木曜ぐらいに終わらせられればいいな…

ダラダラ長引いてごめんなさだが私は謝らないごめんなさい

チェイス「お前達…何故ここに?」

ハート「決まっているだろう。あの無粋な連中を野放しにしてはおけないからな」

ブレン「何者かは知りませんが我々の姿と力を使ってこうも好き勝手をされるとは、不愉快で悪趣味で腹立たしい」

メディック「そういう訳ですので、ここは取りあえず手を組みませんこと?お互い目的は同じなようですし」

マッハ「ハッ!だーれがオマエらロイミュードなんざと」

進ノ介「分かった。手を借りよう」

マッハ「ちょちょっ、進兄さんっ!?」

進ノ介「今は幸子ちゃんを助けるのが第一だ。それに、アイツらを野放しにして困るのは実際ハート達も同じだろうしな」

ハート「話が早くて助かる。…そういう訳だ。露払いは俺たちが受け持とう。お前はお前のやるべき事を果たせ、チェイス」

チェイス「ハート…」

進ノ介「よし…。剛、ここはお前とハート達に任せるぞ。俺とチェイスはこのまま突入する」

マッハ「ちょっ!俺コイツらと共闘なのっ!?」

チェイス「すまない。ここは任せた」

ハート「ああ、任されよう」

ハート「その代わりに、だ。チェイス」

ハート「この件が片付いたら、島村卯月のサインを頼む」

チェイス「」

進ノ介「」

マッハ「」

ブレン「ちょっとハート!こんなときに何を…」

メディック「私は未央ちゃんのサインをお願いしますわ」

ブレン「メディックまで…!」

ブレン「…コホン、凛ちゃんのもお願いしますよ、チェイス」

チェイス「あ、あぁ…分かった。約束しよう」

マッハ(もうヤダこの機械人形共…)

ハート「さぁ、この無粋極まりない紛い者達を一掃するぞ、ブレン、メディック!」

ブレン「仰せのままに、ハート」

メディック「一匹残らず叩き壊してあげますわ」

マッハ「今更格好つけられてもなぁ…」

進ノ介「よし、ここは剛とハート達に任せて行くぞチェイス!」

チェイス「ああ」

チェイス(大きな借りが出来てしまったなハート…。ライブチケットも付けておくとしよう)


チェイス「輿水!」バァンッ!

