そして由比ヶ浜結衣は決意する (40)

初めまして。10年以上振りにssを投稿します。俺ガイルssです。結末はまだ決めてません
注意事項
・当方仕事してるので遅筆です。しかし何であれ完結するつもりではいます
・当方仕事の報告書書く以外に文書書かないので大変稚拙です。俺ガイル一気に読破したノリで書いているので矛盾等
が発生するかもしれません。ご了承下さい。


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1431690901


そして由比ヶ浜結衣は決意する。

-----序章-----
昨日まで無慈悲に俺の体温を奪っていた冬の寒空が一転、デュアルザ・サンを喰らったかの如く急激な気温上昇に見舞われていたある日
俺は由比ヶ浜結衣と共に商店街を歩いていた。
「ヒッキーそんなコート着てて暑くないの?」
「…暑いな」
まだ二月だっていうのにこの異常な高温は未だに経験したことがない。何なの?千葉神社の御祭神北辰妙見尊星王がおこなの?
「暑いなら脱げば良いのに」
「脱ぐと荷物になるからな。それにお前が解放してくれれば家まですぐだしな」
「何それ?あたしが拘束してるみたいじゃない。ヒッキーのアホ!」
「部活終わって家に直帰しようとしてる健全な学生を捕まえて商店街に連れてきた非行少女はどこのどいつだよ?」
「う、うるさいし!ヒッキー帰ってからいつも暇してるから何処かに連れてって下さいって小町ちゃんからメール来たんだもん」
そう言うと由比ヶ浜は制服のポケットに手を突っ込み、デコレーションされたスマホを取り出して、いそいそと操作し始める。
お前のスマホ何時も思うが、持ちにくくないの?ゴツゴツした背面持って手のツボ刺激してるの?
そんな事を考えていると、由比ヶ浜は目当てのメールを見つけたのか、俺の顔面に突きつけた。

「結衣さんやっはろーです。兄が最近暇そうに家の中をうろついてて勉強に集中出来ないので何処かに連れてって貰えませんか?はっきり言って邪魔なので。それに結衣さんと一緒なら兄も喜ぶと思うのでよろしくお願いします」
「……」
なに、小町お兄ちゃんのこと邪魔だと思ってるの?お兄ちゃん悲しい。
「そういうわけで、ヒッキーを商店街まで連れてきたの」
「小町め……」
「それに今日は商店街に来たかったし」
「なんか目当ての物があるのか?」
「じゃじゃーん!」
そう言うと、スマホが入っていない方のポケットからレシートの様な紙を四枚取り出した。しかし、今時じゃじゃーんって……。
その紙切れを見ると、商店街大福引抽選券と書かれていた。ショッピングモールの物量作戦に押され経営が苦しくなっている商店街は全国数あるらしいが、この商店街も例外ではないらしい。俺としては人がゴミのようにいるショッピングモールより、古くからこの千葉を支えてきた商店街の方が愛着あるがね。
そんな経営が苦しく人が来なくなった商店街に、どうにか人を呼び戻そうと開催する典型的なイベントが、こういう抽選会だったりする。

「この抽選会の特等が、温泉旅行一泊二日なの」
抽選券を見てみると確かに特等ペア一泊二日温泉旅行券と記されていた。
「俺は温泉旅行より1等の図書カード1万円の方が魅力的だがな。そもそも特等当てても行く相手がいない。小町も受験で忙しいしな」
そうボッチにペア宿泊券を渡されても豚に真珠、猫に小判なのだ。金券ショップに売りに出すか、リア充に渡すしかない。そもそもリア充の友達もいないので、必然的に前者になる。仮に一年の運を使い果たしてまで特等という賞品を当てても、ボッチには無用の長物と化してしまう。それならば、あの部室で暇潰しに読む本をしこたま買える図書カードの方が余程有益だったりする。
「じゃ、じゃあさ……」
いかに特等がボッチに必要のないものか思考していると、隣にいる由比ヶ浜が顔を真っ赤にして呟く。
「も、もし当たったらさ……、い、一緒に行かない?」
由比ヶ浜さん……?この暑さのせいなのか、茹で蛸のように頬が朱に染まっている。この子言っている意味分かってるのかな?
「ば、馬鹿。俺じゃ無くてもお前には沢山友達がいるだろう。三浦達や、雪ノ下と行けばいい。俺である必要性がない」
「馬鹿ってなんだし!あたしはひ、ヒッキーと行きたいの!」
「そもそもその福引券で当たる可能性なんか限りなくゼロに近い。取らぬ狸の皮算用とはこのことだ」
「トラ……?タヌキ……?そんなの福引きの賞品にないよ」
何処までアホの子なの?どうやって高校入ってきたの?
「と、とにかく特等絶対当てるんだからね。てことでヒッキー、はいこれ」
そう言うと由比ヶ浜は四枚あるうちの二枚を俺に渡した。
「いいのか?当たった賞品は貰っちまうぞ」
「二人で回した方が当たりやすい気がするからいいよ。その代わり絶対当ててね」
満面の笑みで何無理難題言ってんだ、この子。
「くじ運悪いんだ。あんま期待すんなよ」
そう呟き俺たちは、抽選会場へと足を進めた。

