『東方×ダークソウル』 永琳「この2つって、無理がないかしら…?」 (21)

うp主

『昔話をしてあげる。
うp主が東方SSを読み漁っていた頃の話よ。

うp主は東方xダークソウルのSSを読みたいと思ってた。
だから、作品を探した。

でもそのたびに、うp主は作品をすぐ読み終わってしまった。
絶対数の少ない、限られたクロスオーバー。

うp主は困惑した。
ユーザーはダークx東方のSSを望んでいないのかって。』

友人

『その2つは合わせづらい、それだけだろ。』

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1429205357

うp主

『そうかもね、でもうp主はどうしても読みたかった。
だから先駆者様の作品をどんどん読み漁っていった。

その時のうp主は「SS難民」って呼ばれたらしいわ。
何もかもをすぐに読みつくす、死(暇)を告げる亡者。

これは、本当の話よ。
ずっと昔(ここ一ヶ月)、うp主の経験した出来事。

最後のSS、それを読み終わってしまったのよ。』

友人

『お前は、そのクロスオーバーの作者になりたいっていうのか』

うp主

『…本当はそうなのかもね、でも私は
私は、もう難民になりたくないだけ。
今までも、これからも。


始めましょう 書き連ねるわ、SS(妄想)を』

装備

アルバの兜
監視者の鎧
王国剣士の籠手
王国剣士の具足

右手
ルーラーソード
太陽の直剣

左手
番兵の盾
渇望の鈴

指輪
三匹目の龍の指輪
生命の指輪+3
生命の加護の指輪
刃の指輪+2

きっと現代人ならば

『まるで世界の終わりのようだ』

とそう呟くのでは無いか。

事実その言葉は寸分間違っていない。
なんせ、既に世界は終わったに違いないのだから。

小さめの音楽ホールのような。
半球状の広場。
いやこの表現は適切では無い。

例えも浮かんで来ないが、その空間には、2人の人物が居た。

床一面には灰がつもり、辺りは煙たい空気が覆っている。

ラグナロクの後のようだとか、
妖怪戦争を終えた月面のようだとか、

言いようはいくつもあるのだろうが
その空間には、それだけでは言い表せぬ、深い悲劇が満ちていた。

先も述べたとおり、この空間には二人の人物がいる。

独り。
煤けた、それで居て昔放っていたであろう荘厳さを感じさせる鎧に身を包む。
通常の人間の二倍はあろうかという背丈の騎士。

悠久の過去。

反逆者として追放された。
それでもぬくもりを求め続けた。
常に孤独であった騎士。

レイム。
現在では"煙の騎士"の通称で呼ばれる、過去の英雄。

そしてもう独り。

純白の、ロングコートと騎士甲冑を合わせたような鎧に身を包む。
通常の人間とさして変わらない背格好の男。

右手には、それだけで圧倒的な存在感を放つ大剣。
この国を、過去統治した王の武器。

煙の騎士の主でもあった王の武器。

――ルーラーソードを、唯 しっかりと握っている。

左手には漆黒の円盾。

由来も分からぬ黒き騎士たちの盾。

――番兵の盾を握りしめている。

この白き騎士の成した偉業は。
それまでの歴史を見ても、そしてこれからの歴史の中でも。

決して超えることは無いであろう、無かったであろうもの。
いや、もしかしたら独りだけ、それに並ぶ偉業を遂げた戦士も居たかもしれない。

だが、それを知るものも。
ましてや記録を残した者も存在はしていない。

ただ、たとえそうであろうが、この騎士の成した偉業は唯一無二のものであり、そして決して他と比べられるものではなかった。

しかし、それでも。
彼の成した偉業は決して、語り継がれることは無いであろう。

理由は単純明快にして、そして余りにも悲劇だ。

――誰も彼の成した事を知り得ないから。

闇の王。
きっと彼の境遇を知る者ならば、そう呼ぶであろう。

世界から火を消しさり、世界に闇と人の時代をもたらした張本人。

彼を英雄と呼ぶか。
はたまた世界を滅ぼした悪魔と呼ぶかは。
視点によって千差万別であろうが。

だがしかし。
一つだけ言える事がある。

彼を超える魂を持った存在は、もうこの世界には存在しないであろうと。

両者が剣を構える。

刹那。

両者の戦端は開かれた。

先に動くは煙の騎士。
左手に担いだ、板とも形容できる大剣を白の騎士へ振りかぶる。

白の騎士はその攻撃を、大きくバックステップすることで躱し、そして駆け出す。

右手だけで持っていた大剣を両手で持ち直し、煙の騎士の懐へ転がり込んだ。
渾身の力をこめ、大剣を振りかぶる。

その剣は、吸い込まれるように煙の騎士の甲冑へ命中し、そして斬り裂いた。

斬り裂いたと言っても、それは煙の騎士にとっても。
そして白い騎士にとってもかすり傷のようなものにほかならないのだが。


次いで巨躯の騎士の反撃が、白き騎士を襲う。
左手に持っていた直剣を振りかぶり、小さき騎士の頭部めがけて振り下ろされた。

回避は間に合わない。
そう判断したのか。

白き騎士は左手に握っていた盾を繰り出し、煙の騎士の一撃を防ぐ。

グァン!!と。
非常に重い。傍から聞けば爆発音のような。
金属音が辺りに鳴り響き、白き騎士の足は灰の中へと沈む。
足首が完全に灰に没した騎士は、盾で受け止めていた直剣を、力任せに弾き返す。

