女「残酷な現実を受け入れるのか」 (17)

女「……非常にマズい」プリプリ

女「私としたことが迂闊の極み」プリプリ

女「まさかチリ紙が切れていたとはな… しかも出すまで気がつかなかったとは」

女「我ながら呆れ果てたものだ」プリプリ

女「さて…どうしたものだろう」プピーッ!

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女「仕方ない…少々屈辱的だが弟を呼ぶことにしよう」

女「おーーい!弟よ!我が弟よ!!姉がお呼びだぞー!」

弟『どうしたんだよ姉貴』

女「来たか…すまんがちょっとトイレットペーパーを持って来てくれないか?」

弟「……………」

女「……?おい、どうしたんだ?早く持って来てくれ」

弟『姉貴…ちょっと話があるんだけど、いいかな』

女「む…な、なんだ」

弟『実は昨日…気になってた人に告白したんだ』

女「あ、ああ、そうなのか」

弟『振られたよ…きっぱりとな「ごめんなさい」なんて言われちまった』

女「……………」

弟『ショックだったよ…本当に好きだったんだ彼女の事』

弟『自分がこんなに女々しいなんて思っても無かったよ…玉砕覚悟で告白したつもりだったんだけどなぁ』

女「…そうか」

弟『まぁ彼女モテるし、俺なんかじゃ釣り合わなかったのさ…ははは』

女「そんな事はない」

弟『…え?』

女「釣り合わないだとかそんな事はない、ただ…時間が足りなかったのさ」

弟『時間…?』

女「そうだ…時間だ、彼女の事をもっと知って…お前の事も彼女に知ってもらうんだ、そしてもう一度アタックしてみろ…諦めるんじゃない」

弟『……あ、姉貴』

弟『分かった、俺やってみるよ…姉貴と話せて良かった…じゃあな』スタスタ

女「ああ、頑張れよ」







女「ん?」

女「おいおい…おいおいおい…違うだろそうじゃないだろ私!何呑気に恋愛相談なんかしてるんだ!紙だよ紙!私は紙が欲しいんだ!あの野郎バカ野郎が!」プリプリ

女「仕方ない…次は妹を呼ぼう」

女「おーーい!妹よ!我が妹よ!!姉がお呼びだぞーーー!!」

妹『はい』

姉「おお、早速だがトイレットペーパーを持って来てくれないか」

妹『いやです』

姉「ええっ!?なんで!?」








妹『私は今反抗期ですからね、なんでも反抗しちゃいますよ』

姉「いやそう言うのはいい…いいから持って来てくれ」

妹『いやです』

姉「頼むから!」

妹『いやです』

姉「あぁもう!めんどくせえぇ!反抗期めんどくせぇ!」

妹『私のお話を聞いてくれたら持って来てあげてもいいですよ』

姉「な、なんだ、さっさと話せ」

妹『…………えぇっと』モジモジ

姉「…………」

妹『…お兄ちゃんの事なんですけど… その』

妹『好きな人が…居るみたいで』

姉「ああ、らしいな」

妹『どうしたらお兄ちゃんを寝取れます?』

姉「は?寝取る?」

妹『お兄ちゃんを私のものにしたいんでんけど…どうすればいいのか分からなくて…やっぱり相手を殺すしかないのかな』

姉「おいちょっと待て落ち着けよ」

妹『じゃあどうすればいいんです?私分からなくて……』

姉「あいつ振られたらしいぞ」

妹『えぇっ!本当ですか!?』

姉「うんマジマジ、だから今がチャンスだろ?ほらさっさとペーパー持ってこい」

妹『こうしちゃ居られないわ!お兄ちゃん!!私が慰めてあげるーーー!!グヘヘッ』ドタドタ

姉「紙っ!!おい紙っ!!」

姉「どいつもこいつもクソ野郎だ!私の期待を裏切りやがって!!ちくしょうめ!!」プリプリ

姉「誰でもいい!誰でもいいから紙を持って来い!!ケツが痺れてきたぞ!」

『バブー』

姉「そ、その声はタクちゃん!?タクちゃんか!」

幼児『バブバブ』

姉「こいつは難しい奴が来たぞ…」

姉「…おいタクちゃん!私の言葉が分かるか?」

幼児『ブー?』

姉「お願いがあるんだ、トイレットペーパーを持って来てくれないだろうか」

幼児『…?ゴーヤ』

姉「違う!ゴーヤじゃない!トイレットペーパー!ト・イ・レ・ッ・ト・ペー・パー!だ」

幼児『?トゥイーレッー…ぺーー」

姉「そう!トイレットペーパー!」

幼児『…きゅうり?」

姉「違う!」

姉「いったん青野菜から離れてくれないかタクちゃん!私は紙が欲しいんだ」

幼児『キャハハハ!ブイーーン!ブルルル』ヨチヨチ

姉「ああっ!待ってくれタクちゃん!私を見捨てないでくれーーっ!!」

幼児『人を頼るんじゃねぇ!!」

姉「!!??」

姉「……行ってしまったか…最後にタクちゃんが喋った気がしたが…気のせいだろう」

姉「それにしてもどうする、この家はチリ紙一つまともに運べない奴ばかりではないか…先が不安だ」

姉「おーい誰かー!助けてー!紙をー紙を持って来てくれーー」

『…その声はおキヌさんかい』

姉「!…爺ちゃんか!おキヌは死んだ婆ちゃんだろ爺ちゃん!私はハナコだよ!」

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