シン「エリア88~空駆ける薔薇乙女たち~」真紅「2スレ目なのだわ。」 (956)

エリア88×ローゼンメイデンのクロス作品です。

前スレ
真「巻きますか、巻きませんか。」:真「巻きますか、巻きませんか。」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1396333621/)

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1404830912

前スレからの改善点
・風間真の呼び方 真→シン(漫画でもカタカナで呼ばれてたから)
です。

エリア88のSSなんてあったのか、気付かなかった…

お待たせしました、投下します。


~地中海上空6000m~

グォォォォォォォ…

シン(何度この上を飛んだだろう…想いはいろいろあったが常に変わらずこいつは青い…)

キム「シン隊長!」

シン「何だ、キム?」

キム「新しい88基地って大きいんですか?ギリシャの訓練所より。」

シン「そうか…お前実戦基地は初めてだったな。ウォーレン、どう思う?」

ウォーレン「そうだな…基地なんてなぁ新しかろうが古かろうが住みづらい所さ…。」

ゴォォォォォォォ…


MISSION39 魔の山へ

チッチッチッチ…

シン「ウォーレン、お前の時計、何分になってる?」

ウォーレン「10時ジャスト。」

シン「そろそろのはずだが…。」

キム「燃料があまりありません。ドロップタンクも全部すっからかんです。」

シン「よし、タンク投下しろ!」

バシャッ

シン「おっかしいなぁ…地図だとこの近くなんだが…山ばっかりで平地が無いぞ…ん?」

パッパッパッパッパッパ…

シン「うおっ!あ…あれは!?」

シン達はそれが滑走路進入灯であることに気付くのに時間がかかった。

何故なら、その先にあるのはまるで化け物が大口を開けているような巨大な横穴だったからだ。

ゴォォォォォォ…

ウォーレン「何だありゃ!?でっかい洞穴…いや、防空壕…?」

シン「まさか…あれがニューエリア88!?」

キム「す、すっげぇ…山をくり抜いて基地が…!」

シン(こ…こいつが新88か…?なんて基地だ、自然の要塞じゃないか…!)

管制『コントロールよりツイストリーダーへ!降りられるか!?今なら引き返しても笑わねえぜ!』

シン「言ってくれるじゃないか…え?外人部隊のパイロットは飛行機が手足だぜ。降りろと言われりゃ何処だって降りてやらぁな!」

グイ

シン「なめんなよ!!」

グオオオオオオオオオオオオ!

真紅『真。そのまま突っ込んだら、いくら操縦の上手な貴方でもここには降りられないわよ。』

シン「真紅!?」

金糸雀『照準器の横のモードセレクターをタッチダウンの位置にするかしら!』

シン「これか?」カチッ

サキ『HUDPにインジケーターが映る!三角マークが上下で長方形が水平だ!真ん中に自分の機体がある!中心から自分の機体は外さないように持ってこい!』

金糸雀『そしてフックを下ろすかしら!』

シュン

シン「まるで航空母艦だな…。」

ピッピッピ…

真紅『上がり過ぎよ。下降なさい。』

ゴォォォォォ…

ピピピピピピ…

サキ『4つの位置マークが全部点灯した場合、もう回避出来ない距離に近付いたということだ。2秒間点灯する。この間に行くか、やり直すかを決定しろ!』

シン「OK!GOだ!」

ピッピッピッピ…

シン(くそ…気流で水平を保つのが大変だ…)

シンのタイガーシャークは若干揺れながら着陸し、着艦フックをアレスティングワイヤーに引っかけ急激に速度を落とす。

キキィィィィィィ…

シン「ふーっ!冷や汗が出るぜ…。」

キキィィィ…

金糸雀「ウォーレンの隊も全部収まったかしら。」

シン「真紅達、何時来たんだ?」

真紅「貴方達の来る4時間前にヘリコプターで運ばれたわ。もう少し丁寧にしてほしかったけれど…。」

ミッキー「しかしすごいカラクリだな…。」

サキ「まあな…本当はここはエリア89になる予定だったんだ。」
サキ「空調装置、格納庫、整備工場、兵員宿舎、管制設備、どれをとってもこれほどの規模で構成された基地は他に無いだろう。」

金糸雀「この基地1つで他の基地10個分のお金がかかっているかしら。」

翠星石「じゅ、10個分…!?」

シン「…………。」

サキ「滑走路も現在使用できるのが1000mだけなので入口でフックを使うようになっているが、工事が完了すれば全長2500mの滑走路になる。」

真紅「反政府軍も外資の援助を受けて強力になっていると聞くわ。」

金糸雀「でも、この基地ができたからにはそう易々とアスランを渡すわけにはいかないかしら。」


~夜(午後7時)~

キィィィィィン…

真紅「また1機飛んで行く…。」

シン(夜になっても戦闘機の発着は続く…黒い山肌にぽっかりと開いてまるで悪魔の口…)

キム「何を考えているんですか?」

シン「ムソルグスキーという有名な作曲家の『はげ山の一夜』という曲を思い出してね。」

キム「どんな曲何ですか?」

真紅「悪魔が山に集まって大騒ぎするのよ。地上の人間は恐れてその夜は1歩も外に出ない…。」

シン「伝説の中では夜明けと共に悪霊共は引き上げるんだがな…。」

シン(俺達には夜も昼も無い…ふっ、悪霊以下だぜ…)

真紅「…………。」


~翌日~

シンと真紅、キムは、タイガーシャークの試験飛行をすべく格納庫に来ていた。

ざわ…ざわ…

真紅「何だか騒がしいわね…。」

シン「これじゃ試験飛行に出られない。一体何だ?」

ミッキー「ようシン。」

シン「一体何の騒ぎだ?」

ミッキー「新入りが来るらしい。」

真紅「新入り?」

グレッグ「何でもベトナムで結構な戦果を挙げたやつみたいだぜ。」

シン「ベトナムでか…。」

すると、空の遥か彼方からかすかなジェット音と共に黒い点が現れた。

ゴォォォォォォ…

傭兵A「来たぞ!」

傭兵B「お、あれか…ん?」

傭兵C「あれ?」

グレッグ「どうした?」

傭兵D「いや、なんか2機飛んでるみたいなんだが…。」

グレッグ「2機?」

ミッキー「おかしいな。来るのは1人だけのはずだが。」

傭兵E「片方はもう片方より1回り大きいぜ。」

???「エリア88コントロール!こちらニューカマー1!着陸許可どうぞ!」

管制『88コントロールよりニューカマー1!着陸を許可する!』

???「という訳だ。先に俺から行かせてもらうぜ、おチビさん共!」

???「誰がチビですか!」

???「まあまあ、せっかくここまで護衛してもらったんだから先に行かせてあげようよ。」

???「でもぉ…。」

???「んじゃ、俺は行くぜ。」

ゴォォォォォォォォ…

キキィィィィィ…

傭兵F「何だ?あの白いデカいの…。」

みんながざわめく中、白い機体から見覚えのある小さなパイロットが姿を見せる。

シュゥゥゥゥゥン…

翠星石「よっ!久し振りですね!」

一同「「「!!?」」」

蒼星石「皆さん、こんにちは!」

ミッキー「な、何だよお前等!その機体は!」

翠星石「ふふ~ん、驚くなですよ。こいつは…」

???「BAC TSR.2。イギリス空軍の試作爆撃機だ。俺もまさかこんなチビ達が操縦する珍品を護衛するたぁ思わなんだ。」

翠星石「こら!翠星石が説明しようとしてるのに勝手に言うなです!あとチビ言うなですぅ!」

集まっていた傭兵たちは翠星石たちのことよりも試作爆撃機のことで再び騒ぎ始める。

傭兵D「TSR.2だって…?」

傭兵G「たしか1機作っただけで製造中止になったやつだ…。」

傭兵B「すげぇ…B-1に続いて2機目の爆撃機だぜ…。」

ざわめきを遮るように、ミッキーが護衛してきた傭兵に声をかける。

ミッキー「ところでお前さん、名前は?」

???「おっと、すっかり忘れるとこだった。」

グエン「俺の名はグエン・ヴァン・チョム。今日からこのエリア88に配属される。」

ミッキー「へぇ…お前がグエン・ヴァン・チョムか…前から聞いていたがな…。」

グエン「そういうあんたはミッキー・サイモンだろう?あんたの話も聞いているぜ。」
グエン「それはそうと基地司令は何処にいる?着任の挨拶をしたい。」

そこにサキ、ラウンデル、金糸雀が歩いてくる。

カッカッカ…

サキ「私がエリア88司令のサキ・ヴァシュタールだ。」

グエン「グエン・ヴァン・チョム、ただいま88に着任しました。」ピッ

サキ「着任を認める。」

金糸雀「明日よりミッションメンバーに加わってもらうかしら。詳細はこちらのラウンデルに聞くかしら。」

グエン「詳細なぞ聞くまでもありません。殺して殺して殺しまくることでしょう?」

ラウンデル「エトランジェの経験は?」

グエン「無いよ。ただね、血を見るのには慣れっこになってまさぁ。生まれた時から血と火薬の中で育ったもんでね。」

サキ「頼もしいかぎりだ…あとは自分の血を空に振りまかないようにするんだな。それだけだ、グエン・ヴァン・チョム。」

一同が滑走路を離れた時、突然大きなジェット音が響く。

キイイイイイイイイイイイイイイン!

管制『コントロールよりツイスト1、2へ!離陸よし!』

シン「ツイスト1了解!」

キム「ツイスト2了解!」

シン達は待ちかねたかのごとく、スロットル全開で基地を飛び出す。

グオオオオオオオオオォォォォォォォォ…

グエン「今、離陸してったのは?」

金糸雀「風間真…日本人かしら。」

グエン「ひょう!日本は兵隊まで輸出するのかい!?儲かってしょうがねぇな!」

するとラウンデルが口をはさむ。

ラウンデル「いいかグエン。ここは外人部隊だ。並の軍隊じゃない。過去や国籍、経歴はお構いなしだ。やつが日本人だろうとなかろうとどうでもいいことだ。」

グエン「そう…俺はこの国に金で雇われた殺し屋だ。金を払ってくれる限り俺はこの国の味方だぜ。くははは!」

翠星石「…………。」

蒼星石「…………。」


~深夜 アスラン ゲール製油所~

チッチッチッチ…

監視員「…………。」コツコツ…

チッチッチッチ…

監視員「ん?」

チッ

ズドオオオオオオオオォォォォォォォォォォン…


~サキの部屋~

ピーッ

眠っているサキが、電話の呼び出し音に起こされる。

サキ「サキだ。どうした?こんな夜中に…何!?」
サキ「ゲールの製油所が爆破された!?反政府軍の仕業か!?」
サキ「機能回復にどれくらいかかる?…1ヶ月!?冗談じゃない!こっちのストックは1週間分しかないんだ!」

ガチャン!

サキ「くそっ!やりやがった!」

サキはブツブツ文句を言いながら司令官室へ向かう。


~司令官室~

ラウンデル「まいりましたな…これからって時に…。」

サキ「まったくついてない…。」

金糸雀「他の製油所からも優先的に回してもらうけれど、部隊が全部動き出すとなればとても足りるわけないかしら…ふわぁ~。」(サキに起こされた)

ラウンデル「ここを最少燃料で発進させて途中で空中給油させてはどうでしょうか?」

サキ「焼石に水だな…何かいい手は…」

その時、金糸雀が地図のある場所を指し示す。

金糸雀「ここは何かしら?」サッ

ラウンデル「反政府軍の燃料集積所ですな。この近辺では1番大きい集積所です。」

金糸雀「地上部隊の基地とは大きな谷で遮られているかしら。」

ラウンデル「幅400m、深さ500m、全長はほぼ150kmもある大きな谷です。」

金糸雀「ふぅん…。」

ラウンデル「…………。」

金糸雀「…………。」

ラウンデル「…………。」

金糸雀「…………ラウンデル。」

ラウンデル「何でしょうか?カナリア嬢。」



金糸雀「…カナと同じこと考えていて?」



ラウンデル「流石です。」



話の意図が掴めないサキは疑問の表情を見せる。

サキ「?」

金糸雀「サキ、この件カナたちに任せてくれないかしら?」

サキ「何をするつもりだ?」

ラウンデル「いえ、無いならかっぱらうまでのことです。」

サキ「かっぱらう?」

金糸雀「ふっふっふ…成功した暁には燃料の入手と敵の進軍への妨害かしら。」

ラウンデル「ただし、これは損失を覚悟しなくてはなりません。」

サキ「その損失というのは?」

ラウンデル「15%程かと。」

サキ「その根拠は?」

ラウンデル「外人部隊のパイロット達の技術を見込んでの計算です。正規軍の場合ではとても数えられません。」

サキ「空の銀狐…そしてローゼンメイデン一の頭脳派と呼ばれているお前達のことだ。何か作戦があるのだろう。聞かせてもらおうか…。」

ラウンデル「はい…。」

それからラウンデルと金糸雀はサキに作戦の概要を説明した。

はい、というわけで新スレでの初投下でした。
今回から少し形を変えてみました。何か改善すべき点などがあれば、ぜひコメントください。
ではまた。

前スレから読んできてしまった。
いいものに出会えたようだ。

銀が誰と契約してるのかはわかるが、雪華綺晶が誰と契約するのか、そもそも出すのか......そういえばうってつけの人いたな。
アイツか

ただ今より投下します。


~午前4時~

シンは1人、愛機の整備をしていた。

カンカン…キュッ

その時、シンの鼻先にオイルのしずくが落ちる。

ポタ…

真「ちっ!」グイ

真(まだ人数が少ないせいか大雑把な整備はできても細かい部分の見落としがあるな…ヘタすりゃ実戦で落ちるよか整備不良で落ちるやつが出てくるかもしれん…)

考え事は横からの一声によって止められる。

ウォーレン「シン!」

真「ん?」

ウォーレン「士官室に集合だって。」

真「サキが?こんな時間に?」


MISSION40 地獄への100マイル

名前間違えました。

~午前4時~

シンは1人、愛機の整備をしていた。

カンカン…キュッ

その時、シンの鼻先にオイルのしずくが落ちる。

ポタ…

シン「ちっ!」グイ

シン(まだ人数が少ないせいか大雑把な整備はできても細かい部分の見落としがあるな…ヘタすりゃ実戦で落ちるよか整備不良で落ちるやつが出てくるかもしれん…)

考え事は横からの一声によって止められる。

ウォーレン「シン!」

シン「ん?」

ウォーレン「士官室に集合だって。」

シン「サキが?こんな時間に?」

コツコツ…

グレッグ「よっ!」

ルロイ「うす!」

チャーリー「寝入りばなだぜ…。」

ミッキー「ったく…何だってあいつはいつもこんな時間に集合させるんだ…。」フワ~

シン「やあミッキー、チャーリー。」

チャーリー「何だシン?その格好は?」

シン「機体の整備さ。お前等もやっといたほうがいいぞ。意外と杜撰だ。」

ミッキー「いいよ。俺は明日の訓練プログラムが無いから。朝起きてから1日かけてゆっくり相手してやるさ。」

チャーリー「墜落してからじゃ遅いぜ。」

キャンベル「よう。」

蒼星石「こんばんは。」

ミッキー「あれ?お前等も呼び出されたのか?」

蒼星石「何でも、僕達外人部隊のレベルでなければ遂行できない作戦だって言われて…。」

グレッグ「にしてもソウセイセキまで連れてくる必要は無いんじゃねえか?」

キャンベル「しょうがねえじゃん?無理にでも出るって言ってんだから…。」

蒼星石「僕は…前の基地で出撃していって…帰ってこない人がたくさんいました…。」

その場にいた一同は悟った。彼女がいたエリア85での日々を。

昨日会話を交わした相手が今日いない日々、国のために命をかけて戦う兵士たちを見送ったあの日々のことを…。

ミッキー「…………。」

蒼星石「もう…誰にもいなくなってほしくないから…。」

シン「蒼星石…………。」

沈黙を遮ったのは意外な人物だった。

???「はん。綺麗ごと並べたって死ぬもんは死ぬんだ。」

グレッグ「あん?」

キャンベル「お前はたしか新入りの…。」

蒼星石「グエンさん…。」

ミッキー「グエン、いくらなんでもそんな言い草はないだろう。」

グエン「甘いね。こいつみたいにそんな甘さを持ってるやつから真っ先に死んでいくんだ。」

キャンベル「グエン!」

グエン「ガキはさっさと鞄にでも入って寝込んじまいな。」コツコツ…

ミッキー「けっ!何でぇ。ガキだからってなめてかかったらえらい目にあうぞ!」

キャンベル「ソウセイセキ、大丈夫か?」

蒼星石「はい…。」

シン「…………。」


~士官室~

サキ「敵の燃料集積所のあるポイントだ。」

ラウンデル「ここを破壊できれば、このところ活発になってきた反政府軍の侵攻を3か月は麻痺させることが出来る。」

チャーリー「ちょっと待て、サキ。100km手前に政府軍の地上部隊があるじゃねえか。」

キャンベル「地上部隊なら、ヘリや軽戦闘機ぐらい持っているはずだぜ。俺達に仕事が回ってくるってのは解せねえな。」

グエン「つまりよ、これはやつら正規軍のレベルじゃねえ作戦ってわけよ。」

グレッグ「そんなのあるかよ。それじゃあ、俺達のレベルってのはどんなんだ?」

グエン「死ぬ確率が高え方が俺達に回ってくる仕事。違うかねサキ司令?」

サキ「君達はそれを承知でやってきたエトランジェだ。原因はこのクレバスとも言える谷にある。」カシャ

プロジェクターは巨大な谷の写真を写す。

パッ

サキ「幅400m、深さ500m、全長ほぼ150km、S字型に蛇行している。」

ミッキー「ふん、成程。地上軍は渡れねえな。」

グエン「谷の上にはレーダーが張り巡らせてあるだろうし、こりゃあヘリや軽戦闘機じゃ迎撃機の演習代わりに撃ち落されるのがオチだな。」

サキ「その通りだ。今まで攻撃に参加した正規軍のヘリや戦闘機で、目標にたどり着いたのは1機もいない。」
サキ「この谷は、敵にとってかっこうの自然防護壁となっている…が、味方を変えれば最大のネックとも言える。」

バクシー「ネックだとよ。」

ルロイ「どういうことだ?」

金糸雀「この谷の中を通っていけば、レーダーに探知されることはないかしら。」

グレッグ「成程。」

キャンベル「上手い手だ。」

サキ「谷の拡大図だ。」カシャ

ラウンデル「谷の開口部は400mあるが、下部は10mもないV字型をしている。」

金糸雀「難所は5か所。気流により地形が問題かしら。」カシャ

ラウンデル「V字型と言っても、突起した岩がいくつもある。」カシャ…

難所の断面図を見ていくうちに、一同は絶句せざるを得なかった。

蒼星石「何これ…こんな狭い場所通れるの…?」

金糸雀「残念なことに、本作戦では成功しても失敗しても損失は15%を下らないことが分かったかしら。」

ライリー「こりゃ無理だぜ!」

グレッグ「飛べるわきゃねえや!鳥だってぶつからぁ!」

キャンベル「誰だ?上手い手だなんてぬかしやがった野郎は!」

一同「「「お前だろキャンベル!!」」」

一同の生きぴったりのツッコミに驚くキャンベル。

ミッキー「岩を避けて飛び上がればレーダーに捕まる…下げれば岩に激突だ。」

蒼星石「いくら何でも15%の損失じゃ済まないよ…。」

グレッグ「止めた止めた!いくら俺達レベルの作戦だからってこれぁ100%死にに行くようなもんだ!」

誰もが思った。これは「死ぬ」と。

サキ「私もそう思ったよ。しかし、これを見てくれ。」カシャ
サキ「5か所の難所の断面図を重ねてみると…。」カシャ…

バクシー「それが?」

ラウンデル「まだ分からんか?」キュポッ

ラウンデルがマジックで重ねた断面図の上に線を描く。

キュキュ…

すると、中に小さな四角形ができた。

一同「「「!!」」」

金糸雀「地表から下、約250mの所に幅25m、高さ15mくらいのトンネルができるかしら。」

真「これを潜り抜けるのか…。」

ミッキー「ギリギリだぜ…1歩間違えれば岩に当たってバラバラだ。」

グエン「しかしやってやれねえことはねえ。高度と位置をしっかり確保すればな。最も危険なタイトロープになりそうだな。」

ラウンデル「その通り、名付けて『オペレーション・タイトロープ』。みんなにはこの危ない綱渡りをしてもらう。」

サキ「作戦は今夜…夜を待って行う。」

グレッグ「今夜!?」

ミッキー「ムチャクチャだぜ!昼間だって危ねえのに!」

金糸雀「だからこそ貴方達レベルの作戦というわけかしら。」

ラウンデル「それに最初に15%の損失は覚悟しろと言ったはずだ。」

サキ「報酬も大きいぞ。いつもの3倍、失敗して帰れぬ者の分も生き残ったやつで山分けして構わん。」

ラウンデル「作戦は予定通り今夜決行する!部下の人選をやるんだ!腕のたつのを3人選べ…1編隊4機で飛ぶ!」

シン(今夜…決行…!)


~ミーティング後~

ミッキー「あのおっさんもとてつもないこと考えるな…。」

翠星石「空の銀狐とはよく言ったもんですね。」

シン「…………。」

真紅「もしかして怖いの?真。」

ミッキー「お前は怖くないのか?もしかしたら15%の中に入るかもしれないぜ?」チャリン

シン「…………。」

ミッキー「確率からいけば今までもっと分の悪い作戦だって参加したぜ。でも何とか生き残ってきたんだ…。」ピッ

真紅「そう…この作戦は…運ね。運次第で全てが決まる…15%の損失に入った人間はそれまでの運よ…。」アレ?ナンデデナインダ? ピッピッピ

シン「そうだな…。」コノヤローデロー ガンガン

翠星石「翠星石んとこはケンとミゲールとロバートでやるです。みんな相当に腕がたつですから失敗することは無いです。」ガランガランガランガラン…

ミッキー「お前んとこはウォーレンとキムと…あとはジェラルディンか?」ガランガランガラン…

自販機から出続けるコーヒーを飲みながら言った時、突如シンは叫んだ。

シン「キムはダメだ!!」

真紅「!」

翠星石「ふぇ!?」ビクッ

ミッキー「シン!」

真「キムはダメだ!あいつの腕じゃついてこれない!第一場数を踏んでない!」

ミッキー「…………。」

真紅「…………。」

グレッグ「お、コーヒーもらうぜ。」スッ

バクシー「俺もー。」スッ

チャーリー「もらおうか。」スッ

キャンベル「いただくぜ。」スッ

ルロイ「俺も。」スッ

ライリー「もらおう。」スッ

ウォーレン「気が効くな。」スッ

ケン「ありがとよ。」スッ

ミッキー「勝手に取ってくな!俺んだぞ!」

グエン「いいじゃねえか。1個だけのつもりだったんだろ?俺達で飲んでやるよ。」

翠星石「…………。」

真紅「…………。」

シン「…………。」

変な空気に戸惑う3人。


~出撃前~

ラウンデル「我々は敵飛行場を10時に攻撃する!11時に正規軍のヘリ部隊が降下して集積所を奪取する!我々は11時までに敵の戦力を壊滅させなければならん!」

金糸雀「15%の損失というのはあくまでデータから割り出した数字に過ぎない。諸君の健闘いかんでこの数字が変えられることを切望する…以上かしら。それでは出撃するかしら!」

一同「「「ラジャー!!」」」

管制『発進用意!発進用意!ドーム内作業員は第2退避線まで下がれ!発進要員はNo.2ポジションへ!』

海賊のエンブレムが描かれたブラックバーン・バッカニアにラウンデルが前に、金糸雀が後ろに乗り込む。

キイイイイイイイイイイイイイイイイン!

ミッキー「へぇ…ラウンデルとカナリアはバッカニアが愛機か…。」

シン「…………。」

ざわ…ざわ…

忙しく動く管制室の窓にキムの姿があった。

キム「…………。」

ミッキー「あの坊やは殺したくないよな、シン…分かる気がするぜ…。」

シン「…………。」

翠星石「生きて帰ってやるですよ。お前が死んだら後を追いかねないですよ、あの子…。」

ミッキー「シン!グッドラック!」ピッ

シン「ああ…グッドラック!」

キイイイイイイイイイイイイン!

ラウンデル「発進する!コントロールどうぞ!」

管制『了解!』

ラウンデル・金糸雀「「GO!」」

グオオオオオオオオオォォォォォォォ…

先導機が離陸し、いよいよシン達の番となった。

シン「…………よし!」

キム「大尉!シンクさん!頑張って下さい!」

シン・真紅「「発進!」」

ゴオオオオオオオオオォォォォォォォォ…

次々に編隊が飛び出していく。キムはただそれを見送るだけだった。

ゴォォォォォ…

シン「9時半か…お前等はもう寝る時間じゃないのか?」

シンは今になって、作戦に参加している真紅に疑問を感じた。

真紅「悪いかしら?こうみえても空軍特別准尉よ。夜間作戦が出来なくてどうするの?」

シン「ははっ、それもそうだな。」

真紅「それに、生きて帰るのでしょう?あの子のために…日本に帰るために…。」

シン「ああ…生きて帰るさ…誰も悲しませない…。」

その時、シンは日本にいる涼子のことを久しぶりに思い出した。

どうも僕です。
最近あまり創作が進んでおりません。現在絶賛書き溜め中です。
そのため、たまに遅く投稿することがあります。何とぞ御承知ください。

コメ返しです。
>>3やはり紛らわしかったですよね。すいませんでした。
>>26ありがとうございます。
>>27前スレから読んでいただくとは思ってもみませんでした。これからもより面白く書いていこうと思いますので今後もよろしくお願いします。
>>28お察しの通りです。登場はまだ先ですがあの人です。
あと雪華綺晶の登場についてはまだ未定です。登場させるとしたら大体あの人と契約しそうですけどね…。あと漫画の後半に出てくる傭兵の娘が昏睡状態になっていますが、それは雪華綺晶の所為ということになるでしょうね。

それでは投下します。

ゴォォォォ…

ミッキー「くーっ!見ろよシン!野郎のケバケバしい戦闘爆撃機をよ!」

シンのすぐ横に翼の生えた虎のエンブレムが描かれた虎柄の戦闘機が見えた。

真「F-105サンダーチーフか。今時珍しいな。」

真紅「アメリカ空軍第一線部隊をとっくに引退した機体でしょう。」

グエン「へへへ…言ってくれるね。これでも人の血を求めてベトナムの空じゃ結構活躍したもんだぜ。」

ゴォォォォォォ…

編隊の中には、一同が先日見たあの白い爆撃機の姿もあった。


MISSION41 フラメンコ・サバイヴァー

翠星石「へっへっへ~。連邦軍から引っ張ってきたこの白い木馬の性能を見せてやるですぅ!」

蒼星石「翠星石、一体何のこと?」

翠星石と蒼星石は、TSR.2で爆撃隊に参加していたのだ。それは出撃命令でもサキの要望でもなく、志願であった。

最初はサキも認めなかった。場数を踏んでいるとはいえ、可憐な女の子に戦闘機の操縦などさせられないというのがサキの心情であった。だが、2人の固い決意の前にはどうしようもなく、仕方なく攻撃隊に参加させた。

問題は彼女達が乗る機体であった。何しろ彼女達ローゼンメイデンにとって人間用に作られた戦闘機のコクピットは大きすぎるのだ。

操縦桿やスロットルを握れてもフットバーや各種スイッチ、いざという時のための脱出レバーには手が届かず、乗るには彼女達にとって丁度いい位置まで計器類をせり出したり、前方が見えるように座席を上げる必要があった。その工作は手間がかかりすぎ、とても短時間ではできない。

そこで、あらかじめ工作が施されていたTSR.2で出撃せざるを得なかった。

ウォーレン「シン、見えてきたぜ。」

編隊はいよいよ谷への進入口に来た。

ゴォォォォォ…

ラウンデル「全機、高度0修正!」

真「了解!0修正!」

ピッピッピ…

ラウンデル「『タイトロープ』を始めるぞ!」

一同「「「ラジャー!」」」

グオオオオオオオォォォォォォォ…

全機が谷の中に入ると、すぐさま最初の難所が迫る。

真「第1ポイント接近!」

ゴオオオオオオオオオオオオオ!

真紅「高度を0に保ちなさい。0高度より上下5mが許容限界よ。」

キイイイイイィィィィィィィン…

全員が難なく難所を抜ける…はずだったが、

ガシャン!

編隊の後部にいた1機のファントムⅡが岩に当たって尾翼を失った。

グラグラ…

機体は揺れながら降下していき…

ドカアン!ガシャアアアアアアアン!ドオオオオオオォォォォォォォン…

グエン「ドジ…。」

グレッグ「1機目か…ラウンデル達の計算だとあと2機は落ちるな…。」

赤く輝く熱い光の上をグエンのサンダーチーフとグレッグのサンダーボルトⅡが飛んで行く。

ゴオオオオオオォォォォォォォ…

翠星石「右…左…右…と。けっ、まるでダンスステップですね。」

チャーリー「ジェット機でフラメンコやるなんざ、考えもつかなかったぜ…。」

真(そうだ…これは死のフラメンコ…踊り切った者だけが生き延びられる『フラメンコ・サバイヴァー』!)


~エリア88~

キイイイイイイイイイイイイン!

管制『コントロールより!こら!勝手に飛び出すな!誰だ貴様!?』

キム「第2中隊第1小隊、キム・アバです。お構いなく。」

コントロールの忠告もお構いなしにキムはスカイホークで飛び出していった。

ゴオオオオオオオオオオォォォォォォォ…

管制「あのバカヤロ!何がお構いなくだ!ふざけやがって!帰ってきたらヤキ入れてやる!」

ゴォォォォォォ…

キム(シン大尉…シンクさん…待っててください…僕、行きますから…)

キム「そしてきっと…皆さんとやった訓練の成果をお目にかけます。」

ゴォォォォォォ…

その頃、編隊の後方ではグレッグが愚痴をこぼしていた。

グレッグ「くそう!ありったけの重装備をしてきたらうめえことスピードが出やしねえ!」

一方シン達は、第2の難所を抜け、第3の難所に差しかかっていた。

金糸雀「続いて第3ポイント!潜り抜けたら左旋回!高度そのまま!」

各機、きれいなカーブを描きながら潜り抜けていく。

ラウンデル「よし!みんななかなか上手いぞ!その調子だ!」

バクシー「ラウンデルのおっさん、教育隊相手と間違えてるぜ!」

シン「…………。」

続いて第4の難所が迫る。

ラウンデル「第4ポイント接近!」

その時、金糸雀が叫んだ。

金糸雀「レオンハルト!高度を下げ過ぎかしら!」

レオンハルト「ラジャー!」

レオンハルトはとっさに機体を上に上げた…いや、上げ過ぎた…

ガアン!

レオンハルト「うおっ!」

ガガガガガガガガガ…

金糸雀「レオンハルト!」

そのままレオンハルトの乗ったクフィールは谷底に落ちていき…

ドォォォォォォォォ…ン

そこにまた赤く輝く光ができた。

ラウンデル「最後のポイントだ!そこを抜けたら編隊を組み直し、一気に攻撃をかける!」

金糸雀「爆撃隊はそのまま突っ込み敵の飛行場に爆弾投下!攻撃隊は左側側面から援護!あとは銭勘定しながら勝手にするかしら!」

一同「「「アタック!!」」」

グオオオオオオオオオオォォォォォォォォ…

爆撃隊が谷の上へ飛び上がると、攻撃隊はそのまま谷の中を左へ進路をとる。が、その時、

傭兵A「うわっ!」

ドカアアアアアアアアン!

爆撃隊の1機がミサイルで撃墜される。

ラウンデル「どうした!?」

ラウンデルが後ろを振り返ると、突然何処から現れたのか多数の敵機が滞空していた。

ルロイ「こんなのありか!」

グレッグ「シン!罠にはまった!囲まれた!」

真紅「方向を変えて敵機に向かいなさい。」

キャンベル「こちとら爆撃コースに入ってんだ!そう簡単に方向を変えられるかよ!」

シン「援護する!」

シン達は爆撃隊の援護に向かうべく谷から出るが…

キィィィィィィィン…

待っていたかのように谷の間からVTOL機の編隊が姿を見せる。

グエン「通りでケツがムズかえる訳だ。付かれたぜ。ハリアーAV-8Aだ。」

真紅「西側の機体が何故反政府軍に!?」

グエン「知るけぇ。分かっているのはこいつはちょいと厄介だってことだけよ。」

シン「爆撃隊の援護が先だ!振り切れ!」

グオオオオオオオオオオオオオ!

一同はパワー全開で敵編隊から逃げる。

一方のグレッグ達は敵編隊のミサイル攻撃に追われていた。

翠星石「わああ!ミサイルですぅ!」

グレッグ「ちっ!こんな時に!」

キャンベル「飛び上がれ!ロックされてるぞ!」

TSR.2とサンダーボルトⅡはすぐさま飛び上がり、ミサイルを回避する。

ドカァァァァァァン…

そこにシン達の攻撃隊がやってきた。

ケン「シン!」

シン「爆撃隊はそのまま突っ込め!ここは俺達が引き受けた!」

攻撃隊は爆撃隊と入れ替わるように敵と交戦を開始した。

まだ実戦経験が浅い兵士達は、小回りが利くハリアーに対し悪戦苦闘する。

だが、戦場が住処とされている外人部隊の傭兵達は次々に撃墜していく。

ウォーレン「ハリアーは小回りが利くんだ。コンピューターに頼っていたら命取りになるぜ。」

ミッキー「ここは実戦で鍛えたエトランジェの勘だけが頼りよ。」

ミッキーは1機のハリアーにミサイルを発射した。

ミッキー「ほら、上へ跳ねるか…」

ミッキー「いや、下だ!」カチッ

ダダダダダダダダダ!

ドカアアアアアアアアアアアアアン!

ミッキーの言葉通り、下へ降下しミサイルを回避したハリアーはF-14の20mmガトリング砲弾に打ち抜かれ墜落した。

ダダダダダダダダ!ドオオオオオオォォォォォォォン…

その上では、グエンがハリアー3機を相手にしていた。

グエン「へへへ…そう言う事。テレビゲームみたいなもんだ。」

すると、奥から4機のハリアーが飛んでくる。

グエン「ほぅら来た来た…カモが連なってよ…。」

グエンはチャーリーのファントムⅡと共に急上昇する。

チャーリー「見てやがれ…小回りは利かなくてもスピードが遥かに違うってことを教えてやらぁ。」

グエン「待ってろよ…残らずあの世へ送ってやるからな…。」

上空で反転した2機は、下にいるハリアー目がけて20mm弾の雨を降らせた。

ダダダダダダダダダダダダダダダ!

2機のハリアーが餓えた虎の餌食となる。

グエン「へへへへへ…流せ…!流せ、赤い血を!どくどく流して、キャノピーを真っ赤に染めやがれ!」

グエンはその後も次々とハリアー達を喰らっていく。その姿はまさに「トンキン湾の人食い虎」そのものであった。

チャーリー「人殺しが好きなようだな。」

チャーリーが一言言う。

グエン「あたぼうよ!殺すのは大好きさ!血の色がたまらねぇ真っ赤でよ…ドロドロ吹き出てよ…けっ!ぞくぞくするぜ!」
グエン「殺し合いに理屈はいらねえ!真っ先に仕留めて生き残った方が正義さ!あばよ!!」

ギュウウウウウウウゥゥゥゥゥゥゥゥン…

グエンはまた、獲物をみつけては喰らい始める。

ミッキー(野郎…本当にイカれてやがる…だがこうして冷静に引き金を引いてる俺も所詮は同類か…)

その時、グエンに打ち抜かれたハリアーからパイロットが脱出する。

グエン「ん?」

グエンはそれを見るなり急に反転する。

グエン「逃がさねえよ…。」

シン「グエン!止めろ!」

グエンはシンの声に耳を貸さず、機体を失ったパイロットへの慈悲もない追撃をする。

グエン「へっへへへへ…。」

ゴォォォォォォオオオオオオオオオ!

敵兵士A「うわああああああああああ!」

ダダダダダダダダダダダダ!

グエン「にへひひひひひひひひひひひぃくはははははははははははははぁ!!!」

虎が通った瞬間、「ヒト」だったものはただの赤い「肉」に成り果てた…。

どうも僕です。明らかにOVA主体で話を進めています。
翠星石と蒼星石が乗る機体はF-14でもよかったのですが、最近、模型屋でTSR.2の1/144プラモを見つけ気に入ったので出しました。

>>64そうですね。急に新兵器の対空地雷とか出てきたりして本当にわけ分かめですね。因みに、このSSでは実在しない架空の機体も出す予定で契約を迫るどっかの白い悪魔もびっくりするほど訳が分からなくなる予定です。
ヒント「ロシア語で考えるんだ。」

今から投下します。

ゴォォォォォ…

キム「おかしいなぁ…もうそろそろ大尉の編隊に追いつく頃なのに…。」

88から無断出撃したキムは、自らが信頼を寄せる師の元へ飛んでいた。

ゴォォォォォォ…


MISSION42 88魂

ドカアアアアアアアアアアアン!

敵兵士A「迎撃隊よりコントロール!敵だ!敵は谷から…」

ドオオオオオオオォォォォォォォン…

ミッキー「ミッキーだ!一気に叩くぞ!続けー!」

攻撃隊が集積所へ向かった爆撃隊の援護へ向かう。

ミッキー「こんな時にトムキャットがあれば言うこと無ぇけど…ああ…もう手に入らねえだろうなぁ…こんなオンボロA-4じゃ泣けてくるぜ…。」


~反政府軍燃料集積所~

敵管制『敵は谷側より接近!出撃!出撃!』

反政府軍の迎撃部隊が飛び立とうとしたその時、

キィィィィィィン…

敵兵士B「反対側より1機!」

ダダダダダダダダダダ!

ドカアアアアアアアアアアアアン!

キム「やっほー!って誰もいないじゃん。」

ワーワーワー

キム「ここじゃないのかな?…まいいや、爆弾落としちゃお!」

バシャ!

ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥゥ…

ドカアアアアアアアアアアアアン!

そこへ本来の爆撃隊が到着する。

バクシー「おい!誰か先にやってるぜ!」

蒼星石「え!?」

翠星石「翠星石達の目標を横取りするとはふてぇ野郎ですぅ!」

その時、上空から敵機がやってくる。

ルロイ「12時方向敵!」

グレッグ「構わん!シン達に任せろ!攻撃開始!」

グォォォォォォォォォォ…

敵兵士C「下方編隊!集積所には近づけるな!」

ギュウウウウウウウウウウウウウウン!

爆撃隊に攻撃を仕掛けようとしたその時、

ダダダダダダダダダダダ!

敵兵士C「わっ!」

ドォォォォォォォォォン…

シン「グレッグの隊をやってもらっちゃ困るんだよ!」

ゴオオオオオオオォォォォォォォォォ…

ウォーレン「シン!2機、爆撃隊の方へ!」

シン「しまった!間に合わん!」

敵のMiG-27フロッガーが爆撃隊に迫る。

翠星石「わわわ!ヒゲダルマ!後ろ上方!」

グレッグ「気を取られるな!突っ込めー!」

ケン「くそ!間に合え!」

ミッキー(こいつが15%の損失のうちか…?冗談じゃねえ!あいつらを死なせてたまるか!)

ミッキーの脳裏を不安が過った次の瞬間、

ダダダダダダダダダダ!

ドオオオオオオォォォォォォン…

その不安は一瞬のうちに吹っ飛んだ。

ミッキー「おっ!」

ケン「何!?」

キャンベル「おお!」

蒼星石「あれは…。」

一同「「「キム!!」」」

ウォーレン「シン!キムだ!」

シン「あ、あいつ…何時の間に…。」

真紅(ふっ…キムったらどこまでもシンの後ろを追ってくるわね…それにしても、大分腕を上げたわね…)

グレッグ「全機突入!ケツの方は気にするな!キムに任せろ!」

士気が上がった爆撃隊は集積所の対空砲をものともせず突き進む。

バシャッヒュゥゥゥゥゥゥゥゥゥ…

ドカアアアアアアアアン!ドオオオオオオオオオオオオン!

キャンベル「へへへ…ひゃっほおーう!っはぁ!」

キィィィィィィイイイイイイイイイン!

グレッグ「ほれほれぃ!季節外れだがサンタクロースのお土産だい!」

ヒュウウウウウウウゥゥゥゥゥゥヒュウウウウウウウゥゥゥゥゥゥ…

次々に爆弾を落としていくグレッグ達。

キャンベル「お前等もとっておきの1発くらわしてやれ!」

キャンベルの言葉に、翠星石達も負けじと投下の体勢に移る。

翠星石「用意はいいですか!蒼星石!」

蒼星石「うん!いいよ!」

翠星石「投下!」

バシャッ

TSR.2の爆弾層からMk.84が4発出る。それが滑走路に命中すると…

ドオオオオオオオオンドオオオオオオオンドオオオオオオオンドオオオオオオオオオオン!

爆弾が落ちた場所には直径15mほどのクレーターが4つできた。

翠星石「へーっへっへっへっへ!これで飛行機は発進できないですぅ!」

蒼星石「す、翠星石…おじいさんにとっておきを頼んだっていうけど、これはやり過ぎじゃ…。」

翠星石「細けぇことはいいんです!」

グレッグ「ようし!反転して正規軍のヘリ部隊を守ってやれ!」

グオオオオオオオォォォォォォォォ…

それから約5分後、正規軍のヘリ部隊が集積所に降下し作戦は大成功に終わった…のだが…


~エリア88~

本作戦のMVPと言ってもいいキムを待っていたのはラウンデルの激しい叱責だった。

ラウンデル「バカな!!命令も聞かず、作戦内容も聞かず、勝手な行動をとって!」

キム「…………。」

ミッキー「いいじゃないすか。作戦は大成功。損失も3機だけ。なあ、みんな!」

翠星石「そうですそうです!」

グレッグ「キムがよくやった!」

蒼星石「みんなもこう言っているのですから…せめて罰は軽くしてあげてくれませんか?」

ラウンデル「ダメだ!規則は規則だ!」

サキ「ふっ…。」

金糸雀「ぷっ…。」

ラウンデル「サキ様!」

サキ「いや…笑って悪かった。しかしラウンデル、いかに正規軍と同じ組織に組み入れようとしても…これが外人部隊の特質さ…このエリア88のね…ww。」

ラウンデル「し、しかし…それでは軍の規律が…。」

金糸雀「じゃ、1週間ほど独房にぶちこんであげるかしらww。」

ラウンデル「そ、そうです。そうこなくちゃ…。」

ルロイ「あ~あ。」

チャーリー「結局営倉入りか…。」

蒼星石「そんな…。」

金糸雀「そんなに心配しなくても大丈夫かしら、蒼星石。」

蒼星石「え?」

金糸雀「とても居心地の良い独房かしら。」

蒼星石「?」

コツコツコツ…

キム「…………。」

独房に向かうキムの元に大勢の仲間がやってくる。

グレッグ「ようキム。独房だって?冷えるからな…。」

そう言うと手に持っていた毛布とクッションをキムに渡す。

キム「?」

バクシー「ようキム。独房は退屈だぜ。」

バクシーは絵本数冊を渡す。

ケン「キム。独房は寂しいぜ。」

とテディベアを渡す。

チャーリー「独房は腹へるぞ。」

とチーズとハムとビスケット。

真紅「喉が渇くわよ。」

とティーセット一式。

翠星石「甘いもんも食わなきゃダメですよ。」

翠星石特製のスコーンたくさん。

ケン「中は暗いぞ。」

電気スタンド。

ミッキー「これ見たかったろ?」

ビデオデッキ付きテレビにトム○ジェリーのビデオ数本。

シン「暇だぜ、独房は。」

エ○ア88の漫画数冊。

それからも次々に来る差し入れに困惑するキム。

キム「ととと…。」ヨロヨロ…

独房管理官「独房に入るのにそんなに荷物を持ってくのお前だけだぜ。」

ガチャン

独房管理官「これは俺だ。飽きたら別のテープを持ってきてやる。」

ウォークマン。

蒼星石「やあキム。」

キム「ソウセイセキさん…。」

蒼星石「独房は素っ気ないからね。」スッ

綺麗な花が入った花瓶。

蒼星石「僕が育てたんだ。」

キム「はぁ…ありがとうございます。」

蒼星石「それと、これはグエンさんから。」スッ

キム「え?」

イチゴジャム。

キム「わあ!これ大好きなんです!」

蒼星石「よかったね。」テクテク…

キム「でも…何でグエンさんが?」

それを隅から覗く虎が1匹。

グエン「…………。」

シン「お前にしちゃ意外な差し入れじゃないか。」

グエン「バカ言うな。俺ぁ独房に入るやつが気の毒に思っただけだ。」

翠星石「まったまたぁ、素直じゃねえんですから。」

ミッキー「何だかんだ言いながら、お前意外と子供好きだろ?」

グエン「…違げぇよ。」

独房前に金糸雀が現れる。

金糸雀「キム。どうかしら?独房の居心地は。」



キム「最高です!」


今日はここまで。

サキが草はやしてて草

wwほんとにここらへんはわけわからなくなるな。
(´・ω・`)あれ?>>1はエピソードの順番を変えてるの?
とか思う。原作のテンポと展開がめちゃくちゃなんだよwwww

コメ返し。

>>83
草はやってみたかっただけです。

>>84
実は今、思いっきりOVA主体で話を進めています。なぜならグエンの戦争狂っぷりが激しいのがOVAの方で一度表現してみたかったという願望だからです。
グエンの登場時期が原作とOVAでは違いますので、無理やり辻褄を合わせた形になっています。そこは反省しています。
これからローゼンメイデンの話も混ぜ込むとなると…少し難解なストーリーになるかもしれませんが、皆さんに見ていただけるように努力いたしますので、今後もよろしくお願いします。

追記

>>84
あともう1つ理由があります。グエンは隠れた子供好きという印象がありますが。OVAではキムがいないのでそれを掻き消すくらい嫌味なキャラになっています。そこで…

グエンはOVA基準の戦争狂+キム&ローゼンメイデン5体で基地の子供比率が上昇=原作と同じバランスとなる。

と考えました。

これより投下開始します。


~早朝~

プカドンプカドン…

傭兵A「るせーな!朝っぱらから!ちったぁ静かにしろよ!」

傭兵B「何だ何だ?」

ドンガドンガ…

そこにいたのは、アメリカ独立戦争当時の軍服を着て行進するアメリカ人の一団。

シン「何だミッキー?その格好は?」

ミッキー「へへへへ…。」

するとアメリカ人はクラッカーを持って…

アメリカ人達「7月4日!アメリカ独立ばんざーい!!」パァーン!


