一夏「仮面…ライダー」 (10)

-20××年とある研究所-

???「俺にIS学園に行けと?」

???「あぁ、そうだ。 君にはIS学園に『教師』として行き、ISの実態を探って来てもらう」

薄暗い研究室の中に男が2人。
初老の男性。
白衣を着た30代程の青年。

初老の男性が、白衣の青年を説得する。

???「IS…≪インフィニット・ストラトス≫…篠ノ之博士が開発したシステム。 それと俺に、いや、『俺達』に何の関係があるんです?」

???「…『10年前』」

???「…」ピクッ

???「10年前に、この研究所が奴らに襲撃された時、実はハッキングを受け、『ライダーシステム』の開発データをコピーさせられていたことが分かった」

???「襲撃の際の混乱に乗じ、ライダーシステムのデータをコピーし、ハッキングの痕跡すらもほぼ消し去った。
正直、今更気づいたのも全くの偶然だ」

???「そして、その一ヶ月後にISの存在が篠ノ之博士の手により公表された」

???「まさかっ…!?」

???「私は…篠ノ之博士がライダーシステムを元にISを作ったと考えている」

???「ライダーシステムのデータを盗まれたということは、『アンデッド』のデータを盗まれたも同然」

???「取り返しがつかなくなる前にISを調べ上げなくてはならんのだ…。
それが出来るのは君だけだ」

???「頼む…橘」

橘「……」

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ーーー
ーー


またこの夢だ。

薄暗い部屋の中、俺は手足を縛られ猿轡をかまされ、何も出来ずにうずくまっている。

部屋には覆面をし、小銃を構えた男達が俺の動き目を光らせている。

ーー見張らずとも、俺が何も出来ないのは明らかなのに。

俺が考えていたことは、この状況に対する恐れでも怯えでもなく、何も出来ない自分に対してだった。

ーー千冬姉は必ず俺を助けにくる……来てしまう。

ーー俺はまた、千冬姉の足を引っ張ってしまう。

ただ、自分の弱さが許せなかった。

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