永沢「振り飛車なのに角交換するなんて君はやはり卑怯だね」 (54)

永沢「振り飛車は角交換を避けろって昔から言われてるじゃないか」

藤木「うう…」

永沢「セオリーに反したことをして僕を混乱させようとしているだけだろ」

藤木「違うよ!僕なりにちゃんと考えがあって!」

永沢「後手のくせに序盤で二手損しといて考えがあるなんて言われてもね」

永沢「はい、これで受けなしだ」

藤木「負けました…」

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まる子「かー、相変わらず藤木は弱いねえ」

藤木「さくら!」

たまえ「っていうか永沢くんの居飛車が強すぎるんだよ」

まる子「それより永沢、なんでさっさと飛車先の歩を交換しなかったのさ」

たまえ「そういえば確かにがら空きだったね」

永沢「これは昔からあるハメ手でさ、ここで飛車先の歩を換えると王手銀取りをもらうんだ」

まる子「うわ、これは卑怯だね。藤木、あんたこんな手で勝とうとしてたのかい」

藤木「うう…」

もうちょい分かりやすく

出来れば格ゲーで書いてくれ

ごき中最強

永沢「こないだも卑怯な戦法を使ってきたよな。一度出た銀を出たり引いたりして、千日手でも狙っているのかい」

藤木「後手番での千日手はしょうがないだろ!」

まる子「何言ってんだい。千日手は将棋のガンだよ。」

はまじ「おい、何だ千日手って?」

ブー太郎「同じ局面を4回繰り返すことだブー。先手と後手を入れ替えて最初から指しなおしになるブー」

関口「ようは引き分けみたいなもんか」

ブー太郎「藤木は最初から引き分け狙いに構えて、相手が無理に攻めてきたらもうけものみたいな考え方をしばしばやるブー」

はまじ「うわ!それはマジで卑怯だな!」

後手番の千日手は有利になれるんだからやるだろ
むしろされる長沢がザコ

ほう、これは期待

永沢「そもそも振り飛車って戦法自体が昔は卑怯と言われていたからね。君は骨の髄まで卑怯で出来ているのかい?」

藤木「うう…」

大野「おい永沢!それはさすがに言いすぎだろ!」

城ヶ崎「そういえば大野くんも振り飛車党ね」

大野「まあ俺は藤木みたいなウジウジした指し方じゃなくて、豪快にさばく三間飛車だけどな」

大野「左の桂馬がきれいにさばけると気持ちいいぜ」

杉山「お前は四間飛車は指さないのか?」

大野「こないだ気分転換に四間指してみたら、山田に急戦仕掛けられて負けちまったよ」

杉山「え!あの山田にか!?」

大野「銀を出る前に歩を突き捨てて攻めてくる筋を見落としちまってな」

杉山「へえ、今度おれもやってみようかな」


永沢「大体君は序盤で変なことをしすぎなんだよ。たまに居飛車を指してみても片矢倉だの早囲いだの、もっと堂々と戦うことは出来ないのかい?」

藤木「だって▲3七銀戦法じゃ永沢には勝てないから…」

永沢「その相手の得意を外せばそれでいいって考えがもうだめなんだよ。振り飛車で角交換を仕掛けてたのもイビアナにだけ組ませなければいいってことなんだろ」

まる子「でも実際、居飛車穴熊にはどう対抗すればいいのかねえ」

たまえ「やっぱり銀冠に組んでじっくり戦うしかないんじゃない?」

まる子「でも穴熊ってただ固いだけじゃなくて、王手がかからないって特徴があるんだよね。わたしの終盤力じゃ多少優勢になったって逆転負けされちまうよ」

たまえ「まるちゃん、詰め将棋解こうよ…」

藤木(うう… どうすれば永沢のイビアナを倒せるんだよ?)

