なすの「明日の今頃にはもうウィンブルドン」 (27)




高宮家の別荘。


なすの「ふぅ…ロングチェアーにゆったりと腰掛けて、まどろみながら過ごす休日もいいものですわね……」

陽太「そうですね……」ぺら…


なすの「はぁ……」


なすの「明日の今頃にはもうウィンブルドン――――」


なすの「――――に出場したいですわね……」


陽太「?」

陽太(また唐突におかしな事を言い始めたな……)ぺら…


 

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1420841415



なすの「…………………」


陽太「…………はぁ。そうですか……」


なすの「――――って陽太。この私が出場したいですわねって、言っているじゃないの!!」

陽太「いや…そう言われても、出場するとか以前に、もうひと月くらい前に終わっちゃってますよ?」


なすの「出たいったら出たいったら出たいったら出たいんですーーーー!!!」

ジタバタジタバタ


陽太「タカミーヤンドに行った時みたいに、ジタバタ駄々をこね始めたー!!」


なすの「そういう訳で陽太……」

陽太「はい?」


なすの「今からウィンブルドンに向けて特訓をしますわよ!!」

陽太「えーーー!?」


 



テニスコート。


陽太「あの…なすのさん」

なすの「なんですの。陽太?」

陽太「俺…テニスなんてやった事ないんすけど。っていうかサッカー部ですし」

なすの「そうでしたわね。それでしたら、私がコーチをして差し上げますわ」


陽太「ウィンブルドン目指すのに選手がコーチになっちゃダメでしょ!?」


なすの「それもそうですわね……じゃあ陽太。今から私にコーチなさい」

陽太「やった事ないって今言ったばかりですよ!?」

なすの「ふふ…冗談ですわ。でしたら…取り敢えず軽く打ち合いから始めましょう―――――」


 



ポーン

ポーン


なすの「ふぅ…これだけやったのですから、これでウィンブルドン間違いなしですわ」

陽太「ナニが間y違いないのかよく分からないですけど……」

陽太「まぁ…ウィンブルドンはともかく。なんだかんだで練習相手になれて良かったです」


なすの「ふふ…ありがとう陽太。おかげでいい汗をかけましたわ……」

だらだらだらだら……

陽太「いや!尋常じゃ無い程に滝の様な汗をかいてるー!?」びくっ

なすの「でしたら……」だらだら

ずいっ…

陽太「?」

なすの「この汗を嘗め取りなさい」

陽太「このくだり、前もやった気がするんすけど!?」


 


なすの「陽太は私の汗と顔を嘗めたくはないのですの?」

陽太「そりゃそうです――――――」

なすの「ううー」じわ…

陽太(汗でよく分からんけど、何故だか泣きそうな顔しとるー!?)

なすの「そうですの……陽太は私の事―――――――」

陽太「わっ分りましたよ!!嘗めますよ!!」

なすの「あら?そんなに私の汗を嘗めたいんですの?////////」

陽太「もう…何も言いませんよ・……」すっ

ぺろ…

なすの「あっ……////////」

ぺろぺろぺろ…


 


陽太「…………はい。こ…これでいいですか?/////////」

なすの「で…どうでしたの私の汗のお味は?」

陽太「汗の味って……普通にしょっぱかったですけど?」

なすの「陽太は本当にデリカシーがないですわね。そこは甘くて美味しいって言うところでなくて?」


陽太「いや甘かったらそれはそれで問題ですよ!?糖尿的な意味で」


 



なすの「もうっ陽太は照れ屋さんですわね」むー

陽太「照れ屋さんも何も、普通に恥ずかしいですよ!//////それに誰が見ているか判らないのに……」

なすの「それなら心配いりませんわよ」

陽太「え?」

なすの「このSSを読んでいる人も皆無ですし、まとめられる事もありませんから」

陽太「何かメタ的な事言ってる!?あながち間違いじゃないのが悲しいけど……」


なすの「まぁ…そんな事はさておき、取り敢えずシャワーでも浴びたいですわね」

陽太「そうですね。なんだかんだで、俺も結構汗かきましたからね」



?「シャワーを浴びるという事は――――」


?「ホテルじゃな」ニィ


 



陽太「!?」

なすの「お母様。いらしてたのですか?」

陽太「あ…あやのさん…何時からそこに……?」

あやの「おう。お主がなすののほっぺをペロペロ嘗めていた時くらいからな」

陽太「やっぱり誰かしらに見られてたーーー!!」

あやの「まぁよいではないか。そんな事より…陽太よ」

陽太「何ですか?」

あやの「汗に塗れた男女が、ホテルのシャワーでお互いの身体を洗い流し、その火照ったカラダでスル事といえば…………分るじゃろ?」にやぁ

陽太「そっそんな事分りませんよ!!//////」

なすの「ホテルのシャワーを浴びてからスル事って何ですの?陽太」

陽太「アンタも分ってて言ってるでしょ!?」


あやの「じゃあ…お邪魔虫はさっさと退散しようかのー。ではまたの」どひゅーん


 



