兄「兄妹で」上妹「のんびり」下妹「生活!」(781)

兄「という訳でのんびり過ごそうじゃないか、妹達よ」

下妹「は~い」

上妹「はあ···」

兄「元気無いな」

下妹「どしたのお姉?」

上妹「いや···上妹下妹って何?って思って」

兄「いきなりメタいぞ」

下妹「メメタァ!だね」

上妹「だって気になるし」

兄「お前らは双子なんだし、どっちが姉で妹か分かりやすくする為だよ。決して姉って表現を使いたくなかった訳じゃないぞ、うん。本当に違うぞ」

上妹「じゃあ私姉で良いじゃん。もしくは大妹小妹でさ」

兄「そこはあれだよ、姉って書いたら···何か違うじゃん?双子っぽさちょっと無いじゃん?」

下妹「お姉とは同じ妹!って感じが良いなぁ」

上妹「下妹ちゃんが言うなら良いよ」

兄「俺の意見は?お~い」

兄「それにさ、お前を大妹って言うのは···」チラッ

兄「うん、無いな」

上妹「どこ見て言ってんだセクハラでブッ飛ばすぞ」

兄「勿論お前の無いむネレイドォ」ドゴォ

下妹「お姉の昇○拳がお兄の顎に!」

兄「おま、ちょ、顎はアカンて」

上妹「あ?」

兄「すんませんでした」

下妹「わぁ、スゴいキレイな土下座だね!お兄10点!」

兄「やったぜ」

上妹「土下座しながらガッツポーズすんな」ゲシゲシ

兄「ああ!裸足の上妹に踏まれてる!ありがとうございます!」

上妹「うわぁ···」

兄「おいおい、そんなに喜ぶなよ」

上妹「引いてるんだけど」

兄「まあまあ下妹より背が大きいから大妹でも良いんじゃないの?うん」

上妹「ふん、どうせ下妹ちゃんの方が胸大きいですよーだ」

兄「そんなに大きくしたいなら揉んでや」

上妹「黙れ」

兄「はい」

下妹「ところで上妹と下妹ってなんか合体しそうだね!」

兄「成程上下妹、か···!」

上妹「誰が上下妹だ」

下妹「え~、ダメ?」

上妹「私下妹ちゃんの上になんて乗れないから」

兄「肩車とかじゃなくてさ、こう、ベッドの上でお互い寝転びながら抱き絡まる形で」

上妹「黙れ」

兄「はい」

下妹「お姉、上下が嫌ならどんなのが良いの?」

上妹「え?···ん~···」

兄「そうだな、上妹がツン妹、下妹がデレ妹だな」

上妹「誰がツン妹だ」

下妹「ツンとデレが組み合わさって最強に見えるんだね!」

兄「ああ、お前達二人が俺の翼だ」

上妹「意味分かんないんだけど」

兄「じゃあ下妹が癒し系妹」

下妹「癒し系?嬉しいな、えへへ」

兄(可愛い)

上妹(可愛い)

兄「で、だ。上妹は···暴力系」

上妹「またブッ飛ばすよ?」

兄「待て待て握り拳作るの止めて」

上妹「兄貴が余計な事しなきゃそんな事しないんだけど」

下妹「お姉無理だよ。お兄ちょっと変態だもん」

兄「確かにそうだけどちょっとはフォローして」

下妹「わたしはお兄の事、変態でも好きだよ!」

兄「フォロー出来てない気もするけど何でも良いやナデナデしてやる」ナデナデ

下妹「ん~♪」

兄「大体だな上妹」

上妹「ん?」

兄「お前はどうして○龍拳出来るの?跳躍力凄いってレベルじゃないぞ」

下妹「お姉竜巻○風脚も出来るもんね」

兄「空中浮けてるもんな」

上妹「え?出来ないの?」

兄「むしろ何で出来ると思ったそして出来てる」

下妹「その内お姉、両手真っ直ぐ広げて、高速回転しながら空飛んでっちゃうんじゃ···」

兄「·········すごい漢女(おとめ)だ」

上妹「誰が漢女だ!」

下妹「お姉良く字分かったね」

兄「愛だな」

上妹「違っ、全然違うから!」

上妹「···はぁ。ところでさ、お父さんとお母さんは?」

兄「······」

上妹「ちょ、ちょっと···何急に神妙な顔してんの?」

下妹「も、もしかして何か悪い事···」

上妹「いやいや、まさかね···」

兄「···朝、置いてた奴だ。読んでみろ」

上妹「な、何···?」

下妹「···」ドキドキ

上妹「······ブレイクダンス大会?は?」

下妹「夫婦仲良く参加しますって書いてるね」

上妹「何してんのお父さんお母さん···」

兄「何時もの事だろ?突拍子も無い事するの」

上妹「いやそうなんだけど···」

下妹「はぁ~ちょっとビックリしちゃった。お父さんとお母さんの仲が悪くなっちゃったのかって」

兄「あの夫婦は何時まで経ってもイチャイチャしてるだろうから杞憂だよ」

上妹「そもそも紛らわしい事するな」

兄「父さんと母さんに言われた通りにしただけだ」

上妹「何してんの本当に···」

下妹「いつ練習してたんだろ?」

兄「聞いたら俺達が寝てる時間にしてたとかなんとか」

上妹「何で二人とも努力の方向おかしいのかな」

兄「夫婦的には真っ直ぐなんだ、気にするな」

兄「ま、という訳で今料理出来るのが上妹しか居ないんだよ」

上妹「別にトーストとかで良いじゃん」

兄「お前それでも日本人か!?お米食べろ!!」

上妹「うるさい黙れ立派な日本人だよ」

下妹「わたし、お姉の卵焼き食べたい!」

兄「俺はお前の味噌汁が飲みたい」キリッ

上妹「···はいはい、分かった分かった。作るからちゃんと」

下妹「待ってました!」

兄「さっさとしてくれないかい?僕もうお腹ペコペコなんだよ」

上妹「兄貴は黙って待ってろベコベコにすんぞ」

兄「すみませんでした」

上妹「全く···」

兄「なぁなぁ下妹」

下妹「なぁにお兄?」

兄「上妹ってさ···スッゴいエプロン似合ってるよな?」

上妹「」ピクッ

下妹「うんうん。背中に母性が感じられるもんね」

兄「分かってくれるか」

下妹「すっごく分かるよ」

兄「側に居てくれるのならああいうエプロン似合う子が良いなぁ」

上妹「···///」

下妹「むむ、じゃあわたしはどう?似合うかな?」

兄「ああ、似合うと思うぞ。特に裸エプロンが」

下妹「もうやだ~お兄のエッチ♪」

上妹「おい」

兄「はい」

上妹「はぁ···全く、本当に···」

下妹(···お姉、ちょっと顔赤かったね)ボソボソ

兄(そうだな良い物が見れた)ヒソヒソ

下妹(···お兄)ボソボソ

兄(どうした)ヒソヒソ

下妹(裸エプロン···見たい?)ボソボソ

兄(いくら欲しい?)ヒソヒソ

下妹(お兄、お金で解決はめっ!だよ?)ボソボソ

兄(悪かった)ヒソヒソ

兄(じゃあ一体何が条件だ)ヒソヒソ

下妹(無いよ?)ボソボソ

兄(ダニィ!?)ヒソヒソ

下妹(えへへ、日頃のお礼だよ♪)ボソボソ

兄(なん·········だと·········)ヒソヒソ

上妹「ほら、出来たよ。···何の話?」

兄「男の話だ」キリッ

上妹「はぁ?···まさか下妹ちゃん、彼氏が···」

下妹「居ないよ?だってお兄とお姉が居るんだもん」

兄「何て兄妹想いのええ子なんや···」

上妹「何で口調変わってんの?」

兄「気分です」

兄「まあまあ良いから良いから」

下妹「皆でいただきます、だね!」

上妹「分かった、分かったから引っ張らないでよ」

兄「じゃあ···」

『いただきます』

下妹「あむ···ん。やっぱり、美味しいなぁ」

兄「今すぐ嫁に行けるな。十六だし」

上妹「行く訳無いでしょ、この歳で。それに···」ジッ

兄「ん?それに?」

上妹「···何でもない」フイッ

兄「教えてくれよぉ~なぁなぁ頼むよぉ~」

上妹「しつこいっ」

兄「しかしどうやったらこんなに上手く出来るんだ。俺なんて」

上妹「兄貴は変なアレンジしようとするからでしょ」

下妹「メシマズだね」

兄「い、いや、だってそのまま作ったら面白く」

上妹「食べるのが兄貴だけなら文句言わないんだけど」

下妹「食べる人は面白さじゃなくて美味しさが欲しいもんね」

兄「何も言えねぇ」

上妹「それに味見しないじゃん」

兄「必要無いかな~って···」

上妹「人に毒食わせる気?」

兄「そこまで言わなくても良いじゃないですか···」

下妹「自分が食べられない物を人に提供するなっ!ってお母さん言ってた」

兄「正論過ぎるぜ」

上妹「そもそも料理作り慣れてないのにアレンジに挑戦するのがおかしいんだけど」

兄「え、駄目?」

下妹「お兄、基礎が出来ないのに応用問題解けると思う?」

兄「うん無理だわ」

上妹「流石下妹ちゃん。家で一番勉強出来るだけあって説得力があるね」

下妹「えへへ」

兄「説明乙」

上妹「真面目に聞いてる?」

兄「やめて睨まないで聞いてる聞いてるから」

兄「さ、さて、今日テレビ何やってるかな」ピッ

下妹「お兄話題逸らした」

兄「逸らしてませんよHAHAHAHA」ガクガク

上妹「足震えてるけど」

兄「これはあれだよ、武者震いだよ」

下妹「何の?」

兄「何のって···ほら、テレビに父さんと母さん映って···映ってる!?」

上妹「え!?」

下妹「あ、本当だ」

兄「こんな朝っぱらからやってるのか大会···」

上妹「そりゃ出てくの早いよね···」

下妹「出番何時かなぁ」ワクワク

兄「···いや、見ないでおこう」

上妹「···うん」

下妹「え~」

上妹「下妹ちゃん···失敗するお母さんとお父さん···見たい?」

下妹「う~ん···あんまり見たくない」

兄「俺は滅茶苦茶成功しそうだから見たくないんだけど。ちょっと有名になりそうだから怖い」

上妹「それもあるんだよね···」

下妹「え~」

兄「四十越えの両親がブレイクダンスするだけでも突っ込みたいのに成功でもされたらもう突っ込めないぞ。いや突っ込みたくない」

上妹「ちゃっかり賞金持って帰ってきそうだし···」

兄「有り得る」

兄「まあ二人の事は置いといて···どうのんびり過ごそうか」モグモグ

上妹「今日は全員部活も休みだし···」

下妹「わたしはお兄の側に居るね!」

兄「洋服の」

上妹「それ青○違い」

兄「突っ込みが早いな」

下妹「まるで熟年夫婦だね!」

上妹「ぶっ!な、んな···!///」

兄「上妹さ~ん。俺の顔に吹き掛けるの止めて~」

上妹「あっ!ご、ごめん、拭くから待って」

下妹「新婚夫婦みたいだね!」

上妹「っ!///」グイ

兄「上妹さん痛かったです。下妹さんわざとだよね」

下妹「えぇ~?違うよぉ~?」フヒュー

兄「バレバレだから口笛全然出来て無いし」

下妹「お姉、いっつもお兄にツンケンしてるから、もっと笑ってもらおうと思って」

上妹「逆に笑えないってば!」

兄「赤面させてどうすんだい」

下妹「お姉の新たな魅力発掘!みたいな」

兄「おいおい、そんな事しなくても十分魅力的じゃないか」

上妹「う···な、何言ってんの///」

下妹「正直に言うとお姉の赤面姿ってすっごく可愛いから時々見たくなるの」

兄「奇遇だな、俺もさ」

上妹「かっ、からかうなぁ二人とも!///」バシッ

兄「何故私だけが叩かれなくてはならないのか。別に痛くはなかったけど」

上妹「あ、兄貴が変な事言うのが悪い···あと下妹ちゃんは思い切り叩いたりしない」

下妹「これが格差社会だよお兄···!」

兄「現実は厳しい」

兄「さて···本気でどうのんびりするか···」

下妹「皆休みの日でも部活とかで一緒に居ない事多いもんね」

上妹「一応聞いとくけど、兄貴は休日何してんの?」

兄「ゲームだな。時々友達誘って外で遊んでるけど」

上妹「···兄貴、友達居るんだ···」

兄「誰がボッチだよこんな奴でも居るんだよ」

下妹「どんな友達?」

兄「会わせたりなんかしないぞ。間違いなく悪影響だから」

上妹「つまり兄貴みたいなのしか居ないんだ」

下妹「量産型お兄···!」

兄「誰が量産型の悪影響なんだ否定はしない」

上妹「ちょっとはしてよ···」

兄「で、お前らはどうしてるのかね、休日は」

上妹「別に部屋でゴロゴロ~っと」

下妹「右に同じ!でも二人揃えば遊んでるよ」

兄「ほうほう、それはもうしっとりねっとり」

上妹「してない」

兄「そうか···」

下妹「見るからに落ち込んでるね」

上妹「別にどうでもいい」

下妹「本当に?」

上妹「な、何?嘘言ってる様に見える?」

下妹「へぇ~そうなんだぁ~ふ~ん」

上妹「な、何なのその言い方···」

下妹「あのねお姉。わたしはお姉と同じ部屋に居るんだよ」

上妹「う、うん···?」

下妹「知ってるんだよ···お姉が時々、夜中に···」

上妹「な、何の事かな···」

兄「どうした上妹、汗凄いぞ」

上妹「な、何でも無いって···」

下妹「あのねお兄、お姉ってね、時々夜中にお兄の事お兄ちゃんって呼んで」

上妹「のわあああああああ!?」

兄「ほうほう、一体何をしているのかな上妹くん」

上妹「知らない知らないっ、何も知らないってば!」

兄「いや~そうかそうか、お兄ちゃんか、ふんふん成程···ちょっと今呼んでくんない?」

上妹「~~~~~~~っ!!///」

兄「あ、ちょっと止めて波○拳の構え止めて今のお前撃てそアッーーーーーーーーー!!!!」

兄「死ぬかと思った」ボロボロ

上妹「ふんっ」

下妹「お姉何時の間に殺意の波動に目覚めたの?」

上妹「目覚めてないから···と言うか下妹~!」

下妹「あうあう、止めて頭揺らさないで~!」ガクンガクン

兄「ふっ···そろそろ阿修○閃空と瞬獄○を使いそうだぜ···」
          ギセイ
上妹「練習したいから相手になってくれる?お兄ちゃん」

兄「わぁー、久々にお兄ちゃんって呼ばれたのに全然嬉しくないぞー?」ガクガクブルブル

下妹「お兄が生まれたての動物みたいに···いや、携帯のマナーモードみたいに···う~ん」

兄「どっちでも良いからそっと抱き寄せてくれない?震え止まりそ」

上妹「鯖折りしてあげるから」

兄「そっとって言ったんですよ俺」

兄「でも妹達に抱き締められて死ねるなら本望」

下妹「死ぬとかそういう事言っちゃ駄目!」

兄「はい」

上妹「···そんなに抱き締められたい?」

兄「そりゃ美少女に抱き付かれたらいくら妹でも嬉しいもんよ」

上妹「···そう」

下妹「じゃあお兄、今すぐぎゅ~ってして良い?」ギュ

兄「聞く前にしてるけどああ下妹色々柔らかい」

上妹「何?私は色々硬いって?」

兄「そんな事言ってない···て言うか、俺上妹に抱き締められた事滅多に無いし分からん」

下妹「お姉もしてみない?お兄、暖かいよ、ぬくぬくだよ~」

上妹「そりゃ今夏だし暖かくなるでしょそりゃ」

ぱんつはぬいだほうがいいんですか?

>>32
暑いなら脱いだ方が良いんじゃないですかね(適当

>>31
凄い時間に投稿した事に気付いてしまった。

下妹「冬でも暖かいよ?お兄の布団すっごくぬくぬくだもん」

上妹「···寝てるの?兄貴の部屋で」

兄「知らない内によく布団に潜り込んでるんだよ」

下妹「時々お兄の温もりが恋しくなるんだもん」

兄「ほほう、これは嬉しい事を。んで上妹とは···」

下妹「時々一緒に寝てるよ?お姉は柔らかくて寝やすいよ!お兄もどう?」

上妹「ちょ、下妹ちゃん!私は嫌だから!」

下妹「恥ずかしいから?」

上妹「違ぁう!」

下妹「お姉も素直になったら良いのにね~」

兄「そうだね~」

上妹「十分素直だからっ!」

下妹「え···?」

兄「馬鹿な···」

上妹「何その反応!ぐぬぬ···」

下妹「二人きりになるのが恥ずかしいなら、三人で眠れば良いんだよ!」

兄「俺の部屋で?」

下妹「お兄の部屋で」

上妹「い、いや、だから···」

下妹「駄目···?」

上妹「いいよ」

下妹「やったぁ!」

兄「流石に弱すぎじゃないか下妹に」

上妹「例えそれが演技でも下妹ちゃんの涙目上目遣いには勝てない···」

下妹「じゃあ今日の夜は三人でね!···お風呂も入っちゃう?」

上妹「何でっ!?下妹ちゃんの頼みでも絶対無理!!」

兄「俺は別に良いけどなグヘヘ」

下妹「時々お兄と一緒に入るもんね」

上妹「ちょっと待って」

上妹「え、入ってるの兄貴と入ってるの?」

兄「下妹の方が、俺が入ってる時に突撃してくんだもん」

上妹「じゃあ追い出せば···!」

兄「おいおい役得な状況なのにわざわざ追い出す訳ないって」

下妹「あ、流石にタオルは巻いてるよ?」

上妹「当然でしょ!巻いてなかったら···!あの、その、そういう関係を疑っちゃう···」

下妹「そういう関係?」

兄「一体何かな?んグホォ」

上妹「聞くなっ!」

兄「まあまあ、そこは良いじゃないか」

上妹「良くないって!だって高校生にもなって···!」

兄「高校生になっても父親と入ってる女の子が居るんだから良いじゃないか」

上妹「ええっ!?本当に!?」

兄「ああ、ゲームの話だけどな」

上妹「殴り飛ばして良いよね?」

兄「駄目かな」

下妹「お姉、気にし過ぎ。別に変な事なんてしてないのに」

上妹「変な事してたらそれこそ大問題でしょ!」

下妹「わたしはお兄大好きだし、ちょっとだけなら変な事···」

兄「マジでっ!?」

上妹「駄~目!駄~目!下妹ちゃんそんな事言わない!」

下妹「は~い」

兄「さて、折角兄妹全員揃った状態なのに話だけで終わったら勿体無い」

下妹「外に行くの?」

兄「家に居たら俺は間違いなくゲーム三昧になりそうだし」

下妹「わたしはそれでも良いよ?」

兄「と言う訳で上妹」

上妹「何?」

兄「運動部の君に外へ行くかどうか決めて貰おう」

上妹「別に運動部関係無いし···」

兄「単純に買い物とか散歩とかでも良いんだぞ」

上妹「兄貴が決めれば良いじゃん」

兄「俺の方が一つ歳上なもんで、全員の意見を尊重したいのですよ」

上妹「歳上関係無いし···でも、うん、分かったよ」

上妹「じゃあ···皆が好きな事を全員でやる、とか」

兄「ん?どういう事?」

上妹「えっと···兄貴、まぁゲーム好きじゃない」

兄「···ははあ、成程。俺ならゲーム、上妹ならスポーツ、下妹は買い物、を皆揃ってで全部しようと」

上妹「そういう事。うん」

兄「じゃあ早速外行くぞ外~。その後買い物して家帰ってゲーム。よしオッケー」

上妹「そこは周りの意見尊重しないの?」

兄「じゃあどうぞご意見を」

下妹「わたしは良いよ~」

上妹「私も、別に良いんだけどさ」

兄「だろ?じゃあ準備準備」

上妹「ん」

下妹「は~い!」

兄「と言う訳で外に出ました。いやあっついあっつい」

下妹「暑~い···お姉、平気そうだね」

上妹「この位でへばってたら何にも出来ないから」

兄「軽くする程度だからな。本気でやってぶっ倒れるとか無しだぞ」

上妹「自分の体調管理ぐらい出来るって」

兄「でも、立ち眩みとか起こしたらすぐに言うんだぞ二人とも」

下妹「うん」

上妹「兄貴こそ」

兄「その時は···頼むぞ」

上妹「真顔で言う事じゃないよね」

兄「で、スポーツと言っても色々ある訳だが、何をするのかね」

上妹「泳ぐ」

下妹「ふぇ?」

兄「え?何だって?」

上妹「泳ぎます」

兄「先に言ってくんない?水着用意しに戻らなきゃ」

上妹「兄貴と下妹ちゃんの分は持ってるから」

下妹「流石お姉!」

兄「良く俺の水着の場所分かったな」

上妹「え?あ~···」チラ

下妹「わたしが教えたんだよ」

兄「何故知ってる」

下妹「ふふふ···お兄の事で知らない事は結構あるよ」

上妹「結構あるんだ···」

上妹「と言うか下妹ちゃん。水着の話聞いたら泳ぐんだなって分かると思うんだけど···」

下妹「えっとね~···お姉が穿くのかなって」

上妹「私そんな事しないから!」

兄「妹が俺の水着を···やっべ興奮してきた」

上妹「沈めてやろうか」

兄「止めて」

下妹「ほうほう、お兄そういうの好きなんだ···」

兄「下妹しなくて良いぞ」

下妹「べ、別に違うんだからね!お兄の穿いた後の水着をどうにかしようとか」

兄「する気満々ですやん」

下妹「お兄の匂いが気になる年頃なのです」

兄「え、嗅ぐ気?」

上妹(下妹ちゃん···もしかしなくても···耳年増?)

兄「しかしプールかぁ···」

上妹「何、嫌?」

兄「そうじゃないけどさ、ほら、俺別に運動得意じゃないから」

上妹「ふん、で?」

兄「だからお前一人で泳ぐ時間とかあるかも、と思っただけだよ」

下妹「わたしはあんまり泳げないしね···」

上妹「平気。それにどれやってもそうなるかもでしょ」

兄「いや、そうなんだけどさ···」

上妹「まぁ、その···心配、してくれてるのなら···あ、ありがと」

兄「はい上妹のデレいただきドゥエ!」

上妹「茶化すな」

兄「はひ···」

上妹「全く···人が折角···」ブツブツ

下妹(お兄、流石に今のは駄目だよ。乙女心が分かってないよ)ボソッ

兄(正直すまんかった)ヒソッ

下妹(もうっ、お兄、謝る相手違うよっ!)ボソッ

兄(そうだな)ヒソッ

兄「あ~、悪かった。急に素直に礼言われたからつい···」ナデナデ

上妹「···頭撫でたら許されるとか思ってない?」

兄「失敬な。今撫でてるのはただ撫でたくなったからだ」ナデナデ

上妹「···そう」

下妹「こっちも撫でてよ~」

兄「よ~しゃよしゃよしゃ」ナデナデ

下妹「へへ~♪」

上妹「···もう良いって。撫でなくても」

兄「そう恥ずかしがる事はあるまい」ナデナデ

上妹「いや本当に···」

下妹「んふ~···♪」スリスリ

兄「下妹、猫みたいだぞ」

下妹「ふみゃあ♪」

兄「持ち帰って良いかいこの子猫」

上妹「駄目だって。私が連れて帰るから」

下妹「そもそも皆一緒の家だよ」

兄「はっ!そうだった···俺はなんて幸せな家に居るんだ」

下妹「わたしもお兄とお姉が居て幸せだよ!」

兄(可愛い)

上妹(可愛い)

兄「で、どんな水着を持ってきたのかな?お兄ちゃん気になるね」

上妹「どうせ後で見るんだから言わなくて良いでしょ」

下妹「わたしの水着は?」

上妹「下妹ちゃんは···水着買ってないから、スクール水着しか」

兄「オラワクワクしてきたぞ!」

上妹「兄貴はそんな事でしか元気出ないの?ん?」

兄「胸ぐら掴まないで」

下妹「お兄が元気になるならいくらでも着るよ!」

兄「ありがとう下妹。お陰で何時も元気貰ってるよ」チラ

上妹「なな、何でそこで下見てるんだこのド変態ぃ!」ドゲシ

兄「ぐはぁ!ありがとうございます!」

上妹「はあ、全くこの兄貴は···!」

兄「魅力的だろ?」

下妹「うん」

上妹「全っ然···ってえ?」

下妹「だって、変態じゃないお兄なんてただの人だもん」

兄「そりゃそうだろ。俺から変態成分抜いたらただの真面目な人だからな」

上妹「自分で言う?···まぁ、割と真面目な方だと、思うけど···」

兄「おや、そう思ってくれるのかい?」

下妹「お姉、お兄の事大好」

上妹「よ~し早く泳ぎに行くぞ~!」

下妹「あっ、早いよお姉~!」

兄「ちょっと走らないでさっきの蹴りのダメージ残ってるから足フラフラで」

兄「プール場に着いたぞ」

上妹「誰に言ってんの···」

兄「こんなにも俺と上妹に意識の差があるとは思わなかった···!」

上妹「それ誰の真似?」

下妹「」ジー

兄「で、下妹は何で俺を見てるのかな」

下妹「運動出来ないなんて言いながら、やっぱり筋肉あるよね」

上妹「そう?普通じゃない?」チラッチラッ

上妹(うわ···結構ある···)

兄「そりゃ上妹の蹴りに耐える為に(ID)腹筋してるからな」

上妹「え!あ、その···何かゴメン」

兄「気にしない気にしない。好きでやってる事だし」

上妹「そ、そう···って、やっぱり?···ああ、下妹ちゃん兄貴と風呂入る事あるんだったね···」

下妹「お互い洗いっこしてるからね!」

上妹「は、はあ!?」

兄「おっと、上妹、先に言っておく。背中だけだから」

下妹「別にお兄ならどこ洗っても···♪」

上妹「駄目でしょ!兄妹でふしだらな真似とか!」

兄「何処のオカンだ」

上妹「うぅ···何で二人はそんな距離近いのよ···!」

下妹「愛です」

兄「だそうだ」

下妹「大体いっつもお姉とだって入ってるし洗いっこもしてるよね?」

上妹「それとこれとは話が違うでしょ!同性じゃなくて異性なんだから!」

下妹「だからお姉意識し過ぎだよ。家族なんだから、そんなに意識する必要なんて」

上妹「あるの!あ~る~の!」

下妹「お兄はあくまでお兄なんだよ?お姉はお兄の事お兄ちゃんとして見てないの?」

上妹「そんな訳···!」

兄「うん早く泳がない?」

下妹「は~い」

上妹「あっ、下妹!まだ話」

兄「こんな所でする話じゃないだろ」ギュ

上妹「ふわっ!?」ビクッ

兄「ふわ?」

上妹「きゅ、急に手を繋げて何する気!?」

兄「何するって···こうする」グイッ

上妹「ちょ、ちょっときゃあ!」バシャアン!

下妹「わぁ~、派手に飛び込んだね!」

上妹「···。兄貴ぃ!」

兄「はっはっは、おこなの?ねぇおこ?おこなの?」

上妹「溺れさせてやる」

兄「良いぞ!そしたら多分下妹が人口呼吸をしてくれるだろうからな!」

上妹「な、何考えてんのこの不純の塊!」

兄「言葉責めも良い···」

兄「さて、下妹にはこのビート板をプレゼント」

下妹「ありがとね···一生大事にするから···」

兄「重いよ」

下妹「まだ軽いよ?」

兄「えっ」

下妹「本物の重さは人生さえ巻き込む程だよ···」

兄「何でおどろおどろしく言うんだ」

下妹「雰囲気出るかなって」

兄「プールで出す雰囲気じゃないな」

下妹「ちぇ~」

兄「ほら下妹も泳ぐぞ」

下妹「お姫様抱っこで?」

兄「どう泳がせろと?」

下妹「あれ?お兄なら『下妹の生足Fooooo!』とか言いそうなのに」

兄「俺Fooとか言わない」

下妹「そう?」

兄「大体下妹ばっか愛でてると上妹拗ねるし。ほら」

上妹「拗ねてないっ···!」フンッ

下妹「拗ねたお姉も可愛いなぁ」

兄「ああ可愛い」

上妹「わざとそういう事言ってんでしょ!」

兄「え?今更気付いたの?」

上妹「んなっ···!」

下妹「だってお姉動きも言葉も全部可愛く見えてくるんだもん」

兄「完全同意」

上妹「だ、だから!」

兄「しかしそうか、そんなにして欲しいか」ヒョイ

下妹「ひゃ!」

上妹(あっ···お姫様抱っこ···良いな、下妹···)

兄「上妹ぉ!」

上妹「うぇ!?」

兄「何だ自分の名前でギャグなんてやるね」

上妹「ギャグじゃないし!」

兄「取り敢えず···下妹の愛を、受け止めて~!」

下妹「な、投げるの!?」

上妹「う、受けるの!?」

兄「いや飛び込む」

下妹「ひやぁ!」

 グッパオン

上妹「何今の効果音」

下妹「ぷわっ。もぉ、お兄!」

兄「はっはっは、そんな怒るなよ。一緒に飛び込んだだろ?」

下妹「お姫様抱っこのまま飛び降りなんて怖かったよ!」

兄「すまんな、生足に興奮したんだ(棒)」

下妹「棒読み過ぎるよ!するならもっと演技して」

兄「ハァ、ハァ、いやね?こう、ツルツル、スベスベの、下妹たんの身体、ハァハァ、ドュフフ」

上妹「演技がリアル過ぎるわ気持ち悪い!」

兄「おや、今のが演技だと良く分かったな」

上妹「ドュフフって笑ってくれなかったら演技だって分からなかった」

兄「笑い方以外じゃ判別不可なのね」

下妹「む~。全然反省してない罰として、わたしの水着姿の何処が良いか」

兄「全部」

上妹「即答とか···」

下妹「全部は駄目。ちゃんと何処がどう良いのか」

兄「まずスクール水着なのが良い」

上妹「だから即答···」

下妹「流石お兄。それで?」

兄「水着から伸びる白い肌が良いね。細いが綺麗な四肢、浮き出る鎖骨···」

上妹「何なの兄貴は。評論家?」

兄「エロソムリエさ」

上妹「辞めちまえそんな職業」

兄「これをやめるなんてとんでもない!」

上妹「ワインの樽の中で何年も熟成させてやろうか」

下妹「それ飲んで良い?」

上妹「お腹壊すからやめとなさい」

兄「まだまだあるぞ下妹!」

下妹「何々?」ワクワク

上妹「何期待してんの。て言うかまだ言う気」

兄「ヘソがね、浮き出そうな位水着がピッチリなのが良いね」

上妹「···あんまり浮き出てないけど」

兄「それはね、下妹の胸に生る、水着の所為でちょっと潰れてる禁断の果実があるからブゲェ」

上妹「楽園から追放してやる」バキボキ

兄「お前良くそんな音全身から出せるな」

上妹「出せるか手だけだから」

下妹「あんまりすると指が太くなるからね?」

上妹「分かってるってば」

兄「あと形がはっきり出てるお尻も良いし」

上妹「まだ言うか」

兄「そうだな。これ以上言うと俺の胸に天の文字が浮き上がりそうだから泳ぐぜ」ジャバジャバ

上妹「速っ」

下妹「あ、ビート板持ってお願い···」

上妹「あ~はいはい、これで良い?」

下妹「お姉ありがとね!」

上妹(可愛い)

兄「···」

上妹「ん?兄貴、戻ってきたんだ」

兄「足つって溺れかけたからな」

上妹「だから死にそうな顔してるんだ」

下妹「お兄大丈夫?生きてる?」

兄「ああ、何とかな」

上妹「急に泳ぐからそうなるの」

兄「足つるとは思わなかったもんで」

下妹「油断禁物だよ」

兄「肝に銘じときます」

下妹「う~ん···やっぱり泳ぐの難しい···」

上妹「下妹ちゃんは運動より勉強の方が得意だもんね」

兄「全身運動だから普段より疲れるしな」

下妹「お姉、泳いできたら?付き合わせちゃったから、その分思い切り楽しんできて欲しいな」

上妹「じゃあ···良い?泳いでくるね」

兄「行ってら~」

兄(しかし···)

上妹「」ザバザバ

兄(泳ぎ方が綺麗で無駄が無いな、上妹。運動大好きっ子なだけある)

下妹「お兄どうしたの?」

兄「上妹は泳ぐの上手いな、と」

下妹「魚みたいだよね!」

兄「人魚って言ってあげて」

下妹「お姉、良いなぁ。あんなにスイスイ泳げて」

兄「体の使い方が上手いんだろうな」

下妹「そうだね~」

兄「あと、体の凹凸少ないしな。主に」

上妹「···今何か言った?」

兄「イッテナイヨー」

下妹「そうだよー」

兄「ていうかもう戻ったのか、速いな」

上妹「泳ぎ慣れてるからね」

兄「流石上妹」ナデリ

上妹「ちょ、濡れちゃうって」

兄「いやもう髪濡れてるぞ」

上妹「あ、そう言えばそうだった···」

兄「それとも何だ、もう一つの意味か」

上妹「もう一つ···?」

兄「いや、分からなければ良いんだ」

上妹「···私が殴り飛ばす様な話って事?」

兄「違うよ?違いますよ?」

下妹「お姉、聞きたい?」

上妹「言ってくれる?」

下妹「じゃあねぇ、耳貸して?」

上妹「?うん」

下妹「」フッ

上妹「ふあ!?な、何で息吹き掛けてくるの!?」

下妹「ちょっとやりたくなって」

兄「可愛い声が聞こえて良かったです(小並感)」

上妹「可愛っ···コナミカンって何?何でかっこ閉じるとか言ってんの?」

兄「俺の事で深く気にすると負けさ」

下妹「ごめんねお姉、もう一回貸して」

上妹「うん···次やったら」

下妹「」フーッ

上妹「んあっ···もう!もう!」

兄「モーモーモーモー牛かお前は。胸無いのに」

上妹「どぉりゃあああ!」

兄「ごふぉ!と、飛び蹴りとか···」

上妹「そんなにっ!胸がっ!大切かっ!」ガッガッ

兄「板い板いやめれ」

上妹「何か悪意感じるんだけど!」

兄「気の所為だろ間違いなく」

下妹「ごめんねお姉、もうしないから」

上妹「···本当に?二度ある事は、って言うよね?」

兄「」フー

上妹「おりゃああああ!」

兄「ハブン!」

上妹「ふぅー···で、下妹ちゃん、結局意味は?」

下妹「それはね~···」ボソボソ

上妹「······んなっ!?///」

兄「俺ちょっと逃げ」

上妹「兄貴ぃ!」ブオン

兄「おっと」ヒョイ

上妹「掴むな!」

兄「そんなにイライラするなよ牛乳飲めよ。胸的にも」

上妹「···っ!また胸···っ!」グスッ

兄「あ」

上妹「こんの···クソ兄貴···!」ヒグッ

兄「すみませんでしたぁ!」

下妹「凄い水中で土下座してるみたいだけど潜れないから全然分かんない」

上妹「絶対許さないんだからぁ···!」エグッ

兄「何でも!何でもしまむらじゃないしますから!」

下妹(こんなタイミングでもボケられるなんて···これがお兄···!)

