【安価・コンマ】我らコンマ0が出ると死ぬ一族! (601)

>>1の書いたレスにコンマ0が出ると死にます。

相手を見つけ、子を産んで異能を受け継いでください。

敵を倒せば残器は増えます。

5代先まで子孫を作ればクリア。

↓1【あなたの苗字】

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1416742777

異能溢れる世界。

子は親から異能を受け継ぎ、さらに新たな力を得る。

異能を持つ者が五代続いた時、世界を滅ぼす力を持つといわれた。

危機感を抱いたのは異能を持たざる者。溢れるとはいえ、持たざる者の方が多いこの世界。

強い力に滅ぼされる前に根絶やしにしてしまおう、持たざる者はこう考えた。

――イギリス

足音が近付いてくる。

「異能を殺せ!」

「奴らとて頭を撃ち抜けば死ぬ!」

「家を囲め!」

管理局職員の声だ。管理局は異能を持つ者を監視する世界的な組織のことを指す。
独自の逮捕権限を持ち、逮捕された異能持つ者は隔離施設に連行される。抵抗した者は……言うまでもない。

マクレーン(母)「早く隠れなさい!」

マクレーン(父)「管理局には僕達が話をつけてくる。心配しなくてもいい隠れていなさい!」

↓1【マクレーン(1代目)の性別】

「管理局だ! ドアを開けろ!」

「近所の通報で来た。早く開けろ!」

マクレーン(1代目)「ママ……パパ……!」

マクレーン家に生まれた男児。彼も異能に目覚めた者の1人。最初の内は能力の精度は低かったが、年を増すごとにその力も比例するように強大になっていく。

マクレーン(父)「息子はまだ子供だ! 能力だって……」

「やかましい!」

鈍い音が響く。続いて聞こえてきたのは母の悲鳴だ。唸り苦しむ父の声も聞こえる。

マクレーン(父)「う、う、何をするんだ!!」

「……殺るか」

「仕方がないな。異能を産んだ人間だ。生かしておく必要もあるまい」

「公務執行妨害及び殺人未遂、射殺やむなしと判断と報告しておけばよい」

マクレーン(父)「なっ! つ、妻だけは――」

軽い破裂音が3、4度。そして、何も聞こえなくなった。

マクレーン(1代目)「ママ……パパ……」

父と母がどうなったかを察したマクレーン少年。涙は溢れるが、今声を出しては自分の居場所を知られてしまう。
声を押し殺し、泣いた。

「ガキだ、ガキを探せ!」

「早くしろ!」

「親に拷問かければ良かったなぁ」

「やかましい! 仕方ないってんだろ!?」

自分を探す足音、クローゼットの中に隠れていたが、見つかるのも時間の問題だ。

不意に目の前が明るくなる。見つかってしまった!

「見つけた! おい、集まれ!」

マクレーン(1代目)「……」

「てこずらせやがって! おラッ!」

管理局職員は少年の頭を掴み、クローゼットから引きずり出し、床へ放り投げた。頭を打ちつけ視界がグラグラと歪む。

マクレーン(1代目)「い゛だい゛……い゛だい゛よォ……」

「やかましい!」

職員らは次々に少年を殴りつけた。

「さて、どうする?」

「こいつも殺すかぁ?」

意識の朦朧とする少年を前に職員らは話し合っている。

「今日で何人目だ?」

「18人目だ」

その実、独自の逮捕権限を公使することは少なかった。その場で殺してしまうのだ。

逮捕されて隔離施設に連れて行かれるのは、ほんの一握りの『レア』な異能を持つ者だけ過ぎない。

「じゃあ、ママとパパのいるところにすぐ連れて行ってあげよう。お前らお祈りの準備を」

「天に召します我らが……」

マクレーン(1代目)「い、いやだ、いやだよ……」

「さよならだな、ガキ。恨むなら異能を恨m

???「ちょーっと待て」

「小尉!」

「小尉! 来ておられたのですか!」

「ガキ、運が良かったな。少尉がいるところに居合わせるたぁよ」

少尉「……」

少尉と呼ばれる黒髪を撫でつけた大男は少年を見て、いやらしく笑った。

少尉「おいガキィ、言いたいことはあるかよ?」

↓1

パパとママを返して!

>>17
マクレーン(1代目)「パパとママを返して!」

少年は涙ながらに少尉に向かって叫ぶ。

少尉「残念だなぁ、ガキィ。そりゃ無理だ。でも俺に食ってかかったことだけは誉めてやるよ」

マクレーン(1代目)「……ママとパパを」

少尉「ママとパパは帰って来ねぇ。だがな、ガキィ。お前に一つ、チャンスをやろう」

「来るぞ……」

「俺はすぐ死ぬに5ユーロ」

少尉「目、瞑ってな」

少年は、もはやこれまでと黙って目を瞑る。少尉がその頭に向かって手を伸ばした。

カチリ

少尉「俺の異能は『身体の中にタイマーを設置する』ってやつだ」

少尉「そのタイマーが0になった瞬間、お前は死ぬ。これはお前の代から数えて5代まで続く。面白いだろ?」

少尉「いつタイマーが0になるか俺にもわからねぇんだからよォ!」

「さすがです少尉!」

「神にも等しいその力!」

「少年を救ったんですね!」

少尉「今日からお前は爆弾だぁ……いいだろ?」

マクレーン(1代目)「な、なんで異能をもっているのに……」

少尉「気に入られたんだよ、偶然な。俺は『レアもの』だからさ。こうやってお前らを『試して』いるんだ」

いやらしい笑顔。自分が神になったつもりなのだろうか。

少尉「ガキィ、お前異能、教えろよ」

↓2【マクレーン(1代目)の能力】

時空を操る能力

>>23
マクレーン(1代目)「時間を早くしたり遅くしたりする……異、能」

少尉「へぇ……」

「レアかよ」

「レアものじゃねぇか……」

ひそひそと職員らが話す。
マクレーン少年は時空を操る異能を持っていた。
時間を加速、減速、停止。能力可能限界時間は5秒程と短いが、色々なことができる。
時間を止めて気づかない内に移動したり、加速して高速で動き回ったり、減速させて動く物に素早く反応することができた。

彼の親はそれを喜び、普通に接し、誉めてくれた。
それももういない。

少尉「とりあえず俺に免じて今回は見逃してやる。どこへなり行けばいい」

少尉「だがなガキィ、異能の風当たりは強いぜ? 俺みたいな『刺客』がうじゃうじゃ潜んでやがる」

少尉「忘れていたが俺の異能は残機制だ。【人を1人殺せば残機が1増える】。だが、人を殺したことが世間にどんな影響を与えるかは分かっているよなぁ?」

少尉「俺のように刺客として生きるもよし、刺客と戦い隠れながら生きるもよし、自分の能力を隠して生きるもよしだ」

少尉「せいぜいその瞬間まで生きるんだな」

――

【次の>>1のレスからコンマ0が出ると死にます】

月日は流れ……
マクレーンは青年になるまで逞しく生き延びた。

マクレーン(1代目)「僕はここまではなんとか生き残った。これからどこへ行こう。何をすればいいんだ……?」

↓2【何をするか】

解除法を探す

>>28
マクレーン(1代目)「解除方法を探そう……」

マクレーン(1代目)「この異能はどうすれば解除されるんだ?」

マクレーン(1代目)「何処へ行けばその手がかりが掴めるんだろう」

マクレーン(1代目)「そういえば……」

――

少尉「おっとガキィ、俺を殺したきゃあ殺してもいいが、殺した所で俺の異能は何もしても消えないぜ?」

少尉「異能無効化異能でさえも消し去るこたぁできなかったんだ」

少尉「とにかく無駄だってことだ」

――

マクレーン(1代目)「無駄だったんだな……」

【コンマ0死異能は免れることはできません】

【人を殺して残機を増やしましょう】

↓2【どこへ行くかor何をするか】

身体を裂くような痛み。
ハンマーが脳を潰すような感覚。
タイマーは0を指したのだ。

苦しみの中……マクレーン(1代目)は死んだ。
【マクレーン家 断絶】

↓1【続けますか?】

【続ける】

↓1【新たな異能を持つ者の苗字】

↓2【その者の持つ異能】

――日本

フジキドはある日、異能に目覚めた。
フジキドは日本によくあるその苗字の通り平凡なサラリマンだ。
彼のジツ、もとい異能は『常人の3倍動ける』というもの。異能を持つことがバレれば即ムラハチ。せっかく今まで築いてきた地位は一気に崩壊してしまう。
隠し通さねばなるまい。
本人としては周囲の者に完璧に隠していたつもりだった。
それが……

少尉「よぉ、異能を持つ者。市民からの通報だ」

フジキド(1代目)「管理局ナンデ!?」

少尉「説明は省こう。まぁ、そういうことだ」

少尉がフジキドの頭を掴む!

フジキド(1代目)「アバーーッ!」

――

【次の>>1のレスからコンマ0死です】

日常は終わった。
異能がバレた人間への制裁は社会的な地位の消失だけではない。
フジキドは住む家さえ一瞬のうちに失ってしまったのだ。

つまり……。
フジキド……ホームレスの…………異能を持つ者!

フジキド(1代目)「アイエエ……」

フジキド(1代目)「俺には何も残らなかった……。カチグミ生活もここまでかぁ」

フジキド(1代目)「この場所にいても少尉以外の『刺客』に狙われてしまうが……どうする?」

↓2【どこへ行く?(記述すると世界が広がります)】

ネオサイタマにはニンジャと呼ばれる異能者集団のレジスタンスがあるらしい・・・彼らと合流するべくネオサイタマに向かおう

>>43
異能を持つ者の存在が確認され、迫害を受け始めたその時期に1つの噂が立ったことをフジキドは思い出した。

「埼玉には『ニンジャ』と呼ばれる異能者集団のレジスタンスがあるらしい」

フジキド自身この噂は都市伝説並の信憑性の無さだとは感じていた。

日夜テレビで放送されるレジスタンス殲滅作戦の様子。異能者は疲弊し、レジスタンスを作る気力さえ残っていないはずだ、そう思っていたからだ。

しかし、今は人生の崖っぷち。藁にもすがる思いとはこのこと。

フジキドはどうしたいかではなく、『早く同族を見つけて安心したい』という気持ちに従ったのだ。

フジキド(1代目)「電車に乗って行こう……」

幸い、フジキドが住む東京から埼玉はかなり近い。電車に乗って移動を試みた。

【直下コンマ下一桁】
987:無事埼玉へたどり着いた
654:通報されているかもしれない!
321:刺客

【1.刺客】

電車は妙に空いていた。大都会東京を走る電車としては妙に人が少ない。

いや、人がいない。

フジキド(1代目)「なんということだ……。この電車の貸切状態は……」

6両編成の最端。その更に奥に人の気配が。

フジキド(1代目)「乗客!? 違う、刺客か!」

↓1【刺客とは】

※テンプレな
【名前】:
【異能】:
【刺客の特徴】:

名前 儀仗
異能 分身出来る
特徴 根暗っぽい

【名前】:ニシヤマ
【異能】:体が異常にやわらかい
【刺客の特徴】: 尋常じゃない[ピザ]

突然の出来事だった!

フジキドの身体に走る激痛、身体が崩壊し始めている!

フジキド(1代目)「アバッ、アババババッ!?」

フジキドも自分の身に起こったことが把握仕切れていない。
読者の諸君の中にこのSSに詳しい者はいるだろうか!?
そう、フジキド(1代目)は少尉を名乗る異能者に設置されたタイマーが0を指してしまったのだ!

フジキド(1代目)「アバーーッ! サヨナラ!」

哀れフジキド(1代目)は爆発四散!

【フジキド家 断絶】

↓1【新たな異能を持つ者の苗字 職業】

↓2【その者の異能】

――アフリカ 国境

紛争地帯は今日も死体が絶えず増え続けていた。
ここでの異能を持つ者の扱いは他の国とは違う。
『弾を減らさない兵士』として戦場での異能者の需要は高いのだ。銃を持たされず戦い続ける異能者兵士の姿は何とも格好が付かず滑稽で、儚い。

黒崎は異能を持つ者の傭兵だ。
人を殺し、金を貰う。

能力は『カードに人を封印する』というもの。
彼は常に無地のカードを持ち歩き、カードに人を封印していた。
カードを破れば人は死ぬし、任意でカードの中から解放することもできる。
対象の前でカードを見せるだけ。簡単なものだ。

カードに閉じ込めさえすれば、その命は意のまま。さながら神になった気分だ。

しかし、そんな『レア』且つ強い異能を持ちながら、黒崎の心は満たされない。

黒崎はキャンプ地にいる上司に声をかけた。

黒崎「少尉……お話が」

少尉「おぅ、なんだ黒崎ィ?」

黒崎「少尉のその能力、自分にかけてください」

少尉「……おいおい。お前自分が何言ってるのか分かって 黒崎「分かっています。ただ……」

黒崎「スリルが欲しくて」

少尉「はぁ、お前も物好きだねェ。戦場は兵士を狂わせるか……」

黒崎は元々優秀な兵士だ。死なせるには惜しい。
しかし、とうとう少尉は黒崎の熱意に負けてしまった。

少尉は渋々、彼の頭に触れる。

【この次の>>1のレスからコンマ0死です】

黒崎は今日も戦場も彷徨う。
だが、今までの空虚感は彼の中には存在しない。

黒崎「何でもできそうだ……。何から始めよう。どこへ行けばさらに満たされる!?」

↓1【どこへ行くor何をする(記述すると世界が広がります)】

最近宗教国家を宣言した中東のテロ組織を倒しに行こう

>>60
思い付いたことが1つある。最近、傭兵仲間の中でも話題に上がる「宗教国家を宣言した中東のテロ組織」の存在だ。

ここを滅ぼして、1つ名を上げてやろうではないか。黒崎は立ち上がる。
1人だけの無謀な戦いだが、死の恐怖はない。それに打ち勝つだけの精神がある。

距離にして200キロ。ジープを借り、黒崎はキャンプ地から飛び出した。

【何事もなければ、次の>>1のレスから3回分くらい生き残れば到着するだろう】

【直下コンマ下一桁判定】
987:何も起きない
654:地雷だ!
321:刺客

100キロ程飛ばしたところでジープが止まった。

黒崎「……来るか」

黒崎は周囲の異変に気づいた。
軍用双眼鏡で見回すと、数人の姿が確認できた。その軍服に付いたマークから、宗教国家テロ集団の兵士だと思われる。

黒崎「見張りか……?」

しかし、おかしい。
その見張りのような兵士。見れば見るほど同じ顔。双子にしては多すぎる。

黒崎「クローン……」

その線も無いだろう。この国にそんな技術力は存在しないはずなのだから。

黒崎「まだ相手はジープに気づいていない。どうする……?」

↓1【攻撃する(どのように攻撃するか記述する)か逃げるか】

試しに一人封印する

>>70
黒崎「試しに1人封印してみるか……」

ジープを降り素早く見張りの背後に忍び寄る。
砂漠地帯の為、幸い隠れる場所も確保できた。
傭兵経験の長い黒崎にとっては、この程度のことは容易い。

ポケットの中から取り出すのは無地のカード。

一瞬、黒崎の手に衝撃が伝わる。封印が成功した証拠だ。無地だったカードの中には見張りがまるで写真のようにおとなしく収まっている。
残りの見張りは9人程か。

黒崎「まだ見張り共は1人減ったことに気が付いていない。どうする……?」

↓1【戦う(方法を記述)or先を急ぐorその他】

【ヒント:今持ってる見張りを封印したカードを破れば……】

黒崎は先ほど見張りを封印したカードを縦に裂いた。
カードの中から紙切れの質量からは考えられない程の量の液体が溢れ出す。血だ。

カードの中にいる見張りは真っ二つになって死んだ。
【残機が1増えます】

黒崎(後の見張りはどうする。今なら気づかれる前に先を進むこともできるが……)

