提督「ケッコン?死んでもやだ」 (63)

提督「なんでケッコンなんてしないといけないんだよ」

提督「しかもわざわざ任務にしてまで」

提督「部下との絆?」

提督「いやだよ、ケッコンが原因で不幸になる確率のほうが高そうだし」

提督「そういうわけでうちではケッコンとかありえないから」

吹雪「いや、その……もうちょっとマイルドに言っても……」

提督「やだよ、後の火種になりそうだし」

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提督「最初に秘書官に選んだお前だから言ってるのに」

吹雪「ええっと……ケッコンそのものがいやなんですか?それとも相手に不満が……?」

提督「え?」

吹雪「相手に不満があるならなんでかなー……ってきになったり……」

提督「聞きたいの?」

吹雪「……」

提督「実際同棲もしないでケッコンとか頭おかしいんじゃない?」

吹雪「……そうかもしれないですね」

提督「それ以前に艦娘に不満しかないんだけどな!」

提督「あはははははは!」

吹雪(笑えない……)

提督「いかにも将来的に地雷になりそうなやつしかいないだろ」

吹雪「……」

提督「聞いちゃう?だれのどこがダメそうなのか聞いちゃう!?」

吹雪(聞きたくない……)

提督「そっかーそんなに聞きたいんじゃしかたないなー」

吹雪(何も言ってないです……)

提督「まず長門な」

吹雪「みんなを引っ張ってくれる頼れるお姉さんですよ」

提督「こいつはプライドが高そうだから駄目だ」

提督「将来子供の教育方針とかでもめても絶対自分の意見を貫こうとするだろ」

提督「よってNGだ」

吹雪「……子供のこととかも考えてるんですね」

提督「当たり前だろ」

提督「次に陸奥な」

提督「そもそもこいつ子供欲しがるの?」

提督「家庭持っても自分のこと優先しそうじゃん?」

提督「体形崩れるから子供は欲しくないーとか」

提督「手が荒れるから洗い物したくないーとか」

提督「なんかもう文句をいう前提すらバカバカしくなりそうだからNGだ」

吹雪「女性も自立の時代ですし……」

提督「男がコンビニ弁当食べて必死で働く裏で高いランチとか食べてそう」

提督「いい女は金がかかる?ねーわ」

吹雪「伊勢さんとかどうでしょう?」

提督「あいつか……」

提督「あいつ日向大好きだよな」

提督「友達の延長みたいな感じで」

提督「以外に男を立てるとかもできそうだしなあ……」

吹雪「じゃあケッコン申し込みは伊勢さんで決定ですね!」

提督「いやいや意外とああいうタイプが不倫したりするんだよ」

提督「家庭に入ったら必然的に今までの交友関係とは変化があるだろ?」

提督「それで家庭内で日向の代わりにどうでもいい話題の会話にこたえなきゃいけないのは耐えられねーわ」

提督「それでちょっと適当に答えてたらすぐに不満もって外に男作るね」

提督「相手の男からしたら体目当てなのに本気でのめりこんで夢中になって依存するタイプそれがあいつだ」

提督「そしたら即離婚だね!離婚!」

吹雪「それじゃ日向さんは……」

提督「あいつは不満をため込むタイプっぽいからな」

提督「それが怖い」

吹雪「きっといいお嫁さんになってくれますよ」

提督「不満をためてためて……爆発したときにすぐに暴力に訴えそうだしな」

提督「散々家庭内のものぶち壊した上に実家に帰りそうだ」

提督「買ってきた牛乳の種類とかどうでもいいことでもじわじわとストレスをためて」

提督「イラつきを小出しにしないで最終的に爆発させる」

提督「毎日地雷を事前に調べて爆発までの時間を長引かせるだけの結婚生活とか絶対やだね」

吹雪「それじゃあ金剛さん……」

提督「はぁ?あいつこそありえないだろ」

吹雪「で、でも絶対浮気の心配とか無いですよ!」

提督「あのなあ……ケッコン生活で浮気をしないって最低限だろ」

提督「あいつの場合いつまでも英国生まれってところに誇りを持ってそうでやだ」

提督「いい加減日本の生活に適応しろよ」

提督「イギリスではこういう風に……今日の夕食は英国式の……イングリッシュ云々……」

提督「下手に指摘したら拗ねそうだし絶対面倒くさい」

提督「そのうえ『それ、本来の英国式とは違うぞ』なんて指摘した日には大声でブチ切れるだろ」

提督「よってNGだ」

提督「じゃあこの流れで比叡な」

吹雪「はい……」

提督「あいつは毎日毎日お姉さま、お姉さま……」

提督「親に愛されなかったの?」

吹雪「……」

提督「百歩譲って昔の男の話ばかりするよりはいいわ」

提督「でも毎晩の夕食で『お姉さまは今何を食べているのでしょうか』とか言われてみろ」

提督「なんだよ!いまは二人で食事してるのにお互いのことはどうでもいいのか!?」

提督「どーよ?」

吹雪「それでも……浮気とかもしなそうですしちょっとぐらい我慢すれば……」

提督「ああ、あとな飯がアレだから……」

吹雪「あっ……」

吹雪「榛名さんならどうでしょう?」

提督「あいつな……あいつは重い」

吹雪「えっ」

提督「尽くしてくれるし家庭のこともしっかりやってくれそうだよ!」

提督「毎日きっと楽しいだろうし不貞の心配もなさそうだ」

吹雪「じゃあ完璧ですね!プロポーズ行きましょう!」

提督「……問題は定年後だな」

提督「旦那に時間ができると今までの反動でめちゃくちゃ依存してきそうだ」

提督「老夫婦がどこ行くのにも一緒、いつもベタベタベタベタ……」

提督「見苦しくない?鬱陶しくない?」

吹雪「それはほほえましいといったほうが……」

提督「長年付き添ってくれたおかげで下手に離婚もできないし死ぬまで生かさず殺さずって感じが辛い」

吹雪「ええ……」

提督「楽しくなってきたな!次は霧島だ!」

吹雪(私は楽しくないです……)