幸子「っ!ぷ、プロデューサーさんっ?」

進ノ介「よかった、無事みたいだな…」

ベルトさん『そして、アレが番号なし(ノットナンバー)の本体、と言う訳だね』

ロイミュード---「ようこそ。外にそれなりの数を揃えておいたつもりなんだが…やはり邪魔に入ったか、ロイミュード共が」

チェイス「その口振り。やはりお前はロイミュードでは無いのだな」

ロイミュード---「半分正解、半分不正解ってところかな」

ロイミュード「今の俺の姿形を築いているのは正真正銘、ロイミュードのものさ」

ベルトさん『つまり、その根源は全く別のモノという訳か』

ロイミュード---「都合が良かったよ。ロイミュードの力は。特に、この人間の感情に共鳴して進化するという特性はなぁ」バシュッ

幸子「ひゃあっ!」

チェイス「輿水っ!」

幸子「あっ…あぁ…」ガタガタ

ロイミュード---「安心しろよ。当ててはいないさ」クックッ

進ノ介「ふざけるなっ!か弱い女の子をいたぶるのがお前の目的かっ!?」

ロイミュード---「あいにく、そう云う趣味は無いな。だが…」ズォォォ

コブラ型「…」

チェイス「っ!」

ベルトさん『増殖した…そうか、ヤツは輿水幸子の恐怖心に共鳴しているのか』

進ノ介「…そう言う事か」

ロイミュード---「この娘のロイミュードへの恐怖はとても強く、根深いものだった」

ロイミュード---「…当時の俺は戦いに敗れ、今にも消滅しようとしていた。だが、そんな死の恐怖に怯えながら彷徨っていた俺が偶然見つけたのが、この娘だ」

ロイミュード---「この娘の恐怖を元に、俺は破壊されたロイミュードの破損データを密かに拾い集め、こうしてようやく実体を持つ事が出来た」

進ノ介「…今まで倒してきたロイミュード達のデータを寄せ集めたのがお前だっていうのか」

ベルトさん『通りでナンバーも無く自己増殖などというロイミュードには在りえない力がある訳だ。そもそも彼はロイミュードとは全く異なる存在なのだからな』

ロイミュード---「さあ、身の上話はおしまいだ」

進ノ介「お前の思い通りになんかさせるかっ!」チャキッ

ロイミュード---「勇ましいな。だが、人質の存在は忘れていないだろう?」グイッ

幸子「あぅっ…!」

進ノ介「くっ…」

ロイミュード---「それに、今頃は事務所のほうも大変だと思うが?プロデューサーさん」ククッ

チェイス「何…だと?」

ロイミュード---「正直あれだけ痛めつけた上にベルトも奪われた身でノコノコとやってくるとは思わなかったんでね。念のため、君の事務所にもそれなりの数の分裂体を向かわせて貰ったよ」

幸子「…っ!?」

チェイス「貴様…」

進ノ介「やめろっ!346プロの皆は関係無いだろ!」

ロイミュード---「良い顔だ。折角だから見物していくといい」ブォンッ

進ノ介「っ!宙に映像が…」

チェイス「あれは…346プロのビルだ」

ベルトさん『むぅ…既に多数のロイミュードに包囲されてしまっているようだ』

幸子「そ、そんな…みんなまで…」

ロイミュード---「ハッハッハッ、どうだ?何も出来ず、何も守れず大切なものが壊されていく様を見ている事しか出来ない気分というのは」

ロイミュード---「忌々しいライダーのその表情で少しは溜飲も下るというものだ。いずれ、「あの男」にも同じ顔をさせてやる」クックッ

チェイス「…む?」

幸子「…あ」

進ノ介「…へ?」

ロイミュード---「…何だ?そろいもそろって間抜けな顔を…」

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有香「せいっ!」ドスッ!

コブラ型「グハッ!」

真奈美「シッ!」バキッ!

スパイダー型「ガッ!」

時子「頭が高いのよこの鉄屑っ!」ビシッ

バット型「アリガトウゴザイマスッ!」

翠「はっ!」オメガストライクッ バシュッ

コブラ型「ギャア!」

早苗「シメる」メキメキッ

バット型「イダダダダダッ!」

智絵里「え、えいっ!」ザシュッ!

コブラ型「テンシッ!」

あやめ「ニンッ!」ニンジャイッセン!

スパイダー型「サクヒンガチガウッ!」

晶葉「出来たぞ!ロイミュードもどきが爆発するスイッチだ!」カチッ

コブラ型「リフジンダッ!!」チュドーン!

珠美「では珠美も…いざっ!」

加蓮「私もイケそうな気がするっ!」

奈緒「お前らはやめとけ!」ガシッ

-----------------------------------------

ロイミュード---「な、何なんだあの事務所はっ!!」

チェイス「アイドルだからな」

進ノ介「最近のアイドルって凄いんだなベルトさん」

ベルトさん『完全に理解の範疇を超えてしまっているよ…』

チェイス「だが、あの様子なら事務所は大丈夫だな」

進ノ介「増殖しすぎたって事か。数は増やせても増やし多分だけ劣化も進むみたいだな」

ロイミュード---「チッ…!だがこちらにはまだこの娘がいる。さぁやれ!」

コブラ型「リョウカイ」バッ

進ノ介「うわっ!」ドガッ

チェイス「進ノ介!」

ベルトさん「いかん、早く変身だ進ノ介!」

進ノ介「ああ…行くぜベルトさ…っ!?」ズキッ

進ノ介(しまった、今ので腕を…!)