↓1【どうする?】

全速力で進む

>>77
黒崎「警備の質はこの通りだ。ならば全速力で……進むのみッ!」

急いでジープに戻り、エンジンをかける。迂回路は既に見つけていたルートがあるので見つかることはない。

黒崎「行くぞ……」

長かった砂漠地帯は終わり、遠くに高層ビル群が見えてくる。
あの地は、化石燃料で一山儲けている富豪の住む町。管理局の刺客も少なくはないだろう。

しかし、黒崎はやらねばならないのだ。

【何事もなければあと2回判定で宗教国家に到着します】

【直下コンマ下一桁判定】
98:何事も起きなかった
765:通報されている!?
4321:刺客

【0:特殊】
987:「助けてください!」と女が黒崎の目の前に飛び出してきた
654:管理局職員に声をかけられる
321:刺客が2人現れる

【直下】

>>83
富豪地帯に入った黒崎。ジープはキャンプ地から来た物だと通報される場合もある。
考慮し、それを乗り捨て自分の足で目的地まで急ぐことにした。

黒崎(ここから宗教国家までは近い。厄介ごとに巻き込まれなければ簡単に辿り着く……)

ビルは見上げる程高く無駄に煌びやか。富豪共の趣味の悪さが伺える。

黒崎(俺には関係のない……)

その時だ。

???「助けてください!」

1人の女が飛び出してきた。

↓1【女とは】

【異性は次の代を産む可能性があります】

※テンプレ
【名前】
【年齢】
【特徴】

助けて、と叫ぶその女性。服は着ていない。シーツのようなもので隠す場所は隠しているが、一体どこからやってきたのだろう。

黒崎「名前は」

ェネァ「……ェネァ」

シーツから覗く浅黒い肌と淡く輝くプラチナ色の髪。そして名前からして現地の人間だろう。
しかし、こんな富豪地帯でなぜそのような格好をしているか分からない。

黒崎「何があった」

ェネァ「私は奴隷……富豪が……太った富豪が……来るの……」

微かに震える肩。よほど怖い思いをしたのだろう。

↓2【助けるor助けない】

黒崎「助けない訳には行かないだろう!」

震える肩を抑え、隠れることができる場所を探す。

ェネァ「あ、あの」

黒崎「礼はいらない。早く行こう」

【直下コンマ下二桁判定(好感度)】

【補正】
【初対面】-10
【傭兵】-10

【頑張って100まで上げればどうにでもなります】

↓2【隠れる場所】

【ェネァの好感度44】

【70を過ぎるとあなたを好きになってくれるかも……!?】

隠れる場所。今まで人を殺す為だけに使っていたので、忘れていた自分の異能の真価。

黒崎(そうだ、彼女をカードを収納していれば)

ェネァ「どうか……」

黒崎「いや、なんでもない。今、安全な場所に案内する。目を瞑っていろ」

ェネァ「はい……」

手に伝わる衝撃はェネァが無事カードの中に収納できた証拠。カードはケースの中に隠した。

黒崎(ェネァを襲った富豪に見つかる前に先へ進むこともできる。それとも、まだこの富豪地帯に留まっていようか)

↓2【どうする?】

先を急ぐことにした。
そもそも、黒崎は宗教国家へ行くことが目的。ここに居ては厄介ごとに巻き込まれるばかり。
無駄に時間が過ぎるだけだ。

ビル群を過ぎて再び砂漠地帯が現れる。そして、その先には巨大な寺院が――

黒崎「あれがテロ組織の本拠地だな。これを俺は……」

少尉から貰った『スリル』が胸を高鳴らせる。恐れるものはないのだ。

黒崎(ェネァを解放するタイミングも見計らなければいけないな。カードは普通の紙だ。多少の防水防火加工はされているが気をつけなければ……)

カードの中の時間は止まっている訳ではない。閉じ込めただけであり、数日解放せず放っておけば中にいる者は死んでしまうのだ。

【何事もなければこの判定の後、宗教国家に到着します】

【直下コンマ下一桁判定】
98:何も起きなかった
654:管理局職員の乗った車がこちらに向かって来る
321:刺客

後ろからタイヤが砂を噛む音が近づいて来る。
軍用車の交通量が多い場所だ。黒崎は気にせず歩いていた。

「そこの――」

「そこの男――」

「そこの男止まれーーッ!」

振り返ると見覚えのある車がすぐそこまで接近している。管理局の車だ。

黒崎(なんだ……?)

↓1【どうする?】

よく分からない最安価↓1

【黒崎がどうなる?】
ではなくて
【黒崎がどうする?】
で答えて

なんのつもりだろうか。とりあえず、管理局の声に従い足を止める。
それと同時に車も黒崎の脇で止まった。

「よし、そのまま動くなよ」

車に乗っていた職員は1人。銃を持っているようだが、1人ならば敵ではない。
ドアのロックを外し、開いたその瞬間。

「なっ!?」

管理局職員をカードに封印した。残ったのは無人の車だけ。

黒崎「車を放置すれば異変に気づいた奴が通報するかもしれない。この車、拝借して宗教国家に突入することもできるが……」

↓2【どうする?】

>>105

>>106
黒崎(車があるならまずはェネァを安全な場所まで送り返そう)

車に乗り込んだ黒崎は、富豪地帯へ引き返した。

移動した先は、ビル群から少し離れた場所にある寂れた小さなホテル。
黒崎はェネァを封印しているカードをケースから出すと、カードからの解放を念じた。

ェネァ「え、あ、あの、私……」

ェネァは状況がよく分かっていないようだ。そもそもェネァは黒崎が異能を持つ者だということを知らない。

黒崎(何と言ってやろうか)

↓1【状況の分かっていないェネァに何か言ってあげよう】

黒崎「心配するな。危害を加えるつもりはないし悪いようにはしない」

ェネァ「……ありがとう」

ェネァはまだ黒崎の言葉を信じていないのか、辺りをキョロキョロと見回している。

黒崎「落ち着け。ここでしばらく隠れているといい」

ェネァ「あなたは……?」

黒崎「俺はまだやらなければならないことがある。終わったら戻って来てもいい」

ェネァ「お金は……」

黒崎「払った。ここはホテルだ。出たい時に出ても構わない」

ェネァ「あ……」

それだけ言い残すと黒崎は部屋を後にした。

【ェネァの好感度49(信じきっていない)】

黒崎はホテルのフロントへ一言告げ、去る。

黒崎「彼女がどこへ行こうと放っておいてやれ」

フロント「はい、承知しました」

――

フロント「もしもし、管理局ですか? 今、管理局の車に乗った男がホテルに訪れて……。はい――」

【通報された レベル1】

先ほどカードの中に封印された管理局職員は廃倉庫の中で目を覚ました。

「こ、ここはどこだ!?」

黒崎「尋問室、ってところだな」

管理局職員の身体は椅子に括り付けられている。身動きはとれない。

↓1【管理局に聞く内容(殺しても良い)】

襲いに来た理由と首謀者の名前、何処から自分の情報が漏れたか

>>113
黒崎「何故銃を持って車から降りた」

「お前が異能を持つ者だからだ」

黒崎「どこから漏れた」

「……異能者リストからだ。貴様らのような奴らに人の権利があるものか。どこに居たって大抵は分かるようになっている! 俺の知っている情報はここまでだ! 早く離せ!」

黒崎「……少尉か」

管理局職員は目を逸らした。

黒崎「やはり……な」

見当は付いていた。
自分は上司である少尉に見捨てられたのだ。
黒崎が、生きるための『スリル』を欲した瞬間、見捨てられたのだ。

元々、彼は信用に値する人間ではない。いずれこうなることは分かってもいた。
少尉がいることで、管理局の後ろ盾がある傭兵部隊にいるつもりだったが、それも見当違いであったようだ。

「早く離せと言っている!」

↓1【管理局職員に何を聞く?orどうする?】

【残機が1減りました】

黒崎「もういい」

カードをおもむろに取り出し局員の前にかざした。
ガタンと椅子が転がった。
そこに立つのは黒崎ただ1人。足下には破り捨てられた紙があるだけだ。

黒崎(行くか……。少尉の部隊以外にも部隊はある。宗教国家テロ組織の首領(ドン)の首でも持って次の場所へ移るさ)

【残機が1増えました】

【警戒レベル2】

富豪地帯にサイレンが鳴り響いている。
早くここから離れた方がいいだろう。

【直下コンマ下一桁判定】
【警戒レベル2】-2
987:何事もなく富豪地帯から脱出できた
654:銃を持った管理局局員3人組に見つかった
321:刺客

>>49
???「あぁ、見つけた見つけた」

???「連絡通りの男だ。おいお前、黒崎だな?」

見たことのある3人の男が黒崎を指さす。
どちらも同じ顔だ。

黒崎(さっきの見張り……?)

???「1人足らないんだよ……。それもお前のせいかなぁ?」

俯き加減で此方へ歩いて来る。長い髪から覗く目が不気味な雰囲気を感じさせる。

???「あんた、日本人だよなぁ?」

儀仗「俺、儀仗(>>49)。一応日本人。お前を殺しに来たんだよなぁ?」

【直下コンマ下一桁判定(戦闘)】
9に近い程黒崎の有利
1に近い程儀仗の有利

【儀仗ら有利】
儀仗らは銃を構え、黒崎に襲いかかる。
傭兵である黒崎には渡されたことのない代物だ。

儀仗1「1対3じゃ勝ち目無さ過ぎなんだよなぁ?」

儀仗2「俺の異能は分身なんだよなぁ?」

儀仗3「俺を倒すことは無理だと思うんだが、そこんところどうかなぁ?」

一切隙を見せない動き。
黒崎の異能は常に動き続けている相手に対しては弱い。捕捉できないのだ。

引き金は引かれる。
銃弾3発が黒崎に襲いかかり――

【直下コンマ下一桁判定】
987:軽傷
654:重傷
321:頭ぶち抜かれて死ぬ

時がゆっくりと進む感覚が黒崎に鈍い痛みを永遠のように与える。
腕を貫いたのは最初の弾丸だ。二の腕の肉が弾け、骨の欠片が血と共に地面にこぼれ落ちた

腹部を貫くのは2つ目の弾丸。腹の皮は弾の熱で焼け、内臓は弾の回転に巻き込まれ破裂した。
『中』からこみ上げる血は、止めることもできず口から吹き出る。

頭蓋骨を削っているのは3つ目の弾丸。脳に届くまでコンマ数秒程。死が、迫る。
そして――

【黒崎家 断然】

↓1【新たな異能を持つ者の苗字】

↓2【その者の持つ異能】

訂正
↓1【新たな異能を持つ者の苗字 職業】

↓2【その者の持つ異能】

↓1【シィクシー(1代目)の性別】

――アメリカ

シィクシー家は代々教師の家系である。
シィクシー(1代目)も親と同じように教師の道へと進んだ。

そんなある日、彼に異能が『発生』する。
彼の異能は『空間移動』。自分の身体を触れているものごと、意識した場所(範囲半径1km)に瞬間移動させるというものだ。
隠しおおせる訳もない、そう思った彼は家族に被害が及ぶ前に、自ら管理局へ出頭した。

「へぇ、見上げたやつだな貴様。自らここに来るとは」

シィクシー(1代目)「えぇ。あなた方管理局は抵抗しようものなら家族や知り合いにでさえ危害を加えるのでしょうからね」

「……貴様ァ!」

「殺せ殺せ、侮辱罪で処罰しろ!」

少尉「まぁ待て」

「少尉!」

少尉「おいガキィ。職業は」

シィクシー(1代目)「教師です」

少尉「ほォ~、教師か。なるほどなァ……」

「どうかなさいましたか、少尉?」

少尉「いやァ、少し面白いことを思いついたもんでな?」

少尉はシィクシーの頭に手を乗せた。

カチリ

シィクシー(1代目)「今のは?」

少尉「これはなァ、呪いだ。生きろ、ガキィ。戦うだけが異能を持つ者じゃねェ」

少尉はシィクシーに一枚の紙を渡した。紙には何処かの住所が書かれている。

シィクシー(1代目)「これは……一体?」

少尉「学校の住所だ。管理局が今度設立することになったな」

シィクシー(1代目)「ここで教師をしろ、と」

少尉「物わかりがいいぜ、お前ェ。その通りだ。異能を持つ教師は大体すぐ死ぬ(ように俺が異能を使っていた)からなァ。人数が足りないんだ」

少尉「頼んだぜ、先生ェよォ」

【次の>>1のレスからコンマ0死です】

某州。街から少し離れた場所にある小規模校にシィクシーはたどり着いた。

シィクシー「ここか……。『生徒全員が異能を持つ者の学校』は」

隔離施設の1つでもある名も無き学校。
人権団体に配慮して設立されたとシィクシーは聞く。

シィクシー「教室は……と。あったあった」

教室には20数人程の生徒が席についていた。年齢はバラバラだ。彼はこれから彼らの担任となり、教師として勉強を教えなくてはならない。

シィクシー「――ということで、よろしく」

【直下コンマ下一桁判定】
987:何事もなく授業が終わった
654:暴れる生徒が!
321:刺客

どれ

>>146
シィクシー「これで授業は終わりだ」

何事もなく授業を終えたシィクシー。なんとか教師生活1日目を終えた。
放課後、生徒とシィクシーらは管理局の用意した宿泊施設で過ごすことになる。
ここからは自由時間だ。

シィクシー「生徒の名前さえ分かっていないが……」

↓2【何をする?】

残機のため殺しやすい生徒の確認

>>152
異能を持つ者が忌み嫌われる理由の1つに『殺人衝動』がある。
世間体など構わず、ただ単純に人を殺したくなってしまうのだ。
これは気の持ちよう次第で抑えることもできるが、それもそう上手くはいかない。

シィクシーは自分でも気付かぬ内に、生徒一覧の資料を開いていた。
自分の力で殺すことができそうな生徒を探しているのだ。
シィクシーの目にふと止まった生徒の名、それは――

↓1【殺せそうな生徒】

※テンプレ
【名前】
【性別】
【年齢(7~18の間から)】
【特徴・性格】
【異能(別に殺せそうな相手に設定する必要はない)】

チャモチャ。栄養不足で身長は極端に低いが、年齢は11歳(本人談)。
国籍不明、黒人。


初めて彼女の姿が確認されたのはアフリカにある富豪地帯だった。
見せ物小屋で働く彼女は、その『触れた相手の傷を治りやすく』という異能の物珍しさと、人懐っこさで一番の人気を誇っていた。
管理局の風俗店一斉摘発の際、保護。管理局側で一般教養不足と診断、今に至る。

ここまで読んだとこでシィクシーは、自分が笑っていることに気づいた。

シィクシー(今『自分なら殺せるんじゃないか』と思っていた……?)

シィクシー(いや、違う。そんなはずはない。僕が人を殺せるわけなんて……)

彼は異能に目覚めて日が浅い。自分の中に芽生えつつある狂気を信じることができないのだ。
シィクシーはベッドに着き目を瞑る。そして、ひたすら早く自分が眠りに落ちることを願った。

次の日、シィクシーは学校へ向かった。
教室へ行くといつも通り生徒は席に付いている。

シィクシー(やっぱり昨日の『あれ』は……気のせいだったんだ)

異能を持つ者として世間から爪弾きにされたとしても、子供は子供だし生徒は生徒だ。
シィクシーは異能に目覚める前に普通の子供達に教えていたように、授業を始める。

しかし、心の隅にある不安はまだ消えない。

【直下コンマ下一桁判定】
987:何事もなく授業が終わった
654:暴れる生徒が!
321:刺客

シィクシーの父は『教壇の上で死ねたら幸せだ』とよく言い聞かせていた。
まさか自分がそのようなことになるとは夢にも思わなかった。

激しい痛み、苦しみは彼の身体を崩壊へと追い込む。

しかし、シィクシーは……
あの『狂気』に永遠に苦しめられることに比べればどうということはない、そう考える。

頭の中には今まで受け持った生徒達の顔が代わる代わる現れた、気がした。
【シィクシー家 断絶】

狂気と共存して生きましょう。次

↓1【異能を持つ者の苗字 性別 職業】

↓2【その者の異能】

そういえばこれもし異能が【不死】にでもなったらどうするんですかい?

>>167
不死系は却下却下。
コンマ0で死ぬ話だから、コンマ0で死ねない異能は却下。

でも、少尉の異能の前では不死の異能さえ無効化して全ての人間が死ぬってことにしても面白いかもしれないなぁ。
戦闘や事故では殺せないけど、コンマ0で死ぬって具合で。
【結果 気分次第です】

――中国

人里離れた山奥に小屋がある。それが白(バイ)の家だ。
母は彼を産んですぐ、父も前年亡くなり、今は1人でここに暮らしている。
職業は『人形師』。人形を作って、里に降りてそれを売り生計を立てていた。

そんなある日のある夜――
小屋の戸を叩く音で白は目が覚めた。

白「誰だ、こんな夜中に」

「管理局の者だ。戸を開けろ」

異能のことは隠していた訳ではない。
管理局に自分が異能を持つ者だと教えた後、ある程度の金を積めば監視は免れることができる。

しかし、それは『この国(中国)』の『ある省』だけの非公式なルールであり、上(管理局本局)の方にバレれば一溜まりもない。

白(まさか……俺を殺しに来たのか?)

