ライナー「俺は戦士だ」(992)

ライナー
(降りしきる雨は止む様子がない)

(迷いは振り払わなければ)

(そう、こんな事で揺らいでいられない)

(雨に濡れたクリスタが隣にいるぐらいで)

クリスタ
(ライナー、座りこんで額を抑えてる)

(雨に降られて、この木の下に来てからだいぶたってる・・・)

(体が冷えて、体調が悪くなってるんじゃ)

クリスタ「ライナー」

ライナー「おう」

クリスタ「頭、いたいの?大丈夫?」

ライナー「・・大丈夫だ。ちょっと考え事をし」

クリスタ「?どうしたの?」

ライナー「い、いや、大丈夫、だ。なんでも、ない」

クリスタ
(喋るの辛そう・・顔も赤い・・さっきより強く額を抑えてる・・・)

ライナー
(なぜだ)

(なぜノーブラなんだ・・・!)

(ユミルは・・普段あんだけ一緒にいるのに)

(成長期の女の子にブラ付けろとか注意しないのか!?)

(ありがとう、ユミル)

(違う!何が「ありがとう」だこの筋肉ダルマ!)

ライナー
(ダメだ、直視するな、目の端で捉えるんだ)

(違うだろ!何が目の端だ!そもそも見るな!)

(雨でぴったりと張り付いて、形が分か)

(違う違う違う見るな!俺は戦士だ!)

ライナー
(・・・ほんのり、色も)

(馬鹿野郎!俺は戦士だ!
壁内の人類は全て滅ぼさなければいけないんだ。
全てだ。全て。場合によってはクリスタも、だ。
揺らぐな、全て滅ぼすんだ。
全て、全て、全て全て全て全てすべてすべてすべてすけてる)

(全て透けてる!?)

クリスタ
(眼を見開いた!?)

クリスタ「ライナー、熱があるんじゃ」

(眼を見開いたと思ったら、目頭を抑えて、天を仰いで)

(震えてる。訓練でも、こんな辛そうなライナー見たことがない)

ライナー「い、いや、大丈」

クリスタ「やっぱり、熱がある」

ライナー
(おデコとおデコ入りました!)

ライナー
(なにが入りましただ!このやろう!)

(・・・クリスタの真剣な眼差しが目の前に)

(そうだ、クリスタは真剣に心配してくれてるんだ)

(邪な心を抱いてはいけない)

(俺は戦士だ。気合入れ直して、邪念を振り払)

(・・・唇、ツヤッツヤのプルップルじゃないですか・・・!)

(おかしいだろ!なんであの訓練所の飯でこんな肌キラキラの唇ツヤッツヤなんだよ!)

クリスタ「顔も赤いし、こんなに熱いし・・どうしよう」

ライナー
(立ち上がった!)

(位置関係としては、目線を前に向ければ見える)

(なんだこのおデコ、唇からの流れるようなコンビネーション!)

(なんなんだこの娘は!
天然はエレンだけで足りてるんだよ!
それともこれが猛禽か!)

ライナー
(ダメだ!戦士だろ!
そんなものにうつつを抜かすわけにはいかない、戦士としての俺が問われる、絶対絶命のピンチなんだぞ!
馬鹿野郎!ピンチだ!認識しろ!
今はピンチだ!認識しろ!はい、ピンチピンチピンーチ!
ピンチピンチピンチピンチピンチぴんく)

クリスタ「ライナー!?」

ライナー
(・・・ぴんくかー!まいった!
ライナーまいったよ!
ピンクだよ・・・見えちゃったよ・・・
ピンクだよ!
訓練ジャケット下の白シャツの色を座学4位の俺の脳で演算(0.125秒)してさっぴいてもピンクだよ!キレーなピンクだよ!
しかも小ぶりな円だよ!パーフェクトだよ!
パーフェクツ!
大体なんでピンクなんだよ!
ここは使い込まれた暗褐色あたりで俺を幻滅させて、迷いなく戦士として決意させるべきだろ!
馬鹿野郎!
暗褐色だったらサクッと滅ぼさせたのに!
やるなぁ壁内人類!
あんなファンタスティックな物が壁内にあると分かったら、ライナー、扉、壊せないでしょ!
ちゃんと考えて!
そしてユミルありがとう!略してユミがとう!
違う!俺は戦士だ)

クリスタ「大丈夫!?ライナー!」

クリスタ
(どうしよう・・両手で頭抱えちゃった・・・
呼吸も荒くなってる・・
冷えて、どんどん具合悪くなってるんだ・・・
どうしよう・・どうしよう・・・!)

(少しでも温めないと!)

ライナー「あ、ああ、大丈夫、だ」

ライナー
(クリスタが教官に頼まれて、訓練所はずれの倉庫へ)

(卒業試験で使う資材を取りに行くって)

(重いだろうと、手伝いに)

(帰り、土砂降りになって)

(途中、木の下で雨宿り)

(ただそれだけの事で、戦士としての決意が粉微塵になりそうだ)

(・・・ベルトルトとアニの事を考えよう)

ライナー
(あいつらとは、壁内へ攻撃を始めてから)

(避難所、開拓地、訓練所と耐えて、共に過ごしてきた)

(何のために耐えてきたんだ!座標を探すんだろ!)

(作戦を成功させて、三人で故郷へ帰るんだ!)

(何が何でも作戦を決行するんだ!決行だ!けっ)

クリスタ
「・・・ライナー、ごめん。私、背が低いから、こういう風にしか、だっこできない。
いやだよね、ごめんね。
でも、体、温めないと・・・」

ライナー
(けっこん)

クリスタ
(震えがひどい・・・もっと温めないと・・・!)

ぎゅむう

戦士ライナー
(掴まれた 終わる 柔らかい ヤバイ
サイズは小さいが 固くはない
体温が熱い それはイイ匂いを含んで)

ライナー
「うっ」

クリスタ
(今までより大きく震えた・・!
どうしよう!どうしたら・・!)

ライナー「フゴフガ」

クリスタ「ライナー!まって、温まるまでまって!」

ライナー「クリフタ、クリスタ。大丈夫だ、ありがとう」

クリスタ「え。さっきまであんなに熱くて、震えて」

ライナー「もう落ち着いた、大丈夫だ。
震えも止まったし、熱もない。
一時的なものだ、もう収まった」

クリスタ「でも、あんなに」

ライナー「大丈夫だ」

クリスタ「ん、なら良いけど・・無理はしないでね」

ライナー「ありがとう。ん、晴れたな」

クリスタ「・・・あ。本当だ」

ライナー「・・・先に戻っててくれ。標的板をまとめるロープが解けてな。直してから行く」

クリスタ「ん、待ってるよ?」

ライナー「ありがとう。
だが、クリスタは先に戻って教官に遅れた理由を伝えてくれないか。
もう一時間は経ってるしな」

クリスタ「そうか、そうだね。分かった、先に戻ってるね」

ライナー「ああ、また後でな」

クリスタ「うん、じゃあ行くね」

ライナー「おう」

ライナー「・・・」

(近くに小川があったな・・・)

(パンツ洗って帰ろう)

(・・・立派な兵士にならないとなぁ・・・)


こうして、ライナーの兵士人格は完成した。
それは卒業試験のわずか2日前の事であった。

(完)

お終い。
またなんか思いついたらここに投げます。

まだ途中だけど投げ

私は戦士だ

アニ
(なのになぜ、二人っきりでこんな所に)

(街に一緒に行ったら、どんな顔するか)

(ちょっと見たいなんて思うんじゃなかった)

(緊張する)

(もう何ヶ月かしたら解散式なのに)

(・・・作戦、決行なのに)

(こんなの、ただの気の迷いだ)

アルミン
(出窓に肘をついて、ずっと外を見てる)

(座学の復習、付き合ったお礼に)

(ご飯奢るよ、て言われた時はびっくりしたけど)

(買い物、ご飯と楽しかった)

アニ「・・・・」
(この椅子、固い・・・)

(おしり痛い・・・)

(緊張する)


アルミン「・・・・」
(このベッド、しっかりしてるなぁ。割とちゃんとした宿なんだ)

(訓練所のとは大違いだ)

アニ
(ベッドに座りたい・・)

(ドキドキしてむこう向けない)

(きっとアルミンがこっちを見てる)

アルミン
(なりゆきとはいえ、ここに来て)

(少し・・・いや、かなり期待してしまった部分があったけど)

(この宿に入ってから、ずっと黙ったままだ)

(やっぱり僕はそういう対象じゃないんだろうか)

アニ
(・・・ミーナにあんな本借りるんじゃなかった)

(あんまりにも読みな読みなってうるさいから借りたら)

(男と男がイチャコラする短編小説ばっかり)

(最初、ドン引きして)

(すぐ返そうとしたら、半泣きになられて)

(もう少し読んでみるよ、何ていったのが間違いだった)

アルミン
(アニ、何を見てるんだろう)

(何を考えてるんだろう)

(少し辛そうにも見える)

(やむを得ないことだけど、それでも僕とここに泊まる、ってイヤなんだろうか)

ア二

(最初は気持ち悪いって思ったけど)

(はまってしまった)

(何であんなに薄くて、挿絵が沢山あるのか分からないけど)

(アレは、良いものだ)

(いや、何で私はアレにはまったんだろう)

アルミン
(アニはきっと、純粋にお礼がしたかっただけなんだ)

(遠くを見てる)

(こういう所、誰とならアニは良かったんだろう)

(きっと僕ではない、誰かを思ってる)

(・・・そうか、あいつらがいけないんだ)

(避難所、開拓地と一緒に過ごしてきて)

(その頃はお風呂も一緒に入ってたけど)

(どんどん体が大きくなって)

(なんか・・・色々と可愛くなくなって)

(というか怖くなって)

アルミン
(誰だろう・・・)

(・・・分かり切ってる事だ)

(今までのアニの態度も、それを裏打ちしてる)

(でも、そう思いたくない)

アニ
(開拓地で、となりのテントのおばさんが)

(わたしにだけ、色々と教えてくれた後)

(ライナー、ベルトルトと最後に入ったお風呂が衝撃的だった)

(・・・あんなものが入る訳がない・・・)

(更に大きくなるとか意味が分からない。
巨人かよ。あ、巨人か)

アルミン
(きっとあの目線の先に)

(思い描いてるんだ)

(親友なのに)

(悔しい)

アニ
(ベルトルトの目線の意味に気付いて)

(・・・怖くなって)

(訓練所に入る前は、同郷の仲間として過ごす予定だったのを)

(私だけ離れた方が、万一露見したときのリスク回避になるってゴリ押しして)

(離れたんだっけ)

アルミン
(真剣な表情をしてる・・・)

(やっぱりエレンだ)

(悲しい)

(あれ、何で僕は悲しいんだろう)

アニ
(そもそもあの目線がキモい)

(「ああ、うん」とか返事も要領得ない)

(でかいし何考えてるかわかんないし、不気味。
訓練中の事故に見せかけて葬りたい)

(ライナーはまだ許せる)

(兄貴みたいなものだし)

(ライナーが好きなのは私じゃないし・・・)

(あれ?もしも、無いとはおもうけど、もしも。
そうなったらクリスタ無理じゃない?体格的に。比率的に)

(あまり喋った事ないけど、あの娘、良い娘だし)

アルミン
(なんでだろう、何で悲しいんだろう)

(あれ)

(期待してた?何を?何故?)

(・・・ああ、そうか)

(僕は、アニの事を)

アニ
(いや、それ以前に。
考えてみればクリスタは壁教の重要人物かも知れないじゃない)

(なに悠長に作戦目標に欲情してんだ
あのロリコンゴリラ。腹立ってきた)

(・・・今度、格闘術の時間に重点的に内腿蹴っておこう)

(内腿のフリして、金的を徹底的に潰そう)

(どうせ巨人の力で治すだろうけど)

アルミン
(情けないな・・・こんな風にならないと自分の気持ちに気づけないなんて)

(気持ちを伝える事もなく、状況で終わりに気付くなんて)

(アニが目を閉じてる)

(なんて綺麗な横顔なんだ・・・髪と睫毛が夕日を受けて輝いて)

アニ
(そういや、女にだけ月1の定期便があるってのも腹立たしいね)

(ライナーにだけでも、男を代表して定期便を受け取って貰おう)

(決めた。格闘術の時間の度にタマタマを潰してあげよう。定期的に。
どうせ壊さなきゃいけない世界なんだろうけど、
その前に男女平等を部分的にでも実現してみよう)

(感謝するよ、ライナー。なんか楽しくなってきた。いいね)

アニ
(この間、アルミンが探してくれた医学、人体全書)

(あれにのってた膨張率の平均値を、うろ覚えだけど最後に見たサイズにかけたら)

(私の手首より太かった・・・)

(今は背丈や体格からするともっと・・・)

(そんな凶器が存在するなんて許せない)

アルミン
(かといって、一緒に寝るわけにも)

(・・・僕だけ、毛布で床で眠ろう)

(・・・よし)

アルミン
「ねえ、アニ」

アニ
(ていうか、そんなのをぶらさげてる奴が私を好きとかありえない)

(どうしよう。怖い。キモい。任務遂行の為には完全に離れられないのも最悪)

(ベルトルトも蹴りつぶし・・いや、私にやられたらアイツ喜びそう。
無理。無理無理無理。あいつ意味わかんない。どうしよう)

(・・・わかった。ミーナにこう言えばいいんだ)

(「ベルトルトは実はホモで、エレンの事が好きらしい」)

アルミン
(あれ)

(声かけたのも気づかないくらい考え込んでる)

(艀船が欠航になったのと)

(地下街の犯罪者が街に紛れ込んだせいで内門が閉じられてるからとはいえ)

(僕とアニが一緒に出掛けた事は何人かが知ってるし)

(帰らないとなると、噂になる)

(・・・・エレンの事が好きなんだから、悩むだろう)

アニ
(1日もかからず、皆、教官、もちろんミカサまで知れ渡るはず)

(仕上げに、ベルトルトと私を結ぶ直線上にエレンが来るようポジショ二ングを心がけて)

(ミカサがベルトルトの視線を誤解すれば)

(流れるように、その日のうちにミカサにグチャグチャにされて)

(その出来事自体が皆に噂を「真実」だと印象付ける。
社会的にも生物的に死を迎えるだろう。・・・死なないか、巨人だし)

(そこは少し残念だけど)

(うん、いい。アルミンが戦術の講義を捕捉してくれたのが生きてる。
「複数人による巨人の罠へ誘導」だったっけ)

(「囮班」が人じゃなく噂なのと、「罠」の位置がベルトルトなのが違うけど。
アルミンのおかげで応用も出来てる。うん、実践も必要だよね。
この案採用。ありがとう、アルミン)

アニ
(何でこんな事考えてるんだっけ)

(そうだ、ミーナのせいだ)

(貸してくれた薄い本の中に)

(アルミンとそっくりな子が出てくるのがあった)

(それまでは借りてただけだったけど)

(ミーナにも秘密でそのシリーズは買ってしまった・・・)

(それまでは一冊、鋼貨1枚とか意味不明だって思ってたけど)

アニ
(あのシリーズはそれ以上の価値がある)

(頭が良くて、根性があって)

(・・・友達思いで優しい)

(金髪の美少年)

(まさに理想。美しい。
ライナー達みたいなモジャモジャ共は早急に死ねばいい)

アニ
(新刊はすごかった)

(一つ年上の先輩と遠くの街にでかけたら、
天候で艀船が欠航になって、止む無く宿をとって)

(あのシチュエーション考えた奴天才)

(その中でもどかしくも惹かれあって、結ばれるまでの過程とか最高)

(そう、こんな宿だよね。ちょうど窓の作りもこんな・・・・)

(!?)

(こっこここっここここんな!?)

アルミン
「アニ、アニ」

アニ
「ファッ!?」

アルミン
「!?」

アニ「は、はい!」

アルミン「あ、うん、ええと、そろそろ遅いし、寝ようと」

アニ
(何で!?そういえば何でアルミンと一緒にいるの!?
あああ思い出した!欠航と、内門閉鎖で帰れなくなったんだ!
アルミンと一緒の状況に耐えられなくて現実逃避してたんだ!
ただいま現実!)

アルミン「・・・で、寝ようと思うんだけど、いいかな?」

アニ「た、ただいま」

アルミン「え」

アニ
(あ、う。なんか出た)

アルミン
(顔抑えてうつむいてしまった・・・
会話がちゃんと出来ないくらいに悩んでるんだ・・・)

アニ
(ただいまって、どこに帰ってきたの!意味わかんない!
アルミンに馬鹿なコだと思われる!
何か、何か違う事言わないと!)

アニ「・・・お風呂入りたい」

アルミン「え」

アニ
(いいいい意味わかない!なんで!ここで!お風呂なの!
午後から天気が荒れたから確かに汚れてるけど!バカなのコニーなの!)

アルミン
(ええと、どういう事だろう。
・・・そうか、色々考えすぎて不安になったから、
リラックスしたいんだ。
言葉間違えるくらい悩んでるなら、これは無意識に近い所から出てる言葉のはず・・・)

アニ「アアアアルミン、ちが」

アルミン「分かった、ちょっと宿の人にお湯持ってきてもらうよう頼んでくるよ」

アニ「あ」

アニ「アルミン、まっ」

「って・・行ってしまった・・・」

(どうしよう。変な奴だと思われたかも)

(それもそうだけど。この宿の作り、あの本のままじゃない)

(・・・動揺するな。アニ。
こんなことで。薄い本の影響受けすぎだ)

(そうだ、こんなこと何でもない。
ちょっと見てみたいって思っただけだ)

(私は戦士だ。もっと困難な状況を乗り越えて来たはずだ。
そう、例えば)

アニ
(・・・・!)

「うえっ」

(なんで・・・)

(なんで・・・・・!)

(「困難な状況」でアイツラと開拓地で最後にお風呂入った時が出てくるの!)

(普通はここで最初の壁への攻撃の場面とかじゃないの!?)

(なんでアイツラのモジャモジャとか
ベルトルトが体洗ってる私をチラチラこっち見てる所とかなの!)

(狭い浴室の済でベルトルトが座り込んだまま立ち上がらなくなったから)

(湯あたりしたかと思って心配して声かけた瞬間、立てない理由に気づいた時のあの衝撃とか!)

(どおおおおぉでもいいでしょおがあああぁああ)

アニ
(わけわかんない・・・・涙が出て来た)

(アイツ、立てないんじゃない、勃ってたんだ)

(なああぁんでそんなこと考えなきゃいけないのおぉぉ)

(・・・いつか殺す)

(ダメだ、涙が止まらない)

(訓練中の事故に見せかけて始末してやる)

(ダメだ、あいつがいないと外門を破れない)

(私が訓練所で孤立した生活を送ってるのもアイツのせいなのに)

(なんでこんな時にまで出てきて私の思考まで邪魔するの)

(お願い、ミカサ)

(私は任務があるから、アイツ、殺せない。ミカサがやる分には何の問題もない。
訓練中にトラブルに巻き込まれて死んだって報告すれば済む。ほんとお願い)

アニ
(涙、とまらなくなってきた)

(何でこんな思いを)

「ひっ。ひっく」

(あ、まずい。呼吸まで。本気泣きになってきてる

(アルミンが、見たら、心配する。とめないと)

「ひっくひっ。ひっ。けほっ」

(とまらな)

アルミン
「アニ!すごいよこの宿!水車とポンプを使ってお湯を・・・」

アニ
「けほっ、けほっ。ひっ、ひっ。あ、あるみ、ん」

アルミン「ア、アニ」

(泣くくらい不安になってるんだ)

「アニ、大丈夫だよ」

(僕と帰らなかった事が噂になると・・・エレンの耳にも入るだろう)

「ひとまず、そこじゃなく、ベッドに座ろう」

(そうすると、流石にエレンも気を使って、自然距離も離れる)

「・・・はい、水。ゆっくり飲むと落ち着くから」

(人付き合いの苦手なアニが、どれだけ格闘術の訓練を楽しみにしてるか)

(エレンとの時間を楽しみにしてるか、僕は知ってる)

(それは、無くしたくない)

アニ「ひっく。けほっ。あ、ありが、と」

(あ、やさし、い。うれしい)


アルミン「ゆっくり、飲んで。ね?」

(その時間を無くすわけにはいかない)

(アニのためにも)


アニ「ひっく。ひっ。けほっ」

アニ
(?今「飲んで」ていった?飲めば、いい、のかな)

「う、ん」

「けほっ。ごくっ。ごくごく」


アルミン「あああ、もう少しゆっくり!」


アニ(え。あ)

「コッ。コポッ。ココココポッゴボッコポッ。ブフッ」

(こらえて!こらぇ)

「ブッププクプルププぶふァッ」


アルミン「ああっ!」

アニ「うっ、けほっ。うあっ」

(なんで、涙)

(アルミンに、かかった、ああ)

「あぐっ。ひっ。うう、ごめ、ん」

(水?なに、これ)

(わからない。どうして。なんで、アルミン)

「ひっ。うあっ。あっ。ああ」


アルミン「大丈夫から、気にしないで。今タオルもってくるから」


アニ(やだ、私)

「あっ。ああ。うあああ」

(わかんない。涙、とまらない)

「あぐっ。あっ。ひっ。うあっ」

(ごめん、アルミン)

「ああああ。うあああああ」

アルミン「はい、タオル。ふくよ」


アニ「ひぐっ。うん。うん。あああ」

(やさしい、あった、かい)


アルミン「ごめんね、急に水を飲ませて。苦しかったよね」


アニ「ひっ、あ、るみん、わるぐ、な、ふ、ひぐっ。あああ」


アルミン「!?大丈夫。ね?わかったから。ね?」


アニ「あるみん、わるくな、ああああ。ふああああ」


アルミン「わかった、わかったよ。僕はわるくない。うん」


アニ「ゔん、わるぐ、ない。うああ」


アルミン(・・・どうしたらいいんだ)

アニ「ひっく。ふぐ。うあ。ひぅ」

アルミン(ごめん、アニ、触れるよ)

アニ「ひっく、ひん。ひぐ。う?」

アルミン「わかったよ。・・・大丈夫だから。ね?」

アニ「ひっ。うん、うん」

(せなか、ぽんぽん、て、してくれてる)

アニ「ひぐっ」

(あたまも、なでてくれて)

アニ「うあっ。ぐすっ」

(安心する・・・)


・・・・・・・・

アニ「アルミン」

アルミン「ん」

アニ「ありがとう。落ち着いたよ。
・・・みっともないとこ、見せちゃったね」

アルミン「んーん。気にしないで」

アニ「・・・さっき」

アルミン「うん?」

アニ「お湯が、って」

アルミン「・・・うん。裏手に水車があって、
その水車でポンプを動かして、ボイラーで炊いたお湯と水を加圧して
客室まであげてる。9時まではお湯炊いてるから、それまでなら
蛇口をひねればお湯が出るんだって」

アニ「すごいね」

アルミン「うん」

アニ「・・・見てみたいな」

アルミン「そうだね、浴室いってみようか」

アニ「・・うん」



アルミン「結構立派なお風呂だね」

アニ「うん」

アルミン「これが・・赤い印がついてるほうがお湯かな?
これを、ひねるっていってたけど、あつっ」

アニ「

アニ「・・・お湯、出たね」

アルミン「うん」

アニ「すごいね」

アルミン「うん。すごいね」

何か間違えた

>アニ「

これ削除で

アルミン「同時に水を出して、温度調整するんだって」

アニ「水って、こっちの青い方かな」

アルミン「だと思う」

アニ「・・・出た」

アルミン「うん、出たね」

アニ「お湯・・・このくらいでいいかな」

アルミン「丁度いいんじゃないかな」

--------------
今日ここまで
仕事パッツンぱっつんなので更新できるときに更新
悪しからず

読んでくださってる方、ありがとう

アニ「・・・アルミン」

アルミン「うん?」

アニ「さっきは、ごめん」

アルミン「うん、気にしないでいいよ

アニ「色々かんがえてたら」

アルミン「うん」

アニ「涙がとまらなくなって」

アルミン「・・・うん」

アニ「・・・・本当に、ごめん」

アルミン「・・・ん。大丈夫だよ」

アニ「ありがとう」

アルミン「・・・」

アニ(こんなに、優しいのに)

(私が、私たちが作戦を・・)

(・・・・)


アルミン(また考え込んでしまった・・・)

(きっと・・・)

(・・・よし)

アルミン「大丈夫。アニが心配するようなことにはならない」

アニ「?・・・なんのこと?」

アルミン「明日、戻ったら、皆に誤解されないように、別々の部屋に泊まったって話すよ」

アニ「・・・え?」

アルミン「だから、アニも話をあわせてくれるかな」

アニ「別に、かまわないけど・・・」

アルミン「うん。ありがとう」

アニ「・・・うん」

アニ(アルミン、さっきより・・暗くなった?)

(・・・優しい顔)

(なのに、目は悲しそう)


アニ「アルミン」


アルミン「うん」


アニ「なんだか・・・うん」


アルミン「うん」


アニ「何か、考えてる?」


アルミン「・・いや、何、ってことでもないよ」


アニ「・・・」

(嘘ついてる)

アニ「・・・・アルミン」


アルミン「ん」


アニ「・・・今日」


アルミン「うん」


アニ「・・・アンタと一緒に、この街に来て」


アルミン「ん」


アニ「市場の屋台見て回って」

「一緒に、本屋いって」

アニ「そこで、アンタが面白い本見つけたよね」


アルミン「・・・暖めた空気を使った、重量物運搬の可能性について、だね」


アニ「あの本見つけた時、すごい嬉しそうだった」

(あ)


アルミン「うん」


アニ「どういう原理で軽くなるのか、って説明してくれたよね」

(待って)

「はじめは、楽しそうだったけど」

(とまって)

「話すうちに、どんどん、寂しそうになっていた」

(やめて)

「アンタが、抱えてる物があるのは、なんとなくわかる」

アニ「・・・何かまでは、分からないけど」

アルミン「・・・うん」

アニ「私は今日」

(ダメ)


アルミン「・・・」


アニ「私は」

(それはダメだ)


アルミン「・・・アニ?」


アニ「私は・・・・」

(言ったらダメ)

「楽しかったんだ」

(だから何)


アルミン「・・・・うん」


アニ「さっき、私が泣いてたとき」

(お願い)

「アルミンが、助けてくれた」

(それ以上は)

「嬉しかったし、安心した」

(どうせ)

「安心、した、んだ」

(死んじゃうのに)

「だから、アルミン、が」

(私が)

「アルミンが・・・」

(殺すかもしれないのに)


アルミン「アニ」

アニ「アルミンが、悲しい、のは、いやだ」

(何も出来ないのに)

「だから」

(見てるだけで、少し話せるだけで良かったのに)

アニ「だから・・・」

(どんな顔するか見たいなんて、思わなければ)


アルミン「アニ」


アニ「私、が、」

(できないのに)


アルミン「もう」


アニ「う、あ」

(たすけたい)


アルミン「もう、泣かないで」

アニ「あぐ、ある、みん」

(また、背中、手)

(あったかい)

(いやだ)

(うれしい)

(なんで)

「ふ、あ、ああああ」

(なんで)

アルミン「・・・アニ・・・大丈夫。ね?大丈夫だから。」

(僕なんかに、しがみついて)

(アニって、こんなに小さかったんだ)

(くそ)

(何で僕は・・・)


アニ「うああ。うあああ」

・・・・・・

アニ「あー。・・・アルミン」

「なんか、泣きっぱなしで、ごめん」

「面倒くさい女だね」


アルミン「もう、気にしないで」


アニ「散々泣いたら、すっきりした」

(意味はないのかもしれない)

「すっきりしたから、言うよ」

(でも、このままは嫌だ)

アルミン「ん?・・・はい、お水」

アニ「・・・また吹き出すかもよ」


アルミン「今度はゆっくり飲めるよね?」


アニ「そうだね」

「ん・・・。大丈夫、だね。ありがとう」

アニ「今日、楽しかったから」

(色々考えすぎると、たぶん、ダメだ)


アルミン「うん」


アニ「悲しく終わるのは、いやなんだ」

(ある程度、話した方がきっといい)

アニ「アルミンは考え込んでること、あるよね」

「私も、ある」

(任務の事とか)

「言いにくい事も、あるけど・・・」

(ライナーのを潰そうとかは流石に)


アルミン「うん」

(あ、少し笑った)


アニ「だから、話そう。話せる所までで良いよ」

「私も、話すよ。何考えてたとか」

(どこまで話せばいいんだろ)

アルミン「・・・うん」

アニ「・・・話しにくい?」

アルミン「うん、ごめんね」

アニ「謝らないで。じゃあ、私から」

アニ「ええと。あぁ」

(嘘はあまりつきたくないな。アルミン相手だとボロが出そうだし)

(それ以前に、アルミンには嘘つきたくない)

「ん・・・。ベルトルトが、私のことを好きらしくて」

(話せる事だけ、話そう)


アルミン「はい!?」


アニ「・・・え」


アルミン「そうなの!?」


アニ「え。バレバレでしょう。あたしの方ずっとみてるし」

アルミン「・・・ベルトルトはミーナが気になるっていってたけど」


アニ「ふーん」

(アイツ、そういう誤魔化し方してたか)

「違うよ。私がミーナとよく一緒にいるから、そう言ったんだろうけど」

「ミーナと離れてる時でも、私の方チラチラみてる」


アルミン「・・・」


アニ「アルミン?


アルミン「・・・・・・」

「・・・うん、確かに。格闘術の訓練のときも、アニの方を見てるね」

「ミーナは別の人と組んでる事が多いのに、ミーナが居ない時も見てる」

アニ「・・・今の間はなに」


アルミン「いや、格闘術の時間を思い出してたんだ」


アニ「一昨日の?」

(一昨日はあんまりこっち見てなかったけどな)


アルミン「いいや、今までの格闘術の時間。開始から終了まで、ベルトルトの動きを思い出してた」

「どこの位置にいて、どこを見てて、誰と組んで何してたか、とか」

「週2回ある格闘術の授業中、ベルトルトがアニの方を見てる頻度は、かなり高いなぁって」


アニ「さっき?思い出したの?いままでの格闘術の時間、全部?」


アルミン「うん」

アルミン「最初の時から。初めての格闘術の時間、彼はライナーと組んでて、よそ見した時にライナーに腕捻りあげられてた」


アニ「・・・どんな感じに思い出すの?」


アルミン「たとえば、最初の時だと」

「位置関係を、ざっと思い出して見たんだ。確かにその時、ベルトルトの目線の先にアニがいた」

「アニは相手を探しながら歩いてて」

「で、似たような感じでブラブラしてたユミルと鉢合わせて、組んでた」

「教官が近くにいて、ユミルもアニも嫌そうな顔してたのを覚えてる」

「サシャとコニーが鳥みたいな恰好して遊んでる所を見つかって」

「そちらへ教官が行って、しばらくしたら、ユミルとアニは訓練やめて、また歩き始めた」

「二人とも、周りの皆よりしっかりした動きしてたのに、何でだろう、と思ったよ」

「ベルトルトは『痛い』とかいいながらも、目線だけはアニの方向いてた」


アニ「そんな感じで、今までのを、全部?」


アルミン「うん。あくまで、ざっとだけどね」

アニ「すごい・・・」

(今まで、少なくとも200回以上、格闘術の時間はあった)

(話半分にしても、普通の人の『思い出す』とは比較にならない)

(というか、危ない。単騎の戦力でいうとミカサがぶっちぎりで危ないけど)

(アルミンは方向性が違う。もっと大きな局面で脅威になる可能性がある)

(少し頭が良いとかそんなものじゃない。多分、作りから違う)

(話し方間違えると、計画も何もかも崩れかねない)

(下手な嘘は付けない・・・どう話したら・・・)

アルミン「そんな詳細に思い出してる訳ではないよ。部分的に、ベルトルトとその周辺だけだよ」

(そういえば、アニの事良くみてたんだなぁ、僕は)


アニ「それにしたって・・・」

(どう話せばいいんだろう。開拓地で一緒だったことは話せない)

(そもそも、ほとんど知らない同士てことになってるし)


アルミン「・・・アニ?」

アニ「あ、うん」

(いけない、考え込んでた)

(任務の事と、アイツラとの関係だけふせよう)

(女がする話じゃない気がするけど、よっぽどマシだ)

「笑わないでね」


アルミン「?わかった、笑わないよ」


アニ「でね。アイツが私の事好きだって話を聞いて」


アルミン「誰かから?」


アニ「うん、ハンナ」

アルミン「え、意外。ミーナじゃないんだ」


アニ「・・・アンタ、ミーナを何だと思ってるの」


アルミン「ええと」


アニ「怒らないよ」


アルミン「・・・じゃあ言うけど、女子側の噂話の出本」


アニ「・・・ハァ」


アルミン「え、ごめん」


アニ「いいや、正解だよ。おこらないよ」

アニ「で、その・・・この間、図書室で、アルミンが」

「医学、人体全書ての、見つけてくれたでしょ」

「あれに、載ってたんだけど、その・・・」


アルミン「うん」


アニ「その・・・」


アルミン「うん?」

(顔が赤くなってる)


アニ「男の、人の・・・その」


アルミン「うん?」

(どんどん赤くなってく)

アニ「そういう、のの、お、大きさが載ってて」

(あああ何いってるんだ私は)


アルミン「・・・ええと」

(何いってるんだこの娘は)

アニ「・・・だから、その」

「ベルトルトは、背が高いから、その・・・」

(あああああ)


アルミン「ううん?」

(あー。なんとなく分かったけど。顔赤くしてるの可愛いから)

(このまま聞こう。少しくらい、良いよね)

アニ「・・・きっと、大きいだろ」


アルミン「ぷっ」


アニ「笑わないって、約束したのに」

「・・・だって、その。そんな大きいの、付いてる、ヤツが」

「私を好き、って怖いだろ」



アルミン「ご、ごめん。ぷっ・・」

(かわいい)


アニ「・・・話すの、やめるよ?」

アルミン「っ・・・ごめん」

(耳まで真っ赤だと、怒った顔もかわいいなぁ)


アニ「なんでニヤニヤするの」


アルミン「ごめん」

(あ、まずい)


アニ「・・・本当に怖いのに」

「もう、話したくない」

アルミン「ごめん。もう、笑わないよ」

(そうだ、アニぐらい強い女の子が、怖いって言ってるんだ)

(真剣に聞かないと。それに)

(女の子が、男にこんな話するのは辛いはず)

(あれ?恥ずかしい、てことは、男として見られてるのかな)


アニ「・・・次笑ったら、やめるよ?」


アルミン「うん、わかった。ごめんね」

----------
今日ここまで。次回投稿未定
すみませぬ

・・・このコ達、目的地まで行くのにすごい時間かかる
早くベルトルトの話を書きたい
それはまだまだ先の話だけど、考えてる展開をさらっと書くと

1.ミカサがベルトルトをボッコボコにする
2.ミカサがベルトルトをボッコボコにする
3.ミカサがベルトルトをボッコボコにする

の3つを主軸に、その前後も描こうと思ってます
おやすみなさい

アニ「それで・・・どうしたら身を守るか、考えて」

(ああ、引かれるかな)



アルミン「うん」


アニ「ミーナに 『ベルトルトはホモらしい』 てことと」

(嘘つくよりはいいや)


アルミン「うん・・・うん?」


アニ「あと 『エレンの事が好きらしい』 って話をしようって思って」


アルミン「う、うん」

(それは危ないんじゃないか)

アニ「ん・・・・・」


アルミン「大丈夫。話、続けて大丈夫」

(いや、まさか)


アニ「・・・うん・・・それで、ベルトルトはいつも私の方をみてるから」

「噂が広まったころに、私とベルトルトを結ぶ直線上に、エレンが来るように心がけ」


アルミン「あああアニ、まって、ちょっとまって」

(なんてことを考えるんだこの娘は)

「それはアニの身は確実に守れるけど、は下手したらベルトルト」

アニ「あんだけ体大きいんだから大丈夫でしょう」

(やっぱり頭いいなぁ・・・)


アルミン「い、いや・・・」

(ベルトルトの事が怖いって言ってたけど)

(君も怖いよ)


アニ「・・・・・」

「ごめん、ひどいのは分かるけど・・・・アイツ、怖いんだ」

「何考えてるか分からないし」

「体大きいし・・・」

アルミン「うーん」

(でも、そこまで・・・・)


アニ「アルミン、分かりやすく話すと」

(置き換えたらすぐ分かるはず)

「ライナー、ホモだって噂があるよね」

「あれ、半分本当だよ」


アルミン「え」


アニ「ライナー、好みのタイプはアルミンらしいよ」


アルミン「え、でも」

アニ「クリスタのこと?だから、半分っていってるよ」


アルミン「え」


アニ「自分より背が低い、優しそうな金髪」


アルミン「え」


アニ「男女は問わない」

アニ「好みに一致さえすればいい」

「私は優しそうじゃないからセーフ」

「アルミンは優しそう」

「しかもライナーと部屋は同じ」


アルミン「・・・」

(それは・・・。あ、今、ほめられた)


アニ「どうする?アルミン」

アルミン「・・・・アニのほど過激じゃないけど、手は打つかな」


アニ「そうするよね?」


アルミン「うん・・・ごめん。ひどいって思ったけど、そうだよね」

「でも、今のライナーの話は嘘だよね?」


アニ「うん、分かりやすいかと思って」


アルミン「よかった、安心した」

---
ここまで。
休み取れたらもちょいかきます

一応1です。
トリップ忘れてしまったので変わりまする

アルミン「でも、なんでそこまで。それにアニだったら」

アニ「だから、怖いんだよ」

アニ「・・私が直接何かしたら、あいつ喜びそうだし・・・」

アルミン「直接って、例えば?」

アニ「え・・・」

アルミン(また赤くなった)

アニ「・・・いや・・・・・その・・・」

アニ「け、けり」

(い、いい言いたくない)


アルミン「蹴り?」

(確かに蹴飛ばされたら喜びそうだなぁ・・・)


アニ(でも、嘘は言いたくない・・い、言うしか)

アニ「・・・け、けけけ、り ツ ブ・・シ・・」

「タリ」

アルミン「・・・? ・・蹴ったり?」

(何をこんなに恥ずかしかってるんだ?かわいいから良いけど)


アニ「・・・」

(ダメだ、ダメだ、あああでも取り繕ってボロが出るよりは)


アルミン「? 蹴るんじゃなくて?」


アニ「けけ、けり」


アルミン「けり?」

アニ「け、り、つぶ、ス」


アルミン「!? な、なにを!?」


アニ「あ、い、いや、ちがう!そっちじゃなくて!」


アルミン「えっ・・・あっ!?」


アニ「あ。あぁっ!?ち、ちがう!そうじゃない!あってるけどちがう!」

・・・・・

アルミン「・・アニ」

アニ「・・・・」

アルミン「話を、整理していいかい」

アニ「ダメ」

アルミン「えっと」

アニ「しないで」

アルミン「あの」

アニ「しないで」

アルミン「・・・」

アニ「・・・・」


アルミン「とりあえず、タオルかぶったままはやめよう、アニ」

(これはこれで可愛いけど)

(ほぼタオルの山だ)


アニ「・・・」

アルミン「座った状態でそれだけタオルかぶられると」

「正直、僕も誰と話してるかわからなくなる」

(困ったコだなぁ)


アニ「・・・」

アルミン(応えてくれるかな)

「アニの顔も見たいし」

(あ、動いた)

「ね?」

(また反応した)

「じき、お風呂もたまるから・・・あれ」

アニ「?」

「・・どうしたの」


アルミン「いや、お湯の出が悪くなって来てて」

(目だけのぞかせてる。かわいいなぁ)


アニ「・・・あ・・止まった」


アルミン「どうしたんだろう」


コンコン

とりあえずここまで。
カタツムリみたいな速度ですみません

じわじわ書いてるので気長にお待ちください

アルミン「宿の人かな。僕が出てくるよ」

アニ「うん」

アルミン「はい、はい。お湯を溜めてる途中で・・・」

・・・・・

おかみさん「どれぐらい湯はたまったの?ちょっとみてもいい?」

アルミン「あ、えと」

(アニがタオルに、あ)


おかみさん「うん?・・・あなたは何してるの?」

アニ「・・・寒くて。すみません」

(この人、何処か見覚えが・・)

おかみさん「そっか、お風呂入りたいだろうにごめんね」

「水車とポンプのつなぎ目が、ちょっとマズいかんじになちゃってね」

「そのまま動かしてると壊れそうだったから、止めたのよ」

アルミン「そうだったんですか」

おかみさん「でもこのくらいなら大丈夫だね。二人で入っちゃえば丁度いいかな」

アニ「!?」

アルミン「いや、僕たちは」


おかみさん「いいじゃない。こういう機会なんてそうそう無いんだし、羽伸ばしなさい」

「あなた達、訓練兵でしょ?」


アニ「え」

(なんで、私服なのに)


おかみさん「何で分かった、て顔してるね。私の旦那も兵士だったのよ」

「手のひらのタコ。立体機動装置のトリガーで出来たやつ」

アルミン「・・・はい」

おかみさん「大変なのも知ってる」

アニ「・・・」


おかみさん「大丈夫よ、兵団に言ったりしないから」

「こんなこと言いたくないけど、一緒に過ごせる時は大事にしなさい」

アニ(・・・このまま、卒業までいったら)

(私は憲兵団に、アルミンは調査兵団に)

(アルミンが壁外にいったら)

(それよりも前に作戦を決行するとしたら)

(もう、こうやって一緒にいる事なんて、出来なくなる)

(・・・私は)

おかみさん「わかった?」

アルミン「・・・はい」

アニ「・・・」

おかみさん「よし。じゃあ、さっさと入っちゃいなさい」

アルミン「あ、そ、そっちじゃなくて、大事にって」

アニ「はい」

アルミン「!? ア、アニ」

アニ「・・いやなの?」

アルミン「いや、そうじゃないけど、だけど」

アニ「・・じゃあ、はい、ろう」

アルミン「う、えっと」

おかみさん「うん。邪魔者は消えるわね」

アルミン「いや、ちょっと」

おかみさん「・・・女の子が勇気だしてるのに何言ってるの?」

「彼女、顔真っ赤にして。涙目になってるよ?」


アルミン「あ・・」

おかみさん「頑張りなさい」

・・・・

廊下にて

おかみさん
(何あれ!初々しくてかわいい!)

