兄「妹とSEXをする関係になってしまったけど、疑問が尽きない」 (34)

台本形式では有りません
スレタイから分かるように18禁の可能性が有ります
心理描写がかなり稚拙です。笑いましょう

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果たして僕は妹を想って行動出来ているのだろうか。

自分から関係を始めた訳ではないにせよ、その行為を止める事は出来なかったのだろうか。

妹は、一体何を思っているのだろう。自分は一体、どうすればよいのだろう。

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僕達はいわゆる孤児だった。

僕には彼女以外に数人の妹が居たし、弟や姉だって居た。

妹にも僕以外に数人の兄が居たし、弟や妹ももちろん居た。

だけど本当の兄妹は、一人たりとも居なかった。


僕達二人は複数の兄妹の中で最も仲が良かった、と思う。

僕が行くところには妹が付いて来たし、妹が何処か行く時には僕も付いて行ったりした。


寝室は男女で分かれていたけれど、時々、すごくたまに、妹は僕の布団に潜り込んで来たりもした。

僕も特に拒む事はしなかった。もちろん施設長にバレたら怒られた。


だから、2人そろって同じ家の人に引き取られると決まった時、僕はすごく嬉しかった。

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始まりは引き取られて1ヶ月程経った日だった。


家に引き取らてからの僕たちは、それぞれに自分の部屋を貰う事が出来た。

ベッドと机もあったし、僕の部屋の本棚には漫画も用意してくれていて、欲しい物が有ったら買ってくれるとも言われていた。

少し他人行儀とはいえ、部屋に馴染みだし、中学校での僕の立ち位置も決まり出した、少し気の抜け始めた頃。


深夜、僕の部屋の扉が静かに開いた。僕は目を閉じたまま耳で気配を聞き取っていた。


時折、新しいお母さんが覗きに来る事が有ったから、またなのかなと思いながらも僕は目を閉じたまま寝ようとしていた。

でも、いつもは開けたまま扉が今日は閉じられて、床を踏む音はいつもより小さくて、

僕の布団が少しめくられたのは、この家に来てからは初めてだった。


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養護施設に居た時、僕の布団に入ってくる少しだけ小さな影と同じ気配。


