なぎさ「なぎさは何でも食べるのです」 (58)





※まどか☆マギカSSです。
※キャラ崩壊注意。
※叛逆後の話です。
※当然叛逆ネタバレありです。映画未視聴の方は注意。
※なぎさちゃんは可愛い。
※最近セミがうるさい。





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マミの家

なぎさ「マミ~、マミ~♪」アムアム

マミ「こーらっ、お姉ちゃんを噛んじゃダメよ」

なぎさ「うー……ごめんなさいなのです」

マミ「……ふふっ、大丈夫よ。怒ってないわ」

なぎさ「そうなのですか? 良かったです!」

マミ「うふふっ。さーて、明日の予習をしなきゃ」クルッ



マミ(ハッ! 殺気!?)ピタッ



バクンッ! ブチィッ

なぎさ「チッ! 外したのです」モッチャモッチャ

マミ「か、間一髪だった……」

マミ「気づかなかったら、縦ロールではなく頭をかじられていたわ……」

***

マミ「お姉ちゃんは食べ物じゃないって何度も言ってるでしょう!」

なぎさ「うー……ごめんなさいなのです」

なぎさ「マミの頭、チーズみたいでとってもおいしそうに見えたのです……」ヘニャリ

マミ「ときどき、起きた時に頭が涎まみれになってるのも、なぎさの仕業ね!」

なぎさ「ごめんなさいなのです。出来心だったのです。もう二度としないのです」フニャリ

マミ「……」ジーッ

なぎさ「……」オドオド

マミ「……ふふっ、大丈夫よ。もう、怒ってないわ」

なぎさ「そうなのですか? 良かったです!」

なぎさ「ところで、マミ! 一緒に遊ぶのです!」

マミ「あら。何して遊びたいの?」

なぎさ「かくれんぼなのです! なぎさが隠れるので、マミは10数えてください!」

マミ「あらあら。ふふっ、いいわよ」

なぎさ「絶対に目を開けちゃダメなのです! 絶対ですよ!」

マミ「はいはい、ちゃんと目を閉じて数えるわよ。それじゃあ、い~ち……」



チラッ



バクンッ! ビリィッ

なぎさ「チッ! 外したのです」モッチャモッチャ

マミ「か、間一髪だった……」

マミ「目を開けなければ、制服ではなく胸をかじられていたわ……」

***

マミ「もう、私の制服をダメにして! この子ったら!!」

なぎさ「うー……ごめんなさいなのです」

マミ「これじゃあ明日から、体操着で登校しないといけないじゃない!」

なぎさ「よっしゃッ! ……あ、何でもないのです」

マミ「私は着替えてくるから、なぎさはお外で遊んできなさい!!」

なぎさ「は~いなのです」


マミ「……」ジーッ

なぎさ「……」ジーッ


マミ「」クルッ……バッ ←(フェイント)

なぎさ「」ピクッ


「…………」


なぎさ「……お外に行ってくるのです」トコトコ

マミ「そうしなさい。まったく、もう!」

マミ「まったく、なぎさったら! イタズラが過ぎるわよ!」

マミ「最近私をかじろうとする頻度が上がってるじゃない!」

マミ「とにかく、今のうちに着替えなきゃ!」

マミ「まずは、カーテンを閉めましょう」カラカラカラ


***


窓の向こう側

ベベ「チッ! カーテンを閉じられたのです! これでは不意をうてないのです!」

シュルシュルシュル……(べべ収納中)

