【タイムアタック安価】勇者「時を統べる紋章」 (71)


母「ええ。それが15歳となったあなたの右腕に授けられた、勇者の血筋たる力よ」

勇者「剣でも、盾でもなく?」

母「勇者とは、本来は勇ましき者を讃えてそう呼ばれる。その勇気とは、己の我欲や力の誇示の為に危険に身を投げる事ではないの」

母「力を持たぬ者、怯え竦む者、侵される者、惑わされる者」

母「その彼等の為に勇ましさを示し、導き、道を拓く。その果てが、勇者となるあなたのたどり着く場所」

勇者「母さん」

母「これを持ってお行きなさい」


勇者は3枚のコインと1つのオカリナを受け取る。


勇者「これは?」

母「『時の魔道具』と呼ばれる不思議な道具よ。これを使い右腕の紋章に力を宿すことで、紋章はその力を示す」

母「紋章の力は、勇者たるあなたを呼ぶ皆の声……その残滓を遥かなる時の彼方から拾い集めあなたの力とするもの」

母「具体的に、

『魔道具に対応した時間帯すべてのレス』の『最初の一文字のみ取り文章にする』

安価の力。安価下や多数決にも惑わされることのない力よ」

勇者「そんな力が……ところで、コインとオカリナは何が違うの?」

母「クロックコインは1分後を司る力、時のオカリナは10分後を司る力よ」

勇者「時のオカリナって……リンk」

母「しゅあああああい!!!」

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勇者「回転斬りで村から追い出されてしまった……」

勇者「勇者になったんだから、困ってる人をなんとかしながら旅をしよう」

勇者「ん、あれは?」

> スライム が あらわれた !

勇者「う、敵か!?」

スライム「そうと決めつけるには早いぞ、少年」

勇者「しゃべった! お前は悪いやつじゃないのか!」

スライム「ただのレイパーだ。男には興味ないから安心しろ」

勇者「うん悪いやつだ! 成敗する!」

勇者「スライムは弱いって聞いてるし、駆け出しの僕でも……!」

スライム「そうと決めつけるには早いぞ、少年……!」

ずももももも……

勇者「デカい! デカくなった!」

スライム「ただのスライムではレイパーは務まらん。俺はその身体をいろいろと変形できる」

スライム「そして! 最大の力を発揮する形態。その文言が『成人男性』だ!!」

勇者「くそ、大の大人相手で子供の僕に勝ち目はあるのか……!?」

妙にゼリー質な成人男性に怖気づく勇者の右手が、時のオカ○ナに触れた。
その時、オカリナと右腕の紋章が光を放つ!

スライム「ぐっ……その光! 少年よ、勇者か!」

勇者(ああ……これ、別に吹かなくても発動するのね……。うん、いいよ、カッコ良く吹ける自信なかったし……)

勇者は眩く輝くその手を天へ、世界へとかざす!

勇者「みんなの想いよ、10分間のあいだ僕に力を!」

> 勇者 の こうげき !
>このレスから10分間、すべてのレスを一文字安価する!


勇者「>>3-11の力が……僕の右腕に!」

スライム「うおおおおおおお!!」

勇者「行くぞおおおお!!」



「雷風斬波死滅乳爆弾」VS「成人男性」



スライム「物騒なワードばっかりーーーー!?」

勇者「おっぱいの事考えてたの誰だーーーー!?」

人々の想いは、時の彼方より。
勇の者に宿りて、道を拓く。


その腕に雷を。その心に風を。
斬り裂かんとする波が、その胸に宿りてたわわに実る!

勇者「あああああああああああ!!」バルンバルン

スライム「揉ませろおおおおおおおお!!」ダダダダダタ


迫り来る悪鬼。
2つの果実はすべてを死滅させる雷風斬波をもって、男の浪漫「おっぱい爆弾」と化す!!

勇者「発射あああああ!!」ボシューン

スライム「ぬぐおおおおおおおお!!」ドカーン

…………

勇者「スライム……」

スライム「けっこう……柔らかかった……ぜ」

> スライム を やっつけた !


勇者「あれ? これは……」

> クロックコイン を てにいれた !
> クロックコイン を てにいれた !
> クロックコイン を てにいれた !


