奈緒「ウェディングドレスを着る仕事?」 (44)

モバP(※以下P表記)「あぁ、奈緒にウェディングドレスを着てもらう仕事だ」

奈緒「は、はァ!?な、何であたしがウェディングドレス着るんだよ!」

P「興味があるのか。よし説明しよう」

奈緒「待てってPさん!そんなこと言ってないだろ!」


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P「今は5月。来月6月といえばジューンブライドだな」

P「そんなわけで、結婚雑誌の方からお仕事の依頼が入った」

P「そこで、スケジュールのちょうど良かった奈緒に白羽の矢を立てた」

P「説明は以上だ。何か質問は?」

奈緒「あるよ!あたし以外にスケジュールの空いてるのはいないのか!?」

P「さぁ。確認してない」

奈緒「それがプロデューサーの言うことかよ!?」

P「おう」

奈緒「開き直らないでくれよ!あぁもう!」

P「嘘だよ、嘘嘘。本当はちゃんと確認した上で、奈緒にやってもらいたいと思ったからだ」

奈緒「嘘かよっ!……もう、からかわないでくれよPさん」

P「そんなに嫌か?」

奈緒「いや、そのっ。べべべ別にっ、着たくないと思ってるわけじゃないからな!?それは本当だからな!?」

P「じゃあいいじゃん。やろう」

奈緒「話は最後まで聞いてくれっ」

奈緒「……そ、そのさ。あ、あたしがウェディングドレスなんて、着てもいいのかなって…」

P「オッケーオッケー全然かまわんよ。むしろ着ちゃいけない理由がナッシングだ」

P「それに奈緒、この前の智絵里と蘭子の撮影の時、すごく羨ましそうに見てたじゃん」

奈緒「き、気付かれてたっ!?」

P「あんだけ羨ましそうに見てれば、気付かないやつの方が少ないと思うぞ」

奈緒「いやでも……。流石に人の前で着て、それを撮影されるっていうのはさぁ……」

加蓮「おはよー、奈緒、プロデューサー」ガチャ

凛「おはよう、二人とも」

P「あ、二人ともちょうどいいとこに来た」

凛・加蓮「「?」」

P「ちょっと、かくかくしかじかでな」

加蓮「ウェディングドレスでの撮影か……。懐かしいな」

凛「へぇ、奈緒にもその仕事が来たんだ。あとは私だけだね」

奈緒「おい!加蓮はともかく凜!あたしが引き受けるのは確実みたいに言うな!」

奈緒「というかPさん!なんでこの二人に話しちゃうんだよ!」

P「退路を確実に断っておこうと思って」

奈緒「何で……、何でこうなるんだ……」

凛「プロデューサー。それ、どういうシチュエーションでの撮影なの?」

加蓮「私も気になるなー」

P「えーっと、向こうの提示してきたシチュエーションは二つ」

奈緒「ちょ、ちょっと待てって!それ、あたしより先に聞くなよ!」

加蓮「えー?だってこのままの様子じゃ奈緒、話聞くまでにどれだけかかるの?」

奈緒「うっ」

P「はい。そういうことなんで続けるなー」

P「まず前提として、『結婚とその後の新婚生活』が撮影テーマになってる」

P「それで、まず一枚目に『仕事から帰ってきた夫を出迎える料理途中の妻』」

P「そして二枚目が『結婚式での幸せそうな花嫁姿』。順番が逆だが、とにかくそうらしい」

加蓮「へぇ、順序を入れ替えて掲載されるんだ。面白いね」

P「ああ。そんなわけなんだが、奈緒」

奈緒「えっ、えぇっ……」

凛「ちなみにそれ、奈緒が断ったらどうするの?」

P「そうだなー……」パラパラ

P「あ、凜。凜もその日ちょうど空いてる」

凛「私?……うーん、悪くないけど、さっきのシチュエーションなら私より奈緒の方が似合うと思うな」

P「だってさ奈緒」

奈緒「う、うわあああああああ!あたしはどうすればいいんだよ!」

加蓮「仕事、引き受ければいいだけじゃないの?」

