幼女「おじいちゃん。なんの……用?」妖精長「なに、ちょっとした頼みごとじゃ」 (881)

・このSSは院長「あなたが幼女ちゃん?」幼女「むい!」の続きです

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・慣れない部分もありますがそこは見なかったことに…

・基本妄想の垂れ流しです

・前作を見てなくても雰囲気だけでするっとわかる気がしないでもないような気がします

・書き溜めの部分もありますが、ゆっくり進行していきます


以下読んでも読まなくてもいいニートの勇者と人形の幼女のお話

勇者「魔導人形?」 幼女「ユーシャ!」
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それでは今回も最後までお付き合いしていただけたら幸いです


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――???――




女「………」

男「お・ん・な・ちゃん!」

女「………なによ?」

男「難しい顔しちゃってどうしたの?」ニヤニヤ

女「………あんたには関係ないでしょ」

男「なんだよー、どうせ暇なんだからさーお互いの悩みとかおもしろい話題とか共有したっていいんじゃないのー」ニヨッニヨッ

女「ああ、鬱陶しいわね! あとあんたどんな動きしてんのよ! 気持ち悪い!」

男「それは企業秘密なのです! はい!」ペカー

女「相変わらず人の神経を逆なでするのが得意なようね……!!」ギリッ

男「それはまぁ、育ってきた環境がそうさせるんですなぁ……悲しいことに」シミジミ

女「バカじゃないの?」

男「なんでそんなに攻撃的なのかな!? 俺、なにかした!?」

女「なにもしなくても私はあんたのことが嫌いなの!」

男「その……具体的に僕ちんのどこが……」

女「存在?」

男「全否定かよ……」

女「特にその真っ黒な髪を見てると色々と思い出して殺したくなるわ」


男「えー、この髪はしょうがないでしょ。自然とこうなっちゃったんだから」

女「もう全部剃れば? そうしたらいつまでも嫌いでいてあげるわ」

男「どっちに転んでもダメなのか……」

女「あとなんかイカ臭い」

男「んなわけねぇだろ! いくら君でも言っていいことと悪いことってのが!!」

女「ちょ、本当ごめん。これ以上近づかないでくれる?」

男「あ、ダメだ。これマジなやつだ」

女「私は最初からずっと本気よ」

男「もうそんなカリカリしないでなにがあったのかお兄さんに理由を話してみなさい?」

女「不本意ながらこの空間を共有しなければならなくなった変態をただただ殺したくてしょうがないんですがこれってどうしたらいいんでしょうか? 教えてください」

男「………あれだね、歩み寄る余地さえ俺には残されてないわけだね……」

女「あると思ってたの?」

投稿途中にごめん
重複スレたってる

楽しみにしてた
支援


男「みなさーん、これが『聖女』様の本性ですよー、慈悲の心なんてあったもんじゃないですよー」

女「うるさいわね! ちょっと色々と考え事してるんだから静かにして!」

男「考え事?」

女「どうせあんたに聞いても意味無いわよ」

男「そんなのわかんないじゃなーい」ニヨッニヨッ

女「その気持ち悪い動きを今すぐやめなさい」

男「教えてくれたらやめる」

女「………あの『参謀』とかいう男のことよ」

男「ああ……彼のことか」

女「あの男は何者なのか、その目的はなんなのか……それをちょっと考えていたのよ。あんたはあの男についてなにか知ってる?」

男「ん? なにも?」

女「そう……期待通り役立たずね、逆に安心したわ。さっさと私の視界から消えてちょうだい」


男「ちょっとは優しくしてくれたっていいんじゃないですか! 俺にだってねぇ、心ってものがあるんだよ!?」

女「そんなの知ったこっちゃないわよ。私はあんたと馴れ合う気なんてさらさら無いから」

男「最初の頃の君はそんなんじゃなかったと思うんだけど……前の君はそれこそ清楚で丁寧でまさに聖女様って感じで……」

女「死んだと思ったら究極の変態と永久にここにいろなんて事実突きつけられたら性格も捻じ曲がるに決まってるじゃない」ハハッ

男(随分と濁った目をしていらっしゃる……)

男「でも参謀のことを知ってどうするって言うんだい?」

女「それは……」

男「まさか……幼女を通して愛しの勇者様に知らせようっていうのか?」

女「……悪い?」

男「………俺の言いたいことはもうわかっているだろ?」

女「でもこのまま放っておいたらまた誰かが傷つく……そんなの許しておけないわ」

男「それも世界の選択だ。俺達が口出ししていいことじゃない。俺達は……」

女「傍観者! 何度も言わないで! そんなこともう十分わかってるわよ!!」

男「だったらそんなこと考えても無駄だ。そうだろう?」


女「………誰のせいでこんな目にあってると……!!!」

男「おいおい、今更俺に八つ当たりか? それはお門違いってもんだろ? 過程はどうあれ、俺達がここにいるのはどちらかのせいじゃない。あんたがその場の雰囲気に流されてあんなことしたからだ。言うなれば『俺達二人』の責任だろう? 勘違いしてんじゃねぇぞ?」ギロッ

女「……できることなら今すぐあんたをぶっ殺してやりたいわ……!!」

男「すぐにでもお願いしたいもんだ。もっとも、できるならの話だが。俺だってこんな空間、飽き飽きしているんだから」

男「でもそんなことはここに来た時から何回も試したじゃないか? お互いにさ?」

女「……くっ……」ギリッ

男「おいおい……そんな難しい顔してちゃ、せっかくの美人さんが台無しだぜ?」ニシシッ

女「なんでだろう……あんたに言われてもこれっぽっちも嬉しくない。むしろ今すぐあんたを殴りたい」

男「ああ、悪い悪い。やっぱりこういうのは愛しの愛しの勇者様に言って欲しかったよな? ごめんな、俺なんかで」

女「ユーシャは今は関係ないでしょ!」

男「関係あるさ、俺たちがここでいがみ合ってるのも、幼女がああなったのも、地上で起こっているゴタゴタの数々の中心にいるのは……いつだって勇者だ」

女「………」


男「あいつはそういう運命の下に生まれてきてるんだよ。自分をニートだと称してひっそりと生活しようとしても世界がそれを許さない。あいつは死ぬまで騒動の中心に配置される。それが勇者って生き物なんだから」カッカッカ

女「私は……そんなユーシャの運命をこの手で救いたくて……!!」

男「思い上がるなよ? 聖女風情が1人で抗ったところで、運命って奴はそう簡単に変えられられない」

女「………まだ世界がユーシャを望んでいるっていうこと?」

男「その通り。いくら嫌がっても事件のその場にいてしまう。世界を救うチャンスがあっちから転がってくる。知らないうちに皆の注目を浴びてしまう」

男「だから彼は表舞台に降りたくても降りられない。主人公は物語が終わるまで滑稽なダンスを観客に見せ続けなきゃならないんだよ。それが主役の責任というやつさ」

男「そして俺達はすでに舞台を降りた人間だ。わかるだろ?」

女「………わかったわよ」

男「わかったら俺達も自分の立場をわきまえて、傍観者を決め込んであっちの世界には関わらない。それが正しい選択なんじゃないか?」

女「……でも」

男「でも?」











女「でも最近ユーシャ全然目立ってないじゃない」


男「あ……それは……そのなんだ? 目立たない主人公っていうのがあってもいいんじゃないないか?」

女「それどころか、私の目から見ても最近めっきり影が薄くなってきたような気がするんだけど?」

男「あー……」

女「むしろ最近は幼女ちゃんとかあの蒼騎士とかいう騎士の方がよっぽど……」

男「はいはいはい!! この話やめやめ! 終―了―でーす!!」

女「いやでも………」

男「これ以上はお互いのためにならないから、ね?」

女「……わかったわ」

男「君、本当に勇者のことが好きなの?」ハァ

女「自分の命を投げ出すくらいは好きよ?」

男「………そうですか」


>>4 ご報告ありがとうございます。自分でもびっくりしました……早速削除依頼しておきましたwww


といったところで今日の投下は以上です


後編もゆるゆると始めさせていただきます。最後までお付き合いしていただけるように努力しますのでよろしくお願いします!

また、各まとめサイトでも早速掲載していただき感謝です。多くの人の目に触れることが恥ずかしくもあり、嬉しくもあるのでなんというか非常にありがたい話だなと思っています

明日の投下も同じ時間帯に投下していきたいと思っています!

それでは今日もお付き合いくださりありがとうございました!

前スレで年齢の話題になったので自分の中での登場人物の年齢をまとめてみました

あくまで自分の中のイメージなので変動する可能性大ですが、読む時に役立てていただければなと思っています



幼女 起動から約半年程度、見た目年齢6歳

悪ガキ、少年魔法使い、魔族少女、侍少女 10歳

魔法使い、お嬢様 16歳

山賊E、紅騎士、蒼騎士、村娘 18歳

受付 未成年

メイド 21歳

勇者、院長 22歳

剣士 24歳

同僚 26歳

助手 28歳

頭領 35歳

課長、国王 45歳

乙ー

男の正体ってまさかm…

そして魔法使いを弄り倒して欲しい!

>>13 よもや今更気づいたというのではあるまいな?

こんばんは、今日も投下していきます

よろしくお願いします!!


>>13 >>14
はて? なんのことでしょう? 私にはなんのことだかさっぱりわかりません!!(泣)






夜になって……


――孤児院 海が見える岬――


剣士「結局あの後、日が暮れるまで勇者と殴り合ってしまった……」ボロッ

剣士「だが、勇者のあの動き……鍛錬していない人間の動きとは到底考えられない……魔法も幾分か使えるようになっていたようだし……」

剣士「あいつ、口でああは言っておきながら、訓練は怠ってなかったようだな……」フフッ




「あの、大丈夫ですか?」


剣士「……!!」チャキッ

院長「ああ、ごめんなさい。私です」

剣士「なんだ君か……」

院長「驚かせちゃってすみません、つい癖で」アハハ

剣士「いや大丈夫だ。それにしても私が簡単に背後を取られるなんて……私もまだまだ訓練が足りないらしい」フフッ

院長「そんな、人を普通じゃないみたいに言わないでください。そういう反応、結構傷つくんですよ?」ハァ

剣士「ん? 私は君の技術を正当に評価しているつもりだったんだが……相変わらず、君の技術は洗練されていて美しい。一種の芸術品だ」

院長「なにを言ってるんです、こんな能力、あってもしょうがないです。それに昔のようにはどうしても……私も随分と衰えてしまいました」

剣士「そうか? そのようなことは無いと思うのだが……」

院長「今の私は孤児院の院長です。人に気づかれないように背後に立つ能力なんていりません」キッパリ

剣士「う、うむ……」






院長「………今日はわざわざ遠い所からありがとうございました。大変だったでしょう?」

剣士「そうでもないさ」

院長「子供達もとても喜んでいましたよ。ここには大人は私ぐらいしかいないから、新鮮だったみたいで………私の無茶なお願いを聞いてくれて皆さんには感謝しています」

剣士「い、いや、こちらこそみっともないところを見せた……こんな予定では無かったんだが……」

院長「そうですか?」

剣士「そうだ……本来ならば未来ある子供たちに正しき道とはなんたるかを示すつもりだったんだが……あんなことになってしまい、本当に申し訳ない」ガバッ

院長「そんな、顔を上げてくださいよ、剣士さん……私は楽しかったですよ。なんか昔に戻ったみたいで……」

剣士「……そうか」

院長「はい。剣士さんと勇者さんがいつも喧嘩してて、それを僧侶さんが止めに入って、魔法使いちゃんがオロオロしてて……そんな、大変だったけど楽しかった冒険の毎日です」

剣士「そんなに頻繁に喧嘩してたかな?」

院長「はい。それでいつも僧侶さんに怒鳴られて喧嘩がピタッっと止まるんです」クスクス

剣士「そんなこともあったな……そうだ、あいつとは出会った時から喧嘩ばかりだった。私はどうも勇者とは馬が合わないらしい」

院長「あら、私はいいコンビだと思ってましたよ? まるで昔から一緒に暮らしていた親友みたいだなって」

剣士「冗談はよしてくれ」


院長「あれから……もう2年以上前の話になるんですね……」

剣士「そうだな……ついこの間のことのように思えるがもう2年か……」

院長「英霊祭、行けなくてすみませんでした」

剣士「構わないさ。君も忙しかったんだろう?」

院長「ここには大人は私しかいないから……子供達だけ置いて王都に行くわけには行かなかったんです。ましてや子供達を連れて行く旅費を捻出できるほど……そのお金が……」モジモジ

剣士「……ここの経営はどうしているんだ?」

院長「私が……その……昔稼いだ資産と、慈善団体の助成金で成り立ってます。子供たちには満足におもちゃも買ってあげられないですけど……」

剣士「そうか……でも初めて聞いた時は驚いたよ。君がこんなところで孤児院を開いているなんて」

院長「どうしても放っておけなかったんですよあの子達のこと」

剣士「……しかしなぜこんな場所に? 王都から随分と離れているだろう? なにもこんな辺鄙なところで無くても……」

院長「………剣士さんも薄々は勘付いているんじゃありませんか?」

剣士「……やはり、魔族少女のことか?」


院長「はい。悲しいことですけど、未だに人間と魔族との確執は消えていません。彼女のようなタイプの人型魔族は見た目もほとんど人間と変わらない、だけど……」

剣士「世間はそうは思ってくれない」

院長「はい。彼女は子供たちの中でも誰よりも優しく、他者を思いやることが出来る子です。でも、周りはそれだけじゃわかってもらえなくて……」

院長「ここなら人の目に触れることはありません。ここでなら私のか細い腕でもあの子達を守っていける……そう思ったから……ここに」

剣士「か細い腕? 冗談だろう? 君はその腕で世界を救ったんじゃないか」

院長「も、もう! あんまりそういうことを口に出さないでください剣士さん! 私の過去は子供達には内緒なんですから!」

剣士「何故だ? 話してあげればいいじゃないか」

院長「絶対ダメです! こんなこと、あの子達に知られたら……」ガタガタ

剣士「そういうものだろうか? 君は今の平和に貢献した立派な人だ。それを無かったことにするのは……」

院長「私にはそういう生き方しかできなかったからです。そういう技術を学ぶしか方法が無かったから……あの子達にはそんな生き方、して欲しくないんですよ。だからお願いします……くれぐれも私の昔の話は……」

剣士「あ、ああわかった。勇者にも言っておく」

院長「ありがとうございます、剣士さん」ニコッ

剣士「あ、ああ///」




サラサラサラサラ………



院長「……風が気持ちいいですねー」ウーン

剣士「あ、ああそうだな」

院長「私、この景色とても好きなんですよ」

剣士「確かに素晴らしい景色だ」

院長「ほら、水面に映った月が綺麗でしょう? 夏にはここで子供たちと花火をするんです」

剣士「あ、ああ」

院長「……剣士さん?」

剣士「あ、ああ…………あ、いやなんだろうか!?」

院長「ふふっ、変な剣士さん」

剣士「す、すまない……」

院長「……ところで昼間の話なんですけど」

剣士「ひ、昼間の話?」

院長「剣士さんって……本当に彼女とかいないんですか?」


剣士「な、なななな……なぜそのようなことを……聞くんだ!?」アタフタ

院長「えへへ、こういう所に住んでいてるとそういう話にどうしても疎くなっちゃうんですよ」

剣士「そうかもしれないがしかし!」

院長「この仕事も楽しいし、子供たちも大好きですが、たまにはそういう話も聞きたいなーって………最近、自分でもなんだか枯れてきているような気がするんですよね……昔ほど身だしなみも気にしなくなりましたし……」アハハ

剣士「いや、君は以前と変わらず美しいままだ。私が保証する」

院長「もう! 剣士さん、相変わらず女性の扱いがお上手ですね、お世辞でも嬉しいじゃないですか」

剣士「そんなことは決して……」

院長「私のことはいいんです。 そんなことより今は剣士さんの恋バナです」

剣士「恋バナ!?」

院長「子供たちの手前、あれ以上は聞けませんでしたけど……昔から剣士さんは女性に人気でしたし、そういう話ひとつくらいはあるんじゃないですか? 子供には言えないような危険な大人の恋とかが……」ワクワク

剣士「そ、そんなものは無い!」

院長「……そうですか、残念です」ムゥ

剣士「き、期待に添えず申し訳ないが……」ズーン

院長「剣士さんが気にする必要なんてないです。私も、変なこと聞いちゃってすみませんでした。気を悪くしちゃいました?」

剣士「いや、久々に君とこうして話すことができて楽しいよ」

院長「そうですか、よかった」ニコッ

剣士「………う」カァァァァ


院長「……!」ピクッ

剣士「どうかしたのか?」

院長「……私、ちょっとあの子達見てきますね? どうやらベッドから抜け出してるようなので」

剣士「ここからでもわかるのか? 流石だな」

院長「はい。油断すると夜でもすぐどっか行っちゃって困ったものです」ハァ

剣士「確かに夜に子供たちがこの辺りをうろつくのは危ないな……」

院長「ベッドは用意しておきましたので皆さんと相談して使ってください。二部屋しか用意できなくて申し訳ないんですけど……」

剣士「ありがとう。そうさせてもらう」

院長「それじゃあ、おやすみなさい。剣士さん」ヒラヒラ

剣士「お、おやすみ………」ヒラヒラ


スタスタスタ







剣士「…………これでいいんだ、これで……必要以上に近づいて、彼女の邪魔をしてはいけない……そうだろ、剣士」ギュッ

剣士「……はぁ……」ガックシ

といったところで今日の投下は以上です


次の投下は明後日の21時頃を予定しています

今日もお付き合いくださりありがとうございました!!

こんばんは、今回も投下していきたいと思います


番外編の感想の9割が予告編の幼女のセリフについただったのを見てこの話の主人公ってやっぱり幼女なのかなと思い始める今日この頃……


それでは今日も少しの時間だけお付き合いください






勇者「……恋の季節ですねぇ……」ニヤニヤ

幼女「……ですね!!」ピョンピョン

剣士「ゆ、勇者!? それに幼女!? どうしてここに?」

勇者「いやー、まさか堅物のお前がねぇー? ほほう……ふむふむ」ニヤニヤ

剣士「な、なんのことだか私にはわからないな」

勇者「なにやら二人きりでいい感じだったじゃないですかー、剣士さん」ニヤニヤ

幼女「……ですかー!」

剣士「お前達には関係ないことだ!」

勇者「関係ない~? あんな甘酸っぱい空気出しておいて関係ないっておっしゃいますか~?」

剣士「何が言いたい?」

勇者「お前、慰問とか上手いこと言ってあいつに会いに来ただけだろ?」


剣士「違う! 断じて違う! 私は彼女に頼まれて子供たちのために……!!」

勇者「まぁまぁ…そこらへんはあくまでも名目上だから。実際のところはどうなのよ?」

剣士「慰問だ! 善意だ! 無関係だ!! 私は彼女に会いたかったからといった理由で自分の下心のために肩書きを利用する様なそんな卑劣な男ではない!!」

勇者「って言ってるけど? 幼女?」

幼女「ケンシ………嘘くさい……」

勇者「だよなー! 幼女の目は誤魔化せないぞ、剣士!」


剣士「違うんだ。2人とも、よく聞いてくれ。私はここの孤児院の子供たちの少しでも力になればと……」

勇者「もうそういうのはいいから、いい加減素直になれよ~。そんなんだったら最初から俺なんか呼ばないで二人でしっぽりやってればよかったのにぃ!」ニヤニヤ

剣士「だから……」

勇者「なに? やっぱり一人じゃ不安だった? 俺にフォローとか頼むつもりだった? ごめーん、力になれなくて! でももう大丈夫だから! 今からはもうお兄さん全力で剣士のこと応援するから!」ニョホホホホ

幼女「………するから!」ニョホホホホ

剣士「やめろ! 何だその顔!?」

勇者「そうかー、君はあの頃から浮いた話が無かったから、てっきりそういう趣味の人なのかと思ってたけど違ったんだな! 浮いた話っていうか、最初から常時浮きっぱなしだったんだな!!」プークスクス

剣士「私を馬鹿にしてるのかお前は!?」

幼女「応援……するよ! ケンシ!!」

剣士「幼女まで……もう勘弁してくれ……」

勇者「どうせ二、三日は滞在する予定だったんだろ? 幼女も友達できたみたいだし、しばらくはお前の恋路に付き合ってやるよ」ニシシ

剣士「結構だ!」ザッ

勇者「おい、どこ行くんだよ?」

剣士「素振りしてくる!」

勇者「ああ、せいぜい自分の剣を鍛えておけよ。院長を口説き落としたら使うかもしれないからな……主に夜に」ウケケケケ

剣士「貴様! 私だけでなく彼女のことまで馬鹿にするつもりか!?」チャキッ

勇者「冗談だって! 幼女の前で剣抜くんじゃねぇよ」

剣士「む、それはすまない……」

幼女「……夜?」


勇者「ああ、幼女はまだ知らなくていいんだぞー……ってあれ? やっぱり幼女にもいつかそういう日が来るのか……? お、お父さんは許しませんよ!!」ギャース

幼女「むう?」

剣士「お前は子供になにを言っているんだ……」ハァ

勇者「いやでもしかし……幼女が好きになった男はどんな奴かちゃんとチェックしておきたい……」

剣士「お前、頭大丈夫か?」

勇者「もしチャラチャラしてる奴だったらどうしよう……」モヤモヤモヤ



幼女?『ユーシャ! 私……この人と結婚……する!!』

チャラ男『ッス、 お父さん。なんてつーかぁ、幼女ちゃんとはフィーリングつーかぁ、 そんな感じのがビッタンコにマッチしちまったつーかぁ……もう俺たち結婚するしか無くね?ってな感じになってぇ……なんつーか、娘さんをもらいにきましたぁー』チャラチャラ




幼女「ユーシャ?」

勇者「これは一度生まれてきたことを公開させてやらなければなりませんなぁ……!!!」ゴゴゴゴゴゴ

剣士「勇者! いい加減帰ってこい!」


勇者「剣士ぃ……幼女がダメ男を好きになったらどうしよう……」オロオロ

剣士「あのな……」

勇者「定職にもつかないで毎日ぶらぶらしてるような人間だったら俺……そいつのこと殺してしまうかもしれない……」グスッ

剣士「それほぼ今のお前だからな!?」

勇者「幼女……もし仮に万が一、いや億が一、好きな人ができたら、ちゃんと俺に見せに来るんだぞ……?」

幼女「好きな……人……ユーシャ!」ビシッ

勇者「そうかぁ、ありがとうな……」ナデナデ

幼女「むふー」

剣士「いい大人が泣くなよ、情けない……」

勇者「この気持ちはお前にはわかんねぇよ……」ズビッ

剣士「………素振りしてくる」

幼女「いってら……しゃい! ケンシ!!」

勇者「ああ、いつか幼女も誰かのものにぃぃぃぃ!!」オイオイオイ……

幼女「ユーシャ! 泣かない……で!」ビシッ

剣士「……もうすっかり父親だな、あいつ……」



といったところで今日の投下は以上です


今回は少なめでしたが幼女とチャラ男のシーンを書いた段階で思いのほかダメージが大きく再起不能となってしまいました……


明日も同じ時間帯に投下していきたいと思います! それでは今日もお付き合いくださりありがとうございました!!

訂正です


>>33

勇者「これは一度生まれてきたことを公開させてやらなければなりませんなぁ……!!!」ゴゴゴゴゴゴ →×

勇者「これは一度生まれてきたことを後悔させてやらなければなりませんなぁ……!!!」ゴゴゴゴゴゴ →○

こんばんは、今日も投下していきます!

よろしくお願いします!!


―――――



悪ガキ「廊下には……誰もいないな? よし!」

魔族少女「……ねぇ、本当に行くの?」ヒソッ

悪ガキ「ああ、このまま馬鹿にされたまま終われないって!」

魔族少女「見つかったら先生に怒られるちゃうよ……それに夜の森なんて危ないし、また熊が襲ってきたら……」ガタガタ

悪ガキ「そうしたら今度こそ俺がぶっ飛ばす!」

魔族少女「ええ?」

悪ガキ「大丈夫だって!………少年魔法使い。先生は今どこにいる?」

少年魔法使い「……先生と剣士様の魔力を感知した。岬にいる」

悪ガキ「じゃあ、すぐには戻ってこれないな……よし! 門の鍵もくすねておいたし、これで外に出れるはず」

侍少女「いつの間にそんなことしてたんでござるか……?」

悪ガキ「帰ってきた時にちょっとな……」ヘヘヘ

侍少女「相変わらずの手癖が悪いでござるよ……」ヤレヤレ

悪ガキ「別にお前らは付いて来なくていいんだぞ? これは俺と幼女の戦いなんだ」


少年魔法使い「僕は妖精の生態に興味があるだけだ。お前と幼女の勝負なんて知らん」

侍少女「……本当にどうなっても知らないでござるよ? 拙者はこれ以上オシオキを受けるのは嫌でござるからな!」

少年魔法使い「ならお前はベッドに戻って大人しく寝てるんだな」

侍少女「べ、別に行かないとは行ってないでござるよ! それに拙者がいなかったらなにかと大変でござろう?」

少年魔法使い「別に馬鹿はいらん」

侍少女「……そういう態度をとってるから嫌われるんでござる」ボソッ

少年魔法使い「馬鹿に嫌われても僕の人生にはなんの影響も無いな」

侍少女「拙者が馬鹿と……そう申すでござるか……!」ワナワナ

少年魔法使い「驚いた、自覚があるのか」

侍少女「ムッキー!!!」

少年魔法使い「今度は猿の真似か? 中々似ているじゃないか」

侍少女「またしても拙者を馬鹿にして……!! なんでそんな意地に悪するのでござるか!?」

少年魔法使い「年がら年中ござるござる隣で言われたら少しは文句を言いたくなってもおかしくないだろう!?」

侍少女「だからこれは由緒ある侍の誇りであって!!」

少年魔法使い「そんな誇りがなんの役に立つって言うんだ!!」



ギャーギャー


悪ガキ「もう俺、行っていいか!?」

魔族少女「……悪ガキくん、やっぱりやめた方がいいよ。ほら、明日の朝から探せばいいじゃない」

悪ガキ「嫌だ! もたもたしてたら、幼女に先を越されちゃうかもしれないだろ!? 俺は絶対に幼女より先に目的を果たすんだ!!」

悪ガキ「そんでもって絶対にあのじいさんを見返しやるんだよ!!!」ウガー








――妖精の里――



妖精長「……さて、なにから話せば良いものか……」

幼女「お爺ちゃん。私になんの……用?」

妖精長「なに、ちょっとした頼みごとじゃよ」ホホホ

魔族少女「あの……お爺さんはなんで幼女ちゃんをここに呼んだんですか?」

妖精長「これこれ……今からそれを話すところじゃ。慌ててはいかんぞ、魔族のお嬢さん」

魔族少女「は、はい……」

悪ガキ「なんだよ! 勿体つけてないで困ってることがあるならさっさと俺に言えよ、爺さん!」

妖精長「お主は……なんじゃ?」

悪ガキ「俺はいずれ勇者になる男! よーく覚えておけ!」ヘヘン

妖精長「ほう……勇者に……」フヨフヨ

悪ガキ「そうだ! あんな不甲斐ない勇者とは違う! 1人で世界を守る、そんな立派な勇者に俺はなるんだ!」

幼女「またユーシャ馬鹿に……した!!」プンスカ

悪ガキ「事実だから仕方ねぇだろ!」

妖精長「ふむふむ……」ジー

悪ガキ「な、なんだよ? そんなジロジロ見て……」ドギマギ

妖精長「……勇者にねぇ……」ジー

悪ガキ「そうだよ! 文句あるか!?」

妖精長「話にならんわい」ケッ

悪ガキ「なっ!?」


妖精長「魔力、身体能力、どれをとっても平均レベル。そんなお主が勇者じゃと? 無理じゃ無理じゃ、全くもってこれっぽっちも話にならん! 主に頼むくらいなら、熊に頼んだ方がいくらかマシじゃ」

悪ガキ「……熊の方が……」プルプル

妖精長(まぁ、完全に芽がないわけではないようじゃが……)

妖精長「お主のような小僧に用は無い。さっさと帰ってクソして寝ろ。以上!」

悪ガキ「この……!! なんと言われようと俺は勇者になるんだ! 絶対に!!」ガー

妖精長「うるさい小僧じゃのう……ならばお主に問おう。お主に『世界を背負う覚悟があるか?』」


悪ガキ「そんなの……あるに決まってるだろ!! 馬鹿にしてんのか!?」

妖精長「だーかーら話にならんと言っておるのじゃ小童が。軽々しく世界などと口にするでない」ペシッ

悪ガキ「じゃあなんて答えればいいってんだよ!!」ウガー

妖精長「そんなもの、自分で考えろ。少しは頭を使わんか。愚か者」

悪ガキ「ムカつく……!!」

幼女「話に……ならない……」クスクス

悪ガキ「笑うな!!」

妖精長「ワシが用があるのはこの子だけじゃ。お前ら人間と魔族に用は無い。さぁ、帰った帰った!」パァァァ

侍少女「な、何をする気でござる!?」

妖精長「無論、無関係な者を追い返すだけじゃ」

侍少女「い、痛いのは嫌でござるよ!?」

妖精長「安心せい、湖の外へ吹っ飛ばすだけじゃよ」


少年魔法使い「ちょっと待ってくれ」

妖精長「……なんじゃ?」シュゥゥゥ

少年魔法使い「俺たちはこの森に迷い込んだ幼女を連れ帰るためにここに来たんだ。このまま幼女を置いて外にはいけない。話が終わるまでここにいさせてくれ」ガバッ

妖精長「ふむ……」

悪ガキ「なんでだよ!? こんなやつ放っておけば……!」

少年魔法使い「……ここは我慢しておけ。幼女が帰ってこなかったら勇者も先生も困るだろ?」

悪ガキ「そ、そうだけどよ……」

少年魔法使い「それに幼女がさっき見せた力……個人的に興味がある。あのじいさんはなにか知っているみたいだ、詳しく話を聞きたい」

魔族少女「あの熊を追い払った力だね」ヒソッ

悪ガキ「それは勉強熱心なことですね!」ケッ

少年魔法使い「どうだろうか、妖精の長よ?」

妖精長「……お嬢ちゃん」

幼女「むい?」

妖精長「ちと大事な話も交えて話すことになるが……こやつらも一緒でいいかの?」

幼女「大丈……夫! みんな……ともだち!!」ニコッ


魔族少女「ふふっ、ありがとう。幼女ちゃん」

侍少女「そうでござる! 我々は幼女殿の友達でござるよ!」ニカッ

幼女「うん! ともだち!!

少年魔法使い「………」フッ

悪ガキ「幼女……」

妖精長「ほう……魔族と人間を友達と呼ぶか……これはまた面白い!」

幼女「おじいちゃん」

妖精長「なにかな?」






幼女「こいつは……別!」ビシッ

悪ガキ「あ、てめぇ!!」

妖精長「そうか、あいわかった!」パァァァ

悪ガキ「ちょ、ちょっと!?」フワッ

侍少女「悪ガキ殿!?」

魔族少女「幼女ちゃん!? 悪ガキ君も友達だよね?」ワタワタ

幼女「あいつとは相容れぬ……存在!!」キシャー


魔族少女「そんなこと言わないで……ね?」

悪ガキ「てめぇこら幼女! ふざけんなよ!?」

幼女「むぅ……今謝れば許してやらないことも……ない!」

悪ガキ「誰が謝るか!」

少年魔法使い「幼女、子供のやったことだ。大目に見てやってくれ」

悪ガキ「お前らだって子供だろうが!!」

幼女「むぅぅぅぅ……しょうが……ない」

妖精長「なんじゃ、いいのか? お嬢ちゃん」シュンッ

悪ガキ「ぐえっ」ベシャッ

侍少女(悪ガキ殿はこんなのばっかりでござるな……)

幼女「ヨージョは心が広い……のです!」フンス

悪ガキ「後で覚えてろよ……」プルプル

といったところで今日の投下は以上です


ちょっと話を大幅に差し替える必要が出てきてしまったため、明日は一日お休みします


明後日の同じ時間帯にまた投下していきたいと思いますのでよろしくお願いします!!


今回の話は勢いで書いちゃうとまずいので……本当に申し訳ありません……

それでは今日もお付き合いくださり、ありがとうございました!!

こんばんは、今日も投下していきたいと思います。よろしくお願いします




妖精長「まったく、騒がしい小僧じゃのう……」ヤレヤレ



妖精兵長「長老―!!!」

妖精長「おお、妖精兵長。如何したか?」

妖精兵長「如何したかではありません! 侵入者です! 今すぐ村にお戻りください!!」

妖精長「それなら大丈夫じゃ。お前さんが言っている侵入者とはこの子たちのことじゃろう?」

魔族少女「今度は小さいおじさん……?」

侍少女「厳つい顔に可愛らしい羽がなんともシュールでござるな……」

妖精兵長「お、お前らは人間の子供!? それに魔族の子供まで!? どうやって入った!? ここは我々妖精族しか入ることができないはずだぞ!!」

妖精長「そんなもん、ワシが呼んだからに決まっておるじゃろう」

妖精兵長「なんですって? この子達を……ですか?」

妖精長「その通り、ワシが呼んだんじゃ」

妖精兵長「なぜそのようなことを!? 長老、この里の非常事態に子供とはいえ人間を呼び込むなんて……何を考えているのですか!?」

妖精長「もちろん、この非常事態の解決策じゃよ」

妖精兵長「解決策……?」

妖精長「そうじゃ。ワシらの命運を託すにはこのお嬢ちゃんしかおらん。この子が持つ龍王様の力を借りる他、我らに残された道は無いのじゃ」

妖精兵「龍王様の……それは真ですか!?」


悪ガキ「なんだ? その龍王様って?」

妖精長「かつて大地に生きる生命を守護していた龍族……その龍族の王じゃよ」

妖精兵長「我ら妖精族は龍族と協力し合ってこの世界を守ってきた……それをお前たち人間と魔族が……!!」

妖精長「これ、この子達に罪は無い。責めてはならん」

妖精兵長「ですが……」

魔族少女「えっと……その龍王様の力を幼女ちゃんが持っているということですか?」

妖精長「ああ、その通り。お主らも見たじゃろう? あの神々しい力を」

少年魔法使い「じゃあ、あれが……」

妖精長「そうじゃ。あの光のブレスこそ、龍王様のみが使うことを許された闇を払う希望の光」

侍少女「闇を払う……光でござるか! なんかカッコイイでござるな!」

少年魔法使い「なぜ幼女にそんな力が……」

妖精長「理由はワシにもわからん。最初にお嬢ちゃんの魔力を感じた時は本当に龍王様がこの世に蘇ったと思ったくらいじゃからの」

妖精兵長「しかし俄かに信じられません。まさかこのような幼子が龍王様の力を……」

妖精長「お主も実際に見ればわかる。あれはまごう事なく龍王様の力じゃ」

侍少女「へぇ……すごいんだね、幼女ちゃんって!」

幼女「えへへ……それほどでもない……よ?」テレテレ

悪ガキ「まぁ、俺にはただの殺人破壊光線にしか見えなかったけどな」ケッ

幼女「……」ムッ

侍少女「コラ、ダメじゃない悪ガキ君。さっき幼女ちゃんに助けてもらったでしょう?」

悪ガキ「へんだ! あいつの助けなんて借りなくても俺一人でなんとかなったっつーの!!」



幼女「……むい!!」カッ


ドゴォォォォン!!!


悪ガキ「あんぎゃぁぁぁあああああ!!!!」

魔族少女「悪ガキくぅぅぅぅぅんん!!!」


妖精兵長「おお! あれぞまさしく!」

少年魔法使い「魔法とも魔術とも分類されない……こんな力があったのか……」

侍少女「いや、感心してる場合じゃないでござるよ!?」

魔族少女「悪ガキ君! 大丈夫!?」ポワァ

悪ガキ「お前……不意打ちなんて……卑怯だぞ……」プスプス

幼女「……」ツーン

妖精長「……すまんが、そろそろ本題に入ってもいいかの?」

少年魔法使い「ああ、あいつのことは放っておいていい」

幼女「いてもいなくても……変わらない!」ムスッ

妖精長「では改めて……龍王の力を受け継ぎし我らが救世主よ。慈悲の心を持って、我らの頼みを聞いてはくれぬか?」

幼女「あたぼう……よ!!」ムイッ

妖精長「ホホッ、それは頼もしいの」

悪ガキ「……俺もやるぜ、じいさん」ボロッ

魔族少女「悪ガキ君! まだ回復し終わってないよ!?」


妖精長「ほう? 根性だけは一丁前のようじゃのう」

悪ガキ「このままじいさんにも幼女にも馬鹿にされたまま引けるかってんだ!」

幼女「………」ムスッ

妖精長「まぁ、いいじゃろ」ハァ

悪ガキ「それで、その頼みってなんなんだ?」

妖精長「まぁまぁ、そう急くな。我々が抱える問題は単純であるように見えて、中々複雑でのう……」

少年魔法使い「どういうことだ?」



妖精長「事の発端はそう二ヶ月以上前、妖精族の少女が行方不明になったことから始まるのじゃ」

魔族少女「行方不明……ですか?」

妖精長「我々はテレパシーを使って遠くの同胞と連絡をとることができるのじゃが……どうやら彼女はとある男に捕まってしもうたらしい」

侍少女「それは大変でござる!!」

妖精長「彼女はその男の手から、次に商人貴族と呼ばれる男の手に渡ったのじゃ」

魔族少女「商人貴族……って」

少年魔法使い「王都を牛耳る巨大マーケットを取り仕切る貴族だったはず」

悪ガキ「要はなんか偉い人ってことだろ?」


魔族少女「その妖精さんは商人貴族という人に売られたということですか?」

妖精長「そうなるの」

妖精兵長「あれ程外の世界には出るなときつく言っておいたのに……!」

妖精長「よさぬか、あの年頃の子はすべからく興味を持つこと。それを責めるのは筋違いじゃよ」

魔族少女「助けには行かなかったんですか?」

妖精長「当然、里の中でも彼女を救うことを提案する声が大多数じゃった……しかしのう……」

少年魔法使い「なにか問題でもあったのか?」

妖精長「我ら妖精族は本来、自然と共に生きる種族。人間や魔族が荒らした大地の中では本来の力の半分も出すことができぬ。無策で助けに行ったところで返り討ちに遭うことなど目に見えておる」

妖精兵長「悔しいが……外の世界で戦っても我々には勝ち目が無い……」

悪ガキ「そうだったのか……」

妖精長「そうこうしている内に時間が過ぎ、我々はあの子が報告してくれる内容から商人貴族の恐ろしい目的を知ってしまったんじゃよ」

少年魔法使い「恐ろしい目的?」

妖精長「……この里はかつてないほどの危機にさらされている、またしても人間どもの手によって」

幼女「むう?」




妖精長「商人貴族はこの里を探し出し、我ら妖精族を狩り尽くそうとしておるのじゃ」

悪ガキ「なんだって!?」

といったところで今日の投下は以上です


次の投下は明後日の21時頃を予定しています

ちょっとスローペースにはなりますが、お付き合いしてくださったら幸いです

それでは今日もありがとうございました!!



悪ガキがもうただのクソガキにしかみえないマジで一回幼女にマウントポジションからボコボコに殴られてトラウマになるくらい幼女を恐れるようにならないかなぁ

乙ー。

>>64
同意。
幼女と勇者によって対人恐怖症になればいいと思う。

こんばんは、今日も投下していきたいと思います

>>64 >>66
幼女はそんなことしませんが勇者は喜んでもっとひどいことをします(笑)


それでは今日も少しの時間だけお付き合いください。よろしくお願いします


侍少女「なんの恨みがあってそんな酷いことをしようとしているのでござるか!?」

妖精兵長「前の時と同じ。我々の力を狙っているのだろう」

少年魔法使い「力? 妖精にはそんな特殊な力があるというのか?」

妖精兵長「本当になにも知らないのだな、お前たちは! お前たち人間のエゴのせいでどれだけの同胞が死んだと思っている!?」

侍少女「そんなに怒らなくても……知らないものはしょうがないでござるよ!」

妖精長「よさぬか! 妖精兵長! ……もう昔の話じゃ」

妖精兵長「……はい」

悪ガキ「なぁ、それでなんなんだよ、その力って?」

妖精長「まぁ、その件については今はいいじゃろ。先に話を進めるぞい」

悪ガキ「いや教えてよ!?」ガーン

妖精長「うるさいわい……お嬢ちゃんに頼みたいことはただ一つ。商人貴族がこの里を見つけ出す前にあの子を助けてあげてほしいのじゃ」

妖精長「こんなこと、お嬢ちゃんにしか頼めないのじゃよ。それに我々に残された時間も残り少ない」

悪ガキ「どういう意味だ?」

妖精兵長「最近、里の入口がある森の周辺を怪しい人間が頻繁にうろついていると見張りの妖精たちが答えている」

妖精長「恐らく商人貴族は里の大まかな位置を把握しておるはずじゃ。あとはこの里の入り方をあの子から聞き出すだけといったところじゃろう」

悪ガキ「俺達が知らないところでそんなことが……」


侍少女「それってつまり……ものすごくまずい状況ということでござる?」

魔族少女「で、でもここへはそう簡単に入れないんですよね?」

妖精長「確かに、里の入口には特殊な結界を張り、我ら妖精族以外は見ることも感じることもできないようになってはいる。だがそれも絶対ではない。それに……」

悪ガキ「それに?」

妖精兵長「あの子から強引にこの場所の入り方を聞き出す可能性も十分考えられる……」

少年魔法使い「薬に拷問に脅迫……それくらいのことなら平気でやるだろうな」

魔族少女「そんな……!!」

妖精長「奴らが里に乗り込んで来たらいくら我々が全力で抵抗したとしても圧倒的な数の前には為すすべもないじゃろう」

妖精長「里の場所が判明する前に一刻も早くあの子を助ける必要があるが、かといって我々があの子を助けに姿を表せば商人貴族の思う壺じゃ」

魔族少女「そんなに大きな話だったら幼女ちゃんじゃなくてもっと他の人とかに……それこそ勇者様に頼めばいいんじゃないですか?」

妖精長「……その勇者とやらは己の欲に目がくらむような男ではないと断言できるか?」


勇者(働きたくないでござる! 絶対に働きたくないでござる!!)ニョホホホホホ


侍少女「あー……」

少年魔法使い「無理……だな」

悪ガキ「絶対にありえねぇ」

魔族少女「あはは……」

幼女「……むぅ……さすがに擁護……できない……ごめん、ユーシャ……」ウツムキ


魔族少女「じゃ、じゃあ先生に頼めばいいんじゃないかな? 先生ならきっと……」

侍少女「だ、ダメでござる! そんなことしたら……」ガタガタ


院長(先生は森に入ってはいけないと教えたはずですよ?)ガシィ!!


悪ガキ「うわぁ……」

侍少女「ひぃぃぃぃ!!!」ガタガタ

魔族少女「……やめよう。うん、なんかごめんね、侍少女ちゃん……」ガタガタ

侍少女「今、首と胴体がお別れするところまで容易に想像できたでござるよ……」ズーン

妖精長「じゃろう? ならば我々に残された道は一つじゃ」

妖精長「龍王様の力を受け継ぐ者よ。どうかその力であの子を……そして我ら妖精族の未来を救って欲しい」

幼女「まか……せて!!」ムイッ

悪ガキ「………」ギュッ

魔族少女「悪ガキくん……?」

妖精長「ホホホ、お嬢ちゃんならそう言ってくれると思っていたよ」

幼女「ユーシャは困ってる人の味方……なのです!!」ムフー

悪ガキ「ケッ、なにがユーシャだよ。お前ただの幼女じゃんか!」フンッ

幼女「……むぅ」プクー


魔族少女「もう、悪ガキくん! さっきから変だよ?」

悪ガキ「俺はいつも通りだよ!」

魔族少女「もう……」

妖精兵長「くっ……いくら龍王様の力を受け継いでいたとしても、人間の、しかも子供の力を借りなければならないなんて……」

妖精長「まだそのような事を言うのか、妖精兵長。今は龍王様の力を信じるしかあるまい」

妖精長「古来より我々が危機に陥ったとき、必ず龍王様が助けに来てくださった。そして今回も龍王様の力を受け継ぐこの子が我々をきっと救ってくださるに違いない」

妖精兵長「ならばなぜあの時、龍王様は我々を救ってくださらなかったのですか……!!」

妖精長「……言うてくれるな、もうこうするしかないことはお主も十分にわかっているはず……そうじゃろう?」

悪ガキ「……!! そうか……いいこと思いついた……」ピーン

妖精兵長「くそ……」

悪ガキ「……なぁ、じいさん。お取込み中のところ悪いけどよ」ヘヘッ

妖精長「なんじゃ? 小僧?」

悪ガキ「もしさ、俺が幼女より早くその妖精を商人貴族から助け出したとしたらどうする?」ニヤッ

妖精長「なんじゃと?」


悪ガキ「そうなったら当然、俺の方がその龍王の力を持つっていうこいつより優れてるってことだよな?」

侍少女「そういうことになるので……ござる?」

少年魔法使い「僕に聞くな」

悪ガキ「なるんだよ! よーし、そうと決まれば勝負だ幼女! どっちが先に妖精を救い出すか、俺と勝負しろ!」

妖精長「なにを馬鹿なことを……これは遊びではないのじゃぞ!」

悪ガキ「そんなのわかってるって! だけど俺だってこのまま馬鹿にされたまま終われない! どうだ、幼女!?」

幼女「……そんなの意味が……ない」ムッスー

悪ガキ「あるだろ!? 俺とお前、どっちが勇者になるのに相応しいか勝負しろって言ってんだよ!」

幼女「……違う」フイッ

悪ガキ「なにが違うって言うんだよ!? いいから勝負しろって!」

幼女「ユーシャは……そんなことしない」

悪ガキ「!!! チッ、ああそうだろうな。確かにあの勇者様はそんなことしないだろうな! なんせ、お前の大好きな勇者様とやらは人の金を食物にして生きているどうしようもない腰抜け野郎なんだからな!!」ケラケラケラ

幼女「……腰抜けなんかじゃない……もん!!」ズォッ……


魔族少女「え? 幼女ちゃん?」

悪ガキ「腰抜けだよ! それにあいつ、俺の蹴りをくらって動けなくなってるんだぜ? もし本当にあいつが勇者だったら俺みたいな子供の攻撃なんて避けて当然のはずだろ?」

幼女「む、むぅ……!!」

悪ガキ「もっとも、本当にあいつが勇者だったらの話だけどな! お前騙されてんだよ、あんなのが勇者なわけないって!!」

幼女「ちがう……もん!! ユーシャはユーシャだ……もん!!」ズズズズズ

侍少女「……なんか幼女殿の周りが心なしかおかしな感じがするのでござるが……」

少年魔法使い「なんだ? この心臓を鷲掴みにされたような悪寒は……」ブルッ

魔族少女「う、うん……なんか懐かしいような……そうでないような……なんだろう?」

妖精長「これは……」

悪ガキ「絶対嘘だ! あんな奴が勇者なんて俺が認めない!!」

幼女「ううううう……!!!」ズズズズズズズ

悪ガキ「悔しかったらあいつが勇者だって証拠、俺に見せてみろよ!!」

幼女「うううううう!!!!」ズズズズズズ

悪ガキ「無理だろ? やっぱりあいつは勇者じゃないんだ!」



妖精長「秘術『制裁の雷』!!」ピカッ


悪ガキ「へ?」


ドゴォォォォン


悪ガキ「ぎゃぁぁぁあああああ!!」ビリビリ


幼女「!!!」シュゥゥゥゥ

妖精長「いい加減身の程をわきまえんかこのバカちんが!!」

悪ガキ「な、なにすんだよ……じいさん……」プスプス

妖精長「すまんの、お嬢ちゃん。ワシの方が先に手が出てしまったようじゃ」

幼女「………」フルフル

妖精長「小僧。お主が勇者にどんな感情を抱いているかは知らん。じゃがの、人を蔑み、あまつさえ人を傷つけることを是とするようなそんな魂を持つ者が勇者になぞ絶対になれるわけがない。断言しよう。お主には無理じゃ!」

悪ガキ「また言った!!……そんなの! やってみなきゃわかんねぇだろ!?」

妖精長「やらなくてもわかるわい。今のお主は勇者というものを何もかも履き違えておる。お前が考えているほど、世界を背負うということは簡単なことではないのじゃ」

悪ガキ「そんなことない!! じいさん! だったら俺と約束しろ! もし俺がこいつより先に妖精を助け出したら今の言葉を取り消すって!!」

妖精長「なんじゃと?」

悪ガキ「俺が勇者になれないって言ったことを間違いだったって認めて謝れって言ってんだよ!」

少年魔法使い「おい、悪ガキ。やっぱりお前さっきからおかしいぞ! なにをそんなにムキになってるんだ!」

悪ガキ「ムキになんかなってない! 俺は勇者になる男なんだ! それをこんな幼女とじいさんに否定なんてされたままなんて嫌なんだよ!」

妖精長「……よかろう。できたらの話じゃがな」

悪ガキ「絶対だからな!」

妖精長「まぁ、今のお前には到底無理な話だがの」


悪ガキ「見てろよ、じいさん。俺がこいつなんかより勇者に相応しいってところを嫌というほど見せつけてやる!!」

妖精長「勝手にせい、この愚か者めが……」

悪ガキ「そうと決まればこうしちゃいられない! 俺は帰るぞ!」スタスタスタ

魔族少女「えっと、回復魔法は……」

悪ガキ「そんなものいらねぇよ!」

魔族少女「う、うん……」

悪ガキ「幼女! 俺はお前なんかに絶対に負けねぇからな!」

幼女「………」







悪ガキ「馬鹿にしやがって……幼女の奴、俺のことなんて眼中に無いっていうのかよ?」

妖精長(今のお主には絶対に無理じゃ!!)

悪ガキ「そんなことなんかない……絶対に俺は勇者になるんだ! あのじいさんと幼女にそれを認めさせてやる!」

魔族少女「悪ガキくん……」


侍少女「なにがお主をそこまで駆り立てるんでござるか……」ハァ

悪ガキ「何度も言うけど、これは俺一人のプライドの問題だからな、少年魔法使いはともかく、お前達まで付いてくる必要なんてない」

魔族少女「で、でも……」

悪ガキ「まずは森でうろついているって言ってた怪しいやつらをぶっ飛ばして、商人貴族って奴がいる場所を聞き出す! んでもって商人貴族をぶっ飛ばして妖精を助けたらそれで終わり!」

悪ガキ「なんだよ、すげー簡単じゃん!」ハハッ

少年魔法使い「そんな単純なわけあるか」ハァ

魔族少女「ええ! ぶっ飛ばすって……そんなことするの? ダメだよ悪ガキくん、危ないよ」

悪ガキ「大丈夫だって! お前らだって見ただろう? 俺は勇者にも勝ったんだぜ?」

少年魔法使い「不意打ちだけどな」

悪ガキ「勝ちは勝ちだろ!」

魔族少女「やっぱりやめよう? 危ないし、先生も心配するよ」

悪ガキ「大丈夫、大丈夫! 先生にはバレたりしないって!」


院長「いえ、もう十分バレていますけど?」シュンッ


悪ガキ「げっ! 先生!?」

院長「それで? こんな時間にベッドへ抜け出してどこへ行く気ですか?」

侍少女「え、えーっとこ、これはその……」ワタワタ

少年魔法使い「馬鹿な……確かに先生の魔力は岬の方に……」

院長「少年魔法使い君、物事を自分の常識で測ってはいけませんよ?」

少年魔法使い「改めて何者なんですか、先生……」

院長「私は皆さんの先生です。そして先生である以上、悪さをする子供達を野放しにするわけには行きません。皆さん、悪いことをしたらどうなるか、わかっていますよね?」ゴゴゴゴゴ!!!

魔族少女「ひ、ひぃぃぃぃ!!」

といったところで今日の投下は以上です


妖精の里の会話は正直なところ色々と話がごっちゃになってしまい、計四回ほど書き直しましてなんとか形にはなったものの……ここまでスローペースになってしまいました……


明日も同じ時間帯に投下していきたいと思います! よろしくお願いします!



それでは今日もありがとうございました!

こんばんは、今日も投下していきたいと思います

少しの時間ではありますがよろしくお願いします!!


悪ガキ「先生、違うんだ! こいつらは関係ない」

侍少女「そ、そうでござるよ! 拙者はちゃんと悪ガキ殿を止めたんでござるよ!?」

侍少女「でも悪ガキ殿がどうしても行くと言うから仕方なく……拙者は悪くないでござる!!」

院長「そうですか、侍少女ちゃん。あなたの言い分は良くわかりました」ニコッ

侍少女「……ホッ」

少年魔法使い「お前、最低だな」

侍少女「背に腹は変えられないでござる……オシオキは1日に1回で十二分でござるよ!」








院長「ではまず、侍少女ちゃんからですね」シュンッ




侍少女「へ?」



ゴチィィィィィンン!!


侍少女「ぐべっ!!」

悪ガキ「侍少女!!」

侍少女「そんにゃ……どうして……?」チーン

魔族少女「か、回復魔法!!」ポワァ

院長「先生は自分の身を守るために友達を差し出せと教えましたか?」

院長「理由はどうあれ、友達はあなたの宝です。それを簡単に差し出してはいけません。そんな侍少女ちゃんには当然オシオキです」ユラァ

侍少女「す、すみませんでした……」


悪ガキ「先生、勝手にベッドを抜け出したことは謝るよ。だけど邪魔しないでくれ」

院長「それはどうしてですか?」

悪ガキ「理由は言えない。でもこのまま馬鹿にされたまま黙ってちゃ、勇者になんてなれねぇよ!!」チャキッ

院長「そうですか……悪ガキくん、あなたは勇者になりたかったのですね。あなたの口から将来の夢を聞くのは初めてです。先生、嬉しいです」

悪ガキ「知ってたからわざわざ勇者を呼んだんだろ?」

院長「まぁ、それもそうなのですが……」モニョモニョ

悪ガキ「ありがとな、先生。先生のお陰でわかったよ」

院長「喜んでもらえたみたいでなによりです」フフッ

悪ガキ「ああ、今の勇者はポンコツの腰抜けだってわかったんだ。あんな奴に勇者をやらせてちゃダメだ」

魔族少女「悪ガキ君!?」

院長「……そうですか……」

悪ガキ「あいつの代わりに俺が勇者になる!……そのためには幼女になんか負けてられない!!」

院長「……話は見えませんが、どうやら本気のようですね……いいでしょう」


悪ガキ「見逃してくれるのか!?」

院長「なにを言っているのです? そんなわけないでしょう? 私はあなた達を全力で止めます。どうしてもここから先に行きたければ私を倒すことですね」ゴゴゴゴゴ

少年魔法使い「先生、それは本気ですか……?」

院長「もちろん本気です。悪ガキ君は勇者になるのでしょう? 少なくとも勇者さんは私なんかよりずっと強いですよ?」

悪ガキ「上等だ!! 俺は勇者にも勝った男! 先生にだって負けるつもりはないぜ!」

院長「3人とも、あなた達もまとめて相手をしてあげます。今日までの間にあなた達がどれだけ強くなったのか、見せてもらいましょう。先生に負けたらもちろん、スペシャルなオシオキが待っていますからそのつもりで」ウフフ

侍少女「……なぜ、こんなことに……」フラッ

魔族少女「大丈夫?」ポワァ

少年魔法使い「どうやらやるしかないみたいだな……」

悪ガキ「ヘヘッ、俺は勇者にも勝った男だぜ? もう先生よりも強くなっちゃってるかもよ?」チャキッ

院長「初めに言っておきます。四人とも、『私を殺す気で来なさい』」ビュンッ

悪ガキ「いくぜ! 先生!!」

院長「見せてもらいますよ! あなた達の実力を!!」シュンッ




―――――



ドォォォォン!!!

ドガァァァアアアアン!!!