上妹「うぅ~···本当に、何でもする···?」グズッ

兄「出来る範囲ならな!あ、犯罪とか地球一周とか全裸で外歩けとか無理よ?」

上妹「言わないから···」ズズッ

―――――
―――
――

上妹「ん~甘い♪」

下妹「お姉ちょっとちょ~だい」

上妹「ん?ほら、あ~ん」

下妹「あむ。ん~美味しい!」

兄(この笑顔が見られるなら3000円のパフェなど安いものよ···)

下妹「お兄も食べる?」

上妹「駄目駄目。人の気にしてる事何度も言った罰」

兄「そう言う訳で俺が悪いんだから気にしない。それにパフェは俺には甘過ぎるし」

下妹「そっか···じゃあお兄の目の前で美味しそうに食べ続けるからね」

兄「是非頼む」

上妹「兄貴」

兄「何ぞや」

上妹「何でも言う事聞くって言ってたけど」

兄「まだ何かあるのか」

上妹「当然!後でアイス買ってね」

兄「こやつめここぞという時に金を使わせるとはやりおる」

上妹「嫌なの?」

兄「こんな時もあろうかと妹達に使う用のお金と財布があって良かったぜ」

下妹「お兄財布二つあるの?」

兄「あるのさ、これがな」

上妹「もっと違う方面で努力すれば良いのに」

兄「妹の為に努力して何が悪い」

上妹「いやだからその努力の方向が···まぁ良いけど」

上妹「ご馳走さま~♪」

兄「随分美味そうに食べてこの子は」

上妹「普段食べないしさパフェとか」

下妹「お金掛かっちゃうもんね」

兄「お、口元にクリームが。舐めて良い?」

上妹「良い訳ないよ馬鹿。全くもう···」

下妹「あ、拭いちゃった。折角指で拭って舐めようと」

上妹「しなくて良いから」

兄「くそっ···俺が言わなければその光景が見られたかもしれないのに···!」

上妹「見なくて良いから」

兄「よし、次は買い物だな」

下妹「そうだね!」

上妹「アイス」

兄「買うって。全員分買うから」

下妹「お兄太っ腹!」

兄「たまには父さん母さんの分も買ってかないと晩飯アイスにしかねないしな」

上妹「···あり得る」

兄「だろ?」

下妹「流石にそこまでは···」

兄「結局何しだすか分からんからな」

上妹「未だにお母さんとお父さんの行動力には付いていけないし···」

兄「付いていかなくて良いんだ。あの夫婦のノリは一般人には無理だ」

下妹「言い過ぎだと思うけどなぁ···」

兄「しかし買い物ったって何を買うんだ。服?」

下妹「違うよ?普通に食材のお買い物」

兄「え?下妹が買ってたの?」

下妹「こういうお休みの日だけね?」

上妹「兄貴知らなかったんだ」

兄「くっ···俺とした事が···妹に対して知らない事があるなんて···」

上妹「全部知ってたら変態とか気持ち悪いとかじゃすまなくなるから。犯罪者だから」

兄「スリーサイズは知ってるけどな」

上妹「何でっ!?」

兄「バカ野郎!もし妹と下着ゲフンゲフン服を買いに行った時にピッタリの奴持ってこれないだろ!」

上妹「今下着って言ったよね?ねえ言ったよね?」

兄「言ってません」

上妹「堂々と嘘つくな!」

上妹「ちょっと。学校生活も知ってるとか言わないよね···?」

兄「ちょっとだけ知ってるぞ。父兄参観で行った時の事だけな」

上妹「そう···じゃあ、良い」

兄「何か知られたくない事でも?」

上妹「別に」

上妹(···姉妹揃ってブラコンって思われてるのは···私ブラコンとかじゃないし。うん)

下妹「まさか、今着てる下着の種類とか色とか···!」

兄「俺のなら言えるけど」

上妹「言わんで良い」

下妹「上が白で下が灰色で···」

兄「良く分かったな」

上妹「何で分かったの!?」

下妹「だってお兄それしか持ってないもん」

上妹「何で知ってるの!?」

下妹「お姉のも当然分かってるよ」

兄「ちょっと教えて」

上妹「しゃあ!」

兄「肘打ちはヤバいオゴゥ!」

下妹「えっとね~」

上妹「言わない!」

下妹「は~い」

兄「ぐっ···なら覗くしか」

上妹「眼を潰すぞ」

兄「しないからやめてください」

上妹「てか何で兄貴のなんか知ってんの」

下妹「···聞きたい?本当に?」

上妹「え、えっと···」

兄「いや、風呂に突撃してくる時に見てるだけだろ」

下妹「そうだよ?」

上妹「何だ···真剣に言うから何かあるのかなって···」

兄「流石に無いって。まさか匂い嗅いでます、なんて事は無いだろうし」

上妹「ある訳無いでしょ!」

下妹「ふふふ」

下妹(···お兄ってば、こういう時鋭いよね···)

兄「おや?何故だろう背筋が凍る様な」

上妹「この時期に風邪ってキツイよ」

兄「確かにそうだな···」

下妹「体暖かくして寝てね?」

兄「分かってるよ」

下妹(そして一杯流す汗とか拭いたり色々して···ちょっと駄目かな)

上妹「下妹ちゃん?」

下妹「なぁに?」

上妹「何か考えてたみたいだから気になって」

下妹「アイスどうしようかな~って」

上妹「好きなので良いよね?兄貴」

兄「そりゃ。高いのでも良いぞ」

上妹「ふ~ん、じゃあいくつも買っちゃおうかな」

兄「たくさんは勘弁して」

兄「という訳でスーパーに着いたのだった」

上妹「だから誰に言ってんの」

下妹「今日は何が良いかな~♪」

兄「下妹の笑顔が良い」

下妹「ど~ぞ♪」ニコッ

兄「上妹、この笑顔に幾ら払える?俺万単位で払う」

上妹「何言ってんの?この笑顔は価値が良すぎてお金じゃ払えないから」

兄「······っ!その、通りだ···!」

下妹「言い過ぎだよ、えへへ」

兄(可愛い)

上妹(可愛い)

下妹「お兄、お姉、何食べたい?って言っても、わたしが作る訳じゃないけど」

兄「ここは上妹の好物で」

上妹「えっ、私?」

下妹「じゃあハンバーグだね!」

兄「ちゃんとデミグラスソースとコーンは買っとかないとな」

下妹「ソースはあるよ?」

兄「んじゃコーンだな。好きだもんな上妹」

上妹「好きだけど···言った事あったっけ」

兄「俺は忘れんぞ。とうもろこし二本もかじりついてたのを」

上妹「あ、あったっけ···?」

下妹「覚えてないなぁ···」

兄「あの時の上妹は凄かったな。無言で丸かじりしてて」

上妹「わ、忘れてよそんなの!」

兄「妹との思い出を忘れる事など出来ん!」

上妹「カッコいい風な事言って誤魔化すな!」

兄「さ、行くぞ下妹~カゴは任せろ~」ガラガラ

下妹「イエッサー!」

上妹「あ、ちょっと無視すんな!」

兄「何だいmy sweet sister」

上妹「何で英語!?」

下妹「お兄発音良いね!」

兄「sisterは特に練習したからな」

上妹「だから努力の方向がさ···」

兄「おっ、牛乳」ガラガラ

上妹「···」ジロッ

兄「俺何も言ってないです」

上妹「···」スッ

兄「俺が悪かったから何本も買わないで」

上妹「大きくなって欲しいんでしょ?」

兄「一応言っとくぞ。牛乳飲んでも背も胸も大して変化しないから」

上妹「······い、一縷の望みを懸けて」

兄「だから大きくしたいなら揉んで」

上妹「黙れ」

兄「はい」

上妹(···そ、それはどうしようもなくなった時に···って何考えてんの私!)

兄「買い過ぎだって何本買う気なんだ」

兄「んで、アイスは」

上妹「どうしよっかな~」

下妹「あ、わたしは···あれ」

兄「···ポッキンアイスって奴?」

上妹「え、チューペットじゃないの?」

下妹「シャーベットアイスじゃなくて?」

兄「え?」

上妹「え?」

下妹「えっ」

上妹「二人とも···あれアイスじゃないって、まだ」

下妹「凍らせたらシャーベットに···」

兄「ポッキリ割れるし」

上妹「···何か終わりが見えてこなさそうだからお終いで」

兄「···そうだな」

兄「さて、必要な分は買ったしお菓子買おう」

上妹「アイスあるのに?」

兄「別腹だ」

上妹「女子か」

兄「何と···俺は姉だったのか」

下妹「タイトル姉妹に変えなきゃ」

上妹「変えんでよし」

上妹「···」ガサ

下妹「お姉何見てるの?」

上妹「ん?あぁ、これ」

下妹「えっと···知育菓子、だっけ?」

上妹「昔これ買って遊んでたな~って思って」

下妹「そうだね~。特にお兄が酷い目にあってた」

上妹「ああ···思いっ切り完成した奴顔にぶつけたりとかしてた···」

下妹「そういえば···お兄、泣いてたね」

上妹「···泣いてた」

下妹(あの時のお兄可愛かったな~···)

上妹(今からでも謝るべきかな···いやいや!今日は私の方が泣かされたし!)

兄「よし買ったぞ俺は」

下妹「レモンの喉飴?」

上妹「風邪が気になるなら普通のでも」

兄「レモンっていうか甘酸っぱいのが好きなんだよ」

上妹「へー、そうなんだ···」

上妹(甘酸っぱい料理か···酢豚とかかな。後で色んなレシピ探そう)

下妹「その割にはあんまり甘酸っぱいの食べてない気が···」

兄「本当は毎日食べたい位好きなんだけどな。でも好きなの俺だけみたいだし」

上妹「じゃあいっつも何で我慢してんの?」

兄「レモンの炭酸とかで」

下妹「毎日?体に···」

兄「お茶が無かった日だけだから」

上妹「でも、そんなに好きとか···もしかして、つわり?」

兄「だから俺は姉なの?」

下妹「しかも妊娠しちゃってるよね、それ···」

兄「俺が女だったら親に勘当されてるかもしれん」

上妹「···無いんじゃない?お前早いな!よくやった!今日は赤飯だ!って言いそう」

下妹「寛容だよね~···お母さんとお父さん」

兄「俺に酒勧める位だからな。まだ十七よ俺」

下妹(···禁断の関係!ってなっても喜びそうなんだよね···適当なとこあるから)

上妹「で」

兄「で?」

上妹「兄貴、何隠してんの?」

兄「尻」

上妹「頭隠した方が良いよ」

兄「止めて滅・昇○拳止めて」

上妹「じゃあ出せ」

兄「しょうがないにゃあ···」

上妹「何でズボン脱ごうとしてるのかなぁ!」

兄「他に隠してるものって言ったらさ」

下妹「お兄外でやったら捕まるよ」

上妹「ついでに蹴りあげてやる」

兄「え!蹴ってくれるんですか!」

上妹「もうヤダ···」

兄「まあ色々冗談として」

上妹「冗談じゃなかったら他人の振りしてる所だから」

兄「家族の縁を切るとか言わないのか」

上妹「切って欲しい?」

兄「そうなったら俺死ねる自信あるね」

下妹「だからお兄そういうの駄目!」

兄「はい、逞しく生きます」

上妹「今でも十分逞しいでしょ」

下妹「雑草みたいだね」

上妹「その例えはどうなの···?」

兄「隠してたのこれな」

下妹「···チーズおかき?」

上妹「何でよ」

兄「これのチーズの味が癖になるんだよ」

下妹「そういえば良くおつまみ食べてるね、お兄」

兄「父さんが幼い頃から食わせてくるから、何時の間にかな」

上妹「···私見た事無いけど」

兄「そりゃ俺の部屋で食ってるもの」

上妹「···下妹ちゃん、本当兄貴の側によく居るね」

下妹「お姉の側にも同じ位居るよ?」

兄「俺は上妹の側に居る事少ないなぁ···」

上妹「···別に、頼むんなら、居てあげなくもないけど···?」

兄「ツンデレだな」

下妹「ツンデレだね」

上妹「違うから!」

―――――
―――


兄「ふう、ただいま」

上妹「まだお母さんお父さん帰ってないみたいだけどね」

下妹「ただいま~。そして皆おかえり!」

兄「ただいま下妹」

上妹「ただいま下妹ちゃん」

下妹「えへへ」

兄「どうしてこんな可愛く育ってしまったんだ」

上妹「天使なんだから最初から可愛いに決まってるでしょ」

下妹「お兄とお姉が居てくれるからわたしは笑ってられるんだよ?」

兄「なんと救われる言葉···!心が洗われる様だ···!」

上妹「これからも居てあげるからね···!」

下妹「うん!」

兄「さぁ、俺の部屋でゲームじゃゲームじゃ」

下妹「冷蔵庫に食材入れてからね」

上妹「あとお菓子持ってね」

兄「あいよ~い」

下妹「アイスは?」

上妹「今食べる」

下妹「わたしもそうしようかな」

兄「一本だけにしときなさいよ」

上妹「ん」

下妹「は~い」

兄「で、この···チューペットとか言うのは凍るまで仕舞っといてと」

上妹「このソーダアイスを一本」

下妹「ちょーだい?」

上妹「そりゃあげるよ当然だよ」

下妹「わ~い」

兄「棒アイスなぁ···最後食べにくいのがな~」

下妹「あむ」

上妹「兄貴が下手なだけでしょ」

下妹「ん、あむ、んちゅ」

兄「そうか···」

下妹「ちゅむ、んん、んむ」

兄「俺トイレ行ってきて良いかな」

上妹「はあ?わざわざ同意求めないでさっさと行けばいいじゃん」

兄「···ふぅ。スッキリしたぜ」

上妹「あ、やっと戻ってきた」

兄「いやぁすまんの。思いの外出たもんで」

下妹「お腹痛かったの?」

兄「まあそんなとこだ。溜まってたんで」

上妹「我慢せずに早く行けばよかったのに」

兄「全くだ。こんなに痛くなるとは思わなんだ」

上妹「自分の体調くらいちゃんと管理しなよ」

兄「面目無いぜ」

下妹(···大きい方だよね···その、そういう方じゃないよね)

兄(アイス食べる姿見てただけで腹壊しかけたとか、やっぱ風邪かな···)

兄「さて、ゲームゲームと」

上妹(あ、兄貴の部屋···久し振りに入ったな···な、何か緊張する···)

下妹「何するの?」

兄「どうしようか」

上妹「は、早く決めなよ」

兄「エロゲ」

上妹「妹の見てる前でする気···?」

兄「持ってないから引かないで」

下妹「無いの?」

上妹「意外···」

兄「あっれ~?」

兄「馬鹿にするなよ。俺は本当に持ってない。本も無い。ネットで見た事もあんまり無い」

上妹「ネットはあるんだ···」

下妹「えっと、お兄も男の子だから仕方無いよ」

兄「そのフォロー何か恥ずかしいから止めて」

上妹「で、何で無いの」

兄「もし見付かったら妹の教育に悪いじゃないか」

上妹「変な方向に突き抜けてるね、兄貴」

下妹「拘りだね」

兄「で、何しよう」

上妹「良いじゃん、何かパーティーゲームで」

兄「じゃあ神経衰弱」

上妹「ゲーム機何処行った」

下妹「目の前にあるよ」

上妹「分かってるから」

兄「じゃあバーチャルボ○イだな」

上妹「何であんの」

兄「駄目か。ならパズド○だな」

下妹「スマホだよね」

兄「え~···じゃあオ○ーナ」

上妹「買ったの!?」

兄「全然良いゲームだった」

下妹「もう終わってるんだ···」

下妹「わたしは別にお兄一人でしてるの見てるだけでも良いよ」

兄「後ろで見てるだけとか俺が気にするって」

下妹「大丈夫!特等席で見るから!」

上妹「特等席?」

下妹「えいっ」ポフ

兄「え、俺の膝の上?」

下妹「ぎゅーってしながらしてね?」

兄「頼まれなくともしてました」ムギュ

上妹「······」

兄「あっ」

上妹「······ズルい」

兄「ほら下妹、上妹の方に」

上妹「下妹ちゃんちょっとずれて。上乗る」

兄「えっ」

兄(どうしましょう皆様。上妹が拗ねてデレました)

上妹「」カチカチ

下妹「お姉頑張れっ」

兄(何か右膝に上妹、左膝に下妹が俺を背もたれにして乗っかってる感じです。俺どうしたら良いの?)

上妹「ちょっと兄貴動かないで気が散る」

兄「俺の膝から降りれば」

上妹「は?」

兄「何でもないです」

兄(ヤバいぜ女の子凄い良い匂いする何でするんだろうなぁ)

上妹「手動かさないでよくすぐったい」

兄「じゃあ俺抱き締めなくても」

上妹「あ?」

兄「何でもないです」

上妹「ふうっ、しんど···」

下妹「おぉ~、クリアしたね」

兄「······」

下妹「お兄?どうかした?」

兄「今椅子に徹してるんだ」

上妹「···降りた方が良い?」

兄「良い匂いするから駄目だな」

上妹「···駄目なら仕方無いよね、うん」クテッ

兄(···どうしましょう皆様。上妹が俺に頭を預けました。可愛い)ナデナデ

上妹「んぅ···♪」

兄(ああ、頭撫でても怒らないどころか凄い嬉しそう。今なら脇腹くすぐっても許されそう)コショコショ

上妹「ちょっ、んふ、どこ触って、あはは」

兄(···何でそんな嬉しそうなんですか、上妹さん)

下妹「お兄こっちも撫でてよ~」

兄「ほい」ナデリ

下妹「あふ···お腹撫でられるのも良いね、安心する···」

兄(下妹は何処触っても怒らないどころか喜びます。流石に胸とお尻と大事な所には触ってません。社会的に死ぬから)

下妹「ん~···♪」スリスリ

兄(でも頭を擦り付けてきてもっと触ってとおねだりします。何でこんな可愛い子が産まれたんだ)

上妹「···お兄ちゃん」

兄「な、何すか」

上妹「私も撫でてよ···」

兄(やっべデレ過ぎよそんなに姉妹で一緒が良いのかこの子両手忙しい)

兄「は、はいお終い」

下妹「え~」

上妹「······」

兄「···おい、上妹、どうした」

上妹「······」

上妹(な、ななな、何してんの私っ!?兄貴に何かベッタリしちゃって···!)

上妹「///」プシュー

下妹「お、お姉の顔が真っ赤っかに···!」

兄「凄い湯気が出てる」

上妹「···違う···これは!違うからぁ~~!!///」

 ガチャ バタム

下妹「···部屋に戻ったのかな?」

兄「枕に顔埋めてジタバタしてそうだぜ」

下妹「ちょっと見てくるね。あと写真撮って送るね」

兄「任せた」

下妹「···お姉~?」コソッ

上妹「~~~~!///」バタバタ

下妹(わぁ、お兄の言う通りの動きしてる。可愛いなぁお姉)

下妹「···動画録ろ」カチッ

上妹「······下妹ちゃん?」

下妹「あ、今顔真っ赤なお姉を動画で録ってるから」

上妹「何でよ!?」

下妹「え~だって今のお姉すっごく可愛いもん」

上妹「停めて、停めてよ!」

下妹「うん、じゃあ停める」

上妹「そ、そう···良かった」

下妹「でも消さないよ」

上妹「誰にも見せないなら、良い」

下妹「あっ、手が滑ってお兄に送っちゃった」

上妹「わざとだよね!?」

上妹「うぅ···兄貴と顔合わせらんない。恥ずかしい···」

下妹「何でそんなに恥ずかしがるかなぁ」

上妹「だって!だってさ!」

下妹「わたしは恥ずかしくないよ?だってお兄もお姉も大好きだから」

上妹「そ、それは下妹ちゃんだから···」

下妹「もっと素直になったら良いんだよお姉は。そしたらお兄大好きなの隠さなくて済むもん」

上妹「す、好きじゃないし!?」

下妹「声裏返ってるよお姉」

上妹「い、いや、本当だよ?兄貴の事なんて何にも思ってないし!」

下妹「お姉の言う通りならお兄に対して恥ずかしがったり狼狽えたり甘えたりしないよね?」

上妹「うっ···そ、それは···」

下妹「わたしは大好きだって思ってるから、二人にちゅーも出来るよ?」

上妹「えぇ!?私に、あ、兄貴に!?口に!?」

下妹「うん!お姉、試してみる···?」

上妹「え、え、え、え···!」

下妹「···ふふっ、お姉、目閉じちゃって可愛い♪」

上妹「へ···?し、しないの?」

下妹「しないよ?···今は」

上妹「い、今は?それって···」

下妹「楽しみに待っててね···?」

上妹(な、何だか下妹ちゃんが妖艶な雰囲気を···!)

 コンコン

上妹「!」

下妹「なぁに?お兄」

兄「いやね、何か夫婦揃ってエンジョイし過ぎて暫く帰ってこないらしいんで、上妹、料理頼む」

下妹「だって。お姉」

上妹「う···うん···分かった···」

兄「あ、あと動画見た。最高だった」

下妹「だよね!」

上妹「~~~~っ!///」

兄「ドアの前に居るから分からんけどめっちゃ睨まれてる気がするぜ」

下妹「大丈夫だよ、照れ隠しだから」

上妹「うぅ~~···///」

兄「さあ料理楽しみにしてるぞ」

上妹「あ、兄貴は、黙って座って待っててよ」

兄「えー」

上妹「えー、じゃなくて、本当止めてお願いだから···」

下妹「緊張してるみたいだからそっとしといてあげてね」

兄「怪我するなよ。したらそこ舐め倒すからな」

上妹「···頑張る」

下妹「わたしも手伝うね」

上妹「うん、ありがと···」

下妹「あ、お兄、裸エプロンした方が良い?」

上妹「ちょっと兄貴」

兄「滅茶苦茶見たいけど危ないし風邪引くから止めときなさい」

下妹「は~い」

上妹「······」

上妹(うぅ、手汗が···何でこんな緊張しなきゃ···)

下妹「お姉、落ち着いて、ね?」

上妹「う、うん···」

兄(ソワソワしてるな、上妹。そんなに恥ずかしかったのか···)

兄(···裸エプロン···見たかった···見たかった!見たかった!!)

上妹「···出来た」

下妹「二人分の愛が籠ってるよ、お兄♪」

上妹「あ、愛とか···!」

兄「そうか、そりゃ美味そうだ」

上妹「そ、そう···」

下妹「じゃあ皆でいただきます!」

兄「いただきます」

上妹「···いただきます」

下妹「と、食べる前にしてみたい事があります!」

上妹「してみたい事···?」

下妹「お兄とお姉にあ~んってやってあげたいのです」

上妹「え、えぇ···?」

兄「準備出来てるか?俺は出来てる」

下妹「じゃあはい、あ~ん♪」

兄「あん。うむ、やっぱり美味い」

上妹(···良かった···じゃなくて!いや、下妹ちゃんは素直にって···ああやっぱ無理)

兄「じゃあお返しに下妹にも。あ~ん」

下妹「ふぇ?あ、あ~ん。···美味しい」

兄「そりゃたった今俺の愛も注がれたからな」

下妹「ふふ、ありがとね、お兄」

下妹(お兄は突然こういう予想してなかった事してくるから···大好き♪)

下妹「さあお姉も!あ~ん」

上妹「う···あむ。···美味しく出来てる」

下妹「お兄の愛が入ったばかりだからね!」

上妹「······」

兄「上妹~?どうした?」

上妹「な、何でもない」

上妹(兄貴の愛···凄く嬉しい、って思ってる···とかって、言えない···)

兄「下妹、満足したか?」

下妹「これはね?」

兄「これは?」

下妹「食べた後の事考えてたの。三人でベッドで眠るのは決めてるから···」

上妹(そ、そうだった···!兄貴の部屋で皆一緒に寝るって決めてたんだった···!ど、どうしよう)

兄「まあまあ今は食べよう」

下妹「は~い」

上妹「···ん」

兄「う~ん、美味いなぁ。美味い美味い」

上妹「···///」

下妹(お姉しおらしくなっちゃってる···可愛い♪)

兄「いやぁ、上妹の料理が一番好きだな、俺は」

上妹(す、好きって、一番好きって···!///)

下妹「作ってる時、お姉皆の事考えながらしてるからね!」

兄「ほう、俺もか」

下妹「むしろお兄が一番考えられてるんじゃないかなぁ」

上妹「か、考えてなんか!······。ある···///」

兄「そりゃ嬉しいなぁ」

兄(えぇ~···この子デレデレですやん···可愛い)

兄「時間を消し飛ばした···もう既に料理は食べ終わって俺は風呂に入っている···」

下妹「誰と話してるの?」

兄「ごく当然の様に俺と風呂入ってる事に驚いてつい」

下妹「変なお兄~」クス

兄「それはまだ良いんだ。······上妹、お前も居るのは何故だ」

上妹「···駄目?」

兄「良いですどんどんどうぞ」

兄(上妹のデレが止まらないだと···!?)

下妹「では何時もの通りお背中流しま~す」

兄「あい」

上妹「じゃあ···私前洗う」

兄「待って駄目魔物が住んでるから」

上妹「······」ジッ

兄「睨まないでお前俺に前洗われるの嫌だろ?」

上妹「兄貴は···優しくやってくれるだろうから、良いよ」

下妹「わたしも良いよ?なのにどうしてしてくれないの?」

兄「えっ、ちょ···俺もね?多少の良識はあるんだ。前洗ったらセクハラで犯罪でしょ?」

下妹「同意の上なら問題無いよ?」

兄「どうしよう逃げ道が塞がれていく」

上妹「前···何で駄目なの?別に、その、上半身だけだし」

兄「あ、そうなの?なら良いや下までやられたら魔王が産まれる所だった」

下妹「そうなの?見て良い?」

兄「駄目だ。危険過ぎるからな」

上妹「···どう?」ゴシゴシ

下妹「お加減いかがですか~?」ゴシゴシ

兄「ちょうど良いよ」

兄(まさか前後同時に洗われるとは···何?ここはそういう店?そういうプレイなの?)

下妹(やっぱりお兄背中広いなぁ···抱き付いたら怒られるかな?それとも喜ぶかな)

上妹(今日見たけど、やっぱ身体ガッシリしてるなぁ···今抱き締められたら、絶対ヤバい···)

下妹「···よし!じゃあ身体の次は頭だね!」

上妹「私は···もう無い?」

下妹「あるけど···」

兄「下は駄目よさせたら社会的にし···消滅する」

下妹「ねぇお兄、頭洗う前に背中に抱き付いて良い?」

上妹「!」

兄「流石に素肌は駄目だぞ~色々問題起こるから」

下妹「は~い。···じゃあ、えいっ」ムギュ

下妹(はふぅ···お兄の背中、すぐ眠れそう···)

兄(···タオル越しでも分かるね、下妹の胸の大きさ。長年共に過ごして耐性が付いていたから平気だが···)

兄(もし下妹が今まで抱き付いてこず風呂にも一緒に入ってない状態で突然こんな事しだしたら···)

兄(きっと俺は事件を引き起こしていただろう···いや俺良く耐えてるよ本当に気抜いたら落とされるもん)

上妹「···良いよね?返事は聞かないから」ギュ

兄「お前何処のイマジンってあなたも抱き付くんですか」

上妹「···」ギュー

上妹(···甘えるのって、落ち着くし、気持ち良い···もっと、もっと下妹ちゃんみたいに甘えたい···)

兄(これやっぱここそういう店だよ今幸福度ってのが出たら俺ほぼマックスよ)

下妹「ふふ、満足したから、頭洗うね♪」

上妹「···じゃあ、離れる」

兄「おk」

上妹「···終わったら、頭と身体、洗ってもらうから」

兄「え」

下妹「あ、お姉するならわたしもしてねお兄」

兄「あの···前は色々と無理よ?背中までよ?」

上妹「···ん、分かった」

下妹「え~、別にわたしは頭から爪先まで全部洗ってくれても良いんだよ···?」

兄「そこまでやったらタイトル変わるぞ。兄妹でしっぽり性活になっちゃうぞ」

下妹「タイトル変わればしてくれるって事?じゃあタイトル今から変えて」

兄「止めなさいお願いだから止めなさい」

上妹「さ、流石にそれは駄目だよ下妹ちゃん」

下妹「む~、駄目かぁ···」

下妹「あ、肌弱いから素手でやってね?特に上妹ちゃん」

上妹「いや、私は別に···」

兄「分かったぜ」

上妹「え、えと···うん。お願い」

兄「···どうだ」

上妹「ん···気持ち良い」

兄「そうか」

兄(···意外と柔らかい)

兄「流すぞ~」

上妹「···ん、ありがと。良かったよ、意外と」

兄「そりゃ良かった」

下妹「はい次わたし!」

兄「はいはい」

兄(上妹は背中はだけさせるだけだったけど、下妹は前を見せない様に全部タオル外すからなぁ···)

兄(···これ裸エプロンと同等の露出だよな。上妹と違ってお尻普通に見えてますし···見えてますし!)

兄「良い感じか?」

下妹「うん···」

兄「どうした」

下妹「いやね、お兄の手も大きくてあったかいな~って」

兄「そりゃ女の子と比べりゃあ大きいし手も冷えにくいし」

下妹「だからね、そんな手だから撫でられて安心するんだなって、思っただけ」

兄「そうかい、嬉しいねぇ」

上妹「急に老けた喋り方してどうしたの」

兄「ただの気紛れ」

兄「それにだね、お前らは女の子な訳だ」

上妹「それが?」

兄「下妹はあんまり外出ないから、肌も白いし身体も細い。でも胸とか何故かデカい。お尻もエロい」

上妹「エロいって何よ···」

下妹「もぉ、お兄ったら」

兄「上妹は運動好きだから、下妹よりは身体はしっかりしてるし肌もちょっと焼けてる感じだ」

下妹「夏だから特に黒っぽくなってるよね~」

上妹「う···止めてよ、ちょっと気にしてるのに」

兄「で、何が言いたいかと言うと···俺は男で二人の兄だから、守ってやったり安心させてやりたいんだ」

上妹「守る···私兄貴より強いけど」

兄「でも女の子だろ?そして俺の妹だろ?だから強さなんか関係無し」

上妹「···!」

下妹「お兄、立派だよ!」

兄「はっはっは。おっと、因みに例え弟だったとしても同じ事言ってたぞ、兄として」

上妹「ふふっ···兄バカって事だ」

兄「兄バカ?アルパカじゃなく?」

上妹「こんな所でアルパカの話してどーすんの」

兄「どうするんだろうか」

下妹「どうするの?」

上妹「聞かないでよ」

兄「まあ良いや。しかし、兄バカか···」

上妹「あ···嫌だった···?」

兄「何を言うか。まさに今の俺に相応しい言葉じゃないか」

下妹「うん、ぴったりだね!」

兄「さっき初めて聞いたのに最初から存在してたかの様なフィット感だぜ」

下妹「で、お兄、頭は?」

兄「おっと。下妹が頭洗う前に交代頼んだから、忘れる所だった」

下妹「ごめんね」

兄「気にしない気にしない。さて、どっちから?」

下妹「次はわたしから!」

兄「了解」

下妹「優しくしてね?」

兄「当たり前だろ、雑にやったら女性の命と言われる髪が傷むじゃないか」

下妹「流石はお兄だね!」

兄「二人とも髪綺麗だからな、大切に洗ってやらんと」

上妹「さっきも背中がちょっとくすぐったい位丁寧だったけど」

兄「そりゃ肌も二人とも綺麗だからな」

上妹「そう、かな」

下妹「えへへ」

下妹「~♪」

兄(下妹は髪短めだから、ちょっとは洗いやすいな)

下妹「お兄上手いね。練習してたの?」

兄「いや?でも上手く出来てるようで良かった」

下妹「良い力加減だよ。ん~···気持ち良い···♪」

兄「···良し、流すぞ。目閉じてるよな」

下妹「うん···わぷっ」

兄「はい交代。次上妹」

下妹「は~い」

上妹「ん」

兄「ほい、やるぞ」

上妹「どーぞ」

兄(上妹は髪長いからなぁ···ちゃんと流さないと)

上妹「······♪」

兄「どうだ?」

上妹「ん···?自分でするより、良いかも···」

兄「そりゃ嬉しいね」

上妹(何でこんなにホッとするんだろう···優しい洗い方だから、かな)

兄「······良し、流すからな」

上妹「ん······ふう、良かったよ、兄貴」

兄「お気に召した様で何よりです」

下妹「じゃあ、皆で浴槽入ろう!」

兄「え、狭くね」

上妹「狭いよ」

下妹「お兄縮んで?」

兄「無茶言わない」

上妹「私達、思いっきり兄貴にくっ付く形になるね」

兄「何で?俺端っこじゃないの?」

上妹「真ん中に決まってるじゃん」

下妹「お兄が端だったらわたしかお姉、どっちかしかくっつけないでしょ?」

兄「そんなさも当然の様に言われても」

下妹「お兄に前か背中から思い切り抱き寄せられるのも魅力的だけどね」

上妹「···で、でもそれってさ、あの、兄貴の、当たるんじゃ···///」

兄「当てない、当てないから。そんな事したら色々問題出るから。タイトル変わっちゃう」

下妹「ふふ、お兄♪」

上妹「···この光景だけ見たら、兄貴が私達侍らせてるみたいだね」

兄「俺自身がしろって言った訳じゃないんですけど」

下妹「でもして欲しいって思ったでしょ?」

兄「そりゃね?こんな美少女二人もくっついてくるとか役得以外の何があるって言うんですか」

上妹「良かったね、兄貴。私達が兄貴とすっごい仲良くて」

兄「でもなぁ···二人とも彼氏とか出来たら同じ事するのかと思うと、悲しさと申し訳なさが」

下妹「···お兄、彼氏作って欲しいの?」

兄「作って欲しいって言うか···ずっと俺と一緒に居る訳にいかないし」

上妹「彼氏か···考えた事無い。兄貴が居るからかな?」

兄「嬉しい答えではあるけども、兄としては将来に不安を感じてしまう」

上妹「そういうもんかな···」

下妹「むぅ、わたしはお兄とお姉が居ればそれで良いのに」

兄「あのな、俺がもし彼女とか呼んできたらどうするつもりなんだ?」

上妹「え···」

下妹「だ、駄目だよお兄!絶対駄目!」

兄「えぇ~···彼女駄目?」

下妹「わたし達が居るのに彼女なんて、お兄の欲張り!」

兄「いやいや、妹と彼女は」

上妹「···兄貴」

兄「え···何すか」

上妹「うん、認める···兄貴大好き。他の女に取られたくない位」

兄「え」

下妹「お兄、彼女作ろうとしたら全力で妨害するからね···」

兄「あの···怖いっす下妹さん···」

兄「お、俺上がるんで」

上妹「私も上がる」

下妹「わたしも」

兄「皆で上がったら狭いし身体拭けないし色々見えるし」

下妹「見て良いよ」

兄「いやあの、流石に···」

下妹「お兄を誘惑してわたし達の虜にすれば、彼女なんて作らないよね?」

兄「···そんな彼女嫌?」

上妹「嫌」

下妹「絶対嫌」

兄「そ、そんなにか···」

下妹「お兄以外の男の人と付き合うなんて嫌。付き合う位なら彼女作る」

上妹「私達の事本気で考えてくれる、歳の近い人なんて兄貴しか居ないし。だから兄貴が良い」

兄(こ、この子らこんなブラコンだったっけ···好かれるのは滅茶苦茶嬉しいけども···)

兄(将来の事を考えると···このままだとお互い独身のまま三人暮らしとかありえる···)

兄「だ、駄目だぞ。俺は髪しか拭いてあげないぞ」

上妹「良いよ」

下妹「むぅ···お姉が良いなら良い」

兄「じゃあ先上がってくれ」

下妹「何で?」

兄「身体拭いてる途中で覗かれそうだから」

上妹「しないって」

下妹「そ、そうだよ?」

上妹「···下妹ちゃん」

下妹「ほ、本当だよ?」

上妹「結局、追い出されたね」

下妹「うぅ、やっぱりお兄鋭い」

上妹(下妹ちゃんには悪いけど、一緒に拭き合うなんて事にならなくて良かった···恥ずかしいし)

下妹「こうなったら腹いせにお兄の下着盗んでやる」

上妹「ぬ、盗んでどうする気···?」

下妹「嗅いだり、自分で穿いたり、使ったり···」

上妹「か、嗅ぐ?穿く?···使う?」

下妹「お兄の匂いが一番強い所だから、嗅ぐとね、それだけで···」スンスン

下妹「はふ···ぁあ···♪」

上妹(こ、恍惚としてる···下妹ちゃんが、変態染みてる···て言うか本当に嗅いでたんだ···)

下妹「···お姉もする?」

上妹「し、しないから」

下妹「勿体無いなぁ···」

下妹「でね、穿くのはね、まるでお兄と一つになった気分になれるからだよ」

上妹「ひ、一つって···」

下妹「だって、お兄とわたしの大事な所が重なるんだよ···?」

上妹「な、何それっ///」

下妹「お姉とだってパンツは共有でしょ?それと同じだよ」

上妹「そうなの!?」

下妹「そうだったんだよ?お姉とも何時だって一つに···ね♪」

上妹(し、下妹ちゃん···思ってた以上に、筋金入りだ···!)

