エレン「ミカサの成績が不調?」(50)

キースの部屋─

キース「そうだ。アッカーマン訓練兵は確かに歴代トップクラスの逸材だ。
    しかし最近、目に見えて成績が落ち込んでいる。」

エレン「そんな風には見えませんが……。」

アルミン「いや、確かにそうだよ。
     2位のライナーとの差がここ一ヶ月で大きく縮まった。」

エレン「ライナーが急成長してるだけなんじゃないか。
    それに、縮まったといっても、点数で言うと5倍以上開いてるし。」

キース「一ヶ月前は20倍だった。
    アッカーマン訓練兵は我々人類の希望のひとつだ。
    もし、何かこの状況の原因があるならば、改善する必要がある。」

アルミン「それで、ミカ…アッカーマン訓練兵の幼馴染である、
     我々が呼び出されたのですね。」

キース「その通り。
    実は今回の件、上層会議でも取り上げられる程の問題になっている。
    言葉遣いなど気にせず、心当たりをできるだけあげて欲しい。」

エレン「尽力します。
    ……と言いたいところですが、自分は先月から、
    ミカサとは別の班になりました。
    あまり有力な証言はできないかと……。」

アルミン「エレン……。原因は今、君がはっきりさせたよ……。」

エレン「は? 何言ってるんだ、アルミン。」

アルミン「教官殿、ミカサはエレンと幼い頃から一緒に暮らしてきました。」

キース「それは聞いている。」

アルミン「ミカサはそんなエレンに家族以上の愛情を感じています。」

エレン「アルミン!? 何言ってんだよお前……。」

アルミン(エレン、僕はもう疲れたんだよ……。)

キース「続けたまえ。アルレルト訓練兵。」

アルミン「はい。
     ミカサは確かに超人的な能力を持っています。
     しかし、ミカサの訓練に対するモチベーションは、
     エレンを守るという一点から来ています。」

アルミン「そんなミカサから、エレンを引き離したらどうなるでしょう。
     訓練中も、他の班にいるエレンが気になって仕方ない。
     これでは、集中できるはずもありません。」

キース「アルレルト訓練兵、貴様は私を馬鹿にしているのか。
    そんな恋する乙女のような理由であのアッカーマンが……。」

アルミン「その通り、ミカサはまさに『恋する乙女』なのです!」

キース「!!」

エレン「!!?」

キース(アルレルトは頭が切れる。
    冗談でこのようなことは言わんだろう。さらに……。)

アルミン「自分がこの問題の解決を図るなら、
     まずはエレンとミカサを同じ班に戻します。
     コスト面から見ても、最も簡便な策と考えます。」

キース「(やはりか。)なるほど、確かに、一訓練兵からの案として
    素直に受け入れるなら、そのぐらいの対策が適切だろう。」

エレン「おい! アルミン!
    何話を進めてるんだよ! まず前提からして俺は納得して……。」

キース「いないのか。
    貴様は女の思いにも気づけない鈍感馬鹿かね。イェーガー訓練兵。」

エレン「!!」

アルミン(意外! 僕が自分の胃かわいさにぶちまけた恋愛論に、
     教官がこんな風に乗ってくるなんて!)

エレン「……仮に、エレンの言うとおり、ミカサが俺を……その、
    あ、愛しているとして、そんな理由で班を再編だなんて……。」

キース「そんな理由? 貴様は、愛する者を守ろうとする力を否定するのか。」

エレン「い、いいえ、決してそんなつもりは……!
    しかし、そのような個人的事情でミカサだけ班替えというのは、
    不公平じゃないですか!」

キース「それも一理ある。
    そこでだ。アルレルト訓練兵の案を参考にした、私の考えはこうだ……。」

翌日・訓練場─

ミカサ「6人1班体制から男女ペア体制への転換……?」

ザワザワ
    ザワザワ

キース「静粛に! 諸君らの訓練効果向上のため、
    来週より新規体制での訓練を行う!」

キース「具体的には、今までは一人一人で出していた成績を、
    ペアの合計点として発表する!」

キース「しかし、諸君らは今まで通り励めばそれで良い!
    ペアを3つ集めることで、今までのような6人1班を作る!
    また、訓練時の得点も個人ごとに採点する!」

キース「ただ、それが発表前に合算されるだけだと思え!」

ザワザワ
    ザワザワ

コニー「それがどうして訓練効果向上に繋がるんだ?」

マルコ「たぶん、連帯責任だよ。
    中には鼻から成績を上げるのを放棄した訓練兵もいる。
    でも、ペアとなると相手にも迷惑が掛かる。」

ジャン「しかし、男女ペアってのは一体……。」チラ

ミカサ(男女ペア……! 離れ離れになったエレンと復縁のチャンス!)

