【モバマスSS】モバP「うちのアイドルで文化祭?」ちひろ「はい!」 (56)


モバP「都内の廃校になった学校施設を利用して、幾つかのグループに分かれたアイドル達が企画した学園祭風イベントを、ファンを招いて楽しんでもらう……面白そうだけど、施設の準備や予算が多くなりそうだなぁ」

ちひろ「確かにそうですけど、いつもたくさんのおか……ゲフンッ、応援をくださっているファンの皆さんが喜んでもらうために頑張りましょうよ! お返しですよ、お返し♪」

モバP「入場料は?」

ちひろ「有料9イベント・全フリーパス15000マニー♪♪ 6イベントパス8000マニー♪ 3イベントパス4500マニーの、1イベント追加パス2000マニーで……ハッ!?」

モバP「ですよね~」



・携帯ゲーム「アイドルマスター シンデレラガールズ」のSSです。

・アイドルの登場数や言動には作者の知識・想像が多分に影響しております。この作者はこれが限界なのでしてー。



 よろしければお楽しみくださいませ~



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1417264977


 ~~


モバP(その後、ちひろさん主導の元、何だかやけに乗り気なアイドル達の協力を得て、CGプロダクション・アイドル文化祭の準備は順調に進んでいき……)



ちひろ『来週末に本開催する前に、みんなで非公開のデモンストレーション・リハーサルを、全体の流れを確認しながら行いたいんです。一部のイベントは披露出来ませんが……今週の土曜日、1日空けてお客さん役として協力してくれませんか? プロダクションのスタッフや関係者もお客さん役で体験してもらいますが、プロデューサーさん相手なら、みんなも気軽に良い練習ができるでしょうから♪ 休日手当は出しませんけど、お試しフリーパスは差し上げますよ! これも全ては、アイドル達の文化祭が成功して、みんなが笑顔になる為ですからね~♪』



モバP「笑顔になるみんなの中に、休日を潰した俺はちゃんと入っているのかな……まあ、いつも休みは寝てばっかりだから、たまにはこんな遊びもいいか。誰が何をやるかはお楽しみって事で教えてもらってないから、気になるのでしてー」テッテッテー




 -AM9:45 都内某所:アイドル文化祭・会場-


モバP「……着いた、かな?」(オープン前だからか、建物を囲ってる塀にブルーシートかかってて外からは中が見えんな)


モバP「入口のでかい門も普通に閉まって……お、さすがに開くか」ギィ-ッ



 ―ア、キタヨ! Pサン私服ダネ!(タタタタ-ッ)


モバP「お?」


(※=P○○呼びは、名前で呼んでいるということで)



さくら・亜子・泉『いらっしゃいませ♪ ようこそ、CGプロダクション・アイドル文化祭へ!』ニコッ♪


モバP「おお、第1アイドルたち発見。ニューウェーブがお出迎えか」

さくら「そうでぇす! 私達、受付担当なんですよぉ♪」

亜子「今は置いてないけど、ここにテントやテーブル置いて受付所にして、アタシら3人とちひろさん達スタッフのみんなで、ファンをお出迎え・ご案内するんやって」

モバP「ほうほう。初めてのイベントに戸惑うかもしれないファン達も、連帯感ばっちりのお前達が案内してくれるなら安心だろう。人がたくさん来て大変かもしれないけど、頼んだぞ」

泉「もう、あんまり期待されるとプレッシャー感じちゃうよ。頑張るけどさ、フフッ……あ、そうそう。P、文化祭のパンフレットあげる」

モバP「ありがとう、泉……パンフのデザインも凝ってるなぁ、これ」

泉「あと、出店系はみんな仮オープンするけど、イベントステージは開催してないよ。今日は手伝う側のスタッフさんが少ないし、機材も揃いきらないから。全部気になるなら、ちゃんと当日も来てね」

モバP「ん、了解」

さくら「あ、そうだ! Pさぁん、手を出してくださぁい!」

モバP「手?」

亜子「あ、それあったね」

泉「え、本当にするの?」

モバP「? とりあえず、はい」⊃スッ


さくら「わたしたちが考えたサービス、お出迎えの握手でぇす♪」キュッ♪

モバP「おお、こんな事まで……手ちっちゃくてプニプニしてるな、さくら」

さくら「もうっ、もっと他に言う事ないですぁ?」プク-ッ

モバP「ハハッ、冗談だ。ありがとう、わざわざ練習でも俺の手なんか握ってくれて。これファンなら大喜びだぞぉ」ナデナデ(けど、素手はやめさせようかな……何となく。あと深い意味はないけど、警備員をきっちり用意しよう)フムッ


さくら「ファンだけじゃ……まあ、いっか♪」ニコッ

亜子「そしたらアタシも~、はいPちゃん♪」ギュッ!

モバP「……これは、金にうるさい手の感触!」

亜子「そんなの分かるか!」

モバP「ごめんごめん。さくらからの流れで、つい。ありがとうな」ポンッ

亜子「ま、ええよ♪」フフッ



泉「……P、手」

モバP「はいよ」⊃スッ

泉「……うん」


 ギュッ


モバP「泉も手、ちっさいなぁ……指も細いし」

泉「あ、あまりまじまじと見ないで……離して」

モバP「おっと、ごめん。ありがとうな、本番も頑張ってくれよ」ポンポンッ


泉「わ、分かってるもん……」プイッ


亜子「♪」ニヤニヤッ

泉「亜子、何よ。その顔」

さくら「あーっ! 泉ちゃん照れてるぅ~!」

泉「――ッ///」カァッ


 ギャー\ナニヨモウ! マアオコリナヤー☆ オコッターッ♪/ギャー


モバP(騒ぎ出した理由がよく分からないけど……女3人寄ればかしましいって、こういうのかな? 微笑ましいもんだ)フフッ


モバP「じゃあ俺はもういくぞー」

さくら「はーい! みんなのイベント、楽しんでくださぁい!」

亜子「それと、開会式のデモもやるらしいから、そっちも見にいったげてな?」

モバP「ああ、あったな。運動会みたいだけど、確か当日は俺も挨拶するんだっけ」

泉「本校舎の先、校庭で10時ちょうどに始めるよ。詳しくは、パンフレットの地図を見て行って」

モバP「分かった」


 ~~


 -AM9時55分 運動場-


モバP「ふぅ、間に合った」


 ワイワイ…ガヤガヤ…フヒヒ…ウッヒョー!…ザワザワ


モバP「おお、アイドル達が校庭に集まってる。自分のところながら、多いな……開会式場の周り、顔見知りのスタッフやテレビ局や雑誌関係者も何人かいる。ちゃんと無料で招待してもらえたかな……そういえば、どんなグループがどんな出し物をするんだろ」パンフ、ペラッ



☆CGプロダクション・アイドル文化祭 当日出し物&イベントスケジュール☆


9:45~  開門・入場

10:00~10:15  開会式(校庭)

10:30~ 全店OPEN

(13:30~ イベントステージOPEN)

16:15~ 閉会式

16:30  文化祭終了


【出し物】

○本校舎1階(2)

 ホラー・オカルト研究会(会長:白坂小梅、松永涼、星輝子、高峯のあ、上田鈴帆、イヴ・サンタクロース、依田芳乃)/『おばけ屋敷』

 ペットサークル(部長:市原仁奈、緒方智絵里、古賀小春、赤城みりあ、早坂美鈴、前川みく)/アニマルハウス『MOFU‐mofu』

○本校舎2階(2)

 漫画同好会(会長:荒木比奈、大西由里子、森久保乃々、神崎蘭子、神谷奈緒、喜多日菜子)/『同人誌販売・似顔絵書き』

 スイーツ研究会(会長:十時愛梨、三村かな子、槙原志保、椎名法子、橘ありす、櫻井桃華)/cake&café『Sweet‐princess』

○本校舎3階(2)

 スリーピング・エフェクト・ラボラトリー(所長:小日向美穂、塩見周子、佐城雪美、宮本フレデリカ、双葉杏)/『実験検証』

 ヒーリング&テラピー研究会(会長:三船美優、一ノ瀬志希、斉藤洋子、棟方愛海、浜口あやめ)/『アロマテラピー&ヒーリングマッサージ体験』


○別館(特別店舗・入店は無料)

 料理研究会(会長:五十嵐響子、佐久間まゆ、大原みちる、日野茜、首藤葵)/レストラン『Cinderella harmony』

○校庭(1)(展示・体験コーナー)

 ロボット研究所(所長:池袋晶葉、八神マキノ、原田美世)/『ロボット展示・ロボット相撲』


【イベントステージ】(2)(本日のP体験版では休演)

コントSHOW(難波笑美、上田鈴帆(2役目)、高垣楓、矢口美羽、浅利七海、キャシー・グラハム)
ロックLIVE(多田李衣菜、木村夏樹、ライラ、冴島清美、涼宮星花)




モバP「割と種類あるな。よく分からんのもあるけど……イベントステージ休みなのは残念だな」


 ピーッ…アー、テステス…


モバP「お、始まる?」


卯月「えー。ただいまより、CGプロダクション・アイドル文化祭の開会式を行います! 練習の今日を含め、本番も開会式の司会を務めます、島村卯月です!! 出し物を準備してくれたアイドルのみんなやご来場いただいたファンの皆さんが、楽しい気持ちで文化祭をスタートできるように、元気よく司会を頑張りますので、どうぞよろしくお願いしまーす♪」ペコリ


 ワーッ!\パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ/イェーイ!


 ~卯月はいつも通り頑張って普通の開会式を行ってくれたけど、省★略~


卯月「……はい! 準備運動は、私達の目標でもある765プロさんの『スマイル体操』でした! お手本となる歌と踊りを披露してくれた龍崎薫ちゃん・ナターリアちゃん・向井拓海さんに盛大な拍手を~♪」


 ワーッ!\パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ/カワイイー!


拓海(くっ、あとで覚えてろよP!)ギリギリ

モバP「なんかめっちゃ睨んでる、俺知らないのに……てか、嫌なら断れよ!」


薫「エヘヘ、楽しかったね拓海お姉ちゃん♪」ニパーッ☆

拓海「あ、ああ……そう、だな。頑張って踊って、えらかったぞ薫」ナデナデ

ナターリア「ナンダカンダ、カワイイよね拓海ッテ!」

拓海「う、うるせぇ! 昼飯にスシ連れて行ってやらないぞ!」


モバP(断らなかったのは、あの辺りの『御守り』が理由か)フフッ

卯月「それでは、開会式はこれにて終了です。皆さん、練習とは言え大事な本番へとつながるのですから、イベントとして気合を入れて真剣に取り組んじゃいましょう! 今日は本気で……日頃からお世話になっている関係者の皆さんや、プロデューサーさんを、もてなしちゃいましょー♪」

 オーッ!!!

卯月「そしたら、プロデューサーさんなんかは喜んで何かご褒美くれるかもしれませんよ? 『頑張っているみんなのためなら何でもするよ』って、いつも言ってくれる人ですもんね」ニコッ


モバP「卯月さん!?」


 ―ザワワッ!!?(ナンデモ!?)


卯月「それでは……散っ!」ピ-ッ


 -ザッ シュババババババッ!!!


モバP「動き、速っ! なんか少し怖くなってきた……けど、まあいいか」

加奈「楽しみですね♪」

モバP「ああ。てか、何で加奈はスーツ姿で俺の隣にいつの間にか立ってんの?」

加奈「フッフッフ、プロデューサーさんの監視を兼ねて、一緒に文化祭を回って皆の様子をレポートしてくるようにちひろさんから頼まれたんですよ!」⊃メモ帳 ババンッ!

