にこ「電話を殺す」 (16)

・ラブライブSS

・短い

・にこえり



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ガチャ

にこ「はい、もしもし」

絵里「もしもし?私だけど」

にこ「………名前を言いなさい」

絵里「私よ私。かしこいかわいいエリーチカ」

にこ「それ電話に出たのがうちのちび達だったら相当恥ずかしいからね?」

絵里「私は声を聞いた瞬間ににこだって分かったわよ。恋人だもの」

にこ「そう」

絵里「そっけないわね」

にこ「…そんなことないわよ」

絵里「…もしかして私が昨日電話しなかったからかしら?」

にこ「…毎日するって言ってたくせに」

絵里「それは本当にごめんなさい。昨日は少し忙しかったのよ。ただ…」

にこ「ただ?」

絵里「拗ねてるにこも中々悪くなあと」

にこ「切っていい?」

絵里「待って待って」

にこ「こっちも家事で忙しいのよ」

絵里「あら、モーニングコールのつもりで電話したのにもう起きてたのね?新聞はもうとった?」

にこ「起きてたわよ。当たり前じゃない。今こっちは9時よ。あ、でも新聞はまだとってなかったわね」

にこ「モスクワは…ちょうど午前3時くらいかしら?」

絵里「あら、当たりよ。よく時差が6時間くらいだって知ってたわね?」

にこ「………たまたまよ」

絵里「私が留学するって決めてから必死でモスクワのことを調べていたであろうにこの姿が目に浮かぶようだわ…」

にこ「これ以上からかうなら切るわよ」

絵里「本当、今のにこは可愛げが無いわね………」

にこ「どういうことよ」

絵里「私今でも忘れないわよ。にこが告白してきてくれたときのこと」

にこ「忘れなさい」

絵里「そう、にこは顔を…」

にこ「忘れなさい!」

絵里「………びっくりした。急に大声出さないでよ」

にこ「あの時は私もどうかしてたわ。こんなんに告白するなんて………」

絵里「ええ、私もびっくりしたわ。だって練習中もずっとツンツンしてたにこが卒業式後に急に顔を真っ赤にして私に…」

にこ「あんまりしつこいと切るわよ」

絵里「ごめんなさい」

にこ「ほんと、なんで私は大学に入って突然留学するなんて言い出す勝手なやつに告白なんて…」

絵里「あはは………それは本当に申し訳ないと思ってます…」

にこ「まあにこには止める権利なんて無いけどね。でも、毎日電話するからって言ってたのにそれすら忘れるのはどうなのかしら」

絵里「誠に申し訳ございません…」

にこ「なんかあんたさっきから謝ってばっかりね…。今は高校生のときとは違って毎日会えるわけじゃないんだから電話くらいしてよ?」

絵里「明日からは気をつけるわ…」

にこ「でも、なんか不思議よね」

絵里「何が?」

にこ「あのころは毎日のように練習があったから嫌でも会ったじゃない?電話で話すこともあったけどそれが無くなったらはい終わりってことは無かった」

にこ「でも今は私達がリアルタイムに話せるのって電話だけ。これが無くなったら終わりなのよ?なんか不思議じゃない?」

絵里「そうね。こっちにはパソコンも無いし本当に連絡手段は電話だけね」

にこ「だから、にこにとっては電話が絵里だと言っても過言ではないわけよ」

絵里「じゃあ、こっちの電話もにこだといっても過言ではないってことになるわね」

にこ「…いや、ちょっと待って。少し違うわね」

にこ「どちらかの電話が壊れたらもうお互いに会話は出来ないわけだから、電話はにこでもあり絵里でもあるってことになるわね」

絵里「なるほど」

>>3
悪くなあ→悪くないなあ

にこ「だから少し不安だわ。電話を壊しちゃったら…いや殺しちゃったら」

絵里「殺すって少し物騒ね………」

にこ「連絡が取れないわけだから。電話を壊すことはあんたを殺すことと同義なわけよ」

絵里「ふむ…」

絵里「…やっぱりにこ、寂しいんじゃない?」

にこ「………別に」

絵里「さっきの話、私には電話だけでしか話せないのは不安で寂しいって言ってるように聞こえたわよ」

にこ「………」

絵里「私は寂しいわ」

にこ「………私も、寂しくないって言ったら嘘になるわ」

絵里「………」

にこ「でも、仕方ないじゃない。本当は留学なんてして欲しくなかったけど、にこにはどうすることも出来ないし………」

にこ「行って欲しくないなんて我侭も言えないし」

にこ「にこだって本当は今すぐ会いたいんだから」

絵里「………会えるわよ」

にこ「来年、日本に帰ってきたらね」

絵里「いえ、会えるわ」

にこ「何よ。どういうこと?」

絵里「………」

にこ「………」

にこ「ちょっと待って」

にこ「あんた、ちょっと前に新聞はもう取った?って私に聞いてきたわよね?」

絵里「聞いたわね」

にこ「それで、まだとってないって言ったわよね」

絵里「言ったわね。それがどうしたの?」

にこ「うち、前まで新聞はとってなかったのよ。あんたが留学する前まではね」

絵里「え?本当?知らなかったわ」

にこ「本当よ。証拠もあるわ。うちが取ってる新聞は「ロシアの現状が分かる新聞」なの。こんなの何の興味も無くとるわけ無いでしょ?」

絵里「あら、本当にこっちのこと調べてたのね………なんか、少し嬉しいわ」

にこ「い、今はそのことはいいでしょ!………で?」

にこ「今そっちの天気はどう?」

絵里「快晴よ」

にこ「奇遇ね。こっちも快晴よ」

にこ「時間はどう?」

絵里「ちょうど9時半くらいかしら」

にこ「奇遇ね。日本も9時半くらいなのよ。時差ってどうなっちゃったのかしらね」

にこ「じゃあ…今どこにいるの?」

絵里「どこでしょう?」

絵里「………あら?」

絵里「わざわざ降りてきてくれたの?」

にこ「私の家の前で私と電話なんていい趣味してるわね」

絵里「どうも」

にこ「あっちのことはいいの?」

絵里「明日には戻るわよ」

にこ「ご飯食べてる?」

絵里「食べてるわ。中々おいしいわよ。…にこのほどじゃないけどね」

絵里「私からもいい?」

にこ「何?」

絵里「私に会えて嬉しい?」

にこ「………」




にこ「まあまあ………よ」

短いですけどこれで終了です

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