P「おう、とりあえず『はい』っつっときゃ悩まなくて済むぞ」

凛「奈緒、素直になりなよ」 ナオチャンガスナオニ…フフッ

奈緒「う、うぅ……」

加蓮「ウェディングドレス、着てみたいんでしょ?」

奈緒「うぅぅぅぅ……」

P「なら、着てみよう?な?」

奈緒「……タ」

P「ん?何?」

奈緒「……ワ、ワカッタ……。ソノシゴト、ヤル……」

P「お、やってくれるか。よかったよかった。じゃあそういうことで」

P「別に今からそんなに顔真っ赤にしなくてもいいのに」

奈緒「だ、誰のせいだと思ってるんだよっ!?」

凛「決断が遅かった奈緒の自業自得じゃない?」

加蓮「私もそう思うな」

奈緒「うわああああああ……」

――― 数日後 ―――

P「本日はよろしくお願いします」

奈緒「神谷奈緒です、よろしくお願いします……」

カメラマン「あい、よろしくー」

カメラマン「それじゃ早速だけど、着替えて準備してもらっていいかな」

奈緒「はい、わかりました……」トボトボ

カメラマン「…なんかあったんすか彼女」

P「いえ、引き受けたことを後悔してるだけです。準備できれば覚悟決まりますよ」

カメラマン「あー、そっすか。了解でーっす」

キザイジュンビオネガイシマース ワカリマシター

加蓮「奈緒も、もう少し笑顔で仕事に臨めないのかな」

P「お前たちが同行してるのも、間違いなく原因の一つだけどな」

凛「奈緒も自分でOKしちゃった以上、ドタキャンするわけにはいかないからね」

凛「たとえそこに私たちがいても」

P「お前たちは本当に奈緒が好きだなぁ」

プロデューサーサーン、カミヤサンガヨンデマスー

P「お?何かあったかな?ちょっと見てくる」

P「奈緒ー?入っていいかー?」

奈緒『は、入らないでくれPさん!』

P「どうした奈緒?」

奈緒『いやっ、そ、その……』

カミヤサンハイリマース アーイリョウカイデース

凛「奈緒が入るみたいだね」

加蓮「どんな格好になるのかな」

凛「スマホの充電は…。うん、大丈夫」

加蓮「あ、プロデューサーお帰り。何かあった?」

P「なんか衣装について聞かれた」

P「『これPさんが選んだんじゃないよな!?』って、それはもうしつこく何度も」

凛「ふーん。どんな衣装なの?」

P「見りゃわかる。あ、来たぞ」

カメラマン「あーいそれじゃ神谷さん、よろしくお願いしまーす」

奈緒「よ、よろしくお願いします!」

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加蓮「…………」プルプル

凛「フッ、フフフフッ……」

加蓮「か、可愛い……ッフフ」

凛「あのエプロン、ッフフッ、すごい、フリルがフフフフ」

加蓮「し、しかも見てよあれ…ッフ。う、上半分が、ハ、ハートになってるフフフフ」

P「笑ってやるな二人とも。奈緒も頑張ってんだから」

加蓮「プロデューサー、そういうことは口を覆ってる手をどかしてから言ってね」

凛「フフフフフ……。はぁー……」

加蓮「それで、結局あのエプロンを選んだのはプロデューサーなの?」

P「イグザクトリー。普通のエプロンより、なんかフリルのついた可愛らしいやつの方が、いかにも『結婚ホヤホヤの新妻感』出てるだろ?」

凜「本音は?」

P「奈緒にああいうの着せてみたかった」

加蓮「素直だね」

P「俺は奈緒じゃないからな」

カメラマン「んー神谷さん、悪くはないんだけどちょーっと物足りないかな」

カメラマン「なんか、身近な異性を旦那さんだと思ってやってみてくれるかな」

奈緒「わ、分かりました」

奈緒(身近な異性ってそれ……、ほとんどPさんのことじゃん!)

奈緒(でもっ、この場を乗り切るのに必要なら仕方ない……!)

