マルコ「流れ星」(9)

エレン「教官の用事に付き合わされて、やっと終わったと思ったらもうこんな時間か・・・」
アルミン「外、日が暮れて真っ暗だね、今日は月も出ていないからエレンとコニーの顔も見えないぐらいだよ」
コニー「そっか?顔ぐらいならわかるけどな」
エレン「コニーは視力良すぎんだろ・・・ん?あそこの草むら、誰か寝転がってないか?しかも二人?」
アルミン「え?どこどこ?どこ?」(草むらに寝転がった二人・・・これは覗き見のチャンスだ!)
コニー「あ、あれ、ジャンとマルコじゃね?」
アルミン「さすがコニーは狩猟民だね、暗くて遠いのにあれが誰かわかったんだ」(男の絡みに興味は無いな、スルーするか)
エレン「おーいマルコー!そんなところで寝転んでなにしてんだー?」
アルミン(邪魔してやるなよ、エレン)

マルコ「まあまあ、僕達はね、流星を見ようとしてるんだよ」
コニー「ああ、そういや『りゅうせいぐん』がどうとか言ってたな」
マルコ「ジャンに、一緒に見ようって誘ってもらってね」
エレン「はあ、流れ星ねぇ・・・ジャンのロマンティッカーっぷりには鳥肌立つぜ」ペッ
ジャン「ロマンティッカーってなんだよ!?いいからもうどっか行け!」
エレン「どっかってどこ?」
ジャン「遠く!」
エレン「遠くってどのくらい?」
ジャン「どこまでも!」

アルミン「そういえば、流れ星が消えるまでに三回願い事を唱えると願いがかなうって、おじいちゃんの持ってた本で読んだことがあるよ」(ジャンが渋りまくってたけど、結局五人で草むらに横たわって流星を見ることにした)
マルコ「へー、そんな言い伝えがあるんだ」
コニー「おお!マジで!?願いをかなえてくれるとか、流れ星って太っ腹だな!」
エレン「願い事か・・・あ、ジャンには教えてやんねぇから」
ジャン「お前の願いごとなんて聞かなくてもわかるっつーの」

コニー「オレは、母ちゃんにエプロンだろ、父ちゃんにはうまい地酒、サニーとマーティンにもそろそろ自分の狩猟ナイフを持たせてやりたいし・・・クソっ!流れ星が消えるまでに全部を三回ずつなんて言えねぇぞ!?」
エレン「コニー贅沢すぎんぞ、せめて一つに絞れよな」
アルミン「コニーのお願いはどれも買える物ばかりだね、お金があれば全部手に入るんじゃないの?」
コニー「おお!そっか、金にすりゃいっか!やっぱアルミンは頭いいな!」
エレン「あ、流れ星だ!駆逐!駆逐!駆逐!」
コニー「金!金!金!」
アルミン「背!背!背!女!女!女!肉!肉!肉!金!金!金!地位!地位!地位!」
ジャン「あーもー!お前らうっさい!どっか行け!」
マルコ「あははは」

三十分後
エレン「よ、よし・・・十回以上流れ星に願いを掛ける事ができたぞ!」ゼーゼー
コニー「大声出しすぎてなんか疲れたわ・・・帰って寝るか」ヒーヒー
アルミン「声が涸れちゃったよ・・・じゃ、僕らはそろそろ帰ろうか、ジャンもマルコもおやすみ」ハーハー
ジャン「くっそ、お前ら好き放題やるだけやって・・・星を眺めに来たのかお前らの大声を聞かされに来たのか、わかんねぇよ!?」
マルコ「三人ともお疲れさま、おやすみ」

ジャン「すまねえマルコ、せっかく落ち着いて綺麗なもん見れると思ったのによ」ショボン
マルコ「まあまあそう言わずに、ジャンに誘ってもらえて嬉しかったし、流れ星も見れて、みんなも楽しそうだったし楽しかったよ・・・なあ、そんなことよりジャン」
ジャン「あ?なんだよ」
マルコ「次はミカサ誘えるといいな」ニヤニヤ
ジャン「なっ、おまっ・・・余計なお世話だっつーの!俺のお願いなんかより、優等生はなにか願い事したのか?」
マルコ「なんだか話しをそらされた気がするなぁ・・・一応したよ、三回言えなかったけどね」
ジャン「なんだよ何をお願いしようとたんだ?教えろよー」
マルコ「口に出したら、かなわなくなっちゃいそうだから・・・だめ」
ジャン「ならば体に聞くこともある」ゴソ
マルコ「ちょっともう、こんなとこで・・・ひゃっ、くすぐったいって!あははっははは」(ジャンがわき腹をくすぐろうと覆いかぶさる、視界が遮られる直前に流れる光の筋が見えた。僕の願い事は・・・)



マルコ(ジャンと、みんなとずっと一緒に居られますように)

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