咲「京ちゃん……そのリンゴ飴おいしい?」 (443)

エロ注意

少しどろっとしています

キャラ崩壊注意

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京「咲……言いたい事があるんだ」


咲「」カキカキ


京「俺さ……ずっと前から……お前の事が大好きだったんだ」


咲「」カキカキ


京「お前だから良いんだよ。俺さ……自分でも知らない内に咲の事……好きになっちまってて」


咲「」カキカキ


京「だから……もう一度言う……咲、俺と付き合ってくれ」


咲「京ちゃん……私も大好きだよ」カキカキ


咲「今日の京ちゃん小説はこれぐらいにしてと」


咲「明日も学校があるし早く寝ないと」

咲「…………」トントン


咲「…………」グツグツ


咲「朝ごはんだよ。お姉ちゃん」コトコト


照「うー……咲……眠いよ……」


咲「お姉ちゃん眠たかったら寝てて良いからね」


咲「ご飯は机の上に置いておくから」


照「わかった……咲、ありがとう」


咲「これぐらい平気だよ。それじゃ行ってくるね」スタスタ

学校


咲「京ちゃん、おはよう」


京「ああ、おはよう」ジー


咲「京ちゃん?どうしたの」


京「いや……最近やけに登校中に出会う事が多いなって」


咲「多分、お姉ちゃんの朝御飯とか用意したりして時間がズレたからじゃないかな」


京「なるほどな……そう言えば、お前の姉貴、帰ってきてるんだよな」


咲「うん。長野の麻雀専門学校に通ってるよ」

京「でも良かったな。その分だと、ちゃんと仲直り出来てるみたいだし」


咲「うん。それは良いんだけどさ、お姉ちゃんってば家でだらけてばかりなんだよー」


京「そう言うわりには楽しそうに話するんだな」


咲「うん!私の大好きなお姉ちゃんだからね」


咲(京ちゃんは私の事をちゃんと見てくれてる……)


咲(私はそんな京ちゃんが大好き!)

学校


咲「あ……あのさ……京ちゃん……良かったら、お昼一緒に……」


優希「い……京太郎!早くしないと良い席が取れないじぇ」


京「そういや、お前と昼飯を食べるって約束してたな。今から行くから待ってろ」スタスタ


咲「……あ」


咲「…………」ポツン


咲「京ちゃんの分のお弁当も作ってきたのになぁ……」


和「咲さん、咲さん!良かったら一緒にお昼でもどうですか?」


咲「あ、うん」

屋上


咲(お弁当二つも……どうしよう)


和「咲さん?お弁当が二つあるみたいですけど……」


咲「うん……和ちゃんにあげようと思って」


和「本当ですか!ありがとうございます」モグモグ


和「咲さんの味がします//」

咲「それって美味しいって事で良いんだよね」


和「はい、咲さんの作ったお弁当が不味いはずないじゃないですかっ」モグモグ


咲「くすっ、和ちゃんってば……そんなに誉めても何も出ないよ」


咲(和ちゃん今日は元気いっぱいだなぁ)


咲(もしかして気を使ってくれてるのかな)


和(咲さんが弁当を私の為に作ってくれるなんて)


和(とっても嬉しいですっ!)

部室


優希「京太郎!麻雀をそろそろ始めるじぇ!」


京「おっ……いいぜ。って言いたいところだけど……すまん、部長に買い出しを頼まれてるんだ」


優希「そうか、それなら仕方ないじぇ……」


京「代わりにタコスを買ってやるから拗ねるなよ」・


優希「別に拗ねてなんかないじぇ!それよりも早くタコスを買ってくるじぇ」


京「へいへい分かりましたよ」


咲「あ……京ちゃん……その、良かったら買い出し手伝おうか?」


京「いや、今回は部長と一緒に行くから咲まで手伝って貰う必要はねーよ」


咲「そっか……」

京「それじゃあ行ってくる」スタスタ


和「なんだか最近ずっと部長と須賀くんって一緒にいませんか?」


咲「えっ……」


和「少し前までは須賀くんだけが買い出しに行っていた気がするんですが」


和「もしかしたら二人とも気があるのかもしれませんね」

咲「そう言えば……全国が終わってからだよね……二人が一緒に買い出しに行くようになったの」


咲「でも二人に限って気があるとかは無いと思うよ」


咲「だって部長は京ちゃんを使える部員ってぐらいにしか思ってないはずだし」


咲「大体、京ちゃんも部長よりも、おしとやかで優しい女の子の方が好きに決まってるよ」


咲「それとも何?和ちゃんは京ちゃんと部長が相思相愛だと思ってるの?」


咲「和ちゃん、いくらなんでも妄想が強すぎるよ。そんなわけないよ……そんなわけ」


和「咲さん……あの……落ち着いて……」


咲「私は落ち着いてるよ。妄言を言っている和ちゃんがおかしいんだよ」


和「そ、そうですね。須賀くんと部長が付き合うなんて、そんなオカルトありえません」


咲「うん!そうだよねっ!」ニコッ

優希「…………」


咲(部長もだけど優希ちゃんも最近、京ちゃんと仲が良いよね)ギロッ


優希「…………!」ビクン


咲(今まで京ちゃんの事を犬よばわりしていたくせに)


咲(都合が良すぎるよ)イライラ


ガラガラ


まこ「すまんのう、つい遅れてしもうたわ……」


咲「…………」


和「…………」


優希「…………」ビクビク


まこ「なんじゃ?この空気は?」

京「部長これで良いですか?」


久「そうね……これだけあれば、しばらく困らないわね」


久「その……少しぐらいなら持ってあげてもいいわよ?」


京「…………えっ?」


久「さすがに今回の荷物は重そうだし。それに周りの目線が痛い……」


京「ああ、なるほど。それじゃあ……この袋を持って下さい」


久「分かったわ……あれ?意外と軽いのね……これ」


京「軽い荷物だけをまとめてありますから」


久「ふふっ、気が利くわね……後は麻雀が上手ければ文句はないんだけど」


京「へいへい、どうせ俺は下手ですよー」

久「…………あの、須賀くん!」


京「ど、どうしたんですか?」


久「良かったらなんだけど……今度一緒に……その……」


京「えっ……今度なんですか」


久「そ、その今度一緒に遊園地でも行ってみない?」


京「えっ?急にどうしたんですか?」


久「いや……チケットが貰ったのは良いんだけど余っちゃって……だから頑張ってる須賀くんにたまにはプレゼントでもって思って」


久「それに……須賀くんと少しでも一緒に居たいし……」ゴニョゴニョ


京「今何か言いました?」


久「なんでもないわ。それでどうなの?日曜日……空いてるかしら」


京「そりゃ、空いてますけど」


久「それじゃあ日曜日……楽しみにしてるわね」

咲の家


咲「えっとね、京ちゃん……今日はお弁当を作って来たんだ」


咲「えっ……このお弁当、俺が食べても良いのか?」


咲「当たり前だよ、京ちゃんだけの特別だから、しっかり味わってね」


咲「マジか!サンキューな咲、それじゃあいただきまーす」


咲「…………いっぱい食べてね」


咲「あれ……なんだか俺……眠く」


咲「ふふっ、お休み……京ちゃん」


咲「これで京ちゃんは私のものだよ」


咲「…………」ブツブツ


照「咲……大丈夫?」

咲「大丈夫って?私は大丈夫だよ」


照「さっき独り言、みたいなの言ってたから」


咲「え?別に言ってないけど」


照「そう……?それよりも咲に頼みたい事がある」


咲「…………?」


照「膝枕してほしい」


咲「膝枕?」


照「そう……咲に膝枕して欲しい」

咲「別に良いけど……急にどうしたの?」


照「千里山の人がしていたのを思い出して、したくなった」


咲「そうなんだ、うん。いいよ」ポンポン


照「えへへ//咲ぃ好きー」


咲「くすっ、お姉ちゃんってば、どっちが姉か分からないよ」ナデナデ


照「別に私は咲の妹でも構わない」


咲「私はお姉ちゃんの妹でいたいかな。こうやってお姉ちゃんってずっと言っていたいから」ナデナデ


照「咲は私の自慢の妹だよ」ムニャ


咲「お姉ちゃん//」

~アキラメタラ~


咲「お姉ちゃん電話だよ?」


照「私は着メロ……これは咲の携帯」


咲「あー、そう言えば少し前に買ってたんだった。電話来たことないから忘れてたよ」


咲「もしもし」


京『あ、俺だ。今、時間あるか?」


咲「京ちゃん!?どうしたの急に」


京『実はお前に話したい事があって……電話だと少し話ずらい内容なんだけど公園で会えないか?』


咲「うん!全然会えるよ!公園だね」


京『あ、ああ。それじゃ待ってるからな』

公園


京「おっ、来たか」


咲「京ちゃん遅れてごめんね。仕度に手間取っちゃって」


京「俺はてっきり迷子になってるのかと思った」


咲「いくらなんでも近所で迷わないよ」


咲「それで京ちゃん。話って何」ワクワク


咲(わざわざ夜中に電話を掛けてきて)


咲(しかもこんなロマンティックな公園に呼び出して)


咲(もしかして告白されちゃうのかな)カァー

京「咲……実はさ……俺」


咲「う、うん……」ドキドキ


京「ずっと前から……」


咲「うん!」コクコク


京「部長の事が好きだったんだ」


咲「えっ……」

咲「それってどういう意味」


京「だーかーらー!俺は……その……部長の事が好きになったって言ってるんだよ」


京「な、何度も言わせないでくれよ……恥ずかしい」


咲「へぇ、ふぅん……そうなんだ。ところで何処が好きになったの?」


京「何処がって言われると分からねぇけど……何て言うか……その一緒に居ると胸がドキドキするっていうか……そんな感じだな」


咲「ドキドキしてるのは下半身のくせに」ボソッ


京「えっ?咲?」


咲「ううん、何でも無いよ」

京「そうか?ともかくさ。俺……部長と……いや、久に告白するって決めたんだ」


京「だからアドバイスして欲しいんだよ」


咲「アドバイスって言われても私も付き合った事とか無いよ」


京「でも、ほら恋愛小説とか少しは読んでいるだろ?それに女性からみたアドバイスっていうのも欲しいんだよ」


咲「えっと……アドバイスになるか分からないけど、流石に、いきなり告白されても困ると思うよ」


咲「せめてデートを1回ぐらいはしないと」


京「それなら大丈夫だ。実は今日、部長からデートの約束が来たから」


京(厳密にはデートじゃねぇけど)


咲「そ、そうなんだ」

咲(二人とも……もうそこまで関係が進んでたんだ)


咲(私に入り込む余地なんか無いよ……)


咲「あ、あのね京ちゃん」


京「ああ」


咲「もしも部長が居なかったら私と京ちゃんは付き合えてたのかな」


京「急にどうしたんだよ?咲?言ってることが変だぞ」


咲「いいから答えて」


京「多分ねーだろ。大体、俺はお前に興味ねーよ」


咲「」


京「それよりもさ部長と付き合える方法を教えてくれよー!この通り!なんか奢るからさ」

咲「しょ、しょーがないなぁ京ちゃんは」


咲「とりあえずさデートって何曜日にするの?」


京「えっと日曜日だけど」


咲「それじゃあ土曜日……私とデートしよ?」


京「いや、なんで、そうなるんだよ」


咲「だって京ちゃんってデート馴れしてないでしょ」


咲「それなら本番でミスしちゃうかも知れないよ」


咲「ほら京ちゃんってデリカシーに欠けてる所があるから」


京「うっ……確かに自信は……ねぇけど」


咲「それじゃあ土曜日……待ってるからね」


京「あ、ああ」

咲の家


咲「京ちゃんと部長はきっと相思相愛……」


咲「それなら私は諦めるべきだよね」


咲「でも……最後に1回だけ……」


咲「わがまま言ってもいいよね」

土曜日


咲「京ちゃん遅いよー」


京「す、すまん……って待ち合わせよりも5分早くに来たはずなんだけど」


咲「私はそれよりも5分早く来たからね」


京「流石にそれは早すぎねぇか?」


咲「だって京ちゃんをずっと待っていたいから」


京「……っ!」ドキッ


咲「どうしたの京ちゃん?」


京「な、なんでもねーよ」


京(ちょっとドキッとしちまった)


京「とりあえず、喫茶店で飯でも食うか」


咲「うん。そうだね」

喫茶店


京(さすがにroof-topに行って変な噂が立ってもこまるし)


京(別の喫茶店に行ったのは良いけど)


咲「結構高そうな店に来ちゃったね」


京「あ、ああ」


京(滅茶苦茶高級そうな所に来ちまった……)


京「まあ、デートって言うには雰囲気は十分だろ」フルフル

咲「だ、大丈夫。自分の分は自分で払うよ」


京「いや、俺が払う。今日ぐらい俺だって男らしいところを見せないとな」


咲「そ、そう?京ちゃん……あんまり無理しないでね」


京「大丈夫だって遠慮せずに頼んでくれ」


咲「じ、じゃあ……」チリンチリン


咲「このイチゴパフェ、一つ」


京「お、俺はホットコーヒーで」


ハギヨシ「かしこまりました」

咲「京ちゃんってホットコーヒー好きだったけ」


京「別にそういう訳じゃないんだけど……」


京(一番安かったのがホットコーヒーだったんだよ)


咲「あ……コーヒー安いもんね」


京「何で分かったんだよ」


咲「京ちゃんの考えてる事ぐらい分かるよ」


ハギヨシ「ご注文のイチゴパフェとホットコーヒーでございます」


咲「あ、来たみたいだよ」

咲「はい、京ちゃん」


京「はいって……なんだよ?」


咲「だから、あーん」


京「いや……さすがに……それは……」


咲「部長に悪い……?」


京「…………」


咲「そんなに難しく考える事ないよ」


咲「これは練習なんだし」


京(確かに……ここで咲の誘いを断るのも咲に悪い気がするし……)


