僧侶「僧侶です。よ、よろしくお願いします」(726)

僧侶(神のお告げで魔王退治に行くことになったけど……)

魔法使い「アタシ魔法使い!よろしくー」

盗賊「おう」

遊び人「うぃーっす」

僧侶(勇者がいない……だと?)

王「おお>>1よ!しんでしまうとは情けない
  誰か続きを書いてくれる勇気ある者はいないか」

僧侶「あの……勇者様は……?」

遊び人「ああ……それは……」

盗賊「クソッ……まさかスライムごときにやられるなんて!」

僧侶「ええっ!死んじゃったんですか!?」

魔法使い「それは何とかなったんだけど……」

僧侶「?」

勇者「ア……アガ……ウルアアアアアアアアアアアアアアア!!」

僧侶「キャアアアアアアアアアアア!!」

魔法使い「人体錬成って案外難しいのね」

こんなんか?

僧侶(神のお告げで魔王退治に行くことになったけど……)

僧侶 (流石に私一人では無理だよね…)

僧侶「司祭様…私はどうすれば良いのでしょうか?」

司祭「う�・む。ズバリ!酒場で仲間を募るのが良いでしょう!」

僧侶「酒場ですか?なるほど…命知らずの荒くれ特攻野郎なら私も心強い」

司祭「ズバリ!勇者もついでに探すといいでしょう!」

僧侶「なるほど!ちょっと甘酸っぱい恋愛要員ですね」

司祭「ズバリ!魔王討伐は二の次になる予感がするでしょう!」

僧侶「嫌だわ�・司祭様ったら。それじゃ私が遊びに行くみたいじゃないですかフフ」

ーこうして夜は更けていった。

ールイーダの酒場

僧侶「うわぁここが荒くれ達の巣ね。凄い凄い!」

酔っぱらい「うるせぇぞ!姉ちゃん!脱げ!」

僧侶「はじめまして!僧侶です。よ、よろしくお願いします」

酔っぱらい「あ�・?とりあえず脱げ!」

僧侶「えっと、申し訳ありませんが…仲間になって頂けるのですよね?」

酔っぱらい「チッ…それなら向こう行きな。脱げ」

僧侶「あ、ありがとうございます」

僧侶「えっと?あそこね!」

僧侶「すいません�・」

ルイーダ「いらっしゃいませこんにちは。当店でお召し上がりですか?」

僧侶「いえ、仲間を探しているんですが」

ルイーダ「かしこまりました。ではお時間が少々かかりますのでこちらの番号札をお持ちになりお待ちください」

僧侶「はい」ドキドキ

ーしばらくして

ルイーダ「番号札7番のお客様」

僧侶「は、はい!」

ルイーダ「お待たせいたしました。こちらになります」

魔法使い「よろしくお願いします!」

僧侶「よ、よろしくお願いします(おぉ…イケメン魔法使い!)」

戦士「世露死苦!なんてなっ!」

僧侶「よ、よろしく(うわぁウザそうなおっさん)」

武道家「お世話になります!武道家です!」

僧侶「…チッ。ヨロシク(女に用は無いんだよ!)」

武道家「…(舌打ちされた…)」

僧侶「では早速魔王討伐の旅へ!」

魔法使い「いやいやいや僧侶さん?」

僧侶「はい?」

武道家「…勇者いないよね?」

僧侶「(勇者が…いないだと?)」

魔法使い「魔王討伐なら勇者がいないと」

僧侶「…魔法使いさん、どうしましょ…」

魔法使い「…一応ルイーダさんに聞いてみましょうか」

ルイーダ「いらっしゃいませこんにちは!店内でお召し上がりですか?」

僧侶「あの�・勇者はいませんか?」

ルイーダ「…」

僧侶「え?」

ルイーダ「…勇者?勇者ね…一人で行ってしまったわよ」

魔法使い「は?」

武道家「一人って…」

ルイーダ「何だか邪気とか右手が疼くとか言いながらね」

僧侶「何それ?」

戦士「持たぬ者にはわからないんだぜ嬢ちゃん」

魔法使い「他には何か行ったましたか?」

ルイーダ「風を奏でる塔とか言ってたわね」

魔法使い「あ、ありがとうございます。直ぐに追いかけましょう!」

僧侶「何かわかったんですかぁ魔法使いさん�・」

魔法使い「恐らくナジミの塔へ向かったのかと」

僧侶「魔法使い凄いわぁ」

魔法使い「…僧侶さん、あんまりくっつかないでもらえますか?」

僧侶「やだ私ったらいけない子!」テヘ

武道家「…」

魔法使い「と、とにかく追いかけましょう」

戦士「持てる男は辛いねぇ」

魔法使い「…?」

ーふぃーるど

魔法使い「僧侶さん、皆さんの装備を確認しておきましょうか」

僧侶「はい…(凛々しいわぁ)」

戦士「俺は銅の剣だぜ」

武道家「私は素手です」

魔法使い「私はひのきの棒です。僧侶さんは?」

僧侶「私は理力の手袋ですよ!」

魔法使い「…はい?」

僧侶「理力の手袋です。知りません?」

魔法使い「聞いたこともありません」

僧侶「原理は良くわからないのですが魔力をそのまま攻撃力にしてしまう素晴らしい武器なのです」

武道家「凄い、そんな事出来るのか」

頑張れ

魔法使い「同じような物なら存在しますが手袋と言うのは初めて聞きました」

戦士「一体そんな物何処で手に入れたんだい?」

僧侶「これは司祭様が私の為にと用意してくれた物なのです」エッヘン

魔法使い「少し見せてもらっても宜しいですか?」

僧侶「そんな…恥ずかしい…。でも魔法使いさんの頼みなら!」

魔法使い「…」

僧侶「どうぞ!」

魔法使い「…失礼します」

魔法使い「(んん?何だこれ。魔力を込めても何ともないんだけど…)」

僧侶「どうです?フフフ」

>>14
ありがとうございます。


魔法使い「え、ええ。とても素晴らしい物だと思いますよ」

僧侶「でしょう?フフフ」

戦士「で、どうするんだい?」

魔法使い「はい。戦士さんと武道家さんは前衛、私と僧侶さんは後衛でいいと思います」

戦士「了解した」

武道家「わかりました」

魔法使い「僧侶さんもそれで構いませんよね?」

僧侶「おkです�・」

魔法使い「では、参りましょう」

戦士「早速お出ましかい」

武道家「私から行きます!はぁっ!」

スライム「ピギ!」

魔法使い「撃ちますよ!メラ!」

大ガラス「グゲェ…」

戦士「とりゃ!…不味い撃ち漏らした!そっち行くぞ!」

一角ウサギ「…」

魔法使い「僧侶さん危ない!」

僧侶「えいや!」バシンッ

一角ウサギ「…」ドサッ

戦士「お見事だねぇ」

魔法使い「僧侶さん…いつもその戦い方何ですか?」

僧侶「はい�・。私、杖とか持って戦うと思うように力が出なくって」

武道家「…」

僧侶「司祭様がくださった手袋を使い初めてから何だか強くなった気がするんですよね」

魔法使い「なるほど…」

武道家「…もしかして早く動けたり、時々妙に強い攻撃が出たりしない?」

僧侶「凄い!武道家さんよくわかりましたね!」

魔法使い「…(この人武道家だ…)」

武道家「…(武道家だなこの人)」

戦士「…(変わった僧侶もいたもんだぜ)」

ーいざないのどうくつ

僧侶「(暗い!狭い!怖い!男に寄り添う!)」

武道家「勇者はこの先にいるんでしょうか?」

魔法使い「わかりません。ですが追いかけなければ」

僧侶「(洞窟の醍醐味、堪能させていただきます!)」

僧侶「暗い!怖い!」ダキッ

戦士「…なんだい嬢ちゃん?」

僧侶「」

魔法使い「…進みましょうか」

ーナジミのとう

魔法使い「皆さん聞いてください」

魔法使い「少し作戦を変更したいと思いますがいいでしょうか?」

武道家「お任せします」

魔法使い「では、武道家さんと僧侶さんには前衛をお願いしたいと思います」

僧侶「え?」

武道家「(…そうなるよね)」

魔法使い「戦士さんは私と後衛をお願いします。以上です」

戦士「ちょっと待ちなよ。なんでぇ俺が後衛になるんだい?」

魔法使い「説明します。武道家さんと僧侶さんに敵を翻弄、攻撃してもらいます」

戦士「ふむ、それで?」

魔法使い「戦士さんには二人の撃ち漏らしを処理、私の魔法詠唱中に邪魔が入らないようにサポートしていただきます」

戦士「サポートって何するんだい?」

魔法使い「…言い方は悪いのですが、私の盾になってもらいます」

戦士「…」

魔法使い「戦士さんにしか出来ない事なのでお願いしました。この作戦の中心になる大切なところなので」

戦士「ほほう…俺がパーティーの中心」

魔法使い「はい。戦士さんお願い出来ますか?もし無理のようなら…」

戦士「やらせてもらうぜ!何たって俺しか出来ねぇんだろ?」

魔法使い「では、お願いします」

武道家「(上手いなこの人)」

魔法使い「この塔にはそれほど強い魔物はいないはずですが注意して行きましょう」

武道家「はい!」

僧侶「…(この娘と前衛?どさくさに紛れて蹴ってやろうかしら)」

戦士「おう!早く行かねぇか」

魔法使い「行きましょう」



武道家「中々つきませんね」

魔法使い「もうそろそろだと思うのですが…あの扉ですかね」

僧侶「(チッあの娘中々やるじゃない。突きも鋭いし蹴りも素早いし)」

戦士「…(俺…中心だよな?何もしないで戦闘終わるんだが…)」

魔法使い「扉開けますね。失礼します…」ガチャ

おじい「どちら様かな?」

魔法使い「魔法使いと申します。こちらに勇者は来ているか聞きたいのですが」

おじい「…もう行ってしまわれたぞ」

武道家「遅かったか。残念」

おじい「何やら急いでる感じだったの」

魔法使い「そうですか。ありがとうございました」

おじい「…ちょっと聞きたいのじゃが勇者と言うのはよくわからない言葉を使う者なのかね?」

魔法使い「どう言う事です?」

おじい「いやのう…ダークコンドルやら柔らかき魔豪とかよくわからない言葉を…」

魔法使い「…あまりお気に為さらず」

戦士「おじいよ。持たぬ者にはわからないんだぜ?」

武道家「戦士さん余計な事言うとまた気になさってしまいますから…」

おじい「そうか。あまりに勇者の会話に圧倒されて渡しそびれた物がある…」

魔法使い「何です?」

おじい「この鍵なんじゃが。お主達勇者に渡して貰えんか?」

武道家「これって先に進むのに必要な物なんじゃ…」

魔法使い「わかりました。必ず渡しますので」

おじい「すまぬの。よろしく頼むよ」

ー再びふぃーるど

戦士「今日はもう日が暮れるが野宿でもするのかい?」

魔法使い「いえ、ここからしばらく北に進むとレーベ村があるのでそこに宿をとりたいと思います」

僧侶「…早くお風呂入りたい」

武道家「勇者…いるといいですね」

魔法使い「そうですね」

僧侶「もうすぐ着くよね?」

魔法使い「はい、もう見えてくると思います」

僧侶「…なら!競争ですよ!」

魔法使い「私はパスで」

武道家「私も疲れたから…」

僧侶「…えぇつまらない」

戦士「フフフ…」

僧侶「やる?」

戦士「アリアハンの韋駄天と言われた俺に勝てるかな?!」

僧侶「貴方があの韋駄天!」

魔法使い「(武道家さん知ってます?)」ボソボソ

武道家「(全然…)」ボソボソ

戦士「ほう。嬢ちゃんは知ってるのかい?」

僧侶「有名だからね…嬉しいなぁ伝説と勝負出来るなんて」

戦士「ククク…こいつは楽しめそうだ」

ーレーベ村

僧侶「いっちば�・ん!」

魔法使い「戦士さん…大丈夫ですか?」

戦士「はぁはぁはぁ…早すぎ…だろ」

武道家「(戦士さんが遅い…)」

僧侶「韋駄天の称号いただき!」

戦士「おうやるやる。今日からお前が韋駄天だ」

魔法使い「私は宿をとりに行きますが皆さんはどうします?」

戦士「俺は道具屋行ってくるぜ」

武道家「戦士さんと一緒に行きます。いいですよね?」

戦士「ああ構わないよ」

韋駄天「私、魔法使いさんと一緒に!」

魔法使い「… わかりました。では、戦士さんと武道家さんにお願いしたいのですが」

武道家「何でしょう?」

魔法使い「ついでに勇者の情報を聞いてください。こちらも情報を集めておきますので」

武道家「了解しました」

ー道具屋

戦士「やくそうとどくけしそうと…武道家�・他には何かいるか?」

武道家「それで大丈夫だと思いますよ」

戦士「うむ。これくんな」

店主「へい、毎度!」

戦士「ちょっと聞きてぇ事があるんだけどよ」

店主「何でございましょう?」

戦士「ここに勇者来たか?」

店主「いえ?来てませんが?」

武道家「本当に来てないの?」

店主「はい。それらしい方は来てませんね」

武道家「じ、じゃあ邪気とか言ってた人はいた?」

店主「あぁ…その方なら来られましたよ」

武道家「その人の事教えてもらえませんか?」

店主「何か…暗黒とかブツブツと言って気味が悪い方でしたね…」

武道家「…(勇者だ)」

店主「あの方をお探しなんですか?」

武道家「そうです」

店主「なら明日にでも村長の所に訪ねてみては?」

戦士「そこにいるのかい?」

店主「いえ、その方は村長をお探しみたいだったので」

武道家「なるほど。ありがとうございました」

戦士「店主、ありがとよ」

ー宿屋付近

魔法使い「どうしたんです?やけに嬉しそうですね僧侶さん」

韋駄天「ふふふ�・伝説のアリアハンの韋駄天に勝ちましたからね!」

魔法使い「そ、そうですか」

韋駄天「あと…その…魔法使いさんと二人きりになれた事も…」

魔法使い「…」

僧侶「嫌ですか?私と二人きりって」

魔法使い「…私は偏見で人を見たりしないので安心してください」

僧侶「?」

魔法使い「…いえ…ああ!宿屋だ!早く行きましょう!」

僧侶「…(シャイな方フフフ)」

ー宿屋付近

戦士「僧侶の嬢ちゃん結構やるなあれ」

武道家「そうですね。彼女は強いです」

戦士「おかげでこっちまで仕事が回ってこねぇぜ」

武道家「ははは。楽じゃないですか」

戦士「確かに楽だけどよ…気が引けるよな」

武道家「なら魔法使いさんに相談してみては?」

戦士「そうだなぁ。そうしてみるか」

武道家「魔法使いさんならいい助言してもらえますよ」

戦士「おう。お前さんも女だてらになかなか強いな」

武道家「?」

戦士「僧侶の嬢ちゃんといいコンビじゃねぇか」

武道家「そ、そうですかね?」

戦士「ああ。いいと思うぜ俺は」

武道家「ありがとうございます。ですが…私は彼女に嫌われているみたいで…」

戦士「そうなのか?」

武道家「はい…」

戦士「よし!俺が僧侶の嬢ちゃんにガツンと言ってやる!」

武道家「い、いや、やめてください」

戦士「大丈夫!任せとけって!」

武道家「はぁ…(不安しかない)」

戦士「お?あれだな宿屋は。行くぞ武道家」

武道家「はぁ…」

ー宿屋

魔法使い「部屋は空いているでしょうか?」

宿屋「はい。空いておりますよ。お部屋は一つでよろしいですか?」

魔法使い「いえ、後から連れが来ますので二部屋お願いします」

宿屋「かしこまりました。お部屋の準備に少々お時間がかかりますのでさそちらでお待ちください」

僧侶「…(かしこかしこまりました�・
)」

魔法使い「わかりました」

僧侶「…魔法使いさん?」ヨリ

魔法使い「何でしょう?」ハナレ

僧侶「…」ヨリ

魔法使い「…」ハナレ

戦士「よう!待たせたな!」

魔法使い「良かった!いえ…先ほど着いたばかりですので」

武道家「?。勇者は来たみたいですね」

僧侶「(くぅもう少し遅くなれば良かったのに!)」

魔法使い「それで?」

武道家「明日この村の村長を訪ねてみてはと道具屋の主人に言われました」

魔法使い「その方がいいでしょうね。もう遅いですし」

戦士「二人は何してるんだ?」

魔法使い「はい、部屋の準備に時間がかかるようなのでここで待っていました」

戦士「なるほど。で、部屋割りは決まってるのかい?」

魔法使い「それは流石に決まってますよ」

武道家「ですよね」

魔法使い「私と僧侶さん、武道家さんと戦士さんですね」

僧侶「やだ!魔法使いさん超大胆!」

戦士「ちょ、ちょっと待ちなよ…男女同じ部屋でって言うのは不味いんじゃないのかい?!」

魔法使い「…は?」

戦士、僧侶「え?」

魔法使い「何やら勘違いなさっているようですが…私は女ですよ?」

戦士、僧侶「」

武道家「まさか…私の事を女性だと…」

戦士、僧侶「」

宿屋「お部屋の準備が整いましたのでご案内いたします」

ー部屋

魔法使い「い、いや、そんないきなりやめてください!」

僧侶「…」

魔法使い「ね?ほら、もうわかりましたから」

僧侶「…」

魔法使い「あぁそんな深々と…」

僧侶「…すいませんでした」ドゲザ

魔法使い「本当にわかりましたから頭を上げてください…」

僧侶「…うぅ」

魔法使い「これで僧侶さんや戦士さんの言動に納得いきましたよ」

僧侶「まさか女性だったとは…」

魔法使い「…(私…男性に間違われるほどなのか…)」

僧侶「ごめんなさい…」

魔法使い「お風呂行きましょうか…はぁ」

僧侶「はい…」

ー風呂

戦士「いやぁ驚いたぜ」

武道家「…」

戦士「悪かったって。しょうがないだろ?見た目でわかんなかったんだから」

武道家「あまり悪いと思ってないでしょう?」

戦士「まぁなガハハ」

武道家「ひどい人だ…私はいいですけど魔法使いさんには謝ってくださいよ」

戦士「ああ。その辺はちゃんとしとくよ」

武道家「お願いしますよ」

戦士「しっかしお前さんは見ればみるほど女みたいな顔してるな」

武道家「…やめてください。襲って来たりしたら怒りますからね」

戦士「…そんな趣味ねぇよ」

ー風呂

魔法使い「僧侶さんどうしました?」

僧侶「現実を直視してしまって…」

魔法使い「まだ…私が男性と言う可能性を捨ててなかったのですか…」

僧侶「はい。70%くらい」

魔法使い「…」

僧侶「もう大丈夫です。目が覚めました!」

魔法使い「ならいいんですが…」

僧侶「残り10%くらいになったので!」

魔法使い「…怒りますよ?」

僧侶「やだなぁ冗談ですよ冗談」

ー部屋

戦士「さて、ちょっくら魔法使いのとこ行ってくるわ」

武道家「例の相談ですか?」

戦士「まあな。お前も行くか?」

武道家「そうですね。勇者の事も話し合わなければいけませんし」

ー部屋から部屋

コンコン

戦士「お届け物で�・す!」

僧侶「は�・い!」ガチャ

戦士「魔法使いいるか?」

僧侶「間に合ってます」バタン

戦士「おいおい…あいつ今人の顔見て言ったぞ…」

武道家「ははは」

戦士「お�・い魔法使い!」コンコンコンコン

ガチャ

魔法使い「あれ?戦士さんじゃないですか」

戦士「…ほほう」

魔法使い「…何です?」

戦士「いや、すまん」

魔法使い「まぁいいですけど。この辺で怪しい人物を見かけませんでしたか?」

武道家「見てませんが?」

魔法使い「先ほど僧侶さんがドアを開けたところ山賊風の男性に襲われそうになったと…」

戦士「…」

ー部屋

魔法使い「いやぁ笑いましたね」

戦士「やめてくれよ…結構傷ついてるんだぜ」

武道家「僧侶さんククク謝りましょクククうよ」

僧侶「山賊の称号進呈いたします」

山賊「いらねぇよ!」

魔法使い「ふふ。ところで私達の部屋に用事でもあったんですか?」

戦士「ちょっと相談と勇者について話し合いってとこか」

魔法使い「相談ですか?」

戦士「ああ。戦闘についてな」

魔法使い「何か不都合でもありますか?」

戦士「いやな、今のままでもいいんだが…ちょっと俺が楽し過ぎなんじゃないかと思ってよ」

魔法使い「なるほど。でも今だけだと思いますよ?」

戦士「今だけ?」

魔法使い「はい。先に進むにつれ魔物も強くなっていくでしょうし、武道家さんと僧侶さんでは対処しきれない敵なんかも遭遇するかもしれません」

戦士「なるほどな」

武道家「私や僧侶さんが対処出来ない敵とは?」

魔法使い「そうですね…例えば物理的な攻撃に対して耐性を持っている魔物などですか」

武道家「そんな敵に遭遇したくありませんね」

魔法使い「厄介極まりないと思いますよ」

戦士「まぁ出番が来るまで大人しく待ってろって事か」

魔法使い「不満ですか?」

戦士「いや、このままでいいわ」

魔法使い「どうしてです?」

戦士「お前さん色々考えてくれてるんだなぁと思ってよ」

魔法使い「…」

戦士「色々考えてくれてるのにオッサンの我が儘に付き合わせるのも悪いだろ?」

魔法使い「戦士さん…」

戦士「この話はこれで終わり!悪かったな」

魔法使い「いえ…」

僧侶「zzz…」

武道家「僧侶さん寝ちゃってますよ」

戦士「こいつは…魔法使い、勇者の話は後日でいいだろ?」

魔法使い「そうですね。明日村長さんの所に行きますので」

戦士「じゃあ俺達も寝るわ。邪魔して悪かったな。おやすみ」

魔法使い「いえ、おやすみなさい」

武道家「おやすみなさい」

戦士「おっと…今がチャンスだな」

武道家「何がです?」

山賊「山賊の恨みは怖いんだぜ嬢ちゃん…くくく」

武道家「ち、ちょっと戦士さん」

ーレーベ村、朝

僧侶「おはよございます皆さん」

魔法使い、武道家、戦士「…」プルプル

僧侶「どうしました?」

武道家「おはよ…ございます」プルプル

戦士「顔でも洗ってこいよ」プルプル

僧侶「はい…?」

僧侶「!」ナンジャコリャ

訂正

ーいざないのどうくつ

ーみさきのどうくつ

恥ずかしい…。

ー村長の家

僧侶「…」ブスー

魔法使い「勇者の事をお聞きしたいのですか」

村長「それは構わないが…その娘さん大丈夫なのかい?額に紋章みたいなのが描いてあるが」

戦士「気にせんでください。丁度こんな事してみたい年頃なんでさ」

村長「そうかい?」

魔法使い「…あの勇者はここに来ましたよね?」

村長「確かに来たよ。でもね…あれは本当に勇者なのかい?」

武道家「何かあったんですか?」

村長「いや、大した事はされてないが何やら意味不明な事を呟いて行ってしまったよ」

武道家「またか」

村長「行くのはいいんだけど、今は東の祠から先には進めなくなってるんだよ」

魔法使い「行けないのですか?」

村長「そうだね。この魔法の玉で壁を壊さないと通れないんだ」

魔法使い「なるほど」

武道家「なら、勇者は東の祠にいるかもしれませんね!」

魔法使い「そうなりますが…あの村長さん」

村長「この魔法の玉だろ?持っていきなさい」

魔法使い「いいのですか?」

村長「ああ。今頃勇者も困ってるだろうからね」

武道家「ありがとうございます!」

ー東の祠

僧侶「…」ブスー

武道家「機嫌直してくださいよ僧侶さん」

戦士「そうだぜ嬢ちゃん」

武道家「何でも言う事ききますから」

僧侶「…本当に?」

武道家「で、出来る範囲でですからね!」

戦士「(アホだなぁ墓穴掘ってやがる…)」

僧侶「そうだなぁ…」ニタリ

武道家「…」ゴクリ

僧侶「魔法使いにビキニア

魔法使い「絶対嫌です!」

僧侶「じゃあ武道家さんにビキニア

武道家「だから私は男ですから!」

僧侶「じゃあ戦士さん!」

戦士「…見たいのか?」

僧侶「…ごめんなさい」

魔法使い「そもそもやったのは戦士さんですからね!」

僧侶「ええぇぇ何でも言う事ききますからって聞きましたもん」ジトー

魔法使い「それは武道家さんが」

僧侶、武道家「…」ジトー

魔法使い「…」

僧侶、武道家、戦士「…」ジトー

魔法使い「何故私一人が悪者に…じゃあこうしましょう!」

魔法使い「ここに四本の棒があります。そして印が一本だけ」

僧侶「四本?」

魔法使い「ノーリスクで言う事を聞いて貰おう何て思ってはいけませんよ僧侶さんフフフ」

僧侶「魔法使いさん目が怖い…」

魔法使い「後は言わなくてもわかりますね?」

戦士「おう。皆恨みっこ無しだぜ」

セーノ

僧侶「無し!」

武道家「良かった…」

戦士「…お前さんクジ運無いんだな」

魔法使い「そんな…」

僧侶「それではビキニアーマーお願いいたします」ケイレイ

魔法使い「仕方ありません。次の街に貸衣裳があればやりますよ…はぁ」

ー東の祠、壁

武道家「…ここだけ何か壁の色が違いますよ」

魔法使い「本当ですね。それにこの窪み…魔法の玉が入りそうです」

戦士「んー何にも起きないな」

僧侶「爆発しますよ」

魔法使い「そうなんですか…え?」

僧侶「村を出る時に村長さんが言ってました」

戦士「…おい、何か光ってきたぞ!」

魔法使い「逃げてーっ!」

ー…

魔法使い「…皆さん無事ですか?」

戦士「痛ってぇ…なんとか無事だぜ」

武道家「僧侶さん大丈夫ですか?」

僧侶「はい…武道家さん血が!」

武道家「え?本当だ。多分飛んできた破片が腕をかすったみたいです」

僧侶「…ごめんなさい」

武道家「だ、大丈夫ですから!ほら全然痛くない」ブンブン

魔法使い「見せてください。…あまり傷は深くないみたいですね。良かった」

戦士「嬢ちゃん…大事な事はもっと早く言わないとな」

僧侶「…はい」

魔法使い「僧侶さん、今のは皆さんの命を危険に晒したのはわかりますよね?」

僧侶「はい…」

魔法使い「武道家さんが怪我をおったものの大事にはならなくて良かったですが…一歩間違えば全滅してたんですよ」

僧侶「私…爆発っていってもこんなに凄いなんて思わなくって…」

魔法使い「はぁ…今後このような事が無いように気を付けてください」

僧侶「皆さんごめんなさい…」

ーいざないのどうくつ

僧侶「…」ションボリ

戦士「嬢ちゃん…すっかり元気無くしちまったな」

武道家「そうですね…」

魔法使い「少し言い過ぎたでしょうか…?」

戦士「そんな事ないだろ。あれでいいんだよ」

魔法使い「はい…」

戦士「ん?ここで行き止まりか?」

魔法使い「いえ、そこに泉がありますよね。それに入るんですよ」

戦士「これにか?」

武道家「戦士さんは旅の扉入った事無いんですか?」

戦士「噂には聞いてたが入った事ねぇな」

魔法使い「では、旅の扉に入るためには儀式をしなければいけません」

戦士「そうなのか?」

武道家「?」

魔法使い「はい!入った事がある者なら皆やってますので」

戦士「ほう。儀式ね」

魔法使い「まずは体をリラックスさせ…精神を統一します」

戦士「ふむ」

魔法使い「次はおもむろにネダンサ、カバオヨ、ダソウと三回唱えます」

戦士「ネダン酒場?」

魔法使い「そして泉の周りを三回回って頭からダイブしてください」

戦士「…わかった」

魔法使い「では頑張ってください」

戦士「じゃあ行ってくるぜ!」



魔法使い「と、騙されるのが儀式です」ニヤリ

武道家「…そんな儀式ありませんよ?」

魔法使い「え!?」

武道家「…(同じ事やった事あるんだな)」

ーロマリア付近

武道家「おお!皆さん大きな街が見えてきましたよ…て」

僧侶「…」ションボリ

戦士「…」ゲッソリ

魔法使い「…」ガックリ

武道家「大丈夫…ですか?」

戦士「…グルグル一生分回った感じだぜ」

魔法使い「信じてたのに…信じてたのに…」

武道家「僧侶さん元気出してください!」

僧侶「でも…」

武道家「今後気を付ければいいじゃないですか」

戦士「そうだぜ嬢ちゃん。同じ事繰り返さなければいいんだからよ…うぷ」

武道家「そうですよ。だからいつもの僧侶さんに戻ってください!」

僧侶「はい…ありがとうございます」

ーロマリア、市街地

魔法使い「ここはロマリアと言う所みたいですね」

戦士「それにしてもデカイ街だな。色んな物あるぜ」

武道家「そうですね!それにアリアハンとは違う街の作りになってたり面白いですね!」

僧侶「魔法使いさんアレ」

戦士「嬢ちゃんいいとこ見つけたな!ガハハ」

魔法使い「…本当にやるんですか?」

戦士「(嬢ちゃん元気つける為に頼むぜ)」ゴニョコニョ

魔法使い「わかりました…はぁ」

戦士、武道家、僧侶「行ってらっしゃい!」ケイレイ

武道家「魔法使いさんの鎧姿楽しみですね!」

戦士「お前意外とノリノリだな…」

ー貸衣裳屋

魔法使い「すいませーん」

店員「いらっしゃいませ。どの用な物をご希望でしょうか?」

魔法使い「あの…その…」

店員「?」

魔法使い「び、ビキニアーマーを一つ…」

ー貸衣裳屋、外

戦士「しまったなぁ」

武道家「どうしました?」

戦士「女の着替えって時間かかるだろ?」

武道家「さぁ?」

戦士「さぁ?って…まぁいいや。先にどこか宿取っとこうと思ってよ」

武道家「じゃあ魔法使いさんに言って来ますよ」

戦士「男のお前が行ってどうする」

武道家「そ、そうですね」

戦士「すまねぇけど嬢ちゃんちょっと行ってきてくれるか?あそこに見える宿にいるからよ」

僧侶「了解」

ー貸衣裳屋

店員「申し訳ありませんがそちらの品は現在在庫がきれていまして」

魔法使い「良かった!…失礼、こちらの事ですのでお気になさらず」

店員「誠に申し訳ありません」

魔法使い「いえいえ。ではどうしましょうかね」

僧侶「魔法使いさん」

魔法使い「僧侶さん、どうしました?」

僧侶「戦士さん達は時間がかかりそうなので宿屋を先に取りに行きましたよ」

魔法使い「そうですか。あの…僧侶さん?ビキニアーマー無いそうなんですが…」

僧侶「え…」

魔法使い「無いなら仕方ないですよね!ほらこれ武道家さんと同じ服。これにしましょう」

僧侶「…却下です」

魔法使い「この商人の

僧侶「却下します」

魔法使い「ぐぬぬ」

僧侶「仕方ないですねぇ。これなんかどうです?」

魔法使い「遊び人の服…。嫌ですよ…」

僧侶「この魔法のビキ

魔法使い「却下します!」

僧侶「ぐぬぬ」

魔法使い「何故そう露出の多い服ばかりを…」

僧侶「大丈夫ですって!魔法使いさんスタイルいいから似合いますって!」

魔法使い「胸は僧侶さんの方が大きいですよね!」

僧侶「…大丈夫ですって!」

魔法使い「…(今逃げたな)」

僧侶「むむむ。頑固ですよ魔法使いさん」

魔法使い「違います!僧侶さんが選ぶ服がアレ何です!」

魔法使い、僧侶「ガルルルッ」

ー宿屋

戦士「な?時間かかるだろ?」

武道家「そうですね。少しかかり過ぎる気がしますけど」

戦士「女の着替えなんてそんなもんだよ。気にするな」

武道家「はあ…」

戦士「しかし勇者の事はどうするんだろうな?」

武道家「そうですね。おそらく勇者より先に私達は進んでると思いますけど」

戦士「最悪、ここにしばらく滞在するかもな」

武道家「はい。そうだ、この街にはモンスター闘技場なるものがあるみたいですよ。後で行ってみませんか?」

戦士「賭け事か。やめとけやめとけ。どうせ勝ちゃしねぇんだから」

武道家「へぇ。意外ですね」

戦士「何が?」

武道家「真っ先に食い付くと思ったんですけど」

戦士「遊ぶ分にはいいが本気の賭け事は嫌いなんだよ」

武道家「人は見た目ではわかりませんね」

戦士「うるせぇ」

ーロマリア、宿屋付近

魔法使い「…変じゃ無いですか?」

僧侶「大丈夫大丈夫!」

魔法使い「スカート短くありませんか?」

僧侶「はいはい大丈夫大丈夫」

魔法使い「やだなぁ恥ずかしい。僧侶さんだけ見れれば良いじゃないですか」

僧侶「そんな事したら武道家さんに怒られますよ!」

魔法使い「え?武道家さん?」

僧侶「はい…。あまり言いたくは無いのですが…」

魔法使い「…」

僧侶「魔法使いさんの!xxxx楽しみですね!グヘヘェ!と」

魔法使い「…そんな人だったなんて」

僧侶「そうですね(確かこんな事言ってたよね)」

魔法使い「人は見た目ではわかりませんね…」

僧侶「なので早く」

魔法使い「…そんな事聞いたら凄く行きたくない です」

ー宿屋

コンコン

僧侶「戦士さんー開けてください」

戦士「おせぇよ。もっと早く出来なかったのか」ガチャ

魔法使い「…」

戦士「へぇ。見違えたね」

魔法使い「…やめてください。恥ずかしい」

戦士「良く似合ってると思うぜ」

魔法使い「ありがとうございます…」

武道家「本当に似合ってますね!」

魔法使い「…ありがとうございます」

武道家「(何か凄い軽蔑した目で見てくるのは何故だろう…)」

僧侶「ビキニアーマーじゃ無いけどこれで良しとしましょう」

魔法使い「もうこんな事はしませんからね!」

戦士「いいじゃねぇか。賢者様ククク」

魔法使い「着替えて来ますよ!」

戦士「おう」

僧侶「武道家さん」

武道家「はい?」

僧侶「(今夜…宿屋の外に来てください)」コソコソ

武道家「(…え?)」

僧侶「(待ってますから…)」

武道家「」

僧侶「じゃあ私も部屋に戻ります」

戦士「おう。賢者様によろしくなガハハ」

武道家「」

戦士「どうした?武道家」

武道家「なななな何でも無いです!本当何でも無いです!」

戦士「?」

ーロマリア市街地、夜

武道家「僧侶さんは何故私を誘ったのでしょうか…」

武道家「あの時僧侶さんは顔を赤らめて…」

武道家「まさかこれが!愛の告白と言うものなのでしょうか!」

武道家「ああ!何と言う事でしょう!いけません僧侶さん!」

武道家「まだ私達は出会って日が浅いと言うのに!」

僧侶「お待たせしました!」

武道家「しかし!私も男!一直線な愛を受け止めなければいけません!」

僧侶「…?」

武道家「まさかこのような日が来ようとは!」

僧侶「武道家さん!」

武道家「そそそ僧侶さん!いつの間に!」

僧侶「さっきから何をぶつぶつ言ってたんですか?」

武道家「何でも無いです!」

僧侶「はぁ…?じゃあ行きましょうか!」

武道家「あの…どこへ?」

僧侶「モンスター闘技場へ!」

武道家「…」

ー闘技場

僧侶「さぁ!お小遣い増やしますよ!ね、武道家さん」

武道家「…」

僧侶「どうしました?」

武道家「何でも…無いです…グス」



僧侶「行けーっ!私のスライム!」

武道家「(スライム対グリズリー倍率256倍って…)」

僧侶「そこよ!10万ボルトよーっ!」

武道家「僧侶さん」

僧侶「何です?今忙しいんですけど!」

武道家「何故お二人は誘わなかったんですか?」

僧侶「魔法使いさんは反対しそうだったので…行け行け!」

武道家「なるほど」

僧侶「戦士さんはあれで堅物そうなのでやめ…スラリン避けて!」

武道家「(僧侶さん、ちゃんと皆さんの事見てるんだなぁ)」

僧侶「キターーッ!256倍取ったどーっ!」

武道家「え?」

僧侶「やりました!」

武道家「凄いじゃないですか!一体いくら賭けたんですか?」

僧侶「10ゴールドです」

武道家「うん…十分凄いです」

僧侶「ふふふお小遣いが潤った潤ったぁ」

武道家「良かったですね僧侶さん」

僧侶「はい!そうだ、何か食べて帰りましょうか。付き合って貰ったので奢りますよ!」

武道家「じゃあお言葉に甘えますよ」

僧侶「はい。そうしてください」

ーロマリア、市街地

武道家「さて、これ以上遅くなっては心配させてしまうので帰りましょうか」

僧侶「そうですね。いやぁ楽しかった嬉しかった美味しかったぁ」

武道家「ははは。僧侶さん聞いて良いですか?」

僧侶「はい?」

武道家「何故、私を誘ったんですか?」

僧侶「んー。何でかな。歳が近いからですかね」

武道家「なるほど」

僧侶「あと、何となく波長が合うって言うか」

武道家「…」

僧侶「最初会った時は、この小娘が!とか思いましたけど」

武道家「舌打ちされましたもんね私…」

僧侶「戦いのスタイルも似てるじゃないですか。だからかもしれませんねぇ」

ドンッ

僧侶「いたぁーい!」

武道家「だ、大丈夫ですか!」

??「すまぬ!怪我は無いか?」

僧侶「どこ見てるのよ!まったく!」

??「誠にすまなかった!…まずい…お主ら我をかくまってくれぬか?」

武道家「いきない何です?失礼じゃ

??「頼むぅ頼むぅ」ガバッ

武道家「そんな抱き付かれても…離して

??「良いと言うまで離さぬ!」

武道家「やめ…僧侶さん助け

僧侶「やはり…そっちの趣味が…」

武道家「」

ー宿屋

戦士「で、連れて来ちまったと?」

僧侶「そうなんですよ。なぁオッサン」

オッサン「うむ。かくまってくれた事礼を言う」

戦士「武道家は何でへこんでるんだ?」

僧侶「武道家さんがオッサンに抱き付かれてるのを見て…そっちの趣味だと…」

戦士「なるほど…」

魔法使い「ちょっと戦士さん」

戦士「何だ?」

魔法使い「良いのですか?どうやら普通ではない方ですが」

戦士「仕方ないだろ?連れて来ちまったんだから」

魔法使い「しかし…」

戦士「あのやんごとなき言葉使いが気になるのか?」

魔法使い「はい…」

戦士「どうせどっかの役人か王宮の人間だろ。気にする事ねぇよ」

魔法使い「なら良いのですが」

オッサン「おい、そこの山賊」

戦士「山賊じゃねぇよ!」

オッサン「違うと言っておるが?」

僧侶「おかしいですねぇ。確かに称号は与えたんだけど」

オッサン「称号は大事であるな」

戦士「こいつらは…」

魔法使い「少し良いでしょうか?」

オッサン「ふむ。麗しき淑女よ何かな?」

魔法使い「貴方は何故身を隠さなければいけないのですか?」

オッサン「それはな折角の休暇を邪魔する輩がおってな、それらをまくのにお主達を利用させてもらった」

魔法使い「なるほど」

オッサン「まぁ明日には帰らなければならぬが」

戦士「で、これからどうするんだ?」

オッサン「うむ。お主達が良ければここにいても良いか?」

戦士「やめておけよ。狭いぜここ」

オッサン「気にはせぬ」

魔法使い「お戻りになれば不自由は無いと思いますが?」

オッサン「…広く寂しい場所より狭く賑やかな場所の方が好みなのだよ。立場上そうはいかないがね」

魔法使い「…」

僧侶「オッサン友達いないのか?」

オッサン「いるにはいるが…真なる友と言う者はいないな」

僧侶「真なる友?」

オッサン「わからぬか?」

僧侶「うん」

オッサン「真なる友と言うのはだな、苦楽を共にし御互いに信頼、尊敬などを共有出来る間柄の事を言うのだぞ」

僧侶「オッサン難しいよ…」

オッサン「ふむ。嬢も歳を取ればわかるようになる。安心せい」

魔法使い「…」

オッサン「しかし…女性ばかりの中に男一人とは感心せぬな山賊よ」

戦士「だから山賊じゃねぇって」

オッサン「羨ま…けしからんぞ」

戦士「そう思うのは勝手だが…こいつ男だからな?」

武道家「…」

オッサン「」

僧侶「オッサン…女だと思って抱きついたのか…」

戦士「武道家…元気だせよ…」

魔法使い「戦士さん、この方はどうするんですか?」

戦士「どうせ明日には帰るんだ。いても構わないだろ」

魔法使い「そうですね」

戦士「それに暫くここにいないといけないだろ?」

魔法使い「勇者ですね」

戦士「そうだな」

オッサン「お主達は勇者を探しているのか?」

魔法使い「はい、一人で旅立たれてしまって…それを追っているのですが」

オッサン「ふむ」

魔法使い「途中、勇者を追い越してしまいここで待とうかと」

オッサン「はて?勇者なら先日旅立たれたぞ?」

魔法使い「え?本当ですか!」

オッサン「うむ。間違いない」

魔法使い「そんな…一体どうやって」

武道家「…他にも抜け道があったんでしょうか?」

戦士「それしか無いよな」

オッサン「それに一人ではなかったぞ?」

魔法使い「そんな…」

武道家「勇者がパーティーを組んでいるなら私達の旅の意味が無くなってしまいますね…」

オッサン「…」

僧侶「どう言う事ですか?」

戦士「勇者にはもう仲間がいるから俺達は要らないって事だよ。興醒めだぜ…」

僧侶「…」

オッサン「聞いても良いか?」

魔法使い「…何でしょうか?」

オッサン「そもそも何故勇者を追って旅をしておるのだ?普通、一緒に旅立つものではないのか?」

