【咲-Saki-】俺「まこ先輩、明日はバレンタインですね!」まこ「だからなんじゃ」 (61)

俺「まこ先輩の手作りチョコ……楽しみにしてます!」

まこ「何でワシがおまえにチョコを作らなきゃいけないのか」

俺「え?でもでもバレンタインって好きな男の人にチョコあげる日じゃないですか!」

まこ「だから?」

俺「だから……僕に……」

まこ「お前に?」

俺「チョコをあげるんです!」

まこ「誰が?」

俺「もぉーっ、やだなぁまこ先輩、まこ先輩が僕にあげるんですよ!」ハハハ

まこ「は?」

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俺「え?」

まこ「そんな予定は無い」

まこ「第一、ワシに好きな男とかおらんけぇの」

俺「あはは、やだなぁまこ先輩、僕は男ですよ」

俺「たしかに中性的な見た目をしてるという自覚はありますが」

まこ「お前さんの言ってることが理解できんけぇ、話かけんでくれんかの」

俺「そんなぁそれは厳しいですよまこ先輩」

まこ「気持ち悪いのぉ」

まこ「さてと、人目も気になるしそろそろ帰るけぇの」

俺「あ、そのプリントなんですか?」

まこ「クラスのアンケート用紙じゃ」

まこ「担任に職員室まで持ってくるよう頼まれたけぇ」

俺「僕が半分持ちましょうかまこ先輩?」

まこ「それは助かるのぉ、全部持ってくれるとは」

ズシッ

俺「うぐぉぉ」

俺「全部とはなかなかドSですねまこ先輩……」

まこ「お前さん本当に筋肉無いんじゃのう、そのガタイは脂肪だけか」

俺「てへっ☆」

まこ「てへっじゃないわ、気持ち悪い」

まこ「じゃ、ワシは帰るけぇ」

まこ「プリント運び、よろしくの」

俺「え?」プルプル

俺「あぁぁあ!まこ先輩待ってください!まこ先輩ぃぃ!!」

まこ「うるっさいのぅ!」

ザワザワ

まこ「ハァ……お前さんのせいでまた注目された……」

俺「えへへ……僕って寂しがりやなんで///」

まこ「気持ち悪い」

まこ「……5分じゃ、5分だけ待つ」

まこ「それを過ぎたら帰るけぇ」

まこ「はよ言ってこんか」

俺「了解ですまこ先輩!うぉぉぉぉ!」ヨタヨタ

まこ「あれは無理じゃの、帰るとするけぇ」

俺「ゼーッハーッ……ゼーッハーッ……」

コンコン ガラガラ

俺「ゼヒューッんにっ2年の……ハァーッ○○先生ハァーッいらっしゃいますかっヒューッ」

先生「はい?」

俺「こ、これ……ヒューッ、まこ先輩からっハァーッ預かってゼーッきました」

先生「お、おう汗まみれで汚ねぇ……」

俺「じゃあちゃんと届けたんでゼヒューッ……失礼しましたっ、ハァーッ」

ガラガラ

俺「ゼーッハーッ……ゼーッハーッ……待ってて下さい……まこ先輩……ヒューッ」ヨタヨタ

俺「ゼーッハーッ…まこ先輩……ハァーッハァーッ」ヨタヨタ

まこ「遅いのぉ、10分かかっとるぞ」

俺「すいませっヒューッ……ゼーッハーッ……」

まこ「一旦落ち着け、お前さん本当に痩せた方がいいと思うんじゃが」

俺「まこ先輩……痩せた俺でも好きになってくれますか?」

まこ「そもそも今も好きじゃないけぇ、それに痩せても好きになるとは限らん」

俺「相変わらず素直じゃないですねまこ先輩」フフッ

まこ「お前さんが笑うと寒気がする」

俺「5分過ぎたのに待っててくれたんですね、まこ先輩」

まこ「……仕事押し付けた手前、仕方ないけぇ」

俺「素直じゃないですねぇまこ先輩は」ニヤニヤ

まこ「その顔やめんか」

まこ「さっさと帰るけぇ」

俺「はーい!」

まこ「やっぱり寒いのぅ」

俺「そうですね……」

俺「まこ先輩、僕で良ければどうぞ、暖かさには自信がありますよ」

まこ「どうぞって何じゃ」

俺「抱きついていいんですよまこ先輩?」

まこ「お前さんに抱きつくくらいなら凍死するけぇ」

俺「え?僕の方から抱きついて欲しいんですか?意外と甘えん坊ですねまこ先輩」

まこ「は?寄ってくるな」

バサッ

まこ「!?」

俺「寒いですよね?僕の学ラン、使って下さい」

俺「僕は歩くとちょっと汗にじんできたので大丈夫ですから」

まこ「いや、いらん」

俺「4Lですよ!?まこ先輩の体覆えて暖かいです!」

俺「返すときは洗わないで結構です!」

まこ「捨ててもいいかのぅ?」

俺「ああっ、僕の上着っ!」

まこ「何か温かいものでも飲むか?」

まこ「さっきの礼じゃ、おごっちゃるけぇの」

俺「え!本当ですか!?」

俺「僕はまこ先輩の飲みかけで!あ、飲み終わった後の缶でもいいです!」

まこ「……飲み物はいらない、と」ピ

ガシャン

俺「無視しないで下さいよおまこ先輩!」

まこ「……」コクコク

まこ「ふぅ……コーンポタージュ温かくておいしいのぉ」

俺「……」ジーッ

まこ「何じゃ、欲しいのか?」

俺「え!?くれるんですか!?」

俺(まこ先輩と間接キッス……///)