勇者「なんだか、あっちの方が騒がしいな……」

幼女「むう?」

勇者「ま、俺が行ってもしょうがないか、どうせあいつと剣士がなんとかするだろうし」

幼女「いい……の?」

勇者「いいんだよ……そんなことより幼女、ろくに説明もしないでこんなところに連れて来ちまってごめんな? 疲れただろ?」

幼女「大丈……夫!! ユーシャと一緒ならどこでも楽……しい!」グッ

勇者「すまんな幼女。俺も支給金を盾に迫られると断れないのだ……」

幼女「お金、大切!!」ピョンピョン

勇者「そうだ、お金は大切なのだー」クシャクシャ

幼女「くすぐったい……よ! ユーシャ!」キャッキャ


勇者「そう言えば、お前夕飯前までどこ行ってたんだ?」

幼女「えーっとねぇ……秘密なのです!」キャルン

勇者「またそれか?……それと孤児院の子達とは仲良くなれたか?」

幼女「うん!! ショーネンマホウツカイとサムライショージョにマゾクショージョ……みんなともだち!!」エヘヘ

勇者「あれ? 悪ガキは? 遊ばなかったのか?」

幼女「………」ウツムキ

勇者「どうした幼女?」

幼女「……ケンカ……した」

勇者「喧嘩? お前が? どうして?」

幼女「あいつとは……分かり合えない……のです!」ツーン

勇者「分かり合えないって……なにがあったんだ、幼女?」

幼女「あいつユーシャ……馬鹿にした!!」プンプン

勇者「俺を?」


幼女「ユーシャは腰抜けだって……そんなことないの……に」ウツムキ

勇者「あー……でもしょうがないんじゃないか?」

幼女「どうし……て!?」

勇者「だって間違ってないし」アハハ

幼女「そんなことない……もん!!」

勇者「いや、俺をよく見てみろって、ニートだしやる気無いし……腰抜けってのもあながち間違いじゃないと思うぞ?」

勇者「それに、そう思う悪ガキの気持ちもわかる気するし」

幼女「気持ち?」

勇者「そう、気持ち。俺があいつの立場だったら同じようにガッカリすると思うから」

幼女「むい!?」

勇者「ほら、幼女は知らないかも知れないけど、おとぎ話に出てくる勇者っていうのはさ、みんなカッコいいんだよ。悪い奴にたった一人で立ち向かう! ……俺だって小さい頃はそんな勇者って存在に憧れてたんだ。だから俺は勇者になったようなものだし」


勇者「あの頃の俺と同じように、あいつも本物の勇者ってやつをちょっとは期待してたんだろうな……でも現実はこのザマってわけ。ガッカリするのも無理は無いさ。こんなカッコ悪いやつが勇者? 笑わせんなよってな」ハハッ

幼女「そんなこと……ない! ユーシャは……すごい!!」

勇者「だが俺のような人間は世間一般ではクズと呼ぶ」

幼女「世知辛い世の中……ですな!」

勇者「本当にどこで覚えてくるんだよ……そんな言葉」ハァ

勇者「とにかく、俺なんか庇ったってなんの意味も無いぞ? 俺は見ての通りやる気の無いニート様だ。変に庇ってもお前が傷つくだけだって! な? わかるだろ? 幼女」アハハ





幼女「……でも」

勇者「ん?」

幼女「ユーシャ、ヨージョに優しくしてくれ……た」

勇者「そうか? そんなつもりなんか無いけどなぁ……」

幼女「マホウツカイが言って……た……ヨージョは……魔導人形……」ギュッ

幼女「人間でも……魔族でもない……みんなとも……ユーシャとも……違う」

勇者「幼女……」


幼女「それでもユーシャ、優しくして……くれる。一緒にいてくれ……て、チャーハン作って……くれる!」

幼女「ヨージョは、ユーシャが大好き……なのです!」

幼女「……だから……だから……」

幼女「どうしても……許せなかった……の」ウツムキ

勇者「そっか……」

幼女「腰抜けなんかじゃ……ないもん……」

幼女「ユーシャは……お金に汚くて……面倒くさがりで……仕事もしない……けど、あったかくて……やさしくて……カッコイイんだ……もん!」

勇者「そんな風に思ってたのか、お前……この場合、どう反応したらいいんだ?」アハハ

幼女「……カッコイイんだ……もん」ウツムキ

勇者「ありがとな、幼女。俺はお前がそう言ってくれるだけで十分だよ」ナデナデ

幼女「むぅぅ……こっちは納得いか……ない!!」プンプン


勇者「……いいか、幼女。この世なんて納得いかないことばっかりだ。それでも前に進んでかなきゃいけないんだよ」

幼女「……前に?」

勇者「そうだ、前に進むんだ。納得いかないって考え込むんじゃなくて、実際に自分が動いてみるんだよ! 頭で考えてたって現実はなんにも変わらないんだぞ?」

幼女「そう……なの?」

勇者「悲しいけどこの世界は間違ったままだ。だけどそんな間違った世界に俺達はこうして生きている。それでもなにかを変えたくて、必死になって生きてるんだよ。いつか自分たちが間違ってないって胸を張って言える世界にするためにな」フッ

幼女「ユーシャ……」

勇者「だから俺は積極的に働かない! 魔王を倒した俺を無理やり働かせる世界なんて間違ってると思うから!! そんな世界を変えるためにやっぱり俺は今日も働かないのだ!!」 ガハハハハ

幼女「むぅぅ……」ウーン

勇者「お前にはまだちょっと難しかったかな?」ハハッ

幼女「子供扱い……しないで!!」

勇者「まんま子供だろう……が!!」ウリウリウリ

幼女「ユーシャ! くすぐったい!」キャッキャッキャ

といったところで今日の投下は以上です!


次回の投下は明後日の予定です、スローペースで申し訳ないんですがよろしくお願いします


それでは今日もありがとうございました!

モブ「勇者が勇者らしいこと言ってる...」
モブ2「頭でも打ったのか?」

モブ「勇者が勇者らしいこと言ってる...」
モブ2「頭でも打ったのか?」

こんばんは、昨日は申し訳ありませんでした


昨日はお酒が飲めないにも関わらず間違えてアルコール度数の高いものを手に取ってしまいそのまま便器とお友達に……

吐くこともできず地獄の苦しみの中であの書き込みをさせていただきました……本当に情けない(泣)


それでは今日も短い時間ではありますがお付き合いください! よろしくお願いします!!


「お取込み中のところ、申し訳ありません」

勇者「ん? あんたは……?」

「お初にお目にかかります、勇者様。私、王都を中心に小規模ながら商いをさせてもらっています、名を商人貴族と申します。以後お見知りおきを……」ペコリ

幼女「ショーニン……キゾク……!!」

商人貴族「風の噂でこの辺りに勇者様がいらしていると耳にしましてね、これは是非ともご挨拶をと思い、こうして馳せ参じたという次第です」

勇者「ああ、これはご親切にどうも……」ペコッ

商人貴族「世界を救った勇者様とこうして対面できるとは……この商人貴族、光栄の至りですよ」フフッ

勇者「いや、別にそんな大したもんじゃないっすよ。俺なんて今はただの税金暮らしのニートだし」アハハ

商人貴族「またまたご謙遜を……勇者様のご活躍はかねがね……西の村の火竜事件に王都の魔族襲撃事件。その2つの事件の解決に尽力されたとか……」

勇者「あはは……」

勇者(結果的に火竜は幼女が追っ払ったし、暗黒魔人の時は暴れまわってただけなんだよな、俺……)ズーン


商人貴族「勇者様? どうなさいました?」

勇者「あ、いや……なんでも無いっすよ!?」

商人貴族「しかし勇者様も何故この様な辺鄙な場所に? 見ての通りここは自然は美しいですが、何もないところです」

勇者「ああ、俺はあそこの……」

商人貴族「やはりあなたも『妖精』を探しに?」

勇者「妖精?」

幼女「!!!」ドキッ

商人貴族「いやー、やはりそうでしたか勇者様。さすがにお耳が早い! この情報は私どもが独占していたつもりだったんですがね……やはり来る災いのために妖精を?」

勇者「ちょっと待ってくれ。妖精って……なんだ?」

商人貴族「……もしかして……ご存知ないのですか?」

勇者「なんのことかさっぱり」

商人貴族「……おっと、どうやら私の早合点だったみたいですね。これはしまったな……今言ったことは忘れてください」ニコッ

勇者「いや、そんなの無理に決まってるでしょ!?」

商人貴族「いえいえ、大したことじゃありませんから」フフッ


勇者「大したことないなら言ってくださいよ! そういうの気になるんですから!」

商人貴族「……勇者様にそう言われてしまったら困りましたね……特別ですよ?」

勇者「なんかよくわからないけど……はい」

商人貴族「では、これを見てください」スッ

勇者「箱?」

商人貴族「ああ、少々お待ちくださいね、今鍵を開けますので……大変貴重なものですから、こうして厳重に保管していないと私も気が気じゃなくて……」アハハ

幼女「……妖精……」ボソッ

商人貴族「さぁ、勇者様、これが妖精です」ガチャリ




妖精「やっと開けやがったな! あたいをこんな暗いところに閉じ込めやがって! 妖精はな! 日光を定期的に浴びないと死んじゃうかもしれないんだぞ!」プンプン




幼女「むぅ……」

勇者「へぇ……これが妖精なのか……初めて見た」


商人貴族「少々品位に欠けているのが玉に瑕ですが間違いなく本物の妖精です」

勇者「妖精って……珍しいの?」

商人貴族「もちろん。そうですね、今の市場価値にして一匹で10億といったところでしょうか?」

勇者「へ?」

商人貴族「それも納得の価格です。なにせ妖精族はとうの昔に絶滅したとされているのですから」


勇者「10億ぅぅぅぅぅぅ!!!!???」


幼女「ユ、ユーシャ!?」ビクッ

勇者「じゅ、10億って言ったらあのその1億の……」

商人貴族「10倍です」

勇者「10の?」

商人貴族「1億倍ですね」

勇者「そそそそそ、それがその羽の生えたちんちくりんに……」

妖精「誰がちんちくりんだ!」

商人貴族「ええ、そしてこれはまだほとんどの人間が知らないことなのですが……その妖精の住処がこの辺りにあるらしいのですよ」ヒソッ

勇者「マジかよ……」

商人貴族「我々はその情報を元に、この地域一帯を買い占めています。国一番のリゾートを作るという名目でね。もちろんリゾートの開発も推し進めたいところですが……私の本命はもちろんこちらです」ニコッ

妖精「おい、お前ら! あたいを助けてくれ! こいつ、あたいらのことを皆殺しに……」

幼女「皆殺……し?」

商人貴族「おっと」ガチャッ

妖精「あ! こら! 閉め……」ガチャン

商人貴族「放っておくとあること無いことを勝手に話し出すから困ります。どうかお気になさらずに」ハァ


勇者「なんか今、皆殺しとか物騒な言葉が聞こえたんだけど……」

商人貴族「勇者様もお人が悪い……私がまさかそのようなことするわけがないでしょう?」フフッ

幼女「………」

勇者「そ、そうだよな。悪いな、変なこと言っちゃって。あれだろ? 犬とか猫みたいにペットとしてってそういう感じだよな?」アハハ

商人貴族「ペットと言うか……人間のパートナーとして提供するといった形でしょうか」

勇者「パートナー?」

商人貴族「ええ、パートナーです。ちょうど人間と犬がお互いの損得を補填し合うような関係性になればと……昔の文献によりますと妖精族は人間と寄り添い、助け合い、立派なパートナーとしてお互いを支えあってきたとあります。私はもう一度その姿を取り戻すべきだと思っているのですよ」

勇者「なるほど……」フムフム

幼女「……ウソ……くさい……」ボソッ

商人貴族「もっとも、その際にはお客様からそれなりの金額をいただくことになるのですけども、その点に関してはご勘弁を。私は腐っても商人。慈善事業家ではありませんから……」アハハ

勇者「確か……売れば10億だったよな?」

商人貴族「一概にはなんとも言えませんが……それだけの価値はもちろん」ニヤッ

幼女「ユーシャ?」ツンツン

勇者(10億あれば支給金に頼らなくても一生遊んで暮らせる! そしたら毎月、あの受付に頭下げないで済むし……いやそれどころか!!)モワモワモワ












受付「勇者様……」

勇者「なんですか? 受付さん?」

受付「私どもにどうかお金を……あなたの持っている10億で私どもに融資していただけないでしょうか……?」

勇者「ほう? 今まで散々私をコケにしてきてよくもまぁ、そんなことが言えたものですねぇ……?」ニタァ

受付「それは……」

勇者「あなたは『働きたくても働けない』私のような人間を虐げ! 罵り! あまつさえ暴行を加え! 今日まで散々私を傷つけてきた! そんなあなたが私に金をせびると言うのですか?」


受付「今まで……申し訳ありませんでした……」

勇者「そんな安っぽい言葉を聞きたいのではない!!」ガンッ

受付「ひっ!」ビクッ

勇者「あなたは、私のことを常日頃からなんと呼んでいましたか?」

受付「それはもちろん、勇者様と……」

勇者「そうじゃないでしょう? ん? なんと呼んでいましたか?」

受付「あ、あう……」フルフル

勇者「なんと呼んでいたかと聞いているんだ!」ガンッ

受付「………生産性の無い……ゴミ虫と……」

勇者「そう。ゴミ虫だ。あなた達公務員は……私たちニートをゴミと侮辱し続けてきたのです。私たちだって人間だ! ゴミなんかじゃない!! なのに!!」

受付「すみません……すみません……」

勇者「ゴミ虫に金を集るとは、国家の犬はそこまで堕ちたんですか? ええ?」

受付「本当に……今まで……申し訳……ありませんでした……」




勇者「土下座してください」


受付「え?」

勇者「今までの俺や俺の仲間たちに対する無礼な行いの全てを間違いだったと認め、ここで土下座してください……」

受付「そ、それは……」

勇者「土下座をするんだ! 今! ここで!!」

受付「ここで……ですか……?」

勇者「そうだ! 今ここでするんだ! お前達公務員が自分達の過ちを認めるだけでいくらでも金はくれてやる!! だから土下座しろ!! 受付!!」

受付「あ……ううう……!!」ポタポタ

勇者「そうか、泣くほど悔しいか! ニートの俺に頭を下げることが! あんたの中にあるチンケなプライドが邪魔するのか!!」


受付「あなたと……いう人は……!!」グスッ

勇者「早く謝るんだ! 俺に……そして俺の仲間たちに!!」

受付「ううううう!! ああああああ!!!!」グググググ

勇者「やれぇぇぇえええ!! 受付ぇぇぇ!!!」

受付「うううう……くぅぅぅぅぅ!!!」グググググ

勇者「どうした!? 土下座だ!! 土下座をするんだぁぁぁぁ!!!」

受付「も、申し訳……申し訳……ありま……でした……」ドゲザッ


勇者「はっはっはっはっは!! 見たか受付!! やられたらやり返す……倍が……」





幼女「ユーシャ! 帰ってき……て!!」ユサユサユサ

勇者「ふふふふふ……」ニタニタニタ

幼女「む、むい!?」

勇者「いい、実にいいぞぉ!!!」ヘッヘッヘ


商人貴族(ここまで邪悪な顔をしている人……見たことがない……!!)

勇者「確か……商人貴族君と言ったね?」

商人貴族「は、はい……」

勇者「一つ貴君に訪ねたいことがあるのだが……構わないかね?」

商人貴族「ええ……なんなりと」






勇者「その妖精とやら……私が捕まえてもよろしいか?」ゴゴゴゴゴ


といったところで今日の投下はここまでです


明日の投下は少し時間が遅くなってしまうかもしれませんがちゃんと投下する予定ですのでよろしくお願いします!


それでは今日もお付き合いくださりありがとうございました!!!

こんばんは、思ったより予定が早くに終わったので少し早いですが今日も投下していきたいと思います

よろしくお願いします!


幼女「ユーシャ! ダメ!! 絶対!!」

勇者「……少し静かにしてくれないか、幼女? 大人の会話に口を挟むなんて、無粋な真似をしてはいけない」ゴゴゴゴ

幼女「むい!?」

商人貴族「勇者様も妖精にご興味が?」

勇者「いや、興味というよりも貴君の話を聞いてまるで自分が雷にでも打たれたような強い衝撃と感銘を受けた。私も貴君と同じように人間と妖精族は昔の関係を取り戻すべきだと思うのだ」

勇者「別に断じてこれっぽっちも10億に目がくらんでいるということは少しも全く無い!」ドーン

商人貴族「そうでございますか、ただ……ですね」

勇者「なにか問題でもあるのかね?」ゴゴゴゴゴ

商人貴族「……ええ。その肝心の妖精がどこに隠れているのか、わからないのですよ」

勇者「なんだと?」クワッ

幼女「ねえ……本当にユーシャ……だよね?」ツンツン

勇者「愚問だぞ、幼女よ。私の顔を忘れたのか?」クワワッ

幼女「さっきと……ちがう……」

商人貴族「お恥ずかしい限りですが……私どもも情報を得てからの数ヶ月間、必死に探し続けましたが結果の方は……妖精に聞いても答えてくれませんし……」

幼女「そんなの……当たり……前!」ビシッ

勇者「そうか……それは困ったことだな」ムゥ


商人貴族「ええ。確かにこのあたりにいるはずなのですが……」

勇者「……ならば私が片っ端からこの一帯を探索しつくしてやろうではないか!」フッ

商人貴族「それは……私どもに協力していただけるということですか!?」

勇者「もちろんだ!」ムン

幼女「ユーシャ! ダメだって……ば!!」グイグイ

勇者「おいおい、何言ってんだよ幼女。妖精一匹10億だぞ? 10億もあったらお前、毎日チャーハン食べ放題じゃないか!」ヒソッ

幼女「チャーハン………食べ放題?」キラキラキラ

勇者「俺も毎月、あの鬼女に頭を下げなくても済むし……いいことばかりだろ?」

幼女「チャーハン……食べ放題……エビチャーハン……カニチャーハン……フカヒレチャーハン……それは魅力的…・…!!」ゴクッ

勇者(正直、幼女の食費も馬鹿にならないしなぁ……これがまたよく食うんだこいつ……)ナミダメ

幼女「夢の……チャーハンライフ……いい……実にいい……」ジュルッ



妖精長(龍王様の力を受け継ぐ者よ。どうかその力であの子を……そして我ら妖精族の未来を救って欲しい)

幼女(まか……せて!!)ムイッ



幼女「!!!」ブンブンブン

幼女「やっぱり……ダメ!!! そんなの……間違って……る!!」


幼女「やっぱり……ダメ!!! そんなの……間違って……る!!」

勇者「……幼女、さっき言ったろ? この世には間違ったこともあるって」

幼女「言ったけど……それとこれとはなんか違う……気がする!!」ビシッ

勇者「違わないって! 固いこと言わないで幼女も協力してくれよ!」

幼女「むぅぅぅぅ……」

勇者「ほら、妖精のことについてなんか知ってることとかないか?」

妖精「妖精の……こと!? え、えっと……」



妖精長(……その勇者とやらは己の欲に目がくらむような男ではないと断言できるか?)



勇者「ん? どうした? なにか知ってるのか?」

幼女「しししし知ら……ない!!」オロオロオロ


勇者「どうした幼女!? なんかお前おかしいぞ!?」

商人貴族(ほう……?)

幼女「よよよよ……妖精のことなんて……知らない!!」ブンブンブンブン

商人貴族(……もしやと思って勇者の方に接近してみたが……まさかこっちの方だったか……)クックック

勇者「そうかぁ……やっぱり地道に探すしかないのかぁ……面倒くさいなぁ……でも10億欲しいしなぁ……」

幼女「むぅ……」



商人貴族「あの……先ほどから気になっていたのですがこのお嬢さんは勇者様とどういったご関係で?」

勇者「ああ、こいつ? こいつは幼女。訳あって一緒に住んでるんだ。ほら、挨拶しな?」

幼女「……」ツーン

商人貴族「私は商人貴族と申します。よろしくお願いしますね、お嬢さん?」ズイッ

幼女「む、むい!?」ドキィッ

商人貴族「………これは驚いた」

勇者「どうした?」

商人貴族「私も長年商いをやっているから分かります。『これ』は魔道人形ですね?」


勇者「……ああ一応そうだけど……」

商人貴族「実に精巧な作りだ。それにちゃんと私の言っていることを理解し、コミュニケーションをとっている。まるで人間のように……素晴らしい。こんな魔導人形見たことがない!」

幼女「まるで……人間……」ギュッ

商人貴族「これをどこで?」

勇者「い、いやどこっていうかなんていうか……」アハハ

商人貴族「今までの魔道人形のそれとは次元が違う。それなりの知識が無ければ誰もこれが人形だと気がつかないでしょう……それだけこれは人間の真似事が上手い」

幼女「人間の……真似事……」フルフル

勇者「いやまぁ、幼女はちょっと俺たちと違うってだけで人形とかそういうもんじゃ……」

商人貴族「気に入りました。勇者様、よろしければこの魔道人形、私に売っていただけませんか?」

幼女「むいっ!?」ビクッ

勇者「売る?」

商人貴族「私も職業柄、珍しいものに目が無くてですね……このような素晴らしい魔道人形他に無い。是非手元に置いておきたいと思うのですが……どうですか? 譲って頂けませんかね?」

勇者「いや、こいつを売って欲しいって……商人貴族さん、あんたって実はロリコン?」

商人貴族「勇者様、私は本気ですよ」


勇者「だからこいつはそういうんじゃ……」

幼女「ゆ、ユーシャ……」

商人貴族「言い値で買いましょう。いくらですか?」

勇者「いやいくらって……値段なんかつけられるわけないって」

商人貴族「今まで一緒に過ごしてきた魔導人形を手放すというのは流石に良心も咎める……というやつですか?」

勇者「いや……だから……!!」

商人貴族「……もし仮に私が持っているこの妖精と交換してでもその魔導人形が欲しいと言ったらどうします?」

勇者「!!! 交換……ねぇ」

幼女「ユーシャ!?」

商人貴族「はい。10億の価値がある妖精と交換です」

勇者「そうかぁ……」

幼女「………」オロオロ

といったところで今日の投下は以上です

明日も同じ時間帯に投下できたらと思っています


それでは今日もお付き合いくださり、ありがとうございました!

こんばんは、今日も投下していきたいと思います

よろしくお願いします!!!


幼女「………」オロオロ

勇者「……ありえないな」

商人貴族「ありえない?」

幼女「ユーシャ……」ホッ

勇者「だって幼女がいなくなったら俺のイメージ悪くなるだろ?」

商人貴族「イメージ……ですか?」

勇者「いや、考えてもみろよ? 俺単体だったら『日がな一日ゴロゴロしてるだけのクソニート』だぞ?」

商人貴族「いや、世界を救った英雄にそのようなことは……」

勇者「甘いなぁ、商人貴族くんは……実に甘い! ニートの称号は世界を救った程度じゃ消えないんだよ?」

商人貴族「そういうものなのですか?」

勇者「そういうものなんです! 俺はこの2年でそれを身を持って経験させていただきました!」

商人貴族「は、はぁ……」

勇者「ところが……だ!! ここに幼女が加わると……どうだ?」ヒョイッ


幼女「むいっ!?」

商人貴族「どうだ? と言われましても」ハハッ

勇者「この絵面を見てなにか感じるものはないか?」

商人貴族「ん?」

勇者「『預かった子供の子育てに奮闘する元英雄』って感じがして……なんていうかこう、微笑ましくないか? 」

商人貴族「あー、言われてみれば……なんとなく、微笑ましいですね」

勇者「だろ?」

商人貴族「そんなこと気にしているんですか?」

勇者「気にするよ! だって俺、勇者だもん!! ……それに」

商人貴族「それに?」

勇者「もし、幼女を金に目がくらんで売り払ったなんて知られてみろ……俺はあの鬼女に殺される……」ガタガタガタ

商人貴族「そんな馬鹿な……あなたほどの英雄がなにを恐れているのです?」

勇者「商人貴族くん、俺にだって怖いものくらいあるんだよ?」

商人貴族「そうですか……」





勇者「とまぁ、くだらない茶番はこれくらいにして……ぶっちゃけ俺の本音を言うとね」ジッ


幼女「ユーシャ?」



勇者「幼女のことを『これ』呼ばわりする男なんかに幼女を任せることはできん! お前みたいな男、お父さんは許しませんよ!」ビシッ



幼女「!!!」ピョンピョン

商人貴族「それが理由ですか?」

勇者「それ以外に理由なんてあるか?」

商人貴族「……あなたも面白いことを言いますね。どこまで人間の真似をしても、魔導人形は魔導人形でしょう? 言わば『モノ』ですよ?」

勇者「俺はこいつを『モノ』だなんて思ったことなんてない。幼女がどうするかは幼女自身が決めることで、俺やあんたが口を挟んでいいことじゃない」

商人貴族「魔導人形が自ら意思を持っているというのですか?」

勇者「幼女は幼女だ。こいつがいたいと思う場所がこいつの居場所なんだよ」

勇者「そしてその居場所を守るのが……今の俺の役割だ」

幼女「ユーシャ……」


勇者「えっと……一応、保護者としてはそんなスタンスで行く感じだけど……お前はどう思ってるんだ? 幼女?」

幼女「ユーシャと……ずっと一緒!!」ムイッ

勇者「……だそうだ。というわけで幼女を売るなんて選択肢はありえませんのでごめんなさい」

商人貴族「どうしても……ですか? 金ならいくらでも出してもいいと思っているのですが」

勇者「あーしぃ、自分の魅力が何かって聞かれて真っ先に『金』とか言っちゃう男ぉ……つまんないって思うんすよねぇ……そんな男にぃ、幼女ちゃんを任せるとかぁ、マジウケるwww」

幼女「ユーシャ、さっきからキャラが……おかしい……」

勇者「これでも色々と必死に我慢してるんだから理解してくれ……シリアスモードはあんまり好きじゃない」ヒソッ

商人貴族「そこまで言われてしまっては仕方ありませんね……今回は諦めるとしましょう。勇者様、無礼をお許し下さい」

勇者「謝るなら幼女に謝ってやれよ」

商人貴族「そうですね、申し訳ありませんでした。お嬢さん」

幼女「………むぅ」


商人貴族「しかし実に残念です。これだけの魔導人形、中々手に入れる機会も無いというのに……」ハァ

幼女「エヘヘ……ユーシャ♪」ダキッ

勇者「こら! 抱きつくなっつーの!!」

商人貴族「………おっと、もうこんな時間になってしまった。私もそろそろ次の予定があるのでこれで失礼します」

勇者「おう、色々と話に付き合ってもらって悪かったな、まぁそういうわけだから」

商人貴族「いえいえ、私の方こそこんな夜に長々と申し訳ありませんでした。しばらくは森の近くの海岸にキャンプを構えています。妖精のことでなにか分かりましたらご連絡いただけると助かりますよ」フフッ

勇者「ああ、なんかあったら必ず寄らせて……」


幼女「むぃぃ……」ジトッ

勇者(ものすごく冷たい目をしていらっしゃる……!!)

勇者「もらわないこともないかなぁ……なんつって!」アハハ

幼女「ユーシャ! 妖精とっちゃ……ダメだよ!!」プンスカ

勇者「でもさ、10億だぜ、10億」ヒソッ

幼女「ダ・メ!!!」

商人貴族「……それでは、私はこの辺で失礼します。またいずれ」フフッ



ザッザッザッザッ


幼女「ベー……だ!!」



といったところで今日の投下は以上です


次の投下予定は明後日の同じ時間帯に投下していこうと思っています


今日もお付き合いくださり、ありがとうございました!!

こんばんは、少し早いですが今日も投下していきたいと思います! よろしくお願いします!!


勇者「そんなに怒るなよ、幼女。あいつも謝ってただろ?」

幼女「ショーニンキゾク……悪い奴!!」フンス

勇者「あはは………ところで幼女」

幼女「なーに?」

勇者「俺になんか隠し事してるだろ?」

幼女「し、してない……」フルフル

勇者「お前、わかりやすいな!」クシャクシャ

幼女「む、むぅ……」

勇者「まぁ、いいけどなー、言いたくないなら別にさ」ヘラヘラ

幼女「……ユーシャ」

勇者「ん?」

幼女「困ってる人を助けるのは……ユーシャの仕事……だよね?」

勇者「そうだぞー……といっても俺はもうそういうのは卒業したけどな!」ケラケラケラ


幼女「どう……して?」

勇者「だって勇者の仕事なんて無い方がいいだろ?」

幼女「むい!?」

勇者「あれ? 俺なんか変なこと言った?」

幼女「ユーシャはいらなくなんかないよ!? 必要だ……よ!?」

勇者「あれ? やっぱり変かな? 変じゃないと思うけどなー」

幼女「どうしてそんなこと……言うの?」

勇者「……まぁ、別にいいだろ? そんなことより今日はそろそろ寝ないとな?」

幼女「ユーシャ、いらなくなんか……ないよ!」ピョンピョン

勇者「わかった、わかった。話なら帰ってから聞いてやるから……ほら、さっさと帰るぞー」スタスタスタ

幼女「むぅ……待ってよ、ユーシャ!!」


――海岸近くのキャンプ――



シュンッ



商人貴族「……ふぅ」シュタッ

部下「商人貴族様!」

商人貴族「ご苦労様です、部下」

部下「てっきり明日の朝にでもご到着されるものだとばかり……」

商人貴族「迅速な行動は商売の基本ですからね、せっかくのチャンスを逃してしまっては悔やんでも悔やみきれません。この転移魔法も無理して覚えたんですよ?」

部下「そうですか……」

商人貴族「それに、結果的に早く来て正解でした。ここに来るついでに勇者様に会えたのですから」

部下「もう会ってきたのですか?」

商人貴族「ええ、一応挨拶だけでもと思ったのですが……思わぬ収穫を得ることができました」フフッ

部下「収穫?」

商人貴族「妖精の居場所の手がかりです」


部下「それは本当ですか!?」

商人貴族「ええ……勇者の隣にいるあの幼女とかいう魔導人形……おそらくあれが妖精達の居場所を知っています」

商人貴族「そこであの人形を手に入れて場所を吐かせようと思ったのですが……失敗してしまいました」

部下「失敗……ですか?」

商人貴族「勇者様に妖精と魔導人形との交換を持ちかけたのですけどね、断られてしまいましたよ」アハハ

部下「そんな、その魔導人形とやらが妖精の居場所を確実に知っているなどという確証も無いのに、唯一の手がかりである妖精を手放そうなんて……」

商人貴族「無謀と笑いますか?」

部下「笑うだなんて……ですがいささか危険ではなかったのかと思っただけです……」

商人貴族「なに、もし仮にあの人形が妖精の居場所を知らなくても、あれを王都の工房に持ち帰り、徹底的に分解、研究を繰り返して我々の手で商品化すればいい金になると思っていましたから……どっちにせよビジネスチャンスだったんですよ」フフッ

部下「そこまで考えていらしたのですか!?」

商人貴族「いいですか、部下。商売は常に危機的状況の連続です。ですがそれ故にチャンスも多い。踏み込む時はとことんまで……ですよ?」

部下「……勉強になります」

商人貴族「まぁ、結果的には一番実りが少ない結果にはなってしまいましたが……それもいいでしょう。我々は確実に一歩前進しました」

部下「ということは……」

商人貴族「ええ、我々のビジネスもいよいよ正念場ということですよ」

部下「おお!!」








商人貴族「……それで頼んでいた戦力の方はどうですか?」

部下「ええ、こんなこともあろうかと事前に傭兵団と連絡をとっておいていましたので……」

商人貴族「流石、あなたは優秀ですね」

部下「もったいないお言葉です。最初は傭兵団の中から何人かをということで話をしていたのですが……流石に1000人となると……結局傭兵団丸ごと雇うといった形に……」

商人貴族「その規模の傭兵団となると……一つしかありませんね」

部下「ええ、傭兵団最大勢力……『黒獅子傭兵団』です」


ザッザッザッザッザ





「久しぶりだな。商人貴族! 『黒獅子傭兵団』丸ごと貸し出せって無茶な依頼を出したのはあんたかよ?」ヘッヘッヘ


商人貴族「これはこれは戦士さん。お久しぶりです。あなた達傭兵団のご活躍は王都にいる私の耳まで届いています……また一緒にお仕事ができるだなんて光栄ですよ」フフフッ

戦士「ケッ、相変わらず貼り付けたような気持ち悪りぃ笑い方しやがるな、お前は……俺はお前のそういう笑い方が嫌いなんだよ」

商人貴族「おっとこれは手厳しい」

賢者「ちょっと、戦士! 依頼主に失礼よ! すみませぇん商人貴族様ぁ! いつもお世話になっておりますぅ!! うちの筋肉ダルマがご無礼を!!」ペコリ

商人貴族「いえ、これが戦士さんの挨拶だと重々理解しておりますよ。賢者さんもご無沙汰しております。相変わらずお美しい」

賢者「嫌だわ、商人貴族様ったら! 相変わらずお世辞が上手なんだから!」

戦士「おいこら! 誰が筋肉ダルマだ、誰が!!」

呪術士「戦士さん以外誰がいるって言うんですか?」クスクス

暗殺者「………」ザッ

商人貴族「ああ、呪術士さんに……そちらの方は?」

賢者「ああ、こいつ? 最近うちに入った暗殺者って言うのよ。まぁ、そこそこ腕は立つみたいだけどね」

戦士「ただ、少しばかり無口な奴だがな!」ガハハハ

商人貴族「よろしくお願いしますね、暗殺者さん?」

暗殺者「………」ペコリ


呪術士「本当に陰気な奴ですね。一緒にいるこっちの気が滅入ります……」ハァ

暗殺者「………」シュンッ

戦士「呪い使いのお前が他人を陰気って……こりゃなんの冗談だ?」ガハハハ

呪術士「こんなのと一緒にしないでください! 僕の呪いは芸術なんですよ!」フンス

賢者「はいはい、さっさと仕事の話するわよ。今日は早く終わらせて寝ないとお肌が荒れちゃうんだから! 美容に夜ふかしは厳禁なのよ!」

呪術士「………いくら美容に気を使っても年齢は誤魔化せないと思いますけどね」ボソッ

賢者「聞こえたわよ、貧乳ボクっ娘? 随分な言い草じゃない」

呪術士「流石におばさんは地獄耳ですねぇ?」

賢者「おば……!! あー、やだやだ! 胸が貧しいと心まで貧しくなっちゃうのかしら?」ドタプーン

呪術士「ハッ、あんな脂肪の塊のなにがいいって言うんですか? ウシ乳ババアが調子乗ってんじゃないですよ」ストーン

賢者「粉微塵にするわよ?」

呪術士「呪い殺しますよ?」

賢者「ああん?」ジリッ

呪術士「おお?」ジリッ

暗殺者「………」オロオロ

商人貴族「皆さん、相変わらず仲のよろしいことで……」フフッ

部下(自分の周りはなんでこうも濃い人ばかりなんだろう……)









剣士「そこまでだ、お前たち」チャキッ


といったところで今日の投下は以上です


すみません、最近ちょっと忙しくてですね、しばらく隔日投下になると思います……

次回の投下は明後日の予定です

いつもコメントありがとうございます! 本当に感謝しています!

それでは今日もお付き合いくださりありがとうございました!!

訂正です

>>166

暗殺者「………」シュンッ →○

暗殺者「………」シューン→×

でした。すみません


ちなみに私は「貧乳はステータスだ!」派です

こんばんは、明日の投下が無理そうなので遅い時間ではありますが投下していきたいと思います。

よろしくお願いします!!


商人貴族「おっと……これは中々穏やかじゃないですね……」

部下「どこから現れたのですか……!?」

剣士「こんなところでなにをしている? ここは孤児院。お前のような金の亡者とは関係の無い場所のはずだが?」

商人貴族「少々、慈善事業に興味がありまして……といって信じていただけますか?」

剣士「そんなわけないだろう、本当のことを答えてもらおうか?」




賢者「キャー!! 本物の剣士様よ! 本物のイケメンよぉぉぉぉ!!!」キャッキャッ

呪術士「賢者、うるさいですよ」

剣士「ん? 君達は確か……」

戦士「剣士……!! どうしてお前がここにいやがる!?」

剣士「お前……戦士か? お前の方こそどうしてここに……!!」

戦士「へへ……ここで会ったが百年目! 今日こそ俺がお前より強いってことを証明してやるよ!!」ジャキンッ


剣士「剣を納めろ戦士。私は無駄な争いをする気は無い。今はただこいつの目的を聞いているだけだ」

戦士「うるせぇ! てめぇの都合なんて知ったことかよ! 言っとくがあの頃の俺とは違うぜ? 今度こそお前をぶった切ってやるよ」ニヤニヤニヤ

剣士「戦士……」

商人貴族「これは面白いですね、では早速戦ってもらいましょうか」

剣士「なんだと!?」

商人貴族「戦士さん達は私の護衛として雇っているんです。ですから、私に危害を加えると言うのであれば彼らは与えられた仕事を遂行するのみです。違いますか?」

戦士「へへ……中々わかってるじゃねぇか、商人貴族様よ! 剣士! そういうこった、俺と勝負だ!!」

呪術士「いえ、僕が相手をしましょう。丁度、完璧な僕が新たに生み出した呪いがあるんです。それの実験台が欲しかったんです」フフッ

暗殺者「………」シャキンッ

賢者「ええ!? ダメよ、剣士様を傷つけたりなんかしちゃ! 私が嫌われたらどうするの!?」

呪術士「嫌われるもなにも視界に眼中に無いでしょ、あんたみたいなおばさん……」

賢者「あんだとコラァァァ!!!」

商人貴族「……ちなみに特に活躍した者には特別に私からボーナスとして金一封を差し上げましょう」

賢者「え? それって本当!?」

商人貴族「ええ、私にあなた方の全力を見せてください。あなた達『黒獅子傭兵団』の力を!!」フフッ

賢者「そんなこと言われたらいくら剣士様でも……全力で殺したくなっちゃうじゃない!」ゴゴゴ!!


呪術士「出た、守銭奴」

戦士「おい! 剣士は俺の獲物だ! 手出すんじゃねぇ!!」

賢者「うっさいわね! あんたのプライドなんて知ったこっちゃないわよ! 目の前のボーナスの方が大事だわ!!」

商人貴族「さぁ、どうしますか? 剣士様。いくらあなたでもこの4人を同時に相手するのはいささか厳しいような気がしますが……」

剣士「……くっ」

商人貴族「ご安心ください、なにも私はあなた方に危害を加えたい訳ではないのです……今のところは」

剣士「……昼間の『笑う赤鬼』とかいう連中、あれもお前の仕業か?」

商人貴族「さぁ、なんのことでしょう?」

剣士「とぼけるな!」

商人貴族「私はただ……合法的にあの孤児院に場所を譲っていただきたいと交渉しているだけです。あなたが考えているようなことは決してありません」

剣士「場所を……?」

商人貴族「ええ、あの岬を是非私が作り出すリゾートの目玉にしたいのですよ。ですからあの孤児院に移動をお願いしているというわけです。まぁ、断られてしまいましたがね」

剣士「だから今度は力づくでいこうというわけか……」

商人貴族「まさか……そんな」フフフッ

剣士「ならなぜ戦士やあの地上げ屋までここに呼んだ?」

商人貴族「恥ずかしながら私は元来の臆病者でしてね、これくらいの戦力を側に置いておかないと安心して夜も眠れないのです」

剣士「あくまでとぼけるつもりか……!!」

商人貴族「とぼけるもなにも、私は事実を言ったまでです………それに」

剣士「それに?」

商人貴族「私のことばかり構ってていいのですか? 彼はもうやる気のようですよ?」


剣士「なに!?」



戦士「はぁぁあああああ!!!」ブォッ



剣士「くっ!!」サッ


ズダァァァアアアン!!!


戦士「チッ、外したか……いつまで俺を無視し続ける気だ? ええ? 剣士さんよぉぉ!!」

剣士「戦士……!!」シュタッ

戦士「今日こそお前をこの剣で叩っ斬ってやるよ!!」

剣士「やめろ、戦士! 俺とお前が争う意味がどこにある!?」

戦士「意味ならあるさ、お前より俺の方が強いってことを証明できるんだからなぁ!!」ブンッ

剣士「そんなことしてなんになると聞いてるんだ!」ヒラッ

戦士「本当だったら俺が勇者の仲間になるはずだったんだ! それをお前は……!!」


剣士「……どうやらやるしかないみたいだな……」チャキッ

戦士「やっとやる気になったか……それでいい!! さぁ、楽しもうぜ! 剣士ぃ!!」

呪術士「……『停滞』」ズォッ

剣士「なに!?」ズズズズ

呪術士「ねぇ、剣士様……僕の完璧な呪いの味は如何ですか?」ニタァ

剣士「足が!? 動かない……」ググググ

戦士「馬鹿野郎! 手出しするんじゃねぇよ!」

呪術士「やかましいですね……今から僕の新作を披露するんですから黙っててくださいよ」

戦士「剣士は俺の獲物だぞ!」

呪術士「知ったこっちゃありません……剣士さん、覚悟はいいですね?」ズズズズ

剣士「く、くそ!!」グイグイ




賢者「お待ちなさい! 呪術士!!」ゴゴゴゴ


呪術士「……賢者……今度はなんです?」

賢者「オーホッホッホッホ!! 呪術士、お膳立てご苦労様。あなたは私が仕留めてあ・げ・る!!」



剣士「宙に……浮いて……?」

賢者「私くらいのエキスパートならこんなこともできちゃうのよ! どう、すごいでしょう? 私のこと、愛してくれてもいいのよ?」ウッフン

呪術士「僕の邪魔をする気ですか!?」

賢者「あんたの呪いじゃ埒があかないわ。止めはお姉さんに任せなさい!」

呪術士「このアラサー女は……」ギリギリ

賢者「うっさいわね! 誰がアラサーよ、誰が!!」

戦士「だからこいつは俺の獲物……」

賢者「あんたは黙ってて!!」
呪術士「戦士さんは黙っててください!!」

戦士「……はい」

賢者「それじゃあ、剣士様。あなたに恨みはこれっぽっちも無いけど、ごめんなさいね?」ゴゴゴゴゴ

剣士「この魔力は……まずい!!」



賢者「これで剣士様は木っ端微塵よ!! 極大爆発魔法!!」カッ


ドガァァァァアアアアアン!!!


戦士「ぬぉぉぉぉぉ!!!」

呪術士「ふぁぁああああああ!!!」

といったところで今日の投下は以上です。

明日はちょっと投下できそうになかったので急遽今日の投下になりました


次回の投下は明後日土曜日を予定しています


今日もお付き合いくださり、ありがとうございました!!

こんばんは、今日も投下していきたいと思います。


よろしくお願いします!!





パラパラパラ……



賢者「オーホッホッホッホ!! 私にかかれば剣士様だってこの通り!! ボーナスは私がもらったも同然ね!!」

呪術士「賢者のくせに馬鹿ですか! 私たちまで殺す気ですか!!」

賢者「あら、生きてたの根暗女」

呪術士「これだから魔法を使う奴は品が無くて嫌いなんです!」

商人貴族「いやいや……これはこれは……随分と派手なことで……」ゲホッゴホッ

賢者「どうです? 商人貴族様! これが私の実力ですわ!」

商人貴族「ええ、凄まじいまでの爆発魔法。拝見させていただきました。まぁ、この場合は凄まじ過ぎたと言わざるを得ないですが……」フフフッ

部下「巻き上がった砂で周りが全然見えないのですが……」キョロキョロ

賢者「細かいことは気にしない気にしない♪ 私の持ってる最強の魔法をぶつけたんだもん、いくら剣士様でもただじゃすまないわよ」

呪術士「そんなにボーナスとやらが大事ですか? さっきまであんだけキャーキャー騒いでたくせに……」

賢者「男は裏切ってもお金は裏切らないからね……天秤にかけたら私は迷わずお金をとるわ……」ズーン

商人貴族「おや、あなたとは気が合いそうですね」

部下(意味が違うと思う……)


戦士「………」プルプルプル

賢者「……戦士もこれでわかったでしょ? あんたが固執してた剣士様も蓋を開けてみたらこんなもんなのよ」

戦士「……違う」

賢者「違わないわ。事実、私たちの攻撃に手も足も出なかったじゃない。魔王を倒して平和ボケしちゃったんでしょうねぇ、騎士団なんて実際の戦闘行為なんか全然しないだろうし、それに比べたら私たち傭兵団は毎日が食うか食われるかだから」オホホホ

戦士「………あいつは俺が倒すんだよ」

賢者「だーかーら! 今目の前であたしが木っ端微塵にしちゃったの見たでしょう? いい加減事実を理解しなさい! あんたが追いかけ続けた剣士ってのは最早幻想なのよ!」

賢者「いい加減、目を覚ましなさい。あんたはうちの団長でしょうが! あんたのそういうの……私、見てられないのよ……」ギリッ

呪術士「……金だ、男だって言いながら、最終的には団長なんですよねぇ……あんな筋肉ダルマなにがいいんだか……」ボソッ

賢者「なにか言った!?」

呪術士「いえ、なにも~」ピューピュピュー




戦士「おい! 剣士ぃぃぃぃぃ!!!」ビリビリビリ




賢者「な、なによ、急に大声出しちゃって……無駄よ、剣士様なら少なくとも会話できる状態じゃないはずだから」


戦士「お前はこんなんじゃしなねぇよなぁ! そうだよな!! お前を倒すのは俺なんだ! さっさとかかってこいよぉぉぉぉ!!!」

賢者「だから……!!」

商人貴族「………どうやら、無駄じゃないみたいですね」

賢者「………え?」

商人貴族「見てください、砂埃が晴れていきますよ……」スッ





助手「まったく……こんな月が綺麗な夜に穏やかじゃないわね、あんたたち」






――孤児院――

院長「……これで決着…といったところでしょうか?」ニコッ

少年魔法使い「ここまで差があるものか……」ゼェゼェ

侍少女「化け物で……ござる……」ゼーハーゼーハー

魔族少女「………うう」グッタリ

悪ガキ「くそ……俺はまだ……!!」


院長「ではここで先ほどの戦闘から先生なりにみなさんの問題点を指摘させていただきますね」

侍少女「あの……人をボコボコにしておいて最初にやるのがそれでござるか?」

院長「ボコボコだなんて人聞きの悪い……過程はどうあれ先生はあなた方の実力をテストさせてもらっているだけです。テストを受けたらすぐに答え合わせをし、問題点を見つけ次に活かす……勉強とはそういうものですよ?」

魔族少女「そういうものなのかな……?」


院長「では早速……少年魔法使い君、あなたの魔法は見事です。この歳でそれだけの魔法を扱える子は中々いないでしょう」

少年魔法使い「あ、ありがとうございます……」

院長「ですが、魔法の発動までに時間がかかり過ぎです。それでは実戦でまったく使えません。勉強のし過ぎで実技が全然できないこのパターンですね。先生心配です」

少年魔法使い「僕の魔法が……使い物……にならない……」ズーン

院長「続いて侍少女ちゃん、先生の初撃を避ける戦闘センスには先生も驚きました。先生、はなまるあげちゃいます」

侍少女「め、珍しく褒められたでござる!!」

院長「ただ」

院長「その抜けない剣……確か『刀』と言いましたか? それにいつまでこだわっているというのです?」

侍少女「で、でもこれは父上が遺してくれた大切な……」

院長「使えない武器など捨てなさい。あなたが一番に守らなければならないのは過去ではなく自分の命です」

侍少女「うう……」

院長「魔族少女ちゃん、確かにあなたの回復魔法は珍しく、優秀です」

魔族少女「そんな、私はただ……」

院長「ですが、あなたの真の良いところはそこではありません。後ろで震えているくらいなら戦わなくてよろしい。さっさと逃げることをおすすめします」

魔族少女「………はい」






悪ガキ「なに勝手に終わらせようとしてんだよ……まだ終わってねぇぞ!!」ダッ


魔族少女「悪ガキくん! もう動いちゃダメだよ!!」

悪ガキ「うるせぇ! 俺はまだ戦えるんだ! むしろこっからが本番だってーの!!」

院長「最後に……悪ガキくんですか……」

悪ガキ「くらえ! 俺の渾身の一撃!!」ブンッ

院長「まず、戦闘面に関してですが無駄な動きが多すぎます」ヒラッ

悪ガキ「このっ!!」ブンッ

院長「最後まで向かってくる精神力は評価しなくもないのですが……」ヒラッ

悪ガキ「まだまだ!!」ブンッ

院長「それは勇気ではなくただの無謀です。褒められたものではありません」フゥ

悪ガキ「ふざけんな!!」グワッ

院長「ふざけてません」ヒュンッ

悪ガキ「消え……!?」

院長「後ろです」ニコッ

悪ガキ「くっ……!!」

院長「えい☆」ヒュゴォォォォ

悪ガキ「うわぁぁぁぁぁ!!!」ヒューン

魔族少女「悪ガキくん!!」

悪ガキ「……ぐはっ!」

院長「先生が話している最中は大人しく聞きましょう。次からは気をつけるように」ニコッ


悪ガキ「まだだ……まだ俺は……!!」

院長「そして……悪ガキくん……この際ですからはっきりと言いましょう」

院長「残念ながらあなたでは勇者になることは無理です……」

魔族少女「先生!? なんで悪ガキくんにそんな酷いことを言うんですか!?」

院長「いずれ分かることです。誰かが言わなければなりません」

悪ガキ「………先生まで俺にそんなこと言うのかよ……」ギリッ

院長「あなたには勇者になるだけの資質が無いのです……残念ながら」

悪ガキ「そんなもの! 努力でなんとかすれば……!!」

院長「現段階で!」

悪ガキ「……」ビクッ

院長「あなたは戦闘のセンスでは侍少女ちゃん、魔力では少年魔法使いくん、後方支援能力では魔族少女ちゃんに劣っています」

悪ガキ「……劣っている……だと……」ギリッ

院長「そんなあなたが勇者になれると本気で思っているのですか?」

悪ガキ「………!!!」


院長「そして、そんなあなたを勇者にしたいと、世界を託したいと誰が思うでしょうか?」

悪ガキ「だから努力すれば……!!」

院長「あなたの努力した結果が今のこの有様です」

悪ガキ「!!!」

院長「四人がかりで私に手も足も出ない……それがあなたの努力の成果なんです」

悪ガキ「……ち、違う……」

院長「そんなあなたがどうやって世界を救うというのですか? 」

悪ガキ「俺は勇者になるんだ!」

院長「勇者になることはそんな甘いものではないのです!」

悪ガキ「とーちゃんと約束したんだ! 勇者になるって! あんな腰抜けでいつもヘラヘラしてるような奴とは違う、本物の勇者に俺はなるんだよ!!」

院長「今……なんと言いましたか?」


悪ガキ「腰抜けって言ったんだよ!! 大体おかしいじゃんか! あんな腰抜けに勇者が出来て俺にできないはずない!! あいつでも救える世界だったんだろ? だったら俺なんか片手間で救ってやるってーの!!」



バシン!!



悪ガキ「……あ……」ヒリヒリ

魔族少女「先生が……叩いた」

侍少女「いつものゲンコツじゃないでござる」

院長「あなたは……本気でそう思っているのですか……?」フルフル

悪ガキ「先生……?」

院長「勇者さんが腰抜けだと……勇者さんが片手間で世界を救ったと……本気で思っているのですか!?」

悪ガキ「なんだよ……先生まであいつを庇うのかよ……!!腰抜けだろ! あんな奴!!」

院長「勇者さんは腰抜けなんかじゃありません! 勇者さんがどれだけの犠牲を払ってこの世界を……!!」







勇者「ん? 俺のこと呼んだ?」ヘラヘラ

幼女「ただいま、センセ!」


院長「勇者さん……」

悪ガキ「勇者……!!」

勇者「げっ、なにこの惨状!? さっきの爆発音ってこれ?」

幼女「みんな……大丈……夫!?」ハラハラ

魔族少女「うん、大丈夫だよ幼女ちゃん」

侍少女「拙者も大丈夫でござるよ」イテテ

少年魔法使い「使い物に……ならない……」ズーン

侍少女「あああ!! いつまで落ち込んでるんでござるか!」バシッ

少年魔法使い「べ、別に落ち込んでなどいない!」

幼女「センセと喧嘩した……の?」

勇者「いやこれ、喧嘩って規模じゃないだろ……」

院長「まぁ、そんなところです」

勇者「そうなの!?」


院長「この子たちが外に出たいと言うので、どうしても出たかったら私の屍を越えていきなさい! といった感じでですね……」

勇者「おいおい……子供相手に何考えてんだお前は……」

院長「あら、少なくとも悪ガキくんは私に勝つ気だったみたいですよ?」

勇者「それでこのざまって訳か……なんだカッコ悪りぃなぁ、悪ガキ」ニヤニヤ

悪ガキ「……うるせぇよ……」グスッ

勇者「お? もしかして泣いてんのか?」

悪ガキ「泣いてなんかない!!」

勇者「あいつに勝つのは無理だって。俺だって多分勝てねぇもん」

院長「なに言ってるんですか!? 勇者さん! そんなことないですよ!?」

勇者「いやいや、これは冗談抜きで本当だって。だって俺は税金暮らしのニートですよ? お前の動きにはついていけねぇよ。現役時代でも辛うじて見えるか見えないかって感じだったんだぜ? 今じゃ絶対無理だって!」

院長「もう! 勇者さんまで人を化け物扱いして!!」プンプン


勇者「もう化け物みたいなもんだろ?」

院長「違います! 私はただの孤児院の院長です!」


ギャーギャー


悪ガキ「………だよ」

勇者「どうした悪ガキ? 腹でも痛いのか?」

悪ガキ「なんでそんな簡単に『勝てない』って言っちゃうんだよ……!!」

勇者「………」

悪ガキ「あんた勇者なんだろ!? 世界を救った英雄なんだろ!? なんでそんな簡単に負けを認めちゃうんだよ!?」

勇者「んなこと言ってもなぁ……」アハハ

悪ガキ「勇者って強いんじゃなかったのかよ! 魔王を倒したってのは嘘だったのか!?」

勇者「嘘ではないけどさ……なんて説明すればいいんだ? この場合……」ウーン


悪ガキ「俺はお前みたいな腰抜けが勇者だなんて認めない! 俺がお前の代わりに本物の勇者になってやるんだ!!」

勇者の「……お前も勇者になりたいのか?」

悪ガキ「そうだ! それが俺ととーちゃんの約束だから!! あんたより強くて立派な勇者に俺はなるんだよ!!」

勇者「その有様でカッコつけられてもなぁ……」ケラケラ

悪ガキ「う、うるさい!!」

勇者「いやぁ……でも……」

悪ガキ「なんだよ!? あんたも俺には無理だって言うのか!?」

勇者「俺も『あの事件』以降考えるようになったことだからさ、あんまり自信ないんだけどよ……」




勇者「……そもそも必要か? 勇者って?」



といったところで今日の投下は以上です!

次の投下予定は明後日です! よろしくお願いします!

それでは今日もお付き合いくださり本当にありがとうございました!

次回もよろしくお願いします!!

こんばんは、今日も投下していきたいと思います!

よろしくお願いします!!


院長「勇者さん……」

幼女「ユーシャ……」

悪ガキ「ど、どういう意味だよ! 勇者がいらないって!!」

勇者「じゃあ聞くけど、お前は勇者になって誰と戦うって言うんだよ?」

悪ガキ「それは……悪い奴に決まってるだろ!」

勇者「だったら騎士団に入ればいいんじゃね?」

悪ガキ「それは……そうかもしれないけど……」

勇者「折角魔王がいない世界になったのによ……なんか違うっていうか……あれ? 俺間違ってる?」


悪ガキ「そんなこと言って誤魔化したって無駄だぞ!!」

勇者「誤魔化してるつもりなんかないんだけど……」

悪ガキ「誤魔化してるだろ! そうやって俺に勇者になるのを諦めさせようって魂胆なんだ!」

勇者「そんなんじゃねぇって。ただ、俺はもうこれ以上、勇者なんて存在、生まれない方がいいんじゃないかなぁって思ってるだけで……」

悪ガキ「……どうせ支給金とかが減るとかって考えてるんだろ! わかってるんだぞ!?」

勇者「ああ、その発想は無かった!」


悪ガキ「―――――!!! くそ……皆して俺のこと馬鹿にしやがって!! 俺は兄ちゃんなんかと違って誰にも負けない強い勇者になるんだからな!!」

勇者「おいおい……流石にニートの勇者さんも、お前みたいな子供に負けるわけにはいきませんよ?」

悪ガキ「……俺に蹴られて悶絶してたくせに!!」

勇者「してねぇっつーの!!」

少年魔法使い「いや、してたな」

侍少女「してたでござる」

院長「してましたね……」フフッ

魔族少女「アハハ……」

幼女「ユーシャ……」

勇者「や、やめろ幼女! そんな哀れむような目で俺を見るな!」


悪ガキ「……ってたのに……」グスッ

勇者「お? どうした?」

悪ガキ「ずっと憧れてたのに!! 兄ちゃんのバカヤロぉぉぉぉ!!!」


パチコォォォン!!


勇者「はびょわ!!」ズターン

幼女「ユーシャ!!」

院長「悪ガキくん、なんてことを!! 謝りなさい!!」

悪ガキ「うるさいうるさい!! 兄ちゃんなんか嫌いだ! 先生なんか嫌いだ!! みんな大っ嫌いだぁぁぁ!!」ダッ




勇者「あ、おい!!」

院長「悪ガキくん! 戻りなさい! どこへ行くつもりですか!!」

悪ガキ「そんなのどこだっていいだろ!!」

院長「待ちなさい! 悪ガキくん!!」


侍少女「放っておくでござるよ、先生」

院長「ですが……・!!」

少年魔法使い「俺も放っておいた方がいいと思います、今適当に慰められても傷つくだけでしょうし」

院長「そうでしょうか……?」

幼女「…………」コォォォォ

魔族少女「幼女ちゃん? なにしてるの?」

幼女「……やつに制裁を……加え……ます!!」コォォォォォ

魔族少女「え!?」

勇者「おい……幼女、やめとけよ……いくらなんでもあいつ子供だぞ……?」

幼女「むぃぃぃぃぃぃ………!!!!」ゴゴゴゴゴ

少年魔法使い「なんだこの魔力は……昼間の時よりも遥かに大きい……」

勇者「おい、幼女!」

幼女「ユーシャは黙って……て!!」

勇者「いやでも!!」

幼女「黙ってて!!」

勇者「……はい」


侍少女「どんだけ立場弱いんでござるか……」ハァ

幼女「もう……絶対許さない……んだから!!」




悪ガキ「くそ! くそ! くそぉぉぉ!! 俺は! 俺は勇者になるんだ! 絶対になるんだ!! 無理なんかじゃないんだ!! 絶対に俺が……!!!」ダダダダダダダ




幼女「むい!!」カッ


悪ガキ「え?」クルッ


ドッカァァァァァァン!!!