僧侶「それは…私が神の御告げを聞いて…」

オッサン「…ふむ」

魔法使い「僧侶さんが仲間を募ったところ勇者が既に旅立った後だったんです」

オッサン「なるほどの。嬢よ、お主神託を受けたと言ったな?」

僧侶「夢の中でだけど…」

オッサン「ならば嬢が勇者ではないか?」

僧侶「え?」

戦士「笑えねぇ冗談はやめてくれよ」

魔法使い「いえ…冗談ではないのかもしれませんよ」

戦士「どう言う事だ?」

魔法使い「勇者には血筋で決まる者、国で決める者、民衆の総意で決まる者がいるんですよ」

オッサン「そして神託によって決まる者もな」

魔法使い「はい、なので僧侶さんも勇者と言う事に…」

戦士「なるほど…なら今の勇者ってのは?」

魔法使い「おそらく血筋、国、民意でしょうね。神託も受けているかもしれません」

戦士「全部じゃねぇか」

オッサン「全ての条件が揃っても勇者と呼べぬ者もいるがな」

魔法使い「どう言う事ですか?」

オッサン「うむ。先日の勇者は何か違う物だと感じた」

僧侶「変な言葉使ったりとかそんな感じ?」

オッサン「いや、そうではない。勇者は変人と言うのが習わしみたいなものだからなその辺りは気にしないのだが」

僧侶「」

オッサン「あれは…何と申そうか…人ではない何かと言うか」

魔法使い「人ではない…?」

オッサン「わからぬか麗しき淑女よ。ほら、15前後の子供によくある…」

僧侶「あ、わかります。小説に乗っている呪文無駄に暗記したりとか」

オッサン「うむ。授業中にテロリストが乱入してきたらどう対処するかとかの」

僧侶「そうそう!」

魔法使い「…それがいったい」

オッサン「それが悪化するとな、とある病気になる。妄想暗黒中二病というな…」

僧侶「妄想暗黒中二病…おそろしい!」

オッサン「うむ」

魔法使い「一体それは…」

オッサン「わからぬ。我は特別な能力がある訳ではないのでな。ただ…あの勇者だけはそれを感じさせる何かがあったのであろう」

魔法使い「…」

オッサン「さて…お主達、これからどういたす?」

僧侶「…あの?」

オッサン「ふむ?」

僧侶「私達は勇者と同じ目標ではいけないんですか?」

オッサン「と、言うと?」

僧侶「…魔王討伐」

オッサン「…」

僧侶「無理…かな?」

オッサン「出来るのか?」

僧侶「わからない…です」

オッサン「わからないなら無理であろうな」

僧侶「…出来ます!きっとやってみせます!」

オッサン「ふふ…期待しておる」

僧侶「…」

オッサン「なら休暇など取っている場合ではないな」

僧侶「?」

オッサン「我は帰らなければならなくなった。世話になったな」

魔法使い「…いえ」

オッサン「そう暗い顔をするでない。お主達、明朝王宮の前に来い。わかったな?」

戦士「どうせ暇になるんだ。行ってやるよ」

オッサン「そうか。ではな」ガチャ

「…」

ーロマリア王宮前、朝

戦士「…ふあぁ今日からまたフリーに戻るかと思うと気が抜けるねぇ」

魔法使い「…そうですね」

武道家「…大丈夫ですか?僧侶さん」

僧侶「何がですか?」

武道家「いや、昨日の話の事とか…」

僧侶「大丈夫!元気元気!」

武道家「ならいいのですが…」

伝令「貴殿らが僧侶他三名か?」

魔法使い「はいそうですが…」

伝令「将軍より書状を預かってきた」

戦士「何でまたそんなお偉いさんから?」

伝令「知らん。早くここに受け取りのサインをしろ」

僧侶「…(凄い上から目線…)」カリカリ

伝令「確かに渡したぞ。後、これは将軍個人からの手紙だ」

僧侶「それにもサイン?」

伝令「いや、これは個人的な物だからいらないそうだ」

僧侶「はあ…」

伝令「では」ハイヨーシルバー

魔法使い「黒猫の刺繍を施した上着可愛かったですね」

武道家「え?」

ーロマリア市街地

武道家「オッサンって将軍だったんですね…」

戦士「ああ。何となく偉いさんだとは思ってたがそこまでとは思わなかったぜ」

魔法使い「僧侶さん、その書状の事どうするんですか?」

僧侶「私は…オッサンと約束したから受けようと思います」

魔法使い「戦士さんと武道家さんは?」

戦士「他三名の中に含まれたからなぁ行かないわけいかんだろ?」

武道家「嬉しそうに言うんですね」

戦士「余計な事言うんじゃねぇよ!」

武道家「ははは」

戦士「お前もどうせ行くんだろ?」

武道家「僧侶さんが良ければ…行きたいです」

僧侶「チッ…ヨロシク」

武道家「…」

僧侶「なーんて!よろしくお願いします!」

武道家「嫌だなぁ…はは…は…」

戦士「魔法使いも行くんだろ?」

魔法使い「はい…」

戦士「なんだ気の無い返事して」

魔法使い「いえ…これで良いのかと」

戦士「為るようになったんだから仕方ないだろ。気にする事ねぇよ」

魔法使い「戦士さんは少し気にした方がいいと思いますよ」

戦士「でだ、その妙に分厚い将軍個人の手紙は読まないのか?」

僧侶「そうですね。開けますよ」ビリビリ

武道家「手紙と…地図みたいですね」

僧侶「はい。では読みますね」

僧侶「『ヤッピー!!』」グシャ

魔法使い「僧侶さん手紙!」

僧侶「ご、ごめんなさい!凄いイラッときて…」

戦士「将軍…そんな言葉使いじゃないだろ…」

僧侶「『ヤッピー!!数時間しか一緒にいなかったけど親愛なる諸君。僕は元気です!なんてね!』」

武道家「僧侶さん頑張って!」

僧侶「『この手紙は代筆者が楽しさを織り交ぜながら書かせているのできっと楽しいと思うよ?』」

僧侶「私…もう挫けそうです…」

魔法使い「勇者として頑張ってください!」 

僧侶「『この手紙を読んでるって事は書状は見終わった頃だよね?違ったらゴメリンコ!』」

戦士「…」

僧侶「『君の事を勇者にしてって王様におねだりしたら快くokしてくれたよ!王様凄い!王様に拍手!パチパチ?』」

僧侶「『さすがロマリアぶらりし隊の会長だけはあるね!あっ!この事は秘密だったんだ!いけっね!てへ?』」

武道家「…」

僧侶「『今日から君は勇者だけど名前ばかりの勇者だと僕は怒っちゃうぞ!ぷん?ぷん?』」

僧侶「『君は行動と心のあり方で勇者にならなければならない。それは辛く険しい道のりになるだろう』」

魔法使い「あれ?」

僧侶「『人生には短い時間でもわかりあえる者もいれば一生涯でもわかりあえない者もいる』」

僧侶「『私と貴殿らの仲は前者だと思っている。勇者と語りあえた事誠に有意義であった』」

僧侶「『勇者は私との約束をきっと果たしてくれると信じている。そして勇者は私との約束を守ってくれるであろう』」

魔法使い「将軍さん…」

僧侶「『同封してある地図にまず行くべき場所を記しておいた。だが、そこから先は貴殿らが道を作らなければならない』」

僧侶「『その道のりが正義と言う名の轍になる事を私は祈っている』」

僧侶「『最後になるが勇者よ負けるなよ。バイビー!!』」

戦士「最後の最後でこいつは…」

ーロマリア付近、ふぃーるど

武道家「カザーブでしたよね?」

魔法使い「地図の記してある場所ですか?」

武道家「はい」

魔法使い「そうですね。ここから北へ向かったら所にあるようです」

戦士「嬢ちゃん、勇者になった感想はどうだい?」

僧侶「まだ全然…勇者な感じがしません…」

戦士「そりゃそうだな」

僧侶「もうそろそろ手から雷が出てもいいはずなのに…」

戦士「勇者をなんだと思ってやがるんだよ…」

僧侶「だって勇者ってそう言う物じゃないんですか!」

魔法使い「違うと思いますよ…」

ーカザーブ付近、ふぃーるど

戦士「嬢ちゃん達…辛そうだな」

魔法使い「ええ。この辺りのモンスターは硬かったり補助魔法やらも使ってきますからね」

戦士「大丈夫かぁ!二人共!」

武道家「なんとか…」

僧侶「手が痛い足が痛い腰が痛いお風呂入りたいお金欲しい!」

戦士「勇者の自覚ゼロだなありゃ…」

魔法使い「そのようですね…」

僧侶「もぉ何なの!目が飛び出た犬とかカニとか!」

武道家「ちょっと戦い難いですね」

僧侶「全然可愛くない!」

武道家「そっちですか!」

魔法使い「私がもう少し強力な魔法が使えるようになればいいんですが…」

戦士「気にするなよ」

魔法使い「ですが…」

戦士「その内使えるようになるさ。焦る事はねぇよ」

魔法使い「はい…」

武道家「何か見えてきましたよ!あれがカザーブですかね?」

魔法使い「ちょっと待ってください。ん…そのようですね」

武道家「やっと休める…」

戦士「ご苦労さん。あとちょっとだ頑張れよ」

僧侶「ホイミスライムめ…」

ーカザーブの村

魔法使い「宿は取りましたし皆さん他に何かありますか?」

武道家「特には無いです」

戦士、僧侶「同じくねぇぜ」

戦士「真似するなよ…」

魔法使い「なら一緒に買い物へ行きませんか?」

武道家「はい。私は道具屋に」

僧侶「武器屋へ

魔法使い「一緒に!」

僧侶、武道家「はい…」

魔法使い「先ずは武器屋からですね」

戦士「何故だ?」

魔法使い「出来たらお二人の装備品を購入しようかと」

ーカザーブの村、武器屋

戦士「意外と高いな…。大丈夫なのか?」

魔法使い「困りました…これだと一人分しか買えないですね…折角武道家さん達が装備出来る物があるのに…」

武道家「私はいいですよ。僧侶さんに買ってあげてください」

僧侶「私はこの理力の手袋があるので武道家さんに」

魔法使い「…」

僧侶「何か…?」

魔法使い「申し上げ難いのですが…その手袋は普通の手袋だと思いますよ」

僧侶「またまたぁ魔法使いさん冗談言わないでくださいよぉ…マジで?」

魔法使い「はい…マジで」

僧侶「」フラッ

武道家「ああ…しっかりしてください僧侶さん!」

僧侶「少し目眩が…ありがとうございます」

魔法使い「…心中お察しします」

僧侶「(司祭様め…帰ったら一発殴ってやる!)」

戦士「どうするんだ?武道家か?嬢ちゃんか?」

武道家「僧侶さんでいいですよ」

僧侶「んー。じゃあこうしましょう。私は買ってもらいますから武道家さんの分は私が買います」

武道家「そんな…いけませんよ」

僧侶「大丈夫ですって!こうすれば二人共パワーアップですから!」

戦士「嬢ちゃん、よくそんな金があるな」

僧侶「ロマリアで一発当てましたから!」

魔法使い「…」

戦士「へぇ。でも賭け事は感心しないな。もう止めとけよ?」

僧侶「はーい」

魔法使い「(聖職者で勇者なのに賭け事なんて…神よこの者を許したまえ)」

武道家「僧侶さんありがとうございました!」

ーカザーブの村、宿屋

僧侶、武道家「おおおおおおぉ!」

僧侶「カッコいいですね!」

武道家「はい!お互い鉄の爪手に入れられて良かったです!」

僧侶「そうですね!これだと攻撃の幅が広がりますねぇ」

武道家「ええ本当に!」

戦士「盛り上がってるなあの二人」

魔法使い「ですね」

戦士「若いっていいよなぁ!魔法使い」

魔法使い「私に同意を求めないでください!私だって十分若いんですから!」

戦士「わ、悪かった…すまん」

僧侶「武道家さん」

武道家「はい?」

僧侶「(今夜、宿屋の外に来てください)」コソコソ

武道家「(え?)」

僧侶「(待ってますから…)」

武道家「…」

戦士「おい武道家、風呂行くぞ」

僧侶「じゃあ私も魔法使いさんとお風呂行ってきます」

戦士「ああ、じゃあな」

武道家「…」

戦士「おい!武道家!」

武道家「おおおお何でも無いです!本当に何でも無いです!」

戦士「はあ?」

ーカザーブの村、夜

武道家「凄いデジャブ感ですが…今回こそは愛の告白ですよね!」

武道家「ああ!共闘し、そこから芽生える愛!」

武道家「わかります!わかりますよ僧侶さん!」

僧侶「お待たせしました!」

武道家「お互いに同じ武器!まさにペアウェポン!もうカップルの証間違いなし!」

僧侶「武道家さん!」

武道家「そそそ僧侶さんいつの間に!」

僧侶「また何をブツブツ言ってたんですか?」

武道家「何でも無いです!」

僧侶「はあ…?」

僧侶「じゃあ行きましょうか!」

武道家「あの…どこへ?」

僧侶「夜になると有名な格闘家の亡霊が出るらしいんですよ!だから墓地へ!」

武道家「…」

僧侶「亡霊ですよ亡霊!楽しみですね!」

武道家「…」

僧侶「どうかしましたか?」

武道家「何でも…無いです…グス」

ーカザーブの村、墓地

武道家「…あああの…帰りませんか?」

僧侶「何故です?」

武道家「だって…あの…僧侶さん怖くないんですか?」

僧侶「やだなぁ武道家さんは。いつもモンスターと戦ってるじゃないですか」

武道家「で、ですが!あれとこれとは話が違うと思いますが…」

僧侶「それに魔法使いさんが前に言ってた物理耐性がある敵だったら練習になると思って」

武道家「亡霊相手に練習…」

僧侶「良い亡霊なら武術の奥義なんか聞けるかもしれませんよ!」

武道家「あわわわ…僧侶さん後ろ…」

僧侶「ん?」

亡霊「ここは墓地なのだから静かにせんか!」

僧侶「キターーー!!」

武道家「デターーー!!」ガタガタ

亡霊「うるさい!近所迷惑になるだろうが!」

僧侶「貴方が格闘家の亡霊さんですか?」

亡霊「如何にも。って全然驚かないんだな。そっちの小娘は腰を抜かしてるが」

武道家「」

僧侶「あれはほっといていいです」

亡霊「酷い奴だなお前…」

僧侶「武器屋さんに聞いたんですけど、熊を素手で倒したって本当ですか?」

亡霊「半分本当だ」

僧侶「半分?」

亡霊「あと半分は、お前達が身に付けてる鉄の爪を使い倒した」

僧侶「…」

亡霊「そんな残念そうな顔をされても困るが…」

僧侶「だって…ねぇ?武器使って倒すのなら簡単になるじゃない」

亡霊「それは俺が弱いと言いたいのか?」

僧侶「そう聞こえたならそうなんじゃないの」

亡霊「おのれ!ならば勝負だ!…と、挑発に乗りたいのも山々なんだが」

僧侶「バレてた?」

亡霊「大根役者過ぎるわ」

僧侶「…」カオマッカ

亡霊「でだ、この体になってから物を触れないようになってな。ほれ、娘の体もすり抜けてしまう」スカッ

僧侶「今…胸触ろうとした…」

亡霊「しとらんわ!」

僧侶「ならいいけど」

亡霊「俺と手合わせしたいのだろ?」

僧侶「そうだね」

亡霊「すまんな。生きていた時ならいくらでも相手したが」

僧侶「あれは出来ないの?眠ってる人に乗り移るとかあるじゃない」

亡霊「そのような非現実的な事…」

僧侶「…(突っ込んだら負けね)」

亡霊「駄目元でやってみるか!」

僧侶「どお?」

亡霊武道家「…うまくいったみたいだ。久しぶりに味わう五感の感覚…強烈だな」

僧侶「よし!武道家さんと戦うって不思議な感じだなぁ」

亡霊武道家「…こやつ男だったのだな…」

僧侶「誰も女なんて言ってないでしょ?」

亡霊武道「それもそうだが…まぁ良い。小娘の体を使っては申し訳無いと思っていたからな」

僧侶「じゃあ!」

亡霊武道家「…ああ。かかって来なさい」

僧侶「とりゃあ!」バシン

亡霊武道家「…」パス

僧侶「はぁぁぁ!」ドスン

亡霊武道家「…」パス

僧侶「…全然当たらない!」

亡霊武道家「そんなものなのか?」

僧侶「ええぃ!」ダンッ

亡霊武道家「ほれ、ここががら空きだ」バキッ

僧侶「うが…ゲホッゲホッ…」

亡霊武道家「…」ドスン

僧侶「ぁがあ…はぁはぁ」

亡霊武道家「…遠慮はしないぞ」バシン



僧侶「…」ハァハァ

亡霊武道家「…咳き込み嘔吐し血も流しても立ち上がったが…もう無理みたいだな」

僧侶「…ぅぅ」ハァハァ

亡霊武道家「終わりだ。娘…弱いな」

僧侶「…」

亡霊武道家「もう夜が明ける。帰らねばならない」

僧侶「…」

亡霊武道家「強くなれ。その時は今一度相手になろう。さらば」

僧侶「…」

ーカザーブの村、夜明け

武道家「…うぅん…ここは…」

僧侶「…」

武道家「っ!僧侶さん!そんなボロボロで…何かあったんですか!」

僧侶「…うぅぅ」

武道家「…」

僧侶「うわぁぁ!ぶどうがざんんわだじぐやじぃよぉぉ!」ポロポロ

武道家「…」

僧侶「もっどぉもっどぉづよくなりだいぃぃ!」ポロポロ

武道家「…僧侶さん」

僧侶「うわぁぁばぁ」ポロポロ



武道家「僧侶さん…少しは落ち着きましたか?」

僧侶「…はい。ありがとうございました」

武道家「あの亡霊と戦ったんですね」

僧侶「はい…でも…ボコボコにされちゃいました…」

武道家「…」

僧侶「ちょっと自信あったんですけどねぇ…はは…」

武道家「強く…なりましょうね」

僧侶「はい…一発殴らせてください」

武道家「…嫌ですよ」

ーカザーブの村、宿屋

武道家「…」

戦士「朝帰りなんてやるじゃないか」

武道家「そんなんじゃ無いですよ」

戦士「魔法使い、心配してたぞ?」

武道家「戦士さんも心配してくれたんですね」

戦士「俺は心配なんかしてねぇよ!」

武道家「目…真っ赤ですよ?」

戦士「それはだな!…起きたばっかりで…」

武道家「ありがとうございます…」

戦士「ふん」

ーカザーブの村、宿屋

僧侶「…」

魔法使い「遅かった…!ちょっと僧侶さんその顔どおしたんですか!?」

僧侶「…いやぁ転んじゃって…はは」

魔法使い「…嘘ですよね?」

僧侶「はい…」

魔法使い「理由は後で聞かせて貰いますから…氷持ってきます」

僧侶「ごめんなさい」

魔法使い「あまり心配させないでくださいね」

ーカザーブの村、二日後

戦士「調子はどうだい嬢ちゃん」

僧侶「大丈夫です。心配かけてごめんなさい…」

魔法使い「びっくりしましたよ本当。でも…僧侶さんをここまで打ちのめす相手なんて…」

武道家「…」

魔法使い「そろそろ話してもらいますか?」

僧侶「はい…」



僧侶「と、言うお話だったのさ」

魔法使い「なるほど。とりあえず敵ではなくてほっとしてますが無茶しないでください」

コンコン

戦士「?」

武道家「誰でしょう?」

戦士「わからん。誰だい?」ガチャ

宿屋「申し訳ありません。少し宜しいでしょうか?」

戦士「ああ、構わんが。宿屋が何の用だい?」

宿屋「はぁ実はお願いしたい事がございまして…」

武道家「何でしょうか?」

宿屋「はい…ここ最近、西にございますシャンパーニの塔に盗賊の一味が住み着いてしまいまして…」

戦士「それで?」

宿屋「貴方様方に討伐をお願いしたいのですが」

魔法使い「何故私達なのでしょうか?」

宿屋「それはこれでございますね」

戦士「何だいその紙は?」

魔法使い「これは!」

武道家「『ロマリアの勇者…旅立つ…』」

宿屋「この新聞に書かれている勇者とは貴方様方の事でございますよね?」

魔法使い「ここに書かれている特長…私達で間違い無いでしょうね」

宿屋「なら、お受けして頂けないでしょうか?」

魔法使い「わかりました。お受けいたします」

戦士「おいおい…いいのかよ」

宿屋「良かった!これでこの村も救われます!では私はこれで。失礼しました」ガチャ

戦士「勝手に決めちまって…魔法使いどうするんだ?」

魔法使い「あれほど大々的に私達が勇者一行だと知れ渡ってしまっては…断れませんよ」

戦士「何で?」

魔法使い「勇者は困ってる人がいれば自分を犠牲にしてでも手を差し伸べ助けてくれる…」

戦士「?」

武道家「戦士さんも勇者事こんな感じで思っているんじゃないんですか?」

戦士「そんなもんだろ勇者って」

魔法使い「なら勇者がそれを断ったら?」

戦士「なんだこの勇者は本物か?って思うな」

魔法使い「そして…偽物ではないかと疑われ」

戦士「なるほど…」

魔法使い「最悪…僧侶さんを勇者に任命したロマリア王や将軍さんに迷惑がかかるかもしれません」

僧侶「オッサンに迷惑かけるのは嫌だなぁ…」

戦士「重いな…もっと軽く考えてたぜ…」

魔法使い「しかし…こんな事をして将軍さんは大丈夫なんでしょうか」

武道家「そうですね…期待してくれるのは嬉しいですけど」

魔法使い「それだけなら良いのですが…」

戦士「まあ次の目的が出来たんだから良しとしようじゃねぇか」

魔法使い「そうですね…」

武道家「シャンパーニの塔でしたよね?」

魔法使い「ええ。ここから西にと言ってましたね。今、地図出しますね」

ーカザーブの村、宿屋外

宿屋「言われた通りいたしましたが…」

??「そうか」

宿屋「あの…お約束の物を頂きたいのですが」

??「ほら」チャリ

宿屋「あ、ありがとうございます」

??「…」

宿屋「どうしてこのような事

チャキ

宿屋「ひぃぃ!」

??「礼が足りないならこの短剣を喉にくれてやるが?」

宿屋「い、いえ!十分でございます!」

??「じゃあ行け」

宿屋「は、はい!」タッタッタッ

??「…」

ーカザーブの村付近

僧侶「たぁぁ!」ズバン

ぐんたいガニ「グギャャ」

僧侶「ふぅ…」

戦士「嬢ちゃんあんまり飛ばし過ぎるなよ」

僧侶「あいあいー」

魔法使い「僧侶さん張り切ってますね」

武道家「負けて悔しかったんですよ…僧侶さん」

魔法使い「なるほど…」

武道家「私も僧侶さんに負けてられないですね!」

魔法使い「…」

ーシャンパーニの塔、付近

戦士「結構高けぇなおい」

武道家「そうですか?」

魔法使い「隠れ家としては調度良さそうなところですね」

武道家「ええ。これなら周りを見渡せて逃げるのも簡単でしょうね」

戦士「やっぱり行くんだよな?」

魔法使い「そうですけど何故です?」

戦士「まぁ…何だ…何でもねぇ」

武道家「?」

ーシャンパーニの塔

戦士「うおぉ!高けぇ…あわわ」

武道家「まだ二階ですよ…」

戦士「苦手なんだよ!嬢ちゃん手を離すなよ!」

僧侶「はいはい」パッ

戦士「やめろって!洒落になんないから!」

僧侶「こ、これは…」パシッ

戦士「ふぅ…」

僧侶「楽しいかも…」パッ

戦士「げぎなざなやら!」

僧侶「しれない…」パシッ

戦士「僧侶さんマジ勘弁してください…」

武道家「僧侶さんあんまり苛めないであげてください…」

僧侶「えぇ?何です武道家さん?」パッ

戦士「てめ!嬢ちゃんいい加減に!」

僧侶「へぇ。私にそんな態度取っちゃう?」パシッ

戦士「すいませんでした…」

ーシャンパーニの塔、最上階

戦士「…」ゲッソリ

魔法使い「大丈夫ですか?」

戦士「最初から魔法使いに頼んでおくべきだった…」

僧侶「戦士さん!だらしないですよ!」

戦士「うるせぇよ!下に降りたら覚えてやがれ…ったく」

武道家「戦士さんにこんな弱点があったんですねクスククッ」

戦士「お前だって苦手な物一つや二つあるだろうが…」

僧侶「武道家さんはお化けが苦手ですよ!」

武道家「ちょっと僧侶さん!」

戦士「…今夜墓参りな」

武道家「すいませんでした…」

魔法使い「皆さんお静かに…もう着いたみたいですよ」

戦士「お、おう。すまなかった」

武道家「私が扉開けますから僧侶さん援護頼みましたよ」

僧侶「了解!」

武道家「…では!」バタンッ

僧侶「盗賊覚悟!…あら?」

武道家「誰もいませんね…」

魔法使い「逃げてしまったんでしょうか…」

ガタンッ

武道家「うわぁぁぁ!」

僧侶「きゃぁぁぁ!」

魔法使い「武道家さん!僧侶さん!」

戦士「罠か…やられたな」

??「ふふ…」

戦士「チッ!二人で何とかするぞ魔法使い!」

魔法使い「ですが!」

戦士「あの二人の事なら後にしろ!こっちだってヤバいかもしれねぇんだから!」

魔法使い「わかりました…」

??「…」

戦士「…女か。やってくれたな!」

??「…親分…」

戦士「?」

??「親分!会いたかった!」ダキッ

戦士「はぁぁ??」

魔法使い「なっ!」

??「親分…もう離しませんから…」

魔法使い「貴方…やっぱり山賊

戦士「違う!お前も離れろ!」

??「嫌です!それにいつもみたく盗賊って呼んでください…」

戦士「知らねぇよそんなの!」

盗賊「酷い…私には親分しかいないのに…」

戦士「俺はその親分なんかじゃねぇから!」

盗賊「そんな…そう言ってまた私を捨てるんですね…」

魔法使い「なんて人…」

盗賊「親分事…こんなに大切に思ってるのに…」

戦士「勘弁してくれ…」

ーシャンパーニの塔、一階

僧侶「いたぁ…何なのよ」

武道家「…僧侶さん…重い…」

僧侶「ごめんなさい!…そんなに重く無い…はずです!」

武道家「…」

僧侶「…何ですか?」

武道家「いや、まさか罠なんてと思いまして」

僧侶「…」

武道家「急いで戻りましょう!」

僧侶「はい!」

ーシャンパーニの塔、最上階

盗賊「あの時…一緒にいようって約束したじゃないですか!」

戦士「してない!」

魔法使い「そんな事まで…」

戦士「してない!」

盗賊「私…初めてだったのに…」

戦士「知らん!」

魔法使い「…」

盗賊「乱暴に奪ったくせに…酷い…」

戦士「もうやめてくれ…魔法使い助けて」

魔法使い「責任…取るべきだと思いますよ」

戦士「…」

盗賊「そうです!責任取ってください!」

戦士「…」グッタリ

盗賊「…なるほど。そう言う事ですか…」

魔法使い「?」

盗賊「さっきから手を繋いで…貴女が親分をたらしこんで!」

魔法使い「ち、違います!」

盗賊「何が違うと言うんですか!もう仲良くしちゃって!」

魔法使い「そんなんじゃ…無いです!」

盗賊「何ですか今の間は!キィーッ!悔しい!」

魔法使い「…」

バタンッ

武道家「大丈夫ですか!二人…方?」

盗賊「(ヤバ…勇者帰って来ちゃった)」

僧侶「?」

戦士、魔法使い「助けて…」

盗賊「…勇者様…ですね?」

僧侶「はい!一応!」

盗賊「(一応?)私、親分の一の子分!盗賊と言います」

武道家「親分?」

僧侶「ああ!やっぱり戦

戦士「違うからな」

僧侶「…」

盗賊「この度、親分と行動を共にする事になりました!どうぞお見知りおきを!」

魔法使い、戦士「はぁぁ??」

僧侶「はぁ…?よろしくお願いします」

武道家「ち、ちょっと僧侶さんいいんですか?」

僧侶「戦士さんの知り合いの方ならいいんじゃないですか」

戦士「全然知り合いじゃないからな!」

魔法使い「ほら、村に被害を出した盗賊一味じゃないですか!」

盗賊「あれなら前に来たアリアハンの勇者が倒して行きましたよ」

魔法使い「…は?」

盗賊「確か…カンダタ?オルデガ?とかって言う名前だったかな」

戦士「じ、じゃあお前は何なんだ?」

盗賊「私?私は親分の一の子

戦士「それは聞いたから!」

魔法使い「では…宿屋さんが言っていた盗賊一味と言うのは…」

盗賊「さぁ?その人の勘違い何じゃないんですかね(なーんて)」

戦士「…」

武道家「…」

魔法使い「で、貴女は何故こんな所に?」

盗賊「親分を追いかけ待ち伏せ二人っきりに成るために!」

魔法使い「…」

盗賊「親分…一緒に行ってもいいでしょ?ねぇ?」

僧侶「そうですよ親分!」

戦士「」

武道家「戦士さん…頑張って!」

ーカザーブの村付近

戦士「帰れよ…」

盗賊「嫌です!」

戦士「離れろよ…」

盗賊「嫌です!」

魔法使い「…」

武道家「魔法使いさん大丈夫ですか?」

魔法使い「え?ええ。ちょっと疲れが出まして。でも大丈夫ですよ」

武道家「それならいいんですが」

僧侶「戦士さん嬉しそうですね!」

武道家「そんな風には見えませんが…」

ーカザーブの村、宿屋

宿屋「!」

盗賊「…」

宿屋「…」ガタガタ

盗賊「(余計な事を言ったり聞いたりしたら…)」ヒソヒソ

宿屋「も、勿論でございます!」

魔法使い「あの…」

宿屋「も、申し訳ございません!私何か勘違いを!」

魔法使い「え?」

宿屋「もう盗賊一味が討伐されていたのにまた頼むなどと…いやぁははは」

魔法使い「…」

宿屋「無駄骨を折らせてしまって申し訳ございません。ですので宿代は結構でございます」

魔法使い「はぁ」

宿屋「どうかご勘弁ください」

魔法使い「…わかりました」

ーカザーブの村、宿屋

戦士「…駄目だ…風呂入って寝る。疲れたぜ…」

武道家「お疲れ様です…」

僧侶「じゃあ!私達もお風呂行きましょうか!」

魔法使い「そうですね」

盗賊「お供します」

戦士「武道家ぁ行くぞぉ…」

武道家「戦士さん…風呂で寝ないでくださいよ?」

盗賊「(なっ!)」

僧侶「今日、武道家さん酷かったんですよ!」

魔法使い「そうなんですか」

盗賊「(武道家さんが親分と風呂…それを二人は黙認…)」

盗賊「(魔法使いさんが恋敵だと思ったが…やられたな…)」

ーカザーブの村、宿屋風呂

僧侶「(私と同じくらいか…)」

盗賊「…」

魔法使い「はぁぁ…」

盗賊「お二人は…あの…」

魔法使い「はい?」

盗賊「親分の事どう思っているのかと…」

僧侶「ただの気のいいおっさん」

魔法使い「頼りになる人だと…」

盗賊「な、なるほど。では…武道家さんと…親分の関係って…」

魔法使い「…?…ああ。武道家さんはモガモガ

僧侶「私が!お答えしましょう!」

盗賊「…」ゴクリ

僧侶「ズバリ!恋人同士です!」

盗賊「やはり…そうでしたか…」

僧侶「はい!もうこれでもかってくらいに!」

魔法使い「(ちょっと僧侶さん!いいんですか?)」コソコソ

僧侶「(大丈夫!大丈夫!)」コソコソ

盗賊「何をこそこそと?」

僧侶「いえ、お伝え難い事なので…」

盗賊「覚悟完了してるので教えてください…」

僧侶「



盗賊「想像以上に効きました…もう立ち直れない…」

僧侶「魔法使いさん鼻血!」

魔法使い「…想像以上に効きました」

ーカザーブの村、宿屋朝

戦士「ぶあぁぁ…まだ眠い…ぜ」

武道家「お早う…ございますふぁ」

僧侶「おはよーございます!」

魔法使い、盗賊「…おはようございます」

僧侶「戦士さんと武道家さん眠そうですね」

武道家「戦士さん、寝る寝るって言って全然寝ないんですよ」

戦士「疲れすぎて目が冴えちまったんだからしょうがないだろ…」

魔法使い、盗賊「…」

武道家「付き合わされる身にもなってくださいよ…」

戦士「悪かったな。あぁ腰いってぇ」

魔法使い、盗賊「!」



戦士「これからどうする?」

僧侶「魔法使いさん地図開いてください」

魔法使い「どうするんです?」パサ

僧侶「このダーツで

戦士「それ以上言わなくていい」

盗賊「皆さん次の行き先はお決まりでない?」

戦士「そうだな」

盗賊「なら、ここから北に行ったノアニール村何かどうでしょ?」

武道家「何かあるんですか?」

盗賊「いえ、特には。ただ私の故郷ってだけでして」

戦士「まぁ今は用もねぇし行くか?」

ーノアニール村付近

盗賊「久しぶりだなぁ。みんな元気かなぁ」

戦士「おい、盗賊」

盗賊「何でしょう親分!」

戦士「親分って言うな!後な俺は本当にお前の言ってる親分ってのじゃないからな?」

盗賊「もうそれは聞き飽きました」

戦士「だから…」

盗賊「例え違ったとしても私が親分だと思ったんですから親分ですよ」

戦士「もうめんどくせぇなぁ…」

僧侶「いいじゃないですか!未来の山賊親分って事で!」

戦士「よくねぇよ!」

盗賊「まあまあ。なにわともあれよろしくお願いしますよ親分」

戦士「はぁ」

魔法使い「何か長閑で良さそうな所ですね」

盗賊「まぁそれ位しか特色が無いといいましょうかね。本当何も無い村なんですよ」

魔法使い「なるほど。でもこれだけはって物とかは無いんですか?」

盗賊「そうですねぇ…強いて挙げるなら身かわしの服や身かわしの服とか身かわしの服ですかね」

僧侶「おお!なら身かわしの服なんかもあるんですね!」

盗賊「ご名答!身かわしの服があります」

武道家「身かわしの服だけじゃないですか…」

盗賊「後は、西の方にエルフが住んでるって噂ですがねぇ」

魔法使い「エルフ…ですか」

ーノアニール村

盗賊「なんだ…これ…」

戦士「死んでる…訳じゃねぇが全員寝てるのか?」

魔法使い「そのようですが…これは…」

盗賊「おーいっ!誰か起きてたら返事してよっ!」

僧侶「おーいぃっ!誰かぁーっ!」

武道家「手分けして起きてる人みつけましょう!」

魔法使い「待ってください。あのお家から煙が…」

盗賊「…」タッタッタッ

戦士「おい!盗賊!」

僧侶「追いかけましょう!」

武道家「はい!」

ーノアニール村、民家

盗賊「おじじ…これは…みんなはどおしちゃったの…?」

おじじ「…」

盗賊「ねえ!おじじ!」

おじじ「わしの…息子のせいなんだよ…」

武道家「何故ですか?」

おじじ「バカ息子が!…エルフの娘と駆け落ちなぞしおったから…」

戦士「…」

盗賊「どうすればみんな起こせるの!」

おじじ「わからん…エルフの怒りが治まるまでか…永久にか…」

盗賊「そんな…」

魔法使い「…」

ーノアニール村

盗賊「…」

武道家「これは…何とかならないんでしょうか…」

魔法使い「難しいかもしれません…」

僧侶「…エルフに会いに行きましょうか」

戦士「…」

魔法使い「西…でしたね」

戦士「いくらなんでも見付からんだろ…」

魔法使い「駆け落ちした息子さんが良く行っていた場所がわかれば…」

盗賊「おじじに聞いてくる!」

ーノアニール村付近

魔法使い「エルフと言っても行動範囲が広い訳ではないでしょうし…」

戦士「それはそうだが…」

魔法使い「ここからそう遠く無いとは思うのですが」

僧侶「盗賊ちゃん!エルフさんに頼んだらきっとみんな起こしてくれますよ!」

盗賊「…そうでしょうか?」

僧侶「大丈夫!だから元気出して行きましょう!」

盗賊「はい…ありがとうございます…」

戦士「武道家ーっ!それらしい物見付かったかーっ!」

武道家「えーっ!なんですかーっ?う、うわぁぁ!」

魔法使い「武道家さん!」

戦士「この穴に武道家落ちたのか…大丈夫かぁ!」

魔法使い「…声が届いていないみたいですね」

盗賊「私が見てきましょう!」

戦士「助かる…そうして貰えるか」

グラッ

魔法使い「!」

戦士「何か揺れてるぞ!ヤバくねぇかこれ!」

僧侶「おおおお…おお!」

ガラッガラッ

盗賊「く、崩れる!」





盗賊「いたた…。ま、魔法使いさん大丈夫ですか!」

魔法使い「…うぅ」

盗賊「しっかりしてください!」

戦士「お、俺は死んだか?」

盗賊「生きてますよ親分!」

戦士「そうか…上を見ると誰かが手招きしてるぞ?」

盗賊「バカな事言ってないで起きてください!」

ダレカー

盗賊「やだ!根っ子に引っ掛かって手招きしてるの僧侶さんですよ親分!」

戦士「何!ん…本当だ!盗賊頼めるか?」

盗賊「やかりやした!魔法使いさんお願いしますよ」

戦士「ああ!魔法使いしっかりしろ!」ペチペチ



魔法使い「まだクラクラします…」

戦士「動くな。頭打ったみたいだから少し休んでろ」

魔法使い「はい…」

盗賊「親分!」

戦士「どうだった?」

盗賊「どうやらここは洞窟になってるようですね」

戦士「そうか。にしても武道家はどこ行っちまったんだ…」

僧侶「まさか…生き埋め…」

戦士「縁起でもねぇ事言うんじゃねぇよ!」

僧侶「ごめんなさい…」

盗賊「どうします親分?」

戦士「…上には登れねえし進むしかないな。魔法使い来い」

魔法使い「え?」

戦士「背負ってやるから」

魔法使い「わ、わかりました」

盗賊「…わ、私が変わりましょうか親分」

戦士「いいよ。お前の方がこう言う所慣れてるだろうからな」

盗賊「はぁ…」

戦士「ほら、行くぞ」

盗賊「はい…」

僧侶「?」



魔法使い「この洞窟は少し人の手が入ってる見たいですね」

戦士「そうだなぁ。そんなに歩き難くも無いし」

魔法使い「…重くないですか?」

戦士「大丈夫だ」

魔法使い「…すいません」

戦士「何を謝ってるんだ?気にするな」

魔法使い「はい…」

盗賊「…」

僧侶「何か先の方が明るいですよ!」

戦士「本当だな。でも出口って明るさじゃ無いみたいだが」

魔法使い「用心して進んだ方が良いかもしれません」



戦士「少しずつ広くなってきたな」

魔法使い「ええ」

盗賊「親分、あそこ地底湖の真ん中に何かありますよ」

戦士「なんだありゃ」

魔法使い「祭壇…みたいですね」

盗賊「誰かいます!」

僧侶「…あ!武道家さん!」

戦士「あいつ生きてたか…」

魔法使い「良かったですね…本当」

戦士「ああ良かった!」

僧侶「武道家さぁんーっ!」



武道家「うぅぐぅ…」

戦士「こいつは…」

魔法使い「…」

僧侶「人間とエルフ…」

武道家「…駆け落ちした二人みたいです…」

盗賊「こんな事って…」

武道家「二人の傍らに手紙が…見てはいけないと思ったんですが…」

魔法使い「この世で許されぬ愛ならば…天国で一緒になります…」

戦士「…死を選んだ訳か。そこまで追い詰められてたんだな二人は…」

盗賊「…」

武道家「後、この宝石が…」

魔法使い「それはエルフに渡しましょう…もし形見なら届けてあげたいですから」

戦士「それがいいな」

僧侶「武道家さん…ハンカチ使ってください…」

武道家「ありがとうございます…この世で許されぬ愛なんて悲しすぎますよ…」

僧侶「そうですね…もし私が同じだったら地の果てを越えてでも生きて逃げて二人でいたいかな…なんて」

武道家「…」

僧侶「やだ…武道家さんそんなに真面目に聞かないでください…恥ずかしいですから!」

武道家「いえ、私も同じ考えでしたから…」

僧侶「奇遇…ですね。ふふ」

魔法使い「皆さん…このお二人を丁重に埋葬しましょう」

「……」

ーノアニール村、西の洞窟入り口

戦士「…娑婆の空気はうめぇぜ」

僧侶、武道家、盗賊「…」

戦士「なんだ?」

武道家「いえ…これ程その言葉が似合う人も珍しいなと」

戦士「お前ら…いい加減にしろよ」

コトコト

魔法使い「何かしら?宝石が動いてる…」

武道家「袋から出して確認してみましょうか」

魔法使い「光ってる…」

武道家「何でしょうかこの宝石は…」

魔法使い「わかりません…けど…キャッ!」ピーッ!

盗賊「光が一直線に森の中へ…」

魔法使い「どこか指し示してるようですね」

戦士「どこにだ?」

僧侶「竜の巣ですよ!」

盗賊「…」

魔法使い「…」

戦士「ま、まあ取り敢えず光ってる方向を辿ってみるか」

武道家「そうですね!行きましょう…」

盗賊、魔法使い「(言いたかった…)」

僧侶「(二人に凄い睨まれた…)」



戦士「このままノアニールまで行っちまうんじゃねぇのか?」

魔法使い「いえ、地図と照らし合わせると少し北側を指してますね」

盗賊「おかしいですよ親分。こっちには海しか無い筈なんですが」

戦士「じゃあ海水浴でもするか!何てな」

武道家「こんな北の海で海水浴なんて出来ませんよ…」

僧侶「どこでなら出来るんですか?」

武道家「そうですねぇやっぱりアリアハンですかね」

僧侶「ほうほう」

武道家「お城の近くなら入江になってて波も穏やかですし」

僧侶「女の子なんかいたりして?」

武道家「そうなんですよ!白とか赤とか色々な水着が砂浜に映えて。時々そんな見せていいんですか!ってくらい際どい水着を…」

僧侶、盗賊、魔法使い「…」

武道家「すいませんでした…」

戦士「元気だせ…武道家」

男「いやいや、そんな速度だしてないぞ?」

ツンデレ「…………!」ギュー!