スライム「持っていけ……今のお前には、必要なものだろう」

勇者(3枚手に入れたって言えばいいのに……)

スライム「さあ、行け。お前のはち切れんばかりの乳をまた揉ませてもらうまで、他の人間はレイプしないと約束しよう」



初陣を輝かしい勝利で飾った勇者はまた一つ勇ましくなり、次の町へ向かうのでした。


最初の町

勇者「町に着いたぞ……あれ?」

勇者も時折買い物に行く町は、いつもに比べ重い空気に包まれていた。どこか騒々しい。

勇者「肉屋のおばちゃん、なんかあったの?」

肉屋「おや、勇者ちゃん。町外れで遊んでた子供3人がゴブリンにさらわれちったんだよ……」

肉屋「大人たちも頑張ったんだけど、止められなくてねえ。洞窟まで逃げられちまったよ」

勇者「僕が行って助けてきます!」

肉屋「おお! そういや、あんたは勇者の血筋だったっけねえ。これあげるから、よろしく頼むよ!」

> ポテトサラダコロッケ を てにいれた !

勇者「うまい。家庭的な味で、いけるいける」

勇者(あれ? 肉屋さんだよね?)


洞窟の場所を聞き、早速出立したのだった。


勇者「ここが洞窟の入り口……」

ゴブリンA「ぬっ、貴様ら! 敵襲だ、出会え!」

ゴブリンB「やれやれ……ゴブ使いが荒いぜ、旦那」

ゴブリンC「……任務を遂行する」

勇者「ま、待って! 争いに来たわけじゃない! 町の子供たちを返して欲しいんだ!」

ゴブA「ならぬ。彼らは我らのものだ」

勇者「どうしてだ! 力も知恵も、子供よりゴブリンたちの方が上だろう!」

ゴブB「へっへへ。そりゃあ、旦那さまのかわいい遊び相手でっせ」

ゴブA「あっこら! 貴様! 何を言うか!」

ゴブC「無駄だ。13分前、人間の子供たちと水遊びをしていたのを記録している」

勇者「……ときどき町に遊びに行ったら? 普通に」

ゴブA「ならーん!! 以前奴らのアジトに行ったら大量の飴と生野菜を強制的に持ち帰る羽目になったのだ!!」

勇者(ああオバちゃん連中だ)


勇者「じゃ、僕が遊んであげるよ」

ゴブA「ぬ? 貴様。大した度胸だな……」

ゴブB「しょうがねえなぁ旦那も……」

ゴブC「速やかに対象を殲滅し、子供の寝かしつけに移行する」

ゴブリン達が一斉に石斧を取り出し、『数の暴力』の陣を取る。

勇者「小さい子供と遊びたいのって、つまりは自分が負けたくないからでしょ!?」

ゴブC「その傾向が見られるようだ」

ゴブA「うるさいうるさーい! 人間風情で、我らゴブリン族に勝てると思うなー!!」

> ゴブリン の 群れ が あらわれた !

勇者は懐から5枚のクロックコインを取り出し、その右手に握りしめる。
勇者は眩く輝いたその手を天へ、世界へとかざす!

勇者「みんなの想いよ、5分間のあいだ僕に力を!」

> 勇者 の こうげき !
>このレスから5分間、すべてのレスを一文字安価する!


勇者「>>22-27の力が……僕の右腕に!」

ゴブA「潰す!!」

ゴブB「よいしょお!」

ゴブ「任務を遂行する……!」

勇者「3対1でも、僕は負けない!」



「谷殴山殴鯖衝」VS「数の暴力」




ゴブA「谷ってなんだ!?」
ゴブB「山ってなんだぁ!!?」
ゴブC「鯖とは何なのだ!?」

勇者「僕が一番聞きたいよ!!」

ゴブA「ええい、殺らなきゃ負ける!」ブン!
ゴブB「お供しまっせ!」ブン!

勇者「うわわわ!」

ゴブリンたちの大振りな一撃を避け後ろに回った時、右腕と右脚が勝手に光りだし……!

ゴブA「あ、やば……」
ゴブB「ちょ、斧抜けな……!」


勇者「谷殴ゥ!!(こくおう)」ずむっ
ゴブA「尻穴が!!」

勇者「山蹴ゥ!!(さんしゅう)」びたーん!
ゴブB「尻たぶが!!」

勇者「鯖衝ぁあああああ!!(さばしょう)」バチーン!
ゴブC「もののついでに!!」


…………

ゴブA「ぐぬううう」ジンジン
ゴブB「旦那ァ……」ヒリヒリ
ゴブC「生臭い……」クラクラ

勇者「これが、安価の力……!」

> ゴブリン の 群れ を やっつけた !

