シンジ「やぁってやるぜ!」エヴァ「ヴォオオオオオッ!」 (575)



シンジ「ったく、親父の奴急に呼び出して一体どういうつもりなんだよ」

シンジ(しかも、迎えをよこすって一向に来ねーし)

シンジ「まぁでも……」ピラッ


【ミサトの写真】


シンジ(エロは正義だしな///)


――キキィッ!


シンジ「おわっ!?」

ミサト「あなたがシンジくぅん?」

シンジ「あ、ああ。そうだけど?」チラッチラッ///

ミサト(あらあら、やっぱりお子ちゃまね。胸ばっかり気にして)



童貞系熱血?主人公でいきます。





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シンジ「ということはアンタ偉いんだ」

ミサト(この態度……さすがは司令の息子ね)


使途「………」ズシンッ


シンジ「あれは!?」

ミサト「あれは使途。私たちはあれを倒すための組織なのよ」

シンジ「まじかよ。は、ははっ」

ミサト(怖いわよね。それが普通よ――)

シンジ「おんもしれーじゃねぇか! それは誰でも入れるのか!?」

ミサト「え?」

シンジ「入隊するにはどうすればいいんだよ!? つーか、親父はあれと戦ってんのか!?」

ミサト「き、基本はスカウトだから……」

シンジ「じゃあスカウトしてくれよ!」

ミサト(な、なにこのアグレッシブさ……)


使途「………」ピカッ


ドォォォォォンッ!!


シンジ「うわぁあああああ!」

ミサト「っ!!」

シンジ「いてて……」

ミサト「大丈夫?」

シンジ「くっそぉおおお!」

ミサト「ちょちょちょっ!?」グイグイ

シンジ「なんだよ! 止めんな!!」

ミサト「あなた! 何をしようとしてるの!?」

シンジ「決まってんだろ! 倒すんだよ!」

ミサト「な、何を?」



シンジ「使途に決まってんだろ!?」



ミサト「」

同時刻 ネルフ

ゲンドウ「……遅いな」

冬月「ああ、使途の近くいたみたいだ。五体は満足だそうだ」

ゲンドウ「……そうか」

冬月「だが、ずいぶんと早かったな」

ゲンドウ「………全ては――」



ビービーッ!!



ゲンドウ「!?」

冬月「何事か!?」ガチャッ

マヤ「し、使途の反応ではありません!」

冬月「使途ではないのなら、この警報と揺れはなんだ!?」

マヤ「す、すぐに調べます!」

ゲンドウ「………」

格納庫

リツコ「初号機のパイロット……碇シンジ…」カタカタ

リツコ(司令の子……)カタカタ


ユラユラ


リツコ(別に、誰がパイロットだろうが私にできることをするだけ……)

リツコ(誰も嫉妬なんか……)


ユラユラユラユラ


リツコ「? 水面が……」


ガタガタガタガタ


リツコ「!?」



シンジ「なぁミサトさん」プチプチ

ミサト(あら、片手でシャツを無理やり脱ぐなんてワイルドじゃない)キュン

シンジ「相手があんなのである以上、こっちもそれなりの兵器があるんだろ」バッ

ミサト「え、ええ……って!?」

ミサト(上半身ムキムキ!? しかも傷だらけ!?)

シンジ「今回俺を呼び出したタイミングから言って、ここは“そういうことだろう”? なぁ親父!!」バッ

ミサト「!?(右手を空に掲げた!?)」



シンジ「来いっ!! 俺と共に戦えぇえええええ!!」



ミサト「シンジ君!!」

シンジ「………」ブスッ

ミサト「あのね。確かにシンジ君にはそういう話をしようと思ってここに来てもらったわ」

シンジ「あそ」

ミサト「でもね。エヴァンゲリオンはそういうアニメのロボットみたいなのとは違うのよ」

シンジ「俺の呼び声に答えない相棒なんていらねーよ」

ミサト「………恥ずかしかったのかしら」ハァ…

シンジ「なっ///」

ミサト「そりゃ、かっこつけて上半身裸になって、右手を空に掲げて叫ぶなんて誰にでもできることじゃないしぃ?」ニヤニヤ

シンジ「だ、だまれっ///」

ミサト「そしたら、何の反応もないじゃない? 恥ずかしいわよね思春期の男の子としては」プププ

シンジ「う、うるせぇ! 男にはかっこつけなきゃいけないタイミングがあるだろう!!」

ミサト「え?」


シンジ「………///」


ミサト「私にかっこつけたかったの?」

シンジ「それは――初号機「ヴォオオオオオオオ!!」ズザザザザザッ

ミサト「え?」

シンジ「………」

シンジ「……おせぇんじゃねぇの?」

初号機「………」

ミサト(え、本当に来たの? って、そ、そんなことある訳ないじゃない! レイよ! きっとレイが来たんだわ!)


prrrrr



ミサト「はい、葛城です」

リツコ『初号機がそっちに向かったわ!!』

ミサト「知ってるわよ。だって目の前にいるもの!」

リツコ『今すぐ逃げなさい!』

ミサト「レイじゃ不安なの?」

リツコ『何言ってんの!!』



リツコ『初号機には誰も乗っていないわ!!』



ミサト「……………え?」チラッ

初号機「………」

ミサト「えぇ?」

シンジ「……まぁいいや。出会いは強烈な方が記憶に残りやすいしな」テクテクテク

ミサト「シンジ君! 危険よ! 今の初号機は――」

シンジ「ミサトさん」

ミサト「!」


シンジ「自分の相棒も信じてやれない奴が、世界を救えるはずがねーだろ?」ニッ


ミサト「シンジ君……」キュン

シンジ「さぁやろうぜ。俺たちの戦いを!!」

初号機「ヴォオオオオオオオオ!!」

ミサト(本当にシンジ君の言葉に反応してる……一体どういうことなの!?)

格納庫


リツコ「で、乗る方法がなくてここまで戻ってきたと」

シンジ「………」シュン

初号機「………」シュン

ミサト「…リツコ、どういうことなのこれ?」ボソボソ

リツコ「分かる訳ないじゃない!」ボソボソ


ゲンドウ「シンジ」


シンジ「お、オヤジじゃねーか。相変わらず偉そうだな」ハハハ

ゲンドウ「………」

シンジ「お土産の鮭と熊の毛皮は郵送で届くと思うから!」

ゲンドウ「………」

シンジ「そういえばこの前送った鹿の角はどうしてる? もしいらないなら加工して武器にするからくれよ」

ゲンドウ「ちょっと黙れ」

シンジ「んだよ、せっかく会えたのによぉ」

リツコ(司令が困ってる)

ミサト(こんな息子誰だって扱いに困るわ……)

ごめん使途→使徒


ゲンドウ「シンジ、エヴァに乗れ」

シンジ「それはこっちのセリフだボケ!! なんで外で乗れるようにしてねーんだよ!」

ゲンドウ「あ、ああ、うん」

シンジ「もし寝起きに使徒に襲われたらどうすんだよ!? そんなので本当に世界を守るつもりあんのか!?」

ゲンドウ「いや、我々の目的は……」

シンジ「言い訳は良いからどこでも乗れるようにしてくれ!!」

ゲンドウ「わ、分かった」

冬月「各場所に簡易の搭乗施設を造らせよう」

ゲンドウ「………」ホッ

ミサト「あれ、レイじゃない!? なんで傷だらけのレイをこんなところに連れてきてるの!?」

リツコ「それは、えっと……」


リツコゲンドウ冬月(だって断られると思ってたから……)


シンジ「あんた、怪我だらけじゃねーか」

レイ「………」プルプル

シンジ「ミサトさん! 俺の鞄の中に薬草があるから使ってくれ!」

ミサト「えっ!?」

シンジ「早く!!」

リツコ「あなたが調合した薬なの?」

シンジ「調合ってほどのもんじゃねーよ。ただ熊とかイノシシとかと連戦してたらどれが一番傷に利くか知ってた方が有利だろ?」

リツコ(一体どれだけの時間を戦うつもりなのよ……)

シンジ「あの薬草なら骨とか折れても良く利くんだぜ」

リツコ「」

シンジ「それはそうと親父」

ゲンドウ「何だ」

シンジ「ここなら俺は相棒に乗れるのか?」

ゲンドウ「あい……」ピクッ

シンジ「どうなんだ?」

ゲンドウ「……ああ」

シンジ「……だってさ、良かったな相棒」ニッ

初号機「ヴォオオオオオオオ!!」

ゲンドウ「………」モヤモヤ

冬月(実の息子に嫉妬するな……)ヤレヤレ

地上


シンジ「……搭乗時に叫ばないでいいのか…」ハァ

初号機「………」ショボン


マヤ「シンクロ率低下、おそらく掛け声を禁止されたことによる精神的ショックだと思われます!」

ゲンドウ「………」イライラ

冬月(初号機にやってほしくないんだな……)

ミサト「司令! 彼に許可を!」

ゲンドウ「だ……が…」グググッ

冬月「碇、お前の目的はなんだ」

ゲンドウ「………わか…った」ガクッ


ミサト「許可が出たわ! シンジ君! 好きなだけやりなさい!!」


シンジ「待ってたぜ!!」



シンジ「使徒とかいうの!!」ビシッ

初号機「ヴォオオオオッ!」ビシッ

使徒「………」



青葉「なぁ、あれって操作してなくないか?」

日向「……触れないでおこう」



シンジ「お前の目的はしらねーけど、俺が来たからにはもう!」ババッ

初号機「ヴォオオッ!」ババッ

シンジ「好き勝手にはさせねーぜ!!」バッ

初号機「ヴォオオオオンッ!!」バッ


マヤ「シンクロ率がどんどん上がっていきます!!」

ミサト「もう茶番ね」

リツコ「ありえないわ」


シンジ「えっと、なんだっけこのロボットの名前」

マヤ「エヴァンゲリオン初号機です!」

シンジ「おっけー、良い名前だ!」

初号機「………」モジモジ



シンジ「エヴァンゲリオン初号機!! 推して参る!!」グイッ

初号機「ヴォオオオオオオオオッ!」ダッ

使徒「………」ピカッ



ミサト「危ない! 避けてシンジ君!」



シンジ「まっかせろぉおおおお!」グイッ

初号機「ヴォオオオオオッ!」サッ



ミサト「避けた!?」

リツコ(初めての操作でここまで!?)

マヤ「か、彼は特殊な訓練をしていたのでしょうか?」

ミサト「……さっきまでエヴァに気合いで乗れるとか思ってた人間が訓練してたと思う?」

ゲンドウ「………」


シンジ「男のくせにビームなんて卑怯なんだよ!!」

初号機「ヴォオオオオオッ!」ダダダッ

使徒「!!」


――バチィィィィッ!!


ミサト「ATフィールド!?」


シンジ「な……んだこれ…」ググググ

ミサト「シンジ君! ATフィールドを物理的に突破することはふか――」

シンジ「相棒! 気合いだ!!」ググググッ

初号機「………」グググググググググ

ミサト「そんな!? 気合いでATフィールドが破壊できるというの!?」


三分後


シンジ「んぐぎぎぎぎぎ」グググググッ

初号機「ヴォオオオオオッ!!」グググググッ


ミサト「だからだめだって」

マヤ「勢い任せなんですね。彼」

リツコ「見ればわかるじゃない」

シンジ「はぁはぁ……やるじゃねーか」

初号機「………」ハァハァ


ミサト「ねぇ、なんだか初号機疲れてない?」

リツコ「ありえないわ」

マヤ「あの、とっくに電気供給断たれているのですが動いてます」

リツコ「ありえないわ」

ミサト「じゃあ、何で動いているというの」

リツコ「ありえないわ」


マヤ&ミサト「……きあ「言うなぁああああああ!」


ミサト「や、やだなぁ冗談じゃないリツコ」

リツコ「はぁはぁ……」

リツコ(本当に気合いで動いてるなら、それこそ大問題じゃない……)

シンジ「オッケーオッケー、お前がどうしても近づいてほしくないっていうなら俺にも考えがある」

初号機「………」スッ

使徒「………」


シンジ「おら、こっちは無防備だぞ」

初号機「………」ヒラヒラ


マヤ「両手を広げています!」

ミサト「相手からの攻撃を待っているというの……」

リツコ「無謀だわ……」

青葉(ていうか撤退させなくていいのかよ……もういつ止まってもおかしくないのに…)


シンジ「来いよ腰ぬけぇえええ!」

初号機「ヴォオオオオヌケェォオオオオオ!」


使徒「………」ダッ


マヤ「使徒動きました!」

ミサト「挑発に乗ったって言うの!?」

リツコ「ありえないわ!!」

使徒「………」バッ


マヤ「使徒が飛び上がりました!」

ミサト「避けて! 飛びつかれるわ!」


シンジ「なぁに言ってるんですか。男の子にはね」グッ

初号機「グォオオッ」グググッ

シンジ「逃げちゃいけない時が」グググッ

初号機「グォオオオオ……」ググググッ


マヤ「身体をねじって小さく……何を…」

ミサト「まさか!?」

リツコ「パンチ……?」



シンジ「あるんですよ!!」グイッ!!

初号機「グォオオオオオオオオッン!!」ブンッ



――バキッ



使徒「」



ドゴォオオオオオオンッ!!



マヤ「し、使徒消滅しました……」

ミサト「……か、勝った…?」

リツコ「ありえ……ない」




ミサト「こんなところにいた」

シンジ「あ、ああ、ミサトさんか」

ミサト「どうしたの? もう使徒はいないわよ」

シンジ「………」

ミサト(怖かったのかしら……)

シンジ「使徒って奴は……バリアを使った」

ミサト「ええ、正確にはATフィールドだけれど」

シンジ「つまり、“相手に対して感情があった”」

ミサト「!」

シンジ「反射的な行動でバリアを張るのなら、最後のパンチもバリアに阻まれていたはず」

ミサト「それは……」

シンジ「いや、別に相手に同情している訳じゃないんだ」

ミサト「?」

シンジ「ただ……、なんかこう…ね。ここに来れば分かるんじゃないかって思って」

ミサト「……シンジ君…」

シンジ「でも、やっぱり無理だったみたいだ。行きましょうミサトさん」

ミサト「え、ええ」

シンジ(使徒……か)

ネルフ本部

レイ「………」

シンジ「ん? どうした」

レイ「これ……」

シンジ「ああ、薬草のあまりか。まぁ残りも使ってくれよ」

レイ「………」

シンジ「それよりも、女の子に傷は似合わないからよ。ちゃんと治すんだぜ」ナデナデ

レイ「………(大きい手…)」

ゲンドウ「シンジ……」

シンジ「よぉ、親父。いい仕事しただろ?」

ゲンドウ「来い」

シンジ「ああ」



レイ(ぽかぽかする……)



司令の部屋

シンジ「へっ!? お、俺がミサトさんと?」

ミサト「そういうこと♪」

ゲンドウ「ああ、私は忙しいからな」

シンジ「ちっ、しゃーねーな。たまに掃除してやるから部屋番教え――」

ゲンドウ「いや、職員がやってくれている」

シンジ「あそ。じゃあ鹿の角――」

ゲンドウ「後で送る」

シンジ「あそ。じゃあ熊の毛皮――」

ゲンドウ「後で写メ送る」

シンジ「……わーったよ」

冬月(どっちが親なんだか……)



シンジ「なんだよ、こんな所へ連れてきて」

ミサト「いいからいいから」

ミサト(シンジ君に自分の守った街を見てもらおうっと)

シンジ「こんな何もないとこ……ん?」

ミサト「どうしたの?(まだ街が戻るには時間が……)」

シンジ「あそこにいるのは!?」ダッ

ミサト「ど、どこ見てるの!?」

シンジ「俺は目がかなり良いんだ! ちょっと行ってくる!」ダッ

ミサト「……ああもう! どうして男って!」

シンジ「あんた!!」

??「………」

シンジ「も、もし違ってたらすまねぇ……」

??「………」

シンジ「もしかして……



 さっきの使徒じゃねぇか?」



サキ「………」

シンジ(見た目は完全に可愛い女の子だけど……でも)

サキ「……なんで…わかったの?」

シンジ「いや……えっと…」

サキ「私のこと男だって言ってたのに」

シンジ「あ……」

シンジ『男のくせにビーム――』

シンジ「す、すまねぇ! 見た目にとらわれてしまった!!」

サキ「……別に、良い」

シンジ「じゃあやっぱりあの時の使徒なんだな」

サキ「……たぶん」

シンジ「たぶん?」

サキ「記憶は曖昧……」

シンジ「そうなのか……」

ミサト「シンジ君! 一体……って女の子?」

ミサト(ナンパするためにこんなとこまで走ってきたの!?)

シンジ「聞いていいか」

サキ「………」コクリ

ミサト(デートに誘っての返事かしら。意外に積極的なのね)モヤッ



シンジ「人間を襲う理由はなんだ?」



ミサト「え?」

サキ「………」

シンジ「………」

ミサト「し、シンジ君女の子に向かって何を言ってるのかなぁ?」

シンジ「ミサトさん、この子さっき戦った使徒ですよ」

ミサト「………え?」

サキ「私は……」

シンジ「!」

サキ「戦いの記憶……ある。けど、心の記憶……ない」

シンジ「つまり、どうしてああいうことしたか分からないってことか」

サキ「………」コクリ

ミサト「い、いったい何の話をしてるのかなぁ」

シンジ「ミサトさん。この子も一緒に暮らしていいか?」

ミサト・サキ「!!」

シンジ「………」

ミサト「な、なに言ってるのよ。この子にだって帰る家があるんだから、送り届け――」スッ

サキ「や」ブゥンッ


――バチッ!


ミサト「!? ATフィールド!?」バッ

シンジ「お、おい!!」

ミサト(本当にこの子は使徒だって言うの!?)

シンジ「相手は女の子だぞ! 銃を下せ!」

サキ「いい、銃なんて効かない」

シンジ「そういう問題じゃねーだろ!」

ミサト「あなたが使徒である以上、私はあなたをこの場で殺す以外の選択肢がない」グググッ

シンジ「ミサトさん!!」

ミサト(拘束してもネルフに使徒を入れる訳にはいかない……かといって上に報告すれば実験のモルモットにされるかもしれない。……それならいっそ)


サキ「……やれ」


ミサト「……っ!」グイッ

シンジ「くっ!!」



―――パァンッ!!





――ぽたっぽたっ。


サキ「な……んで」

ミサト「シンジ君!?」

シンジ「腕をかすめただけだ。心配ない」ヨロッ

ミサト「かすめたって、貫通してるじゃない!」

シンジ「それより、少し安易に行動しすぎじゃねーの?」

ミサト「!?」

シンジ「この子が危険な使徒なら、エヴァ初号機のパイロットである俺の保護が最優先だろ」

ミサト「そ、それはっ」

シンジ「それにこんなところでぶっ放して、もし同じ爆発を起こしたらどうすんだよ」

ミサト「………」

シンジ「相手が女の子だから大丈夫かと思ってたけど、案外子供っぽいところがあるんだな」

ミサト「………」プルプル

シンジ「まぁでも、誰にだってまちが……ミサトさん?」

ミサト「……だって…私だって……」ポロポロ

シンジ(良い大人がぼろぼろ泣いておる!?)

サキ「あーあ、泣かしたー」

シンジ「お、俺のせいか!?」

ミサト「私だって……責任がぁ」ウェェェェンッ

シンジ「い、いや、落ち着けって」オロオロ

サキ「なーかしたーなーかしたー」ピョンピョン

シンジ「そんなときだけ使徒っぽい動きすんな!」

ミサト・シンジの家


シンジ「つっ……」

ミサト「本当にそんなので終わらせる気!? 病院に行った方が――」

シンジ「良い、医者嫌いなんだ俺」

ミサト「……とか言って、私が撃った傷だから隠しとかないととか思ってんじゃないでしょうねぇ?」

シンジ「ぎくっ」

ミサト「………ったく、可愛げのないヒーロー様だこと!」ペチンッ

シンジ「いっ!?」


サキ(全裸)「お風呂の入り方、分からない」


ミサト「なっ!?」

シンジ「お、おまっ///」

サキ「………?」

シンジ「たく、何でおれが……」ワシャワシャ///


ミサト『この子、使徒だから性器がついてないみたい! だからあなたがいくらむっつりスケベの童貞でも襲えないから安心して混浴していらっしゃい(使徒と風呂なんて怖いからむーりー)』


サキ「………」ボーッ

シンジ「なぁ、えっと」

サキ「サキ」

シンジ「覚えてるのか?」

サキ「……なんとなく出た」

シンジ「そうか。サキはこれからどうしたいんだ?」

サキ「どう?」

シンジ「ああ、元に戻りたいとか、逃げたいとか、色々あるだろ」

サキ「ない」

シンジ「そうか」ワシャワシャ

サキ「いいの?」

シンジ「んー?」

サキ「なくても……いいの?」

シンジ「そうだなぁ」



シンジ「なかったら、作ればいいんじゃないか?」



サキ「作る……」

シンジ「俺も手伝ってやるからよ」ポンポン

サキ「あ、泡が目に……」オロオロ

シンジ「な、流すぞ」ジャバーッ

サキ「………助かった」フーッ

シンジ(限りなく人間だな……)

ミサト「……ろぉしたもろぉしたもないわよぉ///」

シンジ「何を酔っぱらってんだこの人……」

サキ「………」ホカホカ

ミサト「あ、ちょぉどいいところにきたわれ///」チョイチョイ

シンジ「なんですかミサトさん。美人が台無しですよ」

ミサト「しんじくぅん/// あらた、ころこをろーするつもりなのよぉ///」

シンジ「いや、どうするもこーするもほうっておくしかないかなって」

ミサト「そんなのゆるされるわけないらない!」ドンッ

サキ「………」

ミサト「しろはてきらろよ? しろをたおすのがわらしらちのやくめらの!」ドンッドンッ

シンジ「でも、こいつ危険性ないし」

サキ「………」

ミサト「………」

シンジ「ああもうめんどくせー!」ガタッ

ミサト「しんじくぅん!?」ビクッ

シンジ「行くぞサキ」

サキ「?」

ミサト「い、いくってどこへ?」


シンジ「監視の届かない所!」


ミサト「ま、まって!」ヨロッ

ミサト「わ、わらしをおいてくっていうの!?」

シンジ「酔っ払いに子供の世話ができる訳ねーだろ!」

ミサト「み、見捨てないでぇ!」

シンジ「ふ、ふざんけんな!」

サキ「修羅場……」

ミサト「な、何が望みなの? お金? 名誉? それとも」脱ぎっ

シンジ「ちょっ///」

サキ「ないすばでー」

ミサト「身体にはちょろーっと自信があるのよ? だから、ね? 見捨てないで?」グイグイ

シンジ「わ、分かったから! 分かったからそれしまってくれ!!」

ミサト「やったー♪」ピョンピョン

シンジ「はぁはぁ、鼻血が出るかと思った……」

サキ「むっつりすけべ」

ミサト「……でも、この子を隠し通すのは本当に無理だと思うわ」

シンジ「………分かってる」

翌日 ネルフ訓練場


リツコ「朝っぱらから呼び出して、何をするっていうの?」

ミサト「あはは、ちょろーっと、ねぇ」

ミサト(本当にうまくいくの!? 一歩間違えたらネルフのこんな場所に使徒を連れてきてることがばれるのよ!?)




シンジ「ミサトさんは心臓張り裂けそうになってるな」ハハハ

マヤ「準備おっけーです。碇君、実験を開始してください」

シンジ「あいよ!」バッ


リツコ「右手を天に掲げて、何をするっていうの!?」


シンジ「エヴァンゲリオン! ……えっと」

シンジ(名前考え忘れてたーーーっ!?)


リツコ「彼は何を言おうとしてるの?」ジトーッ

ミサト「あ、あはは、なにかしらー」

ミサト(シンジ後でぶっ殺す!)


シンジ「エヴァンゲリオンジュニア!!!!」ブゥン

初号機「ぐぉおおおおおお!!」



リツコ「ジュニア!?」

ミサト「ださい……」


シンジ「いっけーーーー!」グイッ

初号機「ぐぉおおおおおっ!」スッ


マヤ「初号機、掲げた腕を優しく下ろしました!」

リツコ「手のひらに何かが乗っているわ!?」


サキ「たーーーー(棒)」テクテク

マヤ「に、人間!?」

リツコ「何をしてるの!? あの子は誰!?」


シンジ「あの子じゃねーよ! エヴァンゲリオンジュニアだ!」

サキ「たーーーーー」ポコポコ

目標「」ユラユラ


ミサト「………」

リツコ「もしかして……」

ミサト「………」

リツコ「見せたいものってあれ?」

ミサト「………」ダラダラダラ

司令の部屋

ゲンドウ「………」

シンジ「………」ブスッ

ミサト「………」ダラダラダラ

サキ「………」

ゲンドウ(あれって使徒だよな。なんでこんなとこにいんの? つか、予言と違うし)

シンジ「親父」

ゲンドウ「! な、なんだ」ビクッ

シンジ「この子はエヴァジュニアだ」

ゲンドウ「………」

シンジ「セルが生んだセルジュニアみたいなもんだ」

ミサト(ぜーーーったい違うぅううう!)

ゲンドウ「……(え、どうすればいいのこれ)」

シンジ「だから俺とともに暮らす。いいだろ?」

ゲンドウ「……(ええい! こうなったら!)」

シンジ「………」

ゲンドウ「……ぃぇょ……」ボソボソ

ミサト「え?」

ゲンドウ「以上だ!」

ゲンドウ(曖昧な返事して責任なすりつける作戦!)キリッ

ミサト「た、助かったのかしら」ハァ

シンジ「助かったも何も、親父は良いよって言ったじゃねーか」

ミサト「あれを良いよってとれるあなたのポジティブさがほしいわ」

サキ「……サキ、自由?」

シンジ「ああ、自由だ」

サキ「………」


レイ「……碇君」


シンジ「レイ、どうした?」

サキ「………」ジーッ

ミサト(?)

レイ「これ、薬草のお礼」つクッキー

シンジ「お礼?」

レイ「皆がお礼は手作りのお菓子だって教えてくれたの」

シンジ「へー」スッ

ミサト「あ、レイは料理をしたことが――」

シンジ「んー、味付けが濃いような気がするけど、おいしいじゃねーか!」モグモグ

レイ「!」パァッ

ミサト(レイが笑った!)

サキ「………」ジーッ

ミサト「い、一枚もらってもいい?」

シンジ「レイ、いいか?」

レイ「………」コクン

ミサト「………」パクッ

シンジ「なんか急にトイレに行ったなミサトさん」

レイ「……碇君」

シンジ「ん?」

レイ「……嬉しい」

シンジ「??」

レイ「美味しいって言ってくれて、嬉しい」

シンジ「……ああ」ナデナデ

サキ「………」

レイ「じゃあ」

シンジ「ああ、じゃあな」

学校

シンジ「今日からこの学校の世話になる碇シンジだ! よろしくなっ」ニッ

サキ「………」ペコリ


生徒たち「よろしくーーーっ!」


トウジ「………」

ケンスケ「………」



校舎裏


シンジ「なんだよ、転校生をいきなり呼び出すなんておっかない連中だな」

トウジ「碇、わしはお前を殴らなあかん」

シンジ「?」

トウジ「!!」ブンッ

シンジ「ちょ、ちょっと落ち着け」スッ

トウジ「えっ?」

ケンスケ「CQC!?」

トウジ「ぐぇっ!」ドサッ

シンジ「俺は殴られる理由もないのに殴られたりするほど身体が丈夫じゃねーよ!」

トウジ「………」ムッスーッ

ケンスケ「いやー、こいつの妹がこの前の戦闘で怪我しちゃってさ」

シンジ「戦闘? 俺の?」

ケンスケ「ああ、だから怒りが収まらないって」

トウジ「余計なこと言わんでええ!」

シンジ「………」

ケンスケ「だから、碇もここはぐっと抑えて――」


シンジ「お前はそれでいいのか?」


トウジ「!!」

シンジ「怪我の原因がなんであれ、自分の怒りを他人にぶつけて、それでいいのか?」

トウジ「……お前にわしの気持が分かる訳ないやろ」

シンジ「それもそうだな。だがな、俺はお前を殴れるぞ」シュッ

トウジ「ひっ!?」

シンジ「………」ピタッ

ケンスケ「すっげー……」

トウジ「な、何で最後までやらへんのや! 馬鹿にしとんのか!?」

シンジ「いや、弱い人間を殴るのは趣味じゃないしな」

トウジ「このっ!!」

ケンスケ「駄目だって! 勝てっこないよ!」バッ

トウジ「離せ! くそっ!!」

シンジ「本当に殴りたいなら、お願いしなくても無理やりに殴れるようになれ」

トウジ「!!」

シンジ「ま、俺を殴れるくらい強くなったら、仲間として使徒と戦ってほしいけどな」

トウジ「……なんや…あいつ……」クソッ

ケンスケ(うひゃーかっこいー……)

教室

サキ「………!」タタタッ

シンジ「ん? どうした?」

サキ「………」ギュッ

ヒカリ「あ、碇君」オロオロ

シンジ「?」

女子「あ、あいつが私を叩いたの!」

女子「私も見てたんだから!」

サキ「………」

男子「誰が質問しても答えないしな!」

男子「感じわりーんだよ!」

シンジ「………」

ヒカリ「みんな転校生が珍しいから、少し舞い上がってるんだと思うの」

シンジ「……舞い上がってる…ね」

トウジ「くっそー、次は絶対にか――」ガラッ


生徒たち「うぅ……」


ケンスケ(皆もれなく腹を押さえてうずくまってる!?)