ちょっと仕事の用で1時間後に貼ります。
貼ってみて思ったが掲示板には台本形式の方が合ってるなぁ。読みにくい

遅れました。貼ります。取り敢えず行間開けて見たので一回投下します。良ければ貼ってきます

抽選会場に着くと、ハンドベルの音が盛大に鳴り響いていた。

「お嬢ちゃん、おめでとう!一等の図書カード1万円分だよ」

八百屋のおっさんから図書カードを受け取っている少女は、どうやら俺たちと同じ高校の様だった。

「わーい、おじさまありがとうございます」

語尾にキャピ☆が付きそうなくらい甘い媚びた声を出しながら、上目遣いでおっさんを見上げている。
「お嬢ちゃん、可愛いねぇ、そこの八百屋寄ってくれたらサービスするよ」
おっさん、何高校生に骨抜きにされてんだよ。

「ホントですか?じゃあ後で寄りますね。ありがとうございますおじさま」

猫撫で声でそう言うと、真っ直ぐと小走りでこちらの方に向かってくる総武高一の小悪魔兼生徒会長、一色いろは。

「せんぱーい、何してるんですか?」

「ドーモ!ハジメマシテ、イッシキ=サン、ヒキガヤ、デス」

「……は?先輩この暑さで頭イカれたんですか?」

真顔で言われてしまった。最新のネタだったのに。

いろはちゃん、いろはろー」

「こんにちは結衣先輩。結衣先輩も一緒だったんですか?」

そう言うと由比ヶ浜と俺を交互に見ながら、ふんふんと頷く。

「先輩、もしかしてデートの邪魔しちゃいましたか?」

「デートじゃねーよ。お前と一緒で福引引きに来たんだよ」

「そうなんですか。てっきり御二方の距離が近いんでデートしてると思っちゃいました」

そんな距離近かったか、確かに何も知らない人が見たら、デートしてる風に見えるかもな。由比ヶ浜は無意識に距離詰めてくるから遠近感覚が麻痺してるのかもしれない。
「ひ、ヒッキーとデ、デートなんてするわけないし!やだなぁ、いろはちゃん」

「ですよねー。先輩には私が居ますからデートなんてするわけないですよねぇ」

あれ?なんかいきなり寒くなってない?寒いよ!小町のいる暖かい家に帰りたいよ。
「い、いろはちゃん、それってどういう……」

「さぁ?先輩に直接聞いてください」

やめて!俺を巻き込まないで!
「……ヒッキー?」

「俺は何も知らん、俺は一色に振り回されている被害者であって、断じてこんな小悪魔と付き合った覚えはない」

「可愛い後輩に向かってこんなって酷くないですか先輩」

目を潤ませながら上目遣いでこちらを覗き込んで来る一色いろは。なんでこいつはこんな衆人監視の中でこんな修羅場見たいな状況を作れるんだ。そもそも、何でこんな浮気がバレた夫みたいな感じになってるの?

