こずえ「実は私は」 (51)

クロスSSではないです

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1407059319


こずえ「うちゅーじんなのー」

P「……」

P「そっか、こずえは宇宙人だったのか」

こずえ「うん、ぴぽぴぽ」

P「……」

こずえ「ぴぽぴぽ」

P「……お、おう」

こずえ「……ぴぽぴぽ」

P「……」

こずえ「こずえ……うちゅーじんなの……?」

P「いや、うん……え?」


こずえ「ぴぽぴぽー」

P(ぐっ……なんだこれ、なんて言えば正解なんだ?)

P(そんな急に宇宙人どうこう言われても……)

P「えと、ええと……」

P「……」

杏「……」ピコピコ

P「……」チラッ

杏「……あっ、死んだ」ピコピコ

P「……」ジー

杏「……」ピコピコ

P「……」ジー

杏「……」

杏「……なにさ」


P「あ、杏……助けて……」

杏「助けるって……なんだか情けないよプロデューサー」

P「で、でも……」

こずえ「ぷろでゅーさー……ぴぽぴぽってなにー……なにかなー……?」

P「……」

P(さっきからずっと袖引かれてんだぞ俺、何すればいいかわかんねえよ)

杏「はぁ、全く……頼りないなぁ……」

杏「……こずえ」

こずえ「んー?」

杏「今ほら、テレビで宇宙人の特集やってるからこっちきなよ」

こずえ「おお、うちゅーじん……みるー……」テクテク

P「……ほっ」

P(助かったぜ、杏)

杏(……後でなんか奢って貰おう)



…………



『本当に宇宙人はいるのか!? その謎に迫る!!』


杏「……」

こずえ「……」ジー


『今日スタジオにはoo大学でUFOの研究をしているxxさんに来てもらいました』

『今日はよろしくお願いします』


杏「……」

こずえ「……」


『さぁ、早速ですけど皆さんにこの映像をご覧になっていただきましょう』

『去年ネットで有名になった、未確認飛行物体を捉えた動画です……どうぞ!』


こずえ「まるいの……とんでるー……」

P「すげえなこれ、飛行機じゃないだろうし……なんなんだろ」

杏「……」

こずえ「ぴかぴかー……」

P「ああ、色んな色に光ってるな」

杏「……プロデューサーはなんで一緒に見てるの」

P「いや、面白そうだったから」

杏「仕事しなよ……」


『とても不思議な映像でしたね、専門家はこれをどう見ますか?』

『これはですね……』


こずえ「……」

P「……」

杏「……ふわぁ」

杏(……ねむ)


『合成ですね』


こずえ「……ごーせー?」

P「……は?」

杏「……」


『ほら、こことここ、非常に不自然なとこがあります』

『これは合成の時にどうしても入ってしまうノイズで……』

『あの……そ、それではこの映像は嘘だということですか?』

『ええ』

『そ、そうですか……いやぁ、この手の話はどうしても偽りの情報が多いから大変ですね』

『つーかこの世にUFOなんてあるわけないですよ、存在しません』

『……はい?』

『UFOがあると信じて色々探して来たこの三十年……私は一度も本物を見たことがありません』

『俺の三十年を返せ! UFOなんてあるわけねえ! 宇宙人なんかこの世にいねえんだ!』

『な、なんだこの人! カメラ、カメラ止めて! はや…』


ーーしばらくお待ちくださいーー



こずえ「……」

P「……」

P(なんだこの番組)

杏「……zzZ」



P(ここまで酷いのを俺は始めて見……あれ? もっと酷いのあった気もするか……?)