まこ(何で顔赤くなってるんじゃこいつ……気持ち悪)

まこ「仕方ないのぉ、ほら、やるけぇ」

俺「ありがとうございますまこ先輩!」スッ

チャリン

まこ「好きなもの買ってこい」

俺「ガクッ」

まこ「何ガッカリしとるんじゃ?」

俺「ふぅ……おしるこおいしいなぁ」

まこ「そうか」

俺「おしるこめっちゃおいしいですよ!」

まこ「それは良かったのぉ」

俺「おしるこおいしいよぉおいしいおいしい」

まこ「うるさい、とっとと飲まんか」

俺「まこ先輩飲みたいんですよね?僕の飲みかけで良ければどうぞ」

まこ「いらん」

俺「そろそろまこ先輩のおうちですね」

まこ「お前さん、この辺来ると露骨に歩幅狭くなるのぅ」

俺「もう少しでまこ先輩とお別れって考えるとどうしても……」

まこ「どうせまた月曜の朝にはうちの前にいるんじゃろ」

俺「あ、まこ先輩、もしかして僕がいる生活が当たり前になってきました?」

まこ「お前さんがつきまとってくるんやじゃから嫌でもそうなるじゃろ」

俺「へへ……僕はもう、まこ先輩の生活の一部なんですね」

まこ「気持ち悪っ」ゾクッ

俺「というか、月曜とは言わず僕は明日もまこ先輩のおうちにうかがうつもりですよ?」

まこ「は?ワシの大切な休日にまでつきまとってくるのはやめんか」

俺「でも何回か休日に遊びに行ったことありますよね?」

まこ「お前さんが勝手について来ただけじゃろ」

俺「とにかく、明日はまこ先輩からチョコをもらいに行きますよ!」

まこ「作るつもりは無いから来るな」

俺「まさか……まこ先輩ってあげるよりもらう派……?」

まこ「お前さんのはいらんがの」

俺「腕によりをかけて作ります!」

まこ「いらん言うとるじゃろ」

俺「あ、そっか、僕にあげるから」

まこ「いたちごっこ……全然話が通じん……」ハァ

まこ「とにかく、ワシはもう帰るけぇ、じゃあの」

俺「あぁっ、まこ先輩!明日、絶対来ますから!」

まこ「来んでいいわ!」

俺「ではまこ先輩、また明日!」

俺「まこ先輩のチョコ……楽しみだなぁ……」


まこ先輩とバレンタイン編へ続く
to be Macontinued...

読んで下さった方ありがとうございます!
続きはまた明日バレンタイン本番に更新致します!よろしくお願いします!