シンジ「よぉ、遅かったじゃねーか」

ケンスケ「ど、どうしたんだよこれ!」

ヒカリ「わ、私たちが悪いの……」よろよろ

トウジ「委員長!? 碇! お前女子にまで!?」

シンジ「ああ、殴ったよ」

トウジ「!!」

ケンスケ「落ち着けってトウジ。俺が見た限り碇は理由なく殴るやつじゃないぞ」

トウジ「説明せい!!」

ヒカリ「私たちが、彼女を傷つけたから……」

トウジ「彼女?」チラッ

サキ「………」

ヒカリ「彼女は記憶に障害があって、昔のことを良く覚えてないの」

トウジ「………」

ヒカリ「それなのに、私たちはずかずかと前にどこにいたかとか部活は何かとか、彼女さえ知らないことを聞いて楽しもうとしてたの」

ケンスケ「でも、それはお決まりのイベントというか……」

ヒカリ「そう、でもそれは“私たちが喜ぶためのイベント”」

トウジ「!」

ヒカリ「彼女のことなんてこれっぽっちも考えてなかった。自分たちが満足したいがためにやった行動なのよ」

ケンスケ「だから碇が殴った? なんかそれにしてはやりすぎなような……」

女子「私が、男子に頼んで彼女を殴るように言ったから!」プルプル

トウジ「………」

ヒカリ「自分じゃ敵わないからって強いものを頼るのは卑怯なこと――」


シンジ「いいや、そういうことじゃない」


ヒカリ「え?」

ケンスケ「碇?」

シンジ「熊を殺すには銃を、川を渡りたいなら橋を、より賢い選択をするのは人間に許された権利だ」

トウジ「じゃあ何でや!」

シンジ「大きな力はより大きな力に淘汰される」

ケンスケ「!」

シンジ「俺も弱い頃に鮭を釣りに出かけた時、よく熊に獲物を奪われた」

ヒカリ(そ、それはたとえ話……よね?)

シンジ「より強い力に頼ることは良い……が、


 こんなことにまで他人を頼って、一体どんな大人になるつもりなんだ?」


生徒たち「………」

シンジ「全員殴ったのはその女子の言動に共感していたからだ」

トウジ「委員長はそんなこと思わへん!」

シンジ「ああ、だろうな」

トウジ「ならなんでや!」

シンジ「1人だけ殴らなかったら、後々遺恨が残るだろ」

トウジ「……あ…」

ケンスケ「負けだな。何もかも」ポンッ

トウジ「やかましいわ!」

トイレ前

シンジ「悪かったな、レイ」

レイ「ううん、むしろ気持ちよかった」

シンジ「その発言はどうかと思うぞ」

レイ「私にはさっきの会話の意味が良くわからなかったけど、あなたが一番考えてたことは分かる」

シンジ「そうか」

レイ「だから、大丈夫」ゴホッ

シンジ「大丈夫じゃねーだろ!」オロオロ

レイ「いつものことだから」

シンジ「余計まずいわ!」オロオロ


サキ「………あんな顔、初めて見た」


放課後


シンジ「いやー、学校って楽しいところだな」

サキ「ご飯もおいしかった」

シンジ「ちょっと物足りなかったけどな」

サキ「………」

ヒカリ「碇くーーん!」タタタッ

シンジ「委員長?」

ヒカリ「もう、碇君までその呼び方!?」

シンジ「嫌か?」

ヒカリ「うん、嫌かな」

シンジ「じゃあ、えっと、ヒカリでいいか?」

ヒカリ「うぇ!? い、いきなり名前!?」

シンジ「名字って覚えるの苦手なんだよ。この世界に何人もいるし」

ヒカリ「ぷっ……じゃあ、いいよ」ニコッ

シンジ「で、どうした?」

ヒカリ「今日のお礼を言おうと思って」

シンジ「お礼?」

ヒカリ「私も一緒に殴ってくれたでしょ?」

シンジ「殴られるのが趣味なのか?」

ヒカリ「ふふふ、照れ隠しかな?」

シンジ「………///」ポリポリ

ヒカリ「中学生でそこまで周囲のことを考えられるのは、すごいよ」

シンジ「どうだろうな」

サキ「………」

ヒカリ「ところで、えっと……」プルプル

シンジ「?」

ヒカリ「あれ……何?」

シンジ「え?」クルッ



使徒「………」ワシャワシャ



シンジ「使徒……だな」

サキ「使徒ね」

ヒカリ「え、えぇ!?」

シンジ「ふなむしみたいな使徒だな」

ヒカリ「に、逃げなきゃ!」

シンジ「ああ、サキ、ヒカリを頼んだぞ」

サキ「がってん」

ヒカリ「碇君は!?」

シンジ「俺は、やることがあるから」ニッ

ヒカリ「………がんばって」

シンジ「ああ」プチプチプチ

ヒカリ(片手でシャツのボタンを次々に千切ってワイルド///)キュン



シンジ「さぁ! 世界を守ろうか!!」バッ






シンジ「こぉおおおおおい! あいぼぉおおおおおおお!!」バッ




10分後。。。


初号機「ぐぉおおおおおお!!」ドシンドシンッ

シンジ「とう!!」バッ

初号機「ぐぉおおおお!」パシッサッ

シンジ「へぇ、エントリープラグに入らなくても身体の中に入れるようになったんだ」


ミサト「ええ、初号機が夜な夜な改造してたわ」

リツコ「ありえない……もん」ウゥ…


シンジ「やるじゃねぇか相棒!」

初号機「ヴォオオオオッ!」


使徒「………」ワシャワシャ

シンジ「行くぜ!!」グイッ

初号機「ヴォオオオオオッ!」ダダダッ


ネルフ

ミサト「あなたは無理よ!」

レイ「でも……」

ミサト(いきなり出撃したいだなんて……)



レイ「でも、私の中の正義が疼くんです。碇君と戦いたいって」



ミサト「」

レイ「悔しい……私にもっと力があれば…」グググッ

ミサト(レイまでシンジ君に……)

【次回予告】


 二体目の使徒に対し、全力で立ち向かう碇シンジ。

 そして、それに呼応するエヴァ初号機。

 変わっていく人の流れに、各々が見出す答えは何。



 次回:シャムにするかシエルにするべきか。



 それじゃあ次回もサービスサービスゥ♪

いったんここまでとします!では!

シンジ「断空砲、フォーメーションだ!」
レイ・アスカ「okシンジ」
っていうノリかと思ったら

明日は更新できないかもしれないので少しだけ更新ー

使徒「………」ビシュッ

ミサト「シンジ君よけて!」

シンジ「あいよっ!」グイッ

初号機「………」サッ

使徒「………」


ミサト「あれをよけるなんて……」

マヤ(じゃあなんで命令したんだろう……)


シンジ「触手か、熱い奴だぜ」ニヤリ

初号機「ぐぉおおお」


トウジ「あ、あれがエヴァ……」

ケンスケ「本物かっけー……」

使徒「………」ビシュッ

シンジ「くぅううう!?」

初号機「ぐぁああああ!」ヒューーンプチッ

シンジ「くっ……大丈夫か、初号機」

初号機「ぐぉおおお」グググッ

シンジ「お前も熱い奴だぜ」


使徒「………」グニャグニャ


シンジ(だがどうする……気合で受け止めたものの、貫通したらひとたまりもないぜ……)

初号機「ぐぉおお……」

シンジ「そうか……そうだな」



マヤ「シンクロ率がエラーを起こしてるんですが……」

ミサト「そりゃ会話してるしねぇ」

リツコ「ひ、独り言ってパターンも……」

ミサト「もうあんたの知ってるエヴァじゃないんじゃない?」

リツコ「………」プルプル



シンジ「やい使徒野郎! そんなエロいもんに俺は負けないぜ!」ビシッ

初号機「ぐぉおおおおお!!」ビシッ



使徒「………」ビシュッ



シンジ「触手攻撃は……こうだ!」グイッ

初号機「ぐぉおおおおおお!」ガシッ



ミサト「触手をつかんだですってぇ!?」



シンジ「昔からなぁ! 長いものには巻かれろっていうんだよ!!」グイグイッ

初号機「ヴォオオオオオオオッ!」グルングルングルン



ミサト「初号機が回転しながら触手を絡めとってる……」

マヤ「まるでホースをしまってるみたい……」

ゲンドウ「………」プルプル

冬月(固執してる相手をあんな風に扱われたら溜まらんな)ハァ…


シンジ「うぉおおおりゃぁああ!」グイッ

初号機「ぐぉおおおっ!」グルンッ


使徒「………」ブチッ


ネルフ一同「あ……千切れた…」

シンジ「……これは…」

初号機「ぐ……グォオオオオオオオッ!!」ブゥンッ


ミサト「触手が初号機の中に!?」

リツコ「ありえないわ!!」

シンジ「触手が出せる……って訳じゃないのか」

初号機「………」シュン

シンジ「ああ! せ、責めてるわけじゃないんだ!」アセアセ

初号機「ぐぉぉ?」ウルウル

シンジ「当たり前だろ! お前から触手が出たら気持ち悪いしな!」アハハ

初号機「ぐぉおおおお!」ゲラゲラ



マヤ「初号機……笑ってます…」

リツコ「あ……ありえ…」

ミサト「シンジ君! 使徒にとどめを!!」



シンジ「ああ、そうだったな」グイッ

初号機「ぐぉおお……」グググッ



シンジ「俺の正義が燃え上がる! この世を正せと血が滾る!!」グッ

初号機「………」グッ



マヤ「初号機、相手に右手の甲を向けています!」

ミサト「決めポーズでしょ」



シンジ「行くぜぇ! ひっさぁあああつ!!」グイッ

初号機「ヴォオオオオオオオオッン!」ドシンドシンドシン

使徒「………」



シンジ「衝撃の! ファーストォ……インパクトォオオオオオッ!!」グイッ

初号機「グォオオオオンッ!!」ブンッ


―――ドゴォォォォォンッ!!


使徒「」



―――バシュゥゥゥゥゥゥゥゥンッ!!



マヤ「使徒消滅を確認しました!!」

ミサト「よっしゃぁああああ!」ガッツポーズ

ヒカリ「サキちゃん、大丈夫?」

サキ「終わった……」

ヒカリ「え?」

サキ「もう、大丈夫」

ヒカリ(携帯でも鳴ったのかな?)


トウジ「あれ、委員長やないか」

ヒカリ「何やってんのよこんなところで」

ケンスケ「えへへ、ちょっとね」

サキ「血の雨が降る」

三人「え?」


――ドッパァァァァンッ!


三人「」

サキ(そう……あなたもなのね)

ネルフ本部

シンジ「え、ファーストインパクトはやめろ?」

ミサト「あったりまえじゃない! 何考えてるの!」

リツコ「あなたファーストインパクトのこと知ってるの?」

シンジ「えっと、使徒の爆発事故でしたっけ?」

ミサト「知ってるのなら!」

シンジ「ミサトさん」

ミサト「え?」

シンジ「……言葉に、罪はねーよ」

マヤ「私は良いと思いますけど、かっこいいし」

リツコ「まぁ、あの使徒にぶつかった瞬間に触手が相手の体を駆け巡る効果は、インパクトという名前がふさわしいかもしれないわね」

シンジ「え? 何が駆け巡ってるの?」

リツコ「え?」

シンジ「え?」

訓練場


シンジ「疲れてる所悪いけど、もう少しだけ付き合ってくれ」

初号機「ぐぉおおおん」


リツコ「いい? 目の前にあるスライム状の物体をファーストインパクトして頂戴」

ミサト「………」プルプル

マヤ「ファーストインパクトする時は掛け声もお願いします」

ミサト「………」プルプル

ネルフ職員(可愛そう……)


シンジ「ファースト、インパクトォオオオオッ!」グイッ

初号機「グォオオオオンッ!」ドゴォンッ


ミサト「あれは!?」

マヤ「静止画像表示します!」

ネルフ本部


シンジ「えっと、何あれ?」

リツコ「おそらく先ほどの使徒から奪った触手を使っているのでしょう」

マヤ「拳からたくさんの触手がまっすぐ飛び出して、まるで……」


ネルフ職員(ウニみたい……)


シンジ「へー、かっこいいじゃん! 衝撃のファーストインパクト!」

ミサト「だからっ!」

リツコ「あきらめなさい」ポン

ミサト「うぅ……」

更衣室


シンジ「………っ」ブルブル

シンジ(なん……だ、これ)グググッ

シンジ「まるで、もののけ姫のアシタカみてーじゃねぇか」ブルブル

ミサト「シンジくーん、さっきの話だけど」ガチャッ

シンジ「………ちっ」

ミサト「シンジ君!? 何なのそれ!?」ダッ

シンジ「ミサトさん! 近寄るな!」

ミサト「バカ言わないで!」ガシッ

シンジ「……危ないかもしれないだろ…」



ミサト「たとえ危なかったとしてもあなたを守る。それが私の役目なの!」



シンジ「……かっけーじゃん…」ポリポリ

診察室


リツコ「どうやら、使徒の一部が体を侵食しているようね」

シンジ「アシタカみてーじゃね?」

ミサト「冗談言わないの」バシッ

シンジ「………危険性はあるのか?」

リツコ「……正直なところ、分からないとしか言えないわ」

シンジ「……そうか」

リツコ「このことは私達だけの秘密にしておいて頂戴」

ミサト「えっ!? 司令には言わないと!」

シンジ「ああ、大丈夫大丈夫、俺が子供の時崖から落ちて帰ってきても連絡ひとつよこさない親父だから」アハハ

ミサト「シンジ君……」ギュッ

シンジ「およ///」

ミサト「……大人を、見損なわないで」ギューッ

シンジ(……子ども扱いして…男として見てないのかよ)ハァ…

リツコ「報告するにしても、私からするから余計なことは言わないでちょうだい」

シンジ「へーい」

ミサト「わかったわ」

帰り道


シンジ「はぁー今日は疲れたなぁ」

サキ「その右腕の包帯……何?」

シンジ「ああ、封印されし右腕ってやつだ」

サキ「封印?」

レイ「かっこいい」

シンジ「おっ、分かる口か!?」

レイ「右目の眼帯」

シンジ「いいねぇ!」

レイ「封印解除」グイッ

シンジ「こらこら、封印は簡単に解かないの」

レイ「わかった」

サキ「………(こういう時どうすれば正解なのか分からない…)」

シンジ「サキにも今度教えてやるからな」ニコッ

サキ「………(私が…使徒だから分からないの?)」コクリ


シンジ「……あれは!?」ダッ


シンジ「………」

シエル「………」

シンジ「……お前も、なのか?」

シエル「………」コクリ

シンジ「……そうか」

シエル「………」コクリ


サキ「シエル」

シエル「サキ」

シンジ「知り合いなんだな」

サキ「知らない」

シエル「知らない」

シンジ「………」


レイ「使徒……?」

シンジ「レイに隠しても仕方ないか……」ポリポリ

レイ「?」

シンジ「この子らは使徒の生まれ変わりみたいなもんだ」

レイ「生まれ変わり……」

サキ「………」

シエル「………」

シンジ「この子らに戦いの意思はない。だから俺が引き取る」

レイ「……そう」

シンジ「止めるか?」

レイ「……正義の盲信はただの暴力」グッ

シンジ「わかってんじゃねーか」グッ


二人「「正しい心で正しい行いを」」ニコリ


サキ「……うらやましい…」ボソッ

シエル「………」ギュッ

サキ「手?」

シエル「………」

サキ「………」

シンジ・ミサト・サキ・シエルの家 風呂


シンジ「はぁ、こうなるのか」ワシャワシャ

シエル「………」

サキ「気持ちいい?」

シエル「……不思議な感じ」

サキ「同感」

シエル「今も?」

サキ「今は……シンジがやってくれる時だけ少し違う」

シンジ「そうなんか?」ワシャワシャ

サキ「……いっぱい洗えてる気がする」

シンジ「そりゃ、男の子だからな。力強いし」ワシャワシャ

サキ(私が使徒だから、分かってくれない?)

シンジ「………っ!?」ビクッ

サキ「?」

シエル「シンジ?」

シンジ「ぐぅ……」ブルブル

サキ「右手……」

シエル「それ……」

シンジ「あ、ああ、ちょっと封印が暴れてて、な」

シエル「………」

シエル「………」グイッ

シンジ「お、おい、あぶねー……」

シエル「………」チュッ

サキ「!」

シンジ「……あ、れ?」

シエル「それ……私の一部」

シンジ「あ、そうか……」

シエル「シンジの体が気に入ってるから取り出せないけど、こうして大人しくすることはできる」

シンジ「き、キスしか方法はないのか?」///

シエル「……あるかも」

シンジ「かも?」

シエル「でも、分からない……」

シンジ「そ、そうか……」

サキ「………」

ミサト「黒髪ロングがサキ、オレンジっぽいツインテールがシエルね」

ミサト(使徒とはいえ、しばらく一緒に暮らせば慣れるものね……人間って恐ろしい)

シンジ「シエルも使徒の時の記憶が曖昧みたいなんだ」

ミサト「覚えてることはあるの?」

シエル「……シンジに触手とられた」シュン…

シンジ「あ、あはは……」

ミサト「ほ、ほかには?」

シエル「………あんまり」

ミサト「そっか」

シンジ「それより、鈴原トウジの妹の病室って分かる?」

ミサト「それは調べれば分かるけど」

シンジ「サキと戦ったとき怪我したみたいなんだ」

ミサト「……それはクラスメイトとしていくの? それともネルフ職員として?」

シンジ「……その質問の心は?」

ミサト「クラスメイトの妹さんが怪我してるから見舞いに行くっていうなら、彼に聞きなさい」

シンジ「後者だったら?」

ミサト「上司として許可できません」

シンジ「……非を認める訳にはいかねーって?」

ミサト「どうとでも」

シンジ「案外冷たいんだな」

ミサト「………」

シンジ「俺は行くぜ。あんたら大人がどれだけ綺麗ごと並べたって、子供はそれを理解しちゃくれねーぜ」

ミサト「………」パシンッ

シンジ「………」

ミサト「あた……」

シンジ「そりゃ、俺が言い過ぎたからな」

ミサト「そんなことっ!」

シンジ「俺が言ったことも一理ある。が、ミサトさんの本心はそこにねーだろ?」

ミサト「……迷惑をかけた人々に謝罪していけば、何年かかるか分からないわ。それに罪のない被害者は日々増えている……」

シンジ「ああ、そうだな」

ミサト「私だって……許されたい…」ポロポロ

サキ「また泣かした」

シエル「シンジ最低」

シンジ「………」ポリポリ

シンジ「許してないのは自分自身だろ」グイッ

ミサト「きゃっ///」

シンジ「ミサトさん。あんた思いつめすぎだよ」

ミサト「そ、そんなことっ」

シンジ「過去は変わらない。神聖視したって特別視したって、何一つ良いことはねーんだよ」ナデナデ

ミサト「でも……死んでいった人たちはどうなるの?」

シンジ「俺たちが連れていく、ここに秘めて、な」トントン

ミサト「……うん」



サキ(心って……何?)

シエル(サキ……揺れてる?)


翌日 鈴原妹の病室。

サクラ「………」ボーッ

看護婦「サクラちゃん、あなたのお兄ちゃんのお友達がお見舞いの品をくれたわよ」ニコニコ

サクラ「……え?」

看護婦「鹿の角でできたお守りだって」

サクラ「……すごい」

看護婦「すぐに退院できるわよ」

サクラ「うん……」

看護婦(あの人、すごいかっこよかったなぁ……)

屋上


トウジ「……すまんかったな、碇」

シンジ「何がだよ」

トウジ「妹にお守りくれたん碇やろ?」

シンジ「……すぐによくなるさ」

トウジ「……ああ」

ケンスケ「なぁ碇」

シンジ「ん?」

ケンスケ「サキちゃんに続いてシエルちゃんも碇の知り合いなんか?」

シンジ「ああ、二人とも俺の親戚だ」

ケンスケ「ふーん」



レイ(男の子三人で屋上、うらやましい……)ジーッ



 【次回予告】


 二体の使徒を倒したシンジは束の間の平和を楽しむ。

 変わっていくレイに変わっていくことを戸惑うサキ。

 人間世界に慣れないシエルとそんなシエルを心配するミサト。

 それぞれの思いが飛び交う中、三体目の使徒が現れる。


 攻守共に最強の使徒を目の前にして、シンジは何を想う。




次回:月は見えているか



 それじゃあ次回も、サービスサービスゥ♪

>>109 記憶にございませぬ。。。すまぬ。。。

使徒ハーレムの流れである以上、本編の進みが遅くなるかも?
もしくは、先にアスカのところまで駆け抜けてからゆっくりいくかわかりませぬ。

では!



第二話VER1.6 それぞれの悩み




レイ「………」シュッシュッ


ゲンドウ「……あれは何だ冬月」

冬月「……正拳突き…いや、次につながる動きだな…」

ゲンドウ「そういうことを聞いている訳じゃない」

冬月「なんでも、シンジと対等になる為の特訓だそうだ」

ゲンドウ「レイは特訓などしない」

冬月「だが、今こうしてスパッツにランニングシャツでシャドーをしているのは紛れもなく――」

ゲンドウ「言うな!」

冬月(やれやれ、往生際の悪い男だ)


レイ(シンジなら一発で勝負を終わらせに行ったりしない)シュッシュッ





シンジ「おいおい、こんなところまで来なくても」

サキ「大丈夫」

シエル「平気」

シンジ(ちょっと薬草を集めに出かけただけなのに、黒服たちの方がバテてるじゃねーか)


黒服たち「………(仕事辞めたい)」ハァハァ


シンジ「ちょっと休憩しようか」

シエル「別に」

サキ「大丈夫」

シンジ「まぁまぁ、今日は一日オフだしのんびり行こうぜ」


二人「………」コクリ


シンジ「学校には慣れたか?」

サキ「うん」

シエル「まぁまぁ」

シンジ「そうか。良かった」

サキ「シンジは?」

シンジ「え?」

サキ「サキが原因でクラスメイトのお腹を殴った」

シンジ「ああ、まぁ一部の生徒には怖がられてるかもな」

サキ「シエルのせい……」

シエル「サキのせい」

シンジ「どうだろうな」

サキ「え?」

シンジ「あの時みんなサキを使徒じゃなくて人間として接した」

サキ「うん、今もばれてない」

シンジ「それってさ、少なくとも教室においてサキは人間ってことだろ?」

サキ「!」

シンジ「俺だって急に腹を殴る人間だと思われている以上、怖がる奴だっている。でも、それは人と人との感情がぶつかってるだけで、“拒絶”された訳じゃない」

シエル「……使徒と人間は拒絶してる?」

シンジ「どうだろうな。人間側は使徒に対して異様な殺意を持っていることは確かだ」

シエル「そう」

シンジ「まぁでも、それは使徒が無差別に街を破壊するからで、仲良くする意思があればまた変わってくるかもしれないけど」

サキ「使徒と人間が……仲良くなる?」

シンジ「ああ、現に俺はお前らを使徒だと知ってるけど――」



 今は家族、だろ?



サキ「………」コクリ

サキ(言葉としては分かる……けど、心は…)

シエル「………///」ドキドキドキ

サキ「え?」

シンジ「シエル?」

シエル「……何だろう、今の言葉でシエルの中の何かがポカポカする」

シンジ(この嬉しさを噛み殺すようなはにかみ……“照れ隠し”か?)

サキ「シエル……それは、何?」

シエル「分からない……分からないけど、楽しい」カァ///

シンジ(サキに変化はない……なんだ?)

ネルフ本部 診察室


リツコ「どうやら、同調してるみたいね」

シンジ「同調?」

ミサト「要はシンクロ状態にあるってことよ」

サキ「誰と?」

リツコ「碇君とシエルが、よ」

シエル「私が? シンジと?」パァ///

ミサト「あら美少女の笑顔ね」

シンジ「えっと、馬鹿だから良く分からねーけど……それは良いことなのか?」

リツコ「あなたたちがエヴァジュニアだと言い張るなら、それ前提で話すけど良い?」

シンジ「………」シュン…

リツコ「嘘よ、嘘(司令のしょんぼりと似てた///)」

ミサト「おばさんの嘘は性質が悪いわよ」プププ

リツコ「殴るわよ」

リツコ「その腕に浸食した使徒の触手がどうやらあなたの心と繋がったみたいね」

シンジ「心と……」チラッ

シエル「………」モジモジ

リツコ「仮定の話をするなら、それはあなたの心を使って彼女の身体が反応してるだけ」

ミサト「つまりスマホで例えるなら、シンジ君がドロップボックスでシエルちゃんがスマホってこと?」

リツコ「ええ、そうね。アプリがなければスマホは動作をすることができない」

シンジ「つまり、今の行動は彼女自身の行動じゃない?」

リツコ「分からないわ。ただ、私たちがアプリではないように彼女もスマホじゃない」

ミサト「今後の経過をお楽しみにってことか」

サキ「………」

いったんここまで! 引き続き地上波放送の劇場版をお楽しみにください。では!

録画組は今から鑑賞するぜ! もちろん続きもやるぜ!

翌日 学校


ヒカリ「え、相談がある?」

サキ「………」コクリ


屋上


ヒカリ「えっと……相談って…?」

ヒカリ(恋愛相談だったらどうしよう……)

サキ「欲しいものがあるの」

ヒカリ「欲しいもの?」

サキ「………」コクリ

ヒカリ(良かった。まだ相談に乗れそう……)ホッ

ヒカリ「で、何が欲しいの?」



サキ「………心…」



ヒカリ「………え?」

ヒカリ「こ、心って、ハートのこと?」

サキ「………」コクリ

ヒカリ(ど、どうしよう……恋愛相談の方が100倍ましだよ!)オロオロ

サキ「シエルは見つけた」

ヒカリ「こ、心を?」

サキ「………」コクリ

ヒカリ(どどど、どういうこと?)

サキ「シンジが……あげた」

ヒカリ「え?」

サキ「うらやましい」

ヒカリ(もしかして、……女の子の!?///)カァ

サキ「どうすればいい?」

ヒカリ「お、おち、落ち着いて!」ハァハァ///

サキ「?」

校舎裏

シンジ「……本当にやるのか?」

レイ「………」コクリ

シンジ(最近動きが洗練されてきたと思ったら……)

レイ「やるからには、勝つ」スッ

シンジ「……熱いねぇ」スッ

シエル「ほ、本当にやるの?」オロオロ

シンジ(表情豊かな使徒……もはや人間だなぁ)


レイ「推して参る」ダッ

シンジ「はやっ!」バッ


トウジ「あの綾波がねぇ」ホエーッ

ケンスケ「一部のマニアに売れそうだね、この企画」

数分前 教室



レイ「シンジ、私と闘って」



生徒たち「………」ザワッ

シンジ「本気か?」

レイ「本気」

シンジ「それは殴り合いという意味で良いのか?」

レイ「極論でいえば」コクリ

生徒たち(あ、あの碇と殴り合うって……)ざわざわ

シンジ「……とりあえず理由を聞こうか」

レイ「……対等になりたいから」

シンジ「対等?」

レイ「あなたは誰でも受け入れてるようで、誰一人受け入れてはいない」

シンジ「! ……言うねぇ」ニヤリ

レイ「私があなたの初めてになる」

シンジ「……校舎裏に行こうか」

校舎裏

レイ「はぁはぁっ……」ボロボロ

シエル(さっきから一回もレイの攻撃当たってないよー!)

シンジ「どうしたレイ。俺と対等になるんじゃねーのか」

シンジ(まさかレイに見抜かれるとはなぁ……)

レイ「………ぺっ」ビチャッ

シンジ「女の顔に手をあげる俺は最低か?」

レイ「……いいえ、“上等”よ」ダッ

シンジ「ほんと、女にしとくのが勿体ないぜ!」ダッ


シエル(熱い……この想い…シンジの……?)


保健室

レイ「………ここは…」

シンジ「保健室だよ」

シエル「怪我だらけ」

レイ「……一回も当たらなかった…」

シンジ「そりゃあ年季が違うからな」

レイ「でも、これじゃあ意味は……」

シンジ「いいや、あったよ」ナデナデ

レイ「………」

シンジ「俺はその気持ちだけで――」



――パシンッ



レイ「見損なわないで」

シンジ「……すまん」

レイ「私はいつかあなたの背中を守れるようになる」

シンジ「……ああ」

レイ「だから……今日は出て行って」

シンジ「……分かった」



――ガラッ



レイ「……強くなりたい」ボソッ

夜 シンジ・ミサト・サキ・シエルの家


シンジ「……眠たい」

シンジ(誰にも心を開いていない、か……)

シンジ「そりゃ、思春期を一人で過ごしてきたんだからな……」


サキ「シンジ、今いい?」


シンジ「ああ、どした?」

サキ「………」


ヒカリ(男の子はね、お、押しに弱いらしいわよ///)


サキ「押しに弱い」ピョン

シンジ「………」

サキ「………」

シンジ「お腹の上に乗って、遊びたいのか?」

サキ「……どうなんだろう」

シンジ「?」



ヒカリ(耳元で愛を囁くと良いらしいわ///)


サキ「……耳元で」スッ

シンジ「?」

サキ「あいあいあいあいあいあいあいあいあいあい」ボソボソ

シンジ(あいあい? 猿の真似か?)

サキ「……これで心が手に入る?」

シンジ「心?」

サキ「ヒカリは、これで初めてをゲットできるって言った」

シンジ「………(変な誤解したなぁ二人とも……)」

サキ「ゲットできた?」

シンジ「あのなぁ……」

シエル「二人でずるーーーーい!」ギューッ

シンジ「お、おい……」

シエル「私も私もだっこー///」ギューッ

シンジ「……これが俺の心を媒介にしてるって信じたくない…」ハァ…

ネルフ本部


ミサト「どう思う?」

リツコ「………」

ミサト「嘘、なんでしょ?」

リツコ「……あの場はああいうしかないわ」

ミサト「そうね。シンジ君にも知られる訳にはいかないわね」

リツコ「“使徒の残骸に心が生まれた”なんて知ったら、今まで通りの対応ができなくなる」

ミサト「大人の都合よね」

リツコ「これからも“心が生まれるかもしれない、もしくはあるかもしれない使徒を殺す役目”を担ってるのだから、仕方ないわよ」

ミサト「どれだけ大人に見えても、彼は子供。ケアはしなければならないわ」

リツコ(そう思い込もうとしてるだけにも見えるけど?)

ミサト「いずれにせよ、隠し通すのが難しくなってきたわね」

リツコ(司令もいよいよ覚悟を決めないといけないわね……)

指令室

ゲンドウ「いったいどうすれば……」ハァ

冬月「苦労が絶えんな」

ゲンドウ「……“首輪”をつけるか」

冬月「また嫌われるぞ」

ゲンドウ「かまわん。すべては使徒殲滅のためだ」

冬月(私にはシンジを悲しませないように最大限努力しているように見えるがな)


翌日 診察室


シンジ「………」

ミサト「ごめんなさい」

シンジ「………」

リツコ「二人とも、これはATフィールドの内部に設置させてもらうわ」

サキ「コアに直接?」

シエル「怖い……」

ミサト「大丈夫、今まで通りに暮らしていれば、何も起きないから」

サキ「………」

シエル「……うぅ」ブルブル

シンジ「………」ギリッ

ミサト(シンジ君は全て理解している。大人の都合も、彼女たちの苦しみも……)



シンジ(レイ……俺は……)



シンジ「……痛くないか?」ナデナデ

サキ「うん、大丈夫」

シエラ「コアに当たって気持ち悪い……」ウゥ

シンジ「そうか……」

シンジ(二人の命は手のひらに……か)



ビーッビーッ!