コブラ型「マズハ、ヒトリ…!」

チェイス「そうはさせるか…っ!」

ロイミュード---「それはこちらのセリフだ!」バシュッ

チェイス「む、ぐっ…!」

コブラ型「…」ブォンッ

進ノ介「くっ…!」

ベルトさん『進ノ介っ!』

チェイス「進ノ介っ!おのれ…!」

ロイミュード---「行かせるか。仲間の死に際をそこで見ていろ!」バシュッバシュッ

コブラ型「オワリダ…ムゥッ!?」ガッ

進ノ介「…な、何だ?」

チェイス「ロイミュードが、いきなり吹き飛んだ、だと…?」

コブラ型「ナ、ナンダ…コレハ…ウォォッ!」バリィィンッ

ベルトさん『な、何だったのだ今のは…。まるで見えない何かに連れて行かれたような…』

チェイス「よく分からんが、これでもう残るは1体…だな」

ロイミュード---「ちぃっ…!」

幸子「ぷ、プロデューサーさん…」

チェイス「もう少し待っていてくれ。すぐに、助ける」

------------------------------------------

コブラ型「グアッ!」ドサッ

コブラ型「ナ、ナンナノダ、イッタイ…」

?「悪いけど、あの人達の邪魔はさせないよ」ユラァ…

?「眼魂を拾ってくれた恩もあるしね。お前の相手は、僕がする」

コブラ型「キサマ…ナニモノダッ!」

ゴースト「ゴースト。仮面ライダーゴースト」

コブラ型「カメン、ライダー…オノレ、マタシテモジャマヲスルノカ、カメンライダー!!」

ゴースト「命、燃やすぜ!」レッツゴー! カクゴ! ゴ・ゴ・ゴ! ゴースト!

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チェイス「輿水を放せ。残っているのはお前だけだ」

進ノ介「外の分裂体も数が多いだけだ。そのうち剛やハート達もここに来る。チェックメイトだ、番号なし(ノットナンバー)!」

よし寝る。今日中に完結出来ればいいなぁ…
ゴーストは何故か事務所にいたから、つい。ぴにゃこら魂開眼…は、どうだろう?

ロイミュード---「チッ…、だがこちらに人質が居ることを忘れているのか?それに、その傷では戦うことはおろか、変身することもままならないだろう」

進ノ介「くっ…!」

ロイミュード---「それとも、ロイミュードを恐れて仕方の無いこの娘の前で、醜い本性を晒すか?プロデューサー。…いや、プロトゼロ」

チェイス「…」ザッ

ロイミュード「…ほぅ?戦う気か」

幸子「プロ、デューサーさん…」

チェイス「輿水。確かに俺はロイミュード、人間ではない。過去にこの手で多くの人間を傷つけたのも事実だ」

進ノ介「チェイス…」

チェイス「今更俺が何をしようと過去は変えられない。だが、それでも。こんな俺にでもお前たちの今と、未来を守る事は出来ないだろうか」

チェイス「俺のことが恐くても構わない。分かり合えなくても構わない」

チェイス「だが…それでも、もし許されるのなら。お前の未来を、夢を守らせてくれないか、輿水」

幸子「…っ」

ベルトさん『チェイス、君は…』

幸子「…ですか、それ」

チェイス「輿水…?」

幸子「なんですかそれ!何で何もかも自分が悪いなんて言うんですか!」

幸子「助けてくれたのにお礼も言わずに避けてばっかりで…、そんなボクの為に、こんなボロボロになってまで…プロデューサーは悪くないじゃないですか!どうして何もかも全部自分のせいみたいに言うんですか!」

チェイス「いや、事実俺が…」

幸子「ボクが喋ってるんですっ!黙って聞いててください!」

チェイス「…すまん」

進ノ介(恐っ…)

幸子「本当は全部分かってたんです。プロデューサーにも事情があったって事ぐらい。それなのに一方的に怯えてばかりで、プロデューサーの事も考えず自分のことばっかり…」ポロ…

幸子「ごめんなさい…プロデューサーさんごめんなさい…」ボロボロ…

チェイス「輿水…」

ロイミュード---「ふざけるな!ヤツは君を恐怖に陥れた張本人だぞ!許せるのか?人ですらないバケモノをっ」

幸子「…違いますよ」グスッ

幸子「バケモノなんかじゃありません!あの人は…チェイスさんはボクのプロデューサーさんですっ!」

ロイミュード---「恐怖心が失われていく…まさか、こんな事が…ぐぉっ!?」ブォォンッ!