男「痛い痛い足つねるなって、悪かったから」

ツンデレ「ばか……」ツーン



魔法使い「光が…消えました」

戦士「ここに何かあんのか?」

魔法使い「さぁ…わかりません」

??「お前達!」

盗賊「親分!上です!」

??「ここから先は立ち入るな!」

戦士「お前エルフ…か?」

エルフ「…」

魔法使い「あの…お話が…」

エルフ「…弓を構えているうちに帰れ!」

戦士「話ぐらいさせろ

ドスッ

エルフ「次は外さない…」

戦士「チッ…」

魔法使い「これを…」

エルフ「…お前何故それを?」

魔法使い「二人の…亡骸の傍らにと言えばわかって貰えますか?」

エルフ「…」

魔法使い「…」

エルフ「お前だけ着いて来い」

魔法使い「…わかりました」

戦士「気を付けろよ」

魔法使い「ええ。行ってきます」

エルフ「こっちだ」

武道家「いいんですか!」

戦士「しょうがないだろ!行かせたく無かったけどよ…」

ーエルフの隠れ里

エルフ「人間、嘘はやめておけよ」

魔法使い「はい」

エルフ「…」

魔法使い「(ここは…何か懐かしいような気分にさせてくれますね…)」

エルフ「…姫の…エルフの最後は看取ったのか?」

魔法使い「いいえ…私達が行った時には既に…」

エルフ「そうか…」

魔法使い「これもお渡ししておきます」

エルフ「手紙…」

魔法使い「…」

ーエルフの隠れ里、入り口

戦士「はあ…」

武道家「大丈夫でしょうか魔法使いさん…」

戦士「成るように成るだけだ」

武道家「しかし…」

戦士「それに…あそこの兄ちゃんも行かせてくれそうもねぇしな」

エルフ「…」

戦士「おーい」

エルフ「…」グググッ

戦士「ただ声かけただけじゃねぇか…弓構えるなよ…」

エルフ「…」

戦士「…」ニヤリ

エルフ「…」

戦士「…」バッバツ

エルフ「!」グググッ

戦士「…」

エルフ「…」

戦士「…」バッバツ

エルフ「…」グググッ

盗賊「…」バッバツ

エルフ「…」ググッ

僧侶「…」バッバツ

エルフ「…」プルプル

戦士、盗賊、僧侶「…」バッバツ

エルフ「…」プルプルプル

武道家「三人共エルフさんで遊ぶのやめてくださいよ…」

ーエルフの隠れ里

エルフ「待たせた人間」

魔法使い「いえ…」

エルフ「入れ」

魔法使い「失礼します」

エルフの女王「…」

魔法使い「お二人の亡骸は丁重に埋葬いたしました」

エルフの女王「…アンの遺体の表情は如何であった?」

魔法使い「とても…幸せそうでございました」

エルフの女王「そうか…うぅ…」

魔法使い「…」

エルフの女王「アン…すまなかった…」



エルフの女王「…見苦しい姿を見せてすまなかった」

魔法使い「いえ…心中お察しします」

エルフの女王「私が許していればこのような事は起きなかったのに…」

魔法使い「…」

エルフの女王「あの村の呪いはこれで解けるであろう」

魔法使い「ありがとうございます」

エルフの女王「…」

魔法使い「あの…」

エルフの女王「何か?」

魔法使い「お願いがございます」

ーエルフの隠れ里、入り口

戦士「魔法使いおっせぇなぁ。エルフにでも食われちまったか?」

ドスッ

戦士「あぶね!何しやがる!」

エルフ「人間とは違う!」

戦士「人間だってエルフ食わねぇよ!」

武道家「多分意味合いが違うと思いますよ」

戦士「…そうなのか?」

魔法使い「皆さんお待たせしました!」

武道家「お帰りなさい。心配しましたよ」

魔法使い「盗賊さん」

盗賊「はい?」

魔法使い「これを使えば皆目を覚ましますよ」

盗賊「本当ですか!良かった…」

僧侶「良かったですね!盗賊ちゃん!」

盗賊「はい!」

戦士「じゃあ早く戻って使ってやらねぇとな!」

魔法使い「…」

武道家「魔法使いさん?」

魔法使い「私は…ここに残りたいと思います」

戦士「は?」

僧侶「魔法使いさんその冗談は面白くないですよ…」

魔法使い「僧侶さん…この我が儘聞いて貰えないでしょうか…」

僧侶「本気…なんですか?」

魔法使い「はい…どうかお願いします」

僧侶「…」

魔法使い「…」

僧侶「魔法使いさんは頑固ですから…何を言っても残るんでしょ?」

魔法使い「ごめんなさい…」

僧侶「じゃあ魔法使いさんのお願い聞いちゃいます!」

魔法使い「僧侶さん…ありがとうございます…」

戦士「…理由は話さないのか?」

魔法使い「そうですね…私はこの先きっと皆さんの足手まといになるでしょう」

戦士「…」

武道家「そんな事

戦士「黙って聞いてろ!」

武道家「…」

魔法使い「皆さんを見ていて…凄い辛いんです。自分が置いていかれる事に…」

魔法使い「ですから…ここで…」

戦士「わかった…」

魔法使い「ごめんなさい…」

戦士「謝る事はねぇよ。嬢ちゃんだっていいって言ったんだ。魔法使いの気が済むまでやりゃいい」

魔法使い「…」

戦士「また…戻ってくるんだろ?」

魔法使い「必ず…」

戦士「ならいい。達者でな魔法使い」

魔法使い「はい…戦士さんも」

武道家「ちょっと戦士さん待って…魔法使いさん頑張ってください!」

魔法使い「武道家さんありがとうございます」

盗賊「…」

魔法使い「戦士さんを…よろしくお願いします…」

盗賊「言われなくても承知してます。…お達者で」

魔法使い「はい」

僧侶「魔法使いさん!」

魔法使い「僧侶さん…」

僧侶「もう雷跳ねてソードが走るくらい頑張ってください!」

魔法使い「よくわかりませんが…負けませんよ!」

僧侶「私も負けません!じゃあまた会いましょう!」

魔法使い「皆さん…ありがとうございました…」



武道家「…戦士さん、良かったんですか?」

戦士「…」

武道家「戦士さんたら!」

戦士「うるせぇな聞こえてるよ」

武道家「返事くらいしてくださいよ」

戦士「悪かったよ。武道家、お前だったら魔法使いと同じ事出来るか?」

武道家「多分出来ないと思います…」

戦士「だよなぁ」

武道家「…」

戦士「すげぇよあいつは。俺らも負けらんねぇな」

武道家「そうですね…」

盗賊「…」

僧侶「どうしたの?盗賊ちゃん」

盗賊「え?な、何でもないですよ」

僧侶「そお?なんか暗い顔しちゃってるから気になって」

盗賊「そう見えますか?(…僧侶さん良く見てるな)」

僧侶「うん。見える」

盗賊「実はですね…前のお二方があまりにも仲良さそうにしてるもので!」

僧侶「恋人同士ですから仕方ないですよ!…ここだけの話なんだけど」ゴニョゴニョ

盗賊「……グハッ!」

ーノアニール村

戦士「それ…本当に撒くのか?」

盗賊「はい親分!」

武道家「袋開けただけで目が痛くなるなんて普通じゃないですよ…」

戦士「使い方合ってるのか?」

盗賊「魔法使いさんがくれた手紙にもそう書いてありますが」

戦士「どれ…確かに…」

僧侶「武道家さんも戦士さんも目が痛いなんて気合いが足りないんです!」

武道家「僧侶さんは大丈夫なんですか?」

僧侶「はい!全然平気!」

戦士「盗賊もか?」

盗賊「はい親分!」

戦士「…どうなってやがる」

盗賊「では…景気良くいきますよーっ!」

戦士「ぐぁぁ…こ、これは…」

武道家「痛い痛い痛い!ギブアップです!ここから離れましょう戦士さん!」

戦士「ああ…堪らんな…」

僧侶「逃げちゃった」

盗賊「親分…そんなにだらしがないなんて幻滅ですよ…」

パサッ

僧侶「盗賊ちゃん何か落ちたよ?」

盗賊「はて?手紙?」

僧侶「もう一通あったんじゃ…」

盗賊「そのようで…」

僧侶「『追記、この粉はエルフの方々が人間の男性を撃退する時にも使われるようです』」

盗賊「…」

僧侶「『お使いになる時は戦士さんや武道家さんを遠くへ離して使ってください。魔法使い』」

盗賊「…」

僧侶「…大丈夫!大丈夫!」

盗賊「親分…すいません…え?」

僧侶「?」

盗賊「武道家さん…男性?」

僧侶「そうですよ?」

盗賊「でも親分と恋人同士って…」

僧侶「そうですよ!」

盗賊「それって…男性同士で?」

僧侶「そうですね!」

盗賊「…」

僧侶「…」ゴニョゴニョ

盗賊「!」

僧侶「盗賊ちゃん鼻血!」

盗賊「私はもう駄目です… 冥府魔道へ落ちました…」



戦士「良かったな盗賊。みんな目を覚ましたみたいだ」

盗賊「そうですね…」

戦士「何故目線を反らす?」

盗賊「いえ…」

武道家「村の皆さん…何事も無かったようにしてますね」

戦士「そうだな。まぁ寝てる時の記憶なんてねぇだろ普通」

僧侶「盗賊ちゃん!おじじさんの所に行ってきなよ!」

盗賊「そうですね!」

戦士「ここら辺で待ってるからな」

盗賊「はい!では」タッタッタッ

戦士「さて、次はどうするか?」

武道家「そうですね…」

伝令「お前達探したぞ」

僧侶「誰ですか?」

伝令「…覚えて無いのか?」

武道家「僧侶さん、ほら将軍さんの手紙とか書状持ってきた」

僧侶「ああ!……この人でしたっけ?」

伝令「くっ!貴様は酷い奴だな」

戦士「何かようなのかい?」

伝令「…ああ。また将軍様からの手紙を届けに来た」

武道家「なんでしょうか」

伝令「知らん。確かに届けたぞ。ほらここにサインしろ」

僧侶「ああ!伝令さん!」

伝令「何故今思い出すんだ…」

僧侶「その凄い上から目線のセリフです」

伝令「…」

戦士「そうだ。伝令よ、伝言頼まれてくれよ」

伝令「なんだ?」

戦士「代筆者は使うなって」

伝令「よくわからんが伝えておこう」

戦士「絶対忘れるなよ?」

伝令「この『ロマリアの黒猫』を舐めてもらっては困るな」

戦士「後だな…魔法使いが抜けて盗賊が加入したとも伝えてくれ」

伝令「わかった」

僧侶「(どうしましょう…この手紙凄く読みたくない…)」

伝令「じゃあな」

僧侶「待ってください!」

伝令「まだ何かあるのか…」

僧侶「伝令さんの声って格好いいですよね!」

伝令「ま、まぁ良く言われる」

僧侶「あぁ…伝令さんの朗読してる声聞いてみたいなぁ」

伝令「…」

僧侶「きっと素敵なんでしょうねぇ」

伝令「…」

僧侶「あらビックリ!ここに丁度将軍様からの手紙が!」

伝令「私が読もう!」

僧侶「お願いします」ニヤ

戦士「(嬢ちゃん…鬼だな…)」

伝令「『ヤッピー!!』」

伝令「…」ガサガサ

戦士「確認しなくても大丈夫だ。ちゃんと差出人は将軍だから」

伝令「ば、バカな…」

僧侶「早くぅお願いしますよ」ニヤニヤ

伝令「…よ、用事を思い出

僧侶「あーぁ!もうすぐ超美少女の盗賊ちゃんが帰ってくるのに残念だなぁ!」

伝令「…」ピク

僧侶「伝令さんの素敵な声聞いたらたちまち惚れてまうんやろうなぁ!」

伝令「読もう」

僧侶「お願いします」ニヤリ

戦士「(アホだぜ…伝令…)」

伝令「『ヤッピー!!皆の衆元気かな?拙者も元気でござる。なん候!!』」

武道家「伝令さん頑張って!」

伝令「『何か有名人になっちゃったね!実はね王様がぽろっとマスコミに勇者の件漏らし…この事は他言無用だ!』」

伝令「『そうそう代筆者にまた頼んだよ。多分評判良かったよね?ちょっと嫉妬。うんうん』」

戦士「…」

伝令「『今は行き先に困ってる頃かな?違ったらゴメス!だから僕が風来っぽい試練を用意したよ!』」

伝令「『イシスの北にあるえーと?ピラミッドに魔法のカギがあるから取ってきてね?』」

僧侶「伝令さんファイト!」

伝令「『厳しい旅になるだろう。だが勇者達ならこの困難も乗り越え先に進む糧にすると信じている』」

戦士「多分代筆中に飽きたんだな…」

伝令「『ここから先は私の力が及ばない地域になる。危険も更に増すであろう』」

伝令「『最後になるが、勇者よ良い知らせを期待している』」

戦士「…お疲れ伝令」

伝令「すまないが…一人にしてくれ…」

武道家「伝令さん…へこんじゃいましたね…」

盗賊「お待たせしました親分」

僧侶「お帰りなさい盗賊ちゃん!」

戦士「どうだった?」

盗賊「ええ…おじじ泣いて喜んでました。皆さん本当にありがとうございました!」

僧侶「良かったね!盗賊ちゃん!」

盗賊「はい僧侶さん!」

戦士「じゃあさっそく次行くか」

武道家「とりあえずカザーブの村ですね」

ーカザーブの村付近

武道家、戦士「…」

僧侶、盗賊「…」

伝令「…」

戦士「なんでいるんだ?」

伝令「別に居たっていいだろ」

武道家「何かまだあるんですか?」

伝令「いや…途中まで一緒ならお前達といた方が楽だと思ったんだ」

武道家「何が楽なんですか?」

伝令「俺は弱いからあまり戦いたくないんだ。だからお前達と一緒にいて戦わずに済めべば楽だなと」

武道家「なるほど」

盗賊「あの後ろの方は何者ですか?」

僧侶「ロマリアの伝令さんですよ」

盗賊「へぇそうなんですか」

伝令「おい」

戦士「ああ?」

伝令「あの女性が例の盗賊さんか?」

戦士「そうだけど?」

伝令「さすが勇者と誉めておこう」

武道家「まさか…」

戦士「惚れたのか?」

伝令「フッ…一目惚れと言うやつだ」キリッ

武道家「うわ…」

戦士「お前もめんどくさい奴だったんだな…」

伝令「めんどくさいとはなんだ失礼だぞ」

武道家「まあまあ…」

ーカザーブの村、宿屋

武道家「二部屋お願いします」

伝令「すまんが後、一部屋頼む」

戦士「なんだ?一緒で良いじゃねぇか」

伝令「不味いだろ。勇者や盗賊さんと一緒なんて」

武道家「…」

伝令「冗談だ。ならお言葉に甘えよう」

戦士「二部屋頼むよ」

宿屋「かしこまりました」

武道家「伝令さん、馬はどうしたんですか?今回乗って無かったみたいですが」

伝令「シルバーか。あいつなら城にいるよ」

武道家「え?ここまでどうやって来たんですか?」

伝令「歩きだが?」

武道家「モンスターとかに襲われたりしなかったんですか?」

伝令「黒猫の異名は伊達では無いと言っておこう」キリッ

戦士「どうせピオリム使って逃げまくってんだろ?」

伝令「くっ!貴様!何故知ってる!」

戦士「…否定しろよ」

武道家「僧侶さん達なかなか来ませんね」

戦士「どっかで油売ってるだろ」

伝令「女性同士だからな。おそらく…可憐な盗賊さんが可憐な花で可憐な花飾りでも作って可憐に遊んでいるのだろう」

戦士「嬢ちゃんとか?…想像出来ねぇ…な、武道家」

武道家「凄くいいです…。清純な僧侶さんが清純な花で清純な花飾りを作って清純に遊んでいる…」

戦士「…」

ーカザーブの村、墓場

僧侶「…」

盗賊「このお墓って熊を素手で倒したって言う人のお墓ですか?」

僧侶「そお。その人と先日戦ったんだよ」

盗賊「?」



僧侶「と言うお話だったのさ」

盗賊「なるほど…」

僧侶「こんなに強い人いるんだってビックリしちゃった」

盗賊「上には上がって訳ですね」

僧侶「うん。あとどれぐらい強くなれば亡霊さんに勝てるかなぁ」

盗賊「僧侶さんならすぐですよ」

僧侶「ありがと盗賊ちゃん。魔法使いさんにも負けられないし…頑張らないと」

盗賊「…」

ーカザーブの村、宿屋部屋

僧侶「墓場でお墓参りです」

伝令「…すまんもう一度言ってくれ」

僧侶「じゃあ一発殴らせてください!」

戦士「現実を受け入れろよ…」

伝令「ああ…か弱き乙女二人が揃って墓参りとは…」

武道家「いくらなんでも夢見すぎですよ…」

戦士「もうほっとけ…今後の事でちょっと話そうか」

武道家「待ってください地図広げますから」パサッ

戦士「これは砂漠を越えないといけないのか…」

武道家「そうですね。ここから南西にあるアッサラームへ向かい南東にあるイシスへ、そこから北にです」

僧侶「砂漠なんて初めてですから楽しみですよ!」

伝令「…楽しい物では無いぞ?」

僧侶「そうなんですか?」

伝令「ああ。炎天下の中をひたすら歩き、砂に足を取られ水も満足に飲め無い…楽しいと思うか?」

僧侶「ちょっと甘く見ていたかも…」

伝令「だから、このアッサラームと言う街で万全の支度をしてからイシスへ向かえ」

戦士「お前やけに詳しいな」

伝令「イシスへ書類を届けに行った時死にかけたからな」

武道家「なるほど…」

戦士「じゃあ次はアッサラームか」

武道家「そうですね」

伝令「…」

戦士「…一緒に行きたいのか?」

伝令「バ、バカを言え誰がお前達なんかと一緒に!」

僧侶「…イシス」

伝令「?」

僧侶「アッサラーム」

伝令「…」ピク

僧侶「男」

伝令「…」

僧侶「女」

伝令「…」ピク

戦士「伝令…わかりやすすぎだぜ…」

伝令「な、何も言って無いだろうが!」

僧侶「なるほど…ね?」

伝令「…勘弁してくれ」

ーカザーブの村、宿屋風呂

戦士「ぶぁぁ…」

伝令「…」

武道家「どうしました?伝令さん」

伝令「盗賊さんの前で…あのような醜態を晒してしまうとは…」

武道家「頑張ってください…」

伝令「ああ…。そうだ、お前は勇者が好きなのだろ?」

武道家「と、突然なにを!」

伝令「違うのか?」

武道家「……好きだと思います…」

戦士「やめろよ…野郎同士で色恋話なんて」

武道家「…へぇ」

戦士「な、なんだよ?」

武道家「何でもないですよ」

ーカザーブの村、宿屋風呂

盗賊「や、やめてください…」

僧侶「良いではないか!」

盗賊「そんなところを擦られては…ぁぁ…」

僧侶「クククッもうこんなに泡立っているではないか!」

盗賊「そんな事ありま…あ…せん…」

僧侶「ほほう…口では嫌がっても体の方は正直のようだぞ?ほれ」

盗賊「あぁ…こんなに…いやぁ…」

僧侶「素直になれば苦しまずに済むものを…ククク」

盗賊「石鹸取ってください」

僧侶「はい盗賊ちゃん」

ーカザーブの村付近

武道家「…」

僧侶「どうしたんですか武道家さん?」

武道家「え?ああ…すいません。ちょっとボーっとしてしまって」

僧侶「大丈夫ですか?」

武道家「大丈夫大丈夫です…はは」

僧侶「ならいいんですけど」

武道家「(困ったなぁ…好きだって言った事が頭の中でグルグル回ってるよ…)」

僧侶「武道家さんの鉄の爪って欠けてたりしませんか?」

武道家「今のところは大丈夫ですね」

僧侶「ちょっと見せてください…ふむふむ」

武道家「(なんでこう言う時に近くに来るんでしょうか…)」

僧侶「武道家さん綺麗に使ってますねぇ。私なんかほらちょっと錆ちゃいましたよ」

武道家「今度一緒に手入れしましょうか…」

僧侶「はい!」

ーロマリア、カザーブの村中間地点

伝令「そろそろか。世話になったな」

武道家「こちらもお世話になりました」

戦士「じゃあな。将軍によろしくな」

盗賊「…」

僧侶「また手紙呼んでください!」

伝令「思い出させないでくれ…」

僧侶「じゃあ失礼します!」

伝令「ああ。頑張ってな」



伝令「…行ったか」

伝令「…」

伝令「ちょっと待て…盗賊さんと一言も喋っていないではないか!」

ーアッサラームへと抜ける橋

僧侶「おお!こんな大きな橋初めてです!」

武道家「この川の北側にはオリビア岬って所があるみたいですね」

盗賊「変わった名前ですねぇ。人の名前から着いたんですかね?」

武道家「伝令さんに教えて貰ったんですがそうらしいですね」

盗賊「へぇ。なら色々と逸話がありそうですねぇ。隠し財宝とか」

武道家「どうやら嵐で亡くなった恋人を思い見投げしまった女性の名前だそうですよ」

盗賊「なんか…ありきたりですね」

武道家「盗賊さんはこう言う話興味無いんですか?」

盗賊「私は親分がいればいいんで。それに死んでも親分をお守りする覚悟してるんで興味無しですね」

武道家「なるほど…」

ーアッサラームの街付近

戦士「暑いな…」

僧侶「そうですか?」

戦士「お前らはいいよな…結構軽装だから」

武道家「そんな事無いですよ」

戦士「…じゃあ変わるか?」

武道家「ああ!暑いですね!これじゃあ戦士さんも大変だ!」

戦士「…」

僧侶「ん…あれですかね!アッサラーム!」

盗賊「結構大きいですねぇ」

戦士「あれなら砂漠越えの支度も十分に出来そうだな」

武道家「ええ。戦士さんの武器も新調出来そうですね」

ーアッサラームの街

戦士「よし、ちょっと広いから二手に別れるか」

武道家「そうですね」

戦士「じゃあ俺と嬢ちゃんが宿屋の手配、武道家と盗賊が道具屋とかの下見でいいか?」

盗賊「ええ!私親分と一緒がいい!」

戦士「盗賊ちょっと来い」

盗賊「はい?」

戦士「いいか、嬢ちゃんと武道家を二人にさせたら嬢ちゃんが何するかわからねぇ」

盗賊「はあ」

戦士「かと言ってお前と嬢ちゃんだと二人共何するかわからん」

盗賊「親分…酷いですよ…」

戦士「知らない街で騒ぎを起こしたく無いんだ。わかってくれ」

盗賊「まあ…親分の頼みなら聞きますけど…」

戦士「じゃあ頼んだぜ」



武道家「…」ジー

盗賊「…薄着の女性が多いからってあんまり見てると僧侶さんに言いますよ?」

武道家「そ、そんな事してないですよ!」

盗賊「へぇ…」

武道家「それに僧侶さんは関係無いです!」

盗賊「知らないとでも?」

武道家「…何をですか?」

盗賊「いっつも僧侶さんばかり見てる事…ふふふ」

武道家「…」

盗賊「おや?どうしました?」

武道家「それは…仕方がないじゃないですか…」

盗賊「あらら…ちょっと私調子に乗りすぎましたね。すいません」

武道家「いえ…いいですよ」

盗賊「まあ女性をあまり神聖化して見ない事をおすすめしますよ」

武道家「…それはどう言う意味ですか?」

盗賊「あの方…僧侶さんは男女の事情に疎そうな方ですから…ね?」

武道家「…」

盗賊「報われない愛でも構わないと言うのであれば私は何も言いませんけど」

武道家「…」

盗賊「そんな事は無いって顔してますね。でも女性の気持ちは移ろいやすくなんて言葉もございますから」

武道家「…少し黙って貰えますか」

盗賊「どうしました?図星を突かれ痛かったと」

武道家「黙れといったんだ!」

ーアッサラームの街、劇場前

戦士「ほう、こんなのもあるんだなぁ」

僧侶「お芝居か何かやってるんですか?」

戦士「ん…まだお子様の嬢ちゃんにはわからんさ」

僧侶「失礼ですよ戦士さん!お子様じゃ無いですもん!」

戦士「はいはい。ちょっと覗いて来るからここで待っててくれよ」

僧侶「嫌です!私も行きます!」

戦士「しかしなぁ…」

僧侶「じゃあ交代で見ましょう!」

戦士「交代で見る意味がわからんが…まぁいいか」

僧侶「やった!」

戦士「しっかり社会勉強しろよガハハ」

僧侶「じゃあ私から!」

戦士「これだけは譲れねぇ!」

僧侶「仕方ないですね…先どうぞ!」

戦士「すまねぇな嬢ちゃん、じゃあ行ってくるぜ」



戦士「ほう、ベリーダン

伝令「スライム!メラミ!バギクロス!フゥ!コスモ踊り子ちゃんの為なら!ジャ!ジャ!ジャ!」



戦士「宿屋…行くか…」

僧侶「えぇ!ズルいですよ!どうせエッチなやつだってわかってますから!行ってきます!」



僧侶「ほう、ベリーダン

伝令「踊り子踊り子踊り子ちゃん!フゥ!フゥ!みんなぁで行こうぜマートーリックス!!」



僧侶「私…まだお子様でいいです…」

戦士「何か…ごめんな…」

ーアッサラームの街、宿屋

武道家、盗賊「……」

戦士「どうしたんだ?あの二人」

僧侶「さぁ…でも武道家さんがあんなに怒った顔してるの初めて見ましたね」

戦士「そうだな…喧嘩でもしたんだな」

伝令「ふぅ…お前達探したぞ…?」

「……」

伝令「なんだ?凄い不穏な空気ではないか」

戦士「また手紙か?今はお前に構ってる暇無いんだけどな」

伝令「いや…配属された」

戦士「…面白く無いぞそれ」

伝令「誰もウケなど狙ってない。勇者一行にしばらく配属されたんだ」

僧侶「将軍さんも余計な事しますね!」

伝令「余計な事って…」



伝令「なるほど…。盗賊さんと武道家が喧嘩ね」

戦士「お前は伝令の仕事いいのかよ」

伝令「仕方あるまい。将軍様より直々の通達だったんだから。それに試練の終了までだからな」

戦士「あまり戦いたくないって言ってたじゃねぇか」

伝令「そうなんだが…将軍様が魔法使いが抜けた穴に一応補助魔法ならある程度出来る俺をとな」

戦士「で、先に来て遊んでいたと」

伝令「…何故知っている!」

僧侶「で、マトリックスと」

伝令「何故知っていると聞いているんだ!」

戦士、僧侶「踊り子ちゃん!」

伝令「やめてくれ…」

武道家「少し…夜風に当たってきます…」

戦士「…」

盗賊「私部屋行きます」

僧侶「盗賊ちゃん…」

伝令「これは…不味いんじゃないか?」

戦士「そうなんだが…」

僧侶「私…武道家さん追います」

戦士「わかった。じゃあ俺は盗賊と話してくるわ」

伝令「俺は?」

戦士「知るか!そこら辺にいろ!」

伝令「…」

伝令「いくら何でも酷すぎだろ…泣きたくなるくらい疎外感…」

伝令「この傷ついた心を癒しに行くか…劇場に!これは仕方がない。うん、これは仕方がない事なんだ!」

ーアッサラームの街

武道家「…」

僧侶「武道家さん…隣いいですか?」

武道家「…どうぞ」

僧侶「何かあったんですか?」

武道家「…」

僧侶「…」

武道家「…盗賊さんに怒鳴ってしまいました」

僧侶「…」

武道家「いつも気にしていた事を…言われてしまって…」

僧侶「…気にしていた事ですか?」

武道家「…はい」

僧侶「良かったら…話して貰えますか?」

武道家「…」

??「人間の二匹かぁ」

僧侶、武道家「!」

??「おかしいなぁ勇者っぽい気配だっただがなぁ」

武道家「なんでこんな街中にモンスターが!」

??「まぁいいかぁ」

僧侶「武道家さん!先行きます!」

??「女ぁ死ね!」ドシュ

僧侶「とっ…遅い!」バキン

??「ぐぁぁ」

武道家「後ろだ!」ドスッ

??「いてなぁ…」

僧侶「二人でもいけそうですね!」

武道家「ええ!」

??「めんどくせぇなぁ…メラミぃ!」

僧侶「武道家さん!」

武道家「大丈夫こんなの当たりません!」

??「ちっ…」

僧侶「まだやるの?ねえ?」

??「…まとめて死ね」

武道家「何かヤバい!僧侶さん!」ガバッ

僧侶「え?」

??「イオナズンぅ!」

武道家「…?」

??「…」

僧侶「不発…」

ーアッサラームの街、宿屋

戦士「どうした?言ってみろよ」

盗賊「…武道家さん見てたらイライラしましてちょっと暴言を…」

戦士「あいつの怒りようだ…ちょっとじゃあねぇんだろ?」

盗賊「…」

戦士「まぁいいよ言わなくて」

盗賊「親分…なんでこうスカッと思いを伝えないんでしょう…」

戦士「…」

盗賊「言えばわかって貰えるのに」

戦士「お前と一緒の事なんて誰もが出来る訳じゃないんだぞ?」

盗賊「…ですが」

戦士「良いじゃねぇかほっといてやれば。それもありだと俺は思うぜ」

盗賊「…」

ーアッサラームの街

僧侶「逃げちゃいましたね…」

武道家「はい…」

僧侶「…」

武道家「どうしました?」

僧侶「いや…あの…庇ってもらってありがとうございます」

武道家「いえ…」

僧侶「…」

武道家「なんか…」

僧侶「はい?」

武道家「良くわからないですが体が反応していつの間にか…」

僧侶「なるほど。凄いなぁ武道家さん」

武道家「え?」

僧侶「武道家さんが勇者みたいですね」

武道家「そんな…僧侶さんはちゃんと勇者してるじゃないですか」

僧侶「私なんか全然…困っちゃいますよねこんな勇者だと」

武道家「…そんな事無いですよ。僧侶さんなら立派な勇者になれますって!」

僧侶「ふふ」

武道家「?」

僧侶「ありがとうございます。武道家さんに言われると嬉しいなぁ」

武道家「いやぁ…あ、あの!」

僧侶「はい?……!!」

武道家「…そ、僧侶さんの事…その…すすす、好きです!」

武道家「…」

武道家「……?あれ…いない…」

マテーメタルスライム!

武道家「…」

ーアッサラームの街付近

伝令「良し!行くぞお前達!」

戦士「えらい張り切ってるな」

伝令「まあな!今日の俺は一味違うぞぉ!」

戦士「踊り子といい事でもしたのか?」

伝令「何故知っている…」

戦士「だから否定しろよ」

僧侶「いい事ってなんですか?」

伝令「何でもない!」

僧侶「ええ?教えてくださいよ!」

伝令「駄目だ!向こうへ行っていろ!」

僧侶「なんですかケチ!後で必ず聞き出しますからね!」プン

戦士「嬢ちゃんはやると言ったらやる女だから気を付けろよ…」

伝令「…」

ー砂漠

武道家「これは…想像以上に凄いですね…」

戦士「鎧が焼けて熱い…今なら盾で目玉焼き焼けるぞぉ」

武道家「しっかりしてくださいよ…」

僧侶「うわぁ…暑い…」

戦士「伝令…ヒャド」

伝令「あ?ヒャド?出来ないが?」

戦士、僧侶、盗賊「チッ…」

伝令「補助魔法ならと言ったじゃないか…」

武道家「補助魔法だけでも助かりますよ」

伝令「お前は優しいな。お前だけだ俺の味方は」

武道家「別に味方では無いですが…」



僧侶「汗で…着てる物が張り付いて気持ち悪い…」

盗賊「そうですねぇ。もう下着までびしょびしょですよ」

僧侶「そうそう。これならブラ着けなければ良かった」

盗賊「駄目ですよぉ。乳首浮いちゃうし擦れて痛くなりますから」

僧侶「そうだけど…盗賊ちゃんはどんなブラしてるの?」

盗賊「私はストラップが苦手なのでもっぱらフロントホックですよ」

僧侶「だからおっぱい大きいんだ」

盗賊「関係無いかと…僧侶さんも大きいじゃないですか。何か秘訣でも?」

僧侶「ひみつぅ!ふふ」

盗賊「教えてくださいよ!」

武道家、伝令「…」ゴクリ

伝令「ふっ…やはり味方はお前だけのようだな」キリッ

武道家「…」



戦士「何か岩が多くなってきたな」

伝令「なら、もうすぐイシスに着く筈だ」

戦士「本当か!やっとかよ…」

伝令「オアシスに建てられた城だからちゃんと水もある」

僧侶「じゃあお風呂入れますね!良かったぁ」

伝令「ただな…王ちょっと変わっていてな」

武道家「変わって?」

伝令「まあ…なんだ。女好きだな。女だけど」

武道家「…」

戦士「嬢ちゃん達ヤバいんじゃねぇのか?」

伝令「大丈夫だろ…多分」

武道家「多分て…」

盗賊「親分!見えてきましたよ!」

ーイシス

武道家「とりあず宿ですかね」

伝令「そうだな。王宮へ断りに行かねばならんが、この有り様ではな…」

戦士「砂だらけだぜ…」

僧侶、盗賊「お風呂…」

占い師「…」

武道家「(何か凄い見てくるんだけど…)」

占い師「そこの小娘ちょっと来い」

伝令「婆さん俺達は

占い師「ぱふぱふか…」

伝令「要件を聞こう。何かなご婦人」

戦士「おいおい…宿は?」

占い師「知的美

戦士「あおあ!要件は聞いた方がいいな!うん!」

武道家「いいんですか?二人共」

占い師「…私の婿にしてやろうか?」

武道家「意味がわかりません…」

盗賊「行かないんですか?」

占い師「…」

僧侶「…」

占い師「…お前…変わっておるな」

僧侶「私?」

占い師「ああ…さすが勇者。やはり変人じゃてふぇふぇ」

僧侶「…」

武道家「良く勇者ってわかりましたね」

占い師「…言いたい事は言った。行ってよいぞ」

武道家「はぁ…?」

ーイシス、王宮

戦士「はぁ…やっぱ凄ぇな」

盗賊「親分!あそこ高そうなツボ!」

戦士「取るなよ?」

盗賊「…ちょっと自信がありません」

伝令「色々と許可貰ってくるからここにいろよ。絶対だぞ!絶対だからな!」

僧侶「それは…いなくても

伝令「違う!動くな!変な事したら俺の首が飛ぶんだ!」

武道家「見ときますから…はは」

伝令「頼んだぞ同志!」

武道家「あの人の中で私はランクアップしてるのか…」



戦士「伝令まだかよ…」

盗賊「…」ウズウズ

戦士「盗賊よ…落ち着け」

盗賊「しかし…触るくらいなら!」

戦士「駄目だ」

盗賊「ケチですよ親分…」

僧侶「盗賊ちゃん!あっち行ってみようか!」

盗賊「いいですね。お供します!」

伝令「どこへいく…?」

僧侶、盗賊「チッ…」

伝令「本気でやめてくれ…」

戦士「終わったのか?」

伝令「ああ。これで明日ピラミッドに入れるぞ」

ーイシス、宿屋付近

戦士「しかし許可とかめんどくさい事するんだな」

伝令「他国の領地内で試練なんてするんだ。勝手にって言うのは不味いだろ」

戦士「確かにそうだな」

僧侶「ぱふぱふってなんですか?」

戦士「いきなりなんだ嬢ちゃん…」

僧侶「さっきのお婆さんが伝令さんに言ってたので気になって!」

戦士「伝令頼むぞ…」

伝令「…」

僧侶「伝令さんまたですか!」

伝令「同志よ助け…?同志がいないぞ?」

戦士「武道家?あらあいつどこ行きやがった」

僧侶「武道家さぁん!」

ーイシス、宿屋、夜

僧侶「武道家さん…帰って来ませんね…」

戦士「手分けして探したんだかな…」

盗賊「…」

伝令「街の外へ行くとは思えないが…」

戦士「しょうがねぇ野郎だな…ったく。もう一回り探していなかったら明日の朝にするぞ。いいな?」

伝令「仕方あるまい」

僧侶「武道家さん…」

盗賊「…心配ですか?」

僧侶「もちろん心配だよ…」

盗賊「…」

ーイシス、王宮、夜

シュタ

盗賊 (親分…すいません!やっぱり私は根っからの盗賊みたいですね)

盗賊 (あのツボ見たらウズウズしてしまって…もう触るだけですから堪忍してやってください)

盗賊 (まぁ…他の物も触ったり頬刷りしたりしますがね…ふっふっふっ)

盗賊 (久しぶりにこんな事してると思い出しますねぇ。親分を初めて見た時の事…)

盗賊 (感情に浸るのは後にしましょう)

タッタッタッ



盗賊 (ここの見張りさん達はなかなかやりますねぇ。自分達の王が女だから…なんて事は無いでしょうけど)

盗賊 (参りましたねぇ…これではツボまで辿り着けそうもありません)

盗賊 (…)

盗賊 (そうか…女王でしたね…。目標変更して女王様の装飾品を拝ませて頂きましょうか!)

タッタッタッ



盗賊 (このあたり…ビンゴ!)

盗賊 (しかし…何故見張りがこの階にはいないのでしょう?)

盗賊 (なるほど…どこの国も同じですか。夜の営みってやつは。好都合この上無いですねシシッ)

ーイシス、王室

武道家「やめてぐださいーっ!」

女王「大丈夫ですよ…直ぐに終わりますから…」

武道家「本当無理ですから!」

女王「そう固くならなくても…痛くしませんから…」

武道家「そう言う事では無くて!」

女王「初めてなのでしょ?優しく…してあげますよ…」

武道家「だから男ですって!」

女王「またその嘘を…その顔で有り得ません!」

武道家「本当に…」

女王「なら衣服をお脱ぎになられたらいかが?」

武道家「…嫌です」

女王「なら私が…」

武道家「やめてください!」

女王「強情なんですね…素敵!」

武道家「…帰らせてください」

女王「駄目です!」

武道家「もう…嫌だ…」



盗賊 (いないと思ったらあの方…こんな所に…)

盗賊 (しかし…ここ迄頑なに拒むなんてやるじゃないですか。ふふふ…見直しましたね)

盗賊 (このまま女王様の慰み者にされてしまうのも僧侶さんに申し訳無いですからね…仕方ありません助けましょうかね)

カチャ

女王「誰!」

盗賊「お楽しみの所、ちょいと失礼しますよ」

女王「曲者!誰か!誰かおらぬのか!」

武道家「盗賊さん…」

盗賊「ふふ…女王様。今は人払いしているの…お忘れで?」

女王「…」

盗賊「別に貴女様のお命頂戴しようなどと思っておりませんのでご安心を」

女王「では何用ですか…」

盗賊「いえね、女王様のお耳を少しばかり拝借いたしたいと思いまして。そちらの女性の事で」

女王「…言いなさい」

盗賊「しかし…女王様の品位に関わる事ですからねぇ。やはりやめておくのも一計ですか…」

女王「早く言いなさい!」

盗賊「かしこまりました。そちらの女性…すでに意中の方がいましてね」

女王「そのような事問題にならないわ」

盗賊「まあ最後まで聞いてくださいな。これが普通の相手で御座いませんで…」

女王「…」

盗賊「なんと!あの勇者のこれなんでこざいますよ!ええ」

女王「本当…なの?」

盗賊「ふふ…ロマリアのですがね」

女王「ロマリア…女性の勇者でしたね…」

盗賊「ご名答、勇者様のご趣味が貴女様と同じだったようですがね」

女王「…」

盗賊「これは大変不味い事なんじゃございませんか?勇者様のこれに手を出したとなると…ね?」

女王「そうであるが…今言った事…偽りなのでは?」

盗賊「残念ながら…誠でこざいます。なんせ私めとそちらの女性…勇者一行の一員でございますから」

女王「本当ですの?貴女」

武道家「は、はい…」

盗賊「このような美しい女性を自分の物にしたい…と思うのもわかりますが。ここはこの女性をお返し頂く事は出来ませんかね?」

女王「わかりました…。ですが公の場に…晒さずどうやってここから出ます?」

盗賊「ふふふ…そちらが本業ですのでね」

女王「今日起きた事は…」

盗賊「勿論、胸先三寸…墓場まで持っていく所存なのでご心配なく。では女王様失礼いたしますよ」

ーイシス、宿屋付近

武道家「盗賊さん…助けていただきありがとうございました」

盗賊「いえいえ、たまたま通りがかっただけですので」

武道家「王宮…しかも女王の王室にたまたまですか…」

盗賊「…この事は他言無用で。特に親分にはご内密に…」

武道家「はは大丈夫。言いませんよ。恩人ですから」

盗賊「ありがとうございます…」

武道家「あの‥この前は怒鳴ってしまって…すいませんでした」

盗賊「…」

武道家「本当の事を言われて…悔しかったんですよ…」

盗賊「…こちらも言い過ぎだったので気になさらず。それに報われなくもないかもしれませんね」

武道家「え?」

盗賊「ふふふ…頑張ってください」

武道家「…」

ーイシス付近

武道家「皆さん…昨日はすいませんでした!」

戦士「もう良いからよ頭あげろよ」

僧侶「武道さんが無事に帰って来てくれて良かったですね!」

戦士「本当だな。武道家にも嬢ちゃんの狼狽えっぷり見せてやりたかったぜ」

武道家「…え?」

僧侶「戦士さん!そんなに狼狽えて無いです!…ちょっとはしたかもしれませんが」

武道家「僧侶さん…」

戦士「しかし…お前どこ行ってたんだ?」

武道家「それはですね…その…」

伝令「みなまで言うな同志よ!日頃の鬱憤を晴らしに行っていたのだろ?」

武道家「は?」

伝令「なんだ水臭いじゃないか。そう言う店を見付けたなら誘ってくれても良かったんだぞ?」

武道家「…」

ーピラミッド付近

僧侶「凄いですね…」

戦士「ああ…こいつはなんだい?伝令」

伝令「古代の王の墓らしいな」

武道家「へぇ。…この中に入るんですか?」

伝令「そうだか?」

武道家「…」

僧侶「武道家さん大丈夫ですって!ちゃんと私が側に着いててあげますから!」

武道家「お願いします…」

戦士「そっか…こうゆう所お前駄目なんだっけ」

盗賊「親分!私も怖い!」

ダキッ

戦士「嘘だな?」

盗賊「嘘です…連れないなぁ…」

ーピラミッド

武道家「…もう凄く帰りたいです」

戦士「まだ入ったばかりじゃねぇか…」

伝令「なんだ同志、怖いのか?」

僧侶「ほら武道家さん!私の腕に掴まって!」

武道家「はあ…ぶっ!」

僧侶「どうしました?」

武道家「ななな何でも無いです!」

僧侶「?」

武道家 (おっぱい当たってるなんて言えない…)

盗賊「ん…親分、なかなか複雑に出来てるみたいですよここ」

戦士「そうか…こりゃ皆で手分けしてって訳にはいかないな」

伝令「そうだな」



盗賊「…」

戦士「盗賊どうだ?」

盗賊「お宝の匂いもするんですけど…その分罠たっぷりみたいな」

戦士「なるほどな。こりゃ迂闊に宝箱開けらんねぇな」

僧侶「宝箱発見!」

ガチャ

ひとくい箱「キャシャアァ!」

伝令「ラリホーッ!」

ひとくい箱「…zzz」

僧侶「…びっくりした」

戦士「人が言ってるそばから開けんじゃねぇよ!伝令助かった!」

伝令「ああ… 」

僧侶「伝令さん…ありがとうございます」

伝令「気にするな…」



伝令 (あれ?もしかして…俺の時代来ちゃったりしてる?)

武道家「伝令さんいなかったら危なかったですね」

僧侶「本当本当!」

戦士「嬢ちゃんが余計な事しなきゃ良かったんだよ!」

伝令「まあまあ…これも実力?ってやつだからさ、僕は気にして無いよ…ふふん」

僧侶「…」イラッ

伝令「しかし困るね。迂闊な行動を取られては僕の魔力も底をついてしまうよ」

戦士「…」イラッ

伝令「まぁ…君達が迷惑をかけ

盗賊「あ…そこ」

ガタンッ

伝令「うひゃぁぁ!」ヒュー

武道家「伝令さぁぁん!」

戦士、僧侶 (ざまぁ!)



戦士「また最初からだな。…誰かのせいで」

伝令「…」

僧侶「そうですね。…誰かのせいで!」

伝令「…同志よ!この二人がいじめるよ!」

盗賊「ここから上へ行くみたいですね」

戦士「また…狭いなぁこれ」

盗賊「はい…あら?行き止まり」

戦士「わりぃけど後ろへ下がってくれ」

僧侶「武道家さん下がって…キャッ」

武道家「え?」

ドスン

僧侶「ごめんなさい武道さん大丈夫ですか?」

武道家「だだだ大丈夫です!」

武道家 (おっぱい…触った…おっぱい…柔らかかった…)



戦士「それらしい所に着いたが…この石の扉開くのか?」

盗賊「んぎぎ…駄目みたいですよ」

伝令「これは何か呪文でも言わないと駄目なんじゃないか?」

武道家「お伽噺じゃないんですから…」

戦士「仕方ない…ちょっと壁とか探してみるか…」



僧侶 (ボタン発見!えい!)カチ

盗賊 (押して良い物か…南無三!)カチ

戦士 (ん…やべ…何か触った)カチ

伝令 (確か振り付けはこう…指を伸ばして…ん?)カチ

ゴゴゴゴッ



戦士「お前ら何かした?」

僧侶、盗賊、伝令「…」フルフル

戦士「まぁ…いいか…」

武道家「奥に宝箱ありますね」

戦士「また罠じゃないだろうな…」

僧侶「私開けて良いですか!」

ガチャ

戦士「返事をする前に開けんじゃねぇよ!」

盗賊「これが…魔法の鍵ですかね」

戦士「みたいだな。これで試練は終わりだな」

??「我の…眠りを…妨げるのは貴様達か…」

武道家「あわわわ…」

戦士「そう甘く無いよな…」

??「我の…眠りを妨げるのは…貴様達か…」

僧侶「そうです!」

伝令「おい…下手に答えるな!」

??「なら…魔法の…鍵を…取ったのは貴様達…か…」

僧侶「違いますよ!」

盗賊「…」

??「そうか…」

伝令「…くるか?」

??「我の…勘違いだった…ようだ…すまなかった…」

戦士「え?」

ーピラミッド付近

盗賊「呆気なかったですね…親分」

戦士「ああ…拍子抜けもいいとこだぜ…」

僧侶「いいじゃないですか!無事に試練終わったんですから!」

戦士「そうなんだが…嬢ちゃん良く返答の答え知ってたな」

僧侶「ああ!あれは最近の亡霊さんって意外と聞き分けがいいので適当ですよ!」

伝令「適当って…おいおい…」

僧侶「起こしたけど取ってないって言えばいいかなって!」

武道家「…」

僧侶「どうしました?武道家さん」

武道家「余韻を…うあ!ち、違うんです!」

僧侶「?」

ーイシス

戦士「うぁぁ…宿屋…」

武道家「伝令さんはこれからどうするですか?」

伝令「試練も終わったしな…ロマリアに帰らないといけない…と思う」

武道家「なんですかその思うって…」

伝令「いやな、その後の事は何も聞いてないんだ」

武道家「そうなんですか」

伝令「もしかしたら代わりの伝令が来るかも知れないな」

武道家「代わりのですか…どんな方が他にいるんですか?」

伝令「そうだな…飛脚、夕箱、燕、豹、緑、信蔵あたりか。主なのは」

武道家「個性的ですね…」

伝令「まぁ…俺が一番だがな」キリッ

武道家「へぇ…」

ーイシス、宿屋

戦士「さて、試練も終わった事ですから皆さん地図にご注目ください」

武道家「何ですかその口調は…」

戦士「たまには良いだろ…まあ見ろよ。取り合えずアッサラームまで戻るわな」

武道家「そこからですね?」

戦士「そうそう。西か東か…」

伝令「東は行けるのかこれ?洞窟みたいなのはあるみたいだが」

戦士「お前が知らんのに俺らがわかる筈無いだろ」

コンコン

盗賊「誰でしょ?どちら様ですか?」ガチャ

燕「初めまして!私ロマリアの伝令でぇす!勇者様のお部屋はこちらですか?」

伝令「燕か…」

燕「あ!ヤッホー!先輩!」

僧侶、盗賊 (負けた…)

戦士「それで何のようだい?まだ試練終わったなんて伝わってない筈だが」

燕「将軍様が確認って言うか途中経過を見てこいと言うので来ました」

戦士「そうかご苦労さん。試練は無事終わったぜ」

燕「そうなんですか!おめでおうございます」

伝令「燕…何故お前なんだ?もっと暇なやついただろ」

燕「ん…将軍様がイシスに行く伝令の中にアッサラームで遊ぶ不届き者がいるからって女の私を任命したみたいですよ」

伝令「…」

僧侶「そうなんですか!酷い人がいるんですね!ね、伝令さん!」

戦士「それは不味いな!けしからん!な、伝令!」

燕「本当!ロマリアの名に傷が着いたらどうするんでしょうね!」

伝令「そ、そうだな…」



戦士「娘さんよ、色々聞きたいんだがいいか?」

燕「はい。なんなりと」

戦士「この洞窟みたいなのは通れるか知ってるか?」

燕「そこはですねちょっと前から通れるみたいですよ」

伝令「ちょっと前?」

燕「アリアハンの勇者が通れるようにしたとか」

戦士「また先を越されてるな…」

武道家「追いますか?」

戦士「そうだな…嬢ちゃんどうしたい?」

僧侶「勇者に会ってみたいです…」

戦士「そうか…なら次はバハラタだな」

僧侶「…」



伝令「燕、俺はどうしろって?」

燕「アッサラームで遊ばず真っ直ぐ帰って来いと」

伝令「…ばれていたのか」

燕「嘘ですよ先輩…そんな事してたんですか…」

伝令「お前…燕!頼む!黙っててくれ!」

燕「どうしよっかなぁニシシ」

武道家「まあまあ…私達は伝令さんに助けて貰ってるので黙っててあげてくださいよ」

燕「そう言われるなら…わかりました。でも今回だけですよ先輩!」

伝令「ああ!勿論だ!」 

武道家「良かったですね伝令さん」

伝令「ありがとう!心の友よ!感謝する!」 

武道家 (うわ…ランクアップした…)

ーイシス付近

戦士「また…ここを越えなきゃならんと思うと嫌になるな…」

武道家「そうですね…」

燕「ヒャドいります?」

戦士「使えるのか!ありがてぇ!」

燕「待ってください………」

武道家「?」

伝令「あいつめちゃくちゃ詠唱遅いんだ…」

燕「……………………ヒャド!」

僧侶「おお!」

盗賊「これで少しは楽になりますねぇ」

占い師「お前達…ハァハァ…待って…ハァハァ…」

武道家「あの時の…どうしたんですか?」



占い師「すまんな…婿殿」

武道家「いえいいですよ背負うくらい…でも婿殿では無いです」

戦士「婆さん何か用があるんだろ?」

占い師「お前達…バハラタへ行くんじゃろ?」

僧侶「良く知ってますね!」

占い師「砂に聞いた」

武道家「?」

占い師「まあ気にするな…わしも連れてけ」

戦士「理由は?」

占い師「言わん」

戦士「じゃあ悪いが駄目だ」

占い師「ほう…」ニヤリ

戦士「な、なんだよ?」

占い師「お前見掛けによらず真面目じゃな」

戦士「悪かったな見掛けによらずで」

占い師「…生涯に伴侶は一人、名は…」

戦士「…参った」

占い師「ふぇふぇふぇ」

戦士「くそぉ嘘でもそれは汚いぜ…」

盗賊「…」

占い師「連れていくな?」

戦士「俺はいいが…嬢ちゃん達はいいか?」

僧侶「いいですよ!面白いお婆ちゃんなので!」

盗賊「…親分がいいなら」

武道家「だそうですよ。良かったですね」

ーアッサラーム付近

燕「そろそろですね。皆さん先輩がお世話になりました!」

戦士「ああ。じゃあな」

伝令「燕…アッサラームに

燕「駄目ですよ!もう…行きますよ!」

伝令「世話になった。楽しかったぞ」

武道家「こちらこそ」

伝令「ではな皆。心の友よ!また会おう!」



伝令「…」

燕「どうしたんですか?先輩」

伝令「うん?いや…何でもない」

燕「淋しいんだ?」

伝令「誰が!……そうかもな」

ーアッサラームの街

占い師「すまんな我儘言って」

戦士「婆さんが一体劇場に何の用があるんだい?」

占い師「ちょっと…な」

武道家「じゃあここで待ってますね」

占い師「良かったら婿殿も来るか?踊り子と仲良くなれるかもしれんぞ?」

武道家「…」

占い師「冗談だて。ふぇふぇふぇ」

武道家「やだなぁ…はは…」

僧侶「武道家さん!鼻の下伸びてますよ!」

武道家「え!」

僧侶「…」



戦士「…遅いな」

踊り子「お待たせしました皆さん」

僧侶「?」

踊り子「わかりませんか?婿殿?」

武道家「……ああぁ?」

盗賊「マジっすか…」

僧侶「…ええぇぇ」

戦士「冗談だろ……」

占い師「冗談じゃ」

僧侶、盗賊、戦士、武道家「…」

占い師「あるわけなかろう」

戦士「く、喰えねぇ婆さんだぜ…」

僧侶「お婆ちゃんお茶目過ぎですよ!もう…」

占い師「待たせたな。踊り子行ってよいぞ」

踊り子「はは…じゃあね」

盗賊「わ、私は無いと思ってましたよええ」

戦士「嘘つけ…」

武道家「何故こんな事を…」

占い師「いい娘じゃろ?」

武道家「…そうですね」

占い師「わしにそっくりじゃ」

武道家「…はは…は」

戦士「宿屋行くか…」

僧侶「それじゃ先に行ってますよ!」

盗賊「お供します!」

ーノルドの洞窟

僧侶「お婆ちゃん大丈夫ですか?」

占い師「何がじゃ?」

僧侶「ほら!ご老人って急に暗くなると怖がるって!」

武道家「そうなんですか?」

占い師「そんな事ある訳無いじゃろ…」

僧侶「おかしいなぁ…司祭様に聞いた事あるんですが…」

戦士「騙されてるんだよ…手袋の事忘れたのか?」

僧侶「…」

盗賊「?」

ノルド「…」

僧侶「小さい…」

占い師「この洞窟の主だな?」

ノルド「誰?」

占い師「誰でもよいじゃろ通らしてもらうぞ」

ノルド「駄目だよ…」

占い師「何故じゃ?」

ノルド「ポルトガの王様に怒られちゃうよ…」

戦士「良いじゃねぇか。ほらこっそりとな」

ノルド「でも…」

戦士「いいからいいから!」

ノルド「あ…駄目…そんな汚いよ…」

戦士「行くからな」

ノルド「待って…まだ行かないで!」

戦士「行くぞ!」

ノルド「駄目ぇ!」

僧侶、盗賊「……」

ーノルドの洞窟東付近

僧侶、盗賊「…」ヒソヒソ

戦士「どうかしたのか?」

盗賊「いえ…」

戦士「お前…鼻血出てるぞ?」

盗賊「冥腐魔道の淵をさ迷っていたので…」

戦士「?」

武道家「ん…ここから南へ進むとバハラタみたいですね」

占い師「婿殿もう少しだぞ」

武道家「何がですか?」

占い師「それはな…バ、バハラタまでしゃ!」

武道家「はぁ…?」

僧侶「…」

ーバハラタ付近

戦士「婆さんよ、バハラタに何があるんだい?」

占い師「…」

戦士「もうそろそろ教えてくれてもいいんじゃねぇか?」

占い師「それは…大切な物をね」

武道家「…」

占い師「どこぞの盗賊どもがわしの大切な物を盗ってバハラタ付近まで逃げた」

僧侶「それで丁度バハラタに行く私達を捕まえたって訳ですか!」

占い師「そうね…」

戦士「でもよ、その大切な物って見つかるのか?」

占い師「その辺りは心配せんでもええ。アッサラームの美人占い師の腕の見せ処だて!」

武道家「なるほど」

占い師「美人占い師だぞ?気に入ったか?婿殿」

武道家「そ、そうですね…はは…」

僧侶「…」

ーバハラタ

戦士「こ、胡椒ってなんだ?武道家」

武道家「さぁ…知りませんよ…」

戦士「何だよ、お前は知略部門担当じゃねぇか」

武道家「勝手に役職着けないでください…」

戦士「婆さんわかる?」

占い師「ああ…あれか。聞きたいか?」

戦士「もったいつけないで教えろよ」

占い師「あれはな…それは恐ろしい魔術に使われる物…」

戦士「魔術か…」ゴクリ

占い師「食す物に振りかければたちまち虜にしてしまうと言う…それは男女問わず誰であってもな」

戦士「そんなもん売って良いのかよ…」

占い師「それがあの胡椒の恐ろしい所じゃ…」

戦士「…」

占い師「あの魔力に魅せられた者は…抗う事を止め…広めようとさえする…」

僧侶「…」

占い師「胡椒の魔力に取り込まれたが最後…死ぬまで魅いられ続けるであろうな…」

戦士「怖いな…」

占い師「その死に様もな…悲惨なものじゃて…」

占い師「寿命で死に至る者…戦いで死に至る者…気を付けろよお前達は…」

戦士「ああ…わかった…」

武道家 (あれ?)