悪ガキ「んぎゃぁぁぁぁあああああ!!!」

魔族少女「悪ガキくぅぅぅぅん!!」

侍少女「今日何度目でござるかぁぁぁああ!?」

勇者「おいぃぃぃ!! 手加減しろって言っただろうがぁぁぁあああ!!!」

幼女「むふぅ……」

勇者「なにしてくれてんだよ、幼女!! やっちゃたよ、これ完全に何一つ残らないパターンだよ! お前マジで悪ガキ殺す気か!?」

幼女「奴は重罪を犯しました……それも……やむなしでござん……す!」フッ

勇者「馬鹿なの!? お前馬鹿なの!?」


幼女「……馬鹿じゃない……もん!!」

勇者「どうすんだよ、おい! 取り返しのつかないことやっちゃったよ! なに? 俺の教育方針のせい? あれ、俺どうしたらいいかわかんない!!」

院長「落ち着いてください! 勇者さん! 悪ガキ君なら大丈夫ですから!!」

勇者「大丈夫なわけないでしょうが! 龍族のブレスなめんなよ! こいつうちに来てから山二つほど消し飛ばしてんだぞ!!」

侍少女「山二つって……」

院長「よく見てください、悪ガキ君ならあそこに」スッ


悪ガキ「………」ピクピク




勇者「あ……生きてる……よかった……」ヘタッ



院長「………魔族少女ちゃん。すぐに回復魔法を」

魔族少女「は、はい!!」ダッ

幼女「……惜しかった」チッ

勇者「惜しかったじゃねぇだろ……!!」グニー

幼女「ゆ、フューヒャ……いふぁいよ……」ビヨンビヨン

勇者「人前でブレス使っちゃダメだって教えたよな?」グニー

幼女「でもあいつ……ユーシャ、殴った!!」

勇者「それでも今のはやり過ぎだ。子供の喧嘩に最終兵器を持ち出す馬鹿がどこにいる?」

幼女「悪いことしたの……あいつ……だよ!?」

勇者「それでもです! 次からはしないように! わかったか?」

幼女「むぅ……ごめんな……さい」シューン


勇者(それにしてもあいつもよくあれ食らって生きてるよなぁ……)

侍少女「いやー、ド派手な技でござったなぁ……」

勇者「ったく……」

侍少女「でも見た目ほど威力が無いんでござるね? 幼女殿のブレスは」

勇者「え? なんだって?」

少年魔法使い「ああ、確かに……あれだけの魔力反応の割には……威力が無い気がするな」

勇者「おい、ちょっと待て……そりゃどういうことだ? 幼女のブレスが弱い?」

侍少女「? だってそうでござろう? 悪ガキ殿はあのブレスを昼間も散々受け続けてたでござるよ?」

少年魔法使い「それこそ勇者様を馬鹿にする度に」

勇者「………幼女、お前、手加減は……するわけないよな?」アハハ

幼女「……ヨージョは常に全力なの……です!!」ムイッ

勇者「………」

幼女「でも……あいつ何度も立ち上がってくる……不思議……だからヨージョもつい……」エヘヘ

勇者「……とりあえずお前は今からしばらくブレス禁止」

幼女「なぜなの……です!?」ガビーン


勇者「当たり前だ! そんなにポンポン最終兵器撃つもんじゃありません! 俺がいいって言うまで絶対に使うなよ!?」

幼女「それは……フリというやつです……か?」

勇者「フリじゃありません! 使ったらチャーハン抜きの刑に処します!」

幼女「そ、そん……にゃ……」ガクーン

侍少女「そこまででござるか!?」

勇者「まったく……」





魔族少女「悪ガキくん、しっかりして!!」パァァァ

勇者「ああごめんな、幼女が勝手に暴走しちゃって……」

院長「いえ、気を失っているだけですから気にしないでください」

勇者「気を失ってるだけ? マジか?」

院長「ええ、そうですけど……

勇者「………」

院長「勇者様?」

勇者「あ、いやなんでもない」

院長「しかし驚きました……悪ガキくんがまさかあそこまで勇者さんに対して感情をむき出しにするなんて ……」

勇者「うーん、やっぱりなんか俺、あいつの癇に障ること言っちゃったみたいだな……」

少年魔法使い「少なくとも傷口に塩を塗りたくってましたね」

勇者「あー、やっぱり?」


侍少女「先生に『勇者になるなんて無理!』なんて言われたら後でござったからなぁ……」

勇者「なんだお前? そんなこと言ったのか?」

院長「はい……いずれ分かることですから……知るなら早いほうがいいかと思いまして……」

勇者「ああ、そういう教育方針なの?」

院長「……と言いますと?」

勇者「ほら、獅子は子供を谷に突き落としてパーリナイ!! みたいなやつ」

少年魔法使い「いや、全く意味がわかりませんけど……」

幼女「パーリナイ!!」ビシッ

侍少女「幼女殿も乗っちゃダメでござる!」

幼女「パーリナイ!!」

勇者「ま、そういうことなら別にいいけどな……悪い、院長。悪ガキのこと頼むな。こいつには明日ちゃんと謝りに行かせるから」


幼女「ヨージョ、謝らないよ!!」

勇者「ダメです。ちゃんと謝りなさい」

幼女「絶対嫌だから……ね!」

勇者「じゃあ、二度とチャーハン作ってやらない」

幼女「ぐぬぬぬ……」

勇者「というわけだから、悪いけど先に部屋に戻って休んでるな。こいつも多分今までにないくらい夜更かしして変なテンションになっちまってるみたいだから早く寝かせないと……」

院長「はい、わかりました。おやすみなさい。勇者さん」

勇者「ああ、おやすみ。ほら、行くぞ幼女」

幼女「絶対謝らない……からね! ヨージョ悪くないもん!!」

勇者「ダメです。ちゃんと謝りなさい」

幼女「むぅぅぅ」プクー


幼女のテンションが変な感じになったところで今日の投下は以上です


次の投下は明後日を予定しています!

今後、投下時間が前後してしまう場合がありますが、投下予定日には必ず投下したいと思っていますのでよろしくお願いします。


それでは今日もお付き合いくださり、ありがとうございました!!

こんばんは、遅くなりましたが今日も投下していきます。

よろしくお願いします!


――海岸近くのキャンプ――


剣士「助手さん……どうしてここに?」

助手「もう剣士様、いい加減ちゃんと戦えるところ見せないとまたあの子に笑われますよ?」

剣士「うぐっ……それを言わないでください……気にしてるんです……」

賢者「ちょ、ちょっと!? どうなってんのよ!? 私の魔法は確かに直撃したはずでしょ!? なんで生きてんの!?」

呪術士「……僕の呪いも確かに機能してるはずです!」

助手「過程から物事を見て結果を否定する前にやるべきことがあるでしょ? まずは観察、そして仮説を立て、実験に移る……それぐらい魔を極めようっていう人間なら当然のことだと思うけど?」

賢者「私の魔法が撃ち負けるなんて……そんなことありえないわ!!」

助手「ありえない……? 誰が決めたのかしら?」フフッ


賢者「この……!! ならこれでどう?」コォォォォ

賢者「豪炎魔法!!」

ゴォォォォォ!!!

助手「……剣士様、動けますか?」ヒソッ

剣士「すみません。この魔法のようなもののせいで上手く動けないんです……」グイグイ

助手「もう! それ位自分でなんとか外せないんですか?」

剣士「……自分は魔法耐性が無くて……面目ない……」

助手「しょうがないな……あんまりポンポン使いたくないんだけど……」

賢者「なにをごちゃごちゃと!! 剣士様共々焼け死になさい!!」



助手「……お願い」スッ


バチィィィィィン!!


賢者「なっ!?」

助手「あら思ったより簡単に消えてくれたみたいね。あの子に比べたら魔力の練り方が甘いのかしら?」

賢者「さっきからあんたなんなのよ!?」



戦士「うぉぉぉぉぉ!!!」ダッ

賢者「戦士!?」

戦士「へへへ……やっぱり生きてたな! 嬉しいぜ剣士ぃ!!!」

賢者「待ちなさい! なにが起こってるのかまだわからってないのに……突っ込んだら危険よ!」

戦士「うるせぇ! なにが待ち構えていようが突っ込んでぶった切るだけだ!!」ダダダダダ

賢者「あの馬鹿筋肉!!」



戦士「うぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」バッ


助手「……お願い」ズォッ


戦士「剣士ぃぃぃぃぃぃぃ!!!」


ガキィィィィン!!


戦士「なにぃ!?」

剣士「戦士の大剣が空中で止まった!?」

呪術士「どうなってるんですかぁ!?」

助手「……やりなさい!!」バッ


バァァァアアアン!!


戦士「ぐぁぁぁぁぁ!!!」

賢者「戦士!!」


助手「あー、しんど……でもまぁ、こんなものかしらね」

剣士「君は一体何者なんだ……?」

助手「あら、今更ですか? 剣士様?」

助手「私はただのしがない助手ですよ?」フフッ

助手「……中々、この台詞癖になるわね……!!」


呪術士「『停滞』!!」


助手「!!!」ズズズズ

呪術士「ふふ……油断しましたね!! なにをやってるのかはわかりませんが、あなたの動きを止めてしまえば、さっきの妙な技も使えないでしょう?!」

剣士「しまった! あの子、私と同じ呪文を……!!」


呪術士「さらに……!!」ズォッ

助手「……くっ」ギリギリ

呪術士「あなたはなにをするかわかりませんからね! 全身を拘束させてもらいますよ!!」

呪術士「どうです? 僕の完璧な呪いの力は!?」

助手「……60点」

呪術士「なんですって!?」

助手「60点よ、その考察は」

呪術士「完璧な僕に対して……60点ですって!?」

助手「ちゃんと観察しなさい。手足よりも先に私の口を塞いでおけば勝てたのに……」

助手「あなたの完璧……ちょっと欠陥が多すぎるわね」

呪術士「くっ!! なら!!」

助手「もう遅いわ……お願い」


パリィィィン!!!


呪術士「そんな! 僕の呪いが……!!」


助手「もう少しマシなものはないの?」

呪術士「嘘だ……」

助手「ああ……ついでに剣士様もお願いね」


パリィィィン!!


剣士「……すまない、ありがとう」

助手「貸しですからね、王都に戻ったら返してもらいます」フフッ






呪術士「この……!! よくも僕の芸術を!!」

助手「まぁ、原理は同じ様なものだからねぇ、『呪い』も私の『本業』も」

呪術士「ならばこれはどうです!?」ズォッ

呪術士「『悶え苦しめ』!!」ズズズ……

助手「だから無駄だって」パキィィン

呪術士「ぬぁ!?」

助手「あんたみたいに大した覚悟も無い人間が興味本位で突っ込んでいい世界じゃないのよ……わかったら呪いなんて怪しいもの、さっさと手放しなさい? 取り返しがつかなくなるわよ?」

呪術士「上から目線でごちゃごちゃと……そういうのが一番ムカつくんですよ!」

助手「……そう、一応警告はしたからね」



助手「それはそうと……商人貴族さん」

商人貴族「お世話になっています、助手様。お会いしたのは先日の英霊祭の時以来でしょうか? 相変わらずお美しい……」

助手「くだらないお世辞はいいわ。どうせ誰にでも言ってるんでしょう?」

商人貴族「いえ、決してそのようなことは……」フフッ

助手「……随分と好き勝手やってくれてるみたいじゃない、商人貴族さん。あんたの身勝手にうちの所長も随分とご立腹よ?」

商人貴族「おかしいですね、私は王立研究所とは随分と懇意にさせてもらっているはずですが……感謝はされても怒られる理由はまったくおもいあたりません」

助手「とぼけないで、あんたが狙っているのは妖精……そうでしょ?」

剣士「妖精!?」

商人貴族「なんのことやら私にはさっぱりですねぇ……」

助手「勇者様との会話は全て聞かせてもらったわ」

商人貴族「妙ですね……あの時私は他に人がいないか十分に警戒してから勇者様に近づいたはずですが……」


助手「認識できなかっただけでしょう、ほら、私ってあくまで助手だから……影が薄いのよ」

商人貴族「……今はあなた方にお話することはありません。私はただ、自らの利益を最優先しているだけですから」

助手「……『妖精』がこの世界にどんな影響を与えるかくらいわかってるはず……あんた、戦争でも起こす気?」

商人貴族「まさか! そんなことありえません。私は商人。戦争屋ではありませんよ」フフッ

助手「あれを世に放ったらどうなるかくらい、あなた理解してるでしょう!?」

商人貴族「世界が2つに分断される。『妖精を持っている者』と『そうでない者』に……」

助手「そこまでわかっていながら何故!?」

商人貴族「何故? 単純です。私は商人だ。商人は商品を売るだけです。代価をいただいた後のことなんて知りませんよ。」

助手「あんたみたいな奴がいるから……!!」

商人貴族「これが私の生き方です。変えるつもりなど無い」


助手「なら……ここで……!!」ズズズズ

商人貴族「おや、それ以上『それ』を使っていいのですか? いくら満月の夜でもあなたの体はもう限界ではあるませんか?」

助手「それでもいいわ。あんたをこのまま野放しにしておけない……あの子が必死で掴んだ世界だもの!!」グッ

商人貴族「その覚悟大いに結構。ですがそろそろお時間です」


シュンッ!!


助手「なにを言っ……」ドサッ

暗殺者「………」シュタッ


剣士「助手さん!」

商人貴族「よくやりました。暗殺者さん。こちらの要求通り、実に素晴らしい」

剣士「この……!!」チャキッ

商人貴族「さて、剣士さん……そろそろお引き取りを願えますか?」

剣士「お前の目的はなんだ!? 妖精にはどんな力がある!?」

商人貴族「それは教えられませんね……賢者さん」

賢者「は、はい!!」

商人貴族「もう十分です。この人たちをどこか遠いところへ……そうですねぇ、しばらくここに戻ってこれないように北にでも飛ばしてください。できますね?」

賢者「も、もちろんです!」

剣士「くそっ……」シュンッ

呪術士「……『跪け』」グワン

剣士「がっ……」ベシャッ


呪術士「逃がしませんよ……ここで逃げられれば僕の誇りに傷がつく!!」ググッ

剣士「くぅ……!!」

賢者「強制転移魔法展開……座標を北に……!!」シュンシュンシュンッ

剣士「お前がやろうとしていることは戦争を煽動する行為だ……騎士団として、お前を放ってはおけない!!」グググッ

商人貴族「騎士団として? ふふふ……はっはっはっはっは!!」

剣士「なにがおかしい!」

商人貴族「いえ、これは失礼……あなたも彼の脚本通りに動いている役者だと思うと滑稽でして……」

剣士「なんの話だ!」

商人貴族「あなたは知らなくていいことです。防寒装備は持っていますか? 北はとても寒い。なんならお売りしますが?」

剣士「ふざけたことを……!!」

商人貴族「賢者さん。やりなさい」

賢者「強制転移魔法……発動!!」



カッ


商人貴族「御機嫌よう……剣士様」フフフッ

といったところで今日の投下は以上です


最近中々筆が進まない……


次回の投下は明後日の夜です!

それでは今日もお付き合いくださり、ありがとうございました!!

こんばんは、遅くなりましたが投下してきます

今日はちょっと短いですがよろしくお願いします!


これまでの冒険を記録しますか?

はい
→いいえ


えー、本当にいいの? 

→はい
 いいえ

夜が明けたらもう記録できなくなっちゃうよ……本当に大丈夫?

→はい
 いいえ



後悔しない?

→はい
 いいえ

本当に?

→はい
 いいえ




男「もう、かたくななんだからぁ♪」

女「誰と話してんのよ」スパーン

男「………ちょっと最終確認をしとかないと不公平かなと思って」フフッ

女「はぁ?」

男「ほら、夜が明けるよ」フフフ

女「なによ、気持ち悪いわね……」


――役所――


受付「おはようございまーす!」

同僚「おはよう……」

受付「あれ? どうしたんですか? 元気無いですね?」

同僚「……仕事が終わんなかったのよ……徹夜よ、徹夜……」ボロッ

受付「それは大変ですね」

同僚「1人困ったのがいるせいでね……」

受付「ああ、彼ですか」


同僚「本人に悪気が無いから余計に……」




「あなた! 離れの村に奴隷を所持している人間がいると情報がありました! すぐに行きますよ!!」

「いや、俺まだ昨日の分の仕事が……」

「徹底的に付き合うと言ったのはあなたです! そんなものは後にしなさい!」

「いやちょっと!?」





同僚「……1人働けないのは別にいいんだけど、あれを見せられる他の人間がね……」

受付「仕事に身が入らないというわけですね」

同僚「みんな死んだ目をしてるんだもの……仕事にならないわよ」

受付「それは災難です」


同僚「色々あっただけにこっちも口出しし辛いし……」

受付「詳しくは番外編『山賊とお嬢様』を見てね! 無駄に長いよ!」

同僚「何の話?」

受付「企業秘密です」

同僚「なにそれ?……あー、私も恋愛したいなー……」

受付「私たちにそんな時間、どこにあるんだって話ですけどね」

同僚「うう……私だってそろそろ余裕無くなってくる年頃なのよ……お母さんもそろそろ結婚しなさいってうるさいし……でもお見合いとかは違うじゃない?」ハァ

受付「アハハ……」

同僚「そういえば……あんたっていくつなの?」

受付「えっと……それも企業秘密です」

同僚「なによそれ!?」

受付「まぁまぁ、いいじゃないですか。そんなことより、私コーヒー入れてきますね!」

同僚「コーヒーなんかより恋人が欲しいわよ!!」ギャース


受付「そんなこと言わずに……ほら、苦~いコーヒー飲んで色々とリセットしましょ?」

同僚「……朝から口が甘ったるくてしょうがなかったし……お願いできる?」

受付「……思えば私、初めて受付っぽい仕事してませんか?」

同僚「そう……だっけ?」

受付「まぁ、いいです。マグカップ借りますね……ってあれ?」

同僚「……どうかした?」

受付「私のマグカップにヒビが入っちゃってます……」

同僚「……なんか不吉ね」

受付「このカップ気に入ってたのになぁ……」

同僚「ああもう!! 朝っぱらから暗くなるわね!!」

受付「そうですねぇ……なんか嫌な感じです」


同僚「くぅ……神様にまで馬鹿にされてる気分だわ……」

受付「アハハ……まぁ、こういう日もありますって」

同僚「あー、私の前に金持ちでイケメンの白馬の王子様が現れたりしないかなぁ……」

受付(仮面つけた王女様ならここにいるけどね……)
フフッ

同僚「なに笑ってるのよ?」

受付「いえ、なんでもありません。コーヒー入れてきまーす」

同僚「お願いね」





といったところで今日の投下は以上です


次の投下予定は明日の夜です

今日もお付き合いくださりありがとうございました!

>>252 変換されて無かった……


男「もう、かたくななんだからぁ♪」→×

男「もう、頑ななんだからぁ♪」→○


でした。すみません

こんばんは、今日も投下していきたいと思います

短いですが少しの間だけお付き合いください!

よろしくお願いします!!



――秘密基地――



魔族少女「あ、やっぱりここにいたんだ」

悪ガキ「………」

魔族少女「もう、探したんだよ? 朝起きたらベッドにいないんだもん」

悪ガキ「………」フイッ

魔族少女「先生も悪ガキくんのこと心配してるか……さ、帰ろ?」

悪ガキ「………」

魔族少女「えっと……なにか喋ってほしいなーって……」アハハ

悪ガキ「………」

魔族少女「怪我……大丈夫?」

悪ガキ「………」

魔族少女「い、痛いならさ、回復魔法、使おうか?」

悪ガキ「……いらない」


魔族少女「……じゃ、じゃあ、そろそろみんなのところに帰ろうか、お腹すいてるでしょ? 今日の朝ごはんは私も手伝ったんだ。帰ってみんなで食べよう?」

悪ガキ「……嫌だ」

魔族少女「い、嫌だって……どうしてかな?」

悪ガキ「……お前らなんかみんな嫌いだ」

魔族少女「悪ガキくん……」

悪ガキ「どうせ俺のこと影で馬鹿にしてたんだろ?」

魔族少女「そんなこと思ってないよ!」

悪ガキ「嘘だ! 馬鹿にしてたに決まってる!! お前らも先生と同じこと前から思ってたんだろ!!」

魔族少女「違うよ! ほ、ほら! 先生だってきっとなにか考えがあるんだって。嫌だな、先生が理由もなくあんなひどいことを言う人じゃないってことくらい、悪ガキくんだってわかってるはずでしょ?」アハハ

悪ガキ「そんなのわかんねぇよ!!」

魔族少女「悪ガキくん……」


悪ガキ「俺……とーちゃんと約束したんだ……勇者になるって」

魔族少女「え?」

悪ガキ「大きくなったら勇者になるって……勇者になってとーちゃんと一緒に世界のために戦うって約束したんだ!! ……だから俺は……勇者に憧れて……なのに……」グスッ

魔族少女「だったら簡単に諦めちゃダメだよ! 悪ガキくん、昨日私に言ってくれたじゃない。『誰も悲しまない、優しい世界を作る』って! だからさ……」

悪ガキ「うるさいうるさい!! どうせ俺には無理なんだろ! そうなんだろ!?」

魔族少女「だからそんなことないってば!」

悪ガキ「だったらなんでだよ……? なんで俺だけ……俺だけ才能……無いって……」

悪ガキ「お前らと違って俺だけ才能無いって……努力しても無駄だって……言われるんだよ……?」グスッ

悪ガキ「先生にも……妖精のおっさんにも……幼女にも無理だって言われてさ……」

悪ガキ「なんだよ……力が無いやつは夢も見ちゃいけねぇのかよ……努力しちゃいけねぇのかよ……!!」ググッ

悪ガキ「なんでダメなんだよ……!!」ウツムキ


魔族少女「あ、あはは……考えすぎだよ、悪ガキくん! 誰もそんなこと思ってないって! もちろん私も悪ガキくんがきっと勇者になるって信じてるから! だからほら……」アハハ

悪ガキ「……もういい」

魔族少女「もういいって……どういうことかな」

悪ガキ「そんな目で俺を見るな。お前のそういうところがイライラするんだ……」ギンッ

魔族少女「悪ガキくん……?」

悪ガキ「わかってるような振りして、優しいような振りして、そうやって俺のこと下に見てるんだろ?」

魔族少女「え?」

悪ガキ「いいよなぁ……お前は回復魔法なんて珍しい魔法が使えて! それだけでお前は『価値がある』んだ! 俺みたいな雑草とは違うんだよな!!」

魔族少女「ど、どうしちゃったの悪ガキくん? 昨日からなんかおかしいよ? 体調悪いのかな?」アハハ

悪ガキ「そうやって愛想笑い貼り付けて本心隠して……自分は高みの見物のつもりかよ?」

魔族少女「おかしいよ……こんなこと言うなんて全然悪ガキくんらしくないよ……」アハハ


悪ガキ「おかしくなんかない……これが俺の本心だよ! お前らなんか大っきらいだっていうこの気持ちが俺の本心なんだ!!」

魔族少女「嘘だよ……悪ガキくんはそんな人じゃない……ちょっと色々あってイライラしてるだけだよね? そうだよね?」アハハ



悪ガキ「ヘラヘラ笑うな、気持ちわるいんだよ。魔族のくせに」



魔族少女「!!!」

悪ガキ「『魔族』のお前が……『価値のある』お前が……『価値の無い』『人間』の俺のなにがわかるって言うんだよ?」


魔族少女「……私は悪ガキくんを『価値がない』なんて思ったことなんかないよ……本当だよ?」ウツムキ

悪ガキ「もういいよ……お前の顔なんて見たくもない……!!」ザッ

魔族少女「どこ行くの悪ガキくん!」

悪ガキ「うるさいな!! どこだっていいだろ!!!」ザッザッザッザッザ

魔族少女「待って! だったら私も……」

悪ガキ「言っただろ! お前の顔なんて見たくもないんだよ! ついてくんな!!」ザッザッザッザッザ





魔族少女「悪ガキくん……」






―――――




院長「……はぁ」

幼女「どうした……の? センセ!」

院長「ああ、幼女ちゃん。おはようございます」

幼女「おはようございま……す!」ガルーン

院長「うん、元気があってよろしい!」

幼女「センセは元気……ない?」


院長「そんなことないですよ? 先生はいつでも元気いっぱいです!」

幼女「でもセンセ、お金もらいに行く時のユーシャと同じ顔して……る」

院長「それはどういうことなのかしら……?」アハハ

幼女「わかんない!」ムイッ

院長「ところで幼女ちゃん。なにか私に用事ですか?」

幼女「……あいつを……探してるのです……早く用事を終わらせないといけないの……に」ムゥゥゥ

院長(苦虫を噛み潰すってこんな顔のことをいうのですね……)アハハ

院長「あいつって悪ガキくんのことかしら?」

幼女「そう」クワッ

院長「幼女ちゃん、そんな顔しちゃダメよ?」


幼女「むぅぅぅ……」クワッ

院長「悪ガキくんはちょっと今いないのよ」

幼女「いな……い?」

院長「ええ、起きたらすぐにベッドから抜け出しちゃったみたいでね……先生も今探しているところなの」

幼女「どこまで……どこまで邪魔する気……なの……」ンギギギギ

院長「だからごめんなさい。もうちょっと待っててくれる?」

幼女「いい……自分で探……す! センセがそこまでやる必要……ない!」

院長「手伝ってくれるってこと?」

幼女「あいつのためじゃない……チャーハンのため!」

院長「チャーハン?」


幼女「あいつに謝るまで……チャーハン禁止……なの」

院長「よくわからないんだけど、それは幼女ちゃんにとってとっても大変なことなのね」

幼女「死ぬよりも辛い」

院長「そこまで……」

幼女「それに……みんなにも手伝って欲しいこと……あるから……ついで!」

院長「もうみんなとお友達になってくれたのね。ありがとう。幼女ちゃん」

幼女「いいってこと……よ!」

院長「こら! そんな野蛮な言葉を使ってはいけません。ありがとうと言われたら『どういたしまして』って返すんですよ?」

幼女「どう……いたしまして!」

院長「よくできました」ナデナデ

幼女「えへへ……」




院長「ねぇ、幼女ちゃん」

幼女「なーに?」

院長「勇者さんとの生活は楽しいですか?」

幼女「楽しい……よ! ユーシャ、優しくてあったかい!」

幼女「時々、カッコ悪い……けどね」ボソッ

院長「そう」クスクス

幼女「センセはみんなといるの楽しくない……の?」

院長「そんなことないです!! 私はみんなのことが大好きだし、毎日とても充実してて楽しいですよ。でもね……」

幼女「でも?」

院長「……時々わからなくなってしまうんです」

幼女「むい?」

院長「私は本当にあの子たちの先生でいていいのでしょうか?」

といったところで今日の投下は以上です


………これ、本当に収拾つくのかな? 自信なくなってきた……


次の投下は明後日の夜を予定しています

それでは今日もありがとうございました!!

こんばんは、今日も短い時間ではありますが投下していきたいと思います!

よろしくお願いします!


院長「いくらあの子たちの前で先生の振りをしたって私はあの子たちになにも教えてあげられない」

幼女「そんなこと……ないよ! センセ!!」ピョンピョン

院長「でも実際のところ、私は魔法も、刀の扱い方も、回復魔法も教えてあげられないんです……私が使えるのはこの忌々しい『技』だけ……そんなことで私はあの子たちの先生を名乗って本当にいいのか……わからなくなってしまうんですよ」

幼女「むぅぅ……」

院長「それに昨日のことも……本当はあんなこと悪ガキくんに言うべきではなかったんです。彼の夢を否定するようなこと絶対に言ってはいけなかったはずなのに私は言ってしまった」

院長「私は悪ガキくんを勇者になって欲しくなかったから……」

幼女「………むい?」キィィィン




院長「あれは幼女ちゃんと勇者さんが来る少し前のことです………」





院長「では、いきますよ!」シュンッ

悪ガキ「消えた!?」

少年魔法使い「いつものことだ! 惑わされるな!」

侍少女「そ、そうでござる! こういう時は心の目で相手を捉えるのでござるよ!!」


院長「そう簡単にいきますかね?」シュタッ


魔族少女「侍少女ちゃん! 後ろ!!」

侍少女「む?」ピーン

院長「遅い!」ビュォッ

侍少女「ふんっ!!」ヒラッ

魔族少女「避けた!?」

侍少女「こ、これが心の目というやつでござるよ!」ガタガタ

少年魔法使い「震えながら言ってる場合か!」


院長「なるほど、今のはいい動きでした。ですが……」

侍少女「さぁ、今こそ反撃の時でござる! 今日こそこの刀で先生の首を頂戴つかまつ……あれ、やっぱり抜けない……」ガチャガチャ

少年魔法使い「なにもたもたしてるん!」

侍少女「ちょっと待つでござるよ、今……」

院長「一瞬の判断ミスが死を招くことになります」コォォォォ

悪ガキ「侍少女! 前! 前!!」

侍少女「え?」

院長「はぁぁぁ!!」カッ


侍少女「ござるぅぅぅぅうううううう!!!」ヒューン


ドカァァァァン!!!


院長「次」クルッ

魔族少女「ひぃぃ!」ガタガタ


少年魔法使い「あの馬鹿! せっかくのチャンスを……仕方ない、今度は僕がやる!」

悪ガキ「やるって……どうする気だ?」

少年魔法使い「僕のとっておきをみせてやる……」コォォォォ

悪ガキ「おお……」

少年魔法使い「右手に炎魔法……」ボッ

少年魔法使い「左手に氷結魔法……」ピキーン

少年魔法使い「相反する二つの魔法を魔力の制御で一つに抑えこむ……!!」ゴゴゴゴゴ

少年魔法使い「二つの魔力は混ざり合い強大な魔力反応を起こす……!!!!」

少年魔法使い「これが僕が開発した合体魔法!! 名づけて……!!」


院長「長いです」ドカッ


少年魔法使い「ぐはっ!!」ヒューン


院長「先生、そういうの待ちきれないタイプなので」フフッ

魔族少女「……最後まで待ってあげてもよかったのに!!」

院長「付き合う義理などどこにもありません。先生も本気で戦っていますので………さて、次は魔族少女ちゃん、あなたですか?」

魔族少女「え、えっと……」アハハ

院長「来ないのならこちらから行かせてもらいますよ!」

魔族少女「ううう……」ギュッ


悪ガキ「はぁぁぁぁあああああ!!!」バッ


魔族少女「悪ガキくん!!」

悪ガキ「もらったぁぁあああああ!!!」ブンッ

院長「いいえ、全然ダメです」ヒラッ


悪ガキ「うわっとっとっと……」フラッ

院長「あなたもまだまだですね!!」ドカッ

悪ガキ「うわぁぁぁ!!」ヒューン

院長「さ、残るは魔族少女ちゃん、あなた1人です。先生に勝とうなんて100年早いことがわかりましたか?」

魔族少女「ひぃぃ!!」ガタガタ

院長「……流石に私も無抵抗な子を攻撃するのは気が引けますね」フフフッ

魔族少女(全然そんな風には見えないよ!!)

悪ガキ「待て!!!」ダッ

院長「ほう? まだやりますか?」

悪ガキ「当たり前だろ! 俺は勇者になるんだ! 先生にだって負けてられないぜ!!」バッ

院長「あら、そんなこと言われたら先生も……」ゴゴゴ

院長「手加減するのを忘れてしまうかもしれないじゃないですか☆」バコォッ

悪ガキ「ぐわぁぁぁ!!」

院長「まぁ、こんなもんでしょう……さて」

悪ガキ「まだまだぁ!!」スクッ


院長「まだ立ちますか? もうやめておいた方がいいと思いますけど!」

悪ガキ「まだだ! まだ俺は負けてない!!」

院長「しつこい男の子は嫌われてしまいますよ?」

悪ガキ「うるさい!!」ダッ

院長「えい☆」ドゴシャァ

悪ガキ「ぐわぁぁぁ!!」

魔族少女「ああ……!!」

悪ガキ「まだだ!! まだまだ……!!」グググ

院長「………」


悪ガキ「うぉぉぉぉぉ!!」

院長「っ!!」ドカァン

悪ガキ「ぐぅぅ!! まだだ……俺は……俺は絶対に勇者になるんだ……ここで負けたらダメなんだ……ダメなんだ……!!」グググ

悪ガキ「絶対に倒れるもんか!! 俺は勇者になるんだ!!」ボロッ

院長「………!!」







院長「結局、他の二人が回復するまで悪ガキくんは私の攻撃を受け続けました」

院長「まるで呪文のように『勇者になるんだ』と繰り返しながら……私に向かってくるんです」


院長「そんな姿を見て私は急に怖くなりました」

幼女「………」

院長「彼も勇者さんのようになってしまうのではないかと思ったんです」

幼女「………」

院長「本当は私だって夢に向かってひたすら頑張っていく彼を心の底から応援したい……でも勇者という過酷な運命をあの子に背負わせるなんて私にはできません……!!」ギュゥゥ

院長「……幼女ちゃんは勇者さんの目をちゃんと見たことがありますか?」

幼女「………」フルフル

院長「勇者さんの目はとても悲しそうな目をしています。まるで世界に絶望してしまったかのような、そんな目です……きっと今までの戦いが彼を変えてしまったんでしょう」

幼女「………」

院長「あの子もいつか、全てに絶望してしまうのではないかと……そう思うと私は怖くなった。あの子も全てを投げ出して世界を救ってしまうのではないかと思うと……それが私はたまらなく怖いんです」ガタガタ

院長「……私はただあの子に平凡でもいいから幸せに生きて欲しいだけなんです。勇者になんかならなくてもいい、生きて自分の生を全うしてくれればそれだけでいい」

院長「幸い、今の彼は特別な才能も能力もありません。夢を壊すなら、彼を止めるのならば今だと私は思ったんです。だから……」

院長「私は先生としても……親としても最低です……」


院長「……ごめんなさい。私ったら……幼女ちゃんにこんなこと話すなんて……どうしちゃったんでしょう?」

院長「幼女ちゃんといるとなんだか懐かしい気持ちになっちゃって……おかしいですよね!」アハハ




幼女「……おかしくなんかないわ。そうやって迷い苦しむのなんて人間なら当然のことじゃない」



院長「え?」

幼女「職業柄、懺悔はちゃんと聞いてあげるけどね……そうやって1人で抱え込んでウジウジウジウジしてても体に悪いわよ?」ハァ

幼女「あなたはその優秀な『眼』に頼りすぎ。物事をちゃんと最後までしっかりみなさい」

院長「よ、幼女ちゃん?」


幼女「ユーシャは別に全てに絶望してるわけじゃないわ。普段のユーシャなんてあんなものなのよ、金に汚くてめんどくさがりで情けなくって……でも決めるときは決める……そこがカッコイイんじゃない」

院長「ど、どうしちゃったんですか……?」

幼女「久々に見たら変貌ぶりにびっくりすると思うけど、あれは誰かさんとの馬鹿な約束をきっちり果たそうとしてるだけで……根っこの部分は何一つ変わってないから、安心して……それと」

院長「……はい?」

幼女「大丈夫。あなたはしっかりやってるわ」

院長「あ、ありがとうございます……」

幼女「不安かもしれないけど、あの子たちにとっての親はあなただけなんだから。思うまま、ありのままあの子たちの道標になればいいのよ」

院長「……思うまま……ですか?」

幼女「そうよー、子供は親を選べないとはよく言ったものだけど、親だって子供を選べないわ。意見がぶつかり合うのは当たり前、喧嘩をするのも当たり前……でもね」

幼女「最後まであの子たちの側にいてあげて。それが親の務めだと思うから」

院長「親の……務め……」


幼女「今は院長……だったかしら? ……ユーシャを気にかけてくれてありがとね、あと勝手いなくなっちゃってごめんなさい」ペコリ

院長「……やっぱりあなたは……そうなんですか?」

幼女「詳しい事情は聞かないで、説明してる時間もあんまりないからさ」

院長「……勇者さんはこのこと知ってるんですか!?」

幼女「知らないわ。私から言うつもりもないし」

院長「なぜです!? だって勇者さんにとってあなたは……!!」

幼女「私がもうこの世界の人間じゃ無いからよ」

院長「でも……!!」

幼女「それに……ユーシャには幼女ちゃんがいるからね。安心して任せられるし……」

院長「そんな……」

幼女「もう! 今はユーシャのことよりあなたのことが最優先! わかってる?」

院長「はい……」


幼女「私があなたにアドバイスできることなんて限られてるけど……これだけは言わせて」

院長「なんですか?」

幼女「悪ガキくんを……あの子の力を最後まで信じてあげて。どんなことが起こっても、彼のことを信じる……それが親ってもんでしょ?」

院長「………わかりました」

幼女「うん。よろしい!」

院長「ありがとうございます。あなたに再会できるなんて……こんな嬉しいことはありません」

幼女「私もあなたに会えてよかったわ……あ、でもそろそろ時間切れみたい、私、そろそろ行かないと……」

院長「待ってください! あの時……あの時勇者さんと魔王の間でなにがあったんですか!?」

幼女「ごめん……今は教えられない……」シュゥゥゥ

院長「教えられない? どういうことですか?」

幼女「いずれわかることだから……その時は勇者のこと……お願いね?」

院長「お願いって……どういう意味ですか、教えてください僧侶さん!!」





幼女「………むい?」キョロキョロ


院長「あ……幼女ちゃん……」

幼女「……あれ? 何の話……だっけ?」ムゥゥゥ

院長「……覚えてないの?」

幼女「センセが悲しそうにしてた……から、なんとかしなきゃ……って思ったらきゅいーんってなって、グニャーってして……むい?」

院長「そう……」

幼女「むぅぅぅ……思い出せな……い」

院長「……悪ガキくんを探しているって話じゃないかしら?」

幼女「そうだった……! 早く見つけて謝らないと! チャーハンのために!」

院長「だったら早く見つけなければいけませんね」

幼女「じょあ、ちょっと探してくる……ね!」

院長「気をつけるんですよ? 森は危ないですから」

幼女「うん! いってきま……す!」ダッ

院長「いってらっしゃい、幼女ちゃん」

幼女「センセ、元気出して……ね?」

院長「……ありがとう」

幼女「じゃあね!!」タッタッタッタ




院長「僧侶さん……あなたはなぜ幼女ちゃんの中にいるのですか? それに……」


幼女(ごめん……今は教えられない……)

幼女(いずれわかることだから……その時は勇者のこと……お願いね?)



院長「まだ……戦いは終わっていないということですか……?」

院長「まだ世界は……勇者を必要としているというのですか?」

といったところで今日の投下は以上です!

先に進まないなぁ………頑張らないと……


次の投下は明後日夜を予定しています!

今日もお付き合いくださり、ありがとうございました!!

こんばんは、遅くなりましたが投下していきます。よろしくお願いします!


――海岸沿いのキャンプ――



地上げ屋「朝だ!」

舎弟「朝っす!」

地上げ屋「気持ちいいなぁ!! 兄弟!!」

舎弟「そうっすね!!」

地上げ屋「いやーそれにしても昨日は酷い目にあったな!」

舎弟「喧嘩売った相手がまさか勇者と剣士だったなんて……」

地上げ屋「つくづく俺達も運がない!」

舎弟「そうっすね!!」

地上げ屋「お、今日もお前は元気いっぱいだなーお前は~!!」ウリウリ

舎弟「元気いっぱいっす!!」


地上げ屋「お前みたいな奴見てるとこっちの気分までよくなるよ!! ほら、ビーフジャーキーをやろう」スッ

舎弟「あざーっす!!」

地上げ屋「さぁ、今日もいっぱい人を脅して元気に地上げ屋稼業を盛り上げていきましょう!!」

舎弟「うーっす!!」

地上げ屋「よーし、いい返事だ! さらにビーフジャーキーをやろう」

舎弟「あざーっす!!」


「爆発魔法」


地上げ屋「ん?」カッ


ドゴォォォオオン!!


地上げ屋「んぎゃぁぁぁ!!」


舎弟「兄貴ぃぃぃぃ!!」

賢者「……うっさいわね!! 朝っぱらから人のキャンプの前ではしゃいでんじゃないわよ!! 迷惑よ! 迷惑!!」

舎弟「おいおばさん! 兄貴になんてことしやがるんだ!! いくら兄貴が丈夫だからって『とりあえず爆破させとけばいいや』的な行為は控えて欲しいっす! たたでさえこのパターンマンネリ化してきてるのに!!」

賢者「誰がおばさんよ! 誰が!! 私はまだ20代なんだからね!」

舎弟「え!?」ギョッ

賢者「な、なによ……?」

舎弟「20年しか生きてないくせにそれっすか!?」

賢者「ちょっと!! どういう意味よそれ!?」

舎弟「……しんどいね」ヘッ

賢者「決めた……このクソガキ殺す……!!!」

舎弟「お、やるっすか!?」



地上げ屋「やめろ、兄弟!!」ガバッ

舎弟「兄貴!! 大丈夫なんすか!?」

地上げ屋「安心しろ! 無敵の俺様にはあんな魔法なんの影響もない!!」プルプル

舎弟「さっすが兄貴ぃ!!」

賢者「いや、ふらふらじゃない……」

地上げ屋「兄弟。教えただろう? 女性に年齢の話をしちゃダメだ。特にあれくらいの妙齢の女性は特にそういうのを気にするものだ!」

舎弟「そういうもんなんすか?」

地上げ屋「そういうもんだ!!」

賢者「あんた達……私を馬鹿にしてるの……?」プルプル

地上げ屋「それにな……」

舎弟「それに……なんっすか!?」

地上げ屋「女はあれくらい熟れてる方が1番うまいんだ!!」バーン


賢者「熟れてるってどういうことよ!! 私はまだピチピチよ!」

舎弟「兄貴!? 女って食えるんすか!? まるかじりっすか? それとも焼いたほうがいいのんすか?」

地上げ屋「いや、そういう意味ではなくてだな……」

舎弟「俺、食ってみたいっす!!」

地上げ屋「馬鹿、お前にはまだ早い!」

舎弟「なんでっすか?」

地上げ屋「女性というものは俺のようなダンディな大人じゃなければ食べてはいけないものだからだ!!」

舎弟「おお!! かっけぇぇぇ!!」


アッハッハッハッハ!!!


賢者「こいつらまとめて灰にしたいんだけど……!!」


商人貴族「ダメですよ、そんな荒っぽいことをしては。彼らも私が呼んだ優秀な人材なのですから」

賢者「商人貴族様!」

地上げ屋「お! 先生! おはようございます! 今日もご立派で!!」

舎弟「おざまーっす!!」ビシッ

地上げ屋「今日もよろしくお願いしますよ? あなた方には期待しているのですから」

地上げ屋「へい! この『笑う赤鬼』、誠心誠意ご依頼に答えてみせましょう! まずはあそこの孤児院のガキを2、3人かっぱらってですねそれを盾に土地の権利書を奪い取ってやろうと思うんですかどうですかね?」

商人貴族「それは素晴らしい考えですね」

舎弟「さっすが兄貴! やることが汚いっす!!」

地上げ屋「そんなに褒めるなよ……照れるじゃねぇか!!」


アッハッハッハッハ!!


商人貴族「……ですがあなた方にはもっと相応しい仕事を頼みたいのです」


地上げ屋「ん? 相応しい仕事ですかい?」

商人貴族「これを……」スッ

舎弟「これは……女の子っすか?」

商人貴族「専門の者に書かせました似顔絵です。この子のことを監視して欲しいのです」

地上げ屋「あー、土地の権利書の方はいいんですかい?」

商人貴族「こちら側も事情が変わりまして……今優先すべきはこの子です」

舎弟「じゃあ、このガキを掻っ攫ってくればいいんすね!」

商人貴族「誘拐する必要はありません、あくまで監視です。今はあの孤児院にいるはずです。お願いできますか?」

地上げ屋「……先生、悪いがそんな依頼なら他をあたってくんな」


舎弟「兄貴!? 断っちゃうんすか!?」

地上げ屋「俺もこの地上げ屋稼業に誇り持ってるんでね、こんなガキの監視なんて誰でもできるような仕事を受けるわけにはいかねえのさ!」

舎弟「兄貴……かっこいいっす!!」

地上げ屋「俺は根っからの地上げ屋! 一度受けた依頼はなんとしてでも成功させる! あの孤児院の権利書を奪うまで他の仕事なんか……」

商人貴族「……ならばいつもの報酬の五倍出しましょう」

地上げ屋「このガキ監視してりゃいいんですね!? はい、喜んでー!!」ビシッ

舎弟「兄貴!? 地上げ屋稼業の誇りはどうしたんっすか!?」

地上げ屋「いや、いつもの五倍なんて言ったらそりゃ引き受けるでしょうよ!」

舎弟「兄貴……カッコ悪いっす……」

地上げ屋「バカ野郎、見栄なんか張っても財布は温まらねぇぞ?」

舎弟「それもそうっすね!!」


アッハッハッハッハ!!


賢者「商人貴族様……こいつら本当にウザいんですけど……」

商人貴族「ですが優秀ですよ?」フフッ


賢者「こいつらがですかぁ?」

商人貴族「くれぐれも喧嘩をしないように……私の目的達成のためにはあなた方どちらとも失うわけにはいかないのですから」

賢者「は、はぁ……」

商人貴族「では、皆さん今日もよろしくお願いしますよ……」スタスタスタ

地上げ屋「はい喜んでー!!」

賢者「商人貴族様、こんな朝早くにどちらへ?」

商人貴族「私はお客様とビジネスの話を……」

賢者「こんな朝早くにですか?」

商人貴族「商いは場所も時間も選ばないものです……私が戻るまでの間、留守をたのみますよ?」

賢者「正直、こいつらと一緒にいたくないんですけど……」


商人貴族「話してみると案外愉快な人たちです……では失礼」スタスタスタ

賢者(……できれば私一人にしないで欲しいのだけど……他の連中はなんで起きてこないのよ……!!)イライラ





舎弟「なぁなぁ、おばさん」

賢者「誰がおばさんよ! あんたこれ以上それ言ったらぶっ飛ばすわよ!!」

舎弟「この幼女は食ったらうまいんか?」

賢者「なっ!? あんたそういう趣味なの!?」

舎弟「やっぱりまずいんか!?」

賢者「まずいに決まってるでしょう!? 色々とアウトよ!!」


舎弟「やっぱりそうか……やっぱり兄貴の言ったとおりおばさんみたいに熟れてないとまずいのかー」

賢者「……本当にあんた粉微塵にするわよ……!!」プルプル

舎弟「でもなー」

賢者「でもなによ?」

舎弟「こいつの髪の色、どっかで見たことあるんだよなー」

賢者「そうなの? 金色の髪なんて中々ないと思うけど……知り合いかなにか?」

舎弟「いや違う。でもなー、どっかで……どこだったかなー、わかる?」ウーン

賢者「そんなの知らないわよ……」ハァ

舎弟「だよなー、どこだったかなー」ウーン

といったところで今日の投下は以上です。


次の投下は明後日の夜を予定しています。

今日もお付き合いくださり、ありがとうございました!!

こんばんは! 日付けが変わってしまいましたが今日も投下していきます! よろしくお願いします!!


―――――




「とーちゃん」

「ん? どうした息子」

「俺、勇者になりたい」

「ほう、さすが俺の息子! やっぱり血は争えないか!!」バシッ

「痛ぇよ、とーちゃん!」

「何を隠そう、このとーちゃんも昔は勇者だったんだぞ?」

「嘘だー」

「なぜわかった!?」ガビーン

「かーちゃんに聞いた。あともうちょっとで勇者になれたのにダメだったって」

「そうなんだよなぁ……あともうちょっとだったんだよなぁ……」ズーン


「とーちゃん?」

「やっぱりなぁ……あの時もうちょっと上手くやってたら今頃俺も勇者にやれてたのかなぁ……」ズズーン

「元気出せよとーちゃん!」

「……よし、復活!!」ビシッ

「おお!!」

「まぁ、勇者にはなれなかったけど代わりにかーちゃんと結婚できたし、お前も産まれてくれた。それだけでとーちゃんは十分幸せだから結果オーライだ!!」ナハハハハ

「結果オーライか!」

「ああ、結果オーライだ!!」ナハハハハ

「じゃあ、俺が代わりに勇者になってやるよ!」

「ははっ……そんな簡単になれるわけねぇだろ、このバカ息子が!!」ウリウリ

「なるよ! 絶対になる!!」


「勇者なめんな~? ピーマンも食べれないお子ちゃまなお前じゃ無理だ」

「た、食べれるよ! ピーマンくらい!!」

「じゃあ、なんでさっきかーちゃんに怒られてたんだ?」

「あれは……その……今日は体調が悪くて……」

「勇者は言い訳なんてしないと思うけどなー」

「うう……だって苦いんだもんあれ」

「みんなの希望になる男がそんなことじゃダメだろ?」

「希望?」

「そう、みんながこう『やるぞー』って気持ちになるような、そんな人じゃないと勇者にはなれないんだ」

「うーん、よくわかんない」

「ナッハッハッハ! お前みたいなガキにはまだわかんねぇだろうな!」

「ガキじゃないやい! 俺本気だぞ!!」


「そうか……本気か」

「うん、本気!! 勇者になってみんなを守るんだ! とーちゃんだって守ってやるよ!」

「とーちゃん、なめんな!」ビシッ

「痛っ!」

「お前とかーちゃんを守るのがとーちゃんの役目なんだ。それだけは譲れません!」

「叩くことないだろ!」

「勇者になりたいならそれくらい避けろ!」

「ううー、理不尽だ……」


「しっかしなんでまた急に勇者になりたいなんて言い出したんだ? なんかあったのか?」

「これ!!」スッ

「……これは……先代の勇者の英雄譚……これ読んだのか?」

「すげぇんだぜ! この本に載ってる勇者! 最高にカッコいいんだ!!」

「…………それでも魔王は倒せなかったんだけどな」ボソッ

「俺もいつかこんな勇者になりたい! とーちゃんも俺が勇者になったら嬉しいだろ?」

「どうだろうなぁ……お前が勇者になってみないととーちゃんわからないよ」

「じゃあ、早く勇者にならないと!」

「おいおい、なんでそんなに焦る必要があるんだ? お前まだ子供だろ?」

「どうせとーちゃん魔物と戦ってもすぐ死んじゃうだろ。すっげぇ弱いから!」

「誰が弱いんだって……?」グニニニニ

「いふぁいふぁい……」

「生意気な口利きやがって……」

「でも本当のことだろ?」


「………なぁ」

「なに? とーちゃん」

「お前、本気で勇者になりたいのか?」

「うん! 俺絶対勇者になる!!」

「ものすっごく大変だぞ?」

「それでもなるんだ!」

「ちょっとどれくらい大変か想像してみな?」

「えっと……これくらい……かな?」

「それよりもっともっともっと大変だ!」

「え………」

「それでも勇者になりたいか?」

「う……なりたいよ! 勇者になりたい!」

「あ、今ちょっと間があったな!」


「わぁぁぁ!! そんことない! そんなことないって!! 俺、勇者になりたい! 絶対になるんだ!」

「………そうか、よしわかった! それじゃあ勇者を目指すバカ息子にとーちゃんからいいものをあげよう!」

「本当か!?」

「ああ、もちろんだ! これは勇者を目指すやつなら誰もが持っていなきゃならない大切なものなんだ。ありがたく思えよ?」

「うわぁ……ありがと! とーちゃん!!」

「よーし、バカ息子。そこ動くなよ?」

「なんで?」

「いいからじっとしてろ……はぁぁぁぁあああああああ!!!」ゴゴゴゴゴ

「おおお!! なんだなんだ!?」




「うぉぉぉぉぉ!!! 受け取れ息子ぉぉぉぉぉ!!!」バシュッ


パァァァァァァ!!!


「おおおおおおおお!!!!」


シーン


「ん? これで終わり?」

「終わりだ!」

「なんともないぞ?」

「実のところあんまり大したことはしてない!」バーン


ズコッ!


「なんだよそれ!?」

「こういうのは演出が肝心なんだ! とーちゃんの貴重な見せ場だからな!」


「よくわかんないよ!」

「………我が息子よ!」

「な、なに?」ビクッ

「今、とーちゃんはお前にとーちゃんの中の『勇者』を分け与えた!!」

「勇者?」

「そうだ、勇者だ。これからお前が迷った時、お前の心の中の『勇者』がどうすればいいか教えてくれるはずだ!!」

「それは……どういうことだ?」

「いいか、息子」

「なに?」

「もしお前がどうすればいいか迷ったら……お前自身を信じちゃダメだ」

「ん?」

「お前が信じるのはお前自身じゃない。お前の中の『勇者』を信じるんだ」

「俺の中の勇者?」


「お前の憧れる勇者ならどうするか、その行動は勇者にとって相応しいものなのか……それさえ間違わなければ、お前はきっと立派な勇者になれる」

「本当か!?」

「ああ、わかっててもとーちゃんにはそれができなかった。だけどお前なら出来るよな?」

「あったり前だろ! 俺は勇者になる男だぞ!」

「よし、だったらとーちゃんと約束だ!」

「うん! 俺、絶対に勇者になる!!」

「しっかり頑張れよ! バカ息子!!」

「よーし、早速特訓だ!」

「まずは好き嫌い無くさなきゃな!」ナハハ

「えっと……それは後回し……」フイッ

「んー? とーちゃんの中の勇者は後回しはダメだって言ってるけどなぁ? お前の勇者はどうかな?」

「うう……勇者ならそんなことしない……かも」

「じゃあどうするんだ?」

「わかったよ……もう好き嫌いしない」

「はは……偉いぞ!」ワシワシ

「うう……子供扱いするなー!!」

「………お前ならきっと勇者になれるさ、なんせお前は俺の……」ボソッ

「なんか言ったか? とーちゃん?」

「ああ? あとおねしょも早く治さなきゃなーってな!」ワシャワシャ

「わぁぁ!! なんでそんなことまで知ってんだよ! ちゃんとシーツは押し入れに隠し……」ハッ

「ほう? これはいいことを聞きましたなぁ?」ニヤニヤ

「い、今のなし!!」

「聞いてくれよかーちゃん! こいつおねしょした挙句、証拠隠滅しようとしてますぜー!」

「言うなぁぁぁぁぁぁ!!!」

といったところで今日の投下は以上です

次の投下は日曜日予定です!

それでは今日もありがとうございました!!

誤字修正です

>>287

少年魔法使い「なにもたもたしてるん!」→×

少年魔法使い「なにもたもたしてるんだ!」→○

>>309

地上げ屋「今日もよろしくお願いしますよ? あなた方には期待しているのですから」→×

商人貴族「今日もよろしくお願いしますよ? あなた方には期待しているのですから」→○

でした、申し訳ありません

こんばんは、今日も投下していきたいと思います! よろしくお願いします!!


ありがとうございます! 楽しみだと言ってくれる人がいるだけでどこまででも頑張れます!
(スピードは遅いですけど……)





ダダダダダダダ………



「君はあんなこと言うべきじゃなかった」

悪ガキ「うるさい!」ダダダダダ

「さぁ、今すぐ魔族少女さんに謝りに行こう」

悪ガキ「うるさいうるさい!!」

「君のなりたい勇者はそんな人じゃないだろう? お父さんとの約束を果たすんじゃなかったのか?」

悪ガキ「うるさいうるさいうるさいうるさいうるさい……」

「今のままではダメだ。もっと頑張るんだ」

悪ガキ「俺には才能が無いから頑張ったって無駄なんだろ!!」


「無駄なもんか! 努力は必ず報われる。夢のためにもう一度頑張ろうじゃないか!」

悪ガキ「なんだよ……勇者を信じれば勇者になれるって言ったのに……とーちゃんの嘘つき」ウツムキ

「自分のお父さんを悪く言ってはいけない。そんなの勇者じゃない。そんなことでは勇者にはなれないぞ?」

悪ガキ「黙れよ! 結局は勇者なんて才能がある奴だけしかなれないんだろ!! とーちゃんだって才能がなかったからなれなかったんだ!!」

「そうじゃない。勇者には人を思いやる温かい心こそがもっとも必要なんだ」

悪ガキ「だったら……だったらなんであんな奴が勇者なんだよ!!」

「……それは……」

悪ガキ「要は力なんだろ! 強い力!! そして才能!! それがあれば心なんていらない……違うのかよ!!」

「違う! 勇者は決してそんなものじゃ……」

悪ガキ「もう消えろよ! お前なんていらない!! 俺の中から出ていけ!!!」

「もう一度考え直すんだ。そしてみんなに謝りにいこう。今ならまだ取り返しがつく」


悪ガキ「そうやってみんなに馬鹿にされて惨めに生きろってのか! 俺はそんなの嫌だ!」

「しかし!」

悪ガキ「……力が……欲しい……誰にも負けない力が欲しい……先生にも……勇者にも負けない力が……!!」

悪ガキ「そしたら俺を馬鹿にした連中をこの手で全部やっつけられるのに!!」

「ダメだ! そんな暗い感情に心を委ねては! 勇者は人々の心を明るくする存在で……」

悪ガキ「うるさいうるさいうるさい!! みんなみんな大っ嫌いだ! お前も! 勇者も! 幼女も魔族少女も……先生も!!」

悪ガキ「大っ嫌いだぁぁぁ!!!」




「おやおや、こんなところで騒いでどうかしましたか?」

すいません修正です


>>337
「おやおや、こんなところで騒いでどうかしましたか?」 →×

「やっとみつけましたよ」シュタッ→○

ボツ案と混ざってしまいました……すみません


悪ガキ「誰だ!?」

「いやはやまさかこんなところで1人でいたとは……随分と探しました」

悪ガキ「探した? 俺を?」

「はい、私はあなたに用があるのですから……」フフッ

悪ガキ「どういうことだ!?」

「そう怒らないでください……見たところなにか大変なことでもあったとか。それもあなたの人生を左右するやもしれない大事件とか……」

悪ガキ「黙れ! 関係ないだろ! お前誰だよ!!」

商人貴族「私は商人貴族。ただのしがない商人です。そういうあなたは悪ガキさんでしたね?」フフッ

悪ガキ「商人貴族……ってあの妖精を狙ってる悪い奴か!? なんで俺のことを知っている!?」

商人貴族「商談に入る際にはお客様の情報をできる限り入手しておく……商人にとって情報はこの上なく重要なものなのです。商品よりもずっとね」フフッ

悪ガキ「……なにをわけのわからないことを! お前も俺を馬鹿にするのか!?」

商人貴族「馬鹿にする? そんなつもりは微塵も……」

悪ガキ「嘘だ! お前らはみんな影で俺のこと馬鹿にしてんだろ! 知ってんだぞ!」

悪ガキ「……そうなんだ……絶対そうだ……みんな俺のこと馬鹿にしてるんだ……俺が弱いから……才能が無いから……」ブツブツ

商人貴族「随分な言い草ですね……私はあなたの様な素晴らしい人材をスカウトしにきただけだというのに……」フゥ


悪ガキ「スカウト……!?」

商人貴族「ええ、そうです。先程も申した通り、事前にあなたを調べさせていただきました。王都の外れで生まれ魔王軍の大侵攻を経験……両親を亡くし、現在はこの近くの孤児院で生活をしている。違いますか?」

悪ガキ「違くないけど……」

商人貴族「両親は大侵攻の防衛に参加。そのまま戦死された」

悪ガキ「………!!」ギュッ

商人貴族「亡くなった母親は東の魔法学校で教鞭を執っていた優秀な魔法使い。そして亡くなった父親は傭兵。通り名は………『雷狼』」

悪ガキ「あんた、とーちゃんのこと知ってんのか?」

商人貴族「誇り高き傭兵だったと聞いています」

悪ガキ「とーちゃんが? 嘘だ、とーちゃんは勇者になり損ねたって聞いたぞ?」

商人貴族「詳しいことは私にもわかりません……そんなことより、今はあなたのことです。あなた、なんでも勇者になりたいとか」

悪ガキ「なんでそんなことを……」

商人貴族「今日はそのことであなたにお話が……その夢、是非私に協力させてください」

悪ガキ「え?」

商人貴族「私が必ずやあなたを勇者にしてみせますよ」


悪ガキ「それは……本当か!?」

「ダメだ、そんな誘いに乗ってはいけない!」

商人貴族「ええ、私も今の勇者様の体たらくに呆れている次第でして……昨日直接勇者様に会って確信しました。あのような腑抜けに世界を任せておくことなどできません!」

悪ガキ「そうだよな……やっぱりそうだよ」

商人貴族「もちろんです! 勇者は先頭に立って強大な悪から全てを守る者! 誰よりも強くなければならない! あのような緩みきった勇者など不要です! もっと強大な力を持つものが勇者になるべきだと私は思います!」

悪ガキ「あ……」

商人貴族「どうしました?」

悪ガキ「だったら……俺じゃなくて他の奴にしなよ。俺……才能無いみたいだし……おっさんの言う強い勇者なんて……絶対なれないよ……」ウツムキ

商人貴族「なにを言うのです! 才能? そんなものクソくらえです!重要なのはなににも負けない力! そしてあなたのような強大な力を求める貪欲な姿勢! それこそが必要なのですよ!」

悪ガキ「そうなのか? でも俺にそんな力なんて……」

商人貴族「ご安心を……力なら私が授けて差し上げましょう……勇者をも圧倒する強大な力を……」


悪ガキ「勇者を圧倒する力!! それさえあれば……俺も!!」

商人貴族「あなたが勇者を倒し、新たな勇者を名乗ればいい……もう誰もあなたを馬鹿にしません。あなたにはそれを名乗るだけの資格があるのですから」

「この男の言葉を信用してはいけない! 強さとはすぐに手に入るものではないんだ!!」

悪ガキ「……本当に……俺、勇者になれるのか?」

商人貴族「はい……もちろんお代はいただきますがね」

悪ガキ「俺……お金持ってない……」

商人貴族「そんなもの後払いで構いませんよ。あなたが勇者になって全てを手に入れた後に返してくれればそれでいい……どうです?」

悪ガキ「じゃ、じゃあ……」フラッ

「待て! 考え直すんだ!!」

商人貴族「では……」スッ

悪ガキ「……ああ」

「待つんだ! 君は勇者になりたいんじゃないのか!?」

悪ガキ「なりたいさ……なりたいからこそじゃないか……!!」ボソッ

「今は辛い時かもしれない! だがそれを乗り越えてこそ勇者だろう!」

悪ガキ「消えろ……もうお前なんていらない。俺は……勇者になるんだ……」

「くぅ……」シュゥゥゥゥ


商人貴族「どうしました?」

悪ガキ「いや、なんでもない。おっさん、本当に俺を強くしてくれるんだよな?」

商人貴族「ええ、もちろん……強大な力をあなたに……あなたが新時代の勇者になるんです」

悪ガキ「なら、さっさと頼むよ! 俺を強く……誰にも負けない力をくれ!!」

商人貴族「ええ……それではこれを……」ニコッ


――妖精の里――



妖精長「お嬢ちゃん、その話は真か?」

幼女「………」コクコク

妖精長「それで商人貴族はどこに?」

幼女「この……近く」

侍少女「朝から急に呼び出されたと思ったら急展開でござるな」

少年魔法使い「こっちは話が早くて助かる……1番張り切ってた馬鹿はいないがな」

侍少女「本当に、悪ガキ殿はどこへ行ったでござるか? 朝起きたらベッドにはいないし……」

少年魔法使い「魔族少女、なにか知らないか?」

魔族少女「………」ボー

侍少女「どうしたでござる?」

魔族少女「え!? あ、なにかな!?」アセアセ


侍少女「なにをボーッとしてるのでござる? 悪ガキ殿がどこに行ったか知らないでござるか?」

魔族少女「あ、ああ……悪ガキくんならすぐに帰ってくるよ! だから……大丈夫だって!!」

少年魔法使い「まぁ、思い余って余計なことしなけりゃいいが……」

侍少女「どうせ腹が減ったらひょっこり帰ってくるでござろう」

魔族少女「うん……大丈夫だよ……きっと大丈夫」グッ

幼女「早く帰って……きて……」

魔族少女「幼女ちゃん……悪ガキくんを心配してくれるんだね……」

幼女「あいつのせいで……チャーハン……食べられない!」

魔族少女「幼女ちゃん……」アハハ



妖精長「兵長」

妖精兵長「はい」

妖精長「すぐに里の者達に通達を。里の者を絶対に外に出してはいかん」

妖精兵長「わかりました」


少年魔法使い「それで……問題の妖精はどこにいるんだ?」

幼女「箱の中に……入れられてた!」

妖精長「その箱は?」

幼女「あいつが……持ってる!」

少年魔法使い「となると……常に商人貴族と妖精は一緒ということか……」

妖精長「早く救出せねば……手遅れになる前に……!!」

侍少女「手遅れ? どういうことでござる?」

妖精長「そうか……お主達は知らなんだな……」

少年魔法使い「昨日言ってた『妖精族の特殊能力』のことか」

妖精長「そうじゃ……話しておかねばなるまい……妖精族の力について……」



―――――



商人貴族「これを見てください」スッ

悪ガキ「箱?」

商人貴族「………少々お待ちを……」ガチャガチャガチャ

ガチャンッ

妖精「やっと開けやがったなおっさん!! 昨日も言ったけどなぁ! 妖精族は環境の変化に弱いんだぞ!! あたいを殺す気かい!?」

悪ガキ「うわ……なんだこいつ?」

商人貴族「これが妖精ですよ、お客様。そしてこれがあなたに力を与えてくれるのです」

悪ガキ「こいつが……?」

妖精「なに見てんだよ、クソガキ! その締まらないツラを引っ叩いてやろうか!!」シャー

商人貴族「その汚い言葉遣い、なんとかなりませんかね? お客様の前ですよ?」

妖精「そんなの知ったことか! いい加減あたいを解放しな! 竜王様の天罰が落ちるよ!」

商人貴族「そう言ってしばらく経ちますが一向にその天罰とやらは来ませんが?」

妖精「そ、そのうちだよ! そのうち!!」

悪ガキ「で? その妖精がどうやったら俺を強くしてくれるって言うんだよ?」

商人貴族「ああ、それは実に単純なことです……妖精を摂取すればそれでいい」

悪ガキ「摂取?」

商人貴族「ああ、すみません。もうちょっと簡単に言えばですね……」




商人貴族「食べるんですよ」フフッ

悪ガキ「食べる……だって!?」

といったところで今日の投下は以上です!