ロイミュード---「シフトカーだと!?隠し持っていたのか…!」

チェイス「輿水、今だ!」

幸子「…っ!」ダダッ

ロイミュード「行かせるものかっ!」

進ノ介「させるかっ!」ダンッ!

ロイミュード---「チィッ…!」

幸子「プロデューサーさんっ!」ガバッ

チェイス「輿水…遅れてすまない。…随分恐がらせてしまったな」

幸子「ぐすっ…、もう、いいです。…その代わりちゃんと言ったことには責任取ってくださいね?」

チェイス「む?」

幸子「守ってください。ボクの「今」も、みんなの「未来」も。仮面ライダーのプロデューサーさん?」ニコッ

チェイス「…ああ。任せろ」

ロイミュード---「おのれ…っ!ならばお前達を始末して、今度は俺自身が恐怖を植えつけてくれる!」

チェイス「させると思うか」

進ノ介「チェイス、これを」スッ

チェイス「…進ノ介、これは」

進ノ介「大切な娘の為に戦うんだ、プロトゼロの姿より「そっち」の方が気分が出るだろ?」

ベルトさん『やれやれ…だが、確かにこの状況ではこれが最良かもしれないね』

チェイス「わかった。輿水を頼むぞ」

進ノ介「ああ。さぁ、こっちに。後はチェイスに任せよう」

幸子「は、はいっ。…プロデューサーっ!」

チェイス「なんだ」

幸子「やっつけちゃってください!」

チェイス「…ああ!」

チェイス「クリム…今一度、力を貸してくれ」

ベルトさん『勿論だとも。再び共に走ろう!』

ベルトさん『Restart Your Engines!』

チェイス「…変身!」

ドライブ! タイプスピード!

幸子「あ、あれは…?」

進ノ介「あれこそ、かつてグローバルフリーズから世界を守った初代ドライブ」

進ノ介「そして、死神になる前のチェイスの本来の姿だ」

幸子「あれが、本当のプロデューサーさん…」

ベルトさん『久しぶりの運転だ。準備はいいかな?チェイス。いや…プロトドライブ!』

プロトドライブ「ああ、ひとっ走り付き合ってもらうぞ」

ロイミュード---「旧式を今更引きずり出したところで!」バシュッ

プロトドライブ「むんっ!」ガキンッ!

ロイミュード゙---「なっ…」

ベルトさん『私もチェイスも、グローバルフリーズの頃とは違うんだ。プロトタイプと甘く見ていたら大火傷するよ』

プロトドライブ「行くぞ…!」スピ! スピ! スピード!

プロトドライブ「はぁぁっ!」ガガガガッ!

ロイミュード---「ぐぅぅっ…!何なのだ、この力は…!」

ベルトさん『私もチェイスもあれから多くの戦闘データを得ている。特にチェイスはずっと仮面ライダーとして、死神として戦い続けてきたんだ』

ベルトさん『寄せ集めの君とは、経験と年季が違うというものだよ』

ロイミュード---「おのれ…たかが機械の人形如きがぁ!」

プロトドライブ「確かに俺は機械人形だ。だが…」ガッ

プロトドライブ「機械人形が人間を守ってはならないというルールは無い」

プロトドライブ「ましてアイドルを守る理由など、プロデューサーというだけで十分らしい」バキッ

ロイミュード---「ぐっ…!寝言をほざくな!またしても邪魔をするのか…立ち塞がるのか、仮面ライダー!」ヨロッ…

プロトドライブ「これは返してもらうぞ」ガン バシュッ!

ロイミュード---「ぐあっ!」

ベルトさん『さぁ、フィニッシュだ』!

