パシリ

男「まずはパシリから始めて有能さをアピールすればイチコロじゃないかな。パシリから始まる恋。うん、斬新」

友「いいように使われて終わりだと思うがな」

男「中学時代培ったパシリスキルを舐めちゃいかんよ。じゃ、探してくる！」

友「大丈夫かね……」

男「あ、いたいた。やっぱ単独行動が多いね。孤高ぶってんだろうね」

男「とりあえず話しかけんことにはどうにもならんね」

男「どう話しかけたもんかね。ナマステ！　駄目か」

男「>>6！　なんてどうだろうか」

お嬢！

男「お嬢！」

不良女「……」

男「お嬢！　お嬢！」

不良女「……？」

男「お嬢！」

不良女「あ？　私呼んでんのか？」

男「ソー、イエス。あなたよ」

不良女「で、んだよお前は」

男「貴女の未来の夫兼パシリです」

不良女「あ？」

男「パシリでぇっす！」

不良女「へぇ？　じゃあ飲み物買ってこいよ」

男「うっすうっす！」

男「買ってきましたぜお嬢！」

不良女「はえぇなおい。んで、ココアかよ」

男「ダメっすか！」

不良女「私はコーヒーが飲みたいんだよ」

男「あ、買ってますよ！」

不良女「お、なかなか使えるじゃないの」

男「そりゃね。愛の力ってもんですよ」

友「あ、どうだったよ」

男「掴みはバッチシだわ多分」

友「おぉ、良かったな」

男「まだだ。まだイチャコラには程遠いではないか」

友「まだなんかするのか」

男「あぁ。>>11、これで距離も縮まるってもんですよ」

混浴

友「今世紀稀に見る馬鹿だなお前」

男「稀代の天才、だろ？」

友「厄災だよ。流石に無理だろ」

男「愛の力は偉大なり」

友「無理だろ。ファーストコンタクトをさっき終えたのに次混浴かよ」

男「ま、行ったらわかるさ！」

男「お嬢！　お嬢ぅ！」

不良女「あ？　……なんだよ」

男「へへ、今日帰りお供しやすぜ！」

不良女「……べつにいいけどよ。その口調やめろや」

男「うぃぃいす！」

不良女「ムカつくなお前」

男「お嬢！　帰りませう」

不良女「お、おう」

ｻﾞﾜｻﾞﾜﾋｿﾋｿ　ﾊｹﾞ

不良女「お前あんま叫ぶんじゃねーよ」

男「可能な限り前向きに善処する」

不良女「しねーだろそれ」

男「今日は寒いっすねえ」

不良女「あ？　まぁそうだな」

男「風呂入って温まりたいっすねえ」

不良女「まぁ……」

男「あー、しまったー、家の鍵を忘れたー。これじゃ家に帰れないよー」

不良女「んだよいきなり」

男「いやー、このままじゃ寒空の下ひとり寂しく震えとかないといけないなーまいったなー」ﾁﾗｯ

不良女「うぜぇなお前」

男「あぁ、誰か家にあげてくれる可愛い天使はいないものかなー」

不良女「可愛ッ……おい」

男「はいなんすか」　

不良女「……私の家にくる、か？」

男「えー、いいんですかー？」

不良女「チッ、最初からそのつもりだろうが」

男「いやいやそんな。お邪魔します」

男「はいお邪魔します」

男「へぇ、いい家ですね」ｸﾝｸﾝ

不良女「なにナチュラルに私の匂い嗅いでんだよ」ｹﾞｼｯ

男「いたいっ」

不良女「いいか、リビングで待ってろ。絶対だぞ」

男「ウス！　トイレっすね？」

不良女「言わなくていいんだよ」

男「さて、部屋は……」ｸﾝｸﾝ

男「二階だな！」


男「あやや、ピンクの可愛い部屋だこと」

オウム「ピーチャン！」

男「オウム飼ってんのかよ」

オウム「ワタシノムネハ、オオキイ！」

男「おやおやワンモアプリーズ」

オウム「ムネ、オオキイヨナ！」

男「うーむ、いや、aだろあれ」

不良女「よぉ」

男「でもやっぱり大きさじゃくてハリだよね痛いですゴメンナサイ」

不良女「忘れろ。いいな」ｺﾞｺﾞｺﾞ

男「ムネオオキイネ！(裏声)」

不良女「ほう？」ﾊﾟｷﾎﾟｷ

男「マジスイマセンメリケンサックは洒落にならないんで」

不良女「忘れろ。いいな」

男「はい」

男「いやしかしお風呂に入りたいですねこうも寒いと」

不良女「……」

男「お風呂。温もりますよ」

不良女「いらねぇよ。てか図々しいな」

男「ぐぬぬ」

男(このままじゃ混浴は無理だ……諦めるか？)

男(否ッ！　我不屈の心で混浴させてみせようぞ！)

男(しかしどうするか。愛を深めませんかとでも誘ってみるか。メリケンサックの味がわかるだろうな)

