ポチ

ポチ「ポチって…」

凛「アンタなんか犬みたいな名前で十分よ！」

ポチ「まあ、いいんだけどね。で、今から何するの？」

凛「私は監督者に召喚したことを連絡するわ。あんたは掃除でもしておきなさい」

ポチ「まかせておいてよ！！」

凛「……はぁ」






ポチ「気合入れて掃除しすぎちゃったかな」

凛「あんた、意外にこういう面では優秀なのね。戦えなければ意味ないけど」

ポチ「まあ、なんとかなるさ。じゃあ、これから特訓でもしておくから何か用があれば呼んでね」

凛「特訓するサーヴァントって……」

ﾌﾞﾌﾞ ｯ ﾃｨﾙﾝﾃｨﾙﾝﾃｨﾙﾝ



凛「ポチ、ちょっと来て」

ポチ「どうしたの？マスター」

凛「今から少し街を見まわるから付いてきて頂戴」

ポチ「うん、いいよ。」






凛「特に異常は無かったわね」

ポチ「他のマスターもいなかったしね。まあ、俺としてはそっちのほうがいいけど」

凛「あったらまず殺されるわよ。アンタなら」

ポチ「それは否めないや。ははは」

凛「…あんた、何してんのよ」

ポチ「何って、投擲の練習？ほら、僕って遠距離武器とか持ってないから」

凛「サーヴァントに石投げても意味無いわよ！！」

ポチ「まあまあ、そんなかっかしないで」

凛「……もういいわ。でも、物壊さないでよね」

ポチ「わかってるよ。あっ」ｶﾞｼｬｰﾝ

凛「おい」

ポチ「あはは、ごめんね」




ﾌﾞﾌﾞ ｯ ﾃｨﾙﾝ

一人称が変わった……？

>>8
ミスりました。>>7の一人称は俺って事にしておいて下さい

ポチ「ふむふむ、こうするのか」

凛「……今度は何してるのよ」

ポチ「ん？読書だよ。特訓疲れたから、休みがてらに勉強中」

凛「……訳に立つとは思えないけど…あんた魔力なんて無いし」

ポチ「まあ、なんとかなるさ」

凛「あんた、本当にサーヴァントなの？」

ポチ「俺も変だとは思うけど、そうみたい」

凛「……はあ、寝るからちゃんと起こしてよね」

ポチ「了解。しっかり身体休めてね」



ﾃｨﾙﾙﾙﾝ

ポチ「50っと」

凛「今度は筋トレね……ステータス変わってないし無駄なんじゃない？」

ポチ「そんなことはないよ。無駄な努力ってのは無いんだよ。何かしら効果は出てるさ」

凛「ふーん。まあいいや、今日はオムライスが食べたいわ」

ポチ「了解。後で卵買いに行くからどこかにお金置いておいて」

凛「わかったわ。玄関の棚に置いておくから早めに帰って来なさい」

ポチ「マスターはどうするの？」

凛「私は少し調べ物をするわ。明日から学校も行かなきゃいけないし今のうちにやっておかないといけないのよ」

ポチ「ふーん、大変なんだね」

凛「勿論学校には付いてきてもらうから」

ポチ「わかってるよ。頼りないかも知れないけど、俺は君のサーヴァントだからね。命がけで他のマスターから守ってみせるよ」

凛「……ありがと。まあ、他のマスターが来てくれるなら好都合だわ。サーヴァント奪えばいいだけの話だし」

ポチ「ははは、じゃあ特訓に戻るね」

凛「…頑張りなさいよ」



ﾌﾞﾌﾞｯ ﾃｨﾙﾝﾃｨﾙﾝﾃｨﾙﾝ

凛「で、どう？サーヴァントの気配はするかしら？」

ポチ「いや、わからないや」

凛「本当に使えないわね。まあいいわ、警戒し続けておいて。見つけても取り敢えずは様子見をして情報を集めるのよ」

ポチ「了解。まあ、深追いはしないよ」

凛「わかっているならいいわ」

ポチ「あ、これあげるね」

凛「宝石？アンタなんでこんな物を」

ポチ「昨日買い物行った時にジャージを着た外国人がくれたんだ。乗ってたバイクを褒めただけなのに気前がいいよね」

凛「まあ、そうね」

ポチ「それに、マスターの魔術には宝石も使うみたいだから丁度良かったよね」

凛「え、ええ」

ポチ「暇だなぁ。マスターは授業中、敵影は無し」

ポチ「ああ、そういえばしてないや」

ポチ「まあいっか。気が向いたらしよ」

ポチ「暇だしスクワットでもしておこうか」

ポチ「ん？犬だ。何で寄ってくるんだよ」

犬「ハッハッ」

ポチ「( ﾟдﾟ)ﾊｯ!そう言えば今俺の名前はポチ…もしかしたら犬と意思疎通が出来るかも…」

犬「ハッハッ」

ポチ「よし、犬。君の名前は何？」

犬「ハッハッ」

ポチ「まあ、出来るわけ無いか。じゃあさっさとあっちに行くんだ。ここは危ないかもしれないしね。しっし」