次の投下は火曜日を予定しています

最近家に戻るのが遅いので投下時間は遅くなってしまうと思いますがお付き合いいただけたらなと


それでは今日もありがとうございました!

こんばんは、遅くなりましたが今日も投下していきます

よろしくお願いします!


妖精「……っ!! やっぱりそうかい、人間も魔族もやっぱりそうなんだな……!! まだ戦争がし足りないっていうのかい!? あんたたちは!!」

商人貴族「金になるのならばなんでもするのが商人です。初めて会った時に私はそう言ったはずですよ?」

妖精「魔王が死んで……もう戦わなくてもいい時代が来たんじゃなかったのかよ……? あたいたち妖精はいつまでこんな場所でビクビク怯えてなきゃいけないんだ……!!」

商人貴族「さぁ、決めるのはあなたです。もっともここでやめるのならその先に待っている未来は……わかってますね?」

妖精「出せ! こっから出せ!! あたいはこんなところで死ぬのは絶対にごめんだぞ! 絶対に嫌だからな!!」

悪ガキ「あう……」

商人貴族「なにを躊躇しているのです? 勇者になりたいんでしょう?」

悪ガキ「でも……」

商人貴族「良心が咎めますか? これはいけないことだと感じるのですか?」

悪ガキ「うう……」


商人貴族「だったらそんなくだらないもの捨ててしまいなさい。今重要なのは力を手に入れること……そして勇者を倒すこと。違いますか?」

悪ガキ「そう……だけど」

商人貴族「このまま弱いままでいいのですか? あなたは一生馬鹿にされ続けたままですよ?」

悪ガキ「馬鹿にされ続けたまま……」

商人貴族「それでいいのですか?」

悪ガキ「………」

商人貴族「決断するなら今です。さぁ、ご決断を」

妖精「考え直せ! クソガキ! 楽して強くなろうなんて甘い考え捨てちまいな! そんなんで強くなってもいいことなんてこれっぽっちも……」

商人貴族「黙りなさい!」ビシッ

妖精「きゃっ!」ドサッ


商人貴族「今までは我慢してきましたが、お客様のご決断を邪魔するようならば私も容赦はしません」

商人貴族「失礼しました。さぁ、ご決断を」

悪ガキ「……やるよ」

悪ガキ「それが……俺ととーちゃんの約束だから……!!」

商人貴族「では……あなたにこれを……」スッ

妖精「………うう」グッタリ

悪ガキ「本当にこいつを食えば強くなれるんだな?」

商人貴族「ええ……一部分でも体に取り込めば誰にも負けない力があなたのものに……」

悪ガキ「……その言葉……間違いないな」ギロッ

商人貴族「もし効果にご不満であればきちんとした手続きで返金等も受け付けます……では、私はこれで」

悪ガキ「おい、どこに行くんだ?」

商人貴族「強大な力が覚醒するのです。巻き込まれたらたいへんでしょう?……私はこの近くのキャンプにいます。終わりましたら一度顔を見せてください。ご武運を……転移魔法」シュンッ





悪ガキ「………」ギュッ

悪ガキ「……もう迷わない……勇者になるためだったらなんでもしてやる……たとえそれが勇者の道に外れることになったとしたとしても……」

妖精「………」グッタリ

悪ガキ「ごめんな……それでも俺は勇者になりたいんだ……!!」











魔族少女「そんな……」フルフル

少年魔法使い「………」

侍少女「うう……気分が……」ウップ

幼女「……おじいちゃんって……美味しいの?」

魔族少女「幼女ちゃん!?」

少年魔法使い「食べるなよ?」

妖精長「ホッホッホ……それは実際に食べてみないとわからんのう。わしはそんなことごめんじゃが」

侍少女「どうして昔の人はそんなグロテスクなこ……おえ」オロロロロ

少年魔法使い「おい、回復魔法でなんとかならないか? ものすごく鬱陶しい。それに臭う」

魔族少女「さすがにこれは……」アハハ


妖精長「そもそもの始まりはまだ龍王様がこの世界に君臨していた時のこと……1人の妖精がとある男を生かすために自らの身を差し出したことがきっかけじゃった……」

少年魔法使い「それが……妖精を食べるってことなのか?」

侍少女「だからって食べるなんてどうかして……うう」オエッ

魔族少女「大丈夫?」サスサス

妖精長「……実際にその時妖精と男の間でなにが行われていたのかを知る者はいない。昔の話じゃから確かめようもないしの。だがしかし……その男は妖精を体内に取り込むことで強大な力を手にした」

魔族少女「強大な力……ですか?」

妖精長「我々の中にあるエネルギーがどう人間や魔族の体に影響を及ぼすかは正確にはわかっておらん。しかし生きながらえた男はその力で天を割り、地を砕き、あらゆる魔法を操ったと聞く」

少年魔法使い「ありえない。そんなのでたらめに決まってる」

妖精長「そうじゃ、多くの者ならそう考える。だがしかし、一部の者はそう考えなかった」

魔族少女「それって……」

妖精長「自分たちもその力を手に入れたくなったというわけじゃ」

侍少女「ということは……」

少年魔法使い「妖精の乱獲……」

妖精長「左様」

幼女「むぅぅぅ……」

幼女「むぅぅぅ……」

妖精長「そして悲劇は起こる。捕らえられた同胞達に対して彼らはあの手この手で自分に力を与えるように迫ったのじゃ」

侍少女「馬鹿げたことを……力とは己が努力で掴み取るものでござるよ!」

妖精長「自分が死ぬと分かっていて誰がそのようなことをするものか……多くの同胞達は人間の要求を跳ね除けた」

妖精長「……そこでさらなる悲劇が起きてしまったのじゃ」

少年魔法使い「体内に入れれば……妖精の力が手に入る……」

妖精長「その通り。人間や魔族は無理やり我らが同胞を……」

幼女「食べ……た」

侍少女「おえええ!!」オロロロ

魔族少女「侍少女ちゃん!?」

妖精長「そしてさらに質の悪いことに……効果があったんじゃよ」

少年魔法使い「なんだって!?」

妖精長「最初の男の様にはいかなかったが少なくとも妖精を取り入れた者は膨大な力や魔力を手に入れ、正に一騎当千の力を手に入れた」

魔族少女「膨大な魔力……」

妖精長「そこから更に我々は追われ続ける身となる。妖精を手に入れた者はすべからく世界の覇者になり、世界は妖精を持つ者と持たざる者に分断された。そしてついには龍王様もその力の前に……」ウツムキ


少年魔法使い「それで魔王の時代が……」

妖精長「魔王も元々は妖精を食べて力を得たのではないかと言われておる。真実を知るものはおらんがの」

幼女「……皆……殺し……」

侍少女「皆殺し?」

幼女「あの子……言って……た! 皆殺し……って!」

妖精長「そうじゃ、このままわしらの居場所が知られれば妖精族は全滅……それだけでは無い……また世界が戦乱の世と化してしまう。それだけはなんとしてでも止めねばならん!!」

少年魔法使い「どんどん話がでかくなってきたな……」

侍少女「そんなこと言ったって拙者達ではもうどうにでもならないんじゃ……」

魔族少女「どうしよう……」



幼女「……大丈夫!」



「「「!!!」」」


幼女「なんとかなる……よ!!」

少年魔法使い「なにか考えでもあるのか?」

幼女「無い!」ムイッ


ズコッ


侍少女「無いんでござるか……」イテテ

幼女「あの子……助けてって言って……た!」

魔族少女「あの子って……妖精さんのこと?」

幼女「………」コクコク


幼女「困ってる人は助ける……それがユーシャのお仕事……なのです!」

少年魔法使い「そんなこと言ってもな……」

幼女「ヨージョはまだユーシャじゃないから……1人では……無理……」ウツムキ

幼女「だから……みんなに協力して……欲しいの!!」

幼女「1人じゃダメ……でも! みんなとなら……なんとかなると……思うから!!」

幼女「みんなであの子を……世界を……助けま……しょう!」ムイッ


魔族少女「幼女ちゃん……」

侍少女「幼女殿……」

少年魔法使い「………」

妖精長(龍王様。改めて感謝を……我々に希望の光をありがとうございます。あなたの力はちゃんと正しき者に受け継がれております……)

こんばんは、今日も少ないですが投下していきたいと思います! よろしくお願いします!!





魔族少女「……そうだね、このまま妖精さんを放っておけないもん……それにまた戦争なんて私嫌だもん……うん、やろう!」

侍少女「幼女殿にそこまで頼まれたら仕方がないでござるな! 今からこの剣は悪を滅ぼす刃となでござるよ」チャキンッ

少年魔法使い「抜けないんじゃしょうがないだろ」ズビシッ

侍少女「抜けるもん!!」

少年魔法使い「……どうせお前らだけだと返り討ちにされるのがオチだ。作戦係が必要だろう?」フッ

幼女「ありが……と! みんな!」


妖精長「魔法使いに僧侶に剣士……それに勇者といったところか……これは面白い! まるで噂に聞く勇者のパーティではないか!!」カッカッカ

幼女「あと1人足りないけ……ど」


妖精長「そうじゃのう……確か勇者のパーティーは5人だったはずだが……そういえば昨日の生意気な小僧がいないのう」

魔族少女「悪ガキくん……」ギュッ

侍少女「こんな時にいないなんて、本当に悪ガキ殿は間が悪いというかなんというか……」ハァ

少年魔法使い「言うな、勝手にいじけてる奴などそうさせておけ。足手まといだ」

幼女「チャーハン……まだ……?」

魔族少女「ブレないね……幼女ちゃんは」

幼女「それほどでも……ない!」



妖精長「……む!」ピーン



「いきなり不意打ちくらえっす!! 魔術『鉄砲水』!!」バシャァァァ!

妖精長「秘術『守護の大地』!!」ゴゴゴゴゴ


ザッバーンッ!!


侍少女「何奴!」


舎弟「お! あれに反応するっすか……やるっすね」

妖精長「人間! ……いや違うな……お主、何者じゃ!」

舎弟「何者か聞かれちまったらしょうがないっすね……おうおうおう! 一度しか言わねぇから目ん玉かっぽじってよーく聞きやがれい!」

魔族少女「あれ? あの人どこかで……」

舎弟「俺は王都一の地上げ屋『笑う赤鬼』一の子分! 頭は悪いが器はでけぇ! 地上げ屋稼業の腕っ節担当! 『怒れる青鬼』とは俺のこと! メイドの土産に……あ、覚えておきやがれ!!」ダダンッ


侍少女「なんでござる? あの頭の悪そうな名乗りは……」ハァ

少年魔法使い「あいつ絶対に冥途の土産の意味を履き違えてるだろ」ハァ

妖精長「その青鬼とやらがこの里になんのようじゃ!」

舎弟「いやー、俺はそこの金髪のガキに用があったんすけどね……まさかこんなところに妖精の隠れ家があるとは予想外だったっす!」ナハハ

妖精長「くっ……」


幼女「むい!?」ビクッ

少年魔法使い「幼女になんの用だ?」

舎弟「え? あ、えーっと……」

少年魔法使い「なんだ? なにか言いづらいことでもあるっていうのか?」

舎弟「いや、そんなことないんすよ? えーっと……」

侍少女「なんでござるか! もったいぶってないでさっさというでござるよ!」

舎弟「俺、なんでこいつ追っかけてたんだっけ?」


ズコッ!


少年魔法使い「どうして僕の周りにはこうもバカばっかりなんだ……!!」

舎弟「うーん? 誰かに頼まれていたような……そうでないような……」

妖精長「どのみちここはお主の様な邪な者が来る場所ではない! 今すぐこの場所から出て行くのじゃ!」

舎弟「失敬な! 俺の心は水洗便所のように綺麗っすよ!!」プンスカ


妖精長「なにをわけのわからんことを!! さっさと出て行くのじゃ!!」パァァ

舎弟「出て行かないっす!!」パキーン

妖精長「なに!?」

舎弟「俺はこのガキに用があるんすよ! なんでかは忘れたっすけど!!」

侍少女「言ってることムチャクチャでござるよ!」



地上げ屋「おーい! 兄弟! 勝手に先行くんじゃねぇ!!」ゼェゼェ

舎弟「あ、兄貴!!」

侍少女「また一人増えたでござる……」

少年魔法使い「大方、さっき言っていた『笑う赤鬼』じゃないか? 馬鹿そうな顔してるだろ」

魔族少女「………」

幼女「どした……の?」

魔族少女「……えっと、気のせいだと思うんだけどあの人どこかで見たことあるような気がするの」

幼女「むい?」

魔族少女「どこだったっけなぁ……」




地上げ屋「勝手に飛び出して行きやがって! 俺たちは商人貴族様の旦那に言われて金髪のガキの監視をしている最中だろうが!」

舎弟「あ、そうっす! そうっす!! このガキを監視するんだったっす! 俺、すっかり忘れてたっすよ!」アハハー

地上げ屋「まったくお前はしょうがない奴だな……さぁ、仕事の続きをするぞ!」

舎弟「うっす!!」ビシッ

地上げ屋「あそこの木の陰なんか丁度いい感じに隠れられそうじゃないか?」

舎弟「いいっすねぇ! 姿を隠しつつしっかり監視できそうっす!」

地上げ屋「じゃああそこで金髪のガキを監視することに決定!」

舎弟「じゃあ! 俺先に行ってるっす!!」ダッ

地上げ屋「バカ野郎! 抜けがけはずるいぞ!」ダッ


アハハハハ!!


少年魔法使い「雷魔法! 強め!!」バリバリバリ

妖精長「秘術『制裁の雷』!!」カッ


地上げ屋「んぎゃぁぁぁぁああああ!!!」ビリビリビリ

舎弟「兄貴ぃぃぃいいいい!!」ビリビリビリ


少年魔法使い「本当にこいつらなんなんだよ……」ハァ

幼女「監……視?」

少年魔法使い「幼女、どうやらお前はずっと付けられてたみたいだな」

幼女「なんです……と!!」ガビーン

少年魔法使い「おそらく昨日の会話で商人貴族の方もお前が妖精の里を知ってると判断したんだろう。それにしては随分お粗末な監視役だが」

幼女「一生の……不覚」ムゥゥ

魔族少女「どうするの?」ヒソッ

幼女「仕方……ない」ハァ

侍少女「まぁ、ここはとりあえずとっ捕まえてふん縛るのが定策でござ……」




幼女「殺しま……しょう!」ムイッ


侍少女「あー……幼女殿? それは流石にやりすぎではないかと……」

幼女「どし……て? このままだとおじいちゃん達が……危ないよ?」キョトン

侍少女「確かにそうでござるが……なにも殺すことないというかなんというか……」

幼女「捕まえても逃げるかもしれ……ない! 殺した方が……確実!」

侍少女「……バトンタッチでござる」

魔族少女「え? 私!?」

侍少女「拙者には幼女殿を説得する自信が無いでござるよ」

魔族少女「ええ……?」

幼女「こっちの準備は……万端!!」コォォォォォ

魔族少女「ちょ!? ストップストップ幼女ちゃん!!

幼女「燃えかすにしてやり……ます!!」ゴゴゴゴゴ


魔族少女「勇者様にブレス禁止って言われてたでしょ! いいの? 約束破って!」

幼女「そ、それはダメ!! ユーシャに嫌われ……る!」

魔族少女「だったらブレスはダメだよね?」

幼女「むぅぅぅ……」シュゥゥゥ

魔族少女「いい? 幼女ちゃん。なんで勇者様が幼女ちゃんにそんなこと言ったかわかる?」

幼女「ヨージョが悪いことした……から?」

魔族少女「それもあるかも知れないけどそうじゃないよ」

幼女「じゃあどーし……て?」

魔族少女「きっと勇者様は幼女ちゃんに優しい女の子になって欲しいんだと思うな」

幼女「優しい女の……子?」

魔族少女「だからそうやって簡単に殺すとか言っちゃダメ。わかった?」

幼女「むぅぅぅ……わかっ……た!」

魔族少女「うん、幼女ちゃんはえらいね」ナデナデ

幼女「えへへ……」ムフー

といったところで今日の投下は以上です!


次の投下は土曜日を予定しているんですがちょっと雲行きが怪しい感じ……とにかく頑張ります!


それでは今日もお付き合いくださりありがとうございました!

次もよろしくお願いします!!

こんばんは、今日も短いですが投下していきたいと思います。よろしくお願いします!

なぜ世間は休みなのにこんなに帰ってくるのが遅くなってしまうのか……




舎弟「もういい加減にして欲しいっす! 兄貴は今朝から色々と酷い目にあってるんすよ!!」

少年魔法使い「……ならお前はなぜそんなにピンピンしてるんだ?」

舎弟「兄貴がくれたビーフジャーキーのお陰っす!」フンスッ

魔族少女「ええ!? ビーフジャーキーにそんな効果が!」

地上げ屋「どうだ……俺のビーフジャーキーは凄いだろう? お嬢ちゃんも俺のビーフジャーキーを……」フラフラ

魔族少女「ひぃぃ!!」

地上げ屋「あれぇ? お嬢ちゃん中々可愛いねぇ……? どう? おじさんと一緒にお茶しない?」フラフラ

魔族少女「えっと……ごめんなさい! 私、心に決めた人がいるので!!」

地上げ屋「そんなのおじさん気にしないからさぁ!! ね? いいでしょう?」フラフラ

魔族少女「こ、来ないでください……」

地上げ屋「げへへへへ……」フラフラ

侍少女「このロリコン!! 魔族少女から離れるでござる!!」バシーン

地上げ屋「あべしっ!!」ズサッ

舎弟「失敬な! 兄貴はロリコンじゃないっす! 兄貴はただついてなきゃ誰でもいいだけなんす!」


侍少女「ついてないって……『なに』がでござるか……?」カァァァ

舎弟「『なに』がっていうか『ナニ』がっす!」ビシッ

侍少女「そ、それはその一般的にいうその……」カァァァ

少年魔法使い「なにそんなことで赤くなってるんだ、敵の前だぞ」ハァ

侍少女「お、お主には関係ないでござろう!」

少年魔法使い「なんで僕に怒るんだよ!?」

幼女「やっぱりこいつら……危険!」コォォォ


魔族少女「わぁぁ!! 私は大丈夫だからストップストップ!!」

妖精長「……これはもう捕まえて記憶を奪うとするしかあるまいな」

少年魔法使い「そんなこともできるのか?」

妖精長「もちろんじゃ。我らも伊達に隠れ続けてはおらんよ」パァァ





舎弟「おっと、そういうわけにはいかねーっす!! せっかくの獲物を前にここでおめおめと引き下がるわけにはいかないんすよ!! それに!!」ビシッ

妖精長「なんじゃ?」

舎弟「俺も一度食ってみたかったんすよ!! 妖精! なんでもものすっごく美味いらしいじゃないっすか!」ニシシッ

妖精長「やれやれ、お主もか……どいつもこいつも……わしらをなんだと思ってるんじゃ!」

幼女「やっぱりおいしい……の?」

少年魔法使い「何度も言うが食べるなよ、幼女」


地上げ屋「こら、ダメだろ兄弟! あんな訳のわからないちっさいおじいちゃんなんか食べたらお腹壊しますよ!」

舎弟「でもでも! 美味いからみんなあんなに妖精狩りしてたわけでしょ? 俺も食べてみたいっすよ!」

地上げ屋「ダメです。弟分があれを丸かじりしてるグロシーンなんてお母さん見たくありません。ほら、さっさとガキの監視に戻るぞ?」

少年魔法使い「この状況でまだ監視とか言ってんのかこの馬鹿は……」

侍少女「ある意味プロでござるな」

舎弟「嫌だい! 嫌だい! 俺も魔王のにーちゃんみたいに妖精を食べるんだい!!」

地上げ屋「また訳のわからないこと言って……お母さんを困らせないの。ほら、ビーフジャーキーならあるから!」

舎弟「わぁ……ビーフジャーキーっす!! 兄貴……あざーっす!!」

魔族少女「えっと、なんなのかな? この状況……?」アハ

地上げ屋「皆さんごめんなさいね……うちの弟分がわがまま言っちゃって……これからもこの子と仲良くしてあげてくれるかしら?」

幼女「いい…よ!!」

少年魔法使い「幼女、あの空間に参加しちゃダメだ」

地上げ屋「ありがとうね……ほら、舎弟。金髪のガキにありがとうは?」

舎弟「……ビーフジャーキーうまうま!!」ガジガジ


幼女「……そんなに美味しい……の?」

舎弟「あ、ダメっすよ! これは俺が兄貴にもらったもんなんすから!」

幼女「ちょー……だい!」

舎弟「嫌っす! これは俺のビーフジャーキーっす!」

幼女「むぅぅぅ!! ケチ!!」プンスカ

舎弟「そんなこと言っても無駄っす。あげないっすよーだ!」ベー

幼女「むぅぅぅ!! ヨージョも食べた……い!!」ブンブン

地上げ屋「ほらほら、喧嘩しないの! ちゃんと幼女ちゃんの分もあるからね? ほら!」スッ

幼女「これが……ビーフジャー……キー!!」キラキラキラ

地上げ屋「しっかり噛んで食べるのよ? わかった?」

幼女「おばさん! ありが……と!」ニパー

地上げ屋「どういたしまして」フフッ



少年魔法使い「いや、なんなんだこの状況!?」

幼女「………」ガジガジガジ

侍少女「もうさっさと捕まえるでござるよ……このまま相手し続けてもこっちが疲れるだけでござる……」

魔族少女「気のせいかな? おじさんが割烹着着たおばさんに見えるんだけど……」

少年魔法使い「安心しろ、バッチリ気のせいだ」

魔族少女「だよね……」アハハ

幼女「あんまりおいしくない……ね、ビーフジャーキー……」ガジガジガジ



地上げ屋「もうこの子ったら……!! じゃあ私たち引き続き監視を続けますから……そういうことで」オホホ

侍少女「ちょ!? 待つでござるよ!?」

少年魔法使い「お前たちを逃がすわけにはいかない。大人しくしてもらうぞ!」チャキッ





地上げ屋「あらあら……人が大人しくしてると思っていい気になりやがって……!!」ファサッ

魔族少女「やっぱり割烹着着てたんだ……」

地上げ屋「少し大人の怖さってやつを教えてやらねぇといけねぇみてぇだな!!」ゴゴゴゴ

舎弟「兄貴……」

地上げ屋「兄弟、お前はそこで見てろ……なぁに、心配するな、すぐに全員片付けてやる。なんせ相手はガキにちっこいジジイ……王都一の地上げ屋『笑う赤鬼』の敵じゃねぇ!!」

少年魔法使い「……あくまで抵抗すると言うのなら……本気でいかせてもらう」

侍少女「刀は抜けなくても脇差で戦えるでござる……日頃の修行の成果、とくと思い知るでござる!」

幼女「ブレス禁止……どうし……よう?」オロオロ

魔族少女「幼女ちゃんは私と一緒に見学してようね」

幼女「ヨージョも戦えるも……ん!」

地上げ屋「3分だ」

少年魔法使い「なんだと!?」

地上げ屋「3分で勝負がつく……そしてお前らは思い知るだろう……圧倒的な力の差をな」ヘヘヘ

侍少女「上等でござる! 行くでござるよ!」チャキッ

地上げ屋「さぁ! 全力でかかってきなさい!!」


といったところで今日の投下は以上です!


次回の投下は月曜日の夜を予定しています!!

今日もお付き合いくださり、ありがとうございました!

こんばんは、今日も投下していきたいと思います!

今日もちょっと短めです……すみません!


――王都 王立研究所 地下実験室(幼女が開けた穴を再利用)――





火竜「………冗談じゃねぇぞ……あの野郎……!!」

魔法使い「ほれ、次のパターンいくぞい!」

火竜「おい! いい加減休ませやがれ!」

魔法使い「まだじゃ。今日中に終わらせなければならん実験がまだ50と4通りある」

火竜「ごじゅ……!!」

魔法使い「ほれ、さっさと準備せぬか!」

火竜「ざっけんな!! なんで俺様がここまでしなきゃなんねぇんだよ!!」

魔法使い「黙れ羽無しドラゴン!! 今のお主などただのでかい赤トカゲではないか!!」

火竜「この……そこまで言うかこのクソガキ!!」

魔法使い「ガキじゃないもん! 大人なレディだもん!!」


火竜「その割には随分慎ましいボディだな! あの助手とかいう女を見習ったらどうだよ!」

魔法使い「あんな牛乳女と一緒にするな! あれはもうなんていうか規格外じゃ!」

火竜「とにかく俺はもうこれ以上付き合わねぇからな! 冗談じゃねぇ! さっさとここから出せ!」

魔法使い「出れるものなら出てみるがよい! この実験場の周囲にはワシが編み出した魔術コーティングを前面に施してある! 貴様のブレスなど全て吸収してしまう特別製じゃ!!」

火竜「ほう……人間の浅知恵ごときでこの火竜を止められるとでも?」ニタァ

魔法使い「あったりまえじゃ! もう竜の時代は終わった! これからの時代は人間が貴様らを管理する番じゃよ!!」

火竜「おもしれぇ……その思い上がり……俺が叩き直してやんよ!!」

魔法使い「やってみろ! どうせ無駄なんじゃからの!!」

火竜「俺を……竜族をなめるなよ……!!」スゥゥゥ

魔法使い「む? なんじゃ? 魔力が先ほどの測定値よりも高く……!!」

火竜「見せてやるよ……これが本当の……」

魔法使い「な、なんじゃぁぁぁ!?」

火竜「火竜のブレスだぁぁぁぁぁああああああああ!!!」カッ


ドゴォォォォン!!!


パラパラパラ……


火竜「どうだ!! お望み通り壊してやったぞ!! これが龍族の力だ! 思い知ったかこのクソガキがぁぁぁ!!!」


魔法使い「………」

火竜「短い間だったが世話になったな!! 一宿一飯の礼だ、今日のところは勘弁してやるよ。だが次会った時は灰にしてやる、覚悟しておけ!」ドシーンドシーン

魔法使い「………」

火竜「まったく……人間ごときがこの俺様をモルモット扱いしやがって……冗談じゃね……!!」ガチーン

火竜「あ痛ぁ!! なんだ!? これは!?」

魔法使い「実験No.264『龍族のブレスの破壊性能の計測実験』終了……数値は……なんじゃこんなもんか」フゥ

火竜「はぁ!? どういうことだよ!? つーか、この壁なんだよ!」

魔法使い「ん? ワシが魔力で張った結界じゃが?」

火竜「ああん!? じゃあ今俺が壊したこの壁は!? くそ、かってぇ!!」ガシーンガシーン

魔法使い「測定用の壁じゃ。廃材置き場に置いてあったものをちょっと改良した」

火竜「なんだとぉ!?」


魔法使い「龍族の本気とやらを見てみたくてのう……一芝居打って挑発してみたんじゃが……そなた、あれが本気か?」

火竜「ああん!?」

魔法使い「幼女のブレスの8割程の威力しかないんじゃが……おかしいのう」

火竜「ふざけんな! んなわけねぇ!! 俺は龍族の戦士だった男だ!! あのガキのブレスいくら龍王様と同じだからってそんなことありえねぇ!!」

魔法使い「ま、データはデータじゃ。このまま保管しておくとして……ほれ、次の実験にいくぞい?」

火竜「ふざけんな! さっさとここから出せ!!」

魔法使い「えー、次の実験はNo.265『火竜のブレスは何分で水を沸騰させることができるか』じゃな。おーい、誰か水を持ってきてくれい!」

火竜「そんなの知ってなんになるっていうんだよおい!!」


魔法使い「ほれ、早くお湯が沸けばそれだけ早くコーヒーが飲めるじゃろ?」

火竜「なめてんのかてめぇ!! 俺様をなんだと思ってやがる!!」

魔法使い「火を吹く赤トカゲ」

火竜「殺す……全力で殺してやる……!!」

魔法使い「おーい、誰かおらんかぁ! 時間が惜しい。水じゃ、水!!」





「悪いが……実験は後回しにしてくれるか?」

魔法使い「ん? なんじゃ?」

「急患だ。すぐに医療魔法使いを頼む」


魔法使い「ん? 剣士? お主は勇者と孤児院に行ってたんじゃ……」

剣士「ちょっと気分転換にジョギングをね……」ボロッ

魔法使い「お、お主! なんじゃその格好は!? ボロボロではないか!」

剣士「色々あってね……気がついたら北の霊峰にいたんだよ」

魔法使い「霊峰!? 大聖堂があるあそこか?」

剣士「ああ、昔冒険しただろう?」

魔法使い「ここから200kmはあるはずじゃが……」

剣士「2時間もあれば十分な距離だ」

魔法使い「忘れがちじゃがつくづくお主も規格外じゃの……」

剣士「そんなことよりも魔法使い、早くこの人を」

魔法使い「ん?」


助手「………うう」ハァハァハァ

魔法使い「助手! なにがあった!? 」


剣士「昨日からすごい熱なんだ。どうにかならないか?」

魔法使い「くっ……わしはそっちの専門ではないからのう……」

研究員E「しょちょー、お水持ってきましたよー。ミネラルウォーターでよかったですよね? あんまり飲み過ぎるとお腹壊しますから気をつけてくださいね? トイレ行くんだったら僕も一緒に行きますから」

魔法使い「馬鹿もん! 今はそれどころではないわい! 急患じゃ! さっさと治せ!」

研究員E「はい? あ、剣士様お久しぶりです。相変わらず無駄にイケメンですね」

剣士「あ、ああどうも……」

魔法使い「豪炎魔法!!」メラッ

研究員E「あっちぃぃぃぃ!! でも回復魔法があるからダイジョーブ!!」ビシッ

魔法使い「さっさとやれ!! 灰にされたいか!」

研究員E「はいはい……で患者は……」

助手「………うっ」ハァハァ

研究員E「これは……なにやってんの? 副所長」

助手「うる……さいわね……!! いけると思った……のよ……!」ゼーゼー

研究員E「しょちょー、僕ロリコンなんで、年増の治療はちょっと御免こうむりたいんですけど」


魔法使い「そんなこと言うとる場合か!!」

研究員E「だって、僕この人に何回も『使っちゃダメ』ってお願いしてるんですよ? もうしょちょーが来る前からずっと! なのにねぇ……やっぱり年食うと脳細胞が死滅するんですかね」アハハ

助手「あんた……殺すわよ……?」ズォッ

研究員E「もうそういうのはいいから、それ以上やったら死ぬぞ?」パシッ

助手「………ぐっ」

研究員E「そんじゃま、このババ……副所長は僕が預かりますんでご安心を!」

助手「あんた……同い年……でしょうが…」

魔法使い「早急に治せ。でなければ貴様を灰にして庭に撒いてくれるわ」

研究員E「嫌だなー、そんなことしたら元気なロリコンが庭から生えてきますよ?」

魔法使い「さっさとやれ!」


研究員E「かしこまりー! ……おい、行くぞ」スッ

助手「おんぶって……担架とか……ないの……?」

研究員E「お前を運ぶのに機材なんか使えるか。嫌なら自分で歩け」

助手「あんたみたいな変態に……背負われる位なら……ここで死ぬわ……」

研究員E「俺はそれでも構わないが……お前の周りが許してくれないだろ? 特に『あいつ』が」

助手「………」モゾモゾ

研究員E「さっさとしろ。お前にかける時間が惜しい。俺はもっとしょちょーとイチャコラしたいんだ」

助手「………屈辱だわ」ゼェゼェ

研究員E「ったく……んじゃ、ちゃちゃっと治してきちゃいますねー!!」スタスタ

魔法使い「頼んだぞ」

といったところで今日の投下は以上です!

次の投下は水曜日の夜を予定しています!!

じっくり幼女を書く時間が欲しい……本当に欲しい!!


では、今日もお付き合いくださり、ありがとうございました!!

乙ー

この話が終わったら幼女メインでSS書くんだよね(ニッコリ)

こんばんは、今日も投下していきたいと思います! よろしくお願いします!!


>>411
えーっと、次の話は多分幼女と〇〇○がメインの話になると思います。
例のごとく番外編挟むかもしれませんが……

それでは今日も短い時間ではありますがよろしくお願いします!




剣士「………面目ない」


魔法使い「……お主が付いておきながら何故助手があんな目にあっておったんじゃ?」

剣士「………彼女に危ないところを助けてもらったんだ」

魔法使い「助けてもらった?………貴様の剣は飾りかなにかか?」

剣士「それは……」チャキッ

魔法使い「違う、そんななまくらのことではない。貴様の本当の剣はそうではないじゃろう? なぜ本気で戦わないんじゃ」


剣士「……あれは他者を傷つけ、殺す力。言わば『攻める力』だ。騎士の私にそんなものは必要ない」

魔法使い「ほう? 騎士に必要なのは外敵から皆を救う『守る力』であると、そう言いたいのか?」

剣士「そうだ。あれは多くの人を無用に傷つけてしまう。騎士として、そんなことはできない」

魔法使い「ふざけるな! ならばその『守る力』でなぜあのようなことになったのじゃ! えぇ!?」ガンッ

剣士「そ、それは私の鍛錬が及ばなかったからで……」

魔法使い「挙句の果てに助手に助けてもらったじゃと!? 世界を救った剣士様が聞いて呆れる! 貴様に勇者のことをとやかく言う資格があるのか!?」ガンッ

剣士「くっ………」

魔法使い「今度このようなことがあってみろ。剣士、わしはお前を殺してしまうやもしれぬ……」

剣士「………」

魔法使い「もう嫌なんじゃ……大事な人が目の前でいなくなってしまうのは……もう絶対に嫌なんじゃ……」

剣士「……すまない」


魔法使い「………こちらも急に怒鳴って悪かった。すまん、感情的になってしまったわい」

剣士「いや、確かに君の言うとおりだ」

魔法使い「………」

剣士「………」




ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!




魔法使い「何事じゃ!?」

剣士「これは……地震!?」

火竜「この感じ……おいおい、マジかよ!?」



バタン!


研究員A「所長! 大変です! 『網』に高度の魔力反応を測定器が感知しました!!」

魔法使い「幼女のものか?」

研究員A「違います……これを見てください!」

剣士「網?」

魔法使い「暗黒魔人の一件以降、この国の防衛システムにわしが強引に突っ込んだものじゃ。王国内で異常な魔力反応を察知するようにしてある」

剣士「それが今の地震となにか関係があるのか?」

魔法使い「確証は持てん、じゃが……」

研究員A「十中八九、これが原因でしょう」

魔法使い「そうじゃな……」


研究員A「しかし、考えられません……幼女さん以外にこの数値を叩き出せる者がいるなんて……」

魔法使い「……この数字は!!」

剣士「どうした!? なにかわかったのか!?」

魔法使い「平均的な魔法使いのおよそ1000人分の魔力……これは真か?」

研究員A「はい、間違いありません。幼女さんには劣りますが……それでも危険です」

魔法使い「これは幼女が南の島ではしゃいでテンションが上がったとかそういう類のものでは……」

研究員A「いえ、幼女さんとはまったく違う種類の魔力です。魔力は人それぞれ波長が違う……所長なら当然ご存知でしょう?」


魔法使い「もちろん知ってるが……勘違いであってほしいんじゃよ……」ハァ

研究員A「それに……その魔力、今も出力を増加させ続けています」

剣士「それで……どこにいるんですか? その魔力の持ち主は?」

研究員A「この揺れの震源地は特定できています。場所は……」

魔法使い「南。孤児院がある辺りじゃ」

剣士「……!! じゃあ……!!」

魔法使い「悪いが後のことを頼む。わしはこれから原因究明のため、震源地へ向かう」

研究員A「わかりました」

魔法使い「まったく、面倒なことになったわい……」ハァ

剣士「なにが原因でこんなことに……」

魔法使い「……誰かが妖精を食べたのじゃろう」

剣士「なんだって?」


魔法使い「大方の事情は助手から報告を受けておる。妖精とそれを狙う商人貴族……しかし、ついに恐れていたことが起きてしまったか……」

剣士「もしかしてあの時彼女が言っていたことってそういうことだったのか? じゃあ……」

魔法使い「妖精は世界に戦乱を招く。なんとしてでも商人貴族に渡る前にこちらが確保したかったが……仕方あるまい!」

剣士「どこへ行くつもりだ?」

魔法使い「無論、妖精を取り込んだものを叩く。このまま野放しにはできんからの」

剣士「待ってくれ! 君一人では危険だ!」

魔法使い「わしをなめるなよ、剣士。わしは貴様と違って戦いで手を抜くつもりなど毛頭ない」

剣士「そういうことじゃない!」

魔法使い「なんじゃ? ではなにが問題だと言うんじゃ?」

剣士「『黒獅子傭兵団』」


魔法使い「………」

剣士「商人貴族は今回の仕事のために『黒獅子傭兵団』と呼ばれる傭兵達を雇って身辺を固めている」

魔法使い「……なるほど」

剣士「奴らは強い。一人ならまだしもあの数となるといくら君でも……」

魔法使い「……見たところ、どうやらそいつらにやられたようじゃのう、剣士」

剣士「ああ、お陰で北まで飛ばされてしまった」

魔法使い「北? なんじゃ、まさか強制転移魔法でもくらったか?」

剣士「そのまさかだ。久々に大聖堂まで行ってきたよ」

魔法使い「大聖堂って……あの霊峰の頂上にある?」

剣士「ああ。君も魔王討伐の際に立ち寄っただろう?」

魔法使い「どうやってここまで帰ってきたんじゃ? 転移魔法は使えないじゃろ?」

剣士「? 普通に走っただけだが? 彼女を背負って」

魔法使い「つくづく規格外じゃのう……お主も」


剣士「だから1人で行くのは危険だと言っているんだ。早まるな」

魔法使い「……一つ聞きたい」

剣士「なんだ?」

魔法使い「『黒獅子傭兵団』……その集団の中に黒フードに紫髪のわしくらいの年の女がいなかったか?」

剣士「……ああ、確かにいたな、名前は確か……」

魔法使い「呪術士」

剣士「そうだ、確かそういう名前だった……知り合いか?」

魔法使い「なるほど……奴もこの件に絡んでいるというのか……おもしろい!!」

剣士「魔法使い?」

魔法使い「……転移魔法!!」


シュンッ!!


剣士「お、おい!!」

といったところで今日の投下は以上です

次の投下は金曜日を予定しています。

今日もありがとうございました!!

こんばんは、今日も投下していきたいと思います! よろしくお願いします!!





剣士「行ってしまった………しかし大丈夫なのか? 転移魔法なんか使って……」

研究員A「ああ、大丈夫だと思いますよ? あれでも毎日隠れて練習してるみたいですから」

剣士「そんなことしているのか?」

研究員A「はい。昨日も研究所の屋根から降りられなくなって研究員総出で救出したばっかりです」

剣士「猫かなにかか……」

研究員A「所長はいつでも自分の苦手を克服しようと一生懸命なんですよ」

剣士「………」


研究員A「そんな所長だからこそ、僕らもなんか放っておけないんですよね」

剣士「………私も震源地に向かう。孤児院のみんなが心配だ」

研究員A「ああでも、今ここには転移魔法が使える術士がいないんですよ……探してきましょうか?」

剣士「問題無い。全力で走れば2時間もかからない」

研究員A「は? 普通なら震源地まで馬車で3日はかかる距離ですよ?」

剣士「馬車の場合だろう? 私ならもっと早い」

研究員A(この人はなにを言ってるんだろう……?)



火竜「おい……そこのスカした人間」

剣士「!!! なんだこの生き物は!? いつからそこにいた!!」チャキッ

火竜「てめぇが入って来る前からずっと居たわ!! なめてんのかてめぇ!!」

剣士「そうなのか!? 気がつかなかった……」

研究員A「剣士様も中々天然ですね……」アハハ

剣士「これは……トカゲか?」

火竜「誰がトカゲだ! 誰が!!!」

研究員A「所長から聞いていませんか? あれが火竜です」

剣士「火竜……じゃあ、お前が勇者に追い払われたとかいう……」

火竜「追い払われてなんかいねぇよ! 寝起きで気乗りしなかったから見逃してやっただけだ!」

研究員A「本当は幼女さんのブレスで翼を焼かれちゃったんですけどね……」

剣士「なるほど……どうりで翼が無いわけか」

火竜「ばらすな!!」


研究員A「ちなみにもう片方の翼は所長が実験兵器で焼き払いました」

剣士「……その……災難だったな」

火竜「そんな目で俺を見るな!! んなことよりお前ら! さっさと俺をここから出せ!」

研究員A「なに言ってるんだ。お前が自分でここに入ったんだろう?」

火竜「違う! 俺はあのガキに騙されて無理矢理ここに押し込まれたんだ!」

研究員A「それに今のお前を外に出したらなにをするかわかったものじゃない! 所長が帰ってくるまで出すわけにはいかない」

火竜「ほう……いいのか? そんなこと言って?」

剣士「……どういう意味だ」

火竜「あのガキ……間違いなく死ぬぜ?」


研究員A「なにを馬鹿なことを! 所長は魔王とも戦った最強の魔法使いだぞ! そんなことありえない!」

火竜「お前があのガキをどう思っているのか、俺は知らない。だが妖精を取り込んだやつとなると話は別だ。奴は死ぬ。間違いなく」

剣士「……贔屓目で見てもあの子の強さは相当なものだ。魔王でない限り負けるとは思えない」

火竜「その魔王とやらも妖精を取り込んでいたとしたら?」

剣士「なんだと!?」

火竜「おっと……これ以上教えてやることもねぇな。出す気がねぇならさっさとどっかへ行きやがれ、クソ人間」

剣士「……外に出てなにをする気だ?」

火竜「……別にぃ? ただ単に面白そうだと思ったからだよ……それに」ケッ

剣士「なんだ?」

火竜「『妖精憑き』は世界の調和を壊す……龍王様は『妖精憑き』から世界を守るために死んだ!!俺は、あいつらの存在自体が気に食わねぇんだよ!!」ガルルル


剣士「………わかった」

研究員A「剣士様!?」

剣士「すまないがあいつを出してやってくれないか? 妖精のことについてなにか知っているかも知れない。それに今は協力関係にあるんだろう?」

研究員A「それはそうですけど……あんなのただの口約束ですし……でかいトカゲですし……」ボソッ

火竜「よーし、外に出たら真っ先にお前を灰にしてやる!!」

研究員A「ひぃぃ!!」ガタガタ

剣士「大丈夫だ。もしもの時は私が君を守る」

研究員A「でも剣士様まるで活躍してないじゃないですか! 本当に強いんですか!?」

剣士「君までそんなこと言うのか……!?」ゴゴゴゴ

研究員A「わぁぁぁ!! 冗談です冗談です!!」

剣士「……いいか、すぐにこいつを外に出してやってくれ」


研究員A「む、無理ですよ。所長がいない時にこんなの外に出してもし暴れでもしたら誰が止めるって言うんですか!」

剣士「その時は私がこいつを斬り伏せる。それで問題ないだろう?」

研究員A(問題あると思うから何度も止めてるんだけどな……)

剣士「君は今、私に対して失礼なことを考えなかったか?」

研究員A「いえ、滅相もありません!」

火竜「おうおう! 剣士がそう言ってるんだ! さっさとこの結界を解いたらどうなんだよ!? ガリ勉メガネ!!」

研究員A「……結界を解けるのは所長だけです。私たちではどうすることもできません」

剣士「……なら仕方がない」スタスタ

研究員A「なにをするつもりですか?」

剣士「悪いがこの結界、破らせてもらう」

研究員A「それはいくら剣士様でも……」

剣士「問題無い」



スッ


剣士「『壊すこと』は昔から得意なんだ」

剣士「術式展開……空間接続……!!」


ザンッ!!!




――妖精の里――





地上げ屋「ずびばぜんでじだ」ドゲザッ

少年魔法使い「まだ30秒しか経ってないが?」

侍少女「大の大人が情けないでござる……」フゥ

地上げ屋(なんなんだよ、このガキ共! 強すぎだろ!!)ウギギギ

幼女「むぅぅぅ……」

侍少女「幼女殿が出るまでも無かったでござるな」

少年魔法使い「妖精長、さっさと記憶の消去を頼む……多少馬鹿になっても構わない。思いっきりやってくれ」

妖精長「もちろんじゃ。自分の存在すらもきれいさっぱり消し去ってくれるわい」カッカッカッカ


地上げ屋「ちょ!? 勘弁してくれよ旦那! 俺はあの商人貴族の野郎に頼まれてそこのガキを付けてただけですぜ?」

少年魔法使い「それが問題なんだ。お前の雇い主は妖精の力を使って世界をまた戦乱の世に戻そうとしてる」

地上げ屋「戦乱の世って……ププ!! ファンタジーの読みすぎだぜ僕ちゃん!」

少年魔法使い「なにがおかしい!」

地上げ屋「おかしいもなにも、妖精ってそこにいるちっさいおっちゃんだろ? 俺にはこのおっさんにそんな力があるとは思えねぇよ」

地上げ屋「確かにこいつは珍しい。でも精々見世物としてしか使い道無いだろ? 違うか?」

魔族少女「見世物って……妖精さんをなんだと思ってるんですか!」

地上げ屋「そう怒るなよ、お嬢ちゃん。東の闇市場に行ってみろ、今じゃお嬢ちゃん位の魔族も見世物小屋に並べられてるんだぜ? それはもう色々な使い道があるってもんさ。それはそれは色々と……な?」ゲヘヘヘ

魔族少女「………!!」

幼女「よいしょ……っと!!」ゴソゴソ

地上げ屋「商人貴族の旦那もそういう目的で妖精を取っ捕まえようってんだろ? 別に戦争がどうとかそんなの考えてねぇって!! なぁ、兄弟、お前もそう思うだろ?」ケタケタ

舎弟「んあ?」

地上げ屋「こんなのが戦争の引き金になんかなるわけねぇよな?」

舎弟「妖精食べたらすんげー強くなるんすよ!」

地上げ屋「いや、だからそういうことじゃなくてな……食っただけで強くなるとかありえねぇだろ」

舎弟「マジっすよ! だって俺、見たことあるもん! 妖精を食べたにーちゃんがこうゴゴゴゴゴゴゴってなってシュピーンってなったとこ!」

地上げ屋「まだお前はそんなわけのわからないことを言ってんのか……」ハァ

舎弟「だから俺も妖精を食ってみたいんす! いいでしょ、兄貴ぃ~」

地上げ屋「ダメだって言ってるでしょうが!」

少年魔法使い「おい、侍少女、早くあいつらを止めろ……日が暮れる」

侍少女「なぜ拙者が!?」

少年魔法使い「馬鹿の相手は馬鹿が適任だ」

魔族少女「アハハ……」

幼女「……あれを……こーして……」ゴソゴソ


舎弟「……兄貴」

地上げ屋「お母さんはお前が憎くてダメって言ってるんじゃないの。あなたのことが心配だからこうして心を鬼にして……」

舎弟「兄貴」

地上げ屋「なんだよ? 今お説教中だぞ!」

舎弟「ちょっと一歩後ろに下がってもらってもいいっすか?」

地上げ屋「なんで?」

舎弟「いいから」

地上げ屋「………こうか?」



ザクザクザクッ


地上げ屋「うひぃぃ!!」ドサッ

舎弟「……不意打ちとは随分となめた真似してくれるじゃないっすか」

地上げ屋「なんだ! な・ん・だ!? 地面になんか刺さってるんですけど!?」




妖精兵長「この里から即刻立ち去れ!! 汚れた者共め!!」



といったところで今日の投下は以上です


次の投下は明日の夜を予定しています!!
GWだからな……めちゃくちゃ書かないと……!!


毎回たくさんのコメントをありがとうございます、悪ガキに関してですが周りがあれだけ異常な奴らだったらグレるのもしょうがないかなって思いながら書いていますwww
誰だってあんな真正面から夢を否定されたらああなるんじゃないかな、と思ってたら知らないうちにこんな展開になってしまいました……


今日も短い時間ではありますがお付き合いくださりありがとうございました!

こんばんは、今日も投下していきたいと思います……ちょっと少ないと思いますけど……

よろしくお願いします!!




舎弟「ひどいっす! 俺、汚れてないっすよ! 三日前に風呂入ったもん!!」

侍少女「汚な!」

妖精兵長「各員、戦闘態勢のまま待機!」

妖精兵達「は!」

少年魔法使い「おい、あれはなんだ?」

妖精長「あれは妖精兵団。万一里に部外者が入ってきた時に里を守る兵士達じゃよ。騒ぎを聞きつけてやってきたか……」




妖精兵A「先ほどの攻撃は警告である! 次は無いと思え!」

地上げ屋「んだよ! 小さいおっさんどもが寄ってたかって! 俺達はそこにいる金髪のガキの監視に来ただけだっつーの!」

妖精兵B「嘘をつくな! 人間や魔族は我々を捕らえ、己のために食うことしか考えていない!


地上げ屋「誰がてめぇらみてぇなおっさん口に入れるか! こちとら生まれも育ちも王都のお膝元の立派なセレブリティでござりますことよ!? お前ら食うくらいなら飢え死にするね!」

妖精兵C「兵長……ああ言っていますが」

妖精兵長「間に受けるな! それもあいつらの手口だ。忘れたのか! それに生きてあいつらを返せばまた別の奴にこの場所を教えるかもしれない」

地上げ屋「教えるわけねぇだろ! 沢山のちっさいおっさんが沢山のテーマパークなんて悪趣味過ぎて誰にもおすすめできねぇわ! な! 兄弟もなんか言ってやれ!」

舎弟「お前らってどんな味がするんすか? 牛肉とどっちが美味いっすか?」

「「「「!!!!」」」」

地上げ屋「おい、馬鹿! そういうことを言えって言ってんじゃないだろ! 刺激してどうする!」

舎弟「いやでもこれって案外重要なことなんっすよ? 『食べてみて案外普通でガックリ。でもせっかく苦労したんだしでもやっぱり……うーん』みたいな微妙な心境になったらどうしてくれんっすか!」

地上げ屋「わかるけど! そういうのわかるけど! 今そういう状況じゃないってわかるだろ!」

舎弟「え? 目の前に食べ物があるのに!?」クワッ

地上げ屋「だーかーらー!!」


妖精兵A「兵長! やはりこいつら……!!」

妖精兵長「ああ……生かして帰すわけにはいかない!!」

幼女「待って……て! ヨージョがちゃちゃっとあいつら殺しちゃう……から!!」ゴソゴソ

魔族少女「幼女ちゃーん。さっき言ったこと忘れちゃったのかなー?」

幼女「でもでも……あいつ……危険!!」

魔族少女「いいから私と一緒に大人しくしていようね?」

幼女「むぅぅぅ……」



妖精兵長「各員、戦闘準備! 奴らをこの里から逃がすな! 確実に殺せ!」

妖精兵達「「「はっ!」」」

地上げ屋「だぁぁぁ!! 人の話をちゃんと聞きやがれ! 俺達はお前らをどうにかしようなんてこれっぽっちも……!!」

舎弟「兄貴」ツンツン

地上げ屋「な、なんだよ?」

舎弟「食物の話してたらなんだか腹減ってきたっす……ビーフジャーキー食いたいっす!」

地上げ屋「ごめん、ちょっと黙ってて」


妖精兵長「いいか! 森の中でなら我々の力を存分に発揮することができる! 遠慮するな! 侵入者を一気に叩き潰すんだ!!」

妖精兵達「うぉぉぉぉ!!!」


地上げ屋「なんかやばそうだ……おい、ここはひとまず逃げるぞ!」ダッ

舎弟「あ、兄貴! 待って欲しいっす!!」ダッ

地上げ屋「こんなところで殺されてなんかたまるかってんだ! 死んじまったらなにもかもおしまいよ!」ダダダダダダ

舎弟「兄貴! ビーフジャーキー!!」

地上げ屋「お前はもう、夕飯抜き!」

舎弟「なんでっすか!?」ガビーン



妖精兵長「逃がすか! 秘術『大地の檻』!!」


ゴゴゴゴゴゴゴ!!


地上げ屋「お、おい地面がせり上がって……」

舎弟「囲まれちゃったっすね……」

地上げ屋「おい! そこのちっちゃいおっさん! 誤解だ! 俺はあんたらに危害を加える気なんてないって何回言えばわかるんだよ! ほら、降参! 白旗上げるから……な!」ヒラヒラ

魔族少女(あれ、さっき着てた割烹着だ……)


妖精兵長「何度も言わせるな……私はお前ら人間など信用しない!! 同胞を守るため! 今ここで死んでもらう!!」

地上げ屋「てめぇ! こっちがこれだけ言ってんのにまだそんなこと言うのか! 同胞を守るだかなんだか知らねぇけどな、お前らみてぇなちみっこいのが何が出来るって言うんだよ!!」

妖精長「……お前らは妖精の本来の力を甘く見ている。その甘さを抱いたまま死ね! 汚れた者共!!」

妖精兵長「放てぇぇぇぇ!!!」


妖精兵「秘術『巨人の飛礫』!!」

妖精兵「秘術『霊峰の噴火』!!」

妖精兵「秘術『裁きの大津波』!!」


ゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!