なぎさ「仕方ないのです。お外で遊ぶのです」トコトコ

***

なぎさ「さ~るてぃ~、ろ~いや~り~♪」スキップスキップ

ミーンミーン……

なぎさ「あ、セミ。ラッキーなのです」ヒョイッ パクッ

なぎさ「ん~、おいしいです。今度マミにセミの唐揚げを作ってもらいましょうか」ゴックン


ゆま「あ、なぎさちゃん」ユマーン

なぎさ「おや? 自宅から逃げ出して現在公園暮らし中のゆまなのです」

ゆま「なに食べてたの?」

なぎさ「セミなのです。ゆまも食べますか?」シュパッ スッ

ゆま「ゆま、生のセミはちょっと……」

なぎさ「残念なのです」パクッ モグモグ

なぎさ「そうなのです! ゆま、夏休みの宿題を一緒にやりませんか!」

ゆま「ゆま、ほとんど終わらせちゃったよ。あとは絵日記だけ」

なぎさ「がっくしなのです。なぎさは教科書を紛失したので分からないところが多いのです」

ゆま「教科書は何味だったの?」

なぎさ「インクのほんのりした甘味がチーズにそこそこマッチしていたのです」

ゆま「ふーん」

なぎさ「ところで、ゆまのお家に寄ってもいいですか?」

ゆま「ダメ。なぎさちゃんは出禁だよ」

なぎさ「しょんぼりなのです」

***

なぎさ「うーん、さすがはゆまなのです。全然隙がありませんでした」テクテク

なぎさ「このまえ、ゆまのお家を食べたことを根に持ってるんでしょうか?」トコトコ

なぎさ「心配しなくてもダンボールはおいしくなかったし、もう食べないのです」スタスタ

なぎさ「おや、あれは……」ピタッ



まどか「エイミーおいしい?」

エイミー「ミャア」ムシャムシャ



なぎさ「女神……? うーん、何か思い出せそうな気がしたけど気のせいでした」

なぎさ「優しそうなお姉ちゃんですね。あのお姉ちゃんから、おやつをねだってみましょう」

なぎさ「いざっ!!」



まどか(ハッ! 殺気!?)ピタッ

エイミー(!)ピクッ



なぎさ「おやつッッッ!!」ガブリッ

エイミー「みゃああああああ!?」ジタバタジタバタ

まどか「エイミイイイィィッ!!?」

まどか「エイミィィィィ! えええうぃいいいむぃいいいいいいいいッッ!!」

エイミー「みゃああああっ!! みゃああああっ!!」ジタバタ

なぎさ「お姉ちゃん、食事中は静かにするのです」ムシャムシャ


ゴックン


なぎさ「ごちそうさまでした」ポンポン

まどか「あああ……。え、エイミーが……そんな……」プルプルプル







??「いつかは今じゃないよっ!!」バッ





まどか「えっ!? 誰!?」


ゆま「ゆま参上! たあっ! リンクスインパクトッ!!」

ドゴオォッ

なぎさ「おえっ!!」


セミ「」ボトッ
ダンゴムシ「」ボトッ
タンポポ「」ボトッ

一頭身エイミー「ミャアッ!」ポテッ


まどか「エイミー!」

一頭身エイミー「ミャッ!」スリスリ

ゆま「なぎさちゃんはお腹を叩かれると、それまで食べてた物を顔だけの状態で吐き出すんだよ!」


なぎさ「うぅー。ポンポン痛いのです……」

ゆま「はい、なぎさちゃん。コレあげるから、もうねこさんを食べちゃダメだよ」つフーセンガム

なぎさ「うー、わかったのです。今度からはネズミにするのです」

ゆま「ネズミさんもダメ!」





まどか「うわっ。エイミー、チーズくさっ!」ズザザッ

一頭身エイミー「!?」ガーン

***

なぎさ「ううー。ポンポン痛いのです。なぎさは涙目なのです」サスリサスリ

なぎさ「流石ゆまなのです。相変わらず容赦がないのです」テクテク

なぎさ「でも、フーセンガムが美味しかったので許すのです!」トコトコ

なぎさ「おや、あれは……」ピタッ



ほむら「百江なぎさ……」ギロッ



なぎさ「黒髪ストレートロングの怪しい美人さんなのです! ちょっと怖いのです!」

ほむら「まどかとエイミーに手を出したそうね」スタスタ

なぎさ「はわわっ、こっちに来るのです!?」

ほむら「この世界の百江なぎさは人間のはずなのに、どういうことなのかしら?」スタスタ

なぎさ「どうしましょう、何だか怒っているみたいなのです!」

ほむら「魔女の本能が残っているのかしら? まあいいわ。まどかに危害を加える存在は……」スタスタ

なぎさ「こ、こうなったら!」

なぎさ「あ、あのっ!!」バッ

ほむら「!?」ピタッ

なぎさ「これ、どうぞ……」オズオズ

ほむら(何かを差し出したわね。何のつもり?)

なぎさ「なぎさのとっておきのおやつなのです……。これでなにとぞなにとぞ……」スッ


なぎさの手のひらには、小さいチーズが乗っていた。
危険物を警戒していたほむらにとって、それはあまりにも拍子抜けの可愛いプレゼントであった。
さすがのほむらも毒気を抜かれ、こんな子供に警戒しすぎたかと思い直した。


なぎさ「カース・マルツゥなのです! とってもおいしいのです!」

うぞうぞ

ほむら「ひっ! いやあああっ!!」ズザザッ

なぎさ「うおりゃあっ!! 口の中へシュウウウウウッ!!」ブンッ

ひゅーーん……すぽっ

ほむら「もがぁっ!!??」

うぞぞぞぞぞ

ほむら(ひいいいいっ!!??)ガクガクガク

ほむら(は、早く! コレを吐き出さないとッ!!)


