???「雪乃ちゃんと比企谷君、仲良いんだね」 (71)

「雪ノ下さんと比企谷君、仲良いんだね」

いや…何の話だよ。

目の前の席に陣取った海老名さんが真剣な口調で続ける。

「いやいや、はや×はちを推す私としてはそちらの道に行かれては困るのよ。

まっすぐ突っ込んでほしいのよ」

何を突っ込めというのか、この女狐は。

だいたい、本道はそちらの道だ。

「いや、別に仲良くないだろ。奉仕部として一緒に活動しているだけだ」


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勢いよくかぶりをふって、彼女は答える。

「違う、違うの!比企谷君のイメージが壊れちゃうの!

孤独でへたれた比企谷君を葉山君が優しく慰めて、徐々に心を開いて

いつの間に体も開いちゃうっていう純愛モノが書けなくなっちゃううううううう」

純愛じゃないだろ、それ。

明らかに体目当てじゃねーか。

目の前でふんすふんすし始めた海老名さんを視界からそっと外し

俺はさっきの発言を回想することにした。

『雪ノ下さんと比企谷君、仲良いんだね』

これに似たようなことを誰かから言われた気がする、誰にだったか。

由比ヶ浜は…違う、コミュニケーション能力の塊である彼女が言うわけがない。

平塚先生は…生徒の関係に嫉妬するほど追いつめられてはいな…いこともないか。

戸塚はそんなこと言わない。

他に雪ノ下と俺を知っていて、言いそうな人物は一人いる。

雪ノ下陽乃だ。

だが、あのとき言われたことはこんな軽い意味ではなかったと記憶している。

鉄のようにひんやりとして、ずっしりと重い言葉だった。

背負いきれずに、落としてしまいそうになるほど。

彼女は無機質な表情で、こちらをじっと見つめていた。

「なんか、嫌なこと私言ったかな」

顔に出ていたらしい。

「いや、なんでもねーよ。思い出しただけだ」

だが彼女はぺこりと頭を下げた。

「ごめん、仲がいいとか、私が言うことじゃないね」

「いいんだよ、そんなことは。取りあえず、はや×とべ、だか、はや×玉縄だかを進めてこい」

彼女はこっくりと頷いた。

「そうだね、私もたま×はちはありだと思う…じゃ、またねぇえええええええ」

彼女はそう言って教室から全速力で走り去った

そうだねって何にも同意できていないのだが、それはいいのか。

…いや、我ながら愚問だった

それはいいのだ

どうでもいいのだ。

俺も同じくらいどうでもいいと思っている

薄暗い教室で独りになった俺は、まわりを真っ赤に燃やしてしまう夕陽を、疎ましく思った。

今日はおわりになります、短くなると思います

>>4が一部抜けてました

全文

他に雪ノ下と俺を知っていて、言いそうな人物は一人いる。

雪ノ下陽乃だ。

だが、あのとき言われたことはこんな軽い意味ではなかったと記憶している。

鉄のようにひんやりとして、ずっしりと重い言葉だった。

背負いきれずに、落としてしまいそうになるほど。

ふと、海老名さんの声が途切れていることに気づくと

彼女は無機質な表情で、こちらをじっと見つめていた。

「なんか、嫌なこと私言ったかな」

顔に出ていたらしい。

「いや、なんでもねーよ。思い出しただけだ」

ようやく依頼を終えた俺は教室の鍵を閉め、部室へと向かう。

そう、これは海老名さんからの依頼だったのだ。

彼女が書いたBLの小説の感想を聞かせてほしいという

ある意味材木座よりもしんどい内容だった。

主人公が自分ってなんて拷問?しかも、相手は葉山である。

ちなみに内容が内容だけに、雪ノ下と由比ヶ浜は拒否した。

いや、わりと雪ノ下は乗り気だった、さすがに本に関しては真摯である。

『比企谷君が主人公というのが最大の問題点かもしれないわね』

と、読む前からダメ出ししてたし。

一緒に反対してくれた由比ヶ浜、感謝感激あめあられ。

でも、消去法で俺に決まったとき、ガッツポーズしたことは覚えてるからな。

これで相殺だ。

こうして、俺は読み始めたのだが

途中で挫折した。軟弱者と謗りを受けるかもしれないが

ぼっちは概して軟弱者であるから

名前を呼ばれているだけである。これをぼっちフィルターと呼ぶことにしている。

これを聞いた雪ノ下はそのせいで眼が淀んでいるのだと決めつけたのだが

それは違う。

外したときのほうが、未来が真っ暗にみえるからな。

着けていたほうがまだ明るい。

…まあ、それはいいとして

主人公がいよいよ純潔を散らしそうになったところで、精神が不安定になったので

止めたのである。

窓から飛び降りたくなるのを

ケータイに撮ってある、戸塚の笑顔を見てかろうじて踏みとどまったほどである。

この際、戸塚が男であることは忘れることにした。

都合の悪いことは忘れる、ぼっちの得意技が役に立つ。

それで、海老名さんに主人公を変えてくれたら読むと告げたのだが

では主人公を誰にするかを話し合あうなどという

全く生産性のない会話になったのである。

ほんとに何も生まれないからね、これ。

残ったのは、戸塚の笑顔と脱力感のみである。

あれ、意外と幸せだな。

今日は終わりです 遅いのでのんびりと待ってやってください…ごめんなさい

乙乙
のんびりでいいのよ

ちょっとした薄幸感にひたりながら

俺はようやく部室へとたどり着いた。

ガラガラと滑りの悪くなってきた引き扉を開くと

中では普段通りに由比ヶ浜が雪ノ下に話しかけ

雪ノ下が受け答えしている。

そして、これから長机の端で俺がラノベを読む。

それが俺にとっての日常の一部である

そうだとも、認めるさ。俺はこの居心地のいい日常に会いに来たんだ。

あの人がどう思っていようと、それが嘘では…

「あっ、ヒッキー。依頼が終わったんだね。疲れ様」

由比ヶ浜の声が、渦を巻こうとしていた思考を遮った。

「いや、解決はしていない。海老名さんが満足しただけだ」

経緯を述べると、由比ヶ浜は目線を床に落とした

「そうなんだ…。私も読んだほうがよかったかな」

いやいや,海老名さんには悪いが

由比ヶ浜は読まなくていいから。

あれを知人に読まれたら、発狂まである

それを言うより早く、雪ノ下が本を閉じて由比ヶ浜の方へ向いた。

「いいえ、由比ヶ浜さん。あの男が責任をもって、読むと言った以上あなたが気に病む必要はないわ」

「ゆきのん…」

雪ノ下、その100分の1の心遣いを俺に分けてくれても、罰は当たらない。

「それに私が既に読んで、添削したわ」

…?

今、なんて言ったの雪ノ下サン

幻聴かな?