地上げ屋「ちょ!? マジかこれ!?」

舎弟「……おお! 隕石にマグマに大津波って……相変わらず妖精の魔法は派手っすね!」

少年魔法使い「なんて強力な魔法なんだ……妖精にはこんなことが……」


妖精兵長「汚れた者共よ! その行いを悔い、地獄へ落ちるんだな!!」

地上げ屋「どどどどどどうすんだよこれぇぇ!! このままじゃマジで死ぬって!」ガタガタ

舎弟「さ、兄貴! さっさとあいつらに兄貴の強さを見せつけてやってくださいっす!」

地上げ屋「馬鹿! この状況でどうやれって言うんだよ!!」

舎弟「兄貴ならこれくらいのピンチどうってことないっすよね!?」キラキラ

地上げ屋「そんな純粋な目で見るな! さっきの俺の醜態見てただろ!」

舎弟「はい! かっこよかったっす!」

地上げ屋「ちゃんと話聞いて!」

妖精兵長「はっはっは! 我々を食い物にしてきた罰だ! そのまま恐怖に怯えながら骨も残さずに死ね!」

地上げ屋「いやぁぁぁあああ!! まだ死にたくねぇ! 後生ですからお助けぇぇぇ!!」

舎弟「……あー、兄貴、『後生』ってどういう意味っすか?」

地上げ屋「ああん? お願いする時に使う言葉だよ!!」

舎弟「誰に?」

地上げ屋「そんなもん俺を助けてくれれば誰だっていいわ!!」

舎弟「……そうっすか……」 スッ

妖精兵長「なにをするつもりだ?」

舎弟「流石に兄貴も朝から連戦で疲れてるっすもんね。だったらさっさと言ってくれればいいのに……」スッ

地上げ屋「へ?」




舎弟「……魔術『絶対零度』!!」カッ



ピキィィィィイイイイイン!!




妖精長「なんだとぉ!?」

妖精兵A「私の秘術が……」

妖精兵B「全て……凍った!!」

妖精兵C「こんなこと……ありえない!!」

舎弟「………」

地上げ屋「兄弟……? お前……」




少年魔法使い「どうなっている……? あいつ、ただの子分じゃなかったのか?」

幼女「やっぱり……あいつ……危険!!」

魔族少女「ああ!!」

侍少女「急にどうしたでござるか!?」

魔族少女「思い出した……あの人、どこかで見たことあると思ったら……でもどうしてあの人がこんなところに……!!」

幼女「誰……なの? あいつ!!」ガルル

魔族少女「あの人は魔王軍幹部の1人……」

魔族少女「……氷結魔人様だよ!!」

「「「「えええええ!?」」」」」

といったところで今日の投下は以上です!

次の投下は明後日の夜を予定しています


それでは今日もありがとうございました!


こんばんは、今日も投下していきたいと思います! よろしくお願いします!!

沢山のコメント、本当に嬉しいです!!




侍少女「そ、それは本当っすか!?」

少年魔法使い「移ってるぞ!」

魔族少女「うん……間違いないと思う。『絶対零度』は氷結魔人様の固有魔術だから……」

幼女「固有……魔術?」パァァァ

魔族少女「うん。魔王軍の幹部の人たちはみんな特別な魔術を扱えるの。その魔術のどれもが戦況を覆すほどの圧倒的な力を持っている……」


暗黒魔人(魔術『重力世界』!!)


幼女「……むぃぃ」ゴソゴソ


魔族少女「……ところで幼女ちゃんはさっきからなにをしているのかな?」

幼女「企業秘密……なのです!」ポワァ

魔族少女「そ、そうなんだ」アハハ



地上げ屋「………」

少年魔法使い「おい、どういうことだ? アホ鬼! なぜお前がそんな奴と一緒に行動している!?」

侍少女「答えるでござるよ! まさかお主も魔王軍……!?」

地上げ屋「あいつが……氷結魔人……?」

地上げ屋「ええええええええ!!!!」ガビーン

侍少女・少年魔法使い「知らなかったんかい!!」

地上げ屋「いや、ありえねぇだろ! あいつが魔王軍幹部? ないない! だって魔王軍は勇者が全滅させたんだろ?」

魔族少女「……詳しいことはわからないです。魔王様が討ち取られたとき、魔王軍の方々は散り散りになったとしか聞いてませんから……」

地上げ屋「いや、確かに見た目ほとんど人間みたいな魔族はいるけどよ……さっきまでビーフジャーキー喜んで食ってた奴が魔王軍の幹部ってのは俺はどうも納得いかないっていうか……」

侍少女「確かに……」

地上げ屋「だろ?」


魔族少女「その……舎弟さんとはどこで?」

地上げ屋「二年前、王都で魔王討伐記念とかのお祭りの帰りにさ、あいつが家の前で生き倒れになっててよ……放っておくのもなんだから飯食わせたら懐いたからなんか流れでそのまま……」

魔族少女「そんな、捨て犬じゃないんだから……」アハハ

地上げ屋「お、おい! お前本当に魔王軍の幹部だったのか!?」

舎弟「あれー? 言ってなかったっすか?」

侍少女「軽い! ものすごく軽いっす!!」ガビーン

地上げ屋「聞いてねぇよ! なんか妙に腕っ節強ええなと思ってたけど!」

舎弟「まぁ、細かいことはいいじゃないっすか!」

地上げ屋「それもそうだな!」バーン

侍少女「いいわけ無いでしょうが!!」ガビーン

魔族少女「侍少女ちゃん、落ち着いて……」

地上げ屋「おし! とりあえずここは逃げるぞ! 兄弟!!」

舎弟「えええ!!?? 俺まだ妖精食べてないっす!!」

地上げ屋「腹壊すからダメってさっきから言ってるでしょうが!! いいから逃げるぞ、ここにいたら殺される!」

舎弟「あんな奴ら兄貴なら瞬殺じゃないっすか!」

地上げ屋「殺しは俺のポリシーに反するの! ほら、行くぞ!!」

舎弟「嫌っす! 妖精食べて魔王のにーちゃんみたいにシュビーンってなるんすよ!!」

地上げ屋「ああもう面倒だ! 引きずってでも連れて行くからな!」ズリズリ

舎弟「あーん、兄貴のケチぃぃ……」ズリズリ




カッ!!

地上げ屋「へ?」ビュンッ


ドゴォォォォォン!!!



地上げ屋「あっぶね!! なんだよ、さっきから!! 俺を殺す気か!!」

舎弟「今のは……」ジー




幼女「……あ、間違えちっ……た!」シュゥゥゥ


魔族少女「よ、幼女ちゃん!? ブレスはダメだったんじゃなかったの?」

幼女「ブレスじゃない……よ!!」ビシッ

魔族少女「どういうこと?」

幼女「でも失敗しちゃった……の!」エヘヘ



舎弟「お前、今のどうやったっすか?」ビュンッ

魔族少女「ひっ!」ビクッ

地上げ屋「お、おい!!」

幼女「むい?」



舎弟「だってそれ、魔王のにーちゃんの技じゃないっすか」




幼女「マオー……?」

魔族少女「あの……氷結魔人様?」ビクビク

舎弟「ちょっともう一回やってみて欲しいっす!」

幼女「む……むい?」オドオド

舎弟「ほらほら!! 早く!! もう一回!!」

地上げ屋「なにやってんだよ! 早くずらかるぞ!! 早くしないと次のが来るんだから!!」

舎弟「いいじゃないっすか! 見てみたいんすよ!!」

地上げ屋「兄弟!!」



妖精兵長「総員! もう一度総攻撃だ! 偶然は二度は続かないはず!! 今度こそ侵入者を抹殺する!! 皆の者! 秘術の準備!!」

妖精兵「おおお!!」

地上げ屋「ほら言わんこっちゃない!!」

妖精兵長「目標! 侵入者!! 最大出力で殲滅する!!」

侍少女「ちょっ!? 拙者達もいるんでござるよ!」

少年魔法使い「このままじゃ巻き込まれる!!」

妖精兵長「構え!!」

妖精兵「………」ザッ


舎弟「うるさい」ギロッ


妖精兵「!!!」

舎弟「今俺はこのガキと話してるんっす。外野は黙ってて欲しいっす」ギンッ

妖精兵「「「うう……」」」ガタガタ

妖精兵長「ひ、怯むな! 我々の後ろには里の命運がかかっているのだぞ!!」

舎弟「……しょうがないっすね」スッ

舎弟「……魔術『氷像』」

妖精兵長「なに!?」


ピキィィィィン!!!


妖精兵長「」ゴトッ


妖精兵A「兵長!!」

妖精兵C「一瞬で……氷漬けに……」

舎弟「そいつは後でカキ氷にでもして食ってやるっす……お前らもこうなりたくなかったら……」

舎弟「俺の邪魔をするな」ギンッ

妖精兵「「「………」」」

魔族少女「あれが……魔王軍幹部の力……」

少年魔法使い「……無茶苦茶だ……あんなの勝てるわけがない……」ガタガタ

舎弟「さてと……」クルリ

幼女「!!!」ビクッ

舎弟「もう一度さっきのをやるっすよ……今すぐ」

幼女「……え、えっと……」オドオド

舎弟「なに出し惜しみしてるんすか? そっちがそのつもりなら……」シュンッ

幼女「むい!?」

舎弟「無理矢理にでもやらせてやるっすよ!!」

魔族少女「幼女ちゃん! 後ろ!!」




舎弟「遅いっす!!」ガンッ

幼女「きゃう!!」ズザザザザザザ


侍少女「幼女殿!!」

地上げ屋「バカ野郎!! 何やってんだよ兄弟! 俺たちはそこのガキを監視するだけだろ! 蹴り入れてどうすんだ!!」

舎弟「さぁ、早く見せてみろっす」ヘヘヘ

地上げ屋「おい、兄弟!」

幼女「むぅぅぅ……」スクッ

魔族少女「幼女ちゃん!! 大丈夫?」

幼女「大丈……夫!! どうってことない!!」

妖精長「秘術『制裁の雷』!!」カッ


ズドォォォォン!!


舎弟「………危ないっすね」シュゥゥゥ

妖精長「くっ……外したか!!」

舎弟「邪魔するなって言ったはずっすよ?」

妖精長「黙れ! この里は妖精族の安息の地! これ以上の勝手は許さん!!」

舎弟「じゃあ、あんたもカキ氷にしてやるしかないっすね……」スッ

妖精長「来い! わしの命に変えてもこの里を守ってみせる!!」

舎弟「黙って見てればよかったのに。魔術……」



侍少女「必殺!! 『空中一文字斬り』でござるぅぅぅぅううう!!!!」


ズバッ!!!


舎弟「……あ」ゴトッ

地上げ屋「兄弟!!」

侍少女「………」チャキンッ


少年魔法使い「……あいつ、魔王軍幹部相手に……」ゴクッ

侍少女「うぎゃぁぁあああ!! 腕切っちゃったでござるよぉぉぉぉ!!!」ジタバタ

舎弟「ひどいことするっすね……」ハァ

地上げ屋「大丈夫か! 兄弟!!」

侍少女「………あ、いや……あの、拙者もまさかそんな腕なんか切れると思ってなくて、妖精長殿が危ないと思ったら体が勝手に動いて……あの、その……」



侍少女「……わざとじゃないでござるよ?」エヘヘ





少年魔法使い「バカ女! のんきなこと言ってる場合か!!」

舎弟「………魔術『氷像』」スッ

侍少女「い!?」


ピキィィィィン!!


侍少女「」ゴトッ

少年魔法使い「侍少女ぉぉぉぉぉぉ!!!!!」

幼女「!!!」

舎弟「別に腕くらいすぐに元に戻るから別にいいんっすけど、こんな風に」パキパキパキ

地上げ屋「お、おい……流石に……やりすぎだ……」

舎弟「ん? でも先に攻撃してきたのはあっちっすよ? 俺達はなんも悪いことしてないじゃないっすか!」ニヘヘ

地上げ屋「だけどよ……」

舎弟「……兄貴? どうしたんすか?」

地上げ屋「兄弟……」グググ




少年魔法使い「……おい、バカ女……なにしてるんだ……? さっさと動けよ……」ヒタッ

侍少女「」

少年魔法使い「おい!! バカ女!! ふざけるのも大概にしろ!!」


舎弟「ああ、別に死んでないから安心して欲しいっす!」

少年魔法使い「……なんだと?」ギロッ

舎弟「瞬間冷凍しただけっすから。まぁ、この状態が続いたらどうなるかわからないっすけどね」ケラケラ

少年魔法使い「……さっさとこいつを元に戻せ!!」

舎弟「そんなことよりも先にやるべきことがあるっす! そこのガキの力を見せてもらうのが先っすよ!」ニヘヘ

少年魔法使い「ふざけるな!! さっさと治せ!!」

舎弟「聞き分けの無いガキっすねぇ……我慢てものを覚えた方がいいっすよ?」

少年魔法使い「……雷魔法……」バリバリバリ

舎弟「お前も向かってくるんすかぁ? 少しくらい待っててくれてもバチ当たんないと思うんだけどなぁ……」

少年魔法使い「……突風魔法……」ヒュゴォォォ

舎弟「お?」

少年魔法使い「異なる魔力を合体させることで強大な魔法を作り出す……!!」グワッ

舎弟「おおお!! やるっすね!!」

少年魔法使い「……くらえ……これが僕の……とっておきだ!!」

少年魔法使い「合体魔法『神風』!!」


グォォォォォォォォオオオオオオオオ!!!!


少年魔法使い「……あいつを返せ……返せぇぇぇぇぇぇえええええ!!!」


舎弟「でも……」スッ

舎弟「魔術『絶対零度』!!」


ピキィィィィン!!


舎弟「無駄なんだなーこれが♪」ニシシッ

少年魔法使い「な!?」

魔族少女「そ……そんな……!!」

舎弟「絶対零度の前にはどんなものだってその動きを止める……たとえそれが魔法だったとしてもっす」ニヤッ

少年魔法使い「く……くそ……!!」プルプル

舎弟「そんじゃま、とりあえず……」スッ

魔族少女「や、やめてください!!」

舎弟「お疲れさん♪」コォォォ


ピキィィィィン!!


少年魔法使い「」ゴトッ

魔族少女「いやぁぁぁあああああ!!」

といったところで今日の投下は以上です!

次の投下は……明日の夜にできればいいかなと思っています……

それでは今日も短い時間ではありましたがお付き合いくださりありがとうございました!!






舎弟「俺の戦闘力は53万っす!!」フンスッ

こんにちは、ちょっと早いですが一応投下します!! 

よろしくお願いします!!



舎弟「なんでそんなに歯向かってくるんすかねぇ……俺はただあのガキに興味があるだけなのに」クルッ

魔族少女「あ……あ……」ガタガタ

舎弟「お前は……俺の邪魔しないっすよね?」ニタァ

魔族少女「ひっ……!!」ガタガタ

幼女「……サムライ……ショージョ……」

侍少女「」ピキーン

幼女「……ショーネン……マホーツカイ……」

少年魔法使い「」ピキーン

舎弟「さぁ、そいつらみたいになりたくなかったらさっさとさっきの技を見せるっすよ!」

幼女「……二人を……元に戻し……て!!」プルプル


舎弟「先に技を見せてもらってからっす……あの技は確かに魔王のにーちゃんの技だった……なんでお前が使えるんすか? お前何者なんすか? 俺はそれが知りたいだけなんすよ!」

幼女「二人を……元に戻し……て!!」

舎弟「だーかーらー、それは俺の言うことを聞いてからっす!!」

幼女「戻……して!!」ゴゴゴゴゴ

地上げ屋「……も、もういいんじゃねぇか、兄弟。元に戻してやれよ……このままじゃこいつら、死んじまうかもしれねぇんだろ?」

舎弟「こいつらが死のうが関係ないっす。俺は、ただこのガキが何者なのか知りたいだけなんすから」

地上げ屋「兄弟!! いい加減に……」

舎弟「兄貴も……俺の邪魔するんすか?」

地上げ屋「!!! そ、それは……」

舎弟「しないっすよね? だって兄貴は優しいんすから!!」エヘヘ

地上げ屋「………」ギュッ

舎弟「兄貴はにーちゃんと違って勝手にどっか消えたりなんかしないし、俺の言うこともちゃんとわかってくれる……そうでしょ?」

地上げ屋「お前……」


舎弟「さぁ……さっさとにーちゃんのことを教えるっす!!」

幼女「戻……せ!!」ダッ

舎弟「違う!!」ガンッ

幼女「あう!!」ズザザザザ

魔族少女「幼女ちゃん!!」

舎弟「それじゃないっす……俺が言ってるのはそれじゃないんすよ!!」

幼女「ううう……」スクッ

舎弟「まだ寝るには早いっすよ?」スタスタ

幼女「むぅぅぅ……」


魔族少女「もうやめてください!!」バッ



幼女「マゾク……ショージョ……」

舎弟「……お前もっすか」ハァ

魔族少女「……逃げて……幼女ちゃん……」ガタガタ

舎弟「ああもう!! 面倒っすね!! どうしてこんなに俺の邪魔をするんすか!?」

魔族少女「と、友達だから!!」

舎弟「あん?」

魔族少女「友達を助けるのは……当然です!!」ガタガタ

舎弟「………」


「友達を助けるのは当然だろ?」


舎弟「……ムカつくっす」

魔族少女「え?」

舎弟「もういいや、お前も邪魔っすよ」ゴゴゴゴゴ

魔族少女「幼女ちゃん! 逃げて!!」

幼女「やだ!!」


魔族少女「……お願い」

幼女「!!!」

舎弟「魔術……」

幼女「マゾクショージョ!!」

魔族少女「………」ギュッ




舎弟「『氷像』!!」

ピキィィィン!!!


といったところでとりあえず以上です!

続きは夜に……

ありがとうございました!!

こんばんは、引き続き投下していきます!

よろしくお願いします!!



――???――




「嫌だよ……僕……こんなの嫌だよ……!!」

「……悲しまないで……ください……坊ちゃん……」

「ずっと一緒にいてくれるって……約束したじゃないか……!!」

「ええ……ずっと……一緒ですよ……」

「私は……いつでも……あなたと共に……」







女「……っと!! ちょっと!!」


男「……ん?」

女「こんな時になにボケーっとしてんのよ!」

男「……ああ、ちょっと昔のこと思い出してて……」

女「このボケがぁ!!」ズビシッ

男「痛ぇよ!!」

女「そんなんで痛みなんて感じるわけないでしょ!? あんた自分のことなんだと思ってんのよ!?」

男「確かに痛みは感じねぇけどさ、なんていうか心は傷つくんだって!」

女「そんなことよりも説明しなさい!」

男「え、なにを?」

女「なんで今更になってあんなのが出てくるの?」

男「あんなのって……氷結魔人のこと?」


女「決まってるでしょ! 暗黒魔人の時といい! 今回の時といい!! なんで魔王軍の幹部がまだ生きてんのよ!? 確かに私たちがあの時倒したはずなのに!!」

男「……ああ、暗黒魔人はともかく、他の奴らには勇者がこっちに乗り込んで来る前に『適当に戦って適当に死んだフリしとけ』って言っといたんだよ」

女「……誰が?」

男「もちろん、俺が」

女「……なんのために?」

男「だって元はといえば俺の個人的なわがままからあんなことになってたわけだし……命懸けでやる必要なんてどこにも無いわけで……ねぇ?」

女「……じゃあ、なに? 私たちが戦った時の魔人共って……」

男「全然本気じゃなかったんじゃない?」

女「くっ……どうやら今回も私が行くしかないみたいね……!!」グッ

男「ああ、今回は俺が行くから女ちゃんは休んでてよ」

女「止めても無駄よ……なにがあっても私は幼女ちゃんを守るって決めたんだから!!」

男「いやだから、今回は俺が行くって」

女「あんたがなにを言ったって私は……なんですって?」

男「今回は俺が行くから君はお留守番。お分かり?」

女「はぁ?」


男「ソウルフレンドである幼女のピンチだ。見過ごすわけにはいかねぇだろ?」

女「散々、『それが世界の選択だ……』とかキメ顔でのたまってたあんたが今更なに言ってんの?」

男「悪意丸出しだねー、女ちゃん!」アハハ

女「あんたに対する感情なんて悪意以外の何物でもないわよ」

男「……安心してよ。今回は事情が違う」

女「事情?」

男「世界の意思とかそういうもんの前に……」



男「悪いことをしたらオシオキ……だろ?」ニヤッ




――妖精の里――




魔族少女「………あ、あれ?」

舎弟「おろ?」

魔族少女「なんともない……」

妖精長「大丈夫か! お嬢ちゃん!!」

魔族少女「え、ええ……大丈夫みたいです……でもどうして?」

舎弟「おかしいっすね……確かに発動させたつもりだったんすけど……」




地上げ屋「!? 兄弟!! 危ねぇ!!」

舎弟「なんすか兄貴?………げ」


ズバァァァァァァァン!!!!


魔族少女「きゃぁぁああああ!!」

地上げ屋「うぉぉぉぉおおおおお!!!」




幼女「はーい! あなた様のご期待にお応えして、必殺技の出血大サービスでござりますぅ!! これでご満足していただけましたか?」シュゥゥゥ

魔族少女「よ、幼女ちゃん?」

幼女「おお!! 飛んだ飛んだ……こりゃ新記録更新かぁ?」ニシシッ

魔族少女「どうしちゃったの……?」

幼女「……巻き込んじまって悪かったな」

魔族少女「え?」

幼女「君の両親を死なせちまったのは俺のせいだ……それなのに大事なところでトンズラしちまって……本当に悪いと思ってる」

魔族少女「あなた……誰なんですか? 幼女ちゃんはどうなったんです?」

幼女「へへ……この体じゃ、君の頭を撫でることもできねぇや……」スタスタ

魔族少女「ま、待って!!」


幼女「………」チラッ

侍少女「」ピキーン

少年魔法使い「」ピキーン

幼女「……あー、こういう時どうすりゃいいんだっけ? 魔術の解除なんて久々だしなぁ……」ガシガシ

魔族少女「あ、あの……」



幼女「めんどくせぇ、『なんかこう、うまくいい感じになれ』!!」パァァァ



魔族少女「きゃあ!? な、なに!?」

妖精長「この光は……」

魔族少女「すごく……暖かい」


スゥゥゥゥゥゥゥ………


侍少女「ぎゃぁああああ!! やばいでござる! 必殺技食らってめっちゃくちゃにされちゃうでござるぅぅぅ!!!」

少年魔法使い「……俺は一体……」

魔族少女「あ……ああ!!」ダッ

侍少女「……ってあれ?」

少年魔法使い「そうだ……俺はバカ女の仇を討とうとして……」

侍少女「仇って!? 縁起でもないこと言わないで欲しいでござる!! 拙者はこの通りピンピンとして……!!」

魔族少女「二人共!!」ガバッ

侍少女「うわっと!! ど、どうしたんでござるか!?」

少年魔法使い「バカ女!! 戻ったのか!?」

魔族少女「二人共よかった!! よかったよう……」グスッ


侍少女「なんか色々と記憶が抜けてるのでござるが……」

少年魔法使い「お前、今まで瞬間冷凍されてたんだよ」

侍少女「マジ!?」

少年魔法使い「本当だ。そして魔族少女の様子から察するにどうやら俺も……」

魔族少女「そうだよ! もう、みんな死んじゃったかと思って……私……」グスッ

侍少女「でもどうやって元に?」

魔族少女「それは幼女ちゃんが……」

少年魔法使い「幼女が?」



舎弟「痛てて……かー、今のは効いたっす!!」ガラガラ

幼女「甘えたこと言ってんじゃねぇ……さっさと立て」クイクイ

舎弟「やっぱり今のも……あんたにーちゃんのなんなんすか?」

幼女「おいおい……」ハァ

少年魔法使い「あいつ、なんか様子がおかしくないか?」


魔族少女「うん。さっきからあんな感じで……」

幼女「おいおいおいおいおい……まさか忘れたとは言わせねぇぞ?」

舎弟「はぁ!? 俺はあんたに会ったことなんか……」

幼女「俺はお前に教えたよなぁ? 女子供には絶対に手を出すなって!!」ゴゴゴゴゴ

舎弟「お、女でガキのお前に言われたくないっす!!」

幼女「黙らっしゃい! 今日という今日はゆるしませんよ!!」

侍少女「……幼女殿ってあんなに流暢に喋れたでござるか?」

少年魔法使い「なんか気のせいか大分目つきが悪くなった気がする……」

舎弟「さっきからにーちゃんの技使ったり、いきなり別人みたいになったり……お前、なんなんすか!!」

幼女「氷結魔人。俺にそんな口聞いていいのか?」

舎弟「どういう意味っすか?」



幼女「お前、俺を誰だと思ってやがる!! 素敵で愉快なお兄さんだぞ?」バーン




少年魔法使い「幼女がいきなり馬鹿になった……」

魔族少女「馬鹿かどうかはともかく、さっきとは別人みたい……」

妖精長(魔族の嬢ちゃんが言うとおりさっきとはまるで別人じゃ……それになんじゃ? お嬢ちゃんから微かに邪悪ななにかを感じる……お嬢ちゃん……お主、まだなにか隠していると言うのか?)

舎弟「そのアホみたいな喋り方……」

幼女「今からてめぇにたっぷりとオシオキしてやる……覚悟はできてるな?」

舎弟「もしかして……にーちゃん?」

幼女「答えは聞いてねぇ!!」クワッ

といったところで今日の投下は以上です

次の投下は金曜日の夜を予定しています!

やっべ、本当に終わんなくなってきた……


今日もお付き合いくださりありがとうございました!

次回もよろしくお願いします!!

こんばんは、今日も投下していきます! よろしくお願いします!!


幼女「さぁ、どうしてやろうか……? 骨の二三本は覚悟しておけよ?」クックック

舎弟「いや……そんなのありえないっす!!」スッ

舎弟「にーちゃんの名前を騙るなんていい度胸っすね! そんな化けの皮すぐに剥いでやるっすよ!!」

妖精長「いかん!!」

魔族少女「避けて!! 幼女ちゃん!!」

幼女「ああん?」

舎弟「魔術!! 『氷像』!!!」

舎弟「氷漬けになれっす!!」


ピキィィィィィン!!!


幼女「」ゴトッ

侍少女「幼女殿!!」

舎弟「ふふん!! あっけないっすね!!」フンスッ


バキィィィィン!!!

舎弟「え?」



幼女「もっと熱くなれよぉぉぉおおおおおおおおおおおおお!!!」ゴゴゴゴゴ


舎弟「げえ!!??」

少年魔法使い「どうやって……」

幼女「あー、気合?」

少年魔法使い「んな無茶苦茶な……」

幼女「『元気があればなんでもできる』んだぞ? 覚えておけ」

少年魔法使い「はぁ……」

幼女「それにしても大したことねぇなぁ……そんな氷じゃ俺の熱いハートは凍らねぇぞ?」フフン

舎弟「……どうやら本当ににーちゃんみたいっすね……」

幼女「さーて、なんのことかしらん? 幼女ちゃんまだ小さいからわかんなーい♪」キャルン


舎弟「とぼけても無駄っすよ!! あんな無茶苦茶なことできるの、にーちゃんくらいしかいないっす!!」

幼女「そんなことしてていいのか? 今度は俺の番だぜ?」スゥゥゥゥ

舎弟「!!!」

幼女「くらえ!」カッ

魔族少女「あれは……龍王のブレス!!」

舎弟「だったら……魔術『絶対零度』!!」


ピキィィィン


舎弟「どうっすか!!」

少年魔法使い「ブレスまで凍らせるのか、あの技は!?」

幼女「……だからどうした?」シュタッ

舎弟「え?」

幼女「漢なら拳で語りやがれぇぇぇ!!」カッ


ドゴォォォォン!!


舎弟「ぐわぁぁぁああああ!!!」ヒューン


少年魔法使い「いや、お前女だろ」

幼女「ガキが細かいこと気にすんなよ。そのうちハゲるぞ?」

少年魔法使い「なっ!?」

侍少女「は、はげ……」プルプル

少年魔法使い「笑うな!」



幼女「ったく……中途半端に力つけやがって」ハァ

舎弟「に、にーちゃん……」ボロッ

幼女「……そろそろ止めといこうかね。あ、安心しろ。しばらくベッドから出られなくなると思うけど、命だけは助けてやるよ」ニシシッ

舎弟「……どうして?」

幼女「………」スタスタスタ

舎弟「……どうして、俺たちを置いていったんっすか……?」グググ

幼女「……お前には関係ねぇことだ」スタスタスタ

舎弟「俺たちのこと……嫌いになっちゃったんすか?」

幼女「……そんなわけねぇだろ」ボソッ





地上げ屋「あいや、待たれぇぇぇええええい!!」バンッ

幼女「あん?」

地上げ屋「ここから先は! 泣く子も笑う王都一の地上げ屋!! この『笑う赤鬼』が通さねぇ!!」ババンッ

地上げ屋「これ以上、俺の弟分を傷つけようって言うのなら!! 俺が相手になってやるぅぅぅぜぇぇぇえええ!!」バババンッ

幼女「……なんだお前?」

といったところで今日の投下は以上です!!

次の投下は日曜日の夜を予定しています!!


次の投下の時はもっと話を進めたい……!!


今日もお付き合いくださりありがとうございました!

次もよろしくお願いします!!

こんばんは、今日も投下していきます!

よろしくお願いします!!



地上げ屋「……俺はあいつの兄貴分だ」

幼女「そこをどけ。まだあいつのオシオキが残ってる」

地上げ屋「どかねぇよ。あんたが何者かはしらねぇが、こっちも兄弟がここまでボコボコにされてちゃ黙ってなんかいられるか!」

魔族少女「あの……やめておいた方が……死んじゃいますよ?」オロオロ

地上げ屋「止めてくれるな、お嬢ちゃん。男には引けねぇ時ってもんがあるんだよ……それが男の、男たる……」フッ

幼女「いや、だから邪魔だって」バキッ

地上げ屋「せめてちょっとは話くらい聞いてぇぇぇぇぇ!!!」ヒューン


キラッ☆


魔族少女「ああ……だから言ったのに……」

舎弟「兄貴ぃぃぃぃ!!」

幼女「あれ? やべ……ちょっとやり過ぎたかな?」

少年魔法使い「やりすぎたっておい……」ハァ

幼女「まさかこの状況で『普通の人間』が向かってくるとは思わなかったんだもの……」

少年魔法使い「完全に星になったな」

侍少女「今思えば悪い奴じゃなかったでござるよ」ウンウン

幼女「まぁ、多分死んでないんじゃねぇかな? うん、多分そうだ。ギャグで片付く感じだって」タハハ

魔族少女「だといいんだけど……大丈夫かな」

幼女「さ、そんなことよりもお説教の続きですよ、皆さん!! さっさとあのバカをコテンパンにしてだな……」

侍少女「あああああああ!!!」

少年魔法使い「どうした!?」

侍少女「いないでござる!!」

幼女「いないって……あ」

魔族少女「氷結魔人様が……消えた?」

幼女「あちゃー逃げられちった」ポリポリ


――孤児院――


院長「……これはどういうことですか?」

商人貴族「こうして対面するのは初めてですね。院長様」

院長「手紙の件でしたら昨日あなたの部下を名乗る方にお伝えしたはずですが……はて? あの人は偽物だったのでしょうか?」

商人貴族「そう固いことを言わないでください。私は交渉に来ただけですよ」

院長「ではなぜこの様な大勢で? まるで戦争でも始めようとしてるみたいですけど」

「へへ……」「おお!! こりゃまたべっぴんな姉ちゃんじゃねぇか!!」「どうだい? 俺と今晩!」「馬鹿、俺のもんだ!」

院長「……これはどういう意味なんでしょう?」

商人貴族「ああ、私なりのメッセージですよ」フフッ

院長「メッセージ?」

商人貴族「『どんなことをしてでもこの土地が欲しい』という私の気持ちをこうして形にしているだけのことですよ」フフッ

院長「……これはいわゆる脅しですか?」


商人貴族「勘違いしないでください。私はあくまで穏便に済ませたいのです。あくまで穏便に」

院長「帰ってください。なんと言われようと、私はここを譲る気はありません」

商人貴族「それは十分承知しております。ですが私も遥々王都からこうして足を運んでいるのです。彼らをここに呼ぶことだってタダではありません。どうか! どうか話だけでも聞いていただけませんか?」

院長「あなたの苦労など知りません。申し訳ありませんがお引き取りください。私は今忙しいんです」

商人貴族「忙しい? それはまたどうして?」

院長「あなたに答える必要なんてありません」

商人貴族「その様子だと、なにか探し物ですか?」ニヤッ

院長「………」

商人貴族「それはさぞお困りでしょう……協力しますよ?」

院長「探し物? さてなんの話でしょう?」ニコッ

商人貴族「私も商人の端くれ、お客様が真に求めているものがなにかくらいわかります」フフッ

院長「だとしたらあなたには商人としての才能が無いということになりますね。見当違いもいいところです」

商人貴族「これはこれは手厳しい……私に才能が無いですか」

院長「はい。私にはそう見えます」

商人貴族「では彼にもそんなひどいことを言ったんですか? 『君には才能が無いと』」

院長「!!!」


商人貴族「彼は哀れにも1人で泣いていました……その年で自分の価値を決定づけられる……これほど悲しいことがあるでしょうか?」

院長「……悪ガキくんは……どこですか?」

商人貴族「さぁ? どこでしょうかね?」

院長「答えなさい!!」

商人貴族「答えたところでどうするおつもりで?」フフッ

院長「それは……」

商人貴族「院長先生……私には理解ができないのです。理由はどうであれ、子供の夢を潰そうとするなど教育者の……親のすることでしょうか?」

院長「そんなことあなたに言われる筋合いなんて……」

商人貴族「ではなぜ彼は1人で泣いていたのですか? そしてなぜあなたは彼の悲しみをそのままにしておいたのです?」

院長「なにも知らないあなたが横から口出ししないでください!! 勇者になるってことはそんな生易しいものではないんです!!」


商人貴族「勇者様のことについて私は詳しくは知りません……ですがそうやってあなたは自分の考えをあの子に押し付けたのですか? あの子の持つ力を信用することすらしないまま?」

院長「わ、私はそんなつもりなんて……」

商人貴族「彼は深く傷ついていました。当然です。今までずっと胸に秘めていた夢を真正面から否定されたのですから」

院長「ですが、それは悪ガキくんの将来を思うからこそなんです!!」

商人貴族「それこそがあなたの、親の思い上がりなのです」

院長「!!!」

商人貴族「彼はとても純粋な子です。環境によって白にでも黒にでもなる。そしてそれ故に……」


商人貴族「……不相応な力を求めてしまう」ニタァ

院長「え?」


ゴゴゴゴゴゴゴ!!!


院長「じ、地震!?」


商人貴族「思ったよりも決心に時間がかかったようですね……ですがまぁ、いいでしょう」

院長「決心?」

「お、おいあれ!!」「なんだなんだ?」「森が光ってるぞ!!」「あれは……」

院長「光の……柱?」

商人貴族「しかし思った以上の成果だ……これは素晴らしい!!」

院長「あなたはさっきからなにを言っているのですか?」

商人貴族「院長さん、私はやはりこの土地が欲しくなりましたよ。できることなら今すぐにでもこの場所を独占したい! それだけの魅力がこの場所にはある!! なにせ私の『商品』はあなたが才能が無いと切って捨てた彼がここまでの力を手にしたのですから!!」

院長「あの柱を悪ガキくんが……?」

商人貴族「ええ、その通り」


院長「ありえません……悪ガキくんの持っている魔力であんな芸当ができるわけがない」

商人貴族「いえいえ……今の彼ならこんなこと容易いでしょう。それだけの力を彼は手に入れたのですよ!」

院長「……あなたは悪ガキくんになにをしたんですか!?」

商人貴族「私は少し背中を押してあげただけです。そしてその道を選んだのは彼だ」

院長「……!!」ダッ

商人貴族「どこへ行くつもりですか?」

院長「決まってます! 悪ガキくんのところへ行きます!!」

商人貴族「交渉はまだ終わってませんが?」

院長「子供の命よりも大事なことなんてこの世にあるわけがないでしょう!!」

商人貴族「困った人ですね」ハァ

傭兵A「おっと!! どこに行くつもりだい、姉ちゃんよう? まだ商人貴族様が喋ってる最中じゃねぇか!」

傭兵B「もうちょっとゆっくりしていけよ!」ゲヘヘ

院長「……あなた達の相手をしている暇などありません!!」シュバッ

傭兵A「え……」ドサッ

傭兵B「お、おい!!」

院長「邪魔をするなら……次は殺します」


傭兵B「こ、このアマ……!!」ジャキッ

商人貴族「やめなさい」

傭兵B「い、いいんですか?」

商人貴族「戦っても無駄です。あなたでは彼女には勝てない」

院長「懸命な判断です。もし私が戻ってきてもまだここにいるようでしたら、あなた方を皆殺しにしますからそのつもりで……では、失礼します」シュンッ

傭兵B「消えた……!!」





商人貴族「……さぁ、要件も済みましたし、キャンプの方に帰りましょうか」

傭兵B「ええ!? 今の内に土地の権利書を奪うなり、この孤児院をぶっ壊すなりしちまえば……」

商人貴族「そんなことしてもメリットなんてどこにもありませんよ。それにもう種は撒き終わっています」

傭兵B「へ?」

商人貴族「土地の権利書なんて奪わなくたっていいんです。この土地の所有者は可哀想なことに死んでしまうのですからね」フフッ

傭兵B「は、はぁ……」

商人貴族「ああ、あなた方は最後の詰めでちゃんと出番を用意していますのでちゃんと準備をしておくように。いいですね?」

傭兵B「……わかりました」

商人貴族「さぁ、悪ガキくん。あなたの力を存分に振るい、そして私に見せてください……滑稽な親殺しの物語をね」ニタァ

といったところで今日の投下は以上です!

お付き合いくださりありがとうございました!

次の投下は火曜日を予定しています!!

紅騎士「最近俺らの影薄いよな」
青騎士「まあそう言うなよ」

こんばんは、遅くなりましたが投下していきます!!


台風が悪いんだ、台風が……


――海岸近くのキャンプ――

勇者「どういうことかねぇ……これは……」


ズラッ


勇者「すげぇテントの数……」

勇者「朝起きたら幼女はベッドにいないし、院長は院長で忙しそうだし、そういえば剣士も助手さんも見てねぇな……なんだ? 俺の知らないところでなんか始まってんのか?」

勇者「なーんか、最近の俺ってこういうポジションなのかな……ずっと蚊帳の外でさ……」ショボーン

勇者「ああ、勇者としてもてはやされてた頃が懐かし……くもねぇな」ケッ

勇者「いいもんねーだ、お前らが俺のこと無視するなら俺だってお前らのこと無視してやりますよ」ヘッヘッヘ

勇者「幼女にはダメだって言われたけどそんなこと知ったこっちゃないもんねー」スタスタ

勇者「商人貴族くーん!! 勇者さんが来てやりましたよー!! お金儲けの話しよー!!」



見張り「おい、お前!」

勇者「ん? 俺のこと?」

見張り「こんなところでなにをしている! ここは『黒獅子傭兵団』のキャンプ地だぞ!」

勇者「黒獅子傭兵団? なにそれ?」ホジホジ

見張り「お前……俺たちのことを知らないのか?」

勇者「知らないねぇ……お、でっけぇ!?」ガビーン

見張り「鼻くそをほじるな!!」

勇者「こんなでかいの、どこに入ってたんだ?」

見張り「知るかそんなこと!!」

勇者「とまぁ冗談はさておき」フキフキ

見張り「……なぜ俺の服で指を拭いたんだ?」プルプル


勇者「丁度いい布が無かったから」

見張り「よーし、そこに直れ。切り殺してやる」チャキッ

勇者「まぁまぁ、そんな怒るなって! それより、『黒獅子傭兵団』だっけ? なんでそんなのがここにキャンプ構えてんの? 戦争でもする気?」ヘラヘラ

見張り「……商人貴族様からの依頼だ」

勇者「依頼?」

見張り「ああ、『とにかく兵力が欲しい』んだそうだ。それで俺らに依頼が舞い込んだってわけ……ってなんで俺が見ず知らずのお前にそこまで話さなければならないんだ!!」

勇者「まぁまぁ、硬いこと言うなよ。そんで? その商人貴族様の目的は?」

見張り「わからん。詳しい情報なんて下っ端の俺には教えてくれやしないさ」

勇者「ああ……だからこんなところで見張りなんかやってるわけね」

見張り「うぐっ……放っておいてくれ」

勇者「大丈夫だって! 見張りか出世した奴二人くらい知ってるから! お前もいつか出世するよ!」

見張り「あ、ああ!! やってやるさ!! 俺もいつか『雷狼』の様な優秀な傭兵になるんだ!」

勇者「『雷狼』?」ピクッ


見張り「お前も名前くらいは聞いたことあるだろう? 伝説の傭兵だよ! 立てた戦功は数知れず! 数々の死線をくぐり抜けた傭兵の中の傭兵!!」

勇者「……まぁ、名前くらいは聞いたことある。そんなにすげぇのか?」

見張り「ああ! 俺の憧れさ! ……もっともその雷狼も2年前の王都侵攻の時に戦死しちまったんだけど」

勇者「……そうか、それは残念だ」

見張り「今はまだ下っ端だけどいつか絶対に『雷狼』の名を俺が継ぐんだ!! 知ってるか? あの人の得意技!」

勇者「……ああ知ってるよ」

見張り「かっこいいよなぁ……俺もいつか使ってみてぇ」

勇者「お前ならきっとできるさ」

見張り「ありがとな! 俺は絶対やるぜ!」

勇者「わりぃけど通っていいか? 俺、商人貴族に会いに来たんだよ。話はもうつけてある」

見張り「そうか、そういうことなら……あ、でも商人貴族様は出かけちまったぞ?」

勇者「出かけた?」

見張り「ああ、なんか朝早くから出て行った。なんか商談してくるんだと。他の連中はほとんどあの人の護衛だ」

勇者「まぁ、いいや。中で待たせてもらうよ」ヒラヒラ

見張り「物とか勝手に持っていくなよ? 見張りの俺がどやされるからな」

勇者「俺の顔見てみろ? そんなことするようなツラに見えるか?」

見張り「見える」

勇者「あ、そう。こいつは手厳しい」ハハッ

見張り「妙な真似したらすぐにとっ捕まえにいくからな?」

勇者「勘弁してくれよ、俺はお前らの依頼主が是非って言うから来たんだぞ?」

見張り「それでもだ」

勇者「はいはい」スタスタスタ

見張り「変なことするなよー!!」

勇者「だからしねぇって!!」




見張り「はぁ……なにやってんだろ、俺……本当なら戦場にでて手柄立てて……それが見張りであんなわけのわからない男の相手をしなきゃいけないだなんて……」ハァ

見張り「こんなことするために田舎から出てきたわけじゃないんだけどなぁ……俺は雷狼みたいにかっこよく戦場を渡り歩きたくて……」ハッ



見張り「………」キョロキョロ

見張り「必殺!!」ゴゴゴゴゴゴ

見張り「『雷装』!!!!」バーン


シーン………


見張り「……なんちって……」アハハ


シーン………


見張り「はぁ……見張りしよ」








勇者「ここが商人貴族のテント……だよな?」

勇者「正直どれがどれだかわからねぇけど……見た感じなんかデカいし多分これだろ」

勇者「お邪魔しまーすっと……おお!」ファサッ


デーン!!


勇者「わぁお……俺んちよりベッドでけぇ……なんだよこれ……」フカフカ

勇者「おお!! ベッドがフカフカだ!! すげぇ!!」ポヨンポヨン

勇者「なんだこれ? なんだこれ? なんか楽しくなってきた!!」

勇者「金持ちすげぇぇええええ!! 出先でこんなベッド使ってるなんてすげぇぇぇえええ!!」

勇者「フカフカだ! フヨフヨだ!! おおっと!! さらにテンション上がってきましたぞ!!」

勇者「こんなにデカイベッドだったら泳げるな!」スイスイ

勇者「あはははは!! あははははははははは!! なんだろう! なんかすげぇいい匂いする!! なんだろう!!」

勇者「深夜でもないのにこのテンション!! 俺を止められるもんなら止めてみろ! しばらく1人でしゃべり続けてやる! 誰も聞いてなくてもしゃべり続けてやる!!」

呪術士「………」

勇者「すげぇ!! 金持ちすげぇぇぇぇええええ!! ベッドすげぇぇぇえええ!! フカフカすげぇぇぇええええ!!!」

呪術士「………」

勇者「あははは!! あはははははは………あ」

呪術士「………」

勇者「………」



「「……………」」


勇者「………どうも、お邪魔してまーす………」アハハ

呪術士「……!!!」ズォッ

といったところで今日の投下は以上です。深夜のテンションでとんでもないものを書いてしまったような気がしますが多分気のせいです。

全部台風がいけないんだ……


次の投下は木曜日を予定しています

次回もよろしくお願いします!!

ありがとうございました!!

こんばんは、日付が変わってしまいましたがなんとか今日も投下していきます


忙しくて短めですが……本当に申し訳ない感じですがお付き合い下さればと思います


よろしくお願いします!!


勇者「……あのー、そろそろ解いてくれてもいんでない?」

呪術士「……」

勇者「なんていうの? この縄みたいなものが食い込んじゃってさ……痛いんだよね」

呪術士「………」

勇者「驚かせたのは謝るよ、見張りの奴がみんな出払っちゃったっていうからさちょっとくらいいいかなって……な? わかるだろ?」

呪術士「………」フイッ

勇者「……無視だもんなぁ……」

呪術士「……あなた、随分と余裕があるみたいですねぇ? あんなことしておいて……!!」ピクピク

勇者「いや、初めてじゃないからな、こういうこと……自慢になんないけど」

呪術士「ほう? 初犯ではないと」

勇者「初犯? まぁ、あの頃は日常茶飯事だったからなぁ……」

勇者(敵に捕まって拷問されたりとか。懐かしいなぁ……二度とごめんだけど)ハハッ

呪術士「日常茶飯事……!! 常習犯ということですか!!」


勇者「まぁ、あの時の俺はまだまだ青かったってことだな」アハハ

呪術士「そうですか……これはもう殺すしかないようですね」

勇者「ちょっと待てお嬢さん、なぜその様な結論に至ったんだ?」

呪術士「あなたの様な変態、一分一秒でも生かしておけません。このまま殺します」

勇者「なんだよそれ!? 俺が何したって言うんだよ!?」

呪術士「あんた、さっきまで僕のベッドでクロールしながらはしゃいでたじゃないですかぁぁぁああああ!!」

勇者「ん? それがどうした?」

呪術士「更正の余地無し! 即刻死刑!!」

勇者「だからなんでだよ!?」

呪術士「ではど変態のあなたに聞きます! 僕のベッドでなにをしてたんですか!?」

勇者「なにをって……豪華なベッドだったんでつい……」

呪術士「どうせ僕のベッドで匂いを嗅ぎながら持て余した獣欲を発散させるつもりだったんでしょう!?」

勇者「なっ!? そんなことするか!!」

呪術士「ぎるてぃ!!」


ズドンッ!!


勇者「……て、てめっ……本の角で……!!」プルプル

呪術士「嘘をついた罰です!」


勇者「おい! お前なにか勘違いしているだろ! 俺はただ単純に豪華なベッドの感触を楽しもうとしただけでそういった意味では断じて……」

呪術士「うるさいうるさい!! あなたにわかりますか? 二度寝しようと思ってテントに入ったら変態が僕のベッドを蹂躙しているのを発見した僕の気持ちが!!」

勇者「蹂躙って……」

呪術士「この変態! カメムシ! 人間のクズ!!」

勇者「だから俺は変態じゃねぇ!! ていうかカメムシってなんだよ!?」

呪術士「あんたなんかカメムシで十分です! ふざけんじゃないですよ! あまりにびっくりしすぎて僕ちょっともらし……!!」ハッ

勇者「………え?」

呪術士「/// なんでもありません!!」

勇者「………漏らしたのか?」

呪術士「なんでもありません」フイッ

勇者「びっくりしすぎて漏らしっちゃったのか?」

呪術士「うるさい!!」ゲシッ

勇者「おうふ!! 蹴りはやめろよ蹴りは!!」

呪術士「僕は悪くありません!! あなたが全面的に悪いんです!! この変態野郎!!」

勇者「変態じゃねぇって言っておろうが!! 俺、勇者!! 知ってるでしょ? 世界を救った英雄!」


呪術士「あなたの様なだらしなそうな変態が勇者様なわけがないでしょう!」

勇者「失礼しちゃうねぇ……この顔見ても俺が勇者じゃないって? ん?」キラッ

呪術士「そんなとってつけた様な作り笑いやめてもらっていいですか? 気持ち悪い」

勇者「どうして俺の周りにはこうキツイ女ばっかりなのかな……?」ハァ

呪術士「僕の知ってる勇者様というのはもっと上品で優雅で神々しい存在なのです! そう、まるで白馬に乗った王子様の様に……」キラキラキラ

勇者(誰だよそれ……)

呪術士「とにかくあなたを今から然るべきところに突き出します! 覚悟してください!」

勇者「ああっと、それは勘弁。俺はただ商人貴族に『妖精』のことについて聞きに来ただけなんだって!」

呪術士「『妖精』?」

勇者「そうそう、妖精!! なんでもすんごい珍しいんでしょ? 売れば10億だとか!」

呪術士「……あなた、どこでそれを?」

勇者「商人貴族に聞いたの! そんで色々と協力して欲しいって言うからこうしてここに来たんだって! わかる?」

呪術士「……なんだ、金の話を嗅ぎつけてきた亡者ですか……汚らわしい」フッ

勇者「……本気で泣いてもいいですか」グスッ

呪術士「残念ながらあなたの様な変態が簡単に手を出せる代物じゃないですよ、妖精というものは」

勇者「ん? 捕まえるのが難しいのか?」

呪術士「もちろんそれもありますがね……妖精は戦乱を生む」

勇者「たかだかペットごときでそんな……なんだ? 奪い合いで血の雨でも降るってか?」ケッケッケ

呪術士「僕も昨日の一件でクライアントの真意を聞きましてね……ちょっと調べさせてもらったんです。妖精の能力について」

勇者「聞かせろ」

呪術士「あなたはものを頼む時の態度というものを知らないんですか?」

勇者「言わないとお前がびっくりしすぎておぱんちゅ濡らしちゃったってここにいる奴全員に言いふらす」

呪術士「……それ脅迫じゃないですか」

勇者「うん!!」ニカッ


呪術士「その状態でよくそんなことが言えますね……馬鹿なんじゃないですか?」

勇者「呪術士タソはぁぁあああああああ!!!!」

呪術士「うわぁぁぁあああああ!!! ストップストップ!!」

勇者「おぱんちゅおおおおおおおおおお!!!!!」

呪術士「……『黙れ』」ズォッ

勇者「ムゴッ!!」ピタッ

呪術士「ふふっ、どうです!? 僕が開発した呪術の力は? あなたの口を塞ぐなんて簡単なんですよ」

勇者「ム―!! ムー!!」ジタバタ

呪術士「僕の呪術は『闇の力』! 対象の動きを制限し、支配する! 例えそれが誰であったとしてもです!」

勇者「………」

呪術士「このまま息の根止めてやりましょうかね」フッフッフ

呪術士「さぁ、この僕に恐れ慄き崇め奉りなさい!」

バキンッ

勇者「……やめておけよ、そんな覚悟もないくせに」

呪術士「なっ!? またしても僕の完璧な呪術が……どうして!?」

勇者「悪いことは言わねぇ。遊びで済んでいるうちにその力を手放せ」

呪術士「い、嫌です! 誰があんたの様な変態の言うことなんか!」

勇者「闇の力なんて簡単に手を出していいものじゃないんですよ。それも履いてるくまさんおぱんちゅにおしっこ漏らしちゃうようなおこちゃまなお嬢ちゃんにはまだ早……」

ズドンッ!!

呪術士「ぎ、ぎるてぃ!!」

勇者「………お、覚えてやがれ……」ガクッ



といったところで今日の投下は以上です

次の投下は土曜日を予定しています。

今日もありがとうございました!!

すみません訂正です

ズドンッ!!

呪術士「ぎ、ぎるてぃ!!」

勇者「………お、覚えてやがれ……」ガクッ →×



ズドンッ!!

呪術士「ぎ、ぎるてぃ!!」

勇者「………お、覚えてやがれ……」ガクッ →×


ズドンッ!!

呪術士「ぎ、ぎるてぃ!!」

勇者「………お、覚えてやがれ……」ガクッ →×

ズドンッ!!

呪術士「ぎ、ぎるてぃ!!」

勇者「………お、覚えてやがれ……」ガクッ →×



ズドンッ!!

呪術士「ぎ、ぎるてぃ!!」

勇者「………お、覚えてやがれ……」ガクッ →×


呪術士「ぎ、ぎるてぃ!!」

ズドンッ!!

勇者「」プシュー   →○



でした。すみません………





なんか表記が変なことに……なぜ訂正する文章が4つもあるんだろう……?

さらっと流してください……すみませんでした……

こんばんは、今日も投下していきたいと思います! よろしくお願いします!!

>>565 訂正


呪術士「その状態でよくそんなことが言えますね……馬鹿なんじゃないですか?」

勇者「呪術士タソはぁぁあああああああ!!!!」

呪術士「うわぁぁぁあああああ!!! ストップストップ!!」

勇者「おぱんちゅおおおおおおおおおお!!!!!」

呪術士「……『黙れ』」ズォッ

勇者「ムゴッ!!」ピタッ

呪術士「ふふっ、どうです!? 僕が開発した呪術の力は? あなたの口を塞ぐなんて簡単なんですよ」

勇者「ムー!! ムー!!」ジタバタ

呪術士「僕の呪術は『闇の力』! 対象の動きを制限し、支配する! 例えそれが誰であったとしてもです!」

勇者「………」

呪術士「このまま息の根止めてやりましょうかね」フッフッフ

呪術士「さぁ、この僕に恐れ慄き崇め奉りなさい!」

バキンッ

勇者「……やめておけよ、そんな覚悟もないくせに」

呪術士「なっ!? またしても僕の完璧な呪術が……どうして!?」

勇者「悪いことは言わねぇ。遊びで済んでいるうちにその力を手放せ」

呪術士「い、嫌です! 誰があんたの様な変態の言うことなんか!」

勇者「闇の力なんて簡単に手を出していいものじゃないんですよ。それも履いてるくまさんおぱんちゅにおしっこ漏らしちゃうようなおこちゃまなお嬢ちゃんにはまだ早……」

呪術士「ぎ、ぎるてぃ!!」

ズドンッ

勇者「」プシュー

呪術士「誰がくまさんですか!! 殺しますよ!」






呪術士「まったく、口ではあんなこと言っておきながら結局は性欲の塊なんですね。僕はあなたの様なくだらない存在が大っきらいなんですよ。どうです? これからの世界のために僕が楽に殺してあげますよ?」フフンッ

勇者「」チーン

呪術士「あ、あれ?」

勇者「」チーン

呪術士「も、もしもし?」フリフリ

呪術士「あ、あの……」ペシペシ

勇者「」

呪術士「気絶……しちゃったんですかね? でもなんかその割に……」

勇者「」チーン

呪術士「ま、まさか今ので死ん……」ハッ

呪術士「い、いやいやそんなことありえません。たかだか本の角で叩いた位で人間死んだりなんか……! 人を殺すにはもっと鈍器のようなものでないと……」チラッ

呪術士「600ページの魔術書は……鈍器にカウントされるんでしょうか?」

勇者「」チーン

呪術士「あ、あの……いい加減冗談はよしてくださいよ! 本当に……ね?」

勇者「」

呪術士「お、起きてくださいよ……!! わ、私本当はそんなつもりじゃ……!!」ユサユサ

呪術士「ねぇってば!!」

勇者「」

呪術士「起きてくださいよぉ……殺すつもりなんかなかったんですよぅ……!!」

呪術士「ごめんなさい……ごめんなさいぃぃぃ!!」グスッ


勇者「どっせい!!!」ピラッ

呪術士「……え?」

勇者「おお! くまさんかと思ったらシマパンだ!」

呪術士「……は?」

勇者「くまさんだと思ったんだけどなぁ! まさか外すとは……魔法使いの時は百発百中だったのに! 俺も落ちたな……」フッ

呪術士「……し、死んだんじゃ……?」

勇者「一つ教えてやる! 『600ページの魔術書』は十分鈍器です!」

呪術士「……ふぇ?」

勇者「実際にやったら本当に死んじゃうから良い子のみんなはマネしないように! お兄さんとの約束だ!」

呪術士「………あ、あなたはなにを……」


勇者「人の死を悲しむことができる奴が『闇の力』を使っちゃダメだ」

呪術士「!!!」

勇者「今の君ならまだ引き返せる。すぐにその力を捨てるんだ。わかったな?」

呪術士「………」ウツムキ

勇者「………さて、商人貴族の奴も帰って来ないし、帰るとしようかな?」スクッ

呪術士「ちょっと!!」

勇者「いいか? その力を使い続ければ君はいつか必ず不幸になる。それだけは忘れないように……」スタスタ

呪術士「待ちなさい!!」

勇者「……あばよ」フッ







呪術士「……『停滞』」ズォッ

勇者「ぬほう!!」ビターン

勇者「ちょ、ちょっと!? 今せっかくかっこよく決まった所なのに!? しかもあんた俺の話聞いてました!?」

呪術士「んなことはどうでもいいんですよ!!」バチコーン

勇者「グハッ!! いやマジでそれは本当に生命を脅かすタイプのやばいやつだから!!」

呪術士「今更スカートめくりってなんですか!! なに勝手に人の下着見て自分の力の衰えを感じ取ってるんですか! あんた馬鹿ですか!? じゃなかったら変態かなんかですか!?」

勇者「だから俺は変態じゃねぇって!!」

呪術士「うるさいうるさい!! 死ね! 一時間ごとに死ね! 24回死ね!!」バシッバシッ

勇者「無茶苦茶なこと言うなよ!」

呪術士「それくらい乙女の下着には価値があるんですよ! ろくでなしのクズ1人じゃ精算なんてでくるわけないでしょう!!」

勇者「その下着だってなんか意味深なシ……」

呪術士「きゃぁぁあああああ!! 変態!! 変態!! 細胞すら残さずにしねぇぇええええ!!!」

勇者「ああああ!! 今のは流石に言いすぎた! 悪かった! 悪かったからいい加減にゆるしてぇぇえええ!!!」




戦士「うるせぇぞ、呪術士! なにを騒いでやがる!!」

呪術士「団長! 聞いてください! この男、僕のベッドでクロールで死んだふりでシマパンなんです!!」

戦士「ああ? なんだそりゃ?」

勇者「おい! そんな言い方したら俺があたかも変態みたいだろ!」

呪術士「自分のやってきたこと考えろや! おんどれぇぇぇええええ!!!」

戦士「て、てめぇは!?」

勇者「ちょ、ちょっと! そこのお方! この暴走少女止めて! 俺、もうすでにこいつに何回も暴行をされてるの!!」

戦士「……ああ、そうだな」ジャキンッ

呪術士「止めないでください、団長! この変態は生かしいておくわけにはいかないんです!!」

勇者「うっせー! さっきまで無様に泣いてたくせに! このおもらしボクっ娘!」


呪術士「僕、漏らしてないです!!」

勇者「じゃあ、さっきのシマパンの『あれ』なんだよ!」

呪術士「うるさぁぁぁあああいい!!」

勇者「ちょ、ちょっと大人の人! 早くこの子止めてってば!! あの本、間違いなく凶器だか……」

戦士「ああ……止めてやる」


ズダァァンッ!!


