俺が気ままにホラーSS書くスレ(10)

いくぞぉ〜

何時だったか忘れたけどもう随分前の事になるよ。まだ僕が子供で伯父の所で一緒に暮らしてた時代のことだから。う~ん大体5~6歳くらいかな?
なんでも親戚のパーティとか言うのがあって僕も一応伯父のとこの人間だからってんで出席させられたんだ。お偉いさん方のあいさつ回りに付き合わされたりしてもう散々だった。
伯父も慣れない所で疲れた僕を気遣ってくれて「ここでちっど休んでろ」って隅っこのイスに座らされた時だったよ。伯父にあいさつに来た女が僕を見て目を見張ったんだ。そして

「アア…やっと戻ってきてくれたのね、可愛い子」

って言っていきなり僕を抱き上げたんだ。見も知らない人からいきなりそんなことされて吃驚して泣いちゃって・・・。
その人から逃げようって身をよじってもがっちり抱き締めて離してくれない。
伯父も慌てて僕を取り返そうとしたんだけどものすごい力で。力任せにすればどうにでもなるだろうけど、さすがの伯父も女性に乱暴を働けないからどうしようって・・・・・・・・騒ぎを聞きつけた彼女の夫が真っ青な顔して「申し訳ありません!」ってなんとか腕を解いて解放してくれたんだ。
でも彼女は「私の可愛いぼうや・・・・・」ってうつろな目をして僕に手を伸ばすんだ・・・・・怖いなんてもんじゃない。子供の僕から見てもその様は異常だった。
彼女が異常を通り越してもう狂ってるって判ったのはパーティから幾日経ったある時だ。
その日は夏に近くて天気も良くってさ、伯父の隅っこにある庭園で庭師の仕事を見ていたらふいに目の前の庭師が倒れたんだよ。鼻をつくきな臭いにおいと漂ってくる鉄くささ、揺り起こしてみても彼は一切答えなかった、だから伯父を呼ばなくちゃって思って家の方へ駆けだしたその時「さあ、おうちへ帰りましょう?」って声がして目の前が真っ暗になった。

どれくらい経ったか分からないけど気付いた時には知らない部屋の天蓋つきの広いベッドに寝かされてて・・・・周りを見れば絹の布団、ビロードのカーテン、一目見て高級だってわかるおもちゃ、クローゼットには上等の服がぎっしり。そこはものすごい贅を尽くした豪華な部屋だった。子供部屋であることは分かったんだけどなんで僕は此処にいるんだろう?
ドアを開けて出ようとしても鍵がかけられていて閉じ込められているし・・・・牢屋とかそういう所じゃ無かったからよけに怖かったよ。
しばらくしてドアが開いた。そこには前にパーティで自分を抱いて離さなかった女がにこやかに入ってきたんだ。その顔に恐怖を感じてあとずさりしたよ・・・・怖かったんだ、仮面のように動かない笑顔が。

「まあ、もう起きたの?無理してはいけないわ」

「ここどこ?」

「嫌だわこの子ったら・・・・貴方のおうちよ?お母様が分からないの?」

「違うよ、ここは僕のうちじゃない。僕を伯父の家に帰して。それに僕は・・・お母さんなんていない」

「何を言っているの?貴方のお母様よ?」

母も父も死んでいる、兄はいるが親は無い。目の前にいる彼女はそれでも自分は母親だと言って譲らなかった。

「それに貴方の帰るところはここよ」

「違う!」

差し出される手をめいいっぱい振り払った時、仮面のように張りついていた笑顔が消えた。
「そんな事無いわ。私の可愛いぼうや・・・・・・・やっと戻ってきてくれたんですもの。そのためにどれだけの犠牲を払ったと思うの?」

「・・・・・?」

ふと見れば女の後ろにある扉が少しあいている・・・・ここから出て誰かに助けを求めるチャンスだ!って不意をついてそこから飛び出した。おそらくどこかの城だろうとは思うけどどこかしらに出口があるはずメチャクチャに駆けまわったけど、所詮子供だった僕には追い詰められていく一方だった。
それで角を曲がってすぐのところの地下へ通じるドアに隠れたんだ。なんでそんなとこにしたのかは後から想えばいちばんしてはいけない選択肢だったんだけどね。ほのかの灯りがともるそこの階段を下りて付きあたった所にあるドアを開けて鍵をかけたんだ。ほっとして座り込んだその時

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