[アイマス]  飛鳥「素直に」 佐々木「なれなくて」  [ハルヒ] (46)

書き溜め中。ちょぼちょぼ投下していく

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 自分は素直ではない と言われることがある。しかし、

自分の性格なんてそこまで実に明快に理解できるものでは無いだろう。

例え僕が素直でない。と言う事実を認めたとしたら、それは実は素直であると言う事の証左かもしれないし、

認めないとしたら、矢張り素直ではないという指摘を受けるだろう。これは明らかに矛盾であり、

そう、何かの本で読んだが、うそつきのパラドクスと言うのだった。

キミはうそつきか? と訊いて、はい、と答えたならばうそつき。
 いいえ、と答えたならば、矢張りうそつきなのだ。

ここまで錯綜した思索とも言えない妄想を続けていても、自分の性格と言うのは良く解らない物であるし、

他人、と言ったら少し語弊があるかもしれないが、親友からの折角のアドバイスなのたのだから、気に入る、

気に入らない別にして受け止めておこう。言われるうちが華と言うだろう。

期待

今日は家族が全て 出払ってしまって、少し、音が無くて寂しい。

ペンを止めてリビングに行ってみても当然のことながら自分の足音と外の車の通る音ぐらいしか聞こえない。

 普段滅多に見ないテレビを点ける。

画面の中の女の子は煌びやかな衣装を身に纏い、鈴の音のような声で歌を歌い、全身を使って踊る。


 音楽に対して特に大きな拘りを持ってはいない。どのような歌であってもメロディラインが楽器と同じように感じられ、

声をも楽器と見做して聴いているのだ。

 しかし、時たま歌詞の一文が自分の心を突き刺すことが有る。

「アイドルの歌もなかなか良いものなんだな……」

 画面に向かって言葉を発するだなんて年寄りじみた事をしてしまう。

 自分と歳が変わらない、或いは自分よりもうんと若い者が歌うものにこうもメッセージが込められることがあるのかと。

むろんこの歌詞を書いたのは彼女たちでではないだろう。しかし、そう思わせるものがあった。

ここ最近、学校と、塾とそれから家。ここ以外で立ち寄った場所はあるだろうか。
 少し前に中学時代の親友と友達を通じて会うことが有ったが、それ以降何もない気がする。


 書店に行ったとしても、最近は文芸書籍を通り抜けて専ら、きたる受験に備えた参考書を選ぶことの方が多いし、

好きだった洋楽のCDコーナーに行くことも少なくなった。いや、CDショップにも行かなくなったのかもしれない。

 だから、最近有名になり始めたであろう画面の中のアイドルの曲を知らないのは当然とも言えた。

が、少し興味が湧いてきてしまった。最近の世の中は便利で、テレビの前に坐ったまま、

手元の電話をいじればどんな情報も手に入れられる。

「346プロダクションか……」

 アイドル事務所は数字のプロダクションが多い。友達が聴いていたのは765だっただろうか、961だっただろうか。

一通り、サイトを巡回すると少々疲れる。小さい画面を見つめるのは、向いていないようだ。そろそろ寝るとしよう。

いつもより遅い目覚ましで起きる。
 今日は日曜日。いくら通っている学校が私立の進学校と言えどもこんな日に学校があるというのは野暮というものだ。

この国はキリスト教の教えなど全く守らないで、やる事と言ったらクリスマスに俄かに聖歌を歌ったりといったものだが、

この日ばかりは聖書の教えを守ろうじゃないか。

さて、今日は何をしようか。流石に週に7日も机に向かいっ放しだと良くないだろう。

 しかし……毎度のことながらすることがない。だらだらと部屋にとどまって無為に過ごしてしまっている。

日が落ちるころに、ああしまった、と思ってしまう

 よし、今日こそは何かしよう。

  クローゼットを開ける。
 几帳面に並んだ服。服装の好みは小学生のころから余り変わっていない。活動的、

と言うよりも中にいる方が好みな自分に良く合っているとは思うし……いや、それはどうでもよいか。

そうだ。服でも買おうか、変か? いいや、自分だって女の子なのだ。そう思っても良いだろう? 