奈緒(もし、もしPさんがあたしの、だ、旦那さんだったら……)

凛「何かアドバイスされてから、奈緒の表情が前より良くなったね」

加蓮「恥ずかしそうな表情が特にね」

P「たまんねぇなぁ……。滅茶苦茶そそられるわ」

凛「……聞こえなかったことにしとくよ、プロデューサー」

加蓮「担当アイドルに向けて言っていいことじゃないよね、今の」

カメラマン「おっ、今の表情最高!いいの撮れたよー」

P「今の恥じらった表情を逃さないとは……。あのカメラマン、出来るッ」

P「今の表情からは『仕事から帰ってきた夫を出迎えるが、その際〈あなた〉と呼ぶべきか名前で呼ぶべきかで迷い、結局恥ずかしくなってどちらとも呼べない新妻の一瞬』を感じ取った」

凛「……プロデューサー、もうその辺で」

加蓮「私たち以上に、付いて来ちゃいけなかった人なんじゃないかな……」

イッタンキュウケイデース セットコウカンシテー

凛「これで一枚目の写真撮影は終了だね。そうすると次は」

P「いよいよお待ちかねのウェディングドレスのお披露目だ」

P「いやぁ本当に苦労した。この瞬間のために、いつこの仕事が来てもいいように奈緒のスケジュールを調整して、空きを作っておいた甲斐があった」

加蓮「……その情熱、本当にどうなってるの?」

凛「プロデューサーやってなきゃ、ストーカーになってたんじゃない?」

P「何とでも言え」

凛「自覚はあるんだね」

――― 数十分後 ―――

カミヤサンジュンビデキマシター コッチモオッケーデース ハーイカミヤサンハイリマース

P「…………ッ!!」

凛「うわっ、急に目開かれるとびっくりするんだけど」

加蓮「……プロデューサー、その集中力はどこから来るの?」

P「奈緒のこととあらば、どこからでも」

P「それよりしばらく話しかけないでくれ。奈緒の姿を脳に刻むことだけに、神経を総動員するから」

凛「わかった、プロデューサー。……加蓮」

加蓮「うん、プロデューサーのことは放っておこう。私たちも」

凛「奈緒の写真、撮らないとね」スッ

カメラマン「んじゃ神谷さん、もっかいよろしくお願いしますー」

奈緒「は、はい!よろしくお願いします!」

カメラマン「さっきのアドバイス、まだ覚えてる?」

奈緒「み、身近な男性を、そのっ、だ、旦那さんだと、思えって」

カメラマン「んじゃ、今度もそれでいこっか。あーい笑ってー」



P「…………」ジィィィィィ

凛「……今のプロデューサー、やってるのは褒められるようなことじゃないのに、何かそういうのも超えて、ただ凄いって思えてきた」

加蓮「人間の能力の限界に挑んでるようなものだから……」

凛「こんなところで、あんな理由で限界に挑むような人だとは思わなかったけどね」

カメラマン(うーん、いい表情が出ない。でもさっきのは良かったし…、恥ずかしがりなのか)

カメラマン(そうしたら……)

カメラマン(彼女の一番身近な異性…、となるとあのプロデューサーか)

カメラマン(想像で駄目なら、実物に頼るか)

カメラマン「すいません神谷さん、一旦ストップしまーす」

奈緒「あっ、はい。わかりました」

奈緒(あぁーもう、結婚する時の表情なんてわかんないって!)

奈緒(しかも、その相手役がPさんじゃ…。どんな顔すればいいのか余計に…)

加蓮「あれ、プロデューサー。撮影止まったけど」

P「……なんだ?何かあったのか?」

凛「プロデューサー、顔険しすぎ。小学生の子達が見たら泣くよ?」

加蓮「こんなことしてるの知った時点で泣きそうだけどね」

凛「本当にね。あれ、カメラマンさんがこっち来るよ」

カメラマン「プロデューサーさん、ちょっといいっすか」

P「どうかしましたか?」

加蓮「うわ、一瞬でまともになった」

凛「仕事に私情を持ち込んでも、他人の前では器用に隠せるんだね」

カメラマン「かくかくしかじか、というわけでして」

カメラマン「写真に入らない位置までプロデューサーさんに近づいていただいて、それで写真を撮ろうかな、と思いまして」

P「わかりました、やりましょう」

カメラマン「大丈夫っすか。あざーっす」

凛「今のプロデューサーの事情を知らないと、撮影を進めるために快諾したように見えるけどさ」

加蓮「うん。より近くで奈緒を見ることに集中したいからだよね」

凛「ぶれないね」

加蓮「もう少しぶれてもらった方が安心できるんだけどね」

奈緒(カメラマンさん、話は済んだのか……って)