下妹「ふふ、最後の使うっていうのはね···♪」

上妹「な、何なの···?」

下妹「お兄の下着を穿いて、も一つお兄の下着用意して、それを嗅いだり舐めたり食べたりしながら···」

上妹「な、舐めたり食べたり!?」

下妹「お兄のベッドの上で、お兄の温もりに包まれながら一人で···ね♪」

上妹「そ、それって···///」

下妹「初めて考え付いて、してみた時は凄かったよ···♪頭が真っ白になってね···?」

上妹「も、もう良いもう良い!///」

下妹「聞いてよお姉。それでね、二人一緒に···♪」

上妹「な、何でそうなの下妹ちゃん!?///」

下妹「お姉と一緒が良いもん。全部は無理でも出来るだけ一緒が良い。お姉も大好きだから」

上妹「あ、あう···///」

上妹(兄貴が大好きだから、ここまでしたくなってるのかな、下妹ちゃん···)

こんなブラコンな妹……現実には…

>>160
それを言うのは野暮ってもんです。と言うか現実に居たら困る。

>>161
でもほしくね?

兄「······ふぅ、全く、年々ベタベタしてくるな、下妹」

兄(上妹は何か急に甘えてきてるけど、元々お兄ちゃんお兄ちゃんって、下妹以上にベッタベタだったし)

兄「俺そんな好かれる様な事してるかねぇ···?」

兄(俺女子と会っただけで一歩距離取られるけど、こっちはそんな嫌われる真似したっけ?)

兄「う~ん···別に変な事してないっていうか妹だけにはセクハラばっかしてるけど」

兄(あれか?友達が原因か?確かに俺以外ドュフドュフ笑ってるけどさぁ)

兄「···いや、違うな。あいつら見た目オタクだけどめっちゃアグレッシブなアウトドアタイプだし」

兄(アグレッシブ過ぎて校舎の壁伝って屋上まで行ってた時は確かに引いたけど。しかも往復してた)

兄「···どっちにしろ、彼女作ろうとしたら、下妹は俺がド変態だって学校どころか街中に広めそう」

兄(あの子は大人しいようで一回決めたら何が何でも絶対するからなぁ···)

兄「上妹···上妹は···あいつはそこまではしないな。番犬みたいに唸って睨むとかそんなんだな」

兄(そもそも下妹より上妹の方が大人しくて人見知りする方だったんだけど···)

兄「あいつ、父兄参観の時そこまで大人しくなかったけど···家より口数少なかったな」

兄(内弁慶か···今俺に甘えてくるのもそれがあるのか?)

>>162
下着嗅いでる家族の姿とか見たら怖くて足震える

兄「···上がるか」バシャ ガチャ

兄「···?···あれ、俺下着忘れたっけ···?」

兄「···まさか下妹···?いや良そう。これ以上邪な考えで混乱したくない」

兄(そう、俺が忘れただけだ。うんそうだ)

兄「···先にズボン履いて取りに行くか」

下妹「あ、お兄」

兄「髪拭くの待っててくれ」

下妹「は~い」

上妹「···下妹ちゃん」

下妹「なぁに?」

上妹「結局盗んでるけど···ほ、本当に言ってた事するの?穿いたり、だとか···」

下妹「しないよ?」

上妹「え」

下妹「ふふ、さっきのはからかっただけ」

上妹「···え、本当に?全部嘘?」

下妹「流石に舐めたり食べたりはしてないよ?」

上妹「···嘘じゃないよね?」

下妹「嗅ぐ事以外は全部一回しかしてないよ。癖になって、戻ってこれなくなりそうだったから···」

上妹(よ、良かったの、悪かったの···?)

兄「さぁ妹達よ、髪を拭いちゃるぞ」

上妹「ん」

下妹「は~い」

兄「まず上妹からな、ほれほれ」

上妹「うわ、止めてよ急に···丁寧だから良いけど」

兄「···よく見たら、パジャマお揃いなんだな」

下妹「一緒のが良いってわたしが言ったの」

兄「姉妹揃って一緒が良い、か。双子だからか?」

下妹「ふふ、双子じゃなくても言ってたと思うよ」

上妹「そうだね」

兄「うんうん、仲良しなのは良い事だ」

下妹「···ねぇ、お兄?」

兄「ん?」

下妹「お兄は、やっぱり彼女欲しいの?」

上妹「下妹ちゃん?」

兄「ん?別に」

下妹「···要らないの?」

兄「さっきのは例えだよ。俺はあくまで妹の幸せを考えて彼氏とか言っただけだ」

下妹「お兄はわたし達に彼氏が出来た方が幸せだって思ってるんだ」

兄「そりゃね。だって俺は二人の兄になれても男にはなれないし」

上妹「兄貴···」

下妹「お兄···」

兄「正直に言えば、二人に好かれてて、三人で暮らすなんて最高過ぎるね」

下妹「じゃあ、何が駄目なの?」

兄「う~ん···なんと言うか···二人にはもっと俺以外を見て欲しいと言うか···」

上妹「じゃあ、最終的にやっぱり兄貴が良いってなったら?」

兄「···嫌な言い方するけど、気の迷いなんじゃないかってさ。俺が良いのなんて」

上妹「そうかもね。でも、気の迷いでも良いから、兄貴を好きで居たい···」

兄「···君そんなデレる子でしたっけ?」

上妹「ふふ、今だけかもよ?明日は恥ずかしくなって余所余所しくなるかも」

兄「成程、もしそうなったら思い切り構ってやれば良いんだな」

上妹「···兄貴、どっちなの?私達を離したいのか何なのか」

兄「離したい訳じゃないぞ。兄貴面したいだけだ」

下妹「お兄らしいね」

兄「だろ?」

兄「しかし、あれだ。何で殴ってきてたんだ」

上妹「あれは、その、照れ隠しもある、っていうか···」

下妹「普通にセクハラに対して突っ込んでたんだよね、物理的に」

上妹「うん、まぁそうだよね」

兄「好きなら認めてくんない?」

上妹「好きでも無理な物は無理」

兄「ですよね」

下妹「わたしはもっとして良いんだよ?」

兄「そうか、では三人で寝る時に色々やってやろう」

上妹「すんなっての」

兄「···上妹、調子戻ってきたな」

上妹「下妹ちゃんに乗せられただけっていうか、その···」

下妹「素直にしたくなったとか、羨ましくなったとか言えば良いのに」

上妹「う···そうだよ、ずっと兄貴が下妹ちゃんばっか構ってるから···」

兄「拗ねた、と」

上妹「···悪い?」

兄「いんや?可愛いんじゃないですかね?」

上妹「馬鹿にしてる?」

兄「しとらんよ、ほら交代」

上妹「どうだか。人の胸は散々言う癖に」

兄「だって双子の姉妹でそこまで差が出るとか思わんじゃん?」

下妹「同じ物食べてる筈なのにね~···」

上妹「くっ···」

下妹「どうぞお兄♪」

兄「はいよ。···でも、どっちも学校で目立ってたぞ」

上妹「そうかな···?」

兄「上妹は部活で大会行って優勝してたじゃないか。結構憧れられてたぞ」

上妹「そうなんだ。全然分からなかった···」

兄「あと、貧乳派のアイドルらしいぞ」

上妹「嬉しくないんだけど」

兄「そう言うな。で、下妹は清純で秀才な優等生だと言われてたな。運動以外」

下妹「えへへ、ちゃんとしてるんだよ?運動は出来ないけど」

兄「そして巨乳派のアイドルらしいぞ」

上妹「姉妹で派閥別れてんの···?」

下妹「お姉、アイドルって所でも一緒なんだ!嬉しいなぁ♪」

上妹「下妹ちゃん···!」

兄「何てポジティブな考え方だ···!」

兄「あぁ、因みに巨乳派と貧乳派の仲は悪くなかったぞ」

上妹「相反してるのに?」

兄「そりゃお前高校もクラスも一緒で席も隣でお互いの苦手な所をフォローしあう仲良し姉妹見たらな」

下妹「フォロー?」

兄「ほら、下妹は上妹に授業中でも勉強教えてたろ」

上妹「ああ···いっつも家でも学校でも助けられてるんだよね···」

下妹「わたしだって運動ではお姉に助けられてるよ?」

兄「上妹は下妹と同じチームで庇う様に動いたり、長距離走なんて並走して一緒にゴールしてたしな」

下妹「評価とかあるから、気を使わなくて良いって言ってるのに···凄く、元気貰えるけどね!」

上妹「下妹ちゃんだって自分の勉強置いて教えてくれたりしてるんだから、そのお返し···いや、仕返し?」

兄「そんな仲良し姉妹見てさ、貧乳派と巨乳派で争うとか馬鹿らしくなってくるんだろ」

上妹「派閥は別れてるのに?」

兄「まあ、あれだろ。貧乳だけど上妹ちゃん良いよね、巨乳だが下妹ちゃん良いよな、っていう」

上妹「全く素直に喜べない···」

兄「どっちにしろ人気あるんだと」

上妹「人気、ねぇ。気にした事無いけど」

下妹「お姉はお兄の事しか気にしてないもんね」

上妹「そ、そんな事ないから!勉強の事とか、下妹ちゃんの事とか!」

兄「それに比べて俺は全然人気無いからな」

下妹「そうなの?嘘だよね?」

兄「いや何で嘘吐かなきゃならんのだ」

下妹「でもお兄、友達居るんだよね?」

兄「教育に悪そうな見た目と行動ばっかする友達がな」

下妹「え、不良なの···?」

兄「見た目はオタク、中身は常識破りのイレギュラー野郎」

上妹「ヤンキーじゃないけど問題児じゃん」

兄「···悪い奴らじゃないぞ?ただ行動が一々アグレッシブなだけだ」

下妹「周りに迷惑掛けたら悪い人だよ」

兄「···ごもっともで」

下妹「···お兄、人気無いんだ。格好良いのに」

兄「そうか?」

上妹「見た目は別にして、中身は変態なとこ除けば格好良いよ」

兄「省くとこ多くね?」

上妹「そう?流石にテレビに出る人達位の格好良さは無いって分かるでしょ?」

兄「分かるけど、分かるけども」

上妹「でも別に、いかにも不良とかオタクでもないし···良く言っても悪く言っても普通って感じ」

兄「平凡な見た目と言う訳だ」

下妹「わたしはお兄の全てが好きだよ」

兄「マジで?主にどこら辺?」

下妹「撫でてくれる所とか、色んな事受け入れてくれる所とか···エッチな所とか」

上妹「え、セクハラが?」

下妹「だって、妹のわたし達にしかしないって事は、妹だけの特権って事なんだよ?」

兄「そんな考え方されてるとは思わなんだ」

下妹「お兄は妹贔屓だらけだもんね。一緒にお風呂入ってくれたり、一緒に寝てくれたり」

上妹「妹用の財布はあるし、セクハラするし、相談聞いてくれるし、優しくするし···」

下妹「我が儘聞いてくれたり、甘えさせてくれたり、抱き付いてくれたりね」

上妹「私達の事いっつも考えてくれてるみたいだし、守ってくれるらしいしさ」

兄「···な、何か並べられると恥ずかしいんですが」

上妹「昔っからそうだよね、兄貴は。兄として、私達を安心させようと頑張ってさ」

下妹「心の底から暖かくしてくれるんだもんね」

上妹「だから、隣にずっと居たくなるんだよ」

下妹「お兄の居る場所が、わたし達が一番幸せな気持ちになれる居場所だからね!」

兄「あ、いや、その···褒めても俺今出せる物無いけど」

下妹「愛は?」

兄「何時だって全力全開だぜ」

上妹「毎日平常運転だからそうだと思った」

下妹「拭いてくれてありがとね、お兄」

兄「妹の頼みを多少は聞くのも兄の役目だ」

上妹「多少?」

兄「そりゃ出来ん事もあるし」

上妹「はあ」

兄「まあ良いだろそこは」

下妹「じゃあお兄の部屋に突撃!」

兄「ちょっ速っ」

兄「···一人用のベッドで三人はキツイ」

上妹「川の字に並ぶのは無理みたいだし、兄貴の上に乗るしかない」

兄「兄を下敷きにするというのか」

下妹「じゃあお兄が上に乗る?」

兄「下で良いです」

上妹「だろうね」

兄「妹下敷きに寝るとか罪悪感が」

下妹「別に上に乗るって言うより、ちょっと抱き枕にするだけだから」ムギュ

兄「···下妹さん」

下妹「何」

兄「···失礼ですけど、ブラジャー、着けてます?」

下妹「着けてないよ?」

兄「ちょっ」

下妹「今日はパジャマしか着てないよ。あ、お姉もね」

上妹「···///」

兄「そんな所までお揃いかぁ、あはは。じゃなくて」

下妹「?」

兄「パジャマだけって事は下も穿いてないの?」

下妹「うん」

兄「俺を寝させない気ですか」

下妹「うん」

兄「この子堂々と···!」

下妹「今夜は寝かさないよ···?何てね♪」

上妹「···お兄ちゃん」ギュ

兄「ふぁ!?」

上妹「ドキドキしてるの、分かる?」

兄「全然分かるよってこれ俺がドキドキしてるだけだったわ」

上妹「ふふ···今日は、色々ありがと」

下妹「お疲れ、お兄。良く寝てね?」

兄「寝かす気無いって言ってたよね」

下妹「刹那で忘れました!」

兄「ははっ、こいつぅ~♪」

下妹「えへへ」

兄「じゃなくない?」

上妹「良いから寝なよ、ね?」ギュー

下妹「お休みお兄♪」ギュムー

兄「···ん、お休み二人とも」ナデリ

上妹「ん···♪」

下妹「~♪」

兄(···二人とも俺に抱き付く様に寝ちゃってまぁ)

兄「···あれ?のんびりしてる様で結構忙しない1日じゃね?これタイトル変えた方が良いん」

終わり

>>186
投稿時間すごいから続けよう
(下妹ちゃんください!)

>>187
ネタがほぼゼロなんですよ···。別のお話のネタは出てくるんですがね。

そう言えば書いてなかった。
可愛いと言ってくれた皆様、ありがとうございます。

では残っているたった一つのネタをのんびり投下。
(しっぽり性活なネタも一応一つあるけどもどうしましょうかね)

<風邪>

下妹「38.2℃···風邪だね、絶対」

上妹「うぅ···」ズズッ

下妹「学校に電話して、お休みにして貰うね」

上妹「あ···一緒に休む、とか言わないよね···?」

下妹「駄目?」

上妹「駄目···元気な子は、学校に···」

下妹「ゲホッゴホッ!···お姉、風邪引いた」

上妹「迫真の演技は、良いから···」

下妹「ぶー」

上妹「下妹ちゃんに移したくないから···お願い」

下妹「···お姉が言うなら···」

下妹「お姉、ちゃんとご飯食べるんだよ?暖かくして寝るんだよ?」

上妹「分かってる、から···」

上妹(兄貴が風邪気味なんじゃなんて言ってたら、自分が掛かるなんて···)

下妹「それじゃ、行ってくるからね。しっかり休んでね」

上妹「ん···」コクン

上妹「·········」

兄「·········何だい」

上妹「何で···」

兄「居るかって?休みだから」

上妹「今日、平日···」

兄「何か上妹みたいに風邪引く人が多いらしいんでね。学級閉鎖って奴?」

上妹「本当に···?」

兄「本当だって。それより無理して話さなくて良いぞ。首振るだけで良いから」

上妹「···」コクン

兄「朝食べたか?」

上妹「···」フルフル

兄「じゃあ持ってくる。大人しく待ってるんだぞ~」

上妹「···」コクン

兄「あ、これ飴。好きな時に舐めときなさいよ」

上妹「···ん」コクン

兄「······」ナデリ

上妹「!な、何、ゲホッゲホッ!」

兄「わ、悪かった。いや、落ち着くかと思ったもんで。すまん、飯持ってくるから」

兄「ほ~ら朝からお粥だぞ~」

上妹「···作ったの?」

兄「お粥くらい出来らぁね」

上妹「ありがと···」スッ

兄「おっと」

上妹「···?」

兄「熱いからな、ふぅ~···ほれ、あ~ん」

上妹「···!?···。······あん」

兄「ちゃんと味見したからな、不味くはないと思うけど···どうだ?」

上妹「···そこそこ」

兄「ま、殆ど料理した事無い身からすりゃ良い評価さね」

兄「ほら、食べろ食べろ。その後薬飲ませるからな」

上妹「薬は、自分で、するから···ゲホッ」

兄「おいおい、水飲んだ後咳き込んで水噴き出すかもだぞ?」

上妹「でもさ···」

兄「で、噴き出した水がパジャマ透かしたりしたら最高じゃないかね」

上妹「殴られるのと、水噴き掛けられるのと、どっちが良い···?」

兄「弱ったお前のパンチなど温い温い。水は上妹の唾液が混ざっグエ、ちょ、枕投げないでお粥が」

上妹「人が弱ってる時に···サイテー···」

兄「もっと言って!」

上妹「うわぁ···」

兄「ところでさ、お前の枕良い匂いする」

上妹「······」

兄(殺される···これ以上はただ口を開いただけでも殺される···)

上妹「···枕」

兄「はい」

上妹「···」ボフッ

上妹「···薬と水」

兄「はい」

上妹「···」スッ ゴクッ

上妹「···ん」

兄「コップ返却ありがとうございます」

上妹「···寝る」

兄「おっと、寝るなら汗拭いてからな」

上妹「···!?」

兄「ほら、背中は拭いてやるからさ」

上妹「······。···ん」シュル

兄(···何か顔が熱で紅潮してるのもあるけど、脱ぐ姿がエロく見える)

兄「あ、ちょっとタオル冷たいぞ」

上妹「っ」ビクッ

兄「······」ゴシゴシ

兄「···ほら、前は···」

上妹「···ダルい···やって」

兄「···What?」

上妹「しんどいから···やってよ···背中側でも、出来るでしょ···ゴホッゴホッ」ズズッ

兄「···わ、分かったよ。身体冷やす訳にもあれだし」

兄(最近上妹恥ずかしがらなくなってるな···え?俺がセクハラし過ぎたから?)

兄(···落ち着け。風呂の時みたいのタオル越しならまだオッケーだ。そうだ、胸じゃなく背中だと思えば)

上妹「···兄貴?」

兄「まぁまぁ焦るなよ···拭くぞ?」

上妹「···んふっ···くっ、ふ···」

兄(え、何で胸拭いたら笑ってるんですかね)

上妹「く···くすぐったい···」

兄「···そりゃ失礼」

兄(力加減間違えたねこれ)

兄(結局何か悪かったのか、上妹はずっとくすぐったそうにしておりました)

上妹「ふぅ···ゲホッ」

兄「ゆっくり寝るんだぞ~」

上妹「···部屋、戻るの?」

兄「そりゃ君、お粥多めに作っちゃったから喰わなきゃなんないし」

上妹「···ねぇ」

兄「ん?」

上妹「···」ギュウ

兄(え、何急に。手繋いできたけど。しかも恋人繋ぎ)

上妹「私が寝るまでで、良いから···握ってて···」

兄「···分かった」ギュ

兄(暫く握っていると、上妹は安心した様に眠った···良い寝顔だ)ナデナデ

翌日――

兄「···」

下妹「お兄大丈夫?」

上妹「39.7℃···これってさ···」

下妹「お姉の、完全に移ったね···」

兄「···風邪引いた」



<風邪> 終わり

本当はこんな感じで短くするつもりだったのにまた長くしてしまった。
しっぽり?ネタはあるとは言ったが書けるとは言ってない。
と言うか書いたら何でこんなの書いたんだという自己嫌悪に陥りそうなので今は無理ですごめんなさい。

お詫びに思い付いた短編投下

<チョコレート>

兄「さぁ、今日は何の日だ?」

下妹「バレンタインデーだね!」

兄「そうだ、バレンタインだ。つい最近まで夏だった気がするが、もうそんな時期だ」

上妹「あっと言う間だよね···」

兄「全くですな」

上妹「···バレンタインだしさ···。これ」

兄「おお、チョコ。何時もわたくしめにありがとうございます」

上妹「お返し。三倍」

兄「甘いチョコと共に渡されたのは苦い現実···」

上妹「返さないならあげない」

兄「ちゃんと三倍で返してやるから」

上妹「ほら、下妹ちゃんにも、はい」

下妹「ありがとね、お姉!」

下妹「じゃあ早速、お姉にお返し!はいど~ぞ♪」

上妹「ありがと下妹ちゃん」

兄「···あれ?今回俺には無いの?」

下妹「ちゃんとあるよお兄♪」

兄「本当か?今手元に無いっぽいけど」

下妹「今回のチョコレートは趣向を凝らしてみました!」

兄「ほう、そうなのか。どんな感じなんだ?」

下妹「えっとね~、まずわたしが服を脱ぎます」

上妹「ちょっと待とうか」

兄「何かバレンタインと関係ない言葉が聞こえた気がするなぁ」

下妹「?」

上妹「首傾げる下妹ちゃん可愛いじゃなくて何で服脱ぐの?この寒い時期に」

兄「最近痴女になってきてないかい下妹さんや」

下妹「こんな事するのお兄とお姉の前だけだから」

兄「そうでなきゃ凄く困る」

上妹「で、バレンタインと服を脱ぐ事の関係は?」

下妹「服を脱いでね、裸になるでしょ?で、肌の上にチョコレートを垂らしてね」

兄「それを俺が舐めとると。つまり···」

下妹『お兄、ハッピーバレンタイン♪いっぱいチョコレートあげるね!』

下妹『ほら、こうやって···』タラ

下妹『ねぇ、お兄···舐めて』

下妹『ふふ、くすぐったぁい···♪』

下妹『胸にもあるよ···どうするの?』

下妹『あ、ふぁ···んん···はぁ、お兄、チョコレートまだあるから、どんどん食べてね···?』

下妹『あ、そこに掛けるの···?んあ、あふ、んくぅ···!あ、あ、あ、駄目、お兄···!』

下妹『え···?お兄、どうしてそこに···わたしが舐めるの?』

下妹『もう···ホワイトデー、まだ早いよ···ふふ♪いただきます···』

上妹「···何でまだチョコ食べてないのに鼻血垂らしてんの兄貴···?」

兄「気の所為じゃないか?俺が鼻血なんて···垂らしてるわ」

下妹「何考えてたのかな、お兄···?ふふ、エッチ」

兄「俺がエッチなのは認めるけど何か腑に落ちない」

下妹「あ、ちゃんと三倍で返してね?」

兄「どう返せと言うのだ。俺も身体にチョコ塗れと」

下妹「もう、言わせないでよお兄♪勿論、塗る場所は」

上妹「無~し!身体に塗るの無~し!」

下妹「ちぇ~」

兄「良かった···ホワイトまみれデーにならなくて···」

下妹「じゃあ···普通の、あげる」

兄「あったのか···」

兄(目の前で食うなと上妹に言われたという訳で、部屋に戻ってチョコ食べます)

兄「何時もはホイルで包んでたけど、今年のは二人ともわざわざ箱に入れてる徹底振りだからな···」

兄(よっぽど気合いが入ってるだけに恥ずかしいのかね···。さぁ、その中身は···!)

兄「···上妹のは、ハート型のちっさいチョコが箱いっぱい入ってる···」

兄(しかもメモまであるな···何々?)

兄「···『お返しは物以外で』?···食べ物とか駄目って事?つまり···これだけの愛を、三倍返し···?」

兄(···ホワイトデーは何言われても目一杯可愛がってやろう)

兄「下妹のは···やっぱり、でっかいハート型のチョコ一つか···」

兄(チョコに文字が···でかでかと、お兄愛してる♪と書かれてる···)

兄「···びっしり、隙間なく文字が書かれてるんですけど···重い、そして怖い」

兄「···でも···どっちも美味い···。こりゃ、お返しは相当じゃないとな···」



<チョコレート> 終わり

おつおつ

下妹もらっていきますね

>>221-223

父「兄妹が貰われた様だな···」

母「奴等は五天王の中でも主役···」

父母「先に貰われるとは五天王の面汚しよ···」

兄(何言ってんだこの夫婦···)

台風とか豪雨、雷に怯える上妹に兄が……とか

 こっちも頑張ってみます。という訳で全部採用しまする。まずは>>232のを。

<色々注意報>

兄「」ガタガタガタガタ

上妹「あのさ…」

兄「何だい?」ガタガタガタガタ

上妹「何でそんなさ…」

兄「お前には分かるまい…台風に体を吹き飛ばされる恐怖を…!」ガタガタガタガタ

上妹「えっ、大丈夫…じゃないか、これ――」

 ピカッ

上妹「」ビクッ

兄「ははっ、雷が怖いのか」ガタガタガタガタガタガタガタガタ

上妹「べ、別に怖くなんて…大丈夫?」

兄「奴(台風)だ…来る、きっと来るぅぅぅぅ!」ガタガタガタガタ

上妹(…私はどうしてあげるのが正解なんだろ)

兄「下妹は、友達ん家に泊まりだったな…大丈夫か…?」ガタガタガタガタ

上妹「兄貴よりは平気じゃないかな…」

兄「馬鹿野郎!今もしかしたら泣いてるかもしれないんだぞぉ!」ガタガタガタガタ

上妹「兄貴の今の姿見た方が泣くと思う」

兄「そして今俺の方が泣きたい」ガタガタガタガタ

上妹「兄貴…」

兄「だけど大丈夫だからな上妹…お前は俺が守る!」ガタガタガタガタ

上妹「説得力が無いんだけど」

 ピカッ

上妹「っ」ビクッ

兄「ふふ、素直になれよ…怖いんだろ?」ガタガタガタガタ

上妹「…」コクッ

兄「なら、一つ解決方法がある…」ガタガタガタガタ

上妹「何…?」

兄「それはな、自分が一番安心する行為をする、そして早く眠る事だぜ!」ガタガタガタガタ

上妹「二つ言ってるけど」

兄「間違えた、安心する行動をして寝る事だ」ガタガタガタガタ

上妹「…兄貴は?」

兄「俺?俺は人の温もりが欲しい。切実に」ガタガタガタガタ

上妹「…じゃあ――」

上妹「」ギュウ

兄「あの~…」

上妹「…何?」ムギュ

兄「強く抱き締め過ぎて痛い…鯖折りにされる」

上妹「我慢してよ」

兄「俺死んじゃ――」

 ピカッ ゴロゴロ…

上妹「っ!」ギュギュウ

兄「ちょ、た、タンマ…」

上妹「」フルフル

兄「…震えてるけど」

上妹「兄貴が震えてんの」

兄「震えてな」

上妹「折る」

兄「ハイフルエテマス」ガタガタガタガタ

兄(だが、妹が震えてて、自分が怖がってる場合じゃないよな)

兄「…上妹」ナデリ

上妹「な、何で急に頭…」

兄「安心するかと思ったもんで」

上妹「…続けてよ」

兄「ん」ナデナデ

上妹(……やっぱり、凄く安心する)キュ

兄「…」スンスン

上妹「急に髪嗅ぐなっ!」

兄「ぐぇぇ」ギリギリ

上妹「…このバカ兄貴」

兄「…何時もの調子、戻ったか?」

上妹「へ?」

兄「いや、戻ったなら、安心してすぐ眠れるかと思ったもんで」

上妹「…無理」

兄「マジすかい」

上妹「だって…私寝たら、兄貴が、安心出来ないかもだし…さ」

兄「…上妹ぉ!」ガバァ

上妹「ちょっ、兄貴っ…///」

兄「そんな風に気遣える子になって兄貴嬉しい!」

上妹「…///」

兄「……」

上妹「…あ、兄貴…?」

兄「…Zzz」グガー

上妹「え、嘘、早っ」

上妹(……ありがと、兄貴)

―翌日―

兄「何かすまんかった」

上妹「何が」

兄「いや、テンションおかしくなってたし…」

上妹「おかしくなってたんだ」

兄「え、何時も通りだったか?」

上妹「大体」

兄「そうか…じゃあいっか!」

上妹「そうそう。はいご飯」

兄「何時もすまないねぇ」

上妹「良いからそんなの。いっつも兄貴に助けられてるお礼みたいな物だから」

兄「…じゃあ、ありがたく受け取らせていただきます」


終わり


下妹「……出番……」

<カオス体育祭>

兄「と言う訳で今日は俺の高校の体育祭な訳だが」

下妹「お兄!」

兄「おっ、来たのか」

下妹「お兄居る所、大体わたし在り、だよ!」

上妹「わざわざ部活休んで見に来てるんだから、感謝してよ。あ、後弁当あるから」

兄「妹様達にはつくづく頭が上がらぬ次第です」

下妹「頭下げないでよ、お兄。好きで来てるんだから、ね?」

兄「いやぁ、いい妹を持ったね俺は」

「ホント、そうだよ」

兄「…お、お前は!」

「ん?何?」

兄「実は居たけど全く出てなかった隣じゃないけど近所に住んでる幼馴染!(女)」

幼「人を新キャラみたいに言わないでくれない?」

兄「んで。何か用かね」

幼「妹ちゃん達に会いに来たんだって。悪い?」

兄「うん悪い」

幼「横暴だ横暴!」

下妹「幼さんお久し振りですね」

幼「久し振り下妹ちゃん!元気そうで何より!」

下妹「はい!」

上妹「相変わらず、元気そうですね」

幼「元気そうじゃなくて元気だから!上妹ちゃんも元気?」

上妹「まぁまぁです」

幼「…兄、何で上妹ちゃんは素っ気ないんです?」

兄「取り敢えず、うちの妹から顔を遠ざけてもらおうかな」グイィ

幼「あああぁぁぁぁぁ~~~~~!」ジタバタ

幼「うぅ…女子にアイアンクローするな兄のバーカ!」ダダッ

兄「逃げたか…」

下妹「お兄、流石に駄目だよ今のは」

上妹「下妹ちゃん、あの人懲りずにすぐ来ると思うから気にしなくて」

幼「どうも」

兄「帰ってくるのが早すぎる」

幼「ちょっと下妹ちゃんの胸揉むの忘れぐあぁぁぁ」メリメリ

上妹「兄貴、この人捨ててくる」

兄「頼んだぞ」

幼「わ、ワタシは!諦めない!諦めないぞぉぉぉぉぉ!」ズルズル

下妹「…あんな人だったかな」

兄「最初からあんな奴だった」

下妹「元気な人だと思ってたんだけどなぁ…」

兄「元気だぞ。女子絡むと。三次元でも二次元でもな」

下妹「そうなんだ…知らなかった」

兄「あんま会ってないしなぁ下妹は」

下妹「悪い人じゃなさそうなのに」

兄「悪い奴じゃない。ただ、女子限定で変態なだけだ」

下妹「悪い人じゃないかなぁそれ…」

幼「負けない…負けないワタシは…!絶対揉むんだあのお山を…登り詰める…!」ググググ

上妹「良いからぁ…!体育祭そろそろ始まりますよぉ…!」ググググ

兄「……悪い奴じゃない。悪い奴じゃあ無いんだ。女子関係で暴走するだけで」

下妹「…うん。お兄の最初の友達だから、それは分かるよ。ちょっとは」

兄「分かってくれて助かるよ…」

―体育祭開始―

父「ふむ、息子は何処かな?」

母「あなたの下に居るけど」

父「おっとこんな所に居たのか!」

父母「はっはっはっはっは」

上妹「しばいていい?」

父「止めてくれ家のローンが残ってる」

母「あなたの事は忘れないわ…」

父「まだ死んでへん!死んでへんで!」

上妹「何で関西弁?…ていうか、居たんだ」

父「酷くね?俺親よ?息子の見に来ちゃ駄目なの?」

下妹「何時も見に来ないよね」

母「今日は気が乗ったから」

上妹「そんな適当な…」

父「まぁ今日は保護者競技もあるらしいからな」

母「二人で出る事にしたのよ」

上妹「止めて」

父「何故!?」

母「ホワイ!?」

上妹「お母さんとお父さんはこの体育祭中止させたいの?」

父「そこまでやる訳ないだろう」

母「精々パン食い競争のパン全部食べたり」

父「障害物全部ぶっ飛ばしたりな」

父母「はっはっはっはっは」

上妹「お願い帰って全速力で」

兄「…何か後ろ騒がしいな」

幼「兄のお義父さんとお義母さんじゃない?」

兄「…あぁ、そうみたいだって何か字がおかしいぞおい」

幼「何が?」

兄「いやだから今字が…」

幼「そりゃ将来下妹ちゃんに嫁ぎに行くんだし」

兄「当たり前みたいに言うの止めてくれる?近寄らせなくするぞ」

幼「慈悲を!慈悲をぉぉぉぉぉおおおお!」

兄「ちょっ、うるさっ」

幼「あのおっぱいは国宝だよワタシ的にはぐぅ!?」メリメリ

兄『人の妹を胸でしか判断しない奴に仲良くさせる訳無いだろ、な?』ゴゴゴゴゴゴ

幼「あ、ごめんなさいごめんなさい。アイアンクロー止めて痛いです」メリメリ

兄「はぁ…」

幼「あ、そうだ」

兄「何だ何考えた」

幼「いやさ、兄に嫁げば下妹ちゃんと義妹の関係にぃぃ痛い痛いぃぃ」メリメリ

兄「本当に半径1km近寄らせなくするぞ」ギリギリ

幼「お、お待ち下さい!明日まで、明日までお待ち下さい!」

兄「明日までで良いんだな、分かった」

幼「ちょっと待って今のネタだからネタ」

兄「ごめん耳遠くなった聞こえない」

幼「難聴系とか流行らないって」

兄「え、何だって?」

幼「下妹ちゃんにあんなごとぉぉおぉ」メリメリ

兄「あれ?手が勝手に」

幼「ノー!ノオオオオオオン!」メリメリ

下妹「…………」ジーーーーー

上妹(あっ…これ、完全に嫉妬してる…)