MISSION43 裏切りの葬送

ヘアバンド「やつらの国の独立記念日だとよ。」

ブリッキー「へぇ~。」

傭兵C「それで朝っぱらからこの騒ぎかよ。」

ミッキー「食堂に集合しろ!この日のためにとっておいた酒や食い物がいっぱいあるぜ!みんなで独立記念日を祝おう!」

傭兵D「好きにしな…。」

傭兵E「俺ぁイギリスだ…つまりこの日は我が子が親に見限った日だ。祝えるかよアホ!」

ミッキー「シン、シンク、来いよ!みんなで騒ごうぜ!」


~食堂~

騒ぎを聞きつけた傭兵達が集まっていた。

ミッキー「星条旗よ永遠なれ!偉大なる先駆者達の偉大なる魂を祝して!」

一同「「「かんぱーい!!」」」

ワイワイガヤガヤ…

グレッグ「結構アメリカ人が多かったんだな。88は…。」

真紅「そうね…こんな時でないと、誰が何処の国の人間か分からないのだわ。」

その様子を遠くから見る司令官ら。

サキ「ガキ共がママのおっぱい懐かしくて騒ぎまくっているのか…。」

金糸雀「そうね…ま、いいんじゃないかしら?」

ラウンデル「戦いに明け暮れちゃいますが…結構陽気なもんです。連中は…。」

どんちゃん騒ぎを起こす傭兵達を見ながらサキはバーボン、ラウンデルはウイスキー、金糸雀はオレンジジュースを飲む。

金糸雀「魂を悪魔に売り渡しても国だけは放さないと見るかしら…。」

ラウンデル「そうですな。彼らが好きなのは国という組織構成とか思想がどうこういうわけではないでしょう。風土や気候や諸々の風の匂いや…そんなものが…。」

サキ「確かにな…人にとって国というのはそういうものかもしれん…。」

ラウンデル「土ですよ、国は…。」

サキ「土は国なり、国は人なり、そして思想は国家なり…だ。個人の感情は抜きにして国は個人のものではない。」

金糸雀「…………。」

サキ「アスランの旗の下で連中はどうやって戦っていくのかな?ふふふふ…見ものだぞ、これは…。」

ラウンデル「サキ様…。」

サキ「適当に切り上げさせろ。外人部隊に母国は必要ない。金を出す国が母国だということを言っておいてやれ。」

ラウンデル「はい。」

金糸雀「…………。」

食堂にキムがやってくる。

キム「シン大尉!シンクさん!」

シン「よ!キム!」

キム「大尉の国は独立記念日は無いんですか?」

シン「そうだな…日本に独立記念日は無い。」

真紅「東洋の小さな島国よ…多民族の侵略を受けて植民地化された歴史は無いわね…その逆ならあったけれど。」

キム「平和で水の綺麗な四季のある国だと聞きましたが…。」

シン「そうだな…。」

シンはまた日本の事について考え込む。

シン「日本…か…。」


~ニューヨーク サウス・ブロンクス~

ざわ…ざわ…

ウ~ウ~ウ~

警部「どけどけお前等!おい、野次馬を追い払え!」

警官達が集まっていた野次馬を解散させる。

警部「写真を撮ったらホトケを降ろしてやれ!現場を荒らさないようにしろ!」

警官「はい!」

警部補「自殺ですかね?」

警部「自殺?バカ言っちゃいかん!」

警部「ガイシャは誰だと思う?ニューヨークマフィア最大のファミリーのボスだぞ!事業拡張、家内円満…心配事はてめぇの老衰だけだ。」

警部補「ファミリー同士の抗争ですか…?」

警部「分からん…ここんとこマフィアは大人しかったがな。ファミリー間での話し合いもついていたはずだ…。」

警官「警部!FBIのスミス長官からお電話です!」

警部「おう!」

現場の上から見下ろすようにそびえ立つ巨大なビル。そこに彼らはいた。

???「マフィアの大ボス、ブロンクスで他殺体となって発見か…ふふふふ…。」

神崎「ま、この神崎に逆らった人間としては死体が見つかっただけ幸運というものだ…棺の中身をちゃんと入れて葬式を出せる。ファリーナはそうじゃなかった…。」

遡る事半年前、神崎を養子として引き取ったジュゼッペ・ファリーナは、地上空母のクーデター直後に神崎の策略で殺害された。正確には眠らされた…心を壊され、二度と覚めることのない深い眠りに…。

その後、死体は地上空母に収容され空母の爆破と共に跡形も無く吹き飛び、砂漠に葬り去られた。

神崎「しかし、こんなにあっさり殺せるとは思わなんだ。相手の心を壊し、誰にも気付かれることなく相手を死なせることが出来る…」

神崎「ジュリオラ、雪華綺晶、よくやった。」

ジュリオラ「ありがたきお言葉。」

雪華綺晶「…………。」

神崎「お前達2人がいれば誰もこの俺を止めることは出来まい。ふふふふ…。」


~夜~

シン達は眠りについていた。

シン「ZZZZ…。」

真紅「…………。」すぅ…

そこに光の球が入ってくる

スッ

ホーリエ「!」クルクル

真紅「………ん?」

ガチャ

真紅「ホーリエ、一体何なの?せっかく眠っていたのに…。」

ホーリエ「!!」ピョンピョン

真紅「何ですって?」

シン「う~ん…。」ぐぅ

真紅「!」

ホーリエ「!」ギュン

真紅「分かったわ。滑走路の入口ね。」

真紅はシンを起こさないように部屋から出ようとする。

カチャ…

シン「し…真…紅…。」

真紅「!」

シン「う…腕は…俺…が元…通りに…。」

真紅「…………。」

パタン

シン「…………。」


~滑走路入口付近~

管制員A「…………ん?」

管制員B「どうした?」

管制員A「いや、見間違いかな…入口の所に人影が…。」

管制員B「どれどれ…ん!?」

そこには黒い翼の生えた1人…いや、1体の姿があった。

管制員B「間違いない、人影だ。サキ司令に報告。」

管制員A「分かった!」

管制員B「警備班!滑走路入口付近に侵入者あり!直ちに急行せよ!」

無線『…………。』

管制員B「警備班!どうした!応答しろ!」

金糸雀「何があったかしら?」

管制員B「ああ、カナリア副司令!滑走路の入口に人影が!」

金糸雀「人影?どれどれ…!」

管制員B「副司令?」

金糸雀「ローゼンメイデンのみんなを集めるかしら。水銀燈が来たと言えば分かるかしら。」

管制員B「わ、分かりました。では警備班も…。」

金糸雀「警備班は無駄かしら。おそらく眠らされているかしら。」

管制員B「は?」

金糸雀「…………。」

隅で警備兵を眠らせたそれは静かに待っていた。

???「…………。」

テクテク…

???「来たわねぇ。」

真紅「ええ…久し振りね…。」

真紅「水銀燈。」

水銀燈「ええ…本当にお久しぶりね…。」

真紅「まさかここまで来るとは思わなかったわ。」

水銀燈「だってここにはローゼンメイデンが5体もいるんですもの。こんなチャンスは滅多にないわ。」

真紅「そう…。」

水銀燈「何時まで仲良しごっこしているつもりなのかしら?」

真紅「黙りなさい。貴方には到底理解できるものではないわ。」

水銀燈「そうねぇ…貴方達みたいな愚か者の考えなんて理解したくないもの。」

真紅「それはどっちかしらね。」

水銀燈「アリスゲームもせずに傭兵稼業なんかやって…きっとお父様はお怒りよぉ?」

真紅「ふっ…。」

水銀燈「…何よその目は。」

真紅「やはり分からないのね。今は戦う時ではないということが。」

水銀燈「何ですって?」

真紅「これだから貴方はやっぱりジャ―」

???「それ以上いけない。」

真紅「!」

水銀燈「!」

今日はここまでです。
皆さんにお知らせです。SSの中でローゼンメイデン専用の機体を登場させようと考えています。
一応自分でも考えていますが、他にアイデアがあれば、ぜひコメントください。
現在の候補
・真紅……F5Dスカイランサー(丸いって美しくね?)
・翠星石…サーブ37ビゲン(小回りが利いてすばしっこいイメージから)
・蒼星石…ミラージュ2000(色から)
後はまだ模索中。

投下開始!

水銀燈「…何よその目は。」

真紅「やはり分からないのね。今は戦う時ではないということが。」

水銀燈「何ですって?」

真紅「これだから貴方はやっぱりジャ―」

???「それ以上いけない。」

真紅「!」

水銀燈「!」


MISSSION44 エリア88の絆

コツコツ…

真紅「シン…。」

シン「その先を言ったら俺みたいになるぜ。」

水銀燈「…………。」

真紅「何をしにきたの?これは私達の問題よ。下僕が関わることではないわ。」

シン「いや、お前の下僕として言わせてもらおう。」

シン「『お前、人の事いえるのか』と。」

真紅「!」

シン「お前はさっきこう言いかけただろう?『ジャンク』と。」

水銀燈「…!」ギリ…

その言葉を聞いた瞬間、水銀燈の顔には憎悪の表情が浮かび上がる。

シン「でも、それは今のお前の状態だ。」

真紅「…………。」

真紅は言い返す言葉も見つからなかった。

シン「んで、水銀燈…だったか。どうするんだ?逃げるか?」

水銀燈「ふん、人間風情が生意気言ってるんじゃないわよ!」ブワッ

???「よお。」

水銀燈「!」

シン「ミッキー!」

ミッキー「何か面白そうなことやってるじゃねえか。」

翠星石「まったく、お前はまるで疫病神ですね。夜這いとは。」

ミッキー「お前は何を言ってるんだ。」

グレッグ「俺等も参加させてもらうぜ。」

雛苺「みんなをいじめるのは許さないのー!」

キャンベル「いや、この場合俺等がいじめる方じゃないかな?」

蒼星石「…………。」

シン「どうする?降参するか?」

水銀燈「…………。」

水銀燈の表情は沈黙から笑みへ移る。

水銀燈「ふ…ふふふ…。」

シン「?」

真紅「…………。」

水銀燈「どいつもこいつも本当に…!」



水銀燈「うるさいわねぇえええええ!!」ブワッ!



シン「!」

水銀燈は背中の羽根をシン達に浴びせる。

シン「ちっ!」ダッ

真紅「はっ!」サッ

シン達は避けたが…

グレッグ「うおっ!」

雛苺「きゃっ!」

他のみんなは羽根に縛られてしまった。

キャンベル「くそう!何だこれ、外れねぇ!」

ミッキー「おいスイセイセキ!何とかしろ!」

翠星石「無茶言うなですぅ!翠星石の力は夢の中でしか使えないんですから!」

蒼星石「シンさん!真紅!逃げて!」

一方、シンは真紅を助けるために動こうとするが…

水銀燈「邪魔よぉ!」ババババ…

水銀燈の攻撃によって身動きが取れなくなっていた。

シン「くそ!これじゃ近づけない!」

真紅は水銀燈を真正面で対峙する形となった。

水銀燈「さぁ…貴方は最初に壊してあげるわぁ…。」

真紅「…………。」

水銀燈「真紅ぅうううううう!」

水銀燈は火が付いた羽根を大量に真紅目がけて飛ばす。

真紅「くっ…!」

水銀燈「ジャンクにこんなことが出来るぅ!?あははははは!片手じゃ受け止めきれないわよぉ!ばぁーか!!」

ミッキー「シンク!」

翠星石「真紅!逃げるですぅ!」

万事休すかと思われたその時、

サッ

真紅「!」

シンは真紅を抱きかかえたまま受け身を取る。

グレッグ「シン!」

シン「あっつっ!あちちちち!」バンバンバン!

飛行服の燃えている部分を叩いて消す。

シン「このバカ!何でさっさと逃げないんだよ!」

真紅「だって受けられたかもしれないじゃないの。」

水銀燈「…何のつもり?人間。お涙頂戴ってわけ…?」

シン「…もう、やめろよ。」
シン「今日のゲームはお前の不戦勝だ。それでいい。だからさっさとこっから出ていけ。それでも戦うなら…。」



シン「俺が相手になってやる!」



水銀燈「!」

真紅「シン…。」

その頃、マッコイのハンガーでは…

ガガガガガガガガガガガガガ!

作業員A「だめだよじいさん。どうやってもこの籠は壊せねえよ。」

マッコイ「バカも休み休み言え!第一そんな籠1個に飛行機解体用の大型切断機まで持ち出すか普通!?」

作業員B「んなこと言われても無理なもんは無理なんだよ!」

マッコイ「ったくしょうがねえな…それにしてもこいつはどんだけ固い金属でできてんだ一体…」

その時、

バキィィィン!

マッコイ「うおっ!?」

作業員C「壊れた!?」

作業員A「アイエエ!?コワレタ!?コワレタナンデ!?」

すると腕が浮き上がり…

キュン…

マッコイ「お、おい!何処に行くんだ!待て!」

作業員B「…………夢だ…うん、そうだ。これは夢なんだ。」

作業員C「きっと俺達疲れてるのよ。さっさと寝ちまおう。」

パァァァ…

真紅「!」

シン「何だ!?あの光は!」

そこに、真紅の腕が飛んでくる。

ミッキー「あれは…シンクの腕!?」

キャンベル「何で飛んでくるんだよ!」

シン「真紅の…右腕…。」

すると、シンの指輪から光の糸が出る。

ヒュン!

シン「わっ!」パァァァァ…

グレッグ「指輪から…。」

雛苺「光の…糸…?」

糸は真紅と彼女の右腕を繋ぎ合わせていく。

ミッキー「右腕が…。」

翠星石「繋がった!?」

真紅は右腕を動かした。引き千切られる前と同じように。

真紅「私の…腕…。」

シン「へ…な、何で!?どうやったんだ俺!?さっきの糸みたいのは…?」

水銀燈「…こんな…バカな…。」

キャンベル「す…すげぇ…。」

蒼星石「外れたパーツを組み直せるなんて…。」

水銀燈「そんなこと…お父様でもなければ…マエストロでないと出来ないはずよ…あの人間がやってのけたというの…?」

真紅「…そうよ。私達ローゼンメイデンの体は一つ一つが生命の糸で繋がっている…。」

その時、羽根が緩んだ。

グレッグ「ヒナ!今だ!」

雛苺「うゆ!」パァァァァ…

雛苺の能力で水銀燈は蔦に捕えられる。

ササササササ…

水銀燈「くっ!」

真紅「誰かはそれを…!」ブン

水銀燈「!」



真紅「絆とも呼ぶのよ!!」ガッ



水銀燈「ぐはっ!?」

シン「殴っ…!?」

蒼星石(グーで!?)

ミッキー「おー、見事な右ストレートだ。」

雛苺「真紅あいとあいとあいとー!」バタバタ!

???「そこまでだ、お前達。」

シン「!」

ミッキー「サキ!カナリア!」

そこには、サキと金糸雀が警備兵を連れてきていた。

金糸雀「これ以上この基地で騒ぎを起こすのは許さないかしら、水銀燈。」

サキ「銃殺はしない。だが直ちにこの基地から去ってもらおう。」

水銀燈「…………。」

水銀燈は一同を睨む。

水銀燈「キズナ…なんて…なんて陳腐で美しくない言葉…!」

バッ!

シン「くっ!」

サキ「伏せろ!」バッ

水銀燈「ねぇ真紅…私は貴方よりももっと…もっともっと強くなるわ…いいこと…?」
水銀燈「姉妹の絆も、マスターの絆も、最後には全部全部引き千切られてしまう…私達は絶望するために生まれてきたの。それが―」



水銀燈「薔薇乙女の宿命(アリスゲーム)だもの―。」サッ



真紅「…………。」

シン「真紅…。」

真紅「心配かけたわね、シン。」

シン「え?あ、ああ…。」

ミッキー「ふぃ~。何とか生き残れたな。」

翠星石「一時はどうなるかと思ったです。」

グレッグ「まったくだ。戦闘でならまだしもこんなゲームで命を落としちゃたまったもんじゃねえ。」

雛苺「大丈夫!グレッグはヒナが守ってあげるの!」

キャンベル「何はともあれ、向こうが去ってくれてよかったぜ。」

蒼星石「そうですね、基地には何の被害もありませんでしたし。」

真紅がシンの下に歩み寄る。

真紅「シン、私を守ってくれてありがとう。」

シン「真紅…………。」

ミッキー「ようし!気分転換に飲むか!祝いのときの酒がまだ残ってんだ!」

グレッグ「おっ、いいな!俺も付き合うぜ!」

キャンベル「俺も!」

ミッキー「シンはどうする?」

シン「いや、俺はもう寝るよ。」

ミッキー「そうか。んじゃ、他に参加したいやつは!?」

傭兵達「俺も!」×いっぱい

シンとローゼンメイデン達は自分の部屋に帰って行った。

引き続き投下します。

ギィィィィィィィィン…

マッコイと分解されたある機体を乗せたハーキュリーが新88基地に向かって飛んでいた。銭袋のエンブレムはマッコイのパーソナルマークである。

マッコイ「ったくもう!こんな山ん中に基地なんか作りやがって…。こっちの商売道具入れるだけのスペースあるんだろうな?」

プーキー「んなことよりこいつが本当に降りられるんすか?」

マッコイ「え?」


MISSION45 稜線の悪魔

プーキーは驚いた。管制は目の前に見える悪魔の口のような穴の中に着陸させようとしているのだ。

プーキー「あんなとこへこいつを降ろせってわけかい?まいったね…タヌキの穴だねありゃ…。」

マッコイ「向こうが降りろってんだから降りられんだろ。グシャグシャ言ってねえでさっさと降ろせ。商売ができねえ。」

プーキー「へーへー!そうれ!」

プーキーはマッコイが死の商人を始めた頃からのハーキュリーの専属パイロットである。これまでに数々の危ない荷物を危ない場所へ運んできた彼は慣れた手つきで機体を着陸コースに乗せる。

管制員A「マッコイのC-130、着陸コースに乗ります!」

管制員B「グライドパス・オンまで3秒…2…1…グライドパスに乗った!そのまま直進!」

ハーキュリーはゆっくりとした足取りで滑走路に着陸する。いくらプーキーでも全高11・66mのハーキュリーを高さが15mもない基地の中に進入させるのは至難の業であった。

プーキー「おーっ!天井スレスレだぜ!」

マッコイ「尾翼ぶっ壊したら修理代は給料から差っ引くぞ!」

マッコイの不安をよそに荷物を載せたハーキュリーは無事に着陸した。

停止後、すぐさま荷物が降ろされた。

ミッキー「何だよマッコイじいさん。来て早々呼び出しやがって。」

翠星石「…………。」

マッコイ「何だその言い草は。せっかくお前好みの機体を持ってきてやったってのに。」

ミッキー「俺好み?」

マッコイ「ようし、出せ!」

マッコイが叫ぶと、ハーキュリーの後部荷物扉からそれは出てくる。

ゴゴゴゴゴゴゴゴ…

ミッキー「うおう!!マ、マッコイ!こ…こいつは…!」

それは、彼がベトナム戦時代に乗りこなした愛機…。

そして、前のエリア88で最も気に入った機体…。

翠星石「F-14トムキャットですね…。」

マッコイ「どうだ、こいつが欲しかったんだろ?ミッキー。F-14がよ!」

ミッキー「しかし…何でまた俺に?もう手に入らねえと思ってたんだが…。」

翠星石「じ…実はですね…。」

ミッキー「ん?」

翠星石「あ…あの…」

蒼星石「翠星石。言わなきゃ僕が言うよ。」

翠星石「わわわ!待つですぅ!自分で言うから!」

ミッキー「何の話だ?」

翠星石「す…す…」



翠星石「すまんですぅ!ミッキー!」



ミッキー「はぁ?」

翠星石「お前のターゲットチップちょろまかしてたの翠星石ですぅ!」

ミッキー「何ぃ!?」

蒼星石「ミッキーさん。怒らないであげて。これは貴方のためなんだ。」

ミッキー「俺の?」

翠星石「実は…」

翠星石は事の経緯を話した。彼女は地上空母にF-14を落とされたことを悔やんでいたミッキーのためにまた機体を買ってあげようと考えたのだ。

だが翠星石はあくまでミッキーのサポート役。自分で戦闘機を操縦するのは無理だし金も集められない。

そこで翠星石は、ミッキーが稼ぐ報酬の一部を自分が作った口座の中に貯めていたのだ。早い話がへそくりである。

しかし、いくらミッキーのためとはいえ、彼の報酬を横領するのには罪悪感を感じ何度も葛藤した。

それを見ていた蒼星石や他のメンバーも貯金に協力した。お蔭で目標金額まで貯めることが出来た。

翠星石「お前の金をちょろまかしたことは謝るです…本当にごめんなさいですぅ!」ポロポロ…

翠星石は必至でミッキーに向かって頭を下げた。その目には涙があふれていた。

ミッキー「…………。」

マッコイ「ミッキーよ、あんま怒んねえでやってくれや。お前さんのためにやったことなんだからよ。」

蒼星石「僕からもお願いします!」

蒼星石も頭を下げた。

ミッキー「…………ふっ。」ポン

ミッキーは翠星石の頭を撫でた。

翠星石「ミ…ッキィ…?」

ミッキー「無く子にゃ敵わねえってのはまさにこのことだな。」

蒼星石「ミッキーさん…。」

ミッキー「悪ぃなスイセイセキ。お前に余計な心配させて。」ナデナデ

翠星石「…………///」グスッ

蒼星石「ふふっ。」

それを影からシン達が見つめる。彼らも報酬の一部を翠星石に譲渡していた。

シン「いい感じだな。」

グレッグ「ああ。」

チャーリー「あいつのあんな笑顔見るのは久し振りだな。」

真紅「そうね。これも貴方達のお蔭なのだわ。」

ウォーレン「なに、募金と同じように思えば安いもんさ。」

そこにマッコイが口を出す。

マッコイ「いい雰囲気のところ悪いんだがどうする?今すぐ組み立てるか?」

ミッキー「あったりめえよ!せっかく俺の相棒がくれたんだから早く乗せてやらねえとな!」

翠星石「…ふ、ふん!ミッキーがそう言うんだからさっさと組み立てるですぅ!///」

マッコイ「へいへい…おめえら!ハンガーに運べ!」

分解されたF-14はハンガーへ運ばれる。

シン「お帰りマッコイ。」

真紅「お帰りなさい。」

マッコイ「ようシン、シンク。機体の調子はどうだい?」

シン「上々さ。故障も無いしよく動いてる。」

マッコイ「今日はあいつ等のトムキャットを運んできたが…明日になればいろんな機体がおっつけ来るだろう。忙しくなるぜ。」

真紅「商売繁盛でいいわね。」

シン「外で何か変わった事は無いか?」

マッコイ「雑誌も何種類か買ってきた。見るかい?」

マッコイはハーキュリーから雑誌十数冊を出す。

マッコイ「これなんかグレッグの好みだな。」

成人向けの雑誌であるが、シンは見向きもしない。

シン「…………。」パラパラ…

その時、ふとある特集ページに目が留まる。

シン(涼子!)

そこにいたのは、新デザインのドレスを身に纏った涼子だった。

真紅「!」

シンの心を読み取った真紅もそのページを見る。

マッコイ「あ、そりゃファッション雑誌だ。メンズファッションの専門誌だな。ウォーレンに頼まれてたやつだ。こんなとこじゃ飛行服しかいらねえってのによ。」

マッコイ「どうした?珍しいな。シンもスーツでも欲しくなったのか?」

シン「いや…。」コツコツ…

マッコイ「このイタリア製のスーツな、安くしとくぜ…あ、おい!」

シンと真紅はそのまま自分の部屋に帰っていった。


~シンの部屋~

シン「パリ、オートクチュール界に新風を吹き込む東洋のブランド『リョーコ』!」

真紅「春の新作を発表。日本が売り物にするのは車だけでなく遂に新感覚も…。」

シン「涼子…。」

~翌日~

キイイイイイイイイイイイイイン!

ミッキー「ぐふふふ…ふひひひ…えへへへへ…。」

翠星石「ミッキー、何キモイ笑い方してるですか。早く出すですよ。」

ミッキー「おっと、そうだった。コントロール!出るぞ!」

管制『コントロール了解!』

ミッキー・翠星石「「GO!」」

ドドドドドドドドドドドド!!

整備兵A「たーっ!やっぱりF-14のエンジンはすげえ馬力だぜ!」

グオオオオオオオオオォォォォォォォォ…

ゴォォォォ…

ミッキー「ミッキーだ!聞こえるか、コントロール!?」

管制『聞こえる!調子はどうだ!?』

ミッキー「最高さ!こいつさえあれば百人力だ!」

ギュウウウウウウウウウウウウウン!

管制『まともに飛ぶことが分かったんだ!さっさと降りろ!燃料を無駄遣いするな!』

翠星石「わぁーってるですぅ!そうギャーギャー騒ぐでねえですぅ!」

それを地上から見つめるシン、グレッグ、雛苺。

グレッグ「ダメだ…ありゃ当分は降りてこねぇ。」

雛苺「よっぽど嬉しいのね、ミッキー達。」

管制『滑走路、離陸発進あり!作業員は直ちにエレベーター付近より退避せよ!」

シン「なんか…空母みたいになってきたな…。」

キィィィィィィィン…

グレッグ「ほう…あれがキムの愛機か…。」

シン「この基地じゃ初めてじゃないか?あれを使うやつは…。」

雛苺「蛇さんなの~!」

グレッグ「ほー勇ましそうなマークだな。」

キムの愛機…蛇と剣のエンブレムが描かれたAV-8Aハリアーが滑走路で離陸準備をしている。

グレッグ「ホーカー・シドレー・ハリアーか…垂直上昇が出来るんだよな、あいつは…。」

シン「マッコイが英国海軍から引っ張ってきたやつだ。」

準備が終わり、風防がスライドし閉じられる。

シュゥゥゥゥゥン…

キムがシンに向かって笑顔で親指を立てる。

キム「…………。」ニコ

シンもそれに応える。

シン「気を付けてな。」ニッ

雛苺は手を振って見送る。

雛苺「いってらっしゃーい!」

グオオオオオオオォォォォォォ…

雛苺「ドンドン上がっていくの。」

グレッグ「結構上昇力はあるな。」

シン「型は初期型だけどエンジンは最新のしかも新品が積んである。」

グレッグ「新品エンジンで思い出した…俺のスペアエンジンがまだ届いてないんだ。じいさん、耄碌して忘れたかな?」

シン「いや、サキの話じゃ部品関係はアスランの軍空港にある倉庫に集めて輸送機でどっと運ぶって。」
シン「今日辺り来るんじゃないかな?さっきその辺でじいさんが伝票の束持ってうろついてたから。」

グレッグ「そういえばシンクはどうした?珍しいな、あいつがいないなんて。」

シン「ああ、何でも頼んでいたものを受け取りに行くってわざわざ輸送隊の飛行機に便乗しているんだ。」

グレッグ「へぇ、そんなの大事なもんなのか?」

シン「分からんよ、俺には…。」

今日はここまで。
次回からいよいよ真紅の機体が登場する予定ですが、まだ決めかねています。他の皆さんのアイディアも募集中です。どうぞコメントください。

お待たせしました。今より投下します。

キィィィィィィ…ン

隊長「リーダーより!そろそろ88だ!高度を下げろ!山間を飛ぶから気を付けろ!」

隊員A「88じゃ首長くして待ってるでしょうね。」

隊長「そりゃそうだろ。スペアエンジンを含むメンテナンス部品一式だ。」
隊長「性能のいい機体程普段の整備をしっかりやっておかなくちゃいざって時にどうしようもないからな。いくら最新鋭でもスペアの部品無しで戦えるほど甘くはないさ。」

キィィィィィィィン…


MISSION46 マウンテン・ゲーム

その時、山の間からVTOL機が飛び出してくる。

ダダダダダダダダダ!

ドン!ドドオン!

隊員B「ぐわっ!」

隊員A「5番機被弾!落ちます!」

隊員C「あれはフォージャーだ!」

ギュゥゥゥウウウウウウウウン!

ダダダダダダダダダダ!

隊員C「うわっ!」

ドカアアアアアアアアン!

隊員D「な…何で敵の飛行機はこんな所に!?」

隊員E「88!88!こちら輸送隊!」

バンバンバン!

隊員D「うわっ!」

ドオオオオオオオォォォォォォン…

隊員A「3番機もやられました!」

隊長「これまでか…!」

誰もが諦めかけたその時、

ダダダダダダダダダダ!

隊長「!?」

バン!ババン!

後方からの射撃によって被弾したフォージャーは空域を離脱した。

ゴォォォォォォォ…

隊員A「敵機、離脱します!」

隊長「一体…誰が…?」

真紅『エリア88輸送隊隊長機へ。こちら真紅。』

隊長「こちら輸送隊隊長。きみか!さっきの射撃は!」

真紅『命拾いしたわね。88のスカイレーダーも来たから、私はこれからさっきのフォージャーを追跡するわ。基地まで飛べて?』

隊長「ああ、何とかな。」

真紅『ではまた後で。』

ゴオオオオオォォォォォォォ…

そう言うと、真紅の機体はフォージャーが逃げて行った方向へと飛んで行った。


~エリア88~

管制『着陸機あり!滑走路上の作業員は直ちにシェルターへ!』

マッコイ「お!来た来た!」

シン「じいさん早く!」

グォォォォォ…

キキィィィィィィィ…

マッコイ「何だ?1機だけじゃねえか。後の連中は何処に行った?」

生き残ったハーキュリーから隊長が出てくる。

隊長「大変だ!後の連中はみんなフォージャーにやられちまった!」

マッコイ「何ぃ!?」

シン「フォージャーだって!?」

その頃、上空ではミッキーとキムが愛機の試験飛行をしていた。

金糸雀『ミッキー!輸送隊が西の山脈で敵の攻撃を受けたかしら!ここへ無事に辿り着いたのは隊長機だけかしら!』

ミッキー「何っ!?」

翠星石「バカ抜かすでねえです!あんな山ん中ですよ!」

ミッキー「ミサイル車両だっていないはずだ!まして航空機が発着できるような場所なぞ無い!」

管制『いや、隊長からの報告によると敵はフォージャー1機だけだそうだ!」

キム「フォージャー!?」

翠星石「お前と同じ垂直上昇機ですぅ!」

ミッキー達は輸送機の墜落現場付近を飛ぶ。

管制『敵機の装備はガンポッドのみだそうだ!』

ミッキー「成程…通りでみんな機関砲弾でしか撃ち落されてねえわけだ。」

金糸雀『今、真紅が追跡していたけれど見失ったそうかしら!』

ミッキー「そりゃそうだ。垂直上昇機は小回りが利くから洞穴や茂みなんかに簡単に隠れられる。」

翠星石「虱潰しに探すですぅ!」

ミッキー「積荷の中には俺のスペアエンジンもあったはずだ…野郎…ただじゃおかねえ!」

キム「僕の大好きなイチゴジャムだって積んでたはずなのに…。」

翠星石「チビ…この非常時にエンジンとジャムを一緒にするでねえです。」

キム「だって…。」

ミッキー「88コントロール!燃料の残量があまり無い!今から5分以上の捜索は出来ん!空中給油機を飛ばしてくれ!」

サキ『88コントロール了解!今シンとグレッグがそちらに向かっている!給油機もすぐに発進させる!』

翠星石「おーし!」

ミッキー「キム!下の茂みや穴を片っ端から調べろ!上空は俺達に任せろ!」

キム「分かりました!」

ギュゥゥゥゥゥゥゥン…

キムのハリアーはホバー状態で山の間の茂みや穴を調べていく。

キム「大きい穴だけど、まさかタヌキじゃあるまいし…。」

前輪のライトで中の様子を伺う。

翠星石「ああいうマネはちょっと普通の飛行機じゃ出来ないですね…。」

ミッキー「そうだな…。」

キムが2つ目の穴を調べようとしたその時、

パッ

キム「ん?」

ゴオオオオオオオオオオオオオオ!

キム「わっ!」

ダダダダダダダダダダダ!

キムは穴からの射撃を上昇して避ける。

キイイイイイイイイイイイイイイン!

その穴からフォージャーが飛び出してきた。

キム「あっ!」

キムも後を追うが見失う。

キム「くそっ…随分機体を扱い慣れたやつだな!あっという間に見失った…!これだけの岩場だとミッキー大尉達も降りてはこれないし…」

その時、

ゴオオオオオオオオオ!

キム「あっ!」

ダダダダダダダダダダ!

いつの間にかハリアーの後ろについていたフォージャーが攻撃してきた。

バン!バン!

キム「しまった!エンジンを…」

ボォッ…

キム「だ、ダメだ!出力が上がらない!」

フォージャーのガンポッドが回り始める。

キム「う…うわ!ダメだ、やられる!」

???『キム。降下して制止させなさい。」

キム「はっ!」グイ

ゴオオオオオォォォォォォォ…

敵兵士「おっ!」

突如降下したハリアーを避けるためにフォージャーは垂直上昇する。すると、

敵兵士「!」

ギュゥゥゥゥウウウウウウウン!

真紅「遅いのよ、貴方。」カチッ

ダダダダダダダダダダ!

ドカァァァァァァァン…

真紅「怪我は無くて?キム。」

キム「は…はい!」

真紅「よかった。」

そこにシン達がやってくる。

シン「真紅!キム!大丈夫か!」

真紅「敵は撃墜したわ。キムも無事よ。」

シン「そうか…。」

グレッグ「へぇー。シンクの新しい機体ってのはそれか。」

雛苺「真っ赤なの~!」

翠星石「真紅らしいですね。」

ミッキー「遂に真紅も戦闘機乗りか。」

真紅「ふふふ…。」


~エリア88~

サキ「ほう…君達を救ったのはそんな機体だったのか。」

隊長「私も今時あんな機体が飛んでいるとは思いませんでした。」

管制『コントロールより!着陸機接近!滑走路上にいる作業員は直ちに避難せよ!』

サキ「帰ってきたようだな。」

ゴォォォォォォォォ…

作業員一同は驚いた。その中には例のフォージャーとやりあった機体がいたのだが…

サキ「ふん、成程。シンクらしい機体だ。」

ざわ…ざわ…

かつてシンが乗ったドラケンと同時期に初飛行した機体…。

整備兵A「お、おい…あれってもしかして…。」

試作機・先行量産型2機ずつが製造されるも、米海軍がF-8を採用したのを機に開発が中止された機体…

整備兵B「一体この基地はどうなってんだ?あんなもんまで来るなんて…。」

ここに、真紅に塗装された最初のローゼンメイデン専用機が降り立った。

スタッ

真紅「シン、紅茶を入れて頂戴。」

F5Dスカイランサーである。

どうも僕です。
悩んだ末に真紅はF5Dとしました。他にアイディアがあれば後々採用しようと思います。
他の姉妹の機体も順次登場させていく予定です。

追記
ちなみに塗装はNASAのダイナソア計画における訓練時の塗装をベースに真っ赤にしたものです。
Wikipedia:F5D http://ja.wikipedia.org/wiki/F5D_(%E8%88%AA%E7%A9%BA%E6%A9%9F)

これより投下します。


~午前3時~

ピンポーン…

管制『各員へ!現在午前3時!交代要員はブリーフィングルームへ!』

ガチャ

ミッキー「よっ!」

シン「やあ!」

ミッキー「今日は少し寒いな。」

シン「ああ。」

シン達が滑走路に出てみると、その脇の通路を傭兵達がランニングウェアを来て走っていた。


MISSION47 中空の大地

ミッキー「じゃな、朝飯で会おう。」

シン「うん。」

タッタッタ…

エリア88の傭兵達に義務付けられた体力訓練は無い。

与えられた仕事を完全に消化する能力さえ保有していれば、それで許される。

保有しなかった場合は…自分の死に通じるだけだ。


~食堂~

ワイワイガヤガヤ…

サキ「シン、その塩取ってくれ。」

シン「投げるぜ。いいか?」

サキ「ああ、構わない。」

シンはサキに塩の入った瓶をポンと投げる。

サキ「ありがとう。」

塩を受け取ると、サキは別の席に座った。

金糸雀「ここ、いいかしら?」

シン「ああ、いいぜ。」

金糸雀はシンの隣に座った。

キム「大尉、いつも変だと思ってたんですが、サキ司令やカナリア副司令も我々と同じ食事をとってるんですね。」

シン「どうして変なんだ?」

キム「だって、普通軍隊じゃ一般兵士と士官とじゃ食事も食堂も区別されてるでしょ?」

シン「らしいな。」

キム「なのにここじゃみんな同じところで同じ食事でしょ?」

シン「そうだ。」

真紅「ここが並の軍隊と違うからよ、キム。サキや金糸雀も私達を同じ比重で命を危険にさらしている…。」

シン「それに、あいつ等は自分だけがいい食事をしようとはしない主義さ。」

キム「ふぅん…。」

シン「早く食えよ。後がつかえてんだから。」

真紅「みんなより個性的な食事がしたいのなら、マッコイの所へ行くことね。」

キム「マッコイじいさんとこ…?」

真紅「自慢の豆料理を御馳走してくれるわ。」


~マッコイの倉庫~

ドンッ

プーキー「たーっ!豆かよ!もっといいもん出ねぇのかよ!」

マッコイ「文句があるなら食うな。」

雛苺「おいしいのよ~?」本日の豆料理:マセドワーヌ・ボンヌファム

マッコイ「そうだよな~。ヒナイチゴはいい子だもんな~。こいつと違って文句1つ言わねえんだもんな~。」

プーキー「けっ、女の子には優しくしやがってこのロリk」カァン!

プーキーの頭に皿が飛んでくる。

マッコイ「いいかプーキー。豆は栄養があるんだ。豆だけ食ってりゃ人間、死にゃしねえんだ。」

プーキー「でも朝も豆、昼も豆、夜も豆。豆ばっかしじゃ力は出ねえよ。」

マッコイ「長生きすりゃそれで上等。」

プーキー「俺も外人部隊の方に入ろうかな。金貰えて戦闘機に乗って豆ばっかりの飯じゃないし。」

マッコイ「勝手にしな。ただ一言だけ言っとくがな…」



マッコイ「お前が外人部隊に入ったら2日目で葬式が出るぜ。」



~ハンガー~

シン「よしキム。ここ押さえといてくれ。」

キム「はい!」

真紅「油漏れ?」

シン「ああ…こないだの輸送隊の事件で来るはずのスペアエンジンがふいになっちまったからな。C整備やらなきゃならんのを騙し騙し飛ばせてんだ。泣けてくるぜ…。」

キム「あれっきり例のフォージャーは出てきませんね…。」

そこにマッコイがやってくる。

マッコイ「ようシン。やってるね。」

シン「やあマッコイ。朝飯はもう済んだのかい?」

キム「おはようございます、マッコイさん。」

マッコイ「これ、シンへの伝票だ。こっちはキム、お前だ。」

シン「えーっ!ミサイルまた値上げかよ!参ったな。」

マッコイ「しょうがねえよ。輸送費が上がっちまってよ。」

キム「こ…この1万ドル…って何…?」

マッコイ「お前のハリアーの修理代さ。今度撃たれる時はあまり金のかからんとこ撃たれろよ。」

キム「…………。」

管制『発進用意!発進用意!』

シン「ちっ!こんな時に!」

サキ「マキーベの南3kmで進行を開始した地上軍が攻撃を受けている!制空権を奪取せよとの命令だ!」
サキ「ラウンデルとグレッグの隊は敵地上部隊を徹底的に叩け!シンとミッキーはマキーバを中心とする半径200km以内の制空権を確保しろ!12時間以内にやれっ!」

キイイイイイイイイイイイイイン!