なぎさ「あ! 吐き出しちゃダメなのです! 食いもんを粗末にすんじゃねーなのです!」グイグイ

ほむら(なっ!? 口に手を突っ込んで!?)バタバタバタッ

なぎさ「大丈夫です! 慣れればおいしいのです! お口の中で跳ねまわる感触も癖になるのです!」グイグイ

ぴょんっぴょんっぴょんっ

ほむら(ひいいぃぃぃっ!?)ビクッビクッ

なぎさ「はい! そのまま飲み込むのです!」グイイイ

ごっくん

ほむら「」ビクンッ

***

──迎えに来たよ、ほむらちゃん。

──まどか、裂いたりしてごめんなさい。私が間違っていたわ。お願いだから私をこの世界から連れ出して。

──うぇひひ。カース・マルツゥって意外とおいしいよ。以前、円環世界でなぎさちゃんと一緒に食べたの。

──えっ。

──なぎさちゃんがいなくなって円環世界はカース・マルツゥが余りに余ってるんだよ。もー処分に困っちゃってさ。

──あ……あああああ!

──もうそろそろ腐敗しそうなんだよね。ほむらちゃん、処理に協力してくれないかな……?

***


ほむら「」ブクブクブク

なぎさ「あ、泡吹いて気絶しちゃったのです」

なぎさ「うーん。なんだか魘されているのです。変な夢でも見てるのでしょうか?」


なぎさ「……」ジーッ


なぎさ「何だか、このお姉ちゃんから呪いよりおぞましいオーラを感じたのです」

なぎさ「食指も動かないし、どっか別の場所に行きましょう」スタスタ

***

なぎさ「変質者のお姉ちゃんは放置してそのまま逃げてきたのです!」テクテク

なぎさ「さて、とっておきのおやつを失ったので代わりのおやつが必要なのです!」トコトコ

なぎさ「チーズっ、チーズっ、まあるいチーズっ、まあるいチーズはだあれ♪」スタスタ

なぎさ「おや、あれは……」ピタッ



杏子「ん? アイツは確か、マミんとこの……」



なぎさ「名前知らない人なのです! でも、なぎさはそんなことは気にしないのです!」

なぎさ「そこの人、おやつくれなのです!」バッ

杏子「お? いきなり食いもん要求するとは見上げたガキだな。……いいよ」

杏子「うんまい棒だ。くうかい?」スッ

なぎさ「わあっ、お菓子なのです!」

なぎさ「あれ? チーズ味じゃないのです。しょんぼりなのです」

杏子「こいつ、食いもんを強請った身分であたしのチョイスにケチをつけやがった……」

杏子「けど、そのふてぶてしさ気に入った! 特別にチーズ味のうんまい棒に交換してやるよ!」ゴソゴソ

なぎさ「わーい! わーい!」

杏子(……)ピクッ




バクンッ スカッ


杏子「残像だ」スタッ

なぎさ「なん……だと……」

杏子「フンッ。見え見えなんだよ、トーシロが」チャキッ

杏子「あんたは、今、あたしごとうんまい棒を食おうとした」

杏子「けれど、普通の人間ならともかく、あたしを食おうなんて火遊びが過ぎるな」

なぎさ「……」

杏子「食っていいのは、喰われる覚悟がある奴だけだ」

杏子「あたしを食おうとしたこと、後悔しなッ!」


なぎさ「ククク……」

杏子「……何がおかしい?」





なぎさ「後ろががら空きなのです」ニヤリ

グオオオオオオオ


杏子「!?」クルッ


ベベ「モジョモットカマンベールッ!」

杏子「何ィ!? 恵方巻きの怪物だとおおおおっ!?」


なぎさ「ふははははっ! お姉ちゃんは、なぎさの可愛い外見に騙されて油断したのです!」

なぎさ「この何か良く分からない恵方巻きの怪物を出す技! 今まで破った者は皆無なのです!」


杏子(やべえ! 完全に裏をかかれたッ!!)