「ヒッ、ヒッキー、顔が怖いよ…」

いつになく怯える由比ヶ浜を挟んで、雪ノ下が凛とした表情と言い放つ。

「比企谷君が挫折すると予測していたから、もう一冊海老名さんに貸してくれるようにお願いしたのよ」

…そっか、描いたBL小説は印刷できる

あのとき、雪ノ下があっさりと引き下がったから、油断をしてしまった。

雪ノ下は律儀な奴だ、それは分かっていたのに…





比企谷 八幡

自分が登場するBL(かなり濃いめ)を同級生に読まれた男


生徒鞄を背負い、よたよたと教室の出口へと向かう。

雪ノ下と由比ヶ浜の不安げな視線がその背中を追う。

引き戸を開けると、さわやかな風が吹き込んできた。

自分の心中は荒れすさぶ嵐なのに、世界は変わらぬままのようだ。

由比ヶ浜の震えた声が背後から聞こえた。

「あのね、ヒッキー…私は読んでないからね」

由比ヶ浜の優しい思いやりが心に沁み渡った。

「比企谷君、あなたが主人公でも悪くなかったし、感情移入できたわ」

雪ノ下の的外れなフォローがとどめを刺した。

今日はおわりです  読んでくれた人ありがとうございます

ゆきのん腐ってるのん……

感情移入出来たということはゆきのんが葉山に純潔を散らされる気分を味わえたということですね

>>21
逆の可能性が

俺はもうお婿に行けないよ…。

それから暗澹たる気持ちで部室を出た俺は

ウサインボルトもびっくりな早歩きで帰路に着いた。

こういうときですら、走って目立つことを気にする気質は

一朝一夕で身に着くものではないことを明記しておく。

自宅へとたどり着いた俺は、小町へのただいまの挨拶もなおざりに

靴を脱ぎ棄て、自室へと向かった。

そして、押し入れから布団一式を引きずり出し、布団の中へと滑り込んで目を閉じた。

すると、ついさっき起きたことが、走馬灯の如く脳裏を駆け巡る。

『私が既に読んで、添削したわ』

『比企谷君が挫折すると予測していたから、もう一冊海老名さんに貸してくれるようにお願いしたのよ』

…さっきの雪ノ下はどこか誇らしげに映った。

あの姿に思うことはなかったのかと問われれば、答えは否だ。

しかし、彼女がアレを読んでしまった以上

まずは対応策を講じなければなるまい。

第一に雪ノ下の口を封じるのは絶対だ。たとえいかなる手段を用いても、である。

財布を生贄にささげ、パンさんを召喚することだってやぶさかではない。

つまるところ雪ノ下が何を言い出すか、全く予想できないのだ。

BLを読んだあとの雪ノ下なんぞ

俺の想像の斜め上だ。

怖すぎる。

次に海老名さんの小説の主人公を真剣に考える必要がある。

彼女の創作を妨害するつもりはないが

俺がBLの主人公のままでいることの危険の方が大きいだろう。

だれでもいい、代わってくれ。

今なら平塚先生(男)もついてくるぞ。

第三に学校へ行かない。

…これは成功したことがない策だ

おのれ、マイファミリー。

そこまで考えたところで、夕飯が出来上がったことを階下から告げられた。

今日は終わりです シリアスが近づいてますので苦手な方は注意です

すでにシリアスかと思ってたがよく考えたらBLが題材だった

翌朝、俺は小町に引きずられるような体で登校した。

『ほんと、お兄ちゃんは変わらないねぇ。小学生の頃とおんなじだよ…』

とは小町の言である。

小学生…?

うっ…頭が。



…小学校では、じゃんけんに負けた奴は皆の分のランドセルを背負うというゲームが往々にして流行する。

ただし、このゲームには必勝法があることはご存知か。

すなわち特定の一人以外の全員が手を組み、グー、チョキ、パーのいずれかをだす。

たとえ負けたとしても、全員で一斉に逃げればよいのだ。

...というか、逃げられた。

というか、俺だった。

それ以来、じゃんけんは一対一が正しいのだと俺は頑として主張し続けている

姑息なイカサマが存在しないからな。

ただし、今のところ賛同者は材木座と由比ヶ浜のみだ。

材木座は俺と同じ経験からだが

由比ヶ浜に関しては、数学のじゃんけんの問題が苦手だからという理由である

そりゃあ、n人なんかよりは二人の方が簡単だよな

その気持ち、わかる。


…そういや

なんだかんだ言って、由比ヶ浜とは意見が合うことは多いことに気づいた。

雪ノ下の毒舌をフォローしてくれることも

数十回に一回はあるし

昨日も気遣ってくれたよな

…おっと危ない。

男子特有の勘違いスキルを発動させる前に

その考えをすぐに打ち消す。

由比ヶ浜は誰にでも優しいから、そう見えるだけだ。

誰それが特別というわけではない。

それは俺が一番よく分かっていることだろう?

由比ヶ浜と教室で会う前にそれだけは心に刻んだ。

今度こそ今日はおわりです…

さて、今日も今日とてこのクラスは平常運行であった。

休み時間では

上位カーストは自分の存在を知らしめるかのように必要以上に大声で話し

下位カーストは目立たないように声を抑える。

最下位カーストの俺は沈黙を保つ。

そして、BLの主人公となれる面子を探すのである。

だが、碌にBLの知識もないので

これといった人物も決まらないまま

刻々と時間は過ぎていった。

いよいよ嫌気がさし始めたとき

昨夜の由比ヶ浜の言ったことを思い出した。

『読んではいない』といったが

よもや、後から雪ノ下から内容を聞いたなんてことはあるまいな。

もしそうだったら、収拾がつかないんだが。

ふとした懐疑の念から

机にうつ伏せになった状態から

わずかに顔を横へ向け、教室にさっと目を走らせる。

…!!

ばっちりと由比ヶ浜と目があった。

彼女は一瞬体をびくりと震わせたが、それでも眼を離そうとはしない。

どういうわけか彼女の表情は真剣そのものだった。

一秒、二秒、三秒…

俺は逃げるようにして、顔を伏せて目線を切った。

やめろ、俺のことを好きなのかもって期待しちゃうから。

というより、由比ヶ浜には男たらしという一面があるのかもしれない。

要注意事項として、これはヒキペディアに追加しておこう。

「ヒッキー」

うおっちゃ!