奈緒「な、なんでPさんがこっちに来るんだよ!?」

P「かくかくしかじか」

奈緒「うっ……」

カメラマン「そんなわけで、ここにいるプロデューサーさんを新郎役だと思ってください」

P「奈緒、頑張れ」グッ

奈緒「そんな無責任なこと言うなよPさん!」

奈緒「り、凜!加蓮!二人からも何とか……!」

凛「……」ニヤニヤ

加蓮「……」ニヤニヤ

奈緒(や、やっぱりあの二人もダメかーっ!)

P「奈緒。俺も協力するから、一回集中していいの撮ってもらおう。な」

奈緒「~~~~っ」

P「覚悟しよう。な?奈緒」

奈緒「……わ、分かった。……そ、その、Pさん!」

P「ん?」

奈緒「絶対、絶対に変なことしないでくれよ!笑わせたりとか、そういうのいいから!」

P「やれっていうフリ?」

奈緒「フリじゃない!」

カメラマン「……そろそろ始めたいんすけど」

P「よし奈緒。少しはリラックスできたか」

奈緒「えっ、あ、あぁうん」

P「じゃあ俺ここにいるから。さぁ俺を新郎だと思ってやってみろ」

奈緒「お、おう……」



加蓮「なんかいい感じになってるけどさ」

凛「さっきのやつ、いい方向に持ってったけど、絶対普通にいじってただけだよね」

加蓮「それに気付かない奈緒も奈緒だし、押し通すプロデューサーもプロデューサーだし」

凛「なんなんだろうね、本当」

奈緒(Pさんが、新郎役……)

奈緒(Pさんと、け、結婚……)

奈緒(ちょっとだけ、嬉しい、かな)

カメラマン「お、いい表情出てきたよー。笑顔笑顔ー」

奈緒(結婚、か)

奈緒(あたしも後10年もしたら、結婚とかしてるのかな)

奈緒(そうしたら、その相手は……)

カメラマン「んー、だいぶ良くなってきたけど、もうひと押しなんか足りないなー」

奈緒「んー、どうしたら……」

P「……よし、奈緒」

奈緒「なんだ、Pさん」

P「俺が後ろを向こう。奈緒の顔を見ずに、ただここに立ってる」

P「もし仮に、俺が見ていることがほんの少しでも気ががりなら」

P「俺のことを気にせず、一番いい表情をカメラにだけ向けてくれ」

奈緒「Pさん……」

加蓮「あ、プロデューサーがこっち向いた」

加蓮「しかも目まで閉じてる。どういうことだろ」

凛「……さっきまで、あんなに必死に奈緒の姿を頭に刻み込もうとしてたプロデューサーが、奈緒から目を離した」

凛「しかも、絶対見ることができないように後ろを向いて目を閉じた」

加蓮「……奈緒のために、自分の欲望をコントロールしたんだね」

凛「多分、プロデューサー的には相当悩んで苦しんで出した結論なんじゃないかな」

加蓮「全然いいことじゃないけどね。むしろ最初からやってあげててっていう」

凛「ていうかさ、加蓮」

加蓮「何?」

凛「もう奈緒、私たちのこと眼中にないよね」

加蓮「そうだね。ちょっと悔しいから、撮っといた写真後でみんなに送ろっか」

奈緒「Pさん、別にこっち向いてても」

P「いや、これは奈緒のためだ。思う存分やってくれ」

P「俺は絶対にそっちを見ない」

カメラマン「撮影続行してもいいっすか神谷さん」

奈緒「すいません、ちょっと待ってもらってもいいですか」

カメラマン「……はぁ、了解っす。準備出来たら言ってください」


奈緒(あたしが結婚する時は……)

