道外流牙「沢芽市?」 (282)

魔導輪ザルバ『人の心に邪心がある限り、魔獣・ホラーは人類を襲う』カチカチ

サガラ「そして人類はその度に、試練と対峙し乗り越えてきた」

ザルバ『今宵、ホラーを狩る魔戒騎士と』

サガラ「試練を乗り越えた者たちの」

ザルバ・サガラ『「新たな伝説が幕を開ける」』

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1422185468

き、期待しかない!

注意!

このSSは牙狼‐GARO‐~闇を照らす者~と仮面ライダー鎧武/ガイムのクロスオーバーです。
以下の要素が含まれます。
・キャラ崩壊、どちらも見てないと分かりづらいネタ、オリジナル設定、独自解釈あり。
・時系列的には鎧武➝MOVIE大戦フルスロットル後、牙狼➝ボルシティの最終決戦後と言う感じです。
・原作で鎧武たちは『アーマードライダー』でしたが、このSSでは敢えて『仮面ライダー』と表記します。
・変身後はどちらサイドも名前が変わります。例・流牙➝牙狼、光実➝龍玄 等。

以上でも大丈夫と言う方はどうぞ。
では始めていきます。

誰が魔導ホラーにされるのか楽しみだグヘヘ

【任~Mission~】ドドン!

道外流牙(以下、流牙)(牙狼。最強の魔戒騎士だけが着れる黄金の鎧。俺はその力を手に入れた)

流牙(だが俺はまだ未熟だった…。あの闘い、ボルシティでの死闘の中で、何度もそれを思い知らされた…)

流牙(それでも俺は仲間と師とも呼べる人、そして母さんのおかげで牙狼の鎧に黄金の輝きを取り戻すことが出来た)

流牙(母さん、符礼法師。二人が命を懸けてくれた証、金色の牙狼の鎧と、そして守りし者としての覚悟)

流牙(この二つを誇りに、俺はこれからも闘い続けるよ)

~沢芽市へ続く車道~

ブロロロロロ…

オッサン「兄ちゃん、そろそろ沢芽に着くよ!」

ラジオ<ユーケーカゼノゴトクー

流牙「アレが沢芽市?意外と普通の街なんだね?」

オッサン「ああ、少し前まではユグドラシルタワーっつうでっかいタワーがあったんだがな?」

オッサン「なんでも、人類を減らすとか言う恐ろしい計画を立ててたんだとよ」

ラジオ<ツーキーミツルヨルニー

流牙「それがバレてそのユグ何たらは解体ってわけ?」

オッサン「そういう事。何だ、結構デカい話なのに兄ちゃん知らねえのかい?」

流牙「あ、ああ。ちょっと仕事で色んなとこ回っててね?世界情勢とかには疎くなってるんだ」

ラジオ<オーオーシキスガタノー

オッサン「最近はまた一悶着あったらしくてね。街に入るのにも身分証を見せなくちゃいけなくなっちまったんよ」

流牙「ふーん…」

流牙(人類を減らす…か。なんとも陰我にまみれた奴らだったんだな…)


オッサン「っと、そろそろ検問所だ。兄ちゃん、身分証出しな」

ラジオ<ジダイニーカガヤケー

オッサン「…兄ちゃん?」クルッ

流牙の置手紙『ありがとうね』ハナポツーン

オッサン「…へへっ、達者でな!!」

ラジオ<ガローーーーーー!!

こんな感じで進めていきます。見辛かったらすいません。
あと、もうしばらく鎧武側は出てきません。待ってる方にもすいません。

~遡ること数日前・南の番犬所~

流牙「指令書?久しぶりだな」

莉杏「ええ、これよ」

流牙「全く、人使いが荒いな、番犬所ってのは」ボシュ

流牙「何々?『ざわ…し…で…ふ…』…莉杏、読んでくれない?」

莉杏「もう、魔戒騎士ならいい加減魔界文字くらい読めるようになりなさいよ!」

流牙「仕方ないだろ。魔界語は苦手なんだよ」

ザルバ『いや、莉杏の言う通りだ。お前も黄金騎士なら少しは勉強したらどうだ、流牙』カチカチ

莉杏「はぁ…まぁいいわ、えっと?」ウデクミ

莉杏「『黄金騎士牙狼・道外流牙に命ずる。今宵、沢芽市なる都市にて邪悪な影の蠢き有り」

莉杏「『現地に向かい、既に遣わされし騎士と共にこれを調査、討滅せよ』ですって」

流牙「沢芽市…何か聞いたことあるような…」

莉杏「ほら、しばらく前に異次元の植物騒ぎがあったでしょ?」

流牙「あぁ、俺達が別の任務で各地を回ってた時の件か」

莉杏「その発生源がこの沢芽市って話らしいわ」

流牙「じゃあ、『邪悪な影の蠢き有り』って言うのはその植物繋がりなのか?」

莉杏「それを調査する為に指令が下ったんでしょ。私は魔戒銃の弾丸とか魔導具を準備しなきゃだから、後で合流するわ」

流牙「ちぇ、わかったよ。行こう、ザルバ」

ザルバ『何だ、もう出発するのか?もう少し休んでいたかったぜ』カチカチ

流牙「そう言うなよ。俺達の他にも魔戒騎士が今回の任務に就いてるみたいだし、そいつを待たせる訳にはいかないだろ」

ザルバ『フン…まあいい』カチカチ

流牙「じゃあ莉杏、また後でな」スチャッ

莉杏「ええ、いってらっしゃい、流牙」

~現在・沢芽市内~

流牙「へえ、一悶着あったって聞いたけど、案外活気があるんだな」


どうやら、想像していたよりもこの街はいいところみたいだ。

町並みは綺麗。空気も悪くないし、そして何より―――


スピーカー<チーム鎧武が踊ってる時に流れるBGM♪

ビートライダーズ「「「皆ー!盛り上がってるかーい!!?」」」

観客・流牙「「「「イエーーーーーイ!!」」」」

―――人々がとても明るくて元気だ!!

リカ「よーし!みんな楽しく一緒に踊ろう!!」

ペコ「さぁ、今日もランダムに誰かにステージに上がってもらうぜー!」

ラット「じゃあ今日はー、あ、そこの黒いコートの人!!」

流牙「…あ、俺!?…よっしゃあ!」

ペコ「お、おお!?すげえ!このお兄さん、めっちゃ上手だぁ!?」

リカ「私たちも、負けてらんない!!」

ラット「よーし、皆、盛り上がっていくぜえ!!」


~ユグドラシルタワー跡地~

流牙「ここがユグドラシルタワー…その跡地か…ザルバ」サッ

ザルバ『フム…僅かだがホラーの匂いがするな。この辺りにホラーが出現するゲートがあるはずだ』カチカチ

流牙「やっぱりか…ザルバ、もう少し詳しくわからないか?」

ザルバ『いや、ダメだな…ゲートの近くに何か別のモノがあるようだ』カチカチ

流牙「別のモノ?それってーーー」

???「あの、すいません。この場所に何か用ですか?」

流牙「ん?」クルッ

流牙「あっ、き、君は…!」

???「?どうしました?」

流牙「あ、いや、君、もしかしてボルシティにいたことない?」

???「ボルシティ…?いえ、そんな街にいたことはありませんけど…」

流牙「あ、あぁ、そう?じゃあ他人の空似かなぁ…?」

流牙(いや、それにしても似すぎだろ…)※牙狼~闇を照らす者~10話参照

???「あの、もしかして旅行ですか?」

流牙「あ、いや、仕事でこの街に来たんだけど迷っちゃってね」

???「へぇ、どこに行かれるつもりだったんですか?」

流牙「沢芽シティホテルで仕事仲間と落ち合う約束なんだけど、もしかして案内してくれるの?」

???「ええ、僕はこの街の住民ですし、土地勘はありますから、お節介でなければ」

流牙「本当か?助かるよ。あ、俺の名前は道外流牙。君は?」

???「呉島、です。呉島光実」

光実「友達からはミッチって呼ばれてます」

流牙「光実か。よろしくな」スッ

光実「こちらこそ、流牙さん」ギュツ

~沢芽シティホテル前~

流牙「ホント助かったよ、光実」

光実「いえ、お役に立てたようで何よりです」

流牙「何かお礼が出来たらいいんだけど」

光実「ほんとに気にしないで下さい。それじゃ僕はこれで。お仕事頑張って下さい」

流牙「ああ、ありがとうね!」

中の人に顔が似るとなると哀空吏さんにとんでもない風評被害が…

>>18 その辺のネタも書くつもりですwww



???「お、よう流牙!早かったじゃねえか!」

流牙「ん?猛竜!何やってるんだよお前!?」

流牙(コイツは蛇崩猛竜(じゃくずれたける)。俺と同じ魔戒騎士で、ボルシティで共に闘った仲間だ)

猛竜「なんだよ、聞いてなかったのか?今回の任務は俺も参加するんだぜ?」

流牙「じゃあ指令書にあった他の魔戒騎士って言うのはお前だったのか…」

猛竜「いや、俺の他にもう一人いるぜ。敢えて誰かは伏せておくけどな」

流牙「なんだよ、もったいぶるなって!」

猛竜「ククッ。まあ、今夜にでも合流出来るさ。取り敢えず入れよ!こっちに来てから俺が調べたことを教えてやるよ」

~呉島家~

光実「ただいま、兄さん」

呉島貴虎「ああ、遅かったな光実。また例の『ヤツ』が出てきたのか?」

光実「いや、ちょっと道案内をしてたんだ」

貴虎「ほう、お前が道案内とは殊勝だな」

光実「少し気になってね。その人、ユグドラシルタワーの跡地にいたから」

貴虎「何?まさかユグドラシルの残党か?」

光実「それはないと思う。何度かカマをかけてみたけど、そんな素振りも見せなかったし

貴虎「そうか…。ならいいが、どちらにせよ確かに気にはなるな。何と言う男だ?」

光実「道外流牙って人だよ。今は沢芽シティホテルに宿泊してると思う」

貴虎「ふむ、明日あたり会いに行ってみるか…」


~数時間後・真夜中の沢芽市内~

流牙「ザルバ、見つけたか?」

ザルバ『ああ!恐らく素体型だ!急げ流牙!』カチカチ

猛竜『こっちでも確認した!いくぜ、って!?』

流牙「どうした猛竜!?」

猛竜『まずいぜ流牙!人が居やがる!クソ、なんだってこんな時間に!?』

流牙「くっ!俺の方が近い!先に俺が仕掛けるから猛竜はその人を保護してくれ!」

猛竜『了解!』

~同時刻・ホラー出現場所~

素体ホラー?「シャアアアアアアア!!」

光実「くっ!またコイツか!」

光実(メガへクスとの闘いの後、数日前から現れ出した謎の怪物)

光実(最初はメガへクスの生き残りか紘汰さんの元からはぐれたインベスかと思っていたけど、どうやら違うらしい)

素体ホラー?「シャアアアアアアア!!」

光実「くっ!」ガチャッ!ブドウ!ロックオン!

光実「変身!」ハイー!ブドウアームズ!龍・砲!ハッハッハー!

素体ホラー?「シャアアアアアアア!?」

仮面ライダー龍玄『ハッ!たァ!』バキューン!バキューン!

ブドウ龍砲の銃撃で先手を打つ龍玄。だが何発撃ち込んでもホラーは倒れない。
それを逆手に取ってか、ダメージ覚悟でホラーは距離を縮めてきた!

素体ホラー?「ギャアアアアア!」ダッ!

光実(まずい、距離を詰められる!)バキューン!バキューン!

素体ホラー?「シャアアアアアアア!!」ガッ!

龍玄『くっ!ヤァ!ハァッ!』ドカッ!バキッ!バキューン!

急接近からの鋭い爪による攻撃を間一髪で躱し、そのままカウンターで打撃と銃撃を叩きこむ。
これにはホラーも堪らず吹っ飛ばされるも、体勢を立て直し植物が絡まったかのような翼を広げ龍玄に背を向けた。

素体ホラー?「ギャアアアアアアア!?」バサッ!

龍玄『接近戦でも敵わないから逃げようっていうの?させるか!』カシャン!カシャン!カシャン!ハイー!ブドウスパーキング!

戦極ドライバーのカッティングブレードを三回倒し、ブドウ龍砲にエネルギーを送り込む。
巨大な龍のようなエネルギーが形成され、龍玄が引き金を引くと、ホラーに向かって咆哮をあげながら一直線に放たれた!

龍玄『はぁぁぁぁ!でやぁぁぁ!』ドシュウウウウ!!

素体ホラー?「ギャアアアアア!!」ドカーン!

龍玄の一撃がホラーを貫いたかに見えた…。

龍玄『やったか!?』

しかし。

素体ホラー?「グ…ギャ…」

大きなダメージによろけてはいるものの、龍玄の一撃を受けながらも立ち上がるホラー。

龍玄『くっ!まただ!手応えはあっても完全に倒せない…!』

素体ホラー?「グ…グシャアアアアアアア…!」バサッバサッ!

龍玄が狼狽した一瞬の隙を突き、ホラーは翼を広げて逃走を図る。

龍玄『まずい、逃げられる―』

と。

流牙「はぁぁぁぁ!」ザンッ!ザシュッ!

素体ホラー?「ギャアアアアア!!」ブシャァァァァ!

何処からともなく現れた流牙がホラーの翼を斬り裂いた!

龍玄『な!?あなたは!?』

流牙「…そいつは君じゃ倒せないよ。コイツを斬れるのは…」バッ!グル!シャッ!

光実は目を疑った。
流牙が手にしていた剣で頭上に円を描くと空間が割れ、そこから狼を模した金色の鎧が現れ流牙の全身に装着されたのだ!

黄金騎士・牙狼『俺達、魔戒騎士だけだ!ハァ!』ザンッ!

素体ホラー?「ギャアアアアア!!」ブシャァァァァ!ジュウウウ…

変身前よりも一回り大きくなり、形状も変わった剣―――牙狼剣の一閃がホラーを袈裟斬りにし、打ち倒したかに見えた。

龍玄(す、すごい!剣で空中に円を描いたかと思ったらそこから狼を模した鎧が現れた!)

龍玄(僕たちアーマードライダーと少し似てるけど全く違う!何より…)

龍玄(僕の奥の手を受けても倒せなかった『奴』を、ほぼ一撃で斬り裂くなんて!)パタン!スゥー!

ロックシードのキャストパッドを閉じ変身を解除する光実。

光実「道外流牙さん…貴方は、一体…?」

牙狼『…』バシュウウウウン!

流牙もまた鎧を解除し光実の方に向き直る。

流牙「…俺は道外流牙、またの名を黄金騎士・牙狼。闇より産まれし魔獣・ホラーから人々を守りし者だ」

BGM:一触即発~Trigger of Crisis~次回予告ver.

莉杏「動き出した闇。集結する阻止せんとする者達。その二つの力は誰が為に」

舞「次回、『臨~Descend~』」

???「まだこの街で、やり残したことがある…!」

取り敢えずここで一区切りつけます。

続きはまた今夜にでも投下します。ではまた。



牙狼10話にミッチ役の人が出てたの?

高校生役だっけか。
担任が魔導ホラーで、クラスメイトが喰われて…。

期待します。
どうかザルバに大活躍の場を!

戦闘シーンを想像するとやっぱりカッコ良いよなー

乙ー


10話つったらホラーがハリケンブルーだったことしか覚えてなかった

皆さんこんばんは。たくさんのレスありがとうございます。
まずはレス返しから。
 
>>2 さん。ご期待に沿えるよう頑張ります。

>>4 さん。申し訳ありませんが今回魔導ホラーの出番はありません。でも燕邦さんは好きでした。

>>18 さん。哀空吏と凌馬のネタは個人的にすごくやりたかったりしますwww

>>32 >>33 さん。そうですね、闇照ら10話の高校生役で出演されてます。よく考えたら割と鬱な回でしたね…。

>>34 さん。ザルバは個人的にも好きなキャラクターなので活躍させたいです。アニメでの出番?知らんな。

>>35 さん。自分の稚拙な文章力で牙狼と鎧武のカッコいい戦闘が表現できるかはわかりませんが、頑張ります!

>>36 さん。あの先生、忍者でホラーとか…きたないなさすがホラーきたない。


では始めていきます。



【前回までのあらすじ】(CV大塚〇忠さん)

メガへクスの脅威から人々を救った、アーマードライダーたち。

しかし、今また新たな闇の魔の手が沢芽市に迫っていた。

そしてこの街を訪れた魔戒騎士・道外流牙。

彼と光実との出会いが、再び運命を大きく動かすこととなる―――!

【臨〜descend〜】



流牙「さて、話には聞いていたけど君がアーマードライダーとか言う奴ってわけか、光実」

猛竜の調査報告の一つにあったこの街の戦士、アーマードライダー。
その正体がついさっき知り合った青年だったとは露ほども思っていなかったが。

光実「何故その事を…やはり貴方はユグドラシルの!?」

流牙「落ち着けよ、さっきも言ったろ。俺は魔戒騎士。ホラーを狩り、人を守りし者だ」

光実「魔戒、騎士…」

流牙「そう。そして君が相手してたのはホラー。人の陰我に引き寄せられ、人に憑き、人の魂を喰らう闇の魔獣だ」

ザルバ『話の途中だが流牙、さっきの奴の邪気、何だか妙な感じがしやがった。この小僧達に関係があるかもしれん』カチカチ

光実「指輪が…喋った!?」

流牙「おいザルバ!一般人の前で喋るなよ!」

ザルバ『そうもいかん。この件に関わってる限りは、コイツにも協力してもらわなくちゃならんからな』カチカチ

ザルバが話していると、ピクリ、と倒れたはずのホラーの指が動き―――

ザルバ『―――!流牙!後ろだ!』カチカチ

流牙「なっ!うわっ!?」ガキィィン!

流牙(くっ!牙狼剣が!?)クルクルクル

先程牙狼剣の一撃で斬り裂いたかに思えたホラーが、突然起き上がった!
驚く流牙の隙を突きホラーが牙狼剣を弾き飛ばす。

素体ホラー?「シャアアアアアアア!!」

そのまま爪で流牙を引き裂かんと腕を振り上げる。

光実「コイツ、さっきの!?倒したはずじゃ?!」ガチャ!ブドウ!

光実がそれを阻止しようとロックシードを構えた瞬間だった。

素体ホラー?「!!シャアアアアアアアアアア!!」

信じられないことにホラーが流牙を無視し、光実の方に向き直ったのだ。

光実(コイツ!?いきなり僕の方に!?)

光実「くっ、うわぁ!?」ガシャン!

爪を振り、光実のブドウロックシードを弾き飛ばす。
当然、身体能力が高いとはいえロックシードがなければ光実もただの人間。ホラーに立ち向かう術はない。
鋭い爪で引き裂かれるのが運命だ。

流牙「光実ェ!逃げろぉ!」

素体ホラー?「シャアアアアアアア!!」

ザルバ『んん?』カチカチ

光実(駄目だ!間に合わない!やられる!)バッ!

光実がせめてもの防御姿勢をとった刹那。

キラン…シュバッ!

素体ホラー?「シャア…ア?」グサッ!

シュバッ!シュバババババ!

素体ホラー?「グギャァアアアアア!!」ドスドスドスドス!

何処からともなく放たれた数え切れないほどの矢がホラーを貫く!

光実(何だ!?矢!?兄さんのソニックアロー…だけじゃない!?)

流牙「光実!無事か!?」ダッ!

光実「流牙さん…これは?」

流牙「安心しろ、知らない矢も混じってるけど、俺の仲間だ」

流牙の説明とほぼ同時に三人の戦士がホラー目がけて飛びかかった。

炎刃騎士ゼン『どぉりゃあああ!!!』ザンッ!

ゼンの柳葉刀の渾身の一振りがホラーを斬り裂き。

天弓騎士ガイ『はぁぁぁぁ!!』バシュン!

ガイの矢がホラーの身体を射抜き。

仮面ライダー斬月・真『止めだ!!』メロンエナジー!バシュゥゥゥン!

斬月・真のソニックボレーがホラーにトドメの一撃を叩き込んだ!

素体ホラー?「ギャアアアアア!!」ドカーン!

ホラーの体が跡形もなく消し飛ぶ。

流牙「ザルバ…?」

ザルバ『ああ、今度こそ完全にヤツの邪気は消滅したぞ』カチカチ

ゼン『おう!危ねえところだったな!これで貸し一つだぜ?』バシュッ!

ガイ『全く、相変わらず詰めが甘いな』バシュッ!

斬月・真『無事か、光実?』パタン!パシューン

全員、変身を解除し光実と流牙に駆け寄る。

光実「うん、大丈夫だよ兄さん」

貴虎「そうか、なら良かった…」

哀空吏「流牙、久し振りだな。猛竜も」

流牙「ああ、哀空吏。あと一人って言うのはお前だったんだな」

流牙(楠神哀空吏[くすがみ あぐり]。楠神流弓術の正当後継者で早撃ちの名手)

流牙(天弓騎士ガイの鎧を纏う、莉杏、猛竜と同じくボルシティでの戦いを共にした俺の仲間だ)

猛竜「んだよ、俺はついでか?」

流牙(炎刃騎士ゼンは猛竜が鎧を纏った姿)

流牙(燃えるような紅い鎧、柳葉刀と盾の様にも変化するソウルメタルの義手が特徴だ)

哀空吏「ふ、そういうわけじゃないさ」メガネクイッ

流牙「哀空吏、ボルシティはどうしたんだ?お前がこっちに来るってことは、ゼドムの首塚が無人になるんじゃ…?」

哀空吏「その心配ならいらん。元老院から派遣された優秀な魔戒騎士が首塚の守護についている」

流牙「そうか…なら大丈夫だな」

光実「!兄さん、アイツは!」

貴虎「お前は、まさか、凌馬!?」

哀空吏「…凌馬?誰のことだ?」

光実「とぼけるな!今度はさっきのホラーとか言う奴の力で蘇ったのか、戦極凌馬!」ガチャッ!ブドウ!

哀空吏「だから、それは誰のことだと聞いている!」ジャキン!