管制『コントロールより各機!発進せよ!発進せよ!』

ゴオオオオオオオオオォォォォォォォォ…

発進要員「GO!」サッ

グオオオオオオオオオオォォォォォォォォ…

エリア88の一同はマキーバへ向けて飛行していた・

ゴォォォォォォォ…

グエン「ラ~ララァランラン♪」

翠星石「ピクニック気分ですねグエン!」

ミッキー「トンキン湾でもその調子でやってたのか?」

グエン「あんたよりゃ大人しかったさ…海軍名物、火の玉(ファイアボール)ミッキーよりはな…。」

翠星石「どういう意味ですか?」

グエン「なんせあんたはたった1人で200人の女・子供を殺したんだからな。俺なんか足元にも及ばねえよ…。」

一同「「「!!!」」」

その場にいた一同が凍りついた。

翠星石「ミ…ミッキー…?」

ミッキー「…………。」

グエン「俺なんかいくら上からの命令でもちょっとな…。」

シン「ミッキー…。」

真紅「…………。」


~約10時間後~

管制員A「攻撃隊から入電です。ラウンデル副司令とグレッグ大尉の隊は敵地上部隊の70%を叩きました。」

サキ「うむ…。」

管制員A「シン、ミッキー両大尉の隊も八分通りの制空権を確保、帰投します。」

サキ「損害は?」

管制員A「両隊とも1機ずつ…。」

サキ「そうか…。」

管制員B「シン大尉の隊が帰ってきました!ミッキー隊も後に続いています!」

ミッキーの隊の中には煙が出ている機体が3機あった。

サキ「火が出ているのが3機程いる!消防車を滑走路に配置しろ!」

管制員C「消火要員は滑走路に待機せよ!」

ゴォォォォォ…

ミッキー「シン。うちの隊の火が付いたやつ3人、先に降ろさせてくれ。」

シン「ああ、やってくれ。もたつくなよ。」

すると、シンと並んでいたジェスから通信が入る。

ジェス「シン!先に行かせてくれ!燃料がもう無い!」

シン「分かった!火の付いた連中が無事に降りたら一番先に着陸しろ!」

ジェス「ダメだ!本当にもうスッカラカンなんだ!これ以上1分だって飛んでられねえ!連中より先に降ろしてくれ!」

シン「ダメだ!火事が先だ!」

ガスッ…

ジェス「うわっ!」

ジェスのクフィルの燃料はほぼ0に近かった。

ジェス「うわあ!!」

慌てたジェスは火災機が飛んでいる着陸コースに無理やり進入する。

シン「止めろ!ジェス!」

真紅「機体を捨てなさい!脱出するのよ!」

ジェス「脱出装置が故障してるんだ!修理してる暇が無かったんだ!」

傭兵A「うわっ!こらジェス、何しやがる!」

ジェス「どけぇ!俺が先だ!俺が…」

火災機はあわてて上空へ回避する。

シン「…………。」

するとシンは機銃をジェスのクフィルを狙おうとした。

真紅「それには及ばなくてよ、シン。」

シン「何?」

グレッグ『俺に任せろ!』

後ろからグレッグのA-10が飛び出す。

グレッグ「ジェス!そのまま機体を動かすな!」

ジェス「何する気だ!このままじゃ岩に…」

A-10はクフィルの上に回り込む形で機体を接触させる。

ジェス「ちょ、おま!当たってるって!」

グレッグ「今だ!」

雛苺「うい!」

シュルルルルル…

ジェス「うお!イチゴが…!」

ギチッ…

しっかり縛ったのを確認すると、グレッグはエンジン全開で上昇する。

グレッグ「というわけでお前は後だ。ミッキー!いいぞ!」

ミッキー「分かった!ほら!さっさと行け!」

傭兵B「はい!」

火災機は次々に基地へ着陸していく。その後はジェスも含めて全員無事に着陸した。

その後、シン達はグエンが言った事についてミッキーから話を聞いた。

ミッキー「伝染病がね。発生して滅茶苦茶死亡率が高くってよ。村ごと焼くしかなかった…。」

シン「…………。」

ミッキー「ワクチン積んだヘリはゲリラに落とされるしよ。本国から届くの待ってたら…ま、50万人は死んでたな…。」

翠星石「…………。」

ミッキー「200人がとこの村だ。ナパームの4発であっという間に灰になった…。」

シン「どうして部下を連れず1人で行ったんだ?」

ミッキー「…………。」



ミッキー「1人でやる方が気楽でいいからさ…。」コツコツ…


シン「…………。」

翠星石「…………。」

続けて投下します。


~司令官室~

サキ「カーライル・ベンディッツ…3年前の2月26日入隊だったな…。」

カーライル「…………。」

サキ「本日午前0時を以って、君の軍務は終了する。更新するか?」

カーライル「いいえ。」

サキ「分かった。これにサインを…荷物をまとめて給料を貰ってくれ。」

カーライル「分かりました。」


MISSION49 ベンディッツ報告(レポート)

滑走路では、アスラン空港へ向かう連絡機に乗り込むカーライルを見送ろうと大勢の傭兵が集まっていた。

ブォォォォォォォォン…

傭兵A「元気でな!」

傭兵Bしっかりやれよ!」

その中には、同期のグレッグと雛苺の姿もあった。

グレッグ「カール…。」

カーライル「グレッグ。見送ってくれるのか…。」

グレッグ「もう戻ってくるんじゃねえぞ。」

カーライル「ああ…。」

グレッグ「ここであった自分の事、仲間の事…そのタラップを上がってすぐに忘れろ!二度と思い出すんじゃねえ!そしたら必ずハッピーになれる!」

カーライル「そうするよ…。」

すると、目の前に雛苺が現れる。

雛苺「…………。」

カーライル「どうした?ヒナイチゴ。」

雛苺「…ヒナの事も忘れちゃうの?」

カーライル「!」

カーライルは戸惑った。

いつも孤独だったカーライルを支えていたのは雛苺だった。彼女はグレッグと同じようにカーライルにも懐いていた。

そんな彼女はいつも見せる笑顔はとても忘れられないものの1つだった。

カーライル「…………。」

グレッグ「…………はは…どうやら言い方を間違えたようだな。」

カーライル「?」

グレッグ「俺達のことは忘れろ!そしてヒナみたいに笑ってくれるやつを…」

グレッグ「絶対に悲しませるんじゃねえぞ!」

カーライル「…………。」

雛苺「…………。」

カーライル「………ふっ。」

すると、カーライルは雛苺の頭に手を置いた。

カーライル「ヒナの事は忘れないよ、これからも。」

雛苺「…ホントに?」

カーライル「ああ、もちろんさ。だからよ、笑顔で見送ってくれよ?そう…今までで最高の笑顔でよ。」

雛苺「…………うん!」

雛苺の顔に笑顔が戻る。それは、カーライルが見た中で一番の笑顔だった。

バタン

連絡機のドアが閉まる。

ブオオオオオオオオオオオオオオオオ!

ワーワーワー

傭兵達が手を振って見送る。カーライルもそれに応える。

グレッグ「あのバカ野郎…言ったシリから忘れてやがる…すぐに忘れろって言ったのに手なんか振りやがって。」

ミッキー「ははは…無理言うなグレッグ!あのヒナの最高の笑顔は流石に忘れられねえよ!」

ゴオオオオオオオォォォォォォォォ…

キム「行っちゃいましたね、ベンディッツ少尉…。」

シン「運の強い男だったな…殆どの大きな作戦をこなして生き残ってこれたんだ…。」

グレッグ「…………。」

グレッグは1人寂しそうに連絡機が飛び立った方向を見つめていた。

キム「グレッグさん、寂しそうですね…。」

真紅「ええ…カーライルが出て行った今、同期の人間は1人もいなくなってしまったから…。」

キム「シン大尉は何時軍務明けなんですか?」

シン「そうだな…生き残っていればあと1年ぐらいかな…ま、生きていればの話だ。」

キム「更新します?」

シン「するもんか!!二度とここへは戻ってこない!綺麗さっぱり忘れてやる!」

キム「…ええ…そうですね…。」

真紅「…………。」

キィィィィィィン…

カーライルはパリに降りた後、ロンドンへ向かう旅客機の中で深い眠りについていた。

カーライル「ZZZ…」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

(カール!右だ!右に1機!)

ギュウウウウウウウウウウウン!

ダダダダダダダダダダ!

ドオオオオオォォォォォォォォン…

カーライル「ふぅ…命が縮むぜよ!サンキューフーバー!助かったよ!後で1杯奢らせてくれ!」

フーバー「俺の1杯は高くつくぜ。なんせ高級酒しか飲まんからな。」

カーライル「ははは…分かってるよ。シュタインベルガーの76年、1本とってあるんだ。」

フーバー「ほう…それはそれは!じゃあさっさと片付けて帰ろう。」

カーライル「ヤー!」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

カーライル「むにゃ…フーバー…」

スチュワーデス「お客様、お客様。」

カーライル「ん…あ…何だ?」

スチュワーデス「お休みの所申し訳ございませんが、ロンドン到着でございますので…。」


~ロンドン ヒースロー空港~

カーライル(ああ…やっと戻ってきた…何年ぶりだ…5年ぐらいか…いや、もっとかな…)

カーライルはスタンドに向かう。

カーライル「電話をかけたいんだ。小銭に交換してもらえるかな?」

売り子「はい。」

それを見つめる1人のスリがいた。

スリ「…………。」

売り子「はい。」

カーライル「サンクス。」

ドン!

カーライル「うお!?」

スリはそのまま走り去ろうとするが…

カーライル「おい!何をする!?」

スリ「ちっ!」

スリはナイフを取り出した。

カーライル「あっ!」

その時、

ブン!

スリ「な!?」

バターン!

カーライル「………?」

???「こんなところでナイフを出したら危ないだろ。」

そこには、エリア88で見慣れた姿があった。

カーライル「…も…モーリス?」

モーリス「大丈夫か?カール。」

カーライル「あ、ああ…。」

スリはあわてて逃げようとするが…

サッ

スリ「ひっ!」

蒼星石の鋏に阻まれ…

蒼星石「逃がさないよ。」

ドン!

スリ「ぐあ…。」バタ…

カーライルのチョップで気絶させられる。

カーライル「ふぅ…。」

そこに警官がやってくる。

警官「貴方がこいつを?」

カーライル「ええ、まぁ…。」

警官「こいつはスリの常習犯でしてね。お蔭で助かりました。

カーライル「はぁ…どうも…。」

警官はそのままスリを連れて行く。

カーライル「しかし…モーリス、ソウセイセキ。何でここに?」

モーリス「俺も除隊したのさ。お前が出て行った後に。」

カーライル「ああ…そういえば俺が入隊した次の日に入ってきたんだったよな…。」

蒼星石「僕はカーライルさんに渡すものがあって。勿論サキ司令の許可はとってあります。」

カーライル「渡すもの?」

蒼星石はバッグから一通の手紙を出す。

蒼星石「はい。」

カーライル「手紙…?俺にか?」

蒼星石「はい。渡してほしいって頼まれたんです。」

カーライル「…………!」

それは、雛苺が書いた手紙だった。その字は英語で書かれていたが、かろうじて読めるほど下手であった。

蒼星石「ヒナイチゴ…1人で書くって聞かないからみんなから英語を一生懸命教わって…やっとできたんです。」

カーライル「しかし…何でこれを?」

モーリス「お前がフランスに行った後イギリスに行くって誰かが教えてくれたみたいでな。聞いたヒナがお前に会ったら渡してくれって。」

カーライル「…………。」

そこには、こう書かれていた。

カーライルへ

貴方にとって88は悲しい思い出しかない場所かもしれないけれど、私は貴方に会えてよかったと思ってる。
貴方が出て行っても、私が貴方の分までグレッグを助けるから心配しないで。
そのままイギリスに帰っても運のいい人のままで平和に暮らしていてね。

                                   雛苺より。

カーライル「…………。」

彼の目には光るものが溢れていた。

蒼星石「それじゃ、僕はこれで。」

蒼星石はその場から立ち去った。

モーリス「ところでこれからどうする?」

カーライル「そうだな…シュタインベルガーでも飲むか。」

モーリス「いいアイディアだ。俺も付き合うよ。ドイツワインが飲める店を知っている。」

カーライル「ああ…。」



カーライル(ありがとな…ヒナイチゴ…。)


その頃

ヌッ

???「あら、おかえり。」

水銀燈「…………。」

???「今までどこに行ってたの?」

水銀燈「別に…。」

???「そんなこと言っちゃって。また妹さん達の所でしょ?」

水銀燈「うるさいわね。」

???「何しに行ったのかな?」

水銀燈「…ただの伝書鳩よ。おバカな妹の気分が沈んでたらこっちもやりづらいからよ。」

???「素直じゃないわね。妹さんが言い出せなくて悔やんでるから見かねて動くのは姉の仕事でしょう?」

水銀燈「…ふん。」コツコツ…

???「ふふっ。」

???(まぁ…いずれ戦うんだけれどね)

キイイイイイイイイイイイイイイイン!

サキ「よし!第2次攻撃隊を発進させろ!攻撃の手を緩めるな!」

管制員A「コントロールよりコンガ・リーダー!」

ビービービー!

傭兵A「回せー!モタモタするなー!」

管制『コントロールよりツイスト・リーダー!』

シン「ツイスト・リーダー、シンだ!」

管制『コンガの後に続いてくれ!』

シン「了解!」

管制『タンゴ・リーダー!ベンディッツ…』

ミッキー「ベンディッツは2日前に除隊した!今頃は娑婆でよろしくやってる!」

傭兵B「あんにゃろう!女はべらして酒でも食らってやがんだろうな!」

ヘアバンド「ぼやくな!生きて帰れりゃ何だって出来る!頑張れよ!」

一同「GO!」

グオオオオオオオオォォォォォォォ…

雛苺「…………。」ニコニコ

グレッグ「どうしたヒナ?やけに嬉しそうだな。」



雛苺「何でもないの!」


どうも僕です。
登場当初から影の薄かった雛苺ですが、今回は物語を変えるキーパーソンとして活躍しました。
因みに彼女の機体は…………まだ考えています。っていうか雛苺が戦闘機操縦するとこなんて想像できない。

投下開始!


~ブリーフィングルーム~

サキ「503台地の空撮写真だ。」

金糸雀「ここの所…木に覆われて見えにくいけど、レールが3本あるかしら。」

サキ「拡大してくれ。」

調査員A「はい。」カシャ

プロジェクターはわずかに見える3か所のレールを写す。

サキ「いずれも地対空ミサイルだ。先月の空撮時には無かった。この状態から見て、おそらく10基は入ってると思われる。」

グレッグ「ったくもう…ハイファ地区で空戦やってる間にチョロチョロと…。」

ケン「まったく何時の間にこんなもん引っ張り込みやがったんだろ?」

真紅「でもよくそんなお金があるわね…。」

翠星石「反政府軍だってゲリラの集団みたいなもんですよ。」

ウォーレン「それが次から次へと。よく兵器を買い込む金が続くよ…。」


MISSION50 空中の罠

サキ「敵の金が何処から出ているのか…そんな事は我々の考える事ではない。問題は503台地の地対空ミサイルだ。」

金糸雀「503台地はこのエリア88に物資を運ぶ補給路直下にあるかしら。」
金糸雀「細々した日用品はアスラン首都から運んでくるけど、エンジンや電子装備、メンテナンス用の部品は全部スペインからチュニジアを経由して入ってくるかしら。」

サキ「輸送機以外に補給の道の無いエリア88にとってこの503台地のミサイルは厄介だ。ハイファでの地上部隊援助も続けなければならんし、こっちの台所も守らにゃならん。」
サキ「よって、部隊を2つに分ける。グレッグとミッキー、チャーリーは引き続きハイファで戦闘行動を取れ。シンの隊とルロイの隊は交代で503の攻撃をやる。」

シン「…………。」


~ハンガー~

ミッキー「別行動だな、シン。落とされんなよ。」

シン「はは…そっちこそ。」

そこに真紅がやってくる。

真紅「シン。」

シン「どうした?真紅。」

真紅「悪いけれど私は参加出来ないわ。スカイランサーも整備中だし、他に出せる機体も無いから…。」

シン「分かった。でも今回は俺達だけで十分かもしれんから何の問題もない。」

真紅「そう…。」

ゴォォォォ…

シンの隊は、503台地の上空に来た。

シン「ウォーレン!上空を援護しろ!後の隊は俺に続け!ナパーム投下して一気に焼き払うぞ!かかれー!!」

ギュウウウウウウウウウウウウウウン!

地上からミサイルが飛び出す。

バシュゥゥゥゥゥゥゥゥ…

ドカアアアアアアアアン!

シン「怯むな!突っ込めー!」

バシャッ

ヒュウウウウウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ…

ドオオオオオン!ズドオオオオオン!グワアアアアアアアン!

キム「2番隊キム!行きます!」

ギュウウウウウウウウウウン!

ヒュウウウゥゥゥゥゥゥゥ…

ズガアアアアアアン!ドオオオオオオオオン!

ナパームの爆発で辺りは火の海になる。

キム「木さえ焼き払えばランチャーは丸出しだ!後は狙い撃ちしてやる!」

シンは不思議に思った。

シン「おかしいな…いくらナパームで燃やされたといっても2次攻撃がまったく無いというのも変な話だ…。」

キム「シン大尉!攻撃は大成功ですよ!敵は1発も撃ち返せません!」

シン(おかしい…何か嫌な予感がする…)

一方とある茂みの中では…

敵兵士A「別動隊より連絡!88が503台地を攻撃中です!ハイファの上空でも空戦をやってます!」

敵隊長「ふふふ…503台地の地対空ミサイルなぞ殆ど木でこしらえたダミーだ。そうとも知らずにご苦労なこった…いくぞっ!」

敵のフォージャー編隊が垂直上昇する。

敵隊長「エリア88は蛻の空だ!攻撃するのは今だっ!」

グオオオオオオォォォォォォォ…


~エリア88~

真紅「やっと整備が完了したわ。」

管制『コントロールよりツイストローズ!発進位置までタキシングせよ!』

真紅「了解。」

真紅のスカイランサーの後ろには見慣れぬ青い機体があった。

蒼星石『真紅!聞こえるかい!?』

真紅「その声は…蒼星石?その機体は?」

蒼星石『うん、キャンベルさんが僕に買ってくれたんだ!』

真紅の後ろには、青色の塗装が施されたF-15Cの姿があった。

真紅「F-15Cイーグル…貴方らしい機体ね。よく最新鋭機を貰えたわね。」

蒼星石『いつも助けてもらってるからって…』

その時、管制室では…

ピーピーピー

管制員A「サキ司令!大変です、敵がっ!」

金糸雀「何ですって!?」

サキ「今出撃できるパイロットは!?」

管制員B「シンク准尉とソウセイセキ准尉だけです!」

サキ「しまった…全員出撃させたのが間違いだった…!」

金糸雀「でもサキ!今迎撃できるのは真紅達以外にはいないかしら!」

サキ「しかし…シンクはともかくソウセイセキは経験が浅い。慣れていない最新鋭で出すわけには…」

蒼星石『サキ司令!僕達出ます!』

サキ「ソウセイセキ!?し、しかし…」

真紅『私達を誰だと思っていて?誇り高きローゼンメイデン…そしてアスラン王国空軍特別准尉よ。これくらいのことが出来なくてどうするの。』

金糸雀「サキ!早くしないと!」

サキ「………分かった、頼むぞ。」

金糸雀「出撃かしら!」

管制『コントロールよりツイストローズ及びシザーローズへ!直ちに発進せよ!』

真紅「了解。」

サキ「2機出撃次第防備シャッター降ろせ!第1第2第3ともだ!」

グオオオオオオオオオオオオオオオ!

真紅達が出撃した直後、小さな通路の防備シャッターは殆ど降ろされた。だが基地進入口は大きすぎてシャッターが下りるのに時間がかかっていた。

作業員A「まだミサイルシールドができてないんだ!今攻撃されたら一巻の終わりだ!」

作業員B「対空ミサイル用意!」

管制員C「敵50kmに近付きます!」

金糸雀「真紅、蒼星石。敵編隊は入口の正面50kmに近付いているかしら。」

真紅「分かったわ。蒼星石、左右から回り込んで攻撃するわよ。」

蒼星石『分かった!』

ゴオオオオオォォォォォォォ…

敵隊長「ふふふふ…。」

敵兵士B「隊長!左右から敵機接近!」

敵隊長「何!?」

ダダダダダダダダダダダ!

ドカアアアアアアアン!

敵兵士A「くそ!また基地に残っていたのか!」

敵隊長「相手はたったの2機だ!31、42、60は俺に続け!残りは88に向かえ!」

敵兵士「「「了解!」」」

グオオオオオオオオオオオオオ!

蒼星石「行かせないよ。」カチッ

蒼星石のF-15から3発のミサイルが発射される。

ドォォォォォンドォォォォォォンドォォォォォォォォォン…

敵兵士D『3機やられました!』

敵兵士A「構うな!基地に向かって突っ込め!」

その頃、シン達の編隊は…

キム「大尉!変ですよ!ランチャーの上に金属物はありません!全部燃えてしまうってことはないはずなんだけど…。」

シン「くそっ!一杯食わされたぞ、キム!大急ぎで88に戻るんだ!」

管制『88コントロールより出撃中の全機!敵だ!敵が88を攻撃してきた!』

シン「ちぃー!遅かったか!」

管制『現在、シンクとソウセイセキが迎撃中!』

シン「全機180度回頭!88へ戻るぞ!」

グオオオオオオォォォォォォ…

基地周辺では真紅と蒼星石、エリア88の対空砲台が敵編隊を迎撃していた。

ダダダダダダダダダダダ!

ドカアアアアアァァァァァァァン…

蒼星石「敵が多すぎるよ!とても基地を守りきれない!」

真紅「落ち着きなさい、蒼星石。シン達が来るまでの辛抱よ。」

ドオオオオオオオオオン!

管制員E「第5ブロック高射砲座がやられました!」

ラウンデル「被害状況を確認しろ!火災発生区はシャッターを降ろせっ!」

金糸雀「まだ誰も帰ってこないの!?」

管制員A「は、はい!」

シン『コントロール!こちらシン!あと5分ほどでそちらのレーダーに入る!ミサイルは撃つな!繰り返す、ミサイルは撃つな!』

金糸雀『シン!敵はフォージャー約30機!そのうち10機は真紅達が撃墜したから今は20機ぐらいかしら!』

シン「分かった!こちらにはミサイルは無いが弾は十分残っている!空戦は可能!」

キム「あっ!」

ゴォォォォォォォォォ…

キム「シン大尉!12時方向!」

シン「シンよりコントロール!12時方向より敵戦闘機!二重三重の罠にはまったみたいだぜ…金糸雀!」

どうも僕です。近況報告です。
創作はまあまあ進んでおり、自作のオリジナルストーリーも入れようと考えています。>>65はその付箋にもなっています。
また、最近では調子に乗ってエリア88をいろんな作品とクロスさせる妄想文も書いていたりしています。

投下開始します。

グォォォォォォォォ…

シン「ちっ!被られたか!ブレイク!」

ギュウウウウウゥゥゥゥゥゥゥン…

敵のMiG-21がシンを狙う。

シン「フィッシュベッドか…くそっ、あっちの方が突っ込み速度は速い!」

ゴオオオオオオオオオオオオオオ!

シン(2、3機は最初の空戦であの世行きになるな…やむを得んか…)


MISSION51 雲雀計画(スカイラークプロジェクト)

グオオオオオオオオオオ!

シンは回り込んで敵のMiG-21を落とす。

ダダダダダダダダダダ!

ドォォォォォォォン…

その時、上空から…

ダダダダダダダダダダ!

シン「!」

バシッ!

1発の弾丸がタイガーシャークの風防に当たる。

シン「ちっ、かすったか!」

敵機と並んで様子を伺うが…

シン「!」

シンが狙う敵機のパイロットは若く、あわてているように見えた。

シン(まだ若いパイロットだな…キムよりちょっと上ぐらいか…)

シン(お前にも限りない未来があるのかもしれんが…俺にだってある…お前に渡すわけにはいかないんだ…)

シンは照準を敵機に向ける。

シン(敵に回ったのを不運だと思え!)カチッ

ダダダダダダダダダダ!

弾丸はエンジンを貫く。

バンバンバン!ドオオオオオオォォォォォォン…

バシュッ

敵のパイロットが脱出する。

シン(は…俺も甘いもんだ…ちょっと前ならコクピットを直撃したぜ!)

シン「シンより生存全機へ!空戦エリアから離脱出来る者からすぐに88に向かえ!ぐずぐずしてると我が家とお前等が愛するローゼンメイデン達が丸焼けになるぞっ!」

そこにキムが接近してくる。

シン「キムか!何機付いて来ている!?」

キム「わ…分かりません!最初にブレイクした時に2機やられたのは覚えてますが…あ、後は無我夢中で…。」

シン「何機落とした?」

キム「かろうじて1機だけ…でも撃墜確認はしていませんから…。」

一方、エリア88周辺では真紅達と、敵編隊の攻防が続いていた。

ズドドドドドドドドド!

ギュウウウゥゥゥゥゥゥゥン…

敵隊長「引き上げるぞ!そろそろ88の機が戻ってくる頃だ!」

グオオオオオォォォォォォォ…

ラウンデル「やっと引き上げたようです。」

金糸雀「被害はどれくらいかしら?」

管制官A「高射砲座が2つとランチャーが3基…死亡2名、重軽傷は9名です!」

サキ「敵が50kmに接近するまで分からなかったというのは穴だな。」

ラウンデル「しようがありません。これだけ周囲が山ですともっとレーダーの数を増やさないことには…。」

金糸雀「山の間をぬわれて接近されれば50km以遠で探知するのは不可能かしら。」

サキ「基地の工事に手一杯でまだ山の方まで手が回らんからな…暫くはお預けか…。」

管制官B「シン大尉の隊が戻ってきました!」

キキィィィィィィィ…

シュゥゥゥゥゥゥン…

シン「すぐに空対地を積めるだけ積んでくれ!もう1度出撃する!」

そこにサキがやってくる。

サキ「シン!」

シン「サキ!」

サキ「何機やられた?」

シン「最初の空戦で2機…後の交戦で5機は落ちたみたいだ…。」

サキ「キムの姿見えんが…やられたのか?」

シン「いや…やつは今、送り狼になってる。敵のフォージャー編隊の後を付いて行ってるのさ。」

サキ「何だと?」

シン「途中で低高度を飛行している連中を発見したんだ。連絡があり次第すぐに発進する。」

その頃、キムは敵のフォージャー編隊を追跡していた。

ゴォォォォォォ…

キム「バレないかな…バレたらどうしよう…もう弾が20発も残ってない…燃料も無いし…。」

すると、編隊はホバー状態で降下し始める。

シュゥゥゥゥゥゥン…

キム「あっ!降りる気だ!」

キィィィィィィィィン…

編隊は完全に森の中に隠れてしまった。

キム「エリア88から100kmも離れてないじゃないか!こんな近くから来てたのか!?」

キムからの一報を聞きつけたシン達はすぐさま発進する。

ミッキー「キムのやつもなかなか肝が据わっているじゃないか。」

翠星石「単独で食い付いて行くとは…帰ったら褒めてやらんとですね。」

それからシン達は、フォージャーが隠れたという森林一帯をナパームで焼き払った。

シン「よーし!あらかた始末はつけた!キム、確認しろ!」

キム「はい!」

キムがハリアーのホバー状態で辺りを調べるが…

キム「ない…そんなバカな!」

真紅「キム?どうしたの?」

キム「ありません!大尉…シンクさん…変なんです!確かにここへ降りたんですよ連中!な…なのに…1機も残骸が無いんです!」

シン「何だって!?」

グレッグ「どういう事だ!?」

雛苺「みんな燃えちゃったの?」

ミッキー「バカな…全部燃えちまう訳はないぜ!」

そして、シン達が調査している場所から10km離れた場所では…

敵隊長「ふははは!連中、我々を発見出来なくて右往左往している!」

敵兵士A「やはり雲雀の巣は正解でしたね。」

雲雀は巣から離れた所に一度降りてどこから歩いて巣に戻る。だから雲雀の巣はなかなか発見しにくいという。

そう、彼らはそれをやったのだ。

敵隊長「一旦林の中へ降りて空中静止したまま木々の間をぬうように10kmも飛行するとは思ってもみないだろう。フォージャーのようなリフトジェットだから出来る芸当だ。」
敵隊長「奴等にもハリアーが入ってるようだが我々のように林の中を潜り抜けての飛行は出来ん。我々のフォージャーは特別製だ。障害物センサーが搭載してあるからな。」
敵隊長「これで当分は88をいたぶってやれる。」

敵兵士A「連中きっとノイローゼになりますよ!」

一同「はははははは…」


~エリア88~

キム「本当なんです!本当にあそこに降りたんですよ!嘘じゃありません!」

真紅「でも事実として敵はいなかった…。」

グレッグ「まったく…キツネにつままれたみたいだな…。」

ミッキー「ああ…訳が分からん。」

シン「見せかけのミサイル基地…見せかけの着陸地点…。」

翠星石「何か引っかかるですね…。」

真紅「前の砂漠基地は辺り一面砂漠だから身を隠すなんてことはあの地上空母でもない限り不可能だった…でもこの山の中には森もあれば洞窟もある…場所はいくらでもある…。」

シン「これは前の作戦とは根本的に違うみたいだな。」

ミッキー「ああ…やり方を考えないとな…。」


~マッコイのハンガー~

マッコイは撃ち落された敵戦闘機の残骸を漁っていた。

整備員A「そんな墜落した敵の機体バラしてどうすんだよ。」

マッコイ「るせーな!まだ使える部品があるかもしんねえじゃねえかよ!物を粗末に扱うとロクな人間にならねえぞ!」

整備員A「粗末にしなくてもロクな人間にならなかったのがいるけど…。」

マッコイ「今なんか言った…」ガチャ

マッコイはある部品に手を取った。

マッコイ「…ん?」

そこにはMADE IN U.S.A.と書かれていた。

マッコイ「こ…こいつぁ…!」
マッコイ「これも…これも…こいつも!」

それから出てくる部品は全て、嘗て鉄のカーテンを境に東側と争っていた西側のメーカーの物だった。

マッコイ「大変だ…こいつは東側の戦闘機だが中身は全部西側の部品でできてる…!どういうことだ…これぁ!?」


~司令官室~

サキ「何だと!?中身が西側の部品で構成されてるって!?」

金糸雀「本当かしら!?マッコイ!」

マッコイ「ああ…ぶったまげちまったよ。」

サキ「ふむ…。」

マッコイ「電子機器は日本製、動力関係はアメリカ製、兵装関係は西ドイツとスイス、油圧関係はイギリス、タイヤはフランス製ミシュランタイヤ…。」

サキ「まるで万国博だな…。」

金糸雀「また例の『地上空母』をアスランに送り込んだ連中かしら?」

ラウンデル「この状況下ではそれが一番近い考え方ですな…。」

サキ「世界中を相手に喧嘩してるようなもんだ。兵器を売ってくれるのも西側…攻撃してくるのも西側…。」

金糸雀「経済大国からしてみれば、我々政府軍が勝とうが反政府軍が勝とうがどうだっていいことかしら。」

サキ「下手に手を出して騒動に巻き込まれるより適当に武器を手渡して自分達の口を潤した方が得策だと考えている。」

ラウンデル「…………。」

サキ「死肉に群がる禿鷹共め!」

マッコイ「…………。」

サキ「ラウンデル、中隊指揮官全員を作戦室に呼び出せ。軍本部からの命令だけで動いていたんじゃ埒が明かん。88独自の活動を始める。」

ラウンデル「どうするおつもりです?以前の88と同じように独立部隊としての活動をされる訳ですか?」

サキ「そうだ…地上空母の一見で空軍に編入されてやってきたがここまでが我慢の限界だ。これ以上の我慢は命を縮める…。」

金糸雀「元々傭兵の寄せ集めでこしらえた捨て駒的要素が強い88…上からああしろこうしろと言われなければ動けないのでは戦争が出来ないボンクラの集団と同じかしら。」

サキ「軍本部のバカ共が考える作戦なんぞ我々には必要無い…悪魔の生きる道なぞ所詮天国を信じている人間なんかには分かりもしない。」

ラウンデル「…………。」

続けます。

マッコイのハンガーには、敵戦闘機の残骸から出てきた部品が山のように積み上げられていた。

ミッキー「たーっ!これ全部アメリカ製だぜ。まいったね。」

翠星石「こっちのミサイルは殆ど西ドイツですよ。」

シン「こっちの計器は日本のメーカーだ。嘘みたい。」

マッコイ「まあよ…お蔭で部品は全部サイズの交換無しで取り付け出来るから助かるけど。」ギュッ

マッコイは相変わらず使えそうな部品を取り外している。

マッコイ「この高度計なんかどうだい、シン?テストしてみたけどなかなか優秀だ。タイガーシャークのととっかえてみたら?」

シン「よしてくれ。」


MISSION52 企みの導火線

真紅「シン、これは何かしら?」

真紅は細長い銅線のような部品を見つけた。

シン「さあ?」

マッコイ「ああ…そりゃ『ネコのヒゲ』だ。」

シン「ネコのヒg「ネコ!!」」ビクッ

真紅「ね…猫の髭なんかを使うなんて!反政府軍は猫の手先なのだわ!シン!早く壊滅させに出撃するのだわ!」ピョンピョン

シン「お、おい真紅。落ち着けって。ただのアンテナだよ。」

マッコイ「そう、その細い線の先端がセンサーになってるんだ。」

真紅「ほ…本当に?」

マッコイ「ああ、本当は自動車用の部品なんだ。もっとも、グレードアップはしてあるがな。」

翠星石「自動車用?」

マッコイ「自動車の前方左右や後方バンパーに取り付けるんだ。幅寄せやバックの時、障害物にこれが触れると音が出る。」
マッコイ「こいつはそういった市販品より感度や反応速度が格段に向上してる。ちょっと試してみるか?」

そう言うとマッコイはバッテリーとセンサーを繋いで金属に近付ける。すると…

ピッピッピッピ…

マッコイ「ほれ、こういう風に触れなくても接近しただけで反応するし…。」

ミッキー「約50cmか…。」

さらにセンサーを近付けると…

ピピピピピピ…

マッコイ「接近の具合によって音が変化する。」

シン「何のためにこんなの付けて…。」

翠星石「飛行機に幅寄せやバックはいらんのにです…。」

真紅「いえ、敵のフォージャーやキムのハリアーのようなVTOL機なら幅寄せも後退も出来るのだわ。狭い場所に降りる時には有効ね。」

いつの間にか後ろではサキと金糸雀が相槌を打っていた。

サキ「ふむ…。」

金糸雀「成程かしら。」

マッコイ「なんじゃ…何時の間に来とったんじゃ?」

金糸雀「マッコイ。このセンサー、機体の何処に付いていたか分かるかしら?」

マッコイ「本体がバラバラだから大体の想像だが…こんなとこか…。」

マッコイは機種の先端に1つ、主翼の両端に1つずつ、左右の水平尾翼の付け根に1つずつと予想した。

サキ「5か所か…。」

マッコイ「ただし、これはセンサーのアンプユニットだが…出力が7か所ある。あとの2個は何処に付いてたのか分からん。」

サキ「ふん…垂直尾翼の上とコクピットの後方だろう。」

金糸雀「これでキムが敵を見失った謎が解けたかしら。」

シン「どういうことだ、金糸雀?」

サキ「マッコイ。こいつをキムのハリアーに付けられるか?」

マッコイ「ああ、出来るが…。」

サキ「3時間でなんとか頼む。」


~司令官室~

コンコン

サキ「入れ。」

ガチャ

キム「司令、お呼びですか?」

サキ「ああ、ちょっとやってもらいたい事があってな。」

サキは作戦の内容を説明する。

キイイイイイイイイイイイイン!

サキがTSR.2の前方コクピットに乗り込む。後部には既に金糸雀が搭乗していた。

発進要員A「サキ司令とカナリア副司令が出る!」

発進要員B「え!?司令が直接指揮を!?」

発進要員C「何だ一体!?」

管制官A「ラウンデル少佐…。」

ラウンデル「悪い病気が出た…。」

風防が閉まり、発進準備が整った。

サキ「戦闘はキムが取れ!爆撃は私達とグレッグとグエンで行う!シンとミッキー、シンクはそれぞれ左右と上の援護だ!以上、通達終わり!各自健闘せよ!」

一同「「「了解!」」」

サキ「発進!」

グオオオオオオオォォォォォォォォ…

ゴォォォォォォォ…

グエン「サキ司令…TSR.2があるとはいえ我々3機だけで爆撃の手が足りますかね?もう少し人数がいた方が…」

サキ「この人数で十分だ。都市を大爆撃する訳じゃないし、精密爆撃に慣れない連中を30人も40人も動かしてもしょうがない。」

金糸雀「カナ達は貴方を一騎当千の強者と見てメンバーにしたつもりだけど?」

グエン「は…はあ…そりゃ…頑張ります!」

ゴォォォォォォォ…

キム「目標まで約5分!上空で待機してて下さい!」

サキ「頼んだぞ!キム!」

キム「はいっ!」

キムはホバー状態で森の中へ降下していく。

シュウウウウウウゥゥゥゥゥゥン…

キム「センサー作動!」

ピッピッピッピ…

センサーを作動させたハリアーは慎重に森の中を飛行する。

ピピピピピピピ!

キム「おっと!」グイ

キィィィィィィィィン…

上空ではシン達が何時でも攻撃出来るよう周回飛行していた。

ゴォォォォォォォ…

シン「何処かにある…この森林の中に奴等の巣がある…。」

真紅「頼むわよ…キム…。」

ドォォォォォォォン…

シン「おっ!」

キム『キムより攻撃隊!見つけました!攻撃を開始して下さい!』

サキ「かかれーっ!!」

ギュウウウウウウウン!

グエン「あらよっと!」

ヒュウウウウゥゥゥゥゥゥゥ…

グワアアアアアアアアアアアン!

グエン「司令!後頼んます!」

グオオオオオオオォォォォォォォ…

サキ「グレッグ、私達が中央をナパームで焼き払う。左側面にたぶん燃料庫が位置してると思う。やれ!」

金糸雀「投下!」

バシャッ

ヒュウウウウゥゥゥゥゥゥゥ…

ドオオオオオオオン!ドカアアアアアアアアアン!

燃える森の中から敵のフォージャーが出てきた。

ダダダダダダダダダ!

敵兵士A「ひぃ!」

ドカアアアアアアアアン!

グレッグ「それぃ!」

ドドドドドドドドドドドド!

ズドオオオオオオオオオオオン!

キム「やった!」

敵の隊長機がグレッグを狙う。

敵隊長「畜生!」

ダダダダダダダダダ!

グレッグ「お!」

雛苺「シン!シンク!後はお願い~!」

ギュゥゥゥゥウウウウウウウウン!

ババババババババババ!

ドオオオオォォォォォォォン…

グレッグ「サンクス!シン!」

グオオオオォォォォォォ…

真紅「落ちなさい。」カチッ

ダダダダダダダダダ!

ドォォォォォォォォン…

シン(あんな死に方はしたくないな…)

真紅「…………。」

サキ「よし…概ね片付いたな…帰るぞ。」

ゴォォォォォォォ…

金糸雀「キム、ご苦労様。怪我は無いかしら?」

キム「ええ、大丈夫です。」

サキ「いい子だ、しっかり付いて来いよ。」

キム「もう!司令まで僕を子供扱いする!」

一同「わははははは!」

金糸雀「さて…サキ。軍本部には何て言ってやるかしら?」

サキ「そうだな…外人部隊は健在だとでも言っておくかな…。」

シン「…………。」



外人部隊は健在なり…

血の翼引っ下げて、眼下は常に地獄なり…


どうも。
制作中のオリジナルストーリーですが、現在の完成率はまだ15%くらいです。
投下する時期も物語の頃合いを見て決めようと思います。
あと、他の作品とのクロスですが、あんまり考えていません。序盤の方はやっつけです。
例)88×まどか☆マギカ とか 88×アイマス とか

これより投下します。

ブオオオオオオオオオオオオン!

傭兵A「哨戒機、発進します!」

グオオオオオオオォォォォォォォ…

管制官A「哨戒機1号から3号まで発進しました!」

金糸雀「よし!3時間交代で24時間毎日飛ばさせるかしら!」

サキ「周りの山々へのレーダーサイト設置が終了するまで飛ばさんとな。穴倉に尻を突っ込んでいたんじゃ動きづらくてかなわん。」

ラウンデル「軍本部から連絡がありまして、理由を説明しろと言ってますがね。」

サキ「何の理由だ?」

ラウンデル「このエリア88が独立部隊として活動すると宣言した事に対してです。」

サキ「お前の事だ。もう返事は出したんだろう…聞かせろ。」

ラウンデル「『くそくらえ』と返信しておきましたがね…。」

サキ「いいぞ…最高だ!」


MISSION53 死神の遁走曲(フーガ)

その後、哨戒機2号はコース301より海岸線を出たのを最後に消息を絶った。

キキイィィィィィィ…

管制官B「3号機が戻りましたが…2号機はまだ連絡を絶ったままです。」

管制官C「何かあったのでしょうか?」

管制官A「通常のコース301から海岸線に出てコース12に戻ると連絡があったきりです。」

金糸雀「何で301から海岸線に向かったのかしら?」

サキ「もう少し様子を見てみよう。何かあったらラウンデルに連絡してくれ。」

管制官D「分かりました。」

コツコツ…


~司令官室~

バタン

金糸雀「ふーっ!やっと一息つけるかしら。」

ガチャ

サキ「ラウンデル。私だ。哨戒機2号がまだ帰ってこない。何かあったらお前の部屋に連絡するように言ってある。私はこれから3時間程仮眠を取るから。」

ラウンデル「分かりました。おやすみなさい。」

ガチャ

サキ「ふーっ…」

サングラスを取った瞬間…

パッ

サキ「ん?」

サキの視界は真っ暗になった。

サキ(停電か…?)
サキ「金糸雀…何処にいる?停電か?」

金糸雀「停電?何を言ってるのかしら?」

サキ「何…だと…?」

サキは思い出した。以前戦闘中に視力を失った事を。

金糸雀「サキ?もしかしてまた…!」

金糸雀がそばに駆け寄る。

サキ「何て…こった…ま…た…目が…。」

サキの視界はすぐに戻った。

サキ「もう…大丈夫だ。見えてきた…。」

金糸雀「よかった…。」

サキ「何かの拍子に一時的にこうなるのか…。」

サキ(爆弾を抱え込んでいるようなもんだな…)

ビーッ!ビーッ!ビーッ!