下妹「…ねぇ、お姉」

上妹「な、何?」

下妹「何でお兄の隣が幼馴染さんなんだろね」

上妹「え?…あとおの間に誰も居ないからだと思うけど」

下妹「そっかぁ…」

上妹「…下妹ちゃん?」

下妹「わたしじゃ無理だから、お姉ここに転校して?」

上妹「いや無理だから。そもそも学年合わないし」

下妹「…折角あとおの間にうを入れようとしたのに…」

上妹「無理矢理すぎるから下妹ちゃん」

下妹「…じゃあ、お姉とわたしとついでにお母さん以外と話さない様にするには」

上妹「下妹ちゃんそれ駄目。色々駄目」

下妹「既成事」

上妹「駄目だって。本当駄目だって」

下妹「お姉以外にお兄取ろうとする人嫌い……」

上妹「落ち着いて。お願いだから落ち着いて」

下妹「う~~~~~~~~……………」

上妹(あぁ、嫉妬心全快に…)

幼「うぅ…幼気な女の子を傷付けるなんて…」

兄「お前の何処が幼気か本気で教えてくれ」

幼「可愛いじゃない」

兄「自分で言うな。中身変態だし」

幼「変態じゃない!もし変態だったとしての変態と言う名の淑女だよ!」

兄「じゃあ淑女らしく慎ましくしてもらえませんかね」

幼「誰の胸が慎ましいだって!?」

兄「上妹だヌァァァァァァァァ!」メキメキ

上妹「そろそろ二人とも潰す」

兄「観覧席に入るのは止めなさい痛い痛い」

幼「ワタシ関係無いのにぃぃぃぃ」メキメキ

上妹(…あのさ)ボソッ

兄(何だ)ボソッ

上妹(幼馴染さんと絡むと下妹ちゃんが嫉妬心爆発させるからさ…)ボソボソ

兄(じゃあ、昼存分に甘えさせるって言っといてくれ)ボソボソ

幼「ワタシにもお願いしまうぶっ」

兄「入ってくるんじゃない」

幼「入れてくれてもいいじゃんか」

兄「いや、お前の席は無い」

幼「現実は厳しいっ…!」

兄「むしろ何であると思ってた?」

幼「ワンチャンあるかと」

兄「自分からチャンス引っこ抜いてるの気付いてるかい」



下妹「うぅ~~~~~………ううぅぅぅ~~~~~………」

兄「おっと、早速俺の出番だぜ」

上妹「頑張ってね、兄貴」

兄「妹に応援されたら頑張るしかないな」

上妹「い、良いから行ってきなよ」

幼(よし、今の内に…)

上妹「あ、今の下妹ちゃんに近寄ると危険ですよ」

幼「ふっふっふ…バレたか。でも危険を冒してでもワタシは」

上妹「死にますよ」

幼「え」

上妹「本気で消しに掛かりますよ」

幼「え、え、まだおっぱい揉んでないんだけど。未遂なんだけど。そんな恨まれる事…あっ」

上妹「?」

幼「そうかそうか…妹ちゃん達は兄超大好き姉妹だったっけ」

上妹「うえ!?い、いや、私は…///」

幼「またまた~」

幼「顔に書いてるよ、お兄ちゃん大好きってね!」

上妹「あ、あう…///」

幼(ふ…案外チョロい。このまま行けば下妹ちゃんのお触りが…)

下妹「幼馴染さん?」

幼「な、何!?下妹ちゃん!?」

下妹『…これ以上ふざけたりしたら…オシオキじゃ済みませんよ?』ニッコリ

幼「アッハイ、スミマセンデシタ」ガクブル

幼(駄目だこれ揉んだら本当に消される殺意を感じるブラックホールレベルのダークネス笑顔だよ)

上妹「下妹ちゃん、抑えて抑えて」

下妹「抑えてる方だよ?」

上妹「でもこの人、行動力あるけどいざそうなったら腰引けるタイプだから」

幼「わぉ、当たってる」

上妹「だから、本気で止めてって頼んだら止めちゃうから」

幼「だ、だって、本気で嫌がられたら罪悪感がさぁ…」

下妹(…あぁ、お兄の言う通り悪い人じゃあ無いんだ…暴走するだけで)

父「やぁ幼馴染くんどうも」

幼「あれ、誰でしたっけ。あんまり観覧席寄っちゃ駄目ですよ」

父「酷くね?」

幼「とりあえずセクハラで訴えて」

父「それ君の方じゃね」

上妹「お父さんが突っ込むの?」

父「あれ?俺ボケ役って決まってた?」

母「久し振りね幼馴染ちゃん」

幼「今日朝挨拶しましたよ」

母「ええしてたわね普通に」

下妹「お母さん悪ふざけ駄目」

母「ごめんね?お父さんとお母さん、時々ふざけないと死ぬの」

父「そうなんだよ。全身がねじ切れて破裂死するんだ」

父母「はっはっはっは」

上妹「そういうの良いから」

父「おっと、兄が走るんだな」

上妹「ちょっと何する気?」

父「ん?それは…おっと来たぁ!」ダッ

下妹「あ」

兄「!?」

父「頑張れ頑張れ絶対出来る頑張れもっとやれるってやれる気持ちの問題だ!」

兄「頑張ってるから並走してくんな帰れぇ!」

父「頑張れ頑張れそこだそこで諦めるな積極的にポジティブに頑張る頑張る俺だって頑張ってるんだから!」

兄「頑張らなくて良いから邪魔すんじゃねえ!」

父「もっと!熱くぐぇえええ」ドゴォ

上妹「ごめんなさいごめんなさいうちの父がごめんなさい」ズルズル

父「世間はさぁ、冷てえごぉあ!」ボゴォ

上妹「ちょっと体育祭終わるまで死んでてお願い」

下妹(やっぱりお父さんの真似は出来ないなぁ……)

下妹「お帰りお兄」

兄「頼む。父さんと母さんを拘束してくれ。先生に引き渡しても抜け出すから駄目だ」

上妹「帰って早々言う事がもう…」

下妹「でもお兄、一位取れたね!」

兄「鍛えてるもんで」

幼「はぁー、相変わらずだねぇ兄。昔っからずっと一位だった」

兄「そうだっけか」

幼「いや、男子では一人だけ次元違ってたから」

下妹「男子では?」

幼「だって、女子は上妹ちゃんが…」

下妹「あぁ…」

上妹「…そんな速かった?私も兄貴も」

兄「必死だったから覚えてない…」

幼「これがランナーズハイ…」

下妹「違うと思います」

幼「そう言えば、下妹ちゃんも凄かった…」

下妹「ふぇ?」

兄「下妹は運動苦手だからな」

幼「学年上がる毎にどんどん成長してくんだもん…胸」

兄「ちょっと署まで」ガシッ

幼「ストップ!スターーーーップ!聞いて聞いて本気で!」

兄「何だよ」

幼「いや、だってさぁ…走る度にぶるんぶるんって…」

兄「やっぱり署まで」

幼「お許し下さい!」

上妹「……。くっ…」

兄「止めなさい自分のを見るの止めなさい」

幼「いやね、あれ、もう男子も女子も見てたもんだよマジマジと」

下妹「そ…そんなに…?」

幼「女子はもう嫉妬通り越して呆然としてた。勝てないって」

上妹「……」ズーン

兄(思い出して落ち込んでるのか…)

幼「男子はやたらと屈んでしばらく立ってなかったけど…兄、あれ何?」

兄「ここで俺に振る?」

幼「いや、同じ男なら分かるかなって…」

下妹「…知らないんですか?」

幼「え?下妹ちゃん分かるの?」

上妹「幼馴染さんなのに知らないんだ…」

幼「え、皆知ってるの?え?」

兄「お前そっち方面の知識あるもんだと俺も思ってた…」

幼「そっち方面?」

兄「分からないならそのままで良いと思うぞ俺は」

幼「?結局教えてくれないんだ」

兄「あぁ」

幼「…じゃあ今下妹ちゃんをぶるんぶるんさせたら」

兄「被害増やすんじゃない」

上妹「…………」

幼「うん何かごめんねだから恨みがましく睨まないで」

兄「もうそっちの話題出すなよ」

幼「無理」

下妹「じゃあ猿轡を着けて」

幼「待ってワタシそういうアブノーマルの駄目」

上妹「て言うか何で持ってるの下妹ちゃん…?」

下妹「何時か使えると思って」

上妹「何時、誰に使う気…?」

下妹「え?」

兄「合ってない。下妹と目なんて合ってない」

幼「下妹ちゃんは兄ラブだねぇ」

下妹「世界で一番で愛してる家族ですから!」

兄「ちょっとでかい声で言わないで周りの男子からのヘイトがヤバイぜ」

幼「じゃあ上妹ちゃんは」

下妹「世界で一番大好きな家族です!」

上妹「下妹ちゃん…私も!」ムギュ

下妹「えへへ」

幼「ワタシも!」

兄「お前は駄目だ、真面目にやれ」

幼「美しき家族愛に胸を打たれ、抱き付こうとしたら止められた女、スパ」

兄「下妹、猿轡貸してくれないか」

幼「ホント止めてその後放置されそうだからホント止めて」

兄「とにかくだ、話してる場合じゃない。競技を見よう」

幼「女の子走んないから興味無いし」

兄「そればっかか」

幼「そればっかりだよ!腐腐腐腐腐…」

兄「笑い方が何かおかしい」

下妹「お兄出ないなら興味無いもん」

兄「即答かぁ」

上妹「私は見てるけど。どういう人の走りが良いかな、とか」

兄「真面目だな。ありがとう」

上妹「え?あぁ、うん…?」

下妹「でもお姉、お兄が出てたらそっちばっかり見てたよね」

上妹「そ、そりゃ、家族だし…活躍、見たいでしょ?」

幼「兄の走る姿をどう思ったかご感想をば!」

上妹「お、おば?…まぁ…うん、格好良かった、かも。…ちょっとだけ」

幼「これはこれはご馳走様です」

幼「と言う訳でもう昼です。余計な所は省く、う~ん親切設計」

兄「何言ってるんだ」

下妹「お兄がよく言ってる事だよ?」

兄「そうだった。…ところで」

下妹「?」

兄「俺の膝の上に座ってるのは何か意図でも?」

下妹「座っちゃ駄目?」チョコン

兄「全然オッケー駄目とか絶対言わない」ナデナデ

下妹「ん~…♪」

上妹「む…」

幼「おやぁ?どうしたのかな、上妹ちゃん」

上妹「何でここに居るんですか。帰って下さい」

幼「風当たりがキツい」

兄「自業自得だな」

幼「えぇ~」

幼「別に、今日ワタシの家族来てないんだしさぁ。仲の良い家族の所に居てもさぁ」

兄「良いけど妹に手を出したら断絶するからな」

幼「そんな殺生な!」

上妹「兄貴も優しいよね。今までやってきた事考えたら逮捕されてても文句言えないんだけど」

下妹「何してたの…?」

上妹「不法侵入しようとしてた。二階に。下妹ちゃんの部屋に」

兄「黒い全身タイツに唐草模様の布を被ってな」

幼「ちょっ、止めて、あれ若気の至りだから。写真見せられてジタバタしてたから」

兄「しかも上妹の部屋入ろうとしたよな」

幼「結果的に兄の部屋で勘弁してあげたんだから良いじゃ――」

下妹「万死に値しますね」

上妹「兄貴、今日部屋徹底的に掃除して良い?」

幼「何この細菌扱い」

幼「くぅ…だったら兄ん家の弁当から卵焼きを奪――」

兄「ほら、下妹」ヒョイ

下妹「あ~ん。あむ。んむ」モグモグ

幼「餌付け…だと…あ~ん…だと…羨ましい!代わって兄!」

下妹「嫌です」

幼「」ズーン

上妹「…お好きにどうぞ。多めに作ってきたんで」

幼「良いの…?」

上妹「えぇ、まぁ」

幼「あなたが神か!あ、ありあてぇ!ありがてぇ!」クッチャクッチャ

上妹「わざと音立てて食べるの止めて下さい」

幼「ごめん」

幼(これ、上妹ちゃんが作ったのかぁ……負けた。超美味い)ングング

上妹「勢い良く食べ過ぎです」

幼「ごめん」

兄「で、父さんと母さんは何処に行ったんだ」

上妹「無理矢理帰って貰った。大会どころじゃ無くなるから」

下妹「そ、そうなんだ…」

兄「それが良いな。ろくな事しないし」

幼「また来るんじゃない?案外」

兄「止めてくれあり得るから困る」

下妹「それよりお兄、あ~ん」

兄「んぐ。…美味い。流石上妹」

上妹「そ、そう…?」

兄「そうだよ」ナデリ

上妹「…///」

幼「あぁ~、良いな~良いな~妹ちゃん達に食べさせてもらって~。…これが格差社会か」

兄「確かに格差社会だな。下妹が大、幼馴染が中、上妹が小あぱぁ!」ドグシャ

上妹「何処見て言ってんの兄貴?返答次第ではとんでもない事になるよ」

兄「もうなってる」ボタボタ

兄「ほら、んな事してないで食べろよ」ボタボタ

下妹「お兄はまず鼻血止めた方が良いよ」

上妹「…やり過ぎた、ごめん。…ティッシュあるから」

兄「深く気にするでない」

下妹「舐めて止めてあげ」

兄「しなくて良いぞ絵面がヤバいからな」

幼「端から見たらキスしてる様にしか見えないんじゃない?」

下妹「」ジーーー

兄「させねえ絶対」

下妹「ぶ~ぶ~」

兄「可愛く言っても駄目」

幼「ワタシが代わりに下妹ちゃんにキスを」

下妹「舌を噛み千切って死にます」

幼「拒絶反応レベル!?」

幼「一体…一体どうすれば仲良く出来るの…?」

兄「取り敢えず女子好きによる暴走止めたら」

幼「ワタシがワタシで無くなる!」

兄「無くなれよ」

幼「ワタシ自身を完全否定しなくてはならんと言うのか…」

兄「それを乗り越えて…本当のお前に近付くんだろ…」

幼「いやその先断崖絶壁にしか見えないんだけど」

兄「上妹に謝れよ!」

上妹「しばいて良い?」スパァン

兄「もうしばかれました。結構痛い」

幼「…妹ちゃん達と同じ境地に辿り着ければ仲良くなれる可能性が微レ存…?」

兄「同じ境地って何だ。ツンデレ?甘えん坊?」

上妹「誰がツンデレだ」

下妹「そんなに甘えん坊かなぁ…」

兄「膝に乗って密着してるのに何を今更」

下妹「わたし的には甘えるってこうだと思うよ?」ギュ

幼「た、対面ざ…対面抱き!」

兄「おい今何て言おうとした」

幼「TPOに配慮したんだから許して」

上妹「……」

兄「ん?どうした上妹…」

上妹「…ふん」ギュ

幼「あ、あすなろ抱き…!?」

下妹「あすなろ?」

上妹「あすなろ抱き…?」

兄「アストラ…?」

幼「えっ、知らない?あすなろ抱き。あとアストラ関係無い」

下妹「今お姉がお兄の背中から抱き付いてる形の事?」

幼「そうそう。…妹サンドイッチの気分は?」

兄「その言い方何か止めろ」

兄「ええい離せ離せ。良いから皆でご飯食うぞ」

下妹「は~い」

上妹「む…」

兄「家に帰ったら構ってやるから」

上妹「べ、別に…良いし」

下妹「顔緩んでるよ」

上妹「ゆ、緩んでないし」

幼「兄、この満面の笑み見てどう思う?」

上妹「え、笑ってる?嘘?」

下妹「笑ってるよ」

兄「そうだな。チョロい」

上妹「チョロっ!?」

幼「う~ん、美味しいなぁ…上妹ちゃんは良いお嫁さんになれるだろうなぁ」

兄「あ、やっぱそう思うか?」

上妹「や、やめて下さいよ、もう…」

下妹「お姉の顔がゆるゆるに…」

幼「美人で、優しくて、面倒見良くて、ご飯美味しい…相手の人は幸せだろうなぁ」

上妹「あう…///」

下妹「お姉を褒め殺す気ですか?」

幼「いやいや、事実を述べてるだけだから」

上妹「///」シュー

兄「これ以上言ったら上妹が顔真っ赤になって死んじゃうから止めてくれ」

幼「もう真っ赤だけど。まぁやめるけどさ」

兄「お~ほら上妹。膝枕してやるから」

幼「ワタシでもそれ止め刺すって分かるから止めたげて」

「お姉ちゃん~…?」

幼「ひぃ!?」

兄「…お姉ちゃん?」

「あ、失礼致します」

幼妹「初めまして、この情けない姉である幼馴染の妹です」

幼「情けないとか言うなっ!」

幼妹「人が折角見に来た上にお弁当まで持ってきたのに人様のお弁当をたかって…」

幼「う…だって…」

幼妹「だっても何も無い!」

兄「あの~…」

幼妹「あぁ、重ね重ね失礼します。今すぐ駄目姉を連れて離れますので」

下妹「お願いします」

幼「待ってぇ!お願いぃ!」

幼妹「喧しい!」

幼「ひぃ!?」

兄「ストップ。色々とストップ」

幼妹「はい」

兄「詳しい説明をお願いします」ナデナデ

上妹「あぅ…えぅ…///」

幼「あ、結局上妹ちゃんに膝枕するんだ…」

下妹「お姉、凄く恍惚としてる…」

幼妹「…えっと、宜しいでしょうか」

兄「どうぞ」

幼妹「わたくし、幼馴染妹です。姉とは2つ年下です」

下妹「じゃあ、まだ中学生?」

幼妹「そうですね」

兄「何か、幼馴染と比べると、随分真面目でしっかりしてるなぁ…」

幼「そうそう、クソ生真面目なん」

幼妹「他所様が食事中なのにそういう言葉を使わない!」

幼「はひ…」

幼妹「…コホン。すみません、大きな声を…」

兄「いや、良いよ。幼馴染にはそれ位必要だから」

幼「扱いが酷い」

兄「だったら自重しろよ」

幼「無理」

兄「うんそう言うと思ったわ」

幼妹「……」

下妹「どうしたの?」

幼妹「…そう言えば、お姉ちゃんが男の人と気軽に喋ってる…もしかして、兄さん?」

兄「そうだけど」

幼妹「ああ、そうですか!何時も何時も姉がお世話になってます。姉から話は聞いてますよ」

兄「へぇ、何て?」

幼「あ、ちょ、ストップストップ!」

幼妹「…との事なので、言うのは貴方にとても感謝してますよ、とだけ言います」

幼「もう言った!言ったよ!」

兄「感謝?え、こいつが?そんな馬鹿な。感謝する位なら胸揉みたいって言った奴だぞ」

幼「…言ってた?」

兄「言ってた」

幼妹「お姉ちゃん…」

幼「止めて!哀れむ目で見ないで!」

幼妹「姉の兄さん評価はとても優しい人だそうです」

幼「続けないで止めて!」

兄「ほう、それでそれで?」

幼妹「なんやかんや言いながらも自分に付き合ってくれる、本当にすモガッ」

幼「それ以上言ったら死ぬ、死んじゃうから」

下妹「あ、あの幼馴染さんの顔が赤い…!」

兄「天変地異でも起こるぞこれは…」

幼妹「は、初めて見た…人類が滅亡するんじゃ…!?」

幼「人の顔何だと思ってんの!?」

兄「普通の笑顔と下妹狙う時の笑顔と、あと…」

下妹「止められた時の顔もあるよ」

幼妹「兄さんの話をしている姉は満面の笑みを浮かべて」

幼「赤裸々、ノー!」

下妹「…もしかして」

幼「な、何?」

下妹「お兄、狙ってるんですか…?」

幼「な、何でそうオモウノカナー?あくまで長い付き合いの友達だから、うん友達…」

下妹「………………」ジィー

幼妹(え、獲物を狙う目をしてる…)

兄「おいおい、こんな下妹を狙う変態が俺の事狙うとかあり得ないだろ」

下妹「分からないよ?本当はお兄目当てでそういう姿を演じて」

幼「下妹ちゃん大好きなのは演技じゃないから」

兄「そこだけでも演技だったら良かったのに」

兄「…はい、話終わり。飯食う時間無くなる」

下妹「むぅ…そうだね…」

兄「ほら上妹、起きろ」

上妹「ふえ…?あれ、ここ何処…?」

兄「俺の通う高校」

上妹「………はっ!?」

兄「おはやうおぜうさん」

幼妹「どうして文語で話してるんですか…」

上妹「えっ、誰!?」

兄「幼馴染の妹」

上妹「全然似てないっ!」

幼妹「姉は父に似て、わたくしは母に似てますので」

上妹「はぁ…真面目…幼馴染さんと全然違う…」

幼「皆そうやって比べるんだぁ…お陰でワタシは変態の烙印を」

兄「比べるまでもないからなそれは」

上妹「えっと…よろしく?」

幼妹「はい、宜しくお願いします」

上妹「…何だか硬いなぁ」

幼妹「え?」

上妹「もっと気楽に笑って良いんだよ?」

幼妹「…そう言われても」

兄「別に俺達は気にしないけどな。砕けた感じでも」

下妹「お母さんとお父さんと幼馴染さんで慣れてるからね」

上妹「…うん、砕け過ぎだけどね、その三人」

兄「規格外だからな」

幼「いや、流石にあの二人には負けると思うんだけど…」

兄「は?本気で言ってる?」

幼「ちょ、何その反応」

兄「まぁ幼馴染の事は置いといて」

幼「スルー、ノー!」

兄「まぁ、あんまり気を使わなくていいからさ」

幼「完全スルー!?」

幼妹「…分かりました。善処はします」

下妹「…お姉」

上妹「ん?何?」

下妹「あのね…」ボソリ

上妹「…いやいや、それは嫌われるかもだしさ…」

下妹「気にしない!」

上妹「えぇ~…」

下妹「じゃあ、行くよ~…?」

上妹「…う~ん。なるようになれっ」

上妹「妹ちゃん…ごめん!」ガシッ

幼妹「ひゃっ!?な、何するんですか!」

幼「おっと百合か!百合なんか!?」

兄「ちょっと黙ってようか」メリメリ

幼「ぬがぁぁぁぁぁ」

下妹「擽るんだよ」

幼妹「擽る…ってどうし」

下妹「問答無用!」コショコショ

幼妹「~~~~~っ!」

下妹「むぅ…中々強情…」

幼「痛た…妹はあれだから。人前でホント笑わないように徹底してるから」

兄「こら、止めろ二人共。無理に笑わせる必要無いだろ」

下妹「う…ごめんなさい…」

上妹「…ごめん」

幼妹「はぁ…はぁ…悪気があった訳では無いので、気にしない事にします…」

幼(…そろそろ昼休憩も終わる…これで妹の弁当を食べずに済む…!)

幼妹「ふぅ…お昼もそろそろですね。早くお弁当食べないと…」

幼「!!」

兄「ちょっと喋り過ぎてたな…」

幼妹「ほらお姉ちゃん、早く食べて」

幼「…い、イインジャナイカナァ…」ガタガタ

兄「…幼馴染?」

幼妹「もう、我が儘ばっかり言って。ほら、これ!」カパ

下妹「!?」

兄「…!」

上妹「」

幼妹「…?どうかしましたか?皆さん」

兄「い、いやぁ別に」

兄(何か…黒い!何が入ってるか分からん!こ、この子…)

下妹(大変…お姉が茫然自失状態になる程の料理下手な子…)

上妹「………妹ちゃん」

幼妹「は、はい…?」

上妹「今日、私の家に遊びに来ない?家も近いしさ」

幼妹「えっと…」

上妹「来るよね?…ねぇ?」ゴゴゴゴ

幼妹「は、はいっ、行かせていただきます!」

下妹(お、お姉が怒ってる…)

兄(…どんな味なのか逆に気になるな)ヒョイ パク

幼「あっ、兄!」

兄「……ぐぅっ?!」

幼妹「へっ?」

上妹「兄貴!?」

兄(な、何だこの味は…苦い…辛い…不味い…苦しい…痛い…そうか…これが…)

兄「宇宙…」バタッ

下妹「お兄!何見たの!?お兄、お兄ぃ!」

――――
――


兄「…ん?」

幼妹「…あ!」

兄「…あれ、妹ちゃん…」

幼妹「ごめんなさいごめんなさい!ワタシの所為で…!」

兄「あ~…別に良いよ。気にしなくても。それより…」

上妹「」ギュー

下妹「」ムギュ

兄「…このダッコちゃん何とか出来ないかな」

幼妹「ダッコちゃん…?」

兄「そうか、知らないか…」

幼妹「ええと、ごめんなさい…」

兄「いやいや、良いから謝らなくて」

兄「それより、時間は…?競技、出ないとさ」

幼妹「あの、それが…もう、最後の競技に…」

兄「…終わってる?」

幼妹「いえ、まだ…」

兄「良かった!俺出るからさ。よし…お~い」ペシペシ

上妹「う、う~…ん…?」

下妹「にゅ…なに…?」

兄「離してくれ」

上妹「うん…」

下妹「は~い…」

兄「よし、妹達は頼んだ」

幼妹「は、はい…任せて下さい…?」

兄「うぉぉぉぉぉ!障害物競争が待っているぅぅぅぅぅ!」

幼妹(……うん、やっぱりお姉ちゃんの友達だ。ちょっと変…)

幼「…まさかこんな早く生きて帰ってくるとは思ってなかった」

兄「どういう意味だそれは」

幼「いやね、初めて食べた時なんか吐いても嘔吐感が止まらないし涙も溢れるし…」

兄「あぁ…そう…」

幼「作ってくれるのはありがたいんだけど…それだけに食べられないのが心苦しくて…」

兄「こう言うのも何だけど、苦労してたんだな」

幼「初めて食べた時に指摘してあげてたら…」

兄「今日上妹が教える気だし、気にすんなよ」

幼「…これで食事が改善されれば…腹が減っては戦は出来ぬ、だからね」

兄「…若干不安だけど」

幼「フラグを立てるの止めよう!」

兄「ところで…」

幼「何?」

兄「…障害物競争…だよな」

幼「そうだよ」

兄「おい、跳び箱二十段って何だ。やり過ぎだろ」

幼「むしろこの学校よくあんな高さまで用意してたね。ビックリだよ」

兄「しかもハードルも間隔細かく置かれてるし、しかも高いのに潜れない様にしてるし」

幼「やる気満々だよね」

兄「しかも何?平均台曲がりくねってるけど。どうやって作った?」

幼「あと容赦なくぐるぐるバットはあるし」

兄「しかも吊るされてるパン、あんぱんじゃなくてフランスパンなんだけど」

幼「それと紙も置いてるね。探し物でも書いてるんだろうけど」

兄「本気でやり過ぎだろ…おい…」

幼「…頑張れ、兄!」

兄「お前俺の表情が見えないの?」

幼「視力は良い方だけど」

兄「じゃあ見てみろよ、他の参加者の顔を」

幼「全員意気消沈してるねぇ、見事に」

兄「当たり前だろ!誰だってやる気無くすわ!」

幼「兄は周りと違ってこんなに可愛い幼馴染の応援があるんだから」

兄「可愛くなったらその応援も受け入れるんだけどな」

幼「なるほど、ワタシもその高い障害物を乗り越えろ、と」

兄「是非とも乗り越えないでくれ」

幼「酷くない?」

兄「過去を鑑みられるなら試してくれるかな」

幼「女の子追ってた」

兄「ほらもうただの不審者だよ」

先生『さぁ、始まりました最後の最後の大勝負!障害物競争です!』

兄「!?」

先生『実況には私がお送りさせていただきます!』

幼「あの先生…真面目であんな事する先生じゃなかったと思ってたんだけど…何あれ」

兄「一体何があっ…あぁっ!?」

幼「な、何?」

先生『解説には、このお二人をお呼びしております。宜しくお願いします!』

父『どうも。兄の父親です』

母『母親です』

兄「んぬぁあにをやっとんじゃあああああ馬鹿夫婦くぉあらあああああああ!!」

父『実況』

母『アンド解説』

兄「帰れええええええ!全力で帰れええええええ!」

幼「…あれは真似出来ない。流石に」

父『さぁ、この私達夫婦の考案した障害物競争を勝ち残るのは一体誰だ!』

兄「やっぱりかおいいいいいい!」

幼「二人共学校の根本に入り込んでるんだ…」

母『因みに障害物は無視して良いけど凄いペナルティあるから』

父『スキマに送られたり、かべのなかにいる状態にされたりするから』

兄「ペナルティでけぇ!」

母『命を掛けて戦え…』

兄「大袈裟過ぎるわ!」

幼(毎日この人達に挟まれて生きてるんだ…これは苦労してるなぁ)

兄「くおおおおぉぉぉぉぉ…………この怒りを何処にぶつければ良いんだぁ…」

幼「頑張れ!」

兄「お前の顎外すぞ」

幼「やだよ!」

先生『さぁ、試合開始です!』

兄「…もう俺は突っ込まない、突っ込まないぞ」

先生『よーい…………………………………………………………………………………………………』

兄「溜め長ぇ!…あっやべっ、もう突っ込んだ」

先生『…ドン』ボソッ

兄「声ちっちゃ!」

父『ファイトパワー!ファイトパワー!』

母『ファイファイファイファイファファファファファイ!』

兄「うるせぇ!」

先生『さぁ、選手がバットで回り始めましたね』

父『フラフラしますからね。面白い映像が見られると思いますよ。ブフッwww』

兄「何笑ってんだ!」

母『ちなみにバットの色は虹色をイメージして並べてます』

兄「要らんわその拘り!」

先生『おっと、早速跳び箱ですね。飛べるんでしょうか?』

母『無理ですね』

兄「断言すんなら用意すんな!」

父『フヒヒwwサーセンww』

兄「全力で殴りてぇ」

競争相手(こいつ…走りながら突っ込んでる…!)