モバP「監視って……信用ないなぁ、ちゃんと見て回るのに」


加奈(……どっちかって言うと、みんながプロデューサーさんにサービスし過ぎちゃわないかを、心配してるんじゃないかなぁ……)コショコショ


モバP「ん? 何か言った?」

加奈「い、いいえ何も! さあ、まずはどこから見ましょうか!」

モバP「普通に1階から回ろうかな」

加奈「はい!」


 ~~


【本校舎1階 お化け屋敷前】


?「お、さっそく来たね」

モバP「涼……その格好、魔女か?」

涼(魔女っぽい衣装)「ああ。受付からきっちり世界観は作っていこうって、小梅がさ……変じゃないか?」

モバP「似合ってるぞ、少しワイルドな魔女だな。しかし、小梅は1番やる気、てか乗り気だろうな。それが恐いんだけど……あいつ、スプラッターとかも好きだからなぁ。どんな感じなの?」


涼「……フフッ」

モバP「何か言って!」

加奈「文化祭に限らず、遊園地やテーマパークでお化け屋敷は定番中の定番! みんなが楽しめるポイントとして要注意ですよね!」メモメモ

モバP「加奈はぶれないな……はあ、それじゃ行きますか」

涼「はいよ。2人共、これ持って行ってくれ」⊃ロウソク

モバP「これは?」

涼「お化け屋敷の中を進んでいくと、1番奥に祭壇が置かれてる。そこにロウソクを立てて、火を灯してくれ。そうしたら、出口への道が出現するようになってるからさ」

モバP「ああ、そういう系か。イベントクリアしないと出られないとか?」

涼「まあな。最悪、てか普通にギブアップも出来るようにしてるよ。学校の校舎1階の半分、教室4つをくりぬいて作ったから、結構広いんだよ。完成してから何人かにチャレンジしてもらったけど、1番早くゴール出来たのが巴で約10分、1番遅かったのが梨沙で20分以上かかった」

モバP「確かに長くなりそうだな」

加奈「梨沙ちゃんは、よく最後まで諦めずにゴールしましたね!」

涼「パパがふもふも言って涙目だったけど、やり切ったんだから根性あるよな。同じぐらい小さいくるみやメアリー、珠美や舞はリタイヤしたのにさ」

モバP「挑戦メンバーに難がある気もするぞ。しかし、梨沙でもなんやかんやゴールできたんだ、俺達も頑張ろう!」

加奈「はい!」

涼「気を付けてな~」


 ~~


 …シーン…


加奈「……暗い、夜の森の中って感じですね」ザッザッ

モバP「ああ……木々や草むら、この砂利道も無駄にリアルに出来てるな」ザッザッ


 …シーン…


モバP・加奈(……なんか喋らないとっ……)


加奈「こ、これ本物の木ですかね?」

モバP「いや、さすがに偽物じゃ」




 …ブォー…




モバP・加奈「!?」ビクッ



 …ブオォー…ドドッドドッ…



モバP「なんか、聞こえるな……船の汽笛?」

加奈「いえ、ここ森の中なのに船とか! あと、何か叩くような音も……」


 …ブオ~オォー…ドドッドドッドドッ…


モバP「だんだん大きくなって……いや!」

加奈(近づいてくる!?)


 ガザザッ!


モバP「っ……おい、後ろ」加奈「キャァァー!!!!!!」ダッ!


モバP「ちょっ、加奈!? な、なんだよ……うう」クルッ


黒く蠢くもの『ブオォオォーン』ザワザワ


モバP「ま、待ってくれー!!!」ダダ-ッ


 …シーン…


芳乃「うまくいきましてー?」

ブリッツェン「ブモォ!」

【お化け屋敷第1の怪・黒く蠢くもの(法螺貝を吹く芳乃を乗せたブリッツェン+黒い布)】


加奈「ハァハァ……うう、じわじわ怖いぃ。全力で走ったのに風景変わらないぃ。もっとアイドルらしく、軽くてかわいいノリでいいのに……ハッ! ぷ、プロデューサーさん置いてきちゃった!?」バッ


 ……カナー……


加奈「あ、プロデューサーさぁん!! うう、暗くて見えにくいけど、あっちかな? 私はここですよー!!」


 ……カナー……(タタタッ)


加奈「足音が近付いて来る、気付いてくれたんだ♪」テテテッ


 …タタタタタタッ……


加奈「(あ、人影が!)プロ」


のっぺらぼう「かなあああああカナあああああふぁああああンんしイィィィィィがぁああああああるぅぅぅぅぅウアー!!!!」タタタタタッ

加奈「!? ギ、ぎゃああああああー!!!!」ダダダダダーッ!!


 …シーン…(ベリッ!)


のあ「ミッション・コンプリート」ドンッ


【お化け屋敷第2の怪・突撃のっぺらぼう(特殊マスクした高峯のあ)】


 ―ギャアアアアアアア-!-


モバP「ひっ!?」ビクッ


 …シーン…


モバP「ええ~、今の加奈か? どこまで行ったんだよ、全く……あっちの方か。まだ道が分かりやすいのは助かるな」トボトボ…


?「よぅ」

モバP「!?」ビクッ


ツタンカーメンの像「お疲れ」

モバP「ああ、うん……普通に喋るんだな。そっちに驚いたぞ、鈴帆」


【お化け屋敷第3の怪・闇のツタンカーメン(ツタンカーメンの着ぐるみ+上田鈴帆)】


鈴帆「いや、それが今までの挑戦者、ウチに全然気付かん!」

モバP「まあ、草むらの中で直立していて置物っぽくなってるから、暗がりだと気付かずに通り過ぎるかもな。鈴帆ちっこいし」

鈴帆「うるさか! やけん、ウチから話しかけて驚かすスタイルに変えるったい! 元々、じっとしとるのは好かんけんね! 何もせんとリアクションをとるのは、プロでもばり難しかよ~?」

モバP「お化け屋敷として、それが有りなのか分からんが……まあ1回は驚かせるし、鈴帆らしい機転でいいんじゃないか?(こっちも気が休まるし)」

鈴帆「Pしゃんからお墨付きもらったら、ウチも安心ばい! けど、あんまり騒ぎすぎると小梅ちゃんが恐いけん、あとは終わるまでじっとしとくばい!」

モバP「ああ。もうしばらく頑張れ?よ」

鈴帆「了解! それじゃあ、おやすみ~!」バタンッ


モバP(顔のとこ、閉まるようになったのか。段ボールでよく作るなあぁ)



 ~~



加奈「あ、プロデューサーさーん!」タタタッ

モバP「おお、やっと会えたな」


 ―ドンッ!


加奈「わーん、怖かったですよ~!! どこ行ってたんだですかー!!!」ギュゥゥゥゥッ

モバP「ぐっ、先に逃げ出したの加奈じゃないか……ちょっ、そんなに抱きつかれたら歩けないぞ。ちょっと苦しいから」

加奈「あっ、すいません///(パッ)ええっと、その……エヘ☆」

モバP「笑ってごまかすなよ、怖がりめ。メモできないぞ?」

加奈「うう……プロデューサーさんは怖くないんですか?」

モバP「怖いけど、少し和んだからまだ大丈夫」

加奈「?」

モバP「とりあえず、進もう。結構時間がかかってる。何気に進んでる感じだし、もう少しで着くだろ」

加奈「はい! あ……手、繋いでもらっても、いいですか?」

モバP「全く……ほら」フフッ

加奈「エヘヘ♪」キュッ


 ~~


加奈「あ、何かありますよ!」

モバP「おお、あれが祭壇か。あそこにロウソクを立てれば、いいのか。えっと、ライターで火をつけて……」


 ⊃ロウソク コトッ


加奈「……? 何も」


 -ゴゴゴゴゴゴ-


モバP「お、何だ。祭壇横の茂みが、動いて……」

加奈「新しい道がでてきましたよ!」

モバP「この道をたどれば、ゴールか」


 ……ズズッ ズズズッ……


加奈「あれ?」

モバP「どうした、加奈」

加奈「今、祭壇が動きませんでした?」

モバP「ん?」クルッ


 祭壇 ズズズズズズッ!


モバP「ほんとだ、真横にずれていって、地面が見え……穴、が……」


up↑長い銀髪の頭「ヴォオオオオオオオー!!!」ズモモモモォ!


加奈「ひゃあああああゾンビィ!?」

モバP(どっちかって言うと貞子みたいだな)←慣れてきた


加奈「に、に逃げましょうプロデューサーさぁん!」ガシッ タタタタタッ

モバP「ちょっ、引っ張るなよ!」タタタタターッ!



長い銀髪の頭「フフッ、うまくいきました~♪ けど、身体が土まみれ……お風呂に入らないといけませんね~」


【お化け屋敷第4の怪・祭壇の下から蘇るゾンビの頭(穴から出てきた、何故か全裸のイヴ・サンタクロースの頭だけ)】


 ~~


加奈「はぁっ、はぁっ!」タタタタタッ

モバP「……なあ、加奈」タタタタタッ


 …タタタタタッ…


加奈「喋ってないで逃げますよ、プロデューサーさん……あれが追いかけてきたら、怖いじゃないですか!」

モバP「いや、まあ……走る足音、何か多くないか?」

加奈「……え」


モバP・加奈「……」タタタタタタッ

 ……シュタタタタタタッ……


モバP「……せーの、な」

加奈「うう、怖いけど気になる……分かりましたよぉ!」

モバP・加奈「せーの!」クルッ


のっぺらぼうのメイド シュタタタタタッ

モバP・加奈「のわぁー!?」ダダダダダーッ!!

【お化け屋敷第2の怪(その2)・突撃のっぺらぼうメイド(特殊マスクのメイド高峯のあ】


モバP「くっ、概ね誰か分かったけど暗いとシンプルに怖いわ!」ダダダダダッ

加奈「うう……あ、次、曲がり角ですよ!」ダダダダダダ-……ヒョイッ


 古い丸太 デンッ


モバP「急に障害物が道に!」

加奈「こ、こんなのひとっ跳びです……せーの!」グッ


ヴァンパイア「ヒャッハー!!!!」バリーンッ!!!!


加奈「ギャアー!!??」キキーッ!!

【お化け屋敷第5の怪・丸太からヴァンパイア(シイタケの気持ちになっていた星輝子)】


モバP「地味に大変だな……お疲れ、輝子」

星輝子「フヒ……あと少しで、ゴール、だ……頑張れ」

加奈「あ、ありがとう……って、和んでちゃダメ! 早く行きましょう、プロデューサーさん! 奴がきます!!」タタタッ



輝子「……トモダチと、手、いいな」フヒッ


 ~~


小梅(あ、きた)ヒラヒラ~

加奈「あ、小梅ちゃん! しかも、あれは……出口の扉ですね!」


 -ガンバッテ! アト、スコシダカラ!-


加奈「うん!」タタタターッ

モバP「ふぅ、何とかあの怪人は巻いたかな?」タタタター




モバP・加奈「――ゴール!!」ダァンッ

小梅「おめでとう、ございます……楽しかった?」パチパチパチパチ

モバP「そう見えるか、小梅よ……まあ、気付けばハマり込んでいたし、楽しんだと言えるけど」ハァハァハァハァ

加奈「い、息が……苦しい」ハァハァハァハァ


涼「あ、終わった?」トテトテトテ

モバP「おお、涼……ああ、現実に帰ってきた」

涼「大袈裟だな、15分ぐらいで」フフッ

加奈「ああ、久しぶりの光です!」

小梅「涼さん……まぶしい」

涼「なんで小梅がまぶしがるんだよ、さっきまでいたじゃん」

小梅「えへへ……鈴帆ちゃんみたいに、ボケるの、難しいね」

モバP「鈴帆が悪いことは何もないしボケもいいけど、小梅は真似してくれるな……お笑い芸人キャラは鈴帆や笑美、みくや菜々さんで十分だからさ」ナデナデ

小梅「ふふ……分かった」ニコッ

加奈「(お! よし、ここは私もお姉ちゃんっぽいこと言っておこう!)いやぁ、それにしても緊迫感のあるお化け屋敷で、こわおもしろかったですね! さすがは小梅ちゃん監修♪」

小梅「あ、ありがと……怖がらせて、ごめんね?」

加奈「だいじょうぶ! 確かに怖かったけど、なんだかんだ楽しかったよ! 最後の直線も息が切れ切れだったけど、小梅ちゃんが声援をかけてくれたから、元気が出て最後まで走れたし! 本番も、ファンの方に声をかけてあげてね♪」

小梅「うん……声援?」

モバP「俺は聞いてないけど、そんなのしてたか小梅。えらいぞ」

小梅「ううん、してないよ?」フルフル

加奈「え? でも、確かに私……頑張って、あと少しだからって、聞いて……」

小梅「あ、待って…………うん、そう……フフッ、分かった……照れ屋さん、フフッ」

加奈「……何、が?」


小梅「加奈さんを、応援してくれたのは……あの子、だって」スッ

加奈「指差したそこ誰もいないんですけどー!?」


モバP・涼(ある意味、どこよりも本物のお化け屋敷だったか)


 ~~


【本館1階 アニマルハウス『MOFU‐mofu』前】



加奈「……」

モバP「まあ、元気出せよ」

加奈「あの流れ、メモにどこまで書くべきでしょう?」

モバP「そこに悩んでたのかよ! まあ、小梅のとこ以外を書いとけばいいんじゃないか? あれは色々と、隠しておこう」

加奈「わ、分かりました!」メモメモー

モバP「さて、最初っからぶっ飛んだ体験をさせてもらったが……」チラッ


仁奈(パンダの着ぐるみ)「ふっふっふ、きやがりましたねプロデューサーと加奈お姉さん!! お待ちかねでごぜーましたよ!!!」モフモフ

モバP「癒されようぜ!!!!」

加奈「はい!!!」

仁奈「!?」ビクッ



 ~~



 キャッキャッ\ア、プロデューサー! Pチャン!/ウフフ


モバP「おー、みんな……凄い空間だ」

加奈「わあ、カラフルで明るい部屋の中で、みんな動物と一緒に……さっきとの差が激しいですね。いや、違う……これが、普通なんです。普通」

仁奈「なにかあったでごぜーますか?」

加奈「……小梅ちゃんの本気、かな」フフッ

仁奈「?」

モバP「気になるなら、このあと小梅のところへ遊びにいくといい。まだしばらくはお店開けてるって言ってたから。ところで、ここはどんなお店なんだ?」


仁奈「よくぞ聞いてくれやがりました!! ここは、仁奈たち動物の気持ちになったアイドルと、好きな動物の気持ちになったお客さまがいっしょになって、動物をもふもふしておもてなしする、もふもふハウスでごぜーますよ!!! そして仁奈は、パンダ役でごぜーます!!!」モフッ!


