俺「危険物取扱者乙4類?」(142)

俺「友、それって具体的に何を取り扱えんの?」

友「ガソリンスタンドで扱う灯油とガソリン、重油などがある」

俺「ほう、そりゃいいな」

 「ちょうど、ガソスタでバイトしたいと思ってたし···」

 「決めた、それ受けることにするぜ!」

俺「ちなみに合格率はどれくらいなんだ?」

友「3割切るよ」

俺「」

 「や、やっぱやめようかな·····」

友「大丈夫、基本暗記だけだし覚えりゃいい」

 「なんなら勉強法教えるけど」

俺「そこまで言われちゃ、受けるしかない!」

 「というわけで、よろしく頼むぜ」

友「ああ、よろこんで!」

友「じゃあ、まずは各類の基本性状を覚えるぞ!」

俺「おう!」

 「ヘェ~危険物って1~6類に分類されてるのか」

友「そう、危険物は以下のとおりに分類されている」


 第1類·····酸化性固体

 第2類·····可燃性固体

 第3類·····自然発火性物質及び禁水性物質

 第4類·····引火性液体

 第5類·····自己反応性物質

 第6類·····酸化性液体

友「ちなみに、気体(プロパンガスや水素等)の危険物はない」

俺「え、プロパンって危険物じゃねえのかよ!」

友「問題によくでるから覚えとけよ」

俺「了解!」

俺「だいたいは分かったけど·····」

 「いまいち、分類が覚えられねぇな···」

 「友はどうやって覚えたんだ?」

友「私の場合はこうしたよ」

<覚え方>

第1類····酸化性固体→1酸固(イサコ)

第2類····可燃性固体→2可固(ニカコ)

第3類····自然発火性物質及び禁水性物質→3自火禁水(ミジヒキス)

第4類····引火性液体→4引液(シインエキ)

第5類····自己反応性物質→5自反(ゴジハン)

第6類····酸化性液体→6酸液(ムザンエキ)

俺「なんか····すげぇコンパクトだな」

友「あくまでも、参考程度だが···」

俺「マァ、一応参考になったぜ」

 「ありがとな!」

友「どういたしまして」

 キンコーンカーンコーン

俺「おっと、もう下校時間か」

友「続きは明日にするか」

俺「ああ、じゃあな友!」

俺「ただいま!」ガチャ

俺母「あら、お帰り」

  「今日はやけに遅かったわね」

  「いつもなら、4時に帰ってくるのに」

俺「ちょっと勉強してたんだ」

俺母「勉強?」

俺「実は危険物取扱者乙4類を受けようと思って!」

俺母「ああ、乙4ね」

俺「え、母さん知ってんの!?」

俺母「だって、危険物は甲と全乙種免許もってるもの~」

俺「ハィ~!?マジかよ!?」

俺母「これが証拠よ」サッ

俺「」メンキョ ハロー!

