男「生まれ変わったら>>2になりたい」女「私は>>3かな」(27)

はい


男「まな…? マナって事か」

女「そうそう。ファンタジーとかに出てくるエネルギーみたいなの」

男「訳がわからん」

女「いや、私不器用だし…自分で魔法とか使うより、マナ自身になって使われる方がいいのかなーって」

男「お前って本当脳内メルヘンだよな」

女「む…男こそ遊んで暮らしたい、とか強欲の塊じゃん!」

男「男の夢なんだよ」

女「ふぅん…まぁ、でも…」

男「生まれ変わったら俺が女を使ってやるよ」

女「そっ、かー…へへ」ニコッ


―70年後―

男「う…ゴホッ……」

女「……ねぇ男」

男「…なんだ」

女「若い時にした約束、覚えてる…?」

男「……あぁ、もちろんだ」

女「また…来世でも一緒になれるか、なぁ…」

男「……」

女「男……? 男ってば…」

女「男…ぅ、…グスッ…」ポロポロ

(今さらマナカナのつもりだったとは言えない…)


―とある世界・カジノ―

男「おっしゃあー!! 大当たりぃぃ!」ジャラジャラ

執事「坊っちゃま、そろそろ剣術の稽古のお時間ですが…」

男「…今いい所なんだけどな……。サボったらどうなる?」

執事「旦那様の折檻を受ける事になりましょうな」

男「よし帰ろう」

執事「ご理解が早くて助かります」

男「はぁ…こんな平和な世界に剣とか役に立つのかね」

執事「…ふむ。目的としては腕っ節よりも心の強さ、精神を鍛える事に重きを置いてますから」

男「心…心ねぇ…」

>>6
まじか…頭の隅に置いとく


―とある街・屋敷―

師範「そんなものか!」ダッ

ガキイィィィン!

男「ぐ…っ…!」

渾身の一閃。男はそれをいなすも、師範は身を翻して、腹に後ろ蹴りを叩き込む。

男「っ…がぁ…、は!」ズザァァ

師範「…今日はこれまで!」チャキン

男「つぅ…ありがとう、ございました」


男「…ふぅ……こんなはずじゃないんだけどなぁ」

男「好きな事をして好きなもん食って…自由に暮らしたい…」


……

男「あー…疲れた。執事、飲み物」

執事「どうぞ」サッ

男「さんきゅー……ってマズっ!! なんだよこれ!?」ブッ

執事「疲労した身体に効くよう、火ヤモリの尻尾、インキュバスの睾丸など精のつくものを煎じました」

男「…お前って頭はいいけどアホだよな」

執事「こりゃ手厳しい」

男「もう二度とやめてくれ…いや、お願いします」

執事「かしこまりました」

男「もう飲み物いいや…。ちょっと屋敷内散歩してくらぁ」


……

男「無限にいきたい~♪無限に生きられ……」

男「? こんな所に階段なんてあったかな」

ツカツカツカツカ…

男「灯りは燭台だけ…って」

男「少なくとも人の出入りはあるのか」



男「通路ばっかりだし…まぁ一本道だから迷いはしねぇけどさ」



男「ん……何か光ってる?」


男「宝玉…?」

男「家宝とかかね」ナデナデ



執事「男様」

男「うぉ!? ななななんだよ! 忍かお前!」

執事「ここで何を?」

男「いや、見慣れない階段があったからさ。降りてみたらこれがあってさ」ナデナデ

執事「! それに…触れる事ができるのですか?」

男「ん? 駄目だった?」

執事「これは…大変な事になりましたな…」


執事「それは貴方様の家系に代々引き継がれてきた宝でして」

執事「不定期で階段が現れ、人を呼び込む。ただ、不思議な事にそれに触れる事はできないと、そう聞いております」

男「ん……んん?」ナデナデ

執事「詳しい事は旦那様にお聞きになるのがよろしいかと」

男「う…親父か…。できるだけ会いたくないんだけど」

執事「避けては通れませんな。どうか辛抱なさって下さい」

男「はぁ…わかったよ」ナデナデ

男「遊んでりゃ呼び戻される、散歩してりゃ訳のわからん物を見つける」

男「俺の人生どうなってんだ…」

執事「……」


……

父「…ほう」

男「……」プルプル

執事「それでは私はこれで」

男「ちょ!?」

バタン

男「……あっ」

父「……」

男「……」

男(気まずい…)