白「入ってもいい」

戸の陰で白は虚空を握った。
開いた戸から局員は当たり前のように小屋の中へ入ってくる。

「いやぁ、すまんな。道に迷っ――」

これが局員の運の尽き。
異変を感じた局員は、自分の胸に突き立つ探検をまじまじと見つめ

「あ゛、あ゛……」

と、呻き声を上げ倒れた。
白の異能は『武器生成』。虚空から彼が念じると念じた武器が現れるのだ。
局員の胸に突き立つ短剣も彼の異能によるものだ。

白(俺の思い過ごしだったか。悪いことをした)

白(近頃、気が立って仕方がない)

白(少尉という男に『死の呪い』とやらをかけられてから……)

家の裏に死体を埋める手はそれなりに手慣れてきていた。

【次の>>1のレスからコンマ0死です】

【残機が2増えました】

太陽が頭を出し始めたその頃。
鶏が鳴く前に、白はもう動き出していた。

白「10体できたか……」

週に二度、里に降りて人形を売る。
里を降りるのに3時間程。早く起きて小屋を出なければいけない。

白「行くか」

【直下コンマ下一桁判定】
偶数:何事もなく里へたどり着いた
奇数:刺客

山を駆け下りているその時。

白(猪か?)

荒い息がこちらへ近づいて来る。
豚のように汚い息遣い、だが少し違う。
足音は重く、尋常ではなく太った生き物だということは分かる。

???「見つけた。見つけた」

茂みから現れた片言な中国語を喋るデブ。
この国の人間ではない、制服から見て管理局の人間、刺客。

白「お前、日本人か?」

ニシヤマ「私はニシヤマ(>>50)です。あなたを殺しに来ました」

噛み合わない会話の後、少し間が空く。
この山の急斜面を走って登って来たところを見ると、徒者ではないのだろう。

↓2【逃げるor戦う】

白「どうせ逃がしてはくれないんだろう?」

ニシヤマ「いいえ! あなたを殺しに来たのです!」

これ以上は話になるまい。白はため息をつく。
殺される前に殺す。生き残る為にはこうするしかないのだ。

白「悪く思うな、豚」

白は虚空を握り、武器を念じる。

↓1【白が取り出した武器】

白は槍を取り出し構える。
大抵の武器は使いこなせるよう訓練はしてある。
できないことはない、というのいうのは言い過ぎだろうか。

ニシヤマ「殺します。殺します」

ニシヤマはその太った身体に見合わぬ、しなやかな動きで四本の『足』を使いこちらに突進してきた。

白(早い! しかし地の利はこちらにあるのだ!)

【直下コンマ下一桁判定】
【ニシヤマの異能「身体が異常に柔らかい」】:-2
【白の武器:槍】:+1

9に近い程白の有利
1に近い程ニシヤマの有利

白(芸のない真っ直ぐな突進か……)

ニシヤマ「ぶううう!!」

第一撃。白は槍を長く持ち、軽くニシヤマの身体を誘導するように叩き後方へ去なそうとする。

白「ぬンッ…………!?」

できない。予想外の重さに槍が耐えきれず折れてしまった。
この瞬間、白はニシヤマに接近を許す。

ニシヤマ「ぶひぃやああああッ!」

【直下コンマ下一桁判定】
987:軽傷
654:重傷
321:吹き飛ばされて…

ニシヤマの体当たりは白を空中高く吹き飛ばした。

白「がッ゛!?」

ニシヤマ「やったか?」

白が落ちた場所は落ち葉の多い、樹木の下。
幸い軽傷で済んでいる。

白(運が良かった。しかし、次はないな)

服に着く葉を払い、起き上がる。
ニシヤマはもう次の突進の準備はできているようだ。

白(侮れない。折れた槍では戦えない。次の武器を……)

↓2【白が取り出した武器】

どこまで作れるのか
アサルトライフル

>>194
直接攻撃が効かないのであれば、その柔らかな身体に鉛玉を埋め込んでしまえばいい。
白が次に虚空から取り出したのは、アサルトライフル。

白「……」

ニシヤマ「無駄ですッ!」

ニシヤマは目の前に構えられた銃をも恐れず突進してくる。
引き金を引く方が早いか、体当たりが早いか――

【直下コンマ下一桁判定】
【白:軽傷】:-1
【白の武器:アサルトライフル】:+3
【ニシヤマの異能「身体が異常に柔らかい」】:-2
9に近い程白の有利
1に近い程ニシヤマの有利

白(捉えたッ!)


狙いはついた。『足』、目、脳天。
どれだけ身体が軟らかかろうと、これは避けられまい。

日頃山で狩りをする時によく銃を使う為、自信はある。
ギリギリまで引きつけてから撃つ。
ここまで近距離の状態で発射すれば外れることはないだろう。

【直下コンマ下一桁判定】
987:『脚』、目、脳天に当たった!(相手は死ぬ)
654:『脚』、目に当たった
321:『脚』に当たった

ニシヤマ「ぶきいィィーーーーッ!!」

獣の断末魔が森に響き渡る。
急所を狙った弾丸は、見事命中。
ニシヤマは潰された目で、白を探し滅茶苦茶に走り回りながら自分の死を悟った。

白「人形が3つ壊れてしまった。……売れるのは7つだけか」

白「……急ごう」

ニシヤマは巨大な木に頭を打ちつけ、二度と動くことはなかった。
白はその姿を見ることなく、再び山を駆け下り始める。
予定していた到着時間はもう過ぎているのだ。

【残機が1増えました】

里はいつものように賑わっていた。
市場が開かれており、町は活気づく。
本当であれば市場が開かれる前に準備をして起きたかったのだが、仕方がない。

布を広げ、人形を並べ簡単な立て札を置けば開店だ。
いつものようにマリオネットを踊らせると子供たちが集まって来る。

「おにいさーん!」

「人形屋のおにいさーん!」

可愛らしく作られた木製の人形は、曾祖父の代から受け継がれた特別なものだ。
その代によって少しずつアレンジが加わり、趣が変わってくる。

「おにいさーん、おいらにも人形おくれよー!」

「あたしもあたしも!」

白「ごめんよ、今日は7つしか売れないんだ」

売れ行きは良い。
子供たちがおこづかいを握りしめて買いに来てくれる姿を見ると、『おまけ』をしたくなるのはお人好しの印。
生活は楽ではないが辛くはない。
今日も完売で店仕舞いすることができた。

昼を過ぎる頃に市は終わる。
白も作ってきた弁当を食べて、一息着いたところだ。

山奥の静かなところが好きであの小屋に住み続けているが、里の少し騒がしいようなところも嫌いではない。

さて、ここからは自由な時間だ。
金は持っている。
帰るにはまだ早すぎるし、散策したい気もする。

白(何をしよう……?)

↓2【何をするorどこへ行く】

適当に子作りする。

>>205
父には『生きているうちに孫の顔を見られればいいのだが』と言われていたが、終ぞその願いは叶うことがなかった。
山奥に済んでいる故、母以外の女というものに余り縁のない人生を歩んできた白だったのだが、
そろそろ『嫁』が欲しいところであった。

適当に子作りができれば良いのだが、それも難しい。
こういうものにはきっかけが必要だが、そううまく事が運ぶものだろうか。

白(女、か……)

と、考えながら道を歩いていると……。

【直下コンマ下一桁判定】
偶数:人にぶつかってしまった!
奇数:刺客

匂い、がした。

異能を持つ者は、近くに異能を持つ者がいると気配のようなものを感じる。
『ようなもの』というのは、異能者それぞれに気配を感じ取る五感が変わってくるからだ。

白の場合は『匂い』。
匂いで相手の気配を感じる。

白(誰か来る……。刺客か?)

白(なぜ、こんな人里まで来る? 俺が居るからか? それとも……)

刺客は管理局から生きることを許された特別な異能者だ。
刺客ではない異能者を狩ることで、その権利を保持できる。
奴らも局員同じく独自の『捜査権』や『逮捕権』を持つが、それとこれとでは意味が違ってくる。

刺客の『捜査権』は『拷問権』である。
例え相手が異能を持たざる者だとしても、情報あるなしに関わらず異能を使い拷問することが許さされて(黙認されて)いるのだ。
刺客の『逮捕権』は『殺人権』である。
逮捕する際、抵抗した相手の生死は問わないのだ。

その権利を悪用した刺客が、異能を持たざる者を攻撃するという話はよく聞く。

そうだとしたら――

白(俺が……殺すッ!)

↓1【刺客】

※テンプレ
【名前】
【性別】
【年齢】
【性格】
【特徴】
【異能】

ちょっと(>>1が)かわいそうになってきたので残機のルールを変えよう。

最初の名前を決める時点でコンマ下一桁判定を行い、その出たコンマの分残機を設けましょう。

白もここで終わらせるのは惜しいので、試しに判定を取って残機を上乗せします。
【直下コンマ下一桁判定(0は10とする)】

匂いが強くなる方へ走っていくと、そこにはスキンヘッドの男が立っていた。
そちらも白の気配に気づいていたのだろう。白を見てヘラヘラと笑っている。

白(まだ何もしていない、か)

刺客が悪事を働いていないことに胸をなで下ろしつつ、静かに尋ねる。

白「……俺を殺しに来たのか?」

???「ああそうだ。察しがいいな。うちのニシヤマが帰って来ないんだ。まさかと思って探させたら死体が見つかった」

須賀「俺の名前は『須賀』。ニシヤマを殺ったのがお前だったら……」

須賀「俺はこれからお前を殺すことにする」

【今日の更新は終わり】

白「ああ、俺があのデブを殺した」

隠す必要もない。白は正直に須賀に答えた。

須賀「知らなかった訳ではないけどな。指紋も取れてるし管理局の方で照合も終わった。ま、確認ってところだ」

白「……」

須賀は一方的に話しかける。

須賀「あのニシヤマのやつを殺すたぁ大したタマだ。あいつは実際強かったんだ。ナリの割に素早くて……」

須賀「長話は退屈のようだな人形師」

白「……」

須賀「分かった、分かったよ。なら、お望み通り……」

須賀「今からぶっ殺してやらぁ!!」

↓1【白が取り出した武器】

よほど勝てる自信があるのか、須賀はゆっくりと歩いてこちらへ向かって来る。
一方白は、相手の異能が分かっていない限り接近させるわけにはいかないと考えていた。

そこで虚空から取り出したのは鎖鎌。
相手の動きを止めて、攻撃するのには申し分ない中距離武器だ。

須賀「武器生成の異能ねぇ……。どんなもんだか」

【直下コンマ下一桁判定】
【白の武器:鎖鎌】:+1

1に近い程白の有利
9に近い程須賀の有利

先に動いたのは白。
相手が油断しているところを見、素早く接近。
長い分銅の付いた鎖を投げ、相手の腕に絡めた。

須賀「くッ……」

この時、今白らがいる場所が里の民家の近くであることを思い出した。
人が集まる前にこの戦い、終わらせるしかない。

主導権は握った。
一定の距離を保ったまま、数秒。
後、白が飛びかかる。
切り裂いたのは――

【直下コンマ下一桁判定】
987:首(サヨナラ!)
654:背中
321:腕

そういやこれ物理的に死ぬ場合の残機の仕様どうするんだ?残機はあくまで爆弾の効力を送らせるのか命が幾つもあるのか。

切り裂いたのは首筋。
地面に滴り落ちる雫。
須賀の管理局の制服を赤黒く染めていく。

須賀「う゛、ああ゛……」

白「油断したな、刺客。無駄口を叩きすぎだ」

白は異能を使わせる暇を与えない。
須賀は身体が痙攣を起こし、その場に膝をついた。
【残機が1増えました】

白「さて――」

大変なのはこれからだ。
道のど真ん中で首を裂かれ死んでいる管理局局員。
人が来るのも時間の問題。
ここから一刻も早く立ち去りたいのだが、『局員が死んでいる方から白が逃げるのを見た』なんてことになれば色々とマズい。

須賀「」

この死体、どうするか。

↓2【隠す(どこに隠すかも表記)or隠さない】

>>222
登場する人物に残機は見えてません。後このキャラが、どれくらい活躍できるか分かるようにする為にあります。

「これくらい残機あるからまだ平気」とか「残機少ないから殺しとこうや」とか考えながら読んでください。

戦闘中に死んだ場合は、残機を1減らして【重傷】くらいで復帰させようかな。部位欠損もいい。

白(川にでも流せれば……そうだ)

虚空からリモコン式の爆弾を取り出した白は、須賀の死体の上にそれを設置した。

白(刃物などでバラバラにしている時間はない。爆音で気づいて里の人が来る前に……)

少し離れた場所に隠れリモコンのボタンを押すと、辺りに血と臓物の雨が降った。
やはり、人間の身体を短時間の内にバラバラにするのも簡単ではない。

白は少し間を置いて飛び出すと、人形を入れてきた布に須賀の一部を隠し川まで走った。

白(まったく異能者というものは……)
【警戒レベルが2になりました】

川に流すことは流せたが、これは隠したうちには入らない。
あの残骸を見つけた人は、さぞ驚くことだろう。
あれだけバラバラになったのであれば、管理局の人間以外は誰がやったのかも分からないはずだ。

白(今日は2人も殺してしまった。この人殺しに嫁などできるわけもない。小屋へ帰ろう……)

目撃者の存在に怯えながら、白は山奥へと戻っていった。

数日が経った。
白はその間家にずっとこもって人形を作っていたのだ。

白(一体、何週間経っただろう)

白(心が乱れているのか? 人形がまだ4つしか仕上がっていない)

白(今日の作業は止めよう。気晴らしに……)

↓2【どこへ行くor何をする?】

ちょうど腹の虫が鳴った。
それもそのはず、白はここ数日何も口にしていなかった。
いつもなら家の裏にある釜で簡単な飯を作っているのだが、今日はその気力も湧かない。

白(里に降りて……飯でも食いに行くか)

善は急げ。
金を持ち、里へ降りる準備を始める。

【直下コンマ下一桁判定】
【警戒レベル2】-2
987:何事もなく里に着いた
654:警察
321:刺客

山を降りていく途中、森に妙な違和感を感じた。
今日の森は何かがおかしい。しかしなぜ――

白(匂いか!?)

匂いが違う。
森には数日前にはなかった異能を持つ者の匂いが漂っていた。
1人ではない。2人、いやそれ以上か。

白(奴らわざと……)

白の異能を持つ者としての血が人を殺せと騒ぎ出す。
こんな時、白は理性を失わないように子供達の顔を必死に思い浮かべるようにしている。
それを乱すように匂いが近づいて来た。

白(臭い、臭いぞ。匂いの中から……一際強い匂いが来る)

森に落ちた枝を踏み折る音、ガサガサと草を分ける音。
今の白にとって、その何もかもが不快、何もかもが許せない。精神は殺意に蝕まれようとしていた。

↓1【刺客】

※テンプレは>>208参照

次世代の子供が複数生まれたら引継ぎはどうなるんだろう
一人が死んでも家族が残ってたら家系を残して継続プレイ可能?

>>238
何人か(1~3人)産まれて、そこから死んでもらいます。

三つ目の男が嬉しそうに笑いながらこちらを見ていた。

???「く、くく、ひひ」

白(奇形か? こんなのは初めて見る……)

男の額には目がもう1つあった。
他の目と同じくギョロギョロと動き回り、気味の悪い印象を与える。
白は最初この目を血が澱んだ家系の奇形によるものと見ていたが、どうやらこれは異能による副産物のようなものだと結論づけた。

白(その目は何を見てる?)