奈緒(その時は、もう少し素直になれてるのかな)

奈緒(そうだったら、そんな時に、あたしはどんな顔してるのかな)

奈緒(……素直な気持ちで、幸せって笑顔でいたい)

奈緒(それで、隣にいてほしいのは……)



奈緒「もう、大丈夫です。お願いします」

カメラマン「…オッケー。それじゃ、撮るよ」

カメラマン「うん、いいね。最高にいい写真が撮れた」

P「……終わりました?」

カメラマン「えぇ、バッチリっす」

P「見せていただいても?」

カメラマン「あい、ちょっと待ってくださいねー……。これっす、どうぞ」

P「…………」

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奈緒「ぴ、Pさん……。終わったから、着替えてもいいよな……?」

P「…………」ワナワナ

奈緒「ど、どうしたんだよPさん…?」

P「…………奈緒」

奈緒「な、何だよ」

P「結婚しよう」

奈緒「は?」

P「だから、結婚しよう。奈緒」

奈緒「え……、えぇぇぇぇぇぇっ!?」

奈緒「なっ、ななななななに言って……!」

奈緒「じょっ、冗談ならよせよ!?か、からかうのもナシだからなっ!?」

P「冗談でもからかってるわけでもない。俺は本気だ」

奈緒(や、やばい。やばいっ!Pさんの目、本気だ!)

奈緒「凜、加蓮!助けてくれ!……いや助けろ!」

凛「加蓮、何か聞こえた?」カシャカシャ

加蓮「いや、なんか奈緒の声が聞こえたような気がするけど、多分気のせい」カシャカシャ

奈緒「あぁっ、あの二人に頼れるわけなかった!カ、カメラマンさん!」

カメラマン「写真OKなんでチェックお願いしまーす」

奈緒「待ってください!行かないで!誰か!」

P「どうした奈緒?何か問題か?」

奈緒「いやっ、その、あのっ」

奈緒「…っそう!あたしまだ、結婚を考えられる歳じゃないからさ!」

P「17だろ?もう結婚できる歳じゃないか」

奈緒「ち、違う!そういうことじゃない!その……」

奈緒「と、とにかく早い!早すぎるから!」

P「えぇぇぇぇ…………」

奈緒「な、何でそんなに落ち込んでるんだっ!?」

P「だって、ダメなんだろ?奈緒は俺のこと嫌いなんだろ?」

奈緒(こ、こんなに面倒くさい人だったかPさんって!?)

奈緒「べ、別に嫌いとは言ってない―」

P「よし、じゃあ結婚しよう」

P「大丈夫、誰かから週一で送られてくる婚姻届もあるから」

奈緒「何が大丈夫なんだよ!?っていうか、婚姻届けが送られてくるってどういうことだよ!?」

P「俺にもわからないが、不気味だからとりあえず届いたそばから和久井さんにあげてる」

P「でもまさか、あの婚姻届けが役に立つときが来るとは……」

P「さぁ奈緒。大丈夫安心しろって、幸せにするから」

奈緒「こんな時に言われても嬉しくない!」

P「あ、今じゃダメか?なら事務所に戻ってからでも……」

奈緒「だからそういうんじゃないって言ってるだろぉぉぉぉっ!」

加蓮「ふぅ、いい写真が撮れたんじゃないかな」

凛「あとでみんなに見せてあげなきゃね」

加蓮「……ねぇ凜」

凛「何?加蓮」

加蓮「さっきプロデューサーが言ってたことだけどさ」

凛「奈緒へのプロポーズ?」

加蓮「そっちじゃなくて。婚姻届けのこと」

凛「あぁ、和久井さんにあげてるって言ってたあれ」

加蓮「それ多分、和久井さんが送ってるんじゃないかな」

凛「……自分が送ってる物を、返される和久井さん」

加蓮「……そのプロデューサーは『あれ』だし」



P「今じゃダメなら、何歳ならいい?俺はいつでもOKだぞ」

奈緒「わぁーっ!聞こえない!あたしは何も聞いてないぞ!」



凛「はぁー……」

加蓮・凜「「さっさと結婚すればいいのに」」



お終い

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