鯖「びちびち」


ゴブA「何たる失態……うおおお尾てい骨が痛い」ズキズキ

ゴブB「旦那……あとで軟膏くだせぇ」ヒリヒリ

ゴブC「……頭部から異常な臭気を確認。緊急事態につき、頭部の洗浄を行ってくる」

勇者「これで、あちこち治るまでは退屈しのぎも出来ないだろう? ゆっくり治して、今度こそ町で遊んでもらうと良いよ」

ゴブA「致し方あるまい……」

…………

ゴブC「子供はこの3人だけだ」

子供ABC「えー?」「もう帰るのー?」「ゴブさん、また遊ぼうよう」

ゴブA「……///」

勇者「今ケガしちゃって、遊べないんだってさ。治ったら、また町に遊びに来るって。ちゃんと待っていられるかな?」

子供ABC「はーい!」「はーい!」「はーい!」

…………

ゴブA「行ったか……フン。なんて奴らだ」

ゴブB「旦那ったら、素直じゃねえなぁ。ってか、おーい、鯖はどうすんだよ、鯖は」

ゴブC「せっかくだ。新鮮なうちに調理を開始する」むんず

鯖「びちびちー!!」


…………

勇者「女将さん、一晩ありがとうございました!」

女将「いいえー、町の子供の恩人ですもの。またこの町にお立ち寄りください」

勇者「どうも! さて行くか……ん?」

子供ABC「ゆうしゃさまー!」「さまー!」「わーっ!」

勇者「わ、どうしたんだい?」

子供ABC「これ、ぼくらのたからものなの!」「ひろったの!」「あげる!」

> クロックコイン を 3まい てにいれた !(計4枚)
>半端な砂時計 を 手に入れた !(前後5分間)