提督「霧島は逆に子供に依存しそうだな」

提督「子育てとかめちゃくちゃ頑張ってくれそう」

吹雪「いいことじゃないですか」

提督「あのなあ……逆に向きになって子供を育てることだけに人生の意義を見出しそうなんだ」

提督「仮に子供が受験で失敗でもしてみろ?」

提督「あなたならできる!ほんとうはもっと出来る!タイミングが悪かっただけ……」

提督「最終的には子供は鬱病、家庭も真っ暗、挙句に自分も精神病だ」

提督「下手に夫が口出ししようものなら『私はこんなにがんばっているのにいいいい!』とか言ってきそうで……」

提督「よってNG」

吹雪「扶桑さん……」

提督「あいつ劣等感こじらせてるよな」

提督「そのうえ常に落ち着いた雰囲気まとってるようで……」

吹雪「で、でも絶対暴力とかしなそうですし……」

提督「じゃあさ、あいつと一緒にバラエティー番組とかみて楽しめる?」

提督「あいつ真顔でお笑いとか見そうじゃん」

提督「面白いこと楽しもうとして常に嫁の顔色うかがわなきゃいけないの?」

提督「そのうえ『楽しくない?』って聞いたら『そんなことはありません』とか返してくるって」

提督「本当に心の底から気が休まる感じがしないんだよなあ」

提督「……山城な」

吹雪「……素敵な女性ですよねちょっと幸薄いけど」

提督「……若いうちは『不幸だわ』って言っててもいいよな」

提督「でも一緒に年取っていくうちにずっと不幸だって言われてみろどうする?」

提督「薄幸の美女から薄幸の中年女性、薄幸の老女を経て最終的には薄幸の白骨死体になるんだぞ?」

提督「それはちょっと……」

吹雪「旦那さんが幸せにしてあげれば……」

提督「ああいうタイプは生まれの運勢に一生涯固執し続けるんだよ」

提督「よくわからんスピリチュアルにはまって旦那に内緒で貯金つぎ込むのが落ちだぞ」

提督「……うん、なんか悲しくなってきた……」

吹雪「海外生まれですがビスマルクさんなんてどうでしょう?」

提督「日本に溶け込もうと頑張ってはいるよな」

吹雪「じゃあ国際結婚ですかね?」

提督「外人は劣化が……」

提督「スタイルが良くてさ、カッコのいい女の人だって中年になればガタイのいいおばちゃんだぞ」

提督「そのうえあいつは帰国子女でもなんでもなく本物の外国人だ」

提督「子供が出来たら教育はそもそもどちらの国でやる?とか出産はどちらの国でやる?とか……」

提督「普通の幸せのスタートラインがあまりに前途多難だろ……」

提督「俺にはとてもできない」

吹雪(いい加減何様なんですかね?)

提督「次は大和か……」

吹雪「非の打ち所のない大和撫子ですしもうダメもとでプロポーズすればいいんじゃないですか?」

提督「あいつはな……」

提督「あいつは……」

提督「あいつといると逆に俺の劣等感が……」

提督「なんなんだよもう!」

吹雪(こっちが叫びたいですよ……)

提督「いつか子供ができて今度はその子供も優秀なんだ」

提督「子供が育ってきてしっかりすることにはいつの間にか家庭に俺の居場所はなくなってるんだ……」

吹雪「それで見捨てるような人じゃないですよ?」

提督「その生温かい感じがいやなんだよ!」

提督「家庭では男が一番!そうなりたいの!」

吹雪(死ねばいいのに)

提督「気を取り直して武蔵な」

吹雪「……」

提督「かっこいい男勝りな女だよな」

提督「……」

吹雪「何か?」

提督「若い時あんな恰好してた女と結婚したい?」

吹雪「……け、結婚してからが大切ですよ」

提督「本当に?じゃああの恰好できる?」

吹雪「……それはちょっと」

提督「なんだろうね?一生元ヤンだしそれにプライド持ってそう」

提督「子供ができてもPTAとかで大暴れしそうじゃん?」

提督「無理だわ」

吹雪「……そうですかね」

提督「……そういうわけだ」

吹雪「……」

吹雪「……もう言っちゃいますけどなんで司令官はケッコンできると思ってるんですか?」

提督「えっ」

吹雪「なんか上から目線で選んであげるとか言う感じになってますけど艦娘側にも受ける権利はあるんですからね?」

提督「えっ?なにそれ」

吹雪「こんな口だけの最低人間と人生を共にしようとか思うわけないじゃないですか」

吹雪「鏡見たほうがいいですよ」

吹雪「それじゃあ私は」

提督「……」

提督「なんでだよおおおおおお!」

提督「そこは『仕方ないですね私が結婚してあげますからそれで我慢してください』とか」

提督「いうばめんじゃないのかよおおおおおお!」

提督「ほんとはケッコンしたいよ……」

提督「なんなんだよ……女なんて全員いなくなっちまえ!」

数年後提督は孤独死した。

おしまい

書いてて心が痛くなりました。

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