渾身の力を込めて振り下ろした直剣が弾き返されたことにも動じず。
煙の騎士はそのまま後ろへと跳躍し、白き騎士から距離をとった。

再び睨み合う二人の騎士。

その沈黙を打ち破るは、煙の騎士の咆哮。

およそ人のものではない雄叫びに、周囲の空気が轟く。

普通の人間であれば、それだけで失神してしまうような魂の叫びを全身に浴びても尚。
白き騎士は一切動じる事なく、その切っ先を煙の騎士へと向けた。

その瞬間。
常人には眼にも止まらない早さで駆け出す2人。
尋常ならざる瞬発力で加速された剣先が、お互いを貫かんと接近しあう。

過剰とも言える殺意が込められた一撃を、両者は半身を翻すことによって回避した。

音速をも超える一撃が放たれた空間に残されるは。
それによって生じた耳を劈く爆音。

煙の騎士が左手を上げる。
手にされた特大剣が、目の前の白き騎士へと振りかぶられた。

横振りで迫る特大剣を、屈むことによって。
間一髪回避する白き騎士。

通常の人間が喰らおうものなら、後には人間であった面影を残さぬ肉塊が転がるばかりであろう一撃。

白き騎士はそのまま後方へとローリングをし、煙の騎士の間合いから離脱する。

そしてその瞬間に跳躍。
一瞬で人の背丈まで跳躍し、煙の騎士の脳天めがけ大剣を振り下ろした。

全体重と。
重力。
そして騎士の筋力によって極限まで加速された刃が、煙の騎士の頭を砕かんと迫る。

その一撃を回避できないと判断した煙の騎士は、首をかしげるようにして脳天への直撃を避けた。
しかし、攻撃が回避できたわけでは勿論ない。

煙の騎士の右肩に命中した一撃は、そのまま右腕を刳った、

あまりの衝撃に、思わずよろける煙の騎士。

これ好機とばかりに追撃を放つ白き騎士。

身体を回転させて、勢いつけた大剣で煙の騎士の胴体を斬りつける。

白き騎士は勝ちを悟った。
それはそうだろう。

会心の一撃を二度続けて命中させたのだ。

過剰とも、異常とも言える威力の斬撃。

だが、その考えが、彼に一瞬の隙を呼んでしまった。

煙の騎士へ最後の一撃を放とうと踏み込む騎士。

だがその一撃が煙の騎士へ届くことは無かった。

「――グッ!?」

煙の騎士の膝蹴りが、攻撃モーション中の騎士の腹を蹴り上げる。

想像を絶する衝撃に、白き騎士は堪らず吹き飛んだ。

10メートル近い距離を飛んだ後、地面に叩きつけられる全身。

肺から空気が逃げ出そうとするが、先ほどの蹴りのせいか否か。
呼吸器官はその仕事を放棄する。

普通の人間であれば、即死するような一撃の後も、白き騎士はその意識を保ち続けていた。

それも嫌というほどハッキリと。

――調子に乗りすぎた。

騎士は鉛の様な身体に鞭を打ち、立ち上がる。
未だに機能していない呼吸器官を恨めしく思いながらも、その腰に下げてあった瓶を呷った。

エスト瓶。
不死人の宝たる鈍い緑ガラスの瓶
篝火でエストを溜め、飲んでHPを回復する

その瞬間に、異常を訴えていた騎士の身体は平静を取り戻し、傷はみるみる塞がっていく。

そしてポーチから金色の粉を取り出すと、それを頭上へ向かって撒いた。

修理の光粉
魔力を帯びた金属を紛状に加工したもの
装備の耐久度を回復させる
 
武器や防具は使い続けると耐久度が下がり、
壊れると使いものにならなくなる
不意の事態を考えるなら持っておくべき
備えなき者に災いを嘆く資格はないのだ

すると、煙の騎士の蹴りによって歪んだ鎧は見る見ると元通りの姿に戻っていった。

白き騎士は視線を煙の騎士へと向ける。
煙の騎士もまた、ちぎれた腕が元通りになっており、白き騎士は内心舌打ちした。

――闇の子の加護によるものか…。

再び切っ先を互いに向け合う両者。

戦いはまだ終わらない。

