卯月「心に愛がなければスーパーアイドルじゃないんですよ……!」 (967)


トレーナー「卯月ちゃん」

卯月「あっ、お疲れ様です!」

トレーナー「さっき見てたの、この前の写真?」

卯月「はい、早く私も武道館でやりたいなって」

トレーナー「ふふ、気が早いわね」

トレーナー「でも、卯月ちゃんは頑張ってるわ」

トレーナー「同期の子は、皆えs……辞めちゃったのに」

卯月「はは……」

トレーナー「さあ、今日もアイドルになるために、ストレッチからのハイキック行くわよ」

トレーナー「ダンスには柔軟性と、そしてしなやかな動きが――」

ガチャッ

バタン

卯月「!?」

P「…………」

卯月「ひいいいい!?」

卯月「ママーーーーーーッ」 ジョジョー

トレーナー「落ち着いて卯月ちゃん!」

トレーナー「何なんですか貴方、乱暴する気ですか、エロ同人みたいに!!」

P「いえ……私は……」


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卯月「ぷ、プロデューサーさん!?」

P「はい」

P「先日シンデレラプロジェクトのオーディションを受けて頂きましたよね」

P「欠員が3名出まして」

卯月「……」

卯月「あれ、そもそもオーディション合格者って3名だったような」

P「……」

卯月「……」

P「アイドルとは、厳しい世界ですから……」

P「ステージに上がり、負傷し、しばらくステージに上がれなくなる者や、レッスンの過程でいなくなる子もいます」

卯月「なるほど」


卯月「でも、何で私が……」

P「笑顔です」

卯月「えっ」

卯月「私、笑顔には自信あるんですよっ!」

卯月「私、デビューできるってことですよね!?」

P「ええ」

卯月「でびゅううううう!!」 キャッホーイ

卯月「私、アイドルになれるんですねっ!」

P「ええ」

P「ではここにサインを」

卯月「はい!!」

P「その素直さと疑問を抱かない所も、笑顔と同様評価されたようですよ」

卯月「え?」

P「それでは詳しいことは後日」

卯月「あ、はい」


卯月「デビュー♪」

卯月「ママにも報告出来たし、お花でも買って帰ろうかなー♪」

卯月「なんか、こう、気分が上がるよねっ」

卯月「せっかくの記念日だし、おっきな花束を……」

卯月「……」

卯月「いち、じゅう、ひゃく……」

卯月「……」

卯月「たんぽぽでも十分綺麗だよね……」

卯月「……」

卯月「ダメダメ、折角なんだから、せめてあっちのお花を……!」


凛「何かお探しですか?」

卯月「あっ、すみません、なかなか決まらなくて」

凛「どなたかに贈り物でしょうか」

卯月「はい!」

卯月「といっても、自分用なんですけど……」

卯月「今日はとっても大事な記念日なんです!」

卯月「だからちょっと思い出に残るような花がほしいなーと」

凛「……なるほど」

凛「それではこんなのはどうでしょうか」

凛「パックンフラワーです」

卯月「ちょっと思ったのと違うかな」


凛「思い出には残ると思いますよ」

卯月「あまり思い出したくない思い出としてバッチリ残っちゃいそうなのはちょっと……」

凛「そうですか」

卯月「なんかお客さん食べてるように見えるんですけど」

凛「じゃれてるだけですよ、そういう花なんです」

凛「それじゃあもうちょっと華やかに、フシギバナなんかは」

卯月「テーブルに飾れるサイズでお願いします」


凛「じゃあこれなんてどうですか?」

凛「アネモネ」

凛「花言葉は、えっと……」

卯月「これください!」

凛「花言葉は?」

卯月「大丈夫です、すっごく可愛いですし!」

卯月「あと私エウレカセブン大好きですからっ」

凛「……?」

凛「よくわからないけど……」

凛「確か花言葉、期待とか希望とかだし、そんな感じなのかなって」

卯月「わあ……ありがとうございますっ!」

チャリーン

凛「ありがとうございました」

卯月「こちらこそ、ありがとうございました!」

卯月「私、がんばりますっ!」 ニコッ

凛「……」 ドキッ

卯月「えへへ」 タッタッタッタッタッ

凛「……」

凛(すごく、幸せそうに笑ってたな……)

凛「……」

凛(私も……あんな風に笑える日がくるのかな)


【翌日】

卯月「多方面で展開云々……」

卯月「何だか過ごそうですねっ!」

卯月「それで、私はどの部署に……?」

P「……」

P「他のメンバーが揃ってから、一緒に所属が決まることとなります」

卯月「え?」

卯月「……ちなみに現在のメンバーは?」

P「……島村さんお一人です」

卯月「……」

卯月「他に決まってはいるんですか?」

P「……」

P「今から探すところです」

P「ですので島村さんにはとりあえずレッスンを――」

卯月「えっ、あの、私以外の前回オーディション不合格者さんの補欠とかは……?」

P「……」

卯月「……」

P「……本日はダンスのレッスンが」

卯月(えっ、あれ、もしかして一次審査の不合格者って私一人……?)


P「他に、質問は?」

卯月「ええと、あの……」

卯月「CDは、いつ出せますか?」

P「現在、企画中です」

卯月「なるほどぉ~~~」

卯月「テレビには、出られますか!?」

P「現在、企画中です」

卯月「ら、ライブとかは……」

P「現在、企画中です」

卯月「……」

卯月「あの、ちなみに欠員が出る程激しいとのことですけど、欠員になった人たちは今……」

P「……」

P「現在、棄却中です」

卯月「な、なるほどぉ……」


卯月「あとは、その……」

卯月「本当に、何で私なんですか?」

P「笑顔です」

卯月「えがお……」

卯月(何度も言うってことは、本当にそうなのかな)

卯月(笑顔以外の歌とかがまだまだだから落ちただけで、笑顔ならアイドルクラスなのかな?)

卯月「……」

卯月「あ、あのっ!」

P「……はい」

卯月「私、精一杯頑張りますから!」

卯月「一緒に夢、叶えましょうねっ!」

P「……勿論です」


<繁華街>

P(オーディションは行うとして、街角スカウトも重要に……)

凛「……」

P「……」

P(あの少女……)

P「……」 スッ

凛「!」 ゾワッ

スッパーーーーーン

P「……ッ!」

P(なんという高速ソバット……!)

P(この体のしなり、反応速度、動きのキレ…・…)

P(まさに――)

凛「あ、ごめ……」

P「あの、わたくし、こういうものですが……」 メイシスチャー

P「アイドルに、興味ありませんか?」

凛「……ない」

凛「それに、痴漢だと勘違いて蹴ったことは謝るけど、いきなりその角度から名刺を出すのはどうかと思うけど」

P「申し訳ありません」

凛「その角度から気配を感じたら、誰だって……」

P「申し訳ありません」

凛「……じゃあ、お互い様ってことで」

P「はい」

凛「それじゃ」 スタスタ

P「あの」

凛「……まだ何か?」

P「アイドルに興味」

凛「だからないって」


<翌日・通学路>

P「アイドルに……」

凛「……私興味ないって言わなかったっけ」

P「せめて、名刺だけでも、受け取ってもらえないかと」 メイシ

凛「……」 ムシ



<翌々日・通学路>

P「……」 メイシ

凛「……」スドオリー

JK「エーナニアレー」



<翌々×n日・通学路>

P「……」 メイシ

凛「…………」 スドオリー

JK「エーヤダアレーキョウモキテルー」



<翌々×(n+1)日・通学路>

P「……」メイシ

凛「………………」 スドオリー

JK「アレアレ、サイキンウワサノメイシオジサンー」

JK「エーコワーイ」



<数学的帰納法より、毎日・通学路>

P「……」 メイシ

凛「何度来ても同じだって」

JK「アッキョウモイルーシャメッチャオー」 パシャ

凛「写真撮られてるし」

P「未来のトップアイドルですから」

凛「あんたがだよ」


凛「何度も言うけど、アイドルなんて興味ないから」

P「……」

凛「……」 スタスタスタ

P「……」

凛(……毎日しつこく居続けるわりに、追いかけてはこないんだよな……)

凛(なんなんだろ、いったい)


【養成所】

ガチャッ

卯月「あ、おはようございます!」

卯月「今日は何をすればいいですかっ!?」

P「では、レッスンを……」

卯月「はいっ、レッスンですね!」

卯月「苦手なレッスンも、うまくなってきたんです!」 ステーップ

P「……」

P「トレーナーさんは、今日はいらっしゃらないんですね……」

卯月「はい……」

卯月「この前、私にまるでお別れかみたいなエールを送ってきたので、少し心配です……」

P「……」

P「そうですか……」

P「トレーナーさんの覚悟に答えるよう、その調子でレッスンを続け、ステップをマスターしましょう」

卯月「はいっ!」


【翌日・公園】

薫「……あのっ」

凛「?」

薫「おねえちゃん、アイドルなんだよねっ!?」

凛「!!」

凛「……何で、そんな風に思ったの?」

薫「みんな言ってるよ!」

薫「こわーい顔の人と、アイドルのお姉ちゃん」

薫「クラスですっごく話題だよ!」

凛「そ、そう……」


凛「私は、アイドルじゃ……」

薫「うん、わかってる」

凛「え」

薫「アイドルってこと、ないしょにしてるんだよねっ」

凛「……」

凛(駄目だこの子、何もわかってない……)

薫「かおるも、ないしょにするから!」

薫「ずっとずっと、ないしょにするから!!」

薫「だから、おねがい……」

薫「せんせぇを助けて!」


凛「助けて……って」

凛「よくわからないけど、困ってるなら、警察に言った方が……」

薫「だめなの……」

薫「せんせぇ、おまわりさんに、つれていかれちゃったから……」

凛「えっ」

薫「せんせぇ、わたしをアイドルにしようとしてくれただけなの!」

薫「せんせぇはなんにもわるいことしてないのに!」 ウリュッ

凛「えっ……と……」

薫「なんか、じぽ砲とかいうのでおそわれたって!」

薫「アイドルなら……」

薫「アイドルなら、プリキュアみたいにじぽ砲とかいう悪い武器もこわせるでしょ!?」

薫「お願い、せんせぇを助けて!」

凛(うーんそれはプリキュアでも無理じゃないかな、とは言えない……)


凛(でも、厳しいことも言えないけど、このままほうっておくことも出来ないし……)

凛(っていうか、多分、あれだよね)

凛(普通にその先生って人、捕まった方がこの娘のためだよね……)

凛「えーっと……」

薫「……」 ウルウル

凛(アイドルじゃない、って言っても多分信じてもらえない)

凛(アイドルはビーム出せるわけじゃないし、そもそも児ポ法も兵器じゃないんだけど、多分この娘は聞いてもらえない)

凛「……」

凛(諦めさせてあげよう)

凛(残酷かもしれないけど、それがこの娘にとって一番だ)

凛(そうやって、悲しいけどいい思い出のまま大人になって、いつかは先生のことを忘れて幸せに暮らせるように……)


凛「ええと、アイドルにも、できることと、できないことが……」

薫「……」

凛「……まあできることの方が多いけど」

凛(夢を壊さないのって、難しい……)

凛(ええっと……)

凛「でも、ほら、アイドルって、お仕事だから」

凛「あまり無償でやりすぎると、お金を払ってくれる人が不平等になっちゃうし……」

凛「だから仕事の話は事務所を通して……」

薫「……??」

凛(駄目だ伝わってない……)

凛(ええっと、もっとシンプルに……)

凛「そもそも君、お金は持ってるの?」

凛「アイドルだって、お給料がなきゃ――」

薫「お金なら、ここに……!」 ガチャーーーン

凛(ぶ、豚さん貯金箱が……胸が痛い……)

薫「こ、これで……」

凛「な、ななじゅうにえん……」

凛「お嬢ちゃん、大人をからかっちゃいけないよ」


ウワアアアアアアアアアン

早苗「はいちょっとそこの君ー!」

早苗「なーにこんなちっちゃい子供を泣かせてるの!」

凛「な、何もしてない」

凛(……はず)

早苗「じゃあ何でこんなに怯えてるんだ!」

凛「そ、それは……」

薫「うわあああああああん」

薫「せんせぇ、せんせぇぇぇぇ」

凛(どうしよう、これ……)


JK「ヤダーナニアレー」

おっさん「オンナノコニナニカシタンジャナーイ」

P「……?」

P「ちょっとすみません、通して下さい」

早苗「一旦署の方に来てもらっていいかな」

P「あの」 ヌッ

早苗「!?」

P「もう少し彼女の話を聞いては……」

早苗「え、あー……」

早苗(なに、この威圧感は……)


P「あまりにも横暴なのでは……」

早苗「かっちーん!」

早苗「ちょーっと強そうだからって、おまわりさんナメてんじゃないわよー?」

早苗「これでも空手とか柔道とか合気道とか、ひと通り有段なの!」

ザワザワ

P「なるほど、通りでいい体を……」

早苗「なっ、いきなりセクハラとはとんでもないねっ」

P「アイドルに興味は」

凛「節操なしか!」

早苗「ふっ……私に勝ったら考えてあげてもいいわよ」 ザッ

凛「なんか楽しそうだし……」

薫「うああああああああんせんせぇぇぇぇええええええ」

早苗「ああもう、今この恐いおっさん相手に集中してるんだから黙ってて!」

凛「それでいいのか国家権力」


卯月「アイドルは、1にスタミナ2にスタミナって聞きました!」

卯月「というわけで、ジョギーーーング!」

卯月「……」 タッタッタッタッタッ

卯月「……」 タッタッタッタッタッ

卯月「あれ?」

卯月「人だかり……?」

ザワザワザワ

卯月「これは一体……」

早苗「さあかかってきなさい無愛想なボーヤ」

薫「うえええええええええええええええん」

凛「ど、どう、どう……」

P「落ち着いてください、まずは平和的解決を……」

卯月「ぷ、プロデューサー!?」


P「島村さん」

卯月「何の騒ぎですか?」

P「おはようございます」

卯月「あ、おはようございます!」

薫「うえええええええええええええええん」

卯月「わわっ、どうしたのー」

卯月「転んだのー?」 ナデナデ

薫「うう……」 スン・・・スン・・・

凛「あ……」

凛(すごい……)

凛(まだ泣いてはいるけど、大声で喚かなくなった……)


卯月「なるほど、そういう……」

薫「うん……」

薫「おねえちゃん、せんせぇを助けて……!」

卯月「……うん!」

卯月「まかせて!」

凛「え!?」

凛「ちょ、そんな無責任な……」

卯月「お姉ちゃん、アイドルだから」

卯月「テレビとかブログとかで、先生は悪くないよーって言ってあげる」

薫「!」

卯月「……嫌なことは、されてなかったんだもんね」 ナデ

薫「うん……」

卯月「でもね、それでも、悪いことって言われちゃうことはあるんだ」 ナデナデ

薫「……」

卯月「先生が、法律にうっかり触れちゃったのかどうか、私には分からない」

卯月「でも……」

卯月「触れてないなら、すぐに出てきて会いに来てくれるだろうし」

卯月「触れちゃってても、きっとすっごく後悔して、早く会えるように頑張ってるだろうから」

卯月「その時に、いっぱい泣いてて真っ赤なお目目じゃかっこ悪いよ」

卯月「だからほら、笑って笑って」 ニコー

薫「……うん」

卯月「笑顔が一番、だよ」

卯月「きっと先生も、そう言ってくれると思うな」

薫「……うん!」

薫「せんせぇ、悪いことしてないもん」

薫「きっとすぐ会いにきてくれるよねっ」

卯月「うん、お姉ちゃんも協力するよ」

薫「かおる、笑ってる」

薫「せんせぇ、笑ってるとこが一番可愛いって言ってくれたから!」 ニカッ

卯月「うん、とっても素敵だよっ」 ニコッ

凛「……」

凛(その先生、多分倫理的には完全アウトな人じゃないかな……)


凛「……」

凛「笑って帰っていったね」

卯月「……うん」

卯月「よかったです、笑ってくれて」

凛「……」

卯月「確かにどうにもできないかもしれないですけど……」

卯月「それでもあの子は、何かを変えようと頑張ってましたから」

卯月「そのエネルギーを笑顔に換えたら、きっと少しは、いい未来がきますよねっ」 エヘヘ

凛「……」

凛「あ、そういえば警察の人は……」

P「何やら酒気帯びだったらしく、同僚の方に連れて行かれました」

凛「そ、そう……」


P「残念です、あの人にはぜひ三人目を……」

凛「そういうのもういいから」

卯月「……三人目?」

P「ええ」

P「二人目は……」 ソッ

凛「こっち差さないで」

凛「アイドルやる気ないから」

卯月「ええっ」

卯月「そんな……」

卯月「一緒にやりましょうよっ」

卯月「お花屋さんと一緒に、私、アイドルしたいですっ!」

凛「……」


凛「……それじゃ、私、学校あるから」 スタスタスタ

卯月「あ、ああっ!」

凛「……」

凛(あの子……)

凛「……」

凛(そうか、あの時の……)

凛(……あの子にとっては……)

凛(アイドルが、あんなに夢中になれることなのかな……)


卯月「行っちゃいました……」

P「仕方がありません」

P「登校の邪魔は出来ません」

卯月「ですね……」

P「……」

卯月「……」

P「ところで、島村さんは学校は」

卯月「はい、卯月は大丈夫ですっ!」 グッ

P「学校は」

卯月「卯月は大丈夫です!」

P「学校」

卯月「レッスンしましょう、レッスン!」

卯月「一日も早くアイドルとしt」

P「きちんと通って下さい」

卯月「……はい」


【夕方・公園】

卯月「ジョギング、ジョギング!」

卯月「スタミナがないと何やってもだめだって、アイドルマガジンに載ってましたしねっ!」

卯月「……あれ?」

卯月「お花屋さん!」

凛「あっ、あの時の……」

卯月「ワンちゃんの散歩ですかっ?」

凛「うん」

凛「そっちは?」

卯月「ジョギングです」

卯月「アイドルになるには、体力がいりますからっ」 ニコッ

凛「……」

凛「お疲れ様」

凛「……なんか、飲み物でも奢ろうか?」

卯月「ええっ!?」

卯月「いいですよ、悪いですしっ!」 ブンブンブン

凛「いいよ」

凛「この前助けてもらったお礼」

卯月「うう……そ、それじゃあ、いただきます」

凛「うん」

凛「それに……」

卯月「それに?」

凛「……」

凛「なんでもない」

凛「ちょっと、ベンチに座ろうか」


ハナコ「クーンクーン」

卯月「かわいいワンちゃんですねっ」

凛「あ、うん……」

卯月「あの、お名前聞いてもいいですか?」

凛「あ……“完牙”ハナコ……」

卯月「ハナコちゃんですかあっ!」

卯月「私は島村卯月って言います!」

卯月「あの時はお花選んでくれてありがとうございました、完牙のハナコちゃんっ!」

凛「完牙もハナコも犬の名前で……」

卯月「うわあああっ、すみませんっ!」 アワアワ


凛「……ふふ」

卯月「あはは」

凛「……凛」

凛「渋谷凛。私の名前」

卯月「……はいっ!」

卯月「よろしくです、ヤリンさん!」

凛「区切るとこ違うし凛でいいよ」

卯月「え、あ、うわああすみません」 ウワワ

卯月「じゃ、じゃあ、よろしくね、凛ちゃん!」

凛「……うん、よろしく、えっと……」

卯月「卯月って!」

凛「うづき……」


凛「……あのさ」

卯月「はい?」

凛「……」

凛「あの男の人、ちょっと変じゃない」

卯月「うえ!?」

凛「毎日毎日名刺だけもってくるし」

凛「不審者に間違われるし……」

凛「選ぶ理由も、笑顔としか聞いてないし……」

卯月「ふええ!?」

凛「ん?」

卯月「わ、私も、同じこと言われて……」 ズーン

凛「あ、で、でも私、卯月の笑顔は本当の理由だと思う」

卯月「そ、そうでしょうか……」

凛「うん」

凛「……だって、卯月は、笑顔であの娘を泣き止ませてたから」


卯月「あの娘……?」

卯月「ああ、あの!」

凛「うん」

凛「……」

凛「すごいよ、卯月は」

凛「卯月の笑顔は、人を笑顔にする」

凛「向いてるよ、アイドル」

凛(私には、その力はない……)

卯月「そ、そうかな」 エヘヘ

P「私もそう思います」 ヌッ

凛「うわああああっ」 ガタッ

凛「お、驚かせっ……」 バックンバックン

P「失礼しました」

P「ですが……」

P「島村さんの魅力を、代わりに伝えて頂いた喜びで、つい」

凛(喜んでたんだ、あの顔で……) バックンバックン


P「ですが……貴方の笑顔も、素敵だと思います」

凛「……どこが」

凛「実際あの時も、子供を泣かせちゃったし」

P「……」

P「ですが、あの娘のためを想っていました」

凛「……」

P「現実を教えることは、大事です」

P「どれだけ夢を見ても、生きていかねばならない場所は現実です」

凛「……」

P「ですが同様に、夢も大切なものです」

P「アイドルは、その夢を、人に届けています」

P「ですが、夢をきちんと心の奥に届けるには、現実を見ることもまた必要なのです」

凛「……」

P「島村さんと貴方が共に手を取れば、現実をしっかり見つめながらも、夢を届けることができる」

P「あの娘が笑ったように、たくさんの曇った顔を、晴れ晴れしい笑顔に出来る」

P「そう思っています」


凛「……」

凛「卯月は、すごいな」

凛「きちんと、夢を、届けてるんだ」

卯月「そ、そんなこと……」 アワアワ

卯月「むしろ私が、あの娘の笑顔に元気を貰っちゃったくらいで!」

卯月「あの娘が笑ってくれたから、ああ、私、アイドルやりたいって強くまた思えたし!」

卯月「プロデューサーさんも、私の夢を叶えてくれる人かもしれないから……」

卯月「だから、私も皆に夢を届けてもらってるんだよっ!」

凛「……」


凛「あのさ……」

凛「卯月はどうしてアイドルになりたいの?」

卯月「えっ!?」

卯月「どうしてって……」

卯月「綺麗な衣装を着れて、キラキラしたステージに立ってて」

卯月「青山に土地を買って、カイエンを乗り回して」

卯月「まるでお姫様みたいで……!」 キラキラ

凛「どちらかというと王子が混じってた」


卯月「あっ、あんな風になれたらいいなって!」 バッ

モニター『さあ、今ウルフマンの髷にジェロニモがハサミを――』

卯月「……」

P「CM、丁度終わりましたね」

凛「……」

凛「相撲取りになりたいの?」

卯月「あわわ、そうじゃなくて!」 アタフタ

卯月「た、確かに皆を楽しませられるどっしりとした安定感ある素敵なお仕事ですけどっ!」 アタフタ

卯月「お相撲さんは私にはあんまり向いてないかなーって!」 アタフタ

凛「“あんまり”なんだ……」


卯月「えっと……」

卯月「正直どんな仕事がアイドルの仕事なのか、私もよく分かってないんですけど……」 アハハ・・・

凛「……」

凛「歌ったり、踊ったりだけじゃない、ってことかな」

P「色々な形がありますから」

P「無人島を開拓したり、畑を作ったり……」

凛「……それって本当にアイドル?」

凛「ちゃんと歌ったり踊ったりはするんだよね?」

P「勿論」

卯月「まあ、私はまだライブもCDもテレビ出演も何も決まってないんですけど」 アハハ

P「現在、企画中です」

凛(大丈夫なのかなこの事務所……詐欺られてないよね、卯月……)


卯月「それでも、夢なんです」

凛「……」

卯月「スクールに入って、同じ研修生の娘とレッスンを受けながら、私、ずっと待ってました」

卯月「アイドルに、キラキラした何かになれる日が、きっと私にも来るんだって」

卯月「そうだったらいいなって、ずっと思ってて」

卯月「そうしたら、プロデューサーさんが声をかけてくれたんです!」

凛「こいつが……」

P「はい」

P「島村さんなら、とびきり輝くアイドルになれると思いましたから」

卯月「プロデューサーさんに声をかけてもらえなかったら、きっと私、今頃蛍光灯かフローライトになってました」

凛「どうやって」


卯月「プロデューサーさんは、私を見つけてくれたから」

卯月「きっと私は、これから夢を叶えられるんだなって!」

卯月「アイドルに、なれるんだって!」

凛「卯月……」

卯月「フローライトとして、マンモスに食べられる必要もないんだって!」

凛「卯月……」 ゲソッ

卯月「それが、嬉しくて……!」 ニコッ

凛「……」

凛(笑顔がまぶし過ぎて、「アイドルになれることが?それともマンモスに貪られないことが?」とか言えない……)


凛「……」 スルッ

卯月「あっ」

凛「えっ、あ!」

凛(しまった、卯月に見惚れてリードを――!)

ハナコ「キュンキュンキュインキュイン!」 タッタッター

凛「こら、ハナコ!」

ハナコ「キャンキャン!」 ガッブーーー

P「……!」 ドブシャァァァーーーー

凛「こらハナコ!」

凛「知らない人に“完牙”・マッドドッグトゥースをしちゃ駄目だっていっつも言ってるだろ!」

卯月「凛ちゃんってハナコちゃんが絡むと途端にちょっとボケボケになるよね」

凛「え?」

卯月「ううん、なんでもない」

卯月「ハナコちゃんが絡むと、凛ちゃん、素敵な笑顔になるねって」


P「……」 ドグシャア

卯月「わわっ」

卯月「プロデューサーさん、見事な切り返しのボディスラムっ!!」

P「……」 スッ

卯月「そして紳士的にリードを渡したーーーーっ!」

凛「あ、ありがとう……」

P「……」

凛「……」

卯月「……」

卯月(あ、なんか大事なお話するっぽいし、黙っていた方がいいかな……)

P「少しでも……」

P「君が夢中になれるものを探しているのなら」

P「一度、踏み込んでみませんか」

P「廃課金の沼に」

凛「絶対嫌」


P「今のは冗談です」

P「冗談の一つも言わないから怖がられていると、先輩に言われたもので」

凛「まあそうだけど、時と場合が……」

凛「……もういいや」

凛「冗談、向いてないよ」

P「私も、そう思います」

P「ですが、冗談以外の形で、貴女を笑顔にさせて頂きます」

P「貴女が島村さんとは違う形で人々を笑顔に出来るように」

P「プロデュースという形で」

凛「……」

P「この世界に、一度踏み込んでみれば」

P「そこにはきっと、今までとは別の世界が広がっています」

凛「……」 ドクン


【その晩・渋谷邸】

凛「……」

カッチ・・・

カッチ・・・

凛「……」 ゴロン

カッチ・・・

カッチ・・・

凛(眠れない……)

凛(時計の音がうるさいから……?)

カッチ・・・

カッチ・・・

凛(違う……)

凛(あの時の卯月の顔が、あいつの言葉が、頭ン中でぐるぐるしてるから……)

カッチ・・・

カチッ

クルッポー

クルッポー

クルッポー

凛(……やっぱり時計がうるさいのもあるし、あの時計倉庫に押し込もうかな)


【翌日】

卯月「あはっ……!」 ガタッ

P「……」

凛「……」

凛「渋谷凛、15歳」

凛「よろしくお願いします」

卯月「凛ちゃん……!」 ワァイ

凛「改めてよろしく、卯月」

卯月「はいっ、こちらこそ!」 アハッ

凛「で、アンタが私のプロモーター?」

P「プロデューサーです」

凛「……」

卯月「……」

P「……」

凛「……」 コホン

凛「で、アンタが私のプロデューサー?」

卯月「言い直した!」

P「……」 コクリ

P「よろしくお願いします」

卯月(あ、これが大人の対応ってやつなんだ……)


凛「それで、グループって聞いてたけど、他の人は?」

卯月「あ、それが、三人組ってことなんだけど……」

凛「え、まだなの?」

P「ええ」

P「この前の婦警さんには断られましたので」

凛「行ったのか……」

卯月「このままだと、三人目がプロデューサーさんに……」

凛「ならないから」

P「ですが私はあまりアイドル向きでは……」

凛「あまりどころじゃないし万が一の時はみたいな表情しないで」


P「三人目は、明日オーディションを行う予定です」

P「来週には、ユニットで活動出来るかと」

凛「ふうん」

卯月「わあ、楽しみですねっ!」 パァァ

凛「……」

凛(笑顔が眩しい……)

卯月「皆でトップアイドル、目指しましょうねっ!」

凛「そーだね」

凛「でもまずは一歩一歩、着実にいかないとね」

P「そうですね」

P「アイドルにも、ランクというものがありますから」

凛「うん」

凛「その辺は、調べてきたよ」

卯月「えっ、すごい!」

凛「……目指す以上、ちゃんと上を目指したいから」


凛「私達は、まだアイドル候補生」

卯月「新人になって、そして駆け出しになって、いずれは一人前に!」

P「もっと上、メジャーアイドルや人気アイドルにだってなれると、思っています」

卯月「そうですよねっ!」

卯月「そしてゆくゆくはスーパーアイドル、一流のアイドルに!」

凛「そして、日本のトップアイドルに」

P「更にその上にある、アイドル超人になれるよう、ともにプロジェクトを盛り上げていきましょう」

卯月「はいっ!」

卯月「アイドル超人目指して、頑張りましょう!」

凛「お、おー……」

凛「……」

凛(雑誌見た時から思ったけど、何でスーパー→トップときて、最後が超人なんだろう……)






第一ステージ 終幕

自分の予想以上の遅筆具合に打ちのめされました
導入部分しか終わってないもののそろそろ夜も更けすぎて朝がくるので、一時閉幕とさせて頂きます

時間があれば今夜にでも続きを書こうと思います
書き溜めていないため同じようなペースでしょうが、どうぞよろしくお願いします

遅くなりましたがまたマイペースに投下します
正直キン肉マンの更新があるせいで今日で終わる気はしないので、マイペースにお付き合い下さい


卯月「う、うわあ~~~」

卯月「お城みたい……」 キラキラー

凛「さすが大手って感じだね」

凛「クッパ城の方が好みではあるけど」

卯月「あ、346ってこういう感じ書くんですね~」






ミステリアスアイドル1号「ふっふっふ……」

ミステリアスアイドル1号「時は来た!!!」




凛「へえ、中もこんな感じなんだ」

卯月「緊張しますね……」

凛「あ、パックンフラワー」

ミステリアスアイドル1号「シャンデリアなんて今どき見ないよねえ~~」

卯月「うわっ!?」

ミステリアスアイドル1号「サイゼリアなら見るんだけどねえ」

卯月「でもプロダクションの中にあるってすごいですよ」

卯月「毎日サイゼでお茶ができちゃいますっ!」

ミステリアスアイドル1号「なるほど確かに」

凛(何この人……)


ミステリアスアイドル1号「あ、お疲れ様でーす」 トテテー

ミステリアスアイドル1号「新人アイドルの、本田未央ですっ!」

ミステリアスアイドル1号「今日からお世話になります!」 ガバッ

竿係の社員さん「おーう、お疲れ様」

ミステリアスアイドル1号「お疲れ様です!! 本田未央ですっ!!!」

凛「……知り合い?」

卯月「ううん……」

凛「……」

凛「爽やかで顔がいいだけのアイツの同類か……」

凛「名刺がお辞儀に変わった感じの」

卯月「うーんちょっと否定は出来ない」


卯月「受付も終わったし、早速お部屋に向かいましょう!」

卯月「でもチンパン三十戒ってなんでしょう?」 ウーム

凛「つっこまないよ」 スタスタ

爺「何階かね?」

卯月「えっと……」

凛「30階です」

爺「うむ」

扉「ウィーーーン・・・」

ミステリアスアイドル1号「わっとっとお!」 ダダッ

扉「ジャアアアアアアンク!」

ミステリアスアイドル1号「うぎゃーーーーっ!」

爺「げえーーーーっ、駆け込み乗車の少女の首がーーーーーっ!」

卯月「だ、大丈夫です、傷は浅いですよっ!」

凛(何だこのノリ……)


爺「これは失礼」

ミステリアスアイドル1号「全然平気ですっ」

ミステリアスアイドル1号「首は鍛えてますからっ!」 フンス

爺「何階かね?」

ミステリアスアイドル1号「夢はでっ階、ですかね」 ドヤー

卯月「あっ、じゃあ私はアイドル業階まで……」

ミステリアスアイドル1号「うまい!」

ミステリアスアイドル1号「やるねえ~そのトークスキル大事だよー」

爺「じゃあまあとりあえず、魔階まで……」 ポチー

ミステリアスアイドル1号「わーーーっ、何か不穏なオーラ出してる!」

卯月「どどどどうしましょう凛ちゃん!」

凛「どうもしないから、レッドアリーマーとか実在はしないから」


卯月「ここですね」

凛「他の娘達もいるのかな」

凛(普通の娘だといいけど……)

卯月「!」

卯月「あー……あー……」

卯月「さすがに映画とか作ってる大手プロダクションだけあって、おじいさんに至るまでトークスキルばっちりだったし」

卯月「私も頑張らなくちゃ!」

凛「いや、あれを見習うのはどーかな……」

凛「……」

凛(まあ、でも、その前向きさが卯月の強み、か……)


コンコン

卯月「失礼、しま~す……」

ギイ~~~・・・

卯月「わあ~~~、きれ~~~~……」

凛「でも、誰もいない」

ミステリアスアイドル1号「へえ、なんかクールな感じだねえ」

卯月「あっ」

凛「さっきの」

ミステリアスアイドル1号「にひひ」

凛「別の階で降りなかったっけ?」

ミステリアスアイドル1号「ああ、それは――」

ガチャッ

P「おはようございます」

卯月「あ、おはようございます」

凛「おはようございます」

ミステリアスアイドル1号「おはようございます」


P「ご紹介します」

P「こちらが先日ご紹介した、島村うd」

ミステリアスアイドル1号「卯月ちゃん!!」

卯月「あ、はい……」

ミステリアスアイドル1号「じゃあこっちが、渋谷凛ちゃん!?」

凛「そうだけど……」

ミステリアスアイドル1号「む?」

ミステリアスアイドル1号「む~~~ん」

凛「な、なに?」

ミステリアスアイドル1号「ぶっきらぼうながら溢れ出るオーラ……」

ミステリアスアイドル1号「ただものではないと見た!」

凛「えっと……」

P「こちらは、このプロジェクト最後のメンバー、ほn」

卯月「さっき会いましたよね!」

凛「ホンダデミオさん、だっけ」

ミステリアスアイドル1号「うーん違う」

卯月「そうですよ」

卯月「デミオといえばマツダですよ!」

凛「そっか、ごめん、よろしくマツダデミオさん」

ミステリアスアイドル1号「離れた」


P「こちらは、当プロジェクト最後のメンバー、本田未央さん」

凛「おしい」

未央「そうかな」

卯月「最後のメンバー……!」 ワァ

未央「346プロダクション養成所3期生筆頭・本田未央、高校1年!」

未央「よろしくねっ(はぁと」

卯月「よろしくお願いしますっ」 ガバッ

凛「よろしく……」

凛(……筆頭?)


ちひろ「未央さんは、一次オーディションでは惜しくも不合格でしたが……」

卯月「あれっ、不合格者って私一人だったんじゃ……」

未央「そんなわけないけど、私、あれだからかな」

凛「あれ……って?」

未央「私、346プロの養成所出身なんだ」

未央「アイドル科の3期卒業生」

未央「だから皆よりはこの場所のことに詳しいかな?」

卯月「わあ、すごい……!」

未央「だからオーディションも学内のやつだったし、それで顔は合わせなかったのかもね」

凛「そっか……」

凛「……」

凛(やっぱり大手だけあって、筆頭?とやらでもいきなりユニットに合格とはいかないんだ)

凛(そこにスカウトされた、か……)

凛「……」

凛(結構、期待されてるのかな)


ちひろ「そして二次公募で見事合格となりました」

ちひろ「強運の持ち主ですね」

未央「いやー」

未央「どうやらアイドルの神様に目をつけられちゃったみたいでえ」 タハハー

未央「さっすが神様、やはり慈悲深い」 ウンウン

凛(単なる運扱いなのはいいんだ……)


未央「ちなみにちなみにぃ、私が受かった理由ってやっぱりぃ~」

未央「スポーツ万能、プロレスだってなんのそのな学園のアイドルだからかなっ!?」

未央「かなあ!?」

P「……」

P「笑顔、です」

未央「ふむ、笑顔、か……」

卯月「あ、あはは……」

凛「気にしなくていいよ、あの人ファービー並の語彙しかないだけだから」


ちひろ「では、明日までに提出をお願いします」

P「はい」

卯月「あのぉ~」

P「?」

卯月「そちらの方は……」

ちひろ「申し遅れました」

ちひろ「千川ちひろと申します」

ちひろ「このプロジェクトをいろいろな面からサポートしますので、よろしくお願いします」 ニッコリ

未央「よろしくお願いします!」 ガバッ

卯月「よろしくお願いします!」 ペッコリン

凛「よろしくお願いします」

凛「……」

凛(あの立てかけられた汚れたナタもその“いろいろ”に使うものだったりするのかな……) ブルッ


ちひろ「では私から、ささやかながら……」 ニコォ・・・

未央「エナジードリンク……」

ちひろ「頑張ってね」

未央「こういうの、あんまり味が好きじゃないんですよねえ」

凛「年取ったら効くのかもしれないよ」

ちひろ「……」 ゴゴゴゴゴ

未央「い、いただきまーす!」

凛「うん、オシャレだし、最近のブームでいろんな味出てきただろうしうれしいなっ」

カシュッ

ゴキュッゴキュッゴキュッ

卯月「わあ、美味しい!」 パァァァ

凛「……」

未央「……」

凛「そこまで美味しそうに飲まれると……」

未央「確かに飲んでみたく……」

凛(これが、アイドルに必要な力……?)


未央「キンッキンに冷えてやがるっ……!」

未央「あ……ありがてえっ……!」

卯月「わあ、すごく美味しそう!」

凛「うーん」

凛「伊達に養成所筆頭じゃないってことか……」

未央「んじゃ、オオトリ、どーぞ!」

凛「ええ!?」

凛「そんなこと言われても……」

未央「もーう、ノリ悪いぞー」

卯月「頑張ってー」 フフ

ちひろ「……」 クス

ちひろ「元気な娘達ですね」

P「はい」


未央「皆学年いくつ?」

凛「高一だけど……」

未央「ふえ~」

未央「じゃあ同い年なんだ」

未央「その見た目で」

凛「どんな見た目の印象なの」

卯月「私は、二年生になりました」

未央「え!?」

未央「そうなんだ……」

未央「意外と歳いってるんだね、その見た目で」

凛(そこについては否定出来ないし、まさか歳上だなんて……)


未央「いやーほんと、下かと思った」

凛「私も同級生かと」

卯月「ええええええ!?」

凛「……」

卯月「ふぇえ……」

凛「……」

凛(なんだろう、この可愛い生き物……)

凛「まあでも、一つお姉さんなんだし、リードよろしくね」

卯月「ふえ?」

卯月「……そうですねっ、がんばりますっ!!」 グッ

未央「うん、よろしくね」

卯月「はい、がんばりますっ」 ニコッ

未央「さっすがお姉さ~ん」

未央「このこの~」 ウリウリー

卯月「あはははは」 キャー

凛「もう、あんまり騒ぐのはやめなよ」

未央「じゃあ早速ちょっとペプシ買ってきてお姉さん」

凛「やめなよ」


凛「プロデューサー」

P「……はい」

凛「他のメンバーはいないの?」

未央「そうそう、どんな娘達かなあ」

卯月「うんうん」

ちひろ「他の皆さんなら、レッスンの犠牲になって死にましたよ」

未央「」

凛「」

卯月「」 ジョジョー

ちひろ「冗談ですよ」

凛「せめてそのナタ下ろしてから言って下さい」

未央「あーほら正気に戻ってお姉さん!」

卯月「」 カタカタ


P「他のメンバーとの顔合わせは、おいおいと」

凛「ほんとに進行大丈夫なのかなこれ」 ヒソヒソ

未央「まあ、私達に声かかるくらいだからねえ」 ヒソヒソ

P「それでも何名か、シンデレラプロジェクトのメンバーはいます」

P「ですが、皆さんにはその前に――」

ちひろ「殺し合いをしてもらいます」

P「違います」

凛「なにそれ、物騒」

未央「そーいうブラックジョーク好きなんです?」

卯月「でもでもそういう発想がいきなり出るっていうのはすごいことですよっ」 アセアセ

ちひろ「これが若さなのね……」

P「10年以上前ですからね」


<渡り廊下>

未央「プロになっても最初はレッスンなんだね」

未央「厳しいなあ」

卯月「レッスンは大事ですよ」

卯月「どんどん上達していくのは楽しいですし!」

凛「まあ、なんだかんだで駆け出しだしね」

卯月「一緒に頑張りましょう!」

未央「そうだね!」

未央「まあ、マルチなジャンルで活躍する346のレッスンは厳しいで有名だしねえ」

凛「そうなんだ……」

卯月「うう、頑張らないと!」

未央「でも実際こうして施設を見ると、なかなかに壮観だよね」

卯月「ここで、私達も立派なアイドルに……!」

未央「346プロの芸能人は、業界で生き抜くだけでなく、新たな世界を切り開く勇者が多い」

未央「そう言われてるんだよ」

凛「へえ」

凛「お城に住む王女様じゃなくて、その王女を迎えに行く王子様って感じなんだ」

未央「そうそう!」

未央「だから、一線級のアイドルからかけ出しアイドルまで未来の勇者がレッスンするこの施設は業界じゃこう呼ばれてるんだ」

未来「ヘラクレスファクトリー――って!」


未央「でも、レッスンがあって助かったよね」

卯月「?」

未央「ジャージ」 ニヒッ

卯月「………………~~~~~~ッッ//////」 カァァァァッ

卯月「も、もうっ!」 プンプン

未央「あはは、怒った?」

未央「ごめんごめん、ジョーダンだよ」

凛「あんまり騒いだら迷惑だよ」

凛「ほら、向こうから人来てるし」

未央「おっと、いけないいけない」

卯月「…………えっ!?」

卯月「あ、ああああああれぇ!」 プルプル

未央「ん?」

未央「げえーーーーーーっ、あれは!」


千枝「私、何だか気持ちが軽くなってきました!」

春菜「メガネトーストのおかげですかね!」

紗理奈「えっ、なにそれ」

春菜「メガネのトーストですよ」

紗理奈「形状の話だよね!?」

比奈「まあでも、メガネフライとかに比べたら、メガネトーストはまだ全然……」

紗理奈「オリジナル料理の話だよねそれ!?」

千枝「最初は硬くて食べにくかったんですけど、確かにやみつきになりますね」

春菜「でしょ~?」

春菜「このまま日常をメガネに染め上げちゃいましょうっ」

紗理奈「しれっと子供を暗黒の道に引きずり込もうとしてない?」


卯月「わあ~~~~!」 キラキラ

未央「今の、見た見た!?」

卯月「はいっ!」

卯月「ブルーナポレオンですっ!」

未央「うおおお、初日からツイてるぅ~~~~~!!」

未央「やっぱり私って強運のラッキーガール!?」

卯月「なんていうか、キラキラしてましたっ!」

未央「オーラやばかったよね!」

卯月「あれがアイドルってことなんですかねっ!」

凛「どちらかというと狂気のオーラを感じたけど」


未央「もしかしてもしかして、楓さんにも会えちゃったりしてぇ!」

卯月「うわあ!」

未央「うおおおおお、やる気出てきたぁ!!」

凛「……」

凛(そっか、二人はアイドル好きなんだもんね……)

凛(その点、私は……)

凛「ん?」

木の上の少女「!」

木の上の少女「……」 フリフリ

凛「……」 フリフリ

卯月「?」

卯月「凛ちゃん!」

凛「え?」

凛「うん……」

凛「……」

凛(何にせよ、濃い人が多いな……)


<更衣室>

卯月「凛ちゃんは、ダンス始めてですよねっ」

凛「うん」

未央「そうなんだ、運動出来そうに見えるけど」

未央「スポーツ経験は?」

凛「運動は、犬の散歩とか、犬とたわむれるとか、そういうのくらいしか……」

未央「へー、意外」

卯月「本田さんは?」

未央「未央でいいよ」

卯月「じゃあ、未央ちゃん!」

未央「イヒヒー」

未央「まあ私は友達と踊ったりしてたけど、ちゃんと指導を受けるのは始めてかな」

凛「あれ、でも養成所では……」

未央「私のいたコースだと、主にバラエティ番組向けのフリートークとかやらされたからさ」

凛「バラドル……ってやつなのかな」

卯月「なるほど~」

卯月「私はダンス中心の養成所に通ってましたから、分からないことがあったら聞いてくださいねっ」 エヘヘ


未央「おお、先輩じゃーん」

卯月「えへへ」

凛「私も卯月のダンス、見たことないな」

凛「頼りにしてるよ、リーダー」

卯月「うん、任せて!」

卯月「養成所で習ったカポエイラの腕前、ばっちり見せてあげるから!」

凛「ダンスは」


<レッスン場>

エリートトレーナー「じゃあ私の動きを真似てまずは踊ってみて~」

卯月「はいっ!」

エリートトレーナー「見本を見てしか動けなくなると困るから、二度目からはこちらを見過ぎないこと!」

エリートトレーナー「もしも目があったら、ポケモントレーナーばりに近づいていって個別指導だからね」

卯月「は、はいっ!」

未央「ポケモン、私は草タイプ派かなあ」

卯月「あ、私は炎が」

凛「私はそういうゲームはちょっと……」

未央「じゃあ消去法的に水かなー」

卯月「あ、イメージぴったりかも」

エリートトレーナー「だからといって真横ばっかり見て雑談とかしないように」


エリートトレーナー「はい、ワン、ツー、ステップぅ」

エリートトレーナー「ワン、ツー、ステップぅ」

エリートトレーナー「ほら腕のキレが落ちてるわよ~」

エリートトレーナー「はい、ワン、ツー、ステップぅ」

エリートトレーナー「ワン、ツー、黄金の右ぃ」

エリートトレーナー「ワン、ツー、そこで追撃の鉄の左ィ」

凛(何だかダンスと違う方向に行ってる気がする……)

エリートトレーナー「そしてとどめのメッキのアッパー」

凛(そしてどんどんショボくなってる)


【レッスン後、ロビー】

卯月「うう、先輩風吹かせてすみません……」

卯月「この前はできたんです……」 ウウ

未央「いや、私も正直ある程度鍛えてたから余裕とか思ってたけど……」

凛「プロレベルのレッスンとなると、レベルが段違い、か……」

卯月「うう……」

未央「全身全然力入らないなあ」

未央「……ジャージ、貸そうか?」

卯月「うううううううう」

卯月「ヘロヘロで力入らないからって、まさか、あんな、あんな……!」 ウエーン

凛「わ、私だってハードワークで軽く戻したし……」 オロオロ


凛「でもほんと、ダンスって難しいな……」

卯月「うん……」

凛「でも……」

凛「体動かすの、気持ちいいね」

卯月「……」

未央「口端にゲロつけていってもシまらないなあ」

凛「……」 グイ

未央「……」 カシュッ

卯月「あ、エナジードリンク」

未央「たまには自分にご褒美は大事って、ちひろさんが言ってたから!」

未央「」 ゴキュッゴキュッゴキュッ

未央「ぷはー!」

未央「何か元気でた!」

卯月「……ふふ」 クス

卯月「私も、買おうかなあ」

凛「……」

凛「じゃあ、私も……」

未央「おー、とうとうあのクールビューティもエナジードリンクの魔力に落ちたかー」 ウンウン

卯月「大人になったってことでしょうか」 フフ

凛「も、もう。茶化さないで」


未央「でもさ」

未央「めちゃくちゃしんどいけど、楽しくもあるし……」

未央「私はまだ、全然辞めたりする気はないよ!」

卯月「……」

卯月「わ、私だって!」

卯月「やっと掴んだ夢への切符なんです!」

卯月「何度無様を晒しても、絶対に、ぜーーーったいに、諦めたりなんかしません!」

凛「……」

凛「私だって、やるって決めたんだ」

凛「この程度じゃ、逃げ出すつもりはないよ」

未央「……」 ニヒー

未央「よかったー」

未央「養成所時代の先輩が言ってたんだ」

未央「仲間と言うのはいいものだ」

未央「辛い時は半分で済むし、うれしい時は2倍うれしいって!」


未央「私達、もう友達だし、仲間だよねっ!」

卯月「はい!」

凛「勿論」

未央「そうだよね!」

未央「それじゃあさ」

未央「約束しようよ」

凛「約束?」

未央「みんな一緒に頑張るって」

未央「最後まで諦めず、一緒に夢を叶えようって!」

凛「……うん、いいね」

卯月「賛成ですっ!」


未央「それじゃあ誓いの乾杯を……」

卯月「えっ、もう二本目飲むんですか!?」

凛「中毒になるぞ」

未央「いやーついつい美味しくて」

未央「それに、やっぱり乾杯は一緒にしたいし?」

凛「まったく……」

卯月「でもなんか、ちょっとワクワクしますねっ!」

凛「……まあね」

未央「それじゃあ、乾杯の音頭をとるよー!」

凛「うん」

卯月「はいっ!」

未央「我ら三人、生まれし日、時は違えども」

凛「待って何か思っていたのとちょっと違う」


凛「何で桃園の誓い」

未央「いやー、やっぱ苦楽を共にする皆とのアレコレならコレかなって」

凛「桃の要素一切ないし」

未央「……」

未央「そのきゅっと引き締まったおしr」

凛「黄金の右」 ズバン

未央「あたーーーーっ!」

卯月「あ、すごくいい風切音」

卯月「凛ちゃんやっぱりすごいなあ」


未央「それじゃあ、百合園の誓いってことで」

凛「何その目」

未央「いや別に」

未央「仲いいなーって」

凛「そういうのじゃないから」

未央「あ、別にエナドリは二人が口移しで飲んでもいいよっ」

未央「百合園の誓いっぽいし」

凛「誓いというより痴態だそれは」


凛「卯月、代わりに音頭とってよ」

卯月「ええっ!?」

凛「一応、最年長のリーダーだしさ」

卯月「う、うう」

卯月「わかりました」

卯月「この瞬間だけ、また先輩風びゅうびゅう吹かせちゃいますっ!」

未央「ま、しょうがないかー」

未央「音頭は任せたよ、リーダー!」

卯月「はい!」

卯月「……」

卯月「えーっと」

凛「?」

未央「どったの」

卯月「そういえば私達、ユニット名、ありませんよね」


凛「言われてみれば確かに」

未央「シンデレラプロジェクトっていうのに参加はするけど、この三人だけを現す単語はなかったかなあ」

卯月「うーん、どうしましょう」

卯月「あった方が、掛け声しやすいかなあって」

凛「いいね」

凛「今、私達三人の中だけでもユニット名を決めることで、ちょっとモチベーションあがるかも」

未央「いいねー」

未央「じゃ、リーダー、決めるのよろしく」

卯月「えええええ!?」


卯月「……」

卯月「あ、じゃ、じゃあこんなのはどうでしょうっ」

未央「なになに?」

卯月「私達、ブルーナポレオンとか、尊敬する先輩方に混ざるじゃないですか」

凛「うん」

卯月「でも……そんな尊敬する偉大な先輩達にだって、負けたらいけないんです」

未央「いいこと言う!」

凛「だよね」

卯月「だから、今もう伝説のアイドルへの道を歩んでるレジェンドさんに囲まれるから……」

卯月「ニュージェネレーション」

卯月「伝説を超えて、伝説を塗り替え、未来のレジェンドになる新世代、というのはどうでしょう」

凛「いいんじゃないかな」

凛「今から革命を起こそう、って感じがして、かっこいいと想う」

未央「うん」

未央「レジェンドを前にすると舞い上がっちゃうけど、舞い上がってばっかりもいられないしね」

未央「私達は新世代の、未来のスーパーアイドルだって意識するのはいいことかも」


卯月「それじゃあ、改めて……」

卯月「私達、ニュージェネレーション!」

卯月「どんな辛くても、くじけそうでも、大変でも!」

卯月「一緒に戦う仲間を信じて、絶対皆一緒に夢を叶えましょう!」

未央「おう!」

凛「うん!」


「「「かんぱーーーーい!」」」


ゴキュッゴキュッゴキュッ

プハー!

オイシーーイ!

キャイキャイキャイ


P「……」

P(初めてのレッスンに対するヒアリングは……後日で大丈夫そうですね)

全然終わらないのになんと4時だ
一旦終了します、近い内に続き書きます

乙乙

途中で変なレス挟んでごめんね

>>102
何故春日未来がいる

>>128
VIPで保守代わりに合いの手受ける文化で育ったから、私は一向に構わんッッ

>>129
完全にミスでした
大事な場面で申し訳ない
腹を掻っ捌いて超人パワーを差し出すので許して頂きたい



今日休むつもりだったけど、冷静に計算してアニメ3話に間に合いそうになかったので少しでも進めます
書き溜めとかしてなくて申し訳ない


未央「ほっ」

ガコン

未央「ナイッシュー!」

卯月「さすがの運動神経ですね~」

凛「確かにそこはすごいな」

未央「ありゃ、普通に捨てに行くんだ」

凛「そりゃそうだろ」

卯月「あ、私はちょっと投げてみたいかも……」

未央「だっよねー!」

未央「さあ島村選手、大きくふりかぶってぇ!」

卯月「え? わわっ」

凛「おい、ムチャしてあいつのペースに付き合うことは――」

未央「投げましたあ!」

凛「大体オーバースローの必要性が……」

卯月「えいっ!」

未央「うわっ、暴投っ!」

未央「これは清原選手ならブチギレてるコーs――」

ガゴッ

ニャアアアアアアアアアアアアアア

未央「……」

凛「……」

卯月「……」 サーーーーーッ

未央「ま、窓開いててよかったネ、割らずに済んだ」

卯月「で、でも今誰かに当たったような……」

未央「き、気のせいだよっ!」

未央「こんな高さの木の上にアイドルがいるわけないじゃんっ!」

卯月「そ、そうですよねっ!」

卯月「そんなこと、あるわけないですよねっ!」

凛(何? アイドルって高い所に登らないといけない習性でもあるの!?)