勇者「もらっちゃって良いのかい?」

子供ABC「いいよー!」「あげるー!」「また拾ってくるね!」

勇者「ありがとうね、それじゃ!」

…………

ゴブB「旦那ァ! この味噌汁、一晩経ってもうめえ!」ハフハフ

ゴブC「出汁が良かったと見える。あの鯖……」

ゴブA「いててて、貴様らは相変わらず腑抜けているな……仕方あるまい、今日は川で魚釣りだ!」


王宮城下町

勇者「ふへー、おっきい町だなぁ」

>へいへいらっしゃい見てらっしゃい!
>い~し焼き芋~ お芋~ じゃがいも~ 長芋~
>そう言えば王の腹筋ヤバくね? マジ? ヤバイヤバイ

勇者「問題はなさそうだけど、暑いし騒がしいなぁ」

勇者「まだ宿を探すには早いし。どこか静かで陽射しのないところ……」

喧騒から逃げるように通りを抜けると小さな図書室があった。

勇者「ちょっとお邪魔しよっかな……と」


図書室はガランとしており、若い司書の方がゆったりと本を読んでいた。

司書「あら……こんにちは」

勇者「どうも。通りは暑いし、騒がしくて……」

司書「あらあら。助手、お茶を入れてちょうだい?」

助手「うん」

丸眼鏡の似合うその人は、本にしおりを挟むと図書室の席に促した。
入れたお茶を直接勇者の元へ持ってくる。

勇者「どうも、すいません。いただきます」

司書「良いんですよ。読書じゃなくて、休みに来たんでしょう? 旅人さん」

勇者「あれ、旅人だって分かっちゃいますか」

司書「この町、慣れないうちは疲れますからね。賑やかでしょう?」

勇者「はい、どうにも」

勇者「ここの図書室はあまり大きくないんですね」

司書「ええ。一昔前に、一般開放を始めた王宮図書館に大体を寄贈してしまったもので……」

勇者「どんな本がここに残ってるんですか?」

司書「ローカルな伝承についての本や、歴史的な意味合いから王宮での管理が難しい歴史書などですね」

勇者「文芸書とかは全部向こうに?」

司書「うふふ……数冊だけ私の手元に」

司書は三つ編みを揺らして楽しそうに笑うのだった。

ここまで

>>29
「谷殴山蹴鯖衝」の間違いです


司書「そういえば、少し困っている事があるのでした。お話だけでも聞いていただけますか?」

勇者「はい、僕で良ければ!」

司書「ふふ……元気の良い子は素敵ですね。弟子! 茶菓子と、私にもお茶を!」

弟子「はい」

司書も一般用のイスに腰掛け、しばらく話をするために腰を落ち着けた。

弟子「……ん」

司書「遠慮しないで食べて良いのよ。美味しいものは、みんなで分けるのが美味しいんだから」

勇者「どうも。いただきます……って、良いんですか? 図書室で飲食して」

司書「良いのよ。……どうせ人来ないし。はぁ」



司書「では……時に貴方、ただの旅人ではなく冒険者として腕に覚えはあるかしら?」

勇者「え。そ、それは……」

勇者とはその冒険者の最高位に位置するものである。たとえ駆け出しであったとしても。

司書「うふふ、たぶん図星かしらね。おかしいと思ったのよ、剣や斧を持っているわけでもなし、素手で魔物と渡り合うようなムキムキの格闘家でもなし」

司書「自衛に心得のない人ほど、その身に守るものを気にするもの。貴方は蛮勇の持ち主でも、外を知らない世間知らずでもないくせに、とても身軽そうに見えるわ」

司書「貴方、魔物と退ける確かな手段……それもかなり信頼のおける手段を持ち合わせているわね?」

勇者「っ!」

丸眼鏡の奥、穏やかそうな彼女の考察は
存外に鋭かった。勇者は観念し、紋章と力の事について、簡潔に説明する……。

…………

勇者「……って訳なんだけど」

司書「いえ、有難う御座います、勇者様。無礼をお許しください」

勇者「い、良いって。かしこまらなくて。司書さんの方がお姉さんなんだし、硬い顔よりはニコニコ笑ってた方が良いよ」

司書「あら……うっふふ。いけませんわ、勇者様。あまりお姉さんを喜ばせちゃ」


司書「じゃあ……もし良かったら、その『時の魔道具』を見せてもらっても良いかしら?」

勇者「あ、はい。これ、クロックコインって言うみたいですけど」

司書「ありがとう。少し見させてね」


司書は丸眼鏡を外し、至近距離でクロックコインを見つめる。少しして勇者にそれを返した。


司書「……ふふ、たまたま頼み込めるのが勇者様で良かったわ」

勇者「えと、僕で良ければ何でもお手伝いします」

司書「タダでだなんて言わないわ。そうね、報酬は……」

勇者「え、良いですよ! 困ってる人の為ですし!」

司書「今夜の寝床と食事、それと当分保つくらいの旅費でどうかしら?」

勇者「……」Goo.

司書「貴方のお腹はネイティブなのね」

勇者「すみません……」


…………

勇者「ごちそうさま。美味しかったです!」

司書「ふふ、どうも」

依頼の概要というのは、図書室から奪われた重要な本の奪還であった。
司書によるとどうやら犯人の目星はついているらしく、それは魔物によるものだと言う。

特に重要な本には防衛策を張っているらしいが、それが薄い場所から盗まれていくらしい……。


司書「そうそう。お願いがあるんだけど、クロックコインを1枚頂いても良いかしら? 盗みを働く魔物を捕まえるのに、その力が必要なのよ」

勇者「1枚なら大丈夫ですよ」

その魔物は夜に現れるというが、司書自身は非力なため対抗することが出来ないらしい。

司書「ふんっ。これで良しっと。さあ、寝るかしら」

勇者「これで魔物が来るんですか?」

司書「ええ。その時になったら起こしに行くわ」

何やら図書室のある一冊の本にクロックコインを用いた細工を施したらしい。

司書「じゃ……その時はよろしくね」

勇者「はい」

勇者は貸し与えられた部屋で、眠りにつくのであった……。


司書「んっ」ビビビ……

司書「来たわね」

……

勇者「ん……」

司書「気が付いたかしら? 急ぎましょう、足留めは1分しか保たないわ」

勇者「んぅ、はいっ」

2人は図書室へ繋がる階下へと駆け下りる。

……

インプ「く、くそっ」

司書「どうやら当たりのようね。いかがかしら? 貴方が奪おうとした強力な魔導書、その味は」

インプ「ぐぎぎ、汚ねえぞ! 本を開けた途端に発動する魔導書なんて聞いたことねえわ! こんなもん、解ければすぐにぶち殺して……!」

司書「そろそろ1分、効果が切れるわね……勇者様!」

勇者「任せて!」

パキン!


光の檻が消えると、触覚の生えた小悪魔が小悪魔がこちらを睨み付けていた。


> インプ が あらわれた !