流牙「ま、待てよ哀空吏、光実!落ち着けって!」

流牙「光実、コイツは俺の仲間だってさっきも言ったろ!その、戦極なんたらって奴とは違う!」

光実「…本当ですか、流牙さん?」

流牙「ああ、俺を信じてくれ!」

光実「…わかりました。すいませんでした…」スッ

哀空吏「いや、こちらもすまなかった…矢を向けるべき相手を間違えるところだった」スッ

互いに謝罪を交わしたものの、何となくその場が険悪な空気に包まれる。
何とか場を盛り上げようと猛竜が明るい口調で話し出す。

猛竜「…な、何か丸く収まったところでよ!腹減らねえか?親睦深める意味でもメシでも食いに行こうや!」

貴虎「親睦…?」

猛竜「だって、そうだろ?これからあの変なホラーと一緒に闘っていかなくちゃならねえんだからな」

哀空吏「猛竜、お前正気か?確かにこいつらの戦闘力は高いが、ホラーを完全に倒すことは出来ないんだぞ!?」

貴虎「そうかもしれない。だが先程のホラーとやらは、お前たちだけでも倒しきれなかっただろう?」

哀空吏「なんだと!?」

流牙「やめろ哀空吏!…悔しいがその人の言う通りだ…」

流牙(あの時、俺の牙狼剣は確かに奴を斬り裂いたはずだった)

流牙(それなのに奴は消滅せず、再び襲って来た)

流牙(もしかしたらアイツはただのホラーとは根本的に違うのかもしれない…そして他にもそんな奴が…)

ザルバ『ふむ、お前にしては賢明な判断だな、流牙』カチカチ

貴虎「!?指輪が、喋った!?」

流牙(あ、そこは兄弟揃って同じ反応なんだ)

ザルバ『褒めてやるついでに1つ気付いたことを教えてやろう』カチカチ

猛竜「んだよ、ザルバ。あのホラーについて何かわかったのか?」ツンツン

ザルバ『やめな小僧。あのホラーだがな、何か邪気の他に別の次元のエネルギーらしきものを感じた』カチカチ

流牙「別の次元のエネルギー…?それって昼間言ってた…?」

ザルバ『ああ、ゲートと一緒に感じていたモノと同じだ』カチカチ

光実「…別の次元…もしかして…?」

貴虎「…いや、決め付けるのはまだ早急だ…」

哀空吏「…何だ?知っていることがあるなら話してもらうぞ!?」

流牙「だから喧嘩腰はよせって哀空吏。お前、何か変だぞ?」

哀空吏「…フンッ!勝手にしろ!」ザッザッザッ

猛竜「お、おい待てよ哀空吏!…すまん流牙!また後でな!」ダッ!

マテッテ!オイ!アグリ!

流牙「ごめんね、俺の仲間が…」

光実「いえ、僕らの方こそ失礼なことをしてすいませんでした」

貴虎「…ゴホンッ。改めて自己紹介させてもらう。私は呉島貴虎。光実の兄だ。よろしく」スッ

流牙「こちらこそよろしく。道外流牙だ」ギュッ

貴虎「本来なら金髪の―――猛竜だったか、彼の言うように親睦を深めるところなんだろうが時間が時間だ」

貴虎「すまないが詳しい話は明日にしよう」

流牙「ああ、それでいいよ。どこに行けばいい?」

貴虎「こういう話にとっておきの場所を知ってる。明日の昼にでも迎えを出そう」

流牙「わかった。じゃあまた明日」クル

光実「あの、流牙さん!」

流牙「ん?」

光実「その、さっきの哀空吏って人に『すいませんでした』って伝えておいてくれませんか?」

流牙「…ああ、お安い御用だよ」フリフリ

光実「…」

すいません、一旦中断します。
15分くらいしたら再開します。

再開します。

〜翌日の昼・ドルーパーズ〜

猛竜「うめぇっ!このパフェ最高ッスよ店長さん!」モグモグ

阪東「そうかい?お口にあって何よりだよ」

イヨ「休憩入りマース」ケイタイイジイジ

阪東「ちょっとイヨちゃん!?さっき休んだばっかりでしょ!?」ヤレヤレ

光実「…哀空吏さんは?」

流牙「さあね、朝起きたらどっかに行ってた」カタスクメ

猛竜「まあ、気難しい奴だからな。今頃修行でもしてるんじゃねえの?」モグモグ

貴虎「…仕方ない。我々だけでもあのホラーへの対策を考えよう」

???「お待ちなさい、メロンの君!」

???「この街のピンチってんなら!」

???「俺たちも手伝うぜ!」

貴虎「お、お前たちは!」

猛竜「…誰だ、このオッサン達?」モグモグ

鳳蓮・ピエール・アルフォンゾ「何よぉ!オッサンとは失礼な坊やねぇ!ワテクシは鳳蓮・ピエール・アルフォンゾ!」

鳳蓮「プロ中のプロの、パティシエよぉ!」ミスタァァァァァ!デンジャルラス!

城之内秀保「そしてその弟子、城之内秀保!」ネバーギーブアーップ!

ザック「この街の用心棒、ザックとは俺の事だァ!」ミスター!ナックルマン!

流牙・猛竜「「…」」

光実「…皆、心意気は嬉しいんだけど、今回の件はもしかしたらヘルヘイム以上に危険なんだ。だから―――」

ザック「だから降りろ、なんて言うなよミッチ。確かにもう俺たちは変身できない。だけどな」

城之内「この街を 変な奴らから守りたいって気持ちは同じだぜ?戦闘は無理かもだけどサポートくらいはさせてくれよ!」

鳳蓮「フフッ、そう言う事。私の坊やも言うようになったでしょ、メロンの君?」

貴虎「フッ、確かにな…良しわかった。ではお前達には夜のパトロールを頼みたい」

流牙「ちょっと待てよ貴虎!いくらこの人達が信頼出来るからって、ホラー相手には危な過ぎる!」

猛竜「同感だ。まあ、こういうゴーカイな奴らは嫌いじゃないけどな?」

流牙「猛竜?何言ってんだお前?」

ザルバ『…いや、案外大丈夫かもしれん』カチカチ

鳳蓮・城之内・ザック「「「指輪が喋った!?」」」ギュンギュンギューーーーーン!!

猛竜(やっぱ普通にこういう反応するよな…)

流牙「ザルバまで何を―――」

ザルバ『まあ聞け、ボウヤ。あのホラーだが、昨日妙な動きをしてたのを思い出してな』カチカチ

貴虎「妙な動き?」

ザルバ『ああ、お前さん達が妙ちきりんな果物被って変身する為の、あの道具ー』カチカチ

貴虎「ロックシードのことか?」スッ

ザルバ『ああ、それだ。奴はそのロックシードとか言うのを狙ってた様に俺様は見えた』カチカチ

光実「…そう言えば!」

〜〜〜〜〜

光実(コイツ!?いきなり僕の方に!?)

〜〜〜〜〜

光実「あの時、流牙さんに追撃することも出来た筈なのに、アイツは僕のロックシードを優先的に狙って来た…」

ザック「そう言われてみれば、俺も何度かミッチと一緒にアイツと闘ってるけど、いつもミッチを狙ってくるな」

城之内「と言うことは、ホラーはロックシードを欲しがってるって事なのか?」

ザルバ『確証はないが、恐らくそうだろうな』カチカチ

ザルバ『逆に言えばソイツを持ったず下手に刺激しなければアッチも手を出してこないだろう』カチカチ

流牙「…いや、それでも危険過ぎる。俺たち魔戒騎士や光実と貴虎はともかく他の皆は…」

城之内「…なあ魔戒騎士さん。確かにあんたみたいに力を持つ者は俺達普通の人間を守るのが使命かもしれない…」ギュッ!

ザック「城之内…」

城之内「だけどな、俺達だって一度は力を持ってた!だからこそ黙って見てるなんて出来ない!!」

城之内「無力な今はせめてこの位の役には立たせてくれ!」

城之内(もう初瀬ちゃんの時みたいな思いはゴメンだから…!)ギュゥゥゥッ!

鳳蓮「…全く、本当に立派に成長しちゃって」フンス

猛竜「こりゃあお前の負けだな、流牙?」

流牙「はぁ…わかった、わかったよ。その代わり、危険だと判断したらすぐ退くこと。それだけは絶対に約束してくれ」

鳳蓮・城之内・ザック「「「了解!」」」」

貴虎「よし、色々決まったところで具体的な作戦を練ろう。闇雲にホラーを探しても無駄だろうしな」

ザック「それなんだが、さっきのロックシードのこと聞いて1つ思い付いたんだ…」キュピーン!

〜同時刻・別の場所〜

???「…それ、本当か?」

???『ああ、この俺が言うんだ。間違いない』

???「ならミッチ達だけに任せる訳には行かないな…」

???「紘汰…」

始まりの男(葛葉紘汰)「すまないな、舞。また少し行ってくる」

始まりの女(高司舞)「うん、気を付けてね」



〜同時刻・更に別の場所〜

???「ロック…シード……力…沢芽……」



紘汰・???「「まだこの街で、やり残したことがある…!」」

BGM:JUST LIVE MORE 次回予告ver.

戒斗『奴はただのホラーじゃない』戒斗復活!?

流牙「この作戦で大丈夫なのか…?」ザックのホラー討伐作戦!?

全員「「「「「お見合いかぁ!!!!!」」」」」まさかのお見合い勃発!?

ザルバ『…もしや奴は!』ザルバ、出番だ!!

第三話 追撃!謎のホラー!

哀空吏「早く出せ!俺が奴を撃ち落とす!」

と言う訳で今回はここまでです。
次回予告は毎回牙狼タイプと鎧武タイプを交互にやっていこうかなと考えてます。
次回はまた21時ごろからの投下になると思います。

皆様こんばんは。
>>1です。続きを投下していきます。

【前回までのあらすじ】(CV:大塚〇忠さん)

街に現れたホラーを撃退した龍玄と牙狼達。

猛竜は光実達に共闘を持ちかけるが、哀空吏は単独行動を開始する。

ドルーパーズで今後の対策をたてていると鳳蓮・城之内・ザックが協力を申し出た。

一方その頃、哀空吏は…

【追撃!謎のホラー!】



~流牙達が作戦会議中・沢芽市内の森~

哀空吏「…集中しろ…楠神哀空吏…」

今、哀空吏の目の前には魔界文字が記された岩が幾つもある。
これは楠神家に伝わる特訓法で、簡単に破壊されないよう術を懸けた岩をどれだけ素早く正確に矢で砕けるかというもの。
かつて流牙に楠神流にこだわる必要はないとの旨を言われてからもこの特訓だけは変えてこなかった。

哀空吏「行くぞ…ハァッ!」シュバ!シュバ!シュバ!

魔戒弓から放たれた矢が次々と岩に命中し、砕いて行く。
時には真っ直ぐに、時には哀空吏の意思で矢の軌道を曲げ木々の間を縫う様に。

哀空吏(最後は、アレだ!)

そして最後に残った巨大な岩に残りの矢全てを束ねて放つ。
だが、矢は全弾命中にも関わらず岩は砕けない。
かつての哀空吏ならばここで動きを止めていたが、現在は違った。

哀空吏(今だ!)ダッ!

矢を射ると同時に岩に向かって走り出す。

哀空吏(この岩には他の物よりも頑丈になるように術をかけてある。俺の腕で貫けないのは百も承知…。だからこそ!)

哀空吏「はぁぁぁ!!」バキン!ズバッ!

魔戒弓を分離させてヌンチャクや双剣の様に構え、弓の側面にあるソウルメタルの刃で岩を滅多斬りにする。

岩『』ズドドドドドド

大きな音を上げてバラバラになる岩。
この戦法こそ、自身の矢で砕けない者が現れた時の為に彼が考え付いたものだった。

哀空吏「ふぅ…だいぶ様になってきたか…」

???『ほぉ、大したものだな』

哀空吏「!?誰だ!」

唐突に声をかけられ、咄嗟に戦闘態勢をとる哀空吏。

哀空吏(おかしい、このあたりに人の気配がないのは始める前は勿論、最後に岩を破壊した時にも確認していたはずだ!)

???『そう警戒するな。弱い部分を補ってでも強くあろうとするものは、俺の敵じゃない』

哀空吏「…お前は一体何者だ?」

???『俺の名は駆紋戒斗。この街の…まあ、守護霊みたいなものだ』

哀空吏「守護霊だと?…確かに実体はないようだな…」

哀空吏(なるほど…それならば気配を察知できなかったのも頷ける)

駆紋戒斗(以下戒斗)『お前、この街の人間じゃないな?余所者がここで何をしている?』

哀空吏「それは守護霊のお前がよく理解してるんじゃないのか?駆紋戒斗」

戒斗の疑問に敢えて疑問で返す哀空吏。

戒斗『ふん、なるほど。あのホラーとか言う奴を狩りに来たのか。ならば一ついい事を教えてやろう』

哀空吏「いいこと…だと?」

戒斗『俺が見ていた限り、奴はただのホラーじゃない。かと言ってかつてこの街にいたインベスでもない』

戒斗『恐らくその二つが合わさった存在だ』

哀空吏「何?」

哀空吏(インベス…確か猛竜の調査報告にあった、かつてこの街に出現した異世界の化物か)

哀空吏「そうか…だから奴はあの時、流牙の牙狼剣でも呉島光実の一撃でも倒せなかった…」

戒斗『そうだ。そしてお前とお前の仲間の赤い奴、それに呉島貴虎の攻撃が重なった時、奴は初めて倒せたはずだ』

哀空吏「ならば俺達が全員で仕掛ければ…」

戒斗『だが、それだけでは今回の件、終わりはしないぞ』

哀空吏「何…!?どういうことだ!?」

哀空吏の疑問と同時に、戒斗の体が透けて消え始める。

戒斗『…残念だが俺が話すのはここまでだ。後はお前自身の強さでなんとかしろ』スゥ-

哀空吏「ふざけるな!おい、待て!知っていることを全て話せ!」

戒斗『お前が強者であるならば、自ずと答えは出るはずだ。どうすればこの闘いを終わらせられるか。その答えが、な』

哀空吏「くっ、ならばせめて教えろ!何故呉島光実や呉島貴虎ではなく、俺にホラーの情報を与えた!?」

戒斗『…ふん、俺の知ってるいけ好かない奴と顔はそっくりの癖に心意気は全く違う。それに免じただけだ』

哀空吏「またその話か…。ッ!しまった…!?」

哀空吏が悪態をついた隙に戒斗は姿を消していた。

哀空吏「くそ、逃がしたか…だが…」

彼の頭の中では既に、戒斗から貰ったヒントに基づくある仮説が打ち立てられていた。

哀空吏(…もしこれが正解ならば、このままあのホラーと闘うのは得策ではない…。仕方ない、流牙達と合流するか)

哀空吏「ふん、協力感謝するぞ。駆紋戒斗」ザッザッザッ




哀空吏が去り静寂を取り戻した森の一画。そこにある大きな木にもたれながら、戒斗は呟いた。 

戒斗『…精々努力することだな、楠神哀空吏』

~深夜・チーム鎧武のガレージ前~

流牙(inゴミ箱)「なあ…ホントにこの作戦で大丈夫なのか?」

斬月(inゴミ箱)『…私に聞くな…』

ザック(in物陰・通信機)『何だよ!元々この作戦はミッチや紘汰達が考えたもんだぞ!しかも成功した前例もある!!』

龍玄(onガレージの屋根)『アレは成功したって言うのかな…?』

流牙「しかも何だよ、あのキウイのロックシード吊るしてある奴!」

斬月『復興局の不要品で作った、「カカシ」だ。結構自信作なのだが』

流牙「え!?貴虎があれ作ったの!?」

斬月『俺もビックリだ。何故かいきなりやる気が起こってな。ほら、あの帽子と傘とか気に入ってるんだが』

龍玄『に、兄さん?』

城之内(under階段・通信機)『い、意外だな…』アハハ…

鳳蓮(under階段・通信機)『意外と言えばメロンの君、今日はそっちのお姿なのね』

斬月『ああ、ゲネシスドライバーは今調整中だ』

斬月『元々メガへクスとの闘いでかなり無理をしすぎてたせいかこの前の戦闘の後、機能が一時停止してしまってな』

猛竜(onガレージ・通信機)『なるほどねぇ、しかしいいよなぁ、その状況に応じてコロコロ姿変えれんの』

猛竜『俺達の鎧にもそういうのあったらいいのに。銀色になったり、黒色になったりとかさ』

流牙「愚痴るなよ猛竜。俺達はそんなのに頼らなくてもいいように強くなればいいだけだ」

猛竜『へいへい。流石黄金騎士様は言うことが違うねえ』

流牙「何だよ、その言い方!」ムカッ

猛竜『おっ?ホラーとの前に一丁やるか?』

カツ…カツ…カツカツ

ザック『ッ!二人ともストップ!カカシに誰か近づいてくるぞ!』

斬月『!皆構えろ!』

カツ…カツ…カツ…カツ

城之内『…女の人?』

猛竜『何だ?女に取り憑いてるホラーなのか?ちっ、斬る気失せるぜ…』

流牙「あれ…あの女…もしかして!」

斬月『静かにしろ。いつでも行けるように準備を―――』

???「…なにこれ、趣味悪い…」

斬月『』ガーン!

龍玄『兄さんが本気で落ち込んでる!?』

鳳蓮『メロンの君を貶めるなんて…』バッ!

鳳蓮「許さなくてよ、この小娘ー!」ギュンギュンギューーン!!

城之内「ちょっ、鳳蓮さん!ああもう!こうなりゃ当たって砕けろだァ!」カモーン!!

???「え、ちょっと何!?何なの!?」

鳳蓮「問答無用!ホラー、覚悟ぉ!」ミスタァァァァ!デンジャrrラス!

流牙「鳳蓮、ストップ!ソイツはホラーじゃない!俺達の仲間だ!」バサッ

???「え!?流牙!?って何でそんなところから!?」

猛竜「り、莉杏ん!?何でここにいんだよ!?」

莉杏「た、猛竜?!あんたこそ何でここに!?ああもう何がどうなってるのよぉ!」



ザルバ『やれやれ…先が思いやられるぜ…』カチカチ

~数分後・事情説明中~



鳳蓮・城之内「「本当に申し訳ない!」」バッカモーン!

流牙「すまん、莉杏!俺がもう少し早く気付いていれば…」

莉杏「いいのよ。私も潜入用に変装してたし、流牙達がわからないのも無理ないわ」

莉杏「それにしても、この変なの作ったの猛竜?それとも流牙?まあ、どっちでも趣味悪いのは変わらないけど」

貴虎「」チーン

光実「兄さん!?兄さん!?しっかりして!」

貴虎「お、俺の趣味が悪いだと?そんなバカな話があるか!仕事に戻れ!」

~更に数分後(配置はほぼ同じ)~



莉杏(in流牙と同じゴミ箱)「おかしいでしょ!何で私もこの中なのよ!?」

龍玄『屋上からの狙撃は僕がやります。莉杏さんはそこから流牙さんと兄さんを援護してください』

斬月『…』

鳳蓮『大丈夫、メロンの君?』

斬月『ああ、私は疲れてるのだな…あんなカカシを自信作などと…』

流牙「莉杏…悪気はなかったのは知ってるけど謝りなよ」

莉杏「嫌よ!それに私が謝ったところであのカカシの趣味の悪さは変わらないでしょ」

斬月『』ガーン!

猛竜『今のがトドメだな…』

ザッザッザッ…

ザック『ッ!皆そこまでだ!また誰か来たぞ!』

龍玄『今度こそホラーなのか?』

ザック『いや、そこまでは分からん…どうやら次のは眼鏡をかけた男みたいだ』

猛竜『…なあ、流牙。ものすごく嫌な予感がするんだが』

流牙「奇遇だな猛竜。俺もだ」

ザッザッザッ…

城之内『カカシのところで止まったぞ…』

???「…ふむ、いい趣味をしている」

斬月『何!?ホントか!?』ガタッ!

龍玄『兄さん!?』

斬月・哀空吏「『あ』」

シィーーーーーーン

斬月と哀空吏以外の全員(ど、どうするんだこの微妙な空気ー!)

斬月『あ、あー…』

哀空吏「え、えーっと…」

斬月『わ、私の趣味だ。いいだろう?』

哀空吏「あ、ああ。いいセンスだ…」

哀・斬以外の全員「「「「「お見合いかぁ!!!!!」」」」」

哀空吏「!!??お前たち、何やってるんだ!!?」

全員総出のツッコミが入った瞬間の事であった。

???「キシャアアアアア!!!!」

悲鳴に近い雄叫びをあげ、ホラーがカカシ目がけて急降下してきたのだ。

城之内「ええっ!?こ、このタイミングで!?」

猛竜「哀空吏、ホラーだ!撃て!!」

哀空吏「何!?ぐぅっ!」ガキィン!

猛竜の声に促されるも反応が遅れ、現れたホラーに先手を打たれた哀空吏。
攻撃はなんとか魔戒弓でガードしたもののキウイロックシードはホラーに持ち去られてしまった。

素体ホラー?「シャアアアアア!!」

龍玄『くっ!当たれ!』バババババ!

莉杏「逃がさないわよ!」バババババ!

遅れて龍玄と莉杏が銃撃するも既にホラーは射程外へと逃れていた。

莉杏「っ行きなさい!」ピチョン!

銃撃が当たらないと判断するや、魔導筆を取り出し魔界竜の稚魚を放つ莉杏。

莉杏「流牙、追って!」

流牙「追うってどうやって!?」

龍玄『…そうだ!これなら!』ガチャ!

龍玄が取り出したのは、ロックビークル・ダンデライナーのロックシード。
ダンデライナーはホバー機能による飛行能力を有しており、空を飛ぶホラーの追跡にも適している。

龍玄『流牙さん、僕が追います!兄さん!これを!』シュッ!

そう言って斬月にバイク型ロックビークル・ローズアタッカーを渡す。

斬月『光実、無理をするなよ!』

龍玄『兄さんこそ―――ッ!?』

ダンデライナーを発進させようとした途端、何かが機体を揺らした。
それは―――。

哀空吏「早く出せ!俺が奴を撃ち落とす!」

龍玄『哀空吏さん…はい!』

哀空吏と龍玄を乗せたダンデライナーが空へ飛び出す。

斬月『蛇崩達はコイツを使え!道外、乗れ!俺達も追うぞ!』ブォォォン!!

流牙「おう!」

斬月が猛竜に渡したのはサクラハリケーンのロックシード。
ローズアタッカーと同じバイク型のロックビークルだ。

猛竜「よっしゃあ、バイクなら任せろ!莉杏、乗れ!ギンギンに行くぜ!」ブォォォン!!

莉杏「ギンギンってあんた何言ってんの、猛竜?」




ザック・鳳蓮・城之内「「「…え、俺(ワテクシ)達は…?」」」

~沢芽市上空~



哀空吏「くっ!もっとスピードは出ないのか!?」キイイイイン!

龍玄『無茶言わないで下さい!元々一人乗りなんですよ、コレ!』キイイイイン

哀空吏「チィッ!」バシュッ!バシュッ!

悪態をつきながら矢を射る哀空吏。
だが慣れない空中戦とスピードの中では狙いを正確につけられず、なかなか矢が当たらない。

素体ホラー?「キシャアアアアア!!」ビシュン!ビシュン!

それを嘲笑うかのようにホラーは羽根を弾丸の様に飛ばして攻撃してくる。

龍玄『くぅ!』バババババ!

龍玄もダンデライナーに装備されているマシンガンで羽根を撃ち落とすが手数と、何より射撃と同時にライナーを操縦しなければならない為、全て捌き切れない。

哀空吏「ぐあっ!?」ガギン!

そして、捌き切れなかった内の一つが哀空吏の方に飛んでいった。
間一髪防御は間に合ったものの、高速で飛ぶダンデライナーの上だったのが災いし、哀空吏は振り落とされてしまう。

龍玄『しまった、哀空吏さん!!』グッ、キイイイイン!