父「まさかお前の代で予言通りになるとはな」

男「いや…あのー、つまりどういう事なの?」

父「これを見よ」ヒュッ

男「おっ、と…巻物?」パシッ

父「我が家に伝わる予言書、とでも言おうか。読んでみろ」

男「『その宝玉手にし物、発現せし精霊と共に光をもたらす』…?」パラッ

父「そう。その宝玉が、貴様が撫でくりまわした物」

父「残念ながらそれ以上の事はわからんが…一つ手掛かりがある」

男「手掛かり?」

父「今から言う屋敷に向かえ。そこに手助けしてくれる人物がいる」


……

男「ここか」

ガチャ

メイド「お待ちしておりました」

男「…俺を、ですか?」

メイド「はい。どうぞ」

男「っ…ちょっと待って」

メイド「……」スタスタスタ

男「うちよりでかいな…」


メイド「こちらに」

男「この部屋に入ればいいの…いいんですか?」

メイド「敬語は結構です。どうぞ」

男「はぁ」

ガチャ

男「…暗っ」

メイド「では」ギィィィ…

男「ちょ」

バタン

男「えぇ…」


男「こんな所で何を…」



老人「ほっほっほ」

男「ひっ」ビクッ

老人「おっと、驚かせたかな」パッ

男「明かりが…って誰だおっさん!?」

老人「わしが誰かなんて些細な事。早速話に入ろう」

男「いや、かなり置いてかれて――

老人「勇者と魔王の伝説はご存知かな?」

男「急だなおい。まぁ…知ってるけどさ…」


男「確か魔王によって滅ぼされた世界が、勇者によって救われたとかそんなんだっけ」

老人「うむ。端的に言えばそうじゃな」

男「そのおとぎ話が宝玉に何の関係があるんだよ」

老人「ではそのおとぎ話が真実だったら?」

男「ボケたかジジイ」

老人「いや…真実には違いないが、少し違う」

男「無視か」

老人「魔王は力は強大すぎた。勇者パーティ全員の力をもってしても」

老人「あと一歩の所まで追い詰めたがまだ足りなかった」

老人「残された手段はただ一つしかなかった。それは…全生命力を使った封印じゃった」


老人「そうして勇者と魔王は消え、戦いの場に残ったのは2つの宝玉。その1つがそれじゃ」

男「これ?」ピカッ

老人「そう。1つは魔を封じた玉、もう1つは…もしもの時の対抗手段。それは勇者の家系に予言の書と共に伝えられた」

男「えっ…」

老人「おそらく勇者が死に際に、永遠に封じる事はできないと悟っての事じゃろう」

老人「いつか魔王を倒す事のできる誰かに、託すために」

男「……」

老人「もうわかったじゃろう」

老人「お前さんが勇者の子孫であり、選ばれし者じゃ」ドヤァ

男「……」


老人「まぁ細かい事はよい。その宝玉じゃが…」

男「もうどうにでもなれ…」

老人「その玉は魔法の源である魔力…つまり空気中に漂うマナを取り込み、擬人化する事のできる代物」

男「つまり…精霊と仕組みは一緒なのか」

老人「うむ。では早速始めるか」

男「爺さんいちいち展開が急なんだって…ついていけねぇ」

老人「さて、どのようなマナを取り込もうかの?」

男「うーん…具体的にはどんなのがあるんだ?」

老人「ふむ、火や水や光…様々じゃな」

男「なるほど…。それなら>>25のマナにするか」



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