アナウンス『エマージェンシー!エマージェンシー!当直士官は直ちに作戦室へ集合せよ!』

ブリーフィングルームには傭兵達が集まっていた。

ワイワイガヤガヤ…

サキ「哨戒機5号がディール岬で何者かに攻撃されて墜落した!海上に墜落していると連絡のあった哨戒機2号もおそらく攻撃されて墜落したものと思う!」

ミッキー「反政府軍の戦闘車両か!?」

真紅「いえ…反政府軍は海岸線まで戦線を展開していないはずよ。」

ケン「ゲリラ部隊だってことも考えられるぞ。連中、小型の地対空ミサイルを持っているからな。」

グレッグ「いや…ゲリラ部隊なら哨戒機を攻撃なぞしないだろう…メリットは何も無いからな。」

キム「じゃあ、一体誰が…?」

ラウンデル「静かに…哨戒機5号からの最後の通信を聞かせる。おい、テープを回せ。」

ラウンデルの指示で、哨戒機5号の記録音声が流される。

傭兵B『キャタピラの跡は海岸から内陸部に向けて進行している模様!まるで…まるで上陸作戦でもやったようです!』
傭兵B『ヘリをこちらに向かわせて下さい!調べる必要があります!うおっ!』

ガガガ…

ラウンデル「以上で5号機は通信を絶った。その前に2号機が絶ったのも同じ場所だ。何者かがアスラン国内に秘密の内に上陸をしたんだ。」

傭兵C「反政府軍に国外からの援助部隊か…?」

傭兵D「さあ…。」

傭兵E「敵も外人部隊を導入したかな…。」

ミッキー「シン!」

シン「確証は無い…しかし、嫌な予感がする…また、奴等が…。」

真紅「そう…あの時、ジュゼッペ・ファリーナとか言う人間が地上空母を送り込んだように…。」

シン「!」

翠星石「そうですね…また第2の地上空母がこのアスランの下をゾロゾロ動いているのかと思うと…嫌気がさすですぅ。」

ミッキー「まさか…また地中からミサイルが飛び出すって言うのか?おお!やだやだ!」

シン「…………。」

エリア88からは哨戒のために各機が出撃した。

管制『88コントロールより発進全機へ!目標は既に内陸部を侵攻中と推測される!内陸部哨戒は地対空攻撃に留意されたし!以上!』

ミッキー「ミッキーより88コントロールラジャー!」

真紅「シン、ミッキー。思い切って1万mまで上昇しましょう。」

シン「ああ!」

ミッキー「1万mまで上がっちまえば万が一対空車両のミサイル攻撃を受けても回避する時間がある。」

シン「翠星石!俺のF-20や真紅のF5DのレーダーレンジはF-14の半分しか無い!対空攻撃発見は任せるぜ!」

翠星石「任しとけですぅ!」

ゴォォォォォォォ…

その頃、とある山中では…

???「無線機のスイッチは俺のだけ入れておけばいい。みんな集合しろ。」

ストロボライトの周りに7人の男達が集まる。

???「俺を含めて7人か…。」

???「20機は隊長に付いて行ったんだな。」

???「1人ずつ自己紹介してもらおうか。」

ゲイリー「俺はゲイリー・マックバーン、ネバダで訓練を受けた。」

ロバート「俺はロバート・ミルズ、ゲイリーと同じネバダの訓練所だ。」

ハービー「俺はハービー・ジョーンズ、アラスカ訓練所だ。」

ポール「ポール・プレナン、同じくアラスカ訓練所。」

マイケル「マイケル・ケンパー、グリーンランド訓練所だ。」

ジョージ「ジョージ・スコット、アイルランドの養成所からだ。」

デビット「デビット・ホール、ネバダ訓練所にいたが、途中からアラスカに変わった。」

ゲイリー「恐らく生き残りは我々7人だけ…いや、隊長も入れると8人になるだろう。」

ポール「しかしどうも戦わずして生き残るってのはなぁ…。」

ゲイリー「戦いで生き残るのはほんの一瞬の判断だ。その判断を誤る奴と一緒に作戦すればいずれ足を引っ張られて死ぬことになる。」

ゲイリー「この7人は生き残る判断を一瞬で決定したんだ。そして生き残るんだ…。」

一同「「「…………。」」」

一方、反政府軍の本部では…

司令官「プロジェクト4の責任者はまだかね?」

副司令官「もう少し時間がかかるとのことです。」

将軍「やれやれ…もう1本開けますか?」

スッ

???「ごきげんよう、皆さん。」

司令官「誰だ!?」

???「ふふふふ…」

副司令官「一体何処から!?」

将軍「おいおいお嬢さん。ここは君は入っちゃいけない場所なんだ。だから…ん?」

グワングワン…

司令官「どうした?」

将軍「わ、分かりません…急に…めまいが…」

司令官「そ…そういえば私も…」

副司令官「わ…吾輩も…」

バタバタッ

???「さようなら。」

スッ


~ビジネスジェット機内~

乗務員「会長、お電話が入っております。」

神崎「うむ…。」

ガチャ

神崎「どうだ?デイブ、状況は?」

デイブ「は!会長の指示通りに、眠っていた司令官達は確実に処理致しました!」

神崎「そうか…よくやった。あとはお前が指揮を取れ。」

デイブ「了解致しました!」

ガチャ

神崎はチェスの黒のナイトを白のキングの横に進めた。

神崎「チェックメイト!」

ゴォォォォォォ…

管制『88コントロールより上空哨戒中の全機に告ぐ!帰還せよ!繰り返す!帰還せよ!』

ミッキー「シン!」

シン「何かあったみたいだな!」

グオオオオオオォォォォォォォ…

傭兵F「何なんだ!いきなり帰れってさ!」

傭兵G「出ろと言われたり帰れと言われたり、人使いの荒いこって…。」

傭兵H「あ~あ!」

ラウンデル「早く着席しろ!」

サキ「エリア92が敵と交戦した。機種はMiG-21、NATOコードネーム『フィッシュベッド』。12機を対空ミサイルで撃ち落とし、8機を迎撃戦闘機が撃墜した。」

ヘアバンド「ほー。」

傭兵I「で…92の損害は?」

ラウンデル「92のクフィルが3機、F-5が6機、スカイホークが3機撃墜されている。」

傭兵J「やれやれ…そんなこったと思った。」

傭兵K「空中戦じゃこっちの損害の方が多いじゃないか。」

サキ「空中戦で撃墜された12機の内…10機はたった1機のフィッシュベッドに落とされたそうだ。」

シン「何だって!?」

キム「!」

ミッキー「アスラン空軍は我々に比べりゃ確かに高いレベルは高い方じゃない。しかし、たった1機に10機も落とされるほど程度は酷くないはずだ。」

真紅「その1機…並の腕ではないと見えるわね。」

サキ「そうだ…。」

集会後、シンは1人でコーヒーを飲んでいた。

シン(10機の戦闘機を一瞬のうちに叩き落とすほどの凄腕か…上陸した敵は何者か…凄腕のフィッシュベッドは何者か…奴等だ…あの戦争屋共だ…)

金糸雀「どうしたのシン?まだ寝ないのかしら?」

シン「金糸雀こそ、昨日からずっと休んでないんじゃ…。」

金糸雀「周りの山々へのレーダー設置が完了するまで枕を高くしては寝られんよ。」

シン「そうだな。」

金糸雀「…………。」

シン「…………。」

金糸雀「…日本が恋しい?シン。」

シン「!ああ…」

金糸雀「そう…。」

シン「…………。」

金糸雀「早く寝るかしら。明日からまた扱かれる…」テクテク…

今日はここまで。オリジナルストーリーですが、ゲイリーとの接触が終わった直後に投下しようと思います。

これより投下。

キキィィィィィィィィ…

ミッキーと翠星石のF-14が定時パトロールから戻ってきた。

ウイーン…

ミッキー「よっと!」スタッ

翠星石「それっ!」スタッ

整備員A「お帰りなさい、ミッキー、スイセイセキ。」

ミッキー「燃料補給してハンガーに入れといてくれ。」

整備員A「はい。」

タッタッタッタ…

テクテクテク…


MISSION54 暁の騎兵

ミッキー「さてと…報告書タイプしてシャワー浴びて、酒飲んで一寝入りするべー。」

翠星石「翠星石は早く寝たいですぅ。」

そこにグエンがやってくる。

グエン「おう、お前等…今帰ったのか?」

翠星石「おす、グエン!これから出発ですか?」

グエン「定時パトロールに戦闘機が駆り出されるようになっちゃあおしまいさね。」

ミッキー「レシプロの哨戒機じゃボカスカ落とされて話にならねえからな。」コツコツ…

キイイイイイイイイイイイイイイン!

発進要員A「グッドラック!」

グエン「あいよ!」

ウイーン…

グエン「コントロール!グエン・ヴァン・チョムだ!定時パトロールに出る!」

管制『コントロール了解!』

グエン「発進!」

グオオオオオオオオォォォォォォォォ…


~とある軍事基地~

ゴォォォォォォォ…

1機のフィッシュベッドが着陸する。

キキィィィィィィィィィ…

ゲイリー「やはり生き残ったのは隊長だけか…。」

シュゥゥゥゥゥン…

隊長「ふん…やはりお前等が生き残ったか。どうせ尻尾を巻いて何処ぞに隠れていたんだろう…え?マックバーン…。」

マックバーン「もちろんですよ。」

隊長「いいだろう…その腰抜けぶりが頼もしいぞ。」

ゴォォォォォォ…

グエン「コントロールへ!こちらグエン!Dポイント異常無し!Fポイントに向かう!」

哨戒飛行中、グエンは遠くで一瞬、光を見る。

グエン「ん?」

グエンは光が見えた場所へ接近する。

グォォォォォォォォォ…

グエン「何だ?」

次の瞬間、

バシュバシュバシュ!

グエン「うおっ!?」

ズガアアアアアアアアアアアン!

グエンはすぐさま脱出する。

グエン「な…何だってんだ一体!?」

尻もちをつきながら着地し、辺りを見渡すが…

グエン「どういう事だ…?対空車両もいないのに…一体何処から…?」


~エリア88~

ピー…ピー…

金糸雀「ヘンリー、異常は無いかしら?」

ヘンリー「ええ…今のとこ異常

主任「グエンからの連絡は途絶えたままか?」

管制官A「はい。」

主任「通信機の故障か…それとも撃ち落されたか…。」

管制官B「彼のサンダーチーフですと、あと30分ぐらいで燃料が無くなります。」

主任「よし…あと30分しても連絡もしくは彼が帰ってこなければ戦闘態勢に入れ。」

ヘンリー「しかし…ラウンデル少佐の許可も無しに戦闘態勢の配備をしてもいいのかどうか…。」

金糸雀「カナの責任で許可するかしら。用心するにこしたことは無いし、山頂レーダーはまだ貴方が担当しているそれ1個しか作動していないから。」

ヘンリー「こいつだと右側の山影の部分は電波障害で殆ど見えませんからね。早く3方向からのレーダー探査が出来るようにならないとマズイすよ。」

主任「工事は急がせているんだが、何せこの山の中だ…思うようにはかどらん。」

ピッ…

ヘンリー「ん?」

レンジブースターでレンジ幅を増やす。

キリキリキリ…

ピッ…ピッ…

金糸雀「どうしたかしら?」

ヘンリー「いえ…今ここの山影に飛行物体のようなものが反応した気がして…レンジブースターを使ってみたんですがどうやら違ったようです。」

金糸雀「大きな落石かもしれないかしら。」

ヘンリー「今朝も敵機だと思ったんで非常ベルを鳴らして大騒ぎしたんですけど…落石だと分かって後で大目玉食らいましたからね。」

金糸雀「は…ははは…。」

金糸雀が笑っている頃…

ゴォォォォォォ…

隊長「もう一度、今日の作戦目的を言う!」
隊長「エリア88の攻撃機の発進時間、爆撃コースから致命弾を投下出来る有効距離と離脱コース、個人個人でそれを掴み、終われば直ちに引き上げろ!」
隊長「集合場所はサークルCポイント7Bだ!」

一同「「「Let’s Go!」」」

グオオオオオオオォォォォォォォ…

ピー…ピピピピピピ!

管制官B「わあーっ!敵だ!反政府軍の攻撃だ!」

カチッ

ビィーッ!ビィーッ!ビィーッ!

ヘアバンド「ちぃっ!来やがったか!」ガタッ

ブリッキー「朝駆けかよ!」

アナウンス『総員戦闘配置!総員戦闘配置!敵攻撃機は8機!迎撃戦闘班、発進せよ!発進せよ!』

作業員A「対空銃座へ急げーっ!」

シンもパイロットスーツに着替え、迎撃準備を急ぐ。

ズシーン…

シン(始まったか…)

ガチャ

真紅「コントロール。真紅よ。敵機の種類は?」

管制『フィッシュベッド8機です!』

真紅「タイガーシャークとスカイランサーにバルカンポッドを装着してエンジンを起動させておいて。すぐに行くから。」

シン「…………。」

シンはあの雑誌の切り抜きの中にいる涼子を見ていた。

シン(涼子…そんな目で俺を見るな…)

キイイイイイイイイイイイイイン!

発進要員B「回せーっ!」

ダダダダダダダダダダ!

ギュウウウウウウウウウン!

ハービー「ダメだ!もっと近寄らんと致命弾は投下出来ん!目標がデカすぎて距離感を失ってしまう!」

ゲイリーは対空銃座の砲撃を避けながら基地の入口目がけて突っ込む。

バシュバシュバシュウウウウウウウウウウ!

ゲイリー「おわっ!」

飛んでくるミサイルを紙一重で避ける。

ゲイリー(忘れてたぜ…連中は地対空ミサイルも撃てるってことをよ…)

シンのタイガーシャークと真紅のスカイランサーが発進してくる。

マイケル「手を出すな!こいつは俺が頂く!」

シン「!」

ダダダダダダダダダダダダ!

シンは弾が当たる寸前で急降下し回避する。

マイケル「さすがは88のパイロットだ。寸前でかわしやがる。」

シン「このフィッシュベッド…只者じゃない…。」

キィィィィィィィイイイイイイイイイイン!

翠星石「おりゃあ!翠星石様参上ですぅー!」

ミッキー「そこは俺の台詞だぁーっ!」

グオオオオオオオオオォォォォォォォォ…

真紅『ミッキー!上よ!』

ミッキー「!」

頭上から敵のフィッシュベッドが急降下してくる。

ミッキー「やあーーーーっ!!」

機体をロールさせ回避する。

キュン!

翠星石「おっ!」

バババババババババ…

ミッキー「しゃらくせぇ!並の飛行機乗りならいざ知らず、こちとら筋金入りの艦載機乗りだぜ!車輪が甲板離れた時から全開戦闘が出来るんだ!」

ギュウウウウウウウウウウウウン!

ミッキーは敵のフィッシュベッドを追いかけまわすが、なかなか撃墜出来ない。

ゴオオオオオオオオオオ!

ミッキー「こな…くそっ!こ、こいつフィッシュベッドのくせしやがって海軍機みたいな動きしやがる。」

ゲイリー「このトムキャット…相当の腕っこきらしいな。この俺と空戦を互角にやれるのはそうザラにいない。」

ギュウン!

ミッキー「おっ!」

ミッキーは何処かで見たその動きを思い出した。

ミッキー(この野郎…こいつぁ海軍機乗りだ!癖を知ってやがる!)

2機のドッグファイトは続く。

ミッキー(ここまで腕の立つ奴は今まで1人しか知らねえ…ブルーエンジェルスチームのゲイリー・マックバーンぐらいのもんだぜ…)

翠星石「誰ですかそれ?」

ゲイリー(ここまで互角にやれる奴は1人しか知らん…海軍航空隊…たしかミッキー・サイモン…あいつぐらいのもんだったがな…)

今日はここまで。オリジナル現在の完成率50%。

エリア88のアニメ版借りてきて通して見てしまった。
謝罪と続筆を要求する。

しかし金糸雀の上手い収まり感がすごい。
いつの間にか欠かせないナンバー3にハマってやがるぜ。

>>284さん
それはテレビ朝日のアニメ版ですか?だとすればそのご意見はごもっともです。申し訳ありません。見るなら1985年のOVA版をおすすめします。テレビアニメ版なんて無(ry

あと数々のSSを見てきた中で黄色い子がいらない子扱いされていて気の毒だったので、ここは薔薇乙女一の頭脳派という肩書をフルに活用させていただいています。

改定後の専用機体
・真紅……F5Dスカイランサー
・蒼星石…F-15Cイーグル
・金糸雀…F-16A+ファイティングファルコン&TSR.2(サキorラウンデルと同乗)

登場予定
・翠星石…AJ37ビゲン
・雛苺……MiG-??(後のオリジナル展開で登場)

これより投下します。

ギュウウウウウウウウウウウウン!

ミッキー「くそお!面拝んでやるぜ!」

翠星石「何やってるですかミッキー!さっさと撃ち落しちまえですぅ!」

ミッキー「わあってらい!」

ミッキー(無理やり降ろしてでも…その顔拝ませてもらうぜ!)

グオオオオオオオォォォォォォォ…


MISSION55 天と地と

出会いがしらのドッグファイトから始まったミッキーとゲイリーの攻防は、ミッキーのF-14がゲイリーのMiG-21を追いかける形となっていた。

ゴオオオオオオオオオオオオオオ…

ミッキー(この狭い山間の中…音速に近い速度でぶっ飛びまくれる…それも旋回性の悪いフィッシュベッドで…よほどタイミングの掴み方のうまい奴でないとな…)

やがて2機は砂岩質の広い大地に出た。

翠星石「ん?」

フィッシュベッドはまるで手を振るように機体を揺らすと、ランディングギアを出し着陸しようとしていた。

ミッキー「降りようってのか…面白ぇ!」

トムキャットもギアを出し、2機は着陸した。

ウイーン

ミッキー「…………。」

翠星石「ミ、ミッキー…ほんとに会うつもりですか?」

ミッキー「1度顔を拝んでおきたかったところだ。向こうが会いたいってんだし、こっちにゃ断る理由も無いしな。」ジャキッ

ミッキーは銃を携帯し、機体から降りる。すると…

ピョン!スタッ

ミッキー「スイセイセキ?」

翠星石「お前は翠星石のマスターです!勝手に死なせたりしないですぅ!」

ミッキー「…ははっ。ありがとよ。」

ザッ…ザッ…ザッ…

ウイーン…

翠星石「ひっ!」ビクッ

あわててミッキーの後ろに隠れる翠星石。中からは…

ゲイリー「まさか、お前が88にいるなんてな…ミッキー!」

ミッキー「ゲ、ゲイリー!ゲイリー・マックバーン…あんたか!」

いつの間にか3人は岩に座っていた。

ゲイリー「何年ぶりかな…。」

ミッキー「ベトナム以来だしな…もう随分だ…。」

ゲイリー「お互い老けたな…。」

ミッキー「ブルースでまだやってるのかと思ってたよ…。」

ゲイリー「アクロでは食えん…。」

翠星石「???」

ゲイリー「ところでそちらのお嬢さんは?まさかお前の子供か?」

ミッキー「いや。言っても信じてもらえんだろうが…こいつは人形なんだ。」

ゲイリー「人形?」

ミッキー「ほらスイセイセキ、挨拶してみろよ。」

翠星石「は、はい…ロ、ローゼンメイデン第3ドール…な…名前は…す…翠星石…で…すぅ…。」

ゲイリー「ローゼンメイデン…。」

ミッキー「前から思ってたけどお前実は人見知りだろ。」

翠星石「う、うっさいですぅ!」

ゲイリー「…………。」

ミッキー「ゲイリー?どうした?」

ゲイリー「…いや、元気な子だな。」

ミッキー「お前の子はどうだ?ジェニファーと子作りしてんだろ?」

ゲイリー「…妻は5年前に死んだ…。」

翠星石「!」

ミッキー「…嘘だろ…?ブロンドの美しい人だったのに…。」

ゲイリー「ドラッグさ…。」

翠星石「ドラッグ?」

ミッキー「麻薬さ。己の体と心をボロボロにしちまう…怖い薬のことだ。」

ゲイリー「どんな美しい女でもジャンキーの末路は酷いもんだ。俺より20は年食って見えた…ブロンドも真っ白になっちまって…。」

ミッキー「でも、どうして?」

彼、ゲイリー・マックバーンはニューヨークのスラムの生まれであった。
彼はスラムにいることを心の底から嫌っていた。それはスリをやって少年院に放り込まれた時に安心した程だった。
その後は徴兵されるまでカリフォルニアのガソリンスタンドで働いていた。そんなある日…

ゴォォォォォォォ…

ゲイリー「…………!」トポポポ…

店長「おいゲイリー!ガソリンがこぼれてるぞ!」

ゲイリー「…何だよ…あれ…?」

彼が見たのは、青一色の天に輝くダイヤモンドだった。

店長「ブルーエンジェルスだ。ははは…明後日の航空ショーのために来たんだな。」

ゲイリー「凄いなぁ…上手いもんだなぁ…へぇ~~~!」

店長「何だゲイリー。見たこと無かったのか?」

ゲイリー「うん…空なんて見たこと無かったから…。」

ゲイリーはこの時から戦闘機乗りに、ブルーエンジェルスに憧れた。海軍に徴兵され空母乗りとなり、大学を卒業しいよいよパイロットになる資格が与えられた。
だが、彼がパイロットとなって最初の空は青くなく、血みどろの戦いが続くベトナムだった。

ミッキー「その頃だよな。俺と出会ったのは…。」

ゲイリー「ああ。」

翠星石「…………。」

ゲイリー「俺は…お前が羨ましかったよ、ミッキー。」

ミッキーは海軍士官学校からエリートコースで上がってきた。この時の階級は少尉であった。
やる気の無いアメリカは惨敗し、ベトナムから引き上げた。ゲイリーはその帰りの空母の中である部隊への配属を知った。
それがブルーエンジェルスだった。

一同「「「Let’s Go!」」」

グオオオオオオオォォォォォォォォォ…

その時は彼にとって幸せの絶頂であった。おそらく彼の半生の中では最も輝いていただろう。何故ならそこには仲間と信頼と、そして…愛があった。

タッタッタッタ…

ジェニファー「あなた!」

ゲイリー「ジェニファー!」

ジェニファー「最高だったわ。」チュッ

ゲイリー「ありがとよ。」

隊員A「こいつは3000mの高度から貴方を見つけるんですよ。」

隊員B「宙返りの最中にあそこに女房がいるって言い出すんだからな。まいっちゃうよ。」

ジェニファー「まあ!」

一同「「「ははははははははは!」」」

だが彼女には幸せと同時に不安もあった。
ブルーエンジェルスは常にアメリカ大陸をサーカスのように移動しなければならなかった。戦争ではないがアクロバットは危険が伴う。
もし、夫が帰らぬ人になってしまったら…そんな不安に彼女の精神は押しつぶされ、やがて彼女は麻薬に手を出した。

ゲイリー「それでも、俺が帰ってくる前の数日間は酒で気を紛らわせながらもドラッグを止められる段階だった…そこで俺も気づくべきだった…。」

ミッキー「…………。」

翠星石「…………。」
だが、彼女の運命を決定づけてしまう出来事が起こった。
メキシコでの曲芸飛行中、2番機がロールに失敗し地上に激突した。それはゲイリーだけでなく、ブルースのメンバー全員、そして多くの人々に衝撃を与えた。無論、ジェニファーもショックを与え、結局ドラッグを止めるチャンスを完全に失ってしまう。
この時、彼女のお腹に新しい生命が宿っていたことにゲイリーは気付いていなかった。

ミッキー「…………。」

翠星石「こ…子供はどうなったですか…?」

ゲイリー「生まれたよ…。女の本能ってのは恐ろしい…ドラッグですっかり体力を消耗しちまってるはずなのに…最後の力を振り絞ってあの子を産んだ…女の子だった…。」

ミッキー「…………!」

翠星石「…………。」

2人はただ絶句するしかなかった。

ゲイリー「その子は生まれはしたよ…だが小さな小さな産声だった…。」

ブルースをやりながら赤ん坊を育てる事はゲイリーにとって不可能だった。

彼は何度も我が子と一緒に死のうと思った…だが出来なかった…。

ゲイリー「あいつは地獄の苦しみの中から生命を生み出して天国への階段を登って行ってしまった…あの子の人生を俺1人の手に預けたまま…。」

ミッキー「ゲイリー…。」

翠星石「なら…何でこんな所で戦うですか!?何で…その子のそばについていてあげないですか!?」

翠星石は涙目でゲイリーに訴える。

ゲイリー「スイセイセキ…だったね。俺は君をも羨ましく感じるよ。何故なら…君もミッキーもそう考えられる心を持っているからさ。」

翠星石「…………。」

ゲイリー「ジャンキーの母親から生まれた所為かあの子の身体は異常に弱い…今も病院に入ったきりだ…。将来あの子が生きていくために必要なのは…愛…そして何よりも金…。」

ミッキー「…………。」

ゲイリー「たとえ…地獄で稼いでも金は金だ。俺はあの子のために…この身体を火で焼いてもあの子の未来を買い続けるのさ…。」

翠星石「…………。」

ミッキー「…その子の名前は…?」

ゲイリー「ミリアム…。」



ゲイリー「俺の空は最初から地面にへばり付いて見なけりゃならない空だったのさ…。」




見上げれば天…我の足、地に着きて背に羽はなし…



いよいよ次回からオリジナル展開が入ります。そこで皆さんに予め注意していただきたいことがあります。
・次のMISSION56から展開が変わります。
・マッハ6級のソ連製戦闘機が登場します。
・ついに雛苺も戦闘機乗りとなります。
・個人の主観と独自の設定が入ります。
以上の4つの注意点を読んで許容出来る方の閲覧を推奨いたします。

現在の完成率76% 全3話構成(予定)

創作途中ですが、これよりオリジナルを展開したいと思います。

-CAUTION!-
・これよりオリジナル展開となります。
・思念誘導操作が可能な超音速戦闘機が登場します。
・雛苺が戦闘機乗りとなります。
・この物語には個人の主観、他作品の世界観、独自の設定が盛り込まれております。
以上のことを許容出来る方のみ閲覧することを推奨いたします。

ある日、反政府軍基地への爆撃任務を終えた一同は、エリア88へ帰還しようとしていた。

ラウンデル「よし、大体片付いたな。みんな!帰るぞ!」

一同『ラジャー!』

ゴォォォォォォ…

金糸雀「さて…帰ったら翠星石が作ったスコーンでも食べながらティータイムかしら。」

ラウンデル「報告書の方は私が作成しておきましょう。」

金糸雀「助かるかしら。」


MISSION?? 廃墟遊戯(デストピア)

その時

ピーピーピー

金糸雀「何があったの?」

ラウンデル「タービンの内圧が下がり始めています。おそらく先程の戦闘で敵機の銃弾を受けた所為でしょう。」

ガクンガクン…

ミッキー「おいおい、大丈夫かい?ラウンデル少佐!?」

ピーピーピー!

ラウンデル「燃料の流出も見られます。このまま飛び続けるのは難しいでしょう。」

金糸雀「何処かに着陸出来そうな場所は…」

チャーリー『あるぞ!』

金糸雀「何処!?」

チャーリー『よく分からんが…飛行場のような場所を見つけた。位置はポイント6N!』

ラウンデル「6N?そこは政府軍も足を進めていない未開拓地域じゃないか。まさか反政府軍の基地じゃ…。」

チャーリー『いや、大分古びている。滑走路も草ボーボーで進入灯も付いていない。』

ミッキー「って事は以前にどっちかが捨てた基地ってことか?」

金糸雀「この際、降りれるなら何処でもいいかしら!帰ったら救援を出すよう伝えて!」

一同『了解!』

一同はTSR.2を残したまま88へ帰還していく。

ゴオオオオオオォォォォォォォォ…

ラウンデル「見えてきました。チャーリーからの報告によれば南側から進入出来るとのことです。」

金糸雀「でも…」

金糸雀は不安に思った。着陸するはずの滑走路の左右は雑草が生い茂っていて、中心もアスファルトがひび割れているのだ。

ラウンデル「心配には及びません。このTSR.2は不整地滑走路にも着陸出来るように頑丈な降着装置を持っていますからね。STOL性能も目を見張る物があります。」

それを聞いた金糸雀はほっとした。

ラウンデル「では…行きますよ。」

グオオオオオオオオオオオオ!

夜で辺りは暗くなり始め着陸地点の左右は山に囲まれていてその上に進入灯も付いていない危険な状況だった。
だがTSR.2に搭載されている地形追従レーダー、慣性航法装置によって正確に着陸コースに機体を乗せることに成功する。

ラウンデル「フラップ30。エアブレーキ開。」

ラウンデル・金糸雀「「アプローチ・GO!!」」

キィィィィィン…

キキィィィィィィィィィ!

車輪が接地する。

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…

路面の凹凸によって機体に振動が走る。

シュゥゥゥゥゥゥゥゥン…

ようやく停止した。

金糸雀「ふぅ…降りられたかしら?」

ラウンデル「後から来る救援機のためにもう少し奥までタキシングします。」

キィィィィィィィン…

ラウンデルはスロットルを操作し、15ノット以下の速度で機体をタキシングさせる。

ラウンデル「ん?」

ラウンデルは急に停止させる。

金糸雀「どうしたの?」

ラウンデル「ほぉ…これはまた…。」

金糸雀「?」

2人は風防を開ける。

ラウンデル「よっと。」スタッ

コクピットから地表までは高さがあったが、ラウンデルは簡単に飛び降りた。

ラウンデル「少々高うございます。私が受け止めますから…」

金糸雀「心配はいらないかしら。」ピョン

金糸雀は持っていた傘を開いて落下傘のようにゆっくりと降りて行った。

金糸雀「わぁ…!」スタッ

前輪のタクシー灯が照らす先には、ジャンボジェット機がすっぽり入りそうな巨大な洞穴があった。

ラウンデル「あそこをご覧ください。」

金糸雀「?」

ラウンデルが懐中電灯で洞穴の天井を照らすと、そこにはガラス張りの部屋が天井からぶら下がる形で設置してあった。

金糸雀「これは何かしら?」

ラウンデル「おそらく管制室ですな。」

金糸雀「じゃあ、ここは…。」

ラウンデル「88とは少し違いますが、戦闘機の基地かと思われます。」

穴の奥を見るとハンガーらしき巨大な空間があり、タラップや給油設備が置かれていた。

ラウンデル「ひとまず、今は救援隊の到着を待たないと…。」

ラウンデルはハンガーの中にあったタラップを引きずり出し、コクピットに戻る。

ラウンデル「エリア88コントロール!こちらビブラート・ローズ!現在ポイント6Nの古い基地に着陸中!」
ラウンデル「故障個所は燃料ポンプ!また燃料の流出も見られる!救援を求める!」

管制『88コントロール了解!直ちに救援に向かわせる!』

ラウンデル「ライトで位置を分かりやすくするために機体を180度回頭します。」

ラウンデルは金糸雀にタラップをどかすよう指示し、機体を回頭させる。

ラウンデル「さてと…」スタッ

機体から工具箱を取り出し、燃料漏れの応急処置を施す。

ラウンデル「それと…。」

ラウンデルはタラップで金糸雀を操縦席に座らせる。

ラウンデル「救援隊が10kmまでに近付いたらフォーメーションライトを2回点滅させて下さい。」

金糸雀「分かったかしら!」

ラウンデルは発煙筒を持って走りながら闇の中に消えていった。


~1時間後~

金糸雀「まだかしら…。」

ミッキー『ビブラート・ローズ!こちらミッキーだ!今指定されたポイントまで10kmの地点にいる!滑走路の場所を示してくれ!』

金糸雀「ビブラート・ローズ了解!」

金糸雀はすぐさま、フォーメーションライトを2回点滅させる。

パッ…パッ…

ラウンデル「うむ!」

バシュウウウウウウウウウウウウウウウ!

ラウンデルは発煙筒を点灯させ滑走路の端に突き刺す。

上空では、ミッキー、グレッグ、チャーリーが廃基地に近付いていた。

ミッキー「あれだな。」

一同は発煙筒の光と、TSR.2の着陸灯を確認する。

ミッキー「先に俺が行く!安全を確認したら後に続いてくれ!」

グレッグ・チャーリー『了解!』

ミッキー「ようし!行くぞー!」

ミッキー・翠星石「「アプローチ・GO!!」」

グオオオオオオオオオオオオオオ!

車輪が接地した瞬間、ガタガタと機体が揺れ出す。

翠星石「わわわわ…」ガタガタ…

ミッキー「くそう!よくこんなとこに降りられたな!」ガタガタ…

金糸雀「ここかしら~!」ノシ

ミッキーは何とかトムキャットは停止させる。

それから安全を確認したグレッグとチャーリーは、2機とも機体を揺らしながら着陸する。

シュゥゥゥゥゥゥン…

グレッグ「ふぃ~!冷や汗かいたぜ!」

チャーリー「しっかし、何とも不気味な基地だな…。」

ラウンデル「他の者は?まさかお前達だけではあるまい。」

ミッキー「俺達はただの先遣隊だ。後々ヘリがやってくる。」

ミッキーの言葉通り、およそ1時間後に大勢のヘリ部隊がやってきて、廃基地はまるでエリア88のような騒がしさとなった。

バタン

整備員A「TSR.2の修理は完了しました。」

ミッキー「んじゃそのまま待機させといてくれ。」

整備員A「了解!」

翠星石「それにしてもここも凄い基地ですね~。」

ミッキー「ああ…滑走路が穴ん中じゃないことを除けば88とはあまり変わらん…。」

グレッグ「お~い!ヒナ~!何処行った~!?」

翠星石「ヒゲダルマが何か騒いでるですぅ。」

チャーリー「何だ何だ?」

ミッキー「おーいグレッグ!どうした!?」

グレッグ「ヒナが何処にもいねえんだよ。」

ミッキー「何?こんな不気味な基地であいつが行くようなとこあんのか?」

翠星石「さあ?」

その頃、ハンガーの上の管制室では…

ワイワイガヤガヤ…

調査員A「すげぇ…これ機械取り換えればすぐにでも使えそうだぜ。」

調査員B「止めとけ。ソ連製はちょっと不安だ。」

調査員C「へ?これソ連製なの?」

主任「こらそこ!しゃべってないでさっさとやれ!」

所変わってこちらは司令官室。

ざわ…ざわ…

ラウンデル「どうだ?何か変わった情報は?」

調査員D「ああ、ラウンデル少佐!これを!」サッ

調査員は1つの冊子を差し出した。

ラウンデル「ん?」ペラ…

だんだん読んでいくうちにラウンデルの表情は険しいものになっていく。

ラウンデル「…………。」

ガチャ

金糸雀「どうかしら~…ラウンデ…ル…?」

ラウンデル「……これは…!」

金糸雀「何見てる…かし…ら?」

ラウンデル「直ちにサキ司令に連絡を!早く!」

調査員D「はい!」タッタッタ…

金糸雀「何があったのかしら?」

ラウンデル「恐ろしい…こんなものがあったなんて…。」ブツブツ…

金糸雀「???」

今日はここまで。現在の完成率…82%

>>305
今頃ミッションナンバー変えてなかったことに気付いた。

MISSION56 廃墟遊戯(デストピア)

これより投下します。

雛苺「ぶ~!みんな遊んでくれなくてつまんないの~!」
雛苺「いいもん!ヒナは自分で探検するから!ベリーベル!一緒に行くの!」

ベリーベル「!」フルフル…

ベリーベルは不安そうに震える。

雛苺「怖がってちゃだめなの!」テクテク…

意気揚々と探検をする雛苺だったが、基地の外れに行くごとにだんだん不安になっていく。

雛苺「ベ…ベリーベル…ここ…何処なの?」

ベリーベル「!」フルフル

ベリーベルは分からないと言う。

雛苺「グレッグ…翠星石…何処なの…?」グスッ


MISSION57 黒い悪魔

とうとう泣き出してしまった時…

ベリーベル「!」

雛苺「ヒック…ヒック…うぇ?」

ベリーベルが奥にある倉庫を見つける。

雛苺「あそこに入るの…?」

ベリーベル「!」

雛苺「やだやだぁ!怖いの!」ブンブン

ベリーベル「!」

雛苺「へ…?入っていれば誰か見つけてくれるって…?」

ベリーベル「!」

雛苺「…わ…分かったから…入ってみるの…。」ソロソロ…

雛苺は怯えながら倉庫の中に入っていく。

雛苺「真っ暗で…何も見えないの…。」

その時、

コツン!

雛苺「ベリーベル?大丈夫?」

ベリーベル「!」ヨロヨロ…

そこにあったのは…


~午後7時 エリア88~

サキ「ふむ…ソ連の秘密基地か…。」

ラウンデル『はい…まさかソ連がこのアスランで兵器開発をしていたとは思いもよりませんでした…。』

サキ「それで、その新兵器のスペックを聞かせてもらおうか。」

ラウンデル『はい…。』

サキはラウンデルの話を聞く。すると…

サキ「…………本当か?」

ラウンデル『はい、あくまでも設計上の性能ですが…。』

サキ「それで?その実物は?」

ラウンデル『今の所、まだ発見されていませんが、おそらくこの基地の何処かに。』

サキ「私もそちらに行く。」

ラウンデル『承知しました。』

ガチャ

サキ「シンとシンクを呼んでくれ。」

管制官A「はい。」

少しして、シンと真紅がやってきた。

シン「サキ、俺達に用だって?」

サキ「ああ、私と一緒に来てもらいたい。」

真紅「例の捨てられた基地へ?」

サキ「そうだ。そこである兵器の存在が明らかになった。」

シン「ある兵器?」

サキ「もしや反政府軍が聞きつけているかもしれん。念のために数人連れて行く。」

真紅「分かったわ。」

グレッグ達は雛苺を探してまだ調査員が入っていない基地の外れまで来ていた。

チャーリー「いくら何でもこんな場所まで来るか?」

グレッグ「分からん…でもまだ他の奴が入っていないのはここらしかない。」

ミッキー「しかし真っ暗だな…もう夜じゃないか。」

翠星石「は…早く見つけて帰るですよ!」

ミッキー「何だ?お前怖いのか?」

翠星石「バッ、バカ言うでねえですぅ!この翠星石様に怖いものなんて…」

フッ

翠星石「!?」

急に明りが消える。

翠星石「何で消すですか!さっさと付けるですぅ!」

しかし、返事は無い。

翠星石「ミ…ミッキー…?グレッグ…?そこにいるですか…?」

声は帰ってこない。

翠星石「…誰か…返事して…で…すぅ…。」グスン

ミッキー「ごごだあ゛~。」パッ

下から顔を照らしながら返事をした。

翠星石「ぎゃあああああああああああああ!!!?」

ミッキー「はははは!冗談冗談!」

翠星石「お…お、脅かすなですぅ!あとお前等も急に電気消すなですぅ!」

チャーリー「ちょっとノってみたけど面白いもんが見れたぜ。」

グレッグ「お前にも怖いもんがあるんだな。」

翠星石「うっさいですぅ!」

ミッキー「ま、そこが可愛いとこなんだがな。」

翠星石「かわ……レ、レディをからかうでねえですぅ!///」

一同「「「ははははは…」」」

グォォォォォォォ…

ミッキー「あれ?」

翠星石「また誰か来たですか?」

グレッグ「あれは…サキだな。」

チャーリー「それにシンとシンクもいるぜ。」

翠星石「ウォーレンにケンもいるです。」

バババババババババ…

グレッグ「後ろには更に輸送機とヘリ部隊がついて来ているぜ。」

翠星石「どういう事ですか?」

ミッキー「つまり、ここはただの基地じゃないってことだな。」

シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥン…

ラウンデル「サキ様!お待ちしておりました!」

サキ「ご苦労だった。どうだ、状況は?」

金糸雀「大分調査が進んでいるかしら。」

サキ「ところで、例の書類は?」

ラウンデル「ここに。」サッ

サキ「ふむ…。」パラ…

読んでいくうちに、サキもラウンデル同様に険しい表情となっていく。

サキ「…………!」

シン「サキ?」

真紅「どうしたの?」

サキ「これは…!」

シン「?」

サキ「これを読んでみろ。」スッ

真紅「?」

2人はサキから渡された書類を読む。

シン「これが例の兵器か?」

サキ「そうだ。」

真紅「シン、ここを見て。」

シン「どれどれ…………!!」

2人は言葉を失った。

グレッグ達は調査隊と合流し、まだ足を進めていない基地の外れまで来ていた。

ゾロゾロ…

ミッキー「なんかいっぱいついてきたな。」

翠星石「大勢いれば怖くないです。」

グレッグ「ははは、違えねぇ。」

チャーリー「ん?」

ミッキー「どうした?」

チャーリー「あそこ…扉が開いている。」

チャーリーが指差す方向には不自然に扉が開いた倉庫があった。

グレッグ「あん中に入ってったのか?」

グレッグ達は倉庫に近付く。

ミッキー「お~い!こっちだこっち~!」

調査隊もグレッグ達の後を追って倉庫に近付く。

グレッグ「入るぞ。」

チャーリー「おう。」

最初に4人が中に入る。

グレッグ「おーい!ヒナー!いるのかー!」

雛苺「その声は…グレッグなの~!?」

ミッキー「暗くてよく分からん…おい!ライト持ってこい!」


調査員が中に入ると、倉庫内は一気に明るくなった。

グレッグ「うお!お、お前!その飛行機は!?」

チャーリー「こいつは…。」

翠星石「な…何ですかこのデカブツは…?」

ミッキー「…………。」

その場にいた一同は言葉を失った。

シン「嘘だろ…?」

製造国 ソビエト社会主義共和国連邦

真紅「こんな…こんな兵器があるなんて…。」

エンジン出力…50,000ポンド(22,680㎏)

サキ「ふ…ふふ…ふはははははは…。」

最大運用高度…約120,000ft(約35,000m)

ラウンデル「サキ様…。」

最高速度…マッハ6

金糸雀「…………。」

思考誘導装置による火器管制が可能。

シン「サキ…こいつは…!」

設計 ミグ設計局

サキ「ああ…存在したなら…」



サキ「アスラン国内どころか、東と西の軍事バランスの均衡が崩れるぞ!」



型式名 MiG-31「ファイヤーフォックス」

それは以前の地上空母と同様に、悪魔と崇められるほどの脅威となる存在…

今日はここまで。

これからのファイヤーフォックスについてですが、複数のシナリオを考えています。
1.言語選択で雛苺がフランス語選んで以後彼女の専用機に。
2.普通に英語でも思考誘導可能だけど雛苺がパイロットとして認証されて専用機に。
3.1,2いずれかの場合でグレッグと雛苺の乗機に。

皆さんにはこの4つの中から1つ選んでいただこうと思います。
その間に自分が書き溜めします。
ではでは。

亀レスですが、案の定テレ朝版でしたわ。

Mig31は二人乗れるらしいし、グレッグと一緒に乗って欲しいかな?