 「······パネェな·····すげぇよ!母さん!」

 「お願いします、弟子にしてください!」

俺母「別に弟子にならなくてもいいわよ」

「いくらでも教えるわ」

  「だから、顔上げて」

俺「ありがとう」

俺母「さっ、この話は一旦終わり!ご飯にしましょ」

俺「了解!」

~風呂~

俺「フゥ~今日は色々あって疲れたな」

 「あ!そういえば、友の奴」

 「分類の覚え方を歌にしてたな····」

~回想~

友「で、このコンパクトな語句を歌にすると」

 「こうなった!」

以下、歌

 イサコ(1酸固)さんの観てる~ドラマはニカコ(2可固)く語~

 ドラマのキーワードはミジヒキス(3自火禁水)~サブタイはシインエキ(4引液)~

 被害者は~ゴジハン(5自反)にムザンエキ(6酸液)で殺された~

~風呂~

俺「歌にすると不思議と覚えやすいんだよな」

 「試験まで後、1ヶ月か」

 「まっ、大丈夫だろ」

~次の日~

俺「おはよう!友」

友「やあ、おはよう」

俺「いや~お前のおかげで分類マスターできた」

 「これでもう合格間違いなしだぜ!」

友「油断するなよ」

俺「?どういう意味だよ」

友「それは····」

???「それは、性質意外からも問題が出るからよ!」

俺「その声は幼馴染み!」

幼馴染み「···私も協力するわ!」

俺「どういう風の吹きまわしだよ」

幼馴染み「昨日、おばさんから電話があって···」

俺「なるほど···ってということは!」

幼馴染み「お察しのとおり、乙4もってるわよ」

俺「マジか····ハッ!もしかして」

 「このクラスで、乙4もってないの俺だけか?」

クラスメイト一同「········」コクリ

俺「ウソだろ、こんなことがあるのか····」

俺「よりにもよって····俺が一番最後になるなんて····」

友「大丈夫かい、俺」

幼馴染み「気にすることないわよ、元気出して!」

モブ男「僕も最初はそうだったし···たまたまそうなっただけだよ」

モブ女「そ、そうよだから機嫌なおしなさい!」

俺「みんな···」グスッ

 「ありがとう、俺頑張る!」

担任「(何か今、教室に入りづれぇ····それにしても····)」

  「(何故か感動したよ···ファイトだぞ、俺!)」グッ

~朝礼~

担任「危険物の校内締め切りは来週の月曜日だ」

  「忘れるなよ、連絡は以上だ」

キリツ、レイ

俺「肝心の願書はまだ出してなかったな」

 「願書ってどこに置いてあるんだ?」

幼馴染み「それなら、職員室の前にあるわよ」

俺「サンキュ!幼馴染み!」

幼馴染み「どうってことないわよ···」テレ

友「ヒュー、朝からお熱いこって」ニヤニヤ

俺「茶化すな!」

友「ワリィワリィwww」

 「ところでまだ願書出してなかったのか」

俺「それがどうした」

友「いやぁ、なら早めに郵便局いったほうが」

「いいんじゃないかな」

俺「何故に、郵便局に行けと?」 

友「試験手数料払わねぇといけねぇだろうが」

俺「あ、そういうことか」 

俺「じゃあ明日いこうかな」

幼馴染み「それなら私も一緒にいっていい?」

俺「別にいいけど···」

 「何か用でもあるのか?」

幼馴染み「私も、乙5と乙6受けようと思って!」

俺「なるほど分かった」

 「じゃあ明日行くってことで」

~放課後~

俺「じゃ、始めるか」

 「今日もよろしく、友」

 「幼馴染みも!」

幼馴染み「こちらこそ」

ここからは皆様の希望が多かったものを学習内容にします by作者

 1.危険物の指定数量と他、計算問題

 2.燃焼と消化に関する基礎知識

3.保有空地と保安距離のあるなしの覚え方

友「そんじゃ、今日は燃焼と消化だ!」

俺「おう!」

友「燃焼には3つの要素が必ず必要になる」

 「では、新聞を燃焼させるには何がいる?」

俺「そりゃ、新聞とライターだけでいいんじゃねーのか?」

友「不正解だな、3つだと言っただろ」

俺「3つめ···うーん分からん···」

俺「教えてくれ、友」

友「正解は新聞とライターそれに空気だ」

 「基本中の基本だ、覚えとけ!」

俺「確かに、酸素がねぇと物質は燃えねぇもんな···」メモメモ

友「そして可燃物、酸素供給源、点火源を燃焼の三要素という」

俺「フムフム···」メモメモ

俺「よし、次を頼む」

友「お次は、燃焼の態様だ!」

俺「態様?燃焼にも形式があるのか」

友「ああ、そうだ」

 「主に試験に出るのは以下のとおりだ」

以下、主に試験に出る燃焼の形式

・蒸発燃焼→液体(ガソリン、灯油、軽油、重油、アルコール類等)
      固体(いおう、ナフタリン等)

・分解燃焼→固体(木材、石炭、プラスチック等)

・表面燃焼→固体(木炭、コークス等)