(ふたりとも金髪碧眼美男子美少女だし!)

(なんでウチの娘はああじゃないのかしら・・・て二親とも黒髪だし当たり前か)

(いやそんなことより!)

(キュンキュンするんですけど!)

(ヤバいヤバいキュンキュンする!)

(・・・隣室、空いてたよね)

(ウヒヒヒヒ。よし。よーし。よーし。ウヒヒ)

とりあえずここまで

仕事、プライベートとも師走らしく立て込んでます
カタツムリ進行が冬眠中のカメムシばりに遅くなりますが
じわじわ進みますのでご勘弁を

更新あったらラッキー程度でお待ち頂けると幸いです

だめだ、どう頑張ってもエロ方向になった

若い二人いたらそうなりますよね

というわけで投下

アルミン(行ってしまった)

(なぜ、いやアニは、どういう)


アニ「・・・アル、ミン」

アルミン「は、はい!」


アニ「・・少しだけ、暗く・・できる?」

(さすがに恥ずかしい)


アルミン「あ、ああ、うん、わかっ、た」

「ええと、ランプ、絞るね」


アニ(ここまで暗いと・・何も見えないのも嫌だ)

「・・窓・・・ちょっと、開けて」


アルミン「う、うん」

アニ「・・・ん。この位の明るさ」

アルミン「・・アニ、あの」


アニ(私は、何をしてるんだろう)

(いや・・もう、こんな機会なんて来ない)

(今だけでも、せめて)


アルミン (衣擦れの音が、する)

(なんだ、なんで、エレンを)

(アニは、なんで、僕を? そんなはずは)

アニ「・・・アルミンも」

(はしたない)


アルミン「・・・っ!」

「っ、はっ、アニ、まっ」


アニ「早く。・・・私も寒いんだ」

(ごめんなさい)


アルミン「う、うん」

(思考が、まわらない)

おかみさん (壁に・・コップを・・)

おかみさん (よーし。よし。よーしよしよし。ばっちり聞こえる)

(いいよー。男の子のドギマギした感じも女の子の頑張ってる感もすごくいい)


アニ (脱いだ、かな)

「アルミン、手、を」

(触れたい)

「・・暗いから」


アルミン「あ」

(冷たい。小さい・・)


アニ「・・・ん」

(アルミンの手、思ってたより大きい・・)

「・・・あった、ここ、先に」

おかみさん(おおおおお)

(いったー!青い春と書いて青春!)

(アニちゃんだっけ。1ポイント先取!)

アニ「入った?」


アルミン「・・うん」

(頭が、真っ白、いや)

(アニの事だけで、いっぱいだ)


アニ「・・・」

(少し・・・肩まではつからない、かな)

アルミン「水位が」

(こういう事、なれてるのかな)


アニ「プッ。水位。ふふ」

アニ「水位って、アルミン、あんた」

(おかしい)

「いま、水位って。ふふ」

(少し、気楽になった)


アルミン「増えたから」

(アニが、隣に)


アニ「私も入ったから、あ」

アルミン「あ、あああごめん」

(肩??柔らかい)


アニ「ん・・大丈夫」

(ドキドキする)

「ねえ」


アルミン「はい」

(落ち着け)


アニ「・・・はい、って何」


アルミン「ごめん」


アニ「謝ってばかり・・・ふふ」

アルミン「うん。ごめん。あ、うん、何?」

アニ「ふふ。落ち着きなよ、アルミン」

アルミン「あ、ごめん」


アニ「プッ。くく」

「ごめん、て、私もか、ふふ」


アルミン「笑いすぎだよ・・・何?」

(なんでこんな余裕なんだ)

アニ「うん、ふふふ」

「私たち、ひどいお風呂の入り方してるなぁって」


アルミン「え」

アニ「え、じゃないよ。入る前に、体、洗ってないよ?」

アルミン「・・・本当だ」

アニ「ふふ。安心した」

おかみさん (ほぐれたぁああ)

(そう、その感じ!お互い初めてなのに緊張感が解ける一瞬!)

(生涯に一度!)

(プライスレス!宿代は取るけど!)

(イヤッホーイ!)

アルミン「・・・?」

アニ「緊張してるの私だけかと思った」

アルミン「え、緊張してたの」


アニ(してないように見えたのかな)

「・・・傷つくよ」

「しないわけないだろ。こんなの初めてだよ」

アルミン「え」


アニ「・・・」

「・・・『え』って・・・」

(・・・アルミンから、どう見えてるんだろう)

「う」

(はしたない?)

「く、う」

(こんな事するのって、きたな、いのかな)

(泣くな)

「ぅ。ぁ」

おかみさん(しょおおおねぇええん)

(たのむよぉおおほぉぉアルミンくうううん)

(そらないよおおお)

(いけ!ギュッと!それで解決する)

アルミン「あああ、ごめん、そうじゃないんだ」

(しまった、いくら緊張してるにしたって、ひどいことを)

「そうじゃなくて、僕、全然はなせてなかったから」

(何て言えばいいんだ)

「緊張してて、何だか分からなくて」


アニ「・・・っく、ほん、とう?」

(よかった)


アルミン「うん、ごめんね」

(おさまる、かな)


アニ「うん、ひっ」

(あ、また)


アルミン「アニ・・・」

(どうすれば・・・そうだ)

アニ「ひっ」

(何度か、泣いたから、はじまると)

「う、だい、じょう、ぶ」

(とめない、と)


アルミン「アニ、大丈夫だよ」

(声からすると、この辺に、頭が)

(なでて・・・)


アニ「ひっ。ぅぐあっ」


アルミン「!?」

(なんだ今の感触!?)

おかみさん(!?『ぅぐぁっ』てなに!?)

(この場面で出てくるセリフなの!?)

(なにやったの少年!)

アニ「・・・いたい」

(なんだ今の)


アルミン「だ、大丈夫!?」


アニ「なんか目に・・入った」

(おかげで気持ち切り替わって、泣きそうなの止まったけど)

(ちょっと格闘術の時みたいな気分に)

(なんだこれ)


アルミン「ご、ごめん、頭をなでよ」

アニ「てことは、今のあんたの指?」


アルミン「えっと、だと、思います」

(言い切ってないのに、追求はやい・・・!)


アニ「・・・なんで敬語なの」

おかみさん(なにやってんだあああ)

(あきらかに!アニちゃん怒ってるじゃない!)

(なんでおばさんがこんな心配しなきゃいけないの!)

(さっきまでのキュンキュン感から転落だよ!)

(割増すよ!宿賃を!三割増し位に!)

アニ「ふううううぅぅ」

(落ち着け、違う。敵じゃないし、そういう場面じゃない)

(ええと)


アルミン(・・溜め息つかせちゃった・・・)


アニ「アルミン」

アルミン「はい」


アニ「敬語やめて」

(ああもう何でそんなキツイ言い方)


アルミン「・・うん」

アニ「ええと、手、かして。この辺?」

アルミン「あ、うん」

アニ「軽く掴んでるから、どういう風に手を動かしたか、やってみて」

アルミン「・・・うん」


アニ「・・・なんで、この高さを水平に私の方へ向かって動かすの」

(運動苦手なのは知ってるけど・・・)


アルミン「なでようと思って」

アニ「指は、なんで横に伸ばしてるの」

アルミン「早く、触れたくて」


アニ「あ・・・無意識に、そうなったの?」

(それは、少し、嬉しい)


アルミン「うん」

(雰囲気、和らいだ?)


アニ「この高さには私の頭があるよね」

アルミン「うん」

アニ「私はアルミンに向かって話してる」

アルミン「あ」

アニ「てことは、顔はそちらを向いてるよね」

アルミン「・・・」


アニ「そこへ向かって、指を開いた手を、水平に移動」

(父さんとやったなぁ)

アニ「ふふ。暗闇の中、正確に目突きをする練習、訓練でやったっけ?」

(あ、・・・しまった)


アルミン「・・・ごめん」

(情けない)

アニ「てことは、顔はそちらを向いてるよね」

アルミン「・・・」


アニ「そこへ向かって、指を開いた手を、水平に移動」

(父さんとやったなぁ)

アニ「ふふ。暗闇の中、正確に目突きをする練習、訓練でやったっけ?」

(あ、・・・しまった)


アルミン「・・・ごめん」

(情けない)

アニ「暗がりで人を探すときは、手のひらで探すの」

(懐かしい感覚で冗談めかしていったけど)

「声である程度あたりが付いてたよね」

(普通はそんなの、懐かしくないよね)

「その方向で上から下にゆっくり手を振れば」

(バカにしたように聞こえたかも)

「一番最初に触れるのは、頭か肩になる」


アルミン「・・・」

(そんなことも分からないなんて)


アニ「アルミン」

アルミン「・・・うん」

アニ「もう一回、やりなおして。・・それでチャラにしてあげる」

アルミン「え」

アニ「え、って言わない」

アルミン「・・・うん」

アルミン「こう、かな」

アニ「・・ほら。頭の上に手、のった」

アルミン「うん」


アニ「・・・ん、そう・・・」

「ぁ」

(なでられてるだけなのに)

「・・・ぅ」

(すごいふわふわする)

「ぁ・・・」

(とけそう)

おかみさん(アニちゃんナイス!)

(ナイスフォロー!)

(年上なのかな、姐さん女房なのかな)

(ふふふふ いいよー スバラッスィ!)

アルミン「・・・ごめん。また、痛かった?」

(髪の毛とか引っ掛けたかな)


アニ「ちが、う、ぁ」

(手が、のってるだけなのに・・・!)

「ふ、・・・ぁ」

(変な、声が)

アニ「まっ、て」

「ぁ、ぁ」


アルミン(泣いてる・・・?)

(違う・・・・)

(?・・・・)

(・・・・)

(・・!)

アニ「ぁっ!・・っ!」

(また、なで、られ、て)

アルミン「・・ごめん、アニ」

アニ (え)

「ぅあ、ふ、あ」

(アルミンの、から、だ?)

アニ「おね、が、まっ」

(手がせなか、に)

「!んんっ!んぅっ」

(くち、びる)

「んあっ!はっ、まっ」

(ちから、はいらな、なに、が)

「んっ!んうっ!まっ、て、アル」

「んんんっ!?っく、あ」

(そんな、むね、は)

「ああっ!あ、あ」

おかみさん (いったああああ)

(じゃない!)

(まてえええ少年!)

(なんだその超展開!)

(若さか!若さのなせる技か!)

(どうなるんだこれ!)


?「・・・母さん?何してるの?」

おかみさん((!!!しーっ!))

?((??なに?))

おかみさん((今いいとこなの!))

?((・・・なに?コップ?なに?))

アルミン(止まらない・・!)

「アニ・・・!」


アニ「っは、アルミン、まっ」

「んむっ!んーっ!んうっ!」

(ちが、う、まだ)

(こんなんじゃ、これじゃ)


アルミン(下に・・・!)


アニ「あふ、あああっ!」

(ちがう・・・!)

「あう、う、あ・・・!」

「・・・!」

「や・・・!」

「・・・まって!」

「アルミン!まって!」

おかみさん(どうなるんだこれえええ)

((・・・?なんでアンタ顔面蒼白なの))


? (あの二人がこんな・・・!)

(それどころじゃない、こんなの私が知ったって分かったら)

(アニ、どれだけ怒るか・・・!)

(一体いつから・・少し前から図書室で行ってたけど・・・アルミンと?)

(いや、同名の人とか、聞き違いかも)


おかみさん((そういや、多分あの二人、訓練兵よ))


?(はい!ご本人様、2名様でのご到着です!)

アルミン「あ・・・!」

アニ「は、はあっ、はっ」

アルミン「・・・ごめん、いやだったね」

アニ「ちがう!そうじゃない!そうじゃなくて」

「そうじゃなくて・・・。はっ」

「ちょっと、まって」

(呼吸が、心臓も)


アルミン(・・・僕は、弟というか、そういう感じなのかな)

(だから、一緒にお風呂入るとか出来て)

(・・・やっぱり、エレンなんだろうか)

アルミン「ごめん・・・アニの気持ちも考えずに」

アニ「はぁっ、はっ、何を、いってるの」

アルミン「他に、好きな、ひとが」


アニ「はっ、アル、ミン・・・」

「あんた、頭いい、のに、バカ」


アルミン「そうかもしれない、でも」


アニ「私は、好きでもない、人と」

「こんな、一緒に、入らない」


アルミン「え・・・」

アニ「え、じゃ、ないよ」

「・・・バカ」

「言わないと、分からない?」


アルミン「え・・・!」


アニ「私は、アルミンが、好きなの」


アルミン「う」

(え、え)

アニ「だから、嫌じゃない」

「・・嬉しいけど、でも」

「・・・お風呂入るって言ったの、私だけど」

「だけど、アルミンの気持ち、知らないままで」

(それでもいいって)

「さっきみたいに、すごい勢いで」

(一度だけでも、て思ってたのに)

「・・・もしかしたら、そう、したいだけだったらって」

(こんなに、欲張りだ)

「それは、嫌」

アニ「・・・だから、アルミンの、気持ちを教えて」

アルミン「・・・僕は」

アニ「うん」

アルミン「いや、僕も」

アニ「・・・!」


アルミン「アニが、好きだ」


アニ「・・うん」

(神様、なんて言う資格無い)

(でも、神様)

「ありがとう。・・・うれしい」

アルミン「アニ・・・」

アニ「まって」

アルミン「え」

アニ「・・・ちゃんとお風呂入ろう?」

アルミン「・・うん」

おかみさん(着地したああ)

(・・あれ、ついコップ渡しちゃったけど)

(うちの娘は・・・)


?(・・・友達のこういう場面知るのが)

(こんなに複雑な気持ちになるなんて)

(なんでだろう、整理しよう)

1.聞いてる事バレたらアニ激怒する

(うん、生死に関わるねこれは)

(普段そういう所ぜったい見せないし・・・)

(逆にアニのかわいいとこ見れるチャンス・・・
いやいやリスク高すぎ)


2.新しい同人のネタにウキウキしてる

(アニとアルミンをモデルにして、
ウチの宿設定で、♂x♂話、書いたけど)

(最近、ネタに詰まってて・・・先の展開の参考になる)

(これは嬉しい)

(まさか。あれ、アニ読んでないよね)

(本棚のここから右だけ貸す、て約束したもんね)

3.母とそれを聞いているという現実

(・・・)

(情けない・・・)

(友達が大人の階段を登る。その時に)

(ちがう、それもあるけど、こんなのいけない)

アルミン「・・・さっきは、ゴメン」

アニ「ん・・・私もゴメン」

アルミン「アニが謝ることはないよ」

アニ「・・・あのさ」

アルミン「うん」

アニ「私、はじめてなんだ」

アルミン「・・・ゴメン」

アニ「そうじゃなくて、なんて言えばいいんだろ」

「キスもね・・・初めてだっんだ」


アルミン「うん」


アニ「さっきの、嬉しかったんだけど」

「正直、色々と早過ぎて、分かんなくて・・・」

「だから、キス。ゆっくり、して?」

おかみさん((いい感じだね))

ミーナ((うん・・ていうか、母さん))

おかみさん((何?))

ミーナ((やめよう?二人、私の同期だよ))

おかみさん((え、そうなの?))


ミーナ((うん。女の子の方は、私の友達・・))

((気にはなるけど、こういうのは・・・))

((どんな顔してアニに会えばいいか、分からなくなっちゃう))

おかみさん((うーん))

ミーナ((お母さん))

おかみさん((わかった、部屋に戻ろっか))

ミーナ((うん))

おかみさん((その代わり、ミーナの恋愛話聞かせなさい))

ミーナ((なんでまた))

おかみさん((キュンキュンしたい。したりない))

ミーナ((・・・そんな、無いよ?))

(私のお母さんだなぁ)


おかみさん((そんな、てことは、あるんだね?))

ミーナ((う。・・・片想いだけど))

おかみさん((よしきた。で、どんなコなの))

ミーナ((ん・・・すごい目的意識の強い人で・・、部屋戻ってからでいい?))

おかみさん((うん。戻ろう))

・・・・

アルミン(我慢だ、我慢・・・!)


アニ「ん、ん。っは、はぁっ」

(やさしい・・・涙が)


アルミン「アニ・・・」


アニ「あ・・・」

(アルミン・・・)

(あったかい・・・)

(ふれてる所が、すごく・・・)

(あ)

アニ「・・・・」

アルミン「あ、アニ!」

アニ「アルミンの・・・」

アルミン「あ、あ。まっ、て」

アニ「こんな・・・」

アルミン「アニ、我慢、出来なくなる」

アニ「あ・・・ごめん」


アルミン「はあ・・・」

(あぶない、出そうに・・・)

アニ「・・・ごめん、つい」

アルミン「・・・ん。ん??」

アニ「うん。不思議でさ」

アルミン「ん・・」


アニ「アルミンだと、全然こわくないんだ」

「それが不思議で・・・ゴメン」


アルミン「・・・それは、嬉しいような、悲しいような」

アニ「・・・なんで?」

アルミン「いや・・・そういう・・そういうののサイズとか、男だから、気になるし」


アニ「・・アルミンの、さっき触れた感じだと」

「多分、だけど。平均より大きいよ」


アルミン「え」


アニ「本でしか知らないけど。大きい方だと思う」

「・・・なのに、怖くないんだ。不思議・・・」


アルミン「・・・よかった」

「・・・そろそろ。体、洗って出る?」

アニ「・・・うん」

ミーナ「・・・」

おかみさん「はあ・・・それで、そのコにはアプローチしたの?」


ミーナ「・・・まだ・・その」

「あ!でも!班が一緒の時は、結構、話するよ!」


おかみさん「うーん・・・」

ミーナ「な、なに?」


おかみさん「あんた、顔もスタイルも悪くないんだから」

「押せば行けると思うんだけどなぁ・・」

アニ (体拭いてもらったら)

(体温が一気に・・熱い)

(先に出て、待ってるね、て言ったけど)

(今更だけど、待つってそういう事だよね)

(このあと・・・)


アルミン「・・アニ」


アニ「・・うん」

(目、慣れて、アルミンが見える)

ミーナ「・・・アニが、その人ことを好きだと思ってたんだ」


おかみさん「・・・そっか」

「アニちゃん、大事な友達なのね?」


ミーナ「うん・・・」

おかみさん「男の子は、アルミンくんとは違う人?」

ミーナ「うん。だから・・・少し安心したかな ・・」

おかみさん「じゃあ、頑張りなさい。ね?」

アニ「あっ・・・!」

アルミン(我慢、ゆっくり・・・でも、どうすれば・・)

アニ「ん、んっ。んちゅっ、あっ」

アルミン(そうだ・・・僕は・・!)

ミーナ「うーん・・・」

おかみさん「?何か問題があるの?」

(考え込みかた、私に似てるなぁ)


ミーナ「問題というか・・・その人ね、幼馴染みがいるんだ」

おかみさん「お。故郷にお互いを誓い合った人がいるとか?」

「でも訓練所はいってるときの遠距離恋愛なんて、やっちゃったもん勝ちよ?」


ミーナ「いや、一緒に訓練兵やってるんだ、幼馴染み」


おかみさん「ついて来ちゃったかー!そう来たか!」

アルミン(男子寮にある全てのエロ本・官能小説の類は読破済み・・・!)


アニ「あっ、んっ。んんっ」

(みみ、口、舌、が)


アルミン(あれだけの情報があれば、どれが真実でどれが妄想かも分かる・・・!)


アニ「んっ、あっ。ふぁっ」

(あ、ゆっくり、熱い)


アルミン (合計862冊!三年間の成果を今!)


アニ「ふあっ。あ。ちゅっ。ん、ん」

(せ、なか?なに、ゆび?)


アルミン(全て、最良の手順、緩急、タイミングを踏んで見せる!)


アニ「ぅ、ぁ・・・?っく、あ、あ」

(巻いてた、タオル、いつのま、に)

おかみさん「でも、ミーナ位、可愛い娘が迫れば大丈夫!私の娘だし!」

ミーナ「・・・超美人なんだ」

おかみさん「え。どんな感じに?」


ミーナ「うん・・・アニも、美人なんだけど」

「その娘は、雰囲気が全然違うんだ。
なんていうか・・・見たこと無い顔立ちで」

アルミン「アニ・・・」

アニ「あ、あっ」

アルミン「隠さないで」

アニ「はず、かしい」

アルミン「大丈夫だよ・・・」

アニ「ん・・・」

(あ、手が・・・)

ミーナ「何か、大元から違う感じに、とにかく美人・・・」

おかみさん「・・・なにそれ」

ミーナ「肌の色も、ちょっと違う柔らかい色してて」

「小顔で、まつ毛も長いんだ・・」


おかみさん「・・・幼馴染み+ソレって、ズルくない?」

アルミン「・・ふれるよ」

アニ「あ、んんんっ!はあっ」

(胸、触られるだけ、で、こんな・・・!)

「んっ!っは、あっ。あっ!」


アルミン「声、かわいい・・・」

(円を描くように・・強弱をつけて・・て)


アニ「!ぁ、ぁ・・・ーーっ!」

(声、そんな、まわりに聞こえ、ちゃう)

「っく、ぁ、んっ、んんっ、んっ」

(シーツ、シーツを、くわえれば)


アルミン(まずい・・・!理性がもたない・・!)

アニ「んんっ、んうっ!ふぅっ、んっ」

アルミン(資料と現実で破壊力に差がありすぎる・・・!)

(ダメだ、こんな悠長な事してられ、イヤ、我慢だ!我慢!ガマン!)

おかみさん「うううん・・・そうだ!黒髪!我が家自慢の黒髪の魅力を前面に!」

ミーナ「その娘も・・・黒髪・・・」

「・・わたしより、黒くて、サラサラで・・・黒いのに、光ってる」

アルミン(ここを・・・そっと・・・)

アニ「んんっ、あ、だめ、や、や」

アルミン「・・大丈夫、脚、ひらいて・・・」

アニ(力、入らな)

アルミン(触れるか触れないかぐらいに・・・)


アニ「ああっ!んっ、んうっ!んんんっ!」

(なに、なに、これ、なにを、されて)

(ちかちか、す、る)


アルミン(濡れてる・・!)

(あ、焦るな、焦るな)


アニ「んんんうっ、んっ、あうっ」

(なん、で、こんな、に)

おかみさん「黒いのに光ってるて何が」

ミーナ「・・・キューティクル?」

おかみさん「天使か!天使の輪と申すか!」

ミーナ「申すよおおおおぉぉ勝ち目ないよおおおぉぉ」

アニ「まっ、まって!ん、んんっ!はっ、っめ、まっ」

(だめ、おかしくなる)


アルミン (口で・・・!)


アニ「あ、はっ。はあっ」

(おや、すみ? おさまるまで、まって)

「え、あ、ダメ、そんな、ああぁっ!あっ!」

(やめ、あたま、白く、なる)

「アル、ミン、そんな、きたな」

(なんで、アルミン、こんなに)

「あっ、んんっ!んっ!うあっ」

おかみさん「ああああんた!女の子にしちゃ背高いし!カッコよさをアピールして」

ミーナ「ミカサ、170cmあるっていってたよおおおお」

おかみさん「なんなのよ!なんでそんな強敵をライバルに選ぶの!あんたは!」

ミーナ「知らないよおおおお」

おかみさん「せいぜい、人並み+αくらいなのよ!?自覚あるの!?」

ミーナ「なんでそこまで言うのおおお」

アニ「んんっ、くっ、んぅっ!」

(なんで、こんな、きもちい)


アルミン(げ、限界だ)

「アニ・・・いい?」


アニ「ん、く、あっ。うん、うん」

(わからな、もう、なんでも)


アルミン(この辺り、先を)

アニ「んんっ!っく、ぁ、ん」

(なに、何が、こえ、まくら、噛んで)

おかみさん「じゃ、じゃあ!そんなのは大体は見た目だけよ!
いい成績とって出来る女ってとこを見せつけ」

ミーナ「無理だよおおお!ミカサ、ぶっちぎりで主席候補だものおおおお」

アルミン「っく、あ」

アニ「ーーーっ!ん、はあぁっ!あ、あああっ!」

(おなか、おなかが)

「あうっ、あ、んあっ!」

(なに、なに、こわい、アルミン)


アルミン「うあっ!アニ、ちょっと待っ、んっ!んんんっ!」

(きもちよすぎて、動くどころじゃ・・!)


アニ「んんっ!っは、んっ!ちゅ、んっ、うんんんっ!」

(アルミン、いた、キス、だっこ)


アルミン「んっ!アニ、んむっ!?」

(離れないと、まずい)

(しがみつかれて・・・!)

おかみさん「ああああ!何なの!何なのよ!その完璧超人!
決戦兵器か何かなの!?あったまきた! あったまきた!」

「作戦を立てるのよ!勝てない戦いなんてないのよ!」

アニ「んんっ!」

(アルミンが、アルミン、うれしい)


アルミン「ん!んん!っは」

(中が、動いて!もたない、抜かな、いと)

(離れない!力すご)


アニ「っ、ああああああっ!」

アルミン「!?っ、うっ、うあっ!」

アニ「あっ、ああっ、ん、ん、あ、あ、ぁ・・ぁ・・あくっ・・ぁ、ぁぁ」

(あったかい・・・)


アルミン (・・・中に・・全部・・・)

・・・・・

おかみさん「・・・ミーナ」

ミーナ「・・・はい」

おかみさん「勝ってる要素、長所。出たわね」

ミーナ「うん・・・」

おかみさん「読み上げてくよ、ええと」

ミーナ「・・・」

アニ (アルミンがいる・・・)

(こんなの、いけないのに・・・幸せ・・)


アルミン「アニ、ごめん・・その、我慢出来なくて・・・」


アニ「んーん。大丈夫な期間だから」

「私も抱きついちゃったみたいだし・・・アルミンがそんなに気にすること、無いよ」

(前の生理のはじまりから、8日目・・)

(本当は・・でも、アルミンとの間になら)

(・・・一人でも、育てる)

おかみさん「髪の長さ」

ミーナ「・・・・長いけど。長所といえば長所だけど・・長いだけというか・・・」

おかみさん「ダメなの?」

ミーナ「お母さん、それは多分・・・『違い』だと思う」

おかみさん「・・・・次」

ミーナ「はい」

アニ「・・・うれしかった。ありがとう」

(もし、そうなるなら、自分勝手だけど)

(生きて、いける。アルミンは・・助けられなくても)

(せめて、アルミンとの、赤ちゃんを)


アルミン「・・・泣いてるの?」


アニ「ん・・・嬉しくて」

(本当だけど、嘘だ)

(いつか、私は、アルミンを)

(直接じゃ、なくても)

おかみさん「ウェスト」

ミーナ「・・・!」

おかみさん「・・・これは、なに?」

ミーナ「だって!お母さんが!数値で上回るりそうなら、
何でも書き出せって!お母さんが!」

おかみさん「・・ごめん・・・次」

アニ「アルミン・・・ん、ちゅ、ちゅ」

アルミン「ん、ん、アニ、どうしたの」

アニ「バカ・・・」

アルミン「あ・・・うん・・大丈夫?」

アニ「ん・・・来て・・・」

おかみさん「・・・ヒップ」

「その彼は若いのに尻好きなの?」


ミーナ「・・・多分・・エレンは・・・
あんまり・・・ごめんなさい・・・」

おかみさん「・・・・エレンってコなのね。・・・次、最後」

アルミン「・・・痛くは、ない?」

アニ「うん・・・逆に、気持ちよすぎて、そっちの方が怖いよ」

アルミン「怖いなら、やめとく?」


アニ「・・アルミン、そんなに意地悪だったっけ、ん、んんっ、はっ、」

「不意打ちは、ずる、んうっ!あっ、く、んんっ」

おかみさん「おっぱい」


ミーナ「・・・」

おかみさん「・・・ねえ、なんで『ウェスト』『ヒップ』と来たのに」

「これは『おっぱい』なの?なんで『バスト』じゃないの?」


ミーナ「そこだけは・・!そこだけは勝ってる自信が・・・!」

おかみさん「あるのね!?ミーナの武器はコレなのね!?おっぱいだけなのね!?」

ミーナ「あるけど!『だけ』っていうなあぁあ」

アニ「んんっ、んくっ、んっ、ん、あっ!はっ、なに、を」

アルミン「・・・シーツ、かんじゃだめ」

アニ「だっ、て、こえ、声が、っあっはあっ!」

アルミン「かわいいから、もっと、聞きたい」

アニ「や、や、ん、んんっ!んっ!」

アルミン「枕も、だめ」

アニ「んあっ!あぁっ!いじわ、る、あ、あ、あああっ!」

・・・・

おかみさん「ミーナ!武器は見つけたよ!あとは有効な手段を積み上げていけばいい!」

ミーナ「・・・!うん・・・!」

おかみさん「まずは戦場を把握するのよ!」

ミーナ「う、うん」

おかみさん「ノリが悪い!」

ミーナ「はっ!」

・・・・

おかみさん「出来た・・・!」

「遂に・・・作戦が・・成った・・・!」


ミーナ「お母さん・・!おかしいよ・・・!」

おかみさん「何言ってるの!あなたの唯一の武器を最大限に生かすしかないじゃない!」


ミーナ「唯一って言わないで!それに、ちゃんと考えてよ!」

ミーナ「なんで男子寮に私がトップレスで行かなきゃいけないの!?」

おかみさん「もう、あなたにはおっぱいしか無いのよ!?おっぱいしか!」

「強調して攻撃力を高めるしかないじゃない!」


ミーナ「私に訓練所、男子寮の見取り図までかかせて出てきたのがコレって何なの!?」

「バッカじゃないの!?こんな事したら良くて開拓地、最悪憲兵団に突き出されるよ!」

おかみさん「親に向かってバカとは何!そんなんだから髪型モサいのよ!」

ミーナ「髪型は関係ないでしょ!?髪型は!それにおっぱい以外にもあるでしょ!」

おかみさん「あんた他に何かあるの!?」

ミーナ「ぼぼ、ぼ、母性とか!」

おかみさん「なにそれ!ふわふわしてる女の子の逃げ道じゃないの!」

ミーナ「ふわふわしてるって何!?賢くないってこと!?」

おかみさん「娘だもの!そんなの知ってるよ!大体、その答えが賢くないよ!」

ミーナ「ひどくない!?あ、あああ!
後!柔らかそうってアニに褒められた!」

おかみさん「それ、ポッチャリ系入ってるってのを優しく言ってくれただけじゃない!」

ミーナ「なんでそんなこと言うのおお」

おかみさん「大体母性とかぶって」


客『ぅるっせぇぞコルァ!寝れねぇだろうが!』


ミーナ・おかみさん「「すみません」」

・・・

おかみさん「キュンキュンしたかった・・キュンキュンしたかっただけなのに・・・」

ミーナ「・・・お母さん」

おかみさん「キュンキュンしたかっ・・・何?ミーナ」

ミーナ「・・・この、見取り図の『侵攻ルート』ってなに?」

おかみさん「・・・ミーナがその順序で、エレンまでたどりつくの」

ミーナ「うん、わかった。『侵攻』なのはなぜ?」

おかみさん「だって・・・女の戦いよ」

ミーナ「そういうことにしとく」

おかみさん「うん」

ミーナ「でも、何でスタート地点が廊下の窓なの?」

おかみさん「インパクトが大事かなって思ったの」

「窓ガラスを突き破って、注目を集めて」


ミーナ「私・・・トップレスで行くんだよね」

おかみさん「うん」

ミーナ「・・ガラスを突き破るの?」

おかみさん「あ」

ミーナ「・・・『あ』じゃないよ・・・!血だらけだよ・・・!」

おかみさん「ごめん・・途中からノリノリで・・・」

ミーナ「はぁ・・・」

おかみさん「でも、久しぶりにミーナと沢山話せて、母さん、嬉しい」

ミーナ「そうかな?・・・うん、そうだね」

おかみさん (チョロい)

ミーナ「・・・キレイにまとまってないからね」

おかみさん「・・・・」

「ごめん・・・」


ミーナ「はぁ・・まあ、いいか・・・」

-----
今回ここまで。
また次回をまでお待ちを。

エロより笑を取りたかったんですが。
目突きとミーナ親子漫才ぐらいが限度でした。。
以降もちょいまったり書いたらベルトルト受難編に入ります

チュン
チュンチュン

アニ (明るい・・・)

(アルミンは、寝てる・・・かな?)


アルミン ( きゅ、9回も・・・)

(・・人生で感じたことのない種類の痛みだコレ)

(ト、トイレに)

アニ (よたよたしてる・・・。ふふ)

(よし、アルミンがトイレに行ってる間に)

(お水と、昨日買ったパン、ハムもあったかな)

(朝ごはん、準備しとこう)

「あっ、たっ」

(足に力が・・・!)

アニ「あっ、とっ」

(テーブルのへりは掴めたけど・・・)


アルミン「! アニ!どうしたの!」

アニ「大丈夫・・ちょっと、立てなく、て」

アルミン「ん・・手。ここ、座って」

アニ「うん・・・ありがとう」

アルミン「もう少し、寝てても大丈夫だよ」

アニ「・・・朝ごはん、作りたくて」

アルミン「え、材料ないよ」

アニ「昨日、パンとハムを買ったから」

アルミン「そんなの、いつの間に。それに、ハムなんて高いもの」

アニ「本当は、帰りの艀船で一緒に食べようと思ってたんだけど」

「あ。『いつ』か。アルミンが古本屋で本読みはじめて、話しかけても反応なかったから、その時に」

アルミン「ああ・・・そういえば」

(禁書見つけて夢中になってた時だ・・・)

「ん、そしたら、僕が作るよ。
アニは、座ってまってて。かばん、開けていい?」


アニ「だめ!」

アルミン「え」

アニ「私が、作る」

アニ「・・自分でやるから」

アルミン「ダメだよ、座ってなって」

アニ「大丈夫、あっ」

アルミン「もう、無理して立たないで、座っ」

アニ「私が、アルミンに、作るの・・・!」

(ごはん、作ってあげられるなんて、もう無いかも知れない・・・!)