モバP「……要するに、アニマルコスチュームのアイドル達と一緒に、動物と触れ合うってとこか?」

仁奈「そうでごぜーます!!!」

モバP「わかった、よしよーし」モフモフ

仁奈「おお、さっそく仁奈パンダの頭をなでてくれるですね! フフッ、気持ちいいでごぜーますよぉ……でも本番はアイドルおさわり禁止でごぜーます!!」モフパーン!

モバP「うん、俺も許さん。仁奈をもふもふしていいのは俺だけだ」

加奈「その発言はアウトじゃないですか?」

モバP「いきなり冷静にツッコまないでくれ。美嘉じゃあるまいし、冗談だって」ハハッ

仁奈「ちなみに、パンダさんは流石にきてくれないので、仁奈はますたーおぶせれもにーとして、お客さまのご案内やみんなのお手伝いを担当するのですよ!」

モバP「そりゃそうだろうなぁ。てか、パンダが来たらアイドル関係なしに人集まっちゃうだろ……さて、それじゃあどこから楽しもうかなぁ」チラッ…


猫「ニャァ~」

みく(猫)「にゃんにゃぁーん?(チラッ) 猫チャンと一緒にぃ、ゴロゴロ~♪(チラッチラッ) 楽しいし、かわいいにゃ~ぁ(ジィー)」ニャーン!


モバP「智絵里と遊ぼう」スタスタ

みく「待てニャ!!!」シャッ

モバP「速っ! お前、その瞬発力ダンストレーニングで発揮しろよ」

みく「猫は好きな時や人にしか本気を出さない気まぐれさんだから、それはわかんなぁいにゃ☆ それよりも、何でみくをチラチラ見てたのに、智絵里ちゃんのところへ先に行こうとするにゃぁ!! 遊んでいけにゃ~♪」ゴロゴロ

モバP「チラチラ見てたのはみくの方だろ。てか、みくの猫って……普通じゃない?」

みく「……それもそうだったにゃ!!」ガニャーンッ!

モバP「それなら、レアな他の動物アイドルを見てみようかなぁって」

みく「くっ、迂闊だったにゃぁ。アニマルなアイドル募集に猫まっしぐらに飛びついたけど、みくはもう猫になりすぎていた……珍しさがない、にゃ!」

モバP「まあ、その辺のゆるいところ含めて、みくのかわいさや魅力的な個性ではあるけどな」ポンポン

みく「……Pチャン、ほんと?」

モバP「ああ。でも今回は流石に少し浮いちゃうだろうから、路線少し変えて他の動物やってみたら? メキシコサラマンダーとか」

みく「何だかよく分からないカッコいいチョイスをされたけど、嫌にゃ! みくは自分を曲げ(ニャーニャーニャー

モバP「ハハ、子猫がさびしがってじゃれてきてる。ほら、かまってやれよ親猫として」

みく「も、もう! しょうがない子達だにゃ~♪(ニャー)じゃあ、みくはこの子達をお世話してあげるから、Pチャンはみんなを見てみるといいにゃ!」

モバP「ああ……あれ、そういや加奈はどこに」



加奈「うわぁ、柔らかくてあったかぁ~い♪」モフモフギューッ

小春(羊の衣装)「フフ、加奈さんも柔らかくて温かいですね~。ぎゅーってされると、お布団に包まれるみたいで……眠くなっちゃいます~」トローン

加奈「あははっ、ほんとに羊さんみたいだよ~」…フワァ


モバP「加奈……心の傷は、癒えてきた様だな」

仁奈「羊さんも当日しかこられないので、小春おねえちゃんがもふもふ羊さんとして今日はお相手してくれるのですよ!」

モバP「前もああいう衣装着させたけど、小春も仁奈みたいにもこもこっとした衣装、着ぐるみっぽいのも似合うな。しかし、加奈の癒しを邪魔しちゃいけないから、他の子をみようか」



みりあ(アライグマの衣装)「よいしょ、よいしょ」ゴシゴシー

子アライグマ ゴシゴシゴシー

モバP「みりあは……アライグマと、洗濯中か? よく逃げないな」

みりあ「あ、プロデューサー! いらっしゃいグマー☆」ピョコンッ

モバP「グマー?」

みりあ「うん! せっかくだから、みくちゃんみたいに、私も動物の鳴き声をつけて話そうって思ったの! けど、みんなぜんぜん鳴いてくれないんだぁ。だから、アライグマさんのお名前からとって……グマー☆」ヒョコッ

モバP「そういやアライグマの鳴き声って、分からんな……まあ、みりあが楽しめるならそれでいい。ファンもそんな元気なみりあを見られたら、一緒に笑って言ってくれるんじゃないか」アハハッ

みりあ「そうかなぁ? えへへ、だったら嬉しいなぁ! プロデューサーと仁奈ちゃんも一緒にやろうよ!!」

モバP「え」

みりあ「グマー☆」ヒョコッ

仁奈「グマー☆でごぜーます!」ヒョコッ


モバP「……」


みりあ・仁奈「……」ジーッ

モバP(グマーって言うのはともかく、言いながら頭に両手を耳っぽく上げて小首をかしげるポーズが、恥ずかしい……)ウーン


みりあ・仁奈 …シュンッ…

モバP(っ!)


モバP「グ、グマー!!!!」ウオオオオ!!!(ヒョコッ)

仁奈「おお、プロデューサー!」

みりあ「あははー、プロデューサーもグマーうま~い♪ もっと、ねえ! もっと一緒にやろ~よ☆」ギューッ


モバP「え!?」


 \グマー☆ グ…グマー!! アハハー♪ タノシイデゴゼーマスヨ!!!/


 ~5分後・店内テーブル~


美玲(爪付メイド)「……お疲れだな」プルプル

モバP「笑うなら、笑ってくれ……おっさんの小躍り5分程度でみりあ達が満足なら、俺も満足だ」グッタリ

美玲「オマエのそういうところは、すごいと思うけど、なんかしんぱ……フ、フンッ! まあ少し休んでいけばいいけどな!」水ドンッ!

モバP「ああ。てか、美玲はなんの動物担当? なんか、普通にメイド服着てるけど。それ、前に撮影で着たやつだよな? 爪は、前に見たピンクのやつじゃん」

美玲「ウチは、なんか……ゴニョゴニョ……な、接客担当だ。ちひろや仁奈達に頼まれたから、仕方なくしてやったんだ! 前にオマエにやらされたから、経験をかわれて仕方なくな!!」

モバP「?」

仁奈「当店は動物さん達ともふもふするだけでなく、お茶やコーヒーもお出しするカフェスペースも用意しているのでごぜーますよ!!! イベントをまわってお疲れのかたは、テーブルでお茶をのみながら、動物さん達とアイドルのみんなを見てほんわかできるというちひろさんのアイディアを取り入れたのですよ!!」

モバP「1杯いくら?」

美玲「全品700マニーだな」


モバP(高ぇ……野球場とかで売ってるビールかよ)


仁奈「なお、入店時間はおひとり10分となっているのが、お茶を飲んでくれた人はそのお時間が倍になるのでごぜーます!!」

モバP(ファンの心理を揺さぶるアイテムだったか)


モバP「まあ、せっかくだしコーヒーもらおうかな」

美玲「うっ……そうか」

モバP「? ああ、よろしく」

美玲「……ふ、ふん! そんなにコーヒーが飲みたいのかオマエは!? ああん!?」

モバP「ああんって……うん、まあそうだな。喉渇いたし」

美玲「しょ、しょうがないやつだな! お金もらえるからいいけどな!!! そこでじぃっとして、ウチがとってくるまで待ってろよ!!!」


 テクテクテク…


モバP「……」

仁奈「……」

 …テクテクテク

美玲「おま……待たせてないけどな! ほら、なにが上手いのか分からないけど、黒い苦い汁だぞ!!!」-スゥッ(カチャッ)

モバP「(置くのは丁寧!)ああ、ありがとう」

美玲「べ、別にオマエのために持ってきたんじゃないぞ!!! すべてはお金のためだ!!! オマエがコーヒーを飲んで喜んだり落ち着いたり笑ったりしても、ウチは喜んだり嬉しかったり、なんもないんだから!!! 勘違いしたら、ひっかくぞ!!!!」

モバP「……」(カチャッ)ズズーッ

仁奈「……」ジィーッ

美玲「……」ハァハァハァ


 ―コトッ


モバP「うん、いいんでない?」

美玲「ちょっとはフォローしてくれよ!! ウチ、バカみたいだろうが!!? これ、元々はお前がやらせたのが始まりなんだぞ!?」机ドンッ!

モバP「いや、普通に『ナイス・ツンデレメイド! よっ、これはファンのみんなも、にやけるにやけるぅ~!!!』とか言ったら、怒るだろ」

美玲「じゃあ言うなよぉ!!!」スバーンッ

モバP「いてぇ!」

仁奈(ちひろさんのアイディア、こうかはばつぐんでごぜーますな!!! プロデューサーと美玲おねえさんが楽しそうでごぜーますよ!!!)ニコニコ


 ~~


モバP「ちょっと痛い目にあった、気を付けねば……さて、あとは……」


子ウサギ …ボーッ…

智絵里(ウサギの衣装)「うふふっ、えい……もこもこで、温かい」キューッ

茶ウサギ クンクン

智絵里「ひゃっ!? もう、くすぐったいよ。めっ、だよ? ふふっ、ずーっと見てても飽きないなぁ……はい、あなたはぴょーんぴょーん♪」

黒ウサギ 身体ノビーッ

智絵里「えへへ♪ いたずらしちゃうぞ~?」


モバP「かわいいなぁ」

智絵里「!?!? プ、プロデューサーさん! い、いつの間に隣に//////」カァッ

仁奈「かわいいでごぜーますねぇ」

智絵里「!?」バッ

美玲「ああ、かわいいなぁ、全くっ」

智絵里「!?」ババッ

みりあ「あはは~、かわいいね☆」

智絵里「!?」バババッ

みく「ほんとにかわいいにゃぁ~」

智絵里「!?」バッババッ

子・茶・白ウサギ ジーッ


※イメージ図

\カワイイ! KAWAII! Cute!/
  ウみウ
  P智美
  前仁ウ
/カワイイ! KAWAII! Cute!\


智絵里「な、なんなんですかっ?」プルプル

モバP「いや、兎と遊ぶ智絵里が素でかわいかったから、つい……なあ?」

美玲・みりあ・みく『うん!』ニャ


智絵里「あうぅ//////(嬉しいけど、そういうのは……2人だけの時に、そっと言ってほしいです)」ゴニョゴニョ

仁奈「本番もこの調子でお願いするでごぜーますよ!」

モバP(警備体制は、少し増員するか……ファンが暴走しかねん)