あっ…(察し)

帰り道

藤木「うう、どうすればいいんだ…」

野口「ククク… これだからあんたはダメなんだよ」

藤木「野口さん?そんな道路の真ん中に立ってたら危ないよ!」

野口「ククク… 実は危ないのはそっちのほうなんじゃないかい?」

藤木「何を言って… うわ!?犬がかみついてきた!!」

野口「どこが安全でどこが危険なんてのは相対的な問題。立派な家に住んでたって燃やされちまえばそれでしまいさ」

野口「ククク…」

藤木「野口さん…」

期待

翌日

永沢「で、また性懲りもなく僕に挑もうって言うのか」

藤木「永沢くん!今日の僕は一味違うぞ!」

「おい!また藤木なんか叫んでるぞ!」「おもしろそう!」

永沢「はあ… ギャラリーを味方につける番外戦術か。君はやはり卑怯者だよ」

藤木「いいから、始めよう!」

「「お願いします!!」」

藤木「永沢… おまえなんて腐った玉ねぎだ!」バチ!

永沢「ほう、じゃあ君はなんなんだい?」バチ!

藤木「さしずめそれにたかる蝿といったところかな」バチ!

永沢「そういうことは僕に一度でも勝ってから言ってくれよ」バチ!


花輪「ミスター永沢はやはり居飛車穴熊を目指すようだね」

花輪「丸尾くん、君は彼の将棋をどう見るんだい?」

丸尾「ズバリ!序盤、中盤、終盤、隙がないでしょう!」

まる子「永沢の居飛車穴熊… もう組もうとする手つきを見るだけでげんなりするよ」

たまえ「それに引き換え藤木くんの駒組みは…」

大野「ははっ、なんだありゃ!王様放っておいてで端っこの歩動かしてるぜ!」

杉山「永沢の穴熊にあの形で挑むなんて、宇宙戦艦ヤマトに全裸で突っ込むようなもんだ!」

はまじ「しかも緊張してんのか序盤だってのにすげえ時間使ってんな」

小杉「腹でも減ってんじゃねえか、将棋を指す日は朝昼晩とうなぎ食っても満腹にならねえしな」

山根「うう、想像しただけで胃腸が…」

将棋全くわからないのに脳内再生余裕とはこれいかに

藤木「…」バチ!

永沢(やはり変に間を取ってる。こっちのペースでも乱そうっていうのか?)

永沢「いいのかい?最初のほうに時間をそんなに使っちゃってさ」バチ!

藤木「…」バチ!

永沢「君はさほど終盤が強いほうじゃないだろう。時間を残しておかないと痛い目をみるよ」バチ!

藤木「…」バチ!

永沢「君はもう半分近く時間を使っているのに局面はまだ序盤。僕は穴熊に入るところで君なんか全く守りを作ってないじゃないか」バチ!

藤木「永沢君、何を言ってるんだい?」

藤木「もうこの将棋はとっくに終盤だよ」バチ!

大野「藤木が仕掛けた!」

永沢「おいおい?なんだよその桂跳ねは?」バチ!

藤木「」バチ!

たまえ「端攻め… いくら穴熊は端が弱いと言ってもあれは…」

まる子「強引過ぎるね。こりゃ永沢の勝ちで決まりだよ」

笹山「藤木くん…」


永沢(こんな攻め、たいそうなことを言っておいて結局いつもの奇襲と変わらないのか)

永沢(奇襲は落ち着いて受けられたら仕掛けたほうが不利になるもの。少し時間を使って考えてみるか)

藤井システムならぬ藤木システムか

大野「なあ、杉山。お前はあの攻めどう受けるよ」

杉山「そんなもん自然に進めれば…あれ?角がうるさいな。じゃあちょっと捻って…おい、おかしいぞ!」

まる子「まさか… これって?」

永沢(すでに攻めが決まっているのか!?)

藤木「どうしたんだい?こんな局面でずいぶん時間を使って?」

永沢「うるさい!考えさせろ!」

なんつーハイレベルな小学生達だ…
山田にすら勝てない自信がある

おもしろい

雰囲気だけしかわからんが熱いな

永沢(普通振り飛車は右に王様を囲って左の駒で攻めるものだけど、藤木くんは右の桂馬と香車を軸に攻めの形を作った。玉を囲わなかったのは穴熊が完成する前に襲い掛かるためか…)

永沢(僕はいったいどこで間違えた?いや、今は目の前の局面のことを考えるべきだ)

永沢(藤木くんはこの攻めのために守りを犠牲にした、戦いを激しくすればそのリスクは浮き彫りになるはずだ!)バチ!