未央「あ、エステーがある」

卯月「わあ」

未央「消臭力にはお世話になるよねえ」 ウンウン

卯月「私はムシューダが……」

凛(誰も疑問には思わないんだ……)

未央「あっ、見て」

未央「あっちにはメディカルサスペンション!」

未央「さっすが大手、傷ついたアイドル達へのアフターケアも万全かあ!」

凛(多分誰より必要なのはさっき落ちてった人だけど)


未央「うわっ、エステルームまであるっ!」

凛「ここ、会社だよね……?」

卯月「こっちにはゲームセンターが……!」

凛「ここ、会社だよね……!?」

未央「何ここ、プラネタリウム!?」

卯月「えっ、遊園地!?」

未央「アニマルパーク!?」

卯月「ご、ごごご拷問部屋!?」

未央「秘宝館!?」

卯月「お、おおお大手ってすごいんですねっ!」

凛「ここってほんとに会社なんだよねっ!?」


未央「私達も使えるのかなあ?」

卯月「えっ///!?」

凛「使うって、ドレを……」

未央「いやいやそんな下品なやつは選ばないから」

未央「ちょっとこの無重力ルームが楽しそうだなって」

卯月「おお」

未央「もしくはこの例のプール」

卯月「お……お?」 キョトン

未央「マジックミラー号ってやつも面白そうかもしれないなあ」

凛「何で選んだのそれっていうか何であるのソレ」


未央「んふっ」

未央「ちょっと挿入(ハイ)ってみよっかー♪」

卯月「秘宝館って何があるんですかね~?」

凛「こらこらこらこらこら」

未央「ん?」

凛「いや、ん?じゃないからっ///」

凛「せ、せめてエステルームとか、そういう将来使うようなとこに……」

未央「秘宝館も将来的には使うことに」

凛「やかましい」


未央「ちぇーっ」

未央「じゃあとりあえず、エステルームに入ってみよっかー」 ガチャー

卯月「み、未央ちゃんっ!」

凛「ちょ、ノックもせずに……!」






瑞樹「もう、な~にが地獄めぐりよ」

瑞樹「あんなのただの五重塔よ」

マッサージ師「大変ですね」

マッサージ師「でも秘湯めぐりという名の混浴アダルト番組よりはよかったんじゃ」

瑞樹「そうねえ」

瑞樹「これじゃ亀頭めぐりよ、なんて言わなくて済んだのはよかったけど」

瑞樹「でも危うく狂乱しかけたわぁ」

マッサージ師「十分、リフレッシュしてくださいねっ」


ガラッ

未央「あっ」

卯月「あっ」

瑞樹「……ん?」

未央「よもや先客がいるとは」

卯月「でもよく考えたら誰もいなかったらカーテンは開けてるよーな……」

マッサージ師「ご予約の方ですか?」

卯月「い、いえ……」

未央「あ、あは……あはは」

未央「失敬!」 ドヒューン

卯月「し、失礼しましたあ~~~~~」 ダダダダダー


ダダダダダ

ドゴォ

卯月「はうっ!」

凛「!?」

凛「今、壁が欠け……」

卯月「いたた……」

凛(こ、これがアイドルを目指し鍛え上げてきた少女のフィジカルってこと……!?)

未央「見た見た!?」

未央「中にいたの、川島瑞樹だったよねぇ!?」

卯月「は、はい……」

卯月「やっぱり綺麗でした……!」

未央「いやーエステルームがある会社なんて聞いたことないよー!」

卯月「私もです!」

凛「多分向こうも無断でいきなりエステ中に乱入してくる新人なんて聞いたことないと思ってるんじゃないかな」


未央「ねえねえ、冒険しない!?」

凛「冒険?」

未央「こんなおっきなビルなんだし、他にも何かあるよきっと!」

凛「何でハンマー」

未央「入れない所があるかもしれないしー」

凛「じゃあ入らない方がいいんじゃ」

未央「でも冒険だしー」

凛「そしてその右手のアロマは」

未央「冒険といえばトレジャーハントだしー」

凛「返してこい」


未央「ツッコミ結構手厳しいよね」

凛「きつく言わないと適当に流されそうだし」

未央「よくご存知で」

凛「否定しないんだ」

未央「ま、それより、行こっ!」

未央「アロマはちゃんと返してきたし」

未央「心置きなく洞窟探検隊!」

卯月「どうくつ……?」

凛「だから盗ったらダメだって」


未央「とりあえずこの階から見ていこっか!」

凛「まあ、この階にはさっきみたいなイロモノで危なそうな場所はないけど……」

卯月「ここ、他のアイドルさんがレッスン受けてるみたいですね」

未央「まっ、敵情視察も兼ねてねっ」

未央「偉大な先輩を見つめながら、ライバルであろうほぼ同期達を見てやろうってことよ!」 フフーン

卯月「なるほど~」

未央「と、いうわけで、適当にぶらついてみよー」

卯月「はーい!」 ワァイ

凛(規模の割にセキュリティ意識ガタガタだなあ……)


<トレーニングルーム>

未央「おおっ、バランスボール!!」

卯月「私あれ苦手かも……」 アハハ・・・

未央「うーん、見たことないし、同期に近い人達だよね」

凛「負けないようにしないとね」



<別のトレーニングルーム>

卯月「わわっ、ここでもダンスを……!」

未央「すご、キレッキレ……!」

凛「しかも全員の動きがピッタリ合ってるね」

未央「うーむ、負けていられませんなあ」

凛「息切れしてないし、私達も早くああならないといけないんだよね……」

卯月「しかもとっても笑顔だなんて……」

未央「絶対負けないぞー……!」



<更に別のトレーニングルーム>

未央「おお、なんか超能力開発研究所って書いてある」

卯月「何だかすごそうなレッスン風景が……!」

凛「多分参考にならないししたらダメな系統だと思うけど」


未央「おっふろーーー!」

卯月「広っ!」

凛「ていうか勝手に入っていいのここ?」

凛「いやどこもダメと言われたらダメだろうけども」

未央「写メっとこ」

凛「怒られるよ……」

卯月「わあ~、あったかい!」

未央「サウナは……と」

ドジュウウーーーーーーーッ

未央「あちゃああああああああ!」 ギュッ

凛「~~~~~~っ!」 ビックゥ

凛「な、ななななにを!?」

未央「いやごめんごめんすごく熱くて」

未央「熱いの触ったら耳たぶ触るといいって小さい頃聞いたのを走馬灯で思い出してさー」

卯月「あー、耳たぶって冷たいから、でしたっけ」

凛「事実だとしても自分のでして」


凛「あんまりはしゃいで迷惑かけると怒られ――」

未央「あ、ソフトバンクのお父さん」

凛「」 ダッ

未央「えっ、早っ!」

卯月「り、凛ちゃん!?」

凛「あの、撫でてもいいですかっ」

ドッグトレーナー「えっ」 ビクッ

ドッグトレーナー「ど、どうぞ」

未央「えっ、なにあの超積極的ぶり!?」

卯月「わんちゃんに目がないですからねー……」

未央「なんか一心不乱に顎ナデナデしてるんだけど!」

凛「……」 ナデナデナデナデ

未央「……まあ、本人めちゃくちゃ楽しそうだからいいけど」

卯月「凛ちゃんだけちょっと引いた場所にいるの、楽しくないのなって不安だったけど……」

卯月「楽しんでくれてそうで、安心しました」 フフ

未央「だねー」

未央「よーし、そんじゃ、このまま憂かれ気分で探検するぞー!」

卯月「おお~!」


未央「おおっ、等身大パネル!」

卯月「記念撮影しましょう!」

凛「……撮ってあげるよ」

凛「はい、チーズ」 パシャリ

卯月「次は撮りますよっ」

未央「凛ちゃんもわんこのおかげで大分丸くなったねえ……」

未央「あっ、オサレな感じのスペースが!」

卯月「こういう所で毎日居残りレッスンとか、グッときますよね!」

未央「わかるわー」

凛「どうやらあっちでパネル展示があるみたい」

卯月「わあ!」

未央「よっしゃ、偉大な先輩様の偉業を拝みにいこーう!」

卯月「お~!」


【数時間後・MISHIRO CAFE】

未央「はあ~~~」

未央「夏樹さんのギター、最高だったねしまむー!」 キラキラ

卯月「はい、素敵でした……!」 ウットリ

卯月「……」

卯月「って、しまむー……?」

未央「私もあんな風に弾いてみたいな~~~」 キラキラ

凛「ギター弾けるんだ?」

未央「いや、全然」

未央「でも叩きつけて壊すのなら出来そうだし、ギタリストもいいかなーって」

凛「ギタリストに怒られるよ」


未央「あっ、インタビューしてる!」

未央「後ろでピースしてこなきゃ」

凛「コラ」

卯月「でもほんと、右を見ても左を見てもアイドルアイドルアイドルですねぇ」

凛「あの子達もアイドルなの?」

未央「そうだよ!」

卯月「そうですよ!」

凛「……アイドル多すぎない?」

未央「これに加えてデビュー前の娘たちまでいるんだからねえ」

未央「過酷な世界だよ」 ウンウン

卯月「ニュージェネレーションも頑張って旋風を巻き起こさなくちゃ……」


メイド店員「いらっしゃいませえ!」

メイド店員「346カフェへようこそようこ(はあと」

メイド店員「メニューをどうぞ!」

未央「ここってメイド喫茶?」 ヒソヒソ

卯月「そうかもしれません」 ヒソヒソ

凛「アングラな感じだね」 ヒソヒソ

メイド店員「ふっふっふー」

凛「?」

メイド店員「今日はわけあって臨時でバイトしてますが、その正体は!」

メイド店員「きゅぴーん★」

メイド店員「うさみんパワーで、メルヘンチェ~~~ンジ!」 クルリーン

メイド店員「歌って踊れる声優アイドルうさみんことぉ――」

メイド店員「安部菜々でえ~~~す☆」 キャルルーン

菜々「きゃはっ☆」 ウイーンク

凛「うわあ……」

未央「脳味噌めぇるへん……」

卯月「こ、こここういうジャンルもあるんですよっ」 アセアセ…


【ロビー】

P「……」

P「……」 チラッ

時計「」 カッチカッチ

P「……」

オツカレサマデシター

オツカレサマデシタ

楓「……あっ」

楓「おはようございます……」 ペコリ

P「おはようございます」

楓「……」

P「……」

楓「……」 スッ

カツ…

カツ……

P「……」

眠気が尋常じゃないため投下を中断します。
この先はアニメ成分が薄れていきますのでご注意を。

投下したと想ってたた1レスが強制終了に酔って投下失敗してたのでそこだけ落として終わります


未央「プロデューサー!」 ダアッ

卯月「はあ……はあ……」 ゼヒー

未央「ねえねえ、プロデューサーって高垣楓と知り合いなの!?」

P「……」

P「ええ」

未央「わあ~~~~!!」

卯月「すごいですっ!」

凛「……」

凛(あんまり知らない……)

未央「ひょっとしてぇ、プロデューサーって大物!?」

P「……」

P「同じ……事務所ですから」






<曲がり角を曲がってすぐの死角>

楓「…………」

楓(同じ事務所だから……か)

今日も少しずつですが投下していきます


P「それより……遅刻ですよ」

未央「げっ」

凛「うっ」

卯月「ううっ」

未央「でもプロデューサー」

未央「3/4がこの時間にきたってことは、実は待ち合わせは今の時間で」

未央「プロデューサーが早く来ただけっていう可能性も」

P「ありません」

P「この時間だと確かにお伝えしてました」

未央「……あはは」

未央「すみません」

凛「すみません……」

卯月「すみませんでした……」


卯月「ちょっと寄り道して、遅くなっちゃいました……」

凛(……ちょっとではないよーな)

P「時間は厳守です」

P「今後は気をつけて下さい」

卯月「はい……」

凛「はい……」

未央「はーい」 ヘーベルハウス

P「では、行きましょう……」

P「他のメンバーを紹介します」

未央「滑った……」

卯月「も、もう、謝るときは真面目にしなくちゃだめですよっ」

卯月「ねえ凛ちゃん!」

凛「……」 プルプル

卯月「……凛ちゃん?」

凛「……」 ククッ

卯月「……意外とツボだったんだ……」

未央「やっといて何だけど、しぶりんのツボよくわからないよね」

卯月「……」

卯月(しぶりん?)


P「今から、他のシンデレラプロジェクトのメンバーを紹介します」

P「ですがそれは、同時に皆さんも紹介されるということです」

卯月「!」

P「ですので――」

P「同時に、皆さんにとって、初めての仕事を行っていただきます」

未央「えっ……!?」

卯月「えっ!?」

凛「えっ……ふっえふっ」 ゴホゴホ

未央「むせてる……」

卯月「まだツボにはまってたんだ……」


未央「うわあ~~~~っ!」

卯月「綺麗~~!」

P「これから、皆さんには今後の宣材写真を撮影して頂きます」

未央「せんざいしゃしん!?」

卯月「アタックとか……でしょうか」

未央「いやいや、これはトップを撮れ、つまりは頂点を奪えという小洒落たエールに違いないよ!」

P「違います」


凛「宣材写真、か……」

凛「ほんとにアイドルになったんだ……って感じだよね」

未央「うん」

卯月「ちょっと不思議な感じですねっ」

未央「でも、わくわくするよ!」

凛「うん」

卯月「写真って、このセットで撮るんですか?」

P「いえ、こちらです」

P「他のメンバーはもう、撮影を始めています」

卯月「他のメンバー……」 ドクン

未央「どんな人達なんだろうねー」

凛「仲間にしてライバルになる娘達、か……」


卯月「うわあ~~~っ、おっきいリング……!」

未央「げえーーーーっ、あんな小さい体であんな大きなオブジェをにこやかにリフトアップしているーーーーーーっ!!」

凛「あの写真を撮ってる人が私達の仲間……?」

P「ええ」

謎の幼女「ねえねえ、お姉ちゃん達って、シンデレラプロジェクトの仲間~?」

未央「そうだよ」

謎の幼女「わあ~い」 ピシガシグッグッ

謎のギャル「やったねっ!」 ピシガシグッグッ

謎の幼女「赤城みりあです!」

みりあ「これで全員集合だねッッ!」

みりあ「嬉しいなあ!」

謎のギャル「やっほー☆」

謎のギャル「私、城ヶ崎莉嘉!」

莉嘉「中学1年だよっ!」

莉嘉「仲良くしよーねっ!」

卯月「はいっ!」


凛「……」

凛「さっき木登りしてた……」

莉嘉「おお!」

莉嘉「さっきのお姉ちゃん!」

みりあ「またカブトムシ?」

莉嘉「うん!」

莉嘉「すごく爆裂してるカブトムシがいてさ☆」

凛(ばくれつ……?)


P「……一人、足りないようですが」

莉嘉「あー」

みりあ「みくちゃんなら、莉嘉ちゃんが木登りしてるのを見て、」

みりあ「木の上なら猫の本領」

みりあ「人間が気軽に木に登ると危ないにゃ」

みりあ「――って言いながら木に登っていったきり……」

ちひろ「どうやらメディカルサスペンションに運ばれたようですねえ」 ヌッ

凛「うわあ!」

未央「び、びっくりした……」

ちひろ「どうやら高所から落下したみたいだし、木登りはほどほどにね」

莉嘉「うわー、こわー」

未央「ね、ねえ、あれって」 ヒソヒソ

凛「そ、そうと決まったわけじゃないし……」 ヒソヒソ


莉嘉「今の所は以上の三人だよー」

みりあ「お姉ちゃんが出来て、ファン層に厚みが増してきたねっ!」

未央「子供のくせに結構考えてるんだなあ」

ちひろ「小さい頃から芸能界にいるとそうなるものですよ」

P「何にせよ、高校生世代の三名も無事合流しました」

P「療養中の前川さんを合わせて6人が、現在のシンデレラプロジェクトのメンバーです」

凛「……現在の?」

ちひろ「シンデレラプロジェクトは、夢見る少女が夢を叶えるプロジェクト」

ちひろ「発展する内に加入するメンバーもいれば、夢が叶って卒業するメンバーもいますよ」

未央「へえ~!」

ちひろ「元に最初は時計の針の数に合わせて12人の予定だったんですけど……」

ちひろ「お正月特番需要で夢を叶えた娘が多くて、大幅に人数が減ってしまって」

P「嬉しい誤算です」

未央「へえ、すごいなあ」

卯月「私達も、がんばりましょうっ!」

凛「うん」


卯月「……あっ、島村卯月ですっ」

卯月「えっと、がんばります!」

凛「渋谷凛です、よろしく」

未央「本田未央、高校1年!」

未央「未央って呼んでね☆」

莉嘉「じゃあ、これでいよいよ……!」

P「ええ」

P「シンデレラプロジェクト、いよいよ始動です」

莉嘉「やったあ!」

みりあ「わあい!」


ビッチっぽい声「あれ~?」

ビッチっぽい声「何だか賑やかだね~」

凛「ん……?」

ビッチっぽい娘「何の集まり~?」 ヒョコッ

卯月「わ、わわわわわ!」

未央「う、うおおおおおおおお!」

凛「誰?」

卯月「ご存知、ないのですか!?」

未央「カリスマJKモデル城ヶ崎美嘉ッッ!!」

美嘉「はあ~い☆」 ニヒ

未央「今の御時世ギャルで売れてるすごい人なんだぞっ!」

卯月「本当に、女の子からの支持もすごいんですよねっ!」

未央「それでいて男性ファンへの配慮も欠かさず、性的なことを仄めかすコラムは断ってるというプロっぷり!」

美嘉「あ、あははー」

ちひろ「コラムを書こうにも、そもそもに経験が」

未央「え?」

ちひろ「いーえ、なんにも」 ニコッ


凛「言われてみれば、前に雑誌で見たような」

莉嘉「おねえちゃ~~~ん!」 タッタッター

卯月「おねえちゃん……?」

未央「じょうがさき……」

卯月「ああ~~~~~~っ!」

未央「そ、そうか~~~~~~~~~っ!」

未央「二人共苗字は城ヶ崎……」

未央「つまり二人は姉妹だったんだーーーーーーっ!」

凛「いや、そんな最初の一言でわかるようなことをくどくど説明されても」

みりあ「な、なんだってー」

凛「アホのお姉ちゃんには付き合わなくていいからね」


莉嘉「ねえ、これ何の衣装?」

美嘉「今度のライブパンフ用だよ」

未央「あのっ!」 パシッ

凛「うわっ、いきなり手を取った」

ちひろ「完全にただのファンになってますねえ」

未央「私、本田未央!」

未央「本日付でアイドルになりましたっ!!」

美嘉「ふう~ん」

美嘉「今日はアー写か何か?」

未央「はいっ!」

凛「……あの、アー写って」 ヒソヒソ

ちひろ「アーシャ――70年代アメリカで一大センセーションを巻き起こしたアイドルのことよ」

ちひろ「彼女の伝説は、事務所所属時に先輩全員にケンカを売り、自分の進退をかけて一人ずつ真っ向から叩き潰したところから始まる」

ちひろ「転じて、所属初日に先輩にケンカを売り、自らを四面楚歌におくことをアーシャと言うようになったのよ」

凛「えっ……」

ちひろ「冗談ですよ♪」

みりあ「アホのお姉ちゃんみたいなタチが悪い冗談を言うちひろさんの相手はしなくてだいじょうぶだよ~」


美嘉「そっか」

美嘉「私は違う部署だけど、よろしくね」

卯月&未央「「よろしくお願いします!!」」

莉嘉「お姉ちゃんもこっちに来ればいいのにぃ~!」

美嘉「まあ、アンタを一人にさせとくのは心配だけどねえ」 クスクス

莉嘉「ひどいぃ~!」

美嘉「あはは」 トン

莉嘉「はは……」

美嘉「じゃ、がんばってね~」

一同「「「「はいっ!」」」」


美嘉「にひー」

パシャッ

パシャッ

未央「すごいっ……」

卯月「うわー! うわーーー!!」

莉嘉「さっすがおねーちゃん」

凛「確かにかっこいい……」

みりあ「伊達にすでに一線級じゃないよね……」

シマムラサーン、ジュンビオネガイシマース

卯月「あっ、はいっ!!」


卯月「……落ち着かないね」

凛「ただ待つだけっていうのはね」

未央「チミっ子なのに、二人共落ち着いてるしねえ」

卯月「プロの人にお化粧されるの、緊張したあ」

未央「あ、それわかる!」

未央「なんだかんだで養成所でも自分でやってたからさあ」

凛「私も、ブラッシングされたのなんて久しぶりで」

未央「あー、意外かも」

卯月「髪の毛綺麗だし、修学旅行とかで梳かせてーとか言われてそうですもんねー」

凛「そ、そうかな?」

凛「私としては、ハナコの方がよっぽどブラッシングしてあげたくなる存在だと思うんだけど……」

未央「誰? アイドル? クラスメート?」

卯月「ワンチャンですよ」


シマムラサーン、ハイッテクダサーイ

卯月「は、はいっ!」

パシャッ

パシャッ

卯月「」 カチンコチン

カタイヨーワラッテワラッテー

凛「あの卯月でも、緊張するんだ……」

未央「うーん、私も笑顔が売りな以上、気合い入れないと……」

パシャッ

パシャッ

未央「あらよっとお!」 アシアゲー

未央「ほいさー」 コマネチー

モットフツウニー

凛(緊張すると意味分からない冗談やって滑るタイプか……)


同人誌で脅迫レイプとかしそうなおじさん「うーん」

同人誌で脅迫レイプとかしそうなおじさん「どうします?」

P「……もう一度、お願いします」

同人誌で脅迫レイプとかしそうなおじさん「了解」




未央「……なんか、ガチガチだったね」

凛「……うん……」

卯月「うう、なんだか緊張して……」

未央「はあ……普通って、むずかしい……」

凛「……」

凛「あの娘達は、一発オーケーだったのに……」

卯月「……うう」


同人誌で脅迫レイプとかしそうなおじさん「今度は三人一緒に撮ってみるから、普段通りワイワイやってみて」

卯月「は、はいっ!」 ガチガチ

未央「普段通りって……」

ヒュオッ

未央「ふえ?」

ドゴォ!!

未央「」

凛「」

卯月「」

みりあ「そのボール、使っていいって許可おりたよ!」

莉嘉「普段通り自由に動いていいらしいし、リラックスすればいけるいける」

凛「ボールっていうかボーリング玉なんだけど」

莉嘉「似てる似てる」

凛「死ぬから」

莉嘉「だいじょうぶだよーちゃんと軽めに10ポンドにしておいたし」

凛「死ぬから」


みりあ「他にもボールならいっぱいあるよ~!」 ドザー

凛「ちょ、箱をひっくり返すのはやりすg――」

未央「うわっ、なにこれすごっ!」

卯月「わわわっ!」

凛「ほんと無駄に物品揃えてるなここ!」

卯月「野球ボールサッカーボールゴルフボールラグビーボール……」

卯月「ビリヤードに……うわあ、見たこと無いボールまでありますよ!」

未央「うわっ、モビルスーツまであるっ!」

卯月「こ、ここここれ!」

卯月「キャッツのスーパーエースのサインボールですよっ!」

凛「あ、意外と卯月野球も見るんだ」

未央「うっはー、スーパーボールまであるよなっつかし~」 ケラケラ

ボヨーン

卯月&未央「「スーパーボール」」

未央「YEAHHHHHH」 ピシガシグッグッ

凛「……」

凛(またアイドルネタかな、テレビもっと見ようかな……)


凛「それにしても本当に変わり種のボールばっかり……」 ゴソゴソ

パキャ

凛「」

デロッ

凛「……あの」

凛「なんか卵入ってたんですけど」

莉嘉「丸いし」

凛「世間じゃ新人いびりになると思うんだけど」

莉嘉「丸いし投げれるしほとんどボールだよ」

凛(年上年下とか関係のない修羅の世界ってことなのかな、芸能界)


卯月「わわっ、こっちにもボール以外のものが……」

凛「どれどれ……」

卯月「丸いペンギンのぬいぐるみ……」

凛「……」

凛「まあ、これは可愛いしいいけど……」

卯月(いいんだ……)

未央「」

凛「ん?」

凛「どうしたの、そっちにも何か――」

未央「これ」

ボム兵「ウィウウウウウィウwwwwwwwwwwwwww」

凛「」

卯月「」


凛「ちょ、普通に火花散ってない!?」

未央「あ、ああああ熱いんだけど思ったより!」

卯月「ど、どどどどうしましょう!?」

未央「と、とりあえず、しまむーパス!」 ヒュオッ

卯月「ええ!?」

ドガッ

卯月「あうっ!」

莉嘉「あっ、弾いた」

みりあ「わわっ、落下したら衝撃で爆発――!」

凛「っと!」 キャッチ

凛「あ、あぶなかった……」

卯月「……しまむー?」

凛「凶器いきなり顔に投げられて第一声がそれでいいんだ……」


未央「しぶりん、パスパース!」

凛「しぶりん?」

凛「え、っていうか、いいのパスして」

未央「いやあ、まあ、なんとなく」

凛「まあ、いいけど」 ビュッ

卯月「オーバースロー!?」

未央「げえーーーっ、しぶりんスモーキーかっ!」

未央「球の出所が見辛――!」

みりあ「わわっ、あれだと手前で落ち……!」

未央「し、しまむーパスっ!」 レシーブ

莉嘉「おっ、うまい」

莉嘉「キャッチは無理ならーっていうことだよねー、あれ」

卯月「は、はう!」 トス

みりあ「わあ、あのしゃがんだ体勢から正確なトス……!」

莉嘉「うーむ、相棒に置きたい職人技だねー」

莉嘉「私もお姉ちゃん相手にいろいろ支えてあげたいのになー」 プクー

未央「しぶりんスパイク!」

凛「え!?」

卯月「え!?」


未央「スパイク!」

凛「くっ……」

凛「どうなっても知らないからねっ!」 バッ

みりあ「た、高い!」

莉嘉「わあ、すごーい。あんなに跳べるんだ」

卯月「すご……綺麗……」

未央「あっ、ぱんつ見えた」

凛「……っ///!」 カァァァァ

未央「薄桃いr」

凛「口に出すなっ///」 バシイイイイン

未央「よし、ナイスコース!」

未央「私の運動神経にかかれば、コースさえわかっていれば――!」

みりあ「あ、あの技って!」

莉嘉「投げっぱなしジャーマン!」

莉嘉「スパイクの勢いを殺さず、自分の投げっぱなしジャーマンの威力を追加したんだっ!」

ボッコォ

莉嘉「わあ、壁に穴が……!」

みりあ「お姉ちゃんたちすごい!」

未央「ふっふーん」

未央「スパイクだけと壁にぶつかってボム兵が爆発してたかもしれない」

未央「でも私の投げっぱなしジャーマンを合わせることで、爆発より先に壁が衝突の衝撃に耐えられずぶっ壊れた!」

未央「これで全員無事ってわけ」 ドヤー

みりあ「わあ~~~!」 キラキラ

未央「ま、力を合わせて困難を乗り切る私達らしいプレイってとこかな」 フフン

卯月「うう、私は……」

凛「卯月が打ちやすいトスをあげてくれたからこそだよ」 ナデ

未央「そーそー」

未央「三人全員の勝利だよ」 グッ


P「……」

P「結果としてボム兵は階下で爆発したようですが」

ちひろ「多分メディカルサスペンションのあたりですけど」

ちひろ「……」

ちひろ「まあ、なんとかなりますよ」

P「……」

P「大切なアイドルですから、危ないものの混入は」

ちひろ「分かってます」

ちひろ「次からちゃんと見ておきますよ」


同人誌で脅迫レイプとかしそうなおじさん「いいねえ、その笑顔」

未央「あはっ」

未央「さすがは合格理由が笑顔のワ・タ・シ」 クルクルー

凛「何で地球儀」

未央「でも卵よりはボール寄りじゃない?」 ヒュッ

卯月「うふふ、私もです」 ポス

卯月「合格理由、笑顔♪」 ポイッ

凛「……ふう」 ポスッ

凛「それしか言わないから」 スモーキー

未央「うわっ、強」 バシッ

未央「……って、え?」

未央「……ぷっ」

凛「……くくっ」

卯月「……ふふ」

未央「皆一緒かあ」 ポイー

ガシャーン

同人誌で脅迫レイプとかしそうなおじさん「げえーーーっ、照明が落下したーーーーーーっ!」

ちひろ「真上になんて放るから……」


美嘉「……へえ」

美嘉「はじめてにしてはいい感じじゃん」

ソレジャア、ヒトリズツトルヨー

ハイッ

美嘉「……ふうん」

美嘉「そうだ」 パァ

美嘉「あの娘達、今後のスケジュール決まってる?」

P「現在、企画中です」


未央「ねえ、皆で撮ろうよっ!」

莉嘉「いいねー!」

未央「私達ニュージェネもだけど、シンデレラプロジェクトのメンバーとしても!」

未央「皆一丸となって栄光をつかめるようにさっ!」

凛「うん、いいね」

卯月「プロデューサーさんも、一緒にどうですか!?」

みりあ「ねーねー!」

P「いえ、皆さんでどうぞ」

一同「「「「「ええー」」」」」

同人誌で脅迫レイプとかしそうなおじさん「それじゃ、撮るよー」

パシャッ

ワイワイ

キャイキャイ

P「……」

P「……何を、なさっているのですか」

P「こんなところで」

楓「……」


美嘉「いや、さっき、そこで偶然会っちゃってさ」

P「……そうですか……」

莉嘉「あっ、お姉ちゃん!」

美嘉「おっ、ちょうどいいとこに!」

莉嘉「聞いて聞いて、さっきさ――」

スッ

莉嘉「……え?」

莉嘉(素通り……?)

莉嘉(……そりゃ、アタシはいつでも喋れるし、まず新人からって言うのは正しいかもだけど……) ムゥ

美嘉「ええっと、本田未央と、確か――」

卯月「あっ、卯月です! 島村卯月!」

凛「凛。渋谷凛」

美嘉「そうそう」

美嘉「突然なんだけどさあ」

美嘉「ライブで、私のバックダンサーやってみない?」 ニィ


美嘉「アタシのバックで、ちょうどこんな娘達を探してたんだ~」

美嘉「ちょーっとくらいアピールチャンスはあげるし、悪い話じゃないと思うよ?」

卯月「わ、わわわ私が城ヶ崎美嘉さんのステージで……!」 プシュー

未央「うおおおお、伝説的なデビュー……!」

凛「え、でも、まだプロデューサーに確認しないことには……」

ちひろ「美嘉ちゃんの担当からはオーケーを貰いましたが、どうしますか?」

P「……自分としては……」

莉嘉「……」

莉嘉「いいんじゃない」

みりあ「莉嘉ちゃん……?」

莉嘉「お姉ちゃんが認めたのならさ」

莉嘉「それだけの実力があるってことなんだし、そういうデビューもありだと思うよ」

美嘉「さっすがアタシの妹、話が分かr」

莉嘉「でも!」

莉嘉「それだったら――私にだってチャンスはあるはずだよね!」

美嘉「……莉嘉?」


莉嘉「お姉ちゃん、いつもいつもアタシを子供扱いするけど」

莉嘉「アタシはもう、立派にアイドルとして、お姉ちゃんと一緒にステージ立てるんだよ……!」

美嘉「いや、でもお前は――」

莉嘉「だから……」

莉嘉「アタシがもし、卯月ちゃん達に勝ったら」

莉嘉「認めてよ」

莉嘉「お姉ちゃんの隣に相応しいのはアタシって」

莉嘉「そしてステージに立たせてよ!!」

美嘉「莉嘉……」

莉嘉「お姉ちゃん言ってたじゃん」

莉嘉「アイドルは実力世界、弱肉強食だって!」

莉嘉「私はもう、守られてばかりのシマウマじゃなくて、立派なライオンなんだ!」


P「……」

ちひろ「と、いうことですけど」

ちひろ「私も、元々実力社会でのしあがるシンデレラになるべくして集まった彼女たちが」

ちひろ「こういう形で一歩を踏み出すのもありじゃないかと思いますけど」

じじい「うむ、その通り」

じじい「確かにレッスンも大事だが、養成所や企画進行前にみっちりしてはおろう」

ちひろ「いっそ、美嘉さんのバックで演る座をかけて、競い合うのも面白いかもしれませんね」 フフ

P「……」

P「島村さん達は、どうしたいのですか」

卯月「ええっ」

卯月「わ、私達は……」 チラッ

凛「……」

凛「誰にも気なんて使わずに、素直な気持ちを言えばいいと思うけど?」

凛「その権利があるくらい頑張ってることは、私が証明するからさ」 フフ

未央「そーだよ!」

未央「仲良く競いあうのがアイドルってもんよ!」 ニヒヒ

卯月「凛ちゃん……未央ちゃん……」

卯月「プロデューサー」

卯月「私も……どうせなら、戦って、バックダンサーの座を獲りたいですっ!」


P「……」

P「そうですか」

P「では、対決の方法を――」

ちひろ「それならもう用意してあります」 ニコッ

P「……え?」

ちひろ「最高に集客できて、話題にもなる方法を、きちんと用意しました♪」

P「……」

P「段取りが……良すぎますね……」

P「話が上がったのは、つい先程だというのに」

P「……」

P「誰かが……仕組んだのかもしれませんね」

楓「……ふふ」


楓「私は何も知りません」

楓「ですが――実力社会という側面があるのは事実」

楓「それに……」

楓「プロデューサーが変更になり、自分の足元がぐらついている今だからこそ」

楓「いろんなステージを経験すべきだと思いますから」

楓「大人げないと言われても……」

楓「その闘い、私も参加させて頂きます」

莉嘉「……っ!」

未央「うっそ……」

卯月「た、高垣楓が敵に回る……」 カタカタ

凛「……」

P「……」

楓「それだけを、伝えにきたんです」


P「……」

P「城ヶ崎さんが提案してくださったのは、高垣さんがいらっしゃった後でしたが」

楓「……」

楓「ふふ」

楓「安心してください」

楓「具体的な勝負内容“までは”知りませんから」

P「……」

P「焚きつけ、たのですね」

楓「素敵な後輩がいると、教えてあげただけですよ」

P「……そうですか」


ちひろ「提案は頂きましたけど、公平を期すため、細かな内容は伏せとくのでご安心を!」

ちひろ「一応、公平さのため、暇しているアイドル候補生やアイドルも、このバックダンサーの座争奪戦への権利は与える旨を告知します」

ちひろ「勝負は一週間後ですね」

ちひろ「ただ、それだと悪平等ですよね」

ちひろ「何せ島村さん達は、直々に指名を受けていたはずなんですから」

ちひろ「ですから――勝負内容は言いませんけど、どういう戦いをしてもらうかは、先に教えておきます」

楓「……346チャンネル」

楓「見たことは、あるかしら」

卯月「あ、知ってます!」

凛「ニコニコ動画とかで配信されてる、346プロのオリジナル番組――だっけ」

未央「ありゃ、知ってるんだ」

凛「所属が決まって調べてたら分かっただけで、実際見たことないけど……」

楓「クオリティは高い、それでもアイドル群雄割拠の時代においては、もうワンパンチがほしいところ」

楓「そして、前回圧倒的人気を誇った企画を踏まえて今回――」

ちひろ「もうっ、説明のお仕事をとらないでくださいよっ」

ちひろ「悲しくなっちゃうじゃないですか!」

楓「説明役を取られて、切めえ」 ボソ

卯月「……」

莉嘉「……」


ちひろ「皆さんの戦いは、一週間後、休日のゴールデンタイムに配信されます」

ちひろ「勝負は、体力とトーク力と見た目の総合力が求められるもの!」

ちひろ「そして一番重要なのは、これがトーナメント形式の戦いということ!」

卯月「トーナメント……!」

未央「まるで格闘漫画みたい!」

凛「てことは、仮に8人だとすれば、3回勝てば優勝はできるんだ……」

莉嘉「そう簡単に優勝なんてさせないし、するのはアタシだけどね」

楓「……」 フフ

ちひろ「これが!」

ちひろ「346チャンネルプレゼンツの新企画ッ!」






ちひろ「プロダクション内対抗トークバトルショー、です!!」






P「……」

美嘉「一週間後、皆の健闘楽しみにしてるからね」

凛「一週間後、か……」

未央「あっという間だよ、一週間なんて」

卯月「頑張りましょうね!」

莉嘉「ぜーったい、お姉ちゃんに分からせてあげるんだからっ!」

みりあ「一週間あれば、みくちゃんも間に合うかな……」

ちひろ「一応、メディカルサスペンションから出たら声はかけておきますよ」

楓「それじゃあ、また、一週間後――」

楓「そこで、正々堂々、戦いましょう」

気付いたらこんな時間なので中断します
そんなわけでトークバトルショー編ですが、別に原作のシステムは反映しません

0時くらいに投下終わる予定がこんな時間までずれこんでるし、
これからも予定に反して長引きそうですが、
よければマイペースにお付き合い下さいませ

アニメ3話までに終わる予定だったのに……
スローペースですが投下します
暇ならお付き合いよろしくお願い致します


【一週間後】

未央「とうとう当日、か……」

凛「レッスンはつんだけど、ちょっと緊張するね」

卯月「がんばります……っ!」

未央「……それにしても、トーナメントって、どうするんだろう」

凛「さあ……」

未央「私達三人に声がかかったってことは、三人一組の戦いなのかな」

凛「うーん、どうだろ」

卯月「あっ、ここですね、会場っ!」

凛「ま、行けば分かるさ」

未央「だねっ!」

未央「今日は遅刻しないってこと、見せてあげよっ!」

未央「余裕の15分前とうちゃーーーーk」 ギイイイイ


ワイワイ

ガヤガヤ

未央「」

凛「うわあ……」

卯月「……会場、ここでしたよ、ね?」

凛「……間違いないね」

未央「なーんか、へたしたら4桁くらい人いない?」

凛「さすがにそれはないと思うけど、まあ、多いよね……」

卯月「幽遊白書でこんな人数のトーナメントがあったような……」

未央「どうするんだろ、これ」


卯月「ここ、本当に会場なんだよね……」

凛「なんでか男も混じってるな……」

未央「募集要項、ガッバガバだったもんなあ」

凛「駆け出し芸能人大集結、ってとこかな」

未央「だろうね」

卯月「元々アイドル以外の部門が栄えてるんですもんね……」

未央「だね」

未央「私はちょこちょこ養成所時代見たことある人いるけど、モデルコースとか女優コースからも来てるね」

凛「皆ステージを求めて必死、か」

卯月「負けられませんねっ!」

凛「……だね」

未央「アイドルは女優やモデルの片手間で出来るもんじゃないって、教えてあげよう!」

卯月「おー!」

凛「うん!」


???「んっふっふ」

???「困惑してるにゃ若者たち!!」

卯月「ふえ?」

卯月「私達、ですか?」

???「そのとーりにゃ」

???「はじめまして――」

???「いや、久しぶりと言うべきかにゃ?」

未央「げげえーーーーーーっ、あ、貴女は!!」

凛「あ、空き缶を卯月が暴投した時の……!」

???「YES! I am!」 チッチッ

未央「わわわ、ナンマイダーナンマイダー」 アワアワ

???「生きてるから」

凛「……」

???「訴えに来たとかでもないからその牽制する目とボールペンしまうにゃ」


???「っていうか、後輩ならまず名乗るのが礼儀だと思うにゃー」

卯月「あっ、ご、ごめんなさい!」

卯月「島村卯月です!」

凛「渋谷凛」

未央「本田未央、高校1年!」

???「よろしい!」

???「それじゃあ名乗らせてもらうにゃ!」

???「前川みく――この名前に心当たりはあるにゃ?」 フフン

未央「……」

卯月「……」

凛「……」

みく「え、ない?」

凛「……すみません」

卯月「あっ、せ、先輩アイドルさんですよねっ!」

未央「あーあーあー、あれですよね、千本桜とかカゲロウデイズとか流行ってますよねっ!」

みく「泣きそうになるから知らないなら知ったかぶらなくてもいいにゃ」


みく「……一応、シンデレラプロジェクトのメンバーなんだけどにゃ」

未央「あーあーあー! はいはい、わかってます、承知してますよ! ええ!」

凛「う、うん、そういえばプロデューサーからもお話はかねがね……!」

卯月「よ、よろしくお願いします!」

みく「てっきり空き缶当てて重傷追わせたことを引きずってるかと思って」

みく「わざわざここで待ってたのににゃあ……」

未央「ご、ごめんなさい」 アワアワ

凛「すみません……」

みく「まあ、今回は初犯だから許すけども!」

みく「次に忘れたら承知しないにゃ」

卯月「はいっ」

未央「勿論ですよっ!」

凛(忘れてたというか、忘れたかったというか、なかったことにしようとしてた……)


みく「まあいいにゃ」

みく「はい、これ」

未央「これ……」

凛「コーヒー?」

みく「エナジードリンクだと、誰かさんとかぶるからにゃー」

みく「それ、行きつけの猫カフェが出してる、オリジナルの商品なんだにゃ」

みく「お近づきの印にどーぞ」 ニコッ

凛「はあ……」

卯月「わあっ、いいんですかっ!?」

みく「うん」

みく「遠慮無くどーぞ」


凛「……」

凛「でも、なんであんな酷いことしちゃった私達にこんな……」

みく「まあ、ぶっちゃけ怒ってないって言ったらウソにゃ」

みく「アー写一人だけさっき大急ぎで撮ってきたし、痛かったし……」

未央「ほんっとすみません……」

みく「まあ、でも、おかげで木登りが危ないって学習したし」

みく「それに、新人なんて勢いで無礼にアタックゴーゴーしてなんぼ!」

みく「アイドルなんて、自分の道を突き進んで、時には道から誰かを追い出すことになる存在だにゃ」

みく「自分だっていっぱいの人に迷惑をかけて、それでも図太くしがみついてる」

みく「後輩のやんちゃくらい、笑って許してあげられるにゃ」 フフン

凛「前川さん……」

卯月「みくさん……」

未央「猫耳先輩……」

みく「一人若干名前うろ覚えの子いない? 気のせい?」


ザワザワザワ

未央「あっ、おいしーい」

凛「うん、ちょっと目が冴えてくるかも」

卯月「卯月には、なんかちょっと苦いです……」

みく「はっはっは」

みく「お子様だにゃあ」

ワイワイガヤガヤ

凛「どんどん人増えてきたね」

未央「そろそろ始まるのかな」

ネエ、アレミテ

ン?

ホラ、アレ、マエカワミクヨ

マタ シンジンノコニ カランデル・・・

ダレソレ

シラナイノー?


ヘレン「まだそんなことをやっているのね」

みく「げえーーーーっ、あんたはっ!」

ヘレン「ヘレンよ、知ってるでしょ?」

未央「……誰?」

みく「ああ見えて、そこそこ仕事持ってる雑誌モデルだにゃ」

凛「あ、確かに、クラスの娘達が見てた雑誌に載ってたよーな……」

みく「うぎぎぎぎ」

みく「自力で仕事が取れるくせに、こんな新人イベントに出て更に仕事を奪おうなんてずるいにゃ!」

ヘレン「まったく、どれだけ狭い世界の話をしているのかしら」

ヘレン「カエルちゃん達は知らないかもしれないけど、海はとっても大きいの」

ヘレン「世界クラスから見たら、悔しいけど私なんてまだまだひよっこ」

ヘレン「このチャンス、フイには出来ないわ」

みく「むぐ~~~っ」

みく「仕事あるくせに能力が自信に釣り合ってないとか2ちゃんで叩かれてる存在のくせにっ!」

ヘレン「!」

ヘレン「言ったわね、このオタンコニャース」

みく「ふーんだ!」


ヘレン「大体貴女こそ、なんて言われてるか知ってるの?」

みく「!」 ギクッ

みく「まるで自由気ままな猫ちゃんのように、自由奔放なアイドルにゃっ」

ヘレン「そして片っ端から勝負を挑み敗北している哀れな存在」

みく「ぐむっ!」

ヘレン「後輩にちょっかいをかけることでも有名よ」

みく「むぐぐぐぐ……!」

ヘレン「そんなんだからいつまでもそれなり、井戸の中での中堅なのよ」

みく「にゃんだとーーー!!」

ヘレン「私は世界をもっと見たいの」

ヘレン「モデル界の前川みく、みたいな汚名を注がせてもらうわ」

みく「にゃにー!」

みく「一緒にされたくないのはこっちもだにゃ!」

凛「いきなり現れてケンカ売るって、同族だよね?」 ヒソヒソ

未央「そういえば、一般人にはかなわないけど、テレビ出られるアイドルなら勝てるくらいの養成所の帝王みたいな人がいるって……」 ヒソヒソ

卯月「アイドル達が最初にぶつかる壁ってことでしょうか?」 ヒソヒソ

未央「まさに登竜門、ね」 ヒソヒソ


ヘレン「とにかく!」

ヘレン「無様なカエルちゃんで終わりたくないなら、つるむ相手は選んだ方がいいわよ」

ヘレン「世界では、無為な慣れ合いは何の力も持たない」

ヘレン「切磋琢磨し合えない相手は、互いに不幸になるだけ」

みく「ぐぎぎぎぎ」

ヘレン「親切心から教えてあげる」

ヘレン「この娘のアダ名」

みく「!」

ヘレン「新人にちょっかいをかけては返り討ちにあうアイドル」

ヘレン「通称『新人潰されのみくにゃん』」

ヘレン「貴女達も、プロジェクトメンバーは考えた方がいいわよ」


卯月「そ、そんなことありません!」

卯月「先輩は、私達に自ら声をかけ、緊張をといてくれましたっ!」

卯月「私にとっては、優しく素敵な先輩ですっ!」

凛「うん」

凛「飲み物もくれたし、私も先輩のこと、きらいじゃないかな」

未央「そうだよ!」

未央「猫耳潰され先輩のこと、悪く言うと承知しないよ!」

未央「噛ませ先輩はもう立派な私達の仲間なんだから!」

みく「名前覚えて?」

ヘレン「絶対どっかで見下してるでしょ」


ヘレン「……まあ、いいわ」

ヘレン「一応警告はしてあげたから」

みく「じゃーこっちからも警告してあげるにゃ」

みく「キャラって大事だよ」

みく「みくみたいに、口調にでも特徴つけないと、深夜番組でも埋もれちゃうにゃ」

ヘレン「……」

ヘレン「そんな安易なキャラ付けなんて、必要ない世界よ」

凛(やってる)

未央(やるんだ……)

卯月(こういう貪欲に吸収する姿勢がアイドルには必要、なのかなあ)


ヘレン「……とりあえず、世界的にはともかく、日本的にはもうすぐ10時」

ヘレン「開幕目前よ」

みく「にゃ!」

みく「しまった!」

凛「どうかしたんです?」

みく「皆、エントリーはもう済ませたかにゃ?」

凛「ええ、まあ」

ヘレン「だったらゼッケンを装着なさい」

未央「名前入ってると、なんか照れるなあ」

ヘレン「これが前回と同じパターンなら、おそらく予選が行われるわ」

凛「予選?」

みく「まあ、この人数じゃトーナメントにならないからにゃあ」

ヘレン「ある程度絞られてからは、ゼッケン番号ごとにいろいろ呼ばれるけど……」

みく「序盤はたいてい、近くの人と――もしくはペアを組んだ相手との潰し合い」

ヘレン「仲良しごっこがしたいなら、せいぜい残り2分でバラけておくことね」


卯月「わわっ、そうなんですか?」

みく「あくまで去年はそうだったってだけだけどにゃー」

ヘレン「でも、過去の経験から学ぶことは大事よ」

ヘレン「あくまでこれはネット配信される番組」

ヘレン「見世物である以上、大きく枠組みは変えてこないはず」

凛「……」

凛「ええと、世界さんは」

ヘレン「ヘレンよ」

凛「ヘレンさんは、何でそんなことまで教えてくれるんですか?」

ヘレン「……」

ヘレン「ま、前回、早々にペアを組んだ奴へのお情けよ」 スタスタスタ

凛「……」

未央「昔は仲よかったんですか?」

みく「……まーね」

みく「みく達みたいに、テレビに出てるアイドルはいっぱいる」

みく「でもそのほとんどが、画面を埋めるその他大勢」

みく「視聴者は、そこに女の子がいるとしか認識せず、個として認識なんてされない」

みく「……そんな世界で戦っていくうちに、道がちょっとずれるなんてこと、よくあることにゃ」


未央「ちなみに前ってどちらが……」

みく「……」

みく「残念だけど、みくが負けたにゃ」

みく「二人なら絶対負けないーって意気投合してたのに、よもや潰し合いなんて……」

みく「動揺している内に、油断して、ぐさーーーー、にゃ」

凛「ぐさーって」

未央「またバイオレンスな擬音で」

みく「……でも、負けたなんて思ってないにゃ!」

みく「今の私はシンデレラプロジェクトのメンバー!」

みく「今回は、最初からヤツを敵とみなし、きちんとケリをつけてやるにゃっ!」

未央「その意気ですよ、先輩!」

卯月「……あっ、時間!」

凛「やばっ!」

みく「わわわ、とにかく解散にゃ!」

みく「競技の合間の休憩時間に、またここで!」

凛「はい!」

卯月「そ、それじゃあ、皆!」

みく「全員予選突破して、ここにまた集合にゃ!」

未央「はい!」


卯月「はあ、はあ……」

卯月「こ、これだけ離れたら大丈夫だよね……」

ジリリリリリリリリ

ちひろ『はい、受付終了ーーーーーっ!』 ッキーーーーン

卯月「っ!」 ビクッ

ちひろ『エントリーは締め切りですよーーっ!』

卯月「マイクの音、おっき……」

ドンッ

卯月「いたっ」

卯月「す、すみませんっ」

???「あーあー、気にせんとよか」

???「こっちもマイクの音に驚いて周りよう見とらんかったばい」

卯月「ふぁっ!?」

???「ふぁ?」

卯月「ファラオだーーーーーーーーっ」 ガビーン

ファラオの格好の変な人「おっ、デュエルのお誘いと?」


ファラオ「ふっふっふ」

ファラオ「驚いてくれて嬉しか~!」

ファラオ「これ、手作りだけんね」

卯月「えっ!?」

卯月「そうなんですか!?」

ファラオ「これ作るために、ツタンカーメン展行ったりしたっちゃ」

ファラオ「何気に苦労の結晶たい」

卯月「ほえー……」

卯月「確かに、これ、すごいです……!」

卯月「触ってもいいですか?」

ファラオ「えーきえーき、気にせんと」

ファラオ「むしろこんなにウケたことに喜びすらあるたい」

卯月「わあ~~~」 キラキラ

卯月「意外と冷たい肌触りなんですねっ!」 サワサワ


卯月「……はっ!」

卯月「夢中になりすぎて、説明何も聞いてませんでしたっ!」 ガビーン

ファラオ「はっはっは」

ファラオ「面白い娘っちゃね~」

ファラオ「お決まりの長ったらしい開会宣言じゃき、気にせんとええよ」

ファラオ「それより、名前は何って言うと?」

ファラオ「せっかくの出会いじゃ、教えてほしか」

卯月「あ、はい!」

卯月「卯月です、島村卯月!」

卯月「よろしくおねがいします、ファラオさん!」

ファラオ「はっはっは、卯月しゃんはまっこと面白かね」

ファラオ「ウチの名前は鈴帆」

鈴帆「上田鈴帆じゃ」


卯月「上田さんは……」

鈴帆「鈴帆でええき」

鈴帆「それに今は対等なライバルっちゃ」

鈴帆「タメ語で問題なか」

卯月「じゃあ、鈴帆ちゃん!」

卯月「鈴帆ちゃんは、どうしてそんな格好を?」

鈴帆「これはポリシーじゃ」

鈴帆「皆をぶち笑かして、そんでもって笑顔にする」

鈴帆「そんなアイドルに、なっちゃるばい」

卯月「鈴帆ちゃん……」

卯月「……」

卯月(お笑い芸人部門にいたほうが近道じゃないかな、とは言わない方がいいんだよね……?)


鈴帆「それに、ほら」

鈴帆「あれ見てみぃ」

卯月「わっ、カメラ!?」

鈴帆「会場の模様は配信されとるき」

鈴帆「勿論高垣楓みたいななんでこんなとこにおるのか分からんくらいの有名アイドルには貼り付く」

鈴帆「でもそれ以下、テレビに出ててもそこまで知名度が高くないアイドルは多い」

鈴帆「そうなると、特定のアイドルだけを追い回すカメラばかりというわけにもいかんばい」

鈴帆「だから、会場で『目立ってる娘』『絵になりそうな娘』を探しとちょる」

卯月「それじゃあ……」

鈴帆「ま、この格好なら、注目間違いなしばいね」

鈴帆「ツタンカーメンで、勝利を掴ーメン、ってとこばい!」 ハッハッハ

卯月「すごい……」

卯月(いろんな戦略があるんだ、アイドルって……)


ちひろ「そんなわけですので、トークバトルショーのトーナメントに進出できるアイドルを選ぶため、これより予選を開始しますっ!」

ワァァァァァァァ

鈴帆「おっ、始まるみたいっちゃね」

卯月「はいっ!」

ちひろ「それではまず――二人組を作ってくださーい」

ザワザワ

ネークマナイ?

ヤバイアマルアマル

ちひろ「ちなみに3分間待ってあげます」

ちひろ「それを超えてもぼっちの人は、その時点で失格です」 ハァト

卯月「え、ええ~~~~~っ!?」

鈴帆「卯月しゃん、一緒に組むっちゃ!」

卯月「ふえ!?」

鈴帆「こんな格好ばい、皆こっちゃ無視してくっと!」

鈴帆「それに、卯月しゃんが相棒なら、百人力じゃ!」

卯月「は、はい!」

卯月「一緒に頑張りましょう!」

鈴帆「うむ!」

卯月「……」

卯月(あれ、何か大切なことを忘れているような……)


ちひろ「はい、3分です!」

ちひろ「それでは今大会主催である城ヶ崎美嘉さんに、予選第一回戦の試合内容を発表してもらいます!」

美嘉「んーっと」

美嘉「仲良し同士組んでもらってたら悪いけど――」

美嘉「二人の内、どちらかは失格になります」

鈴帆「な、なんだってーーーーーーー!?」

卯月「あ、ああ~~~~~~~っ!!」 オモイダシター


ちひろ「では、具体的に勝負の内容とは!?」

美嘉「全部の組を審査して回るわけにもいかないしー、明確に勝敗が分かる種目で」

ちひろ「と、いいますと?」

美嘉「……」 ニィ






美嘉「じゃんけん」






卯月「……え?」

鈴帆「……は?」

美嘉「予選一回戦は、ペアでじゃんけんして、負けた方が脱落ってことで」

卯月「ええええええええええええええええ!?」

鈴帆「そ、そんな地味であっさりした方法でーーーー!?」


鈴帆「……まあ、でも、決まったもんはしょうがないっちゃ」

鈴帆「恨みっこなしばい」

卯月「……はい」

卯月「その……ごめんなさい」

卯月「友達と、約束してるんです」

鈴帆(……空気が、僅かにだけど変わったっちゃ……!)