こずえ「……」

P(こずえも呆然としてるし……ここは何かフォローしとかないと……)

P「……あの、あのなこずえ、さっきの番組は…」

こずえ「ぷろでゅーさー……」

P「な、なんだ?」

こずえ「うちゅーじん……いないの?」

P「……いや! いるぞ宇宙人! 宇宙人はいるぞ!」

こずえ「でも、さっきのひと……いないっていってたねー……」

P「それは……」

こずえ「……」

P「……」


P「え、ええとな……」

こずえ「……こずえ、おなかすいたー」

P「え?」

こずえ「ごはん……かってくるー……」

P「は……? ちょ……こ、こずえ! 一人じゃ危ないから!」

こずえ「だいじょーぶだよ……? こずえ……できるこー」

こずえ「いってくるねー……」ガチャ

P「お、おい!」


バタン


P「……」

P「はぁ……あの子は本当に掴めないな……」

P(……ま、そうは言ってもこずえもなんだかんだしっかりしてるから、大丈夫か)

P「……」



『うちゅーじん、いないの?』



P「……」



杏「……zzZ」



…………



こずえ「こんびに……こっち……だっけー……?」

こずえ「おこづかい……いち、にぃ……」

こずえ「……」

こずえ「……おそら、なにかとんでないかなー」

こずえ「……」

こずえ「あおいなー……」


?「ぐ、うっ……ううっ……」


こずえ「……!」

こずえ(だれか……たおれてる……?)

?「……! そ、そこの君! 助けて……み、水をくれ!」

こずえ「……おみず?」

?「そうだ! 一杯でいい! ほんのちょっとでいいから……水を……」

こずえ「……えと、まっててー……こずえ、すいとーある……」ゴソゴソ

こずえ「……んー、どーぞ」

?「あ、ありがとう……」


?「んっ……んっ……」

?「ぷはーっ! ……ダメかと思った……」

こずえ「……」ジー

?「ありがとう、おかげで助かったよ」

こずえ「もう、だいじょーぶ?」

?「ああ、君は命の恩人だ……くそっ、あそこでUFOが誤作動を起こさなければ……こんな目には……」

こずえ「……ゆーふぉー?」

?「ん、ああ……そうだな……少女よ、急にこんなこと言っても信じてはくれないかもだが」

?「実は私は宇宙人で、UFOに乗ってこの惑星にやってきたんだ!」

こずえ「……」

?「だが……この惑星の調査を終えて帰ろうとしたら、途中でUFOが炎上してな」

?「緊急脱出で逃げ出したのはいいものの、UFOはどこ行ったか分からなくなるし、炎で身体中の水分がなくなるしで……」

こずえ「……んー?」

?「あ、ああ……あれだ、私は水分が生命線でな、少しでも欠けるとすぐ干からびて死んでしま…」

こずえ「ぷろでゅーさー、うちゅーじんだったのー?」

?「……」

こずえ「……」

P「ん?」


P「その、プロデューサー……と、いうのは……?」

こずえ「へんなのー……ぷろでゅーさーはぷろでゅーさーだよー?」

P「い、いやしかし、私はそういう者では……」

こずえ「でも……おかしなますく、つけてるだけで……ぷろでゅーさーだよねー……?」

P「……」

こずえ「……」

P「……違う」

こずえ「ちがうのー……?」

P「ああ、私は宇宙人、そのプロなんとやらとは全く関係はない」

こずえ「そっかー……じゃー、うちゅーじんさん?」

P「ああ!」


こずえ「えーと……まちがえて、ごめんねー……」

P「いや、分かってくれたらいい……しかしさっきは本当に助かった、ありがとう」

P「是非お礼をしたい……の、だが……いかんせん、今はUFOを探さないといけなくて……」

こずえ「……」ジー

P「……ん? なんだ?」

こずえ「ほんとーにうちゅーじんさんかみきわめる……むー……」

P「……疑われてるのか」

こずえ「……」

P「……」

P(どうしようか……ううん……)

P「……」

P「……!」

P「そうだ、バッグに確か……あ、あった!」

P「ほら、少女よ! これを見てみろ!」

こずえ「……? ちっちゃな、いれもの……」


P「ふふ、今私が宇宙人である証拠を見せよう……手を出してみなさい」

こずえ「んー……」


トロッ……


こずえ「!」

こずえ「これ……これなーに……? みどり……とろとろ……」

P「これはな、私の惑星にある特殊な水」

P「その名もトロトローンだ!」

こずえ「とろとろーん……」



< ア、オカーサン、アノオネーチャンスライムモッテル! ボクモホシイ!!