慌てて、顔を上げると目の前に由比ヶ浜が立っていた。

眉をひそめ、俺をじっと睨んでいる。

残念だが、そっちの性癖はまだない。

彼女は、ふっと息をはくと

机の上に両手を置いて、身を乗り出した。

「今日ね、ゆきのんが外せない用事があるから、奉仕部を休むって」

そうなのか、まあ雪ノ下が言うのなら、そうなのだろう。

「分かった。ありがとな、由比ヶ浜」

だが、承知したことを告げても

由比ヶ浜は立ち去ろうとはしなかった。

じっと俯いて、唇をじっと噛みしめている。

どうしたらいいのか分からず、ただ沈黙が流れる。

どうしたらいいのか分からず、ただ沈黙が流れる。

それから、しばらくして

由比ヶ浜が口を開いた。

「…だからさ…だから…」

彼女のかすれたような声が、鼓膜を震わせる。

「今日はさ…一緒に部室にいこうよ…ヒッキー」

甘えるような上目遣いをする由比ヶ浜は

俺の初めて見る姿だった。

思わず顔がかあっと熱くなる。

「…あ、ああ」

俺は口ごもりながらも答えた。

「うん!じゃあまた後でね、ヒッキー」

由比ヶ浜は満面の笑顔で頷き、

三浦たちのグループへ走って戻った。

当の俺は運動もしてないというのに

動悸が収まらなかった。

今日は終わりです シリアスなんてなかった

かわいい

これは結果的に由比ヶ浜も腐海堕ちる罠なのか……?