呪術士「……だ、団長?」

勇者「ちょ、ちょっと……これは流石に冗談じゃない感じ?」パラパラ

戦士「ああん? 止めてやるさ。止めてやるよ……ただし」

戦士「てめぇの息の根の方をな!!」


勇者「あちゃー……もしかしてその子、おたくの娘さんとか? でも安心して! あなたの娘さんは俺に反応するかもしれないけど俺の息子はペタンコには反応しな……ゲフゥ!!」

呪術士「なんかよくわからないですけどものすごく馬鹿にされた気がします!!」

勇者「……純粋なのーね……」プスプス

戦士「てめぇ……なんで俺を選ばなかった?」

勇者「選ぶ? なんのこと?」

戦士「とぼけるな!! 俺はなぜあの時俺じゃなく、剣士を選んだのかを聞いてるんだ!!」

勇者「なんかそういう言い方されると俺がそういう趣味の人に見られるからやめてくんない!?」

呪術士「まさに性欲の権化ですね、人の形してればなんでもいいんですか? 空気が汚れるんでこれ以上呼吸しないでください」

勇者「てめぇ、後でもう一回泣かすからな!」

呪術士「僕は泣いてません!!」

戦士「違う! そういうことじゃねぇ!! 俺が聞いてるのはなんで俺を勇者のパーティに選ばなかったのかってことだ!!」

勇者「………勇者のパーティ?」ハテ?

といったところで今日の投下は以上です

次の投下は明日の夜にできればと思っています!

今日もありがとうございました!!

こんばんは、今日も投下していきたいと思います! よろしくおねがいします!!


戦士「忘れたとは言わせねぇぞ! てめぇは四年前に王都で行われた選考会で俺を選ばずに剣士を選んだんだ!」

勇者「ああ! あったねぇ……そんなこと!」

呪術士「そんなことって……」

戦士「何故だ!? なぜ俺ではなくあんな若造を選んだ!? 実力ならあの時でも俺の方があいつより数段上だったはずだぞ!!」

勇者「うーん、でも結局パーティの編成決めたのは俺じゃなくて『あいつ』だし……」

戦士「俺は勇者と共に冒険することが小さい頃からの夢だったんだ……なのに! お前は俺ではなく剣士の奴を選んだ!! こんなこと納得できるか? 理由を教えろ!!」

勇者「そんなこと言われてもなぁ……うーん……」

戦士「なんだ? 俺がお前の仲間になれなかった理由はなんなんだ?」


勇者「………顔じゃない?」


戦士「……あ?」

呪術士「一番ダメなタイミングで一番ダメなこと言っちゃいましたよこの変態……」


勇者「勇者のパーティでしょ? ほら、世界を背負って魔王に立ち向かう訳で。いろんな人から注目されるわけよ。だったらやっぱり見た目って大事だと思うよ?」

勇者「ほら、俺と剣士が並んで戦ってたらそこそこ画になるじゃない? 方や『超絶イケメンの勇者様』だし、方や『顔だけはいいヘタレ解説係』だし」

呪術士「ちょっとその辺にしておいた方が……」

勇者「君、よーく考えてみな? この画に剣士じゃなくて君みたいな筋肉ゴリゴリの子が立ってたらどう思う?」

戦士「………」

勇者「どう思うって聞いてるんだけど?」

戦士「………勇ましく戦っているな、と」

勇者「いや、思わないよー、世間の人はそんな風に思ってくれないよー。良くて『ゴリラと調教師』だよー」

呪術士「ブフゥ!!」プルプル

勇者「確かに君は強いかもしれない。実際にあのヘタレよりも強かったんでしょう。だけど君を勇者のパーティにいれるとね、なんかそれだけでこっちが悪者みたいな感じになっちゃうのよ、わかる?」

勇者「その辺りを考えて『あいつ』は剣士を選んだんじゃないかなぁ?」

戦士「………」シューン

呪術士「傷口に塩をコークスクリューでねじ込みましたね……」


勇者「あれ? 俺さっきから『あいつ』って言ってるけど誰のこと言ってんだっけ?」

呪術士「そんなこと知りませんよ!」

勇者「あれぇ……あいつ……あいつ……うっ!!」ズキッ




銀髪の青年「やらなければならないことがある……そのために俺はこの剣を抜いた」

眼鏡の少女「わ、わわわわわたしししし……魔法学校にとともだちがいなくててて……!!」」

赤髪の女性「別にこの世界がどうなろうと知ったことではありません。明日野垂れ人でも文句は言えないんですから」




???「えへへ、また一緒に冒険できるね! ユーシャ!!」






勇者「うううう……ああああああ!!!」

呪術士「こ、今度はなんですか!? また私を驚かせようとしてるんですか!! もうその手には乗りませんよ!!」

勇者「あああああああああ!!!」

呪術士「え、あの……大丈夫です?」

勇者「ハァハァハァ………いや、ごめん大丈夫……ちょっと色々と思い出しただけだから

呪術士「それにしては尋常じゃない汗ですけど」

勇者「ああ、汗を拭いたいな。君のパンツを貸してくれな…」

ズドォォォン!!!

呪術士「心配したこっちが馬鹿でした!」

勇者「痛てて……ちょっとは優しくしなさいよ!」

呪術士「うっさい変態!!」

勇者「……とまぁ、理由をつけるならそんな感じじゃないの? 実際のところはどうか知らないけど。俺、この件に関してはノータッチだから。お分かり?」

戦士「なるほど……俺は剣士に比べて外面が劣るから勇者のパーティに入れなかったと……」

勇者「違う、『劣る』じゃなくて『圧倒的に劣る』だぞ」

戦士「そんなんで………納得できるかぁぁぁぁあああああああああああ!!!」


勇者「納得しろぉぉぉぉおおおおおおおお!!!」ゴゴゴゴゴ

戦士「!!??」

勇者「お前はブサイクだ。もうそれはもうブサイクだ。ゴリラといい勝負だ、というかゴリラだお前は!」

戦士「て、てめぇ……」

勇者「お前みたいな自分のことをなんにもわかってないゴリラが町中を平然とさも『俺は美形ですよ?』的な顔で歩いてるの見るとイライラするんだよ! 俺は!!」

戦士「俺は別に自分のことをそんな風になんか思ってねぇ!!」

勇者「いいですか! あんたみたいなゴリラはさっさと森に帰りなさい! ほら、バナナあげるから!」スッ

戦士「そんなもんいるか!!」

勇者「ちょうどすぐ近くに森もあるんだから木に登ってドラミングでもしてきなさいよ!」

戦士「殺す!! こいつ今すぐ殺してやる!!」

勇者「ああん!? 人間様の力教えてやろうかこのクソゴリラ!!」

戦士「上等だ!!」

勇者「おら! かかってこいやおら!!」バキンッ

呪術士「またしても僕の完璧な呪術が簡単に……」シューン

戦士「行くぞ勇者!!」

勇者「来い! クソゴリラ!!」



ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!


勇者「なんだ?」

戦士「地震か!?」

呪術士「結構大きいですね……!!」

戦士「あれは……」

勇者「どうした? 森のある方角なんか見つめて、故郷に帰りたくなったのか……ってなんだあれ?」

呪術士「あれは高濃度の魔力が放出された時に出る『光の柱』? でもどうやって? 自然界ではもうほとんど見られない現象のはずなのに……」


ガチャッ!!


賢者「ちょっと!? どうなってんのよ今の地震!!」

勇者「うわぁ!? 化物!?」

賢者「誰が化物じゃコラァ!!」

呪術士「賢者さん……その顔に張り付いたものはなんですか?」

賢者「ああ……つけっぱなしで来ちゃったわ。お肌のお手入れ用品よ♪ 昨日は遅かったから今のうちにやっておこうと思ってね♪」ペリペリペリ

呪術士「そうですか……あんまり人前にそれで出ないでくださいね……びっくりするんで」



暗殺者「………」シュタッ


賢者「きゃぁ! いきなり出てこないでよ馬鹿!」

暗殺者「………」シューン

戦士「……暗殺者、なんか用か?」

暗殺者「………」スッ

戦士「森? あの光の柱のところになにかあんのか?」

暗殺者「………」コクコク

呪術士「もしかして……妖精ですか?」

賢者「ああ、昨日商人貴族様が言ってたやつのこと? なに、あそこに行けば妖精がいるの?」

暗殺者「……?」

賢者「はっきりしないわね……なんか喋りなさいよあんた!」ガンッ

暗殺者「……!!」ビクッ


戦士「よせ、とにかくクライアントは『妖精』を求めている。依頼を完遂するには妖精とやらが必要だ。行くぞ」

呪術士「依頼を完遂するのが傭兵の勤めってわけですね……わかりましたよ」ハァ

賢者「えー!! また働くのー! まだお手入れの途中なのに!」

呪術士「安心してください、手入れしたところでたかが知れてます」

賢者「むかっ! あら……あんたの方こそしっかり栄養取らないといけないんじゃなくって?」

呪術士「それはどういう意味ですか?」ストーン

賢者「別にー」

呪術士「………年増」ボソッ

賢者「……ペチャパイ」

呪術士「無駄な努力!」

賢者「絶壁!!」

呪術士「行きおくれ!!」

賢者「まな板!!」

呪術士・賢者「「ムッキー!!!」」ガシィ

戦士「行くって言ってんだろうが!!」

呪術士・賢者「「フンッ!!」」

戦士「……ったく、毎度毎度……!!」


呪術士「早く行きましょう、団長。これ以上待たせると賢者さんがさらに売れ残ってしまいます!」

賢者「そうね、時間は有効に使わないとねぇ? あんたが毎日やってるバストアップ体操はまったくもって時間の無駄だけど!」

呪術士「なぜそれを!?」

賢者「あら、その結果がこれ? 笑っちゃう!」オホホ

戦士「目標! 妖精の捕獲!! 行くぞ!!」

勇者「おおおおおおお!!!!」

戦士「ちょっと待て」ガシッ

勇者「おうふ!!」ビターン

賢者「……さっきから気になってたんだけど誰こいつ? 新入り?」

呪術士「それが……

勇者「あ、どうも! みんなのアイドル勇者さんです! よろしくー♪」

といったところで今日の投下は以上です!

次の投下は火曜日を予定しています!

これこのまま終わるのかな?

今日もお付き合いくださりありがとうございました!!

受付「私を差し置いてアイドルですって?! 勇者!あとで裏に来なさい!」

受付「私を差し置いてアイドルですって?!いい度胸してるじゃない 勇者!あとで裏に来なさい!」

こんばんは、今日も少しですが投下していきます!
よろしくお願いします!!


呪術士「……とかのたまわってる変態野郎です」

賢者「……この人が世界を救った勇者様?」

勇者「そうでーす♪ ほらお前ら、早く俺を崇め奉れ!」

呪術士「調子にのるな!」


ズドンッ


勇者「……それ本当に死んじゃうからやめてくんない? 呪術士タソ……」

賢者「本当に勇者様なの? なんか前見た時よりも随分と印象が違うけど……」

戦士「間違いねぇ!! こいつが勇者だ!!」

賢者「だったら、もう直接聞いちゃえば? あんたがパーティに入れなかった理由。そうすりゃスッキリするでしょ?」

呪術士「ちょ!?」

勇者「だからー、そんなもん顔しかないだろ?」

戦士「……」ピクピク


賢者「顔? あー、顔! もしかしてあんた……顔で落とされたの!?」

勇者「俺もよくわかんないんだけどねぇ~」ヘラヘラ

呪術士「今度は傷口に硫酸ですかね……」

賢者「ぷっ……あははははは!! なに!? あんだけ悩んでうじうじしてた挙句、勇者を認めさせるために傭兵団まで作ったって言うのに原因は実力じゃなくて顔!? 馬鹿じゃないの!」アハハハ

戦士「う、うるせぇよ!!」

賢者「よかったじゃない! これで剣士との勝負も勇者との因縁もすっきり解消したってことでしょう?」

戦士「俺はまだあいつとちゃんと戦ってねぇ!!」

勇者「ん? なに? 君達、剣士と戦ったの?」

賢者「ええ、そうよ。昨日の夜にね」

呪術士「剣士さんは僕の呪術になす術もなかったんです!」フンスッ

戦士「美味しい所は全部お前らが持っていきやがって……俺はまだちゃんとあいつと戦ってねぇんだぞ!」

賢者「はいはい」

呪術士「余計な邪魔が入りましたけどね……!!」

賢者「本当、あいつなんだったのかしら? 私の魔法が全然効かないなんて……!!」

呪術士「言うに事欠いてこの僕に説教ですよ! 大きなお世話って感じです!!」

勇者「あれ? 話についていけないんだけど……君達、剣士と戦ったんだよね?」

呪術士「はい」

勇者「剣士はどうなったの?」

賢者「北の方に適当に飛ばしたわ。私の強制転移魔法でね」

勇者「え、なに? あいつ負けたの?」


呪術士「まぁ、僕の呪術にひれ伏したといったところでしょうか」フンスッ

戦士「まだ決着はついてねぇ! あんな結末俺は認めねぇ!」

勇者「それであいつ朝からいなかったのか……ぷぷっ、だっせぇ!」ケタケタ

戦士「ちっ、無駄な時間過ごしちまった。さっさと行くぞ」

勇者「へい、旦那!!」

戦士「………呪術士、やれ」

呪術士「……『捕縛』」


ピシッ!!


勇者「ちょ!? 旦那? どうして俺を縛るんです?」

戦士「てめぇは後で十分いたぶってから殺してやる」

勇者「嫌だな、冗談きついっすよー!」


戦士「冗談なんかじゃねぇ」

勇者「そんなこと言わないで、俺にも妖精の捕獲、手伝わせてくださいよ! いい金になるんでしょ? 妖精って! みんなで山分けしましょうって!」

戦士「ダメだ。てめぇは後で俺が殺す」

勇者「え? 俺勇者なのに?」

戦士「だからだよ! そんなふざけた理由で俺の夢を潰しやがって……!!」

勇者「んなの知るかよ! てめぇが筋肉ゴリラだからだろ! そんなに夢を叶えたかったら筋トレする前に整形してこい!」

賢者「……!!」ピクッ

呪術士「本当にクズですね、あんた。生きていて恥ずかしくないんですか?」

勇者「黙れお漏らしシマパン!」

呪術士「うがぁぁぁあああああ!!! また言った!! 漏らしてないのに!!」ジタバタ

賢者「ちょっと!? 呪術士!?」

勇者「いーや、間違いなく漏らしてたね! だって俺見たもの!」

呪術士「漏らしてないもん! 僕、漏らしてないもん!!」

賢者「あんたキャラ変わってるわよ!!」

勇者「やーい、呪術士タソのおもらしシマパーン♪」ケラケラ

呪術士「違うもん! 違うんだもん!!」

戦士「うるせぇ!! おら! 行くぞ!!」スタスタ

呪術士「うわぁぁあああん!!」ダダダダダ

勇者「お、おい!! 待てよ! せめてこの呪い解いてから出てけって!!」ジタバタ


賢者「さてと……私も行こうかしら」

勇者「ちょっと! そこのお姉さん! この呪い解いて!!」

賢者「ああ、すっかり忘れてたわ」スッ

勇者「ほら、早く!! 俺も妖精取っ捕まえたいんだよ! もちろん報酬は山分けってことでさ!!」

賢者「……フンッ!!」


バキィ!!


勇者「ガッ!!」

賢者「私が戦士を馬鹿にするのは別にいいけどね……」

賢者「なんにもわかってないあんたが戦士を馬鹿にするのは許さないわよ……!!」ゴゴゴゴゴ

勇者「……!!」

賢者「わかった?」

勇者「そんなことよりさ、俺にも教えてくれない? 妖精のこと。商人貴族の奴、何考えてんの? 戦争でもやる気?」

賢者「豪炎魔法!!」ゴォ

勇者「あああああああああ!!!」

賢者「まぁ続きは帰ってからたっぷりしてあげる……それじゃあ自称勇者様。私達が帰ってくるまで大人しくしているように♪」スタスタ




勇者「痛ってぇ……至近距離であれはいかんよ……あれは」

勇者「動揺させたら重要な情報の一つでも喋ってくれるかと思って色々と挑発してみたけど、見事に失敗しましたな……でも!」ハァ


バキンッ


勇者「こんな呪いで足止めを食らう勇者様ではないのでしたー♪」テッテレー

勇者「さーて、待ってろ10億……!! 必ず手に入れて見せるぜ!!」


シュルシュルシュル……ビシィ!!


勇者「ってあれ? 今度はなんだよ!?」グイグイ

暗殺者「………」コクコク

勇者「ああ、いたねぇ……そう言えば、すっかり忘れてたけども」


暗殺者「………」フルフル

勇者「なに? やっぱり俺、行っちゃダメなの?」

暗殺者「………」コクコク

勇者「……解いてくんない?」

暗殺者「………」フルフル

勇者「うぉぉぉぉおお!! 解け! 解けぇぇぇぇええ!!」ジタバタ

勇者「目の前に儲け話が転がってるのにこのまま引き下がれるかぁぁあああ!!」ジタバタ

勇者「ダメだ! 硬ってぇ!! ビクともしねぇ!!」



暗殺者「……はない」

勇者「え?」

暗殺者「………今はその時ではない」

勇者「その時?」

暗殺者「………ただ……黙して待て」


シュンッ

勇者「おい!! 待てよ!!」

勇者「……喋れたのか、あいつ」

勇者「いやそんなことより、え!? もしかしてしばらくこのまま!?」

勇者「………マジ?」タラリ


といったところで今日の投下は以上です

次の投下は明後日の木曜日を予定しています

今日もありがとうございました!!

こんばんは、今日も投下していきます。

ちょっとグロいかもしれませんがよろしくお願いします!


――光の柱付近――





院長「……心配しましたよ」シュタッ

「………」

院長「随分と探しました。さぁ、帰りましょう。みんなが待っています」

「………」

院長「なにか喋ったらどうですか?」

「………」

院長「……では、私から聞きます。あなたがこれを全部やったのですか?………悪ガキくん」


悪ガキ「……ふふ……あはは……えへへ……あはははははははははははははははははははははははは!!!!!!」


院長「答えなさい! 悪ガキくん!!」

悪ガキ「ああ、そうだよ! 全部俺がやったんだ!! すごいだろ!!」

院長「これじゃまるで……!!」

悪ガキ「まるでなんだよ? 勇者みたい?」

院長「違います! あなた、自分のやったことがわかっているのですか!」

悪ガキ「わかってるさ。信じられないなら見せてあげるよ。面白いんだぜ! 俺がこうやってちょっと手を動かすだけでさ……」カッ


ドゴォォォォォン!!!


悪ガキ「こんな風に全部が吹き飛んじゃうんだ! 思わず調子乗ってやりすぎちゃったぜ!」ゲラゲラ


悪ガキ「でも流石にやりすぎちゃったかな。もう壊せるもの残ってないや」

院長「商人貴族はあなたになにをしたというんですか……!!」

悪ガキ「あのおっさんは俺に力をくれたんだよ! 勇者になる……いや、勇者を越える強さを俺にくれたんだ!!」

院長「悪ガキくん……」

悪ガキ「どうだよ、先生!! 俺、強くなっただろ!! 侍少女よりも、少年魔法使いよりも魔族少女よりも幼女よりも……勇者よりも!!」

悪ガキ「これで俺も勇者になれるよな? そうだよな!」

院長「………」

悪ガキ「なんで黙ってるんだよ? 俺、強くなっただろ!」

院長「悪ガキくん……今すぐその力を手放しなさい。あなたは勇者という存在を履き違えている」

悪ガキ「またかよ……先生もあのじいさんと同じこと言うんだな」

院長「勇者というものはそういうものではないんです」

悪ガキ「……もういいよ、わかった」

院長「わかった? なにをですか?」

悪ガキ「先生は俺の力に嫉妬してるんだ。そうなんだろう?」


院長「違います! 私があなたに言いたいことはそういうことではないのです!!」

悪ガキ「俺の方が先生より強くなっちゃったからそんな意地悪言うんだよ! そうに決まってる!!」

院長「私の話を聞いてください!!」

悪ガキ「もういい……先生なんか『いらねぇよ』」シュンッ

院長「え?」


ザシュッ!!


院長「ぐっ……!!」

悪ガキ「なんだ、いつもみたいに避けないんだ。それとも見えなかった?」グリグリ

院長「がぁぁぁ!!」ゴフッ

悪ガキ「すごいだろ!! 今の俺なら簡単にあんたを殺すことができるんだよ……」ニタァ

院長「……悪ガキ……くん……私の話を……」

悪ガキ「あんたの話なんか聞いたってなんになるんだ? また俺に偉そうに説教するのか?」

院長「もちろんです……人を刺してはいけないと……私は教えたはずですから……!!」

悪ガキ「なぁ、今どんな気持ちだ? 自ら才能が無いって切り捨てた教え子にこうやって刺されるなんて、中々体験できないだろ?」

院長「あまりいいもの……ではありませんね……くっ」

悪ガキ「そっかー、じゃあ早めに終わらせてあげよっかなーなんて」ケタケタ

院長「?」


悪ガキ「ここで先生に問題です。今先生の腹部には僕の腕が刺さっています。魔力で斬れ味を高めた手刀です。妖精の力ってこんなこともできるんですねー」

院長「悪ガキくん……やはりあなた……妖精を!!」

悪ガキ「あーちょっと黙っててくれる? 問題出してるのこっちだからさ……さて、ここからが問題です! この手から『一気に魔力を流し込んだら人間はどうなってしまうでしょうか?』」

院長「あなた……なにを考えて……!!」

悪ガキ「シンキングターイム!!」

院長(やはりこの力は妖精を取り込んだという……商人貴族はこんなものを世に送り出そうと言うのですか?)

院長(ここまで人を歪めてしまうものを!!)

悪ガキ「わかんないかなー? やっぱりそうかなー?」

院長「……ふざけるのも……大概にしなさい……!! 子供の悪ふざけにしては趣味が悪すぎますよ?」

悪ガキ「だったら聞くけどさ……」

悪ガキ「大人だったら子供の夢を叩き壊してもいいわけ? 悪ふざけにしては随分と趣味が悪いと思うけど?」

院長「!!!」

悪ガキ「正解発表~!! 正解はこうなりまーす♪」ゴォッ

院長「悪ガキく……!!」ブォッ


ボンッ!!

ビチャビチャビチャ……



悪ガキ「正解は『破裂してしまう』でしたー!!」ビチャビチャビチャ


悪ガキ「ククッ……うへへへへ……あははははははははは!!! 」

悪ガキ「すげぇ……これが『妖精憑き』の力……」チラッ

院長「」

悪ガキ「ちょっ……!! どうしちゃったの先生? なにか返事したら? それにしても情けないよ、先生! だって俺がちょっと魔力流し込んだら……ボンッって!! ボンッていったよ!! なんだよ! 随分と呆気ないじゃん!!」ゲラゲラゲラ

悪ガキ「なんだよ、先生! こんなもんかよ! 大したことねぇなぁ!! こんなんで! こんなんで俺に才能がないって決めつけたのか!? こんなんで俺のことを否定したのか!?」

悪ガキ「どうだよ! 俺はあんたに勝ったぞ!! 俺はあんたに勝ったんだ!! これでもまだ俺に才能が無いっていうのかよ!! 答えてみろよ!!」

院長「」

悪ガキ「ああ、そうか。その状態じゃ無理か!! 無理だよな!!」

悪ガキ「あはははははははははははははは!!」











院長「……盛り上がってるところ申し訳ないのですが」シュタッ

悪ガキ「え?」

院長「あなたは35点です。悪ガキくん」

といったところで今日の投下は以上です

次の投下は土曜日を予定しています!

後は悪ガキが大暴れすれば終わりだ……と思う!

今日もありがとうございました!!

乙 一体院長何者だよ スゲェ

紅騎士「俺らの存在いg」ショボーン
蒼騎士「それ以上は言うな」

こんばんは!! 投下が遅れてしまい申し訳ありませんでした!

今日も投下していきます! よろしくお願いします!!


悪ガキ「はぁ!? なんであんたがそこに……?」

院長「なにかおかしなことでも?」ハテ

悪ガキ「おかしいだろ!? だって今こうしてあんたは……!!」バッ

院長「先生をあんたと呼んではいけません。2点減点」

悪ガキ「死体が……無い」

院長「戦闘は最後まで気を抜いてはいけません。敵が明確に死んだとわかるまで油断しないこと……これも2点減点ですね」

悪ガキ「あんた俺になにをした!!」

院長「敵にそんなことを聞いて答えてくれると思いますか? さらに2点減点です」

悪ガキ「うぐ……」

院長「減点ですが先生は敵ではありませんので教えてあげましょう。簡単なことですよ。ちょっとした幻想魔法です」

悪ガキ「幻想魔法?」


院長「はい。『現役時代』によく使ったんですよ。追っ手から逃げるのにはこの魔法は最適です」

悪ガキ「俺はその幻想魔法ってのにかかってるっていうのか!」

院長「その通り。あなたがここで暴れだす前から……もちろん私を刺し、殺そうとしたことも私が見せた幻です」

悪ガキ「あれが……幻?」

院長「そう、あなたはただ勘違いしているだけなのですよ。『自分が妖精を取り込み、強くなった』と」

悪ガキ「じゃあ、俺がさっきまでやったことも全部……」

院長「ええ、私が見せた幻……」

悪ガキ「嘘だ……」

院長「嘘じゃありません。こうして二人で話しているこの時もあなたは私の術の影響下にいます……例えばこのように」


スゥ……


悪ガキ「増えた!?」

院長「「二人になることなど造作も無いこと……この空間では全て私の思い描いた通りになるのです」」

悪ガキ「そ、そんなことあってたまるかよ!!」



スゥ……


院長「「「あなたが妖精の力なんてありもしない力を手に入れたことも」」」

悪ガキ「全部……幻だっていうのかよ!!」


スゥ……


院長「「「「あなたがその力で辺りを更地に変えてしまったことも」」」」

悪ガキ「じゃあ……俺はなんのために……!!」


スゥ……


院長「「「「「私を刺し、殺そうとしたことも」」」」」

スゥ……

院長「「「「「全ては私の見せた夢、幻なのです」」」」」」

スゥ……

悪ガキ「これが……幻想魔法……!!」

院長「「「「「あら、そういえば結局悪ガキくんの点数は最終的に29点になってしまいましたね……残念ながら赤点です」」」」」

悪ガキ「赤点?」

院長「「「「「今回ばかりは少々キツめのオシオキを受けてもらうとしましょうか」」」」」


ワラワラワラワラワラ……


悪ガキ「く、来るな……!! 来るなよ!!!」

院長「「「「「悪い子にはオシオキをしなければなりません……覚悟はいいですか?」」」」」

悪ガキ「やだ……いやだ……俺は勇者になるんだ!! 絶対になるんだ!!!」


院長「やりなさい」

「「「「「「!!!」」」」」」


ドドドドドドドド……


悪ガキ「うわぁぁぁぁあああああ!!!」




院長「大丈夫……これは夢です。ただの夢」

院長「眠りなさい。全てが幻に変わるまで……全てが夢だと気づくまで」

院長「それでは悪ガキくん……いい夢を」

「先生もね?」

院長「え?」バッ


悪ガキ「うわぁぁぁあああああ!! やめろ!! やめてくれぇぇぇぇええええ!!!」



院長「気の……せいですか。いけませんね、心を乱しては……悪ガキくんの『夢』に悪影響が出てしまいます」

院長(そう、これは夢なんです。目が覚めればあなたは元の正しい道を進むあなたに戻っていると私は信じています……)

「正しい道ぃ? お前がそんなこと言うのかよ?」

院長「誰です!?」

勇者「自分が今までしてきたことを思い出してみろって……盗賊」スタスタスタ


院長「勇者さん!? 子供たちの前でその名前で呼ばないで欲しいとお願いしたでしょう?」

勇者「なんでだ? お前は昔も今も人のものをかっぱらう薄汚れた盗人だろ?」

院長「勇者さん?」

勇者「盗みはもちろん、恐喝、暴行、放火、なんでもござれの大悪党が今となっちゃガキ共の前で聖職者気取ってんだもんなぁ……これが笑わずにいられるか?」ケタケタ

院長「そんな! 確かに盗みはやりましたが放火なんてしたことないですよ!!」

勇者「どうだか? お前、自分のことほとんど俺たちに話さなかったろ? 信用しろって方が無理な話だ」

院長「誰にだって話したくないことくらいあるでしょう?」

剣士「では私たちと一緒に冒険したことも子供たちには話せないことだったのか?」

院長「剣士さん?」

剣士「そうだろう? だから君は子供たちの前で『正体不明の先生』というキャラクターを作り上げた。嘘で塗り固められたキャラクターをね。そして我々にも子供達と同じように自分自身のことを『先生』と呼ぶように言った」

剣士「……自分の正体を隠すために」ニタァ

院長「私は……そんなつもりはこれっぽっちも……」

剣士「魔族少女のためにここに孤児院を建てたなんてのも本当は嘘だろう?」

院長「嘘じゃありません! まだ魔族と人間との確執は続いていて……」

剣士「だが真実はそうじゃない! 君は自分の正体を子供達に知られたくなかっただけなんだ。王都にいればいくら隠しても君の正体はいつか子供達に知られる……そう」

剣士「勇者のパーティーの1人……『盗賊』。それが君の本当の顔だ」


勇者「あーあ、ガキを言い訳に利用するなんて最低だなぁ! 盗賊さんよ!!」

剣士「君は嘘つきだ。真実を全て隠し、偽りの仮面で子供たちをたぶらかす魔女だ」

勇者「誰にも真実を見せず、お前は嘘をつき続けた。子供たちを盾にして自分を守るために」

剣士「正直、君には失望したよ。そんな人だとは思わなかった……今の君は美しくない」

院長「そんな……違うんです!! 私は本当に子供達のために!!」

「子供達のため? 本当にそうかのう?」

院長「……魔法使いちゃん……どうして?」

魔法使い「本当に子供達のことを思うなら、なぜ商人貴族の申し出を断った? 彼らが望む環境を提供できたチャンスであろう?」

院長「それは……商人貴族が信用できなかったから……」

魔法使い「それも嘘じゃ」

院長「嘘じゃありません!!」

魔法使い「……じゃが嘘じゃ無くても本当の理由ではないじゃろう?」

院長「………」


「また1人に戻りたくなかったんでしょう?」


院長「そんな……あなたが……どうして?」

???「商人貴族の申し出を断れば子供達はあなたの手を離れてしまう。そうしたらまた昔の様にあなたはひとりぼっち。魔王との戦いで仲間のぬくもりを知ったあなたには昔のようにひとりに戻ることが耐えられなかったのよ」

院長「違います……そんなんじゃないんです……私は本当に……」

???「そんなことないのにね」

院長「え?」

???「嘘つきのあなたは永遠にひとりぼっちなのよ。こんな先生ごっこをしても無駄。あなたの心は盗賊時代のまま……ずっと孤独なまま」


院長「ち……違います……!! 私は孤独なんかじゃ……!! 私には子供たちが……」

???「いくら言い訳や理由を並べても無駄。私達は全部わかってる」

勇者「正直言って魔王倒したらお前みたいな犯罪者と連むのはごめんだしなー、仲間面されるのも迷惑だし」

院長「犯罪者……」

剣士「王国騎士団の団長として貴様の様な逆賊を許すわけにはいかないな」

魔法使い「お主は罪人じゃ」

院長「逆賊……罪人……」

???「それに嘘つきのあなたを見て、子供たちはどう思うのかしらね?」

院長「どうって……」ハッ

少年魔法使い「………」

侍少女「………」

魔族少女「………」

院長「みんな……」


侍少女「まさか先生が盗賊だったとは知らなかったでござる!!」

院長「待って! 違うのよ!! 私はそんなんじゃ……」

少年魔法使い「この後に及んでまだ言い訳ですか? 見苦しいですよ?」

院長「話を聞いて! お願い!!」

魔族少女「……先生」

院長「魔族少女ちゃん……お願い、信じて! 私はそんなんじゃ……」

魔族少女「罪人風情が気安く私達に喋りかけないでください。不愉快です」

院長「!!!」


勇者「よーし、みんな!! 課外授業だ! これからお前たちに勇者の仕事を体感させてやる!」

院長「勇者の仕事……?」


「「「わーい!!」」」


勇者「あそこにいる奴はなんだー?」


「「「悪い奴ー!!!」」」


勇者「勇者は悪い奴をー?」


「「「ぶっ殺すー!!!」」」


院長「ちょっと……待ってください……勇者さん……」

勇者「それじゃあみんなー、あいつをぶっ殺す準備はいいかー?」


「「「はーい!!」」」



院長「私はまだこの子たちになにも……」

魔法使い「盗賊、覚悟はいいか?」スッ

剣士「地獄で悔い改めろ……逆賊め!!」チャキッ

???「祈りの言葉くらいは手向けてあげる……安心して逝きなさい」スチャッ

院長「残せていないのに……」

侍少女「潔く死ぬでござる……それが武士というもの!」チャキッ

少年魔法使い「ここまでの恩はありますからね。せめて楽に死なせてあげますよ」

魔族少女「早く私の視界から消えてください……先生?」

院長「こんな終わり方……」

勇者「それがお前の……罪人の末路だよ。残念だったな」

院長「うううう……」ガクッ

勇者「じゃあな、盗賊。こんな幕引きがお前にはお似合いだよ」チャキッ


パリィィィィィン!!!!


といったところで今日の投下は以上です


正直今回はなにがなんやら……と自分でもよくわかっていない状況であります


次の投下は水曜日を予定しています!

次回もよろしくお願いします!

ありがとうございました!!

乙ー。
まさか正体が盗賊だったとは…。

ところで王女を殺せとか言ってたのどうなったの?

こんばんは、今日も投下していきたいと思います!
よろしくお願いします!!

>>643

………あ
そ、そのうちやるんじゃないかなぁ……?


院長「……え?」ハッ

悪ガキ「へぇ、こうやってやるんだ。なんだ幻想魔法っての割と簡単じゃん」

院長「あ……あ……」ガタガタガタ

悪ガキ「へへっ、いい夢、見れた? 先生?」

院長「あなた……私の魔法を……」

悪ガキ「へへっ、名づけて! 必殺! 幻想魔法返し!! なんちってー!!」ケタケタ

悪ガキ「それにしてもビックリだぜ、先生が勇者のパーティーだったなんて!」

悪ガキ「あれ、ちょっと待てよ? そんな先生に勝っちゃう俺って……もしかして最強!?」

悪ガキ「すっげー! 妖精の力ってやっぱりすっげー!!」

院長「……まだです……私はまだ負けていません……!!!」スクッ

悪ガキ「無理しない方がいいんじゃない? 適当に先生のトラウマいじったけど、結構辛いと思うけど?」

院長「私のことはどうでもいい……でも今のあなたは……とても危険です……このまま放っておくわけにはいかない……!!」ガタガタ

悪ガキ「そんな震えながら言われてもなぁ……格好悪いぜ?」

院長「それでも……私は!!」シュンッ


悪ガキ「なに!?」

院長「あなたを正しい道に……導く!!」


悪ガキ「くっ……どこだ!! どこにいる!?」

院長(とった!!)


ガキィィン!!


悪ガキ「なーんて♪」クルッ

院長「しまっ!?」


ズバッ!!


院長「ガッ……」


ドサッ


悪ガキ「今度こそちゃんと当たったよね? 先生?」

院長「私の動きに……合わせたというのですか……?」

悪ガキ「今の俺は『違うから』。先生の動きだってちゃんと見えるんだよ」ククク

院長「ここ……まで……とは……」バタッ

悪ガキ「俺、強くなっただろ? 勇者にだってなれるよね?」ガシッ

院長「きゃぅ……!!」

悪ガキ「もっと遊ぼうよ……先生?」フフッ


院長「ううう………」

悪ガキ「ねぇ……もしかしてもう終わり?」ギリギリギリ

院長「ああああああああ!!!」

悪ガキ「なーんだ、つまんねぇの。じゃあもういいや」パァッ

院長「な、なにを……」

悪ガキ「今度こそ死んでよ……先生?」

院長「悪ガキ……く……」


「どわぁぁぁぁああああああ!!!」


悪ガキ「なんだ?」

地上げ屋「ご町内の皆様ー!! 今から『笑う赤鬼』がそちらに行きますので半径300メートルくらいは余裕をみて逃げてくだぶふぁんがんごごごごご!!!!」ズザーッ


シーン………



院長「人が……空から……?」


地上げ屋「痛ててて……あ、よかった生きてる」スクッ

悪ガキ「あはははは!! なんだよそれ! 人が!! 人が空からって……!! んごごごごって!!!」

地上げ屋「母ちゃん、丈夫に産んでくれてありがとう!!」

悪ガキ「へへっ……」スッ

院長「あなた……なにをする気ですか?」

悪ガキ「ちょっと脅かしてやろうかなって……どんなリアクションするのか楽しみじゃん?」

院長「相手は一般人ですよ! やめなさい!!」

悪ガキ「うるさいなぁ……!!」


ドゴッ


院長「ガハッ!!」

悪ガキ「弱い癖に俺に口出しすんなよ」

地上げ屋「……ん? なんだ? あいつら?」

地上げ屋「おーい! ここどこですかー!! 見ての通り道に迷っちゃってー!!」

院長「早く逃げて!!」

地上げ屋「え?」


ビュンッ


地上げ屋「あれ、なんかデジャブ……」


ドゴォォォォン!!


地上げ屋「ははは……もう驚かねぇぞバッキャロウ……!!」ヒクヒク


悪ガキ「あれー? 思ったより反応ないじゃん。もうちょっと慌てふためくかと思ったのに」

地上げ屋「昨日今日でびっくり人間は見尽くしてきたからな! 今さらガキの手からビームが出るくらい訳ないってんだよ!」

院長「そんなことはどうでもいいですから早く逃げて! ここは危険です!!」

地上げ屋「うるせぇ!! 俺は王都一の……」

院長「私の言うことが聞けないのですか!」

地上げ屋「ひ、人の名乗りくらいはちゃんと聞きやがれ! マナーがなってないぞマナーが!!」

悪ガキ「王都一?」

地上げ屋「なんだ坊主! 俺のこと知らねぇってのか? 知らねぇなら教えてやる! 耳の穴かっぽじってよーく聞き……」

院長「いいから逃げなさいと言っているでしょう!!」

地上げ屋「だから! 人の名乗りを邪魔するなってーの!! ここが俺の見せ場みたいなもんなんだから!!」

悪ガキ「なぁおっさん……王都一って本当か?」

地上げ屋「あ? 本当に決まってんだろ! 俺にかかればそりゃ、あれだよ! あれだ……うん! あれなんだよ!!」

悪ガキ「じゃあ、俺があんたに勝てば、俺が王都一ってことだよな?」

院長「!!!」

地上げ屋「誰がてめぇみたいなガキに負けるかよ! 大人なめんじゃねぇぞ!!」

地上げ屋(ここに来て既に3連敗ほどしてますが!!)


悪ガキ「……そうか」ゴゴゴゴゴ

地上げ屋「お? おおお?」

悪ガキ「じゃあ、俺のために死んでよ。俺が勇者になるためにさ」

地上げ屋「へ?」

悪ガキ「あんたを殺して……俺は勇者になる!!」

院長「……くっ!!」シュンッ

地上げ屋「これはひょっとしてひょっとして……今までで一番ピンチな感じなのでは? あれ、今回は流石にギャグで済まない感じがする!!」

院長「だから先ほどから逃げてくださいと言っているでしょう!!」シュタッ

地上げ屋「なんだ!? またびっくり人間か!? 俺はもう腹いっぱいだぞ!?」

院長「逃げます! 手を!!」

地上げ屋「あ、ああ??」

院長「早く!」

悪ガキ「おっと! そんなことさせないぜ!!」バババババ

地上げ屋「よしてくれお嬢ちゃん。例え相手がガキだろうと実際は俺よりもはるかに強そうな相手でも喧嘩を売られたからには背中を見せちゃなんねぇ……それが男って生きも……」


ドゴンッ!!


地上げ屋「グハァ!!」

院長「御託はいいから掴まりなさい。殴りますよ?」

地上げ屋「も、もう殴ってるじゃない……」プルプル


院長「さぁ、早く!」

地上げ屋「ちっ……わかったよ。なんだかよくわかんねぇけど捕まればいいんだな!!」パシッ

院長「行きます!!」シュンッ

地上げ屋「うお、はっえ!!」ギュンッ

悪ガキ「逃がすか!! これでもくらえ!!」

悪ガキ「オラララララララララ!!!!」


ビュビュビュビュビュン!!!


院長「当たる訳には……いきません!!」シュンッ

地上げ屋「う、腕が引きちぎれるぅぅぅう!!!」



悪ガキ「待て!! 逃げるのか! お前王都一強いんだろ!!」

地上げ屋「そんなこと言われましてもぉぉぉぉぉ!!!」




悪ガキ「ちっ……逃がしたか」

悪ガキ「……まぁいい。十分妖精の力は試せた。この力さえあれば俺は無敵だ」ククク

悪ガキ「せいぜい一生懸命逃げるんだな! すぐに見つけ出して先生共々俺がぶっ殺してやる!!」

悪ガキ「もう誰にも俺を馬鹿になんてさせない!! 俺は勇者になるんだ!! この力で!!」

悪ガキ「あはははははははははは!!!」

といったところで今日の投下は以上です!

次の投下は金曜日を予定しています!!


今日もお付き合いくださり、ありがとうございました!

こんばんは、今日も少ないですが投下していこうと思います。

よろしくお願いします!



――森の中――



少年魔法使い「しかし、困ったな」

侍少女「完全に見失ったでござる」

魔族少女「どこに行ったんだろ、幼女ちゃん……」

妖精長「………」

侍少女「どうしたでござるか、妖精長殿? 先ほどから黙って……考え事でござるか?」

妖精長「う、うむ……」

少年魔法使い「なにか気になることでも?」

妖精長「……うむ、ひょっとしたらもう手遅れかもしれんと思うてな」

侍少女「なにを言ってるでござる! 我らが付いているでござるよ! 妖精長殿は大船に乗ったつもりでどっしりと構えているでござる!」

妖精長「ほほ……頼りにしておるよ」

魔族少女「でもどうして急にそんなことを?」


妖精長「うむ……先ほどからあの子と連絡が取れなくなっているのじゃよ」

少年魔法使い「テレパシーってやつか」

妖精長「その通り。そして先ほどから感じるこの強大な魔力……これはまさしく『妖精憑き』の……いや、弱気になってはいかんな。あの子ほどお転婆な子がタダで死ぬわけがない」

侍少女「そうでござるよ! やってりゃなんとかなるのでござる! 例え手遅れだったとしてもお腹を思いっきり殴れば出てくるかもしれないでござる!」

少年魔法使い「そんな強引な……」

侍少女「きっと妖精殿もお腹の中で『助けてー』と叫んでいるでござる! 望みを捨てちゃダメでござるよ!!」

少年魔法使い「いや、なんで食われてること前提なんだよ、縁起でもない」

侍少女「重要なのはどんな時でも諦めちゃいけないってことでござる!」

妖精長「そうじゃの。その通りじゃ!」

侍少女「その意気でござるよ!」


「……てー」


魔族少女「え?」バッ


侍少女「どうしたでござる?」

魔族少女「ね、ねぇ…… 今、なにか聞こえなかった!?」

少年魔法使い「気のせいじゃないか?」

魔族少女「いや、でも今確かに……」


「助けてー」


魔族少女「ほ、ほら今! 助けてーって!!」

侍少女「お、早速妖精殿からのSOSでござるか!?」

妖精長「うむ、確かに聞こえたぞい」

魔族少女「な、なにかな? もしかして……お、オバケ?」


少年魔法使い「そんなわけないだろ……とにかく声がする方に行ってみよう」

魔族少女「え!? い、行くの!?」


「た、助けてー」


少年魔法使い「放っておくわけにもいかないだろ。なんか声からして泣きそうだし」

侍少女「ぷぷっ、相変わらずのツンデレでござるな」

少年魔法使い「勘違いするなよ、妖精発見の手がかりになるかもしれないと思っただけだ」

侍少女「はい、いただきました~でござる!」

少年魔法使い「………」ゲシッ

侍少女「痛ぁ!! 無言で蹴らないで欲しいでござる!!」


魔族少女「大丈夫かなー……罠だったりしないかな?」

妖精長「まぁ、その時はその時じゃな」



「助けてー」


侍少女「森の奥の方から『助けてー』『助けてー』って声がするんですねぇ……それを聞いた私もなんだか『怖いなー怖いなー』って……あ痛ぁ!!」

少年魔法使い「変な声を出すな」

魔族少女「だ、大丈夫かな……」ブルブル


「助けてくださーい……」


少年魔法使い「こっちみたいだ」

魔族少女「う、うん……」


ザッザッザッザッザ




魔法使い「なんでこんなことになっちゃったのかな、あんなにいっぱい練習したのに……うう、これじゃ手伝ってくれた研究所のみんなに顔向けできないよ……」

魔法使い「どうして転移魔法だけ上手くできないんだろう……いっつも失敗しちゃうし、剣士さんの前であんな大見得切っておいて恥ずかしいよう……」

魔法使い「やっぱり言い過ぎちゃったかな、嫌われちゃったかな……嫌だよ、せっかく友達になれたのに……」

魔法使い「もしかしてもしかして私が一方的に友達って勘違いしてただけなのかな……そうだよ……私みたいなダメダメな子、友達になってくれる人なんて……いないもん」



少年魔法使い「あー……なんだあれは?」

侍少女「声のする方に行ったら地面に首が生えてたでござる」

魔族少女「く、首だけでしゃ、喋ってるよ! オバケだよ! 妖怪だよ!!」

妖精長「お嬢ちゃん、よく見るんじゃ。ありゃ妖の類ではないぞい。首から下が地面に埋まってるだけじゃ」

魔族少女「じゃあなんでそんなことになってるんですかぁ!?」

妖精長「そんなこと本人に聞くしかないじゃろう?」

少年魔法使い「……やっぱり先を急ごうか。なんかものすごく面倒臭そうだぞ」


魔法使い「誰かそこにいるの!?」グリンッ

魔族少女「ひぃぃぃ!!!」バターン

妖精長「お嬢ちゃん!?」

少年魔法使い「やれやれ……」ハァ

といったところで今日の投下は以上です!

次の投下は今日土曜日の夜を予定しています!

今日もお付き合いくださりありがとうございました!!

こんばんは、今日も投下していきたいと思います!

よろしくお願いします!!





院長「ここまで来れば大丈夫でしょう……」

地上げ屋「うおおお……体がバラバラになるかと……」ガタガタ

院長「あの、見た所全身ボロボロですけどなにかあったんですか?」

地上げ屋「聞かないでくれお姉ちゃん。男には説明できないことが山ほどあるってもんだぜ……」フッ

院長「あ、ここ、切れてますよ?」

地上げ屋「おいおい、よしてくれ。女に心配されるほど俺は落ちぶれちゃいねぇよ」

院長「ダメです。放っておくと膿んでしまいます」

地上げ屋「そんなこと言ったってこんなとこじゃ応急処置もなにも……」

院長「大丈夫です。こんな時のためにちゃんと道具は常備していますから」スチャッ

地上げ屋「……あ、そう」


院長「動かないでください」

地上げ屋「お、おう……いっ!?」

院長「染みますよ?」

地上げ屋「だからそういうのは先に言えって……痛っ!」

院長「騒がないで、男の子でしょう?」

地上げ屋「ガキ扱いすんじゃねぇよ」

院長「……これでよし。できましたよ」

地上げ屋「お、おお……悪いな」

院長「いえ、気にしないでください。元はといえば私が強引に連れ回したのですから……」

地上げ屋「そうか……」

院長「ええ……」

地上げ屋「………」

院長「………」


地上げ屋「な、なぁ!」

院長「なんでしょう?」

地上げ屋「なんでそんな道具いつも持って歩いてるんだ? 邪魔だろ?」

院長「ああ……これは子供たちが怪我した時用に常に持っているんです。やんちゃな子達ばかりですから」フフッ

地上げ屋「へぇ……その年でねぇ。苦労してんだな」

院長「……子供といっても私とは血の繋がりはありませんけどね」

地上げ屋「あ? んじゃあ、あんたは……」

院長「普段は岬の上の孤児院で子供たちと一緒に」

地上げ屋「げ」

地上げ屋(ってことは今回のターゲットのあの孤児院の人間ってことか!?)

院長「どうしました?」

地上げ屋「あ、いやなんでもねぇよ。ちょっと喉が渇いたと思っただけだ」ハッ

院長「ならこれをどうぞ。私の水筒ですが」スッ

地上げ屋「なんでも出てくるな!」

院長「これくらい当然です」

地上げ屋「そ、それじゃあ遠慮なく……」グビグビ

院長「………ということはやはりあなたも商人貴族の手の者なんですね」


ブフゥ!!!



地上げ屋「ゲホッ!! ゴホッ!!」

院長「大丈夫ですか?」サスサス

地上げ屋「し、知ってたのか!? どうして!?」

院長「まぁ、あなたの服装を見ればなんとなくわかります」

地上げ屋「服装? なんでそんなことがわかるんだよ?」

院長「? 服の膨らみでどこになにが入ってるかくらい普通わかりませんか? あなたのジャケットにはナイフが2本入ってますよね? 腰には魔法道具が一式……どれも戦闘用というよりも脅迫用といったものでしょうか……あと右の内ポケットに魔導具を一つ隠し持ってますね? それも随分と珍しい物を」

地上げ屋「お、俺の魔導具のことまで……そ、それでどうして俺が商人貴族の手先だってわかるんだよ?」

院長「ナイフにしろ腰の魔法道具にしろ、あなたの持っている道具は殺傷力よりもあいてを痛めつけることに重点を置いています。魔法で強化された縄だとか、痛みを与える魔術符だとか」

院長「そこから察するに、あなたは私を殺すのではなく、脅すことを目的としてここにやって来たということになる……それはつまり」

地上げ屋「俺が商人貴族の旦那から依頼された人間ってことか」

院長「まぁ、そんなところですかね」

地上げ屋「察しが良すぎるだろ! 名探偵か!」ビシッ

院長「しょうがないじゃないですか、わかってしまうんですから」フフッ

地上げ屋「うわぁ……」


院長「そうですね、少なくとも『王都一の地上げ屋』なんて嘘は見抜けますよ?」

地上げ屋「嘘じゃねぇよ! 俺は王都一の地上げ屋なの!!」

院長「はいはい、そういうことにしておきましょう」ハァ

地上げ屋「いくら俺でも今のは完全に馬鹿にされたってことくらいわかるぞ!」

院長「あら、わかったんですか?」

地上げ屋「ったく、あんた何者だよ?」

院長「私は……なんでしょうね?」

地上げ屋「あん?」

院長「私にもわからなくなってしまいました……自分が何者なのか」

地上げ屋「………」

院長「そうだ。話ついでにあなたに面白いものを見せてあげましょう」

地上げ屋「面白いもの?」



院長「………その左の懐にあるあなたの財布には今いくら入っていますか?」



地上げ屋「なんだよ急に?」

院長「いくら入ってますか?」

地上げ屋「まぁ、地上げ屋稼業は儲かるからな! そりゃ俺様の財布も札束の嵐よ!」

院長「……嘘つき」

地上げ屋「う、嘘じゃねぇよ!!」

院長「だったらその財布の中を確認したらどうですか?」

地上げ屋「男ってのはいちいち自分がいくら持ってるかなんて女々しいこと考えて生きてねぇんだよ! お嬢ちゃんにはわかんねぇだろうけどな!」

院長「別に小銭しか入ってないことくらいでなんとも思ってませんよ」スッ


ジャラジャラジャラ………


地上げ屋「……おい、なんだその小銭? どっから出した?」

院長「あなたの財布の中からですけど?」

地上げ屋「はぁ? なに言っちゃってんだお前?」

院長「見ての通りあなたのお財布には小銭しか入ってませんでした」


ジャラジャラジャラ………



地上げ屋「おいおい、流石に冗談きついぜ! そんなのありえるわけねぇだろ? だって俺はこうして肌身離さずこうやって財布を懐に……」

院長「だったら自分の目で確かめたらどうですか? ……本当に小銭しかないですね」ジャラジャラジャラ

地上げ屋「馬鹿にしやがって……ってえええ!!!」

院長「………」ジャラジャラジャラ

地上げ屋「無い……財布の中身だけ何もない!!」

院長「ちなみに小銭の他にいかがわしいお店の名刺など色々なものもこのように……」スッ

地上げ屋「あああ!! か、返せよ!! お気に入りの子のなんだぞ!!!」

院長「はい。持っていてもしょうがないのでお返しします」スッ

地上げ屋「い、いつ俺の財布から中身を抜き取った!! 人のものとったらいけないってお母さんに教わらなかったのか!!」

院長「いつと言われましても……たった今としか」

地上げ屋「今って……じゃあなにか? お前は俺と話している間に俺の懐の財布から中身だけ綺麗に抜き出したっていうのか?」

院長「はい」

地上げ屋「こ、この短い間で?」

院長「はい」

地上げ屋「……ありえねぇだろ」

院長「……自分が必要なものを必要な分だけ相手から奪い取る……これが私の持つ忌まわしい『盗賊』の技術」

院長「私はこの技を使って人のものを奪い、それを糧に生きてきたどうしようもない……盗人です」

といったところで今日の投下は以上です

次の投下は月曜日の夜を予定しています!!

今日もお付き合いくださりありがとうございました!

こんばんは、今日も投下していきます!!

よろしくお願いします!!




