シャナ「みゅーず?」悠二「うん」 (8)

シャナ「なにそれ」もふもふ

悠二「ああ、やっぱりシャナも知らないよね。僕も詳しくは知らないけどスクールアイドルというものらしいんだ」

シャナ「ふーん、アイドルね。…悠二はそのみゅーずというグループが好きなの?」

悠二「いや、そういうわけじゃないよ。ただ、マカベアの兄弟の足取りを追ってる内に分かったことがあるんだ」

シャナ「なに?」

悠二「彼らの次の標的はそのグループらしい」

シャナ「…なるほど。でも、どうして?」

悠二「恐らくは威力の誇示。先日、僕たちが王子を始末した事によって失墜した権威を回復させることが狙いだろうね。μ’sはただのアイドルグループ。だけどミューズは違う
ミューズとはギリシア神話に登場する女神の名前だ。それが人々の歓声を浴びながら歌い、踊り舞う姿
それは何も知らない彼らにしてみれば神を崇める儀式場に見えても不思議ではない」

シャナ「…成程。そういうことね。それにしても王子を殺したのにまだ生きてるなんて」

悠二「うん、でもそれは想定の範囲だった。だから幾つかの策はもう用意している。でも今回はマカベアの兄弟…いや残党と呼ぶべきか。マカベアの残党だけじゃない。他の新参勢力も彼らを狙っている」

アラストール『うむ、神を殺したという肩書きだ。神託を受けてない者にとっては何より価値あるもののはずだろう』

悠二「うん、彼らに神を殺した者という肩書きは絶対に与えてはならない。
今は偽の神託を掲げ、組織を統率している。それだけならまだ制御はできる。僕の理想の為に利用することが可能だ。
でもその偽の神託に説得力を持たせるような神殺しの肩書きは絶対に渡してはならない。なんとしても?’sを守り抜く
そのためにシャナーーーμ’sに入ってくれないか」

シャナ「え…?」




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音の木坂学院、2年生の教室。

穂乃果「ねえねえ、海未ちゃん!」

海未「どうかしました」

穂乃果「今日このクラスに転校生くるらしいよ!」

海未「この時期に転校生ですか。珍しいですね」

穂乃果「うん、きっとお家の事情だね。どんな子かなあ
あれ? そういえば、ことりちゃんは?」

海未「ことりですか。ことりなら先ほど職員室に向かいましたよ。何か用事がある様子でしたが」

穂乃果「ふーん、ことりちゃんなら何か知ってると思ったんだけどなあ」

海未「直に戻ってきますよ」


職員室。

ことり「失礼します!」

教師「あ、きたきた! 南さん、こっちよ!」

ことり「あ、先生! えっと呼ばれたんですけど私に何かご用ですか? 」

教師「ああ、うん。悪いけどこの子を教室まで連れていってくれない?」

ことり「えっ?」

シャナ「……」むすっ

ことり「あの、この子は?」

教師「ああ、今日からあなたのクラスに転入する子よ。理事長にこの子をあなた達に預けるように言われたんだけど、知り合い?」

ことり「いえ…」

教師「そう、とにかくおねがいね」

ことり「あ、はい。わかりました。それでは失礼します!」

シャナ「……」むすっ

ことり(ひぃいい、すっごく機嫌悪そうだよ。お母さん、どうして私たちに任せたんだろ)

シャナ「…………」

ことり(……それにしても凄く可愛い子。まるでお人形さんみたい)じーっ

シャナ「さっきからなに?」

ことり「えっ、い、いや、なんでもないよ!」あたふた

ことり(助けて、海未ちゃん、穂乃果ちゃん)

シャナ「……」

シャナ(悠二の馬鹿。どうして私がこんなところに
もう学校に行く意味なんてないのに何のつもりよ
まったく)

ことり「えっと、あなたのお名前は?」

シャナ「シャ…っ!」

ーーーーーーー

悠二『音の木坂学院では平井ゆかりと名乗ってね』

シャナ『ん、わかった』

ーーーーーーー
シャナ(そういえばここでは平井ゆかりを名乗るんだった)

ことり「しゃ?」

シャナ「今のは噛んだだけ。平井ゆかりよ」

ことり(もしかして…緊張してるのかな。それもそうだよね。いきなり今までの環境と変わるんだもん。緊張もするよね。お母さんが私たちに任せるの言った意味が分かったかも)

ことり「ゆかりちゃんだね。えっと、その、よろしく」

シャナ「…よろしく」

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