「と、とにかく俺たちは福引きを引いて帰るだけだし、お前もさっき引いて一等当ててたんだから帰れよ」

「先輩冷たいですね。いいですよーだ。日頃お世話になってる先輩にせっかくこの図書カードあげようと思ったのに」

マジで?くれんの?下さいお願いします。代わりにこの福引き券あげるから。

「もう、ヒッキーそんなカードより温泉旅行でしょ」

由比ヶ浜が機嫌悪そうに呟く。どうしてそんな機嫌悪いの由比ヶ浜さん?

「もう、ヒッキー、早く引くよ!」

そう言って一色から引き離すように無理やり俺の手を引っ張って抽選会場に連れてく由比ヶ浜。怖いよ、痛いよ!
背後から一色の甘ったるい声で
「せんぱーい、特等当たったら一緒に行きましょうね~」
という声が聞こえ、ガハマさんの引く力が更に強くなっていった。火に油注ぐんじゃねぇ、アホ後輩!

たかが商店街のクジを引くだけで途方も無い労力をすでに使ってしまっている気がする。もうさっさと引いて、小町とカマクラが待つ家に帰らねば、そう思いながら福引器のハンドルに手をつけた。

俺の目の前で、金の玉がポロっと転がり、ハンドベルがこれでもかというくらい商店街中に鳴り響いた。やってしまった……。

「おめでとう兄さん。特等の温泉旅行ペア一泊二日御招待券だ。羨ましいねぇ、そこの彼女と行っといで」

「あ……、いや、その……」

「すごーい!ヒッキー。ホントに当たるなんて!」

いやまさかホントに当たるとは思っていなかった。せいぜい商店街の地域振興券千円当たれば良い方だと思っていたので、こんなところで一年分の運を使い果たしてしまったことに激しく後悔した。

「ヒッキー嬉しそうじゃないね……」

「ああ……。こんなとこで一年分の運を使い果たしてしまった気がするからな」

「何でそんな卑屈なのヒッキー。当たったんだよ、もっと喜ばなきゃ」

「そうは言ってもなぁ、ボッチには無用の長物だしなこれ」

「ヒッキー、あのさ……」

「あん?」

「無駄じゃないよ。さっき……約束したじゃん」

顔真っ赤にしながら上目遣いでこちらは覗き込む。さっきの某ゆるふわビッチと違い、こっちには計算されたあざとさはない。ない分こっちも対応に困ってしまう。

「一緒に行こうって……約束したよね」

「……」

「ダメ……かな?」

「……元々お前がくれたクジだ。お前が……その、使いたいように使えばいい」

パァッと、由比ヶ浜の目が大きく開く。やめてくれ、訓練されたボッチじゃなきゃ一撃でメルトダウンしてるわ。

「うん!じゃあ一緒に行こうね!約束だよ」

ボッチには眩しすぎる笑顔、将来誰かに見せるであろうその笑顔を、こんなボッチに作ってくれること自体が由比ヶ浜の優しさなのかもしれない。この優しさを受け止められるほど今の俺は強くない。ただこの優しさに甘えてしまいたい自分が何処かにいた、ダメだと分かっていても手を出してしまう麻薬のように。

その日はサイゼにて、春休みに行こうというくらいの簡単な日程を決め解散になった。
今日は疲れた。いつまでも手を振ってくる由比ヶ浜は見送りながら、しかし、こんな疲れもたまにはいいかと思える自分がいた。

街灯だけが頼りの、薄暗い道路を、一色いろはは、とぼとぼと歩いていた。
そこに猫を被っている普段の一色いろはの姿はなく、何かを秘めた女の子の姿はあった。

「……先輩」

そして、一色いろはは決意する。

駄文失礼しました。読んでくれた方ありがとうございます。取り敢えず序章終わります。
ss書くのハルヒ全盛期以来だから全然上手く書けてないですね。
スレに書かれた改善提案も参考にします。

取り敢えず後半まで書いてありますが仕事の都合上と、駄文を推敲するためちょっと遅くなります。
完結はさせるので長い目で見てやって下さい

十年振りにSS書くようなやつが>>1みたいな前書きするわけないんだよなあ……

3月に差し掛かり、いよいよ春休みを目前に控えていたある日。
部室には、いつも通り、文字列を読んでいる俺、ハードカバーをペラペラとめくる雪ノ下、スマホを弄る由比ヶ浜……まぁいつも通りの光景が広がっていた訳だが……。