ーバハラタ、宿屋

武道家「ここも勇者が通って行ったんですね…」

戦士「婆さん盗賊達はいないみたいだがいいのか?」

占い師「大丈夫。お前達にはもう少し働いて貰うがな」

僧侶「どうしたらいいんですか?」

占い師「近くある住みかだった場所に連れてけ」

盗賊「まあ、もう盗賊達はいない訳ですから楽ですねぇ」

戦士「それくらいならいいか」

武道家「占い師さん、大切な物見付かるといいですね」

占い師「はい…婿殿…」

戦士「年寄りらしい反応しろよ…」

ーバハラタ、東の洞窟

占い師「婿殿!こっちじゃ!」

武道家「は、はい!」

戦士「さっきから行き止まりばかりじゃねぇか…」

盗賊「気配はあるんですけどねぇ…」

僧侶「盗賊ちゃんが言うならあるのかな」

占い師「婿殿!あっちじゃ!」

武道家「や、休ませて…」

占い師「駄目です!婿殿の為なのですぞ!」

武道家「はいぃ…」

盗賊「…為ってなんでしょうかね?」

僧侶「さあ?」



武道家「き、休憩しましょ占い

占い師「ストップ!」

グイッ

武道家「いたたたっ!背中に乗るのは良いんですが髪引っ張らないで…」

占い師「あったぞ…」

戦士「その石が大切な物か?」

占い師「良かった…」

盗賊「良かったですねぇお婆さん」

占い師「ありがとうございます。これで…」

武道家「…?」

占い師「元の姿に戻れます…」

僧侶「…」

ーバハラタ、宿屋

占い師「…」

武道家「…」

僧侶「…」

武道家「いやぁ…びっくりしましたね…」

占い師「これなら…婿になってくれますか?」

武道家「それは…ね、僧侶さん?」

僧侶「…」

武道家「あの…」

僧侶「武道家さんのご自由ですから」

戦士「こ、これは…」

盗賊「面白い…もとい困ったら事になりますたねぇクク」

戦士「あついも運が有るのか無いのかわかんねぇ野郎だな…」



占い師「あの姿のだったから駄目…ですか?」

武道家「そ、そんな事は…」

僧侶「へぇ…駄目じゃないんですね」

武道家「え?あ…そうでは…」

占い師「いいんですね?嬉しい…」

武道家「いやいやいや!」

僧侶「…」

戦士「…」

盗賊「親分、さっきの話し」

戦士「あん?なんだ?」

盗賊「あの方は…運が無い方かと…ププ」

戦士「笑ってねぇで助けてやれよ…」



占い師「…」

僧侶「…」

武道家「ご、ご飯にしませんか?ね!…」

占い師「婿殿が言うのでしたら…」

武道家「まだ違いますからね!」

僧侶「ふぅん…まだなんですか…」

武道家「それは…言葉のあやと言うか…」

占い師「酷い…あんなに私の体を触っておいて…」

武道家「…」

僧侶「そう言うつもりだったんですか…なるほど…」

戦士 (大変だな…武道家)

盗賊 (駄目だ…面白すぎてお腹痛い…)



占い師「お願いです…」

武道家「そう言われましても…」

ピト

占い師「ね?」

武道家「あわわ…で、ですが!」

僧侶「もう!武道家さんバカ!最低!ウジ虫!むっつり!変態!男色家!」 

戦士「おいおい…言い過ぎだろ…」

僧侶「知らない!」

バタンッ

盗賊「あら…出てっちゃいましたね…」

武道家「僧侶さん!」

盗賊「まぁまぁ、あちらは私に任せてくださいな。こちらを…ね?」

ーバハラタ、川のほとり

僧侶「…」

盗賊「嬢ちゃんいいかい?なんて」

僧侶「…」

盗賊「どうしたんですか?」

僧侶「わからない…」

盗賊「わからない?」

僧侶「うん…占い師さんと武道家さんが話してるとイライラしちゃって…」

盗賊「なるほど。私もあの方にはイライラさせられましたから…もしかしたらその類いの天才なのかもしれませんね」

僧侶「こんなの初めてで…私どうしたらいいか…」

盗賊「ふふふ…僧侶さんも立派な女の子だったんですね」

僧侶「何か傷付いた…」

盗賊「すいませんね。悪気は無かったんですよ」

僧侶「…」

盗賊「僧侶さん」

僧侶「はい…」

盗賊「あの方なら大丈夫だと思いますよ」

僧侶「何で?」

盗賊「鋼の旗…とでも例えましょうか…」

僧侶「良くわからないよ…」

盗賊「まあ、宿題にしときます。わかったら教えてくださいな」

僧侶「…」

盗賊「さあ!戻りますかね。ほら僧侶さん、武道家さんにする事ありますよね?」

僧侶「盗賊ちゃん…ありがとう…」

盗賊「戻ったら解決してますよきっと…ふふ」

ーバハラタ、宿屋

占い師「私と一緒になれば…」

武道家「…ごめんなさい。これ以上言われても無理です…」

占い師「そうですか…やはり駄目でしたね」

武道家「やはり?」

占い師「こうなるって知ってました…。ごめんなさい…」

武道家「…」

占い師「でも気持ちが押さえられなくって…勇者さんには悪い事しました…」

武道家「占い師さん…」

占い師「武道家さん…ありがとうございました。あの姿でも優しくしてくれた事…嬉しかったです…」

武道家「その…」

占い師「言わなくて良いですよ。戦士さん…お騒がせしました」

戦士「いいよ…何か解決したみたいだからな」

占い師「ありがとうございます…」

戦士「どうするんだこれから?」

占い師「勇者さんと…合わせる顔が無いので去ろうと思います」

戦士「そうか…嬢ちゃんには俺から謝っておくよ」

占い師「はい…お願いします」

武道家「占い師さん…ごめんなさい…」

占い師「もう優しくする相手が違いますよ?」

武道家「え?」

占い師「ふふ…では、失礼します」



僧侶「あの…武道家さん…酷い事言ってごめんなさい…」

武道家「いえ…気にしないでください」

戦士「一件落着?」

盗賊「さあ?私は寝ますかね」

戦士「俺も寝よ」

盗賊「お供します!」

戦士「…」

盗賊「何ですかその顔…」

戦士「何でもねぇよ。じゃあな」

盗賊「…はぁあ、占い師の人は私の未来も見えていたんですかねぇ」

ーバハラタ付近

戦士「占い師が残した言伝ての意味わかるか?」

武道家「全然…なんでしょうね」

盗賊「トリニティ…トリニティ…」

戦士「聞いた事あるのか?」

盗賊「無いですね!」

戦士「…」

僧侶「あれですよ!何か新しい魔法!」

戦士「…このメンバーを見てか?」

僧侶「…」

戦士「取り合えず保留だ…ったく意味ぐらい言ってけっての!」

武道家「その内わかりますよ…それはそうとどうするんです?」

戦士「戻るのもあれだよな…このまま東へ進んでみるか」

武道家「それだと…ダーマ…神殿?」

戦士「街じゃないのか?」

武道家「この地図には神殿と書いてありますよ」

戦士「へぇ…ならそこか」

武道家「適当だなぁ…」

僧侶「適当!最高!」

戦士「嬢ちゃんは適当過ぎるんだよ!」

武道家「まあまあ…」

ーダーマ神殿付近

武道家「はあ…」

戦士「これぞ神殿て感じだな…」

盗賊「圧倒されちゃいますねぇ」

僧侶「武道家さん!武道家さん!」

武道家「なんですか?」

僧侶「あの馬車見てくださいよ!」

武道家「?」

僧侶「親子で旅ですかね!」

武道家「そうかもしれませんね」

僧侶「いいなぁ…なんか仲良く親子で旅なんて憧れますね…」

武道家「…」

ーダーマ神殿

兵士「ようこそ!ダーマ神殿へお越しくださいました!」

盗賊「はぁ…ご丁寧にどうも」

武道家「旅の途中なんですが、ここに休む場所ってありますか?」

兵士「それでしたらあちらの階段を上がって頂けたら…転職希望の方では無いんですか?」

戦士「転職?」

兵士「はい!ここは古より人の生きる道を司る場所。神聖な場所なんですよ!」

戦士「…なんか大層な場所だな」

兵士「そんな事はありませんよ!色々な方が来られますから」

戦士「へぇ…」

兵士「貴方も山賊から別な職に就いてみては?」

戦士「山賊じゃねぇよ!」

兵士「え?間違えました!海賊の方でしたか!」

戦士「…」



戦士「山賊山賊って…いい加減にしろっての!」

武道家「髭…剃っては?」

戦士「男の勲章をそう易々剃れるか!」

僧侶「そうですよ!山賊じゃなくなっちゃいますよ!」

戦士「…」

グリグリグリ

僧侶「痛い!頭ぐりぐりしないでぇ…」

盗賊「海賊親分…そっちもいいですねぇ…ふふ」

武道家「ちょっと…盗賊さん…」

戦士「お前もやっとくか?」

盗賊「遠慮しときます…」



戦士「ここは用ねぇだろ?」

武道家「そうですね。誰かが転職する訳じゃないですから」

戦士「嬢ちゃん達もねぇだろ?」

僧侶「無いですよ!」

盗賊「はい!親分」

武道家「決まりですね。これだと…北が東ですか…ムオルかジパング」

戦士「ムオルは…遠いな」

武道家「ジパングだと海を越えないといけないですね」

僧侶「私ジパング行きたい!」

武道家「何でですか?」

僧侶「何かこの島って竜みたいじゃないですか!だから!」

戦士「それだけか…いいか。無理なら北へ向かえばいいしな」

ーダーマ神殿付近

僧侶「戦士さんなんで転職しなかったんですか!」

戦士「嬢ちゃん…今更だしする気もねぇしいきなりだし…」

僧侶「僧侶あたりがオススメですよ!」

戦士「それだけは無い!誰かさんみたいになりたく無いからな!」

僧侶「誰ですか?」

戦士「武道家よ…これは言っていいと思うか?」

武道家「こちらに振られても…」

僧侶「わかった!過去に酷い僧侶の方とパーティー組んだ事あるんですね!」

戦士「……はいはいそうだな」

僧侶「武道家さんも僧侶オススメですよ!」

武道家「いえ…いいです…」

ージパング、北側付近

武道家「この向こう岸がジパングの筈何ですが…」

僧侶「見えませんね…」

戦士「なら北か…」

盗賊「ん…何でしょあれ」

戦士「どこ?」

盗賊「あそこ」

戦士「…全然見えん」

盗賊「はぁ…親分だらしない…」

戦士「お前が異常なだけだ…」

盗賊「異常だなんて…酷い!親分こそ私の初めての時異常だった癖に!」

僧侶、武道家「……」

戦士「盗賊てめえ!…ち、違うからな!武道家ならわかってくれるよな?」

武道家「ええ…」

戦士「頼むから目をそらさないでくれ…」



僧侶「あの!」

船頭「…」

僧侶「もしもーし!」

船頭「…聞こえてる」

戦士「この船…ジパングって所まで行くかい?」

船頭「ああ…」

武道家「乗せて貰いたいんですが大丈夫でしょうか?」

船頭「…ん」

戦士「金か。いくらだ?」

船頭「一人500…」

戦士「高過ぎだろ…何とかならんか?」

船頭「無理なら他を当たりな…」

戦士「く…足元見やがって…持ってけ!」

船頭「毎度…」

ー船上

戦士「船があったのは良かったが…大丈夫かよ…小さくねぇか?」

船頭「…」

武道家「僧侶さんしっかりしてください!」

僧侶「うぅ…気持ち悪…」

盗賊「僧侶さんの弱点見付けたり…なんて言ってる場合じゃないみたいですねぇ」

僧侶「もう…駄目…」グッタリ

武道家「さあ横になって」

戦士「おいあんた、何とかならんか?」

船頭「…無理だ」

ージパング付近

僧侶「…」ゲッソリ

戦士「嬢ちゃんのこんな姿初めて見るからなんか新鮮だな…」

武道家「そんな事言ってる場合じゃないですよ…大丈夫ですか僧侶さん」

戦士「そうだ、あんたまだこっちに居るのかい?」

船頭「…次の客が無ければな」

戦士「手付金…は無理か…。世話になったな」

船頭「…」

戦士「愛想ねぇな…」

盗賊「親分!南方に村…かな、ありますよ」

戦士「そうか。そこで嬢ちゃん休ませなきゃな…」

武道家「僧侶さん…歩けますか?」

僧侶「ちょっと無理…背負って…」

武道家「しっかりしてくだ……!」

戦士「どうした?」

武道家「ななな何でも無いです!」

戦士「?」

盗賊「…」

武道家「…」

盗賊「スケベ…」ボソ

武道家「!」

ージパング

盗賊「なんだか…視線が凄いですねぇ」

戦士「ああ…ここの奴らは見た目が違うんだな…」

小僧「おい!ガイジン!」

戦士「……俺か?」

小僧二「うわぁ!ガイジンが喋ったぞ!」

戦士「…」

盗賊「親分怒っちゃ駄目ですよ…ププッ」

小僧「こっちはおばさんのガイジンだ!」

盗賊「クソガキがぁ!」

小僧「ガイジン怒った!こえー!」

戦士「まあまあ…ククッ…おばさんのガァイジンさん」

盗賊「ハァ!」

バキッ

戦士「ぐぁ…鳩尾は…駄目だろ…」



武道家「僧侶さんもう少し我慢してくださいね」

僧侶「すいま…せん…」

村人「…お困りか?」

武道家「はい…この方を休ませてあげたくて…」

村人「そうか、ならこのあばら屋でもいいなら来なさい」

武道家「ありがとうございます!僧侶さん休めますよ!」

村人「…」

武道家「…どうかしたんですか?」

村人「こんな事は…外の国の方に話すべきものではないが…」

武道家「…」

村人「…わしの娘が…生け贄に選ばれてしまった…」

武道家「良かったらお話聞かせて貰えますか?」



戦士「ヤマタノオロチ?」

村人「はい…」

戦士「その化け物が生け贄寄越せって言ってるのかい?」

村人「いえ…この国の主である卑弥呼様が…」

戦士「…」

村人「生け贄を捧げなければヤマタノオロチに滅ぼされてしまうと…」

戦士「なるほど…」

武道家「生け贄をやめる事は出来ないんですか!」

村人「卑弥呼様以外…無理でしょう…」

盗賊「断っても別の娘が…ってとこですかね」

村人「…」

盗賊「これは…」

戦士「ほっとけねぇ…だろ?」

盗賊「ふふ…さすが親分」

戦士「卑弥呼って奴はどこにいるんだい?」

村人「何をなさるつもりですか…」

戦士「そんな馬鹿げた事止めさせに行くだけだ」

村人「そんな事をしては…」

戦士「駄目なら…代わりになってやるよ」

村人「え?」

戦士「化け物退治だ」

武道家「…」

戦士「今回は止めないんだな…武道家」

武道家「戦士さんと同じ気持ちですから…」

村人「…」

武道家「この方をお願いしていいですか?」

村人「…わかりました」

戦士「嬢ちゃん、ちょっと行って来るからな。大人しく待ってろよ?」

僧侶「あ…大分ましになったので私も行きます!」

武道家「大丈夫ですか?」

僧侶「大丈夫!大丈夫…のはず」

戦士「本当かよ…まぁ話し合いだけだから…いいけどよ」

ージパング、卑弥呼殿

倭人「ここは偉大なる卑弥呼様のお屋敷である!」

盗賊「それは聞きましたから…」

戦士「話しさせろって言ってんだよ!」

倭人「卑弥呼様はガイジン嫌いであるからお通し出来ん!」

武道家「なら生け贄を止めるように伝言してください!」

倭人「卑弥呼様がお決めになった事は絶対だ!」

僧侶「卑弥呼様!」

倭人「万歳!」

戦士「チッ…聞く耳持ちやしねぇ…」

僧侶「赤卑弥呼様青卑弥呼様黄卑弥呼様!」

倭人「赤卑弥呼様青卑弥呼様黄ひひめこ……卑弥呼様!」

僧侶「…」ニヤ

戦士「遊んでんじゃねぇ!行くぞ!」

ージパング、村人宅

村人「やはり駄目でしたか…」

戦士「まったくよ…そんなに卑弥呼って奴は偉いのかよ…」

村人「…卑弥呼様は絶対ですから」

武道家「…」

盗賊「じゃあヤマタノオロチを倒しちゃいましょかね…」

戦士「だな…一丁やってやるぜ!」

武道家「村人さんヤマタノオロチのいる場所…わかりますか?」

村人「本当に行かれるのですか?」

戦士「勿論!」

村人「…なら…私の娘に案内させましょう…」

武道家「お願いします!」

ージパング、酒蔵

僧侶「…戦士さん飲んじゃ駄目ですよ?」

戦士「飲まねぇよ!それに飲めねぇし!」

盗賊「え?」

武道家「…意外ですね」

戦士「悪かったな…下戸なんだよ!」

盗賊「親分…」

戦士「あ?」

盗賊「飲める特訓しましょ!もうだらしなさ過ぎですよ!」

戦士「…」

盗賊「ここにたっぷり酒も有る事ですし!ね!」

パカッ

弥生「…」

盗賊「…」

弥生「ああ…あ…」

戦士「あんたが生け贄か?」

弥生「ど、どうか…もう少しだけでも…生まれた故郷を…」

戦士「俺達は…」

弥生「イヤッ!来ないで!…私に近寄ったら…舌を噛みます!」

僧侶「あ…この人はそっちじゃ無いんで大丈夫ですよ!」

弥生「え?」

武道家「ヤマタノオロチのいる場所に案内して欲しくてですね」

弥生「…」

武道家「お願いです。教えて貰えませんか!」

戦士「盗賊…俺は…そっちか?」

盗賊「…残念ながら…そっちです」

ージパング、南の洞窟付近

弥生「あの洞窟の奥にヤマタノオロチが…」

盗賊「ん…見張りがいるみたいですねぇ」

武道家「どうしましょう…」

僧侶「私にいい考えが!」

戦士「却下だ!」

僧侶「まだ言っても無いのに…」

戦士「どうせろくでもねぇ事だろ?武道家に見張りを誘惑させるとか」

僧侶「…そ、そんな事無いですよ…」

武道家「本気でやめてください…」

盗賊「生け贄連れて来たでいいと思いますけどねぇ」

戦士「そうだな。…やっぱり俺は連れて行く役だよな…」

僧侶「ハマり役ですよ!」

盗賊「確認するまでも無いかと」

戦士「…」



戦士「ご苦労さん」

見張り「ガイジンか…何用だ?」

戦士「後ろ見ればわかるだろ?」

見張り「そうだが…何故お前が連れてくる?」

戦士「ああ…実はな卑弥呼様の考え方が気に入ってねぇ。生け贄を差し出せばこの国に住んで良いって言うんだ」

見張り「それで?」

戦士「丁度仲間に女が三人。どうせ飽きた女共だ、生け贄にいいと思ってよ」

見張り「…」

戦士「ククッなかなか上玉だろ?売れば結構な値が着くぜ?」

見張り「…うわ」

戦士「ちょっと勿体無いが…俺の為に死ねるんだ、こいつらだって本望だろうぜ」

見張り「通っていいぞ…」

戦士「すまねぇな。じゃあな」

ージパング、南の洞窟

僧侶、盗賊、武道家、弥生「……」

戦士「何だよ?」

僧侶「本気だと思いました…」

武道家「見張りの人…引いてましたね…」

盗賊「さすが親分…かなり怖かったです…」

戦士「…」

弥生「あの…」

武道家「あ、すいません。ここで待ってて貰えますか?後は…私達だけで行くので」

弥生「わかりました…お気を付けて…」

僧侶「必ずヤマタノオロチ倒してくるからね!」



戦士「洞窟の中でこんなに暑いなんて変じゃないか?」

武道家「そうですね…それに妙に明るかったり」

僧侶「おお!盗賊ちゃん何かドロドロしてるよ!」

盗賊「本当ですね…ここって火山の中…」

戦士「それでか。嬢ちゃん触るなよ?」

僧侶「アチッ!近付いたら服焦げた…」

戦士「…」

武道家「こんな所に居るんでしょうか…」

戦士「こんな所だから居るんだろ」



武道家「大分奥まで来た筈なんですが着きませんね」

盗賊「…親分」

戦士「どうした?」

盗賊「今回はちょっと…ヤバいかもしれませんよ…」

戦士「そうか…」

盗賊「…」

戦士「まあ…その時は逃げろ。盾になってやる」

盗賊「わかりました…でも約束はしませんよ」

戦士「嬢ちゃん達を頼みたかったんだかな…」

盗賊「二人共…私と同じ答えだと思いますがね」

戦士「チッ…しょうがねぇ奴らだ」



盗賊「いました…橋の向こうにデカイのが…」

僧侶「武道家さん!頑張りましょうね!」

武道家「ありがとうございます…」

戦士「行くか!」



大蛇「グァァァ…」

僧侶「おい!生け贄持って来たぞぉ!」

戦士「武道家!気を付けろよ!」

武道家「わかってます!」

大蛇「ゴアァァガァ!」

ズシャァァン!

僧侶「おっと!頭がら空きだよ!」

ガキンッ

僧侶「か、硬い!」

盗賊「お二人さん!柔らかそうな首の根元を!」

大蛇「グゥルゥァァア!」

ゴシャァァ!

武道家「当たらない!」トッ

タッタッタッ

武道家「このまま首を走って根元を!」

僧侶「武道家さん!右!」

シャアァァァ!

武道家「グゥッ!」

戦士「武道家!」

武道家「大丈夫!かすっただけです!」

大蛇「グルゥゥァァ…」

盗賊「別の首を別の首がカバーして…隙が出来ませんねぇ」



僧侶「ハァハァ…全然終わらない…」

武道家「ふぅ…ふぅ…」

大蛇「グァルァア…」

盗賊「嫌ですねぇ…まだ余力がありそうな目で見て…」

戦士「武道家!少し下がれ!」

武道家「まだ…行けます!」

大蛇「ゴアァルァアァガア!」

ガガガアァァァ!

武道家「ハァ…ちょっと…キツいかな…」シュタ

大蛇「グァァァ……」ゴァ…

盗賊「武道家さん!何か来ます避けて!」

武道家「ッ!」

大蛇「ガァァアォォァ!」

ボァワアァァァ!

武道家「ギャアグゥゥ…」

僧侶「武道家さん!」

戦士「クソッ!あいつの盾になる!盗賊!その間に後ろへ下げろ!」

盗賊「はい!」

戦士「武道家!下がれ!」

武道家「ぐぅぅ…はぁ…」

戦士「首だけじゃなくて火も吐きやがるのか!」

大蛇「ゴアァァ…」

戦士「甘く見てたぜ…嬢ちゃんまだ行けるか!?」

僧侶「…」コク



戦士「ぐぅ!」ガキンッ

僧侶「ハァァッ!」

ズシャ!

大蛇「グオゴォゥァァ…」ゴァ…

戦士「不味い!嬢ちゃんまた火が来るぞ!」

僧侶「……ハァハァ」

大蛇「ゴアァブァァア!」

ボァワアァァァ!

??「ヒャダイン!」

シュゥゥゥ…

僧侶「…ッ!」

??「ベホイミ!スクルト!」

武道家「あ…ああ…」

戦士「……」ニヤ

??「隣……空いているかしら?」

戦士「ああ…特等席空けといたぜ!」

魔法使い「ふふ…ありがとうございます」

戦士「ちょっと見ない間に…随分いい女になったじゃないか」

魔法使い「前からいい女でしたよ?」

戦士「違げぇねぇ…ククッ」

僧侶「魔法使いさん!」

魔法使い「只今…戻りました。僧侶さん…」

僧侶「お帰りなさい!」

戦士「挨拶はその辺にして…行くぞ!」

魔法使い「ええ!」

大蛇「ググゥアゥウ…」

魔法使い「…バイキルトッ!」

僧侶「タァァッ!」

ズバンッ!

大蛇「ゴグアァァァ!」

僧侶「す、凄い…あまり効いて無かったのに…」

戦士「反撃開始だぜ!」

大蛇「ゴアァァガァ!」

ズシャァガキッ!

戦士「そんなもんじゃ効かねぇな!」



僧侶「これで…終わりッ!」

ズガオンッ!

大蛇「グオゴォゥァ……」

ドウンッ…

戦士「…」

武道家「…終わりましたね」

僧侶「やったね!」

盗賊「…」

魔法使い「皆さん…お疲れ様でした」

戦士「ふぅ…助かったぜ、魔法使い…でいいのか?」

魔法使い「何がですか?」

戦士「いや…その格好だからよ…」

僧侶「あれですよ!ビキニアーマーを着る為の準

魔法使い「違いますから!もう…僧侶さん変わらないんですから…ふふ」

武道家「転職…したんですか?」

魔法使い「はい…エルフの女王様の進言で」

戦士「で、賢者にか」

魔法使い「そうですね…まだ少しこの格好は恥ずかしいですけど」

武道家「良く似合ってますよ!」

魔法使い「……どうも」

武道家 (冷たい目線…前にもあったな…)

戦士「変わったな…見た目も…その武器…」

魔法使い「これですか?…エルフの女王様からの…贈り物です」

戦士「…隼の剣か!」

魔法使い「はい…必要になるだろうからと頂きました」

盗賊「…!皆さん…お話に花を咲かせるのは…後にした方がよろしいかと」

戦士「…逃げやがったか」

武道家「追いましょう!」

戦士「ああ!あの旅の扉だな!」

僧侶「先行きますよ!」

魔法使い「私も!」

戦士「止め指してやるぜ!」

武道家「盗賊さん先行きます!」

盗賊「…」

盗賊「…これは?剣?」

盗賊「何か涙が…出て止まらない…泣く必要なんて無いのに…」

ージパング、卑弥呼殿

戦士「ここは…あの屋敷か!」

卑弥呼「…あぐぅ」

魔法使い「傷だらけで…」

盗賊「貴方がヤマタノオロチですね?」

卑弥呼「ぐぅぅ…」

盗賊「お忘れ物…お返ししますよ…」ヒュッ

ドスッ!

卑弥呼「うがぁ……」ガク

戦士「お前!何を!」

僧侶「盗賊ちゃん!」

盗賊「これで…終わりです」

武道家「…」

倭人「卑弥…!賊だ!出合え!卑弥呼様が襲われている!」

戦士「クッ…逃げるぞ!」

僧侶「え?」

戦士「人間の姿のヤマタノオロチを殺っちまったんだ!早くしろ!」

僧侶「どうして…」

魔法使い「私達以外…あの方がヤマタノオロチだったなんて知らないんですよ」

武道家「僧侶さん!一緒に!」

魔法使い「…」

戦士「行け…」

魔法使い「はい…」

盗賊「…」

戦士「盗賊…お前も来い」

盗賊「行けません…」

戦士「…」

盗賊「理由は聞かないんですか…」

戦士「お前の考えた事だ…聞かねぇよ」

盗賊「…」

戦士「盗賊…すまん…」

ボグッ

盗賊「カハァ!…」

戦士「こうでもしねぇと来ないだろお前…」

倭人「居たぞ!こっちだ!」

戦士「チッ…」

ー??

ヒュワ

戦士「お?おあっ!」

ドスンッ

戦士「いってぇ…」

武道家「戦士さん!」

戦士「なんだここは?さっきの場所じゃねぇが…」

魔法使い「わかりません…何処かの平原のようですが暗くって」

戦士「そうか…っ盗賊は!盗賊いるか!」

僧侶「一緒じゃ無かったんですか?」

戦士「いないのか!抱えてた筈なんだが…」

武道家「魔法使いさん…旅の扉でこんな事ってあるんですか?」

魔法使い「聞いた事ありません…」

戦士「盗賊…どこ行っちまったんだ…」

魔法使い「戦士さん…」

戦士「…」

武道家「これからどうなるんでしょう…」



魔法使い「夜明けまで動かずここで過ごしましょう」

僧侶「どうしてですか?」

魔法使い「良くわからない場所ですし…暗い中で動き回るのは危険ですよ」

戦士「そうだな…」

武道家「大丈夫ですか戦士さん…」

戦士「ああ…大丈夫だ。ただちょっとな…」

武道家「…」

戦士「盗賊がよ…心配でな」

魔法使い「…」

僧侶「武道家さん!上!上!」

武道家「え?」

僧侶「お月さんあんなに大きいですよ!」

武道家「本当ですね…」



僧侶「…コク…コク…」

武道家「僧侶さん休んでいいですよ?」

僧侶「ごめんなさい…そうさせて貰います…」

魔法使い「武道家さんも休んでください」

武道家「でも…わかりました」

戦士「…」

魔法使い「…」

戦士「あれだと俺達…お尋ね者だよなぁ…」

魔法使い「そうですね…最低でもあの国では」

戦士「悪いな…駆け付けてすぐこんな事になって…」

魔法使い「いえ…」

戦士「…」

魔法使い「盗賊さんは…何故あのような事をしたのでしょう…」

戦士「…理由は聞いてねぇよ。ただ…あいつの事だ、何か意味はあったんじゃねぇかな…」

魔法使い「信頼…なさってるんですね…」

戦士「お前だって信頼してるさ」

魔法使い「…」

戦士「そうだ、嬢ちゃん頼むぞ?」

魔法使い「え?」

戦士「あれでも…結構参ってる感じだからな」

魔法使い「はい…」

ー???、朝

僧侶「さぁ!よくわからない場所で探検ですよ!」

武道家「僧侶さん!あまり離れないでくださいよ!」

僧侶「大丈夫!大丈夫!」

魔法使い「何か懐かしい…ふふ」

戦士「お前が居ない間も色々あったからな…」

魔法使い「例えばなんです?」

戦士「そうだな…あの書状持ってきた伝令いたろ?」

魔法使い「黒猫の上着が可愛かった方ですね」

戦士「ああそいつだ。そいつが一時仲間になったりな」

魔法使い「何故…」

戦士「将軍からお供しろって言われたらしいけどな」

魔法使い「そうなんですか…」

僧侶「なんか…何も無くてつまらない…」

武道家「森ばかり続いてるみたいですね」

魔法使い「村か何か見付かればいいんですけど…」

戦士「せめて民家でもあればな…どこにいるかわかるんだが…」

僧侶「ん…魔法使いさん!」

魔法使い「はい、何ですか?」

僧侶「どうやってジパングに来たんですか?」

魔法使い「船を使ってですよ。船頭さんが優しい方でした」

戦士「…え?」

魔法使い「何故が親切にして頂いて船もあまり揺らさずに送って貰いましたよ」

僧侶「なにそれ…」

魔法使い「最後は笑顔で良かったら待ってるぞぉって」

武道家「…」

戦士「俺達の時と大分違うじゃねぇか…」

魔法使い「そうだったんですか?」

武道家「凄い不貞腐れた態度で…揺れも激しかったです…」

戦士「それに一人500ゴールドだったもんな」

魔法使い「私…50ゴールドでしたけど…」

戦士「何!…野郎ぼったくりやがって…」

僧侶「今度会ったら一発殴りましょうね!」

戦士「ああ!一発と言わず十発ぐらい殴ってやる!」

魔法使い「程ほどにしてくださいね…」

ー???付近

魔法使い「ん…潮の香り…海が近いですね」

戦士「…わかるか?嬢ちゃん」

僧侶「全然…」

魔法使い「え?わかりません?」

武道家「本当にわかりませんよ」

魔法使い「おかしいですね…」

戦士「大丈夫かよ…」

僧侶「あれですよ!エルフさんの粉で遊び

魔法使い「そんな事してませんから!」

武道家「発想が危ないですよ…」



魔法使い「ね、ありましたよ」

戦士「確かにあったが…ここまでかなり歩いたぞ?」

僧侶「凄い!まるで犬者!」

魔法使い「犬者って…」

武道家 (ちょっといいかもって思ってしまった…)

戦士「はぁぁぁ!…広い海見ると眠くなるねぇ…」

武道家「戦士さんだけですよ」

僧侶「武道家さん!あそこ!しびれクラゲいますよ!」

武道家「あれは普通のクラゲですね…」

魔法使い「少し…休憩にします?」

戦士「そうだな…ふぁ…」

魔法使い「…」

武道家「僧侶さん入っちゃ駄目ですよ!」



戦士「嬢ちゃん、海に入ってもいいが転ぶなよ?」

僧侶「大丈夫!大丈夫!うわっ」ツル

ザパンッ

戦士「言った傍からかよ…」

僧侶「うえ…びしょびしょ…」

武道家「大丈夫ですか?」

魔法使い「ふふ…」

戦士「ん?どうした?」

魔法使い「いえ…ずっとこんな感じであればいいなって…」

戦士「そうだなぁ…全部終わったらこうなるのかねぇ…」

魔法使い「わかりません…」

武道家「戦士さん!あそこ!船ですよ!」

戦士「何!」

ー???村

戦士「ん…ここは村…だよな?」

魔法使い「そうだと思うんですけど…外に人がいませんね」

武道家「さっきの船ありましたよ!」

戦士「じゃあ誰かいる筈だよな…」

僧侶「おーい!誰かぁいるかぁ!」

戦士「…」

武道家「…駄目みたいですね」

魔法使い「とりあえず…あの大きな建物へ行ってみましょう」

武道家「そうですね」

僧侶「お化け出るかもしれませんね!」

武道家「やめてくださいよ…」

ー???村、???の館

魔法使い「中にもいませんね…」

戦士「ああ…だがこいつは…」

???「お前達!」バッ

ザザッ!

戦士「クソッ!囲まれた!」

女海賊「私を討伐しに来たのかい?」

魔法使い「…」

女海賊「それも…ご丁寧に同業者まで連れてご苦労なこった」

戦士「同業者?」

女海賊「髭面のお前だよ!」

戦士「同業者じゃねぇよ!」

女海賊「じゃあなんなんだい?」

武道家「それはですね…」

女海賊「小娘は黙ってな!」

武道家「…」

魔法使い「私なら良いでしょうか?」

女海賊「フンッ…上品なお嬢様が震え上がらす喋れるのかい!」

戦士「やっぱ俺の

魔法使い「戦士さん!大丈夫です。
私が話します」

戦士「そうか…」

魔法使い「実は私達道に迷ってしまいまして…それで偶然この村にたどり着いたんです」

女海賊「…」

魔法使い「出来れば…ここがどこかお教え願えないでしょうか?」

女海賊「フフフッ…アハハハッ」

魔法使い「…」

女海賊「お前達聞いたかい!こんな場所で迷ったんだとよ!」

ガハハハハ

女海賊「嘘も大概にしときな!」

魔法使い「嘘ではありません!」

女海賊「なら何かい?空から突然降ってきたとても言うのかい?」

僧侶「そうですよ!」

女海賊「お前とは今喋って無い!黙ってろ!」

魔法使い「その方の言う事は本当です。旅の扉に入ったらここに飛ばされてしまって…」

女海賊「そんな事ある訳無い!おい!こいつらを牢にぶちこんどきな!」

戦士「クソッ!数が多過ぎだ…」

子分「大人しくしろ!」

ー海賊の村、女海賊の部屋

女海賊「…」プカー

子分「お、お頭!」

女海賊「なんだ…騒々しい…」

子分「あいつらの荷物を調べたらこれが!」

女海賊「あん?こ、これは!ちょっと寄越しな!」

子分「へい」

女海賊「本物…」

子分「…」

女海賊「嬉しいねぇ…こんなかたちで手に入るなんて」

女海賊「しかし…こんな物持ってるなんてあいつらの何者だい…」

女海賊「討伐…って訳じゃ無いみたいだね…」

子分「どうしましょう?」

女海賊「地下牢へ行く。何者か確かめてやる」

ー海賊の村、地下牢

戦士「やっと見つけた村が海賊の住みかだったなんてついてねぇなぁ…」

魔法使い「それに捕まってしまいましたからね…」

武道家「私達はどうなってしまうんでしょう…」

僧侶「武道家さん!耳貸してください!」

武道家「はい?」

僧侶「…」ゴニョゴニョ

武道家「うわぁぁ!嫌だぁ!」

戦士「おいおい…ビビらせるなよ…」

コツコツコツ

魔法使い「誰か来ましたね…」

女海賊「…」

戦士「なんか用か?」

女海賊「いくつか…聞きたい事がある。正直に答えな」

魔法使い「わかりました…なんでしょうか?」

女海賊「これはどこで手に入れた?」

戦士「なんだそりゃ?」

魔法使い「宝石…ですか?」

女海賊「質問してるのはこっちだ!早く答えな!」

魔法使い「わかりません…」

女海賊「そこの髭面は?」

戦士「もしかして…手に持ってる小袋に入っていたのか?」

女海賊「ああ…」

戦士「おそらく…ジパングだと思う…」

女海賊「随分と遠いとこから…フフご苦労だね」

魔法使い「ここはジパングからそんなに

女海賊「まだこちらは終わってない!」

魔法使い「…」

女海賊「せっかちな女はやだねぇククッ」

戦士「後は何を聞きたいんだ?」

女海賊「そうだねぇ…お前らは何者だい?」

戦士「…」

女海賊「言わないのか…まぁ大方、お嬢様の道楽か山賊と奴隷だろ」

戦士「山賊じゃねぇよ!」

僧侶「勇者一行ですよ!」

女海賊「…」

僧侶「?」

女海賊「アハハハッ!勇者一行?勇者なんてどこにいるんだい!」

僧侶「わかるじゃないで

魔法使い「僧侶さん!」

僧侶「何ですか魔法使いさん!」

魔法使い「任せてもらって…いいですか?」

僧侶「わかりました…」

魔法使い「女海賊さん」

女海賊「なんだい?」

魔法使い「ここで一つ賭けをしません?」

女海賊「賭け?」

魔法使い「ええ。この中で誰が勇者か当てると言う賭けを」

女海賊「勇者なんていないだろうが!」

魔法使い「いいえ、いますよ。証拠もあります」

女海賊「…証拠。わかったやってやってろうじゃないか」

武道家「いいんですか魔法使いさん?」

魔法使い「大丈夫!任せてください」

女海賊「で、勝負方法は?」

魔法使い「この中で誰が勇者か選んでください。チャンスは3回あげます」

戦士「おい魔法使い!それは不味いだろ…」

女海賊「ククッ…もう取り消しは無しだ」

魔法使い「構いません。それで私達が勝ったら…ここから解放と私達を客人として迎えて貰います」

女海賊「…いいだろう。負けた時はどうする?」

魔法使い「私達を自由になっさってもらって構いません」

女海賊「海賊がする事がわかっていてもかい?」

魔法使い「はい」

女海賊「面白い!乗ってやる!」



女海賊「あと一回か…」

武道家、僧侶「…」

魔法使い「ここまで予想どうりですね…」

戦士「その予想…結構酷いよな…」

女海賊 (小娘二人…本当に勇者か?)

僧侶「見ればわかるでしょ!」

武道家「…」

女海賊「……お前だぁ!」

武道家「…違いますよ」

僧侶「」

女海賊「バ、バカな…こんなちんちくりんが勇者だって言うのかい!」

魔法使い「はい!証拠は後ろのバックの中にあります」

僧侶「…」

ー海賊の村、女海賊の部屋

女海賊「ありえん…」

魔法使い「ちゃんとロマリア国王の正印もありますから…」

戦士「嬢ちゃん…元気だせよ…」

僧侶「…」ガックリ

武道家「ちゃんと勇者ですよ僧侶さん…」

魔法使い「約束…ちゃんと守って頂けるのですね」

女海賊「ああ…負けたからな。その辺は弁えるさ」

魔法使い「では、ここが何処か教えて貰えませんか?」

女海賊「…この地図で見ると、この大陸の最南端だ」

魔法使い「え!こんな所?」

戦士「本当かよ…」

女海賊「嘘など言うか…本当だ」



魔法使い「私達は…先日までこの場所、ジパングにいました」

女海賊「…」

魔法使い「本当なんです。ある事情で旅の扉を使ったところ…ここへ飛ばされてしまって…」

女海賊「信じられない話しだが…嘘を言ってるようにも思えんし…」

戦士「もうどっちだって良いじゃねぇか。俺達客だろ?」

女海賊「…そうだな。私を討伐しに来た暇人でも無さそうだし」

戦士「あんたに聞きたい事があったんだがいいか?」

女海賊「なんだ?」

戦士「さっきの小袋…どこにあった?」

女海賊「お前が持ってる物に入っていたらしいぞ」

戦士「そうか…」

武道家「戦士さん、いつの間にそれ持ってたんですか?」

戦士「多分…盗賊だ。あいつ…」

魔法使い「…」

女海賊「悪いが…中身は返さないからな」

戦士「出来れば返して欲しいが…それただの宝石だろ?」

女海賊「知らないのか!」

魔法使い「違うんですか?」

女海賊「……」

戦士「言っても取らねぇよ」

女海賊「オーブ…」

魔法使い「オーブ?」

女海賊「世界に6つ存在する秘宝だそうだ」

戦士「へぇ…」

魔法使い「それがそのオーブ何ですか?」

女海賊「間違いない」

武道家「…」

戦士「それを集めると何かなるのか?」

女海賊「フフ…どんな願いでも叶うらしい…」

魔法使い「まさか!」

戦士「女って…そう言う話し好きだよなぁ…武道家」

武道家「違いますよ…」

戦士「何が?」

武道家「オーブを集めても願いは叶いません…」

女海賊「出鱈目言うんじゃないよ!」

武道家「本当です…」

魔法使い「何故…武道家さんが知ってるんですか?」

武道家「オーブの存在ってお伽噺だと思ってました…」

女海賊「…」

武道家「私の地方に伝わる歌があるんです。その歌の中にオーブと言う歌詞が出てきて…」

魔法使い「その歌の結末はあるんですか?」

武道家「はい、6つ集めて供えると不死鳥ラーミアが甦ると」

魔法使い「不死鳥ラーミア…」

女海賊「…本当なんだろうね?」

武道家「昔から伝わってる歌ですから…なんとも言えません」

女海賊「折角…二個目が手に入ったのに…」

戦士「二個目?じゃあ持ってるのか?」

女海賊「ああ…」

女海賊「ほら、これ」

魔法使い「本当ですね。赤いオーブ…。それに竜の印」

女海賊「チクショ…あのクソ親父め!人から大金巻き上げた挙げ句ガセネタまで掴ませやがって…」

戦士「誰だか知らんが海賊相手に度胸あるな…」

女海賊「行くぞ!」

魔法使い「…はい?」

女海賊「とっちめに行くんだよ!」

戦士「ああ、行ってこい」

女海賊「お前らも来るんだよ!」

魔法使い「何故…」

女海賊「どうせ暇人なんだろ?」

ーサマンオサ付近、船上

戦士「いくらなんでも強引過ぎだろ…」

武道家「僧侶さん大丈夫ですか?」

僧侶「何故か…大丈夫です」

魔法使い「あの…子分さん。何かお手伝い出来る事ありますか?」

子分「邪魔になるんで隅っこにいてください」

魔法使い「わかりました…」

女海賊「お前ら!ちょっと来な!」

戦士「子分よ、お前苦労してるんだな…」

子分「わかりますか…」

戦士「ああ…頑張れよ…」



女海賊「あぁ…思い出しただけでも腹が立つ…」

子分「お頭落ち着いて!」

僧侶「そうですよお頭!」

女海賊「お前は子分じゃないだろ!」

戦士「なんか用があったんだろ?」

女海賊「ああ、そこの女は魔法…使えるんだろ?」

魔法使い「私ですか?それなりには使えますが…」

女海賊「じゃあクソ親父を回復させろ」

魔法使い「それは構いませんが…何故です?」

女海賊「私がボコボコにする、そして回復ボコボコ回復ボコボコ…ククッ」

魔法使い「…」

戦士「子分よ、苦労するな…」

子分「わかりますか…」

ーポロトガ付近、船上

僧侶「武道家さん!いい天気ですね!」

武道家「そうですね…」

僧侶「どうかしました?」

武道家「ちょっと…ホームシックかなぁなんて…はは」

僧侶「あのラーミアの歌ですか?」

武道家「はい…故郷を思い出してしまって」

僧侶「女海賊さんに頼んで行って貰いましょうか!」

武道家「全部終わってからでいいんで…」

僧侶「そうですか…」

武道家「その時は…い、一緒に行って貰えますか!」

僧侶「いいですよ!」

武道家「本当ですか!」

僧侶「ええ!戦士さんも魔法使いさんも一緒に!」

武道家「…」



子分「…」

女海賊「なんだい?」

子分「お頭…またあの親父の口車に乗せられないでくださいよ…」

女海賊「何度も同じ手に引っ掛かるか!」

子分「これで2度目ですからね…」

女海賊「…」

戦士「女海賊…お前結構間抜けなんだな…」

女海賊「なんだと!」

戦士「そこにオーブ…落ちてたぞ…」

女海賊「…お、置いてあったんだよ」

戦士「子分よ、苦労するな…」

子分「わかりますか…」

ー商人の草原付近

女海賊「さぁそろそろだ!首洗って待ってやがれ!」

魔法使い「あの…」

女海賊「なんだ?」

魔法使い「お願いがあります。この用件が終わったら…ロマリアまで行って貰えませんか?」

女海賊「お断りだ。私に特が無い」

魔法使い「…」

僧侶「特ならあるじゃないですか!」

女海賊「言ってみな」

僧侶「勇者を従えてロマリアまで行けるんですよ!」

女海賊「どこが特なんだい…」

僧侶「普通いませんよねぇ勇者を従えた海賊さんなんて!」

女海賊「…」

僧侶「もう大海賊の仲間入り…いえそれ以上になっちゃってるかもなぁ!」

女海賊「…」

子分「その満更でも無いって顔やめてください…」

女海賊「黙ってな!」

僧侶「酒場なんて行こうものなら!尊敬の眼差し浴びまくり間違いなしなんだろうなぁ!」

女海賊「ロマリアまで送っていこう」

僧侶「お願いします」ニヤ

魔法使い (僧侶さん…恐ろしい人…)

武道家 (どこかで見た事あるような…)

戦士 (ああ…あいつと同じように扱えばいいのか…)