モバP「さて、それじゃあひと通り終わったな」

加奈・小春『Zzz…』

モバP「起きろ、加奈。次行くぞ~、本気で寝過ぎだ」ユサユサ

加奈「ふえ?」パチッ

小春「……んにゅ?」ゴシゴシ

モバP「やれやれ。それじゃあ、仁奈店長。頑張ってな」

仁奈「分かりましたですよ! プロデューサー……本番も、来てくれやがりますか?」

モバP「ああ、来るよ。もう気になるからさ、本番はもっと楽しい事になるんだろうなぁって」

仁奈「! ふふふっ、これから毎日わくわくして過ごしやがってくだせぇ!! それにおこたえできるものを用意しておくのですよ!!!」

モバP「ああ、頼むよ。それじゃあな、みんな」


『ハイ!』ニャ グマー☆ Zzz


加奈「……あれ、ここはどこですか? 動物がたくさん……夢?」

モバP「夢のある、現実さ」

みく「くさいにゃぁ」

モバP「最後くらい、決めさせてくれよ……」

みく「へへーん、にゃ♪」


 ~


【本校舎2階・漫画同好会展示室前】

 -コンコン …ハーイ


奈緒「……お、来たね。いらっしゃいプロデューサーさん、加奈」

モバP「お疲れ。見に来たぞ、てか奈緒が漫画同好会って少し不思議な感じだな」キョロキョロ

加奈「あ、私も思いました!」

奈緒「そうかな? 私、アニメ好きじゃん」

加奈「ファンな方で、作り手側にも興味があるのかなぁって」

奈緒「ああ、そういう意味か。まあ、私は読む・見る側だけどさ。ここ、比奈さん達が書いた漫画の展示や似顔絵書きしてるけど、みんなが持ち寄った漫画を好きに読めるようにするってこともしてるんだ」

モバP「へえ?」キョロキョロ…

奈緒「私は集まったお客さんに展示を説明しながら、暇があれば漫画読めるからラッキーじゃん♪ アイドルと同じ部屋で漫画が読めるイベントって珍しいし」

モバP「アイドルとって部分で、間違いなくここだけだろうよ。てか、楽な役割だな~」

奈緒「まあな、たまにはそういうのもいいじゃん♪」

加奈「意外に、こういったまったりスポットが1番人気になるかもしれませんね! 気楽に打ち解ける事が出来そうですよ!」メモメモ

モバP「打ち解けやすいってのは、逆に怖いんだけど……ここも警備増員しようかな」ピッピピッ


 ~~


構成員A「頭、またPの兄さんから連絡が入りやした」

組長「ああ、わかっとったわ……あれだけの舞台に、うちの嬢と同じぐらいに美麗な少女達が集うとるに……バカが何をするか、わかったもんじゃないやろぉ? あの若造には、嬢を一人前の女にしてもらう必要がある、半端はねぇだろうよ」

若頭「……100、いきますか」

組長「眠たい事を抜かすな、お前まで……兄弟に連絡しろ、300だ」

『へ、へい!!!!』


巴(様子見に帰ってきたら……親父、どこぞと戦争でも起こす気か?)ワクワク


 ~~


加奈「どこにメールしてたんですか?」トテトテ

モバP「いや、ちょっとな……それより、蘭子の似顔絵描きはどうだった?」

加奈「すごく上手ですよ! ほら、私にそっくり♪」⊃スケブ

モバP「おお、うまいうまい。ちょっと、劇画?っぽくなってるのも味があっていいな」

蘭子「フフッ、我を照らす天の光!(エヘヘ、照れちゃう//////)」


日菜子「むふふ……プロデューサーさん、日菜子はプロデューサーさんを書きましたよ~♪」

モバP「おお、日菜子。さっきから、ものすごい真面目な顔付きで書いてたの、俺のことだったのか。ありがとう、楽しみだな。どれどれ……」

日菜子「……むふ♪」




『草原の中、真っ白なドレス姿の日菜子を上半身裸のモバP(美形)が後ろから抱き締めて(以下、自主規制)』


モバP「何書いてんの!?」パタンッ

日菜子「むふふ、Pさんと私のとある未来予想図の1つですよ~」

モバP「せめて屋外では服を着させてくれよ」

加奈「何かすごいこと、しちゃってますね//////」

モバP「いや、日菜子の妄想だからな?」

蘭子「すごく、えっちなPさんの//////」

奈緒「蘭子、素が出てるぞ。しかし、日菜子の想像力がたくましいのか、画力がすさまじいのか……それとも相乗効果?」

比奈「あのレベルの絵がスピーディにたくさん書けるなら、漫画の道にも挑戦してほしいッスね。アシしてほしいッスよ」

由里子「いやぁ、あれは日菜子ちゃんの妄想力あっての出来でだじぇ。そこはおしいけど、とてもうらやましい妄想の才の持ち主……P×社長とか、真奈美×あいなども妄想してくれたら、私達の戦場で最強の戦士になれるじぇ、あの子は」ムフフ

モバP「お前らは冷静だな。慣れてるのか?」

比奈「もっとすごいPさん×日菜子ちゃんを、すでに見させられたので」

由里子「ぜんぶ写真に撮った上にPDF化してデータ保存したけど、見る?」

モバP「消してくれ、流出したら諸々が終わる!」

奈緒「まあ、落ち着けよPさん。比奈さんの書いた漫画でも読んで、ほら」

モバP「全く……しかし、比奈の書いた漫画って読むの初めてかも」

加奈「私もです! どんなお話かな?」

比奈「うう、身内に読まれるのは少し恥ずかしいッス……まあ、ファンの方向けってことでアタシ達、アイドルの日常をフィクションで描いたコメディ短編集にしてみたッス。発案は由里子ちゃんッスよ」

由里子「アイドルの身近なギャグ系はみんな理解しやすいと思ったからね~」

モバP「へえ、どれどれ……」ペラッ



『喜怒哀楽~高垣楓お姉さんの1日?~』


その1.喜

楓「♪♪」

あい「おや? 何だかご機嫌だね、楓さん。何か良い報告でもあったかい?」

楓「あら、あいちゃん。うふふ、良い日本酒が手に入ってね……ふふ♪」

あい「これから酒盛りでもする気かい? まあ、もう夜の8時過ぎで未成年のアイドルもいないからとやかくは言わないが、事務所で飲酒は好ましくないよ。そういった良いものは、自宅でゆっくり飲んだ方がいいだろう?」

楓「……あいちゃんも、一杯どうぞ。私は朝から、いっぱい飲んでるの……フフッ」ハフフッ!

あい「うん、聞いてないね」


その2.怒

楓「……あいちゃんに少し怒られた」グビグビ

楓「それもこれも、あの人が帰ってきて相手をしてくれないからね」プンッ!

楓「そろそろ帰ってくるはずだから、お酒も用意したのに……もうっ」

 ガチャッ

楓「あ」

菜々「巣鴨の屋台巡りロケから帰ってきました、ナナでーす☆ ただいまもどりましたよ~!」キャハッ☆

楓「……空気読んで、菜々ちゃん」

菜々「え!? か、楓さんにそういうこと言われると少し傷付くんですが……な、何かあったんですか?」

楓「何もないもん。はい、罰ゲームで一気して」⊃コップ(酒)

菜々「おおぅ……って、それ! おおおお酒じゃあ、ないですか! ナナ、J・Kだから、そんなの飲めませんよ! てか何の罰ゲームですか!?」

楓「じゃあ、一揆して」⊃竹やり

菜々「どゆこと!?」

 ※竹やりは、某軍曹が『旧日本軍のトレーニングを試してみましょう!』と作ってほったらかしにしたものです。


その3.哀

楓「……菜々さん、逃げちゃった」グデーン

 -ポツーン

楓「事務所、1人だと……さびしい、な」

楓「……お酒、飲みたいなぁ。飲みたい、なぁ……」ウルッ


?「飲めばいいでしょ?」

楓「っ……あ、Pさん。(クルッ)もうっ、遅いですよ?」ジトーッ


モバP「いや、飲む約束はしてないでしょ!? 今日スケジュール的に帰る時間が合いそうだから、楓さん家まで送りますよとは言いましたが」

楓「はい、かんぱーい♪」

モバP「……これから、ここで飲むんですね」…フゥッ

楓「ふふっ♪」


その4.楽

楓「Zzz」

モバP「あ、タクシーさんこの辺で……はい、どうもありがとう」 バタンッ ブゥー…

楓「Zzz…フフッ♪」グデーン

モバP「楓さん、家に着きましたよ! ほら、起きて」ユサユサ

楓「……んん~、むぅーりぃー」

モバP「乃々の真似で逃げないで下さい。全く、ほら! 部屋の前まで一緒に連れて行ってあげるから、せめて少しは歩いて! アイドル以前に、大人として」

楓「……このまま、運んで」

モバP「ええ~、この年でだっこするのとか結構恥ずかしいんですけど……」

楓「……Zzz」

モバP「寝るの早っ! 全く……仕方ない、ここ最近毎日フルに働いてもらったから……俺の背中なんかで、少しでも楓さんが楽になってくれるなら、それでいいですよ」フフッ

楓(……ええ、お願いします。出来れば、これからもずっと……たまには、ね?)フフッ


 ~~


楓「……こういう役柄なら、私とてもうまく演じられると思うんですが、こんなドラマはいかがですプロデューサーさん?」フリップドン!

モバP「いや、お酒飲みたいだけでしょ?」


 ―――


モバP「成程、想像オチか……まあ、これ1週間前にマジであったけどな、近いこと。実際にはもっと暴れたし」

比奈「そうらしいッスね。ネタ探しで楓さんに取材したら、楽しそうに教えてくれたので採用してみたッス。本人公認ッスよ!」アハハッ

モバP「使うんじゃないよ!! 自分で言うのもなんだけど、色々とギリギリだぞ! せめて俺の名前は変えといてくれよ」

比奈「了解ッス……もてる男は辛いッスね?」

モバP「いや、からかわれてるだけだろ」アハハ

加奈「もしかして、他の作品もこういったノリじゃ?」ペラペラ



『ドキドキ☆わるいっ娘・千枝ちゃんvsみりあちゃん』

『こずえといっしょ』

『あの子は実は男の娘大作戦!』

『青みくにゃん連続殺人事件』



モバP「比奈、お前みくに何の恨みがあって」

比奈「いや、それはノリで……みくちゃんが無言・無表情の死体役になって横たわる場面をイメージしてら、シュールで描きたくなったんスよ」

モバP「ノリでやっちゃうなよ……まあ、いい(死体の)表情だけど」ペラッ

加奈「はわわ……は、晴ちゃんとあずきちゃんが凄いことに//////」

由里子「あ、それ原案私だじぇ♪ 晴ちんが本当に晴ちんだという閃きから、あずきちゃんがその謎を解く大作戦を実行していく中で諸々起きてしまい、あずきちゃんのこあずきが大変な」モバP「そこまでだ」ゴリッ


\ヨムナカナ! ア、モウスコシダケ!!/
(検閲中)


モバP「これも危険、と。いいか、得意の絵や漫画でファンのみんなを楽しませるのはいい。だが、アイドルの前に女子として節度をもってやるように……奈緒、ちゃんと管理しておいてくれよ」

奈緒「はぁ!? 何であたしがっ……まあ、他に適任者いないか」ハァ

モバP「創作側がフリーダムすぎるから……あ、乃々もな~?」

乃々「!? き、聞いてないんですけどっ」ボコッ!