アルミン「少しは、甘えてよ・・・」

アニ「昨日から、甘えっぱなしだもの、私が、ぃたっ」

アルミン「・・・!座って」

アニ「・・・ぃゃ」

アルミン「なんで」

アニ「私が、作るの・・・!」

アルミン「わかったから、座って!」

アニ「ぅ」

アルミン「僕がそこに持ってくから」

アニ「・・・うん」

(・・・しかられ、た?)

アニ「・・あっ?ぁ、ぁ」

アルミン「・・・アニ?」

アニ「トイレ!トイレ、トイレに、連れてって!」

(立ち上がって動いたから・・・!)


アルミン「え、え」


アニ「はやく!あ、ああっ」

アルミン「わかった、手を」

アニ「・・・ごめん、もういい・・・」

アルミン「え、どうして」

アニ「・・昨日・・・いや、後で話すから、タオル、持って来て」

アルミン「え」

アニ「お願いだから、はやく!持って来て!」

アルミン「わかった、ちょっと待って」

アルミン(タオル、タオル・・・)

アルミン(・・・顔真っ赤だったけど)

(怒って・・?いや、恥ずかしがってた?)

(あ・・・!)

・立てない
・タオル
・恥かしい
・昨日

(僕のせいじゃないか・・!)

(とにかく、タオルを持って行こう・・!)

アニ「あ、あ」
(どんどん出て、とまって・・・!)


アルミン「アニ!あ・・!」

アニ「アルミン・・・どうしよう・・・」

アルミン「・・・木の椅子だから、拭けば大丈夫」

アニ「うん・・・」

アルミン「拭くよ」

アニ「あ、まって自分で」

アルミン「ちょっと腰上げないと、拭けないでしょ?」

アニ「・・そう、だけど、こんな明るいのに」

アルミン「ん・・アニは、悪くないし、しょうが無いよ」

アニ「・・・そうじゃなくて、恥ずかしいよ、私が」

(頭いいんだけどなぁ・・変なとこ、なんというか・・
それも、結構好きではあるんだけど)

(・・・私、自分に素直になりすぎだなぁ)

アニ「ひあっ!?」

アルミン「ごめん、でも、ちゃんと拭かないと」

アニ「でも、でも」

アルミン「あ・・・腰あげてるの、辛いね」

アニ「そうじゃなくて、あっ」
(おんぶされた・・・
て、足ガクガクしてるじゃない!)

アルミン「ベッド・・・まで・・!」
(横になって、ちゃんと拭かないと)

アニ「ア、アルミン!歩いてくから、おろし、て」
(ここ怖い)

アルミン「だい、じょう、ぶ・・・!」

アニ(うあ、こわ、怖い、怖い落ちる)

アルミン「っと、うわっ」

アニ「ああああ」

アルミン「!ふぶっ」

アニ「・・アルミン、ごめん」

アルミン「だ、大丈夫」

アニ「倒れた先がベッドで良かったよ・・・。
そんな無理しないでいいのに」


アルミン「彼女おんぶするくらい、軽々出来ないと・・・」


アニ「・・・・!」

(・・・彼女って言った!)


アルミン「・・アニ?」

(?が赤い・・・?)


アニ「・・!・・・!」

アルミン「うん?・・アニ?うわっ」

アニ「・・・顔見ちゃダメ」

アルミン「またそんなシーツかぶって・・」

アニ「あ」

アルミン「ん・・アニ」

アニ「ん、ちゅ。・・・あ」

アルミン「?どうしたの?」

アニ「私たち・・・けっこう・・ニオイするんじゃないかな」

アルミン「え」

アルミン「・・・そうかも」

アニ「・・・あんたが頑張るから」

アルミン「そうだね、ごめん」

アニ「ん。謝らない。・・・にしても、どうしよう」

アルミン「タオル濡らして、体拭く?」

アニ「・・・お風呂入りたいけど・・まだ直ってないよね」

アルミン「・・・ちょっと、見てこようか」

アニ「分かりそうなの?」

アルミン「昨日、ちょっと見せて貰った感じで、何となく構造は予想ついてるんだ」

アニ「ん。それなら、お願い。
・・戻って来たら朝ごはん食べよう?」

アルミン「うん、そうしよう。ちょっと見て、ダメそうだったらすぐ戻るよ」

アニ「うん。あ。少しだけ、体拭いてから行ったら?」

アルミン「そうだね」

アニ「材料だけ、テーブルに出していって貰える?」

アルミン「うん、わかった」

・・・

ミーナ 「お母さん、これは幾ら何でも無理だよ」

おかみさん「だってあんた、訓練所で立体機動装置とか弄ってるじゃない?機械詳しいでしょ」

ミーナ「整備はしてるけど・・・中心機構部分は、技巧部じゃないと弄れないし」

おかみさん「そういやそうだよねぇ・・」

ミーナ「そういやって。母さんも昔兵士だったでしょ」

ミーナ「うううん」

おかみさん「分かりそう?」

ミーナ「この軸が歪んでる感じは気はするけど・・」

おかみさん「ほほう」

ミーナ「ほら、水平じゃない」

おかみさん「本当だ」

ミーナ「なんでズレてるんだろう」

おかみさん「何か挟まってたり?」

ミーナ「んー・・・傾きからすると、外れてるんじゃない?」

眠気限界

年内にアニ編は終わらせまする

ミーナ「ここに・・・バールさしこんで・・テコの原理で・・」

おかみさん「ちょっと、大丈夫なの?」

ミーナ「隙間開けて、様子みるだけだよ、あ」

おかみさん「あ」

ミーナ「なんか・・・色々外れた・・」

おかみさん「ずいぶんとすっきりしたね」

ミーナ「・・・」

おかみさん「私、ここに幾つか歯車あったような気がします、が。
ミーナさん。どこいったか知ってる?」

ミーナ「ゆ、床・・・かな?」

おかみさん「床かな?じゃないでしょ。探しなさい!」

ミーナ「ごめんなさい・・!」

おかみさん「拾い集めてはみたものの・・」

ミーナ「カパカパしますね?」

おかみさん「しますね、じゃないわよ」

ミーナ「カパカパします」

おかみさん「その言い換え、何の効果があるの?」

おかみさん「はめこむ順序が違うんじゃない?」

ミーナ「うん・・・お」

おかみさん「おっ」

ミーナ「キレイにはまった。カパカパしてない」

おかみさん「・・もう一個、床に部品落ちてたよ?」

ミーナ「ごめんなさい・・・ちょっと、分からない」

おかみさん「まあ、昨日の段階で壊れてたから、あんまり気にする事もないよ」

ミーナ「うん・・」

コンコン

おかみさん「はい!」

ミーナ「もうちょっとやって見る」

おかみさん「ケガしないようにね」

おかみさん「うん。はいはい、お待ちを」

おかみさん「はいはい・・あ」

アルミン「おはようございます。あの、ポンプまわりですけど、見ましょうか?」

おかみさん「あ、今、うちの・・」
(て、あれ。ミーナ、ココにいるの秘密の方が)

ミーナ「お母さん、やっぱり無理・・、・・
!」

アルミン「!ミーナ!?」

ミーナ「え、アルミン。え」

アルミン「何でここに!?」

ミーナ「って、ここ、うちの実家だし」
(自然に、自然に)

アルミン「・・・そうなんだ」
(?あれ、あんまり驚いてない?)

ミーナ「私も帰れなくなって、そのまま家に泊まったんだ」
(よし、自然)

アルミン「そっか」
(私「も」?)

ミーナ「アルミンは?」

アルミン「?うん、帰れなくなって、泊めてもらったんだけど」
(も、って言ったのに聞いた?)

おかみさん「あー。アルミン、くんでいのかな。機械は得意?」
(ミーナ、短い会話の中でボロがボロボロ出すぎ)

ミーナ「うん、アルミンは座学、技巧主席だよ」

おかみさん「・・ミーナの周りは何かしらすごい人多いのね・・。出来そう?」

アルミン「あ、そんな自信は無いですが。昨日見せて頂いた時、
構造は大体予想したので。それがあっていれば」

おかみさん「じゃあ、お言葉に甘えて。見ていただこうかな」

ミーナ「私は何かする?」

おかみさん「ここはアルミンくんにまかせて、ミーナは受付見てきて。
そろそろ、チェックアウトするお客様もいるだろうから」
(これ以上ボロださないうちに行きなさい)

ミーナ「あー。うん、わかった。
そしたら、アルミン、お願いね」
(お母さん、手つき・・・何かまずったかな)

アルミン「うん」

きゆうけい

おかみさん「今、こんな感じなんだけどね」

アルミン「はい。ちょっと・・・組んでみますね」

おかみさん「初めて見るだろうに、素早いわね」

アルミン「予想してたものと大体同じでしたので。
・・・あれ、部分。多分、足りないですね」

おかみさん「さっき私が拾った部品も渡したから、それで全部のはずだけど」

アルミン「うーん。これだと多分、空転します」

アニ (パンを切って・・・厚みこのくらい)

(バターも買ったんだった。塗ろう。
チーズと、ハム・・・
野菜が欲しいけど、仕方ないね)

(あ。少しだけ胡椒が欲しい)

(貴重品だけど・・・少し、分けて貰えないかな)

「よっ、とっ」
(少し不安定だけど、歩け、そうかな?)

「・・・よし」

アニ「ほっ、とっ」

(壁に手つきながらなら何とか)

「よっ、とっ」

(こんなフラフラしてるの、初めて)

(けっこう、新鮮だね)

(階段・・・)

アニ「とっ、よっ」

(手すりに体重のせてけば)

アニ「ほっ」

(これ、良い腕の鍛錬になりそう)

「とっ」

(腕でささえて、足をふんわり落としていって)

「しょっ♪」

(・・・・)

「ほっ♪」

(楽しい・・・!)

「ふふっ」

「とっ♪」

「とっ♪」

「・・っ♪」

「とっ♪」

「よっ♪」


ミーナ「はい、鋼貨6枚になります」
(なんだろう、楽しそうな声が・・近づいてきてる?)

「ありがとうございます。またのお越しをお待ちしております」


アニ「よっ♪っと」

「すみません、あ、の・・・」


ミーナ「はい、あ、え」

アルミン「・・あった。これを・・・」

おかみさん「そんな小さな棒みたいなのが?」

アルミン「ここに入るんです。今、こうやって空転しますが、入れると・・」

おかみさん「おっ。ぴったりハマったね」

アルミン「はい。部品自体には問題は無いんですが、多分・・この軸の木が、目が悪いのか使ってるウチに反ったんでしょうね」

「で、反った分、隙間が出来て、さっきの部品が脱落したんだと思います」

「今出来るのは、しばらく保たせる応急処置的な事くらいですね」

おかみさん「あ、完全には、無理?」

アルミン「・・この材を丸々取り替えるか、一旦外して、熱して反りを直した方が良いです」

おかみさん「そしたら、取り敢えず、の方でお願いできるかしら?」

アルミン「はい。それなら・・薄い鉄板と、鋲か細釘ありますか?」

ミーナ「え、え?」
(さっきの楽しそうなの、アニ!?)

アニ「・・・!」
(いまの、聞かれた?!いや、何で)

「なんでココにいるの」
(いつから、アルミンと一緒の所、見られてないよね)


ミーナ「なんでって。ココ、私の実家」
(一瞬でいつものアニに戻っ・・てない!ちょっと?赤い!)

アニ「え・・・」
(え、え、ミーナの実家で、あんな)

ミーナ「昨日、久々に顔出して、そのまま帰れなくなって」
(え、なんで落ち込むの)

ミーナ「・・・」
(友達なのに・・この感じ、ちょっと・・・)

(少し、からかっちゃおう)
「アニもウチに泊まってたんだね。気づかなかった」


アニ「うん・・私も帰れなくなってね」
(あ、よかった、気づかれてない?)

ミーナ「で、どうしたの?チェックアウト?」

アニ「いや・・・朝ごはん作ってて。胡椒欲しくてさ。少し分けて貰えないかな」

ミーナ「あ、いいよー。ちょっとまってね」

アニ「うん」

ミーナ「そういえばー」
(よし、攻撃開始!)

アニ「ん」

ミーナ「さっき、アルミンに会ったよー」

アニ「!う、うん」
(え、なんで、どこで)

ミーナ「お湯おくるポンプ直してたら、来てさ、壊れてる所見てくれるって」

アニ「そうなん、だ」
(えっと、どうすれば)

ミーナ「アルミンとお母さんに任せて、こっち来たんだけどさー」
(もう胡椒見つけたけど・・・もう少し・・いじわるかな)

アニ「うん・・・」
(いや、アルミンなら大丈夫、怪しい感じには)

ミーナ「あ、そういえば、街で昨日、ミカサも見かけたなぁ」

「あ、胡椒あった」
(よし、放り込むぞー)

アニ「ん、そっか。あ、胡椒・・」
(あ、ミカサも来てたんだ。エレンとかな)

ミーナ「ミカサ、もしかして、アルミンと一緒に泊まってたりして」

アニ「!・・・違う!」

ミーナ「え」
(おお・・・想像以上の威力!)

おかみさん「すごいね、これで動かせるよ」

アルミン「とりあえずは。ただ、歪んで空いた隙間を鉄板で補正してるだけなので・・近いうちに、正式に修理を依頼して下さいね」

おかみさん「うん、ありがとうね。で・・・」

「うまくいったの?」


アルミン「はい、これで2週間くらいは保ちます。ただ、軸をかえないと、根本的には」

おかみさん「そうじゃなくて」

アルミン「はい?」

おかみさん「アニちゃんと、よ」

ミーナ「え、なんでそんな」
(分かってるけど、聞いてみよう)

アニ「あ、いや、アルミンは・・」
(反射的に・・・しまった・・・)

ミーナ「アルミンは?」
(困ってる困ってる。友達なのに言わないからだよーだ)

アニ「アルミンは、多分、一人で泊まってるんじゃ、ないかな」
(ああ、もう、不自然極まりない・・・)

アルミン「あ・・おかげさまで。ありがとうございます」
(こういう時、どう答えたらいいんだろう)

おかみさん「ふーん?そっか。で、したの?」

アルミン「!・・いや、その、直ったし、そろそろ部屋に」
(そういう話は、したくない)

おかみさん「そうじゃなくて。真面目な話よ」
(顔赤くなっちゃってかわいい・・・!でも、話しておかないとね)

アルミン「あ、はい」
(・・・からかう感じ、ではないのかな?)

おかみさん「女の子って、初めの頃は流されやすいから、男の子がきちんとしなさいね」

ミーナ「んー?そうかな?さっきすれ違った時、女の子の匂いしたけどなぁ」
(アニが使ってる匂い袋と、汗の香なんだけどね。
汗もいい香するんだよなぁ・・アニ・・うらやましい)

アニ「え、え」
(私の匂い?え、そんな)

ミーナ「ね、アニは一人なの?」
(レアだ・・・!赤面するアニ・・・!)

アルミン「あ、はい、大丈夫です」
(その辺、アニはきちんと日にちも計ってるみたいだし・・・)

おかみさん「女の子が大丈夫、て言っても、避妊はきちんとしなさいね」

アルミン「えっ、と・・・」

おかみさん「・・・『今しかない』となったら、流されて、嘘つく事もあるからね」

アルミン「・・・はい」
(アニなら、そんな事は・・・)

おかみさん「だましたくて、じゃないのよ。男の子と同じで、どうしようも無い事もあるの」

「アルミンくん、キツイかも知れないけど、その辺きちんとして、アニちゃんを守ってあげなさい」

アルミン「・・・わかりました。ありがとうございます」
(・・・そうだ、僕がしっかりしないと・・もし、出来ていたら・・)

アニ「ん、うん」
(何で・・隠してるんだろう)

ミーナ「・・・そっか・・・」
(意地悪な聞き方してるの私だけど・・話してくれない・・・悲しくなってきた)

「いつ頃、戻る?」


アニ「うん、午後イチの艀船で、出ようかな」

「たぶん他にも、この街から帰れずに休んだ訓練兵が何人かいると思うし」

「駐屯兵団から欠航、閉鎖の連絡は行ってるはずだから、おとがめは無いと思うけど・・・。今日中には、戻りたいかな」


ミーナ「うん・・・そうだね。・・・いっ・・・」
(一緒に帰る?って聞きたい。でも・・・断られる気がする・・・)

アルミン「アニ」

アニ「あっ」
(えっ、なんで直に)

アルミン「ミーナと会えたんだね。話し中?」

アニ「・・・うん」
(ミーナ、嘘ついてたの分かったよね・・・)

ミーナ「・・・」

アルミン「ミーナ、話の途中で申し訳ないけど。・・アニ、いいかな」

ミーナ「ん。いいよ」

アルミン「アニ、少し話したいんだ。部屋・・戻ろう」

アニ「・・ミーナ、後で話すよ、ごめん」

ミーナ「うん。待ってるね。あ、胡椒・・」

アニ「・・・ありがとう」

・・・

アニ「まだちゃんと話してないのに・・!」

アルミン「ごめん。でも、アニと話、しておきたくて」

アニ「・・今じゃなきゃダメなの?」

アルミン「うん。・・今、きちんと話すべきだと思う」

アニ「わかった・・」

アルミン「アニ」

アニ「うん」

アルミン「僕は頼りないかも知れない。でも、こういう風になったからには、ちゃんとしたい」

アニ「・・・うん」
(何の事だろう)

アルミン「昨日、僕も無我夢中だったとはいえ・・・きちんと、避妊しなかった」

アニ「う、うん」
(それは・・・)

アルミン「アニは大丈夫だ、て言ってたけど、周期だって体調で変わるし、完全は無い」

アルミン「もし、そうなったら、僕は責任を取るよ」

アニ「アルミン・・・!あんたは調査兵団に」

アルミン「それは行きたいよ。だけど、その時は駐屯兵団に行く」

アニ「でも、それじゃ・・・!」

アルミン「その時は、だよ。僕にその気持ちがあるのを伝えておきたかったんだ」

アニ「うん・・ありがとう」
(嬉しい・・けど、嘘ついたなんて、言えない・・)

アルミン「それと・・僕は、アニと昨日みたいなことを・・これからも、したいんだ」
(面と向かって言うと、恥ずかしいな)

アニ「・・私も・・・したい」
(嬉しい・・けど、後どれだけ・・・)

アルミン「だから、これからはきちんと、しよう」

アニ「ん・・・」
(こんなに大事に思ってくれてるのに)

アルミン「話は、それだけ。ごめんね、ミーナと話してたのに」

アニ「ううん・・・。ありがとう、アルミン」
(アルミンにも、ミーナにも。嘘ばかり)

アニ「お風呂・・入れるかな」
(せめて・・好きだって気持ちだけでも、素直になろう)

アルミン「うん。もうお湯出るはず」

アニ「お湯ためる時間もったいないから・・シャワーで、一緒に入ろう?」

アルミン「ん、そうしようか」
(今度こそ自制して、流されずに・・!)

ミーナ「はあー・・・」

おかみさん「シャンとしなさい。まだ、お客様来るわよ」

ミーナ「うん・・・」

おかみさん「ん?何か、あったの?」

ミーナ「アニとね、話したの」

おかみさん「そう。・・で、どうだった?」

ミーナ「ん・・・アルミンとのこと、話してくれなくて」

おかみさん「そうなったばかりだもの、言い出しにくい事もあるでしょ」

ミーナ「それは・・・そうかもしれないけど」

おかみさん「アニちゃん取られたような気がして、寂しくなった?」

ミーナ「そんなこと・・・!ある、のかも・・・」

おかみさん「正直でよろしい。だいじょぶよ、後で話してくれるわよ」

ミーナ「話してる途中でね、アルミンも来たの」

「アニに話があるって、アニと一緒に・・・」


おかみさん「お。アルミンくん、やるわね・・・アニちゃんは何て?」

ミーナ「後で話すって。私に」

おかみさん「ん、良かった。なら、よし」

ミーナ「言いにくいものなのかなぁ・・」

おかみさん「そりゃそうよ、だって・・・」

・・・

アルミン(じ、じゅっ、かい、め・・・)

アニ「ぁ、ふぁ・・・」
(アルミン、たくさん・・・ふわふわする)

アルミン(流されないって思ってたのに・・・
腰と、ここと・・とにかく、痛い・・・目もチカチカする・・)

アニ(おなかに、アルミンの、が、かかって)

アルミン(でも、中には、出さなかったぞ・・頑張った)

アルミン「アニ、立てる?」
(僕も、きついけど)

アニ「ぅ、ぁ・・・」
(無理・・声も出ない・・今までで一番、すごかった)

アルミン「ああ・・体、流すよ」
(僕ら、大丈夫かなぁ・・・)

アニ「ぅ、ん」
(指先動かすのも、きつい・・)

・・・

アニ「ふふ」

アルミン「何を笑ってるの?」

アニ「だって、二人とも、ふらふら」

アルミン「・・・そうだね」

アニ「あんた、本当は体力あるのかも」

アルミン「え、なんで?」

アニ「ん・・・ 一回するのって、個人差はあるけど2~3km走るのと同じくらい・・消耗するらしいよ」

アルミン「ん・・・20~30km!?」

アニ「そう。ふふ」

アニ「とりあえず、ごはん、食べよう」

アルミン「うん」

アニ「はい、あんたの」

アルミン「ありがとう。食べて、いい?」

アニ「もちろん」

アルミン「いただきます。ん・・・・おいしい」

アニ「・・・よかった」

アルミン「・・・アニ?」
(涙ぐんでる?)

アニ「ちょっと。ごめん。うれしくて」

アニ「こんな風に、誰かに作ってあげるの、久しぶりで・・・。もう、無いと思ってたから」

アルミン「・・・アニ」
(そうか、アニも、あの時、孤児になったんだっけ・・・)

「これから、幾らでも。食べさせてくれればいいよ」

アニ「うん・・・」
(そうしたい・・でも・・・)

アルミン「アニも、食べよう?」

「・・・いただきます」
(おいしい・・・一緒に食べるの・・)

・・・

アルミン「ごちそうさま。おいしかった」

アニ「良かった。ん・・・歩けそう」
(現金だなぁ・・・ごはん食べたら元気出てきた)

アルミン「僕は少しだけ・・休みたいな」

アニ「横になって休みなよ。私はミーナの所行ってくる」

アルミン「そうだね、話、途中だったね」

アニ「アルミンと、こうなったこと・・前から好きだった事も、話してなかったから」

アルミン「その話、いつか聞かせてね」

アニ「どの話?」

アルミン「前から、の話」

アニ「ん・・気が向いたら、ね。いってくる」

アルミン「うん」

・・・・・・

ミーナ「アニ」

「話してくれて、ありがとうね」

アニ「ごめん・・・言い出しにくくて」

ミーナ「まあ、アニのご機嫌なとこ見れたし、いいよー」

アニ「いや、あれは」

ミーナ「あれだけご機嫌だったってことは、色々うまくいったんでしょ?」

アニ「・・・ん」

ミーナ「照れない照れない」

アニ「照れてなんか」

ミーナ「はい、鏡」

アニ「・・・!」

ミーナ「いいんだと思うよ、照れたって」

アニ「・・・」

ミーナ「アニ、いつも何か、気を張ってる感じがしてたからさ」

アニ「そんなことは」

ミーナ「そういうの、私、嬉しいよ」

アニ「そっか・・・」

ミーナ「うん。・・・へへー」

アニ「何、気持ちわるい」

ミーナ「ひどいなぁ。なんかね、アニが近くなった気がして」

アニ「ん・・・」

ミーナ「アニのそういうの・・私だけ知ってるの、ずるいから」

アニ「?」

ミーナ「私も、話すね。あのね・・・」

・・・・

アニ「・・・ミーナ」

ミーナ「ん、なあに?」

アニ「あいつは・・・難しいと思う」

ミーナ「え、ミカサがいるから?」

アニ「いや、それ以前の話。エレンは・・・」

ミーナ「う、うん」

アニ「男とか女っていう概念すら、ほぼないよ?」

ミーナ「え」

ミーナ「そんなことは・・」

アニ「いや、本当。格闘術の時間、結構話すけど・・・紙に書いた方がいいかな」

ミーナ「うん?・・はい、紙。そんなに?」

アニ「うん」

1.人間
1-1.自分
1-2.他者
1-2-1.巨人を倒すのに役立つ人
1-2-2.その他
1-2-2-1.家族
1-2-2-2.友人
1-2-2-3.その他

2.巨人
2-1.超大型
2-2.鎧
2-3.その他

アニ「大雑把に書くと、アイツの他者への認識はこんな感じのはず」

ミーナ「流石にこれは・・」
(大雑把ていうか細かい!なんだこれ機材仕様の目次!?)

アニ「いや、本当。まず、人間か巨人
か」

ミーナ「いやいやいや」
(あー。こういうところがアルミンと気があうのかな)

アニ「次に人間の中で、自分と他者。これは誰でもあるね。その中の分類も基本は巨人がからむ」

ミーナ「・・好きとか嫌いはないの?」

アニ「巨人は嫌い。あとは、あんまり無いと思う」

「しいていうなら、この分類にあてはまらない人間は嫌い、かな」

ミーナ「たとえば?」

アニ「たとえば・・・ジャンとか。立体機動の成績、いいじゃない。なのに、巨人倒すなんて馬鹿らしいって」

ミーナ「あ」

アニ「巨人を倒すのに役立つ人、のはずなのに、ここにあてはまらなくなるでしょ?
その上、この中に踏み込んでくるじゃない、ジャンは」

ミーナ「あーー・・・」

アニ「マルコとか、私みたいに憲兵目指してても、エレンの考えを否定しなければ許容出来るみたいだけど」

ミーナ「・・・でも、異性とかは意識するんじゃない?」

アニ「はぁ・・・。何で私が、エレンと格闘術の訓練で組んでると思う?」

ミーナ「・・前は、好きなのかな、て思ってたけど・・・」

アニ「全然違う。・・・普通、女相手だったら、男は全力出せないんだよ」

「どこか躊躇する。でも、あいつはそれが無いんだ。変な話だけど・・だから私は気楽で組んでる」

ミーナ「え・・・そうなの?」

アニ「そうだよ?あいつ、ライナーとやってる時より、私相手の方が力んでるくらいだよ?」

ミーナ「やばい人じゃん」

アニ「だからそうだって。この間まともに食らった時は流石に腹立って、締め上げたけど・・」

ミーナ「いやでも、そこまでは流石に」

アニ「もう一つ。例を出すと、クリスタ」

ミーナ「ん?」

アニ「あの娘、すごく美人でしょ?」

ミーナ「うん、あんな小柄なのに、どこにいてもパッと目につくよね」

アニ「だよね?でも、エレンがクリスタを認識したのって、一年前くらいだよ?」

ミーナ「はい!?あんだけの美人を!?」

アニ「格闘術が終わった後『なあ、あの金髪の髪長い娘、誰だっけ』って聞かれてさ。
あ、こいつも色気付いたかって。巣立ちを見る親鳥のような気持ちになったんだけど」

ミーナ「う、うん」

アニ「『あいつ、馬術すごいよな!』」

ミーナ「・・クリスタ、その辺りから強張った感じが無くなって、馬術の成績伸びてたよね・・・」

アニ「で、このカテゴリに当てはまったんだと思う」

ミーナ「・・・涙出てきた」

アニ「この小鳥、ネジ取れてるって思ったよ」

ミーナ「突破口は無さそうだね・・・」

アニ「うん・・。あ」

ミーナ「ん?何かある?」

アニ「結構前だけど、格闘術の訓練で、あいつに締め技かけてる時」

ミーナ「うん」

アニ「『まいった、まいったから、母さん』って言い間違え」

ミーナ「それだ!」

アニ「いや、そんなに」

ミーナ「それしかない!!母性だ!」

アニ「それしかないって、ちょっと」

ミーナ「それでいく!」

アニ「・・・まあ、あんたの自由だけど・・
ケガはしないでね」

ミーナ「なんで?」

アニ「ミカサ」

ミーナ「・・あ。でも、そんなにはしないでしょ」

アニ「んんん・・脅かすわけじゃないけど」

「私、かなり鍛えてるし、格闘術に関しては技術もあると思ってる」


ミーナ「そうだね」

アニ「この間、締め上げた、ていったでしょ」

ミーナ「うん」

アニ「あの後、ミカサと揉めて、やりあったじゃない」

ミーナ「ああ・・アレ、二人とも速すぎて何やってるか分からなかった」

アニ「ミカサの突き、腕で受け流したけど」

ミーナ「うん」

アニ「エレンの蹴りと同じくらい重かった」

ミーナ「!?」

アニ「・・・まあ、頭の片隅に置いといて」

ミーナ「うん・・・」
(片隅じゃなく、ど真ん中に鎮座したよ・・・)

アニ「あ。もう、こんな時間」

ミーナ「本当だ」

アニ「アルミン、起こしてくる。・・・一緒に、帰る?」

ミーナ「!・・・うん!」

アニ「じゃあ、ちょっと待ってて」

ミーナ「はーい」

・・・・

アニ「アルミン、アルミン」

アルミン「・・・うーん」

アニ(起きない・・・女の子みたいな顔してるなぁ・・・)

「アルミン、起きて」
(なのに、昨日はあんな・・)


アルミン「んん・・もう少し・・」


アニ(・・・くやしいから、少しだけ・・・)

「ん・・・はむ・・」

アルミン「!あっ!?んあっ」

アニ「やっと起きた」

アルミン「今の何!?」

アニ「ん?教えない」
(耳、甘噛みしただけだけどね)

「そろそろ、起きて。ミーナと一緒に帰ろう」
(昨日、今日とやられっぱなしだったから、次回は反撃しよう)

アルミン「あ・・うん、話せた?」

アニ「うん」

・・・・

おかみさん「あら、もう出るの?」

ミーナ「朝の艀船・・・逃しちゃったから、午後一ので戻ろうかと」

おかみさん「そっか。また、休みの時にはおいでね」

ミーナ「うん。また来るよ」

おかみさん「その時はあんたも誰か連れてきなさい」

ミーナ「あー。うん、出来たら、ね」
(小鳥・・ネジ・・)

アニ「ミーナ」

ミーナ「あ、アニ」

おかみさん「アルミンくんも」

アルミン「すみません、色々とお世話になりました」

ミーナ「それじゃ、お母さん。私、行くね」

おかみさん「うん、またね。みんな、訓練頑張って」

アニ・アルミン「「はい」」
ミーナ「うん」

アルミン「あ、すみません、宿賃を・・」

おかみさん「うーん。娘の友達から貰うのもね。それにポンプも直してもらったし」

「今回はいいわよ」


アニ「いえ、そんな訳には」

ミーナ「いいからいいから」

アルミン「でも」

おかみさん「ミーナから貰うから大丈夫よ」

ミーナ「あたしのウチなのに!?」

・・・・

ミーナ「はあ・・・お母さん、なんでああやってからかうんだろ」

アニ「さあね。でも、優しいお母さんじゃない」

ミーナ「そうかな?」

アニ「そうだよ。優しいよ」

アルミン「ん・・・船着場だ。切符を・・あれ」

アルミン「エレン、ミカサも」

エレン「よう」

ミカサ「アルミン!・・・アニ、ミーナ?」

アニ「どうも」

ミーナ「あれ?二人も帰れなくなったの?」

エレン「ああ。ハンネスさん・・駐屯兵団の知り合いの所に顔見せにいったら、昨日みたいな感じでさ」

アルミン「じゃあ、ハンネスさんの所に泊まったんだ?」

ミカサ「野営した」

アニ「なんでまた」

ミカサ「・・・野営の訓練をしたいというので」

ミーナ「え、昨晩、かなり寒かったよ?」

エレン「マントで小さい天幕作る訓練、あったろ。あれやってみたかったんだ」

アルミン「街中でそんなことしてて、よく駐屯兵に見つからなかったね」

ミカサ「街中じゃない。ハンネスさん家の屋上」

エレン「調査兵団入ったら、野営するはずだからな。風は結構防げたぞ?」

ミカサ「石畳・・冷たかった」

アルミン「よくそれで寝れたね」

エレン「ん?一睡もしてないぞ?」

ミカサ「寒くて、眠れなかった」

ミーナ「・・・」

アニ「はあ・・・」
(ミーナ・・・本当にこんなのがいいの?)

ミカサ「・・・?アルミン・・」
(何か、いつもと・・・痩せた?)

アルミン「わ、ミカサ」

ミカサ「・・・?・・スン」

アニ「・・・!」
(ちょっと・・近い・・・!)

ミカサ「??・・・アニ?・・スン」

アニ「っ・・・何?」
(今度は私!?なに!?)

ミカサ (アルミンとアニの匂いが混じってる・・・?)

(・・・・・?)

(・・・!)

「・・・何でも・・ない」


アルミン「うん?うーん・・。とりあえず、切符買って、乗ろうか」

アニ「私、買ってくるよ」

ミーナ「あ、私も行く」

アニ「アンタたちは?」

エレン「ああ、もう買ってある」

アニ「そう。じゃあ、いこう」

ミーナ「あ。アニ、待って」

エレン「あれ?アルミンの切符は?」

アルミン「アニが買ってきてくれると思うよ?」

エレン「ああ、そっか」

ミカサ「・・・・」

・・・

ミカサ「アルミン」

アルミン「ミカサ。あれ、エレンは?」

ミカサ「船室で寝てる」

アルミン「ああ、野営で寝てないんだっけ。エレンらしいと言えばそうだけど・・」

ミカサ「・・・アルミン」

「アニとは、いつから?」


アルミン「!?な、なにをミカサ」

ミカサ「隠さなくても、大丈夫。見れば分かる」

アルミン「いつ・・かは言いにくいけど。ミカサの察している通りだよ」
(昨日の今日だなんて生々しすぎて言えない)

ミカサ「そう・・・」

アルミン「ミカサ?」


ミカサ「・・アニに、謝らないと」

「格闘術の時にひどい事をした。・・・誤解してた」

アルミン「ん・・・そうだね、戻ってからで良いんじゃないかな」

ミカサ「アニは・・怒ってない?」

アルミン「大丈夫、気にしてないよ」
(それどころか、頼りにしてる)

ミカサ「良かった」

ミーナ「あー。風、気持ちいい」

アニ「うん」

ミーナ「帰るってなると、寂しいなぁ。次、来れるのいつかな」

アニ「艀船も、安くはないからね」

ミーナ「小鳥・・・」

アニ「・・・」

ミーナ「あの小鳥さんは・・・せっかくの休みに・・・野営って・・」

アニ「だから、ネジ外れてるって言ってるのに・・・」

ミーナ「うん・・・アニに言われてから色々と気づいたよ・・・」

アニ「あの小鳥さんがいいの?ネジ、取れてるよ?」

ミーナ「大変そうだけど・・頑張るから・・」

アニ「・・・まあ、多少は協力するよ」

ミーナ「はぁ・・・ありがとう・・・」

・・・訓練所に帰還後・・・

アニ「・・・何?ミカサ。こんな所に呼んで」
(戻ったばかりなのに・・)

ミカサ「アニ。謝りたい事がある」

アニ「はあ・・・手短に頼むよ」
(休みたい)


ミカサ「私は、アニを誤解してた」

「ごめんなさい」


アニ「・・・なんのこと?」

ミカサ「アニが、アルミンの事を好きだとは知らなかった」

アニ「!?」
(・・アルミンが?そんな、ミーナが?いや、どちらも、無いはず、何で)

ミカサ「・・違う、私が気づいた」

アニ「え、何で」

ミカサ「船着場で、二人の雰囲気が違ってた」

アニ「え、え」

ミカサ「あと、同じ匂いがした」

アニ「・・・!」
(え・・・!お風呂入った後だったのに・・!)

ミカサ「アニ?」

アニ「少し、待って」
(顔が・・体が熱い。なんで)

ミカサ(・・・・!)


アニ「・・・もう、大丈夫」

ミカサ「うん。・・・アニは、アルミンのどこが好きなの」


アニ「どこがって・・・」

(優しくて、頭良くて・・根性あるし・・顔も好みだし・・・)

(アルミン『シーツ、噛んじゃだめ』)

(・・・!?)

(アルミン『枕も』)

アニ「・・・!・・・っ!」


ミカサ(真っ赤に・・)

(・・・アニが、アルミンを好きなのは本当)


アニ「・・・!ちょっとまって!・・・・!」


ミカサ(私は何もしてない・・・)

(アルミンがアニを好きな理由も分かった)


アニ「・・・!・・!」
(何で思い出すの・・・!)

ミカサ (これは・・・かわいい・・!)

"私は戦士だ"

おしまい

"ミカサの庇護対象が増えました"

1.エレン
2.アルミン
3.アニ New!

を踏まえて。
来年、しばらくしたらベルトルトがボッコボコにされる話を書こうと思ってます。

ひたすら理不尽バイオレンスを目指します。

カタツムリ遅筆を見捨てずに読んでくださった方々。
ありがとうございます。

皆様、良いお年を。

あのエレンにしてこのミカサ、である
物理以外も恐ろしいのねwww

面白かった!大晦日に乙でした!
来年も楽しみがあって嬉しいな~
可哀想なベルトルトに期待

>>379
あざっす!

メッチャ良かったわ
>>1は良いお年を

おまけ

アニ「ミーナにお酒飲ませたの誰!?」

ユミル「うはははははは」

クリスタ「待って!ミーナ服をちゃんと来て!」

アニ「待ちなさいミーナ!どこに行くの!」

ミーナ「母性を見せにいくのおおお」

ユミル「うは、ヤバいだろミーナ!うははははははははは」

アニ「待ちなさい!それは母性じゃない!ミーナ!」

クリスタ「足!足つかまえた!ユミル!笑ってないで止めて!」

ユミル「うははははは、は、腹いたい!ぶっはははははは」

ミーナ「窓から突入するろおおお」

アニ「それじゃ、ただのおかしい人だから!」

ユミル「わはははははは、ぶっ、くは、呼吸が、はははははは」

>>381
ありがとうゴザマス!

おまけもおしまい。

今度こそ良いお年を!

ライナー編は笑わせてもらった
あのテンションが好きだけど、アニ編も可愛くて良かった
次も期待

>>384
ありがとうございます!
頑張ってベルトルトぼっこぼこにします!

これまでのあらすじ!