兄「くそっ…ふざけやがってええええええ!」

先生『おぉ!?これは…!』

兄「よいっしょあああああ!」

先生『と、跳んだ。跳びました!』

兄「ふぅ…鍛えてて良かった」

母『期待外れですね』

父『面白可笑しく倒れて転げ回るのを期待してたんですけどね』

兄「あの夫婦後で絶対ブッ飛ばす」

下妹「ふわぁ…お兄凄いね、お姉!」

上妹「……」ボーッ

下妹「…完全に見惚れてる…」

幼「あれ、帰って来てたんだ、三人共」

幼妹「何か悪い?」

幼「いんや?」

幼妹「それにしても、兄さんって凄い人なんだね。跳び箱二十段越えちゃった…」

幼「昔っからあんな感じだから。何か、妹ちゃん達の為、とか言ってさ」

幼妹「…兄妹同士で強い絆で結ばれてる…って事?」

幼「絆っていうか愛だね、うん。主に妹ちゃん達の」

下妹「格好良いな、格好良いなぁ…」

上妹「…お兄ちゃん…」ボーッ
          ブラコン
幼「…ほら、結構な兄妹愛でしょ?」

幼妹「…確かに」

先生『おっと、一人先に行く兄、平均台に辿り着きます』

父『わざわざ業者に発注掛けましたからね。ウン百万はしました』

兄「本気で何やってんだ」

先生『それはそうでしょうね。上下左右に曲がりくねってますから』

兄「最早平均が行方不明なんですが」

母『くねっくねっくねっチョコボー』

父『クエッ、だよ母さん』

母『あらやだ』

兄「真面目に黙っててくれないかな、本当に」

父『あっ、落ちたら全力で馬鹿にするからシクヨロ』

兄「この平均台投げられたら投げ付けてやりたい」

兄「こんなもんに金使うなら家族に使えやああああ!」

先生『おっと怒りの叫びを上げながら、何と走り抜けています!』

父『おい簡単に行くなよウン百万が無駄じゃないか』

兄「最初から既に無駄だろうがああああ!」

先生『他の生徒は未だ跳び箱ですね』

母『兄以外なら元取れるわね』

父『全く、こんな真面目な奴に育てた覚えはないぞ』

兄「何だろうこの胸に湧く想いは。殺意?」

先生『次はハードルですね。ハードル間は足一つ分の隙間しかありません』

母『測るの意外と疲れて疲れて』

父『ハードルの下に板貼るの疲れて疲れて』

母『倒したらちゃんとハードル最初から越える様に』

父『一個倒したらドミノ倒しになるからな。全部起こす様に』

兄「その下らない事に懸ける情熱は何なの?」

父『聞こえてるぞ!下らないとか言うな!』

母『しょうもないと言いなさい!』

兄「本当に疲れる…」

兄(しかし、どうする…跳ばないと越せない高さだ…このままだったら絶対倒す…)

父『ほらほらどうした、早く行けよ』

兄「…分かった。行ってやるよ!」

父『どうせ倒すだろうけどまぁ頑張れ』

兄「あぁ…頑張るぜ…オラァ!」ガシャアン

先生『な!?何と、ハードルを蹴り飛ばして、全て倒した!?』

母『ちょっ、それはないわ』

兄「大丈夫だよ。俺はちゃんとルールを守るからな…」

先生『…な、何という事でしょう…倒したハードルを越えた後、一つずつ起こしていってます』

父『おまっ、それ反則』

兄「俺は倒したら最初から跳べと、全部起こせしか聞いてないね!」

母『確かに…最初から倒して、越してから起こせばルールは破ってない…』

父『常識的に考えたら普通失格だから!』

兄「あんたら夫婦に常識を説かれたくねぇえええええ!」

先生『次はフランスパンですね』

父『ちゃんと食べ切らないとフランスパンでしばくから』

兄「地味だけど地味じゃない嫌がらせだなおい」

兄(…フランスパンの長さ分、吊り下げてる棒も高い位置に…先だけ食い千切ったらアウトだ…)

母『千切れて食べれなくなったら全身にフランスパン刺すから』

先生『最早フランスパンは凶器扱いですね』

兄「頼む先生その二人フランスパンでしばき倒してくれ」

父『残念先生は私達の同志だ』

母『フランスパンでしばき倒したらこうなったのよ』

兄「本当に凶器として使ったのか何してくれてんだ」

兄「ええい、付き合ってられない」ムシッ

父『おいちょっと待ってくんない?』

母『手で引っ張っちゃ駄目でしょ!』

父『吊り下げるの苦労したんだぞ!』

兄「俺の方が苦労してんだよ!」ムシャムシャ

先生『さぁルール無視気味な展開になっています』

兄「守らせない方が悪い」

母『あぁ、とうとう兄がグレたわ…』

父『写真撮って記念に残そうか』

母『そうね』パシャ

兄「………」モッシャモッシャ

兄(水が欲しい……)

兄「よっし、食い終わったし、最後は謎の紙…」

兄(多分これ持ってゴールしろって事なんだろうけどな…!)ペラッ

 【妹】

兄「………妹?」

父『嫌なら変えても良いぞ』

兄「…………」ペラッ ペラッ ペラッ

 【妹】【妹】【妹】

兄「全部同じじゃねえか!」

父『あ、バレた?』

母『テヘペロ♪』

兄「これがやりたかっただけだろ!」

父『あ、バレた?』

母『テヘペロ♪』

兄「殴りたい全力で」

兄(しかもよく見たら「一人だけ☆」って書いてるな…星がムカつく)

父『さぁ、どっちを選ぶのかな兄くぅん?』

母『上妹?下妹?』

兄「選ばせるのが目的か…!」



上妹「え、ど、どっちを選ぶって…?」

下妹「あの紙、妹って書いてたのかな?」

幼「ほほう、面白そうな事を」

幼妹「真似しないでね、お姉ちゃん…」

幼「出来ないって。その前に命を狙われるから…って、兄来た」

兄「うぉぉぉぉぉぉ!」

上妹「あっ、兄貴っ、下妹ちゃんの方をさっ」

下妹「お兄、お姉連れてってあげて?」

兄「……すまん。俺は…!」

兄「…どっちも大事な妹なんだ。選べない…」

上妹「兄貴…」

下妹「お兄…」

兄「…から!」ガシッ

幼妹「!?」

上妹下妹「!?」

兄「行くぞぉ!」

幼「待てぇい!」

兄「すまん幼馴染、妹ちゃん連れて」

幼「ワタシは次女です」

兄「!?」

幼「そう!ワタシ達は三人姉妹…!上京して一人暮らしの姉がいてね…!」

兄「ば、馬鹿な…妹ちゃん、本当なのか」

幼妹「は、はい…」

兄「な、なんてこった…」

兄「まぁお前はない」

幼「貴様ぁ!」

兄「妹ちゃん、行くぞぉ!」

幼妹「ど、どうしてお姫様抱っこで~~~~~!」

上妹下妹「…………」ポカーン

幼「くそぅ一考の余地もないってかくそぅくそぅ流石に傷付く」

下妹「……その、元気出して下さい……」

幼「台詞をそっくりそのまま返しながらそれでも心配してくれた下妹ちゃんにハグおぼふ」グイィ

上妹「駄目ですから」

幼「どんな状況でも厳しい…」

――――
――


下妹「お・に・い~~~~~~!何で!何でぇ…」

兄「正直すまんかった」

上妹「別にどっち選んでも気にしなかったのに。兄貴が私達に不公平な事思わないって分かってるから」

兄「あの時はあれが最善って思ったんだよ…」

下妹「う~~~~~~…………。……別に、悪気があった訳じゃないのは分かってるけどね」プイッ

上妹「あぁ、拗ねちゃった…」

父「よっ、やってる?」

母「まさか違う子を選ぶとは思わなかったわ」

兄「………上妹。SATHUGAIせよ!」

上妹「分かった」

父「えっ、ちょっ、タンマタンマおぼろしゃあ!」ボグォ

―幼馴染家―

幼妹「……」ボーッ

幼「あれ?どしたの妹様?」

幼妹「お姉ちゃん…」

幼「何?」

幼妹「ワタシね、どうしてお姉ちゃんが兄さん好きか分かったよ」

幼「!?………いや別に好きじゃないし…………」

幼妹「じゃあ、狙っても……良いよね?」

幼「………はい?ま、まさか…」

幼妹「…うん…何だか頭から顔が離れなくて、顔が熱くて……どうしよう、お姉ちゃん……///」

幼(ど、どうする…?こうなる可能性があったら困るから、兄には姉さんも妹も紹介避けてたのに…)

幼「……まぁ、まず上妹ちゃんと下妹ちゃんっていう高すぎる壁を越えないと無理だろうけど」

幼妹「……じゃあ、気に入られる様に頑張ってみる」

幼「頑張れ~」

幼(…心配だなぁ…二人に牙、向かれないかなぁ…大丈夫かなぁ…)

終わり

<宿泊と告白?>

下妹「はわぁ……」

上妹「うわぁ……」

兄「ほ、本当にここか…?」

下妹「地図では、ここだって」

上妹「合ってても間違ってても入りにくいんだけど…場違いとか思われないかな…」

兄「…ええい!勇気を振り絞って行くぞ!」

下妹「ま、待ってお兄…怖いから手繋いでて」

上妹「あ、私も…」

兄「そんな調子じゃ、中入ったら緊張で動けなくなるんじゃないか…?繋ぐけど」ギュ

下妹「ありがとね」ギュ

上妹「ありがと」ギュ

兄「……これの方が場違いな気が」

下妹「良いの」

幼「お~い、こっちこっち!」

幼妹「お姉ちゃん、声大きいよ…」

兄「あぁ、もっと場違いな奴居たわ…」

幼「誰が場違いだってぇ?あぁん?」

幼妹「あの、兄さん、今回も宜しくお願いします」

兄「そんな硬くなくって良いから。ちょっとは幼馴染を見習った方が良いよ」

幼「何?それ大雑把で馴れ馴れしくて図々しいって?」

兄「言ってないけど良く分かったな」

幼「うぉぉぉぉぉ!」

兄「ちょっ、首振るな」ガクンガクン

下妹「早く入ろうよ…」

上妹「妹ちゃん、先に入ろっか」

幼妹「は、はい…」

上妹「あのさ、妹ちゃん」

幼妹「どうしました?」

上妹「ここ、本当に…お姉さんのホテルなの…?」

幼妹「えっと…姉の方が…」

幼「呼んだ?」

兄「おま…振り、過ぎ…」

下妹「お兄大丈夫?」サスサス

兄「背中、さすってくれて助かるよ…」

幼「一体誰がこんな事を…」

兄「てめえだコノヤロー…」

幼「テヘペロ☆」

兄「殴りたいこの笑顔」

幼「ふはは、悔しかったら殴ってぐはぁ!」スパァン

兄「!」

「皆様、大変失礼をお掛けして申し訳御座いません…」

下妹「あ、その…?」

幼妹「姉さん…!」

上妹「え、こ、この人が…?」

幼姉「えぇ、その通りです」

兄「…全然似てない」

幼姉「ふふ、見た方は皆、口を揃えてそう仰ります」

幼「い、いきなり頭叩くのは無いんじゃないかなぁ…」

幼姉「人様に失礼を働くのがいけないの、分かってるわね?」

幼「ぐむむ…はい」

兄「あの幼馴染が頭が上がらないなんて…」

幼姉「…貴方が兄さん、ですね?」

兄「あ、はい…」

幼姉「…ふふ、成程。そうですか。貴方が幼馴染の…」

兄「は、はい?」

幼「はいはい部屋行こーか!姉さん鍵!」

幼姉「こら」

幼「う…」

上妹「案内、して貰えますか…?」

幼姉「かしこまりました。こちらです」

幼(た、助かった…)

兄「…広い」

上妹「家よりでかい…」

下妹「お、落ち着かないよ、お兄…」

幼「ワタシ達だって初めて入ったんだけど…こりゃすごい」

幼妹「ますます姉さんが、遠い存在に…」

幼姉「お気に召した様で、何よりです」

兄「ほ、本当に良いんですか?この部屋に泊まらせて貰っても」

幼姉「えぇ、是非とも泊まっていって下さい」

兄「あ、ありがとうございます…」

兄「…まさか最上階の部屋を案内されるとは思ってなかった」

上妹「エレベーターがずっと上まで上がっていってびっくりしたよ…」

下妹「そのエレベーターも大きかったね…」

上妹「あのさ、こういう部屋ってVIP…が使う所なんじゃ」

幼「スイートルームって聞いたけど」

兄「何か足震えてきたぜ」

下妹「部屋、ほんのちょっとだけでも汚く出来ないよ…」

兄「めちゃくちゃな高さの高級ホテルのオーナーが幼馴染のお姉さん、か。若く見えたけど」

幼妹「この姉とは五歳違いなので…」

上妹「え、若っ!すごっ!」

幼「オーバースペック過ぎてさぁ…妹の立つ瀬ゼロで」

幼妹「まだ上を目指すって言ってたね…日本の中ではまだ有名じゃないから、って…」

下妹「凄い…凄いしか言えないよ…」

兄「…俺達、何でここに泊まる事になったんだった?」

幼「珍しく妹連れてワタシ遊びに来た」

下妹「お母さんとお父さんがこのホテルの格安券をくじ引きで当てた」

上妹「そしたら二人で泊まりに行くとか言って挑発してきた」

幼妹「そしたら上妹さんがボコボコに…」

兄「家族全員連れてけと拳に乗せて殴ってたな」

幼「その時ワタシがそこ姉さんがやってる所って紹介した」

下妹「家族割とか無い?って電話してましたね」

上妹「無かったみたいだけど、代わりに私達を連れてきたら全員無料で泊めるって…」

幼妹「何を考えてたのかな、姉さん…」

兄「…で、家族全員で行けたのに二人だけで泊まろうとした罰で、父さんと母さんが居ない、と」

上妹「そう」

幼妹「本当に良かったんですか?それで…」

兄「どうせ結局泊まりに来てる」

下妹「否定出来ないからね…」

幼「とりあえず、こういう所でやる事と言えば…そりゃ!」ボフン

幼妹「ちょっとお姉ちゃん!」

幼「良いじゃんベッドダイブ位。おぉ~ふかふか…すぐ眠れるよ、これ」

上妹「眠らせてあげても良いですよ」

幼「それ物理的にだよね勘弁して」

兄「ちゃんと人数分用意されてるな」

下妹「一つは要らないのにね。わたしがお兄と寝るから」

兄「一人で寝なさい」

下妹「えぇ~…」

兄「…しっかし、本当ふっかふかだな…手が沈む…」

上妹「疲れとか、すぐ取れそうだよね」

下妹「うん、そうだね!」

幼「…ぐぅ」

幼妹「お姉ちゃん寝るの早いよ」

兄「…おぅ…キッチンあるんだけど」

上妹「わ、本当だ…」

幼妹「もしかして、ここで料理を作ってくれたり…」

兄「やってくれそうだなぁ…」

下妹「高級な家…な感じだね」

幼「妹もやってみれば?上妹ちゃんに教えてもらったんだから」

幼妹「え…」

上妹「徹底的に教えたから大丈夫だよ、妹ちゃん」

幼妹「そ、そうでしょうか…」

下妹「食べてみたいなぁ、妹ちゃんの料理」

幼妹「あ、あの、そのぅ…」

兄「俺も気になるなぁ」

幼妹「…!…き、機会が、あれば……」

上妹「自信持って頑張ってね、上妹ちゃん」

幼妹「は、はい」

幼「…おやぁ?」

幼妹「ど、どうしたの?」

幼「もしかしてお風呂…あったりして?」

上妹「さぁ…?」

幼「…お先!」ダッ

兄「お先って…まぁ付いて行こうかな」

下妹「もしあったら、広いかな?」

上妹「そうだったら?」

下妹「皆で入ろ?」

兄「じゃあ俺一人か。広かったらあれだなぁ」

下妹「え、お兄も入るんだよ?」

兄「何でだ」

下妹「折角のお泊まりなんだからぁ、お願い♪」

兄「駄目」

下妹「ぶー」

幼「うわぁお、広い…」

兄「おぉ、確かに」

上妹「ちっさい銭湯、って感じかな」

幼妹「外、露天風呂までありますね」

下妹「この高さで露天風呂…贅沢だね!」

上妹「向こうもこっちと同じ位広い…」

兄「…にしても、部屋は洋風なのに風呂は和風なんだな」

幼「さっき脱衣場チラ見したけど、浴衣あったよ」

兄「浴衣か…俺達は着た事無いな」

幼「着方わざわざ書いてあったっぽいし、気にしなくて良いんじゃない?」

下妹「じゃあ、お兄に」

兄「No」

下妹「む~…」

幼「まぁ、入るのは後のお楽しみという事で」

兄「何だ、お前なら飛び込むかと思ったのに」

幼「しないから。流石に」

幼妹「でもこの前」

幼「はいカァット!」

兄「急に声張るなよ…何かしたのか」

幼「そりゃ秘密です」

上妹「…何してたの?」ヒソッ

幼妹「家の浴槽に飛び込んで足滑らせて少し溺れたそうです」ヒソヒソ

下妹「…元気な人だね」ボソリ

幼「あれ~!?この辺から私に関する話が聞こえるな~!?」

幼妹「」ダッ

幼「ちょっ、風呂場でダッシュ!?」

幼「もう…滑るから危ないのにさ」

上妹「え、幼馴染さんが言うんですか」

幼「…うん、まぁ、滑ったら頭打つかもだし…」

下妹「滑って溺れてたのに?」

兄「え、マジで?その年で風呂で溺れた?」

幼「何で言っちゃうかなぁ!」

下妹「妹ちゃん追い掛けますね」

上妹「あ、私も」

兄「二人は急に走るなよ」

上妹下妹「は~い」

幼「くそぅ可愛いじゃんかくそぅ」

兄「走るなよ~」

幼「走らないし追わないって…」

兄「?」

幼「ふっ、何故ならお先に露天風呂に入るからさ!」

兄「え、俺の前で…?引くわー」

幼「人を痴女みたいに言うの止めれ」

兄「下妹の胸を揉もうとする人間をそう言わずして何と言えと?」

幼「淑女」

兄「叩き落としてやろうか」

幼「せめて服は脱がせて」

兄「え、俺の前で…?引くわー」

幼「そもそも何で兄の前で何かするの前提なの?」

幼(恥ずかしさMAXだから絶対しないのに…)

兄「で、入るんだったら出るけど」

幼「露天風呂の景色しっかり見てからでも良いじゃん」

兄「…そうしようかな」

幼「ノリが良いねぇ」

幼「おぉ~高~い。遠くの景色が見えるのは、中々絶景で」

兄「お前よくそんな端っこの方立てるな…」

幼「柵あるからへーきへーき」

兄「足滑らせたらどうしようも無いんだぞ。ここ一番上の72階だし」

幼「何だろうその数字を聞くだけで似た者としての悲しみが湧いてくる」

兄「何の話だよ」

幼「上妹ちゃんには勝ってるけど自分の妹に負けてるって話」

兄「何がって成程」

幼「即理解されるの腹立つ」

兄「まぁ…その…うん、頑張れ!」

幼「頑張ってこの胸囲的なサイズなんじゃ舐めんなバカヤロー」

兄「そうか…」

幼「その同情みたいなの止めて」

幼「ふん、高い所嫌いな兄なんか足滑らせて浴槽に落ちればいいんだ」

兄「いや嫌いじゃないし」

幼「そんな心配してるのに?」

兄「いや、端に立たれたら心配もするって」

幼「…しょうがない、兄の為にここを離れるとしましょう」

兄「あ、別にずっとそこでも良いぞ」

幼「どっちなの?」

兄「冗談。部屋戻るか」

幼「あ~いよ」

幼(…ちょっとは心配してくれるんだ。…うん、良いな、この気分)ズルッ

幼「ってマジすかい」

兄「ちょ、おまっ!」ガシッ

幼「え?」

幼(いや兄それは不味いって――)

 ドッパーーーン

幼「あっつ!あっつ!」バシャバシャ

兄「ゴボゴボゴボ…!」バシャバシャ

幼「あ、ごめん、退く、退くからあっつ!」

兄「ぶはっ!」バシャア ムニ

幼「…………………」

兄「…………………」

幼「あの、えっと、その、あのさ……」

兄「男として最低な事をした一思いにやってくれゴボボ」

幼「潔いって言うか風呂場で土下座!?顔上げて上げて溺れ死ぬから!」

兄「…人に胸を揉むなと怒りながら、自分はそれを平気でする…自分が許せん!」

幼「いやいや不慮の事故だから一旦落ち着こう、うんそうしよう」

兄「事故でもやっちゃいけなかったんだよ!」

幼「何でそんな急に熱い台詞言ってんの?風呂入ってるから?」

幼「ふぅ…びっしょびしょ…」ビチャ

兄「もう風呂入る事になるとは思わなんだ」ビショ

幼「あ~…ごめん兄。折角助けようとしてくれたのにさ…」

兄「謝る必要無いだろ?俺が勝手に手を伸ばして、勝手に一緒に風呂場へダイブしただけだしな」

幼「いやさ、滑んなかったらって」

兄「別に良いって」

幼「……そうだね、うん。さっきのであいこって事で」

兄「さっきのは本当にすまんかった」

幼「良いってだからわざとじゃないんだしさぁ」

幼(…わざとでも許しちゃうかもだけど)