陽太「な…何だったんだ今のは……」

なすの「…………じゃあ早速、行きましょうか?」

陽太「えっ…行くってどこへ?」どきっ


なすの「別荘のシャワー室に決ってますわ」

陽太「ははは…そうですよねー」


陽太(………………愚かにも一瞬でも期待してしまった……)


 



別荘内。


なすの「ふぅ…さっぱりしましたわね」

陽太「そうですね…って、バスタオル巻いたままの姿で、出て来ないで下さいよ!?///////」

なすの「でしたら…バスタオルを外して……」しゅる…

陽太「いや!ここで外さないで下さいよ!!」

なすの「…………陽太…陽太は私のこの姿を見て何とも思いませんの?」

陽太「…………いや…その……思いませんよ//////」

なすの「……………どうしてですの?私はそんなに魅力はなくて?」

陽太「いえ…そんな事は―――――」

なすの「だったらどうして―――――」

陽太「…………俺は…俺は貴女の…なすのさんの執事ですから」

なすの「……まったく陽太は頭がお固いですわね」

陽太「ははは……」



陽太(いや…そう思い込まないと、頭とは違うトコロが固くなっちまうから///////)


 



――――――


なすの「――――と言う事で、今日はもう寝る事にしましょう」

陽太「そうですね。なんかいろいろ疲れましたし……」


なすの「…………………」

陽太「?どしたんすか?なすのさん」

なすの「…………では…今からウィンブルドンに往けるおまじないを、陽太にして差し上げますわね」

陽太「おまじない?」

なすの「ええ―――――」

すっ…

陽太(えっ!?顔が近―――――――)どきっ


ちゅっ…



 



陽太「!!!?////////////」


すっ…


なすの「なっ…これは我が高宮家伝統の何でも叶うおまじないなんですわよっ////////////」かぁぁ

陽太「―――――――//////////」


なすの「でっ…ではおやすみなさい。陽太///////」

さささー


陽太「お…お休みなs―――――」


バタンッ…


 



陽太の寝室。


陽太(…………うう…なすのさんがあんな事するから、頭ン中がもやもやして眠れない……)もんもん

陽太(でも…俺にキ…キスなんてして……なすのさんは俺の事をどう思ってるんだろ……)

陽太(やっぱり…いつもみたいに、からかわれてるだけなのかな……)


陽太(……だったら俺は…俺はどうなんだ?俺はなすのさんの事を――――――)


陽太(ああ…もうわからんっ。それに…なんか色々考えてる内に眠くなってきた……今日は色々あったからな――――――)



陽太「もう寝――――――――」す…


陽太「…………………………」すぅすぅ…



 



翌日。

むく…

陽太「ふゎ………………」


陽太「…………………えっ?」


――――


陽太「えっ!?」


――――


陽太「えっ!!?」


――――


陽太「えっ!!!?」



 




―――――


わぁぁぁぁぁぁぁ―――――


アナウンス『ただいまより。ウィンブルドン男女ダブルスの第一回戦を始めます!!』


わぁぁぁぁぁぁぁぁぁ―――――


陽太「ホントにウィンブルドンに来ちゃったよ!?」


なすの「ふふ…私のお金パワーで男女ダブルス出場枠を買い取りましたわよ。ついでに開催日も早めておきましたわ」

陽太「そういや俺まで出場してる事になってるー!!?てかいつの間にかラケットまで持ってるし……」


なすの「ふふ…昨日の今頃に言ったでしょ?」




なすの「明日の今頃にはウィンブルドン」




なすの「――――――って」



陽太「お金パワーってすげーーーー!!!!」




おしまい。




 



おまけ。


アナウンス『間もなく試合開始です――――――』


わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ――――――


陽太「あの…なすのさん、あれやこれやのイキナリジェットコースター的な展開過ぎて、未だにワケ分んないっすけど……」


なすの「陽太……」

陽太「なんすか?なすのさん」



なすの「…………陽太はこれでも…こんな私でも、私の執事でいて下さる?」



陽太「なすのさん……」

なすの「どうですの?」

陽太「…………まぁそうですね。夏休みが終わるまでは……」

なすの「……それまでですの?」


陽太(……………………うんっ)ぐっ

陽太「…………いえ。もし…なすのさんが望むなら、これから先も―――――」


なすの「!!ありがとう陽太。それでこそ私の執事…いえパートナーですわ」にこ


陽太「なすのさん……」



なすの「では…そこまで言うのなら。これから先もずっと私の傍に居させてあげますわ」

陽太「まったく…いえ、分りましたよ。ここまで来たらとことん傍に居させて貰いますから」

なすの「――――――うんっ!」こくっ


アナウンス『――――――では試合開始です』


なすの「じゃあいきますわよ。陽太」

陽太「はいっ。なすのさん」


なすの「さあっここまで来たら私たちが――――――!!」


なすの・陽太「「時代を導く星になる!!」」




おまけのおしまい。



 

これで全部おしまいです
『高宮なすのです!』と『てーきゅう』がアニメ化されるという事で書かせて頂きました
これは厳密には、てーきゅうSSではないですが
もう少し、てーきゅうSSが増えてもいいんじゃないかと思います

ありがとうございました

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