インプ「要らねえよナレーション今さらだっつーの! やいガキ、てめえを潰して後ろの忌々しい女もすぐに殺してやらぁ!」

その様子はまさしく『怒り心頭』である。
勇者は懐の『半端な砂時計』に手を掛けた!


砂時計に呼応し、勇者の紋章が輝きだす!

インプ「ちっ、なんだぁ!?」

司書「これが、勇者様の力……」

勇者は眩く輝くその手を天へ、世界へとかざした!

勇者「時の斬新よ、今より5分離れし彼方まで!」

> 勇者 の こうげき !
>このレスの前後5分間、すべてのレスを一文字安価する!

※5分前までも書き込みがないなら通常の後ろ5分となります

>>43
時の斬新じゃないですね。残滓ですね。ごめんなさい


勇者「>>44-49の力が……僕の右腕に!」
>>50すみません→23:30:「23」.27)

インプ「死ねやごらあああああ!!」

勇者「大人しく本を返すんだ!」



「浄猫光>円輪」VS「怒り心頭」



人々の想いは、時の彼方より。
勇の者に宿りて、道を拓く。



インプ「あああウゼェことこの上ねえ! ぶっ裂けちまいなぁ! ダークネスリング!!」ふぉんふぉん



司書「はい。いきなり残念だけど貴方の負けがもう決定したわ。咬ませ犬ね」

インプ「藪から棒にどういう事だ女ァ!!?」ふぉんふぉん


司書「不等号の向きを良く見なさい。よりによって貴方、輪っか出したら勝てないでしょ」


インプ「オイあれ入れるんかよ! 誤字訂正なんてあとでやれよ!! 何してんだチクショオオオオ!!」

浄らかな想い。それは猫の背のように丸く、罵詈雑言や虚言の類いを受け流す。

勇者の目が見開かれた直後、右手のひらが光を放つ!

勇者「浄 猫 光 !!(じょうびょうこう)」ペカー

インプ「俺はネコじゃねえのにうぎゃああああああ!!」ジュワアア

…………

残骸「」

> インプ を やっつけた !


勇者「ふう。やりました」

司書「はぁ……ありがとう、助かったわ。これで私をつけ狙う魔物に対して、結界を外せる……」パキュン

勇者(……。あれ?)





司書「ーーいえ、ちょっと待って。盗られた魔導書はどこに……!!」





その瞬間。勇者と司書のあいだ、その空間が歪み……!

ウィッチ「ハ~イ、ざーんねん! 捕まえたわよぉ?」

司書「う、ぐっ……!?」

突如現れた魔女が、宙に浮いたまま司書の首を腕で締め上げた!
流石に魔物、思いの外に力が強く拘束が外れない。

司書は咄嗟に本棚のふちに足を引っ掛け、身体を宙に持って行かれまいと抵抗する!

勇者「し、司書さん!」

司書(ダメ……これ、足離れたら、本当に死んじゃう……!!)ググッ……

ウィッチ「あらぁ? ボウヤ、下手に動いたらこの女がどうなるか分かってるのかしらぁ?」

勇者「くっ……!」


ウィッチ「それじゃ、以前あなたから頂いた魔導書の力でお楽しみタイムといこうかしら……んっふふ、そぉれ!」


バリバリバリバリ!!


司書「あぐ、ああう……っ!」ビクビクッ

ウィッチ「初歩の魔導書だけど、気持ち良~い? 雷の魔法は?」

勇者「や、やめろ……!」

ウィッチの腕から流される電流が、司書の筋肉を痙攣させていく……!




司書「う、ぅ……く……」ぷるぷる……

ウィッチ「あらあら。頑張るのねえ。逝っちゃえばラク~になれるのに。気持ち良いわよぉ……?」

勇者(ぼ、僕は。どうすることも出来ないのか……?)

ウィッチ「あなたを殺したあとぉ、守護の解けたココの魔導書はぜ~んぶアタシが使ってあげるわ、オッーホッホッホ!」

司書「っ……、………………」ガクッ






勇者(そんなのダメだ!! ここで何も出来ない僕なら、僕は勇者じゃない!!)ボウッ……


勇者の勇気が流れ込む。
時統べる紋に流れ込む。

誰かの為の勇ましさなら。
誰かの為の勇者なら。


時すら 曲げて


勇者「あなたに届くッ!!」

ウィッチ「うっ!?」ギシッ

魔道具を補完するだけの想いが勇者から流れ込み、紋章がかつてない光を放つ!!