季節も変わるのだ、冬から春へと。そう、ただ春物が足らないだけ

 とは、いってもそこまで資金がある訳でもない。久しぶりに古着でも見てみようか。

 

電車を乗り継ぎ一応、都会と言える場所に出る。

 何やらいつもよりにぎやかだ。何があるのか? と気になって周りを見てみると
 近くの掲示板が目に留まる。

「346プロダクションの……ライブがあるんだ……。ダークイルミネイト?」

 良く解らないが、アイドルが来ているのか、だから人が多いのだな……。


 人混みは苦手で人波はもっと苦手だ。しかし、進まなければならない

日本は狭苦しいのに広大な土地を持つアメリカのシステムを何も考えないで輸入してしまった為に車が変に多い。

この点ばかりは改めて欲しいものだ。

「さて、いつもの場所……? あれ?」

 どうしたものだろうか、いつも贔屓にしている古着屋さんが無くなっていて、

代わりに新しい服屋が出来ていた。前の物はとても趣があるというか、

結構好きな雰囲気だったのだが、今度の物は店の外から見ているだけで、

ちょっとためらってしまう。

 つまり、こう、女の子女の子している様な服ばかりが並んでいたのだ。


ふわふわでふりふりという表現が似合うだろう。沢山のリボンやレース等を使った服。

白やピンク、水色などが基調の服。

服飾には余り詳しくないが、ゴスロリとかそういう物では無いと言う事は何となくわかる……

しかし、普段の自分の雰囲気とは余りにも違うものだ。

 仕方がない……別の場所を探そう。

と、思ったが、ここら辺でそれなりの値段で服が買える場所を良く知らなかったので、

事前のリサーチ不足を嘆きつつ携帯を取り出す。
 
 なるほど……少し離れいるが、あるらしい。

 ここから歩いて30分ほどかかるだろう。画面の隅に表示される時計は12:00を指している。

 そういえば、少しばかり空腹を抱えてしまったようだ。服を買った後に何か食べようか。


 ……これを親友に言った事があるのだ。しかし、その親友は

「ご飯を食べてから買ってもいいじゃないか」と言ってきたわけだ。

しかし、そうすれば人間の特性上少しばかり胃が膨らんでしまうだろう? 