いつも勉強に付き合ってくれているお礼に、休日、アルミンを誘って街まで出かけたアニ。

悪天候で艀船が欠航となり、地下街の犯罪者に対する警備により内門は閉鎖された。
訓練所に帰れなくなった二人は、止む無く宿で一晩明かすこととなる。

偶然にもそこはミーナの実家。
ミーナが自費出版した薄い本の影響を受けたアニは、ミーナとその母親に盗み聞きされているとも知らず、アルミンと結ばれた。

その最中、開拓地時代から続くベルトルトの粘り着くような目線、モジャモジャ他諸々を思い出したアニは、彼への嫌悪感からとある計画を思いつく。

それは

「ベルトルトはゲイ」
「エレンが好みのタイプ」

と噂を流した上で、ベルトルトとアニを結ぶ直線上にエレンが来るようポジショニングを行い、
ミカサに誤解を与え、生物学的・社会的にも死を迎えさせる、まさに悪魔の策。

ついでに八つ当たり的にライナーのタマタマを潰す算段も立ててみた。

それを聞いたアルミンは一旦はドン引きしたものの、アニとの合体により大事な物を捨て去りパワーアップ。
訓練所に帰還後、さらにその策を強烈なものに仕上げるのだった。

ベルトルト「僕は戦死だ」

アルミン
ただ、噂を流すだけじゃ弱い

アニ
足りないかな

アルミン
情報量に強弱をつけて、感情を揺さぶるんだ

アニ
具体的には?

クリスタ「ミカサ?」

ミカサ「?」

クリスタ「今日はエレン達と食べないの?」

ミカサ「たまにはクリスタ達と食べたい」

クリスタ「そっか」

ユミル「ふーん。珍しい事もあるもんだ」

アルミン
作戦は4日間で考えよう
噂を流すのに1日
ミカサに印象付けるのに2日
確証を与えて、ミカサに行動させる最終日

噂を流すのはこの日の夜
次の日は午前が座学、午後が格闘術だ

アニ
うん・・・それで?

アルミン
1日目は4段階
朝食、座学、昼食、これが1~3段階目になる
アニはベルトルトの目線にエレンが来るよう着席してくれるかな

アニ
そのあたりは、私が元から考えてたのとあまり変わらないね

ミカサ ( ・・・まだエレンを見ている・・ )

(いや・・前にアルミンから聞いた話では、ミーナの事が好きだという事だった)

(ベルトルトの目線はエレンに向いているけど)

(その先にミーナも。朝食も、午前の座学の時もそうだった)

(・・・ただの噂かも知れない)

アルミン
その段階では、僕も協力する
出来るだけ部屋の中央よりの席を取るようにする
ミカサとエレンも一緒だ

アニ
そうすると、ベルトルトは自然その周辺になるから・・・
着席を待って、私が対角に位置取りすればいいんだね

アルミン
うん
3段階目まで、アニはミーナと一緒に行動してるはず

それがミカサにとっては仲間を信じる根拠になる

アルミン
昼食のタイミングで、もしかするとミカサが僕らから離れるかも知れない

アニ
なぜ?

アルミン
ミカサはああ見えて、しっかり情報を集めてから判断するタイプだからね
エレンへ直にアプローチしたらそうはいかないけど、
噂レベルなら、視点を変えて判断材料を集めるはず

ユミル「ミカサ、ミカサ。おい」

ミカサ「!・・・どうしたの」

ユミル「サシャにパン持ってかれたぞ」

ミカサ「・・取り返してくる」

・・・

キース教官「凶器を取り上げた相手がさらに抵抗する、そもそも相手が素手である場合を想定し」

「本日は、双方ともに徒手空拳で訓練を行う。禁止事項は急所への攻撃。目潰し、金的などだ」

「ただし、喉輪・金的については寸止め、軽めに当てる場合に限り、使用を認める」

「では、始め!」

アルミン
4段階目、格闘術
ここからは、ベルトルトを信じる根拠を希薄にしていく
アニはエレンから組もうって言われたら断わって欲しい

アニ
ん、構わないけど・・

アルミン
ただし、こう断わって欲しいんだ

エレン「アニ、組もうぜ」

アニ「・・今日はライナーと組もうと思ってるんだ」

エレン「珍しいな」

アニ「体格差の大きい奴ともやっておかないと、いざって時に勘が狂うからね」

エレン「それもそうだな」

アニ「アンタもたまには、自分より大きい奴とやった方がいい」

エレン「ああ」

アニ「ライナー」

クリスタ「あ、アニ」

ライナー「いや、俺は今日はクリスタと組む約束が」

アニ「たまに見てるけど、ライナーの訓練になってないじゃないか」

ライナー「・・俺が教える側だから良いだろう」

アニ「それは良いけど、ここ数日、連続して組みすぎてる」

「クリスタにも良くない。ライナーで慣れると、普通の背丈相手の間合いが分からなくなる」

ライナー「・・・」
(こいつ、こんなに俺に話しかけていいのか?まあ、普段話をしなさ過ぎるのも逆に不自然か)

クリスタ「確かに・・・そうだね。私はユミルと組んでくるよ。ありがとう、アニ。またね、ライナー」

ライナー「わかった。クリスタ、また今度にしよう」
(クリスタと組めないのは残念だが・・・
アニも回りに溶け込んで行こうという意識が出来てきたのか)

「じゃあ、やるか。アニ」
(辛いが、それも任務のうちだしな。よし、付き合ってやろう)

ベルトルト「ライナー・・、あ」
(アニと組んでる。いいなぁ)

(・・・空いているのは・・・トーマス)

「トーマス、組んでくれるかい」

トーマス「ええと・・・ごめん、他の奴と組む約束があるんだ、また」
(無いけど・・あの噂が本当だったら・・ごめん、ベルトルト)

ベルトルト「あ・・うん、わかった、また」

トーマス「うん」
(笑顔も素直に受け取れない・・・)

アルミン
このアニの動きと噂が合わされば、2人を組ませる事は十分に可能なはず

アニ
そんなに上手くいくものなの?

アルミン
エレンはアニの言葉を真に受けて、背丈の大きい相手を探すだろうし・・・
ベルトルトは、噂のせいで組むのを嫌がられるはずだ
そして、噂は当事者に一番最後に伝わる事が多いから、本人達は気にせず組むだろう
見ていてごらん、多分、そうなる

エレンとベルトルトが組むまでに、アニはエレンの後方に位置して欲しい

ベルトルト (あとは・・・エレンか)

エレン「よう、ベルトルト。組もうぜ」

ベルトルト「うん、そうしよう」

ジャン ( ミカサと組めるなんて・・・ついてる )
「・・・よし、じゃあ行くぜ、ミカサ」

ミカサ「ええ」
(いや、あれは偶然・・・トーマスにも声をかけてた・・・)

エレン「よし、行くぞ」

ベルトルト「うん」

エレン「シッ」

ベルトルト「・・・」
(アニの動きに似てる)

エレン「ここまで身長差があるとやりにくいな」

ベルトルト「くっ」
(早さはアニより・・・でも、重い・・!)

アルミン
おそらく・・・だけど、エレンはアニと大分動きが似てるから

アニ
うん

アルミン
ベルトルトは、エレンをしっかり見るんじゃないかな

ベルトルト (足運びも、構えも・・アニの影響が大きいな・・・)

エレン「守ってばかりじゃ・・・!」
(こいつ、こんなに防御しっかりしてたっけ)

ベルトルト(アニならこの後・・うん、コンビネーションの組み立ても似てる・・・)

ミカサ (あんな・・じっくり観察するように・・・)

ジャン「ミカサ」
(締め技で密着は嬉しいけど)

ミカサ(いや、考えすぎ。そんなはずは)

ジャン「まいった、ミカサ」
(く、くるしい。でも胸があたって)

アルミン
ある程度時間が経てば、それも落ち着くと思う

アニ
まあ、そうだね
(あいつ、ある程度私の動きやクセ知ってるから、気になるだろうね)

アルミン
それが落ち着いたら、難しい注文で申し訳ないけど
ベルトルトの視点から見て、エレンの体の端々からアニが見えるよう動いて欲しいんだ

アニ
・・・エレン越しにベルトルトが少しずつ見えるよう、
ライナーに左右の揺さぶりをかけてみるよ

ライナー「うお、すばしっこいな」
(左右に不規則に・・・!)

アニ「シッ、シシュッ」

ライナー「いてっ、いててアニ、おい」
(いかん、結構本気で来てるな、よし)

アルミン
そうすると、ベルトルトの目線はかなり怪しい感じになるはず

アニ
どういうこと?

アルミン
エレンの体を隅々まで見てるように、周りからは見えるんじゃないかな

ベルトルト(アニが・・・攻勢にでた?速い。そして相変わらず・・キレイだ)

エレン「なにニヤけてんだ!」

ベルトルト「うわっ」

エレン「くそっ、また防がれた」

ミカサ (笑みを浮かべた!?)

ジャン「ミ、カサ、まいっ」
(締めが、きつ、く)

ミカサ (・・エレンを、あんな下卑た表情を浮かべて)

(いや、きっとあの目線の先にミーナが・・)

(ミーナがいない!?)

ハンナ「うわぁ・・・やっぱり・・」

フランツ「しっ、ただの噂だよ」

ミカサ「!?」

ジャン「ぅぐあっ」
(幸せ、だけど、死ぬ、しぬ)

ハンナ「でも・・・あんな舐め回すような目線で・・・」

ミカサ「!!?」

ジャン「く、るし、ミカサ、か、は」

ジャン「・・・」

ミカサ (?手応えが急に柔らかく・・・)

ジャン「・・・・」

ミカサ「はっ!」
(しまった、絞め落としてしまった)

「ジャン!?しっかり!」

ジャン「・・・・・っ、くはっ!」

「はっ、くはっ、はっ」

キース教官「どうした、アッカーマン」

ジャン「はっ、開けんなって言って・・あれ」

ミカサ「・・申し訳ありません。ジャンを絞め落としてしまいました」

ジャン「あ・・・そうか、俺は」

キース教官「キルシュタイン。動けるか?」

ジャン「はい、うおっ」

キース教官「アッカーマン。キルシュタインを救護室へ連れて行け」

ミカサ「しかし」
(エレンが)

キース教官「訓練で仲間を負傷させたのは誰だ」

ミカサ「・・・私です」
(ベルトルトを監視するために、動きの少ない締め技にしたのが失敗・・)

キース「では、貴様が連れて行くべきであろう」

ミカサ「はい・・・申し訳ありません」

ミカサ「ジャン」

ジャン「すまん、くそっ・・情けねえ」

ミカサ「・・・背負う。乗って」
(仕方ない)

ジャン「いや、そんな訳には、っと、おい」

ミカサ「いいから」

ジャン「うおっ、降ろ」(さなくていい・・!ミカサの背中!)

ミカサ「しっかり掴まって。行く」

ジャン「すまん」
(ミカサが歩くたびに・・肩から回した手が揺れて、胸にあたる!)

(気絶もしてみるもんだな・・)

ライナー「へぐあ!ぁっ、・・・・!」

アニ「ごめん、ライナー」
(左右の揺さぶりをミドルで潰そうなんて安直なんてことするからだよ)

コニー「大丈夫か、ライナー!立てるか!?」

サシャ「どうしたんですか!?」

コニー「すっごいキレイに金的に入ってたぞ!?おい!ライナー!」

ライナー「ぁ・・・か・・・」

アニ「ガラ空きだったもんで。ライナーが踏み込んで来たから寸止め出来なかった」
(振り抜くつもりで蹴ったけどね)

サシャ「泡!ライナーが泡吹いてます!教官!泡が!」

ミカサ (あの騒ぎは・・・?)

ジャン「ライナーが負傷したのか?」

ミカサ「そう・・・。ジャン、そんな強張ると背負いにくい」

「もっと前に寄りかかって」

ジャン「すまん、痛くてな、勘弁してくれ」
(痛いほどに強張ってます・・なんてな。隙間空けないと押し付けちまう)

ミカサ「ごめん」
( ベルトルトが背負って・・・連れていく? )

ジャン「いや、大丈夫だ」

ミカサ (良かった・・・エレンから離れる・・)

ベルトルト「・・・救護室にいくよ、ライナー」

ライナー「う、ぅぐあ」

ベルトルト((ライナー、聞こえる?))

ライナー「あ、ああ、あぁ」

ベルトルト((蒸気でない範囲で修復しないと、危ないよ))

ライナー「あ、ぅあ」
(しゅ、しゅ、うふく)

ベルトルト「!?」
(ライナー!?蒸気が!蒸気が出てる!)

アニ「!?」
(・・・!私のせいで・・・!)

アルミン「ライナー!?」

ナック「なんだあれ・・・」

エレン「ライナーが・・・そんなまさか・・」

キース教官 (あれは・・・!)

アニ (まずい!このままじゃ!・・・教官がライナーの方に!?)

ベルトルト「・・・!」
(気付かれた!?)

アニ(どうすれば!?今ここで!?いや、そんな)

ベルトルト(こんな所で・・・!)

ライナー(なお、す)

キース教官「フーバー、止まれ」

ベルトルト(まずい・・・!)

サシャ「あれ、絶対、漏らしてますよね?」

エレン「だよな。湯気から見て下手すると・・」

コニー「バカ!言うな!ライナーがかわいそうだろ!」


アニ「ならいいや」


サシャ・コニー・エレン「!?」

アニ「ふふ」
(安心した。そうだよね、あの位置の蒸気ならそう見えるか。心配して損した)

エレン(怖ええ・・・ライナーの金的を潰して、ションベン、いや、下手すると大まで漏らさせといて・・)

サシャ(笑ってる・・!確かに笑えるけど・・!当事者が笑うのはおかしいん違う!?)

コニー (ライナーが何かしたのか!?氷の女、マジ怖ええ)

キース教官「いいか、フーバー。落ち着いて聞け。ブラウン訓練兵が漏らしている」

「このコートを貸してやる。これで隠しつつ、速やかにブラウンを救護室へ連れていけ」
(こんなことで育ちつつあるリーダーの威厳を失わせる訳には・・!
少しでも損害を軽減しなければ・・・!)

ベルトルト「・・・!了解です!」
(良かった、そう見えるか。でも、あまり長時間見られると不自然だ)

ライナー(しゅう、ふく、なお、す)


ベルトルト (・・・アニは・・笑ってる。ひどいなぁ)

ベルトルト(でも、安心したのはアニも一緒だろうな)

「ふふ」

ベルトルト(にしても、キレイだな・・・)

ミカサ (なぜ振り向く!?)

ジャン「いてっ、ミカサ、いっ」
(太ももが・・・!折れる・・!)

ミカサ (いや・・・考えすぎ・・・なぜ笑う!?)

ジャン「ミカサ!マジでヤバい!折れる!ぐあああ」

ミカサ (なぜもう一度見る!!?)

ジャン「ぐあ、ミカサ、うぐあああ」

---
今回ここまで
のんびりお待ちください

ミカサ「・・・?」
(ジャンが重く・・?)

「ジャン・・・?」

ジャン「・・・」

ミカサ「寝てる・・・?」

「?」

(・・・そういえば、どこか痛そうだった。
気絶する程・・?悪い事をした)

(ベルトルトは・・・)

(落ち着こう・・・救護室で待って、話を聞くべき)

ベルトルト「ライナー、ライナー」

ライナー「ぁ、ああ、ベルトルト」

ベルトルト「大丈夫?」

ライナー「なんとか・・・ようやく、意識がはっきりしてきた」

ベルトルト「良かった・・・一つ、問題があるんだけど」

ベルトルト「解決策から言うと、このまま僕は歩くから・・・背負われたままオシッコをして欲しいんだ」

ライナー「なぜそんなことを」

ベルトルト「ライナー、アニの金的を受けたあと・・・修復の蒸気が、ズボン透けて出ちゃったんだ・・・」

ライナー「朦朧としてたし、しくじったか・・いや、そんな程度の話じゃない。それもうダメだろ。何故こんな悠長に俺を背負って歩いてるんだ」

ベルトルト「大丈夫なんだ、ライナー」

ライナー「何がだ」

ベルトルト「みんな、股間から蒸気が出るのを見て、漏らしたと思ったみたいなんだ」

ライナー「・・まて」

ベルトルト「幸いにも『湯気』と言えなくもない程度の蒸気だったから」

ライナー「まて、まってくれ、何が大丈夫なんだ、いや、分かる、言いたい事は」

「でも、それ、大丈夫って言うか?」

ベルトルト「少しマズイかな?」

ライナー「少しじゃない・・・!かなりマズイだろ・・・!」

ベルトルト「任務続行不可能になる所が」

ライナー (クリスタに見られただろうか・・・仲間には・・・)

ベルトルト「君の印象と、僕の背中や服だけで済むんだ」

ライナー (こいつ・・・他人事だと思って淡々と・・・!)

ベルトルト「そう考えれば、少しじゃないかな」

ライナー「・・・分かった、すればいいんだな」
(・・・他人事じゃなくしてやる)

ベルトルト「うん。あ、でも、ちょっと湯気が出る程度の」

ライナー「フンッ!」

ベルトルト「分、量・・・で・・・」

ライナー「これでいいか?」

ベルトルト「・・・幾ら何でも、やり過ぎだろ」

ライナー「蒸気と見間違うくらいだからな、この位の勢いと量が、必要・・・・・」

ベルトルト「ライナー?」

ライナー「・・・・」

ベルトルト「ライナー、黙らないでくれる?怖いんだけど」

ライナー「ベルトルト」

ベルトルト「うん」

ライナー「その・・・すまん」

ベルトルト (うん・・・?まさか・・!)

ライナー「力み過ぎて」

ベルトルト「ライナー、申し訳ないけど・・・救護室着くまで黙っててくれるかな」

ライナー「・・・すまん」

ベルトルト「喋らないで。・・・・・気絶したフリしててくれる?」

ライナー「・・・・」

・・・

いかん、汚い話コピペしてたら電車乗り過ごした
行ってまいります

続きは夜にでも

ミカサ「・・・ベルトルト、聞きたいことが」

ベルトルト「ミカサ、ごめん、後で!」

「教官、すみません、タオルとお湯、あと入院着を二組ください!」

看護教官「どうした、フーバー!?」

ベルトルト「ミカサ!ごめん、外してくれるかな」

ミカサ「・・わかった」
(ライナーの為にこんな必死に、いや、でも)

「ベルトルト、後で話がある」

ベルトルト「わかった、後で」

・・・

看護教官「災難だったな、フーバー」

ベルトルト「・・はい」

看護教官「ブラウンは大事を取って今日は休んだ方がいい」

ライナー「はい・・・すみません」
(考えたら、ションベンなんて力んで出すもんじゃねえよな・・・)

看護教官「フーバー、少し古いが、ここに訓練着がある。着替えて、訓練に戻れ」

ベルトルト「はい」

看護教官「これは洗っておいてやる。干して置くから、明日の訓練終了後、取りに来い」

ベルトルト「はい。ありがとうございます」

・・・・

ジャン「・・・ミカサ」

ミカサ「ジャン、気がついた?」

ジャン「お前の貧乏揺すりが気になってな」

ミカサ「あ・・・本当」

ジャン「・・何か、イラつくような事でもあるのか?」

ミカサ「・・・あなたには関係ない」

ジャン「ひどいな。でも、話すだけ話してみろよ」

ミカサ「何の役に立つというの?」

ジャン「あー・・。お前の心配事が、俺の知ってる事なら何か言える。知らなければ、聞くだけだな」

ミカサ「・・・」

ジャン「俺が知らなくても、話してるうちに楽になったり、自分で気がつく事もあるだろうから」

「まあ、話すだけ、話してみろよ」
(よし!俺、いまイケてる)

ミカサ「・・・」
(いつも通り・・笑顔が気持ち悪い)

(でも、言ってる事は正しい)

「・・・分かった、話す」


ジャン「おう」

ミカサ「ベルトルトが・・」

・・・・

・・・・

ジャン「・・・なあ」
(あの噂か・・・にしても、またエレンかよ・・・)

ミカサ「うん」

ジャン「それはないぞ」
(エレン絡みになると、何でこう、ミカサは・・・)

ミカサ「なぜ」

ジャン「なぜって・・・・」
(ベルトルトもエロ本読む、とは言えないな)

ミカサ「理由が知りたい。なぜ」

ジャン「いや、それは・・」
(近い・・・!)

ミカサ「なぜなの」

ジャン「いや、まて、ミカサ」
(ベッドの上にまで・・・! 嬉しい、いや、これは)

(・・・エレンの為に必死になって、そう言う事が見えてないだけだ)

「・・・・」


ミカサ「・・・どうしたの」
(どこか・・悲しそう?)

ジャン「・・ミカサ。とりあえず、ベッドから降りてくれ」

ミカサ「・・・・これで良い?」

ジャン「ああ」
(はあ・・・。話さなきゃダメだな)

「真面目な話だ。
こんなもん、本当は話す事じゃない」
(まして好きな女に言うモンじゃねえよなぁ)

「誰にも言わないって約束できるか?」

ミカサ「うん」

ジャン「まず、第一に。アイツは普通に女が好きだ」

ミカサ「なぜ」

ジャン「・・読んでるのが、まあ普通の男が読むエロ本だからな」

ミカサ「・・・・」

ジャン「嫌そうな顔すんなよ・・・。お前が聞いてるのってそういう事なんだぜ」

ミカサ「うん・・」

ジャン「それにな、俺だって、エレンだって読む。アルミンもだ」
(何でこんな事言わなきゃなんねぇんだ)

ミカサ「・・・」

ジャン「またそういう・・・あのな、エレンが男の裸ばっかの本読んでる方がいいか?」
(しかも、ミカサに)

ミカサ「それは!・・・困る」

ジャン「普通の事なんだ、男だからな。
・・・話がちょっとズレたが、そう言う意味で、アイツは男だよ」

ミカサ「・・・でも」

ジャン「さっき話してた、噂か?」

ミカサ「うん・・・」

ジャン「そんなの、良くある噂だろ」

ミカサ「そうなの?」

ジャン「代表的なのは、ライナーとベルトルトが出来てる、なんてのだな」

ミカサ「それは・・・前に聞いたことがある」

ジャン「やっぱりそうか」

「だけど、ライナーは好きな女がいるだろ」

ミカサ「? そうなの?」

ジャン「ああ・・・くそ。もう、話すの止めていいか?」
(知らねえのかよ・・・あんなにわかりやすいのに)

ミカサ「なぜ?」

ジャン「なぜって、お前・・・例えば、サシャに好きな奴がいるとして。
それをお前が知ってたら、お前、俺に言えるか?」
(話せば話すほど・・・ほんっとに・・・)

ミカサ「言わない」

ジャン「だろ?同じ事だ」
(そこは言わないんだな、安心した)

「他の・・言って差し支えなさそうな噂だと」

ミカサ「うん」

ジャン「俺と、マルコとか」

ミカサ「それも、聞いた事がある」

ジャン「あんのかよ。違うからな。後は、エレンとアルミンとか」

ミカサ「・・アルミンは違う」

ジャン「?何でそこでエレンじゃないんだ?」

ミカサ「それは・・・」
(しまった。アルミンも、アニも。噂になるのは嫌だって)

ジャン「・・・言わなくていい」

「まあ、そのくらいありふれた噂ってことだ。
大体は一緒にいるやつらがそう言われる。
今回はたまたま、違う組合わせだっただけだ。
気にしすぎて、そう見えてんだろ。
・・・振り回されるだけバカ見るぞ」

ミカサ「・・・うん」
(確かに。少し、安心した・・・少し複雑・・・でも)

ミカサ「・・・ジャンは、思ってたより優しい」

ジャン「・・は?」

ミカサ「もっと意地悪だと思ってた」

ジャン「なんだそりゃ。どんなイメージなんだよ俺は」

ミカサ「ん・・・もう行く」

ジャン「ああ。落ち着いたか?」

ミカサ「うん。ありがとう。・・・いつか、お礼を」

ジャン「お、おう」

・・・

ジャン「お礼は、嬉しいけどなぁ・・・本当にあいつ・・・」
(エレンのことばっかだな・・・)

「はあ・・・」
(俺は父親かよ・・・何を話してんだ・・・)

(にしても、アルミンいるのか?好きなやつ。
ミカサは知ってる風だったが)

(気持ち悪いガリ勉だと思ってたけど、いるのか)

(ミカサとは幼馴染みらしいし、昔いたのをしってるのかもな)

ジャン(ああ・・・ミカサん中で、父親か兄貴みてえな印象になったらどうすんだ俺は)

(クソ・・・)

看護教官「キルシュタイン、入るぞ」

ジャン「はい!ぃってぇ」

看護教官「騒ぐな。折れてはいないし、ヒビも無い」

「アッカーマンが手当をしてくれたんだぞ。感謝するんだな」

ジャン「はい、ありがとうございます・・・はい!?」

(てことは俺はズボン脱がされたのか!?)

(あのミカサの手が俺の太腿や)

(腰に触れたってのか!?)

何で俺は気絶してんだよ肝心な所で!おい!キルシュタイン!)

看護教官「恥ずかしがる事はない。アッカーマンの家は医者だったそうだ」

「よく喧嘩で怪我してくる家族がいたそうで、まあ、手慣れたものだった」

ジャン(それは・・アイツのことだよな。ムカつくな)

(・・・この湿布はしばらく剥がさねえぞ)

・・・

ベルトルト「ミカサ」

ミカサ「!」

ベルトルト「話って、何?」

ミカサ「・・・何でもない」

ベルトルト「そうなの?」

ミカサ「訓練に戻る」

ベルトルト「・・・・?」
(なんだったんだろう・・・)

寝こけてました 寝まする

乙!
これは…ジャンのおかげで理不尽なボッコを回避できた…のか?

夕食時

ミカサ「アニ」
(・・同じ席に。いいの?)

アニ「たまには」

エレン「珍しいな」

アニ「悪かったね」

アルミン「アニ」
(胡椒)

アニ「ん・・・ありがとう」

サシャ「ん?なんでアニがあっちにいるんでしょう?」

クリスタ「なんでだろ?」

ユミル「じゃあ何でお前は私とクリスタの向かいにいるんだ」

サシャ「クリスタとユミルがいるからです」

ユミル「クリスタがたまにパンくれるからだろ。あげんなよ、クリスタ。お前食わないと色々育たないぞ」

クリスタ「・・・色々って何? いいじゃない、一緒に食べようよ」

ベルトルト「ライナー、もう大丈夫なの?」
(分かってるのに聞かなきゃだよなぁ)

ライナー「ああ、なんとかな」

コニー「すげえな・・あんなキレイに入ったのに・・・」

ジャン「なんだよ、何が入ったってんだ?」

マルコ「ああ、ジャンは見てないんだっけ」

コニー「金的だよ、金的。アニの蹴りがキレイに入ったんだ」

ジャン「よく生きてるな。頑丈にも程があるだろ」

ライナー「・・・俺も不思議でならん」
(実際は潰されたけどな・・・あの痛み、虚脱感、吐き気・・・再生しなきゃ死んでる)

ベルトルト「気絶はしたけどね。運が良かったんだろうね」

ジャン(こいつがエレンを・・・?いや、ないだろ)

アニ「ミカサ」

ミカサ「うん」

アニ「ボーッとしてるけど・・食べないの?」

ミカサ「・・・いただきます」
(・・・ジャンは、ああ言ってたけど・・でも、視線を感じる・・・)

アルミン「ん、食べよう」
(ミカサが救護室から戻ってきて、落ち着いてたから)

(もう一手、と思ってアニに来てもらったけど、コレは・・・)

アニ(分かってると、気持ち悪いでしょ・・アルミン。本当におかしいレベルでチラ見するんだよ・・・)

エレン「なんだお前ら、暗い顔して。この芋、美味いぞ?」

ジャン「・・・」
(おかしい・・・)

ベルトルト「まあ、無事で良かったよ」
(アニ・・・?なんであの席に・・?)

ライナー「無事じゃないけどな・・・色々と・・・」
(誰に見られたんだ・・・俺のイメージが・・・)

コニー「ライナー、大丈夫だぞ。そんなに目立たなかったから」

ライナー「・・・・」

マルコ「コニー・・・とりあえず、食べよう」
(気を使ってるんだろうけど、傷をえぐってるよ・・・)

ベルトルト「はは、そうだね。食べよう。ん。いつもより芋が多い」
(なんだろう・・・最近、ミカサとはよく話すようだけど・・)

ライナー「なあ・・・誰に見られたんだ・・・」

マルコ「うーん・・誰にって・・」

ジャン「そんなに酷かったのか?」
(ミカサに言われたから気になるのかも知れんが、こいつ・・・)

コニー「・・俺とサシャ、エレン、後は」

マルコ「おい!コニー!」

コニー「だって隠してもしょうがないだろ。どうしようよねぇよ」

マルコ「・・・」
(コニーにしては、まともな事を言ってる)

ベルトルト「そうだね・・・あとは、ハンナとフランツ、キース教官までは把握してる」
(エレンか・・・そういえば、アニとは仲良いのかな・・・)

ジャン「!」
(今、またエレンの方を見たぞ・・今の話と関係ないだろ・・・!)

ライナー「そんな騒ぎになるほどだったのか・・・」

ライナー「・・・ユミル達は・・・見てたのか?」

マルコ「!」
(クリスタが見てたか気になるんだろうな・・・)

コニー「ああ、見てたよ。ユミルが指さしてゲラゲラ笑ってた」

ライナー「そう、か」
(てことはほぼ全員、注目しただろうな・・当然、クリスタも・・・)

ベルトルト「もう、忘れなよ・・・僕も忘れるから」
(ここでの印象を気にしすぎだ・・・もう、3年近いから無理も無いけど)

(アニは、大丈夫かな。最近、ミカサと仲良いようだけど・・・)

ジャン(また見た・・・!ダメだ・・・!そんな事考えるのは。仲間を信じねぇと・・・!)

マルコ「ジャン?どうしたの?」

ジャン「あ、ああ。俺は見てないからな。ミカサに絞め落とされてたし」

ライナー「そうか・・・」

コニー「あ!アニは見てたな!」

マルコ「コニー、君は・・・」
(まともな事言ってるかと思ったら・・・)

ベルトルト「アニは蹴った本人だもの、見てるに決まってるだろ」
(にしても、今後こんな事が起きたら・・・残りの期間は短いけど、アニとは話をしないと・・)

ジャン(今また・・・いや、今の話の流れだとアニを見たのか?ダメだ、わからん)

「俺、部屋戻るわ」
(こんな事これ以上考えたくねぇ)


マルコ「あ、おい、ジャン!」

コニー「あ、残してるの、俺食っていいかな。成長期だからよ」

ライナー「・・・ああ、いいんじゃないか」

アニ「ミカサ、ミカサ」

ミカサ「・・・!」

アニ「スプーン・・・」
(だったもの、かな)

ミカサ「・・・脆くなってた。替えてくる」
(落ち着かないと・・・ジャンも、ああ言ってた・・・)

アルミン(クリ材のスプーンは、普通そんな粉々にならないけどね・・)

エレン「あ、お前なにしてんだよ。備品だぞ」

ミカサ「ごめんなさい。謝ってくる」

・・・・

アルミン「はい、望遠鏡」

アニ「・・すごい高倍率・・どうしたの?」

アルミン「駐屯兵団工兵部で、壊れたから廃棄にするってのを貰って、直したんだ。
レンズも磨きなおしておいたよ」

アニ「・・右下に曇りがある」

アルミン「うん、そこだけはキズがとれなくて」

アニ「そっか・・・。でも、よく見えるよ」

アニ「交代で見る?」

アルミン「そうしよう。あ、マント」

アニ「ん。木の上でも、結構くつろげるもんだね」

アルミン「前々から準備してたからね」

アニ「枝の間に板まで渡して・・・」

アルミン「2人くらいなら、足が出るけど休めるよ」

アニ「あ。サンドイッチ、作ってきた」

アルミン「わぁ・・・ありがとう」

アニ「この間みたいにハムは無いけど・・チーズと、トマトと、レタス」

アルミン「この時期に・・トマトとレタスなんて貴重品、どうしたの?」

アニ「ここからずっと奥に廃屋があるんだけど・・サシャがそれを改装して温室にしてるんだ。そこで栽培してるのを、分けて貰った」

アルミン「そんなことしてるんだ・・。それにしても、あのサシャがよく分けてくれたね」

アニ「歩哨訓練の時に、食料庫に忍び込んできたから、捕まえて」

アルミン「サシャもかわいそうに」

アニ「自業自得だよ。で、野菜分けてくれたら、教官に黙っててあげるから、今日は帰りなって言ったら」

アルミン「うん」

アニ「快諾してくれた。泣いて喜んでたよ」

アルミン「そう・・食料はあげたの?」

アニ「あげるわけないでしょ。歩哨訓練なんだから、私の失点になるじゃない」

アルミン「そっかあ・・・」
(喜んではないよね・・・)

アニ「今は私のレタスやハーブも栽培してるから、物々交換だけどね」

アルミン「ん、なら良かった。あ」

アニ「どうしたの?」

アルミン「来た」

アニ「・・・本当だ」

ベルトルト(・・・何だろう。ミカサが僕を呼び出すなんて・・)

(昨日、立体機動の訓練の時にイライラしてたみたいだけど・・・)

(あの時は最後の方、ミカサが殆どの標的を破壊して・・後続の僕らは得点にならなかった)

(それにしても、こんな離れた旧倉庫の、そのまた裏なんて・・何か人に聞かれたくないような事なのかな)

ベルトルト「あ、ミカサ・・・っく!何を」

ミカサ「来なさい」

ベルトルト「・・・っ!離してくれ」
(何て力だ・・・!振りほどけない)

ミカサ「ダメ。来なさい」

ベルトルト「ちょっと、何で、離せって!」

アニ「アルミン、双眼鏡使って」

アルミン「うん。でも、アニは?」

アニ「私はこれで見るよ」

アルミン「・・・指で?何をしてるの?」

アニ「遠くを見る時、こうするの。父さんから習った」

アルミン「それで、見えるの?」

アニ「大きくはならないけどね。はっきり見える。交代だと見逃すかも知れないし」

アルミン「そっか、あ」

アニ「あ」

ベルトルト「うあっ!」
(危ない!)

ミカサ「とぼけてもダメ」

ベルトルト「ミカサ、なぜ、理由を」
(ちゃんと受け止めたのに・・・)

ミカサ「ごまかさない!」

ベルトルト「うあっ!」
(腕が、きしむ・・!)

アニ「ねえ、ミカサ、あんなに力、強かったっけ」
(片手でベルトルトを持ち上げて、空いてる手で殴るなんて、ライナーぐらいじゃないと普通は・・・)

アルミン「分からない・・けど、自分の身体を完全に支配出来るって言ってたな」

アニ「そう・・・」
(この前、打撃戦で済んで良かった・・掴まれたら終わってたね)

ミカサ「目線でわかる。させない・・・!」

ベルトルト「待って、本当になんのことかっ!ぐっうあっ」
(なんの話をしてるんだ!?)

ミカサ「まだごまかすの・・・?」

「・・・一昨日、朝食、座学、格闘術の時間。どこを見ていたの」


ベルトルト(! アニのことを言ってるのか?・・気付かれた!?いやそうだとしても、ミカサに何の関係が)

ミカサ「答えなさい!」

アルミン「何か話してるね」

アニ「おととい、どこを見てた、って聞いてるみたい」
(おかしい。この間やりあった時、確かに強かったけど、あそこまでじゃ・・・)

アルミン「分かるの!?」

アニ「あ・・・なんとなく。女子は大体分かるよ?」
(ほんとは唇読む訓練してたからだけど・・女子力のおかげにしとこう)

アルミン「女子ってすごいな・・・」

アニ「ん。サンドイッチ美味しい。アルミンも食べなよ」

ベルトルト「なんのことを」

ミカサ「答え!なさい!とぼけても!ダメ!」

ベルトルト「ぐっ!がっ!うっ!うぐっ」
(ハンマーで殴られてるみたいだ・・・!まずい・・・!)

アニ「ミカサ、すごい怒ってる」
(・・・ベルトルトなら受け止められない程じゃないはず・・なんであんな・・・)

アルミン「うん、あそこまでとは・・昨日の模擬戦の後から、目つきが変わってたけど・・・」

アニ「ミカサ、ベルトルトが同じ組で、私とエレンが同じ組で、コースも並走する形だったからね」

ベルトルト「何も、見てな、い」
(アニとの関係を言う訳には・・・・)

ミカサ「まだ、とぼけるの」

ベルトルト「がはっ、はっ」
(腕の骨にヒビが・・・!ゆっくりと修復し続けてるのに・・!おいつかない・・!)

ミカサ「・・・じゃあ、昨日の模擬戦はどうなの」

ベルトルト「・・・!」
(まさか、ずっと僕は見られていたのか!?)

アルミン「何をやったの?」

アニ「エレンが私に『負けないからな!』て言ってたから、ぴったりくっ付いて動いた」
(・・・あんな。何も抵抗出来ないはずは)

アルミン「それは・・ミカサから見たら」

ミカサ「あの気持ち悪い目線・・・!」

ベルトルト「・・・!」

ミカサ「あれだけ!素早く動いているのに!片時も!目を!離さない!」

ベルトルト「ぐあっ!ぐっ!がっ!はっ!っ!」
(あばら、が。抑えながらの、修復じゃ、保たない、どこまで、知られ、て)

アニ「・・・血、吐いてる」
(・・・!明らかにこの前よりミカサが速い・・・!なんで!?流石に、まずい。何回かいい所に・・・!)

アルミン「倒れたよ・・・あれ、大丈夫なのかな」
(幾らベルトルトが頑丈だろう、といっても・・・)

アニ「・・・あの調子でエスカレートしたら、殺されると思う」
(半殺しくらい、って思ったけど、あのままじゃ)

アルミン「止めてくる」
(ここまで怒るとは・・僕が打った策だけじゃない、何かがあったんだ)

アニ「うん。あ、双眼鏡、貸して」

アルミン「!まだ見るの?」

アニ「違う!鏡と合わせて、誰かに信号送ってみる」

「止めにいくように」
(ライナーを探さないと)

ミカサ「もう、止めるって、約束しなさい」
(ジャンも、あの時、同じ組だった。ジャンも気付いて・・・)

(訓練が終わった後、とても悲しそうな顔をしてた)

(『ミカサ、すまん、俺は間違ってたかも知れない』)

(『でも、早まるなよ』)

(ジャンは、仲間を信じてた。なのに・・・)

ベルトルト「ぐ、は」
(修復以前に、痛みで気絶してしまう・・・気絶したら・・・抑えが効かなくなって、修復が始まる・・・どうすれば)

(・・アニは、これを受けてたんだよね・・・)

(・・・!そうか!こう考えるんだ!)