クリント・イーストウッドが主演したあの映画か。
あのときはイーストウッドも若かったなあ。

>>344
この展開作るためにDVD買いました。DVDは字幕版しかありませんでしたが、過去に放送された日曜洋画劇場とかでは山田康雄氏が吹き替えを担当したと知った時は驚きました。今度は1/144レジンキットのファイヤーフォックス買ってみようかな…

お待たせしました。>>340さんの意見を取り入れた結果、この回では3番を選ぶことにしました。それ以降はまた考えます。
では投下開始。

雛苺「グレッグ!翠星石!みんな来てくれたの~!」ノシ

グレッグ「こらー!そんな危ないものに乗っちゃダメ!早く降りなさい!」

ミッキー「お前は何処ぞのおとんか。」

翠星石「それ以前にお前は何処出身ですか。」

チャーリー「ははは…何てこった…。」

調査隊「「「…………。」」」


MISSION58 MiG-31「ファイヤーフォックス」

ハンガー前では、シン達がファイヤーフォックスについての話をしていた。

シン「いくら何でもこんなものがあるはずないだろ。」

金糸雀「確かに…普通の戦闘機ならマッハ3を越えれば摩擦熱に耐え切れず溶けるし、唯一マッハ3を超えられるSR-71も風防の耐久性の問題からそれ以上は出せないかしら。」

真紅「こんな戦闘機…存在したら軍事バランスは損なわれるのだわ。」

ラウンデル「それが何故このアスランで…?」

サキ「そうか…そういう事か…。」

シン「サキ?」

真紅「何か心当たりがあって?」

サキ「単なる噂だと思っていたがな…。」

金糸雀「噂?」

サキ「ソ連が国外で次世代戦闘機を研究していたって噂だ。」

ラウンデル「…………。」

サキ「君達には娑婆の話はしないから分からんだろうが…こいつは本来本国で製造される予定だったんだ。」
サキ「そして試作機2機が完成した矢先、あの事件が起こった…。」

シン「あの事件?」

サキ「アメリカはこの戦闘機をソ連から盗み出す計画を立てたんだ。ソ連のテストパイロットと同じ体格でロシア語を話せる人物がパイロットに成りすまして盗み出したのさ。」

真紅「…それで?」

サキ「作戦に関わった設計者や諜報員は処刑されたが、ファイヤーフォックスは盗み出された。」

サキ「だが盗み出された1号機を撃墜するために追跡してきた2号機の攻撃を受けて撃墜された…。もっとも、その2号機も1号機に撃墜されたがね。」
サキ「それ以来、ソ連空軍は国外でこの戦闘機の開発を進めていた…。」

シン「その開発場所がこのアスランだったってことか…。」

ラウンデル「しかし、その後計画は運用コストの高騰や技術的問題から凍結されてしまった…完成した3号機を残して…。」

真紅「3号機?それは何処に?」

サキ「ロシアの軍事基地の倉庫に保管されているとか、アメリカが再び持ち出して研究を続けているとか…だが最も有力な情報は…」

金糸雀「…………。」

サキ「開発元の軍事基地に放置されている…だ。」

シン「!」

真紅「じゃあ、まさかこの基地に?」

ラウンデル「そう考えるのが妥当かと。」

金糸雀「でも…実機が飛行可能な状態かは不安かしら。」

サキ「こいつは1号機や2号機とは訳が違う。最新の防衛装置にエンジン改良を重ねさらに起動に必要な機器類は全て機体に備えてある。」
サキ「おまけにTSR.2並の強固な降着装置を備えているし、部品は殆どメンテナンスフリーな…」

マッコイ「西側の部品を使ってやがる。」

シン「!?」

真紅「あらマッコイ、何時ここに?」

マッコイ「さっきだよ。サキにたたき起こされて…つまらん用事だったらミサイル値上げするとこだったぜ。」

サキ「じいさん、これを見てくれ。」

マッコイ「これか?例の思考誘導戦闘機ってのは…。」

調査員A「サキ司令!」タッタッタ…

サキ「何だ?」

調査員A「『ファイヤーフォックス』を発見しました!」

ラウンデル「何!?」

サキ「何処だ!?」

調査員A「この基地の北東の倉庫です!」

サキ「案内しろ!」

調査員A「はい!」

シン「サキ!」

サキ「ふっ…棚から牡丹餅とはまさにこのことだな!」ダッ

倉庫では、調査団がファイヤーフォックスを調べていた。

ざわ…ざわ…

調査員B「真っ黒だな…何製かな?」

調査員C「マッハ6なんてキチガイな速度出すんだ。きっとチタニウム合金だろう。」

調査員D「クリップドデルタ翼に可変後退機構のカナード翼…最新技術がてんこ盛りだぜ。」

調査員E「装備は30mm機関砲2門…ミサイルは胴体内のウェポンベイに装備…。」

調査員F「SR-71でさえマッハ3なのに…こりゃそれ以上の与圧服がいるな…。」

グレッグ達はその隅でシン達を待っていた。

グレッグ「まったく…ソ連の連中ときたらえらい代物を作ってくれたな。」

チャーリー「ああ…こんなもんが世に出たらそれこそ世界は大混乱になる。」

ミッキー「あのソ連がこんな最新技術の塊をこんなとこにポイしてるとはな…。」

翠星石「こらチビイチゴ!翠星石にも座らせるですぅ!」

雛苺「嫌なの!ヒナが最初に見つけたからヒナが座るの~!」

ミッキー「あいつ等には関係ないか…。」

そこにシン達がやってくる。

サキ「これか。」

ミッキー「よおサキ。やっぱあんた等だったか。」

シン「ミッキー。こいつか?例の悪魔の兵器とやらは。」

ミッキー「ああ。今はあいつ等のオモチャになってるがな。」

翠星石「お前みたいなチビにこんなお化け操縦出来るわけねえです!さっさと降りろですぅ!」

雛苺「や!翠星石こそ降りるの!」

翠星石「この!」ブン

翠星石が殴りかかろうとしたその時

雛苺「きゃ!」サッ

カチッ

雛苺の腕がイグニッションスイッチに当たる。

ゴゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン…

サキ「!」

シン「何だ!?」

調査員C「大変です!ファイヤーフォックスが!」

グレッグ「何!?」

ミッキー「こらお前等!勝手に何押した!?」

翠星石「翠星石は知らんですぅ!」

雛苺「わわわわわ…!」

ピー

(アニメっぽい)電子音が鳴り始め、風防が閉まる。

ウイーン…

雛苺「うゆ?」

翠星石「危な!」サッ

プシュゥゥゥゥゥゥ…

ラウンデル「おい!何事だ!」

調査員D「少佐!ファイヤーフォックスが起動しました!」

ラウンデル「誰が乗っている!?」

ミッキー「ヒナイチゴさ。どっかのボタン押したんだろう。」

ラウンデル「何ぃ!?じゃあ中には彼女1人だけなのか!?」

チャーリー「そういう事だ。」

ラウンデル「早く降ろせ!風防を割っても構わん!」

サキ「無駄だぞラウンデル。風防は強化ガラスだ。ちょっとやそっとじゃ割れん。何しろあのSR-71以上の強度を持っているそうだからな。」

ラウンデル「では機内に呼びかけを…」

サキ「それも無駄だ。コクピットは完全な機密構造でジェットの騒音も通さん。」

金糸雀「なら文字で降りろって見せるかしら!」

ラウンデル「その手があった!おい!誰か紙とペンをくれ!」

真紅「言っておくけれど、あの子はフランス語しか読めないのだわ。」

ラウンデル「…………。」

サキ「…誰かフランス語を書ける者は?」

シン「たしか…ウォーレン!お前フランス語覚えたって言ってたよな!」

それは砂漠空母捜索時…

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

グオオオオオオオオオォォォォォォ…

真「ウォーレン!マニュアルは読んだか!?」

ウォーレン「ああ、大体ね…でもよ、これフランス語で書いてあらぁ…俺、フランス語なんて分かんねえよ…。」

真紅「困ったわね。ドイツ語なら分かるのだけれど。」

真「…………。」

その後…

シュゥゥゥゥン…

ケン「いよーウォーレン!フランス語は覚えたか?」

ウォーレン「ウィ、ムシュー!」

ケン「ムシューだってよ。ははは、すっかりその気になってやんの。」

ウォーレン「メルシーボクウ。」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

ケン「…って。」

ウォーレン「そりゃ挨拶程度なら話せるけどよ…書いたことなんてないぞ。」

ケン「ダメ元でもいいからやれ。」

ウォーレン「へいへい…。」

その後、悪戦苦闘すること30分…

ウォーレン「ふぅ…できたぞ。」

翠星石「やっとですか。」

シン「どれどれ…。」

Ouvrez une fenêtre(窓を開けろ)

シン「大丈夫かな?」

グレッグ「何でもいいからやれ。」

ウォーレン「やりゃいいんでしょやりゃ…。」

ウォーレンが紙を持ってコクピットまで上がる。

ウォーレン「お~い、これ分かる…」

その時、

プシュー!ウイーーーン…

雛苺「うゆ?ウォーレン?」

ウォーレン「」

シン「」

ケン「」

ミッキー「」

翠星石「」

グレッグ「」

チャーリー「」

サキ「」

ラウンデル「」

金糸雀「」

一同「」

ウォーレンが一同を振り向く。

ウォーレン「…………何で?」

一同「「「知るかっ!!!」」」

サキ「成程…思考誘導装置か…。」

金糸雀「あら?最初の試作機はロシア語にしか反応しないって聞いたけど?」

雛苺「それがね…」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

プシュゥゥゥゥゥ…
雛苺「何なの~?」
ピポパポピピポペプポ…

使用言語を選択してください。
→・English(英語)
・русский язык(ロシア語)
・Deutsch(ドイツ語)
・langue d'oïl(フランス語)
・中文(中国語)

雛苺「う~んと~…。」

使用言語を選択してください。
・English(英語)
・русский язык(ロシア語)
・Deutsch(ドイツ語)
→・langue d'oïl(フランス語)<ピッ
・中文(中国語)