いつも仰向けで寝る僕の布団に入ってきた後は、僕の左足に自分の両足を軽く絡ませて、左手で僕のパジャマを軽く握って、

僕の枕の下半分だけを使い、布団から頭のてっぺんだけを出し、僕の肩におでこをくっつけて寝息を立てるのがいつもの事だった。


布団がめくられた時に、目を開けて視線を送ってみたけれど、カーテンが閉められて月明かりさえ入ってこない僕の部屋は真っ暗で、

彼女の顔も、時計の針も見る事は出来なかった。



僕は妹だと言う事に気づいていたし、もそもそとゆっくり潜り込んで、いい匂いをさせるのは施設と一緒だったから、

僕は特に何をするわけでもなく目を閉じていた。


潜り込んでから少し後に、僕の服を握っていた左手が、すぅっと下に動いてパジャマの下に差し込まれた。

どくん、と一瞬胸が跳ねた。興味が無いと言えば大嘘になるけど、僕は妹をそういった目で見た事は無かったから。

混乱と焦燥、驚きが僕の頭と胸を支配した。


だけど彼女は手を止める気配が無くて、そのまま下着の隙間から僕を触れた。

声を掛けたい。けど喉がつっかえて何も出ない。僕はその時、嫌な事が過ぎ去るのを待つかのように耐える選択をしてしまった。

僕にとってそれだけあり得ない事だった。今自分の身に起きている事なのに、信じる事が出来ないくらい。


そして、僕が拒否する事を選べなかったこの事が、最初の間違いだった。




妹は握って開く事を繰り返す。

肉体的な快楽に対抗する手段を考えた事さえなく、オナニーの経験も薄い僕は、そのまま体を固まらせてしまった。

僕の肩に当てられていた頭は、いつの間にか潜り込んでいて、僕の左足に絡ませていた両足は、いつの間にか跨っていた。

とにかく次が一切予想できなかった。僕には一切の余裕が無かったから考える事さえ出来なかった。


気が付けば僕のパジャマはずり下げられていて、布団は下半身を中心に盛り上がっている。

下腹部の快感が止まる。安堵とも残念とも取れる交じり合った感情が頭に湧いてきたが、すぐに驚きでまたもや頭が支配される。


温かく、ぬるぬるとした感触が始まったからだ。同時に、痺れるような衝撃が頭まで走った。

「あっ」と、情けない声が漏れる。しかしそれを皮切りに僕は喋る事が出来るようになった。

「ちょ、ちょっと、まって。」腹筋に力を入れて上半身を上げる。しかし彼女に待つ気配は無い。

僕は声を小さくしながらも幾度と止める様に声を掛けた。しかしその気配は無い。



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手で頭を押さえようとした、ちょうどその時「ちゅぽ」という音の後、布団と共に妹は顔を上げる。

もぞもぞしている内にいつの間にかカーテンがずり動き、その隙間から月明りが差し込んでいた。

その明りは、普段の生活の様に無表情を維持する妹の顔と、その口元をぬるりと光らせていた。

布団がめくられた事で僕は外気にさらされ、少しひくついている。少しの間、顔を見合わせている時間が過ぎる。

息が詰まる様な空気に耐えられず、「何故?」と声が漏れた。

それに対する妹の返答は無く、代わりとでも言う様に、唾をコクンと飲み込んでから顔を近づけ、そのまま唇を重ねてきた。

先ほどまで自分を咥えていたと場違いな思いが浮かんだが、特に抵抗しなかった。


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顔を合わせたままの体勢で、いつの間にか下半身だけ脱いでいた妹は、右手で僕を掴み、腰を下ろした。

音がした訳では無いが、ブチブチという引き裂けるような感覚が伝わってきた。

知識だけしかない僕と言えど、その感触ははっきりと初めてである事が分かる。

僕は尚更驚いて、肩を掴んで顔を引きはがしながら、「ちょ、ちょっと。」と言う。

しかし薄く月明かりに照らされた妹の顔は、いつもの無表情ではなく、耐えるかのように歪ませていた。

それを見て僕は「苦しいならやめよう。」と、ようやく言えたが、妹は意に返さず腰を下ろしきり、

そのまま倒れるように僕に体を預け、「お兄ちゃん。」と一言だけつぶやいた。


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それが初夜だった。

その後、妹は抽挿を開始し、僕は快楽に抵抗する事も出来ず中で果ててしまった。
事を終えた妹はそのまま自分の部屋に帰ってしまい、真意を問いただす事も出来なかった。

どっと疲れた僕はそのまま寝て、起きてからシーツに付いていた血を見て現実を再認識する。


そして不甲斐ない事に、僕はそれからも度々求める妹に抵抗できず、いつしかそれが日常になってしまっていた。


僕達を引き取ってくれた両親は共働きで、休みが不定期である事も拍車をかけた。

親の寝室に忍び込み、ローションを勝手に使って事に及んだり、隠してあったAVを見ながらリビングでしたり、

時には、親が居る時に隠れながらする事さえあった。


中学生と言う事も手伝って好奇心が抑えられず、可能な範囲で様々なプレイを楽しんだ。

僕達の汗は、引き取ってくれた両親の家の至る所に染み込んでいる。


両親にとって不運だったのは、妹はとても頭が良かった事だ。ばれる事は無かった。

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そんな生活に慣れてしまい、一年が過ぎた。両親は積極的に僕達に関わり合おうとして、僕もそれに応えた。