シンジ「………」





ラミエル「ふぁーーーっ」


ミサト「初号機を!」

シンジ「……二回目だな、本部から出撃するの」

初号機「ぐぉおおお」

シンジ「さみしかった? はは、いいことじゃねーか」

初号機「ぐぉお……」シュン…

シンジ「わーったよ、……これからひと暴れといこうぜ!!」

初号機「グォオオオオオオオンッ!!」



―――バシュッ!!



シンジ「あれが……なんか鉱石みたいな…」



ラミエル「ふぁーーーーっ」ガチャンッ

シンジ「!?」

シンジ(まさか!?)

シンジ「初号機! 俺を外に出せ!」

ミサト「許可できないわ!!」

シンジ「初号機!」

初号機「ぐぉ……」オロオロ

シンジ「早く!!!」

初号機「………」バシュンッ

マヤ「エントリープラグ排出!」

青葉「使徒の中心から高エネルギー反応!」

ミサト「シンジ君!!」



ラミエル「ふぁーーーーっ」ガチャンガチャンガチャン



シンジ「シエル……ちょっと“借りるぜ”」

ミサト「まさか、シンジ君あなた!!」

リツコ「あれを……受け止める気…あり得ないわ!」

ゲンドウ「零号機いそいで射出! シンジを守れ!」


シンジ「馬鹿野郎が!!」


ネルフ職員「!!」

シンジ「俺の心配する暇があったら、相棒の心配しやがれ!!」

ミサト「シンジ君! 初号機はなんとかなるわ!」

シンジ「そうやって大人は苦しいことから目を背ける!!」

ミサト「!!」

シンジ「初号機だって苦しいんだ! それを表現できないだけで、何でも許されると思うな!!」

ミサト「シンジ君……」

マヤ「使徒の形状変化がストップ!」

日向「おいおい、あれはまさか……」

青葉「ビーム来ます!!」



ラミエル「ふぁーーーーっ!」ビカッ!!



シンジ「うぉおおおおおおおおおお!!」

初号機「ぐぉおおおおおおっ!!」




―――ギィィィィィィンッ!!



マヤ「初号機ATフィールド展開しました!」

リツコ「ありえないわ! パイロットもなしで!」

マヤ「シンクロ率82%! 碇君とシンクロ状態を保っています!」

リツコ「なんですって!?」


シンジ「相棒! 邪魔をするなぁ!!」

初号機「ぐぉおおおおお!!」

シンジ「!! そうか……お前も俺を心配して…」

初号機「ぐぉおおおおおんっ!!」


シンジ「……だが、俺ら二人でもあれは無理みたいだ」


ミサト「仕方ないわ! 強制的に帰還させるわよ!」

青葉「はい!」





ミサト「初号機、及び初号機パイロットは無傷です」

ゲンドウ「ああ」

ミサト「しかし、司令も息子さんの事を心配するんですね」

ゲンドウ「………」

冬月「……ごほん」

ミサト「……失礼しましたー」



ミサト(さて……どうしたものか…)

リツコ「ミサト」

ミサト「……作戦会議を開くわ」




――パシンッ


シンジ「………」

マヤ「………」ハァハァ

シンジ「………」

マヤ「大人を……舐めないでください!」キッ

シンジ「………」

マヤ「命令無視した上に一歩間違えれば人類に甚大な被害を与える可能性がありました。そのことをちゃんと考えていたんですか!?」

シンジ「………」

マヤ「答えないってことは、何も――「違うわ」

マヤ「え?」

ミサト「私たちの無能さを責めずにいてくれているのよね」

シンジ「………」

ミサト「でも、そこで黙っていては、大人と一緒よ」

シンジ「わかってる」

ミサト「いいえ、分かっていないわ」

シンジ「……くそっ、また泣くなよ」

ミサト「………っ」ビクッ

シンジ「まず下調べもせずにエヴァを向かわせ過ぎ」

ミサト「………」

シンジ「エヴァは直るから? はっ、危うく跡形もなく吹き飛ばされそうになったじゃねーか」

ミサト「ATフィールドが……」

シンジ「俺が今までに一度でもATフィールドを出せたことがあったか?」

ミサト「うっ」

シンジ「たまたまに人類最終兵器を巻き込むな馬鹿」

ミサト「うぅ……」

シンジ「そもそも避けてってなんだよ。避けてって」

ミサト「………っ」ギクッ

ネルフ職員(ほとんどこの人一人のことじゃ……)

シンジ「さらに言えば、エヴァのパイロットにレトルトのカレーって体調管理するつもりがあんのかよ」

ミサト「………」ホロリ


一同「あー……」


ミサト「シンジ君! 作戦が決まったわ! ヤシマ作戦よ!」



シンジ「日本全土から電気を集めてポジトロンライフルで狙撃する……ね」

レイ「………」

ミサト「これだけやっても成功する可能性は低いわ」

シンジ「……どう思うレイ」

レイ「………」



―――ビリッ!!



ミサト「あーーーっ、何すんのよぉーー!」

レイ「……ビームなんて男のすることじゃない」

シンジ「………」ウンウン

ミサト「レイあんた女でしょーーーっ!」

新ヤシマ作戦 当日


シンジ「日本全土の電気をエヴァの身体能力向上のために使用」

レイ「日本中の想いを背負って戦う……熱い」

シンジ「だな」

レイ「ねぇシンジ」

シンジ「ん?」

レイ「この戦いが終わったら、もう一度勝負してくれる?」

シンジ「……ああ、良いぜ」

ミサト「全電力をエヴァ初号機と零号機に!」

青葉「はい!」カチャカチャ

マヤ「でも、こんなので本当にうまくいくんでしょうか……」

リツコ「理論上、あの使徒の高エネルギービームを避けることは不可能よ」

ミサト「でも、あの二人なら……」

リツコ「失敗したらクビどころじゃすまないわね」

ミサト「……どうせ失敗したら世界は終わりよ」




初号機・改「ぐぉおおおおおおっ!」バチバチバチ

シンジ「いいねぇ相棒! 血が沸騰しそうだぜ!!」

零号機・改「………」

レイ「これでシンジに近づける……」



ミサト「新・ヤシマ作戦開始!!」



ラミエル「ふぁーーーーっ」ガチャンッ

シンジ「初号機パイロット碇シンジ! 推して参る!!」グイ

レイ「零号機パイロット綾波レイ! 目標を駆逐する!」グイ


両エヴァ「「グォオオオオオオオオオッン!!」」ガションガション!





ラミエル「ふぁーーーーっ」ガチャンガチャンガチャン



シンジ「来るぞ! 勘で避けろ!」

レイ「わかった!」


ミサト「あー! 私の台詞!!」


ラミエル「ふぁーーーーっ!」ビカッ



――バシュゥゥゥゥゥゥゥゥンッ!!



シンジ「相棒!!」グイッ

初号機・改「ぐぉおおおお!!」サッ



―――ジュゥゥゥゥゥゥッ!!



シンジ「かすっただけでこの威力……燃えるじゃねぇか!!」グイッ

初号機・改「ぐぉおおおおおお!!」ダンッ



ミサト「跳んだ!?」

リツコ「今まで使徒の攻撃に一定の間隔があったからって無茶だわ!」


レイ「いいえ、違うわ」グイッ

零号機・改「ぐぉおおおおおっ!」ブンッ

ミサト「レイ!? いつの間にそこへ!?」

シンジ「! 遅い!!」グイッ

初号機・改「グォオオオオンッ!」グンッ


ミサト「触手が伸びた!?」


シンジ「間に合え!!」グイッ


ラミエル「ふぁーーーーっ!」ガチャガチャガチャ!

レイ「!?」

零号機・改「………」ガギィィィンッ

レイ「ATフィールド……」


ラミエル「ふぁーーーーっ」ビカッ


レイ「あ……」



―――バシュゥゥゥゥゥゥゥゥンッ!!



ゲンドウ「レイ!!」

シンジ「大丈夫か!」

レイ「また迷惑を……」

シンジ「迷惑なんかじゃない!」

レイ「!」

シンジ「レイは俺と、俺みたいな奴と対等になろうとしてくれた!」

レイ「シンジ……?」

シンジ「俺は初めての経験で戸惑ったけど、それ以上にうれしかった!」

レイ「!」ドキッ

シンジ「だから……その…」




シンジ「友達を助けることを迷惑なんて思わない!!」




レイ「シンジ!!」

シンジ「行くぞ!!」グイッ

初号機・改「ヴォオオオオオオオオッ!!」ダダダッ

シンジ「うぉりゃぁああああ!」ブンッ

ラミエル「ふぁーーーっ」ギィィィンッ

シンジ「ATフィールドなんてぇ!!」ブンッ

ラミエル「ふぁーーーーっ!」ビカッ


ミサト「出力を変えられるの!?」


シンジ「くっ! 大丈夫か!?」

初号機・改「ぐぉおおおおおっ!」

レイ「たぁあああああ!」グイッ

零号機・改「………」ブンッ

ラミエル「ふぁーーーっ!」ビカッ

シンジ「おりゃぁああ!」

初号機・改「グォオオオオンッ!」バキィッ

ラミエル「ふぁーーーっ」ズズンッ


ミサト「ダメージが!!」

リツコ「エネルギーを射出する瞬間、ATフィールドが解けるわ!」

シンジ「よっしゃぁああ! やぁってやるぜ!」グイッ

シンジ「おりゃぁああ!」

初号機・改「ぐぉおおおんっ!」バキッ

ラミエル「ふぁーーーっ!」ビカッ

レイ「たぁあああ!」

零号機・改「………」ドカッ

ラミエル「ふぁーーーっ!」


マヤ「いけそう……?」

サキ「……だめ」

ミサト「え?」

シエル「それ以上刺激しちゃ……」


ラミエル「………」ガチャンガチャンガチャン

シンジ「!?」

レイ「……これが、本当の姿?」



人型ラミエル「ファーーーーーっ!」ブンッ


シンジ「くっ!?」グイッ

初号機・改「ぐぉおおおっ!」サッ

人型ラミエル「ファーーーーーッ!」ブゥンッ

ミサト「ビームソード!?」

リツコ「あの高エネルギーで斬られたらひとたまりもないわ!」


シンジ「こっちの方がやりやすい!」グイッ

初号機・改「グォオオオオンッ!」ブンッ

人型ラミエル「ふぁーーーっ!」バチンッ

シンジ「ATフィールドは健在ってか!」

レイ「任せて!」

零号機・改「………」ブンッ

人型ラミエル「ふぁーーーっ」バシャァンッ

シンジ「レイ! 少しだけ時間を稼いでくれ!」

レイ「わかった!!」

シンジ「ミサトさん! 電力をすべて右手に集中したい!」

ミサト「それは可能だけど! でも!」

シンジ「やれるなら! やるのが男の子!!」グッ

初号機・改「ぐぉおおおおっ!」ブゥゥゥゥゥンッ

シンジ「右手が……あつっ!!」ビクビク


ミサト「そりゃあそうよ! 全てのエネルギーが右手に集まってるのよ!」

リツコ「理論上、右手が融解するのが先のはず……ありえないわ!」


シンジ「き……あ…いだぁ……」グググッ

初号機・改「グォオオオオオオン!」ブブブブブブッ


レイ「シンジ!!」

ミサト「シンジ君!」

サキ「シンジ!」

シエル「シンジ!」



シンジ「うぉおおおおおおおおおおおっ!!」グイッ

初号機・改「ぐぉおおおんっ!」ダンッ

シンジ「輝け魂! 燃えろ生命! これが俺の……俺たちのっ!!」ブゥンッ

初号機・改「………!」ブゥンッ



マヤ「エヴァ初号機・改の体が光り輝いてます!」

リツコ「もう……ありえない…」

ミサト「いっけぇえええええ!!」



人型ラミエル「ふぁーーー……!?」

レイ「逃がさない!」グググッ



シンジ「セカンドォオオオオッ……インパクトッ!!!」グイッ

初号機・改「ヴォオオオオオオオオンッ!!」ブンッ

人型ラミエル「ファ………」



―――ドガァアァァァァァァァアアアン!!



マヤ「使徒……消滅しました!!」

ミサト「よっしゃぁああああ!!」

シンジ「………ぷはっ!」バシュゥゥゥンッ

シンジ「やっぱ外はいいなぁ……お前もそう思うだろ、相棒」

初号機「………」

レイ「……んっ」バシュゥウゥンッ

シンジ「レイ」

レイ「シンジ」

シンジ「………」

レイ「私達……勝ったの?」

シンジ「ああ」

レイ「………」

シンジ「どうした?」

レイ「ごめんなさい、こういう時どういう顔をすればいいか分からないの」

シンジ「………そうだな」



 思いっきり笑えばいいと思うぜ。



レイ「……あ、あはは」

シンジ「ははっ」


二人「はははははははははっ!!」


ミサト「……絵になるじゃない」

マヤ「月をバックにして、幻想的ですね」

リツコ「ええ、そうね」

翌日 校舎裏

シンジ「………」

レイ「………」


トウジ「なんやまたやるんかいな」

ケンスケ「でもなんか、男女間の友情って感じで良いよね」

ヒカリ「私とトウジも似てる?」

トウジ「ば、馬鹿言うなや! わしは硬派なんや!」

サキ「やれやれ」

シエル「男ってほんと馬鹿」ハァ

トウジ「なんやと!」


シンジ「行くぞ!」ダッ

レイ「今度は負けない!」ダッ

ラミエルが

ファーーーーーwwww

って言ってるようにしか見えない

【次回予告】

三体目の使徒を撃破したシンジとレイ。

彼らの前に現れる新たな少女の姿をした少女。

彼女の出現により、シンジとサキとシエルの関係にも変化が。


そんな中、人造兵器の発表に向かうミサト。

シンジの願いに答えようと開発を進める初号機。


新たな局面を迎えた時、シンジが見る景色とは。


次回:希望の未来へレディゴーーーーッ!

>>177若干わざとですw

今日はここまでです!おやすみなさい!

無粋かもしれないが

少女の姿をした少女

ってなんだよ

>>180少女の姿をした使徒でした。ごめんちゃい。

こんな時間ですが、少し続きー

ネルフ本部


初号機「………」カチャカチャ


リツコ「司令、本当に良かったのですか? 初号機を自由にして」

ゲンドウ「ああ」

リツコ「なんか碇君のために工作してるみたいですが」

ゲンドウ「心配ない」

リツコ(自分の装甲をはぎ取って素材に使ってるあたり、大丈夫じゃないと思うのだけれど……)


初号機「………」ウィィィィィン

現場作業員「あんなちっさいドリルを器用に扱うなー」


学校近辺 雨

シンジ「………」

らみ「………」

シンジ(だ、段ボールに入った少女がこっちを見ている……)

らみ「……シンジ」

シンジ「お、俺だ」

らみ「………」

シンジ(少女といっても溢れんばかりの胸に大人びた美貌、段ボールの中に座ってるから身長は分からないがおそらくレイと同じくらいだろう……)

らみ「……私を…拾って?」クゥン

シンジ「………」

ミサト・シンジ・サキ・シエル・らみの家


ミサト「はー、まさに攻守最強って感じね」

らみ「………?」プルンッ

サキ「何をすればあんなないすばでーに……」ワナワナ

シエル「ほえー、うらやましい」モミモミ

らみ「や、やめてください///」モジモジ

ミサト「反応も男心をくすぐってるわねー」アハハ

シンジ「……ミサトさん」

ミサト「分かってるわよー、さすがにこの子とシンちゃんを一緒にお風呂に入れる訳には――」

らみ「お兄ちゃんと一緒じゃなきゃ嫌です」ギューッ

ミサト「なん……だと」

シンジ「お、おい……やめろって///」

らみ「~~~♪」

サキ・シエル「」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

ミサト「でも、どっちにしろ私はしばらくここ離れるから」

シンジ「どこかへ?」

ミサト「んーちょっちねぇ。何でもエヴァンゲリオンでない人型兵器を発表するんですって」

シンジ「へー、それは熱いねぇ」

ミサト「どうかしら」

シンジ「……? なんだか気に入らないみたいだけど」

ミサト「そんなことはないんだけどね。エヴァを否定する意図が見え見えで……って大人の事情だから気にしないで」アハハ

シンジ「ミサトさん」

ミサト「?」


シンジ「いつでも頼ってくれていいから」ニコッ


ミサト「っ///」

サキ「顔真っ赤」

シエル「ミサトさん可愛い!」

ミサト「……同じセリフでも、あなたに言われると心に響くわね」

シンジ「同じ?」

ミサト「ううん、こっちの話。じゃ、行ってくるわね」

シンジ「いってらっしゃい」

シンジ「……ミサトさんがいないだけで静かだな」

サキ「つまらない?」シュン…

シエル「おしゃべりする!!」

シンジ「いや、ごめん。そういう意味じゃなくて」

二人「?」

らみ「zzz」



シンジ「俺たちはもう家族みたいなもんなんだなと思って。誰一人かけるのも苦しい」ナデナデ



サキ「………」

シエル「えへへ///」

らみ「zzz」

シンジ「さ、そろそろ寝ようか」

二人「はーい」

らみ「えへへぇ、お兄ちゃん大好きぃ」ムニャムニャ

翌日 学校


生徒たち「………」ザワッ

らみ「今日からこの学校に通うらみです! よろしくお願いします!」バインッ

トウジ「お、おお……///」

ケンスケ「い、良い!」

ヒカリ「さいってー」ジトーッ

トウジ「な、なんもいっとらんやろ!」

ヒカリ「それに比べて碇君は」

シンジ「ん?」

ヒカリ「………///」


ヒカリビジョン

綺麗なシンジ「ヒカリも魅力的だよ」ニコッ

ヒカリ「そ、そんなことないもん/// 私って地味だし…」

綺麗なシンジ「そうかな。俺には光り輝いて見えるよ」ナデナデ


ヒカリ「ぐへへ」

サキ「よだれが垂れてる」フキフキ

トウジ「わしらと変わらんやんけ」

ケンスケ「トウジ、女の子の妄想を覗くのは駄目だよ」

トウジ「それにしてもシンジの親戚はどうして美少女ばかりなんや」

ケンスケ「ちょっと納得いかないよね」

シンジ「親戚って言っても血はつながってない場合が多いけどな」

ヒカリ「シンジ君は誰が好みなの?」

シンジ「んー、そうだなぁ」

サキ・シエル・らみ「!」ピクッ

レイ「………」

ヒカリ(ここで私を……ってある訳ないじゃない)



シンジ「俺は運命の出会い以外興味ないから」



一同(この人だったらありそう……)

サキ・シエル・らみ「………」ハァ…

レイ(運命の……戦い…)グッ

帰り道

シンジ「そういえば触手が最近うずかないんだけど」

シエル「シエルも感知できなくなったから、たぶんシンジと完全に同化したみたい」

シンジ「そうか……」

シンジ(ということは、シエルの感情と触手は関係なかったということか……)

サキ「だから少し強くなったの?」

シンジ「え?」

シエル「うん、肉体強度が少し増してる気がする」

シンジ「そんなの分かるのか?」

サキ「なんとなくだけど」

シエル「たぶん今ならATフィールド出せるんじゃ……」

シンジ「えっ」

らみ「わー、お兄ちゃんかっこいー!」キラキラ

シンジ「………」グッ


――ブゥゥゥンッ!


シンジ「で、出た……」

マヤ「先輩ならJAの発表会に行きましたけど?」

シンジ「あ、そうか、そりゃそうだな」

シンジ(サキ達のことと、ATフィールドのこと聞きたかったのに……)

マヤ「あ、あの……」

シンジ「?」

マヤ「この前はごめんなさい!」

シンジ「この前?」

マヤ「あなたの頬を叩いてしまって……私、何にも分かってなかったのに」

シンジ「ああ、気合入ったんで大丈夫だよ」

マヤ「……でも、本当に心配するのでああいうのは…その……」シュン…

シンジ「あー、伊吹さん?」

マヤ「! ま、マヤと呼んでください!」

シンジ「え?」

マヤ「!! な、何でもないです!」タタタッ///

シンジ「何だったんだ?」

青葉(あれ以来ずっと上の空だったけど)

日向(そういうことだったのか……)ガーン

格納庫

シンジ「おー、すげぇじゃねぇか相棒!」

初号機「………///」テレテレ

現場作業員「いや、本当にこれはすごいですよ!」

現場作業員2「現代では数多くのパワードスーツが開発されましたけど、このレベルなら使徒と戦うこともできるかも!」

初号機「///」

現場作業員「それは言い過ぎにしても、前回戦った使徒の弱ビームくらいなら余裕で受け流すことができるでしょう!」

シンジ「人工筋肉でパフォーマンスも……1000%!?」

現場作業員「ええまぁ、でもそれほどまで力を出すとおそらく……」

現場作業員2「使用者の肉体が破壊されるでしょうね」アハハ

シンジ「ほんと、熱い奴だな相棒も」



ビーッビーッ!



シンジ「使徒!?」

ゲンドウ「シンジ」

シンジ「親父! 使徒か!?」

ゲンドウ「いや、違う」

シンジ「?」

ゲンドウ「JAが暴走を始めた」

シンジ「何だって!?」

ゲンドウ「葛城一尉が中に入って暴走を止めようとしている」

シンジ「なっ……」


ゲンドウ「このままいくと、内部の温度が上昇して――」


 一尉は、死ぬ。


シンジ「!!」バッ

現場作業員「碇君!?」

使徒たちが、人間化した時のスペックをもっと詳しくお願いします!

使徒たちが、人間化した時のスペックをもっと詳しくお願いします!

現場作業員2「テストも調整もしてないのに無茶だ!」

初号機「ぐぉおお……」オロオロ

シンジ「無茶もへったくれもあるか! 大事な人がピンチな時に使えないで、何が秘密兵器だ!」

現場作業員「………行け!」

現場作業員2「なっ!?」

現場作業員「俺たちがここから遠隔で調整する! だが700%以上は命の保証ができないぞ!」

シンジ「……お願いします!」ダンッ



カタパルト


シンジ「マヤさん!!」

マヤ「は、はいっ……ってシンジ君!? その格好は!?」

青葉「ISみたいでかっけー……」

日向「一部の人しか分からないだろそれ」

シンジ「すぐに射出してください!」

マヤ「で、でもそれはエヴァンゲリオン用の……」


シンジ「マヤ!! 俺の言うことを聞け!!」


マヤ「はいっ(はぁと)」ピッ

青葉「」

日向「」



――バシューーーーンッ!!





アーマードシンジ「うぉおおおおおおっ!!」ガショーーンガショーーンッ


マヤ「すごいスピード……」

青葉「人間業じゃねぇ……」


ゲンドウ「………」ウズウズ

冬月「心配か?」

ゲンドウ「……私の息子だ。心配ない」

冬月「………」ヤレヤレ


シンジ(ミサトさん!!)ガショーーンガショーーン


JA「………」ガションガションガション


ミサト「くっ、停まりなさいよ」ハァハァ


リツコ「より強力なエネルギー体に戦いを挑むように設計された対使徒用人型決戦兵器……どこへ向かおうっていうの?」

開発者(おかしい……使徒のデータを入れていない以上、反応しているとすればエヴァンゲリオンかそのパイロットのはずだが、エヴァンゲリオンの位置情報は知らないはず……)

リツコ「あなた、開発者ね」

開発者「あ、ああ……」

リツコ「あれはどういう意志を持っているの?」

開発者「強力な学習装置を取り付けてある。相手が強ければ強いほど、その機能を学習し自分のものとする」

リツコ「けど、あの不細工な格好じゃ使徒の動きを再現できるとは思えないけれど?」

開発者「……あれは装甲だ」

リツコ「?」

開発者「あれの中には、より人型らしい形をした兵器がある」

リツコ「まさか……」

開発者「ああ、見た目、中身、素材、全てエヴァンゲリオンをベースに作ってある」


 世界で初の完全人工エヴァンゲリオンだ。


リツコ「ミサト!」ピッピッピッ

JA内部


ミサト「リツコ!? 何よこの忙しい時に!」

リツコ「早くそこから脱出しなさい! 危険よ!」

ミサト「何言ってるのよ! どうにかしないとネルフに向かってるのよ!?」

リツコ「それは、エヴァを模倣された人造兵器なのよ!」

ミサト「それがどうしたってーの!? 形は一緒でも人が作った物じゃない!」

リツコ「だからこそよ! システムまで模倣されてるとしたら!」

ミサト「した―――きゃぁ!」ガシッ

ミサト(ケーブル!? な、何これ!?)


リツコ「それは“パイロット”を欲しがるはずよ!!」


ミサト「」グテッ

リツコ「ミサト! ミサト!?」


JA(真の姿)「………」バシュンバシュンッ


リツコ「装甲が外れて……これじゃあ本当に…」

シンジ「エヴァ……?」


JA「……ぐ、ぐぉおおおおっ」ギロッ

シンジ「こっちを見た!?」ブゥゥンッ

シンジ(まずはミサトさんを助けないといけないのに!)


リツコ「シンジ君!」


シンジ「赤木博士!?」

リツコ「中にミサトがいるの!」

シンジ「知ってます!」

リツコ「厄介なのは、ミサトがパイロットとして捕まってる可能性が高いってことよ!」

シンジ「え……」

リツコ「もし仮説があってるとしたら、神経系まで支配されてる可能性が高いわ」

シンジ「LCLに満たされてるということですか?」

リツコ「いいえ、あれはエヴァだからできることよ」

シンジ「じゃあ……まさかっ!?」



リツコ「ええ、ミサトはおそらく“直接脳にプラグを差し込まれてる可能性が高い”」



シンジ「ぐっ……」グググッ

JA「ぐぉおおおおお!!」ブンッ

シンジ「くっ!」バシュンッ

シンジ(せめて両手足を切断できれば!)

リツコ「シンジ君! もしJAの身体を切ろうとしているのなら気をつけなさい!」

シンジ「え!?」

リツコ「エヴァでさえシンクロ率が高い状態で攻撃を受ければ搭乗者に深刻なダメージを与えるわ。あの未完成なロボでは何が起きるか……」

シンジ「最悪、ミサトさんの身体が動かなくなる?」ゾク

リツコ「ええ。でも、内部の温度が上昇を続けている以上、時間もないわ」

シンジ「くっ……」

JA「ぐぉおおおおんっ!」ブンッブンッ

シンジ「くっそーーー!」ガギィィィンッ

シンジ(ど、どうすれば!?)

【次回予告】


JAに取り込まれたミサト。

JAを攻撃すればミサトの身体が、放っておけばミサトの命が危険となる。

究極の二択を迫られた時、シンジが出す結論とは。


次回:選択の時


サキ「今日はミサトがいないので私が代わりに」

らみ「さーびすさーびすー♪」プルンッ

サキ「……ずるい」

>>202>>204

サキ(サキエルの残骸)

見た目:黒髪ロングの美少女。(背は低めで貧乳。無表情が基本)
性格:淡泊。自身に心がないことを悩みとしている。
好きなもの:シンジ


シエル(シャムシエルの残骸)

見た目:オレンジ髪のツインテール(背は低めで貧乳。現在は表情豊か)
性格:ビビりで泣き虫。感情に素直。
好きなもの:シンジ


らみ(ラミエルの残骸)

見た目:青髪ロングのナイスバディ。(背は高めで巨乳。あざといと思われるくらいに媚びたような表情)
性格:天然。男心をくすぐる。攻守(見た目性格ギャップ)共に最強の少女。
好きなもの:シンジ


こんな感じです!

乙です。
ところでこのシンジ、右腕に触手入ってるなら
アダムに触れたらヤバいのか?

>>213 たぶんやばいです!(流れ的に触れにはいかないと思いますが)

それでは、続きは夜になるかと、では!

乙!
触手が可能なら、らみの残骸取り込んだら波動拳とか撃てんのかな、このシンジわ

(攻撃:暴力的なまでの肉体とエロ、防御:それを打ち消すド天然)を表現するにはこうするしかなかった……異論は認める


>>219 戦いの中でなら取り込めたかも?

続きー

JA「ぐぉおおおおおんっ!」ブンッ

シンジ「ぐっ!」ガツッ


リツコ「シンジ君!」


シンジ「ぐぁあああ!」ゴロンッゴロンッ

リツコ(いくら攻撃に優れる装甲を得たといっても、相手は巨大兵器、こちらが攻撃を受ければひとたまりもないわ!)

シンジ「く……そ…」グググ

JA「がぁああああ!」ダダダッ

シンジ「まけ……るかぁ…」ググググッ

JA「がぁあああ!」ダンッ


リツコ「シンジ君!!」


シンジ「くっ!」



レイ「たぁあああああ!」

零号機「………」ガシッ

JA「ぐぉおおおおお!!」グググッ



シンジ「レイ!」

リツコ「零号機!! 電力は!?」

レイ「………」ハァハァ

シンジ「レイ!?」

レイ「……ごめんなさい、電力を節約するために色んなところを削ったから、もう意識が飛びそうなの」

シンジ(温度調整やLCLの調整をしてないっていうのか!?)

レイ「でも……まにあ……った」フラッ

零号機「」ドサッ



初号機「ぐぉおおおおおおおんっ!!」ダンッ



JA「がぁああああ!」ズザザザッ

シンジ「相棒!!」

リツコ「また搭乗者なしで……」

リツコ(そう……ありえるというのね…)



シンジ「相棒! 俺と共にあいつを止めてくれ!」

初号機「ぐぉおおおんっ!」



リツコ「シンジ君!」

シンジ「赤木博士!?」

リツコ「こんな時のために、初号機に新しいシステムを搭載しているわ!」

シンジ「さっすが博士! 美人なだけじゃないんだな!」

リツコ「なっ///」


シンジ「よし、行くぜ相棒」グッ

初号機「………」ブゥン



シンジ「エヴァンゲリオン初号機! バーストモード!」ブゥン


初号機・破「ぐぉおおおおおおおおぁ!!」ゴゴゴゴゴゴッ

リツコ「バーストモードはあなたと初号機のシンクロ率によって変化するパフォーマンスを何十倍にも特化しているわ!」

シンジ「その代わり、シンクロ率が下がれば……」

リツコ「70%あっても、動けなくなるわ」

シンジ「俺たちの絆を信じてくれたんだな、博士」

リツコ「……悔しいけど、科学者の常識はいつもあなたみたいな人に打ち破られるものなのよ」

シンジ「……よし、行くぞ相棒!」ダンッ

初号機・破「ぐぉおおおおおっ!」ガシッ


エントリープラグ内

シンジ「いつもよりLCLの濃度が濃いような気がする」

マヤ「だからこそ気を付けてください」

シンジ「ああ、心配無用!」グイッ

初号機・破「ぐぉおおおおおおおおお!」ダンッ

マヤ「シンクロ率95%、バーストモードレベル5に移行!」

日向「レベル5に移行!」カチャカチャ




初号機・破「がぁああああ!」ブゥンッ

JA「ぐぁあああああ!」ブゥンッ



――バチバチバチッ!