慌てて進路を変更する龍玄とは対照的に、哀空吏はこの時、不思議なほど落ち着いていた。

哀空吏(何故だろう…こんな状況なのに、今俺の心は水面の様に静かだ…)ビュオオオオオ

流牙「――――――――!!」

ふと下を見るとバイクの後ろに乗った流牙がこちらを見ながら叫んでいる。
風を切る音がうるさくて流牙の声は聞こえないが、大方自分の名でも呼んでいるのだろう。

哀空吏(そうか…似ているんだ、あの時と)

思い出したのはボルシティでの最終決戦。

殺戮の闘将とも呼ばれた伝説のホラー、ゼドムに囚われた流牙を救うため、哀空吏は浮上し安定しない足場と落ちてくる瓦礫の二つの障害を、極限まで張り詰めた集中力と、楠神の家紋が刻まれたソウルメタルの鏃付きの矢を用いて乗り越え、文字通りゼドムに一矢報いたのだ。

哀空吏(あの時と同じ…いや、あの時よりも、簡単だ!)グルリグルリ!

哀空吏「俺は…俺の名は楠神哀空吏!」

自らの左右に魔戒弓で円陣を描き、鎧を召喚する哀空吏―――否!

ガイ『そして俺は!天弓騎士ガイだ!』キリキリキリキリキリ!

ガイ(この一撃に、賭ける!)

例えソウルメタルの鏃でなくても!
狙うはあのホラーただ一つ―――!

ガイ『―――見えた!今だァ!』バシュウウウウウン!

ガイが放った矢は―――!




龍玄『哀空吏さん!大丈夫ですか!?』

空中で何とか哀空吏を拾い上げた龍玄。だが緊張の糸が切れたのか、ガイの鎧は強制解除され、彼自身も意識を一瞬失っていた。

哀空吏「くっ、うぅ…呉島、光実か…奴は、どうなった…?」

龍玄『…』スッ

龍玄が指差した先を見ると、矢によって翼を含めた背面をもがれ、瀕死で地上へ落下するホラーの姿があった。

哀空吏「やはり…仕留めきれなかったか…」

龍玄『いや、あれだけのダメージだし放っておけば、奴もすぐに消滅するでしょう。それに…』カチャ

龍玄が取り出したのは、ホラーに奪われたキウイロックシードだった。

龍玄『これも取り戻せましたし』

哀空吏「…全く、ちゃっかりした奴だ…」

龍玄の抜け目なさに呆れながらも、微笑む哀空吏。そして。

哀空吏「すまなかった。何故か俺は、お前達兄弟に好感が持てず、その苛立ちをぶつけてしまった…」

哀空吏「…全て俺のせいだというのに…」

彼は心に秘めていた思いを吐露し、謝罪を述べた。

彼の笑顔と謝罪の言葉を目の当たりにした時、光実の中にあった哀空吏への苦手意識は完全に消えてなくなった。

光実(やっぱりこの人は戦極凌馬とは全然違う…)

光実(そうだ、当たり前だ。戦極凌馬は戦極凌馬。哀空吏さんは哀空吏さんなんだから)

哀空吏「…光実、俺はもう大丈夫だ。奴を追うぞ」

龍玄『えっ?でも奴は倒したはずじゃ…』

哀空吏「いや、俺の考えた仮説が正しければ奴は生きている。それを確かめるためにも奴を追ってくれ」

~同時刻・ホラー落下地点~



素体ホラー?「キシャアアアアア!!」ガキィン!

猛竜「クソったれがあ!コイツは哀空吏の矢をモロに受けたろうが!何で生きてやがるんだ、よぉ!!」ザンッ!

ホラーの爪を柳葉刀で弾き、返す刀でホラーを叩き斬る猛竜。
渾身の一撃が決まったかに見えたが。

素体ホラー?「キ…シャアアアアア…!!」ジュクジュクジュク!

斬月『傷が…癒えてるだと!?』

猛竜「んな馬鹿な!?」

ザルバ『…もしや奴は!』カチカチ

流牙「ザルバ、何かわかったのか!?」

ザルバ『…俺様の勘だがな、流牙。恐らく奴はホラーと別の物が混じった存在だ』カチカチ

流牙「別の物…それって一体…?」

ザルバ『恐らくかつてこの街を襲った化け物、インベスとかいうやつだろう』カチカチ

斬月『…そうか、それなら全ての現象に説明がつく!』

流牙「な、つまりどういうことだよ!ちゃんと説明をーーー」

素体ホラー?「キシャアアアアア!!」

莉杏「もう回復した!?」

斬月『説明は後だ!道外、俺が時間を稼ぐから今はコイツを倒す術を考えろ!はぁぁぁ!』キィン!ジャキィン!ズバァッ!

メロンディフェンダーでホラーの攻撃を捌きながら無双セイバーで斬りつける斬月。
だが斬月の攻撃をもってしてもホラーの傷は回復してしまう。

猛竜「くそっ!魔戒騎士でもダメ、アーマードライダーでもダメ!こんな奴、どうやって倒せばいいんだよ!?」

狼狽する猛竜だったが、その時。

ガイ『ふん、簡単なこと。どちらか一方ずつがダメなら、どちらも叩き込めばいい話だ!』キィン!シュバッ!

龍玄『兄さん、離れて!』バキューン!

斬月『光実!?はあっ!』シュバッ!!

躱しざまにメロンディフェンダーのブレード部分で斬りつけ、ガイと龍玄の同時攻撃を援護する。

そして。

素体ホラー?「ギャ…ギャアアアアア!!!!」

それまでどんな攻撃を受けてもすぐに傷を癒していたホラーが腹の底からの悲鳴を上げた。

莉杏「傷は…癒えてない!」ガッツ!

ザルバ『よし、今だ流牙!』カチカチ

流牙「おう!行くぜぇ!」バッ!グルッ!シャッ!

ザルバの合図とともに陣を描き、牙狼の鎧を召喚する流牙。

猛竜「よっしゃあ!俺も!ゴーカイチェン…じゃなかった!」ガッ!キィィィィ!グルッ!

続いて猛竜も地面に柳葉刀を当て、火花が散るほど激しく、そして大きな円を描く。そこから炎の様に真っ赤な鎧が現れ、猛竜の身体に装着される。

ゼン『うりゃあ!このへっぽこハイブリッド野郎!手こずらせてくれた分、徹底的にやってやるぜ!』ズバァッ!

斬月『フッ!』ピピッ!バキュバキュバキューン!

ゼンが切り裂いた箇所に的確に無双セイバー・ガンモードの銃撃を浴びせる斬月。

龍玄『この状況なら!』ガチャ!キウイ!ロックオン!ハイー!

龍玄『やぁぁぁ!』キウイアームズ!撃・輪!セイ!ヤッ!ハァッ!

龍玄もキウイアームズにチェンジし、接近戦を挑む。

牙狼『はぁ!でりゃあ!』ザンッ!ズバァッ!

龍玄『ハッ!ヤァッ!』キィン!ズバッ!

今度は牙狼が牙狼剣で斬り、間髪入れず龍玄がキウイ撃輪で連撃を叩き込む。

素体ホラー?「グッギャアアアアア!!!!」

莉杏「反撃なんて!」バンバンバン!

ガイ『させるものか!』シュバッ!シュバッ!

反撃の隙を与えまいとガイの矢と莉杏の魔戒銃がホラーの腕を、足を、翼を撃ち抜く。

斬月・龍玄『『これで!』』カシャン!キウイ・メロンスカッシュ!

エネルギーを纏ったメロンディフェンダーとキウイ撃輪をホラーめがけて投げつける!

素体ホラー?「グアアアアア!!」ズババンッ!ズババンッ!

莉杏・ガイ「『トドメ!』」バババババ!シュイイイン!バシュウウウウウン!

素体ホラー?「グアアアアア!!」バババババ!ズバズバズバズバッ!!

莉杏の魔戒銃の全弾、ガイの烈火炎装を纏った大量の矢がホラーに直撃する!

牙狼・ゼン『『終わりだぁ!』』ザンッ!ズバァン!!

ゼンと牙狼の烈火炎装で強化された魔戒剣がX字にホラーを斬り裂き、その炎がホラーとその陰我を焼き尽くす!!

素体ホラー?「グギャアアアアア…ア゙ア゙…」シュウウウウ…

牙狼『…ザルバ』

ザルバ『ああ、完全に奴の邪気は消滅したぜ。やったな!』カチカチ

〜夜が明けて、シャルモン二号店〜



鳳蓮「さあ、皆さーん!今日はお祝いよー!ドンドン食べてってちょうだーい!」ギャンギャンギャーーーン!

城之内「俺も鍛えた腕を存分に振るうぜ!」ネバーギーブアーップ!

猛竜「イエーイ!そう来なくっちゃあ!」パクパクパクパク!

ザック「有り難く頂くぜ!」モグモグモグモグ!

莉杏「ん〜!美味しい〜!幸せ〜!」モグモグ!

流牙「…あれ?貴虎は?」モグモグ

光実「兄さんはモグあそこですモグモグ」

貴虎『―――』フッ…

葛葉晶『―――』ウフフ

流牙「モグモグ…誰?」

光実「葛葉晶さん。モグ…ゴクン僕達の恩人、葛葉紘汰さんのお姉さんで、今は兄さんの恋人」

流牙「モグモグへえ…ええええっ!?」

光実「因みにもうすぐ結婚するって。式場も日取りも決まってます」モグモグ

流牙「ま、マジで…?貴虎も意外と隅に置けないんだな…」

光実「ええ、僕もびっくりしてます。あれ?そう言えば哀空吏さんは?」

哀空吏「ここだ」モグモグ

光実「うわぁ!?」

哀空吏「何だ、お前が呼んだから答えただけだろう」モグモグ

光実「は、はい。すいません」

流牙(ん?気のせいか、哀空吏の表情が柔らかいな。…はっはーん)ニヤニヤ

哀空吏「…何をニヤニヤしている、流牙」

流牙「いーや?別に何にもー?」

哀空吏「…全く、全員甘いな」

猛竜「スイーツだけにってか?ハッハッハッ!」

ザック「おお!猛竜うまい!」

猛竜・ザック「「スイーツだけにってか?ハッハッハッ!」」

哀空吏「…誰かこのバカコンビをつまみ出せ!」プンスコ!

光実「…えっと、それで、哀空吏さん、甘いって言うのは?」

哀空吏「…そもそもあのホラーは今回の事件の末端に過ぎん。俺の仮説が正しければ、この件には黒幕、元凶がいるはずだ」

哀空吏が仮説を口にした直後。

???『大当たりィ!!流石だ、魔戒騎士ィ!』

全員「「「「「!!??」」」」」

謎の声が店内に響き渡った。

流牙「だ、誰だ!?どこにいる!?」シャキン!

光実「この声、まさか!?」

???『久しぶりだなぁ!沢芽シティの諸君!そして初めまして、魔戒騎士の諸君!』

???『俺は誰かって!?ノンノンノン!知らないとは言わせないぜぇ!』

貴虎「このふざけた喋り方、間違いない!」

???『そう、この街の元カリスマァ!みんな大好き、DJサガラァ!そしてまたの名を〜!!』

―――ヘルヘイム。

BGM:一触即発〜Trigger of Crisis〜次回予告ver.



莉杏「突き止めた根源。暴かれた深淵。そこに挑むは無謀か勇気か」

舞「次回、【讐〜Revenge〜】」

貴虎「俺の大切なモノ、何一つ奴には渡さん!」


と言うところで今回はここまで。
次回は明日の22時頃になるかと思います。

そういえば流牙って轟天を呼び出せるのかなと最近悩んでます。
闇照らす本編では未登場でしたが、『金色になれ』の動画を確認したら普通に呼び出してたし(あと変なプテラも)。
まあ、その辺も考えながら書いていきます。ではまた。


魔戒騎士側はインベスが沢芽市だけ出現したみたいな言い方しているけど、世界中で暴れたことを知らないのか?

>>90 か、彼らの使命はホラー討伐だから(震え声)

どうも皆さん>>1です。
所用で更新が23時ごろになりそうです。

少し遅れましたが更新していきます。
あと、今回はAパートBパートのAパートのみの更新になります

【前回までのあらすじ】(CV大塚〇忠さん)



霊体となった戒斗からヒントを受け光実との共闘を決意した哀空吏。
一方、流牙達は罠を仕掛けホラーを誘き寄せるが、隙を突かれキウイロックシードを奪われてしまう。
駆けつけた哀空吏も合流、アーマードライダーと魔戒騎士の連携攻撃で見事ホラーを撃破する。
勝利に浮かれる流牙達の前に、再びあの男が姿を現した―――!

【讐〜Revenge〜】ドドン!



貴虎「サガラ…いや、ヘルヘイムと呼ぶべきか?」

サガラ『呼び方に関しては俺はこだわらんよ。好きに呼べばいい』

貴虎「…ではサガラ。何故今になってまた姿を現した!?」

サガラ『おーっと、その前に、魔戒騎士の面々に挨拶させてくれ〜?』

ホログラムの様な姿で流牙達の前を通り過ぎるサガラ。

サガラ『改めて初めまして、魔戒騎士の諸君。俺はサガラ。人によってはヘルヘイムと呼ぶ奴もいる』

流牙「ヘルヘイム…光実達から聞いてたけど、異世界から侵食してくる森…」

サガラ『そして俺はその森の意志そのもの。あるときは蛇とも呼ばれていた事もあったがな』

猛竜「けど、ミッチ達はその森の侵略を乗り越えたんだろ!?貴虎の言う通り今更何で現れたんだよ!?」

哀空吏「まさか再び侵略でも企んでいるのか?」

サガラ『いや、この種族は森の試練を乗り越え、俺もその役目を果たした。今更どうこうしようって訳じゃない』

莉杏「じゃあ何をしに…?」

サガラ『ああ。一つ頼み事をしにな』

光実「頼み事…だと…?ふざけるな!人の世界を侵略するアンタが何をいけしゃあしゃあと!」

サガラ『いや、そう言われると痛いんだがな?俺の頼み事ってのはこの街の異変を解決するのにも直結してるんだよ』

ザック「この街の異変…。それって!」

鳳蓮「ホラーのことかしら?」

サガラ『Exactly!正解だ!そしてあのホラー、実はある場所からこの街に出現している』

流牙「…ユグドラシルタワー跡地…?」

サガラ『少し惜しいな!正確にはあそこにある—――』

貴虎「…まさか、人造クラックが開いていると言うのか!?」

サガラ『Perfect!』

貴虎「馬鹿な!ユグドラシルタワーはとっくに解体作業が終わっている!!クラックルームも解体してーーー」

サガラ『おいおい忘れたのか?クラックは空中にでも開くじゃないか』

光実「つまり、元々人造クラックがあった場所にまたクラックが開いてるってこと…?」

サガラ『ああ、それも夜間限定でな』

ザルバ『なるほど。そのクラックとやらの向こう側にゲートとなる存在があるってわけか。妙な感じがしたわけだぜ』カチカチ

流牙「じゃあホラーはヘルヘイムの森から出現しているってわけか?」

サガラ『その通り!流石だな、魔導輪ザルバと黄金騎士牙狼!』

哀空吏「じゃあ俺の仮説、あのホラーには発生源とも言える元凶がいるというのは」

サガラ『大正解だ!素晴らしいッ!僅かなヒントから良くその答えを導き出した!』

猛竜「ああっと…?つまりどういうことだよ哀空吏?」

哀空吏「…全く。…奴らが発生するのはヘルヘイムの森。ここまではいいな?」

猛竜「お、おう。その位はな?」

哀空吏「では本来ホラーは一体どうやって出現する?」

猛竜「そりゃあお前、ゲートとなるエレメントを介して…あ」

莉杏「そうか、そもそもヘルヘイムには陰我あるエレメントが存在してない!」

ザルバ『仮に存在していたとしても喰らう対象である人間がいないんじゃあそこをゲートにする必要は皆無だしな』カチカチ

哀空吏「ああ、だからこそ俺は奴らを生み出す存在、元凶がいると仮定したんだが…」

ザック「だけど、クラックは?いくらインベスと混じってるからって、ホラーにクラックを開く力があるとは思えないぞ?」

猛竜「ちょ、ちょい待ち!まず、そのクラックってのは何だ?」

貴虎「…クラックはヘルヘイムとこの世界を繋ぐ空間の裂け目だ。インベスはそこを通り抜けてこの世界に現れていた」

貴虎「そしてかつてユグドラシルタワーの最上階にはそれを強制的に開いた人造クラックがあった…」

哀空吏「あった、とは?」

光実「ユグドラシル解体と、葛葉紘汰と言う人のおかげでクラックは一年程前に全て消滅したんです」

流牙「…二人とも随分詳しいんだな」

貴虎「…私はかつて、ユグドラシルコーポレーションの、そしてプロジェクト・アークの主任だった男だからな」

貴虎は語り出した。
ユグドラシル時代の罪、弟・光実とのかつての確執、そしてその全てを葛葉紘汰によって救われたことを。

莉杏「貴虎さんの過去に、そんなことが…」

光実「…僕も自分の欲望や感情のままに行動して兄さんや沢山の人達を傷つけてしまいました」

光実もまた自分の罪を告白する。
オーバーロード・レデュエに利用され、人類を裏切ったこと、貴虎を瀕死まで追い詰めてしまったこと。
戦極凌馬に騙され、仲間であった紘汰をも手にかけてしまったこと。
そしてその全てを、散々裏切り傷付けた紘汰自身に許してもらったことも。

猛竜(こいつらよくホラーに食われなかったな…)

流牙「…光実達の罪はわかった。だけど俺達にはあんた達を裁いたり責める権利もそんなつもりもないよ」

流牙「それに、今こうして俺たちと一緒にホラーに立ち向かってくれてるしね」

光実「流牙さん…」

貴虎「道外…ありがとう…」

流牙(それにしても、葛葉紘汰、か。話には聞いていたがすごい男だったんだな。一度会ってみたいぜ)

サガラ『いい感じに落ち着いたところで、話を戻そうか』

鳳蓮「確か、ヘルヘイムに現れたインベスとの混合ホラーがどうやってこちらへ来ているかでしたっけ?」

城之内「…クラックを開けれる…オーバーロードの生き残り、とか?」

サガラ『いや、フェムシンムの民は間違いなくロシュオが死に絶えたことで滅亡した。まあ近いっちゃ近いがな』

光実「…コウガネ…あのイナゴがまだ生きてる、とか」

サガラ『それも違う。があるいは正解とも言えるな』

流牙「?正解なのに、間違ってる?」

サガラ『ああ、コウガネのイナゴには人間に憑依する能力があったのを覚えているか?』

鳳蓮「ええ、一度女の子に取りついてたってのはミッチから聞いたわ」

猛竜「じゃあそのイナゴが誰かにまた憑いて、そいつがあのホラーを生み出してるってことか?」

サガラ『んー、70点ってとこだな。確かにコウガネの力は加担されているが、問題は誰に取り憑いたかってとこだ』

貴虎「だが、あの森にもう人間など…」

サガラ『いいや、たった1人。たった1人だけだがあの森に人間が存在したのさ』

サガラ『それを知っているのはこの場に2人』

哀空吏「2人?」

サガラ『そしてソイツの狙いは2つ。お前さん達アーマードライダーへの復讐』

サガラ『もうひとつはヘルヘイムで新たに出現した黄金の果実を手に入れることだ』

貴虎「…復讐だと?その元凶とやらがまるで俺達に恨みでもある奴みたいな言い方だな」

サガラ『それに関しちゃ恨みというより逆恨みだがな』

ザック「何だよ!もったいぶりやがって!二人って誰のことだ!?」

サガラ『…お前さん達だよ、呉島貴虎、呉島光実』

貴虎「何?」

光実「僕らが?」

サガラ『まあ、その最期を間近で見たのは呉島貴虎だけだが。よーく思い出してみろって』

光実「僕達だけが知ってる、ヘルヘイムに踏み入った人間…」

貴虎「俺だけが最期を見た人間……はっ!まさか!?」

サガラ『気付いたようだな?』

貴虎「いや、しかし…そんなバカな話があるか!奴はあの時確かに!」

サガラ『ロシュオもそう思ってたんだろうな。だが幸か不幸か、奴は偶然死ぬ直前にコウガネのイナゴの一匹に憑依され、生き残った』

サガラが両手を広げると、右手にかつてのオーバーロードの王ロシュオが、左手にはコウガネとイナゴの大群がホログラムで現れる。

サガラ『葛葉紘汰によってコウガネが倒され、残された一匹に寄生されていた奴も力を失ったイナゴと共に今度こそ死に行くはずだった』

今度は両手を握ると同時に両方が砂のように崩れ去る。

サガラ『だけど、運命ってのはホントに悪戯が好きらしい。そいつの持っていたあるものが、ゲートとなってホラーを呼び寄せたのさ』

再び左手を開くと一匹だけとなったイナゴが映し出された。

猛竜「…ああああ!もう、イライラするぜ!いい加減その元凶ってのが誰なのか明かしやがれってんだぁ!」

光実「…兄さん、もしかしてその人間って?!」

貴虎「…奴の名は、士道常勒(しどうじょうろく)。私の元部下で、この街にロックシードをばらまいていた人物」

貴虎「…皆には錠前ディーラーシド、と言った方が分かり易いか」

今日はここまでです。
因みにシドの本名は>>1の完全な妄想です。
士道=シド、常=錠、勒=LOCK、みたいな感じで考えました。
次回、Bパートは明日の更新になります。亀更新ですいません。
ではまた。

「沢芽市にホラーが現れるのはシドのせいで、シドがその力を手に入れたのはコウガネのせいで、そのコウガネが復活したのわたしの…つまりは全部わ・た・しのせいだ!あははは!」

どうも皆さん>>1です。
今更ながら皆さんにご報告があります。
前回の更新時に4話はAパートBパートに分割更新するといってましたが、呉島主任のプロット書いてたらCパートに突入しかねない長さになってきました(汗)

なので今日はBパートを更新して、明日以降に主任メインのCパートを更新しようと思います。ご了承ください。
22時頃から再開していきます。

あともう一つ。シャルモンのオッサンの名前に関してですが、何となくwikipediaで確認してみたら

『凰』蓮・ピエール・アルフォンゾ

でしたorz
脳内変換よろしくお願いします…。

再開します。
あと>>105さんに戒斗からひと言。

戒斗「これからは無駄な事を書き込む前に殴られる覚悟をしておけ!」つグーパン

〜沢芽市外れの丘〜



流牙「ここでいいかな?」

莉杏「ええ、ちょうどいいんじゃない?」

流牙・莉杏・光実の3人は今、沢芽市を一望出来る丘にいた。
ここはかつてオーバーロードとの闘いの中で葛葉紘汰と高司舞、そして駆紋戒斗が未来を語り合った場所でもあるが流牙は知るよしもない。

流牙「…このくらいの大きさかな?」ヒョイ

光実「あの、流牙さん?ここで何を、ってうわ!?」パシッ

いきなり流牙から投げられた石を、慌てながらも捕る光実。

莉杏「ほら、光実君も拾うの手伝ってよ」

見ると莉杏も流牙と同様にいくつか石を拾い上げていた。
流牙はそれを受け取ると何かを作る様に積み重ねて行く。

光実「は、はぁ…」

いまいち流牙と莉杏の真意は掴めないものの、光実も石を拾い上げていき、流牙の元へ届けていった。

〜2時間前、シャルモン二号店店内〜



ザック「んな馬鹿な!アイツが…シドがホラーの親玉だって!?」

貴虎の言葉に誰もが絶句している中、ザックの驚愕の声が店内に響いた。

貴虎「…それが正解なんだろう?」

サガラ『100っ点満点だぁ!流石と言わせてもらうぜ呉島貴虎!』

貴虎「…皮肉はよせ」

サガラ『いやいや本心からの褒め言葉さ』

鳳蓮「…どうやら本当のようね、にわかには信じ難い話だけど…」

サガラ『それでも信じてもらうしかねえな』

流牙「…そのシドって人は、皆の知り合い?」

光実「…僕らにこのロックシードを渡した男です。彼はユグドラシルの元構成員で、僕らビートライダーズにロックシードを与えてインベスゲームを流行させ、その実はインベスやアーマードライダーを観察していた…」

莉杏「観察って…それじゃまるで…」

モルモット、という言葉を飲み込む莉杏。
光実もそれを察してか軽く頷いた。

城之内「…そして、奴は…!初瀬ちゃんを、俺の友達を殺した張本人…!!」ギュウウウウウウ!!!