兄「…にしても、どうしよう俺達」

幼「他の皆に替えの服用意してもらって、先に入るって事で。風邪引く訳にもいかないし」

兄「それがベストかね。はぁ…携帯とか財布、荷物として分けといて助かった…」

幼「………あ」

兄「…………そうか」

~~~~

下妹「ずるい」

兄「え」

下妹「ずるい」

兄「いや何が」

下妹「何で幼馴染さんだけそんな目に…」ブツブツ

上妹「全く…何してんだか」

兄「まぁこんな日もあるだろ」

上妹「無いでしょ」

兄「無いか」

幼妹「大丈夫?お姉ちゃん」

幼「精神的には大丈夫じゃない……」

幼妹「?……あ、携帯電話……」

幼「スマホ…スマホが……」

上妹「防水じゃ無いんですか?」

幼「多少はあると信じたい……」

上妹「そうですか……」

下妹「ドライヤーで乾かせば良いと思います!」

幼「じゃあお願い…」

上妹「おっと私が受け取るんで」

幼「何にもしないって。だって今触ったとしたら下妹ちゃんの服が濡れて透けて下着が見えて」

上妹「話しながら段々興奮するの止めて下さい」

幼妹「それに、透けてるのお姉ちゃんの方だよ…」

幼「ワタシは別に見られても」

下妹「興奮しちゃうんですか…?」

上妹「うわぁ…」

幼「どうして兄妹揃って変態にしようとするのか」

幼妹「事実でしょ」

幼「家族にまでそう思われてた。泣きたい」

幼妹「昔から姉さんの胸を揉んでたよね」

上妹「何してるんですか…」

幼「あの豊満な胸を揉めば大きくなると信じてた時期があった…結果はこれだぁ!うわぁん!」

兄「そりゃ変わらんだろ。下妹と一緒に風呂入ってる上妹だって鉄壁だからなあふん」

下妹「わぁ、お姉の拳がお兄の顎を見事に捉えた」

幼妹「解説してる場合じゃないですよ!一撃でノックダウンじゃないですか!」

幼「気にしなくて良いって」

幼妹「何で!」

兄「…っはぁ!あぶねっ、寝る所だった」

幼「ほら」

幼妹「………ホントだ」

上妹「ネタで人の胸を弄るな、分かった?」

兄「え~マジどうしようかな~」

上妹『あぁん?』

兄「わぁ声にエコー掛かってるすみませんでした」

上妹「ほらもう服置いとくから入りなよお風呂」

兄「いやいや、ここはレディファーストで」

幼「あ、まさか露天風呂一人で満喫する気か!」

兄「しませんけど」

下妹「一人じゃなくて二人で」

兄「入る気ならタオル巻きなさいや」

下妹「は~い」

幼「え、入っちゃうの?」

下妹「?」

幼「よ~し、全員で入っちゃおう!」

上妹「幼馴染さんは駄目です」

幼「何故ぇ!」

幼妹「お姉ちゃん、人様の体凝視したりしそうだし…」

幼「それより兄も入る状況に突っ込みが来ないのは何故?」

兄「で、結局全員入る、と」

上妹「幼馴染さん達は露天風呂かぁ」

下妹「仕切り置いてるから見えないけどね」

兄「見えたら問題だけどな」

下妹「見せられないよ!」

兄「見ないから」

上妹「…殆ど何時もと変わらない感じ?」

下妹「そうだね」

兄「変わってるのは、家の風呂より広くて温かくてゆったり出来る事か」

下妹「そうだね~…」

上妹(…広いから良く目立つ…下妹ちゃんの胸が浮いてる…浮いてる…!)

兄「あぁ~…疲れも取れる…」

下妹「肩も軽い~…」

上妹「……………くっ」

幼妹「凄い遠くまで景色見える~…」

幼「見えるよね~…」

幼妹「…向こうには、兄さん達が居るんだね」

幼「居るよね~…」

幼妹「…見えないよね」

幼「見えないね~…」

幼妹「…ちょっと、ドキドキしない?」

幼「するね~…」

幼妹「聞いてる?」

幼「聞いてるね~…」

幼妹「聞いてないよね」

幼「聞いてないね~…」

幼妹「……」バシャッ

幼「ほわっちゃあ!何!?急に!?」

幼妹「…はぁ」

幼妹「お姉ちゃん、ちゃんと聞いてよ」

幼「胸と恋の相談はワタシにはハードル高すぎる」

幼妹「胸はともかく、恋はちょっと位聞いてよ…」

幼「納得出来る回答は用意出来ません!」

幼妹「そんなに聞きたくない…?」

幼「ワタシのクラス来てみなさいよ。恋バナばっかで胃もたれするんだよ」

幼妹「そんな事言わずに」

幼「今大きな声で相談したら解決するって」

幼妹「聞こえるよ隣に!」

幼「聞こえたら良いんじゃないっすか?」

幼妹「適当!」

幼「だってさ~」

下妹「はふぅ…極楽…」

兄「年寄り臭くなってるぞ」

下妹「だって~…ぽかぽかして気分が良くなって…はふぅ」

上妹「まだお昼にもなって無いのに、寝ちゃ駄目だよ下妹ちゃん」

兄「のぼせる前に出るんだぞ」

下妹「うん~…すぅ」

上妹「寝るの早いって」

兄「流れる様に寝たな」

上妹「う~ん…兄貴、下妹ちゃん、連れていってあげて?」

兄「ん?良いけど…上妹は」

上妹「私はもうちょっと浸かりたいから」

兄「その為に兄をこき使うか。良いけどな!ふやけるまでゆっくり浸かるが良い!」

上妹「何その捨て台詞」

兄「お~い、起きろ~」ペシ

下妹「うぅん…お兄…?」

兄「眠たいならこっちで着替えるんだぞ。俺こっちで」

下妹「着替えさせて…」

兄「色々問題起こるから駄目だ」

下妹「問題…?」

兄「まず上妹に殴られ、幼馴染姉妹にはそんな奴だったのかと蔑まれる」

下妹「そっか~…ごめんね…?」

兄「分かってくれたか。じゃあ俺こっちで着替えるから。脱衣場部屋別れててラッキーだぜ」

下妹「は~い…ふわぁ…」

兄(何だろう、こんな感じのアイドルが居たような、居ないような…)

上妹「……」コソッ

上妹(露天風呂…入りたい…)

幼妹「ふぅ~…朝からお風呂って、何か新鮮だよね…」

幼「これで下妹ちゃん居たらあの胸を朝から…」

幼妹「…幼馴染さん」

幼「家族から一気に赤の他人扱いになった」

上妹「駄目ですよ」

幼「しかも上妹ちゃんまで来た」

幼妹「あれ?兄さん達は…」

上妹「下妹ちゃんが寝そうになってたので運ばせました」

幼「それで自分は露天風呂、と。お主も悪よのう」

幼妹「…下妹さんの着替え、どうするんでしょう」

幼「よっしゃ今すぐ着せ替え」

上妹「あ?」

幼「ナンデモナイデス」

上妹「そんなに、巨乳が好きですか…?」

幼「はは~ん?成程成程、上妹ちゃんもその胸を可愛がって欲しかっ」

上妹『いてこますぞワレェ…』

幼「ちょっと何言ってるか分かんないけど怖いですやめてくださいすみませんでした」

幼妹「お姉ちゃん、本当に何で下妹さん気にしてるの?」

幼「可愛くて背小っちゃめで胸大きい…そこにはロマンが詰まりに詰まってるんだよ」

上妹「へぇ…?」

幼「し、仕方ないじゃん!あんなデカイのぶら下げてるのが悪いんだぁ!」ガクガク

上妹「だからって揉んで良い訳じゃないですよね?」

幼「…はい」

上妹「じゃあもう狙わないでください」

幼「…全部未遂で終わったんだから、一回位は」

上妹「は?」

幼「はい狙いません上妹様下妹様兄様に誓います」

幼妹(…胸、かぁ…。やっぱり、大きい方が…ううん)

下妹「ムニャムニャ…ウニャム~…」

兄「あ~あ~、ぐっすり寝ちゃって」

上妹「兄貴~上がったよ~」

兄「おう。…幼馴染姉妹は?」

上妹「あぁ、ちゃんと上がるって伝えたから、もうすぐ…あ、ほら」

幼妹「?呼びましたか?」

兄「ん、いや、俺達…と言うか俺が出る事伝えとかないと二人共出れないよな、って話をね」

幼妹「はぁ…」

幼「別にタオル巻いてたんだから、あんまり気にしないけどね、兄が居たって」

兄「多少は気にしてくれ」

幼「してるから仕切りやっといてって頼んだんだけど」

兄「そういやそうだったっけか」

幼「…脳がふやけたんじゃ」

兄「ふやけるか」

幼妹(う…やっぱり、長い付き合いなだけあって、二人だけで会話してる事多いなぁ…)

上妹(気が合うだけあって、お互いポンポン話出来てる…ちょっと、羨ましい)

幼「大体さぁ、兄だって見られて恥ずかしい体してる訳じゃないでしょが」

兄「恥ずかしいわ見られたら」

幼「上妹ちゃんと下妹ちゃんの前で良く見せてるんじゃないの?」

兄「いや、見せびらかす様な事はない」

幼「ほほう。つまり二人がお風呂に突撃したりして見てくる、と」

上妹「突撃してません!」

幼「じゃあ下妹ちゃんに巻き込まれる形なんだ」

上妹「う…」

兄「良く分かったな…」

幼「…あれ、当たった?うわ~普段なら今日みたいな事…うわ~…羨ましい」

兄「羨ましいのかよ」

幼「下妹ちゃんと入れるなんて…羨まし過ぎる」

幼(うん、まぁ…妹ちゃん達も、だけどさ)

幼「ところで下妹ちゃんと同じ布団に」

兄「寝るなよ」

幼「いいや、寝るね!」

上妹「体に天って字を刻まれたいならどうぞ」

幼「それ死んじゃうじゃないですか…」ガタガタ

兄「殺意の波動に目覚めればワンチャンはある」

幼「それゼロって言ってるもんじゃんか!」

下妹「うみぃ…ふぇ…」

幼「あぁ駄目だ体が勝手に」

上妹「ほあたぁっ!」

幼「あべし!」

幼妹「お姉ちゃんが秘孔突かれた!」

兄「大丈夫、最良で何も無いだけだから」

幼「え、じゃあ最悪は?死ぬの?死んじゃうの?」

兄「まぁそれは置いといて」

幼「置いとかないで!命の危機!」

兄「いつもそうだろ」

幼「そうだった」

幼妹「納得するんだ…」

上妹「で、この後どうする?兄貴」

兄「もうちょっとで昼だし、下妹起こして昼食食べたらどっか行こう」

幼「んじゃ、今の内に何処行くか探しますか」

兄「それが良いか」

上妹「このホテル自体に色々ある見たいだけど…」

兄「帰ってきてまた風呂入って、浴衣着て楽しむって事で」

幼妹「良さそうですね」

幼「下妹ちゃんのむ」

上妹「はい?」ニッコリ

幼「ひぃ…」ガクガク

兄「この近辺、何がある?」

幼「遊園地とかあるけど」

兄「遊園地か。他には?」

幼「ん~……あ、こんな所あった」

兄「何々…………お前これ何処だと思う?」

幼「風ぞ」

兄「行くか馬鹿!」スパァン

幼「いったぁ!馬鹿って言った!」

兄「何処連れてくつもりだこの野郎!」

幼「え、興味無いの?そういう所。…あっ、妹ちゃん達が居るから行かなくて」

兄「上妹。ゴミ箱にこいつ入れといてくれ」

上妹「ラジャ」

幼「ほんとごめんなさい」

兄「はぁ…とにかく、ほら、下妹、起きろ」ユサユサ

下妹「んん…お腹空いた…」

幼「もう食べられないじゃ無いんだ」

兄「食べてないしな」

幼妹「では、食べに行きますか?」

上妹「そうだね」

 ボーン

兄「?」

幼姉『お邪魔して宜しいでしょうか?』

幼妹「姉さんだ」

幼「どうぞ~」

 ガチャ

幼姉「失礼致します。昼食をお持ち致しました」

兄「…食材だけ?」

幼姉「ええ…」

兄「…今から作るつもりですか?」

上妹「え、まさか…」

幼姉「妹が世話を焼かせている様だから、そのお礼だと思ってくれれば」

兄「お礼って…」

幼「ちょっと~?世話を焼かせているって何かな~?」

幼姉「…セクハラ紛いの行為、とか」

幼「どっから聞いたの!?」

幼姉「姉の情報網を舐めていると痛い目に合うわ」

兄(…この人敵に回したらヤバい気がする)

幼妹「ワタシだよ」

幼姉「あっ、何で言っちゃうの」

兄(そんな事も無いかもしれない)

上妹「あの~…」

幼姉「何かしら?」

上妹「この子に作らせてもらっても…」

幼妹「へ?」

幼姉「この子が?」

上妹「ええ。…良いですか?」

幼姉「当然よ、断る理由なんか無いわ。ただ…」

上妹「ただ?」

幼姉「一緒にさせて貰うわ、ね?」

幼妹「え、え、え」

幼「ほほう、これは楽しみですなぁ、ねぇ下妹ちゃん?」

下妹「んん~…?誰…?」

幼「…………………………………」

兄「痛恨の一撃を食らったみたいだな」

幼「誰は流石に効く」

下妹「ふわぁ…。…あれ、何時の間にか幼馴染さんのお姉さんが…」

兄「料理作ってくれるらしいぞ」

下妹「料理…?お姉は作らないの?」

上妹「まあ」

幼「いやぁ、妹も上妹ちゃんに教えてもらって良かったと思うよ」

上妹「何ですか、急に」

幼「ご覧の通り、姉さんが料理出来るんだけど、中々帰ってこないしさぁ」

兄「ん?お母さんとかに教えてもらえないのか?」

幼「あ~…どうしてワタシ達が仲良くなってると思う?」

下妹「…お互い似てるんですね、お母さんとお父さん」

幼「まぁね~…家にあんま居ないしさ~…姉さんが親代わりみたいなとこあったし」

兄「…どうして幼馴染は料理作らなかったんだ?」

幼「そんなの妹未満の料理しか作れなかったからさ!」

上妹「………あれ未満………!?」

上妹「て事は、もう物質が溶けきって消滅するって…!!」

兄「色々と失礼だぞ、色々と」

幼「消滅とか生温いから。それ以前に包丁握れないから」

兄「…そう言えば、調理実習水洗いしかしてなかったな…」

幼「洗い物専門なんで」

下妹「…調理実習、一緒の班だったの?」

兄「そうだけど、それが?」

下妹「ふ~ん…」

幼(…あれ、これもしかして嫉妬してる?どっちに?兄の方だったら良いのにな~♪)

兄「…ところで、お前のお姉さんってどんだけ料理上手いんだ?」

上妹「む」

幼「…あのさ、完璧超人って居ると思う?」

兄「…まさか」

幼「そのまさかでさ、姉さんあれだもの。色んな店持ってるし」

下妹「このホテル以外にですか?」

幼「そう。…料理の腕も相当だよ」

上妹「むむ…」

幼「しかも全部感覚でやってるからさ、他人じゃ真似出来ない領域に居るんだよね~…」

下妹「だからお姉に教えて貰った方が良いって言ったんですね」

幼「そうそう」

幼妹「あ、あの、出来ました!」

幼「よっ、待ってました!」

兄「お、炒飯」

幼妹「ど、どうですか上妹さん」

上妹「見た目は前のと比べたら、見る影無くなってる」

幼「見る影って言うか、影その物って言うか」

幼姉「では、こちらは餃子と拉麺で」

下妹「…ギョーザとラーメンって…チャーハンが出来る時間で出来るの…?」

幼「それが出来ちゃうから姉さんはとんでもないんだってば」

上妹「…」モグ

兄「……どうした?」

上妹「色々と、負けた」ズーン

兄「色々って何だ色々って」

兄「…でも確かに、凄い腕前だ」

幼姉「有難う御座います」

上妹「…絶対に勝つ…!」

幼「殴れば勝てる」

上妹「シャラップ!」

幼「はい」

下妹「妹ちゃんのも美味しいよ。このままお姉、唸らせるの作ってね」

幼妹「はい!」

上妹「あ、簡単には負けないから」

幼妹「お、お手柔らかにお願いします…」

幼「前みたいにお腹が唸りまくる奴はやめてね」

幼妹「もう大丈夫だから!」

幼姉(…心配してたけど、妹達が皆と仲良く出来てるみたいで、良かった…これも――)チラッ

兄「う~む、上妹のと何が違うんだ…?」

幼姉(彼のお陰、なのかしらね)

――――
――


兄「昼食を終えて、遊園地に着いたぞ」

上妹「誰と会話してんの…?」

兄「何、お約束って奴よ」

幼「こりゃ結構でっかいとこで」

幼妹「…遊園地、かぁ」

下妹「どうしたの?」

幼妹「いえ、その…行った記憶が無くて」

上妹「…そう言えば、私達も行った記憶が無いような」

幼「ワタシん家はそもそも親が常に遊園地居るみたいな人だし」

兄「俺達は…大体同じだなぁ…」

下妹「こう言うの、世知辛いって言うのかな…」

上妹「分かんないけど、それで良いんじゃない?」

兄「さぁまず何処に行こうか。フリーフォール?フリーフォール?フリーフォール?」

上妹「何そのフリーフォール推し…」

幼「何?陥れたいの?」

下妹「…絶叫系は、嫌」

兄「手なら繋ぐぞ?」

下妹「本当!?……でも、駄目」

幼妹「どうして嫌なんですか?」

下妹「………………胸が」ボソッ

幼「成程、ワタシ達には永遠に理解出来ない苦しみですな」

上妹「…くっ」

幼妹「…お、大きくなるもん…」

幼「いやいや、逆に考えるんだよ。胸が無いから気にせずアトラクション乗れるんだって」

兄「それ言ってて空しくならないのか…」

幼「なるよ胸だけになぁ!」

下妹「だから、ジェットコースターとかは皆で…」

幼「よし、ここはワタシが一肌脱」

上妹「がなくていいです」

幼妹「でも、下妹さんだけ置いていくのは…」

兄「例え神が許しても、この俺がゆ゛る゛さ゛ん゛!!!!」

上妹「うるさい」

兄「ヴァイ」

幼「その時、不思議な事が起こった!」

兄「おっと体が勝手にコーヒーカップの所に~」ガシッ

下妹「あ…」

幼妹(良いなぁ…。ああやって、手を繋いでもらって…)

幼「…で、何この死体」

兄「」チーン

下妹「…回し過ぎて」

下妹(手繋がれて張り切り過ぎちゃった…)

上妹「流石に兄貴でも酔いは駄目かぁ…」

兄「バ、バターに、なるかと…思った…」ガクガク

幼妹「だ、大丈夫ですか?あの、これ…」

兄「よ、酔い止め…?」

幼妹「姉さんに渡されて…。先に渡せなくて、すみません。後に飲んでも効くタイプですから」

兄「あ、ありがとう…」

下妹「あう…ごめんねお兄」

兄「次は加減してくれよ…?」

下妹「うん…」

兄「ふぅ…落ち着いた…」

幼「いや~ここで男手無くなるとピンチだからねぇ」

兄「何でだよ」

幼「ワタシには上妹ちゃんと下妹ちゃんは制御しきれない」

上妹「したいなら普段の自分を見つめ直してください」

幼「ワタシらしく生きた、素晴らしい人生だった…」

幼妹「お姉ちゃん死ぬの?」

下妹「あ、一緒に乗りますか?コーヒーカップ」

幼「膝の上に乗ってくれるなら乗るよ」

兄「下妹、回してあげなさい、極限に」

下妹「は~い」

幼「え、ホントに乗ってくれるの!?うひゃっほう!」

幼妹「…お姉ちゃん、酔い止め」

幼「うん、ありがとう。そしてナイスお節介姉さん」

兄「はいよ水」

幼「サンキューどーも」ゴク

上妹「あ」

下妹「あ」

幼「?………あ」

幼妹「兄さんが、口付けた…」

兄「?」

下妹「回します。死ぬ程回します」

幼「ちょっ、止めて助けてこれバターじゃすまなくなる奴」

上妹「下妹ちゃん、疲れたら交代ね」

下妹「うん」

幼「兄!ヘルプミー!」

兄「No Thank You」

幼「ノーセンキューじゃなくて!」

兄「I can't help you」

幼「多分出来るって!このペットボトルに口付けたら何とか」

下妹「更に重ねるつもりなんですか?」ニッコリ

幼「ハイナンデモナイデス」

兄「吐くまでは止めてやるんだぞ」

幼「この人殺ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

兄「お、幼ダイーーーーーン(棒)」

幼妹(あ、兄さんに手を出したらこうなるんだ…)ガタガタ

兄「…妹ちゃん?大丈夫かい?」

幼妹「は、はい!」

兄「…俺も落ち着いたけど、まだしんどいし、向こうのベンチで休もうか」

幼妹「え、あの、その…分かりました…」

兄「じゃあ、行こうか」




幼「ワタシ今回は悪くないと思うんですけどおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

兄「ふぅ、疲れた…あんな回ると思ってなかった」

幼妹「本当に大丈夫ですか?」

兄「まぁ何とか。…自販機あるし、休憩がてら何か飲む?」

幼妹「え、あ、い、良いです、気にしなくても」

兄「まあまあ遠慮せず。俺も買うし、そのついでだと思ってくれれば」

幼妹「…じゃあ、お茶で」

兄「…本当に?」

幼妹「……オレンジジュース」

兄「了解っと」ジャラ

幼妹「あ、お金は払いますから!」

兄「年下の子に払わせるなんて気が引けるんで無しで」ピッ ガコン

兄「はいオレンジジュース」

幼妹「あ、ありがとうございます…」

幼妹「……?兄さん?」

兄「何でっしゃろ」ピッ ガコン

幼妹「(何でっしゃろ?)…どうして幾つも買って…って、もしかして」

兄「ああ、自分の分と後の三人の分」

幼妹「上妹さんと下妹さんはともかく、姉にまで…?」

兄「今頃吐きそうになってるだろうし」

幼妹「…どれが誰の何ですか?」

兄「まずホットココアが上妹で、カルピスソーダが俺、ビックルが下妹、いろはすが幼馴染」

幼妹「姉は水なんですね…」

兄「て言うのは冗談で、俺と幼馴染のは逆」

幼妹「…姉は炭酸飲料を飲むんですか?」

兄「ガンガン飲むんだよ。炭酸なのにガブ飲みするし」

幼妹「ほ、本当なんですか…?」

兄「嘘だと思うんなら、実際見てみればいいんじゃないかい」

幼妹「…それに、兄さん、水で良いんですか?」

兄「俺はこのペットボトルを思いっきり捻ってやるのが好きで好きで」

幼妹「は、はぁ…」

兄「あ、ホットココア持っといてくれない?」

幼妹「良いですよ。…バッグに全部、入れておきましょうか?」

兄「ん?良いなら、そうしてもらえると」

幼妹「はい。…………」

兄「…どしたの妹ちゃん。……お化け屋敷?」

幼妹「行きましょう」

兄「え」

幼妹「行きましょう、早く!」

兄「い、いやぁ、俺は良いかなって」

幼妹「何言ってるんですか!行きましょう!」

兄「あ、待って腕引っ張らないでマジ待って」

幼妹「わぁ~…色んなお化けが居ますよ兄さん!」キラキラ

兄「そんな動物園に来た子みたいな」ガタガタ

幼妹「ほら、行きますよ!」

兄「いやちょっと待って嫌ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 アアアァァァァァァァァァァ……ヒィィィィィィィィィィィィィィィィィ……イェアアアアアアアアアアア……アアアアアアアアアェイ……

――暫くお待ち下さい――

 ア、アァ………ヒ、ヒカリ………

幼妹「はぁ~!楽しかったですね兄さん!お化けが一杯で!」キラキラ

兄「あぁ、そうだな…」

幼妹「…兄さん?」

兄「ごめんな、俺、トイレ行ってくるぜ」

幼妹「は、はぁ…」

兄「先に皆と合流しときなよ、じゃ」

幼妹(………?何か変だったなぁ兄さん)

兄(………この年で………俺もうお婿に行けない……)グスン

上妹「…何処行ってたの?妹ちゃん」

幼妹「あ、上妹さん。兄さんと一緒に自動販売機に行って飲み物を…」

上妹「飲み物?」

幼妹「はい。上妹さんはホットココアだって兄さんが言ってましたけど…」

上妹「ん、確かによく飲んでるよ」

幼妹「下妹さんはビックル…って言ってました。どうぞ」

上妹「ありがと。下妹ちゃんに渡してくる」

幼妹「あの…姉は?」

上妹「幼馴染さんは…」チラッ

幼「トンデトンデ…マワッテマワル…」ビクンビクン

幼妹「お、お姉ちゃん…」

幼「オカエリマイシスター…」

幼妹「…カルピスソーダ、兄さんが選んでくれたよ」

幼「マジで!要る要る要ります!ちょうだい!」

幼妹「う、うん、はい…」

幼「んぐっんぐっ…っはぁ!復☆活!」

幼妹「か、回復早いね…」

幼「このシュワシュワな刺激が体を癒してくれる…ん~んまい!」

幼妹(本当にグイグイ飲んでる…)

上妹「下妹ちゃ~ん、ビックルあるよ~」

下妹「はいはいちょ~だい!」

上妹「はい」

下妹「誰が買ったの?」

上妹「兄貴だって」

下妹「えへへ~こんな所に置いてあるんだ~、お兄頂きます!」

上妹「…そう言えば、兄貴は?」

幼妹「兄さんは、お手洗いに…」

上妹「ん、そっか」

兄「呼んだ?」

下妹「あ、お兄」

兄「妹ちゃん、水くれ、水」

幼妹「はい」

兄「ありがとう」

上妹「水?」

兄「水」

下妹「お兄、ペットボトルとか空き缶とか潰すの好きだよね」

幼「え、そんな趣味あった?何かストレス溜まってるとか?」

上妹「……」

幼「こっち睨まないでやめて」

下妹「そうなの?お兄」

兄「いや、純粋にベコッってなるのが快感っていうか」

幼妹「ええと、気泡緩衝材…とか捻って思いっきりプチプチってするタイプですか?」

兄「気泡緩衝材……あぁ、あれね。そうそう俺そういうタイプ」

兄「んじゃ、この次どうする?」

幼妹「お化け屋」

兄「却下」

幼妹「」ガーン

兄「…ホラー系、好きなんだ」

幼「そうなんだよ…ゾンビの食事シーン見ながらでも今日のお肉美味しいねって言える位」

下妹「基準が良く分からないですけど、筋金入りなのは分かりました」

上妹「そもそも何で食事中に見てるのか…」

幼妹「?見ないんですか?」

幼「どうやら兄一家は見ないっぽいけど」

幼妹「えぇ!それ変ですよ!」

幼「変なの君ぃぃぃぃ!姉さんは笑って見てるけどワタシが無理ぃぃぃぃ!」

幼妹「えぇ!?そうだったの!?」

幼「気を使って言わなかったけどワタクシホラー超苦手ッス………」

幼妹「知らなかった…ご、ごめんなさい」

上妹「う~ん…とりあえず、下妹ちゃんが行ける所…」

兄「メリーゴーランド」

下妹「乗った事無いけど、喜ぶ歳じゃないよ」

兄「じゃあもう無いな」

幼「選択肢少なっ」

幼妹「…あ、着ぐるみ…」

幼「ん?何々どうしたの?…ここのマスコットキャラクターかな?」

ネズミみたいなの「ハハッ」

兄「帰ろう今すぐあれは絶対不味い」

下妹「え~」

兄「良いから行くんだ見なかった事にするんだあれはどんなホラーより危険だ」

兄「あぁ…寿命が縮まるかと思ったぜ」

上妹「何をそんなに気にしてんの」

兄「分からなきゃ別に良いんだよ知らなくてな」

上妹「?」

兄(…あそこの遊園地何時潰れるか新聞よく見とこう)

幼「それよりさ~、こんな早く終わったら暇になっちゃうじゃん」

兄「そう言われても」

下妹「うぅ、ごめんなさい」

幼「あぁぁゴメン別に下妹ちゃんを責めた訳じゃ無いんですぅぅぅ」

幼妹「でも、本当にどうしましょうか…」

兄「ゲームは家に置いてきたし、ホテルに色々あるみたいだけども」

幼「そういうのは夜、しかも浴衣着てって決まってるんだよ!」

兄「やっぱそう思うか。俺もだ」

幼(そう、湯上がりで少し頬を赤くした下妹ちゃんの浴衣から零れる胸と言う名の宝玉…)グヘヘ

兄(こいつは絶対不純な理由だろうからよく見張っとこう…)

幼「…そうだよゲーム!」

兄「何だ急に。ツイスターゲームとか言ったら承知しないぞ」

幼「いやいや、そうじゃなくて、ほらぁあれあれ」

兄「…でっかいゲームセンターがあるな」

幼「よっしゃ行こう行こう!」シュバ

幼妹「ちょっとお姉ちゃん速いよ!」

上妹「…ゲーム好きなの?幼馴染さん」

幼妹「…一度廃人寸前になった位」

下妹「うわぁ筋金入りだぁ…」

幼妹「でもある時急にパッタリと止めて…家族全員でどうにかしようにも出来なかったのに…」

兄「………」

下妹「…?どしたのお兄?」

兄「んあ?いんや何にも。やり過ぎだろあいつと思っただけだって」

兄(思い出す…超苦労した日々を…)

上妹「ひっろ…地元には無いよね」

兄「寂れたゲーセンしかないからな」

幼「何してんのさ。ほら早く!」

幼妹「早く、って何するのか何があるのか…」

幼「ふっふっふ…教えてあげよう。出来るだけ熱中し過ぎないレベルの奴を」

下妹「熱中し過ぎない?」

幼「いやぁ妹は勉強大好きっ子だから、ハマりすぎてそれの邪魔になるのはさぁ?」

上妹「息抜き程度の分だけ、ですか。意外と考えてるんですね」

幼「そりゃ身内ですからねぇ」

兄(…本当変わったなぁ、あいつ)

幼「まあ妹の好きなホラー系のゲームって言ったら…ガンシューティングしか無いかな」

幼妹「ガンシューティング?」

幼「見れば分か~る。レッツゴー!」

幼「はいこれ」

幼妹「はいこれって…銃…ちょっと大きいし重い…」

幼「それを画面に向けて引き金引いて~…片手じゃキツいって。ほらこういう感じで持って」

幼妹「う、うん」

上妹「…割とお姉ちゃんしてるね、幼馴染さん」

兄「確かに」

幼「あとこれ、二人で出来るけど、どうする?」

下妹「あ、じゃあわたしが」

幼「…ホラー系だけど大丈夫?」

下妹「多分!初めてだから良く分からないけど頑張ります!」

上妹「…じゃあ、私は二人の側に居よっかな。兄貴は幼馴染さん見張っといて」

兄「あいよ」

幼「こんな所でも警戒されるとは」

幼「あ~、何で遊ぼっかな~♪」

兄「………」

幼「ん?どしたの?」

兄「いや、昔、お前が学校来なかった時の事、思い出してて…」

幼「あ~…あん時は、ホントゴメンね」

兄「本当苦労したんだぞ、おい」

幼「まぁまぁ若気の至りって奴よ」

兄「そんなんじゃすまなかったぞ」

幼「ん~…あの時は、ゲームありゃ生きてけるって本気で思ってたし…」

兄「学校来させる為に、わざわざお前がやってたゲームやってなぁ…」

幼「…そう言えば聞かなかったけど、何で学校に行く様に仕向けたのさ?」

兄「昔馴染で友達だから、じゃあ不満か?」

幼「い~や?お陰で今は充実してるしね~♪」

兄「お前探して一から仲良くなって、少しずつ学校への興味湧かせる様にして…」

幼「色々やってくれたけど、正直オフで会おうってなるまで一切興味湧いてなかったからね」

兄「最後の手段で何とかなって良かった…」

幼「あん時ビックリしたからね。まさか知り合いどころかすぐ近くに居たんだから」

兄「一生懸命説得したなぁ…」

幼「結局ワタシが根負けして、ダメ押しのゲーム勝負にも負けて、行く事になって…」

兄「全力で勝ちに行ったからな。もう必死だった」

幼「何でこの人こんな必死なんだって思ってたよ」

兄「勝てて良かったよ本当に…」

幼「しかもよりにもよってワタシがやりこんでて兄が一切やった事無いゲームで負けたし」

兄「天が味方したのさ、はっはっは」

幼「ほんっとうに悔しかったから、あれ」

兄「泣く程だったしな…」

幼「そうそう、悔し涙が出る出る」

兄「お前のお陰で全然ゲームしなかったのに興味持ってしまった」

幼「ようこそこちらの世界へ」

兄「筐体に叩き付けてやろうか」

幼「追い出されるって」

兄「はぁ…あの時と比べて、大分明るくなったよなぁ…」

幼「そりゃ、兄が頑張ってくれたから。これでも感謝してますよ?ええ」

兄「本当かどうか全然分からん」

幼「酷くないっすか。これでもガチっすよ」

幼(それこそ、好きになる位…)

兄「まぁ別に良いんだけども。で、何する?」

幼「ここはワタシにお任せを!」

兄「難しいのは無しで」

幼「大体難しいって」

兄「そういうもんか」

幼「ファッファッファ、さぁ始めようじゃあありませんか…」

兄「…これは、何だ?」

幼「ガン○ム」

兄「ちょっと待てや」

幼「え、何?周りの音デカくて聴こえない」

兄「嘘つけ!」

幼「何さそんな怒って」

兄「初心者が触れちゃいけない奴だろうが!」

幼「兄、ボコボコにしてやるから」

兄「大人気ない!しかも協力しないのかよ!」

幼「何とでも言え!絶対勝つ…!」

兄「…分かったやってやんよボッコボコにしてやんよ」

幼「はっ!舐めちゃいけないよあえてクソ機体で鍛え上げたこの腕を」

―数分後―

幼「」チーン

兄「お~い、平気か?」

幼「何故!何故ぇ!EXAMがぁ…!」

兄「変なのばっかで練習するから」

幼「変なの言うな!今のは負けてやったのだ!」

兄「じゃあ音ゲーやろう」

幼「やだ、や~だ~!だって兄音ゲーやったら何やっても百点満点じゃんか~!」

兄「だからやろうって言ってるんですが」

幼「仕返しがガチだ…!」

兄「良いよな?な?なぁ?」

幼「嫌だって――!」

兄『イイヨネ?』

幼「はい、喜んで」

幼「もう、何でそんな初めて触ったゲームでも動きプロ級な訳?自信無くすって…」

兄「初心者相手に本気出すから痛い目見るんだよ」

幼「んぬあああああ!兄に勝ちたあああああい!」

兄「たまたまですよ、相手が弱かっただけです。偶然、偶然ですよ!」

幼「ワタシの心を抉ったなぁ!さっき覚えた言葉でぇ!」

兄「俺だって勝ちたくて勝ってるんじゃないんだ」

幼「じゃあ負けて」

兄「それはムカつくから出来ない」

幼「ぐぬぅ…昔のゲーム勝負に負けてから、こっちは一度も勝ってないのにぃ…!」

兄「頑張れ頑張れ」

幼「こっちはあの時からずっと勝ちたくて頑張ってるんだよぉ!」

兄「勉強しろよ」

幼「何て腹立つ正論なんだろう」

―数分後―

幼「もうやだ、ホテル帰るぅ…」

兄「駄目」

幼「ワタシの精神はボロボロだぁ…!」

兄「はいちゃんと構えて。腰に力入れて」

幼「はひぃ…」

兄「…ん?」

幼「な、何ですか兄様…」

兄「いや、あれ…」

幼「え…?……え?」

幼妹「…………」カチッカチッ

下妹「うわぁ…一人で全員倒してってる…」

上妹「顔付きが真剣そのものだ…」

幼「…血筋?」

兄「何の?」

幼妹「…ふぅ」

下妹「凄~い!」

上妹「私達、要らなかったな…」

幼妹「……あれ、ワタシ何を?」

下妹「え」

上妹「そこまで集中してたら覚えてないか…」

幼妹「?」

幼「やぁやぁ、スゴいじゃんスコア一位って。ワタシじゃあ無理だよ」

幼妹「あ、お姉ちゃん…一位?え?」

兄「…どうやら覚えてないっぽいけど」

幼「…わぉ、そりゃスゴい」

幼妹「???」

幼「…取り敢えず、妹はゲーム駄目だね」

幼妹「えっと…?うん」

下妹「…意外ですね」

幼「いや、このままだとゲーム負けるし」

上妹「器ちっさい…」

幼「うっせうっせ」

幼妹「良く分からないけど、お姉ちゃんはお姉ちゃんだね」

兄「こいつは自分を曲げたりしないから」

幼「いぇい」

幼妹「いぇいじゃなくて」

幼「うるせいやい。大体あの様子じゃゲームの楽しさ覚えたらワタシの二の舞になるよ」

幼妹「え…そんなに…?そうなんだ…じゃあ止めとく」

幼「それがよろし」

幼「あ~ボッコボコのボロボロだぁい!」

上妹「またゲームで勝ったんだ」

兄「圧勝だっぜ!」

幼「く゛や゛し゛い゛!」

幼妹「うるさいよお姉ちゃん」

下妹「そんなにお兄、強かった?」

兄「強かったんです」

上妹「私に負け続けてるのに?」

幼「………え、マジ?」

兄「格闘ゲームなら何やっても上妹に勝てない」

幼「上には上が居るのか…」

下妹「…あ」

上妹「下妹ちゃん?」

下妹「見て見て。ウェディングドレス」

上妹「わ、本当だ…」

幼妹「結婚式、近くであったんでしょうか…」

幼「ジューンブライドって奴?」

兄「今6月じゃないぞ」

下妹「ブーケトスとかするのかな」

上妹「したら取りに行く?」

兄「結構遠いぞ」

幼妹「ちょっと近くまで行ってみましょう」

幼「何?ウエディングドレス着に行くって?」

下妹「…お兄、行こ!」

兄「そんな急がなくてもいいって」

兄「教会に着いたぞ」

上妹「うん、まあ着いたけど…何?」

兄「これがずっとやりたかった」

上妹「…?」

下妹「………」

上妹「どうしたの?下妹ちゃん」

下妹「思わず走ってきたけど、着させて貰えるのかな…」

幼「ここはあれだよ、姉さんパワーで多分何とかなる」

幼妹「こんな時ばっかりに姉さん頼るの止めようよ…」

幼「良いの良いの。これが縁で、ホテルで披露宴とかってなったらお得でしょ?」

幼妹「そうかもだけど…」

幼「まあワタシは着ないけど」

上妹「どうしてですか」

幼「機会があるかは知らないけど、実際に結婚とかするまで取っておこうと」

上妹「はぁ…」

幼「という訳で、お邪魔しま~す…」

幼姉「あら、奇遇ね」

幼「おっと幻覚かな?」

幼姉「実の姉に対して失礼ね」

幼妹「ほ、本当に姉さん…?」

幼姉「そうよ。驚いた?」

兄「えっと…どういう事?」

幼姉「ちょっとばかり神父役を」

兄「いや男性じゃないでしょう」

幼「何だ、既に姉さんの支配下にあったんだ」

幼姉「人聞きの悪い言い方ね…」

幼姉「…ドレスを着たい?」

下妹「はい!」

幼妹「姉さん、駄目?」

幼姉「良いけど…タダでは、ねぇ」

上妹「い、いくらでしょうか…」

幼姉「お金は取らないわ。ただ、ちょっとモデルをね?」

幼「ははぁ、宣伝も兼ねてですか。抜け目ない事で」

幼姉「何よその言い方。折角着るんだからちょっと位良いでしょ?」

兄「皆、どうなんだ?嫌なら嫌って…」

下妹「あの!お兄の分の服もお願いします!」

兄「え、俺も?」

幼姉「タキシードって事ね?勿論よ。女性だけではやっぱり、ね?」

兄「俺もか…まぁ、いい機会と思っとこう」

下妹「着てみたよ!お兄、どう?」

兄「」ダバー

幼妹「兄さん!?」

幼「大泣き!?」

幼姉「ちょ、ちょっと、急にどうしたの?」

兄「いや、その、下妹が嫁に行く時を想像して…」

上妹「気が早い気が早い」

兄「ヤバい、頭の中で下妹の婚約者が俺に向かって、頭下げながら大事にしますって」ダバー

下妹「想像が凄い所まで!」

上妹「もはや病気の粋なんだけど…」

下妹「…そんなに行って欲しくない?」

兄「まだ欲しくないけど、その場面に居合わせてたい気持ちもあって複雑だぜ…」

上妹「私にも、同じ事思う?」

兄「勿論」

上妹「ふぅん…」

下妹「暫くは絶対行かないから大丈夫だよ」

兄「そうだよな…」

下妹(本当はずっと居たいけど…お兄がちょっと悲しんじゃうかもだから…)

下妹「それにしても、お兄の服…」

上妹「何て言うか…しっくりこないって言うか…」

幼「芸人みたいだよね」

兄「誰が芸人だおい」

幼姉「う~ん、あんまり似合わない人って居ないんだけど…」

幼妹「兄さんは何時もの方が格好良いです」

兄「そう言われるとお兄さん照れるぜ」

上妹「真顔なんだけど」

兄「必死に我慢してんだよ」

幼「我慢するのは良いから、目ガン開きにすんの止めて。怖い」

下妹「写真撮るんですよね?じゃあお兄、腕組も!」

兄「え、兄妹で撮る系?」

幼姉「え?そのつもりだったんだけど…」

兄「じゃあ、他の皆の分も…」

幼姉「こうやって撮るわ」