子分「お頭…目を覚ましてください…」

ー商人の草原

女海賊「どこだぁ!クソ親父ぃ!」

首長「なんだ…また…来たか」

女海賊「何でも願いが叶うなんて嘘じゃねぇか!」

首長「でも…伝説の秘宝」

女海賊「ラーミアとか言ったな…」

首長「お前…伝説の海賊に…なれる」

女海賊「なるほど…」

子分「いやいやいや、早速じゃないですか…」

戦士「ありゃ駄目だな…」

武道家「あれで会話が成り立ってるのが凄いですよ…」

首長「俺…ここに街…作りたい」

女海賊「勝手に作ればいいさ」

首長「誰か…置いてけ」

女海賊「…嫌だね」

首長「商人の街…作りたい…」

女海賊「違うやつ探してこいよ…」

首長「金…1万ゴールド…払う」

女海賊「子分!手伝ってやりな!」

子分「ええぇぇ…嫌ですよ…」

戦士「酷いな…」

女海賊「仕方ない…半分分け前としてやるから」

子分「それでも嫌ですよ…」

女海賊「…ちょっとこっち来な」

子分「?」



女海賊「ならこうしよう。もし街を作れたら…」

子分「…」

女海賊「私の体を一ヶ月間好きにしていいよ」

子分「…あんな事やこんな事してもいいと?」

女海賊「ああ。そんな事もどんな事でも」

子分「ちょっとお待ちを…」



僧侶「…何ですか?」

女海賊「何故こいつを連れてくる…」

子分「逃げられない用に勇者な証人です!」

女海賊「チッ…」



子分「と言うお話しだったのさ」

僧侶「なるほど…私に証人になれと」

子分「そうなんです」

女海賊「…」

僧侶「子分さんちょっと…」

子分「はい?」

僧侶「…」ゴニョゴニョ

子分「!!!!」

女海賊「何を言った…」

僧侶「さらに…」ゴニョゴニョ

子分「凄ぇええぇぇ!やるやるやらせて頂きますお頭!」

女海賊「ああ…頼むよ…」

ー商人の村付近、船上

女海賊「や、やめておけば…良かった…」

僧侶「子分さん張り切ってましたね!」

女海賊「…」

戦士「おい…」

女海賊「なんだい?」

戦士「子分は?」

女海賊「置いてきた」

戦士「…この船どうするんだよ」

女海賊「なんとかなるだろうさ」

戦士「なんねぇだろ…」

女海賊「お前達が子分の分まで働けばいい事だ」

魔法使い、戦士「…」

武道家「どこかで難破しない事を祈りましょう…」

ーポロトガ付近、船上

僧侶「武道家さん!あそこ!お城が見えますよ!」

武道家「あれは…ポロトガのお城みたいですね」

魔法使い「二人供ちょっとお話しがあります」

武道家「なんでしょう?」

魔法使い「おそらくロマリアまで私達のやった事が…知れ渡ってると思います」

僧侶「…」

魔法使い「ですから、あまり目立たぬようにお願いします」

武道家「わかりました…」

戦士「変装か何か出来ればいいんだがな…」

僧侶、武道家「…髭剃れば」

戦士「やだよ…」

魔法使い「…」

ーロマリア付近、船上

武道家「なんか懐かしいですね!」

魔法使い「ええ、久しぶりですからね」

戦士「モンスター闘技場行くなよ?」

僧侶「ええ!折角来たのに楽しくないです!」

武道家「行くつもりだったんですね…」

女海賊「そろそろ着くよ!準しな!」

僧侶「アイアイサー!」

戦士「普通に馴染むなよ…」

ーロマリア付近

戦士「さて、女海賊は船で待ってるんだよな?」

女海賊「行くに決まってるだろ!」

戦士「おいおい…誰か船にいないと不味いんじゃねぇか?」

女海賊「フフ…そんじょそこらの海賊船だと思って甘く見ない事だね!」

僧侶「人型に変形するんですね!」

女海賊「しないわ!…この船は動かすのにちょこっとコツがいるのさ。普通の奴に動かせる訳が無い」

戦士「へぇ…」

女海賊「また…興味無さそうな返事を…」

武道家「その格好で行くんですか?」

女海賊「いいや、着替えて行くよ。だから待ってておくれよ」

魔法使い「あの!良かったら私達に何か着れる物を貸してください!」

女海賊「…?」



女海賊「お前らお尋ね者だったのかい」

魔法使い「いえ…まだそうだとは言えませんが…」

女海賊「お尋ね者の勇者ねぇ…」

僧侶「…」

女海賊「まあいいさ。同じお尋ね者同士仲良くしようじゃないさ」

戦士「あんまりしたくないけどな…」

女海賊「着替えだったね。それならこの前かっぱらったやつが船内にあるはずだからそれ使いな」

魔法使い「ありがとうございます」

女海賊「ほら行くぞ!」

グイッ

武道家「ち、ちょっと待ってください!違いますから!」

戦士「まだ知らないんだったっけ…」



武道家「いたぁ…グーで殴らなくも…」

女海賊「うるさい!男なら男って言いな!」

魔法使い「僧侶さんどれにします?」

僧侶「ん…これ!ぬいぐるみ!」

戦士「一番駄目だろ…」

魔法使い「私はこれにします」

僧侶「ええ!こっちにビキニアー

魔法使い「着ませんから!」

女海賊「それ胸の辺りがキツいんだよな」

魔法使い「……着たんですか?」

女海賊「…興味があったから…ちょっと…」

魔法使い「へぇ…」

ーロマリア

武道家、戦士「…」

僧侶「良く似合ってますよ!」

魔法使い「普通な感じのがあって良かった…」

武道家「何となくわかってましたよ…女装されられるんじゃないかって…」

戦士「いくら髭生えてるからって商人とは…」

女海賊「それが一番目立たないんだ。仕方ないだろ」

僧侶「武道家さんずっとその格好の方がいいですよ!」

武道家「……」



僧侶、戦士、魔法使い「…」

伝令「…」

戦士「よ、よう!」

伝令「お前達…何やってるんだ…」

戦士「色々と訳があってな…」

僧侶「伝令さんこそサボりですか!」

伝令「違う!非番だ!…折角羽を伸ばそうかと…そうだ!お前達探したんだぞ!」

魔法使い「やはり…」

伝令「危うく戦争になるかもしれなかったんだからな!」

戦士「…」

魔法使い「すいません…その話は人のいないところで…」

伝令「ああ…お前戻ったのか?」

魔法使い「はい…」

ーロマリア、宿屋

伝令「そっちの状況は良くわからんが…こっちは大変だったんだぞ」

魔法使い「すいません…」

伝令「ロマリアの勇者が東方の王を殺害したってな…」

僧侶「…」

伝令「王も将軍様もあっちこっち頭下げて…俺達はこき使われるし…」

戦士「すまん…」

伝令「まったく今は人間同士あれこれやっている場合では無いのに…」

魔法使い「…あの、何故戦争は回避出来たんですか?」

伝令「詳しくは知らんが…東方の王は魔王の配下だったらしいな」

戦士「…」

伝令「それでこちらの疑いも晴れてあちらの非も流して何とか…ってところだ」



伝令「何であの状況になったか教えて貰えるか?」

戦士「簡単に言うぞ。人間の姿のままの化け物を殺っちまったんだ。それを見られた」

伝令「…誰が?」

戦士「知らない方がいい…」

伝令「そうか…」

僧侶「…」

伝令「しばらくいるのか?」

戦士「わからん」

伝令「あいつは?」

戦士「武道家か、あいつは道楽のお供だよ」

伝令「?」

ーロマリア、市街地

女海賊「金もたっぷりあるし…久しぶりに豪遊しようかねぇフフフ」

武道家「…」

女海賊「なんだい、まだ殴った事根に持ってるのか?」

武道家「違いますよ…お尋ね者になってるかもしれないのに堂々と出来無いですよ…」

女海賊「小心者だね…」

武道家「後、なんで私を選んだんですか?」

女海賊「不満かい?」

武道家「まあ…そうですね」

女海賊「お前が一番まともそうだったからだよ」

武道家「魔法使いさんだってまともじゃないですか」

女海賊「やだよ。陰に走りそうな女」

武道家「そんな事無いと思いますけど」

女海賊「その内わかるさ」

武道家「…」

女海賊「どっちなんだい?」

武道家「…何がですか?」

女海賊「好きな女」

武道家「い、いきなりそんな事言われても答えませんよ!」

女海賊「ふぅん…」

武道家「僧侶さん…の方です…」

女海賊「…」

武道家「なんですか…」

女海賊「苦労するぞお前…」

ーロマリア、宿屋

武道家「…」

伝令「…」

伝令「そうか…遂にそっちの世界に行ってしまったか…」

武道家「そんな悟った目で見ないでください…違いますから」

魔法使い「伝令さん、私達が来た事を将軍さんにお伝えして貰えませんか?」

伝令「そうだな。行ってこよう」

魔法使い「お願いします」

伝令「じゃあな」

ガチャ

女海賊「誰だいあれは?」

戦士「ロマリアの伝令だ」

女海賊「へぇ、何だか冴えない男だね」



戦士「武道家、嬢ちゃんは?」

武道家「さっき出て行きましたよ」

戦士「……」

武道家「どうしました?」

戦士「…やられたな」

武道家「何をです?」

戦士「モンスター闘技場に行きやがった…」

武道家「まさか…」

戦士「なんかソワソワしてるなぁと思ったんだ…」

武道家「……」

ーロマリア、モンスター闘技場

僧侶「ふふふ…今頃戦士さんやられたとか言ってるんでしょうね!」

魔法使い、女海賊「……」

僧侶「二人ともどうしました?」

魔法使い「こんな所へ来てる場合では…」

僧侶「何言ってるんです!ここに来なければロマリアに来た意味が無いんですよ!」

魔法使い「……」

僧侶「さあさあ!行きましょう!」

魔法使い「ち、ちょっと僧侶さん押さないで!」

女海賊「恐ろしいほど生き生きしてるね…」

僧侶「女海賊さんも早く!」

女海賊「はいはい…」

ーロマリア、宿屋

伝令「待たせたな」

戦士「いや、いいよ。で、将軍は何か言ってきたか?」

伝令「それがだな…手紙を渡された…」

戦士、武道家「……」

伝令「お前達が思っている事はわかるが…多分大丈夫だと思う」

戦士「本当かよ…」

伝令「誰が読む?」

戦士、武道家「……」ジー

伝令「俺は嫌だぞ!」

戦士「武道家よ」

武道家「い、嫌ですよ!」

戦士「違う良く聞け…こんな時に遊びに行ってる奴に読ませるべきだと思うが…どう思う?」

武道家、伝令「賛成!」

戦士「クククッ…」



僧侶「」マッシロ

魔法使い「ごめんなさい…僧侶さんに強引に誘われて…」

戦士「そうだろうと思ったからいいよ」

武道家「僧侶さんはどうしたんですか?」

女海賊「見ればわかるだろ?あそこまで見事に負けるとかける言葉も無いね…」

戦士「嬢ちゃんしっかりしろ!嬢宛に手紙だぞ!」

僧侶「…え?」

戦士「ほら!読め!」

僧侶「はい…」

ガサ

僧侶「……」

戦士「……」ニヤニヤ

僧侶「エジンベアへ行けって書いてあります」

戦士「……」



戦士「普通にこの文章で最初っから渡せばいいじゃねぇか…」

魔法使い「凄い!良くここまで…調べましたね」

伝令「凄いんだな…ロマリアの情報収集能力って」

武道家「伝令さんが言っては駄目なんじゃ…」

魔法使い「まずは不死鳥ラーミアを復活させるですか…」

伝令「オーブって言うのが必要みたいだが…」

魔法使い「それなら既に2つ揃ってますよ」

伝令「…どうやって見付けたんだ?」

魔法使い「それは色々とありまして…」



魔法使い「と言うお話だったのです」

伝令「探しても見付からない筈だな…」

戦士「後、オーブを4つか」

魔法使い「手紙にはエジンベアにオーブの在処を示した物があるらしいって書いてありますね」

戦士「よし!じゃあ次はエジンベアだな…あ」

魔法使い「どうしました?」

戦士「地図出せ地図!」

魔法使い「はい…?」パサッ

戦士「……」

魔法使い「…ここがエジンベア」

戦士「女海賊…」

女海賊「なんだい?」

戦士「エジンベアまで…頼む!」

女海賊「…そのつもりだけどね」

戦士「良いのか?」

女海賊「ああ良いよ。その代わりオーブは私のだよ!」

戦士「…もう要らないんじゃねぇのか?」

女海賊「あれがあれば伝説の海賊になれるんだよ?渡すもんかい!」

戦士「信じるなよあんなの…」



伝令「しかし…お前達だけでも見付かって良かったよ」

魔法使い「だけとは?」

伝令「ああ…アリアハンの勇者は消息不明らしいんだ」

僧侶「……」

伝令「それのお陰でって言ってはなんだが…アリアハンから例の東方の事は何も言ってこなかったよ」

魔法使い「こちらに構ってられなかった…ですか」

伝令「そうだろうな。自国の勇者がいなくなってしまったんだから」

魔法使い「なるほど…」

武道家「どこに消えてしまったんでしょうね、」

伝令「さぁ…わからん」

ーロマリア付近

伝令「気を付けて行けよ」

戦士「それは女船長に聞いてくれ。将軍に迷惑かけたって言っといてくれな」

伝令「わかった。将軍様もお前達に会ってやれば俺の仕事も減るんだがな」

戦士「なんか事情があるんだろ」

武道家「戦士さん、もう少しで出航するみたいですよ」

戦士「そうか。またな伝令」

伝令「ああ。今度会う時までにその鬱陶しい髭剃っとけよ」

戦士「剃らねぇよ!」

伝令「心の友よ、またな」

武道家「はい、また!」

ーポルトガ付近、船上

僧侶「魔法使いさん!魔法教えてください!」

魔法使い「…え?」

僧侶「だから魔法教えてください!」

魔法使い「……いいですよ」

僧侶「まずはどうすれば?」

魔法使い「そうですね…頭の中で使いたい魔法をイメージしてください」

僧侶「はい!」

魔法使い「そして念じます。魔法の名前だったり魔力を上げる言葉だったり」

僧侶「メラメラメラメラ…」

魔法使い「…後は手をかざして魔法の出口を作ってあげてください」

僧侶「出口ですか?」

魔法使い「はい、体内に魔力が蓄積してるので、ここから出すぞぉみたいな感じで」

僧侶「出すぞぉ!」

魔法使い「……」

僧侶「……」

魔法使い「駄目みたいですね…」

僧侶「うぅ…残念」

魔法使い「まぁ…焦らずにゆっくりやっていきましょう」

僧侶「はい…」

女海賊「何してるんだい?」

僧侶「ちょっと魔法のお勉強を!」

女海賊「へぇ…頑張んな」

ーエジンベア付近、船上

女海賊「……」

戦士「どうした?」

女海賊「ここは行かないからね」

戦士「ああ…構わないが、何かあるのか?」

女海賊「ここの…エジンベアの奴らはお高くとまって嫌いなのさ」

戦士「いるなぁそう言うアホな奴ら」

女海賊「人を田舎者扱いして…確かに田舎者だけどさ」

戦士「同じ人だからな…関係無いと思うけどな」

女海賊「いい事言うじゃないか」

戦士「まぁな。そろそろか?」

女海賊「そうだね。お前達!そろそろ着くよ!」

ーエジンベア

僧侶、戦士「……」

門番「田舎者は帰れ!帰れ!」

魔法使い「あの…その方達は連れなのですけど…」

門番「お前…いやお嬢さん達はいいが、この二人は駄目だ」

武道家「……」

魔法使い「そこを何とかなりませんか?」

門番「すまないがならない。ここエジンベアは由緒正しき城だからな」

僧侶「魔法使いさん!先に行って待っててください!」

魔法使い「ですが…」

僧侶「大丈夫!大丈夫!」

魔法使い「わかりました…武道家さん」

武道家「はい…」



戦士「クソッ!あんなの門番の趣味で通してるもんじゃねぇか!」

僧侶「まあまあ落ち着いて…」

戦士「嬢ちゃんどうするんだ?」

僧侶「ちょっとお痛が過ぎる門番さんには痛い目にあって貰いましょう…」

戦士「暴力はやめとけよ?」

僧侶「そんな事しませんよ…フフフ」

戦士「いつもの口調にしてくれ…怖ぇよ…」

僧侶「……」

戦士「あ…今回俺行かなくていいか?あそこは駄目だ、合わない」

僧侶「わかりました!」

戦士「船で待ってるからな」



門番「また来たのか…通さないぞ?」

僧侶「あの!さっきの武道家の女の子に興味ありませんか!」

僧侶「門番さんが良かったら仲良くなれるようにしてあげましょうか?」

門番「…出来るのか?」

僧侶「出来ますよ!ここを通してもらえたら!」

門番「…わかった」

僧侶「ありがとうございます!そうだ…」

門番「どうした?」

僧侶「あの子…女の子扱いされるのが嫌いで…だから男の子だと思って接してあげてください!」

門番「わ、わかった。頼んだぞ!」

僧侶「後、代わりの門番さんっているんですか?」

門番「いるが?」

僧侶「じゃあ!その方にもそう説明しておくんで!」

門番「あ、ああ…」



僧侶「あの…」

門番2「ん?なんだい?」

僧侶「表にいる門番さんの事なんですけど…」

門番2「うん?」

僧侶「うちのパーティーにいる方と仲良くなりたいと言ってまして」

門番2「…注意しておくよ」

僧侶「いえ!仲良くするのはいいんですよ。ただ…男の子なんですよね…」

門番2「……」

僧侶「そう言うのはちょっと…」

門番2「そうだね…」

僧侶「門番2さんも気を付けた方が…」

門番2「うん…そうする…」



魔法使い「僧侶さん入れて貰えたんですね」

僧侶「はい!」

武道家「戦士さんはどうしたんですか?」

僧侶「船で待ってるそうです!」

魔法使い「そうですか…」

僧侶「そうだ!武道家さん!表の門番さんが呼んでましたよ!」

武道家「え?」

僧侶「こっちは魔法使いさんと探しておくんで行ってあげてください!」

武道家「はあ…?」

僧侶「……」ニヤ



門番「可愛かったんだよ」

門番2「へぇ…」

武道家「あの…呼んでるって言われて来たんですけど」

門番「や、やあ」

武道家「何か用でしょうか?」

門番「俺、もうすぐ交代なんだけど良かったら…お茶しませんか!」

武道家「……私男ですよ?」

門番「うん、知ってる!君は男の子だね!」

武道家、門番2 (こいつ真正か!)

門番「返事貰えるかな…?」

武道家「そう言うの…本当困るんですけど…」

門番「大丈夫!女の子扱いなんてしないからさ!」

武道家「……」

ーエジンベア付近、船上

武道家「」

魔法使い「この壷みたいなんですけど…」

戦士「変な形の壷だな…」

僧侶「中にこれも入ってましたよ!」

戦士「地図かこりゃ?」

女海賊「お前達帰ったのかい」

魔法使い「はい、お待たせしました」

女海賊「で、首尾はどうだった?」

魔法使い「それが…この壷と地図みたいな物しか無くて」

女海賊「……それ絶対に水の中に落とすんじゃないよ」

魔法使い「知ってるんですか?」

女海賊「渇きの壷…って物だよ。実物を見るのは初めてだけどね」

魔法使い「渇きの壷…」

女海賊「湖をも干上がらせるって話さ」

戦士「詳しいな」

女海賊「海賊の間じゃ忌むべき物だからね…こんな所で落としたらどうなる事か…」

僧侶「……」

女海賊「試そうとするんじゃないよ」

僧侶「良くわかりましたね!」

女海賊「…お前そんなんだと早死にするよ?」



女海賊「後は地図かい。また随分と曖昧な地図だねぇ…」

魔法使い「女海賊さんでもわかりませんか?」

女海賊「ん…ここから西に行った所に船が良く座礁する区域があるんだけど…」

魔法使い「そこだと?」

女海賊「地図を見ると目的地が浅瀬になってるだろ?で、周りに海しかない」

魔法使い「確かに…目印になりそうな島とかも無いですね」

女海賊「そんなところ他には無いと思うんだけどねぇ…」

僧侶「そこに行ってみましょうよ!」

女海賊「あんまり近付きたく無い場所なんだけど…」

僧侶「他に無いと思うならそこですよ!後、これも試してみたいですし!」

女海賊「…渇きの壷を使いだけだろお前」

ーグリンラッド南の祠付近

戦士「おい…凄い寒いんだが…」

女海賊「だらしないね…船内の物着てればいいだろ」

武道家「……」

僧侶「どうしました?武道家さん!」

武道家「いえ…」

僧侶「……(エジンベアで少しやり過ぎちゃったかな…)」

武道家「……」

僧侶 (不味いなぁ…何とかしないと…)

魔法使い「僧侶さん、武道家さん、寒いですからこれを。船内にあった物ですけど」

僧侶「ありがとうございます!はい!武道家さん!」

武道家「ありがとうございます…」

僧侶「……」

ーグリンラッド南の祠付近、夜、船室

女海賊「……」プカー

コンコン

女海賊「誰だい?」

僧侶「私です!」

女海賊「入んな」

ガチャ

僧侶「……」

女海賊「そんな浮かない顔してどうした?」

僧侶「武道家さんに悪い事しちゃって…元気無くなっちゃったんです…」

女海賊「どうしたら元気になりますか?かい?」

僧侶「はい…」

女海賊「簡単じゃないか」

僧侶「え?」

女海賊「ほらこれ」

ポイッ

僧侶「…なんです?この布?」

女海賊「いいから。それ着てこうしてやれば元気になるさ」

僧侶「本当ですか!」

女海賊「ああ。早くやってやりな」

僧侶「ありがとうございます!」

ガチャ

女海賊「まぁ、違うとこも元気になるけどねぇ…ククッ」

女海賊「……」

女海賊「やだやだ…欲求不満なのかね…私…」

ーグリンラッド南の祠付近、夜、船上

僧侶「……」

武道家「…?どうしました?」

僧侶「あの…元気出してください」

武道家「……はい」

僧侶「武道家さん!」

武道家「?」

僧侶「えい!」

ムギュ

武道家「ッ!」

僧侶「武道家さんの顔冷たいですね!」

僧侶「こうやって胸に顔を埋めてあげると元気になるって女海賊さんが…」

僧侶「恥ずかしですけど…武道家さんが元気になるなら…武道家さん?」

武道家「」グッタリ

僧侶「だ、大丈夫ですか!武道家さん!」

ーグリンラッドの祠付近

武道家「……」ニヤニヤ

戦士「武道家…ずっとにやけて気持ち悪いぞ…」

武道家「え?」ニヤニヤ

戦士「嬢ちゃんといい事でもあったか?」

武道家「…見てたんですか?」

戦士「見てないが…お前喜ぶ事なんて嬢ちゃん柄みしか無ぇじゃねぇか」

僧侶「二人供何してるんですか!」

戦士「よう!武道家にいい事してやったんだってな」

僧侶「……武道家さん最低」

武道家「え?ち、違

僧侶「恥ずかしかったのに…人に喋るなんて…武道家さんのバカ!」

タッタッタッ

武道家「」

戦士「余計な事言って…すまん…」

ー浅瀬の祠付近

女海賊「着いたよ…」

魔法使い「何も無いですね」

僧侶「じゃあ!早速!」

女海賊「待ちな!いいかい、出来るだけ遠くに投げるんだよ?」

僧侶「何故ですか?」

女海賊「もし…水が無くなって船が乗り上げたらとうする」

僧侶「そっかあ!了解!じゃあ!おりゃあ!」

ヒューン……ポチャン

戦士「……?」

僧侶「あれ?」

ズゴゴゴッ!

魔法使い「岩場が上がってくる…」

ー浅瀬の祠

武道家「…戻って良いですか?」

戦士「そう何度も亡霊なんて出てこないだろ…」

僧侶「武道家さん!罪滅ぼしだと思ってついてきなさい!」

武道家「えぇぇ…」

魔法使い「ここに…オーブがあるんでしょうか…」

戦士「どうだろうな…」

僧侶「宝箱発見!」

ガチャ

戦士「また…その癖直せよ…」

魔法使い「鍵…ですね」

僧侶「オーブの在処の鍵は鍵…つまんない…」

戦士「後は…奧に扉か」

魔法使い「あの扉を開けるための鍵ですかね」

戦士「たぶん…」

武道家「……」

僧侶「武道家さん!お先どうぞ!」

武道家「無理ですよ…」

僧侶「へぇ…私が恥ずかしい思いしたのも無駄になっちゃうなぁ…」

武道家「……」

僧侶「もし行って貰えるなら…もういち

武道家「やりましょう!」

僧侶「お願いします」ニヤ

戦士、魔法使い「……」



武道家「だ、大丈夫ですからね!」

戦士「お前が大丈夫じゃねぇよ…」

魔法使い「この鍵…変わった形ですよね」

戦士「そうだな。この扉の鍵穴と合いそうも無いぞ?」

僧侶「とりあえず使ってみましょう!」

ニュルニュルガチャ

僧侶「開いたけど…」

戦士「気持ち悪いな…」

魔法使い「……」ドキドキ

戦士「今の見ると…これってどんな錠でも開けられるって事だよな?」

僧侶「そうですね!凄い鍵ですね!」

戦士「女海賊には内緒な…」

僧侶「取られちゃいますもんね!」



武道家「」

僧侶「武道家さんはほっおきましょう!」

…「来たか…」

魔法使い「貴方は…?」

…「我は…古を伝える者…」

戦士「……」

…「すべての災いは…ネクロゴンド…」

魔法使い「ネクロゴンド?」

…「そして…ギアガの大穴より…現れる…」

魔法使い「その場所はどこに!」

…「……

僧侶「消えちゃいましたね…」

戦士「災いか…」

ー浅瀬の祠付近、船上

ゴゴゴゴ…ザザァ…

魔法使い「また…沈んでしまいましたね…」

女海賊「オーブはあったのかい?」

戦士「いや、無かったよ…残念だ」

女海賊「ふぅん…本当だろうね?」

僧侶「本当ですよ!」

女海賊「そうかい…で、次はどこ行くか決まってるのかい?」

戦士「それがなぁ…わからん」

魔法使い「また行き詰まってしまいましたね…」

僧侶「あそこ行きましょうよ!」

女海賊「どこ?」

僧侶「子分さんの所!」

女海賊「……」

ーグリンラッドの祠付近、船上

僧侶「メラぁ………」

魔法使い「……」

僧侶「駄目です!」

魔法使い「ん…何でしょうね」

僧侶「ライデインまで遠いです…」

魔法使い「はは…そうですね」

僧侶「魔法使いさん!手本見せてください!」

魔法使い「わかりました。一度しっかりと見といた方がいいかもしれませんね」

僧侶「お願いします!」

魔法使い「では、…メラ!」

ボッ…バキッ

魔法使い「船に当たって…」

女海賊「あああ!お前なんて事を…」

魔法使い「ごめんなさい!ごめんなさい!」

女海賊「……」

魔法使い「直しますんで!」

女海賊「出来るのかい?」

魔法使い「無理です…」

女海賊「どうするんだい?」

魔法使い「……」

女海賊「ならこうしようか。夜…私の部屋に来な」

魔法使い「そんな事でいいんですか?」

女海賊「ふふ…そんな事だけで済む訳無いだろ…」ピト

魔法使い「……」ゾゾゾ

僧侶「おおお!」

ーグリンラッドの祠付近、船上、夜

魔法使い「……あああ」

魔法使い「女海賊さんにそんな趣味があったなんて…」

魔法使い「どうしましょうどうしましょう…」

魔法使い「私の貞操が…女海賊さんの毒牙に!」

魔法使い「なんて事デショウ!」

魔法使い「あぁ…初めては好きな男性にと思っていたのに!!」

魔法使い「きゃぁもう無理です!!」

バンッ

女海賊「人の部屋の前でゴチャゴチャうるさいわ!」

魔法使い「…ごめんなさい」

女海賊「さっさと入んな!」



魔法使い「あの…」

女海賊「ん?」

魔法使い「初めてなんです…優しくお願いします…」

女海賊「……」

魔法使い「……?」

女海賊「ククッ…アハハッ私はそんな趣味無いよ」

魔法使い「え?」

女海賊「ただ私にも魔法を教えて欲しかっただけさ…ププッ」

魔法使い「」

女海賊「おバカだねぇ勘違いしたかい?ふふ」

魔法使い「勘違いさせる方が悪いと思います…」

女海賊「勘違いした方もどうかと思うけどねぇ」

魔法使い「……」

ー商人バーク付近、船上

武道家「はぁッ!」

魔法使い「おはようございます、武道家さん」

武道家「魔法使いさんおはようございます」

魔法使い「頑張ってますね」

武道家「僧侶さんが頑張って魔法の練習してますからね。負けられないなと」

魔法使い「そうなんですか」

武道家「あの…僧侶さんって魔法使えそうなんですか?」

魔法使い「ん…今のところはなんとも言えないですね…」

武道家「わからないんですか?」

魔法使い「はい。僧侶さんは魔力はあるみたい何ですが…それを放つ力みたいな物が極端に低いみたいなんですよ」

武道家「放つ力…ですか?」

魔法使い「魔力を外に出す出口って言いますか…」

武道家「…なら僧侶さんはその出口が無いと?」

魔法使い「それがハッキリとはわからないんですよ」

武道家「なるほど…」

魔法使い「その辺りは本人次第でしょうね」

武道家「使えるようになって欲しいですね」

魔法使い「はい…」

武道家「……あれ?私も魔法使えるようになったりするんですか?」

魔法使い「無理ですよ」

武道家「え…」

魔法使い「無理ですからね…!」

武道家「魔法使いさん…目が怖いです…」

ー商人バーク

女海賊「……」

僧侶「凄いですね!もう街以上に発展してますよ!」

戦士「おいおい…劇場まであるぞ…」

武道家「あの子分さん凄い出来る方だったんですね!」

女海賊「ああ…出来ないと思っていたのに…」

僧侶「約束…楽しみですね!」

武道家「約束って何ですか?」

女海賊「何でも無い!女同士の話だ!向こう行ってな!」

武道家「わかりましたよ…」

女海賊「おい!ちょっとこの娘と話があるから借りてくよ!」

ダダダッ

戦士「何をあんなに慌ててるんだ…」

魔法使い「さぁ…?」



女海賊「おおおい!どうしよう!どうしよう!」

僧侶「約束は守りましょう!」

女海賊「…やだ」

僧侶「子分さんも苦労したと思いますよ!」

女海賊「そうだろうけどさ…」

僧侶「色々な準備もしないといけなかったでしょうし!」

女海賊「準備ってなんのだ…」

僧侶「ほら!首輪とか縄とか!」

女海賊「……」

僧侶「ホイミスライムなんかも!」

女海賊「お前って奴は…本当に勇者かい…」

僧侶「後は!」

女海賊「もう言わなくていい…」



戦士「なあ、ちょっといいかい?」

町人「何でしょうか?」

戦士「子分って奴探してるんだけどよ知らねぇか?」

町人「……」

戦士「どうした?」

町人「少し前に…この街で革命が起こったんですよ」

魔法使い「革命…?」

町人「あの人はやり過ぎたんです…」

戦士「……」

町人「すいません…もし居場所知りたいならそこの家を訪ねてください…」

戦士「ああ。すまなかったな」

ー商人バーク、牢屋

子分「お頭ぁ…」

女海賊「…バカが、こんな所に入れられやがって」

子分「うぅすいません…良かれと思って…」

女海賊「お前達、悪いけど三人にしてくれるか」

戦士「嬢ちゃんとか?」

女海賊「ああ…」

戦士「わかった、外で待ってるぞ」

女海賊「……」

子分「こんなにまで皆の反感を買っていたなんて思わず…」

女海賊「怒りはしないさ。お前は頑張ったよ」

子分「うぅ…ありがとうございます!」

女海賊「ただ…約束は無しだ!」

子分「ええええぇぇ!」

女海賊「お前は最後に牢屋に入れられたんだよ?」

子分「しかし…」

女海賊「もうこの街に関われないのに更に街を発展させるなんて無理だろ?」

子分「……」

女海賊「諦めな」

子分「こ、こんなに頑張ったのに…酷い…」

女海賊「残念だったねぇ…私の体を自由に出来なくて」ニヤ

子分「あぁぁ…折角ホイミスライムなんかも苦労して集めたのに…」

女海賊「……」

子分「せ、せめて1日だけでも何とかなりませんか!」

僧侶「なりませんかお頭!」

女海賊「なるか!」

子分「うをぉぉん…」

僧侶「子分さん可哀想ですよ!」

女海賊「お前…そんなに私を奴隷扱いしたいのか…」

僧侶、子分「は?」

女海賊「え?」

子分「何を言ってるんですか…する訳無いですよ…」

女海賊「だって…首輪とか縄とかホイミスライムとか…」

子分「…勇者さんにホイミスライムでもペットにして贈ってみてはと助言されて…」

女海賊「……」

僧侶「お頭…想像力豊か過ぎですよ…」

女海賊「……」

子分「もっと可愛らしい発想してくださいよ…」

女海賊「……」

僧侶「触手陵辱なんて普通思い付きませんよ…」

女海賊「……」



女海賊「……」ズーン

戦士「どうしたんだ女海賊…」

僧侶「想像が現実に負けたんですよ!」

戦士「良くわからん…子分、お前どうしたいんだ?」

子分「出来ればここから出してもらいたいです…」

戦士「いいのか?償わなくて」

子分「この街を首長さんに任せるのと引き換えにチャラにしてもらおうかと」

戦士「……」

子分「それに…もうこの街に自分の居場所はありませんから…」

戦士「そうか…」

子分「夜にまた来てください」

戦士「ああ。迎えに来るよ」

ー商人バーク付近、船上

戦士「次はどうするか…」

魔法使い「そうですね…またロマリア行きます?」

戦士「ん…それしかねぇかな…オーブの情報が入ってるかもしれないし…」

子分「…まだ集めてるんですか?」

戦士「ああ。ラーミアってのを復活させろって言われてな」

女海賊「あと、伝説の海賊になるのに必用だよ!」

戦士「あれはほっといていいから…」

女海賊「なんだって!」

子分「これ…」

魔法使い「何故オーブを!」

子分「いやぁ…たまたま買い取った品の中にそれらしいのがあったので」

女海賊「良くやった!」

子分「じゃあ!」

女海賊「…やだよ」

魔法使い「これで3つ目ですね」

子分「もう1つならある所わかりますよ」

魔法使い「……」

戦士「……」

子分「な、何ですか?」

戦士「お前…凄いんだな…」

子分「たまたまですよ!たまたま!」

魔法使い「…海賊やってるより向いているんじゃないですか?」

子分「いやぁそんな事無いですよぉ……ぉ?」

女海賊「……」ジー

子分「……」

女海賊「……」ジー

子分「自分には海賊しか無いんで…」



魔法使い「もう1つのオーブは何処に?」

子分「どうやらランシールと言う所にあるらしいですよ」

戦士「何処で聞いたんだ?」

子分「商人やってますとね…物だけじゃなく情報や噂なんかも売り買いしたりするんですよ」

魔法使い「そこでランシールにオーブがあると知ったんですか」

子分「そうです。正確にはランシールにある地球のヘソと呼ばれる所の奥にあると」

戦士「地球のヘソねぇ…どんな所だろうな」

僧侶「きっと戦士さんの髭みたいな所ですよ!」

戦士「どう言う意味だ?」

僧侶「ツンツン尖った山みたいな!」

戦士「それじゃ地球のデベソじゃねぇか…」

女海賊「しかし…遠いねぇこれは」

武道家「本当ですね」

女海賊「ランシールまでのルートはここから北へアリアハンを経由してって感じになるねぇ」

武道家「アリアハンか…なんか凄い久し振りに行きますね」

魔法使い「そうですね…懐かしい…ふふ」

戦士「ん?何で俺見て笑うんだ?」

魔法使い「だって…最初は私と武道家さん、性別を逆に思われていたんですよ?」

戦士「嬢ちゃんだって間違えてたじゃねぇか…」

魔法使い「私…そんなに男性に見えました?」

戦士「それはだな…悪かったよ…」

武道家「……」

僧侶「武道家さんは今でも女の子に見えますから大丈夫ですよ!」

武道家「それは大丈夫じゃないです…」

子分「……」

女海賊「どうした?」

子分「男…だったんですね」

女海賊「あれ?お前知らなかったのかい?ロマリアで…」

子分「へぇ…ロマリアに行ってたんですか。自分もロマリア行きたかったなぁ…」

女海賊「……」

子分「誰かに置いて行かれたからなぁ…残念だ…」

女海賊「わ、悪かったよ…」

ーグリンラッド南の祠付近、船上

僧侶「メラゾーマぁ………」

魔法使い「無理ですから…」

僧侶「はぁ…やっぱり駄目です!」

魔法使い「当たり前かと…何故いきなり上級魔法を?」

僧侶「弱い魔法が出ないなら強い魔法の方が出るかなって!」

魔法使い「無理だと思いますよ…」

女海賊「なんだい、まだ飽きずに魔法の練習かい?」

僧侶「そうですよ!」

女海賊「少しは出来るようになったんだろうね?」

僧侶「全然!」

女海賊「そうかい…」

魔法使い「女海賊さんは出来るようになりました?」

女海賊「フフフ…」

僧侶「女海賊さんも魔法習ってたんですか!」

女海賊「まあね。先生に夜な夜なベッドで教えて貰ってるからねぇ…ククッ」

僧侶「……」

魔法使い「そんな変な言い方やめてください!僧侶さん、私は普通に教えてるだけですからね?」

僧侶「そうなんですか…」

魔法使い「本当ですから…信じてくださいよ!」

僧侶「うん本当ですよね大丈夫…信じてますよ…」

女海賊「ククッ」

子分「お頭!飯の準備が出来ました!」

僧侶「子分さん!」チョイチョイ

子分「何ですか?」

僧侶「……」ヒソヒソ

女海賊「お、おい…」

子分「なんだってぇ!お頭…そっちの世界の人間だったんですか…」

魔法使い、女海賊「……」

ーグリンラッド北側付近、船上

戦士「……」

武道家「どうしたんですか?」

戦士「ん?ああ…盗賊どこ行っちまったのかなぁなんて考えてただけさ」

武道家「そうですね…」

戦士「そのうち親分とか言いながら帰ってくると思うんだけどな」

武道家「……」

戦士「ふぁぁ…昼寝でもするか…」

武道家「きっと盗賊さん元気ですよ。そんな気がします」

戦士「そうだな。ありがとよ武道家」

武道家「いえ…」

戦士「じゃあな。何かあったら起こしてくれ」

武道家「わかりました」

ーアリアハン付近、船上

僧侶「ナジミの塔見えてきましたよ!」

魔法使い「本当ですね」

僧侶「司祭様元気かなぁ」

武道家「司祭様って僧侶さんの師匠みたいな方ですか?」

僧侶「ん…ちょっと違いますね!父親みたいな感じですよ!」

武道家「そうなんですか」

僧侶「良かったら武道家さんも一緒に会いに行きませんか!」

武道家「良いですよ……え?」

僧侶「じゃあ決まりですね!楽しみだなぁ」

武道家 (こ、これはあれでしょうか!親に…会って欲しいの…ってやつ!)

武道家 (なるほど!清く正しくお付き合いする為に私を試そうと!)

武道家 (フフフ…流石僧侶さん!策士ですね!)

戦士「武道家?」

ーアリアハン、市街地

僧侶「私と武道家さんは教会へ行ってきますよ!」

魔法使い「はい、なら私は宿屋へ行ってきますね」

戦士「じゃあ行くか」

女海賊「どこ行くんだい!あんたはこっちだよ!」

ムンズ

戦士「いててて!髭引っ張るな!」

女海賊「行くよ!」

戦士「どこへ?」

女海賊「酒場があるんだろ?案内しな」

戦士「勝手に行ってこいよ…」

女海賊「うるさい!来い!子分も早くしな」

戦士「だから痛いって!は、離せ!」

子分「待ってくださいよ!」

魔法使い「……」

僧侶「魔法使いさんも行ってきたらどうですか!」

魔法使い「そうですね…宿屋に1人で居てもつまらないですから私も着いて行きますよ」

僧侶「わかりました!じゃあまた!」

魔法使い「はい、また」

僧侶「武道家さん!行きましょうか!」

武道家 (ヤバい!ヤバい!緊張してきた…なんて挨拶しましょう!)

武道家 (格好もこれでいいのでしょうか!)

武道家 (は、始めまして武道家です!…ちょっと固いかな…)

僧侶「武道家さん!行きますよ!」

武道家「え?は、はい」

ーアリアハン、教会

僧侶「司祭様ぁ!」

司祭「ズバリ!こ、この声は!」

僧侶「司祭様!」

司祭「ズバリ!僧侶でしょう!」

武道家 (こ、この人が僧侶さんの…)

司祭「ズバリ!僧侶…久し振りでしょう…」

僧侶「司祭様…ハァァアッ!」

ズドムッ!

司祭「ズ…ズバリ…」ガク

武道家 (えぇぇぇ…)

僧侶「ふぅ…スッキリしました!」

武道家「……」

牧師「ちょっと司祭様、凄い音しましたけど…あら?僧侶じゃない!」

僧侶「あぁ!牧師様!只今戻りました!」

牧師「久し振りねぇ。元気だった?」

僧侶「はい!牧師様はお変わりなく!」

牧師「ふふ、ありがとう。それにしても突然戻ってくるなんてどうしたの?」

僧侶「たまたまアリアハンの近くに来たので帰って来ました!」

牧師「そうなの…なら勇者も戻ってるのね!」

僧侶「それがですね…まだ勇者さんとは会って無いんですよ…」

牧師「え?じゃあ…貴女今何してるの?」

僧侶「今は…私、勇者になっちゃって…」

牧師「……」

僧侶「牧師様?」

牧師「それ面白くないわよ…いつもみたいにパンチの効いた冗談いいなさいよ…」

僧侶「……」

武道家「あの…僧侶さんの言ってる事は本当ですよ」

牧師「貴女は?」

武道家「は、始めまして!僧侶さんとパーティー組ませて貰ってます武道家と言います!」

僧侶「この顔ですけどちゃんと男の子ですよ!」

牧師「よろしくね、武道家さん」

武道家「はい!」

牧師「それはそうと…僧侶、何故貴女が勇者になっちゃったの?」

僧侶「それはですね…」



僧侶「と言うお話だったのさ」

牧師「なるほど…ロマリアの…」

僧侶「そうなんですよ!」

武道家「あの…司祭様…」

牧師「忘れてた…。司祭様!しっかりしてください!」

司祭「」

牧師「駄目ね。武道家さん、悪いけど運ぶの手伝ってくださる?」

武道家「わかりました…」

僧侶「じゃあ!私自分の部屋に行ってますね!」

牧師「手伝いなさい!」

僧侶「えぇ…」

牧師「もう…この子ったら…」

武道家「……」

牧師「武道家さんどうしました?」

武道家「いえ…」

牧師「?」

僧侶「武道家さん!ちゃっちゃと運んで遊びに行きましょうか!」

武道家「は、はい…」

牧師「私は仕事に戻るから司祭様よろしくね」



僧侶「よし!司祭様…安らかにお眠りください…」

武道家「この場所でそれは笑えませんよ…」

僧侶「じゃあ!行きましょうか!」

武道家「あの…牧師様って…」

僧侶「ああ!牧師様は私のお母さんみたいな方ですよ!」

武道家「そうなんですか…」

僧侶「女性で牧師って珍しいみたいですね!」

武道家「……」

僧侶「武道家さん!行きますよ!」

武道家「は、はい…どこへ?」

僧侶「私の部屋に!」

武道家「ッ!!」



僧侶「お茶持って来ますんでくつろいでいてください!」

武道家「はい!」

僧侶「…?」

カチャ

武道家「……」

武道家「これが僧侶さんの部屋…意外と普通だ…」

武道家「何か落ち着かないな…気になる物が有りすぎて!タンス一段目とか…タンス二段目やタンス三段目が!」

武道家「……」

武道家「ちょっとだけなら…」

ガタッ

武道家「あれ?」

ガタッガタッ

武道家「何も入ってない…」



僧侶「……」ズズー

武道家「……」

僧侶「武道家さん…タンスいじりました?」

武道家「そんな事してませんよ…」

僧侶「……」ズズー

武道家「何故聞くんですか…?」

僧侶「三段目…少し開いてますよ」

武道家「えッ!」

僧侶「嘘です」

武道家「……」

僧侶「……」ズズー

武道家「す、すいませんでしたッ!出来心だったんです!私の中の悪魔が凄い勢いで捲し立ててててて!」

僧侶「いいですよ。許してあげます。後二回ですから」

武道家「はい……(な、何が後二回なんだ!)」

ーアリアハン、宿屋

戦士「世話焼かせやがって…飲み過ぎだっつーの!」

魔法使い、女海賊「……」グテー

戦士「…ったく。起きたら文句いってやる」

子分「せ、戦士さん自分は部屋に戻りますんで!」

バタンッ

戦士「何慌ててるんだ?」

女海賊「……」ムク

戦士「起きたか…お前な…」

女海賊「ねぇ…」

戦士「あ?なんだ?」

女海賊「…私…それ欲しくなっちゃった」

戦士「……無理だぞ?」

女海賊「フフフ…大丈夫だから…」

ガバッ!

戦士「お、おい…上に乗るなよ…」

女海賊「そんな事言って…ああ…やっぱり立派だわぁ…」

戦士「か、勘弁してくれ!」

魔法使い「……」ムク

戦士「お!魔法使い助けろ!」

魔法使い「…?…楽しそうな事してますねぇ…私も交ぜてぇ」

戦士「……いい加減にしないと怒るぞ!」

魔法使い「じゃあ…怒られる前に口を塞いでぇ…」

戦士「モガーッ!」

女海賊「怒られる前に動きもとれなくしてぇ…」

魔法使い「こんな道具とかあんな液体も使いましょうよぉ」

女海賊「そうねぇ…ちゃんと濡らさないと…痛いかもぉ…」

魔法使い「戦士さんの…立派だからぁ…」

女海賊、魔法使い「フフフ…」



カンベンシテクレ-

子分「始まりましたね…戦士さんすいません!」

子分「お頭…酒癖悪いので近くにいたく無かったんですよ…」

子分「しかし…あの魔法使いさんも同じだったとは…すぐ逃げて正解でした…」

ワーキャースゴイーカタイーフトイー

子分「…いつもより派手ですね…さすが二人分…恐ろしい…」

子分「……」

………

子分「お、終わったのかな…急に静かになったけど…」

子分「戦士さん…安らかにお眠りください…」

カチャ

戦士「……」

子分「せ、戦士さん…」

戦士「……」

子分「大丈夫…ですか?顔隠して…どうしたんで…」

戦士「ふぇぇ!子分ぅぅ!」

子分「戦……誰だあんた!」

戦士「僕だよぉ!ヒック…お髭剃られちゃった…」

子分「…なるほど…髭が無いのでわかりませんでした…」

戦士「うぅ…」

子分「その言葉使いは…」

戦士「うわぁぁん!怖かったよぉぉ!お姉ちゃん二人が笑いながら髭剃ってくるんだよぉぉ!」

子分「恐怖のあまり…幼児後退しちゃったみたいですね…」

戦士「うえぇぇん!」

子分「本当に…逃げて良かった…」

ーアリアハン、教会

牧師「あら?今回は司祭様全然起きて来ないわね」

僧侶「本当ですね!いつもなら晩御飯の頃には起きてくるんですけど!」

武道家 (いつも…あんな事を…)

牧師「それだけ僧侶が強くなったって事かな!嬉しいわぁフフ」

僧侶「ありがとうございます!」

牧師「さて、ご飯にしましょうか。武道家さん、何か苦手な物とかあります?」

武道家「いえ、特にはありません」

牧師「良かった。すぐ作るから待っててね」

武道家「はい、ご馳走になります」

僧侶「手伝いますよ!」

牧師「貴女は座ってなさい…お願いだから…」



牧師「僧侶、今は二人で旅をしているの?」

僧侶「違いますよ!後、魔法使いさんと戦士さんって人が居ます!」

牧師「へぇ、迷惑かけてない?」

僧侶「かけてませんよ!ね、武道家さん!」

武道家「……そうですね」

牧師「ごめんなさいね…」

武道家「いえ…」

僧侶「戦士さんは、牧師様が言っていたアリアハンの韋駄天だったんですよ!」

牧師「え…」

武道家「そう言えば言ってましたね」

僧侶「勝負に勝って私が韋駄天ですけどね!」

牧師「……」

武道家「牧師様?」

牧師「え?あ、ごめんなさい。そうなの!凄いわね!」



牧師「武道家さん、このまま泊まっていきますよね?」

武道家「それは悪いので…」

僧侶「遠慮しなくていいですよ!私の部屋で寝ればいいですし!」

武道家「……」

牧師「じゃあ!決まりね!」

武道家「まずいんじゃ…」

牧師「大丈夫!大丈夫!」

武道家「はあ…じゃあ戦士さん達に言ってきますね」

僧侶「はい!」

牧師「待って、私も行きますから」

僧侶「なら私も!」

牧師「貴女は留守番してなさい。わかりましたね?」

僧侶「行きたかったのに…わかりました…」

ーアリアハン、宿屋

コンコン

戦士「誰だ…」

武道家「私です」

カチャ

武道家「ああ!すいません!部屋間違えました!」

戦士「合ってるよ…」

武道家「……戦士さんですか?」

戦士「……」

武道家「髭剃ったんですね…わかりませんでした…」

戦士「……」

武道家「失恋でもしたんですか?」

戦士「してねぇよ!…で、何かあったのか?」

武道家「ああ、今日は教会に僧侶さんと泊まる事になったのでそれを言いに」

戦士「わかった」

牧師「……」

戦士「……」

武道家「?」

牧師「お久し振りですね」

戦士「おう…」

牧師「十数年ぶりですか…死んだと思ってました」

戦士「17年だな。後、勝手に人を殺すな…」

牧師「何故アリアハンに戻って来たんです?」

戦士「たまたまだよ…仕事探してたら行き着いただけだ」

牧師「へぇ…」

戦士「お前こそ何故ここに来たんだ?」

牧師「うちの娘がお世話になってる人達に挨拶でもと思いまして」

戦士「まさか…」

牧師「僧侶は私の娘ですよ」

戦士「……」

牧師「どうしました?何か不都合でも?」

戦士「いや…」

牧師「でも不思議ですよねぇ貴方が愛しあってくれたのが17年前、僧侶の歳が同じくらい」

戦士「……」

牧師「あの頃はお互い避妊なんて頭にありませんでしたから妊娠してもおかしく無かったですよねぇ」

戦士「……」ダラダラ

牧師「あぁあ僧侶育てるの大変だったなぁ!」

戦士「」

牧師「実の父親も知らない僧侶可哀想だなぁ!」

戦士「」

武道家「……」

ーアリアハン、市街地、夜

牧師「クスクスクスッぷぷ…あの顔!アハハッ可笑しい!」

武道家「……」

牧師「ざまあ見ろよ!人をあんな酷い振り方したんだから!」

武道家「うわ…」

牧師「おっと…聖職者がこんな顔しちゃいけないわね」

武道家「あの…失礼ですけど…さっき話本当ですか?」

牧師「あれ…一応本当ですよ。それに父親があの人なんて一言も言って無いですしね」

武道家「え?…た、確かに」

牧師「あと、僧侶から聞いてるかも知れませんが…あの子とは血が繋がって無いんですよ」

武道家「……」

牧師「でも…私の本当の娘ですから」

武道家「…そうですね」

牧師「……」

武道家「僧侶さんの事教えて貰えませんか?」

牧師「そうですね…貴方ならいいかな。わかりました」

武道家「お願いします…」

牧師「ん…どこから話そうかしら…。あの子…ロマリアの教会の前に置き去りにされていたの」

牧師「…それを私が見付けたんだけどね。あの頃の私はあの人に捨てられて…荒れててね…」

武道家「……」

牧師「…書き置き一枚残して突然いなくなるもんだから当然探したわよ」

牧師「あの頃は私…あの人の事しか見えてなくって…あの人もそれに応えてくれて…」

牧師「それはもう…毎日毎日お互い求めあって猿のようにやってやってやりまく

武道家「ち、ちょっと」

牧師「…ごめんなさい。話が脱線したわね…」

牧師「あの人を探してロマリアに着いて…そしてあの子…僧侶を見つけてね」

牧師「すぐに教会に引き渡そうとしたんだけど…あの子私が離れようとすると泣くのよ…」

牧師「でもね、側にいたら…私がどんな怖い顔しても笑顔で…」

牧師「それでやられちゃったのかな…この子は私が育てなきゃ!って思って」

武道家「……」

牧師「あの子のお陰で随分救われたわ…あのままだったら私…生きていなかったかも」

牧師「勿論あの子の本当の両親を探したんだけどね…結局見付からなかったわ」

牧師「何か身元がわかる物があれば違ったんだけどね…それも無かったし…」

牧師「そんなとこかな」

武道家「なるほど…」

牧師「で、貴方は僧侶とどこまで進んでるの?」

武道家「……は?」

牧師「だから!僧侶とどこまでしたのか聞いてるの」

武道家「ま、まだ…そう言う関係じゃないですよ!」

牧師「……え?」

武道家「友達と言うか仲間と言うか…」

牧師「僧侶が男の子連れて来たからてっきり…」

武道家「……」

牧師「最近の子は…あまりそう言うのしないのね…私の時代なんかパーティー組もうものなら即セッ

武道家「うわぁぁ!聞きたくない!聞きたくない!」

牧師「…そう?」

ーアリアハン、宿屋、朝

戦士「」

魔法使い、女海賊「誰?」

子分「それは…あまりにも酷いですよ…。ほらパンを顔にこう着けて…」

魔法使い「戦士さん!」

女海賊「あらまあ…いい男になって…」

魔法使い「お髭剃られて…失恋

子分「それはしてないそうです」

魔法使い「……」

女海賊「それにしても…魂抜かれたような顔してどうしたんだい?」

子分「さぁ…起きたらこう言う状態でして」

女海賊「おい!しっかりしな!」

ペチペチ

戦士「」

女海賊「駄目だねこれは…」

ーアリアハン、教会、朝

僧侶「じゃあ!牧師様行ってきます!」

牧師「ええ…頑張って!」

武道家「お世話になりました…」

牧師「昨日はお楽しみ

武道家「してません!」

牧師「……。早く孫の顔見たいわぁ…」

武道家「いくらなんでも早過ぎですよ…」

僧侶「楽しみとか孫とか何ですか!」

牧師「僧侶…貴女と武道

武道家「言わなくていいですから!」

牧師「…チッ」

武道家「……」

僧侶「?」

武道家 (僧侶さんも…あんな感じになるんでしょうか…)

牧師「ほら!他の方が待ってるんでしょう?」

僧侶「そうですね!それじゃ牧師様!」

牧師「ええ!」

武道家「それでは…」

牧師「武道家さん…僧侶の事、よろしくお願いします…」

武道家「…勿論!」

牧師「あと…あの人にごめんなさいと言って貰えますか」

武道家「わかりました…」

僧侶「武道家さん!行っちゃいますよ!」

武道家「今行きますから!では!」

牧師「……」

牧師「う…うぅ…」

ーアリアハン、宿屋

武道家「お待たせしました…うわ」

戦士「」

魔法使い「おかえりなさい武道家さん…」

女海賊「娘はどうしたんだい?」

武道家「もう来ますよ…戦士さんは…」

魔法使い「昨日の夜からこの状態らしいんですかど…」

僧侶「お待たせしました!」

戦士「」ビクッ

僧侶「…この人誰ですか?」

魔法使い「お帰りなさい…ほら手をこうして…」

僧侶「戦士さん!…失恋したんですか?」

武道家「してないそうですよ…」

女海賊「良くしてないって知ってるね」

武道家「昨日の夜に来ましたから…」

魔法使い「なら戦士さんがこうなった理由わかりますか?」

武道家「なんとなく…」

戦士「……」

僧侶「戦士さん!しっかり!」

ガタッ!