城之内は邪武との闘いの後、貴虎からかつてコンビを組んでいた初瀬亮二の最期について詳細な話を聞いていた為か、シド復活の情報に他の誰よりも怒りを感じていた。

城之内「おい、サガラ!!奴は今どこにいる!!」

サガラ『聞いてどうする?何の力も持たないお前が今の奴に挑んでも犬死にするだけだぞ?』

城之内「そんなの関係ない!!俺は、俺は初瀬ちゃんの無念を晴らしてやりたいだけだ!」

ザック「お、おい!落ち着けよ城之内!気持ちはわかるけどよ…」

城之内「気持ち!?お前に、友達を殺された俺の気持ちが分かってたまるか!!」

ザック「な、何だと!?言わせておけば!!」ガシッ!

光実「ざ、ザック!城之内も!二人とも落ち着いて…」

城之内・ザック「「ミッチは黙ってろーーー!!」」

凰蓮「いい加減にしなさい!このおバカさん達!!!」バッカモーーーーーン!!!

城之内・ザック「「ぐえあっ!!」」ババババッカモーーーン!!!

凰蓮の気合の篭った拳骨が、血の登った二人の頭に直撃する。

凰蓮「全く、少しは成長したかと思えばこれ?人の話は最後まで聞くように教えたはずよ、坊や?」

城之内「凰蓮さん…でも、俺…!」

凰蓮「でもも桃もドリアンも無いわ!そこに正座してなさい!」バッカモーン!

城之内・ザック「は、はいぃ…」

凰蓮「…あなたの気持ちもわからないでもないわ。でもね、今は冷静にならないといけない。こういう時こそ怒りに駆られないのがプロというものよ?」

サガラ『…本題に戻らせてもらうぞ?シドの居場所についてだが、実のところ俺にもさっぱりわからん』

哀空吏「何?お前がヘルヘイムの意志ならシドとやらの居場所も掴めてるんじゃないのか?」

サガラ『それがな?ホラーの能力か、コウガネの新たな能力か、はたまた果実を食われすぎたせいか、感知出来なくなっちまったんだよ』

光実「果実を食ってる?」

サガラ『ああ。憑依された器がシドでも、中身は人造オーバーロードとも言えるコウガネが取り憑いてるんだ。ホラーにも憑依されているが、喰う人間はあそこにはいないからな。力を蓄え、素体ホラーを生み出す為に森の果実を喰らうのは至極当然のことだ』

貴虎「そうか…だからホラーはロックシードを狙っていたのか」

猛竜「あ?どういうこったよ?」

貴虎「ロックシードは元を正せば戦極ドライバーの機能で変化したヘルヘイムの果実だ。実際、ロックシードを捕食したインベスを確認したこともある」

貴虎「人間よりもヘルヘイムの果実を食料・養分として生み出されたのなら、あのホラーはどちらかと言えばインベスに近い特性を持っているのだろう。どおりでクラックを通ってこちら側に来ても、人間よりロックシードを優先するわけだ」

哀空吏「…それほどまでに甘美なものなのか、その果実は?」

晶「…紘汰が…」

それまでテラスにいた晶が中の喧騒を聞きつけてか、いつの間にか店内に入って来ていた。

貴虎「晶!」

晶「いいんです貴虎さん。…紘汰が最後に言ってました。『食事も喉を通らないのにこの果実だけは美味そうに見えた』って…」

猛竜「へぇ、そんな物なら食ってみたい貴虎「食ってもいいが、理性のないインベスに成り下がるだけだぞ」なんつーあぶねえ代物だ!」

流牙「あはは…ってそれを葛葉紘汰は美味そうにって…?」

サガラ『葛葉紘汰はこの世界を救う為に黄金の果実の力を手にした代償として、人間であることを捨てた。新たなオーバーロードとなり、ヘルヘイムの果実以外の食料を必要としなくなったんだ』

まあともかく。と言葉を続けるサガラ。

サガラ『シドの行方は森そのものである俺にもわからん。こればかりはお前達に探してもらうしかないな』

ザック「…何か手がかりとかないのか?」

サガラ『残念ながらな。ただ俺の方でわかったことが3つある』

流牙「わかったこと?」

サガラ『一つ目、奴はどうやら一度ホラーを生み出し、それをこちらに送る為にクラックを開くのに相当のエネルギーを使う』

サガラ『二つ目、クラックが開くのは夜間。時間帯はランダムだが、まだシドの力が弱いのか、今のところは2秒しか開かない』

猛竜「た、たったの2秒?」

哀空吏「そうか…あのホラーが大量に出現しないのは、そういう理由か」

ザック「でもそんなに短いんじゃ、こっちも突入のしようがないぜ?」

城之内「…そうだ!ロックビークル!アレなら飛ばせばヘルへイムに行けるだろ!?」

貴虎「いや、ロックビークルの時空間転移システムではどこに転移するか分からん。転移した先にいきなりシドやホラーがいる可能性を考慮するとリスキー過ぎる」

光実「でもこのままじゃシドが力をつけて、もっとたくさんのホラー、最悪シド自身がクラックを通り抜けてくることだってありえる…」

哀空吏「…前門の虎、後門の狼だな…」

凰蓮「何か打つ手はないのかしら…」

サガラ『…あーあー、盛り上がるのは勝手だが、三つ目の情報を忘れてるぞ?しかもコイツならこれまでのバッドニュースをゼロにしてくれるかもしれないぜ?』

貴虎「…?何だそれは?」

サガラ『こんなこともあろうかとな?助っ人を呼んでおいたんだよ』

流牙「助っ人?」

サガラ『一人だけいるだろ?クラックを自由に操作し、シドの行方も探知できる男がさ!』

光実「そ、それって!!」

サガラ『アイツにはもう俺の方から事情も説明してあるし、今日か明日には姿を見せるんじゃないか?』

流牙「光実、その助っ人ってもしかして…」

光実「ええ、流牙さん!その人は、僕たちの恩人―――」



光実「葛葉紘汰さんです!」

〜再び沢芽市外れの丘〜



流牙「よっと、こんなもんかな」

莉杏「うん、いいんじゃない?」

積み上げた石に✕字を組み合わせた杭を突き刺す。

光実「お墓、ですか?」

それは流牙が街を訪れた際に必ず作る、簡易な墓であった。

流牙「ああ、俺の母さんと師匠のね」

莉杏「流牙はね、街に来たら必ず、その街を一望できる場所に波奏さんーーーお母さんと師匠の符礼法師のお墓を作るの」

流牙の母・波奏は魔戒法師で、かつて漆黒に染まった牙狼の鎧を金色に戻す為、命を懸けた女性だった。
流牙は初めて訪れる街には忘れることなく彼女の墓を作り続けている。
そしてボルシティでの闘いの後はその隣にもう一つ墓を作るようになっていた。

流牙「母さん、符礼法師…」

符礼(ぶらい)。
魔戒法師の身でありながら、幼き日の流牙を10年間、牙狼の鎧を纏える程に鍛え上げた男。
その修行の仕上げや母・波奏の死を巡っての因縁で、流牙は彼を毛嫌いしていたが、ゼドムとの決戦の直前にその真相と彼の心中を知り和解した。
その後ゼドムの魂を鎮めるために符礼は単身挑むも敗れてしまうが、彼の残したヒントが流牙達の勝利へと繋がった。
流牙にとっては彼は師であり、父親の様な存在だ。
ボルシティを去ってから流牙は母と同様に符礼の墓も建てる様になった。

流牙「見ていてくれ、母さん、符礼法師。俺はこの街を必ず救ってみせる」

莉杏「流牙…」

光実「流牙さん…」

2人の墓の前にひざまずきしばらく目を伏せる流牙。
やがて決心したかのように立ち上がると、二人の方へ向き直った。

流牙「…二人とも」

光実「はい!」

莉杏「ええ!」

流牙「取り敢えずパフェ食べにいこう!」

光実・莉杏「「」」

流牙「そんな顔すんなよ!少なくとも明日までは動くに動けないだろ!しっかり休めって貴虎も言ってたしね」

呆気に取られた莉杏と光実を置いて歩き始める流牙。

光実「莉杏さん、流牙さんって…」

莉杏「ええ、多分私も同じ事考えてるわ」

光実・莉杏「「意外と単純」」

光実「ですね」クスッ

莉杏「よねぇ」フフッ

流牙「置いてくよ、二人ともー?」

光実「待ってくださいよ、流牙さん!」

莉杏「待ってよ、流牙!」

二人とも駆け出し流牙を追う。






―――――木漏れ日が、二つの墓を優しく照らしていた。

〜同時刻・ダンスステージ〜

この街の風物詩ともなりだした。ビートライダーズ達によるダンス。
今日も今日とて彼らはビートに乗って踊りまくっていた。
今、ステージではザックと猛竜がダンスで勝負をしている。

ザック「へぇ!うまいじゃないか猛竜!」

猛竜「まだまだ!こんなもんじゃないぜ!」

ペコ「ザックー!ビートライダーズのリーダーの実力、見せてやれー!」

インヴィットの女の子達「猛竜さーん!かっこいいー!頑張ってー!」

ザック「お、おい猛竜!汚いぞ!お前いつの間にインヴィットを!?」

猛竜「へっ!俺くらいの男になれば、女の子の方から寄って来るのさ!」

ペコ・ラット・その他の男メンバー「ザックー!絶対に負けるんじゃねえぞぉ!!」

インヴィットの女の子達「猛竜さーーん!!そんな奴に負けないで〜!」

ペコ「おい!インヴィットォ!ザックは俺らのリーダーだろぉ!!」

凰蓮「全く、やっぱりまだまだお子様ね、ビートライダーズも、騎士の坊やも」フンス

城之内「でも、楽しそうですよね」

その様子を離れたところから鳳蓮と城之内が眺めていた。
手には差し入れのケーキの包みを抱えている。

凰蓮「いいの、混ざらなくて?アンタも元はあっち側でしょ?」

城之内「…いいんです。俺があのステージに立つのは、初瀬ちゃんと組んでバカやれて楽しかったから。でももう初瀬ちゃんはいない。俺のせいで初瀬ちゃんは…」

凰蓮「坊や…」

城之内「だからこれは俺なりのケジメなんです。パティシエとして大成するまで、チームインヴィットのリーダーはお休み。それにこう見えて俺、パティシエの仕事も修行も結構楽しんでるんですよ?」

凰蓮「そう…だったら!」バンッ!

城之内「いってぇ!!?」

背中を平手打ちされ悲鳴をあげる城之内。

城之内「い、いきなり何するんですかぁ!?」

ザック「あれ?城之内じゃないか!なんだよ、久々に踊りに来たのか?」

城之内「い、いや俺は…」

凰蓮「秀保!」

城之内「!!お、凰蓮さん、今俺のこと…!!」

凰蓮「その心意気に免じて今日だけはあなたのことを認めてあげるわ!さあ、プロのワテクシに弟子入りして、ダンスもスイーツも腕をあげたってことを、ここにいるアマチュア達に見せつけてやりなさい!」

城之内「凰蓮さん…はい!」

凰蓮「ワテクシに恥をかかせたら、明日からの修行は100倍厳しくいくわよ!」ギュンギュンギューーーーン!!

城之内「はいぃ!!」ネバーギーブアーップ!!

猛竜「ん?何だ、メガネくんか。踊れんのか?」

ザック「ちょうど良かったぜ!苦戦してたとこなんだ!力を合わせよう!」

城之内「ふっ…甘いぜ猛竜さん、ザック!俺はどっちの味方でもない!ここからは三つ巴だ!」

ザック・猛竜「「な、なにぃ!?」」

ナニー!ブーブー!ジョウノウチノクセニナマイキダゾー!ジョウノウチwww

城之内「外野は黙ってスイーツでも食べてな!行くぞぉ!!」バッ!

流れる音楽と共に激しく、それでいて優雅なダンスを魅せる城之内。
最初はブーイングの激しかった外野もそのダンスに段々と魅了されていく。

オイ、アレマジデジョウノウチカヨ!?スッゲーテク!チョウクールジャン!オレサマビックリー!

猛竜「うお!意外とやるじゃねえか!」

ザック「だけど俺だって負けねえぞ!」

ザックと猛竜の二人も負けじと食らいつく。

凰蓮「さあさあ!ダンスのお供にシャルモン特製スイーツはいかがー!?今ステージで踊ってる城之内秀保のお手製よ〜?」

リカ・インヴィットの女の子達「えー!?これ城之内(さん)が作ったのー!」パクパク

オイシー!アッマーイ!シアワセー!

ザック「あ、おい!モノで釣るのもなしだろ!」

猛竜「あー畜生!花より団子ってか!?城之内!お前、覚悟しろよ!ギンギンに行くぜぇ!」

昼下がり。若者達の熱いダンスバトルは、まだまだ始まったばかりだ―――!

すいません。今日はここまでです…。
凰蓮のミスに割と心が折れてます…。
取り敢えずプロフェッサーか哀空吏かたっくんのせいということで。

Cパートを書かせるなんて、流石は呉島主任だ…。
Cパートは明日更新します。ではまた。

>>1です。ルパンvsコナン見てたらこんな時間になりました。

では再開します。

〜深夜・沢芽市内〜

哀空吏「…」

貴虎「…」

貴虎・哀空吏((…何故コイツがここにいる…!))

〜30分前・晶のマンション入口〜

晶「送ってもらってすいません、貴虎さん」

貴虎「気にしないでくれ。最近は、その、色々物騒だからな」

貴虎(流石にホラーの件に晶を巻き込む訳にはいかない…)

貴虎の顔に翳りが差す。
シド…かつての部下で自分を裏切り、そして自分の目の前で最期を迎えたと思っていた男。
そいつが今再び俺の前に脅威として現れた…。
これも、どれだけ贖おうと過去は消せないと言う啓示なのだろうか…。

晶「貴虎さん?」

貴虎「…あ、ああ。すまない…」

晶「もう、また難しい顔して!」

貴虎「そ、そうか?」

晶「そうですよ!そしてその顔をするときは大抵昔の事とか暗い事考えてる時!ほら、笑顔笑顔!」グイィー!

貴虎「ほ、ほうはぁ?」ニ、ニパー

晶が指で貴虎の口角を押し上げる。
呂律が上手く回らない状態で喋った為、貴虎らしくもない間抜けな声が出た。

晶「うふふ、アハハハ!そうそう!アハハハ!」

その様子に耐えきれなかった晶が笑い始めた。

貴虎「ふっ、ハハハハッ!」

そしてつられて貴虎も普段のクールさは欠片もない笑い声をあげる。

貴虎(不思議だ。彼女といると自然と笑顔になれる)

初めはただ弟を理解してやれなかった者同士というだけの二人だった。
だが会う時間が増えれば増えるほど、二人は惹かれ合った。
貴虎は晶の裏表のない優しさに癒され、晶は貴虎の気高さと心の強さに憧れた。
そしてメガへクスとの闘いも終わり、2ヶ月前のこと。

貴虎「これを…」

晶「…これ…!」

貴虎は、晶に指輪を渡した。

貴虎「俺と、結婚してください」

晶「…はいっ!喜んで!」

プロポーズを受けた晶の顔は、嬉しさで涙を流しながらも満面の笑みを浮かべていた。

貴虎(…俺は今度こそ過去を乗り越えねばならん。彼女の笑顔を守る為にも、そして…!)

晶「アハハハ!はあはあ…」

ひとしきり笑うと二人は空を見上げる。
見事な満月が街を照らしていた。

貴虎「月が、綺麗だな…」

晶「ええ、本当に…」

肩を寄せ合い見とれる二人。
そして貴虎が再び口を開いた。

貴虎「晶、明日から少し会えなくなるかもしれない…」

晶「…復興局のお仕事?」

貴虎「まあ、そのようなものだ。大切な時期なのにすまない…っ!?」ペシッ

貴虎が謝罪すると、晶の軽い手刀が額にお見舞いされた。

晶「また謝った。悪い癖ですよ?」

貴虎「あ、ああ。すまない…あっ」ペシッ

晶「プッ。うふふふふ」

貴虎「あ、ハハハハ…」

再び笑い合う二人。
唐突に晶が笑いを止め、心底心配な表情を見せる。

晶「一つだけ、約束してください」

貴虎「…」

晶「必ず、必ず帰って来て下さい。私と…この子のところへ」

貴虎「ああ、約束する。俺は必ず帰ってくる…!」

〜20分後・呉島家への帰路〜



晶『もう少しだけ、ここに居させてください。ここは紘汰と過ごした、思い出の場所だから…』

プロポーズの後、一緒に住まないかと尋ねた時の、晶の言葉だった。

その言葉を呟いた時の晶の、寂しそうな表情は自分は忘れられないだろう。
葛葉をなんとか式に、それが無理でも何らかの形で晶に会わせてやりたかった。
メガへクスとの闘いの後で再会を喜び合う中でも、葛葉は絶対に晶にだけは会おうとしなかった。

紘汰『俺と会ったら、姉ちゃん多分怒るから…』

その表情とあの時晶が浮かべたそれは全く同じだった…。
と、そんなことを思い出しながら歩いていると。

男「あ!く、呉島主任!」

貴虎「ん?君は復興局の…。どうしたんだ一体?」

貴虎が出会った男は沢芽市復興局の警備課の男。
仕事に対して真面目で実直な人物で、貴虎にその態度を買われ、それなりに親交もあった。
そんな男が何故ここに?

男「いえ、何やら怪しい奴がいるって市民からの通報を聞いて来たんですがね?あの男なんですよ…」

貴虎「怪しい奴?何を馬鹿なことを…」

男「アイツです…あの男…!」

男が指差した先には、何やら札を手にし空にかざしている男性がいた。

貴虎「…怪しいな」

男「…怪しいでしょ?」

…もしかしたら奴は本当に危険人物、あるいは人に化けたホラーかもしれない。
この場は一先ず…。

貴虎「君は帰ってもらって大丈夫だ。奴は私がなんとかしよう」

男「…わ、わかりました!(さすが呉島主任だ!)」

男を下がらせ、不審者に抜き足差し足で忍び寄る。
不審者は先程と変わらず札を空にかざすことに熱中しており、貴虎には気付いていないようだ。

貴虎(よし、今だ!)

???「そこにいるのは誰だ?」

飛び出そうとした途端に不審者に気付かれたが、この距離なら関係ない!

貴虎「はぁ!」バッ!

勢い良く飛び蹴りを放つ貴虎。
だが。

???「くっ!はぁ!ふん!」ガッ!バッバッバッ!!

体を反って蹴りを躱し、そのまま反撃する不審者。
貴虎も負けじとこれを捌き、最後の一撃をガードで受け止めホールドする。
月明かりが硬直する二人を照らし出した―――。

貴虎「…!お前は…!」

そして話は先程の場面へと戻る。



貴虎「…それでお前は何をしていたんだ?楠神哀空吏」

哀空吏「…これを準備していただけだ」つ札

差し出した六角形の札には、魔界文字が記されていた。

貴虎「何だ、これは?」

哀空吏「楠神家に伝わる秘術中の秘術だ。今日の満月は陰我閃月と言って、この月の光を集めた札を使うと、僅かな時間だが普通の人間の攻撃でもホラーに通用するようになる」

貴虎「…なるほどな…。だがいくらなんでもここでやる必要はあったのか?」

哀空吏が札をかざしていた場所は住宅街のすぐそば。
一般人に通報されて当然の場所である。

哀空吏「…月光は1箇所に留まり過ぎると収集し切れずにその力が散ってしまう。だから移動しつつの収集が必須なんだが、気が付いたらあんなところにいただけだ」

貴虎「…そう言う事、だったのか…ならばその札を私にも貸せ」

哀空吏「何?」

貴虎「先程の詫びだ。私もその月光集め、手伝おう」

哀空吏「…ふん、勝手にしろ」

言うやいなや、10枚ほどの札を貴虎に渡す哀空吏。
貴虎もそれを受け取ると、1枚手に取り月にかざす。
すると、札が白銀色の輝きを帯びだした。

哀空吏「かざしながらも絶えず動き続けろ。さもないと効力が消えてしまうぞ」

貴虎「ああ、ところでどれくらいこうしていればいいんだ?」

哀空吏「そうだな…、5分間絶えず収集すれば2分は効果がもつだろうさ」

貴虎「…苦労に見合っているかは微妙なところだな」

哀空吏「だから札を大量に用意している。後30枚分は集めるぞ」

貴虎「やれやれ…。これは骨が折れそうだ」

哀空吏「そう言えばお前の方こそこんな時間に何をしていたんだ?」

月光を集めながら、哀空吏が貴虎に尋ねる。

貴虎「…少し、な」

気恥しそうに顔を逸らす貴虎だったが遅かったらしい。

哀空吏「あの晶と言う女性絡みか?」

貴虎「な、何故わかった!?」

哀空吏「顔に出ていたからな」

貴虎「なっ!そんな、嘘だそんなこと!」

哀空吏「ああ、嘘だ」

貴虎「」

どうやらカマをかけられたらしい。
一本取られたと言う表情を浮かべる貴虎と、してやったりと言わんばかりにニヤリと笑う哀空吏。

貴虎「…お前はそんな顔もできるんだな」

そんな哀空吏の笑顔を見ながら貴虎がポツリと呟く。

哀空吏「お前こそ、な」

貴虎「ふっ…お互い様と言うわけか」

哀空吏「ああ、お互い様、だな」

仏頂面の裏に隠された、意外な表情。
それを見せ合った二人の間には奇妙な、そして確かな友情が芽生えていた。

哀空吏「…貴虎」

貴虎「何だ、哀空吏?」

哀空吏「必ず勝つぞ…!」

貴虎「…当然だ。俺の大切なモノ、何一つ奴には渡さん!」

再び勝利への決意を固める貴虎と哀空吏。
二人の戦士は来る闘いに向けて、月光の元、準備を重ねていくのであった。

〜翌朝・ユグドラシルタワー跡地前〜

貴虎「全員、揃ったな」

流牙「ああ」

ユグドラシルタワーのあった平地に集まった、魔戒騎士とアーマードライダーズ。

光実「後は、あの人を待つだけですね…」

光実が言った直後。

???『待たせたな、皆!』

黄金のリンゴのようなオーラに包まれ、はるか上空から何かが飛来した。

全員「「「「「!!」」」」」

金髪で全員に銀色の甲冑と白いマントを身に付けた男。
その人物こそ始まりの男こと、葛葉紘汰その人である。

紘汰「さあ、ケリをつけにいこう…!」

BGM:JUST LIVE MORE 次回予告ver.