卯月「本気で、勝ちにいきますっ!」

鈴帆「上等ばい!」

鈴帆「この上田鈴帆、じゃんけんには自信ありっちゃよ!」

卯月「……そうかも、しれませんね」

卯月「これが、ただの上田鈴帆ちゃんなら……」 ゴゴゴゴゴ

鈴帆「…………!?」


卯月「だって……」

卯月「ツタンカーメンは、ちょきが出せないじゃないですかっ!」 マガオッ

鈴帆「……」

鈴帆「は?」

鈴帆(何言うとっと、この娘)

鈴帆(天然さんと?)

鈴帆(……それはまあ間違いない)

鈴帆(しかし、チョキって……・)

鈴帆「……はっ!」

鈴帆(しまった!)

鈴帆(ツタンカーメンとして、本格的になりきるなら、腕を体の前で交差させんといかんばい)

鈴帆(そしてその掌は、メジャーなものだと何かを握るか綺麗に揃えて指を伸ばしているかのどちらか!)

鈴帆(“ツタンカーメン”に出せる手は、グーかパーしか……!)


鈴帆(いや――そんなもんは関係なか!)

鈴帆(普通にチョキば出したらええ!)

鈴帆(相手の手は、おそらくパー)

鈴帆(チョキさえ出せば、確実に勝てるっちゃ!)

鈴帆「……」

卯月「負けませんよっ」 キラキラ

鈴帆「……ッ!」

鈴帆(今しがた自分で言うた!)

鈴帆(カメラさんは、目立ってる美味しい感じのアイドルを撮ると!)

鈴帆(そしてカメラは、狙い通り色物のウチをカメラに収めにきてるばい)

鈴帆(そこで、チョキ?)

鈴帆(空気を読まず、こんな格好でいきなりじゃんけんを引かされた美味しい不幸を放置して!?)

鈴帆「……ッ」

鈴帆(勿論パーであいこは狙えるっちゃ)

鈴帆(でも、一番オイシいのはッ!)

鈴帆(ウチの理想のアイドルが、今のシチュエーションで取る行動は……ッ!) ギリッ



鈴帆「……」

鈴帆(まったく、変わった娘ばい)

鈴帆(明るくて、人懐っこくて、話しやすくて……)

鈴帆(それでいて、天然なのか策略なのか分からん感じで、勝利への鍵をつかむ)

「「さーいしょーはグー!」」

鈴帆(……まあ、今回は譲ってあげるっちゃ)

鈴帆(その代わり、予選第一回戦の主役は、ウチがもらうっちゃからね)

鈴帆(だから――)

鈴帆(ウチがもっともっと注目されて、VTRが流れるようにするためにも)

「「じゃーんけーん――――」」

鈴帆(頑張って優勝しぃ、島村卯月しゃん!)



トークバトルショー 予選第一回戦
        じゃんけん
○ 島村卯月 VS 上田鈴帆 ●



【島村卯月 予選第一回戦突破】
【上田鈴帆 予選第一回戦敗退】


ちひろ「はい、決着つきましたねー!」

ちひろ「それじゃあ次はゼッケンの番号順にランダムによんでいきまーす」

ちひろ「二回戦の種目は、パン食い障害物競走!」

ちひろ「まだまだ残ったアイドルさんは多いので、少ない枠を巡って何グループかで争ってもらいます!」

ちひろ「まず第一レースに出るのは、こちらの方々でーす!」

ちひろ「スクリーンに注目!」

ババーン

卯月「……私はまだ、かあ」

卯月「一旦、約束の場所に戻ろうかな」

卯月「みんなに、アイドルとして始めてライブバトルに勝てたこと、報告しなくちゃ!」

卯月「皆からも、同様に報告あるだろうしね!」


卯月「あっ、皆もう集まってる!」

卯月「おーい!」

凛「おかえり」

卯月「ごめん、遅くなっちゃった?」

凛「いいよ、明確な時間は決めてなかったし」

凛「卯月、誰より遠くまで走ってたし」 クス

卯月「う、うう……」

卯月「あ、それで、凛ちゃんは――」

凛「問題なし」

凛「難なくクリアーだよ」



【渋谷凛 予選第一回戦突破】


みく「まあ、じゃんけんだしにゃあ」

みく「ちひろさんは、一流アイドルに幸運は必要、この程度で落ちる運しか持たぬものは真のアイドルじゃないとか言ってたけど」

凛「なかなかにすごい論だったよね」

みく「あれ、絶対美嘉チャンの方は深く考えずに決めた種目だからにゃ」

凛「確かに」

みく「卯月チャンもそう思うよにゃー?」

卯月「え!?」

卯月「あ、ははは……」

みく「いくら勝っても、これじゃアイドルとして勝った気しないもんにゃあ」

卯月「で、ですね!」

卯月(そのへんの前振り、全然聞いてなかった……)



【前川みく 予選第一回戦突破】


卯月「そ、それより未央ちゃんは?」

凛「……あそこに」 スッ



未央「……なによ……じゃんけんって……」 ズーーーーン



卯月「……」

卯月「え」

卯月「あの、あれって……」

卯月「なんか体操座りしてるし……」

みく「放っておいいてあげるにゃ」

凛「まあ、負けた方は、もっと実感わかないし、納得出来ないよね、これ……」



【本田未央 予選第一回戦敗退】

気づけばこんな時間なので中断します
よもや3話来る前に大会終了どころか予選すら終わらないとは……
スローペースで申し訳ない

アニメあるしちょろっとだけですけど、投下します


卯月「し、死ぬかと思った……」 ズーーーーン

みく「おつかれー」

凛「大変だったね、卯月の組……」

卯月「まさかあんな猛烈な勢いでぶら下がってるパンを食べる人がいるなんて……」

みく「この組、規定人数の3倍近くが食べるパンを失って失格になってたにゃ……」

未央「まあでも妨害工作として普通に優秀だから、次の組はもっと大変そうだけどね」

卯月「あ、未央ちゃん起きたんだ」

未央「まー、いつまでもイジイジしてたら笑顔が取り柄の私らしくないからねっ」

凛「……まあ、妨害に負けないよう頑張るよ」





【島村卯月 予選第二回戦突破】


未央「おっつー」

卯月「二回戦では誰も欠けずにいけましたねっ!」

未央「おっ、嫌味?」

卯月「あわわ、そういうつもりじゃ……!」

未央「冗談だって」

みく「でも凛ちゃん、超ギリギリだったにゃー」

未央「まあ、あの妨害が栄えてたら負けてたよね」

みく「食べまくってた娘が胃もたれと満足感でリタイアしたって報告入ってこなかったらどうなってたか……」

凛「面目ない……」

凛「でも、ボーダーさえ超えられたら、順位は影響ないんじゃ」

みく「あっまーーーーーい!」

みく「あますぎる!」

みく「高遠遙一に対する監視体制くらい甘いにゃっ!」

凛「誰」

みく「いい!? みくたちはアイドルなんだよ!」

みく「通過したらいいっていう問題じゃないにゃ!」

みく「何とか目立ち、アピールし、一人でもファンを奪い取る!」

みく「それが出来なきゃ、参加した意味なんてないにゃ!」

凛「先輩……」

みく「目立たず勝ち残り最後に負けるくらいなら、華々しく序盤に散る方がいいんだにゃ」

凛「未央がものすごく凹んでるので、できればそのへんで……」

未央「どうせ私は何の印象もなく……」 ズーーーン

みく「わ~~~~っ、ごめんね!」

みく「そ、そういう意図はなかったんだにゃ~~~~~~~っ!」



【渋谷凛  予選第一回戦突破】
【前川みく 予選第一回戦突破】


みく「と、とにかく!」

みく「アイドルは気を抜いたらだめにゃ!」

みく「いつでも見られている意識と、エンタメなくして成り立たないのにゃ」

みく「それこそアイドル大運動会なんて、カメラを意識しなかったらそこらの女子校の学祭と大差なくなるにゃ」

凛「なるほど……」

みく「わかったら、アイドルとして、三回戦もがんばるにゃ!」

卯月「はいっ!」

凛「はいっ!」

未央(これ私も何か言うべきなのかなあ)


【5回戦終了後】

凛「なんか全然アイドルと関係ないようなゲームばっかりだったような……」 ハァハァ

みく「ば、バラエティなんてそんなもんだにゃ……」 ゼェゼェ

卯月「く、首の皮一枚繋がりました……」 ゼヒー

未央「うーん死屍累々」

未央「まあ、よもやさっきの遠くはなれたロウソクの炎早消しバトルが」

未央「肺活量とか使う分一番アイドルっぽい戦いになるとは思わなかったしねえ」

凛「途中からマリオパーティのミニゲームみたいなのだったし……」

未央「まあ、パン食い競争の過剰脱落でゲーム急遽組み替えたみたいだしねえ」

みく「急遽こしらえたっぽいロウソク吹き消しが一番アイドルの素養使うってのも皮肉な話だにゃ……」

卯月「で、でも、次で最終予選なんですよねっ……?」

みく「そのはずだにゃ……」

未央「うん」

未央「今が残り32人」

未央「多分次でトーナメント進出者が決まる……!」


未央「さっきから会場広くて全然見つからないけど、みりあちゃんや莉嘉ちゃんもまだ残ってるよ」

凛「さすが、観戦に集中できるだけあってよく見てるね」

未央「泣くよ」

凛「褒めてるんだよ」

未央「まあ、それと――」

未央「勿論、高垣楓も」

卯月「……」

凛「そう簡単には負けておいてくれない、か」

みく「どうしても、超えなきゃいけない壁みたいだにゃ」

みく「あと、あの世界女も残ってるみたいだしにゃー」

凛「世界女……ああ、あの」

みく「直接対決の場があったらボッコボコにしてやるにゃ」

凛「私は結局一度も戦わなかったなあ」

卯月「私はパン食い競争で一緒だったけど、すごく強かったな……」

未央「最終予選ともなると、全員が猛者!」

未央「油断はできないよっ!」


メガネの女性「その通りですよ!」 バーーーーーン

凛「?」

未央「げえーーーーーーっ、貴女はーーーーーーっ!」

凛「知ってる人?」

卯月「そ、そりゃ知ってますよ!」

卯月「むしろ、ご存じないのですか!?」

卯月「彼女こそ、最近深夜アイドルバラエティで話題を独占中の、上条春菜さんですよっ!」

春菜「ふふっ」

凛「……ああ!」

凛「この前見かけた、えーっと、ブルーナポリタン!」

未央「惜しい」

みく「それは単なる腐ったナポリタンだにゃ」


みく「プルナポの連中もまさかこの大会に……!?」

春菜「ふっふっふ」

春菜「なんだかんだで、まだ私達ブルーナポレオンの認知度はイマイチ」

春菜「各々が各得意分野で活躍しつつも、ユニットでの評価はされてません……」

春菜「ですから!」 バッ

春菜「今回の大会で私達ブルーナポレオンが上位を占拠して、一気に知名度をあげさせて頂きますっ」 メガネキラーン

未央「げえーーーーーーっ!」

未央「ビッグボインこと松本紗理奈ッッ!」

紗理奈「やほ」 ヒラヒラ

未央「インドアサブカルアイドル・荒木比奈ッッ!!」

比奈「どうも」

未央「小さな体に大きなポテンシャル・佐々木千枝ッッッ!!!!」

千枝「はじめまして」 ペコリ

未央「ブルーナポレオン全員集g――」

未央「……一人足りなく無いですか?」

春菜「……」

春菜「……川島さんは地獄めぐりロケで腰を痛めたらしくて……」

凛「ああ……」

卯月(そういえば腰にマッサージ受けてたっけ……)


凛「でもそれじゃあ上位独占は」

春菜「と、トーナメントだから、ベスト4を占拠できれば問題は――」

比奈「あ、私もう負けたっすよ」

春菜「」

春菜「!?!?!?」

比奈「そんな顔されても……」

春菜「な、なんで!?」

春菜「いつ!? どうして!?」

比奈「どうしてって……」

比奈「さっきのタイマンロウソク消しで紗理奈さんと当たっちゃったっすから……」

千枝「その時点で全員予選突破は無理になりましたもんね……」

紗理奈「身内の対戦結果や相手は把握しておきなさいよ」

春菜「だって……タイマンの時までずーっと高垣さんと一緒のグループで……」

春菜「タイマン相手じゃない安堵感でいっぱいで……」 シュン

凛「この人達ってホントに346の中ではすごいアイドルなの?」

みく「思っていても飲み込むのが大人の世界なんだにゃ」


春菜「ま、まあ、バックダンサー募集は3枠」

春菜「ここから私達が全員枠に入ればいいんですよ」 カタカタ

比奈「ふぁいと」

春菜「比~奈~ちゃ~~~ん!」

凛「それで、何の用?」

春菜「ああ、いや、ちょっと挨拶にね」

春菜「とりあえず、皆飲み物を後輩ちゃんに配ってるみたいだし……」

春菜「はい、メガネサワー」

凛「メガネ浮いてる……」

未央「こういう悪ふざけみたいなやつ、居酒屋で見たぞ」

卯月「っていうか未成年……」

春菜「ちゃんとメガネを粗末にしないため、水飴で自作したメガネを用いてるんですよ」

未央「すげえ!」

凛「なんて無駄な技術……」

みく「やっぱ春菜チャンって凄いけどアホだにゃ」


春菜「とにかく!」

春菜「かつての友に、改めて挨拶をね」

凛「友?」

みく「春菜チャンとは猫仲間なんだにゃ」

みく「みく達の中だと一番の出世頭だにゃあ」

春菜「たとえ旧友でも、容赦はしませんよ!」 フフン

ップアーーーーーーーーーーーン

紗理奈「……っとと」

凛「音量調整ちゃんとしてほしいな……」 キーン

千枝「このタイミングで放送ってことは……」

みく「種目が決まったんだろうにゃあ」


ちひろ「それでは、予選第6回戦の種目を発表してもらいます!」

美嘉「最後の競技、それは――」

美嘉「水着アスレチック対決!」

ちひろ「ネーミングセンスはアレですけど、とても面白いゲームだと思いますよ」

美嘉「アレって」

ちひろ「ルールはシンプル」

ちひろ「あちらの、モニターに映った特設アスレチックをご覧下さい」

美嘉「アレって?」

美嘉「一応カリスマなんだけど」

ちひろ「あれが最後の競技の舞台です!」

美嘉「ねえ」


未央「げえーーーーーーっ、あ、あれは!」

みく「なんにゃーーーーっ!」

みく「丸太サイズの細い通路が入り組んで形成されているにゃーーーーーっ!」

ちひろ「これが最終競技のスペシャルな舞台です」 ハァト

未央「舞台って……」

みく「あんなとこで満足に動けるわけないにゃ!」

比奈「あれ、マッチ棒のお城というか、キャンプファイヤーの櫓に近いっスね……」

凛「結構面倒くさそうなステージだね……」

みく「みくは猫だから得意だけど……」

みく「あんな高いとこから落ちたら洒落にならない痛さなのにゃ!!」

春菜「なんか力こもってますね」

未央「まあ諸事情で説得力が違いますからね」

凛(ホントよく生きてたよね、あれ……)


ちひろ「今日はちょっと皆さんに、落とし合いをしてもらいます」 ハァト

春菜「!」

みく「にゃ!?」

卯月「……!」

凛「やっぱり、そういう……!」

ちひろ「あ、でも、ルール無用のバトルロワイアルじゃないですよ?」

ちひろ「それやると、トーナメント成立しないくらいまとめて落ちかねないですし」

ちひろ「それに皆が様子見して動かなくなる可能性もありますから」


ちひろ「まず、皆さんにはランダムにくじを引いてもらって、そこに合わせた場所に移動していただきます」

凛「スタート地点はバラバラか……」

春菜「団子状態は避けるってことですか」

紗理奈「まあ、バランス崩して掴んで~とかで大量脱落しても困るしね」

ちひろ「そして、今度はこちらのランダム抽選で、対戦相手を発表させて頂きます」

ちひろ「ルールは簡単!」

ちひろ「モニターに出てきた自分の対戦相手をアスレチックから落とせば勝ち!」

ちひろ「勝利した後は、元の入り口から出てもらえばクリアーです!」

ちひろ「相手を落とした後、自分も落ちたら両者失格ですからね!」

未央「うーん、ってことは、特攻アタックはダメなのかあ」

卯月「特攻アタック?」

凛「相手に組み付いて一緒に落ちるってことじゃない?」

未央「そうそう」

未央「向こうの方が先に落ちたから勝ちー、みたいなのはダメってことだね」


ちひろ「それじゃあ、選手の皆さんは、集まってくださーい」

春菜「それじゃ、私達は先にいきますね」

紗理奈「じゃーねー」 ヒラヒラ

千枝「失礼します」 ペコリ

タッタッタッタッ

未央「そんな急がなくてもなー」

凛「一緒に行ったらいいのにね」

みく「……」

みく「皆甘いにゃあ」

卯月「へ?」

みく「このタイミングで何でわざわざ挨拶にきたのか、ホントにわかってないのかにゃ」

卯月「ふえ?」

凛「……」

凛「あっ」

凛「そっか……ロウソク対決があったからだ……」

みく「凛チャンは一番聡明だにゃー」 ケラケラ

みく「こっからは、どんな種目になるにしても、少人数対決が濃厚」

みく「パン食い競争みたいな競技の可能性はとっても少ない」

みく「となると、空いた時間に何をしとくと有利になると思うにゃ?」

凛「何って……」

卯月「ご飯とか……」

凛「賄賂?」

未央「妨害工作?」

みく「きみたち」


みく「さっきから、対戦グループとかは、モニターで発表されてるにゃ」

みく「そこに表示されているのは――」

卯月「あっ、ゼッケンナンバー!」

未央「そ、そっかーーーー!」

未央「事前に誰が何番か把握できていれば、それは大きなアドバンテージにゃ」

未央「スタート前に作戦が練れる可能性があるし、知っておいて損はない」

卯月「でも、春菜さん達の番号もこっちに――」

凛「……ゼッケンは交換できる」

卯月「えっ」

みく「皆、しっかりと名前の部分は隠していたにゃ」

未央「そ、そうだっけ?」

みく「紗理奈チャンはおっぱいを強調するような腕組みで自然に文字を隠してたにゃ」

みく「千枝チャンもしれっと比奈チャンの影に隠れていたし、荒木ちゃんは交換してなかったにゃ」

凛「メガネの人はメガネサワーを大量に入れた箱で体を隠していた」

卯月「わわ……」

みく「笑顔の下ですでに戦う」

みく「それがアイドルなんだにゃ」


ちひろ「基本的にはルール無用!」

ちひろ「落ちたら失格くらいです!」

ちひろ「あと、絵的にわかりにくいから、ゼッケンの交換もアスレチック内では禁止ね」 ニッコリ

未央「ちえっ、パクリは失敗かー」

凛「まあしょうがないよ」

卯月「正々堂々、頑張りましょう!」

みく「うむ!」

みく「皆、本戦で会おうにゃ!」

卯月「はい!」

凛「はい!」

未央「疎外感を感じる」


<アスレチック>



卯月「うう、緊張する……高い……」 ブルッ



凛「下が水とは言え、なんで水着……」



みく「ふっふっふー」

みく「猫キャラの見せ所だにゃ!」



春菜「今度こそ同士討ちは……!」

春菜「同士討ちだけは~~~!」 イノリー



紗理奈(さーて、どんな娘が相手になるのか)



千枝「怖い人だったらどうしよう……」



ヘレン「世界の壁の高さの前では、この程度の高さどうということはないわね」



みりあ「水着、落ち着かないなあ……」



莉嘉(絶~~~対、お姉ちゃんに認めさせてやるう!) ギリッ



楓「……」


ちひろ「それでは、対戦アイドル発表~~~~~~!!」


ジャン!!


ちひろ「それでは!」

ちひろ「30分経っても決着ついてなかったら揃って失格になるから頑張ってね!」

ちひろ「レディ~~~~~」

ちひろ「GO!」

カーーーーーーン



【予選第6回戦 開始】


卯月「あ、ゴング……」

卯月「とりあえず、知らない番号だったけど……」

卯月「……」

ソローリ

卯月「あ、意外とちゃんと安定してる」

卯月「サイズはマルタだけど、普通の道と考えられるのかな」

チラッ

莉嘉「……」 ダダダダダ

卯月「あ、莉嘉ちゃん」

卯月「下の段にいたんだ……」

卯月「……」 チラッ

卯月「よかった、莉嘉ちゃんが相手でもない」

卯月「でも、すごいなあ」

卯月「あんなに走り回って……」

卯月「……」

卯月「わ、私だって……!」 トコトコ


みく「……にゃーにやってんだか」 ヌッ

卯月「うひゃああ~~~!?」 アワワワワ

みく「ちょ、あぶなっ」 ガシッ

卯月「……っ!」

みく「驚かされただけで落ちかけてたら世話ないにゃ」

卯月「この近くからスタートだったんですね」

みく「まーねー」

みく「この上の階層だったから、降りてきたんだにゃ」

卯月「えっ」

卯月「……そういえば、降りるってどうやって……」

みく「一応、数カ所ほど簡単な階段的な感じのところや、斜めに立てかけられてる丸太」

みく「あとはロープやハシゴなんかも設置されてるにゃ」

卯月「ほえ~……」

みく「ふふーん」

みく「大先輩を尊敬してもいーんだにゃ」

卯月「はい!」

卯月「すごいです、前川先輩!」

みく「……」

みく「なんか、素直に褒められて先輩扱いされるとそれはそれでこっ恥ずかしいにゃ……」


みく「当然移動しようとしたらそういうエリアに集まるし」

みく「斜めの木材くらいしか視界を遮るものはないし……」

みく「多分、そろそろ試合が動くにゃ」

卯月「……!」

みく「基本、上を取れると有利だし、階段付近でスタンバる奴もいそうだしにゃあ」

みく「みくも早く獲物を狩りにいくつもりにゃ」

卯月「あ、すみません、お忙しい中……」

みく「あー、気にしない気にしない」

みく「それに、卯月チャンにはあいつを倒してもらいたいしにゃー」

卯月「あいつ……?」

みく「……やっぱり覚えてなかったにゃ」

卯月「ふえ?」

みく「卯月チャンの対戦相手の数字」

卯月「あ、もしかして、心当たりが……」

みく「あるにゃ」

卯月「!」

みく「ここに来て早々に目撃したし、あいつには負けたくなかったからにゃ」


卯月「!」

卯月「それって……まさか……」

みく「まあ、キャラはみくより弱いし、媚びたりするの苦手だけど……」

みく「身体能力は高いし、油断したらダメにゃ」



みく「ヘレンって女は、悔しいけど、みくに並ぶ能力の持ち主にゃ……!」



卯月「はい、がんばります!」

みく「緊張感そんなにない顔してるけど、遠回しにみくを馬鹿にはしてないよね?」

卯月「そんなことないですよ」


みく「じゃあ、がんばるにゃ!」

みく「お互い笑って本戦でバトルするにゃ!」

卯月「はい!」

みく「じゃ、みくは行くからにゃ!」 

シュバッ

シュバッ

卯月「はやっ……!」

卯月「本当に猫みたい……」

ヘレン「まったくだわ」

卯月「!!」


卯月「ヘレンさん!?」

ヘレン「あら、覚えてたのね」

ヘレン「世界レベルだし、当然な世界だわ」

卯月(思い出したように一応キャラ付けやってる……)

ヘレン「本当はとっくに気がついてたけど、あのやりとりを邪魔する程無粋じゃないわ」

ヘレン「このしなやかな体を持ってすれば、上り丸太に体を隠すことくらい容易い――」

ヘレン「さあ、戦り合いましょう」

ヘレン「貴女がただのカエルじゃないことを、証明してごらんなさい」

卯月「――――――っ!」



【予選第6回戦   島村卯月 VS ヘレン】


春菜「よし!」 タッタッター

春菜「よし!!」 タッタッター

春菜「ありがとうメガネ神様!」 タッタッター

春菜「おかげで全員バラバラの相手だし、ブルーナポレオンが揃って決勝に出られます!」 キャッホイ

春菜「さあ、メガネのサビになりたい対戦相手の方は出てきてくださーい!」 タッタッター



紗理奈「……なあんてことを考えてるんでしょうけど」 チラ

紗理奈(あの嬉しそうな顔)

紗理奈(トラウマになりすぎて、頭から抜け落ちたのかしら)

紗理奈「……これはちょっと、全員本戦っていうのは厳しいかもね」



楓「……」

楓「そう……」

楓「貴女が、私の」

千枝「……」 ゴクリ

千枝(ちょっと怖いかも……)

千枝(逃げ出したいなあ……)

千枝「……」

千枝(でも……)

千枝(でも、今の千枝は……)

千枝「は、はじめまして…・…」

千枝「ブルーナポレオンの、佐々木千枝です」

千枝「ブルーナポレオン皆で本戦にいくっていう約束のため――」

千枝「倒されてくださいっ!」

楓「……」

楓(震えているし、相手は子供)

楓(でも――)

楓「そうね」

楓「貴女を“立ち向かってくる立派なアイドル”とみなし――」

楓「全力で、迎え撃ちます」 ザッ



【予選第6回戦   高垣楓 VS 佐々木千枝】


莉嘉(運は向いてきてる!) ダダダダダ

莉嘉(高垣楓の番号じゃなかったし!) ダダダダダ

莉嘉(そんでもってみりあちゃんでもない!) ダダダダダ

莉嘉(早急に襲撃してさっさとケリをつける!) ダダダダダ

莉嘉(最初に勝利を収めて、お姉ちゃんに引けをとらないことを視聴者にアピールする!) ダダダダダ

莉嘉「……」 ダダダダダ

莉嘉「!」

莉嘉(居た、ターゲット!)

莉嘉(背後からだけど、これもルール!)

莉嘉(ギャルキャラだし、空気も読まずに攻めていく!)

莉嘉(くらえっ!) バッ!

莉嘉(必殺・紅き付け爪(クリムゾンネイル)ーーーーーーッ!!!) ギュアッ


ガキィィィィン

莉嘉「!?」

莉嘉(鉄扇!?)

ヒュオッ

莉嘉「くっ!」 バッ

鉄扇使い「へえ、今のを避けはるんやなあ」

鉄扇使い「さすがは城ヶ崎美嘉の妹さんっちゅーことか」

莉嘉「……どうやって……」

鉄扇使い「ふっふっふ」

鉄扇使い「ガツガツとしすぎて視界が狭なっとるお方には分からん方法どす」

鉄扇使い「それに――ここで負けるお方には、教えてもしゃーないやろ?」 フフ

莉嘉「このッ……!」 ギリッ


鉄扇使い「まあ、一方的にこっちだけ知っとるのもなんやし……」

鉄扇使い「何より、城ヶ崎美嘉の妹が脱落かとなったら、カメラで抜かれるのは間違いないやんなあ」 フフ

鉄扇使い「やから、名乗っとくわあ」

鉄扇使い「うち、小早川紗枝いいます」

紗枝「どうぞよろしゅう申し上げます」 ニヤリ

莉嘉「……まっ、今のうちに名乗ってるといいよ」

莉嘉「私が優勝した暁には、DVD特典として優勝までの奇跡収録する予定だし、ちょっとは目立てるかもね!」 ドン

紗枝「言うてくれはるなあ……!」 ドン



【予選第6回戦   城ヶ崎莉嘉 VS 小早川紗枝】


凛(私の相手、4040番……)

凛(さっきから見かけないけど、隠れて待ちの体勢なのか、それとも互いに動きすぎていてすれ違っているのか……)

凛「……」

???「あーーーーっ!」

凛「!?」 ビクッ

凛(誰?!)

???「428番さん!」

凛「!」

凛(4040番!)

凛(しまった、上を取られ――!)

4040番「今そっちいくから待ってて!」

凛「……え?」

4040番「ええっと、階段階段……」 キョロキョロ

凛「……」

凛(素直なのか、お馬鹿なのか、それともたまたま遠距離で攻撃できない人だったのか……)

凛(それとも何か企んでる……?)


4040番「えへへ……」 ストッ

凛(結局……待つしかないんだけどさ)

4040番「よろしくおねが――あっ!」

凛「?」

4040番「おねえちゃん!」

凛「……?」

凛(どこかで会ったことあったっけ……?)

4040番「やっぱりアイドルだったんだあ」

凛(いや……そういえば、どこかで会ったような……)

4040番「せんせぇが少しでも早く帰ってこられるようにしたかったから」

4040番「それには、アイドルさんが一番だって言うから」

4040番「だから――」

凛「……」

『お嬢ちゃん、大人をからかっちゃいけないよ』

凛「あっ!」

薫「かおるも、アイドルになったんだよ!」

凛「あの時の、号泣少女……ッ!」



【予選第6回戦   渋谷凛 VS 龍崎薫】

とりあえず投下終了
遅筆すぎてアニメまでに終わらなかったのに、
すでに固まってるプロットにアニメで出てきたキャラや設定を反映する余裕がないとかいうやつ

こんなかんじで基本ここからはアニメにも逆らう感じでマイページにいきます
土日はお休みです、申し訳ない

正直アホほど眠たいので多分短くなりますが、明日も投下出来そうにないのでちょいちょい書きます


卯月(足場はあるとはいえ、激しいアクションを起こすのは無理)

卯月(少なくとも、私の運動能力じゃ……)

ヘレン「こないのならこちらから行くわよ」

ブオンッ

卯月「ッ!」

ヘレン「へえ、よく避けたわね」

ヘレン「ただのカエルじゃない世界ね……」

卯月(は、早いッ!)

卯月(しかも動きに迷いがなく、あのキレのある後ろ回し蹴りッ!)

卯月(体のキレや体幹に自信があるんだ……)

卯月(自信が持てるほと、鍛えてるんだ……!)

卯月(避けられたのは偶然だけど……でも!)

卯月「そのくらいなら……私だって……!」 ニィ

ヘレン「余裕しゃくしゃくってわけ」 ピキッ

卯月(アイドルだから)

卯月(何がなんでも笑うんだ!)

卯月(私に自信があるのは、プロデューサーも褒めてくれたソレだけだからっ!)


ヘレン「奥の手は隠し持ってこそ」

ヘレン「けれども真のワールドクラスは、奥の手を隠さない」

ヘレン「同じワールドクラス相手に言い訳せずに勝てるよう、常に血の一滴まで絞り尽くす」

ヘレン「そして、わかっていても防げない一撃こそを、奥の奥として研ぎ澄ませる!」

卯月「わわっ!?」

卯月(自分の胸に手を――!?)

ズワッ

卯月「!?」

卯月「こ、これは――」

ヘレン「私が世界で会得したこの力で、貴女を踏み越える世界よ……」 プゥゥゥゥ



未央「おわーーーーっ!」

未央「C、Cモニターがーーーっ!」

鈴帆「な、なんばしよっとーーーー!?」

未央「む、胸に隠し持ったバルーンが、膨らんでいくーーーーーっ!」


キュッキュッキューー

卯月「わ、わんちゃん……?」

ヘレン「バルーン・アート」

ヘレン「世界で会得したキャラ付けの一つよ」

卯月「かわいい……」

卯月「……」 ウズッ



観客席の未央「だ、ダメ!」

観客席の未央「そいつに触れたら不味いことに!!」

観客席の鈴帆「そう思いつつも、抗えんばい……」

観客席の鈴帆「芸人がヤバいものに触れるように、女子は可愛い物があるとつい触れてしまう悲しい生き物たい……」

観客席の未央「う、卯月~~~~~~っ!!」




卯月「……」 チョン

ッパアアアアアアアアン

卯月「!?」

卯月(えっ、弾け!?)

ヘレン「あら、おっぱいってのは、優しく扱わなくちゃダメって習わなかった?」

卯月(べ、べとべと……)

ヘレン「浴びたわね、たっぷりと」

ヘレン「ワールドクラスに滑りを良くするローションを……」

卯月「!」

卯月(ど、どうしよう、下手に動くことが出来な――)

ヘレン「これが私の必殺技(フェイバリット)――『ヌーブラー・ヘルス』ッ」

ヘレン「豊満な胸元には、まだまだたくさん仕込んであるわよ」 ゴゴゴゴゴ


ヘレン「更に……」

ヘレン「足元を御覧なさい」

卯月「足元……?」 オソルオソル

卯月「こ、これは――――!」



未央「げーーーーーっ!」

未央「卯月を取り巻くように、ヌーブラローション犬が配置されているーーーーっ!」

未央「こ、これじゃ一歩も動けない……!」




ヘレン「逃げ場はない」

ヘレン「貴女はチェスや将棋で言うチェックメイトにハマった世界よ……!」


卯月「……!」 ゴゴゴゴゴ

ヘレン「……」 ゴゴゴゴゴ

卯月「……」 ゴゴゴ・・・

ヘレン「……」 ゴゴ・・・

卯月「……」

卯月「あの、これだけ敷き詰めちゃったら、ヘレンさんもこっちに来られないんじゃ」

ヘレン「……」

ヘレン「……」

ヘレン「!!!!」

ヘレン「ぜ、全部織り込み済みよ!」

ヘレン「今倒しに行ってあげるからちょっと待ってなさい!」

卯月(あ、これ絶対今から方法考えるやつだよね、しばらくは自滅しないようバランス取るのに集中しよ)


ドッパーーーーーーーーーーーーーン

卯月「!?」

ヘレン「!?」



未央「今の音は!?」

未央「誰かが着水――脱落した音!?」

未央(卯月のモニターばかり見ていた……ッ)

未央(凛達じゃないよねっ……!?)



ちひろ「ついに最初の脱落者が出ましたね、実況の川島元アナウンサー!」

瑞樹「わかるわ」

ちひろ「最初にこの最終バトルを勝利したのは――――」


千枝(ああ……強いなあ……) ゴポゴポゴポ

千枝(結局……刃が立たなかった……)

千枝(ブルーナポレオンのために……)

千枝(何か……したかったのにな……) ザパッ

千枝「……」

スッ

比奈「……手、貸すっスよ」

千枝「……ありがとうございます」

グイッ

比奈「……次こそは、二人共、あのステージで張り合えるといいっすね」

千枝「……」

比奈「こんなナリで、こんな中身で……」

比奈「それでも、そんなアタシだって、プロデューサーに引っ張ってもらってこんな所までこられた」

比奈「……皆の力で、ここまで来られた」

比奈「だからアタシよりもっと素質がある千枝ちゃんは、まだまだこっからっスよ」

比奈「だから、ほら」

比奈「しばらくは頭まで濡れてるってことにしておくんで、パーッと泣いて」

比奈「それで……また一から一緒に始めて、一緒に頑張るっすよ」

千枝「……うう」

千枝「うええええ……」

比奈「うんうん、今は泣いていいんスよ」 ポンポン

比奈「高垣楓に負けて、悔しくて涙まで流せる」

比奈「きっとそれは強さになってるし、それがいつか、ブルーナポレオンをも押し上げるッスよ」 フフ



【佐々木千枝 予選第6回戦敗退】
【高垣楓    予選第6回戦突破】

ちょろっとスローにですが投下します


莉嘉「……っ!」

莉嘉(先を越されたっ!)

莉嘉(一番に通過して、ただのお姉ちゃんのおまけじゃないってところ見せたかったのにっ!)

莉嘉(お姉ちゃんに、認めてもらわなくちゃいけないのに!) チラッ

紗枝「よそ見は、あきまへんえ」

ガゴッ

未央「鉄扇によるアッパーカット……!」

未央「い、痛そ~……」

紗枝「これで終いどす」

バッ

未央「そのまま鉄扇を開いたっ!」

鈴帆「あれでは視界が塞がれてどげんしようもなかばい!」

紗枝「ぶぶづけ落としーーーーっ!」

未央「鉄扇で顔を押し付けながら、足を巧みに絡ませて体勢を崩したーーーーーっ!」

ドガァッ

莉嘉「がっ……!」

ズルリ

未央「ああ~~~っ、落ちてしまう~~~~~~っ!」


莉嘉(どこで……間違えたんだろ……)

莉嘉(お姉ちゃんに追い付きたいなって思ったから?)

莉嘉(嫉妬なんかしたから?)

グラァ

未央「り、莉嘉ちゃんの体が落ちるーーーーっ!」

莉嘉(わからない……)

莉嘉(わからないよ……)

莉嘉「でも……!」

莉嘉「このまま負けてられないよねっ!」

未央「げーーーーーっ、あ、あれは~~~~~~っ!」

鈴帆「おわーーーーっ! 妹ヶ崎の手首から謎のヒモがーーーーーーっ!」

未央「そ、そうか、手首に巻いたあのポンポン!」

未央「落下の直前に、あのポンポンを足場に引っ掛けていたんだ!」

未央「そしてあのポンポンはゴムひもで結ばれているッ!」

未央「その伸縮性を使えば――」

ビヨーーーーン

紗枝「!?」

未央「ゴムの弾性で、足場まで戻ることができる!」


莉嘉「がおーーーーーっ!」

紗枝「!?」

紗枝(こっちに突っ込んで――――!)

莉嘉「ただ戻るだけなんかじゃ済ませないんだからねーっ!」

ギューーーン

未央「げえーーーーーっ!」

未央「あの小早川紗枝を抱えて更に上空へと登っていくーーーっ!」

莉嘉(先輩だろうとなんだろうと、全員倒しちゃうんだから!)

莉嘉(それで、お姉ちゃんに追いつく!)

莉嘉(難しーことはわからないし、今はただ、それだけっ!)

紗枝「ひっ」

紗枝(う、上の階層の足場……っ!)

紗枝(上方向に叩きつけられるなんて……!)

莉嘉「ターンオーバー・メイク落としーーーーーっ!」

ズガァッ


瑞樹「あの技は……」

美嘉「相手の顔面を地面へと叩きつけて、相手の化粧と意識を無理矢理引っぺがす……」

美嘉「昔教えた技だけど、まさかこんな応用まで出来るようになってるとはねえ」

瑞樹「わかるわ」

瑞樹「子供って、成長スピードが異常ですものね」

美嘉「……でも、まだ若すぎるかなー」

瑞樹「……と、いうと?」

美嘉「他の娘もだけど……」

美嘉「あ、これ選手には声聞こえてない?」

ちひろ「あくまで生放送ですので大丈夫ですよ」

美嘉「んじゃあ言うけど、やっぱりまだまだこのゲームのルールを理解しきれてないんだよねえ」

瑞樹「わかるわ」

瑞樹「皆、とても、素直で若いわ」

美嘉「与えられたルールの中で、いかにステージを自分の土俵にするか」

美嘉「ソレがアイドルには求められるんだけどねえ」


沙理奈(さすがにそろそろバストラッシュもきつくなってきた……)

沙理奈(予選決勝ともなると、相手も一筋縄じゃいかない、か)

春菜「メガネフラーッシュ!」

ピカッ

沙理奈「!」

春菜「準備完了ですよ!」

沙理奈「よっし!」 シュバッ

春菜「せーーーーーのっ!」

沙理奈「悪く思わないでよ!」

ガコン

鈴帆「おわ~~~~っ、あれを見んしゃい!」

未央「げえーーーーーっ!」

未央「二人がかりで足場を外したーーーーーーっ!」

瑞樹「えげつないわねえ……」

美嘉「でもまあ、いい選択だよ」

美嘉「時間稼ぎで胸をアピールし、その間に一人が足場の破壊の準備を進める」

美嘉「二人がかりで外す隙は、太陽光をチャームポイントのメガネで反射させてつくる」

美嘉「そして足場を崩してまとめて勝利するっていう画面映えのよさ」

美嘉「やっぱりすでにそこそこ売れてるレベルの娘は違うかなあ~☆」 クク



【上条春菜   予選第6回戦突破】
【松本沙理奈 予選第6回戦突破】


莉嘉「なっ……!?」

莉嘉(だ、誰が――)

美穂「紗枝ちゃんっ!」

莉嘉(何……でッ!)



瑞樹「……違う選手が攻撃をしてきたのは――」

美嘉「ルール無用」 ニヤリ

瑞樹「よねえ」

美嘉「あんな目立つ技を、他の人間が居るところを通るような技を、バトルロイヤルで出す方も悪いしー」

美嘉(どーする? ここで終わっちゃう?)



莉嘉(落とされるッ!)

莉嘉「くっ……!」

シュルッ

莉嘉(ワンパターンでも、もうポンポンのゴムを引っ掛けるしか――――)

スカッ

莉嘉「……っ!」

莉嘉(届かな――――)


ヘレン(よし、体にローションを自然にぬれた)

ヘレン(あとはそれを活かしてスライディングをするっ!)

ヘレン(相手を弾きつつ、自分は真っ直ぐ滑ることで落下を防ぐ)

ヘレン(これで現状は打開できる!)

ヘレン「喰らいなさい」

ヘレン「これぞ世界レベルのスーパー必殺わz――――」

みく「みくにゃんキーーーーーック」

ドゴォ

ヘレン「なっ!?」

ヘレン「前川みく……!」

みく「いやー、さすが自意識だけはワールドクラス」

みく「どこにいるか、とってもわかりやすかったにゃ」

ヘレン「このっ……」

みく「でもまあ、世界世界言う割には、視野が狭くて全然ワールドワイドじゃないにゃあ」 ニヤリ

ヘレン「……!!」

パンパンパンパンパン

みく「倒れる先にあるの、自分がまいたヌーブラだにゃ」

みく「それだけローションまみれで、果たして立ち上がれるかにゃ?」

ヘレン「しまっ……!」


みく「卯月ちゃん!」

みく「今だにゃ!」

みく「みくはヌルヌルしてるからそっちまで行けないけど、すでにヌレヌレの卯月ちゃんなら出来るはずだにゃ!」

ヘレン「そうはさせないわっ!」 ヒュバッ

未央「なあ~~~~~!?」

未央「すごい勢いでうつ伏せで滑ってきたーーーーーっ!」

鈴帆「攻撃と逃走と目立ちを同時に成立させとるきい、あれば強かよ……!」

みく「卯月ちゃん、翔べーーーーーーっ!」

卯月「……っ!」 バッ

未央「と、跳んだーーーーーっ!」

スタッ

ヘレン「ちょっと!」

卯月「あ、あわわ……」

瑞樹「あら、あれは――」

未央「背中に飛び乗る形になるなんて、なんて“持ってる”の!?」

ヘレン(ぐっ、背中に体重による圧迫感があって上手く軌道が――)

みく「そのままいけーーーっ、はるにゃん!」

ヘレン「!?」

ヘレン(しまっ、上層部に続く丸太――――)

卯月「島ッスル・インフェルノーーーーーーッ!!」

ズッガーーーーーーン


みく「いえーい、おめでとうにゃん!」

卯月「……」

みく「浮かない顔だにゃあ」

卯月「……本当なら、私は負けてました」

卯月「……でも……」

みく「……他人の力を借りて卑怯な勝ちになっちゃった、かにゃ?」

卯月「えっ」

みく「卯月ちゃんは分かりやすいにゃあ」

みく「だから教えておいてあげるにゃ」

みく「猫の手を借りたくなっても、猫自身が気に入った人じゃないと、猫は力を貸さないのにゃ」

卯月「……」

みく「卯月ちゃんはよく褒められてるその笑顔と、立ち回りやキャラクター性で、私の好感度を高めてたんだにゃ」

みく「……だから、誇ってもいいんじゃないかにゃ」

みく「笑顔で仲良くなった人に助けてもらう」

みく「それも立派な卯月ちゃんだけの才能だし、長所だし、それがもたらした結果は、実質卯月ちゃんの実力だにゃ」

卯月「……はい」



【島村卯月 予選第6回戦突破】
【ヘレン   予選第6回戦脱落】


みく「ま、とりあえず卯月ちゃんは大人しくしてるにゃ」

みく「下手に動いたらワールドバカの仕掛けたローションで落ちちゃいそうだし」

みく「黙って待ってれば全部の試合が終わるはずだにゃ」

卯月「でも、皆は……」

みく「問題ないはずだにゃ」

みく「凛チャンは負けようのない素人のちっちゃい娘が相手みたいだし」

みく「それに、莉嘉チャンには――」


莉嘉「……」 ギュッ

莉嘉「……」

莉嘉「……?」

莉嘉(着水の感覚が……ない……?)

頭上の声「もう、最後まで目は閉じちゃ駄目だって、美嘉おねえちゃんも言ってたのに」

莉嘉「……!?」 バッ

頭上の声「うう、重たい……」

莉嘉「な、なんで……」

頭上の声「アクセサリーいっぱいだからだよお」

莉嘉「そうじゃなくて……」

莉嘉「何で私を……」

頭上の声「油断して、相手の娘、莉嘉ちゃんのカットに行かせちゃったし……」

頭上の声「それに――友達だから」

莉嘉「みりあ……」




みく「それに、莉嘉チャンには――みりあチャンがいる」

みく「普通の少女みたいだけど、時折すごく頼もしい娘にゃ」

みく「みく達は、二人が揃って帰ってくるのを待てば問題ないにゃ」


紗枝「ぐう~~~~、余計なことをしはってーーーー!」

美穂「大丈夫!?」

紗枝「あのぽんぽんを掴んどる娘は――」

美穂「ごめん、わたしの相手……!」

紗枝「そうか……」

紗枝「そんなら二人まとめて落下させたりやす!」 ダダッ

美穂「あっ、私も――」

紗枝「そこにおりぃ!」

紗枝「何してきはるか分からへんし、これはさっきの恩返しや!」 ダダッ

紗枝「ぶぶづけラリアートーーーーっ!」

ドゴォ

みりあ「きゃうっ……!」

グラァ

莉嘉「み、みりあっ!」

みりあ「だ、大丈夫……」

みりあ「絶対、このゴムは離さないから」

みりあ「だから……早く上がってきて」

みりあ「ステージの外にいるなんて、らしくないよ……」

みりあ「一緒に、くまさんとライオンさんで狂獣コンビを組むんでしょっ……!?」

莉嘉「みりあ……」


みりあ「それに――っ!」

ヒュバッ

紗枝「!?」

紗枝(速――――!)

バッチィィィィィィィン

未央「出たぁーーーーーっ、みりあちゃんのハエたたきッ!!」

未央「スナップによって繰り出される一撃は、見かけによらず破壊力があるっ!」

未央「一瞬片手を離してでも奇襲に使う価値のあるフェイバリットだーーーーーっ!」


みりあ「……っ!!」

紗枝「さすがに今のは痛かったえ~」

紗枝「薄着は防御力に欠けるのがいかんな~」



未央「げえーーーーーっ、効いてない!?」

未央「あ、あの一撃を受けたら普通はよろめいて落下しそうなものなのにーーーーーーっ!」



瑞樹「和服の力、ね」

美嘉「?」

瑞樹「成人式で着てみて思ったんだけど、着物って意外と大股開きはしにくい造り」

瑞樹「慣れるまでは、歩くことさえも」

美嘉「な~るほどねぇ~」

美嘉「普段から足を地面から離さずに、和装特有の足の運びを使っているから、簡単には崩されないんだ」

瑞樹「この試合でも、ずっと足は地面につけていたし、よほど自信があるのね……」

瑞樹「でも、わかるわ」

瑞樹「得意なことや好きなことをやり続け、その結果が出た場合、それを盲信したくなるものよ」

美嘉「しかも確か、相手の娘は日本舞踊もやってるって話だったし、思わぬ強敵って感じだねー」 ケラケラ

美嘉(さあ、どうする、莉嘉――――!)

眠気が限界で意識飛びまくってるので中断

スローペースですが投下します


莉嘉「くっ、みりあっ!!」 ビュオッ

紗枝「甘いどすなあ、季節限定フルーツ八つ橋の餡よりも甘い……」

カンカンカン

紗枝「メイク道具を高速で投げ飛ばし、人体の急所を突く――」

紗枝「他の者ならともかく、年頃の女の子――それもアイドルなら、城ヶ崎美嘉のフェイバリットとして先刻承知のもの」

紗枝「あの驚邏大四凶殺を経てデビューを掴んだ城ヶ崎美嘉のシンデレラうストーリーを知っとる者なら」

紗枝「その妹と当たる時、必ずそこは警戒する……」

紗枝「来ると分かってさえいれば、この鉄扇で撃ち落とすことは造作もないおすえ」

莉嘉「くっ……」

みりあ「そんな……」

紗枝「しまいや!」

紗枝「二人仲良う落ちていっておくれやす!」 ビュオッ

みりあ「……」

みりあ「!」

みりあ「今ッ!!」

ガッシイイイッ

紗枝「!?」

未央「か、カニバサミ……!」

鈴帆「一瞬でも飛び上がるリスクを恐れぬあの行動…・・まさか狙っとったんか!?」


美嘉「あの娘の特技はおしゃべり」

美嘉「でもそれは一方的な言葉の押し付けじゃあない」

美嘉「円滑にしゃべり続けるには、いろんな人間の要素を窺う必要がある」

美嘉「特に多人数で全員に気持よく喋らせようとすれば、観察眼は必要不可欠っ!」

瑞樹「わかるわ」

瑞樹「ただ自分が喋りたいだけの娘と、上手く皆に喋らせるおしゃべり上手との大きな壁ね」

美嘉「あの娘はずっと待っていたんだねえ、このタイミングを」



紗枝「ぐっ……!」

紗枝「は、離れ……!」

みりあ「その脚さばきと鉄扇は脅威だけど、腕力自体はそこまでないよね……」

みりあ「だったら、足のほうが強いって、格闘技漫画が大好きな娘が言ってたよっ!」 ガッシリ

紗枝(このまま倒されるわけにもいきまへん)

紗枝(でも……あかんっ、振りほどけないっ……!)



未央「腕ごとガッチリホールドしてる……」

未央「これじゃあ鉄扇は振れない」

未央「同時に挟める位置まで振り下ろされるのを、虎視眈々と狙っていたっていうの!?」

未央(これが……アイドルっ……!)


瑞樹「小早川紗枝選手もよくこらえてるわ……」

美嘉「あれも和装の賜物?」

瑞樹「でしょうね」

瑞樹「足を小さくしか動かせぬ中で素早く動くフットワーク」

瑞樹「足腰だけでなく、足の指の力までもを駆使しているはず」

瑞樹「普段下履き越しに使っていた足の指の力が、水着の今はフルで使える」

瑞樹「三人分の体重くらいなら、何とか支えていられるほどの力が、彼女の足の指にはあるッッ」




紗枝「ぐう~~~~っ」 グギギ

みりあ「頑張ってこらえてねっ!」

みりあ「倒れられたら、皆一緒に落ちちゃうんだから!」

みりあ「莉嘉ちゃん、上がってきて!」

紗枝「このっ……!」


美穂「ま、待ってて……!」 ダッ

紗枝「くっ……よろしゅう頼むえ……!」



ちひろ「おーっと、ここでカットに入りましたね」

P「タッグマッチの基本ですね……」

P(それを想定していなかったとは思えませんが……)



みりあ「……まあ、そうなるよね」

みりあ「莉嘉ちゃん!」

莉嘉「え?」

みりあ「意地でも、あのステージに立つだよねっ!」

みりあ(いつもなら、気を使って、きっとゴムを切って自分だけ落下してる)

みりあ(でもそれをしないほど、あのステージは、莉嘉ちゃんに取って大切なものなんだ……!)

みりあ「みりゃあ~~~~~!」 グリグリグリグリグリ

紗枝「があ~~~~~っ!?」



瑞樹「あーーーーーっと、赤城みりあ選手、なんと挟んだ足を激しくくねらせはじめたーーーーーっ!」

美嘉「カニバサミは柔道でも禁止にされた危険な技」

美嘉「特に、“倒れまいと踏ん張るときに故障の危険がある”という点がすっごく危ないんだよねえ」

美嘉「そんな状態の足に、大きな衝撃を与えたら――」


紗枝「しょ、正気どすか!?」

紗枝「うちが落ちれば、あんさんらも……!」

みりあ「私だって、アイドルだもん」 グリグリ

みりあ「何もせずに負けたくなんてないよ!」 グリグリ

紗枝「わけのわからんことをっ……!」

美穂「紗枝ちゃんっ!」

紗枝「来たらあかんっ!」

紗枝(コイツの目……下手に近づかせるわけにはっ……!)

みりあ「アイドルとして、ライバルに勝つ」

みりあ「そして莉嘉ちゃんも守る」

みりあ「両方やらなくっちゃあいけないのが、アイドルの辛いところだよね……!」

紗枝「くっ……!」

紗枝(あかん、もう持たへん……!)

みりあ「覚悟はいい?」

みりあ「私は出来てるッッ」

紗枝「しょ、正気かッッあんたァァァァァッ!」 グラァ


紗枝「う……おあああああああああッッ!!」

紗枝(もう無理やッッ)

紗枝(こいつは本気で一緒に落ちる気でおるッッ)

紗枝(せやったら――)



未央「おわーーーーっっ!」

未央「みりあちゃんがついに相手と落下したーーーーーっ!!」

P「……」

P「いえ……あれを……」 スッ

未央「へ?」

未央「げえーーーーーっ、こ、小早川紗枝がコウモリのように逆さまに張り付いているーーーーーっ!!」




紗枝「アンタの覚悟はほんまにすごいわ」

紗枝「素直に尊敬するえ」

紗枝「やけど、今はほんのちょっぴりウチの方が上手やったみたいやね」

紗枝「ウチの足の指の力なら、ギリッギリ逆さにくっつくことが出来るッッ」

紗枝「このまま高層の地獄へ落ちていっておくれやすッッ」 ドガァッ


みりあ「……負けたくないけど」

みりあ「しょうがないよね」

みりあ「友達だもん」

紗枝「何を……」

みりあ「今度、美味しいケーキごちそうしてもらうからねっ!」 パッ

紗枝「!?」

紗枝(両手を離した!?)