ロイミュード---「おのれ、またしても…またしても…!」

プロトドライブ「はぁぁぁ…」ヒッサーツ! フルスロットル! スピード! チューン チェイサー バット エグゼキューション バット

ロイミュード---「また敗れるのか…この俺が、ワタシガ…黄金の果実でアルワタシガ…!」

-言った筈だぞ。お前なんか只の金メッキだってな-

ロイミュード---「オノレ…ッ!オノレオノレオノレェェ!!」

プロトドライブ「ハァーーッ!!」

ロイミュード「グワァァアアァァ!!」ドォーン

進ノ介「やった…!」

幸子「…凄い」

ベルトさん『nice drive !』

プロトドライブ「終わったな…」シュゥウン

ベルトさん『ああ、本体が倒された以上、増殖体も長くは体を維持出来まい』

進ノ介「ベルトさんっ!チェイス!」

幸子「プロデューサーさんっ!」

チェイス「事件解決、だな」

進ノ介(番号なし(ノットナンバー)が倒された影響か、ベルトさんの予測通り他の増殖体達もあの後直ぐに自然に消滅。346プロダクションもほとんど被害らしい被害も無く奇跡的に怪我人1人出ることなくこの事件は幕を下ろした)

進ノ介(結局あの番号なし(ロイミュード)が何者だったのか、今では確かめる術も無い。ベルトさんは物凄く興味津々だったようでしばらく唸っていたけど)

進ノ介(そして、潜入捜査の必要も無くなった今、チェイスは…)

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みく「ゼェ…ゼェ…ちょ、ちょっとタンマ、タンマにゃ…」

凛「はぁ、はぁ…」

幸子「な、何なんですか…最近レッスンが凄くハードになってません…?」グデッ

チェイス「当然だろう。年末のドームライブまであまり時間が無いのだからな」

チェイス「大きな舞台に立つには、相応の努力と丹念を積むのがアイドルのルールだろう」

チェイス「さぁ、もう一度頭から通してやり直しだ。今日中にステップを揃えて貰うぞ」

ベテトレ(私の仕事が無い)

幸子「えぇ~っ!また最初からですかぁ!?」

凛「流石に…そろそろキツいんだけど…」

みく「うぅ~…、鬼っ!死神っ!魔進チェイサー!」

チェイス「お前達3人は特にドームライブで特別ユニットを組むのだ。まだまだレッスンの時間が足りないぐらいだ」

チェイス「安心しろ。マッドドクターは借りてきてある」チャキッ

みく「いやいや、それバリバリされちゃ駄目なヤツにゃ!?」

凛(…正直、事件解決した後も引継ぎが終わるまで居てくれるって聞いたときは嬉しかったけどさ…)

幸子(ベテトレさんが天使に思えます…)

ベテトレ(おうち帰ってもいいかな)

チェイス「…ならば、少し休憩としよう。しっかり水分を取っておくといい」

みく「ぷは~っ、助かったにゃあ!」

凛「本当だよ…。ねぇ、最近プロデューサーなんか妙に張り切ってない?」

チェイス「そう見えるのか?」

幸子「って言うか、何か急いでいるように思えますけど」

チェイス「・・・そうかもしれんな」

チェイス「俺はもうじきこの事務所からいなくなる」

凛「あっ…」

みく「そう言えば、そうだったにゃ…」

幸子「すっかり馴染んじゃってましたから、忘れてましたね…」

チェイス「だからこそ、ここにいる内に出来る限りのことはしておこうと思っていたのだが…いつの間にか焦っていたのかもしれんな」

凛「本当、不器用だねプロデューサーって」

みく「ホントにゃ。それでみく達が倒れちゃったらどうするにゃ?」

チェイス「すまん」

幸子「大丈夫ですよ。他の2人はいざ知らずボクにかかればドームライブぐらい完璧にこなしてみせますよ」フフーン!