院長「だから私は……あの子達にも自分の正体を隠し、嘘をついて……」

地上げ屋「ん? ちょっと待て。その赤い髪にさっきの技ってことはあんた、『華麗なる緋』か?」

院長「はい? 『華麗なる緋』?」

地上げ屋「いや、ほら都市伝説だよ! 一時期王都を騒がせたっていう、狙った獲物はそれが王宮の厳重な警備の先であろうと確実に盗み出す女盗賊! 持ち主が例え獲物を肌身離さず持っていたとしてもものともせず、一瞬のうちに宝を奪うその技術はまさに芸術!」

院長「芸術だなんてそんなことは……」

地上げ屋「長い赤髪をたなびかせながら行う犯行は大胆にして華麗。持ち主は宝だけでなく心まで奪われたとか!」

院長「あ、あの実際はそんなことはないんですけど……」アハハ

地上げ屋「その可憐な姿からついた異名は数知れず!!」

院長「い、異名ですか?」

地上げ屋「『華麗なる緋』、『緋色の魔手』……」

院長「なんて名前をつけてくれてるんですかあなた達は……」ハァ

地上げ屋「極めつけは『マジカルシーフ☆プリティクリムゾン』!」

院長「なんですかそれ!!?? ぷ、プリティ!?」ガタッ


地上げ屋「そういえば最近はそんな噂とかも聞かなくなってたな」

院長「その前に、そのプリティなんとかの方についてできれば詳しく……」アタフタ

地上げ屋「孤児院始める前はなにしてたんだ?」

院長「いやだからそのプリティの方が私にとっては重大な問題なんですけど……」

地上げ屋「なにしてたんだ?」

院長「ちょっと世界を救ってました」

地上げ屋「……えっとどういうこと?」

院長「まぁ、ちょっとした縁があって勇者さんと一緒に魔王討伐の旅に出かけていたわけです」

地上げ屋「でもちょっと待てよ……勇者のパーティーっていったら勇者に剣士に僧侶、それと魔法使いの4人だったよな?」

院長「盗人の私が表舞台に立つわけにはいきませんから、陛下に頼んで情報操作の方を少しばかり……」

地上げ屋「もったいねぇ! 俺だったらその肩書きで一生飯食ってやろうと思うけどな!」

院長「そんなことよりプリティの方を……」

地上げ屋「そうか……伝説の女盗賊兼勇者の仲間……それだった商人貴族の旦那が俺達に依頼したのもわかる。あんたみたいなのを相手できるのはこの『笑う赤……』

院長「いやもうそういうのはいいですからプリティの方を詳しく!!」

地上げ屋「だから何度も俺の名乗りをじゃまするなよ!! このプリティクリムゾン!!」

院長「………二度とその名前で呼ぶな」チャキッ

地上げ屋「……はい」ガタガタ

院長「わかればいいのです」ニコッ


地上げ屋「だとしてもなんであんたみたいな人間が孤児院なんてやってんだ? もっと違う仕事でもあるだろ? それこそあんたの能力に合う仕事ってのが」

院長「……私、ずっと家族というものに憧れていたんです」

地上げ屋「家族?」

院長「はい、普通のどこにでもある家族の形……私にはそういう経験が一つもないから」

地上げ屋「いわゆる複雑なご家庭って感じか?」

院長「………」

地上げ屋「いや、言いたくなければいいけどよ」

院長「だから魔王との戦いで家族を失った子供達にほんの少しでも手助けしたいと思って……」

地上げ屋「なるほどねぇ……」

院長「苦労も多かったですけどあの子達との日々は楽しかった。勇者さんたちと出会って初めて仲間と呼べる人ができて、家族と呼べる子達もできて今までの自分とは比べられないくらい……幸せでした」

地上げ屋「でした?」

院長「ええ、でもそんな日々ももう終わりです」

地上げ屋「なんでだよ?」

院長「やっぱり私には向いていなかったんです。最初からあの子達の親代わりなんて無理だったんですよ」

地上げ屋「おっ、じゃああの孤児院を明け渡すってことだよな!?」

院長「こうなってしまった以上、私がここにこだわる理由はありません。全てが片付いたら、孤児院を閉めようと思います」

地上げ屋「お! そいつはいいこと聞いたぜ!! さすが俺様! 何もしなくても仕事が成功してしまう! 怖い! 自分の才能が怖いぜぇ!!」

院長「ただし、商人貴族の野望を全て打砕き、再起不能にしてからの話ですが」

地上げ屋「………それじゃあ意味ないんだけど」


院長「あのような力を世に拡散させるわけにはいきません……それこそ本当に戦争になってしまう。それだけはなんとしてでも回避しなければ」

地上げ屋「あのような力……あ、忘れてた! あのガキのことか!」

院長「はい、あの子がああなってしまったのは全て……私の責任です」

地上げ屋「お前があのガキをあんな風にしたってことか? お前なにしたんだよ?」

院長「直接はなにもしていません。ですが私の言葉が彼を追い込んでしまったことは事実です」

地上げ屋「なんかよくわかんねぇけど、そもそもあいつなんなんだ? どう考えても普通の人間じゃなかったが……」

院長「商人貴族の言うことが本当だとしたら、悪ガキくんは妖精の力を取り込んだということでしょう」

地上げ屋「妖精!? 妖精ってあの羽生えた小さいおっさんのことか?」

院長「知っているのですか?」

地上げ屋「知ってるもなにも、さっきまで俺はその妖精とやらに取り囲まれてたからな」

院長「取り囲まれてた?」

地上げ屋「おうともよ! そうかぁ、兄弟が言ってたこともあながち嘘じゃなかったんだなぁ……でもあれを食うってのはちょっとなぁ……絶対腹壊すし、というかどうやって食うんだ? 焼く? 煮る? オエェェ……」

院長「ちょ、ちょっと待ってください! あなたは妖精を見たと……?」

地上げ屋「あん? だからそうだって。んでそこで金髪のガキにぶん殴られてあそこまで飛んできたんだよ……嘘みてぇな話だけどよ」

院長「金髪のガキ……それってもしかしてこれくらいの身長の女の子ですか?」

地上げ屋「確かにそんな感じだな」

院長「喋り方にすごく特徴がある……」



ヒョコッ


地上げ屋「そうそう! ちょうどこんな感じのガキのことだな!!」ポンポン

幼女「よう、センセ!! 元気してるぅ!?」ビシィッ


地上げ屋「ってうわぁ!! 出たぁぁあ!!」

院長「幼女ちゃん!?」

地上げ屋「なんだこの野郎! まだやろうってのか!!」シュシュッ

幼女「はて、なんのことでござりましょうでござんすか?」ハテ

地上げ屋「とぼけんな! てめぇのせいで俺はダイナミックヘッドスライディングしたんだぞ!」

幼女「おおっ! それは是非とも拝見したかったものですなぁ!」

地上げ屋「ふざけんな!!」

院長「幼女ちゃん、なぜこんな所に?」

幼女「んー、麗しい女性を見るのに理由がいるかい?」

院長「は、はぁ……」

幼女「幼女としてはその豊満なバディに飛び込んでギュッとしてもらいたいんだが……ダメ?」ウワメヅカイ

院長「あなた……幼女ちゃんじゃないですね? それに僧侶さんでもない」

地上げ屋「あん? どういうことだ?」

幼女「あ、バレちった? そりゃそうか! いくらなんでもあんたには隠し通せねぇよなぁ?」ガッハッハ

院長「私の予想が正しければあなたは……」

幼女「おっと、それ以上はネタバレにつき厳禁だ。わかるよな?」ズォッ


院長「………」

幼女「それと……」クルッ

地上げ屋「な、なんだよ!? やるか!?」

幼女「さっきは悪かった」ペコリ

地上げ屋「ん?」

幼女「それと……ありがとうな」

地上げ屋「ありがとう?」

幼女「なんのことかわからなくていい。ただ今は言わせて欲しい」

地上げ屋「はぁ……」

幼女「よし、とりあえずはもう満足!」

院長「満足?」

幼女「そそ! そろそろ時間だし、後はお任せしますよー♪」

地上げ屋「待ちなさい! あなたは本当は何者なんですか!?」

幼女「ちょっと今回は干渉し過ぎた。後は俺のソウルフレンドの選ぶことだ」

幼女「……あとはお前に任せる。お前の人生だ……後悔はすんなよ、幼女」ニカッ

院長「待ちなさい!」


シュゥゥゥゥ……



幼女「………むい?」キョロキョロ


地上げ屋「ん? なんか雰囲気が変わったか?」

院長「幼女ちゃん……戻ったのね」


幼女「………!!!」キョロキョロ


幼女「見つけ……た!!」ビシッ

地上げ屋「俺ぇ!? ちょ、ちょっと待てよ! 俺は今お前をどうこうしようなんて考えて……!!」

院長「ダメよ、幼女ちゃん! 無闇に人を傷つけては!!」

幼女「返し……て!!」

地上げ屋「か、返すってなんだよ!? お前からなんもとってねぇぞ!?」

幼女「むぅぅぅ……」スゥゥ

地上げ屋「げぇ!? またあれか!? 今度こそ死ぬぞ俺!?」

院長「幼女ちゃん!!」

幼女「むい!!」カッ


ドゴォォォォン!!


地上げ屋「ぎぇぇぇえええええ……ってあれ?」

院長「外れた? いや、外したのですか?」

幼女「むぅぅぅぅ………」



悪ガキ「おっかしいなぁ? 気配は消したはずだけど? なんでバレた?」シュタッ

といったところで今日の投下は以上です!

次の投下は水曜日の夜を予定しています

今日もお付き合いくださりありがとうございました!!

こんばんは、今日も投下していきたいと思います!

よろしくお願いします!


――森の中――



魔法使い「いやー、助かったぞい! ワシも何度も死線を潜り抜けてはいるがここまで追い詰められたことはなかった!」パンパン

侍少女「はぁ……」

魔法使い「身動きが取れない上ここは王都に比べて暑いじゃろ? もう脱水症状で死ぬかと思ったわい」クピクピ

侍少女(魔法で作った水を飲んでるでござるよ……)ヒソッ

少年魔法使い(あんまり飲めたもんじゃないはずだが……よっぽど死にそうだったんだな)ヒソッ

魔族少女(なんかさっきと様子が違うね)ヒソッ

少年魔法使い(キャラ作りだろ、ござる女と一緒で)

侍少女「拙者のはキャラ作りではないでござるよ!?」ガビーン

魔法使い「おっと、いかんいかん。こんなことをしている場合ではない! 急がねば……」

魔族少女「急ぐってどこにですか?」

魔法使い「お主達もこんなところにいては危ないぞ。できるだけ遠くに逃げることをお勧めする。早急にの!」

少年魔法使い「おい、待て。なにかあったのか?」

魔法使い「……詳しいことは言えんが、少々この辺りでドンパチ騒ぎになるやもしれんでのう」

妖精長「……それは既に何者かが禁断の力を手にしたということか?」

魔法使い「ぬ? その姿はもしや……?」

妖精長「うむ。わしは貴様ら人間が血眼に探している『妖精』じゃよ」

魔法使い「え、嘘? 本物!?」ガビーン

侍少女「素に戻ってる素に戻ってる!!」

妖精長「もちろんじゃ」

魔法使い「わぁ、本で見た通りだ……本当に背中の羽で飛んでる」キラキラ

妖精長「やはり貴様もその欲望のままに力を手にしようと言うのか?」

魔法使い「む……ゴホン」

妖精長「どうなんじゃ? 答えよ」

魔法使い「まぁ、ワシも研究者の端くれ……学術的興味は……無いと言ったら嘘になるのう」ニヤッ


「「「!!!」」」


少年魔法使い「ちっ、やっぱりこうなるのか!!」スッ

侍少女「妖精長殿は渡さないでござるよ!」チャキッ

魔法使い「な、なんじゃなんじゃ???」

魔族少女「ちょっと二人共落ち着いて!」

侍少女「落ち着いてなぞいられないでござる! 不届き者は早急にたたっ斬るに限るでござるよ!」

魔法使い「あ、阿呆! 冗談じゃ! わしがその様な無粋な真似をすると思うか!?」

少年魔法使い「さっきと見た目で判断したら酷い目にあったばかりだからな……油断はできない」

侍少女「そうでござる! もうちょっとで死ぬところだったでござる!」

魔法使い「だー!! わしは妖精を取り込んだ者を倒しに来ただけじゃ!!」

少年魔法使い「なに?」


妖精長「やはり遅かったか……」

魔族少女「妖精長さん……大丈夫です。まだそうだって決まったわけじゃありません。諦めたらそれこそ全部おしまいです! ね?」

妖精長「……そうじゃの。わしが諦めるわけにはいかんのう」

魔族少女「はい!」

魔法使い「とある情報から妖精がこの辺りに生息していることを知った。そしてそれを狙う輩がいることもの。それを阻止しようとワシはこうして直接乗り込んだんじゃ!」

少年魔法使い「じゃあ、なぜこんなところで埋まっていた?」

魔法使い「……それは」

少年魔法使い「答えられないのか?」

魔法使い「………」ウツムキ

少年魔法使い「どうなんだ!」

魔法使い「………ぅぅ」ジワァ

少年魔法使い「なっ!?」

魔法使い「……私だって……ちゃんと転移魔法くらい……使いたいよ……」グスッ

少年魔法使い「な、なぜ泣く!?」

魔法使い「でも失敗しちゃったんだもん……気づいたら森の中で土の中だったんだもん!! 何度やったって失敗しちゃうんだもん!!」グシュッ

侍少女「あー、泣かしたー」

少年魔法使い「ちょっと待て! 僕が悪いのか!?」

魔族少女「あはは……」

魔法使い「……そうだよね……こんなグズでノロマな私が出しゃばったところでなんになるっていうんだろ……どうせどうにもならないのにね……みんなに迷惑かけるだけだもんね……」ズーン

少年魔法使い「そこまで言ってないだろ!!」

魔法使い「いえ、もういいんです。身の程知らずでごめんなさい。助けてくれてありがとうございました……大人しく王都に帰ります」ペコリ

少年魔法使い「いやちょっと……」

魔法使い「それじゃあ本当にご迷惑をおかけしました。私はこれで失礼します……」

少年魔法使い「待て」ガシッ

魔法使い「まだなにか……?」

少年魔法使い「どうやって帰るつもりだ?」

魔法使い「もちろん転移魔法で……」

少年魔法使い「やめておけ」

魔法使い「どうして?」

少年魔法使い「言わなくてもわかるだろそれくらい」

魔法使い「……離してください」

少年魔法使い「断る」

魔法使い「離して!! 私王都に帰るの!!」

少年魔法使い「今のあんたをそのまま返すわけにはいかないだろ!?」

魔法使い「どうして!? 私のことは放っておいてくださいよ!!」

少年魔法使い「じゃあ、なにか!? 今度は王都で埋まるつもりか!?」

魔法使い「!!!」

魔族少女「あ……」

魔法使い「………ううう」グシュッ


魔法使い「うわぁぁぁああああああああああああんんん!!!!!」ビェェェェ


魔族少女「さすがに今のは言い過ぎじゃないかな……?」アハハ

侍少女「人格を疑うでござるよ……」

少年魔法使い「なんでこうなった……」ハァ



魔法使い「うえぇぇぇえええええええええええええんんん!!!」ビェェェ



――――――



悪ガキ「よう、幼女。よくも昨日は色々とやってくれたな」

幼女「………」ムゥ

悪ガキ「それで? 今度はお前が俺の邪魔をするってのか?」

幼女「返し……て!!」

悪ガキ「返す?」

幼女「妖精さん返し……て!!」

悪ガキ「へぇ? やっぱりお前にもわかるのか……この妖精の力が!!」ゴゴゴゴゴ

幼女「返し……て!!」


悪ガキ「けっ、誰が渡すかよ!! この力はもう俺のものだ!! 誰にも渡さない!! この力で俺は勇者になるんだ!!」

幼女「違……う!! そんなのユーシャじゃ……ない!!」

悪ガキ「そうだったな……お前は最初からそうだった」

悪ガキ「俺を馬鹿にして否定して……それでいてとびっきりの『特別』だ……ムカつくんだよ、お前」

幼女「妖精さん嫌がって……る!! 早くここから出してって言って……る!!」

悪ガキ「なに言ってんだお前? 妖精ならもう食っちまったよ!!」

幼女「でも聞こえ……る!! 助けてって言ってる!!」

院長「!!!」

悪ガキ「そんなのでまかせだ!! 俺は確かに妖精を取り込んだんだ!! この力を手に入れるために!!」

幼女「困ってる人は放っておかない……それがユーシャなので……す!!」

悪ガキ「なんだと……?」

幼女「だから助け……る!! ユーシャならそうすると思うか……ら!!」ムイッ

悪ガキ「ふざけるな!! お前が勇者を語るな!! 俺の夢を語るな!!」

幼女「妖精さんはあなたの物じゃな……い!! 返し……て!!」

悪ガキ「嫌だ」

幼女「返し……て!!」

悪ガキ「嫌だって言ってるだろ!!」

幼女「むぅぅぅぅぅ……」プクー

地上げ屋「まるでガキの喧嘩だな」

院長「ええ、ですがこの世でもっとも危険な子供の喧嘩です」




幼女「交渉の余地……無し!!」ビシッ

悪ガキ「ああ、そうだよ。そんなもんはどこにもねぇ!!」

幼女「だったらやることはひと……つ!!」ググッ

悪ガキ「なんだよ? やるってのか? いいぜ、かかってこいよ?」

院長「やめなさい! 二人共!!」

悪ガキ「うるせぇ! 弱い奴は邪魔するんじゃねぇよ……殺すぞ?」キッ

院長「くっ……」

幼女「力づくで奪い……とる!!」

悪ガキ「やってみろよ! この力でお前も勇者も……俺を馬鹿にする奴は全部ぶっ殺してやる!!」




悪ガキ「いくぞ……幼女」グッ

幼女「どっからでもかかってきなさ……い!!」グッ



悪ガキ「うぉぉぉおおおおおおおおお!!!!」シュバッ

幼女「むぃぃぃぃいいいいいいいい!!!」シュバッ


ドゴォォォォン!!!


といったところで今日の投下は以上です!

次の投下は金曜日を予定しています!!

それでは今日もお付き合いくださり、ありがとうございました!!

こんばんは、今日も短いですが投下していきます!

よろしくおねがいします!!


――森の中――



魔法使い「グスッ……グスッ……」

「…………」

魔法使い「ど、どうしたのみんな?」

魔法使い「む、無視しないでよ!! そういうの……い、1番傷つくんだよ!!」

「…………」

魔法使い「ふぇぇぇ……」グスッ

魔族少女「違う……んですよ……無視とかそういうんじゃ……」ギギギギ

魔法使い「え?」

侍少女「か、身体が……動かないでござる……!!」ギギギギギ

少年魔法使い「なんだ……これは……!!」ギギギギ

妖精長「ぬぬぬ……」ギギギギ

魔法使い「これは……呪術!? ということは……」



ザッザッザッザッザ………


呪術師「ええ、僕ですよ。久しぶりですね、魔法使い」


魔法使い「……呪術師!!」


呪術師「やれやれ、あなたにも困ったものですね。僕の行く先々に現れて……暇なんですか?」

魔法使い「……今すぐ皆を元に戻すんじゃ」

呪術師「それはできません。僕はそこの妖精に用があるんですから」フフッ

妖精長「ぬぅ……」ギギギギ

魔法使い「お主も妖精を狙っていると言うのか!?」

呪術師「も? ということはあなたもですか?」

魔法使い「質問に答えろ」

呪術士「……別に僕個人としてはどうでもいいんですけどね。依頼人がどうしてもその妖精の力とかいうのを欲しいっていうので」

魔法使い「依頼人……商人貴族のことじゃな?」

呪術師「さぁ? 生憎、こちらにも守秘義務というものがあるので……諦めてください」

魔法使い「妖精の力が拡散したらどうなるか……それくらいわかるはずじゃろう!」

呪術士「そんなこと知ったこっちゃありませんよ。僕は傭兵です。与えられた仕事を忠実にこなすだけ。そこに個人の意思なんて関係ありません。それに、妖精憑きが万が一僕の邪魔をしようっていうのならこの力で屈服させればいい」ズォッ

魔法使い「闇の力……!! 貴様、まだその様な力を!!」ギリギリギリ

呪術師「ふふっ……そうですよ、完璧な僕に相応しい力じゃないですか!」

魔法使い「……今すぐその力を手放し、皆の拘束を解け。今すぐじゃ」

呪術師「はぁ……あなたは自分の立場がまるでわかってないみたいですね」

魔法使い「なんじゃと?」

呪術士「僕がこんなところ、1人でうろうろするわけないでしょう?」



賢者「あら、剣士様の次は魔法使い様? 冗談でしょ? ここは英雄たちの見本市ってとこかしら?」

戦士「おい、あのガキの横にいるの……妖精か?」

暗殺者「………」シュタッ



呪術士「ええ、そうですよ団長。あれが僕らのターゲットです」ニタァ

魔法使い「戦士に賢者……黒獅子騎士団のトップ共か!!」

賢者「こんな南の辺境に伝説の英雄達が二人も……ねぇ、呪術士。ひょっとしたらキャンプに置いてきた自称勇者って案外本物なんじゃない?」

呪術士「ありえません。勇者様は人のベッドでクロールなんかしません」

魔法使い(あの馬鹿はなにをやっておるんじゃ……この非常時に!!)


呪術士「さて、魔法使い。流石の伝説の英雄でもこの人数を相手にできますか? ちなみに、昨日はあなたのお仲間の剣士も我々の前に……」

魔法使い「本人から聞いておる。どうやらこっぴどくやられたようじゃの」

呪術師「本人から?」

魔法使い「一つ忠告じゃ。わしをあんなヘタれと一緒にするな。わしは手加減ができない質での。下手にわしに手を出せばばこの辺り一体を焦土に変えてしまうかもしれぬ」

呪術士「……だそうですけど?」

賢者「面白そうじゃない、やってもらいましょうよ」

戦士「へへっ、今度はしっかりと戦わせてくれよ? 伝説の英雄?」チャキッ

魔法使い「期待には応えなければのう!!」

呪術士「いいですか団長、あくまでも目的は妖精族です。わかってますね?」

戦士「ああん? そんなのどうでもいいだろ?」

賢者「いいわけないでしょうが!」

戦士「そういう面倒なことは賢者、お前の仕事だろ?」

賢者「この戦闘狂が……」

呪術士「そんなこと今に始まったことじゃないでしょう? あんまり考え込むとシワが増えますよ?」

賢者「あんたも相変わらず言ってくれるじゃない……!!」プルプル

呪術士「事実を言っただけです。それにただでさえこの辺は日差しが強い地域なんですから放っておくとお肌にシミができますよ?」フフッ

賢者「うん、決めた。魔法使いより先にまずあんたを殺すわ」

呪術士「やれるものならどうぞ?」

賢者「あんた本当に生意気ね!」

呪術士「すみませんね、生まれつきこういう性格なんで」

賢者「そう、それは随分と残念ねぇ……生まれつきそんなだなんて」チラッ

呪術士「今、どこを見ましたか?」

賢者「べっつにぃ……ただ、ちょっと可哀想だなって思っただけだから気にしないで」

呪術士「喧嘩売ってんですね?」

賢者「あら、頭だけは貧相じゃないみたいね」

呪術士「……売れ残り」

賢者「……まな板」

呪術士「……厚化粧」

賢者「……俎」

呪術士「小じわお化け」

賢者「………真魚板」

呪術士「なんで全部まな板なんですか!!」

賢者「あんたなんてまな板で十分よ!!」

呪術士「じゃあ、お望み通り三枚に下ろしてやろうじゃないですか!!」

賢者「うるさいわよまな板!!」




ギャーギャーギャー


といったところで今日の投下は以上です!

次の投下は日曜日の夜を予定しています!

もうちょっとで終わる……はず!!

今日もお付き合いくださりありがとうございました!!

乙!
もっと続けて欲しいな(願望)
頑張ってくばさいq(^-^q)

こんばんは、今日も投下していきます!

>>717
ありがとうございます! 所詮自分の妄想話ですがもう少しおつきあいしていただけると幸いです


それでは今日もよろしくお願いします!


魔族少女「誰……かな? あの人たち?」ヒソッ

少年魔法使い「傭兵みたいだな……くそ、なんの力だ? これじゃあ全然身動きがとれないぞ」ヒソッ

魔族少女「傭兵!?」

侍少女「妖精族を狙っているって……言ってたでござるな……!!」ギギギギギ

妖精長「冗談じゃ……ないわい……あんな輩に好き勝手されてたまるか……!!」ギギギギ

侍少女「どうにかならないで……ござるか!? 少年魔法使い!!」ギギギギ

少年魔法使い「……騒ぐな! 今、これを解く方法を探してる……!!」

少年魔法使い「くそっ、こんな魔法見たことない……単純な魔力じゃない。なんだ? このドス黒い魔力は?」

魔法使い「お主たち、岬の上の孤児院の子供達じゃな?」ヒソッ

魔族少女「はい……でもどうしてそれを?」

魔法使い「お主らの先生とちょっと顔見知りでの。孤児院の様子はよく聞いている。随分と面倒なことに巻き込まれているようじゃの」

少年魔法使い「僕らはただ単純に巻き込まれただけだ。文句なら金髪の幼女と無鉄砲なうちのリーダー気取りに言ってくれ」

魔法使い「……幼女はお主らともうまくやっているようじゃのう……なによりじゃ」フッ


侍少女「幼女殿のことも知ってるでござるか?」

魔法使い「……今は一から語っている時間はない。奴らの目的は妖精族の確保と生息地の情報を得ること。それはわかるな?」

魔族少女「ええ、その商人貴族とかいう人が妖精さん達を狙ってるって……」

妖精長「追い返しはしたが里に侵入までされたわい」

魔法使い「ううむ……事態は一刻を争うようじゃな。とにかくお主たちは逃げるのじゃ。わしが時間を稼ぐ」

魔族少女「そんな! 無茶ですよ! 4人もいるんですよ!?」

魔法使い「安心せい。伊達に伝説の英雄を名乗ってないわい」

少年魔法使い「伝説の……英雄? じゃあ、もしかしてあんたは!?」

魔法使い「わしのことなどどうでもいい。問題はこの世界の未来のことじゃ。妖精の出処が商人貴族に知られればこの世界はまた戦乱の世に逆戻りじゃ。そんなこと絶対にあってはならん。わかるな?」

魔族少女「で、でも……」

魔法使い「大丈夫じゃ。わしだってなにもあいつらを1人で相手しようなどと本気で思ってなどいない。わしの見立てが正しければもうすぐ助っ人がここに来る頃だしの」

侍少女「助っ人……でござる?」

魔法使い「話はここまでじゃ。合図をしたらわしがお主らにかかった術を解く。そうしたら妖精長を連れてここからできるだけ遠くへ逃げるんじゃ。そうじゃの……お主らの先生がいるところまでじゃ。わかったな?」

侍少女「信用できるんでござるか? もしかしたら罠の可能性も……」

魔族少女「でも先生の知り合いって言ってるし……」

魔法使い「慎重なのはいいことじゃがあまり時間は無いぞ?」

少年魔法使い「とりあえずここはこの人の言うとおりにするしかないみたいだな」

魔法使い「懸命な判断じゃ……頼んだぞ、この世界の命運はお主たちにかかっている」

侍少女「あああんもう!! 昨日から急展開過ぎて頭がパンクするでござるよ!!」

魔族少女「怖いけど……頑張ります!」

魔法使い「いい返事じゃ。行くぞ!」ニコッ

「「「はい!!」」」




戦士「お前らいい加減にしろ! 毎回毎回よくそんなに口喧嘩ができるな!?」

暗殺者「………」コクコク

賢者「戦士! これは女の戦いなのよ! 邪魔しないで!」

呪術士「そうですよ! 完璧な僕がこんなところで引くなんてありえません!!」

戦士「先に仕事終わらせてからしろ!」

賢者「大体ねぇ! あんたスタイル気にしすぎている割に食べなさ過ぎなのよ! もっとしっかり食べなさい!」

呪術士「仕方ないでしょう! あんまりご飯食べられないんですよ!」

賢者「この間もなに? 昼食がパン一個って何考えてんの? 隣で見てる私はもう心配で心配で……」

呪術士「そ、それを言ったら賢者さんだって肌のシワを気にする割に遅くまで働きすぎなんですよ! もっと十分休んでください!」

賢者「しょうがないでしょ! 傭兵団の運営が大変なんだから!」

呪術士「一人で抱え込まないでくださいよ! 隣で見ている僕の身にもなってください!」

呪術士・賢者「「ぬぬぬぬぬ~」」ギギギギ

戦士「だからいい加減にしろっつーの!!」

呪術士「役立たずは黙っててください! あなたのせいで賢者さんは苦労してるんですから!」

戦士「なっ!?」

賢者「団員の体調管理くらいちゃんと気を配りなさいよね、戦闘馬鹿」

戦士「ぬぅぅぅうううううう!!!」ガァァァァ






魔法使い「解呪!!」


バキンバキンバキンバキンッ!!



呪術士「しまった!! 呪いが!!

魔法使い「この様な完成度が低いもの、魔法を極めたわしに通用すると思うてか!」

呪術士「くっ……『跪……!」ズォッ

魔法使い「拘束魔法!!」ジャラジャラジャラジャラ

呪術士「くわっ!!」ガキーン

戦士「魔法の縄だと!?」ガキーン

暗殺者「……!!」ガキーン

侍少女「おお! 一瞬で……!!」

魔法使い「長くはもたん! 今のうちに逃げるんじゃ!!」

少年魔法使い「頼んだ!! 行くぞ!」ダッ

侍少女「わかったでござる!」ダッ

魔族少女「ま、待ってよ!!」

妖精長「!!! お嬢ちゃん、危ない!!」ドンッ

魔族少女「え?」


賢者「衝撃魔法!!」

魔法使い「しまった!!」


バァアアン!!


妖精長「ぐぁああああ!!」

魔族少女「妖精長さん!」


賢者「あら、妖精の方に当たったのね。気絶させるつもりだったんだけど……まぁ、死んでないなら結果オーライとしておきましょうか」フフッ

魔法使い「貴様……!!」

賢者「魔法を極めたのはあなただけじゃないのよ? 魔法使いさん? こんな完成度の低い魔法で私を一瞬でも拘束できると思ったのかしら?」フフッ

魔法使い「思ったよりもできるようじゃの……」ゴクッ

魔族少女「そんな……私を庇って……い、今回復魔法を……」

妖精長「大丈夫じゃ……大したことではない……それよりも早く逃げんとな……悪いがお嬢ちゃん、ちょっと一人で飛ぶのはしんどいんでのう……手を貸してくれるか……?」

魔族少女「は、はい!!」ダキッ

妖精長「すまんの……」

少年魔法使い「相手はどうやら本気みたいだな」

侍少女「のんきに分析なんてしてる場合じゃないでござるよ! ここはさっさと逃げるでござる!」ダッ

魔族少女「うん! 魔法使いさん、あとはお願いします!!」ダッ

魔法使い「ああ、妖精を……世界の命運を頼んだぞ!!」



賢者「させると思う? 業炎魔法!!」ゴォォォ

魔法使い「なんの! 水龍魔法!!」ギュォォォ


バァァァン!!


魔法使い「ぬぅ……!!」


賢者「ちっ……逃がしたか。ふふっ、流石伝説の英雄やるじゃない」

魔法使い「お主もやるのう……伊達に最大規模の傭兵団の幹部ではないということか」

賢者「幹部? そんな堅苦しいもんじゃないわよ。私はこの戦闘狂が放っておけないから一緒にいるだけ」

魔法使い「………それは愛故にか?」

賢者「ガキが無理してそんな知ったかぶりするんじゃないわよ、こういう感情は大人にしかわからないものなの」

魔法使い「……賢者殿。お主ほど聡明な人間ならわかるじゃろう? 商人貴族の考えていることの恐ろしさが」

賢者「そうね、大きすぎる力は更なる力を生み、それはやがて戦争へと繋がっていく……商人貴族は自らの利益のためにそんな世界を作り上げようとしている。それは決して褒められた行為じゃないわ」

魔法使い「ならばなぜじゃ!!」

賢者「じゃあ、逆に聞くけど……」


賢者「『強さを求めてなにが悪いの?』」


魔法使い「なんじゃと?」

賢者「人は誰しも強くありたいと願うものだわ。そしてその誰もが強くなれるとは限らない。そんな人たちにとって妖精の力はとても魅力的なものだと思わない?」

魔法使い「じゃが、その大きすぎる力はやがて多くの闇を……」

賢者「その年で数々の魔法を操り、勇者のパーティーとして伝説の英雄と讃えられていうあなたにはわからないでしょうね、持たざる者の辛さが」

魔法使い「!!!」


賢者「あなた達は挫折する辛さを知らない。どうやっても叶わない夢があることをしらない。努力すればなにもかもがすべからく成功すると信じているあなた達にはわからないのよ」

魔法使い「だからといってそんなこと許されるわけが……」

賢者「はっ、そんなの持っている人間の理屈じゃない! あんたみたいな成功者の余裕じゃない!」

賢者「力を求めてなにが悪いのよ! 栄光を、名誉を求めてもがいてなにが悪いって言うのよ!」

賢者「私は知っているわ! 夢が叶わないことを知った人間が絶望し、狂っていった姿を!」

賢者「あんたが言ってるのは今を変えたい奴らへの冒涜だわ! 夢の力? いいじゃない、それを求めるのも人間の自由よ!」

賢者「あなたに彼らの思いを踏みにじる権利があるの!? 潰されて否定されて地べたに這いつくばる彼らの姿を見て世界のためって偉そうに言うことができるの!?」

魔法使い「それは……」

賢者「世界のためって……人間なんてそんな大きなことなんか考えてないわよ。今を変えたい、自分を変えたい、ちょっとでもいいから幸せになりたい……妖精の力はそんな虐げられた人たちの最後の希望なのよ? あなたにそれを奪う権利なんてあるの?」

魔法使い「ぬぅ……」

賢者「あなたの様な子供が世界のためとか偉そうなこと言わないで! あなたのその正論がどれだけ人を傷つけてきたか考えたことある?」

賢者「あなたの成功の裏にはどれだけの絶望と悲しみと虚しさがあるのかわかっているの!? あなたが今日こうしてここに立つのにどれだけの人の夢を食いつぶしてきたかわかっているの?」

賢者「力が無いだけで……才能が無いだけで……持たざる者はもがくことすら許されないっていうの? だとしたら私たちは何のために生きているのよ!!」

魔法使い「うぅぅ……私は……別にそんなつもりじゃ……」

賢者「誰にだって叶えたい夢があるのよ……そのためにはなにもかもを投げ出したって構わない……そんな夢があるのよ。それを否定する権利なんて何もない! その手段として妖精の力は素晴らしいものじゃない!」

魔法使い「で、でも……誰かの命を犠牲にしてまで力を得ることはその……間違っていて……それはやっぱり……」モジモジ

賢者「あら? 私たちだって生きるのに命を頂いているわ。それともあなた菜食主義者?」

魔法使い「それは……違います……けど……でもこういうのはおかしいっていうか……うまく言えないけど……うう」

賢者「………」

魔法使い「でもやっぱりだけどその……あの……でも……」モジモジ


賢者「………ま、こんなもんかしらね」

魔法使い「え?」

賢者「ふふふ………うふふふ……あはははははは!!!」

魔法使い「な、なにがおかしい!?」

賢者「………どうだった? 私のお芝居?」

魔法使い「なに!?」

賢者「時間稼ぎに付き合ってくれてありがとうね、魔法使いちゃん? 思ったより乗ってくれるんですもの、お姉さんも演技に力が入っちゃったわ。でもね」


賢者「ちゃんと周りのことも気を配らないとダメよ?」


魔法使い「しまった!!」


ジャキンッジャキンッ


呪術士「これでよし! やっと解けましたよ!!」

戦士「おい! さっきの狂った人間って俺のこと言ってんのか!!」

賢者「他に誰がいるってのよ、戦闘狂が」

戦士「俺はそんなんじゃねぇ!」

暗殺者「………」プラプラ

賢者「遅いわよ、呪術士。あんまり面倒かけんじゃないの」

呪術士「……すみません」

賢者「あら、今回は随分と素直ね?」

呪術士「賢者さんて思ったより熱い人なんですね……ちょっと見直しました」

賢者「はぁ!? あんなもん時間稼ぎのための嘘に決まってるでしょ? 私は別に依頼人のことも世界のこともどうでもいいわ。私はお金とあと素敵な旦那様がいればそれでいいのよ……」ホゥ

呪術士「……どこまでも素直じゃない人ですね」

賢者「それじゃあ、魔法使いちゃん、私はお金稼ぎの方にに戻らせてもらうから」フワッ

魔法使い「待て!!」

呪術士「おっと! 『跪け』!!」

魔法使い「がっ!!」ドサッ

賢者「ばいばーい!!」

呪術士「……団長達も先にどうぞ」

戦士「……任せていいんだな?」

呪術士「こいつの相手は……僕にやらせてください」

戦士「てめぇも黒獅子騎士団の一員だ。しくじんじゃねぇぞ?」

呪術士「わかってます」

戦士「暗殺者、行くぞ」

暗殺者「……」コクコク

魔法使い「くぅ……豪炎魔法!!」ゴォォォ

暗殺者「!!!」バッ


カキンッ!!


魔法使い「なぁ!?」

暗殺者「………」チッチッチッチ


シュンッ!!!


魔法使い「くそっ!!」

といったところで今日の投下は以上です!

次の投下は火曜日を予定しています!

今日もお付き合いくださり、ありがとうございました!

こんばんは、すみませんどうも筆が進まず……今日の投下は少なめですが今日もよろしくお願いします!!



タッタッタッタッタ………



魔族少女「どこか痛みますか? 妖精長さん?」

妖精長「大丈夫じゃ……大したことはないが……歳には勝てんのう……上手く飛べんのじゃ……」

魔族少女「走りながらで申し訳ないですけど、回復魔法かけときますね」パァ

妖精長「すまんの……」

侍少女「魔法使い殿は大丈夫でござろうか?」

少年魔法使い「そんなの知るか! ただ、今は全力で逃げるしかないだろ!」

魔族少女「うん、そうだよね!」

侍少女「ああ!! こんな時に幼女殿と悪ガキ殿はなにをしているんでござるか! 世界のピンチでござるよ! 勇者の出番でござるよ!!」

少年魔法使い「わめくな、敵に気づかれる!」

魔族少女「そうだ! 勇者様に頼ればいいんじゃないかな! 勇者様ならなんとかしてくれるんじゃない!?」

侍少女「勇者殿に……」ポワポワポワ

少年魔法使い「勇者に……」ポワポワポワ



勇者「あ? 嫌だよ、面倒くさい」ケッ

勇者「どうしてもって言うなら金出しな! お前の持ってる有り金全部だ! ガッハッハッハッハッハ!! ヒィィィハッハッハッハッハ!! ………ゲホッゴホッグホッ!!」




少年魔法使い「無いな」

侍少女「無いでござる」

魔族少女「二人共酷い……」アハハ


少年魔法使い「あの勇者なら逆に敵側に回りそうだしな」

侍少女「全くもってその通り!」

魔族少女「そんなにダメ……?」



「おぉぉぉぉっほっほっほっほ!!!」


侍少女「なんでござる!?」

賢者「見つけたわよ! 子供達!!」

少年魔法使い「くそ、思ってたよりも早いな……」

魔族少女「そ、空飛んでるよ!?」

少年魔法使い「風の魔法の応用だ。手強いぞ」

賢者「あら坊や、中々賢いじゃない」

少年魔法使い「そいつはどうも」

賢者「さ、お姉さんにその妖精さんを渡してもらえないかしら?」

侍少女「断る!!」

魔族少女「もうこれ以上戦争なんて起こさせません!」

賢者「あらそう、だったら強引に奪い取るけどそれでいいのね?」

少年魔法使い「そんな怖い顔してるとシワが増えるぞ? おばさん」

賢者「なっ!? おばさんじゃないわよ! 私まだ20代よ!!」

侍少女「十分おばさんでござる」


賢者「むっきー!!! レディに向かってそんな口叩くガキどもにはちょっと教育が必要みたいね!」パァ

少年魔法使い「来るぞ!」

賢者「木っ端微塵になりなさい! 爆発魔法!!」パッ


ドゴォォォン!!!


魔族少女「きゃっ!」ドシャッ

侍少女「す、すごい威力でござるよ……」ゴクッ

少年魔法使い「立て、魔族少女。逃げるぞ!」スッ

魔族少女「う、うん……!!」スクッ

賢者「逃がさないわよ! あんた達!!」

賢者「今度こそ木っ端微塵に……」

侍少女「そんなこと拙者がさせないでござるよ!」ザッ

少年魔法使い「侍少女!?」

侍少女「これでもくらえ!」ポイッポイッポイッ

賢者「!?」


ベチャッベチャベチャ!!!


賢者「きゃあっ! なに!? なにこれ!!」ジタバタ

魔族少女「うわぁ……」ゾッ

侍少女「ふっふっふ……」ドヤッ


賢者「もう! なんなの!! これ!!」 バッ

カエル1(よっ!)ゲコゲコ

カエル2(元気してる!?)ゲコゲコ

カエル3(姉ちゃん、きれいだねぃ!)ゲコゲコ



シーン………


賢者「きゃぁぁあああああああああ!!!」

侍少女「さっ! 今のうちに逃げるでござる!!」

少年魔法使い「あ、ああ! 行くぞ魔族少女!」

魔族少女「う、うん!!」


賢者「うわぁっ!!! ほわぁぁあああああ!!!」ジタバタ


侍少女「どうでござるか! 拙者のカエル爆弾の威力は!!」フフンッ

少年魔法使い「お前、野生児かなにかか……?」


侍少女「さっき妖精の里にいたのを捕まえておいたんでござるよ」

魔族少女「な、なんのために?」

侍少女「飼ったら面白いかなぁって」アハハ

少年魔法使い「お前馬鹿だろ?」

侍少女「でも中々効果てきめんでござろう?」

少年魔法使い「それはそうだが……ああ、なんか釈然としない!!」

魔族少女「……侍少女ちゃん」

侍少女「なんでござる?」

魔族少女「……私には、『絶対』にやらないでね?」ニコッ

侍少女「……はい」


賢者「ふわぁぁあああああ!!! 服に!! 服に入ってきたぁぁああああ!!!」

賢者「だ、誰か!! とって!! とってぇぇええええええ!!!」ジタバタ


カエル1(ここは俺たちに任せな!)ゲーコ

カエル2(行きな、世界のためによ!)ゲコゲコ

カエル3(おねえちゃんのおっぱい!!)ゲコッ

賢者「もういやぁぁぁあああああ!!!」


魔族少女「惨い、惨すぎるよ……」ゾッ

侍少女「なにしてるでござるか! さっさと逃げるでござるよ!!」

魔族少女「ま、待ってよう!!」ダッ

といったところで今日の投下は以上です

次の投下は木曜日を予定しています!

それでは今日もお付き合いくださりありがとうございました!!

こんばんは、少ないですが今日も投下していきたいと思います!

よろしくお願いします!!


――――


呪術士「残念でしたねぇ……我々黒獅子騎士団にかかればあの子達を捕らえるのも時間の問題でしょう」クスクス

魔法使い「………」

呪術士「見ての通り、うちの団長なんかは特に手加減を知らない男です。もしかしたら誤って殺してしまうかもしれませんね」クスクス

魔法使い「豪炎魔法!!」

呪術士「おっと!」ヒラッ

魔法使い「水龍魔法!! 突風魔法!! 爆発魔法!!」

呪術士「少しは人の話を聞いたらどうです? 『歪め』」グニャッ

魔法使い「!!!」


ドカァァァアアアン!!


魔法使い「ちっ……」


呪術士「呪いにはこんな使い道もあるんですよ」フフンッ

魔法使い「……さっさとそこを退け。呪術士……次は手加減などせんわい……!!」

呪術士「そんなこと言っても無駄ですよ?」

魔法使い「わしは本気じゃ!!」

呪術士「どうかなぁ……?本当は僕のことが怖くて仕方ないんでしょ?」クスクス

魔法使い「誰がお主のことなど……!!」

呪術士「嘘ですね」

魔法使い「嘘じゃない!!」

呪術士「手、震えてますけど?」

魔法使い「!!!」バッ

呪術士「口でいくら否定しても無駄です。こうして2人きりでいると思い出すでしょう? 懐かしいあの日々を!!」

魔法使い「うぁ……!!」

呪術士「いやぁ、楽しかったなぁ……!! あなたもそうでしょう? 魔法使い!!」

魔法使い「この……どの口が言うんじゃ貴様!!」

呪術士「口調を変えて強くなったつもりですか? 違う自分になって強くなったと勘違いしてるんですか?」ズイッ

魔法使い「な、なにを……」ジリッ

呪術士「違いますよぅ……英雄になってもあなたはなにも変わらない。あなたは私に怯え続けるちっぽけな魔法使いちゃんのままです」


魔法使い「だ、黙れ! わしは変わった!! あの頃のわしとは違う!! 今のわしならお主なんぞ!!」

呪術士「そうやって違う自分を演じているのがいい証拠です。あなたはまだ僕が怖いんだ。怖くて怖くてたまらないんです」

魔法使い「黙れ! 黙れ!! 黙れぇぇぇえええ!!!」ゴォォォッ

呪術士「『消えろ』!!」


ジュッ!!


魔法使い「わしの豪炎魔法が一瞬で……!!」

呪術士「呪いというものは極めて異質な術でしてね……使う相手に対する思いが深ければ深いほど威力を増すんですよ」

呪術士「僕があなたに抱いている思い……この先は言わなくてもわかりますよね?」フフッ

魔法使い「ああ、安心せい! わしもお主のことなんか大っ嫌いじゃわい!!」

呪術士「……そうですか、それは良かった。だったら尚更あなたをいたぶりたくなりましたよ」ニコッ

魔法使い「あの頃のわしとは違う……わしは変わったんじゃ! 勇者と出会って、お姉ちゃんと出会って、助手たちと出会って変わったんじゃ!! お前など、もう怖くなどない!!」

呪術士「生意気ですねぇ! 僕が思い出させてあげますよ! あなたの身の程ってやつをね! 魔法使い!!」

魔法使い「こっちこそ貴様の思い上がりを否定させてもらうぞ! 呪術士!!」


―――――


勇者「妖精が一匹おりました~♪ 市場で売ったら10億で~♪ 贅沢三昧し放題~♪」ガッチャガッチャ

勇者「妖精が二匹おりました~♪ 市場で売ったら20億~♪ 贅沢三昧腹いっぱい~♪」ガッチャガッチャ

勇者「妖精が三匹おりました~♪ 市場で売ったら30億~♪ そんなことはないよ、夢ですよ! っておい!!」ガッチャガッチャ


商人貴族「………こんなところでなにをしているんですか?」ハァ

勇者「見ればわかるだろ? 縛られてんだよ」ガッチャガッチャ

商人貴族「私が聞いているのはそういうことではないのですが……」

勇者「この状況にこれ以上の説明が必要か? 困ってんだよ、助けろよ」

商人貴族「……外してやりなさい」

部下「はい。おい、手伝ってくれ」

見張り「じ、自分でありますか!?」

商人貴族「この際、誰でも構いませんよ。早く自由にさせてあげてください。世界を救った勇者が椅子に縛られている光景など誰も見たくはないでしょうから」

見張り「え!? じゃあこの嘘みたいな笑顔を貼り付けた死んだ目をしている人間のクズ予備軍みたいなこいつが勇者だと言うんですか!?」

勇者「お兄さん、随分とはっきり言うねぇ。初めて見る顔じゃないだろ?」タハハ

見張り「といってもさっきそこであったばっかりだけどな」


勇者「そんなことはいいからさ、さっさとこの鎖解いてくれよ。食い込んじゃって痛いんだよね」ガッチャガッチャ

見張り「あ、ああ。わかった。すぐに……」

部下「待て」

見張り「え?」

勇者「おい、どうしたんだよ?」

部下「勇者様、あなたに鎖をかけた人物は?」

勇者「……あんたらが雇った傭兵だよ。確か……暗殺者とか言ったっけな?」

商人貴族「それがどうかしたんですか?」

部下「……鎖に強力な魔力が施されています。恐らく無理に外せばこちらにも害が」

商人貴族「害とは?」

部下「わかりません。私も専門分野ではないので……一つ言えるのは私たちもただでは済まないということだけです」

勇者「え? なに? 解けないの? これ?」ガッチャガッチャ

部下「ええ、素人が下手に手を出すとどうなるかわかったもんじゃないので……」

商人貴族「それは困りましたねぇ……」

勇者「もしかして俺はこのまま椅子に縛り付けられたままなのか!?」

部下「それはわかりませんが今はとりあえずそのままの方が……」

勇者「えー? マジかー……」

商人貴族「仕方ありませんね、申し訳ないですが勇者様。暗殺者さんが戻るまでお待ちいただけますか?」

勇者「……なんとかなんないの?」

部下「……すみません」

勇者「……そう」

といったところで今日の投下は以上です!

次の投下は土曜日を予定しています!!

今日もお付き合いくださりありがとうございました!!

こんばんは、昨日は申し訳ありませんでした! 遅れましたが今日も投下していきたいと思います!

よろしくお願いします!!


商人貴族「このようなことになってしまい、申し訳ありません。部下の失態は雇い主の失態です。心からお詫び申し上げます」

勇者「別にそこまで謝らなくてもいいけどさー」

商人貴族「しかし勇者様、なぜこのようなことに?」

勇者「んあ? いや適当なテントに入ったら置いてあったベッドがあまりに豪華だったもんでちょっと遊んでたら家主が来て変態扱いされた。失礼しちゃうよなー!」

部下(そりゃそうだろ……)

商人貴族「そういえばここは呪術士さんのテントでしたね、女性の部屋に無断で忍び込むのはいくら勇者様とはいえおふざけが過ぎたのでは?」

勇者「知らなかったんだよ、ろくに案内もされなかったから!」

見張り「なっ!? お、お前が勝手に入ったんだろ!」

勇者「えー? そうだったっけー?」

見張り「商人貴族様! 俺は確かに止めたんですよ? でも許可はとってあるからの一点張りで……」

商人貴族「安心しなさい。別にあなたの責任問題にしようとなんてしてませんよ」

見張り「はい……」

勇者「いや、お前が悪い! お前が悪いぞぉぉぉ!!」ガッチャガッチャ

見張り「こいつぅぅ!! 言わせておけばぁぁあああ!!」チャキッ

商人貴族「やめなさい。私の前でその様な無粋な真似は控えてもらいましょう」

見張り「くっ……」


商人貴族「勇者様、どうかお許しを」

勇者「うむ、許してやらないでもない!」フンスッ

見張り(こいつ……いつか[ピーーー]!!)


商人貴族「それでですね、この様な状況で頼むのもぶしつけで申し訳ないのですが一つよろしいですか?」

勇者「うむ、なんなりと申せ!」

商人貴族「暗殺者さんが戻るまで少々時間があります。勇者様もただ待っているというだけでは退屈でしょう?」

勇者「まぁ、確かになぁ……流石に長時間この椅子とお友達だとね……」

商人貴族「どうです? この機会に私共に勇者様の武勇伝などを話していただけないでしょうか?」

勇者「武勇伝?」

商人貴族「ええ! 天を駆け、地を渡り、この世界を脅かす魔王の恐怖から我らを開放してくださった勇者様の武勇伝です! 先代までは事細かに文書にまとめられていますが今の勇者様の冒険に関してはほとんどの人間が知り得ません。一個人として、私はいかにして勇者様がこの世界を救ったのか、その真実を知りたいのです!」

勇者「………でもいいのか? そんなことしてて? 今、あんたの商売の正念場ってところじゃないの?」

商人貴族「構いません。彼らは私の指示通りに動いてくれていますから。これで私の仕事はおしまいです。あとは結果が出るのをを待つだけ、私が優れた商人であれば結果は自ずとついてきますから」フフッ

勇者「……随分な自信だな。それでもし、あんたがそうでなかったら?」

商人貴族「その時は潔く表舞台から消えましょう」フフッ

勇者「へぇ……」

商人貴族「もちろんタダとは言いません。然るべきものには然るべき報酬を」ニコッ

勇者「お? マジ?」

商人貴族「もちろんでございます。それにみんな勇者様の武勇伝を聞きたがっています。この者達のように……」パチンッ



「「「失礼しまーす♥」」」ゾロゾロゾロ……


勇者「おおおっ!!」

>>762 訂正


商人貴族「勇者様、どうかお許しを」

勇者「うむ、許してやらないでもない!」フンスッ

見張り(こいつ……いつか殺す!!)


商人貴族「それでですね、この様な状況で頼むのもぶしつけで申し訳ないのですが一つよろしいですか?」

勇者「うむ、なんなりと申せ!」

商人貴族「暗殺者さんが戻るまで少々時間があります。勇者様もただ待っているというだけでは退屈でしょう?」

勇者「まぁ、確かになぁ……流石に長時間この椅子とお友達だとね……」

商人貴族「どうです? この機会に私共に勇者様の武勇伝などを話していただけないでしょうか?」

勇者「武勇伝?」

商人貴族「ええ! 天を駆け、地を渡り、この世界を脅かす魔王の恐怖から我らを開放してくださった勇者様の武勇伝です! 先代までは事細かに文書にまとめられていますが今の勇者様の冒険に関してはほとんどの人間が知り得ません。一個人として、私はいかにして勇者様がこの世界を救ったのか、その真実を知りたいのです!」

勇者「………でもいいのか? そんなことしてて? 今、あんたの商売の正念場ってところじゃないの?」

商人貴族「構いません。彼らは私の指示通りに動いてくれていますから。これで私の仕事はおしまいです。あとは結果が出るのをを待つだけ、私が優れた商人であれば結果は自ずとついてきますから」フフッ

勇者「……随分な自信だな。それでもし、あんたがそうでなかったら?」

商人貴族「その時は潔く表舞台から消えましょう」フフッ

勇者「へぇ……」

商人貴族「もちろんタダとは言いません。然るべきものには然るべき報酬を」ニコッ

勇者「お? マジ?」

商人貴族「もちろんでございます。それにみんな勇者様の武勇伝を聞きたがっています。この者達のように……」



「「「失礼しまーす♥」」」ゾロゾロゾロ……


勇者「おおおっ!!」


商人貴族「この者達が是非とも勇者様の武勇伝を聞きたいと利かなくてですね、困ったことに無理矢理王都からついてきてしまったのですよ……」アハハ


「もう、商人貴族様ぁ、そんなこと言ったら私たちがはしたない女みたいじゃない♥」バインッ

「うわぁ、本物の勇者様だ♥」ムチッ

「生勇者なの!? 初めて見るの!! やっぱり予想した通り女難の相が出ていやがるの!!」ピョンピョンッ

「きゃっ! 目が合っちゃった!! かっこいい♥」プリンッ

「……い、イケメン……?」ストーン



勇者「……商人貴族君」

商人貴族「なんでしょう?」

勇者「君はとても優秀な商人だね」ダバババババ

商人貴族「ありがたきお言葉」

勇者「いいだろう! なんなりと聞いてくれたまえ! 私が話せることならなんでも話そうではありませんか!」ダバダバダバ


「「「「きゃー! 勇者様ー♥」」」」


勇者「でっへっへっへっへ……」ダバダバダバ


見張り「お前、まずその鼻血なんとかしろよ」

勇者「可愛い子ちゃん達! この勇者の武勇伝が聞きたいか!!」

「「「おー♥」」」

「おー!! なの!!」

「……おー……」


商人貴族「ふふっ」

部下(頭が痛い……)ハァ


―――――




「ねぇ、勇者様はどうやって勇者になったの~?」

勇者「それはだねぇ~、俺様くらいになると生まれた時からもう既に勇者だったんだよ~!!」デヘヘ

「えー、嘘―!!」キャッキャッ

勇者「嘘じゃないよ、俺の目を見てごらん? これが嘘を言っている男の目かな?」

「私、わかんなーい!」

「勇者様は彼女とかいないんですかぁ~?」

「ちょっと抜けがけしないでよー!」

勇者「いないから絶賛募集中!!」ゲヘヘ

「私、立候補しちゃおっかなー!」

勇者「えー!! マジで!?」

「………うん!!」カァ

勇者「じゃあ、チューしてよ!! チュー!!!」

「えー……どうしよっかなー?」ウフフ

勇者「あ、ダメだ! こんな時に鎖が邪魔で近づけない!!」ガッチャガッチャ

「もう! 勇者様ってば肉食系なんだから―!!」

勇者「そうでも……あるかな!! だっはっはっはっはっはっは!!」


アッハッハッハッハッハッハ!!!!


部下(ダメだこいつ、早く何とかしないと……)

見張り「………」ジー

部下「……羨ましいのか?」

見張り「あ、いや別にそんなことは……」フイッ

部下「まぁ、男なら誰でも憧れる夢みたいなものだからな」

見張り「くそう、俺だっていつかあれくらい……」クゥ


商人貴族「勇者様、ひとつ私も聞いてもよろしいでしょうか?」

勇者「おうおう! なんでもいいぞ!! 俺は今とても気分がいいからな!!」ゲヘヘ

「「「きゃー!! 勇者様―!!」

勇者「ぬへへへへ……」

商人貴族「……では恐れながら」

勇者「なんだ? 村の娘に化けて魔王軍幹部を倒した話か? それとも荒野の決闘の話か?」

商人貴族「いえ、4年前の王都大侵攻の時の話です」

勇者「……あー」

商人貴族「王都が今まさに魔王軍の手によって落とされようとしている時に颯爽と現れる勇者一行! 勇者様と剣士様が戦場を駆け抜け、魔法使い様の魔法が魔王軍の頭上に降り注ぐ……そして極めつけは聖女様の『奇跡』」

商人貴族「いやー、その時私も王都にいたんですがねぇ、前線に立っていたわけではないのであの時のことはなにもわからなかったんですよ!」

勇者「あー、そんなこともあったっけなぁ!」

商人貴族「今日は是非ともあの日の真相を教えていただけないかと!」

見張り「あ、俺も聞きたい!」

「私もー♥」

「勇者様、話してー?」

勇者「あ、いや……うん、それはだな、子猫ちゃん達……」アセアセ


商人貴族「勇者様? どうかなさいましたか?」

勇者「え? ああ……いや、なんでもないよ?」

商人貴族「なにかご気分でも優れないのですか?」

勇者「そんなことない! そんなことないって!」

商人貴族「でしたらなにか……言い辛いことでも?」

勇者「それは……」

商人貴族「………『雷狼』」

勇者「え!?」

見張り「その名前……」

商人貴族「『爆炎の妖精』と呼ばれた魔女、異国の侍、そして王立研究所の魔法学者………」

勇者「………」

商人貴族「この名前に聞き覚えはありますか?」

勇者「………いや、無いなー、聞いたことないぞー? そんな雷狼なんて傭兵の名前」

商人貴族「なぜ、雷狼が傭兵の名前だと?」

勇者「……あ、いやなんていうか響きが傭兵っぽいなーって!!」アハハ

商人貴族「しかし、おかしいですねぇ、私が調べた情報によりますと勇者様はこの方たちに直接会っているはずなのですが……」

勇者「……ええ? そんなことあったっけなぁ? 覚えてないなぁ?」アセアセ


商人貴族「勇者様」

勇者「な、なにかな? 商人貴族君?」

商人貴族「私はどうしても知りたいのです、あの日の真実を」

勇者「………」

商人貴族「聖女様が奇跡を起こし魔王軍を王都から追い払ったあの日、あなたはこの人達を……」




商人貴族「殺していますよね?」




見張り「………え?」

勇者「………」ギリッ


商人貴族「そしてなんの因果か、あの人たちが残したものは全てここにある。剣士様に無理矢理連れて来られたなんて嘘です。あなたはそれを知っていたからわざわざここに訪れた。違いますか?」

勇者「商人貴族、あんた俺になにを言わせるつも……」


シャキンッシャキンッシャキンッ!!!


「動かないで勇者様♥」

「商人貴族様のいうこと素直に聞いて欲しいなーって♥ じゃないと私達……」

「あなたを殺さなきゃいけなくなっちゃう♥」


勇者「くっ……」

といったところで今日の投下は以上です!

次の投下は火曜日を予定しています!

今日もありがとうございました!!!
次回もよろしくお願いします!!

こんばんは、今日も投下していきたいと思います!

よろしくお願いします!!


商人貴族「話していただけませんか? 勇者様?」

勇者「……真実もなにも、その様子だとあんた全部知ってんじゃないの?」

商人貴族「ええ、知っています。ですが私はその答えがどうしても信じられないのです」

勇者「でも多分それが真実だぜ?」

商人貴族「勇者であるあなたが4人の裏切り者を粛清したということがですか」

勇者「そうそう」

見張り「しゅ、粛清ってあの伝説の傭兵が!?」

勇者「まぁ、公表はされてないけどな。お前の憧れ、雷狼とかいう傭兵は金で魔王軍に情報を売ってたんだよ。お陰でこっちの動きは筒抜け、防衛軍は多くの死者を出した」

商人貴族「……」

勇者「まったく、ひでぇ話だよな。金をちらつかせればなんだってするんだぜあいつら。味方を裏切ることも殺すこともなんとも思っちゃいないんだ。さすがの俺だってもうちょっと節操があるっつーの」

勇者「だから殺した。世界を守るために。当時の俺はそれが勇者の仕事だと思ったから。なにか問題でもあるか?」

見張り「そんな……雷狼がまさかそんな人だったなんて……」

勇者「所詮は金で動く傭兵ってことだよ、信念も誇りもありゃしねぇってわけ、あんたもこんなところで傭兵なんてやってないでさっさと剣を置いて田舎にでも帰った方がいいんじゃないの?」ガッハッハッハ


ガウンッ!!!