みりあ「みりゃあっ!」 ドゴッ

紗枝「はんっ!」

紗枝「苦し紛れの両手攻撃なんて――」

みりあ「……」 ニヤリ

バッ

紗枝「あっ!」

みりあ「不自然な体勢で、足の指に意識を集中しすぎたねっ!」

みりあ「鉄扇は頂いたよっ!」 ヒュルルルル

紗枝「くっ……」

紗枝「せやけど、これで相手は二人共落ちたし、美穂ちゃんに助けて貰ってゆっくりと回収すれば――」


莉嘉「悪いけど、それは出来ないんだよねえ」

紗枝「ッ!?」

紗枝「なんっ――」

莉嘉「これで終わりッ!」

ギラン

紗枝「ッ!」

紗枝(ネイルッ!)

莉嘉「そんなに足を守らなくても、大丈夫だよ」

莉嘉「体に傷つけなくても、もっと別の逃げない場所を狙うからさッ」 ボッ

莉嘉「その体勢じゃまともに技も出せないよねっ!」

ギュアッッ

紗枝「!?」

紗枝(足場が、削れ……!?)

莉嘉「研ぎ澄まされた私のネイルは、何であろうとこそぎ落とすッ!」

紗枝「そ、そんな馬鹿なああああああ」 ヒュルルルルル

ドッポーーーーーン

莉嘉「よしッッ クソ野郎ッッだね!」 グッ



【城ヶ崎莉嘉 予選第6回戦突破】
【小早川紗枝 予選第6回戦敗退】


莉嘉「それにしても、ずいぶん大胆な作戦を」

みりあ「あはは」

みりあ「どうせ私じゃ決め手に欠けたし」

みりあ「どのみち鉄扇は奪わないと最後の一撃も落とされたかもしれないしさ」

莉嘉「とりあえずあがるから、もうちょっと待っててね」



瑞樹「あの二人って……」

美嘉「体重、近いみたいだねえ」

美嘉「鉄扇の重さでバランスが変わったからこそ、みりあちゃんが落下するのに合わせて莉嘉が上昇することができた」

美嘉「井戸のバケツが上昇するようにね」

瑞樹「わかるわ」

瑞樹「ゴムの伸びる限界点をさっきしっかりチェックしていたのも大きいわね」

美嘉「さすがみりあちゃん、ってとこかなー」

瑞樹「あら、足場を削る一撃必殺というのも、なかなかにすごいと思うけど」

美嘉「んー、ま、そうだけどさー」

瑞樹「妹さんに厳しいわねえ」

瑞樹「愛のムチ?」 フフ

美嘉「いやいやそんなんじゃないんだけどねー」


美穂「さ、紗枝ちゃん……」 ボーゼン

莉嘉「ほら、さっさと上がってきて」

莉嘉「今ならあっちも倒せそうだしさ」

みりあ「うん、そうd――――」 ハッ

みりあ(ゴム……ちぎれかけてる……)

莉嘉「?」

みりあ(莉嘉ちゃんは、気付いてないよね)

みりあ(カブトムシの時もそうだけど、すぐ何かに夢中になっちゃうんだもんなあ)

みりあ「まあ、そこが莉嘉ちゃんのいいところなんだけどさ」 フフ

莉嘉「???」

みりあ「……頑張ってね」

みりあ「莉嘉ちゃんなら、きっと素敵なギャルモデルになれるよ」 ヘヘ

みりあ「お姉さんみたいなモデルじゃなくて、ソレ以上の、莉嘉ちゃんにしかなれないスーパーアイドルに……」

莉嘉「みりあ……?」

みりあ「ゴム、切れちゃうから」

みりあ「あと、よろしくね」

莉嘉「!」

みりあ(限界まで持ちそうにないし、変に踏ん張って持ち上げようとされた時に切れちゃったらバランス崩して莉嘉ちゃん落ちちゃうかもしれないもん)

みりあ「あーあ」 パッ

莉嘉「みりあ!!」

みりあ「次は私もステージに立ちたいなあ」

ドッパーーーーーーン

莉嘉「みりああああああああああああああああああああ!!」



【赤城みりあ  予選第6回戦脱落】
【小日向美穂 予選第6回戦突破】


美穂「紗枝ちゃん……」

莉嘉「みりあ……」

莉嘉「……」

莉嘉「ギリッ」

莉嘉「……ねえ」

美穂「?」

莉嘉「ハンカチ、いる?」

莉嘉「涙でメイクが落ちてるよ」

美穂「え……っと」

莉嘉「罠とかじゃないから安心して」

莉嘉「不意打ちで落としてもよかったけど、それじゃ意味ないし」

美穂「?」

莉嘉「万全な状態で、真っ向から戦わないと意味が無い」

美穂「!?」

莉嘉「……みりあは言ってた」

莉嘉「私を守ると同時に、アイドルとして勝たなきゃいけないって」

莉嘉「確かにルール上、アタシ達は勝ち抜けだけど――」

莉嘉「勝ち抜いた者同士が闘っちゃ駄目なんてルールはないし~」

莉嘉「何よりこの“タッグマッチ”は決着がついてない」

莉嘉「ここで勝って、“私達”が勝たないと、みりあに顔向け出来ないもんっ!」 ザッ


莉嘉「さ、構えなよ」

莉嘉「そっちだって――友達やられて、黙っちゃいられないでしょ?」

美穂「……」

美穂「ここで負けたら……巻き込まないようにしてくれた気持ちを裏切ることになっちゃいます」

美穂「でも……」 キッ

美穂「わたしだって!」

美穂「戦って勝って、紗枝ちゃんと二人で勝ったよっていいたい!」

莉嘉「……だよね」

莉嘉「容赦は、しないから」

莉嘉「こっちだって、仲間のために負けるわけにはいかないんだからねっ!」 ダッ

美穂「私だって!」 ダッ



【予選第6回戦(場外乱闘)   城ヶ崎莉嘉 VS 小日向美穂】

やばいくらい眠いので中断します
申し訳ない

スローペースですが、どんどんアニメに引き離されるので少しでも投下していきたいと思います


薫「いっくよー!」

凛「くっ……!」

凛(無邪気な顔して、なんて躊躇のない攻撃……!)

薫「「クッキングアイドルになって、せんせぇと早く会うためにもっ!」

薫「負けられないもんっ!」 ブゥン

凛(お玉はいい。フライパンもまだ許せる)

薫「このクッキング殺法で、倒しちゃうから!」 ブゥン

凛(その包丁だけはもらうわけにはいかないっ……!)


薫「せんせぇとしたおままごとと、おてつだいで、お料理には自信があるんだ!」

ビュワッ

凛「!?」 ベトォ

凛「なにこれ……油……?」

薫「お肉は強火で焦げ目をつけるんだよーーーーーっ!」

ボゥワァァァァァァ

未央「おわ~~~~~~~~っ!」

未央「躊躇なく炙り用バーナーをぶっ放しおたーーーーーーっ!」

鈴帆「あ、あれは死んだに違いなか~~~~~~~~っ!!」

美嘉「え、えげつなー」

瑞樹「子供特有の残忍さね」

ちひろ「彼女たちは、自らの行いが引き起こすことへの責任意識がない――」

ちひろ「それは時に、幼き少女をキリングマシーンへと変える」

ちひろ「悪意なきキリングマシーンを、果たして止められるかしら?」


鈴帆「あ、あれはーーーー!」

未央「もうだめっ!」

未央「大事な友だちが焼け死んでいくところなんて見ていられないーーーーーっ!」 バッ

P「いえ……よく見て下さい」

未央「ん……?」

凛「……ッ」 ハァハァ

未央「おおーーーーっ、生きてる!!」

未央「燃えているのはパレオの布部分だけだーーーーーーっ!」

凛(この無邪気さ、そして自分を信じて疑わない瞳……)

凛(苦手だ……)

凛(どうしよう、どうすれば……)


薫「せんせぇ!」

薫「まっててね!」

薫「すーぱーあいどるになって、せんせぇを出してあげるから!」 ビュオッ

凛「くっ!」

凛(この真っ直ぐな目)

凛(自分を信じ、真っ直ぐ目的に駆ける姿勢)

凛(どれも私にないもの……)

凛(私は……)

凛(私が……)

凛(そんな娘を蹴落として勝ち上がってもいいの……?)

凛(このまま痛い目を見る前に、着水してしまった方がいいんじゃ……)

お玉はまだいいがフライパンもアカンやろwwww


未央「どうしたの、しっぶりーーーーーーーーーん!」

未央「しぶりんは、私達で一番才能があるんじゃないかーーーーーっ!」

凛「未央……」

凛(そんなことはない……)

凛(私は、みんなほど、真剣には、なることが――)

薫「おねえちゃん!」

凛「え?」

薫「おねえちゃんも、プリキュアに変身していいんだよっ」

凛「いやできないから」

薫「せんせぇのためにも、負けられないもん」

薫「でも、おねえちゃんが苦しそうにしてるのも、悲しいよ」

凛「え……」

薫「おねえちゃんたちが、おしえてくれたから」

薫「だからこうして、アイドルとしてここにいるんだもん」

薫「いっしょに、たのしもうよ!」

凛「一緒に……」


薫「だって、おねえちゃんも、アイドルでしょ?」

薫「勝ちたいし、負けられないけど……」

薫「いっしょにわらって、おたがいに、もっともっとつよくなるの!」

薫「アイドルはそういうものだって、せんせぇも、言ってたよ!」

凛「……」

薫「だからおねえちゃんも!」

薫「お互いの、たいせつなもののために」

薫「一緒に戦お!」

凛「……」

凛「いっしょに、か……」

凛(私の、大切なもの……)

未央「しぶりーーーーーん!」

未央「しまむーだって、勝ったんだよーーーーーー!!」

凛「……」

凛「ふふ」

凛「声、大きすぎるって」

薫「……!」 パァァ

凛「…・…?」

薫「よかった、おねえちゃんが笑顔になって!」

薫「これで、お互いアイドルとして、笑って戦えるよね!」

凛「……うん、そうだね」

凛「こっち向けられた包丁のせいで瞬時に表情曇りそうだけど」


凛「……まだ、やっぱり、迷いはあるけど」

凛「卯月みたいに、笑顔で人を幸せに出来るのか、わからないけど」

凛「ちょっとオイたをしてる娘をこらしめるくらいなら、できなくちゃね」

薫「いっくよー!」

薫「お料理葬送曲ーーーーーっ!」 ミジンギリダホウチョーーーーウ

凛(こわい……)

凛(足がすくむ……)

凛「でも!」

凛(これが卯月なら!)

凛(未央や、他の皆なら!)

凛「絶対に目を離さないし、引いたりしないっ!」 カッ

凛(見えた!)

凛(どれだけ包丁で威嚇してきていても、所詮は料理のおままごと!)

凛「足元はお留守ッ!」 ズザーーー

未央「うまい、スライディング!」

鈴帆「さっき油がぶちまかれたからよく滑るばいね!」


ガッ

薫「!」

薫(包丁が、柱に刺さって抜けな――!) グイッ

凛「ハンバーグでも作ろうとしてたのかもしれないけど――」

凛「使うなら人肉でなく、牛の肉の方がいいよ」 ガシッ

薫「し、しまった!」

凛「カーフ・ブランディングーーーーーっ!」

ドッゴーーーーン

薫「うあっ……」

未央「き、決まったーーーーーーっ!」

未央「幼い牛が焼き印を押されてハンバーグになっていくーーーーっ!」


凛「……」 ハァ、ハァ

薫「う……ぐう……」

凛「……大丈夫?」

薫「あはは……大丈夫だよ……」

薫「倒すつもりでいったんだもん、倒されてもしょーがないよ」

凛「……」

薫「あーあ……」

薫「勝って……」

薫「勝って、せんせぇを……」 グスッ

薫「ううう……」

薫「うえええええええ……」

凛「…………っ」


莉嘉「きちんと立ち向かってきたことは、評価するよ」

美穂「ぐ……う……」

美穂「痛い……よお……」

莉嘉「ごめんね、急所は外してあるから」



瑞穂「あれは……」

美嘉「あの娘のつけ爪も、鋭利で破壊力がある」

美嘉「でも、それだけじゃないんだよなあ」

瑞穂「と、いうと?」

美嘉「あの娘、私のお下がりで、ちっちゃい頃からケータイを持ってたんだよね」

瑞穂「ギャルの姉の影響で、もっと若くからギャルであった、と」

美嘉「そう」

美嘉「あの娘は誰より早くケータイに触れ、ギャルをしてきた」

美嘉「勿論文字の入力も爆速だし、その指さばきは圧倒的だよ」

瑞穂「わかるわ」

瑞穂「若い子のボタンプッシュのスピード、はやいわよね」

美嘉「あの鋭利な爪を、ケータイ操作で鍛えた速度で繰り出す」

美嘉「それは圧倒的な破壊力を持ち、例え相手が何であろうと削り取るような一撃必殺となる」

美嘉「まさに理屈なんて域を通り過ぎた娘だよ」

瑞穂「なるほど、それで理過って名前なのね、わかるわ」

美嘉「違うんだけど何がわかったの」

ファッキュー予測候補
寝た方がいい気がしてきたので、投下止まったら察して下さい


美穂「うう……」

莉嘉「……立つんだ」

美穂「……」 ポロポロ

莉嘉「泣いても、震えても……」

美穂「私は……アイドル、だから……」 グラァ

美穂「ごめん、紗枝ちゃん――――」

ドッパーーーーーーン

莉嘉「……」

莉嘉「倒れたままにならず、決着をつけるため、意地で立ち上がる、かあ」

莉嘉「……」

莉嘉「なんだかんだで、さすがだなーってなったよ、センパイ」



【小日向美穂 予選第6回戦敗退】


凛(泣いてる……)

凛(泣いてる子供を、こっから突き落とすの……?) ソッ

ヒュオオオオオ

凛「高っ……」

凛(いや、無理でしょ)

凛(これ、明らかに私勝ったんだけど、落とさなきゃ駄目なのかな……)

謎のリーゼント「はいちょっと失礼」

凛「えっ? あ、はい」

謎のリーゼント「よっこいせ」 グイッ

薫「ふえ!?」

凛「!?」

凛(いくら子供とはいえ、そんな簡単に――!?)

謎のリーゼント「ほい」 ポイッ

ドッパーーーーーーン

凛「なっ!」

凛「ちょ、子供相手にそんな――」

謎のリーゼント「?」

謎のリーゼント「いやいや、この世界でアイドルやってる以上、ソレ以外の要素なんて意味ないだろ?」

凛「そ、それはそうかもしれないけど……」

謎のリーゼント「それに、勝つならちゃんと勝ち切ってやらないと、相手だって困るだろ」

謎のリーゼント「しっかりと勝ち切って、勝ち誇るのが礼儀ってもんじゃないのか?」

凛「……」

謎のリーゼント「まあなんにせよ、これで終わり」

凛「え?」

ちひろ『終ーーー了ーーーーーーっ!』

ちひろ『今をもって、全カードの決着がつきましたーーーっ!』

ちひろ『ドローが出なかったのはすばらしいですねっ』

凛「あ……」

凛「私待ち、だったんだ……」

謎のリーゼント「白熱してるならともかく、このままで放置ってわけにもいかないだろ?」

凛「……」

凛「まあ、そうだけど……」


謎のリーゼント「歯切れ悪いなあ」

謎のリーゼント「まあいいや」

謎のリーゼント「さっさと行こうか」

凛「え?」

謎のリーゼント「予選は終わり」

謎のリーゼント「本戦は場を移すって話だし、早くこっからおりねーと」

凛「……そっか、ここ、最上段だもんね……」

謎のリーゼント「そーいうこと」

謎のリーゼント「ま、お互い本戦でもがんばろーぜ」

謎のリーゼント「しぶりんちゃん」

凛「しぶっ……!?」

謎のリーゼント「あれ、この名前駄目だった?」

謎のリーゼント「さっきも応援されてたし、先週もそう呼ばれてたし、それが芸名かと思ったけど」

凛「いや、あれは未央が勝手に……」

凛「……」

凛(先週?)

凛「……」

凛「あっ……」

凛「木村夏樹……!」

夏樹「はは、すぐに分かってもらえないようじゃ、アタシもまだまだだな」

凛「す、すみません……」

夏樹「いーっていって」

夏樹「腹立つ話だけど、まだちょっと楽器が引ける個性派程度の域は出られてないしな」

夏樹「だからこそ、アタシはこれで優勝する気だし――」

夏樹「半端な真似はしないつもりだ」

凛「……」

夏樹「っと、なんか重大発表とか書いてあるな」

夏樹「早く行かないと」

凛「……はい」




【渋谷凛 予選第6回戦突破】
【龍崎薫 予選第6回戦敗退】

【木村夏樹 予選第6回戦突破】


ちひろ「それでは、今回の主催者である城ヶ崎美嘉さんから、ご挨拶です」 ハァト

美嘉「あー、みんなおっつかれー」

美嘉「すごい戦いの連続で、見てるこっちも興奮してきたよ!」

美嘉「これで全部の予選の試合が終わったわけだけどー……」

美嘉「まだ、これで全員が予選突破ってわけじゃあないんだよねえ」 ニヤリ

卯月「!」

みく「!?」

凛「え……?」

夏樹「ひゅう……」

美嘉「生憎引き分けで落下した娘や、勝者同士で潰しあった娘がいてねえ」

美嘉「予選突破車が16人じゃなくなっちゃった」

美嘉「だから――」 ニィ

未央「げえーーーーーっ、モニターに何やら14枚の写真がーーーーーっ!」

美嘉「いっそこのまま、8人にまで減らそうかなって」 ニッコリ


美嘉「とはいえもう競技はないからさー」

美嘉「ここで、アイドルには一番大切なものを見ておきたいなーって」

卯月「アイドルとして……」

みく「大切なもの……?」

凛「……なんなんだろうね」

みく「わわっ!」

卯月「凛ちゃん!」

卯月「よかった、無事で……」

みく「ほーら、だーから言った通りにゃ」

凛「まあ、ね……」

凛(ちょっと一緒にいて会話もないし、抜け出して来ちゃった……)

未央「それよりアレを!」

卯月「わわっ、あれは……!」

美嘉「そう、『アンケート機能』ッ!」

美嘉「この生放送を見てる人達に、今までの試合を見て、本戦でも見たいと思ったアイドルに投票してもらうッ」

美嘉「アイドルとしてちゃんとファンの目を意識できてたか、ここで試されるよ~」 フフ

未央「な、なんだってーーーーーーー!?」

凛「あ、アイドルとして……」 ドクン

卯月「あ、あわわ……」


美嘉「本戦に進めるのは上位8名のみ!」

美嘉「それじゃ、投票スタートっ!」

卯月「わわわ、どうしましょう!」

凛「そ、そんなこと言われても……!」

みく「今更ジタバタしてもしょうがないにゃ」

未央「で、でも!」

みく「それに――」

みく「みくは、突破してる自信があるにゃ」

みく「むしろこの程度の篩を通過できる自信がないなら、アイドルなんて出来ないにゃ」

凛「……」


美嘉「はい、投票終了~~~~~っ!」

美嘉「今集計をスタッフがとってるから、もーちょい待ってね!」

ザワザワ

みりあ「やっぱり上手いねえ」

莉嘉「みりあ!」

みりあ「ああやって時間を自然に繋ぐトーク、さすがはプロ」

みりあ「私もああなりたいな~~」

莉嘉「……うん」

みりあ「……こんなわかりにくい場所に一人でいていいの?」

みりあ「シンデレラプロジェクトの皆、待ってるかもよ?」

莉嘉「……」

莉嘉「今更どんな顔で混ざるのかわらないし、それに――」

莉嘉「本戦では、容赦なく倒せるようにしておかないと、お姉ちゃんには届かないから」

みりあ「……そっか」

美嘉「っと、集計出たみたいだねー!」

美嘉「そんじゃ、1位から発表していくぞーーーっ!」

ワアアアアアアアアア


美嘉「第一位、高垣ィィィィィ楓ェェェェェェェ!」

美嘉「身長171cm、体重49kgッッ!!」

未央「な、なにーーーーっ!」

未央「確かにすごい人だけど、でも笑顔っていうアイドルの必須要素そんなに満たしてないしッ!」

瑞樹「元々人気があっただけでなく、真っ先に予選を終えるなど、全体的に強かったわ」

美嘉「さすがはトップアイドルって感じだよねー」

楓「……」 フフ



【高垣楓 最終選考1位通過 本戦出場決定】


未央「やっぱりこれ、テレビ出てる娘圧倒的に有利だって!」

凛「確かに、その知名度だけで票が入っている可能性も……」

美嘉「第2位!」

美嘉「なんとなんと、私の妹城ヶ崎莉嘉だーーーーっ!」

未央「な、なにぃ~~~~~~~!?」

瑞樹「わざわざ勝ち上がりが決まったのに強敵に向かう所」

瑞樹「そして必殺技のインパクトでも人気を集めた感じね」

美嘉「アタシの七光扱いのコメもあるし、そうじゃないって証明するためにも気合入れてほしいねー」



【城ヶ崎莉嘉 最終予選1位通過 本戦出場決定】


美嘉「続いて2人まとめていくぞーーーっ!」

美嘉「第3位、松本紗理奈!」

紗理奈「やった!」

美嘉「第4位、上条春菜ッ!」

美嘉「二人共、コンビネーションもよかったし、キャラが立ってるって意見が」

瑞樹「バスト推しとメガネ推し」

美嘉「推しメンなしでなんとなく見てる子には、そういうわかりやすい個性が受けるのかもね」

瑞樹「わかるわ」

美嘉「ちなみにこの順位になった理由は、主に男性ファンの胸に対する熱きメッセージを見ればわかるよ」

瑞樹「わかりたくないわ……」

紗理奈「やっぱ胸って大きな武器だわー」

春菜「ぐう……メガネだって素敵なのに……」

春菜「まあでもこれでブルーナポレオン3人全員予選突破が現実的に!」

紗理奈「あ、マジで気付いてないんだ……」

春菜「え?」

紗理奈「もうブルーナポレオン、私ら二人しか残ってないよ」

春菜「……」

春菜「……」

春菜「!?」



【松本紗理奈 最終選考3位通過 本戦出場決定】
【上条春菜   最終選考4位通過 本戦出場決定】


みく「ま、ここまでは既定路線だにゃ」

みく「正直莉嘉チャンが呼ばれたのは意外だったけど」

みく「主にテレビに出てる勢で占拠されてるにゃ」

美嘉「第5位は、木村夏樹ーーーーっ!」

瑞樹「闘いながら常に楽しそうな所が評価されてるみたいね」

みく「でも今回は小早川紗枝や小日向美穂を莉嘉チャンが倒してくれたし」

みく「忌々しい世界女も脱落済み」

みく「こっからは、初心者同士のバトルだにゃ」

みく「そして、そうなれば――――」

美嘉「続きまして6位通過!」

美嘉「出たぞ期待のニュージェネレーション!」

美嘉「島卯ァァァ卯月ィィィィィ!!」

卯月「ええ!?」

瑞樹「いつでも笑顔を心がけてたのと、天然っぽいところが評価されたみたいね」

卯月「あわわわわ」




【木村夏樹 最終選考5位通過 本戦出場決定】
【島村卯月 最終選考6位通過 本戦出場決定】


みく「これであとは、みく達二人でちょっきし定員だにゃ」

凛「うん……」

美嘉「では第7位!」

みく(みくの方が上みくの方が上みみくの方が上!) ブツブツ

美嘉「安部菜々ァァァァァァァ!」

凛「!?」

みく「にゃっ!?」

凛「何ッ……あの痛々しい格好の人……」

みく「し、知らないにゃ!」

みく「あんなアイドルいたかにゃ!?」

卯月「わ、わからないですよお!」

未央「……思い出した、あの時のメンドカフェの!」

凛「……」

凛「ああ!」

みく「まさかの伏兵だにゃ……」



【安部菜々 最終選考7位通過 本戦出場決定】

莉嘉二位通過なのに一位通過なってませんかね?


みく「でも……」

みく「こうなったら……」

凛「……うん」

みく「みくか、凛チャンか……」

みく「本戦に行けるのは、どちらか一人だけだにゃ」

卯月「……っ!」

クソほど眠たいからまいたけど意識飛びそうだしちょっと続けるの無理そうなので寝ます

前川さん脱落したらみくにゃんのファン辞めてちっひのファンになります(ガチャガチャ)

美嘉「第2位!」

美嘉「なんとなんと、私の妹城ヶ崎莉嘉だーーーーっ!」

【城ヶ崎莉嘉 最終予選1位通過 本戦出場決定】
(つд⊂)…えっ…あれ?1位…あれ?

オトナは間違いをするだけなのです……

眠気の持つ恐ろしさを知ってもらえたと思うけど、
眠気に負けないくらいの速度で書けないのでどうしようもない。
猛省はしてるけどこの時間しか書く暇はないし、投下は辞めません。
代わりにみくにゃんのファン辞めます。


みく(だいじょーぶ、負けるわけがないにゃっ!)

みく(これでもちゃんとカメラの前ではキャラ作りは徹底してるし!)

みく(じわじわと生放送じゃ人気も出てきてるしっ!)

みく(それにみくは、さっき複数人倒したにゃ)

みく(みくだって、予選くらいは……!)

凛「……」

凛(すごい念じてる……)

凛(本当に、勝ちたいんだ……)

凛(私だって勝ちたいけど……)

凛(あそこまで、ハングリーには……)


美嘉「最後、滑り込んだのは~~~~~」

みく「……っ!」

凛「……」 ゴクリ

美嘉「ダララララララララララララ」

卯月(ドラムロール……)

未央「一体、どっちが……」

美嘉「だん!」

莉嘉「!」

みりあ「あっ……」

美嘉「第8位はァ!」

美嘉「渋谷りぃぃぃぃぃぃぃぃぃんッッ!!」

みく「――――――――っ!」



【渋谷凛 最終選考8位通過 本戦出場決定】


みく「負けた……」

みく「な、なんで……」

美嘉「ちなみに9位にはこの手の番組でお馴染みの前川みくちゃんがランクインしてたよー」

みく「にゅあっ……!」

瑞樹「何で今回も駄目だったのかしら……」

美嘉「コメント見る限り、その方が美味しいからとかそういうのもあったみたいね」

瑞樹「知名度がマイナスに働くこともあるのね……」

美嘉「まあ、でも、美味しいからいいんじゃない?」

みく「よくにゃーーーーーーーーーい!!」


凛「あの、猫耳センパイ……」

凛「その……」

みく「うるさーーーーい!」

みく「同情してそうなフリして名前忘れてるし!」

みく「みくの名前はみくだにゃ!」

未央「さすが奇跡の逆転されファイター」

みく「よくわからないけどそれは多分みくではないにゃ」

卯月「あれですよね、ボーカロイドの」

みく「それも違う人」

凛「あ、そそういえば、友達が知ってたかも」

凛「やっぱりなんだかんだで知名度あるってすごいですよ」

みく「!」 パァァ

凛「あれですよね、確かローリング・ストーンズの……」

みく「ミック」


卯月「ずっと水着だと寒すぎて風邪引いちゃいそうですね」

みく「シック」

未央「洋服がいなくなって初めてその存在の大切さみたいなものに気付かされたね」

みく「チック」

凛「寒くて唇荒れてきたし、これでも……」 スッ

みく「リップ」

未央「なんだかんだで暖かい部屋でポテトにケチャップとかそういうのつけたくなるよね」

みく「えーっと、えーっと……ディップ!」

卯月「あたた、さっきの攻防で腰が……」

みく「湿布」

凛「一区切りついたら、療養した方がいいかもね」

卯月「一回大きなお船に乗ってのんびりとはしてみたいです」

みく「シップ」

未央「アイ・アム・ニッポン」

みく「ジャップ」

未央「週刊少年」

みく「ジャンプ」

未央「悪の超人」

みく「さあお遊びはここまでにゃ」


卯月「私アレ好きですよ、新選組!」

みく「壬生」

未央「囚人」

みく「リク」

夏樹「ライブハウスとかの短いセッション」

みく「ギグ」

みく「……って、お前はーーーーっ!?」

卯月「わわっ、夏樹さん……!」

夏樹「よっ」

夏樹「予選突破者に知り合い、あんたらくらいしかいなさそーだったからさ」

夏樹「ちょっくら挨拶にな」

凛「はあ……」

みく「む、待つにゃ」

みく「どうやら……あちらさんの挨拶も、まだ終わってないみたいだにゃ」


美嘉「さーて、ここらで本戦のルールを伝えておこうかなー」

美嘉「予選で一日使っちゃったし、本戦は明日!」

美嘉「休日だし、会場を借りておこなうよっ!」

ちひろ「場所やチケットの詳細は後ほど発表いたしますね」 ニッコリ

瑞樹「いつの間にステージに……」

ちひろ「ところで……」

ちひろ「会場の都合もあるので聞きますけど……」

ちひろ「三位決定戦、やるんですか?」

美嘉「ん?」

美嘉「……ああ、そっか」

美嘉「今回はダンサー枠争奪戦なわけだけど、枠、3つあるんだよねえ」

ザワッ

美嘉「でも三位争奪戦にしたら、決勝戦、盛り上がらないじゃん?」

美嘉「だからぁ」

美嘉「枠は決勝進出の二人と、優勝者の指定した一人にあげようかなーって」 ニヒヒ

美嘉「勿論選ぶのは誰でもオーケー」

美嘉「予選早々で負けていようが、不参加者だろうが、素人だろうが、それこそ近所のポチでもね」

ザワザワザワザワ


みく「名前なんてどーだっていい」

みく「大事なのは絆の強さにゃ」

みく「センパイとかそういう他人行儀なのはやめて、気軽にみくって呼んでほしいにゃ」 ニャーン

凛「なんて変わり身の速さ……」

卯月「これがアイドル……」

みく「みくを!」

みく「是非ともみくをあのステージへ!!」

未央「十分目立ったじゃん!」

未央「次は私! 私を是非っ!」

夏樹「醜い争いしてんなぁ」 ケラケラ

みく「じゃあもういっそリーゼントちゃんでもいいにゃ!」

未央「えっ、それずるい!!」

卯月「自分でも私と夏樹さんなら夏樹さんなのにっ!!」


春菜「聞きましたか!?」

紗理奈「まーね」

春菜「これでブルーナポレオンがバックダンサーを独占する夢も……!」

紗理奈「残り1人に誰を指名するかで揉めそうだけど」

春菜「……」

春菜「そこは、ほら、勢いでなんとか」

紗理奈「メガネのくせに時折バカよね」



莉嘉「指名可能、か……」

みりあ「だねー」

みりあ「やっぱり盛り上げ方が上手だよねー」

莉嘉「……うん」

莉嘉(まだ、音を返せる……)

莉嘉(私が勝ちさえすれば、みりあも――――!)




美嘉「ふふ……いい感じに本気になってくれそうじゃん」

美嘉「それでこそ、主催した甲斐があるってもんだよね」


美嘉「そんじゃ、組み合わせ、きっめるよー!」 ポチーッ

ゴゴゴゴゴゴゴゴ

鈴帆「な、なんじゃあ~~~~~!?」

バコバコバコッ

未央「げえーーーーーっ、トーナメント表が地面からせり上がってきたーーーーーっ!」

みく「シンプルなトーナメント表に、左から順番に1・2・3・4・5・6・7・8と番号が振られてるにゃ」

凛「あそこにランダムで配置されるんだ……」

ちひろ「それでは、本戦出場アイドルの皆さんには、抽選ボックスを引いていただきます!」

ちひろ「ボックス内のボールに書かれた数字の位置が、貴女のトーナメントの位置!」

ちひろ「頑張って天辺目指しましょうね!」


ちひろ「それでは、予選突破順位が高い人から、自由に好きなボールを引いてもらえるようにします!」

ザワッ

ちひろ「先陣を切るのは勿論この御方!」

ちひろ「予選通過首位、高垣楓ェェェェェェェ!」

シン・・・

卯月「……っ!」

みく「このオーラ、やっぱり圧倒的だにゃ」

未央「喋るのをためらうくらい、オーラを発してくれちゃってまあ」

凛「……とりあえず、ステージ近寄っておこうか」

凛「呼び出されてすぐに行けないとかだとカッコ悪いし」

卯月「あ、はいっ!」

楓「……」 クスッ

楓「ワンダ4(フォー)」

ちひろ「高垣楓さん、4番ッッ」


美嘉「次、莉嘉っ!」

莉嘉「……」

莉嘉(お姉ちゃんに認められて、世間にも認められる……)

莉嘉(そんなアイドルを目指すんだもん、優勝しないわけにはいかない)

莉嘉(三枠目を奪うためにも、それは必須)

莉嘉(いずれ強敵とは当たる)

莉嘉(でも……)

莉嘉(可能なら、どうか少しでも有利な立場になれるように)

莉嘉(できることなら、高垣楓と逆のブロックを……!) ゴソゴソ

バッ

莉嘉「……よしっ」

莉嘉「ラッキーセブンっ……!」 ブイッ

瑞樹「城ヶ崎莉嘉選手、7番です」

莉嘉(よしっ、これで高垣楓と戦わなくてもステージまでは……!)


春菜「絶対ブルーナポレオン同士、決勝戦で会いましょう!」

紗理奈「はいはい」

春菜「そしてバックダンサー総ナポレオン化計画を……」

紗理奈「その並びだと既存ダンサーがナポレオンに……」 ゴソゴソ

紗理奈「っと、はい、これ」

ちひろ「おや」

紗理奈「おっ」

美嘉「おお~~~~!!」

美嘉「この番号は――」

未央「いきなり対戦カードが決まったァァァ~~~~~!」

美嘉「8番、かあ」

紗理奈「さすが、横にしたら私の自慢の両胸みたいになる数字ってとこかしら」

春菜「うわっ、即座にバストアピールっッ」

美嘉(一筋縄じゃ勝てないわよ、莉嘉……)



【1回戦第4試合   城ヶ崎莉嘉 VS 松本紗理奈】


紗理奈「ほら、次」

春菜「……うん」

春菜(負けるわけにはいかないし、高垣さんと一緒のブロックだけは駄目っ!)

春菜(特に3番なんて絶対駄目、駄目だから~~~~~っ!) ウググググ

紗理奈「めっちゃ念じてる……」

春菜「見えましたッ!」

春菜「メガネだけにッッ!!」 ババッ

美嘉「おっ、これは……」

ちひろ「5ですっ!」

春菜「やった!!」

比奈「喜んでるとこ悪いっスけど、その位置だと決勝戦までに絶対一人は消えるッスよ」

千枝「ブルーナポレオンだけでの占拠はもう無理なんじゃ……」

春菜「……」

春菜「!!!!!」

比奈「気付いてなかったんスね……」

千枝「うわあ…・…」

紗理奈「ビビリすぎでしょ……まあ気持ちはわかるけれども」


未央「っていうか、もう大分空きが少なくなってきたねえ」

みく「皆逃げるように高垣楓と違うブロックに収まるにゃあ」

未央「いや無理ないって」

未央「実際気合でどうこうできるなら、私だって高垣楓と逆のブロック選ぶもん」



夏樹「っと、んじゃこれでいーや」

夏樹「……」

夏樹「っしゃ!!」 ガッツポ



未央「ああ~~~~っ、これはもう逆ブロックが埋まってしまった流れだ~~~~~~っ!!」

みく「い、いや……あれを見るにゃ!!」

未央「……!!」



夏樹「どうせ避けられない相手なら、互いに万全の状態でやれる初期にあたる方がいいだろ?」

夏樹「楽しませてもらうぜ、高垣楓ッ!」

夏樹「アンタ風言うなら、3キュー神様ってやつだ」

夏樹「このチャンス、無駄にしないためにも、本気で叩き潰しにいくッッ」

楓「……ふふ」



【1回戦第2試合   木村夏樹 VS 高垣楓】


卯月「これっ!」 バッ

ちひろ「はい、1番ですねっ」

卯月「うええ!?」

卯月「ど、どどどどーしよう」

卯月「トップバッターだなんて……」 アワアワ

凛「おかえり」

未央「どったの、スマイルスマーイル」 ニコォ

卯月「うう……」

卯月「他の人の試合を見て、どうすればいいか参考にしたかったのに……」

卯月「まさかトップになるなんて……」

凛「確かに、私達じゃよくわからないしね……」

みく「みくを頼ってもいいんにゃよ!」

未央「そのままアイドルとしてもナンバー1の座をとったら?」

凛「そうだね、確かに卯月らしい数字かも」

卯月「そうかなあ」

みく「きみたち」


みく「っていうか、のんきにダベってる場合なのか?」

凛「ん?」

未央「ああ」

未央「しぶりんなら最後の一人だから、くじを引く必要は――」

みく「いや、そーじゃにゃくて」

未央「?」

みく「残り2人で、空いた席は2番と6番」

みく「もしかすると――二人は初戦で潰し合うことになるのかもしれないにゃ」

凛「!!」

卯月「!!」

凛「闘う……?」

凛「私と……卯月が……」

卯月「……」 ゴクリ

あかんくらい眠たいので寝ます、申し訳ない

正直クソほど眠たかったのですが、キン肉マンが面白かったので頑張って投下します


凛「……」

凛(卯月……)

凛(どこか抜けてるけど、でも、私が見た誰よりも素敵な笑顔のアイドル……)

凛(卯月みたいになりたくて、私はこの世界に飛び込んだ)

凛(……)

凛(私は……戦えるの……?)

凛(卯月の夢を、踏み潰してしまうかもしれないのに……)


菜々「わぁい、2番です!」

菜々「うさみんの3か、菜々の7だったらよかったなっ」

みく「じゃあ変わるにゃーーーー!」

みく「猫なら2で鳴き声なんだにゃーーーー!」

ちひろ「はいはい、敗者は黙っててくださいね」 ニッコリ

\ ドッ /

ワハハハハ

みく「むっきーーーーー!」

瑞樹「ちなみに豆知識だけど、安部菜々選手は前川みく選手とキャラが被ってるってことで票を食い合ったんだとか」

美嘉「互いに足を引っ張って、決め手となったのが負けて美味しいのはみくにゃん、かあ」 シミジミ

みく「よくにゃーーーーーーい!」 ムッキー

ワハハハハ

凛(よかった……卯月とは、ステージを賭けて戦わなくってもいいんだ……) ホッ



【1回戦第1試合   島村卯月 VS 安部菜々】




凛「ってことは、私の相手は……」

春菜「私ですよ」

凛「ああ」

凛「えーっと、ブルーナポリt」

春菜「ナポレオン」

未央「だからそれだと腐っただけのナポリタンだって」

凛「でもその理屈ならブルーナポレオンもたんなるナポレオンのゾンビなんじゃあ」

未央「た、確かに」

卯月「一理ありますね……」 ゴクリ

春菜「ないから」


春菜「とりあえず、お近づきの印に、メガネどうぞ」

凛「えっ」

凛「いらないけど……」

春菜「!?」

春菜「あ、そうですね、貴女ならもうちょっと綺羅びやかなフレームの方が……」

凛「そうじゃなくて」

凛「私視力は問題ないし」

春菜「いやいやでも今ではメガネも重要なファッションアクセサリーで――」

凛「それに運動する時邪魔そうだから……」

春菜「!」 ガーーーーン

邪魔そうだから

邪魔そうだから

邪魔そうだから(エコー)

春菜「く……」

春菜「くううううう~~~~!」

春菜「絶対絶対絶~~~~~対、負けませんよっ!」

春菜「メガネの凄さ、教えてあげますからっ!」 ムキー



【1回戦第3試合   上条春菜 VS 渋谷凛】


ちひろ「それじゃあ今日の放送はこれまで!」

ちひろ「また本戦をお楽しみに!」

ブツッ

卯月「今日の試合は終了、ですよね……?」

凛「……うん」

未央「んじゃ、解散かな」

みく「だにゃ」

みりあ「今日は帰って疲れを取らなくちゃね!」

みく「あ、いたのか」

みりあ「いたよ!」

莉嘉「……同じシンデレラプロジェクトのメンバーだろうと、容赦するつもりはないからね」

卯月「わ、私もっ!」

凛「…・…うん……」


菜々「それじゃ、また明日☆」 スタスタ

夏樹「おっつかれー」

夏樹「本戦じゃ負けないからな」 グッ

楓「……」

楓「お疲れ様です」 ペコリ

P「……」 ペコリ

春菜「私達は潰し合いになったらどうすれば……」

比奈「とりあえずサイゼあたりで会議したらいいんじゃないっスか」

紗理奈「んじゃさっさと行こ」

紗理奈「早寝して備えたいし」

ゾロゾロゾロ

莉嘉「そんじゃ、私も」 クルッ

莉嘉「……絶対、絶対に、負けないんだから」

スタスタスタ

みりあ「あ、待ってよー!」

みりあ「じゃあ」 ペコリ

みりあ「莉嘉ちゃーーん」 トテトテトテ


未央「それじゃ、ここで解散かな」

凛「……そうだね」

凛「家に帰ったら手伝いもあるし」

未央「おお、えらい」

卯月「私も明日に備えて準備しなきゃ……」

みく「んじゃみくもさっさと帰るにゃ」

凛「そういえば、明日はどこかで待ち合わせを……」

みく「みくはいいにゃ」

凛「え?」

みく「みく達はライバルだにゃ」

みく「負かしてきた直後の相手とベタベタと慣れ合うような気分にはなれないのにゃ」

凛「そんな……」

みく「負けたイベントにいつまでもこだわってもいられないにゃ」

みく「明日、すぐ入れる仕事を探してもらうにゃ」

スタスタスタ

凛「あ……」

卯月「……」

未央「いろいろあるんだねえ、芸能界って」


みく「まったく、ふざけてやがるにゃ」

みく「キャラ被ってるだの、美味しいだの、好き放題言って!」

みく「後輩たちにも舐められっぱなしだし!」

みく「みくだって、ポテンシャルだけなら、あのステージに立てるくらいのものがあるのに!」

みく「ある、のに……」

マタ ミクニャン マケタンダwwwwww

ミクンゴwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

エイエンノ カマセイヌwwwwwwwww

みく「みく、だって……」

みく「立派な……アイ、ドル……」 ポロッ

みく「……にゃ?」 ポロポロ

みく「おかしいにゃあ」 パタパタパタ

みく「視界、滲んできちゃったにゃ……」 パタパタパタ

みく「……」

みく「……グスッ」


ヘレン「何往来で立ち尽くしてるのよ」

みく「にゅああ!?」 ビックゥ

ヘレン「邪魔よ」

みく「う、うるさいやい!」 ゴシゴシ

みく「みくに負けた負け犬のくせに!」

ヘレン「そうよ」

ヘレン「今の私は無様な負け犬」

ヘレン「アンタも……ああ、アンタは負け猫かしら」

みく「う、うるさいにゃあ!」

ヘレン「事実でしょ」

ヘレン「私達は客観的に見て負け組」

ヘレン「それでいいなら勝手に立ち尽くしてればいい」

ヘレン「辛くて逃げ出したければ一人泣き出せばいい」

ヘレン「私はどっちも御免だし、負け犬なんて屈辱的なレッテルは早々に引っ剥がしたいの」

ヘレン「泣きながらでも、這いつくばってでも、前に進まなくちゃいけないんだから」

ヘレン「路上で邪魔しながらぼけっと立ってる奴に、かまってる程ヒマじゃないのよ」 ゲシッ

みく「うぐっ……」


みく「変な語尾でださい負け方したくせに」

ヘレン「そうね」

ヘレン「私は、必死よ」

ヘレン「新人が世界に出るための踏み台みたいな扱いを受けて」

ヘレン「養成所の主だの養成王だの好き放題言われて」

ヘレン「その度に心がへし折られて、プライドが引き剥がされて」

ヘレン「そうやって小さく逃げて、でも逃げた先で別の戦いをして」

ヘレン「そうして決めた戦いの場所がアイドルだし、私には譲れないポリシーだってある」

みく「……」

ヘレン「その大切な一欠片のプライドのためなら他のしょうもないプライドなんて捨て去るわ」

ヘレン「クソみたいな語尾だって試すし、やれることはなんでもやる」

ヘレン「それは、一つを貫くことを諦めた時に自分に対して課したルール」

みく「……」

ヘレン「ほら、邪魔よ」

ヘレン「……いつでも鬱陶しいくらい媚をふりまいてにゃーにゃー五月蝿いのが、アンタの誇りだと思ったわ」

みく「ヘレンちゃん……」

ヘレン「……家に帰るまで我慢も出来ない」

ヘレン「かといって、後輩達には格好つけて素を出せない」

ヘレン「……どうしたいのか、一回よく考えなさい」

みく「……ん」


ヘレン「悩んで、悩んで、苦しんで、それで――」

ヘレン「それで選んだ道に対して、とりあえず一歩踏み出してみなさい」

ヘレン「少なくとも、今よりは違う景色が見られるわよ」

みく「……」

ヘレン「さ、帰って世界の珍味でも食べようかしら」

ヘレン「やけ食いも大事だわ」

みく「……」

ヘレン「ま、ストレス発散したくなったら、たまにはお酒くらい付き合うわよ」

ヘレン「ワールドクラスの高級酒を、貴女の奢りだったらね」

みく「みくは未成年だにゃ、ばーか」



みく「……あのさ」

ヘレン「?」

みく「その、ありg」

ヘレン「さ、帰ろ」

ヘレン「路傍の石にかまけて無駄な時間を食ったわ」

みく「んにゃっ!」

ヘレン「変なコト言わなくていいわよ」

ヘレン「私は別に邪魔な石ころを蹴っ飛ばしただけ」

ヘレン「あとは石ころがどうなろうと知ったこっちゃあないし、勝手にどうとでもなればいいわ」

みく「……ふん」

みく「言われなくても、ねこちゃんは自由気ままに一人でやりたいように生きてくにゃ!」

ヘレン「そ」

スタスタスタ

みく「……」

みく「振り返りもしないんだにゃあ」

みく「……」

みく「ありがと、ヘレンちゃん」 

眠くて死にそうなので投下中断します。

悪魔超人編もタッグ編も王位争奪編も構想はありますが、この投下ペースだと普通にエタります。

またちょろちょとろとスローペースにやります
まとめて投下する時間も速度もなくて申し訳ない


未央「……」 ヌイヌイ

未央「……」 ヌイヌイ

ガチャッ

未央「!」 ビクッ

みりあ「やほ」

未央「なんだ、みりあちゃんか」

みりあ「えへへ」

みりあ「後付けてきちゃった」

未央「しれっととんでもないことを」

みりあ「多分、本戦進む皆の応援の何かで別れたのかなーって」

未央「……まーね」

未央「一人で帰っちゃうと、泣きそうだし」

未央「それなら、ここに泊まりこんで、応援旗でも作った方がいいかなってさ」

未央「ほら、私のとりえ、笑顔だし」 ニヒ

みりあ「……」

みりあ「私も、手伝う」

未央「え?」

みりあ「私も泣きそうだs」

みりあ「それに――明日は多分、莉嘉ちゃんの応援をするから」

みりあ「同じシンデレラプロジェクトの仲間だけど、明日莉嘉ちゃんと他の皆が戦ったら、莉嘉ちゃんを応援するから」

みりあ「今だけはせめて、シンデレラプロジェクトのメンバーとして、何かしたいなあって」


みりあ「……」 モクモク

未央「……」 モクモク


 ・  ・  ・


 ・  ・  ・  ・  ・  ・


 ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・


静かに時が流れる……


未央「うん、こんなもんかな!」

みりあ「皆まだデビュー前だし、名前はしっかりアピールできるようにしないとだもんね」

みりあ「私も莉嘉ちゃんの作っちゃった」

未央「よーし、明日はお互い悔いが無いよう応援しよう!」

みりあ「うん!」

未央「負け犬、ファイアー!」

みりあ「ふぁいあー!」


<城ヶ崎家>


美嘉「いやー、驚いた驚いた」

美嘉「2位通過なんて、すごいじゃん」 ナデナデ

莉嘉「えへへ……」

莉嘉「……」

莉嘉「ねえ、お姉ちゃん」

美嘉「ん?」

莉嘉「もしも、今の私の実力を知ったうえで、時間が巻き戻ったとしたら……」

莉嘉「それでもあの時、バックダンサーにはニュージェネレーションの皆を指名した……?」

美嘉「……莉嘉……」

莉嘉「……」

美嘉「……」

莉嘉「……」

莉嘉「もう、寝るね」

美嘉「……」

莉嘉「……明日は、相手が誰であろうと、本気でいくから」

莉嘉「それが同じシンデレラプロジェクトの仲間でも、ブルーナポレオンでも、高垣楓であっても」

莉嘉「……お姉ちゃんに認めてもらうまで、絶対、負けないから」

バタン

美嘉「莉嘉……」

美嘉「……」

美嘉(嫉妬とか可愛いなーそうだよねーお年ごろだもんねー) ハナヂタパタパー


<島村家>

卯月「ただいまー」

鈴帆「おじゃまするばーい」

鈴帆「いやあすまんねえ、突然」

卯月「いえ」

卯月「事務所の皆とは、今日は別行動でしたし」

卯月「それで……話したいこととは?」

鈴帆「ふむ」

鈴帆「一回戦の相手、安部菜々のことたい」

卯月「え?」

鈴帆「あいつのことは、よーけ知っとるわ」

鈴帆「大きな括りでいうと、むこうもこっちとジャンルは同じばいね」


鈴帆「ほれ」

卯月「これは……」

鈴帆「依然ローカル番組でウチが安部菜々と戦った時のビデオたい」

鈴帆「何か参考に出来るかもと思ってな」

卯月「え……」

鈴帆「じゃんけんとはいえ、ウチを負かしたんじゃ」

鈴帆「やっぱりウチに勝った女は強いのうと言いたくてな」 ケラケラ

卯月「ファラオさん……」

鈴帆「鈴帆ばい」

鈴帆「上田鈴帆」

卯月「鈴帆さん……」

卯月「ありがとうございます……!」

鈴帆「よかよか」

鈴帆「そん代わし、優勝したらこの特性きぐるみで壇上に登って是非とも次回ウチとユニットを――」

卯月「それはちょっと……」

予想以上に眠たいのと、本戦書くと寝る時間なくなりそうなので超短いですがここまでにしておきます
次回から本戦なのでさっさと進められたらなと思います

1日1試合でも処理できたら1週間で終わることに気が付いたしコツコツやります


<本戦当日 346プロダクション内特別スタジオ>


凛「……」

凛(あまり眠れなかったな……)

未央「おっはよー!」

凛「あ、おはよ」

未央「遅かったね」

凛「うん、ちょっとね」

凛「……卯月は?」

未央「それが、まだ……」

ブウウウウウン

未央「……」

未央「あ、あれ……」

凛「ん?」

鈴帆「ブウウウウウウウウウウウウウウウンwwwwwwwwwwww」

鈴帆「ドルンドルンドルンwwwwwwwww」

鈴帆「鈴帆バイク便じゃーーーー」

凛「バイクコスプレの変な人が卯月を負ぶって走ってきてる……」

未央「うーん他人のふりしたい」

凛「顔覆ってるけど、恥ずかしいのか、一応アイドルだから見られたらまずいと思ってるのか……」

未央「泣いてるんじゃない?」


凛「いろんな意味ですごい注目されてる……」

未央「ある意味、さっき通りがかった高垣楓以上かもねえ」

凛「あ、見たんだ」

未央「うん」

未央「恐いくらい気迫を感じたよ」

凛「……他の出場者は?」

未央「皆もう来てるよ」

未央「最初に来たのは莉嘉ちゃんだったね」

未央「結構真面目な顔で、宣戦布告されたよ」 タハハ

凛「え?」

未央「相手がしぶりんでも容赦しないんだってさ」

未央「ほら、私らニュージェネレーションズ名乗ってるじゃん?」

未央「莉嘉ちゃんとみりあちゃんは――」

未央「ああ、あと、みくパイセン?もか」

未央「まあとにかく、シンデレラプロジェクトでも、やっぱり先にいた三人と私達ニュージェネレーションズじゃちょっと違うみたい」

未央「だから、認めてもらうためにも――」

未央「私の分も勝ってよ、しぶりんっ!」

凛「……うん」


未央「あと、ブルーナポレオンの人達は皆揃ってたね」

凛「そっか」

未央「負けた人も決勝戦の椅子を賭けて闘う可能性がある相手とも一緒とはねー」

未央「こりゃ結束じゃシンデレラプロジェクトは一歩遅れちゃったかなー」 アハハ

凛「……」

未央「あ、それとブルーナポレオンの人達が通る時メガネ配ってたから拾ったけど、いる?」

凛「いらない」

凛「っていうか、度の合わないメガネなんて欲しがる人いるの?」

未央「さあ……」

未央「やっぱり、ファン的にはほしいものじゃない?」

凛「……貰って何をするんだろう」

未央「かけるんじゃない?」

凛「まあそうだろうけど、度数が合わないと気分が――」

未央「汁を」

凛「汁!?」


未央「あと、夏樹サンはバイクで乗り付けてたしなー」

鈴帆「何ぃ~~~~!!」

鈴帆「それじゃあ被ってもーとるがね!」

凛(もう方言めちゃくちゃ……)

卯月「恥ずかしかった……」

鈴帆「こんなことなら、やっぱり初心に帰って白馬になるべきだったばい~~~!!」

鈴帆「そんでもってセクシーに腰を振る卯月ツツキ双方で来場者の視線を釘付けにすればよかったのね~~~~~!!」

未央「この人脳味噌も馬並みなのね」

凛「多分プチトマトくらいのサイズなんじゃないのかな」


菜々「ウサミン星では、白馬の代わりに白兎に乗るんですよっ☆」

卯月「……ッ!」

鈴帆「安部菜々っ……!」

凛「白兎って……それすっごく揺れるんじゃ……」

菜々「ウサミン星は重力が違うから、白兎さんが地面を蹴る力は地球より真横に使われるの☆」

菜々「その一歩はチーターを凌駕するんですよっ?」

未央「設定がバイオレンスでメルヘン要素薄らいでるッッ」

卯月「……」

卯月(これが……昨日鈴帆さんに言われた安倍さんのファイトスタイル……)

菜々「だから地球では重力が軽すぎて一歩踏み出すと高く飛んじゃうの☆」

鈴帆「相変わらず……卑怯な戦法たいね……」

鈴帆「ウチも卑怯な飛び道具の自覚はあるが、奴はその上を行くっ……」

卯月「見た目だけじゃない……話だけでもない……」

卯月「あらゆる面で、あらゆる話題を、ウサミン星を絡めることで自分の話に持っていく……」

鈴帆「無理矢理話題を奪い取り、全てを自分の“フリ'に使う」

鈴帆「まさにトークバトルの残虐アイドル」

鈴帆「自分の世界に持ち込む天才相手に、どう闘うかお手並み拝見させてもらうばい、卯月しゃん……!」


ちひろ「さあ、ついに始まりますよっ!」

ちひろ「トークバトルショーッッ!!」

ちひろ「今日も実況アナウンサーはブルーナポレオンの川島瑞樹さんと」

瑞樹「よろしく」

ちひろ「私、スーパー事務員千川ちひろがお送りします!」

ちひろ「この番組は、『何時間でもライブが出来る!』モバドリンク製作所の提供でお送りします」

ちひろ「そして、今回のバトルフィールドが、こちらァァァーーーーーーッ!」

ゴゴゴゴゴゴゴ

未央「げえーーーーっ、ステージがせり上がってきたーーーーっ!」

凛「こ、これは……」

ちひろ「これが今回のバトルステージ」

ちひろ「急傾斜デスマッチリングですっ!」


ちひろ「参加者の皆さんには、特殊なブーツを履いていただきます」

卯月「うわ、重たい……」

凛「確かに……」 ガッポガッポ

春菜「見た目は美容院にあるメガネ入れみたいなのに……」

夏樹「……こんなもん履いて何させようってーんだ?」

ちひろ「その靴には軽いスパイクや、グリップを聞かせる特殊なコーティングがしてあります」

莉嘉「へえ」

沙理奈「あ、ほんとだ。ちょっとなら壁にもくっつく」

卯月「わわっ、それじゃあ壁走りなんかも……」

菜々「ウサミン星のときみたいに、壁に貼り付けるようになるかも☆」

ちひろ「何せ一缶飲めば何kmも走った疲れが一瞬で消し飛ぶドリンクを開発した我が社の新製品」

ちひろ「技術の結晶ですからねっ」

卯月「あ……例のドリンク、自社製品だったんだ……」

夏樹「あれの売上で事務所こんだけでかくなったんだとさ」

ちひろ「確かにこのブーツの裏面はものすごく吸着性があります」

ちひろ「ですが――このままだと、ゲームにならない」

ちひろ「これは、『トークバトルショー』ですからね」 ニッコリ


ちひろ「芸能界はまさに戦場ッ」

ちひろ「例えバーターで出たとしても!」

ちひろ「年末年始需要でテレビに出られたとしてもっ!」

ちひろ「少ないチャンスをものにして、しっかり目立たなくちゃいけません!」

ちひろ「ただ黙って話を聞くだけや、相槌を打つだけなら誰にでも出来ます」

ちひろ「大事なのは、会話の主導権を握ることッ!」

瑞樹「わかるわ」

瑞樹「話の中心にいれば、その話題が絡む流れに少しでも面白い余地があれば自分はカットされない……」

瑞樹「何か流れを生み出すネタで主導権を握るというのは、存外大切なこと」

ちひろ「そこで皆さんには、あの斜面で闘いながらトークをしてもらいます」

ちひろ「ルールは簡単」

ちひろ「さきに相手を下のプールまで落下させた方の勝ちッッ」

ちひろ「基本的にルール無用ですからねっ」

夏樹「なるほどこいつはいい感じに狂ってやがるな」

莉嘉「トークも大事だけど、肉弾戦も必要ってことかな」

凛「よもや、トークバトルショーが『トークのバトル』とか『トークでバトル』とかでなく」

凛「『トークとバトル』の略だとは思わなかった……」


ちひろ「トーク要素は至ってシンプル」

ちひろ「真面目に落とし合いながらも、会話の主導権を握る」

ちひろ「真のアイドルだとしたら、それくらい実践できるものです」

ちひろ「今回はウェブ配信ということで、リスナーの方々にも参加していただきますっ!」

ちひろ「ルールは簡単」

ちひろ「リスナーさんは、定期的に現れるかもしれない投票ボタンで、今主導権を握っていると思う方に投票するだけ」

ちひろ「ただそれだけです」

ザワザワ

ちひろ「まず、私や審査員が簡単に投票します」

ちひろ「そして、そこに生放送参加者さんの票数が加味されます」

ちひろ「そして――」

ちひろ「負けた方のブーツからは、遠隔である液体が染み出します」

卯月「ふえ!?」

ちひろ「まずは徐々にグリップ能力を失わさせる液体を流し、次いで滑りやすい液体が染み出てきます」

ちひろ「つまり!」

ちひろ「このトークバトルショーでの勝ちパターンは概ね2つ」

ちひろ「短期決戦に持ち込み、武力を持って相手を落とすか」

ちひろ「持久戦に持ち込み、トーク力を持って相手を落とすか」

卯月「……」

ちひろ「それでは早速行ってみましょう!」

卯月「え!?」

ちひろ「一回戦!」

ちひろ「島村卯月選手対、安部菜々選手ゥゥゥゥゥ!!」

ワアアアアアアアアアアアアアア

卯月「あ、あわわ……」

卯月(はじまるんだ、本戦が……!)