戦士「嬢…いや、僧侶…今まで淋しい思いさせて悪かったな…」

僧侶「…はあ?」

戦士「知らなかったんだ…本当にすまなかった!」

僧侶「武道家さん…戦士さんがい怖い…」

武道家「戦士さん…ちょっと…」

戦士「なんだ!今お前に構ってられねぇんだよ!」

武道家「それなんですけど…」

戦士「そうだ!お前僧侶にあまり近づくな!」

武道家「…は?」

戦士「仲良くするなとは言わん。けどな結婚するまではそう言う事は許さんからな!」

武道家「……」イラッ

戦士「わかったな!」

武道家 (自分はあれだったのに…ムカついたので親子じゃない事は少し黙っておこう…)

戦士「……」

武道家「牧師様が…ごめんなさいと言ってましたよ」

戦士「そうか…」

ーアリアハン付近、船上

戦士「ほら!腹減って無いか!喉乾いて無いか!」

僧侶「……」ドンビキ

魔法使い「何ですかあれ…僧侶さんにべったりと…」

武道家「さあ?」

子分「…大人の女性が駄目になったとか」

魔法使い「どう言う事ですか?」

子分「……」

女海賊「何か言いたいなら言えばいいだろ」

子分「覚えて無いんですか…お二人共…」

女海賊「なにを?」

子分「戦士さんの…髭剃ったの…」

魔法使い、女海賊「まさか…」

子分「……」

女海賊「お前そんな嘘信じるわけ…」

子分「…お頭どうやって宿屋へ帰ってきたか覚えてます?」

女海賊「そ、それは…」

子分「戦士さん…泣きながら部屋に戻って来ましたよ…」

魔法使い「……」

子分「余程お二人がした事が怖かったんでしょう…あの戦士さんが!幼児退行してましたよ…ええ」

女海賊「……」

魔法使い「それで…大人の女性が駄目とは?」

子分「大人のお二人が怖い。で、あそこに大人じゃない女性が…と言う訳じゃないかと…」

女海賊、魔法使い「……」

ーランシール付近、船上

僧侶「いい加減にしてください!」

戦士「えぇ…なんだよ怒るなよ…」

僧侶「もう!ずっと側でうろうろと!鬱陶しいですよ!」

戦士「しょうがないだろ…心配なんだよ!」

僧侶「あんまり近寄らないでくださいね!」

タタタッ

戦士「お、おい…」

戦士「……こ、これはあれか!世に聞く反抗期ってやつか!」

戦士「なるほどなぁ…早速親としての試練って訳か!面白い…僧侶!父ちゃん頑張るからな!」

魔法使い「あの…戦士さん…」

戦士「あ?魔法使いか。なんだ?」

魔法使い「…その…お髭の…」

戦士「……」

魔法使い「私達がやったみたいで…すいませんでした!」

戦士「その件は後にしてくれ。今はそれどころじゃねぇんだ…」

魔法使い「……」

戦士「なぁ魔法使い。お前反抗期の時ってどうだった?」

魔法使い「何ですかいきなり…」

戦士「僧侶がな…その反抗期みたいなんだ」

魔法使い「意味がわかりません…」

戦士「…お前には言っておくか」

魔法使い「……」

戦士「実はな…僧侶は俺の子供だったんだよ!」ドーン

魔法使い「…はあ?」

戦士「まぁそうなるよな。俺も驚いた。しかし…本当なんだよ」

魔法使い「……」

戦士「宿屋にあいつの母親…昔のあれだな…が来てな。俺は僧侶の父親って言うんだ…」

魔法使い「何かの間違いなんじゃ…」

戦士「最初は信じられなかったが…思い当たる節が多々有り過ぎてな」

魔法使い「そんなに…」

戦士「若気の至りってやつだ…まさかあいつが一人で生んで育ててるなんて思わなくてよ」

戦士「今更とは思ったんだか…嬢ち…いや、僧侶がいつも寂しそうにしてたと思うとな…」

魔法使い「そんな素振り見た事ありませんが…」

戦士「強がってたんだよ…だからな、ここは責任を果すべく!今からでも父親になろうかと…」

魔法使い「はぁ…」

戦士「だからな、魔法使いが良かったらでいいんだが…協力してくれねぇか?」

魔法使い「何をです?」

戦士「僧侶との親子の縁の修復をよ!」

魔法使い「…わかりました」

戦士「そうか!良かった!やっぱ女の事は女に聞くのが一番だからな!」

魔法使い「……」

ーランシール付近

女海賊「私は船で待ってる…」

戦士「おい!今日から前衛は俺と武道家がやるからな!」

魔法使い「構いませんが…僧侶さんは?」

戦士「お前の後ろだ…」

魔法使い、僧侶「……」

武道家 (ヤバい…凄くめんどくさい事になってきたぞ…)

女海賊「おい…なんだあいつは…」

魔法使い「お、お髭を剃ったショックで一時的にオカシクなってるんでしょう!」

女海賊「…マジか。悪い事したね…」

魔法使い「そ、そうですね!ホホホッ」

女海賊「笑い事じゃないだろ…私達は船で待ってるからね」

魔法使い「わかりました!」

ーランシール

魔法使い「わかりましたよ。街の北側に神殿があるそうなんで行って…」

戦士「おい!武道家!僧侶に近づいてるんじゃねぇよ!」

武道家「そんなに近く無いですよ…」

僧侶「……」イライラ

戦士「僧侶!こっち来い!」

僧侶「嫌です!武道家さん!行きましょ!」

武道家「ええ…でも…」

僧侶「いいから!」

ダキッ

武道家「…わかりました!行きましょう!地の果て迄お供します!」

タタタッ

戦士「……」

魔法使い「戦士さん…」

戦士「うわぁぁ!僧侶が悪い男に騙されちゃったよぉ!」

魔法使い「えぇぇ…」

戦士「野郎…魔法使い!武道家の目見たか!」

魔法使い「見ましたけど…いつもと変わらない…」

戦士「違う!あれは…獲物を狙う目だった…」

魔法使い「考え過ぎでは…?」

戦士「間違い無い!もう完全に狙ってた!隙有らば僧侶を手込めにしようと…」

魔法使い「うわ…」

戦士「ま、まずいッ!魔法使い追うぞ!」

魔法使い「はい…」

ーランシール、道具屋

僧侶「アリアハン出た時からずっとあんな感じで…何なんでしょう!」

武道家「それはですね…」

バタンッ

戦士「……」

僧侶「怖い…」

武道家「ちょっと戦士さん…やり過ぎですよ!」

戦士「……」ゴゴゴッ

武道家「怖い…」

道具屋「お客さん…騒ぎは困るよ…」

武道家「す、すいません!そうですね…毒消し草1つ……!!あとこれを1ダース…」

道具屋「い、1ダース?」

武道家「……」

道具屋「かしこまりました…」

戦士「僧侶…来るんだ」

僧侶「嫌です!」

武道家「戦士さん!僧侶さんに何か買ってあげたらどうですか!」

戦士「お、おう…?」

武道家「私は外でお待ちしてますから!では!」

カチャ

戦士「なんだ?あいつ…」

僧侶 (逃げた…)

戦士「まぁいいや…僧侶、何か欲しい物あるか?」

僧侶「無いです…」

戦士「そう言うな。道具屋、薬草を3つ……!!あとこれを1ダース…」

道具屋「また…1ダース…。いいんですか?」

戦士「……」

道具屋「かしこまりました…」

ーランシール

戦士「ほら、これ持ってろ。僧侶は回復魔法使えないからなぁ」

僧侶「……」

武道家「いやぁどうでした?いい買い物出来ましたか?」

戦士「まあな」

武道家「僧侶さんも何か買って貰ったんですか?」

僧侶「……あと一回」ギロリ

武道家「……」

戦士「何が後一回なんだ?」

僧侶「何でも無いですよ!行きましょ戦士さん!」

戦士「あ、ああ…?」

武道家「……」

武道家「お母さん…先立っちゃうかもしれないので謝っておきます…」

ーランシール、神殿

神官「ここから先は地球のヘソと呼ばれる神聖なる場所。そして…真の勇気を持つ者の試練の場」

僧侶「……」

神官「ここからは勇者……勇者?」

僧侶「失礼ですよ!これ!」

ガサガサ

神官「…確かに。オホンッ…ここからは勇者一人で行って貰う事になるが宜しいか?」

僧侶「宜しいですよ!」

戦士「待った!おい神官さんよ!一人でって言うのは何とかならんか?」

神官「なる訳無いでしょ…。勇者の試練なんですよ」

戦士「ぐぬぬ…」

僧侶「じゃあ!行ってきます!」

魔法使い「お気を付けて」

僧侶「はい!」

タタタッ



魔法使い「戦士さん…もっとごねると思いましたけど…」

戦士「……クククッ甘いな。俺が簡単に僧侶を行かせると思うか?」

魔法使い「…?」

戦士「買っておいて正解だったぜ」

魔法使い「それ…」

戦士「おう!きえさり草だ!僧侶監視用にと思っていたが…こうも早く出番が来るとはな」

魔法使い「流石にそれはまずいのでは…」

戦士「何を言ってんだ!もし僧侶に何かあったらどうする!」

魔法使い「試練ですし…」

戦士「大丈夫!大丈夫!」

魔法使い「なら私ここで待って

戦士「お前も来るんだよ!」

魔法使い「えぇ…」

戦士「いいからこれ食え!」

魔法使い「きゃぁぁ!やめ…モガモガ…」

戦士「おお!完璧だな。よし俺も…行くぞ魔法使い!」

魔法使い「ふぁい…うぅ…」

武道家「……」

武道家「試練とかそう言う場所って必ず出るんですよね…」

武道家「行きたくないなぁ…でも行かなかったら…」 

僧侶『武道家さん来なかったんですか…もう終わりですね…』

僧侶『ゼロになったら…わかってますよね?』

僧侶『フフフ…前をこんなに膨らませて…何を期待してるんです?』

僧侶『こんな物があるから私との約束…守れないんでしょ?』

僧侶『優しくしてあげますから…怖がらないで…今日から女の子にしてあげますからフフフ』

武道家「てな事に!行きたいような行きたくないような…」

ーランシール、地球のヘソ

僧侶「……」

戦士、魔法使い「……」

僧侶「何してるんですか…」

戦士「ああ!偶然だな僧侶!ちょっと散歩してたんだよ!」

魔法使い「ほ、本当偶然ですよね!」

僧侶「へぇ…。あれ…武道家さんは?」

戦士「こんな所だ。どうせ幽霊怖いって来ないだろ」

僧侶「もう…バカ…」

マッテークダサイー

僧侶「武道家さん!」

武道家「二人共早いですよ…」

戦士「……」



戦士「よく来れたな…」

武道家「仲間じゃないですか!」

戦士「こんな出そうな所に来れるとは思わなかったぜ」

武道家「私だっていつまでも怯えていませんよ!」エッヘン

戦士「…どうやって来た?」

武道家「……」

戦士「てめぇ…何の為にきえさり草持っていた!」

武道家「そ、それは…戦士さんの方こそ何で持ってたんですか!」

戦士「俺は…あれだよ。あれ」

武道家「あれ…私だってあれですよ!」

戦士「そうか…」

魔法使い「…?」



…「引き返せ…」

僧侶「武道家さん!ほら!来ましたよ!」ニコニコ

武道家「そんな嬉しそうに言わないでください…」

…「引き返せ…引き返した方がいいかもよ…」

戦士「……」

魔法使い「かもよって…」

…「引き返してくれたら…嬉しいかも…」

僧侶「この仮面みたいなやつ!割ってみましょうか!」

戦士「やめとけよ…可哀想だろ…」

僧侶「ええ!面白いと思うのになぁ…」

…「引き返せ…」

武道家「結構しつこいんですね…」

魔法使い「一応試練ですから」

…「引き返せ…」

僧侶「……」

戦士「どうした?」

…「引き

僧侶「神官さん!」

…「なんでし……引き返せ…」

魔法使い、武道家「……」

戦士「アホだな…」



僧侶「ありました!青いオーブ!」

武道家「あと二つですね。恐らく緑と銀ですよ」

魔法使い「色なんて良く知ってますね」

武道家「前に言っていた歌の中に有るんですよ。場所まではわかりませんけど」

魔法使い「なるほど」

戦士「……」

魔法使い「戦士さん…どうしました?」

戦士「やったぜ…俺の僧侶が勇者の試練クリアしたぜぇ!」

魔法使い「お、おめでとうございます」

戦士「僧侶!」

僧侶「……何ですか?」

戦士「良くやった!流石は俺の娘だぜ!頑張ったなぁ…」

僧侶「娘?」

戦士「ああ!お前は俺の子供なんだ!」

僧侶「……」

戦士「牧師から聞いてないのか?」

僧侶「全然…」

戦士「そうか…牧師のやつ何か言えない事情があったのかもな…」

僧侶「……」

戦士「俺もな…牧師に言われるまで知らなかったんだ…」

僧侶「本当に…私の…お父さん?」

戦士「そうだ!…悪かったな。償いとして殴ってくれ!」

僧侶「…うぅ」

戦士「僧侶…」

僧侶「お父さん…」

武道家「ま、待ってください二人共!」

戦士「なんだ!邪魔をするな!」

武道家「誤解なんですよ!」

戦士「何が!」

武道家「戦士さんが僧侶さんの父親だって言うのが!」

戦士「そんな嘘…」

武道家「本当ですから!牧師様だって父親だなんて一言も言ってないですから!」

戦士「…え?」

武道家「ほら…ちゃんと思い出して!」

戦士「バ、バカな…確かに言ってない…」

武道家「牧師様…あの後、大爆笑してましたよ…」

戦士「……」

僧侶「…一発殴っておきましょうか?」

戦士「頼む…」

ーランシール、宿屋

戦士「うががぁぁぁぁあッ!」

女海賊「…どうしたんだいやつは?それに顔を腫らして…」

僧侶「あれはですね!自分の黒歴史に新たなる1ページを刻んじゃったんですよ!」

女海賊「全然意味がわからん…」

武道家「女海賊さん、船で待ってたんじゃないんですか?」

女海賊「ああ。だけどあれだろ?お前達次の行き先なんてまだ決めてないだろ?」

魔法使い「そうですね。オーブは発見しましたけど…次はわかりませんね」

女海賊「そんな事だろうと思ったから来たんだよ」

魔法使い「じゃあ女海賊さんも宿に泊まるのですね?」

女海賊「そうだ。子分と二人で留守番って言うのもつまらんからねぇ」

子分「つまらんって…」

女海賊「何か文句あるのかい?」

子分「いいえ…」



コンコン

僧侶「はぁい!」

ロマリアノデンレイデスー

僧侶「ご苦労様です!」

女海賊「おいおい…普通に対応するなよ…」

カチャ

緑「ちーすッ!伝令ッス!」

僧侶「…本当?」

緑「本当ッスよ!ほら」

パサッ

魔法使い「本当ですね…」

武道家「何かあったんですか?」

緑「えーと……何だっけな…」

魔法使い「……」

僧侶「手紙ですか!」

緑「それッス!いやぁ助かったッス」

女海賊「こんなんが伝令で大丈夫なのかい…」

緑「あと…何かあったんッスけど…」

武道家「まだあるんですか?」

緑「そうなんすよ。何かこう大事な事を…喉元まで出かかってるんッスけど…」

魔法使い「……」

女海賊「こう言うの見てるとイライラするねぇ…」

緑「うーん…」

魔法使い「先に手紙いいですか?」

緑「ああ!了解ッス!」

魔法使い「確かに…」

武道家「魔法使いさん読んでください」

魔法使い「…武道家さんお願いしますよ」

武道家「いやいや!ここは受け取った人が!」

魔法使い「何を言ってるんです!読めと言った人が読むべきだと思いますよ!」

武道家「ええ!…じゃあ戦士さんにお願いしましょう!」

魔法使い「そうですね!」

戦士「勝手に決めんじゃねぇよ…」

武道家、魔法使い「…チッ」

戦士「お前ら…。前回は普通に来たから大丈夫だろ」

魔法使い「そ、そうでしたね。もう手紙って言うと…あれを思い出してしまって…」

武道家「過剰に反応してしまうんですよね…」

戦士「わかるぜその気持ち…」

僧侶「誰が読みますか!」

戦士、武道家、魔法使い「……」

僧侶「じゃあ!女海賊さん!」

女海賊「お前達がそんなに嫌がってる物読む訳無いだろ…」

僧侶「じゃあ!

子分「嫌ですよ…」

戦士「ここは試練を乗り越え真の勇者になった嬢ちゃんがいいと思うが…」

魔法使い「そうですね…絶対そうした方がいいですね…」

武道家「真の勇者ですもんね…」

僧侶「勇者勇者って…」

緑「あーッ!思い出したッス!勇者ッスよ!」

魔法使い「勇者が見付かったんですか!」

緑「違うッス。勇者がもう一人増えたんすよ」

魔法使い「へぇそうなんですか……ええ!」

武道家「増えたって…」

戦士「それ手紙より大事な事なんじゃねぇか…忘れるなよ!」

緑「す、すいませんッス!」



魔法使い「サマンオサですか…」

緑「そうなんす。王様と民衆から絶大なる人気を誇ってるって話ッス」

戦士「……」

武道家「どうしました?」

戦士「その勇者って女か?仲間はいるのか?」

緑「そこまでは知らないッス」

戦士「ん…」

魔法使い「…盗賊さんだと思ってるんですか?」

戦士「もしかしたらの話だ。俺達が落ちた場所に近いだろ?」

魔法使い「そうですね…」

戦士「勇者って事は無ぇだろうが…」

僧侶「……」

武道家「いつかその勇者と鉢合わせる時がありますね…」

戦士「ああ…」



戦士「お前さん良くここにいるってわかったな」

緑「俺は緑って言うッス。『ロマリアの緑』とは俺の事だぁッス」

戦士「ロマリアの伝令って言うのは何か異名を着けなきゃいかんのか…」

緑「伝統ッスから。後、ここがわかったのはriaのお蔭ッスよ」

魔法使い「ria?」

緑「ロマリア情報機関の略称ッス」

僧侶「おおお!ついに闇に包まれていたロマリアの暗部が!」

緑「まぁ俺が勝手に着けただけッスけどね」

僧侶「……」

女海賊「風呂行くよ」

魔法使い「あ、私も行きます」

僧侶「私も!」

武道家「……」

ーランシール、宿屋風呂

武道家 (流石に使う勇気は無かった…)

戦士、子分「うわぁぁ…」

緑「それ…おっさん臭いッスよ…」

戦士「帰れよ…」

緑「船無いッスもん…無理ッス」

戦士「まあいいや…そう言やぁ伝令はどうしてるんだ?」

緑「先輩なら謹慎中ッスよ」

武道家「…何やったんですか伝令さん」

緑「任務中に遊んでるのがバレたらしいッス」

戦士「バカだろあいつ…」

子分 (また…ロマリアの話か。行きたかったなぁ…)



女海賊、魔法使い「はぁぁぁ…」

僧侶「それ…おばさん臭いですよ…」

女海賊「おばさんで結構だよ。この声が出ないようじゃあ、まだまだお子様って証拠さ」

魔法使い (私は嫌なんですけど…)

僧侶「お子様じゃ無いですよ!」

女海賊「…まぁ見た目はこっちの方がお子様だけどねぇククッ」

魔法使い「二人が大き過ぎなんです…」

僧侶「私は普通ですよ!」

女海賊「じゃああんたは普通以下になっちゃうねぇフフフ」

魔法使い「……」

僧侶「ほ、ほら魔法使いさんスタイルはいいですから!」

女海賊「スタイルだけじゃねぇ…」

魔法使い「……」

僧侶「後は…歳のわりには肌綺麗ですよ!」

女海賊「へぇ…やっぱりおばさんかい」

魔法使い「……」

僧侶「えーと…えーと…」

女海賊「もう無いんだろ?フフフ」

魔法使い「…下の毛が生えてない人に色々言われたく無いですよ」ボソ

女海賊「……」

魔法使い「どうしました?フフ」

女海賊「仕方ないだろ…生えなかったんだから…」

魔法使い「あらぁ?女海賊さんそんなに若いんですかぁ」

女海賊「これがいいって奴もいるんだよ!」

魔法使い「女海賊さんはマニアックな方が好みなんですかぁ…嫌だわぁ」クス

女海賊「……」

魔法使い「……」

僧侶「あわわ…」



戦士「すっかり忘れてたな…」

僧侶「このまま無かった事に!」

武道家「それはまずいですよ…」

魔法使い「…一応開けますよ」

パサッ

魔法使い「…?」

戦士「どうした?…なんだこりゃ」

武道家「何語ですかこれ…」

僧侶「『親愛なる勇者一行へ』ですよ!」

魔法使い「僧侶さん良く読めますね…字が汚な…独特過ぎて読めませんが…」

僧侶「ええ!普通に書いてあるじゃないですか!」

戦士「じゃあ嬢ちゃん頼むわ…」

僧侶「わかりました!」

武道家「……」

僧侶「『親愛なる勇者一行へ』」

僧侶「『オーブを集める旅は順調だろうか?伝令より話は伝わっているだろうが』」

僧侶「『先日、西方の地より新たなる勇者が誕生したとの知らせを受けた』」

僧侶「『その情報の真偽を確かめにサマンオサを訪れて欲しい』」

僧侶「『此方で調べれば済む話なのだがサマンオサとは不仲故、また此方の人手不足の問題もありお願いする』」

僧侶「『もし件の勇者に逢う事が叶ったのなら、共に手を取り魔王討伐を成し遂げて貰いたい』」

僧侶「『例え国同士が不仲であっても勇者ならば志しも同じな筈。国の名誉など下らない事は気にせず』」

僧侶「『力を貸し又は力を借りる仲になって欲しい』」

僧侶「『またオーブに関してだが、ラーミアが眠る場所がわかったので別紙の地図に記しておいた』」

僧侶「『最後になるが、勇者よ健闘を祈る』」



戦士「…勇者に会いに行けか」

魔法使い「それにラーミアの眠る場所…レイアムランド」

女海賊「じゃあここから西へ行き、そのレイアムランドって所を北へ…だね」

僧侶「……」

武道家「…勇者が気になります?」

僧侶「それもなんですけど…いえ!やっぱ勇者だけ気になりますね!」

武道家「そうですか…」

僧侶「サマンオサの勇者ってどんな人なんでしょうね!」

武道家「多分立派な方なんだと思いますよ。皆に人気って言ってましたから」

僧侶「ええ!…面白い人の方がいいですよ!」

武道家「面白い人…例えばどんな?」

僧侶「伝令さんみたいな!」

武道家「伝令さんみたいな方が勇者だったら大問題ですよ…」

ーランシール付近、船外

戦士「悪いな緑、こんなとこまで見送りさせて」

緑「気にしなくていいッス。まだ帰りの船が来るまで時間あるッスから」

武道家「緑さん、この包みを伝令さんに渡して貰えますか?」

緑「いいッスけど…なんすかこれ?」

武道家「…内緒です」

緑「はあ…届けときます」

戦士「……」

女海賊「お前ら!そろそろ行くよ!」

戦士「ああ!今いく!緑よ伝令によろしく…は言わなくていいや。じゃあな」

武道家「お願いしますね」

緑「わかったッス。お気をつけてッス!」

ーランシール北側、船上

戦士「お前…あれきえさり草だろ…」

武道家「はい…」

戦士「大丈夫なのかよ」

武道家「いっぱい買ってしまって…」

戦士「で、処分に困って伝令にか」

武道家「はい…。有効に使ってくれそうな方が他にいなかったので…」

戦士「確かに有効には使いそうだが…ヤバいだろ」

武道家「え?」

戦士「次に会う時は首だけになってるかもしれんぞ?」

武道家「……」サー

戦士「まぁ…そこまで伝令がバカじゃない事を祈るだけだな…」

武道家「うわぁぁ!伝令さんごめんなさい!」

ーレイアムランド北側、船上

魔法使い「またここへ来なければいけないのですね」

女海賊「そうだねぇ」

魔法使い「そう言えば…女海賊さんは何故伝説の海賊になりたいんですか?」

女海賊「…言いたくない」

魔法使い「その顔だと…お金や名誉の為では無いみたいですね」

女海賊「……」

魔法使い「話せる時が来たら聞かせて貰いますよ」

女海賊「ああ…でも、そんな大した話じゃないさ。聞いてもつまらないよ」

魔法使い「……」

女海賊「…さぁて、子分でもからかってこようかね」

魔法使い「船の操縦に支障が無い程度でお願いしますよ…」

女海賊「大丈夫さ、代わりはあんたがやればいい」

魔法使い「自分がやるとは言わないのですね…」

ーテドン南側、船上

僧侶「子分さん!操縦させてください!」

子分「…駄目です」

僧侶「いいじゃないですか!」

子分「お頭に言われてるんですよ…勇者さんだけには絶対舵を触らせるなって…」

僧侶「お頭酷い!」

子分「だから…」

僧侶「…じゃあこうしましょう!女海賊さんのこれあげますから!」

子分「…それは?」

僧侶「前に女海賊さんから借りた衣装ですよ!」

子分「借りたんなら勇者さん使ってるんじゃないですか…いらないですよ…」

僧侶「……」

子分「諦めてください」

僧侶「むむむ!子分さんガードが固いですね!」

子分「……」

僧侶「……」ジー

子分「駄目ですよ…」

僧侶「……」ジー

子分「はぁ、ちょっとだけですよ?」

僧侶「わかってますって!子分さんありがとうございます!」

子分「じゃあこれを握って

僧侶「面舵いっぱーいッ!!!」ギュオォ!

ガクンッ

子分「のぁぁあ!」

僧侶「キャッ!」

ボチャーン

戦士「武道家が落ちたぁ!」

子分、僧侶「……」

子分「…これからお頭に叱られるんでそっちお願いしますよ」

僧侶「ええ…全力で武道家さんに謝りますんで」

ーテドン西側、船上

女海賊「この霧じゃ進むのは無理だねぇ…」

子分「停泊しますか?」

女海賊「そうだね…霧が晴れる迄動かないでおくかい」

子分「了解です」

僧侶「武道家さん!凄いですね!何にも見えませんよ!」

武道家「そうですね…僧侶さん何でそんな楽しそうなんですか?」

僧侶「こう言うのってワクワクしません?」

武道家「あんまり…」

戦士「嬢ちゃんわかるぜ。変わった天気の時とか楽しいもんな!」

僧侶「そうですね!こう…血沸き肉踊るみたいな!」

戦士「そうそう!」

武道家「……」



魔法使い「………」

女海賊「ぼーっとしてないで手伝いな!」

魔法使い「あっちから…何か匂いません?」

女海賊「あ?…しないけど?」

魔法使い「おかしいですね…」

女海賊「おかしいのはあんたじゃないのかい」

僧侶「おかしくないですよ!」

女海賊「娘はわかるのかい?」

僧侶「まったくわかりません!」

女海賊「……」

僧侶「でも、魔法使いさんは犬者ですからそう言うのわかるんですよ!」

女海賊「なんだい犬者って…」

戦士「そう言えば前にもあったなぁ」

女海賊「なにが?」

戦士「俺達にはわからなかったが近くに海があるって魔法使いだけわかったんだよ」

女海賊「へぇ…」

僧侶「きっと何かあるんですよ!行ってみませんか!」

子分「お頭、その方角だとテドンですよ」

女海賊「テドンか…」

戦士「何かあるのか?」

女海賊「まぁ…小さい村があるんだけどね…どう言う訳かあの辺りはモンスターがウヨウヨ徘徊してるのさ」

戦士「そんな所に村があって大丈夫なのかよ」

女海賊「大丈夫じゃ無いだろうね。今もあるかわからないしねぇ」

戦士「……」

子分「お頭どうするんです?」

女海賊「…行くか。あんたまだ匂いするかい?」

魔法使い「ええ…」

女海賊「視界がゼロなんだ、案内頼むよ」

魔法使い「わかりました」

ーテドン付近、船上

女海賊「何とか着きそうだね…」

戦士「無茶してまで来る必要あったのか?」

女海賊「霧で視界ゼロの海の上に夜が来たらそれこそ何も出来なくなるのさ」

戦士「……」

女海賊「もう日が沈むし丁度良かったんだよ」

戦士「なるほど…」

武道家「…魔法使いさん大丈夫ですか?顔真っ青ですよ」

魔法使い「少し気分が……」

女海賊「もうちょっとだ。頑張んな!」

魔法使い「はい…」

ーテドン付近、夜

女海賊「村に明かりが点いてるって事はまだ大丈夫なんだねぇ」

戦士「村が無くなってたらどうしてたんだ?」

女海賊「その時はその時だろ?」

戦士「そうだな…」

魔法使い「私は…気分が悪いので船に残ります…」

僧侶「船酔いですか!大変ですよねあれ!」

魔法使い「……」

僧侶「?」

女海賊「じゃあ私も居残りだね」

武道家「魔法使いさんよろしくお願いします」

女海賊「ああ…わかったよ」

ーテドン

武道家「…なんだか寂しい所ですね」

戦士「ああ…これなら船にいた方が良かったかもな」

僧侶「武道家さん!あそこお化けいますよ!」

武道家「普通にいそうなんでやめてください…」

戦士「俺は宿行くが二人はどうする?」

武道家「私も宿行きますよ」

僧侶「じゃあ私はブラブラしてきます!」

戦士「…迷惑かけるなよ?」

僧侶「迷惑なんていつもかけてないですよ!」

戦士、武道家「……」

僧侶「行ってきますよ!」

戦士「あ、ああ…」



僧侶「うわぁこの村はあっちこっちボロボロですね!」

?「おい!あんた勇者だろ?」

僧侶「…?」

?「後ろだ後ろ!」

僧侶「…牢屋?」

?「そう!牢屋の中!」

僧侶「……」

?「怪しくないから!大丈夫だから!」

僧侶「…何ですか?」

罪人「そんなに警戒しなくてもいいだろ…」

僧侶「牢屋に入ってる人を警戒しない人なんていませんよ!」

罪人「…確かに」

僧侶「で、私に用ですか?」

罪人「いやぁ、探した探した。勇者ってあんただろ?」

僧侶「私が…勇者って…わかるんですか…?」

罪人「見れば一発でわかるけど…何で?」

僧侶「うぅぅ…」

罪人「何故泣く?」

僧侶「…始めて普通の人に見た目で勇者だってわかって貰って感極まって…グスッ」

罪人「…そうかい。そうだ、看守が帰って来る前にほらこれ!」

僧侶「何ですかこの袋?」

罪人「オーブとネクロゴンドの場所が描かれた地図だ!」

僧侶「え?オーブ?」

罪人「そうだ。生きてる内に渡せて良かったよ」

僧侶「…本物?」

罪人「失礼だな…本物に決まってるだろ」

僧侶「だってそんな所に入ってるし…」

罪人「仕方なかったんだよ…飯を食べた後に財布落としたの気が付いたんだから…」

僧侶「……」

罪人「…何?」

僧侶「もっと悪い人だと思ってました!」

罪人「…この格好見たら無理ないかもしれないね。重罪でも無いのにここまでしなくてもって思うよ」

僧侶「疑ってごめんなさい!」

罪人「…悪いと思って無いだろ」

僧侶「はい!」

罪人「……」

僧侶「そうだ!これって誰から頼まれたんですか!」

罪人「ネクロゴンドの祠にいる大臣様だよ」

僧侶「へぇ」

罪人「凄い人なんだよ」

僧侶「へぇ」

罪人「本当に凄い人なんだからね!」

僧侶「へぇ」

罪人「……」

僧侶「オーブを届けて貰ったので牢屋から出してあげましょうか!」

罪人「それは有難いんだけどね…明日釈放されるんだよ」

僧侶「そうなんですか!」

罪人「うん。あまり波風立てずに出て行きたいから…ごめんね」

僧侶「いえ!良いですよ!」

罪人「おっと…看守が来るからもう行った方がいいよ」

僧侶「わかりました!罪人さんありがとうございました!」

罪人「じゃあね勇者」

ーテドン、宿屋

戦士「…ボロ過ぎだろ」

武道家「そうですね…」

戦士「まぁ…長居する訳じゃねぇからいいか」

武道家「一部屋しか取れなかったんですけどいいんですか?」

戦士「構わんだろ。お前、嬢ちゃんとあれこれする訳じゃねぇんだろ?」

武道家「……」

戦士「黙るって事はするつもりだったのか…?」

武道家「ち、違いますよ!…まだそう言うのじゃないですから…」

戦士「まだなのか!」

武道家「…まだです」

戦士「まぁ…頑張れよ…」



僧侶「ジャーン!5つ目のオーブですよ!」

戦士「偶然にしては…いや、いいわ…」

武道家「そのオーブを届けてくれた罪人さんって何者何ですか?」

僧侶「…さぁ?」

武道家「さぁって…」

戦士「相手の素性もわからないのに受け取るなよ…」

僧侶「でも依頼した人ならわかりますよ!大臣様って言う偉い人なんだそうです!」

戦士「へぇ」

武道家「その大臣様が何で僧侶さんにオーブを届けさせたんでしょうね」

僧侶「それは勇者に渡す為ですよ!」

戦士「じゃあ、罪人が嬢ちゃんを勇者だってわかって渡したって言うのか?」

僧侶「もちろん!一発で勇者だってわかったって行ってましたよ!」

武道家「え…」

僧侶「いやぁ、いつの間にか私って勇者のオーラが滲み出てたんですね!」

戦士「……」

僧侶「これから大きな街に行く時は困りますよね!何たって勇者だって直ぐにわかっちゃうんですから!」

戦士「そんな心配はいらないと思うぞ…」

僧侶「何でです?あぁマスクとか色々変身道具揃えないとなぁ!」

武道家「あの…」

戦士「武道家…やめとけ…」

武道家「でも…」

戦士「人の夢は奪うもんじゃない…」

僧侶「後は…サイン!サインも決めないと!」

戦士、武道家「……」



僧侶「…zzz」

戦士、武道家「……」

戦士「何で同じベットなんだよ…」

武道家「知りませんよ…」

戦士「下で寝ろよ…」

武道家「戦士さんこそ…」

戦士「やだよ…」

武道家「私だってやですよ…」

戦士「もう少し離れろよ…」

武道家「無理です…」

戦士「…嬢ちゃんと一緒に寝ろよ」

武道家「…駄目ですよ」

戦士「大丈夫だって…」

武道家「……」

戦士「男なら夜這いかけるぐらいしろ…」

武道家「出来る訳無いです…」

戦士「情けない…」

武道家「戦士さんがおかしいだけですよ…」

戦士「おかしくないだろ…」

武道家「それに…僧侶さんはあの牧師様の娘ですよ?」

戦士「だから?」

武道家「後が怖いじゃないですか…」

戦士「……確かに」

武道家「手を出そうものなら何されるか…」

戦士「恐れ過ぎだろ…」

ーテドン、朝

武道家「……」

僧侶「…何これ」

戦士「昨日今日襲われたってもんじゃないぞ…」

僧侶「確かに人がいたのに…」

戦士「ああ…」

僧侶「…罪人さんは!」

タタタッ

戦士「おい!嬢ちゃん!」

武道家「……」

戦士「なんだよこれは…武道家、嬢ちゃん追いかけるぞ!」

武道家「……」

戦士「チッ…気絶してやがる…」



僧侶「そんな…」

戦士「…牢屋の中…こいつが罪人ってやつか…」

僧侶「今日…牢屋から出られるって言ってたんですよ…」

戦士「……」

僧侶「別れる時笑顔だったんですよ…なのに…」

戦士「嬢ちゃん…」

僧侶「うぅぅ……」

戦士「なぁ…このまま牢屋だと可哀想だよな…ちゃんと弔ってやろうか」

僧侶「そうですね…」

戦士「……開けるぞ」

ガチャ

ーテドン付近、船上

戦士「…あの村は全滅させられてた」

女海賊「そうかい…」

戦士「知ってたのか?」

女海賊「いや、魔法使いが教えてくれたのさ」

戦士「どう言う事だ?」

女海賊「あの村には生きている人間はいないかもしれないってね」

戦士「……」

女海賊「何か感じるもんがあったんだろ」

戦士「魔法使いはどうした?」

女海賊「寝てるよ。…気分が悪いって言ってるがあれは船酔いなんかじゃないねぇ」

戦士「なら、何だって言うんだ」

女海賊「知るかい。私は医者じゃ無いだ」

戦士「……」

女海賊「はぁ…こっちも落ち込んだ顔してんのかい」

僧侶「……」

女海賊「おい娘、いつもの元気はどうした」

僧侶「ごめんなさい…今はそう言う気分じゃないです…」

女海賊「あ?」

僧侶「村が…あんなになってて…」

女海賊「……」

僧侶「私…全然知らなくて…世界の何処かで毎日こんな事が起こってるなんて…」

女海賊「それで?」

僧侶「私が…助けられないのに勇者である意味って言うか…自信が無くなっちゃって…」

女海賊「…本気でそんな事言ってるのかい?」

僧侶「……」

女海賊「バカヤロウッ!」

バチンッ

女海賊「お前がそんなんでどうするんだよッ!」

僧侶「痛い…でもどうしようも無いじゃないですか…」

女海賊「そのどうしようも無い事を止めるのが役目なんだろうが!なあ!」

僧侶「…女海賊さんはいいですよね。勇者でも無いんですから…」

女海賊「ッ!…こいつはぁッ!」

戦士「やめろ女海賊!…嬢ちゃんも言い過ぎだ!謝れ!」

女海賊「離せ!こんな甘ったれた奴!」

僧侶「……」

タッタッタッ

戦士「どこ行くんだ!」

女海賊「ほっとけばいいんだッ!…ったく腹が立つね」

戦士「……」

ーテドン、夕刻、罪人の墓の前

僧侶「なんで私…グスッ…勇者ってだけで…辛い思いしなきゃならないの…うぅ…」

ガサッ

僧侶「……?」

武道家「あの…どうしたんですか?って言うか気が付いたら私一人だったんですけど…」

僧侶「…武道家さん (超忘れてた…)」

武道家「何かあったんですか?」

僧侶「私が…勇者でいいのかなぁ…って思って」

武道家「いいに決まってるじゃないですか!」

僧侶「……」

武道家「もしかしてこの村の事でそんな事を?」

僧侶「そんな事って…酷いです…」

武道家「…酷いのは僧侶さんの方だと思いますよ」

僧侶「え…?」

罪人「あれ?勇者?」

僧侶「罪人さん!」

武道家「あわわ…」

罪人「おかしいな…牢屋にいたと思ったんだけど」

僧侶「…いましたよ」

罪人「ん?そうだよね。まぁ…いいか」

武道家「ち、ちょっと僧侶さん!」

僧侶「…武道家さん、それいい加減にして貰えます?ウザイですよ」

武道家「ウ、ウザイ…?私が…」

僧侶「罪人さん…あの…」

罪人「なんだい勇者?」

僧侶「救えなくって…ごめんなさい…」

罪人「救う?あぁ、牢屋の事かい?だから明日出られるって…」

僧侶「……」

罪人「…どうやら違うみたいだね」

僧侶「はい…」

罪人「そうだなぁ…勇者の言葉の意味、当ててみようか?」

僧侶「……」

罪人「僕はいつの間にか外にいる。勇者は僕を救えなかったと言った…」

僧侶「……」

罪人「んー?僕はもう死んでいる…かな?合ってる?」

僧侶「はい…死んでます」

罪人「やっぱりそっかぁ。何となくそうなんじゃないかなぁって思ってたんだ」

僧侶「……」

罪人「そんな顔しないでよ。別に痛くも辛くも無いからさ。もちろん苦しくも無いよ」

僧侶「…罪人さんは…生きていたかったですか?」

罪人「それは生きていたかったよ?何で?」

僧侶「私が…もっと早くここに来てたら…うぅ」

罪人「泣かないでよ。別に勇者のせいじゃ無いからさ」

僧侶「でも…」

罪人「勇者は優しいね」

僧侶「……」

罪人「少し勇者は勘違いをしているのかな?」

僧侶「勘違い?」

罪人「そう。勇者だからって…全ての責任を負うことは無いと思うんだ」

僧侶「え……」

罪人「そんなの誰だって無理に決まってる。まぁ…少しは責める人がいるかもしれないけど、それは勇者の意味を履き違えてる人だから」

僧侶「勇者の意味…」

罪人「わかるかい?」

僧侶「…わかりません」

罪人「そっかぁ…。これは僕が個人的に思った事だから流してもらっていいんだけど」

僧侶「……」

罪人「勇者とは…正義の意志を貫く人を言うと思うんだ」

罪人「どんなに力があっても、どんなに魔力があっても…正しく使えないなら意味が無い」

僧侶「……」

罪人「例えそれが神託を受けていてもね」

僧侶「……」

罪人「勇者ならば歩んだ道筋に正義と言う名の轍が残る。これは僕の父さんの言葉だけど」

僧侶「あ…」

罪人「本当…この言葉どうりだと思うよ」

罪人「そして道の先を正義と言う名の意志を貫く…これは僕の考えだ」

僧侶「……」

罪人「勇者は…出来るかい?」

僧侶「わかりません…じゃ駄目ですよね」

罪人「うん」

僧侶「やります…きっと!」

罪人「はは…期待してるよ」



罪人「なんだかいっぱい偉そうな事を言ってしまったね」

僧侶「いいえ…」

罪人「さっきから固まってる彼…いいのかい?」

僧侶「ほっとけばいいです」

罪人「いくらなんでも酷い…まぁ勇者が言うなら…」

僧侶「もう少し…しっかりしてくれると嬉しいんですけどね!」

罪人「なるほど…ふふ」

僧侶「何です?」

罪人「いや、彼の事、好きなんだなって」

僧侶「そ、そんな事…」

罪人「恥ずかしいなら言わなくていいよ…言わなくてもわかるから」

僧侶「う……」

罪人「ははは…。さて、そろそろかな」

僧侶「?」

罪人「どうやらお別れのようだよ」

僧侶「また骨に戻るんですか?」

罪人「違うみたいだ。天からのお迎えってやつかな」

僧侶「そうですか…」

罪人「これで…僕の役目も終わったんだな…」

僧侶「……」

罪人「泣かなくて良いからね。三回も勇者…の泣き顔見たら彼に悪いし」

僧侶「罪人さん…」

罪人「さようなら勇者…君と会えて良かった…」

僧侶「私も会えて良かったです!」

罪人「さようなら…僕の…」

……

僧侶「…罪人さん…ありがとうございました…」

ーテドン付近、船上

女海賊「よく帰って来れたね…」

僧侶「…ごめんなさい」

女海賊「……」

僧侶「私…間違ってました。本当にすいませんでした!」

女海賊「…ふん」

タタタ

僧侶「……」

子分「勇者さん、おかえんなさい」

僧侶「子分さん…只今戻りました。…でも女海賊さんに嫌われちゃったみたいですね私…」

子分「大丈夫ですよ勇者さん。ああ見えてもお頭心配してたみたいですから」

僧侶「え?」

子分「まったく素直じゃ無いんですから。娘ぇ娘ぇ遅いまだかってうるさかったんですから」

僧侶「そうですか…女海賊さん…」

女海賊「子分!余計な事言ったら海に叩き込むからねッ!」

ーテドン西側、船上

武道家「魔法使いさん…まだ体調悪いみたいですね…」

戦士「ああ…。逆に嬢ちゃんはやる気満々みたいだがな…何か魔法使いから吸い取ってるんじゃなのいか?」

武道家「否定出来ない所が笑えませんよ…」

戦士「いや否定しろよ…」

僧侶「何してるんですか!」

戦士「何でもねえよ。野郎同士で親睦を深めてるだけさ」

僧侶「へぇ…」

武道家「誤解しないでくださいね!変な意味じゃないですから!」

僧侶「わかってますよ!そうやって慌てるから誤解しちゃうんですよ!」

武道家「慌てなくても誤解…しますよね?」

僧侶「はい!」

武道家「……」



女海賊「…大丈夫かい?」

魔法使い「ゴホッ…何とか…はぁ風邪ですかね…」

女海賊「……」

魔法使い「ごめんなさい…」

女海賊「謝らなくてもいいさ」

魔法使い「私…どうなってしまうんでしょう…こんなになったの初めてで…」

女海賊「安心しな、必ず治せる医者の所まで連れて行ってやるからな」

魔法使い「ふふ…優しいですね。ありがとうございます…」

女海賊「……」

魔法使い「…うぐぁ…ゴホッゴホッ…」

女海賊「おいッ!大丈夫…」

魔法使い「……」

女海賊「また気を失ったかい…こんなのほっとける訳無いだろ…」

ーサマンオサ東側、船上

戦士「こんな岩場が続く場所に船停めるのか?」

女海賊「サマンオサへは船では行けないよ…普通じゃね…フフ」

戦士「普通じゃね…フフ?」

女海賊「そこまで真似しないでおくれ気持ち悪い…」

戦士「……」

武道家「普通じゃって他に船で行ける場所があるんですか?」

女海賊「お前、ここ辺は私の庭だよ?誰より詳しい自信あるさ」

武道家「なるほど…」

子分「お頭!いつもの場所ですか?」

女海賊「ああ!岩礁にぶつけんじゃ無いよッ!」

子分「へい!お頭!」

僧侶「面舵いっぱーいッ!」

子分「いえ…取り舵ですよ…」

ーサマンオサ南東側、大空洞

武道家「こんな所があったなんて…」

女海賊「ふふ…何であんな辺鄙な場所に何故海賊の村があるのか知ってるかい?」

武道家「え?捕まらない為ですよね?」

女海賊「そうだね。ただそれだけだと正解じゃ無いのさ」

戦士「このデカイ洞窟と関係あるのか?」

女海賊「そうさ。ここはサマンオサへ行くための只1つの海路って言うかね、海賊の村の補給線の1つなのさ」

武道家「じゃあ…この奥に行けば!」

女海賊「サマンオサへあっという間だ。…さぁ!急いで行くよッ!」

戦士「すまんな…女海賊」

女海賊「べ、別に私は……死なせたく無いのさ…」

戦士「恩に着る」

女海賊「……」

ーサマンオサ付近

女海賊「はぁ…はぁ…」

戦士「無理をするな…俺が背負うから」

女海賊「いい…私がやる…行くよッ!」

戦士「……」

女海賊「大空洞から…全然動かないんだこいつ…早くしないとッ!」

僧侶「女海賊さん…」

女海賊「……」

ーサマンオサ、宿屋

医師「……」

女海賊「どうなんだ…」

医師「これは…魔王の城からの障気を吸い過ぎているようじゃな」

女海賊「それはいいから…助かるのか?」

医師「このまま安静にとしか言えん…」

女海賊「どう言う事だ!」

医師「わしは医者じゃ。…この症状を見た事があっても詳しい対処方まで知らん」

女海賊「お前ッ!病気を治すのが仕事なんだろ!何とかしろよ!」

医師「…これは病気では無い。一種の呪いみたいな物と聞いている」

女海賊「じゃあ誰か治せる奴は!?」

医師「王様に会いなさい。…魔法の類いで一番詳しいのはあの方位だろうからな」

女海賊「……」



戦士「治りそうなのか?」

女海賊「…王様に会えと言われた。どうやらそいつしか治せないらしい…」

武道家「丁度良かったじゃないですか!」

女海賊「そうだな…」

戦士「お前…流石に城までは行けないんだろ?」

女海賊「ああ…」

戦士「後は任せとけ。…本来なら魔法使いの為に必死になるのは俺達の役目なんだから」

女海賊「頼んだよ…絶対に助けてやってくれ!」

戦士「わかってる」

僧侶「……」

ーサマンオサ、市街地

戦士「……」

武道家「女海賊さん…凄い必死でしたね…」

戦士「そうだな…」

武道家「私には魔法使いさんの具合は落ち着いてるように見えるんですけど」

戦士「何かあったんだろ…」

武道家「ですかね…」

戦士「しかし背負ってわかったが…魔法使い少し重くなったな…」

武道家「聞かれたら怒られますよ」

戦士「寝てるから大丈夫だろ」

魔法使い「……聞いちゃった」ボソ

戦士「!?」

魔法使い「……」

戦士「すまん…」

ーサマンオサ、城門前

門番「止まれ!お前達何者だ!」

僧侶「私達はロマリアの勇者一行ですよ!」

門番「ロマリアか…その背負われてる方が勇者か?」

僧侶「違います!私が勇者ですよ!」

門番「まさか…それはロマリアンジョークって言うやつか?」

ガサガサ

僧侶「これ!」

門番「…失礼しました!」

僧侶「なんでわからないんですか!もう!」

門番「……用件は?」

戦士「王様と勇者に会いたい。…先に王様だな」

門番「少々お待ちを」



門番「申し訳無い…会いたく無いそうだ…」

武道家「会いたく無いって…何とかなりませんか?」

戦士「こいつを見て貰うだけでもいいんだ!」

門番「たぶんそこの方は障気にやられたんだろ?…通してやりたいんだけど…王様がな…」

僧侶「…じゃあ!門番さん!一発殴られてください!」

門番「え?」

僧侶「強行突破しますんで!魔法使いさん助けたいんですよ!」

戦士「……」

門番「ま、待ってくれ!もう一回掛け合ってくるから!」

僧侶「駄目です!行きますよ!」

??「門番さん、先程から騒がしいですが…何かありましたか?」

門番「あ、ああ!助かりました!何とかしてもらえませんか!」

僧侶「ああッ!」

盗賊「あら?お懐かしい…僧侶さんご無沙汰ですねぇ」

僧侶「盗賊ちゃん!無事だったんだね…」

武道家「盗賊さん…」

戦士「盗賊!生きてたんだな!良かった…」

盗賊「……」

戦士「…どうした?」

盗賊「お前誰だよ…気安く声をかけるな気持ち悪い…」

戦士「……」

武道家「と、盗賊さん!ほら!芝生を顔にこうして!」

盗賊「やだ!親分じゃあないですか!それならそうと言ってくれれば良かったのにぃ!」

戦士「……」

武道家「戦士さん…?」

戦士「嬢ちゃん…魔法使い頼む。俺はもう駄目かもしれない…」

僧侶「了解!」

武道家 (何で近くにいた私に頼まないんだろう…)