京「じゃあ……ちょっとだけ」

咲「そうそう、ほら京ちゃん……あーん」


京「あーん」モギュモギュ


京「う、うまい……!」


咲「本当?それじゃあ私も」モグモグ


咲「確かに美味しいね。これなら京ちゃんに、あげなかったら良かったよ」


咲(京ちゃんと間接キスしちゃったよ……)ドキドキ


咲「ねぇ、京ちゃん……もう、ひとくち……いる?」


京「お、いいのかサンキューな」


咲「はい、あーん」


京「また、それやるのかよ」


咲「当たり前だよ。恋人同士なんだから」


京「へいへい、あーん」モギュモギュ


京「結構恥ずかしいもんだな」


咲「そ、そうだね……食べ終わったら何処行こっか」


京「うーん……そうだな」

カラオケ


咲「カ、カラオケなんて初めて来たよ」カチコチ


京「そんなに緊張する事ねぇって個室なんだし」


咲「そうなんだ……個室なんだよね……」


京「えっと二名です……はい……学生証」


京「よし44号室だってさ。行こうぜ」


咲「う、うん」


咲「私……あんまり歌った事ないけど……大丈夫かな」


京「安心しろ。どんなに下手でも笑わねぇから」


咲「京ちゃん減点一点!デートだと怒られちゃうよ」


京「……むぅ」

今日の投下はこれで終わります

咲「うわぁ……お外真っ暗だよ」


京「そうだな、時間も頃合いだし……そろそろ帰るか」


京「何て言うか楽しかったよ……今日一日……咲の色んな所を知れた気がする」


京「ありがとうな、これなら部長とのデートも、うまくいくかも知れない」


咲「何言ってるの京ちゃん?」


咲「ほら……ホテル行こ?」


京「…………はぁ!?」

咲「だって部長にホテル誘われた時、恥かきたくないよね」


京「いやいや!俺達は高校生なんだし……そういうのは、まだ早いっつーか……」


咲「京ちゃんってば変なこと考えてるでしょ」


咲「あくまでも行くだけだから……ねっ?」


京「いや……でも……」


咲「部長とのデート成功させたいんだよね?」


咲「それなら言うこと聞いた方がいいと思うよ」


京「…………」


京「わかったよ」

ラブホ


京「はぁ……結局来ちまった……」


京「まぁ……手を出さなきゃ良いだけの話か……」


咲「京ちゃん……//どっちが先に入る……?」


京「入るって……お風呂の事か……お前が先でいいよ。男が入った後なんて嫌だろ」


咲「うん……それじゃあ、使わせてもらうね」コトコト


京(しかし……なんか部長を裏切ってるみたいで嫌な気分だ)ムクムク


京(うわぁ……何立たせてるんだよ……俺は)ギンギン

咲「ふぅ……さっぱりしたよ」


京「な、何!バスタオル一枚でいるんだよ!?服きろよ服!」


咲「ねぇ……京ちゃん」スタスタ


京「えっ…………」


その時、俺の頭が真っ白になる


只、感覚として伝わったのは……唇のわずかな滑りだった


咲「キスだよ……京ちゃん」


京「お前……何やって……」


声が掠れて出なかった


只、全身に熱が帯びる感覚と


何とも言えない快感が背中から脳髄にかけて走った


咲「ねぇ……あくまでも練習だから」

京「…………」

咲「いいよね」


俺の無言を了承と思ったのか咲はズボンを脱がし始める


何か言わないといけないのに


本能が……言うことを聞かなかった


咲「くすっ……もう、たってるんだね」


嬉しそうに……それこそ悪魔的微笑を浮かべて呟く


そして、嬉しそうに俺の性器を口に加えた


京「うわっ……お前……やめ……」


咲「れろぉ……ちゅぱ……はぁ……はぁ……」


京(す、すげえ……上手い……)

咲「京ちゃん……止めて欲しいなら止めても良いよ」


京「今さら言うなよ……!」


もう我慢の限界だった。・


理性との戦いには疲れたのだ


俺は咲を押し倒すと……そのまま……


だが……そこで……理性が止める……ゴムをつけないと


京「…………」


咲「…………」


咲「ゴム付けるんだね」


京「当たり前だろ!い、入れるぞ」グチュグチュ

咲「んんっ……い、良いよ……そのまま、ゆっくり」


京「す、すげえ……吸い付くっ……!」クチュクチュ


咲「あ……んん……はぁん……ん」


京「こ、これは練習だからな!」クチュクチュ


京「あくまでも練習だぞ」


咲「そうだよ。だから……んんっ……もっと激しく!」


京「う……咲……出すぞ」ドビュドビュ


咲「はぁぁぁん!」ビクンビクン


京「はぁ……はぁ」


咲「ねえ……京ちゃん」


京「なんだよ……」


咲「夜はまだ長いよ」


京「…………」

京「日曜日になっちまった」


京「咲……その……今日の事は……」


咲「うん。大丈夫。分かってるから」


京「咲……すまねぇ」


咲「別に良いよ。私も雰囲気に飲まれちゃって京ちゃんに迷惑かけちゃったし」


京「…………」


咲「…………」


咲「えっと……それじゃあ京ちゃん……デート頑張ってね」


咲「失敗しちゃダメだよ?」


京「あ、当たり前だろ」


咲「うん。じゃあ私は帰るから」スタスタ


京「…………」


京「デート行かねぇと」スタスタ

遊園地


京(もう咲の事は忘れよう)


京(俺が好きなのは部長なんだよ)


京(だから……気持ちを切り替えないと)


久「須賀くん、待ったかしら」


京「いや大丈夫ですよ。俺も今来たところなんで」・


久「それならもう少し遅れた方が良かったかしら」


京「なんでそうなるんですか」


久「冗談よ」クスッ


京(部長の笑顔……可愛いな)


京(そうだ、俺はこの笑顔が……もっと部長に笑ってもらいたくて好きになったんだ)


京(せっかくのチャンスなんだ逃してたまるか)

久「それにしても色々なアトラクションがあって困るわね」


京「それなら先に過激なアトラクションから乗りませんか?」


久「別に良いけど……やっぱり子供なのね」


久「乗りたいアトラクションを真っ先にあげるなんて」ニヤァ


京「別にそういう事じゃ、ありませんよ。食後に激しいアトラクションに乗ると部長が酔うかもしれませんから」


京「それなら、食前に激しめのアトラクション、食後にゆったりとしたショーとかを楽しんだ方が良いと思ったんですよ」


久「なるほどね~、それじゃ……須賀くんに任せるわ」


京「はい、任せといて下さい」

久「…………」スタスタ


京「…………」スタスタ


京(計画したのは良いけど)


京(緊張して全然、話せねーよ)


久&京「あ、あの……」


京「…………ど、どうぞ」


久「いや……その……手を繋いでも良いかしら」


京「え?ちょ……どういう意味ですか!?」


久「そういう意味じゃなくて……ほら人混みが多いじゃない?」


久「だから……はぐれないようにって思ったんだけど……」


京「いや……いいですよ。手を……繋ぐぐらい」スッ


久「須賀くん……ありがと」ギュ

レストラン


久「へぇ~結構高級そうな場所だけど大丈夫なの?」


京「まぁコースは決まってるみたいですから……なんとか」


久「それじゃあ、有り難く頂こうかしら」


久「あ、そうだ。あーんしてあげるわ」


京「それじゃあ……あーん」モグモグ


久「あら?ずいぶんと反応が薄いわね」


京(やべっ!?咲と1度やってたから馴れちまってるのか」


京「これでも十分焦ってますよ……只なんつぅーか……それ以上に緊張してて」


久「そりゃ異性と二人きりだものね~」ニヤァ


京「そそ、それよりも早く食べましょう!せっかくの料理が冷めちゃいますし」


久「くすっ、そうね」

久「今日は楽しかったわ」


京「はい……俺もです」


久「…………」


京「…………」


久「もう知ってると思うけど……これから色々と忙しくなって麻雀部には、あまり長くは居られないの」


久「……だから最後に思い出を残せて良かったわ」


京「部長……」


久「もう部長じゃないわよ。それじゃあ、学校で……」


京「待ってください……部長……久さん!」


久「…………!!」

京「実は……俺、久さんに言いたい事があるんです」


久「な、何?少しだけなら聞くわよ。まだ……時間だってあるし」ドキドキ


京「俺……久さんと離れたく無いんです」


久「…………」


京「例え麻雀部が終わっても……久さんが高校を卒業しても……」


京「その……えっと……つまり俺が言いたいのは……久さん!俺とずっと一緒に居てくれませんか」


久「そ、それって……」


京「ずっと前から好きでした……俺で良かったらですけど恋人になって下さい」

久「…………」


京「…………」


久「ごめんなさい。ちょっと考えさせて貰えるかしら」


京「あ……はい分かりました。そうですよね。すぐに返答なんて出来る事じゃないですよね」


久「……え、ええ。明日、必ず返事するから」スタスタ


京「送ることも出来なかった……」


京(考えさせてって……これ振られたのと同じなんじゃ……)


京「はぁ……とりあえず帰るか」トボトボ

咲「京ちゃん……きっと今頃はデート上手くやってるんだろうなぁ」


咲「私ね、京ちゃんには感謝してるんだよ」


咲「京ちゃんが麻雀部に誘ってくれなかったら、お姉ちゃんと仲直りも出来なかった」


咲「ありがとう京ちゃん」ポロポロ


咲「あ…………れ?……どうして……」ポロポロ


咲「涙が……止まらない……」


咲「うっ…………えっく……」ポロポロ

ピーンポーン


咲「…………誰だろう」ガチャリ


咲「京……ちゃん?」


京「おう……咲。昨日はありがとうな、おかげでデートもうまくいったよ」


京(告白は失敗だろうけど)


京(成功失敗はともかく咲には助けて貰ったからな礼ぐらい言わねぇと)


京「一応これ……土産みたいなものだけど……」


咲「あ……うん。ありがとう」

咲「…………」


京「…………」


咲「お茶ぐらいご馳走した方が良いよね」


京「いや……さすがに家に上がるのは……」


咲「昨日の事……気にしてるの?」


京「そ、そういう訳じゃねぇけど」


咲「もう練習は終わったんだよ……。それに家にはお姉ちゃんだっているんだし」


京(そうだよな……さすがに俺ばかりが気にし過ぎるのも問題だよな)


京(咲だって昨日の事は水に流そうとしてるんだ)


京(俺も自然に振る舞わねぇと)

京「別にそんなの期待してねーから、じゃあ少しだけ上がらせてもらうわ」


咲「うん。リビングは、お姉ちゃんが寝てるから私の部屋で待ってて」


京「おう!」


京(少し元気っぽく振る舞ったけど……これで合ってるよな)


京「えっと……咲の部屋は確か、ここだよな」スタスタ


京(すっげー……いい匂いする) ムラァ


京(……や、やべぇ)ムクムク


京(とりあえず落ち着かねぇと前のような過ちを犯すかもしんねーし)


京(そうだ!読書だ。咲も読書をしたら落ち着くって言ってたし)


京「えっと……何か面白そうな本は……」


京「ん……?今日の京ちゃん日記?」

京「京ちゃん……って俺の事だよな」


京(まー、たまたま俺と同じ名前の奴が主人公なのかも知れねぇし)


京「どうせ待ってる間暇だし……読んでみるか」ペラッ


○月△日・


京ちゃんが私の事を好きって言ってくれました凄く嬉しいです


○月△日


今日は海水浴に京ちゃんと二人で行きました


暑いなって京ちゃんが言ってたので私は嬉しくなりました

私も暑いって思ってましたから

きっと以心伝心なんですね


○月△日


お弁当を京ちゃんの為に作ってきました


京ちゃんは嬉しそうに食べてました


ほっぺたに、ご飯粒がついてたので取って食べちゃいました


○月△日

興味あるよ


○月△日

見捨てないで



京(なんだよ……これ……全部俺の事じゃねぇか……)


京(しかも、無いことばっかり書いてある)


京(大体、咲と海水浴に行ったことねーよ)

京(でも……なんで、こんな訳の分からない小説を)


京(もしかして……咲は俺の事……好きなんじゃ……)


京(だとしたら俺は咲がこんなに想っていたのを今まで)


京「俺は……大バカ野郎だ……!」


京「咲が好意を持っていた事ぐらい薄々気づいてたはずなのに」


京「大体……好意を持ってねぇと、あんな事しねぇだろ!」


京「なのに……俺はお前に……興味ねーよって言っちまった」

咲「京ちゃん……お茶持って……」


京「咲っ……!」ダキッ


咲「っと……わわっ……。きょ、京ちゃん!?どうしたの?」


京「咲……謝らせてくれっ!すまなかった」


京「お前の事……何も分かってやれなくて」


咲「京ちゃん、何を言って……」


京「読んだんだ……お前の小説」


咲「…………えっ」


咲「そ、そうなんだ……」


咲「ごめんね……気持ち悪いよね……私」


京「そんなことねぇよ!咲……聞いてくれっ!」


京「俺はお前を見捨てない!俺と付き合ってくれ」

咲「京……ちゃん。でも部長が……」


京「断ってくるから」


咲「いいの……京ちゃん。私……胸とかも無いし」


京「でも想いがあるだろ。俺を想ってくれる……。俺には必要なんだよ!お前が!」


咲「京ちゃん……」


咲「せっかく諦めようって決めてたのに」


咲「京ちゃんのせいで諦める事出来なくなっちゃったよ」


咲「私も……ね。京ちゃんの事……大好きだから」


咲「付き合おう。京ちゃん」


京「もう……絶対離さねぇから」

咲「京ちゃん。おはよう」


京「おはよう」


咲「えっと……その……これで私達恋人……なんだよね」


京「改めて言うとなんつぅーか照れるな」


咲「私もだよ……。まだ夢を見てるみたいだよ」


京「夢じゃねぇよ。その証拠に……ほら」スッ


咲「うん。分かるよ……京ちゃんの手の感触がちゃんと伝わってくる。夢じゃないんだね」


京「ああ」

アイデアが尽きたので今日はこれで終わります

咲「ねぇ……」


京「なんだよ」


咲「ちゃんと部長とは別れてくれるんだよね」


京(そっか……咲と付き合うって事は久さんと別れないといけないのか)


京(自分から告白しといて断るってのもなぁ)


京「はぁ……」

咲「京ちゃん……?どうして溜め息つくの?」


京「いや……断りずらいなって」


咲「それなら私が言ってあげようか?」


京「はぁ?さすがにそれは失礼だろ」


京「大体、俺が告白したんだから俺が断らないと」


咲「それじゃあ京ちゃんが頑張らないとね」ニコッ


京「お、おう」・


京(ちゃんと咲にも断るって言ったんだ。今さら引き返せねぇ)


京(でも……一番楽なのは久さんに振ってもらう事なんだろうけど)


京(考えさせて……つまりそういう事だろうしな)


京(少し前までは振られるのを怖がってたはずなのに今では、それを望んでるなんて……)


咲「京ちゃん」


京「ん?」


咲「ついたよ……学校」


京「着いちまったか……」

学校


和「咲さん……咲さん!お昼一緒に食べましょう」


咲「ごめんね。今日は京ちゃんと食べるから」


和「それなら不本意ですけど私も一緒に付いていきます」


和「というか須賀くんは最近ゆーきと食べてるじゃないですか」


咲「それはそうなんだけど……今日は約束してるんだ」

京「咲ー!昼飯行こうぜ」


咲「あ、うん。えっと和ちゃんも一緒で、いいかな」


京「それは俺の台詞なんだけど……」


咲「……え?」


優希「なんだなんだ!咲ちゃん達も一緒に食べるのか?」


京「結局いつものメンツって感じだけどな」


咲「あはは……」


和「…………」イライラ

京「それじゃあ早く飯にしようぜ」


咲「えっと、それなら屋上で食べようよ。風が吹いてて気持ちいいよ」


京「いや……俺は弁当とか持ってきてないし」


咲「知ってるよ。だから作ってきちゃった」


京「おっ……!まじか、だったら早く飯にしようぜ……」


和「咲さん……」ウルウル

咲(ふふっ、京ちゃんとのお弁当楽しみだなぁ)テクテク


咲(美味しいって言ってくれたらいいけど)


咲(大丈夫だよね。和ちゃんも美味しいって言ってくれたんだし)


咲(……あれ?ここ何処だろう)ポツーン


…………ソウイウコトダカラ


…………ソウデスカ



咲(……ん?あっちに声がするみたいだけど)コトコト


咲(ん?あれは……部長と……副会長?)