意識飛んでいたし試合開始すらできませんでしたが誤字とかぼろぼろだし寝ます、申し訳ない

艦これとかで一時的に投下ペースは下がりますが、最近眠気に屈しすぎているのでゴリゴリやろうと思います


<346プロダクションメイン広場特設会場>

ワァァァァァァァァ

夏樹「すっげえ声援……」

沙理奈「でもこれ、大半が高垣楓のものかと思うとちょっとムカつくわ……」

莉嘉「……でも、関係ない」

莉嘉「この超満員の視線を最後に一人占めするのは――」

3人(((この私だッッ)))

楓「……」

楓(観客席とは対照的に、後ろの視線、厳しいわね……)

楓「……」

楓(やっぱり、こっちの会場には来てない、か……)

莉嘉「……負けないよっ」

楓「……そう」

楓(この娘も、あの人のプロジェクトの……)

楓「……」

楓「私も、よ」 ポソ

楓(こんなに多くの視線より、今は、ただ――――)


<246プロダクション倉庫裏公衆便所横特設会場>

未央「ちょっと待てーーーーい!」

未央「移動しろとは言われたけど、この扱いの差はなんじゃーーー!」

卯月「うわあ、壮絶……」

凛「確かに広いし観客席があるにはあるけど……」

春菜「確かにこれは差別意識を感じますね……」

ちひろ「えーっと、あちらのAステージの方からクレームが出てますが……」

ちひろ「このステージ、靴のギミックからいろんな液体出したりするじゃないですか」

ちひろ「おかげで次の対決ができるようになるまで時間があいちゃって……」

ちひろ「それに高垣楓さんが出るから観客席も多かったので、ステージを二つに分けたんです」

未央「それにしてもさあ!」

ちひろ「ちゃんとこうして相互に大型モニターとカメラで中継つなげていますから?」

卯月「なんだ、よかった~」 ホッ

菜々「むしろそのおかげでこっちのファンも向こうの会場残ってる人多いよーな……」

春菜「私のファンも、沙理奈ちゃんの応援も兼ねて大分無効に残っちゃいましたからね……」

未央「くっそー、ちひろさん、いい人だと思ったのに……」


P「……」

P「確かに、酷いステージかもしれません」

P「この日陰のステージにくるまでの努力を考ると、そう思うかもしれません」

未央「で、でしょ?」

春菜(あれ?)

菜々(ん?)

卯月(未央ちゃんは……)

凛(このステージまで来られてな……いややめよう、口に出すのは……)

P「……」

P「アイドルとは、そういうものです」

P「激しい戦いに勝利して、辿り着くのも、最初はこういう小さなステージ」

P「あちらのステージにいらっしゃるのは、そのステージを積み重ねて、信頼を得た人達です」

未央「……」

菜々「まあ、そうかもね」

春菜「沙理奈ちゃん、ブルーナポレオンの顔としてグラビア大分頑張ってくれてたし……」

卯月「夏樹さんも、路上でギター弾いたりしてたって聞きますね……」

凛「それに……莉嘉ちゃんも……」

未央「……そう、だね」


P「ですが――」

P「悔しいと、思うことは、いいことです」

未央「プロデューサー……」

P「目の前のステージは、あちらと比べて、低いかもしれない」

P「それが、もしも、不満ならば」

卯月「踏み台にしていく、ですよねっ!」 バッ

未央「しまむー!?」

卯月「私だって!」 シュタッ

卯月「私だって、あっちで輝けるくらいのアイドルになりたいです!」

卯月「それに……思い出したんです、好きだったアイドルさん達は、皆、画面越しでも私を笑顔にしてくれたって!」

卯月「だから私も、あっちのモニターを見てる人たちを、このステージのうえで笑顔にしてみせますっ!」

菜々「ふふ……」 ピョーン

菜々「いいねっ、今まさに青い春☆って感じで」 シュタッ

菜々「ゴングは、いらないですよねっ☆」

菜々「ウサミン星では、二人の心がピョンピョンしたとき、試合は始まるんですよっ☆」

卯月「はいっ、いきますっ!」 ダッ



【1回戦第1試合 ―― 試合開始(ゴング)】


鈴帆「く~~~~っ、やっぱりゴングのきぐるみ着てても、殴打されたら痛かばいね」

未央「そ、それより、あれをーーーーっ!」

鈴帆「げえーーーーっ、これはっ!」

菜々「心ピョンピョ~ン☆」 ピョーン

菜々「ウッサミーン☆」 ピョイイーン

卯月「わわわっ、すごい……!」

未央「あの急斜面であんな跳躍を……!?」

鈴帆「た、確かにあれはリスキーな動きではあるばい……」

鈴帆「でも、上から顔面を蹴られたらバランスを崩して真っ逆さまである以上、うかつに近づくことはできん」

鈴帆「ばってん、トークで追い込もうにも、すでに奴はウサミン星の話題を始め自分の土俵に持ち込んどるばい!」

未央「卯月ーーーっ、その宇宙レスリングに付きあわずにさっさとケリをつけてーーーー!」

鈴帆「惑わされずに、奴の会話をぶった切るんじゃーーーー!」

菜々(無駄無駄☆) ホッ

菜々(何度も世界の隅に追いやられてきたんだもん☆)

菜々(その度に、ウサミン星の話題で居場所を奪い取ってきた……) ホッホーウ

菜々(どれだけ厳しい話題でも、ウサミン星をねじ込むことが出来ますよーーー!)

菜々(みててくださいね、プロデューサー!) ヒャアッフーーーーーーウ


菜々(得意のスタイルは昔からず^ーっとAKIBA)

菜々(ミニスカートだって、スカート翻すダンスだって、いっぱいやった……)

菜々(誰よりも足を晒した!)

菜々(今のジュニアアイドルが、まだ精子だった時代から、ずっと!)

菜々(足だけは、磨き上げてきたッッ)

ビョオオオーーーーーン

未央「た、高いッ!」

卯月「わあ……」

菜々「重力が違うせいで、ウサミン星でほど飛べないですよお!」

菜々「で・もぉ……」

菜々「ウサウサウサウサウサウサウサウサ」 ドコドコドコドコドコドコ

菜々「ウサウサウサウサウサウサウサウサ」 ドコドコドコドコドコドコ

菜々「ウサウサウサウサウサウサウサウサウッサミーーーーーーン」 ドゴァァァ

菜々「誰かを足場に何度も浮くのはできるんですっ☆」 キャハ

未央「し、しまむーーーーーーっ!」

鈴帆「う、卯月ーーーーーっ!」


春菜「いや、あれをよく見て下さい」 スチャッ

未央「おわーーーっ、あれは!」

鈴帆「卯月しゃんが、しっかりと立っておるーーーーっ!」

春菜「メガネをしていれば、この展開もしっかり見れていましたよ」

春菜「メガネどうです?」

未央「ちょっとほしくなってきた」

鈴帆「しかし、どうやって……」

凛「安定感」

鈴帆「ん?」

凛「卯月の動きには、謎の安定感がある」

凛「それこそ一度根付いたら、なかなか動かせないような」

未央「それこそ将来総選挙とかしても、順位が変わらないんじゃないかってくらいに不動のね」

凛「相手がふわふわ浮いてきても、卯月は変わらない」

凛「ただ純粋に笑って地に足の着いた戦いをする」

凛「それが、卯月……!」


菜々「……っ!」 ビョン

菜々(高く跳ぶために軽量化しすぎたのが裏目に……っ!)

卯月「あのっ!」

菜々「!?」

卯月「ウサミン星って、重力違うんですよねっ」

菜々「!」

菜々(僥倖ッ)

菜々(向こうからトークを仕掛けてきたっ)

菜々(やはり中空への攻撃対処はまだできてないっ!)

菜々(このままウサミンワールドに引きずり込むッッ)

菜々「そう、ついでに酸素濃度なんかも違うんですよっ♪」

寝落ち申し訳ない。
ちょいちょい眠気に負けて誤字とかおかしなところがあるのは目を瞑っていただければ……


未央「ああ~~~~~っ」

未央「ダメだ、すっかり話の内容がウサミン星一色に……」

鈴帆「そんでもって、あの飛び跳ね……」

鈴帆「まさにこのトークバトルショーのために生まれてきたようなアイドルたい……」

凛「これが……アイドルのバトル……」 ゴクリ

鈴帆「もともと卯月しゃんのブロックにはヤバいのが集まっとったばい」

鈴帆「安部菜々のみならず、高垣楓も、木村夏樹も」

鈴帆「全員が、己の世界ば持っとる」

鈴帆「そこに引きずり込み、個性を存分にアピールし、相手の個性を完封する」

鈴帆「まさに残虐アイドルはびこるブロックたい」

未央「しまむー……」

凛「そっか……デビュー前の私達じゃ、この話題と言えばこのアイドル的なものがないんだ……」

鈴帆「このトークバトルショーでそれをアピールし、フレッシュさで話題を掻っ攫えれば、まだチャンスはあったと」

鈴帆「しかし……さすがは安部菜々。新人にも容赦がないばい」

鈴帆「伊達に貪欲に話題を奪う『ハイエナのウサミー』の蔑称を持っとらんね……!」


菜々(いけるっ!)

菜々(今までで一番調子がいいっ!)

菜々(ウサミントークもキレッキレ)

菜々(負ける理由が見当たらな――)



ズルッ



菜々「……えっ?」

菜々(足が滑――)

菜々(違うッ)

菜々(ブーツのグリップが……!)

菜々(何で!?)

菜々(今、間違いなくトークを占拠してるのはウサミンなのに――!)


卯月「わあ、それじゃあウサミン星では、毎月お月見団子が食べられるんですねえ」 パァ

菜々「……っ!」

菜々(そっか……)

菜々(私が絶好調だったんじゃない……)

菜々(この娘が――)

菜々(この娘が喋りやすいように、質問を投げかけてくれてたんだ……!)

菜々(謂わば、こちらはゲストで、この娘が司会のトーク番組っ……)

菜々(その構図なら、主導権を握っているとみなされるのは――――!!)

鈴帆「はは……」

未央「?」

鈴帆「まっこと恐ろしき少女ばい」

鈴帆「ウサミン星を封じるのではない」

鈴帆「ウサミン星に話題を占拠させながらも、主導権を奪い取っとるばい」


凛「……違うよ」

鈴帆「ふえ?」

凛「多分、主導権を奪うとか、そんなんじゃない」

凛「卯月は、ただ――」

凛「きちんと、“対話'をしてるだけ」

凛「闘いながらも、相手の話に興味を持って、相手のことを知ろうとしてる」

凛「ただ、それだけだよ」

未央「それを平然とやってのけるのが、しまむーのすごいところだよねえ」 ハハ

仕事あるしとりあえずここまで

眠いしあんまりやれませんが投下します


菜々(滑るっ、もう地面にまともに足をついてられないっ) バッ

菜々「そしてッこれがッッ」

菜々「ウサミン星の成人の儀!」

菜々「歳の数だけの――」

ドコドコドコドコドコドコ

菜々「激励ピョンピョンキーーーック!」

卯月「きゃっ……!」

未央「ふらついたっ!」

菜々「アーンド……」

菜々「きゃろっと☆すてぃっく☆くらーーーっしゅ!」

鈴帆「重力を加えての、膝を逆にへし折りに行くローーーーーーーッ」

未央「こ、これにはたまらずしまむーの体が崩れるーーーーーっ!」

菜々「かーらーのー」 グルングルングルン

菜々「エアスピンドライバーーーーーーーーッ!!」 ズドーーーーーーン


菜々「っはあ……はあ……」

菜々(頼むから立ってこないで……)

菜々(こっちはもう若くないし、無駄に飛び跳ねてバテバテだし、足ももうパンパン……)

卯月「」 ズズズ

未央「駄目、このままじゃ倒れたまま滑り落ちるッ!」

鈴帆「目を覚ますばい、卯月しゃーーーーん!!」

菜々(お願い、落ちてっ)

菜々(もう、後には引けない……)

菜々(この歳まできたら、もう引けないっ……)

菜々(だからどうか……このまま、せめて、高垣楓と闘う機会を――)


ガシッ

凛「!!」

未央「しまむー!」

卯月「あわわ、危うく落ちかけました……」

菜々「……っ!」

菜々(ヘリを掴んで一命を……!)

菜々(でも、こっからあのギリギリまで飛び跳ねる余力は、多分、もう……)

卯月「さすが、ウサミン星の成人の儀ですねっ!」 キラキラー

菜々「……」

菜々「ふふ」

卯月「ほえ?」

菜々「結構ピンチな状況なのに、笑う余裕はあるんですね」 クスクス

卯月「ウサミンさんこそっ!」 アハハ

未央「もうすっかりウサミンってフレーズしか覚えてないし、相手の名前忘れたなしまむー」

鈴帆「目ぇ輝かせて聞いてた割に言うほど頭に多分入っとらんなあいつ」

凛「そ、そこもまた魅力なんだよ……多分」


菜々「……卯月ちゃんは……」

菜々「こういう戦い、得意なのかな?」

卯月「ふえ!?」

卯月「そ、そんなことないですよっ!」

卯月「……あ、でも」

卯月「転んでも、立ち上がるのは得意かもしれません」 アハハ

菜々「……ふふ」

菜々「そっか」

菜々(……もう、まともな攻撃は出せそうにないなあ)

菜々(でも……)

菜々(ウサミン星からやってきた、スーパーアイドルだもんね)

菜々(このまま……無様に足を滑らせるくらいなら……)


菜々「卯月ちゃん!」

卯月「ふぁい!」

菜々「成人の儀式・エアスピンドライバーを受けきった卯月ちゃんを!」

菜々「ウサミン成人に認定しますっ☆」

卯月「ええ~~~~~!?」

春菜「あ、このコメント閲覧用V……」

未央「すごい……草でいっぱい……」

凛「あー、なるほど、成人と星人を引っ掛けたんだ……」

菜々「……これが、その認定証書」 グッ

凛「構えたッッ」

鈴帆「ここにきて、安部奈々が完全に主導権を……!」

菜々「ウサミン星では、はあとのマークで受け取るんですよ」

菜々「こう、頭の上で、両手でハートのマークを作って……」

卯月「こ、こうですか?」

菜々「そうそう、上手上手」 フフ


菜々「それじゃ――受け止めてねっ☆」 ダッ

未央「行ったッッ」

菜々(足はガクガクだけど、斜面を駆け降りるだけならなんとかなる……)

卯月「……っ」 ドキドキ

菜々(……不思議だなあ)

菜々(追い込まれてるのに、なんか、楽しい)

菜々(……相手が卯月ちゃんだからこそのやりとりが、できたからかな)

菜々(もっと……)

菜々(ウサミン星の話をするにしろ、相手のこと、いろいろ知って興味を持ってきたらよかったな……)

菜々「うー……」 バッ

未央「跳ぶんだッッ」

凛「いや、低い……」

春菜「あれだと、顔面への膝蹴りに……!」

菜々(意地でも……足をもっと高くあげるっ!)

菜々「さああああああっ」

ドガッ

凛「ドロップキックッッ」

未央「しまむー!」

鈴帆「あのハートマークを撃ちぬいたと……!」


卯月「も……無理っ」 バチッ

未央「弾いたッ! まるでバレーのトスみたいにっ!」

鈴帆「後方に倒れてまうばい!!」

菜々(もう、多分、何も絞り出せないなあ)

菜々(でも、せめて)

菜々(最後まで、ウサミンアイドルとしてっ!)

菜々「みーーーーーーーーん!」 ビョオオーーーーン

未央「しまむーのハートを踏み台に、さらなる跳躍!?」

鈴帆「いや、ばってん、あの角度で飛び上がったら……!」


菜々(いつから……ウサミン星を喋っても、楽しくなくなってたのかなあ)

菜々(いつまで経っても下積みで、一生バイトで終わりそうで、変に焦ってた)

菜々(相手の顔も、自分の顔も、ろくに見ないで)

菜々「あ……」

菜々(こんなに、跳べたんだ)

菜々(それに……)

ウサミーーーーン

菜々(こんなザマなのに、応援に来てくれてる人、いたんだ……)

菜々(何にも、見えてなかったなあ)

菜々「菜々は、あのウサミン星まで帰るから!」

菜々(思ったより、重力が来ない)

菜々(このまま空、飛べたらいいのになあ)

菜々「じゃあね、卯月ちゃん!」

菜々(ああ、気持ちいいなあ)

菜々(跳べるとこまでただ飛び上がっただけなのに)

菜々(伸ばした手は、結局何も掴めないままなのに)

菜々「後は任せたわ!」

菜々(ずうっと憧れていたお月様にも、今だったら、指先くらい、とどくかな――――)



ドッパーーーーーーーーーーン


未央「落ちた!!」

凛「何で……」

凛「自爆……?」

春菜「……負けを悟ったんでしょうね」

鈴帆「だけど、それでも、このステージを演じきった」

春菜「あくまでもウサミン星人として飛び回り、最後はよく分からない名目で最後の一撃」

鈴帆「どちらが先に落ちるかというハラハラ感と同時に、画面から消えるほどのスーパージャンプで心をつかむ」

鈴帆「更にはそのまま負けることで水でメイクが落ちることもなく、また実質自爆に草を生やすリスナーもおるばい」

春菜「最後の方の立ち回り、負けてなお地下アイドルとしてのキャリアを感じる老練のテクニックでしたね」

凛「それよりも、卯月は――」

卯月「あ、あわわ」

未央「またしても縁にしがみついてる!」

鈴帆「卯月しゃんの勝利ばい!」



【1回戦第1試合 勝者・島村卯月】


卯月「……何だかあんまり勝ったっていう実感が……」

凛「まあ、そうかもね」

未央「途中まで、いつものしまむーって感じで話聞いてただけだもんねえ」

卯月「ウサミンさんも、最後は自分から跳んで脱落してくれたような気がするし……」

卯月「予選でも、自分で勝ったんじゃなくて助けられただけだし……」

凛「卯月……」


P「それも立派な、貴女の一つの力ですよ」

卯月「プロデューサーさん……」

P「人間とは、全ての人を助けられるわけではありません」

P「助けてもらえる人というのは、相応の魅力があるということです」

未央「そうだよ、しまむー!」

鈴帆「ウチも、卯月しゃんを見ていると、協力したろかなって気分になるばい」

卯月「そ、そうかな…….///」 テレッ

未央「でもプロデューサーが言うとイマイチ現実感がないよね」

凛「いろんな人を助けまくってそうなイメージが……・」

P「……そんなこと、ありませんよ」

P(最後まで、面倒を見て助けてあげられなかったヒトなら――――)


<Bブロック>

楓「……」

楓(あの娘の笑顔も、仕草も、会話のテクニックも、周囲との関係性も…・…)

楓(全部、真似が出来ないもの)

楓(…あの人の隣で、そうして笑っていることも……)

楓「……」

楓「……」 ギリッ

楓(負けられない)

楓(負けたくない)

楓「絶対に…・…」 ズズズ


夏樹「向こうのブロックが気になる、ねえ」

夏樹「気持ちはわかるけどさ」

夏樹「別に次に進むのは、アンタに決まったわけじゃないだろ?」 ニイ

楓「……」

夏樹「そのゴミを見る目、いいねえ」

夏樹「倒し甲斐がある」 ヒョイ

楓「……」 シュタッ

ちひろ「今、両者がリングインッ!!」

夏樹「こんな髪の毛してる時点で見世物みたいなのには慣れっこだ」

夏樹「アウェーってのも、テンション上がるねえ」

夏樹「覚えていきなよ、お上品なアイドルさん」

楓「…………」

夏樹「ロックンロールってのは、油断したえら~い奴をぶん殴るのが得意ってな」 ニヤリ



【1回戦第2試合 ―― 試合開始(ゴング)】

げんかい、ねます

アニメ効果でやる気出たのでちょいちょい進めます


夏樹「346プロのエースアイドルであることを、尊敬してるからさ」

夏樹「だから――」 スチャッ

ちひろ「わわっ、鉄パイプですか!?」

瑞樹「いえ……あれは……」

夏樹「ステージには、こーいうもんは持ち込んでいーんだろ?」 ニィ

ちひろ「マイクスタンド……!」

瑞樹「ライブステージに使う小道具は持ち込みが可能……」

瑞樹「おそらくその中でも有数の破壊力を持つ得物があのマイクスタンド……」

ちひろ「それなら演出に使う火薬でも使うほうが効率はいいような」

瑞樹「しれっととんでもないこと言うわね」


瑞樹「でも実際、アイドルがトークバトルショーで火薬を使って殺しにかかったら、さすがに次から仕事なくなるわ」

ちひろ「そうですねえ」

瑞樹「でも、あのマイクスタンドなら」

瑞樹「こと、木村夏樹においては」

夏樹「こんなナリだしさ」

夏樹「意外と悪くない組み合わせだと思わないか?」

楓「……ええ」

楓「でも、別に、勿体ぶらなくても」 クス

夏樹「ま、そーだな」 カッ

瑞樹「マイクスタンドを蹴ったッ」

ちひろ「当然マイクスタンドは大きく円を描くように動――」

夏樹「こっちは挑戦者、オープニングアクト様さ」 ヒュッ

夏樹「遠慮無く先にヤらせてもらおうかな」 ヒュン

沙理奈「まるでヌンチャクのようにマイクスタンドを……」

みりあ「わあ、すごい……!」

夏樹「喰われちまっても知らないぜっ」 ダッ


ズガガガガガガ

ちひろ「あーっと、どんどん振り回されるマイクスタンドのスピードが上がっていく~~~~っ」

瑞樹「射程に入るもの全てを叩き潰さんばかりね」

夏樹「マイクスタンドを持ちながら踊るくらい、ロックスターならば余裕」

夏樹「可愛いキャピキャピアイドルになんてなれないけどッ」

夏樹「別の世界を切り開けるってことを、アンタに勝って証明するッ」 ダッ

瑞樹「制空権に入ったッッ」

夏樹「白い暴動(ホワイト・ライオット)ーーーーーーーッ!!」

ドゴォ


瑞穂「なっ……!?」

ちひろ「攻撃力を”いなし”ましたね……」




卯月すごい……」

凛「何をどうしたら、あんなふうに…・…」

未央「そういえば聞いたことがある……」

未央「高垣楓は元々実力派トップアイドルなのに、集中力がそれについてきていない、と」

凛「それって単なる注意力散漫なんじゃあ」

未央「たしかにね」

未央「でも――高垣楓の場合は、そうじゃない」

未央「例えば今日の夕飯のことを考えていても、そういう余計な考えがライブに影響を与えることはない」

未央「まさに超トップクラスの才能がある者にだけ許された、圧倒的王者の風格があるサボり方ッ」

未央「他のことを考えていても天辺が取れる――それが彼女の底知れぬ怖さッ」

鈴帆「そんな少女が集中しとるんばい」

鈴帆「ちょっと速い程度のマイクスタンドくらい見切れないでどうすっと」

未央「ましてや、他のことを考えながら仕事をきっちりこなすために、事前に相手の出方を予測したりもしてきてるはず」

未央「染み付いた技術を駆使すれば、一定リズムで振り回されるマイクスタンドくらい余裕で止められるッ!」

凛「なるほど……」


楓「ホワイト・ライオット――クラッシュかしら」

鈴帆「それに加えて、あの博識勤勉さ」

菜々「なんでも、前のプロデューサーさんと、一緒に色々勉強したらしいですよ」

卯月「ウサミンさん!」

鈴帆「どんな話題にも対応出来る彼女をトークで負かすのもまた、至難の業ばい」

菜々「……確かにそれもあると思います」

菜々「実際、思わぬトークの切り出しに、夏樹ちゃんも嬉しさ半分戸惑い半分という表情」

菜々「でも、その表情と場の空気を、楓ちゃんは――」

楓「まったくほんと、ロックでもない」 ププ

鈴帆「くだらないギャグを持ちだして、オチを全部持っていく」

鈴帆「そして、一区切りをつけてしまうことで、その話題を連続して使いにくくする」

鈴帆「強引に自分の領域であるダジャレを使うだけでなく、相手まで封じ込める老練のテクニック」

鈴帆「一体どう立ち向かうのか、見せてもらうばい……」


ズルッ

夏樹「!?」

みりあ「え!?」

莉嘉「滑った……!?」

沙理奈「なんだかんだでファンばかり」

沙理奈「数が圧倒的有利に繋がるこのバトルで、しかも接戦」

沙理奈「どっちの方が優勢扱いされるかは自明の理よ」

楓「……」 ガッシーーーン

未央「げえーーーーっ、あれはっ!」

鈴帆「リフトアップされた木村夏樹の、ノックダウンされて横になった酔っぱらいが如き姿勢ッ!」

菜々「まるで飲み放題で調子にのってサワーばっかり頼み潰れる大学生みたいだからってことで、ついたフェイバリットホールドの名前は――」

楓「サワーブリッジッ」 ボキボキボキ


楓(……)

楓(もう、誰にも負けないアイドルになれた……)

楓(……)

楓(プロデューサー……)

夏樹「」  ドサッ

ちひろ「木村夏樹選手、ダーーーーウン」

瑞樹「気絶したまま斜面を滑っていく……」

瑞樹「このままKO勝ちを宣言した方がいいんじゃ」

ちひろ「まあ、落下シーンがあった方が映えますから」

瑞樹(いつか問題映像に発展して炎上しなきゃいいけど)


楓「……」

楓「ライブと言えば」

楓「ライブハウスによって、出てくるお酒って異なるのよね」

莉嘉「!」

沙理奈「一人トーク……追撃する気!?」

ちひろ「あーっと、ラジオの仕事で鍛えたひとり語りによって、木村夏樹選手の靴からグリップ力が消えるーーー!」

ちひろ「確実にとどめをさす……ということでしょうか」 ゴクリ

瑞樹「わかるわ……さすがは、エースアイドル……」

瑞樹「油断なんて、ないのかもしれない……」


楓(……)

楓(完勝できた)

楓(この勝利も、プロデューサーのおかげ)

楓(……)

楓(この大会で圧倒的な優勝をして、もっと大きくなったら……)

楓(ワガママを、言えるくらいのアイドルになれるかしら)

楓(プロデューサーを……指名できるくらいに……)

ガゴッ

楓「……!?」

夏樹「アンタの相手は私なんだしさっ……」

夏樹「目ぇ離すなよ、寂しいだろ」


ちひろ「は、入ったァァァァ~~~~~!」

ちひろ「さすがにこれは読めなかったんですかねっ」

ちひろ「木村夏樹選手の拳が、ついに高垣楓選手の頬を捉えましたッッ」

沙理奈「そりゃ読めないわ……」

みりあ「すっごい……」

みりあ「マイクスタンドって、あんなこともできるんだ……」 ウワァ

莉嘉「落下地点ギリギリでマイクスタンドを突き刺して、滑った勢いを使いマイクスタンドを使って回転」

莉嘉「そのまま上向きに変わった勢いを見方に、力任せにぶん殴る、かあ」

楓「無茶苦茶で、デタラメ……ね」

夏樹「そういうもんさ」

夏樹「アイドルも、ロックンローラーもな」


夏樹「でも、まあ、感謝はしてるよ」

楓「?」

夏樹「アンタが高垣楓だから、たちあがれた」

楓「……」

夏樹「一撃入れるだけで盛り上がる」

夏樹「もしも無理でも、最強王者のアピールになる」

夏樹「流れやカメラ映りを考慮しても、無様に粘ることが許される」

夏樹「だからまた立ち上がれた」 スッ

莉嘉「かまえた!」

沙理奈「徒手空拳……!」

夏樹「マイクスタンドほど威力はないけど、こっちの方が手数を出せる」

夏樹「さばかれるなら――さばけないほどの手数で押すッッ」 ダッ

瑞樹「行ったッッ」

夏樹「ドララララララララァァァッ」 ドコドコドコドコドコドコ


楓(圧倒的な手数)

楓(なんとなくで他事を考えながらさばける量じゃない)

楓(集中しても、全部を防ぐのは――――)

ガシッ

夏樹「!?」

楓「確かに、全部さばくのは無理……」

楓「だから、捕まえさせてもらったわ」 フフ

夏樹「こんにゃろッ――――」 ゾクッ

夏樹(こっちは連打のためにソッコー殴った拳を引いてるってーのに……!)

夏樹「捕まえる方が難しいだろ……!」

楓「そうかしら?」

楓「……ああ、悪役っぽい流れならば、こう言っておくべきだったかしら」

楓「無駄な努力、ご苦労様」 ニッコリ

ドッゴォ!

ちひろ「ヘッドバットォォォォォォ」

楓「ワックスでガチガチのその頭と、どっちが堅いか勝負してみてもよかったかもしれないわね……」

楓「どっちが強いか、わくワックスる対決だったのに……」 フフ

夏樹「ははっ……」

夏樹「グレートだな……」 グラァ



ドッパーーーーーーーーーーーーーーーン



ちひろ「決着ゥゥゥゥゥーーーーー!!」

ちひろ「1回戦第2試合、一撃こそ入れられど、高垣楓選手がその圧倒的強さを見せつけ2回戦進出を決めましたッ!」



【1回戦第2試合 勝者・高垣楓】

きりがいいので一旦終わります


どうでもいいことだけど「ゲェーッ」じゃなくて「げぇーっ」なのはなんでなんだろう

>>526
オ……オレにもよくわからないんだ
眠気の神にそそのかされて そのまま投下させられたんだ

投下します


夏樹「……ッ」 バッ

夏樹「……ここは……」

みりあ「あ、起きた!」

ちひろ「あ、恐い落下の仕方してましたけど、何とか無事みたいですね」

夏樹「……」

夏樹「……そっか、まけたのか……」

莉嘉「……」

夏樹「悔しいなあ、くそっ」

莉嘉「……笑ってるじゃん」

夏樹「笑えるさ、全部出しきってこのザマならな」

夏樹「ああ、でも、くそ」

夏樹「ちったぁ見なおしたかよ、くらい言える一撃入れたかったんだけどなあ」

莉嘉「高垣楓相手にそんなこと言えるってすごいなあ」

みりあ「んー……」

みりあ「莉嘉ちゃんなら出来ると思うけど」

莉嘉「え!?」

みりあ「だいじょーぶ!」

みりあ「お姉ちゃんとの舞台が近いからって、キンチョーしなければ!」

みりあ「いつもの莉嘉ちゃんらしく、ゴーゴーだよ!」

莉嘉「……だね」

莉嘉(初戦は大事)

莉嘉(でも……同じくらい、ステージをかけた準決勝も大事)

莉嘉(しっかりと、見ておかなきゃ)


春菜「ついに私達の出番ですね!」

凛「え、あ、うん……」

春菜「緊張してるんですか?」

春菜「メガネかけるとリラックスできると」

凛「いらない」

春菜「これはあの音瓶大学の研究によって科学的にも」

凛「いらないから」

春菜「……」

春菜「わかりました」

春菜「アイドルは舞台裏で争うことがあるように、テレビじゃプロレス的に争っても水面下で仲がいいこともよくあります」

春菜「ですので!」

春菜「プライベートでこれからどうなるかはともかく!」

春菜「今このリングの上では徹底的に叩き潰す怨敵とみなしますっ!」 ビシィ

凛(調子狂うな……)


春菜「ふっふっふ」

春菜「私には秘策があるんですよ」 キラーン

凛「……?」

春菜「あちらの会場に、ブルーナポレオンのファンがいっぱいいる」

春菜「一見するとこの場にいないのは不利にも見えますが、言うならば場外のやりとりを見られないということ!」

春菜「そして、途中からはファンもかけつけるという寸法ですよ」 ククククク,キラーン

凛(光った……)

卯月(メガネが光った……)

未央(わざわざメガネを触って光るように位置や角度を調整した……)

菜々(こだわりがあるんですねえ……)


春菜「比奈ちゃんっ!」

比奈「準備万端っすよ~」 ゴソゴソ

鈴帆「な、あの袋はーーーー!!」

春菜「私は先程の四人みたいに、勝手にリングにあがったりはしません!」

春菜「さあ、モニターの向こうのちひろさん、コールを!」

ちひろ「なんて進行にやさしい……」

瑞樹「伊達にそこそこ露出してないわね」

ちひろ「それでは、順に入場いただきましょう!」

ちひろ「まずは奇数コーナー!」

ちひろ「ブルーナポレオンのトーク担当!」

ちひろ「1にメガネ2にメガネ、隙あらば100までメガネ!」

ちひろ「彼女のメガネから逃げられるか!?」

ちひろ「最終予選順位4位、上条春菜ァァァァ~~~~~!」

春菜「比奈ちゃん!」

比奈「うぃっす!」 ブワァーーー

未央「ゲェーーーー! 紙吹雪ばりにメガネを投げているーーーーーっ!」

春菜「さあさあ皆さん、メガネをどうぞっ!」


ちひろ「続きまして偶数コーナー!」

ちひろ「クールな瞳に熱いパッション!」

ちひろ「キュートな少女が殴りこみ!」

ちひろ「出演番組・ステージともに一切なしッ!」

ちひろ「勢いに乗って根こそぎ下克上を果たせるか!」

ちひろ「時代を変えるは我にありッ!」

ちひろ「最終予選順位8位、渋谷ァァァァりィィィィンンンンンンンンン!!」

凛(は、恥ずかしい……)


春菜「っとと」

春菜「正直この斜めのリングで動ける程の身体能力はないですけど……」

春菜「メガネがあれば、こんな斜面も大丈夫なんですよっ!」

凛「宗教じゃん、もはや……」

ちひろ「それでは、第3試合!」

ちひろ「ロボトルぅ~~~~」

瑞樹「多分若い子は知らないしツッコみようがないわよ」

ちひろ「ふぁいと……」

瑞樹「露骨に凹まないでよ」

ちひろ「気がついたら若さってなくなっているんですね……」

瑞樹「分かるわ……」

春菜「あっれー!?」

春菜「ゴング鳴りましたよ!?」

春菜「なんかこっち無視してそこそこリスナー受けしそうなトーク始めようとしてません!?」




【1回戦第3試合 ―― 試合開始(ゴング)】


春菜「さて」

春菜「凛ちゃん……」

春菜「あ、渋谷さんって呼んだ方がいいですかね」

凛「え?」

凛「別に好きなように呼んでいいけど……」

春菜「じゃあフェルナンデス」

凛「なんで」

春菜「それでフェルナンデスさんは」

凛「そのまま進行しようとしないで」


春菜「フェルナンデスは不服ですか?」

凛「そりゃ、まあ」

春菜「それじゃあメガネの似合う渋谷凛ちゃんって呼ぶことにしますね」

凛「待って」

春菜「それともやっぱりフェルナンデスの方が」

凛「ムチャな要求を最初にして小さな要求押し通すテクニックなのかもしれないけど、言うほど小さくないからね」

春菜「それで、メガネンデスさんは」

凛「混ざってる」

春菜「略してメガデスさんは」

凛「どちらかというとそれさっきの木村夏樹さんの領域じゃ」


凛「……っとと」 グラッ

凛「……」

凛「え?」

凛(今、なんで、何もないのにふらつい――)

未央「しぶりーーーん!」

未央「相手のペースに飲まれちゃ駄目!」

未央「さっきから、全部メガネワールドに吸収されてる!」

凛「!」

菜々「うーん、なかなか大胆なことしますねー」

菜々「ナナと違って、自分のトークに引きずり込む際に肉弾戦は仕掛けてない」

菜々「相手のバランスを崩しにくいというデメリットがあるんですけど……」

菜々「殺気を隠し、気付かず自分の領域に引きずり込むことに注力して、メリットにデメリットを上回らせてますねっ」

卯月「すごい……」

鈴帆「あれが……テレビにも出てる、ブルーナポレオンっちゅーことばい」


春菜「どうしましたか?」

春菜「やっぱり乱視でよく見えていないからふらついているのでは?」

春菜「そんな貴方にはこれ」

凛「だからいらないって」

春菜「2000年メガネ」

凛「本当に心からいらないっていうか乱視全然関係ないし!」

春菜「世紀末から未来を見通すメガネをかければ、まあ概ねなんとかなる気がしますっぽい」

凛「そこだけ弱気なんだ……」

凛「……ハッ!」

凛(ま、まずい……)

凛(完全にペースを握られてる……) グラグラ

凛(なんとかしないと、為す術もなく――――!)


凛(そうだ、卯月みたいに……)

凛「でも、そんなメガネ一体どうやって……」

春菜「いやー、これ、2000年を記念して作られた色物メガネで」

春菜「実は親戚のおじちゃんが買ったやつだから、私には度が合わないんですよねえ」

春菜「おじさんったら、これがお年玉代わりだーなんて言っちゃって」

春菜「まったく最高のお年玉ですよ!」

凛「あ、嬉しいんだ」

凛「……」

凛(しまった、ついツッコミを――)

春菜「そりゃ嬉しいですよ!」

春菜「確かにお金をもらえるのは嬉しいですけど……」

春菜「お金をもらうより、自分のために誰かが用意してくれた品物をもらう方が、嬉しいってなりませんか?」

凛「うっ……た、確かに……」

春菜「メガネンデスさんにも、そういうのあるでしょ?」

凛「そのアダ名まだ生きてたんだ」

春菜「ほら、小さい頃、それこそアダ名をつけあった娘が転校とかして、その際に鉛筆もらったりとか……」

凛「そういえば昔、手作りのバトエンを……」

春菜「ああ、100億万ダメージとかの」

凛「いや、さすがにもうちょっとバランス考えたやつだったから……」


未央「ぐ、ぐむーっ」

未央「まずいよ、終始相手ペースだ」

鈴帆「安部菜々と違って、メガネをごり押すボケからツッコミまで、あやつは幅広くできる」

菜々「バトルスタイルや、ポジションはまだ不透明」

菜々「でも、メガネという武器はある……」

菜々「今の露出くらいが、一番どこからでもトークで攻められる時期ですよねえ」

鈴帆「なにより、渋谷凛もまたボケからツッコミまでいけてしまうのが裏目ばい」

未央「確かに……」

未央「凛が手を変えるのに合わせて、立ち位置を変えられてる……」

卯月「それに……なにか、全体的に、堅い気が……」

未央「確かに……」

鈴帆「似たようなゴリ押しタイプの安部菜々に、卯月しゃんが勝利しとるばい」

鈴帆「意識してもーて、自分のスタイルを貫けとらんのかもしれんとね」


卯月「凛ッちゃーーーーーん!」

凛「!」

凛「卯月……」

卯月「思い出して!」

卯月「これは、トーク『バトル』ショーだよー!」

未央「自分のスタイルを貫いてけーーーっ!」

凛「バトルショー……」

凛(そうだ……そうだよ……)

凛(律儀に舌戦で挑まなくても!)

凛「直接叩き潰せばいいっ」 ダァッ

未央「よし、そのままぶちかませーーーーっ!」


凛「カーフブランd――」 ズルッ

凛(しまっ……!)

春菜「くく……」 キラーン

春菜(やはり焦って肉弾戦に出ましたか)

春菜(でももう遅いですよっ)

春菜「そのまま滑って落下して下さいッ」

春菜「水中メガネでよければいくつでもお貸ししますよっ!」

凛「お、落ち――――」

凛(卯月みたいに、ヘリを掴m――) スカッ

凛「……っ!」

凛(ああ……私じゃあ、卯月みたいに――――)



ドッパーーーーーーーーーーーーーーーン


春菜「イエス!」 ガッツポ

春菜「これでまず1勝!」

春菜「あとは沙理奈ちゃんが勝利すれば、ブルーナポレオンは2勝!」

春菜「しかも1人は確実に決勝戦に……!」

春菜「さーて、勝利の宣言を――」

ガシッ

春菜「……え?」

凛「危なかった……」

春菜「な、なんで!」

春菜「落ちたはずじゃあッ……!」

凛「紙吹雪代わりに宙を待っていたメガネの残骸がなければ、落ちていたと思うけど……」

春菜「!」

春菜「そのフレームの歪み……」

春菜「まさか!」

春菜「メガネのツルを、ヘリに引っ掛けたというんですかッッ!!」

凛「さすがオススメ、いいフレーム使ってるよ」

凛「人一人ぶら下がってもなんとかなるんだもん」

凛「……まあ、さすがにもげそうだったから、ケータイは落とさなくちゃいけなかったけど」


凛「この高さで、決めるッ」

凛「子牛の焼き印押し、なんて軽さじゃない!」

春菜「暴力に訴えるのよくないですよ!」

凛「何を今更!」

凛「ガーデニングと花屋の手伝いで培った、土いじりによる筋力で攻めるっ!」 クワッ

凛「カーフ・ガーデニングーーーーーーッ!」 ズガァッ

凛「……」

凛「!!」

春菜「フフフ……」 キラーン

春菜「なかなかにやりますねえ」 ガバッ

卯月「そんな……」

未央「効いてない……だと……」

春菜「ですが!」

春菜「呑気にトークしてただけあって、奇襲対策はバッチリなんですよ!」 バッ

未央「ゲェーーーー! 体中にメガネが!!」

春菜「防弾メガネ……」

春菜「強化ガラスのメガネ達が、私の体には巻かれています」

春菜「例えどんな衝撃だって、メガネが全て吸収してくれるのですよっ!」


春菜「どうです?」

春菜「バトルにおいても、メガネはとても有用なんです」

春菜「メガネが必要じゃない場面なんて、ないんですよ!」

未央「……ん?」

未央「し、しぶりーーーん!」

凛「?」

卯月「?」

卯月「……!」

卯月「り、凛ちゃん!」

卯月「スカート!!」

凛「スカート……?」 ソッ

凛「……」

凛「!?!?!?///」

春菜「あー……」

春菜「メガネ一本で体を支えるのに夢中で、ギミック付き足場の側面が機械仕掛でネジとかいっぱいなことに気が付かなかったんですね」

春菜「裂けちゃってますよ、スカート」 ニッコリ

眠気の神が襲ってきてるので中断して寝ます
次のキン肉マン来月とのことなので、それまでにスレが終わるといいな

すでに眠たいので、少しだけ投下します


凛「~~~~ッッ」 ペタン

春菜「ふっふっふ」

春菜「やはりまだ素人に毛が生えたようなもの」

春菜「今までの比ではない性的視線に耐えられないみたいですね」 キラーン

春菜「今楽にしてあげましょう」 ザッザッザッ

未央「た、立って、しぶりーーーん!」

凛「む、無理……」

凛「きょ、今日のぱんつ、そんな可愛いやつじゃないし……」 ウウ

未央「照れるポイントがちょっとズレてるよしぶりん!」

卯月「は、春菜ちゃんが近付いてますよ!!」

凛「……」

凛(全国ネットでぱんつを晒して……)

凛(いろんな人の夢を奪って……)

凛(そこまでして立ち上がる意味って、一体、なんなんだろう……)


春菜「ふっふっふ」

春菜「今終わりにしてあg――」 ズルッ

春菜「へ?」

春菜「わわわわわわわっ」 ツルツルツル

春菜「な、なんで急にグリップが――!」 バッ

シマパンキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!

ヌイタ

スコートハイテナイwwwwwwwwwwwwww

アイドルヨリ ボクノムスコガ タチマシタ

春菜「こ、これは――!」

春菜(しまったッ)

春菜(視線に慣れていないというのが、プラスに出てしまってる……!)

春菜(リングコスチュームでなく、私服でぱんつまでプライベートのものな点)

春菜(あくまで自然なハプニングであり、露出を演出しようという意図のもと用意されたものではない点)

春菜(全てが、視聴者に、“今の試合の中心は渋谷凛のぱんつ'という印象を与えて――!)

春菜「ぱ、ぱんつなんて無機物に負けてたまるもんですかーーーーっ!」

未央「ゲェーーーー! メガネを一気に組み上げた!」

鈴帆「そしてターザンのようにぶら下がり、振り子運動で舞台に戻ったとーーーー!?」

春菜「勝つのはぱんつじゃありません、メガネです!」 クワッ

未央「無機物だよメガネも」



春菜「くっ……」

春菜「あまり肉弾戦は得意じゃないんですが、仕方ないですね」 クイッ

春菜「この流れを断ち切らせてもらいますよ」 バッ

比奈「!!」

比奈「アレをやる気っスか!?」

春菜「ええ」

春菜「素人とはいえ、それを武器に出来る強さをこの娘は持ってる」

春菜「全部出し尽くさないと、この場を勝ち切ることは不可能」

春菜「それに、相手に食われたままラッキーで勝ったら、次の沙理奈ちゃん戦が盛り上がらないですからね」

春菜「そこで盛り上がって弾みを得て決勝に行かないと、高垣楓落としは不可能!」

春菜「ここで奥の手を出しましょう!」

比奈「……」

比奈「分かったッス」

比奈「信じてるッスよーーーー!」 バッ

未央「げ、げえーーーーーーっ! なんだあれは~~~~~~!?」

鈴帆「なんだか嫌な予感がするのう……」

眠そうどころか寝てたよ、すまんな


春菜「全てのレンズはメガネに通ずる」

春菜「そしてメガネもまた、レンズに通じているーーーーっ!」

未央「な、何を言ってるんだか全然分からないけど、何かすごいことが起きそうな気がするーーーーっ!」

春菜「クックック」

春菜「ご覧あれ!」

春菜「これが!」

春菜「私が持参したメガネをばらし再構成することで誕生した!」

春菜「ギネス級最大サイズのスペシャルメガネです!」

バァァァーーーーン

未央「で、でかいっ! まるでゴジラがかけるメガネみたいに……!」

鈴帆「し、しかしあんなもん持ちだして何をする気たい?」

春菜「ソーラーエナジーヒート」 ニヤリ


春菜「太陽!」

春菜「私に貴女の強力無比なパワーをお貸し下さいッ!」

凛「何……この光……」

春菜「地獄の光ですよ!」 ククク

ジリジリジリジリ

凛「あっつ!」 ガバッ

凛「……!」 ハッ

ちひろ「あーっと、渋谷凛選手、太ももに太陽光を受け思わず立ち上がってしまいましたー」

瑞樹「わかるわ……煙草の火とか、押し付けられると熱くてたまらないものね……」

ちひろ「それは分からないでほしかったですね」


みりあ「???」

みりあ「どうしてあんなに熱がってるんだろ」

夏樹「レンズで光を集めると、ものすげー熱いんだ」

夏樹「よくガキの頃虫眼鏡でやったなー」

莉嘉「紙を燃やしたりねー」

みりあ「え!? 神を!?」

夏樹「私は蟻を殺しちゃってたなー」

みりあ「(モハメド)アリを!?」

夏樹「今思うとかわいそうなことをしたよ」

みりあ「レンズってこわいんだね……」

夏樹「?」

莉嘉「そんなことないよ?」

沙理奈「レズの方がよっぽど恐いわよ」

夏樹「子供相手に何吹き込もうとしてんだよ」


春菜「ぐっふっふ」

春菜「思わず立ち上がったことで、そのスカートから一瞬かわいい縞模様の下着が見えちゃいましたねえ」 キラリ

凛「……ッ!」

春菜「トーク対決をやめたことを、後悔させてあげますよ!」

春菜「ソーラーメガネエナジーヒート!」

未央「無理矢理メガネ追加してきた!!!」

凛「わっ……!」

ちひろ「あーっと、何とか下着を隠そうとしながら逃げる渋谷選手を、執拗に太陽光のレーザーが襲ってくるー!」

春菜(よし、支持率回復!)

春菜(エロで奪われた浮動票はエロで取り戻す!)

春菜(ハプニングエロで主導権を持って行かれたのなら――)

春菜(脱がし役になることで、場の主導権を握ればいい!!) ニヤリ


未央「つ、強い……」

未央「こ、これが346プロ売り出し中のアイドル『ブルーナポレオン』の力ってことなの……?」

菜々「個性がメガネ一点特化で、ボケもツッコミも出来て、同時にヒールもベビーフェイスも出来る」

菜々「それを柔軟に活かせてるのは、あの娘自身の努力と才能ですからねぇ」

菜々「あまり敵に回したくない相手ですよ」

鈴帆「トークで攻め、ハプニングで有利を取られても今度は脱がし役として主導権を奪い返す……」

鈴帆「そして、支持を受けながら、あのレーザーで追い込む」

鈴帆「おそろしか作戦ばい……」

春菜「ふっふっふ」

春菜「それじゃあみなさん、これより……」

春菜「渋谷凛ちゃんの衣服を燃やしてセクシーにしてあげようの時間ですよっ」

ウオオオオオオオオオオオオ

凛「……っ!」

春菜「私のこのレンズからは逃げられませんよ」

春菜「メガネで補強すれば、それだけ先を見通せるということですから」 ムフー


ウオオオオオオオオオオオオ

パンツウウウウ

春菜「さあ、みなさんも一緒にメガネをかけましょう!」

春菜「そうすれば一瞬のチラめきであるぱんつだって見逃しませんし、洋服だって燃やせますよ!」

ウオオオオオオオオオオオオ

ハールーナ!

ハールーナ!

春菜「出来ることなら、メガネにも声をかけてあげてください!」

メーガーネ!

メーガーネ!

春菜「ありがとうございます!!」

メーガーネ!

メーガーネ!

ちひろ「メガネを投げないでください!」

ちひろ「他のお客様のご迷惑になります!」

ちひろ「特にメインステージで見ている方はメガネを投げないでください!!」

再度眠たいので寝ます
いろいろボロボロですが、どうかウンコを投げないでください

黙ってくらえします


春菜(今私がやるべきはヒール!)

春菜(脱がし役として、あの娘を倒すッ)

春菜(一瞬でも主導権を奪われては駄目)

春菜(油断は出来ない!)