犬「わんわん！」

ポチ「気をつけろよ？」






「ん？何だ、この犬」

犬「ハッハッ」

「俺は犬が嫌いなんだ、どっか行きな」

犬「わんわん！」

「ああ、もううざってぇな！ぶっ飛ばすぞ！」

犬「グルルゥ！！わんわん！！」

「騒ぐんじゃねえ！！」







ポチ「うわぁ、あの青タイツの人変な格好だなぁ。それに犬に本気で怒ってるし…」

ポチ「あと、あんな槍持ってたら捕まらないのかな？」

ポチ「うーん、もしかしたら聖杯戦争の関係者なのかも…後でマスターに報告しておくか」

凛「なるほど、青タイツか…どんな英霊かはわからないけど槍を持ってたっていうのならランサーのサーヴァントの可能性は高いわね」

ポチ「可能性だけなの？」

凛「敵のマスターが情報を錯乱させるためにわざと槍を持たせたのかも知れないわ」

ポチ「なるほど、じゃあサーヴァントっていうのは確定なんだね？」

凛「昼間っからタイツなんて変態、魔術師かサーヴァントしかいないわよ」

ポチ「魔術師って変態だったんだ」

凛「アンタもその変態の枠に入ってるかもしれないわよ」

ポチ「酷いよ！」

凛「冗談冗談。それにしてもよくあんた無事だったわね。そんなステータスでサーヴァントと対峙したら無事では済まなそうだけど」

ポチ「その人が犬と喧嘩していたのを遠くから眺めてただけなんだけどね」

凛「……英霊っておかしなやつしかいないのかしら」

凛「今度は素振りねぇ。あんたの宝具は剣か何かなの？」

ポチ「そんなわけないよ。俺が剣を振り回してる姿を想像できる？」

凛「出来ないわね。寧ろ剣に振り回されてそうだわ」

ポチ「そうかもしれない」

凛「じゃあ、どうして素振りなんか？」

ポチ「出来る事をやっておかないといけないと思うからだよ。コツコツと努力するのが大事さ」

凛「確かにそうだけど、それってサーヴァントにも言えることなの？」

ポチ「多分言えると思うよ」

凛「まあいいわ。アンタの気が済むまでやりなさい。あと、今晩も街の見回りに行くから忘れないでね」

ポチ「了解。マスター」




ﾌﾞﾌﾞｯ ﾃｨﾙﾝﾃｨﾙﾝ

ポチ「マスター、あの屋根の所に青タイツさんがいるよ」

凛「わかってるわ。こっちに気付いてないみたいだし、何かに気を取られているのかしら」

ポチ「どうする？逃げる？」

凛「……偵察するわよ。でも深追いはしないようにしないと」

ポチ「そうだね。こういう時にうっかりはしないでね？マスター」

凛「わかってるわよ」







ポチ「ここって一般人の家？」

凛「ええ。そうだった筈だけど」

ポチ「でも、中で戦ってる音が聞こえるよ」

凛「一般人に扮したマスターかしら。まあいいわ、警戒をしつつ観察しましょ」

ポチ「帰ったほうがいいと思うんだけどなぁ…あ、そうだマスター。マスターの魔力を使わして貰ってもいい？」

凛「いいけど、一体何に使うの？」

ポチ「保険だよ、保険」

ポチ「………」ﾎﾞｿﾎﾞｿ

凛「何をしてるんだか…それにしても、片方はアンタが前に見たやつだけど、もう片方は情報が無いわね。何持ってるかわからないし」

ポチ「これで準備完了っす。マスター、ほ…俺はいつでも逃げる準備はできてるっすよ」

凛「アンタ、口調が変になってるわよ。まあいいわ、ステータスでは負けてるだろうから逃げるべきの判断は大事よ？」

ポチ「そこら辺はマスターに任せるっす」

凛「わかったわ。で、あんたはあの二人をどう見る？」

ポチ「凄く力が強そうっす。あと、今は戦闘に集中してるから気付いてないみたいっすけど、終わったらほm…俺達に気づくと思うっすよ」

凛「……それもそうね。帰りましょうか」

ポチ「まあ、今回は一人のマスターと二人のサーヴァントを確認出来ただけでラッキーと思っておくっす」

凛「マスター？」

ポチ「ほら、あの蔵の入口で戦いを唖然と見ている人っす。そう言えばマスターと同じ制服着てるっすね」

凛「……確か、あいつは」

ポチ「じゃ、逃げるっすよ」

凛「きゃっ、ちょっと抱えないでよ」

ポチ「そんなこと言われても…早く離れたほうが良いと思うっすよ。それにほむ…俺は正面から戦っても勝ち目は無いっす」

凛「それはそうだけど」

ポチ「じゃ、行くっすね」

凛「うぉっ！？速っ！！！」