屋上


京「あれ?咲は?」


和「……本当ですね。私がいながら咲さんを見失うなんて……」シュン


京「和が見失うなんて珍しいな」


和「誰のせいだと思ってるんですか」プンスカ


京「なんで怒ってるんだよ……取り合えず探しに言ってくるから二人はここで待ってろ」


和「それなら私も……」


京「こういうのは男に任せろって……二人は先に食べててくれ」


和「分かりました……それじゃあ咲さんは任せますね」


和「絶対にイヤらしい事なんてしないで下さいよ」


京「しねぇよ!それじゃあ行ってくる」スタスタ

京「おっ……いたいた。おーい」


咲「あ、京ちゃん……!」


京「自分の学校で迷子になるのかよ」


咲「あはは……ごめんね。みんなも待たせてるよね」


京「一応先に食べてるように言ってるから大丈夫だろ。取り合えず行こうぜ」


咲「うん」


咲(二人とも何話してたんだろ?)


咲(まぁきっと関係ないよね)

屋上


京「なんだ?和はまだ食べてなかったのか」


優希「咲ちゃんが来るまで食べないって言って一つも口につけてないじぇ!」タコスウマー


和「当たり前です!咲さんと一緒に食べるのが私の信念ですから」キラキラ


咲「和ちゃん、ありがとう」


和「は、はい!」キラキラ


優希「なぁなぁ京太郎!良かったら私のタコスを一口だけなら食べさせてやってもいいじぇ」


京「なんだよ……急に」


優希「ちょ、ちょっとした気分だじぇ。いいから食え」


京「変な奴……へいへい」モグモグ


京「うまいな」

咲「……京ちゃんってさ、押しに弱いよね」


京「……そうか?」


和「…………」イライラ


京(うわぁ……なんか殺気を感じる)


京「おー!和も…うまそうな弁当してるな。どうだ俺の弁当……まぁ咲の弁当だけど少しおかずを交換しないか?」


和「そうですか!それなら少しだけ」


和「うん!咲さん美味しいです」モグモグ


和(ありがとうございます。須賀くん)


京「おおっ!和の弁当も美味しいな」


和「そうですか」 バッサリ


咲「明日からは和ちゃんの分も作ってあげるね」キリキリ


和「本当ですか!是非ともお願いします!!」パァ

部室


京(ついに……来ちまったか……)


京(逃げたいけど……それじゃダメなんだ)


京(しっかりケジメをつけねぇと)


京(俺は咲を選ぶって決めたんだから!)


ガラガラ


久「待ってたわよ」


京「あ……どうも」


咲「こんにちは部長、今日も頑張りましょう」ニコッ


久「あら?今日は随分とやる気があるのね。私も後で参加させてもらうわ」


久「ちょっと須賀くん……話があるからついてきて」スタスタ


京「あ……はい」スタスタ


京(そりゃ、みんなが居るなかで返事なんて出来るわけねぇよな)

久「それでね……付き合うっていう話なんだけど……」


京(頼む!断ってくれ)


久「その……私で良かったら須賀くんの彼女にして貰えないかしら//」


京(マジかよ……嬉しいけど断らねぇと)


京(はぁ……でも何て言えば良いんだろ)


久「どうしたの?変な顔して断られると思った?」


京「あ……えっと……はい」


久「実はね……私、三日前にも告白されてたのよ」


京「えっ……誰にですか」


久「貴方も知ってるでしょ副会長の内木くんよ」


京「ああ……副会長ですか」

京「それで付き合ったんですか」


久「バカね。付き合ってたら須賀くんの彼女になれないでしょ」


京(そりゃそうだ。でも分からない部長は、さっきから何が言いたいんだ?)


久「ただね……付き合っても良いとも思ったの」


久「内木くんは悪い人ではないし」


久「でも……一つだけ心残りが合ったの」


京「心残り……ですか」


久「そう須賀くん……貴方の事よ」

京「えっと……」


久「私ね遊園地に誘ったでしょ。私はあの時に賭けてたの……」


久「もし最初のデートで須賀くんが私の事を好きだって言ってくれたら私は須賀くんと付き合うって」


京「そんなの……分からないじゃないですか……普通……。そういうのは、もっと……こう時間を掛けて……何回もデートとか重ねて親しくなってから」


久「ふふっ、だから賭けたくなったんじゃない」


久「考えさせてって言ったのは、ちゃんと内木くんに説明してケジメをつけたかったから」


久「私のわがままで不安にさせちゃったみたいでごめんなさい」


久「私も……ずっと前から須賀くんの事……好きだったから」


久「これからは、ずっと一緒ね」

京「はい、俺も嬉しいです……部長」


久「はぁ……部長じゃなくて久よ。あの時みたいに久って呼んで」


京「は、はい久さん!俺……必ず幸せにしますから」


京(断れねぇよ)


京(ここで久さんに、やっぱり付き合えませんなんて言ったら)


京(久さんだけじゃなく副会長にまで迷惑かけちまうじゃねぇか)

京(取り合えず……咲にはバレないようにしないと)


京「あ、あの……この事は内緒にして貰えませんか?」


久「あら?どうしてかしらぁ。むしろ私はみんなの前で発表したい気分なんだけど」ニヤァ


京「えっと……それは……」


久「くすっ、冗談よ。私も部活仲間とはギクシャクしたくないしね。優希にも悪いし」


京「あ、ありがとうございます」


京(でも……どうして優希なんだろう)


京(いや……でも咲って言われるよりマシか)

部活


咲「ところで、さっき何の話をしてたんですか」トン


久「まぁ……いろいろと買い出しの話とかよ」トン


咲「そうですか……」トン


久「そうよ」トン


咲「あ、それロンです……また飛びましたね」


久「…………」


京(雰囲気悪すぎだろ。どうしてこうなっちまったんだ)

京(はぁ……しかし、どうすっかなぁ)


京(帰り道とか咲と帰ったら帰ったで久さんに怪しまれるし)


京(久さんと帰ったら……咲に怪しまれる)


京(かといって両方と帰るのは……辛いよなぁ)


京(大体、咲と久さんの家は離れてるのに一緒に帰るのは不自然すぎるだろ……)


京(全ての選択肢が危険稗じゃねぇか)


京(多分今日を最後に久さんは部活にあまり来れなくなるはず)


京(要するに今日さえ言い逃れ出来れば良いんだけど)

優希「なぁなぁ……京太郎!実は……その……放課後……大事な話があるじぇ。だから残って欲しいじょ」


京(おぉ!マジか……ここに来て安全稗が手に入るとは!)


京(優希と一緒に帰っても誰も誤解されねぇし。俺自身が気を使う必要もない)


京(優希の大事な話だって、どうせタコスの話だろうしな)


京(俺って、もしかしてついてるんじゃねぇのか!)


京「ああ、いいぜ!」


咲(部長とは帰らないんだ……まぁそうだよね)タン


咲(ちゃんと断ってくれたんだ)


咲(京ちゃんが優希ちゃんに、なびく事もないだろうし)トン


久(須賀くんもケジメをつけに行くのね)


久(優希は多分須賀くんの事が好き……須賀くんもそれは気づいてるはず)


久(本当は最後の部活だから一緒に帰りたいけど)


久(ここは我慢しないと)


久「ツモ……20004000」

放課後


京「それで話って何だよ」


優希「その……京太郎には今好きな人はいるか?」


京「なっ…………!」


京(もしかしてバレてるのか!?だとしたら、どっちがバレたんだ)


京(順当に考えると咲だろうけど)


京(咲が人前で言うとは思えない……)


京(いや、でも和に話してないとは言い切れねぇし)ガクガク

京「いや……いねぇけど」


京(もしも、ここでいるって答えたら。必ず誰って聞かれるに決まってる)


京(それなら、いないって答えた方が都合が良い)


京(もしも咲に問い詰められても秘密にしたかったで誤魔化しが効くからな)


優希「そ、そうなのかー!てっきり和ちゃんの事が好きだと思ってたじぇ」


京(なんで嬉しそうなんだよ)


優希「じ、実はな……私……京太郎の事が好きなんだ……だから付き合って欲しいじぇ!」


京「はぁ!?」


優希「な、何度も言わせないで欲しいじぇ……だからな私は京太郎の事が好きなんだじょ」


京「…………」


京(折角気苦労から抜け出せると思ったのに)


京(まぁ……でも優希だって俺の事を思って言ってくれたんだよな)


京(ちゃんと優希の想いを受け止めねぇと)


京「悪い!付き合えねぇ!」

今日の投下は終わります

優希「…………」


優希「ど、どうして……だじょ」


優希「京太郎には好きな人はいないって言ってたじぇ……あれは嘘だったのか」


京(いや、嘘だけどさ)


京「嘘じゃねぇよ……でも……だからって付き合うって事は違うだろ」


京「俺は……優希の事を好きになれない」


京「どうしても愛情って言うよりかは……こう……妹とか友達みたいなもんで」


京「そんな状態で付き合っても上手くいかねぇだろ」


優希「…………そっか」


京「優希……」


優希「ううん!気にするな!勝手に勘違いした私が悪いんだじぇ」


京「…………」


優希「あー……なんだかお腹が空いてきたじぇ!私は先に家に帰っておくからな!」ポロポロ


優希「…………」スタスタ


京「…………これでいいんだよ」


京「きっとお前にはいい奴が見つかる」

学校


京(はぁ……優希を振ったから学校に行きづらいよなぁ……)


京(これなら咲や久さんと帰った方がマシだったんじゃあ……)


京(大体、なんでこうなったんだよ)


咲「京ちゃん大丈夫?顔色悪いみたいだけど」


京「いや……まぁ……色々あったからな」


咲「京ちゃんが気にする事ないよ……」


京「そう……なのかな」


咲「うん。辛いことも一緒に乗り越えれば良いんだし」


京「そう……だな」

京(仮に断るなら咲の方が別れやすいもんなぁ)


京(久さんの場合。副会長を振って俺の事を選んでくれたんだ)


京(つまり副会長にまで迷惑をかける事になる)


京(でも咲なら分かってくれるかもしれない)


京(大体、あの時は感情で走っただけなんだし)


京(俺は悪くない……)

作者です
取り合えず誤解して欲しくないのは私は別に咲さんアンチではないと言う事です
むしろ咲さんは好きなキャラです
それでは続きを投稿します

気にしなくてええんやで

咲「あのさ、京ちゃん土曜日空いてるかな?」


京「土曜日?」


咲「うん。みたい映画があるんだけど……一緒に見ない?」


京「それって……つまりデートって事だよな……」


咲「うん。良かったらなんだけど、どうかな」


京(そうだな……最後にデートして……そこで説明しよう)


京(大丈夫、咲なら分かってくれるって)


京「別に他に予定もないし。いいぜ」


咲「本当!良かったぁ……断られたらどうしようかと思ったよ……」


京「俺が咲の誘いを断るわけねぇだろ」


咲「そうだよね」

>>223
ありがとうございます

部室


京(はぁ……優希と顔を合わせずらいよなぁ……)


優希「京太郎!何落ち込んでるんだ?そういうときはタコス食べて元気出すじぇ!」


京「……優希」


京「べ、別に落ち込んでねぇよ。それじゃ麻雀始めようぜ……つっても俺はネトマだけどな」


まこ「全員揃った所で始めるかのう」


咲「はい」


京(良かったぁ……優希はそこまで気にしてないみたいだ)


京(こんな感じで咲とも別れる事が出来れば良いんだけど)

放課後


咲「京ちゃん帰ろ?」


京「待ってくれ。まだ雑用が残ってるから」


京「すまん」


咲「ううん。それなら手伝……」


和「咲さん!すいませんが先に帰って貰っても良いですか……私、須賀くんとお話がありますので」イライラ


咲「いや……でも」


京(話か……咲も大変だなぁ)カチャカチャ


京(…………話って俺に!?)


和「いいですから!」


咲「わ、分かったよ……」


咲(和ちゃん……何に怒ってるんだろ?)

京「えっと……和さん?話というのは……な、なんでしょうか」


和「咲さんから……お弁当を貰えませんでした」シュン


京「そ、そうか」


和「なのに貴方は嬉しそうにお弁当を!!」


京「お、おう」


和「最近の須賀くんは咲さんと、いちゃいちゃしすぎです!」


和「そんなの不健全じゃないですか」


京「と、取り合えず……落ち着……」


和「とにかく!咲さんと……あまりそういう関係にならないで下さい」


和「それだけですから」スタスタ


京「…………俺が何かしたのかよ……」

京「まぁ……いいか」


京「早く雑用終わらせねぇと……帰れねぇし」フキフキ


京「はぁ……俺がいないと誰も掃除しないんだから……」フキフキ


京「…………」フキフキ


和「何やってるんですか」


京「うおっ!?なんだ和……驚かすなよ」


京「見りゃ分かるだろ……掃除だよ……掃除」


京「俺がやらないと誰もやらないからな」フキフキ


和「いつも放課後残ってるなと思ったら……そんな事を……」


京「それで……忘れ物か何かか?」


和「いえ……その、少し言い過ぎたと……」

京「別に気にしてないから」ポン


和「な、何触ろうとしてるんですか!」


京「いや……元気付けようと思って……そりゃ……触れたら悪い気はしないけど」


和「はぁ……呆れました……。ところで須賀くん」


京「うん?なんだよ」


和「良かったら手伝いましょうか」


京「いや、これぐらい慣れてるから……」


和「いいから手伝います!それで何をすれば良いんですか?」


京「えっとじゃあ、俺がほうきやるからちりとりを頼む」


和「わかりました」

和「ようやく……終わりましたね」


和「こんなに大変な事を毎日?」


京「毎日つぅーか時間が空いた日や汚れが目立つ日はしてるかな」


京「俺は麻雀では戦力にならねぇけど……その分、俺は俺の出来ることで支えたかったからな」


和「……須賀くん……すいません」


京「なんだよ急に……だから気にしてないって」


和「いえ……そうではなく。今まで須賀くんを誤解していた気がしますから」


和「意外と真面目なんですね」


京「俺はいつだって真面目だって!」


和「でも麻雀部に入った理由が私が居るからなんて事……ふざけてるとしか思えませんし。ふざけてます」


京「知ってたのかよ」


和「はい……咲さんから聞きましたから」


京「それだって大真面目だよ」


和「そ、そうですか……」カァー

京「まぁ、でも俺は麻雀部に入って良かったと思うぜ」


京「咲も姉と仲直り出来たんだし全国にだって行った……それに俺もハギヨシさんや優希……色んな人と出会う事ができたからな」


和「なのに麻雀は上手くならないんですね」


京「うっ……」


和「くすっ……あの……良かったらですけど私が教えましょうか?」


和「少し前までは大会で大変でしたけど落ち着いてきましたし」


和「須賀くんを教える時間は十分にありますから」

今日は眠いのでこれで終わります

京「いいのか?」


和「同じ部員なんですから当たり前じゃないですか」


京「おお!助かるぜ!ありがとな!」


和「その代わり厳しいですよ」クスッ


京(和って……こういう笑い方も出来るのか……)ドキッ


和「須賀くん?」


京「あ……いや、お手柔らかに」


京「でも時間とかどうするんだよ……部活の時間でも結構練習してるつもりなんだけど」


京「さすがに部活中に教えて貰う時間はねぇし」


京(というより部活の時間は俺なんか放って置いて練習に集中して欲しい)