キース「なお、ペアの申請は今週中に紙面にて提出すること!
    幸い、第104期訓練兵の男女比率は1:1である!
    各自、相手を見つけておくように! 以上、解散!」

ワァァァァー!
      イソゲ!アブレタラシャレニナランゾ!
 ハンナ-!オレダーケッコンシテクレー!
          リアジュウシネ!

ミカサ(!? ペアは自由ということ!?
    ならば、すぐにエレンにペアの申し込みを……!)

エレン「……。」ジー

ミカサ(……エレンに今すぐにでも駆け寄って、ペアになってと言いたい。
    でも、エレンはことあるごとに、世話を焼きすぎる私を避けていた。)

ミカサ(……もし、また私が空回りしたら、今度は卒業まで一緒にはいられない……。
    そんなのは耐えられない……。)

ジャン(ミカサ! まだエレンの所に行かない!
    エレン以外にもまだチャンスがあるってことだろ!
    今行かないで、じゃあいつ行くんってんだ!)

ミカサ(でも、早く行かないと他の子がエレンに声を掛けかねない……。
    アニなんて、エレン以外の誰を選ぶのか想像もできない……。)

ミカサ(アルミン、助けて……! もう一度、その知恵で私を……!)

ジャン(今でsy
 エレン「ミカサ!」

ミカサ「!? エレン!?」

エレン「何を驚いてんだよ。ペアだってよ。申請書はお前が書いてくれ。」

ミカサ「!!!」

ジャン「なっ、てめぇエレn
 ミカサ「うん! 書く!」ポロポロ

エレン「か、勘違いするなよ。お前が俺を守るんじゃない。
    俺がお前を守るんだからな!」

ミカサ「……ま、負けない///////」ウツムキ

ジャn

アルミン(エレン。よく言ったよ。君は。)

前日・キースの部屋─

キース「実は、班替えで成績が落ちたのはアッカーマン訓練兵だけではない。
    ハンナ・フランツペアもなのだ。」

エレン「あのバカップルが?」

キース「さすがに言葉を慎み給え、イェーガー。
    ……まあ、わからんでもない。あの二人は、私でも気がつくほどの仲だ。」

アルミン「しかし、それでも男女ペア制なんて……。
     少し度が過ぎるのではないでしょうか?」

キース「先ほども言ったとおり、『愛する者を守ろうとする力』というのは、侮れぬのだ。
    どんな兵士も命を懸けて戦う。しかし、そこには強い動機が必要だ。
    感情ある兵士が命を懸けるのに、最も強い動機になるのは『愛』なのだ。」

アルミン(ダブルショック! これが本当に、あの教官の口から出た言葉なのか!?)

エレン「そ、そうだとしても、もともと愛する異性なんていない、
    俺やアルミンのような訓練兵の方が多数派のはずです!」

アルミン「エレン!? 何を決めつけているの!? まあ事実だけど……。」

キース「確かに、貴様は多数派だな。イェーガー訓練兵。
    この一ヶ月で成績が下がった者、という意味でな。」

エレン「!?」

キース「イェーガー訓練兵。貴様はこの不調をどう説明するのだ。」

エレン「そ、そんなはずは……。俺がミカサと離れたぐらいで……。」

キース「ほう。私は何も言っていないが、アッカーマン訓練兵が関係するのか。」ニヤニヤ

エレン「!!?」

アルミン(この教官、思っていた以上の切れ者……! しかも意外と俗物!)

エレン「う……。しかし、例えば俺がミカサと組むとして、
    あいつは俺を守ることでモチベーションを上げるわけですよね……。
それは男としてのプライドが……。」

キース「貴様はそれに甘んじる男なのか。イェーガー。
    男としてのプライドで、アッカーマンを守れるほどの力をつけようとは思わんのか。」

エレン「……!
    いいえ、自分は全ての巨人を駆逐するために兵士になりました!
    女一人守れないで、そんなことは出来ません!」

キース「よく言った! それでこそ男だ。」

アルミン(ミカサの班替えだけでは、あのエレンをここまで焚きつけられなかった……。
     僕を長年悩ませてきた鈍感野郎の背中を、この教官はいともたやすく押したんだ。)

キース「……。」フッ

アルミン(お見事です! 恋愛教官!)