友「引っかけで、木材と木炭を間違えないようにな!」

俺「了解!」メモメモ

友「おっと、もうこんな時間か···」

 「悪いがお先に失礼する」

俺「あ~そっか、塾あるもんな····」

友「そういうことだ、幼馴染み後は任せた!」

幼馴染み「では、私が続きをするわ」

俺「よろしく頼む!」

幼馴染み「燃焼にも燃焼範囲っていうのがあってね」

    「物質からでた蒸気と空気」

    「この2つが混じって範囲内の比率になり」

    「初めて燃焼できるのよ」

幼馴染み「まあ、正確には蒸気比重が範囲内と同じになる」

    「ということよ」

俺「蒸気比重?」

幼馴染み「蒸気比重はある気体を同体積の空気(蒸気比重=1)」

    「と比べたとき空気の何倍の質量があるのか」

    「を表した数値よ」

俺「なるほど····」メモメモ

幼馴染み「燃焼範囲に関しては計算問題があるわよ」

俺「え、計算?」

幼馴染み「ガソリンを例にすると···」

    「こんな感じ!」

 
 例題「ガソリンの燃焼範囲の下限値は1.4%(容量)である。」
   
   このことについて正しく説明しているものは次のうちどれか。

  1.空気100リットルにガソリン蒸気1.4リットルを混合したら
   点火すると燃焼する。

  2.内容積100リットルの容器中にガソリン蒸気1.4リットルと空気98.6リットルの
    混合気体が入っていたら点火すると燃焼する。

  3.ガソリン蒸気100リットルに空気1.4リットルを混合したら点火すると燃焼する。

幼馴染み「で、計算は」

    「ガソリンの蒸気量を(空気量+ガソリンの蒸気量)」

    「で割って100を掛けるの」

俺「ええと、とりあえず解く!」

以下、俺孝

1. 1.4÷101.4×100=1.38(%)

2. 1.4÷100×100=1.4(%)

3. 100÷101.4×100=98.6(%)       答え 2

俺「こういうことか?」

幼馴染み「····正解よ!」

俺「よっしゃ!」

 「案外、難くねぇな····」

幼馴染み「じゃあ、これ解ける?」

俺「どれどれ····」

 キンコーンカンコーン

俺「おっと、下校時間か···」

幼馴染み「この問題は宿題ってことでいい?」

俺「あ~そういや、明日は郵便局に行くんだった···」

「分かった。じゃあ、明後日に答え合わせで」

幼馴染み「分かったわ」

俺「じゃ幼馴染み、さよなら!」

幼馴染み「さよなら、俺」

~帰宅~

俺「たっだいま!」ガチャ バタン

俺母「今日も勉強してきたの?」

俺「ああ、それはそうと腹減った···」グゥ~

俺母「早く手洗ってきなさい」

俺「そうする···」スタスタ キュキュ、ジャー

~お知らせ~

 申し訳ないですが、定期試験が近い関係で10月中旬頃まで更新をストップさせてもらいます。

 必ず再開しますので、しばしお待ちください。

 また、要望があれば他の類も取り上げる予定です。

 希望の類やその他取り上げてもらいたい問題等ございましたら

 是非ともコメしてください。by作者


 お待たせしました。では、投下します。

~夕食~

 俺「いただきますっと」

  「このハンバーグ、やっぱウメェよ」モグモグ

 俺母「ところで勉強はどう?」

 俺「順調だけど」

 俺母「法令はまだよね?」

 俺「法令がどうしたと」

俺母「法令で点を落としやすいのよ」

   「だから、気をつけなさい」 

 俺「覚えておくよ、ありがとう母さん」

~風呂~

 俺「イサコに~ミジヒキス~っと」

  「あっ!幼馴染みから宿題出てたんだった!」

  「すっかり、忘れてたぜ·····」

  「確か計算問題のはず」

  「さっさとあがるか」

~次の日~

 俺「おはようございます、担任先生」

 担任「珍しいな、7時に登校するなんて」

 俺「危険物の勉強をしようと思いまして····」

 担任「感心した!頑張れよ!」

 俺「はい。では後ほど」スタスタ

  「教室に一番のりか···と思ってたけど·····」

 モブ男「僕がいるとは思わなかった?」

  
 俺「いつも何時に登校してんだよ」

 モブ男「6時45分」

 俺「はやっ!いくら家が遠いからって····」

モブ男「それはそうと、俺君は何故早く来たんだ?」

 俺「危険物の勉強をしようと」

 モブ男「なるほどね」

 俺「ということで、勉強するぜ」

  「やっべ例の宿題まだしてなかった!」

 モブ男「宿題?」

 俺「幼馴染みから問題が出されたんだよ」

  「それがこれだ!」

以下、計算問題

        実験からある危険物の燃焼範囲で次のような結果を得た。

       下限界1.3%(容量) 上限界7.1%(容量)