盗賊「皆さん…こんな所までどうしたんで?」

僧侶「魔法使いさんが病気になっちゃって…」

盗賊「……障気にやられてますねぇ」

僧侶「だから王様に会いに来たんだけど会ってくれなくて…」

盗賊「……」

武道家「後、サマンオサの勇者にも会いに来たんですよ」

盗賊「…なるほど。なら…少々お待ちを。王に言ってきます」

僧侶「お願い盗賊ちゃん…」

盗賊「……」

タタタッ

武道家「大丈夫でしょうか…」

門番「盗賊様が行ったんなら大丈夫だよ」

武道家「え?」

ーサマンオサ、王の間

王子「……」

盗賊「…お願いでございます」

王子「……」

盗賊「私は…元々あの勇者の下にいました。ある事情…と言いましょうか…離れる事になったのですが…」

王子「しかしなぁ…」

盗賊「今、困っているなら…助けてあげたいのです!」

王子「ん…でもロマリアの…だよね…」

盗賊「どうか!どうか!」

王子「盗賊たんの頼みでもな…」

盗賊「その呼び方止めてください……」

王子「え?盗賊たんどうしたの?盗賊たん!」

盗賊「……」

王子「ゴメンね盗賊たん…やっぱり無理かも…」

盗賊「そこを何とか!」

王子「私のロマリア嫌い知ってるだろ?」

盗賊「それはロマリア王に対しての筈です!」

盗賊「……あの方達はロマリアの勇者と名乗ってますがロマリアとはあまり縁が近い者ではありません」

王子「そうなんだ。じゃあどうしようかな……」

盗賊「……」

王子「……」

盗賊「…障気に侵されてる者はインテリ美人でございます」

王子「わかった。助けよう」

盗賊「……」

王子「盗賊たん何してるの!早くその者達を城へ!頼んだよ!」

盗賊「もうやだ……」



魔法使い「……」

王子「うん…これで暫く安静にしてれば大丈夫だよ」

僧侶、武道家「ありがとうございました!」

盗賊「王…恩に着ます…」

王子「なぁ、ロマリア…いや違う呼び名がいいな。盗賊たん、その人は普段何て呼ばれてる?」

武道家「盗賊…たん?」

盗賊「武道家さん…お気に為さらず。王、私は僧侶さんとお呼びしてます」

王子「わかった。僧侶よ、この人はこんなに障気を吸ってしまうほど長い間そんな場所にいたのかい?」

僧侶「ん…魔法使いさんが調子悪くなったのがテドン辺りですかね。後、そこに居たのは2日位ですよ」

王子「2日?まさか…そんな事無いだろ?」

僧侶「本当ですよ!」

王子「……」

盗賊「どうか致しましたか?」

王子「うん…」

王子「ちょっと…異常だよね。普通なら2日でここまではならないんだよ」

武道家「ならどうしてでしょうか?」

王子「わからないな。この人がそう言う特異体質なのか他に原因があるのか…」

盗賊「原因ですか…」

王子「何かわかるかい?」

盗賊「私にはちょっとわからないですね…」

僧侶「武道家さんわかります?」

武道家「そうですね……エルフの里で修行している時に何かあったんでしょうか…」

王子「……エルフ?」

武道家「はい。魔法使いさんはエルフの里に暫くいたんですよ」

王子「原因はそれだね」

盗賊「どう言う事でしょうか?」

王子「……この話は、魔法使い…だっけ?この人が起きてからの方がいいかな」

武道家「はぁ…?」

王子「それと…体調が良くなるまでこの城にいていいよ。君達もね」

武道家「それは申し訳無いですから魔法使いさんだけで!」

王子「良いって。ロマリアのって言うから…あの阿呆みたいな奴かと思ったけど違うみたいだし」

僧侶「盗賊ちゃん…あの阿呆って誰の事?」コソコソ

盗賊「どうやらロマリアの王の事らしいです」コソコソ

武道家「僧侶さん…どうします?」

僧侶「そうですねぇ……お言葉に甘えちゃいましょうか!」

王子「うん、是非そうしてくれ」

武道家「是非ですか?」

王子「ほら…君みたいな子と寝食共にしたら楽しいと思うんだ!」

武道家「……」

王子「良かったら…私の第二王妃にでもどうかな!もちろん旅が終わってからで構わないよ!」

武道家「…あの」

王子「良いから!私は生まれなんて気にしない主義でね!」

武道家「そうじゃ無くて

王子「ああ!第二って言うのが気に入らないのかな!大丈夫だよ!ちゃんと平等に愛してあげるから!」

武道家「違

王子「大丈夫!言わなくてもわかるから!それは…第七までいったらしんどいけど君ならば!抜かずに三発いける!」

盗賊「王…申し上げます…」

王子「盗賊たんも嫉妬しないでも大丈夫だからね!盗賊たんなら四

盗賊「その方は男性です」

王子「………え?」

盗賊「男です野郎です竿も玉付いてます」

王子「なん…だと…?」

僧侶「面白い王様ですね!武道家さん!」

武道家「………」



武道家「…女海賊さんに一言言ってきます。後、戦士さんも拾って来ますんで…うぅ…」

盗賊「相も変わらずですね武道家さんは…」

僧侶「玉子様!」

王子「王子だ!…何か?」

僧侶「サマンオサの勇者に会わせて貰いたいんですけど!」

王子「…目の前にいるだろ?」

僧侶「玉子様?」

王子「玉子じゃ無い!王子だ!あと、私では無く盗賊たんが勇者!」

僧侶「盗賊ちゃん…勇者?」

盗賊「成り行き上…仕方無く…」

僧侶「そっかぁ!凄いね!盗賊ちゃんも勇者になっちゃったんだ!」

盗賊「私の場合は…名ばかりの勇者ですがね」

王子「そんな事は無いよ盗賊たん」

僧侶「どう言う事です?玉子様」

王子「……しつこいぞ」

盗賊 (流石僧侶さん…この王に負けてない)

王子「…ちょっと前に盗賊たんに助けられたんだよ」

盗賊「……」

王子「いやぁ油断しててね…この城の地下牢へと閉じ込められていたんだ」

王子「そこへ!盗賊たんが現れて助けてくれたんだよ」

僧侶「ほう!…ん?じゃあ捕まってる間は誰が玉子様を?」

王子「…話やめるよ?」

僧侶「冗談ですよ!」

王子「……偽者が替わりをやっていてね、まぁ…盗賊たんと私で撃退したんだよ」

盗賊「何を言ってるんです…殆ど王が戦っていたじゃないですか」

王子「盗賊たんこそ何を言ってるんだい!盗賊たんがいなかったら今頃私は牢屋で屍になってたよ!」

僧侶「……」

ーサマンオサ、宿屋

武道家「魔法使いさんは大丈夫みたいですよ」

女海賊「そうか…良かった…良かったよぉ…うぅ…」

武道家「……」

女海賊「見るんじゃ無いよ…グスッ…」

武道家「すいません…まさか泣かれるとは思わなかったので…」

女海賊「悪かったね…」

武道家「いや…悪く無いですよ…」

女海賊「……」ジー

武道家「な、何ですか?」

女海賊「内緒にしてくれ…」

武道家「泣いた事ですか?」

女海賊「ああ…」

武道家「言いませんよ。絶対」

ーサマンオサ、城門

戦士「……」

武道家「大丈夫ですか……?」

戦士「武道家…俺は気持ち悪いか?」

武道家「…そんな事無いですよ」

戦士「本当か?本当だよな?」

武道家「本当ですから…しっかりしてください」

戦士「ありがとよ武道家……それにしても流石盗賊だぜ…俺の心をぐさりと抉ってきやがる…」

武道家「魔法使いさんは大丈夫みたいですよ」

戦士「そうか…良かった…」

武道家「あと、王様が魔法使いさんの体調が回復するまで城にいていいそうなんで」

戦士「わかった」

ーサマンオサ、城内

盗賊「親分…私がいない間に失恋したんですか…?」

戦士「してねえよ!」

武道家「みんな同じ反応ですね…」

戦士「俺の髭は女の髪じゃねえっての!」

盗賊「ふふ…皆さんお変わり無いようで」

僧侶「盗賊ちゃんはちょっと変わった?」

盗賊「……いえ、私も変わって無いかと (やっぱり僧侶さんは良く見てらっしゃる…)」

戦士「しかしなぁ…サマンオサの勇者になってるとは…」

盗賊「成り行き上仕方無くですよ」

僧侶「玉子様を助けたんだよねぇ」

盗賊「それも…成り行き上仕方無く…」



戦士「お前…あの後どこにいたんだ?」

盗賊「ここから南にある洞窟で目を覚ましましたよ…親分がいないから寂しかった…」

戦士「それで?」

盗賊「酷いなぁ…本当に寂しかったんですから。まぁ…洞窟から出てこの城が見えたのでここへ…ですねぇ」

戦士「なるほど…でだ、そこから勇者になった経緯がよくわかんが」

盗賊「それは…ここへ来たのはいいんですが…ちょっと懐が寂しいなぁと思い城へ ……」

武道家「……」

戦士「お前……」

盗賊「その辺りは大丈夫なんで!結局何も盗らずなんで!」

戦士「ならいいが…」

武道家「よくないですよ…」

盗賊「まぁ城に忍び込んだまでは良かったんですがね…しくじってしまいまして」

戦士「兵士にでも見付かったか?」

盗賊「いや…王に化けた魔物に見付かってしまって…」

武道家「よく無事でしたね」

盗賊「ふふ…私の逃げ足を嘗めないで頂きたいと言っておきましょうかね」

僧侶「それで逃げた先に玉子様がいたんですね!」

盗賊「ご名答。その後、王を助けたんですが…偽者を倒しに行くと言い出して…」

僧侶「玉子様ってそんなに強いの?」

盗賊「かなり…。その戦いで私は何も出来ませんでしたから…」

武道家「いったい王様は何者何ですか…」

盗賊「詳しくは教えて貰えませんが…魔法は得意みたいですね」

戦士「そんなに強いなら王が勇者になればいいじゃねえか」

盗賊「同じ事言ったら一蹴されましたよ。私は王だからって…」

戦士「なんだそりゃあ…」

盗賊「さあ…王の考えてる事は今一わからないですから…知りたくもありませんけど」

戦士「それでどうなったんだ?」

盗賊「後は強引に…王を助けたのだから君は勇者だ!と…任命されて…」

武道家「……」

盗賊「もう大々的に任命式とかやられて…逃げるに逃げられず…」

戦士「…お前も大変だったんだな」

盗賊「ええ…ちょいと盗みに入ったらこんな事になってしまって…」



僧侶「これで魔法使いさんが治ったら、また盗賊ちゃんと一緒に旅出来るね!」

盗賊「それは……」

僧侶「どうしたの?」

盗賊「…ある事情がありまして…既に仲間がいるんですよ」

僧侶「え?」

盗賊「一緒は出来ないかもしれません…」

戦士「なんだ事情って」

盗賊「…言えません」

戦士「そんな言えない事情がそいつらにあるのか?」

盗賊「親分…申し訳ありませんが…これだけは詮索しないでください…」

戦士「…わかったよ。そんな困った顔するな」

盗賊「……」

戦士「別にお前を責めるつもりは無いから安心しろ」

盗賊「すいません…」

ーサマンオサ、城内、夜

武道家「……迷った」

武道家「確かこっちだったと思ったんだけどな……」

王子「何をしている?」

武道家「うわッ!……王様でしたか」

王子「驚かせて悪かったね。こんな所でどうした?」

武道家「迷ってしまいまして…」

王子「なるほど。…そうだ、良かったら一緒に風呂へ行かないか?」

武道家「……」

王子「黙らないでくれ…さすがに男には手を出さないよ…」

武道家「…わかりました」

王子「だから…大丈夫だって…」

ーサマンオサ、城内、風呂

王子「……」

武道家「……」

王子「そんな端に行かなくても大丈夫だから…」

武道家「…そうですか」

王子「まぁいいよ…。ちょっと聞きたいんだけどいいかな?」

武道家「何でしょうか?」

王子「君達ってサマンオサ来るの初めて?」

武道家「そうですけど?」

王子「じゃあ勘違いかな…あの僧侶って言う娘、何処かで会った事あると思うんだけど」

武道家「………」

王子「止めてよ…そんな怖い顔しないでくれ…興味があるって訳じゃ無いから」

武道家「なら僧侶さんとどこで会ったと言うんですか」

王子「それがね…さっぱり思い出せなくて。こう言うのって思い出せないと気持ち悪いからさ」

武道家「……」

王子「ん…何処だったかな…」

武道家「本当に会った事あるんですか?」

王子「多分ね。ああッ思い出せない…」

武道家「多分って…誰かと間違えてるんじゃ…」

王子「ん……もういいや。その内思い出すだろ…」

武道家「……」

王子「そうだ…君、あの娘が好きなのかい?」

武道家「ぶはッ!…いきなりなんですか!」

王子「だって僧侶の事を聞いた時の君の顔…何も無いならあんな怖い顔しないだろ?」

武道家「それは…」

王子「わかりやすいね君は…はは」

武道家「……」

王子「彼女、夜の方も勇者なのかい?」

武道家「まだ…そう言う関係では…」

王子「…へぇ」

……キャーホントデスカー…

王子、武道家「………」

王子「ふふふ…この時間はね城の侍女達の入浴タイムなんだよ」

武道家「…へ、へぇそうなんですか」

王子「おや?興味ありそうな顔をしているね…ふふ」

武道家「別に興味なんて…」

王子「ほう…」

武道家「あります…」

王子「素直で宜しい。…向こうの声良く聞こえるだろ?」

武道家「そうですね…聞こえ過ぎる気もしますが…」

王子「そう言う風に設計させたからねクククッ」

武道家「なんの為に…」

王子「わかるだろ?」

武道家「はい…」

王子「ふふふ…君とは気が合いそうだよ」

……ブドウカサンガ…

……ソウナンデスカ……

王子、武道家「ッ!!」

王子「あれほど私の入浴時間とダブらせないように警戒していた盗賊たんが何故!?」

武道家「……」

王子「そうかッ!久方ぶりの友との語らい…それが盗賊たんの気を緩めてしまった訳だな…」

武道家「静かにして貰えませんか!聴こえません!」

王子「ふふふ…」

武道家「…何ですか?」

王子「君にだけ…この城の秘密を教えようか?」

武道家「……まさかッ!」

王子「察しがいいね…そのまさかさッ!」



武道家「止めた方がいいのでは…」

王子「君はそれでも男かッ!」

武道家「しかし…」

王子「なら君は見なくていい!私だけ見るから!…君の彼女…結構胸大きいよね…」

武道家「…貴方って人はッ!」

王子「クククッ…盗賊たんと同じくらいかな。盗賊たんの胸見てみたいと思わないかね」

武道家「それは…見てみたいとおもいますが…」

王子「ならば、双方見れば痛み分け…遺恨は残らないと思うが?」

武道家「……」

王子「無言は同意したとみなすよ?」

武道家「…わかりました」



王子「これでよし…行くぞ?」

武道家「……」ゴクリ

……「あぁ!こんな所に穴があるよ!」

王子「ッ!」

……「本当だ!あのエロ王子かな?」

……「きっとそうだよ!じゃあずっと見られてたんだ!エロバカ王子最低!」

……「今もいるんじゃないの!」

……「見てみようか!」

王子「か、隠れろ!」

……「誰もいないね」

王子、武道家「………」

……「盗賊様ぁ!これ見てくださいよ!」

……「あぁそれですか…後、あそことここにもありますので」

王子「バレてた!」

……「…王子マジ最低」

……「玉子様マジ最低!」

……「何ですか玉子様って?」

……「それはですね!………なんですよ!」

王子「……なんだ?」

……「嘘ぉーッ!本当ですか?」

……「私、心当たりあるかもぉ」

……「やっぱり王子ってそう言う人だったんだ!」

……「何でもありって質悪いよね」

……「性欲お化けにも程があるよねぇ」

王子「何を言われたんだ私は……」

ーサマンオサ、城内

王子「……」

武道家「そんなに気になさらずに…」

王子「君は同情してくれるんだね…」

武道家 (自業自得だと思ってるんだけど…)

王子「君は優しいね…」

武道家「……」

王子「良かったら私の部屋で語り合おうではないか!」

武道家「いえ…いいです…」

王子「遠慮しなくていいから!まだ聞きたい事もあるし!」

ーサマンオサ、城内、踊り場

盗賊「……」

戦士「…隣いいか?」

盗賊「どうぞ…」

戦士「……」

盗賊「こうして並ぶのも…久しぶりですね…」

戦士「ああ…」

盗賊「……やっぱり聞かないんですか」

戦士「卑弥呼の事か?」

盗賊「…はい」

戦士「…お前が話したいなら話せばいい」

盗賊「どうして親分から聞いてくれないんですか!…そんなに私の事は興味無いんですか……」

戦士「違う!」

盗賊「何が違うんですか!あの方がエルフの里に残る時はちゃんと理由を聞いていたのに……」

盗賊「なんで…私の方へは振り向いてくれないんですか……」

戦士「……」

盗賊「…ちょっと…感情的になってしまいましたね…すいません」

戦士「…すまん」

盗賊「いえ…謝らないでください…」

戦士「……」

盗賊「嫌ですね…女の嫉妬って」

盗賊「わかっていたんですよ…親分は私の物にはならないって。でも…それをずっと受け入れられなくって…」

盗賊「理由…お話しますよ」

盗賊「あの時…あの方が現れて……自分の居場所や自分が…積む重ねてきた物が全て無くなってしまうと思っていたんですよ……」

盗賊「嫉妬に狂うと…何をするかわからないものですね…。人の姿した卑弥呼を見て……」

盗賊「……こいつを今殺せば…みんな終わるんじゃないかって。自分も親分達も」

戦士「……」

盗賊「自分の物にならないなら壊してしまえ…そう思ってました…」

盗賊「こんな恐ろしい事を考えるんですから…振り向いてくれないのも当たり前ですよね…」

盗賊「本当なら…皆さんに顔向け出来ない立場ですし…勇者なんて…」

戦士「…盗賊、そこまで思い詰めてたのか…気付いてやれなくて…すまん」

盗賊「ふふ…だから謝らないでください…」

戦士「しかし…」

盗賊「いいんです。悪いのは全部私なんですからね…」

盗賊「そうだ…勇者になった話しましたよね?」

戦士「ああ…」

盗賊「あの話…一部嘘をついた所がありましてね…」

盗賊「逃げられないでは無く…償う為にいなければいけなかったと言いましょうか…」

盗賊「王に…自分のやった事を話したら…死ぬ気で償えと言われましてね」

盗賊「だから…親分や皆さんに…うぅぐぅ…」

戦士「…誰も見てないんだ。泣けばいい…」

盗賊「…うぅぁぁぅぐ…ごめんなざいぃッ!ごめんなさい……」

戦士「……」

盗賊「好きな人に…ヒッ…振り向いてもらえなぐっで…私とんでもない事を…うぅ…」

戦士「…もういいから。俺の方こそ悪かった…」

盗賊「本当に…ずいませんでしだぁぁ…」

戦士「……」



戦士「…落ち着いたか?」

盗賊「…ヒックッ…はい」

戦士「この事は…あの三人には言わなくていい」

盗賊「しかし…」

戦士「終わってる事をわざわざ蒸し返す事も無いだろ…」

盗賊「はい……」

戦士「お前の気持ち応えられなくてすまない」

盗賊「いえ…それも…終わった事なので…」

戦士「……」

盗賊「何だか…武道家さんに申し訳無い気分ですよ」

戦士「なんだ急に?」

盗賊「前に…あの方に随分と説教じみた事、言ってしまいましたからね」

戦士「大丈夫だろ。その内嬢ちゃんと上手くやるさ」

盗賊「そうですね…」

ーサマンオサ、城内、王室

武道家「…クシュンッ!」

王子「湯冷めかい?」

武道家「違うと思いますけど…」

王子「ならこれかな?」

武道家「王様なんですから…そう言う下品な表現は止めた方がいいのでは…」

王子「今はプライベートな時間なんだ、好きにしたっていいだろ」

武道家「確かにそうですけど…」

王子「さて、ベットでちちくりあいながら愛を語ろうか!」

武道家「………」

王子「…冗談だよ?」

武道家「わかってますが……次、そう言う冗談を言われたら…」

王子「ほう?言われたらどうする?」

武道家「いくら王様でも…テンプル打ち抜いて脳味噌ぶちまけますからね」

王子「……冗談だよね?」

武道家「……」

王子「……気を付けよう」

武道家「聞きたい事があるって言ってましたけど何ですか?」

王子「えっとね…君達ってどうやって勇者になったの?」

武道家「盗賊さんに聞いて無いんですか?」

王子「聞いたよ。だけど…なんかおかしいんだよね…」

武道家「おかしい…ですか?」

王子「うん。だからさどう言う経緯で勇者になったのか教えてよ」

武道家「はあ…わかりました。えっとですね……」



武道家「と、言うお話だったんですよ」

王子「…なるほど。やっぱりおかしいよね」

武道家「そうですか?」

王子「君達は将軍の推薦だけで勇者になったんだよ?変だと思わないかい?」

武道家「確かにそうですね…」

王子「いくら神託を受けていたからってそれだけで勇者にしようなんて普通思わないと思うんだけど…」

武道家「……」

王子「…君達の中に誰か強力な後ろ楯を持ってる人なんているのかい?」

武道家「…いないと思いますが」

王子「はっきりしないね」

武道家「仲間内であまり自分の過去の話なんてしませんからね…」

王子「なるほど。君はロマリアに誰か知り合いとかは?」

武道家「いませんよ。私の生まれは誰も知らないような場所ですから」

王子「そうなんだ」

武道家「あの…この話…」

王子「なに?」

武道家「他国に話しちゃうとまずい話なんじゃ…」

王子「もう遅いよ」ニヤリ

武道家「……」

王子「今更黙り極め込もうとしても駄目だからね」

武道家「……」

王子「…大丈夫だよ。ただ知りたいだけだから」

武道家「…本当ですか?」

王子「本当本当。あのクソバカ野郎が一枚噛んでる様子も無いみたいだし」

武道家「…それは誰の事ですか?」

王子「ロマリア王…人を除け者にして…絶対許さない…」

武道家「…なにがあったんですか?」

王子「こっちの話だから知らなくていい」

武道家「えぇ…なんかズルいじゃないですか…」

王子「…聞きたい?長くなるよ?」

武道家「ならいいです…」

王子「…君の彼女はどうなの?」

武道家「僧侶さんですか…」



王子「……」

武道家「……」

王子「教えてくれないのかい?」

武道家「…人に話していいような事じゃ無いので」

王子「訳有り?」

武道家「本人に聞いてください…」

王子「そう…」

武道家「……」

王子「あとは、わかる?」

武道家「いえ、わからないです」

王子「ん…何でだろうね…」

武道家「王様…盗賊さんを何故勇者にしたんですか?」

王子「聞いてない?私を助けてくれたからだよ」

武道家「本当にそれだけなんですか?」

王子「他にも理由はあるけど知りたい?」

武道家「はい…」

王子「実はね…盗賊たんは私のワイフになる予定の人だからですッ!」

武道家「………」

王子「ふふ…勇者でワイフ…素敵だとは思わないかね?あの勇者を妻にしてしまえば!好きなように弄くり倒せるんだよ!」

武道家「………」

王子「もうそれだけで盗賊たんを勇者にする価値があるってもんだよ!」

武道家「へぇ……」

王子「君も同じなんだろ!?」

武道家「そんな性癖は持ち合わせて無いです……」

王子「またまた!」

武道家「………」

ーサマンオサ、城内、朝

魔法使い「………」

侍女「………」

魔法使い「……ん」

侍女「おはようございます」

魔法使い「…おはよう…ございます…?」

侍女「体調の方はいかがですか?」

魔法使い「え?……えぇ…大分楽になりました」

侍女「そうでございますか。お食事はいかがなさいますか?」

魔法使い「何か軽い物を……あのここは?」

侍女「…?ここはサマンオサ城の一室でございます」

魔法使い「………」

侍女「では、お食事をお運び致しますのでご用件が有りましたら御呼びください」

魔法使い「…わかりました」

侍女「失礼いたします」

魔法使い「……そっか…あのままこのお城に御世話に…」

魔法使い「…気分も悪く無いし…体も凄い軽い…」

魔法使い「………」

魔法使い「皆さんに…迷惑かけちゃったな…」

カチャ

僧侶「魔法使いさんが起きる前に急いでビキニアーマー着せちゃいましょう!」

魔法使い「………」

盗賊「駄目ですって…あら?おはようございます」

魔法使い「…おはようございます」

僧侶「……魔法使いさん!元気になったんですね!」

魔法使い「…何をなさろうとしていたんですか?」

僧侶「何でも無いですって!」

魔法使い「へぇ…」

僧侶「本当ですって!」



戦士「調子はどうだ?」

魔法使い「はい、大分良くなりました…迷惑かけてしまいましたね…」

戦士「気にするな。…女海賊に礼言っとけよ?」

魔法使い「はい…もちろん」

戦士「………」

魔法使い「………」

盗賊「……はぁ…なんだかな…」

戦士「なんだ?盗賊」

盗賊「何でもございませんよ」

魔法使い「盗賊さん…ありがとうございました…」

盗賊「いえいえ、お助けするのは私の義務ですからねぇ」

魔法使い「…義務?」

盗賊「それはこちらのお話なのでお気になさらず」

僧侶「戦士さん!武道家さんはどうしたんですか?」

戦士「…昨日から見て無いぞ?別に部屋を割り当てられたんじゃねえのか?」

盗賊「え?親分と一緒の部屋の筈ですが……」

僧侶「………まさか本当に…」

盗賊「……えぇぇえぇ」

戦士「心当たりがあるのか?」

僧侶、盗賊「………」

戦士「?」

盗賊「……ちょっと神速で見てきます」

僧侶「私も迅速に……」

戦士「ああ…?」

バタンッダダダッ!

戦士「なんだ?」

魔法使い「さぁ…」

ーサマンオサ、城内、王室

王子「………」ズーン

盗賊「何事も無く良かった……本当に……」

僧侶「玉子様元気無いですね!」

武道家「あれだけ冷たい目線を浴びれば……」

王子「朝から何なんだ……侍女達の冷たい目線と態度の数々……玉子様玉子様と……ん…」

僧侶「…何ですか?」

王子「お前か!お前なのか!」

僧侶「何がですか!」

王子「この城内で玉子様と言い始めたのはお前しかいないだろ!」

僧侶「そ、そうでしたっけ?」

王子「それに…昨日!風呂場で侍女達に何を吹き込んだ!」

僧侶「………」

盗賊「王…申し上げます……」

王子「なんだ!」

盗賊「風呂場で侍女達に……とはどう言う意味でしょうか?」

王子「………」

僧侶、盗賊「………」

王子「……深い意味は無い。気にしなくていいから……」

武道家「………」

王子「本当……何でも無いから気にしないでよ……はは…は…」

僧侶、盗賊「………」

王子「いやぁ!今日は良い天気になりそうだね!」

盗賊「あの時……いらしたんですね?」

王子「……ひ、一人じゃ無かったからね!」

武道家「ッ!」

僧侶「へぇ……」

武道家「わ、私は駄目だって止めたんですよ!」

王子「君ッ!ズルいよ!覗く事に同意したじゃないか!」


王子「ほら!未遂だったし!まだ盗賊たん達の純血は守られているんだよ!」

武道家「そ、そうですよ!」

盗賊「はぁ……王?」

王子「……な、何かな?」

盗賊「あんなコソコソと覗くような真似をしなくても言ってくだされば見せますから」

王子、僧侶、武道家「………」

盗賊「そう言う趣向がお好きでしたら、前もって準備もしておきますから」

王子「」

僧侶「わぁ……」

盗賊「兎に角、侍女さん達の迷惑にならないようにお願いしますよ」

王子「う、うん……」

武道家「………」

僧侶「武道家さんは駄目ですからね!」

武道家「えぇ……しかし……」

僧侶「弁解は罪悪なんですよ!」

ーサマンオサ、城内

魔法使い「…………」

王子「うん、もう大丈夫だよ。あと一日安静にしておけばいつでも旅に出ていい」

魔法使い「…ありがとうございました。……あの、聞いても宜しいでしょうか?」

王子「なんだい?」

魔法使い「何故……王様がこのような事を?」

王子「それはこの国で私にしか出来ない事だからだよ」

魔法使い「……王様にしか出来ない事?」

王子「魔王城から発せられる障気に
侵された人が時々いるんだよ。それの解毒」

魔法使い「なるほど……なら私は障気に侵されてたんですか……」

王子「そう。しかも異常な程にね」

魔法使い「………」

王子「魔法使いさん、君は何故ここまでになったか心当たりある?」

魔法使い「いえ……」

王子「そう……魔法使いさんは知らなかったんだね」

魔法使い「何をでしょうか?」

王子「説明してあげるね。君はエルフの里に修行していたって聞いたけど本当かな?」

魔法使い「ええ。確かに……エルフの女王様の元で御世話になっておりました」

王子「それが今回の原因なんだよ。エルフと一緒に暮らしてた事がね」

魔法使い「………」

王子「エルフと言う種族はね、同種族で暮らすぶんには何でも無いんだけど……」

魔法使い「………」

王子「他種族と暮らしたり交わったりすると相手の免疫って言うかな……耐性を下げてしまうんだよ」

魔法使い「そんな事があるんですか?」

王子「あるね。実際、君は魔王城の障気にやられただろ?」

魔法使い「そうですが……」

王子「エルフの女王様に何か言われなかった?覚悟は出来てるかとか」

魔法使い「確かにそうは言われましたが……修行に対しての事だと思ってました……」

王子「そうか。……あと、厄介な事に何に対しての弱くなるかわからない」

魔法使い「まだ私には耐性が無くなってる物があると?」

王子「いや、多分大丈夫だと思うよ……君の場合は障気にやられるくらいだから悪い力とかそっちだろうね」

魔法使い「………」

王子「で、どうする?」

魔法使い「このままでは……魔王城に近寄れない……ですか?」

王子「うん。諦めちゃう?」

魔法使い「そんな事出来る訳無いじゃないですか……」

王子「………」

魔法使い「ここまで来て……今更魔王の城に近寄れないなんて……」

王子「……助けてあげようか?」

魔法使い「………」

王子「ロマリアの勇者一行って察しが良くて好きだよ」

魔法使い「……何をすれば……助けて頂けるのですか?」

王子「そうだな……君の過去を教えてよ」

魔法使い「過去ですか?……そんな事で良いんでしょうか?」

王子「うん、良いよ。ちょっとこっちで知りたいんだよ。何故君達が勇者一行に選ばれたのかって」

魔法使い「……既にご存知なのでは?」

王子「一部ならね」

魔法使い「はあ……?」



戦士「暇だな……」

盗賊「はい親分……」

武道家「王様と魔法使いさんを二人きりにする必要あったんですか?」

盗賊「何やら他にも話があるとかで」

武道家「話ですか……」

戦士「なぁ、盗賊」

盗賊「何でしょう親分」

戦士「魔法使いを治して貰ったのはいいが……タダじゃねえよな?」

盗賊「さぁ?どうでしょうかね」

戦士「わからんのか?」

盗賊「王は治療の対価として金銭はあまり受け取りませんから……」

戦士「じゃあこの場合はどうなるんだ?」

盗賊「魔法使いさん自身とか……」

戦士、盗賊「………」

戦士「あ、アホか!そんな事させられる訳ねえだろ!」

盗賊「も、もちろんですよ!」

武道家「………」

戦士「なんだよ……」

武道家「今頃……第二王妃にとか言われてるかもしれませんよ……」

戦士「………」

武道家「私はね胸より美脚派なんだよ!……とか言われてるかもしれませんよ……」

戦士「………」

武道家「この腰から爪先までのラインが実に素晴らしい!……とか言われてるかもしれませんよ……」

戦士「………」

武道家「グヘヘッ白い肌がなんともそそるじゃ

ゴチンッ!

武道家「いだっ!な、何をするんですか!」

戦士「行くぞッ!盗賊!」

僧侶「武道家さん……いつも魔法使いさんをそんな目で……」



魔法使い「過去と言っても何からお話すればいいのでしょうか?」

王子「ん…魔法使いさんの周りにロマリアに強い人脈を持った人なんかいたかな?」

魔法使い「あの……さんを着けて呼ばれなくても呼び捨てで構いませんが……」

王子「いいの。私がそう呼びたいだけだから」

魔法使い「そうですか……質問のお答えですが、いません」

王子「そう……なら知り合いとかは?あ、旅に出る前の話ね」

魔法使い「それもいないと思います」

王子「じゃあ魔法使いさんも違うのかな……一番それっぽかったんだけど」

魔法使い (何故こんな事を……)

王子「ん……」

バタンッ!

戦士「魔法使い大丈夫かッ!」

盗賊「王ッ!またちょっかいを!」

王子「……何かな?」

戦士、盗賊「………」

王子 (こいつが盗賊たんが言っていた奴か……)

戦士「な、何にも無いみたいだな……悪かった……」

盗賊「そうですね!……王、失礼しました」

王子「私が何かにすると思っていたのか……まぁいいよ。丁度良かったし」

戦士「?」

王子「お前に聞きたいんだけどロマリアに知り合いとかはいる?」

戦士「いねえが……どうして?」

王子「お前には理由は話さない」

戦士「………」

王子「じゃあ……一番無さそうな僧侶かな……」

戦士「おい……」

王子「なんだ?もう用は無いから向こう行っていいよ」

戦士「なんだその態度は……」

王子「……別に」

戦士「………」

盗賊「親分落ち着いて!王……そのような態度は……」

王子「………」

魔法使い「あの……」

王子「ああ……悪かったね。助けるって話だけど、正確には助ける方法を教えてあげるよ」

魔法使い「方法ですか……」

王子「そう。エルフの里に行ってね夢見るルビーって言う宝石を借りてきなよ」

魔法使い「………」



戦士「何なんだよあいつは!」

盗賊「親分……病み上がりなお方もいますから……」

戦士「……すまん」

魔法使い「……またエルフの里に行かないといけないですね……」

僧侶「行けばいいじゃないですか!」

魔法使い「でも……」

僧侶「迷惑だと思ってるんですか?」

魔法使い「はい……」

僧侶「大丈夫ですよ!誰も迷惑だなんて思いませんから!」

戦士「そうだぜ。仲間じゃねえか」

魔法使い「………」

僧侶「大丈夫!大丈夫!」

魔法使い「ありがとうございます……」

僧侶「その代わりビキ

魔法使い「嫌ですッ!」

盗賊「だんだん反応が速くなってますね……」

僧侶「ぐぬぬ……」

魔法使い「……何故それほど私にビキニアーマーを着せたがるんですか?」

僧侶「………」

魔法使い「?」

僧侶「知らない方が幸せって事もありますよ……」

魔法使い「………」

戦士 (理由なんてねえなありゃ……)

盗賊 (理由思い付かないんだな……)

ーサマンオサ、城内、王室

王子「………」

武道家「あの……」

王子「何かな?」

武道家「何故連れてこられたんでしょうか?」

王子「……不満なの?」

武道家「私はサマンオサと関係無いですし……」

王子「何を言ってるんだい!君は同志だろ!」

武道家「違いますよ……」

王子「勇者をワイフにして弄くり倒すって言う同じ志の仲間じゃないか!」

武道家「違いますから……」

王子「同じ同じ!隠したって駄目だから!もう同じ匂いが滲み出ちゃってるから!」

武道家「そんな匂い出して無いです……」



王子「頑固者だな君は!」

武道家「そう言う道へ引きずり込もうとしないでください……」

王子「まあいいよ。君は絶対こちら側の人間になるから」

武道家「………」

王子「……この話は置いといて、君に僧侶だけ呼んできて欲しいんだけど」

武道家「僧侶さん……だけ?」

王子「そう。盗賊たんと……あの男は呼ばなくていいから」

武道家「僧侶さんにあの話を聞くんですか?」

王子「そうだよ。なんだったら君もいていいからさ」

武道家「わかりました……でも、話の嫌がったら止めてくださいよ?」

王子「大丈夫!大丈夫!なんたって大切な同志のお相手だからね!」

武道家「………」



僧侶「何ですか!玉子様!」

王子「あのさ……いい加減その玉子様って言うの止めてくれない?」

僧侶「ええ!良いじゃないですか!玉子様ですよ玉子様!」

王子「意味がわからない……」

僧侶「じゃあ!おち

王子「お年頃の娘がそう言う言葉を使っちゃ駄目!」

僧侶「………」

王子「同志よ……よく疲れないな」

武道家 (もう完全に同志なのか……)

王子「僧侶、ちょっと聞きたいんだけど良いかな?」

僧侶「何ですか!」

王子「君はロマリアに誰か古い知り合いとかいる?」

僧侶「知り合いですか……ん……」

王子「こうロマリアの偉い人とかお城に従事してるとか」

僧侶「いませんね!」

王子「そうか……。それと私と何処かであった事無いかな?」

僧侶「玉子様とですか?無いですよ!」

王子「本当?」

僧侶「本当ですよ!」

武道家「やっぱり人違いなんじゃ?」

王子「ん……なら僧侶の生まれは何処かな?」

僧侶「さぁ!」

王子「さぁって……また私をからかうのか?」

武道家「………」

僧侶「本当にわからないんですよ!育ったのはアリアハンなんですけど!」

王子「………」

僧侶「でも、牧師様って立派なお母さんがいますから!」

王子「そうか……」

僧侶「まだ聞きたい事ありますか?」

王子「いや、もういいよ……僧侶悪いんだけど盗賊たん連れて来てくれるかな?」

僧侶「わかりました!」

バタンッ

王子「………」

武道家「………」



王子「何か悪かったね……」

武道家「いえ……謝るなら僧侶さんに謝ってください……」

王子「そうだね……。それにしても牧師様の娘とは……」

武道家「え?牧師様を知ってるんですか?」

王子「知ってるも何も私の師匠の一人だよ。短い間だったけどね」

武道家「そうなんですか……」

王子「昔ね、魔法を教わろうとこの城に招待したんだけど……娘が娘がって言って直ぐに帰ってしまったんだよ」

武道家「………」

王子「まぁ目当ての魔法は覚えられたから良かったんだけど……」

武道家「なるほど。なら、何処かで会った事があるって牧師様では?」

王子「性格は似てるかも知れないけど……私が思ったのは容姿だから違うね」

武道家「………」



王子「結局わからず仕舞いか……」

武道家「そんなに気になるんですか?」

王子「だって……君達は自分達が知らない所で他人の私利私欲の為に利用されてるかもしれないんだよ?」

武道家「………」

王子「言いたい事はわかるよ……でも盗賊たんはいいの!私のワイフになる予定だから!」

武道家「思いっきり私利私欲じゃないですか……」

王子「いいだろ?誰も困らないんだから。しかしなぁ……気に入らないね」

武道家「利用とか……逆に色々と助けて貰ってますし、そんな事無いと思いますけど」

王子「そう……。後は、将軍が何故君達を勇者にしたかだけど……あの将軍に限ってそんな事はしないし……」

武道家「将軍様はやっぱり立派な方なんですか?」

王子「うん?知ってるんだろ?」

武道家「知ってはいますが、最初に会っただけですよ。後は手紙とか伝令さんとのやり取りだけですから」

王子「なにそれ?聞いてないよ?」

武道家「何かおかしいですか?」

王子「おかしいよ!何故それを早く言わないの!」

武道家「そんな重要だとは思わなかったので……」

王子「じゃあ君達はロマリア城に行っても会ってないの?」

武道家「いえ……ロマリアのお城には行った事が無いです」

王子「………」

武道家「?」

王子「………」

武道家「あの……」

王子「ごめん、ちょっと黙ってて」

武道家「はぁ…?」



盗賊「王、お呼びでしょうか?」

王子「うん。……こんな事は言いたく無かったんだけどね……」

盗賊「………」

王子「そこの僧侶達と一緒に魔王討伐してきてもらえるかな?」

盗賊「え?いいんですか?」

王子「良くない……良くないけど……ああ!行かせたくないなぁ!」

盗賊「どっちなんですか……」

王子「仕方無いから行ってもいいよ……」

盗賊「……ありがとうございます」

僧侶「良かったね盗賊ちゃん!また一緒に旅出来るね!」

盗賊「そうですね……」

僧侶「嬉しくないの?」

盗賊「嬉しいですよ!うん、嬉しい!」

僧侶「………」

王子「はあ……」

盗賊「そんなに嫌でしたら……」

王子「……盗賊たん駄目だよ?これは君にとってやらなければいけない事だろ?」

盗賊「そう……ですね……」

王子「………」

僧侶「……?」

王子「そうそう。あの二人も連れて行くんだよ?」

盗賊「……ぇぇ」

王子「そんなに小さい声で嫌がっても駄目だから。大丈夫だって!」

僧侶「玉子様!盗賊ちゃんの仲間ってどんな人なんですか!」

王子「ふふふ…女性二人で美人だよ美人!おおっと!これ以上は言えないな!」

僧侶「………」

盗賊「………」

王子「良かったな同志よ!これでハーレムだよハーレム!羨ましいな!」

武道家「……盗賊さんが嫌がるんですから何かその人達は問題あるんですよね?」

王子「………」

武道家「………」

王子「…………無いよ」

武道家「もう一度聞きますが問題ありますよね?」

王子「無い無い全然無いから大丈夫だから」

武道家 (絶対あるよこれ……)

王子「後は見てからのお楽しみってやつで!」

僧侶「盗賊ちゃん……なんで玉子様は無駄に元気なの?」

盗賊「さぁ……わかりません」

一気に読んだ(´・ω・`)
面白い(・∀・)



王子「で、最初にやって貰いたい事があるんだけど」

盗賊「なんでしょうか?」

王子「ここから北に行った所にグリンラッドって場所があって、そこの祠にいる人に会って欲しいんだ」

盗賊「わかりました」

武道家「あんな所に人が住んでるんですね……」

王子「同志はその場所知ってるの?」

武道家「その付近を通っただけですよ」

王子「通ったって……どうやって?」

僧侶「お船ですよ!」

王子「………」

武道家「何か?」

王子「……ここまでどうやって来たの?」

僧侶「お船ですよ!」

武道家「ち、ちょっと僧侶さん!それは……」

王子「同志よ、隠し事は良くないな……」

武道家「知り合いの人に同船させて貰ってるだけですよ!」

王子「その人にサマンオサまで乗せて貰ったの?」

僧侶「そうですよ!」

王子「……大した港も無いのに?」

僧侶、武道家「………」

王子「……知り合いの人って海賊?」

盗賊「え?」

武道家「……何故わかるんですか」

王子「わかるよ……船で来たなら何か連絡がある筈だし」

王子「それが無いって事は何処か抜け道みたいな所から来たんじゃないかな?」

武道家「………」

王子「そんな芸当……海賊にしか出来ないと思うね。違う?」

僧侶「大当たりですよ玉子様!」

武道家「僧侶さん!」

王子「………」

僧侶「大丈夫ですよ武道家さん!」

武道家「………」

王子「……悪いけど捕まえるよ?」

僧侶「そんな事したら全力で脳漿ぶちまけますんで!」

王子「………」

僧侶「さて……私の拳と玉子様の魔法……どっちが早いと思います?」

王子「そんなの私の

ビシュッ!

僧侶「どうです?結構速いと思うんですけど?」

王子「……そんな脅し

ヒュボッ!