素直に良い人たちに思えたし、両親の願いと言う事も有ったので、お父さんお母さんと呼ぶ事に違和感を覚える事も無くなっていた。

学校でも多くは無いが友人に恵まれ、妹も同じ学校に通っていると言う事をからかわれたりした。

時々、妹に誘われ一緒に家に帰る事もあり、それを目撃された次の日には盛大に呪われた事も有る。特に体に被害は無かったけど。

施設を出た後の生活は、自分にとっては本物の様だった。


だけど妹はどうだったのだろう。

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自分は妹が好きだ。

ただそれは、体を重ねるような行為をしたいという思いでは無かったはずだ。

裏なく、ただ単に、妹に幸せになって欲しいという思いだったはずだ。

愛していると思う。する事も嫌いじゃない。だけど、自分の妹への思いが、何か濁りの有る感情にすり替わってしまった様な気がした。


ある日、妹に誘われ一緒に帰っていた学校の帰り道、コンビニに寄った。

別段何か目的が有ったわけでは無く、ふらりと入っただけだった。

どうせなので漫画の新刊を確認しようと雑誌コーナーまで進もうとした。

いつもは付いてくる妹が、途中の棚に有る物を、ほんの少しの間、じっと見ていた。


避妊具だった。

その瞬間、当たり前の事実が僕の頭にのしかかった。

僕達はそういう事をしているのだ。妹のそれはまだ来ていないから、のんきに快楽を貪れたのだ。

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それ以降自分は気が乗らなくなってしまったが、しかしずるずると行為は続けていた。

妹は、可愛いと思う。学校の同年代の中と見比べても、上回りこそすれ下回りはする事は絶対に無いと思う。

とても魅力的だと思う。頭も良いし、物腰は少し固い上に愛想は少ないが、常に冷静であるし、たまに友人から羨む声が聞こえもする。


頭が良くて、冷静なのに、なんで僕とあんなことをしているのだろう。

学校で机に突っ伏しながら、僕はようやく初めて妹の心情を考え始めた。

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僕達は、孤児だ。でも僕と妹では境遇が違う。

僕は物心つく前からあの施設に居た。だけど妹は、小学校に入ったばかりの頃に施設に来た。

それはつまり、本物との別れを認知している、と言う事だろう。


事実、入ったばかりの頃は、本当に口を利かず、一人を好み、朝から晩まで、施設の裏手の塀で囲まれて誰からの視線も感じない場所に佇んでいた。

日が沈めば自分の部屋に戻るので、先生たちは心配はしていたが無理に矯正しようとはしない。


僕は活発では無いから、動かない事に慣れていたし、前に出る性格でも無かったから、話しかける事もしなかった。

ただ何となく、彼女が佇む施設裏でぼーっとしていただけだ。1ヶ月近く、そうしていただろうか。

そのうちに、僕がご飯の時間なので戻ろうとする時に付いてくるようになり、そのうちにご飯の時間隣に座るようになり、

そのうちに朝起きると僕の所に来るようになっていただけだ。そしていつの間にか布団に潜り込んでくるようになったのだ。


彼女の行動に変化が訪れる度に、その都度その都度、嬉しくなった。いつの間にか、僕は彼女の兄で在るかのように振る舞う様になった。



それが何時の間に、彼女と体を重ね合わせる事を当然とするようになったのだろう。
 
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「何故?」と、僕は改めて行為後に聴いた。

妹は応えなかった。



一度だけ、妹が口から漏らした事が有る。

「偽物が、偽物なのは変わらないよね……。」


この家の事を言ったのだろう。本物で有るかのように振る舞う母親と父親、そして、僕。


本物を知る彼女にとって全ては偽物だったのだ。彼女の周りには厚顔無恥な本物の振りをする偽物しか居ない。


その思いが、この家で暮らし始めた時に強くなっていたのだろう。その寂しさが、たまたま僕に向いただけなのだろう。


結局僕は、妹の思いを利用して、自分の性欲を解消していただけなのだ。

とても、屑だ。

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僕はその事を考えた日を境に妹では性欲が湧かなくなってしまった。酷く自己嫌悪してしまうからだ。

自分は、妹の思いを利用して、するだけの屑だった。

こんな僕よりは、相応しい人間が居るに違いない。そう、思うようになった。



これが、僕の犯した2回目の間違いだった。


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妹とする事は無くなった。

妹も別に何も言ってこない。

家に帰ってきた時に掛けられる「おかえり。」というぶっきらぼうな声も特に変わりはしない。

ご飯の度に「おいしい?」と聞いてくるお母さんへの返答も依然変わらず「おいしい。」のみだ。

お父さんが慣れてきた頃から時たま冗談で言う「一緒に風呂に入るか?」という下ネタに対しても相変わらず「やだ。」で済ましている。
(そして後にお母さんに叩かれている様を見る目も冷ややかなままだ。)