 100リットルの空気と混合させその均一な混合気体に電気火花を
       発したとき、燃焼可能な当該危険物の蒸気量は次のうちどれか。

     1. 1リットル  2. 5リットル  3. 10リットル 

     4. 15リットル  5. 20リットル


 俺「昨日の応用か····まぁいけるだろ」

  「とりあえず解く!」

 
 皆さんの投票で答えが決まります。

 次の5つからお選びください。by作者

 1. 1リットル     2. 5リットル   3.  10リットル

 4. 15リットル     5.  20リットル

以下、俺孝

   1. 1÷101×100=0.99%

2. 5÷105×100=4.76%

3. 10÷110×100=9.9%

4. 15÷115×100=13.0%

5. 20÷120×100=16.66%


 俺「答えは2だ!」

 モブ男「正解だよ」

 俺「よっしゃ」

 俺「計算はこれで終わりっと」

 俺「さて、次は····」

 俺「モブ男、何か問題だしてくれ」

 モブ男「いいよ。じゃあこれで」

 
 問. 燃焼の難易について、つぎのA~Eのうち誤っているものはいくつあるか。

   A.酸化されやすいものほど燃えやすい。

   B.乾燥度が低いものほど燃えやすい。

   C.空気との接触面積が小さいものほど燃えやすい。

   D.熱伝導率が大きいものほど燃えやすい。

   E.気化熱が大きいものほど燃えやすい。


 俺「答えは4つか?」

 モブ男「···正解!」

 俺「よっしゃ」

 モブ男「じゃ、次はこれだ!」


 問1、火災とそれに適応する消火器の組み合わせで次のうち誤っているものはどれか。

   1.電気火災·····泡消火器
   
2.電気設備の火災······ハロゲン化物消火器

   3.石油類の火災·····粉末(りん酸塩類)消火器

   4.木材などの火災·····強化液消火器

   5.石油類の火災·····二酸化炭素消火器


 問2、エタノールやアセトンが大量に燃えているときの消火方法として最も正しいものはどれか。

   1.乾燥砂を散布する。

   2.水性液体用泡消火剤を放射する。

   3.蒸発性液体を散布する。

   4.棒状注水する。

   5.一般のたんぱく質消火剤を放射する。


 そうですね、解説は全然足りませんでした。
 
 皆さんに分かりやすいよう解説していきます。
 
 分かりづらくしてすいません。


 俺「どっちも初めてみる問題だな···分からん···」

 俺「モブ男、解説たのむ!」

 モブ男「んじゃ、まずは消火器の種類について」

 モブ男「まとめるとこうなる」

以下、消火器のまとめ

   第4類の火災に効果的な消火剤 → 泡消火剤、二酸化炭素消火剤、ハロゲン化物消火剤
                    粉末消火剤、霧状放射の強化液消火剤

   第4類の火災に不適当な消火剤 → 棒状放射の水や霧状放射の水
                    棒状放射の強化液
                   以上の消火剤による消火方法は油面を広げ、火災が広がる!

   感電するため電気火災に不適当な消火方法 → 泡消火剤による消火、棒状放射の水による消火
                         棒状放射の強化液による消火

以下、それぞれの消火剤の効果

 窒息効果···燃焼の三要素の一つである酸素供給源を取り除く(空気の供給を遮断する)効果。
      
       →二酸化炭素消火剤、泡消火剤、粉末消火剤、ハロゲン化物消火剤

 冷却効果···燃焼のとき発生する熱が燃焼の継続に必要な点火源として働くこと防ぐため
      熱を奪い物体の温度を下げて消火。
      つまり、燃焼の三要素の一つである点火源を取り除く効果。

      →注水や強化液消火剤の放射

以下、その他の効果

  抑制効果(負触媒効果)····燃焼という酸化の連続反応を中断させたり、遅れさせたりする効果

             → ハロゲン化物消火剤、粉末消火剤(リン酸塩類)
                         
  希釈効果···可燃物の濃度を薄めて消火する効果

           → ハロゲン化物消火剤、二酸化炭素消火剤

     追記 粉末消火剤(炭酸水素ナトリウム塩類)は窒息効果


 俺「いくつか気になる用語があるんだが····」

 モブ男「それについてもまとめてあるから」

 モブ男「次の表で、きっと分かるよ」

以下、用語の説明<その2>

 粉末消火剤  a,炭酸水素ナトリウム塩類(重そう)を主成分とするドライケミカル

         ドライケミカルの主成分である炭酸水素ナトリウムの熱分解で生ずる
         二酸化炭素の窒息効果と粉末アルカリ金属塩による抑制、
         冷却および窒息効果により消火する。
         
         b,りん酸塩類を主成分とするもの(万能消火剤·ABC消火剤)

主成分のりん酸二水素アンモニウムが火災でメタリン酸,ピロリン酸,
正りん酸へ熱分解する。この物質特有の負触媒効果,水蒸気発生に
         よる冷却効果,窒息効果及び脱水炭化等により強力に消火力を発揮する。