オダ「名乗りたい気分だから名乗ろう。オダだ。覚えていても覚えなくても良い」

白「『オダダ』? 変わった名前だな。覚える気はない」

オダ「早速死合おうよ、中国の異能者さん。手加減は無しだぜ?」

これ以上答える必要もない。
白は虚空を掴み、空間に歪みを作り上げる。
その歪みはポケットのようになっていて、白の念じた武器がどこからか現れるようになっているのだ。
↓1【白の武器】

散弾銃

>>242
猟をする時に使う散弾銃を取り出した。
拡散する弾丸は命中率が高く、当たれば致命傷でなくとも確実に相手の身体を破壊する。

白(何を見ているかは分からないが、その目潰してやろう)

オダの額の目は絶えず動き続けている。
普通の目とは独立した動きに、別の生き物が彼の額に寄生しているようにも思わせる。

オダ「殺せよ。ほらぁ、殺してみろよ……」

挑発のつもりか中指を立ててみせているが、そんなものに乗る程、白は子供ではない。

しかし、刺客であるオダから逃げたところで通報を許してしまうだけ。
追いかけられたまま、里に下りた時に奴が里の人に危害を与える可能性もある。
ここで倒さねばならない相手なのだ。

【直下コンマ下一桁判定】
【白の武器:散弾銃】:+4
【オダの異能「相手の行動を予見」】:-3

9が近い程、白の有利
1が近い程、オダの有利

【今日の更新はここまで】

オダは丸腰でこちらへ向かって来る。
接近戦でしかけるつもりか。
白が銃を持っているのは見えているし、危険なことも分かってもいるはずだ。

白(よほどの死にたがりのようだな)

ニシヤマという刺客程ではないが、すばしっこい。
ならば銃口を向けて引き金を引くだけだ。

白(硬化能力などでない限り……)

白(――いない?)

突如、オダが目の前から消えた。
確かに引き金を引く前には白の前にいたはずなのだが。

白(何処だ……)

ほんの数秒、混乱状態に陥ったその隙をオダは突く。
背後、首へ向けての手刀。
殺気に気付いた白はすかさず散弾銃を盾に。

白「貴様何が見えてる」

オダ「全部だよ、ぜぇんぶ」

白「気配の消し過ぎだ。襲いかかる瞬間の殺気は子供でも気づく」

オダ「ご忠告ありがと。大きなお世話」

軽い会話を交わし距離を取る。

白(何の異能だ……。奴は何の力を使っている?)

再び銃口をオダに向けようとしたその時。

白(まただ。……『気配遮断』の異能か。いや、それが三つ目に関係しているとは思えない)

気配を感じた場所に銃口を向けても奴は見つからない。煙のように消えてしまう。
視線を茂みに、木に、空に移す度に自分が迷宮にでも迷い込んだような錯覚を起こさせる。

白(落ち着け……。ギリギリまで引き寄せれば奴の気配が大きく出る瞬間に)

白(待て。俺が見た瞬間にその居場所を変えている? ……単に俺に見られているのを気づいただけか?)

白(違う)

白(奴の気配が消える瞬間。それは俺が銃口を向けた瞬間、それも違う)

白(俺が銃口を『向けた瞬間』ではなく『向けようとした瞬間』)

白(確かに奴は『全部』見えていたようだ)

オダの異能は『相手の行動を予見する』もの。
心眼を用いた超状的な未来視のようにも思えるが、それとはまた違う。
額にある第三の目。
それはただ視界の範囲を広げる為だけにあるわけではない。
相手の挙動、脈拍、筋肉、表情を観ることで次の行動のパターンを予想しているのだ。

対抗する術は1つ。

白(『無心』あるのみ。焦り暴れることで動きを読ませない為には、自分が全く動かなければいい)

白(さぁ……来い)

【白の有利:直下コンマ下一桁判定】
9:目潰しッ(遺体)
876:重賞(痛い)
54321:軽傷(痛い)

とう

【軽傷(痛い)】

神経をすり減らして得た『静』の感覚。
白の額を伝う汗が首筋まで達する。

白(来るッ!)

オダは落ち葉積もる地面から飛び出し、再び手刀を振りかざした。
間合いは思ったよりも狭い、銃を撃とうとした瞬間手を払われた際暴発の可能性もある。撃てない。

オダ「首の骨へし折ってやるよォ!」

……バチンと固いもの同士がかち合った音。
うずくまるのはオダだった。

オダ「い、いでェ……」

白「銃は撃つだけのものではない。鈍器として人間の脆い腕を弾く位簡単なことだ。骨に何を入れているか知らないが、散弾銃はすっかり曲がってしまったがな」

↓2【白の次の武器】

二度同じ手も通用しなさそうだし、スタングレネードかな

>>256
武器の範囲は白の両手に収まる程度の物まで。
大き過ぎるものは狭い山の中での戦闘に向かないのだ。

新しく取り出した武器は『スタングレネード(閃光手榴弾)』。
目を一定時間だけでも潰せるなら、これが一番友好的な手段だ。
これの使用に成功すればオダの異能は無効化できたも当然だろう。
気づかれる前にピンを抜き相手足下に投げ込む。

オダ「なッ」

白(よし。これで……)

白(しかし、問題は)

白(俺の視界をどうやって確保するか……だな)
【直下コンマ下一桁判定】
987:オダは目を潰される。白は何とか……
654:共倒れ
321:オダに避けられてしまった

咄嗟に目をつぶるが、目蓋の下からも閃光はやってくる。
目の前は白い光に包まれた後、白の目に何も映さなくなった。
耳鳴りは平行感覚を狂わせ、立つこともままならない。

しかし、それはおそらくオダも同じこと。
異能が使えない相手であれば、現在優位なのは武器を生成できる白の方だ。

闇雲に銃器を撃てば……。あるいは……
↓2【白の武器】

>>261

>>262
手の感覚だけで虚空からアサルトライフルを引き抜いた。
どこに相手がいるのかも分からない。
ただ引き金を引き続けるだけ。乱射だ。

こればかりは運に任せるしかない。
【直下コンマ下一桁判定】
【白:アサルトライフル】+2
987:とても痛いし死ぬ
654:重傷
321:当たらない

全ての感覚器官が正常戻るのに何分かかっただろう。
やっとのことで立ち上がり辺りを見回すと、木の影で胸や足を撃たれ事切れたオダを見つけた。
撃たれながらも、何も見えない世界の中で逃げ場を探したことが分かる。

白(悪くない戦いだった)

また人を殺してしまったというのに、白の心は一仕事を終えたような満足感に満たされていた。
戦う度に外れていく螺旋を締め直すことはもうできない。

白(昼時からは少し外れてしまったが、飯屋は開いているだろうか……?)

元々の目的を思い出し、山下りを再開する。
白が異能に目覚めてからというもの、日々山は血の匂いが濃くなり雨でさえそれを洗い流すことはできない。

飯屋は昼時を過ぎていたが開いていた。
客は白1人だけ。
椅子にこしかけ、壁にかかる今日の献立表を見ていると……
【直下コンマ下一桁判定】
987:看板娘が出てきたよ! やったねたえちゃん!
654:里の長が隣に座った
321:刺客が店に入って来た

【99(ゾロ目):看板娘が出てきたよ! やったねた(ry】

↓1【看板娘】
※テンプレ
【名前】
【年齢】
【性格】
【特徴】

【名前】紅 麗(ホン・レイ)
【年齢】21
【性格】強気
【特徴】背が高めで巨乳。店長も兼ねており飯は美味。

>>273
???「あら。お客さん?」

厨房の奥から声が聞こえてきた。
視線をそちらに移すと、厨房と客席を隔てる暖簾の間から、顔を覗かせる女性がいた。

???「市場にたまに来る人形屋さんよね? いらっしゃい!」

初めて来た店だが顔は知られていたようだ。
女性は白の席までやってきて自己紹介をする。

紅 麗(以後、麗)「わたし、『紅 麗(ホン・レイ)』。この店の店長兼……看板娘」

あれだけ自信ありげに話していた彼女だが、『看板娘』と言う時だけ、恥ずかしげに目をそらした。この『看板娘』というフレーズには違和感があるらしい。

麗「ご注文は何にします?」

白「そうだな……」

↓1【注文内容とコンマ下二桁判定(好感度)】

【50以上でお話できるかも】

【70以上で麗は白を意識し始めます】

とりあえず麻婆豆腐

【麗との好感度:35(客と店員の関係)】

>>275
白「麻婆豆腐」

麗「はい! ちょっと待っててね!」

麗は厨房に戻り、調理の支度を始めた。
暫くすると油のはねる音と共に豆板醤と胡麻油の香りが店の中に漂い始めた。
鍋の中でお玉が回される音が心地良い。

麗「麻婆豆腐ね、お待たせしましたっ」

白「……ありがとう」

ラー油の赤い色、ネギとにんにくの香ばしい匂いが食欲をそそる。
程よくとろみのついた麻婆豆腐がテーブルに置かれた。
久しぶりの飯には少し刺激が強過ぎるかもしれないが、腹がすいているうちに食べたいものを食べるのが精神的に良いのかもしれない。

白「……いただきます」

口の中で、熱くやわらかな豆腐が細かく刻まれた牛肉と溶け合う。

白(美味い)

無駄なことは考えず、黙って味を楽しんだ。

麗「どう? おいしかった?」

白「あぁ、また来る」

麗「ふふ、ありがと」+5

会計を済まし、飯屋を出る。
白は久々に美味いものを食べられて表情には出さないものの気分がいい。

白(偶然に入った店だったが中々味が良かった。通っても良いかもしれない)

白(……これを充実した1日、というのだろうな)

飯を食べる為に里を訪れるのも悪くない、そう思えた1日だった。
帰りの足も軽い。
【麗の好感度 40(客と店員の関係)】

【【どうする?orどこへ行く?】で『麗の飯屋』などと書けば、行くことができます】

【今日の更新は終わり】

さらに数日後。
週に一度の市が開かれる日が再びやってきた。

白「今日まで14体できた。うん、上出来だ」

白は満足気に呟いた。
14体というのは一週間で作った量としては今までで最も多い数だ。そして、出来も良い。

白(親父も喜ぶだろう……)

亡き父にもこの人形を見せてやりたかった。
稼いだ金で親孝行を、などという発想が生まれる頃には親はいない。
山で1人暮らす白は孤独であった。

白(たまには自分以外の人間の顔を見たい。早く里へ行こう)

荷物を背負い、山を駆け下り始めた。
空はまだ暗い。

【直下コンマ下一桁判定】
987:無事たどり着いた
654:山の中に変な男がいる
321:刺客

山の麓、里へ出る砂利道の辺り。
白は変な様子の男を見つけた。
地面を這い蹲り、草をかき分けて唸っている。
こんな時間にこんな行動。怪しすぎることこの上ない。

???「う~ん、う~ん」

服から見て、管理局の人間ではないことは明らかだ。
黒髪に黒いスーツに青ネクタイ、眼鏡。何かぶつぶつと独り言を言っているが何を言っているかは聞き取れなかった。
恐らくこの国の人間ではない。

白(殺すのは気が引ける。管理局員ならともかく、何者かも分からない)

白(観光客だったなら、なお……!)

↓2【どうする?】

[ピーーー]隙があるか観察

>>284
しかし、油断は禁物。
一般人とはいえ異能を持つ者はいる。
迂闊に近寄って不意打ちを食らうこともなくはない。

武器を取り出す準備だけし、背後に回り込む。

???「あれ~?」

白(何かしてきたらすぐ殺せるように隙をうかが……)

???「う~ん、う~ん」

白(……)

???「ないなぁー」

白(……)





白(隙だらけだ、こいつ)

隙が多すぎる。
目前、背後、脇、全てに『気を使ってない』。
逆に勘ぐってしまう程だ。

???「えぇ~、どこだ~?」

白(どこの国の人間だ? よっぽど平和ボケした人種だということは分かるが……)

男は依然地面を這い蹲り、何かをしている。


↓2【どうする】

声をかける
困り事なら手伝う

>>288
白「何か探しているのか?」

???「ひぇえッ!」

白は見かねて声をかけた。
男は突然声をかけられ驚き、ビクリと身体を跳ねる。
恐る恐る振り返る男は異能を持つ者にも見えない。

白「中国語、話せるか?」

???「は、はい。一応」

白「何か探しているのか?」

白「困り事なら手伝うが」

???「はいッ! ちょっと携帯電話を落としちゃって」

白「携帯電話……?」

???「はい、携帯電話です」

携帯電話という物を白はよく知らない。それを使うような生活を送っていないのだ。
管理局の人間がよく持つ端末を指すらしいのだが、ピンとこない。
里に行くとたまに商人も使っているような気もするが、そもそも一機一機形が違うので覚えられない。
だが、自分で『手伝う』と言った手前無視することはできない。

白「あ、ああ。探してみよう」

1時間後。男の持っていた鞄の中から携帯電話が見つかった。

???「すいません! すいません!」

白「……」

???「何でも、何でも致しますので! 許してください!」

白「いや、どうしようとも思わないが」

↓1【どうするor里へ急ぐ】

食事をおごってもらおう。ついでに雑談して情報を得る

>>293
相手の願いを無碍にする訳にもいかない。
しかし、厚かましいことを言いたくはない。

白「飯をおごって貰おうか。だが飯時はまだ早い。仕事が終わるまで付き合ってもらうぞ」

カトウ「ありがとうございます! 私、日本から来ましたカトウと申します!」

白「俺は人形師の白だ」

カトウ「白……さん。よろしくお願いします!」

――

市は今日も賑わっていた。
カトウと出会った場所は山の麓だった為、前回より早く到着し市が開く前に開店できた。
並べられた人形をカトウは興味深そうに眺めている。

カトウ「白さん白さん、この人形って全部白さんが……」

白「ああそうだ。俺が作った」

カトウ「すごいなぁ、よくできてる。白さん、私も娘に買っていきたいのですが……よろしいでしょうか?」

白「いいだろう。今日は多くできたから代はいらん」

カトウ「そんなそんな!」

白(代はいらないと言っているのに、手に金を握らせてきた)

白(どうしたいんだこいつは)

人形は今日も完売。
売る量も多かったので、買い手もそれなりにいたが、カトウの手伝いもあり何とか店を回しきることができた。

白「悪いな。店仕舞いまで手伝わせて」

カトウ「そう言わないでください白さん。当たり前のことですよ」

白「日本人、は皆こうなのか?(刺客以外)」

カトウ「いやぁ、ははは……」

困ったように笑うカトウは何も答えなかった。

白「……」

カトウ「すいません、昼飯なんですけど……」

白「持ち合わせがないのか?」

カトウ「いえ、私ここへ来たばかりで土地勘というものがなくてですね。どこに店があるか教えていただけませんか?」

白「ああ、そうだったな。すまない」

白「飯屋か。……いいところがある」

↓2【白が知ってる飯屋】

1、麗の料理店
2、違うところ(どんな店かも表記)

白「教えてやる。付いてこい」

白はカトウを連れて、以前訪れた『紅 麗』の料理店へ行った。
昼時ということもあって人は多い。

麗「あら、人形屋のお兄さんいらっしゃい!」+5

【麗の現在の友好値 45(客と店員)】

【50を過ぎると彼女と会話できるようになります】

彼女は1人で店を切り盛りしているのだろうか。とても忙しそうだ。
注文を承った後、厨房に引っ込み、料理を運び、注文を承り……を繰り返している。

偶然、席が空いていたので、2人はそこに座り麗を呼んだ。

麗「今日はお友達も連れてきてくれたのね。ご注文は? お酒もだすわよ?」

↓2【注文内容】

オススメを聞く

>>305
白「おすすめは?」

麗「んー、そうね。今日は漁場からいい魚が来たから『酸菜魚』なんかがオススメよ」

白「じゃあ、それで。カトウ、お前は?」

カトウ「じゃあ私もそれでお願いします」

麗「はいよ! ちょっと待っててね」

麗はいそいそと厨房の中へ入って行った。

カトウ「うわ~、いい匂いがしますねー!」

カトウは落ち着きなく店内を見回している。

白(……この日本人、刺客でもないくせに何故こんな田舎に来たんだ?)

白(そのスーツ姿、……身形もいい。良い仕事に就いている証か?)

白(興味本位だが、何か情報があるなら知りたいところだ。気づかれないように、な)

↓1【カトウから聞き出したいこと】

どうしてあんな何もないような場所にやって来たのか

>>307
さり気なく聞き出すということは容易ではない。
白はあくまでどこに所属している訳ではない普通の人間だ。
込み入ったことは聞き出すことは難しい。

白(……酒でも飲ませておくべきだったか?)