凛「こ……のッ!」 ダッ

春菜「ふっふっふ」

春菜「向かってきても、下着をかばってのノロイ動きじゃあ、駄目ですよ!」

春菜「メガネを装備したこの瞳には、止まってるように見えます!」 ガッ

春菜「メガ・ネックブリーカーーーーーーッ!!」

ドゴォォォ

凛「あ……」

グラァ

卯月「り、凛ちゃーーーーーん!」


凛(い、痛い……)

凛(体が重たい……)

凛(こんな痛い想いをして……)

凛(ぱんつを、見られて……)

凛(一体、何をしようとしてたんだろう……)

春菜「そのまま眠れば楽になりますよ」 フフ

未央「あ、あれは!」

鈴帆「倒れた相手への容赦無い追撃っ……」

鈴帆「あやつ、ヒールとしてこのトーナメントのスポットライトを得ることを選びおったばい!」

春菜「メガネ固めーーーーーっ!」

未央「両の掌をメガネのレンズに見立て、相手の目を覆いながらキャメルクラッチの体勢に入るーーーっ!」

鈴帆「もう駄目たいね……」

卯月「ええ!?」

未央「せめて失禁はしないよう祈っておこう、友として」

卯月「え!?」

鈴帆「後日ソフト化するとき、あの丸出しの縞パンには修正かかるかのう」

未央「縞パンだけに、しまむーの顔とかで隠せば面白いんじゃないかなあ」

鈴帆「なるほど」

卯月「ちゃ、ちゃんと応援してあげようよ!」

未央「これで乳輪見えてたらしぶりんのにゅうりんってなってちょっとおもしろかったのになあ」

卯月「してあげようよ!」

鈴帆「さすがにここまで綺麗に決まると、もう……」

未央「……まあ、厳しいよね……」


凛(アイドル……何で、なりたかったんだっけ……)

卯月「凛ちゃーーーん!!」

凛(ああ……そうだ……)

凛(卯月だ……)

凛(卯月を見て、私は……)

春菜「悪く思わないでくださいねっ」

春菜「メガネのため」

春菜「そして、ブルーナポレオンが上にいくため!」

春菜「容赦はできないんですよッ」

凛(でも……無理だよ……)

凛(こんなに苦しいし……)

凛(卯月みたいには笑えない……)

凛(笑顔にだって、出来ない……)

凛(私、では……)

ボキン!!


未央「き、聞いた? しまむー……」

卯月「う、うん……」

卯月「凛ちゃんの……心が折れる音……」

春菜「……」

春菜「ん?」

春菜「あれは――」

スルリ

未央「!?」

未央「目の拘束をといた!?」

春菜「何、こうやって……」

春菜「巨大レンズを操作して洋服に焦げ目をつけようと思いましてね」

春菜「リスナーの皆様には待たれていますし!」

春菜「それに――」

春菜「あそこにいる、みくちゃんもね」 ニヤリ

みく「……」


未央「せ、先輩……!」

みく「……」

未央「な、何でそんな全身傷だらけ……」

鈴帆「遅刻ばいとか揶揄出来る空気じゃなかとね……」

春菜「どうやら……」

春菜「天は私にヒールとして輝けと囁きたいらしいですよ」 ククク

春菜「貴女を恨むみくちゃんの前で、もう少しだけ辱めてあげましょう」 キラーン

みく「……」

凛「う……あ……」

凛(そんな……)

凛(やっぱり……生半可な覚悟なのに、椅子を奪ってしまったから……?)

凛(だから……)

凛(そんな目で、こっちを……)

みく「無様だにゃ」 ボソ

凛「うっ……」

凛(私じゃ卯月にはなれない)

凛(勝っても、頑張っても、誰かに恨まれるだけで、誰も笑顔に出来ないんだ……)

凛「もう……疲れた……」

凛「勝って、恨まれるのは、もう……」


春菜「……」

春菜「無理ですよ」

春菜「誰かを踏み台にせず、上には決してあがれない」

春菜「夢見る少女が大勢いるのに、スターになれるのは一握り」

春菜「だからこそ、私達全員が精一杯輝くために戦っているんですっ」

春菜「輝くつもりがないのなら、流れ星として消えてしまいなさい!」

春菜「メガ・ネックブリーカドロップーーーーーーっ!!」

ズッドオオオオン

凛「ぐげあっ」

ドサッ

みく「……」

未央「あーーーーっ、しぶりんの体が大の字になって斜面を滑っていくーーーーっ!」

卯月「もうダメっ……凛ちゃんっ……!」


凛(ダメだ……もう、立てない……)

春菜「立てませんよね?」

春菜「私の渾身の技に、衆人環視のそのまま下着を晒して寝ていろという圧力」

春菜「そして――呪い」

卯月「呪い……?」

春菜「ぽっと出の貴女にステージを取られ、ずっと恨んで悶々としていたんでしょうね」

春菜「覚悟がないのにステージに立つと、この呪いを発する側になるか、呪いに耐え切れずに潰れるかのどちらかなんですよ!」

凛「そ……・ん、な……」

春菜「アイドル同士は仲良しだし、恨みっこなんてなしとは言います」

春菜「でも所詮は勝った負けた、枠の奪い合い」

春菜「恨みも背負う覚悟がない者に、恨みっこなしなんて出来ないんですよ」

春菜「それが分かったらこのまま大人しく落ちて行きなさい」

春菜「そうじゃなきゃ――」

春菜「みくちゃんが満足できるくらい、また傷めつけないといけなくなっちゃいますから」


卯月「立って、凛ちゃん!」

凛「……」

凛(無理だよ、卯月……)

凛(もう、頑張る理由も見つからない……)

凛(せめて……)

凛(誰かを笑顔には出来なくても、せめて……)

凛(もう、恨まれないように生きたい……)

凛(学校での妬みでも、ステージ上の怨嗟もない)

凛(せめて、恨まれない、静かな人生を……)

みく「がんばれ、凛チャン」

凛(……え……?)

凛(幻、聴……?)

みく「頑張れ、凛チャン!!」

凛「空耳じゃない」

みく「みくがここに来たのは、みくを押しのけて本戦に出た渋谷凛の力が、本物だったのかどうか確かめるためにゃ!」

みく「それなのに……凛チャンにそんな、惨めな弱い姿を晒されちゃ……」

みく「これから偉大で華麗なるアイドル生活を送る予定のみくに、唯一の汚点が残るじゃにゃいかーーーっ!」

ヘレン「華麗になるにはもう手遅れでしょその戦績じゃ」


みく「……しーぶーにゃん」

みく「しーぶーにゃん」

春菜「!?」

みく「しーぶーにゃん!!」

未央「……」 ハハーン

未央「しーぶーにゃーん!!」

鈴帆「しーぶーにゃん!」

卯月「え、えっと、しーぶーにゃん!」

シーブーニャン!

シーブーニャン!

凛「みんな……」

ちひろ「なんと!」

ちひろ「ここにきて、なんと熱い手のひら返し!」

ちひろ「こちら特設会場も、いつしかしぶにゃんコールに包まれてますっ」


薫「おねえちゃーん!」

薫「がんばれー!」

シーブーニャン!

シーブーニャン!

春菜「ぐ、ぐむ~~~~っ!」

春菜(よせばよかった、みくにゃんを出汁にさらなるヒールアピールなんて!)

春菜(この状況、この演出……!)

春菜(今容赦なく叩き落とすことはできないっ!)

シーブーニャン!

シーブーニャン!

凛(なんだろう……)

凛(体が、熱い……)

凛(胸の底から、力が沸き上がってくるみたい……)

シーブーニャン!

シーブーニャン!

凛「うわああああああっ!」 ギリッ

未央「た、立ったッッ!!」

卯月「凛ちゃんっ……!」

とりあえず投下中断

またぽちぽち投下します


凛(立ったはいいけど……膝が笑ってる……)

凛(あのレンズの攻略法もまだ見えない……)

春菜「ふっ……」

春菜「立ち上がったことは、褒めてあげます!」

春菜「でも、このソーラーメガネエナジーヒートからは逃れられませんよ!」 キラーン

凛(何か……)

凛(何か打開策は……) フラッ

???「アオーーーーーーン」

凛「この声……」

凛「ハナコ!?」

ハナコ「キャインキャイーン」

凛「そ、それにお父さん、お母さん……!」

ビュッ

ギュオオオオオオオオ

凛「っ!」 パシッ

凛「これは……」

凛「実家の花屋の植木鉢!!」

未央「お、親父さんもスモーキーなのに、容易くキャッチ……だと……」 ゴクリ

鈴帆「それはさておき、入場フリーの会場で、武器の持ち込みをすでにされてて咎められないのが功を奏したばいね」

鈴帆「これであやつにも武器が出来たばい!」


春菜「ふん!」

春菜「そんなチンケなお花で何が出来るって言うんですか!」

春菜「私のソーラーメガネエナジーヒートで、燃え上がらせてあげますよ!」 ダッ

凛(足もふらつく……)

凛(もうこれしかない!)

凛「植木鉢ボンバーーーーー!!」 グワッシャーン

比奈「な、殴ったーーーーーっ!?」

未央「普通に植木鉢で満力込めて頭を殴ったーーーーっ!」

鈴帆「普通にえぐかーーーーーーっ!」


春菜「おごが……」 ドサ

凛「植木鉢ボンバーーーーー!」 ドガシャ

未央「お、追い打ちだーーーーー!!」

凛「ボンバー!」 ガシャン

凛「ボンバー!!」 ガシャン

凛「植木鉢ボンバーーーーー!!」 グワラガシャーーン

未央「え、えげつねえ……」

卯月「凛ちゃんのお父さん、さっきからひたすら植木鉢投げ渡してる……」

鈴帆「まるでわんこそばばいね」

比奈「あれ死なないッスか?」


春菜「いーかげんにしてください!!」 ガバッ

春菜「ソーラーメガネエナジーヒート!」

ボワッ

凛「あっつ!」

春菜「このまま直に叩き落としてあげますよ!」

春菜「メガ・ネックブリーカドローーーーーーップ!!」

ザッパーーーーーーン

卯月「そんな……」

未央「しぶりんが、あそこから負けるなんて……」

比奈「高垣楓やらにばかり意識を取られてたんじゃないッスか?」

比奈「ブルーナポレオンだって、一流アイドルなんッスよ?」 フフン



『1回戦第3試合 勝者・上条春菜』


メーガーネ!

メーガーネ!

春菜「ふふふ」

春菜「やはりメガネが勝敗を分けましたね!」 キラーン

メーガーネ!

メーガーネ!

比奈「やっぱりメガネ組はサイコーッス!」

未央「私にも……私にもメガネをくれーーーっ!」

卯月「わ、私も!」

菜々「ナナも!!!!」

春菜「はっはっは、押さなくてもいいんですよ!」

春菜「きちんと皆さんの分までありますからねー!」

楓「私にももらえるかしら」

春菜「た、高垣楓ーーーーっ!」

楓「なんて素晴らしいの……」

楓「このレンズを通して見た世界、素晴らしいわ……」

楓「どうやら真のアイドルは、このレンズの素晴らしさを布教した貴女をおいて他ないわ」

春菜のP「そのとおりだ、春菜」

春菜「ぷ、プロデューサーーー!!」

春菜のP「お前こそが真のアイドルであると、社長も認めているぞ」

春菜「しゃ、社長が……!」

春菜のP「更に電○のお偉いさんも、春菜を誰より推してくれると約束してくれた」

春菜「わ、私なんかを……」 ジーン

春菜のP「更にアメリカ合衆国大統領も春菜のことを認め、TPPを盾に日本人のメガネ着用を義務付けてくれたぞ」

大統領「YES, We can」

大統領「このメガネとレンズに一点の曇りなし。メガネが正義だ」

春菜「だ、大統領……」

春菜「私……私、メガネ拭きを最初に取れるアイドルになります!!」

メーガーネ!

メーガーネ!

ハールーナ!

メーガーネ!

春菜「ありがとう、みんなありがとう……!」







未央「……ねえ、しまむー」

未央「どんな夢見てると思う?」

卯月「さあ……」

卯月「でも、なんか楽しい夢なんじゃないかな……」

春菜「あはははは、メガネ大臣だなんてそんな恐れ多くてそんな」 アハハハハー

未央「頭の上でピヨピヨ回るひよこまでメガネかけとる」

殴られ過ぎて頭がヤられたか…


鈴帆「殴られすぎておかしなってもーたっちゃね……」

菜々「……多分、それだけじゃないですよ」

未央「え?」

菜々「あれ、植木鉢の花の効果もあるはず……」

卯月「花の幻覚作用も使うなんて……」

卯月「凛ちゃんらしいファイトスタイル、確立出来たんだ……」

凛「はーっ……はーっ……」

凛(まだ、駄目)

凛(アイドルは、魅せなくちゃいけない)

凛(動けなくしてからじゃないと、決まらないけど)

凛「今なら、出来るっ!」 ガッ

凛「」 クワッ

未央「あの気迫の顔――まだ何かやるつもりだ!」

卯月「まさか、凛ちゃんのフェイバリットホールド!?」


凛(所詮は新人アイドル)

凛(複雑な技なんて出来ない)

凛(でも!)

凛(卯月達と必死にやってきた基礎ならば、他のアイドルにだって負けないッ!)

凛「疾きこと風の如し!」

グルグルグルグル

未央「ゲエーーーーッ! あのふらついた足で回り始めたーーーーっ!」

凛「静かなること林の如く!」

菜々「ろ、ローリングクレイドルでウサギさん並に飛び上がってますよ!?」

凛「侵掠すること火の如く!」

ドゴォォォ

未央「散らばった薔薇の花の中に突っ込ませたーーーーっ!?」

凛「そして!」

凛「動かざること……山の如しーーーーーーーっ!!」

未央「き、決まったーーーーーっ!」

未央「これがプロレスならゴングが鳴っているーーーーっ!」

ズルリ……

ボシャーーーーーン

未央「決着ゥゥゥーーーーー!」

未央「しぶりんのフェイバリットホールドで大逆転勝利だーーーーっ!」



【1回戦第3試合 勝者・渋谷凛】


凛「ふう……」

卯月「すごーい!」

卯月「すごいよ、最後のフェイバリットホールド!」

凛「いや……単なる基本の組み合わせだよ」

未央「それをバシーって決められちゃうのがしぶりんのすごいところだよねえ」

未央「それで、さっきの技、もう名前つけてあるの?」

凛「え?」

凛「…………」

凛「ふ、風林火山……」 ボソ

卯月「?」

未央「よく聞こえなかったけど、なんだって?」

未央「しぶりん火山?」

凛「えっ」

卯月「なるほど~、自分の名前と風林火山を引っ掛けたんですね!」

未央「それじゃあカザンも花で斬るって書いた方がソレっぽくない?」

卯月「しぶ凛花斬かあ……」

凛「いや、その……」

未央「やるねえ、ナイスしぶ凛花斬!」

卯月「すごかったですよ、しぶ凛花斬!!」

凛「……」

凛(まあ、その字面も、あんまり嫌いじゃないからいっか……)

アイドルってなんだっけ?


菜々「うーん、いいですねえ」 ウンウン

菜々「本名でなくあだ名っていうのが、なんというか、こう、青春ーって」

菜々「若いって羨ま……じゃなくって!」

比奈「いくつなんッスか……」

菜々「あ、その、しぶりんって可愛いアダ名だなーって! って!!」

凛「……まあ、嫌いじゃないけど」

未央「でしょー?」

未央「しぶりんもしまむーも、私が言い出しっぺだからね」 ドヤァ

卯月「あ……でもしまむーはちょっとかっこ悪いかも……」

未央「え!?」

卯月「その……私も下の名前を絡んだやつの方がいいなあって」

未央「そうは言っても、アダ名なんてインスピレーションわくかどうかだからなあ」

鈴帆「せめて他に候補があれば、そっから選べるんじゃなかとね」

未央「う~~~~~~ん……」

未央「あ、じゃあ、ファッションセンター」

卯月「」

未央「これも苗字発祥で申し訳ないんだけど」

卯月「しまむーで」

未央「でもファッションリーダー目指すうえで有利になりそうだs」

卯月「しまむーで」

未央「何よりこのアダ名のインパクトでテレビに出れば、苗字も覚えてもらいやすk」

卯月「しまむー」


みく「しぶりんよりも、しぶにゃんの方が可愛いと思うけどにゃ」

凛「先輩……」

凛「その……ありがとうございました」 ペッコリン

みく「……」

みく「ま、むかつくけど、しょーがないにゃ」

みく「それに、しぶにゃん達には優勝して、シンデレラプロジェクトの宣伝をしてもらわないとみくも困るし」

みく「……」

みく「それと……」

みく「346プロは実力主義だし、みくとしぶにゃん達は同じシンデレラプロジェクトのメンバーだから格は一緒」

未央「こっちは本戦出場だから同格かって言われると……」

鈴帆「正論ばってん、きさんが言うとね」

みく「それに、もうみく達は友達だから……」

みく「気軽に、みくにゃんって呼んでくれたらいいにゃ」

卯月「……!」 パァァァ

卯月「これからよろしくね、みくちゃん!」

凛「うん……よろしく」

未央「へへ……よろしくね、みくにゃん」

菜々「今まさに青い春って感じですねえ」 ウンウン


みく「まあ、これでシンデレラプロジェクト6人中2人が準決勝進出」

みく「莉嘉チャンも勝てば、3/4がシンデレラプロジェクトのメンバーになるにゃ」

未央「おっ、優秀~」

みく「ほんとそれ」

ヘレン「虎の威を借りすぎて首が回らなくなるわよ」

みく「まーとにかく!」

みく「高垣楓の存在にさえ目をつぶれば!」

みく「まだ我々から優勝者が出る可能性はあるにゃ!」

みく「……でも莉嘉ちゃんが勝っても多分指名であげてくれるのはみりあちゃんだにゃ」

みく「まあでもそれはしょうがないにゃ」

みく「ところで今シンデレラプロジェクト6人中3人が生き残りで2で割れるわけだけど」

未央「あ、その二人には昨日の内に指名は私にするようお願いしてるから」

みく「ちくしょーーー!!」

みく「せめて、せめてどっちかだけでも!!」

みく「同じキュートなアイドルとして、卯月ちゃん!!」

卯月「あ、あはは……約束、もう、しちゃってますし……」

みく「う、うう……」

みく「あ、アダ名で呼ぶもの同士!」

みく「卯月ちゃんに高垣楓を疲れさせてもらっておいて、しれっと優勝してくれるって信じてるにゃ、しぶにゃん!」

凛「……」 プイッ

みく「目をそらされた……!」 ガーン

みく「わーーん、やっぱり皆嫌いだにゃーーー死んじゃえーーーーっ!」 ダダダダダ

未央「マジ泣き!? この歳で逆ギレしながらマジ泣き!?」

卯月「い、行っちゃった……」

凛「悪いことしたかな……」


卯月「……でも、シンデレラプロジェクト、かぁ」

未央「……莉嘉ちゃん、勝てるかな」

凛「……」

凛「応援、行こう」

凛「この会場は、もう使わないはずだし」

卯月「そ、その体で!?」

卯月「だ、大丈夫?」

凛「うん……」

凛「間に合うかは、はっきり言って微妙だけど……」

凛「でも……」

凛「応援の力を、誰よりも知ってるから……」

未央「……しょうがないなあ」

未央「まあモニターから離れちゃうせいで声は送りにくいけど――」

ヘレン「それは視野が狭いってもんよ」 ズイッ

ヘレン「ワールドワイドに見つめてみれば、その程度問題にはならないわ」

未央「ゲエーーーーッ! テレビカメラを担いで……!」

鈴帆「モニター代わりにはウチのタブレットを使いんしゃい!」

菜々「これで向こうに映像も送れるし、試合も見られますよっ」 フフン

凛「みんな……」

比奈「走りながらタブレットが見難いなら、このメガネを……」

凛「それはいらないかな……」

未央「メガネネタ、やってくるんだ……」

比奈「まあ、一応……友達ッスから」


【メインステージ】

ちひろ「さあ、盛り上がってますトークバトルショー!」

ちひろ「ここでは4強最後の椅子をかけて、1回戦最終試合が行われようとしていますっ!」

沙理奈「……じゃ、行ってくるわ」

千枝「あの……」

沙理奈「だいじょーぶだって」

沙理奈「心配するなら、ヤバいくらい殴られた春菜ちゃんをしてあげて」

沙理奈「私は問題なく勝ってくるから」

沙理奈「そして優勝までいく」

沙理奈「それなら、結果だけ見れば、春菜ちゃんが勝ってても負けてても変わりなかったから問題ないって言えるでしょ」


みりあ「莉嘉ちゃん!」 バッ

莉嘉「……」

莉嘉(応援旗、かあ)

莉嘉(あんなにステージで歌いたがってたのに……)

莉嘉(私のために、そこで応援旗を振ってるんだ……)

莉嘉「……」 グッ

みりあ「えへへ……がんばれー!」

莉嘉(だから……)

莉嘉(絶対、一緒にステージに立たせるッ)

莉嘉「絶対、負けない……!」


凛と卯月が優勝してほしい思ってたはずなのに莉嘉に優勝してほしいと思ってる自分がいる


ちひろ「さあ、今、幼女に見守られつつ、二人のアイドルがリングに立ちます!」

莉嘉「……」 ザッ

ちひろ「その前にCMを」

莉嘉「」 ズコー

ちひろ「346印のスタミナドリンクに、この度コーヒー味が出ました!」

ちひろ「観客席の皆さんに先程お配りしたやつですね!」

ちひろ「まろやかミルクがたっぷり入って、これでお目目もバッチリです!」

ちひろ「それでは皆様・キャンペーンガールの及川雫ちゃんに拍手をー!」

雫「も、もお~~~っ!」

キャーーー

ヒューヒュー

ナイスオッパーイ

莉嘉「ぐう、本戦にも出てないアイドルの告知に使われるなんて……」 イラッ


ちひろ「それでは、このまま雫ちゃんに入場コールもしてもらいましょう!」

雫「はいっ!」

雫「ま、まずは奇数コーナー!」

雫「姉のバックダンサーの座を賭け、ギャルの血を引く少女が来た!」

雫「成せるか、姉のようなサクセスストーリー!」

雫「城ヶ崎莉嘉選手ですっ!」

莉嘉「……」

莉嘉(おっき……)

莉嘉「……」 ペタペタ

莉嘉「お、おっきさだけじゃないってこと、教えてあげる!」

雫「?」

雫「えっと、対戦相手は私では……」

莉嘉「わかってる!」

莉嘉「アンタにも……あの人にも」

莉嘉「胸のサイズだけがアイドルじゃないし、それだけがセクシーさじゃないってことを、教えてあげなくちゃ」



雫「続きまして偶数コーナー」

雫「青い英雄ブルーナポレオンの色気担当!」

雫「子供相手にオトナの魅力を見せつけろ!」

雫「セクシーダイナマイツ・松本沙理奈選手です!」

沙理奈「……」

沙理奈「その胸で、人のことをダイナマイツ呼ばわりねえ」

沙理奈「少し癪だわ」

雫「えっ?」

沙理奈「でも……」

沙理奈「サイズじゃ負けても、扱いじゃ負けないわよ」 ブルルン

雫「?」

バッツーーーーン

雫「ひゃあ!?」

ウオオオオオオオオオオオオ

ちひろ「な、なんとーーー!?」

ちひろ「突如、雫ちゃんのボタンがはじけ飛びましたーーーっ!」


沙理奈「チャーム・ポイントに氾濫されるようじゃあまだまだね」 フフ

莉嘉「……」

莉嘉(違う)

莉嘉(今のは事故じゃないっ)

莉嘉(やったんだ、あの一瞬で!)

莉嘉(すれ違い様におっぱいを揺らし、相手の胸のボタンに当てて弾き飛ばした!)

莉嘉(あのサイズにもかかわらず、とても繊細なバストコントロール……)

莉嘉「伊達にブルーナポレオンでお色気担当してない、かあ」

沙理奈「ま、コントロールするものがない娘よりはマシだけど」 チラ

莉嘉「……」

雫「もーっ」 バタバタ

ちひろ「あはは、胸抑えて可愛らしいハプニングでしたね」

沙理奈「可愛らしいけど、男達は可愛らしさよりエロが頭に残ってるんじゃないかしら」 フフ

ちひろ「それでは皆様、雫ちゃんにもう一度拍手ー」

パチパチパチー

イイゾー

ナイスオッパーイ

莉嘉「……」 パチパチパチ・・・


雫(は、はずかしい~~っ///) ドタドタ

莉嘉「…………」 パチ・・・

雫「……」 ドタドタ

莉嘉「」 パチ・・・

ヒュンッ

バリバリバリッ

沙理奈「!!」

ちひろ「え!?」

瑞樹「及川雫の洋服がはじけ飛んだ……!?」

雫「……?」 ドタドタ

雫(なんか妙に涼しかったりして……)

莉嘉「あーらら、もっとセクシーになっちゃった」

沙理奈(あの娘……すれ違いざまの一瞬で、拍手の挙動に織り交ぜて技を出していたッ)

沙理奈(手首のスナップと強靭なつけ爪だけで、本人に気付かれず衣服だけ引き裂くなんて……)

沙理奈「伊達にあの城ヶ崎美嘉の妹じゃない、ってことね……」 ギリッ

莉嘉「おっぱいがあるだけがセクシーじゃないってこと、教えてあげる……!」 イヒヒ



【1回戦第4試合 ―― 試合開始(ゴング)】

時間が時間だし切りもいいので投下終了します

ちっひがボタンの仕込んでて手元にある評価ボタン(スイッチ)とは違うのでタイミングよく押したのかと

そういやみりあはちゃんと莉嘉のために作った応援旗掲げたがちゃんみおは二人の試合の時に応援旗掲げたっけ?

菜々「あれ、植木鉢の花の効果もあるはず……」
卯月「花の幻覚作用も使うなんて……」
これ花じゃなくてヤバい葉っぱじゃないんですかね

>>621
凛「侵掠すること火の如く!」
未央「散らばった薔薇の花の中に突っ込ませたーーーーっ!?」
しかも薔薇の花だったぽいぞ…

またぼちぼち投下します


ちひろ「さあ、ゴングです」

ちひろ「果たして最初に動くのはどちらなのか!」

莉嘉(相手の動きを見て対処……)

莉嘉(なんてこと、私には無理!)

莉嘉(今はただ、戦いたいって気持ちを爆発させる!)

莉嘉「たりゃーーーっ!」

ちひろ「おーーっと、まずは城ヶ崎莉嘉選手が飛びかかったーっ!」

沙理奈「なってないわね!」

ちひろ「なんとォォォ!」

ちひろ「丸太をも引き裂く城ヶ崎莉嘉選手の爪を、豊満なバストで白刃取りだーーーーっ!」

沙理奈「爪が長いとシにくいのよ?」

沙理奈「飛び跳ねるだけが遊びじゃないってこと、教えてアゲる」


莉嘉「……?」

沙理奈「オトナびようとするなら、そーいうところをしっかりしないと」

沙理奈「貴女……実はまだ、オトコ居たことないんじゃない?」 フフ

莉嘉「……っ!」

ちひろ「あーーーっと、鋭いジャブーーーーっ!」

瑞樹「本来、アイドルにとってオトコについてのトークはタブー……」

瑞樹「けれども、セクシャリティを全面に押し出すことで、彼女はそのタブーに踏み込んでいる」

沙理奈(AV待ったなしだの、エロ担当だの、色々言われてることは知ってる)

沙理奈(でも、それが私の武器ならばッ)

沙理奈(その武器でこその戦いをしていくッ)

沙理奈「いい、本当のセクシーさは、爪から始まるのよ!」

沙理奈「撫でたり挿れたりするときに痛くないようにね!」

ちひろ「い、いいんでしょうかあの発言」

瑞樹「普通は駄目」

瑞樹「でも……」

瑞樹「あのキャラクターと見た目が、アンチと同数のファンを作る」

瑞樹「それこそ、歯に衣着せず色々喋るスタイルには、女性のファンも多いくらい」

瑞樹「アイドルという神聖な場において性の話題を持ち出せる」

瑞樹「それが何よりの彼女の強み」


ちひろ「コメントが草でいっぱいに……」

瑞樹「わかるわ」

瑞樹「仮にも年頃の娘のアダルトトークですもの」

瑞樹「ひと目を引いて、草を生やさせるには十分」

沙理奈「どう?」

沙理奈「これがッ」

沙理奈「オトナの味よーーーーっ!」

ちひろ「あーっと、ここで松本沙理奈選手、オトナのジャーマンスープレックスだーーーーっ!」

莉嘉「うぐっ……」

莉嘉(つ、強い……)

莉嘉(それに、何より……)

莉嘉「何言ってるのか、全ッ然分からない!」

ウオオオオオオオオオオオオ

莉嘉「!?」

沙理奈「ま、需要はそーなるわよね」

沙理奈「そして、その言葉を引き出した私に賞賛が集まる」

沙理奈「ビッチぶっててもまだまだお子様なのよ」

莉嘉「うぐっ……」

沙理奈「ただちょっと胸元を強調すればエロいとでも思ってる内は二流」

沙理奈「乳だけアイドルだってねェ」

沙理奈「多くの努力と研究の末に、たった1つの武器で挑んでいるんだから!」

バッチーン

ちひろ「で、出たーーーーっ!」

ちひろ「松本沙理奈選手の乳ビンタだーーーっ!」


莉嘉「ぐ……ぅ……」

莉嘉(つ、強い……)

莉嘉(ナメていたわけじゃない……)

莉嘉(でも……)

莉嘉(お姉ちゃんと同じくテレビに出るアイドルが、こんなにも強いだなんて……)

沙理奈「さあ、観念なさい」 ブルルン

莉嘉(でも……)

莉嘉「私にだって、武器はあるよ!」

莉嘉「ずっとずっと、お姉ちゃんを見てきた!」

莉嘉「セクシーな体験談はなくったって!」

莉嘉「お姉ちゃんというセクシークイーンを見てきたんだから!」

莉嘉「お姉ちゃんを追いかけてきた私が、セクシーになれないわけがない!」

瑞樹「言われてるわよセクシークイーン(笑)」

ちひろ「何で目を逸らすんですか、セクシークイーンさん」

美嘉「勘弁して」

瑞樹「きっと経験豊富なんでしょうね」

ちひろ「なんといってもセクシークイーンですからね」

美嘉「ほんとマジで勘弁して」


莉嘉(こうなったら、もう、これしか――)

莉嘉「見せてあげる、私なりのセクシーダイナマイツを!」

沙理奈「腕を上げた……」

沙理奈「その程度でお色気ポーズのつもりなのかしら」

沙理奈(油断は出来ない)

沙理奈(何を繰り出してくるのか分からないッ……)

莉嘉(見ててね、お姉ちゃん)

莉嘉(お姉ちゃんの必殺技に、これを捧げるッ)


莉嘉「森の木の葉の如くに体軽やかに」

莉嘉「胸を弓の如くに張り、流れ星の如くに腰振り下ろす」

莉嘉「その時手刀筋骨”壮”となる!」

莉嘉「その壮拳もって肉擦れば炎立つ!」

莉嘉「敵の懐に深く入り、肉斬り骨断てば」

莉嘉「ギャルに赤い雨が降る!」

美嘉「あの動き、私の……!」

莉嘉「ギャルリンの赤い姉ーーーーっ!」

シュバッ

沙理奈「円は線を包む!」

沙理奈「いくら鋭い爪で肉を裂こうとも、この胸が全てを封殺す――」

ハラリ

沙理奈「!!」

ちひろ「あ~~~~っと!」

ちひろ「松本沙理奈選手の衣装が、乳首部分を残して全て切り裂かれたーーーーっ!」

莉嘉「肉を切れぬなら布を断つ!」

莉嘉「お色気を誘発すればいいことは、さっきの試合が教えてくれたっ!」

沙理奈「くっ……」

莉嘉「そして如何にえっちなアイドルとはいえ、この衆人環視の中服を裂かれたら両手で胸を隠さないといけない!」

莉嘉「これで放送コードに阻まれて、その胸は自在には使えないよねっ!」 フフン

沙理奈「このッ……」 ギリッ


沙理奈「セクシーポイントは胸だけじゃないのよーーーっ!」 タリャァッ

ちひろ「あーっと、ここで松本沙理奈選手、ハイキックに打って出るーーーーっ!」

瑞樹「この試合初めての足技ね」

ちひろ「果敢に肉弾戦を仕掛けるのも初ですね」

瑞樹「焦っているのでしょうね」

瑞樹「ここで決着をつけないと主導権を取り返すのは難しい」

瑞樹「ましてや武器である胸を封じられては」

莉嘉(そう、胸を封じたら、あとはもう蹴りに頼るしか無い)

莉嘉「それでも下着が見えそうで見えない蹴りを放つあたり、さすがだよ」 バッ

ちひろ「あーっと、城ヶ崎莉嘉選手、ハイキックの足を掴んだーーーっ!」

美嘉「あれは、私の……」

莉嘉「肉欲の甘味ハンマー(ビーフケーク・ハマー)!!」

ズドォォン


沙理奈「がっ……」

沙理奈(ああ……やっぱり、胸じゃなきゃ駄目かあ……)

沙理奈(若さにも勝てないなんてね……) グラァ

沙理奈「……」

瑞樹「……」

沙理奈(……ごめん)

沙理奈(勝つこと、できなかっt――)



ドッポーーーーーーーーーーーーーーン



莉嘉「……強かったし、楽しかったよ」

莉嘉「また遊ぼうね」 ニコッ

莉嘉「いつかまた、一緒にセクシートークしよ」

莉嘉「今度はお姉ちゃんも混じえて、さ」



【1回戦第4試合 勝者・城ヶ崎莉嘉】

きりついたので投下終了します

ポケモンは武器じゃなくて友達です
のんびり投下します


<特設会場>

ちひろ「はい、以上、飛び入り芸人上田鈴帆さんの一人コントでしたー!」

美嘉「……」

美嘉(莉嘉に声かける時間、なかったなあ)

美嘉(……まあ、ちょっとずるいし、できなくてよかったかもしれないけれど)

ちひろ「……と、それでは準備出来たようですので、準決勝に進出した4人のアイドルを紹介しましょうっ」

ワアアアアアアアアア

ちひろ「まずは白虎の方向から!」

ちひろ「天然元気系娘、島村卯月!」

ちひろ「その無垢な心でどこまで戦いを勝ち残れるのでしょうかっ」


ちひろ「そして青龍の方角からは高垣楓ッッ」

ちひろ「一人圧倒的知名度でのこの参戦」

ちひろ「果たしてこの強大な壁を、新世代は打ち破れるのかッ!?」

楓「……よろしくお願いします」 ペコリ

卯月「あっ、はい」

卯月「よろしくお願いします」 ペコリ

ちひろ「そして玄武の方角からは渋谷凛ッ」

ちひろ「内に秘めたるクールな闘士でベテラン上条春菜を撃破!」

ちひろ「そのまま駆け上がり、ニュージェネレーション対決を実現できるのでしょうかっ!?」

凛「……」

ちひろ「そして最後は焼き鳥の方向!」

莉嘉「焼き鳥!?」

ちひろ「七光とは言わせない!」

ちひろ「姉のスピリットを受け継いで、城ヶ崎莉嘉の登場ですっ!」

莉嘉「何で焼き鳥」

ちひろ「じゃあ、とりさんの方角で」

莉嘉「子供だと思って……」 プクゥ


ちひろ「共にシンデレラプロジェクトの仲間!」

ちひろ「片や姉の背を追いかけて!」

ちひろ「片やその姉に指名を受けて!」

ちひろ「この大会の開催理由になったという因縁の対決!」

ちひろ「果たしてどうなるのでしょうかっ!」

莉嘉「……負けないよ」

凛「……私だって」

ちひろ「静かに火花が飛び散っています!」

美嘉(うーん、ちひろさん、いい人なんだけど、盛り上げるためなら色々ペラペラ喋るのがなあ)

ちひろ「それではあ、闘う選手の皆さんには、簡単なインタビューを行いたいと思います!」

ちひろ「……ので、まずはそのためのドリンクの注文をどうぞ!」


卯月「わあ、メニューがいっぱい……」

菜々「ご注文をどうぞ!」

卯月「あれっ!?」

菜々「えへへ」

菜々「バイトの役得というか、ウエイトレスの役どころでもうちょっと画面に出られることになりました」 ニッコリ

卯月「そうなんですか……!」

菜々「それに、1回戦では結構凄惨な状況でしたしねえ」

菜々「夏樹ちゃんも結構怪我してましたし」

菜々「沙理奈ちゃんは怪我に加えて消えない醜態がネットに残りますし……」

卯月「最後のフェイバリットも、足広げさせられてましたしね……」

菜々「ちゃんと沙理奈ちゃんは見せパンだったけどね」

菜々「そして春菜ちゃんに至っては集中治療室……」

卯月「うわあ」

菜々「とりあえず安全ですよアピールで、1回戦唯一無傷のナナに出番が与えられたのかもしれないですねえ」

卯月「こわい」


菜々「それで、お飲み物は?」

卯月「じゃあ……オレンジジュースで!」

菜々「かしこまりましたー♪」

菜々「あったかいのと冷たいのがありますけど」

卯月「えっ」

菜々「キンキンに冷えたオレンジジュースか、あっつあつのオレンジジュース」

卯月「キンキンので」

菜々「ちなみにあっつあつのオレンジジュースは沸騰の有無を選べます」

卯月「キンキンので」


菜々「そんなわけでお飲み物をおうかがいします!」

楓「とりあえず生で」

菜々「ないです」

楓「キンキンに冷えた黒ラベr」

菜々「ないです」

楓「じゃあライムチューハイ」

菜々「アルコールはちょっと」

楓「じゃあ、超神水」

菜々「ムチャ言わないでくださいよっ」

楓「仕方ないわ、それじゃあ力水で」

未央「こ、この僅かなやりとりでもジョークを入れてカメラを独占するとは……」 ゴクリ

未央(こんなのに本当に勝てるの、卯月――!?)


菜々「ご注文は……」

凛「ハーブティーで」

菜々「あー、ごめんなさい」

菜々「メニューはこれで……」

凛「じゃあ、アイスミルクで」

莉嘉「樹液」

菜々「虫かな」

莉嘉「甘い匂いに誘われたワタシは城ヶ崎」

菜々「歳ごまかしてない?」

莉嘉「おねーちゃんの影響」

莉嘉「おねーちゃんみたいなアダルティーになるためにも、ホットコーヒーで!」

菜々「コーヒー系なら、ラテとかがいいと思いますけど」

菜々「ラテアートもできますし」

莉嘉「……」

莉嘉「じゃあそれで」

菜々「ラテアートに希望とかありますかっ?」

莉嘉「メタルビートル」

菜々「影響与えてる方もなかなか歳ごまかしてるんじゃないかな」


菜々「おまたせいたしましたっ!」

菜々「ご注文のドリンクと――」

菜々「準決勝の舞台です?」

卯月「!?」

楓「……!」

凛「ッ」

莉嘉「っ!」

菜々「準決勝の舞台は、注文内容に合わせておきましたっ」

菜々「今回のステージは3ステージです!」

ちひろ「まずはこちら、氷のリングで闘う氷上デスマッチ!」

ちひろ「そして灼熱のサウナで闘う蜃気楼デスマッチ!」

ちひろ「最後に、暖かさと寒さの共演、気候の激しく変わるジャングルデスマッチです!」

菜々「そして対戦者が二人共冷たいものを頼んだら氷上デスマッチ!」

菜々「両者温かいもので蜃気楼デスマッチ」

菜々「そして両者別の温度のものを頼んだらジャングルデスマッチです!」

卯月「……ってことは……」

楓「私達は、氷上デスマッチ……ね」

凛(ジャングルデスマッチ、か……)

莉嘉「……」

莉嘉(ラテアート可愛いけど、それはそれとしてジャングルかあ……)


ちひろ「それでは、ドリンクを飲んだら特設リングのあるエリアに移動をお願いしますっ!」

ちひろ「リスナーの皆様は、それまで予選敗退者の傑作選映像をごらんください」

卯月「……」

卯月(はじまるんだ、準決勝が……)

卯月(あのステージを賭けた戦いが……)

楓「……」

卯月(戦わないと、いけないんだ……)

卯月(絶対に、勝たないと……!)

短いですが投下を終了します

ちょっとだけですが連休避けるため投下します


<控室>

未央「頑張れ、しまむー!」

凛「苦しいだろうけど、頑張って」

卯月「あわわ」

卯月「あ、あまり実感が……」

みく「まあ、今までの相手と違って、今回はマジでテレビでよく見るアイドルだからにゃあ」

みく「どっかの自称世界クラスと違って、本物のワールドクラスのアイドルにゃ」

ヘレン「一々腹立たしいわね」

みく「まあ、でも、臆しててもしょうがないからにゃー」

みく「あたってくだけろ、イケイケゴーゴー!」

卯月「う、うん……」 カチンコチン

ヘレン「……ま、好きにやって無様を晒してきたら?」

ヘレン「世界の広さを知ることが、世界を獲る第一歩よ」

みく「で、広さを知りまくってる世界博士はいつになったら世界を獲るのかにゃ?」 プップクプー

ヘレン「それにどれだけ無様を晒しても、あの馬鹿猫よりマシだから」

みく「にゃにぃ!」


卯月「はは……」

凛「……」

凛「控室、戻るね」

卯月「えっ?」

凛「卯月を応援したいけど……」

凛「私も、油断できない相手だし」

みく「確かににゃー」

みく「お姉ちゃんが絡むととたんに強くなるからにゃあ……」

P「私は……」

凛「プロデューサーは、卯月についてあげていて」

凛「……一応こっちはシンデレラプロジェクトの潰し合いだし、どっちかに肩入れするわけにもいかないでしょ」

みく「それにゃ」

未央「どっち応援すればいいのか困るんだよねえ、もちろんステージにあげてもらう都合でしぶりん応援だけどさ」

未央「さっきまでと違って、しぶりんの試合じゃ応援旗掲げられそうにないし」

凛「……卯月の試合ではまた掲げるの?」

未央「まあ、そりゃ」

凛「……」

凛「どうせあれっきりだろうから黙ってたけど……」

凛「それ、卵月になってるよ」

未央「えっ、ウソ!?」

未央「卯月ってこういう字じゃないの!?」

未央「だよね、しまむー!?」

卯月「ふえ!?は、はい!」 ビクン

ヘレン「ガッチガチねエッグムーンちゃん」

みく「あ、タイムシフト見ると応援旗への草コメントめちゃくちゃ多いにゃ」


凛「……それじゃ、いくね」

卯月「……うん」

ヘレン「ほら、全員出た出た」

みく「ちょ、何するにゃ!」

みく「向こうのブロックは潰し合いだから混ざりに行きにくいんだにゃ!」

ヘレン「世界的な常識で言うと、王者との対戦前は、ゆっくり精神統一をするものなのよ」

ヘレン「トレーナー、いや、プロデューサーを残してね」

ヘレン「ほら、出た出た」

未央「わわっ、押さないでよっ」

みく「蹴られてる!」

みく「なんかミクだけ押されるとかじゃなくてめっちゃ蹴られてるッッ」


バタム

卯月「……」

P「……」

卯月「……」

P「……何か、飲まれますか?」

卯月「……あ、はい」

P「……」

卯月「……」

P「……お茶で、よろしいでしょうか」

卯月「あっ、はい、大丈夫ですっ」

P「……」 コポコポコポ

卯月「……」

卯月(し、思春期の娘とパパみたい……)


P「……緊張、してるんですね」

卯月「……」

卯月「何だかよく分からない内にアイドルになれて、こんなすごいステージに立てて……」

卯月「でも、ヘレンさんの時もナナさんの時も、自分のチカラで勝ち取れたって実感はなくて……」

P「……」

P「そうですね」

卯月「!」

P「まだ、実力的には、不釣り合いなステージと言えます」

卯月「……っ!」

P「もう少し、下積みを積んでからと、正直に言うと考えていました」

P「それでも――」

P「貴女はここまでやってきた」

P「こちらの予想を超えて、愚直なまでの努力の果てに、この場所まで」

卯月「プロデューサー……」

P「例え、どんな結果になったとしても」

P「例えそれが、誰かの力を借りるという形だとしても」

P「この場まで駆け上がれたのは間違いなく貴女の力」

P「人をひきつけ、味方にする」

P「……私にはなく、とても大切な力です」


卯月「プロデューサー……」

P「例え相手が、トークの流れをぶったぎりして場を凍らせる名人で」

P「フェイバリットのサワーブリッジで背骨を折られて社会復帰できない方もいる」

P「それでも」

P「それでも立ち向かう姿勢を、羨ましく思います」

卯月「プロデューサー……」 ジョワッ

卯月「恐怖でおしっこ漏らしちゃってても、ですか……?」 チョロチョロ

P「……」

P「戦場ではよくあることです」

卯月(それはそれで嫌だな……9

P「ご安心下さい」

P「このことは墓場まで持っていきますし、次の試合は水着です」

P「多少恐怖でもらしたところで大丈夫ですよ」

P「それに、控室の掃除もやっておきますので」

卯月「……ふふ」

卯月「そう、ですね」

卯月「皆がついているってことも」

卯月「プロデューサーがいてくれるってことも」

卯月「忘れないように、しなくっちゃ」


<高垣楓控室>

楓「……」

楓(誰かが訪ねてくることも、今のプロデューサーが激励にくることもない)

楓(……あの娘は、今頃皆と一緒に……)

楓「……孤独だと、こう、毒を吐きたくなるわね」 フフ

楓(最初の内は、ちやほやとされていても)

楓(売れてきたり、オトナになると、人は離れる)

楓(12時すぎのシンデレラのように、それまで見ていた夢から解放されてしまう)

楓(……プロデューサーと二人っきり、という夢は、個人的に、いらだちを覚えるから)

楓(だから――)

楓「夢の時間はもうおしまい」

楓「――行くわ、夢を終わらせに」

眠すぎて何書いてるかわからんくなってきたので中断

眠い時の推敲ほど意味のない作業はない
寝るまで投下します


ちひろ「おまたせいたしましたっ!」

ちひろ「ここ、特設氷上リングにおいて、ついに準決勝の火蓋が切って落とされようとしていますっ」

鈴帆「火蓋でもなんでも点火しないと、寒くてやっちょれんばい」 ブルブル

ちひろ「……」

ちひろ「あれ?」

ちひろ「川島さんは……」

鈴帆「寒さにやられて歯がカチカチいうし喋れんからと交代を」

ちひろ「まあ、冷え性ですからねえ」

鈴帆「腹巻きが手放せなくなる年齢ばいねえ」

未央「やめたれ」


ちひろ「それではルールを説明します」

ちひろ「今回の勝負は、ズバリ氷上相撲デスマッチです!」

鈴帆「ほほう、相撲とね」

ちひろ「はい」

ちひろ「場外になったり手をついたり、概ね相撲と同じルールで行われます」

鈴帆「ばってん、それだとトークの要素が」

ちひろ「もちろんそれだけじゃありませんよっ」

ちひろ「今回は、スペシャルなギミックを用意しました!」

鈴帆「このゲージは……」

ちひろ「ファンが主導権を握っていると思う方に投票し、そしてそれを数値化したものです」

ちひろ「票を得れば得るほど、彼女たちの衣服に装備した機械が体を温めてくれます」

ちひろ「逆に差をつけられると、冷気を発せられて、身動きが取りにくく!」

ちひろ「ちなみにこのオーバーテクノロジーは、晶葉研究所の提供でお送りしてます」

鈴帆「露骨にCM打ってきおった」

ちひろ「それが提供の条件でしたので」


ちひろ「それでは入場いただきましょうっ!」

ちひろ「元気印のスーパールーキー!」

ちひろ「氷の女王のクールな顔も、その太陽なほほ笑みで溶かし切れるのでしょうか!?」

ちひろ「ニュージェネレーションズ・島村ァァァァァ卯月ィィィィィィィィィ!」

ワァァァァァァ

未央「この熱気……すごいな……」

未央「さっきまでと大違いだ」

みく「……大違いすぎて、ガチガチにならないといいんだけど」

卯月「わあ、すごくたくさんの人――」

卯月「寒ッ!」

卯月「うええ!?」

卯月「さ、寒いですよ!?」 ガチガチガチガチ

ちひろ「今はまだ暖房機能はOFFですからねえ」

鈴帆「スクール水着とはやるたいね」

ちひろ「胸の3文字がいい具合に名前を推してますねー」

鈴帆「つい見やってまうものを持ってるし、なかなかに知能犯ばいね」


卯月「さ、寒い……」 ガチガチガチガチ

未央「うーん、そういう方面にガッチガチになっちゃったかー」

みく「さすがにあの全面氷のリングでスクール水着は酷だにゃ」

ヘレン「世界ではあのくらい当たり前よ」

ヘレン「ロシアのアイドルとか、とんでもないんだから」

ちひろ「続きまして、逆サイド!」

ちひろ「クールな仮面のその下に、一体何を秘めるのでしょうか!」

ちひろ「新人の祭典に一人乗り込み勝利を重ねるスーパーアイドル」

ちひろ「高垣ィィィィィィ楓ェェェェェェェェェェエ」

楓「確かに、少し冷たいわ……」

卯月「!?」

ちひろ「セクシィィィィィ!」

ちひろ「オトナの魅力をたっぷり詰め込んだ水着ですっ!」

鈴帆「そしてあの氷上でも動じる気配のない、いつもどうりの微笑……」

鈴帆「まさに仮面の微笑士たい……」

楓「ごめんなさい、氷上にいるとき、どんな氷上すればいいのかわからないの」 プッ


卯月「あわわわわ」 ワタワタ

楓「……」 キリッ

ヘレン「まずいわね」

未央「え?」

ヘレン「入場順が高垣楓に味方しているわ」

ヘレン「島村卯月が氷で滑りそうになったり、寒さに慄くことで、リスナーにもその恐ろしさが伝わっている」

ヘレン「ソレは紛れも無く彼女の才能」

ヘレン「けれども……」

ヘレン「ソレをやればやるほどに、その環境下で平然としている高垣楓の異質性が際立ってしまう」

ヘレン「ただポーカーフェイスで突っ立っているだけで、今の高垣楓は注目を集められる」

ヘレン「圧倒的不利な状況でのスタートよ」

ヘレン「さあ――どうするのか、見せてもらうわよ……!」



【準決勝第1試合 ―― 試合開始(ゴング)】

寝落ち申し訳ない

またちょいちょいやります。
1ヶ月経っても終わらないとは思ってなかった。


卯月「うう、寒い……」 ブルブル

楓「こんな日には、ゆっくりと温泉に――」

卯月「あ、いいですね~」

楓「温泉に入れば、降り積もる雪ですら体を温める一因に」

卯月「お、おお~……」






未央「な、なんか思ったより普通にトークを……」

ヘレン「貴女の目は節ホールなのかしら」

未央「え?」

みく「単に喋りで主導権を握るなんてもんじゃにゃい」

みく「ただ得意な話題に持っていくだけでもにゃい」

ヘレン「合間合間に具体例を出し、こちらに自然と温泉を想像させる」

ヘレン「寒い所にまだいるはずの島村卯月が、想像だけで暖かそうに頬を緩めているのが何よりの証拠」

みく「細かな所作で、温泉での自分を想像させるのも忘れてないにゃ」

未央「そ、そうか!」

未央「だからこそのあの水着ッ」

みく「そう……あの露出の高い水着は肉付きを魅せ、温泉における裸体の妄想を誘発させる」

みく「しかも……普段はグラビアすら珍しい高垣楓の露出」

みく「折角動きや普通のわちゃわちゃで目立っても、それも全て高垣楓の引き立てに終わってしまっている……!」

未央「こ、これがトップアイドル……!」


卯月「温泉卵、実は食べたことがないんですよね」

楓「そう。それじゃあ、今度一緒に食べましょう」



ヘレン「何よりヤバいのは、考えていることをかけらも表に出さず、別の会話を出来る点」

ヘレン「腹に一物をかかえ、まるでそれを表に出さない」

未央「はっ!」

未央「いつの間にかあんな近くに……!」

凛「だめっ……」

凛「トークに意識を持って行かれたけど、これはあくまでも――」



楓「私の祝勝会で……ね」 ガッ

卯月「!?」


紗枝「あの格好……」

紗枝「有利なんは、やはり高垣楓はん」

美穂「え?」

紗枝「……日本舞踊の弱点」

紗枝「何だか分かるかえ?」

美穂「……動きにくい、とか……」

紗枝「それもあるわなぁ」

紗枝「それを克服するための足捌きや」

紗枝「そしてもう一つの弱点が、その布面積の広さによる“つかみやすさ'や」

紗枝「克服のために常に舞うわけや」

紗枝「……水着の方が早く動けたんやけど、うちは着物の防御力がやっぱり恋しかったけどな」

紗枝「とにかく、や」

紗枝「衣服というのは、戦闘スタイルに大きく関わる」

紗枝「せやから、着物みたいに掴むところが多い衣装だと、“投げ'を警戒するんや」

美穂「あ、っていうことは……」

紗枝「ビキニじゃあ、体を掴むしかない」

紗枝「せやけど、スクール水着なら――」




未央「ゲエーーーーッ!」

未央「ゼッケン部分のたるみを掴まれたーーーーーッ!!」

みく「そ、そのまま一本背負いにゃとーーーー!?」

ヘレン「トークのみならず、筋力も申し分なし、ね」


卯月「わわっ!」

未央「おおっ、なんとか相手の体に足を巻き付けて投げを防いだ!」

ヘレン「……」

ヘレン「防いで“しまった'になるのかどうかは、これからね」

未央「え?」

楓「これはトークバトルショー」

楓「黙ってたら駄目じゃない」

未央「ゲエーーーーッ!」

未央「こらえるしまむーをリフトアップし、サワーブリッジの体勢にとらえたーーーーっ!」

卯月「がっ……かはっ……」

未央「も、もうだめだ~~~~~っ!」

未央「あの技からは逃れられないよ!」

未央「破壊されるまで、脱出なんて……!」


ビリビリビリビリィッ

楓「!?」

未央「あ、ああ~~~~~~っ」

未央「しまむーの水着がーーーっ!」

凛(スクール水着がやぶれる威力……デタラメすぎるっ……)

みく「!?」

みく「あ、あれはーーーーーっ!」






 ☆  ★  ☆  ★  ☆






卯月『わあっ……』

卯月『こんな可愛い水着、貰ってもいいんですか!?』

P『はい……』

P『予定外に早く大舞台が決まりましたので』

P『きちんとした衣装をと』

卯月『嬉しいです……本当に……』 エヘヘ


卯月『プロデューサーさんは、こういう水着が好みなんですねえ……』

P『……ああ、いえ、違います』

P『そちらの水着は、専門のスタッフに選んでもらったものです』

卯月『そうなんですか?』

P『……ええ』

P『どうやら自分が思っていた以上に、センスがないタチらしいので……』

卯月『へえ、ちょっと意外です』

卯月『でも……』

卯月『やっぱりとても嬉しいです!』

卯月『プロデューサーさんが、私のためにって動いてくれた結果ですから……』 ギュッ

P『……』

P『喜んでいただけで、光栄です』


卯月『折角だし、この水着で……』

P『ですが、このスクール水着も、需要がないわけではないかと』

卯月『うーん……』

卯月『あっ、それじゃあこんなのはどうですか!?』






 ☆  ★  ☆  ★  ☆






未央「ゲエーーーーッ!」

未央「やぶれたスク水の向こうに、さらに水着が……!」

みく「にゃるほどー!」

みく「確かに水着は1枚までなんてルールはない!」

卯月(水着を破いた瞬間に出来る隙)

卯月(そこを――――!) グイイッ

未央「あ、あのポーズは!」

みく「フランケンシュタイナーに行く気にゃ!」

意識飛びかけてるので、変な書き込みになる前に寝ておきます

寝落ちるかもしれないけど、いけるとこまでやります


卯月「うわあああああっ」

卯月(お願い、決まって!)