 俺「···結構な情報量だな····その2以降は後で見よう···」ジィー

 モブ男「試験に出るのは消火効果とABC級のどの火災に適するか」

 モブ男「そこがメインで問われるから」

 モブ男「主成分とかは予備知識として覚えておけばいいよ」

 俺「じゃあ他にどんな予備知識を覚えとけばいいんだ?」

 モブ男「例えば、ハロゲン化物消火剤は消火剤が空気中で完全に気化するから」

 モブ男「泡や粉末消火剤と違って、消火後は消火剤によって周りを汚さない。」


モブ男「だけど、デメリットもある」

俺「デメリット?」

モブ男「ハロゲン化物消火剤の場合、オゾン層を破壊する
    から、現在は製造されてないんだよ」

モブ男「モントリオール議定書で決まったそうだよ」

俺「公民か···歴史よりも苦手だな···」

俺「まぁ、あくまでも予備知識だからな···気が向いたら
  他も調べてみるわ」

俺「モブ男、ありがとな!」

モブ男「こちらこそ」

~朝礼~

担任「来週の月曜から、危険物の補習が始まるから
   ちゃんといけよ」

担任「後、危険物の締め切りも月曜だからな忘れるな」

担任「連絡は以上で終わりだ」

 キリーツレイ

俺「なぁ、友は次の危険物受けんのか?」

友「次は甲種受けるつもりだけど···正直今の状況じゃかなりキツイ」

俺「生徒会に部活に塾に、さらには俺の乙4勉強か····悪かったな···」

俺「来週からは補習が始まるからこれ以上手間かけねぇよ」

友「スマン、そうしてくれるとありがたい」

友「なら、今週の残り分はモブ男に任せるわ」

モブ男「そういうことなら、構わないよ」

俺「引き受けてくれてサンキュ、モブ男」

モブ男「暇なだけだよ」

~放課後~

俺「さっ、郵便局へ行こうぜ、幼馴染み!」

幼馴染み「ええ、行きましょう!」

俺「何故か、テンション高い気がするけど···良いことでも?」

幼馴染み「別に···///」

俺「?」

幼馴染み「そ、そんなことより郵便局へ行きましょうよ!」

俺「···まぁいいや、行こう」

~二時間後、帰宅~

 俺「ただいま~」ガチャバタン

 俺母「お帰りなさい」

 俺母「今日も勉強?」

 俺「今日は郵便局と本屋に行ってた」

 俺母「参考書は良いのあった?」

 俺「あったよ、それより···腹減った!」グゥ~

 俺母「今日はシチューよ」

 俺「うまそっ!手洗ってくる!」タッタッタ、キュキュジャー

~夕食~

 俺「いただきます!」パクッ、モグモグ

 ピンポーン コンコン!

 俺「誰だよ···飯食ってるのに···」スタスタ ガチャ

 ???「久しぶりだな」

 俺「に、兄さん!?」

 俺兄「連絡はしといたんだが···知らなかったか?」

 俺「知らねぇよ!仕事はどうしたんだよ!」

 俺「人工生命体の研究はどうしたんだよ!」

 俺兄「会社は·····クビになった···」

俺「はぁ!?Why?」

 俺兄「人工生命体が暴走したからだ···」


 俺兄「奴は研究所を脱走し、この町に逃げこんだ····」

 俺「!?よりによって何故!?」

 俺兄「どうやら、私が隠したパーツを探しているようだ」

 俺兄「奴から、パーツを守らねばならないだから、私は帰ってきた」

 俺「···危険なもん創んな!」

 俺「で、仕事の方はどうすんだよ」

 俺兄「ガソスタでバイトするから大丈夫!」グッ!

俺「ってことは、乙4もってるのか?」

 俺兄「ああ、甲種に全乙種もってる」

 
こうして、久しぶりに兄さんが帰ってきた。

人工生命体とか、この町大丈夫だろうか····

 俺「ごちそうさまでした」

~風呂~

 俺「人工生命体か···この間の事件と関係あんのかな···」

最近、この町では人が消えたり、現れたりしている

モブ男の弟もその体験者の一人だ

その弟が言うには「異世界で冒険していた」らしいが·····

 俺「今はそれよりも乙4だな····」ザパァ

~自室~

 俺「さぁて、勉強だ!」

 俺「まずは、消火剤の続きからだな····」

 俺「その3からか」ペラペラ

以下、用語説明<その3>

 強化液····水に炭酸カリウムなどのアルカリ金属塩類を加えた濃厚な不凍液の消火剤。
      
      水の消火力を強化し、ー20°でも凍らない不凍性をもつ

      1.棒状放射または霧状放射方式で使用され、冷却効果で消火する。
       炭酸カリウムにより消火後の再燃防止効果(負触媒効果)がある。

      2.棒状放射····普通火災だけ消火可能。
       霧状放射······普通火災、油火災、電気火災消火可能。

用語説明<その4>

 水····比熱や気化熱(比熱···物質の温まりやすさを表すもの
          気化熱····液体を気体に変えるために必要な熱量)
が大きいので燃焼している物体や周囲の空気の温度
         を下げる冷却効果で消火する。