和「なら放課後……こうして残って練習しませんか?」


京「俺はそれで構わねぇけど和はどうなんだよ」


和「私も問題ないですよ」


京「それじゃあ頼むぜ」


京(まさか和から麻雀を教えて貰えるなんて!最高についてるじゃんか)ワクワク

京太郎の家


京「…………ん?久さんからメールだ」


京「えっと土曜日に映画館かぁ……」


京(土曜日は咲と約束してるんだよなぁ)


京(すみません。その日は用事ですっと)


~チョウテンマデ~~アトヒトイキ~


京(おおっ!?返信か)


京(日曜日かぁー日曜日なら大丈夫だよなぁ)


京(わかりました!楽しみにしてますっと……)


京(その頃には咲に別れを告げて……全部清算してるだろうし)


京(咲……すまねぇ)

放課後


和「ここは……こうした方が待ちが多くなります」


京「そ、そうなのか……でも咲とかは……ここで」


和「須賀くんが咲さんみたいに出来るんですか」


京「そ、そうだな……」


京「おおっ!すげえ!本当に多面待ちが出来ちまった!?」


和「ね……言った通りでしょう」ドヤァ

京「やっぱり和は教えるのが上手いな」



和「そ、そんな事はありません。須賀くんが真面目に聞いていたからですよ」



和「それに分かってるんです。自分の言い方にキツイ所がある事ぐらい」



京「それでも間違った事は言わねぇだろ?」


京「俺はちゃんと何事にも真剣に向き合う和の姿……キツさも含めて嫌いじゃねぇよ」


和「須賀くん……」


和「わかりました。それなら、これからも厳しく指導しますね」


京「おう、望むところだ!」

学校


咲「はい、京ちゃん。お弁当だよ」


京「なんかいつも悪いな……別に料理ぐらい自分で出来るのに」


咲「それじゃあ、また暇な時にでも作ってよ」


咲「私も京ちゃんの手料理食べてみたいから」


京「おお、いいぜ。滅茶苦茶、美味しいの作ってやるからな」

和(何でしょう……このモヤモヤとした感情は……)


和(咲さんと須賀くんの仲が良いの知っています)


和(以前も咲さんと須賀くんが仲良くしていると不快な感情が沸きました)


和(でも……今は違う理由で二人が一緒にいると不快に感じる気がします……)


和(何を考えてるんでしょう……私は)シュン


京「和……どうしたんだ?元気ないみたいだけど風邪か?」


和「いえ……すみません。ちょっと調子が悪いみたいです」


京「あんまり調子が悪いようなら保健室まで連れていくけど」


和「い、いえ……大丈夫ですから」


優希「京太郎、和ちゃんも女の子なんだじぇ。体調の悪い日もあるじぇ」


和「ゆーき!別にそういうのじゃありませんから!!」


京「…………?」


咲「京ちゃんは知らなくて良いことだから」


京「よく分からねぇけど和が大丈夫って言うんなら良いんだけどよ」

優希(きっと和ちゃんは京太郎の事が好きなんだじぇ)


優希(でも和ちゃんは鈍いからな、好きになった事すらも気づいてないみたいだじぇ)


優希(ここは私が一肌脱いでやるじぇ)


優希(きっと……京太郎も和ちゃんの事が好きなんだじょ)


優希(あの時、好きな人がいないって言ったのも)


優希(普段、和ちゃんと仲が良い私に気を使って、そう言ったんだじぇ)


優希(出来ることなら二人に付き合ってほしいじぇ)

優希「和ちゃん話があるじぇ」


和「ゆーき?どうしたんですか、こんな所に呼び出して」


優希「実は二人きりで話したい事があるんだじょ」


和(何でしょう……ゆーきが、いつもよりも真剣な気がします)


和「なんですか悩みなら聞きますよ」


優希「なら単刀直入にきくじぇ……和ちゃんは京太郎の事が好きなのか」


和「なっ……!なな、なんでそうなるんですかっ!」


和「別に……その……私は須賀くんの事を……す、好きだなんて……」カァー

優希「顔が赤くなってるじぇ」


和「ゆ、ゆーきが変な事を言うからじゃないですかっ!」


優希「なら和ちゃんは京太郎の事が好きじゃないんだな?」


和「も、勿論です」


優希「じゃあ私が告白するじぇ」


和「えっ……」ズキン


和(なんなのでしょう……この気持ちは……)


和(まるで胸が張り裂けそうな……感じは)


和(私は……須賀くんの事を……)


和「そ、そうですか……頑張って下さい」


優希「やっぱり京太郎の事が好きなんだな」


和「だ、だから違うと……」


優希「じゃあ、どうして涙なんか流してるんだじぇ?」


和「えっ……嘘……」ポロポロ

優希「いい加減に素直になるじぇ」


優希「和ちゃんは京太郎の事が好きか?」


和「わ……わかりません。只、須賀くんと一緒にいると胸がドキドキしたり……」


和「自分でも、これが恋なのかどうか……」


優希「本当は分かってるはずだじぇ……後は認めるだけだじぇ」


和「そう……なのかもしれません…………出来ることなら私は須賀くんとお付きあいしたいです……っ」

優希「そうか……なら応援するじぇ」


和「えっ……ですが……ゆーきも須賀くんの事が好きなのでは……?」


優希「生憎、私は先に挑んで破れたじぇ」


和「えっ……それって……」


優希「とにかく私は応援するじぇ!京太郎もきっと和ちゃんの事が好きなのは間違いないじぇ」


和「そ、そんな事……」


優希「取り合えず自信を持つんだじぇ!」


和「優希が応援してくれるのは嬉しいですが……」


和「少しだけ……考えさせて下さい……。まだ……心の準備が……」


優希「心の準備なんてしてたら他の女の子に取られちゃうじぇ!」


和「うっ……」


和「わ、わかりました……その……頑張ってみますから……ゆーきも……手伝ってくれませんか」


和「自分勝手な願いだという事は分かっています……でも頼れるのは、ゆーきしかいないんです」


優希「はなからそのつもりだじぇ!私に出来ることなら、なんだって手を貸すじぇ!」


和「あ、ありがとうございます」

放課後


和「あ……えっと……ここは……」モジモジ


京「だ、大丈夫か?調子悪そうなら止めた方が……」


和「ま、まさか!調子が悪いなんてっ!それに多少体調が悪くても……その須賀くんと……離れたく……ないですから」


京「和!」


和「は、はい」ドキドキ


京「悪いことは言わない今日は休もう、昼から辛そうだったじゃねぇか……家まで送ってやるから」


和「い、いや……でも……」


京「俺の事はいいから、和に倒れられた方が困るからな」


和「わ、わかりました……」


和(結局、変に意識して須賀くんと会話できませんでした)シュン

京(あれから数日が経った)


京(朝は咲と登校、放課後は和と練習……その合間に久さんとメールをしている)


京(正直、和には感謝している)


京(和がいなかったら咲とべったりしすぎて久さんに疑われるかも知れなかったからだ)


京(そうじゃなくても、毎日お弁当とか普通に考えてもおかしいだろ)


京(今はまだ幼馴染みだからって事で通してるが)


京(いつ、俺に浮気の疑いが掛かるかも分からねぇし)


京(でも……そんな日々とも、お別れだ)


京(今日は土曜日、俺は……今度こそ覚悟を決める)

今日の投稿を終わります

咲「おはよう京ちゃん」


京「お、おはよう」


咲「なんだか、ぎこちないよ?緊張してる?」


京「き、緊張なんてしてるわけねーだろ!」


京(咲の奴、普段は不器用な癖に変な時に鋭いな)


京「ところで観る映画とかは決まってるのか?」


咲「うん。劇場版咲-saki なんだけど」


京「おいおい!咲-saki って言ったらあの有名な麻雀映画の……よく取れたな、そんなチケット」


咲「うん。お姉ちゃんが知り合いから貰ったんだって」


京「うぉー!そうか!それなら早く行こうぜ」


咲「くすっ、良かったぁ京ちゃんに喜んで貰えて」

カンッ カンッ マージャンッテタノシイヨネ


メゲルワ……


京(めげたいのはこっちだよ……。この後、咲に、ちゃんと伝えないと……久さんと付き合うって……)


咲「…………」スッ


京「…………っ!」ドキッ


京(きゅ、急に手を握るなよ……)


京(咲の手……柔らかいな……)


京(でも……所々、切り傷が付いてる……)


京(そういや、最近やけに手の込んだ弁当を作るようになってたよな)


京(もしかして……その時に……付いた傷なんじゃ……)


京(なのに……俺は……)ポロポロ

咲「今日は楽しかったね京ちゃん」


京「あ、ああ」


京(映画館から出たら、すぐに断ろうと思ったのに……)



京(あんなもん見ちまったら振りにくいだろ……)


咲「あ、あのね……京ちゃん。きょ、今日もさ……良かったら……しよう」


京「…………」


京「さ、咲がいいなら……」


咲「うん」

咲の家


咲「今日はお姉ちゃんが東京に行ってるから……好きなだけして良いよ」


京「咲……」ギュッ


咲「京ちゃん……」


京(ヤった後に振れば良いよな)


京「咲……すげぇ」


咲「んんっ……れろぉ……ちゅぱ」


京(咲って、すげぇ上手いんだろうけど……他の人とやってねぇから凄さがわかんねぇよ)


京「うっ……出る!」ドビュドビュ


咲「んんっ……はぁ……はぁ」


京「咲……挿れても良いか」


咲「うん……良いよ」

京「咲っ!」ズンズン


咲「んんっ……はぁん……ね、ねぇ……京ちゃん」


京「な……なんだよ」ズンズン


咲「私の事……好き?」


京「あ、当たり前だろ。好きに決まってる」


咲「うん、私も大好きだよ」


京(な、なんだよ……っ!急に締まりが……)


京「うっ……あっ……出るっ!」ドビュドビュ


京「はぁ……はぁ」


咲「京ちゃん気持ちよかった?」


京「あ、ああ」


京(ゴムしておいて良かった)


京(してなかったら妊娠させちまう所だったからな)

京「あ、あのさ……咲」


咲「どうしたの京ちゃん」


京(言わねぇと久さんと付き合ってるから別れるって……)


京「えっと、その弁当とか毎日作るの大変だろ……いつも悪いな」


京(俺のバカヤロ)


咲「そんな事ないよ。一人分も二人分も大して変わらないから」


京「そ、そうか」


京(そんな訳ねぇだろ……。あんな手の込んだ弁当を作るのが大変じゃない訳ないだろ……)


京「咲……これからは俺も弁当を作る」


京「それを咲に食べて欲しいんだ」


咲「京ちゃん……」


咲「うん。京ちゃんの弁当楽しみにしてるね」


京「おう、任せとけ」

京(結局……言い出せなかった)


京(でも……咲を傷つけるわけにはいかねぇ)


京(俺はあの日記を見て咲を傷つけねぇって決めたはずじゃないのか)


京(なのに……なのに)


京(俺はまた同じ過ちをしちまう所だった)


京(別に今のままでも両方が満足なら、それで良いんじゃないか?)


京(みんなが幸せでいられる……誰も傷つけねぇ)


京(バレなきゃ……大丈夫だろ)

今日はこれで終わります

日曜日


京「おはようございます久さん」


久「これでも結構早く来たつもりなんだけど」


京「安心して下さい……俺も今来たところなんで」


久「またまた~本当はずっと待ってたんじゃないの?」ニヤニヤ


京「あはは……」


京(実際、今来たところってのは本当だ)


京(あの後も結局、咲と一晩中ヤっちまったからな)


京「それで……観たい映画は決まっているんですか」


久「くすっ……ええ、とっても喜ぶと思うわ」


京「へぇ、そんなに面白い映画なんですか」


久「だって、あの有名な劇場版咲-sakiのチケットだもの」


京「」

カンッ カンッ マージャンッテタノシイヨネ


メゲルワ……


京(まさか……二度も咲-saki を見ることになるとは……)


京(そう言えば咲は俺の手を握ってくれたけど……)


京(俺も久さんの手ぐらい握っても良いよな)スッ


久「…………」ビクッ


京「うぉっ……」


京(急に動いたからビックリしちまった)


京(思ったよりも緊張してるのかな?)

久「今日は楽しかったわ」


京「そうですね。俺も楽しかったです」


京「部長がビクンってなったのも可愛かったですし」


久「あ、あれは須賀くんがいきなり触るからビックリしただけよ」


京「そういう部長も可愛いですよ」


久「か、からかわないでよ……」


京「あ、あの……」


久「な、なに?」


京「キス……しても良いですか」


久「えっ……いや、ちょっと……」


京「ダメですか……?」


久「ダメ……ってわけじゃないけど……」


久「こ、心の準備が……」カァー


京「そ、そんなに恥ずかしがらないで下さい……こっちまで……その緊張するっていうか……」


久「そ、そうね……ごめんなさい。じゃあ……目……瞑るから」ギュッ


京「それじゃあ……行きますよ」チュッ


久「…………///」

京「…………」


久「…………」


京「えっと……その……帰りますか」


久「そ、そうね……もう……夜も遅いし帰りましょうか」


京「送りますよ」


久「そ、それじゃあ頼もうかしら」


京(まぁ……デートでキスまで行ったんだから十分だよな)


京(でも……いつかは久さんとも……)

学校


和「結局、須賀くんの事を意識しすぎて……その……」


優希「失敗しちゃったのか……まぁ、落ち込んでも仕方ないじょ」


優希「この失敗を生かして今度こそ成功させるじぇ!」


和「そうは言っても顔を合わせるだけで言葉が出なくなるんですよ……どうすれば良いか」


優希「人というのは追い詰められると実力を発揮するもんだじぇ……私の追試みたいに!」


和「何が言いたいんですか?」


優希「つまり、和ちゃんが告白できるまで部室に閉じ込めておくじぇ!」

和「えっ……そんなのダメに決まってるじゃないですかっ!」


優希「どうしてだじょ?誰にも迷惑をかけてないじぇ」


和「須賀くんに迷惑を掛けてるじゃないですかっ!」


優希「和ちゃんが告白すれば済む話だじぇ」


和「うっ……それはそうかも知れませんが……」


和「もし……振られてしまったら」


優希「その時には慰めてやるじぇ」


優希「しない後悔よりもする後悔の方が清々しいじぇ」


和(優希は須賀くんに断られて辛いはずなのに……)


和(私の事を助けてくれようとしています)


和(私も覚悟を決めないと……)


和「ゆーきがそこまで言うなら」


優希「任せるじぇ!」

放課後


咲「京ちゃん……一緒に帰ろうよ」


京「悪い!今日も和に麻雀を教えて貰うからさ」


咲「それなら待つよ……。京ちゃんと一緒に帰りたいし」


優希「咲ちゃんの家族が心配するかも知れないじぇ……咲ちゃんは私と一緒に帰るじぇ」


咲「だ、大丈夫だよ。お姉ちゃんのお昼はちゃんと作ってあるから」


京「いや……そういう問題じゃないだろ」


優希「と、とりあえず早く帰るじぇ」トタトタ


咲「う、うん」コトコト


和「なんだか最近、咲さんと仲が良すぎる気がします」


京「そうか?」


京「それよりも早く教えてくれ」


和「そうですね」

和(あれから一時間経ちました)


和「そろそろ休憩しましょうか」


京「そうだな……はぁ、疲れたぜ」


和(い、今……告白しないと……)


和「あ、あの……須賀くん……」


京「ん?なんだよ」


和「その……ですね……麻雀が少し上手くなって来ましたね」


京「本当か!これも和が教えてくれたおかげだな」


和「そ、そうでしょうか」カァー

和(やっぱり……言えない……)


和(どうせ……無理なんです)


和(私にそんな勇気なんてないんですから)


カガヤイテー


和(ん?メール……)


優希『がんばるじぇ!』


和(ゆーき……)


和(いつの間にか、ゆーきの方が私よりも立派になってるじゃないですか)


和(私も……覚悟を決めないと……!)