どうも様子がおかしい奴が一人紛れ込んでいた。

そいつは、スマホを見ながら「……えへへ」とか「……うふふ」とか言いながら液晶画面を凝視していた。
学年末試験が悪すぎて、ついに壊れてしまったのか……。ナムアミダブツ。

「由比ヶ浜さん」

「なーに? ゆきのん? 」

「最近機嫌が良いみたいだけれど、何か良いことでもあったのかしら? 」

「えへへ~ヒミツだよゆきのん」

こっちを見ながらニヤニヤするのやめい!
雪ノ下の凍てつく瞳がこちらを凝視する。すっげえ怖いから! 何もしてないのに警察署に出頭しそうになるからやめて!

「由比ヶ浜さん、何であの腐った目をした男を見ながらニヤニヤしているのかしら? 」

「え……いや、ひ、ヒッキーの顔が面白いからニヤニヤしてるだけだし! 」

由比ヶ浜さん、今の酷く傷ついたんですけど。いくら訓練されてるとはいえ、心はあるんですよ由比ヶ浜さん?

「比企谷君の顔が面白いことは同意するけど……まぁいいわ」

二人揃って俺の顔を弄るのやめて!泣いちゃうよ、今泣くよ?
そもそも面白い顔って何だよ。そんな年中面白い顔だったらボッチやってないんですけど。

雪ノ下が言うように、最近の由比ヶ浜は異常に機嫌が良かった。こいつは普段から空気を読んで笑顔を絶やさない奴だが、それにしたって浮き足だっている。昨日あーしさんに、尋問されてるくらいだしな。昨日のあーしさん怖かったなぁ。

彼女が、なんで機嫌が良いのかは俺は知らんし、知っていたとしても多分、俺には関係のない事だと思う。あいつの機嫌が良くなることなんて、ここ二、三日した覚えもないし、目撃もしていない。
そもそも、由比ヶ浜が機嫌の良くなる事って何なんだろうな……そんな至極どうでもいい事を考えていると、コンコンとノックの後、年季の入ったドアが開く。

入って来たのは、この部活に、9割9分9厘の確率で厄介事を持ち込んでくる、小悪魔疫病神こと、一色いろはだ。

「雪ノ下先輩、結衣先輩、こんにちは~」

「こんにちは」

「いろはちゃん、いろはろ~」

ナチュラルに俺をシカトするな。そんな子に育てた覚えはありません。

「先輩もいたんですねー。こんにちはー」

「……おう」

皆と簡単な挨拶を済ませ、もはや一色の定位置とも言える場所にパイプ椅子を広げる。
それから由比ヶ浜と生徒会の愚痴や葉山グループの話など、俺の人生にとっては一変の価値もない会話をしていた。

最早部員の貫禄がある一色から、文字列の集合体へと再び視線を戻そうとした時……一色は小悪魔フェイスを作り、超いい笑顔で何か言いだした。

「先輩、時に質問なんですけど……」

「あん? 」

「先輩、この前福引で温泉旅行当ててましたよね?もう行ったんですか? 」

由比ヶ浜と俺の肩が同時にピクンと揺れる。
なんでこいつ知ってやがる……と思ったが、そういえばあの場にいたっけか。途中で居なくなったから帰ったかと思ってたが、ちゃっかり見てたのか。
雪ノ下は何の話かしら? という視線をこちらに向けてくる。

「いや、まだ使ってない。ほら、小町の合格祝いで、春休みに使おうと思ってな……」

「えー、でもあの場に結衣先輩もいたじゃないですか? もしかしたら2人でいくのかな……なんて」

どういうことかしら……と言いたげな雪ノ下の瞳がこっちを見続けている。目だけで人を殺せそうなんですが。

「ひ、ひ、ヒッキーと温泉旅行なんて、い、行くわけないし! や、やだなぁ、いろはちゃん」

あはは、と笑いながら胸の前で小さく手を振り否定する由比ヶ浜。あからさまに怪しいから。

「そうなんですか? てっきり最近の結衣先輩の上機嫌な理由は、先輩と温泉旅行に行けるからと思ったんですけど」

ビクッと肩を震わせ、見る間に顔が赤くなってく由比ヶ浜。それを見てどんどん険しい目つきになってく雪ノ下。
なんなのこの空気……。

茹蛸になった由比ヶ浜と、俺を交互に見て溜息をつき口を開く一色。

「じゃあ先輩、ゆい……、妹さんと温泉行く日教えて下さい。それ以外の日は生徒会活動に出てもらいますので」

「……は?」

学生の特権たる春休みに、生徒会活動だと……。

「新入生受け入れ準備をしなくちゃいけないんですよー。でも春休み中、副会長と書記ちゃんがどうしても用事があるって言われて……それで人手が足りないって、平塚先生に相談したらー、先輩使ってもいいって言われたので……」