モバP「そこか、気配だけして姿ないと思ったら……山積みの本の中に隠れてまで、俺から逃げたかったのか?」

乃々「うっ……べ、別にプロデューサーさんに対してそんなことは、ないんですけど……私も、漫画読むだけだから、何か大事な役割を与えられたりしたくないから、少し自分の世界(漫画本の中)でお休みしていただけ。ていうか、出来ればずっとこうしていたいんですけど……」

モバP「最近、少しは前に出るようになってくれたと思ったら……自覚しているだけ、成長してるかな? そこは褒めとこう」

乃々「じゃ、じゃあっ」

モバP「だから、危ない創作人たちを、奈緒と一緒に暴走しないように取り締まってくれ。お前なら、やれないことはないって」グッ

乃々「……むぅーりぃ……だと、思いますけど」フゥ


 ~~


【本校舎2階・スイーツ研究会 cake&café『Sweet‐princess』前】


加奈「落ち込んでたけど、本番もちゃんと来てくれますかね~、乃々ちゃん」スタスタ

モバP「あれで真面目なところはあるからな、下手な理由で逃げだすことはあっても、勝手にいなくなることはほぼないし。奈緒もついてるから、大丈夫だ……最後まで完全否定しないんだから、成長したよ」フフッ

加奈「フフッ、いつも励まして一緒に頑張っている、プロデューサーさんの力も大きいですよ!」

モバP「そうだといいけどなぁ……あ、着いたぞ」スタスタ


法子「あ、プロデューサー!」モグモグ

志保「あら、いらっしゃいませ~♪」


加奈「メイドさんですね!」

モバP「2人は、店先で案内役か……志保は経験者だけあってか、メイドの姿がよく似合ってるなぁ」

志保「ありがとうございます。格好だけじゃなくて、接客からおススメスイーツのご紹介まで、お任せくださいね~♪」

モバP「もちろん。志保に任せるなら、何の心配もないだろ?」

志保「えへへ♪」


法子「プロデューサー! あたひはどう!?」モグモグ

モバP「よしよし、かわいいからドーナツ食べながら接客はやめようなぁマジで」

法子 モグモグモゴモグモグ(グッ☆)

モバP「いや接客やめてドーナツ食う方に専念するなよ!! 『接客が無理ならドーナツを先に食べればいいんだね☆』とか、そういう意味じゃないぞ!!」

加奈「まあまあ、プロデューサーさん。法子ちゃんにドーナツを途中で止めさせる方が無理ですよ。それに、ファンのみなさんなら法子ちゃんがドーナツを食べながら接客することも、分かってくれますよ!」

モバP「その認知度もどうなのか……とりあえず、部屋入るか」


志保「はーい、お2人様ご案内しま~す♪」

モバP・加奈(動き慣れてるなぁ)




愛梨・かな子・ありす・桃華『いらっしゃいませ~♪』

モバP「おお、みんながメイド服でお出迎えか、ここはファンが集まりそうだな。にしても……」


加奈「わぁっ、かわいいカフェになってるー! 元が学校の教室には見えないですよ!!」

モバP「ほんとに、テーブルやイス、壁紙やカーテンクロスまで、普通の喫茶店と同じようなもの……いや、むしろ質が良くないか? 学校の面影ない……金かけてるなぁ、ちひろさんの割に」

桃華「そうでもないですわよ?」トコトコ

モバP「おお、桃華か。何だか新鮮だな、メイド服が。似合ってるけどさ」

桃華「フフッ、褒め言葉と受け止めますわよ? Pちゃま、加奈さん。こちらのテーブルへ……わたしくの実家の倉庫に仕舞われていたテーブルとクロスですけれど、十分に使えるものでしょう? ついでに、壁紙やカーテンもちょうどリフォームする別宅があったので、そちらのものを流用してみましたの♪」

モバP「ああ、桃華が寄贈してくれたのか。成程……合点がいった。これは半分お遊びのファンイベントには、十分過ぎるいいものだよ。ありがとな」ナデナデ

桃華「あ、もうっ! 子供扱いして……まあ、今日は許して差し上げますわ♪」フフッ



ありす「……緩いですよ、お仕事中なのに」ジーッ

モバP「おお、ありす。今日はメイドさんか、メイドさんだな……かわいいじゃん」

加奈「ほんとですね! いつもながら長い髪もきれいで、お人形さんみたいだね~♪」

ありす「きゅ、急に褒めても、何も変わらないですから……もうっ、真面目にして、早く席に着いて下さい……お茶、持ってきてあげますから///」スタスタ…

モバP・加奈(フフッ)


 ~~


ありす「お待たせしました」

桃華「本日のお紅茶ですわ。昨日、よいウバの紅茶が入ってきましたの♪」カチャッ

モバP「ウバ……ああ、紅茶の種類か。スリランカだっけ?」

桃華「はい、その通りですわ。さすがはPちゃま、ご存知でしたわね♪」ニコッ

加奈「ふぅ~……ほんのり甘い、お花みたいな香りもしておいし~い♪ あ、これミルク入れても、いいかなぁ?」

桃華「ええ、もちろん。わたくしもよく入れますが、口当たりがよくなって味が豊かに感じられますの」

加奈「わーい♪」チョロロー


かな子「さあ、そしてお待ちかねの♪」

愛梨「スイーツの登場ですよー♪」


モバP「おお、きたきた……お、アップルパイか」

加奈「愛梨ちゃんと言えば、このお菓子ですよね!」

愛梨「えへへ♪ でも今回は、ちょっと特別なアップルパイにもなってるんだよ? かな子ちゃんと一緒に考えて作ったんだ」

かな子「はい! でも説明の前に、まずは……どうぞお召し上がり下さい♪」ニコッ

加奈「はい、いただきます!」カプッ

モバP「早いな!」

加奈「歩き周ってきたから、お腹が空いてきちゃって……んんっ! おいしいですね~!!」

モバP「……ふむ、確かに。いつもながらお見事。けど、どっか変わったところある?」

加奈「うーん、どこでしょう? あ、ちょっと外側の耳?な部分が厚めじゃないですか?」

愛梨「さてさて、それはそうかもしれませんけど、どうでしょうね~?」ニコニコッ

モバP「答え言ってるようなもんだろ……どれ」サクッ

加奈「あ! これ耳の中、柔らかくてふんわりとした……甘ーい!!生地、が///」

モバP「古いネタを照れながら言うなよ……確かに。耳側の中に、これケーキの……いや、バームクーヘンか?」

かな子「フフッ、プロデューサーさん正解♪」

愛梨「さすが私のプロデューサーさん! かな子ちゃんの提案で、アップルパイの外側にバームクーヘンの生地を丸めたのを巻きつけて焼いたんですよー! 名付けて、アップルパイ・バームクーヘン☆」

モバP「そのまんまの名前だけど、その名の通りの味で……うまいな!」モグモグ

加奈「これ、普通にお店で売れないですか?」モグモグ

モバP(検討しよう、いやすでにされてるかも)


加奈「イベントでお出しするお菓子は、このアップルパイだけなんですか?」

愛梨「あとは、ありすちゃんと法子ちゃんが作った『イチゴーナッツ☆』があるけど、今日は材料が間に合わなくて出せないんだぁ」

モバP「そうか、残念だな」(ちょっと怖い感じするけど)


ありす「お客様にお出しする前に、色々な方から意見を聞きたかったのですが……仕方ありませんね」シュンッ

法子 モゴ…


モバP「落ち込むなって。お前の作るものなら、大丈夫……大丈夫!」

ありす「何で2回言ったんですか?」

モバP「深い意味はないよ。本番にも来るから、食べさせてくれよ。個人的に楽しみだからさ」

ありす「っ……仕方ないですね、食い意地が張って。ちゃんと用意してあげますから……待っていてください」…ニコッ♪


加奈・志保・かな子・愛梨・桃華(カワイイ♪)ニコッ


モバP「ああ、待ってるよ」

法子 モグ☆

モバP「法子の食べ終わりは、待てないな……かな子になるぞ」

法子 ……

かな子「法子ちゃん!?」


 ~~


【本校舎3階 スリーピング・エフェクト・ラボラトリー前】


加奈「おいしかったですね、アップルパイ・バームクーヘン!」

モバP「ああ、けど一切れだけだったから少し物足りない気も……そう言えば、別館で料理研究会ってあったから、そっちでも何か食べられるかな」

加奈「それも楽しみですね~♪ でも、その前にまずは3階のチェックですよ!」

モバP「ああ、そして……ここだな」


【Sleeping effect laboratory-睡眠効果研究所-】


モバP「なんなのこれ?」

加奈「さ、さあ。パンフレットには、この名前しか書いてないですから……」

モバP「この、睡眠効果研究所って言葉からすると、睡眠が人の身体にどんな影響を与えるかを研究していて、それを発表している……と、考えられるけど」

加奈「おお、何だか真面目で科学的な発表ですね!」

モバP「メンバーがそういう感じのメンバーじゃないだろ」

加奈「けど、実際にこういうしっかりとした発表や展示もあるじゃないですか、文化祭って」

モバP「まあ、そうだけど……とりあえず、信じて見てみるか!」

加奈「はい!」ガチャッ



―――



モバP・加奈「……」


美穂「Zzz」スヤスヤ

周子「Zzz」クー

雪美「Zzz」…ミュー

フレデリカ「Zzz」ムニャムニャ

杏「Zzz」クカー


モバP「……」チラッ


『ただいま、研究員は睡眠学研究の為に睡眠活動に取り組んでいます。ご見学の方はお静かに、研究室内に設けられた睡眠研究用ラボ(ガラス張りの箱。出入り口のカギは内側だけ)の外から研究活動をご覧下さい。 所長:小日向』


モバP「注意書きだけうるせぇ!!!」バーンッ!!

美穂「ふわっ!?」ガバッ!

周子「……もうっ、なにぃ~?」ムクリッ

雪美「……P……おはよう」コシコシ


フレデリカ・杏「……Zzz」

加奈「起きない!?」


モバP「いや、嘘だな! ちゃんと起き上がれ、フレデリカ! 杏!! お前らの近くのガラス壁をずっと叩くぞ!!」バンバンバンバンバン!!

フレデリカ「もうっ、うるさいなぁ」ヒョコッ

杏「全く……研究妨害だよ、ちょっと。訴訟して賠償金下りるなら、それで一生寝て暮らしたいわぁ」ゴロン


モバP「何が研究だ。全員、寝てただけだろうが!!」

周子「えー、それがレアでよくない~?」ゴロゴロ

杏「アイドルの寝姿を拝めるイベントなんて、そうそうないよ? 特別じゃん、ちゃんと防犯用兼観賞用の強化ガラス檻を用意したし」ゴロゴロ

フレデリカ「そうそう、まさにプライベートのマル秘映像をこの日だけの大公開だよねー。仕事だけど☆」ゴロゴロ


モバP「なんて説得力ごり押しの浅知恵! くっ、杏がまともに参加するって決めた時に、もっと怪しむべきだった……それにしても、何で美穂と雪美まで」

美穂「わ、私は誘われてから中身を聞いて、止めたんですけど……こういった地味な研究発表もあっていいし、実際に脳波も測定して本物の大学に役立てられるからって、言われて……みんなでお昼寝するのも、ちょっと面白そうだったから///」

モバP「やれやれ……それで、脳波は測ってるの?」

美穂「あ、今日は機械が来てないそうです!」

モバP「……脳波の事とか、説明したのは?」


美穂「……杏ちゃん、です」

杏「何だって!? おいおい、ここにきて責任転嫁とは、そりゃないよ所長!!」

モバP「でもお前だろ?」

杏「はい」

モバP「よし、処罰は後で考える。それで、雪美は?」

雪美「……みんな、忙しい……お仕事で、集まってでも……ゆっくりお昼寝するの、大切かなって思った、から……」

加奈「雪美ちゃん……」ジーンッ

モバP「そうか……雪美、みんなの事を思って」

雪美「それで……私も、一緒にゆっくりできたら……考えると、楽しそうだったから……だめ、だった?」

モバP「いや、雪美の考えは素晴らしいよ。ありがとう、そこまでみんなのことを考えてくれて。そして、楽しいって思ってくれることにも、な」ナデナデ

雪美「……♪」

モバP「それで、雪美をここに誘ったのは?」

雪美「周子」

周子「ちょっ」


モバP「ありがとう。よし、雪美と美穂に免じて見逃してやろう。ちひろさんにはちゃんと報告するが、まあ……確かに、ある種貴重な映像が撮れるし、許されそうだな。真面目な2人を引き込んだ2名には代表としてなんやかんや罰を考えるが」

杏「えー」

周子「横暴だー」

モバP「なーに、この様子をきらりと紗枝に相談してみるだけだよ」

杏・周子(……何となく、寝れない未来が見える……)