なぎさ「いただきますなのです!」







「そうはさせないよ。なぎさ」





消火器<ブシャアアァァッ



ベベ「!?」ピタッ

なぎさ「なっ!? 誰なのです!?」



さやか「颯爽登場! 叛逆版の有能なさやかちゃんだよ!」シャキーンッ



杏子「さやか……」

さやか「杏子、下がってて。コイツの対処についてはあたしが一番詳しい」

杏子「わかった。喰われんじゃねーぞ、さやか」

なぎさ「ぐぬぬ……。どっかで見たことあるお姉ちゃんに邪魔されたのです」


さやか「なぎさ。こっちで会うのはこれが初めてだね」

さやか「あたしの魔女の下半身を噛み付かれること48回。あんたの手の内はとっくに知り尽くしている!」

なぎさ「何だか知らないけど、やばそうな雰囲気です! このお姉ちゃんから天敵な雰囲気を感じるのです!」

さやか「行くよっ!!」

なぎさ「!」

ベベ「モジュモジュベベッ!」





さやか「必殺! シューティング・カマンベールッ!!」ポ-イ

ベベ「チーズッ!」パクッ

さやか「隙あり! 本体にダイレクトアタック!」スパークエッジ!

ドゴオオオオッ

なぎさ「ぎゃんっ!!?」ベタッ





さやか「勝ったよ」

杏子「食いもんを囮にしやがった……。なんて恐ろしい技だ……!」ゾゾッ

***


ワイワイガヤガヤ


ワガママ「人だ」

イバリ「人がベンチで寝ているよ」

レイケツ「モモエナギサだ」

マヌケ「誰それ?」

ヒガミ「魔女」

ノロマ「人間でしょ?」

ネクラ「悪食」

ノロマ「それは合ってる」

ウソツキ「餓死してる」

ナマケ「そうなの?」

ウソツキ「ウソ」

レイケツ「死ね」


「う、うーん……」


オクビョウ「目を覚ますよ」

ミエ「ホントだ」

ヤキモチ「埋める?」

ワルクチ「何で?」

ヤキモチ「かじられるから」

ミエ「何それ怖い」

なぎさ「あ、あれ。どうして、なぎさはベンチで寝てるのですか?」

レイケツ「知らない」

イバリ「それより野球しよう」

ミエ「何で?」

イバリ「何となく?」

ウソツキ「みんな揃ってるし?」

ナマケ「アイがいないよ?」

ウソツキ「アイなら、モモエナギサに食べられた」

ノロマ「本当?」


なぎさ「ぎくっ」
ウソツキ「ウソ」


ウソツキ「え」
ノロマ「え」

なぎさ(どうしましょう。記憶にないけど、この子たちの友達を食べてしまったかもしれません)

なぎさ(あわわ。アイって誰のことでしょうか?)


なぎさ(……この前の『くふふっ』って笑う人のことでしょうか?)ササーン

なぎさ(いや、あの人は、味見したらおいしくなかったのでリリースしたはず)

なぎさ(では、胸の大きなサイドテールの人でしょうか?)オリーン

なぎさ(いや、あの人は食べれませんでした。こっちが何をしても隙を見せなかったのです)

なぎさ(はっ! そういえば、黒眼帯の人!
    あの人は『アイは無限に有限』とキャッチーなセリフを言ってました!)キリーン

なぎさ(いや、あの人は服をムシャムシャ食べたら、『オリコ以外の人に見られたあああ』と言って泣きながら逃げたのです)