和「あ、あの……須賀くん!」ギュッ


京「ああ、そろそろ始めるか」


和「いえ……そうではなくて」


和(ゆーき……ありがとう)


和「実は須賀くんに伝えたい事があるんです」


和(貴方のおかげで自分の心に正直になれたんですよ)


和「私……須賀くんの事が好きです……!」


和(例え振られても……後悔はありません)


和「付き合って下さい!」

京「和……」


京(俺は……どうすれば……)


京(いや……もう……決まっているはずじゃねぇか)


京(決めたんだ。もう優希のような悲しい思いをさせないって)


和「あ、あの……無理なら……」


京「もう……これ以上言わなくて良い」ギュウ


和「須賀くん……」


京「俺も和の事が好きだった……」


京「こんな俺で良かったら付き合ってくれ」


和「はい!」

咲の家


咲「ただいま、お姉ちゃん」


照「お帰り……咲」


咲「ねぇ、お姉ちゃんは……その……結婚とかってしたいと思う?」


照「思う……咲と結婚したい」


咲「もう、こっちは真面目に聞いてるんだよっ」


照「もしかして好きな人が出来たの?」


咲「私ね……結婚して幸せな家庭を築きたいんだ」


咲「美味しい料理を食べて欲しいし、一緒に寝たい」

照「そっか……実はね……咲」


咲「うん」


照「私……付き合ってる人がいるんだ」


咲「えっ!?そうだったの?」


照「驚いた?」


咲「う、うん。それで誰と付き合ってるの?」


照「園城寺さん……」


照「病院の見舞いに来た時に仲良くなった」


照「その……デートも何度もした」


咲「そ、そうなんだ……。凄いね」

照「だから咲も好きな人がいるなら頑張って欲しい」


照「応援するから」


咲「うん」


咲「ねぇ、お姉ちゃん……結婚するなら少しは料理を作れた方が良いんじゃないかな?」


照「私も……それは思うけど……作れる気がしない」


咲「それなら教えてあげるよ」


照「前にも咲に教えて貰ったけど無理だった」


咲「大丈夫……今回は他の人に頼むから」

京「まさか和と付き合う事になるとはなぁ」


京「夢みたいだ……」


京「ん?メールみたいだけど?咲からか」


京「明日家に来ない……か」


京「明日は特に用事もねぇし行くか」


京「別にいいぜっと……これで完璧だな」


京「おおっ……今度は久さんからか」


京「えっと……休日に水族館か」


京「なんというかベタな場所が多いな久さんは」


京「良いですよっと……送信」


京「さて……今日も寝るか」

放課後


京「和……その……キスして良いか」


和「いきなり!何言ってるんですか!付き合ってから……まだ1日しか経ってないんですよ」


京「いや……そうじゃねぇんだって」


京「その……俺がさ、ネト麻で上がれたらって話で」


和「上がること自体なら、そこまで難しくはないじゃないですか」


和「や、役満で上がれたら……して良いですよ」


京「レベル高過ぎだろ!せ、責めて満貫で……」


和「ま、まぁ満貫ぐらいなら……」


京「よぉーし!やってやるぜ」

京「だ、ダメだった……」


和「ちゃんと上がれるようにはなってるじゃないですか」


京「それは……そうだけどよ……」


和「はぁ……仕方ないですね」チュッ


京「えっ……和」


和「努力賞です……」


和「く、唇は満貫で上がらないとしませんから」カァー


京「お、おう」


和「そ、それじゃあ時間ですし帰りましょうか」


京「ああ」


和「それでは……また明日」


京「じゃあな」

咲の家


京「おーい」ピーンポーン


咲「京ちゃん……遅いよ」


京「すまん、和に麻雀を教わってた」


咲「そうか、それなら仕方ないね」


咲「ほら、上がっていいよ」


京「おう、おじゃましまーす」


京「えっと咲の部屋は……」


咲「あ、京ちゃん……今回はリビングだよ」


京「リビング?まぁ、いいけど」スタスタ

咲「お姉ちゃん連れてきたよー」


照「これが例の人?」


咲「うん、そうだよ」


京「えっ……ちょ……何の話をしてるんだよ」


京(も、もしかして咲は話したのか)


京(俺と咲の関係を……)


京(さ、さすがに結婚を前提に……なんて事はねぇだろ)


京(大体、年齢足りねぇし)


咲「実はお姉ちゃんには付き合っている人がいるんだけど」


咲「その人の為に手料理を作りたいんだって」


京(やっぱりそうだよな……)ホッ

京「なるほど、それで俺が教えたら良いって事だな」


照「厚かましいかも知れないけど……教えてくれると嬉しい」


照「私の名前は宮永照。呼ぶときは照でいい」


京「えっと……照さん?俺の名前は」


照「知ってる……須賀京ちゃん」


京「須賀京太郎です」


照「私も咲と同じように京ちゃんって呼んでも良い?」


京「はい、好きに呼んでいいですよ」


照「それじゃあ早速料理の作り方を教えて欲しい」


京「わかりました。ちなみにどんな料理を作りたいんですか?」


照「オムライス」


京「わかりました……ちなみに料理はどの程度?」


照「前に冷凍食品を作ったことがある」


京「えっと……それ以外は?」


照「前に冷凍食品を作ったことがある」


京「わ、わかりました。まずオムライスの前に卵焼きの作り方を教えますね」

京「や、やっと……終わった」


咲「調子はどうかな」


京「卵焼きがギリギリ出来るぐらいにはしたかな」


照「咲見て、卵焼きが出来たよ」ホクホク


咲「お姉ちゃんが作ったのはスクランブルエッグだよ」


照「……?」


咲「あ、そう言えば伝え忘れてたんだけど」


照「うん」


咲「私、京ちゃんと付き合ってるんだ」


京「なっ…………!」


照「あ、咲が好きって言ってたのは京ちゃんの事だったんだ」


京(おい、なに家族にばらしてるんだよ)


京(仮に別れる事になっても別れられねぇじゃねぇか)

京「いやー、そうなんすよ。でも、あんまり恥ずかしいからそういう事、言うなよなー」


咲「うん。でも、お姉ちゃんには報告したくて」


京「まぁ、そうだろうけどさ」


咲「それに結婚したら両親に報告しないといけないんだから、その練習だと思えば良いよ」


京「いや……結婚の話は……早すぎだろ」


照「そんなことないと思う。付き合ったら先の事を話すのは当然」


照「今すぐにでも挙式を上げるべき」


咲「さすがに京ちゃんはまだ結婚できる年齢じゃないから今すぐには無理だけど」


咲「未来予想図ぐらいは考えておいても良いかなって」


京(いずれぇ……なんだが勝手に話が進んでて怖えぇよ)


京「ま、まぁ……それはそうなんだろうけどさ、焦り過ぎるのもどうかと思うぞ」


咲「まぁ、そうなんだけど。私と京ちゃんの愛があれば数年の月日なんてあっという間だよ」


京「ま、まあな」


照「本当に二人ともラブラブなんだね。私も早く結婚したい」


京「あ、あはは」

京(結局……なんだったんだよ……)


京(まるで心に釘が刺さったみたいな嫌な感じがする)


京(浮気はバレてねぇと思うけど)


京(なんか咲の奴……焦ってるのかな)


京(まぁ……なんとかなるだろ)

放課後


京「よ、よし!来た……!和!満貫で上がったぞ」


和「ここまで早く上達するなんて……一体どうやって」


京「そりゃ上達するだろ!和の唇が賭かってんだからさ」


和「そ、そうですね……その、そういう約束でしたから……」


京「それじゃあ行くぞ」


和「は、はい」


京「和……好きだ」チュッ


和「ん……んんっ……」


和(な、なんで舌を入れてくるんですかっ!)


和「ん……んんっ……はぁ……はぁ」


京「和……していいか?」

和「ま、待ってください。ダメですよっ!そういうのは適切な場所で……」


和「それに避妊具も使ってないですし……」


京「それなら用意してるから大丈夫だって」


和「……なんで用意してるんですか」


京「和とするためだ」パサパサ


和「ちょ……服を脱がさないで下さい」


京「大丈夫だって馴れてねぇけど……」パサパサ


京「それじゃあ差し込むぞ」ズン


和「んんっ……ダメだって……言ってるじゃないですかっ」


京「もう……遅せぇよ……」ズンズン


和「んんっ……はぁっ……うっ……」


京「出るぞ、和!」ドピュドピュ


和「う……はぁん!」ビクン

京「はぁ……はぁ……」


和「ううっ……私……初めてだったんですよ」


京「俺だって経験ねぇよ」


和「でも須賀くんからしました……」


和「子供が出来たらどうするんですかっ」


京「ゴムは使ってるんだから大丈夫だろ」


和「だとしても、私の初めてを奪ったのは事実です」


和「責任……取ってくれますね」


京「…………」


和「どうして黙るんですか」


京「い、いや……ちゃんと責任は取るって」


和「ありがとうございます!やっぱり須賀くんの事大好きです!」


京「お、おう」

水族館


京「水族館ってあんまり行ったことありませんけど結構楽しいものですね」


久「そう、喜んで貰って良かったわ」


京「いつも予定とか決めてくれてありがとうございます。本当は俺が場所とか決めて久さんをエスコートしないと行けないのに」


久「たまには先輩らしい所も見せさせてよ。何でも須賀くんにばかり頼るのも悪いでしょ?」


京「久さん……」チュッ


久「も、もう……ここは人が結構いるのよ」


京「じゃあ人がいなかったら良いんですか?」


久「須賀くん……言うようになったわね」


京「す、すいません」


久「冗談よ。次の魚でも見ましょ」


京「は、はい」

京「今日も楽しかったっすね」


久「ええ、そうね」


京「…………」


久「…………」


京「あ、あの……ホテルに行きませんか」


久「す、須賀くん!?」


京「その……やっぱりダメですか?」


久「そ、そんなことは……ないわ。行きましょ……ホテル」


京「はい」

ホテル



久「そ、それじゃあ……お風呂に入ってくるわね」


京「はい……俺も後で入りますんで」


京(さてと……ついに久さんとする日が来ちまった)


京(咲もなかなかだったけど、やっぱり久さんとやるときっと違った快感が味わえるんだろうなぁ)ホクホク


ブーブー


京(ん?電話か……誰だろう?)


京(咲……か……こんな時に何なんだよ)


京「はい、もしもし」


咲『あ、京ちゃん……あのさ。今、どこにいるの?』


京「ああ、今家にいるけど……どうしたんだよ?」


咲『そうなんだ……それなら早く家から出てくれないかな……私、ずっと京ちゃんの前で待ってるんだけど』


咲『何回も呼び鈴を鳴らしてるのに出ないし』


京「…………」

京(マジかよ……どう……言い訳するかな)


京「ああ、バレちまったか」


京「実はさ……俺……バイトしてたんだよ」


京「お前にプレゼント買いたくてさ」


咲『そ、そうなんだ!?それなら言ってくれたら良かったのに』


京「それならサプライズにならないだろ?」


咲『そっか……ごめんね。余計な事しちゃったみたいで』


京「まったくだぜ。せっかく驚かせようと思ったのに」


咲『うん……ごめん』


京「いや……別にいいけどさ」


京「とりあえず楽しみにしてろよ……それじゃ切るから」


咲『うん』

久「誰と話してたの?」


京「バイトの同僚です」


京「それじゃあ、俺……入りますね」スタスタ


久「う……うん」


久「…………」


京「ふぅー、結構気持ちよかったです」


久「そ、そう」


京「それじゃあ……して良いですか」チュッ


久「う、うん」


京「久さん」ドサッ


久「…………」ポロポロ


京「久……さん?」


久「ううっ……えっく……ごめん……やっぱり無理!」


久「ううっ……えっく……ごめんなさい、ごめんなさい」


京「は、はぁ?」


安値選択肢


1「ふざけないでくださいよ……ここまで期待させといて」→ED1騒音は家の外で


2「ど、どうしたんですか?」


下3

分かりました。また日を改めて続きを書きます

京「ど、どうしたんですか?」


京(いきなり泣いて……俺、何か失礼な事でもしたかな?)