期待

それから放課後に至るまでの間

由比ヶ浜がなぜ、急に一緒に行こうと言い出したのか

その理由を考えるのは避けた。

それは由比ヶ浜しか知りえないことで

もしかすると、彼女自身、意識せずに言ったのかもしれない。

だから、俺はそこにいかなる解釈もつけない。

ただその事実を受け止める、そのままの形で。

つまり、同じクラスの女子と部室に一緒に行くだけである。

しかして、終業時間を迎えた。

俺は教室に面している廊下の曲がり角で待つことにした。

授業終えた生徒たちが一波、二波、通り過ぎたところで

由比ヶ浜ががっくりと肩を落として、現れた。

「おい、由比ヶ浜」

「あ…」

由比ヶ浜は俺をみると、放心したように一瞬立ち止まった。

そして、こちらへと駆け寄ってくると

非難するような眼差しを俺へ向けた。

「もう!なんで先に行っちゃうの」

「ちゃんと待っていただろ」

微妙に答えになっていない返答を聞くと

由比ヶ浜は溜息をついて、そっと呟いた。

「ヒッキー、キモい…」

おい、やめろ。しみじみと実感を込めるな。

しかし、次の瞬間には由比ヶ浜はにこやかに笑っていた。

「でも、ヒッキーで安心した!いこっ」

由比ヶ浜は俺の隣に並ぶと、目を軽く細めた。

今日はおわりです
細切れになるので完了報告のレスはこれで最後にします
読んでくれた方、ありがとうございます

お疲れ様でした

面白い

困ったときの微エロ 苦手な人注意

それから、由比ヶ浜はずいぶんと軽快な足取りで廊下を進み

俺はぐずぐずとそれについていく

それは、元気いっぱいの子供と仕事に疲れた両親の姿を想起させる。

やはり将来は専業主夫がいいな、でないと体力が追い付かない。

さきに階段の上に上がった由比ヶ浜が俺に呼びかけた。

「ヒッキー、おっそーい!」

彼女はそれからしゃがみこんで、手を小さく振った。

どうやら気づいていないようだが

彼女のスカートが捲れてしまっていた。

そして、その暗闇の奥では、ピンクのショーツが艶めかしく覗く。

それは無垢な美少女のアレを見ながら、階段を登れというひどく背徳的な行為であった。

10秒ほど欲望に囚われてしまったが、なんとか自制する。

とにかく、由比ヶ浜に教える必要がある。

「由比ヶ浜、その姿勢は場所が悪いぞ」

由比ヶ浜は一瞬、目を白黒させていたが

俺の視線の先を見て、慌ててスカートの裾を直した。

ようやく階段を登り終えると

由比ヶ浜は目を反らしてはいるが

耳の先まで紅潮していることに気が付いた。

「さき、行って」

「お、おう」

由比ヶ浜はそれだけ言うと黙って、俺の数歩後ろについた。

それから二人分の足音だけが階段にこだまする。

そして部室に着いてからは、お互いの呼吸音しか聞こえなくなるほどの

静寂に包まれてしまった。

…俺はたった十数年の経験則から知っている。

正しい行為が正しいとは思えないのは当然であり

間違った行為こそが正しく思えるものなのだと。

だから、どんなに気まずい関係なろうとも

パンチラを教えることは正しい行為のはずだ。




だが、もしパンチラしたのが雪ノ下であったなら

俺の命はなかったに違いない。

良いですね

確かになかったなww

他愛もない想像を浮かべているうちに、下校時刻となった。

俺たちは部室を出て、その場で別れた。

由比ヶ浜は無言のまま頭を下げると、さっと駆けだして帰って行った。

取り残された俺は、対照的にのろのろと帰宅した。

そして、小町の訝しげな視線を感じつつも

自身の部屋へ行き、出しっぱなしにしていた布団の上に倒れこんだのだった。

天井の黄ばんだシミを睨み付けながら、俺は思索に耽ける。

昨日といい、今日といい腑に落ちないことばかりが起きた。

雪ノ下は嘘をついてはいないが、結果的には人を騙して

俺の登場するBLを読んだ。

由比ヶ浜は普段の素振りからは想像できないほど俺に甘えて

