ミカサ「ありがとう」(19)

ミカサ「あなたのおかげでエレンがヒロインという風潮をなくせた……」

ミカサ「本当に感謝している……ありがとう、ジャン」

ジャン「あ?別に俺は何もしてねぇし」

ミカサ「それでも私はありがたいと思っている。話はこれだけ、ので、私は帰る。引き止めてしまって悪かった」

ジャン「や、別にいいよ」

ミカサ「……」スタスタ……

ジャン「……まじか」

ジャン(まさか俺がミカサに「ありがとう」って言われる日が来るなんて……!夢か?いや、現実であって欲しいけども!)

ジャン(しかし、エレンがヒロインという風潮ってなんだよ……ま、いいか)

アルミン「あ!!ジャン居た!!」

ジャン「あ?」

アルミン「ありがとう!」

アルミン「ジャンのおかげで、ミカサがエレン離れしてくれたんだ!!本当にありがとう!!」

アルミン「僕も胃痛から解放されたんだ!本ッッ当に、ありがとう!!」

ジャン「あ?俺、何か協力したか?」

アルミン「細かい事は気にしないで!!僕が感謝してるんだから!!じゃ、僕が言いたかったのはこれだけだから!!引き止めてごめんね!!僕は帰るよ」

ジャン「おう」

アルミン「……」スタスタ……

ジャン「……まさかのだぞコレ」

ジャン(まさかアルミンにまで感謝されるとは思わなかったぜ……)

ジャン(でもあいつの場合、エレン離れより胃痛だろ)

エレン「お、ジャンいた!」

ジャン「あ?何だよ、死に急ぎ野郎」

エレン「サンキューな!」

エレン「ジャンのおかげでミカサが対人格闘の訓練中に俺をかばわなくなったんだ!」

エレン「世話焼かれる事もなくなったし……お前のおかげなんだ!!ありがとな!!」

ジャン「……絶ッ対ェ明日雨降るな」

エレン「そんな事があったら訓練中に雨に濡れちゃうだろうが。……まぁいい。本当にありがとな。俺の用はこれだけだから帰るな。引き止めて悪かった」

ジャン「あ?あぁ」

エレン「……」スタスタ

ジャン「……明日は雪だな」

ジャン(死んでもありえねぇと思ってた事が今起きちまった)

ジャン(明日は台風、共に大雪。間違い無しだな)

ライナー「お、ジャンこんな所にいたのか」

ジャン「ん?ライナーか」

ライナー「本当に助かった」

ライナー「ミカサが対人格闘の訓練の時にエレンとペアが組めなくて不機嫌になることが無くなった」

ライナー「俺はこの頃理不尽な暴力を奮われる事がなくなった」

ジャン「良かったじゃねぇか」

ライナー「全部お前のおかげだ!ありがとうな、ジャン。俺の用はこれだけだから帰る。引き止めて悪かった」

ジャン「別にいい」

ライナー「……」スタスタ……

ジャン「……何なんだ?今日は」

ジャン(まさか、ライナーにまで感謝されるとはな……)

ジャン(しかし、事の始まりって大体エレンなんだな……タラシが)

アニ「あ、あんたこんな所にいたのかい」

ジャン「あ?アニか。どうしたんだ?」

アニ「ありがたいと思っているよ」

アニ「あんたのおかげで対人格闘訓練の途中でミカサが邪魔しなくなったんだ」

アニ「それで、ミカサと対立=恋敵みたいな見られ方をされずに済むようになった」

ジャン「なんか、恋敵って見られて困る事でもあんのかよ?」

アニ「あ、あんたね……///私だってか弱い乙女なんだから、恋の一つ位……///ていうか、あの時もう付き合ってたし……」

ジャン「あ?付き合ってたってどういう事だよ」

アニ「っ!別にどうでもいいだろ?じゃ、用はこれだけだから私は帰るよ。引き止めて悪かったね」

ジャン「付き合ってるってなんだy((ゴッ」

アニ「……」スタスタ……

ジャン「……殴る事ねぇだろ」ヒリヒリ

ジャン(あの氷の女にまで……ホント今日はなんなんだ……大掛かりなドッキリか?)

ジャン(でも付き合ってるってなんだよ……)

ベルトルト「あ!ジャンいた!!」

ジャン「次はお前か」

ベルトルト「本当に感謝してる!」

ベルトルト「君のおかげで僕の彼女がエレンを好きっていう風潮を拭えたんだ!!」

ジャン「……もしかしてその彼女って、アニか?」

ベルトルト「えっ///何で知ってるの?///」

ジャン「お前の彼女も今さっきおんなじような内容の事を俺に言いに来たからな」

ベルトルト「うっ、いつかはバレると思ったけど……早すぎだよ///ぼ、僕の用はこれで終わりだから、かっ、帰るね。引き止めてゴメン」

ジャン「おい、アニとはどこまで行ったんだy((ゴッ」

ベルトルト「……」スタスタ

ジャン「……お前等似すぎだろ」ヒリヒリ

ジャン(ベルトルトにまで感謝されるとは……俺結構いい奴なんじゃね?)

ジャン(しかし、殴る位置、強さ、角度が全く一緒だ……痛ぇ)

マルコ「あ、ジャン!!こんな所にいたの?」

ジャン「マルコ?どうしたんだ?」

マルコ「本当にありがとう」

マルコ「僕と親友になってくれて、本当にありがとう」

ジャン「……何だよ急に」

マルコ「え?何でって聞かれてもさ」

マルコ「感謝の気持ちは、思った時に言わなきゃ、損しちゃうじゃない」

ジャン「……俺こそ」

ジャン「こんな俺の親友になってくれて、ありがとう」

マルコ「……ごめんね」

マルコ「一緒に夢を叶える事が出来なくなってしまって」

ジャン「……言うな……その事は」

マルコ「あの時にジャンに感謝の気持ちを伝える事が出来て良かったよ」

ジャン「……本当に、俺は弱ぇな」

マルコ「……そうだね。ジャンは強い人ではないかな」

ジャン「……あぁ、俺は何にも出来ねぇ……弱い人間だよ」

マルコ「でも、ジャンはジャンらしい強さを持っているじゃないか」

ジャン「……」

マルコ「僕は君より先に逝ってしまうけれど、最後にもう一度だけ言わせて欲しいんだ」

ジャン「……あぁ、俺もあと一回だけ言いたい事がある」

「「親友になってくれてありがとう」」


終わり

>>1です

今回のSSのテーマは「感謝の気持ちを伝える大切さ」です。

人間、いつ、どこで死ぬかわかりません。

身近な人への感謝の気持ち程、言いにくいと思います。

でも、伝えてこそ意味のあるものなので、今回このようなSSを書かせて頂きました。


実は、「ジャンは進撃の巨人の中でも不憫なキャラ」的なのを無くしてあげたかった、っていうのも一つの目的ですw

乙!

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