久「ち、違うの……その……ね」


久「須賀くん……映画の時とか、あんまり嬉しそうじゃなかったし……」


久「だ、だから頑張ろうと……お、思ったんだけど……」


久「やっぱり……怖くて」ポロポロ


京「久さん……」ダキッ


京(俺の為に無理して……俺がしっかりしねぇと)


京「わざわざ、俺の為に無理しないで下さい」


京「こういうのは少しずつ馴れていけば良いんですよ」



久「須賀くん……ありがとう」


京「落ち着きました」


久「ええ……やっぱり私……貴方と付き合って良かったわ」


久「こんなにも勇気付けられちゃって……」


京「それが彼氏ってもんですから」


久「須賀くん……」

久「今日は……ごめんなさい。迷惑かけちゃって」


京「しつこいですよ……俺は気にしてませんから」


久「それじゃ……また連絡するから」


京「今度は俺からしますよ」


久「そう、楽しみにしてるわね」


京「はい」


京(結局、久さんとは出来ずじまいだけど)


京(彼女の……悲しむ姿は見たくねぇからな)


京(さてと……取り合えず咲を誤魔化す為に何か後でプレゼントを買わないとな)


京(金はまだあるし……適当な本でも買えば満足するだろ)スタスタ



































咲「…………」キリリ

京「今日はごめんな?バイトで家にいなくて」


京「わざわざ、来てくれたんだろ?」


咲『ううん……別に良いよ』


咲『バイトお疲れさま……』


京「お、おう」


咲『私の為にバイトなんてしなくても良かったのに』


咲『でも……ありがとう』


京「いつも悪いと思ったんだ。お弁当とかさ作ってもらって」


咲『あれは私が好きでやってる事だから気にしなくても良いのに』


京「それだと気が済まないんだって」


咲『そっか』


京「お前が本とか好きだろ?今度本屋で一緒に買おうぜ」


咲『うん……てことはデートって事だね』


京「まぁ……そうなるな。じゃ……また楽しみにしてるぜ」


咲『うん』


ガチャッ……ツーツー


咲「……うん」

昼休み


咲「京ちゃん。お昼にしよう?」


京「ああ、いいぜ。和はどうする?」


和「勿論付いて行くに決まってるじゃないですか」ルンルン


京「そうか」


優希「それなら、早く行くじぇ」


屋上


和「あ、あの……須賀くん……。実は……そのお弁当を作って来たんですけど食べてくれませんか」


咲「…………」


京「お、和が作ってくれるなんて珍しいな」

和「たまたま食材が余っただけです……いいから食べて下さい」スッ


京「サンキューな」スカッ


京「…………ん?」スカッスカッスカッ


京「和?くれるんじゃなかったのか?」


和「勿論、そのつもりなんですが……その……須賀くん……あーんして下さい」


京「は、はぁ?そんなの出来るわけないだろ」


和「ど、どうしてですか」


京「他の人だっているんだぞ」


和「うぅ……それはそうですけど」


京「恥ずかしいじゃねぇか」


和「そ、そうですね」カァー


京「つぅーことで」ヒョイッ


和「あっ……」


京「うまいぜ。和の手料理」モグモグ


和「も、もう」

咲「それじゃあ私も和ちゃんのお弁当貰うね」


和「どうぞ」


咲「うん、美味しいよ」


和「咲さんに、そう言って貰えると嬉しいです」ニコッ


京(はぁ……和の奴……気持ちは嬉しいんだけどなぁ)


京(わざわざ人前でするのは辞めて欲しいよなぁ)


京(咲は少し抜けてる所があるからバレてねぇけど)


京(あんまり露骨過ぎると噂になるし)


京(注意しておかねぇと)

放課後


京「なぁ……和」


和「な、なんですかっ……んっ……はぁん」


京「あんまりさ、その……人前でそういう事しないでくれよ」


和「んんっ……そ、そういう事って……何ですかっ」


京「何の事ってお弁当とか作ったりさ」


京「気持ちは嬉しいんだけど……恥ずかしいって言うか」


和「……その……っ……迷惑って事でしょうか?」


京「そういう訳じゃねぇけど……」


和「なら、良いじゃないですか。付き合ってないなら、ともかく私達はカップルなんですよ」


和「カップルが……んっ……そういう事をするのは普通だと思いますけど」


京「そ、そりゃあ……そうだけど……」ズンズン


京「和!出るぞっ」ドピュドピュ


和「はぁぁん!」ビクン

通学路


咲「そう言えば最近、京ちゃんと和ちゃんって仲が良いよね」コトコト


咲「前は、あんまり仲が良さそうって感じじゃなかったのに」


優希「ん?咲ちゃんは知らないのかじぇ?」


咲「知らないって?」


優希「和ちゃんと京太郎は付き合ってるんだじょ」


咲「ええっ!?付き合うって……和ちゃんと京ちゃんが!?」


優希「そうだじょ……最近付き合ったんだじぇ……てっきり咲ちゃんは知ってると思ってたじぇ」


咲「ううん初耳だよ、でも、まさか二人が付き合うなんて思わなかったよ」


咲「京ちゃんが和ちゃんに気があるのは知ってたけど」


咲「逆は無いと思ってたから」


優希「聞いて驚け、なんと和ちゃんが京太郎に告白したんだじぇ!」


咲「ええっ!……そうなんだ」


優希「な、驚いただろ?」


咲「そりゃ驚くよ……そっか二人とも上手くいくと良いね」


優希「きっと上手くいくじぇ」

今日の投下はこれで終わります

京太郎の家


京(久さんにデートを誘うって言っちまったけど)


京(何処に誘おうかな……)ピラッ


京(ん……チラシか……えっと……ワハハ夏祭り)


京(確か……ワハハ祭りって長野で一番有名な祭りだったはず……)


京(ここなら久さんとデートに行っても楽しめるだろ)


京(最高の思い出になるようにしないとな)



久の家


久「ん?須賀くんからメールね」


久「いつもは私からしてるけど須賀くんからなんて珍しいわね」


久「えっと……ワハハ祭りかぁ……」


久「本当はその日、塾があるんだけど……まぁ、たまには休んだってバチは当たらないわよね」


久「いいわ、行きましょう……っと送信」


久「須賀くんとお祭りか……楽しみね」


ピーンポーン


久「ん?こんな時間に誰かしら?」ガチャ

咲「あ、こんにちは……こんな夜遅くにすみません」


久「咲じゃない?どうしたのよ。こんな時間に」


咲「いえ……その……最近部長と会ってないなって思って寂しくなっちゃって」


久「くすっ、立ち話もなんだから上がっていいわよ」


咲「あ、ありがとうございます」コトコト



久「でも、咲がここまで来るって意外ね。本当に何か用事とかはないの」


咲「はい……只、部長にお祝いしなくちゃって思って」


久「お祝い……?」


咲「部長って京ちゃんと付き合ってるんですよね。それならお祝いしないと」


久「あー、そんなの全然構わないわよ」


咲「それに部長も、もう少しで学校からいなくなるって思うと……寂しくなって」


久「咲……」


咲「だから、これ良かったら受け取って下さい」


久「これって……お守り?」


咲「はい、これからも部長が健康でいられるように」


久「ありがとう、貰っておくわね」


咲「そ、そう言えば京ちゃんと付き合ってるって事は……デートとかもしてるんですか?」


久「なーに?やっぱり咲も、そういう事が気になる年頃なのかしら?」クスクス


咲「もう、からかわないで下さいよ……」

久「実はね。ワハハ祭りにも行く予定なのよ」


咲「ワハハ祭りって、あの有名なお祭りですよね」


咲「ちょっと羨ましいです。京ちゃんにそこまで思って貰えるなんて」


久「そうね……こんなに私の事を大切に思ってくれる人なんてそういないわ」


咲「そうですね……あ、そろそろ帰りますね」


久「もう帰っちゃうの?もう少しここに居ても……なんなら泊まっても良いのに」


咲「お風呂とか沸かさないといけないし……すみません」


久「いいのよ。また暇が出来たら何時でも来て良いんだから」


咲「はい」ギィー


咲「デート……上手くいくように応援していますから」バタン

咲「おはよう京ちゃん」



京「おっ、咲か、いつも悪いな待たせて」


咲「本当だよ。最近の京ちゃんは寝起きが悪いよ……」


京「いや、それなら別に待たなくても良いんだぜ?」


京「咲だって、待つのは嫌だろ」


咲「京ちゃん……」


咲「私は京ちゃんの彼女なんだよ」


咲「それなら待つのは当たり前だよ」


京「そういうもんなのかな」


咲「それよりも京ちゃん、一緒にお祭りに行こうよ」


京「お祭り……咲がそんな事、言うなんて珍しいな」


咲「うん、普段はあんまり賑やかなところは苦手なんだけど……京ちゃんとどうしても行きたくて……」


京「いいぜ。で、何処の祭りに行くんだ?」


咲「ワハハ祭りって言う祭りなんだけど」


京「いや……あのさ。その日は悪いけどバイトがあってさ」


咲「断って」


京「えっ……」


咲「…………」


京「…………」


咲「せっかく楽しみにしてたんだよ……」


咲「その日ぐらいバイト断って欲しいかな」


京「お、おう……」

放課後


京(なんだよ……咲の奴)


京(変に食い下がって来やがって)


京(はぁ……どうするかなぁ)


京(なんか咲を断るのは怖いし)


京(かといって、久さんを断るのはなぁ)


京(大体、自分で誘っといて断るとかねーよ)


京「はぁ……」


和「須賀くん……?あの、ちゃんと話を聞いてますか?」


京「えっ……ああ、当たり前だろ」


和「それで、お祭り行ってくれますよね」


京「えっ……お祭り」


和「だから……その……ワハハ祭りですよ」


和「ほら、私達って付き合ってるはずなのに、デートを一回もしていないのは可笑しいと思うんです」


和「なので長野で有名なお祭りのワハハ祭りに行きませんか」


京「い、いや……悪いけど……その日は用事が……」


和「そんなの酷いですよ。身体の関係だけ済ましてデートは断るなんて」


京「うぅ……」

和「普通、おかしいですよね」


京(そう言えば咲が言ってたっけ)


京(弁当は一人分も二人分も作る手間は変わらないって)


京(それってデートにも言えるんじゃねぇのか?)


京(デートも二人で、やろうが三人でやろうが一緒だろ)


京「わ、わかったよ。可愛い和の為だからな」


和「須賀くん……ありがとうございます!」

京太郎の家


京(はぁ……どうしてこうなった)


京(何とかしねぇーと、やべぇだろ)


京(とにかく、断る理由を探さないといけないけど)


京(うーん)


京(とにかく、浮気相談できる所とかねぇよなぁ)ポチポチ


京(ん?浮気相談ならトキへ……)


京「これだ」


トゥルルルー トゥルルルー


怜『はいはい。浮気の方法を伝授します、怜相談所ですー』

京「あ、あの……ここなら浮気のコツを教えてもらえるってネットで……っ!」


怜『まぁ、落ち着いて。もう少し冷静になろか』


怜『それで、今どんな状況なん?』


京「えっと……今同じ学校で付き合ってる人が三人い……」


怜『ちょっとタンマや、今……何で言ったん?』


京「だから同じ学校で付き合ってる人がいるって言ったんです」


怜『まず一つ言いたいんは、何で同じ学校の奴と付き合うねん』


怜『そんなんバレるに決まってるやろ』


怜『よう考えてみぃ?なんで女房おる人が会社で浮気してると思う?』


怜『それは家と会社で彼女を分けてるんや!』


怜『同じ会社内で浮気をしかも三股をする奴なんて、そうおらんわ!』


京「いや……その、俺は浮気しようとしてた訳じゃないんですよ」


京「だけど……何故か彼女が増えて行くっていうか」

怜『まぁ、ええわ』


怜『それで、バレそうになってるんか?』


京「いや、バレてはないんですけど……同じ日にデートに誘われちゃってて」


怜『それなら最初に誘われた人を優先するもんやで』


京「いや……でも……何て言うか……断りにくいって言うか」


怜(なんや?コイツ……滅茶苦茶、優柔不断やん)イライラ


怜『結局どないしたいねん言うてみ』



京「だから三人とデートをしたいんですよ」


怜『いや無理やろ』


京「そこを何とかっ!」


怜『…………』


怜『一つだけ方法がある……』


京「本当ですか?」


怜『ほんまや……その方法はな』



京(怜さんに教わった方法でデートを成功させないと)


京「もしもし、咲か。明日のデートの事だけどさ、朝から行こうぜ」


京「どうしてって朝からの方が長く楽しめるだろ?」


京「久さん……明日のデート夕方からにしませんか」


京「ほら屋台って夕方の方が朝よりも多く店舗があるじゃないですか」


京「それに夕焼け……久さんと見たいですから」


京「和……デート夜中にしないか」


京「星をお前と眺めたいんだよ」


京「それに花火だってすぐに見れるだろ?




京(三人とデートでも時間をずらせば出来る)


京(怜さんに感謝しないと)

今日の投稿はこれで終わりです
あともう少し続きますが、見てくれると嬉しいです

当日


咲「おはよう京ちゃん」


京「おう、それじゃあ早く行こうぜ」


咲「あ、その前にさ携帯見せて貰ってもいいかな」


京「おう、いいぜ」


京(履歴は消してあるっつーの)


咲「……」ポチポチ


咲「はい、京ちゃん……ありがとう」


咲「ごめんね。京ちゃんを疑うような真似をして……」


京「別に携帯を見られる程度で信じて貰えるなら構わねぇよ」


咲「京ちゃん……」


京「ほら、行こうぜ」


咲「うん」


京「おおっ咲、見てみろよ射的があるじゃねぇか」


咲「本当だね」


京「何か欲しいものとかあるか」


咲「えっと、それじゃあ……このストラップでいいよ」


京「よっしゃ任せろ」パンパン


京「ほらよ」


咲「ありがとう京ちゃん」


京「咲も撃ってみたらどうだよ」


咲「えっ……でもどうだろう……私、あんまり、そういうの得意じゃないし」


京「下手でも笑わねぇよ」


咲「う、うん……じゃあ撃つね……」パンパン


咲「やっぱり当たらないよ……」


咲「あれ……京ちゃん?」

京「はぁはぁ……もう、咲はいないよな」


京「咲は方向音痴なところがあるから、俺がいなくなっても自分が道に迷ったと思うはず」


京「はぁはぁ……久さんのところに行かねぇと」




久「ふふっ、今回は私の方が早かったみたいね」


京「すいません、結構早めに来たつもりなんですけど」


久「いいのよ。たまには須賀くんを待ってみたかったし」


久「ほら、その方が淑女っぽいし」


京「そうですか?」


久「ほら、それよりも屋台巡り始めるわよ」


京「は、はい」

久「屋台は一通り、まわったわね」


京「そうですね。焼きそばも射的も楽しかったですし」


久「そうね」


久「あ、あそこにリンゴ飴があるわ買いましょう」


久「リンゴ飴二つ」


久「はい、須賀くん」


京「ありがとうございます。っていうか意外ですね」


久「意外って?」


京「いや、久さんがくれるなんて」


久「失礼しちゃうわね。私だってたまには人に物をあげたりするわよ」


京「じゃあ貰っときますね」


ブーブー



京「ん?すみません電話みたいです」


久「バイトの人?」


京「はい」


京「もしもし」


咲『あ、京ちゃん……今何処にいるの?』


咲『また道に迷っちゃって』


京「そうか、ならお前は動くな。ややこしくなるからさ」


京「俺が後から行くから場所だけ教えてくれないか」


咲『…………』


京「咲?」


咲「ねぇ、京ちゃん……そのリンゴ飴おいしい?」


その時、咲の声が聴こえたのは電話の向こではなく


すぐ……背後だった

京「えっ……さ……き」


咲「えへへ、京ちゃん見つけちゃった」


京「ど、どうしてっ!咲が居るんだよッ!」


咲「どうしてって京ちゃんがデートを誘ったからだよ」


京「そ、そういう事を聞いてるんじゃねぇよ!どうして俺の場所がわかったんだ!」


和「はぁ……はぁ……須賀くん……こんな所に居たんですか……もう探しましたよ」


京「な、なんで和が……」


和「いや、なんでと聞きたいのは私の方ですよ」


和「急に夕方にしようだなんてメールを送ってきて、いざ、来てみたら須賀くん居ないですし」


京「俺は……そんなメール送ってなんて……」


和「そんな訳ないですよ。受信履歴にも……ほら」


京(確かに書いてある……訳が分からねぇ)


京(俺のスマホの送信履歴にも書いてやがる……)


京(一体、なんで……)

久「あ、二人ともお祭り?」


咲「はい、ワハハ祭りは結構有名なお祭りだったんで行きたくて」


京(そうか、アイツ……気づいてやがったのか俺の浮気に)


京(あの時、俺の携帯を貸してくれって言ったのは履歴をみるためじゃなくて和を呼ぶためだったんだ)


京(ちくしょう!)