シンジ「ぐぅっ!」

リツコ「そんなっ! バーストモードの拳を受け止めるなんて!」

シンジ「博士! なんか必殺技はねーのか!」

リツコ「! (ファーストインパクトは相手の装甲を貫く……危険ね)」


リツコ「出力は劣るけど、疑似的にセカンドインパクトを放つことができるわ!」


シンジ「そりゃあ良い!」

リツコ「ただし、電気供給のない今、あなたたちは何を消費して動いてるか分からない!」

シンジ「命の危険があるということか……」


JA「………」ユラッ

ミサト「」


シンジ「……ここでビビっちゃ男じゃねーだろ!」

初号機・破「ぐぉおおおおおおおんっ!」



ミサト(私は……いったい…)


意識下

ミサト(幼女)「おとーたん!」タタタッ

ミサト「おとーたん!」タタタッ

ミサト「おとーたん!!!」コケッ


ミサト(少女)「………」

ミサト「……一人ぼっち」

ミサト「……うっ…ぐすっ…」


ミサト(大学生)「ちょっと加持!」

ミサト「りょーちゃん……」

ミサト「う、うぅ……」


ミサト(現在)「私……は…」



「ミサトさん!!」



ミサト「だ、れ?」

シンジ「ミサトさん!」グイッ

初号機・破「ぐぉおおんっ!」ガンッ

JA「ぐぉおお」フラッ


ミサト「あ……なた…だ…れ?」

シンジ「!? 意識が!?」

リツコ「いいえ! 戦いが不利だと認識したJAはミサトを人質にするつもりよ!」

シンジ「じゃあ、これは操られているということか!?」

リツコ「おそらく意識が混濁している状態よ! だから、あなたのことも認識できない!」

シンジ「……でも、ミサトさん本人なんだな」

リツコ「え、ええ……」


ミサト「や、めて……こわ…い」


シンジ「………」

ミサト「わた……しは…よわい……から…ゆるし…て」

JA「………」

シンジ「………」ゴゴゴゴゴゴ

ミサト「あなた……と…たたか…い……たく…ない」

シンジ「………」ゴゴゴゴゴゴ

ミサト「み…のが――」



シンジ「うっせぇえ、偽者が!!」ビシッ

初号機「ぐぉおおおおんっ」ビシッ



リツコ「なっ!?」

シンジ「ああ、そうだ。てめーは偽者だ」

ミサト「な……にを? わたしは……みさ…と」


シンジ「俺の知ってるミサトはガキに弱音吐いたりしねーんだよ!」


ミサト「………」

シンジ「確かにすぐ泣くし酒に弱いしガサツだし、とても強い人間じゃねぇ」

ミサト「……じゃあ」


シンジ「それでも! 俺の前では母親であり姉であり大人であろうとしてくれた人だ!!」


ミサト「!」

シンジ「そんな美人で大人で優しいミサトが、こんな奴に負ける訳がねぇ!」

ミサト「わ……たし…は……」


シンジ「目を覚ませよミサト!! またいつものように俺に対して強気で来いよ!!」

ミサト「……う、うぅ……」



シンジ「こんの……」



 年増ババア!!




ミサト「………」

シンジ「くっ……駄目か…」

ミサト「……れが…」

シンジ「!」


ミサト「だぁれが年増ババアよこのクソガキぃいいいい!!」

JA「ぐぉおおおおおおお!!」シュンッ


シンジ「はやっ!?」

ミサト「大体年増もババアもおんなじ意味じゃない!!」ブンッブンッ

JA「がぁあああ!」バキッドカッ


シンジ「ぐはっ!」

初号機「………」ドサッ


シンジ「相棒!? なんで!?」

初号機「………」ツーン


マヤ「シンクロ率40%! 初号機動けません!」

シンジ「相棒!」

初号機「………」プイッ


ミサト「ふ、ふふふ……」

シンジ「あ……」

ミサト「初号機、シンジ君を出しなさい」

初号機「………」スッ

シンジ「うえぇええ!?」ジタバタ


ミサト「初号機の方が女心が分かったみたいね」ゴゴゴゴゴ

JA「ぐぉおおおおんっ」


シンジ「や、やめろぉ!」

ミサト「あなた、年上の私を呼び捨てにした挙句、謂れのない悪口を皆に聞かせ、しまいには年増ババアって言ったわね」

シンジ「い、いわれのないって、事実じゃねーか!」

ミサト「はいはい、子供の言葉を真に受けるほど私は器の小さい女じゃないわ」

シンジ「………」ホッ


ミサト「ただ、教育者としてあなたを構成する必要はありそうねぇ!!」グイッ

JA「ぐぉおおおんっ」ブンッ


シンジ「うぇえええ!?」





ミサト「百万光年反省してきなさぁああああい!」グイッ

JA「ぐぁあああああああ!」バキッ



シンジ「そんなぁああああ! あんまりだぁあああああ!」ヒューーーーンッ



リツコ「」

ネルフ職員「」

ミサト「あー、すっきりした」ふーっ


マヤ「JA……活動を停止しました…」


シンジ・ミサト・サキ・シエル・らみの家


シンジ「………」プクーッ

ミサト「まぁまぁ、結果オーライじゃない」

シンジ「納得いかねー」

ミサト「………」

シンジ「……?」

ミサト「シンジ君」ギュッ

シンジ「なっ/// 何すんだよ!」

ミサト「本当に……ぐすっ…ごめんなさい……」ポロポロ

シンジ「……別に」

ミサト「私……心細かった…寂しかった……怖かった……」ギューッ

シンジ「……ミサトさん…」

ミサト「ずっと、ずっと……ずーっと孤独なんじゃないかって…誰も助けに来てくれないんじゃないかって…そう思ったの」

シンジ「んな訳あるかよ……」

ミサト「んぐっ、……そうね。あなたがいるものね」エヘヘ

シンジ「………そうだよ///」プイッ

ミサト「ねぇ、一つ聞いてもいい?」

シンジ「……何?」



ミサト「私のこと、美人で大人で優しい良い女だって、そう思ってくれてるの?」ジッ///



シンジ「………っ」

ミサト「どう……なの?」

シンジ「そ……れは…」

ミサト「………///」

シンジ「………///」




 ―――。




ミサト「!」

らみ「も、もう限界なのらーーー!」ガタンッ

シンジ「へ?」

サキ「倒れるー」ドサッ

シエル「わーーー、こけちゃったー(棒)」

シンジ「お、お前ら!」

悩んでる時点でもう心はある、と誰か教えてあげてくれ
情動薄いだけよな

>>209-210
開発者に話を聞いたはずだけど
脳にプラグ直接云々も開発者が言ってたということ?
そんな非人道的なシステムに開発許可下りるんだろうか……

サキ「……二人きり、駄目」

シンジ「あ、ああ、年の差があるとは言え男と女だもんな」

ミサト「あら、私のこと女として見てたんだ」クスクス///

シンジ「そ、それは!!」///

らみ「らみのことも女としてみてるのー!?」ボインッ

シンジ「うっ///」ゴクリ

シエル「シエルだって、シンジ好きなのにー!」ギューッ

ミサト「あらあら、モテ期ね」

シンジ「い、いい加減にしろーーー!」

風呂

ミサト「………」チャプッ


シンジ『……あんたほど良い女を俺は知らねーよ…』


ミサト「………」ブクブクブク///

ミサト(うぅ……何でシンジ君と同い年じゃないんだろう……)

ミサト「って、何乙女みたいなこと言ってんの私は!?」ザバァッ

サキ「……ふさふさ」

ミサト「なっ///」

シエル「今日はミサトと一緒に入るんだよー!」

ミサト「…そ、そう……」

サキ「シンジが、“家族だから”って」

ミサト「………うん、そうね。一緒に入りましょう」グスッ

サキ「泣いてる?」

ミサト「ううん、目にお湯が入ったのよ」


らみ「わーーーーい、ミサトと一緒にお風呂だーーーっ」ボインボインボイン


ミサト「」



 その夜、ミサトはシンジとらみの混浴を禁ずるが、納得せず暴れまわるので許可をだすのであった。。。



続く。。。

【次回予告】


 三体目のエヴァンゲリオンを迎えに行くシンジとミサト。

 二人の前に流星のごとく現れるエヴァ弐号機のパイロット。

 今まで対応したことのない相手に戸惑うシンジ。


 そんな中、サキの中で変化が起きる。

 それは吉報か、凶兆か。


 次回:首輪


 

>>237 もちろん、そこにも“あいつら”が関わっています。


次回、皆大好きな新キャラ搭乗! 期待して待っててねぇん!

では、少し離れます。

らみが変形ってことは、新劇か

>>251 新劇旧劇漫画混ざってます!

それでは、衝撃の展開がまっている続きですー



シンジ「そういえば、今から迎えに行くっていうセカンドチルドレンってのは、どういう奴なんだ?」

ミサト「そうねー、強いて言うならエリートってところかしら」

シンジ「エリートか……合わないだろうな」

ミサト「それは、まぁそうでしょうね」ハァ…

サキ「私もついてきて大丈夫だった?」

シンジ「おう、かまわねーぜ」

ミサト「もちろんよ」

サキ「……うん」パタパタ

ミサト(足パタパタさせて、可愛いんだから)クスクス

シンジ「……おー、海だ」

サキ「赤い……」

ミサト「港には物が多いから気をつけてねん」

シンジ「……で、どこにいるんだ?」

ミサト「えっと、たしかこの辺に……」



??「葛城一尉!」



ミサト「あ、いた!」

シンジ「……男?」

サキ「………」




シン「ご無沙汰しております、式波=シン=エーカーただいま到着しました!」

ミサト「ほんっと、相変わらず硬いわねー」

シン「仕事中ですから!」

シンジ「………」

ミサト「えっと、紹介するわね。彼が――」

シン「貴様が碇シンジか?」ギロッ

シンジ「……ああ、だったらどうする?」

シン「ネルフのため、ここで叩きのめす!!」ダンッ

ミサト「ちょっと!?」

シンジ「……ちょ、ちょっとまて!」サッ

シン「貴様に弁解の余地など与えん!」ダンッ

シンジ(その踏み込み……本気かよ!)ブンッ

シン「ふんっ、対人戦は不得手と見える!」グッ

シンジ「くっ……(そりゃあ山では熊やイノシシ相手にしてたからな!)」

シン「貴様のような規律を乱すものが、この世界を破壊するとなぜ気づけん!!」ブンッ

シンジ「あぶなっ!?」サッ

シン「ちっ、よけるな!」

シンジ「む、むちゃくちゃな!」


サキ「放っておいて大丈夫?」

ミサト「……無駄でしょ、止めても」

??「………」


シン「世界の秩序を乱す者は死ね!!」ダンッ

シンジ(やばい!?)




アスカ「ちょーーーーっと待ったぁああああ!!」ガンッ

シン「」



シンジ(か、かかとおとし……白のパンツ……)ドキッ

アスカ「アンタたち! この私を無視してじゃれあうなんて何考えてんのよ!」フンッ

シンジ「!!」ドキッ

アスカ「……ん?」チラッ

シンジ「……う…」

アスカ「う?」

シンジ「……う…」



 ――運命の、人だ。



ミサト「彼女が惣流=アスカ=ラングレー、エヴァンゲリオン弐号機パイロットのセカンドチルドレンよ」

アスカ「ふんっ、あんたがナナヒカリね、でかい態度してくれちゃって!」フンッ

シンジ「アスカ……」ギュッ

アスカ「なっ!?///」

サキ「!!」

ミサト「あら」

シンジ「俺は……お前に会うために生まれてきたのかもしれない」

アスカ「ちょ、ちょっと離れなさいよバカァ!!」

シンジ「あ、ああ、すまんっ」

ミサト「あのシンジ君が……惚れた!?」ガーン


シン「……くっ…」フラフラ


アスカ「やーっと起きたって訳ね。このぼんくら」

シン「だ、誰にやられたと思ってるんだ、アスカ」

ミサト「シンは弐号機の予備パイロットとして、ネルフに配属されたの」

シン「ふんっ、貴様のような親の力を使った軟弱者と一緒にするなよ」

シンジ「……ぶっ飛ばす」

シン「やれると思ってるのか?」スッ

アスカ「あんた達ってホントバカね!!」

二人「……え?」シュン…

アスカ「私が来たからには、あんたもあんたも用無しよ! わかってんの!?」フフンッ

シン「………」クッ

シンジ「俺はそれでもいいかも……」

シン「ところで、そこにいる少女が、使徒の残骸か?」

サキ「!」

シンジ「おい」

アスカ「汚らわしい。早く処分しちゃいなさいよね」

ミサト「アスカ! シン!」

シン「我々は使徒を倒すのが役目、違いますか?」

ミサト「それは……」

アスカ「大体あんた達が緩みまくってるから、こんな事態になってんじゃないの?」

シン「まったくだ……」

ミサト「………」チラッ

シンジ「……サキ、行くぞ」

サキ「………」

ミサト「ちょっとシンジ君!?」

シンジ「悪い、二人で観光してから帰るわ」

シン「また規律を乱すような……」ギリッ

アスカ「放っておきなさいよ。どうせあいつの居場所なんてなくなるわ」

ミサト「………」

電車

サキ「………」

シンジ「悪いな、本当ならぶっ飛ばすべきだったんだが」

サキ「……良い。あの人たちも仲間」

シンジ「……ああ」

サキ「………」

シンジ「………」



サキ「私――「家族だ」



サキ「………」

シンジ「サキは俺の大切な家族だ」

サキ「………」

シンジ「………」

ネルフ


シン「ただいま到着しました!」

アスカ「………」

ゲンドウ「うむ」

冬月「長旅で疲れただろう。今日はゆっくりと――」


シン「いえ、それより一つ質問してよろしいでしょうか!」

ゲンドウ「?」

シン「あの使徒の残骸を処分しない理由です!」

ゲンドウ「!」

冬月(とうとうこの時がきたか……)


アスカ「何のメリットもない、ただただ危険な奴らを野放しにしとくってさすが日本人よね」

ゲンドウ「それは……」

シン「お答え……願えますか?」

ゲンドウ(やばいどうしよう、答えようによってはシンジにぶっ飛ばされる……)ダラダラダラ

冬月(考え時だぞ……)

シンジ「ただいまー」

サキ「ただいま」

シエル「………」

らみ「………」

シンジ「シエル? らみ?」



シン「やぁ、遅かったじゃないか」

シンジ「お前っ!」

アスカ「もう少し遅かったら、“教育”が終わるところだったのに」

シンジ「教育……?」



シエル「しん――「誰が喋っていいと言った?」ピッ



シエル「きゃぁああああああ!!」バリバリバリバリ

シンジ「シエル!!」

アスカ「おっと、あんたはそこで立ってなさいよね」

シンジ「シエルにしていることをやめろ!」

シン「ふん、君に命令される筋合いはないのだけれどね」ピッ

シエル「……はぁはぁ…」ガクガク

シンジ「………」ギリッ

シン「聡明な君のことだから、察しはついているだろう」

シンジ「……首輪にはそんな機能がついていたのか」

アスカ「あったりまえじゃない! だれが手放しで敵を置いておくと思ってるのよ」

シン「私たちは人類の未来のために、どこまでも妥協するわけにはいかない!」

シンジ「その結果が……これか」ゴゴゴゴゴ

シン「ふん、お優しい日本のネルフ職員は、任務を放棄してでもこいつらを守ろうとしていたようだね」

アスカ「案外こいつが怖かったんじゃない?」

サキ「シンジは怖くない」

シン「ふん、君にも首輪はついてるんだよ?」ピッ

サキ「きゃあぁあぁぁぁぁあああ!?」ビリビリビリビリ

シンジ「やめろ!!」

シン「嫌だね」

アスカ「使徒なんて怖いもの、教育しなきゃ近くに置いておけないわ」

シンジ「………」

シンジ「………」ダンッ

サキ「あ……」ビリビリ


アスカ「シン」

シン「無駄なことを」ダンッ


シンジ「うぉおおおおおお!!」ブンッ

シン「君がいくら吠えようと」ガシッ

シンジ「なっ!?」

シン「鍛え抜かれた私には一生敵わない!!」グイッ

シンジ(一本背負い!?)


サキ「………ぁ…」ビリビリビリ

サキ(私は……大切な人が傷つけられようとしている時も…)

サキ「感情を出すことも……できないの?」ビリビリビリ


シエル「シンジ!!」

らみ「しんじ!!」


シンジ「くそったれ!!」ダンッ

シン「なっ、壁を蹴っただと!?」


――ばきっ!!


シン「つっ!?」ガタンッ


シンジ「………」

シン「ふ、ふんっ、少しはやるようだね。だけど、私はこの程度では――」

シンジ「うるさい」ドカッ

シン「ごほっ」

アスカ「!」

シンジ「お前らがサキたちを嫌悪するのは仕方ない部分がある」

シン「ふ……ふん、当然だ。いったい何人の同朋がこいつらに――」

シンジ「使徒は何も感じないとでも思ってるのか?」バキッ

シン「ぐはっ!?」ドサッ

シンジ「サキもシエルもらみも! お互いが傷つけられて悲しんでいる! 苦しんでいる!」

シン「そ、そんなこと――」

シンジ「何も分からねー癖に、でしゃばんじゃねーよ!!」バキッ

シン「ぐぅううう!」ドサッ

シンジ「これがスイッチか」ピッ


サキ「はぁっはぁっ」ドサッ

シエル「サキ!」ギューッ

らみ「サキ!」ギューッ

サキ「はぁはぁ……大丈夫」


シンジ「………」

アスカ「な、何よっ、私は考えを変える気はないわよっ」フンッ

シンジ「俺だって考えを変える気はない」

アスカ「ふんっ、精々使徒と仲良くやればいいじゃない!」

シンジ「……あんたが俺の運命の相手だって、今でも本気でそう思ってる」

アスカ「なっ///」

シンジ「本気だ」

アスカ「……ば、ばっかじゃない! あんただって私のことなーんにも知らないくせに!」

シンジ「ああ、だからアスカのことが知りたい」

アスカ「なっ!! だ、だれがファーストネームで呼んでいいって言ったのよ!」

シンジ「そうか、そうだった。悪いえっと……」

アスカ「……なんか気にしてたら私がばかみたいじゃない! アスカで良いわよ!」フンッ

シンジ「わかった」


シン「……ふん、今日はここで引いておくが、決して貴様らの存在を認めたわけじゃないからな!」


アスカ「……かっこわる」

シン「くっ……」

シンジ「みんな、大丈夫だったか?」

サキ「………」コクリ

シエル「ふぇえええん、怖かったよーー」ギューッ

らみ「らみもぉおおおお!」ギューッ

シンジ「悪かったな。あいつらも悪意があったわけじゃないんだ」

シエル「ふぇえええええ!」ギューッ

サキ「………」

シンジ「サキ……」

サキ「……お風呂、入る」

シンジ「あ、ああ……」

ネルフ本部 運動施設


シンジ「それで良いんだな」

シン「ああ、私が負けたら大人しく引き下がろう」

シンジ「俺が負けたら、サキたちを……」

シン「ドイツ支部の研究所へ引き渡してもらう」

シンジ「………」チラッ

サキ「信じてる」コクリ

シエル「負けないで!」

らみ「がんばれー!」


シンジ「わかった、受けよう」


アスカ「……使徒のために…ばっかみたい」フンッ

アスカ(私のことを運命の相手って言っておきながら、あいつら優先じゃないっ)イライラ

シン「それじゃあ、勝負はどちらかが参ったというまででいいかい?」

シンジ「……ああ、それでいい」


シン(私は特殊部隊の父の遺伝子とIQ200以上ある母の遺伝子をもって生まれた選民! 生まれてからも様々な訓練によって肉体を精神を高めた! 貴様のような日本人には負けん!)スッ

シンジ「……一つ聞いていいか」

シン「なんだ」

シンジ「お前……誰かが泣いているところを見たことがあるか?」

シン「……ない。涙など弱い人間の流すものだ」

シンジ「そうか、分かった……」

シン「それでは、行くぞ」

シンジ「ああ」


シン「たぁああああ!」ダンッ


シンジ「遅い!」バンッ

シン「なっ!?」ゴホッ


アスカ「なぁ!?」

アスカ(最初に戦った時も、あいつの家で戦った時も、実力は拮抗していたはず!?)

シン「な……ぜ…」ドサッ

シンジ「………」

シンジ「勝負あり、だな」

シン「……くっ…そ…」

アスカ「納得いかないわ!」

ミサト「それは、シンが手加減してもらってたからよ」

シン「!?」

アスカ「はぁ!? あんだけ侮辱されて!?」

ミサト「シン、アスカ、恥を知りなさい」

シン「!」

アスカ「なっ、何でよ!」


ミサト「シンジ君はずっと、あなたたちを仲間として接してきたの! 仲間に本気を出せるわけないじゃない!」


シン「!!」

アスカ「なか……ま」

ミサト「あなたたちがエリートで、期待を背負って生きてきたのは分かってる。けどね、仲間にはそんな肩書は必要ないの」



 共に信じあう。それだけで十分なのよ。



アスカ「共に……」

シン「信じあう……」

つかシンって誰?何に出てくる?アニメと新劇位しか知らんのだが。

シンジ「……コーヒーで良いか?」

シン「ああ……」

シンジ「………」

シン「………」

シンジ「………」

シン「シンジ……」

シンジ「ん?」

シン「私は、今まで甘えは罪だと教わってきた。甘えは堕落への一歩だと」

シンジ「………」

シン「規律を乱すことは甘えだ。敵に情けをかけることは甘えだ。……そう思ってきた」

シンジ「………」

シン「私は間違っていたのだろうか」

シンジ「……そうだな、間違ってはいねーんじゃねぇか?」

シン「!」

シンジ「敵を見逃せば大切な誰かが殺されるかもしれない。規律を乱せば裏切り者が現れるかもしれない。先人達は失敗に失敗を重ねて、その考えにたどり着いたんだろう」

シン「シンジ……」

シンジ「だが、それじゃあいつ人は分かり合える? いつ許しあえるんだ?」

シン「!!」

シンジ「お前は強い。先人達よりも強く、高貴で、純潔だ」

シン「………」

シンジ「だったら、お前の代から世界を変えることもできるんじゃねーのか?」

シン「世界を……変える…」

シンジ「ああ、人が信じあえる。真正面から向き合える世界に」

シン「信じあえる……世界…」

翌日 ネルフ本部


アスカ「はぁ!? ドイツに帰る!?」

シン「ああ、私はまだまだ修行が足りなかったようだ」

ミサト「あらあら、だれに感化されたのかしら」クスクス

シン「………///」

シンジ「シン……」

シン「勘違いするな。私は己の未熟さを知っただけだ。貴様に影響されたのではない」

シンジ「ああ、そうだな」

シン「アスカ。油断するな。この男は人の好さそうな顔をして、実に狡猾だ」

シンジ「なっ」

アスカ「わかってるわよ、そんなこと」

シン「ふっ、では、失礼する!!」バッ



ゲンドウ(あれ、帰っちゃったよ……?)

冬月(まぁ予備パイロットだし、いいんじゃないか?)



ミサト・シンジ・アスカ・サキ・シエル・らみの家


シンジ「あ、アスカ住む!?」

ミサト「ええ、そうよん。エヴァのパイロットとして使徒のことをもっと知りたいんですって」

アスカ「というわけだから、精々尽くしなさいよね!」

シンジ「お、俺はうれしいけど」チラッ

アスカ「みんないいわよね?」ジロッ

シエル「は、はいっ!」

らみ「大丈夫れす!」

サキ「問題…ない」コクリ

シンジ「………」ハァ…

アスカ(あんたのあの言葉が本気なら、精々証明してみなさい!)


>>275 ライバルっぽい話を出したかっただけです。後式波という名前と。
もうほとんど出てこないので、気にしないでください。
ちなみにモデルはあのグラハムさんです。


続きー

ミサト「はぁ!? 加持が帰ってきてるですぅってー!?」

リツコ「落ち着きなさい、未練たらしいわよ」

ミサト「だだだ、だれが未練なんかっ!」

シンジ「加持って誰だ?」

ミサト「だ、だれでもないわよ! あんな適当男!」

リツコ「ミサトの元カレよ」

シンジ「えっ」ガーン

ミサト「あ、あからさまにショック受けないでー!!」

シンジ「未練があったなんて……」

ミサト「な、ないわよぉ!!」


加持「へー、ないんじゃんよ?」


三人「!?」

加持「よっ、久しぶりじゃんよ」

ミサト「ででで、出たわね! 怪人適当男!」

加持「おいおい、あんなに愛し合った仲じゃんよ」

ミサト「だ、黙れ!! 子供の前でなんてことを!?」

シンジ「………」

加持「碇シンジもミサトの夜のごはぁっ!」ガキィンッ

ミサト「ふーーーっふーーーっ!!///」


シンジ(なんか妬けるな……)ハハ…


びーーっびーーっ!


シンジ「使徒!?」

アスカ「やーーーっと私の出番ね!!」ダダダッ

ミサト「総員戦闘準備!!」

一同「はいっ!!」

格納庫


シンジ「えっ、ビームによる搭乗が可能になった!?」

初号機「………」グッ

シンジ「くーーーっ、さいっこうだぜ!!」

レイ「うらやましい」チラッ

零号機「………」ダラダラダラ

アスカ「何よあいつらはしゃいじゃって」

弐号機「………」

アスカ「私が一番うまくエヴァを使いこなせるんだから」


ミサト「レイは後ろでサポート! アスカを前衛、シンジ君は中衛で一気に畳みかけるわよ!」


シンジ・アスカ・レイ「「了解!」」


冬月「エヴァが三体とも無傷だとは、予定外だな」

ゲンドウ「ああ」

冬月(さて、これをゼーレはどう見るか……)

地上


弐号機「………」ガションッ

零号機「………」ガションッ

シンジ&初号機「………」ガションッ


アスカ「なんであいつ外にいんのよ!? つかカタパルトに生身で乗ってたの!?」

ミサト「違うわ。彼はパワードスーツを着ているの」

アスカ「パワードスーツ……日本にはそんな技術があったの?」

ミサト「いいえ、初号機が作ったのよ」

アスカ「」


レイ「パワードスーツ……うらやましい」

零号機「………」ダラダラダラ


シンジ「よし、行くか初号機!」

初号機「ぐぉおおおおおおん!!」


ミサト「作戦開始!!」



使徒(イスラフェル)「………」スイーッ


アスカ「いたいたぁ! 私の獲物ちゃん!」

ミサト「アスカ! 相手の動きが読めないわ! 十分に注意して!」

アスカ「わかってるちゅーの!」

シンジ「アスカ! 後ろは任せろ!」

アスカ「はぁ!? このアスカ様が失敗するって言うの!?」

シンジ「そんなときのための仲間だ!」

アスカ「暑苦しいやつ!」

アスカ(何よ! 私が成功することを信じてくれないわけ!?)グイッ

弐号機「………」ダンッ


アスカ「たぁあああああああ!」

弐号機「………」ゴォオォォオッ


使徒「………」



―――ザンッ!!


マヤ「使徒分断されました!」

ミサト「やった!」

アスカ「アスカ様の手にかかれば、こーんなものよね」フフンッ

シンジ「………いや、まだだ!」

アスカ「え!?」

使徒×2「………」

アスカ「ぶ、分裂ぅ!?」

使徒1「………」バキッ

アスカ「きゃぁああああ!?」

シンジ「あぶねぇ!」バッ

使徒2「………」ドガッ

シンジ「くっ……負けるか……」グググ



マヤ「シンジ君、使徒の攻撃を受け止めてます!」

青葉(シンジ君が一番化け物なんじゃねーか?)



アスカ「あんた! 危ないじゃない! 逃げなさいよ!」

シンジ「はっ、大切な人を守れずして、何がヒーローだ!」

アスカ「なっ///」

アスカ(日本人のくせに!)

レイ「こっちは任せて」ブンッ

使徒1「………」サッ

アスカ「見かけによらず荒っぽいのね」

レイ「男なら拳で語らなきゃ」

アスカ「女じゃない!!」

シンジ「来たぞ!」

使徒2「………」ブンッ

アスカ「そう何度も食らうかっちゅーの!!」


―――ザンッ!!


シンジ「よ……し?」

使徒×2「………」

シンジ「さらに増えたぁ!?」

レイ「こっちも」

使徒1・2「………」


ミサト「合計四体ですって!?」

リツコ「それぞれが自立稼働するなら、相当厄介ね」


使徒1「………」バキッ

レイ「くぅうぅうう!」

零号機「………」ばしゃんっ

シンジ「レイ!」

アスカ「きゃぁあああ!」

弐号機「………」ばしゃんっ

シンジ「アスカ! くそっ、エヴァンゲリォオオオオオオンッ!!」


初号機「ぐぉおおおおおおおおんっ!」ピカーーーッ


シンジ「……これが、光によるテレポート的搭乗方法……」ゴクリ

シンジ(かっけー……)ドキドキ



使徒×4「………」

シンジ「あ……」

司令室

ゲンドウ「無様だな」

シンジ・アスカ・ミサト・レイ「………」シュン…

ゲンドウ(よしっ、初めて優位に立ててるぞ!)