自身のパンチラを恥じた。

そう、そこには俺の知らない雪ノ下と由比ヶ浜が存在した。

しかし、湯気によって曇ってしまった鏡のように

あの二人との関係はむしろぼやけてしまった。

単なる同じ部員か

あるいは気の置けない知人なのか

『仲の良い』友人かこれはお互いの距離が狭まったからこその悩みかもしれない。

恋愛関係か

分からない。そしてそのことに不安を感じてしまう。

俺は小さく悪態を洩らした。

こんなにも動揺している理由、それははっきりしている。

毒舌だが、嘘をつかず、公明正大な雪ノ下雪乃。

一見アホの子ではあるが、天真爛漫で、気配りのできる由比ヶ浜結衣。

その二人との奉仕部が俺にとって

たまらなく居心地が良くて

それが続くことを願っていたからだ。

…これは修学旅行での葉山の立場と同じだ。

あのとき、奴は居心地の良いグループのまま、変化をしないことを望んだ。

対して俺は、海老名さんが戸部を振ることで壊れてしまう関係なら

それまでの関係なのだと言った。

だが、果たして今の俺は

同じことを葉山に言えるのだろうか

結局、夜が更けてもなお

その答えを出すことはできなかった。

すいません
>>53の文章が変に混じりました


全文


これはお互いの距離が狭まったからこその悩みかもしれない

しかし、湯気によって曇ってしまった鏡のように

あの二人との関係はむしろぼやけてしまった。

単なる同じ部員か

あるいは気の置けない知人なのか

『仲の良い』友人。

恋愛関係か

分からない。そしてそのことに不安を感じてしまう。

俺は小さく悪態を洩らした。

こんなにも動揺している理由、それははっきりしている。

毒舌だが、嘘をつかず、公明正大な雪ノ下雪乃。

一見アホの子ではあるが、天真爛漫で、気配りのできる由比ヶ浜結衣。

その二人との奉仕部が俺にとって

たまらなく居心地が良くて

それが続くことを願っていたからだ。

翌朝、意識がうすぼんやりと覚醒すると

小町の明るい声が耳に飛び込んできた。

「お朝だよー。いい天気だよー。星座一位だよーお兄ちゃん!」

なにこれウザい。

だが、朝、起こしに来てくれる妹は八幡的にポイント結構高かったりする。

「…今日は土曜日だ」

とりあえず眠る権利を主張すると

小町ははしゃいだ様子でその場でぴょんぴょんと飛び跳ねた。

「今日、小町達と買い物に行こうよ。デートの練習にもなるし、お兄ちゃんと行くの楽しみだなー。あっ今の小町的にポイント高い!」

「いやいや、小町がデートするときは

親父が全力で手伝う。むしろ、参加するまであるから

練習しなくてもきっと大丈夫だ」

「…不安要素しかないじゃん」

小町は低い声でぼやくと

俺から布団を手際よく剥ぎ取り始めた。

ふっ甘いな小町。

布団がないくらいで眠れなかったら

学校の休み時間を満足に活用できないぞ。

そういえばYヶ浜さんも甘々だった。

『ヒッキーってさ、どうしていつも眠そうにしてんの?』

そこは察しろ、マジで。



「比企谷君…」

浅い眠りの中で雪ノ下の声が聞こえた。

透きとおった冷たい響き。

寝ているときには

あまり耳に入れたくないたぐいの声である。

「起きなさい」

もし、雪ノ下が家族であったら

毎朝このように起こしてくれるのだろうか。

きっと、遅刻することはあるまい。

不眠症にはなるかもしれんが。


「起きなさい、比企谷君」

…はっ

俺は反射的に飛び起きた。

だが、自室のどこにも雪ノ下の姿はなく

代わりに、にんまりとした小町がスマホを俺に突きだしていた。

「お、おはよう、比企谷君」

スマホから些か呂律の怪しい雪ノ下の声が流れ出た。

俺は恐る恐るスマホに話しかける。

「…雪ノ下?」

「えぇ」

「…どうかしたのか」

一瞬の沈黙の後に

雪ノ下の躊躇っているような口調がスピーカーから響いた。