咲「だから京ちゃんと祭りに行ったんですけど、はぐれちゃって……でも、見つかって良かったです」


久「あら、何を言ってるのよ。須賀くんは私とお祭りに行ってたのよ?」


和「ちょ、ちょっと待ってください二人とも変な事、言わないでくださいよ」


和「須賀くんは私とお祭りに行く約束していたんですよ。ねぇ?」


京「…………」


和「須賀くん……?どうして……黙っているんですか」


久「ちょ、ちょっと……どういうこと須賀くん!ねえっ!」


京「…………せーよ」


久「えっ?」


京「うるせーよッ!なんなんだよッ!勝手に手のひらを返しやがって!」


京「俺はお前らが幸せになるために努力してたんだぞッ!」


京「なのに浮気がバレた程度で、そうやって冷たくなんのかよッ!」


久「す、須賀くん……それって」


京「ああ、浮気してたよッ!悪いか!?」

久「う、嘘……そんなのって……」


久「うっ……ひっく……えっく……ど、どうして……そんな……」


京「泣けば良いとでも思ってるんですか?」


京「世の中そんなに甘くないですよ……」


京「大体、久さんが悪いんですよ」


京「久さんが俺の告白をすぐに受け入れてくれたら、こんなことにならなかったんですから」


久「……何よッ!それ……私が悪かったの……」


京「はい」


久「…………ッ!」タッタッタ


和「…………」


和「須賀くん……貴方は最低ですね」


京「そうかよ……」


和「…………」スタスタ パシーン


京「…………」


和「……貴方は……最低です……ッ!」ポロポロ


和「もう……金輪際近づかないで下さい。顔も見たくないですから」スタスタ


京「…………」

咲「京ちゃん……大丈夫?」


京「…………」


咲「京ちゃん……」スッ


京「触るんじゃねぇ!」パシン


京「何時から気づいてたんだよッ!どうして……」


咲「そんなことは、どうだって良いよ」


京「咲……」


京「なら一つだけ聞いて良いか、どうして俺の居場所がわかったんだ?」


咲「京ちゃんの居場所なんて分からないよ」


咲「分かったのは部長の居場所だよ」


咲「私ね部長にお守りって言ってGPSを渡したんだ」


咲「部長は、それを持っててくれたから分かったんだよ」


京「そっか」


咲「京ちゃん……家に帰ろ」


咲「他の人が認めなくても私は京ちゃんを認めてあげるから……」


京「咲……」


安値選択肢


1 俺はがむしゃらに咲から逃げた ??ルート


2咲から逃げて学校へ向かった ??ルート


3咲から逃げて町へと向かった ??ルート


3咲に付いて行った ??ルート



ちなみに、これで誰のルートか決まります


ルートの数は咲が二つ、久が一つ、和が一つとなっています


安値下4

3が2つあるんですが

>>370すみませんW
とりあえず4で進めてみます
今日はこれで終わります

京「…………」


京「分かった……」


京(もう、今さら久さんに謝ったって許してくれる訳がねぇ)


京(和も顔も見たくないって言われたし)


京(まぁ……当然だよな)


京(こんな俺なんかを好いてくれるのは咲ぐらいなもんだ)


京(咲に……感謝しないと)

咲の家


咲「お姉ちゃん帰ったよ」


照「あ、おかえり咲」


照「お祭りどうだったの?」


咲「うん、楽しかったよ」


京「…………」


咲「お姉ちゃんこそ、園城寺さんとのデートどうだった?」


照「うん。遊園地に行ったんだけど楽しかった」


照「ねぇ、園城寺さんもそう思うよね」


怜「……」ガクガク


照「ほら、すごく楽しそう」


咲「本当だね……」


京「…………」

京(なんなんだよ……この空気)


京(結構やべぇじゃねぇか)


咲「あ、京ちゃん……大事な話があるから私の部屋で待ってて」


京「あ、ああ」


京「俺だって、まだお前と話したいことがあるから」


咲「うん」


京(それにしても足が重い……)


京(咲の部屋までの階段ってこんなにも段数があったっけ)


京(きっと……罪悪感が……俺の足の重りになってるんだろうな)


京(こんなことなら浮気するんじゃなかった)

咲「お待たせ、京ちゃん……」


京「咲……」


京「早速だけど聞いて良いか?」


咲「うん。京ちゃんが先に話して良いよ」


京「あのさ、俺が浮気したって気づいた時に、どうして怒らなかったんだ」


咲「…………」


咲「私はね、京ちゃんに対して怒った事なんて無いよ」


咲「でもね、すっごく悲しかった」


咲「京ちゃんが、ラブホテルから久さんと出てった所を見た時は悲しくて悲しくて仕方なかったよ」


咲「その後に優希ちゃんから和ちゃんが付き合ってるって聞いた時は……もう……どうして良いか分からなくなって……」


京「そっか……やっぱりバレてたのか……」


京「俺さ……自分でもよく分からねぇんだ……咲が好きなのかどうか」


咲「別に良いよ。私は京ちゃんの事が好きだし」


咲「きっと……京ちゃんも私の事が好きになるはずだから」


咲「そもそも初めに京ちゃんが告白したんだよ……」


京「それは……そうだけど」

咲「ねぇ、明日にでも部長と和ちゃんに謝ろう?」


咲「許してくれないかもしれないけど」


咲「私も一緒に謝るから」


京「…………」


京(確かに……そうだ。俺は……二人に迷惑掛けちまった)


京(なんで……俺はあんな事を言っちまったんだ)


京(そもそも俺は久さんが好きで告白したはずなのに……)


京(俺って奴は……ッ!)


京「咲……ありがとうな」


京「俺……ようやく気づいたんだ。本当は誰が好きなのか……」


咲「京ちゃん……」


京「俺……久さんの事が好きなんだ!」


京「だから咲とは付き合えねぇ」


咲「…………」

咲「なんで……おかしいよ」


咲「あれだけの事しておいて……そんなのって……」


京「俺が身勝手だって事は分かってる」


京「どれだけお前の気持ちを傷つけたか……理解してるつもりだ……」


京「それでも……いや、だからこそ。これ以上、自分にも他人にも嘘を付きたくねぇ」


京「俺はさ優柔不断で流されやすくてダメな奴だった……でも、これからは違うって違うようにするって決めたんだ」


京「だから……俺を久さんの所に行かせてくれ」


咲「…………」


咲「どうして……そういう事言うの?私の方が京ちゃんを愛してるのに」


京「正直さ……重いんだよ……」


咲「えっ……」

京「お前の愛の重さを俺は背負える自信がないんだ」


京「正直……怖い」


咲「京ちゃんは、ちょっと疲れてるんだよ」


咲「そういう時はね」スルスル


咲「気持ちいい事したら落ち着くからさ」スッ


京「…………」パシン


咲「京……ちゃん?」


京「俺をなめんじゃねぇよ!こんなので言うこと聞くと思ったのかよッ!!」


咲「違……そんなつもりじゃ……」


京「大体お前に興味ねぇんだよっ!!」


京「彼女ずらしてんじゃねぇッ!」

咲「きょ……京ちゃん…………ごめんなさい、ごめんなさい」


京「…………」


京「俺……久さんの所に行くから」スタスタ


咲「京ちゃん……っ!待ってよ行かないでよっ」ギュッ


京「触るんじゃねぇッ!」スカッ


京「あれ……?」


京(しまった……階段からバランスを崩しちまった……)


京(俺……結局、良いところが無いまま終わっちまったな……)


京(ごめん、久さん、和…………咲)


京(みんなに迷惑を掛けちまったままで)


京(全部……初めからやり直せればなぁ……)


京「…………」ドスッ


咲「きょ、京ちゃん……京ちゃんっ!」


照「どうかし……っ!」


怜「なんや、何があったんや……」


咲「京ちゃん、京ちゃん……嘘……血が……」


怜「お前ら何やっとんねん!はよ救急車呼ばんと」


咲「うぅぅ……京ちゃん……京ちゃん……」

…………チャン……キョウチャン


京(……誰かが呼んでる)


京(すげぇ……悲しそうな声だ……)


京(誰の……声だろう)


京(早く目覚めねぇと)


咲「京ちゃん……っ……京ちゃん……っ」


京「…………」


咲「京ちゃん……良かったぁ目覚めてくれたんだ」


京「…………」


咲「京ちゃん?」


京「お前……誰だよ」


咲「えっ……」

怜「えっ……記憶喪失になってるん?」


咲「うん……階段から落ちた時に頭を打っちゃったから」


怜「なんというか……ほんまに報われへんなぁ……」


咲「これから色々刺激を与えていったら記憶が戻るかも知れないって言ってたけど」


怜「そっか……まぁ、これは二人の事情やから、うちは何も言わんけど……」


咲「うん……後は私がなんとかするから」


咲(京ちゃんが記憶喪失になったのは私のせいなんだ)


咲(だから私が頑張らないと)

京(俺が意識を取り戻してから1ヶ月が経った)


京(どうやら咲は俺の彼女らしく)


京(この1ヶ月……俺の面倒を付きっきりで見てくれた)


京(もしも何も記憶の無いまま一人きりだったらと思うと……それだけで不安になる)


咲「京ちゃん?」


京「ん?」


咲「いや……なんだか元気が無さそうだったから」


京「そんなことねぇよ……むしろ安心してる」


咲「安心?」


京「ああ、咲が近くに居るって実感できるからな」

咲「もう、京ちゃんってば……彼女なんだから当たり前だよ」カァー


咲「はい、リンゴ」


京「ん?」


咲「だから、あーん」


京「あ、あのなぁ……何でそうなるんだよ」


咲「だって京ちゃん骨折してるから私が食べさせてあげないと」


京「骨折してるのは腕じゃねーよ。足だよ足!」


咲「いいから……ほら」スッ


京「わ、分かったよ……あーん」モグモグ


京「うん、うまい」


咲「えへへ」


京(どうしてだろう……最近、咲の顔を見ると胸がチクリと痛む)


京(俺は咲に対して何か悪い事をしたんだろうか……)

京「なぁ……咲……テレビ見ても良いか?」


咲「いいよ……どんなテレビが見たいの?」


京「麻雀」


咲「ダメだよ」


京「……えっ?」


咲「今は番組やってないから」


京「そ、そうか……」


京(何故か咲は俺が麻雀をしたり、見たりしようとすると機嫌が悪くなる)


京(でも……麻雀を見ていると……うっすらと記憶が甦る気がする)


京(俺の過去に麻雀が深く関わっているのかもしれない)

咲「京ちゃん大丈夫なの?」


京「心配しすぎだって、学校に行くぐらいで」


京「それに外の刺激とかを感じた方が記憶は戻りやすいって言うし」


咲「あ、あのね京ちゃん……」


咲「別に無理に思い出す必要はないと思う」


咲「世の中にはね知らなくてもいい事だってあるんだよ」


京「咲……?」


咲「あ……ごめんね。変な事、言っちゃって」


咲「学校行こっか」


京「ああ」


教室


咲「京ちゃん、お昼一緒に食べよう」


京「おう」スタスタ


まこ「…………」

放課後


咲「京ちゃん……どう?何か思い出せた」


京「悪いな……全然、思い出せねぇ」


咲「そっか……」


咲「しつこいようだけど無理に思い出す必要は無いからね」


京「でも……思い出したいんだ」


京「咲の事……もっと知りたいからさ思い出とか」


咲「…………そっか」


京太郎の家


京「ん?携帯にメールが来てる」


京「校門で待ってる……?」


京「誰だろ?」


京「咲に相談すべきか……」


京(いや……咲にばっかり頼ってたらダメだよな)


京(自分の問題ぐらい自分で解決しねぇと)

学校


京「貴方ですか……俺を呼んだのは」


まこ「そうじゃ、少しお前さんに話したい事があったからのう」


京「話って?」


まこ「いいから、ついて来んしゃい。そこでゆっくり話しちゃるから」


京「…………はい」


京(この人は誰なんだろう)


京(でも、俺の事を知ってそうだし何か記憶を思い出す手掛かりになるかも知れない)


京(それに……どことなく知り合いだった気がする)


部室


ガラガラ


まこ「すまんのう遅くなってしもうて」


和「いえ……別に良いですよ。全員集まっても出来るのは三麻ぐらいですから」


優希「和ちゃん……すまないじぇ」


和「別にゆーきが謝る事じゃないはずです」


優希「……じぇ」


まこ「安心せい、今回はちゃんと普通の麻雀が出来るけぇ、ほら早く入って来んしゃい」


京「えっ……俺……ですか」


和「なっ……貴方って人は……」


和「よく……そんな平気な顔をして、ここに来れましたね」


優希「京太郎……」

京「えっ……二人とも、俺の事知ってるのか……」


和「当たり前じゃないですかっ!貴方のせいで……貴方のせいで……ッ!」


優希「お、落ち着くじぇ……」


まこ「やっぱり何も覚えとらんかったか」


京「はい……その……俺、記憶喪失で何も覚えてなくて」


和「記憶喪失……そんなオカルト……」


まこ「いいからお前さんは黙っちょれ」


和「嫌です……黙りません……黙れるわけ……無いじゃないですか」


まこ「今の京太郎を責めたところで何も変わらん」


まこ「責めるのは記憶を思い出してからでええじゃろ」


和「……どういう意味ですか」


まこ「言ったじゃろ。今から麻雀をするけぇ」


まこ「話はその後じゃ……」

京「あの……麻雀って、俺もですか」


まこ「麻雀は四人でするもんじゃ」


京「ですよね……」


和「…………」


まこ「ほら、早よぉ席に座りんしゃい」


和「はい……」


優希「じぇ……」


まこ「それじゃあ始めるかのぅ」タン


優希「早速リーチだじぇっ!」


京(アイツ……東場では相変わらず強いよなぁ……)


京「…………ッ!」


京(なんだ……今のは……俺……コイツの事、知ってたのか?)


まこ「ほれ、手が止まっとる……次はお前さんの番じゃ」


京「あ、はい」タン


優希「ロンだじぇ!」

京「…………」ポロポロ


優希「な、何も泣くこと無いと思うじぇ」


京「いや……なんでもねぇよ」ジャラジャラ


京「よし……続きをやるか」


優希「親リー行くじぇ!」


京「リーチっ!」タン


和「…………!」


和「…………」タン


優希「…………」タン


京「ロン!」


優希「ば、倍満!?」


京「へへっ……悪いな」

和「そんな……須賀くんが優希よりも早く上がるなんて」


京(和……お前のお陰なんだぜ)


京(和が毎日教えてくれたから今回は上がれたんだ)


京(そうだ……ここは麻雀部で……俺は……全部、思い出した……全部)


京「カン!」


優希「えっ……」


和「ま、まさか……っ!」


(まこ先輩や優希)


京「もう一個カン」


京(和に久さん)


京「まだまだ、カン!」


京(そして……咲の事も)


京「最後にカン!」


京(全部……全部思い出した)


京「ツモ!四槓子」


和「そんな……バカなっ!?」


まこ「……どうやら思い出したみたいじゃのう」


京「はい……あの……しばらく和と二人きりにしてくれませんか……話したい事があるんで」


まこ「初めからそのつもりじゃ……ほれ、お前さんも気になるとは思うが口出しせずに付いてきんしゃい」


優希「分かったじぇ……」

ガラガラ


和「…………」


京「和……俺……」


和「貴方の話なんて聞きたくありません」


京「……すまねぇ……俺が悪かった……。」


和「謝れば許して貰えると思ってるんですかっ!貴方は私だけじゃなく咲さんや部長までっ!」


和「知ってますか……今、部長は休学してるんですよ」


京「…………」


和「あの日の事が余程ショックだったんでしょうね」


京「…………」


和「あの人……ああ見えて心が弱い人ですから」


京「本当にすまないって思ってる」ポロポロ


京「俺……誰かを振る勇気も無くて…………和には悪い事をしたと思ってる」


京「許して貰おうなんて思わない」


京「憎かったら殺しても構わない……覚悟は出来てる」

和「それなら……」ドスッ


京(い、椅子っ!?)