< ダメ、ガマンシナサイ



こずえ「……」

P「……」

こずえ「……これ、のんでいいー?」

P「え、あ……だめ! ダメだぞ!」


こずえ「ざんねんだー……」

P「これで私が宇宙人だってこと分かってくれたか?」

こずえ「うん……」

こずえ「うちゅーてき……うちゅーだから……しんじるー……」

P「……そうか、良かった」

こずえ「うちゅーじん、いたんだねー……」

P「……」

P「……ああ、宇宙人はいるんだ」

こずえ「えへー……」

P「……ふふ」

P「さぁ、それでは私は今からUFOを探しに行くかな」

P「助けてくれてありがとう、この恩は決して…」

こずえ「こずえもいくー」

P「……え?」

こずえ「こずえもいっしょにさがすー」

P「……」



…………



P「ええと……多分UFOはこっちの方向にある」

P「かなり遠いと思うから……少女よ、私のことはいいから帰っても……」

P「ほ、ほら、親御さんも心配するだろう? 自分で言うのもなんだが、君みたいな歳の子が知らないおじさんと歩いてちゃ
心配だぞ?」

P「……って、あれ」

P「ど、どこいった! おーい!」

P(あ、あの短時間で一体……あっ、いた!)

こずえ「……」ジー

P「……」

こずえ「……」ペタペタ

P「……何、してるんだい?」

こずえ「かげさん……さわれないかなー……」ペタペタ

P「影?」

こずえ「うん……さわれないねー……あれ……さわれてる……かなー?」

P「なんで急にまた……」

こずえ「とろとろーんみてたらねー……きになったのー……」

P(……影関係なくね?)

こずえ「あるのにさわれない……ふしぎ……」

P「なぁ、こんなとこで踞ってたら心配されるよ」

こずえ「……あ」

こずえ「ちょうちょ……ふわふわー……」

P「あ、おい! どこに行くんだ!」

こずえ「どうやってとんでるのー……んむー……」タタタッ



…………



こずえ「あついー……」

P「それは……あそこまで動き回ればそうだろう……」

こずえ「んー……」テクテク

こずえ「……」テクテク

こずえ「……」ピタッ

こずえ「……」

P「……今度はなに?」

こずえ「しろいのないから……だめ……」

P「……?」

P「あ、あぁ……なんだ、白線渡りしてたのか」

P「いやぁ懐かしい、私も昔はよくやってたなぁ」

こずえ「……?」

こずえ「うちゅーにもはくせん……あるのー?」

P「……」

こずえ「……」

P「うん、宇宙だからね」

こずえ「そっかー……」


こずえ「……でも、そーだねー」

こずえ「……」

P「なぁ、さっきからちょっと変だぞ? そんなにうろちょろして……」

こずえ「……とろとろーん、ふしぎだったー」

P「え?」

こずえ「こずえ……うちゅーじんさんにあえて……よかったよー?」

こずえ「うちゅーは……まっくろなおそら……たくさんぴかぴかして……」

こずえ「なにかがいっぱいあるのー……こずえのしらないいっぱいがいーっぱい……」

P「……」

こずえ「……あるよねー?」

P「……ああ、あるよ……宇宙は不思議なことでいっぱいだから」

こずえ「……よかったー」

こずえ「……」

こずえ「でも……よくみたらみんなふしぎー……」

こずえ「とろとろーんみたいに……ぜんぶ……うちゅーじゃなくてもいっぱい……」

こずえ「だいはっけんだねー……えへー……」

P「……」

こずえ「……ねー、うちゅーじんさん」

こずえ「しろいのない……あっちいこー……?」

P「あー、それだと遠回りに……」

P「……」

P「いや……そうだな、そうしようか」



…………



こずえ「おおー」

こずえ「のびた……かげさん……せいちょー?」

P「大分日が傾いてきたから……しかしこんなにかかるとは……」

こずえ「すごいなー……こずえものびるー……?」

P「こらこら、背伸びしても無駄だぞ」

P「それよりここだ、もう目的地に着くよ」

こずえ「……ここ?」

こずえ「きがいっぱい……もりだー……」

P「まぁそこまで大袈裟なもんじゃないけど……」

こずえ「……はいるのー?」

P「うん」



…………



杏「……面倒くさい」

杏「こずえが帰って来てないからって何で杏が探しに……仕事終わったのに……」

杏「……」

杏(そりゃ、杏も心配じゃないわけじゃないけど……)

杏「……はぁ」

杏「だいたいプロデューサーもどこ行ったんだ全く……どこに……あれ?」

杏(あそこにいるの……こずえとプロデューサー……? なんであんな木がいっぱいあるとこに入ろうとして……)

杏(それになんだあの変な仮面……何つけてんのあの人……)

杏(……)

杏(……というか、プロデューサーとこずえ一緒にいたんだ)

杏(なんだ、杏が探しに行くまでも無かったじゃん……帰ろ)

杏(……)

杏(……ん?)

杏(小さい女の子を、人気の無さそうなとこに連れていく仮面の男……)

杏(……これ、結構やばい状況見てるんじゃ)

杏(……)

杏(いやまさか、プロデューサーが犯罪犯すなんて……だ、だいたい、もしプロデューサーがロリコンなら杏だって……)

杏(……でも)

杏(……)



…………



こずえ「うー……つらいー……」

P「もう少しのはずなんだけど……おっ、着いた!」

こずえ「……!」

こずえ「ここ……おはな、たくさん……」

P「うん、ここだけ開けた場所でお花畑になってるんだ」

こずえ「……しってたのー?」

P「……いや、あれだよ……UFOを探知する機械に送られてきた映像があってね……うん……」

こずえ「ゆーふぉー……そうだ……ゆーふぉー、どこー……?」

P「ん、ここにあるよ」

こずえ「……ないよー……め、だいじょうぶー……?」

P「うおっ、き、傷つくな……あれだ、私のUFOは見えないんだ」

P「ほら、こういうのが地球の人達に見えたら大変だろう?」

こずえ「……でも、おちたんだよねー?」

P「まぁ、それは……そうだけど」

こずえ「おはな……つぶれてないかなー……やだなー……」

P「……」

P「浮いてるから」

こずえ「……?」

P「私のUFOは浮いてるから、お花は大丈夫なんだ」

こずえ「……おちたのに?」

P「落ちたのに浮くんだ」

こずえ「すごいねー……」


こずえ「おはなさん……よかったー……」

P「……」

P「さ……少女よ」

こずえ「なぁにー……?」

P「UFOも見つかったことだし……もう、お別れだ」

こずえ「え……」

P「君は自由で、素直で、優しくて……不思議な魅力を持つ子だった」

P「……君みたいな人は、きっと皆を惹きつけていくだろう」

こずえ「……」

P「私のUFO探しに付き合ってくれてありがとう……私は君が地球にいたことを決して忘れないよ」

P「だから君も、私という宇宙人がいることを忘れないで……いつまでも君のままに、そんな風にあって欲しい」

こずえ「……」

こずえ「やだよー……?」

P「……」

こずえ「おわかれ……やだー……」

こずえ「……」

P「……よしっ、そうだ」

P「UFOを探すのを手伝ってくれたお礼に……君に宇宙の魔法を教えてあげよう」

こずえ「……」

こずえ「……まほう?」



…………
……





こずえ「んゅ……にぃみぇ……」

こずえ「……いえないよー……」

P「はは、これは宇宙人の言葉だからね……難しいけど、頑張ってほしい」

こずえ「……んゅー……」

P「……」

P「……今から1時間後」

P「そうだな……地球時間で七時くらいか……その時にさっき教えた魔法を使ってくれ」

P「そしたらきっと……」

こずえ「……?」

P「……」

P「……それじゃ本当にお別れだ、後ろを見てみて」

こずえ「……うしろー?」


ガサガサッ


杏「……おわっ、なにここ……?」

こずえ「……あ、あんずさんだー」


杏「あっ、いたいたこずえ……こんなとこで何やってるのさ」

こずえ「ゆーふぉー……さがしてたのー」

杏「UFO?」

こずえ「みかくにん……ひこー……ぶったい?」

杏「そ、そう……よくはわかんないけど……」

杏「……?」

杏「そういえばプロデューサーは? さっき一緒じゃなかった?」

こずえ「さっき……えーと……」

こずえ「さっきこずえといたのはぷろでゅーさーじゃなくてね……あのね……」

こずえ「……」

こずえ「そうだ……おなまえ……うちゅーじんさん、おなまえおしえ……」

こずえ「……」

こずえ「……あれー?」

杏「……どしたの?」

こずえ「……」

こずえ「……うちゅーじんさん」

こずえ「かえっちゃったー……」



…………



杏「……」テクテク

こずえ「……」テクテク

杏「……そっか、プロデューサーに似てたのは宇宙人だったんだ」

こずえ「……うん」

杏「宇宙人いたのかー……会えてよかったね、こずえ」

こずえ「……」

こずえ「……うん」



P「おーい!」



杏「!」

こずえ「……」


P「はぁはぁ……やっと見つけたぞこずえ……一体どこへ……」

こずえ「えとねー……うちゅーじんさんと……」

杏「あー、ちょっと待っててこずえ、杏プロデューサーと話あるから」

P「へ、話?」

杏「……ちょっとこっち来て」グイッ



P[な、なんだ一体]

杏[なんだじゃないって、何で杏に教えてくれなかったの?]

P[何がだ……?]

杏[とぼけなくていいから……こずえの為になんかしてたんでしょ]

杏[まったく、先に言ってくれてたらこんな労力使わなくても良かったのに……]

P[は、はぁ……?]

杏[……くひひ]

杏[ま、でも結構良いことするじゃんか……こずえも喜んでたよ?]

P[……]

P[……なぁ、さっきから何を……]

こずえ「……ねーぷろでゅーさー」

P「おわっ!」

杏「!」

P「ど、どうしたんだこずえ……?」

こずえ「いま、なんじー?」

P「えっ……い、今か……もう七時ぐらいだけど……」

こずえ「しちじ……」

P「……って、待て! もうこんな時間なのか……!?」


こずえ「しちじかー……そっかー……」

こずえ「……」


『君に宇宙の魔法を教えてあげよう』


こずえ「……」

P「ああ、ヤバイ……早く帰らせないと親御さんも心配するだろ……! とりあえず電話だけでもして……」

こずえ「……ぷろでゅーさー」

P「すまん、こずえ……出来たら話は後に……!」

こずえ「じつはこずえは……うちゅーじんだったんだー……」

P「……」

P「……は?」

こずえ「ぷろでゅーさーにうちゅーのまほう……みせてあげるねー……」

P「お、おい、急に何を……?」

こずえ「……えへへー」


『魔法の使い方はとても簡単だよ』


こずえ「んーと……」


『まず、こうやって手を上げてみて』


こずえ「まず、こーやってー……」


『その時、手の形は差し指だけ伸ばすようにする』


こずえ「ひとさしゆびだけ、のばす……」


『そしたら、空に向かってこう言うんだ』


こずえ「おそらに……むかってー……」











……ドン、ドン……ドン


P「え……!」

杏「わっ……!」

こずえ「……おー」

P「……」

杏「……」

P「……花火?」

杏「……びっくりした」

P「……俺も」

杏(……)

杏(こずえが魔法だなんて言うタイミングで来るから……本当に……)

こずえ「……」

こずえ「うちゅーの、おはな……」


『これは宇宙人の言葉だからね』


こずえ「……」

こずえ「んゅ……にぃみぇ……」

こずえ「……」

こずえ「おわかれの……あいさつだったのかなー……」



…………



P「……?」

P「もう花火終わったのか……? 一回きりだけ?」

杏「……こう、イベント事とかじゃなくて個人がやってたやつなんじゃない?」

P「そうなのかな……」

杏「……」ジー

P「……どうした? なんか俺の顔についてる?」

杏「……いや、なんでもない」

こずえ「ぷろでゅーさー……こずえたちもかえろー……?」

P「え、ああ……そうだな、早くお前を送り届けないとな……杏もいることだし」

杏「あれ、杏も家まで送ってくれるんだ」

P「当たり前だろ、お前も女の子なんだからな」

杏「……そっか」

P「……何笑ってんだ気持ち悪い」

杏「いや……その、あれだ……プロデューサーがカッコつけるから思わず笑っちゃったんだよ」

杏「お前も女の子なんだからなっ! ……くふふ」

P「お前……俺を馬鹿にしてるなら送ってやらないからな」

杏「あー、嘘、嘘だってば!」

こずえ「……」

こずえ「だめだよー……?」

こずえ「きょうは……こずえのうちに、みんなおとまりー……」

杏「……ん?」

P「……はい?」


P「あの、こずえ……どういうことだ?」

こずえ「……こずえねー」

こずえ「きょうはもう……おわかれしたくないのー……」

こずえ「だから、きょうはみんなおとまりー……たのしいよー……?」

P「で、でも……」

こずえ「……だめー?」

P「……ええと」

杏「……」

杏「……まぁ、杏は別にいいけど」

P「……!」

P[ば、ばか……! お前がそんなこと言うと俺も断れない流れに……!]

杏[いいじゃん別に、そんな気にすることじゃないでしょ?]

P[お前はそうかも知れないけど……相手の親御さんの許可もとってないのに急に泊まるなんて……!]

杏[大丈夫だって、まさかこんな小さい女の子に手を出すロリコンって訳じゃないんでしょ?]

P[そ、そりゃそうだけど]

杏[……ロリコンじゃないの?]

P[だから違うっつの!]

杏[……ふーん]


杏「……」

杏「あー、こずえ」

こずえ「……」

杏「プロデューサーも泊まるってさ」

P「おっ、おいっ!」

こずえ「……ほんとにー?」

杏「本当本当、プロデューサーはこずえに嘘つかないからね」

P「ちょ、ちょっと待て……!」

杏「……こずえはプロデューサーを信じてないの?」

こずえ「……ううん」

こずえ「しんじてる……しんじるよー……」

P「あ、あのなこずえ……俺は……」

こずえ「……」ジー

P「……あの」

こずえ「……」ジー

P「……」


P「……はぁ」

P「今日だけ、今日だけな……」

こずえ「……やったぁー」

P「なんだかなぁ……」

P「まぁでも……いいか、たまには……」

こずえ「みんなで、いろんなおはなししようねー……? こずえ……たくさんはなしたいことあるんだー……」

P「……そうだな、それじゃこずえが今日何したかとか色々教えてもらおうかな」

こずえ「……うん、いっぱいおしえるー」

こずえ「……あ、でもねー……」

こずえ「……」

こずえ「うちゅーはね……」

こずえ「うちゅーのまほーは、こずえだけのひみつー……」



おわり

ほのぼのとしたの書きたかったんです、そしたらよく分からん感じになりました......

杏「実は私は」もよろしくお願いします

こう、前回もだけど>>16とかで変な改行するのはなんなんだろ、つらい



おまけ



…………


きっと秘密なんて誰にでもある

それはとても当たり前のことで

それはとてもありふれてることで

例えば少し人と違う……そんな秘密

だから『これ』はそんなに珍しいことでは無いのかも知れない


…………


P「……えっ」

輝子「ん……やっぱり……だ、誰もいない事務所で羽根を伸ばすのはいい……いいな……」

輝子「……」

P「……」

輝子「……えっ」


P「……」

輝子「……」

輝子「……み、見た?」

P「ぎゃあああああああああ!!」

P(な、なんだあれ!? 羽!? 牙!? コウモリ!?)

輝子「……」

輝子「……みた、みたのか……そうか……」

P「何……何なの……きゅ、吸血鬼……? それ、衣装じゃないし……」

P「え……お、俺、もしかして……ころ、殺されるの? 血を吸われて干からびるの……?」

輝子「せ、セクハラ……!」

P「ええっ!? 何でセクハラ……!?」

輝子「す、吸わない……友達の血を吸うなんて……わ、私、そんなに尻軽に見えるか……?」

P「は、はぁ……?」

輝子「……あっ」

輝子「でも……友達じゃなくて……親友なら……いい?」

輝子「……」

P「……」


こずえ「ただいまー……」ガチャ

輝子 P「えっ」

こずえ「……」

こずえ「……それ、はねー?」

輝子「……」

こずえ「……」

こずえ「……なにものー?」ニョキッ

P「……はっ!?」

輝子「!?」


P(な、なんかこずえの髪の中からちっちゃいこずえ出てきた……! こずえ出てきた!)

輝子「は、生えた……ちっこいの生えた……」

輝子「……」

輝子(い、いいなあれ……)

こずえ「どこのほしからと……んと……しょぞく……? えーと、しょぞくをいえー」

P「も、もう何がなんだか……全く……」

杏「飴がないーっ!」ドゴオッ

P「ぐふぅっ!?」

杏「プロデューサー! 飴がないじゃんかっ! 早く飴をだせっ!」

P「あ、杏……!? い、今はそれどころじゃ……」

杏「それどころ……?」

杏「今、杏の飴がないのをそれどころって言ったの……?」ゴゴゴゴゴ

P「……え、あれ、杏? なんだそれ……角……?」

杏「……年配者への言葉には気を付けろっ! ガキ臭いプロデューサーのくせにーっ!」

P「ちょ、お前、体が浮い……!」

きらり「あー! 杏ちゃーん!」

杏「」ビクッ


きらり「もー!Pちゃんに何しようとしてるのー?」

杏「き、きらり……これは……」

きらり「そんな悪い子はきらりと一緒にきらりんルームでハピハピだよー☆」

杏「……」

きらり「……」

杏「に、逃げるが勝ちっ!」ダッ

きらり「……! 追いかけっこ……? きらり、負けないにぃ!」

きらり「待てー!」ダダーッ

P「……」

P「……なん、だったんだ?」


ツンツン


P「……ん?」

乃々「……プ、プロデューサーさん」

P「の、乃々……?」


乃々「え、えと……私……」

乃々「未来から来たプロデューサーさんの孫って……設定……なんですけど……」

P「……」

乃々「……」

P「森久保、今は冗談とか聞いてられないんだ、机の下に帰れ」

乃々「じ、冗談とかじゃ無くて……あう……」

P「はぁ、全く……これ以上俺を混乱させるようなこと言わないでくれ……」

乃々「……そ、そんな……プロデューサーさんだって……」

乃々「プロデューサーさんの設定だって……あるんですけど……!」バッ

P「……ん、なんだこれ……月の写真……?」

P「え、なんか……体が、体が熱く……うおっ、うおおお……!」

P「うおおおおおおおおおおっ!?」

乃々「プロデューサーさんは……あの、月を見ると女の子に……その……ち、痴女……に……」

P「……」←全裸

乃々「……」

P「……」←男のまま全裸

乃々「ひゃあぁう……!?」


P「なぁ、森久保……なんだか俺、体が熱いんだ……」

乃々「あ、あう……あうう……」

乃々「ち、違うんですけど……ただの変態さんなんですけど……なんで、なんで……」

P「この火照り、冷ましてくれるよな」

P「さあ、仮眠室に行こう」

乃々「嫌っ……嫌なんですけどぉ……引っ張らないでぇ……!」ズルズル




ーーーー



P「……はっ!?」

P「……」

P「……夢、か?」

P「……」



…………



輝子「ぴ、P、なんで口を……? あぐっ……」

P「いや、牙でも生えてないかなと……」

輝子「ゆ、ゆひ……いひぇなひで……」

P「……あっ、虫歯じゃないかこれ、ちゃんと歯磨けよ?」

杏「……」

杏「……プロデューサー、何輝子にセクハラしてるのさ」

P「お……いいとこ来たな杏、ちょっと頭出せ」

杏「なんで?」

P「いいから……おらっ」

杏「あっ、やめろ、何するんだ! 髪ワシャワシャするなっ!」

P「……角は、ないみたいだな」

杏「い、いったいなんなの……」

P「いやな、今日の夢で……あ」

こずえ「……ふわー」

P「……」

杏「……今日の夢で?」

P「……いや」

P「なんでもない、ただの夢の話だ」








こずえ「……ふわふわー」ニョキッ

前回クロスと勘違いした人、申し訳なかったです
未来から来た残念な女の子が好きです

読んでくれてありがとうございました
駄文失礼しましたー

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