藤木「」バチ!

永沢「」バチ!

藤木「」バチ!

永沢(くそ!反撃の手番が回ってこない!)

将棋分からんのに面白いw

藤木「永沢くん、どこが安全でどこが危険かというのは相対的なものなんだよ」

永沢「は?」

藤木「確かに普通の居飛車対振り飛車なら僕の王はすごく危険な位置だよ。でもそれは戦場が盤の左側にあるからさ」

藤木「だからぼくは王じゃなくて戦場を動かしたんだ。それに気づかない君はノコノコと自分から弾丸に当たりにきたんだ」

永沢「確かに僕は君の弾丸をくらってしまったかもしれないよ。でも藤木くん」

永沢「まだぼくの玉は死んでない!」バチ!

なんだよこの無駄にアツい展開w

>>15
ハッシーw

藤木「これは…」

大野「あえて不自然な手を指して局面を複雑にする。ここで藤木が間違えたら泥沼になるぜ」

杉山「でもそんなまね、いつもの永沢なら卑怯だとかいってやらないよな?」

永沢「確かにぼくのはこういう手は嫌いだよ。でも、ぼくは君と何局も何局も指してきたんだ」

永沢「藤木くん程度の卑怯な手なら、嫌でも思いついてしまうのさ」

たまえ「これは…」

まる子「藤木、ここで負けたらあんた一生卑怯者だよ」

藤木「…確かに卑怯な手だね」

藤木「でも…ぼく程度だ」パチ

永沢「はあ、それで受けなしか」

藤木「詰みまで指さないのかい?ぼくのことだからここから間違えるかもしれないよ」

永沢「そんな野暮なこと、藤木くんじゃなきゃやらないよ」

永沢「…負けました」

藤木「ありがとうございました」

潔いな

将棋は武士たるべき
……武士?

これは穴熊完成直前を狙って端から急襲して突き崩したって感じでいいのか?

まる子「あの藤木が… 永沢に勝った!!」

たまえ「すごい!大金星だよ!」

「うおおおおおお 藤木すげええええええ!!!!!!」

藤木「みんな…」

大野「藤木!今度はオレと指そうぜ!」

藤木「え?でもぼくじゃ…」

杉山「誰も今のお前を実力不足なんて思わねえよ」

はまじ「その前におれにさっきの戦法教えてくれよ!あれさえあればおれももっと勝てるようになれるよな!」

永沢「そういえば君が使った戦法、ちゃんとした名前はあるのかい?」

藤木「うん。決まってるよ」

藤木「藤木システムさ」

あ、調子乗ったらダメなパターンや

野口「ククク… まだまだ面白いことが起こりそうだねえ」

まる子「次回はまるこ、超速に敗れる。藤木システムの終焉の2本だよ。お楽しみにね!」

アヤパパパ、パパヤパヤ、パヤパヤ

これで終わりです
ハチワンと将棋世界の現代将棋講座を参考にして書きました
藤木の使ってる序盤戦略はだいたい藤井先生が元ネタで山田が使う急戦は山田定跡のつもりです
読んでくださってありがとうございました

>>34
そういうことです

おつ!


破れるの早いな藤木システム!

>>40
サンクス
囲う前に殺されるのはたまにあるから困る
なにはともあれ乙

なんかハチワンぽいなと思ったらやはりか
ボイスは普段どおりで絵柄がハチワンで再生されてたw

丸尾ワクチンがみたい


将棋動きぐらいしか分からんかったが興味持った

予告のオチが秀逸www
藤木www

永沢がミレニアムでも組むんだろうか

良かった
やはり藤井システムはいい
いや藤木システムか

おかしい。将棋は少ししか知らないのにこんなに面白いなんて

大野は大野先生そのまんまやなwwwwww



やっぱ藤木って感じの秀逸な落ち。

いやー良かったよ
居飛車穴熊に振り飛車はそらまあな

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