翌日

ピンポーン

まこ「ん……?何じゃ?」

ガチャ

俺「おはようございます!まこ先輩!」

バタン

俺「ちょっとちょっと!まこ先輩!何で閉めちゃってるんですか!僕ですよ僕!」

まこ「お前だから閉めたんじゃ帰れ」

俺「嫌です!僕はここに居続けますよ!」

まこ「はぁ……」

まこ「何の用じゃ?」

俺「今日は、バレンタインですよまこ先輩!」

まこ「そうか、良かったの」

バタン

俺「閉めないで下さいまこ先輩!!」

俺「好きな人にチョコあげるのは恥ずかしいことじゃないですよ!」

まこ「チョコなんか最初から作っとらんわ」

俺「またまた~、まこ先輩から甘い匂いがしますよ~」

俺「ってまこ先輩は元からいい匂いですもんね!」

まこ「嗅ぐな気持ち悪い」

俺「とりあえずどこかに行きましょうか?」

俺「やっぱり渡すのにも雰囲気とか必要ですよね?」

まこ「何が雰囲気じゃ」

まこ「せっかくの休日をお前と過ごすなんて嫌じゃけぇ」

俺「え?お家デートですか?確かに雰囲気はすぐ良くなると思いますが……///」

まこ「うわ、何勝手にあがろうとしてるんじゃ来るな」

俺「えへへ、まこ先輩と行こうと思ってチェックしていた喫茶店があるんですよ」

まこ「何で休日にまでこんな奴と……」

俺「どうかしましたか、まこ先輩?」

まこ「帰りたいと思っとったところじゃ」

俺「え?やっぱりお家デートがいいんですか?」

まこ「本当に話が通じんのこいつ」

俺「ここですまこ先輩、おしゃれでしょう?」

まこ「そうじゃな」

カランコロン

店員「いらっしゃいませー何名様でしょうか?」

俺「“カップル”2名で!」

まこ「うわ、何言ってんじゃ違うじゃろ!」

俺「まこ先輩恥ずかしがらなくてもいいですよもう!」

まこ「は?」

店員「は、はは...2名様で...こちらの席どうぞ」ヒキ

まこ「うわぁ帰りたい帰りたい店員と他の客からの目線が痛い」

俺「まこ先輩!お家デートはここを出てからでもいいじゃないですか!」

まこ「はぁ……」

俺「それに、ここ、カップル割なんですよ!しかも、バレンタインに来店でチョコケーキサービス!」

まこ「そうか、それは良かったの」

まこ「それじゃ、カップル割も適用されて、チョコケーキも来たら、帰ってもいいか?」

俺「まこ先輩どんだけお家デートしたいんですかもう」

俺「一回食べてみましょ?ね?ね?」

店員「チョコケーキお持ちいたしました」

俺「ありがとうございます!」

俺「ほら、おいしそうでしょまこ先輩?」

まこ「まぁ、そうじゃな」

俺「はい、あーん」スッ

まこ「いらん」

俺「あ、そっか、まこ先輩はあーんをする側ですもんね」

俺「お願いしますまこ先輩」

俺「あー」

まこ「……なかなか美味いのぉ」モグモグ

俺「無視しないで下さいよまこ先輩!」

店員「ありがとうございましたー」

カランコロン

俺「ここの喫茶店なかなか良かったですよねまこ先輩?」

まこ「そうじゃな、お前さんがいなければ完璧じゃった」

俺「ははは、何言ってるんですかまこ先輩、僕がいないとカップル割できませんよ」

まこ「誰がカップルじゃ」

俺「え?僕達ですよ~ははは」

まこ「はぁ……」

俺「まこ先輩、このあとどうしますか?お家デートかデートかどっちにしますか?」

まこ「ワシに帰るという選択肢はないのか」

俺「お家デートですか?」

まこ「お前を家にあげたくない」

俺「じゃあ、デート続行ですね!」

まこ「ワシに逃げ場は無いようじゃな」

まこ「のぅ」

俺「どうしたんですかまこ先輩?」

まこ「チョコあげたら帰るのか?」

俺「まぁ……今日の目標は達成ですね」

まこ「そうか」

俺「僕としてはまこ先輩とずっと一緒にいたいんですけどね」

まこ「そこは聞いとらん」

まこ「あ、そうじゃ、コンビニに寄ってもいいか?」

俺「え?いいですよ?どうかしたんですか?」

まこ「ちょっとトイレに行くだけじゃ」

俺「分かりました!」

俺「僕は立ち読みでもして待ってますね」

まこ「終わったぞ」

俺「あ、終わりましたか、じゃあ、デートの続き行きましょうか?」

まこ「そのことなんじゃが……」スッ

俺「え?これって……」

まこ「チョコじゃ」

俺「そ、そんな、もらっちゃってもいいんですかまこ先輩!?」

まこ「は?もらいたいんじゃなかったのか?」

俺「やだなぁまこ先輩雰囲気ですよ」

まこ「本当に鬱陶しい奴じゃ」

俺「へへ……まこ先輩から本命チョコもらっちゃった」

俺「僕は幸せものです……!」

まこ「本命なわけないじゃろコンビニで買ったやつじゃぞ」

俺「いえ、形じゃありませんよ」

俺「そりゃ確かにまこ先輩の手作りチョコが欲しかったって気持ちもあります……」

俺「でも、まこ先輩が!まこ先輩が僕にチョコをくれたんです!しかも本命チョコを!その気持ちだけで僕は胸いっぱいです!」

まこ「本命じゃない言うとるじゃろ」

俺「やっぱり素直じゃないですねぇまこ先輩」ニヤニヤ

まこ「は?」

俺「大丈夫、僕はちゃんと言葉の裏の本当の気持ちも受け取ってますから」

まこ「本心から気持ち悪い」

まこ「じゃ、ワシは帰るけぇの」

俺「はい!今日は本当にありがとうございましたまこ先輩!」

俺「また月曜日に会いましょう!」

まこ「嫌じゃ来るな」

俺「え?明日も来ていいんですか!?」

まこ「なぜそうなる」

まこ「ふぅ……やっと追い返したけぇ……」

まこ「明日は久しぶりにアイツがいない休日じゃ」

まこ「ゆっくり休める……」

まこ「……」

まこ「何じゃろうなこの気持ちは」

まこ「最近、アイツがいなくなるといつもこうなる」

まこ「……どこまでも鬱陶しい奴じゃ」



まこ先輩とバレンタイン編 完
~俺への気持ちに徐々に気付きつつあるまこ先輩END~

読んで下さった方ありがとうございます!
日付が変わる前に更新するはずが、まこちゃんがなかなか僕にチョコをくれないので長引いてしまいました……
やっとくれたと思ったらコンビニのチョコ……
まぁ気持ちだけで嬉しいですけどね!
今回の終わりはいつもみたいに日常のぶつ切りでは無く本格的にまこちゃんが僕への想いを自覚するという大事なシーンで締めさせていただきました
今後の展開が楽しみです

ではでは
読んで下さった方、本当にありがとうございました!

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