みく「みく達はいざ知らずってどういうことにゃあ!」

凛「まぁ、そういう事ならもうちょっとだけ頑張ろうか」

凛「プロデューサーが安心して辞められるようにしてあげないといけないしね」

チェイス「渋谷…」

みく「…仕方ないにゃあ。チェイスチャンを心残り無く送り出せるようにするためにも頑張らないとにゃ」

チェイス「前川…」

幸子「あ、そうだプロデューサーさん。1つ約束してもらえますか?」

チェイス「なんだ」

幸子「ボクたちのライブ絶対見に来てくださいね。本番でプロデューサーさんがビックリするようなステージを見せてあげますから!」

凛「ふふ、いいねそれ。じゃあ、私とも約束してもらおうかな」

みく「ならみくもにゃっ!」

チェイス「ああ、約束する。必ずお前たちのステージを見に行くと誓おう」

幸子「絶対ですからね?プロデューサーさんお金持ってなさそうですからチケットぐらいは仕方ないので送ってあげますから」

チェイス「そうか」

凛「フフッ…。さぁ、もう一頑張りしようか」

みく「それじゃあ再開するにゃっ、チェイスチャン、音楽お願いにゃ!」

チェイス「ああ」カチッ


マッテローヨ イキテローヨ  ソレチガウニャ!! ダイナシデスッ!