冬月「それで、今後の展開だが……」

リツコ「計算上では、あと5日ほどで活動を再開するかと」

ミサト「五日もあるのね……」ニヤリ


アスカ「嫌な予感……」

レイ「熱い予感……」


シンジ「次こそは勝つ……」

【次回予告】


 分裂する使徒を前にあっけなく敗れた三人。

 使徒四体を同時に相手にしなくてはいけない彼らに、とんでもない命令が下る。

 それは、四体目の兵器JAの投入だった。


 中学生三人に年増ババア一人。


 ちぐはぐなチームに使徒は倒せるのか。

 そんな中、サキはある決断をする。



次回:マリオネットの糸



 それじゃあ次回もさー……って誰が年増ババアよ!!

 おっぱい垂れ下がってるのだー!

 ちょ、らみちゃん!? ど、どこもんでっあっ///


 次回もまた見なさいよねっ!


お風呂入って寝ます。だんだんキャラがあふれてきました。。。では

ネルフ本部

ミサト「ほえ?」

冬月「これは決定事項だ。葛城一尉」

ミサト「ちょちょちょ、ちょっと待ってください!」

リツコ「そうよ、使徒は待ってくれないわ。分かってるなら早く準備してちょうだい」

ミサト「ぬぁっ!? あ、あんたは他人事だとおもってーーー!?」

ゲンドウ「葛城一尉」

ミサト「はい」


ゲンドウ(シンジが喜ぶ機能を取り付けたんだ)

ゲンドウ「………何でもない」


ミサト「………」ハァ…

女子更衣室


ミサト「え、ちょっとやだ、プラグスーツって身体にフィットするんじゃないの!?」

リツコ「あなたが体重を虚偽申告したせいね」

ミサト「」

リツコ「ちょっと貸してみなさい」グイッ

ミサト「うひゃっ、や、やめてぇ!?」

リツコ「わがまま言わないの! いい年して!」

ミサト「いい年……」ガーン


アスカ「ほーんと無様ね」


ミサト「……は、入った……」ハァハァ

リツコ「……あなた、胸大きくなってない?」

ミサト「そ、そうかしら?」ボイン

リツコ(これはリョウちゃんが見たら……)

格納庫


アスカ「ぷっ、あははははっ!」ジタバタ

ミサト「うぅ///」プルプル

レイ「………」

加持「こりゃあ、今夜は燃えそうだ」

ミサト「はぁ!? こっち見るな変態!」

シンジ「……ミサトさんってスタイル良いよな」


一同「!!」


ミサト「し、シンちゃぁん」ウルウル

アスカ「ちょっとぉ! 浮気する気!?」

加持「おや、二人は付き合ってたのかな?」ニヤニヤ

シンジ「そうなのか?」

アスカ「ち、違うに決まってんじゃない馬鹿! でもなんかむかつくのよ!」プイッ

ミサト「……ごめんねシンちゃん。私がもう少し若ければ……」

シンジ「ミサトさん。綺麗な人は年を重ねるごとに魅力が増すんだよ」

ミサト「うぅ……じんぢゃん…」ポロポロ

加持「………」ムッ

アスカ「………」プクーッ

ミサト「それにしても、JAの姿が前に戻ってるじゃない」

リツコ「ええ、外骨格に排熱機器を取り付けてるの」

シンジ「熱がやばいのか?」

リツコ「そうね。バッテリーは最新式のものだから、活動時間自体は弐号機や零号機よりも多いけど、おそらくコックピットが限界に達する時間はそれよりも早いわ」

ミサト「活動限界に達したらどうしたらいいの」

リツコ「一応脱出装置を取り付けてるから、それで脱出してちょうだい」

ミサト「」

シンジ「でも、どうしてそんなにも熱が……」


リツコ「これは私も信じていないのだけれど……」


ミサト「?」

リツコ「JAに取り付けられた人工知能があの時の戦いでふぐ……進化したみたいで」

ミサト「今不具合って言わなかった?」ジトーッ

リツコ「さぁ?」



リツコ「好きになったみたいなの」


ミサト「え?」

アスカ「誰を?」

リツコ「ミサトを」

ミサト「………」

シンジ「………」

加持「………」

アスカ「………ぷっ」



ミサト「……はぁあああ!?」



アスカ「あはははははは!! さっすがミサトね!」バンバン

リツコ「心配しないでちょうだい。ミサトの人格をインプットしている以上、あれは自己愛に近いから」

ミサト「それはつまり……」

加持「ナルシズム、つまりミサトはナルシストだったということか」

ミサト「ぬぁっ///」

アスカ「ひーーーーっ」バンバンバン

シンジ「………」

ミサト「……うぅ…」



レイ「私は、いいと思う」



一同「!」

レイ「私は……自分を好きに…なりたい」

ミサト「レイ……」

アスカ「……そうね、私だって自分が一番と思ってるんだし、実際一番だし。自己愛は持ってるかもね」

シンジ「そもそもミサトさんは自分のことをもっと自信持っていいと思う」

ミサト「シンちゃん///」


加持「俺はミサトのこと大好きだぞ」アセアセ


ミサト「ふーーん」ケッ

加持「」

作戦会議


アスカ「それで、実際の所どうすればいいのよ! 四体四だからって勝てるってーの!?」

ミサト「問題はそこよね。リツコは四体同時撃破じゃないと倒せないって言ってるし」

レイ「四人が心を合わせれば……」

アスカ「そーんなことできるんなら人間は世界で一人で十分だっつーの!」

シンジ「……俺が囮になるってのはどうだ」

ミサト「却下」

レイ「駄目」

アスカ「百万年早いわ」

シンジ「一番現実的だろ!」

ミサト「シンジ君。現実的というのは、全員が帰還できる方法のことを指すのよ」

シンジ「俺は死ぬ気は――」

ミサト「あの子たちを目の前にして、同じことを言えるの?」

シンジ「………」

ミサト「幸い時間はまだあるわ。私が作戦を練っておくから、各自待機してなさい」

三人「………」コクリ

どこか


加持「本当にいいのかい?」

サキ「………」コクリ

加持「こんな何にも信用できそうにないおじさんだよ」

サキ「ミサトを悲しませるようなことはしない」

加持「………」ポリポリ

サキ「その代わり――」


加持「ああ、絶対に二人には手出しさせないし首輪も外してみせる」


サキ「……お願い」

加持「……だが、どうして君が犠牲になる必要がある? 使徒は仲間意識が強いのか?」

サキ「……ないから」

加持「ない?」



 私には心が、ないから。



加持「………心、ね」

休憩室


アスカ「ちょっと、膝枕くらい柔らかくしなさいよ!」

シンジ「いや、そうは言っても筋肉だし」

アスカ「ほんっと使えないわね!」

レイ「ずるい」ポフッ

シンジ「お前ら……緊張感足りねーんじゃねーか?」

アスカ「……馬鹿ね。コミュニケーションをとってシンクロ率を上げるんじゃない」ボソッ

レイ「同じく」

シンジ「………」ナデナデ


アスカ(安心する……。男の人にこんなの感じるの初めて……)


レイ「シンジ」

シンジ「ん?」

レイ「アスカのこと本当に好きなの?」

アスカ「ぶふっ!」

シンジ「ああ、本気だ」

アスカ「ちょ、ちょっといきなり何よ!///」


レイ「じゃあ、私のこの想いはどうしたらいい?」

シンジ「え?」

アスカ「あんた、このナナヒカリのこと好きなの?」

レイ「分からないわ」

アスカ「分からないってあんたねぇ!」


レイ「分からないけど、この初めての気持ちは……あなたに向いてる」


シンジ「レイ……」

アスカ「ふんっ、あんたがどう思っても、こいつはあたしに惚れてるのよ!」

レイ「でも、人は変わる」

アスカ「はぁ!? あんた自分の好きな人が簡単に心変わりするような人間だと思ってる訳ぇ!?」

レイ「思わない」

アスカ「だったら!」

レイ「でも、変われる」

アスカ「………ふんっ、勝手にすればいいわ!」


シンジ(なんだかなぁ……)ヤレヤレ


ドイツ支部


シン「はぁ!? 使徒の残骸が一人こっちに輸送されるだって!?」バンッ

ドイツ職員「あ、ああ。カジがそう言っていた」

シン(あいつがあの三人を手放す!? あり得ない!)ダッ

ドイツ職員「お、おい!」

シン「今すぐ連絡を取らないと!」ダダダッ


ミサト・シンジ・アスカ・サキ・シエル・らみの家

サキ「じゃあ、行くから」

シエル「やだよぉ……」グスッ

らみ「なんで行っちゃうのぉ?」ウェェン

サキ「……私は、強くなりたいから」

シエル「つよく?」

サキ「うん」

らみ「十分強いよぉ。だから一緒に――」

サキ「二人とも聞いて」

サキ「私は二人がうらやましかった」

シエル「え?」

サキ「最初は私と同じだったシエルが、いつの間にか表情豊かに心豊かにシンジと接していて」

シエル「……サキ…」

サキ「らみは最初から感受性が豊かで皆を和ませることができてた」

らみ「そんなことないよぉ」グスッ

サキ「……私には、何もない」

シエル「そんなことないよ!!」

サキ「ううん、私は楽しいとも哀しいとも思わない。思ってもそれは皆の真似をしてるだけ」



サキ「だから、強くなるの」



加持「そろそろ時間だ」

サキ「うん」

シエル「サキ、行っちゃやだ」ギュッ

らみ「らみ泣いちゃう……」ギュッ

サキ「ありがとう。あなた達ならきっとシンジを支えられる」

二人「……うぅ…」

サキ「シンジが帰ってきたら伝えて」



 次会うときは、とびきりの笑顔を見せるから。



加持(これが使徒……人と何が違う…?)

地上


ミサト「四体を撃破する場合、計算上同時でコアを破壊することは不可能だった」

アスカ「私が四人いればなぁ」

ミサト「だから、“同時に撃破することを放棄”します」

アスカ「はぁ!? じゃあどうやって倒すのよ!」

ミサト「もっとも攻撃力のあるシンジはコアを粉々に破壊して」

シンジ「あいよ、燃えるねぇ」

ミサト「万能タイプのアスカはシンジのコア破壊に連続して」

アスカ「波状攻撃ってわけね」

ミサト「ええ、どうしても私の経験不足が足を引っ張るだろうから、各自フォローをお願いね」

レイ「……燃える」


シンジ「今回も使徒を倒せば、新しい子が生まれるのかな」


ミサト「どうかしらね。コアが四つあるだけでも特殊だから」

アスカ「四人も増えたら大きい家に引っ越さなきゃ!」

ミサト「あなたたちも負担してねん」フフッ

アスカ「うげ」

使徒1~4「………」ググググググッ


マヤ「使徒、一分後に活動を再開します!」

リツコ「ミサト、外骨格を!」

ミサト「ええ、分かったわ!」バッ



ミサト「チェェエエエエエンジ、ジェッターーーーー!!」

シンジ・レイ「!!」ピクッ


JA「………」バシュッ

JA(真の姿)「ぐぉおおおおおおおんっ!!」


シンジ「か……」キラキラ

レイ「かっこいい……」キラキラ

アスカ「分からないわ……」ハァ…



使徒1「………」ピクッ



ミサト「行くわよ!!」グイッ

三人「はい!!」グイッ

ドイツ支部


シン「使徒と戦闘中!? 通信は!? ……くそっ!」ガチャッ

シン(こんな時に何をやってるんだあいつは!!)

シン「!」



シン「私は……何を熱くなっている?」

シン(使徒の残骸に対して、同情しているのか?)

シン「あ、あはは、あははははは!」

シン(私は……変わったのだな)



シン「気づけシンジ。貴様の大切なものが奪われそうになっているぞ……」

【次回予告】

 いよいよ始まった四体の使徒との決戦。

 経験不足のミサトを補うように戦うチルドレンたち。

 そんな中、シエルとらみはシンジの元へ向かう。

 輸送船に乗りこむ加持とサキ。


 各々の想いが交差した時、シンジが向かう未来とは。



次回:溢れる想いを君へ



 それじゃあ次回もさーびすさーびすぅ♪

 それにしてもこのプラグスーツ……ノーパンじゃなくてもよくない?

 はぁ!? ミサトノーパンなの!? 変態じゃん!

 えぇ!? ち、違うの!?

 私はふんどし……

 え?

いったん離れます! 次回は超絶王道ロボアニメとなりますのでよろしくお願いします。では。

使徒1「………」ガンッ

ミサト「くぅううううっ!」

JA「ぐぉおおおおっ」ズザザザッ

アスカ「ミサト! 年なんだから無理しないの!」グイッ

弐号機「………」ブンッ

使徒1「………」サッ

アスカ「こんの、逃げん――」

使徒2「………」ガツッ

アスカ「きゃぁああああ!」

弐号機「………」バシャァァンッ

レイ「………」グイグイ

零号機「………」シュッシュッ

使徒3「………」サッサッ

シンジ「強い……というより、こっちが……」

初号機「ぐぉおおおおおおんっ!」ブンッ

使徒4「………」サッ

シンジ「くっ、ちょこまかとぉおおお!」グイッ

初号機「ヴぉぉおおおおおっ!」ドカッ

使徒4「………」バシャァアアンッ

シンジ「くっ、戦うのだけでもギリギリなのに、コアをほぼ同時に破壊するなんてできんのか!?」

アスカ「たぁああああ!」

弐号機「………」ガキっ

使徒2「………」パキッ

アスカ「よっし、やったわよ!」

ミサト「アスカ! それじゃあ駄目よ!」

使徒2「………」ブンッ

アスカ「くっそぉおおお! 足引っ張らないでよね!!」

使徒1~4「………」

レイ「……強い…」

ミサト「じり貧ね」

ミサト(だいぶ熱がこもってきた……時間もないわ…)

シンジ「何か手は……」



――シンジ!!



シンジ「は? シエル?」

アスカ「ああ! あそこ!!」


ビルの上


シエル「シンジーーーー!!」

らみ「しんじーーーー!」

シンジ「何やってんだ二人とも!!」

シエル「サキが!」

シンジ「……どうかしたのか?」

らみ「私たちの首輪をはずすために……ドイツへいっちゃう~」ウェェェン

シンジ「!!」

アスカ「それは本当なの!?」

シエル「加持も一緒だったから本当だよぉ」ウェェェン

ミサト「あんのバカっ!!」



シンジ「皆っ!!」



一同「!!」

シンジ「少しだけ、時間をくれ……」

ミサト「………」

レイ「………」

ミサト(正直なところ、空港まで行って戻ってくるまでエネルギーが持つ訳ない……でも)




アスカ「さっさと行きなさいよね!」




一同「アスカ!?」



アスカ「か、勘違いしないでよね! ここは私一人いれば平気なんだから!///」


ミサト「アスカ……」

レイ(なぜその言葉をすぐ言えなかったんだろう……)


シンジ「アスカ……愛してるぜ!」バシュンッ


アスカ「………嬉しくなんかないんだから///」ウズウズ

シンジ「初号機! 俺が離れていてもやれるな!」

初号機「ヴォオオオオオオオンッ!!」グッ

シンジ「全開で行くぜぇえええええ!」ドンッ

シンジ(サキ……お前がなぜそんな行動をとったのか俺には分からない)ダンッ

シンジ「けどな、俺は欲張りなんだ。お前がどんな考えを持っていようと、絶対に手放さないぞ」ダンッ

シンジ「うぉおおおおおおおお!!」



空港



加持「……怖いか?」

サキ「ううん、そんな感情……ない」

加持「そうか」

加持(後でシンジ君とミサトにぶっ殺されるだろうなぁ……)

サキ(もし……)

サキ(もし私が人間なら、アスカが呼んでた漫画に出てくる女の子なら)

サキ「……迎えに来てくれるのかな」ボソッ

加持「え?」



―――ががっ!



加持「くっ!?」

サキ「………?」

加持「どうした!?」





シンジ「よぉ、二人でデートか?」ハァハァ




サキ「!!」ドクンッ

サキ(迎えに……きた?)

加持「し、シンジ君」

シンジ「加持さん。あんたを責めたりはしねーよ。仕事だろうからな」

加持「………」

サキ(シンジが……私を迎えに来てくれた?)

シンジ「おいおい何を小難しい顔してるんだよサキ」

サキ「……こんな時、どんな顔をすればいいの?」

シンジ「決まってるだろ。王子様が迎えに来た時は、お姫様は満面の笑みで――」

サキ「っ!!」ダッ



 抱きしめてもらうんだよ。



シンジ「……わりぃが時間がねぇ。加持さん! 死ぬなよ!」ダンッ

加持「へ?」

飛行機「」グラグラグラグラドカーン

加持「うあぁあああああああ!!」

いったん離れます! 続きは12時過ぎるかと!では!

アスカ「くぅうううう!」

弐号機「………」バシャァンッ

ミサト「アスカ!」ハァハァ

JA「」

レイ「……動いて」ガチャガチャ

零号機「」

アスカ「早く来なさいよバカシンジ!!」グイッ

弐号機「ぐぉおおおおおっ!」ブンッ

使徒1「………」サッ

使徒2「………」バッ

アスカ「なっ!? は、離れなさいよ!」ガチャガチャ

使徒2「………」ピカーーーッ

アスカ「じ、自爆!?」

ミサト「アスカ!」

アスカ「シンジーーーーーーーっ!!」




―――バキィィィッ!!




アスカ「……え?」

アーマードシンジ「待たせたな!!」


一同「シンジ!!」

サキ「……シエル、らみ…」

シエル「ざぎぃいいい」ギューッ

らみ「ごめんねぇぇぇぇ」ギューッ

サキ「なんで謝るの?」

シエル「だっで、わだぢだぢのだめにぃいい」

らみ「ごめんねぇええええ」

サキ「……ふふっ」ニコッ

二人「サキが……笑った?」

サキ「そんな時にはね、こういうのよ」



ありがとう、って。



アスカ「遅いっちゅーーの! もう弐号機も……」

弐号機「」バシャンッ

アスカ「活動限界よ」フンッ

シンジ「初号機、お前はどうだ」

初号機「ぐぉおおおおおっ」

アスカ「何で動けるのよ。おかしいじゃない!」

ミサト「シンジ君! いくら初号機が動けるからって四体を同時に相手することは無理よ! 一時撤退しましょう!」

シンジ「………」

ミサト「シンジ君!!」



シンジ「いいや、それはできないね」



ミサト「なっ!? 上官命令よ!」

レイ「サキの……ため?」

アスカ「!!」

シンジ(あいつは確かに責任感が強い……今逃げればきっと自分を責めるだろう)

シンジ「いいや、違う」

ミサト「だったら!」



シンジ「俺の為だ!!」



一同「!!」

シンジ「皆に背中を預けた男が、やることもやらずに逃げるようじゃあ」ビシッ



シンジ「男がすたるってもんだろ!!」



初号機「ぐぉおおおおおおおんっ!!」

ミサト「シンジ君……」

アスカ「バカシンジ……」

レイ「漢として勉強になる……」


シンジ(とは言ったものの、俺の攻撃には同時に多数攻撃する方法は存在しねェ……)

シンジ「どうすれば……」


加持「シンジ君!」ブンッ

シンジ「加持さん!?」パシッ

ミサト「あんた!? なんでそんなボロボロなのよ!」

加持「ああ、ちょっとな」ハハハ

シンジ「これは……らみの欠片?」

加持「ドイツへの手土産にしようと思ってたんだがな」

シンジ「いいのか?」

加持「ああ、ここで君が勝たなければ、人類の終わりだからね」

シンジ「………らみ、力を貸してくれ」パクッ




らみ「……え?」ドクンッ




シンジ「うっ!?」ドクンッ

リツコ「使徒の欠片を食べたですって!?」

マヤ「初号気じゃなくてシンジ君自身が!?」

青葉「無茶苦茶だぁ……」

ゲンドウ「シンジ……」ハラハラ

冬月(もう、彼は我々の手に負えないな…。これはゼーレも動くぞ)



シンジ「うぅ……あぁああああああああ!!」ピカッ



らみ(シンジの気持ちが……溢れる!?)ピカッ

サキ「らみ!?」

シエル「らみ!?」

回想


ゲンドウ「本当に、1人で生きていくのか?」

シンジ(小学生)「……心配すんなって、親父が用意してくれた家で雨はしのげるし、このご時世食べ物くらいどこでも売ってるし」

らみ(これは……シンジの記憶?)

ゲンドウ「だが……」

シンジ「……足手まといになりたくねーんだよ」

ゲンドウ「!」

シンジ「だから、俺は俺で強くなる! だから親父は自分のすべきことをやれよ!」

ゲンドウ「……すまん」

シンジ「いつか、迎えに来てくれよ、親父」

ゲンドウ「……ああ」

らみ(こんな小さい時から……)

シンジ「……ぐすっ」

らみ「!!」

シンジ「うっ……うぇ…」

らみ「しんじ!」ギュッ

シンジ「う、うぁああああああ!!」ギューッ

らみ(寂しかったんだ……)ツーッ

らみ「涙……」

シンジ「お父さん! お父さん!」ギューッ

らみ(これが……心…)ギューッ

【熱い挿入歌】


シンジ「……俺は、誰かに守ってほしかった」グッ

ミサト「シンジ君……」

シンジ「でも本当は……誰かがそばにいてくれるだけで良かったんだ」グググッ

レイ「シンジ……」

シンジ「そして今、俺の周りには仲間がいる、家族がいる」

サキ「シンジ……」

シエル「シンジ……」

シンジ「俺は……護るものができたんだ」キッ

らみ「シンジ!」


アスカ「バカシンジ! 男ならカッコいいところ見せてみなさいよ!!」


シンジ「ああ!! やぁってやるぜ!!」ゴォッ

初号機「ヴォオオオオオオオオオオオ!!」ゴォッ


ゲンドウ「シンジが……」

冬月(これではシナリオの正反対だぞ……)



シンジ「行くぞ!」ダンッ

初号機「ぐぉおおおおおおっ!」ダンッ


ミサト「跳んだ!?」

加持「それでいいシンジ君。大人の都合に付き合う必要はない」


シンジ「ファイナァル!! インパクツッ!!」ゴッ

初号機「ガァアアアアアアアアッ!!」ドクンッ


マヤ「初号機のコアを……殴った?」

リツコ「いいえ! あれは……ATフィールド!?」


シンジ「喰らえぇえええ! これが俺のぉ……俺たちのぉおおおおお!!」

初号機「ヴォオオオオオオオオオンッ!!」


使徒1~4「………」ダンッ

アスカ「一斉に飛んだ!?」

ミサト「あれが危険だと分かってるんだわ!」



シンジ「必殺技だぁあああああああ!!」

初号機「ヴォオオオオオオオンッ!!」ブゥンッ


ミサト「初号機が増えた!?」

リツコ「違うわ! あれはATフィールドによって形成された、分身よ!!」


初号機1~4「「グォオオオオオオオオオンッ!!」」ドゴオォォォォンッ

アスカ「なんて速さなの!?」

レイ「やはり……漢なら拳……」グッ



――パキッ



使徒1~4「」パキパキパキッ



――ドゴォォォォォオオオンンッ!!



シンジ「愛する者のために、俺は戦う!!」バンッ

初号機「グォオオオオオオンッ!!」

【次回予告】


 新たなる力を得たエヴァンゲリオン初号機と碇シンジ。

 JA、零号機、弐号機、そして初号機とシンジという強大な力を保有してしまったネルフに、世界から非難が集まる。

 そんな中、積極的になったサキがシンジに猛アタックを始める。

 変わっていく関係に、取り残されていく者の心境やいかに。


 次回:時にラブコメ、ほとんど喜劇


 なーんか次回は出番ない感じなんですけどぉ。

 ミサトはラブコメって言うよりエロ本って感じだもんね。

 ぬぁーんですってぇ!?

 次回、サキとシンジ入籍

 嘘情報はだめよぉ!?

追記:初号機の分身は自分たち+取り込んだ使徒の数だけ出せます。現在はシエルとらみの分を合わせて四体に分身することができます。シンジ自身もエヴァ初号機の形になります。

使徒子ちゃん達をイラスト化できればもっと面白く読んでもらえそうだけど、その技術はなかった。。。では

時間ができたので少しだけ更新。

ガキエルはこの後でます。

サキの分はまだ取り込んでいません。


続きー

ネルフ本部

冬月「どうだった?」

ゲンドウ「非難の的だったよ」

冬月「それはそうだろうな。エヴァシリーズ三体+最新鋭の人型兵器を所有し、さらにパイロット碇シンジは使徒の一部を取り込んだとくれば、各国は日本が侵略国とならんか心配で仕方ないだろう」

ゲンドウ「保身ばかり考えるクズ共め」

冬月(自分のことしか考えないという意味では我々も変わらんぞ)

ゲンドウ「おそらくエヴァシリーズの二体を凍結させられるだろう」

冬月「今後はJAと初号機で戦えと?」

ゲンドウ「そもそもJAは国のものであってネルフのものではない」

冬月「初号機のみ?」

ゲンドウ「最悪……な」

冬月「シャレにならんな」

ゲンドウ「ああ……」

ミサト「じゃあ、プラグスーツはもう着なくていいの!?」パァッ

リツコ「ええ、JAのプログラムも書き換えたから、あなたじゃなくても乗れるわ」

ミサト「………」

リツコ「残念かしら?」

ミサト「いえ……これでまた子供たちに未来を託すことになるのね」

リツコ「JAが他の優秀なパイロットに乗ってもらえることを祈りましょう」

ミサト「そうね」

加持「ミサトより優秀なパイロットがいるのか?」

ミサト「あーら、そんなこといってあんたが乗りたいんじゃないの?」

加持「そりゃあ、君を危険な目に遭わすくらいならね」

ミサト「はいはい」

加持(シンジ君……僕は君に嫉妬するぞ)ハァ…

リツコ(あほらしいのは、本人がシンジ君への気持ちに気づいていないことね)スパーッ

学校


ケンスケ「なーんか久しぶりだなシンジ!」

シンジ「ああ、そうだな」

トウジ「元気してたんか!?」

シンジ「もちろん」

ヒカリ「皆も久しぶりね」フフッ

サキ「久しぶり」

シエル「寂しかったよー」

らみ「らみも!」


トウジ「相変わらず暴力的なまでの……」ゴクリ///

ケンスケ「……だね」ハァハァ///


アスカ「こんの変態どもぉ!」バキッドカッ


二人「あひゃぁ!?」ドサッ

シンジ「やりすぎ」

アスカ「あんたは家族があんな目で見られて平気なの!?」

シンジ「……家族、ね」ニコッ

アスカ「ふ、ふんっ///」

ヒカリ(アスカ可愛い……)

トウジ「それはそうとシンジ! わしはシンジを殴らなあかん!」

シンジ「………」

ケンスケ「またか……」ハァ

トウジ「今回は本気や!!」

ヒカリ「妹さんがね、シンジ君のファンになっちゃったみたい」

サキ「!!」

アスカ「なんですってぇ!?」

トウジ「兄として、貴様のようなハーレム野郎に妹を食べられる訳にはいかんのや!」

ケンスケ「何言ってんだか」

シンジ「仕方ない。殴り合いと行こうか」

トウジ「えっ」

トウジ(ここは殴らせてはくれへんのかー?)

レイ「頑張って鈴原君」キラキラキラ

トウジ「お、おう……」

トウジ(あかん、負けフラグビンビンやっ)

校舎裏


トウジ「」ボロボロ

シンジ「俺に一発入れるなんて、さすが兄としての意地だな!」アハハ

ケンスケ「このビデオ、クラスの連中に売れそうだな」ニシシ

レイ「……勉強になった」ガッショウ

トウジ「ひ、ひほい……」グスッ


屋上

ヒカリ「感情がない?」

サキ「………」コクリ

ヒカリ「ずっとそれで悩んでたの?」

サキ「……うん」

ヒカリ「……そっか」

サキ「私もヒカリみたいに可愛くなりたい」

ヒカリ「なっ///」

サキ「………」ジーッ

ヒカリ「あ、あう……///」

ヒカリ「……綾波さんがね、あなたたちが来る以前になんて呼ばれてたか知ってる?」

サキ「?」

ヒカリ「鋼鉄のクラスメイト」

サキ「こうてつ……」

ヒカリ「あなたより無表情で、あなたより会話が少なくて、あなたより謎の存在だったわ」

サキ「レイが……」

ヒカリ「でも、今だって無表情なことが多い」

サキ「……レイも…感情がない?」

ヒカリ「…私も最初はそう思った。けど、見て」

サキ「?」


レイ「………」シュッシュッ

シンジ「………」サッサッ


ヒカリ「レイはね、殴り合いをしてる時、すごく生き生きしてる」

サキ「………」

ヒカリ「それは何も、レイが人を傷つけるのが好きってことじゃなくて、誰かと繋がってることが好きなんだと思う」

サキ「人と……」

ヒカリ「彼女は不器用だから、今まで他人との距離を測れずにいた。けど、シンジ君が来てから彼女は人と繋がる方法を見つけた」

サキ「私にも……見つかる?」

ヒカリ「きっとね」ニコッ

サキ「……どうしたらいい?」

ヒカリ「好きなものは?」

サキ「……好きなもの?」

サキ(私の好きなもの……)

シンジ『サキ』ニコッ

サキ「……ぁ…」カァ///


ヒカリ「分かりやすいわね。私からしたらあなたはだいぶ表情豊かだけれど」


サキ「こ、これは違う。間違えただけ」オロオロ///

ヒカリ「間違えたって、何を間違えたの?」

サキ「………うぅ…」モジモジ///

ヒカリ「サキは可愛すぎてずるいっ」

サキ「あう……」

サキ「そういうヒカリは好きなものあるの?」

ヒカリ「……あるけど、私は遠くから見つめてるだけで十分」

サキ「え?」

ヒカリ「陽炎って知ってる?」

サキ「夏の道路にできるやつ?」

ヒカリ「うん、ゆらゆら揺らめいてて、でもそこに行くとなくなるの」

サキ「ヒカリの好きなものも同じ?」

ヒカリ「どうだろ。でも、もしそこに行って何もないよりは、遠くから見て楽しむ方が私はいいかな」エヘヘ

サキ「……少し、哀しい…」

ヒカリ「でもサキはきっと届くから」ギュッ

サキ「……良いにおい」クンクン

ヒカリ「他人の匂いは嫌?」

サキ「……ヒカリのなら、好き」ギューッ

ヒカリ(もしフラれたら……一緒に泣いてあげるからね)ギューッ

サキ(安心する……)ポーッ

帰り道

シンジ「………」

アスカ「ちょっと何をぼーっとしてるのよバカシンジ」

レイ「……誰かが、つけてきてる…」

アスカ「黒服の連中じゃないの?」

シンジ「いや……違う」

シンジ(サキ達を別で帰らせておいて正解だな)

レイ「戦う?」

シンジ「駄目だ。相手はただの人間だし、俺たちは使徒と戦うためのパイロットだ。戦闘員じゃない」

アスカ「案外真面目なのね」

シンジ「その心は二人を危険な目に遭わせたくないだけだけどね」

レイ・アスカ「………ずるい」プクーッ///

シンジ「逃げるぞ!」ダッ

レイ・アスカ「っ!」ダッ

ネルフ

ミサト「そう、分かったわ。調べておくから」

リツコ「おそらく他国のスパイでしょうね」

シンジ「いや、あれは日本人だった」

ミサト「まさか政府が?」

リツコ「ありえないわ。あそこはネルフに口出しできないはずよ」

ミサト「……どちらにせよ、危険ね」


マヤ「三人にはシンクロ率のテストを行いますので、更衣室で着替えてきてください」

シンジ「分かった」


更衣室

シンジ(戦力の保有で各国とのバランスが崩れるのは、仲間に危険を及ぼすか……)

レイ「シンジ、入るわね」ガチャッ

シンジ「レイ!?」

レイ「……ごめんなさい、裸だとは思わなかったの」ジーッ

シンジ「こ、こらっ! 見るな!」カァ///

レイ「あなたでも慌てることがあるのね」

シンジ「普通に思春期の学生ですけどぉ!!」

アスカ「ちょっとバカレイ! どこいって……」ジッ

シンジ「あ……」カァ///

シンジ「ったく……なんで俺が殴られなきゃいけねーんだ」ジンジン

アスカ「ふん、あんたがお粗末なもん見せつけるからでしょ」

シンジ「普通に恥ずかしかったのはこっちだっつーの!」

アスカ「あら、あなたにも恥じらいというものがございましたのね」オホホ

シンジ「……ずっと、1人で生きてきたからな」

アスカ「……何よ、いきなり」

シンジ「いや、悪い。アスカの前で弱音見せちまったな」

アスカ「はぁ!? 何それ! 私には本音を見せられないってーの!?」

シンジ「違う!」

アスカ「じゃあ何よ!」

シンジ「それは……」

アスカ「はっきりしないわね! いつもみたく男らしくなりなさいよ!」


シンジ「好きな奴の前ではいつもかっこつけたいからだよ!」


アスカ「っ///」

シンジ「………」プイッ///

アスカ「……本気…なの?」コトッ

シンジ(あ、アスカの顔が背中に!?)カァ///

アスカ「………///」

ちょっとだけ離れます! 続きは一時間後くらいになると思います!