体制転換発表後・食堂─

アルミン(あのときは思わず敬礼をするほど感動したけど……。
     一体僕は誰と組めば良いんだろう……。)ハァ

アルミン「……。」チラッ

エレン「/////」

ミカサ「////////////」ジッ

エレン「な、なんだよ、ミカサ。こっちばっか見んなよ!//////」

ミカサ「わかった。これからはいつでも見られるから//////」

エレン「お、おい!恥ずかしいだろ!/////////」

アルミン(ああ、ずっと望んでいた展開なのに、
     バカップルが増えてしまったという後悔さえある……。
     あぶれそうな僕は嫉妬しているんだろうか……。)

アニ「隣、良いかい?」

アルミン「えっ、ああ、もちろん。」

アニ「……。」ジト

エレン「ああっ! もう分かったよ!
    ずっと守ってやる! もう言わないからな!/////////」

ミカサ「……うん、もう聞かない//////」

アルミン「ハハハ……。今更ながら、見せつけられると胃に来るね。」

アニ「なんだ、アルミンもか。なら私が代わりにぶん殴ってくるよ。」

アルミン「ちょっと待ってアニ! 何もそこまで……。」

アニ「冗談さ。」

アルミン「聞こえないよ……。」キリキリ

アニ「アルミン、私は誰と組めば良いと思う?」

アルミン「え、えっと、アニ? それは相談なのかな?」

アニ「そうだよ。」

アルミン「誰も思いつかないの?」

アニ「一瞬、頭をよぎった奴がいた気がするけど、もう忘れたんだ。」

アルミン「そう……。」チラ

ミカサ「エレン、お箸の持ち方が正しい。
    ちょっとくらい間違えてくれないと注意できない。」

エレン「お前が間違ってるよ!」

アルミン(もう二人の世界の方向性さえ見えない……。)

アニ「アルミン、気づいてた?」

アルミン「えっと……。エレン……、のことだよね?」

アニ「ん……。」

アルミン「そうだね。気づいてたよ。」

アニ「知っててこの配置替えを提案したんだ。酷いね、アルミンは。」

アルミン「あっ……。その、ごめん。」

アニ「なんだ、やっぱりアルミンの案なのか。」

アルミン「えっ、かまをかけたの!?」

アニ「ああ、なんだ、アルミンも意外とドジなとこあるんだね。
   でも、酷いと思ったのは本音だよ。」

アルミン「うう……。」

アニ「責任取って、私とペア組むなら許す。」

アルミン「わかったよ……。って、え?」

アニ「嫌かい? アルミン?」

アルミン「えっと、嫌ではないよ。アニ。でも、アニは良いのかい?
     美人だし、もっと良い人がいるんじゃ……?」

アニ「なっ。」

アルミン「あっ、ご、ごめん、変なこと言ったかな。」

アニ「いいや……。まったく、心臓に悪いよ。
   いつからあんたは私をそんな風に思っていたの……。」

アルミン「いつからかな。でも、ずっと前だね。」

アニ「そっか。じゃあ私で良いかい。」

アルミン「こちらこそ、よろしく頼むよ。アニ。」

ミカサ(……アニ。)

エレン「お、アルミンはアニとペアか。意外とお似合いかもな。」

アニ「まあ、そうかもね。」

アルミン「ア、アニったら///」

ミカサ「アニ、アルミンをよろしく。」

なんだひたすらカップルの成立を見るssかこれは

アニ「私が守れってこと?」

ミカサ「役割分担ということ。」

エレン「ああ、アルミンは頭が良いからな。
    強いアニと組めば百人力だ!」

アルミン「僕だって、アニを守るよ!?」

アニ「ふふ……。楽しみにしておくよ。」

>>32
そのつもりだったけど、よく考えたら俺は、
エレミカだけあれば生きていけるんだった。

だからもうそろそろ終るわ。

エレン「なんだよ、見せつけてくれるじゃねえか。」

ミカサ「エレン、ここは私たちの愛を証明するタイミング。」

エレン「ちょっと待った! ここではやめろ!」


ジャンだったもの「」

チュー
エレン「しかし、教官が言ってた多数派って、ホントだったんだな。」

アルミン「うん……。あちこちでカップルが出来てるね。
     最初から、こうなることを分かってて僕たちを呼んだんじゃないかな?
     あの恋愛教官……。」


ライナー「結婚しよ」

クリスタ「ラ、ライナーってば、気が早いよ//////」

ライナー「はっ、口に出ていたのか……。」

クリスタ「ふふ。末永くよろしくお願いします。」


ユミル「くっ、男女ペアだなんて……。」

ユミル「くっ、男女ペアだなんて……。」

ベルトルト「仕方ないさ、そういう決まりだもの。」

ユミル「おい! 私があんたと組んだのは、ライナーの傍にいる
    あんたと組めば、クリスタといる時間も増えるからだからね!
    でも、その主体性のなさは、みっちり鍛えなおしてやる!」

ベルトルト「はは。楽しみにしておくよ。」

ワイワイ
  ガヤガヤ
 チュッチュ

アルミン「なんだかんだ言って、士気は上がってるよね。」

エレン「ああ、人類は愛情を取り戻しつつある。
    勝てる。人類の反撃はこれからだ!」


モノカゲ
キース(実に恋こそはまことのいのちである。)

おしまい

というわけで、初投稿完。
ジャンとかも丁寧に書いてやりたいけど、眠いし……。

何百レスも書いてる人すげーな。
読んでくれた人いたらthx。

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