勇者によって統べられた時は意のままに!
ギシギシと抗うウィッチをよそに、その腕の時間が強制的に逆行する!


司書「か、はっ……!」どさり

勇者「司書さんッ!! 大丈夫ですか!!」

ウィッチ「くっ、妙な真似をしてくれたわね!? ボウヤ!」

勇者「うるさい! もう許さないぞ!」


ウィッチ「吠えるわねボウヤ! 疾く死になさい!」バチバチバチ!!

勇者が3枚のクロックコインを握るより早く、先ほどとは比べものにならない電撃が襲う!

勇者「しまっ……」



フシュウウ……



ウィッチ「なっ」

司書「はぁっ、はぁっ。ありがとう、小さな勇者様」

本のページで電撃を受け止め、司書はよろよろと立ち上がる。

ウィッチ「ぐぐぐ、女……! 魔導書の供給回路でそのまま受け止めたのね!」

司書「舐めないで、女魔法使い。これでも王宮図書館を追放され数々の魔導書を任された身。……ただの司書と思わない事ねッ!!」

ウィッチ「ほざきなさい……! 消し炭にしてあげるわ! 『最大電圧』準備!」


勇者の右手がクロックコインにかすり、また離れていく。

勇者(あれだけの力に、僕は3分ぽっちで勝てるのか……?)

司書「戦いましょう。勇者様!」

勇者「でも、あとコインが3枚しかない! 先に消耗させられて、嵌められたんだ……!」

司書「ふふ、何の為にあんなエネルギーの塊を魔導書で受け止めたと思っているんですか。私に任せてください」

勇者「でも」

司書「私を信じてくだ……いや、私を信じて。勇者様」

勇者「……」ギュッ

握りしめた手のひらが輝き始める。その中には3枚のコイン、握るのは勇者。

司書「その御霊、その命、その心! すべてが並ぶは過去の理、川の流れの石と知れ! 時間屈折の魔導書を司書の名において発動する!」

司書「……ただの3分なら、ままならないかもしれない。けれどこの世界には、貴方が助けを求める声に応える人たちがいる」

勇者は眩く輝くその手を天へ、世界へとかざした!

勇者「みんなの想いよ、約束の時より3分間のあいだ僕に力を!」

> 勇者 の こうげき !
>『午前1:30』より3分間、すべてのレスを一文字安価する!

Ω


勇者「>>60-65の力が……僕の右腕に!」
>>66すみません→01:「33」:19.64)

ウィッチ「充電……完了ッ!!」

勇者「司書さんを傷付けたお前を! 僕は許さない!!」



「光絶速滅斬刃」VS「最大電圧」



人々の想いは、時の彼方より。
勇の者に宿りて、道を拓く。

勇者(誰かの、声が聞こえる……)

勇者の声に呼応した人々の声が、少しずつ重なり、ひとつの想いとなりて力を象る。

「光を」「絶する」「速さで」
「滅ぼし」「斬る」「刃」の声が。

勇者(分かった。行こう)

その右手には、そのためだけの剣が携えられる。
その身体には、そのためだけの力が宿る。

ウィッチ「あああああ黒ッ焦げじゃあああああああ!!!」ビリビリバリバリ!!

司書「勇者様っ……」

勇者「光絶速滅斬刃ッ!!!(こうぜっそくめつざんじん)」ダッ



その空間は、真一文字に滅した。



…………

ウィッチ「いかずちごと、斬るとは、ね。ボウヤ、やるじゃない……」

勇者「……」

ウィッチ「魔導書は、町外れの、小屋さ……アタシ死ぬから、鍵も外れるだろうよ……」

> ウィッチ を やっつけた !


司書「勇者様、大丈夫……?」

勇者「まだ、頭チカチカする……」

司書「生身で強大な時魔法を発動させるわ、2連戦するわ、規格外の技を繰り出すわ……本当に大丈夫なの……?」

勇者「司書さんだって、まだ目が虚ろだよ。電気締めで相当キテるんじゃない……?」



司書「もう、眠いわ……」

勇者「ダメだ、動けない……」

緊張の糸をようやく切らした2人は、マリオネットのように倒れ伏した。

…………

ここまで
↓司書さんのイメージ
http://i.imgur.com/kclB8qx.jpg

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