すると、服のサイズに影響があるかもしれない。いや、解っているんだよ、

膨らむのが微々たる程度だと。しかし、もしも、試着した後に聊かキツイとなってしまうのは、

店員さんにちょっときつそうですねと思われてしまうのはやはり気まずいものがある。
 こう訴えても親友は納得していなかったけれど、そういうものなのだ。


 日頃の運動不足と言うのはいつ効いてくるか解らないものだ。少々歩いただけで疲れがたまる。

これからは定期的に歩くことを習慣づけよう。

 そう誓いながら、少し開けた場所にある公園にベンチを見つけ一呼吸する。

 無機質なコンクリートの建物だらけなこの場所にとってはいわばオアシスの様なものかもしれない。

ここには文字通り噴水などがあるし。

「隣、いいかい?」

 唐突に声が降ってくる。久しぶりに歩いた足の心配をして腰を曲げていた自分にはまさに降ってくるようなものだった。

「ええ、どうぞ」

顔をあげる。 声の主は女の子だった。女の子にしては落ち着いた深い声、しかし、

彼女の髪の毛に一瞬で目が奪われる。明るいオレンジの様な短い髪に、黄色いエクステといったかな、

付け毛がアクセントになっている。

「ああ、ありがとうな」

 少し空間を開けて、彼女は腰を下ろす。そして、缶コーヒーをポケットから取り出して開けた。ぷしゅ、かこっ という音が二人以外周りにいないベンチで聞こえる。

「うぐっ……」

 彼女は一口傾けると苦虫を……苦いコーヒーを飲んだかのような顔をして早々に口に持って行った手を下げる。

「この苦さが……何故か心地いい」

 結構なご感想だこと。

「オトナはブラックのコーヒーを飲むものだと子供の頃思っていなかったかい?」
 
 彼女が話しかけてきたのだろうか。 大きな独り言なのだろうか……。少し困惑して答えに詰まる。


「キミだよ、キミ」
 
 くい、とこちらを向いてきたのでそうなんだろう。

「たしかに……そう思っていた事があったかもしれないわね」

「そうだね、オトナとコドモの転換点というには少し大げさかな」

 かん、という音を立てて、缶をベンチに立てた。

「大げさかしら? 私はまだモラトリアムの日々を過ごしている学生の身分にしかすぎないけれど、

大人と子供なんてそんなに変わらないものかもしれないと思っているよ」

「ふむ……物事の違いというのも難しい話だね、そうだ、あの工場がみえるだろう」

 ああ、と首肯する。この辺は都会と言ってもまだまだ、大きな工場などが残っていて、確かに遠くだが、

煙をもくもくと吐いている煙突が工場であることを指示していた。


「そして、見えるかい? 白い煙を吐く、煙突の姿が。あの工場とボクらは、何処が違うんだろう。

モノやキモチを無為に生み出しては、この寒空に息を吐き続ける。その姿は孤独でも、

動きを止めることはないのさ」
 
 はふぅ、と息を吐き出した。暖かくなってきたとは言えど、彼女の息はさっきの比喩の様に白くなった。

缶コーヒーのお陰でもあるのだろうけど。 すると、彼女は煙突なのだろうか、

そう考えると無性に楽しくなってきてしまった。

「あなたは面白い事を考えているのね」

 率直な感想だった。今の学校での話題とは全然違う。 

進学校だから仕方がないと諦めていた面もあるのだが、模試がどうだった、

成績がどうだったといった話には少々飽きてきたところだったのだ。

そして……何より懐かしく、心地いいものなのだ。

「そうかい? みんな思っているよ『こいつは痛いヤツだ』ってね」

 自嘲気味に語るがどこからか誇らしそうにも思える。そして、続けた。

「でも、思春期の14歳なんてそんなものだよ」


「確かにそうかもしれないね」

「理解ってくれるのか?」

 一瞬きらっとした瞳をしたと思う。


「ええ、なんだかね、わかるのよ」
 自分にそっくりかもしれない、と思ったからと言うのは何だか気恥ずかしい。

「そ、それは嬉しいな。皆からはそうは思ってもらえないから、まぁ、周囲に迎合するつもりもないのだが」

「ふふふ、そう? 一人ぐらいそういう人がいたっていいものじゃない? 