         また水は体積が水の約1,650倍の水蒸気に変わり、
         この水蒸気による窒息効果や希釈効果もある。

以下、水の消火力を高める添加物

a.界面活性剤の添加で水の浸透性の強化、表面張力を小さくする。

b.炭酸カリウムの添加で再燃防止効果を継続できる。

c.乳化剤の添加で油蒸気の蒸発を抑制できる。

d.増粘剤の添加で空中からの散布時の水の流動性を低めて、
 水が拡散せずに目標物へ到達できる効果が大きくなる。

 俺「水って、添加物でこんなに違うのか···」ペラ

 俺「···水に溶けるもの(アセトンやエタノール等)は効果がない···」ペラ

 俺「消火剤はだいたいわかった···」ペラ

 俺「···あとは復習するか、燃焼のことを」ペラ
 
 俺「キッチンタイマーはセットした····さあ、始めっかな」

<復習>

 燃焼の態様(主に試験に出るもの)   

a.蒸発燃焼→液体の表面から蒸発した蒸気と空気との混合ガス
      に点火すると燃焼する。(ガソリン、軽油、重油、アルコール類)

→加熱により固体が融解して液体、さらに蒸気に変わり燃焼する。
      (硫黄、ナフタリン)

b.分解燃焼→可燃物が加熱により熱分解して発生する可燃性ガスが先に燃焼する。
      (木材、石炭、プラスチック)

 
 コンコン カチャ

俺「···兄さんか、勉強してんのに····」

俺兄「スマンな····実は人工生命体が···」

俺「マジかよ、俺の学校にか···」

俺「わかったよ···探しとく···」

俺兄「頼んだぞ!」カチャバタン

俺「はぁー、何か集中できねぇな···」

俺「クラシックでも入れるか···」

 <復習>

c.表面燃焼···蒸発も分解も起こさないで固体のまま固体の表面から燃焼する。
      (木炭、コークス)

d.自己燃焼·····分子内に酸素を含んでいる物質が含有する酸素で燃焼する。
(内部燃焼) (セルロイド、ニトロセルロース)

<復習>

燃焼の難易

1.空気(酸素)との接触面積を大きくするほど燃えやすくなる。
  例:丸太や鉄の塊は燃えにくいが木を細く割ったり、鉄を粉末にすることで
    空気との接触面積が大きくなり燃えやすくなる。

2.熱を伝えにくいもの(熱伝導率の小さなもの)ほど燃えやすい。
   熱を伝えにくいものは発生した熱や加えられた熱が1ヶ所に溜まり、
   部分的に温度が急上昇し燃えやすい。

3.発熱量が大きいほど燃えやすい。
   燃焼で発生した熱がさらに燃焼反応をすすめるため。

俺「復習はこれぐらいにしとくかな···」

俺「次は問題解くか···」ペラ

俺「···この三題にしよう···」ペラ

どの三題か投票で決まります。by作者。

1.消火剤の問題。

2.燃焼の形態に関する問題。

3.静電気の問題。(解説を先にしてから)