和「貴方のせいで……麻雀部は滅茶苦茶なんですっ」ドスッ


和「どうして…………どうして貴方はっ」ドスッ


和「うっく……えっく……好きだったんです……須賀くんの事が……なのに裏切って……」


京「…………」ポタポタ


和「もう……いいですっ、早く出ていって下さい!」


和「私じゃなく……他に行くところがあるはずですっ!」


京「和……」


和「私はもう充分です……貴方が……本当に謝らないといけない人がいる所に行ってください」


京「……ありがとう」タッタッタ


和「……はぁ……私も馬鹿な女です。こんな……こんなに……胸が苦しくなるなんてっ……」ポロポロ


優希「和ちゃん……」


和「ゆーき……私は……私は……ッ!」


優希「もう……何も言う必要は無いじぇ」サスサス


和「うぅぅ!……うぅぅぅぅ!」

京「…………」スタスタ


まこ「こっぴどくやられたみたいじゃのう」


京「はい……これも報いですから」


まこ「当然じゃ……それだけの事をしちょる」


京「はい……」


まこ「久はのう……毎日、毎日のろけ話をメールで送って来るんじゃ」


京「すみません……それなのに俺」


まこ「そういう意味で言うとらん。今も……来るんじゃよ……メールが」


京「それって……」


まこ「これは警告じゃ、お前さんは久に殺されても満足じゃろうけど、久にとっては大迷惑じゃ」


まこ「未来をこんな奴の為に棒に振るんじゃからのう」


まこ「それでも会うんかと聞いちょる……」


会う


→会わない


京「やっぱり……俺……会わせる顔がありません」


京「会っても……何を話して良いのか……」


まこ「ほうか……なら、それでもええ……。確かに今の久を会わせるんは危険すぎるからのう」


まこ「時期に……落ち着くじゃろ」


京「はい」

咲の家


咲「~~~♪~~~♪」


京「咲……なんだか今日は機嫌が良いな」


咲「えっ?そうかな?いつも通りだよ」


咲「ほら……京ちゃん、ハンバーグ作ったから一緒に食べよう」


京「料理ぐらい……俺が」


咲「いいから!京ちゃんは席に座ってて」


京「お、おう」


咲「~~♪」コトコト


咲「はい、出来たよ……」


京「おう」


京「ありがとう」


咲「ねぇ……京ちゃん……その……」モジモジ


京「なんだよ?」


咲「今日はしたい気分だから……しても良いかな」


京「…………」ムラァ


京「そうだな……」

数年後


菫「新郎新婦の入場です」


咲「…………」カァー


咲「やっぱり恥ずかしいよ」


京「いや……俺だって恥ずかしいけどさ」ギュウ


京「行こう……咲」


咲「うん……」


菫「それでは誓いのキスを」


咲「京ちゃん」


京「お、おう」チュッ



怜「いやーめでたいなぁ」


照「いい加減、私達も結婚すべき」


竜華「いや、怜はうちと結婚するねん」


照「いい加減……諦めて、私と怜は運命の赤い糸で結ばれてるの」


竜華「ならウチはピンクの糸やな」ドヤァ


照「貴方は馬鹿なの?」


菫「それにしても咲ちゃんが私よりも早く結婚するとはな」


咲「あはは……」


菫「私も早く相手を見付けなければと思うんだがな……」


淡「スミレはこのまま行き遅れちゃいそうだね」


菫「お前だって彼氏居ないじゃないか」


淡「うぐっ……」


咲「そう言えば京ちゃんは?」


菫「人ごみに疲れたんだろ。トイレで休んでるよ」


咲「そうですか」

京「…………」パシャパシャ


京「大人になったもんだな……俺も」


京(結局……俺は久さんと話す事なく数年を過ごしてしまった)


京(咲には、俺がまだ記憶喪失のままという事にしている)


京(でも……薄々気づいているのかも知れない)


京(それでも……咲は黙って気づかないふりをしてくれている)


京(結局……俺は多く人を傷つけてしまった)


京(でも代わりに多くのものを手に入れたと思う)


京(俺はこれからも多くの人を傷つけて生きていくのだろう)


京(でも……きっと、それが人生というものなのかもしれない)


京(今の俺には咲がいる……。それだけが俺の支えだ)


京(今までは一人だった人生も……これからは二人で歩んでいけるのだから)


京「こういう人生も悪くねぇな」


京(恋というのは人を傷つける……でも恋は人を傷つけないと手に入らないものなんだきっと)


京(だから気にしても仕方ない)


京「咲の所に向かうか」スタスタ





























久「須賀くん……結婚ッ!おめでとうッ!」グサッ


京「……えっ」ポタポタ


badend 結婚end

京「…………」スタスタ・



まこ「こっぴどくやられたみたいじゃのう」・



京「はい……これも報いですから」・



まこ「当然じゃ……それだけの事をしちょる」・



京「はい……」・



まこ「久はのう……毎日、毎日のろけ話をメールで送って来るんじゃ」・



京「すみません……それなのに俺」・



まこ「そういう意味で言うとらん。今も……来るんじゃよ……メールが」・



京「それって……」・



まこ「これは警告じゃ、お前さんは久に殺されても満足じゃろうけど、久にとっては大迷惑じゃ」・



まこ「未来をこんな奴の為に棒に振るんじゃからのう」・



まこ「それでも会うんかと聞いちょる……」・


京「はい」


まこ「そうか」


まこ「呼び止めて悪かったのう」


まこ「じゃったら早く久の所に行きんしゃい」


京「はい!」スタスタ


まこ「…………」


まこ「もうバレちょるけん……いい加減姿を見せたらどうじゃ」


咲「…………」


まこ「お前さんが心配しちょるのはよぅ分かる……でもこれは京太郎が自分で決めた事じゃ……」


咲「分かってます……でも……」


咲「嫌なんです。京ちゃんと離れるのが」

咲「私は……京ちゃんの事が好きだから」

まこ「潔く諦める……そういうのも大切じゃ」

咲「…………」

京(早く久さんに謝らねぇと……)


京(俺は……なんて馬鹿な奴なんだっ)タッタッタ


ドンッ


京「痛てて……すみません……急いでて」


一太「いや……君を待ってたよ」


京「副会長……」


一太「少し話したい事がある」


京「はい……」


京「あの……」


一太「君の話はもう知ってるよ……会長を裏切った事もね」


京「……はい……すみません」


一太「一つ聞いてもいいかな」


京「はい」


一太「君は……彼女の家に行ってどうするつもりなんだい?」


京「…………謝ります……謝って謝って……許して貰えないかも知れないけど謝ります」


一太「…………それだけかい」


京「えっ……」


一太「本当にそれを彼女が望んでると……そう思うんだね?」


京「…………」

一太「今の会長が望んでいるのは君の謝罪じゃない……誰かの支えなんだ……」


一太「本当なら僕が今すぐでも彼女の元へ駆け寄って抱きしめたい」


一太「でも……その資格があるのは君なんだよ」


京「…………」


京「俺……ようやく覚悟を決める事が出来ました」


一太「須賀くん……後は任せたよ」


京「はい」

久の家


京「あの、久さん!居ますか」ピーンポーン


久「あら須賀くんじゃない。わざわざ家に来てくれるなんて」


京「あの……えっと……その俺……久さんに謝らないといけないと思って」


久「…………」


久「上がって」


京「は、はい……」


久「それで話って何かしら?」


京「祭りの時……俺……あんな事言って……久さんを裏切ってすみません!」


久「…………」


久「あのね須賀くん」


京「はい……」


久「私ね……妊娠したかも知れない」


京「な、なに言ってるんですかっ……」


京「俺……そもそもヤってないですし……」

久「でもね……生理が来ないのよ……これって妊娠したって事よね……」


久「ねぇ……だから、だから……ッ……私から離れないで……」


久「もう……私には須賀くんしかいないの……」ポロポロ


久「ずっと孤独で不安だった……須賀くんと別れて……」


京「久さん……」


久「結局……私はいい笑い者って事なのね」


京「久さんは孤独じゃないですよ……」


久「俺がいるって言いたいの」


京「俺だけじゃないです……麻雀部のみんな……全国で応援してくれた人々……久さんも全国でそれを実感してたじゃないですか」


京「俺……久さんを支えるようにって副会長に言われました」


久「須賀くん……」

京太郎の家


咲「」カキカキ


咲「京ちゃんへ」


咲「今まで楽しかったです」


咲「騙してごめんなさい」


咲「でも……京ちゃんが記憶喪失になったって知ったときは嬉しくて……」


咲「私を……必要としてくれて……ほんの少しの間だけだったけど、本当に彼女彼氏みたいで嬉しかったです」


咲「二人とも幸せになって下さい」


咲「でも……私を忘れようとはしないで下さい」


咲「…………」


咲「遺書はこれで十分だよね」


咲「首吊りって苦しいのかな……」


咲「でも……京ちゃんがこの先、部長と結婚して幸せな家庭を気づく姿なんてみたくないよ」


咲「ごめんね……みんな」


咲「んぐっ…………いぃ」

ドンドン


京「咲っ!咲ッ!おい!ここに居ないのか!?」


京「開けるぞっ」ガチャガチャ


京「……咲っ!」


咲「ぐっ……ががっ……」


京「な、何やってんだよッ!」スルスル


咲「うぐっ……げほっ……はぁ……はぁ」


京「この……馬鹿野郎ッ!」


咲「京ちゃん……」


咲「邪魔しないで……私……京ちゃんのいない人生なんて……」ポロポロ


京「邪魔するに決まってるだろっ……お前は俺の彼女なんだからさ!」


咲「えっ、京……ちゃん?」


咲「部長と付き合ったんじゃないの?記憶も全部戻って」


京「違げぇよ、俺は久さんに振られに行ったんだ」


咲「それって……」

京「俺……久さんを支えるようにって副会長に言われました」


久「須賀くん……」


京「でも……すみませんっ!俺は久さんと付き合う事が出来ません」


久「えっ……」


京「俺……祭りの日に咲に八つ当たりして……その後、情けない事に階段から落ちて入院してたんです」


京「アイツ……俺があんなに酷いことしたはずなのに、ずっと励ましてくれて……支えてくれました」


京「その時、気づいたんです……」


京「俺は咲の事が好きだって」


久「…………」


久「何よ……それ、まるでピエロじゃない」


久「私は都合の良い女として扱われたって事……ふざけないでっ」


久「内木くんを振って……貴方を選んで……そして振られるなんて……」


久「な、なんなのよ……それ」


京「…………」

京「本当に……すみません」


一太「会長、もう……その位にしたらどうですか?」


久「う、内木くん!?」


一太「本当は……黙って見てるだけのつもりだったんですけどね」


一太「これ以上……会長が壊れていくのを見てられなくて」


久「本当は怨んでるんでしょ?自分の都合で……貴方よりも彼を選んでしまった……」


一太「怨んでなんていませんよ……それだけ僕には魅力が足りなかったって事ですから」


久「内木くん……」


一太「もう……許してあげて下さい。責められる須賀くんも……責め続ける貴方も見たくない……」


久「…………」


久「はぁ、何よ……。これじゃあ、私が悪いみたいじゃない」


京「久さん……」


久「ほら、行きなさい……。咲が待ってるわよ」


京「ありがとうございますっ!」タッタッタ

久「内木くんも帰って構わないわよ。もう私は大丈夫だから」


一太「会長……嘘をつかないで下さい」


久「嘘なんて……」


一太「手……震えてますよ」ギュウ


久「あ……ああ……うっく……えっく」


一太「会長……」ダキッ


一太「会長……いえ……久さん……これから僕は貴方の支えになりたい!付き合って貰えませんか」


久「…………な、何考えてるのよ……バカね。私は貴方を振ったのよ……なのに、また告白するの」


一太「何度でも……告白します……会長が頷くまで」


久「久よ……さっき呼んでくれたみたいに久って呼んで」


一太「久さん……」

京「だから……咲……これからはずっと一緒だ……」


京「今まで俺は散々迷惑かけちまって……悪い事をしたと思ってる……」


京「でも……もう離さないから」


咲「うん……京ちゃん……私も離さない」


京「ああ」


咲「浮気したら許さないから」


京「ああ」


咲「これから……沢山思い出を……作って行こう……」


京「ああ」


京「ずいぶん遠回りをした気がするけど……おかげで咲の事が好きだって……咲の良さを理解できた気がする」


咲「うん」


京「だから……咲、俺と付き合ってくれ」


咲「うん……私も京ちゃんが好きだから……」

数年後


菫「新郎新婦の入場です」


咲「…………」カァー


咲「やっぱり恥ずかしいよ」


京「いや……俺だって恥ずかしいけどさ」ギュウ


京「行こう……咲」


咲「うん……」


菫「それでは誓いのキスを」


咲「京ちゃん」


京「お、おう」チュッ

怜「いやーめでたいなぁ」


照「いい加減、私達も結婚すべき」


竜華「いや、怜はうちと結婚するねん」


照「いい加減……諦めて、私と怜は運命の赤い糸で結ばれてるの」


竜華「ならウチはピンクの糸やな」ドヤァ


照「貴方は馬鹿なの?」


菫「それにしても咲ちゃんが私よりも早く結婚するとはな」


咲「あはは……」


菫「私も早く相手を見付けなければと思うんだがな……」


淡「スミレはこのまま行き遅れちゃいそうだね」


菫「お前だって彼氏居ないじゃないか」


淡「うぐっ……」


咲「そう言えば京ちゃんは?」


菫「アイツなら……ロビーに行ったみたいだが」


咲「そうですか」

久「須賀くん」


京「久さん……」


京「久さんも今日……結婚ですか」


久「ええ……まさか奇遇ね……同じホテルで出会うなんて……」


京「そうですね」


久「…………」


京「…………」


久「結婚……おめでとう」


京「ありがとうございます」


京「久さんもおめでとうございます」

久「それじゃ……内木くんが待ってるから」ヒラヒラ


咲「ま、待って下さい!」コトコト


久「咲……」


咲「あの……部長!今まで迷惑かけてすみませんでしたっ!えっと……だから……」


久「もういいのよ。二人で楽しんできなさい」


咲「部長……ありがとうございます」


京「行こう咲」


咲「うん、京ちゃん」


京(これからは俺達二人で過ごしていく)


京(もう俺達の絆はきっと綻びを見せないだろう)


京(そして……俺は絶対に咲を幸せにしてみせる)


咲「京ちゃん……愛してるよ」


京「俺もだ……咲」


trueend 結婚end



カン

これで終わります
今まで読んでくれてありがとうございます

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