モバP「他はまあ当日……真面目にやれっていうのもおかしいか?」

フレデリカ「真面目にだらけるね☆」

モバP「……おとなしく、寝てなさい」 ハーイ♪


 ~~


モバP「1番どうでもいいところで、1番疲れた……」トボトボ

加奈「そんなプロデューサーさんには、次の体験はちょうどいいかもしれませんよ! マッサージって書いてあります!」トテトテ

モバP「ああ、それは俺も気になっていた。ただ、不安もあるんだよな」

加奈「不安?」

モバP「アイドル達がファンにマッサージするって感じだろうけど、なんかそれって……色々と危なくないか?」

加奈「ああ……うまく言えませんけど、何となく分かるかも。他のグループさんで握手会しただけでも、ファンの方とトラブルがあったってニュースで言ってましたもんね」

モバP「ああ。軽く肩揉むぐらいのさっぱりした感じならいいけど、本気過ぎるのは……あ、だから俺が先にチェック受けるのか」

加奈「そういうことですね! あと、私も女性用のコースを受けるように言われています!」

モバP「コースまであるのか、本格的だと心配だが……って、言ってたら着いたな」



【本校舎3階 ヒーリング&テラピー研究会室前】


モバP「こんにちは」ガチャッ

美優「あ、Pさん。いらっしゃいませ……ふふ、幾つかの発表を体験されてきたんですよね? ちょっと、お疲れ気味ですね」

モバP「あ、美優さん……主に直前のサークルのせいですが、分かりますか。」

加奈「お疲れ気味のプロデューサーさんを癒してあげて下さい! ついでに私も♪」

美優「ふふっ、かしこまりました。では、奥にどうぞ」スタスタスタ


モバP「美優さん、エステの店員さんって感じのワンピース姿だな。少しスカート丈がミニ過ぎる気もするけど、似合ってるなぁ……さすがだ」コショコショ

加奈「そうですねぇ。ブルーのワンピース風なのが、清楚さと女医さんっぽさが出ているように感じます! セクシーさもあって似合ってますね~♪」コショコショ


美優「もう、聞こえてますから////// ……はい、こちらのカーテンで区切ったお部屋の中にPさん。反対側の、ピンクのカーテンで区切ったお部屋に加奈ちゃんね」

モバP「あ、男女で別なのか? ちゃんとしてるなぁ」

加奈「期待大ですね~♪ それでは、また後で」シャーッ

モバP「ああ……失礼しまーす」シャーッ



志希「お、きたねプロデューサー♪」ニャフフ

洋子「お疲れ様でーす☆」

モバP「おお、お前らが男性側担当か……志希はいつもの白衣?」

志希「私はマッサージ担当じゃなくて、これ担当だから」

モバP「? 空中を指差して、なんだよ……あ、この甘い香りか」

志希「正解~♪」

美優「室内には、疲労回復やリラクゼーション効果のある香りで満たしていますよ。そのアロマオイルの調合を、志希ちゃんにお願いしたんです」

志希「ふっふっふぅ~、いいでしょこれ……ハスハスするまでもなく、深く身体に沁み込んでくる~♪」ダラー

モバP「接客側が先に癒されるなよ……確かに、何か疲労が抜けてく感じがして身体楽になってきたけど……危険なお薬入ってないよね?」

志希「うん、合法合法~♪」トローン

モバP「その言い方は今の時代、逆にヤバい気がするけどなぁ……だめだ、ツッコむ気になれん」

洋子「効果は絶大だね! これなら、例え闘争本能の激しいプロレスラーがきちゃっても安・心☆ 力を抜いて、ただゆっくりと私の超☆健康マッサージを受けてもらえるってワケだ!」

モバP「例えがよく分からんが、ほんとに効果はありそうだな……少し、眠くなってきた」フワァ

美優「ふふ、こずえちゃんみたい……それじゃあ、プロデューサーさん。まずこちらのイスにおかけになって下さい」

洋子「それで、目の前のテーブルに両手を置いて。手の甲を上にして、パーで」

モバP「わかった」スッ

洋子「ようし、それじゃまずは指先から手のマッサージ」モミモミモミ

モバP「おお……なんか、くすぐったいけど気持ちいいな。指先って、マッサージが効くのか」

美優「ええ。免疫力を高めるツボが、指先には多いんです。指先は身体の先、血の流れの末端だからでしょうか……意外と、刺激に敏感なんですよ」

洋子「もみほぐすことで血流もよくなって、心身共に回復だよ♪ 私は指ヨガも勉強してきたからね~、それも取りに入れてるよ~」モミモミモミ~

美優「あ、私はその間……そうだ、肩をお揉みしますね」ギュッ


モバP「ああ、定番だ……定番のマッサージと新しいマッサージが、ダブルでいい……これが、癒し……」グデーン

洋子「~♪」モミモミモミ~

美優「…♪」ギュッギュッ


モバP・志希「Zzz…♪」


 一方その頃―


加奈「ふわぁ~……あっン!?」ピクッ

愛海「ふふふ、いい反応……加奈ちゃんの身体は敏感だね~♪」ニギニギ

加奈「あ、愛海ちゃん!? そこは、お腹と……あ、やっ! くすぐったいし、こってないよ!! 固くないでしょ~!?」ハァハァ

愛海「ふひひ、いやいや問題はそこじゃない、そこじゃないんだ……これは加奈ちゃんがより大きく成長する為に必要なマッサージだよぉ~?」モミモミ(バサッ)

加奈「やっ、ン! そ、そこはぁ」ピクピクンッ


 -シュタッ!


?「―はぁっ!」シュン!

愛海「はう!?」ズニュッン!


加奈「あ……あなたは!」

あやめ「危ういところでしたね……清良さん直伝の忍法・ナース券、いかがかな?」

愛海「くっ、姿を見ないと思ったら! ここまで真面目にやってきたのに、手頃な獲物に我慢できなかった……誰も邪魔されず本番でマッサージとして、揉み……ぐふっ」ドシャッ

あやめ「成敗!」ニンッ!

加奈「……女子コースは、中止に、した方がよいですね」ハァハァ

あやめ「当時は清良さんも来るので大丈夫でしょう。ファンの淑女を恥ずかしめる訳にはいきません」

加奈「私は!?」


 ~


モバP「いやぁ、すっかり癒されたよ」テカテカ

加奈「そうですか」ヨロヨロ

モバP「何で加奈は逆に疲れてるんだ?」

加奈「いろいろあったんですよ、女の子として」フフッ

モバP(……深く触れないでおくか、そういえばメンバーに愛海いたし)

モバP「しかし、アロマの効果で問題は起きにくいと思うが、あの空間であの行為はちょっと危ういな……あそこも警備追加かな。どうしても安全面が気にかかる」

加奈「みんなを大事にする、プロデューサーさんらしい心配ですね!」

モバP「ない方がいいけどな……しかし、これで校舎の分は終わったな。後は別館と校庭……レストランと、ロボットの展示か」

加奈「時間的にお昼時ですから、レストランにしましょうか」

モバP「そうだな。アップルパイとお茶、おいしかったけど量的には中途半端だったから、むしろお腹空いてきた……いくか!」ダッ

加奈「はい! 今度こそ癒しをいただきます!!」

モバP「ほんとに何があったの?」

本日はここまで、明日の夜に残りをあげさせていただければと思いますのでして~♪

ごらんになっていただいた方、よろしければまたお会いしましょ~

 こんばんは。残りをアップします。2ndLIVE盛り上がってるだろうなぁ…




【中庭別館 料理研究会/レストラン『Cinderella harmony』】



加奈「あの建物ですね!」

モバP「綺麗に飾り付けてあるけど、元は倉庫っぽいな。ここに調理器具とかテーブルとか用意するの大変だっただろうに……あ、何かいい匂いする」

加奈「わくわくしましね~、さっそく入りましょう!」ガララ-


茜「!! いらっしゃいませー!!!!!」ダダダッ

モバP「おっ、茜。今日も元気一杯だな」

茜「はい、それが私らしさです!! 変ですかね!?」

モバP「いや、いいと思うぞ。割烹着姿も似合ってるな」

葵「あたしが選んだっちゃ! なんぼでん白米をどんぶりで食べてくれる茜さんには和の割烹着が似合うって、前から思ってたから☆」

モバP「葵のコーディネートだったのか。ご飯を作る側と食べる側の代表者って2人で決めたなら、似合って当然か」

茜「はい!! 葵ちゃんが作ってくれるおいしいご飯は最高です!!!!! 朝からおかわりが進みます!!!!」

加奈「ふふ、茜さんはおいしいご飯をたっぷりよそってくれそうですね♪ それに、葵ちゃんは着物姿なんだ。若女将さんって感じで似合ってるね~♪」

葵「えへへ、ありがと♪ じゃあ、気合いれて料理の準備、見てくるっちゃ!」テテテー


モバP「料理にも期待できそうだな。でも、見てくる……?」

茜「はい! この日の為に、ご飯をたっぷり重くしてあります!!」

モバP「うん、よく分からんがボリュームありそうでよいよい」

みちる「プロデューサー! パンもふぁりまふ……パンも、ありまぁす!」フゴフゴ

モバP「よしよし、お前もエプロン姿のウェイトレスでかわいいから、フランスパン丸かじりながら接客はやめようなぁほんとに」

みちる フゴフゴフゴフゴフゴ(グッ☆)

モバP「これ少し前にも見た~!! 何で会話より食べるの優先するの!?」

加奈「落ち着きましょう、プロデューサーさん!! 言っても仕方ないです!」


茜「みちるちゃんにとってパンは何よりも代えがたいものですからね!! 私にとっては、ご飯です!! あ、お米です!!」

モバP「言い直さなくてもわかるわ。はぁ……とりあえず、席に着こうか」

加奈「はい! みちるちゃん見てたらお腹空いてきましたもんね!」

茜「こちらへどうぞー!!!!! 2名様、ご入店でーす!!!!」


 ヨロコンデー♪


モバP「なんで居酒屋風なんだ!」



 ~~


モバP「いやぁ、最初にお水じゃなくてお茶が出てくるところが嬉しいね」ズズー

加奈「落ち着き来ますね~」フゥ~

モバP「ところで、メニューなんもないけど、料理は何が出てくるんだ?」

加奈「えっと、メモメモ……ちひろさんによると、選べるメニューは定食セットが2種類(2,160マニー)と共通のデザート『ライラさんが選んだアイスクリーム』(1,080マニー)のみということです! 万が一の混雑を避ける為、メニューを絞っているそうですよ」

モバP「値段がきっちりテーマパーク価格なのが、ちひろさんだな……まあ、料理品がバラバラだったら手間が違って時間かかるもんなぁ。飲み物がお茶だけなのは、カフェとの兼ね合いだろう」


響子・まゆ『お待たせしましたー♪』トテトテトテ

モバP「お、きたきた」

響子「いらっしゃいませ、加奈ちゃん、Pさん♪ 愛情たっぷりのおいしいご飯ですよ~♪」カチャチャッ

モバP「ありがとう。響子、まゆ……調理は、2人が担当なのか?」

まゆ「はい。葵ちゃん監修の元、みんなに手伝ってもらいながら……私と響子さんで、それぞれセットメニューを考えて作ったんですよぉ♪」

響子「私は、醤油系ソースと鳥そぼろを使った和風ミートオムレツにコーンとポテトのサラダ、オニオンコンソメスープにクロワッサンがセットしなった『響子のとろ~り☆オムレツ定食』です!」

加奈「うわぁ、おいしそうですねぇ~! オムレツの卵、とろっと柔らくなってるし、すごくいい匂い~♪」

モバP「響子の作ったオムライス、前に食べたけどおいしかったもんなぁ。サラダやスープもよさそうだし、全体の見た目もいい。さすがだな」

響子「ありがとうございます! エヘヘ♪」


まゆ「……うふふ」ニコニコ

モバP「そして、まゆの方は……男子の大好物、ハンバーグだな!」

まゆ「もう、Pさんったら子供みたい♪」

加奈「そうですよ~、女の子も大好きですよ♪」

まゆ「……ふふっ。今回はぁ、Pさん達の為に良いお肉を選んでこねるところから作りましたぁ♪ そのお肉の骨や色んなお野菜をじっくり煮込んで作った特製ソースを、たっぷりかけたチーズ入りハンバーグにプチシーザーサラダ、ポタージュスープとライスがセットの、『まゆのとろとろ★ハンバーグ定食』ですよぉ♪」

モバP「話聞いてるだけで腹が減ってくるな」

加奈「はい、さっそくいただいちゃいたいです!」


モバP「ああ、さっそく……って、これはどっちかを選ぶの?」

響子「今日は特別に、1人前のものを半分ぐらいの量にしてご用意しました!」カタッ

モバP「成程。言い辛かったけど、量少な目だなぁって思ってたんだよ。せっかく2人が用意してくれたんだから、両方食べたいもんな」

まゆ「ふふ、ご飯とクロワッサンは食べ放題ですからね? 茜ちゃんとみちるちゃんに言ってくれれば、ご用意してくれますよ」

モバP・加奈『おお~!』


茜「いつでもどうぞ!!」カンカン!

みちる「おいしいですよ!」フゴフゴ!