オイコラ!もう寝るんですけど!この後四時半起きなんですけど!

国内スパイ
マナ達か

>>378ごめん、朝から読んでくれ。
>>379懐かしいな! けど、おぼえてないんだすまん

続きー

アスカ「なんで私なのよ……」

シンジ「それを聞くかよ……」ポリポリ

アスカ「女の子はね、知りたがりなのよ」

シンジ「……気持ち悪いとか言うなよ」

アスカ「時と場合によるわね」

シンジ「時と、場合……か」

アスカ「ほら早く」

シンジ「わかったよ!」

アスカ(いざ聞くとなると緊張するわね……)



シンジ「俺が親父と離れて山にこもってから数か月たったある日のことだ」



アスカ「え? 山?」

シンジ「ああ」

アスカ「ちょっと何歳のことよ」

シンジ「小学かな」

アスカ「あ…そ……続けて」

シンジ「ああ」

シンジ「山にこもった俺は、心の寂しさを埋めるために、架空の友達を創ったんだ」

アスカ(寂しいなら山から下りればいいのに……)

シンジ「その頃母さんと父さん以外の人の顔なんて覚えていなかった俺は、とりあえず二人をベースに友達を創った」

アスカ「………」

シンジ「目はパッチリしてて、肌は透き通るような白、少し自分勝手だけど寂しがりやで友達想い」

アスカ「………」



シンジ「まんまアスカだった」



アスカ「ちょっと待ちなさいよ馬鹿シンジ!」ゴスッ

シンジ「あいたっ!?」

アスカ「司令と日本人の奥さんからどうやったら私ができるのよ! 馬鹿じゃない!」

シンジ「知るかよ! 見た目なんて想像だからろくに覚えちゃいないし、中身だって変化してるだろうし!」

アスカ「じゃあ、私のどこが一番好きなのよ!」

シンジ「そんなの! 世界一可愛いところに決まってるだろ!」


アスカ「さっきの話関係ないじゃないばかぁ!!」ドカッ///


シンジ「ほんとだっ!」ドサッ

アスカ「………あんたって、ほんと馬鹿ね」ハァハァ///

シンジ「……返す言葉もねぇ」

レイ「私じゃその記憶の友達になれないかしら……」

アスカ「あ、あんたいたの!?」

レイ「あなたが私を差し置いていちゃついてる時からいたわ」

アスカ「そ、それはっ///」

レイ「ねぇ、どうなのシンジ」ジッ

シンジ「………」


ユイ『シンジ』

レイ『シンジ』

二人『『シンジ』』ニコッ


シンジ「母さん?」ツーッ

レイ「ええ、そうよ。あなたのお母さんよ」ギュッ

アスカ「はぁ!? 何言ってんのよばかっ!!」

シンジ「会いたかった」グスッ

レイ「よしよし、大きくなったわね」ナデナデ

アスカ「もう知らないっ!」プイッ

アスカ(何よバカシンジ! 私のことをもっと可愛がりなさいよ!)フンッ

シンジ「いや、母さんじゃないから」

レイ「そうね。私のことはハニーでいいわ」

シンジ「……すまん」

レイ「いいの。あわよくばと思ってたから」

シンジ「正直者だなぁ」

レイ「自分に嘘をつきたくないだけ」

シンジ「自分に嘘……ね」

レイ「………」

シンジ「そういえば、何か話があるんじゃなかったのか?」

レイ「……大丈夫。もう必要ないから」

シンジ「?」

レイ(私が死んだら、泣いてくれるかなんて変な質問をするところだったわ)

シンジ(なんだったんだ……?)

ミサト・シンジ・アスカ・サキ・シエル・らみの家


シンジ「ただいまー」

アスカ「あーつかれたー」

サキ「お帰りなさいシンジ」ギューッ

アスカ「なっ……なっ…」ヒクヒク

シンジ「ああ、ただいま」ナデナデ

サキ「シンジのなでなで、好き」ニコッ

シンジ「お、おお///」

アスカ「」

シエル「シンジお帰りなさーい」ギューッ

らみ「おかえりなさーい」ボイーンッ

シンジ「今日は熱烈だなぁ」

アスカ「は、離れなさいよ! 不潔よ!」

サキ「やっ!」ギューッ

シンジ「!」

アスカ「サキが……わがままを言った」

ミサト「どうやら、みんなあなたに本気を出すみたいよん」ニシシ

シンジ「え?」

サキ「私はシンジが好き」

シエル「シエルも!」

らみ「らみも!」

ミサト「私もよん♪」ハーイ

アスカ「ちょっとミサト! ふざけないでよ!」

シンジ「お、おっけー……俺だってみんな大好きだぜ」

アスカ「ちょっとシンジ!?」

サキ「じゃあ、結婚してくれる?」

シンジ「ぶっ」

アスカ「はぁ!?」

ミサト「あら、いいわねシンちゃん。ブーケは私に頂戴ね」

シエル「シエルも結婚するー!」

らみ「らみもー!」

アスカ「あんたらねぇ!」

シンジ「俺は結婚できる年じゃねーよ……」

一同「……あ」

リビング

ミサト「アスカがみんなを入れてくれるんですってね」

シンジ「ああ、正直らみの身体は俺には刺激的すぎるし助かる……」

ミサト「そーんなこと言って、アスカのヤキモチが嬉しいんでしょう」プププ

シンジ「……そうだな///」ポリポリ

ミサト「あーあ、私があと10歳若けりゃなぁ!」チラッ///

シンジ「………」ニコッ

ミサト「っ///」ドキッ

シンジ「俺の中ではいつでも憧れだよ。ミサトさん」

ミサト(何よそれつまり……)

ミサト「……蚊帳の外じゃん」ボソッ

シンジ「?」



――だぁああああああ!?



ミサト「何かしら?」

シンジ「嫌な予感」



アスカ「ちょちょちょちょっとっ!?」ガラッ

ミサト「あら」

シンジ「」カァ///



アスカ「……あ…」カァ///

風呂場

ミサト「ふーむ、本当に性器ができてるわね」

サキ「子供が作れる?」

ミサト「どうかしら。生理がくれば可能かもしれない」

ミサト(でも、急にどうして……)

シエル「シエルも穴空いてるー!」

アスカ「ちょ、ちょっと大きい声出さないでよ!」

らみ「ふぇええええ!? 血が出てるぅううう!」ダダダッ


ミサト「ちょっと!?」


リビング

シンジ「……どうしたんだろう…」



――だめぇえええええ!



シンジ「?」

らみ(全裸)「しんじーーーー! らみの身体変なのーーー!」ボインボイン

シンジ「」



―――ばいーーーんっ!

翌日 ネルフ診察室

リツコ「仮説にすぎないけれど、彼女たちは自身の望む形にできるみたいね」

シンジ「俺と相棒のファイナルインパクトみたいなものか?」

リツコ「ええ、ATフィールドによって形ができてるようね」

ミサト「つまり、子どもが欲しいと思ったってこと?」

リツコ「そこまでじゃないと思うけど、女の子になりたいって思ったんじゃない?」

アスカ「それじゃあ、最初は何になりたくてあんな姿になったのよ!」

リツコ「それは分からないわ」

ミサト「案外、最初からシンちゃんが好きだったのかもね」

シンジ「俺がロリコン趣味だと思ったってことか?」

アスカ「事実じゃない」フンッ

シンジ「あのなぁ……」

リツコ「いずれにせよ、しばらくの間は私がミサトの家に住むから、あなたはしばらく別の家に引っ越してちょうだい」

シンジ「えっ」

ミサト「デリケートな問題だから、ね」

シンジ「わかりました……」シュン…

アスカ「………」

シンジの新しい家

シンジ「……一人か」

シンジ(ついこの間まで一人が当たり前だったのに……いざ一人になると…)

シンジ「………」ハァ



――ぴんぽーん



シンジ「はい」

トウジ「よっ、一人暮らし満喫しとるか少年」

シンジ「トウジ、みんな!」

ケンスケ「さみしいだろうと思って遊びに来たよ!」

ヒカリ「………」ペコリ///

シンジ「うれしいぞ!!」ギューッ

トウジ「ははは、男に抱き付かれてもうれしくないっちゅーねん」

ケンスケ「それより、紹介しなきゃ」

トウジ「おお、そやったそやった。サクラ、こっちに来て挨拶せんかい」

シンジ「?」


サクラ「………///」モジモジ


シンジ「サクラちゃん! よくなったんだな!」

サクラ「ひゃっ///」サッ

シンジ「………」

ケンスケ「照れてるんだね」

トウジ「乙女心っちゅー奴やな」ウンウン

ヒカリ(ここにもライバルが……)ハァ…

【次回予告】

 サキ、ヒカリ、レイ、らみ、サクラ、シエル、ミサト、マヤ、着実に増えるシンジへの想い人。

 そんな彼と周りの環境を見てアスカは何を思う。


 そして、突如現れる謎の機関『ネオネルフ』

 彼らの目的は何なのか。


 次回:時にはラブコメ、ほとんど喜劇 後編


 こっからはずっとヒカリのたーんだぞ///

 照れるんならやんなっちゅーねん

 う、うるさい馬鹿トウジ!

 ……わしの気持ちも知らんと

 青春だねぇ

長くなりそうなので前後編に分けました。ちょっと風呂入ってきます。

ネルフ本部


ゲンドウ「………」

冬月「裏切ったのか」

加持「いや、申し訳ないとは思ってますよ」

ゲンドウ「言い訳はいい。結論を言え」

加持「はい、つまり――」

シン「現時刻を持って、弐号機、JAは日本政府統括ネオネルフへと移籍、弐号機パイロット惣流=アスカ=ラングレーも同様です」

ゲンドウ「………」

冬月(零号機が残っただけでもマシとみるか)

ゲンドウ「JAのパイロットは?」


カヲル「……僕、です」


冬月(こんな気の弱そうな少年が!?)

ゲンドウ「君は?」

カヲル「……JA正パイロット、渚カヲルです…」

加持「これからは共に使徒と戦っていきましょう、ね」ハハハ

カヲル(なんだか……ここは怖いな…)

シン(シンジ……貴様と再び会える日を楽しみにしてるぞ!)

ゲンドウ「……ネオネルフか」

冬月「ゼーレか?」

ゲンドウ「当たり前だ。日本政府ごときにエヴァを移籍させる権限はない」

冬月「ふむ、しかしこうなると、使徒の奪い合いとなるか……」

ゲンドウ「いや、われわれの目的は使徒を殲滅すること。どちらが倒そうが同じだ」

冬月「ふっ、そうだな」

ゲンドウ(しかしあの渚カヲルという少年……どこかで見たような…)

シンジの家


ケンスケ「それでは皆さんジュースを持ってー」

一同「「かんぱーい」」


サクラ「///」ギュッ

トウジ「サクラはシンジにべったりやのぉ」

サクラ「うち、シンジ兄ちゃんと結婚する!」

ヒカリ「!」

ケンスケ「どうなんだ? プロポーズされた身としては」ニヤニヤ

シンジ「もう10年しても同じ気持ちでいてくれるなら、真剣に考えるよ」

サクラ「うん! ウチ、ずっとシンジ兄ちゃん好きやけんね!」ニコッ

トウジ「シンジ! この際一夫多妻でもええ! サクラを幸せにしてやってくれ!」ウゥ

ヒカリ「兄バカね」

数時間後


トウジ「zzz」

ケンスケ「zzz」

サクラ「zzz」


ヒカリ「ほんと信じらんない! ジュースにお酒混ぜるなんて!」

シンジ「まぁ先に酔いつぶれてるあたり、二人らしいけどな」

ヒカリ「ほんといつもいつも馬鹿にして、やんなっちゃう」プンプン

シンジ「ヒカリは酔ってないみたいだな」

ヒカリ「そ、そんなことないわよ///」

シンジ「表に出ないんだ」

ヒカリ「そ、そうかな」ペタペタ///

ヒカリ「そ、それを言ったらシンジ君だって酔ってないじゃない」

シンジ「いや、今にも倒れそう」グラグラ

ヒカリ「え、ちょ、ちょっと危ないよ!」サッ

シンジ「もうらめかも……」グラッ

ヒカリ「きゃっ!」ドサッ


シンジ「……ごめん、動けそうにない」ウゥ…

ヒカリ「う、うん/// 良いよ……」

ヒカリ(シンジ君に抱き付かれてるぅううううう!!)ドキドキドキドキ

シンジ「ヒカリ、いい匂いがする」クンクン

ヒカリ「サキちゃんにもそういわれた」

シンジ「サキにも?」

ヒカリ「うん」

シンジ「仲良いんだ」

ヒカリ「いろいろと、ね」フフッ

シンジ「……ありがとな」

ヒカリ「……シンジ君にお礼言われる筋合いはないわ」

シンジ「えっ」

ヒカリ「だって、私はサキちゃんのクラスメイトで友人だもの」

シンジ「……そっか」

ヒカリ「それに、サキちゃんもお礼を言ってほしくないと思うよ」

シンジ「なんで?」

ヒカリ「だって……」


サキちゃんはシンジ君に保護者になって欲しいんじゃなくて――。


シンジ「……ヒカリ?」

ヒカリ「う、ううん、何でもない!」

シンジ「zzz」

ヒカリ「………」ナデナデ

ヒカリ(ああ、幸せだなぁ……)

シンジ「zzz」

ヒカリ「シンジ、……えっちなことしよっか」ボソッ

シンジ「zzz」

ヒカリ「なんてね」フフッ



――がたっ



ヒカリ「えっ?」

トウジ「………あ」シマッタ…



ヒカリ「あ……あ…え…」カァ///

トウジ「お、落ち着け! わしは何も聞いとらん! 見とらん!」アセアセ

ヒカリ「あう……」ポロポロ

トウジ「!!」

公園


トウジ「ほれ、ジュースや」

ヒカリ「ありがと……」

トウジ「………」ゴクゴク

ヒカリ「………」コクコク

トウジ「………」

ヒカリ「………」

トウジ「……あの――」

ヒカリ「あ、あははっ」

トウジ「!?」

ヒカリ「何を心配してんのよ馬鹿トウジ」

トウジ「………?」

ヒカリ「私がシンジ君のこと好きだとそう思ってんでしょ?」

トウジ「……違うんか?」

ヒカリ「……もう、違う」

トウジ「もう?」

ヒカリ「……さっきので、一生分のラッキー使っちゃった。だからきっと、何があっても他のみんなには勝てない」

トウジ「そんなこと!」

ヒカリ「じゃあ、エヴァパイロットで運命の人で美人でスタイルも良いアスカに私が勝てると思う!?」

トウジ「!!」

ヒカリ「毎日同じ家で暮らして、美人で大人で包容力のある葛城さんに勝てる!?」

トウジ「そ、それは……」

ヒカリ「一緒に暮らしてる美人なサキちゃん、明るいシエルちゃん、すごいスタイルのいいらみちゃんに私が勝てる!?」

トウジ「………」

ヒカリ「かないっこないんだよ」ポロポロ

トウジ「委員長……」

ヒカリ「そんな私に、今日人生で最高の幸せが訪れた」

トウジ「………」

ヒカリ「誰かに邪魔されたけどね」ジトーッ

トウジ「す、すまんっ」

ヒカリ「ううん、謝る必要なんてないよ。むしろ感謝してるくらい」

トウジ「な、なんでや」

ヒカリ「だって、トウジが誘ってくれなきゃ、シンジ君の家に遊びに行けなかったもん」

トウジ「あ、ああ……」

ヒカリ「トウジがお酒入れてくれなきゃ、シンジ君の近くに行けなかったし」

トウジ「そ、そうか」

ヒカリ「だから、ありがとね」

トウジ「せ、せやったら」

ヒカリ「?」

トウジ「わしが協力したるから、もっと積極的に――」

ヒカリ「無理だよ」

トウジ「!」

ヒカリ「私はさっきまで、シンジ君と一緒の空間にいることさえ無理だと思ってたんだよ」

トウジ「………」

ヒカリ「見た目や性格、立場の問題じゃなく……気持ちで負けてるの」

トウジ「………」

ヒカリ「でもね、それでいいとも思ってるんだ」

トウジ「……?」

ヒカリ「だって、シンジ君の彼女なんて大変じゃない?」

トウジ「………想像しただけでも大変そうすぎて吐き気がするわ」

ヒカリ「でしょ。私にはとても無理」クスクス

トウジ「じゃあ、あきらめるんか?」

ヒカリ「うーん、あきらめるって言い方はおかしいかな」

トウジ「?」


ヒカリ「ずっと、この想いを秘めて生きようと思うの」


トウジ「ど、どういうこっちゃ……」

ヒカリ「シンジ君に対して、真正面な人、照れ隠しな人、素直な人、遠回しな人、色々いるじゃない?」

トウジ「ああ、うらやましいくらいにな」

ヒカリ「でも、その中で想いをずっと胸の中に秘めて生きる人は少ないと思うの」

トウジ「そりゃ、つらいだけやからな」

ヒカリ「ううん、そんなことはないわ。シンジ君はいつ何が起きたっておかしくない人。だから、彼の無事だけを、彼の幸せだけを願う人が、一人くらいいても良いと思うの」

トウジ「それが委員長なんか?」

ヒカリ「……うん」

トウジ「……逃げとるだけとちゃうか?」

ヒカリ「そうかもね。でも――」ニコッ

トウジ「っ///」



ヒカリ「想い続けたら、おばあちゃんになった時に、シンジ君の周りには私一人だけかもしれないじゃない?」エヘヘ



トウジ「……前言撤回や」

ヒカリ「え?」

トウジ「委員長は逃げとらん。超長期的な視野を持っとるんやな!」グスッ

ヒカリ「なんで泣いてるのよ……」ジトーッ

トウジ「な、泣いてなんかおるかあほんだらっ!」

ヒカリ「もしかして!」

トウジ「!!」ギクッ

ヒカリ「まだお酒残ってるのね」フフッ

トウジ「」

ヒカリ「さ、戻って飲みなおそう」

トウジ「……ああ、せやな」

翌日 ネルフ


アスカ「はぁ!? ネオネルフ!?」

ゲンドウ「そうだ」

冬月「すでに手続きは終えているそうだ。準備ができ次第移動するように」

アスカ「そんな……」チラッ

シンジ「………」ガーン

アスカ「シンジ……」

ゲンドウ「これからは初号機と零号機で使徒と戦わねばならない。気を引き締めていけ」

レイ「はい」

シンジ「………」

ミサト「………」

ネオネルフ


アスカ「なによここ、まんまネルフじゃない」

シン「そりゃ、いずれネルフを解体して、ここをネルフにする意図があるからね」

アスカ「シン?」

シン「久しぶり」

アスカ「なんであんたがここにいんのよ!」

シン「ここのスタッフの半分以上がEU職員だ」

アスカ「道理で見たことある奴らだと思った」

シン「君にはこれからやってもらうことがたくさんあるんだ」

アスカ「え?」

シン「と、その前に紹介しておくよ、彼が――」

アスカ「……シンジ?」


カヲル「渚、カヲルです……」オドオド


アスカ「……って、何よこのもやしみたいなの」

カヲル「もやっ……」ガーン

シン「アスカ、彼はJAの正規パイロットだ。君の同僚なんだから態度を改めるように」

アスカ「こいつがJAに!?」

カヲル「………」

アスカ「ははーん、親の七光りかなんかでしょ!」

カヲル「……まぁ、否定はできないかも」

アスカ「じゃあ、あんたは今日からナナヒカリねっ」

シン「………」ハァ…

シン「もう二人紹介したい人がいるんだ」

マリ「呼ばれて飛び出てじゃじゃじゃーん♪ 真希波マリでーす♪」

アスカ「げっ、何よこいつ……」

マリ「えへへ、今度開発される五号機のパイロットでーす☆」

アスカ「どう見ても、コネ以外で入れそうにないバカ女じゃない……」

マリ「ひどいなぁ。ま、否定はしないけどにゃーん」

アスカ「あんたはコネメガネね」

マリ「らじゃー♪」

シン「……そして、彼女はイスラ」

イスラ「………」

アスカ「あんたもしかして……」

シン「そう、彼女は使徒のざん……いや、使徒の生まれ変わりだ」

イスラ「………」ペコリ

アスカ(こっちにいたなんて……)

海上


シン「いいかい、今回の使徒は海の中を自由に泳ぎ回る。決して強くはないが、油断するなよ」

カヲル「は、はいっ」

JA「………」

アスカ「任せときなさいっちゅーの」

弐号機「………」


アスカ「カヲル、あんた足を引っ張ったら承知しないわよ」

カヲル「あ、アスカだって、シミュレーションじゃ僕よりシンクロ率低かったじゃないか」

アスカ「それはあんたがエヴァじゃなくて――」


シン「来たぞ!」


使徒(ガギエル)「………」スイーッ

アスカ「ほんとに魚ね」

カヲル(落ち着いていけ、落ち着いていけ、落ち着いていけ……)

アスカ(なーんかお坊ちゃんがパートナーだと落ち着かないのよね)


アスカ「私が先に行くわよ!」グイッ

弐号機「………」ダンッ

カヲル「アスカ!?」

シン「相変わらず自分勝手な!」

アスカ「馬鹿シンジが規格外過ぎただけで、私が一番エヴァをうまく操れるんだから!!」グイッ

弐号機「………」グルングルンバシャァンッ

シン「とらえた!」

使徒「………」スイーッ

アスカ「避けた!?」

使徒「………」ガブッ

アスカ「なぁ!?」


カヲル「アスカ!」


シン「カヲル! 急いで外骨格を!」

カヲル「は、はいっ」グイッ

JA(真の姿)「グォオオオオオオンッ!」ダンッ


アスカ「何よ、私一人で……」


カヲル「うぉおおおおおおお!!」グイッ

JA「ぐぉおおおおおんっ!」



――ザンッ!!



使徒「」ブクッ



――どかぁぁぁぁんっ!!



シン「よしっ!」

ネオネルフ

アスカ「……少しはやるじゃない」

カヲル「夢中だっただけだよ……」

アスカ「ふんっ、次は私がやるんだから!」

シン「早くも一体、か」

シン(加持、後はお前次第だぞ)




加持「やれやれ、はりきっちゃってまぁ」

ミサト「動かないで」ジャキッ

加持「元カレに銃を向けるなんてひどいなぁ」

ミサト「裏切り者にかける情けなんてないわ」

加持「それで、何を知りたい」

ミサト「ネオネルフの全部よ」

加持「……ネオネルフについて知りたければ、碇司令の背後を調べるんだな」

ミサト「えっ」

加持「じゃあな、次はベットの上で」

ミサト「……碇司令の?」

加持(まる無視かよ……)タタタッ


【次回予告】


ぼ、ぼくの名前は渚カヲル。突然JAのパイロットに任命された中学生です。

同じパイロットのアスカとは喧嘩の毎日、正直参っています。

シン先輩は厳しい人だけど、規律正しくて安心します。

イスラちゃんは何を考えているか分からないしマリは僕の匂いをかいでくるし、大変な日々を送っています。


それでも、僕は戦います。


次回:人の造りしもの


それじゃあ次回もサービスサービスだにゃぁ

コネメガネ! それは私の台詞ってどこ触ってんのよ馬鹿ぁ!!

【次回予告:裏】


 アスカの突然の移籍に動揺するシンジ。

 そんな彼をあざ笑うかのように、ネオネルフはネルフのエヴァに模擬戦を申し込んでくる。

 断れば事実上の敗北宣言、戦えば被害は免れない。

 どちらも茨の道であることを悟ったゲンドウの出した答えとは。



 次回:男の戰い



 それじゃあ次回もさー……え? 向こうの方が色気がある?

 わかったわよ脱げばいんでしょ脱げば!!

 ふぇぇえええ、ブラジャーが外れましたなぁああ!

 ……え、らみで十分? 垂れパイはいらない?

 いっぺん死んでみろやぁああああああ!