なぎさ「うーん……」


マヌケ「アイ食べられたの?」

ヤキモチ「どうしよう」

オクビョウ「怖い」

ワルクチ「面倒事はご主人様任せでいいよ」

レイケツ「そうね」

偽街の子供達「逃げよう」

タタタタタタ……

***

なぎさ「よく考えたら、なぎさは人間なんて食べたことなかったのです」モグモグ

なぎさ「腹に入れても、いつもいつもお腹をぶん殴られて吐き出す羽目になるのです」ムシャムシャ

なぎさ「それに、流石に消化してしまうのは可哀想なのです。味見で済ませるのが世渡り上手の生き方なのです」モゴモゴ

なぎさ「だから、ノーカンなのです。なぎさは食べてないのです」

なぎさ「……」モグモグ

なぎさ「……」ペッ


一頭身仁美「キマシタワー!」ポテッ


なぎさ「どこかで食べたような味だったのです。でも思い出せないのです」スタスタ

なぎさ「やはり、一番おいしそうなのはマミですね」テクテク

なぎさ「きっとマミは熟成されたチーズのような濃厚な味なのです!」トコトコ


なぎさ「さてと、そろそろ晩御飯なのです。マミのご飯が恋しいのです!」

マミの家

マミ「何これ……めちゃくちゃ美味しそうじゃない!」


なぎさ「ただいまーなのです」ガチャッ バタンッ

マミ「あら、おかえりなさい。なぎさ」

なぎさ「マミー、今日の晩御飯は何ですか?」

マミ「うふふっ。とっても美味しいものよ」

なぎさ「チーズですか?」

マミ「ちょっと違うわね。……はい、熱いうちに食べてね」コトッ

なぎさ「っ! おお……これはっ!!」







なぎさ「メンチカツなのです」





マミ「テレビでおいしいメンチカツの作り方を紹介してたのよ」

なぎさ「なんか、すごく裏切られた気分なのです」

なぎさ「例えるなら、ショートケーキの上にいちごじゃなくて梅干しが乗ってた時のようなモヤモヤ感が……」



マミ「ショートケーキは無いけど、梅干しならあるわよ」コトッ

なぎさ「なんで、梅干しなんて出すのですか。コレをどうしろというのですか」

マミ「食べてみたらどうかしら?」

なぎさ「……まあ、食べてみるのです」パクッ



なぎさ「すっぱッ!! なぎさには無理なのですッ!!!」ブルルッ

マミ「こら! 好き嫌いせずに食べなさい!」

なぎさ「とほほ。何でも食べれると思ったけど、梅干しだけは無理だったのです」

叛逆のなぎさをみてたら思いついたので、やっつけで作りました。



叛逆見てない人のためのキャラ説明

『百江なぎさ』
・幼女。
・マミと仲がいい。
・何でも食べる。使い魔ですら食べる。
・謎生物べべに変身したりする。たぶん召喚もできる。
・食べた後に腹を殴ると、食べた存在を頭だけの状態で吐き出す。

『さやか』
・消火器で仲間をピンチから救う。

ゆま視点のおまけを明日投下します。

なんだこれ。ベベじゃなくてなぎさちゃんがマミさんを食べようとしてるのか
質問・疑問をいくつか

・このなぎさちゃんは髪や服を噛み千切るぐらい顎の力が強いのか
・というか人の姿のまま人や猫を丸呑みできるとかどういうことなの
>>2ではマミさんのどこを噛んでいるのか
>>2や「寝てる間に噛んでいる」ときは丸呑みしていないが、食すというより愛情表現の甘噛みなのか
・このSSではなぎさちゃんの口から直接恵方巻きが出る仕様なのか(>>6とか)
・ゆまってホームレス設定だっけ

>>30
カービィやワポルのようなものをイメージしています。正直深く考えてません。
恵方巻きのイメージはスタンドです。

公園

ゆま「よいしょっと」テキパキ

ゆま「完成! ゆまハウス11号のできあがりだよ!」


ザワザワ

オイ アレ……

スゲエ! シャシントロウゼ!

コレ、イエジャナーイ!


ゆま「今どきの緑髪キャラたるもの、ダンボールで家の一つや二つ作れないとね!」ユマーン

ゆま「ゆまハウスはそこらのダンボールハウスなんかとは一味違うよ!」

ゆま「4畳ぐらいの贅沢な広さ! 窓でツウフウ性を確保! 絵の具で見た目をととのえ! 魔法でボウスイ機能を実現!」

ゆま「これはもはや芸術作品なんだよ!」


ゆま「あ、そろそろお昼の時間だね」

ゆま「商店街のパン屋さんにパンの耳を分けてもらわないと!」

ゆま「ランドセルをエコバッグ代わりにして、ゆま出発!」トテテテテ





仁美「あら? あんなところにダンボール?」

仁美「まったく。公共の施設にゴミを捨てるなんて!」

仁美「業者に連絡しますわ!」ピポパ

30分後

ゆま「ただいまー!」テクテク

ゆま「えへへ。ゆまちゃん今日もかわいいね。なんて……キャー!」

ゆま「パンの耳をフンパツしてもらったし、通りすがりのキョーコからうんまい棒をもらえたし、今日はいい日だね!」

ゆま「さーて! お昼♪ おひ…る………」


ガラーン……


ゆま「ゆ、ゆまのおウチがない……だと……」


「…………」


ゆま「……」ゴゴゴゴ

ゆま「ゆるさないよ」ゴゴゴゴ

ゆま「頑張って作った、ゆまのおウチ」ゴゴゴゴ

ゆま「図工の宿題もかねた、おとくな作品だったのに」ゴゴゴゴ

ゆま「犯人は、ぜったいに、つかまえるよ」ゴゴゴゴ


ゆま「あした? あさって? ううん、違う」

ゆま「いつかは今だよ!!」ダッ

商店街

ほむら「~♪」

ほむら「悪魔だけど、暑いから白い服を着たわ」

ほむら「たまにはこういう服もいいわね」

ほむら「いっそ、夏は悪魔を廃業して、幽霊とか名乗ろうかしら」

ほむら「涼しそうでいいわね。今度やってみましょう」


ゆま「そこの白い服のほむらおねえちゃん!」

ほむら「うらめしやー。あら、千歳ゆま? どうしたのかしら?」

ゆま「ゆまのおウチ知らない!?」

ほむら「風見野の◯◯区☓☓番地のちょっと小汚い家でしょう?」

ゆま「そこはゆまの実家! そうじゃなくて、ゆまが今くらしているおウチ!」


ほむら(どこかしら? 千歳ゆまが頼れそうな人で、ある程度経済力のある人といったら……)