僧侶「あらら?ごめんなさい。蹴りを放ってしまいました」

王子「………」

僧侶「捕まえないって言ってくれないと……次は当てますから」

王子「………」

僧侶「………」

王子「…はぁ。負けたよ。捕まえない」

僧侶「やったね!」

王子「ただし!」

僧侶「…?」

王子「盗賊たん達も同船させる事!いいね!」

僧侶「わかりました!」

武道家「………」



武道家「……私も行っていいですか?」

王子「駄目……」

武道家「………」

王子「あの時……負けたって言った時、私が魔法使ってたら君……攻撃してきただろ?」

武道家「そうですね。してたと思います」

王子「二対一じゃ分が悪いよ」

武道家「………」

王子「それに僧侶は本気じゃ無かったよね?」

武道家「え?」

王子「え?」

武道家「……あれは怒ってる時の目だったので……一発目から本気で当てるつもりだったと思いますよ……」

王子「………」サー

ーサマンオサ、城内

盗賊「驚きましたよ……」

僧侶「玉子様を殴ろうとした事?」

盗賊「いえ、海賊の船に乗っていた事です」

僧侶 (殴ろうとした事はいいんだ……)

盗賊「どういった経緯でそんな事に……」

僧侶「ん……盗賊ちゃんと別れた後にね、海賊の村に着いたの」

盗賊「村ですか……」

僧侶「そこで……」



僧侶「と、言うお話だったのさ」

盗賊「へぇ……女性なんですか。何か格好いいですねぇ」

僧侶「うん!それに好い人だし……捕まってほしく無かったからあんな事しちゃったんだ」

盗賊「なるほど」

僧侶「そうだ!良かったら夜にお城抜け出して会いに行っちゃおうか!」

盗賊「それはマズイですよ……」

僧侶「ええ!おっぱい大きいよ?」

盗賊「………」

僧侶「やっぱり女海賊って言うだけの事はあるおっぱいしてるよ?」

盗賊「いや……興味……無いですし……ググッ」

僧侶「納得の安心感な大きいおっぱいだよ?」

盗賊「まだまだ……」

僧侶「大きくする方法教えてくれるかもよ」ボソ

盗賊「し、仕方ありませんねぇ……お世話になるんですから挨拶もしなければいけませんしお供します!」

僧侶「うん」



魔法使い「また迷惑かけちゃいますね……」

戦士「だから気にする事ねえって」

魔法使い「………」

戦士「あのな、嬢ちゃんだって女海賊だってお前に迷惑かけられたなんてこれっぽっちも思って無いぞ」

魔法使い「ですが……」

戦士「……お前は俺達の事、そんなに頼りないと思ってるのか?」

魔法使い「そんな事無いです!」

戦士「なら、安心して迷惑かけてればいいじゃねえか。もうそんな事で切れない仲だろ?」

魔法使い「………」

戦士「もう少し楽に生きろよ。嬢ちゃんまでとは言わねえからさ」

魔法使い「はい……うぅ……」

戦士「な、泣くなよ……」

コンコン

武道家「入りますよ」



武道家「………」

戦士「違うからな?」

武道家「何も言ってませんよ」

魔法使い「本当に違いますから……ぐすっ……」

武道家「魔法使いさんがそう言うなら……」

戦士「お前ってやつは……俺は信用ならねえって言うのかよ」

武道家「……言っていいんですか?」

戦士「……多分駄目だ」

魔法使い「何を言っては駄目何ですか?」

戦士「………」

魔法使い「武道家さん……教えて貰えますか?」

武道家「戦士さんが良いって言うのであれば」

魔法使い「戦士さん構いませんよね?」

戦士「……勘弁してくれ」

魔法使い「………」

戦士「くそぉ……武道家覚えてろよ……」

武道家「お二人に話があるんですけど」

魔法使い「……何でしょうか?」

武道家「王様が盗賊さん達と一緒にって言ってたんですよ」

魔法使い「盗賊さん達ですか?」

戦士「ああ、あいつにはもう仲間がいるみたいなんだ」

武道家「その仲間って人達なんですけど……何か問題があるみたいなんですよ」

戦士「問題?なんだ問題って」

武道家「それが……王様が教えてくれなくって」

魔法使い「なんでしょうね……」

戦士「あれじゃねえのか、囚人とか」

武道家「それは違うと思いますよ。女性二人って言ってましたから」

戦士「また……女が増えるのか……」

魔法使い「………」

戦士「ちょっと待てよ……女で問題があるって事は……そうとうヤバいんじゃねえのか?」

武道家「え?」

戦士「男で問題あるなら何となく想像がつくが女となるとな……」

魔法使い「そうですね……」

戦士「まさか嬢ちゃんみたいなのが増える訳じゃねえと思うが……」

武道家、魔法使い「………」

戦士「どうした?」

武道家「いえ……戦士さんのそう言う予想って結構当たるので……」

戦士「やめろよ……」



武道家「後ですね、グリンラッドにいる人物を訪ねろと言ってましたよ」

戦士「あの寒い所か……」

魔法使い「王様はそこまでどのように行くのか言ってましたか?」

武道家「……女海賊さんの船で」

戦士「お前……女海賊が捕まったらどうするんだ!」

武道家「それは……僧侶さんが女海賊さんを捕まえないって王様と約束をしたので大丈夫……」

戦士「大丈夫じゃねえだろ!それに女海賊が盗賊達を乗せないって言ったらどうするんだよ!」

武道家「………」

魔法使い「……私、女海賊さんに言ってきますよ」

戦士「いいよ。俺が……」

魔法使い「行かせてください。お願いします」

戦士「……はぁ、じゃあ行ってこい」

魔法使い「ありがとうございます……」

ーサマンオサ、城内、廊下

王子「うわ……」

戦士「………」

王子「嫌な奴に会っちゃったよ」

戦士「……何なんだよ、さっきといい今といい。俺が何か悪い事したか?」

王子「別に……」

戦士「文句があるならはっきり言えよ」

王子「……こんな所じゃなんだからあっちでやろうか」

戦士「………」

王子「………」

ーサマンオサ、城内、王室

コンコン

盗賊「王、入りますよ」

カチャ

王子「………」

盗賊「何か御用!?……その顔はどうなされたんですかッ!」

王子「これかい?さっき侍女達にリンチされてね……ははは」

盗賊「………」

王子「ごめん。ちょっと面白く無かったね」

盗賊「………」

王子「そんなに心配しなくてもこの程度なら回復魔法使えばすぐ治るからさ」

盗賊「……親分ですか?」

王子「そうだね……」

盗賊「……申し訳ありません!」

王子「ん?何で盗賊たんが謝るの?」

盗賊「こんな事に……」

王子「気にしないでよ。私が望んでやった事だからさ」

盗賊「ですが……」

王子「ふふふ……それに向こうも同じだしね」

盗賊「………」

王子「しかしな……拳で語り合うって言う物は思った程ロマンチックなものじゃ無いんだね……」

盗賊「………」

王子「身体中痛いよ……ははは」

盗賊「王……」スッ…

王子「うあ!抱き付かなくていいから!胸を顔に押し当てなくていいから!」

盗賊「……ありがとうございます」

王子「……いいよ。これで私もちょっとはスッキリしたから」

盗賊「……うぅ」

王子「また……泣かないでよ」

盗賊「………」

王子「………」

盗賊「もう少し……このままで宜しいでしょうか……」

王子「よ、宜しいよ」

盗賊「………」

王子「?」

盗賊「こうしてると……ちょっと……嬉しく……」

王子「………」

盗賊「………」

王子「………」ソー

盗賊「触ったらこのまま首の骨へし折りますから……」

王子「えぇぇ……」

ーサマンオサ、城内

コンコン

魔法使い「戦士さん、入りますね」

カチャ

戦士「………」

魔法使い「行って!?……そのお顔どうしたんですかッ!」

戦士「大した事じゃねえよ。って言うかまだいたのか」

魔法使い「大した事って……今、回復魔法使いますから!」

戦士「帰って来てからでいい」

魔法使い「ですが……」

戦士「いいって。ちょっとこの痛みを味わっておかないとな」

魔法使い「………」

戦士「早く女海賊の所へ行ってこいよ」

魔法使い「わかりました……では、行って参ります」

戦士「ああ、気を付けてな」



僧侶「………」ジー

メイド「………」

僧侶「………」ジー

メイド「……あの、何か御用でも?」

僧侶「いえ!さっきからあっちこっち掃除して大変ですね!」

メイド「そんな事はありませんよ。私の仕事ですから」

僧侶「そうですか!」

メイド「はい」

僧侶「………」ジー

メイド「………」

僧侶「………」ジー

メイド「……まだ何か?」

僧侶「いえ!その背中に背負ってる杖が気になって!」

メイド「これで御座いますか?これは……大切な物ですので肌身離さず持っていたいのですよ」

僧侶「なるほど!」

メイド「はい」

僧侶「………」ジー

メイド「……あの」

僧侶「なんですか!」

メイド「そのように見られていては仕事に支障をきたしてしまいますので……」

僧侶「ごめんなさい!邪魔ですよね!失礼しました!」

タタタッ

メイド「………」

侍女「メイドちゃんどうしたの?」

メイド「いえ…この城でお見かけしない方に声をかけられまして」

侍女「さっきの女の子?」

メイド「はい」

侍女「あの子ねロマリアの勇者なんだって。私達より若いのに凄いよねぇ」

メイド「そうなんですか……」

侍女「もちろん!メイドちゃんも凄いよ!」

メイド「……何が凄いのでしょうか?」

侍女「だって……まだこのお城来てからあんまり経ってないのに……私より仕事出来るし……」

メイド「そのような事は……」

侍女「……全然仕事が回って来なくて……いつリストラされるか……」

メイド「………」

侍女「ああ……再就職難しいだろうなぁ……思いっきって遊び人にでもなっちゃおうかな……」

メイド「あ、あの……ごめんなさい」

侍女「え?ああ、気にしないで!」

メイド「………」

侍女「……そうだ、メイドちゃんの事をエロ玉子が呼んでたよ」

メイド「何方でしょうかそれ……」

侍女「王子よ王子!」

メイド「なるほど……わかりました」

侍女「じゃあ伝えたからね」

ーサマンオサ、城内、王室

王子「………」

戦士「………」

武道家「……何があったんですか?」

戦士「何でもねえよ」

武道家「でも、二人揃って顔腫らして……」

王子「男同士の語らいってやつだよ。気にしなくていい」

武道家「はあ?」

王子「それはそうと同士よ、僧侶は?」

武道家「それが……探したんですけど見つからなくって……」

王子「……何をやってるんだ僧侶は」

戦士「盗賊は?」

王子「……私のワイフになる予定の人を呼び捨てにするな!」

戦士「……盗賊は?」

王子「お前……まだ語り足りないようだな」

戦士「名前ぐらいいいだろうが……」

王子「良くない!」

武道家「ちょっと二人とも……」

バタンッ

盗賊「お待たせしました」

僧侶「………」

武道家「あれ?僧侶さんどこにいたんですか?探したんですよ」

盗賊「……給仕室にいましたよ」

王子「何故そんな所にいたんだ……」

僧侶「折角お菓子をご馳走になっていたのに……呼び出すなんて酷いですよ!」

王子「………」



王子「城内をあまりうろうろするんしゃない!……で、魔法使いさんは?」

盗賊「それが……見当たらず……」

王子「部屋にいなかったの?」

戦士「魔法使いなら出掛けたぞ」

王子「は?」

武道家「盗賊さん達が同船していいか許可を取りに……」

王子「……安静にしとけって言ったのに!何故君達はこうも行動がバラバラなんだ!」

戦士「しょうがねえだろ暇なんだから」

王子「暇だからだと言ってな!」

武道家「事前に仰ってくれたらちゃんと待ってますよ」

僧侶「そうですよ!玉子様が悪いんですよ!」

戦士「その通りだな。王が悪い!」

盗賊「何故言わなかったんですか……」

王子「………」



王子「じゃあ…一応集まったし連れてくるから……」

僧侶「誰をですか!」

王子「サマンオサの勇者一行だよ」

武道家「呼んだらいいのでは……」

王子「駄目!盗賊たん行くよ!」

盗賊「……ぇぇぇ」

王子「来ないと……サマンオサ勇者一行魔王討伐遠征パレード……やるよ?」

盗賊「行きますから……それだけは本気でやめてください……」

王子「じゃあ早く!」

盗賊「………」

バタンッ

戦士「何が始まるんだ?」

武道家「さぁ…?」



王子「サマンオサの勇者一行を連れて来たよ」

僧侶「サマンオサの勇者一行?」

王子「勇者担当の盗賊たん」

盗賊「……う、うっすよろしく」

戦士、武道家「………」

王子「勇者のお供担当の武闘家さん」

武闘家「このような戯れ言せねばならんのか?」

王子「ならんのよ。だから言って」

武闘家「がんばりますよろしく」

王子「お供のお供担当メイドちゃん」

メイド「よっすどうも」

戦士「……もう色々言う事があり過ぎるな」

武道家「ええ……」



僧侶「ああ!さっきの!」

メイド「メイドと申します。よろしくお願いしますね僧侶様」

僧侶「よろしくお願いします!」

武闘家「なんじゃメイド、其奴を知っておるのか?」

メイド「ええ、先程少しお話を致しました武闘家様」

武闘家「ほう……」

僧侶「………」

武闘家「……なんだ?」

僧侶「強いんですか!」

武闘家「それなりにはの……ふふふ」

王子「へえ……」

武闘家「………」

僧侶「?」



戦士「……あの武闘家って女……デカイな」

武道家「ええ……本当に……」

戦士「………」

武道家「………」

戦士「お前……どこ見てんだよ……」

武道家「え!?」

戦士「俺が言ってるのは身長の事だぞ?」

武道家「……わ、私だって!」

戦士「嘘付け……」

武道家「………」

戦士「お前ヤバいんじゃないか?」

武道家「……何がですか?」

戦士「伝令とかそっち系の奴等と似てきてるぞ?」

武道家「ッ!」



戦士「なぁ盗賊、あのメイドってのはなんだ?戦えるのか?」

盗賊「……あの方は戦えないですね」

戦士「そんな奴連れて行くのか!」

盗賊「……はい」

武道家「あのメイドさんも何か問題がある方何ですか?」

盗賊「そうですね……」

戦士「………」

盗賊「すいません……」

戦士「何故謝る?」

盗賊「………」

武道家「?」

盗賊「その内……訳は話しますんで今は穏便にお願いします……」

戦士「別にどうこうするって訳じゃねえから安心しろ」

盗賊「はい……」



武闘家「………」

戦士「な、何か用か?」

武闘家「……御主が盗賊と同じ勇者なのだろ?」

戦士「……違う」

武闘家「嘘を申すな。この中でそれらしいのは御主しかおるまい」

盗賊「武闘家さん……もう一人の勇者は向こうですから」

……「武道家さん!」

武闘家「………」

戦士「………」

盗賊「………」

武闘家「あのようなぺーぺー娘が勇者だとは……世も末よの……」

盗賊「ぺーぺー娘って……」



王子「はぁい!私から大事な話がこっち集まってぇ!」

戦士「普通に言えよ……」

王子「さて、若干一名いないけどロマリアとサマンオサの勇者一行が揃った訳だけど……」

王子「……グリンラッドへ言った後の話をしようか」

武道家「後の話ですか?」

王子「この後どこに行ったらいいかわかりませんじゃ困るだろ?」

武道家「そうですね……」

王子「魔王はネクロゴンドと言われる場所に城を構えているのは知ってるよね?」

僧侶「はい!」

王子「その城へ入るには陸路は無いんだ」

戦士「………」

王子「だから空からしか無いんだけど……それをどうするか。はい、僧侶どうする?」

僧侶「地下から行きます!」

王子「うん……聞いた私がバカだったね」

武道家「まさかラーミアですか?」

王子「知ってるの?」

戦士「ロマリアの将軍に復活させろとは言われてるな」

王子「なるほど。流石だね将軍は。そのラーミアに乗って行ってもらうんだけど……」

武道家「ちょっと待ってもらえますか。ラーミアって人が乗れるほど大きいんですか?」

王子「……文献を調べた限りならかなりの大きさみたいだよ」

戦士「確かじゃねえのか……」

王子「それは仕方無いだろ……見た事がある人間なんていないんだから」

武道家「もし駄目ならどうするんですか……」

王子「その時は改めて考えるから。話続けるよ」

王子「そのラーミアを復活させるにはオーブと言う物が必要なんだけど……」

盗賊「………」

王子「どうしても1つしか場所がわからないんだ」

武道家「それ

戦士「武道家……」

武道家「?」

王子「何か知ってる?」

戦士「いや、続けてくれ」

王子「……ネクロゴンドの奥にある祠に大臣様って方がいるんだけどね」

僧侶「………」

王子「その人が持っているらしい」

戦士「じゃあその大臣って人に会いに行けばいいのか?」

王子「そうだね。……出来たら他のオーブも探してよ」

ーサマンオサ付近、大空洞

女海賊「……はぁ」

子分「お頭、また溜め息ですか……そんなに魔法使いさんが気になるんですか?」

女海賊「そうだよ……お前には理由……わかるだろ?」

子分「まぁ……」

女海賊「じゃあ、ほっといてくれ」

子分「………」

女海賊「……はぁ」

子分 (あれじゃまるで恋する乙女みたいですよ……)

女海賊「……なぁ子分」

子分「何でしょう?」

女海賊「やっぱりいい……」

子分「………」

コツコツ

女海賊「……ん?」

子分「お頭」

女海賊「わかってるさ……誰か入ってきたねぇ。あいつらか?……取り合えず隠れるよ」

子分「へい……」

コツコツ

女海賊「………」

子分「………」

コツ…

女海賊「………」

……「女海賊さぁーん!」

女海賊「え?」

子分「お頭、魔法使いさんですよ!」

女海賊「なんで!?あいつがいるんだい!」



女海賊「………」

魔法使い「ご心配お掛けしました……」

女海賊「………」

魔法使い「……どうかしましたか?」

女海賊「………」ジワ

魔法使い「え?」

女海賊「うっうぅ魔法使いぃぃっ!」

ガバッ

魔法使い「え?え?」

女海賊「良かったねぇ良かったぁぁ治って良かったねぇぇ…ぅぁぅ」

魔法使い「女海賊さん……」

女海賊「私ぃ魔法使いが死んじゃうじゃないかっでぇぇ」

魔法使い「大丈夫ですよ女海賊さん……」

女海賊「心配したよおぉぉぅ……えぐっ」



子分「……お頭寝かせて来ましたよ」

魔法使い「はい……驚きました、泣いていたら急に倒れて寝てしまうんですから……」

子分「お頭……魔法使いさんが体調崩してからあまり寝てなかったようなので……」

魔法使い「そうなんですか……」

子分「きっと緊張の箍が外れてしまったんでしょうね」

魔法使い「……女海賊さん」

子分「………」

魔法使い「こんなに心配頂いて何か申し訳無いです……」

子分「………」

魔法使い「あの……」

子分「気になりますか?」

魔法使い「そうですね……」

子分「お頭……同年代の女性と一緒に過ごす事なんてありませんでしたからね……」

魔法使い「………」

子分「それに……女性で対等って言うか気軽に出来る相手なんてあまりいませんでしたから」

魔法使い「海賊の村に……そう言う方はいなかったんですか?」

子分「いましたけど……歳上ばかりですからね」

魔法使い「そうですか……」

子分「だから嬉しかったんだと思いますよ。海賊のお頭って立場上……表には出せないでしょうけど」

魔法使い「………」

子分「時々、お頭の船室で魔法教えてたりしますよね?」

魔法使い「はい……子分さん知っていたんですね」

子分「まぁ、お頭の子分ですから……そのぐらいは」

魔法使い「いけなかったでしょうか……?」

子分「いえ……その話をするお頭は本当嬉しそうな顔するんですよ」

魔法使い「………」

子分「友達……そう言うのが欲しかったんじゃないかと」

魔法使い「そうなんですか……」

子分「………」

魔法使い「それであれほど心配してくださったんですね……」

子分「……お願いがあります」

魔法使い「はい?」

子分「子分の自分が言うのもおこがましいんですが……どうかお頭と……」

魔法使い「大丈夫ですよ子分さん」

子分「………」

魔法使い「私だけじゃなく、戦士さんも武道家さんも僧侶さんも同じ思いですから」

子分「そうですか……ありがとうございます……」

ーサマンオサ、城内、夜

僧侶「さっきのどこかの三銃士みたいだったね!」

盗賊「何ですかそれ……」

僧侶「じゃあ!行こうか!」

盗賊「本当に行くんですか?」

僧侶「本当だよ!」

盗賊「わかりました……」

僧侶「あれ?玉子様に言ってこなくていいの?」

盗賊「いいです。着いていくなんて言われても困るんで」

僧侶「言いそう……」

盗賊「ですよね……」

僧侶「じゃあ!見付からないうちに!」

盗賊「はい」

ーサマンオサ、場内、王室

王子「………」

王子「……オーブの事……絶対知ってるよなぁ……」

王子「しかも何個か持ってるんじゃないか?」

王子「オーブを先に集めて……馬鹿野郎を出し抜こうかと思ってたのに……」

王子「ん……同士に聞いてみようかな」

王子「んんん?……あの二人……こんな時間にどこいくんだ?」

王子「………」

王子「着いて行ってみるか……」ニヤリ

・サマンオサ、場内

メイド「失礼いたします」

戦士「何か用か?」

メイド「挨拶がまだでしたので……それに武闘家様の事も宜しくと、お伺いしました」

戦士「はぁ……」

武道家 (メイドさん……かぁ……)

メイド「メイドと申します。宜しくお願いします戦士様」

戦士「やめてくれよ……様なんて付けなくていいよ」

メイド「いけません。王子様にも言われていますので」

戦士「……そうかい。まぁ、よろしくな」

武道家 (戦士さん勿体ない事言うなぁ……メイドさんに様付けて言ってもらうなんて最高……)

メイド「………」

武道家 (きたぁぁ!)

メイド「……チッ。ヨロシク」

武道家「え?」

メイド「………」

武道家「………」

メイド「どうした?武道家」

武道家「い、いえ……」

メイド「お前……何期待してんだよ」

武道家「………」

メイド「女みたいな顔して……」

武道家「………」

メイド「なんだ?お前も様付けて呼んで欲しいのか?なぁ?」

武道家「………」

戦士「………」



メイド「泣きながら出て行かれてしまいましたが……」

戦士「お前のせいだろ……」

メイド「何か失礼な事がありましたでしょうか?」

戦士「あんな挨拶されたらな……」

メイド「え?」

戦士「何だ?」

メイド「僧侶様に……あのような挨拶をしなければ機嫌を損なわれてしまうと伺っていましたので……」

戦士「なるほど……鬼だな嬢ちゃん……」

メイド「………」

戦士「あんたのせいじゃないのはわかったから気にしないでいいぞ」

メイド「そうでしょうか?」

戦士「ああ」

ーサマンオサ付近

盗賊「………」

僧侶「どうしたの?」

盗賊「……つけられてますね」

僧侶「やっぱり……」

盗賊「わかるんですか?」

僧侶「全然……」

盗賊「………」

僧侶「殴っとく?」

盗賊「相手がわからないのでやめておきましょう」

僧侶「……残念」

盗賊「……あそこの草むらで行ったら隠れましょうか」

僧侶「了解」



僧侶、盗賊「………」

……「……?」

盗賊「……気配しかしませんね」

……「……ん」

僧侶「………」

……「おかしいな……」

盗賊「……はぁ……王か……」

僧侶「なんで玉子様いるの?」

盗賊「多分どこかで見られていたかと……」

僧侶「なるほど……でも声しかしないね」

盗賊「そうですね……」

僧侶「殴っとく?」

盗賊「いえ、面倒なのでこのまま行きましょう」

僧侶「アイアイサー」

ーサマンオサ付近、大空洞

魔法使い「しかし……このような洞窟……良く見付けましたね」

子分「先代のお頭が見付けたみたいですよ」

魔法使い「先代と言うと……女海賊のお父様ですか?」

子分「そうみたいですね。自分は会った事はありませんが」

魔法使い「なるほど……」

コツコツ…

子分「またお客さんみたいですね……」

魔法使い「え?」

子分「魔法使いさん隠れましょう……」

魔法使い「は、はい」

コツコツ…

子分、魔法使い「………」

コツ…

子分「………」

僧侶「小石を……そこねッ!」

バシュッ!

魔法使い「痛ッ!ぅあっっ!」

僧侶「ま、魔法使いさん!」

子分「大丈夫ですか!……勇者さん何を……」

僧侶「何となくこう言う時って何か投げるじゃないですか……だから……」

子分「投げませんよ……」

僧侶「大丈夫ですか……魔法使いさん?」

魔法使い「うぐぅ……何とか……」



僧侶「魔法使いさん、ごめんなさい……」

魔法使い「……いいですよ。フフフ……」

僧侶 (ヤバい……目が超怒ってる……)

盗賊「……すいません、この船の親分さんにお会いしたいのですが」

子分「……お頭の事ですか、あなたは?」

盗賊「サマンオサの勇者をさせて頂いています盗賊と言う者です。以後お見知り置きを」

子分「はぁ……これはご丁寧にどうも」

盗賊「親分さんは?」

子分「少々お待ちを……」

盗賊「………」

魔法使い「……お二人共どうしてここに来たんですか?」

盗賊「ご挨拶をしに」

僧侶「暇なので遊びに……後、おっぱいの秘密を探りに!」

魔法使い「挨拶ですか……今は女海賊さん、お休みになられているんですよ」

盗賊「そうなんですか」

僧侶「………」

魔法使い「でも、盗賊さんが来て良かったかもしれませんね」

盗賊「そうですか?」

魔法使い「実際に乗せる人を見て頂いた方がいいと思うんですよ」

盗賊「なるほど」

僧侶「無視はやめてください……」

ーサマンオサ、城内、踊場

武道家「……心が寒いとはこの事でしょうか」

武道家「別に期待なんて……してましたけど……」

武道家「なんか生きてるの辛いなぁ……」

コツ…

メイド「………」

武道家「……あぁぁ何でしょうか?」

メイド「戦士様から、こうなされると良いと伺いましたので」

武道家「?」

ダキッ

武道家「え?」

メイド「先程は申し訳ありませんでした武道家様」

武道家「………」

メイド「いかがなさいましたか?」

武道家「ちょっと離れて貰えますか?」

メイド「はい」

武道家「……?」

メイド「………」

武道家「あああの!その……服を……脱いで貰えますか?」

メイド「かしこまりました」

ヌギッ

武道家「や、やっぱりいいです!いいですよ!」

メイド「そうでございますか」

武道家「………」

メイド「………」

武道家「自分の部屋とかに戻っていいですので……」

メイド「…かしこまりました」

武道家 (な、なるほど……これは問題ありですね……)

ーサマンオサ付近、大空洞

女海賊「あんたかい?サマンオサの勇者って言うのは」

子分「お頭……泣いた跡取れてないですよ……」

女海賊「ッ!」ゴシゴシ

盗賊「……そうです。盗賊と申します」

女海賊「……で?サマンオサの勇者が私に用かい?」

盗賊「はい、これから先……私達も同船をお許し願えないでしょうか?」

女海賊「………」

盗賊「………」

魔法使い「女海賊さん……」

女海賊「悪いが黙っててくれるかい」

盗賊「駄目でしょうか親分さん」

女海賊「……こいつらにも言った事があるがね、私に得が無い」

盗賊「得……見返りですかね……」

女海賊「ああ。こっちは善意だけでやってんじゃないんだ。当たり前だろ?」

盗賊「そうですね……」

僧侶「得……得……もうサマンオサでは捕まらないじゃ駄目ですか!」

女海賊「なんだいそれは……」

僧侶「玉子……王様と約束したんですよ!女海賊さんを捕まえないようにって!」

女海賊「へぇ……でもね、それは口約束だろ?……偉い奴との口約束なんざ信じられないね」

僧侶「………」

女海賊「娘……お前の事は信じてるから安心しな。その王様ってのが信じられないんだ」

僧侶「そうですか……」

盗賊「これは……出直しですかね……」

王子「待ちたまえ!」

僧侶「ごめんね盗賊ちゃん……力になれなくて……」

盗賊「いえ……なんとなくはわかってたんですがね……」

王子「………」

女海賊「……ほっておいていいのか?」

僧侶「何か方法があるといいんだけど……」

盗賊「そうですね……」

僧侶「また……玉子様を脅しちゃおっか……」

盗賊「その手は使ってしまっているので無駄でしょうね……」

僧侶「そっかぁ……じゃあ武道家さん使う?」

盗賊「……いい加減あの方に恨まれますよ」

王子「………」



女海賊「誰だこいつは……」

僧侶、盗賊「………」

魔法使い「サマンオサの……王様です……」

王子「王様です」

女海賊「………」

魔法使い「本当ですよ……」

女海賊「……へぇ。子分!」

子分「………」チャキ

王子「話も聞かずにそんな物構えるの?」

女海賊「保険さ。いつ兵士が雪崩れ込んでくるかわからないからねぇ」

王子「ふぅん……」

盗賊「それは……大丈夫かと……」

女海賊「信じろって?」

盗賊「………」

王子「しかしあれだね」

女海賊「なんだ?」

王子「まさか海賊が女だったとはね」

女海賊「女の私が海賊だなんておかしいかい?」

王子「いえいえ」

女海賊「……ふん」

王子「あのさ……盗賊たん達も一緒に乗せてあげてよ」

女海賊「……嫌だね」

王子「なんでさ?」

女海賊「お前が信用出来ない」

王子「さっきの話聞いてたけど……捕まえないってのは本当だよ」

女海賊「どうだか」

王子「ん……困ったね」

盗賊「………」

女海賊「ならこうしようじゃないか。捕まえないってのと、私と海賊一味の罪状を全て取り下げるってのはどうだい?」

王子「出来る訳無いだろ……」

女海賊「そうかい。なら諦めるんだね」

王子「………」

盗賊「王……」

王子「……仕方無い……それやってあげるよ……」

女海賊「は?」

王子「何?」

女海賊「出来ないって言ったじゃないか!」

王子「私も善意だけでやらないからね」ニヤリ

女海賊「………」

王子「だから条件付きだよ?盗賊たん達を同船させるのと……」

女海賊「……と?」

王子「そうだなぁ……」

女海賊「金なら無いよ」

王子「いらないよ……うーん」

子分「お頭……いいんですか?」

女海賊「……これが通れば自由に動き回れるんだよ?それにちゃんと書面に書かせるさ。二人の勇者の署名付きでね」

子分「でも、船に乗せたく無いんじゃ……」

女海賊「そんなのどっちだって良かったのさ」

子分「え?」

女海賊「タダで乗せるのが嫌だっただけだからねぇ」

子分「はあ……」

女海賊「それに……いや、いいかこれは」

子分「なんですか?」

女海賊「何でも無いよ」

子分「………」

王子「どうしようかなぁ……」

盗賊「王……いいんですか?」

王子「なにが?」

盗賊「あんな約束して……」

王子「大丈夫大丈夫!それに損はしてないから」

盗賊「どう言う事です?」

王子「盗賊たん達の為に色々準備すると結構かかっちゃうんだよね……」

盗賊「はあ……?」

王子「特に船とか。……どこかの国みたいに小銭渡して後は自力でなんて嫌だろ?」

盗賊「そうですね……」

王子「同船させて貰えるならありがたい話なんだよ。まあ……それが海賊船なんだけど」

盗賊「なら、あの条件を出来ないとか言わず飲んであげれば良かったのでは?」

王子「だから善意だけでやらないって言ったろ?……ふふふ」

盗賊「………」

王子「な、何?怖い顔して……」

盗賊「……あの親分さんの身体をとか言ったら張っ倒しますからね」

王子「………」

盗賊「………」

王子「……これっぽっちも考えた事無いよ?」

盗賊「へぇ……」

王子「本当だよ?」

盗賊「はぁ……」

王子「そんな溜め息つかれても……」

盗賊「……後の条件ってどうするんですか?」

王子「それがね……もう色々ありすぎて困ってるんだよね」



王子「決まったよ!」

女海賊「えらく長考だったねぇ」

王子「まあね。いやぁ悩んだ悩んだ」

女海賊「で?条件ってのはなんだい?」

王子「……女海賊の恥ずかしい秘密を知りたいな!」

女海賊、子分、盗賊「………」

王子「何?」

女海賊「言う訳無いだろ……」

王子「……そう。なら秘密兵器を使わざるを得ない!」

女海賊「秘密兵器……?」

王子「何だと思う?」

女海賊「………娘、こっち来なッ!」

僧侶「はい?」

王子「おっと!」

ガシッ!

僧侶「痛い!頭掴まないでください玉子様!」

王子「いいから!いいから!」

女海賊「ッ!!」

王子「ふふふ……」

女海賊「……お前ッ!」

王子「やっぱりね。僧侶が女海賊の事で私に殴りかかろうとした事があってね……クククッ」

女海賊「娘……そんな事したのかい?」

僧侶「だって……玉子様が女海賊さんを捕まえるって言うんですよ!だから……」

女海賊「……そうかい」

僧侶「私、女海賊さんに捕まってほしく無かったんです!女海賊さんいい人だし……」

女海賊「………」

王子「……あの」

僧侶「こんな事になるんだったら本気で殴ってれば良かった……」

女海賊「娘……私の為に……」

僧侶「女海賊さん!」

女海賊「娘!」

王子「………」

盗賊「……魔法使いさん……なんですかあれは……」ヒソヒソ

魔法使い「多分……話をあやふやにする為のお芝居かと……」ヒソヒソ

僧侶、女海賊「………」

王子「……誤魔化されないよ?」

僧侶、女海賊「……チッ!」

王子「さあ、僧侶!女海賊の恥ずかしい秘密を話すんだ!」

僧侶「……そんな事言われてもわかりませんよ!」

王子「何かあるだろ?ほら、背中にスカイドラゴンの刺青があるとか!」

女海賊「一番危ないのに……その娘に教える訳無いだろ……」

ーサマンオサ付近

魔法使い「……取り合えず乗れる事になって良かったですね盗賊さん」

盗賊「……ええ」

王子「………」ブスー

盗賊「王……機嫌直してください」

王子「面白くないね!」ブスー

僧侶「そんなに知りたいなら魔法使いさんに聞けばよかったじゃないですか!」

魔法使い「ちょっと僧侶さん!」

王子「……そうなんだ。見誤ったな……」

魔法使い「言いませんよ?」

王子「………」ブスー

盗賊「王……いい加減に諦めてください」

ーサマンオサ、城門付近

王子「では、私はここで……」

盗賊「そう言えば……城からどうやって出たんですかね?」

王子「はぁ……盗賊たん、私の得意な事は何?」

僧侶「下ネタ!」

王子「……それもだけどさ」

盗賊「否定してください……魔法ですか」

王子「そう、魔法使って出たの」

魔法使い「そんな魔法あるのですか?」

王子「あるよ。姿を消す魔法だね」

盗賊、僧侶「………」

王子「あのね……いくら私でもそんな紳士的で無い事はしないよ?」

盗賊「なら覗き穴は紳士的だとでも言うんですか……」

王子「………」

魔法使い「覗き穴?」

僧侶「お風呂場に玉子様専用の覗き穴があるんですよ!」

魔法使い「………」

王子「そんな軽蔑した目で見ないでくれ……」

盗賊「魔法使いさん、もう覗かれる心配はありませんので安心してください」

魔法使い「……そうなんですか?」

盗賊「はい。……ですよね?王」

王子「うん……」

僧侶「………」

ーサマンオサ付近、朝、大空洞

魔法使い「あの方達が……盗賊さんのお仲間何ですか?」

武道家「そうですよ」

魔法使い「………」

武道家「どうしました?」

魔法使い「……あまり近寄りたくない感じですね」

武道家「どうしてですか?ちょっと問題はありますけど……それ以外は普通じゃないですか?」

魔法使い「………」

武道家「?」

戦士「そろそろ出るってよ」

武道家「わかりました」

魔法使い「……はい」



盗賊「あ、足が……」

僧侶「どうしたの?大丈夫?」

盗賊「大丈夫です……」

僧侶「………?」

盗賊 (本当に4回やられるとは思わなかった……)

僧侶「昨日はお楽しみでしたね!」

盗賊「ッ!ななななにを!」

僧侶「え?」

盗賊「……?」

僧侶「何でそんなに慌ててるの?」

盗賊「……意味わかって言いましたか?」

僧侶「何となくノリで!」

盗賊「そうですか……」



女海賊「あんた達かい?あの盗賊とか言う勇者の仲間は」

メイド「はい。私、メイドと申します。こちらは武闘家様でございます」

武闘家「……宜しく頼む」

メイド「宜しくお願いいたします」

女海賊「………」

メイド「いかがなさいましたか?」

女海賊「いや……何でも無い」

メイド「そうでございますか」

女海賊 (何だろうねぇ……雰囲気?気配?……ん……何かおかしい)

武闘家「………」

ーサマンオサ付近、船上

戦士「なぁ女海賊」

女海賊「なんだい?」

戦士「寝床足りるのか?」

女海賊「野郎どもは今日から甲板で寝な」

戦士「……冗談だろ?」

女海賊「仕方無いだろ足りないんだから」

戦士「………」

女海賊「それにお前達はあいつらを乗せる事に反対しなかったんだろ?」

戦士「そうだけどさ……」

女海賊「じゃあ我慢しな」

魔法使い「何かありましたか?」

戦士「………」

女海賊「男共の寝床は魔法使いの足下だよって言っただけさ」

魔法使い「え?ここですか?」



魔法使い「なら女海賊さんと僧侶さん、私で一部屋使えばいいのでは?」

戦士「そうだぜ!それなら一部屋空くな!」

女海賊「それもそうだねぇ……私と魔法使いはベットで寝ればいいし……」

戦士「………」

魔法使い「またそう言う誤解される事を!」

戦士「魔法使い、そんな慌てなくていいぞ?」

魔法使い「え?」

戦士「わかってるから大丈夫だ」

魔法使い「そうですか?」

女海賊「何だい……つまらないねぇ……」

戦士「仲間の趣味にまで口を挟む程野暮じゃねえよ」

魔法使い「違いますから!」

戦士「いいからいいから。な?」

魔法使い「な?じゃ無いですよ!」



魔法使い「はぁ……」

武道家「溜め息なんてついてどうしたんですか?」

魔法使い「ちょっと……」

武道家「?」

メイド「お二人様、少し宜しいでしょうか?」

武道家「……よ、宜しいですよ」

魔法使い「………」

メイド「王様より御手紙を預かっておりましたので、お渡しいたします」

武道家「手紙ですか……」

メイド「こちらが武道家様、魔法使い様宛になっております」

武道家「はあ……どうも」

メイド「では、失礼致します」

武道家「魔法使いさんこれ……」

魔法使い「はい……」

武道家、魔法使い「………」

武道家「いやいや!将軍様では無いので大丈夫ですよ!」

魔法使い「そ、そうですよね!」

武道家「……私の分はあまり読みたく無いですけど」

魔法使い「何故です?」

武道家「……王様に気に入られて」

魔法使い「なるほど。親近感を感じた訳ですね……」

武道家「……え?」

魔法使い「武道家さん……気を付けた方がいいですよ?」

武道家「………」



僧侶「お願いがあるんですけど!」

女海賊「嫌だね!」

僧侶「………」

女海賊「ろくな頼みじゃないんだろ?」

僧侶「違いますよ!あのですね……ロマリアで下ろしてください!」

女海賊「……何で?」

僧侶「大事な用事があるんです!」

女海賊「………」

僧侶「お願いします……これだけは本当にお願いしたいです……」

女海賊「今回は真面目な頼みみたいだね」

僧侶「いつも真面目ですよ!」

女海賊「へぇ……私は構わないが、他の連中に聞いてごらんよ」



魔法使い「皆さん、反対はありませんでしたが……」

武道家「一緒に行動するには多いかもしれませんね」

戦士「嬢ちゃん、何でロマリア行きてえんだ?」

僧侶「テドンで会った人が……」



僧侶「と言うお話だったのさ……」

戦士「間違い無いのか?」

僧侶「……確かじゃ無いんですけど」

武道家「………」

僧侶「でも!将軍さんに言わないといけないと思うんですよ!」

戦士「そうだな……」

魔法使い「確認はした方がいいかもしれませんね。もし息子さんなら……」

僧侶「はい……」

盗賊「ロマリア……行くんですか?」

戦士「なんか問題あるのか?」

盗賊「そうでは無いんですが……良かったら二手に別れませんか?」

戦士「そうだな……でも……」

女海賊「………」

魔法使い「女海賊さんなら大丈夫ですよ……ね?」

女海賊「……はぁ、しょうが無いねぇ」

盗賊「……私達の事ですよね?すいません……」

女海賊「必要な事なんだろ?」

盗賊「はい……」

女海賊「なら仕方無いさ。気にしなくていい」



戦士「なら振り分けはどうする?」

魔法使い「そうですね……私は僧侶さんに着いて行こうと思います」

戦士「じゃあ俺も……」

女海賊「馬鹿かい。お前はこっちだよ!」

戦士「何でだよ……」

女海賊「こっちは二人で戦えって言うのかい?」

戦士「武道家は?」

僧侶「私は武道家さんと一緒じゃなきゃ嫌ですから駄目ですよ!」

武道家「え?」

戦士「へぇ……」

魔法使い「で、では私、僧侶さん、武道家さんがロマリアですね」

盗賊「こちらは私、親分、武闘家さんですかね」

戦士「なぁ盗賊」

盗賊「何でしょう?」

戦士「あの二人には言わなくていいのか?」

盗賊「行き先とかそう言う物は一任されてますので」

戦士「ふぅん……」

武道家「………」

魔法使い「……武道家さん?」

武道家「………」

僧侶「?」

ーポルトガ付近、船上

女海賊「待ち合わせ場所はどうするんだい?」

魔法使い「ロマリアでいいのでは?」

女海賊「私は構わないが、あんた達はこっちの用事が終わるまで待ってるのかい?」

魔法使い「……私にも行かないといけない所がありますので」

女海賊「………」

魔法使い「………」

女海賊「それであの病気みたいなのが解決するんだろ?」

魔法使い「正直わかりません……」

女海賊「そうかい……」

魔法使い「そんな心配そうな顔しないでください」

女海賊「でもね……」

魔法使い「多分……大丈夫ですよ」

女海賊「………」



武道家「ついに来ましたか……」

武道家「一緒じゃなきゃ嫌……なんて……」

武道家「……ふふふ……ふふ」

戦士「ブツブツうるせえよ!」

武道家「戦士さん……ついに来たんですよッ!」

戦士「……何が?」

武道家「春がッ!」

戦士「ああ……嬢ちゃんの……」

武道家「参っちゃうなぁ……」

戦士「あんまり期待しない方がいいんじゃねえか?」

武道家「何でですかッ!」

戦士「……嬢ちゃんだからだ」

武道家「何言ってるんですか!これはもう間違い無くアレですよ!」

戦士「だといいがな……」



盗賊「この前のアレ……僧侶さんやるじゃないですか」

僧侶「なんの事?」

盗賊「一緒じゃなきゃ嫌だなんて……」

僧侶「ああ!あれはカザーブにも行こうかなって!」

盗賊「……どう言う事です?」

僧侶「前に亡霊さんと戦ったて言ったよね?」

盗賊「……確かに言ってましたが」

僧侶「あれね、武道家さんに亡霊さんが乗り移って戦ってたの」

盗賊「………」

僧侶「だから一緒じゃないと困るなぁって!」

盗賊「なるほど……」

ーポルトガ付近、船内

女海賊「………」プカー

コンコン

女海賊「開いてるよ……」

カチャ

メイド「失礼します」

女海賊「……何か用かい?」

メイド「あの……御用はございませんか?」

女海賊「はあ?」

メイド「何かしていないと……落ち着かなくて……」

女海賊「……なら、掃除でもしてればいいだろ」

メイド「かしこまりました。では、失礼します」

カチャ

女海賊「……何なんだいあれは」



女海賊「………」プカー

バタンッ!

子分「お頭ぁぁあ!」

女海賊「なんだ!騒々しい!」

子分「うぅ……あのメイドとかって言うのが自分の仕事取るんですぅぅ……」

女海賊「………」

子分「何とかしてくださいよぉぉ!」

女海賊「お前……そんな事で……」

子分「お願いしますよぉぁ!」

女海賊「情けないねぇ……ったく」

子分「うぅ……」

女海賊「……でも、ここらで一発ガツンと言っておいた方がいいかもしれないねぇ」

子分「お頭……」

女海賊「お前の為じゃ無いよ。勇者一行だからってデカイ顔されるのも嫌だろ?」



女海賊、子分「………」

ピカーン!

メイド「どう致しましたでしょうか?」

女海賊「いや……何でもない」

子分「ち、ちょっとお頭!ガツンと言うんじゃ……」

女海賊「お前より掃除の腕は上なのに言えるかい?」

子分「それは……」

女海賊「メイドって言ったか……お前やるじゃないか」

メイド「これが仕事ですから」

女海賊「へぇ……」

メイド「各部屋の掃除、整頓。調理場の清掃、整理は終わっていますので、ここが終わりましたら後程女海賊様のお部屋へお伺い致しますので」

女海賊「………」

メイド「いかがなさいましたか?」

女海賊「お前……」

子分 (お?余計な事をッ!って怒るかな?よし!)

メイド「………」

女海賊「この船の船員にならないかッ!」

メイド「え?」

女海賊「いやぁ凄いねぇ。どこぞのボンクラより使えるじゃないか!」

メイド「………」

女海賊「な?頼むよぉ」

メイド「そう言われましても……」

子分「………」

女海賊「旅が終わってからでいいからさぁ」

子分「お頭……」



武道家「………」

武道家「これ……読まないといけませんよね……」

武道家「絶対とんでも無い事書いてあると思うんですが……」

ガサガサ

武道家「『ハロー同士。その後、僧侶とうまくやってるかな?』」

武道家「『こちらはうまくいきました』」

武道家「ん?」

武道家「『盗賊たんと結ばれましたよ。たよ。ちなみに四回やりました。いやぁ、太陽が黄色い黄色い』」

武道家「こんな事……報告しないでください……。盗賊さんに知られたら大変じゃ無いですか……」

武道家「『ここからちょっと真面目に、君に知らせておかなければならない事があります』」

武道家「『君達が何故勇者一行に選ばれたか教えておきます。後、僧侶が誰に似ていたのかも』」



武道家「………」

武道家「こんな事って……」

武道家「何故……私に教えたんですか……!」

武道家「………」

武道家「……言える訳が無いじゃ無いですかッ!」

武道家「どんな顔して過ごせばいいんですか私は……」

武道家「………」

ーポルトガ付近、船上

戦士「なぁ、あんた」

武闘家「何だ?」

戦士「何食ったらそんなにデカくなるんだ?」

武闘家「馬鹿にしておるのか?」

戦士「そうじゃ無くてさ……ただ興味があって聞いてるだけだ」

武闘家「……この背丈は元からだ。別に食べ物でどうこうなったものでは無い」

戦士「へぇ……そうなのか」

武闘家「うぬ」

戦士「後な……その喋り方は何なんだ?」

武闘家「おかしいか?」

戦士「そうだな……」

武闘家「そう言われてもの……」

戦士「………」

武闘家「そう言うものだと思っておったからな……」

戦士「?」

武闘家「今更直すのもおかしかろう」

戦士「直す?」

武闘家「うぬ。元はこのような言葉使いではなかったからな」

戦士「へぇ……」

武闘家「おい、あのペーペー娘達は強いのか?」

戦士「ペーペー娘?……嬢ちゃん達の事か?」

武闘家「うぬ……どう見ても強そうには見えぬのだが……」

戦士「あんななりだか結構やるぞ?」

武闘家「ほう……」

ーポルトガ付近

女海賊「本当にここでいいのかい?」

魔法使い「はい。僧侶さんとも話して決めましたので」

女海賊「ならいいけど」

魔法使い「これで暫くお別れですけど……浮気しないでくださいね?」

女海賊「………」

魔法使い「……?」

女海賊「……あんたからそんな事言われるとは思わなかったよ……」

魔法使い「ふふふ……いつもの仕返しですよ」

武道家「………」

女海賊「……違うからね!」

武道家「………」

女海賊「?」

魔法使い「……武道家さん?」

武道家「……え?な、なんですか?」

女海賊「お前大丈夫かい?」

武道家「大丈夫です……」

魔法使い「何かありましたか?」

武道家「いえ、何も……」

女海賊、魔法使い「……?」

武道家「………」

僧侶「準備出来ましたよ!」

魔法使い「はい。では女海賊さん、行って参ります」

女海賊「ああ、気を付けて行きなよ」

魔法使い「そちらも気を付けて」

女海賊「じゃあね」



魔法使い「このままカザーブへ向かってしまいましょう」

僧侶「わかりました!」

武道家「………」

僧侶「武道家さん!」

武道家「何でしょう……」

僧侶「どうしたんですか!元気無いですけど!」

武道家「……すいません」

僧侶「……?」

魔法使い「僧侶さん……武道家さんに何かしたんですか?」

僧侶「してないですよ!」

魔法使い「そうですか……船を降りる時からあんな感じでしたが……何かあったんでしょうか」

僧侶「………」

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