初号機対弐号機にするべきか、初号機隊JAにするべきか、はたまた……。

次回のエヴァ対エヴァ(もしくはJA)、必見です。おやすみなさい。

地上

カヲル「はぁ、なんでこんなことに……」

アスカ「こうなってしまったもんは仕方ないでしょ!」

シン「二人とも集中しろ! シンクロ率乱れてるぞ!」

カヲル「は、はいっ」

アスカ「何よ! 予備のくせに!」

カヲル「なんでそんな言い方しか……」

アスカ「なんか言った!?」

カヲル「な、なんでもっ!」

加持(ネルフとの模擬戦。……というのは名ばかりで、これは実質的な“戦争”)


ネルフ


冬月「この戦い、勝たなければ今までの苦労が全部水の泡だな」

ゲンドウ「……やることをやる。それだけだ」


ミサト「シンジ君! レイ! 遠慮はいらないわ! 全力でやりなさい!」


シンジ「あいよ」

レイ「負けない……」

数日前


カヲル「模擬戦ですか!?」

加持「ああ、うちは使徒との戦闘が乏しいだろ。経験を積んでおかなきゃな」

アスカ「とか言って、ネルフより優位に立ちたいだけでしょ」

加持「ははは、アスカは鋭いな。もちろんその意図もある」

シン「ですが、初号機パイロットの碇シンジは……」

アスカ「正直勝てる自信ないわね」チッ

シン(あのプライドの塊のアスカが……)

カヲル「そんなに凄いんですか?」

アスカ「あんたの何十倍も強いわね」

カヲル「えぇ!? そんな人とやるんですか!?」

アスカ「なっさけないわねぇ! 余裕だぜくらい言えないの!?」

カヲル「で、でも……」

加持「こっちは負けたって言い訳はいくらでもある。胸を借りるつもりでやればいいのさ」

アスカ「何言ってんのよ! やるからには勝つ! でしょ?」

カヲル「う……うん…」

アスカ・カヲルの家

カヲル「うぇえ!? い、一緒に暮らす!?」

アスカ「たった三日間しかないのよ! 寝る間も惜しんで作戦考えなきゃ!」

カヲル「で、でも男女二人なんて……」アセアセ

アスカ「はぁ……あんたみたいなもやしに襲われたって負けやしないわよ」フンッ

カヲル「そ、そういう問題じゃないよ!」

アスカ「!」

カヲル「あ、ご、ごめんっ、ただアスカも女の子だし……」

アスカ「そういうところだけあいつそっくりね」

カヲル「え……」

アスカ「わかったわよ」ピッ

カヲル「?」

シン「事情が事情だ。私も死ぬ気で手伝おう」

アスカ「そうこなくっちゃ!」

カヲル「お、お願いします」

シン「正直言ってシンジと初号機は規格外だ。まずは零号機を狙おう」

アスカ「でもレイもけっこう肉弾戦得意よ」

シン「それなら、こっちはこっちの得意分野で行く」

カヲル「得意分野……?」

射撃訓練場


カヲル「目標をセンターに入れてスイッチ。目標をセンターに入れてスイッチ」かちっかちっ

JA「ぐぉおおおおお!」ババババババッ

アスカ「へぇ、やるじゃない!」

シン「カヲルはああ見えて射撃精度98%。アスカよりも上だ」

アスカ「ふ、ふんっ、私はオールマイティなのよっ」

シン「だが、シンジはたった一発のミスを突いてくるぞ」

アスカ「……わかってるっちゅーの!」フンッ

カヲル「……何を話してるんだろう?」


アスカ(シンジと離れてからもう一週間が経つのね……)

アスカ(そりゃあ守秘義務があるから連絡取れないのは分かるけど……)

アスカ「……どうせサキたちと楽しんでるでしょ!」フンッ

カヲル「アスカ?」

アスカ「何よ」ギロッ

カヲル「き、機嫌が悪いんだねっ」ビクッ

アスカ「女の子はデリケートなのよ!」

カヲル「……よ、よかったらこれ食べる?」

アスカ「お弁当?」

カヲル「う、うん」

アスカ「あんたが作ったの?」

カヲル「一人暮らしだから料理のスキルだけは上がってるんだ」アハハ

アスカ「ふーん」パカッ

アスカ「まぁまぁおいしそうじゃない」

カヲル「そ、そうかな」テレテレ

アスカ(何嬉しそうな顔してんのよ……)パクッ

アスカ「おいしい……」

カヲル「そ、そうかな!」パァッ

アスカ「た、食べてる途中に話しかけないでよっ」フンッ///

カヲル「ご、ごめん!」アセアセ

アスカ「………///」モグモグ

アスカ「これから毎日作りなさいよ!」

カヲル「う、うんっ」

アスカ「………そうだ!」

カヲル「?」

アスカ「あんた、私と恋人になりなさい!」

カヲル「え、えぇ!?」ビクッ

アスカ「ば、ばかねっ! 作戦に決まってんでしょ!」

カヲル「どういうこと!?」

アスカ「初号機パイロットのシンジは私に惚れてるの! だから私たちが恋人の振りすれば絶対に動揺するわ!」

カヲル「で、でも……」

アスカ「あんたねぇ! こんな美少女が恋人の振りしてあげるって言ってんだから喜びなさいよ!」

カヲル「………」

アスカ「そうと決まればシンと作戦を立てるわよ!」

アスカ(せいぜい嫉妬すればいいんだわ! 連絡してこない罰よ!)フンッ

同時刻 ネルフ


シンジ「」

リツコ「シンクロ率ほぼ0……情けないわね」

マヤ「ちょっと悔しいです」

ミサト「シンちゃんのやる気に関係なかったから?」

リツコ「でも、戦いは明後日だというのにこのままじゃまずいわね」

ミサト「こっちの戦力は筒抜けだけど、あっちの渚カヲルって子の事は全くわからないものね」

レイ「私がいれば勝てる」シュシュッ

リツコ「いいえ、零号機はあくまでプロトタイプ。その進化系である弐号機にかなうところは一つもないわ」

レイ「」ズーン

ミサト「いずれにせよ、シンちゃんのやる気を出さなきゃ話にならないわね」

一同「………」

ミサト・シンジ・サキ・シエル・らみの家

シンジ「………」

シンジ(アスカを取り返す方法が何一つ思い浮かばねぇ……)

サキ「シンジ?」

シンジ「そもそも取り返すことが正解なのか? アスカは向こうでエースパイロットをした方が……」ブツブツ

らみ「ふぇぇ、しんじが怖いよぉ」

シエル「考え事してるのかな」

サキ「そうみたいね」

三人「………」



サキ「……できた」

らみ「すごいすごーい」

シエル「おいしそう」


シンジ「みんな台所で何して……」


サキ「あ、まだだめ。らみ、シエル」

らみ「らじゃーっ!」ガシ

シエル「任せて!」ガシッ

シンジ「へ?」

らみ「お風呂はいるー!」

シエル「ごーごー!」

シンジ「えっ?」

サキ(早くしなきゃ……)アセアセ

お風呂

らみ「おっふろおっふろおっふっろ♪」

シエル「シンジの背中洗ってあげるね」ゴシゴシ

シンジ「わりぃな」

らみ「しんじはアスカのこと好きなの?」

シンジ「ああ、運命の人だ」

シエル「シエルは?」

シンジ「家族だよ」

らみ「らみたちはうんめーの人になれない?」

シンジ「先のことはわかんねーよ。ただ、俺はアスカに運命を感じた。それだけだ」

シエル「アスカがうらやましい」

らみ「うらやましー」

シンジ「お前らにも良い人が見つかるといいな」ナデナデ

二人「うんっ!」

シンジ「お、おお……」

サキ「ど、どうかな?」モジモジ///

シエル「私たちの特製シチューとピラフだよ!」

らみ「さきはクッキーも作ったんだよ!」

シンジ「!! これはGガンダムにダンクーガ! マジンガーZにゲッターロボじゃねぇか!」

サキ「シンジは熱いロボットが好きだから……///」

シンジ「サキ……」

らみ「らみ達は食べられないけど、しんじが美味しかったら幸せー!」

シンジ「らみ……」

シエル「大事なことを考えてるんだと思うけど、シンジにはもっと笑っててほしいな……」

シンジ「シエル……」



ミサト「ただいまー……あらっ、おいしそうなシチュー!」スッ



三人「「だめーーーーっ!」」

ミサト「へー、ほんと可愛いわね、あの子たち」

シンジ「正直、自分の情けなさを痛感したぜ」

ミサト「まぁでも、私はうれしかったかな」

シンジ「え?」

ミサト「シンちゃんって、私達大人の葛藤まで一緒に背負って戦おうとしてるところがあるじゃない?」

シンジ「そんなこと……」

ミサト「でも、そんなシンちゃんが恋のことで悩んでる。普通のことで悩める余裕がある。私にはそれが嬉しいの」

シンジ「ミサトさん……」

ミサト「ねぇ、シンちゃん……」スッ

シンジ「ち、ちかっ///」

ミサト「シンちゃんが大人の男になれば、アスカも振り向いてくれると思うんだけど」スリスリ

シンジ(い、いい匂いがっ///)

ミサト「いいこと……する?」ジッ///

シンジ「す……し…しないっ///」ダッ


ミサト「あーんもう、シンちゃんの馬鹿!」


格納庫

レイ「零号機……私は強くなりたい」

零号機「………」

レイ「あなたが私の気持ちを重荷に感じてることは分かってる」

零号機「………」ブンブンブンッ

レイ「いいの。私が自分の立場をわきまえてないだけだから」

零号機「………」シュン…

レイ「確かにスペックではほかのエヴァに劣るかもしれない」



レイ「でも、気持ちは誰よりも熱く、誰よりも強い」グッ



零号機「………」

レイ「あなたにはそれを伝えたかったの」

零号機「………」

ネオネルフ


マリ「狙撃を?」

加持「ああ、五号機は間に合わなかったが、参号機が支給される。マリにはそれに乗ってほしい」

マリ「どっちを撃てば良いのかにゃ?」

加持「そのどちらでもない」

マリ「! ……加持さんってほーんと悪い人だにゃぁ」

加持「……よく言われるよ」


マリ(まぁ私はそんな役回りが似合ってるんだろうな……)


そして、現在――。


加持「いいかい、お互い殺傷性のない武器を用意してもらったが、それでもエヴァ同士の戦いは危険だ。あくまで自制を保って戦うんだよ」

アスカ「へいへい」

カヲル「頑張ります」

シンジ「自制か! 俺の得意分野だな!」

レイ「………」


加持「ステージは分裂する使徒と戦ったあの場所だ。お互いベストを尽くしてくれ」


アスカ「なーんか偉そうなのよね」

カヲル「まぁまぁ」

シンジ「レイ、大丈夫か」

レイ「ええ……」



少し離れた場所

マリ「ここなら好きなだけ狙撃できそうだにゃー」

参号機「………」ジャキッ

マリ(このライフル、けっこう強力だけど、死なないかな……)

マリ「……殺したくないなぁ…」ボソッ

シンジ「アスカ! 元気してたか!」

アスカ「あったりまえじゃない! あんたこそ連絡ひとつよこさずに、サキたちといちゃこらしてたんでしょ!」

シンジ「し、してない!」

アスカ「はーん、どうだか。ま、もう私には関係ないけどね」

シンジ「……もう?」

アスカ「こっちの話よ、ね、カヲル」

カヲル「う、うん。でも終わったらちゃんと報告しようね」

シンジ「ほ、報告?」

シンジ(報告って何の報告だ? 二人は何を……)ドクンドクンドクン



マヤ「初号機シンクロ率が低下していきます!」

ミサト「どう考えても作戦でしょ!」

リツコ「戦闘中は私たちと通信とれないルールはこのためにあったのね」

ミサト「ぐぬぬ、まさかシンちゃんにこんな弱点があったなんて……」



アスカ(ふふん、効いてる効いてる)ニシシ

カヲル「うれしそうだね、アスカ」

アスカ「なっ/// う、うれしくなんかないっちゅーの!」

シンジ(もし二人がそういう関係になったのなら、俺は……)

レイ「シンジ」

シンジ「! な、なんだ?」

レイ「信じて」

シンジ「……レイ?」

レイ「アスカを、信じて」

シンジ「………」

シンジ(……そうだ。アスカが黙ってほかの男と付き合うなんてありえねぇ)



シンジ「アスカ! 俺が勝ったらキスしてもらうぜ!」

アスカ「は、はぁ!? あんたさっきまでの話聞いてたの!?」

シンジ「おう! でも、俺はアスカが好きだ! キスしたい! それで十分だろ!」

アスカ「ば、ばっかじゃない!」

カヲル「作戦は失敗……だね」アハハ

アスカ「なんで嬉しそうなのよあんた!」

カヲル「だって、なんか卑怯だもん」

アスカ「ぐぬぬ……」

シンジ「俺が負けたら、アスカのいう事を何でも聞いてやる」

アスカ「……本当に何でも?」

シンジ「ああ、何でもだ」

アスカ「……乗ったわ」ニヤリ

加持「それじゃあ、準備はいいね?」

四人「はい!」

加持「それじゃあエヴァファイト。レディ……ゴーーーーーっ!」



カヲル「行くよJA!」

JA(真の姿)「グォオオオオオオオッ!」ダンッ


ミサト「高い!」

リツコ「あの子、JAのポテンシャルを最大限まで引き出してるわね」


カヲル「たぁあああああ!」グイッ

JA「ぐぉおおおおおお!」バババババババッ


シンジ「くっ、威力はないが正確な分厄介だぜ!」

初号機「ぐぉおおお……」グググッ

レイ「私が」グイッ

零号機「………」ダッ


アスカ「跳んで火にいる夏の虫ね!」グイッ

弐号機「………」バシュゥゥゥンッ


レイ「くぅうううう!?」

零号機「………」バシャァンッ


シンジ「レイ!」

レイ「大丈夫!」

シンジ「くっ、ロングレンジの必殺技を作っておくべきだったぜ!」


ミサト「いや、銃火器持ちなさいよ」

リツコ「自業自得ね」ハァ…


レイ「シンジ、水を使えないかしら」

シンジ「!! それは良い!」


カヲル「…目標をセンターに入れてスイッチ!」グイッ

JA「ぐぉおおおおおお!」バババババババッ


シンジ「そう何度も同じ攻撃を食らうか!!」グイッ

初号機「グォオオオオオオンッ!」バンッ

アスカ「水面を殴った!?」



―――バシャァァアァァァァァァァンッ!!



カヲル「津波!? 見失った!」クッ

レイ「遅いわ」グッ

零号機「………」グッ



――バシュゥゥゥンッ!



カヲル「なっ!?」

JA「ぐぁああ!?」バチンッ



アスカ「握力で水圧レーザーを放った!?」


シンジ「よそ見してるとやられるぜ!!」グイッ

初号機「ヴぉおおおおおおんっ!」ブンッ

アスカ「やられるかっちゅーーーーの!」バッ

弐号機「………」サッ

シンジ「ちぃっ!」

アスカ(あぶなかった……)

加持「まさか、水圧レーザーとはね」

シン「ええ、驚きですね。零号機のスペックでは不可能なはずですけど」

加持「筋トレでもしたんじゃないか?」

シン「エヴァがですか?」

加持「零号機はずっと器用な初号機をうらやましがってたからな。自分にも自信が欲しかったんだろ」

シン「……いったいエヴァとはなんなんですか」

加持「……分からないよ。今はまだ、ね」

シン「………」

加持(ここまでは予想通りだ。マリ、準備をしておけ)

シンジ「とらえた!」グイッ

初号機「グォオオオオオオンッ!」ブンッ

カヲル「……ごめんね、シンジ君」カチッ


JA(外骨格)「」ヒュッ


シンジ「なっ!?」

初号機「ぐぉおおおおっ!?」バシャンッ


ミサト「あれは!?」

リツコ「外骨格をコアに集まるように!?」

マヤ「初号機六つの外骨格に挟まれて動けません!」


シンジ「くっ、そぉ……」ガチャガチャッ

初号機「ぐぉおおおおおおっ!」グググッ


アスカ「無駄よ、外骨格は集まったらお互いを繋ぐ機能があるんだから。初号機の力じゃ引きちぎれないわ」


シンジ「なら俺が!」

カヲル「エントリープラグから出たら撃ちます」

シンジ「!」

アスカ「わかってんでしょカヲルの射撃精度」

シンジ「……やるじゃねぇか」チッ

アスカ(勝てる……勝てるわ!)

レイ「………」

アスカ「あとはレイだけね」

カヲル「このまま距離をとって射撃を続けよう」

アスカ「それが得策ね」

レイ「………」スッ

カヲル「………」カチッ

JA「グォオオオオオッ!」バシュゥゥゥンッ



―――ジュッ!!



レイ「……レーザー…」

カヲル「水圧レーザーは撃たせないよ」

アスカ「今なら降参してもいいわよ」

レイ「……負けない」グイッ

零号機「………」ダッ

カヲル「そっちに行ったよ!」

アスカ「任せて!」カチッ

弐号機「………」バシュゥゥゥンッ


―――ドォォォォンッ


レイ「くぅぅぅ!?」

零号機「………」ドゴォッ



ミサト「レイ!」

リツコ「万事休すね」

マヤ「シンジ君……」

シンジ「熱くねぇ」カチッ

初号機「ぐぉおお!?」


―――バシュッ!


アスカ「出てきた!?」

カヲル「くっ!」カチッ



―――バシュゥゥゥンッ!!



シンジ「くっ!」ドゴォンッ

アスカ「真正面! 終りね!」

カヲル「まだだ!」

アスカ「えっ!?」


シンジ「……熱くねぇよ」


加持「やはり、君自身が一番厄介だなシンジ君」ニヤリ

シンジ「そうやって遠くから攻撃して、強くなったつもりか」

カヲル「くっ」カチッカチッ



――バシュンッバシュンッ



シンジ「ぐっ、効かねぇ。効かねぇんだよ」ドンッドンッ

アスカ「あんたバカぁ!? 生身でそんなの受け止めたら死んじゃうわよ!?」

シンジ「ああ上等だ! 男が拳で語れねぇ時! それは死ぬ時だからな!」

アスカ「なっ」

カヲル「アスカ!!」

アスカ「えっ!?」


レイ「たぁああああああ!」

零号機「………」バシャンバシャンバシャンッ


アスカ「くっ、油断した……」




―――チュンッ!!




レイ「えっ……」

レイ(今何かが目の前を……)

弐号機「」バシャァァンッ

アスカ「がっ……あ、あぁあ……」



シンジ「アスカ!?」

カヲル「いったい何が!?」



加持「アスカ! アスカ!!」

ネオネルフ職員「弐号機頭部損傷! どこからか狙撃された模様です!」

シン「いったいどこから!?」



レイ「あそこ!」

シンジ「!?」

カヲル「……黒い…エヴァ?」



参号機「………」



ミサト「あれはエヴァ!?」

リツコ「最終実験でアメリカにあるはずの参号機がなぜここに!?」

冬月「やられたな」

ゲンドウ「ああ、すべては計算の上、か」

冬月(あれの所有権はネルフにある。つまり“我々がネオネルフのエヴァを狙撃した”ことに……)



アスカ「ぐぅ……あぁぁ!?」ゴポゴポ

加持「急いで神経接続を遮断しろ!」

ネオネルフ職員「は、はい!」


アスカ「………」

弐号機「」



シンジ「アスカ! アスカ!!」

加持「シンジ君! アスカは無事だ!」

シンジ「加持さん!」

加持「それより、あれは何だ!? 君たちのエヴァか!?」

シンジ「わからねぇ! 黒いエヴァなんて初めて見る!!」

シンジ(どちらにせよ、あいつが……)グググ

加持「カヲル君! 外骨格を外すんだ!」

カヲル「は、はいっ」カチッ


初号機「ぐぉぁぁぁぁぉおおおおおお!!」ガァッ


マヤ「初号機シンクロ率99%! 危険水準に達しています!」

リツコ「怒りで自制心を失っているんだわ」

ミサト「シンジ君! 落ち着いて! 相手はどんな武器を持ってるか分からないわ!」

シンジ「……許せるかよ…」ギリッ

ミサト「シンジ君!」

シンジ「アスカをやったことだけじゃねぇ。俺たちの戦いを邪魔したこと。陰でこそこそと隠れてたこと。全部許せねぇよ」ビキビキ

カヲル(これがエヴァ初号機のパイロット碇シンジ……まるで、感情の塊だ)ゾクッ




マリ「はぁ、そういうシナリオかにゃぁ……」ビキビキ

マリ(ネルフ所属のエヴァ参号機がネオネルフ所属の弐号機を狙撃することで、ネルフの印象を悪くすると同時に参号機は“使徒が寄生している”管理ミスの糾弾。加地さん、ガチでネルフを終わらせる気だにゃー)ビキビキビキ

参号機「………」グパァッ

マリ(意識が朦朧としてきた……)

マリ「しあ…わせは…あるいてこない……」

マリ(最後の最後まで、噛み合わない人生だったにゃー)

マリ「だーから歩いてゆくんだねぇ……」

マリ(ワンコ君、君のこと守れなくて、ごめんね)

マリ「いちにち……いっぽ…」

マリ(好き……だったの…かな…)

マリ「さんぽ……すすんで…にほ…」





参号機「グォオオオオオオオオオオオオッ!!」バチバチバチバチ





シンジ「なんだ!?」

マヤ「パターン青! 使徒です!」

ミサト「なんですって!?」

【次回予告】


 突如として現れた黒いエヴァ。

 強い感情に支配され、自制を失うシンジ。

 どこにも正解のない“妥協の選択肢”のみが溢れる戦場で、彼らが導き出した運命は。



 次回:最悪の脚本(マッド・スプリクト)



 全ての悪意を蹴散らせエヴァンゲリオン!

1スレで終わらせるつもりだったけど、先行き不安になってきました。

おやすみなさい。

カヲル「アスカ……」ドクン

弐号機「………」

カヲル「アスカ……」ドクン

アスカ「………」

カヲル「アスカ……」ドクン


アスカ『こんな美少女が恋人の振りしてあげるって言ってんだから喜びなさいよ!』


カヲル「うぁあああああああああ!!」ガチャッ

JA「グォオオオオオオオオオンッ!!」ドンッ


シン「暴走!?」

ネオネルフ職員「シンクロ率100%! これではJAがダメージを受ければ!」

シン(JAはエヴァと違って、パイロットの意思とJAのシステムのみで動く。シンクロ率を100%にするということは、生身で戦うようなものだ!)

シン「今すぐシャットダ――」

加持「いいや、まだだ」

シン「えっ」

加持「ここから、全ては始まる」ニヤリ

ミサト「まさか使徒がエヴァに寄生するなんて……」

マヤ「JAが動きました! あの動き……ほんとうにロボットなの…?」

リツコ「暴走状態ね。危険だわ」

ゲンドウ「総員第1種戦闘配備」

ミサト「エヴァを!?」

冬月「ああなっては仕方あるまい」

ミサト「くっ……シンジ君! あの黒いエヴァは使徒よ!」


シンジ「あいつが……アスカを…」ギリッ

レイ「パイロットは?」

シンジ「! そうだ! パイロットはいるのか!? 使徒に寄生されてるなら助けないと!」


加持「いいや、パイロットはいない」

シンジ「えっ」

ミサト「なんであんたが知ってるのよ!」

加持「そりゃ、こっちに転属するまであのエヴァの管理は俺がやってたからなぁ」

ミサト「なんですって!?」

加持「しかし、僕がこっちに配属されたとたんこの事故……いったいどう責任を取っていただけるのですかねぇ。碇司令?」


ゲンドウ「………」

冬月「狸め……」

カヲル「あぁあああああああ!」ガチャッ

JA「ぐぉおおおおおおおおっ!」バババババババッ


参号機「………」ヒュッ


カヲル「腕が!?」



―――ガシッ!!



カヲル「ぐっ、あ、あぁあああ……」

シン「カヲル!」

加持(そうだ。参号機は“ネルフ側のエヴァに倒されなくては意味がない”)

加持「シンジ君! 使徒のコアはエントリープラグにある! 破壊してくれ!」

シンジ「……あいつが…アスカを…」グググッ

レイ「シンジ?」



シンジ「………」ダンッ



ミサト「初号機に乗らずに!?」

リツコ「マヤ、シンクロ率は!?」

マヤ「シンクロ率120%! ……これは!?」

ミサト「どうしたの!?」





マヤ「パターン青……碇シンジを使徒と識別しました」





カヲル「ぐっ……ナイフで…」グイッ

JA「がぁあああ!」ブゥンッ



――ザンッ!



シン「使徒の腕を切った!」

加持「だが、“切ったのは彼じゃない”」

シン「えっ」




シンジ「………」ゴゴゴゴゴゴ

カヲル「シンジ君……?」

シンジ「どけ、邪魔だ」ギロッ

カヲル「っ!?」ビクッ

カヲル(何だ、この威圧感……)


カヲル「けど! あいつはアスカを! アスカを!!」


シンジ「あいつは俺が倒すんだよ!!」バキッ


JA「ぐぉおおおおおおっ!」ズザザザッ

カヲル「………」ガクッ


ネオネルフ職員「シンクロ率10%、パイロット気絶しました」

シン「……幸運ととるべきか…」

加持「………やれ、シンジ君」ニヤリ

シン(この人……何を考えてる?)ゾクッ

ミサト「レイ! シンジ君を援護――「いらねぇっつってんだろうが!!」

ミサト「っ!!」ビクッ


ゲンドウ「レイ、弐号機を回収、パイロットを救護するんだ」

レイ「分かりました」

冬月「優しいな」

ゲンドウ「後で殴られるのは怖いからな」

冬月「そういうことにしておこう」


ミサト「シンジ君! 落ち着いて! このままじゃあ“戻れなくなる”!」


シンジ「………」

シンジ「アスカを守れなかったんだ……」

シンジ「また、守れなかった……」

シンジ「そんな俺が……自分を心配する資格があるのか?」




――いや、ない。




シンジ「……っ!」ドクンッ

シンジ(ゆる……さん)ドクンッ

シンジ「お前だけは……」ドクンドクンドクン




シンジ「………潰すっ!!」




マヤ「なっ!?」

ミサト「あの光は何!?」

リツコ「ATフィールド!?」

リツコ(まさか……人の姿を保てなくなってる?)




シンジ「グォオオオオオオオオオオオオオオッ!!」




ゲンドウ「………」ギリッ

冬月(一体……どこへ向かおうというのだ我々は…)




シンジ「がぁあああ!」ザンッ


参号機「ぐぉおおおっ!」ボトッ



ミサト「一撃で腕が吹き飛んだ!?」

マヤ「うっ……」

リツコ「なんて禍々しい…」


格納庫

レイ「アスカ!」

アスカ「………れ…い」

レイ「………」ホッ

ネルフ職員「すみません、治療室へ連れて行きます」

アスカ「……ま…って…」

レイ「?」



アスカ「しん……じを…おね……い」ガクッ



レイ「………」コクリ




シンジ「がぁあああああ!!」ザンッザンッ



参号機「………」ブルンッブルンッ


シン「人間がエヴァをまるでおもちゃのように……」ガクガク

加持「光の手……人類の希望の光か」

シン「………」ジャキッ

加持「………どうしたシン」

シン「あなたは一体何を考えている」

加持「言っている意味が分からないな」

シン「あれのどこが希望の光だ! シンジは! あいつは怒りに身を任せるような奴じゃない!」

加持「……ふっ、君も彼に絆された1人か」

シン「目的はなん――」ガンッ

ネオネルフ職員「確保っ!」ガシッ

シン「くっ……は、離せっ!」

加持「シン、僕はね。知りたいんだ」グイッ

シン「しり……たい?」


加持「ああ、人類の希望が――」




――世界を壊すところを、ね。




シンジ「お前が! お前が!! お前が!!!」ガンガンガンッ

参号機「………」ビクッビクッ

マリ「……な…んだ…?」



モニター越しに映るシンジの姿。



マリ「!!」ゾクッ

マリ(な、何あれ……使徒? いや違う…怖い……怖い怖い怖い)ガクガクガクガク



シンジ「終わりだ」グイッ



マリ「えっ、な、何!? 何で真っ暗になるの!?」

マリ(いやだ、いやだいやだいやだ!)


青葉「確認取れました! エントリープラグには真希波マリというパイロットが乗っています!」

ミサト「なんですってぇ!?」

リツコ「シンジ君! 落ち着きなさい!」

マヤ「駄目です! 先ほどの光でアーマーが全て破壊されてます!」

ミサト「シンジ君!!」




ゲンドウ「シンジ!!」ダッ

冬月「お、おい!」

シンジ「……これを潰せば、アスカを殺した奴を…」グググッ


――メキメキメキッ


マリ「な、何!? 何でつぶれてるの!?」

マリ(怖い! 怖い怖い怖い! 嫌だ! こんな死にかたは嫌だ!)

マリ「ね、ねぇ、誰かわからないけど、使徒じゃないなら人間なんでしょう? 助けてよ! 何でもするから! 身体だって好きにしていいし、奴隷のような扱いだって受けるにゃ! か、顔だってましだと思うし!」


――メキメキメキッ


マリ「あ、ああぁ……」ガクガク

マリ(……もう…だめ……)




シンジ「終わりだ」




――     。




ミサト「何が……起きたの?」

マヤ「モニター映ります!」

リツコ「これは……」



 モニター越しに映る、使徒の形をした何か。



使徒?「………」ボロボロ

シンジ「な……んで…」

使徒?「………」

シンジ「何でここにいるんだよ……」

使徒?「………」

シンジ「そんな今にも崩れ去りそうな身体で……なんで――」



――サキ! シエル! らみ!!



使徒?「………」ブンッ

シンジ「くっ!」サッ

【BGM:今日の日はさようなら】


いつまでも絶えることなく


使徒?「………」ブンッ


友達でいよう


シンジ「腕が! 腕が落ちたじゃねぇか! やめろっ!」


明日の日を夢見て


使徒?「………」ブンッ


希望の道を


シンジ「皆!!」



ミサト「どういうことなの!? なんでサキ達の名前を呼んでるの!?」

リツコ「あれは、彼女たちよ」

ミサト「!?」

リツコ(コアに残った力を振り絞っているのね……おそらくこれが終われば…)




空を飛ぶ鳥のように


サキ?「シンジ」

シンジ「サキ!!」


自由に生きる


サキ?「大好き」

シンジ「……あ…」


今日の日はさようなら


シエル?「シンジ」

シンジ「シエル!」


また会う日まで


シエル?「大好きだよ!」

シンジ「………」


信じあう喜びを


らみ「しんじ!」

シンジ「らみ!」


大切にしよう


らみ「大好きだよ!」

シンジ「らみ……」


今日の日はさようなら


三人「今日まで大切にしてくれて――」


また会う日まで




―――――ありがと







  また会う日まで





シンジ「み……んな」ガクッ



マヤ「サキシエルらみ……し…ぼうしました」グスッ

ミサト「みんな……」ツーッ

リツコ「くっ……」

リツコ(ただの残骸だと言うのに……この苦しみは何!?)



マリ「……くっ、間から…でれ……る」

シンジ「…………え?」

マリ「………ワンコ、君?」

シンジ「な……んで、そこに?」




――サキ達が……止めて、くれた?




シンジ「………ぁ…」ツーッ

マリ「ワンコ……君」

シンジ「お、俺は……なんてことを…」

シンジ(俺のせいで……皆は…)

マリ「ワンコ君!」ギュッ



―――ジュゥゥゥッ!



マリ(あ、ついっ!? で、も……)ギューッ

マリ「シンジのためなら……耐えられるっ」ギューッ

シンジ「あ……あぁ……あぁあああ!」ギューッ

マリ「つっ!?」ジュゥゥゥ

マリ(シンジが私を頼ってる!!)



使徒「………」ユラッ

シンジ「!」



―――ヒュッ!!






―――パァンッ!!



レイ「やらせない」ジャキッ

シンジ「レイ! ……それは」

レイ「あなたを守るためなら手段なんて選ばないわ」

マリ「なんか……ずるいんだけどにゃー」ハァハァ

シンジ「………」スッ

マリ(体温が……戻った?)ホッ

シンジ「………」ガクッ

マリ「ワンコ君!? ワンコ君!」ユサユサ



ゲンドウ「シンジ!!」ガシッ

レイ「司令!?」



ゲンドウ「レイ、零号機でネルフまで連れて行ってくれ」

レイ「………」コクリ




ネルフ


ミサト「はぁ!? 真希波マリがこっちの所属ですって!?」

リツコ「やられたわね」

青葉「つまり、今回の一連の事件は全てこっちの責任にあると?」

リツコ「ええ、今回ばかりは最悪の事態を想定しなければいけないわね」

ミサト「参号機の私的運用、暗殺未遂、使徒の寄生、シンジ君の使徒化、一気に解体されても文句は言えないラインナップね」

マヤ「私たち、どうなるんでしょう」

リツコ「神のみぞ知る、ってところね」

リツコ(その神様が人でなければ、だけれどね)


【次回予告】

 世界中から非難を浴びるネルフ。

 気を失ったまま目覚めないシンジ。

 初号機、弐号機を失ったまま、新たなる使徒に立ち向かうネルフとネオネルフ。

 そんな中、目覚めたアスカの取った行動は。



 次回:見知らぬ天井



 今回の流れ分からないって人がいるわよミサト

 簡単に説明すると、ばーんってきてどーんと返したらばりーんってなったってことね

 余計分んないじゃん

 雰囲気……

 それを言ったらおしまいじゃない!

分からなかった人の為の補足説明


ネオネルフ側
1、使徒の模擬戦をやろう!
2、シンジを倒すために恋人作戦よ!
3、やったわ! うまくいく!
4、初号機を捕まえた! 勝てるわ!
5、頭がぱーんっ
6、カヲル暴走
7、使徒化?シンジに殴られてカヲル気絶

加持側
1、使徒の模擬戦をやろう

2、マリを秘密裏にネルフ側に転属させておいて、参号機でアスカを狙撃させよう。
その心はネルフ所属である参号機がネオネルフ所属の弐号機を狙撃することで、大問題に発展させたいからだ。

3、よし、うまくいったぞ。さらにカヲルをやられ役にしてシンジを暴走させよう

4、よし、うまくいったぞ。これでマリを殺させれば、人権問題にもできるぞ!