ほむら(美国織莉子ぐらいしかいないわね。美国の屋敷に居候してるのかしら)


ゆま「それでね! ゆまのおウチがぬすまれちゃったの!」

ほむら「それはすごいわ。発想のスケールが違うわね」

ゆま「……ほむらおねえちゃん、信じてないでしょ」

ほむら「そんなことないわ」

ゆま「もういい! ほむらおねえちゃんには頼らないもん!」プンスカ

ほむら「ごめんなさい。お詫びにフーセンガムいるかしら?」スッ

ゆま「ゆまの機嫌はガムなんかじゃ買えないよ! なぎさちゃんじゃあるまいし!」

ほむら「あら? いらないのかしら?」

ゆま「……でも、きちょうな糖分だからもらっておくよ。ありがと、ほむらおねえちゃん」

ほむら「どういたしまして。グレープ味よ」

***

ゆま「しまった……」

ゆま「ガムをもらったけど、わたしはこれを食べることができないや……」

ゆま「だって! 今、わたしは歯ブラシを持ってないから!」

ゆま「歯ブラシが無いから、甘いものを食べた後の歯磨きができないよ!!」

ゆま「虫歯が怖いから何も食べられない! ゆまピンチ!」


ゆま「ううー。歯ブラシもおウチと一緒にぬすまれちゃったんだ……」

ゆま「はあ……。早く犯人をつかまえなきゃ」

ゆま「ランドセルの中のパンの耳とうんまい棒を早く食べたいよ……」トボトボ


ゆま(あれ? あの子は……)

ゆま「あ、なぎさちゃん」

なぎさ「おや? 自宅から逃げ出して現在公園暮らし中のゆまなのです」

ゆま「なに食べてたの?」


ゆま(そういえば、なぎさちゃんは前科持ち……)

ゆま(わたしの留守中に『お腹が空いたのです。その辺のダンボールでも食べるのです』って感じに)

ゆま(ゆまのおウチを食べた可能性は大いにあるよ!)


なぎさ「セミなのです。ゆまも食べますか?」シュパッ スッ

ゆま「ゆま、生のセミはちょっと……」

ゆま(セミかあ……。沖縄とかでは、結構食べられてるらしいよね)

ゆま(うぅ……なぎさちゃんを見てたら、お腹が空いてきたよ……)

なぎさ「残念なのです」パクッ モグモグ

ゆま(セミ……セミ……。何だか見てたら、美味しそうに思えてきたよ)

ゆま(……今晩チャレンジしてみようかな)


なぎさ「ところで、ゆまのお家に寄ってもいいですか?」

ゆま「ダメ。なぎさちゃんは出禁だよ」


ゆま(家が無くなってることを知らない? なぎさちゃんは犯人じゃないってことかな)


なぎさ「しょんぼりなのです」

ゆま「じゃあね、なぎさちゃん。わたしはやらなきゃいけないことがあるから」スタスタ


ゆま(なぎさちゃんは違う……。犯人探しを続けなきゃ!)

ゆま(そういえば、セミってエビの味がするって聞いた気がするね)

ゆま(……)ジュルリ

***

ゆま「うーん。犯人ってどうやって探せばいいんだろう……」

キリカ「おや、千歳じゃないか」

ゆま「! キリカおねえちゃん!」

キリカ「難しそうな顔をして、どうしたんだい?」

ゆま「えっとね。ちょっと困ったことがあって……」

キリカ「ふむ。私で力になれるかい?」

ゆま「え?」


キリカ「君は私の愛を救ってくれた!」

キリカ「あの白髪の悪魔に辱められた時、君の助けが無ければ私は織莉子に顔向けできなくなっていた!」

ゆま「ああ、なぎさちゃんに服を食べられて、ゆまがダンボールを貸してあげたんだっけ」

キリカ「そう。千歳! いや、恩人!」

キリカ「今こそ、恩人から受けた恩を返す時だ!」

キリカ「さあさあさあッ! 恩人の悩みを話してくれ!!」

キリカ「織莉子への無限の愛で、恩人の悩みなんて吹き飛ばしてみせるよ!」

ゆま「うーん、それじゃあ話すけど……」



ゆま「ゆまのおウチがなくなっちゃったの」

キリカ「なんだそんなこt…………。なん……だと……!?」

キリカ(いやいやいや、この問題を解決って難しすぎないかい!?)