モバP「お客さん用のパンを食うなよ、みちる……けど、おかわり自由は普通に喜ばれるだろうな」

加奈「それも、アイドルの2人が給仕してくれるんですもんね」

まゆ「ふふ、先に練習のお客様として来店してくれたスタッフさんも、喜んでくれていましたね~。でも、Pさん達はこの後もお仕事みたいなものですから、あまり食べ過ぎちゃダメですよぉ?」

モバP「分かってるよ。おかわりは、当日の楽しみにしよう」

響子「あ、じゃあ本番も来てくれんですね!」

モバP「うん、もう普通に来る。やっぱり、気になるからな」

まゆ「ふふ、とても楽しみです……その時は、どちらかを選んで下さいね?」

モバP「ん?」

響子「あ、当日はPさんだけ半分ずつとかはご用意できないと思うので……私は、その、どっちでもいいですけど」ゴニョゴニョ

まゆ「選んでおいて下さいね、ちゃんと。響子ちゃんとまゆ……どちらの方がいいかぁ」


響子・まゆ『……ね、Pさん』

モバP(……朝飯抜いて、2人前食おう)


茜「プロデューサーが来てくれる! すごく楽しみですねー!!」モグモグ

みちる「実家からパン、送ってもらおうかな♪」フゴフゴ

葵「2人共、商品食べ過ぎっちゃ!!」


加奈(……もう少し、大人のメンバーに入ってもらった方がよいと思いますっと)メモメモ


 ――


モバP「いやぁ、おいしかったなぁ」

加奈「はい! ライラちゃんのアイスもおいしかったですね!」

モバP「ああ。でも……小鉢に入ってたけど、あれってどう考えても、普通の『雪○だいふく』1人前だったよな」

加奈「ライラちゃん、コンビニのアイス大好きですもんね!」

モバP「あれって、1個120マニーくらいだよな?」


加奈「……やめましょう」

モバP「そだね」



 ~~♪♪


モバP「あ、なんか聞こえる……ギターか?」

加奈「はい、歌声も……あ! 李衣菜ちゃん達のロックLIVEじゃないですか?」

モバP「そういえば、イベントステージにあったな。でも、今日は休演だろ?」

加奈「練習はしているんじゃないですか? あとはロボット研究会だけですから、見に行きましょうよ!」

モバP「おう!」


 …タタタタタ-!


??「ちょうどええわ……ウチらも、ちょいと腕試しといこか!」

??「練習の成果を見せるれす~♪」


-ジャーン…!


李衣菜「ふぅ~」

夏樹「よし、それなりに1曲こなせるようになったな。やるじゃん、だりー」

李衣菜「へへっ、私だってやる時はやるよ! いつまでも、なつきちに甘えてらんないからね! 家でもパフォーマンス上げる為に歯ギターやってるし!!」フフンッ

夏樹「それはいらねぇよ!! 普通に褒めたら、なんか余計なのが出てくるな……全く」フフッ


モバP「いやいや、うまくなったもんだ」パチパチパチ

加奈「すごいカッコいいですよ、2人共!」パチパチパチ

李衣菜「あ、Pさん! 見に来てくれたんだ~!」

モバP「てか、今日はステージないんだよな?」

夏樹「ああ、アタシ達は今日集まる予定なかったよ。機材や衣装、細かいところがまだ揃いきってないし、他のメンバーは仕事や用事があるからね。けど、李衣菜が本番のステージで練習したいって言うからさ」

加奈「ふふっ、夏樹さんはいつも李衣菜ちゃん思いですね~♪」

夏樹「ハハッ、そこまで考えてやってるもんでもないけどね。ただ、ほっとくと何しでかすか分かんないからさ」

李衣菜「照れるなよ、なつきち~♪ ロックじゃないぞ~!」

夏樹「照れてないし、ロックを適当に使うなって……あ、アタシ達まだ練習してくけど、Pさん達は他を見てくのかい?」

李衣菜「え?」

モバP「ああ、まだ見なきゃいけないところあるし、もう行くよ。邪魔になっても悪いからな。1曲だけでも聞けて安心したよ」

加奈「頑張って下さいね!」

夏樹「ああ、サンキュー」

李衣菜「あの、なつきち……今日、もうかなり練習したし、私達もみんなのイベント見て回っても」


夏樹「……分かりづらい箇所だけど、6回、コード間違えたよな?」

李衣菜「うっ……そ、そうだっけぇ~?」

夏樹「帰って歯ギターやる体力あるんなら、今、ギターで使おうか。なぁ、だりー……ロック魂、きっちり仕上げようぜ!」ニコッ

李衣菜「う、うう……ロックは辛いぜ」カクッ


 ~~


モバP「楽しみが1つ増えたなー」

加奈「ですねー♪ あ、ロボット研究会のある中庭は、そこの角を曲がった先です」

モバP「ここか」クルッ


楓(スーツ姿)「ふむ……」

【みんなの太陽】鈴帆「……」グデーン

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モバP・加奈「!?」



 ウゥ-ッ ウ~ッ!

加奈「え、この音……パトカーのサイレン!?」

モバP「てか、何で楓さんはスーツ姿で、鈴帆は太陽の着ぐるみ来て倒れてるんだ……」


 タタタタタッ…


笑美「よお、お疲れ」

楓「お疲れ様です、難波警部」


モバP(あ、コント組だ)

加奈(そういえば、この人達イベントステージでコントをするメンバー!)


笑美「ギャグで酒盛り(あだ名)、被害者の情報を」


モバP「俺達も情報ほしいけど……とりあえず見守るか」

加奈「そうですね!」



 ~コント:上田サンシャイン殺人事件~



楓「被害者は、上田サンシャイン、38歳・女。この近くのデイケアセンターに勤める介護士で、死亡推定時刻は本日午前11時半。死因は、焼死。小学校の頃のあだ名は、『マリオの左上にいるなんか強い奴』です」

笑美「なるほど、私もトラウマだ……ガソリンの匂いも残っている訳だ。しかも、全身に浴びせられているな。火傷で身体が火照っている」

楓「ええ。被害者は、職場では『銀河系一の美肌やで』『目に入れると痛いほどの輝きを放つ日もしばしば』と、一部では名高かったようです。サンシャイン氏本人からすれば、こんな最後はショックだったでしょうね」

笑美「ああ。こんな形で、輝きの向こう側へ行きたくはなかっただろうな」シミジミ


モバP「なんかもう、色々とおかしい……てか危険なセリフは本番では絶対やめろよ!」

加奈「プロデューサーさん、ツッコんだら負けですよ!」


笑美「これは、他殺の線が濃いな。被害者のサンシャイン氏は、誰か人から恨みを買うような方だったのか?」

楓「それが、介護施設の同僚や上司から聞いた話では、『大人しい方で、利用者や同僚に拝まれる事はあっても揉める様な話は聞いたことがない』『無口だけど、こつこつ真面目に仕事をやってくれるし、室温も上げてくれるので冬場は助かる』『あの人が来てから電気代が減った』など、悪い話は聞かなかったです」

笑美「そうか……となると、厄介だな」

楓「しかし、一方でこんな噂も耳にしました。原子力発電所建設に賛成派として有名で、政権与党の広告塔となってマニーを得たい・次のオリンピックで聖火を担当して世界の太陽になるずら等と豪語して、周りから反感を買うことも無きにしもあらず、と」

笑美「ほう、なかなか強引な性格だったようだな。どこからの噂だ」

楓「私です」キリッ

笑美「……成程、な」 …プルプル


加奈(ツッコミのない、シュールなコントだぁ……2人とも、よく真顔が持つなぁ)メモメモ

モバP(昔のコント番組・ごっ○ええ感じのオマージュだって分かる人、川島さんや早苗さん、菜々さんぐらいかな……)


??「警部~!」タタタッ

笑美「久し振り、フィッシャーマンズワーフ(あだ名)」

七海「被害者の新しい情報が入りましたれす!」ハァハァ

楓「何!? どんな情報だ!」

七海「死亡推定時刻の3時間程前、被害者は蒲田の定食屋で朝食をとっていたようなのれすが、注文したフレンチトーストをひと口食べただけで、店主が引くほどむせ返って、非常に苦しんでいたそうなのれす」

笑美「何だと!? それは、もしやその食事が……」

七海「サンシャイン氏は、乳製品と卵のアレルギーだったそうれす」

笑美「それでも我慢できない、うまさがあるよねぇ~」

七海「はい、私も好きれす!」

楓「私は、ハニートーストの方が好きですね」

笑美「私は、両方いける口だ……ダブルソフト派、だからな」


 アシタイキマスカ?\ハッハッハッハッハッハッ/イイネェ~


加奈「これ、事件解決するんですかね?」

モバP「着地点はそこじゃないからなぁ」


???「BOSS!」トタタタタッ!

笑美「おはよう、中村(あだ名)」

キャシー「おいっす! 例の被害者、サンシャイン氏が前日にトラブルを起こしていた情報を掴みましたよ」

楓「何ですって! どんなトラブルですか?」

キャシー「前日の夜、西日暮里のバッティングセンターでバント練習をしていたところを近所の中高生に絡まれて口論、手が出そうになるのをこらえるのにとても辛かったけど踏みとどまって夜に悔し泣きする事も考えた程の喧嘩になったそうです」

笑美「そんなに、キツイことを言われたのか?」

キャシー「何でも、『眩しくてボールが見えないだろ』『当たる直前にボール引くなよ』『お前の後、熱くてバット持てないんだよ』等と、どうしようもない言葉を投げかけられたそうです」

笑美「困ったものだな、ゆとり教育も」


楓「恒星の構成をよく調べて、更生してほしいですね、中高生にはっ」 フフッ…フッ、プクク…

七海「まあまあ、お魚どうぞ」⊃スッ

楓「……あら、いいお味♪ これなんてお魚?」

キャシー「ラム肉のカルパッチョです」

楓「まぁ!」


??「はっだっか~になっちゃおうかな~♪ 警部!」

笑美「うっちゃえ!(バーンッ!) 遅いぞ、長期休養(あだ名)」モグモグ

美羽「被害者に関する、とんでもない情報が入ってきました!」

笑美「何だって!? ど、どんな情報だ!」



美羽「やっこさん、2か月前からホットヨガ教室に通っていたらしいんですがね。そこで会った20も年下の野郎に惚れちまったみたいでして。かなり、強引に口説いていたんですが……それが、やっこさんが勤めている会社の社長絡みでして」

楓「成程、その口説いていた年下の男と言うのは、社長の……」

美羽「ええ。名前は、ハートキー。オスのシベリアンハスキー、18歳です」


笑美「……ある意味、それは介護だな」

美羽「ええ。ドンキでペット用のオムツを大量購入している姿も目撃されています。さすが、慣れていますね」

楓「なかなか、情報が錯綜していますね。一体全体、サンシャイン氏は何でバント練習をしていたのでしょうか」

笑美「最初からやり直しだな……全員、被害者の情報をもう一度集めてくるんだ!」

楓・七海・キャシー・美羽「はい!!!」 


 タタタタタッ…


笑美「……これが、踊る大捜査線の始まり、か……結局、ウチ等は何がしたかったんやろう、Pはん」

モバP「聞くなよ!?」

加奈「あ、終わったの?」


楓・七海・キャシー・美羽『お疲れさまでした~』ゾロゾロ

モバP「披露する予定ないのに、全員集合?」

笑美「なんや、最初はみんな忙しいって事やったし『リハは自由に来て、雰囲気楽しみながら自主練や!』ってしといたら……何か、みんな来てん」

美羽「色々頑張ったら予定が空いたので……今更ステージ用意してもらうのは気が引けたから、屋外で適当に練習していたところ、プロデューサーさん達を見かけたんですよ!」

キャシー「それで、ゲリラ的にLIVEしたって訳さ☆」

七海「七海達のお笑いに、釣られちゃいましたれすか~?」

モバP「シュールに飛ばし過ぎだろ……もっと正統派の、出来ればアイドルらしいコントしてくれよ」

鈴帆「てか、ウチも喋りたかよ!! 目立っても静かなんは嫌たい!! お化け屋敷から、こんなんばっか!!」ムクッ

モバP「起きたか、サンシャイン。お前、何で仕事が介護士とか……」

笑美「そういう細かい設定は、何か楓さんが楽しそうにどんどん作ってくれはったから、採用していったんやけどね」

楓「ふふっ、夜にお酒飲みながら考えてたら、むくむくと湧きあがってきて……ふふ、ふふっふっ」プルプル

加奈「な、何か思い出し笑いしてます?」

笑美「ちょっ、怖い怖い! せめて言葉にして!」

美羽(結果はどうあれ、発想力はうらやましいなぁ)


モバP「まあ、チームワークの良さは感じたし、もう少し煮詰めていけばいいんじゃないか?」

笑美「せやね。本番は、もっとバシッとしたん作るし、期待しとってや!」

加奈「頑張って下さいね!」

鈴帆「ウチも、当日はもっとすごい新作着ぐるみで登場しちゃるわ!!! 絶対、太陽を超えて輝いてみせるばい!!」ギリギリッ

モバP「アイドルの限界は超えないでくれよ……」

笑美「……アイ、ドル?」

モバP「おい!」


 ~~


【校庭】

モバP「さて、カオスなコントに絡まれたけど、時間的には午後2時前か……俺達は2人で回っていて混雑もないからスムーズだけど、当日全部回ろうと思ったら閉会ギリギリになるかもな」

加奈「実際には、幾つか絞って回られる方もいるでしょうから……そんな私達も、次が最後のイベントですよ!」

モバP「実は最初から結構気になってた、男子として」


晶葉「フッフッフッ、それは何よりだP!」


【ロボット研究所/『ロボット展示・ロボット相撲』】


モバP「おう、今日も白衣が似合うな晶葉。今日はどんなロボを作って、見せてくれるんだ?」

加奈「菜々さんのウサミンロボみたいな、かわいいロボですよ。きっと♪」


マキノ「フフッ、甘いわね加奈。これまで通りのものと同じでは、何の進化もないわ」

晶葉「ふふ、八神研究員の言うとおり。この日の為に、八神研究員や原田メカニック、そして実験体となった2人のアイドルのデータ提供・協力を得て作ったロボには、ウサミンロボを超える技術を詰め込んでいる!」


美世「機械いじりは好きだから、楽しかったよ♪」

マキノ「池袋博士の頭脳と原田メカニックの技術、それらを私が企画・プランニングして作り上げたのが……この2体の相撲ロボよ!」 バササッ!