(気絶しなければ、アニと同じ痛みを味わえる・・・!)

ライナー「ん・・・?」
(あの光は・・・?)

(木の上から?・・・アニ・・・?)

ミカサ「なぜ笑ってるの」

ベルトルト「は、は。何の事を」
(・・アニはこの痛みを・・・)

ミカサ「まだ!認めない!つもり!?エレンに!何をしようと!言うの!」

ベルトルト「!?ぐっ!うあっ、はっ!うっ!うっ!なにを、うっ!」
(エレン!?なんのことだ!?蹴られ、て)

(あばら骨、が、肺、に)

(鉄の塊を、ぶつけられてる、みたいだ)

「がはっ、くはっ」

アルミン「はあっ、はっ、はっ」
(あそこまでになるなんて・・・ミカサに人を殺させる訳には・・・!)

ジャン「おい、アルミン、何を急いで」

アルミン「ジャン!?手伝って!」

ジャン「おいおい、厄介ごとは」

アルミン「ミカサが!ベルトルトを!」

ジャン「・・!どこだ!」
(この前話してた事か・・・!馬鹿野郎・・・!)

ベルトルト「ちが、う」
(確かに、アニの近くに、エレンがいた)

ミカサ「何が違うというの!?」

ライナー(・・アニが、なんだってあんなとこに・・・ん、まだ明滅してる)

(北・・旧、倉庫?・・危ない?)

(ベルトルト・・・?ベルトルト!?)

ベルトルト「か、は」
(それを、誤解して・・・くそっ)

(本人にも言ってないのに・・・)

「はっ、はあっ、アニ、だ」

アニ(良かった、気付いてくれた)

(あんな・・・あのままじゃ・・・)

(アルミンは・・・ジャンと一緒に)

(急いで・・・!)

ミカサ「・・・?」
(今、何て)

ベルトルト「エレン、じゃない」

ミカサ「・・・」

ベルトルト「アニ、を、見て、いた」
(止まった・・・?今のうちに、修復、を)

ライナー (旧倉庫って・・・あそこか!)

(くそっ、遠い・・・!)

ミカサ(アニは・・・避難民で、孤児)

(ずっと、訓練所で一人で)

(アルミンも、家族を失って・・やっとここで、二人とも大事な人が出来たというのに)

(こいつは・・・そこに・・・!いや、思うだけなら、個人の・・・個人の・・・)

(個人・・・・・・)

(・・・?)

ジャン「旧倉庫って、どっちのだ!」

アルミン「北側の!急がないと!」

ベルトルト「はっ、はあっ」
(全身が熱い・・・!気絶しないよう、アニが受けた痛みだって)

(思いながら耐えてたら、なんだか)

(興奮してきた・・!)

(いや、興奮してる場合じゃない)

(ミカサは、誤解だってわかって、止まった、かな)

ミカサ(・・・ズボンが膨らんでいる・・・)

(かなり痛めつけてるのに)

(アニの事を白状したとたん)

(・・・・)

(勃起している・・・)

(あんな大きさのものを・・・アニに・・・)

(・・・こいつはダメ。埋めよう)

ベルトルト「ぐぅあっ!?」
(腰骨を・・・!)

ミカサ「そこで待っていなさい」

ベルトルト「な、ぜ」

ミカサ「スコップを取ってくる」

ベルトルト「な、何を」
(まずい・・・!抑えながらの修復じゃ、間に合わない・・逃げられない・・・・!)

ミカサ「気にしなくていい。すぐに、考える必要が無くなる」

ベルトルト「・・・!」
(あの目・・・!本気だ・・・!)

ミカサ「待ってなさい」

・・・・

ベルトルト「はっ、はっ」
(誰に見られてるか、分からない以上、巨人化は出来ない)

(修復も、抑えないといけない)

(でも・・いよいよ殺されそうになったら、巨人化するしかない)

アニ (逃げて、ベルトルト)

(お願い、逃げて)

(私のせいだ)

(ライナー、早く。お願い)

ベルトルト (そうなったら任務が・・・いや、諦めるな、少しでも人目に付きそうな所へ、這ってでも・・!)


ミカサ「・・・まだ、動けるの」


ベルトルト「はっ、はあっ」
(戻ってきた・・・!)

ミカサ「もう、動かなくていいのに」

ベルトルト「か、く、は」
(首、を、片手で、なんて、力だ)

ミカサ「戻してあげる」

ベルトルト「うぐあっ!はっ」
(逃げられない・・・!)

アニ(地面に叩きつけられて・・・!
受身も取れてない!
違う・・・!こんなんじゃない・・!
こんなんじゃ・・・!
あの怪我じゃ、巨人化も出来ない!
ミカサ、そんなにしなくていい!
ベルトルトが、ベルトルトが死んじゃう!)

ミカサ「聞いてあげる。言い残すことは」

ベルトルト「ぐ。か、はっ」
(血が・・呼吸ができない・・)

(下半身の感覚が無い・・・!)

(足は!?ある、だけど、感覚が・・動かせ、ない)

(もう、ダメだ、ライナー、アニ、ごめん)

(巨人に)

(・・・! 巨人になれない・・・!?)

(まずい、ダメージを受けすぎた!)

「がはっ、はっ」

ミカサ「ない?もういい?」

ベルトルト「はっ、はっ、かはっ」
(今、蒸気が出るほどの修復をしたら・・・まず、殺されるか、捕まるだろう)

(それに、ライナーに、アニに、疑いがかかる。出来ない)

(かといって、修復を抑えても、どの道・・・・こんな所で、死ぬ、のか)

ミカサ「・・・安心して。一瞬で終わる」

コンカイ ココマデ-

&途中からトリップはずれてました

>>472
回避できませんでした

ライナー「ミカサ!やめてくれ!」

ミカサ「・・・ライナー」

ライナー「何があったか知らんが、ベルトルトは俺の大事な仲間なんだ!許してくれ!」

ミカサ「どいて」

ライナー「ダメだ!俺はこいつと、どんな事があっても生き残るって約束したんだ!」

ベルトルト(ライナー・・・)


ミカサ「・・・!」
(私も、エレンと、アルミンと・・・約束した。だけど)

「私は、5年前に決めた事がある」
(約束とは別に、自分で)

「家族と、友達」

(エレンと、アルミンと)

(・・・アルミンの大事な、アニも)

「何があっても、守る」

ライナー「・・・!」
(5年前・・・!俺たちがやった事だ・・・!でも)

「俺も、こいつは守るって決めてる」


ミカサ「・・・どいてくれないと、困る」

ライナー「ダメだ!」

ミカサ「・・・そう。残念」


ライナー「ぐぅあっ!」

アニ(ライナーが・・・前蹴り一発で壁まで・・・)

(あんな威力じゃなかった・・私とやった時ですら、手加減してたんだ・・・!)

(ライナーでも止められない!どうしたら・・・!ベルトルトが・・!)

ライナー「はっ、ぐっ・・・ミカサ、頼む」
(なんて威力だ・・・!馬の蹴りじゃねえんだから・・・!)

ミカサ「出来ない」

「あなたは、良い人だと思う」

「だけど・・・邪魔をするのなら仕方がない」

「残念」

ライナー (どうすれば・・・!)

アルミン「ミカサ!まって!」

ミカサ「アルミン・・!」

ジャン「まて、ミカサ!」

ミカサ「でも、ジャン・・・離して!」

ジャン「やめろ!こんな事しても何にもならない!
どうにかなったとしても、お前、開拓地じゃ済まないぞ!」

ミカサ「でも」

「守るって、決めた」


ジャン「これじゃあ守れないだろ!お前居なくなっちまったらどうすんだよ!」

ミカサ「 でも、守らない、と」

ジャン「・・・お、おい」

ミカサ「守ら、ない、と・・・」

アルミン「ベルトルト・・・」
(・・・僕のせいだ・・・こんな事になるなんて・・・)

ベルトルト「はっ、はあっ」
(少し、呼吸が、出来るように)

ライナー「・・・ベルトルト、大丈夫か」

ジャン「なあ、ミカサ、他にやり方があるだろ」
(泣くほど大事なのかよ・・)

ミカサ「わから、ない。考えたけど、思いつか、なくて」


ジャン「ああもう・・・ちょっと待ってろ」

「ライナー、ベルトルトは」


ライナー「なんとか、大丈夫だ。骨もいってて、ヒビ位だろう」
(おそらく、それどころじゃないが・・・)

「俺が部屋に連れてく。・・・俺と格闘術の練習してて、こうなった事にする。あとは頼む」

ジャン「ああ」

アルミン「・・・・・」
(僕のせいで、ベルトルトにこんな大怪我を・・・)

ライナー「手当したら、戻る。その時、話をしよう」

「ベルトルト、立てるか?・・・無理そうだな」


ベルトルト「はっ、ライ、ナー」

ライナー「喋るな。背負うぞ」

ベルトルト「ぐ、ううっ・・・」

ライナー「・・・我慢してくれ。行くぞ」
(・・・ギリギリだな・・どこかで修復させないと・・・・)

ベルトルト「あ、ぐっ」

・・・・

アニ (・・・よかった)

(何とか、止まってくれた)

(まさか、あんなになるなんて)

(いや。まさかじゃない・・・考えなし過ぎた)

(ミカサは普段、すごく気を使ってるんだ・・・)

(訓練中でさえ、怒って、私とやりあってる最中でさえ)

(全力を出さず、手加減してたんだ)

アルミン「・・・・」
(ここまでの事になるなんて・・・ミカサを利用して・・・想像力が足りなかった・・)

ミカサ「・・・」
(アルミンが、あんなに辛そう)

ジャン「ミカサ・・・」

ミカサ「っ!・・・・」

ジャン「あの事、だろ?」

ミカサ「・・・・」

アニ(すごく、強くて)

(怒ってても、ケガさせないよう加減するくらい)

(そんなに優しいのに・・・ああまでさせる程に)

(私とアルミンが追い詰めたんだ・・・)

(ベルトルトも・・・・)

ジャン「昨日、早まるなって、言ったよな」

ミカサ「でも・・・」

ジャン「でも、じゃない」

ミカサ「でも!守らないと、みんな、いなくなって・・・いなくなって・・・」

ジャン「何だよ、いなくなんねえよ」

ミカサ「そんな事、ない。いなく、なった。父さんも、母さんも、おじさんも、おばさんも」

ジャン「・・・・」
(そうか・・・こいつも、ウォールマリアが陥落した時に・・・)

アルミン(こんな・・・何て声かけたら・・)

ジャン「アルミン、ちょっと外してくれ」

ミカサ「・・・!」

ジャン「そんな泣きそうな顔すんなよ。昨日、おととい。話したろ。その続きを話すだけだ」

アルミン「・・・ミカサ、後で話そう」
(何を話せるっていうんだ)

ミカサ「うん・・・ごめん、なさい」
(アルミンを、傷つけてしまった)

アルミン「・・大丈夫だよ、後でね」
(何が大丈夫なんだ。ベルトルトを、ミカサを傷つけて・・最低だ)

・・・

ジャン「・・・さてと」

ミカサ「ごめんなさい・・・」

ジャン「まだ何も言ってねえぞ」

ミカサ「ごめんなさい。昨日、ジャンが止めてくれ、た、のに」

ジャン「・・・エレンだったのか?」

ミカサ「ちがっ、た」

ジャン「・・って泣くなよ」

ジャン「じゃあ、アルミンか?」

ミカサ「ち、がう」

ジャン「そしたら、誰だよ」

ミカサ「・・・・」

ジャン「はあ・・・言えないか」

ミカサ「うん・・・」

ジャン「そいつも居なくなるって、思ったのか?」
(って、誰だよ。まさか男か?ミカサが大事に思うのは)

ミカサ「・・・うん」

ジャン「なあ、ここは訓練所だぜ。居なくなりはしねぇよ」

ミカサ「でも・・・傷ついて、開拓地に」

ジャン「行くかも知れないってか?」

ミカサ「・・・うん」

ジャン「・・・なあ、そいつはそんなに弱い奴なのか?」

ミカサ「そんなことはない」

ジャン「・・・じゃあ、お前が何かしなくても平気だろ」
(・・・ベルトルトに対抗出来そうなのはライナーくらいしか・・・)

ミカサ「でも・・その人は今まで一人で生きてきた。やっと落ち着いて来た。そんなことになったら・・・」

ジャン「・・・あー」
(ベルトルトに対抗出来るやつで、一人でって。ライナーじゃなく・・・あいつしかいねぇ)

(・・・ミカサと仲良かったか?)

ジャン「・・・・・」
(はあ・・・ミーナが好きってのは嘘かよ・・・まあ、はっきり言いたくないのは分かるけどよ)

ミカサ「どうしたの?」

ジャン「あ、ああ。すまん。でもな、ミカサ」
(俺も他の奴に言いたくは無いしな)

ミカサ「うん」

ジャン「それは、そいつら同士の問題じゃないか?」

ミカサ「・・そう、だけど」
(アルミンとアニの事は・・)

ジャン「・・・何かあるんだな。わかっかんねえけど」

「だけどよ、ミカサ。そんなのは本人達が決めるもんだろ」

ミカサ「・・・・ごめんなさ、い、私は・・」

ジャン「また、泣くなよ・・・それに、今回の事に関しちゃ俺も悪い」

ミカサ「なに、が」

ジャン「俺もベルトルトを信じられなくて」

「昨日、お前にいらねぇ事いったろ」

ミカサ「そんなことは」

ジャン「いや、あの一言がなきゃ、ここまでにはならなかったはずだ」

「だから、自分ばっか責めんな」

ミカサ「・・・ジャンは、なにも」

ジャン「俺が自分で言ってんだ、悪いんだよ」

ミカサ「・・・ごめんなさい」

ジャン「ごめんじゃないだろ。・・・後で一緒に、ベルトルトに謝りに行こう」

ミカサ「・・・ありがとう。・・ベルトルトは、大丈夫だろうか」

ジャン「ライナーが大丈夫だっていうんだ、心配無いだろ」

ミカサ「・・・本当に大丈夫だろうか」

ジャン「うん?」

ミカサ「ベルトルト。本気で殴ってしまった」

ジャン「ああ。格闘術の時間もやってるだろ?大丈夫だって」

ミカサ「・・・・違う」

ジャン「何がだよ」

ミカサ「本気でやったことは、ない」

ジャン「・・・でも、アニとこの間やりあってたろ」
(何を言って・・・)

ミカサ「・・・あの時も、速く動こうとはしてたけど・・」

ジャン「あれで本気じゃなかったのか」
(おいおいおい)

ミカサ「ベルトルトが、死んで、しまったら」

ジャン「大丈夫だ」

ミカサ「でも、いつもと」
(違った。砕けるような、きしむような)

ジャン「大丈夫だ。ライナーが言ってたろ。骨はいってないって」

アニ (・・・ミカサ、泣いてる)

(私は何をしてるんだろう)

(人と関わっちゃダメだって、幸せな思いなんかしちゃダメだって)

(そう思って、ここで過ごしてたのに)

(アルミンと付き合って、浮かれて、こんなことを)

(ミカサも、ベルトルトも、アルミンも巻き込んで)

(悲しい、辛い思いをさせて)

・・・

アルミン「・・・アニ、降りてたんだね」

アニ「うん」

アルミン「何とか、止まったよ。ジャンが止めてくれた」

アニ「うん」

アルミン「・・・?アニ」

アニ「アルミン」

アルミン「ん・・・」

「・・・・アニ?」

アニ「・・・・何でもない。寮に、戻るね」

アルミン「あ、アニ」

アニ「戻るね」

アルミン「うん・・・・」

・・・・

ミーナ「あ、お帰り。早いね、アニ」

アニ「うん」

ミーナ「あれ?街に行ってるんだと思ってた」

アニ「違うよ」

ミーナ「そっか、どこ行ってたの?」

アニ「うん」

ミーナ「? アニ?」

アニ「うん」

ミーナ「・・・・何か、あったの?」(アルミンと)

アニ「何もないよ」

ミーナ「・・本当に?」

アニ「うん」

ミーナ「なら、いいけど・・・」

アニ「うん」

ミーナ「・・・・アニ?」

・・・・

ライナー「鍵も閉めた。・・・ベルトルト、いいぞ」

ベルトルト「うん、ぐっ・・・」
(全力で回復を・・・)

ライナー「なぁ、何があったんだ?」

ベルトルト「後で、いいかな」
(把握できてるだけでも、顎、頬骨、肋骨)

ライナー「まだ、喋るのキツいか」

ベルトルト「うん・・」
(腕、胸骨、脛、肺、腰骨・・・後はもう全身熱い事ぐらいしか・・・)

ライナー「そうか。・・・俺はミカサ達の所に戻って、話してくる」

・・・

ジャン「・・・ミカサ、大丈夫だ、落ち着けって」

ミカサ「で、も、血を、はいて」

ジャン「・・・なあ、そんな血を吐いたなら、地面にかなり残ってるだろ」

ミカサ「え・・・」

ジャン「見てみろよ、地面はキレイなもんだろ」

ミカサ「・・・本当」

ジャン「口の中ちょっと切ったとか、そのぐらいだろ」

ミカサ「そう・・なのだろうか」

ジャン「ああ、だから気にするな」

・・・

ライナー(なんでジャンがミカサを抱きしめてるんだ・・・!)

(なに話してるか知らんが、良い雰囲気なのは何故だ・・!)

(出てくタイミングが・・!)

(茂みの中から見てる、って。これじゃ俺、まるで覗きじゃないか!いや、やましい事は何も)

?((ライナー、良くないなぁ))

ライナー(!?)

ユミル((へえ、まさかあの二人がね・・))

ライナー((・・・!ちが、!))

クリスタ((わぁ・・・))

ユミル((うちの姫さまも興味深々だな))

クリスタ((見ちゃ悪いよ・・・))

ユミル((じゃあ、指の間から見るの止めろよ))

ライナー(・・・天使が俺の隣に・・・!)

ユミル((おい、頭撫でてるぞ。すげぇ、青春だ))

クリスタ((ねえ、ユミル、ライナー、戻ろう?))

ライナー((あ、ああ、いや、俺は二人に用があるんだが))
(上目遣い・・・!かわいい・・!)

クリスタ((・・用って?))

ライナー((少し、話をす、!))
(いや、いかん。そうじゃなく、二人とちゃんと話を)

クリスタ((ライナー?どうしたの?))

ライナー(シャツの胸元からほんのり谷間が強調されて・・・!ありがとうございます!ありがとうござい)

(・・ちがう)

ユミル((ん?なんでライナー、手信号?))

ライナー《クリスタ。胸。から。首。ユミル。警告。頼む。同時に。左右。交代》

ユミル(・・・?って、ああ!?何見てやがんだこのクソゴリ・・・いや、コイツいいヤツだな。こんな辛そうな顔して・・理性で必死に堪えてるのか。おもしれぇな)

(少し、からかってやろう)

ライナー(ん、気付いたか、よし・・!?)

ユミル《お前。良い。兵士。今。喜ぶ。時。楽しめ》

ライナー(ありがとうございます!ありがとうございます!いや待て!何言ってやがる!勘弁してくれ)

《頼む。無理。救援を請う》

ユミル《却下。光る。肌。目。声》

ライナー(ふざけんな!ユミルこのや)

ユミル《下。下》

クリスタ((ライナー?))

ライナー (本当に輝いてる・・・そして上目遣いと囁き声・・・)

(僅かな膨らみが・・・!)

・・・

クリスタ((ねえ、ユミル。ライナー、具合悪いんじゃない?))

ユミル((なんでだ?))

クリスタ((だって、座りこんで、手信号ずっと))

ライナー《俺が。失敗。謝罪。救援を請う。頼む。救援を請う。救援を請う》

ユミル((いや、これ以上ないくらい健康だよ))
(思春期というか。体は大人なんだが純だなぁ。面白いなコイツ)

クリスタ((そう・・なの?どういうこと?))

ユミル((女神様は分からなくていいんだよ))

クリスタ((またそうやって・・子供扱いして・・!))

ユミル((ごめんごめん。さて、私らは戻ろうか))

クリスタ((でも、ライナーが))

ライナー《救援を請う。救援を請う。救援を請う。救援を請う。救援を請う》

ユミル((あー・・・))
(やり過ぎたか)

--
今回ここまで
限度超えた鬱展開になりそうなのを戻すのにエライ時間かかりました

ちょっと見てくださってる方にお聞きしたいんですが、こういうのってエピソード毎にスレ分けるもんですかね?

そんな長いもんじゃない(つもりだった)し、続きもの、シリーズものなら同じスレッドで良いかなぁと思って1スレで書いてるんですが。

SSのスレって一般的にどんなもんなんでしょ。

ミカサ「・・・・!」

「ジャン」

ジャン「ん?なんだよ」

ミカサ「もう、落ち着いたので。はなしてほしい」

ジャン「・・・!すまん!」

ジャン(夢中で気付かなかったが、そうだ、止めた時に抱き締めたまま・・・!)

ミカサ「・・・ジャンは優しい」

「ありがとう。また、お礼をしなきゃいけない事が増えた」


ジャン「・・・そうか?それなら、なんか考えておいてくれ」
(お、おお!?俺もしかしてワンチャンあるのか!?)

ミカサ「うん。ちょっとまって」

ジャン「お?」

ユミル((まずっ・・・))

クリスタ((え))

ミカサ「何をしてるの」

ライナー《救援を請う。救援を請う。救援を請う。ごめんなさい。救援を請う》

ジャン「おまえら・・・って、おい。ライナーは何やってんだ?」

ライナー《救援を・・》
「はっ!あ。ジャン、ミカサ」

・・・・

ユミル「なるほどなぁ・・・」

クリスタ「・・・ミカサは、守りたい人がいるんだね」

ユミル「アタシだって、クリスタに変な虫が付きまとったらやるけどな。だよな、ライナー」

ライナー「あ、ああ」
(何をされるんだ・・・)

クリスタ「ユミル、仮に、何かあってもダメ」

ミカサ「やり過ぎてしまった・・・」

クリスタ「ごめん、ミカサのことじゃないよ」

ジャン「なあ、ライナー。ベルトルト、大丈夫なんだろ?」

ライナー「ああ、問題ない。幸い、ヒビもなかったしな。打ち身と、ちょっと口の中切ってるぐらいだ」

ミカサ「良かった・・・。ライナー、これからベルトルトに謝りに行っていいだろうか」

ライナー「どうだろう。明日でいいんじゃないか?」
(話すのも辛そうだったしな)

ユミル「ベルトルさんの好きな奴て誰なんだ?」

クリスタ「ユミル!」

ユミル「いや、クリスタだったら寝てる所に蹴りいれとこうと思ってさ。なぁ、ライナー」

ライナー「いや、それは無い」
(怪我してても蹴り入れられるのか・・・)

ユミル「ならいいや」

クリスタ「ユミルは・・もう・・・」

ミカサ「ライナー。様子を見て、話せそうだったら謝りたい。ダメだろうか」

ジャン「俺も謝らなきゃならん」

ライナー「そうか・・・行くだけ、行ってみるか」

ユミル「じゃあ、私らは帰るかな」

クリスタ「うん・・・そうだね」

ミカサ「ユミル」

ユミル「ああ、言いやしないよ」
(どう捻じ曲げて罪のない噂を流せば面白いかなぁ・・・)

クリスタ「ん。またね。ミカサも気にしすぎないでね」

ミーナ「アニ、ねえ」

アニ「・・・ごめん、眠い」

ミーナ「・・・こんな時間から?」

アニ「うん」

ミーナ「・・・わかった」
(アルミンと喧嘩した・・・?しばらくすれば話してくれるかな・・・)

アニ (何してるんだろう・・・せめて、解散式までは幸せに、って思ったのに・・・)

(ミカサとも、最近話せるようになってきたのに・・・)

(ミーナにも、心配かけてる)

(ベルトルトも・・・)

(アルミンと話したい・・・)

(ごめんなさい・・・)


・・・

ベルトルト「ふう・・・」

(大分楽になってきたかな)

(・・・・ミカサとアニ、仲良かったんだ)

(そうは見えなかったけど・・・この前の事があってから、なのかな)

(ミカサがあんなに強いなんて・・・飛びぬけてはいると思ってたけど)

(銃を持った狩人と獲物ぐらい、戦力差があるなぁ、あれは)

(力だけなら、僕はライナーの次ぐらいに強いはずなんだけど)

(お話にならなかった・・・狼に食べられる子鹿ってあんな気持ちなんだろうな・・・)

ベルトルト「い、つつ」

(内側を意識して治した分、やっぱり痛みは残るなぁ)

(それにしても、アニはすごいな・・・あんな小柄なのに、あの威力をいなして互角に闘うなんて)

(ここまでは喰らわないにせよ、かなり・・・)

(あ)

ベルトルト(・・・また、痛みでムラムラしてきた)

(・・・・)

(ベッドの下の引き出し、二重底の)

(カムフラージュになってるミーナ似の娘の本を退けて・・・)

(更に底板を外して)

ライナー「じゃあ、俺とジャンで様子を見てくる」

ミカサ「うん。お願い。ここで待ってる」

ジャン「まあ、湿布貼ったりしてたら半裸だろうしな」

ミカサ「?そういうのなら見慣れてる」

ジャン「いや、そうじゃなくて見られる側がいやかも知れないだろ」

ミカサ「?そう・・・?わかった」

ライナー「行こう、ジャン」

ベルトルト(コレだ・・・!)


『金髪ショートのスポーツ系女子』


(強気な感じがアニに似てる、珠玉の逸品)

(写真に彩色で、値は張ったけどパフォーマンスは最高)

(まだ・・・ライナーは戻らないよね)

(今のうちに・・・)

・・・

ジャン「ミカサが、ベルトルトが血を吐いてたってえらく心配してるんだ」
(さっきいい雰囲気だったな・・・ワンチャン・・あるのかな・・・)

ライナー「ああ」
(そりゃ、肺に肋骨刺さってたしな)

ジャン「で、大丈夫なのか?口の中切ったくらいっつってたよな?」

ライナー「まあ、そんなとこだな」

ベルトルト(そう!この、表情・・・!)

(この、最初は嫌がってるんだけど少しづつ、て所がたまらない・・・!)

(アニ『私、戦士なのに・・・こんな格好を・・!』)

(コレだよ!今の僕を鎮めてくれるのは!)

エレン「よう、ミカサ」

ミカサ「エレン」

エレン「何やってんだこんなとこで?男子寮だぞ?」

ミカサ「ベルトルトに・・・用事があって・・」

エレン「ん?なんだ、そんなら構わないだろ。入れよ」

ミカサ「あ、エレン」

ベルトルト(そういう感じで今日はいってみよう!)

(戦士同士だからこその背徳感!)

エレン「よう」

ライナー「おお、エレン。・・あ」

ジャン「あ、バカ。ミカサ連れてき・・ああ!?何でお前手ぇ繋いでんだ!」

エレン「いてえな!離せよ!」

ミカサ「エレンが構わないって・・・二人とも、やめなさい」

ライナー「ああもう。じゃあ、行くぞ」

ベルトルト(今のこの痛みも、時差こそあれアニと感覚を共有しているようなもの・・!)

(この痛みにあんな華奢な体で・・・!)

(ああ、アニ!アニ!ア)


ライナー「ベルトルト、大丈ぶ・・・」

ミカサ「ベルト・・・」

ベルトルト「に」

ミカサ「・・・」

ベルトルト「あ、あれ?」

ライナー「・・・」


『金髪ショートのスポーツ系女子』


ベルトルト「いや、これは・・・」

ジャン「おい・・・お前・・」

エレン「なあ、せめてトイレでやれよ」

ライナー「忿ッ!」

ベルトルト「うぐあっ!」

ミカサ「・・ライナー。私は」

ライナー「スコップを、頼むッ!噴ッ!」

ベルトルト「ライナ、あっ!ちがっ」

ミカサ「わかった」

エレン「ん?なんでだ?」

ミカサ「触りたくないから」

ジャン「お、おい、やめろ!」

ライナー「皆の気持ちをッ!思い知れッ!忿ッ!憤ッ!焚ッ!」

ベルトルト「ぐあっ!うっ!がっ!くはっ!ぐっ」

エレン「俺はどうしたらいいんだ?」

ミカサ「エレンはブレードを取ってきて」

エレン「ああ、分かった」

ジャン「分かるな!止めろ!」

ライナー「奮ッ!忿ッ!」

ベルトルト「あっ、がっ!」

・・・

キース教官「・・・さて。フーバー訓練兵がかなりの重症だが。誰か理由を知っているものはいるか」

アニ(あんなに・・・治癒力で追いつかないくらいだったの・・・)

ミカサ・ライナー「「階段から落ちたそうです!」」

アルミン・アニ「!?」

ユミル「おい、あいつらハモったぞ」

サシャ「何ですかね、あの一体感」

クリスタ「ひどい・・唇も顔も腫れて・・」

コニー「なにがあったんだ・・・」

キース教官「本人からもそう聞いているが・・・・間違いないのか、フーバー」

フーバー「ふぁい、まひあい、あぃまひぇん」

ジャン(確かに・・ありゃ無えけど・・だからって、あんまりだ・・・!)

エレン「まあ、皆の部屋であんなことされたらな」

キース教官「フーバーは、本日の格闘術に参加を希望しているが・・・出来るのか、貴様」

ベルトルト「ふぁい、もんらい、ありまへん」

ベルトルト (あの後・・ミカサとライナーに散々やられて)

(許す条件として、格闘術に出席しろって言われたけど・・・)

(ああ、アニがあんなに泣きそうな顔をして・・・)

(心配してくれてるんだ・・・)

(え・・・ミカサがアニの方に)

(まさか・・・!)

アニ(見てられない・・!あんな、私のせいで・・・)

ミカサ「アニ」

アニ(!?ミカサ、ごめんなさい、アンタまで巻き込んで)

ミカサ「そんな顔をしないで。泣かないで。大丈夫。話を聞いて」

アニ「え・・・」

ベルトルト(まさか、そんな・・・!)

ライナー(そのまさかだ)

ミカサ(決めるのはアニ)

ミカサ「・・という事が、あった。どうするかは、アニに任せる」

アニ「・・・・」

ミカサ「誰も文句は言わない。ライナーと私が、言わせない。ベルトルトも納得済」

エレン「・・・いい奴だったのになぁ」

ユミル「なんだ?そういう流れか?」

ジャン「おい!縁起でもない事言うな!」

マルコ「あれ、止められる人いるのかな・・・」

エレン「いや、無理だろ。ライナーとミカサが怒ってるだぜ?そこにアニも加わるんだろ?」

ジャン「だからって、おい!」

キース教官 (間違いなく、私刑、私闘の類だ・・・だが、アッカーマン、ブラウンが激昂しているということは)

(かなりの禁忌を犯したのだろう。イェーガーも賛同しているようだ)

(兵団という単位の中では、ままあることだ。異分子を排除する意思は、ある意味不可欠とも言えるが・・・しかし・・・)

(・・・・)

「フーバー、やるのだな?」

ベルトルト「ふぁ、ふぁい」
(アニの表情が・・・!氷のように・・・!)

キース教官「・・では、各々、相手を決め、組になれ!先日に続き、徒手空拳での制圧、拿捕を主眼する!」

ベルトルト「あ、あ」
(まっすくこっちに・・・!アニが)

アニ「ベルトルト」
(何を悩んでたんだろう)

ベルトルト「ふぁ、ふぁい」
(虫を見るような目で・・・!)

アニ「組もう」
(最初の判断で良かったんだ)

ベルトルト「あ、あ」
(誰か・・!僕を・・・!)

アニ「組もう」
(迷いは無い。一撃で、潰す)

ユミル「・・ダメだな、ありゃ」

エレン「だろ?何があったか分かんないけど、無理なもんは無理だろ」

マルコ「ああ・・あれは止められないよ、ジャン」

ジャン「エレン!お前普段の死に急ぎはどうしたんだよ!」

エレン「いや、だって巨人と戦う前に死ぬのイヤだし」

クリスタ「私、止めてくる」

ユミル「やめとけ、人間にゃ無理だ」

アルミン「一体・・・!何が・・・!」

ベルトルト「あ、あ、あ」

アニ (まっすぐ振り抜いて潰す 真上にカチ上げる 1mは浮かすつもりで振り抜く 回避出来ないよう8発はフラッシュする 全弾急所に入れる 教官に止められる前に全部入れる 2秒以内で完了させる 顔面は全て中心線を撃ち抜く 蹴上げた後 下ろした脚を軸に逆回しを入れて地面に叩きつける 二度と使えないように潰す)

ベルトルト(誰か・・!僕を・・!)