「その…つ、付き合ってくれないかしら」

期待

>>1です
これからの展開で井伏鱒二著作の『山椒魚』が話題に上がります
SS内でも軽く説明を入れる予定ですが、荷が重いです…

短編で、面白いのでぜひ、御一読ください

拙いSSですが、読んでくれた方ありがとうございます

雪ノ下の話によると

とあるネズミー映画をモチーフとした劇の公演とタイアップして

パンさん人形の限定販売というのが行われるようだ。

まさに客寄せパンダとしての効果を期待されているのだろう。

実際、雪ノ下がホイホイされているから、馬鹿にはできない。

肝心の売り口上としては、劇を鑑賞することでパンさん人形の値段が20%引きで

販売される限定パンさんは8種類でお一人様につき2体まで

という、ありふれたものだった。

しかし、ここで困ったのが雪ノ下サン。

お金には余裕があるものの、八種類の内二つしか人形を手に入れることができないのは

いかにも物悲しい。

されど、一人がそう何度も並ぶことはできないだろう。

由比ヶ浜を誘ってみたものの、既に用事が入っているからと断られてしまった。

いよいよ当日となり、切羽詰まった彼女は小町と連絡を取り合い、俺を誘ったということだ。

この哀愁すら漂う話を聞いていると、身につまされる思いである。

一方、雪ノ下はこれまでにない期待を込めて問いかけてくるので、断りづらいことこの上ない。

小町からも強い後押しを受けて

とうとう雪ノ下雪乃と比企谷小町と共に劇場へ向かうことになった。

当然、鑑賞する為ではない。

なるほど、小町が買い物へ行こうと言っていたのはこういう意味だったか。

分かるか、そんなもん。

つまんね

支度をすること、三十分

俺と小町が駅の改札口を目指して、家を出ると

外は煙るような雨が音もなく降っていた。

天気予報によると

これから雨はひどくなるはずだ。

用意していた傘を開き、小町と肩を並べて歩きはじめる。

空は鉛色の雨雲が垂れ込め

アスファルトは濃い紺色に染まった。

そして、独特のかびついた匂いが鼻腔をくすぐる。

不思議なことに、俺はいつもこの情景に妙な懐かしさを覚えるのだ。

それはまるで、長い間、離れていた棲家に帰ってきたようなものだ。

実際はそんな棲家は持っていないのだから、

これは本来、存在しない感覚だ。

ならば、なぜそう感じるのか。

その答えは、雪ノ下が俺をヒキガエル君と呼んだときに閃いてしまった。

俺の祖先が蛙かなにかで、そのときの記憶の残滓が残っているのだと。

信憑性は限りなく低いが、俺は中々に気に入っている。

というのも当時は、お気に入りの湿った場所で

雨が降ることを待っていたと想像できるからだ。

屈託したり、物思いにふけることもなく

ただ待つだけで満たされていた。

すこし、いや、かなり羨ましい。

瞬間、小町の声が俺を現実へと引き戻した。

「お兄ちゃん、いつもより目が腐ってるよ…」

視線を横に向けると、小町が傘の下からこちらを覗き込むように窺っていた。

彼女の不安そうな表情から察するに、何度か呼びかけていたのかもしれない。

俺は傘を横に傾けて、普段より腐っているらしい目を小町から隠した。

…本当に腐っているんじゃないだろうな。

ここまで小町の勘が鋭いと、心配になってきた。

みてるでー

展開を考えていたのですが、
ストーリーがバラバラで、止むを得ずHTML依頼を出しました
別の場所でなんとか完結させます

力量不足でごめんなさい
これまで付き合って下さった方有難う

別の場所でどこ?
見たい

pixivという所に登録してみました
登録自体初めてなのですが、恐らく投稿したあとも
文章を編集できると思って選びました

タイトルは変えない予定なので暇なときに観覧してくださると
嬉しいです

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