今夜中に完結させたかったけど無理だ寝る。芳乃の膝枕で寝たい…

---------------------------------------------------

コンコンッ

剛「やっ、久しぶり。調子はどう?」ガチャッ

凛「剛さん。久しぶりだね、どうしたの?」

剛「どうしたの、は酷いなぁ。君達の晴れ舞台を見に来たんじゃない。チケットくれたでしょ」

凛「冗談だよ。わざわざありがとうね」

剛「そろそろ君達だろ?ちひろさんに頼んで一言ぐらい応援の言葉でもかけようかと思ったんだけど…」

剛「やっぱお邪魔だったかな?」チラッ

みく「そ、そそそそそんなことないにゃっ。みくはバッチリいつでもオッケーにゃにゃにゃにゃにゃにゃ」ガチガチ

幸子「ソウデスヨ、セカイイチカワイイボクがコノテイドノステージデキンチョウスルワケガナイデショウ」ガタガタ

剛「おぉいっ!2人ともすんげぇ震えてるんだけど!?えっ何、マナーモード?」

凛「無理も無いよ。今日だけの特別ユニットとは言え、この3人で組んでステージに立つのは初めてなんだし」

剛「ま、そりゃそうか。…凛ちゃんは堂々としたもんだね。緊張してない?」

凛「まさか。私だって人並みには緊張してるよ」

剛「だよねぇ~よかった。頭に猫耳つけてるから方向性変えたのかと思ってたんだ」

みく「ああっ!そう言えばみくの猫耳が無いにゃあ!」

剛「今更っ?てっきり今日は前川さんで行くのかと思ってたよ?」

幸子「まったく、お2人とも情けないですねぇ。もう直ぐ本番なのにそんな調子で大丈夫なんですか?」

剛「うん、そういう幸子ちゃんこそ大丈夫?さっきからずっと白目剥いてるけど。ファンの前では絶対見せちゃダメな絵だよねコレ」

剛「様子見に来て正解だったわコレ。…そんな君達にお兄さんから良いものを貸してあげよう」スッ

みく「にゃにゃ?」

凛「あ…これって」

幸子「これ、プロデューサーさんの…」

剛「見覚えあるっしょ?お守り代わりって事で。あ、悪いけどステージ終わったらちゃんと返してね」

みく「シフトカー、だっけかにゃ?わぁい久しぶりにゃあマッドドクター。…みく2.3度コレにバリバリーッてやられたけどにゃあ」

幸子「これはプロデューサーさんがあの時変身する時に使った黒いシフトカー…」

凛「あれ、これだけ車じゃなくてバイクなんだね」

剛「ああ、ソレはちょっと特別でね。…どうしても今日、それを君達のところに持ってきたかったんだよ」

凛「フーン…、あ、よく見たらプロデューサーのバイクの形してる。凝ってるね」

みく「あ、ホントにゃ。よく出来てるにゃあ」

幸子「…あれ?剛さん、そう言えばプロデューサーさんはどうしたんです?一緒じゃないんですか?」

みく「言われてみればそうにゃ。まだ来てないの?」

剛「あー…アイツはちょっとここには顔出せなくてね。でもちゃんと今日のライブには来てるから安心しなよ」

幸子「当然ですよっ。何があっても必ず来るって約束したんですから。ねぇ?」

凛「そうだね。それにロイミュード事件も解決したんでしょ?プロデューサーも今では平和に過ごしてるんだろうし」

みく「もし忘れてたりしてたら思い切りバリバリ引っかいてやるにゃ!」

剛「懐かれてるねぇ~…ったく、あの無愛想のどこがいいんだか」ハァ

コンコンッ

ちひろ「みんな、そろそろ出番ですよ」ガチャッ

凛「うん、今行くよ」

幸子「剛さん、わざわざありがとうございます。ボク達の最高のステージ、しっかり見ていってくださいね」

みく「お陰で緊張ほぐれたにゃっ!」

剛「やっぱり緊張してたんじゃん」

みく「言葉のあやにゃあ!」

凛「フフッ。…じゃあ、いってくるね。このお守りありがたく借りておくよ」

幸子「さあ、お客さん達がボクという世界の太陽を待ちわびていますよっ!」

みく「ちょっと何言ってるのかわかんないんですけど」

ちひろ「…詩島さん、やっぱりチェイスさんは…」

剛「黙っていてあげてもらえます?多分、アイツもあの娘達を悲しませるのは嫌がるだろうし」

ちひろ「そう、ですね…不器用な人でしたけど、立派なプロデューサーさんでしたよ。チェイスさんは」

剛「ハハッ、いっぺんぐらいアイツのプロデューサー姿見てみりゃよかったなぁ」

ちひろ「そろそろ凛ちゃん達のステージが始まりますよ。是非見ていってあげてください」

剛「そりゃもちろん」

ちひろ「折角なら裏から間近でご覧になって行きますか?関係者としてお通ししますよ」

剛「いんや、遠慮しときますよ。折角あの娘達からチケット貰ってますから。ちゃんと客席から見せてもらいます、俺「達」は」

ちひろ「そう、ですね…。あ、もう時間になっちゃいますよ」

剛「おっと、遅れたらバリバリ引っかかれちまいそうだ。マッハで行ってきます!」タッタッ

ちひろ(チェイスさん…結局言えないままになってしまいましたね)

ちひろ(本当に、色々とありがとうございました。あなたが守ったあの娘達の笑顔は、今度は私達が守っていきます)

未央『さぁて、次はお待ちかね!今夜限りの特別ユニットの出番だよ~!準備はいいかーっ!』

卯月『それじゃあ、お願いしますっ凛ちゃんっ!みくちゃん!幸子ちゃん!』

ワーッ! マッテマシター! シブリンッシブリンッ! マエカワノファンニナリマスッ!

みく『おっ待たせにゃ~っ!』 

ミクニャンッ! ミクニャンッ! マエカワーッ!!

凛『もっともっと盛り上げていくよっ。ひとっ走り付き合ってくれる?』

シブリンッ!シブリンッ! ハシッテイーヨ!

幸子『フフーンッ!カワイイの代名詞、このボクの登場ですよっ!!』

サチコーッ!サッチー! ドヤガオイタダキマシタッ!


剛(よぉ、見えてるかチェイス。これがオマエの守ったステージなんだぜ)

剛(オマエが育てて導いた娘達の晴れ姿、良い画だぜ?ちゃんとプロデューサーやれてたんじゃねえかよ)

凛『一夜限りのユニットだけど、最初からフルスロットルでいくからねっ』

-不器用だけど、誰よりも純真で、真っ直ぐに私たちと向き合ってくれた-

みく『よそ見してたら振り落とされちゃうにゃあ?みんなー、用意はいいかにゃーっ!?』

-またきっと会えるって信じてるのにゃ。だから…-

幸子『それじゃあ行きますよっ!この日の為に作った新曲ですっ!』

-しっかり見ていてくださいね、プロデューサー!-



「「「『SURPRISE-DRIVE』!!Start Your Engines!」」」



-Fin-

思いつきで書き始めたらこんなに時間がかかってしまった…おかしいな、ほのぼのコメディのつもりだったんだけど…

取りあえずやりたい事は出来たので作者的には結構満足です。
チェイスは愛想は無いけど真面目で純粋だからプロデューサーとか意外と向いてそうだな、と勝手に思って作りました。
Vシネも超魔進チェイサーも楽しみにしてるよ!


オツカーレ

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