白「なぁ、カトウ。お前、どうしてこんな何も無いような場所にやって来たんだ?」

カトウ「いやぁ、なんというか……」

【直下コンマ下一桁判定】
偶数:話してくれた
奇数:誤魔化された
【誤魔化された場合これ以上何も聞き出せません】

>>310
カトウ「えーと、そう、ですねぇ……」

カトウは周りを少し確認した後、白に手招きをした。
本当は隠していたいことなのだろう。

白「なんだ?」

カトウ「私、実は」

カトウは鞄からゴソゴソと何かを取り出し、2つ折の名札のような物を見せた。

白「警、察?」

カトウ「ええ。私、日本の警察の人間なんです」

白「それが何故中国に」

カトウ「いや、その、管理局の命令で出張することになったんです。一応公務ということで観光も兼ねて、なーんて……ははは」

白(ここまでは言わないか。まだ聞き出せそうだが……)

↓1【カトウから聞き出したいこと】

↓2【コンマ下一桁判定】
偶数:教えてくれる
奇数:誤魔化された
【誤魔化された場合これ以上何も聞き出せません】

公務としてどのようなことをするのか

>>313
白「公務というのはどんなことをするんだ?」

カトウ「それはですね。その……『ヤマさん、星が見つかった』とか『なんじゃこりゃあ……なんじゃあこりゃあ!』みたいに捜査するんですよ!」

白「そのネタはよく分からない」

カトウ「いや、はは」

誤魔化されてしまった。
何かを探られていることは、カトウにバレてしまったようだ。
警戒心を出した人間に、これ以上何も聞くことはできない。
2人の間に気まずい空気が流れる。

白「……」

カトウ「……」

白「すまん。変なことを聞いた。もう聞かない」

カトウ「いえ、気にしないでください」

麗「おまちどおさま。『酸菜魚』ね!」

酸菜の爽やかな香りとニンニクや山椒などの香辛料が効いた香りが合わさり、カトウは喉を鳴させる。

白「こういうのは初めてか?」

カトウ「はい。上司に中華料理屋に連れて行ってもらったことはありますが、こういうのは初めてです」

スープの中に浮かぶのは旨味を含んだソウギョの切り身。
小さな鍋を前に、2人の膨張した食欲はもう抑えることができない。

麗「たーんと召し上がれっ!」

カトウ「では……」

白 カトウ「「いただきます」」

カトウ「今日は何から何までありがとうございました!」

白「礼を言うのはこちらだ。至れり尽くせりで申し訳なかった。今度は奢らせてくれ」

カトウ「えぇ! いや、そんなそんな」

白「まだここにいるんだろう?」

カトウ「はい、当分の間はここにいることになります。私は里の東にある旅館にいるので、お暇な時は是非話し相手になってください!」

白「分かった。じゃあ、また」

2人は飯屋の前で別れ、それぞれの場所へ帰った。

この白に弟はいたりしないのかな

>>321
いません

ある夜。
森は特に静かになり、星の音さえ聞こえそうな程。
森の動物達も眠りに着くその時。

白「なんだ……?」

小屋の戸を叩く大きな音が、白の目を覚ました。

白「誰だ?」

声はない。
武器の生成の用意をして、鍵を外し戸を開くと……。
【直下コンマ下一桁判定】
987:麗「……」
654:白「お前……」
321:カトウ「こ、こんばんは」

白「お前は……」

戸の前で震えていたのは子供だった。
服の感じからして、『兵士』。背後を気にする様子から推理するに、戦場から逃げ出して来たのだろう。

世界各地で戦争は勃発している。中国も例外ではない。
白の住む山の裏を数十キロ程行くと、国境がある。そこが『戦場』だ。
数年前、国境が破られてからは『銃を持たない兵士』達の戦闘が毎日行われている。

『兵士』は、異能を持つ者で構成されており、傭兵を除くその多くが子供だ。
管理局から買い取り戦わせているという噂もあるが、定かではない。
ここはとにかく――

↓1【逃げてきたであろう子供兵士】

※テンプレ
【名前】
【性別】
【年齢(6~19まで)】
【性格】
【特徴】
【異能】

↓3【どうする?】

白「兵士か?」

???「うん……。あなたの光を、たどって、来たの。あなたも、異能ある、でしょ?」

何かに怯え、震える少女。
たどたどしい喋りに不安を覚える。

白「とにかく家に入れ。匿う。今、温かくするから待っていろ」

???「……」

小さな小屋に明かりが灯った。
白は一度家を出、人影がないか確認すると戸に鍵をかける。

白「……名前は?」

黄「『黄(コウ)』。誰も、いない?」

白「誰も追ってこない。安心しろ。今は匿ってやるから」

黄「ありが……と」

【直下コンマ下二桁判定】
【臆病】-15
【初対面】-10
【助けてもらった】+20

【50以上で懐く】

>>333
【黄の友好値 26(感謝はしている。けど……)】

白「これからどうするつもりだ?」

黄「心配しない、で。あなたに迷惑かけないように、する。朝には出て行く、から」

白「いいのか?」

黄「いい」

白は、彼女の正気を疑った。
何も食べていないであろう痩せた身体に細い腕。服は所々壊れていて、焼け焦げた跡や、血の痕が模様のように付いていた。
こんな小さな子供に1人で何ができるのだろう。
異能があるとしても、所詮捨て駒として用意された人間。
この辺りは刺客も多い。
戦場程ではないが、異能を持つ者にとってここで生き抜くのは難しい。

白(大丈夫なのか? この娘は……)

↓1【何か言ってやるorしてやる】

とりあえずご飯でも食べさせてあげよう

>>335
白「飯は食うか?」

黄「い、いいの?」

白「ああ」

とは、言ったものの家にある食材は少ない。
時刻は午前2時を過ぎた頃。
里まで行くのも危険だとは思うが……

↓1【どうする?】
1、白「食材は少ないが俺が作ろう」
2、白「里に美味い飯屋がある(深夜だから開いているかは分からないが)」
3、その他

白「里に美味い飯屋がある。そこで食おう」

黄「いいの? いいの?」

白「気にするな。少し危険かもしれないが、そこは俺に任せろ」

黄「……」+10

白「この服じゃ周りに通報されかねん。俺の服ならあるから我慢して着るんだ」

黄「や、やっ……脱がさないで」

【黄の友好値 36(感謝はしている。けど……)】

【直下コンマ下一桁判定】
987:無事に着いた(黄と会話できる)
654:カトウ「あれ?」
321:刺客

黄「くる」

黄は異能者を視覚的に感知できるようだ。
白の後ろに隠れ、暗闇を指差す。

白「見えるのか?」

黄「うん、くる、よ」

白「俺の後ろから離れるな。すぐ終わらせる」

↓1【刺客】
※テンプレは>>208参照


【名前】オダ
【性別】男
【年齢】 34
【性格】しぶとい
【特徴】前のオダの弟
【異能】異常な聴力

>>341
???「よぉ」

現れたのは既視感のある顔だった。
しかし、微妙に見た目が違う。

白「お前、三つ目の……」

???「それ、兄貴の方。負けた雑魚の方ね」

オダ(弟)「俺、弟の方」

白が嘗て倒した刺客『オダ』の弟を名乗る男。
彼はナイフを回しこちらへ見せつけてくる。

オダ(弟)「警戒レベル2の異能者『白』。噂になってるぜ?」

オダ(弟)「これ以上レベルを上げるようになれば、お前の周りの人間にだって被害が及ぶのは分かっているよなぁ?」

オダ(弟)「今、後ろにいるガキをこっちに寄越してくれたら、上の方に警戒レベル下げてやるよう頼んでやってもいいけどよ?」

黄「……」

黄は白の服の裾を握り締めている。

白「俺は……」

↓2【どうする?】

信用ならぬ相手。これならカトウに預けた方がまだマシというもの。
麻酔銃で無力化しよう

>>345
白「信用ならんな」

白は麻酔銃を生成し牽制する。
それを見てオダはやれやれと首を振った。

オダ(弟)「お前、分かってないな。俺はお前の為を思って言ってるんだぜ?」

白「管理局の人間が俺を助ける義理などないはずだ」

オダ(弟)「俺達異能を持つ仲間だろ? その仲間がただの人間の部隊に殺されるなんて癪だと思わないか? 忠告しに来たんだよ」

白「俺は異能を持つ者を仲間だと思ったことはない」

暫く間を置いて白は溜め息をついた。

白「分かった。じゃあ……」

オダ(弟)「娘をよこしくれるだn――」

黄「……どうした、の?」+5

白「少しここで寝てもらっただけだ」

【黄の友好値 41(感謝はしている。けれど……)】

夜中だというのに、麗の料理店は賑わっていた。夜は居酒屋として営業しているらしい。


麗「あら、人形屋さんのお兄さんじゃない! こんな夜中に来るなんて珍しいわね?」+5

【麗の友好値 50(最近よく来るようになった常連さん。どんな人なのかしら?)】

白「ああ。まぁ、な」

麗「隣のお嬢さんは人形屋さんの妹さん? こんばんは」

黄「こ、こんばん、わ」

白(関係を聞かれると困ってしまうが、一体なんと答えるのが無難だろう?)

↓1

まあ、そんなところだ

>>350
白「まあ、そんなところだ」

黄「です」

白の誤魔化しに黄も合わせてくれている。
麗は「そうなの」とだけ答え、これ以上詮索してくることはなかった。

黄「あの、あの」

白「何でも好きなのを頼め。金は気にしなくていい」

黄「う、あの、すいませ、ん」

麗「はーい! 注文は決まったかしら? お兄さんの方はお酒もあるわよ?」

↓1【2人の注文内容】

白 茶漬けとかの軽食
黄 八宝菜

>>353
黄「わ、わたし、は八宝菜で……」

黄「いい?」

白「俺に聞くな。お前が決めろ」

黄「あ、あぅ……」

麗「女の子をあんまり困らせないの! 八宝菜ね! お兄さんは?」

白「そうだな……。あの『茶漬け』というのは何だ?」

麗「父さんが教えてくれた日本の料理よ。お茶をご飯にかけて食べるの。粥みたいな感じね」

白「じゃあそれで」

店内は昼時とは打って変わって酒と煙草の煙の臭いが、雑音と共に流れてくる。

黄「う……」

白「大丈夫か?」

黄「だいじょー、ぶ。ちょっとふわふわしてる、だけ」

子供には刺激の強いアルコールの臭気にやられ、目を虚ろにする黄。
落ち着かせる為に飲み物を追加注文した。

【今日の更新は終わり】

麗「はい、八宝菜ね!」

とろみのついた醤油ベースのスープの中に、ぷりっとした肉感のある海老、切り込みを入れた烏賊。香りを立てる椎茸。軽く炒めた後、柔らかく煮込まれた筍、人参、ピーマン。そして、うずらの卵が浮かんでいる。

観るだけで満腹感を味わえそうな八宝菜だ。

黄「ふわ……」+10

白「何をしてる。冷める前に食うといい」

黄「本当に、い、いいの?」

黄は唇から溢れそうになる涎を袖で拭い、白に再び尋ねた。
多少、白に気を使っているのだ。

白「だから聞かなくてもいいと言っているだろう。お前の食い物だ」

黄「う、う、」

麗「大丈夫よ、逃げたりしないから。召し上がれ」

黄「うん……。うん……! いただきます!」

麗「お兄さんは『お茶漬け』ね。はい、どーぞ」

丼の中に半分程入った白飯。
その頂上に乗せられているのは乾燥させた貝柱。軽く振りかけられた海苔もある。

白「これが『お茶漬け』か?」

麗「まだ仕上げが残ってるの。見てて……これが『お茶漬け』よ!」

麗が白に見せたのは、陶器の急須。
彼女は急須を傾け、丼に熱い緑茶を回しかけた。
これが『仕上げ』だ。

白「ほぉ……」

この国に住む白にとっては、そのような習慣が無いため、茶を飯に浸すというこの『お茶漬け』という行為を不審に思っていた。

麗「どう? 思っていたより――」

白「……ああ。うまそうだ」

蒸らされた白飯が、店の電灯を反射して輝いた。
丼に何もかけられていなかった状態の時よりも、ふっくらと瑞々しくなっている。

今、米を浸している茶は例えるならスープ。
ふわりと立つ湯気は、出来立ての証。

麗「お兄さんも冷める前に食べてちょうだいね」

そう麗が言い終わる前に白は我慢できず、初めての『お茶漬け』をかきこんでいた。

貝柱の出汁がふやけた海苔と共に良い風味を出している。
さらさらと喉に流し込む感触も嫌いではない。

白(軽食には丁度良い。夜中だというのに、かなり食べてしまったな)

白(食べている時だけは、自分が人殺しであることを忘れられる……。のん気なものだな)

↓1【麗に話しかけることができそうだ(台詞or話題)】

臆病な子供の心を開かせる方法はないか

時計の針は3時を指している。
先ほどまでいた客らも、各々の家に帰ったのかもういなくなっていた。

麗「大丈夫なの? この子」

白「何がだ?」

黄は八宝菜を綺麗に食べた後、テーブルに突っ伏し眠っていた。
よほど疲れていたのだろう。

麗「痩せ過ぎているわ。やつれているようにも見える」

白「ああ……」

麗「もうちょっと嘘をつくならマシなことを言いなさいな」

白「……」

>>363
麗「通報はしないから、安心して。もう私からは何も言わないし、忘れる。詮索し過ぎたわね。ごめんなさい」

白「……いい。こちらこそ悪かったな。こっちも色々訳ありなんだ」

麗「そうみたいね。貴方、これからこの娘、どうするつもり?」

白「……」

↓1【身よりのない(はずの)黄をこれからどうしたい?】

【黄の友好値 51(本当に甘えても、いいのかな?)】

本人の希望に合わせたい

>>367
白「本人のしたいようにさせるだけだ」

麗「……そう」

白「こいつは臆病だ。人を殺……虫さえ殺せないような、な。そちらが心を開いて話してくれるようになればの話だが」

麗「虫さえって、人間誰だって最初はそんなもんよ?」

白「最初、か」

麗「ええ。あの娘に心を開いて欲しいのなら、愛してあげることね」

白「愛す?」

麗は人差し指を立てて、生徒に教える様に話した。

麗「そ。本当の『妹』のように、ね?」

白は寝息をたてる黄を背負い、少し明るくなってきた山中を歩いて帰る。
刺客も無く無事小屋までたどり着いた。

黄を起こさないようにベッドの上に寝かせ、白は床の上に転がる。

頭の中で繰り返されるのは麗の言葉。

白(『愛する』。俺が見ず知らずの子供を? 実の妹のように?)

思考を整理する為に目を瞑ったが、いつの間にか意識は闇の中に落ちていった。

白「……ん、寝てたのkおォッ!?」

白が目を開くと、黄の顔が。心配そうにのぞき込んでいる。

黄「ご、ごめんなさい」

白「死んだと思ったのか?」

黄「う、うん。ちょっと」

↓1【黄と話すor何かする】

独り身で死ぬ予定はない

>>372
白「独り身で死ぬ予定はない」

黄「奥さん、いない、の?」

白「見ての通りだ。親父が死んでからこの小屋に1人住んでいる」

黄「ふーん……」

黄は何か考えるような素振りを見せ、黙ってしまった。

白「何を考えている?」

黄「わたし、と、おんなじだな、って」

黄「思っただけ」+5

【黄の友好値 56(わたしとおんなじ)】

それから数日。
黄はそのまま白の家を出て行くようなことはなかった。これを成り行きと言うのだろうか。
白も住めと言った訳ではないし、黄の方もここに居たいと言った訳でもない。
相変わらず会話は少なく、麗の言う『実の妹のように愛す』も実行できていない。

偶に、黄は白の人形を作る様子を興味深げに眺める。その程度の『家族ごっこ』だった。

そして、今日は市の日。
白が朝早く出かける準備をしていると、黄も起きてきた。

白「寝ていろと言っただろ。小屋に隠れていれば、刺客も管理局もそうそうここまでは来ない」

黄「や」

白「……」

黄「1人、や」

瞳を潤ませだだっ子のように首を振る黄を白は置いていけなかった。

白「……好きにしろ」

【直下コンマ下一桁】
987:何事もなく里に到着
654:カトウ「あ……」
321:刺客

せい

>>376
里は何時にも増して人が多かった。
豊穣を願う伝統的な里の祭りが近づいている。

白「怖いか?」

黄「うん……」

楽しげに市を回る「普通の」人に怯える黄は、白の後ろに隠れるばかり。
白もそれに対して、どうしていいか分からず無視するような形になってしまった。

「人形屋のおにいさーん!」

「新しい人形おくれよー!」

人形を買いに来る子どもたちは、黄と同じくらいの年だろう。

白(本当であればあの子ども達の中に、こいつもいておかしくはないんだがな……)

昼前の鐘が鳴り、店を畳む時間が来た。
黄が来てから、最低限しか彼女と話すことはしない白だったが、罪悪感がないというわけではない。

家族が皆死んだという孤独、自分が異能を持つ者であるという孤独。
それに白は慣れている、と思い込んでいる。
他人と一定の距離を自分の知らないうちに取ってしまう為、接し方を忘れてしまったのだ。

白(俺の後ろでまだ震えているのだろうか)

白(1人で、誰にも構われず……)

白(あいつが何を考えているか分からない)

白(……愛せない)

白(とりあえず飯を食いに行くか)

白「おい――」

振り返ると、そこには誰もいなかった。

↓1【探すor探さない】

白の目には、黄はちょっと目を離した隙に、なんてことをする性格の子供には見えなかった。
市場のどこにも姿は見当たらない。
呼んでみても返事はない。

白「おい!! おい!! どこだ!?」

大きな声に驚き振り向く民衆を気にしている場合ではない。
後悔の念が白の胸を過ぎる。

白(俺は、俺はどうすれば良かったんだ……?)