5、ちっ、使徒の残骸が邪魔してマリを殺せなかったか。まぁ十分だろう。


ネルフ側

1、あー、もう後手後手で大変だよー
2、世界中から非難がきておわた



って感じです。
一旦離れます!

本編で描写がないかもしれないので補足しておくと、

シンジ=使徒化?した瞬間から初号機は動けなくなってます! シンクロ率100%超えて魂をシンジに持ってかれたイメージでお願いします。今はもう動けます!


では、続きー

ネルフ医務室


アスカ「……なんで、ここで目覚めるのよ」

アスカ「………つっ…」ピクッ

アスカ(左のまぶたが痙攣する……後遺症ってやつかしら)

アスカ「眼帯した方がいいかしら?」

アスカ「………」

アスカ(頭を撃たれた瞬間、何であいつの顔を思い出したんだろう……)

アスカ「しかも、あいつはあんなひょろひょろしてなかったのに……」



ミサト「アスカ、起きたみたいね」



アスカ「ミサト!? あの後どうなったの!?」

ミサト「………」

アスカ「……?」

集中治療室


シンジ「………」

アスカ「バカシンジ! 何を寝てるのよ!」ガンガンッ

スタッフ「お、おやめくだ――」

ミサト「いいの」

スタッフ「は、はい……」

ミサト(今は彼が起きるなら、どんな方法でも……)

アスカ「シンジ!!」


どこか


マリ「まさか加持さんが私を裏切るなんてにゃー」

加持「悪いね。これもシナリオ通りさ」

マリ「ま、結果良ければすべてよしってね」

加持「綺麗な肌に火傷を負わせてしまったね」スッ

マリ「できれば触らないでほしいにゃー」

加持「………」

マリ「これはワンコ君を守れた勲章。私の宝物だから」フフッ

加持「シンジ君……か」

マリ「分かってる。けど、私はそれでもいいと思ってる」

加持「だが、もう止められない」

マリ「……また、ワンコ君は泣いちゃうんだね」

加持「また君が支えてやればいいさ」

マリ「………うん」

どこか


カヲル「はぁっはぁっ……」

カヲル「そうか、そうだったんだね」

カヲル「僕は……君の代わりだったのか…」


カヲル「ふ、ふふふ、あははははは!」


カヲル「さぁ、いつまで寝てるんだい。もう目覚める時間だよ」

カヲル「碇、シンジ君」


集中治療室


シンジ「………」

シンジ(長い間、眠ってたみたいだ……)

シンジ「ここが、現実なんだろうか……」


加持「どうだろうね」


シンジ「加持さん!?」

マリ「あれあれぇ? なんかワンコ君っぽいぞー?」

加持「記憶が混ざってるんだろう。時は近いということだ」

シンジ「何を……?」



アスカ「………」

ミサト「………」



シンジ「!! 二人に何を!?」

加持「ちょっと眠ってもらってるだけさ。君についてきてもらう必要があるからね」

シンジ「何……?」

車内


加持「君たち子供はね、何にでも理由があると思っている」

シンジ「………」

加持「生きることにも、食べることにも、喋ることにも、ね」

シンジ「何が言いたい」


加持「使徒がネルフを襲うのにも理由がある」


シンジ「……違うのか?」

加持「ああ、そういう意味じゃない。原因は地下に囚われている使徒に接触するためさ」

シンジ「さっきから意味がわかんねーんだよ!」

加持「君は“ずっと使徒にも心があって、その心に従って動いているんじゃないか?”と無意識に思い続けていたのさ」

シンジ「だからそれがさっきの話とどう違うんだよ!」

加持「全然違うさ。使徒に心なんてないんだからね」

シンジ「なに?」

加持「もう一度言おうか?」


 使徒に心なんてないし、使徒の残骸なんて存在しないんだ。


シンジ「……どう…いう……」


加持「君のお父さんは君を心配することなんて絶対にしないし、レイは肉弾戦を仕掛けたりしない」

シンジ(こいつはさっきから何を言っているんだ……)

加持「多くの人間が君よりも自分の生活が大事だし、君に目を向けている余裕はない」

マリ「私は違うけどにゃー」

加持「そして――」




加持「君は困難に喜んで立ち向かうタイプでもないし、嫌なことからは目をそらし続けるタイプだ」




シンジ「!?」

加持「それにカヲル君は人間なんかじゃない」

シンジ「!!」

加持「さぁついたよ」ガチャッ




シンジ「ネオネルフ……?」




加持「真実と向き合うときだ」

エレベーター内


加持「この地下にはね、1人の少年が眠っているんだ」

シンジ「少年?」

加持「ああ、その少年は14歳にして世界の命運を背負わされた悲劇の主人公でね、本人は平穏を望み続けたんだがどうにもうまくいかなかった」

シンジ「それと俺に何の関係があるんだよ」

加持「まぁまぁ、話は最後まで聞いてくれ」

加持「その少年はね、自らの都合で動く大人たちに嫌気がさしながらも、世界の為に戦った」

マリ「かっこよかったにゃー」

加持「そうするうちに、少しだけだけど、身近な人と絆もできた」

マリ「私とかね」

シンジ「さっきから、何を……」


加持「だが、その絆が、傲慢を生んだ」


シンジ「!」


加持「彼は、彼の周りの人間が須らく清らかで幸せの為に一直線に進む人間だと、そう決め付けたんだ」

加持「だが、現実は違った。彼らは、彼女たちはエゴの為なら後ろだって向くし、他人を蹴落とす。殻に閉じこもる。世界を否定する」

マリ「そんな人たちの中でワンコ君はよく戦ったにゃー」ナデナデ

シンジ「………」

加持「だから、彼は想ったんだ。強く、強く、ね」

シンジ「なんて……想ったんだ…?」



――こんな世界は間違っている、ってさ。



シンジ「!?」

カヲル「やぁ、久しぶりだねぇ。碇シンジ君」

シンジ(雰囲気が……)

加持「カヲル君。もう動けるのかい?」

カヲル「そりゃあ、彼がそう望んだからね」

シンジ「俺が……?」

カヲル「ああそうさ。アスカだって死ななかっただろう?」

シンジ「訳が……」



――チンッ



加持「さぁ着いたよ。ご対面だ」

シンジ「なっ!?」

最下層 珠玉に眠るシンジがいる部屋


シンジ「あれは……俺?」

加持「ああ、そうだ。君の……本体さ」

シンジ「!?」

カヲル「嬉しいよ。君とまた会えて」

マリ「相変わらずセクシーだにゃー」

シンジ「一体さっきから何だこれは!? 俺をからかってるのか!?」

加持「それはこっちのセリフだよ。碇シンジ」

シンジ「!?」



加持「一体いつまで僕たちにおままごとに付き合わせる気だ」



シンジ「おまま……ごと?」

マリ「私はいつまでも付き合うけどにゃー」

カヲル「おいおい加持。彼は何も分かってないのに酷いじゃないか」

加持「いいや、もう心の奥では気づいているはずだ」

シンジ「………まさか…」



ゲンドウ「そう、ここは―――」



人類がお前に補完された世界だ――。








エヴァンゲリオン:||  完




【次回予告】


 い、碇シンジ14歳です。

 ……って、何で俺はこんなひょろひょろになってんだよ…。

 目が覚めた先では、俺はエヴァンゲリオンに乗る前だった。

 冷たい親父、命令するミサトさん、見下すリツコさん。


 いったいこれはどういうことなんだよ。


 レイは怪我だらけだし、初号機は操縦できねーし。



 次回:新たなるセカイ



 どんな奴らでもかかってきやがれ!!



もしこれが劇場版なら、再び弱気シンちゃんが一生懸命頑張る展開になるんだと思うけど、これはSSなのでこっからも熱血シンちゃんでいきます。

ちょっとご飯食べてから続き行きます。では


加治さんとマリ(+カヲル)だけが本来の世界の住人だったのか?

夜飯は飲み物です。
>>506 本来の世界の住人はマリだけです。

シンジ君の中で加持さんは「良い人そうだけど、よくわからない人」という印象がそのまま補完された時に形成されて、マリと接触したせいでああなりました。

その他にもシンジ君が一度も会ってない人たちの中にはマリと出会ったことで前世?の記憶がよみがえった人もいる設定(ゼーレとか)にはなっています!

予定ではこっからもう一度エヴァやるつもりだけど、どっちかというと熱血シンジの世界で皆とワイワイやってる方がいいのかな? ちょっと悩んでみます。意見があればお願いします。

一応詳しく知りたい人のためのまとめ

1、

前世?シンジ君がサードインパクトっぽいのを起こして人類を補完する。
※その際、シンジ君自身が神?になったため、彼の意思を反映した世界になる。(ゲンドウやゼーレの目的とは全然違う結果)

できた世界では、シンジ君が望んだ世界(前向きになれて皆が幸せになれる世界)だった。
※ただし、シンジ君の頭程度では、全ての人の幸せを全て想像することはできず、結果ヒカリやマヤやミサトのようなシンジ君を好きになって幸せだけど辛い状態が発生した。(ゲンドウの計画を進めたいけど息子心配の葛藤も同様)

とある理由でマリだけが前世?のままで現れてしまった。
最初はシンジを探したが、先に加持と出会ってしまう。その際加持は世界の異変に気づく。


2、

困難に立ち向かうことを良しとしたシンジ君は、エヴァのパイロットに進んで立候補する。
その際、自分の力で立ち向かおうとしたのは、初号機に対する嫌悪感も多少はあるが、それ以上に不幸(使徒と戦うこと)は自分がやればいいという自己犠牲からきている。別の視点から言えば、中二病的なヒーロー思考。


3、

途中から初号機を降りて自分自身で戦い始めたのは、初号機の力で勝った訳でなく自分の力で勝ったと思ってほしい利己心が強い。
同時に、使徒さえも自分を好きでいてくれたらいいのにという願望から使徒の残骸(少女)が生まれる。少女の姿なのはロリコンではなく、シンジの中で赤ちゃんというものが想像できず、生まれたて=少女の姿となってしまった。(この辺からもシンジの考えの稚拙さがうかがえる)


4、

前世?で病弱だったレイに対して、強くあってほしいという願望から、肉弾戦レイが生まれる。ミサトは前世?で大人だったから溝があったので弱音を吐くキャラ(すぐ泣く)になった。トウジやケンスケはそのまま(強いて言うなら、暴力で制圧されずむしろ制圧できる力関係を望んだ)。ヒカリやマヤのようなあまり関わりの無かった人たちからも好かれたいと思った結果があれ。


5、

アスカだけはそのままを望んだ。
そのままだが、自分のことを好きでいてくれるように望んだ。だからアスカが前世?マリと加持の手で自分の場所から離れてかなりの動揺を見せた。頭を撃たれた時は我を失った。


6、

補完された世界では、シンジが望んだ姿を形成するものの、一部の外的要因によってすぐに崩れ去るような脆いものだった。

それはゼーレやゲンドウが望んだ世界とは違いシンジ自身の心がくっきりと残っていたからかもしれない。



まとめ終わり

熱血展開(補完された世界)の続行もありといえばありですね。

加持ラスボス展開は考えたけど、原作加持さん良い人だし躊躇ってしまった……




 新世紀エヴァンゲリオンZ
~正義の碇、ここにあり!~編



シンジ(熱血シンジよりも戦闘特化した身体)
「遅いな……」


シンジ(ネルフって言ったら世界を守ってるところだろ? とうとう俺にもその役目が回ってきたか)

シンジ「やるぜ師匠、俺が世界を守るんだ!」



――キキィッ!



ミサト「あなたがシンジ君ね!」

シンジ「あ、あんたが……」ドキドキ

ミサト「ええ、葛城ミサトよ。よろしくね」

シンジ「お、おお///」ドキドキ

ミサト(ふふっ、大人ぶっても中身は子供ね)

シンジ「それにしても、親父の奴は俺を呼ぶのがおそくねーか?」

ミサト「え?」

シンジ「世界のピンチだってことはド田舎の俺の耳にまで届いてた。だが、親父の言いつけで俺はひたすら修行してたんだ」

ミサト「そ、そう……」

シンジ「だが世界が終わったら何にもならねーぜ……」

ミサト「そうね……」

シンジ「まぁそれでも間に合った。俺が世界を守ってやるぜ!」

ミサト(この子、エヴァのパイロットになるって知ってるの?)



使徒「………」ズズンッ



シンジ「あれは!?」

ミサト「シンジ君! ちょっと飛ばすわよ!」

シンジ「えっ!?」

ミサト「って、こんな近くでミサイル飛ばされちゃ!?」




―――ドガァァァァンッ!!




ミサト「きゃぁあああああ!」

シンジ(うーむ、さすがに生身で戦える気がしないぞ……)




ゲンドウ「シンジぃ!!」



ミサト「碇司令!?」

ミサト(なんで電柱の上に!?)

シンジ「親父!!」


ゲンドウ「あれを見たか!」

シンジ「ああ! あれが世界を破滅に追い込む悪者だな!」

ゲンドウ「ああそうだ! やれるか!」

シンジ「あったりまえだぜ!!」

ゲンドウ「ならば!」バッ

ミサト「飛んだ!?」

ゲンドウ「貴様に力を継承する!」シュタッ

シンジ「力……?」

ゲンドウ「ああ」



――エヴァを呼ぶ力だ。



ゲンドウ「お前の力で世界を守れシンジ!」ガシッ

シンジ「ああ! 任せとけ親父!」ガシッ



――ピカーーーーーッ!!



ミサト「な、何!?」



――ズズゥン!!



シンジ「これは!!」

初号機Z「………」

ゲンドウ「あれはエヴァンゲリオン初号機Z、貴様の相棒だ!!」

シンジ「お前が、相棒……」

初号機Z「ぐぉおおおおおおおおんっ!!」

ミサト「シンジ君! 使徒が!!」

シンジ「!!」

アスカ「ちょっと! 離しなさいよ!」ジタバタ

使徒「………」

シンジ「この野郎! 離しやがれ!!」

使徒「………」クルッ


シンジ「行くぜ相棒!」


――合体!!


シンジ「エヴァンゲリオン初号機Z! やぁってやるぜ!」

初号機Z「グォオオオオオオオオンッ!!」


使徒「………」パッ

アスカ「きゃぁあああああ!」ヒューーーン



――ガシッ



アスカ「……え?」

スイカ仮面「大丈夫かい?」

アスカ「……生臭い」

スイカ仮面「」

シンジ「伝わってくる。親父の、いやそれよりもっと前の操縦者の想いが!!」


シンジ「Zソード!」グググッ

初号機Z「グォオオオオオオッ!」ブゥンッ

※シンジは操縦席ではなく開けた空間で身体を動かせる状態で操縦しています。


シンジ「行くぜ使徒野郎!!」ダッ

使徒「………」ピカッ

シンジ「おせぇええんだよぉおおお!」ザンッ

ミサト「ビームを切り落とした!?」

シンジ「ひっさぁああああつ!! ファーストインパクト!!」



―――ザンッッッッ!!



使//徒「」



―――どがぁあああああんっ!!



ミサト「勝った……」

ゲンドウ「良くやったシンジ……」




シンジ「世界の平和は俺が守る!!」ドンッ








シンジ「えっと、確かこの辺に……」

アスカ「………」

シンジ「おい、あんた!」

アスカ「!! ば、バカシンジ!?」

シンジ「何で俺の名前を……って誰がバカだよ!」

アスカ「バカシンジ!!」ギューッ

シンジ「は、はぁ!?」

アスカ「………」

シンジ「何がどうなってんだよ……///」


つづく。。。

【次回予告】


可愛いあの子は電波少女!?

前世の記憶を持っていると主張するアスカ。

なんと、前世で俺はもやし野郎だったらしい!

くっそー! 前世に行って俺を殴り飛ばしたいぜ!

そんなこんなで表向きは中学生として学校に通うことになった俺。

次々に現れる使徒と学校生活、どっちも全力でやってやるぜ!



次回:ヒーローはつらいぜ!



明日に向かってエヴァゼット!!

アスカ「な、何よこれ……」


ネルフ研究所


アスカ「ネルフが地上にむき出しで、真っ白の建物になってるぅうう!?」

ミサト「なぁに言ってんのよ。昔からここはこうじゃない」

アスカ「はぁ!? ネルフって言ったらジオフロントにあるピラミッド型の建物じゃない!」

シンジ「細かいことは気にすんなよ!」

アスカ「細かいってあんたねぇ!」ジッ

シンジ「さ、探検しようぜアスカ!」ギュッ

アスカ(バカシンジが手を握ってきた!?)カァ///

ミサト「あらあら、青春ねぇ」

加持「ほんと、若いっていいねぇ」ダキッ

ミサト「寝言は寝て言え」バキッ

加持「つらいっ!」ドサッ

研究所休憩所

シンジ「……ぷはーっ、うめぇぜ」

アスカ「………」

シンジ「どうした? 元気ねーじゃねぇか」

アスカ「……あんたは本当にシンジなの…?」

シンジ「うん、僕はエヴァンゲリオン初号機パイロット碇シンジだよ」

アスカ「!!」

シンジ「騙すような真似をしてごめん。でも、こうするしかなかったんだ」

アスカ「どういうことよ……」

シンジ「この世界は“三度目の世界”なんだ」

アスカ「えっ……」

シンジ「僕は一度、自分の作った世界で失敗を犯した」

アスカ「どういう……」

シンジ「……あの日、僕の世界は僕に触れることで崩壊した……というより、“あるべき姿に戻った”」

アスカ「あるべき姿に……」

シンジ「だけど、そこにはある人がいなかったんだ」

アスカ「ある人……?」



シンジ「君だよ、アスカ」



アスカ「私が……いない?」

シンジ「あの日、“世界を形成したのは僕だけじゃなかった”んだ」

アスカ「私も……?」

シンジ「ああ、補完した直後に僕は君の形成を望んだ。同時に“君が望む世界”も望んだんだ」

アスカ「なんで……」

シンジ「好きだったから……かな」ポリポリ

アスカ「なっ///」

シンジ「でも、それは間違いだった! 自分の望んだ世界なんて上手く行く訳がなかったんだ!」

アスカ「なんで……?」

シンジ「だって、人はみんな自分の望みを持っていて、それが他人と相反する世界になることだってあるんだ。だから、自分の望んだ世界が他人を殺すことだってあるんだ!」

アスカ「……でも、私は……」

シンジ「もう一度始めよう! 皆が平等に望みに向かって歩める世界を!!」

アスカ「私は……」





新世紀エヴァンゲリオン
 
 ~在るべき姿に~編




集中治療室

アスカ「……ここは…?」

シンジ「アスカ!」ギュッ

アスカ「シンジ……?」

サキ「良かった……」

シエル「アスカ!」ギューッ

らみ「あすか!」ギューッ

アスカ「私は……?」



ミサト「模擬戦の途中で頭を撃たれて、倒れたのよ」



アスカ「!?」

ミサト「大丈夫、全ての悪事を裁いて加持とネオネルフはぶち込む所へぶち込んでやったから」

アスカ(じゃあこれが……)

シンジ「加持さんは、本当の世界は別にあると信じ込んだらしい」

アスカ「本当の世界……?」

シンジ「ああ、アスカが倒れた後に模擬戦はすぐに中止した。そのあと俺は加持さんと真希波にネオネルフの地下へ連れて行かれたんだ」


ネオネルフ地下


シンジ「これは……」

使徒「………」

加持「こんな世界は間違っている、ってさ」

シンジ「何を……」

マリ「にゃははっ、さぁワンコ君! 一緒に帰ろう!」

シンジ「お前ら! 落ち着け!」

加持「ふふふ、あはは、あははははは!!」

シンジ(これは……使徒の攻撃?)

加持「そうだ、間違ってるんだ。俺が仲間を裏切るはずがない。だから……」ブツブツ

マリ「私は報われる。幸せになれるんだ。きっとそうだ」ブツブツ

使徒(レリエル)「………」

加持「さぁ、行こうシンジ君! こんな世界おさらばだ!」

シンジ「くっ……」

シンジ(装甲も置いてきたから、あいつに勝てる術がねぇ!)

マリ「ねぇ、早く……」ガシッ

シンジ「く……」



イスラ「………」バァンッ

レリエル「!」グルングルン



シンジ「お前は!?」

イスラ「………」バンバンバンッ

レリエル「………」ギュルンッ

イスラ「イスラを……食べて」

シンジ「えっ……」

イスラ「………」スッ

シンジ(これは……使徒の欠片?)

シンジ「………」パクッ



―――ドクンッ!



シンジ「かっ、はっ……」ドクンドクンドクン

シンジ「こ……れは…」

シンジ(胸にエヴァのコアが?)

イスラ「イスラは複数のコアを持ってる。そのうちの一つをあげる」

シンジ「……俺の中に初号機が?」

イスラ「勝てる?」

シンジ「……ああ、こいつはすげぇ!」ダンッ

シンジ(身体が軽い!)バッ


レリエル「………」グルングルン


シンジ「遅い!! ファーストぉ……インパクトっ!」ブンッ



レリエル「」ビチャッ


加持「! こ、ここは……」

マリ「はにゃぁ?」

シンジ「………」

シンジ「と、言う訳だ」

イスラ「よろしく」

アスカ「まぁた家族が増えたって―の!?」

サキ「にぎやか」

シエル「イスラ可愛い!」ナデナデ

らみ「大好きー!」ギューッ

イスラ「///」


アスカ「……もう、勝手にすればいいわ…」フンッ

アスカ(大体、ネオネルフが解体されたってことは……)


シンジ「アスカは今日からまたネルフに戻ってもらうってさ」

アスカ「えっ」

シンジ「よろしくな! ハニー!」

アスカ「………」ツーッ

シンジ「!?」

アスカ「私も……一緒にいていいの?」ポロポロ

シンジ「も、もちろんだって!」アセアセ

アスカ「……嬉しい…」グスッ

ミサト「雨降って地固まるってとこかしら」

ミサト(それにしても、ネオネルフの地下に使徒を幽閉したのは誰なのかしら……)

夜 ミサト・シンジ・アスカ・サキ・シエル・らみ・イスラの家

シンジの部屋


アスカ「バカシンジ、入るわよ」ガラッ

シンジ「アスカどうした……ってその格好!?」ビクッ

アスカ「下着姿くらいでバッカじゃないの?」フンッ///

シンジ「の、脳裏に焼き付けろ……」ジーッ

アスカ「はぁ!? バカっ! 変態!」ゲシゲシッ

シンジ「! み、見えそうで見えない……」ハァハァ///

アスカ「……ねぇ、約束覚えてる?」

シンジ「勝負に勝ったら何でも命令できる……か?」

アスカ「あの勝負、途中で邪魔が入らなければ……」

シンジ「ああ、俺の勝ちだったな」

アスカ「はぁ!? ふざけないでよ!」

シンジ「それはこっちのセリフだ! あそこから大逆転が待ってたんだよ!」

アスカ「私の勝ちよ!」

シンジ「いいや俺だね!」


ぎゃーぎゃー


二人「………」ハァハァハァ

めちゃくちゃ練られてる分、解説とか真相を少しずつ本編で公開してほしかった
わざわざネタバレしてくれてうれしかったけど

アスカ「ねぇ、じゃあこうしない?」

シンジ「?」

アスカ「いまから、お互いに目をつぶるの」

シンジ「それで?」

アスカ「先にキスした方が勝ち」

シンジ「!?」

アスカ「いくわよ、せーの」

シンジ「ちょちょっ、えっ!?」

アスカ「目を閉じて!」

シンジ「っ!」ギュッ



―――   。



シンジ「………///」

アスカ「………おやすみ///」タタタッ

シンジ「………なんだよ」




俺の負け、か。




中途半端ですがいったん離れます!
>>533たぶんこれ以上小出しにしようとしても多くの人がついてこられないと思いました(あの時点で大多数がそうだったかもしれないけど)

では!

※ここからの熱血シンジは淡々と日常を垂れ流すSSです。

すでについてこれない方は他のSSを、サキ達が可愛いと思う方は今すぐイラスト化をしましょう。

それでは、始めますー

一日目 ぜるえる怖い


※この世界はすべての使徒が使徒子と化してます。ネルフによって使徒子専用の学校があります。

シンジ「なんで俺が先生……」

サキ「きりーつ」

使徒子達「………」ガタッ

サキ「れい」

使徒子達「「シンジ結婚してください」」

シンジ「どういう挨拶だよっ!」

サキ「着席」

使徒子達「………」





シンジ「それじゃあ、サキ、これを応えてみろ」

サキ「1×3は3です」

シンジ「正解だ」

一同「おーーー」

シンジ(お前ら中学通ってたよな?)

シンジ「それじゃあ、ぜるえる次の問題答えてみろ」

ぜるえる「拒否する」

シンジ「え」

ぜるえる「今思った質問を耳にするのすら拒否する」アーアー

シンジ「なんでだよ!」

サキ「さすが使徒最強の拒絶タイプ」

イスラ「完全なる拒絶……」

シンジ「あのなぁ、お前らのために授業――」

ぜるえる「説教を拒否する」

シンジ「おいぃ!?」

ぜるえる「あーあーあー聞こえないー」

シンジ「………」プチッ

ぜるえる「」

シンジ「どうだ、おらっ」ギューッ

ぜるえる「あ、あう……」オロオロ

シエル「ぜるえるが動揺してるー!」

クィエル「少し嬉しそうなのが情けない」

ぜるえる「あーー、その言葉を拒絶するーーー///」


一同(可愛い……)


ダブリス「青春だねぇ」

シンジ「次はちゃんと答えるんだぞ」

ぜるえる「………」

シンジ「それじゃあ授業に戻るぞー」

使徒子達「はーい」

昼休み 個室トイレ

ぜるえる「許せない」パクパク

ぜるえる「ぜるえるを辱めたシンジを許さない」パクパク

ぜるえる(温かかったな……)ポーッ///

ぜるえる「!!」

ぜるえる「ち、違うっ、私は最強の拒絶タイプ!!」アセアセ

ぜるえる「ご飯おいしい……」パクパク



いろうる「壁から出られない」

あるみ「形が保てない」ドロドロ



職員室

アスカ「ちょっと馬鹿シンジ!」

シンジ「ん?」

アスカ「あんたのクラスのぜるえるが個室トイレを占拠してるって苦情があったわよ!」

シンジ「はぁ……またか…」ガタッ

アスカ「ちょ、ちょっとあんた!?」

シンジ「へ?」

アスカ「まさか女子トイレに行く気じゃないでしょうね!?」

シンジ「使徒トイレに行く気だけど?」

アスカ「使徒は女の子なんだから一緒だっつーーーの!」ゲシッ

シンジ「どうすりゃいいんだよ……」

アスカ「メールすればいいじゃない!」

シンジ「はいはい」ポチポチ




【メーラーデーモン】



シンジ「………」

アスカ「ぷっwww拒絶されてるwww」

シンジ「ぜぇるぅえぇるぅ!!」ダダダッ

アスカ「あーーーーっ、変態シンジ! 馬鹿シンジ!!」




個室トイレ



ぜるえる「全員のメールアドレス拒否してるから静か……」

ぜるえる「……食べ終わったらちょっとトイレも行きたくなったな」

ぜるえる「………」ヌギッ

ぜるえる「………」




―――どんどんどんっ!




ぜるえる「!?」チョロッ

ぜるえる(便器からはみ出した!?)


シンジ「ぜるえる! いるんだろ! ぜるえる!」


ぜるえる「え………」

ぜるえる(シンジがなんで女子トイレに!? ていうか今開けられたら――)ゾクッ


シンジ「おい! 返事くらいしろ!」ドンドンドン


ぜるえる(どどど、どうしよう! もし返事しなかったら無理やり開けるかも……でも拒絶タイプだし…)アセアセ


――ちょろちょろ


ぜるえる「////」

シンジ「開けるぞ!!」グイッ

ぜるえる「!!」



――ミシミシッ



ぜるえる「あ、あう……」



シンジ「どりゃぁあああ!」グイッ



――バキッ!





ゼルエル「グォオオオオオオオオオオオッ!」バキバキバキッ




使徒子達「「ぜるえるが使徒に戻ったぁあああ!?」」

シンジ「」




 校舎は半壊し、その日お昼休みに女子トイレを使用してはいけないという暗黙のルールが出来上がったのだった。




ゼルエル(あうぅ/// おしっこまき散らしてるよぉおお)グォオオオオオオッ




 一日目終わり。。。


使徒子メモ.1

名前:ぜるえる
見た目:少し根暗なおかっぱ美少女。
性格:拒絶タイプ。すべてを拒絶する。なぜ学校に来ているのか誰も分からない。


【次回予告】


 私の名前はマト♪

 目から涎がでちゃうちょっぴり照れ屋な女の子♪

 ちょっと違うのは、目から出た涎は溶解液で物質を溶かしちゃうの、てへ♪


 次回:マト、シンジを溶かすの巻


 この次も、溶解液サービスしちゃうわよ☆

おやすみなさい。

おしさしぶりです。

Qを見て確信しました。

超巨大ヴンダーロボでゲンドウを倒すと。



さて、第二話いきましょか。




第二話の前の番外編

冷徹シンジ編

格納庫

ゲンドウ「エヴァに乗れ」

シンジ「は? 死ね」

ゲンドウ「えっ」

シンジ「親の義務も果たせない馬鹿は死ね」

ゲンドウ「」

冬月「い、碇」

ゲンドウ「も、もういい、あや――」

シンジ「おい、話は終わってねーだろ。逃げんなよ屑」

ゲンドウ「」

冬月「………」

ミサト「シンジ君、今エヴァが戦わなければ人類は――」

シンジ「女は黙ってろ」

ミサト「」

リツコ「い「黙れ豚」

リツコ「」

シンジ「こんな得体もしれないクソ機関でも、一応リーダーやってんだろ。なら親の義務を果たせ」

ゲンドウ「………あや「いい加減にしろ」

ゲンドウ(もうやだ……)


冬月「この通りだ、頼む」ドゲザ


シンジ「………」ニヤリ


一同(あ、喜んだ……)

エントリープラグ内

シンジ「これがエントリープラグ内か、臭いな」

初号機「」

マヤ「LCL注入!」

シンジ「こんな臭い水を飲まないといけないのか?」

ミサト「息はできるから大丈夫!」

シンジ「当たり前だろ。パイロット殺す訳ねーだろ。馬鹿か? 死ね」

ミサト「」グスッ



マヤ「こ、これは!!」クワッ



リツコ「!!」




マヤ「シンクロ率0%! 碇シンジまったく他人を信用していません!」



終わり

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