そしてたまに、布団の中に潜り込んでくるのも変わらない。ただしなくなっただけ。


結局僕はまた妹の心情を考えなくなっていた。


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学校で友人からある事を聞かされた時、僕は初夜の日の様な驚きと混乱、そして強めの焦燥を辛うじて友人に悟らせずに済んだ。

「お前の妹付き合ってるんだってな。」



自分はいつから、こんなにも所有欲が強く、嫉妬深くなったのだろう。

妹が僕以外の人を選んだだけだというのに。そしてそれは、極々当たり前な事で有るはずなのに。


妹は頭がいい。そしていつも冷静だ。だから信じる事は当然だ。なのに、

僕はとても強い不安を覚えた。


果たして妹を任せる事が出来る人間なのだろうか。

もし、妹が冷静でなかったとしたら。


この一件で、僕は兄としての視点を取り戻す事が出来た気がする。


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そして妹が体の関係を求めてきた理由を、僕はやっとその日考え出した。

妹は、寂しかったのだろう。親を亡くして、いきなり放り込まれた養護施設。

仲良くなっても、本物の関係は一切ない。常にその事が頭をちらついていたのかもしれない。

そこに、引き取り手が現れて、仲の良い相手と一緒に連れられた。そこで体験するのは、本物の様に振る舞う偽物の生活。


妹は、本当の関係が欲しかったのだ。兄妹は無理だから、夫婦の様な関係を。

妹は、その相手を求めて、僕にした。僕しか居なかったからだ。


妹は、体を重ね合う事でしか、自分の中に有る寂しさを、埋める事が出来ないのかもしれない。


だとするならば、妹は初夜の様に寂しさを埋める為だけに相手を求めているのかも知れない。



そしてそれは、冷静とは言えない心理状態だろう。


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その日、下駄箱に居る妹を呼び止めて、一緒に帰るように誘った。

普段特別な用事が無い時には、僕から誘うことは無い。だから、これは妹に取っても予想外だったのかも知れない。

本当に珍しい、きょとんとした顔が有った。



後日、妹が付き合っている相手を一方的に相手を振ったという噂が、女子の間で流れた。

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結局、僕と妹の関係は少し後戻りした。

結局自分は、自己嫌悪という自分勝手な理由を社会的なモラルに絡めて正当化した上で自分を優先したに過ぎなかった。

妹の気持ちを一片も考えてはいなかったのだ。

妹とする時に自己嫌悪は感じるが、しかしこれは妹が望んだことなのは確かだ。2つ目の間違いは、問題が深刻化する前に帳消しに出来た。


ただ、既に一つ目の間違いは、取り返す事が出来ない位に深刻化していた。


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求めてきた妹に、成すがままに応じてしまった事により、妹の寂しさを埋める方法を完全に固定してしまった。

そしてさらに、それを習慣化してしまった。

友人とカラオケに行くように、昨日のテレビの話題を出す様に、生活の一つとして組み込まれてしまった。

もう、何かの代償無しにはこの行為を止める事は出来ないだろう。


なぜならそれは、妹が生きる上での拠り所の一つになってしまったからだ。

ただ、SEX自体が、拠り所となってしまったかは、まだ分からない。

とてもか細い可能性だが、僕自身が拠り所で有る可能性は、無いわけでは無いからだ。

そしてそれを感じる方法として、SEXが必要なだけなのかもしれない。


可能性としてはとても薄く感じる。

が、もしそうならば、


僕と彼女の、偽物の関係を、本物に置き換えてしまえば解決する問題だ。

ただ僕は、僕より相応しい人が現れてほしいと思うし、そして現れた時の邪魔な存在になる事も理解している。


妹が幸せになる為には、僕は一体どうすればいいのだろう。


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                                 つづけ

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