【直下コンマ下一桁判定】
987:少し離れた路地裏で見つけた
654:カトウ「迷子かな?」
321:刺客

異能を持つ者特有の同族探知能力に思い出すしたのは、探し始めて数十分経ってからのことだった。
匂いを頼りに歩くと、黄のものとは違う異能者の匂いが混ざっていることに気付く。

白(近い。刺客か……?)

近過ぎると、かえって分かりづらい。
煙に蒔かれているようで不愉快な気分になる。
ここは里だ。人通りも多い。
万が一戦闘になった場合、白が異能を持つ者だとバレてしまうかもしれない。

白(……迂闊な行動は避けたい)

【直下コンマ下一桁判定】
987:見えないけど刺客と黄の居場所を見つけた
654:白「カトウ……何故ここにいる?」
321:現実は非情

【0:特殊】

【直下コンマ下一桁】
987:カトウ「なるほど。白さん、あなたが……」
654:黄「さよなら……」
321:刺客3人

黄「……」

白「おい! お前こんなところにいたのか!? お前一体……」

黄「ご、ごめんなさい……」

白「怒っているわけではない。早く帰るぞ」

黄「それは、できない、の」

白「どういう意味だ。寄りたい場所があるなら行くが」

黄「そういう意味じゃない、の!!」


黄「あの、ね?」

黄「……さよなら」

黄はそれだけ言い残すとその場から走り去ろうとした。

白「お、おい!」

↓1【どうする?】

強引に抱き寄せる

>>395
何も言わず去ろうとした彼女を追いかけ、強引に抱き寄せた。

黄「や、やめて……。やめて……ください」

小さな肩を震わせ俯く黄。
その表情は見えない。

黄「早く行かないと……だめ、なの。離して……」

黄「今まで、ありが、とう。でも、もう行かなきゃ」

白は黄の言葉を聞くつもりはない。

↓1【どうするorセリフ】

何があった、話してみろ
俺が守ってやる

>>398
白「何があった。話してみろ」

黄「……」

白(これが……俺の『愛し方』だ)

白「俺が守ってやる」

黄「……え?」

黄が顔を上げた。

白「泣いているのか」

黄「え? な、泣いてなんかいない、よ? 泣いてなん、か……あれ? あ、れ?」

目を抑えたところで涙は止まらない。
後から後から溢れてくる。
たった数日、会話も殆ど無く一緒の小屋に住んでいただけ。
この家族ごっこ未満の生活は黄の中に何かを与えていた。

黄「やだよ……。さよなら、って言ったのに……決めたのに……止めないでよ……」

黄「……いっしょに、いたいよ」+10

白「……分かった」

↓1【刺客】
※テンプレは>>203参照

※テンプレは>>208参照

今回の刺客は2人。基本、一度出してくれたキャラ(その場で採用できなかった)はどこかしらで再利用する方向で。

もう1人

【名前】ヤマーダ
【性別】男
【年齢】44
【性格】ペド
【特徴】いつもにやけてる
【異能】重力操作

>>403
【黄の友好値 66(いっしょにいたいよ)】

家族とはまだ言えない。
しかし、互いに信頼できる関係に変わった気がした。
抱き寄せた姿勢から自然と、お互いに抱き合うような形になる。

その時――

白「ぐッ!?」

黄「あっ!」

突然、白達は地面に叩きつけられた。
誰かに押さえつけられたようなそんな感覚。
しかし、誰かが実際にそれをやっている訳ではない。

景色も変わっていく。
2人の周りの建物がまるで地震でもあったかのように潰れ始めたのだ。

「なんだぁ!?」

「地震だ!」

「母さん早く逃げよう!」

建物の下敷きになるまいと逃げ惑う人々の身体は動かず、白ら同様地面へ叩きつけられる。
やがて、その重力に耐えられない身体を肉片へと変えた。

???「いやぁ~、異能を持つ者って身体が常人より強化されている、なんて聞いたことがあるけどこれ程とはねぇ」

白の側で声が聞こえた。姿はない。

???「やり過ぎだ、日本人。俺まで潰れる……」

もう1人いる。
さっきの男の声とはまた違うものだ。

???「ごめんよ、初めて最大出力を出したもんだからさぁ。日本で使うと危ないから止められてたんだよねぇ。僕も少し弱めるから、そろそろ顔出してみない?」

その声の後、2人の男が景色を剥がしたように現れた。
にやけ面の男と、その男の肩に手をかける何やら不満げな顔をした男。

ヤマーダ「形式だから名乗るよ。僕はヤマーダ。異能保持者管理局日本支部安全対策課執行官。階級は少尉ね」

李「同じく『李(リー)』。異能保持者管理局中国本国支部執行官。日本支部の協力願いに応じ、参上した。階級は……そこまで言う必要はないだろ」

ヤマーダ「ここまではちゃんとやらないと」

李「ったく……。今は日中合同訓練中だから仕方無く来てやったものの……」

李「お前らの問題はお前らで片付けると言っただろうが!」

ヤマーダ「上の奴らみたいな口を聞くね、このガキは」

李「なんだと……」

ヤマーダ「『我が管理局日本支部の刺客3人を殺害、隠蔽したことは許されることではない。よって、日本異能管理局裁判所は【白】に死刑を処すと共に、管理局日本支部執行官に執行指令を出す』ってこと」

ヤマーダと名乗る男は日本語で書かれた紙を読み上げてみせた。

李「黄、お前本当にその男の方に付くんだな?」

黄「李……くん」

刺客の李と名乗る青年は黄のことを知っていた。
お互いスラム育ちの捨て子で少年兵。

戦場を抜け出し、管理局に出頭。刺客になっていたのだ。

李「俺、さっき言ったよな? 『お前が管理局に来て刺客になれば、あの男の命は助けてやる』って」

ヤマーダ「白くんにも、カトウくんの弟を派遣して忠告させてやったはずなんだけどなぁ」

ヤマーダ「黄ちゃんを引き渡しさえすれば、君の警戒レベルも下がるし、僕ら日本支部も刺客の補充ができて助かる。win-winの関係ができるっていうのに」

李「黄の身柄は中国支部で預かると言ってるだろうが!」

ヤマーダ「はいはい」

ヤマーダ「僕らは『人形師の白』を殺す為に共同戦線を張っていることを忘れないでね、李くん」

李「くっ……」

李は悔しげに歯ぎしりをした。
階級はヤマーダの方が上、いくら支部が違うとは言え上官に逆らうことは執行級の罪だ。
これ以上は逆らうような真似は許さないとは口に出さないものの、ヤマーダの目はそれを察せる程の殺気を放っていた。

ヤマーダ「さ、仕事の時間だ。始めようか」

李「分かっている」

ヤマーダは腕を鳴らし、李は強くなった重力を払うかのように右腕を振った。
振った腕の周りからに風を切るような音が聞こえる。

白(あの押さえつけられる感覚は大分和らいだ……。軽く走れるくらいには動ける)

黄「う、う……」

白(動けない黄を守る為には……)

近づいて来る2人の刺客。
白は――

↓1【どうするorセリフ】

【今日の更新は終わり】

>>413
駄目なら、発炎筒と催涙弾を使い、黄を連れて山まで逃げる です。すみません

>>414
白(今なら……逃げられる!)

ヤマーダと李と戦う場合、黄を守りながらやらねばならない為、分が悪い。
圧倒的な能力差を見せつけられ、戦意はもう残っていなかった。
と、なれば残る手段は1つ。『逃走』だ。

手が動けるまで、異能の威力を弱めてくれたにやけ面に感謝をしながら白は虚空を握りしめる。
取り出したのは――

李「ん?」

ヤマーダ「発煙筒……催涙弾までッ! 逃げ――」

【直下コンマ下一桁判定】

【4以上で逃走成功】

【99 ゾロ目だし大成功(黄が重傷という展開も無しで)】

2人の刺客の咳き込む声が遠くなっていく。
白はあの瞬間、何とか逃げ去ることができたのだ。
背負った黄に何度か声をかけるが返事はない。

白(息はある。気を失っているだけだ)

数百メートル程走ると身体にかかる圧迫感が消えた。
異能の射程圏から離脱できたのだろう。

白「おい。帰るぞ……黄……」

――山小屋
黄はベッドの上でようやく目を覚ました。
無理に体を動かそうとするので「寝ていろ」とだけ言い、白は止める。

黄「ごめんなさい……勝手なこと、しちゃって……」

夕飯の準備をする白はそれに対し、何も答えなかった。

白(どう接していいのかはまだ分からない……)

白(さっきまでは何となく掴めた気がしたのだが)

↓2【黄とのコミュ(何するorセリフ)】

夕飯を食べた後に人形の作り方を教える

>>424
白「起きろ」

白は優しく黄を起こし、夕飯ができたことを教える。

白「これを食え。消化にいい」

白が作ったのは野菜のスープだった。
細かく刻んだ人参や白菜は噛まずとも食べられるように、しっかりと煮込まれている。
味は塩と野菜から出る出汁のみ。

黄「あ、あの」

白「口まで持って行ってやろうか?」

黄「じ、自分で食べられ、ます!」

椀を白から奪うように取り、スープを流し込んだ。

黄「あつっ、は、はふ!?」

白「熱いから気をつけろ、と言い忘れていた」

白「ゆっくりと飲め、ゆっくりと」

白に促され、黄は差し出されたスプーンを受け取り改めてスープに口を付けた。
僅かにとろみのついたスープは塩気は少ない分、野菜の甘さを引き立たせる。
柔らかな野菜は舌で押す度に繊維がほぐれ、喉ごしに良い。

白「美味いか?」

黄「は、はひ! おいしいでふ!」

白「落ち着け」

確かに、この間行った麗の店の料理より味は劣るかもしれない。
しかし、このスープは他でもない黄の為に作られたもの。
気づかいが行き届いた味、家族の味。

白「また泣いているのか?」

黄「え、えへ、う、うぅ……」

今、黄の目から零れ落ちる熱い涙は前流した『別れの寂しさ』の涙ではない。
これは『嬉し涙』。
彼女がその名前を知るのには、もう少し時間が必要だ――

――深夜
黄が再び目を覚ますと、少し遠くにランプを灯りに人形を作る白の姿が見えた。

黄「んぅ……」

白「起きたのか?」

黄「うん……」

白「……」

黄「……」

白が前々から感じていた黄の視線は、彼の人形を作るその手に向けられていた。

白「人形に興味があるのか?」

黄「あっ、いや、その……。ちょっと触ってみないな、って」

白「まだ寝ないのなら少し手伝え。やり方は教える」

小さな手に渡されたのは、その手に合う大きさの鑿(のみ)。

白「子供用だ。俺がガキの頃、親父がくれた。これで彫れ」

黄「……」

白「嫌か?」

黄「ううん。壊すことならいっぱいやったけど、物を作るのは、初めて、なの。だから……」

白「……不安か」

黄「うん。不安。だけど、やってみたい」

黄「む?」

突然大きくて温かい、そして優しい手が黄の頭を撫でる。
見上げると、白の今まで見たことがない表情があった。

白「大丈夫だ。俺がいる」

黄「う!? うぅ……」+5

初めて見る白の笑顔に、何故か不思議と胸が苦しなるような感覚が黄を襲う。
これは彼女の初めての感覚。

黄(苦し、い? でも、嫌じゃ、ない)

白「どうした? 顔が赤い」

黄「へ?」

りんごのように赤く、熱を持つ頬の理由を知るのにもまだまだ時間がかかるだろう。
【黄の友好値 71(こころがきゅうって、なるの)】

一応料理屋の娘も居るし養子を取りに行くのもアリかも

【黄があなたに好意を抱いている気がします】

それからまた数日が経つ――
白は今日はいつもよりかなり遅めに起きてしまったことに気づく。

黄「あ、お、おはようございます。ば、白さんっ!」

最近、黄は白を『白さん』と呼んでくれるようになった。
「名前で呼んでもいい」とも言ったが、まぁ暫くはこれくらいの距離感が丁度いいかと白は諦めている。

黄「ご飯、作ってみました。食べ、ますか?」

白の見立てが正しいのであれば、黄はとても器用で『スジ』がいい。
人形の彫り方にしても、何にしても、教えられたことをすぐに上手くこなせるようになる。

料理面での成長が最も顕著で、白が教えてもいないことまでいつの間にか覚え、実行している。

白「ああ、いただこう」

今日の朝食は煮魚と白飯、汁物。
元々美味い黄の飯だが、軽くおこげの付いた白飯は、魚の煮汁に絡めて食べると行儀は悪いがなお美味い。

白(そして1人で暮らしているときよりも楽しい)

黄「おいしい、です、か? 白さん程のものでは、ないんです、けど……」

白「ああ、好きだ」

黄「ひぁ!?」

白「この味」

黄「はひ……」

↓2【朝食後、何する?】

人形の材料を買いに町へ出てみる

>>439
朝食をとり終え食器を片付けた後、白は市に出す人形作りを続けようと用具箱を取り出した。

白「……む。絵の具がもう残り少ないな。今日使って、いや、今日作る分まで持たない」

白「他にも色々足りない……」

黄「絵の具、ですか?」

白「ああ。……黄、今日は人形の材料を買いに行く。お前も外に出る支度をしろ」

黄「は、はい!」

パタパタと支度を始める黄は今日も白のお下がりの男物を着ていた。
白も気にならない訳ではないが、どうすれば良いか分からないので何も言えずにいた。
しかし、このままでは子供らしくない上、あまりにかわいそうだ。

白(黄の着る服も買ってやった方がいいかもな……)

【直下コンマ下一桁判定】
987:無事に到着
654:カトウ「あ……どうも」
321:刺客

とう

これ白が死んだら黄に主人公交代とかあんのかな

このレスはコンマ判定しません。

>>436
養子をとることは可能です。
でも、>>1にもあるように「子を生んで異能を受け継ぐ」というのが目的なので、その養子は二代目にはなれません。

>>443
ないです

>>441
山道は斜面が急で、大きな石が転がっている。
里の人間でここを好んで登る者はまずいない。

黄「あ、あの……少し、恥ずかしい、かも」

子供の黄が、転んで怪我してはいけないと白は黄の手を繋ぎ山を下りた。

数十分後――
道中、刺客が現れることもなく無事里に到着。
最初は手を繋ぐことに関して少し嫌がる素振りを見せた黄だが、里まで来ると落ち着き、歳の離れた兄を慕うように腕を回してくるようになった。

黄「え、えへ……」

白(兄に甘えたい時期なのかもしれない。気にすることはなかろう)

白(さて、どこから行くか……)

↓2【どこから行く?(下から選ぶ)】
1、画材店 ※必ず行く
2、工具店 ※必ず行く
3、その他(書かれた場所または店に行きます)

※1と2を行き終えたところで帰宅の選択肢が発生します

まずは画材店へと足を運ぶ。

ここは里にある唯一の画材店。白もその先々代から贔屓にしている。
絵を描く趣味を持つ人間は少ない為、客は少ない。
それでもこの店が潰れないのは、店主がよほどの変わり者だからだろうか。