みんな同じなんてつまらないと思わないかい? 我々は量産品じゃない。人間なんだから」

「うむ、まったくだ。そうだ、自己紹介を忘れていた。僕はアスカ。二宮飛鳥」

 彼女は―――飛鳥はこちらを向いて堂々とあいさつした。こちらも同じように名を告げてしまう。


飛鳥曰く
「そう、キミは面白いな」

「ありがとう」

「なぜ、感謝するのさ?」

「退屈と言われるよりいいじゃない?」

「ふふ、確かにね」

ふわりと飛鳥の髪が揺れる。

「奇麗な髪ね」

「これかい? これは地毛じゃないんだ」
 さっき目を惹かれた黄色い束を掴んだ。

「ああ、そうだとは思っていた、私はあまりそういうのお洒落には詳しくないのだがエクステ、というのだっけ?」

「そうさ、まぁこれはお洒落というりよかは、ささやかな抵抗と言う方が近いかもしれないね」
 ふふっと、ささやかに、アンニュイに笑う。

「ささやかな抵抗ね……解らなくはないかな」

「おお、理解るのかい?」

「ええ、私にもそんな時期があったわ、と言ってももしかしてまだまだそんな時期にいるのかもしれないわ」

へぇ と飛鳥は首をすくめた。

「じゃあ、キミは何に対して抵抗があるの?」

 予想できていたとはいえ、自分が持っているささやかな抵抗とは一体何のための物なのか、

そんなことは次第に解らなくなっていくものじゃないだろうか。例え、最初は明確な意思があったとしても、

次第に靄の様にそんな理由なんか忘れてしまうものだろう。

「ちょっと思い出せないわ、私も何かに抵抗を持っていたというのは嘘では無いのよ、だけど、
それって何に対しての抵抗かなんてわからないものじゃない?」

「そうかもしれないね、でも、きっとそれはキミにとって大切なモノだったんだよ。
今は忘れているってことは、どうでもよくなったのかもしれない」

「かもね、私が自分に課しているルールの様な物はどうしてそう課したなんて覚えていないわ、
いまこうしてあなたと喋っている時なんてそんなものないもの」



「そうなのかい? 僕はキミの事を良く知らないけど、そういうこともあるんだね。もう、卒業したのかい?」

 何から。とは訊かなくてもよかっただろう。彼女も理解して話してれくれているだろうし。

「卒業ね……人生で何度も卒業式に出るのは教諭ぐらいなものじゃない?」

「はは、そうかもね」

アイマスつか飛鳥だからデレマスだよな

36> たしかに

「キミは面白いな」

 二回目かな。しかも、同じ人から言われるのは貴重な事だと思う。

「十分あなたも面白いと思うよ」

「そう?」

「そうよ」

「ありがとう」

 年相応の顔をくしゃっと丸めて笑った。

痛い空間だぁ…


38> 褒め言葉です


「素直なんだね」
 
 この言葉に飛鳥は表情を元に戻しつつ呟いた。

「素直……ね、素直さっていうのは良く解らない。無邪気さと同じような物だとしたら僕にはないと思う」


「どうして?」

「難しい話だね、自分が思っているだけの事を吐くだなんて不思慮というものじゃないのかい?」

「そうも言えるかもね。自分の感情を出すことにフィルターを一切かけないとしたらそうなるかもしれない」

「でしょ? それは良くないんじゃないかと思う」

「成程ね……」

「理解ってくれるのか」

「勿論、こちら自身その様に思っていたことがあるからね」

「ふぅん……」


「でも、ある程度の感情の吐露は必要悪だと割り切っているよ」

「キミはそうなのか?」

「ああ、余りにも仕舞い込みすぎるとどこにやったか解らなくなるものでしょ?」

「確かにね、混沌の中に物を仕舞ったとして取り出すのは至難の業だろうね」

「そう。出したい感情は出した方がいい。無論、公序良俗に反しない程度でだけど」

「ははは、理解ったよ。なにやら体験談みたいだからね、僕よりもお姉さんの」

「そうね、体験談かもしれない」


「何か、それで損をした経験があるようじゃないか」

「損、と言うほどのことではないけど、もっと良い道があったんじゃないかとは思うけどね」

「ふぅん、なんだか踏み込んじゃいけないような場所みたいだね」

「そんなことは無いわ……只自分の不甲斐なさに呆れていると言ったかんじかしら」

「キミは不甲斐なくなんてないさ」

 飛鳥の青味掛かった目で見据えられる。

「だといいけど」

「うん、僕はキミの事を良く知らない。それは事実だ、こうして話す前の事をお互い知らないだろう、もしかして、キミは知っているかもしれなけれど、それは僕のペルソナという一面にしか過ぎないんだ」

「ペルソナ……ね、」

「ああ、皆誰しも、被っているものだよ。この世は舞台、人は皆役者と言うじゃないか」

「あなたも、被っているのね」

「ああ、何枚もね、分厚いものを」

「取り方は忘れちゃったの?」

「いや、どんなに取ってもそれを含めて僕という人格を作っているんだ、取ってはいけないと思う」

「そう? 確かに煌びやかなペルソナは素晴らしいと思うわ。人の目を惹き、人の目から退くことが出来る。でも息苦しいものよ」

「そう……だね。理解るよ、だから偶にこうして独りになるんだ」

「あら、お邪魔だったかしら」

「あぁ、気分を害したのなら謝るよ、そんなことは無い。むしろ世界に感謝したいぐらいさ。こんなに共感できる人がいたんだから」

「それは光栄ね。私もそう思うわ」

「キミの表現は時々詩的になる、好きだよ。そういうの」

「ありがとう、回りくどい言い方しかできないのは自覚しているわ」

「いいのさ、これは違う友達が言ってた台詞だけど……『瞳を持つもの』ってことなんだよ」

「……?」

「平たく言うと、同志のようなものさ」

「ああ、成程ね、ってことは私とあなたは同志という関係なのかしら」

「嫌かい? 僕はそう思っただけだよ」

「ううん、いいと思う」

「礼を言うよ」



「ときに……キミは人間関係で悩んだことは無いかい?」
飛鳥が訊く

「唐突だね」

「すまないな、いや、無理して聞き出そうっていう事じゃないから気にしないでくれ」

「いいよ、別に、そうだね……これと言って取りあげるべきものは無いと思う」
ない……そう、特に考えた結果無いのだ。

「それはキミ羨ましいよ、僕のような人間にとってはこの社会で暮らすことさえも難しく感じるのに」
 はぁ……と大きく吐いた。

「そんなに苦しんでいるのかい?」

「ああ、どうやら僕は、思っていることと、口に出すセリフがどうも、合致ししないような人種だと思うんだ、いや、自分では率直に伝えていると思う。自分の思うところをね、でも、人間は言葉という表面上のもので誤解をしてしまうんだ。大切なのはその中の精神性であったり、理念であったりするべきなのに、どうして無駄な言葉の修飾にこだわるのだろうか」

「なるほどね……わからなくはないわ。なんともしがたい問題だと思うわ」

「そう。僕には隔靴掻痒という言葉を使う機会が人よりも多かろう」

「まどろっこしい、とかそういう感じだよね。人からそう思われる」

「そうなんだ……僕としては思うところ言っているつもりだよ?」

「それはどうかな?」

「どういうこと?」

彼女の目が一段と鈍く光る。ああ、彼女はこんな風に人を見るのか。

「あなたは、どうかわからないけど……友達がいてね、私の友達の話をしようか。

その友達は女の子の前では女の子のようにふるまえるけど、

男の前では途端に男っぽくなってしまうような子がいるんだ」

「ほお……そんな人がいるんだね」

(アカン、飛鳥に引っ張られて佐々木さんまで痛くなっとる)

初期に佐々木と似てると言われたけど最近の飛鳥の言動ほど佐々木さんはこじらせていないと思うの

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