幼妹「お、同じ人が写ってるのって駄目なんじゃ…」

幼姉「だから、全員分撮って、どれが一番良いか選ぶのよ」

下妹「お姉、負けないよ…!」

上妹「今回ばかりは下妹ちゃんには譲れないかな…」

幼妹「ワタシも頑張ります…!」

兄「俺KA★YA★NO★SO★TO」

幼「何急に星マーク入れてんの?」

幼姉「モテモテねー兄君♪」

幼「まあ兄も頑張りなよー。緊張して変な顔になったらそれはもう馬鹿にした笑い声をあげるから」

兄「止めろよこの野郎」

幼姉「幼馴染、何自分は関係無いみたいな顔してるの?」

幼「へ?いやだって、ドレス着る気無いし…」

幼姉「貴女も着なさい。姉命令。断ったらホテル入れないから」

幼「こんな所で権力振りかざす!?」

幼姉「やるときは全力で真面目に、またはふざけるのがワタシよ」

幼「くそぅ、それで結果残してるからタチが悪い」

幼妹「お姉ちゃん、これ以上駄々こねると家にも入れなくなるかも…」

幼「やりかねないから困るけど、そん時が兄ん家に」

兄「泊めません!」

幼「救いは無いんですか…!?」

幼「はぁ…どうしてこうなるかな…」

幼姉「別に嫌ならその服をここで剥いでも良いけど」

幼「急いで着てきま~す」

兄(…結構強引な人だね)ボソッ

幼妹(お姉ちゃんにだけです)ヒソッ

下妹(幼馴染さんが既に強引な人だもんね…)ボソッ

上妹(自業自得だから気にしなくて良いって事だね)ヒソッ

幼妹(はい)ボソッ

幼姉「そこ、準備して」

兄「は、はい!」

――――
――


幼姉「…う~ん、どれが良いかな。兄くん、誰が良い?」

兄「え、俺?」

上妹 下妹 幼妹「!」

幼姉「だって~、君が決めた方が~、皆喜びそうだし~」

兄(わざとかこの人…)

幼「適当に選びなよ。私以外で」

兄「じゃあ幼馴染だな」

幼「え、何の嫌がらせ?皆に責められ――」

幼妹「お姉ちゃん…」

幼「ほらこんな風に睨まれる」

兄「良い薬です」

幼姉「全くね」

幼「謀ったなぁぁぁぁ!」

―ホテル―

幼「私って罪な女…」

兄「そんな事言うから皆に追い掛け回されるんだ」

上妹「兄貴、何で幼さん選んだの」

兄「面白いからさ!HAHAHAHAHAHA!」

下妹「流石お兄、こういう時こそぶれないね!」

幼妹「それって褒めてるんですか…?」

幼「あの、ところでちょっと、休ませて」

下妹「うん…ちょっと走り過ぎちゃった」

幼妹「無駄に足速いんだから」

上妹「逃げ足が」

幼「逃げ足言わない」

兄「さて、この後どうするかな」

上妹「…ご飯?」

下妹「ホテル内で色々…駄目?」

幼妹「浴衣着たりとか」

幼「ゴロゴロ」

兄「よし幼馴染ボーリングしようぜお前ボールな!」

幼「首をゴロゴロさせる気ですか」

兄「よし、一旦遊んで休憩がてら飯でまた遊んでまた風呂で寝よう」

下妹「は~い」

上妹「遊ぶって…結構あるけど」

幼妹「ここは…本当にボーリングとか」

幼「妹まで私をボールに…!?」

幼妹「お姉ちゃんはピン」

幼「もっと酷かった」

幼「で、本当に浴衣着ちゃう系?」

幼妹「うん」

幼「じゃあ全員で着よう。兄も」

下妹「あ、じゃあお兄、わたしとお姉着せるの手伝って」

上妹「え、いや、私は良いから!」

幼「じゃあワタシが兄の代わりに」

下妹「帰って下さい」

幼「冷たい…」

兄「例え兄妹でも女子の着替えを見る趣味はありません」

下妹「気にしないし、気にしなくて良いのに…」

幼妹「お姉ちゃん…手伝って」

幼「ん?良いよ~」

兄「浴衣着替えにくかった…」

幼「おっ、そっちは似合ってんね」

下妹「お兄、そっちは格好良いよ!」

兄「紳士服は駄目ってか…」

上妹「…………」

下妹「お姉?」

上妹「あ、べ、別に」

上妹(兄貴に見惚れてたとか言えない…///)

幼妹(わぁ…兄さん、鍛えてるなぁ…///)ドキドキ

兄「?」

幼「………」

幼(兄…罪な男…)

兄「…とうとう、俺の実力を発揮する時が来た」

上妹「兄貴、ボーリング得意だった?」

兄「いや、全然」

下妹「じゃあ何の実力なの?」

兄「ガターになる実力」

幼「誰でも出来るんだけどそれ」

幼妹「…………良し」

幼「おっと、妹はボーリング強いから」

兄「マジか」

幼「何かね~、恐ろしくまっすぐ転がるんだよね~…」

幼妹「じゃあ、行きましょう!」

下妹「やる気満々だね」

上妹「割と楽しみにしてたのかな…」

幼「浴衣でボーリング…オツなもんですな」

兄「誰だお前」

下妹「ボーリング…初めてだから…意外と重いね、これ…」

上妹「下妹ちゃん、もっと軽いのあるからそれ使おう?」

幼妹「もうして良いですか」ウズウズ

兄「ど、どうぞ…」

幼「精々頑張ってね兄」

兄「えぇえぇ精々頑張ってやるよ」

兄「うんやっぱ無理だったわ」

上妹「妹ちゃん…まさかピンが隣に弾き飛ばされるなんて…」

下妹「しかも、そのピンで隣のレーン、ストライクだもんね…」

幼「ついでにパーフェクトゲーム…」

幼妹「もっとやりたいです!」

兄「止めて死んじゃう」

幼「こりゃ次はパーフェクトゲームより難しいの挑戦し始めるね」

下妹「え、全部ストライクより難しいのってあるんですか?」

幼「調べた事あるんだけど、スペアとストライク交互に決める、とか…」

上妹「絶対出来るじゃないですか。あんな正確なフォーム初めて見ましたよ」

幼妹「いきますよ…」

兄「いや本当に止めああまたストライク」

兄「惨敗」

上妹「惨敗」

下妹「惨敗…」

幼「惨敗だらけ」

幼妹「あの…ごめんなさい…」

兄「いやいや良いんだよ。妹ちゃんのイキイキした顔見れたし」

幼妹「え!そ、そんな…///」

下妹「…むー」

上妹「また兄貴そういう事言う…」

兄「え、何か悪かった?」

上妹「べっつに~」

幼(…はぁ。何だかなぁ。妹の背中、後押ししたいって思うけど…でもなぁ…はぁ。複雑)

兄「うん、まぁとりあえず、皆で楽しめる奴で行こう」

幼「例えば?」

兄「………………………………………」

上妹「全然考えてないんだ…」

下妹「あ、じゃあねじゃあね、ビリヤードやってみたい!」

幼妹「ビリヤード…ですか?」

兄「確かに全員やった事ないだろうから、そりゃ平等だろうけども」

上妹「ルール一つ知らないから、結構キツいかも」

幼「まぁまぁ下妹ちゃんが提案してくれたんだから、ワタシは行かせていただくぜ」

幼妹「お姉ちゃんと下妹さんを一緒には出来ないから、ワタシも」

幼「全然信用されてナッシング」

兄「当たり前だな」

兄「という訳で知らないけどやって来ましたビリヤード」ガタガタ

下妹「どうして震えてるの、お兄……」

兄「静かすぎて緊張してる」ガタガタ

上妹「緊張しすぎ…」ブルブル

幼「兄の事言えませんよ上妹さん」

幼妹「お姉ちゃん緊張しすぎだよ……敬語になってるから…」

下妹「でも、声ちっちゃくなっちゃうね…」

幼「まるでポリネモガモガ」

兄「緊張しすぎだこの野郎」

幼「えぇっと…これが棒、じゃなくてキューだよね」

幼妹「白いのを突いて、色の付いた玉を穴に落とすんですよね」

下妹「白い玉は落としたら駄目、なんだよね」

上妹「色付きは突いちゃ駄目だよね」

兄「俺、知らないよね」

幼「そうだよね」

兄「さて、このキューで白い玉を思い切り……だな。うん、手が震える」

幼「会いたくて?」

幼妹「体じゃなくて?」

兄「あの、これって、集中が大事な奴だと思うんですけど……」

下妹「じゃあ、見守ってるね……」ジィーーーーーー

兄「逆に気になるから」

上妹「ほらほら、集中…集中……」

兄「お前が集中するんかい」

幼「……ふしゅっ」

兄「!」コンッ

 ゴロゴロ カカカカン カン コロン

下妹「……白い玉だけ落ちたね」

上妹「全部当たったのに、白い玉だけって…逆にスゴい…」

兄「……何か、随分可愛いくしゃみが聞こえた気が」

幼「う…………///」フイッ

幼「し、仕方ないじゃんっ。我慢してると、逆にムズムズしてさっ」

兄「いや、別に良いんだけど……」

下妹「仕切り直し、だね」

幼妹「…これ、指紋付けて良いですよね」

上妹「そりゃそうでしょ」

下妹「触らないと戻せないよ」

幼妹「ですよね……」

兄「よし、もっかい」

幼妹「頑張って下さい…!」

兄「頑張っちゃうぜ」

下妹「…むむ」

兄「…………」スッ

兄(集中しろ……集中集中……良し!)コンッ!

上妹「……!こ、これは…!」

幼「……兄」

兄「………ぎゃ、逆にスゴいよな?な?」

下妹「また白い玉だけ落ちた…」

兄「はっはっは……俺は、これ以上はやめとくよ……うん」

兄「……結局、全然上手くいかなかったな」

上妹「妹ちゃん以外ね」

幼妹「……その、ごめんなさい」

下妹「妹ちゃん、結構こういうの得意なんだね」

幼「くそぅ、このままだとワタシが妹に勝ってる部分が皆無になる」

兄「どれだけ負けてるんだ」

下妹「……身長と体重?」

上妹「変態性?」

幼「ちょっと勝ってる所挙げないで止めて」

幼「ええい、このままの勢いで何か下にあるゲーセン行ってやるぅぅぅ!」

幼妹「…そんなのあった?」

幼「何かクレーンゲームとかがあった」

兄(……何だろう、幼馴染の為に作られた気がしないでもない)

上妹「……あのさ……お腹、空いた」

兄「ん?もう……って、意外と経ってるな」

下妹「すっごい集中してたからね…」

幼「ん~、じゃあ、食べてから。良い?」

幼妹「うん、ワタシは良いよ」

兄「という事で、飯だな。何があるんだろうな」

下妹「……蟹」

上妹「まさか。流石にそこまでの食材用意してくれないでしょ。タダで泊まってるんだから」

幼「い~や、姉さんは何するか分かんないからさ。とんでもない事しだすよ、マグロ解体とか」

幼妹「やりそう…」

兄「豪快な人なんだな、あの人……」

幼姉「と、言う訳で」

幼妹「姉さんという訳でじゃないよ」

幼「何?これ……」

幼姉「カジキ」

幼「見れば分かるって!デカ過ぎって話!」

幼姉「昨日釣ってきたのよ」

幼妹「姉さんが!?」

幼姉「えぇ、三日間の戦いだったわ……」

兄「3メートル近くあるカジキマグロを、一人で…?」

幼姉「流石に腕が痛かったわ」

下妹「…現実感が湧かない……」

上妹「敏腕ってレベルじゃない……」

幼姉「ワタシの悪い癖ね、何でも自分一人だけでやりたくなっちゃうのは」

幼「姉さん、いくら何でもさ、贔屓されてる様に感じるんだけど」

幼姉「してるもの」

幼妹「えぇ!?」

兄「そ、それいいんですか」

幼姉「良いのよ。タダより高い物は無い、だから」

幼「一体何払わされるか……」

幼姉「だから、一回体で支払って貰ったじゃない」

上妹「……ウエディングドレス…?」

下妹「…色々、スゴい人だなぁ…」

兄「カジキなんて食べた事無いなぁ…美味しいんですか?」

幼姉「さぁ?ワタシも味は知らないわ。食べられるのは知っているけど」

幼「毒味やらすか」

幼姉「先にワタシが味見するから。頭の先から尾鰭まで」

幼妹「全部!?」

幼姉「ワタシもお腹空いちゃって」

上妹「自由だ…」

下妹「そんなに食べられるんですか?」

幼姉「ワタシ大食いキャラじゃないのよ?流石に無理」

兄「そもそも捌けるんですか」

幼姉「余裕よ」

上妹「スゴい自信だ…見習おう…」

兄「まさか本当に目の前で解体ショーが始まるとは…」

幼「こんなに出来るのに…彼氏どうして出来ないんだかね」

幼姉「余計なお世話よ。……何でもやっちゃうからかしら」

上妹「男の人の方が遠慮するかも、ですね」

下妹「立つ瀬が無い、って事?」

幼姉「ある程度欠点がある方が……成程」

幼妹「姉さんの欠点……あるの?」

幼「無い。本当に何でも出来るし、常識破りな事するけど中身普通の常識人だし」

幼姉「ちょ、ちょっと挙げてよ欠点」

幼「ん~……完璧過ぎる所?」

幼姉「……一瞬欠点あって良かったって喜んじゃったじゃない。それ欠点じゃ意味無いでしょ」

兄「ま、まぁその、お姉さんの方から告白されたら、断らない人なんて……」

幼姉「本当に?じゃあ兄くん、付き合ってくれる?」

上妹 下妹 幼 幼妹「!?」

兄「え、そ、その……」

幼姉「ふふ、分かってるわ。貴方は断る事」

兄「へ?」

幼姉「冗談よさっきのは。だから安心して、ね?」

兄「あ、あぁ…どうも」

兄(この人に嘘とか絶対通じないな…)

上妹(この言葉、私達全員に向けて言ってる…?)

下妹(お姉さんには、気持ち全部読まれてるのかな…)

幼妹(よ、良かった…完全敗北するかと思った…)

幼(……姉さん。今の、冗談半分だよね。半分くらい、本気だったよね)

兄「ま、まぁその、お姉さんの方から告白されたら、断らない人なんて……」

幼姉「本当に?じゃあ兄くん、付き合ってくれる?」

上妹 下妹 幼 幼妹「!?」

兄「え、そ、その……」

幼姉「ふふ、分かってるわ。貴方は断る事」

兄「へ?」

幼姉「冗談よさっきのは。だから安心して、ね?」

兄「あ、あぁ…どうも」

兄(この人に嘘とか絶対通じないな…)

上妹(この言葉、私達全員に向けて言ってる…?)

下妹(お姉さんには、気持ち全部読まれてるのかな…)

幼妹(よ、良かった…完全敗北するかと思った…)

幼(……姉さん。今の、冗談半分だよね。半分くらい、本気だったよね)

幼姉「まあまあ、今は食べましょう」

幼妹「う、うん。……全部カジキ料理だけど」

幼姉「やっぱり大きかったわ」

幼「そりゃそうでしょが」

下妹「……貴重な体験だよね!」

上妹「無理にフォローしなくていいから下妹ちゃん」

兄「でも一生に食えるかどうかだぞ」

上妹「そうだけど…」

幼「ていうか一生分じゃない?」

兄「確かに」

兄「いただきます…うん、美味い」

下妹「うん!」

上妹「美味い…」

幼妹「流石姉さん」

幼「でも魚ばっかってのも…」

幼姉「オツな物でしょ」

幼「ソウダネー」

幼姉「心を込めてくれる?」

幼「いやほんと量多い…」

幼姉「確かに込められてるけど」

兄「無理して食べなくても、スタッフが美味しくいただいてくれるって」

幼「何処のグルメ番組?」

幼姉「貴方達はこの後どうするの?また遊ぶの?」

幼「だったら何さ」

幼姉「別に駄目って言ってる訳じゃ無いから。楽しんできなさい、ってだけ」

幼妹「うん、姉さんも頑張って」

幼姉「これ以上頑張らないと駄目だなんて…」

兄「じゃあ、よく頑張った、なら良いんですか」

幼姉「ん?…微妙」

兄「微妙…」

幼姉「やりたいからしてるだけ。褒められたくてやってる訳じゃ無いの」

幼「我が姉ながら立派すぎて何も言えない」

幼「はい、ご飯を食べ終えたワタシ達の目の前にあるのは?」

幼妹「卓球だけど」

上妹「やるんですか」

下妹「良いんですか」

兄「……止めない?」

幼「なんでさ」

兄「俺、苦手だし」

幼「じゃあ、兄だけ休めばいいんじゃないかな」

兄「…どうなっても知らないからな」

幼「?」

幼(ふっふっふ…卓球!それは、白熱の競技!飛び散る汗、はだける肌!)

幼妹「お姉ちゃん、何笑ってるの…」

上妹「そっちからどうぞ」

下妹「何時でも良いですよ」

幼「そう?なら…」

幼(ワタシは見る!たわわに実る二つの巨峰の先に生えし赤き山を!)

幼「目指せ桃源郷!ピーチスマッシュ!」カコン

幼妹「何それ。……って」

 パコォン

上妹「……決まった」

幼「……すっごいキレイなスマッシュが飛んできたんですけど」

兄「だから言ったんだ、どうなっても知らないって」

幼「ワタシ聞いてない…」

幼(だがしかし!ワタシの目的は勝つ事じゃない…あくまでも美麗なる山々の景色を眺める事…)パコーン

幼(その為なら、あえて下妹ちゃんに打たせ、体を動かさせる!完璧な作戦!)パコーン

幼(…うん、さっきから上妹ちゃんの所しか行かないし、上妹ちゃんしか打ってないし)パコーン

幼「…球速くて見えないんだけど」

上妹「加減出来なくて」シュッシュッ

幼「やる気満々だよ素振りしてるもの」

幼妹「打ち返せてないのお姉ちゃんだけだよ」

幼「逆に何で打ち返せるのかな妹くん」

幼妹「え、見えないの?」

幼「何その動体視力いつ鍛えたの?」

兄「本気でやらないとまずいぞ」

幼「本気でやってますってば」

兄「さっきから視線が球に向いてないんだけど」

幼「気のせい気のせい超気のせい」

兄「ピンポン球幼馴染にぶつけていいんだぞ」

上妹「死ぬかもしれないのに?」

幼「死ぬとかピンポン球の威力じゃないんだけど」

下妹「球が壊れちゃうから駄目だよ」

幼「だからどんな威力よ」

幼妹「こっちだって本気を…」

幼「そしてアナタはどうしてそんな強いんですか。やった事ある?」

幼妹「無いけど簡単だよ?」

幼「…………」

兄「うん、気持ちは分かるぞ。俺も同じ気持ちを味わった。姉妹揃って強すぎ」

下妹「そうかなぁ」

上妹「兄貴が弱いだけだって」

兄「…………」

幼「なるほど」

幼「…このままやってても、ワタシじゃ相手にならなそうなんで…兄!カモン!」

下妹「!」

兄「この二人の相手し続けてる俺がお前に負けるとでも?」

幼「ですよねー」

下妹「ほっ…」

幼「…ところで兄、さっきの台詞の前半部分もっかい言ってみて痛たたたごめんなさい」

兄「…そうだ。ちょっと上妹下妹、二人でラリーしてくれ」

上妹「?別に、いいけど」

下妹「でも、妹ちゃんが…」

幼妹「大丈夫です、姉とするので」

幼「いやちょっと待ってあ゛ぁ゛~~」ズルズル

上妹「…幼馴染さん、逝っちゃったけど」

兄「あぁ、逝ったな」

下妹「…ニュアンスが…?」

上妹「でもさ、ラリーなんて見て何か意味ある?」

兄「いや、見たくなって」

下妹「じゃあ、頑張ろっ!お姉!」

上妹「ま、まぁ…頑張るけど…」

兄(さぁ…始まるぞ…世界チャンピオンもビックリなラリーが…)

 そのとき、不思議なことがおこった。

上妹「…っ!」

下妹「…っ!」

 姉妹共に凄まじく鋭い目付きと共に、目に止まらぬ速さでラリーをし始めたのだ。

「すっ、すげぇ…」

「何だよあれ…」

「何あれ、テニプリ?」

「いや、リズム天国ゴールドだな」

「ワザマエ!ゴウランガ!」

 沸き立つ観客の声!一進一退の攻防を続けてお互いに一歩も引かない姉妹!勝つのはどちらだ!

兄「…………何してんだ、父さん、母さん」

父「解説」

母「分かりやすいでしょ」

兄「邪魔」

父母「オーマイガッ!」

父「水臭いじゃあないか兄ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!」

兄「うるさっ」

母「二人で寂しかったわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!何時もの100分の1位!」

兄「全然平気じゃないか。て言うかいつも寂しがってないだろ」

母「いやね兄、流石に家族水入らずで泊まった方が楽しいでしょ」

父「確かに母さんとだけでも楽しいが、皆揃ったらもっと楽しいからな」

兄「…………」

母「どうしたのよ、兄」

兄「いや、急にまともな事言い出したから、気持ち悪っ!と思って」

父「マジ兄ドイヒー!」

母「こんな子に育てた覚えしか無いわ!」

兄「しか無いんかい」

父「しっかし、あんな高速でラリーするんだなぁ」

母「思い出すわぁ…あの激しい夜の事…」

兄「止めろ、マジで止めろ」

父「何を言うんだ兄、そのお陰でお前に妹が出来たんだぞ」

兄「親のそんな話聞きたくないわ」

母「何言うのよ兄、これは口伝として代々受け継がれてきた物なのよ?」

兄「何てクソな口伝だ」

父「当代から語り継ぐ事を決めたんだ」

兄「つまりあんたらがついさっき決めたって事だろが」

母「こんなに話を分かってくれる子に育って良かったわ」

兄「分かりたくなかったよチクショウ」

父「よし、いい暇潰しになった。兄、後は好きなだけイチャイチャしててくれ」

母「めんどくさいから略すけど、幼妹ちゃんには手を出しちゃ駄目よ。中学生だから」

兄「出す訳ないだろって言うか人の名前めんどくさいとか言うな」

父「でも、逆に襲われたら役得だと思うんだぞ!」

兄「ゴメン殴っていいかな」

母「大丈夫!世間の評価とか気にせず禁断のマイロードを突き進むのよ!」

父「別にお前が未成年、妹に手を出すクソ野郎でも息子だから守ってやるぞ!」

兄「誰がクソ野郎だ」

父「あ、もし禁断の関係になったらその時どれだけ気持ち良かったかぐふぉ!」ドゴォ

兄「いっぺん死んでみる?」

父「ひぃ!死にたくないィィィィーーーー!逝きたくないィィィィーーーー!」

母「でも!今父は泣いてるんだ!」

兄「キラ違いだろ」

兄「あんの夫婦は全く空気読んでくれないんだからなぁ……」

幼「ソッスネ」ゲッソリ

兄「うわぁ何があったんだ」

幼「妹がハッスルしすぎて疲れて糸が切れたみたいになったから、部屋で寝かせてきた」

兄「そ、そうか…妹ちゃん、遊びも勉強も全力でやるタイプか」

幼「そうそう…。ちょっとワタシもジュース買ったら部屋帰って寝てるからしくよろ」

兄「はいよ」

兄(という事は、上妹と下妹の三人になるのか……久々な感覚なのは気のせいか?)

上妹「はぁ…はぁ…」

下妹「はふぅ…疲れた…」

兄「いやぁ俺のワガママで悪いね。ほらオレンジジュースとカルピス」

上妹「…オレンジで」

下妹「じゃあカルピスちょうだい」

兄「はいよ」

上妹「さ、流石に下妹ちゃんの得意競技…疲れた…喉渇いた…」

下妹「本気で打ち合って……って、お兄がやれって言うから」

兄「俺は高速でやれとまでは言ってません~」
     タマ
上妹「その命ラリーしてあげようか」

兄「やめてバターになる」

下妹「お兄バター……」

兄「やめろ背筋凍る」

上妹「あのさ、ちょっとだけ外行かない?暑い……」

兄(汗だくで着物張り付く位だしなぁ…)

兄「寒いぞ。上着取りに行った方が……」

下妹「ねぇ、だったら部屋の露天風呂に行った方が良いと思うよ」

上妹「あぁ…そうだね。すぐ汗流せるし」

兄「……着物タイムももう終わりか」

下妹「お兄、見たいなら買わないと」

兄「高い追加料金ですこと」

上妹「別にわざわざ買わなくたってさ」

兄「馬鹿野郎!もっとお前らに似合う着物着せたいだろ!」

上妹「そ、そう……ふ~ん、そんな事考えてたんだ」

上妹(いっつも私達の事ばっかり……ふふ)

上妹「はぁ…夜風涼しい…」

下妹「星、綺麗…」

上妹「そうだね…」

下妹「お兄もこっち来ようよ、お風呂に浸かってないで」

兄「俺は寒いんだ」

上妹「まぁ、私達と違って動いてないし…」

下妹「じゃあ、お兄も激しい動きをすれば」

兄「何しろって言うんだこんな寒空の下で」

上妹「……な、殴りあい」

兄「やだわ絶対」

下妹「……その、えっと…///」

兄「一体ナニを言おうとしたんだ」

兄「そもそもどうして俺は一緒に入ってるんだ」

下妹「嫌だった?」

兄「全然嬉しいけど毎回気まずい」

上妹「何それ」

兄「毎日一緒に入ってると、成長具合が良く分かるからな、うん」

下妹「身体の?」

兄「身体の」

上妹「……どうせ成長してないし」

兄「背とかの話だから」

上妹「まぁ…で、妹と入ってて緊張でもしてんの?」

兄「あのね、年々色っぽくなってきてんのよ君達。身内でも緊張するわ」

下妹「じゃあもっと緊張するかも」ムギュ

兄(わぁ色々と柔らかい)

兄(ふっ…もちつけ俺…こんな場面何回も無かった…だから全然落ち着けなばばば)

下妹「お兄、身体固いね…」サワサワ

兄「そりゃ鍛えてますからていうかくすぐったい腕止めて」

上妹「無駄に鍛えてるよね」サワサワ

兄「何で上妹も腕触るんです」

上妹「良いじゃん別にさ。減るもんじゃないし」

兄「今猛烈に俺から何かが減っていってる」

上妹「じゃあ大丈夫」スリ

兄「何故俺の胸に頬擦りするの」

下妹「お姉ずるい!」スリスリスリスリ

兄「だからくすぐったいんですけど」

兄(不味い…非常に不味いぞ…何が不味いってこのままだと俺喰われる気がする所がだ)

上妹「やっぱり、落ち着く…」ギュウ

下妹「昔から隣にあった抱き枕だもんね」ムギュ

兄(下妹は危険だ…この子平気で一線を全速力で助走して高く軽やかに飛び越えそうだもの)

兄(上妹は…下妹が動けば絶対動く…逆に自分から攻める事は少ない……やはり、優先すべきは)

兄「…そろそろ離れてくれよ。熱くてのぼせる」

下妹「じゃあちょっと上がろっか」ギュー

兄「離れる気は」

上妹 下妹「無し」

兄「ありがとう息ピッタリのコメントくれて」

兄(ここまで好かれるとか俺逆に誇って良いんじゃないのって気になってきた…)

下妹「~♪」

兄「もう汗流せただろうし、上がるか」

下妹「嫌」

兄「何故に」

下妹「だって、お兄一緒に寝てくれないんだもん」

兄「…う~ん、分かった分かった」

下妹「!やったやった。お姉も一緒にね」

上妹「えっ……じゃあ、その……うん」

兄(結局か…ふかふかのベッドで手足伸ばしながら一人で寝てみたかったなぁ…)

兄「で、だ」

幼「なんすか~?」

兄「いやね、風呂から上がったらお酒飲んでる知り合いいたから」

幼「呑んでないっすよ~うへへ」

上妹「顔真っ赤なんですけど」

下妹「それより!未成年で飲んじゃ駄目です!」バッ

幼「んん~?いやぁいい身体してますね~……ZZZ」グー

兄「……何で飲んでたんだ」

上妹「さぁ」

下妹「そもそもお酒何で置いてるの」

兄「さぁ…とりあえず、運んでやるか…酒くさっ、どんだけ飲んだんだ…」

幼妹「……」スゥ

上妹「妹ちゃんは…普通に酒臭くない」

下妹「臭かったらスゴいよ、悪い意味で」

兄「…幼馴染は寝かせたし、もう寝るか…何か疲れた」

下妹「お休み~…」

兄「この子既に俺のベッドに入り込んでる」

上妹「ふかふかのベッドで兄貴と一緒に寝たかったんじゃない?」

兄「下妹だって十分ふかふかなのにグボォ」ドゴォ

上妹「ごめんねカチカチで」

兄「じゅ、十分上妹だって柔らかいぞ…ゴフッ」バフッ

上妹「吐血したみたいな音出しながらベッドに倒れ込まないでよ」

兄「まぁまぁ…ほら、上妹も」

上妹「……ん」

兄(………………。暑い…)

下妹「くぅ……」

上妹「ん……」ギュ

兄(抱き付いてるのは上妹か……誰か助けて、腕が折れそう)メリメリ

兄(……一か八か、くすぐってみるしかない…離れるか腕がへし折れるか、二つに一つ)サスサス

上妹「んふっ……」パッ

兄(よっし、俺の腕は助かっ――)

上妹「む…」ヒュッ

 バッチーン

兄(……代わりに顔面をハエを叩く様にしばかれた。鼻が折れるかと思った)ヒリヒリ

兄(とりあえず、何かもっかい風呂に入ろうかな…この汗じゃ寝れないしなぁ…)

兄(上妹と下妹には悪いけども、俺はお前達を起こさない様に戦線離脱だ)ソローリ

下妹「んにゅ…お兄…」

兄「!」ビクッ

下妹「ん~…それはお姉じゃないよ、金剛力士像だよ……」

兄「見間違える訳ないだろどんな夢見てんだ」

兄(あっいっけね、つい口に出しちゃった)

上妹「ぐぬ…誰が仁王像よ…」

兄「姉妹揃って同じ夢見てるとは何事か」

兄「はぁー、こんなに風呂に入るとは思わなんだ」

兄(う~ん、しかし、露天風呂って良いなぁ~…星も見えるし)

兄「満月がキレイだし…」

 カタン

兄「…ん?…………んん?」

幼「……やぁ」

兄「………………どうしてそんな所に隠れているのかね」

幼「あの…多分、何か酒みたいなの飲んじゃって、酔っちゃって、気付いたら全裸で溺れてました」

兄「どういうことなの…」

幼「…でね、タオル…取ってきて…巻いてないんです」

兄「その背中を見れば分かります」

幼「じゃあ取ってきてくだせえ…!寒い…!」

兄「急ぎますっ!」

幼「あ゛ぁ゛~~~……生き返る……」

兄「……そりゃよござんでしたね」

幼「?何でこっち向かないのさ」

兄「あのね、妹ならともかく赤の他人よ?気を使うに決まってる」

幼「へぇ、兄なら見慣れてるもんだと」

兄「人を何だと思ってるんだ皆…」

幼「…………」

幼(あばばば……何で混浴してるのワタシ……ヤバイよヤバイよヤバイよ)

兄「……なぁ」

幼「ん、何さ」

兄「別にお前風呂浸からなくてもよくね?」

幼「はい?」

兄「いや、だって…俺、汗かいたから入ってるけど、お前違うだろ」

幼「いや、別に入っててもいいじゃんか」

兄「なら別に同じ所に入る必要なくね?」

幼「良いじゃん露天風呂入っても。何?出てけと?」

兄「……後から入ったの俺だし、俺が出ていくよ」

幼「…ワタシは気にしないけど?兄が入ってても」

幼(ふぉっふぉぉぉぉぉぉ?!??!?な、何ほざいとるかワタシはぁ!?)

兄「い、いやね、俺が気を使うんですけども」

幼「気にしない気にしない」

幼(お前が気にしろって話だよ!だ、駄目、緊張しすぎてワタシ超余裕ですけど?みたいな発言がががが)

兄「……まだ酔ってる?」

幼「そうかもね~…うぇ、気持ち悪い…」

幼(えぇえぇ酔ってるよ雰囲気に酔ってるってか呑まれてるよ酒は飲んでも飲まれるな!ってか)

兄(…何かブツブツ聞こえるし、酔ってるなこりゃ)

幼「ほら兄、こっち来なよ。昔一緒に入らなかった仲でしょ」

兄「うんそうだな入ってないな」

幼「そっちが来ないなら…」スッ

兄「!?」

幼「兄、背中広いねぇ……」ギュ

兄(何か後ろから手が伸びたと思ったら、抱き付かれた。あれ?つまりどういうこと?)

幼「ん~あったかい……ずっとこのままでもいいなぁ…」スリスリ

兄(しかも背中に頬擦り!?)

幼「んふふ……兄」

兄「な、何だよ…」

幼「ワタシ、昔から兄のこZzz~……」

兄「そこで寝るんか~い。……いやあの起きてお願い着替えさせるとか無理なんだおいマジで」

ー朝7時頃ー

下妹「ん~……お兄…?」

上妹「……居ない?」

兄「どうしたのですか我が愛しき者達よ」

上妹「うわっ…何その口調」

兄「お気になさらず」

下妹「お、お兄…?普通で良いよ?」

兄「普通とは何でしょう?一体何をもって普通と呼ぶグフォア!」

上妹「元戻れ下妹ちゃんが怖がってるでしょ」

兄「ふふ…これもまた愛…」

上妹「……どうしよう、兄貴が気持ち悪い…何これ」

下妹「お兄がおかしくなった…」

幼「ん~…ふぁああぁぁ……頭痛い…昨日何あったっけ…」

幼妹「…はっ!…あっ、家じゃない…はっ!皆さんおはようございます!」シュバ

下妹「そ、そんなキビキビ動かなくても」

幼「そうだよ…頭に響くから大声出さないで……痛い……」

上妹「昨日お酒グイグイ飲んでましたよ」

幼「ま、マジすか……何で飲んだんだろう…昨日のワタシに問い詰めたい……」

幼妹「…あれ?お姉ちゃん、昨日と服違うよ?」

兄「」ビクッ

下妹「もしかして、酔ってる間にお風呂に入っちゃった、とか」

兄「」ビクッ

上妹「…兄貴、何か知ってる?」

兄「いいえ何も?」

上妹「吐かないと吐く事になるけど」

兄「勘弁してください本当に知らないです」

上妹「…ふ~ん」

幼「ちょ、とにかく、み、水…」

兄「どうぞ」

幼「早いよ。…ありがと」

兄(……言えない。昨日の事は誰にも言えない)

幼「……兄、後でちょっと」ボソッ

兄(ヒィッ!?)「はい」ボソッ

幼妹「ん~~……それにしても、よく眠れました」

下妹「お布団ふかふかだったもんね」

上妹「疲れも取れたし、楽しかったな」

下妹「うん、そうだね」

幼妹「では、チェックアウト、ですね」

幼「…兄」

兄「何でしょう」

幼「……着替えさせたの、兄だよね」

兄「男の私が着替えさせるなどとその様な事があろう筈がございません」

幼「…見たから、そんな口調なんじゃないの……?」

兄「違います」

幼「本当に…?」

兄「本当に違います」

幼「ワタシの目を見て言ってよ…」ジッ

兄「……ち、違います違うんです違うんだよぉぉぉぉぉぉ!!!!」ダッ

幼「あ、頭痛いから叫ばないでってどこ行くの兄~……」

幼「皆に言うよ~…!」

兄「……!」ピタッ

幼「あること、ないこと、適当に~…」

兄「………!!」ダダダダッ

兄「それだけは勘弁してください」ザシャア

幼「スライディング土下座…!?」

幼「んく…ぷはぁ…たまにはペットボトルの水もいいね」

兄「左様でございますか」

幼「で、兄」

兄「はい」

幼「……見た?」

兄「見てないです」

幼「じゃあ着替えさせてない?」

兄「着替えさせました」

幼「見ないで?」

兄「目を開けたら死ぬと思えと考えながら、変な所触らないように頑張ったんです」

幼「……前は見てない、と」

兄「はい」

幼「…まぁ、後ろはいっか。前見られたら責任追及する所だったよ」

兄「責任?」

幼「もうお嫁にいけない、どうしてくれるんだ、って」

兄「そもそも年下の巨乳を揉みしだきたいと思ってる奴が嫁にいける訳ブベラッ」ゴスッ

幼「そこは『俺が貰ってやるよ』、とか言えないの?」

兄「やだよ下妹の身が危険過ぎるから」

幼「……………い、い、い……一生!も、揉まない、って言ったら……?」

兄「それ言うのにそんなに躊躇ってる奴の言うことは信用出来ない」

幼「じゃあ……。………」

兄「…幼馴染?」

幼「……身体だけの関係でもいいから兄と一緒に居たい。……って言ったら、どうする…?」

兄「!?い、いやそれは、何て言うんだ、うん。そういう関係は、駄目だと思うな!」

幼「…だよね!もちろんアレだから!」

兄「だな、冗談だな!よぉし皆の所に早く行くぞ!」

幼「行こう行こう!」

幼「……あ!兄!」

兄「はいはい何でしょ――」

幼「……」チュ

兄「………?………!?」

兄(えっ!?な、何が起こったんです!?ほ、頬にき、キスされてなかった俺!?)

幼「兄……」ボソッ

兄「は、はひっ」

幼「本気だから……」ボソッ タッ

兄「…………………………。嘘…………………だろ………………?」

兄「」ポケー

上妹「……何か、帰ってきてから兄貴が抜け殻状態なんだけど」

下妹「どうしたんだろうね……。………」

上妹「…下妹ちゃん?」

下妹「……今だったら何しても」

上妹「そういうのはやめよ」

下妹「何想像したのお姉?」

上妹「え、いや、その……///」

下妹「お姉ったら、やらしいんだ~」

上妹「うんほんとゴメン下妹ちゃんには言われたくない」

下妹「べ、別に違うもん。ただお兄へと向かうベクトルが縦横無尽に動き回るだけで」

上妹「動きすぎだと思うよ、多分」

下妹「う~ん……お兄、お兄?」

兄「」ボー

下妹「……えい」ムニムニ

兄「」

下妹「頬引っ張ったのに全然反応無し……むぅ」

上妹「壊れたテレビみたいになってるから、叩けば治るかも」

下妹「そういうの止めようよ」

上妹「じゃあ全力で揺さぶる。……お~い、兄貴~」ユッサユッサ

兄「」ガックンガックン

上妹「……ジャイアントスイングでもしようかな」

下妹「家の外投げ飛ばしそうだから駄目」

上妹「仕方ないなぁ……」

下妹「どうするの?」

上妹「風呂に落とす」

下妹「お兄が溺れる!」

上妹「大丈夫、少し溺れさせた後、ちょっと上げて少し溺れさせて……」

下妹「水攻めの拷問!?」

上妹「だって、反応ないし」

下妹「……色仕掛」

上妹「無し」

下妹「うむむ……」

兄「のあああああああああああああああ!!」ガターン

上妹 下妹「!?」

兄「うおおおおおおおおおおおおあああああああ!!」バタバタバタバタ

上妹「……何、あの……何?」

下妹「……何だろね」

下妹(お兄、何悩んでたのかなぁ……)

上妹(兄貴、大丈夫かな……色んな意味で)

―翌日―

兄「はぁ……」

悪友A「どうした兄弟。目にクマリンコ出来てるぞ」

兄「何だクマリンコって」

悪友B「眠れなかったのかいマイブラザー。そういう時は空から降る熊の数を」

兄「羊数えさせてくれ」

悪友C「旦那、クマリンコって言うのは」

兄「別に言わなくていい」

悪友D「大将」

兄「何だ、ってか呼び方統一して」

悪友D「ふふっ、呼んでみただごめんなさい殴らないで助走する準備しないで」

兄「こっちは本気で悩んでるんだよ……」

悪友D「どうやって妹と結婚出来あすんませんコークスクリューは待って」

幼「へいへいへ~い、何悩んでんだ~い」

悪友D「この世の女をどうやって侍らせるかコォン!」バギャ

兄「いっぺん死んでみる?」ゴリゴリ

悪友D「あれも愛、これもあい……」

悪友C「Dがやられたようだな」

悪友B「奴は兄の友の中でも(笑いが)最強」

悪友A「マジ兄パネェ」

兄「ちゃんとやれよ」

幼「で、何の悩み?」

兄「ん、いや……まぁ」

幼「?」

幼「まぁ何でもいいからこれどうぞ」

兄「何だこれ……ふりかけ?」

幼「拾った」

兄「どこでだよ。そんなもん渡すな」

幼「食え」グイグイ

兄「いや、ちょっ、お腹壊すからやめゲフェッ!うぇっ!」

幼「ウィーーーーーーー!エイドリアーーーーン!」

悪友A「流石姉御だ、統一性が無いぜ」

悪友B「よし、この後は勝利のメイクラブが良いと思います」

幼「めいくらぶ?」

悪友C「何じゃそりゃ。さつきクラブは無いの?」

悪友B「そんな隣にあるやつじゃないから」

悪友A「じゃあ育児関係の本か」

悪友B「こっこくらぶの続刊じゃないから」

悪友B「説明しよう、バッドアスブラザーズ。メイクラブっていうのは」

兄「シェア!」シュッ

悪友B「ぶごぅ!」メキャ

幼「おー、ナイス延髄蹴り」

悪友C「Bの霊圧が……………消えた?」