猛竜「よっしゃあ!暴れるぜぇ!」決死のヘルヘイム突入!

ザック・城之内「変身!」ガチャ!

グリドン・ナックル『『これが俺達の力だ!!』』復活!グリドンとナックル!

???『やれやれ、飛んで火にいる何とやらだな?』遂に、あの男が!

牙狼『紘汰!危ない!!』

鎧武・極『何!?』鎧武の危機!?

【第五話 逆襲!驚異のシド!?】

鎧武・牙狼『『ここからは俺達のステージだ!』』

と言ったところで今回はここまで。
取り敢えず呉島主任は本編で散々裏切られまくって死にかけまくっているので、いい加減に幸せになってもいいと思いながら書いたCパートでした。

そろそろこのSSも終わりが見えてきました。
見えてきたのですが、色々あって2、3日ほど実家に帰らなければならなくなりました。
申し訳ないのですが次回更新は月曜か火曜日になるかと思われます。ご了承ください。
ではまた。

どうも皆さん。お久しぶりの>>1です。
色々あって5話の更新ですが、22時30分から始めていきたいと思います。

ご飯と風呂を済ませたら開始しますのでもう少しお待ちください。

前回までのあらすじ】(CV大塚芳〇さん)

ホラーの元凶が錠前ディーラーシドであるとサガラにより知らされる流牙達。
万全の態勢でヘルヘイムへ突入する為に紘汰の到着を待ちながら、各々休息をとり絆を深める一同。
そして、決戦の日の朝。
遂に紘汰が皆と合流した!

【第五話 逆襲!驚異のシド!?】

光実「こ、紘汰さん!」

光実の一言と共にビートライダーズが紘汰に駆け寄る。

紘汰「ミッチ、皆。…ただいま!」

始まりの男の姿を解除し、元の姿と笑顔を見せる紘汰。

流牙「あんたが葛葉紘汰か」スッ

紘汰「ああ。そういうあんたは道外流牙だな。魔戒騎士だっけ?サガラから話は聞いてる。ミッチ達が世話んなったな」ギュッ

固い握手を交わし微笑み合う二人。

猛竜「よろしく、俺は蛇崩猛竜」

哀空吏「楠神哀空吏だ」

莉杏「莉杏よ。よろしくね」

紘汰に挨拶を交わす魔戒騎士の面々。

貴虎「挨拶もそこそこだが、今回の作戦を説明するぞ」

貴虎が調整の終わったゲネシスドライバーの入っているトランクとその他に二つのトランクを重ね机代わりにしそこに地図を広げる。

哀空吏「これは?」

貴虎「かつてヘルヘイムを調査していた時に制作していたものだ」

そして地図上の✕印を指差す。

貴虎「ここが人造クラックから入った時のスタート地点。シドの居場所がわからない以上はここを中心に何組かで虱潰しに捜索するしかない」

紘汰「俺もアームズを変えて搜索に集中するよ」

莉杏「私も魔界竜の稚魚と羅号を放つわ」

貴虎「捜索の組み合わせは以下の通りだ」

地図の空いてるスペースに捜索組を名前を省略して書いていく。

(↓こんな感じ)


・葛、道、莉

・光、蛇、ザ

・貴、哀、城

貴虎「インベスとの混合ホラーーーー便宜上、シドホラーとでも呼ぶか。奴へ対抗する為に戦力を分散して考えてみた。何か質問は?」

城之内「あれ、俺達も…?」

ザック「でも、俺達は…」

貴虎「ふっ…」

机代わりにしていた、ゲネシスドライバーとは別の、残りの二つのトランクをそれぞれに渡す。

貴虎「開けてみろ」

城之内・ザック「「…これ!!」」

彼らに渡されたトランクの中には、戦極ドライバーが入っていた。

光実「これは元々二人の戦極ドライバー。戒斗との闘いのあと、万が一にも悪用されるのを防ぐ為に僕が回収していたんだ」

貴虎「元々修復は不可能だったんだが、メガへクスの尖兵達から回収した戦極ドライバーのパーツを流用して再度使用を可能にしておいた」

城之内「でもロックシードは…」

紘汰「城之内、ザック!ほら!」

紘汰の手から城之内にはドングリ、ザックにはクルミと、それぞれにロックシードが手渡される。

紘汰「舞に頼んで、取らせてもらったんだ。お前達はこれが一番しっくり来ると思ってな」

ザック・城之内「「紘汰…!」」

貴虎「…凰蓮の分は、済まないが…」

凰蓮「心配ないわ、メロンの君。戦闘には参加出来ないけれど、今の坊や達なら大丈夫でしょ。ワテクシは皆の勝利報告を、店でスイーツを作りながら待ってるわ!」

紘汰「楽しみにしてるぜ、シャルモンのオッサン」

グッと腕をまくりあげる凰蓮。

余談だが城之内のドライバーには、メガへクス黒影の、ザックのには、メガへクス戒斗のモノのパーツが使われている。

哀空吏「それから、これを」

哀空吏もコートから昨晩の陰我閃月の光を集めた札をビートライダーズ達に10枚ずつ渡す。

哀空吏「この札にはホラーの邪気を払い、お前達の攻撃も奴らに通用する様になる効果がある」

効果持続時間は20分弱と言ったところだが、札の効果のON/OFFは自分の意志で出来るとのこと。

貴虎「それと皆に通信機を渡しておく」

紘汰「通信機が使えなくても、大声上げれば俺が行くから安心しろよ!」

皆に通信機を配り、それぞれ装着する。

貴虎「何か質問は、ないな?」

紘汰「よし、開けるぜ!!」バッ!

紘汰が手を翳すと、何もない場所にジッパーの様なモノが現れ空間が開き、その先には薄暗い、奇怪な植物が生えた森が見えた。

流牙「アレが、ヘルヘイムの森…」

紘汰「皆、行こう!」

〜同時刻・ヘルヘイムの森の某所〜

???『…来たか』

???『くくく…遂に復讐の時だ…!』

〜数分後・ヘルヘイムの森、紘汰・流牙・莉杏組〜

鎧武・ジンバーピーチアームズ(以下鎧武JP)『………』

流牙「見つかった?」

鎧武JP『…いや、まだ反応はねえ』

莉杏「羅号も魔界竜もまだ見つけきれてないわ…」

流牙「わかった。周囲の警戒はしておくから二人は捜索に集中してくれ」

鎧武JP『ああ、頼むぜ流牙。っていうかお前は変身しないのか?』

流牙「悪いけどね。俺達魔戒騎士は99.9秒しか鎧を召喚できないんだ」

鎧武JP『え?じゃあいつもは生身で闘ってるのか!?あんな気味悪い奴と?!』

流牙「まあね。鎧はここぞって時にしか使わない様にしてるんだ」

ガウガウガウ!

鎧武と流牙が話していると、莉杏の羅号が何かを銜えて茂みから戻って来た。

莉杏「羅号?何それ?」

莉杏を無視して流牙の元へ銜えていたモノを置く羅号。

莉杏「もう、いい加減言う事聞きなさいよ!」

流牙「これ、何かの欠片?」

羅号が持ってきたのは、クリアなパーツの破片。
端の方に赤い曲線があるくらいで元が何なのか正確には分からない。

鎧武JP『それ、もしかしてロックシードの欠片か?』

鎧武も羅号の持ってきたモノに興味を示し、それがロックシードの破片であることに気付く。

流牙「…」スッ

流牙は目を閉じ、その欠片を耳に当てる。
瞼の裏に、脳内に、様々な映像と声が流れ出した。

『裕也の奴も馬鹿だな―――』

『人を襲う化け物を始末したんだ、こいつはいわゆる、正義って奴だろ―――』

『もう誰にも、なめた口を聞かせねぇ―――』

『俺は人間を超えるんだぁぁぁぁ―――』

『…俺は生きてるのか―――』

『何だ…コウガネだと?―――』

『ロック…シード…力…―――』

『ホ、ホラーだと?う、うわあああああ―――』

流牙「これ、シドって奴の…もしかして、これがゲートになったモノ?」

鎧武JP『シドの持ってたのはチェリーのエナジーロックシードだから、それがゲートってわけか!?』

貴虎『皆、ヤーくっーー!』ブツッ!

鎧武JP『!!貴虎!?』

流牙がシドの記憶を読み取ったのと同時に貴虎から通信が入りすぐに切れる。

鎧武JP『貴虎!?おい、貴虎!?』

流牙「くっ!哀空吏や城之内とも連絡が取れない…!光実!」

光実『はい!僕らも兄さん達のところへ向かいます!』

猛竜『俺らの方が近い!先に行ってるぜ!』

ザック『紘汰達も気をつけろよ!』

光実達との通信を切り、貴虎達の元へ向かう流牙・鎧武・莉杏。

流牙(待ってろ、皆!)

〜ヘルヘイムの森・貴虎、哀空吏、城之内組〜

シドホラー達「「「「シャアアアアア!!!」」」」

城之内「くそっ!いきなり現れやがって!」ドカッ!

哀空吏「この!」シュッ!シュバッ!

貴虎「くっ!こいつら!変身させないつもりか!」スッ!サッ!

突然のホラーの襲撃に、生身のまま対抗する貴虎達だったが、変身させまいとホラー達も猛威を振るう。

貴虎「二人とも、一旦退いて道外達と合流しろ!ここは私がーーー!」バッ!ドカッ!

哀空吏「皆まで言うな!」シュバッ!

城之内「あんた一人を置いていけるか!おりゃあ!」ゲシッ!

貴虎「だがこのままでは…!」

シドホラー達「「「シャアアアアア!!!」」」

ホラーの数に押され始めることを危惧する貴虎だったが。

龍玄『兄さん!』バキューンバキューン!

ザック「猛竜!行け!」ブゥゥゥゥン!

猛竜「おおりゃあああ!!!」ズバズバズバズバッ!

ダンデライナー上から龍玄が援護射撃でホラーを貴虎達から離れさせ、猛竜がザックの運転するローズアタッカーの後ろから飛び降り、すれ違いざまにホラー達を斬りまくる。

貴虎「光実!来てくれたのか!」

龍玄『兄さん!今の内に!』バババババ!

弾幕を張り、シドホラー達を牽制する龍玄。

貴虎「ああ、変身!」ガチャ!メロンエナジー!ロックオン!ソーダァ!

斬月・真『はああああ!!』メロンエナジーアームズ!

その隙に貴虎は斬月・真に変身し、シドホラーに反撃を開始する。

哀空吏「城之内!俺が援護する内に!」バシュッ!バシュッ!

城之内「ああ、恩に着るぜ!」ガチャ!ドォングリ!ロックオン!カモーン!

ザック「行くぜ、城之内!」ガチャ!クルミ!ロックオン!ギュンギュンギューーン!

城之内・ザック「「変身!」」

城之内(初瀬ちゃん!)ドングリアームズ!ネバーギーブアーップ!!

ザック(戒斗!)クルミアームズ!ミスター!ナックルマン!!

グリドン・ナックル『『うりゃああああ!!』』ドカッ!バキィン!

グリドン・ナックル(見ててくれ!これが俺達の力だ!)

城之内とザックもグリドン、ナックルに変身し、斬月・真に加勢する。

猛竜「よっしゃあ!暴れるぜぇ!」ズバッ!

すいません。今日はここまでにさせていただきます。
続きはまた今夜にでも投下します。申し訳ございません、このような>>1で(^⋃^)
ではまた。

皆様こんばんは。闇照の波奏の最期はいつ見ても泣けると確信している>>1です。
早速投下していきます。

鎧武JP『皆、無事か?!はあ!』ピコッ!バシュッ!

流牙「間に合ったようだな!おりゃあ!」ズバァッ!

莉杏「やあああ!」バンバンバンバン!

羅号『ガルルルル!グルアアア!!』ザシュ!ブシャア!

乱戦の最中、鎧武と流牙達も参戦する。

鎧武JP『一気に蹴散らすぜぇ!』ガチャ!カチドキ!ロックオン!カシャン!ソイヤァ!

鎧武・カチドキアームズ(以下鎧武・勝)『うらあああ!!』カチドキアームズ!いざ出陣!エイエイオー!

カチドキアームズにチェンジし、カチドキ旗と火縄大橙DJ銃でシドホラーを薙ぎ払う鎧武。

シドホラー「ギャアアアアア!!!」

流牙「負けてらんないな!ハッ!」バッ!グルッ!シャッ!

流牙も牙狼の鎧を召喚し、シドホラー達を牙狼剣で次々と両断していく!

哀空吏「ハッ!」グルリ!グルリ!バッ!

猛竜「っしゃあ!!」ガッ!ギィィィィィン!バッ!

哀空吏と猛竜も鎧を纏い、シドホラー達を討滅する!

グリドン『おりゃああ!やああ!ふっ!』バキッ!ドガッ!!カシャンカシャンカシャン!ドングリスパーキング!!

ゼン『よっしゃあ!まとめてやっちまえ!おらァ!』ズバッ!ザシュ!

グリドンの大技を予期してゼンもシドホラーを1箇所に固める様に斬りまくる!

ナックル『ハアッ!どりゃあ!はあああ!!』バキン!バキン!カシャンカシャンカシャン!クルミスパーキング!

ガイ『はあ!せやあ!』ズバッ!バッ!シュババババババ!

ナックルもそれに合わせカッティングブレードを倒し、エネルギーをチャージする。
それを支援するため、ガイは弓を分離させ、双剣の要領でシドホラーを切り刻んだ後、足止めも兼ねて大量の矢を雨あられの様に降らせる!

斬月・真『ふっ!はっ!』ピコ、バシュッ!ザンッ!ズバッ!カチャリ!ロックオン!メロンエナジー!

龍玄『一気に決める!』カシャン!ブドウスカッシュ!

鎧武・勝『これでもくらいやがれぇ!』ロックオン!フルーツバスケット!オレンジチャージ!!

牙狼『はあああああ!!!』ボゥッ!

全員『『『『『『『『セイッハァァァァ!!!』』』』』』』』ズドォォォォォォォンン!!!!!

シドホラー「ギャアアアアアアアアアアアアアア!!!」ジュウウウウ…

ライダーと騎士達の必殺の一撃がシドホラーをまとめて殲滅し、辺りに静けさが戻る。

鎧武・勝『ふう…片付いたか?』パタン!スゥー

全員一息つこうと変身を解いた直後だった。

???『そいつはどうかな?』

森の奥から謎の声がこだまする。

貴虎「この声は…!!」

???『やれやれ、飛んで火に入る何とやら、だな』ザッザッザッ

光実「アンタ…!!」

???『久しぶりだな、ビートライダーズに呉島貴虎。それにはじめましてかな、魔戒騎士の皆さん?』

おどけた態度をとり、ボロボロの帽子を身に付けたシドがその姿を現した。

城之内「…シドォ!!」ガチャ!ドングリ!

シド『おっと、血気盛んなガキだな!』バッ!

変身しようとロックシードを構える城之内、それを迎撃しようと手を前に翳すシドだったが、城之内を猛竜とザックが制する。

ザック「よせ城之内!」

猛竜「やめときな。頭に血が登ってりゃ、勝てるもんも勝てねえぜ?」

城之内「…くっ!」

ザックと猛竜の制止を受け、引き下がる城之内。

シド『へっ。お仲間に救われたな?』

紘汰「シド、いや今はシドに取り憑いたコウガネとホラーか?」

シド『いんや?俺はシド。間違いなくシドそのものさ』

貴虎「何?どう言う意味だ?」

シド『どうもこうもそのままさ。大方お宅らは俺がホラーやコウガネ如きに取り憑かれてるとでも考えてたんだろうが、そいつは見当違いって奴だぜ?俺は既にコウガネも、ホラーでさえも支配下に置いてる、いわば人間を超えた、神なのさ!』

ハッハッハ!と大声を上げて笑うシドに対して哀空吏が冷静に言い放つ。

哀空吏「…なるほど?ホラーに憑かれてることすら気付かないほどに、コイツは陰我にまみれているというわけか」メガネクイッ

猛竜「ったく、救いようがねえよなこういうタイプ」カタナブラブラー

莉杏「こういう男って大体自滅するのが関の山なのよね〜」

流牙「全くだ。可哀想だし、さっさと片付けよう」

魔戒騎士達の容赦ない言葉責めに、シドが声を荒らげる。

シド『うるせぇ!どいつもこいつも大人に嘗めた口聞きやがって!』

ザック「…なあミッチ…」ゴニョゴニョ

光実「…それ、やらなきゃダメ?」

光実に何やら耳打ちをするザック。
提案された方の光実はあまり乗り気ではないようだが。

ザック「さっき猛竜も言ってたろ?頭に血が登ってりゃ勝てるもんも勝てないって」

光実「はあ…わかったよ。…ねぇ、シドさん」



光実「アンタやっぱり 大 人 げ な い よ ね 」ワルザネ!ロックオン!ハイー!



シド『…あ?』ギロッ!

光実「前から思ってたんだ。ガキだとかいう割に自分を負かした紘汰さんをしつこく狙うし、それってムキになってる子どもと同じだよね?」

光実「自分を大人大人って言ってるのも、実は子どもの背伸びみたいなモノなんだろうし」

光実「そもそも、本当の大人って自分のことを大きく見せようとしないし、ましてや自分を大人だなんて言わない」

光実「紘汰さんや、兄さんみたいな人の方があんたなんかよりよっぽど立派な大人だよ」

光実「それに兄さんから聞いたけど、ロシュオとの闘い、いや一方的過ぎて闘いにもなってなかったんだろうけどさ。最期、誰にもなめた口聞かせないとか言う理由で黄金の果実を求めるなんて、まるで聞き分けのない子どもそのものだよね―――――」

シド『呉島光実ぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!』

光実のスコールの如き徹底的な挑発にシドの怒りが爆発する!

シド『お前はぁ!お前らはぁ!生きてこの森から返さねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!』ズドドドドドドッ!!!

シドの足元から巨大で不気味な植物の巨人が這い出て、流牙達の前に立ちふさがる。
シド自身もその木の頂きと同化し、光実達を睨みつけた。

流牙「おー。でかいねー」

ザルバ『やれやれ…あの程度の挑発で頭に血が登るとは。あの男、やはり小物だな』カチカチ

貴虎「ふむ、あのホラー、地中から這い出てきたところを見ると、地下を移動出来るようだな」

光実「何処にいるか分からないってサガラが言ってたのはこういう理由だったんだね」

その様子を見て、シドと対照的に冷静に分析する流牙達。

シド『このクソガキどもォ!こいつらに食われてろぉ!』ガチャ!ホラー!

貴虎「アレは、ホラーのロックシードだと!?」

シドの持つ、キャストパットにHの文字が刻まれたホラーロックシードが解錠され空間に渦状の裂け目が現れ、シドホラーが出現した。

シドホラー『キシャアアアアアアア!!』

猛竜「へっ!たかが一匹程度、どうってこと―――」

シド『おおおらあああ!!』バッ!

シドが力んだかと思うと、背中から腕状の植物が大量に生え、持っていたホラーロックシードが一斉に解錠された。

ホラー!×40『キシャアアアアアアア!!』

猛竜「ま、まじかよ!?」

ザルバ『あの力と邪気…そうか!流牙、奴に憑いたホラーがわかったぞ!』カチカチ

流牙「本当か、ザルバ!?」

ザルバ『ああ、奴の名はマンドレシア。植物の実に自分の力を与え、それを媒体に下僕となる素体ホラーを生み出す、なかなか厄介な奴だ』カチカチ

貴虎「その能力をヘルヘイムの果実に使ったが為にシドホラーが生み出されていたのか…」

哀空吏「ふん、だがいくら数が多くても所詮は雑兵だろう。蹴散らすぞ」

ザルバ『いや、本体を始末しない限りコイツらは延々と現れる。このままじゃジリ貧になるだけだ。奴の本体を叩けば、ホラーも力を失い消滅するだろうさ』カチカチ

城之内「そういうことなら!」ガチャ!ドングリ!ロックオン!カモーン!

グリドン『俺達が突破口を開く!おりゃあ!』ドングリアームズ!ネバーギーブアーップ!

ザック「変身!」ガチャ!クルミ!ロックオン!ギュンギュンギューン!

ナックル『紘汰!流牙!お前達は行け!でりゃあ!』クルミアームズ!ミスターナックルマン!

紘汰「ザック…城之内…!」

猛竜「へっ!美味しいとこ譲ってやるよ、流牙!」ダッ!ズバッ!

哀空吏「…ふっ、早く行け!」シュバッ!

莉杏「流牙、気をつけてね!」バンバンバン!

流牙「猛竜、哀空吏、莉杏…!」

光実「僕たちも援護します!兄さん!」ガチャ!ブドウ!ロックオン!ハイー!

貴虎「ああ、光実!」ガチャ!メロンエナジー!ロックオン!ソーダァ!

貴虎・光実「「変身!」」

斬月・真『葛葉、道外!奴を倒せ!はあっ!』メロンエナジーアームズ!

龍玄『二人なら勝てるって信じてます!』ブドウアームズ!龍・砲!ハッ・ハッ・ハァッ!

流牙「…わかった!紘汰!」バッ!グルッ!シャッ!

紘汰「ああ、流牙!!」ガチャ!カチドキ!フルーツバスケット!

流牙「はっ!」ガシャガシャガシャン!!

紘汰「変身!」ロック!オープン!極アームズ!大・大・大・大!大将軍!

極ロックシードを解錠し、究極形態・極アームズへと変身する鎧武。

鎧武・極アームズ(以下鎧武・極)『皆!これ使ってくれ!!』カシャン!カシャン!ブドウリュウホウ!カゲマツ!ドリノコ!メロンディフェンダー!バナスピアー!ソニックアロー!ダイダイマル!