雛苺「開けるボタンはどれ?」

ピピピピピ…

風防の開閉ボタンが点滅する。

雛苺「これ?」ピッ

プシュー!ウイーーーン…

一同「」

~~~~~~~~~~~~~

金糸雀「どうしてこうなったかしら。」

サキ「言い忘れていたが、ロシア語で考えなければいけないのは1号機だけだったそうだ。2号機以降はロシア語でなくても反応する。」

グレッグ「何だそりゃ。」

サキ「マッコイ、こいつに搭載可能な思考誘導兵器は取り寄せられるか?」

マッコイ「既に凍結されてる計画の機体だからな。予備部品はいくつかは西側から輸入出来るけど思考誘導兵装はソ連しか作っていない。」
マッコイ「聞いた話じゃ凍結された後の兵装は開発元のビリャースク基地に保管されてるらしいけどそれでも数は少ないだろうね。」

サキ「やはり通常運用は難しいか…。」

マッコイ「まあ幸いなことにこの説明書には思考誘導兵器以外の通常ミサイルも搭載可能ってあるだから代用出来る分は持ってこれるけど。」

サキ「ふむ…まあいい。マッハ6という性能でも十分過ぎるほど戦力になる。」

シン「話はまとまったようだな。」

ミッキー「そこであえて聞こう。」

シン・ミッキー「「どうやって持ってかえるのかと。」」

サキ「…………。」

マッコイ「言っとくが分解は出来んぞ。チタン合金なんか切断、接合に手間がかかり過ぎるからな。」

ラウンデル「…………。」

金糸雀「…雛苺に操縦してもらうしかないかしら。」

チャーリー「大きすぎて無理だしそれ以前に操縦なんか出来んぞ。」

金糸雀「…………。」

サキ「…………。」

グレッグ「はぁ~しょうがねえな…俺が乗る。別に操縦するだけならヒナじゃなくても出来るからな。」

サキ「…頼む。」

グレッグ「誰か!俺のA-10頼む!」

どうも僕です。後半はけっこうグダグダになってしまいました。
次回からは本編に戻る予定です。

架空機もありなら、B-52改「オールド・ドッグ」はどうかな?

・・・岩山のエリア88には狭くて着陸できないから無理か。

>>367さん
「オールド・ドッグ」…詳細は分かりませんが、なかなか高性能のようです。確かにエリア88では使えませんが、他の基地なら可能ですので登場の余地はありそうです。
ただし、現時点でアスラン空軍(エリア88)は既にキチガイ性能の超音速戦闘機を保有していますから「オールド・ドッグ」も保有したら今更プロジェクト4が参入してきても即退場ということになりかねませんので、登場させるならプロジェクト4の対ファイヤーフォックス用兵器ということになりそうですね。

今回は本編は投下しません。そのかわりあらすじ的なものを投下します。

ゴオオオオオオオオオオオオオオオ!

雛苺「ミッキー!グレッグ!生きてる!?」

グレッグ「ああ、何とかな!。」

ミッキー「上からくるぞ!気を付けろぉ!」

グレッグ「こっちだ!ヒナ!」

雛苺「何なの?この階段は…。」

グレッグ「とにかく入ってみようぜ。」

そこには3つの倉庫。

雛苺「せっかくだから、ヒナはこの赤の扉を選ぶの。」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…

こうして雛苺は「ファイヤーフォックス」を手に入れた。

しかし今、プロジェクト4の放った傭兵軍団が

エリア88に襲い掛かる…

どう見ても「デスク○ムゾン」ですどうもありがとうございました。

こんなスレあったのか
1スレ目を読む前に大学生ジュンの方のローゼンも読んだ方がいいのかな

>>372
今のところ自分はエリア88とコミックバーズ版のローゼンメイデンを元にSSを書いていますので、ヤングジャンプ版に関しては今のところ関連させる予定はありません。

冷戦崩壊してしばらく立った今だと、エリア88の東側機がロシア脅威論そのものなので物悲しい。実態は......

>>374
確かに例のアレは冷戦当時の軍事バランスを覆しかねない代物です。ただし、スーパーファミコンの「エリア88」では明らかにこれがモデルのメガクラッシュを複数装備できる機体(\1000000)がありましたね。

これより投下します。

ブオオオオオオオオオオオオ!

エリア88にマッコイのハーキュリー編隊が到着する。

整備員A「部品が届いたぞー!」

グレッグ「やれやれ、やっと来たか。」

キャンベル「これで思いっきり分解整備出来る。」

ミッキー「スペアエンジンも無事に届いたな。」

シン「ああ…正直なとこホッとしたよ。騙し騙し飛んでたからな。」

ミッキー「ここの稼働率といったら並の空軍基地の比じゃないからな。部品の消耗率は桁外れだ。カタログ通りの耐久率を確保したことなんか1度もないぜ。」

シン「飛行機作る奴は娑婆の人間さ。」

真紅「そう…ここは外の世界ではない。三途の川の向こう側よ。」


MISSION59 白牙の砂丘

久し振りの部品供給とあって、マッコイの倉庫には傭兵達が殺到していた。

ワイワイガヤガヤ…

整備員B「はいはい押さないで!品物はあるんだから!」

傭兵A「ロッキードのジェネレーターくれー!」

傭兵B「マクドネルダグラスの電装品パッケージ持ってきた!?

傭兵C「グラマンの高圧コンプレッサー2台あるか!?」

真紅「くんくん探偵セットはあって!?」

蒼星石「ゼフィランサス持ってきてくれましたか!?」

雛苺「うにゅーはないの?」

その様子を管制室から見下ろすサキ、金糸雀、ラウンデルの姿があった。

サキ「まるで砂糖に群がるアリのようだな。」

ラウンデル「みんな生死に関わりますからね…。」

サキ「そんなに死にたくないなら何でこんな所に戦争しに来るんだ?」

金糸雀「そうね…死にたくもないけどぬるま湯に浸った生活も嫌なんじゃないかしら?」

ラウンデル「戦争という手段の善悪は別にして闘いは男の本能でしょう…闘争の良否は結果が出てから歴史が決めることです…。」

ハンガーでは多くの機体が部品を換装していた。

マッコイ「ほいほいほい~♪」タッタッタ…

マッコイが大量の伝票を持ってステップを踏みながらやってくる。

チャーリー「ようマッコイ。商売繁盛で結構だな。」

マッコイ「てやんでぇ!こっちだって命懸けなんだ!手間賃含めりゃ足が出るよ!」

そこにシンと真紅がやってくる。

シン「マッコイ!」

真紅「相変わらずね。」

マッコイ「おうシン、お前のエンジンそこにあるぜ。」

台車の上にはF-20用のゼネラル・エレクトリック製F404型エンジンが載っていた。

マッコイ「コンプレッサーの試運転やってみてからすぐに換装しよう。」

シン「どれくらいかかる?」

マッコイ「そうさなあ、明日いっぱいくれたら完全だよ。」

シン「分かった、頼む。ところで午後からパトロールがあるんだ。空いてる機体ある?音速機で。」

マッコイ「エンジン換装組が多いからな…代替機があるかな?ん~と~
…。」ペラペラ…
マッコイ「タイガーⅡが1機あるぜ。ただしパイロンが壊れてるからAMMの装着が出来ん。」

シン「分かった。そういえば真紅もエンジン交換するんだろう?」

真紅「ええ、今のスカイランサーのエンジンではただでさえ非力だから。」

マッコイ「その事だが、いいもん持ってきたんだ。こっちこっち。」

シン・真紅「?」

2人はマッコイの後に付いて行く。

マッコイ「これだ。J79エンジン。」

真紅「J79エンジン?」

シン「たしかそれスターファイターに載ってるエンジンじゃなかったか?」

???「そう、俺のファントムⅡにも載っている。」

シン「チャーリー。」

チャーリー「前に聞いたことがある。量産型ではP&WのJ57を搭載するけど、より強力なGEのJ79を搭載する計画もあったんだと。」

真紅「そうなの?」

チャーリー「F5Dはまあいい機体だ。そこそこだったスカイレイの改良型だからエンジン交換すりゃもっといい性能になるだろう。」

マッコイ「お前の機体も明日いっぱいでなんとかなるぜ。」

真紅「分かったわ。」

チャーリー「あれ?お前何持ってんだ?」

真紅「くんくん探偵セットよ。」ドヤ

チャーリー「くんくん探偵?」

シン「日本で人気の人形劇なんだとさ。近々アニメにもなってアスランでも放送されるそうだ。」

真紅「ああくんくん。貴方の生まれ故郷である日本から遠く離れたこのアスランでも見られるなんて…。」テクテク…

真紅は上機嫌で去って行った。

チャーリー「…大丈夫か?あいつ。」

シン「さあ。」

マッコイ「あ、言っとくけどあれ仕入れるのに結構苦労したから○○○ドルな。もちろんお前のターゲットチップから引いとくから。」

シン「はい!?」

その後、シンはパトロールの準備をしていた。

キム「シン大尉!」

シン「何だ、キム?」

キム「固定武装の機銃だけの機体で出撃して大丈夫ですか?あの…僕もお供しましょうか?」

シン「いいよ、心配するな。パトロールだけだ。交戦しに行くんじゃない。」

キム「でも…。」

シン「ヘルメット取ってくれ。」

キム「はい。」

キムがシンにヘルメットを渡す。

シン「単機パトロールは本来なら危険だからやらないのが軍隊の常識だ…だが88のパイロットは単機で動いた方が安全なのさ。それだけの腕は持ってるだろ?」

キム「は…はい。」

キイイイイイイイイイイイイイン!

シン「じゃあ行ってくる!」

キム「お気を付けて!」

ウイーーーン…カチャ

シン「コントロール、シンだ!離陸する!」

管制『コントロール了解!離陸OK、グッドラック!』

グオオオオオオオオオォォォォォォォォォ…

キム「…………。」

グエン「どうした?金魚のウンコ。寂しいかよ。」

キムがグエンを睨む

キム「へーんだ!自分は撃ち落されて機体も買えずにウロウロしてるくせに。大の大人が指くわえて見てるなんざウンコよりみっともないよ。」

グエン「んなっ!このやろーっ!」ダダダダダ…

キム「悔しかったら追いついてみろ!」タタタタタ…

翠星石「またチビ共が騒いでやがるですぅ。」

ミッキー「グエンの奴、いつもやけにキムにつっかかるな…。」

整備員C「ははは…でもキムの奴もこの頃手慣れたもんさ。あいつ…あれで結構子供が好きなんだぜ。」

ミッキー「知ってる…。」

ゴォォォォォォ…

シン「コントロール、シンだ。現在来たの砂漠ポイントP3だ。異常は無い。」

管制『ザ…コントロールザザッ…了かザザ…』

シン(やけに雑音が入るな…)

シンが飛んでいる下では、グエンを狙った物がシンを狙っていた。

ピッピッピ…

シン「久々に思いっきり上昇させてみるか。」

グオオオオオオオォォォォォォォ…

上昇する途中、機体の右からエンジンとは違う別の音を聞く。

シン「?」

ふと左を見ると…

シン「え?」

ゴォォォォォォ…

ミサイルが並んで飛んでいた。

シン「うおっ!?」グイ

ドカアアアアアアアアアアアアン!

シンは間一髪回避する。

バシャッ

ドロップタンクを投下し、辺りを見回す。

シン(どこだ…ミサイルランチャーは…)

だが、砂漠の中には物陰は見当たらない。

シン(見当たらない…バカな…何処から発射した…)

すると

バシュバシュゥゥゥゥゥゥゥゥゥ…

シン(砂の下か…そんな…バカな!)

シンは急旋回でミサイルを回避しようとする。

ギュウウウウウウウウウウウン!

シン(ぐおっ!凄いGだ!機体が…もつ…か…!?)

ミリ…ミシミシ…

シンはタイガーⅡをきしませながらミサイルから逃れようと必死に旋回する。

ピシッ

ドオオオオオオオオォォォォォォォォォン…

シン(ミサイルの方がGに耐えられなかったな。それにしてもこんな所に罠を仕掛けるなんて!)

バン!バンバン!

シン「あっ!」

気が付くと、後ろには1機のMiG-21がついていた。

シン「くそ…ミサイルに気を取られている間に…」

シンは逃げようとするが、スピードが上がらない。

シン「燃料ポンプをやられたか!出力が上がらん!」

ゴオオオオオオオオオオオ!

シン「だ…だめか!」

ダダダダダダダダダ!

ドオオオオオオオオオオオオン!


~エリア88~

ミッキー「シンの機が連絡を断ったって!?」

金糸雀「そうかしら!もう1時間も何の連絡も…いくら増加タンクを付けてるからってもう燃料が…!」

キム「僕、探しに行きます!」

翠星石「あっ、キム!ちょっと待つです!」

キムがハリアーに乗り込もうとすると…

真紅「焦ることは無いわ、キム。シンはまだ生きている。」

キム「本当ですか!?」

真紅「ええ…でも敵も彼を探しているかもしれないわ。」

キム「コントロール!こちらキム!発進します!」

真紅「私も連れていきなさい。」

キム「はい!」

キムは真紅を乗せると慌ただしく発進していった。

翠星石「あ~あ、行っちまいやがったですぅ。」

サキ「まったく…根がまだ子供だからしょうがないな。」

ミッキー「サキ、どうする?」

サキ「ミッキー、スイセイセキ、あのやんちゃ坊主の後を追っかけろ。気になる事がある。」

翠星石「気になる事?」

サキ「シンが連絡を断ったのとグエンが撃ち落された地点はそう離れてない。グエンはまったく発射機も見えんのにミサイル攻撃を受けたと言っている。」

金糸雀「敵の新型ランチャーかもしれないかしら。シンもそれにやられたのかも…。」

ミッキー「分かった!」


シンは墜落する前に脱出していた。

シン「はぁ…はぁ…」

ゴォォォォォォ…

シンはピストルを用意する。

ジャカッ

シン「バカな…こんなピストルだけで何を相手にしようってんだ…ジェット機の銃撃の凄まじさは自分が一番知ってるはずなのに…。」

シン(撃たれる者の立場ってのはこんなもんかな…)

ポタ…ポタ…

シン「肩と…腕をやられたか…あまり…痛みが無いのは…相当深いな…。」

シンは布きれを腕の付け根に巻き付け、ボールペンでねじりながら縛る。

シン「10分ごとにゆるめて血を通わせんと腕が腐り落ちる!」

シン(排気音がしなくなったな…諦めて帰ったか?)

ザッ…グラッ

シン「わ…」

ザザザーーー!

シン「うわ!わ、わわわ!うわああああぁぁぁぁぁぁ…」

ドサァ…

???「なぁーんだ、もうのびちゃったの。案外弱いのね。」

今日はここまで。

これより投下。

ピッ…ピッ…

シン「う…あ…」

時計の音に目を覚ますシン。

シン(時計が鳴っている…縛った所を緩めなきゃ…)

ズキ…

シン「あ…う…」

シン(良かった…痛みがあるってことは…腕はまだ生きてる…)

シン「…!」

腕を見ると、何時の間にか包帯が巻かれていた。

シン「傷口が手当してある…!」

???「気が付いたかい?パイロット。」

シン「!」


MISSION60 砂の女王

シン「お…お前は誰だ?ここは…何処だ?」

???「気を失ってる間に水浴でもと思ったんだけど…」

砂の女王「砂の女王。ここは地下に埋もれた神殿…あんたは天井の割れ目から落っこちたのよ。」

シン「砂の女王…?まあいい、助けてくれて礼を言う。」

砂の女王「助けるかどうかまだこれから決めるわ。」

シン「え?」

ズダァーーーン…

銃弾はシンの右後ろの壁にめり込んだ。

シン「俺の銃だな…返してくれ。女がオモチャにするもんじゃない。」

砂の女王「リョーコって誰なの?」

シン「のびてる間にうわ言でも言っちまったか…。」

砂の女王「ずっと呼んでたわね…恋人なの?」

シン「まあな…昔の恋人だ…さあ、銃を返せ!」

バァーーーン…

今度は左後ろにめり込む。

シン「…かなり銃を扱い慣れてるな。この国の娘じゃないようだな…。」

砂の女王「その恋人はどうしたの?」

シン「…………。」

ピッ

シン「!?」

今度は銃弾ではなく、黒い羽根がシンの頬をかすめる

???「クスクス…無様な姿ねぇ…。」

シン「お前は…水銀燈!」

水銀燈「あら、覚えててくれたのぉ?人間にしては有能なのね。」

シン「…そうか…お前が彼女のマスターだったのか。」

砂の女王「そう…するとパイロット、貴方がシンクの…。」

シン「パイロットってのはよしてくれないか?俺はシン、シン・カザマさ。」

ズダァーーーン…

砂の女王「名前なんか聞いちゃいないわよ。貴方はパイロット、ただのパイロット。あたし達がこの手で生死を握っているただのパイロット。」

『砂の女王』は浴槽から出て、パイロットスーツを身に纏う。

シン「驚いたな…反政府軍のパイロットだったとは!」

砂の女王「反政府軍?あたし達は反政府軍じゃないわ。『プロジェクト4』のメンバーよ。」

シン「『プロジェクト4』?」


~プロジェクト4基地~

ゲイリー「ほう…お嬢さん達が…。」

隊長「ま、エリア88と言えども所詮は傭兵の集団だ。金を倍以上出す言われれば当然寝返る奴も出てくる。その糸口を今つけている頃だろう。」

ゲイリー「…………。」

一方、真紅、キム、翠星石、ミッキーの4人はシンが連絡を断ったポイントに向けて飛行していた。

翠星石「キム!あまりぶっ飛ばすんじゃねえです!燃料がすぐ底をつくですよ!」

キム「で…でも!」

ミッキー「心配するな。滅多なことでやられる男じゃない。」

キム(シン大尉…!)

真紅「…………。」

シン「プロジェクト4って何だ?」

水銀燈「そうね…悪魔の計画とでも言っておこうかしら。」

砂の女王「今に世界はプロジェクト4が握ることになるわ。どう?貴方も仲間にならない?」

シン「…………。」

水銀燈「傭兵は金で雇われて動くもの…と聞いていたけれど。アスランが支払う金額よりもさらに倍以上のお金を払うと言えば?」

シン「…悪くない話だな。」

水銀燈「人間にしては物分りがよくて良かったわ。貴方を助けたのもこの話を貴方の他の傭兵にも話してほしいから…。」

砂の女王「この戦争はもう終わりよ。アスラン軍の負けでね。貴方達外人部隊が一斉に寝返れば政府軍は骨抜き。あっという間にカタがつくわ。私達は貴方達を殺したくはないのよ。」

砂の女王「貴方がみんなを説得すると約束してくれるなら…あたしを…あげる…。」

シン「!」

砂の女王「貴方が気に入ったわ。好きよ。」

シン「気に入った?好き?」

シンは急に笑みを浮かべる。

シン「そうか…気に入ったか…ふふふ…。」

砂の女王「な…何がおかしいのよ!」

シン「いやwwおかしいわけじゃwwあれ?やっぱりおかしいのかな?www」

ズダァーーーン…

シンの左肩をかすめる

砂の女王「よくも笑ったわね!助けなけりゃよかったわ!殺してやる!」

水銀燈「落ち着きなさい。」

シン「殺せないさ…君にはね。」

ゴリ…

シンの眉間に銃口を突き付ける。

砂の女王「今すぐ謝りなさい。誤れば命だけは助けてあげる。でないと脳みそ吹っ飛ばしてやるから。」

シン「殺していいのかな?俺達はジョーカーを持っているんだが。」

???「そう、俺達がジョーカーだ。」チャッ

砂の女王「!」

シン「ミッキー!真紅!」

真紅「無事だったようね、シン。」

水銀燈「…………。」

真紅「…………。」

翠星石「お~い!シンは生きてたで…って水銀燈!?」

キム「大尉!」

シン「来るんじゃない。」

ミッキー「こりゃ日本でいう修羅場ってやつか?」

水銀燈「…何しにきたのよぉ。」

真紅「今日のところは引きなさい。貴方もマスターを死なせたくはないでしょう?」

水銀燈「…………。」

シン「ミッキー、その女性を放してやってくれ。彼女はまだ兵士じゃない。」

ミッキー「え?」

翠星石「シン!?」

砂の女王「何言ってるの!?あたしはあんたの敵だよ!」

シン「いずれね…でも今は敵とは言えん。」

真紅「…………。」

水銀燈「…………。」

シン「ミッキー、彼女の装具と武器を外の彼女の機体の中へでも放り込んどいてくれ。ちょっと彼女と2人で話がしたい。」

キム「でも大尉!こいつ…」

ミッキー「来いよ、キム。」コツコツ…

キムはミッキーに続いて外に出る。

シン「君達も席を外してくれないか?」

真紅「…分かったわ。」コツコツ…

水銀燈「…バカバカしくて付き合ってられないわぁ。外で待ってるから…。」コツコツ…

真紅と水銀燈も外に出る。

砂の女王「借りを返したつもり?」

シン「ま…それもあるが…。誤る気は毛頭ないが、さっき笑った理由を言っておこう。」

砂の女王「…………。」

シン「俺達は傭兵だ。金で命を売り買いする…俺達が選択することが出来るのは好きか嫌いかではない…生きるか死ぬかの2つに1つだ。」
シン「久しぶりに娑婆の女の言葉を聞いてここは戦場だと心に言い聞かせてる自分がおかしくてね…君の事を笑ったわけじゃない。」

砂の女王「…………。」

シン「涼子の事が心に無ければ君の魅力には敵わないだろう。傷の手当をしてくれたことには深く感謝する。」

砂の女王「男が女に感謝するときは言葉ではなくてよ。」

シン「では女王に相応しい感謝を…。」

シンはそう言うと、彼女の右手にキスをした。

砂の女王「…!」

シン「じゃあ…」

砂の女王「待って!」

シン「?」

セイレーン「あたしはセイレーン…セイレーン・バルナック。」

シン(セイレーン…ああ…そうか…)

シンはセイレーンという名で思い出した。魔女の名前で、歌声で船人を引き寄せ深い水底に沈めてしまうという。

シン(彼女の妖しげな魅力は女王ではなく魔女のそれかも…)

その後、シンはミッキーのF-14後部に乗って帰っていた。

真紅「あのレディと何を話していたの?」

シン「買収の話さ。」

ミッキー「買収?」

シン「帰ったら話すよ。」

ゴォォォォォォ…

帰っていく2機を見つめるセイレーン。

水銀燈「どうやらあの真紅のマスターを気に入ったようね。」

セイレーン「ええ…。」



セイレーン「本気で好きになりそうよ…シン…。」


今日はここまで。

草の不意討ちに草。

空中でクルセイダーの翼をたためたのってシンが変な改造でもしてたからだろうか?
それにしても回避に間に合うのもアレだが

>>417
MISSION42と同様に使ってみたかった(むしろ使うべき)。

>>418
そこは漫画のための演出(大人の事情)ということで。

てなわけで今から投下。


~司令官室~

サキ「ほう…買収をね…。」

金糸雀「考えたものかしら。」

シン「それと…訳の分からない地対空ミサイルランチャー…。」

サキ「訳の分からん?」

シン「発射機そのものは地表には出ていないんだ。砂の中に埋まっていると思う…。」

マッコイ「対空地雷ってやつかな?それ。」


MISSION61 闘将たちの空

サキ「なんだマッコイ、知ってるのか?」

翠星石「そんなの聞いたことないですよ!」

マッコイ「いや…わしも現物なんて見たことないけど…2年前に武器業者の間で話題に上ったことがあるんだ。」

真紅「2年前…。」

マッコイ「はっきり覚えちゃいないんだがこう…筒の中に短距離の地対空ミサイルを入れて地面に垂直に入れるんだ。埋めた上空を飛行機が飛べばミサイルが発射される…。」

サキ「それかもしれんな。」

真紅「まさに飛行機用の地雷というわけね。」

マッコイ「ああ…でも子供騙しだぜ…みんな相手にしなかった。」

シン「どうして?」

マッコイ「ミサイルは500mも上がらんしおまけに無差別だぜ…味方の飛行機だって撃っちまうんだから…さすがのわしも仕入れてみようとは思わんかったよ。」

サキ「2年間での性能アップは考えられるか…。」

マッコイ「どうかね…もう業者間の話題に上らなくなってだいぶ経つぜ。」

サキ「武器の可能性というのは常にアイデアだ。性能を満たすのは技術の問題だ。私ならその対空地雷のアイデアは捨てんぞ。」
サキ「ミサイルも電子回路も推進燃料もこの2年で格段にアップしてきている。バズーカ砲や対戦車ミサイルが使い捨て出来る大きさにまでなる時代だ。」

ミッキー「しかし敵、味方識別装置となる電子回路はミサイルに搭載は難しいぞ。重量がかさむ。」

サキ「地上に受信ユニットを置けば済むことだ。ミサイルに直接搭載する必要はない。味方の機体にはある特定の周波帯で電波を発進させておけば誤射される心配もないだろう。」

翠星石「味方以外は全部敵ですか!民間機はどうするですか?」

金糸雀「戦争している中を飛ぶ旅客機なんて普通無いかしら。仮にいたとしても…巻き添えになっても文句は言えないかしら。」

ミッキー「ひでぇ…。」

シン「買収の件はどうする?」

サキ「そうだな…買収されてみるか…。」

一同「え?」

キイイイイイイイイイイイイイイイイイイン!

管制『発進機あり!発進機あり!滑走路上の作業員は近くの発進シェルターへ入れ!』

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…

シン「脱走したと言って敵の基地まで行っちまうのかい?大丈夫かな…。」

ミッキー「心配するな。敵の基地まで行けなくても何機かは叩き落としてくる。」

キム「行ってきます、大尉!」

翠星石「大人しく養生してるですよ~!」

グオオオオオオオォォォォォォォ…

基地からF-14が1機、クフィルとF-4がそれぞれ2機ずつ発進していく。

シン「…………。」

ゴォォォォォ…

ミッキー「サキ。敵が俺達を脱走兵だと思うかな?」

サキ「手は打ってある。もうそろそろ聞こえてくるぞ。」

管制『こちら88コントロール!哨戒中の全機に通達!脱走兵だ!低高度進行中の5機編隊を発見したら直ちに撃墜せよ!』

翠星石「ほえー!」

キム「へー!」


~プロジェクト4基地~

ピーピーピー…

敵兵士A「88の交信波を受信しました。脱走兵が出たそうです。」

隊長「早速か…さて諸君、この脱走兵は本物か、偽物か?」

ハービー「偽物!」

ポール「偽だ!」

マイケル「罠ですな!」

ロバート「エセでしょう。決まってます。」

ジョージ「偽だ!」

隊長「ゲイリー、どう思う?」

ゲイリー「お嬢さんはどう思います?」

セイレーン「多分偽物よ。脱走兵のふりしてこの基地を叩くつもりだわ。」

マイケル「それを聞いて安心しました。あの男を信用しているのかと思いましたよ。」

セイレーン「信用してるわ。」

水銀燈「あの人間は裏切らないわ。ここでの戦いの間…あの男はたとえ不利でも私達の敵になるでしょうね…。」

セイレーン「そういうこと。だから今飛んでくる編隊は偽物よ。」

隊長「2人の言う通りだろう…私もこいつ等は偽物だと思う。」

ゲイリー「どうします?」

隊長「叩き落とす。」

ゲイリー「…………。」

ゴォォォォォォ…

ゲイリー「ダイヤモンドを2個作れ!」

ゲイリーの指示で、傭兵達は2つのダイヤモンド編隊を作る。

それを遠くから見る88のメンバーがいた。

翠星石「サキ!右2時方向編隊ですぅ!」

キム「あの編隊は我々の誘導に飛来したのでしょうか?」

サキ「甘いぞキム。奴等は攻撃してくる気だ。それにこの戦場空域でダイヤモンド編隊を組める連中となるとザラにはいない…多分例の傭兵共だろう。」

ミッキー「俺達の脱走兵のふりは通じなかったようだな。普通ならとっくにミサイルを発射してきていい距離だ。」

キム「で…では?」

サキ「エリア88パイロットに敬意を表してのドッグファイトと見た…お受けしよう!」グイ

グオオオオオオオォォォォォォォォ…

ハービー「ゲイリー!早く攻撃を!」

ゲイリー「まあ待て。あのF-14はミッキーだ。先頭のクフィルが編隊長だろうがなかなか肝っ玉のすわった男らしい。ビクともせんな。」

ゲイリー「あの暴れん坊のミッキーを手なずける司令官なぞ軍でもそういなかったよ。階級だけでは従わん男だからな。」

グオオオオオオォォォォォォォ…

ミッキー「スイセイセキ、そのまま脱出しろ。着地したら真っ先に逃げろ。」

翠星石「ミッキー?」

ミッキー「サキ、翠星石が脱出したら先鋒は俺が引き受ける。3機は責任持って叩き落としてやる。」

サキ「そう死に急ぎするなミッキー。当に分かってるはずだ。お互いあのMiG相手じゃせいぜい渡り合って2機…残り1機は…。」
サキ「体当たりはさせんぞ。覚えておけ。お前は嫁入り前の箱入り娘の下僕であることを。」

ミッキー「…腹ん中見透かされてるってなぁ気分のいいもんじゃねえな。」

サキ「お互い修羅場をくぐってきた身だ。心が見えんでどうする。」

翠星石「ミッキー…。」

ミッキー「悪かったな、変な事言っちまって…生きて帰るぞ。」

翠星石「…はいです!」

サキ「キム!お前は帰れ!」

キム「!」

サキ「命令だ!拒否は許さん!応援を引き連れてこい!」

キム「わ、分かりました!」

キムは編隊を離れる。

キム「応援を連れてきます!それまで…それまで死んじゃダメですよっ!」

キュウウウウウゥゥゥゥゥゥゥン…

ハービー「1機離脱します。追いますか?」

ゲイリー「構わん、ほっとけ。ジョーンズ!ホール!それにケンパー!俺に続け!あとは上空待機してろ!」

ハービー「了解…。」

デビット「了解!」

マイケル「了解!」

ゴォォォォォォォ…

サキ「ほう…敵さんも4機か…なかなか紳士的だな。ミッキー!ローランド!バーニー!」
サキ「生きていたらまた会おう!行くぞっ!」

一同「「「88見参!」」」

キムは全速力でエリア88に帰投した。

シュゥゥゥゥゥゥン…

キム「早く!付いて来て!サキやミッキーが!早く!」

キムは涙目で訴える。

真紅「落ち着きなさい、キム。」

キム「僕じゃダメなんだ…足手まといで…ダメな…。」

シン「マッコイ!俺達の機体はエンジンの換装を終了してるか!?」

マッコイ「あ、ああ、換装は終わってるがどっちも試運転がまだだ。」

シン「試運転なんかいらん!離陸出来れば合格だ!ケン!ウォーレン!上がるぞ!」

キィィィィィィィイイイイイイイイイイイン!

管制『出撃!出撃!整備班は直ちに機体より離れよ!』

キム「ぼ、僕も行かなきゃ…」ダッ

グエン「待ちな、キム!」

ボカッ

キム「あうっ!」

バタッ

グエン「グレッグ、このわんぱくを部屋に引きずっていってくれ。」

グレッグ「グエン!」

グエン「シン、キムは気分が悪くて飛べんとよ。俺が代わる。」

シン「グエン、お前!」

真紅「シン、準備完了よ。」

シン「コントロール!離陸する!」

グオオオオオオオオオオォォォォォォォォォ…

今日はここまで。
せっかく手に入れたファイヤーフォックスですが、活躍するのはまだ先です。

今から投下します。

キイイイイイイイイイイイイイン!

シン「編隊各機へ!全速で高度1万mまで上昇!遅れるなっ!」

ウォーレン「グエン!クフィルは初めてだろ!使いこなせるか!?」

グエン「なめんじゃねえよ!こちとらイチゴジャムのボンボンとはわけが違うんだ。戦場で産湯を使ったんでぇ。これっくらいの機体が操れんでどうする。」

グオオオオオオオオオォォォォォォォォ…


MISSION62 有翼機甲団

ゴォォォォォォォ…

ズキッ

シン「く…。気圧が変化すると傷口がうずくな…空戦やるとまた開いちまうか…。」

真紅「シン、腕は大丈夫?」

シン「ああ、何とかなるさ。」

グエン「重症をおしてまで助けに行くのか?へっ、泣かせる話だな。何かサキに弱みでも握られてるのか。え?シン。」

ウォーレン「グエン、そのコクピット俺の弾で棺桶にしたくなかったら黙ってな。」

グエン「おーおー!怖いねーウォーレンさん!」

ウォーレン「貴様!」

真紅「止めなさい2人共。今は言い争っている場合ではくてよ。」

その頃、戦闘空域では既にローランドとバーニーが撃墜され、サキとミッキーの2人でプロジェクト4の傭兵軍団とドッグファイトを繰り広げていた。

ギュウウウウウウウウウウン!

ミッキー「くそ!」

キィィィィィィィン…

セイレーン「何をモタモタしてんのさ!じれったいねぇ!みんな、行くよ!さっさと片付けておしまい!」

ゲイリー「止めろセラ!お前の手に負える相手じゃない!」

セイレーン「何言ってんの!どデカい図体の『暴れ猫』に手こずってるのはどっちよ!」

残りの傭兵も参加してくる。

ミッキー「ほっほー!やっと出てきてくれましたか!」ニヤリ

翠星石「ちったぁ有利になったですね。」

ゲイリー「セラ!こいつの手に引っかかるな!こいつぐらいの腕になると敵の数が増えて乱戦になった方が戦いやすくなるんだ!」

セイレーン「腕もへったくれも落とされちゃおしまいよ!」

ダダダダダダダダダダダ!

暴れ猫は上に反転する。

グオッ

セイレーン「あっ!」

ミッキー「いただき!」

ゲイリー「セラ!」

ダダダダダダダダダダダダ!

セイレーン「きゃあ!」

バアン!ドォォォォォォォン…

ゲイリー「セラ!」

セイレーンはすぐに脱出した。

ロバート「野郎なめやがって!」

ゲイリー「止めろロバート!」

ギュウウウウウウウウウン!

トムキャットはエアブレーキでロバートのフィッシュベッドの後ろに回り込む。

ロバート「あっ!」

ミッキー「アーメン!」カチッ

ダダダダダダダダダダ!

ロバート「うわあっ!」

ドカアアアアアアアアアアアアアン!

ゲイリー「ロバート!バカな奴…。」

ゲイリーはミッキー目がけて突っ込む。

ゲイリー「ミッキー!勝負だ!」

ミッキー「おう!こい!」

両機正面で向き合い…

ドドドドドドドドドドドドドドドド!!

ギュウウウウウウウウウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン…

ミッキー「うおう!」

ガスッ…ガスッ…

ゲイリー「図体がデカい分だけ災いしたな、ミッキー!」

キュン!

ゲイリー「おわ!」

ミッキー「シン!?」

サキ「おう、シンか!」

シン「蹴散らせ!」

ギュウウウウウウウウウウウウウウン!

ゲイリー「全機へ!引き上げろ!」

ゲイリーの指示で残っていた傭兵達は引き上げていく。

真紅「追う?サキ。」

サキ「いや、いいだろう。お前達も全力飛行で燃料も半分を切ってるだろう。仮に追って基地を突き止めても戦闘は出来ん。こっちも引き上げよう。」

シン「ミッキー!翠星石!大丈夫か!?」

ミッキー「ああ、何とか基地までは持ちこたえるだろう。」

翠星石「それよりあの女はどうするですか?」

シン「え?」

ミッキー「さっき俺が撃ち落した。エンジンに弾を集中させたから怪我はしていないはずだ。」

真紅「放っておいてもいいでしょうけど1番近いオアシスまで100kmはあるわ。」

翠星石「干物になっちまうですね。」

シン「…………。」

シンは渇いた砂岩質の地面に機体を着陸させる。

シュゥゥゥゥゥゥン…

シン「乗れよ。」

セイレーン「同情ならよして!」バン!

ヘルメットを地面に叩き付ける。

シン「肩の傷がまた開いちまってね。左手がブラブラだ。」

セイレーン「…………。」

ゴォォォォォォォ…

セイレーン「敵に操縦させるなんて…呆れた男ね。」

シン「確かにな…。」

セイレーン「でも…悪くないわ。」

グエン「イチャつくのはいいけどよ…10時方向、何か飛んでくるぜ。」

シン「!」

サキ「敵接近!ミサイル攻撃に備えろっ!」

グエン「ひい…ふう…みいと…はん、22機か。相手にするにはいい数だ。全部血祭りに上げてやる。」

サキ「止めろグエン!ミッキーのトムキャットは小破したままだし俺のクフィルも燃料が残り少ない。シンの機には女が乗ってる。4機では勝算が無い。」

グエン「勝算の無い戦争なんざ何時だってやってきたさ…今に始まったこっちゃない。」

ケン「燃料も弾もまだあるぜ。」

サキ「ケン!」

ウォーレン「何とかやれるんじゃないすか?」

サキ「ウォーレン!」

真紅「グエン、どういう風の吹き回しなの?不利な戦いはしあいのが貴方の主義ではなくて?」

グエン「このところ戦闘には参加してなかったんでな。血が騒ぐのさ…へへへ…。」

サキ「ま、いい。お前の趣味は分かった。だが戦闘は俺達が空戦域を脱出するまででいい。命の大安売りをさせるほど俺は気前よくないんだ。」

グエン「分かってまさぁね。しかし傭兵の司令官としてはここは一発死んでこいと言うべきでしょうな。」
グエン「もっとも、それを言おうとして言わないとこが気に入ってるんですがね。へっへっへ…」

真紅「来るわよ。」

グエン「続けっ!」

ギュウウウウウウウウウウウウウン!

敵編隊もグエンらに向かってくる

グエン「来たぞっ!ビビるなっ!」

ウォーレン「3つや4つのガキじゃあるめーし言われなくても分かってらぁ!」

ケン「あんたこそちびるなよ!すれ違いざまは大迫力だぜ!」

グエン「こきゃあがれ!でぇーい!!」

ゴオオオオオオオオオオオオオ!

ミッキー「おっぱじまったぞ!全力で逃げろ!」

敵の編隊の内の数機がシン達に向かって飛んでくる。

翠星石「ほう、さすがに22機もいれば目移りしてこっちの相手もしようとする奴もいるようですね。」

ミッキー「低空戦に持ち込めば何とかなるべ!」グ…

サキ「進路を変えるな!ミッキー!お前達はさっさと基地へ行け!」

サキのクフィルは方向を戦闘空域へ向ける。

翠星石「サキ!燃料が続かんですよ!」

サキ「片方のエンジンが死にかかった猫より腹ペコのライオンの方が有利だろうが!」

グオオオオオォォォォォォォ…

ミッキー「けっ!よく言うよ!エンジンさえまともだったらあんなデカい面させねぇのによ!」

その後、サキやグエンらは次々に敵機を撃墜していく。

サキ「次はお前だ!」

敵兵士A「わ…わわ!」

敵は必死に回避するが…

グォォォォォォ…

サキの射程内に入ってしまう。

サキ「甘いな、エリア88じゃ1ウィークパイロットだぞ、その腕では!」グ…

サキ「うっ!」

敵兵士A「やられるっ!」

ゴォォォォォォォォ…

敵兵士A「…………?」

何故かサキは攻撃せず別方向へと離脱していく。

敵兵士A「???」

この時、彼の目にはまた異常が生じていた。

サキ(見えん!真っ暗だ!高度は!?速度は!?敵は!?)

やっと見えるようになった時、目の前には砂漠が迫っていた。

サキ「うおっ!」グイ

ギュウウウウウウウウウウウウウウン!

シン達は基地へ向かって飛んでいた。

ゴォォォォォォォ…

シン「翠星石、サキは後ろから来ているか?」

翠星石「いや、来てないですね。」

シン「やられるような人間じゃないが…。」

セイレーン「そんなに心配なの?」

シン「まあな…みんな死線を共にくぐってきた仲だからな。」

セイレーン「でもあんた達に死ねと命令出来る立場の人間よ?」

シン「いっそ命令してくれた方が気が楽になるかもしれんな…。」

セイレーン「分からないわ。あんた達傭兵でしょ?」

シン「そう…傭兵だ。金で雇われて命を張るのが仕事だ…でもサキは金を払ってくれるだけじゃないのさ…。」

セイレーン「何よそれ?」

シン「口では説明しにくいな…だが88のパイロットは殆どがそれを知っている。立場を一緒にした者だけが分かるのかもしれんがね。」

セイレーン「立場って…何よ?」

ピッ…ピッ…

シン「何だ?」

セイレーン「前方に1機…味方みたいだけど。」

シン「?」

金糸雀『シン!ミッキー!翠星石!後はカナが応援に行くかしら!』

シン「金糸雀!?」

すると、シン達の上を1機の爆撃機が反対方向へ飛び去って行く。

ゴォォォォォオオオオオオオオオォォォォォォォォ…

ミッキー「TSR-2か…。」

シン「…きっとああいうやつの立場なんだろうな…。」

セイレーン「…………。」



俺達は死線の上の綱渡り…

天国へ一歩…地獄へ一歩…

どちらに踏み外しても娑婆とお別れ!


どうも僕です。
近日中に入院する予定なので、しばらく(おそらく4日程度)投下出来ません。
それまでに何話投下出来るかは分かりません。
それではまた。

人間の子供がどういうもんだったか、見忘れちまったのさ。
ここにいる子供はキムくらいだぜ。

>>463さん
だいたいそういうことです。

傭兵たちだけで見間違えてた頃はそれほど気にならなかった

ギリシャとかの戦場外の女たちまでも真紅を人の子供と見間違えてただろう?
その辺りから違和感がだんだんと膨らんできやがったのさ

>>466
一応ローゼンメイデンは現実には信じがたい存在ですし、仮にばれたりしたらいろいろ問題が起きそうですから、原作でジュン達マスターが隠していたように、シン達も隠しているのです。(前スレのMISSION35参照)ローゼンメイデン達も原作同様に自分の暮らす家でもあるエリア88でこそメンバーの一員として人間のように扱ってもらえるのです。

これより投下します。

管制『コントロールより!進入角よし!そのまま水平を保て!着陸まであと2分!』

シン「了解!」

ゴォォォォォォォォ…

シン「よりによってこんな時にガス発生か?」

セイレーン「んなこと言ってないでしっかり前見ててよ!あたしには計器盤しか見えないんだから!」

シン「死ぬのが怖いのか?」

セイレーン「まあね…気分のいいものじゃないわよ…きっと…。」

管制『コントロールより!右に傾いている!1度戻せ!』

セイレーン「何だってこんな穴倉なんかに基地作ったのよ!?」

キキィィィィィィィィィ…


MISSION63 乱気流戦線

ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥ…

サキ「…………。」

サキが不時着した場所は旧エリア88、つまり以前の砂漠基地のすぐ隣だった。

サキ「ったく…何だってもう!」

ザーザー…

サキ「ダメか…砂嵐で磁場ができてやがるな。しょうがない、しばらく寝るとするか。」

金糸雀はTSR-2で哨戒飛行をしていた。

ゴォォォォォォォォ…

金糸雀「サキ…何処に行ったの…?」

カチッ

金糸雀「エリア88コントロール!こちら金糸雀かしら!」

ザザーザー…

金糸雀「F地区の砂嵐のせいで通じないかしら…。」

その時、金糸雀はあることに気付く。

金糸雀「…F地区…まだ探してないかしら。」グイ

グオオオオオォォォォォォォォ…


~エリア88~

ラウンデル「E地区発見出来ず…か。あらかた探したが発見に至らず…。」

主任「もうとっくに燃料切れで降りてるはずなんですが…。」

ラウンデル「降りてりゃいいが落ちてると困るんだ。あとは旧88基地を含むF地区だな…。」

管制官A「F地区は砂嵐で高度が下げられないとの連絡がありました。」

ラウンデル「砂嵐が収まり次第F地区のパトロールを重点的にやれ!もう可能性はあそこしか無い!」

金糸雀「F地区はカナがもう一度行ってみるかしら。」

ラウンデル「あの…シンが連れてきた女は何処だ?」

主任「マッコイが独房を部品倉庫にしてますんで、キムの部屋に入れてあります。」

金糸雀「キムが見張り番してるの?」

主任「ええ…。」

ラウンデル「取り調べて敵の基地の位置を聞きださなきゃならんな…。」

管制官B「言いますかね?」

ラウンデル「なるべくはいてもらわなきゃな…でないと軍部の情報局に回さなきゃならん。」

主任「情報5課ですか?拷問するとこですよ。」

ラウンデル「うむ…。」

キムの部屋にはセイレーン、キム、真紅の3人がいた。

キム「…………。」

真紅「…………。」

セイレーン「ねぇ、ずっとそこで見張ってるつもり?」

キム「そうです!この基地内での貴方の事は僕に全責任があるんですから!」

セイレーン「ふーん…。シンの部屋は何処なの?」

キム「この部屋の向かい側です。でも関係ないでしょ、貴方には…。」

真紅「さっき開いた傷口の手術を終えて今は部屋で休んでいるわ。」

セイレーン「そう…よかった。」

キム「…………。」

真紅「お伺いするけれど、水銀燈は今どうしていて?」

セイレーン「あの子ね…どうだか。今は基地で大人しくしているだろうけど、見かけとは裏腹に寂しがり屋だから…。」

真紅「そう…。貴方は彼女の事をどう思っているの?」

セイレーン「そうね…あの子は自分を悪魔だとか言ってるけれど、あたしにとってはそう…天使ね。」

真紅「天使?」

セイレーン「そう、あたしをシンという男に会わせてくれたかわいい天使さん。」

真紅「…………。」

キム「…シン大尉のこと、好きなんですか?」

セイレーン「そうよ、大好き。」

キム「でもダメですよ!大尉にはちゃんと心に決めた人がいるんですから!」

真紅「貴方に彼を振り向かせるのはかなり難しいわね。」

セイレーン「あら。言うわね、坊や達。心に決めた女が何だってのよ。あたしはすぐそばにいるわ。条件は有利なはずよ。」

キム「大尉の恋人は美しくて優しい女性だそうです。」

セイレーン「あたしは美しくて優しくないっていうの?」

真紅「貴方は美しいけれど優しさは…時と場合によるわね。」

セイレーン「どういう意味?」

真紅「世の中の典型的な性格の女性として、普段は物静かだけれど感情が高ぶると手が付けられない状態になる人間もいると聞いたのだわ。」

キム「ま、そこは自分の胸に聞いて下さい。」

セイレーン「生意気言うんじゃないよガキ共。黙って聞いてりゃ面と向かってぬけぬけと。」ギリ…

キム「それだけ暴言吐いて美しいだの優しいだのと言えば立派な詐欺ですよ。」ニヤ

セイレーン「!」プッチーン

キムVSセイレーン乱闘開始(

結果:3秒後に真紅にローズテイルで取り押さえられ引き分け

数分後、ラウンデルと金糸雀が来た。

金糸雀「どういう状況かしら?」

真紅「口論がうるさかったから止めたまでよ。」

キム「ふん!」

セイレーン「ふん!」

ラウンデル(可愛くねーアマッコだわ…)

ラウンデル「取り調べを行う。こちらの質問に答えないなら拷問してもゲロさせるぞ。」

セイレーン「拷問?」

キム「拷問って少佐、何するんですか?」

ラウンデル「裸にひん剥いて火であぶったり水に浸けたりして虐めちらかすんだ!」

セイレーン「古…あたしも傭兵よ。体罰はもちろん自白剤、メスカリンやペンタトールによる拷問の訓練は受けてるわ。拷問による苦痛で自白するよりは死ぬでしょうね。」

ラウンデル「死ぬ覚悟でここへ来たのか?」

セイレーン「撃墜されて砂漠に放り出されれば死んだも同じ…何処で死ぬのも同じなら好きな人の近くの方がいいわ。」

2人はその一図な気持ちに感激した。

ラウンデル「け…健気じゃ…!」ヨヨヨ…

金糸雀「こんなに純粋に人を愛せる子だったなんて…感激かしら!」ブワッ

キム「ああ2人とも、ほらハンカチを…。」

真紅「あの2人顔に似合わず涙もろいのよ。」

セイレーン「だって本当に泣くなんて思わなかったもの。」

一方、アスラン国境近くでは…

ゴオオオオオオオオオオオ…

敵隊長「アスラン首都まで1時間!各機編隊を組み直せ!アスラン首都は現在砂嵐が通過中!レーダーは効力を消失している模様!」

グォォォォォォォ…

敵兵士A「友軍機、上空を通過します。」

総本部『総本部よりホットコール!作戦開始!発動0時!』

敵司令官「よし!いよいよアスラン攻撃だな!全車エンジン始動!進撃開始!」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…

ゴォォォォォォォ…

サキ「…………ん?」パッ

キキィィィィィィィィィィ…

サキ「…誰の機体だ?」

シュゥゥゥゥゥゥゥン…

操縦席からは見慣れた小さな黄色い副官が降りてくる。

金糸雀「サキ!」

サキ「カナリア!?」

金糸雀「探したかしら~!」ダキッ

金糸雀は涙目でサキに抱きつく。

サキ「おっと…心配をかけたようだな。」

金糸雀「本当に心配したかしら!管制から貴方が消えたって聞いた時はもう…カナは…。」

サキ「大丈夫だ。下が砂漠だったから怪我はない。」

金糸雀「よかった…。」

サキと金糸雀はTSR-2に乗り込む。

パチン

ザー…ザザー…

サキ「エリア88コントロール!私だ!サキだ!」

管制『サキし…ザザッ…じですか!現在ザザ…を教え…ブッ。』

サキ「現在位置F地区の旧88基地だ!すぐに戻る!」

管制『了解…ザッ。』

サキ「まだ砂嵐が止んでいないようだ。」

金糸雀「でもさっきよりはマシかしら。」

サキ「取り敢えず今はここを離れるしかないな。離陸出来るか?」

金糸雀「何とか大丈夫かしら。」

2人を乗せたTSR-2は何とか離陸に成功する。その直後、

『ザ…61攻撃隊…だ…アス…ラン…。』

サキ「ん?」

金糸雀「何かしら?」

『こちら…58戦車大隊!ものすごい数です!ザ…急襲です!』

サキ「な…一体何を…。」

『突っ…込め…!アスランには入れさせ…るな!』

金糸雀「まさか!」

サキ「88コントロール!サキだ!緊急出動をかけろ!」

どうも僕です。
明日から4日程度入院するためしばらく投稿が途絶えます。入院中に次の展開を構想しようと思います。

次のオリジナル展開要素
・トロイメントオリジナルの紫の自動人形
・彼女が慕うのは以前シンを殺そうとしたあいつ
・専用機体はMiG-31(架空)そっくりのSFC版エリア88に出てくる機体
・爆撃機改造機がプロジェクト4の対ファイヤーフォックス用兵器として登場(>>367さんのあれ)

お待たせしました。これより投下します。

エリア88はサキからの突然の緊急出動であわただしくなっていた。

ミッキー「おうし!出るぞ!」

翠星石「あの傭兵軍団を全部落としてやるですぅ!」

グレッグ「おーいヒナー!何処行ったー!?」

シン「グレッグ、どうした?」

グレッグ「ヒナがまたどっか行っちまったんだ。」

翠星石「またですか?まったくあのチビは…」


MISSION64 運命の24時間

管制『コントロールより!勝手に発進するな!』

シン「誰だ?」

そこには今にも飛び出そうとするファイヤーフォックスの姿があった。

キャンベル「おいおい誰だ!?勝手に動かしてるの!」

蒼星石「きっと雛苺です!」

グレッグ「何ぃ!?」

グレッグはあわててA-10の無線を入れる。

グレッグ「ヒナ!何をするつもりだ!?」

雛苺「アスランのみんなを守るの!邪魔しないで!」

翠星石「バカ!ロクに操縦も出来ないくせに何が出来るですか!」

雛苺「うるさいの!ヒナはもう飛ぶの!」ブッ

グレッグ「くそっ!一方的に切りやがった!」

グオオオオオオオオオオオオオオオ!

ミッキー「みんな退避しろ!あいつ全力発進する気だ!」

ドドドドドドドドドドドド…

グレッグ「何てこった…行っちまったよ…。」

シン「…………。」

グォォォォォォォォ…

雛苺「早く行かなきゃ。」グイ

グオオオオオオオオオオオン!

ファイヤーフォックスは全速力で交戦空域へ向かう。

ピー

サキ『TSR-2よりファイヤーフォックスへ!サキだ!応答せよ!』

雛苺「雛苺なの~!」

サキ『ヒナイチゴ、今から君に指令を与える。直ちに交戦空域へ行け。』

雛苺「了解なの!」

金糸雀「サキ!いくら何でも雛苺にやらせるのは…」

サキ「分かっている。だが何も敵と交戦しろとは言っていない。」

雛苺「?」

サキ「いいかヒナイチゴ。あまりミサイルや機銃で応戦するのは最小限にしろ。ただ空域内を全速で飛び回ればいい。危ないと思ったら攻撃するか一旦離脱しろ。」

雛苺「分かったの!」

前部座席から金糸雀が訪ねる。

金糸雀「サキ、一体何を…?」

サキ「彼女は機体の操縦は出来ても武器管制はままならない。いくら思考誘導兵器と言っても乗員が正しい思考判断能力を身につけていなければ宝の持ち腐れだ。」
サキ「カナリア、忘れていないだろう?ファイヤーフォックスの特性は何も武装じゃない。マキシマムスピードに達した時に初めて奴等の脅威となる事を。」

金糸雀「…………。」

一方、アスラン首都近辺では正規軍とプロジェクト4の激しい空戦が繰り広げられていた。

中隊長『入れるな!アスラン正規空軍の名に懸けて首都に奴等を侵入させるな!第1、第2、第3小隊、かかれーっ!』

グオオオオオオオオオオオオオオ!

ドォォォォォォン…ドカァァァァァァン…

兵士A「この野郎!この野郎!貴様等にこのアスランを渡してたまるかっ!」

ダダダダダダダダダ!

ドカアアアァァァァァン…

兵士A「やった!1機撃墜…」

ふと後ろを振り返ると、

兵士A「え?」

およそ10機のフィッシュベッドが1機のクフィルを狙っていた。

兵士A「うわ!」

ドドドドドドドドドドドド!

兵士A「ぎゃあっ!」

ズガアアアアアアアアアアアン!

敵小隊長「デビルス1よりキング4!正規軍の練度は低い!油断さえしなければやられることは無い!けちらせっ!」

敵兵士A「隊長!3時の方向より高速で接近…」

その時、謎の黒い物体が編隊の上をかすめる。

キュウウウウウウウウウン!

敵兵士A「うわ!」

次の瞬間。

ドカアアアアアアン!!ドドオオオオオオン!ズガアアアアアアアン…

夜空を横切るように1本の炎の線が引かれた。

小隊長「何だ!?一体何が起こったんだ!?」

小隊長の機に無線が入る。

サキ『現在戦闘中の正規軍へ、こちらエリア88司令官サキ・ヴァシュタール。独断でそちらに応援を向かわせた。既に戦闘に参加しているはずだ。』

小隊長「サキ中佐殿!救援とは…?」

金糸雀『エリア88所属の金糸雀少佐かしら。聞いて驚かないでね。「ファイヤーフォックス」かしら!』

小隊長「「ファイヤーフォックス」!?まさか…じゃあ、今飛んでいるのが…!」

ドォォォォンドドォォォォォォン…

サキ『そうだ。後からまた別の応援が来る。それまで持ちこたえるんだ。』

小隊長「は、はいサキ中佐!応援、感謝致します!」

雛苺『ヒナが来たからにはお任せなの~!』

小隊長「」

サキ「…子供だが腕は一流だ。」

その後、サキと金糸雀はアスラン王宮と連絡を取り合った。

ザク「何!?プロジェクト4が!?」

サキ『そうです。首都へ向けて進撃を開始しました。88から応援を出しましたが、何時まで持ちこたえられるか分かりません。早急に避難してください。』

ザク「分かった!おい!今すぐ市民に避難勧告を出せ!」

大臣A「既に出しております!中庭にヘリを用意しました!早く!」

ザク「しかし、まだ市民の避難が…」

サキ『陛下!早く避難を!』

ザク「わ、分かった!」

ファイヤーフォックスはアスラン首都周辺を周回するように超音速飛行していた。

ギュオオオオオオオオオオオオ!

敵兵士B「ぎゃあっ!」

ズバアアアアアアアアアン!

マッハ5を超す超速飛行で生じる衝撃波と乱気流によって既に30機以上の敵機が墜落していた。

敵兵士C「うわあ!操縦不能!脱出する!」

ドオオオオォォォォォォン…

敵兵士D「イ゛ェ゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!」

ドカアアアアァァァァァァン…

2機のフィッシュベッドが首都に近付く。

雛苺「みんな行っちゃダメなの~!」

ギュウウウウウウウウウウウン!

雛苺(ミサイル発射!)

バシュウウウウゥゥゥゥゥゥゥ…

ドォォォォォォォォォン…ドォォォォォォォォン…

雛苺「ふぅ…もういないの?」

その時、1機のフィッシュベッドがファイヤーフォックスの上から垂直降下する。

