俺「俺はvipper」 (8)

俺「別に頭がいいというわけではないが俗にいう底辺でもない」

俺「そこそこの大学に通う趣味も特技もないコミュ障のぼっちだ」

俺「ちなみに彼女はいない」

俺「というか正直女は苦手だ。ペースが乱れる」

俺「それに、群れたイケメンが女とはしゃいでる姿を見ると反吐が出る。なんなら俺はこのまま一匹狼のままがいい。」

俺「秋が過ぎ、涼しい季節もいつの間にかダウンジャケットが必要な季節になった。12月。そろそろ雪でも降ったらどうだろうか。」

周り「モウクリスマスカー。カノジョホシイナー」
周り「オマエクリスマスドースンノー?」
周り「コノアトドッカイカネー?」


俺「そう、世間ではもうクリスマスムードで一色。ったく、クリスマスはキリストが生まれたことを祝う日だっての。なーにはしゃいでんだよ。」

俺「はー。それにしても結局彼女はできなかったな~。いや、別に欲しいというわけでもないんだけどな」

とある日の午後。講義が終わり、生協、図書館を巡ったが結局キャンパスに一人でいても何もすることがないので、俺はしょうがなくアパートに帰ることにした。
俺は今鉛色のどんよりした寒々しい空の下、さびれた住宅街を少し早い速度で自転車をこいでいる。誰かとすれ違っても、俺を引き留めたり、声をかけたりはしない。
大学に入る前は、キャンパスでみんなと夜まで勉強したりはしゃいだりしてから、初めてできた彼女と二人で明るく照らされた商店街を一緒にくっついて帰るなんてことを想像していたが、
現実というものは思い通りにはいかない。まあ別にいいけど。別にね・・・。
アパートについた俺がまずすることはPCの電源を入れること。まあ電源切るなんてことはめったになくてほとんどスリープ状態だが。
そしてまとめサイトをみたり2chをみる。それから・・・何もすることはない。大学祝いに親に買ってもらったスマホに入れたラインもゲーム以外に使ったことはない。誰からも連絡は来ない(友達がいない)

俺「あーー・・・・ひまだー」

俺「なんかすることねえかなー」

座椅子によりかかりながら外を見る。冬は日が落ちるのが早く、あたりはもう真っ暗だ。
勉強はしようとは思うがどうもやる気が出ない。そしてこんな感じで一日が終わる。

そしてまたある日、俺は唯一の友人であるAと一緒にいた。クラスでは時々一緒になるがAは俺とは少しだけちがい、部活とバイトをしている。

俺「お前クリスマス何してんの?」

A「俺?たぶんどっかに飲みにいくわ」

俺「まじで!?俺も行くわ」

A「いいけど部活の人もいるよ」

俺「あーまじか」

俺「あ、でも俺ももしかしたら昔の友達と一緒に読行くかも知んねーから、やっぱいいわ」

嘘をついた。何であんな嘘をついてしまったのだろう。心の中でドロドロしたものが俺の気持ちをしめあげている。
この感じは結局クリスマスまで続き、俺の心を苦しめた。思い出すと背中のあたりがムズムズし、思いっきり暴れたくなった。

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