白「邪魔するぞ、じいさん」

黄「こ、こんにち、は」

店の奥にはパイプを咥えた、髭面の老人が座っている。それがこの画材店の店主だ。

画材店の店主「おう。好きなのを選べ」

低く掠れた店主の声。
地鳴りのようなその声に黄は驚き、白の後ろに隠れてしまった。

【直下コンマ下一桁判定】
987:無事画材を揃えた
654:画材店の店主「おい、白。俺の娘、覚えてるか?」
321:いけ好かない管理局員がやってきた

白「じいさん、これを買う。代はこれで」

画材店の店主「ああ、充分だ。それにしても白、お前よぉ」

白「なんだ」

画材店の店主「その娘、どこから買ってきた? お前、親戚はおろか兄弟もいねーはずだろ」

白「買ってきたわけではない。……まぁ、新しい俺の家族だ」

画材店の店主「ほー、お前も隅に置けんな。幼妻とはいい趣味してやがる」

白「大きなお世話だ」

画材店の店主「お前、そういうのをな。巷じゃあこう呼ぶらしいぜ。ロ、ロラ、ロレ、ロル、ロロ……えーと」

白「邪魔したな。行くぞ、黄」

黄「はいっ!」

画材店の店主「ロリ。ああ……ロリかん?」

――

↓2【どこへ行く?(下から選ぶ)】
1、工具店
2、その他(里にありそうな店など)

※1と2を行き終えたところで帰宅の選択肢が発生します

2アクセサリー店

>>456
工具店へ向かう途中、アクセサリー店の看板に惹かれふらりと立ち寄ってみた。
狭く薄暗い店内には、妖しげな香の匂いが漂う。

白「少しここも見ていくか?」

黄「はい!」

元少年兵と言えど年頃の少女だ。
黄は棚に並ぶ不思議な形をしたアクセサリーに見とれている。

白(趣味ではないが、たまには悪くない……)

【直下コンマ下一桁判定】
987:せっかく店に寄ったのだから何か買っていこう
654:女店主が現れて……
321:店にいけ好かない管理局員が現れた

※このレスはコンマ判定しません

↓1【アクセサリー店の女店主】
※テンプレは>>272参照

【名前】アニー
【年齢】19
【性格】飄々としていて、人情に厚い
【特徴】一人称が「僕」で中性的な容姿の米国人

>>462
???「気に入ったのはあるかい?」

アクセサリーを眺めていた黄に声をかけたのは、中性的な顔立ちの女店主。

黄「い、いえ、あの」

アニー「僕、アニー。この店の店長さ。気に入ったんなら、これ、あげるよ」

アニーは、黄が特に気に入って見つめていたアクセサリーの一つを手渡した。
黄は申し訳なさそうに、それを拒否しるようなしないような曖昧な反応を見せる。
人見知りが激しく、半端な受け答えしかできず、白に助けを求めるしかない。

黄「へ! あ、あの、その、白さぁん……」

白「ん、なんだ」

アニー「あ、この子のお兄さん?」

【直下コンマ下二桁判定(アニーの友好値)】
【補正】
【初対面】-10

【50以上だとお話できるかも】

【70以上だとフラグが立った!】

>>465
【アニーの友好値 36(客と店員)】

アニー「遠慮しなくていいんだよ。女の子はかわいくしなきゃ、ね?」

白「悪いな、店主」

アニー「いいっていいって!」

黄「は、ぅ……ありがと、ございます……」

アニーは、やけにさっぱりとした様子で首を傾げてみせた。
少年を思わせる笑顔に、黄は少し顔を赤くしながら、アクセサリーを受け取った。

アニー「またおいでっ!」

店の外まで見送られながら、白らはアクセサリー店を後にする。
黄の腕には、太陽の光を受け緋色に輝くブレスレットが巻かれていた。

↓2【どこへ行く?or何する?】

1、工具店

2、その他(里にありそうな店など)

※1と2を行き終えたところで帰宅の選択肢が発生します

>>468
白が作る人形はある程度ポーズをつけることができる構造になっている。
その動きをつける為には、幾つかの釘や蝶番などの工具が必要だ。

ここで2人は工具店へと向かうことにした。
工具店は加工場と併設されており、常に油臭い。

白「おい、親父。来たぞ」

工具店の店主「おーう、よお来たな! 嬢ちゃんは坊主のとこの」

白「親戚、のようなものだ」

工具店主「なるほどなぁ」

【直下コンマ下一桁判定】
987:何も起きなかった
654:工具店の店主「うちの新しい弟子だ。挨拶させてやってくれ!」
321:いけ好かない管理局員がやってきた

えいや

>>471
その時――
「おい、邪魔するぜ」

「作業やめろ! お前らもしょっぴくぞ! 店主を出せ!」

銃を抱えた2人の管理局員が工場に現れ、叫んだ。
工場の機械音が止まる。

工具店の店主「おいおい、アンタ達なんなんだ一体」

「近隣住民からの通報だ。爺さん、あんた何か管理局に隠していることはないか?」

工具店の店主「知らんなぁ。年くって忘れることも多くなりやがったし。ガハハハ!」

工具店の店主は、とぼけたように頭を掻く。

「……」

「異能を持つ者を匿っているな、爺さん」

その言葉に店主の顔が強張った。
長い顎髭を撫でるばかりで沈黙を続けている。

「そのだんまりは肯定ってことでいいよなぁ?」

「先月! 我が管理局の施設から1人異能を持つ者が脱走した!」

「近隣住民からは、その異能者が、ここの工場に逃げ込んだとの話」

「あくまで『任意』で事情を聞きたいのだが?」

銃をちらつかせる姿に『任意の事情聴取』の説得力は皆無。
いやらしく詰る局員を前に、誰も何も言い返すことはできない。

実際、店主は異能者を匿っているのは本当だ。しかも一人だけではない。

管理局の訪問についても初めてのことではない。
以前から、管理局の強制労働施設や研究(というのは建て前で人体実験)施設から逃げ出した異能者を匿う行為を密かに行っていた為、捜査対象にはなっていたのだが今までは運が良すぎた。

今回はそうもいかない。

「もう隠しきれないぜ、爺さん」

「俺たちが優しいうちに、な?」

工具店の店主「工場にいる奴らは仲間だ。仲間を売るようなマネはしねぇ」

「なんだとォ!?」

店主と局員が睨み合う中、白達は店主の弟子の1人に声をかけられた。

工具店店主の弟子「師匠からの伝言です」

工具店店主の弟子「我々は気にせず、管理局に目を付けられる前に、そこのお嬢さんと工場を出てください」

店主は、白が異能者だということを知る数少ない人物。
管理局の因縁が飛び火しないように、配慮してくれたのだろうか。

↓2【もう何してもいいです】

逃走させてもらう

>>486
白「分かった。ここは退こう。部品は次来る時まで用意していてくれ」

工具店店主の弟子「師匠に伝えておきます。さぁ、早く!」

白「黄、帰るぞ。買い物はやめだ」

黄「は、はい!」

工具店店主の弟子「道中、管理局員がいるかもしれません。お気をつけて」

白は黄の手を引いて、工具店を後にした。

【直下コンマ下一桁判定】
987:無事に小屋へたどり着いた
654:3匹の管理局員
321:6匹の管理局員

残機こい

>>490
何とか人が通らないようなルートを通り、小屋へたどり着いた。
辺りに人影がないことを確認し、戸に鍵をかける。

白「……すまない、黄。疲れただろう」

黄「え、あ、いえ。気にしないでくだ、さい!」

黄「また……連れて行ってくれます、か?」

白「あ、ああ」

白の心配をよそに、黄は嬉しげにアクセサリー屋でもらったブレスレットを嬉しげに見つめていた。

※このレスはコンマ判定をしません

追加ルールを設けます。
迷走しまくりでごめんなさい。

【ボーナスタイム】
主人公誕生からしたレス数から+>>250毎(+>>250ぴったりではなく、切りのいい辺りで発生します)にコンマ下一桁判定をして、その数値分残機を増やす。
場合によっては警戒レベルも1上がります。

コンマ判定基準はこのようになります。

0(10と判定します) 9:やったねキャリーオーバー(下のレスのコンマ下一桁と足して計算します。警戒レベルが1上がります)
8765:(警戒レベルが1上昇)
4321:特になし

警戒レベルはどれだけキャリーオーバーしても1しか上がりません

これで許してください。お願いします。

ぶっちゃけ>>1のコンマ判定を始終行われ続けるのじゃなくて
安価やコンマ判定時(二桁コンマとか)にだけ行うようにしてりゃ
ドラマパートも安心して描けるし複雑なルールも必要なかったと思う

ルール増やして自分の首真綿で締めてしまいには管理できなくなりそうだけど、それも一興
GOだ

でも皆心の中で感じてたことだと思うわ>この描写ペースだと2代目すらきつい

今から残機回復判定でもして>>171の500後くらいにまた追加判定する感じかね

※このレスはコンマ判定しません

※レス返信です











>>500
お気遣いありがとうございます。
こればかりは勘弁ください。このままのルールでやらせてください。お願いします。

>>502
・コンマが0になれば死ぬ(残機が減る)

・人を1人殺せば残機が1増える

・スレの四分の一生きたらボーナス(大量殺戮)

これだけのルールです。
これ以上ルールを足さないようにしたいです(足さないとは言っていない)。

>>511
そのつもりです。
この描写ペースでお許しください。お願いします。
このスレは主人公が死ぬ前提で進行していますが、みんな生きてるので色々書きたくなるのです。

安価は、奪っても、殺しても、(愛する者通しで)ヤッてもいいのです。

※このレスはコンマ判定しません

【ボーナスタイム】

深夜。
木の葉にぽつりと垂れた雫は、突撃の合図か。
山に強い雨が降り注ぎ始める。

白(寒い……)

いつの間にか、服が濡れていることに気づいた白は目を覚ました。

白(ここは……)

おかしい。
白はさっきまで小屋で黄と共に寝ていたはずだ。
一歩、周りを見渡そうと足を踏み出したその時。
何か柔らかなものを踏んだ気がした。

白(肉か……?)

暗闇に慣れてきた目で、それを見る。

腕。
肩から千切れた形で、地面に投げ捨てられている。

白(惨い。誰がこんなことを……)

【直下コンマ下一桁判定】

※判定方法は>>497参照

※このレスはコンマ判定しません

木が焼け焦げた匂いが、雨の匂いに混じって鼻に入ってくる。
その不快な匂いのする方向を見ると、燃える人影が木の下でのたうち回っていた。

白「お、おい!」

声をかけたが、返ってはこない。
既に意識はなく残った筋肉が焼け縮み、生きているように見せていただけ。

炎は雨によって弱まり、人影も黒い煙をあげると二度と動き回ることはなかった。

死体の数は3体。
誰が3人を殺したかは、殺した本人が一番知っている。
犯人は、異能を持つ者に現れる殺人衝動に逆らうことができなかった白自身だ。

彼は、もう誰だったかも分からなくなった死体に赦しを乞う。
そして、3人の死のおかげで大事な家族を殺さずにいれたことに感謝した。

形だけの祈りを終えると、白は静かに小屋へ戻っていく。
証拠は雨が全て洗い流してくれるだろう。

その雨も、朝になれば止む。
この程度の死人で警戒レベルが上がることもない。

小屋に帰った白は、眠る黄の頬にそっと手を添えた。

白(いつ死ぬかも分からない命。俺はこうやって殺して生きるしかないのか?)

【残機が3増えた】

眠れぬ夜を終え、窓に日の光が差し込み始めた時。
白は今日開かれる市に出す人形の準備を始めた。

白「黄、準備をしておけ」

黄「もう、できて、ます」

工場での一件以降、里に管理局局員が巡回しているのを見ることが多くなった。
避けるようにはしているが、それもずっと上手くは続かないだろう。

白(小屋に黄を置いていくわけにはいかない)

黄「早く行きましょ、う」

白はまだ、黄の目の前で人を殺したことがない。
できる限り『家族』にその姿を見られたくはない、白のこの願いは天に届くのだろうか。

【直下コンマ下一桁判定】
987:無事たどり着いた
654:カトウ「おひさしぶりです」
321:刺客

オダ(弟)「……」

白らがちょうど小屋を出た頃、その数キロ先の森の中でそれを追うように2つの影が動き出した。

オダ(弟)「やぁっと動き出したか」

1人はオダ。
ヤマーダの指令を受けて白の会話の傍受をしている。
彼の能力(『並外れた聴覚』)であれば、距離や壁など問題ではない。
数キロ離れているとなれば、異能者特有の察知の範囲外で何かと都合も良い。
全ての会話が筒抜け状態だ。

オダ(弟)「……何見てんだよ。ああ、痒いだけだよ」

オダは前回の戦闘で首に撃たれた麻酔銃の針の痕を触った。
兄が死んでからというもの何もかもがうまくいかない。
能力の相性の良かった兄と共に戦場に赴くのが日常だった彼だが、兄が死んでからは戦闘に向かない能力との理由で、実働部隊からは外され諜報部へ異動させられているのだ。

管理局の花形である実働部隊から外されたオダは、この任務にも不満を持っていた。

オダ(弟)(『白の行動把握と、刺客の送り出し』ね……。つまんねーけど、あのロリコンに逆らって得することなんてないわな)

だが、逆らう気も起きない。
ヤマーダの能力が危険なことは承知している。
粛清されて潰れたアルミ缶のような姿になった者を何人か見てきている彼なりの判断だった。
強い力を持つ者には誰にも逆らえない。

オダ(弟)「おい、もう行っていいぞ。俺は帰る」

↓1【刺客】
※テンプレは>>208参照

エルザ

21
無邪気だが腹黒
金髪碧眼、美人
影を自在に操る(ハガレンのプライドみたいな感じ)

>>534
白「……」

黄「来る、来ます」

白「分かってる」

次に現れた刺客は金髪碧眼の美女。
余裕げに笑みを浮かべていることから、自信を窺わせる。

エルザ「こんにちは、おさるサン達。言葉は伝わってる? 私、管理局中国支部特別派遣員『エルザ』。動物園に来るのは初めてなの」

白「……女か」

エルザ「甘くみないことね。コブ付きの男は範囲外、手加減はするつもりはないわ」

黄「ば、白さん。コブ付きってなんですか?」

白「後で教えてやる。隠れていろ」

【直下コンマ下一桁判定】
9に近い程、白有利
1に近い程、エルザ有利

※このレスはコンマ判定をしません

【0:特殊】

【直下コンマ下一桁判定】
987:カトウ「な、何をやってるんですか!?」
654:黄「わたしも……戦いま、す」
321:李「上からの命令だ、援護する」

エリザ「ふふ、足下をご覧なさい」

言われるがまま足下を見ると、そこには黒い瘴気が広がっていた。
瘴気は白と黄の足に絡みつき、動くことを許さない。

黄「う、あ……」

さらにそれは黄の身体を這い上がり、今まさに彼女を覆い隠そうとしていた。

白「く……。黄!」

エリザ「彼女を生け捕りにして、あなたを殺す。それが私に課せられた任務よ」

白「う、ぐぁああぁ……」

いつの間にか白の腕にも太く黒く伸びた瘴気が回り、完全に身動きが取れなくなっていた。
何も出来ないことの悔しさに、声にならない声をあげるしかない。

エリザ「あなたの能力はリサーチ済み。もう諦めなさい。後はゆっくりと苛めてあげる。だから、おとなしく――」

女刺客はここまで話した所で急に口を止めた。
静かな森に破裂音が響く。

エリザ「な、なに……? なんなの?」

女刺客は自分の肩を押さえて、その場にうずくまった。
向こう側に立つのは銃を持ったカトウ。
銃口は震え、腰を抜かしへたり込んでいる。

カトウ「白さん!」

白「カトウ! お前ここで何を!」

カトウ「こっちの台詞ですよ! 刺客ですよね、アレ!」

白「そうだが……」

今の銃撃のおかげで、瘴気の力は弱まった。
黄を覆う物は完全に消滅し、その身体だけ地面に放り出されている。

カトウ「女の子は!?」

白「大丈夫、黄は気絶しているだけだ」

女刺客も再起するまでにはまだ数分かかるらしく、息を荒げこちらを睨みつけるだけ。
カトウは幸い白が異能を持つ者であることをまだ知らない。
行動を起こすなら今だ。

↓1【どうする?】

念のため懐に手を入れて元からあったものを取り出したかのように銃を取り出す

>>543
異能を持たざる者は、異能を持つ者を極端に嫌う場合が多い。
ここで自分が異能者だということを知られてしまうと、通報されてしまうかもしれない。
外国人だとしても油断はできないのだ。

