周子「でも私は乃々ちゃんのそういうところ嫌いじゃないよ！」


乃々「……あぅ」


ｶﾞﾁｬｯ


幸子「おはようございます！そう！ボクです！」ﾌﾌｰﾝ


周子「おはー、さっちゃんだったかー」


乃々「おはようございます……幸子さんでしたか…」


幸子「何ですかその反応は」

幸子「二人とも何してたんですか？」


周子「んー…」ﾂﾝﾂﾝ


乃々「あぅ」


幸子「また乃々さんいじめですか…？」


周子「えっなんそれ」

幸子「最近周子さんが乃々さんをいじめているという噂が…」


周子「やりすぎたか…」


乃々「うぅ…幸子さん、たすけてください……」


幸子「やっぱり…」


周子「ちょ、そんな目で見んといてー…今回は違うって！」


幸子「『今回は』…やはり自覚が」


周子「うっ」

周子「こ、今回は本当に違うの！」


幸子「ふーん？」


周子「乃々ちゃんは話すとき目をそらすよねーっていう」


幸子「……なかなかえぐいところをつきますね…よしよし」


乃々「うぅ…」


周子「反省しております」ｾｲｻﾞｰ

乃々「えぇっ…！」


幸子「確かに改善を目指す事は悪くありませんが、断る事も大切ですよ？」


周子「無理せんといて？」


乃々「……わ、分かりました…す、少しだけなら…」


幸子「そうですか…なら、頑張ってください！」


周子「よーし、じゃあ逃げられないように肩掴むよー」ｶﾞｼｯ


乃々「わっ」ｸﾞｲｯ


幸子「乃々さん、ファイトです」

周子「それじゃあ自己紹介からどうぞー」


乃々「は、はい…」ﾁﾗｯ


周子「…」


乃々「も、森久保乃々…十四歳……で、です…」ﾁﾗｯﾁﾗｯ


周子「…アイドルになった動機は何ですかー？」


幸子「（面接か何かですかね）」

乃々「（あぅあぅ…周子さんと目があってる…）」ﾁﾗｯﾁﾗｯ


周子「…」


乃々「わ、私は…お、親のススメでアイドルになっただけっていうか…その…」ﾁﾗｯﾁﾗｯ


周子「…」


乃々「あ…あの…私はその…ホントはアイドル辞めたいっていうか…」ﾁﾗｯﾁﾗｯ


周子「…」ﾌﾟﾙﾌﾟﾙ


幸子「（周子さんの様子が…？）」

乃々「で、でも…最近は……その…ア、アイドルも楽しいかなー…な、なんて」ﾁﾗｯﾁﾗｯ


周子「……っ…」ﾌﾟﾙﾌﾟﾙ


乃々「な、なんて…！そ、そんなこと…な、ないで―――」




周子「のっ、乃々ちゃああああ」ｶﾞﾊﾞｯ




乃々「え？…やぁー！？」


幸子「周子さん！？」


周子「はぁ…はぁ……！」


幸子「アイアンクロー！」ｶﾞｼｯ


周子「ぐわあああああああ！！」

乃々「…」ﾄﾞｷﾄﾞｷ


幸子「お…落ち着きましたか…？」ﾊｧﾊｧ


周子「おぉ…おぉぉぉ……」


幸子「一体どうしたんですか……いきなりあんな…」


周子「い、いや…なんていうか…その……」


幸子「はい」


周子「乃々ちゃん、いつもは全然こっち見てくれないけど…」


周子「必死に頑張ろうとして…チラチラこっち見ようとしてくる姿っていうか…」


周子「なんかもう……チラチラ見てくる乃々ちゃんを見てたらね…」


周子「うん…その……」




周子「たまんない」




幸子「…」ｶﾞｼｯ


周子「ぐわあああああああ！！」

幸子「……変態」


乃々「…」ｳﾙｳﾙ


周子「ごめんなさい」ｹﾞｻﾞｰ


幸子「…」


乃々「…」ｷﾞｭｯ


幸子「…」ﾖｼﾖｼ


周子「ほ、本当に凄いんだって」


幸子「…そこまで凄いんですか？」


周子「うん！うん！幸子ちゃんも一回やってみればいいよ」

幸子「どうしてそんな事を？」


周子「それをどうにか改善してあげたいなーって」


幸子「ほう」


周子「ということで乃々ちゃん」


乃々「はい…？」


周子「一回あたしと目合わせて話してみー？」ﾆｺﾆｺ

幸子「でも乃々さんは―――」ﾁﾗｯ




乃々「……？」ｳﾙｳﾙ




周子「（察し）」


幸子「はぅあっ！！」ｽﾞｷｭﾝ


乃々「！？」


周子「涙目上目遣い何て卑怯やん？」

幸子「……ぐっ…ボ、ボクはまだやられませんよ…！」


周子「足腰ぷるぷるやん」


幸子「そっそんなこと」ﾌﾟﾙﾌﾟﾙ


周子「…」ﾂﾝｯ


幸子「あっはぁっ！！」ｶﾞｸｶﾞｸ

周子「はい、じゃあ仕切り直して練習を再開しまーす」


乃々「は、はい…」


周子「今回は輿水さんもこちら側になります」


幸子「よろしくお願いします」ﾍﾟｺﾘ


周子「よろしくお願いします」ﾍﾟｺﾘ

周子「どんな趣味をお持ちで？」


乃々「しゅ、趣味は…その……ポ、ポエム作りとか…少女マンガ集めとか……」ﾁﾗｯﾁﾗｯ


周子「…」


幸子「…ポ、ポエムとは…どっどのような……」


乃々「そ、それだけはご勘弁を…」ﾁﾗｯﾁﾗｯ


幸子「そ、そうですか…分かりました」

周子「…さ、最近の少女漫画の流行りは？」


乃々「さ、最近は…そうですね……『芋けんぴ付いてるZO☆2014』とか…『その綺麗な顔を吹き飛ばし隊part8』とか…」ﾁﾗｯﾁﾗｯ


幸子「…」ﾌﾟﾙﾌﾟﾙ


周子「…」ﾌﾟﾙﾌﾟﾙ


乃々「あ、あとはええと…あ、あの―――」




幸子「の、乃々さーんっ！」ｶﾞﾊﾞｯ


周子「の、ののっ…！乃々ちゃっ……！！乃々ちゃああああ」ｶﾞﾊﾞｯ




乃々「いやああああ！？」

乃々「いやー！いやぁーっ！？だっ誰かっ…！」ｼﾞﾀﾊﾞﾀ




ｶﾞﾁｬｯ


奏「おはようございま――」ﾋﾟﾀｯ




乃々「……！！…かっ、奏さっ、助け」


奏「……邪魔したわね」ﾆｯｺﾘ




ﾊﾞﾀﾝ




ﾍﾙﾌﾟﾐｨｰ…！





おしり