部下「商人貴族……様?」


勇者「おっとびっくり……あんたでもそういう顔するんだ」

商人貴族「真実を……話しなさい!!」

勇者「だから嘘じゃねーって、これが真相だよ」ヒラヒラ

商人貴族「ならばあなたにお聞きしたい」

勇者「あん?」

商人貴族「今、あなたが言ったことをそのまま孤児院の子供達に言えますか?」

勇者「はぁ?」

商人貴族「どうなんですか?」

勇者「ば、馬鹿馬鹿しい! そ、そんなの言えるに決まってんだろ! むしろ自慢してやるね!!」

商人貴族「『雷狼とかいう裏切り者を見つけたからぶっ殺してやった。これが勇者の仕事だから』と? あなたは悪ガキ君の前で言えますか?」

勇者「なんで悪ガキの名前が……あいつは関係ないだろ」ケッ

商人貴族「言えますか? 勇者様?」

勇者「それは……なんていうか子供の教育上悪いというか? あんまりそういうのは言わない方が……」

商人貴族「やはりあなたでも言えませんか。お前の両親を殺したのは自分だとは!」

勇者「!!!」

商人貴族「あの孤児院にいる子供達はなぜ両親を失ったのか、あなたはそれを知っているからわざわざこんな誰もいない様な所までやってきた! 違いますか?」

勇者「ったく、なんの話だよ。あいつらが裏切り者の子供? そんなの初めて知ったぜ。へぇ、そうかい。だったら気をつけないとな。本当のことがバレたらあいつらに刺されるかもしれねぇ」ケッケッケ

見張り「お前、それでも勇者か!」

勇者「勇者だよ! なんか文句あんのか!」

見張り「このクズ!!」

勇者「クズで結構コケコッコー!!」ベロベロバー


商人貴族「勇者様、あなたは何を隠しているのですか? あの日、本当はなにがあったんですか? なぜあなたは彼らを殺さなければならなかったのです?」

勇者「………俺は裏切り者を殺しただけだ」

商人貴族「あくまでとぼけるというのですね」

勇者「それ以上言うつもりはない」

商人貴族「やはりあなたは勇者を名乗るべきではない……」

勇者「よく言われるよ」ケッ

商人貴族「彼にあの力を渡して正解でした。雷狼の息子である彼ならば必ず立派な勇者になってくれるでしょう」フフッ

勇者「……なんの話だ?」

商人貴族「あなたの様な男は勇者に相応しくないということですよ」

勇者「あら。失礼しちゃう」プンプン

商人貴族「部下。あれを」

部下「はっ……どうぞ」スッ

商人貴族「ありがとう。勇者様、これを見てください」

勇者「なんだそれ? 小型の通信機?」


商人貴族「魔力で動く魔導具です。これはとある場所の映像です。少々映像が荒いですが、今あの光の柱の下で起こっていることです」

勇者「光の柱で?」



悪ガキ「うぉぉぉおおおおおおおお!!!!」

幼女「むぃぃぃいいいいいいいい!!!!」



勇者「……幼女……それに悪ガキ……!! なんであいつら戦ってんだよ!?」

商人貴族「彼は勇者になりうる力を手に入れたのです」

勇者「てめぇ、悪ガキになにをした!?」

商人貴族「どうしたんですか勇者様、先ほどまでの余裕は一体どこにいったのです?」

勇者「うるせぇ! 早くこの戦いを止めろ! 今すぐにだ!!」ガチャガチャ

商人貴族「それはできませんねぇ……今の彼を止めることは私には不可能ですから」

勇者「だったらこの鎖をさっさと解け! 俺が行く!!」

商人貴族「そうですねぇ……あなたが真相を話せば私の転移魔法で暗殺者さんのところまで案内しましょう」

勇者「だから、真相なんて無いんだって!!」

商人貴族「そんなはず無い!! あの人達は金や己の利益のために動くような人では無かった!! だからこそ私は……!!」

勇者「そんなことどうでもいいだろ!!」

商人貴族「ならば真相を!! それが取引の条件です!!」

商人貴族「彼は殺しますよ? あの魔導人形も、あの孤児院の院長も……そしてあなたも」

商人貴族「彼は親の仇を討つと同時に自らの夢を叶えることができるのです! どうです、素晴らしい話ではありませんか?」

勇者「くっ……」




「必殺!! 山賊七つ道具の一つ!! 『煙玉』なの!!」


バンッ モクモクモク……



勇者「なんだ? 煙玉!?」

元気過ぎる少女「さっ、さっさとずらかるの!」

無表情な少女「……りょーかい……」

勇者「お前ら……かわい子ちゃん達の中でもセクシーじゃ無い方!?」

無表情な少女「……失礼な……これでも20」

勇者「見えねぇ……」

元気過ぎる少女「お、お姉ちゃん! ふざけてる場合じゃ無いの! さっさと逃げるの!!」

「……わかった……」ズイッ

勇者「え? おっ……!?」

部下「貴様、なにをしている!?」

元気過ぎる少女「悪いけど勇者様はいただいていくとするの!」ムンッ

勇者「お、おい!? どうなってんだ!?」

無表情な少女「……ちょっと揺れる……ごめんなさい」

勇者「ええ!? ちょぉぉぉ!!!???」

商人貴族「追いなさい! 勇者を逃してはなりません!!」

部下「はい。お前達、勇者を捕らえろ!!」

「「「はっ!!」」」

見張り「おいおい……どうなってんだよ……」

といったところで今日の投下は以上です

次の投下は木曜日を予定しています! よろしくお願いします!!


あー、なぜ終わらない……

今日もありがとうございました!!

こんばんは、今日も投下していきたいと思います! よろしくお願いします!!

その前に訂正です


>>780

無表情な少女「……失礼な……これでも20」→×

無表情な少女「……失礼な……これでも18」→○


でした。


それでは始めていきます!!


――――



勇者「あ、あの!! ちょっと!! 降ろしてくんない!?」

元気過ぎる少女「それはできない相談なの! 少しでも止まったら捕まっちゃうよ?」

勇者「そりゃわかるけど! 揺れが激しくて!! うっぷ……」

元気過ぎる少女「おわっと!! それはダメなの! 我慢するの!!」

勇者「わ、わかってるけども……おえっ……」

無表情な少女「……変な事したらあなたでも殺すから……」

勇者「りょ、りょーかい……それであんた達は?」

無表情な少女「……私達は……スパイ……」

勇者「スパイ?」

元気過ぎる少女「商人貴族のところに潜り込んで情報を探っているスパイなの! どう? かっこいいでしょー!!」フフンッ

勇者「そのスパイがなんで俺を? まさか某国に売り渡すつもりか!?」

無表情な少女「……ちがう。私達の目的はそんなんじゃない……」

元気過ぎる少女「ちょっと色々あって、私達、世界に喧嘩を売ってるの! それで商人貴族の元に潜入してるってわけ!」

勇者「……だったらいいのか? こんなところで正体バラしちゃって」

元気過ぎる少女「………あ」


無表情な少女「……だからやめようって言ったのに……」

元気過ぎる少女「やっべーの! やっちまったの! なんてことしてくれたの!!」

勇者「なんで俺に言うんだよ!!」

元気過ぎる少女「だってだって!! 運命にこの光景が見えたからそういうもんだと思って……お姉ちゃんなんで止めてくれなかったの!?」ガクッ

無表情な少女「……やめようって言ったもん……」

元気過ぎる少女「お姉ちゃんの声は小さすぎて聞こえないんだよ! もっと腹から声を出すことを要求するの!」

無表情な少女「そんな……」ガーン

勇者「あのーちょっと? 話がまったく見えないんですけど!?」

元気過ぎる少女「!!! 一旦ストップなの!!」

無表情な少女「………」ピタッ

勇者「どわっ!!」



傭兵A「探せ! まだ遠くには行ってないはずだ!!」



勇者「ちっ、これじゃあ見つかっちまうな! くっそ! いつになったらこの鎖解けるんだよ!!」ガチャガチャ


無表情な少女「……妹、知っててこっちの道を選んだの……?」

元気過ぎる少女「だってこっちを抜けた方が近道なんだもん。お姉ちゃんなら問題ないでしょ?」

無表情な少女「……そうだけど……」

勇者「お、おい! どうするんだよ!?」

無表情な少女「……どうするかの前にあなたに一つ聞きたいことがある……」

勇者「なんだよ!? こんな時に!」

無表情な少女「……商人貴族が言う『彼ら』は本当に裏切り者だったの……?」

元気過ぎる少女「お姉ちゃん! 今はそんな場合じゃ……」

無表情な少女「……黙って。これは商人貴族との交渉に有効なカードになるかもしれない。あいつは勇者の持ってる情報を欲している……」

元気過ぎる少女「でも……」

無表情な少女「……私だってあなたがあの時嘘をついてたことくらわかった……」

勇者「へぇ、それはなんで?」

無表情な少女「……あなたはあの時も今も、とても辛そうな顔をしている……顔は笑ってるけど……泣いてる」

勇者「そんなことないって! いやーモテる男は辛いなー! 俺様ってば元気100パーセントの笑顔満点で……」

元気過ぎる少女「勇者の作り笑いは気持ち悪りぃの」

勇者「どうも俺の笑顔は評判悪いんだよなー、なんでかな? こんなにイケメンなのに」

元気過ぎる少女「嘘っぽいから気持ち悪りぃの」

勇者「うっせぇ!」ガチャガチャ

無表情な少女「……妹、ふざけてる場合じゃない……」

元気過ぎる少女「むぅ、ごめんなさいなの」

無表情な少女「……勇者、それでどうだったの……?」


勇者「俺がしゃべると本気で思ってるのか?」

無表情な少女「……勇者とはここでお別れ。戦いは止められないまま、多分死ぬ。なんなら私が苦しまない様に殺してあげてもいいよ……?」

勇者「……」

無表情な少女「……答えて、勇者」

勇者「あの日、俺たちになにがあったのかは俺の口からは言えない」

無表情な少女「……そう、思ってたより期待外れ。これだったらまだ『彼』の方がいくらか男らしかった……」

勇者「ただ、これだけは言わせてくれ」

無表情な少女「なに?」

勇者「……あの人は……『雷狼』は紛れもなく英雄だった。俺じゃ逆立ちしても勝てないくらい英雄で……勇者だったんだ」

勇者「あの人に比べたら俺なんか足元にも及ばない。そんな立派な……立派な人だった」

無表情な少女「……あなたはなにを隠しているの……?」

勇者「悪いがそれ以上は言えない。例えここで死ぬことになってもそれ以上は言えない。それが俺と雷狼との約束だから」

無表情な少女「……そう」

勇者「俺をここで捨てるか?」

無表情な少女「……今のでわかった。あなたを助けることにする……」

勇者「悪いな」


元気過ぎる少女「それじゃあお姉ちゃん! ズババーンと行っちゃおっか!!」

無表情な少女「……合点承知の助……!!」バーン

勇者「……は?」

元気過ぎる少女「あんまり気にしないであげて欲しいの。お姉ちゃんはただ努力の方向を間違ってるだけなの」

無表情な少女「……合間に小粋なジョークを織り交ぜることが楽しい会話のテクニック……」

勇者「そ、そうなのか……」

無表情な少女「……これで『彼』との会話も楽しくなること間違いなし……!!」グッ

元気過ぎる少女「あー!! ずっこいの! 私も『お兄ちゃん』と遊ぶの!!」

無表情な少女「……妹はいつも『彼』にくっつき過ぎ……」

元気過ぎる少女「いいじゃん! 『お兄ちゃん』ギュッとするとアタフタして面白いんだもん!!」

勇者「おい! お前ら今の状況分かってる?」



傭兵A「いたぞ! 勇者だ!!」



勇者「ほら、見つかった!!」

無表情な少女「……どうしようか? 妹……?」

元気過ぎる少女「そんなのもっちろん強行突破なの!!」


無表情な少女「……わかった……」ガシッ

勇者「え? お、おい? ちょっと!?」

無表情な少女「……大丈夫、問題ない……」

元気過ぎる少女「勇者は大船に乗ったつもりでいるの!!」

勇者「いや、もう既にこの段階で欠陥があちこちに見えてるんですけどこの船!?」

無表情な少女「……口は閉じておくことをおすすめする。舌を噛んだら大変……」

勇者「え!?」

無表情な少女「はぁぁぁあああああ!!!」ビュンッ

勇者「どっしぇぇぇぇぇえええええええええ!!!」

傭兵A「なんだ!? 椅子が勝手に空中に!?」

傭兵B「勝手にじゃねぇ! 誰かが勇者が縛られてる椅子ごとジャンプしたんだ!!」

傭兵A「そんな無茶苦茶な!」

傭兵B「逃げろ! こっちに落ちてくる!!」



勇者「あ、ああああああののののの……お嬢ちゃんんんん!?」ヒュゴォォォ

無表情な少女「……なに……?」ヒューン

勇者「なにするつもりりりりりり……」ゴゴゴゴゴゴ

無表情な少女「……見てのお楽しみ……」

勇者「やめて! 空中で俺のこと振り上げないで!! あんた俺のこと斧かなにかと勘違いしてない!!??」ゴゴゴゴゴ

無表情な少女「……長ければ全部武器……」

勇者「ばっかじゃないのぉぉぉぉぉぉぉおおおおお!!!」




無表情な少女「……全壊!!!」



ズドォォォォォォン!!!! バキィィィン!!


傭兵達「「「「「ぐわぁぁぁああああああ!!!」」」


勇者「んぎゃぁぁぁああああああああ!!!」




元気すぎる少女「ひゅー♪ 相変わらずド派手なの!」

勇者「ふざけんなバカ野郎!!」

元気すぎる少女「おっ! 椅子は壊れたみたいだね! まだ鎖は解けてないけど!」

勇者「おかげさまで足だけ自由になりましたよ! ありがとうございます!!」

無表情な少女「……一石二鳥……」フンスッ

勇者「てめぇ……」

元気過ぎる少女「さっ! さっさとこんなとこおさらばするの!!」

勇者「……とんでもねぇのに捕まっちまった……」ゲッソリ


――森の中――


戦士「先に行った賢者を追いかけてたはずだが……」

暗殺者「………」オロオロ


賢者「…………」ピクピク


カエル(イェア!! ミッションコンプリート!)

カエル(ざまぁみやがれこの野郎!)

カエル(………ふぅ)



暗殺者「………」スッ

カエル「ゲコッ!?」

暗殺者「……」ポイッポイッポイッ

「「「ゲコーッ!!!」」」

暗殺者「………」バイバイ


戦士「おい、起きろ。賢者」ペシペシ

賢者「うう……カエル……ヌルヌル……嫌ぁ……」

戦士「なにうなされてんだ馬鹿」ベシッ

賢者「うぁ……あれ? 戦士?」

戦士「大丈夫か?」

賢者「………」グスッ

戦士「ん?」

賢者「うああああああ!! あうあうあうあう!!!」ダキッ

戦士「お、おい!」ビクッ

賢者「私の服の中をカエルが!! ヌメヌメで! ゲコゲコで!! ウニョウニョで!!!」

戦士「落ち着けって!!」

賢者「怖かった!!」

戦士「お、おう」

賢者「怖かったよー、戦士ぃ……」グスッ

戦士「そうか……」ダキッ

暗殺者「………」ニヨニヨ

戦士「てめぇ! なに見てやがる!!!」

暗殺者「♪♪♪」ピューピュピュー

戦士「……ムカつく……!!」

賢者「///」カァ

賢者「………もういい」グイッ

戦士「え?」

賢者「い、いつまでくっついてんのよ馬鹿!!」ドゲシッ

戦士「痛え! てめぇがくっついてきたんだろうが!!」

賢者「う、うるさいわね! ふざけんじゃないわよ!!」

戦士「お前からもなんとか言ってやれ! 暗殺者!!」

暗殺者「………」ジリッ

戦士「暗殺者?……!!」



剣士「………」



といったところで今日の投下は以上です!!

次の投下は土曜日を予定しています!! 


次の投下もよろしくお願いします!!

こんばんは、今日も投下していきたいと思います! よろしくお願いします!!


戦士「!!!」ダッ

賢者「ちょっと戦士!」


戦士「剣士ぃぃぃぃぃぃぃ!!!!」バッ

剣士「………」

戦士「昨日の決着!! 今日こそつけさせてもらうぜぇぇええええ!!」

剣士「………」スチャッ

戦士「うぉぉぉぉおおおおおおおおお!!!!」



キンッ………


戦士「え?」


ズバァァァァァン!!!


賢者「きゃっ!?」

戦士「斬撃が……飛んだ!?」

剣士「……ふむ。やはり全力で振るとこうなってしまうのか」ボロッ


賢者「ちょっと!? どうなってんのよ! なんで私の後ろにある木が全部倒れてるの!?」

戦士「お前……もしかして斬ったのか? その位置から……」

剣士「剣士ならばこれくらいできて当然だ。もっとも私の場合これをやると剣がもたないのが悩みの種ではあるな」

賢者「……ねぇ暗殺者、剣って全力で振ったらあんなボロボロになるもの?」

暗殺者「………」フルフル

剣士「別に驚くことじゃない。これは私にかけられた呪いだ」

賢者「呪い……ですって?」

剣士「ああ。少々嫉妬深いものにとり憑かれてな、自分以外の剣を使うとすぐに機嫌を損ねてしまう。お陰で私は剣を扱うたびに折らないよう、折らないよう慎重に振っていた」

賢者「そ、そんな馬鹿な話があるわけ…・・・!!」

戦士「ははっ! 流石は伝説の英雄ってところか! おもしれぇ! それでこそ倒しがいがあるってものだぜ!!」

剣士「それで? お前達はこんなところでなにをしている? まさか三人で仲良くピクニックというわけではないはずだ」

戦士「そんなことはどうでもいいだろ剣士! 昨日の続きと行こうじゃねぇか!!」チャキッ

剣士「断る。私も斬る必要のない人間を斬りたくはない」

戦士「なら俺はあのガキ共を斬り殺すまでだ」

剣士「あのガキ共……?」

戦士「確かあの孤児院のガキ共だろう? あいつら商人貴族が依頼した物をもって逃げ回ってんのさ!」

剣士「それは妖精のことか!?」

戦士「さぁ、知らねぇな! いいのか? 俺たちは目的のためならなんだってする黒獅子騎士団だぜ?」

剣士「あの子達は関係ないだろう! まだ子供だぞ!!」

戦士「知ったことか! あいつらが余計なことに首を突っ込むからだろ!」

剣士「……なにが目的だ?」

戦士「俺と戦え。戦士!!」ニタァ

剣士「またそれか……戦士、なぜ私にそこまで執着するんだ!!」


戦士「俺はただ知りてぇんだよ。俺の夢を奪った奴がどれほど強ええのか。戦って確かめてぇんだ!」

剣士「………確かめる?」

戦士「俺はよう……剣士。勇者と一緒に戦うためだけに戦士になったんだ。強くなったんだ。いつか国を守る勇者と一緒に戦いたいって……俺はまだ自分の夢に踏ん切りがついてねぇんだよ」

戦士「お前が俺の代わりに勇者と旅をして魔王を倒した! その事実は変わらねぇ! だけどよ、俺の実力がお前及ばねぇとは思わねぇ! だったら一度ぶつかり合うしかねぇだろ!!」

戦士「俺はお前と戦うためだけに黒獅子騎士団を立ち上げた。いつかお前と剣を交わらせるためだけに、その機会を得るためだけに全てを犠牲にしてきた。お前と戦うためなら女子供だって容赦しねぇ! てめぇが妖精を求めてるっていうならその妖精を隠しているガキごと俺がぶっ殺してやる!!」

剣士「貴様……!!」

戦士「お前から見たら俺はただ昔の夢にすがりつくダメな野郎に見えるだろ? だけどよ、子供の頃から見続けてきた夢だったんだ。それがなくなったら俺は立ってられねぇ……だったら答えが欲しいじゃねぇか! 『やっぱり俺には無理だった』って答えでもいい!! なんでもいいんだ!! そうでなきゃ俺は終われない!!」

戦士「夢が破れたあの日から俺はいつまで経ってもなにも変われねぇんだよ!!」

剣士「その答えはどんなことをしてでも手に入れたいものなのか?」

戦士「ああ、もちろんだ。そのためだったら俺はなんだってする」

賢者「戦士……」

戦士「……悪いな、賢者こんな俺のわがままに今まで付き合ってもらってよ。お前の言うとおりだ。俺は狂ってる」

賢者「そんなの別にいいわよ……昨日はごめんなさい。私、あなたがそこまで思いつめてるなんて知らなかった……」

戦士「さぁ、どうなんだ剣士! 戦わなければ俺は容赦なくあのガキ共を捕らえて殺し、目的の物を商人貴族に差し出す!! それが嫌なら俺と戦え!!」

剣士「……わかった。お前がそれを望むのならばその夢の残骸ごとお前を斬ろう」チャキッ

戦士「へへっ……そうこなくっちゃな!! 行くぞ!!」

剣士「来い!!」




戦士「うぉぉぉぉ!!!」ググッ

剣士「はぁぁああああ!!」ザンッ


ズバァァァアアア!!!


戦士「どうした!? その飛ぶ斬撃も精度は高くないと見える!!」ダダダダダダッ

剣士「くっ……」パキンッ

賢者「剣士の剣が折れた!! 今よ!! 戦士!!」

戦士「おうともよ!! くらいやがれやぁぁぁあああああ!!!!」


ズダァァァアアアアン!!!


剣士「さすがの威力だな! 戦士!!」

戦士「ちっ、外したか!」

賢者「剣士! あんたの負けよ!! 剣が折れたらさすがの剣士様でも戦えないでしょう!!」

剣士「……空間接続……座標指定……ルート固定……」

戦士「なにをゴチャゴチャ言ってやがる!! まだ戦いは終わってねぇぞ!!」ブォッ

剣士「……使用者コード認証……召喚数最大設定……異空間干渉における次元軸の影響誤差修正範囲内……」

戦士「うぉぉぉぉぉ!!」ブンッブンッブンッ

剣士「……修正完了……最終認証……!!!」ヒラッヒラッ

戦士「ちぃ!! ちょこまかとぉぉ!!

賢者「あれは……魔法の詠唱?」




剣士「空間魔法!! 開け!! 『戦女神の宝物庫』!!」


シュンッ……パシッ!!



戦士「何もないところから剣が出てきただと!?」

剣士「私は剣士だ。どこまでいっても剣士だ。剣がなければなにもできない……だが、これで戦える」

戦士「使い捨ての剣ってわけか……おもしれぇ!!」

剣士「全ての剣を使い、貴様の夢ごと……斬る!!」

戦士「……だったらその腰の黒い鞘の剣は抜かないのかよ?」

剣士「これは腰に差しているだけでいい……抜いたらここにいる全員が死ぬ」

戦士「なんだそりゃ?」

剣士「私にこれを抜かせるなよ? 戦士?」ニヤッ

戦士「うるせぇぇえええええ!!!」

剣士「はぁぁあああああ!!」


ズバァァアアアン!!


戦士「当たらなければどうってことねぇ!!」ダダダダダッ

剣士「ならば接近戦といかせてもらう!!」ビュンッ

戦士「うぉぉぉぉおおお!!!」

剣士「はぁぁぁああああ!!!」


カキィィィィン!!!


賢者「くぅ……なんて衝撃なの! 二人の剣圧でこっちにまで衝撃が……!!」

戦士(いける! 剣士とも十分に戦えている!!)

戦士(俺は剣士よりも強い!! 負けてたまるかよ! 俺はお前よりも強えんだ!!)


戦士「剣士ぃぃぃ!!」

剣士「戦士ぃぃぃ!!!」


ガッ!! ズダァァァァァン!!!




――森の中――




侍少女「ござるるるる……!!!」ガタガタガタ

魔族少女「ああ……」クラッ

少年魔法使い「しっかりしろ、魔族少女!!」

魔族少女「ダメだよ……今回ばっかりはもう無理だよ……熊だって、氷結魔人様だって、傭兵団だってなんとかなったけどさ……今回ばかりはもう……」フフッ

少年魔法使い「だ、大丈夫だ! 今までだってなんとかなったんだ! 今回だってな、なんとかなるるる……!!」ガタガタガタ

魔族少女「無理だよ! だって……」


魔族少女「本物の龍だもん!!」


火竜「グォォォオオオオオオ!!!」



「「「うわぁぁあああああああ!!!!」」」



侍少女「もう! さっきからなんなんでござるか!! 私、家に帰る!!」

少年魔法使い「馬鹿! 落ち着け!!」

魔族少女「あ、お花畑!」ウフフ

少年魔法使い「ああああ!!! ツッコミが追いつかない !」

侍少女「心配しなくてももうすぐ龍の口に突っ込まれるでござるよ」アハハ

少年魔法使い「冗談でもそんなこと言わないでくれ……」



火龍「けっ、誰がお前みたいなガキを食うかよ。頼まれたってゴメンだぜ」


魔族少女「幻聴かな! 今、喋ったよ!? この赤トカゲ!!」ケラケラ

侍少女「気のせいでござる! 気のせいでござる!!」ケタケタ

少年魔法使い「……誰かなんとかしてくれ」ハァ


火竜「おい、お前」ギロッ


魔族少女「わ、私!?」

火竜「持ってるな?」

魔族少女「持ってる?」

火竜「来い」ズッ

魔族少女「きゃっ……!!」

侍少女「待つでござる!! 魔族少女をどうするつもりでござるか!!」


火竜「一緒に来てもらう」

魔族少女「な、なんでですか!?」

侍少女「このロリコン!! フェミニスト!! 子供狙いのガチクズトカゲ!!」


カッ!!!


ドゴォォォォン!!!


侍少女「うひぃぃぃぃぃ!!!」

魔族少女「侍少女ちゃん!!」

火竜「なんか文句あんのかクソガキ?」

侍少女「くっ……あるに決まってるでござるよ!! 友を見捨てるは武士の恥!! 死んだってそんなことできないでござる!! それに……」

火竜「それになんだ?」


侍少女「女が目当てならなぜ拙者を選ばないでござるか!!」


火竜「……は?」

侍少女「拙者だって女でござる!! 納得のいく説明を要求するでござる!!」

少年魔法使い「忘れてた……こいつ馬鹿だった……と、とにかく魔族少女を離せ!」

火竜「ちっ、面倒くせえ……確かにこいつは預かったからな」バッ

侍少女「待て! 逃げるな!! 乳でござるか!! 拙者の方がほんのちょっと小さいからでござるか!!」

魔族少女「何言ってるの魔族少女ちゃん!!」



バッサバッサバッサバッサ……!!!



魔族少女「うひゃぁぁぁぁぁ………」ヒューン……






侍少女「こらぁぁぁ!! 説明しろぉぉぉぉ!!!」

少年魔法使い「馬鹿!! 行くぞござる女!!」

侍少女「……やはりお主も大きいほうが好きでござるか?」

少年魔法使い「状況を考えろ!! 今魔族少女が……!!」

侍少女「大きいほうが好きでござるか!!」

少年魔法使い「せいっ!!」バシッ

侍少女「ぐへっ!! な、なにをするんでござるか!!」

少年魔法使い「今は非常事態だ……火竜を……追うぞ……!!」ゴゴゴゴゴ

侍少女「……はい」

少年魔法使い「……行くぞ」

侍少女「はいぃぃぃ!!」ビシッ

少年魔法使い(くっ、人の気も知らないで……!!)

といったところで今日の投下は以上です!!


次は月曜日の投下予定です!!


今日もお付き合いくださりありがとうございました!!

こんばんは、今日も投下していきたいと思います!


少し駆け足ですが今日で一区切り。

それではよろしくお願いします!!


――上空――



ビシュゥゥゥウウウ………


魔族少女「は、離してください!! 私をさらってもなんの意味もありませんよ! 孤児だし!! 魔族だし!! 子供だし!!」ジタバタ

火竜「んなことはどうでもいいんだよ。俺はお前が持ってるそつに用があるんだ」

魔族少女「え?」

妖精長「……久しいのう、火竜の小僧。生きておったか」

魔族少女「妖精長さん……」

火竜「けっ、ジジイも相変わらずだな」

妖精長「すまんの、お嬢ちゃん。どうやらこいつはお主ではなく、わしに用があったようじゃ」

魔族少女「そ、そうなんですか?」

火竜「当たり前だ! 誰が好き好んでお前みたいな魔族のガキをさらうっつーんだ」

妖精長「これ、小僧。女性に対して失礼じゃぞ」

火竜「はんっ、俺は魔族と一緒にいるジジイの気が知れねぇよ」

妖精長「だから主は小僧のままなんじゃ! アホめが!!」

火竜「アホって言うな!!」

妖精長「……それにどうしたんじゃその翼は?」

火竜「これは……その俺の魔力で炎を翼代わりにだな……」ゴォォォォ

妖精長「元の翼は?」

火竜「それは……」

妖精長「大方、誰彼構わず喧嘩を売って返り討ちにされたんじゃろう。変わっておらんのう、小僧め。因果応報という言葉を知っておるか?」ククク

火竜「うるせぇ!!」

妖精長「それで? わしになんのようじゃ?」

火竜「……妖精憑きが生まれた」


魔族少女「え?」

妖精長「やはり遅かったか……あの光の柱がそうなのじゃろう?」

火竜「ああ、膨大な魔力の放出に伴う自然現象……妖精憑きが生まれた時に起こるものだ」

妖精長「歴史は繰り返す……悲しいのう」

火竜「俺はこれからその妖精憑きをぶっ殺しに行く。ジジイも力を貸せ」

妖精長「小僧がわしに頼みごとじゃと? ほほほ……こりゃ明日はこの南国に雪が降るのう」

火竜「ふざけてる場合か、妖精憑きの力を忘れたか?」

妖精長「忘れるわけなどない……忘れるわけなどないわい……」

火竜「本来なら俺一人で十分なところだがな。妖精憑きのことになると万が一の事態も避けたい」

妖精長「そのことじゃがの……残念じゃがお主に力を貸すことはできん」

火竜「なんだと?」

妖精長「もうこの辺りでも我々妖精族は本来の力を発揮できなくなってしもうたのじゃ」

魔族少女「それって前に言っていた自然の力が衰えたって話ですよね?」

火竜「なんだよ、もうこの辺りもそんなことになってんのか!?」

妖精長「我らはか弱い生物じゃからのう……」

火竜「ちっ……ジジイの秘術があればと思ったんだが仕方ねぇ、一人でやり合うか。あいつら人間共の力は信用なんねぇ」

妖精長「希望ならまだあるぞい……龍王様の力じゃ」

魔族少女「幼女ちゃん……」

火竜「もしかしてあのクソガキもここに来てんのか!? あの金髪チビ!!」

魔族少女「え? あ、はい!!」

火竜「なんだよ、ぶっ殺す相手が増えちまったじゃねぇか!」

魔族少女「ぶっ殺……えええ!!!」

妖精長「馬鹿もん!! お主、なにを考えとるんじゃ!」


火竜「うるせぇ! 黙ってねぇと振り落とすぞジジイ!!」

妖精長「あの力は混迷する世界に再び光をもたらそうとする龍王様の尊い意思じゃ! 貴様、かつての主人の思いを踏みにじる気か!!」

火竜「ジジイ。あれは偽物だ。龍王様の力じゃねぇ」

魔族少女「な、なんでそんなことが言えるんですか? 私、幼女ちゃんの『あれ』何回も見ましたよ?」

火竜「ガキが口出しすんじゃねぇよ! とにかく俺は認めねぇ!あんなが龍王様の力を受け継ぐ? そんなことあってたまるか!」

妖精長「じゃが、あれはわしの目から見ても確かに……」

火竜「だったらなんでただのガキのあいつが龍王様の力が使えるんだ!? 説明してみろ!!」

妖精長「それは……」

魔族少女「誰かに教えてもらったとか?」

火竜「竜族のブレスは個体によって決まる。まぁ、親の遺伝ってのが多いがな」

魔族少女「じゃ、じゃあ幼女ちゃんはその龍王様の子孫?」

妖精長「それは無い。龍王様が亡くなってからもう200年以上経つ」

火竜「それにあの方には子供はいなかった。故に龍王様の血を受け継ぐ者はいない。だからあいつは偽物なんだ」

魔族少女「幼女ちゃんは何者なんですか?」

妖精長「それはわしにもわからん。あの子には謎が多すぎるしのう……」

火竜「胡散臭い奴だってことは確かだ。だから殺す。この世に龍王様を騙る奴はこの火竜が許さねぇ」

火竜「妖精憑きも龍王様を騙るガキもついでに人間も魔族も……お前ら全部いつか俺が殺してやる……!!」

妖精長「小僧、お主はどれだけ……」

魔族少女「あの……」

火竜「なんだクソガキ、今ここでお前を殺してやろうか?」

魔族少女「全部殺してどうするんですか?」

火竜「あ?」

魔族少女「魔族も人間も幼女ちゃんも殺して……それでどうするんですか?」

火竜「そんなの……俺が知るかよ」

魔族少女「全部殺して、全部否定してそれであなたになにが残るんですか?」

火竜「なんだ? 魔族のガキがなにか俺に文句でもあんのか!?」

魔族少女「………」

火竜「ちっ……」

妖精長「小僧、恨みの力は強大じゃ。じゃがその力の行き着く先は闇と相場が決まっておる。そのことを忘れるな」

火竜「……うるせぇよ、ジジイ」

妖精長「………」

魔族少女「………」




カッ!!!!


魔族少女「な、なに!? 今なにか光った!?」

火竜「しっかり掴まれ! 衝撃に備えろ!!」

魔族少女「え? え?」



ドゴォォォォォン!!!!



魔族少女「きゃぁぁぁあああ!!!」

火竜「あそこか……どうやら始まったみてぇだな!!」

妖精長「あれは龍王様のブレス……お嬢ちゃんか!!」

魔族少女「幼女ちゃんがあそこにいるんですか!」

妖精長「恐らく……そしてお嬢ちゃんがあの力を使うということは……」

火竜「妖精憑きがいるってことかよ! おもしれぇ!!」

妖精長「小僧、急ぐのじゃ! 全てが手遅れになる前に!!」

火竜「言われなくてもそうするつもりだ!」ビュォォォォ




――森の中――



勇者「あああ!! 走り辛ぇなぁ!! もう!!」ガッチャガッチャ

元気過ぎる少女「いつになったらそれ解けるの?」

勇者「わっかんねぇよそんなもん!! これやった奴は『時が来るまで待て』としか言ってなかったんだよ!!」

無表情な少女「……とりあえず走ってるけどこの方角で大丈夫……?」

元気過ぎる少女「大丈夫だと思うの!!」

勇者「思うってなんだよ! こっちは急いでんだぞ!!」

元気過ぎる少女「大丈夫大丈夫! 勇者とその子がこの森の中で会うのは運命で決まってるから!」

勇者「運命? そんな胡散臭いもの信じろってのか!?」

無表情な少女「……この子は未来が見える……」

勇者「……嘘だー」

元気すぎる少女「本当なの! こうぽやぽやーっとだけどちゃんと見えるの!!」

勇者「じゃあとりあえず森の中をひたすら走ってれば幼女に会えるってことなのか!?」

元気すぎる少女「その通りなの!!」

勇者「んなもん信じられるか!!」

元気過ぎる少女「むぅ……本当なのに!! 『あなたが森の中で黒髪の女の子と出会う』場面が私には見えたの!!」

勇者「ん? ちょっと待て、黒髪の女の子?」ピタッ

元気すぎる少女「あれ? なんか違った?」

勇者「俺が探してるのは金髪の女の子だぞ? それと生意気そうなクソガキ」

元気過ぎる少女「……あり?」


無表情な少女「……黒髪なんて珍しいね……」

勇者「おいおい! お前全然違う人間の元に俺を案内しようとしてんのか!?」

元気過ぎる少女「あれぇ?」

無表情な少女「……細かいことを気にしている場合じゃない。立ち止まったらすぐに見つかる……」

元気すぎる少女「そ、そうだね! とにかく行けるところまでめっちゃダッシュなの!!」

勇者「えええ……? 大丈夫なのかよ!」

元気すぎる少女「占い師は嘘は言わないの! ただ言ったことがたまに外れちゃうだけなの!!」

勇者「それじゃダメじゃねぇか!!」

無表情な少女「……口より先に足を動かす……」

勇者・元気すぎる少女「「動かし辛いんだよ!! この状態じゃ!!」」

勇者「あ?」

元気すぎる少女「ふふんっ! 今もあなたがこう言うと初めからわかってたの……そう、これが運命!」

勇者「胡散くせぇ……」シラー

無表情な少女「……運命なんてどうにでもなる。今はあなたがなすべきことをすればいい……」

元気過ぎる少女「そうなの! さぁ、きりきりと走りやがれなの!!」

勇者「ちなみにお前が見た運命ってのはどうだったんだ?」

元気すぎる少女「えーっとねぇ……確か……」



元気すぎる少女「にらみ合う黒髪の女の子と少年。それを止めようとする少女と赤い竜!」



勇者「へ?」

元気すぎる少女「なの!!」ビシッ


勇者「決めた。俺、金輪際お前の言うこと信じない」

元気すぎる少女「なのぉ!?」ガーン

勇者「なんだその不思議ファンタジーは! 絵本の読みすぎですよ!」

元気すぎる少女「くぅ……私にはそれが予言なのか妄想なのかを証明する方法を持ち合わせていないの。故に反論ができないの! 悔しいの!!」

無表情な少女「……妹、あれ……」

勇者「ん?」



ビュォォォォォォ!!!!



無表情な少女「……赤い竜……?」

元気すぎる少女「おお!! すっげぇの!! マジもんなの! びっくりするの!!」

勇者「おいおいマジかよ!! つーかあれってあの時の火竜!? なんでこんなところにいるんだ!?」

無表情な少女「……あながち間違いでもない……?」

勇者「嘘であってほしいんですけど……え? 俺、もう一回あいつと戦うの?」

元気すぎる少女「勇者」

勇者「なに?」

元気すぎる少女「グッドラック!」ビシッ

勇者「……あい」



――――



「お前、なんで一人でいるんだ?」

彼はそう言って私に声をかけてくれました。初めて彼に会った時のことです。

「私はあなた達とは一緒にいられないですから……」

孤児院に初めて連れて来られた日、私は部屋の隅で小さくなっていました。当然です。周りはみんな人間だったのですから。

「なんで?」

「私……魔族なんです」

自分の身の程くらい理解しているつもりでした。魔王様が勇者に倒されて、魔族と人間の戦争は終わりました。残された魔族達は当然、奴隷にされたり処刑されたりするのだろうと思っていました。だから私は最初、ここに連れて来られた時、ここの孤児院の奴隷として働くものだとばかり思っていたのです。

「へぇ、お前魔族なのか」

「……はい」

しかし、院長となのるその女性は私を部屋に通し、同じ境遇の子供達と引き合わせました。なぜそんなことをするのかはあの時の私にはわかりませんでした。ただいきなり違う場所に放り込まれて不安で、怖くてたまりませんでした。

「だから私はあなたとは一緒にいられません。あなただって私みたいな魔族と一緒にいたくないでしょう?」アハハ

「そうか……」

「………」

気まずい沈黙が続きました。私は今すぐここから消えてしまいたいという気持ちでいっぱいになりました。なぜ私がこんな目にあわなければならないのか。なぜ私はこんなところにいるのか。なぜ両親は死んでしまったのか。そんな考えが頭の中をぐるぐると巡り、私はある結論に達しました。


全て人間が悪いのだと。


お父さんとお母さんが死んだのも、私がここにいるのも、この気まずい沈黙も全て人間のせいです。人間が全部悪い、お父さんを殺したのも人間、お母さんを殺したのも人間!! 全部!! 全部人間が悪いんだ!!

気が付けば私は横で黙っている彼を睨んでいました。こいつらのせいで私はこんな目にあっていると思うと今すぐにでも彼をどうにかしてやろうと考えていました。


「あああ!! やっぱりダメだ! こういうのなんかおかしい!!」

「……はい?」

彼の言葉に私は一瞬で我に返りました。自分を支配していた負の感情の存在にゾッとしたのを覚えています。

「俺たちが人間でお前が魔族だから一緒にいないってのはやっぱりおかしいよ! うん、おかしい! 俺の中の勇者がそう言っているから間違いない!!」

彼はなにを言っているのだろう? 俺の中の勇者?

「これから一緒にここで生活していくんだ。魔族とか人間とかそんなこと関係なく、仲良くしていこうぜ!!」

「え、えっと……?」

「俺は悪ガキ! いつか勇者になる男だ!」

「……魔族少女……です」

「よろしくな! 魔族少女!!」

「……よろしくお願いします……」

「ああ、もう固い固い! 俺たちはもう友達だろ?」

「と、友達!?」

「そう友達! ほら!」

そういうと彼は右手を出しました。

「これは?」

「ん? 握手だよ。あれ? 魔族にはそういうのないの?」

「ない……かな?」

「お互いに手を握り合うんだよ。こうやって……」

「あっ……」

彼は優しく、そして力強く私の手を握ってくれました。彼の手の温かさが私の手を通して伝わっていきます。まるでさっきまでの暗い気持ちを溶かすかの様にギュッと、力強く……

「うっ……うぁ……」

「え? お、おい……どうしたんだよ?」

「ああああああああああ!!! うわぁぁぁぁぁあああああ!!!」

「えええ!? そんなに嫌だったか!? な、泣くほど!!?」


「こら悪ガキくん! 女の子をいじめてはいけませんよ!!」

「い、いや俺、そんなつもりじゃ……!!」

「どうやら悪ガキくんにはオシオキが必要なようですね……」

「うへぇ……」




その手は私を導いてくれる手でした。
その手は私を救ってくれた手でした。


そしてその手は今……










魔族少女「……悪ガキ……くん?」








血で真っ赤に染まっていたのでした



悪ガキ「おう、魔族少女! こんなところでどうしたんだよ?」

魔族少女「なに……してるの……?」

悪ガキ「え? 見てわかんない?」
魔族少女「わかんないよ……!! そんなのわかんないよ!!」

院長「魔族少女ちゃん! これ以上彼に近づいてはいけません!! 彼はもう……!!」

魔族少女「答えてよ、悪ガキくん!! なんで!?」

悪ガキ「ったく、相変わらずお前は鈍臭いなぁ……いいか、俺はな」アハハ



悪ガキ「人を殺してんだよ」ケタケタ



魔族少女「え……?」

地上げ屋「……てめぇ……こんにゃろ……」ゴフッ

魔族少女「あなたは……妖精の里にいた……?」

地上げ屋「……おう、お嬢ちゃん……ちょっと待ってな……俺が今から……奇跡の大逆転劇を……!!」

魔族少女「やめて! 悪ガキくん!!」

悪ガキ「やめるかよ! こいつは俺の邪魔をした! だから殺すんだよ」ケラケラ


幼女「その人を……離せ!!」ビュンッ


魔族少女「幼女ちゃん!?」

悪ガキ「おっと!」ヒラッ

幼女「!!??」

悪ガキ「何度も向かってきやがって……お前じゃ俺には勝てねぇよ!!」ビシッ

幼女「きゃうっ!!!」


ヒューン……ドサッ!!


魔族少女「幼女ちゃん!!」


地上げ屋「てめぇ……子供の……しかも女を蹴り飛ばすか……普通……?」

悪ガキ「向かってきたから蹴り飛ばした。俺はなにも悪くないよ」

地上げ屋「……悪いさ……今お前がやってることは悪いことだ……友達を蹴り飛ばすなんて悪いこと以外のなにがある?」グフッ

悪ガキ「悪いけど俺はあいつの友達なんかじゃないよ」

地上げ屋「すれた振りしていきがったって……お前が最低だってことには変わりねぇんだぞ……」



悪ガキ「おっさん、いい加減ウザイよ? 弱いくせにでしゃばんなよ」



ズリュッ!!


地上げ屋「がぁぁぁああああ!!!」ドサッ

院長「地上げ屋さん!!」

悪ガキ「ははは!! スゲーだろ、魔族少女! 俺もこれで特別になれたんだぜ! 昨日の約束もこれで果たせる!」

魔族少女「昨日の……約束……?」

悪ガキ「なんだよ、もう忘れちゃったのかよ? ほら人間と魔族、両方助ける勇者になるって約束しただろ?」

悪ガキ「今朝はちょっとイライラしてお前に酷いこと言っちゃってごめんな。でもこの力があれば大丈夫だから! 俺、きっと立派な勇者になれるからさ!」

悪ガキ「俺は絶対にお前との約束を果たす! この妖精の力で!!」ニカッ


魔族少女「……違うよ。そんなのおかしいよ……」


悪ガキ「なんだって?」

魔族少女「こんなのおかしいよ! 悪ガキくんはそんな人なんかじゃない!! 笑いながら人を殺そうとする人なんかじゃない!!」

院長「いけない! 魔族少女ちゃん! それ以上彼を刺激しては!!」

悪ガキ「うるさい」ビュンッ

院長「ぐあ……!!!」ドサッ

魔族少女「先生!!」

悪ガキ「妖精の力ってこんなこともできんだぜ。こうやって魔力の形を自由にコントロールできるんだ。ああやってエネルギー弾にもできるし、こうやって腕に纏わせて……」ブォンッ

悪ガキ「剣にもできるんだ! スゲーだろ!?」

魔族少女「先生! 待ってて!! 今、回復魔法を……!!」

悪ガキ「動くな!!」ビュンッ


魔族少女「で…でも先生が怪我して……!!」

悪ガキ「あいつはもう俺の先生なんかじゃない。俺より弱い先生なんて俺の世界にいらない」

魔族少女「……いらないってどういうこと?」

悪ガキ「ああ、いらないんだ。俺のことを否定する奴なんか、俺の世界になんかいらない」

魔族少女「どうしちゃったの……? 戻ってよ! いつもの優しい悪ガキくんに戻ってよ!!」

悪ガキ「俺は変わったんだよ!! 勇者になるためにこうして強くなったんだ!!」

魔族少女「そんな……」グスッ





地上げ屋「……ふざけんなよ……このクソガキ……!!」グググググ




悪ガキ「あれぇ? まだ生きてたんだ? 案外しぶといね、王都一!」

院長「地上げ屋さん……! 動いてはダメです……!! 傷が開いてしまいます!」

地上げ屋「構うもんか……俺はこのなんにもわかってねぇクソガキに一言言わなきゃ気がすまねぇ!!」

悪ガキ「なんだよこの死に損ない。すぐに殺してやるから大人しく待ってたら?」

地上げ屋「おいクソガキ……お前の先生はなぁ……お前がいらないって言ったこいつはなぁ……家族になりたいって言ってたぞ!!」

悪ガキ「なんだそれ?」

地上げ屋「家族というものに憧れてたって! お前らと一緒にいた日々は大変だったけど楽しかったって言ってたぞ!!」

悪ガキ「知るかよそんなこと!!」

地上げ屋「楽しかったって言いながらこいつは泣いてたんだぞ! お前が大事だから泣いてたんだ!!」

悪ガキ「そんなの嘘だ!! 先生は俺のことなんかなんとも思ってないんだよ! だからあんなこと言ったんだ!! そうだろう!!」

院長「地上げ屋さん! これ以上は本当に危険です! 私は大丈夫ですから……」

地上げ屋「お前には見えないのか! こいつの涙が!! 家族の涙が見えねぇのかよ!!」

悪ガキ「俺に家族なんていない! とーちゃんもかーちゃんも死んじゃったんだ! だから俺に家族なんていない!! 」

地上げ屋「うるせぇ!! ガタガタ抜かすな!! さっきから勇者勇者勇者念仏みたいに言いやがって!! いいか!?」

地上げ屋「勇者ってのは誰かを泣かせるためにいるんじゃない……泣いてる誰かの涙を拭ってやるためにいるんじゃねぇのか?」

悪ガキ「誰かの涙を拭ってやるために……で、でもそれには誰にも負けない力が必要でそのために俺は……」


地上げ屋「そのためにお前は大事な人を傷つけたってのか!?」

悪ガキ「う、うるさい!! 先生なんか大事だなんて思ったことなんかないぞ!!」

地上げ屋「……いいかクソガキ。俺様がお前にいいこと教えてやるから耳の穴かっぽじってよーく聞きやがれぃ!!」ダダンッ

悪ガキ「な、なんだよ!?」



地上げ屋「女を泣かすような男が!! 勇者になんかなれるかぁぁぁああああ!!」

悪ガキ「!!!」

地上げ屋「そんなこと!! 例えお天道様が許してもこの王都一の地上げ屋!! 『笑う赤鬼』が許しはしねぇ!!」ババンッ

地上げ屋「てめぇの腐ったその根性!! この俺様がバシっと直して……」フラッ

院長「地上げ屋さん!!」

地上げ屋「……あり?」バターン

地上げ屋「やべ……血、出しすぎた……」ピクピク……

悪ガキ「はっ……ははは!! なんだよ! 俺に大見得切っておいてそれかよ!! ダッセー!! おっさんめちゃくちゃダサいじゃん!!」

魔族少女「っ!!」ダッ

悪ガキ「あっ……おい!! 行くな、魔族少女!!」




魔族少女「大丈夫ですか!?」

地上げ屋「へへっ……お嬢ちゃん……ビシッと言ってやったぜ……かっこよかっただろう……?」ピクピク……

魔族少女「すごい血……回復魔法!!」パァァ

院長「あなたはなぜあのような無茶を……!!」

地上げ屋「俺は漢だからな……体が勝手に動くんだよ……」ヘヘッ

院長「馬鹿ですか!!」

地上げ屋「……大切なものを失うくらいなら……俺は馬鹿であることを選ぶね……」ヘヘッ

魔族少女「喋らないでください!! これ以上出血すると死にますよ!?」




悪ガキ「なんだよ魔族少女……やっぱりお前もそっちの味方なのかよ……」

悪ガキ「もういいや……お前もいらない……」ビュオンッ

悪ガキ「俺の世界にお前らなんかいらない!!」

悪ガキ「全部ぶっ殺してや……」



ズォォォォォォォッ!!!


悪ガキ「なに!? ぐぁぁああああああ!!!」

魔族少女「悪ガキくん!?」


院長「なにが起きたと言うのですか!?」

地上げ屋「おい……あれ……」スッ


幼女「………」ズズズズズズズズズ……



悪ガキ「くっ……お前がやったのか! 幼女!!」

幼女「マゾクショージョは……ともだ……ち!!」


ジリジリジリ……


魔族少女「……幼女ちゃんの様子、おかしくないですか!?」

院長「え、ええ……なにが起きているというのですか? それにさっきの技は……」


幼女「……センセも……ともだ……ち!!」

悪ガキ「安心しろよ……お前も含めてここにいる奴らはみんな殺してやる!! お前もだ幼女!!」

幼女「お前……悪い……奴!!」

悪ガキ「俺が……悪い奴だと!? そんなことあるもんか! 俺は勇者になる男だぞ!」



幼女「死んじゃえ……お前なんか……悪い奴なんか死んじゃえ!!」



ジリジリジリ……


魔族少女「先生! 幼女ちゃんの髪の毛が……」

地上げ屋「金から黒に変わってく!? どうなってんだおい!!」

院長「あの色は……じゃあ、あの時の幼女ちゃんはやっぱり……!!」


院長「やめなさい幼女ちゃん! それ以上負の感情に飲み込まれてはダメです!! その力はあなたが使っていいものじゃない!!」

魔族少女「ど、どうしたんですか!? 先生!?」

院長「止めないと……誰かがこの2人を止めないと取り返しのつかないことになる!!」

地上げ屋「取り返しのつかないことってどういうことだよ!?」

院長「あれは『闇の力』……魔王の力です」

魔族少女・地上げ屋「ええええ!!??」


悪ガキ「……魔王の力? ふふふ……くくくく……あはははははははは!!!!」

悪ガキ「いいねいいね!! 俺が勇者でお前が魔王!! 最高だ!!」

幼女「……死んじゃえ……」

悪ガキ「さぁ、来い!! 魔王!! 勇者である俺がお前の野望を打ち砕くぜ!!」ビュンッ

悪ガキ「あはははははははははは!!!」

幼女「死んじゃえ死んじゃえ死んじゃえ……お前なんか死んじゃえぇえええええええ!!!」




ズズズズズズズズズズズ…………


魔族少女「やめて……二人ともやめてぇぇええええ!!!」




カッ!!


ドガァァァアン!!!








幼女「おじいちゃん、なんの……用?」妖精長「なに、ちょっとした頼みごとじゃ」 終わり



元気過ぎる少女「劇場版! 超時空魔導人形戦記!! なの!!」勇者「なにそれ!?」

に続く!!!


次回予告



受付「パンパカパーン! 本編で全く出番が無かった受付ちゃんですよ~!! あまりの出番の無さに次回予告をジャックです!!」フンスッ

同僚「いきなりなにどうしたのよ……」

受付「南の孤児院で起きたと妖精をめぐる戦い!! 妖精を手に入れた悪ガキ君と突如魔王の力に目覚めた幼女ちゃんとの戦いの行方は如何に!! ひょっとするとひょっとしてこれって世界の危機ですか!?」

同僚「魔王の力!?」

受付「夢を追い続ける者、夢と決別した者、そして夢を叶えた者……それぞれの思惑が交差し、戦いはさらに加速していく!!!」

同僚「うるっさいわね!! お客様がみてるでしょ!?」

受付「果たして勇者はこの戦いを止めることができるのか!? そして商人貴族の魔の手から妖精族を救うことができるのかぁぁ!!」

同僚「あの……受付。みんな見てるから……ね? いい加減にしないと私も怒るわよ?」

受付「勇者と仲間たちの過去の因縁が絡み合う!! 次回!! 元気過ぎる少女「劇場版! 超時空魔導人形戦記!! なの!!」勇者「なにそれ!?」に乞うご期待!!」

受付「お相手はあなたの心の窓口! 受付ちゃんでした!!!」

同僚「いい加減にしろ!!」パチコーン

受付「ぎゃんっ!!」

といったところで一区切りです……まさかここまで長くなるとは思いませんでした。
今まで自分の妄想に付き合っていただき本当にありがとうございます。

続編の投下予定は未定です。

今後の予定としましては一週間に一本を目標に番外編の短編を2本ほど投下していきたいと思います!


それでは約3ヶ月、本当に長い間お付き合いくださり、本当にありがとうございました!!

お久しぶりです>>1です

本当に申し訳ありませんが、現在も番外編二本書いている最中でございます……

プロットは固まりましたのであとは形にするだけなのですがなんとも情けないことに苦戦中……

申し訳ありませんがもう少々お待ちください。

とりあえず今回は例のごとく2本の短編の予告編を投下していきます。

よろしくお願いします!





ニート(英語: Not in Education, Employment or Training, NEET)は、就学、就労、職業訓練のいずれも行っていないことを意味する用語。一般的には15~34歳までの非労働力人口のうち、通学しておらず、家事を行っていない「若年無業者」を示す言葉。

偏った見方をするならば『人間のクズ』または『なにものにも縛られずに生きている自由な者』……






店主「わかる? 私はこんな寂れた喫茶店にいるよりもお日様の下でポカポカお昼寝してたいんだよ!」

友「ダメだ」

店主「友ちゃんのわからず屋! ニートは働いたら死んじゃうんだよ!?」

友「そんなんで死ぬか! いいから働け!!」

店主「働きたくないでござる! 拙者働きたくないでござる!!」

友「は・た・ら・け!」グググググ

店主「友ひゃん……いふぁいいふぁい……」


店主「西の森の喫茶店」予告





店主「頑張ったって辛いだけでしょ? だったら頑張らない方が楽でいいと思うんだけど……違う?」

友「私はお前が本気を出せばおじさんだって超えることができる……そう信じてる」



赤髪「ニートってのは毎日笑って暮らせるのか?」

店主「もっちろーん! 見てよ私のこの百点満点のスマイルを!!」

赤髪「……五十点だな」

店主「なんでよ!」

赤髪「なんか嘘くさいんだよ、お前の笑顔」







参謀「よしてくれ、俺は団長なんて器じゃないさ」

剣士「まずは魔王に汚染された大地の復興。それが我々騎士団の急務だと考えます」

軍人貴族「待て! ひ、一人だけいる……いるにはいるのだが……だがしかし……」





兵士「民のことを考えないでなにが騎士ですか! 僕はそんなのおかしいと思います!」

老騎士「やはり下民の猿の相手は苦手です。言葉がまるで通じない」

貴族騎士「俺に逆らうことがどういうことか教えてやるよ。猿でもわかるように、じっくり、たっぷりとな」



幼女「……むい!!」




鋭意制作中!!




店主「別にそんなに頑張んなくてもいいんじゃないかな? 誰も期待なんかしてないよ?」

友「それもこれも全部お前が蒔いた種だろうが……!!」ゴゴゴゴ

店主「ぎゃああああ!! 友ちゃんがまるで般若のような顔に!!」

友「誰が般若だ! このバカが!!」

店主「バカって言った方がバカなんだよ! 友ちゃんのバーカ!」

友「働けバカ!」

店主「働かないもん! ニートは働いたら死んじゃうもん!」

友「まだ言うか!!」



ギャーギャーギャー



隠居婆「………」ズズズズ

隠居婆「まぁ、期待せずに待ってておくれな」ヒッヒッヒ


えー、一本目はギャグ中心の日常系? みたいな感じになる予定……


ではではもう一本の番外編予告です

参謀「日記?」 使用人「はいー」



――予告編――



参謀「僕の書斎にこれが?」

使用人「はいー、本棚の裏に挟まってたですよ」

参謀「名前は……僕の名前だね」

使用人「ええ、ですから当主様にお渡ししたわけです」

参謀「………」

使用人「あ、中は見てないですよ? 神に誓って!」

使用人「神に誓って!!」

参謀「なんで二回も言ったの?」

使用人「なんだったら悪魔にも誓いましょうか?」

参謀「いや、別にそこまではしなくていいのだけども……」



この世界はどうしようもなく、間違っている。




美少女「ニシシ! 引っかかった引っかかった!!」




なんとなくだけどいつもそう思ってきた。誰にも言わなかったけどそう思っていた。だけど『君』に出会って確信したんだ。この世界は間違ってるって




使用人「……待ってますからね」

使用人「ずーっとずーっと……待ってますから」





だから僕はここに記録しておこうと思う。この事実を忘れないために。




騎士団長「魔族は全て駆逐する! 一匹たりとも例外はない!!」

少年「父上! やめてください!! これ以上は!!」

騎士団長「黙れ! 魔族は悪だ! 悪は必ず滅びなければならない!!」

少年「違う! 彼らは違う!!」



僕が歩く道を間違えないために



魔族将軍「私を甘く見るな人間よ!! 今の私を焼くにはこの程度の炎など……ぬるすぎる!!」



そして、僕と君がいつかまた心の底から笑い合えるように



副官「私はあなたのことを本当に……」



僕は残していく。今の僕にはこれくらいのことしかできないと思うから。







軍人貴族「貴様、正気か?」

参謀「ええ、もちろん」

軍人貴族「これほどまでに人間は残虐なことを考えることができるのか……」

参謀「恐れながら閣下。私は人間ではありません」

軍人貴族「どういうことだ?」

参謀「私はあなたの参謀です。あなたの利のためだけにあなたを補佐し、知恵を与え、手はずを整える……全てはあなたの利のために……」フフッ

参謀「人の心など……私には必要ありません」



鋭意制作中!!!


紅騎士「俺のでばヘブ!」

蒼騎士「だまってろ!」