男(>>25……とかはどうだろうか)

男性経験を聞いてみる。経験がなかったらムキにさせて混浴移行
いたら安価で再思考

男(男性経験を聞いてもし無ければつけ込める……！)

男(でもビッツィかもなぁ……ま、そん時はそん時か)

男(最悪メリケンサックの味は覚える覚悟で男、いきます！)

男「お嬢、聞きたいことが」

不良女「あ？」

男「今までの交際人数はいかに？」

不良女「な、なんでてめぇに教えねーとダメなんだよくそが」

男「む、いやいやとても可愛いのでやはり男性経験は豊富かなと」

不良女「また可愛いって……おい」

男「ウィ」

不良女「……誰にも言わねぇなら教えてやるよ」

男「そりゃもう。口の硬さは爪より硬いですから」

不良女「微妙じゃねぇか」

男「やだなぁ、カンボジアンジョークですよ」

不良女「うぜぇな」ｹﾞｼｯ

男「あうち！」

不良女「ま、まぁ教えてやるよ」

男「ウィイ」

不良女「えと……」

不良女「ま、まだ……」

男「え？　聞こえない」

不良女「まだ付き合ったことねーよ！　悪いかくそが！」

男「素晴らしい……これはキタで」

不良女「チッ……」

男「いや、まさかゼロとは……」ﾆﾔﾆﾔ

不良女「あ？　これからだろうが！」

男「チッチッ、お嬢……甘いですぜ」

男「今どきの女子は皆男との付き合い方を熟知しているんですぜ」

不良女「そ、そんな訳……」

男「あるんですよね」

男「男もやはり女子に尽くされたいですからねぇ。そういうのを知らない人とは付き合えないって人が多いですね」

不良女「な、な……それくらい私にもわかるからな！」

男(かかった！)

男「嘘だー」

不良女「あ？　信じれねーのかよおい」

男「んじゃ、少しテストをしてみましょう」

不良女「へっ、余裕だよ……多分」

男「じゃ、お風呂入りたいんですけど」

不良女「！　お、お湯ためてやる！」

男「あぁ、どうも。さすがですね」

不良女「へっ、当たり前だろうが」

男「さっすがー」

不良女「……たまったぞ」

男「えぇ」

不良女「？　早く入ったらどうなんだよ」

男「ハァー……駄目。わかってないですねお嬢」

不良女「あ？」

男「尽くす、ってのは一緒に風呂にも入るまでを言うんですよ」

不良女「い、一緒、一緒にぃ！？」

男「あれ、知りませんでしたか。ま、この程度って事で……」

不良女「ま、待て！」

不良女「でも私はそんな事聞いたことないぞオイ！」

男「誰が好き好んで『私達一緒にお風呂入ったの☆ｷｬﾋﾟ』なんて言うんですか」

不良女「う、むぅ、確かにそうだけどよ」

男「ま、怖いなら無理しなくていいですよ」ｸｽｸｽ

不良女「あ？　怖くねぇよ！」

男「ですよね。じゃ、入りましょうか」

不良女「え、あ……お、おぅ……？」

男(キタキタキター！)

もう寝るお

男「……」ｿﾜｿﾜ

男「お嬢ー、まだですかー」

不良女「ちょ、ちょっと待て！」

男「うぇーい」

男「……」ｿﾜｿﾜ

不良女「く、開けるぞ……」

男「そぉい！」ｶﾞﾁｬ

不良女「てめぇ！　いきなり開けるな！」

男「おぉ……タオル巻いてる……」

不良女「当たり前だカス」

不良女「くそが、背中流すぞ」ﾜｼｬﾜｼｬ

男「うっすうっす」

男(神っているんだねママ。ありがとう神様)

男(イチャコラより素晴らしいよねコレ。もう目的達成でいいんじゃないかな)

男(否、駄目だ。風呂に異性と二人きりのこの状況……)

男(活かさずしてどうしてくれようか！　男いきまあああす！)

男「あ、ありがとうございましたグヘグヘ」

不良女「き、きめぇんだよ！」

男「さて湯船に……あー、足が滑って偶然手がタオルに引っかかったあああ！」ｽﾞﾙｯ

不良女「あ？」ﾊﾗﾘ


不良女「あ……ああああ！」

男「わが生涯に一片の悔いなし。ごちそうさまでした」

男「知らない天井だ……」ｶﾞﾊﾞﾘ

母「あ、起きた。あんた大丈夫？」

男「お、マイマザー」

母「あんたが外でタオル一枚で倒れてたって警察から聞いたときは焦ったわよ」

男「うぅむ、風呂から記憶がないんだぜ」

母「ま、青春も程々にね」

学校

男「さて、二日目はどこまで進展するかな！」

男「まずは一応謝りにいこうそうしよう」

dqn「おう待てやこら」

男「あ、はい」

dqn「お前が男か？　不良女から聞いたぞオイ」

男「>>51」