グォォォォォォオオオオオオオオオ!

ピーピーピー!

雛苺「上!?」

すると

ドォォォォォォォォォン…

雛苺「?」

グレッグ『ヒナ!あんまり1人でぶっ飛んでいくなよ!』

雛苺「グレッグ!?」

翠星石『こらー!翠星石達の分も残しておくですぅ!』

ミッキー『けっ、んなこと言ってどこが乙女なんだか…』

翠星石『何か言ったですか?』

ミッキー『何でもー!』

サキ『市内の避難は完了した!もうそろそろ引き上げるぞ!』

グレッグ「何!?」

蒼星石「どうして撤退するんですか!?」

サキ『もはや首都陥落は時間の問題だ。既に正規軍の陸上部隊は殆ど壊滅状態だ。』

金糸雀『近衛師団も防戦一方でどんどん引き下がっていく一方かしら!』

サキ『これ以上の交戦は我々にとって不利だ。よって直ちに撤退する。』

一同「了解!」

グオオオオオオォォォォォォォォ…

一同は国王を護衛しつつエリア88へ帰還した。

~管制室~

ラウンデル「総員!指示があるまで戦闘配備のまま待機せよ!」

ミッキー「ったくもう…寝耳に水たぁこのこったぜ!」

金糸雀「ミッキー!」

チャーリー「どうするよラウンデル少佐、カナリア。俺達は…。」

金糸雀「どう…って…どうかしたの?」

ミッキー「アスランが反政府軍の手に落ちたら…俺達外人部隊のパイロットは連中によって縛り首だぜ。」

ラウンデル「まだ負けたと決まったわけじゃない!」

チャーリー「あんたやサキ、カナリアは88外人部隊を指揮しているがアスラン正規軍軍人だ。新政権が発足すればそのまま軍に編入されるかもしれん…。」

ミッキー「俺達は違う。ま、全員なぶり殺しだろうな。ごめんだねそんなのは!」

金糸雀「だから…どうしようというの?」

ミッキー「逃げられる内に逃げ出したいのが本音だとよ・・俺達ぁパイロットの代表としてここへ来たんだ。」

ラウンデル「逃げる奴は射殺する!敵前逃亡はその場で銃殺だ!」

ミッキー「冗談でしょ!ピストルが怖くて外人部隊が務まりますか!?」

チャーリー「俺達を撃つなら撃ってもいいぜ。あんたは外にいる連中に八つ裂きだ。」

金糸雀「…………。」

ラウンデル「…何人…逃げたがってる?」

ミッキー「7割がたってとこだな…。」

金糸雀「残りの3割はどうするのかしら?」

チャーリー「さあね…みんなが逃げ出すならそっちに行くんじゃないかな…。」

ラウンデル「お前等はどっちだ?7割組か?3割組か?」

ミッキー「俺はどっちにも属さない。好きにやる。」

チャーリー「俺も同じだ。けじめだけはつけときたいからな…。」

ミッキー「だがこの基地やあんたと運命を共にする気は無い。あの小娘をちゃんとお父様に会わせなきゃならんからな。」

ラウンデル「…………。」

金糸雀「お父様…。」

金糸雀は一瞬迷った。自分のお父様に会うために基地から逃げ出すか、戦場を共にしてきた戦友と共に最期まで戦い続けるか。

今日がここまで。前よりも投稿スピードが遅くなるかもしれませんがご承知下さい。

遅くなりました。これより投下します。


~キムの部屋~

コンコン

キム「はい!」

シン「俺だ!ミッキーに他のローゼンメイデンもいる。開けてくれ!」

キム「シン大尉!」ガチャ

真紅「すぐに閉めなさい。みんな殺気立っている…何をするか分からないわ。」

キムはシンとミッキー、金糸雀を除くローゼンメイデン達を入れるとすぐに部屋の鍵を閉めた。


MISSION65 88 AIR FORCE

セイレーン「傷の具合はどう?」

シン「おかげさまでね。少し痛いが泣けてくる程じゃない。」

真紅「もう聞いたでしょう。アスランが降伏すればこの基地や他の傭兵は用無しよ。」

セイレーン「あたしも、計画がこんなに早く進行するとは思ってもみなかったわ…。」

ミッキー「この基地の半分は外人兵だが、補給や作戦、整備や事務はアスラン正規軍兵だ。」

翠星石「アスランが落ちたとなれば、連中はお前を放っておくわけないです。」

セイレーン「分かってる…犯されてなぶり殺しね…きっと…。」

雛苺「おかされる?」

翠星石「どういう意味ですか?」

ミッキー「お前等は知らんでいい!」

シン「俺のタイガーシャークをくれてやる。さっさと逃げ出せ。これだけのドサクサだ。追うやつはいまい。」

キム「シン大尉!」

シン「ただし…条件がある。ここを逃げ出したあと、原隊復帰はパリ経由でやってほしい。」

セイレーン「パリ経由?何よそれ?」

真紅「…………。」

シン「俺に恋人がいることは前に話したろう?」

セイレーン「ええ…リョーコという女性ね?」

真紅「フルネームはリョーコ・ツグモ。シンと同じ日本人よ。パリでファッション関係の仕事をしているわ…。」

セイレーン「どうしろ…と?」

シン「伝言を頼む…」



風間真は死んだ…と…



ミッキー「!」



長い傭兵生活で人殺しをやりまくって最期は血と泥にまみれて死んだと伝えてくれ…



真紅「!!」



骨も残らず灰となってアスランの砂と散った、とな…



一同「「「!!!」」」

部屋の中が一瞬、凍りついた。

真紅「シン…貴方…。」

真紅が話しかけた直後、ローゼンメイデン達が訴えはじめる。

翠星石「お前…本当に死ぬ気ですね!本当にここで死ぬつもりなんですね!?」

ミッキー「…………。」

蒼星石「涼子さんのこと好きなんでしょう!?愛しているんでしょう!?どうして逃げないんですか!逃げて彼女のところに行けばいいじゃないですか!」

セイレーン「あたし…やだよそんな!そんなことを伝えにパリに行くのは!」

シン「俺にはもう資格が無いんだ。血で汚れたこの手で…彼女の手をとることは、どんなに慈悲深い神様だって許さないだろうさ。」

雛苺「…………。」

シン「君なら分かってくれると思うから頼んでいるんだ。こんな男のことはさっさと忘れた方が一生を幸せに暮らせるってことをね。」

セイレーン「バカよ…あんた…大馬鹿よ!」

真紅「…………。」バタン

雛苺「………真紅?」

真紅は1人、滑走路の入口に佇んでいた。

真紅「…………。」

???「珍しいな、1人でここにいるなんて。」

真紅「サキ…。」

サキ「…シンのことか?」

真紅「…………。」

サキ「ここから逃げ出したい奴は大勢いる。もっとも、我々はそれを認めるわけにはいかんがな。だが…」

真紅「…………。」

サキ「少なくともシンや君達だけは無事に逃がしてやりたいと思う。」

真紅「…!」

サキ「君達には本当に感謝している。我々とて君達のような逸材を手放したくはない。」
サキ「だが一兵士としては水準以下だ。君達は穢れを知らない生娘でいるべきなんだ。」

真紅「サキ…。」

アナウンス『各員通達!アスラン現政権は本日午後9時を以って首都を放棄した!繰り返す!現政権は首都を放棄した!』

サキ「逃げたければ何時でも出るといい。私の権限において止めるようなことはしない。」コツコツ…

真紅「…水準以下…ね…。」

タッタッタ…

キム「燃料は増加タンク4本分、胴体内満タンにしてきました!一応パリまで無給油で飛べます!」

蒼星石「離陸重量がフルペイロードに近いのでいつもの6番スポットは使用出来ないよ。」

シン「8番から向こう側ってことになるな…。」

翠星石「でも8番だとちょっと距離があり過ぎるですよ。」

シン「出口で止められる可能性があるな…。」

セイレーン「どういうことなの?」

シン「こういう事だ。」↓

滑走路(2000m)

ハンガー
~~~~~~~~~~~~~
9   ↑
8 ペイロード大から
7   ↑
6 通常ペイロードから
5 大型カタパルト(C-130用)
4
~~~~~~~~~~~~~~
―――緊急用バリアー―――

・大型カタパルト
 5番スポットに1機のみ設置されているカタパルト。航空母艦に搭載されているカタパルトの5倍もの能力がある。マッコイのC-130の離陸に使用される。

・緊急用バリアー
 滑走路の出口20m手前に設置されている防御壁。何らかの事故で離陸を断念する場合や減速出来ない場合、または脱走を阻止する場合に発動からおよそ30秒で降りる。

セイレーン「つまり出口で取り押さえられてしまう…。」

シン「そういう事だ…。」

グレッグ「ファイヤーフォックスならブースター無しでもいけるぜ。」

シン「グレッグ!」

ミッキー「どうせこんなこったろうと思ったさ。」

シン「ミッキー!」

キャンベル「ここまで来てダダをこねるなよ?女王様。」

シン「キャンベル!」

雛苺「グ、グレッグ…あ、あのね…」

グレッグ「言わんでもいい。分かってる。俺だってその女王様とはまんざらしない仲じゃない。」

キャンベル「殺気立った連中になぶりものにされるのは見るにしのびん…。」

シン「みんな、すまん。」

グレッグ「おいそこの、セイレーンだったか?頼みがある。」

セイレーン「今度は何?」

グレッグ「…ヒナイチゴも連れてってくれ。」

シン「!」

セイレーン「は?」

ミッキー「俺のスイセイセキもな。」

翠星石「ミッキー!?」

キャンベル「ソウセイセキも頼む。」

蒼星石「マスター!?」

???「カナリアも頼む。」

シン「サキ!」

ミッキー「げっ!何時の間に!?」

サキ「安心しろバカ共。別に通報する気は無い。」

セイレーン「…………。」

サキ「私は何も君を信用したわけじゃない。今でも私は君を敵として見ている。」
サキ「だが今は君を信用して協力を要請したい。これは我々、ローゼンメイデンのマスター全員の頼みだ。」

セイレーン「………分かった。」

ミッキー「話は決まった。マッコイがファイヤーフォックスを燃料満タンで待機させてる。航続距離も十分だしソ連機の方が扱いやすいだろう。」

シン「マッコイが?」

マッコイ「こっちこっち!」

そこには真紅と雛苺、金糸雀もいた。

真紅「シン…。」

シン「あばよ真紅。力は好き放題使って構わん。生きてお前のお父様に会えよ。」

翠星石「ミッキー…。」

ミッキー「そんなしけた顔すんなよ。俺がいなくたって生きてけるさ。ソウセイセキ、後は頼むぞ。」

蒼星石「でも…。」

キャンベル「心配すんなって。俺等のことなんざ忘れた方が身のためだぜ。」

雛苺「グレッグ…。」グス…

グレッグ「大丈夫さヒナ。向こうにはカールやモーリスもいる。全然寂しくなんかないさ。」

サキ「ローゼンメイデンの諸君、現在時刻を以って全員を解雇する。今までご苦労だったな。」

金糸雀「サキ…。」

ミッキー「急げよ。サキが許してもあの銀狐がどうするか分からん。」

セイレーン「え、ええ…。」

キイイイイイイイイイイイイン!

サキ「ファイヤーフォックスはフランス政府に引き取られてアメリカに行くことになっている。君はパリ空軍基地までのパイロットということにしてある。」

マッコイ「これがシンの恋人の仕事場の住所と紹介状だ。基地には車を手配してある。」

セイレーン「…やけに親切ね。」

マッコイ「ワシだってまだ幼い子供に危険な目に遭ってもらいたくはないからな。」

翠星石「死の商人が言う台詞ですか?」

マッコイ「うるせー!」

一同「「「ははははははははは…」」」

キイイイイイイイイイイン!

マッコイ「オーライ!オーライ!」

整備員A「おいマッコイ!ちょっと待ってくれ!ラウンデル少佐からの命令で離陸は一切中止だ!誰もここから出しちゃいかんと言われている!」

マッコイ「バカこけ!商品の仕入れに電話で注文すりゃ配達してくれる所かよここは!」

シン「…………。」

ミッキー「…………。」

整備員A「コントロールに連絡して許可をとってください!」

サキ「私が許可する。」

整備員A「サ、サキ司令!」ピッ

サキ「ファイヤーフォックスについては既に聞いているはずだ。これが最後の離陸機だ。」

整備員A「は、はい!分かりました!おい!」

作業員A「はっ!」

真紅「お別れね…シン…。」

シン「お前も俺のことなんか忘れて楽しく過ごせよ。」

翠星石「ミッキー…ぃ…」ポロポロ…

ミッキー「じゃあなスイセイセキ。達者で暮らせよ。」ノシ

蒼星石「マスター…。」ジワ…

キャンベル「あばよ…ソウセイセキ…。」ノシ

金糸雀「ごめんなさい…カナ達だけ逃げ出すなんて…。」グスッ

サキ「気にすることはない。君達が無事だったらそれでいいんだ。」

雛苺「グレッグ!きっと戻ってくるから!それまで生きていて!」

グレッグ「戻ってくんなよ!生きてたらまた会おうぜ!」ノシ

セイレーン「お別れの挨拶は済んだ?じゃあ行くわよ!」

グオオオオオオオオオオオオオオ!

作業員B「発進します!」

ドドドドドドドドドドドド…



セイレーン(シン…必ず…必ず涼子に伝えるわ!貴方は生きている…と…!)


どうも僕です。大分遅くなりました。
まだ書き溜めの途中なのでスピードは遅くなりますが、何とぞご容赦いただきますようお願いします。
…何か日本語おかしくないですかね?

遅くなりました。これより投下します。

ドドドドドドドドドドドド…

セイレーン(シン…必ず…必ず涼子に伝えるわ!貴方は生きている…と…!)

雛苺「前から何か来るの。」

セイレーン「え?」

1機のフィッシュベッドが88に入っていく。

ゴォォォォオオオオオオオォォォォォォ…

セイレーン「い、今のは!」


MISSION66 父親の思い

キキィィィィィィ…

作業員C「うわあ!」

作業員A「敵だ!殴り込みだ!」

作業員D「な、何だ!?単機で!」

整備員A「どういうつもりだ!?」

シュゥゥゥゥゥン…スタッ

ダダダダダダダダダダ!

作業員E「うわあ!」

作業員F「パイロットが機体から離れたぞ!」

作業員G「撃て!撃てぇー!」

ガガガガガガガ!ダダダダダダ!ババババババ…

滑走路は戦場となった。

ラウンデル「何事だ!?」タッタッタ…

整備員B「ラウンデル少佐!出ないで!」

バッ

ラウンデル「うおっ!?」

???「動くな!」

主任「あっ!」

整備員C「ああっ!」

作業員H「くそっ!」

ラウンデル「き、貴様!」

敵隊長「大人しくしてもらおう!セラを…何処へやった!?」

ラウンデル「何!?」

敵隊長「娘を返せ!無事に返してくれたらわしの命をやってもいい!」

ミッキー「娘…ってことは…。」

シン「彼女の父親か…。」

???「動かないで。」

シン「!」

気が付くと、背後には睨み殺さんばかりの形相の水銀燈が立っていた。

水銀燈「セラを返しなさい。さもなくば…今すぐ殺すわ。」

シンの首元には黒い羽根の根本が立てられていた。

セラの父「もし…なぶり者にして殺したのなら…今すぐあの機体を爆破する!」

水銀燈「小型の核弾頭よ。でもこんな洞穴ぐらい簡単に吹き飛ばせるわ。」

ざわ…ざわ…

水銀燈「そのまま彼の所まで行きなさい。」サッ

シン「…………。」コツコツ…

キム「大尉!」

グレッグ「止めろキム。今騒げばシンだけじゃなくこの基地が吹っ飛んじまう。」

キャンベル「あや~…さっき出てったばっかなのに…。」

ミッキー「…………。」

シンは初めてセイレーンの父親と対峙した。

セラの父「お前がシンか?娘がえらくお前のことを気に入っててな…」

腹部からは血が滴り落ちていた。

シン「あんた…。」

セラの父「ふふふ…俺もあまり長くは持たねぇ…だからじらさないでくれ。」グリ…

ラウンデル「う…。」

セラの父「頼む!娘の無事な姿を見させてくれ!」

シン「…セラは脱出した。あんたがさっきすれ違ったMiG-31がそうだ。」

ラウンデル「何だと、シン!?」

水銀燈「…本当?」

ラウンデル「本当なのか、シン!?」

シン「ええ…。」

ラウンデル「何で…そんな勝手なことを!」

サキ「私が独断で許可したまでだ。」スッ

シン「サキ!」

ラウンデル「サキ様!?」

セラの父「サキ…お前さんがここの基地司令か?どうして逃がしてやる気になった…え?」

サキ「ここは女の死に場所ではない…貴方には悪いが出来の悪い娘だ…。」

シン「パイロットや兵士としての技術は1人前だが…心は優しい娘のままだ。傭兵としては水準以下だ。彼女は戦場に命を懸けるべきではない…。」

セラの父「…………。」

水銀燈「ふ…ふふふ…」

シン「?」

水銀燈「おかしな話ねぇ…赤の他人の貴方があの子の事をよく知っているなんて…。」

セラの父「しかし…あの子も我々プロジェクト4のメンバーだ!この基地を脱出しても原隊に戻れば明日にでも戦場に舞い戻らなきゃならん!」

サキ「彼女はパリへ飛んだ。」

セラの父「何!?」

水銀燈「どういうこと?」

シン「ローゼンメイデン達の護送と、ある人物への伝言を頼んだ…それを達成してから原隊に復帰せよと言ってある。どう早く見ても3日はかかる…。」

ミッキー「3日あればアスランの戦場は片が付く。おそらく新政権誕生のニュースはパリで聞くことになるだろう。」

水銀燈「戦場に戻ることはないだろうと…?」

セラの父「娘がパリへ行くかどうか…分かるまい。信じられるのか?」

シン「勿論だ。そういった面では信じるに値する出来の良い娘だ…。」

セラの父「実の父親が戦場に来るなと言っても言う事を聞かなかったあの子が…好きな男の言う事は素直に聞きやがる…。」
セラの父「男手ひとつで育てた娘で何も出来んと思っていたが…男を選ぶ目だけはしっかりしてやがるな…安心したぜ…。」

その時

セラの父「ぐ…。」ズッ

彼が座り込んだすきにラウンデルが抜け出すと、周りが一声に武器を構え父親に迫る。

セラの父「近寄るなっ!発信機のボタンを押すぞ!」

一同はすぐに退いた。

セラの父「シン…わしを機に乗せてくれ。」

シンは彼の腕を担ぎながらMiG-21に乗せる。

セラの父「シン…まだ日本には行った事が無いが…良い国か?」

シン「楽園ではないが戦場でもない…。」

セラの父「そうか…。」

水銀燈「…………。」

セラの父「必ず…生きて帰れ!娘の事はお前に任せる…幸せにな!」

シン「え?」

水銀燈「!」

セラの父「さらばだ!」ドン

父親はシンを突き飛ばした。

シン「あっ!」バタッ

キイイイイイイイイイイイイン!

シン「待て!待ってくれ!」

グオオオオオオオォォォォォォォ…

サキ「シン!」

ミッキー「シン!」

シン「…………。」

水銀燈「…………。」

ゴォォォォォォォ………

父親が乗ったMiG-21が点となった次の瞬間

…………カッ!

シン「やった…。」

サキ「…………。」

キム「…………。」

水銀燈「…………。」

ミッキー「…最後に何て言ったんだ?あのおっさん…。」

シン「必ず…生きて帰れ…って。娘を頼むって…。」

水銀燈「娘の旦那は殺せない…というわけ?早とちりもいいとこ…」

シン「止めろ!水銀燈!」

水銀燈「!」

シン「父親として娘のことを思って…人間の心に戻って死んだんだ…。ローゼンとやらに作られたお前等にも分かるはずだ…。」

水銀燈「…………。」

シン「俺達が死ぬ時は人の心に戻れるかどうかも分からん…どうこう言える立場じゃない…。」

キム「大尉…。」

一同「…………。」


~アスラン市内~

敵司令官「市内の制圧はほぼ完了したようだな…。」

敵兵士A「宮殿内の臨時政府を設置しろ!市内は今後、無期限の戒厳令をしけ!」

敵兵士B「プロジェクト4の第3ステップは終了したと報告しろ!最終ステップへの準備を急げっ!」

アスラン市内にある空港には1機のビジネスジェットが到着した。

敵兵士C「市内の制圧は終了しておりますが、首都周辺ではまだ多少の小競り合いが…。」

???「うむ…。」

そこから降りてきた人物こそ、プロジェクト4の中心人物にして…

???「予定より2日と18時間遅れている。早急に対策を講じるように!」

シンにとっての宿敵であるサトル・ファリーナ、またの名を神崎悟である。

神崎「これが…アスランか…。」

どうも僕です。非常に遅いペースですが、どうかご承知下さい。
ではまた。

これより投下します。

神崎、ジュリオラの2人はアスラン王宮の中にいた。

神崎「ヴァシュタール王家、事実上の崩壊か…。」

ジュリオラ「明後日にはアブダエル様一行もアスランにお着きになるはず…準備をせねば…。」

神崎「ジュリオラ…お前アスランの女王になるか?」

ジュリオラ「え?」

神崎「金、銀、宝石…並の女じゃ一生かかっても手に出来ん程の富が手に入るぞ。」

ジュリオラ「私は並の女ではありませんもの…中東の小国1つでは満足したくありませんわ。どうせなら貴方と共に世界を…。」

神崎「ははは…。」


MISSION67 パリ経由


~フランス・パリ空軍基地~

ゴォォォォォォォ…

作業員A「来たぞ!」

ゴォォォォォォオオオオオオオオオオオ!

黒服A「あれか…。」

黒服B「そうらしい…。」

キキィィィィィィ…

管制『パリ管制より。17番スポットに誘導する。』

セイレーン「了解。」

キィィィィィィィン…

アスランから飛んできたファイヤーフォックスは17番スポットに停止した。

シュゥゥゥゥゥン…スタッ

黒服A「セイレーン・バルナックだな?」

セイレーン「そうだけど?」

黒服A「ファイヤーフォックスの移送ご苦労だった。あとは我々が引き継ぐ。」

黒服B「事務所の玄関に車を回してある。あとは自由にするといい。何ならアスランに戻るための機も用意しよう。」

セイレーン「随分と贅沢なもてなしだね。」

黒服A「ところでその大量の鞄は?」

セイレーン「…あたしの荷物さ。」

黒服A「分かった。車に積んでおこう。」


~車内にて~

ブロォォォォォォ…

セイレーン「もう出てきて構わないわよ。」

翠星石「ふぅ…やっと外に出られたですぅ。」バカッ

蒼星石「アスランから飛んでもたったの3時間…やっぱりすごいね。」バカッ

真紅「セイレーン、涼子の居場所は分かっていて?」バカッ

セイレーン「あのじいさんからリョーコがいるっていう仕事場の住所教えてもらったから大丈夫よ。」

雛苺「…………。」

金糸雀「雛苺?どうしたかしら?」

雛苺「へ?ううん、何でもないの。」


~ツグモデザイン本社~

涼子「午後から航空会社のお偉いさんと会ってくるわ。売り込みしとかなきゃ。」

安田「あたしはクレマンソー社との独占契約書の書類作成に入ります。何とか週内には完了したいですわ…。」

コンコン

涼子「なあに?アニー。」

アニー「お客様です。セイレーン・バルナックという方で…。」

涼子「セイレーン・バルナック…。」

安田「紹介状は持ってらっしゃるの?」

アニー「ええ、ですが…。」

セイレーン「じれったいわね、入るよ。」

アニー「あ!お客様!」

ガチャ

セイレーン「あんたがリョーコ・ツグモかい?」

涼子「ええ…そうですけど。貴方がバルナックさん?どなたかの紹介状をお持ち?」

真紅「ここにあるのだわ。」スッ

涼子「貴方は?」

真紅「私は誇り高きローゼンメイデンの第1ドール。名は真紅。」

涼子「ローゼン…メイデン…?」

真紅「これが紹介状。貴方の恋人…風間真からのよ。」

涼子「!!」

安田「え!?」

真紅「中に入らせてもらっても構わなくて?私は紅茶が飲みたいのだわ。」

涼子「あ…はい。安田さん、紅茶を。」

安田「は、はい!」

翠星石「邪魔するですぅ。」テクテク…

雛苺「おじゃましますなの~。」テクテク…

蒼星石「お邪魔します。」テクテク…

金糸雀「お邪魔しますかしら~。」テクテク…

真紅は涼子の秘書、安田が淹れた紅茶を口にしていた。

真紅「……おいしいわ。」

安田「ありがとうございます。」

真紅「では用件を伝えるのだわ、涼子。」

涼子「はい。」

真紅「私達はシンからの伝言を貴方に伝えに来たの。」

涼子「真から?」



真紅「貴方の恋人…風間真はアスランでの戦闘で身体がバラバラになって吹き飛ばされた。高度1万m…骨も残らなかったわ。」



涼子「!」クラッ

安田「お嬢様!」

涼子「…………。」

セイレーン「…………。」

安田「あ、貴方は一体何を!?」

真紅「ありのままを話しただけなのだわ。」

涼子「うふっ…あたし…いつも…朝起きる時に真に…おはよう…って言うのよ…。」

セイレーン「!」

安田「え?」

涼子「そうすると…あの人はあたしを抱き寄せて唇にキスしてくれるわ…。」

一同「!」

安田「お嬢様!お気を確かに!お嬢様!!」ガシッ

翠星石「遂に頭が逝っちまったですか?」

蒼星石「翠星石!」

涼子「あの人、キスがすごく上手でとても優しいわ…だから…あたしは朝が大好きよ…。」

金糸雀「…………。」

雛苺「?」

安田「そ、そんな!お嬢様!お…おお!」

涼子「大丈夫よ、安田さん。心配しないで。真は生きているわね!そうでしょう?」

セイレーン「死んだよっ!あいつは…。」

涼子「そう言えって言われたの?」

セラ&薔薇乙女「「「!!」」」

セイレーン「そんな…どうして…!?」

涼子「それはね…」



涼子「魂が呼び合うからよ…。」



セイレーン「魂が…!?」

真紅「魂…。」

その頃エリア88では、シンが基地から出ていく戦友達を見送っていた。

キイイイイイイイイイイイイイン!

傭兵A「あばよ!みんな!」ピッ

ゴオオオオオオォォォォォォ…

シン「…………。」

キム「シン大尉!あと5機で発進完了です!」

シン「うむ…お前も国へ帰れ…ここにいても良いこと無いぞ…。」

キム「嫌です!ぼくはここに残ります!」

シン「…………。」

キム「大尉こそ何故日本に帰らないんですか?」

シン「長い間ここにいたからな…戦争が大好きになっちまったのさ…。」

キム「大尉…。」

そこにミッキーがやってくる。

ミッキー「よう…お前んとこ何人残った?」

シン「ウォーレンとキムとサンディとデニスの4名…。」

ミッキー「俺んとこはケンとシャールの2名だけ…あとは逃げ散った!参ったね!」

グレッグもやってくる。

グレッグ「よー!」

ミッキー「グレッグ、お前んとこは?」

グレッグ「俺とバクシーだけさ!泣けてくるよ。ダグラスは残ると思ってたんだけどな…。」

???「よいしょっと…。」

一同「!」

グエン「よう…。」

ミッキー「グエンさんも逃げ出し組かい?」

グエン「あほう!これは他人の荷物だ!俺ぁ居残るぜ。帰る所もねぇしよ。」

グレッグ「何処か別の勝ち目のある所に行くんじゃなかったのかよ?」

グエン「へっ!世の中不景気でよ、盛大にドンパチやれるとこはここしかねぇよ。アフリカで歩兵は性に合わねぇしな…。」

???「よー!」

グレッグ「おー、ルロイとライリーか!」

ルロイ「俺っちのとこはジョナサンとクレイとコーニッシュとこいつが残るってよ。」

ミッキー「物好きの多いとこだな…。」

シン「あとはラウンデルの隊が数名だから…全部で30名前後になっちまうな…。」

グレッグ「お先真っ暗…明日にでもすぐ負けるぜ…。」

グエン「あの小娘共…逃げ出せたのか?」

ミッキー「うむ…。」

シン「ま、ドサクサでパトロール機も出られなかったしな…だが不思議だよ…なんか死んでないって気がする…。」

ミッキー「確かにな…生きてる気がする…。」

シン「虫の知らせ…かな?」

ミッキー「虫の知らせ?何だそりゃ?」

シン「第6感みたいなものかもしれん…魂の結び合った者同士が分かるのかな…。」

ミッキー「そうだな…。」

今回はここまで。ではまた。

これより投下します。

ゴォォォォォォ…

アスラン首都の空港に、1機の中型ジェット旅客機が着陸した。

神崎「やっと着いたか…。」

シークレットサービスによる厳重な警備の中、1人の男が機内から出てくる。

神崎(さあ…これから俺の操り人形となる悲劇の王よ、出てこい!)

男はタラップを降りて行き…

タッタッタ…タッ

アスランの大地を深々と踏みしめた。



アブダエル「ソリアよ…わしは戻ってきたぞ…。」



MISSION68 炎の棺

エリア88の作戦室にはサキ、ラウンデル、ザク国王と、残ったわずかな傭兵達が集まっていた。

サキ「はん…残ったのは殆どが旧88のメンバーか…つくづく阿呆が集まったな…。」

一同「…………。」

サキ「88の司令官として…今一度言う!不利な状況なぞとっくの昔に通り越して…最悪だ!」

一同「…………。」

サキ「何故…残った?」

ミッキー「言わなきゃ信用出来んかい?」

サキ「もちろん…。」

シン「では…言おう!あんたがくたばるのをぜひ、この目で見たいのさ!」

サキ「…………。」

シン「納得したかい?サキ!」

サキ「ふっ…俺がくたばるのを見るのはいいが、見物料は高くつくことになる…お前達の命で払ってもらうぞ!」

ミッキー「覚悟の上だ!」

ウォーレン「そうだな…。」

グレッグ「妥当な線だ!」

サキ「………ふっ。」

一同「はははは…あははは…くははは…」

ザク「ラウンデル…サキはいい部下を持ったな…。」

ラウンデル「はい…国王陛下!」

シン「はははは…。」


サキ「ふははは…。」

ラウンデル「傭兵共の身体を雇った司令官は何人も見ました…しかし心まで雇った人を見るのは初めてです!」



ラウンデル「エリア88は健在です!蒼穹の騎士たちと共に!」


アスラン首都にある霊廟にはジュリオラと数名の兵士が集まっていた。

敵兵士A「新国王が宮殿に入りました!」

ジュリオラ「分かったわ…。」

ジュリオラは躊躇うように松明を持った兵士に指示を出す。

ジュリオラ「火をかけなさい!」

敵兵士B「はっ!」

敵兵士C「はっ!」

兵士達が廟内に松明を投げ込むと、火は瞬く間に燃え広がった。

ジュリオラ「カメラの用意!遺体の燃えるところを撮るように!」

敵兵士D「は、はい!」

兵士は中央に横たわる遺体が燃える様を録画する。

ゴォォォォォ…

ジュリオラ「…………。」

霊廟が燃え行く様は宮殿に入ったアブダエルの目にも見えた。

アブダエル「ソリア!」

神崎「申し訳ございません。空港への警備で手薄になっていたもので…まさか…こんなことになるなんて…。」

アブダエル「ソリア…おお…お…ソリ…ア…。」

神崎「…………。」

愛する妻が燃える前で嘆くアブダエルを憐れみながらも心の中でほほくそえむ神崎だった。

アスラン王国の新政権樹立の一報は既に全世界に渡っていた。無論、フランスの涼子の家にも、テレビによって伝えられた。

アナウンサー『内戦が続いていたアスランもようやくザク国王派の失脚により、実兄のアブダエル・ヴァシュタール国王の新政権が…』

涼子「終わった…戦争が終わったのね!」

安田「お嬢様…。」

セイレーンは無言で画面を見つめ…

セイレーン「…………。」

真紅は紅茶を飲みながら見ていた…。

真紅「…………。」コク…

涼子「帰れるわ!真は帰ってこれるのよ…ああ…。」

喜ぶ涼子達だったが、その場には同じニュースでも複雑な心境で見る人形達もいた。

翠星石「負けたですか…ミッキー…。」

蒼星石「翠星石…。」

雛苺「もうみんな戦わなくていいの?」

金糸雀「そうかしら…もう…終わったかしら…。」

涼子「よかった…本当に…。」グスッ

安田「お嬢様、早速アスランに連絡をつけましょう!」

真紅「まだ無事だとは限らないのだわ。」

涼子「どういうこと?」

セイレーン「シンは…殺されるかもしれないんだよ!」



一同「「「!!」」」


涼子「何ですって!?」

セイレーン「どうしようもないお嬢様だね!買ったのは反政府軍でシンは政府軍の外人部隊なんだよ!」
セイレーン「しかも戦争中は反政府軍に対して最大の損害を与えたエリア88のメンバーさ!政権を反政府軍が握った今、外人部隊は犯罪者の集団よ!」

涼子「…………。」

真紅「負けた政府軍も自分達の首が助かるなら外人部隊を血祭りに上げるでしょうね…。」

安田「…………。」

真紅「彼らは生贄になるのよ。」

一同「…………。」

セイレーン「さて…と、事態がこういう風に進展した以上、ぼんやりとはしてられないわね…。」スッ

涼子「何処へいくの!」

セイレーン「決まってるじゃない。アスランへ帰るのよ!」

涼子「でも飛行機が…」

セイレーン「ちゃんと用意してあるわよ。あんたと違って、いざとなりゃかっぱらえるんだから。まして…一応平和なこの国なら簡単よ。」

涼子「セラ…。」



セイレーン「シンの心を守るのは貴方…でもシンの身体を守れるのはあたし…よく覚えておいて!」


その頃、ファイヤーフォックスが移送されたアメリカでは大騒動になっていた。

何しろロシアで既に開発中止になっていた超音速戦闘機がアスランの放棄された基地に保管されていたのだ。

しかも移送されてきたそれは性能上であればマッハ7をも越えられる程パワーアップした新型だ。

軍内部ではロシアがファイヤーフォックスの後継機を開発しているという憶測が出てきた。

その結果、この機体を参考にファイヤーフォックスの複製版を制作することが決定したが、それはまた別の話である。

ちなみに、空軍博物館に保存されていたマッハ3級の爆撃機XB-70に軍用機として復帰するための再生手術が施されることとなったが、それもまた次の機会に話すとしよう。

時は、超速時代へ…

どうも僕です。
前スレより大分投稿スピードが遅いですが、もっと上げていこうと思います。
それでは。

お待たせしました。これより投下します。

早朝、シンは寝間着姿で歯磨きに向かった。

ジジジジ…

シン「よう…。」

ミッキー「うす…。」ジジジ…

ミッキーは電動カミソリで髭を剃っていた。

ミッキー「テレビ見たか?」ジジジ…ジッ

シン「ああ…新政府発足だろ。やってたな…。」

ミッキー「いよいよ…敵さん本腰入れてくるぜ…。」フキフキ…

シン「そうだな…。」シャコシャコ…


MISSION69 追憶をあとに

ガガガ…ヒュイイイイイイイン…

何やら作業が行われているハンガーに2人はやってくる。

ミッキー「よう、マッコイ!」コツコツ…

マッコイ「ああ…お前達か。」

ミッキー「フライトもねぇのに整備とは恐れ入るね…。」

マッコイ「こりゃ、南アの外人部隊用に整備してるやつだ…。」

シン「南ア…南アフリカか?」

マッコイ「そうだ…あちらさんでもドンパチやり始めたって話だからな…この基地の整備に必要な部品はストックしてある。」
マッコイ「逃げ出した連通うが置いて行った機体は場所を食うだけなんでな…武器業者を通じて南アに売り飛ばす…。」

シン「世界中いたるところでゴタゴタか…。」

マッコイ「ま、わしの商売それで成り立つところがあるからな…さあ!今日中に10機出すぞ!お前等気ぃ入れて頑張れよっ!」

司令官室ではサキ、ラウンデル、そしてザク「元」国王が話し合っていた。

ラウンデル「明日あたりから攻撃をかけてくるでしょうな…。」

サキ「ああ…叔父上、とにかくこの基地は危険過ぎます、国外へまず逃げられた方がいいと思いますが…。」

ザク「お前がここに残って戦うならわしもそうする…お前も逃げるならわしも逃げる
…。」

サキ「また…聞き分けのないことを!」

ザク「サキ…わしはアスランを離れたくないんじゃ!生まれてこのかた、わしはアスランを出たことがない…。」

サキ「叔父上…。」

ザク「死ぬならここで死にたい!今…ここを離れたら一生アスランに帰れん気がする…。」

ラウンデル「…………。」

昼食をとっている最中にシンはサキから呼び出される。

コンコン

サキ「入れ。」

ガチャ

シン「俺に用だって?」

シンが司令官室に入ると、そこには眠っているザクがいた。

ラウンデル「ザク国王だ。たった今、薬で眠られたところだ。」

サキ「国王をフランスへ亡命させる。お前に護衛を頼みたい。」

シン「護衛?」

サキ「フランス政府には話をつけてある。燃料補給の問題もあるから、スイス経由で飛んでくれ。あそこは中立国で、トラブルも起きない。」
サキ「それと…日本国籍、シン・カザマ。国王をフランス政府に預けた時点で、君を解任する。」

サキ「日本へ帰れ!」



シン「!!!」



サキ「これは…命令だ!解任の時まで有効な命令だ!!」


サキからの任務を引き受けた後、シンは1人帰り支度をしていた。

シン「2年と5か月か…。」

シンはカレンダーに○を付けるとそれを鞄に入れた。

シン「長かった…。」

外ではミッキーとマッコイが待っていた。

ミッキー「荷物と言っても、何にも無えんだな。」

シン「元々、裸同然でここへ連れてこられたんだからな。」

シンは、短期間であるが自分が過ごした部屋のドアを閉めた。

バタン

ミッキー「日本に帰ったら、エリア88のことなんぞ早く忘れるこったな。ヘタにこだわってると…俺みたいになっちまうぜ。」スッ

ミッキーは別れの握手を求めてきた。

シン「世話になったな…。」スッ

マッコイ「お得意さんが1人減るんかよ。」

シン「じいさん、達者でな。」コツコツ…

ハンガーに向かう途中、

キム「シン大尉!」

シン「キム…。」

キム「あのタイガーシャークはどうするんですか?」

シン「クビになった俺にはもう用がない…お前にやるよ。」

キム「大尉…。」

ハンガーの入口にはグエンが立っていた。

シン「…………。」コツコツ…

グエン「素通りとはつれねぇな…。」

シン「お前、やけに俺に絡むな。何故だ?」

グエン「同じ東洋人だからだろ、多分。いいよなぁ、帰る国があって。日本は平和でいい国なんだって?はっ、俺の国とは大違いだ。」

キム「…………。」

グエン「俺はよ、爆撃で吹っ飛んだお袋の身体から生まれ出たんだ。ま、生まれた所が地獄だったって訳よ。」
グエン「その後ずっと地獄の中を歩いてきて、気が付いたら血を見なきゃ納まらねぇ身体になっちまったんだ。そこがお前と違う所なんだろうな。」

シン「…………。」

グエン「あばよ、行っちまいな。友達になれなくて残念だ。あのガキ共にあったら、よろしく言っといてくれ。」

シン「…………。」コツコツ…

だがシンは歩き出すとすぐに立ち止まってこう言った。」

シン「グエン、どう人を殺したってお前の勝手だが、生身の人間相手に20mm弾をばら撒いていたんじゃ割に合わないぜ。」

グエン「…ふっ、違えねぇ。ありがとよ、せいぜい気を付けらぁ。」

ハンガーに止まっていたF-5Bのコクピット横にはサキがいた。

サキ「シン、2年と5か月、ご苦労だったな。叔父を…国王を頼む。」

後席には既にザクが乗っていた。

サキ「途中で目が覚めてわめき散らすかもしれん…うるさかったらレシーバーのスイッチを切っちまえ。」

シン「サキ、アスランはこの先どうなるんだ…?」

サキ「聞いてどうする?お前には関係ないことではなかったのか?」

シン「…………。」

シンがふと周りに目をやると、いつもなら機体の整備をしている他の傭兵達の姿が無いことに気付く。

サキ「みんな別れるのが辛いんだろう。おセンチな奴らだ…。」

シン「…………。」

管制『コントロールより00セクション、シン・カザマへ!テイクオフ!』

キイイイイイイイイイイイン!

シンは増加タンク3本を搭載したF-5Bで基地を飛び出した。

ゴオオオオオォォォォォォ…

サキ「よし、誘導灯を消せ…」

管制官A「サキ司令!ブルーセクションが!」

サキ「何!?」

管制室の目の前をミッキーのF-14とウォーレンのクフィルが横切る。

ミッキー「サキ!ちょっくらシンを国境まで送ってくるぜ!」

ゴオオオオオオォォォォォォ…

そのすぐ後にグレッグのA-10、ケンのA-4が飛んで行く。

グレッグ「国境を出る前に敵とドッグファイトやらかしたら、とてもスイスまで飛んで行けねぇからな!」

ゴオオオオオオオォォォォォォォ…

キャンベルのA-4とグエンのクフィルも後に続いて飛び出す。

キャンベル「心配すんなって!シンが無事国境を越えたら戻ってくっからよ!」

グエン「敵戦逃亡じゃねえぞ!撃ってくんなよ!」

グオオオオオォォォォォォォ…

サキ「ふふふ…まいったな…どいつもこいつも面の割には乙女チックに出来てやがる。はははは…」

ゴォォォォォォ…

シンは、沈みゆく夕日を見ながら機体を飛ばしていた。

シン「…………。」

すると…

ピッ…ピッ…

シン「友軍機…誰だ?」

振り返ると、6機編隊がシンを追いかけてきた。

その中には、88に1機しか無いF-14と緑一色のA-10もいた

シン「ミッキー…グレッグ…。」

ミッキー、グレッグ、ウォーレンはシンの右側に、キャンベル、ケン、グエンは左側に付く。

シン「あいつ等…。」

各機、別れのあいさつをするように手を振りながら機体を揺らす。

ミッキー「」ノシ

グレッグ「」ノシ

ウォーレン「」ノシ

ケン「」ノシ

キャンベル「」ノシ

グエン「」ノシ

シン「…………。」ノシ

グオオオオオオォォォォォォォォ…



シン「さらば…エリア88…。」


どうも僕です。
鯖強化後初めての投下です。この先、徐々にスピードを上げていこうと思います。
ではまた。

どうも、これより投下です。


~パリ空軍基地~

外務省高官「日本国籍シン・カザマ…本日付を持ってアスラン王国空軍外人部隊の軍務を解く。これで君は自由の身だ。」

シン「…………。」サラサラ…

外務省高官「パスポートと、本日までの外人部隊勤務の給料だ。USドルで用意してある。」

シン「どうも。」

その後、シンは事務所を後にした。



シン(俺は今…自由なんだ…!)



MISSION70 シークレットパリ

エリア88には、己の孤独さを感じさせる哀しい風が吹く。

ミッキー「…………。」フキフキ…

ルロイ「ようミッキー、せいが出るな。」

ミッキー「まあな…てめえの棺桶だけは綺麗にしときたいからな…。」

ルロイ「明日辺りが正念場だな。総攻撃してくるだろう。」

ミッキー「新政府ができりゃ、この88は過去の汚点だ。さっさと灰にしてしまいたいのは人情だろうさ…。」

司令官室では、サキが書類の整理をしていた。

サキ「…………。」バサッ

ガチャ

サキ「ラウンデル。書類の整理は終了した。焼却処分にしてくれ。かなりあるぞ。」

ラウンデル『分かりました。』

ガチャ

サキ(いよいよ明日か…こんな岩山の穴の中が死に場所とはな…)

サキ「まあいい…墓穴掘る手間が省ける…。」グリ…


~ブリーフィングルーム~

ざわ…ざわ…

サキ「ATTENTION!ご苦労!明日はいよいよ敵の総攻撃があると思う…そこd」

ビーッ!ビーッ!

キム「警報だ!」

ミッキー「くそぉ!明日じゃなかったみたいだぜ!」

サキは急いで管制室へ向かう。

サキ「何機だ!」

管制官A「そ、それが…1機だけです!」

サキ「何!?」

ミッキー「強行偵察か!?」

サキ「バカな…偵察するような基地じゃない!」

管制官A「まっすぐにこちらに向かってきます!」

サキ「機種は分かるか!?」

管制官A「音速機です!攻撃用レーダーは発進してませんし、このスピードと反応から見て小型機です!」

???『88コントロール!応答されたし!我、敵に非ず!着陸許可されたし!』

管制官A「着陸許可を求めてます!」

キム「核弾頭搭載に機体かも!中に入ってから爆発させる気じゃ!?」

グレッグ「まさか!」

サキ「シャッターを開けろ!着陸灯を点けてやれ!」

ラウンデル「サキ様!危険です!」

サキ「この基地に核を使用するなら中距離ミサイル1本で大丈夫だ…航空機で核ミサイル攻撃するならこの距離に近付く前に発射しないと自分が危ない…。」

管制官A「不明機、着陸コースに入ります!」

一同「…………。」

滑走路には水銀燈がいた。

水銀燈「…………。」

……キィィィィィィィン……

水銀燈「あれね…。」

ゾロゾロ…

傭兵達も集まる。

ミッキー「あれだ!」

水銀燈「ちょっと、何よあれ?鉛筆みたいじゃない。」

キム「F-104スターファイター、アメリカでは初めてのマッハ2級のジェット戦闘機です。」

水銀燈「あらそう、ありがと。」

グエン「おい、何のんきに機体解説してやがんだ。」

キィィィィィン…ドピュッ

ミッキー「ありゃNATO所属ドイツ空軍の機体だ…何だってんだ一体!?」

グレッグ「見に行こう!一体何処の誰だ!?」

ダダダダダ…

キム「水銀燈さん。誰か知ってますか?」

水銀燈「あれは…セラよ。」

キム「え?」

ウイーン…

セイレーン「シン!シンはいる!?」

傭兵A「あっ!あの女…。」

傭兵B「セイレーンとか言ったな…。」

ミッキー「おーい…。」タッタッタ…

水銀燈「セラ!」バサバサ…

セイレーン「シンは!?シンは何処にいるの!?」

水銀燈「シンは4日前にここから出て行ったわ。」

ミッキー「フランスで除隊になってるはずだ…。」

セイレーン「フランス?除隊?ここには…もういない…の?」フラッ

ミッキー「わーっ!落ちる!」

ドサッ

ミッキー「あたた…。」

キム「大丈夫?ミッキー。」

ミッキー「気を失ってる…。」

水銀燈「よほど神経が張りつめていたのね…。」

キム「この人…戻ってきたんですね…。」

その一部始終はサキやラウンデルも見ていた。

サキ「まったく…あの男は除隊しても問題を持ち込む…。」

ラウンデル「シンが帰ってきたと思ったんでしょう?」

サキ「ラウンデル…。」

ラウンデル「妙に律儀な男でしたからね…単機で進入してきた時に私もフッと思い出しまして…まさかとは思いましたが…」

サキ「黙れ!ラウンデル!」

ラウンデル「!」

サキ「あの男はもう88のメンバーではない!除隊処分にした!帰ってきてはいけない男だ!」

ラウンデル「サキ様…。」

サキ「怒鳴ってすまん…ラウンデル…。」

ラウンデル「…………。」

その後、セイレーンはキムの部屋で介抱された。

ミッキー「お姫様はどうだ?キム。」

キム「今…眠っています。飛ばしづめだったんですね…。」

ミッキー「俺ぁ、またあのバカ共の誰かが里心付いて帰ってきたと思ったぜ…あいつ等だったらぶん殴るところだ…。」

キム「ミッキー!」

ミッキー「…………。」

キム「大尉は今頃恋人と平和な時を過ごしていますよ…ローゼンメイデンの皆さんも…あの人には気の毒ですが…。」

ミッキー「だといいんだがな…いや…きっとそうだな…。」

キム「そうですよ!」

だがフランスにいたシンは、キム達が思っていたのとは違っていた。

シン「…………。」グビグビ…

ゴロン…

シン「ダメだ…俺は…このパリでは生きていけない…水も食料も平和も…いっぱいあるのに…心がどんどん渇いていく…。」スッ

シンはふと己の手を見る。

シン(もう…この汚れた手は二度と綺麗にならん…もう…二度と平和の中で幸せを掴むことなんか出来ないんだ…これが報いだ!)

シン「…涼子…。」

ツグモデザインを見上げるシン。彼には、それ涼子が自分の手が届かない場所にいるかのように見えた。

シン「涼子…!」

シン(こんなに…こんなにそばにいるのに…俺は…お前に会えない…会ってお前を抱きしめる綺麗な手を持てない…)



シン「涼子ッ!」


平和な時間の中ではどうかなっちまいそうな心の不安…

死と隣り合わせの場所では快いほどの緊張感…

どこかへいこう、だれもしらないどこか遠くへ…自分の死に場所ぐらいは自分で選びたい…

どうせ汚れきった身体なら、地獄の業火の中で焼きつくすのもいいだろう…

もう…終わりだ…

シン「ローラン・ボッシュ氏を…こちらは…パリ192315…」



シン(さよなら…涼子…)


今日はここまで。

どうも僕です。これより投下を再開します。理由は本編見てからお察しください。

ビーッ!ビーッ!ビーッ!

管制『敵戦闘機、大編隊接近中!繰り返す!大編隊接近中!』

傭兵達はすぐさまハンガーへ向かう。

ミッキー「そぉら!来やがったぜ!」ダダダダ…

スポットには既にサキが来ていた。

ミッキー「サキ…。」

サキ「出撃する前に、諸君らに言っておきたいことがある。」


MISSION71 南へのフライト・プラン

キャンベル「な、何でぇ、改まって。」

サキ「各機発進後は敵と交戦、一直線に突っ切れ。反転して空中戦に持ち込む必要は無い。」

ミッキー「な、何だと?」

サキ「戦闘エリアを脱出したら、そのまま自国へ燃料が続く限り飛べ。」

次の瞬間、サキの口から思わぬ言葉が飛び出す。



サキ「ただいまより、全員を解雇するっ!」



一同「「「な、何だってーーーー!?」」」



グレッグ「あらまぁ、クビかよ。」

サキ「諸君らが出撃した後、このエリア88は白旗を上げて無条件降伏をするだろう。これはアスラン政府、おそらく最後の政府決定だ。今夜にも新政府が誕生するだろうからな。」
サキ「新政府が誕生すれば、私は反逆罪で逮捕される。ここは、アスラン空軍中佐としてではなく、エリア88外人部隊の司令官として部下の血路を見守ってやらねばなるまい。」
サキ「それに…」

一同「「「?」」」

サキ「私の最期を見届けたいやつがこの中にはウジャウジャいる。」

ミッキー「へっ!違えねぇ。ほら、クビになった野郎共。行くぜ!」

一同「「「オオーーーーーーッ!!!」」」ダダダダ…

ゴォォォォォ…

サキ「ラウンデル、例の指令は何人に与えた?」

ラウンデル「一応全員に伝えてあります。」

サキ「全員に?成程…お前らしいな。」

ミッキー「目標補足!全機攻撃用意!」

ゴォォォォォォ…

グエン「キム!」

キム「え?」

グエン「生きて囲みを突破出来たら…。」

キム「突破出来たら…?」

グエン「イチゴジャムの極上を1個やるぜ。」

キム「あは…!」

ミッキー「突撃!」

グオオオオオオオオォォォォォォォォ…

ドドドドドドドドドドドド

グレッグ「振り返るな!突っ切れっ!」

ヘアバンド「おう!」

バクシー「うおらぁ!」

ゴオオオオオォォォォォォ…

ミッキー「うおおおおおおおおお!」

敵パイロット「!!」

ミッキー「なろ!」カチッ

ダダダダダダダ!

ドォォォォォォォン…

ミッキー「何機付いてきてる!?グエン!」

グエン「分からん!最初の接触で3機やられたのは確認した!」

ミッキー「AAMは撃ち尽くした…あとはバルカン砲の弾だけか…くそぉっ!」グイ

ギュウウウウウウウウウウン!

グエン「ミッキー!止めろ!引き返すな!死ぬ気か!?」

ミッキー「俺はずっと昔に死んだよ…もう、とっくの昔にな…今まで墓が無かっただけさ。」

グエン「ミッキー!」

グオオオオオオオォォォォォ…

グエン「ち…畜生…てめぇ…てめぇだけ…かっこよく死なせるかバカ野郎!バカ野郎!!」

ゴオオオオオオォォォォォォ…

サキとラウンデルは砂岩質の大地に着陸していた。

サキ「陽が落ちる…血の色だ…。」

ラウンデル「88の交信です。今、正式に降伏したようです。」


サキ「そうか…88はこれで本当にこの地上から消え去った。」

ラウンデル「そうですな。」

するとサキは側にあった木の枝を折って地面に何かを書き始めた。」

ラウンデル「サキ様、何を?」

サキ「ラウンデル…1mおきにその固形燃料を並べろ。」

ラウンデル「え?」

サキ「向こうの端から両側にな。」

ラウンデル「そ…そんなことをすれば敵に…」

サキ「これは…賭けだ。固形燃料は約1時間燃える。この火を見て敵が来るか…連中が来るか…2つに1つ…。」

ラウンデル「……はい…。」

ラウンデルはサキの指示通りに固形燃料を並べた。

ボォォォォォォ…

サキ「さあ来い悪魔共…地獄の灯が見えたら飛んでこい。」

そこには滑走路灯なるものと、大きな88の数字が描かれていた。



サキ「死神の羽音と共に憎しみの剣を引っ下げて飛んでこい!!」



~フランス・パリ某所~

???「来てくれると思っていた。理由はともあれ、再開出来たことに乾杯しよう。」

シン「…………。」

シンが対話する男の名はローラン・ボッシュ。元フランス空軍第18航空団第1航空隊中佐。

空軍基地で他の隊員に喧嘩を売られていたシンと偶然出会い。彼を再び傭兵稼業に誘っていた。

傭兵部隊「マーク3」通称「壊滅部隊」の元指揮官で、作戦中に重症を負った実の弟を作戦遂行のために、他の傭兵も容赦なく殺害した冷血な人物である。

ボッシュ「君には作戦の重要項目「大統領脱出」を指揮してもらう。部下のリストはそこに入っている。必要な人数は君に任せる。」

シン「大統領を救出するのか…。」

ボッシュ「バンバラは軍事政権だ。軍部の下の方で革命を起こそうという動きがある…。」

シン「その革命軍を潰そうと?」

ボッシュ「ははは…それでは商売にならない。今回の作戦では私が指揮する第1グループは革命軍に付き革命を成功させる。」

シン「?」

作戦の概要については↓参照

バンバラの現状
・バンバラはダイヤとウラニウムの原産国。
・だが財政難によって生産増大(現在どっちも手掘り)も輸出も不可能。
・軍部内で革命を起こそうという動きあり。

本作戦
1.第1グループが革命軍に参加し、革命を成功させる。
2.第2グループが大統領とその家族を救出。条件として鉱山の場所を聞き出す。
3.大統領脱出後、新政権から報酬として鉱山の採掘権を取得。

シン「ひどい話だ…どっちにどう転んでもバンバラの国民にはいいことじゃない。」

ボッシュ「ま、商売の世界はシビアなものさ…。」

シン「そうだな。」

ボッシュ「ああそうだ…今日の昼過ぎかな…外にいる連絡員から情報が入った。君が以前所属していたエリア88はアスラン新政権に無条件降伏をしたよ。」

シン「エリア88が…何時!?」

ボッシュ「今日の正午近くだと言ってたな…アスラン政府軍空軍部隊の総攻撃でな…。」

シン「指揮官や他の外人部隊の連中は…!?」

ボッシュ「さあな…かなり大きな戦闘だったらしい…君は運がよかったな…。」

シン「…………。」

ラウンデルが固形燃料を燃やし始めてから既に50分が経っていた。

ラウンデル「そろそろ固形燃料も燃えつきます…。」

サキ「そうだな…。」

ジ…ジジジ…

サキ「マッコイがキレナの南に新基地用の場所を確保してあると言っている…だが兵隊がいなきゃ話にならん…。」

空を見上げると、無数の星が光っていた。

サキ「希望の星…か…少なくとも我々のために輝いてはいないだろうな…。そろそろ行くか。」

ラウンデル「はい。」

サキ「また兵を集めなきゃならん・これで半年はタイムラグになっちまう。しかし…今までのメンバーほど腕のいいのが集まるかどうか…。」

ラウンデル「苦しい戦いに………あ…。」

サキ「どうした?」

…ゴォォォォォォォ…

暗闇の奥からかすかに聞こえるジェット音。

ラウンデル「あ…あれは…!」

サキ「!」

そこにやってきたのは…

ゴォォォォォォオオオオオオオオオ!

穴だらけになったA-10とクフィル2機だった。

サキ「グレッグ!ウォーレン!ケン!」

ドン!ザザァァァァァァ…

3機は簡易的な滑走路に降りた。

サキ「ははは…何て奴らだ!」

ラウンデル「右へ回せ!後続機の滑走路を塞ぐな!」

次々に傭兵達が集まっていく。

サキ「はん…来る奴は果たしてアホなのかそれとも…」

ラウンデル「サキ様…あれは…?」

サキ「ん?」