未央「いけーーーっ、しまむー!」

未央「高垣楓の頭部をはじけて♪ラストサマーさせちゃえ!」

卯月「スティール・ノウ・シュタイナーーーーーッ」

凛「……っ!」

未央「なっ……」

ちひろ「あ~~~~~っと、これは~~~~~~~っ!」

鈴帆「ゲエーーーーッ、ブリッジのような姿勢で、ぎりぎり踏ん張っておる!」

楓「今まで……血反吐を吐きながら何度も踊り狂ってきたわ」

楓「そして鍛えたこの体」

楓「筋力・柔軟性、いずれを取っても、負ける気は――」 グググググ

卯月「そ、そんなっ」

卯月(体重をかけているのに、腹筋のチカラだけで私ごと持ち上げ……!?)

楓「しないッ」

ちひろ「あーっと、島村卯月選手、ついに弾き飛ばされたーっ!」

卯月「わわっ」

鈴帆「弾き飛ばされたのは正解たい」

鈴帆「あれ以上粘っとったら、サワーブリッジの犠牲になっちょった」

鈴帆「なんとか着地して仕切り直せただけ、上出来たい」


ヘレン「上出来?」

ヘレン「一見すればそうでしょうけど……」

ヘレン「奇襲のネタを使ってなおノーダメージ」

ヘレン「何一つ好転させられなかった時点で、どの道ジリ貧」

楓「可愛い水着……」

楓「思わず胸がキューっトなるわね」 フフ

卯月「……」

ビュオオオオオオ

卯月「さ、寒い……」 ガタガタ

ヘレン「しかも相手は高垣楓」

ヘレン「トークの手も緩めてはこない」

卯月「や、焼きそばっ」

卯月「あったかい焼きそばが食べたくなりますねっ」

みく「……」

みく「例え頑張って喋ろうとしても、高垣楓にはアレがある」

卯月「水着の季節でも、寒い時でも食べたくなるし、焼きそばってすごいですよねっ」

楓「そうね」

楓「ソースの香りが、まさに理ソーっス(理想っす)」 フフ

ビュオオオオオオ

凛「ダジャレ……」

凛「話の流れをぶったぎり、相手の主導権を無理矢理失わせ五分まで持っていく……」

凛「なんて残虐な技っ……」

ヘレン「そして彼女は、その引き出しを無限に持つ」

みく「トークではどんな場面からでも五分に戻され、地力の高さでそこからまた会話を持っていかれる……」

みく「ほんっと、こんな番組に出てるのがおかしいくらいのA級アイドルのスキルだにゃ」


卯月(うう……隙がないっ)

卯月(どうすれば……) チラッ

P「……」 パシャパシャ

卯月(しゃ、写真撮ってるーーーーーっ!?)

卯月(あ、アドバイスとかがあるわけじゃないんですね……)

卯月(うう、どうすれば……)

楓「……」

楓(あの人は、何でもやってくれる)

楓(器用さと不器用さが同居していて、とても不思議なのだけれど)

楓(器用に裏で動いているのに、目に見える場所でのフォローは下手くそで……)

楓(どれだけこちらを愛してくれて、頑張ってくれているのか、伝えるのが苦手で)

楓(あれほどまでに愛されてるのに、気付かないまま見捨てられてるのかと不安になって)

楓(まるで……)

楓「まるで昔の私、ね」 ボソ

卯月「え?」

楓「なんでもない」

楓「……なんでもない、本当になんてことない些細な――」

卯月「……」

卯月(あれ、今、楓さんの瞳が……)

卯月(演技とは違いそうな、何だか複雑な揺れ方を……)

卯月「……」

卯月(ええい、自分を信じる!)

卯月(アイドルになりたくて、ずーっとスーパーアイドル高垣楓を画面越しにでも見つめ続けた自分を!)

卯月「今が攻め時っ!」 ダッ


卯月(投技は駄目)

卯月(失敗した時に、サワーブリッジに移行されるおそれがある)

卯月(だから、ここは!)

卯月「てやあああああっ!」

未央「しまむーっ、必殺技名は叫ばなきゃだよしまむー!」

卯月「え!?」

凛「私達はアイドル」

凛「言葉にはチカラがあるって、誰より信じなくちゃ駄目だし」

卯月「う、うん」

卯月「ええと――」

卯月「島村リアーーーーーーーーット!」


ふわっ

卯月「えっ……」

凛「嘘……」

紗枝「まるで楓の葉が舞うように、華麗なチカラの受け流し……」

紗枝「間違いない、あれは薫風の舞」

美穂「知ってるの?」

紗枝「ああ……」

紗枝「風に舞う葉のように力を受け流し、そしてそれを全て攻撃エネルギーへと変換する超技術や」

美穂「……」 ゴクリ

紗枝「まあ、ようするに――」

ガッシィ

楓「もう逃さない」

楓「掴みやすいひらひらのおかげで、もう逃げられることもない」

卯月「あ、あわわ」

楓「それとも今度は、この布を破いて脱出してみる?」

卯月「……」

卯月「そ、それは出来ません」

卯月「だ、だって……」

卯月「プロデューサーが……私の、ために……」

楓「!」

楓「……そう」

楓「それじゃあ――もう、容赦はしないわ」 ミシミシミシ


ベキバキボキベキィ

楓「……」

楓(いい子、ね……)

楓(真っ直ぐで、自分に正直で、感情表現が豊かで――)

楓(私には、ないものばかり)

卯月「あ……が……」

卯月(い、いたい……)

卯月(寒いし……痛いし……眠くも……なって……)

ギリギリギイ

卯月「あぎっ」

卯月(ま、まずいことに……)

卯月(さっき漏らしてるからとトイレに行かなかったけど。これだけ寒いと……!)

卯月(し、しかも体を弓なりに持たれるせいで、膀胱が…・・!)

楓「さ、ギブアップなさい」

楓「さもないと、このまま――」 ポタポタ

楓「……?」

楓(水滴……?) チラッ

卯月「」 チョロチョロチョロ

楓「……」

楓(この液体……この娘の股間から出てる……)

楓(まるで呆けたような氷上で、少し色が濃くなった水着で……) クン

楓「!?!?」

楓(この匂い……ま、まさか、私の上でおしっ――!) バッ

楓「き、汚らしいっ」 バッ

ちひろ「あーっと、どうしたことか」

ちひろ「サワーブリッジを解いてきましたね」

鈴帆「ここからじゃよく見えんばってん、何が起きたのか……」

鈴帆「いずれにせよ、この試合で2度もサワーブリッジを不発にした島村卯月選手を褒めるしか無かとね」


楓「くっ……」

楓(鼻にも口にも入っちゃったわ……)

楓(さすがにこれで冷静にいるなんてのは無理ッ)

楓(でも……)

楓(相手は、あのプロデューサーが認めたアイドルの卵)

楓(私よりも、よっぽど“持って”る)

楓(カメラの位置や角度的に、失禁を明示するような映像は収められてない)

楓(尿による水着の色の変更も誤差の範囲)

楓(そしてひらひらした装飾部が漏らした尿をまき散らさず私の顔へと運ぶ役割を果たした……)

楓(自分へのダメージを最小限に、相手にダメージを与える)

楓(恐ろしいくらい持ってる)

楓(だから――)

楓(サワーブリッジだけで倒すのはやめる)

楓(全霊を持って、叩き潰す!)


楓(あの娘が、さっきからダブる自分と同じだとすれば)

楓(かつての自分と一緒に、この壁を乗り越える)

楓(そして――あの人との思い出をも、踏み越えていくッ!)

楓「高垣ーーーーーック!」

ドガッ

鈴帆「あーーーーっと!

ちひろ「何やら呆然としている島村卯月選手、これには反応できないっ」

卯月「ごはっ……」

船漕ぎだしたので一旦中断します

未央の進退が放送される前後では中断入りますが、進められるだけ進めます


未央「しまむーーーーっ!」

凛「まずい、あの飛ばされ方は……!」

未央「飛ばされ方……?」

ヘレン「さっきまでは高い位置からの落下だった」

ヘレン「故に跳ねるような力が働くため、それこそ飛び上がり急場しのぎをすることが出来た」

ヘレン「事実そうやって数度飛び跳ねるような動作を経て体勢を立て直せたわ」

みく「言うならば……」 ボヨーン

みく未央「「スーパーボール」」

ヘレン「真面目に聞かないなら喋るのやめるわよ」

凛「……そのスーパーボールみたいな飛ばされ方と、蹴りによる飛ばされ方は違う」

凛「純粋な横滑りだし、蹴られた箇所によっては上体が倒れるように力が働く」

凛「地面から足を離さず体勢を建てなおさないといけない」

凛「……ですよね?」

ヘレン「ええ」

ヘレン「相撲と銘打っているし、つかみ合いでのバランス崩し合いが想定されていたけど……」

ヘレン「ここをしのいでも、打撃合戦になるかもしれないわね」

未央「あ、あのフィジカル相手に打撃合戦……」

凛「卯月ーーーーーっ!」


卯月(ごめんなさい……)

卯月(私じゃ、楓さんには……)

ギュムッ

卯月「わっ」

楓「!?」

鈴帆「あ~~~~~っと!」

鈴帆「なんと脱ぎ捨てられた水着部分のゼッケンを踏みつけたーーーっ!」

卯月「っ!」 グルン

未央「ゲエーーーーッ!」

未央「まるでバナナの皮を踏んだかの如くサマーソルト!」

凛「ちゃ、着地した!」

凛「しゃがみこんだけど、手はついてないっ!」

卯月「……」 バックンバックン

みく「運がいいにゃー」

みく「まあ、みくなら猫なみのしなやかさであれくらい――」

P「偶然でも、運でもありませんよ」

みく「ふえ?」

P「視界がめまぐるしく回っても、決して動きを止めない」

P「どんな時でも、意地と気迫で踊り続ける」

P「たった一人の養成所でも踊ることを辞めなかったからこその動き」

P「体に染み付いた、努力の結晶です」

P「偶然などでは、ありません」

みく「……」

みく「まっ、それなりに認めてやらんこともないにゃ」


卯月「た、助かった……」 ホッ

卯月「……」

卯月(たす、かった……?)

卯月(また、楓さんと戦わなきゃいけないのに……?) チラッ

楓「……しぶといのね」

卯月「ひっ」 ジョロッ…

卯月「わわわ……」 アタフタ

ちひろ「こ、これは……」

鈴帆「逃走たいね」

ちひろ「なんとお!」

ちひろ「島村卯月選手、リング上を逃げまわっています!」

卯月「こ、こわい……」 ガクガク


凛「つ、強すぎる……」

未央「ムチャだったんだ……こんな相手に……」

楓「……アイドルは……」

楓「究極の無差別級異種格闘技戦」

未央「え?」

楓「キャラによって需要はあるし、同じキャラ同士喰い合うこともある」

楓「売れているからと無条件で来る仕事もあれば、新人だからと回してもらえる仕事もある」

楓「けれど……」

楓「結局の所、限られた椅子を奪い合う過酷な世界」

楓「どれだけ美しくても、どれだけ優れていても」

楓「闘う気概を持たない者では勝ち残れない」

楓「まさに価値残れない……」 フフ

凛「……っ」

未央「うぐっ……こっち見て好き放題言って……!」

楓「確かに文字にすれば同じ『アイドル』なのかもしれないけど……」

楓「アイドル意識もないまま美貌にかまけてデビューだけする娘とは違い……」

楓「私達一流とされるアイドルは――」

楓「鍛え方が違う!」

楓「性根が違う!」

楓「理想が違う!」

楓「決意が違う!」

楓「血が違う!」 ププッ

卯月「う、うう~~~っ」 ブルブル

楓「負ける理由なんてないわ……」


卯月「あ、ああ……」 ジョロロロ

卯月(こ、これが圧倒的オーラ……)

卯月「ぷ、プロデューサーさん……」 チラッ…

武内P「……っ」 パシャ

凛「撮るのやめなよ」


卯月「誰か……」 ガクガク

楓「ステージの上では一人」

楓「声援を力に変えることは出来ても、力を借りることはできない……」

卯月「……」

卯月「プロデューサー……」

武内P「……」 パシャ

卯月「ここに立ってるのは、プロデューサーや、凛ちゃん……」

卯月「脱落した皆の力があってこそ……」

卯月「だから……」

卯月「こんなこと言っちゃ駄目だってわかってるし……」

卯月「一人呟くだけならよくても、人に言っちゃ駄目ってことくらいわかってます……」

卯月「アイドルは、いつでも笑顔でいなきゃいけないってことも……」

卯月「でもっ……」

卯月「こわいよ、プロデューサー……」

武内P「島村さん……っ!」 パシャ


武内P「……ッ」 ギリッ

武内P「頑張って、ください」

武内P「もう頑張り尽くしてることは承知しています」

武内P「こんな言葉に意味がないことも、そんな言葉を求めているのではないことも……」

武内P「全て、理解しています……」

『君のやり方は、少し古いというか、不器用というかだね』

『違うプロジェクトでやり直してみてはどうだね?』

『今のままでは、君もやりづらいだろう』

『……今のまま、プロデュースを続けることは出来ない。わかるね?』

武内P「それでも……」

武内P「頑張ってください」

武内P「今は何も出来ません」

武内P「でも……倒れたあと、一緒に這い上がることはできます」

武内P「一緒に苦しむことも、心ない世間の目から守ることもします」

武内P「ステージを降りた後は、全力で、全てを賭けてフォローします」

武内P「だから、島村さんも……」

武内P「いつものように、全力で、悔いのないよう、少しでも前のめりで倒れてきてください……っ」

未央「そんな、無責任でムチャなことを……!」

武内P「島村さんになら、できます」

武内P「だって――」

武内P「だってまだ、怯えて醜態を晒しながらも、ステージを降りてないじゃないですか……っ」

卯月「――――っ!」


卯月「……」

卯月「プロデューサー」

卯月「……負けちゃったら、ちゃんと慰めてくださいね」

武内P「……はい」

卯月「凛ちゃん……」

凛「……」

卯月「ちゃんと、見ててね……」

卯月「少しでも何かを残せるよう、最後まで立ち向かいますからっ……」

凛「卯月……」

卯月「未央ちゃん……」

未央「なに、しまむー!?」

卯月「……」

未央「……」

卯月「……」

未央「……」

卯月「……」

未央「何もないんかい」


楓「……」

楓「変わらないですね……」 ポツリ

卯月「え?」

楓「……」

楓(やっぱり、根本は何も変わっていない)

楓(私や皆をプロデュースしていた頃から、何も……)

楓(あの頃の、あの人のまま)

楓(でも……)

楓(もう、その隣に私はいない)

楓「……」 ギリッ

卯月「……?」

卯月(プロデューサー達のおかげで……)

卯月(まだ恐いけど、しっかりと相手を見られる……)

卯月「楓さん……」

卯月「楓さんは……」

卯月「私のこと、嫌っているんですか?」


菜々「ブフォッ」

夏樹「すごいなあ、あのクソ天然」 ケラケラ

菜々「あ、医務室はもういいんですか」

夏樹「まあ、こんな面白い試合は現地で見なくちゃいけないしな」

夏樹「高垣楓は確かにすごい」

夏樹「さっきの強気の宣誓も、相手の弱腰を批判することでヒール化を回避してた」

夏樹「1回戦でメガネが犯した失敗は繰り返さないってとこか」

菜々「相手にヒールをおっかぶせ、でもかっこ良く決める……」

菜々「なかなか出来ることじゃないですよ」

夏樹「普通はそうやって見栄えを気にするし、真っ向から主導権を奪いに行く」

菜々「……でも、あの娘はそれをしませんよね」

夏樹「天然なのか何なのか」

夏樹「普通聞かねえことでも平気で聞く」

夏樹「恐いねえ、ブレーキを知らないほんわかモンスターってのは」


卯月「楓さんは……すごいです」

卯月「誰よりも強いし、アイドルとして、本当に尊敬しています」

卯月「初めて自分のお小遣いで買ったのも、楓さんのCDですし……」

楓「……」

卯月「だから――気付いたんです」

卯月「あの日の、昔の楓さんと、今の楓さんの違いに」

楓「……」

卯月「今の楓さん……」

卯月「ちっとも、楽しくなさそうです」

楓「――っ!」

卯月「無邪気なオトナって感じだったあの時と違って」

卯月「何を考えているのか分からないのに、それでもトップアイドルを目指していたんだろうなって瞳と違って」

卯月「今はただ、目的もなく、惰性でアイドルをやっているかのようで……」

楓「……」

楓(そう……)

楓(だって……もう、夢は叶わないってこと、知ってるもの……)

楓(どれだけ頑張っても、あの人は、もう――)


卯月「……私が戦った人達は……」

卯月「皆個性的で、ちょっと変わってましたけど……」

卯月「皆、自分を魅せようとしてました」

卯月「自分の信じる道と、愛するものを、アピールするために」

卯月「そのために互いを尊敬しあって、互いに高め合いながら試合をしていました」

楓「……」

卯月「もし、楓さんが、何も愛せていないなら」

卯月「もしも楓さんが、私というアイドルを蹴落とすためだけに戦っているのだとしたら」

卯月「なんだか……勝てるかもしれないって思えてきました」

楓「……」

楓「まだ震えてるくせに」

卯月「怖いですから」

楓「恐怖という強風で煽られて、心だって死にそうじじゃない」

卯月「それでも……」

卯月「今は震えながらでも、立ち向かっていけます」

卯月「……知ってますか?」

卯月「心に愛がなければスーパーアイドルじゃないんですよ……!」

クソ眠たいので終了
アニメ放送される度にプロットブチ壊れていくんでさくさく進めたいと思います

時間が時間なので少しだけですが投下します


卯月「私は……」

卯月「皆に貰った愛と!」

卯月「皆を愛する気持ちと!」

卯月「アイドルへの想いを胸に」

卯月「全力でまえのめりますっ」

未央「おおっ、滑り始めた!」

凛「さらに踊り始めている……!」

P「島村さんは……」

P「誰よりも努力家で、誰よりもダンスの課題がたくさんありました……」

P「ずっと踊り続けた彼女にとって」

P「体が追いつかなかろうが構わず踊ってきた彼女にとって」

P「氷上で滑りながら危ういバランスの元それでも踊り続けるくらい、出来るんでしょう」

卯月「私には、これしかできません」

卯月「だから!」 グルグル

紗枝「舞踏、か……」

ヘレン「高垣楓に捉えきれない速度じゃない」

菜々「でも――」

夏樹「ブレーキをかけず、倒れることを恐れないあいつは、どんどん速くなるっ……!」


楓「……」 スッ

未央「腕を上げた……?」

凛「なに、あの構え……」

P「あれは――」 ゴクリ

未央「知っているのプロデューサー!?」

P「……いえ」

P「その……」

凛「教えてよ、なんなのあれ!」

P「……」

P「言えません」

P「今は敵とは言え、同じ事務所のアイドルです」

P「それに……」

P「言葉で言うより、目にした方が……」

瑞樹「昔の担当の技をばらすのは忍びない、かしら」

P「!?」

未央「わわわっ、川島瑞樹!」

瑞樹「突然カーテン開けられて以来ね」

未央「ナンノコトデスカ」

凛「な、なんか解説もお休みしてたんじゃ……」

瑞樹「ええ」

瑞樹「寒いし、休む予定だったのだけれど」

瑞樹「とりあえず股引に腹巻きつけたら寒さはしのげたから……」

凛「おっさんか」


凛「なんでここに……」

瑞樹「一応、教えておいてあげようかと思って」

未央「何を?」

みく「高垣楓の技を知ってるとかいう中年自慢にゃ」

未央「うへえ」

凛「しっ、長く生きてると知識くらいしか自慢出来るものなくなるんだから」

瑞樹「春菜ちゃんが意識取り戻したことを教えにきてあげたのに」

瑞樹「悲しいわ、ニュージェネレーションズのファンレターに使用済みあぶらとり紙混入させちゃいそう」

凛「すみませんでした」

未央「本当に申し訳ない許して」


凛「っていうか、意識を取り戻したって――」

瑞樹「ええ」

瑞樹「ついさっき、無事に覚醒したわ」

凛「そうなんだ……よかった……」

凛(正直ちょっと忘れつつあったけど)

未央(多分忘れてたよなあしぶりん)

みく(忘れてたんじゃないかにゃあ)

瑞樹「本当に目を覚まさないんじゃないかってことで呼ばれたんだけど……」

瑞樹「なんとメガネをかけさせたら無事意識を取り戻したわ」

未央「なにそれこわい」


ヘレン「どうしても手術や入院だと過剰な装飾は外されてしまうわ」

みく「みくも見た目でアイドルスイッチを切り替えるから、気持ちはわかるにゃ」

未央「えっ、そんなもん!?」

瑞樹「まあ、何にせよ、戻ってきてよかったわ」

瑞樹「私も、春菜ちゃんの意識も」

凛「ですね……」

瑞樹「それに――あの技が見られる」

P「か、川島さんっ」

P「ご本人の意思確認もないしに、勝手に特技をバラすというのは――」

瑞樹「わかるわ」

瑞樹「でも、どうせ、いつかは知ることよ」

P「……」

瑞樹「あの技も――」

瑞樹「あの娘との関係も」

凛「……?」


瑞樹「……まあ、いいわ」

瑞樹「時が来たら、直接教えるつもりなのかもしれないし」

未央「ええ!?」

未央「なになに、気になる~っ!」

瑞樹「昔色々あったって話よ」

瑞樹「そしてあの技は、その“色々”の延長線上」

凛「?」

瑞樹「大好きな人と離れ離れになった悲しみを酒で誤魔化してた時の遺産」

凛「遺産よりも負債に近そうな雰囲気を感じ取れるんだけれど」

ヘレン「借金も遺産ではあるわよ」

瑞樹「居酒屋で、そのストレスを酔っ払い相手にぶちまけた――」

瑞樹「さすがにもみ消し切れるものでなく、あれはフライデーされたのよね」

未央「あ、それなら知ってるかも……」

みく「確か、その記事がきっかけで、それまでの完全神秘お姉さんキャラから、子どもじみた所もある面白キャラに半分転身したと……」

瑞樹「結果として、まだ真面目なクールビューティとしての仕事が多いけれど、それでもダジャレを平気で言うようにはなったわ……」

凛「今の芸風に影響を与えた事件なんだ……」

瑞樹「その時酔っぱらいだろうとなんだろうとなぎ倒したのが、この技」

瑞樹「……あの時以来、今まで使ってこなかったのに、一体どうして……」

楓「居酒屋ボンバー……」 ヌッ

瑞樹「その技で、自ら仕掛けるのでなく、返り討ちにするつもりでいる……」

瑞樹「決着の時は近いわね」

寝落ち申し訳ない

僅かにでも進めていきます
ちょっと忙しくなってきたので投下頻度下がりそうです申し訳ない


楓(……私だって、諦めなかった)

楓(私だって、一生懸命だった)

楓(仕事だって色々こなしてきた)

楓(でも……あの人は……)

楓「……」 ギリッ

楓(これは、くだらない嫉妬)

楓(貴女に罪はないわ。でも――)

卯月「うあああああああああっ!」

楓(私は貴女が、あの人の愛を受けて闘う貴女が、憎いっ!)

楓「居酒屋ボンバァァァッ!」

ボゴォォッ

凛「っ!」

未央「う、卯月がふっ飛ばされたっ……!」


ガクッ

楓「……!?」

楓(インパクトの瞬間に、足をとられ――)

楓「こ、これは……くぼみ!?」

楓(なんで、こんな……)

楓「!!」

楓(まさかこれは、さっき垂れ流しになっていたあの娘のおしっ……!)

楓(温かいアンモニア水によって氷が僅かに溶けていたとでも……)

楓(それで私の居酒屋ボンバーの威力が減ったなんて……)

楓(……)

楓(これが……私に足りないもの……?)

楓(あの人が、私のプロデューサーから外れたのは、私にコレが足りなかったからとでも言うの……?)


卯月「くっ……」

卯月(やっぱり当たり負けはする……)

卯月「でも……背中さえ!」

卯月「体さえ地面につけなければッ!」

未央「ゲエーーーーッ!」

未央「イナバウアーばりに体を反ってるのに、体は決して地面についてないっ!」

凛「でも、ラリアットの衝撃で完全に頭から場外に向かって滑っていっている!」

凛「あの体勢からは挽回なんてとても……」

卯月「プロデューサー……」

卯月「一緒に考えたオーバー水着作戦を、今こそ!」

鈴帆「おわーーーーっ、なんじゃあれはーーーーー!」

ちひろ「あれは……敗れた水着の残骸!?」

美穂「わわっ、水着の切れ端をリング横のカメラに引っ掛けて……」

紗枝「カメラを軸に回転しおった……!」

夏樹「やろー、私がさっきの試合でやったのを見て、狙ってやがったな」

菜々「相手の力を利用するため――ですね」

卯月(もう私にも立ち止まることはできないし、ただただ慣性の法則に流されるだけ) シャアアアア

卯月「でも!」 シャアアアア

卯月「流されて滑るだけの私でも、皆に貰った力と一緒に、やれることは全部やりますよ……!」 シャアアアア


未央「おおっ」

未央「ありえないほどの速度でしまむーが滑って突っ込んでいくッ!」

凛「誰かの力を借りる」

凛「努力して成長する」

凛「そして、何度でも無様を晒して、それでも必死に立ち向かう」

凛「……どれも、卯月だけの、とても大切な個性」

凛「いけ、卯月」

凛「あんたの魅力が詰まったその一撃ならば!」

凛「油断なのか考え事をしている高垣楓に一撃入れられるッ!」


鈴帆「ちゅーか、衣服の仕様とかは相撲としてありなんか?」

ちひろ「今回のルールじゃ禁止してませんからありです」

未央「いっけえええええええ!」

菜々「あたって!」

夏樹「ぶちかませよ、くそったれーーーーーーっ!!!!」

楓「!!」

凛「いけないっ」

凛「皆が反応したことで気付かれた!」

みく「いや、でもあの速度なら避けられないにゃ!」

楓「ぬっ!?」

楓(返り討t……無理ッ)

楓(居酒屋ボンバーのせいで体勢が崩れてるし、足をとられ……)

楓「はーーーーーーーっ!」 ブアッ

ちひろ「な、なんとお!」

ちひろ「高垣楓選手、しゃがみこんだ体勢から、一気に飛び上がり島村卯月選手を回避~~~~~~~っ!」

未央「はずされたーーーーーーーーっ!!!」

みく「もうダメにゃーーーーーーっ!!!!」


凛「卯月っ……!」

凛「逆境なんて跳ね返して、卯月っ!!」

凛「観客は味方になったっ!!」

凛「今なら、高垣楓のダジャレによる主導権強奪だってはねかえせるはずだよっ!!」

卯月「くっ……」

卯月(もう一度、水着を引っ掛け――――)

ビリビリビリィ

卯月「あっ……」

卯月(ダメ……止まれない……他に、布も……!)

ドサッ・・・


未央「そんな……」

みく「うそ……」

鈴帆「落ち……た……」

ヘレン「……」

ヘレン「……よく、やったわよ。あの高垣楓を相手に」

P「……っ!」 ギュッ

水樹「やはり強いわね……」

凛「リングアウト……?」

凛「うそ、でしょ……」

凛「卯月が――――負けた?」

パソコンフリーズしたしきりもいいので中断します。

ちょっとでも進めていきます


楓「……っ」

楓(危なかったわ……)

楓(さすがはあの人の担当アイドル)

楓(最後まで油断ならない相手だった……) シュタッ

未央「くっ……」

未央「しっかりと両足で着地した……」

凛「せめて膝から落ちてきたら、引き分けだっていちゃもんもつけられたのに……」

武内P「……」 パシャ

武内P「いえ……」

武内P「あれを見て下さい」 パシャッ


楓「……」

楓「?」

楓(何か、違和感が――――)

ザワザワザワザワ

楓(寒……)

楓「…………え?」

ちひろ「な、ななななんとォォォォォーーーー!!」

ちひろ「島村卯月選手の意地の一撃が掠っていたのか、高垣楓選手の水着の下が!」

ちひろ「紐を破かれ、無残にも落下しています」

楓「…………」

ウオオオオオオオ

楓「~~~~~~~~ッ////!?!?!?」 カァァァァァ


楓「ッッ」 ペタン

未央「あっ、しゃがみこんだ!」

凛「膝はついたけど、でも、卯月のリングアウトの方が先、か……」

未央「いや、でもすごいよ」

未央「あの高垣楓に膝をつかせるなんて」

未央「多分、しまむーが初めてじゃない?」

凛「……」

未央「……しぶりん?」

凛「……確かに、膝をついたのは卯月が落ちてから」

凛「でも、水着が脱げたのは……?」

未央「え?」

凛「これがあくまで氷上“相撲”デスマッチなら」

凛「相撲の名を冠するのならッ」

凛「まわし――つまり下の水着を取られた時点で、敗れているはず……!」

未央「そ、そうかーーーー!」

未央「しまむーが落下するより先に水着が脱げていたら……」

みく「先に負けの条件を満たしたのは高垣楓ってことに……!!」


ちひろ「ええと、物言いがつきました」

ちひろ「確かに相撲では回しを取られると負けですからね」

鈴帆「……となると、ビデオ判定とね?」

ちひろ「そうなりますねえ」

鈴帆「……その場合、リスナーには?」

ちひろ「コメント欄がどっちが勝ったか揉めまくってますし、映像を流さないと納得しないでしょうねえ」

鈴帆「……流すんか……」

ちひろ「一応、スタッフが今懸命にモザイクを入れていますが……」


楓「……」

楓「……でいいわ」 ボソリ

ちひろ「はい?」

楓「私の、負けでいいわ……」

ちひろ「え、でも、リスナーのアンケートだと優勢なのは――」

楓「負けでいいから」 フラッ

ちひろ「あ、ちょっと……!」

鈴帆「……まあ、そうなるばいね」

鈴帆「すでに売れっ子である以上、あんな醜態をリプレイされてまでバックダンサーになる理由なんてないっちゃ」

鈴帆「……負けと引き換えに検証再生を避けるのは当然のことばい」

ちひろ「そんな……」

ちひろ「リプレイした方が絶対再生数増えるしプレミアム会員も増えるのにっ……」 クッ

鈴帆「鬼か」


ちひろ「えー」

ちひろ「まことに残念ながら、高垣楓選手から決勝戦辞退の申告がありました!」

ザワザワザワ

卯月「……ふえ!?」

ちひろ「よって、まことに口惜しいですがビデオ判定は無しとし、決勝には島村卯月選手を進めたいと思います!」

ワアアアアアア

卯月「え!? え!?」

未央「うおおおおおおお!!」

みく「大逆転勝利にゃーーーーー!!」

卯月「い、いいんでしょうか、こんな棚ぼたで……」

凛「いいんだよ」

凛「……あの人は、すでに一流アイドルだから、失うものの大きさの前に辞退を選んだ」

凛「でも、卯月なら……」

卯月「……?」

凛「……卯月があの人の立場だったら、どうしてた?」

凛「ビデオ判定、してた?」

卯月「……」

卯月「恥ずかしいですけど……」

卯月「それで、勝てる可能性が1でも生まれるのならば……」

凛「……」

凛「そういうところだよ」

凛「勝利のために無様を晒せる」

凛「その強さで掴んだ勝利なんだ、棚ぼたでもなんでもないよ」

未央「そーそー!」

未央「みっともなく足掻いたからこそ、最後に水着を取れたわけだしさ!」

卯月「そ、そうですかねっ……」

みく「そのとーりだにゃ」

ヘレン「もうちょっと喜んでもバチはあたらないわよ」

瑞樹「むしろこの大金星でも喜ばないのは、少々無礼にあたるほどよ」

卯月「う、うう……」

卯月「やりましたああああああ!」 ピョイーン

菜々「うんうん、羨ましいですねえ」

夏樹「自分に出来なかったことを後輩がなすってのは、嬉しさ半分悔しさ半分だけどな」 ハハ


楓「……」 フラッ

武内P「楓さんっ……!」

楓「……」

楓「どうも」 スッ

武内P「待って下さいっ……!」

楓「……」

武内P「この度は、うちの島村卯月が大変失礼を致しましたっ……」 ガバッ

楓「……」

楓(……“うちの島村卯月”、ね……)

楓(分かってはいたけど……傷つくわ……)

楓(もう、私は貴方のものではないし、貴方にも新しい担当が出来ている……)

楓(分かってはいるの。でも――)


楓「……」

楓「こんな人気のないところ、来ている場合じゃないんじゃないですか」

楓「“貴方のところのアイドル”達、勝利に大はしゃぎしてますよ」

武内P「……」

武内P「今回のことのお詫びは、いつか改めてします」

楓「……」

楓「別に、いいです」

武内P「映像が出まわらないように、こちらでも打てる手は打たせて頂きます」

楓「……それも、別に、いいです」

楓「難しいってことくらい、わかりますから」

武内P「それと撮影した写真も、後日全て消させて頂きます」

楓「今消して」


武内P「いえ、ですがこれには大事なデビュー大会の記録が……」

楓「消して下さい」

武内P「まだまだ未熟と思っていたアイドルが、一流に勝利する貴重な瞬間が」

楓「いいから」

武内P「決してやましい気持ちなどでは」

楓「いいから」

武内P「……」

楓「……」

武内P「本当に、欠片もやましい気持ちなどなく、あくまでも島村さんを――」

楓「……それはそれで、なんか悔しい」 ボソ

武内P「はい?」

楓「……」

楓「プロデュ……」

楓「……」

楓「“武内さん”は――」

楓「私には女性的魅力を感じていない、ロリコンということでしょうか」 プクゥ

武内P「……は?」

楓「……」

武内P「……」 エート

武内P「そういうわけではありませんが……」

楓「あの娘達はたくさん撮るのに、私は撮ってくれないんですね」

武内P「…………」

楓「…………」 プクゥ

武内P「一応、島村さんが勝利した瞬間として、赤面してしゃがみ込む所を連続撮影機能で」

楓「カメラごと消しておきます」 バキャァ


武内P「ああ……」

武内P「備品のカメラが……」

楓「すみません、持病のハーミットパープルが」

武内P「はーみ……?」

楓「……弁償はします、後日振り込んでおきますから」

武内P「……はあ」

楓「…………」

武内P「……」

楓「……」 チラッ

武内P「……」

楓(……困ってる)

楓(そういうところは――あの時から、何も変わっていない……)

楓「……それじゃあ、もう、行きます」

楓(……魔法が解けて、シンデレラじゃなくなったのは……)

楓(魔法使いのプロデューサーを、“ただのプロデューサー”としてでなく――)

楓(一人の男性として、好きになってしまったから、なのかしらね……)


武内P「あの、この度は、本当に――」

楓「……ねえ、武内さん」

武内P「はい、なんでしょうか……」

楓「追いかけてくれて、ありがとうございました」

楓「でも――」

楓「欲しかった言葉は、そんな言葉じゃ、なかったんですよ」

楓(あんな目に合わせたことのお詫びなんかじゃない)

楓(建設的な今後の話や、賠償や、そんなのでもない)

楓(ただ――優しく慰めてほしかった)

楓(せめて単なる友人としてでもいいから、隣に立って、優しく頭を撫でて欲しかったんですよ――)


P「……」

未央「あ、こんなとこにいた!」

P「本田さん……」

未央「どったの、そんな困ったような顔で棒立ちで」

P「いえ……」

P「なんでも、ありません」

みく「てっきり可愛がってた野良猫に逃げられでもしたのかと思ったにゃ」

ヘレン「呆然としてるところを見るに、野良猫に財布を持って行かれたとかの方が妥当じゃない?」

瑞樹「わかるわ」

ワイワイ

P「……」

P(楓さん……)

凛「ほら、行くよ、プロデューサー」

卯月「早目に席をキープしないと、凛ちゃんの試合、良い場所から見られなくなっちゃいますよっ!」

P「……ええ」

P「そうですね……」

P「今、行きます」

卯月「いきましょう、プロデューサー!」 パッ

未央「わっ、手をとった!」

みく「だいた~ん!」

卯月「そ、そういうわけじゃ……///!」 アタフタ

凛「小学生じゃないんだから、さっさと行くよ」 ハァ

ヘレン「そうそう、ワールドワイドに考えれば、このくらい挨拶なんだから」

卯月「い、いいい行きましょうプロデューサー!」

P(例え貴女と敵対し、貴女に嫌われたとしても……)

P(貴女とプロデュース出来た日が無駄にならぬよう、これからも、彼女たちを、導いていきます)

P(だから――)

P(だからどうか貴女も、前を、向いて――)



【準決勝第1試合 勝者・島村卯月】

大分時間かかってしまってますが、莉嘉の試合までやると途中で寝落ちしそうなので、きりもいいので今日はここまでにしておきます

ぼちぼち更新していきます
ちなみに当初の予定だと楓さんの救済があったけど、このペースだと当分はないです、すまんな


みりあ「わあ!」

みりあ「すごーい、あの楓さんを倒したって!」

莉嘉「……うん」

莉嘉「ちょっとビックリだよね」

みりあ「……」

みりあ「緊張してる?」

莉嘉「え?」

みりあ「いつもみたいに何も考えず馬鹿笑いしてる方がいいよ」

みりあ「その方が見てても楽しいし」 エヘヘ

莉嘉「……うん」

莉嘉「わかってるんだけど、こう……」

莉嘉「どうしても、ね」

みりあ「……お姉ちゃんと同じ舞台に立つんだーって、ずっと言ってたもんね」

莉嘉「うん……」

莉嘉「ここで勝たないと、夢の舞台が遠くなっちゃう」

莉嘉「負けられないんだ」

莉嘉「相手が同じ、シンデレラプロジェクトの友達でも……!」



みりあ「……まあ、しょうがないよね」

みりあ「でも、私だって上がりたかったけど」

みりあ「莉嘉ちゃんが満足できるように譲ってあげたんだもん」

みりあ「私の代わりに、笑ってだしつくしてね!」

莉嘉「……うん」

莉嘉「行ってくる」

莉嘉(あの高垣楓を倒したニュージェネレーションズ……)

莉嘉(お姉ちゃんの見る目は、多分、間違ってないんだろうな……)

莉嘉(でも……)

莉嘉(それでも私は、やっぱりお姉ちゃんと同じ舞台に上がりたい!)

莉嘉「絶対勝つから」

莉嘉「一緒に、あの舞台に上がろ!」

みりあ「……うん!」


ちひろ「さあ、ステージを移動してジャングルフィールド!」

ちひろ「様々な気候を再現する、ここ346植物園からお送りしております!」

ワーワー

ちひろ「先ほどの大番狂わせの熱気冷めやらぬまま、バックダンサー二人目の座を賭けた準決勝第二試合が始まります!」

ちひろ「まずはこの少女の登場!」

ちひろ「大番狂わせを決めた島村卯月選手の相棒!」

ちひろ「クールな瞳に大きな情熱、決めるかニュージェネレーション旋風!」

ちひろ「1回戦で唯一相手を病院送りに出来た猛者・渋谷アァァァァりィィィィィィィィィん!!」

凛「なんだろう、褒められてる気がしない……」

未央「まあ、あんまり病院送りっていいことじゃないしね……」

みく「墓場送りじゃないだけ感謝しなきゃいけない慈悲なき植木鉢だったからにゃあ」


ちひろ「対抗するは同じく初めての映像デビュー!」

ちひろ「新進気鋭のスーパー妹、姉の秘技を発展させて今推参ッ」

ちひろ「最後の壁を引き裂いて、輝く未来を切り開けるんでしょうか!?」

ちひろ「城ヶ崎ィィィィィ莉ィィィィィィィィィ嘉ァァァァァァァァァァァッ!!」

ワアアアアアア

莉嘉「……」

莉嘉(緊張してるし、自分らしくない自覚もある)

莉嘉(でも……乗り越えなきゃ)

莉嘉(お姉ちゃんだって、こういうのを超えてきたんだもん!)

莉嘉(だから……)

バサッバサッ

ちひろ「おーっと、城ヶ崎莉嘉選手、自慢のつけ爪で生い茂る草木を切り払いながらの入場ですっ!」

莉嘉「ぜーったい、負けないよ」


凛「……」

凛(卯月は、泥にまみれて、無様を晒してでも戦って、そして栄光を掴んだ……)

凛(今までの試合を見て分かった)

凛(ライブバトルっていうのは、プロレスみたいなものなんだ)

凛(互いに本気出し、勝ちに行くけど、観客受けと盛り上がりを重視する)

凛(……)

凛(そのうえで、絶対に勝たないといけない、勝ちたい試合)

凛(なら――――)

凛「悪いけど……即効で終わらせるよ」

凛(ヒールだろうと、私も精一杯輝くッ)


莉嘉「ふーん」

莉嘉「じゃあこっちも、容赦しないよっ」

凛「さっき、散々下着を晒したし――」

凛「今回は、布に傷ひとつ付けさせない」

莉嘉「できるかなっ!」 ダッ

鈴帆「飛びかかったッッ」

ちひろ「ご、ゴングゴング!!」



【準決勝第二試合 ―― 試合開始(ゴング)】


莉嘉「私の爪は一撃必殺」

莉嘉「触れさえすれば全てを切り裂くッ!」

莉嘉「いきなり決めるよッ」

莉嘉「ギャルリンの――赤い姉~~~~~~っ!!」

ズバァァッ

ちひろ「なんとぉ!」

ちひろ「開幕からフェイバリットの炸裂~~~~~ッ!」

ベキベキベキベキ

ズズゥゥゥン……

瑞樹「樹林が容易く切り裂かれ、バランスを崩して倒れている……」

ちひろ「すごい威力ですねえ」

莉嘉「……ッ?」

莉嘉(あ、あれ……?)

莉嘉(外した……?)

莉嘉(確かに、狙いをしっかりと――)


凛「……ジャングルで気をつけなくちゃいけないのは、猛獣だけじゃない」

莉嘉「!?」 クラァッ

凛「植物」 

凛「毒があるのは蛇だけじゃない」

凛「命の危機をもたらすものは、何もライオンのような猛獣だけじゃない」

凛「この植物だらけのフィールドに無警戒で踏み入った時点で、決着はついているんだよ」

莉嘉「な……に、を……」

凛「ロイヤルデモンローズ」

凛「さっきの試合の冒頭の時間に、このジャングルに移しておいたんだ」

凛「花屋を相手にジャングルフィールドを引いたのに、警戒をしなかったのが敗因だよ」

莉嘉「ま……だ……ッ!」 シュバッ

凛「ピラニアンローズ!」

未央「ゲェーーーッ! 花びらがまるでピラニアのように襲いかかっているーーーーーッッッ!!! 」


寝ないとまずいので寝ます

またちょいちょいやります


莉嘉「ぐあっ……!」

ちひろ「あーっと、幼い柔肌に薔薇の花が突き刺さっていくーーーーっ!」

瑞樹「いたいけな少女が花弁を散らすなんて……」

莉嘉「この程度っ……!」

ちひろ「さすがは見た目に反して意外とアウトドア!」

ちひろ「多少の擦り傷はなんのそので、渋谷凛選手に突っ込んでいくーーーーっ!」

凛「風華円舞陣ッ」

莉嘉「ぎゃっ……」

凛「悪いけど……指一本触れさせるつもりもないよ……」


莉嘉「ぐうっ……」

莉嘉(痛いよお……でもっ……)

莉嘉「お姉ちゃんと同じ舞台に立つんだーーーっ!」

未央「ゲエーーーーッ!」

未央「つけ爪を射出したーーーーーーっ!!」

ボシュウゥゥゥ――z_____ッ!!!

凛「ッ!」 バッ

ちひろ「あ~~~っと、紙一重でこれをかわすーーーーっ!」

凛(幻覚作用で平衡感覚もなくなってるはずなのに、合わせてきた……!?)

莉嘉「爪弾はまだ残ってる……」

莉嘉「絶対絶対絶~~~~~対諦めないんだからッ」


凛「……ッ」 ズキッ

凛(くっ……また痛んできた……)

凛(痛み止めの薬草をつけていても、激しく動けばこうなるか……)

チラッ

卯月「がんばれー!」

凛「……」

凛(卯月……)

凛(さっきの勝利は多くのファンと同時に、熱烈なアンチも作り出した)

凛(プロデューサーを探してる時に、卯月を闇討ちしようとしてるファンを見つけたのはよかったけど……)

ズキッ、

凛(大事な試合前だっていうのに、怪我しちゃったのは不覚だったな……)

凛(……でも、負けるわけにはいかない)

凛(そのためなら、悪魔になる覚悟だってあるっ……!)


凛(高垣楓のファンに撃たれた傷を少しでも開かせずに勝つには……)

凛(ただの殴り合いじゃなく、トークの面でもねじ伏せて少しでも早く終わらせるっ……!)

凛「ポイズンキッス!」

フワァ

莉嘉「なに……この匂い……」 クラァ

凛「眠気を誘う効果があるよ……」

凛「おとなしく寝てて」

凛「お姉さんの後ろには、私が卯月と立ってくるから」

未央「私は?」

凛「それと、ついでにアレも一緒に代わりに立っておくから」

未央「代名詞扱い」


凛「……莉嘉ちゃんには、感謝してるよ」

凛「莉嘉ちゃんが客観的評価に不満を抱いてくれたからこそこの大会が開けたし」

凛「私達は成長することが出来た」

凛「……成長前から、貴女のお姉さんが私達を指名したように、私達の実力差は明白」

凛「なのにこちらが成長した以上、負ける気はしない」

莉嘉「……ッ」

凛「自分の力をわきまえず突っ走れるのは子供の強みかもしれない」

凛「けれども――」

凛「それだけじゃあ、壁は越せない、崩せない」

凛「壁にぶつかって命を落とすだけだってこと、教えてあげる」

莉嘉「そんな、わけ……」

莉嘉「お姉ちゃんが、私より後輩でオーディションにも本来落ちてた娘達の方にいれこむなんてこと、あるわけないッ!!」 ダッ


莉嘉「くっ……!」

莉嘉(当たらない……意識も、薄れて……)

凛「……気付いてる?」

凛「さっきから、こっちは全然動いてないし、攻撃もしてない」

凛「もう、自滅していくしか道はないんだよ」

莉嘉「~~~~~ッ!」

莉嘉(あと一発の爪弾をぶち込むッ!)

莉嘉(毒草のせいで分身して見えるけど…・・)

莉嘉(右!? いや、左ッ!) ドシュウウウウウウッ

スカッ

莉嘉「ッ!」

凛「もうやめよう」

凛「……私だって鬼じゃないし、大事なシンデレラプロジェクトの仲間を傷つけたくなんてないから」

莉嘉「……ッ」 プルプル


莉嘉「……して」

凛「ん?」

莉嘉「どうして……」

莉嘉「どうして凛ちゃん達なのっ!? 一体どうしてっ!!」

シーン・・・

莉嘉「アタシは努力したよっ!!」

莉嘉「みんなの10倍、いや100倍1000倍したよっ!」

莉嘉「アイドルとしてPくんに認められるために!!」

莉嘉「お姉ちゃんと同じ舞台に立つために!!」

莉嘉「それこそ、朝から晩までLESSONのことだけを考えて……」

莉嘉「アイドルに全てを捧げてきたよ、なのにっ………」

凛「…………」

凛「それは莉嘉にアイドルの才能がないからだよ」

莉嘉「ふざっ……!」

莉嘉「そんなこと、あるわけ……」

凛「そんな大声で喚くことじゃないよ」


凛「……心、折れちゃったかな」

凛「植物の効果もあって、もう立てないよね」

凛(……頼むから、立たないで)

凛(こっちも傷口が痛むし、このまま勝てないと、正直――)

莉嘉「……」 ボーゼン

凛「……このまま決着、かな」

凛(ヒールになるという選択肢に、相手の短所をあげて自分の意識の高さをアピール)

凛(そしてヒールとしての需要をつくることで、決勝戦を消化試合でなく盛り上がるものにする)

凛(それが出来るなら、応援されるのは私でなくてもいい)

凛(私は、憎まれ役でもいい)

凛(卯月が憎まれ役になるより、よっぽど――――)



【準決勝第2試合 勝者・渋谷凛】

寝ます。アニメで話進むよりは早く大会編を終わらせたいです。

クッソスローペースですが、連休は避けたいしちょっとずつ進めます


凛「……ふう」

未央「しぶりん!」

凛「!」

凛「未央……」

未央「……」

未央「お疲れ」

凛「……うん」

未央「……あのさ」

凛「……」

凛(さっきの勝ち方……咎められるのかな……)

未央「どっか、怪我してるの?」

凛「!!」


凛「……なんで……」

未央「まあ、しまむーはいつでもいっぱいいっぱいだし、気付いてないかもしれないけど……」

未央「私はこれでもニュージェネレーションズのリーダーだからね」 フフン

未央「見れば分かるよ、実際の動きがいつもとちょっと違ってたら」

凛「未央……」

凛「別に未央をリーダーなんて認めた覚えは」

未央「誰よりも仲間の様子を見ているリーダー」 フフン

凛「一人だけ一回戦で負k」

未央「痛いのここかな?」 チョン

凛「いったい!!!」 ヒギィ


未央「……あんまり酷いようなら、医務室行く?」

未央「もうしぶりんもしまむーもステージ入り決定してるし……」

未央「どっちにしても、私を指名してくれるんだから、辞退してもいいと思うけど」

凛「……」

未央「……しぶりん?」

凛「……」

未央「指名私だよね?」

凛「あの幼女の娘には借りがあるな」 ボソ

未央「私指名だよね!?」

凛「……ジョーダンだよ」

未央「……」

凛「……心配してくれるのは嬉しいけどさ」

凛「一応、これ、ニュージェネレーションズがデビューするための最初の関門だったわけじゃん」

凛「じゃあさ……」

凛「最後は、戦わないなんて中途半端なことはしないで、派手に戦って終わりたいよ」


凛「……悪かったとは、思ってる」

凛「決勝を、消化試合なんかじゃない」

凛「ニュージェネレーションズのガチンコに」

凛「見てる人の心に残る勝負にしたかった」

凛「そのために、少しでもチャンネルをそのままでいてもらうために、ヒールの言動をしたこと」

凛「……後先考えてなかったけど……」

凛「でも、後悔は、してないよ」

凛「今回は勝っても負けても、いずれ卯月が私を乗り越えてくれると信じてるから」

凛「だから私は、卯月というアイドルのポテンシャルを盲信して、ヒールとして振る舞うんだ」

未央「……」

未央「はぁ」

未央「しょうがないな……」

未央「私はリーダーだからね」

未央「しぶりんがそうしたいっていうなら、笑って背中を押してあげて、何か起きたら尻拭いくらいしてあげるってもんよ」

凛「未央……」

未央「その代わり、下手な試合したら承知しないんだからね」

凛「……うんっ」


ちひろ「さあ、開幕前は予想だにしない展開となりました!」

ちひろ「新進気鋭ニュージェネレーション二人の決勝!」

ちひろ「共に同じチームの友人・本田未央の指名が決定的なので、本来は闘う理由はないのですが――」

ちひろ「互いの意地をかけて、激突が行われますッ!」

ちひろ「まず入場するのはこの人!」

ちひろ「対戦相手の心を取り込み、周囲の力でのし上がりますっ!」

ちひろ「運も周囲も魅了して、勝利の女神も味方にできるのでしょうか!?」

ちひろ「高垣楓をジャイアントキリング、島村ァァァァ卯月ィィィィィィィィィ!!!」

ワアアアアアアアアアア

ブウウウウウ

ワアアアアアアアアアア

卯月「あわわ」

卯月(い、いっぱいの完成と、ちょっとだけどブーイング……!)

卯月(た、たんある当て馬の無名噛ませ犬としてでなく、一人の決勝進出者として声援を受けてるってことだよね……?)