是非ともコメよろしくお願いいたします。

なお、11月10日から12月4日までは更新をストップする予定です。

俺「消火剤の問題解くかな···」

俺「ふーん、こんな感じなのか」ペラ

俺「さぁて、解くとするかな···」

俺「まずは問1からだな。」チラッ

俺「二酸化炭素は空気より重いので、aは誤りだ。
  また、酸素含有物質の燃焼には効果はないので、dも誤りだ。」カキカキ

俺「酸素含有物質(第5類の危険物)は空気と接触できなくても
  内部にある酸素で燃焼ができるからな·······」カキカキ

俺「問2を解くか·····」カキカキ

俺「問2は消火剤の基本的な問題だな」

俺「問2は前に記述したとおりだから···」

俺「そこを見直してくれれば分かるはずだ」

俺「さぁて、ここまではウォーミングアップだな」

俺「問3を解くとしよう」

問3.消火方法とその主な消火効果との組み合わせで正しいものはどれか。

a.容器内の灯油が燃えていたのでふたをして消した。······窒息効果

b.少量のガソリンが燃えていたので二酸化炭素消火器で消火した。······除去効果

c.容器内の軽油が燃えていたのでハロゲン化物消火器で消火した。······冷却効果

d.天ぷら鍋の油が燃えていたので粉末消火器で消火した。·······冷却効果

e.油のしみ込んだ布が燃えていたので乾燥砂で覆って消火した。·······抑制効果

俺「これも復習だな···」

俺「aとbは窒息効果、cは抑制効果や窒息効果」

俺「dは抑制効果及び窒息効果、eは窒息効果なので···正解はaだ。」

俺「···さて、今日はこれで終わりにしておくかな···」バタン···

~次の日~

担任「では、SHを終わるぞ」

キリーツレイ、ガヤガヤ···

俺「さて、どうしたもんかな···」

幼馴染み「何か悩み事?」

俺「実はさ、兄さんが帰ってきて···」カクシカ···

幼馴染み「パーツ?何それ?」

俺「詳しくは分からないんだが、この学校にあるらしい」

友「よっ!何話してんだ?」

幼馴染み「この学校にお宝が眠っているらしいよ」

友「何ッ!お宝ぁぁぁ!?」

俺「いや、そこまでのものじゃ···」

友「どこにあるんだよ!」キラキラ···ワクワク

俺「それはまだ分かr···」

友「よし決めたッ!俺も探すッ!」

モブ男「楽しそうだね···お宝かぁ···」

モブ女「私も探すわッ!」

ナニナニ、オタカラダトヨ···マジスゲェエエエッ!

ボクモサガスヨ!ワタシモ!オレモ!