キリカ(住む場所を提供しろと!? 私じゃ親を説得なんてできっこないぞ!)

キリカ(元引きこもりの私じゃ、力になれそうもない!)

キリカ(正直、この件に関する私の問題解決力は、ヒモ生活中の佐倉並!)

キリカ(いや、サバイバルに詳しそうな向こうの方がまだ高いかもしれない!)


ゆま「キリカおねえちゃん。ゆま、どうすればいいかな?」

ゆま(犯人をどうやって探せばいいんだろう? キリカおねーちゃんならいいアイデアあるかな?)

キリカ「う……」


キリカ(しかし、織莉子への愛を持ちだした以上、私に後退の二文字は絶無ッ!)

キリカ(これは試練だ! 私の織莉子への愛に、不可能など過去未来現在において存在しない!)

キリカ(住まわせる家が無いのなら……!)

キリカ(そう、作るしかない! 恩人の家を! 私のこの手で!)

キリカ(幸い、私の武器は爪。斬るにも削るにも持ってこいの素敵ウェポンなのさ!)


キリカ「任せてくれ、恩人! 今日中に仕上げてみせるよっ!」バビュンッ

ゆま「えっ、どこ行くの? キリカおねえちゃーん?」

***

ゆま「キリカおねえちゃん行っちゃった……。どこ行ったんだろう?」

ゆま「うーん……。キリカおねえちゃんが行くところといったら……」

ゆま「! オリコおねえさんのとこかな!」

ゆま「そういえば、おとし物をさがすときは、『じんかいせんじゅつ』がいいって聞いたことがあるよ!」

ゆま「そっか! いろんな人に声をかければ犯人もすぐに見つかるかも!」

ゆま「だから、キリカおねえちゃんはオリコおねえさんに声をかけに行ったんだね!」

ゆま「ゆまも、キョーコたちにてつだってもらうよ!」



オヤツッッッ!!

ミャアアアアアア!!

エイミイイイィィッ!!?



ゆま「……ただし、なぎさちゃんは抜きで」

***

まどか「ありがと、ゆまちゃん!」

一頭身エイミー「ミャア!」

ゆま「今後、なぎさちゃんにおそわれたときのために、チーズをもっておくといいよ!」

ゆま「なぎさちゃん、チーズ食べてるときはむぼーびだから!」

まどか「そんな対策をたてられてるんだ……あの子」


織莉子「あら? あそこにいるのは……」


ゆま「あっ! オリコおねえさんだ!」

織莉子「ゆまさん、まどかさん、こんなところで会うなんて奇遇ね」

まどか「はい。エイミー……この黒猫にエサをあげてたんですけど」


一頭身エイミー「ミャア」

織莉子「あら。猫が顔だけに」

織莉子「以前、優木沙々さんが顔だけで歩いていたけれど、流行ってるのかしら?」

まどか「流行ってないし、流行らないと思います」

織莉子「そうよね。沙々さんなんて、ほむらさんの家の子供達にサッカーボール代わりに蹴られていたし……」

一頭身エイミー「ミャ!?」

織莉子「私なら、そんなのゴメンだわ」

まどか「うぇひひ」

ゆま「そうだ、オリコおねえさん! ゆまのおウチ知らない?」

織莉子「おウチ……?」

ゆま「公園にある、ゆまのおウチ!」

織莉子「ああ、あの謎のダンボール建造物……。あなたの家だったのね」

ゆま「そうだよ! でも、だれかにぬすまれちゃったの!」

織莉子「そうなの……ちょっと調べてみましょうか」スッ


まどか「あれ? 織莉子さん、水晶球を出して一体何を始めるんですか?」

ゆま「オリコおねえさんは占い師なんだよ!」

まどか「へぇー。そうなんだー!」


織莉子「むむむ……」

織莉子「…………!」ピシッ


織莉子(どうしましょう……)

織莉子(焼却炉で燃やされてる未来が見えてしまったわ)

織莉子(あわわわ……。下手なことを言ってしまうと、ゆまさんが絶望してしまうかも……)

ゆま「ゆまハウス11号は、ゆまの自信作なの!」

ゆま「あめかぜもだいじょうぶで、夏休みの宿題もかねた、スゴイやつなんだよ!」

まどか(秘密基地かな? ダンボールで作るなんて本格的だなあ)


織莉子(な、何とか、ゆまさんが傷つかない嘘をつかなければ!)

織莉子(お願い、キリカ! 私に力を!)