極ロックシードの能力でアームズウェポンを大量に召喚し、全員に渡す。

牙狼『いくぞ!』バッ!

鎧武・極『おう!』バッ!

大きく跳躍し、頂上のシドを目指してマンドレシアを登って行く牙狼と鎧武。

猛竜「恩に着るぜ、紘汰!」パシッ!

猛竜が受け取ったのはバナスピアー。

猛竜「…何かしっくり来るな…。海賊にでもなった気分だ!おりゃあ!」ザシュッ!ズバッ!

哀空吏「…お前、何かこの街に来てから変だぞ?」パシッ!ピコッ!バシュッ!

哀空吏はソニックアローを受け取り、早速放つ。

哀空吏「…確かにしっくり来るな。しかし、何だ。俺専用に自らチューンしたいものだ」

莉杏「もう!二人とも真面目にやってよ!」ババババ!

莉杏はブドウ龍砲と魔戒銃の二丁拳銃でホラーに反撃の隙を与えない。

グリドン『おりゃあ!でやぁ!』ガツン!バキン!ズバァッ!

ドンカチと影松の二刀流スタイルでシドホラーに立ち向かうグリドン。

龍玄『フッ!はぁ!やぁ!』ガキン!ズバッ!ババババキューン!

龍玄もメロンディフェンダーでシドホラーの攻撃を防ぎ、至近距離での銃撃を浴びせる!

斬月・真『はあああっ!』ズバッ!ズバッ!ピコッ!バシュッ!

斬月・真は大橙丸とソニックアローを最大限に駆使し、鬼神の如き勢いでシドホラーを蹴散らしていく!



…そんな中、一人だけ自分のアームズのみを使って戦闘を続ける男の姿が。

ナックル『…俺、武器持てねえじゃん!!』バキン!

ナックルのクルミボンバーは両腕を覆う手甲タイプのアームズウェポン。しかしあくまで殴ることに特化したものなので、細かい動作は出来ない。
一応掌に接着させる形で物を持つことも可能だが、残っているドリノコとの相性はお世辞にも良い物とは言えず、結局そのままクルミボンバーで闘っていた。

ナックル『チックショーー!』ドガッ!バキィッ!!

羅号『ガウッ!!』ズバッ!グサリッ!

そんなナックルに呼応するかの様に羅号がドリノコを銜えシドホラーに斬りかかり、串刺しにする!

ナックル『!!お前!?』

羅号『ガウガウッ!』バッ!

ナックル『そういうことか!!おおおりゃああああァ!』

羅号が突き刺したドリノコを、釘を打つ要領でクルミボンバーで殴り抜ける!

ナックル『どりゃりゃりゃりゃりゃりゃ!!!!』

そのまま一直線に殴りまくり、シドホラー数体をまとめて串刺しにして撃破した!!!

ナックル『ハァ、ハァ…』

やがて勢いが無くなり、一旦停止し息を荒らげるナックル。
そしてそこに羅号が近づく。

ナックル『ハァ、ハァ…へへ…!ファインプレー、だろ?』グッ!

羅号『ガウッ!』ガキン!

拳と牙を合わせる一人と一匹。

猛竜「よっし、調子上がって来たぜ!」ガッ!ギィィィィィン!バッ!

哀空吏「はっ!」グルリ!グルリ!バッ!

猛竜と哀空吏が再び鎧を召喚し、更に攻勢に打って出る。

ゼン『オラオラァ!このヘボ植物野郎がぁ!!炎刃騎士の本領発揮だ!燃やし尽くしてやるぜぇ!』ガキィン!ズバッ!ボォォォォ!

グリドン『す、スゲェ!よぅし、俺も!!』ドカッ!ザシュッ!

ソウルメタルの義手を盾に変形させ攻撃を防ぎながら柳葉刀とバナスピアーでシドホラーを斬り刻み、魔導の炎で焼き尽くすゼン!
それに続いてグリドンもドンカチと影松でホラーを殴り、斬りまくる!

ガイ『貴虎、息が上がってきたんじゃないのか?』ピコッ!バシュッ!シュババババッ!ズバッ!

斬月・真『ふっ、寝言を言うな。お前こそ、腕が疲れてきたんじゃないのか?』ピコッ!バシュッ!ズバッ!

背中合わせにシドホラーを迎撃する斬月・真とガイ。

ガイ『ふん、愚問だな』

斬月・真『ふっ…では!』

ガイ『ああ!一気にいくぞ!』

ガイ・斬月・真『おおおおおおおおおっ!!!!!』シュババババッ!

言葉通り、一気にシドホラー達に矢を放ち、刃で斬りつけ、縦横無尽の無双振りを発揮する!

莉杏「この銃、少し重い…よいしょっと」

シドホラー『キシャアアアアアア!!!』

莉杏が休憩がてらにブドウ龍砲を下すと、その隙を狙ってシドホラーが襲い掛かった。

龍玄『!!莉杏さん、危ない!!』バキューン!!

シドホラー『ギャアアアア!!』ジュウウウッ…

龍玄の狙撃で消滅するシドホラー。

龍玄『全く、油断は禁物ですよ―――』

バキューン!!

龍玄『―――え?』

シドホラー『ギャアアアア…』ドサッ!

龍玄が振り向くと、眉間を一撃で貫かれ、倒れたシドホラーの姿が。

莉杏「ほーんと、油断は禁物よね~」フッ!

龍玄『…ええ、その通りですね…』

密かに、莉杏は敵に回さないようにしようと心に決めた龍玄なのであった。

〜マンドレシア頂上の広い足場〜



牙狼・鎧武『はぁっ!』バッ!

頂上に辿り着いた鎧武と牙狼。
そこにはかつて鎧武達と対峙した蓮華座・武神鎧武の様に、下半身がホラーの樹と一体化したシドが待ち構えていた。

シド『けっ、もうここまで辿り着くとは、相変わらずいけ好かないガキどもだぜ!』

鎧武・極『シド…!』

その姿を見て一瞬言葉を失くす鎧武。

牙狼『見事にホラーに取り込まれてるね…。ああなったらもう倒すしかないけど…?』ギィィィン、ジャキン!

左腕部の鎧に剣を当て構える牙狼。
だが斬る前に一応鎧武に心の準備が出来ているかを確認しておく。

鎧武・極『……やろう…!それがシドの魂を解放することにもなるのなら!』カシャン!ムソウセイバー!

牙狼『…わかった!いくぞ!』

鎧武・牙狼『『はああああ!!!』』

シド『くっ!はあ!』シュルルル!!ババババッ!

迷いを捨てて迫る牙狼と鎧武に、マンドレシアの鋭く尖った蔦をけしかけるシド。

牙狼『はっ!せいっ!はぁぁ!』スパッ!シュッ!ズバッ!

鎧武・極『おりゃ!でりゃあ!オラァ!』ズバッ!ザンッ!ザシュ!

そんなものは通用しないと言わんばかりに蔦を切り裂きながら前進する!

シド『なら、コイツはどうだぁ!?』バッ!ブブブブブブ!!

今度は大量のイナゴを呼び出す!

ザルバ『流牙!俺を使え!』カチカチ

牙狼『ああ!そんなもので!』サッ!

ザルバが口を開け、魔導火を構える!

鎧武・極『俺達が止まるかァっ!』カシャン!ヒナワダイダイDJジュウ!スクラッチャ・ブオブオブオオーー!

鎧武は火縄大橙DJ銃を召喚し、マシンガンモードをセットする!

牙狼・ザルバ・鎧武『おりゃあああああ!!』ゴォォォォォォォ!!!バババババ!!!

あっという間にイナゴの群れを殲滅し、尚もシドへ迫る二人。

シド『な、なにぃ!!?』

鎧武・極『終わりだ、シドォ!』バッ!

跳び上がり、シドに狙いを付ける鎧武。

シド『く、来るな!来るなぁぁ!…なんてな?』

その瞬間、シドの口角がわずかに吊り上がったのを牙狼は見逃さなかった。

牙狼『!!紘汰、危ない!!うわぁっ!!』ドンッ!

鎧武『何!?しまっ、流牙!?』

鎧武を身を挺して庇い、牙狼が死角から現れた蔦に捕らわれてしまったのだ。

牙狼『くっ!』

シド『ちっ!邪魔が入ったか!まあいい!』ガバァッ!

シドを取り込んでいる樹の下部がまるで口の様に大きく開き、牙狼を呑み込もうとする!

鎧武・極『流牙!くっ!』

牙狼を救わんと火縄大橙DJ銃を構えるも、火力が大き過ぎるために牙狼をも巻き込み兼ねないことに気付く鎧武。

牙狼『紘汰!俺のことは良いから、コイツを倒すんだーーー!』バシュウッ!

流牙「ザルバ!紘汰に力を貸してやってくれ!」スチャッ!バッ!

呑み込まれる直前、流牙は咄嗟に鎧を解除し、ザルバを鎧武に投げ渡した。

鎧武・極『くっ!流牙!』ガシャン!バッ!

紘汰も変身を解除し、極ロックシードを流牙に投げつけるもーーー



バクン!



ザルバ・紘汰「『流牙ーーー!』」

極ロックシード共々マンドレシアに呑み込まれてしまった流牙。

シド『くははははは!!!コイツは傑作だぜ!黄金の果実と、黄金騎士の力を同時に取り込めるとはなぁ!!』

シドが勝ち誇ったように高笑いする。

シド『おおおお!みなぎってきたァ!これが黄金の果実の力か!!』

シドとマンドレシアの樹が更に一回り巨大になっていく。

突然ですが、一旦ここで切ります。

と言うのも、この後は>>1の妄想が爆発した内容になってしまって、オリジナルのロックシ―ドやら何やらのオンステージだからです。
そういうのが嫌だ、牙狼と鎧武の世界観を壊しやがって!>>1、ぜってえ許さねえ!と言う人はここでブラウザバックをおすすめします。
ブレイブとイマジネーションが合体しているから大丈夫!と言う方はそのままお付き合い下さい。

0時ごろから再開します。

再開しますが、その前にプロフェッサーからひと言。

凌馬「ここから先は全部私と>>1の趣味だ、いいだろう?」ニパァッ

紘汰「…くっそぉぉぉ!!」ガチャ!オレンジ!ロックオン!ソイヤァ!

ザルバ『おい小僧!怒りで我を忘れるな!』カチカチ

鎧武『シドォォォ!!』オレンジアームズ!花道オンステージ!

ザルバ『俺様の話を聞けっ!』カチカチ

ザルバの声に耳も傾けず、オレンジアームズに変身し怒りに身を任せ突進する鎧武。

鎧武『はあっ!おらぁ!』ズバッ!ジャキン!

大橙丸と無双セイバーを合体させ、迫り来る蔦を斬り、シド本体を叩こうと接近する鎧武。

鎧武『輪切りにしてやるぜ!』オレンジ!ロックオン!イチ・ジュウ・ヒャク・セン・マン!オレンジチャージ!

無双セイバーナギナタモードの必殺技、ナギナタ無双スライサー最大出力モードでシドに斬りかかる!

しかし。



シド『ハハハハハッ!!そんなチンケな小刀で今の俺を止められるかよ!!』バチバチバチバチ!バァァァァン!

鎧武『ぐあああああ!!?』

瞬間、見えない障壁に刃を止められ、シドの放った衝撃波に吹き飛ばされてしまった。

鎧武『くそっ!だったらぁ!』ガチャ!オレンジ!レモンエナジー!ロックオン!ソイヤァ!ミックス!

鎧武・ジンバーレモンアームズ(以下鎧武JL)『おらあああああ!!』オレンジアームズ!花道オンステージ!ジンバーレモン!ハハーッ!

今度はゲネシスコアを使いジンバーレモンアームズにチェンジし、ソニックアローを放つ!

シド『ふん、効かねえよ!』バリバリバリ!バァァァ!

これも障壁で防御され、再び衝撃波で反撃されるも何とか回避し、ソニックアローにレモンエナジーロックシードをセットする。

鎧武JL『なら、コイツはどうだぁ!!』カシャン!オレンジスカッシュ!レモンエナジー!

鎧武の前方にオレンジとレモンの断面の様なエネルギーが展開され、シドに狙いをつける。

鎧武JL『おらぁぁぁぁ!!』バシュゥゥゥゥゥンッ!

通常以上のエネルギーを纏った光の矢、ソニックボレーがシドに向かって飛んでいく!

シド『くっ!しつこいガキだ!効かねえって言ってんだろうがぁ!』バリバリバリバリ!バァァァァン!!

鎧武JP『何!?ぐわあああああ!!』

だが渾身のソニックボレーも弾き返され、衝撃波の反撃で吹き飛ばされてしまう。
更にそのダメージの反動で、変身も強制解除されてしまった。

紘汰「ぐあっ…ああ…ぐっ!」

ダメージでよろけながらも不屈の闘志で立ち上がる紘汰。

シド『ふははは!いい気分だぜ、葛葉紘汰!俺が舐めさせられた辛苦、思い知ったか!?』

紘汰「ぐっ…何とか…何とかアイツを倒す方法を考えないと…」

嘲笑するシドに対して、それでも諦めずに活路を見出そうとする紘汰。

シド『…その目!お前のその目だよ!!どんなに絶望しても、お前はそのキラキラした目つきでまた立ち上がりやがる!俺はそんなてめえがずっと気に食わなかったんだ!』シュバッ!

突然シドが激昂し、子どもの様に喚き散らしながら蔦を鞭のようにしならせて紘汰に襲いかかる!

紘汰「くっ!うわああああ!」

よけきれず再び吹っ飛ばされる紘汰だったが。

紘汰「…き……!」

シド『あぁ…!?』

最早力尽きる寸前の筈なのにそれでも立ち上がる紘汰に、シドは本能的に恐怖を感じた。

紘汰「あき…めねぇ…!」

シド『なんだと…?』




紘汰「諦めねえ!俺は、俺達は!守るべきものがある限り、絶対に諦めねえ!!」


シド『は、ハッタリかましてんじゃねえぞ!この死に損ないがぁ!』

叫ぶ紘汰にやはり恐怖を覚えつつも、手から蔦を放つシド。

紘汰「うおおおおお!」ガシッ!グイィッ!!

シド『何!?うわあああ!?』

その蔦を掴んで引っ張り、シドを引き寄せる紘汰。
突然の反撃に動揺しバリアを張れず、紘汰の拳を顔面にもろに受け、今度はシドが吹っ飛ばされた。

シド『ぐっ!!このガキ…!』

紘汰「はぁ…はぁ…」

ザルバ『…いいだろう、小僧!その諦めない心に免じて特別に俺様の力を貸してやる!』カチカチ

紘汰「えっ…!?」

無視された後、沈黙を貫いていたザルバが喋り出す。

ザルバ『とぼけた声を出すな。取り敢えず、そこの果実をもぎ取りな!』カチカチ

紘汰「果実…!アレか!?」ダッ!

足場の隅に転がっているヘルヘイムの果実を見つけ、ザルバの言う通りに拾いに行く紘汰。

シド『何をするつもりか知らんが、やらせるかよ!』シュルルルルル!

再びシドが蔦を伸ばし、紘汰に襲いかかるが。

紘汰「はぁっ!!」キィン!シュルルルルル!

オーバーロードの能力でヘルヘイムの植物を操り、紘汰もこれに対抗する。

紘汰「今だっ!」ガシッ!

その隙に果実を拾い上げる紘汰。

ザルバ『俺様をそれにかざせ!』カチカチ

紘汰「かざす…こうか?」サッ

ザルバ『気をつけろよ?がぁぁ!』ボゥッ

魔導火で果実を燃やすザルバ。

紘汰「あっつ!あっちぃよ!」パッ

…魔導火は魔戒騎士として訓練を積んでいない一般人には超高温なので、かなり危険な代物だ。
紘汰が『熱い』程度で済んだのは、手放しているとは言え、単に黄金の果実の影響だろう。

と、ザルバが燃やした果実に、変化が訪れた

紘汰「!!これ!牙狼のロックシード!?」

ザルバ『特別製だ!一回きりだから心して使えよ!』カチカチ

紘汰「ああ!恩に着るぜ!」ダッ!

牙狼の顔が描かれたロックシードを手に、シドと対峙する。

紘汰「待たせたな、シド!」

シド『くっ!?何だそのロックシードは!?』

紘汰「へへっ!覚悟しろよ!コイツはお前には眩しすぎるぜ!」バッ!

ガチャ!ガロ!!



紘汰「変身!」ロックオン!カシャン!



ソイヤァ!!

ガロアームズ!!

黄金!オブ!ガーディアン!!



巨大な牙狼の頭部が空中で形成され、紘汰の元に降りてくる。
そのまま鎧が展開し、金色に輝く鎧武・牙狼アームズが顕現した!

鎧武・牙狼アームズ(以下鎧武G)『よっしゃあ!行くぜーーー』


〜マンドレシア体内〜

暗い…上も下も、何処を見ても闇が広がっている…。
ここは何処だろう…。体が浮いてる…まるで無重力の中にいるみたいだ…。
俺は確か、紘汰を助けようとしてホラーに…!
じゃあここは!?

???『そうだ、ホラーの体内だ』

流牙「!!誰だ!」ジャキッ!

背後から聞こえた自分の心を読んだかのような声に、意識を覚醒させて振り向き、剣を構える流牙。

???『ふん、敢えて名乗る必要もあるまい?』


よく見ると、声の主は紘汰達と同じ戦極ドライバーを装着している。

流牙「…あんたが、コウガネって奴か!」

コウガネ『その通り。私はコウガネ。フェムシンムの民に造られし人造オーバーロードにして黄金の果実そのものとも言える存在だ!』バッ!ガチャ!バッドアップル…!ロックオン…!

コウガネの頭上にクラックが精製され、そこから腐ったような色をしたリンゴ状のアームズが現れた!

コウガネ『変身…!』カシャン!ソイヤァ!バッドアップルアームズ…!黄金・ギブミープリーズ…!

コウガネにアームズが装着され、鎧武をズタボロにした様な、禍々しい鎧が展開される。
色も毒々しい黒と紫を合わせたようなもので、正に腐った林檎を彷彿とさせる姿だった。

仮面ライダー腐武(ブーム)『はぁっ!』ジャキン!


流牙「くっ!?うわぁ!!」ガキィン!

展開と同時に手に現れた大剣、バッドブリンガーの攻撃を魔戒剣で防御するも吹っ飛ばされる流牙。

流牙「ぐうっ!!このぉ!!」バッ!グルッ!シャッ!

牙狼の鎧を召喚し、コウガネに反撃するが。

腐武『ふん!』スッ!

牙狼『何!?ぐあ!』スカッ!

牙狼剣で斬ったのは炎で出来た分身だった。
いつの間にか背後にいた本体からの反撃を受け、よろける牙狼。

牙狼『このぉ!』ブォン!

腐武『無駄だっ!』スッ!ドカッ!

牙狼『がはぁっ…!!』

また牙狼剣を躱され、今度は腹部に拳の一撃を喰らってしまう。
そして牙狼はある異変に気が付いた。


牙狼『くっ!?奴に攻撃された部分が、黒くなっている!?』

腐武の攻撃を受けた部分が、自分が鎧を受け継いだ当初の様に、黒く変色していたのだ。
それに対し、腐武の鎧の一部が金色に輝き出す。

牙狼『貴様ぁ…何をした!?はあっ!ぐあ!?』ブン!

やはり攻撃を躱され、反撃を受けてしまう。

腐武『失った私の黄金の果実の力は、やはり黄金で補うのが当然というもの。黄金騎士牙狼よ、その金色、貰い受けるぞ!』スッ!ババババッ!

牙狼『ぐわあああああ!!』ガカガガッ!

無重力のような空間で360°全方位から襲い来る腐武の攻撃に、成す術もない牙狼。

牙狼(せめてこの闇さえ祓えれば…!)カチッ!ボォォォォ!

魔導火で周囲を照らそうとするが、それは逆に腐武に自分の位置を教えているようなものだった。

腐武『無駄だと言ったはずだぁっ!』ガシッ!

牙狼『がぁぁぁぁぁぁ!!??』

牙狼(力が…!金色が吸われていく……!?)

首を鷲掴みにされ、そのまま鎧の力を吸収されていく。
引き剥がそうと両腕で腐武の手を掴み抵抗するも、ぴくりとも動かない。
逆に腕の鎧の金色まで変色してしまった。

牙狼『がぁぁぁぁ…ぁぁ……』


鎧の金色が徐々に失われ、残すは頭部のみとなってしまう。

流牙(俺は…このまま死ぬのか…?)

牙狼の、流牙の心に死の絶望がよぎる。
とうとう力が入らなくなり、ぶらんと腕が垂れた。

流牙(莉杏、紘汰、皆……ごめん……)

腐武『ふはははは!!いいぞ!己の無力と絶望に直面し、金色を奪われる悔しさを味わいながら死んでいけぇ!』

腐武の勝ち誇ったような高笑いが闇の中に響いた―――。






『流牙』







牙狼『―――!!!』グッ!バキッ!



腐武『何!?ぐああっ!?』

意識を失ったかに思われた牙狼が拳を握り、油断していた腐武を思いっきり殴り飛ばす!

腐武『馬鹿な…!何故、何処にそんな力が…!?』



牙狼『―――れは―――』


—――――――

『流牙』

流牙「…はっ!」

いつの間にか意識を失っていたらしい。俺は誰かに呼ばれ、目を覚ました。
今の優しい声、聞き覚えがある…!まさか!!

『流牙!』

今度は背後から野太く、強い声が聞こえた。
恐る恐る振り向くと、その人達が、いた。


流牙「符礼法師…!?母さん…!?」

符礼『久し振りだな、流牙』

何故二人が?!まさか俺は…!

波奏『いいえ、貴方はまだ生きてるわ。ここは牙狼の鎧、その精神世界の中よ』

流牙「牙狼の、精神世界…」

そう言えば昔、符礼法師に習ったことがあったっけ。


流牙「牙狼の鎧には歴代の魔戒騎士の想いが詰まってる、その想いが形をなした空間が、鎧の中に存在する…」

符礼『ふっ、よく覚えていたじゃないか』

流牙「じゃあ二人は…」

波奏『ええ、その世界に精神体として存在しているの』

符礼『お前が諦めそうになった時の為にな』

符礼の言葉に、俺は頭を垂れる。

流牙「母さん、法師、ごめん…俺は―――」


符礼『道外流牙!』

俺の泣き声を遮って法師が大声で俺の名を呼ぶ。

符礼『お前は何者だ!』

法師の問に込められた真意。
俺が何者か、今ならそれがわかる…!

流牙「…俺は…!」

波奏『…貴方には、誰にも負けない二つの力がある。そうよね?』

母さんの言う、俺の持つ二つの力…!

『絶対に諦めない、そして貴方の笑顔―――』

流牙「…俺は!!」

そうだ…!
俺はあの時、母さんと約束したじゃないか!!

流牙「俺は!!!」

死なないと!何があっても生き抜くと!
この瞳に未来を、たくさんの人の笑顔を映すと!!