俺「え、ちょっ待t···」

クラスメイト一同「全員で探そうッ!」

俺「いくらなんでも多すぎだぁぁぁぁぁぁぁッ!」

俺「だいたい、お前ら···忙しいんじゃねぇのか?」

友「別に···塾もねえし···」

幼馴染み「私は俺の手伝いがしたいだけ···」

モブ男「···僕はこの学校の謎を解くために」

クラスメイト一同「なにより、お宝が欲しいッ!」

俺「結局、それかよッ!」

俺「まぁ···人手は多いほうがいい···皆、よろしく頼むッ!」

クラスメイト一同「イエッサー!」ピシッ

友「で、いつ探すんだよ?」

俺「今週の土曜だ」

~放課後~

俺「よろしく頼むぜッ!」

幼馴染み「ええ、じゃあ今日は物理·化学の問題を」

俺「難しい問題で頼むぜ」

幼馴染み「これを解いてみて····」スッ

俺「どれどれ····」ジィ····

問1.鋳鉄をグラインダーで研磨すると火花が発生し、これが引火の原因と
  なることがあるが、この場合の火花について正しく説明したものは次の
  うちどれか。

a.摩擦によって蓄積された静電気が、放電したものである。

b.研磨によって発生した鉄の微粒子が、摩擦熱で発光したものである。

c.周囲の空気が、摩擦熱によって高温になり発光したものである。

d.溶融した鋳鉄が、微粒化して発光したものである。

e.鋳鉄の小片が、燃焼しながら落下したものである。

問2.周期律表について、次のうち誤っているものはどれか。

a.周期律表の縦の列を族、横の行を周期という。

b.同族の元素は、似たような性質を有することが多い。

c.ハロゲン族は1価の陰イオンになりやすい。

d.希ガスは、ほとんど化学反応を起こさない。

e.遷移元素には非金属元素が含まれるが、典型元素は全て金属元素である。

俺「問1は置いといて···問2は初めて見るな」ジィ···

幼馴染み「数年に一回ぐらいはこういう問題が出るのよ」

俺「問2の解説を頼むッ!」

幼馴染み「オーケー···じゃ、解説するわよ」

幼馴染み「“周期律表”は問2のとおり、縦の列を族、横の行を周期っていうわ」

幼馴染み「同族の元素は、似た性質を有することが多くて」

幼馴染み「具体的に挙げるとすれば」

幼馴染み「アルカリ金属(危険物乙種第三類)
     やアルカリ土類金属などがあるわ」

幼馴染み「一価の陰イオンになりやすいのは」

幼馴染み「原子がそのままでは不安定で、
       常に安定しようという性質があるから」

幼馴染み「希ガスが化学反応をほとんど
        起こさないのは価電子をもたないから」

幼馴染み「典型元素は一部の金属と全ての非金属から構成されている」

幼馴染み「よって、eは誤りとなるわ」

俺「成る程···」メモメモ···

幼馴染み「問1は分かるよね?」

俺「ああ、答えはbだ···」

俺「問2みたいな問題を解きたいんだが」

幼馴染み「これなんかどう?」スッ···

俺「可逆反応の化学平衡···?」

問3.可逆反応の化学平衡に関する記述として、
次のうち誤っているものはどれか。

a.平衡状態とは、正反応と逆反応の速度が同程度で、見かけ上反応が
 停止している状態をいう。

b.温度を高くすると、吸熱の方向に反応が進み、新しい平衡状態になる。

c.触媒を加えると、反応は変化するが、平衡は移動しない。

d.圧力を大きくすると、気体の総分子数が増加し、新しい平衡状態になる。

e.ある物質の濃度を増加すると、その物質の濃度を減少するように
 反応し、新しい平衡状態になる。

俺「可逆反応って···何?」

幼馴染み「可逆反応は始原系(原料)から
        生物系(生成物)への反応(正反応)と」

幼馴染み「生物系から始原系への反応(逆反応)
         がともに起こる反応のこと」

俺「ややこしいな···」

幼馴染み「簡単にいえば化合と分解
        がどちらも起こるということ」

幼馴染み「例えば、水素と窒素を化合させて
       アンモニアを得る反応は可逆反応よ」

幼馴染み「正反応と逆反応のどちらか
      一方しか起こらない場合は」

幼馴染み「不可逆反応と呼ばれるのよ」

俺「成る程な···分かった!」

幼馴染み「問3を一つずつ見ていくと···」

幼馴染み「a,b,c,eはそれぞれ正しくてdが誤りになってるわ」

幼馴染み「dが何で誤りかと言うと···」

幼馴染み「圧力が大きいと気体の総分子数が“減少”して
      新しい平衡状態になるが正しいから」
      
俺「そういうことか···」メモメモ···

俺「よし、次の問題を頼むッ!」

幼馴染み「次は···そうね···これッ!」ピシッ

俺「中和か···酸とアルカリだな···」ジィ···

問4.中和滴定において、濃度0.1mol/lの水溶液の酸、塩基、その際に
  用いられる指示薬の組合せで、次のうち誤っているものはどれか。
  なお、指示薬の変色域は、メチルオレンジがpH3.1~4.4、
  フェノールフタレインがpH8~10である。

 酸、塩基、指示薬

a.酢酸、水酸化ナトリウム、フェノールフタレイン

b.硝酸、水酸化カルシウム、メチルオレンジ

c.硫酸、アンモニア水、フェノールフタレイン

d.塩酸、炭酸ナトリウム、メチルオレンジ

e.シュウ酸、水酸化カリウム、フェノールフタレイン

俺「フェノールフタレインは
    理科の実験で使ったことあるな」

幼馴染み「そうね、細胞の実験で使うわ」

俺「酢酸、硝酸、シュウ酸について教えてくれないか?」

幼馴染み「酢酸は文字通り、食酢に含まれている
       弱酸で強い酸味と刺激臭を持つわ」

幼馴染み「硝酸は強酸で様々な金属と
      反応して、塩を形成するのよ」

幼馴染み「シュウ酸は漢字で書くと、“蓚酸”で
     植物に多く含まれているわ
     
幼馴染み「染料の原料や漂白剤として
        用いられているのよ」

俺「ふ~ん···」メモメモ···

幼馴染み「酸と塩基を見分けるときにpHが用いられるわ」

幼馴染み「pHは7を中性として基準にする」

俺「酸はpHが7よりも小さくて
    塩基(アルカリ)はpHが7よりも大きいんだよな?」

幼馴染み「そうよ」

俺「酸は水素イオン、塩基(アルカリ)は水酸化物イオン
  をそれぞれ水に溶けたときに発生する」

俺「だから、水素イオンと水酸化物イオンのどっち
  を発生するかで判断すればいいんだよな」

幼馴染み「その通りよ」

俺「じゃあ、予備知識はこれくらいにして
  問題に話を戻すか···」

幼馴染み「ええ、そうね」

このSSまとめへのコメント

1 :  十桜   2014年12月20日 (土) 12:29:04   ID: cPCKTgns

これのおかげで乙4受かりました
有り難う御座いました

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom