モバP「いつものあいつらに犬の散歩をさせてみる」 (52)


――――――――――――一時間前、事務所


ぷるるるるるる


P「はい、もしもし……ああ、優か。どうした?」

P「うんうん、なるほど……うーん……まあ、お世話になってるから仕方ないよな」

P「でも、お前だけで大丈夫か?……ああ、そうか……なるほど」

P「わかった。こちらで何人か探しておくよ」

P「はい。それじゃあ、気をつけてな」


ぴっ


P「さてと……困った時は、あいつらしかいないな」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1406217500


――――――――――――事務所


P「よく来た、お前たち」

夏樹「……」

http://i.imgur.com/CkWfTnZ.jpg
木村夏樹(18)

涼「……」

http://i.imgur.com/e0zwduy.jpg
松永涼(18)

拓海「……」ブスッ

http://i.imgur.com/9OQskO7.jpg
向井拓海(18)

P「あれ? なんでお前らそんなに不機嫌なわけ?」

夏樹「そう言われてもな」

涼「予感がするんだよ」

P「はて? 予感?」


拓海「この三人が呼ばれるときは、たいていロクでもないことだろうが」

P「ああ、任せろ。今回は特に大事だ」

夏樹「あたしら、便利屋じゃないんだからな」

涼「そのうち、引っ越しの手伝いとか犬の散歩やらされたりしてな」

拓海「そんなのアイドルの仕事じゃねーだろ」

P「げっ」

夏樹「……Pさん、なんで目をそらしてるんだ?」

P「い、いや」

拓海「こっち見ろ! ゴルァ!!」グイッ

P「い、痛い痛い!!」

涼「なんか意味深だな」

P「じ、実は……犬の散歩をしてほしくてな」


拓海「帰るわ。じゃあな」

涼「そうだな。ファミレスでも行くか」

P「待って待って! 話を聞いて!」

夏樹「さすがにそれはな……」

拓海「おめー、あたしらバカにし過ぎだろ!」

P「違うんだ! これはちゃんと仕事に関係あるんだ!」

涼「仕事?」


P「優と聖來が動物番組やってるのは知ってるよな?」

涼「知ってる。いろんな動物を呼んでゲストとトークする番組だよね?」

P「そうだ。今回犬と一緒だったんだが、動物プロダクションの方で手違いがあって」

P「急遽、担当者さんが別イベントに派遣している動物を迎えに行かなきゃならなくなったんだ」

拓海「ブッキングってやつか」

P「それで、少しの時間だけ犬の面倒を見ていてくれということらしい」

夏樹「優さんと聖來さんで何とか出来ないのか?」


P「聖來は車で手伝いに行ってる。優が今は面倒を見ているがさすがに一人では……ということらしい」

涼「なるほど……どうにもならなくなったってことか」

P「いつもお世話になってる動物プロの人だからな。苦しい時はお互い様だし、できる限り手伝ってやりたいんだ」

夏樹「そういう事なら仕方ないな。あたしは手伝うよ」

涼「まあ、たまにはこういうのも悪くないね」

拓海「あんま、気乗りしねえな」

P「とりあえず下で優が待ってるんで、詳しい話は直接聞いてくれ。頼んだぞ」


――――――――――――事務所前


優「あっ、みんなー! こっちこっちー!!」

http://i.imgur.com/ddiCCUZ.jpg
太田優(21)+アッキー(?)

夏樹「おつかれ、優さん。それで、犬は?」

優「今、このケージに入ってるよー。3匹いるから一匹づつ担当してもらえると嬉しいかな」

涼「了解。優さんは?」

優「あたしはアッキーがいるからねー」

アッキー『……』


優「じゃあ、まず夏樹ちゃんに担当してもらうのはこの子。ジャーマン・シェパード」

http://i.imgur.com/V9YK7yO.jpg
※参考写真

夏樹「お? いい顔してるな。イカしてるじゃん」


優「警察犬や軍用犬にも使われるくらいだからねー。何でもいうこと聞くお利口さんなの」

夏樹「へー」

優「とりあえず、この子の前で人差し指出して下を指してみて?」

夏樹「こう?」

さっ

夏樹「おお! きちんと座るんだな」

優「次は手のひらを下にして撫でるように横に振ってみて?」

夏樹「こうかな?」

さっ

夏樹「おおお、今度は伏せた!」

優「気に入ってくれた?」

夏樹「ああ! なかなか面白いやつだ。今日はよろしくな」


優「次は涼ちゃん……この子ね。バーニーズ・マウンテン・ドッグ」

http://i.imgur.com/2YxOq1n.jpg
※参考画像

涼「あー。なんか、ハリウッドの映画で家族がよく飼ってる奴だよな」


優「この子はねえ、すごい特技があるんだよ」

涼「特技?」

優「この骨のおもちゃを持ってみて?」

涼「こう?」

優「涼ちゃんの頭の高さくらいにぶら下げる感じで」

涼「これでいいかな?」

ばっ

涼「うわっ! すげえジャンプ力!!」

優「この子はディスクドッグでもいい成績なんだよー」

涼「ディスクドッグ?」

優「フライングディスクっていう円盤を投げて、キャッチするまでの距離を競う競技のこと」

涼「ああ、テレビで見たことある」

優「あとでやってみましょう♪」

涼「そいつは楽しみだ。今日はヨロシク」


優「んで、最後は拓海ちゃんね。この子をお願いしようかな?」

拓海「おう」

優「はい、パグちゃん」

http://i.imgur.com/kE9guwp.jpg
※参考画像

拓海「おいっ!!!!」


優「どうしたの?」

拓海「おかしいだろっ! なんで涼や夏樹は鼻先がシュッとした奴で、あたしはこんな顔面をフライパンでぶん殴られたようなやつなんだ!?」

優「でもカワイイじゃない? パグちゃん」

拓海「どこがだよ……こいつはなんか特技ねえの?」

優「うーん……あ、そうだ」

拓海「ん、なんだよ?」

優「この子ね、抱きかかえて顔の前に持ってくると」

拓海「こうか?」

ぶしゅっ!

拓海「うぎゃあああああ!!!」

優「鼻水飛ばしてくるから気をつけて」

拓海「早く言えよ!!!!」


優「カワイイのにねえ……」

拓海「もっとマシな犬はいねえのか!」

優「そうねえ……じゃあ、アッキーと交換する?」

アッキー『!!!』

拓海「は?」

優「なあんてねっ♪ アッキーはあたしとラブラブだもんねっ♪」ギュウウ

アッキー『……』


拓海(アッキー……そんな悲しい目で見んじゃねえよ……)


優「じゃあ、お散歩にしゅっぱーつ♪」

夏樹「どこへ行けばいいんですか?」

優「この先にドッグランのある公園があるんだよ。そこでみんなで遊ぼうね」

涼「うおっ! この子すごいよ。気を抜いたら引きずられるくらい力強い」

夏樹「こいつもすごいぞ。見ろよ、きちんとあたしに合わせてぴったり横を歩いてる」

拓海「ぉぃ」

優「みんなかわいいよねー♪」


拓海「おいっ!!!」


涼「何やってんのさ、拓海? 早くこないと置いていくぞ?」

拓海「動かねえんだよ!! このワン公が!!」

夏樹「歩かねえってことか?」

拓海「さっきから引っ張ってるのに、テコでも動こうとしやがらねえし」

優「ああ、だめだよ~、拓海ちゃん」

拓海「なにが?」

優「その子の足元見て?」

拓海「ん?」


優「そこに排水口の金網の蓋があるでしょ?」

拓海「それがなんなんだ?」

優「多分、それが怖くて飛び越えられないんだと思う」

拓海「嘘だろ?! 幅50センチもねえんだぞ? どんだけビビリなんだよ??」

優「でも、しょうがないよね」

拓海「どうすりゃいいんだ?」

優「拓海ちゃんが抱っこしていくしかないよね」

拓海「は? なんで、そんな事しなきゃなんねえんだ!!」

優「でも、そのままじゃその子動かないよ?」

拓海「ぐっ……」

夏樹「拓海ー。やるなら早くしろよ? 置いていくぞ?」

拓海「うるせー! わかってるよ!……ったく」


――――――――――――公園

優「ここですよー♪みんなたのしくあそぼー!」

夏樹「思ったより広いな」

涼「んじゃ、さっそくやるか」

拓海「疲れた……結局、最後まであたしが抱きかかえたままかよ……」


夏樹「さて、何すりゃいいの?」

優「そこに犬用のアスレチックがあるでしょ?」

夏樹「ああ、なんかハードルみたいなのあるな」

優「この子、一応そういう訓練受けてるの」

夏樹「へえ、そいつはすごいな。ちょっと行ってみるか」


涼「アタシらは?」

優「はい、これ。フライングディスク持ってきたからこれで遊んで?」

涼「おお、サンキュー優さん。ほんじゃ行ってくる」


拓海「あたしは何すりゃいい?」

優「拓海ちゃんは休んでていいかも」

拓海「なんだそりゃ? こいつ走らなくていいのか?」

優「だってパグちゃん木陰で休んでるもの」

拓海「いつの間に!! つか、何にもしてねーのに、なんで疲れてんだよ!!」


夏樹「よっしゃ! 次はこれだ。飛び越えられるか?」

たたたたたた

ばっ

夏樹「おおお! すげえジャンプ力!!」

夏樹「いいねえ。お前気に入ったよ。ほら、エサ」

夏樹「ははは。くすぐったいよ」


涼「よーし、じゃ投げるぞー……そらっ!」

たたたたたたた

ぱしっ

涼「おー、まだ余裕って感じだな。よしよし」

涼「それじゃあ、今度はおもいっきり投げるからな! そらっ!!」

たたたたたたたたたたた

ぱしっ

涼「すげえ! カッコイイな! こりゃアタシも頑張んないとな」


拓海「ちっ。夏樹も涼もはしゃぎやがって……」チラッ

ぐー ぐー

拓海「おい! 寝てんじゃねえよ、起きろ」

拓海「ここにボールがある。転がすから取ってみな」

ころころころ

…………

拓海「ガン無視かよ、てめぇ……」


拓海「いいか! よく見てろ! こうやってアタシが投げるだろ!」


ひゅーん


拓海「んで、それを走って」


たたたたたたたた


<コウヤッテ トッテ


たたたたたたたた


拓海「ぜー、ぜー……こうやってとってくるんだよ!」

拓海「って、なんでアタシが取りに行かなきゃなんねえんだ!!!」

くわぁ…

拓海「てめえ……せっかく、人が見本見せてやったのにあくびか!」

拓海「もういい! 勝手にしろ!!」


涼「なにやってんだよ? 拓海?」

拓海「あ?」

涼「せっかく公園に来たのにゴロ寝とか、もったいないだろ?」

拓海「知るか。そこのブサイクが動かねえんじゃどうしようもねえよ」

涼「そうか? 愛嬌あってカワイイと思うけどな」

涼「ほら、おいで。わんこ」


だきっ


拓海(おっ? バカが、何も知らずに抱え上げやがったな? 鼻水攻撃を喰らえっ!)

涼「こんな面白い顔なのになー」

ぺろぺろ

涼「はははっ! くすぐったいよ、やめろよー」


拓海「あ゛?」


拓海「ちょっと貸せ!」ガバッ

涼「あ! 何すんだよ?!」

拓海「てめえ! どういうこった!? 涼には懐いて、なんであたしには鼻水なんだよ!? おいっ!!」ユサユサ

ぶしっ

拓海「ぐわあああ!!」

涼「ありゃ、すんごい鼻水」


拓海「……もうあったまきた……涼! ロープ持ってこい!!」

涼「何するつもりだよ?」

拓海「このクソワン公、逆さにして、木にぶらさげてやる!」

涼「やめろよ、大人気ないな」


――――――――――――数時間後、事務所前


優「はーい♪ みんなありがとー! すごく助かったよ」

夏樹「いやいや。こっちも楽しかったよ。ありがとう」

涼「だよな。運動不足解消できた感じだよ」

拓海「けっ。もう二度とやんねえからな」


ぷっぷー

聖來「みんなー。おまたせー」

http://i.imgur.com/Z2iBsjP.jpg
水木聖來(23)

優「おかえりー、聖來ちゃん♪」

夏樹「聖來さん、車だったのか」

聖來「そうだよ。いろいろ送り迎えしてたからね」

涼「あとはこの子たち乗せて帰るだけ?」

聖來「そうなんだけど……ちょっとみんなに見せたいものがあってね」

拓海「みせたいもの?」


聖來「じゃーん! パグちゃんの子犬だよーっ!!」

http://i.imgur.com/quBJGmd.jpg
※参考画像

拓海「!!」


優「うわあーっ! かーわいいっ♪」

夏樹「モコモコしてんな」

涼「ちっちぇー」

聖來「そこのパグちゃんの子供なんだって。生まれてまだ二週間なんだよー」

拓海「………」ソワソワ


聖來「はい、5匹いるから抱っこしてみる?」

夏樹「いいの?」

聖來「いいよー。今日はみんなに迷惑かけちゃったしね」

夏樹「ありがとう……うわっ! 軽いな」

涼「まだ、歯が生えてないのかな? ははっ、指吸ってるよ」

優「みてみてアッキー! かーわいいよねー♪」

アッキー『…………』

子犬『きゃんっ』

アッキー『!!!』ビクッ

夏樹「子犬にもビビってんのか……」


夏樹「おっ、こいつオスだ」

優「ほんとだー」

涼「ば、ば、ばかやろっ! 何見てんだよ!!」

夏樹「何赤くなってんだよ?」

涼「う、うるさい!」

優「ふふふっ」


聖來「はい、拓海ちゃんも抱っこ」

拓海「あ、あたしは……いいや……」

聖來「まあまあ、そう言わないで。はい、どうぞ」

ひょい

拓海「!!」


拓海「ちょっと……あたし……でてくる」

涼「あ! お前どこ行くんだよ!!」

拓海「便所だよ! ついてくんじゃねーぞ!」


たたたたた


涼「だったら、子犬おいてけって!」


夏樹「……ははーん」


――――――――――――ビルの影


拓海「ったく、うるせえ奴らだな」

子犬『くーん』

拓海「ああ、わりーわりー。窮屈だったか?」

拓海「なんだよ……子犬になるとこんなに愛らしくなるんだな」

拓海「親父はシワシワなのに、お前ツルツルしてんな」

子犬『きゅーん』

ぺろっ

拓海「はははっ! 鼻舐めるなよ!」


拓海「腹もツルツルだな。ほらっ、こちょこちょ」

子犬『きゃうっ』

拓海「ははは、くすぐったいか? うん?」

ぺろぺろっ

拓海「あーもうっ! カワイイじゃねえか、お前」

拓海「そろそろ、行かねえとやべえな……」

拓海「……もうちょっとだけ。うりうり」

子犬『あぅー』

拓海「ははは」


涼「何やってんの? あいつ?」コソッ

夏樹「まあ、拓海は硬派だからそういうの見せらんないんだろ?」コソッ

涼「意地っ張りめ」


――――――――――――事務所前


拓海「おう、戻ったぞ」

夏樹「子犬返せよ」

拓海「あー、ポケットに入れてたの忘れてたわ。道理で重てえはずだぜ」

涼「普通気づくだろ」

拓海「なんか言ったか?」

涼「なーんにも」


優「拓海ちゃん、今日一緒にいたあのパグちゃん見て?」

拓海「あ?」

優「ふふふ。ちっちゃくてもお父さんなんだね。子どもたちを優しく舐めてるよ」

拓海「ほんとだな」


拓海(あいつ……動かなかったのは子供が心配だったからなのか)


聖來「さあ、みんなー。名残惜しいとは思うけどお別れの時間だよ。車に積んであげて」

優「寂しくなっちゃうねー」

夏樹「おう、また今度機会があったら会おうぜ、な?」

ばうっ

夏樹「ははは。よしよし」


涼「今日は楽しかったよ。今度はもっと遠くに飛ばせるように練習するからね」

わんっ

涼「……ううう。なんか切ないな……聖來さん? 今度会いに行ってもいいかな?」

聖來「大丈夫だよ。このわんこも涼ちゃんと会いたいだろうしね」


拓海「……」

……

拓海「ふん……てめえには振り回されっぱなしで疲れたぜ」

……

拓海「まあ……気が向いたら……会いに行ってやらあ」

拓海「あ、でも勘違いしてんじゃねえぞ? 子犬の様子見るだけだからな」

……

拓海「……じゃあな。達者でな」

あうっ

拓海「ちっ、今頃返事してんじゃねえよ」


――――――――――――数日後、事務所


P「おーい、お前ら。例の動物プロダクションから写真が届いてるぞ」

夏樹「お? マジで?」

P「ほら、これは夏樹宛てだ」

夏樹「おー、あいつまたデカくなってるな」

P「すごいな」

夏樹「こりゃ次散歩するのは大変だぞ」


P「これは涼だな」

涼「わ! すごい! あの子、ディスクドッグの大会で優勝してるし!」

P「デカいトロフィーと一緒だな」

涼「ちょっと、アタシも鍛えて飛ばせるようになんないとな」


P「こんなとこかな」

夏樹「あれ? 拓海は?」

P「ああ、拓海にはもう渡してある」

涼「へ? もう? んで、あいつどこ行ったんだ?」


――――――――――――控室


拓海「えと……こうでいいんだっけ?」

拓海「ちっ、携帯で写真写すってめんどくせえ」


かしゃっ


拓海「おっ?……撮れた。こんな感じでいいんだよな?」

拓海「……けっ、天下の向井拓海様が犬の写真取り込むなんてな」

拓海「あたしもヤキが回ったか?」

拓海「…………」



拓海「壁紙設定って……これでいいんだよな?」





おわり

※これでおわりです。
 アイドルがこんなことする必要はないんですがさせてしまいました。ごめんなさい。
 僕は昔パグを飼っていた経験があるのでそれを思い出しながら書きました。
 皆さんも注意してください。
 ここまで読んでいただいてありがとうございました。

おつん

たくみん可愛い乙!

おっつおっつ
面白かった

やはり夏樹はいい女だな。乙でした

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