ほわんほわんほわん

──脳内キリカ「それより! 織莉子! セミの話をしようよ!」

──脳内キリカ「セミはね! 昆虫の中では寿命が長いんだ!」

──脳内キリカ「けれど、私の織莉子への愛の寿命に比べたら塵にも等しいよ!」


織莉子(キリカッ! もうちょっと頑張ってよっ!!)

ゆま「犯人見つかったの?」

織莉子「え、ええっと……」

織莉子(! そうだ、これしかない!!)

織莉子「ゆまさん」

ゆま「? なあに、オリコおねえさん?」

織莉子「あなたのおウチは…………家が無くて困っている人の手に渡ったのです」

ゆま「そうなの!?」

織莉子「そうです。その方は未亡人の妊婦さんで、悪人に家を騙し取られたのです」

織莉子「しかし、亡き夫のため、まだ見ぬ我が子のため、その人は何とかして生活しなければならない……」

ゆま「ヒドイッ! その人かわいそうだよ!」

織莉子「ええ。ですから、あなたのおウチはとても役に立っているのです」

織莉子「決して、焼却炉に放り込まれたとか、そんなことはありません」

ゆま「ゆまのおウチが、こーけんしてるんだね……」

織莉子「そうです。これはご奉仕なのです」

ゆま「それじゃあ、仕方ないかな……」


織莉子(何とかなったわ!)

織莉子(昨日観たドラマの設定なのだけど、上手く誤魔化せたみたいね!)


まどか(なんか、昨日観たドラマの設定に似てるなあ)

一頭身エイミー「ミャア」

ゆま「そうだね。家なんて、作ればいいんだよね!」

ゆま「ランドセルの中に、夏休みの宿題とかは全部入っているしね!」

織莉子「ふふっ。その意気よ、ゆまさん」

ゆま「あっ、そうだ。オリコおねえさん」

織莉子「(ドキーン)な、何かしら!?」

織莉子(ま、まずいわ……。嘘がバレたのかしら……)

織莉子(うぅ……嘘吐き呼ばわりはもうイヤよ……。キリカ助けてえ……)



ゆま「歯ブラシ持ってない?」

まどか「持ってないけど、買ってあげようか?」

ゆま「わぁい!」


織莉子「えっ、セミは真昼の暑い時間にはあまり鳴かないって? でも、自分はいつでも私への愛を叫ぶって?
    やだっ、もうっ、何を言ってるのよ。キリカったら!」

***

ゆま「まどかおねえちゃんのおかげで、お昼ごはんが食べられるよ!」

ゆま「でも、ゆまのおウチ、無いんだよね……」

ゆま「はあ……。とりあえず、公園でパンの耳とうんまい棒を食べよう」

ゆま「…………」

ゆま「……ひとりぼっちは寂しいな」



ゆま「あれ? 公園に……」

ゆま「ダンボールで出来た家……?」

キリカ「恩人! やっと帰ったのかい!」

ゆま「キリカおねえちゃん?」

キリカ「ふふふっ見てくれ。恩人! このキリカハウスを!」

キリカ「恩人のために作った、自信作だよ!」

キリカ「織莉子への愛を持ってすれば、私に不可能なんてないんだッ!!」

ゆま「このおウチ、キリカおねえちゃんが……?」

ゆま(そっか。キリカおねえちゃんはゆまのために家を作ってたんだ……)

ゆま(ちょっとぶかっこうだけど、頑張って作ったことがよく分かる……)


キリカ「さあ、恩人! 君のために作った君の家だ! 存分に堪能してくれ!」

ゆま「……うん! ありがとう、キリカおねえちゃん!」

ゆま「このおウチ、大事にするね!」

キリカ「ふふっ。気に入ってくれたようで、何よりさ」

キリカ「私はこれから織莉子とお茶会なんだ。失礼させてもらうよ」スタスタ

ゆま「そうなんだ! じゃあね、キリカおねえちゃん!」

***

ゆま「ごちそうさま!」

ゆま「おウチも出来たし、今度は晩ご飯の調達をしないとね!」

ゆま「よーし! 頑張るぞー!」タタタタ







上条「おや? あんなところにダンボール?」

上条「まったく。公共の施設にゴミを捨てるなんて」ヤレヤレ

上条「業者に連絡しよう」ピポパ

パワポケ8ネタでした。
html化依頼出してきます。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年09月02日 (火) 20:40:48   ID: p9yuhtwA

悪食王なぎさかwww
見てるぶんには面白いが、実際の周りの人からすれば迷惑千万だなw
一頭身になったらそのままなのだろうか?

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