先生、人の休みをなんだと思ってやがる。いつから生徒会の社畜奴隷と化したんだ俺は。
奉仕部じゃなくて、社畜部じゃねーか。
制服の袖をつまみながら、上目遣いで死刑宣告を告げる小悪魔。マジ悪魔。

「その……今回は単純肉体労働が主なんでー、奉仕部に依頼という形じゃ無くて先輩個人の依頼でお願いしたいなと……」

新入生とその保護者に入校説明会を実施する為、体育館に教科書類を運んだり、始業式の準備の為に、椅子を並べたりする作業が主だと一色は説明する。

「戸部でいいだろ……」

俺である必要性が全くない。どうせ暇してるなら戸部だって絶対暇な筈だし、一色も使いやすいだろ。戸部には悪いが……。

「戸部先輩にも声かけたんですけど、『ごめんな、いろはす~。バイト立て込んでるし、婆ちゃんの世話しなきゃだからマジ無理だわ』って言われて断られちゃいました。葉山先輩も他校との練習試合の調整で忙しいですし」

婆ちゃんの世話を率先してやる戸部、超いい奴じゃないか。婆ちゃん子に悪い奴はいない。
葉山は……まぁ仕方ないのか。

「てことで、先輩と私、後先生方が手伝ってくれるのでそんな時間はとらせないと思います」

「しかしなぁ……」

俺が決めあぐねた態度を取っていると、一色はトコトコと、俺の方に近づきてきてぺこりと頭を下げる。
どうにも俺は年下に弱い。庇護欲をそそられるというか、無意識に助けたくなってしまう。主に小町ちゃんのせいだと思う。

「わかった……」
力なくうなだれる俺を見て、一色の顔にパァっと笑顔が溢れる。こいつが生徒会長やめるまでこれは続くのだろうか? 気が滅入る。

「相変わらず甘いのね」

何時より三倍増しの冷気と纏いながら雪ノ下は言う。今日の雪ノ下さん怖いです

「じゃあここに、来られない日と、先輩の携帯番号書いて下さい」

そう言って一色は、おしゃまキャットメリーちゃんが所狭しとプリントされたメモ帳を取り出す。こんな小物にも可愛さアピールを忘れない一色マジあざとい。
確か由比ヶ浜と約束してた日は3月下旬の月火だったな。サイゼでのやり取りを思い出しながら、開かれたカレンダーにバツ印を書き込み、空白に携帯番号を書いた。
そういやこいつに番号教えてなかったんだな。

「ほらよ」

「ありがとうございます先輩。じゃあよろしくお願いしますね~」

ぺこりと一礼して、足早に部室を去る一色。ホントトラブルメーカーだなあいつは。
一色が去ると同時に、下校を促すチャイムが鳴る。

「……これ以上依頼はないようだし、私達もそろそろ帰りましょうか」

「……そ、そうだね」

そう言って二人はいそいそと帰り支度を始める。途中何度か、雪ノ下が何かを言いたそうにしながら俺の目を見ていた。
だが結局、雪ノ下が何を言いたいのか知ることもないまま、俺たちはそれぞれの帰路に着いた。


俺はその時まだ気づいていなかった。一色いろはの真の目的に。

駄文失礼しました。取り敢えず終わります。
今週中には終わらそうと思ってましだが、仕事の都合上ちょっと厳しそうです。

>>21-22
私が書いてた時はハルヒ全盛期のvipでした。十年は言い過ぎかもしれないですね。
ただ久しく物を書く行為をしてなかったんで語彙力下がってて泣きそうです。物を表現するのって難しいです。

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