ベルトルト「た、たすふぇ」

キース教官「・・・では、はじめ!」

アニ「ッシュアアッ!」

-------


ベルトルト「僕は戦死だ」

おしまい

こういう年頃って大変ですよね?
というお話でした。

また何か思いついたら投稿します。

おやすみなさい


ベルトルト
-R.I.P-

ミカサ「家族です」

エレン「そういや、ハンネスさんから。たまには遊びに来いって手紙きてた」

ひらひらと、エレンが振って見せる。心なしか嬉しそうだ。

ミカサ「ハンネスさん」

かなり長い事、会ってない。前に行った時は、奥さんにお酒を勧められて困ったけど、楽しかった。元気にしているだろうか。

エレン「今度の休み、三人でいかないか?」

ミカサ「賛成。もう、返事は書いたの?」

エレン「いや、昨日来たばっかりだし、返事届いてからより、行っちゃう方が早いだろ」

アルミン「ふふ、エレンらしいね。・・・あ。ごめん、ちょっとその日は」

エレン「なんか用事あるのか?」

アルミン「うん。アニがご飯食べようって」

ミカサ「何故?」

女ぎつ、いや。アニとアルミンの接点が分からない。脅されたりはしていないか。アルミンは芯が強いから、大丈夫とは思うけど、心配。

アルミン「最近、アニと勉強してる事があるんだけど、そのお礼にって」

ミカサ「そう・・・なら・・・」

心配はないのかも。いや、もしかすると『将を射るには馬から』というやつでは。

エレン「珍しいな。俺なんか格闘術三年も一緒にやってるのに何もないぞ」

ミカサ「・・・!」

何て事だ。エレンがこんなことを言うなんて。手を打たなくては。何か、手を。

アルミン「ミカサ。スプーン、スプーン」

エレン「あ、バカ。備品だぞ」

ミカサ「・・脆くなってた。変えてもらう」

そんな事はないんだけど。自分で意識してる時なら良い。こうやって無意識に力が入ってしまう時がある。いつか誰かを傷つけるんじゃないかと、不安になってしまう。

アルミン(明らかに指の形に凹んでるけど・・・)

・・・

ミカサ「おはよう」

エレン「ああ、おはよう」

ミカサ「・・・アルミンは?」

エレン「結構朝早くに出ててたな。一本前の便で街に行ったんじゃないか?」

ミカサ「そう」

エレンとアルミンと、三人でずっと一緒に過ごしてきたからだろうか。一人少ないだけで、ちょっと寂しい。

・・・

エレン「・・・艀船は、やっぱり慣れないな」

ミカサ「うん」

シガンシナを出た時の事を思い出す。エレンもきっと、そうだろう。あの時、ハンネスさんが助けてくれてなかったら、二人とも、今ここにいない。

エレン「ハンネスさん、仕事ちゃんとしてるかな」

ミカサ「わからない。でも、きっとしてると思う」

してないはずがない。前に行った時も、私と奥さんが話している間、ハンネスさんは壁の補強計画、砲台の設置工程を練っていた。

エレン「だといいけどなぁ」

ミカサ「ふふっ」

エレンも笑っている。ハンネスさんの仕事を覗き込んで叱られていた。きっと、分かっているからこその冗談なのだろう。
あの日、私達は変わり、ハンネスさんもまた変わった。

開拓地にいる間、ハンネスさんがよく来てくれた。見つからないよう、隠して食べろよと、奥さんが焼いたパンや、戦闘糧食。そして、毛布を持って。
だから、飢えと寒さの中、私達は生き延びられた。
訓練所に来てからは、ハンネスさんと余り会ってない。前に会ったのは

エレン「・・・一年ぶりくらいかな」

ミカサ「!・・うん」

エレン「なんだ、そんなに嬉しいか?」

ミカサ「うん」

エレン「・・・変な奴」

一年ぶりに会えること。とても嬉しい。エレンと同じ事を考えてたことも、嬉しい。

エレン「街についたら、すこし早いけど、昼飯食うか」

ミカサ「うん。そうしよう。エレンは何が食べたい?」

急に行くのだから、お昼ぐらいは食べてからでないと申し訳ない。
私は、あれが食べたい。エレンも、きっと。

エレン「少し寒いし、シチューかな」

やっぱり。当たった。

ミカサ「うん。去年、いったお店?」

エレン「そうだな。前はアルミンも行ったっな」

ミカサ「うん」

エレン「あそこのシチューは・・・・うん。うまいよな」

ミカサ「うん。私も好き」

おばさんの味に似てると、エレンは言いたかったのだろう。
おばさんのシチューはとても美味しかった。
今はお肉が手に入りにくいから、入っていてもほんの少量だけど。それでも、あのお店は本当に美味しい。

エレン「そうか。・・・・ん、じき着くぞ」

・・・

艀船を降りてすぐ、あのお店に向かった。
少し並んだけど、待ち時間は苦では無かった。

他の所なら、並ぶ、と言うだけでエレンは店をかえてしまう。

今のエレンにとって、食べ物は栄養さえあればどうでも良いのだ。自分を強くする、血肉になる材料をかきこむ。ただ、それだけの作業。

普段、訓練所で食事している時「これ、美味いぞ」なんて言うけど、心配かけまいと気使っての事なのだと思う。

エレン「・・・うまいな」

アルミンから聞くかぎり、エレンは食事すら訓練と同じように考えている。
普段「うまい」と言ったとしても、そうは感じていないのは表情で分かる。
そんなエレンが、美味しいと感じるシチュー。

ミカサ「うん。とても美味しい」

とても。
おばさんが作ってくれたのと同じ、あの何とも言えない、懐かしい香りがする。
懐かしく、暖かい、あの家に戻れたような気持ちになる。

エレン「お前、ここのシチュー食べてるとき、すごいニコニコしてるよな」

ミカサ「・・・そうだろうか」

きっと、そうなのだろう。エレンが食べ物を美味しいと感じられる事が、とても嬉しいから。

ミカサ「エレンも」

エレン「そうか?まあ、うまいからな」

ミカサ「うん」

ミカサ「エレン、あげる」

ほんの少し入っていたベーコンを、エレンの器へ。

エレン「お、いいのか?」

ミカサ「うん」

エレン「でも、ちょっとしかないぞ?」

ミカサ「これがあるから大丈夫」

これ、としか言いようがない。
お肉みたいな食感だけど、なんだろう。
昔、食べたことがあるような気がする。前来た時も気になったけど。

エレン「あ、それか。それ、うまいけど何だろうな」

ミカサ「・・・お店の人に聞いてみる」

本当になんだろう。
とても好みの味なのだけど。

・・・

エレン「お。教えて貰えたか?」

ミカサ「うん。小麦粉で作るもの」

びっくりした。
そういえば、お母さんも小麦粉で似たものを作っていた。
このシチューには、おばさんと、お母さんの味が入っていた。

ミカサ「それで、色々味付けをするみたい」

エレン「・・・」

ミカサ「?・・・エレン?」

エレン「・・・これ使えよ」

ミカサ「なぜ?」

なんでナプキンを渡すのだろう。
戸惑っていると、エレンが立ち上がった。

エレン「・・・」

目頭、目尻を、とんとん、と優しく拭いてくれた。

そうか。私は少し泣いていたらしい。
情けない。こんな事では、エレンを守れない。

ミカサ「ありがとう」

エレンは軽く手を振ると、席に戻って残りのシチューを食べ始める。
とても、優しい。
そうだ。エレンは、他の人がいると素っ気ないけど、二人の時は優しかった。

こうやって、二人だけで過ごすのは久しぶりだ。
優しくしてくれるのも、久しぶり。

エレン「・・・色々味付け、ってなんだ?」

ミカサ「それは教えて貰えなかった。残念」

エレン「そうか。戻ったら、アルミンに聞いてみるかな」

アルミンは色々な事を知っている。知っているだけでなく、何が正解かを判断する力を持っている。そういえば

エレン「アルミンがアニと出かけてる、てのも不思議だな」

ミカサ「うん。仲が良かっただろうか」

先に言われてしまった。
そう、あの二人が一緒にいるところが想像できない。どこが接点なのだろう。

エレン「座学の時、隣になることもあったな。ミーナが分からない所をアルミンに聞きたくて、アニも一緒に来てた」

確かにそうだった。ミーナが聞きに来て、それにあわせて。あれ。
ミーナが体調を崩して休んでる時も、アルミンの隣に、アニがいた。
アルミン、優しい顔をしてた。
アニの表情も、柔らかい。

ミカサ「・・・・」

そうなのだろうか。
思い返して見ると、お互いに満更でもない雰囲気に思える。

エレン「どうした?黙り込んで」

ミカサ「何でもない。食べ終わったら行こう」

気にはなるけど、考えても仕方ない。

エレン「ああ」

お勘定を済ませて店を出る。
いつもは割り勘なのに、今日はエレンが払ってくれると言う。断り切れなかった。

エレン「まあ、たまにはな」

ミカサ「うん。・・・ありがとう」

また、手を振る。
二人ですごせることが、ありがたい。
昔と変わらない、エレンの優しい所が見られた。
私は、それがとても。

ミカサ「・・・天気が悪くなりそう。そろそろ行こう」

エレン「ああ、行くか」

店を出た後、天気は崩れに崩れ、ハンネスさんの家の軒下に着く頃にはとうとう土砂降りになった。

エレン「さすがにこれはマズいな」

ミカサ「ええ・・・もう、ずぶ濡れになってしまった」

ほんの少しの時間、降られただけなのに。びしょびしょになってしまった。ひどい雨だ。エレンが体を冷やしてしまう。

エレン「そうか」

ミカサ「・・?エレン?」

こちらを見た後、すぐに目を反らした。どうしたのだろう。

エレン「ちょっと、濡れすぎだな・・・こんにちは」

迷いなくノックする。
少し、水を絞ってから入ろうと思ってたのだけど。

奥さん「あら、二人とも・・・。大変、拭かないと。とりあえず、中入りなさい」

ミカサ「・・・はい、ありがとうございます」

エレン「あ、おばさん。すみません」

奥さんの事を、エレンは「おばさん」と呼ぶけれど、私はいつも、何と呼んでいいのか分からず、困る。

私にとって「おばさん」はエレンのお母さんの事だ。ハンネスさんの奥さんを「おばさん」と呼ぶのは、躊躇してしまう。
会話の中で、相手を呼ばない事は失礼なことだと思う。ちゃんと呼びたいのだけど、どうしていいか分からない。

奥さん「・・ミカサちゃん。着替え貸してあげるから、向こうの部屋で着替えて着なさい」

ミカサ「拭くので、大丈夫です」

このくらいなら、拭いて乾かせば問題ない。それよりも、エレンの方が

エレン「いいから。着替えてこいよ」

奥さん「ほら、エレンくんも困ってるじゃない」

ミカサ「え」

なぜ困ると言うのだろう。
心配してくれているのだろうか。

エレン「早く。行ってこい」

奥さん「はいはい。ミカサちゃん、行くわよ」

ミカサ「あ、いや、私は」

奥さんに押されるように、隣室に連れて行かれてしまった。
後ろ手にドアが閉められる。

ミカサ「本当に、大丈夫です」

奥さん「ミカサちゃんが大丈夫とかじゃないの。女の子なんだから。エレンくん、目のやりどころに困ってたじゃないの」

ミカサ「あ」

軒先で、エレンが目を反らしたのは。
急に、恥ずかしくなる。でも、私達は。

奥さん「はい、脱いで。私の服貸してあげるから」

ミカサ「え、待ってくださ、あ」

服を、人前で脱ぐのは、困る。

ミカサ「待ってください。あ」

抵抗する訳にもいかず、てきぱきと、シャツを脱がされてしまった。

奥さん「ミカサちゃん・・・すごい。鍛えてるのね」

ミカサ「・・・」

エレンとアルミンを守るためには必要な事だと思って、そうした結果だ。
でも、この体は女らしくない。訓練所でも、女の子達にびっくりされた。
あらためて聞くと、少ししょんぼりしてしまう。

奥さん「ん。すごく、かっこいいわよ。惚れ惚れしちゃう」

意外なことを言われた。
落ち込んでるのが伝わってしまっただろうか。

ミカサ「すみません」

奥さん「ん。本当よ?すごいかっこよくて、すらっとして、女らしくて」

本当だろうか。だとしたら、少し嬉しい。
なぜ。なぜだろう。なぜ、嬉しいのだろう。

奥さん「エレンくんが羨ましいわ」

ミカサ「・・・!」

--
今日ここまで。
エレンとミカサのまったり話をつらつら書きます。

まったりお待ちください。

そう言って貰えるのは、嬉しい。けれど。

ミカサ「・・・・」

奥さん「はい、肌着。・・・ミカサちゃん?」

ミカサ「すみません、ありがとうございます」

早く着替えてしまおう。
肌着を受け取って、後ろを向く。
ブラを外して、肌着を着る。

奥さん「・・・ブラウスで良いかしら。横幅がちょっと大きいかも」

ミカサ「はい。お借りします」

明るい色のブラウスを渡された。
生成り・・いや、白に近い。腕を通すと、少し袖の長さが足りない。
丁寧に捲り上げ、肘までの五分丈にする。
肩幅はちょうど良い。

ミカサ「ちょうど良いです。ありがとうございます」

奥さん「ん。よかった。あと、スカート」

ミカサ「はい。・・・?」

渡されたのは、大きな布。
綺麗な模様が入ってて、伸縮性がある。スカート?これが?

奥さん「あ。やってあげる。とりあえず、そのスカート脱いでくれるかしら」

ミカサ「はい」

あの布がスカート?分からない。
とりあえず、脱いでみる。

奥さん「はい。両手あげて」

ミカサ「・・・こうですか?」

分からないままに両手を上げると、腰より少し上あたりをぐるっと布で巻かれた。
かなり強めに巻かれている気がするけど、痛くない。
二周ほど回った所で、上から外側へ、下へ折り返して。スカートになってしまった。

奥さん「驚いたみたいね。見た事ないかしら、こういうスカート」

手慣れた手つきで、形を整えていく。

ミカサ「え、あの・・・すみません」

最近の私は、大概の事には驚かなくなったのだが。こういった普通の驚きは久しぶりで、なんだか落ち着かない。
久しぶりというだけでなく。すごく、嬉しいはずなのだけど。

奥さん「うん、思った通り、似合うわ」

ミカサ「・・・不思議なスカートですね」

模様も、あまり見たことがない植物のツタの紋様が、縫い込まれている。

奥さん「そうでしょ?私の家に、織り方と巻き方、一緒に伝えられてるものなの」

ミカサ「そんな大事なものを」

奥さん「いいのよ」

奥さん「うちも女の子が欲しかったんだけどね。どうもそう上手くいかなくてね。
娘に着させてあげたいなって思ってたけど、もうこの年じゃ無理だしね」

「ミカサちゃんに着替え、って考えたら、もう着て欲しくて仕方なくって」

ミカサ「・・・ありがとうございます」

そんな大事な、こんなかわいいものを。私が着ていいのだろうか。

奥さん「さ、戻りましょ」

ミカサ「はい」

居間に戻ると、ハンネスさんとエレンが話していた。いつのまにか、お茶も4つ。

ハンネス「おお、ミカサ・・・馬子にも衣装か。見違えたなぁ」

ミカサ「ハンネスさん」

久しぶりに会うというのに、ひどい言い草だ。でも、ハンネスさんなりにほめてくれているのは分かるから、嬉しい。
どういうわけか、エレンがぎょっとしている。

奥さん「そんな言い方はないでしょう」

ハンネス「いや、すまんすまん。これでもほめてるんけどな」

エレンが気まずそうな顔なのが悲しくて、つい

ミカサ「・・・似合わないだろうか」

聞いてしまった。

エレン「いや、似合ってるよ」

ぶっきらぼうに答えてくれる。

ハンネス「ま、お茶でも飲んであったまりな」

ミカサ「はい」

とりあえずここまで。
帰宅後続きをちろっと投げます。

帰宅してないけど投げるまする

ハンネス「おい、この間買ってきたお菓子あったろ、出してくれるか」

奥さん「はいはい」

エレン「あ、おかまいなく」

ハンネス「何難しそうな言葉使ってるんだよ。食え食え」

エレン「ひどいな、ハンネスさん」

ミカサ「ふふっ」

何でもないやりとりが、嬉しい。
エレンには目標がある。でも、そればかりでは、いつか壊れてしまう。
こうしてエレンを引き戻して、休ませてくれることが、とてもありがたい。

奥さん「はい。クッキー。珍しく、ハンネスが買ってきたのよ」

ミカサ「・・・すごい」

砂糖が回りについて、キラキラとしてる。
いまどき、こんなお菓子なんて手に入るものじゃない。

エレン「サシャが見たら大騒ぎだな」

ハンネス「前に聞いた、入団式で芋食ってた娘か。大丈夫なのか」

ミカサ「運動神経がよくて、座学以外は良い成績」

あの娘は座学さえ何とか出来れば、もう少し上位にいけるのだけど。

ミカサ「・・・何度言っても、私のパンを貰
いに来る。あげないと言ってるのに」

エレン「お前、ちょっと怒ってるか?」

ミカサ「怒ってはいない。ただ、困る」

ハンネス「ははは。どれだけ食い意地張ってるんだソイツは」

奥さん「面白い娘がいるのね」

エレン「食い意地張ってるというより、それしか無いな」

ミカサ「そこまででも・・・」

あるか。
憲兵に行きたい理由も、内地で美味しいものを、と言っていたし。

ハンネス「そういや、お前らは成績、どうなんだ?」

エレン「・・・一応、10位圏内には居るよ」

奥さん「まあ、すごいじゃない。昔のハンネスに見習わせたいわ」

ハンネス「ひどいな、おい」

奥さん「ミカサちゃんはどうなの?」

ミカサ「私は、私も・・・10番以内」

ハンネス「おお。やるなぁ」

奥さん「二人してすごいじゃな・・」

エレン「ミカサは、主席候補だよ」

奥さん「・・・そうなの?」

驚いた顔でそう言う。
エレンの方を、見れない。

ハンネス「なるほどなぁ・・」

ミカサ「今、そうなだけ。まだ分からない」

エレン「いや、お前は主席になるよ。2位のライナーとの点差だって、おかしな事になってるからな」

顔を見て、話せない。
まえに私の成績の話になった時、怒っている様子だった。

ミカサ「・・・・」

私が出来るのは、これしかないのに。
それを怒られると、私はどうすれば良いのだろう。

ミカサ「エレンだって、格闘術、トップ」

エレン「アニとようやく、やり合えるようになって来たけどな。三年もかかってる」

ミカサ「でも、それは」

エレン「大体、お前に勝ってない」

ミカサ「エレンは何度も勝ってる」

エレン「ふざけんな。お前、手加減してるだろ」

ハンネス「・・・」

ミカサ「してない」

エレン「してる」

ミカサ「してない」

本当に、してない。

エレン「じゃあ、この間のはなんだよ」

ミカサ「なに」

エレン「アニと揉めてたろ。あんな動き、見た事無かったぞ」

ミカサ「でも、して、ない」

本当に。してないのに。
なんで。

エレン「あのな、俺をバカにすん、がっ」

言い終える前に、ハンネスさんの拳骨がエレンの頭に落ちた。

ハンネス「いい加減にしろ!お前、ウチに喧嘩しに来たのか?」

エレン「いってえな、何すんだよ」

ハンネス「何すんだよじゃねえだろ」

エレン「大体なんで俺だけ、がっ」

もう一つ拳骨が落ちた。

ハンネス「お前が悪い。考えろ」

ミカサ「ハンネスさん、待って」

エレン「いってぇ・・・」

ハンネス「あー。そういや、二人とも泊まってけ」

エレン「なんで」
ミカサ「なぜ」

ハンネス「内門、今晩は閉まってるはずだからな。地下街の犯罪者が紛れ込んだらしい。その対応で、閉鎖だ」

ミカサ「え」

ハンネス「だから、泊まってけ。俺は持ち帰りの仕事があるが。エレン、せっかくだからちょっと手伝え」

エレン「いいのか!?」

ハンネス「おいおい、上官にいいのか、は無いだろ。・・・良くは無いな、バレたら首ものだからな、誰にも言うなよ」

エレン「・・了解です!」

もう、機嫌が直っている。
流石、昔からエレンを知っているだけの事はある。

ハンネス「ミカサは、夕飯作るの手伝ってやってくれ。なぁ、一緒に頼む」

奥さん「はいはい。じゃあ、ミカサちゃん」

ミカサ「・・・はい」

私と、エレンを別々に。
しばらく、頭を冷やせということだろう。
私達を思ってくれている。

ここまで。
またそのうちに。

エレン「何をやればいいんだ?」

ハンネス「そうだな、とりあえず壁上固定砲の・・・」

話しながら、階段を上がっていく。

助かった。あのまま話していたら、どうしたら良いかわからなくなってた。
ハンネスさんとエレンが二階に移動した後、奥さんが台所に手招きする。

奥さん「さて、ミカサちゃん。何か、食べたいものはある?」

ミカサ「私は」

受け取ったエプロンをつけながら、考える。
私は何が食べたいのだろう。
エレンの食べたいもの。シチューはお昼に食べた。お肉料理・・お肉なんて、そんなあるものじゃない。

ミカサ「・・・・」

考え込んでしまう。
私が好きな食べ物は、なんだろう。
サシャならきっと、何も迷わないだろうに。羨ましい。

ミカサ「あ」

大変な事に気付いた。
好きな食べ物が思い当たらない。無いのかも。
自分がこんな事では、エレンを心配なんて出来ない。
そう思ったら、しょんぼりして来た。

奥さん「・・思いつかない?」

しかたなく頷く。
申し訳ない。

奥さん「そうね・・・。ちょっと変わった物作って見ましょうか」

ミカサ「はい」

奥さん「よっと。そしたらこれ、使ってみましょうか」

カラカラに乾いた、パンのような物が出てきた。見覚えがある。

ミカサ「・・・これは」

奥さん「あれ?知ってるの?」

ミカサ「はい。母が・・・昔」

あのお店で出てきた、アレだ。
そうだ、乾燥させたものを水で戻して使っていた。

ミカサ「何というものなのか、わかりませんが。お水で戻してたような」

奥さん「あら、よく知ってるのね。本当はそうみたいだけど。今日は、味付けながら戻しましょう 」

ミカサ「何という、食べ物なんですか」

奥さん「んー。『フ』とか『セイタン』て呼ぶみたいね。最近、お肉が手に入らないでしょう?これで、代わりになるのよ」

『セイタン』は分からないけど『フ』は聞き覚えがある。
そうだ、お母さんは『おふ』と呼んでいた。

ミカサ「これが、食べたいです。作りたい」

良かった。
私にも食べたいものがあった。

下味を付けるために『昨晩の残り』というスープを、ぬるめに温め始める。
ここに浸して、戻してから水気を切り、パン粉をつけて焼いて、コートレット風にするそうだ。

ミカサ「すみません、生姜と、ニンニクありますか」

思い出した。
お母さんは、お肉がなかった時に、これを代わりにしていた。

奥さん「はい、あるわよ。何に使うの?」

ミカサ「下味と、スープに少し」

あの、黒いソースは無いけど、これで大分お肉らしくなるはずだ。

奥さん「付け合わせ、何にしようか」

ミカサ「戻すのに使った後、スープを増やして・・・・あと、ジャガイモと、葉物があれば」

フライパンに油を引き、おろしたニンニクと、生姜を少し入れて、弱めの火にかける。
生卵をボウルで溶く。
スープがある程度温まった所で、小鍋に分けて、おふを浸す。
早く戻したいので、小さめのお皿を落として、おふを上から抑える。

大鍋の方のスープに水を足し、芽を取ったジャガイモ、軸を中心に切り分けたキャベツを入れる。
乾いたパンを削って、パン粉を作る。

奥さん「・・・すごい手際良いのね」

しまった。
失礼なことを。
仕事を、取ってしまった。

ミカサ「すみません・・・あ」

フライパンがチリチリいいはじめたので、焦げ無いよう軽く回しながら、ほんのり色づくまで炒めて、ニンニク、生姜だけ取り出した。
謝りながらも、手が止められない。

奥さん「謝らなくていいのよ。『フ』戻した後、それでまた味つけるの?」

ミカサ「はい。ここで軽く焼き色を付けてから、パン粉をつけて別の油で焼くんです」

奥さん「別の油?そしたらこの油はどうするの?」

ミカサ「取り出したニンニク、生姜と合わせて、ソースにします。すみません・・・母がやっていた事を、真似て見たんですが」

奥さん「いいのよ。訓練所じゃ、そんなに料理する事ないでしょうし。よし、おばさん今日はミカサちゃんの助手になるわ」

ここまで。
書いてて超絶空腹になったので何か夜食買ってきます。

乙です!
ミカサの料理美味しそう~
母ちゃんの料理って世界一うまいよな…

ミカサ「そんな」

奥さん「私ね、娘とこうやって一緒に料理するの、夢だったの。ミカサちゃん、料理上手だから、思ってたのと逆だけど」

ミカサ「・・はい」

私なんかで、良いのだろうか。
私は、娘だなんて思って貰えるような人間じゃないのに。

奥さん「さて、ミカサちゃん。この後、何すれば良いかしら」

ミカサ「おふが戻るまで、お皿の準備をしましょう。少しお酒と、出来合いのソース、頂けますか」

奥さん「オフ?あ、『フ』のことね。オフっていうの?」

ミカサ「・・・はい。東洋の食材みたいです。母が、小麦粉から作っていました」

奥さん「そうなの・・はい、お酒とソース」

ミカサ「ありがとうございます」

奥さん「お酒、飲むの?」

ミカサ「多分、飲めません。ソースに使います。母もお酒は全然だめで・・・私も、多分」

食器を出した終わった頃には、おふがスープを吸って戻っていた。大鍋の方のスープも、くつくつと煮えている。

奥さん「さて、どうしようかしら」

ミカサ「私が、おふの水を切って渡すので、フライパンで軽く、両面に焼き色を付けて貰えますか」

奥さん「はい、了解よ」

小鍋の上で、おふを両手で挟み込むようにして、水分を切って、フライパンに入れる。

奥さん「少し、焼き色がつけばいいのよね」

ミカサ「はい。香ばしくなって、油のニンニクと、生姜の味が付きます。それと」

出してもらった、ソースを渡す。

ミカサ「軽く、ひと回しでいいので、焼くときに」

奥さん「はい。わかったわ」

ある程度絞って、おふを全部お皿に並べた所で、スープを見る。
ジャガイモを、鉄串で刺す。半分に切って置いたから、もう火が通っている。
キャベツも大丈夫そうだ。

どちらも、おたまですくいだして、大鍋の上で水分を切る。
まな板で食べやすい大きさに切って、皆のお皿に並べる。付け合わせは、これでおしまい。

小鍋のスープを、大鍋に戻した頃には、奥さんが焼き色を付けたおふを別のお皿に並べ終わった所だった。

奥さん「ミカサちゃん、ソース作りたいわよね?私、衣つけるね」

ミカサ「はい、ありがとうございます」

油の残ったフライパンに、出来合いのソースを入れて、取り分けて置いたニンニク、生姜をいれる。そこにお酒を少し入れると、火が付いてフライパンの上が明るくなる。

奥さん「美味しそうね。こういう料理、作った事あるの?」

ミカサ「いえ、初めてです。訓練所では、作ってもスープとパンばかりなので」

奥さん「すごいわね・・さっき主席って聞いて、びっくりしたけど。納得しちゃった」

ミカサ「?」

ソースのアルコールを飛ばしながら、奥さんの方を見る。何がすごいのだろう。

奥さん「ああ・・・そっか。気付いてないのね」

ミカサ「・・何をですか」

奥さん「ミカサちゃん、記憶を頼りに料理してるでしょ?普段やってない上に、初めての料理となると。こんな手際よく出来ないのよ、普通は」

ミカサ「え」

奥さん「ふふ。羨ましいわ。私もそんな風に出来たら、もうちょっと美味しいものをハンネスに食べさせられるんだけど」

ミカサ「・・・そんなことは」

そういうものなのだろうか。
私は、もしかして。

ミカサ「・・・私は、嫌な人間でしょうか」

人がやりたい事が、出来る。

「だから、エレンがあんな風に怒るんでしょうか」

エレンがやりたい、出来るようになりたい事を、出来る。
近くにいるのが、疎ましい存在なのでは無いか。

奥さん「ん。そんな事、無いわよ」

フライ返しとスプーンで、作り終わったソースを取り鉢に入れる。フライパンに少し水を入れ、混ぜながらほんの少し残ったソースを落とし、流しに捨てる。
拭き取って、油を引いて、汚れを。

ミカサ「・・・」

手が、止まってしまった。

奥さん「ミカサちゃん?」

ミカサ「・・エレンに、嫌われてしまう」

奥さん「大丈夫よ」

ミカサ「私には、これしかないのに」

奥さん「ミカサちゃん」

ミカサ「エレンにしてあげられる事は、私には、出来ること、しか、ないのに」

エレンを守り、助ける。

その為に、全て完璧に。
エレンに、返せるものは、それだけなのに。

ぎゅっと、抱きしめられた。
暖かい。

奥さん「そんなこと、ないわ」

ミカサ「でも、さっき怒って」

奥さん「大丈夫よ。あれは、違うわよ。何て言えばいいかなぁ」

ミカサ「でも」

奥さん「・・・エレンくんにとって、ミカサちゃんはお姫様なのよ」

ミカサ「え・・・」

ミカサ「そんな、私は」

私は、どうしたら。

奥さん「これ、話しちゃっていいのかな・・・」

「エレンくんね、一年くらい前、私達に手紙をくれた事があるの」

ミカサ「え」

奥さん「ミカサちゃんを、養女にしてくれないかって。訓練所やめさせたいって。自分は危険な所に望んで行くだろうから」

「ミカサちゃんが自分を守ろうとして、付いてきて、いつか身代わりになってでも守ろうとするかも知れない」

「そうなる前に守りたい。たった一人の家族だから、って」

知らなかった。
エレンも、私を守ろうとしてくれていた。
涙が、こぼれる。

奥さん「お互いを、こんなにも思ってるんだもの。嫌いなはず、無いわよ」

ミカサ「・・・」

奥さん「ね?安心なさい」

ミカサ「・・ありがとうございます」

奥さん「秘密よ?」

ミカサ「はい」

落ち着いた。
奥さんが渡してくれたハンカチで、涙を拭う。

奥さん「さて、続き、作りましょうか」

ミカサ「はい」

フライパンを、温めなおす。
付け合わせの野菜も、少し冷めてしまったので、ザルに入れて、スープ鍋の上に置く。
蓋をし、スープの蒸気で、温める。

奥さん「衣、つけ終わったわよ」

ミカサ「ありがとうございます」

奥さん「パン、切っておくわね」

ミカサ「あ。はい」

衣を付けたおふを焼いていく。
こうしてみると、お肉のコートレットにしか見えない。

おふをひっくり返した後、ザルに入れていた野菜の水気を軽く切って、お皿に盛り付ける。

スープボウルが、満たされていく。

奥さん「スープ、よそっておいたわよ。向こうに持っていくわね」

ミカサ「お願いします」

焼きあがったコートレットを、お皿に盛っていく。四人分、盛り付けた所で、ソースを軽く温め直す。これは直前に作ればよかった。少し、手間が増えてしまった。

奥さん「よし」

ミカサ「出来ましたね」

四人分、綺麗に並べられた料理が、嬉しい。
テーブルの真ん中に、切り分けられたパンの入った籠と、水差し、コップ。
そして、お酒の瓶。

ミカサ「嬉しい・・・」

こんな毎日を、送れたら、どんなに幸せだろう。家で、ご飯を作って、家事をして、家族を待つ。
でも、そういう訳にはいかない。
やらなければならない事が、ある。

奥さん「・・・さっきの話ね。エレンくんに返事書いたのよ。ミカサちゃんはそうしたいのかって」

ミカサ「そう、ですか。返事は」

奥さん「来たけど、その話の事は無かったわ」

ミカサ「・・・」

奥さん「きっと、断るって分かってたのね。エレンくんの、側にいたいんでしょ?」

ミカサ「・・はい」

ぶっきらぼうだけど、私の事を分かってくれてる。

そうだ。私は、エレンの側に居なければいけない。
エレンは、私がいないと、無茶をするから。
それに。

奥さん「気持ちはわかるけど・・・うん。ごめん、何でもないわ」

ミカサ「いえ・・・ありがとうございます」

「さ、二人を呼んできてくれる?」

ミカサ「はい」

ここまで。

>>684
美味しいですよね。
食べれるうちに食べまくるべきですね。

そして >>702

×「さ、二人を呼んできてくれる?」
⚪︎奥さん「さ、二人を呼んできてくれる?」

推敲あんまりしてないので誤字脱字だらけ。
投稿しちゃうと直せなのが悲しい。


また、そのうちに。

ミカサちゃんをお姫様~から泣いてしまった
今回の話はあちこちで胸にくるものがあるなぁ
そして料理は本当に楽しい
更新乙です

>>704
ありがとうございます。
こういう日常描写って、原作でほとんどないので。そういう時間も過ごしてて欲しいな、てのを書いてます。

料理楽しいですよね。
一緒に食べる人がいると、とても。

そしてそのお姫様のくだり、抜けがありました。

>>694 >>695 の間に

--
そんな事は。
顔が、熱くなる。

奥さん「昔、エレンくんが助けてくれたんでしょう?」

ミカサ「・・・はい」

奥さん「その時からずっと、ミカサちゃんはお姫様なのよ。エレンくんは、ミカサちゃんを守りたいの」

ミカサ「そんな」

奥さん「守る為には、強くならなきゃいけない。でも、お姫様が自分より強くて、自分を守ろうとしてる」

ミカサ「・・・」

奥さん「居た堪れないし、焦るんじゃないかな」
--

↑が入ります。無くても文章繋がったのが不思議。

階段を上っていき、ドアをノックする。

ミカサ「ハンネスさん。エレン」

ドアを開けると、エレンが机に向かっていた。
ハンネスさんはそれを横から見ている。

ハンネス「ミカサ、もう出来たのか」

ミカサ「うん」

エレン「・・・・これを・・・この位置だと・・・射角が・・」

ミカサ「エレン?」

エレン「くそっ、こう言うのはアルミンなら・・・」

ミカサ「・・・?」

ハンネス「・・ちょっと無理だったか」

エレン「・・こっちは射程が短いから、ここで・・・」

ミカサ「エレン」

ハンネス「それだと、ここが空くぞ」

エレン「そっか、ダメだ・・・あ」

ミカサ「エレン。ごはん。食べよう」

エレン「ミカサ・・・?」

ミカサ「?」

不思議なものを見るような目で、私を見る。

エレン「・・・行くから先に戻っててくれ」

ミカサ「わかった。待ってる」

ハンネス「おお?・・・おお」

部屋を、出る。
怒っていない。それは分かるけど、何だろう。
ハンネスさんに、かなり難しい仕事をやらされていたようだ。多分、壁上砲の配置案。
考え込んでいた所を、急に現実に戻ったからだろうか。