きらりロボ『ハピハピィ!』ガションッ

ゆかロボ『オス!』ガシンッ!


モバP「きらりと有香がモデルかぁ……って、服装をきらりっぽいキラキラふわふわしたものと道着に着替えさせただけの、ウサミンロボじゃないのこれ? 進化してないじゃん!」

晶葉「うむ。デザインベースはコスト削減の為、ウサミンロボを流用した。予算枠があるから……」

モバP「それ言われたら、うん……ごめん」

マキノ「でも、性能は間違いないわ。すでに、5名の挑戦者がこの2体に挑んだものの……勝てた者はいない」

美世「エンジン全開する必要もないほどにね! メンテさせてほしいのに~」

モバP「そんなに強いのか。有香のロボとかちっちゃいのになぁ」

加奈「ところで、何でお相撲なんですか?」

晶葉「いや、ちひろさんに『体を動かすイベントがないから、ロボットと一緒に何か出来る形で』と頼まれたからな。ロボットを動かすなら……相撲だろう」

モバP「何でだよ」

マキノ「間違いないわ、データが物語っている。ロボット相撲は毎年全国大会が行われ、25年以上の歴史を誇るロボットイベントの最高峰だから」

加奈「ロボットに、そんな歴史があるんですか!?」メモメモ

晶葉「さて、説明はもう十分だろう……やるか、P」


モバP「まあ、せっかくだしな……あ、加奈やる?」

加奈「私はスーツなので遠慮します!」

モバP「それもそうだな。よし、じゃあ……有香のロボからやってみるか」

晶葉「了解した。では、校庭に準備している土俵の中央へ移動しよう」


ゆかロボ『オス! ヨロシクオネガイシマス!』ガションガション

モバP(有香の声を録音してんだな)グッグッ


加奈「頑張って下さいねプロデューサーさん!!」


 ザワザワ\オイ、ロボットスモウダゾ! マタヤルノカ…/ザワザワ


モバP(お、ギャラリーが少し出てきたな……男ばっかり、次に参加したい人かな。見とけよ俺のプロデューサー魂!)


 …カワイソウニ…マタヒガイシャガ…アレハ、ハンソクダヨナ…


モバP(え、すでに参加済み?」

モバP「てか、そんな強いの!?」


美世(行司)「では、お見合ってお見合って~!」

ゆかロボ『オス!』ググッ

モバP「くっ、やるしかない!」ググッ


美世「……ハッキョイ!!」

モバP(先手必勝で組みつく!)ダッ


ゆかロボ『オス!!』ブォンッ


 ドボォッ! モバP「ごふぉーっ!?」


 …ドザッ!


美世「はい、のこらない! ゆかロボの勝ち~♪」

ゆかロボ「オス! アリガトウゴザイマシタ!」ビシッ オォー!!


 ○ゆかロボ (4秒 張り手) ●モバP


モバP「ま、待てや」ヨロヨロ

美世「あ、Pさんタフ♪」

モバP「今の……反則だろ」

美世「え、張り手は相撲の技だよ?」

モバP「いや、中段正拳突きだっただろ!? グーに見えたぞ、グーに!」


美世「ゆかロボちゃん、手がグーだった?」

ゆかロボ『……パーデシタ、オス!』


美世「もう、やっぱり張り手じゃないですか♪」

モバP「な、なんかちょっと考えてなかった!? 確かにグーに見えたけどなぁ……」

ゆかロボ『ロボ、手ノヒラ動カスノ、早イ』

モバP「急にカタコトになるなよ、余計に怪しいわ! てか、腹狙わないで……」

美世「じゃあ、もう1回やる?」

モバP「あ、ああ……このままじゃ、カッコ悪くてきらり戦へいけないからな!(きらりロボには負けそうだし)」


美世「では。今一度……お見合ってお見合って~!」

モバP(今度は、まず相手の張り手を待とう)ググッ


美世「……ハッキョイ!」


ゆかロボ『オス!』ビュォッ!

モバP「きた!」スッ


加奈「おお、プロデューサーさんかわした!」


モバP「そして、組みつく! この大きさなら、そんなに重くはないだろうから……」ガシッ!

晶葉・マキノ『……甘い』フフッ


ゆかロボ『ァンッ!?』ビククッ

モバP「え!?」


ゆかロボ『プ、プロデューサー……道着トイッショニ、ソンナトコッ、ツカンジャ……ァ、ヤッ! ヤメテ、ナンデコンナコトスルノ!!』クネクネ(ウィーンウィーン)


加奈「思ったよりひどい機能がついてる!?」

マキノ「スポーツは、メンタルが鍵。これ位で動揺するなら、それまでよP」

晶葉「有香ちゃんが顔を真っ赤にしながら収録してくれた価値があるな」


モバP「くっ、ごめん……いや、違う! 落ち着け俺!」

モバP(声は有香だが、見た目はただのウサミンロボ……くっ、こんな声を出させるとは晶葉達め、ある意味褒めてやるが……2連敗はしない!!)


モバP「おりゃあ、上手投げだ!!」グィー!

ゆかロボ『キャッ、道着ガ! 下、着テナイノニ……アッ!』パサッ 


 ワーオ♪(あの効果音)


モバP「え?」チラッ

ゆかロボ『スキ有リー!!!』ブォォン!!


 ドボォッ! モバP「ごふぉーっ!?」

 …ドザッ!


美世「はい、ゆかロボの勝ち~♪」

 ○ゆかロボ (37秒 張り手) ●モバP


モバP「くっ、効果音はずるいだろ……」ヨロヨボ

晶葉「何を言う、スポーツイベントに音はつきものだ。入場曲、BGM、歓声、ブーイング……それらに惑わされた方が負けだ」

マキノ「おしかったわね。ゆかロボに相撲で勝ったら、1イベント無料パスがもらえたのに」


モバP「くっ、あきらかに作為的だっただろ……」チラッ

ギャラリー(男) -コクリッ

モバP「やはり、同志か……けど、俺はまだ負けない! こうなったら、きらりとも戦ってやる! ちゃんと体験して、レポートしないといけないしな!!」プルプル

加奈「さすがです、プロデューサーさん! ちゃんと記録は私が残しますから……最後まで、戦って下さい!」メモメモ

晶葉「フフッ、何やら熱くなってきたな。その意気や、よし! 本日初のチャレンジャーだな……いけっ、きらりロボ!!」


きらりロボ『ハピハピィ!』ガションガション!

モバP「……俺より、背でかいのな……」


マキノ「それでも、本物よりは小さいわ」

晶葉「きらりロボには、細かい技能はつけていない。ただ、シンプルに……きらりのパワーを元にロボ化しただけだ」


モバP「成程な」

モバP(それじゃあ、こざかしい真似はないと思っていいか?)



美世「それでは、お見合ってお見合って~!」


モバP(確かに、きらりのパワーは強力だろうが……相撲は、力だけじゃない)ググッ


きらりロボ『……ニョワァ……ニョワァ……』ググッ(ギュオオオオオオオォォー!!!!!)


モバP(有香のロボがそうだったが、相撲の技や動きをきっちりプログラムされた感じがない……それなら動いてかき回せば、まだ勝機はある筈だ!)

モバP「てか、なんかすごいモーター音してない?」

マキノ「特別なハピ粉をチャージしているだけよ。ちなみに、きらりロボを倒せたら全イベントフリーパスがもらえるわ」

モバP「…………え、それだけヤバいって事?」


美世「……ハッキョイ!」


きらりロボ『ニョワァ―――――!!!!!』 ドンッ!!!


 -ドゴォッ!!


モバP「ぐあああああー!!!!」 -ドバ゙ァ―ン!!!


 ――ドゴォ!!!!


加奈「プ……プロデューサーさぁーん!!!? 真剣に大丈夫ですかぁ!?」メモメモ


晶葉「あれ、やけに強いな。最初に強くし過ぎたから、パワー弱めるように設定してたよね?」

マキノ「ええ。設定機材のボタンの中にあった、0(ゼロ)のボタンを押したらよかったのでしょ?」

晶葉「……それは、○(まる)だ」

マキノ「……」


 ○きらりロボ (1秒 押し出し:記録20メートル) ●モバP


 ~~

モバP「いやぁ、とんでもない目に遭ったなぁ。意識する間もなくタックル喰らって吹き飛ばされたわ」ゴクゴク

加奈「エナジードリンク持ってきておいてよかったですね♪」

モバP「ああ、これ飲んだら大体回復するからな。ふぅ……さて、これで今日のイベントは全部見終わったかな」


 -プロデューサーサーン!


モバP「ん?」


卯月「お疲れ様です、プロデューサーさん!」タタタッ

モバP「卯月、お疲れ。てか、卯月は開会式の後も残ってたのか」

卯月「はい! みんなの準備をお手伝いをしてました! ちょっとずつ体験も出来て、楽しかったですよ!」

モバP「そうか。本番はまた大変だと思うけど、よろしくな。俺も来るよ」

卯月「ほんとですか!? 今日よりも頑張る姿、プロデューサーさんに見てもらえるなら嬉しいです、エヘヘ♪」ニコッ


モバP(加奈を見ていても思ったけど……みんなが自分達で何をやるかを考えて、その為に自分から動いて、何かを作り上げていく。それは仕事でもあるのに、こんなに笑って楽しんでくれることって珍しいかもな……)

モバP「まあ、卯月はちょっと特別かもしれないけど」フフッ

卯月「え?」

モバP「いや、なんでもない。とにかく、今日は来てよかった。俺の今後にも、参考になりそうだ……まあ、本番もよろしく!」

卯月「はい! ところで、2人共もうイベントは全部見終わったんですか?」

加奈「うん、ぜんぶ見終わったよ!」

卯月「よかった! それじゃあ、今日のMVPを選んで下さい!」

モバP「あ、そんな話を開会式で言っていたな……そうか、今日のリハで1番頑張っていた子を選べばいいのかな?」

卯月「そうですね!」

加奈「プロデューサーさんが、1番印象に残っている子を選べばいいんですよ!」

モバP「ふむ……」


 ~『ニョワァ―――――!!!!!』ギュォォォーン!!!~


モバP「うあああ、ああ、き……きらりなウサミンロボがぁ!!」ガクガク

加奈「トラウマになってる!! ええと、エナドリエナドリ!!」

卯月「!?」

 -結局、本番のみんなの頑張りでMVPを決める事になりました☆-

 本番では、
・入口が最も混む。・開会式で卯月、気合の赤ブルマ司会。
・お化け屋敷でイヴさんがうっかり全身(全裸)出土。
・アニマルハウスで美玲に爪で引っかかれたい客の行列発生、動物が怯える。
・漫画同好会室で由里子と日菜子、遊びに来ていた早苗に現行犯逮捕。
・スイーツ研究会カフェで法子がイチゴーナッツ☆を盗み食いしすぎて、ありすがガチギレ。
・スリーピング・エフェ……昼寝屋できらりと紗枝はんの『にょわ☆こんちきちん』襲撃を受けて実験失敗(寝れず)。
・ヒーリング&テラピー研究会室で一部の男性客が警備員(村上組)に、搾り過ぎた愛海が女医・清良から、お仕置き。
・レストランで白米とクロワッサンが最初に品切れ、茜とみちるが笑顔の謝罪会見。
・ロボット相撲できらりロボ200連勝・ゆかロボ350昇天達成。
・コントSHOWで鈴帆がビッグバンを表現しようとして、美羽爆発。
・ロックLIVEは……とても素晴らしいものとなりましたが、それはまた別のお話……




 おわり


お粗末さまでした。しばらくしたら、HTML化依頼してきます。さあ、アイプロじゃ~!

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