ちひろ「続きまして、この人!」

ちひろ「冷酷無比なクールアイドル!」

ちひろ「植物からダンスまで、何でもこいのスーパールーキー!」

ちひろ「ここまで二戦、病院送りとワンサイドゲームと圧倒的な強さを見せてます!」

ちひろ「渋谷ァァァァりィィィィィィィィィんッッ!!」

凛「……」

凛「卯月……」

凛「本気で行くよ」

凛「私をこの世界に引き込んだ笑顔の力、見せてもらうから」 ザッ

卯月「凛ちゃん……」

卯月「私だって……負けませんよっ!」

体調ダメです、すまんな寝ます

一ヶ月ぶりのキン肉マンに備えて更新していきます


ちひろ「最終ラウンドのステージはこちら!」

未央「ゲエーーーーッ! プロレスリング!?」

みく「い、いや、あれを見るにゃ!」

鈴帆「り、リングが何やらてらてらと……」

ちひろ「これぞ、ローション・プロレス・デスマッチですっ!!」

未央「な、なに~~~~~~っ!?」

みく「ローション・プロレス・デスマッチにゃあ!?」

ヘレン「世界にもこんなクレイジーなアイドルバトルはそうそうないわね」 ゴクリ


ちひろ「その名の通り、このローションが撒かれたリングでプロレスをしてもらいますっ!」

ちひろ「プロレスなので衣装は自由、脱げても試合は続行」

ちひろ「勝敗は、相手を倒して特定のカウントを取ることで決まります」

みく「特定のカウント……?」

未央「そこは10カウントなんじゃあ」

ちひろ「これはトークバトルですから」

ちひろ「会話の主導権を握っている方に常に投票してもらい――」

ちひろ「その割合によって、決着までのカウントが変わりますっ」

未央「な、なんだってーーーー!?」

ちひろ「基本は、両者合わせて20カウント」

ちひろ「これを、投票の割合に応じて振り分けますっ」

凛「……なるほど」

凛「要するに、20秒間立てないようなKOをすれば問題ないんだ」

ちひろ「そーいう考えも出来ますね~」


凛「一つ、いい?」 スッ

ちひろ「はい、渋谷凛さん」

凛「プロレスに詳しいわけじゃないんだけど……」

凛「ダウンって、どうやって判定するの?」

凛「体が全面についたらダメ、とか?」

ちひろ「ふむ」

ちひろ「ここでは、相手の攻撃によって足のうら以外がつくことをダウンと定義しましょうか」

ちひろ「ダウンした後は、足の裏以外が地面から離れたら立ち上がったということで」

凛「なるほど」

凛「私はそれだけ聞ければ十分だけど……」 チラッ

卯月「あっ、私は特に質問は大丈夫ですっ」

ちひろ「そうですか」

ちひろ「それでは、いざ尋常に――――」

ちひろ「ファイトっ!」 カーーン



【決勝戦 ―― 試合開始(ゴング)】


凛「……」 グッ

未央「クラウチングスタート……?」

卯月「???」

凛(予期せぬ動作を取った場合、卯月は潰しに来ることはない)

凛(純粋な興味こそ抱けど、危機感を伴った警戒心は抱かない)

凛(だから――)

シャァァァァ

未央「おおっ!?」

未央「しぶりんがローションのリングをスケートみたいに滑ってる!」

みく「うーむ、なかなかにやる身のこなしだにゃ」

卯月「わあっ、すごい……!」 パァ

凛(無垢な表情……)

凛(卯月に裏表はない)

凛(未央も、多分得意じゃない)

凛(ニュージェネレーションズが個性をそれぞれ発揮するには、私が小賢しくならなきゃいけない……!)


凛「……」 シャァァァァ

凛(滑りながら、モニターの位置は確認した)

凛(下から舐めあげるような構図だけど、スカートの中がギリギリ写らないボーダーは分かった)

凛(色気で票が取れることはわかったけど……)

凛(身を切って票を得ても、満足させてしまったら未来がない)

凛(見えそうで見えない色香を使って、グッと視聴者を引きつける)

凛(そのために、わざわざ制服に着替えてきたんだから)

凛「卯月」

卯月「はい?」

凛「卯月の技、パクらせてもらうよ」

卯月「へ?」

凛「ローションで滑る力を、拳に乗せるっ!」 シャァァァァ

卯月「あわわ!」 ツルッ

ドテン

卯月「ひゃうっ!」

未央「だ、だめだーーーっ、この足場じゃ滑っての移動くらいしかまともにできない!」

未央「細かな動きで攻撃を避けるなんてとてもとても……」

凛「球根ナックルーーーーーっ!」

ガゴン

未央「き、キックだーーーーー!」 ガビーン

みく「土壇場でコケられたせいで、膝の方が入れやすかったんだろうにゃあ……」


卯月「きゃうっ……」

凛「卯月……」

凛「同じシンデレラプロジェクトの、ニュージェネレーションズの仲間だからこそッ」

凛「この場できっちり決着をつけるっ!」

ガシィッッ

未央「あ、あの体勢は~~~~~~っ!」

凛「植物技にはこんなものもある!」

凛「テキサス・クローバー・ホールドーーーーーっ!」 ギリギリギリ

卯月「~~~~~~~っ!?」

未央「あ、あれはまさに四つ葉のクローバーを模したフェイバリットホールド!」

鈴帆「まさに花屋にふさわしいフェイバリットばい!」


卯月「~~~~っ!」 ジタバタ

ヌルリ

ニュポンッ

凛「!」

卯月「あわわわわ」

ちひろ「おーっと、島村卯月選手、カウント5で辛くも脱出~~~っ」

凛「今は7秒で決着だったのに……」

凛「ローションのせいで、技のロックは甘くなる、か……」

卯月「凛ちゃん……」

凛「……私は卯月に憧がれて、その背中に惹かれてこの世界に入った」

凛「あの日焦がれた背中を、今、超える……!」 ギュオッ

未央「と、跳んだっ!」

凛「しっ!!」

バカン

みく「そ、ソバットッ!」

ヘレン「それも世界でもめったに見ない超至近距離高速ソバットッッ!!」

卯月「うきゃっ……!」 ズデン

凛「悔いのないよう、殺す気でいくよ……」


凛「ピラニアンローズ!!」

ズバズバズバ

卯月「ああうっ」

ちひろ「あーっと、防戦一方です」

ちひろ「高垣楓選手にも破れなかった鉄壁の水着が傷ついていきますっ」

P「……」

P「あの……」

P「デビュー前の若い少女にやらせるには、このルールは、その……」

ちひろ「?」

P「……少々、性的なのではないかと」

ちひろ「……そのつもりですからね」 フフ

P「!」

ちひろ「いいですか、今島村さんは誰より脱がしやすいアイドルです」

ちひろ「先程高垣さんの水着を奪っているため、彼女がハプニングで脱がされても歓喜の声こそ上がれど怒るファンは少ない」

ちひろ「エロで稼ぐには今がもってこいなんですよ」

P「……」

P「彼女の魅力は……そこにはありません」

P「彼女の魅力は――――」

卯月「やっぱりすごいや、凛ちゃんは!」 パァ

P「あの、いつでも絶えぬ笑顔です」

眠気が強まってきたので寝ます

休み挟みまくって暇な日に集中して投下するのと毎日少量でも投下するのどちらのほうがいいんでしょう?
とりあえず終わりも近いし今日も少しだけ投下します


凛「この状況で笑う、か……」

凛(そーいうところ、本当に、すごいと思うよ)

凛(でも……)

凛「高垣楓にそうしたように、私からも逃げたくさせてあげるっ!」

凛「はっぱカッター!!」

ヒュンヒュンヒュン

卯月「きゃっ……!」 ズパズパズパ

ちひろ「あーっと、どんどん布地が切られていきますっ!」

ちひろ「あ、結構動画から弾かれてる人もいるみたいですね!」

ちひろ「今ならモバコインで追い出されなくなりますよっ!」


凛「爪を飛ばされて閃いたんだ」

凛「葉っぱだけ射出しても強いはず、と!」

卯月「う、うぐう……!」

莉嘉「……」

莉嘉(アタシとの戦いで閃いた、かあ……)






 ☆  ★  ☆  ★  ☆






莉嘉『…………』

みりあ『莉嘉ちゃん……』

莉嘉『……』

莉嘉『なんだったんだろうね……』

みりあ『え?』

莉嘉『アイドルになるんだーって意気込んで、事務所に入って……』

莉嘉『デビューが決まって、でも企画は決まらなくって、それでもレッスンしてたらいつかはって思ってて……』

莉嘉『なのに、後から入ってきた凛ちゃん達にお姉ちゃんのバックダンサーは取られるし、ボロ負けしちゃうし……』

莉嘉『アタシ……才能ないのかなあ……』


美嘉『ないかもね』

莉嘉『!!』

みりあ『わわっ……』

美嘉『そういうこと言って立ち止まっちゃう人は、あまり才能ないのかも』

莉嘉『お姉ちゃん……』

美嘉『言っとくけど、アタシだって、別に才能豊かな方じゃないからね』

美嘉『既に何度も、失敗だって無様だって晒してる』

みりあ『そういえば、デビュー当時はもっとどぎついコギャルキャラで売ろうとして失敗したって……』

美嘉『うんまあそういう失敗なんだけどソレはちょっとマジで掘り下げられると割りと凹むやつかな』


美嘉『……まあ、でも、あの経験から得たものもある』

みりあ『ふえ~……例えばどんな……』

美嘉『……』

美嘉『正しい性知識とか』 ボソ

みりあ『?』

莉嘉『?』

美嘉『……なんでもないっ///』

美嘉『とにかく!!』

美嘉『卯月や凛は、戦った相手から、追い詰められた相手から、多くを学び取ってるよ』

美嘉『他の試合を観察して得たものも、血肉にしてる』

美嘉『……才能なんてなくて、日々勉強しなくちゃいけなくて』

美嘉『だから、そうやって少しでも吸収するんだよ』

莉嘉『……』

美嘉『莉嘉はすごいし、アタシを追いかけてくれるのは正直すっごい嬉しいよ』

美嘉『でも――』

美嘉『謙虚な姿勢で、他のアイドルからも技を盗んだ方がいい』

美嘉『そうじゃなきゃ、しんどいよ』

美嘉『ただでさえ、才能溢れる人達の中に飛び込むんだもの』

美嘉『たった一人、自分だけで考えたもので闘うには、あまりにも大変だよ』

莉嘉『お姉ちゃん……』

みりあ『……そっか』

みりあ『いろんなひととの出会いとかで、強くなる、みたいなことかな』

美嘉『そーそー、よくできました』 ナデナデ

みりあ『じゃあ、私のとりえも、莉嘉ちゃんに吸収してもらった方がいいのかな』

みりあ『……でも、私のとりえってなんだろう?』

美嘉『幼女特有の可愛さ』 ハナヂダパー

みりあ『ふえ?』

莉嘉『お姉ちゃん……』


美嘉『……辞めるなら、止めないよ』

美嘉『楽な仕事じゃないし、疲れたって言うなら、お疲れ様って言って頭を撫でてあげる』

美嘉『でも――』

美嘉『まだ、その胸に燻ってるものがあるなら』

美嘉『頭はまだ撫でてあげられないけど』

美嘉『その分おしり、ひっぱたいてあげる』

莉嘉『お姉ちゃん……』

みりあ『私はやだよ、莉嘉ちゃんがやめちゃうの!』

みりあ『一緒に、楽しくアイドルしたいもん』

莉嘉『……楽しく、か』

莉嘉『そーだね』

莉嘉『最初は……楽しくやりたかっただけだったのにね』

美嘉『それと、これは、言っておきたかったんだ』

美嘉『もう、城ヶ崎美嘉のコピーなんかを目指すのはやめなよ』

美嘉『莉嘉は莉嘉、オンリーワンの素敵なアイドルを目指して』

莉嘉『え……?』

美嘉『城ヶ崎美嘉2世である必要なんてないよ』

美嘉『だからさ、なってみせてよ』

美嘉『城ヶ崎莉嘉1世に』


莉嘉『……』

美嘉『とりあえず、見てきなよ』

莉嘉『ふえ……?』

美嘉『次の試合』

美嘉『同じプロジェクトのメンバー同士のガチンコバトル』

美嘉『自分を省みるためにも、さ――』






 ☆  ★  ☆  ★  ☆





卯月「うう……てーい!」

みりあ「わあ!」

みりあ「すごい、ローションで滑って移動しながら撃墜してる!」

莉嘉「……」

莉嘉(冷静になると見える)

莉嘉(植物による遠隔攻撃は、はたき落としやすい)

莉嘉(それを物量でカバーしてくるけど、射程を開ければ威力がガタ落ち、もしくは軌道がワンパターンになる……)

莉嘉「……」

莉嘉(みんな……こんなこと考えながら戦ってるんだ……)

莉嘉「ねえ、みりあちゃん……」

みりあ「ん?」

莉嘉「また一緒に……一から、レッスン付き合ってくれる?」

みりあ「うん!」

みりあ「一緒にやろう!」

みりあ「その方が、楽しいよ!」 ニコリ


卯月「なんとか……葉っぱは落としました……」

卯月「だから、今度はこっちの番……!」

凛「!!!」

凛(しまった……!)

凛(中途半端な追撃のせいで、トドメを指しそこねたっ)

凛(しかも、この流れは――)





夏樹「渋谷凛の不利、だな」

菜々「ですねえ」

菜々「折角のチャンスを手放しちゃいましたね」

菜々「さっきの試合みたいに、自分のターンの状態なら、ワンサイドで殴り続けられますけど……」

夏樹「攻守を交換してしまうと、そうもいかない」

夏樹「あれだけボコボコにしておいて、自分が受けのターンの時に無様に逃げられるのかというとNOだしな」

菜々「相手が水着だったのも不幸ですねえ」

夏樹「よく見てると、乳首やらが見えないギリギリをついてるからな」

夏樹「一定以上は攻撃をわざと外している……そうしないと、見えちまうから」

菜々「その結果、こうしてロープ際まで追い込みながらも、精神的に追い込まれちゃう、と」


凛(失敗した、これでターンが変わっちゃう……)

凛(卯月みたいに逃げられたらいいけど……)






ヘレン「あの娘、逃げられないわね」

未央「へ?」

みく「さっきの試合圧勝しちゃったからにゃあ」

ヘレン「更に言うなら、初戦も相手を病院送りにしたことばかり話題になっている」

ヘレン「誰も彼女の防御スタイルを覚えていない」

みく「その結果、とにかく強く虐殺をするイメージだけが残っちゃうにゃ」

ヘレン「そんな圧倒的強者に見られた娘が、普通さと明るさがとりえの少女と同じ逃げ方が出来るかしらね」






卯月「ローションでぬるぬるするけど、リングロープを使えば……」

ちひろ「あーっと、島村卯月選手、ロープを使って無理矢理立ったーーーーっ」

卯月「私はこれでもウサミン成人って、認められてるからっ」

卯月「今こそ、その力を見せてあげますっ!」

凛(そこまで宣告されたらっ……)

卯月「よいしょっと」

ちひろ「おーっと、島村卯月選手、一番上のロープへと乗っかっていくーーーーっ」

瑞樹「ローションの影響を受けず、また攻撃を受けにくいいい場所ね」

凛(ここまでされてっ……避けられるわけがっ……)

卯月「必殺っ!」

卯月「ウサミン・ツイスター・プレスッッ」

眠すぎてよくわからなくなってきたので寝ます、申し訳無い

ミミミン
ミミミン

     ____

/ ̄ヽ/ \ /(゚)\/ ̄ヽ    人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人 
|   /(゚ッ)       ヽ ノ( |   <         ─ァ "‐┼ ‐┼ ‐┼ ‐┼ ‐┼ ‐┼ | |  >
|   ( 、_   三      | ⌒ |   <  ……ミミミン ノ ./,| /,| ./,| /,| /,| ./,| .・ 」  >
|  | ) r‐      ノ( |   |    YYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYY
|   ヽ         ⌒ ソ    |
\_ノ\__|   |__,/\__ノ
       |  |
    ((  (_,、_) ))
      ノ ( `ー── - 、_ノ^ヽ         人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人

    γ(゚)。ゝ ̄ ̄ ̄ ヽ-、 )ヽ  \      <    _|_l__       ┼─‐      ////   >
  (( ノ ●ヾ0{      )゚ノ (゚)   ヽ ))   <      |   ) _   / ─  ー─ ////    >
   ノ =  ● \    | __○__っ |    <      |     _)  / (___     ・・.・・    >
  (  丶、_ ,, ヽ )) \ヾ . .:::/つノ      YYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYY
   \        )     Uuν
 ヾ\ `ー二__ノ




投下します


夏樹「上手いッ」

菜々「練習してない者が、いきなりウサミンキックを真似たり空中殺法をするのは無理」

菜々「でも、アレならば!」

夏樹「ローション地獄から立ち上がるためのロープの弾力を活かして、上空まで飛び上がる」

夏樹「その後は単純に体から突っ込むだけだし、ある程度のセンスがあれば達成可能」

夏樹「もちろんあんなもん避けられちまったら自分が大ダメージを受けるが――」




凛(なんて無謀な捨て身技ッ)

凛(避ければ自爆、なんなら全身打撲のままローションで滑ってそのままアウトに――)



ヘレン「避けることはもちろん、まともにいなすことも出来ない」

ヘレン「ワンサイドゲームで魅せるなら、立ち上がりに追撃をかけるべきだった」

ヘレン「でもあの娘はワールドワイドな視点を持てず、情に流されロープに登ることを許した……」

ヘレン「高垣楓のように華麗ないなしができるならともかく、半端な回避で場を冷やすことなど、まっとうなアイドルならば出来ない」

未央「そ、そしてしぶりんは笑顔の素敵な普通のアイドルというものを目指しつつある……」

未央「こ、この技は……」



凛(で、でもこの技は避けられないッ)

凛(下手に避けると、観客の心を手放すことになるッッ)


ドッガァァァッ

ちひろ「決まりましたぁ!」

ちひろ「空中からの派手なボディプレス!」

ちひろ「ローションまみれでアイドル二人がくんずほぐれつですっ!!」

ちひろ「はい、今弾かれてる人達は是非ともモバコインでプレミアムになってくださいねっ!」

瑞樹「……」

春菜「今、一瞬、インパクトの瞬間だけ、膝を僅かに折って威力を殺しましたね」 ヒソ

瑞樹「!」 ビックゥ

春菜「まあ、それをマイクに乗せるほど、私は野暮じゃありませんけど」

瑞樹「た、退院してたの……?」

春菜「私を負かして、準決勝も圧勝だっていう娘の勇姿を見たくて」

春菜「それと、心配してるだろう瑞樹さんに、私はこの通り無事ですよって報告したくて」

比奈「もう、さっきまで集中治療室にいたんだから、匍匐前進で解説者席に近付いたりしたらだめっすよ!」

沙理奈「頭蓋骨ちょっと陥没してるって言われたでしょ!」

瑞樹「心配かけまいとするならそのままベッドで眠っていてほしかったわ」


春菜「だいじょーぶですよ、なんとメガネをかけたら元気になりましたから!」

春菜「やっぱりメガネってすごいですね、万病に効きますし!」

春菜「私が膝曲げ防御に気がついたのも、ひとえにメガネをしていたから!」

春菜「メガネの有無で人体ってこうも変わるものなんですねっ」

瑞樹「救急車呼んでおいて」

比奈「了解っす」 ピッポッパ

春菜「だから皆さんも是非ともメガネをかけましょう!」

春菜「メガネをかけて無病息災!!」

春菜「千枝ちゃんはこの素晴らしさに気がついて親族の分も合わせてメガネを買ってくれましたよっ!」 ハァハァ

瑞樹「最後のプッシュ、9じゃなくて0にしておいて」

比奈「了解っす」


凛「ぐっ……」

凛(威力を多少殺しても、やっぱりキツイ……)

凛(レッスンしてきたのはダンスや歌で、肉弾戦じゃなかったからかな……)

卯月「ぐう……」 ヨロ

凛(巻き返すなら、攻撃の反動で卯月がふらつきつつある今!)

凛「どい……てッ!」 ゲシッ

卯月「あうっ!」

ちひろ「あーっと、無慈悲なキックで渋谷凛選手が島村卯月選手を蹴り飛ばしたーーー!」

ちひろ「解説者が何やら通報云々で揉めてるので解説も私がしますと、ローションのせいで一度の蹴りで大分距離があきましたね」

凛「……ッ」 ズキン

凛(くっ……)

凛(やっぱりまた傷が開きつつあるか……) 


P「……!」 バッ

未央「おっと!」

P「本田さん……」

未央「何しようとしたの」

P「……渋谷さんは、体を痛めたおそれがあります」

P「大事に至る前に、試合を、止めなくては」

未央「……」

未央「プロデューサーなら、そう言うんじゃないかって思ってたよ」

未央「でも……そうはさせないよっ」

未央「しぶりんは、試合前から怪我をしてたのに、それを承知でリングに上がった」

未央「もっと言えば、怪我をする可能性があるのに、それでもなおしまむーを庇って怪我をした」

P「……!?」

未央「どうせ後から連絡網で回るだろうし言っちゃうけど、高垣楓のファンに襲われたんだよ、しぶりん」

みく「にゃにい!?」

ヘレン「そんな……セキュリティは一体なにを……」

未央「高垣楓に憧がれて事務所に入ったアイドル候補生の娘だったからね」

ヘレン「それにしても警備とか……」

未央「まあ、ド新人の私が勝手に敷地をうろつける程度のセキュリティだし」

みく「そういえばみくや莉嘉ちゃんが危険な高所に登っても咎められないし、多分こっそり隠れるくらいは余裕の環境だにゃあ」

ヘレン「ガバガバ」


未央「とにかく、しぶりんは選んだんだ」

未央「しまむーを守ることを」

未央「そして――それでもリングにあがることを」

未央「だから、しぶりんをリングに下ろしてあげるのは、私やプロデューサーの役目じゃなくて……」 クイッ

卯月「……?」

卯月(今の表情……)

卯月(もしかして、凛ちゃん、どこか痛めてる……?)

未央「――しまむーの、役目なんだよ」


卯月(……)

卯月(そうだとしたら……)

卯月(そこ、突くしかないよね……)

卯月(あんまり痛そうなことはしたくないけど)

卯月(ここまで真っ向から受けてくれてる凛ちゃんに、手を抜くなんて出来ないもんっ)

卯月(早く終わらせて、凛ちゃんを病院に連れていってあげなくちゃ……!)

未央「私達の仕事は、二人がリングを降りた後のケアだよ」


凛「大したジャンプ力……」

凛「ウサミン星も、あながち嘘じゃないのかもね……」

凛(アンタが初戦を活かしてくるなら、こっちだって……)

凛「兎が相手なら、こっちはススキか月見草で対抗したほうがいいかな」

凛(初戦を活かして、持ってるカードをゴリ押しするッ)

凛(滑ってもインパクトを残せるし、相手にまともな反応を返させないッ)

卯月(うっ……凛ちゃん、やっぱり上手い……)

卯月(トークに関しては翻弄されっぱなし……)

卯月(かといって肉弾戦でも圧倒的不利……)

卯月(植物によるガードもあるし、一撃で凛ちゃんを沈めるフェイバリットがなくちゃ……)

卯月(でもまた主導権を握り返されたし、今度はボディプレスも避けられるかもしれない……)

卯月(何か、探さないと……)

卯月(私の、フェイバリットホールドを……!)


凛「隙だらけだよ」

卯月「え?」

凛「さっき倒された時に、タネは巻いておいたんだっ!」

ボフンッ

卯月「ゲーーーーッ!」

卯月「体に蔦が巻き付いて……!」

凛「これぞ花屋奥義・宿木之種ッッ」

凛「決して見せぬエロスをキープしながら、これ以上衣服を破けないという欠点をリカバリ出来るッ」

卯月「う、うう……」

凛「そして足りない破壊力は、一回戦を参考にしたこの技でッッ!」

沙理奈「あ、あれは……」

千枝「初戦のときに春菜ちゃんがプレゼントしていたメガネ……!?」

凛「ソーラービーム」

凛「集めた太陽光で蔦ごと焦がしてあげる……!」

眠気がきたので投下終了
多分あと1~2回で試合は終わります

スローペースで申し訳ないけど、あんまり見えてるオチを引っ張るのもなんだし、アニメが放送されるとまた矛盾しそうなので、さっさと投下ははじめちゃいます
結局まとめ投下の方がいいのか分からんままだけど、このままの感じで最後までやります


卯月「うぐっ……」

卯月(だめ……莉嘉ちゃんみたいに鋭利なものは持ってない……)

卯月(蔦を切る方法が、私には――――)

卯月「がはっ!」

凛「ッ」 ビクゥ

卯月「……」 グッタリ

凛「……え?」

卯月「……」 ダラン

凛「……」

凛「……卯月?」

卯月「」 チョロチョロチョロ

瑞樹「ちょ、ちょっと、カメラ止めて!」

ちひろ「ああ~~~~っ、放送事故になってしまう~~~~~っ!」

P「島村さんッ」 バッ

みく「や、やばいって、死んでるんじゃないアレ!?」

未央「ばっ、不吉なこと言わないでよ!」


凛「卯月ッ!」 バッ

卯月「……凛……ちゃん……」

凛「よかった……卯月……」 ホッ

卯月「凛ちゃん……」 ギュッ



卯月「やっと……捕まえたよ……」 フフッ


凛「――――え?」

卯月「ゴングは……まだ鳴ってないッ」

未央「なっ……まさか、今のは!」

みく「え、演技だったにゃ!?」

瑞樹「嘘……あの死の淵に立たされた顔……まさに死体そのものだったのに……」

ちひろ(た、助かりました……) ホッ

P「……演技、ですか」

P「……あとで、やっていい演技と悪い演技があることを、よく言って聞かせなくては……」

ちひろ「……そう言うわりには、嬉しそうですね」

P「……彼女が演技の練習をしていたことは、知ってますから」

P「彼女が、この会場全てを騙しきったことは――素直に、嬉しいです」

ちひろ「……親ばかですねえ。あ、プロデューサー馬鹿ですかね、この場合」


莉嘉「嘘……」

莉嘉「この一撃のために、失禁まで……」

みりあ「すごい……」

莉嘉「なんで、そこまで……」

莉嘉(私に出来る?)

莉嘉(……無理)

莉嘉(無理だよ、それは……)

美嘉「……安いプライド、だろうね」 ニュッ

莉嘉「わっ!」

莉嘉「び、びっくりした……」

みりあ「やすいぷらいど……?」

美嘉「……アイドルは、楽なだけの仕事じゃない」

美嘉「嫌な仕事もいっぱいあるし、月日とともにたくさんの人がドロップアウトしていく」

美嘉「それでも残ってる人は、皆――心のどこかに、安いプライドを持っている」

美嘉「だから、戦えるんだ。何とだって。孤独や貧乏、逆境とだって」

莉嘉「……」

美嘉「プライドのない奴はいっぱい見てきたし、皆すぐに消えていった」

美嘉「でも――あの娘は違う」

美嘉「アイドルとして頂点に立つために、シンデレラになるために、敢えて他のプライドを捨てることができる」

美嘉「プライドを捨てるプライドを持っている」

莉嘉「……」

みりあ「プライド、かあ……」

美嘉「よーく見ておきなよ」

美嘉「今の二人に欠けてるものが、きっと見えてくるからさ」


卯月「駆け寄るときにソレを手放さなかったのが、敗因ですよっ」

凛「!!」

凛「しまった、ソーラービームが――!」

凛(だめだ、もう発射され――)

ボガーーーーーーン

凛「きゃあっ……」

ちひろ「あーっと、渋谷凛選手ふっ飛ばされました!」

瑞樹「そうか、あの娘……」

瑞樹「植物を植えたりするために、肥料やら色々体に仕込んでたから……」

比奈「炎が引火して、爆発を起こしたんッスね」

沙理奈「でも、あの程度じゃ軽い火傷」

沙理奈「KOにはなりえない」

千枝「ということは……」

卯月(よし、凛ちゃんが浮いたッ)

卯月「ここで決める!」 ダッ


卯月(私には、何もない)

卯月(凛ちゃんの植物みたいな個性も)

卯月(空中殺法やサワーブリッジのようなフェイバリットも)

卯月(何もないけど、でも、だから!)

卯月「皆に……言われたから」

卯月「周りを笑顔にして、その力を借りることが、私の個性なんだって!」

卯月(絶対的なフェイバリットなんて持てない)

卯月(オリジナルのフェイバリットなんて持てない!)

卯月(それでも!)

卯月(皆から得た知識と経験で、私は――)

未央「ゲエーーーーーーーーーーーッ、しまむーがローションで滑っているーーーー!」

みく「あ、あれは準決勝で見せたすてみタックル……!?」

P「いえ……あれは……」

卯月(例え怪我を突いてでも、凛ちゃんを超えたい!)

卯月「勝って、シンデレラになりたい!」

未央「ろ、ロープに突っ込んだっ!」

みく「あ、あの角度、ま、まさか……」

卯月「これが……今までの試合で得た方法でしか戦えない、弱い私の必殺技だよ、凛ちゃん!」 ギュアッ

未央「と、飛んだァァーーーーーーーッ!」

みく「そ、そのまま突っ込んでいくにゃ!」

P「まるで矢、ですね……」


凛「くっ……」

凛(さっきの爆発で体を痛めた……)

凛(空中で方向転換が出来ないッ)

卯月「凛ちゃん!」 ギュオッ

凛「……!」

凛(卯月……)

凛(アンタのために怪我した背中、容赦なく狙ってくる、か……)

凛「……ありがとう」

凛(嬉しい、な)

凛(そこまでさせる程度には、私も、アイドルに、なれたのかな――)

みく「と、とらえた!」

未央「そのまま対面のリングロープに突っ込んでいくッ!」

卯月「凛ちゃん……」

卯月「私もッ」

未央「いけっ!」

未央「1000年に1度出るか出ないかのド派手な技で、決めちゃえ、しまむー!!」

みく「あっ、でもなんか喋ってるし、必殺技名叫べなさそうだにゃ!」

未央「ええ!? それじゃ威力半減だよ!!」

未央「しょうがない、私が叫ぶ!」

未央「技名は、うん、1000年に1度の奇跡をしまむーが起こすから、」

卯月「私もありがとう、凛ちゃんっ!」

未央「マッスル・ミレシマムーーーーーーッ!」

ズッガァァァァァァァン


凛「がっ……!」 カハッ

ドサッ……

ちひろ「……か、カウントを!」

ワーン

ツー

凛「か……カウントなんて……いらないのに……」

凛「あ、あんな技食らって……」

凛「立てるわけ……ないでしょ……」

卯月「……」 ハァハァ

凛「……おめでとう」

卯月「……凛ちゃん……」

凛「容赦なく傷口せめられて、正直体はすごく痛いけど……」

凛「変だよね」

凛「心は凄く晴れやかで、また、戦いたいなって思ってる」

卯月「……うん」

卯月「私も」

卯月「私も――また、凛ちゃんと一緒に、リングに立ちたい」


凛「……そうだね」

凛「ステージでもリングでも、また、一緒に立とう」

凛「今度も、二人で一緒に……」

卯月「……ううん」

卯月「違うよ」

卯月「私達ニュージェネレーション三人一緒に、だよ」

凛「……それじゃ、プロデューサーとかも入れてあげなきゃ可哀想かな」 フフ

卯月「あは……」

凛「……さ、そろそろカウントが終わるかな」

凛「……行ってきなよ、とびきりの笑顔で」

凛「一番高いところの星になれたんだからさ」

卯月「……うん」

カンカンカーン

ちひろ「試合終了~~~~~~っ!」

ちひろ「並み居るアイドルを押しのけて頂点に立ったのは、島村卯月選手ですっ!」

卯月「……」 ウルッ

卯月「プロデューサー、凛ちゃん、みんな……」

卯月「本当に、ありがとうございましたっ!」 エヘ

未央「泣きながら笑う奴があるかーっ」

卯月「あ、あはは……実感わかなくて……」

P「……」

P(おめでとう、ございます) パシャリ



【決勝戦 勝者・島村卯月】


未央「よっしゃー、皆でしまむーを胴上げだ!」

みく「次はみくが勝つにゃ」

莉嘉「……うん、今度は負けないよ!」

みりあ「みりあも!」

ヘレン「世界の広さ、今度改めて教えてあげるわ」

鈴帆「胴上げして少しでもモニターに映ったるばい!」

沙理奈「いいアイデアじゃない」

比奈「ブルーナポレオンで固まって胴上げして目立つッスよ」

瑞樹「……あ、でも約一名」

千枝「病院に……」

菜々「やっぱりウサミン星は強かったですねっ☆」

夏樹「アンタは早々に敗退したろー?」 ハハ

紗枝「胴上げ、混ぜてもらいにいこか」

美穂「うん!」


凛「……」

P「……お疲れ様です」 スッ

凛「?」

凛「……だめじゃん、こっちの方から来ちゃ」

P「……いや、それが、島村さんの周りには人だかりが……」

凛「……だとしても、行く」

凛「卯月が一番待ってるのは、プロデューサーからの一言なんだから」

P「……」

雫「肩、貸しましょうか?」

薫「大丈夫、おねーちゃん?」

早苗「さ、ここはオネーサン達に任せて、プリンセスを迎えにいったいった!」

P「……」

P「何故貴女が制服でここに……」

早苗「休日出勤してた時に通報来て飛んできてみたらメガネの娘が暴れてて」

P「はあ……」

早苗「楽しそうだから混ざって見ちゃった」

P「セキュリティの向上を打診してみようと思います」


未央「あ、プロデューサー!」

未央「プロデューサーも一緒に胴上げしよ!」

P「いえ……私は結構です」

P「写真だけ撮っておきますので……」

未央「つれないこと言わない!」

未央「ほらみんな、かかれーっ!」

莉嘉「おおーっ!」

みりあ「がおーっ!」

P「!?」

卯月「……」

卯月「写真!?」

卯月「ちょ、待っ、せめて水着の下だけでも履き替えさせ――」

美嘉「そんじゃ、皆で今日の主役を胴上げするよっ☆」

卯月「待っ――――」

ワーッショイ!

ワーッショイ!

卯月「ま、まって、さっき出して途中で止めただけだから、急な振動は――」

ワーッショイ!

ワーッショイ!

卯月「…………………………あっ」






【優勝者 島村卯月】

【準優勝 渋谷凛】

【ベスト4 高垣楓】
【ベスト4 城ヶ崎莉嘉】

【特別枠でのステージ参加権獲得 本田未央】

きりもいいし、今日の投下を終わります


未央「ついにライブかあ」

未央「初めてのステージ、緊張するなあ」

凛「私と卯月は初めてじゃないけどね」

未央「じゃんけんとかいう欠陥ゲームが流行するこんな世の中間違ってる」

卯月「まあまあ」

卯月「KOも肉弾戦もないステージは、私達だって……」

凛「まあ、確かに、対決じゃないステージは初めてか」

未央「主役じゃないステージも、ね」

卯月「うう、緊張してきた……」 ブルッ


未央「まあ何にせよ、入って早々の大抜擢」

未央「美嘉ねえに恥はかかせらんないよねっ」

卯月「はいっ」

凛「あの試合の後、死にそうだったのにひたすらダンスさせられたしね……」

卯月「死ぬかと思いましたよね……」

未央「しぶりんに至っては途中から背中の傷ホッチキスで止められてたもんね……」

凛「……でも病室に居たら居たで、気が休まらなかったから」

未央「おっ、ベッドが変わると眠れないタイプ?」

凛「隣のベッドからメガネは傷に効くってフレーズが5分に1回くらいの頻度で聞こえてきて……」

未央「なにそれこわい」


コンコン

未央「はーい」 ガチャ

P「準備は、よろしいですか?」

卯月「はいっ」

P「……先輩たちから、色々学んで下さい」

P「今日の全てが、皆さんにとって、貴重な経験となります」

卯月「はいっ」

凛「はい」

未央「はい!」

ガタッ

未央「ん?」

みく「う……」

凛「そんなとこで何を……」

みく「ま、まだ納得はしてないけど、今日はみくを倒した皆に託すにゃあ!」

みりあ「ライブ、がんばって!」

みりあ「皆と一緒に見てるから!」


卯月「はい、ありがとうございます!」

莉嘉「おねーちゃんと先に立たれるのは悔しいけど……」

みく「先立たれるってまた違う意味に捉えられそーな言い回しを」

みりあ「しっ、真面目なお話中だよっ」

莉嘉「今日はしっかり研究させてもらうからっ」

莉嘉「次は負けないかんねっ!」

凛「……うんっ」

みりあ「次は私も戦いたいなー」

凛「そっか、みりあちゃんは予選で莉嘉を助けるために……」

莉嘉「あれさえなければ、案外今頃このステージにみりあちゃんが立ってたかもね」

みりあ「そうかなー」 テレテレ

みく「みくだって、あの年増うさみみと被ってるなんて言われなきゃ今頃このステージに……」

卯月「それはちょっと……」

未央「高垣楓とか絶対倒せないでしょ」

凛「仮にトーナメントの組み合わせいじったとしても決勝戦まで行けそうにないけど……」

莉嘉「みくちゃんの爪とぎスラッシュ、私のギャルリンの赤い姉の下位互換じゃん」

みりあ「もー、みくちゃんにも夢くらい見せてあげなきゃだめだよぉ!」

みく「君たちは知らないかもしれないけど、みくだって凹むし泣くんだよ?」


P「それでは皆さん、出演者の方々にご挨拶を……」

卯月「あ、はいっ!」

凛「……ライブ前の楽屋って緊張するな……」

未央「あー、なんかちょっと分かるかも」

卯月「私も以前物販のお手伝いしたときはそうでした……」

みく「みくも好きなアイドルの楽屋に忍び込んだときは緊張したにゃ」

莉嘉「うんうん、カブトムシ追いかけてうっかり入り込んじゃった時は本当に緊張した」

みりあ「かくれんぼで使った時も、すっごくドキドキしたよー!」

未央「一緒にしないでねっていうかついてくるんだ」

凛「客席帰りなよ」

>凛「隣のベッドからメガネは傷に効くってフレーズが5分に1回くらいの頻度で聞こえてきて……」

確かにこれホラーで怖いわどこのメインカメラ(眼鏡)がやられた人が呟いてるのか…(棒)


卯月「こ、ここ今回バックダンサーを務めさせて頂く、島村卯月ですっ」

未央「本田未央ですっ、本日はよろしくお願いします!!」

凛「渋谷凛です、よろしくお願いします……!」

パイセンドルアイ「「「「よろしくお願いしまーす」」」」

みく「名乗らせていただくにゃ……ジャン・ピエール・前川みく」 ドン

莉嘉「うわっ、マジで突っ込んだ!」

みりあ「すごーい、ちょっと見直すよね……」

美穂「今日が初めてのステージなんですか?」

卯月「は、はい」

美穂「緊張しますよね……私もずっと緊張していて……」

美穂「そもそも私も先の大会で敗退したのに、プロデューサーが怪我した先輩の穴埋めにってバックダンサーどころかソロで……」 キリキリ

莉嘉「うーん、やっぱり早く歌とか出して、こーいう風に並べるようにならないとなあ」

みく「むうー」

未央「いいねー、主題歌いいねえ」

凛「どんな歌になるかな」

みりあ「熱いバトルしてたから、リングに稲妻走るようなやつじゃないかなあ」


茜「はじめまして!」

茜「今日のライブ、全力で熱く燃えましょう!!」

未央「萌えさせるんでなく?」

茜「こちらが燃えれば、燃え移るもの!」

茜「まずはこちらから!」

卯月「なるほど」

未央「私達の胸の炎がマットを焦がして観客席を爆発炎上させるんだね!」

卯月「そのまま話題になってニュースやインターネットでも燃え上がるといいですね!」

凛「不吉な言い回しやめて」


まゆ「初ステージ……」

まゆ「ステージ処女……」

まゆ「素敵ですね」

未央「今しれーっと素敵じゃない単語が」

みりあ「しょじょってなーに?」 キョトン

凛「……」 サッ

卯月「」 サッ

みりあ「ええ?」

みりあ「何で目をそらすのー!?」

未央「大親友の城ヶ崎莉嘉すゎんがきっと解説してくれるからー」 サッ

莉嘉「……まあまあ」

莉嘉「実際処女捨てたら分かるよ」

未央「予想斜め上にかっとんでくこと言いやがった」

まゆ「分からないことがあったらなんでも聞いてくださいね」

凛「その発言、莉嘉がとりあえずでも答えるの待ってから言いましたね……」

卯月「実際、あれ聞かれても困ると思うし、しょうがないですよ……」

>みりあ「熱いバトルしてたから、リングに稲妻走るようなやつじゃないかなあ」

リングにー稲妻走りー
炎の戦士をてらすー


瑞樹「あら……」

瑞樹「貴女、この前会った娘ね」

未央「は、はいっ!」

瑞樹「そっか、仲良しトリオなのね」

瑞樹「最初は私も水面下でブルーナポレオンをバックダンサーにしてとか思ってたんだけど」

瑞樹「生憎けが人が出ちゃったから」

凛「うっ……すみません……」

瑞樹「ああ、ごめんなさい、そういうつもりじゃないの」

瑞樹「こういう仕事だもの、よくあることだわ」

瑞樹「今日ステージに立てない友人の想いを背負ってるのは互いに同じ」

瑞樹「一緒にいいステージにしましょう」

凛「はいっ……」


美嘉「おっはよー」

茜「おっはよーうございます!」 ピシガシグッグ

茜「今日は頑張りましょうっ!」

美嘉「うん、勿論!」

美嘉茜「「はい、はい、はいはいはーい!」」 ピシガシグッグ

美嘉茜「「あるある探検隊! あるある探検隊!」」

未央「」 ブフォ

卯月「ふ、不意打ちはずるいですよっ……!」 プルプル

凛「……」

凛(どうしよう、何がどう笑いどころだったのか分からない……)


卯月「……」

美嘉「どったのー」 ヒラヒラ

卯月「……ハッ」

美嘉「……キンチョーしてる?」

卯月「え、えと、まあ……」

みく「リハでも楽屋でも、ガッチガチだったにゃー」

凛「まだ居るんだ……」

みく「なんと席が取れなかった」

未央「なにしてんの」

みく「どっかの世界馬鹿はきっちりいい席確保してたけど、でもみくは舞台袖っていう特等席があるからいいんだにゃ」 フフン

卯月「……」

凛「ああ、卯月が緊張と動揺のあまりとうとう面倒くさいものを見るような目つきに!」


茜「みなさーん、どうですか!? 元気ですか!?」

茜「元気があれば何でも出来る!」

美穂「出るときの掛け声は決まってますか?」

卯月「かっ……掛け声ですか?」

美穂「あったほうがいいですよ!」

莉嘉「やるっつぇブラッキン的な?」

凛「舐められっぱなしじゃこの世に生きてる甲斐がないんだよー、的な……?」

茜「えーっと、好きな食べ物とかがいいと思います!!」

未央「しまむーの失禁でここまで来たようなものだし、奇跡体験アンモニーアブルとか」

卯月「ええ!?」

卯月「それだったら、もっと元気に分かりやすくズガガンガガンガンとか……」

茜「好きな食べ物がいいと思うなっ!!!!!」

凛「ニュージェネレーションズを皆様よろしくおねがいしまーすとか」

未央「ありだね、もっと宣伝してかなきゃ」

美穂「あの、掛け声っていうのは、自分達だけが聞く気合的なので……」

茜「悪いことは言わないから食べ物にしとこ?」


茜「私なら、ホカ!ホカ!ごはーん!ですね」

未央「……」

茜「苦笑いしてるけど、さっきまでの案より数倍マシなんですからね!!」

凛「なるほど、チャーシューメーンみたいなものかな」

卯月「ああ、傘ゴルフの!」

茜「なんかちょっと違う気もしますが、まあいいでしょう!」

美穂「ちなみに私はわー・さん・ぼーーーん、です」

凛「へえ、渋いね」

まゆ「マルモールグーゲルフプフ」

凛「え?」

まゆ「マルモールグーゲルフプフ」

茜「まるもーるぐーげりゅ」 ガブッ

まゆ「マルモールグーゲルフプフ!」

美穂「掛け声選択を失敗すると一緒に登場したくないとか言われちゃうから気をつけて下さいね……」 キリキリ


茜「まあでも食べ物にした方がいいですよ!」

茜「何せエネルギーですからね!!」

茜「ちなみに私はお茶も好きです!!」

美穂「お茶は飲み物だって紗枝ちゃんに言われたんだよね」

みりあ「えーっ、飲み物はダメなんだ……残念」

茜「いいと思いますよ!!」

茜「むしろ一緒にお茶は食べ物同盟を!!」

みりあ「うーん、それはちょっと……」

茜「(´・ω・`)」


美穂「ちなみにどんな飲み物に……?」

みりあ「ベンティアドショットヘーゼルナッツバニラアーモンドキャラメルエキストラホイップキャラメルソースモカソースランバチップチョコレートクリームフラペチーノ」

美穂「……え?」

みりあ「ベンティアドショットヘーゼルナッツバニラアーモンドキャラメルエキストラホイップキャラメルソースモカソースランバチップチョコレートクリームフラペチーノ」

未央「それで登場するんだ……」

凛「大変だね、莉嘉」

莉嘉「さすがにちょっと遠慮するかな」

みりあ「えー、なんでー!」

みりあ「美味しいのにー!」

みりあ「一緒に登場時に叫ぼうよー!」

莉嘉「無理」

みりあ「やってみようよー!」

みりあ「ほら、せーの!」

みりあ「ベンティアドショットヘーゼルナッツバニラアーモンドキャラメルエキストラホイップキャラメルソースモカソースランバチップチョコレートクリームフラペチーノ」

莉嘉「ペンディアドショットヘーゼルナッツアーモ……ああもう、言うの早いって!」

みりあ「ヘーゼルナッツの次はバニラだよ~」

莉嘉「無理。絶対無理」


茜「そういう莉嘉ちゃんは!?」

莉嘉「うーん」

莉嘉「キャラ作りのため、ここはいっそバイアグr」

茜「そこまで!!」

未央「ギャルアイドルでもヤバいもんはヤバいからね!」

みく「ちなみにみくはペディグリーチャム」

凛「さすが猫キャr……犬だよねそれ!?」

未央「猫キャラらしく魚にしときなよ!」

みく「魚はちょっと……」

みく「ペディグリーチャムは意外と白米にマッチしてるにゃ」

未央「食べたの!? ネタとかじゃなくてマジで食べたの!?」

凛「白米に乗せると意外と美味しいのか……」 メモメモ

未央「しぶりん!?」


春菜「メガネだって白米に合うんですよ!!」 ガバッ

凛「うわっ!」 ビックゥ

未央「び、びっくりした……」 

卯月「……」

卯月(ちょ、ちょっと漏れちゃった……) モヂッ

凛「な、なんでここに……」

春菜「まだ病み上がりながら、ブルーナポレオンの仲間の応援にかけつけたんですよ」 キラーン

春菜「さあ、貴女もレッツメガネご飯!!」 グイグイ

未央「この人ヤバい!!」

凛「頭の病気で入院してるんじゃないのこれ!?」

春菜「眼鏡is最高、何せおかずになりますからね!!!!」

凛「植木鉢で何度も殴るってよくなかったのかもしれない」

未央「多分かもは付けなくてもいいレベルでよくないことではあるよ」

だるさが限界突破したので寝ます。
次回第2章完結にしたいところ。

サブカメラじゃダメだったか…やはりメインカメラが壊れたから…

茜が素になってどうしたのか…
みくにゃんそれはアカン…(アカン…)

みく「なんと席が取れなかった」
こんなみくにゃんに失望しました、みくにゃんのファンやめて前川さんのファンに(多分)なります

遅くなりましたが投下します


春菜「まあ初心者がいきなり眼鏡丸ごとは抵抗があるでしょうから、まずはフレームだけでも……」

凛「た、食べないから」

みく「ていうかこうしてる間にも出番ドンドン近付いてるにゃ」

未央「あんたら集団で邪魔しにきたの?」

みりあ「応援だよー」

凛「……ちょ、チョコレート」

卯月「ふえ?」

凛「……」

茜「ああ、掛け声ですねっ!」

莉嘉「へー、甘いの好きなんだ」

みく「みくはメルティーキッスが好きだにゃあ」

卯月「な、生ハムメロン!」

凛「えっ、なにそれ!?」

卯月「ワンピースで見かけて、実際食べてみたら美味しくて……」

未央「ふ、フライドチキン!!」

莉嘉「ふつー」

みく「庶民派だにゃ」

未央「うるさいなー、好きなんだもん鶏肉」

春菜「鶏肉なら何でもいいなら、眼鏡を使っt」

未央「食べないから」

みく「未央チャンにはチキンマックナゲットくらいがお似合いだにゃ」

未央「昨今の日本でも五指に入るくらい扱いが難しいチキンを躊躇いなくあげやがって」

みりあ「揚げ物だったら唐揚げもあるよー」

美穂「あ、あの、そろそろ出番……」 オロオロ


未央「で、プロデューサーは?」

P「?」

凛「時間ないんだから、早くしてよね」

P「……?」

卯月「プロデューサーは、何か好きなものはないんですか?」

P「……私は、結構です」

未央「だーめ!」

未央「前の写真の時はアイドルばっかの流れだったからしょうがないけど」

凛「……今回は、部外者の人達も混ざりまくってるし」 ジロー

みく「言われてるにゃ」

春菜「冷たい人ですねえ」

凛「この場合はみくちゃんもだから」

卯月「既に色んな人が好き勝手言ってますし……」

卯月「ほら、プロデューサーさんもっ」

卯月「何か好きな食べ物を!」

みく「そんで最後はじゃんけんだにゃ」

春菜「そして勝者のあげた食べ物を打ち上げで全員が」

凛「食べないから」


P「私は……」

P「……肉料理全般が、好きですが……」

未央「おお~~っ」

凛「男の人……って感じだね」

卯月「ふえ~……」

卯月「そっか、プロデューサーさんはお肉が……」

春菜「!」 ハハン

春菜「意中の男性を捕まえるには、胃袋を捕まえるのが一番ですよ」 コソ

卯月「!?」

卯月「な、ななななななにを……」

春菜「そしてプロデューサーと上手くやっていくコツは、互いが互いに染まること……」

春菜「私も自分のプロデューサーさんに美味しい眼鏡料理を作って眼鏡好きにしたものです」 ウンウン

卯月(辞めて訴えられてもおかしくないよーな)


未央「じゃあさ、フライドチキンも好きだよね!?」

P「そうですね……」

P「チキンな気持ち、臆病さを吹き飛ばす――」

P「素敵なダブルミーニングで、前向きな本田さんらしいと思います」

凛「そんな深い意味が……」

未央「えっ、あっ、うん、もちろん!」

凛「後付でしょ」

未央「いやもうほらこのインテリジェント英語脳的なあれこれが咄嗟にそんなダブルテーピングな単語をチョイス的な?」

みく「ダブルミーニング」

凛「絶対後付」


P「あとは、ハンバーグとか……牛丼ですかね……」

未央「ひゅーっ、男子ィ~~~!!」

凛「牛丼……一人で夜食べたりしてるの?」

茜「どこの牛丼が一番好きなんです!?」

美穂「あ、あの、時間が……」 オロオロオロ

未央「あ、やっば」

未央「じゃあとりあえずじゃんけんしよっか」

未央「皆でチキンハートをフライさせてあげるんだから!」

莉嘉「ルー大柴みたい」

みく「じゃんけん負けて速攻大会から姿消してた立場なのに何でそんなに強気なんだにゃ」

春菜「眼鏡かけると視力が上がってじゃんけん勝ちやすくなりますよ」

未央「…………」 ズーン

凛「い、今から本番だから、そのくらいに……」


ホンバンゴビョウマエー

未央「むー、何で勝てないかな……」

卯月「まあまあ……」

凛「……あの結果なら、しょうがないよ」

凛「眼鏡だったら断固拒否してたけど」

卯月「プロデューサーさんも、シンデレラプロジェクトの仲間ですし」

卯月「プロデューサーさんが居てくれなかったら、ここまで来られませんでしたから」

凛「ま、悔しいけど、卯月があの大会に勝てたの、あの人の力も大きいしね」

未央「まあ、私はフライドチキン残してくれたからいいんだけど」

凛「……それじゃ、プロデューサーに一番助けられたんだし、卯月に先陣きってもらおうかな」

卯月「ええ!?」

未央「いいねー」

未央「気合入れなきゃだし、頼むよチャンピオン♪」 ポン

卯月「うう……」


卯月「牛丼一筋300年!」

凛「早いの!」

未央「美味いのっ!」

卯月「やっすいの!」

未央「そんでもって~~~」

ニュージェネレーションズ「「「フラ!」」」

ニュージェネレーションズ「「「イド!!!」」」

ニュージェネレーションズ「「「チキーーーーーーーン!!!!」」」


【同時刻、某所】

楓「……」

カチカチ

サジェスト『高垣楓 ポロリ』

楓「……」

カチッ

アフィブログ『高垣楓ポロリ流出wwwwwwwwwwwww』

楓「…………」


ガチャリ

美波「……」

美波「楓さん……」

楓「……おかえりなさい」

美波「……」

美波「また、パソコン見てるんですね」

楓「……あの人が尽力してくれてるからか、画像はほとんどが消えてる」

楓「でも……」

楓「一度根付いた印象は、消えないわ……」

美波「……」

美波「わかります」

美波「私も、一度色っぽい画を撮られてから、ずーっと心ないアダ名でネット上は呼ばれてますし」

楓「……」

楓(一度じゃきかないような)


美波「…………」

楓「……」

美波「本当は……」

楓「?」

美波「言うべきか、悩みました」

美波「風化するまでおとなしくする方がいいのか」

美波「気にしてないって風に普段どおりがいいのか」

美波「皆目検討がつかないから……」

楓「……」

美波「それでも、今のまま沈んでいる楓さんを見るのは辛い……」

美波「楓さんが深夜番組でかわいがってくれたから、形はどうあれ私はブレイクできたんです」

美波「ですから……」

楓「……」

美波「……」

美波「私……」

美波「CDデビューが決まりました」


楓「……!」

楓「よかった……」

楓「そういう吉報は、躊躇うことなく言ってくれていいのよ」

楓「その方が、きっぽ上手くいくわ」 ププ

美波「……」

美波「その……」

美波「346の次世代アイドルCDラッシュの第一弾ということらしく……」

楓「……」

楓「もしかして……」

美波「……」

美波「一緒に、ニュージェネレーションズのデビューもほぼ決まっているって……」


楓「…………そう」

美波「……」

美波「一応、イベントとかのスケジュールを先に調整する際に……」

美波「彼女たちの、今後しばらくの予定も……」

楓「……」

楓「今は確か、バックダンサーを……」

美波「……成功したら、ツアー全てでやるみたい」

楓「……そう」

美波「……」

美波「もし、まだ納得していないなら――」

美波「リベンジのチャンスは……」

楓「……ええ」

楓「ありがたく――その情報、頂いておくわ……」


【数時間後、ライブ会場】

バイトリーダー「全プログラム終了です!!」

オツカレサマデシター

パチパチパチパチパチ

卯月「……」 アハ

凛「……」 フフ

未央「……」 イヒッ

美嘉「おっつかれさまー!」