流牙「俺はぁぁぁ!!!」

刹那、母さんと法師、そして白い魔法衣を着た騎士の、満足そうな顔が見えた気がした―――

――――――




流牙「俺は道外流牙!そして!」





――――――


牙狼『我が名は黄金騎士・牙狼!!闇を照らす者也!!!!』カッ!

漆黒に染まった鎧が、眩しいばかりの光を放ち、暗黒の闇を照らす―――!!

腐武『く、ぐわぁぁぁぁぁぁ!!!???』

牙狼の放つ波動に耐えきれず、吹き飛ばされる腐武。

牙狼『はぁっ!』バッ!

そんな腐武に目も呉れず、牙狼が大きく跳び上がる!

腐武『ぐぅ…!ふん!今更この空間から脱出しようとしても不可能だ!!』

牙狼の行動を脱出か、逃走と考えた腐武だったが、しかして実際は違った。
牙狼が目指したのは出口等ではない。

キラン…!



牙狼『!!見えた!!』

探していたものを見つけ、掴み取る。

腐武『逃がすものかぁ!!』バシュゥン!!

腐武が手からエネルギーの弾を数発放ち、牙狼を追撃する。

牙狼『!』

その内の一発が牙狼に命中し、爆発が起こった!

腐武『…ふふふ、ハハハハハハハ!!!最期に足掻いた割には呆気ないものだな、黄金騎士よ!!』

今度こそ、自らの勝利を確信する腐武だったが。

牙狼『…俺は!』

腐武『な、何!?』



牙狼『俺は、絶対に諦めない!!』カシャン!!フルーツバスケット!!!



腐武『そ、それは!黄金の果実の―――!!』

牙狼が手にしていたのは、自身と共にマンドレシアに呑み込まれた、極ロックシードだった。

牙狼『はっ!!!』

牙狼の周囲にクラックが開き、あらゆるアームズが現れる。

牙狼『おりゃあああああ!!』ガキィィィィン!!

ガシャン!!!極アームズ!!!

腰にある、牙狼の紋章に極ロックシードを突き刺し、90°回転させるーーー!

牙狼『うおおおおおお!!!』





ロック!オープン!!!

金色・極アームズ!!黄・金・大・大!大将軍!!




牙狼の鎧に全アームズの力が宿り、新たな形態が解放される!

名付けて―――――!




『極光鎧将(きょっこうがいしょう)・牙狼!!』



頭部、肩部、腰部に鎧武・極と同じ鎧を纏い、背部には後光と大樹の枝を模した、黄金に輝く翼。
牙狼剣も両刃状から火縄大橙DJ銃大剣モードと同じ、片刃状へ、大きさも牙狼斬馬剣と同等程のモノに変化。
その名も、牙狼極橙剣(がろうきょくだいけん)!



極光鎧将・牙狼(以下極・牙狼)『コウガネ、貴様の陰我――――!』







鎧武G『ここからは俺達のステージだぁっ!!』





極・牙狼『この俺達が、断ち斬るっ!!!』




BGM:一触即発〜Trigger of Crisis〜+JUST LIVE MORE次回予告ver.



莉杏「闇を裂く雷光、愛を守る誓い」

舞「うつむくことも、曲げることもなく」

莉杏・舞「「交わりし力の先に、新たな未来があると信じて」」

莉杏・舞「次回、最終回。【魂〜Gold Soul〜】」



流牙「じゃあ、元気でな」

紘汰「ああ、また会おうぜ」


今回はここまで。
もうね、完全に『私の趣味』爆発です。
次回が最終回です。明日か明後日には更新できると思います。
ではまた。

皆様こんばんわ>>1です。
このSSも今回で最後の更新になるかと思います。
どうぞ最後までお付き合い下さい。
では始めていきます。

【前回までのあらすじ】(CV大塚〇忠さん)



ヘルヘイムに突入し、遂にシドと対峙した紘汰と流牙達。
シドホラーを光実達が引き受け、流牙と紘汰は本体であるシドに挑むが、隙をつかれ流牙がホラーに呑み込まれてしまう。
それでも諦めない二人の心に呼応するかの様に、牙狼と鎧武の新たな力が覚醒した!

【魂〜Gold Soul〜】ドドン!



シド『この!こけおどしだ!』バッ!

新たなアームズに狼狽したシドがマンドレシアの蔦をけしかけるが。

鎧武G「はあっ!」バッ!ゴォォォ!!

鎧武が手をかざすと、魔導火の障壁が形成され、迫る蔦を寄せ付けずに燃やし尽くした!

鎧武G『ふっ!はああああ!!』ボォォォ!!バッ!

全ての蔦を焼き尽くすと、そのまま障壁を炎の衝撃波としてシドに放つ!

シド『何!?ぐぅ…っぐあああああ!!!』バチバチバチ!ボジュゥゥゥ!!

超高温の衝撃波を、手をかざし障壁を展開するも防ぎ切れず、逆にかざしていた右腕が焼かれる!

シド『ぐぁぁぁっ!…くっそがぁぁ!!』バッ!ズバッ!

魔導火に焼かれる右腕を切断し、今まで以上に強く鎧武を睨みつけるシド。

シド『もう絶対に許さねえ!ぐおぉ!』ズズズズ!

蔦による攻撃は無効と判断したのか、マンドレシアの枝の形状を変化させた剣を引き抜き、かつて自身が纏っていたシグルドと酷似した甲冑を身に付け、鎧武に襲いかかった!

鎧武G『それはこっちの台詞だぜ!シド、俺はあんたを絶対許さねえ!はっ!はぁぁぁ…!』ジャキン!ギィィィ!

鎧武も怒りを露にし、牙狼アームズのアームズウェポン・鎧狼剣を、牙狼と同じ様に構える。

鎧狼剣。
基本的な形状は牙狼剣と同じだが、紋章の部分に無双セイバーと同様にロックシードをはめ込むドライブランチがあることと刀身に烈火炎装の為にザルバが埋め込まれているのが特徴だ。

ザルバ『小僧、俺様も援護してやる!存分に闘え!』カチカチ

鎧武G『ああ!頼むぜザルバ!やあああ!!』ダッ!

シド『がぁ!』ズバッ!

鎧武G『はっ!!おらぁ!でりゃあ!』キィン!ガキィン!ズバァッ!

襲い来るシドの斬撃を払い除け、返す刀で鎧狼剣を繰り出す鎧武!

シド『ぐぁぁ!?』

鎧武G『まだまだぁ!うりゃあ!おらっしゃあああ!!!』ザシュ!ズバッ!ガッ!ズバァァァッッ!!

勢いそのままに連撃を浴びせ、先程まで苦戦していたシドを圧倒し、吹っ飛ばした!

シド『ぐわぁぁぁぁぁ!?』ズシャァァァ!!

鎧武G『ふっ!…おおぅ!すっげえなぁ、コレ!!』

ザルバ『まだまだこんなもんじゃないぜ?俺様達の力、目ん玉に焼き付けなぁ!』ボォォォ!!

牙狼アームズの力に驚嘆する鎧武を尻目に、ザルバが魔導火を放ち、鎧狼剣に烈火炎装の力を宿す!

鎧武G『おおおお!!かっこいい!!』キラキラ

ザルバ『さあ、ぶっぱなしな小僧!』カチカチ

鎧武G『ぶっぱなすって…こ、こうか?』ブォン!バシュゥン!!

鎧武が剣を振るうと、炎の斬撃がシド目掛けて飛んでいく!

シド『な、何!?うおお!?』ボジュウウウ!

思わぬ攻撃に咄嗟に剣で防御はとったものの炎が剣を焼き尽くした!

鎧武G『おおお!!やっぱすっげぇ!!よーし!行くぜ!』

シド『ぐっ!調子に乗りやがって!!』バッ!

今度は蔦を鞭の様に手に構え、攻撃してくるシド。

鎧武G『はっ!うりゃあ!』サッ!ガシッ!

だが鎧武はその蔦を躱して掴み、それを利用して天高く飛び上がった!

シド『な、何!?くっ!』バッ!

ザルバ『邪魔はさせないぜ!』ボォォォォ!!

蔦を放ち、上空の鎧武を迎撃しようとするシドだったが、ザルバの魔導火がそれを焼き尽くす!

鎧武G『今だっ!!』ロックオン!アオ!ミドリ!アカ!キン!レインボー!ガロチャージ!!

その隙に鎧武が牙狼ロックシードを鎧狼剣にセットし、エネルギーを最大までチャージする!

鎧武G『はああああ!!セイッハァァァ!!』ガロォォォォォォォォォ!!!!!

シド『う、うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!!?』ドカァァァァン!!!

狼のような烈火炎装のエネルギーを纏った鎧武の一撃が、遂にシドを斬り裂いた!

鎧武G『いよっしゃあ!やったぜ!』

ガッツポーズを取り、勝利を喜ぶ鎧武だったが。

ザルバ『…!!小僧、まだだ!奴の邪気はまだ完全に消えてないぞ!』カチカチ

鎧武G『えっ!?どういうことだよザルバ!』

シド『ふはははっ!無駄だ!詰めが甘いんだよ、葛葉紘汰!』シュバッ!

鎧武G『なっ!?うわぁ!?』ガキィン!

倒したと思ったはずのシドが再び現れ、鎧武に不意打ちを喰らわせる。

鎧武G『そ、そんな!?手応えは確かにあったはず!』

シド『ばーか!俺が何の準備もせずに、ノコノコ姿を現すとでもおもってたのか?』シュババババッ!

今まで以上の量の鋭い蔦を這わせ、鎧武に襲いかかるシド。

ザルバ『…!まさか、奴はダミーか!?』カチカチ

鎧武G『ダミー?…って事は本体は別にいるのか!?くっ!』キィン!

攻撃を捌きながらザルバの言葉から本体の存在を推測する。

ザルバ『ああ。本体を斬らない限り、コイツは何度でも蘇るぞ!』カチカチ

鎧武G『ちっ!そんなこと!言われても!本体なんてどこにいるんだよ!』ガキィン!ズバッ!

ザルバ『…少しだけ耐えろ!感知してみる!』カチカチ

鎧武G『わかった!でりゃあ!たぁぁぁ!!』ズバッ!キィン!ダッ!

シド『ははははは!いつまでもつかな?』

鎧武G『おらぁ!へっ!シド、お前こそいつまで笑ってられるかな!?』カシャン!ガロスカッシュ!

鎧武G『おらっしゃあああ!!』ガロォォォォォォ!!

狼の爪をあしらった強烈な斬撃が迫り来る蔦を一蹴し、全滅させる!

シド『ぐっ!聞き分けのないガキが!』バッ!ブゥゥゥン!!

鎧武G『フッ!でりゃあぁぁぁ!!!』カシャンカシャン!!ガロオーレ!

今度はイナゴを呼び出し翻弄しようとするシドだったが、鎧武も炎を纏った狼の牙をかたどったエネルギーを前方に飛ばし、それを焼き払う!

ザルバ『…見つけたぜ!本体はマンドレシアの体内にいやがる!』カチカチ

鎧武G『ほんとか!でも、どうやって体内なんかに入れば…!』

ザルバ『…あそこだ!流牙が取り込まれたあの穴から飛び込め!』カチカチ

鎧武G『穴…あれか!』ダッ!

先程流牙が呑み込まれた穴から、マンドレシアの体内に突入を試みる鎧武だが。

シド『ちっ!気付きやがったか!させるかよ!』バッ!

鎧武G『くぅっ!守りが今までよりも固い!』キィン!ズバッ!キィン!

ザルバ『何とか気張れ!流牙もあの中にいるんだ!』カチカチ

鎧武G『わかってるけど!くっ!』キィン!

シドの必死の猛攻に足止めされる鎧武。
その時!

『フン、やはり貴様はまだまだ甘いな』ガチャ!バナナ!ロックオン!カモーン!

鎧武G『!!』

仮面ライダーバロン『この俺が改めて、強いとは何かを見せてやる!はっ!』バナナアームズ!ナイトオブスーピアー!ズバァ!

シド『な、駆紋戒斗!?テメェいつの間にっ、ぐわぁぁ!!』ガキィン!

鎧武G『戒斗…!手伝ってくれるのか!』

バロン『勘違いするな。あんな偽りの力を手に入れて強者を気取るアイツが気に入らないだけだ。フッ!』キィン!ズバッ!

鎧武G『へっ、そうかよ!守護霊になっても相変わらずだな!やぁぁ!』ズバッ!


バロン『はあっ!葛葉!俺が活路を開く!お前はその隙に魔戒騎士の所へ!』ズバッ!

鎧武G『おうっ!サンキュー、戒斗!』

BGM:JUST LIVE MORE



バロン・鎧武『はぁぁぁぁっ!!』

シド『ガキどもが!調子に乗るなぁ!』シュババババッ!

今まで以上の蔦を展開し二人の行く手を阻もうとするシド。

バロン『無駄だっ!はっ!でやあ!はぁぁぁ!!』ザシュ!バッ!ズバァッ!

鎧武G『はっ!おらぁ!でりゃあ!』シュバッ!ボゥッ!バシュゥン!!

バロンの言葉通りあっという間に全てを切り裂かれ、焼き尽くされてしまう!

シド『くそがぁぁ!』シュバッ!

再び剣を抜き、近接攻撃で直接足を止めようとするシドだったが。

バロン『ふんっ!はぁっ!やぁぁぁ!!』ガギィン!ドスッ!ズバァッ!

シド『ぐああ!?』

鎧武G『はっ!でりゃあ!もういっちょぉ!!』バッ!ズバッ!ズバッ!ザシュ!

シド『ぐおおおおお!?』

シドの攻撃をバロンがバナスピアーで捌き、見事な連携で反撃を一気に叩き込んだ!

シド『こっの、くそガキども!どこまで俺の邪魔をすれば気が済むんだ!』

鎧武G『んなもん、決まってんだろうが!』

バロン『貴様のような偽りの強者など、どこまでも邪魔してくれる!』

鎧武・バロン『はあっ!!』ドカッ!

シド『ぐわぁっ!』

鎧武・バロン『でりゃあ!』ズバッ!

シド『うおお!?』

鎧武・バロン『ふっ!おらあああ!!』キィィィィィン!

シド『うわぁぁぁぁ!!』

蹴り、袈裟斬り、そして突きを同時に繰り出し、シドに反撃の隙を与えず圧倒する!

バロン『ふん、腕は鈍っていないようだな!』

鎧武G『お前もな!っしゃあ!』

シド『くっそぉ!!いけ!』ガチャ!ホラー!

シドホラー『キシャアアアアアアア!!』

激昂したシドはホラーロックシードを解錠、シドホラーを10体ほど召喚し、鎧武達を襲わせる。

バロン『そんな雑魚などで!』ズバババッ!

鎧武G『俺達が止まるかよ!』ザシュ!ザシュ!ザシュ!

ザルバ『ふっ、なんやかんやでいいコンビじゃねえか…』カチカチ

これもコンビネーションで滅多切りにし、全く寄せ付けない!

バロン『葛葉ぁ!一気に決めるぞ!』カシャンカシャンカシャン!バナナスパーキング!

鎧武G『おうっ!はぁぁぁ!!』カシャンカシャンカシャン!ガロスパーキング!

二人ともカッティングブレードを3回倒し、必殺を放つ!

バロン『はぁぁぁぁ!!』ズシャァ!

バロンがバナスピアーを地面に突き刺すと無数のバナナ型のエネルギーが足場から現れ、シドホラーを滅多刺しにする!

シドホラー『グギャァァァァァァ!!』

鎧武G『はああああっ!セイッハァァァ!!』ガロォォォォォォォ!

鎧狼剣から放たれた炎の狼状のエネルギーが縦横無尽に駆け抜け、シドホラー達を爪で引き裂き、牙で噛み千切る!

シド『何?!ぐ、ぐわぁぁぁぁ!!』ドカァァァァン!

エネルギーがそのままシドを貫き、爆散した!

ザルバ『道が開けた!いくぞ小僧!』カチカチ!

鎧武G『おう!』ダッ!

体内に通じる穴へ飛び込もうと駆け出す鎧武。

シド『何度も言わせるなよ!無駄だ!』バッ!

それを阻もうと、新たに現れたシドが鎧武に切りかかるが。

バロン『させん!』キィン!ブォン!

鎧武G『戒斗!』

シドの攻撃を受け止め、斬り払うバロン!

バロン『行け、葛葉!コイツは俺が叩きのめす!』

鎧武G『戒斗…!恩に着るぜ!ハッ!』バッ!

バロンの援護を受け、鎧武がマンドレシアの体内に飛び込んだ。

シド『くっ!だが、体内はもっと地獄だぜ…ぬわっ!?』キィン!

バロン『余所見をしている場合か?残念だが俺もアイツも貴様などには負けんぞ!』ズバァッ!

シド『くっ!ゲネシスドライバーも、エナジーロックシードも持たないお前の何処にそんな力が…!?』

バロン『言ったはずだ!貴様が手にしたのは偽りの力だと!』キィン!ズバァ!

シド『ぐあっ!?』

バロン『そして見せてやる!俺が手に入れた、本当の強さを!!』ジャキン!

〜マンドレシア体内〜



極・牙狼『はぁぁぁ!』ブォォン!ブォォン!

腐武『ぐっ!ぐわぁあ!!』キィン!

巨大な牙狼極橙剣を棒切れの様に軽々と扱い、腐武のガードの上から叩きつけ、吹っ飛ばす!

極・牙狼『おおおおお!』ジャキン!

腐武『くっ!』バッ!

牙狼の追撃から逃れようと体勢を立て直し、飛び上がる腐武。

極・牙狼『逃がすかっ!はあっ!』バッ!シュババババッ!

背部の金輪と枝状の翼が展開、太陽光のような金色の光と共に、エネルギー弾を腐武に放つ!

腐武『何!?くっ、ぐわぁぁぁ!!?』ドドドドドドド!!

腐武も毒リンゴの様なエネルギー弾でこれを相殺しようとするも、質量、数量で圧倒され直撃を許してしまう!

腐武『ぐぅぅぅ!嘗めるなぁ!!』カシャンカシャン!バッドアップルオーレ…!

戦極ドライバーのカッティングブレードを倒し、身の丈ほどの大きな腐ったリンゴの様なエネルギーを形成し、牙狼に向けて撃ち出す!

極・牙狼『はぁぁぁ!どりゃぁぁぁ!』ズバァァァン!!ズバァァァン!!

だが、金色を帯びた牙狼極橙剣が迫り来るエネルギーを十字に斬り裂いた!

極・牙狼『無駄だ、コウガネ!貴様の攻撃など俺と紘汰の力の前には通用せん!はぁっ!』バッ!

BGM:牙狼〜SAVIOR IN THE DARK〜 short ver.



腐武『くっ!おのれぇぇぇ!!』カシャン!バッドアップルスカッシュ…!

極・牙狼『無駄だと言ったはずだ!はぁっ!』バッ!キィン!バシィンッ!!

今度は、小さいがかなりの数の毒リンゴ型のエネルギーで弾幕を張る腐武だったが、牙狼も極橙剣と金輪から発せられる金色の障壁でそれらを全て無効にする!

腐武『ぐっ!?く、来るなぁぁぁ!』

みっともない声を上げ、必死に上へ逃げようとする腐武だったが。

極・牙狼『逃がさん!おおおおおおお!』シュバッ!バシュゥン!!

腐武『ぐあああっ!?』ビリビリビリ!

金輪の内側にオレンジの断面の様なエネルギーが形成、そこから極太の金色のレーザーが発射され、腐武へ照射、これを拘束する!

極・牙狼『はぁぁぁぁぁっ!!』!ゴォォォォォォ!

牙狼極橙剣に虹色の炎を灯し、横一文字に構え、腐武へ向けて突撃する牙狼!

腐武『ぐぅっ!ぎゃぁぁぁぁぁぁ!!』ギリギリギリ!ベキン!ボジュゥゥゥゥゥゥ!!

バッドブリンガーでのガードごと、牙狼極橙剣が腐武を刺し貫き、そのまま上方へと押し上げる!!

腐武『馬鹿なっ…!黄金の果実である、私がっ!な…ぜ…!?』ガシッ!

この期に及んで、未だに黄金の果実であることに執着する腐武、否、コウガネ。
せめてもの抵抗として自身に突き立てられた牙狼極橙剣を止めようと刀身を掴む。

極・牙狼『何が黄金の果実だ!貴様はただの―――!!』グッ!

そんなコウガネの言葉を牙狼が一蹴し、牙狼極橙剣を握る力を強め、より一層深くへと押し込む!

腐武『ぐわぁ!お…のぉれぇ!!黄金騎士、そして葛葉紘汰ぁぁ!』

極・牙狼『おおおおおっ!!はぁぁぁっ!!!』ガロォォォォォォォォ!!!!!

腐武『ぎゃああああ!!』

遂に極橙剣が完全に貫き、腐武をまっぷたつに斬り裂いた!

腐武『わ、たしの…黄金……!!』ドカァァァァン!!

腐武が爆発四散し、牙狼の鎧に再び完全に黄金の輝きが蘇った!

極・牙狼『ハァ…ハァ…ハァ…!』バシュゥン!!

流牙「やった…!…後は、紘汰と…合流しないと…!」

『―――牙ー!無事かー!?』

流牙「…ん?」

鎧武G『流牙ー!』パタン!スゥー!

流牙「紘汰!何でここに!?」

紘汰「良かった、無事だったんだな!」

流牙「ああ、お前が渡してくれたコイツのお蔭でな。ありがとね」つ極ロックシード

紘汰「気にすんなって!こっちもザルバのお蔭で助かったぜ、なっ!」つザルバ

ザルバ『…和気藹々としてるところ悪いがな。俺様達が来たのはシドとやらの本体が体内にいるからだぞ?』カチカチ

紘汰「おっと、そうだった」

流牙「本体?じゃあそいつを斬らないと…」

ザルバ『ああ。シドホラーもシドも、何度でも蘇るって寸法さ』カチカチ

紘汰「俺達はお前が本体と闘ってると思ってここまで降りてきたんだけど…」

ザルバ『…!小僧共、下だ!』カチカチ

紘汰「えっ?…あぁっ!」

流牙「あれはっ…!?」

紘汰と流牙がザルバに促されて下をみると、マンドレシアの体内壁からシドが姿を現していた。

シド『くっ…このガキ共…!よくも…!ぐぅぅぅ…!?』

流牙「ザルバ!奴がそうか!?」

ザルバ『間違いない!…だが様子が少し変だ…』カチカチ

シド『…ぐぅあああ!?やめろぉっ!俺はぁ、俺はぁぁぁぁっ!!……!』

ザルバの言う通り、シドは何かから侵食されているかの様に大声で叫びながら苦しんでいたが、唐突に黙ってうつむいてしまう。

ザルバ『…!まずいぜ、奴が覚醒しやがった!』カチカチ

ザルバが叫んだ直後、シドから禍々しいオーラが放たれ、体内から奇怪な植物が生え出した!