カトウ「大丈夫ですか白さん!」

白「ああ、こういうこともあるから銃を持っているんだ」

カトウ「あ、ああ!」

まるで元々そこに銃を隠していたように懐に手を入れ、取り出す。
銃規制が激しかった中国も異能者の出現により状況が変わった。
自己防衛の為として、国が指定した物のみ一丁だけ、申請すれば銃の所持が認められるようになったのだ。

異能者は基本的に人権を持たない。
倫理的な問題を考えなければ、幾ら殺しても自己防衛として処理され、罪には問われない。

管理局の刺客も同じだ。社会的な保障が無所属の異能者より手厚いというだけで、どこで死のうと殺されようと文句は言えない。

カトウ「白さん! 動き出しましたよ!」

【直下コンマ下一桁判定】
【補正】
【白:拳銃装備】+1
【黄:気絶】-1
【エリザ:能力『』】

9に近い程、白有利
1に近い程、エリザ有利

※このレスはコンマ判定されません

※投稿途中で送信しました。修正します。

※再判定

【直下コンマ下一桁判定】
【補正】
【白:拳銃装備】+1
【黄:気絶】-1
【エリザ:能力『影を自在に操る』】-3
【エリザ:軽傷】+1

エリザ「……ムカつく」

女刺客の肩を押さえるその手には血が付いてはいない。
何を隠そうカトウが撃ったのは『ゴム弾』。
殺傷力の低い弾は彼女の肩にひびを入れる程度だった。

エリザ「人間の分際でェッ!」

身体より傷ついたのは、彼女のプライド。
女のプライドを傷つけた罪は重い。
子供のように地団駄を踏みながら、カトウの方に向き直った。

エリザ「こいつから殺す殺す殺す殺す!」

再び起ち上がり、鋭い刃にその形を変えた瘴気はカトウに向かって走り出す。
弾丸を超す速さに目は追い付かず、白がカトウを庇うには距離が離れ過ぎていた。

【直下コンマ下一桁判定】
987:カトウ軽傷
6543:カトウ重傷
21:カトウ死亡

日本警察の力は管理局によって風前の灯になっていた。
そこに舞い込んで来たのが、同一人物による管理局の刺客の連続殺害の情報。
日本警察は、その威信を懸け、連続殺人犯を捕まえ管理局へ恩を売る為の特別捜査官を派遣する。

それがカトウだ。

極秘任務の為、妻子にも告げずに空港へ向かう彼の目には『死の決意』があった。
生き残る確率は0に等しいが、それでもやらねばならない仕事。
それを1人の刑事として、やり遂げることが出来なかった。

死の恐怖と後悔の中で、突然脳裏に浮かんだ場面は愛する妻と6才になる娘の姿。
娘は嬉しそうに、誕生日のケーキに立つロウソクを吹き消した――

カトウ「白さん早く逃げ――」

最後の言葉を言い切るまでもなく、カトウの首は瘴気の刃に跳ね跳ばされる。

エリザ「キャハハハハハハッ!! 死んだ死んだ! 死んじゃった!」

エリザ「殺したのは私! キャハ、キャハハハハハハ!」

無邪気に笑う女刺客は、ゴロリと転がる頭を踏みつけながらカトウの亡骸を瘴気を使い切り刻み続ける。
これが『異能者の本能』に逆らわなかった結果だとすれば……。
白は自分の未来の姿を女刺客に重ね合わせた。

↓1【新たに取り出す白の武器】

ミニガン

>>555
他人とは言え、異能者と知らなかったとは言え、カトウは白を守ろうとしてくれた。
その死を無駄にはできない。

虚空を握り、取り出したのは巨大なマシンガン。M134、通称『ミニガン』。
白の取り出す武器は、彼自身の想像に依存する面もある。
その為、実際のミニガンと比べ軽量であり、フィクションのように1人で発砲することが可能となる。

一瞬の油断も死へと繋がる。
一撃で仕留めたい。

【直下コンマ下一桁判定】
【補正】
【白:拳銃装備】+1
【黄:気絶】-1
【エリザ:能力『影を自在に操る』】-3
【エリザ:軽傷】+1
【エリザ:死体に夢中】+1

9に近い程、白の有利
1に近い程、エリザの有利

エイヤ

>>557
白「……ッ!」

ミニガンは火花を上げながら、一秒間に百発という弾丸を女刺客目掛けて叩き込んだ。
反動も強く、白の身体を空薬莢と共に後方へゆっくりと引きずって行った。

白(死んだか……?)

【直下コンマ下一桁判定】
987:エリザ重傷
654:拮抗
321:白軽傷

土煙の中立つのは黒い繭。
女刺客『エリザ』の『影を自在に操る』異能によって発動した防御壁だ。瘴気の塊にも見えるその壁は本来であれば、ダイヤモンドより硬く銃弾を通すことはない。

しかし、発動タイミングが遅かった。
影を防御壁にまで硬化させるには一秒程時間がかかる。
その隙がエリザに重傷を与えたのだ。

壁がゆらりと消え、そこには血を流した女がいた。
被弾すれば痛みを感じる間もなく死ぬというミニガンの攻撃を受けながらも、致命傷を避け辛うじて生きている状態なのは彼女の悪運が強かったからなのだろうか。

エリザ「私は……死なない。死なない死なない死なない死なない!」

彼女の言葉通り、彼女の身体がどれだけボロボロになろうと、影さえあれば攻撃は止むことはない。
影の刃を飛ばし白を狙う。

しかし、照準は合わず、その刃もミニガンの弾に弾かれ近づくことさえできない。
本体の防御と、敵の攻撃とを同時に行うことは難しい。
どれかを集中させれば、どちらかが脆くなる。
多量出血は思考能力を鈍らせ、エリザを更に苛立たせた。

↓1【新しい白の武器】

エリザ「死んじゃいなよォッ!!」

影全てが武器に変わった。
地を這う影は棘となり、白の足を誘うと追いかける。
木を縫う影は刃になり、カトウのように首を跳ねてしまおうと飛んでいく。
舞い散る木の葉の影は弾丸になり、回転しながら四方八方から白の身体を貫かんとする。

全ての影が攻撃に向いたこの瞬間。
白がミニガン投げ捨て、新たな武器を召還する。

グレネードランチャーだ。
総弾数1。この一発、当たれば大きい。
外れれば言わずもがな。
狙いは影の守りが手薄になって刺客の身体。

白(カトウ……お前は……)

【直下コンマ下一桁判定】
【補正】
【白:グレネードランチャー】+3
【黄:気絶】-1
【エリザ:能力『影を自在に操る』】-3
【エリザ:重傷】+2

9に近い程、白の有利
1に近い程、エリザの有利

※このレスはコンマ判定しません

【0:特殊】
987:エリザは……粉みじんになって死んだ
654:カトウ!? ばかなッ! 死んだはずの! 刺客のエリザに首を跳ねられ! 死んだはずのッ!!
321:李「助けに来た」

閃光が影をかき消し、爆音と爆風が全てを吹き飛ばす。
そこに残るのは、焼けた木の匂いと影のように黒く灼かれた女の死体のみ。

彼のおかげで怪我という怪我も無く、黄も無事で戦闘を終えることができた。
白はそれに感謝すると同時に、その無謀とも思える行動は愚かだとも考える。

白(何故助けた……。あの時、俺達を置いて逃げさえすれば……)

反芻するのはカトウの最期の言葉。

『白さん早く逃げ――』

白(最期の言葉が他人を心配する言葉、か)

白「今日、市に行くのは止めておこう。疲れた。黄、帰るぞ」

異能を持つ者として戦いの日々に身を置く内、忘れていたもの。
それを考えながら、眠る黄を背負い、小屋へと引き返していった。

日は変わり、日常らしい日常が戻り始めたある日。

白「この間出せなかった人形も含めて20体できた。次の市にはそれなりに出せるだろう」

黄「つかれてません、か? お茶、いれました」

白「ありがとう。今日は休むことにしよう」

黄「は、はいっ!」

白(……せっかく休みを作ったんだ。何をしようか)

↓2【何するorどこ行く】

白は黄を家の裏側に呼び出した。
家の裏は空き地になっており、普段は畑などに使っている。

黄「えと、あの」

白「何故呼び出したか言っていなかったな。すまない」

黄「あの、わたし、何をすれば……」

白「これからお前を鍛えようと思ってな。少し付き合ってくれ」

黄「え、えぇ。わ、分かりました……」

白「具体的に言うと……」

↓2【どんな風に鍛える?】
1、普通に実戦コース(組み手など)
2、トレーニングコース(腹筋背筋腕立てなど)
3、その他(具体的な記述を)

白は虚空から小さなナイフを取り出すと、黄に渡した。
流石は元少年兵。
刃物に臆すること無く、その切っ先を不思議そうに眺めていた。

白「これから刺客が出た時、俺はお前を守り抜くつもりだ」

黄「は、はい」

白「だが、もし俺が死んだら」

黄「そんな……」

白「お前は必ず生きて、逃げてくれ。子供のお前なら能力さえ隠せば、普通に生きていけるはずだ」

白「これから俺をこのナイフだけで倒してみろ。これは自分自身を守る為の訓練だ。本気で行けよ」

【直下コンマ下一桁判定】
987:ぅゎょぅι゛ょっょぃ(好感度は上がらない)
654:まぁ悪くはない(好感度5上がる)
321:まだまだか(好感度10上がる)

――

白が足で、黄の手にあるナイフを蹴り払うことで組み手は終わる。
黄の戦い方は、性格とは裏腹に素早く大胆なものだった。

白「悪くない。油断すればやられそうだった」

黄「あ、ありがとうございます」

白「鍛える、とは言ったもののこれでは教えようがないな」

白「本当はお前を戦わせる状況は作りたくないのだが……」

黄「わたしはだいじょうぶ、です! 今までも戦って来たんだからこれからだって……」

白「心配なんだ」

黄「ふぇ?」

白「怪我なんかを負って欲しくないんだ。特に嫁入り前の娘に顔に傷を付けるなんて……」

黄「よめ、いり?」

白「ああ、傷物は嫁の貰い手がなくなってしまう」

黄「よめ、ってなんですか?」

白「……」

一般常識が欠けているのも無理はない。
知識をつける時間は、戦闘に割かれ無駄な知恵を働かせない従順な兵士として育てられた黄。
彼女は白の小屋へ逃げ込むまで、戦場しか知らなかった。

白(色々教えた方がいいのだろうか……)

小屋に戻った後で『嫁』の意味を教えると、黄は不思議そうな顔をして何かを考えていた。

【黄の友好値 76(およめさん、ってなんだろう?)】

再び訪れた市の日。
祭りを一週間後に控えた里はさらに賑わうだろう。
人形も前回の売れなかった分を含め26体完成した。

白(今日は何事もなければいいのだが)

黄「じゅんび、出来ました」

白「ああ、行くか」

黄「はいっ!」

【直下コンマ下一桁判定】
偶数:無事たどり着いた ※0は特殊とする
奇数:刺客

森の奥地、今日もオダは2人の動向を探っていた。
結果は出せず、送り出した女刺客『エリザ』も死亡。

オダ(弟)「はぁ……」

前日、ヤマーダに言われたことが頭を離れない。

ヤマーダ『君さぁ。仏の顔も三度まで、って言葉知ってる?』

オダ(弟)『は、はい』

ヤマーダ『エリザちゃんがやられたのはまずいよねぇ。指揮権は君に与える、そう言ったよねぇ?』

オダ(弟)『申し訳ありません……』

ヤマーダ『いいよいいよ。でも、あと二回だからね。覚えといて』

オダ(弟)『だ、ダメ、だったら……』

ヤマーダ『あ、それ聞く?』

オダ(弟)『い、いえ滅相も!』

中国支部から借りた刺客が死んだということは、日本支部の沽券に関わる事態だ。
これ以上の失敗は許されない。

オダ(弟)「行っていい。もう来る」

オダ(弟)「……ヤバい時は逃げろ」

オダ(弟)「逃げろよ! 言ったからな! じゃ!」

↓1【刺客】
※テンプレは>>208参照

【名前】ジオ
【性別】男
【年齢】17
【性格】寡黙だが、芯は強い
【特徴】家族を人質に取られているため管理局の下に付いている。しかし元の性格は優しいため、可能な限り説得と無力化を試みている。
【異能】電撃

>>589
白の前に現れたのは、今までの者とは違う『刺客』だった。

白「……どういうことだ?」

ジオ「俺は今の所戦う気は無い。穏便に済ませたいんだ」

白「何度も言う。黄は渡さない」

ジオ「……本人はどう思っている」

黄「わたしも、白さんといっしょに……いたいです」

ジオ「……なるほど。困ったな」

白(会話ができそうな相手に見えるが……?)

↓2【どうする?】

話し合いで説得する

>>593
白(話し合いで説得できるのなら……)

白「悪いがここは退いてくれないか? こちらにも譲れないものはあるんだ」

黄「……白さん」

白「お前に大事なものがあるのだとしたら、分かるはずだ」

白「俺は命をかけて『家族』を守りたい」

ジオ「……」

ジオ「俺はお前にこてんぱんにやられて逃げた。それでいいか?」

白「処分されないのか?」

ジオ「管轄が違う。俺は他の支部の協力要請を受けて来ただけで、俺がどうしようとお咎めはない」

ジオ「さよならだ、『人形師の白』。俺にだって家族はいる。死ねば泣いてくれる親や兄弟がいるんだ。お前もその娘、離すなよ」

刺客も何か考えがあるのだろう。
森の中に姿を消した刺客を無言で見送る。
互いに僅かながら通じ合えた瞬間を感じ、二度と会うようなことがないように願った。

白「行くか、黄」

黄「いい人、でしたね。さっきの刺客さん」

白「……ああ」

実に二週間ぶりの里は、祭りの飾り一色に彩られており、昼なのに眩しい。
人形屋の看板を上げると、彼が前回の市に来なかったことを心配した子供たちが白の下へ走ってきた。

「おにいさーん! こないだはどうしたんだぁ?」

白「祭りの準備で色々忙しかったんだ。許してくれ」

「おにいさんのうしろにいる女の子はだれぇ?」

白「俺の家族だよ。黄、あいさつはまだだったな」

黄「は、はい。わ、わた、わた、わたし、黄ってい、い、」

「おねーちゃんいっしょにあそぼうよ!」

「あそぼ!」

黄「あ、ぅ」

困ってこちらを見つめてくる黄に『行ってこい』のサインを送る。
本来であれば子どもたちと一緒に遊ぶ年頃。
この里に住むのなら、同年代と遊んで打ち解けた方が良い。

白(なに心配はいらない。子どもは遊んでいるうちに慣れるものだ)

戸惑いながらも里の子に手を引かれ行く黄を見送り、白は開店を済ませた。

数時間後、市が終わった。

白(売る量が多いとさすがに忙しかった……)

白は額に滲む汗を拭い、店仕舞いする。
前回売れなかった分の人形も売り終え、気持ちのいい疲労感を感じさせた。

黄「白さん! ただいま、です!」

黄も遊び終えて帰ってきた。
嬉しそうに息を弾ませ、どんな遊びをしてきたか語る姿は白を驚かせる。

白(……こんなに楽しそうな黄は初めて見た)

さて、ここからは自由な時間だ。
日が暮れるのにはまだ早い。
↓1

黄と街中を散歩

>>597
黄「お祭り、ってなんですか?」

祭りの飾りに興味を持ったのか、黄は白の袖を引っ張り尋ねる。

白「なんですか、といざ聞かれると困るが……。そうだな、祭りっていうのは皆で楽しくやる日だ」

黄「市に行くと、みんな、楽しそう、です。今もお祭りですか?」

白「……うーん」

最近、黄はこうやって色々なことに興味を持ち始め、白に聞いてくるのだが中々上手く答えることができないでいた。
教える、というのは案外難しいものだ。大人として分かりやすく伝えることができずもどかしい思いをすることもしばしば。

白「……黄、散歩をしよう。祭りの準備が見られるぞ。そこで祭りが何なのか感じてくれ」

黄「はい!」

「考えるな、感じろ」のようなものか。白は直接黄に祭りの雰囲気を感じさせる作戦に出た。
教える側の人間としての妥協案でしかないが、今はこれしか思いつかない。

↓1(散歩しながら何か話す?or何かする?)

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