それからの戦いは、まさに一進一退と表すのに相応しいものであった。

白き騎士の一撃を、煙の騎士が特大剣で受け止め、お返しとばかりに直剣をその脳天めがけて振り下ろす。
白き騎士はそれをローリングで回避し、左手に持った鈴のようなもの――渇望の聖鈴――から撃ちだした"ソウルの大きな共鳴"でけん制する。

ソウルの大きな共鳴
生命の力を捻じ曲げる闇術
一定のソウルと引き換えに、大きな闇を放つ

ソウルを持たなくても使う事は可能
ただし、威力は極端に落ちる

既にこの戦いが始まってから15分は立っているであろう。
この間、2人は一切の手を緩めることなく全力を出し続けている。

しかし、それでも2人の剣捌は衰えることを知らず。
むしろ勢いをましていた。

一切の疲労を見せることなく戦い続ける2人。

彼等は一体なにものなのか。

そう疑問に思う人もいるのでは無いだろうか。

端的にいうと、彼等は人間である。
勿論、唯の人間ではないが。

不死人。
白き騎士の様な存在はそう呼ばれている。

死んでも死ねない、呪われた存在。
呪いの証「ダークリング」があらわれはじめ、患った人は「不死人」と呼ばれるようになった。
不死人はやがて考える器官を失い、誰とも構わず襲う「亡者」に変貌する。
そのためダークリングを患った者たちは、健全な人々から嫌われ、追放され、世界の終わりまで幽閉される運命にあった。

彼はその中でも、不死の英雄と呼ばれる存在。
先も語った通り、世界から火を消しさり、世界に闇と人の時代をもたらした張本人。

神すらも寄せ付けぬ、圧倒的なソウルをその身に宿す者。

彼を主役とした御伽話があるのならば。
勇者という呼び方が最も相応しいであろう。

悲劇の主人公。
闇の王。
抗い続ける者。

希望などない世界で、絶望が満ち満ちた世界で。
それでも必死に希望を探し続ける、哀れな存在。


煙の騎士"レイム"も似たような存在である。
彼等2人に、大きな違いは存在しない。

きっと本質は同じ者同士だ。

何が彼等を分けたのかは、誰にも解らない。
それはきっと、本人達も知り得ないことだし、また知ろうともしないことだろう。

レイムの一撃が、白き騎士へ迫る。
それをぎりぎりの所で盾を使い受け流す白き騎士。

受けた腕ごと持って行かれそうな衝撃に踏ん張りつつ、ルーラーソードの切っ先を突き立てる。
それを避けるでもなく、ただただ受け入れるレイム。

左肩に深々と突き刺さった大剣は、白き騎士に確かな手応えを感じさせた。

だが、結果として、それが油断を招く事となる。

レイムは大剣ごと白き騎士の右腕を掴み拘束した。

――マズイッ!?

そう思考し、白き騎士は脱出を試みる。
が、時既に遅かった。

騎士は自分の頭上を仰ぎ見る。
そこには、今まさに、直剣を突き刺さんとするレイムの姿。

――ああ、これは死んだな。

白き騎士の右肩に切っ先が突き立てられ、そのまま身体を貫いていく。
右肩から侵入した刃は、そのまま騎士の心臓を貫いた。

遠ざかる意識の中。

白き騎士が最後に見たものは。
ただ悲しそうに佇むレイムと。

自らの血で染まった、灰色の地面だった。

これは。

絶望の英雄。
全てを失った哀れな英雄の、新たな物語の幕開け。

誰にもその偉業を知られることの無かった。
とある白き騎士が幻想となったお話。

不死の英雄。
闇の王は。

その世界で何を見出すのか。

それは誰も知り得なかった。
存在しなかったお話。




希望を欲した英雄は――




―――幻想郷へと辿り着く。


酔に任せて書き殴りました

多分後で修正します

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