下に戻ると、奥さんがサラダまで用意してくれていた。

奥さん「ちょっとここまで置くと狭いかしらね。あれ、二人は?」

ミカサ「じき、来ると思います」

奥さん「そう。じゃあ待ちましょ」

エレン「・・・幾ら何でも、難し過ぎるだろ」

ハンネス「そうか?前来た時はアルミンが手伝ってくれたからなぁ」

エレン「・・・俺はアルミンじゃないぞ」

二人が話しながら、階段を降りてきた。

エレン「お、いい匂い・・・」

また私を見て、止まった。

奥さん「さ、座って」

ハンネス「えらい豪勢だなぁ・・・」

エレン「・・すごいな。おばさん、肉こんなに使って大丈夫なのか」

座りながら、エレンが言う。

ハンネス「失礼だな、一応、俺は部隊長だぞ。稼ぎもそれなり・・・といっても、こんなに・・おい、本当大丈夫なのか」

奥さん「情けないこと言わないでよ」

ミカサ「ふふ。ハンネスさん、大丈夫」

ハンネス「お、ミカサ。何かあるのか?」

奥さん「食べれば分かるわよ」

皆、席に着いた。
お水を、コップに入れていく。奥さんと、エレンの分。

奥さん「いいのに、ミカサちゃん」

ミカサ「やらせて下さい」

ハンネスさんには、お酒。

ハンネス「おい、俺は」

奥さん「いいじゃない、たまには」

ハンネス「・・・そうか。そうだな」

最後に、自分のコップを満たして、ふと、顔を上げると、エレンと目が合う。

ふっと、お皿に目を落とした。

奥さん「食べましょうか」

ハンネス「よし、じゃあ。いただきます」

ミカサ「いただきます」

奥さん「そこは、おあがりなさい、でしょ」

ミカサ「え」

奥さん「ミカサちゃんが、ほとんど作ったんだもの。はい」

ミカサ「・・はい。おあがりなさい」

言い慣れないこともあり、ぎこちない。と言うより、生まれて初めて口にする言葉だ。
自分が言えるだなんて、思っても見なかった。

エレン「・・・いただきます」

ハンネス「ミカサが作ったのか。何だこれ、すごいうまいけど、何の肉だ?」

ミカサ「ん」

奥さん「当てたらすごいわ」

エレン「・・・うまい」

ミカサ「よかった」

嬉しい。
作らせてもらえて、よかった。

エレンとハンネスさんが、ものすごい勢いで食べている。好評なようだ。
私も一口食べる。

ミカサ「おいしい・・・」

奥さん「あら、ほんと。とてもおいしい」

思っていたよりも、美味しい。
食感もお肉にかなり近い。

奥さん「ニンニクと生姜が効いてて、本当にお肉みたい」

ハンネス「え、これ肉じゃないのか」

ミカサ「うん。小麦粉から作ったもの」

エレン「あれか、昼のお店で出てきたヤツ」

ミカサ「そう。味付けの仕方は、大体分かった」

どういう訳か、こちらを見ずに言う。
でも、食べている。
嫌な感じはしないけど、何だろう。
少し、寂しげな気がする。

ハンネス「そういや、アルミンは何で今日は来なかったんだ?」

エレン「あー、アルミンは」

ミカサ「他の人と、出かけてる」

奥さん「あら。珍しい」

ハンネス「まあ、たまにはな。何だ、友達とか」

エレン「ええと」

ハンネス「ん?おい。・・・女か?」

ミカサ「アニと、出かけてる。座学の予習を手伝ってくれたお礼だそう」

エレン「って、おい」

言うなよ、という意味だろう。
でも。

ミカサ「ハンネスさんはもう気付いてる。変に考えて話すよりはそのままがいい」

エレン「あー、もう。そうかも知れないけど」

ハンネス「まあ、気にすんな。そうか、アルミンがなぁ」

奥さん「どんな娘なの?」

ミカサ「背丈は小さいけど、とても強い」

エレン「そうだな。ミカサと引き分けるくらいだものな」

しまった、またこの話に。

ハンネス「あー。さっきの話に出てきた娘か。・・・エレン、先に言っとくが、蒸し返して喧嘩になるようなら、お前のコートレット全部食うからな」

エレン「食うなよ!ていうか蒸し返さねぇよ!」

ミカサ「ふふ」

ハンネスさん、ありがとう。
それにしても。

奥さん「エレンくん、そんなにそのコートレット、気に入ったの?」

エレン「いや、その・・・うまいし・・」

ミカサ「エレン。私のを一枚あげる」

エレン「いや、いいよ。お前食えよ」

ミカサ「自分で作ったから、食べてなくてもお腹いっぱい。こんなには食べられない」

エレン「・・・そうか」

ミカサ「食べてくれると、嬉しい」

エレン「わかったよ。ん」

ずい、と皿を私の方に寄せる。
そこに、ナイフとフォークで挟むように、取り分けた。

エレン「あー。さっきは、ごめんな」

ミカサ「気にしてない。でも、ありがとう」

ハンネスさんと奥さんが、笑いながら見ていた。

奥さん「仲直り、出来たわね」

ハンネス「非常によろしい」

エレン「なんだよそれ、ハンネスさん」

ミカサ「ん」

ハンネス「で、どんな娘なんだ」

ミカサ「強くて、成績もいい」

エレン「ああ。俺が今、五位くらいみたいだけど、その上かな」

奥さん「みんな凄いのねぇ」

ミカサ「うん・・・いつも、一人の事が多い。あまり、お喋りは好きじゃないみたい。ミーナが一緒のこともあるけど」

奥さん「ふーん・・・他には?」

ミカサ「分からない。あまり、自分の事を話さない」

エレン「あいつは、多分・・・俺たちと同じ、孤児だよ」

ミカサ「え」

エレン「開拓地にいて、それから訓練所に来たって言ってた」

ミカサ「そう、なの」

三年も一緒にいたのに、初耳。

エレン「あいつ、格闘術。すごいだろ」

ミカサ「うん」

エレン「父さんに教えて貰ったって。多分、あれが形見みたいな物なんじゃないかな」

ミカサ「・・・」

知らなかった。
ただ、無愛想で素っ気ない娘だとばかり。

ハンネス「そうか・・・そういうの、少なくないんだろうなぁ」

エレン「あと、怒るとすごい怖いな」

ミカサ「そうなの?」

奥さん「あら。アルミンくん、大丈夫かしら」

エレン「この間の・・・アニが俺を締め上げてたの」

ミカサ「うん」

エレン「あれ、直前に俺が良いの一発入れたからだと思う。めちゃくちゃ怒ってたよ。女の子の扱い方がおかしい、みたいな事言われたな」

ミカサ「・・・どこに当てたの」

エレン「だいたい、この辺に前蹴りがキレイに入ったんだ。吹っ飛んで、勝ったと思ったら、すぐ立ち上がってたけど。すげえ怒ってた。その後、締め上げられた」

そういって、エレンが手を当てたのは、下腹部、お臍の少し下あたり。

奥さん「エレンくん・・・それって・・・」

ミカサ「・・エレン」

エレン「ん?」

ミカサ「怒られて、当然」

エレン「なんでだよ」

ミカサ「そんな所を蹴って、何かあったらどうするの」

エレン「何かって、何だよ」

ミカサ「急所。何かあったら、子供を産めなくなる」

エレン「あ」

ミカサ「怒って当然」

でも、そういう風に女の子扱いして欲しいってことは。
やはりエレンが好きなのでは。

エレン「いや、でもアニは」

ハンネス「エレン」

エレン「何だよ」

ハンネス「お前が悪い。お前、ほんっとにもう・・・」

奥さん「その娘、大丈夫そうなの?ミカサちゃん」

あの後、お風呂入る時間をアニが皆とずらしてた日は何時だったか。
思い出した。うん。いつも通り。

ミカサ「・・はい。多分、大丈夫です」

エレン「・・・悪かったよ」

ミカサ「私じゃない。アニに謝りなさい」

エレン「何だよ、お前は俺の姉ちゃんか何かかよ」

ハンネス「おい。また喧嘩するなら本当に食うぞ」

エレン「さっきから、それ、ズルいぞ」

奥さん「まあまあ。で、その娘とアルミンくんが、出かけてるのね」

ミカサ「はい。ここに・・・トロスト区にいるはずです」

奥さん「そっか。・・・二人も帰れたのかしら」

ミカサ「・・・!」

そうだ。二人はどうしているのだろう。
どこかに、宿を取ったのだろうか。

ハンネス「もしかしたら、もしかするのかもなぁ」

ハンネスさんが、少しニヤニヤしながら言う。

ミカサ「そんな事は」

からかうような口調が気になって、否定しようとした時。

エレン「そうなると、いいな」

意外な一言が、エレンから出る。
皆、きょとんとしてしまった。

奥さん「・・何で、そう思うの?」

エレン「アルミン、俺たちとずっと一緒にいるからな。他にも友達は出来てるけど・・・大事な人が出来るなら、嬉しいよ」

私も、そう思う。
アルミンには、幸せになって欲しい。

エレン「アニも、人と関わらないで、あのままよりずっといい」

ミカサ「そう・・・」

アルミンの事ならともかく、アニのことまで。
そんなに考えているとは、思わなかった。

今回ここまで。
またそのうちに。

ハンネス「・・・お前はどうなんだ。エレン」

エレン「・・・」

ハンネス「そこまで、アルミンの事を考えられるなら、自分の事は」

エレン「俺は・・・」

眩しそうに、私を見る。

エレン「・・・ごちそうさま」

ハンネス「おい、エレン」

エレン「ハンネスさん。屋上、借りていいか」

ハンネス「おい」

エレン「この間、マントだけでの野営、講義であったんだ。試したいんだ」

いいながら、階段を、上がっていく。

ハンネス「まて、おい」

ハンネスさんが立ち上がろうとする前に、手で、止める。

ハンネス「・・・」

ミカサ「ごめんなさい。ハンネスさん」

ハンネス「でも、お前も」

ミカサ「片付け終わったら、私も行きます」

ハンネス「・・・あのな、ミカサ」

ミカサ「分かってる」

違う選択肢もある、と言いたいのだろう。

奥さん「ミカサちゃん・・・」

ミカサ「エレンは」

ミカサ「私達は・・・」

言葉が無くなる。
それは、言えない。
ハンネスさんを傷付けてしまう。

ハンネス「・・・分かったよ。好きにしな」

奥さん「・・・」

ミカサ「・・・ごちそうさまでした」

奥さん「ミカサちゃん」

ミカサ「大丈夫です。片付けますね」

服はもう、乾いたはずだ。
片付け終わったら、着替えて上に行こう。
私は、エレンの側に居なければならない。

私と、エレンのお皿を、台所に運ぶ。
空いている鍋に、軽く水を汲んで、火にかける。
洗っている間に温まったお湯で、泡と汚れを流す。

奥さんが、いつの間にか横に来ていた。
何も言わず、私が洗ったお皿を拭いていく。

ミカサ「・・・」

奥さん「私がしまっておくわ。行ってあげなさい」

ミカサ「はい」

お辞儀をして、隣の部屋に行く。

エプロンを外し、借りていたブラウスと、スカート、肌着を脱ぐ。
干して置いた服に、着替える。
冷たいけど、水分は無い。

訓練着ではないが、飾り気のないスカートと、いつものシャツ。

そして、大事なマフラーを巻く。

脱いだものを、丁寧に畳んで、棚の上に置く。
少しだけ布地に触れたくて、伸ばした手を、止める。

名残惜しいけど、これでいい。

部屋を出ると、ハンネスさんが毛布と、駐屯兵団のマントを持って、待っていた。

ハンネス「使え」

ミカサ「ハンネスさん」

ハンネス「毛布だって、野営の時にゃ使う。訓練通りじゃ凍えちまう事もあるからな。使え」

奥さん「はい、水筒。あったかいお茶、入れといたわよ。壁上、夜間点検の時、ハンネスが持ってくものなの」

ハンネス「コルク巻いてある特注品だ。冷めにくいぞ」

ミカサ「・・・ありがとうございます」

受け取って、階段を登る。

屋上に出ると、エレンが石畳の上でマントを固定しようとしていた。
日はもう落ちて、星が見え始めている。

エレン「・・・来たのか」

ミカサ「うん」

エレン「・・・石畳、ペグ打てないんだよ。端をブロックで抑えようと思ったんだけど、どうもな」

ブロックで抑える分、高さが足りなくなるのだろう。

ミカサ「・・・もう一つ、マントを連結しよう」

二つなら、足りるはずだ。

ミカサ「あと、壁際に設営したらいいと思う」

エレン「お、そうだな。じゃあ、やるか」

二人で、マントのハト目にロープを通し、繋げる。
あっという間に、それなりの大きさの天幕になった。

屋上においてあるブロックを、幾つか拾う。

壁際、角すみに置いて、その上で天幕を作る。
フード上端のハト目に金具をつけ、そこだけ手すりの外側へ固定する。

エレン「上、抑えているから。中に入って、テンションかかるよう端にブロックを置いてくれ」

ミカサ「分かった」

中に入って、端を広げながら、ブロックを置いていく。

ミカサ「出来た。入って」

中に入ってきたエレンに、ブロックを渡す。
ごと、と、置く音が聞こえた。

エレン「意外と風、防げるな」

ミカサ「うん」

ミカサ「毛布」

エレン「使わないんじゃないか?」

ミカサ「訓練ではそう。でも、ハンネスさんが、実際は使うって」

エレン「そうか。じゃあ使おう」

毛布を、体に巻く。

ミカサ「石畳、冷たい」

エレン「そうだな・・・ちょっと、体寄せるか」

ミカサ「・・・うん」

躊躇していると、毛布を解かれて、二枚の毛布を被る形に直される。

エレン「こうした方がいいな」

後ろから、抱きかかえられた。
温かい。心臓の鼓動が、高まる。
必死に抑える。

意識をそらすために、石畳の冷たさに集中する。

エレン「・・・」

ぎゅっと、腕に力が入る。
抑えなければいけない。

なぜ、自分がこうしているのか、思考を巡らせる。

休みの日に、わざわざ寒い思いをして、こんなことを。

きっと、馬鹿げているのだろう。
ジャンがエレンに突っかかるのも、そこからの苛立ちだろう。

でも、構わない。
こうしていないと、鈍ってしまう、普通の生活を思うと、弱くなると。
そう強く、エレンが信じているから。

私はエレンの側にいる。

普通になっては、いけない。

私がそうなったら、エレンの負担になってしまう。

エレンは、ギリギリの所で立っている。
いつ、落ちるか分からない崖っぷちを歩いているのだ。

残されたものは、エレンに残されたものは、これしか無いのだから。

側にいて、支えなければ。

そうならないように、私が居ないと。
これを、肯定しなければいけない。

エレン「結構暖かいけど、床からの冷たさがキツイな」

思考から、現実に引き戻される。

ミカサ「・・・本当なら、樹上で野営する事が多いはず」

エレン「そうだな。壁外で、建物の屋上なんてまず無理だよな」

ミカサ「でも、石畳ではないから。実戦の方が暖かいかも」

エレン「・・・飯の前」

ミカサ「うん」

エレン「格闘術のこと・・ごめんな」

ミカサ「・・・うん。大丈夫」

エレン「ひとつ聞いていいか?」

ミカサ「ん」

エレン「手加減、してないんだよな」

ミカサ「してない・・・」

エレン「・・・」

ミカサ「・・・手加減じゃない。体が動かない・・・」

エレン「どういう風にだ?」

ミカサ「・・・思いっきり」

エレン「ん」

ミカサ「思いきり、やるのがこわくて」

エレン「うん」

ミカサ「エレンの家に行く前の、あの時を思い出して」

エレン「・・・」

ミカサ「あれは・・本当に全力だったから。考えて・・こわくなる。思ったように動けない」

エレン「そうか・・・アニの時は?」

ミカサ「エレンがひどい目に。と思ったら、ライナーを投げてた」

エレン「あれは痛かったぞ」

ミカサ「ごめんなさい・・・」

エレン「まあ、いいよ。それから」

ミカサ「うん・・それから・・・。アニがとても速くて。反撃しないと防ぎ切れなくて。しまった、と思ったけど、止められなくて・・・」

エレン「そうか・・・」

ミカサ「教官が止めてくれて、良かった」

黙ってしまった。
エレンの腕が、体が、温かい。

そのまま、時間が経っていく。

エレン「なあ」

ミカサ「うん」

エレン「さっきのコートレット、うまかったぞ」

ミカサ「・・ありがとう」

また、沈黙。

おいしいと言って貰えるのは嬉しいけど、その先が、こわい。

天幕を打つ、風の音。
呼吸。
・・・・心臓の音。

エレン「なあ。お前は・・・」

ミカサ「ん」

エレン「お前まで、俺に付き合わなくていいんだぞ」

ミカサ「・・・!」

エレン「あんな風に暮らして、普通に料理をして」

その言葉を聞いた途端、びくっと大きく、震えが走る。

エレン「そういう生活だって、あるんだ」

それが出来たら、どんなに良いか。

エレン「ああいう服を着て、家族と過ごして」

心臓の音が、大きくなっていく。

そうしたい。でも。
エレンがそこに居なかったら。

エレン「俺は、お前に」

言わないで。

ミカサ「私は」

エレン「ん」

ミカサ「私は、エレンと一緒に、いる」

私を、守ろうとしている。

エレン「ミカサ、あのな」

でも、その言葉は。

ミカサ「一緒にいる」

体の震えが止まらない。

エレン「おい」

胸の真ん中に、穴が空くようだ。

ミカサ「一緒に、いる」

エレンの袖を、握る。

エレン「・・・」

ミカサ「ここに、いる」

呼吸が乱れそうになる。
心臓の鼓動、涙腺。

必死に抑える。

エレン「ミカサ、俺は」

返事ができない。

エレン「俺は・・自分でも正直、おかしいと思うことがある」

おかしくなんか無い。

エレン「わざわざ休みの時にまで、こんな・・・お前が、近くに居てくれるのは嬉しい。だけど」

お願い。

エレン「今日、お前が普通の服を着て、エプロンを着けて・・・本当はこういうのもあるはずだって、思ったんだ」

着なければよかった。
あんなもの。

エレン「俺なんかに付き合って、兵士になるより、もっと」

そんな風に、言わないで。

ミカサ「家族は」

声を、絞り出す。

エレン「・・・」

できるだけ、普段と変わらないように。

ミカサ「家族は、一緒にいるもの」

お願いだから。

あなたが、おかしいなんて。

私をいらないなんて、言わないで。

エレン「・・・・そうか」

ミカサ「・・うん」

エレン「分かったよ」

ミカサ「・・・」

ほっとして、緊張がとける。



エレン「・・・寒いか?」

ミカサ「少し」

まだ、体が震えている。
どうしたらいいのだろう。

エレンに、さらに近くに抱き寄せられる。

ミカサ「あ」

エレンの足の間で、背中を預ける形になった。
とても、暖かい。開拓地でも、こうして身を寄せ合って寒さを凌いだ。

エレン「懐かしいな」

ミカサ「・・うん」

あの頃と違うのは。
いや、あの頃より強くなっているのは。
エレンの近くにいる時の切なさだ。

きゅうっと、胸を締め付けられる切なさ。

振り払う事も、出来ない。
力が抜けていく。

完全によりかかってしまった。

暖かさで、体の芯が溶けるよう。
涙が出そうになる。

振り向きたい。
でも、そうしたら。
この気持ちが、私の中から溢れてしまう。

私がこれを伝えたら、エレンは私を突き放すだろう。

家族とは違う、この思いを持っていると知ったら、そうするはずだ。

私を守る為に。

そうなったら、エレンを支えることが出来なくなってしまう。

だから、振り向かない。

ミカサ「エレン」

とろけるような体温の中、努めて平静にいう。

エレン「ん」

ミカサ「ハンネスさんに、お茶を貰った」

私達の、普段の、会話を。

エレン「・・・壁外にそこまで持っていくか?」

家族の、会話を。

ミカサ「壁上の砲整備や、泊まり込みの点検のとき、持っていくと言ってた」

エレン「・・・じゃあ、あり得るかな」

ミカサ「うん。多分」

私を抱きしめる、エレンの手元へ、水筒をあてる。

エレン「・・・ん?なんだこれ、周りが」

ミカサ「うん。コルクで覆われてるから、温かいまま」

エレン「そうか。・・・先に飲めよ。さっき、震えてたろ」

ミカサ「・・・わかった。ありがとう」

戻された水筒を開ける。

紅茶と、なんとも言えない甘い匂い。
何だろう。

口をあてて、飲む。

紅茶と、果実のふわっとした香り。
そして甘みが、口内に広がる。

ミカサ「変わった味・・・でも、おいしい。エレンも」

蓋を締めて、渡す。

エレン「ああ」

受け取ると、体を傾け、飲みはじめた。

喉の鳴る音。

そこに、手を伸ばして、触れたい。

ふぅ、とひと息つく気配。

エレン「・・あれ、これ」

ミカサ「どうしたの?」

エレン「いや、ジャムと、少し・・お前どのくらい飲んだ」

ミカサ「コップ半分くらい」

エレン「・・・そうか。大丈夫か?多分、これ・・酒が入ってる」

ミカサ「え」

エレン「体を温めるためだろうけど・・お前、お酒だめだろ」

ミカサ「・・・うん。でも、大丈夫そう」

エレン「いや、そんなすぐ分かんないだろ。・・・ハンネスさんに言っときゃ良かった」

ミカサ「・・・」

シガンシナにいた頃、おじさんとおばさんが飲んでいたお酒を、一口だけ貰った事がある。
あの時は、気づいたらベッドに寝ていて、頭が痛くて。朝だった。

話を聞くと、飲んですぐ座りこんでしまい、そのまま眠ってしまったらしい。

ミカサ「大丈夫。眠くない。・・・体が、ぽかぽかするくらい」

エレン「そうか・・・なら、良いけど」

ミカサ「・・・うん」

エレンの肩に、寄りかかる。
心地よい。安らぐ。

エレン「・・・やっぱり、お前。お酒だめだな・・・」

--
今回ここまで。

下戸って、ほぼ東洋人系にしかいないんですよね。

つまり、ミカサは人類最後の下戸。
人類最強の下戸。

続きはまたそのうちに。

ついでいうと、ミカサパパが

・白人種での「お酒が飲めない人」
→東洋人での「普通に飲める人」

だった前提で書いてます。

ほっとんどいないらしいですが、そうでないと遺伝的にミカサが下戸にならんので。

心の機微が素晴らしい
繊細で儚く切ない…
結婚しろ

>>779,780
ありがとうございます

そのお言葉が、ギャグ路線に走り出したくなる心を押し留めてくれます

その一言に、はっとする。
いけない、気が緩んでいる。

ミカサ「なぜ?」

エレン「なぜってお前・・・」

ミカサ「シガンシナにいた時も、開拓地でも、こうして寝ていた」

家族としての、話をしないと。

エレン「まあ、そうだけど」

ミカサ「久しぶりに一緒で、うれしい」

少し、意味が違うけど。本当。

エレン「・・・くそっ、分かったよ」

そう言って、毛布をかけ直す。

壁の角によりかかっているエレンに、更に私が。

ミカサ「・・・エレンがいる」

首に、頬ずりしながら言う。
頬ずりしながら?
これは。酔っている。

エレン「・・・当たり前だろ」

ミカサ「違う。いつもはいない」

エレン「いつもって何だよ」

ミカサ「いつもは、いつも。訓練所で、寝るとき」

エレン「そりゃ、寮が違うからな」

ミカサ「そう。・・・今日は、いる」

エレン「ああ」

ミカサ「不思議」

エレン「・・・そうか」

ミカサ「うれしい」

いったん、堰を切ると、言葉が、止まらない。
家族だ、家族なんだ。

その範囲にとどめないと。

エレンの匂いがする。

大好きな、エレンの匂い。

とうとう、意識の表面にまで、出てきてしまった。

大好き。
でも、絶対に言わない。

なぜ。好きなのに。

エレン「・・・ミカサ」

ミカサ「ん。あ」

頭を、撫でられた。

服の襟で、涙をふかれる。

いつの間にか、泣いていたらしい。

エレン「・・・」

また、何も言わない。

ミカサ「・・・エレンは、優しい」

お店でも、そうだった。

エレン「・・そんなことは無いだろ」

ミカサ「ある。・・皆がいない時は、優しい」

エレン「・・・」

ミカサ「なぜ」

エレン「そりゃ、人前じゃ・・」

ミカサ「・・・」

一つの、考えが浮かぶ。

もし、そうだとしたら。

そう思ってくれているとしたら。

なおの事、気持ちを伝える訳にはいかない。

私を、安全な場所に置こうとするだろうから。

言えない。


でも。



確かめたい。

--
ここまで。
おやすみなさい。

そっと、エレンの胸に手を当てる。

鼓動。

エレン「・・おい」

早鐘のようだ。

そのまま、肩に頭をのせ、体をもたせかけて、全身の力を抜く。

目を閉じて、呼吸を整える。
いつもの、就寝時の呼吸のリズムに。

ミカサ「・・・」

エレン「・・・ミカサ?」

ミカサ「・・・」

すうすう、と、私の呼吸音が聞こえる。
私の鼓動は、落ち着いた。

エレン「・・・」

静かに、時間が過ぎていく。

風の音、天幕が揺れる音。

狸寝入りだけど、私の寝息。

エレンの呼吸。

手のひらから伝わる、早鐘のような鼓動。

二時間ほどは経っただろうか。

気づけば、天幕の揺れる音は止んでいて。

ふと、溜息が聞こえた。

ぽん、と頭に手を置かれる。

優しく、髪を、撫でる手。

その感触に、うっとりして、ますます力が抜ける。

はぁ、と、自然に吐息が漏れ、上を向いてしまった。

エレンの体が強張る。

すうすう、と私の呼吸だけが、天幕の中で聞こえる。

手はいつの間にか、エレンの胸から離れて、鼓動は分からない。

時間が経ち、不安がつのる。

このまま、何も無いまま朝になるのでは。
勝手に勘違いして、こんな事をして。

どうやったらこの状況で眠れるだろう、眠ったとしても。
朝になって、今までのように私はいられるだろうか。

--
ここまで。
のんびりしててスミマセン

男を見せるか!?
エレン行けー
ミカサの女心が切ない乙です

そんな考えが、頭の中で大きくなり始めた時。

気づけば、髪を撫でていたエレンの右手が、頰にあった。

左手で私の頭を支えている、と分かった時。
唇に、何かが触れる。

表面が、かさかさとした、柔らかい、何か。

それが離れた後、優しく抱きしめられる。


エレン「・・・ごめんな」

そういって、髪を撫でた後、毛布を床に敷いて、私を横たえた。
その上に、さらに毛布をかける。

天幕を開き、出ていった。

ことん、と静かにブロックを置く。
外側から抑えているのだろう。

外で、体を動かす気配がした。

何処かへ行ってしまうのでは、とも思ったが、その様子に安心する。

唇に触れて感触を思い返す。
何があったのか理解すると同時に、幸せがまるで雷のように全身に伝わった。

ミカサ「・・・・・!」

私は、私の体を完全に支配出来るはずだ。
なのに、走り出せない足の、指だけが、喜びでぱたぱたと動く。

まるで犬の尻尾のように。

体内を伝わる喜びが、止まらない。
火のように熱い感覚が胸から全身に伝播し、四肢の末端で跳ね返って心臓に戻る。

ミカサ「ぅ」

その繰り返しの強さに震えながら、動かないよう、声を抑えて耐える。

もう、私は大丈夫だ。

家族でも、大丈夫。

私を助けてくれた、生き方を教えてくれたあの人が。
私のことを想ってくれていた。

私だけじゃなかった。

それが、分かった。
それだけで、十分だ。

全身を走る感覚が弱まっていき、代わりに心地良い痺れが残った。
安心感で力が抜け、床にぺったりとのびてしまう。

痺れの余韻に身を任せながら、考える。
エレンが謝る事はないのに。

普通の生活をさせてあげられなくて、という事だろうか。
普通の生活も憧れるけど、私はエレンと一緒に居たいのであって。
そうでなければ、そんな生活には意味がない。

それとも、私のこの感情に気づいていて、それに応えられないから、ごめん、なのだろうか。

考えても分からない。
でも、こればかりは聞くわけにもいかない。

ミカサ「・・・」

毛布ごしだというのに、かなり冷たい。
体がどんどん冷えていくのが分かる。

せっかく、エレンの体温で暖かくなったのに。
とんでもない石畳だ。

これは、目覚めるのに十分な理由。

もう一つだけ、ズルを許して貰おう。

--
ここまで。

>>799 800
割合ピュアな二人でございます
エターナらないよう、ノルマとか
設けずに思いついた時に書き溜め・推敲してます

またのんびりお待ちください

エレンにしては男を見せたなw
ミカサは寝た振りしてるが
しかしこの二人の状況と、同時刻であろうアルミンとアニ(とミーナと母親)との状況の差を考えるとなんかすごいなwww
乙!

乙女の心が幸せにほころぶ美しさといったら…!
エレンようやった!
読んで幸せ感に包まれました
ありがとう
のんびり待つです乙です

意を決し、毛布を体に巻いて、体を起こした。

天幕を開け、外に顔を出す。

エレンが右手を壁についた姿勢で、動きを止め、こちらを見た。

ストレッチをしていたようだ。

ミカサ「・・エレン。寒い」

エレン「あ、ああ」

そんな驚いた顔をしなくていい。
私は、寝ていたのだから、気付いていない。

ミカサ「エレンと一緒で、暖かったのに、気づいたら床で冷たかった」

そのまま言う。

ミカサ「・・・私は、どのくらい寝てた?」

エレン「そんなに寝てないな」

表情が和らいでいる。
気づいてないと、安心したようだ。

ミカサ「そう。良かった」

エレン「やっぱり、お前。お酒は止めておこうな」

ミカサ「エレンがそう言うのなら。そうする。・・・でも、前は頭が痛かったけど。今は大丈夫」

エレン「そうか」

ミカサ「うん。とにかく、寒いので。戻ってほしい」

エレン「分かったよ」

そう言うと、天幕に入ってきてくれた。

二人で毛布を被り、座る。

エレンの鼓動も、落ち着いたようだ。

ミカサ「・・・あったかい」

エレン「・・そうか」

もう、不安はない。
よりかかって、思いつくままに、話をする。

開拓地での事。

一つしかないパンを、三人で分けたこと。
スープしか食べれなかった夜。

ハンネスさんが持ってきてくれた、毛布。

分けてもらった戦闘糧食が固くて、顎が痛くなった。

シガンシナでの、薪拾い。

二人で寝転んだ花畑。

ハンネスさんが、屯所でお酒を飲んでいたこと。

アルミンと一緒に読んだ本。

あの、暖かい家での、食事。

気付けば、天幕の中に細く日が差し込んでいた。

結局、眠らないまま。
二人とも、テントの隙間から差す、一筋の光を見つめる。

石畳のガラス質が、光を反射して、きらきらと輝く。

エレン「・・・取り戻してやる」

ぽつりと、エレンが言う。

ミカサ「うん」

私も、応える。

・・・・

ハンネス「なんだ、飯食ったばっかなのにもう行くのか」

エレン「次の便に乗りたいんだ。おばさん、ごちそうさまでした」


奥さん「うん。また、来なさいね」

ミカサ「はい。ありがとうございます」


ハンネス「あ、エレン。これ、アルミンに渡してやってくれ」

エレン「わかった・・・って、これ、兵団支給の双眼鏡じゃないか」

ハンネス「色々壊れててな。廃棄扱いなんだ。アルミンなら直して使えるだろ」

エレン「ありがとう。アルミン、喜ぶだろうな。でも、大丈夫なのか?」

ハンネス「いや、本当に廃棄品だぞ?それに・・・」

奥さん「・・・ミカサちゃん、ちょっと来て」

ミカサ「はい」

奥さん「これ、持ってきなさい」

大きめの手提げ袋を渡された。
中には、あのスカートと、ブラウス。

ミカサ「そんな、頂けないで」

言い切る前に、ぎゅっと、抱きしめられる。
暖かな、懐かしい感覚。

奥さん「いいから、持って行きなさい」

優しく言う。
私を、本当に娘のように思ってくれている。
それが、分かる。

この服は大事にしまっておこう。
いつかあの日々を取り戻して、その先の世界を見るまで。

ミカサ「おばさん、ありがとう」

気づけば、自然にそう呼んでいた。
もう一度、強く抱きしめられる。

奥さん「・・また、来なさいね。自分の家だと思っていいんだからね」

ミカサ「はい」

エレンの夢が叶うまで、この思いをしまっていても、大丈夫。私には帰る場所が、ある。

奥さん「ん」

ミカサ「おばさん」

こちらから抱きつきながら、言う。

奥さん「ん。なあに」

やわらかな、優しい、声。

ミカサ「ありがとう」

暖かな家に、招いてくれて。
私とエレンを、受け入れてくれて、ありがとう。
おばさんのおかげで、エレンの思いを知る事が出来ました。

奥さん「気にしないでいいのよ」

気にしないなんて、できない。
娘のように、思ってくれて、ありがとう。

ミカサ「・・おばさんも、ハンネスさんも、エレンも、私の大事な」

ミカサ「家族です」

-----
おしまい

出てきた諸々のイメージ補足

食堂のシチュー
⇒香草がガッツリはいったアイリッシュシチュー的なやつ。痩せた厳しい土地っぽいので、ハーブで元気だしてるかな、と。

おふ、セイタン
⇒どちらも植物性たんぱく質。
湯葉もお仲間で、ベジタリアンの方御用達。
文中の作り方だと端折り過ぎてて、多分肉っぽくならない。
セイタンや湯葉の方が食感出すならやりやすいです。
肉の代用になります。

コートレット
⇒要はカツレツです。厳密には違うようですが。ドイツ文化圏+αくらいなら料理としてあるかな、と。

巻きスカート
⇒アジア系雑貨店とかで買えるアレ
こんな感じで巻きます
https://m.youtube.com/watch?v=rHBCsB5HKq4

マントで天幕
⇒ロシアのプラシパラトカ
進撃で出てくるマントより長めですが、形状は似てます。マントがそのまま一人用テントになります。

>>809
ギャグとエロはアニ編、ベルトルト編でやったので必死こいてピュアにしてました

>>810
ありがとうございます
そう言って頂けると
ミカサガッツポーズ@伝えられない初恋を目指した甲斐があります



何回か書き直してますが、ギャグ方向に行った時は
屋上で急アル入ったミカサがコケて壁際で「エレンえれえれえれ」
エレン「うわあ、きたない」
みたいな話をノリノリで書いた後、
誰も望んでないなと思い今の路線に戻って来たりしてます


そうならなかったのも皆様のお陰です

また何か思い付いたら書きます

--
ユミル「そんなんじゃないよ」
--

ユミル「あー、くそっ。何だよあの課題」

クリスタ「ユミル、女の子なんだから、そ」

ミカサ「そんな話し方をしてはダメ」

ユミル「うおっ。いつ戻ってきたんだ」

ミカサ「ついさっき。何の話?」

サシャ「さっきの、故障した立体機動装置を直す課題ですよ」

ユミル「えぐいパーツを外しやがって・・点検項目にも無い所を」

嘘だ。
本当は、あのパーツが無い事はちょっと触っただけで分かっていた。

クリスタ「私のをいじってたから・・時間が無くなったんでしょ」

ユミル「違えよ。クリスタのと見比べてどのパーツが足りないか探してたんだ」

それも嘘だ。
クリスタが手間取っていたから、分かりにくい所を直してから渡した。

まだ、足りない。
あと数ヶ月、この程度じゃ間に合わない。
私が上位圏外に行ったとしても、まだ。
この間の山岳訓練でダズを助けたのはかなりの加点になったが、それでもクリスタは12位か13位くらいだろう。

私の順位を落とすだけじゃダメだ。
もう一手か二手、必要だ。
どうすれば。

「・・ミル。ユミル」

ユミル「・・っ」

声に気付いて顔を上げると、クリスタの顔が目の前にあった。

クリスタ「ユミル、そんなに落ち込まなくても大丈夫だよ。今日のくらいじゃ、まだ10位内からは落ちないよ」

ユミル「くそっ」

だから困ってるんだろ。
この女神様は人の気も知らずに、まったく勝手なことを言う。

サシャ「そろそろ、夕飯ですよ。食堂行きませんか」

ミカサ「・・・私は先に行ってる」

ちらっとこちらを見て、すたすた歩いて行ってしまう。

まったく得体が知れない。
ありとあらゆる科目を完璧にこなし、眉目秀麗。完璧すぎるのも大概にしてくれないと気持ち悪い。
三年、一緒にいるのにコミュニケーションも最低限だ。

ユミル「・・ああ。じゃ、行くか」

サシャ「行きましょう。今日こそはパンを3個手に入れてみせます」

クリスタ「それなら、私のを」

ユミル「ダメだって言ってるだろ。何時までこのやりとりすりゃいいんだよ」

ああもう。
この女神様はどうすりゃいいんだ。
そんなんじゃ、ダメなのに。

人の為に、てのを否定するわけじゃないが、それだけじゃダメだ。
そればっかりじゃ、自分の人生も使い切ってしまう。

私が味わったような喪失感、虚無感を、こいつには味あわせたくない。

なのに。

クリスタ「ごめん、ユミル。・・・行こう?」

サシャ「そうですよ・・・取りませんから。行きましょう」

ユミル「あ、ああ」

この食欲の塊が、食堂に行くのを躊躇うくらいだ。
よっぽどひどい顔をしてたんだろう。
てことは、サシャも以前よりは成長したんだろうか。

二人に手を引かれるままに、食堂に来てしまった。

私の順位を下げるのは簡単だ。
だけど、もう一手、その先は何も思い浮かばない。
いや、考えたくない。

それには誰かを陥れる必要がある。

盗みや、そのほか人に言えないことは沢山してきたが。相手の人生を左右するような事はしてないつもりだ。
金持ってなさそうな奴からは盗まなかったし、殴ったら死にそうな奴を追い剥いだ事もない。

・・・この望みを叶えるには。
自分の人生の為に踏ん張った奴を、騙して罠にはめなきゃいけないのか。

「・・・い、貰って来ましたよ」

「・・ミル、ユミル」

呼びかけとともに、肩を叩かれる。

また、考え込んでいたらしい。
クリスタとサシャが心配そうに覗き込んでいる。

持って来てくれたのか。
こいつがなぁ。あの芋女が立派になったもんだ・・・ん?

ユミル「・・・おい。お前、スープの芋取っただろ」

一瞬でも褒める気になったのがバカらしい。
相変わらず、こいつは食物が絡むとてんでだめだ。

クリスタ「え。サシャ?」

サシャ「いや、そんなことは」

ユミル「いいから器、見せてみろ」

サシャ「あ!この器の中、のぞくと爆発するんです!」

そんなわけあるか。

クリスタ「サシャ。いくらなんでもそれは・・・」

ユミル「よし。爆発させよう」

サシャ「て、あっ」

ユミル「・・何で芋が三つ入ってるんだ。いつもは一人、二つだろ」

スプーンでサシャのスープから芋をとり、自分の器へ入れる。
ぽちゃん、とお手本のような水音がすると、サシャは泣き出しそうな顔をした。

--
ここまで。
じわじわ書きます。

サシャ「ああっ!」

ユミル「ああ、じゃないだろ。まったく」

本当にしょうがない奴だ。
でもこのバカさ加減のおかげで、だいぶ気が楽になった。
・・・こういうのじゃなくて、最初は本気で利用しようと思ってたんだがなぁ。

クリスタ「ふふ。さあ、食べよう?サシャも座って」

この娘も、柔らかな表情が出来るようになった。
来たばかりの頃は、人の顔色をうかがってオドオドしていたのに。

やっとここまで、こいつが自然に笑える所まで来たんだと思うと、感慨深い。

詳しくは知らない。
でも、自分の人生をクソだと思うような状態だったはずだ。

元々食う為に兵団に入るつもりではあったけど、どんな奴なのか見たくてここに来て。

・・・こんなお姫様みたいな顔してるなんざ、夢にも思わなかった。

ユミル「クリスタはかわいいなぁ。かわいいから特別に爆発物をあげよう」

言いつつ、芋をクリスタの皿に移す。

クリスタ「え、そんな。いいよ」

サシャ「あ、ああ」

いい顔してるなぁ。素晴らしい反応だ。
クリスタとは違うが、からかい甲斐があって面白い。

ユミル「いいから食べな。色々大きくならないぞ」

クリスタ「色々って・・・ユミル」

こんな風に、怒って見せる事も出来るようになった。

ユミル「あはは、ごめんな。でもサシャを見なよ。いろいろ、育ってるだろ」

サシャ「んぐっ。ふぁい?なんです?」

ユミル「褒めてんだよ。気にせず食え」

夕飯を食って人心地ついたところで、サシャが立ち上がった。

クリスタ「もう、また?」

ユミル「またかよ」

ミカサ達の方へ行こうとする、サシャの首根っこを掴む。

ユミル「いつもミカサのとこいくけど、貰えないだろ」

サシャ「それは口実ですよ。ミカサと話しに行くんです」

ユミル「なにいってんだよ。あいつと・・」

何を話すというのだろう。
話題があるのか?
そもそも、なんであの女と普通に話せるんだ、こいつは。
何一つ可愛げないじゃないか。

強いていうなら・・・座学の発表で何言ってるかさっぱり分からない事がある位が唯一の可愛げか。
結論は分かるんだか、そこに至る過程を説明するのが下手すぎる。

ユミル「・・・いや、行ってきな」

私はごめんだが、こいつが仲良くしたいというのなら、どうこう言うような事じゃないな。

サシャ「?はい、また後で」

怪訝な顔をしながらも、ミカサの所へ走っていく。

ユミル「・・・何が面白いんだかなぁ」

クリスタ「うん?・・・二人とも、結構楽しんでるみたいだよ」

ユミル「そうなのか?」

二人とも、というのが分からない。
サシャはともかく、あいつが楽しむというのは想像つかない。

クリスタ「見ててごらん」

サシャがミカサの側に行くと、ミカサは皿に一つ残っていたパン手にとった。
せがむサシャをじっと見ると、そのまま無表情にもぐもぐと食べてしまう。

サシャの方を目だけで見て、そのままパンを噛んでいる。

うなだれるサシャに、アルミンが笑いながら話しかける。
エレンは呆れ顔で、大して興味はなさそうだ。

アニは頬杖をついたまま、お茶を飲んでいる。

なんだよ、いつも通りじゃ・・・ん?

ユミル「なぁ。なんでアニがあそこにいるんだ?」

アニとミカサは、こないだモメてたはずなんだが。

格闘術で良く組むエレンと話す為に?
いや、それだったらこの間と同じ事になるだろう。

ミカサと仲良くなった?
いや、前よりは良い感じだが、そこまでとは・・。

・・・とすると、アルミンか?
割と距離感が近い・・どういう接点があるのだろう。
気にとめておこう。

クリスタ「ほんとだ、じゃなくて。・・サシャとミカサ、見てごらんよ。楽しそうでしょ?」

ユミル「んん・・サシャは分かるが・・・あいつ、楽しそうか?」

クリスタ「『あいつ』って。・・・ユミル、前から気になってたんだけど・・・ミカサのこと、苦手だったり・・する?」

ユミル「苦手も何もなぁ。あんまり話した事ないから分かんねえよ」

まあ、苦手なんだけどな。
これは何とも言いようがない。

クリスタ「そうなの?・・何年も部屋、一緒なのに」

ユミル「あいつもそんな、話しかけて来ないしな」

クリスタ「ううん・・。そうかなぁ・・・」

だいぶ聞きにくい事だろうに、口ごもりながらも言ってくれたなぁ。
私との関係性だからってのもあるだろうが、クリスタの心持ちが好転している部分が大きいように思える。

ユミル「・・・」

黙って、頭を撫でる。

クリスタ「なあに、ユミル。そんなニコニコして」

ユミル「何でもないよ」

ただ、嬉しかっただけだ。

--
ここまで。

部屋に戻って、いつものようにクリスタのベッドに腰掛ける。
就寝までの時間、ここが私の定位置だ。

食事をすませ、クリスタと話したおかげで少しは落ち着いたものの、何も打開策は思いついてない。

ユミル「ああ・・・」

嘆息しながら、そのまま後ろに倒れる。
二段ベッドの上段が見えた。

私の寝床。
正確には、それを支える板と横木、か。
このまま案のひとつない状態で、あそこで眠るのは勘弁だなぁ。

クリスタ「ねえ、ユミル・・ミカサの事なんだけど」

ユミル「ん?なんだよ」

どうでもいいだろ、そんなの。
今はそれどころじゃ・・・しまった。

クリスタ「・・・そんな、嫌な顔するほど、なの?」

ユミル「いや、違う。これは。あー・・・。朝の続きだよ・・」

まあ、嘘は言ってない。
朝から考えてる事の続きだ。

クリスタ「・・・大丈夫だよ。今からでも巻き返し出来るって」

巻き返してどうすんだよ・・・それどころじゃなく、誰かを引きずり落とさなきゃいけないかも知れないんだ。

ユミル「そうだなぁ」

そんなやりとりをしていると、ミカサとサシャが帰ってきた。

サシャ「ただいま戻りました!」

ミカサ「ただいま」

クリスタ「おかえり」

ユミル「あいよ」

サシャ「聞いてくださいよ!ミカサがまたパンをくれなかったんですよ!」

ミカサ「・・・たまにあげてる」

サシャ「前回はもう二ヶ月も前ですよ!」

クリスタ「本当にもう・・」

サシャは無いだろうけど、ミカサは間違いなく上位。
いや、それどころじゃない首席様だ。
・・・こいつがもし、居なかったら。

ダメだ。
嫌な顔しか出来ねえ。

ユミル「よっと」

身を起こし、二段目の縁を掴んで立ち上がる。

クリスタ「ユミル?」

ユミル「散歩してくる」

クリスタ「うん・・・」

俯きながら、応える。
やっぱり顔に出てたか。

ユミル「あー・・・さっきの続きだよ。一人で考えてくる」

クリスタ「ん。分かった」

サシャ「なんの話です?」

ユミル「こっちの話だよ。お前は横になってパンの夢でも見てろ」

サシャ「夢のパンはお腹ふくれません・・」

ミカサ「・・・」

そんなやりとりをよそに、ベッド下の引き出しを整理している。
目線は引き出しの中を見ているが、意識がこちらを向いているのが分かる。

気味が悪い。

ユミル「行ってくる」

クリスタ「いってらっしゃい」

サシャ「お土産楽しみにしてます!」

ユミル「おやつにペンペン草とってきてやるよ」

サシャ「それ、食べないといけないんですか?」

ミカサ「・・・」

引き出しを整理する手が止まった。

・・・わからん。
何考えてるか少しも分からん。

ユミル「じゃ」

足早に部屋を出る。

何人かの訓練生とすれ違い、軽く手を振って挨拶を交わし、玄関を出た。
辺りはもう大分暗くなっている。

寮から少しでも離れよう。
人気のない、静かな所・・・そうだな。

サシャがこっそり作ってる温室でもいくか。
あそこなら森の中だし、サシャが行くのは週中、末だ。
平日の夜なら誰も来ないだろ。

・・・

歩度を早めるにつれ、人の声と気配が遠ざかっていく。
葉ずれの音が心地良い。
贅沢な事に涼しげな風まである。

にしても、どうしたもんか。

今以上にクリスタをサポートするのも目立つだろう。
ただでさえ猫可愛がりしすぎで誤解を受けがちなのに。

・・・いや、可愛いんだが。

寒いから一緒に寝るぞ、と初年度の冬にあいつのベッドに潜り込んだのは今思い返しても英断だった。
クリスタを後ろから抱きしめた時のあのフィット感。

あいつの体格だと、体を丸めた状態でちょうどすっぽりと弧が一致して。

あんなに小さくて細いのに柔らかくて。
それに、良い匂いが

・・・違う!
おっさんか私は。

違わないけど今考える事じゃない。

・・・今日は帰ったらクリスタの布団で寝よう。

ん?
小屋に明かりが・・・?