マンドレシア『フッ、ハハハ!礼を言うぞ、魔戒騎士!そなたがあのイナゴを斬ってくれたお蔭で、我の本当の力が覚醒した!』

紘汰「シド!?何を言って…!?」

シドの豹変に驚きを隠せない紘汰。

流牙「…もしかして、コウガネを倒したからホラーの侵食が進んだのか!?」

紘汰「えっ!?流牙お前、コウガネ倒したの!?」

流牙「あ、ああ。何とかね…」

ザルバ『なるほど、奴がホラーを操れたのも自我を保てていたのも、コウガネとやらの力でマンドレシアの能力を制御していたからか!』カチカチ

紘汰「じゃあそれが失くなった今、シドは…!」

ザルバ『ああ、奴の魂は完全に喰われ、体はホラーの器と化しちまった!もう斬るしかないぞ!』カチカチ

紘汰「くっ…けど…!」

いくら化け物に成り下がったとしても、いくら元々敵対していたとしても、それでも初瀬の時と同じ様に、紘汰はシドを斬ることを迷った。
それを察してか、流牙が手で紘汰を制する。

流牙「…さがっててくれ、紘汰。ああなった人間を斬り、魂を解放してやるのは、俺の…魔戒騎士の使命だ」

紘汰「…魂を、解放?」

流牙「…そうだ。ホラーに喰われた魂は、その中で未来永劫苦しむことになる」ジャキン!

流牙が魔戒剣を抜き、構えをとる。

流牙「それを解放するには、俺達の魔戒剣で斬るしかないんだ。例えそれが人の姿をしていても、ね。だから…」

だから、奴は俺が斬る。と言おうとした矢先、紘汰が顔を上げた。

紘汰「…わかった。俺も付き合うよ」ガチャ!カチドキ!フルーツバスケット!

流牙「…いいのか?」

紘汰「今回くらいはお前だけに重荷を負わせたりはしないさ」

流牙「…ありがとう。じゃあ!」

紘汰「ああ!行くぜ、変身!」ロックオープン!極アームズ!大・大・大・大・大将軍!

流牙「はっ!」バッ!グルッ!シャッ!

BGM:一触即発〜Trigger of Crisis〜



鎧武・極『終わりにしようぜ、シド…いや!』カシャンカシャン!ヒナワダイダイDJジュウ!ムソウセイバー!

牙狼『マンドレシア!貴様の陰我、俺達が断ち切る!』ボゥッ!

鎧武が火縄大橙DJ銃と無双セイバーを合体させた大剣を構え、牙狼も牙狼剣に威力を上げた烈火炎装を施す。

鎧武・牙狼『はぁぁぁぁ!セイッハァァァ!!』カシャンカシャン!極オーレ!バシュゥゥゥゥゥン!

二つの巨大な炎の斬撃がマンドレシア目掛けて飛んでいく!

マンドレシア『ぐっおおおお!』バチバチバチバチバチ!

だがホラーとしての力が全開となったマンドレシアの障壁が斬撃を阻み、直撃を許さない。
障壁と斬撃が拮抗している様を見ながら、鎧武が叫ぶ。

鎧武・極『くっ!効いてないのか!?』

牙狼『まだだ!諦めるな!はあっ!!』バシュゥン!!

牙狼がもう一度、烈火炎装を飛ばし、斬撃に更に上乗せさせる!

マンドレシア『ギュルァァァァォ!!』バチバチバチバチ!!

奇妙な鳴き声と共にマンドレシアも障壁を強化し、斬撃を耐えようとする。

鎧武・極『…ああ、そうだ!諦めてたまるか!もういっちょ!!』カシャンカシャン!極オーレ!バシュゥゥゥン!!

鎧武も再び火縄大橙無双斬を繰り出し、最初の一撃にその威力を上乗せする!

牙狼『どりゃぁぁ!』バシュゥン!!

鎧武・極『おらっしゃああああ!』バシュゥゥゥン!

牙狼『まだまだぁぁ!』バシュゥゥゥン!

鎧武・極『コイツでどうだぁぁぁ!!』バシュゥゥゥン!

マンドレシアの防御を崩さんと、攻撃の手を緩めない二人。

そして遂に!

マンドレシア『ギュルルルルルルル!!!??』バチバチバチバチ!ピシッ!

度重なる鎧武と牙狼の猛攻に押され、徐々にマンドレシアの障壁が崩れ始めた!

マンドレシア『ぐぅっ!何故だ!?黄金の果実の力を手にし、最強のホラーとなるはずの我が…!何故ぇぇ!!!?』

鎧武・極『笑わせんな!お前が掴んだのは黄金の果実なんかじゃない!』

牙狼『そうだ!ソイツはただ金メッキで塗り固められた、腐ったリンゴに過ぎん!はぁぁぁぁ!!』

一蹴と同時に牙狼の黄金の輝きが増し始め、周囲を、斬撃を、そして鎧武の極アームズの鎧をも金色に染めて行く!

鎧武・極(何て、暖かい光!力が溢れてきやがる!これなら!!)

戦極ドライバー、カチドキロックシードも金色に変化。
金色(こんじき)極アームズとも呼べる姿が顕現した!

鎧武・金色極『行くぜ、流牙!とぅっ!』カシャンカシャンカシャン!極金スパーキング!

牙狼『おうっ、紘汰!はぁっ!』バッ!

ザルバ『やっちまえ、流牙、紘汰!』カチカチ

牙狼と鎧武が飛び上がると同時に、二人と斬撃、そしてマンドレシアの間に牙狼の紋章を模した巨大なエネルギーが出現した!

鎧武・牙狼『『はぁぁぁっ!!』』

それらを潜り抜けると七色の狼のオーラが二人を包み、斬撃を押し込む様に飛び蹴りを繰り出す!

名付けて『極金(きょっこん)無頼キック』!!

マンドレシア『な、何だこの力は!?ふ、防ぎきれん…ぐおおおおおっ!!??』バリィィィン!

鎧武・金色極『これが俺達の!』

牙狼『極まりし、黄金の力だ!』

鎧武・牙狼『セイッハァァァ!!!!』ガロォォォォォォ!

マンドレシア『ぐおおおおおお!!??』ドカァァァァァンン!!!!!

〜ヘルヘイムの森・マンドレシアの体外〜

ガイ『ふっ!はぁっ!…!!皆、見ろ!』シュバッ!

ゼン『あぁっ!?今、それどころじゃっ!…おおっ!?』ズバッ!ドカッ!

ナックル『ふっ!…おお、マンドレシアが!』

マンドレシアの体のあちこちで爆発を起こり、崩れ去って行く。

シドホラー『ギャアアアアア…』ジュウウウウウ…

グリドン『おお?シドホラーが消えてくぞ!』

斬月・真『ふっ。やり遂げたか、道外、葛葉…!』

グリドンの言う通り、シドホラーが動きを止め、消滅し始めた。

莉杏「流牙…!」

龍玄『紘汰さん…!』

〜マンドレシア頂上の足場〜

バロン『ふんっ…やはり、お前達は本当の強者だった…な…』パタン!スゥー!

爆散していくマンドレシアの中で、変身を解除し、戒斗が呟く。
その背後には、何十にも及ぶシドホラーの亡骸と、倒れ伏したシドの姿があった。

シド『…はははっ、何時の間にそんな強くなったんだ、坊主共…?』

僅かに残った自我と体力を振り絞るシド。
その顔には今までの様な邪心は宿っておらず、むしろ清々しい微笑みが浮かんでいた。

戒斗『…お前が自分の為に使おうとした力を、アイツらは他の誰かの為に使った。ただそれだけだ』

シド『けっ…!…結局、俺の完…敗って訳…か…!あーあ…黄金の果実さえ…あれば…な…』

それだけ言い残してシドは目を閉じる。

戒斗『…耀子にも言ったがな、シド。知恵の実は知恵の実、お前はお前でしかない。…まあ、安心しろ。カードくらいなら、あの世でいくらでも付き合ってやるさ…』

シド『…へへっ、そいつは…楽しみ…だ…』

そして、二人は炎の中へと消えて行った―――

〜再びマンドレシアの体外〜

牙狼・鎧武『『はぁぁぁ!!』』

牙狼と鎧武がマンドレシアの体内から文字通り蹴破って脱出する。

牙狼『ふっ!』バシュゥン!!

戻ってくるなり鎧を解除する流牙。

流牙「ハァ…ハァ…ハァ…危なかった…」

ザルバ『もう少しで鎧の限界時間だったな。ふふっ、まあ良くやったと褒めてやるぜ』カチカチ

流牙「…へへっ、珍しいな。ザルバが俺を褒めるなんて…ふぅ…」

鎧武・極『大丈夫か、流牙?』パタン!スゥー!

紘汰「ほら、掴まれよ」サッ

流行「ああ、ありがとう!」ガシッ!

手を差し延べる紘汰。
手を掴み、立ち上がる流牙。
今日会ったばかりの2人だが、互いの心の中にはそんなことを微塵も感じさせない、確かな絆が築き上げられていた。

光実「紘汰さーん!」

莉杏「流牙ー!」

いつの間にか二人の元へ、莉杏達が駆け寄って来ていた。

紘汰「…へへっ!行こうぜ!」

流牙「ああ!」

紘汰と流牙も皆の元へ駆け出す。

そう、彼らは勝利したのだ。
人々を脅かし、その魂を喰らう恐怖との闘いに―――!

【Epilogue 〜未来を繋ぐ戦士たち〜】




〜沢芽市外れの森〜

哀空吏「…流石に、もういないか…」

哀空吏が訪れたのは、戒斗と出会った森だった。
シドとの決戦から一夜明け、流牙達より先にボルシティへと戻ることにした哀空吏だったが、最後にこの場所をどうしても訪れておきたかった。

哀空吏「…駆紋戒斗…か」

戒斗がいなくても哀空吏達は事の真相に行き着いただろうが、彼のヒントで今回の件が早期解決へと至ったのは変えようのない事実でもあった。

哀空吏「…礼は言わんが、供え物くらいはしておいてやる」

そう言って、フルーツの盛り合わせが入った籠を森で一番と思われる大樹の元に置いた。

哀空吏「…さらばだ、駆紋戒斗。そして、沢芽市…」

身を翻し、その場を後にする哀空吏。

誰も居なくなった森。

そこへパシッと、果物を放り投げ、キャッチする音が木霊した。

戒斗『…ふんっ、礼を言われるまでもない…が、まあ、これはもらっておいてやる』

リンゴをかじり放り投げ、また空中で捕る。

戒斗『…さらばだ、楠神哀空吏』

その一言を最後に、再び森の中を木漏れ日と静寂が包んだ―――

〜沢芽市内・ダンスステージ〜

ラット「イエーイ!」

リカ「皆ー!盛り上がってるー?」

ペコ「今日もノリノリで行ってみよう!」

今日も今日とて若さハジけるビートライダーズ達の熱いダンスステージ。
それを離れたところから見守る者達がいた。

ザック「やっぱ、こういう平和が一番だよな」

猛竜「ああ?いきなりなんだよ?」モグモグ

ザック「いや、この平和を、俺達ちゃんと守れたんだなって思ってさ」

猛竜「…まあな」モグモグ

ザック「ま、今頃城之内はシャルモンのおっさんに、またみっちりしごかれてるんだろうけどな」ハハハ

猛竜「へっ、ちげえねえや」ハッハッハ

ザック「…なあ猛竜、改めて礼を言わせてくれ。俺達と一緒に闘ってくれたこと」

猛竜「礼なんていいって。ホラーから人を守るのは俺達魔戒騎士の使命なんだからよ」モグモグ

ザック「それでもだ。俺達だけじゃ、アイツらには勝てなかった。お前達が来てくれたから街を守ることが出来たんだ」

ありがとう、と頭を下げるザック。

猛竜「よせって。大体、あのホラーは俺達だけでも倒せなかった。お前達の協力あっての勝利なんだぜ?だからおあいこってことにしとこうや」モグモグ

ザック「猛竜…!ああ、そうだな!…ってさっきから何食べてるんだ?」

猛竜「城之内から貰った、シャルモンのおっさんのスイーツ。ごっそさん!」モグモグゴクン

ザック「…あああああ!!おま、全部食べたのかよ!?俺の分もあったんだぞ!?」

猛竜「全部は食ってねえよ、ほれ」ポイッ

ザック「っと!ってバナナ!?バナ…バナナ!?」パシッ!

猛竜「へへへっ!じゃあな!!達者で!皆によろしくな!!」ダッ!

ザック「あ、おい!ちょっと待てよ!…ったく、涙、隠しきれてないぜ?」

走り去る猛竜を見送るザック。

ザック「また、いつかな!猛竜!」

ザックの別れの挨拶に、返事代わりに振り向かないまま左手を上げる猛竜。
それもそのはず。

猛竜「ズビッ…じゃあな、ザック!グスッ!沢芽市!」

炎刃騎士の顔は、涙まみれであったから。
誰よりも熱い魔戒騎士は、同時に誰よりも情に厚く涙脆くもあったのだ―――――

〜沢芽市外れの丘〜

紘汰「色々、世話になったな」

流牙「気にするなよ。こっちも助かったんだし、お互い様だろ」

紘汰と流牙が固い握手を交わす。

紘汰「…あの後、体の調子はどうだ?何か変わったこととかは?」

流牙「全然?昨日もシャルモンでうまいもん食えたし、絶好調だよ」

紘汰「そう、か。いや、渡しといてなんだけど、あのロックシードは結構危険な代物だったからさ…何もないようで良かったよ」

極ロックシードを使った影響で、流牙の身体に異変が起こったのではと懸念していた紘汰だったが、どうやらそれは杞憂のようだ。

ザルバに拠れば―――

ザルバ『どうにも、流牙に何らかの加護の術が働いていたようだな。それが流牙をそのロックシードの悪影響から守ったのだろう』カチカチ

―――とのこと。

流牙(きっと母さんと法師、そして英霊たちが守ってくれたんだろうな…)

確証はない。だが、流牙はそう確信していた。

とそこへ、上空から光の球体が現れ、紘汰の傍らに立つように降り立った。

舞「…紘汰、ミッチ、皆」

光実「…舞さん」

高司舞、またの呼び名を始まりの女。
元ビートライダーズ・チーム鎧武の一員でもあった女性で、現在は別の惑星で紘汰のパートナーとして暮らしている。

貴虎「…もう、行くのか?」

紘汰「ああ、それが俺の使命だからな」

貴虎「…晶には、会っていかないのか?」

紘汰「…姉ちゃんに会ったら多分怒られるし、それに今はアンタがいてくれるだろ?」

貴虎「そう、だな。ふっ、お前ならそう言うと思ったよ」スッ

貴虎が手を上げると、木陰から一人の女性が姿を見せた。

紘汰「ね、姉ちゃん!?」

晶「…紘汰!」ダッ!

姿を見せるなり紘汰に向かって猛ダッシュする晶。

晶「紘汰ぁ!あんたって子は!」

紘汰「うわわわわ!ご、ごめん姉ちゃん!ごめんって!!」ピュー!

ビンタでもされると思ったのだろう、始まりの男の姿で晶から追い回される紘汰。
そのシュールな光景に、流牙が笑い出した。

流牙「ぷっ!あははは!」

莉杏「ちょっ、流牙!笑っちゃ悪いわよ…プププッ…!」

光実「り、莉杏さんも笑ってるじゃないですか…ふふっ!」

舞「ちょっと、ミッチまで…うふふ…!」

結局、全員笑い出してしまう。

紘汰「ちょっ!皆、笑ってないで助けてくれよ!ミッチ、貴虎!」

貴虎「ふっ、散々心配と迷惑をかけたんだ。少しくらい怒られておけ」

紘汰「そ、そんなっ、うわあっ!?」

晶「捕まえたわよ、紘汰!」バッ!

紘汰「ね、姉ちゃん!ごめん―――!」グッ!

殴られるっ!そう思ってつい身構えた紘汰だったが。

ギュッ!

紘汰「…えっ?」

晶「馬鹿…。また会えて良かった…」

晶が涙を浮かべながら、紘汰に抱きつく。

紘汰「…姉ちゃん。…その、心配かけて悪かった」

晶「本当よ…。何も言わないで居なくなるんだから…」

紘汰「…本当にごめんな」

晶「もういいわ。紘汰自身が決めたんでしょ?だったら、やることしっかりやり遂げなさい?」

紘汰「…ああ!」

ひとしきり言葉を交わした後、名残惜しそうに晶が手を離す。

紘汰「…貴虎、姉ちゃんを頼んだぜ」

貴虎「ああ、任せろ…紘汰」

初めて貴虎が紘汰の名を呼ぶ。
もうすぐ義弟になる、恩人の名を。

貴虎「約束しよう、俺は変身する!世界も、晶も、そして生まれてくる子どもの未来も守ってやれる人間へとな!」

紘汰「ああ!変身、約束だぜ?」

流牙「…紘汰!」ポイッ

紘汰「おっと…これは?」パシッ!

去ろうとする紘汰に、流牙が投げ渡したのは、ホラーの爪と言う魔除けの品をペンダントにしたものだった。

流牙「魔除けだよ。…お互いに、頑張ろうぜ。守るべきものの為に…!」

紘汰「ああ、守るべきものの為に!」

爪のペンダントを握り締めて掲げ、笑顔を見せる紘汰。
別れの時が近付いていた。

光実「紘汰さん、舞さん!お元気で!またいつでも帰って来て下さい!」

紘汰「おう!ミッチも、貴虎と仲良くやれよ!」

舞「頑張ってね、ミッチ!」



流牙「…じゃあ、元気でな!」

紘汰「ああ、また会おうぜ!」



次の瞬間、巨大なクラックが開いたかと思うと、光と共に紘汰達がその中へと消えて行った。




流牙「…じゃあな、葛葉紘汰。俺と同じ、守りし者よ」


―――――



ザルバ『こうして、沢芽市に集った若造達は、再び自らの道を歩き始めた』

サガラ『彼らの物語はまだまだ終わったわけじゃあないが、ひとまず今回はこれで幕引きとしよう』

ザルバ『…だが、この時既に流牙は予感していた』

サガラ『ああ。そして、葛葉紘汰も同様に感じていたのさ』




ザルバ・サガラ『『新たな闘いの幕開けを―――』』







To be continued.




Next GARO's story is GOLD STORM.

And next GAIM's story is Super Hero War GP.

Don't miss both…!

と言う訳でおしまいです。
初SSだったので勝手がわからず、四苦八苦しましたがいかがだったでしょうか。
取り敢えず>>1のやりたいことは全部詰め込めました。
それでは、長いようで短い間のお付き合いありがとうございました。

最後におまけだけ載せておきますね

【おまけ】



※ここからのナレーションはCV立木〇彦さんでお楽しみ下さい。



『デレレレデレレーレレ!』←デンライナーの警笛音のつもり



アイツらが――――



良太郎「モモタロス、いくよ!」



帰って来たぁ!



電王S『俺、参上!』

―――

ハナ「何あれ!?」

―――

時の砂漠に突如現れたのは…!

―――

良太郎「…幽霊船!?」

―――

ナオミ・ハナ「「きゃああああ!?」」

モモ・ウラ・キン・リュウ「うわああああ!?」

ジーク「…やれやれ、騒々しい家臣たちだ…」

良太郎「なんで、こうなるのぉぉ!??」

―――

デンライナー、脱線!?

時空をさまよいたどり着いた場所は…

―――

良太郎「海…?」

最上「…列車?」

―――

良太郎「別の世界の日本ってこと!?」

ウラタロス「女の子も一杯いるし、釣りが捗りそうだねぇ!」

モモタロス「言ってる場合か、このスケベ亀!」

―――

何と、別の世界の日本!!??

―――

駆逐イ級『オマエノノゾミヲイエ…』

電王S『何だこいつら、気持ち悪い!!』ジャキン!スピィン!

―――

迫り来る謎の敵、深海イマカン!?

―――

扶桑「西村艦隊の本当の力、見せてあげる!」

山城「砲戦、用意して!」

最上「いっけええ!」

満潮「ウザいのよっ!」

時雨「残念だったね!」

―――

迎え撃つ艦娘達と―――!

―――

電王R『お前達、僕に釣られてみる?』

電王A『俺の強さは泣けるで!』

電王G『お前達倒すけどいいよね?答えは聞いてない!』

電王W『降臨、満を持して!』

―――

電王チーム!

―――

―――

良太郎「えぇぇぇ!!??僕が、提督ぅ!?」

―――

良太郎提督、参上!?

―――

最上「え!?なにこれ!?何これぇ!?かっこいいー!!」

―――

そして何と最上が!?

―――

仮面ライダー艦王モガットフォーム『え、ええっと!?』

電王S『こうだよ、こう!俺、参上!って!』

艦王モガ『ええ!?じゃ、じゃあ!ぼ、僕、参上!』

―――

仮面ライダー艦王、誕生!
しかし!?

―――

艦王フソードフォーム『空はどうしてあんなにも青いのでしょう…あ、戦艦扶桑、参上します…』

艦王ヤマシロッドフォーム『こんな姿に釣られるなんて、不幸だわ…!』

艦王ミチシアックスフォーム『私の罵倒でクズを泣かすわ!』

艦王シグレールガンフォーム『君達には失望したよ!答えも聞きたくない!』



モモタロス「…俺達よりも大丈夫か、コイツら…?」

良太郎「あはは…でも可愛いよね」

モモタロス「お前…マジで言ってんのか?」

―――

―――

現れた最恐の敵、仮面ライダー海王!

―――

仮面ライダー海王『この船とこいつらは…オイラの家族だ…!』

―――

一体どうなる!?

―――

艦王HS『行けるかしら?』

電王S『行くぜ行くぜ行くぜぇ!』

―――

電王R『お前』

艦王YR『不幸に』

二人『『吊られてみる?』』

―――

電王A『どっせーい!』

艦王MA『どすこーい!ってコレ、アタシのキャラじゃないわよ!』

電王A『俺達の強さは!』

艦王MA『泣けるわよ!』

―――

艦王SG『見つけたよ!』

電王G『倒すよ!』

二人『答えは聞いてない!』

―――

電王W『降臨!』

艦王モガ『瑞雲を持して!だっけ?』

―――

電王超C『俺達!』

艦王ホウギョライマックスフォーム『参上!』


―――

電王L『最上!!』

艦王フリートフォーム『うん!提督!!』

電王L・艦王F『行っけええええ!!』

――――――

仮面ライダー電王vs艦隊これくしょん 〜俺達、艦上!〜

――――――

――――――

モモタロス「不幸?はん、良太郎ほどじゃねえだろ?」

扶桑「提督も?ってきゃああああ!?」

良太郎「扶桑さん、危なわああああ!?」ドンガラガッシャーン!

扶桑「いったたた…」

良太郎「ぐえええ…」扶桑on良太郎

――――――

気分が向き次第、公開!

長くなりましたが今度こそおしまいです。
ではまたどこかで。

しばらく放置してて忘れてましたが、HTML化依頼出してきます。
今度こそ完結です。ではまた。

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