悪友A「なぁB。バッドアスって何だ」

悪友B「」

悪友A「キレイな顔してるだろ……気絶してるんだぜ?これ……Dも」

悪友C「B曰く、何かスゲェ!マジパネェ!ぐらいの意味の、英語圏のスラングとか何とか」

悪友A「マジか」

兄「ちょっと位俺の心配してくんない?」

悪友C「大将なら平気だろ。何かあっても主人公補正でいい方向に向かう」

兄「そんな補正無いんですけど」

悪友A「美人の妹が二人居てどっちもブラコン拗らせてる時点で補正受けすぎマジ失せろ」

兄「何でそこまで言われなきゃなんないんだ」

兄「ぐぇぇ……気持ち悪い……いや待ってマジヤバい汗止まんない」

幼「ふっふっふ……効いてきたようだな……」

兄「お前何入れたんだマジで……」

幼「知んない。何か姉さんがくれた。面白い事になるとか言って」

兄「確かに面白い絵面だろうなぁ……!」

悪友A「ぶひゃひゃひゃ、イーーッヒッヒッヒ、ウェヒヒヒ!」

兄「オデ、オマエ、モグ」

悪友A「もぐ、って何アッーーーーーー!指ちぎれる!」

悪友C「授業始まるぞー」

幼「あーい」

悪友B「うーい」

悪友D「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ェ゛イ゛!!」

兄「俺ちょっと保健室行ってくる……覚えとけよ幼馴染ぃ……!」

幼「刹那で忘れちゃっ痛い痛いヘッドロック止めて」ギリギリ

―昼休み―

幼「……」カラカラ

幼(まさか、お昼になっても帰ってこないとは……)

幼「よっ、やってる?」シャ

兄「……何だ、幼馴染か」

幼「何だって何さ、こっちは一応心配してたのに」

兄「別に何ともないっての」

幼「なら帰ってくればいいのに。兄、授業サボらないタイプでしょが」

兄「たまにはそんな日だってあるのさ……」

幼「はあ」

兄「という訳で、俺はもう帰る。…でも出来ればカバン取ってきて欲しい」

幼「……あーい。取ってきてあげますよ。後で何か奢って」

兄「今朝のふりかけでプラマイゼロだバーロー」

幼「ちぇ」

兄「……で、何でお前も自分のカバンあるの?」

幼「サボる」

兄「授業出ろよ」

幼「いやいや、一人帰らせてとんでもないことにでもなったら、妹ちゃん達に合わせる顔ないし」

兄「とんでもないことって何だよ」

幼「いや、適当に言っただけなんすけど」

兄「そうかい。…………」ダッ

幼「ダニィ!?走って帰るの!?スターーーーップ!!」

上妹「で?」

下妹「どんな目に遭いたいですか?」

幼「その胸の中で窒息したい」

上妹「分かりました」

幼「上妹ちゃんじゃなうぐぐ」

下妹「お兄、どうなったのかな……」ガチャ

上妹(まさかあんな事とかこんな事に……!?)ゴクリ

下妹(まさかあんな事とかこんな事に……///)ゴクリ

上妹「……どうして顔赤いのかな、下妹ちゃん」

幼(ワタシも今顔赤いんだけどナーもうすぐ青くなると思うけど。うん死ぬ)バンバンバン

上妹 下妹「ただいま」

幼「お邪魔します……」ゼヒィ

上妹「兄貴は……部屋かな」

下妹「急いで確認しようそうしよう!」

上妹「ちょっ、待って下妹ちゃん」ガシッ

下妹「ん?何?」

幼「あれ?何でワタシの腕を掴むのかな」

上妹「まずはこの人に生け贄……犠牲になってもらおうって」

幼「言い直す意味あった?」

下妹「うーん……じゃあ、罰として」

上妹「よしオッケー」

幼「あーれー」ズルズル

幼「痛たたたたたたた階段で引きずらないで歩かせて」

幼「うぅ……お尻が痛い……腕も痛いし頭痛も痛い」

上妹「じゃあ大丈夫ですね」

幼「この姉妹容赦無し」

下妹「幼馴染さんだけですから」

幼「ワタシもまた、特別な存ざ」

上妹「早く確かめて下さい」

幼「はひ……」

幼「はぁ~……兄、寝てる?おーい……」

――――
――


上妹「はぁ……」

下妹「幼馴染さん、イタズラし過ぎだよね」

上妹「あの人悪ノリが酷いから……」

 のあああああああああ!?

上妹「!?」

下妹「な、何?」

上妹「兄貴に何かあったのかな……開けよう!」ガチャ

上妹「……………………」

下妹「……あれ、わたしの目がおかしいのかな」

幼「……兄が……ちっさい」

小兄「……」チョーン

上妹「そんな漫画みたいな事が現実に起こるなんて……」

幼「姉さんの技術力が凄すぎてよく分かんない」

下妹「……」ジュル

上妹「今ジュルって言った!?」

小兄「取り合えず……上妹」

上妹「な、何?」

小兄「幼馴染を俺の代わりに眠らせてやってくれ」

上妹「ん」

幼「ちょっ」

小兄「ついでに下妹から俺を守ってくれ」

下妹「別に変な事しないよ!ただちょっと夜の語らいを」

小兄「夜を入れる意味は」

上妹「取り合えず幼馴染さんベアハッグで」

幼「せめて下妹ちゃんにしてほしぐあああああ」

小兄「言い残す事はそれだけかあぁん?」

幼「す、すみませんでしたあああああぁぁぁぁっーーーーーーー!!」

下妹「~~♪」ムギュ

小兄「パネェぜこの空間」

幼「あぁ^~~見てるだけで心がぴょんぴょんするんじゃあ^~~~」

上妹「それよりお姉さんに電話」

幼「掛けますってば」

下妹「このままで良いのに」

小兄「俺が困る」

幼「……もしもし。……そうだけど。……マジすか……じゃあ」Pi

上妹「何て言ってました?」

幼「長時間は可哀想だから8時間にしといたよって」

小兄「長いじゃないですかーーーやだーーーーー!」

下妹「8時間……」シュン

上妹「落ち込まないの」

幼「という訳で、8時間兄を弄り倒す事にしよう」

下妹「駄目ですこの子はわたしの子です!」

小兄「お前の兄だよ」

幼「しっかし……なっつかしいなぁ。兄ってちっさい頃確かにこんな感じだったよね」

上妹「昔の兄貴……」

下妹「昔はもうちょっとヤンチャだったよね」

幼「あぁ、穴掘って地球の裏側行くとか言ってたね」

上妹「5メートル掘って事件になったね」

小兄「出れなくなってな。何で俺そんな掘れたんだ」

上妹「あの時は下妹ちゃんが言ったからじゃなかった?」

下妹「言ったかなぁ……」

小兄「上妹も言ってたぞ」

上妹「えっ!?」

幼「ところで兄、お姉さん三人に囲まれてる状況どう思う?」

小兄「別に何も」

幼「いや、何かあるでしょが」

小兄「俺がちっさくなっただけで、別に……」

下妹「幼馴染さん小さくなるんで薬下さい」

幼「兄の体内から取り出してくれたら何とか」

上妹「無いなら無いって言えばいいのに」

幼「まぁまぁ、小さくなるって事は、力が弱くなる……」

下妹「つまり、わたしたちに抵抗出来ない……!」

小兄「え、何する気ですか」

幼「何がいい?」

小兄「平穏無事に過ごしててくれ」

下妹「却下で!」

小兄「却下しないで」

小兄「俺が抵抗する様な事はやめて欲しいんですが」

幼「折角くすぐり一時間耐久とかしようと思ってたのに」

小兄「殺す気か」

下妹「流石に思い切り抵抗するお兄を押さえるのは心苦しい……」

小兄「上妹一人居れば十分抵抗出来ないんだけど」

上妹「なるほど確かに。とりあえずぶん殴っていい?」

小兄「肉片にされるからあひひひひ!」

上妹「じゃあこうする」コショコショ

小兄「ちょっタンマ、死ぬ、笑い死ぬ」

下妹「幼馴染さん、妹ちゃんは呼ばないんですか?」

幼「この後何するかで呼ぶかどうか決まるけど」

小兄「妹ちゃん呼ばない状況ってどんなだ」

幼「R-18的な展開かな」

小兄「初めては好きな人に渡すって決めてるのよ!」

幼「清純派か」

上妹「兄貴、十八歳以上対象だからってそういう方面とは限らないんだけど?」

小兄「そうだな過激な暴力表現とかな」ガクブル

幼「まぁまぁ、何かやりたい事無いの兄?」

小兄「やりたい事?」

幼「折角小さくなったんだから、何かその体でやりたい事とかさ」

小兄「全然無い」

幼「あっちゃー、そこは女湯合法的に堂々と覗くとか」

小兄「その手があったか!ってなる訳ないだろ」

下妹「いっつもわたし達とお風呂入ってるもんね」

小兄「二人が勝手に入ってくるだけで」

上妹「追い出せばいいのに」

小兄「一回やろうとしたら下妹に涙目で見られ、上妹からは殺気を感じたからな、うん」

幼「じゃあ今日は兄の代わりにワタシが」

上妹「半径一キロ位離れてくれたら良いですよ」

幼「それワタシの家の風呂に入ってろって言ってるよね」

上妹「もちろん」

幼「水風呂より冷たい」

幼「あ、そうだ、妹に見せたらどんな反応するかな」

小兄「ビックリして固まるんじゃないか」

上妹「夢だと思ったりとか」

下妹「驚き過ぎて倒れたりしたら……!」

幼「よし、そうなるかどうか確認しよ。もしもし」

小兄「お前質問する前から電話掛けてたのか?」

幼「はい、あなたのお姉ちゃんですよっと。とりあえずおいでよ兄ん家の家」

小兄「どうぶつの森みたいに言うの止めてくれる?」

幼「……えっと、妹、その~……大丈夫?」

幼妹「お姉ちゃん、今忙しいから」ナデナデナデナデナデナデナデナデ

小兄「ちょっ、止めて、頭発火する」

下妹「い、妹ちゃん、落ち着いて!」

幼妹「落ち着いてますよ。落ち着いて可愛い子を撫でてるんです」ナデナデナデナデナデナデ

上妹「手の動き落ち着かせよう!ね!」ガシッ

幼妹「な、何するんですか!撫でさせて下さい!後生ですから!一生のお願いですから!」ジタバタ

幼(こ、こんな妹、初めて見た……)

小兄「え、え~っと、その……」

小兄(お、おいどうするんだ幼馴染。呼んだのお前だぞ何とかしろよ)

幼(知らね)

小兄(ふざけんなてめえ)

幼妹「上妹さん、下妹さん、この子兄さんに似てますけど、親戚の子でしょうか?」

上妹「え、あ、ま、まぁ、そう、かな?」

下妹「う、うん、確かに似てるよネー」

小兄(嘘つくの下手か!て言うか嘘つかなくていいのに!)

幼妹「そうですか……ねぇ、名前は?」

小兄「え、あぁ、えっと、その……み、皆、チビって呼ぶからそれでいいよ」

幼(それ昔の兄のあだ名……て言うかこの兄妹嘘つくの慣れてないなぁ)

幼妹「う~ん……、チビくん、で良いの?」

小兄「気にしないから。……えっと」

幼妹「お姉ちゃん」

小兄「え」

幼妹「お姉ちゃんで良いよ」

小兄「……お、お姉ちゃん」

幼妹「はい! 何 !? 欲しい物あるならお姉ちゃんが――!!」

幼「はい落ち着こう。……妹、そんなに弟欲しかった?」

幼妹「だ、だって、お姉ちゃんしか居ないし……」

幼(なるほど~……。兄にコロッといっちゃったのはそういうのも……)

幼妹「それに、兄さんは、上妹さんと下妹さんに優しくしてて」

幼「何だかワタシと姉さんが優しくしてないみたいな」

幼妹「いっつもふざけてばかりでしょ」

幼「返す言葉もございません」

上妹「ありましょうよそこは」

幼妹「それに姉さんは……姉さんは……」

幼「うん、まぁ……うん……」

下妹「せめて何か言ってあげて下さい」

小兄(家でもムチャクチャな人なんだろうな……)

下妹「……じゃあ、今日は妹ちゃんが、もし弟が居たらしてあげたかった事、してみる?」

幼妹「良いんですか!」

小兄「あ、あんまり難しいのは」

幼妹「大丈夫大丈夫ちょっと撫で回したりするだけだから!」

幼「我が妹よ、奇しくもワタシそっくりの言動になっとるぞ。鼻息荒いし」

幼妹「えっ!?」

上妹「幼馴染さんみたいな根っからの変態と一緒にしちゃダメですよ」

幼「誰が根っからの変態か。これでも下妹ちゃん以外には普通なんだから」

小兄(同級生の女子の上靴の臭い嗅いでた奴が何を言ってるんだ)

幼妹「えーっとえーっと、べ、勉強とか、一緒にゲームとか、背中とか髪とか洗ってあげるとか」

上妹「背中ダメ」

下妹「髪も駄目」

幼「勉強もダメ」

幼(小学校の勉強させられても兄困るだろうし)

幼妹「えーっと……じゃあ、ゲーム……」

幼「よしツイスターゲーム」

上妹「却下で」

小兄「トランプ。大富豪しよう」

下妹「トランプ?」

上妹「大富豪……?」

幼妹「じゃあそれしよっか!うんうんそうしよう!」

小兄(このテンション……やっぱり姉妹だな、これ)

上妹「……あのさ」

小兄「何?」

上妹「加減して……」

小兄「やだね」

下妹(さっきからお兄に勝てない……)

幼(せめてゲーム全般素人な妹には手加減してよ兄……ん?)

幼妹「チビくん凄い!得意なんだ!強いな~!」ニコニコ

幼(むしろ喜んでる……)

小兄「友達とやってるから」

幼妹「友達かぁ。どんな友達?」

小兄「変」

幼妹「へ、変なんだ……」

幼(確かに変なのしかいない……ってワタシもその一人だった。てへっ)

小兄「よし、あがり」

上妹「またぁ?強すぎ……」

小兄「例え相手が誰であろうと負ける気は無い」

下妹(お兄、素が出てるよ!)

幼妹「うぅ~……、ね、ねぇ、チビくん、勝つコツってある?」

小兄「勘」

幼妹「勘!?」

幼「勘て。勘で連勝て。舐めとんのかいワレェ」

小兄「勘で誰がどんなカード持ってるか確認してる」

幼「何?エスパー?マインドシーカー?」

下妹「むむむ……隠しても意味無いねそれじゃ」

上妹「いやいや嘘でしょ」

小兄「嘘」

幼妹「嘘なんだ!ビックリした……」

幼「……飽きた」

幼妹「お姉ちゃん!」

幼「だってさ~……。何か別の無い?」

小兄「無い」

幼「そんな殺生な!」

上妹「実際、全然無いですし」

下妹「お兄は良く遊んでるけどね」

幼「何かゲーム機あるでしょ。この部屋に」

上妹「ありますけど……」

下妹「あれはちょっと……」

小兄「踊る事になるから」

幼妹「……踊る?」

幼「ま、まさか……」

幼(兄、何であるの?)ヒソヒソ

小兄(めっちゃダンサブルしたかった。反省も後悔もしてない)ボソボソ

幼妹「踊るって、どうするんですか?」

上妹「……妹ちゃんは、スカート履いてるから、ちょっと」

下妹「踊るって言うよりね、跳ねるから」

幼妹「跳ねる……」

幼「チッ」

幼妹「お姉ちゃん何今の舌打ち」

幼「折角皆のパンチラ眺めすいませんすいません殴らないで妹」

上妹「幼馴染さん、床に寝てて下さい。その上跳ぶので」

幼「死ぬ!死ぬから!ワタシ女子よ女子!」

上妹「中身オッサンが足りませんよ」

幼「オッサンじゃねーやい!ちょいエロオヤジだい!」

小兄「不純物」

幼「ちょっとやめてそれ意外と傷付く」

下妹「えっと……DDR、だっけ」

上妹「そうそう、兄貴が死ぬ程上手くて……」

幼妹「兄さんが居たら、どんなのか分かったのに……何処居るんですかね?」

上妹「さ、さぁ~?」

下妹「と、時々あるんだよネー」

小兄「未知への遭遇状態だと思うよ、うん」

幼(マジサーセン)ボソッ

小兄(元戻ったらお仕置きしないとなぁ……)ヒソッ

幼「ヒェッ」

幼妹「何?」

幼「何でもございません」

小兄「……やっていい?」

下妹「え」

上妹「ど、どうぞ?」

小兄「じゃあやる」

ダカダカダカダカダカダカダカダカダカダカダカダカダカダカダカダカ

上妹「うわぁ……」

下妹「うわぁ……」

幼「……何これ?」

幼妹「う、浮いてる……」

小兄《ダブルプレイ中》ダカダカダカダカダカダカダカダカダカダカダカダカダカ

上妹(こういう無駄なスキルが無駄に高い所、お母さんとお父さんにそっくり……)

下妹(これ見たらお母さんとお父さん喜ぶだろうなぁ……で、即完全にコピーしそう……)

幼妹(こ、これってこういうゲームなの……?ほ、本当に凄い……)

幼(こんな事ばっかやってるから成績悪い方のワタシよりも悪いんだなぁこれ……)

小兄「ハァ……ハァ……オエェ……」

下妹「あんなに動くから……」

幼妹(良いなぁ膝枕……ワタシもしてあげたい……)

上妹「……って、もう結構暗いじゃん。ご飯作らないと」

幼「おかずは下妹ちゃ」

上妹「ヒモで縛って煮てあげましょうか」

幼「下妹ちゃんが縛ってくれるなら」

小兄「首を?」

幼「事件になるからやめましょう」

幼「で、上妹ちゃん。何作るの?子どもがが」グニュ

上妹「下ネタ話さないと死ぬんですか?」メリメリ

幼「死みゅんでふ」

上妹「ふんっ!」メギャ

幼「おぼふ!」メリュ

幼妹「ごめんなさいこんな姉で」

下妹「大丈夫大丈夫、もう慣れたから」

小兄(慣れちゃったか……)

幼「……実際、ワタシたちの子どもってどんなかなぁ」

上妹「幼馴染さんの子は変態になると思います」

幼「結婚相手次第じゃ真面目な子になると思います~!」

幼妹「お姉ちゃん貰ってくれる人なんて変な人以外居ないと思う」

幼「妹でさえ厳しい事言って……」

上妹「……下妹ちゃん、どうしたの?」

下妹「……え?何?どうしたの?」

上妹「いや、こっちが聞いたんだけど……。何にもないならいいけどね」

上妹(にしても、子どもかぁ……。お兄ちゃん……って!ダメダメ!色々とダメ!)ブンブン

下妹(子ども……。お兄みたいな子が良いなぁ……。お兄が良いなぁ……)ナデナデ

小兄「?」

幼妹「子どもかぁ……。やっぱり、可愛い子が良いですよね」

下妹「そうだね」

幼「兄だったらどんな子どもがいいんだろうね。チビくん代わりに言ってみてくれる?」

小兄(ここで俺に振るんですかい!?)

小兄「え、えっと……」

幼妹「もう!お姉ちゃんチビくんを困らせちゃ駄目!」

幼「え~だってさ~」

幼(大体どういう子がタイプか分かるじゃんか)

小兄「……お互い支えあえる人がいい」

幼妹「え?」

小兄「とか言ってたよ、うん」

幼妹「……。それって、子どもの話じゃ無いんじゃ?」

小兄「あ。……そうかも」

幼(素で間違えたな今の)

上妹「まぁ、作ってきます」

幼妹「家に兄さん達の家で食べていくって電話しますね」

幼「……食べてっていい?」

上妹「別に良いですよ」

幼「やったねこれ」

下妹「何作るの?」

上妹「ん~……。何あったかな……。買ってないし」

下妹「まっすぐ帰ってきたもんね」

上妹「適当に作るかな……」

幼妹「適当で大丈夫なんですか」

下妹「お姉ほんとに凄いよ。余った食材でポポーンと作っちゃうの」

幼「ポポーン……くっ!今の録音したかった!ねぇもっかい」

下妹「駄目です」

幼「ですよね」

上妹「~♪」

幼「う~む、上妹ちゃんのエプロン姿、様になってる」

下妹「お姉だもん。何でも似合っちゃうよ」

幼「裸エプロンとか?」

幼妹「お姉ちゃん、上妹さんに調理してもらう?」

上妹「準備出来てるよ」

幼「マジすみませんでした」

幼妹「やっぱり、料理出来る人って良いなぁ」

幼「ん?出来るようになったんじゃないの?」

幼妹「そうじゃなくて、何て言うのかな、えっと……母性?」

下妹「母性?」

幼妹「はい。その……何だか、安心する後ろ姿と言うか。そう言うの良いなって」

幼「後ろ姿……そそるよね」

幼妹「茶化さないでくれる?」

幼「はい」

幼「ま~言いたい事、分かるよ」

幼妹「本当に?」

幼「もっちのろんろん。この、黙って待ってても空気悪くならない感じがいいんでしょ」

幼妹「うん……分かるんだ」

幼「いやぁ、だって姉さんの料理って曲芸染みてるし、テレビ見てるみたいじゃん」

下妹「あ~……」

幼「それに比べれば、上妹ちゃんの何と普通な事か!平和を感じちゃうね」

上妹「あの人そんな激しい料理なんですか」

幼「いやもうね、フランベしまくる油の海にデカイ魚くぐらせるとか家で平気でやるから」

小兄(あの人はきっとやりたいようにやってるんだろうな……)

幼「で。ご飯マダ~?」

上妹「それ以上の図々しい態度をとった場合ご飯抜きになりますよ」

幼「貴女が待てと言うならいつまでも待つ所存です」

幼妹「忠犬みたいだよお姉ちゃん……」

幼「食欲の前でなら羞恥心なんて捨てられるよ」

上妹「最初から捨ててるじゃないですか拾ってください」

下妹「不法投棄は駄目ですよ?」

幼「完全否定はしないけど捨てきっては無いんだけどナ~」

小兄(羞恥心は捨ててないけど女の部分は捨てまくってるんだよなぁ……セクハラ発言とか)

上妹「ほら、出来ましたから」

幼「わぁい今日のご飯はラーメンだー!」

小兄「そぉっ――!」

幼妹「……そっ?」

小兄「そ……そ……そんましっ!」

幼妹「そんまし!?ど、どうしたの!?」

小兄「……お、オシャミだよ」

幼妹「オシャミ!?」

小兄「クシャミの大きい版だよ」

幼妹「クシャミの大きい版!?」

小兄(あ、危ない……つい反応しそうになってしまった……)ソソンソッ!

幼妹「そそんそ!?」

上妹(何やってんだかこの兄貴は……)

下妹(お姉のラーメン美味しい♪)ツルル

幼妹「もう、大丈夫?ほら」

小兄「だ、大丈夫だよ、鼻かむくらい」

幼妹「そう?じゃあ……上妹さん、小さい器ありますか?」

上妹「あるけど……何で?」

幼妹「だって、この量と熱さじゃチビくん食べにくいかな、って思って」

上妹「……あ、ごめん。持ってくる」

上妹(しまった……いつもの兄貴の感覚で出しちゃった……)

下妹「そう、こんな事もあろうかと!用意しておいたこの器!はい♪」

幼妹「へ?あ、ありがとうございます……」

上妹「い、いつの間に……」

下妹「こんな事もあろうかと、って言いたかったからこっそり持ってました」

上妹「ま、まぁ、ありがと下妹ちゃん」

幼妹「ふー……ほら、熱くないよ。あーん」

小兄「い、いや、自分で食べれ……あむ……うん……」

幼妹「ふふ、良かった」

上妹(何て言うか……嫉妬とかそんなんじゃなくて、純粋に……)

下妹(自分から器用意しておいて、こう思うの変かもしれないけど……)

上妹 下妹(幼妹ちゃんと変わりたい……)

幼(何これ美味しい止められない止まらないぐぉん今のワタシは人間発電所だうんぬんかんぬん)

幼「あぁ、麗しのラメーンパワー……」

幼妹「……お姉ちゃん、もう食べたの?」

幼「そっちが遅いんだって。食べさせるから」

幼妹「だって、こうしないとチビくんが」

小兄「いやだから大丈夫……」

幼妹「油断大敵!」

小兄「はい」

上妹「一応聞きますけど、おかわりは?」

幼「流石に無理」

上妹「じゃあもっと食べさせないと」

幼「ラーメン二郎かな?」

下妹「お姉おかわり!」

上妹「ん」

幼(ん~しっかし、このままだと妹がまた会いたいって言っちゃうなぁ……)

 (流石に小さくなってって頼んでもなぁ~……)

 (食事中に一服盛るしかないなぁ~……でももう警戒されて無理だろなぁ……)

小兄「ご、ごちそうさま、もう、寝る」

  (不穏な空気を感じる……)

幼妹「もしかして、一人で寝る気?」

上妹 下妹「!」

小兄(ま、待った、もし妹ちゃんが一緒に寝るとか言い出したら……!)

  (取り合いになって俺の体が3つか4つに『分!解!』される……!そうなったら不味い)

小兄「うん。一人だと、ベッド広くて手足伸ばせていいんだ。ウチ、色々せまいから」

幼妹「そう、なんだ……」

上妹(そんなに一人で寝たいんだ……)

下妹(何起こるか分からないから、傍に一人居た方が絶対良いのに)

小兄(そして、まんまと一人になった俺は、ベッドの上で寝転がっていた)

  (なら良いんだけども、さっきから体の調子が変だ。元に戻るかもしれない)

  (その時“俺”がいて、“チビくん”がいなくなってたら……面倒な事になる)

  (だから俺は、この天井裏で寝る……!妹達でさえ多分知らない、安寧の地!)

  (恐らく、いや、間違いなく俺の部屋に誰か入ってくる……!それを見越した作戦よ!)

  (……何で俺、全然ここ使わな……あ)

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幼少兄(あれ?こんなところにひみつきちが!)

幼少兄「お邪魔しまーす……」

爺 婆「よっ、孫」

幼少兄「きぃえあああああああああああああおじいちゃんおばあちゃんうわああああああ!?」

爺「ちょっ、マジうっせそんな子に育てた覚えねーよ」

婆「まあ孫の顔ほとんど見てねーしその前にくたばったけどな」

爺 婆「ンハハハハハハハンンハハハハハハハハ」

小兄(そうだ……死んだ爺ちゃんと婆ちゃんの頭だけが天井裏にいて……それであのハイテンションだから怖かったんだ)

  (だが今なら平気さ。所詮過去の事だからな!HAHAHAHA!)

小兄「お邪魔しまーす……」ガタリ

爺 婆「見てんじゃねーよ」

小兄「予想はしてたわ」

爺「まあ大きくなって」

小兄「今見た目ここ初めて入った時とあんま変わんないんだけど」

婆「こっちは何時も元気だよ」

小兄「頭だけで元気ってなんだ」

爺「どっかの星狐のラスボスみたいなもんだ」

婆「あとピンクの悪魔も追加で」

爺「3日間で墜ちてくる月とか」

小兄「何天堂の回し者なんだ」

婆「オ、オデ……オマエ……クウ!」

小兄「真面目にやってくれる?」

爺「じゃあ真面目にやりまーす」ホジホジ

小兄「鼻ほじないでくれる?ていうかどっから手出した?」

婆「耳」

小兄「何そのスプー」

爺「しかし、ずっとこっからお前見てたけど、最初と比べて真面目になったな」

小兄「最初って何ってか見てたのここで?」

婆「録画済み」

小兄「俺幽霊に盗撮されてた」

爺「サービスで妹達の夢として流しといた」

小兄「間接的に妹達に盗撮されてた」

婆「基本全裸映像とか恥ずかしい物見てる時とかしてる時だから」

小兄「最悪のカミングアウトだドチクショウ」

小兄「ほんとゴメン本当は言ったらいけない言葉だけどくたばれ成仏しろ」

爺「首から上はモゥマジムリって」

婆「サッカーボールにされるよりマシとか思わん?」

小兄「それ以前の問題だと思う」

爺「そう言うなってドラえもんの四次元ポケットより役立つから」

小兄「無理だろ」

婆「オバーナチャンの堪忍袋って言うし」

小兄「言わないし」

爺「頭にコアあるから再生出来るし」

小兄「強力ワカモト」

婆「目から赤外線放てるし」

小兄「どこの世界一ィィィィィィィ!!」

爺「胴体あれば抱きしめてやれるのに」

婆「死ねぇ!」

小兄「勝手に殺そうとするな」

小兄「取り敢えず黙っといて」

爺「黙ると死ぬ」

中兄「死んでる」

婆「顔が二つもあると生意気呼ばわりされて」

大兄「何で最近のアニメ知ってんの」

爺「んな事より体戻ってんぞ」

超兄貴「あっ、本当だ!って何かおかしいだろおい」

婆「兄貴ぃ……」

超兄貴「やめろマジで」

超兄貴「え、マジどうすんのこれ」

爺「夢オチで終わらせるしかないなこれ」

婆「目が覚めたら全部無かった事になってるからさんはい」

超兄貴「いやさんはいじゃなくて����」

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上妹「兄貴、いつまで寝てんの」

下妹「皆帰っちゃったよ」

兄「……ん?……」

上妹「折角皆でトランプとかやってたのに」

下妹「幼馴染さん妙に弱かったよ」

兄「あぁ……」

上妹「ほら、折角元に戻ったんだし、元気に朝ご飯食べよ、ほら」

下妹「はい布団から出る」モゾモゾ

兄「と言いながら何故入る」

上妹「やってないで出る」

下妹「はーい……あれ」

兄「どうした下妹よ」

下妹「お兄何か変……」

上妹「いつもの事じゃんか」

兄「ちょっと」

上妹「はいもう布団取るからってうわキモ」

下妹「筋肉モリモリマッチョマンの変態に」

超兄貴「やっぱ夢オチじゃねーぞおい」


転校生「・・・」

男(・・・何で自分の家なのにこんなに服に洒落たモン着てるんだよ)

転校生「・・・ん?どうかした?」

男「いや、何も無い・・・それで、俺は今から何を?」

転校生「まずは・・・ちょっと色々仕込みしてから買い物行こうかなーって」

男「了解・・・じゃあ、お前の指示に従うぞ」

ミスしました。申し訳ないです。

>>1以外以外でーす
イチャりタイムだ

兄「なんやかんや」

下妹「ほんにゃこんにゃ」

上妹「何急に」

兄「あれから一年……」

下妹「長い戦いだったね……」

上妹「またそういうノリ……」

兄「悪かったな、お前が入りにくいノリで」

上妹「別に入りたい訳じゃないし」

下妹「え?一人だけ置いてけぼりで寂しい?」

上妹「い、言ってないから!///」

下妹「顔赤いよお姉ー?」

上妹「ぐぬ……///」

兄「さてぐぬぬ上妹」

上妹「ぐぬぬ上妹って何」

兄「今日は久々に誰にも邪魔されずのんびりするぞ」

下妹「最近三人きりで過ごしてなかったもんね」

上妹「何人増えてもいつも通りだったと思うんだけど」

兄「いや、俺がふざける余地がほぼ無かった」

下妹「真面目なお兄カッコ良かったよ!」

兄「マジ?マジで?」

下妹「うん!ね、お姉?」

上妹「え?あ、えっと……まぁ、そう、かもね、うん……///」

兄「上妹の顔赤いマジ赤い」

上妹「今の兄貴は普通」

兄「急に真顔にならないで」

兄「さぁさ、今日は普通にテレビでも見ようさぁさ」スッ

上妹「今どっからコタツ出したの」

下妹「一番乗り!」バッ

兄「まだ電源入れてないぞ」

下妹「入れて~」バタバタ

上妹「足バタバタしない」

下妹「は~い」

兄「じゃあ……い、入れるぞ……」

下妹「う、うん……来て……」

上妹「…………」メキメキ

兄「ごめん普通に入れます」

下妹「……ふぁ~……だんだん暖かくなってきた」

兄「よしじゃあ俺も。上妹も来なさいほら早く」

上妹「ん。入る」

下妹「ねぇお姉、どっちがお兄の上に乗る?」

上妹「膝だよね。ねえ?」

兄「いや、肘だ」

上妹「じゃあ乗せてよ肘にほら早く」グググ

兄「無理無理人一人支えられる力無いからいだだ」

下妹「今の内!」バッ

上妹「あっ」

兄「満席でーす」ナデナデ

下妹「えへへ」

上妹「……ふん」

兄「あぁ拗ねるな拗ねるな」

上妹「拗ねてない」ムスッ

兄「拗ねるなよー、ほら、俺の膝は二つあるんだぜ……?」

下妹「お隣ど~ぞ」

上妹「……し、下妹ちゃんが言うなら、失礼するけど」ゴソゴソ

兄「相席でーす」ナデナデ

下妹「えへへ」

上妹「……///」

下妹「あ、そうだ。バレンタイン」

兄「え?バレンティン?」

上妹「野球選手な訳ないでしょ」

兄「チョコだろ。はよくれ」

下妹「そんな乱暴な言い方する人にはあげませーん」

兄「お願いします下妹様この卑しい豚めに何卒チョコを」

上妹「下手に出過ぎでしょ」

下妹「そんなに欲しい?」

兄「愛しの妹から貰えるんだから何としてでも欲しい」

下妹「ふふ、仕方無いなぁお兄は」

兄「上妹は?」

上妹「いっつもある訳じゃないって」

下妹「と言いながらしっかり準備しているお姉なのであった」

兄「毎回手が込んでるからな」

下妹「去年なんて自分の身体にチョコを」

上妹「それ下妹ちゃんでしょ!」

下妹「そうだった」

兄「今年は?」

下妹「お兄の為なら例え火の中水の中」

兄「草の中森の中土の中雲の中あの子のスカートのナガァッ!」ゴリィ

上妹「スカートめくるなっ!///」

下妹「と!言う訳で。用意したよ」

上妹「……まぁ、はい」

兄「ありがてぇ!ありがてぇ!」

上妹「チョコ一つで大げさな……。幼馴染さんから貰ってるんでしょ」

兄「俺あいつから貰った事ない」

下妹「そうなの?」

兄「だってあいつ女子にしか渡さんもの」

上妹「あぁ……なるほどね」

下妹「ブレないねー」

下妹(まあもしかしたら渡したいけど自分のキャラと違うからって事で今まで渡せてないのかも)

兄「さぁ今回のチョコレートは!?」

上妹「別に、普通の」

兄「うめぇ」

上妹「もう食べてる……」

兄「流石は上妹。他のチョコとは美味さが違うな」

上妹 下妹「……他の?」

兄「えっやだ何その目怖い」

下妹「誰から貰ったの?」

兄「……女の子から貰ったとでも?」

上妹「……何かゴメン」

兄「さぁさ下妹のチョコは」

下妹「んー」

上妹「……チョコ咥えて何してんの」

兄「そのまま食えと」

下妹「うん」

兄「自分も食べろと」

下妹「うん」

兄「いただきます」

上妹「いただきます」ギリギリ

兄「命持ってく気かな痛いギブギブ」

上妹「ほらもう」ヒョイ

下妹「あぁ、チョコ取らないで~」

兄「ちっ」

上妹「あ?」

兄「あ?いいだろちょっとくらい」

下妹「そうだそうだ!」

上妹「ヤる気~スイッチ君のはどこにあるんだろ~……」ビキビキ

兄 下妹「ごめんなさい」

上妹「見つけ~てあげるよ~君だけの~ヤる気スイッチ~……」バキボキ

兄「あ、ダメだこれヤバい」

上妹「猛省した?」

下妹「うん」

兄「何で俺だけ殴られたの?10回も」

上妹「長男だから」

兄「なら仕方ないな」

下妹「そんなお兄に、はいチョコ。あーん」

兄「ん。うめぇ」

下妹「結構頑張ったんだよ?」

兄「まさかの砕いたクッキー入り」

下妹「たまにはこっちにこういう趣向凝らさないと怒られるから」

兄「もう怒られたんですが」

下妹「ところで、お兄最近真面目だよね?前はもっとはっちゃけてたのに」

兄「バカ野郎普段からあんな調子だったら筋金入りの変態だぞ」

上妹「妹にしてる時点で中々の変態なんだけど」

兄「否定しないぜ」

上妹「してよ」

下妹「やったぁ」

上妹「やったぁ!?」

上妹「……はぁ、どうして下妹ちゃんはこんな感じになったんだろ」

下妹「お姉、ちょっと酷い」ムー

上妹「兄貴が好きだからってさ……」

下妹「愛に生きろって教えてくれた人が」

兄「父さんか?母さんか?」

下妹「ううん」

上妹「……え、じゃあ誰?」

下妹「昔の友達。今は離れてるけど……」

兄「上妹も知らない友達……何?新キャラ?」

下妹「うん」

上妹「うん、て」

兄「何々?どんな子?」

下妹「無口で無愛想で物静かな子」

上妹「それホントに友達……?」

下妹「うん」

兄「そんな子が愛に生きろって?」

下妹「うん。熱く語ってくれたんだよ」

上妹「……変な子だね、その子」

下妹「うん」

上妹「うん、て。うん、て」

兄「しかし、昔の友達かぁ。どこいるんだろうな」

下妹「案外近くに居たり、なんて」

兄「実は親戚とか」

上妹「家に親戚いたか悩んだくらい付き合い無いのに?」

兄「多分父さんも母さんも見放されてるからな、親戚一同に」

上妹「否定できないのが」

下妹「一回聞いてみよっか」

兄「忘れたぜ!とか言わなきゃいいけどな」

上妹「その時は、うん」

兄「わぁ、やる気満々だぁ」

父「いや知らんよ流石に」

母「そんな子居たのねぇ」

上妹「ほんとに?」

父「溜めポーズ止めてくれんかね父さん怖い」

母「親戚で貴方達と歳の近い子なんて居たら遊ばせてるわよ。多分」

下妹「う~ん、そっかぁ……」

兄「親戚以外だったら」

母「幼馴染さんの所くらいだし」

上妹「……家の交友関係、狭いよね」

兄「広くしたら描写めんどいし」

上妹「正直すぎない?」

兄「という訳で探そう」

上妹「どうやって」

下妹「頑張る!」

上妹「限界あるでしょ」

兄「こういう時はすぐ見つかるんだ。探すのに1ヶ月掛かったらあれだろ」

上妹「考えなしにも程あるでしょうが」

下妹「大丈夫!信じれば何とかなる!」

兄「なるなる鳴門大橋ヴォエ」グドォ

上妹「何?沈む?」

兄「意識がもう沈みそう」

?「ちょいと待ちねぃ」

兄「あ、新キャラだ」

上妹「いやそんな簡単に出るとか誰この子」

下妹「あ、この子だ」

上妹「頭痛くなってきた」

従妹「どうも初めまして従妹です」

兄「親戚なんかい」

上妹「ちょっと母さんと父さんと話し合ってくる」

兄「せめて安らかに頼む」

下妹「わぁ、全然変わってない!」

従妹「そっちは変わったね、色々」

兄「……」

下妹「どうしたの?お兄」

兄「いや、その」

従妹「正直に言っていいよ兄ちゃん。ちっちぇ!って」

兄「ちっちぇ!」

従妹「身長132、年齢17!未だに小学生と間違われる!クソぉ!」

下妹「本当に変わってなくてびっくりしたよ!」

従妹「あぁーーーー変わりたかったのになぁーーーー!」

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年09月19日 (金) 13:52:40   ID: zNYtT_CS

のうりんのネタはさんでたね

2 :  SS好きの774さん   2014年10月21日 (火) 16:19:20   ID: 9zFBjXvW

こんなの書いてるやつってなんなの?
恥ずかしくないの?

3 :  SS好きの774さん   2014年12月18日 (木) 02:07:59   ID: 4zwGx3Lt

俺は好き 毎日更新待ってる

4 :  SS好きの774さん   2015年02月01日 (日) 21:09:13   ID: hXbW65x8

ニムバスが出てきたのは良かった

5 :  SS好きの774さん   2015年03月31日 (火) 11:00:13   ID: qTxsZDrF

面白い!
あと妹ください

6 :  SS好きの774さん   2015年06月25日 (木) 00:06:50   ID: axrpFoBF

こんな妹が欲しかった・・・
リアルの妹なんて・・・リアルの妹なんてぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!

7 :  SS好きの774さん   2017年12月17日 (日) 01:34:59   ID: GC-GVe00

待っていたぞお前を。。。

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