「はい、トマト」

『こんな時期なのにトマトが取れるなんて』

「ここ、地面の温度も高いみたいなんだ」

『・・・本当だ。なんだろう・・』

「うん。分からないんだけどね。温かいんだ。あと、あれ」

『あ。所々、屋根がガラスになってる。それに他の所は・・・布?』

「サシャがね、最初はただ穴を開けてたんだよ」

『・・・それじゃあんまり意味がないよね』

「うん。だから、私が手を入れたんだ」

・・・誰だ?
静かに壁際に移動し、聞き耳を立てる。
布張りの所から結構聞こえる。

サシャだけの温室だと思ってたんだが。

作りがやたら丁寧なのはこいつが手伝ってたからか?

『アニ、あの布はどうなってるの?』

アニ「ん。流石に全部ガラス張りには出来ないからね。目の荒い布にロウ引きしたのを張ってる」

『それならある程度光も通すし、雨も防げるね』

アニ「うん」

・・・アニがサシャ一緒にやってたのか。
こんな素直な話し方、するんだな・・。

サシャとは交流があまり無いように思えたけど、意外だ。
ていうか、一緒にいる奴は誰だ?

『ガラスは・・・どうしたの?』

アニ「布だけじゃ日差しが足りないって言ったら、サシャが何処かから持ってきた」

あの馬鹿・・・!
元々小屋にあったガラスを使ったって言ってたじゃないか。

ガラスなんて貴重品盗んだのがバレたら間違いなく減点、盗んだ場所によっちゃ・・。

『とんでもないね』

アニ「あ、私は手伝ってないからね」

『よかった。あ、壁も結構布になってるんだね』

アニ「あんまり柱や壁を抜いちゃうと強度が持たないから、部分的にだけどね」

『アニがこんな事出来るなんて・・・』

アニ「ん・・・山の中に住んでたからね。父さんと二人で、なんでもやったよ」

アニ「狩りもしたし、作物も育てて・・羊も飼ってた。チーズも作ってたよ」

『すごいな・・。そういえば、ミカサもそんな感じだったみたいだね』

アニ「ん・・・」

『・・・どうしたの?』

アニ「うん・・・ミカサは私の知らないアルミンを知ってるんだろうな、って、少し・・・ごめん」

アルミンとアニか!
ってこの感じ、二人はそういう関係なのか?

・・・どういう所で仲良くなってるのか知らないが、アルミンはともかく、アニは間違いなく上位だろう。

この話をネタに強請る・・か?
考えただけでも気分が悪いが・・・。

アルミン「これから、知っていけばいいよ。僕もアニの事を知りたい」

アニ「うん・・・ありがとう。・・・私はね。マリアの南東の山に住んでたんだ。父さんと二人」

アルミン「ん」

アニ「ずっと、さっき話したみたいな生活をしてて・・・他は・・父さんに格闘術を習った事くらいかな、思い出らしいのは」

アルミン「・・・」

アニ「・・・あの時は父さんと遠出して、シガンシナに居て」

アニ「逃げる途中ではぐれて、避難所に行った。一人でパンを貰ったのを覚えてる」

「父さんとはそのまま会えてないんだ。避難所で一緒に居た人達も居たけど、どっちも、今どうしてるかは判らない」

「・・・大きくなったら兵団に入って憲兵団行くって約束してたから、訓練兵団に入って。そのまま、ここに、いる」

アルミン「アニ」

アニ「避難所では、子供なのにね。憲兵の奴らに襲われそうになったり、したんだ。父さんが教えてくれた体術と、周りの人が守ってくれたから。大丈夫、だったけど・・」

アルミン「アニ」

アニ「格闘術ってね、人を殺す、為の、技術なんだよ。私には、それと、父さんとの約束しかない、んだ」

アルミン「もういい、ごめん。泣かないで」

アニ「・・・あれ?なんで、涙・・・」

アルミン「もういいんだ。辛い事思い出させてごめん」

アニ「・・・・ごめん、なさい」

アルミン「アニが謝る事ないよ」

アニ「ちがう、の。ごめんなさい。ごめん、アルミン」

アルミン「大丈夫、大丈夫だから。ね?」

アニ「う、あ。ごめん、ごめん」

アルミン「大丈夫だよ。話してくれて、ありがとう・・・・」

ゆっくりと壁から離れる。

・・・ダメだ。
こんな話聞いちまったら・・・一人で踏ん張ってきて、やっと拠り所を見つけた奴を、罠に嵌めるなんて出来ない。

何考えてんだ、クソ・・こんな甘い事じゃ・・。
いや、待てよ。

そもそも、誰かを蹴落とす必要があるのか?
まずそれを確認しないと、考えるだけ無駄じゃないか。

まずはそれからだ。
と、なると・・・。

一旦、戻ろう。

ここまで。

先の話をまとめてたらえらい時間経ってました。
ほんっと遅筆ですみませぬ。
読んで下さってる方、ありがとうございます。

マクロレンズは楽しいですよね。
ちっちゃな生き物を撮るもよし、人物撮っても良し。
普段と違う絵が撮れるのはウキウキです。

また折を見て投稿します。

あ、意外と残り僅かなんですね。

ここ終わらなくてもまたスレ立てるので、そんな節約しなくても大丈夫ですよ。

それほど人も居ない気がしますしw

ではでは、おやすみなさい。

最近読み始めた
今アニ編読んでるけど面白い
まったり追いついていきます

エロになってしまた

部屋に戻り、扉を静かに開ける。
灯りは落とされて、真っ暗になっていた。

そっと扉を閉めると、クリスタが小さく私を呼んだ。

((ユミル・・?おかえりなさい))

((・・・まだ起きてたのか。着替えたらそっち行っていいか?))

((うん))

するすると歩き、自分のベッドにてを伸ばす。
端に畳んでおいたシャツとズボン、下着を手に取った。

暗めな色合いの、柔らかな生地。
王都近辺で盗みを働いていた頃の服に近い。

手早く着替えて、クリスタのベッドに潜り込む。

ユミル((よいしょっと))

クリスタ((ん・・・落ち着いた?))

ユミル((そうな。まあ、とりあえずは))

クリスタ((よかった))

材料も無いのに考えても仕方ないってだけだけどな。
とりあえず、クリスタが眠るまではここにいよう。

ユミル((へへへ。お邪魔します))

クリスタ((なんでそんな怪しい感じなの))

ユミル((いや、その方が面白いだろ))

クリスタ((もう・・))

クリスタが、薄掛けの布団を上げてくれる。
私がたまに夜眠れないから、という名目で時折こうしているが。
実の所は、クリスタが夜中に魘されるからだ。

ユミル((うひひひ))

やばい。あったかい。
やわらかい。ちっこい。

クリスタ((・・・ユミル、ちょっと・・))

ユミル((ん、なんだ?))

クリスタ((なんか、その・・))

断じてやましい事はないぞ。
ないが、ないんだが・・・なんというか、こう・・・ムラムラしてきた。

ユミル((やべー。あったけー))

クリスタ((・・なんでいつも後ろから抱きかかえるの?))

ユミル((なんかこう、バッチリって感じになるから))

クリスタ((何それ・・もう、あっ))

ユミル((こうやって成長具合も確認できるしな))

クリスタ((んっ、やめ))

ユミル((静かに。二人に聞こえるぞ))

クリスタ((んんっ、んぅっ!))

サシャ(聞こえとるよ・・・!また・・・!もう、明日休みやけど、文句言う訳にいかないし・・!)

ミカサ(うらやましい・・・)

ユミル((そうそう、枕、噛んでな))

クリスタ((ん、ん!っ!))

ユミル((頑張ってるけど、育たないなぁ))

クリスタ((そんな、ことな、ぁっあ))

ユミル((こうかな?))

クリスタ((っ~~~!))

サシャ(あかん・・また寝れない・・なんでいつも週末はこう・・)

ミカサ(なぜエレンは女子寮にいないのだろうか・・・世界は残酷・・)

クリスタ((そんな、そこ、ばかり))

ユミル((じゃあ、こう、ふわっと))

クリスタ((っ!あっ!」

ユミル((ほら、枕。二人とも起きちゃうぞ、っと))

クリスタ((んんっ!んくっ!ふぅっ!))

ユミル((相変わらず、クリスタは敏感だなぁ))

クリスタ((んんっ!ユミルが、そう、し、ぁうっ!))

サシャ(起きとるよ・・もう・・・どうすればええの・・・)

ミカサ(・・・相変わらずユミルはテクニシャン・・見たい・・将来の参考にしたい・・)

ユミル((んふふ。頑張ったからなぁ))

クリスタ((ユミル、そこ、ばっかり、じゃ、ん、んっ!))

ユミル((どうして欲しいのかなぁ・・・?))

クリスタ((そこじゃ、んあっ!」

ユミル((また、声。我慢しな。ん、はむっ))

クリスタ((んっ!ふあっ、あ、あ、ちが))

ユミル((うなじじゃない?わからないなぁ))

クリスタ((はっ、んうっ!))

サシャ(聞いてて切ない・・ドキドキする・・もう・・・)

ミカサ(・・・私は寝ている・・・聞いてない・・寝息・・・エレンのうなじ・・・違う!)

ユミル((じゃあ、こっちかな・・ん))

クリスタ((んっ、みみ、ちがっ、あっ!ふあっ))

ユミル((じゃあ、どこ?))

手を止めて、耳元で、囁く。

クリスタ((っは、はぁっ・・・いじわる・・・))

ユミル((・・・))

サシャ(・・・終わった・・・?良かった・・寝れる・・)

ミカサ(・・・はあ、この後・・・)

私が黙っていると、クリスタが私の手を取った。

クリスタ((・・・・))

おずおずと、握りしめた手を、下へ。

ユミル((ん?ここか?))

クリスタ((・・・))

ユミル((答えないと分からないぞ?))

いじわるに聞く。
微かに震えながらも、クリスタはこくりと頷いた。

サシャ(まだ、話してる・・?なんにせよ、これで眠れる・・)

ミカサ(ユミルはいじわる・・・でも、あれもきっとテクニック・・・参考に・・なるだろうか・・)

ユミル((ん・・・いいコだ・・・!))

そこはもう、準備万端だった。
するりとスカートをまくりあげ、下着を下ろす。
足で掴んで、ベッドの端に放る。

手のひらで敏感な箇所を抑えながら、ぬる、と中に指を滑り込ませた。

クリスタ「ああっ!んあっ!あっ!んんっ!んうっ!んっ!))

危ない。
あわてて上に覆い被さり、キスで口を塞ぐ。

クリスタ((んんっ!んっ、んっ、あんっ!んっ!))

そのまま、手のひらで軽く押しつつ、弱点を目指し、奥へと進んでいく。
やべー。あったけー。

クリスタ((あっ!ふ、あ、あ、あく、んんうっ!))


サシャ(終わってなかったああ!寝れないーーーっ!うああああ!)

ミカサ(すごい・・・どこをどうしたらクリスタがあんなになるのだろう・・・)

にちにちと、くちゃくちゃと水音が鳴る。

・・・なんで、まだ生えないんだろうなぁ。

そんな事を考えながら、滑らかな境目の、その小さな突起を指の付け根で叩き、振動を与える。

クリスタ((んんんっ!んあっ!ふあっ!」

クリスタが仰け反ると同時に口が離れ、普段からは想像も出来ない艶っぽい声が漏れる。

その声に合わせて、つと、手を止める。

サシャ(・・・私もいつか、誰かとあんなんするんやろか・・って・・・なんでまたコニーが思い浮かぶん・・!?)

ミカサ(はあ・・・エレンに会いたい・・・)

クリスタが泣きそうな顔で私を見上げる。

『なんでやめるの』

目が言っている。

ユミル((・・・))

その口もとへ、枕の端をあてがう。
みるみる、顔が赤くなる。
睫毛の長いきらきらした目を、恥ずかしそうにふせた。

くくく。
夜目が利くって素晴らしい。

サシャ(なんで・・!・・・・ここ、触るんやろか・・・)

ミカサ(・・・・エレンと・・いつか、私も・・・?)

一瞬躊躇したが、クリスタは枕をくわえた。

それを合図に、再び手を動かしはじめる。

クリスタ((んんっ!んっ!んっ!ん、んんぅっ!))

敏感な突起を優しく擦り上げ、もう片方の手の指で、中へ。
かすかな膨らみを見つけ、そっと押す。

クリスタ((~~~っ!っく、う、うんっ!))

後ろから回した腕を中央によせ、二の腕で胸を撫でる。

クリスタ((!っ!く、ううんっ!ぁく、んっ!))

声を押し殺して、クリスタが喘ぐ。
頑張るなぁ・・なら、これで。

サシャ(・・・ぬるぬるして・・ここに・・・・あ・・・んっ!))

ミカサ(・・・サシャまで・・・落ち着かない・・・寝れない・・・)

徐々に大きくなる、中の膨らみを擦りながら、左手を胸へ。
そのまま指先を円を描くように回し、手のひらで掠めるように先端を撫で上げる。

クリスタ((んううっ!?んっ!ふ、う、あっ、く、ふ))

まだ頑張るか。かわいいなぁ・・。
背後から耳朶をはみ、舐める。

クリスタ「っあっ!はあっ!んっ!う、あ、ん、ん、ん))

サシャ((ふ、ぅぁっ。ぅ。は、ふあっ。く・・・布団、噛まないと・・・!声が・・・んぁっ!んっ!))

ミカサ(・・・今晩も大盛況・・・いや、大嬌声・・・)

中指だけでなく、人差し指もゆっくりと滑り込ませていく。
この娘には、これがギリギリいっぱいだ。

クリスタ((んん!?んーっ!んんーっ!))

クリスタが仰け反った。
手はシーツを握りしめ、震えている。

そのまま、容赦なく中をかき混ぜていく。
指を締め付ける力はもう痛いほどで、限界が近い事が分かる。

クリスタ((ーーーっ!っ!んんんっ!))

サシャ((ぐ、く、ぁ、んっ、んふっ、コニー、コニー・・・・!)

ミカサ(・・・!・・うまい事言った。ザブトン・・・一枚・・・)

そこから内腿にかけて、もう内外が分からない程に濡れている。
くちゃくちゃといやらしい音が響く。

クリスタ((っあっ!あ、あ、ああっ!んうっ!」

くちづけて舌を差し入れると、それに絡めてクリスタが応える。
だがその舌もぷるぷると震え、思うように動かないようだ。

クリスタ「んんっ!ちゅ、ん、はあっ!」

吸いながら、差し入れた舌で、口腔内を舐めまわす。
上の歯の裏がクリスタは弱い。

サシャ「んあっ、く。ん、んうっ、んんっ!」

ミカサ(・・・よく、お母さんが言ってたけど、ザブトンって何だろう・・・)

クリスタ「んうぅっ!?んうっ!んんんっ!」

がくがくとクリスタが震える。
締め付けからすると、軽く達したようだ。

クリスタ「んあっ!あっ!あうっ、ああっ!」

だが、まだこの程度では終わらない。
そのまま速度を上げていき、中の膨らみを刺激する。
あらゆる箇所を同時に責める。

クリスタ「っあ!まっ!て、ゆみぅ、あっ!出ちゃ、あっ!あっ!んんうっ!れちゃ、んんくっ!?」

言わせない。
息継ぎをさせつつ、口内も責め立てる。
正面から抱きしめながら、右手の動きは止めずに、左手を背中にまわし、お尻を掴んだ後、つつ、と背骨の付け根まで撫で上げる。

サシャ「あ、ぁ、ぁ、っ・・・!コニーに、こんな事されたら・・・!)

ミカサ(・・・・眠れない・・・困った・・・)

そこから、ゆっくりと背骨に沿って、首筋へ上がり、再び下へ。

クリスタ「んんんう!?」

ちゃぷちゃぷと、はしたない音が聞こえる。
背中を撫でる手を離し、ベッド脇のタオルを掴む。
そのまま、右手の速度を上げていき、より深く舌を差し入れると、クリスタの中が強く収縮した。

クリスタ「っ!んっ!!んんっ!んううっ!んっ!んーーーーっ!」

タオルをそこにあてがう。
じんわりと水分が染みてしくのが分かった。
差し入れた指と、手のひらに温かなものが勢い良く当たる。
ベッドにこぼれないよう、タオルに包み込むように吸わせていく。

がくがくと、ひときわ大きくクリスタが震えた。
差し込んだ指に、中の蠕動が感じられる。
白い腹が、小刻みに波うつように揺れていた。

・・・絶景かな。
でかした、私。

サシャ「っ!く、ーーーーっ!))

ミカサ(クリスタ、ゴール。サシャも、ゴール。引き分け。試合終了・・・眠れない・・・)

時折、びくん、と震えるクリスタに、そっとくちづける。

クリスタ((ん・・・ゆみ、る・・・))

敏感になっているようで、唇が触れただけで、ぴくりと震える。

タオルをベッド下のバケツに入れて、頭をそっと撫でる。

クリスタ((あ・・・ユミル・・・っあ!」

安心するのはまだ早い。
ゆっくりと手を動かしはじめる。

クリスタ「ああっ!むり、もう、だめ、 あっ!ゆみ、や、や、んっ!んんんっ!んうっ!」

再び枕をくわえさせ、より感じやすくなっているそこかしこに、刺激を与えていく。

枕を噛み締めながら、クリスタがぶんぶんと首を必死に振る。

もちろん却下だ。
こんなかわいいもん、どうにかせずに居られますか。

クリスタ「んんうっ!んんっ!ら、め、ゆみる、あっ!あああああっ!」

サシャ(・・・ウチはもう・・・限界・・・眠る・・・すう・・・)

ミカサ(まさかの第二試合・・・審判、ミカサアッカーマン・・・体力の限界・・・眠れない・・・)

-----隣室-----

アニ(・・・いつもより激しい・・・寝れない・・・面と向かって注意するわけにもいかないし・・・辛い・・)

(ミーナは・・・何か書いてる音がする・・・やっぱり寝れないよね)

(えらいな・・・寝れないから座学の復習でもしてるのかな・・・)

(アルミンと触れ合いたい・・・)


クリスタ『ああっ!んんあっ!』


ミーナ(・・・素晴らしい・・・!今晩はネタ帳が捗る・・・!ユミル、ありがとう・・・!ありがとう・・・!)

--
ここまで。
シリアス路線で行こうと思ってたのに、エロの神様が降りてきてしまいました。。。


また忘れた頃に投下します。

>>892
ありがとうございます
超鈍足進行なのでゆっくりお進みください

oh…この二人は友情であってほしかった……

淡々と審判を務めるミカサが面白いwww
ユミルはこんなことしてたらクリスタの進路に響きそうやね
乙です

・・・しまった・・ある程度直近の方針を決めた事で、気が緩みすぎてた。
・・・普段だったら、一回目で、もうおしまいにするんだが。
ここんところ思い悩んでて、触れあえてなかった事もあるな・・・一気にやりすぎてしまった。

そっと身を起こし、すうすうと寝息を立てるクリスタを見つめる。

何でこうなったんだろうなぁ・・。
初めは物の本で、人肌にはストレスの緩和や、安心感を与える作用がある、何てのを読んで、うなされていたクリスタを抱きしめてただけだったんだが・・・。

ある日、ふと唇を重ねてしまったのがきっかけだ。
自分のした事に気づき身を離したが、泣きそうになったのを今でも覚えている。
数ヶ月かけて、ようやく築きあげた信頼関係を壊してしまったように思えて。
何もかも失うんじゃないかと不安になって・・・。

クリスタは驚いて、下を向きながら考え込んでいた。
やり直した人生が、台無しになったように思えた。
体の芯にあらわれた、冷たい喪失感へ沈み込む、その直前。
この娘は顔をあげて『大丈夫だよ』と言ってくれた。
たどたどしい口付けをしながら、私を抱きしめて・・・。


受け入れて貰えなかったら、私はどうなっていただろう。

初めて成就した思い。
それを叶えてくれた、小さなお姫様。

こいつの為なら何でもしようと、あの時に誓った。
・・・なのに、人をなるべく傷つけなくて済む方法を探している。

甘っちょろいとも思うが、誰かを陥れれば、こいつが悲しむ。

常に周りを見て、何かあれば助けようとクリスタは考えている。
周りの人間の些細な仕草の変化や、ちょっとした表情にも、すぐに気づく。
何かがあれば、隠しようも無いだろう。

窓の外に目をやると、細い糸のような月の弧に、雲がかかっていくのが見えた。

静かにクリスタに布団をかけ、自分のベッド、足元側の袋から、靴を取り出す。

全てが柔軟な皮革で作られた、特注品だ。
金持ちの家に忍び込む時は、こいつがかかせなかった。
もう、かなり履いてないが、手入れは欠かしてない。

頑丈なものではないし、値もそれなりに張るので普段履きにはしないが、柔らかな靴底が足音を消してくれる、コソ泥垂涎の逸品だ。
足のサイズはそんなに変わってないはず・・・ちょっとだけ、きついか。

手袋も引っ張り出して、指を通す。
暗がりで手が目立たないようにするのが目的だが、グリップを失わないよう、薄めの皮。

本当だったら顔に墨を塗るところなんだが・・・寮内だと、後で顔を洗いに行く事自体がリスクだな。

・・・顔に布を巻くか。
臙脂色のハンカチを取り出し、ポケットにねじ込む。

ベッドの縁に座り、耳を澄ませる。
クリスタ、サシャ、そしてミカサの寝息。
窓の外から、木々の葉ずれ。
風で微かに震える窓枠。

隣室の気配。
溜息と、微かに何かを書く音。
この位置は・・下の段、ミーナか。

よし、体調は万全だ。耳も頭も冴えてる。
ちょっとやらかしたが、お陰で気力も横溢した。

にしても、こんな時間まで座学か?
・・・ミーナはそんなに勉強熱心だったっけか。

その音で寝れないアニが溜息ついてるってところか・・まあいい、出よう。

--隣室--

ミーナ((ふふ・・・!))

アニ(はあ・・・カリカリカリカリ何を書いてるんだか・・)


ミーナ((・・・・スバラッスィ・・!))

アニ(なんかブツブツ言ってるし。もう・・)

((ミーナ、静かにして。寝れな・・・))

ミーナ「あ」

『ユミルとクリスタが組んずほぐれつな絵』


アニ「・・・え・・!」

(な、ななにを、て、上手い・・!じゃなくて)


ミーナ((おおお起きてたの!?))

(み、みられた!?)


アニ((え?あ!え・・・え?))

(え、なに?あれ・・あの絵柄見覚えが、え、え)


ミーナ((ちち、ちがうの!その、これは、これは・・拾ったの!))

ユミル「・・・」

話し声・・寝れなくてアニが怒っているのか?
まあいい、出てくる様子も無いし。
廊下の窓から出よう。

ミカサ(すごい・・あそこまで静かに動けるなんて・・)

(小走りに近い早さなのに、ほとんど音がしない)

(私もやってみたけど、ああは行かなかった)

(なぜ普段は・・・)

(・・・・)

(?・・・隣でアニとミーナが揉めてる・・?)

(・・・・何だろう・・しばらく続くようなら様子を見に行こう)

さて、と・・・。
教官棟に浸入か。

私が担当した時の通りなら、警備訓練の名目で十人は訓練生がいるだろう。
各年度生から無作為に選ばれたメンツだ。
三人は位置固定、二人が絶えず歩き回り、互いの状況を伝達しあう。

残りは仮眠をとりつつ、交代を待つ。
その上、教官の誰かが宿直でいる。

・・・顔を見られる訳には絶対いかないし、気絶させるのもダメだ。
状況伝達が少しでも途切れたら、その場で笛を吹かれて他の訓練生と教官も即座に出てくる。

ミーナ(ノート、取り上げられちゃった・・俯いてプルプルしてる・・・)

アニ(・・・この絵・・・似てるとかじゃない・・そんな・・)

ミーナ((あ、アニ、その、なんで本棚に・・あ、そこのは!」

アニ((・・・これ、ミーナが・・描いたの?))

ミーナ「なっ、そっち側は読まないってやくそっ。もがっ))

アニ((声が大きい!ごめん・・・あの・・うぅ・・・))

ミーナ((ん・・))

(なんか・・顔、赤い?)

目立たぬよう、森から迂回して教官棟を目指す。
ひらけた場所に建物があるってのは厄介だ。
・・貴族の家に忍び込む方がよっぽど気楽だったなぁ。

植木も外壁も無い、単なる平地。
後ろは崖で、それ以外は遮蔽物がまったくないってのはどうにならない。

明るい月夜なら、棟の裏手の崖側で斜面の段差の影から影へ行くしかなかった。
明暗の差が激しい所を動くものは目に付きやすいし、崖と棟の間だと、左右から挟まれたら終わりだ。

今日が新月で良かった。
それなりに雲も出てて、光を遮ってくれる。

ミカサ(・・ミーナ?口を塞がれた?)

(夜中にそんな声をあげそうになるくらいなの?)

(アニとミーナが・・?・・・!・・!?)

(・・・違う。アニにはアルミンがいる。何を想像してるの)

(さっきの声が耳に残って・・・)

(きっと喧嘩してる・・・アニとミーナは仲良し・・良くない。気になる)

森を歩きながら、考える。

よく、満月は人を興奮させるなんて言うけれど、私の場合は新月だ。

コソ泥する分にはある意味良いんだけどな。
闇夜になる確率が高い夜に、体調が良くなるってのは便利がいい。

ミカサ((何をしているの))

ミーナ・アニ((!?))

ミーナ((いつのまに・・・!))

ミカサ((静かに出入りしてみた。ニンジャー))

アニ((!・・・訳の分からない事を・・ノックくらいしなよ))

ミカサ((ごめんなさい。静かに歩いてみたかっ・・・))


『ユミルとクリスタが組んずほぐれつな絵』


ミーナ・アニ((あ))

昔は違った。
満月を見上げると美しさに胸が高鳴ったし、その光から何かを得られるような気がしていた。

今は・・ああ、月か、と思うだけだ。
あの期間か、ここに来るまでの生活のせいかは分からないが。

私の中の何かが、変わったのだろう。

ミーナ((えっと・・これは・・・)

ミカサ((かっ・・かっ・・))

ミーナ・アニ(か?)

ミカサ((か、かんしん、できない))

アニ((・・・ミカサ。鼻血・・))

--
今回、ここまで。

>>934
神様が『ヤってしまえ』と仰せでしたので。
んでもその辺の着地点は考えてます。

>>935
コレで本人バレてないと思ってるんだから驚きです。
普段は慎重なのに、最中は猿なので気づけません。

乙!

ミーナ、アニ、ミカサ
今回のギャグ要員のなんと豪華なことか!
ユミルサイドのシリアス面もすごく楽しみ
乙です

ようやく、教官棟が見えて来た。
・・・まずい。

裏手の角に一人ずつ。
正面玄関側に一人・・・いや、もう一人いる。

・・・くそっ。
前に私が警備をやった時より厳重じゃないか。

やはり、修了間際になると良からぬ事を考える奴が出るのか?

成績なんざ改竄したところで、記載している教官自身が最後に成績を発表するんだから、意味が無いのに・・。
いつの先輩方か知らないが、バカが余計な事するからこんな事になる。

ミカサ「アニ、これは、なに」

アニ「ああもう、ハンカチ。ぽたぽた落ちてるから。鼻、抑えて。ここ座って」

ミカサ「ほれは、はに」

ミーナ「いや、これは・・その・・」

アニ「口の中にたまっても、飲まないで、このバケツに出して」

ミカサ「ぅん。・・みーぁ?」

アニ「話さないで、抑えて」

ミカサ「うう」

・・・まず、全体を把握しよう。

裏手の二人は・・・動かず、角で左右を見ている。
正面側の二人・・・玄関からやや離れた位置で、斜めを向いて・・・宿舎外周を回ってるのが一人・・二人。

なんてこった、外周だけで六人もいやがる。
私が担当した時は四人だったのに。
しかも、二階の窓にも人影がある。

巡回ではなく、明らかに外を見張っている。

ミーナ「・・・拾ったの」

アニ「違うでしょ・・・ミーナ・・」

ミカサ「かんひん、れきはい」

アニ「だからもう・・・止まるまで黙ってないと」

ミカサ「う」

外に居るだけでプラス二人、ここから見えるだけでも二階に一人。

・・・少なく見積もって、十四人以上は詰めている計算か。

外に六人、中は・・・。
ん、二階の奴が誰かと話している。
交代は・・・しないか、巡回だな、あれは。
二階だけであれだけ厚めに人を置いてるってことは、一階と合わせて四人と見るべきか。

ここまでで十人。
二交代制で多めに考えると二十人・・・。

・・・

ミカサ「止まった・・・アニ。ハンカチをダメにしてしまった・・」

アニ「ん。いいよ、気にしないで」

ミカサ「・・ありがとう。・・で、ミーナ」

ミーナ「はい」

ミカサ「これは、ミーナが描いたの?」

ミーナ「ひ、ひろっ」

ミカサ「ミーナが、描いたのね?」

ミーナ「・・・・・うん・・」

アニ「・・・」

・・・闇夜とは言え、普通に忍び込める状況じゃないな。

まて・・・考えろ。
警備訓練をやった時、確か・・・そうだ、自由時間前に警備に付くよう指示があった。
訓練を途中で抜けて、夕食を皆より早めにとったんだ。

なら、技巧の訓練終了時に居なかった奴が警備してるはず。

アニ「ねえ・・・これも・・ミーナが?」


『アルミン風美少年 x アニ風美少年本』


ミーナ「そ、そこのは読まないって!」

アニ「ごめん。でも、コレって・・・」

ミカサ「・・見せて」

アニ・ミーナ「「あっ」」

思い出せ。
居なかったのは・・・。

ジャンと、トム・・・ルース。
ハンナ、ダズ、ええと、あと・・・。

五人までしか思い出せねえ・・・各年度から同人数なら、六、七人はいるはずなのに・・・ん?

ちょっとまて、ダズだと?

ミカサ「・・・・・」

アニ・ミーナ(固まった・・・?)


ミカサ「ふばっ」

アニ・ミーナ(また鼻血が!?)


ミカサ「かっ、かんしん、し」

ミーナ「うわあ」

アニ「ミーナ!うわあじゃないでしょ!みみ、ミカサ!タオルあてて!動かないで!」

ミカサ「かっ、かんひっ」

ダズ。

大した能力も無いくせに良いとこ見せたがり、事態を悪化させる。連携も取れない。
根性も無く、注意力散漫。

クリスタの荷物を引き受け、防寒着の胸を開けて颯爽と先陣を切っていたあのバカが低体温症になったおかげで、クリスタは遭難しかかり、私もリスクを侵さざるを得なくなった。

殺しても飽き足らないと思っていたんだが・・・。

・・・

クリスタ((ん・・・あれ・・・ユミル・・?))

サシャ「すう・・・」

クリスタ(・・・トイレかな?・・・もう・・あんなにするなんて・・)

(まったく、ユミルは。みんなに気づかれたらどうするの)

(でも、嬉しい・・すごく求めてくれて・・・)

(・・・・あれ?ミカサもいない。どうしたんだろ)


『・・・!・・!』


クリスタ(・・・?隣?・・なにか様子が・・・)

あいつの存在が光に見えるなんざ、思いもしなかった。

お願いだ。外周に居てくれ。

今、必要なのはお前のボンクラさ加減だ。

目を凝らし、祈るように建物の外の訓練兵を見る。

ミカサ「こういうの、は、だめ」

アニ「喋らない。もう、血だらけじゃない・・・人に見られたら何て」


コンコン


ミカサ・アニ・ミーナ「!?」

クリスタ『遅くにごめん・・大丈夫かな、と思って』

アニ((ミーナ、早く、早くしまって))

ミーナ((わかった。ミカサ、渡して、お願いだから・・・!))

ミカサ((う))

玄関側は・・・髪型、背格好、立ち方からすると・・・ジャンか?

ああ、もう。
お前みたいな出来る馬面はお呼びじゃないんだよ。

隣は・・・体格も小さめだ。
ありゃ、後輩だな。
身振りからすると、自慢話でもされてるんだろう。あっちは間違いなくジャンだ。
後輩がどんな奴か知らんが、ジャンが付いている以上、それなりに動くだろう。

あの馬面はああ見えて人の動かし方が的確だからな。

くそったれ。
正面ルートは完全に潰れたじゃないか。
飼葉でも食ってろってんだ、馬面め。

アニ((はやく!はやく!))

ミカサ((うう))

ミーナ((あ、えっ、ああっ!?」

アニ「雪崩れてる、戻して!ミーナ!」

ミカサ((う、よく、はい))

アニ「喋らないで・・!))

ミーナ「ま、待って」

外周を回ってるのは・・・あれも後輩か。
ダメだな、丁寧な動きしてやがる。
良い指導してんじゃねえよ、馬面。

裏側、手前の角は・・あれも後輩か。
あのやけに固い感じの立ち方は、1年目だな。

あそこを崩しても良いが・・・ああいうのは自信が無い分、異変があったらすぐ笛を鳴らしそうだ。

クリスタ(・・・!なにか落ちる音・・・!喧嘩してるんじゃ・・・!)

「ごめん!入るよ!」



ミカサ「うぅ、う」

アニ「あっ」

ミーナ「まって!まっ・・・」

残りは奥の角だけか・・・姿勢を低くして、森を走り、反対側へ回る。

ブサイクなくせにカッコつけで、手柄を立てたがる。兵士の才能が無いという事はお前の才能なんだ。

居てくれ、お願いだ。

クリスタ「ミカサ!どうしたの!?・・二人とも、いったい何をし・・・」


『アルミン風美少年とアニ風美少年の絡み』

『女の子同士がいちゃらけてるイラスト』

『ライナー風男子がサムエル風男子を貫く(略』

『一般的なエロ漫画』

『立体機動装置整備教本』

『生殖器図解詳細』

『ミーナ風女子と黒髪の少年の絡み描きかけ』

『他大量のソレ系本、イラスト集』

息を整えつつ、姿を確認する。

・・・あの似合いもしないカッコつけな立ち姿は間違いない。

ダズだ。

ああ。
雪山であの時、クリスタが引っぱるダズを。
何度斜面に投げ捨てようと思った事か。

ダズを斜面に投げ、その上の崖に向かい、銃を一発。
雪崩が起きてダズは埋まり、証拠は隠滅。
私たち二人は晴れて生還。

そんな素敵な光景を、何度、思い描いた事か。

クリスタ「・・・」

ミーナ「違うの!これは・・・拾ったの、です」

アニ「ミーナ・・」

(意外と落ち着いてる・・・?そうか、そうだよね。あんなにしてれば、これ位はそんな・・・)


クリスタ・ミカサ「「ふぶあっ」」

アニ・ミーナ「!?」

背負った荷物ごと、お前が雪の中にぶっ倒れた時。

お前は指示書に書いてあったのに、油紙を食料に巻いてなかったよな。
おかげで、お前が持ってた全員分の戦闘糧食が、軒並み水分吸って凍りついていた。

雪洞掘って避難した後、お前を引きずって疲れたクリスタに食料を・・と思い、お前のザックを開けた時のあの絶望感。
ただでさえ固い戦闘糧食が、レンガみたいにカチカチになってやがった。

ミーナ「クリスタ!た、タオル!」

(なんで!?あんなに組んず解れつしてるっぽいのに何でコレで鼻血出すの!?)


クリスタ「あ、あ、こ、んな」

アニ「喋らないで鼻、抑えて。ミカサも。どんだけ血があるのアンタ」

ミカサ「う、ううっ、う」

こいつはダズじゃない、クズだ。
そう確信し、握りしめた戦闘糧食で殴り殺してやろうと思った。
零下25度の世界では、戦闘糧食で人が殺せます。

・・・あの時、撲殺しなくてよかった。
生きててくれてありがとう。

ああ、あの老け顔が愛おしく見える日が来る なん・・・いや、そんな日は来てないし、金輪際、来ねえな。

幾ら何でも無理がある。
どんだけ輝こうがダズはダズだ。

まあでも、感謝しよう。おかげで中に入れそうだ。

今回、ここまで。

>>956,957
ありがとうごさいます!

>>958
この辺、絡ませたかったので登場して貰いました。
もうちょい彼等の日常も深掘りしたいですね。

亀進行なのでどのタイミングでスレ立てるか悩み中。

またそのうち投下します。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年11月05日 (水) 06:28:11   ID: WCndWZJn

期待

2 :  SS好きの774さん   2014年11月25日 (火) 14:10:48   ID: _VBIW7R7

アニかわいいww
期待!

3 :  SS好きの774さん   2014年12月12日 (金) 07:58:29   ID: 1fFejUmr

アルアニ大好きやから期待しとるけど更新おっせぇww

4 :  SS好きの774さん   2015年05月20日 (水) 01:37:25   ID: zD_Jv8c7

全体的に皆可愛いな〜
期待‼︎

5 :  SS好きの774さん   2017年02月11日 (土) 03:30:44   ID: BoBdSOIu

アルアニ好きな奴ってアルアニのどこが好きなの?まともな会話すら無いのにさ。アルアニのpixivイラストが地味に多いから気になった。
ssは圧倒的にエレアニが、
イラストでは圧倒的にアルアニが多いよね。

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