ラウンデルが指差す方向には見慣れぬ色の戦闘機があった。

サキ「ソウセイセキのF-15に…TSR-2?」

ラウンデル「2機ともローゼンメイデン専用機で人間は乗れませんよ。」

サキ「ローゼンメイデン達は皆フランスへ飛んだはず…なら…誰だ?」

シュゥゥゥゥゥゥン…

蒼星石「マスター!みんな!大丈夫!?」

金糸雀「サキ!無事だったかしら!」

サキ「ソウセイセキ!?カナリア!?」

ラウンデル「何と…。」

蒼星石「ごめんなさい。でも88が降伏したって聞いていてもたってもいられなくて…。」

金糸雀「みんな無事かしら?ミッキーは?」

サキ「いや…まだ見ていないな…。」

金糸雀「ミッキーの方には翠星石が行ったはずかしら。」

蒼星石「そういえばマスターは?」

サキ「キャンベルか…あいつもまだだな…。」

傭兵A「キャンベルが来たぞ!」

バクシー「あいつ生きてたか!」

グレッグ「おお!」

ゴォォォォォォ…

キャンベルのA-4も穴だらけで、風防は半分割れている状態であった。

ズザザァァァァァァ…

キャンベル「いちちち…ってあれ?ソウセイセキ?」

蒼星石「マスター!」

キャンベル「お前…何でここに?」

蒼星石「マスター!指輪は!?」

キャンベル「指輪?ちゃんと…あ?」

手を見ると指輪が無かった。だがローゼンメイデンの指輪は絶対に外れないもの。指輪が無くなったことはすなわち…



キャンベル「指が…ねえ…。」



指輪があるはずの薬指が根本から無くなっていた。

キャンベル「あは…通りで感覚がないわけだ…。」

蒼星石「そんな…。」

蒼星石は愕然とした。

そこへ…

ゴォォォォォォォ…

ウォーレン「タイガーシャークだ!」

ケン「きっとキムが操縦してるんだ!」

ズザザァァァァァァァ…

グレッグ「よお…キム!よく生き残ったな!あいつもこれで1人前だぜ!」

シュゥゥゥゥン…

キム「はぁ…はぁ…サキ司令は!?」

ケン「サキ?」

サキ「私はここだ!」

キム「司令!これを!」スッ

キムの手には見慣れた薔薇の形をした指輪があった。

サキ「これは…契約の指輪か?」

キム「飛んでいる途中で強く光っていたので拾ってきたんです。」

蒼星石「それ…僕の指輪です。」

サキ「何?」

キャンベル「空戦やってるときに弾喰らっちまってな…お蔭で指がブチーンと。」

サキ「ふむ…。」

グレッグ「あれ?キム、お前胸元が光ってねえか?」

キム「え?」

よく見ると、キムの胸元からうっすらと光が漏れていた。

キム「何だろう?」ゴソゴソ…

中から取り出したのは…

キム「これは…大尉の…。」

サキ「『戦士の魂』か…。」

キイイイイイイイン…

すると、蒼星石の指輪も強く光り出した。

グレッグ「ど、どうなってんだ?」

蒼星石「僕の指輪と戦士の魂が…共鳴している…?」

サキ「…………。」

キム「………キャンベルさん…。」

キャンベル「?」

キム「…失礼します!」スッ

キムは蒼星石の指輪をはめた

キャンベル「何を…?」

すると

キイイイイイイイイイイン!

一同「!」

辺りを強い光が包んだ。


~nのフィールド~

ラプラスの魔は紅茶を飲んでいた。

ラプラスの魔「…ん?」

ラプラスの魔「ほほう…これはこれは…。」

ラプラスの魔「何とも予想外なこと…。」

立ち上がって遠くの光を見る。

ラプラスの魔「ふふふ…これも彼女達に与えられた運命(さだめ)というわけですか…。」

ラプラスの魔「それにしても人間という生き物は本当に面白い…これも愛の成せる技ということですか…。」

ラプラスの魔「これからもっと楽しませてもらいましょうか…ふふふ…。」

というわけでこれがその突破口です。
自分でも戦士の魂の存在に気付いたのがつい2時間前だったので大急ぎで完成させたのでどこか不手際があるかと思います。どうかコメントください。

これより投下します。

ミッキーとグエンの2人は反転して敵機に攻撃を仕掛けようとしていた。

ゴォォォォォォ…

ミッキー「負ける喧嘩はやらねぇのが主義だろ!?」

グエン「もう負けてる喧嘩は別よ!ぬかせ!」

ミッキー「左3機!任せるぜ!」

ギュウウウウゥゥゥゥゥゥン…

今、ここに2人の壮絶な戦いの火ぶたが切って落とされた。


MISSION72 南へ…風

グオオオオオオオオオオ!

2機は敵のMiG-27を次々に撃墜していく。

ミッキー「うおらぁ!」グイ

ギュウウウウウウウン!

F-14のM61A1・20mmガトリング砲が火を吹く。

ダダダダダダダダダダ!

ドォォォォォォォン…

だが敵のフロッガーD固定武装のGSh-6-30・30mmガトリング機関砲がミッキーを狙う。

ダダダダダダダダ!

バン!ババン!

ミッキー「うおっ!」

チューン!カンカン!

機内を破片が飛び回る。

ミッキー「ぐっ!」ビシッ

ポタ…

ミッキーの額から血が滴り落ちる。

ミッキー「エンジンには喰らってないか…タンクもOKだ。油圧も圧縮も異常は無い。まだやれる。」

前からはフロッガーDが数えられないほど飛んでくる。

ミッキー「でも…ないか。ここらが死に時期(どき)だな…。」

ミッキーは遂に覚悟を決めた。

ミッキー「あの世の道連れ、多い方がにぎやかでいいぜ!」

キイイイイイイイイイイン!

ドオオオオオオオオン!ズドオオオオオオオン…ドドォォォォォォォォン…

ドカアアアアアアァァァァァァァン…

カチッ…カチッ…

ミッキー「…………。」

カランカラン…

ガトリング砲は回るのを止めた。

ミッキー「ゲームセット…幕を下ろすのか…この茶番劇のよ…。」



???「1人で幕を下ろそうなんて考えるでねえですよ!!」



ミッキー「!?」

ダダダダダダダダダダダ!

ズドオオオオオォォォォォォォン…

ミッキーが見上げるとそこには…

キィィィィィィィィン…

緑一色に塗られたJA37「ビゲン」とクフィルがいた。

ミッキー「スイセイセキ…戻ってきちまったか…。」

翠星石「この茶番(いくさ)の幕は翠星石達で下ろすですよ!」

グエン「そうだ、俺達で下ろすんだ。俺達だ…分かったか。」

ミッキー「グエン…。」

グエン「俺達は共にあのベトナムで茶番(いくさ)をやった…いや、やらされた…。」

ミッキー「…………。」

グエン「そして…俺達の知らないところでその幕は下ろされた。西側と東側のご都合主義でな。死んでいったやつは道化だ…。」

翠星石「…………。」

グエン「道化で死ねたやつはまだ役どころがよかった方さ…生まれ落ちた時から道化の人間よりはな…せめて、自分で芝居の幕は下ろしたい。」

ミッキー「…………。」

グエン「悲劇か喜劇か…そんなこたぁあの世で決めても遅くは無いだろう!行くぞ!ミッキー!スイセイセキ!」

グオオオオオオォォォォォォォ…

ギュウウウウウウウウウウウン!

ミッキー「俺が囮になる!2人共頼むぜ!」

翠星石「任しとけですぅ!」

グエン「あいよ!」

グオオオオオオオオオオオ!

F-14が無武装と知って油断した敵のフロッガーは

ダダダダダダダダダダダ!

ビゲンとクフィルによって次々に叩き落とされる。

ドオオオオォォォォォォォン…

翠星石「今何機目ですか!?こっちは3機です!」

グエン「こっちはもう4機目だ!」

ミッキー『敵さんまだ6機はいるぜ!やれるか!?』

グエン「へっ!なめんじゃねえよ!」

翠星石「どんと来いですぅ…!」

その時

キュン

グエンの真上から敵機が急降下してくる。

翠星石「グエン!上ですぅ!」

グエン「何!?」

ダダダダダダダダダダ!

グエン「ぐおっ!」

バン!バンババン!

バシュウウウゥゥゥゥゥゥゥ…

グエンの射出座席が飛び出す。

翠星石「グエン!?」

ミッキー「さっきの弾で射出座席が出たんだ!」

翠星石「あいつが地上に降りるまで手出しはさせんですよ!」

ミッキー「おうよ!」

グオオオオオオォォォォォォォ…

シュゥゥゥゥン…

全ての敵機を撃墜したミッキーと翠星石はグエンの元へ向かう。

ミッキー「グエン!」

グエンはパラシュートが木に引っ掛かって宙吊りになっていた。

グエン「ははは…ざまねぇ…笑ってくれ!」

ミッキー「待ってろ!今、降ろしてやる!」

ミッキーと翠星石はサバイバルナイフでパラシュートの紐を切っていく。

グエン「弾喰って射出座席が飛び出すなんざ、アホな話だ…。」

翠星石「あのじじいの整備ですからね。それくらいのシャレは覚悟した方がいいです。」

グエン「へへ…違えねぇ…ぐ…。」

グエンの脇腹からは血が出ていた。

ミッキー「グエン!」

グエン「腹をかすったか…ま、中身が出ねえだけマシか…。」

ミッキー「待ってろ。機体にテーピングベルトとモルヒネが積んであるはずだ。」

グエン「テーピングはいらないがモルヒネはありがたいな。」

テーピングベルトを巻いてモルヒネで麻酔をしただけの治療を終えたグエンは砂岩の大地に横たわっていた。

翠星石「ほれです。」スッ

グエン「すまねぇ…。」パクッ

グエンは翠星石からたばこをもらう。

グエン「なあ…お前等…。」

ミッキー「あんまりしゃべるな。」

グエン「俺は爆撃で吹っ飛んだ母親の身体から生まれたんだそうな…生まれる時も敵の弾…死ぬ時も敵の弾…みんな敵さん任せで悪ぃみてえだ…。」

翠星石「ミッキー、そのもるひねって効いてんですか?」

ミッキー「くそったれ…米軍のモルヒネってなぁ大したことねえな…患者がベラベラしゃべりやがる。」

ミッキーはグエンの肩を持つ。

ミッキー「よし…掴まれ。大丈夫か?」

グエン「よう…ミッキー…お前はちゃーんと生まれたのか?」

ミッキー「木のマタから生まれたんじゃないことだけは確認してある。」

グエン「そうか…親は元気か?」

ミッキー「ああ…ピンピンしてる。」

2人はグエンをF-14の後席に乗せる

翠星石「こら…足入れて大人しくしてるですよ。」

グエン「へへへ…トムキャットか…1度乗りたかったぜ…こいつはよ…なんたって最新鋭だかんな…。」

ミッキー「運転させてやろうか?」

グエン「俺ぁ重症だぞ、労われ…バーロー。」

翠星石「おめぇが重症なら救急車はいらんですね。」

ミッキー「確かにな…。」

2機は空へ飛び上がった。

ゴォォォォォォ…

グエン「お前等…メコンの夕日を見たことがあるか?」

翠星石「メコンの夕日?」

グエン「綺麗だぜぇ…静かな水面に夕日がキラキラしててよ…ありゃあ銭出して見たって惜しくねぇよ…。」

ミッキー「…………。」

グエン「はぁ…あそこに帰りてぇなぁ…。」

翠星石「すぐに帰れるですよ…腹の傷を治せば…。」

グエン「ふふふ…モルヒネが効いてきた…らしい…少し寝る…ぜ…。」

ミッキー「ああ、そうしろ。集合場所に降りたら起こしてやる。」

ゴォォォォォォ…

一方、その集合場所では…

シュゥゥゥゥゥン…

グレッグ「これは…。」

ウォーレン「一体…。」

ケン「どういう…。」

キム「…………。」

キムの薬指には、蒼星石の指輪がはめられていた。

キム「ん…。」グッ…グッ…

指輪は外れない。」

キャンベル「ってことは…。」

蒼星石「まさか…。」

サキ「…キム。」

キム「はい。」

サキ「君は…」



サキ「たった今ソウセイセキと契約したのだよ。」



キム「え…?」

その時

…キィィィィィィィン…

傭兵A「ミッキーだ!」

傭兵B「ミッキーのF-14だ!」

傭兵C「はっはぁ!あのドラ猫め、やっぱり生きてやがったか!」

下にいた傭兵一同は歓喜に沸いた。

バクシー「後ろにいるビゲンは誰だ?」

蒼星石「あれは翠星石です。」

ラウンデル「ふむ…。」

ゴォォォォォォ…

ミッキー「グエン!見えたぜ!おい、グエン!?」

翠星石「こらグエン!寝てないで降りる支度するですぅ!」

グエン「…………。」

ミッキー「グエン…。」

翠星石「…………。」

ミッキー「…逝っち…まったのか…。」

ミッキーの瞳からは熱く哀しいものがあふれ出ていた。

シュゥゥゥゥゥン…

ウォーレン「おーいミッキー!」

グレッグ「ははは…無事だったか…?」

一同は後席に座っていたグエンに気付いた。

ウォーレン「グエン!」

グレッグ「グエン!」

キム「グエン…。」

サキ「ミッキー…。」

ミッキー「今は…何も言わんでくれ。喋りたくない。」

翠星石「…………。」

グエン「…………Z…。」

グレッグ「?」

ウォーレン「?」

キム「?」

グエン「ZZZ…。」

グレッグ「」

ウォーレン「」

キム「」

グエン「Z…ん?何だ…もう着いた…のか…?」

一同「」

グエン「おいどうした?みんな急に黙っt」

ミッキー「てんめえええええええ!」ドドドド…

ガアン!

ミッキーの右足がグエンの顔面に当たる。

グエン「うおおおおおおおおお!?」ドサッ

グエンはそのまま地面に落ちる。

ミッキー「余計な心配させやがって!返せ!俺の涙を返せ!」グッ

翠星石「そんなに眠りたいなら永遠に眠らせてやるですぅ!」ドカッ!

グレッグ「てめぇ!何死んだみたいに寝てやがんだ!」ゴン!

ウォーレン「くそう!心配して損した!」バキッ!

ルロイ「この野郎!そのまま永遠に寝てろ!」ガン!

ライリー「お前死ねぇ!小手ぇ!」ビシッ!

他の傭兵も次々にグエンに殴りかかる。

キム「あ…あの…もうそれくらいに…」

一同「あ゛ぁ゛!?」ギロ

キム「グエン…本当に死んじゃいますよ…?」

グエン「」

サキ「それくらいにしておけ。」

一同「ケッ!!」ゾロゾロ…

グエン「おー痛てて…こっちゃ怪我人なんだぞ。少しは手加減しろっての…。」

蒼星石「あはははは…でもよかった。みんな無事で。」

キャンベル「いやあいつ(グエン)のあれは余計だったと思うが…。」

金糸雀「まあまあ、終わり良ければ全てよしかしら。」

サキ「ふっ…確かにな。」

ミッキー「ったく…あれ?キム、その指輪は?」

キム「ああ…これは…」

ミッキー「マジかよ…何つう偶然…。」

キム「これは…もう奇跡としか言いようがありませんね。」

サキ「そうだ…これは『偶然』じゃあない…。」



サキ「選ばれた…『奇跡』だ。」



アスラン24時…

砂の墓標は語るを知らず、歴史の流れは人には見えず、希望はすべて心の中に…

空を駆ける漂流者は行く…

時の流れに身を委ねながら…

どうも僕です。
今回は少し長くなりました。依然として蒼星石の契約変更の仕組みが明らかになっていませんがこっちも知ったこっty
…ではまた。

どうも、これより投下します。


~某日・ブラシア国境~

パァン!

ブラシア兵士A(以下「ブ兵士」)「お…おい!」

ブ兵士B「…………。」

兵士は既に息絶えていた。

…ザザザザザ…

ブ兵士A「!」

ゴゴゴゴゴゴゴゴ…

戦車の砲門は監視塔に向けられた。

ブ兵士A「…………!!」

ドォン!


MISSION73 始まりと…終わり

アスラン王宮には神崎がいた。

アスラン兵士A(以下「ア兵士」)「入ります!」カッ

1人の兵士が神崎のいる部屋にやってきた。

ア兵士A「本日未明、我がアスランの首都東300kmにあるブラシア国境においてブラシア軍の侵攻があり、現在歩兵第3師団と第15機甲師団が交戦中であります!」

神崎「分かった…緊急会議を開き、国王のご意見を承ろう。」
神崎「第10空軍に連絡!ブラシア軍の現在地よりの侵攻を食い止めさせろ!」

ア兵士A「はっ!」

バタン

神崎「くっくっく…さてと…また仕事が始まったか…。」

悪巧みをする顔で笑う神崎。

神崎「ブラシアがアスランを攻撃?ははは…あの国の大統領にそんな度胸なぞあるもんか!」

ガチャ

神崎「サトル・ファリーナだ。侵攻作戦チームに連絡しろ。夜明けまでに引き上げろ…正午過ぎには正式に戦争を開始する。」

神崎「3日後にはブラシアはアスランのものだ!」

ロプロトの西、エリア88のあった山岳基地はプロジェクト4の第10空軍基地となっていた。

セイレーン「…………。」

水銀燈「…………。」

ゲイリー「セラ!」

セイレーン「マック…。」

ゲイリー「首都東300km地点でブラシア軍との交戦が始まった…第10空軍に発進命令が出ている。」

水銀燈「ふん…ブラシア軍に化けたプロジェクト4の人間共がやってることでしょ?戦争のきっかけを作るためにね。」

ゲイリー「まあな。」

セイレーン「ブラシアの大統領も気の毒に…どうせ今日の正午にはアスラン軍の総攻撃を受けて…言い訳をする間もなくブラシア軍は至る所で全滅…。」

ゲイリー「ま、シナリオはそんなところだ。」

水銀燈「バカバカしい…そんな茶番で何人死ぬやら…。」

セイレーン「…親父はあたしを救いに…ここに単身乗り込んだらしいね…。」

ゲイリー「ああ…そして自爆した…。」

水銀燈「バカな娘はパリまで飛んで好きな男の伝言をその恋人に伝えに行った…戻ってくればこのありさま…。」

ゲイリー「もうよせ!全部終わったことだ…何も元に戻らん…。」

セイレーン「…………。」

ゲイリー「発進の用意をしろ。一応俺達も第10空軍の特別隊だからな。」

セイレーン「嫌よ!親父もあの世に行った今…あたしがここで戦う意味は無いわ…あの人も今はパリの空の下…恋人と愛し合っているわよ…。」

チャッ…

ゲイリーは拳銃に手をかける。

ゲイリー「敵前逃亡は銃殺だぞ!」

セイレーン「いいわね、簡単で…やってよ、早く…。」

セイレーンは動じない。

セイレーン「鉛玉1つで楽になれるなら安上がりよ…。」

胸元を開ける。

ゲイリー「…………。」

スッ

水銀燈「…………。」

セイレーンをかばうように水銀燈が前に出る。

セイレーン「スイギントウ…。」

水銀燈「こいつの命を奪うのはあんたじゃない、あたしよ。」

ゲイリー「…………。」

スッ…

ゲイリーは銃をしまった。

ゲイリー「二度と俺の前に顔を出すなよ。」コッコッコ…

そのまま立ち去って行く。

ゲイリー「…スターファイターとデルタダガーは満タンにしてある。」

セイレーン「ふん…礼は言わないわよ…。」

水銀燈「…………。」

キイイイイイイイイイイン!

ゲイリー「セラ…。」

セイレーン「さよなら、マック…。」

水銀燈「…………。」

グオオオオオオオォォォォォォォォ…

F-104とF-106は基地を飛び出し、現在エリア88が作戦を展開している空域に近付いていた。

ゴォォォォォ…

セイレーン「スイギントウ…。」

水銀燈「何?」

セイレーン「…ありがとう。」

水銀燈「何のこと?」

セイレーン「さっき、あたしのことかばってくれたでしょ?」

水銀燈「勘違いしないで頂戴。貴方は私の媒介、死ぬときは私が殺してあげる。まあ、どうしても死ぬ前にやりたいことがあるなら、その命、預かっておいてもいいけど。」

セイレーン「…でも…嬉しいわ。」

水銀燈「ふん…///」


~フランス・パリ某所~

???「「「こいつがリーダー!?」」」

ボッシュ「そうだ…。」

シン「…………。」

その場にいた一同が声を上げる。

ニップル(雷管)…爆薬と罠のエキスパート。浮気した妻とその相手のヤクザをロールス・ロイスごと吹っ飛ばして刑務所に15年入れられた過去を持つ。

マップ(地図)…元ラリードライバーでサファリ・ラリーやラリー・モンテカルロではクラス優勝の経験を持ち、コードネームの通り地形把握や車の運転技術に優れる。

スラッシュ(切り傷)…ナイフの達人で、複数の人間の急所を投げナイフで同時かつ正確に貫くほどの腕前を持つ。

エラー(失敗作)…男性でありながら女性のような外観を持っている。名狙撃手で、夜間でも100ヤード先にある直径3cmの標的を打ち抜けるほど。

シン(やれやれ…お定まりのリーダー決めか…これで大抵一悶着あるんだよな…もっとも、誰だって得体の知れない人間をリーダーには認めたくな…)

ニップル「いいだろう…ボッシュがそう言うなら…。」

スラッシュ「ああ…。」

マップ「よろしくな。」

シン「?」

ボッシュ「意外そうだな、シン。」

シン「ああ…こういった場合は大抵ひともめあるのが定石だろう?」

ボッシュ「ははは…ギャングが銀行強盗をやるわけじゃない。」

エラー「今回の仕事はボッシュがあんたを必要と認めたんなら俺達の口を出すスジじゃない…全力で仕事するだけだ。」

シン「…………。」

ニップル「ところでボッシュ、もう1人は何時来るんだ?」

ボッシュ「もう着く頃だろう…。」

ビー

玄関のベルが鳴る。

ボッシュ「来たか…。」

ガチャ

そのもう1人が入ってきた。

一同「…。」

シン「!」

その顔にシンは見覚えがあった。

???「待たせて悪かった…!」

相手もシンの顔を見て驚いた。

???「お前…シンか?」



シン「そういうお前は…チャーリー!」

チャーリー「久しぶりだな…シン。」


キレナにはエリア88の仮設基地が建てられていた。

キイイイイイイイン…

ゴン!

ミッキー「あちゃ…翼端引っかけちまった。」

翠星石「何やってるですか。」

シュゥゥゥゥン…

ミッキー「滑走路はいいんだが格納所に入れる時にF-14じゃギリギリだからな…。」

翠星石「翼端灯の部品ならまだあるですけど他はぶつけるでねえですよ。」

サキ「どうだった?」

ミッキー「いや…何が何やらよく分からん。」

翠星石「国境線でドカスカやってるですけどブラシア軍ってあんなに弱かったですか?侵攻した師団は殆ど全滅ですよ。」

サキ「ブラシアが侵攻するというだけでもおかしいんだが…。」

金糸雀「あそこは他国にケンカ売るほど気前はよくないはずかしら…。」



???「プロジェクト4の仕業よ。」



一同「「「!!」」」

ウォーレン「何だ!?」

ミッキー「セラ…。」

傭兵A「あ、あの女だ!」

傭兵B「黒い人形もいるぞ!」

セイレーン「ブラシア軍に見せかけたプロジェクト4の特攻部隊が国境を突破する。それを口実にアスランはブラシアとの戦争を開始する。」

水銀燈「あんな貧弱な装備じゃ数日後には降伏せざるをえないでしょうね…。」



セイレーン「セイレーン・バルナックとスイギントウ…エリア88に所属したいのだけれど…いかが?」


もう少しスピード上げようかな…
ではまた。

これより投下します。

???「プロジェクト4の仕業よ。」

一同「「「!!」」」

ウォーレン「何だ!?」

ミッキー「セラ…。」

傭兵A「あ、あの女だ!」

傭兵B「黒い人形もいるぞ!」

セイレーン「ブラシア軍に見せかけたプロジェクト4の特攻部隊が国境を突破する。それを口実にアスランはブラシアとの戦争を開始する。」

水銀燈「あんな貧弱な装備じゃ数日後には降伏せざるをえないでしょうね…。」

セイレーン「セイレーン・バルナックとスイギントウ…エリア88に所属したいのだけれど…いかが?」


MISSION74 再び、硝煙の中へ

サキ「くっくっく…これは…また大変な申し出だな。敵のはずの人間が味方になるのか?言い訳を聞きたいもんだ。」

基地は静寂に包まれる。

一同「…………。」

キム「…………。」

その沈黙を断ち切ったのは水銀燈だった。

水銀燈「はん…じゃ、あんたはここにいる連中の言い訳を全部聞いたってわけぇ?どいつもこいつもムサクルシイ面並べちゃって。」
水銀燈「戦争するのに理屈なんかいらないのよ。自分のやりたい所でやるの。私達は…」
水銀燈「…プロジェクト4のやり方が気に入らないだけよ…。」

一同「…………。」

次にセイレーンが口を開く。

セイレーン「着陸…失敗してヒコーキ壊しちまったけどさ…何か…ヒコーキくれるんなら1人でもやるよ…死に花ぐらいはパッと咲かせたいやね。」
セイレーン「どっちにしてもこの基地の場所を知ってるあたしをタダでは帰さないだろ?もっとも…帰るとこなんてありゃしないけどさ…。」

水銀燈「…………。」

セイレーン「親父は…てめぇ勝手にあの世にいっちまうし…シンはパリで恋人と…。」ツー…

セイレーンの目から涙が流れる。

セイレーン「あたしは…。」ポロポロ…

ケン「わ…泣いた。」

キャンベル「あー泣いちまった。」

ヘアバンド「サキが泣かせた。」

そばかす「どーすんだよサキ!」

金糸雀「サキ!いくらなんでも酷いかしら!」

蒼星石「女の子を泣かせるなんて酷すぎますよ!サキ司令!」

翠星石「こらー!何してやがるですかサキ!」

キム「セラ…。」

一同が騒ぎ始める。主にサキがセイレーンを泣かせたことについて。

サキ「給料無しだぞ、セラ、スイギントウ。」

セイレーン「え?」

一同「「「!」」」

サキ「予備の機体なんて無いからな…向こうに止まっているF-106を共用するか、ミッキーのF-14の後部座席にでも座ってろ。」コツコツ…

ミッキー「お…おい、サキ!」

セイレーン「入れてくれるのっ!?」

水銀燈「ふん…。」

傭兵たち「なんでーもう終わりか…」「帰ろ帰ろ」「腹減ったー」ゾロゾロ…

ミッキー「ったく…。」


~パリ・某基地~

ボッシュ「あと5分で輸送機が来る。乗り込んですぐ出発だ。」

シン「電話はあるか?」

ニップル「事務所の脇にある。」

シンは電話ボックスに向かう。

ガチャ

交換手『交換です。』

シン「パリ3935へ。」

涼子の家では真紅と雛苺が着替えをしているところだった。

プルルルルル…プルルルルル…

ガチャ

涼子「はい?津雲です。」

電話『…………。』

涼子「どなた?」

シン『…涼子…。』

涼子「はい…あたしが涼子ですが…貴方は………!」

涼子「真!真ね!?何処!?何処からかけてるの!?」

シン『パリだ…。』

涼子「パリ…あ…。」ブワ…

シン『涼子…聞こえるか…涼子…。』

涼子「生きて…生きてて…ああ…よかった…!」

シン『涼子…聞いてくれ。』

涼子「すぐに…そこに行くわ…場所を教えて…」

シン『来ちゃ…いけない!』
シン「もう…俺の事は忘れてくれ…もう…昔の俺じゃない。」

涼子「何を言ってるの…?真…分からないわ…意味が…真…。」

シン「涼子…もう…君の気持ちには…答えられないんだ…だから…もう…俺のことは忘れてくれ…。」

シン「遠くに行く…二度と帰らないよ…だから…だから…さようならが言いたかったんだ…。」

涼子「真…?」

シン『さよなら…涼子…君の幸せを遠くで祈っているよ…さよなら…。』

涼子「真!だめ!!切らないで…」

ブッ プープープー…

涼子(真…貴方…)

集合場所ではシンの通話を盗聴していた。

ボッシュ「どうだ?」

マップ「女への別れの電話ですよ…別に作戦のことは何も…。」

そこにシンが戻ってくる。

チャーリー「何の電話だ?」

シン「パリでのこだわり…かな…いや…今までのこだわりにケリをつけただけだ…話すほどのことじゃない。」

チャーリー「そうか…。」

ニップル「輸送機が来たぞ。」

ブォォォォォォォン…

シン「…………。」

真紅「涼子。何処にいるの?」

雛苺「リョーコ?」

ガチャ

真紅「!」

涼子「…………。」

雛苺「リョー…コ…?」

ガタッ

その場に倒れ込む涼子。

真紅「涼子!」

雛苺「リョーコ!」

涼子「真…シ…ン…行かないで…。」

真紅「涼子!何があったの!?」

涼子「真…行かな…いで…真…。」

パァン!

涼子の頬をぶつ真紅。

涼子「…!」

真紅「…落ち着いた?」

涼子「あ…ああ…私…どうした…ら…。」

真紅「何があったか話して頂戴。」

涼子「真が…帰らない…って…気持ちには答えられないって…。」

真紅「そう…。」

涼子「ねえ真紅ちゃん…私…一体どうすればいいの…あの人がいなかったら…私…生きて…」

真紅「それ以上言うのは止めなさい。」

涼子「…………。」

真紅「大丈夫、真はこの真紅が連れ戻す。だから貴方は…諦めないで。」

涼子「本当に…?」

真紅「この誇り高き真紅を疑うとは見くびられたものね。必ず連れ戻すわ。」

雛苺「ヒナもお手伝いするの~!」

涼子「ありがとう…でも…どうやって…?」

真紅「私は彼と戦場を共にしてきた人形…彼の戦い方は心得ているつもりよ。」

真紅は電話をとる。

ガチャ

交換手『交換です。』

真紅「パリ2171を。」

すぐにマッコイが出た。

真紅「マッコイ?私よ。スカイランサーを用意して頂戴。燃料は最大、武装は…サイドワインダー4発にスパローミサイル2発…あと熱源ユニットも。」
真紅「問題無いわ。ブラシア空軍は殆ど中古のF-5に旧式のサイドワインダーばかりだから…。それと、ファイヤーフォックスはまだ返還されないの?」
真紅「早くて3日後…分かったわ。来たらすぐにここに連絡を。雛苺を向かわせるわ。」

ガチャ

真紅はいつも来ているドレスに再び着替え始める。

涼子「何処に行くの…?」

真紅「飛行場よ。私の機体でブラシアに行くの。」

雛苺「ぶらしあ?」

真紅「そう…ここから遠く離れた貧しい国…今は革命が起きると噂されているわ。」

涼子「革命…。」

真紅「涼子、セラが言っていた言葉を忘れないでおきなさい。」

スッ

真紅「今度は私が真を守る番…貴方はここで彼の心を守ってあげて。」

その後、真紅は鞄に乗って郊外にある飛行場へ向かった。

今日はここまでです。

これより投下します。

キィィィィィィィン…

パリ郊外の基地から1機のC-130が離陸した。

ブオオオオオオオォォォォォォォォン…

ボッシュ「パリの灯とも俺達ゃ1ヶ月はおさらばだ。よく見ておけよ。」

光輝くパリの中心を横切る。

シン(見納めだ…もう二度とパリに戻ることは無いだろう…)

男達は巨大な陰謀が渦巻くアフリカ・ブラシアを目指す。


MISSION75 午後の戦場

同じ頃、マッコイが取引を行っているとある飛行場では…

マッコイ「おーい!早く燃料入れろ!お客が来るまであと2分しか無えんだ!」

スカイランサーの発進準備が慌ただしく行われていた。

マッコイ「ったく…15分で来るって言うけど本当かねぇ…。ここはエッフェル塔からでも1時間はかかる辺鄙なとこなのに…。」

すると…

マッコイ「………ん?」

パリの灯が見える方角から小さな影が接近する。

マッコイ「何だ…ありゃ?」

よく見ると…

マッコイ「シンク!?」

真紅はマッコイの目の前で鞄から降りた。

真紅「お久しぶりね、マッコイ。」

マッコイ「あ…ああ…。」

真紅「準備は出来ていて?」

マッコイ「おう、装備は全部積み終わって今は燃料を入れてるとこだ。じきに発進できる。」

真紅「そう…。」

真紅はふとスカイランサーの横に駐機している紫色のF-15に目を向けた。

真紅「あのF-15は?」

マッコイ「ああ…お前さんと同じでブラシアに行くやつのだ。」

真紅「ブラシアへ…?誰なの?」

マッコイ「一応、依頼主はチャーリーになってる。」

真紅「チャーリー…懐かしい名前ね。」

整備員A「じいさーん!」

遠くから整備員がマッコイを呼ぶ。

マッコイ「何だ!」

整備員A「チャーリーの代理人って子が来てるけど…。」

マッコイ「けど何だ?」

???「こんにちは。」コッコッコ…

マッコイ「ん?」

真紅「!」

マッコイ「お嬢ちゃん、もしかして君が…。」

???「はい、チャーリー様の代理でお伺いしました。」



薔薇水晶「名は薔薇水晶、どうぞお見知りおきを。」


アスラン王宮では神崎が実質全権を握っていた。

ア兵士A「攻撃隊の準備はできました。指揮官が発進命令を待っております。」

そこに1人の兵士がやってくる。

ア兵士B「入電報告!ブラシアから国際交信波で先程入りました!国境付近の紛争に関しては身に覚えは無いとのこと!」
ア兵士B「調査の時間を与えられたく外交機関を通じての再度の話し合いを求めております!」

神崎「バカが…戦争(ケンカ)は先手必勝。攻撃隊を発進させろ!徹底的に叩き潰せ!」ドン!

管制『GOサインが出た!発進せよ!』

アリーダー「ラジャー!」

アスラン飛行場から攻撃隊が発進する。

グオオオオオオオォォォォォォォ…

アリーダー「目標はブラシアの首都・ラチナ!軍事施設はもちろん市街も含む全てが攻撃目標だ!」

前方からはブラシア空軍の迎撃部隊のF-5が接近してくる。いずれも中古の機体に旧式のサイドワインダーを搭載した貧弱な迎撃隊である。

アリーダー「リーダーより各編隊へ!ブラシアの迎撃機が12時方向から来た!中古のF-5ばかりのはずだ…第2小隊!適当に相手してやれ!」

ア兵士達「ラジャー!」

グオオオォォォォォ…

迎撃部隊のF-5は次々にサイドワインダーを発射する。だがアスランの兵士達は動じない。

ア小隊長「サイドワインダーだけじゃね…各機熱源ユニット投下!」

小隊長の合図で各機胴体下に搭載されている熱源ユニットが一斉に投下される。

ヒュゥゥゥゥゥ…

すると、赤外線探知のサイドワインダーは編隊から熱源ユニットへ目標を変えていく。

ブラシア兵士A(以下ブ兵士)「隊長!ミサイルが!」

ア小隊長「貧乏国は辛いな…赤外線探知だけの旧式なサイドワインダーしか無いから囮にすぐ引っかかる。最新鋭の味を教えてやるぜ!」カチッ

バシュウウウゥゥゥゥゥゥ…

ブラシアの迎撃部隊はアスラン軍の最新鋭の装備になすすべもなく…

ドカァァァァァン…ドォォォォォォォン…

全機撃墜された。

所変わってここはブラシア大統領官邸。シンとスラッシュはナダト大統領に、エラーは夫人のリデアと長女のライラ、ニップルは長男のローデにそれぞれ護衛に付き、マップは脱出の手筈を整えていた。そしてエラーは…

エラー「…………。」

ドレスを着ていた。

一同「「「www」」」

エラー「てめえら…後で皆殺しだ…!」

シン「よく似合っているww。」

エラー「あんたもな…シン…!」ギロ

国境付近ではミッキーが後席にセイレーンを乗せて偵察任務に就いていた。

ゴォォォォォォ…

ミッキー「酷ぇもんだ…メチャクチャだぜ…セラ、写真撮れよ。」

セイレーン「ええ…。」カシャ

セイレーンが一眼レフで地上の写真を撮っていると…

セイレーン「おや…ま…。」

ゴォォォォォ…

アスラン空軍のクフィル編隊がやってくる。

セイレーン「逃げても笑わないわよ。」

ミッキー「可愛くねー後席だぜ。ちったぁビビれよ。」

ギュウウウウウウン!ドォォォォォォォン…

ミッキー「まず…1機!」

ダダダダダダダダ!ドカアアアァァァァァァァン…

ミッキー「あとは逃げるべ。」

グオオオオォォォォォォ…


~エリア88仮設基地~

傭兵A「ブラシアでの戦闘は想像よりも遥かに酷いな…。」

傭兵B「一般人もお構いなしの無差別攻撃だ。」

傭兵C「死者の80%が一般市民だろう…。」

サキ「ふむ…。」

翠星石「どうしたですか、サキ?」

サキ「ブラシアの残党をかき集められないかな…。」

ミッキー「冗談だろ…まだ連中は落ち武者狩りをやってるはずだ。とても残党集めに走り回るのは無理だ。」

金糸雀「いや…そうでもないかしら。ブラシアの向こうはサージ、ロザリア、クロエの3国かしら。」
金糸雀「ブラシアのこの有様を見せられたんじゃ、この3国はアスランと不可侵条約を結びたがる。敵討ちどころの騒ぎじゃないかしら。」

サキ「外国からの支援がどうこういっても1日2日でこうされたんじゃ話にならん。アスラン非難は後回しでとりあえず…自国の安全を何とかしなきゃならんからな。」

金糸雀「ドサクサに紛れてこの3国に逃げ込んだブラシアの残党を集めるかしら!」

蒼星石「で…でも、そううまくいくかな?」

サキ「アスランは不可侵条約を結ぶ代わりにブラシアの残党の引き渡しを要求するだろうし…もちろんサージもロザリアもクロエも承知せざるを得まいな。」

金糸雀「でも引き渡したその場で処刑は出来ないかしら。軍事裁判だとか何とか理由をつけて1か所に集める…その輸送途中を狙う。」

翠星石「要するに連中を横取りするわけですか!」

サキ「ふふふ…新生エリア88の最初の作戦は人さらいというわけか…流石はカナリアだ。」

金糸雀「えっへん!カナのモットーは…」

クル…

金糸雀「楽して!」ドン!

クルン…

金糸雀「ズルして!」ドドン!

クルクルクル…

金糸雀「いただきかしら!!」ドドドン!

一同「「「うおおおおおおおおおおおお!!」」」

傭兵D「決まったぁぁぁぁ!」

傭兵E「カナー!愛してるぜぇぇぇぇ!」

傭兵B「最高だぜあんたぁ!」

一同「「「カーナ!カーナ!カーナ!カーナ!…」」」

サキ「…………。」

今日はここまで。
薔薇水晶初めての乗機はF-15Cとしました。他に何か意見があればコメント願います。
それではまた。

これより投下。


~某空軍基地~

ゲイリー「整備点検を終えたらミーティングルームに集合だ。今日、市内上空で空戦をやって2機落とされた。ブラシア空軍は全滅したと思ったが気は抜けんな。」

兵士A「ああ…。」

ケンパー「マック…。」

ゲイリー「何だ、ケンパー?」

ケンパーは1枚の写真を差し出す。

ケンパー「これを見てくれ…今日、市内上空に強行進入したうえ2機撃墜してくれたやつだ。逃げる所を生き残りの1機がガンカメラで撮った。」

そこに映っていた機影は…

ゲイリー「!」

ケンパー「F-14だ。」


MISSION76 悪魔の胎動

ゲイリー「ミッキー…生きていたか…。」

ケンパー「エリア88の連中はまだ生き残っている。解散はしていない…。」

ゲイリー「これ…誰かに話したか?」

ケンパー「いや…まだ誰にも…。」

ゲイリー「まだ誰にも言うな…俺に考えがある。」

ケンパー「分かった。しかし…分からん…。」

ゲイリー「何だ?」

ケンパー「88の連中は外人部隊…つまり俺達と同じ傭兵だ。雇い主であるアスラン正規軍がなくなったのに何故?」

ゲイリー「まだ戦いを続けてるかってことか?そうだな…。」

ゲイリー「死を越えて…なおその彼方にある生を求めているのかも…それともただのバカの集まりかな…。」

ブラシアの大統領官邸では、シン達が脱出の準備をしていた。

マップ「ここと…ここと…車の配置をしてある。」

シン「ご苦労。」

ニップル「途中に橋が2本あったので一応TNTをセットしておいた。」

シン「手回しがいいな。」

マップ「脱出路は5つ用意してある。これがA…B…C…」

マップは5枚のフィルムを重ねていく。

マップ「D…Eとフィルムを重ねれば出るようになってる。この1週間で市内の路地から下水道まで全て調べた。」

シン「さすがマップのあだ名通りだな。」

チャーリー「水上機の手配は?湖に用意してあったか?」

マップ「いや、今日運び屋が来ると言ってた…いけ好かねえクソじじいだ。」

シン「あとは食糧、弾薬…バズーカが1本あれば便利だ。」

マップ「分かった、何とかしよう。」

チャーリー「ボッシュからの連絡は?」

スラッシュ「9時の定時連絡には何も入ってこなかった。」

シン「あとは夕方の5時か…。」

その後シン、チャーリー、マップの3人は水上機が来る湖に来た。

マップ「離水できそうか?」

チャーリー「風向きによるな…家族4人に俺達6人…中型の水上機離水重量いっぱいってとこだろう。」

シン「あとは空軍機の追撃をどこまで振り切れるかって感じだな…。」

すると、奥から2つの機影が近づいてきた。

マップ「来た。」

ブォォォォォォォォ…

2機の水上飛行機はそのまま湖に着水する。

ザザザザザ…

???「縛ってくれ。」

中にいた人物がロープを投げる。

マッコイ「極上品だ。整備もしてある…。」

シン「マッコイじいさん!」

マッコイ「シン!それにチャーリー!お…お前等…何でこんなとこに…。」

チャーリー「久しぶりだなじいさん。」

マッコイ「シン…お前たしかパリに…。」

シン「わけは後で話す…。」

チャーリー「そんなことより…これは5人乗りだ。こっちは10人いるんだぞ。」

マッコイ「注文は5人乗りで受けたぞ。」

シン「どういうことだ?」

マッコイ「いや…最初は9人から11人は乗れる中型がいいって話だったが、今朝になって5人乗りでいいという連絡が入ったんだ。」

シン「マップ…。」

マップ「いや…俺は10人乗りと言った。」

シン(どういうことだ…ボッシュ…何を企んでいる…?………まさか…)

シン「マップ、チャーリー、大急ぎで官邸に戻るぞ。5時の連絡が入るはずだ。」ダッ

マッコイ「あ、おい…シン…。」

シン「じいさん、つもる話は生き残ってからにしよう。カイロででも会おう。」バタン

マッコイ「おい、シン!ちょっと…おい!」

ブロロロロロ…

シン達は大急ぎで官邸に戻った。

シン「スラッシュ!ボッシュからの連絡はあったか!?」

スラッシュ「ああ…たった今あった。」

スラッシュ「大統領一家を殺して脱出せよとの指令だ。」

シン(何だと!?)

シン「理由は!?」

スラッシュ「何も言わんよ、やつは…俺達はただ…やつの言う通り行動するだけだ…。」

ニップル「じゃあ…ローデはわしがやるしかないな…。」チャッ

エラー「俺は…お姫様と奥方か…。」ジャキッ

シン「ちょっと待て!」

その場にいた全員が静まり返る。

シン「待つんだ…話がおかしい。マッコイのことといい…何か裏があるような気がする…。」

その頃、ブラシアのとある基地には…

ゴォォォォォォォ…

管制『コントロールよりローズ1、ローズ2へ!着陸を許可する!』

真紅「ローズ1了解。」

薔薇水晶「ローズ2了解しました。」

グオオオオオォォォォォォォ…

2機は手慣れた様子で滑走路に着陸する。

キキィィィィィィ…

そのまま2機は飛行場の一角にある倉庫に向かう。

シュゥゥゥゥン…

真紅「なかなかの腕ね。88でなら重宝されたでしょう。」

薔薇水晶「ご主人様から概ねの操縦方法をお教えいただきました。」

真紅「そう…。」

真紅は未だに謎が多い薔薇水晶を信用していなかった。

???「よお、来たか。」

真紅「お久しぶりね、プーキー。」

薔薇水晶。「こんにちは、マッコイ様はどちらに?」

プーキー「じいさんならもうすぐ戻ってくると思うよ。」

真紅「そう、なら事務所で待たせてもらうのだわ。」テクテク…

薔薇水晶「失礼致します。」コッコッコ…

プーキー「一応この基地には戒厳令を敷いてあるからお前等の存在がばれる心配は無い。」

真紅「助かるわ。」

所変わって、ここはアメリカ空軍グルームレイク基地。通称「エリア51」またの名を「ドリームランド」。

ここでは数々の先進的技術実験機が実験を行っている。また、東側の兵装(鹵獲品)の性能試験も行っている。

キィィィィィィィィン…

アメリカ本土に渡ったMiG-31ファイヤーフォックスもここで数々の実験を行っていた。

???「いよいよですな。」

???「ああ…。」

格納庫の中には2つの漆黒の物体があった。

???「世界最速の戦闘機に、世界最強の爆撃機か…。」

???「向こうが狐を出してきたからこっちは犬で対抗というわけですね。」

???「ああ…そして我々はこの世に出してしまった…あれを…。」

その更に奥には淡い紫の光を放つものがいた。

???「ところで、どれが何処に行くのかはご存じなのですか?」

???「狐はそのまま所有者の元へ帰る。犬はあの戦争屋共が要求してきた。」

???「弱みを握られるとは、自由の国も形無しですな。」

???「ふっ、確かにな。だからささやかな反抗をするのさ…。」



???「あの堕天使(イフリート)を送り込むことでな。」


今日はここまで。

おお、ファイヤーフォックスVSオールドドッグという夢の架空軍用機対決が実現するのか?

これより投下します。

ゴソゴソ…ジジー…

ボッシュは1人、荷物の片付けをしていた。

???「荷物の整理かね、ボッシュ?」

ボッシュ「ケニーか…荷物と言ってもさしてないがね…。」

ケニー「君の部下は実に優秀なんだね…君の考えを見抜いたようだ…。」



ケニー「大統領一家を連れて…逃げ出したよ。」



ボッシュ「何だと!?」



MISSION77 息を殺して

約6時間前…

ケニー「切り捨てか…。」

ボッシュ「しょうがあるまい。ヨーロッパでの最初の計画じゃ革命起こして政権交代させて家族ごと逃がしてやった恩を盾に、まだ未採掘になっているダイヤやウラニウムの鉱山の場所を聞き出すつもりだったんだ。」
ボッシュ「それで我々マークⅢが火つけと火消しの両方をやる羽目になっちまったんだが…事情が変わった。」

ここから先は箇条書き
1.革命を起こして大統領家族を脱出させて生活と安全を保障するには金がかかる。

2.ナダト大統領しか知らない鉱山の場所も技術者と調査機械を持ち込めば半年か1年で発見でき、そちらの方が安上がりになる。

3.外交重視の内務大臣ガザルを大統領にすればヨーロッパの企業は鉱山技術者を自由に送り込める。

ボッシュ「だから、取り敢えず大統領のガードに当たっている連中に殺せと命令した。ただし…」
ボッシュ「連中にも死んでもらわなきゃならん。独立戦争の聖戦士が家族もろとも殺されたとあっちゃ…。」
ボッシュ「いくらガザルが厚かましくてバカでも後の政治はやりにくい。何せ、国民の半分以上は読み書きさえ出来ない…。」
ボッシュ「だが…それだけに英雄に対する信頼はもう宗教以上だ。独立戦争の英雄の死を納得させるにはそれなりの方法でないとな。」

ケニー「つまり…あの6人を生贄に…?」

ボッシュ「そうだ…国民の英雄である大統領一家を皆殺しにした憎むべき外国人としてな…。」
ボッシュ「連中が大統領を殺した直後、ガザルの配下が連中を捕えて処刑する。そして亡き大統領の意志を継いで政治を行うことを誓うのさ。これで終了だ。」

ケニー「バンバラはヨーロッパのヒモ付きになるわけか…。」

ボッシュ「あの6人には悪いが…中東の火事が歴史の歯車を狂わせたと納得してもらうしかないな。」

ケニー「あんたは恐ろしい男だ…死線を共に潜り抜けた仲間を平気で死に追いやるなんて…。」

ボッシュ「ふん、目的に忠実なだけさ…人間の感情なんかとうの昔に捨てたさ。」

ボッシュ(この手で弟を打ち殺した時からな…)

そして、官邸の屋根裏では…

バンバラ兵士(以下バ兵士)A『殺せと命令を受けているんだ!逃がしたじゃすまんぞ!傭兵共は後回しでいい!大統領家族だけでも見つけ出して殺せ!』

大統領「…………。」

シン達が敵の無線を傍受していた。

大統領「成程…事態は大体呑み込めた…で、君達はどうしようと?」

シン「我々も同じ立場でね…貴方達一家を殺しても死…生かしておいても死…というわけです。」

シン達は逸早くボッシュ等の策略に気付き、大統領一家を引き連れて逃げ出したと見せかけて屋根裏に隠れていたのだ。

シン「とにかく、この国を脱出します。お互い…生き残れたら、その後の事は考えましょう。今は生きることが先決です。」

大統領「明確な答えだ。全ては命があってこそ成る…。」

ニップル「しかし…よくボッシュが裏切ったと分かったな。」

シン「裏切りには慣れている…。」

チャーリー「…………。」

その頃、ブラシアの空軍基地まで10kmの地点では…

ゴォォォォォォ…

翠星石「目標まであと5分ですぅ!」

ミッキー「動いてる戦車や航空機は片っ端からぶっ潰せ!ブラシアの海岸線の警戒を手薄にさせろ!行くぞ!」

グオオオオオオオオオオオオオ!

翠星石「キム…セラ…上手くやるですよ…。」

ミッキーと翠星石のF-14を戦闘に爆撃隊が基地に迫る。

ゴォォォォォォオオオオオオオオオ!

整備兵A「わあっ!」

整備兵B「敵だーっ!」

ダダダダダダダダダダ!

戦車2台にトラック3台が餌食になる。

キュラキュラキュラ…

その場にいた戦車や整備兵は 耐爆撃シェルターへ逃げ込む。

グレッグ(ふん…そんなちゃちな耐爆シェルターに逃げ込んでも意味無ぇのに…)

グレッグ「この40mmバルカンにかかっちゃな!」

ドドドドドドドド!

ガラガラガラ…ズズゥゥゥゥゥゥゥン…

耐爆シェルターはあっけなく崩れ去った。

別の空軍基地に襲撃の一報が入る。

ゲイリー「何だとぉ!?ブラシアの空軍基地が攻撃されてるって!?」

ケンパー「相手は何処だ!?」

ゲイリー達は大急ぎで自機へ向かう。

ゲイリー「こんなことをする奴ぁ88の連中しかいねぇ!しめてかかれっ!」

一同「ラジャー!」

キイイイイイイイイイイイイン!

ゲイリー「くそぉっ!しかし連中に弾薬や燃料を与えている奴ぁ誰なんだ!?」

グオオオオオオォォォォォォォ…

そしてここはマッコイが水上機を降ろした湖。

ピッピッピ…

マッコイは計算機を扱っていた。

付き人「何時までここにいる気だよ…あ…」

マッコイ「うるせーな!金勘定してる時に騒ぐんじゃねぇ!」

ボッシュ「金勘定は後にしてくんな、じいさん…。」

マッコイ「!」

ボッシュの後ろから兵士が銃を突きつける。

付き人「う…うわ…。」

マッコイ「何だおめぇ?」

ボッシュ「こいつの手配を頼んだボッシュってもんだ。」

マッコイ「そうかい…じゃ、これが請求書だよ。」スッ

マッコイは請求書は差し出すが…

ボッシュ「悪いな…引き上げてくれ。作戦が変わった。」

マッコイ(シンに…何かあったな…)

マッコイ「一昨日来た若い連中はどうしたんだい?」

ボッシュ「あいつ等は残念ながら死んだよ。だからこいつはもう用が無くなった。」

マッコイ「分かったよ…輸送費はくれるんだろうな?」

ボッシュ「しっかりしたじい様だな。」

マッコイ「ふふん…。」にま…

ゴォォォォォォォ…

ミッキー「そろそろ強敵(こわもて)が出てくるぞ!後は俺に任せて引き上げろ!」

翠星石「グレッグ!お前がリーダーとるですよ!」

グレッグ「あいよ!」

グオオオオォォォォォォ…

F-14を残して残りの機体は空域を離脱していく。

ミッキー(こんな時はシンがいてくりゃ心強いんだが…へっ、泣きが入るようじゃヤキが回ったかな…)

翠星石「ほう、この翠星石様じゃ不安ですか?今日から食事は全部翠星石のスコーンにしてやるですよ?」

ミッキー「いえいえ!滅相もございま…」

ピーピー

レーダーに2つのレッドサインが映る。

翠星石「お出ましになりましたね…レッドサインは超音速機…あのゲイリーってやつのMiG-21ですね。」

ミッキー「本来ならAAMでお相手と行きたいが…マッコイがミサイル入れてくれんから20mm砲で大立ち回りと行きますか…。」

ギュウウウウウゥゥゥゥゥゥゥン…

横から2機のMiG-21が接近する。

ゴォォォォォォ…

ケンパー「この距離でミサイル攻撃してこないところを見ると…奴も20mmだけか…。」

ゲイリー「ちょうどよかった。こっちもいきなり飛び出したんでミサイル無しだからな。」

ケンパー「俺にやらせてくれ…マック。」

ゲイリー「ケンパー…。」

ケンパー「旧アスランの傭い兵であり…既に体制が変わったにも関わらず…なお戦おうとする…何があいつをそうさせているのか一騎打ちで確かめてみたい。」

ゲイリー「いいだろう…だが気を付けろ。奴の腕は並じゃない…制空権なぞ関係ない男だ…。普通は陽気な男だが…引き金を引く時は人が変わる…。」

グオオオオオオォォォォォォォ…

同じ頃、ブラシアの海岸では…

セイレーン「キム!早く!」

キム「う、うん…。」

2人は一般人の服装に着替えた後、身に着けていた装備を砂の中に埋める。

セイレーン「国道を真っ直ぐ行けば市内に入るわ。取り敢えずそこで情報収集よ。」

その後2人はヒッチハイクで市内に向かうことになる。

ギュオオオオオオオオ!

ケンパー「何故だ…何故そんなにムキになって戦う!?お前にとって守るべきものなんてもう何もないはずなのに…。」

ギュオオオオオオオオオ!

ミッキー「そうさ…守るものなんてありゃしない…全部捨てたはずさ…88の連中はみんなそうだ。」
ミッキー「過去も…未来も…微笑みも…涙も…そして愛すら投げ捨てたさ…だがたった1つだけ捨てきれなかったものがある。」

ケンパー「それは何だ!?」



ミッキー「男の尊厳だ。」



ケンパー「何だと!?」

ミッキー「この世に男として生を受けたなら…生きて…生き抜いて…息の根が止まるまで男として生きる。」



ミッキー「たとえ…この体が灰になってもな…男の尊厳とはそんなものだ。」



ケンパー「やかましい!取るに足らん!」

ミッキー「スイセイセキ、伏せてろ…。」

翠星石「はいです…。」

2機は向かい合う。

グォォォォオオオオオオオオ!

ミッキー(へっ…ホントは後ろに守るべきそれが乗ってるんだが…それを認めたくねえってのが悲しいね…)

互いが向き合った時に残された選択肢は撃つか撃たれるか、その2つに1つ。

ダダダダダダダダダダダ!

引き金を引いた時、勝負は決まる。

ドドドドドドドドドドドド!

機体の相対速度はおよそ3000km/h、だがそこから発射される弾丸は実に5000km/hを越える。

キュン!

そしてすれ違った瞬間、敗者は砕け散る。

ドォォォォォォン…

ケンパー「へっ、男の尊厳か…そんなの…持ってると…疲れ…る…ぜ…」ガクッ

ドカァァァァァァァァン…

ミッキー「マック…。」

ゲイリーのMiG-21が近寄る。

ゲイリー「お互い…損な性格だな。」

ミッキー「まあな…。」

ゲイリー「いずれ決着はつけよう…それまで死ぬなよ。」

ミッキー「マック!」

グオオオオオォォォォォォォ…



鉛の鼓動に背骨がきしむ…

命の重さに翼はしなる…

鉄の棺は音より速く心の糧を過去へと飛ばす…


今日はここまで。
>>737
そうです。いよいよ架空の超音速軍用機による空戦が始まろうとしています。もう少し先のことですけど…。


~大統領官邸屋根裏~

シン「…………。」ダラダラ…

シン達は無言で脱出の機会を待っていた。

一同「…………。」

外の気温は32℃、だが屋根裏はむせ返る程の熱気で40℃を越えていた。

シン(まずいな…よく耐えて小言1つ言わんが夫人はもう限界だ…くそっ…どうする…)

その場にいた女性は既に限界であった。

遅れました。既に投下中です。


MISSION78 鉛の戦慄


~アスラン王宮~

神崎「88の生き残り?バカな…奴等は傭兵だ!金ももらえんのに命を懸けるか!寝言を言ってないブラシアの残党狩りを進めろと言え!周りの国にも圧力をかけろ!」

幹部はあわてて部屋を出ていく。

バタン

神崎「グズめ!」

神崎はふと考え事を巡らせる。

神崎「ふむ…。」

ガチャ

神崎「メルクルンを呼んでくれ。ああ…私だ。確認したいことがある。アスラン王妃のことなんだが…ああ…ちょっと気になってな…。」

エリア88臨時基地は静まり返っていた。

サキ「セラとキムからは何の連絡も無いか?」

通信士「はい。定時に生存を意味ずるダブルコールが入るだけであとは何も…。」

サキ「女、子供の方が動きやすいと思ったが…却って行動を制限されるかな…。」

そこに金糸雀がやってくる。

サキ「どう思う?カナリア。」

金糸雀「何とも言えないかしら…昨日の今日だし、ブラシアの残党もそう簡単には顔を出さないでしょう。」

♪~♩~♫~

ふと耳を澄ますと、何処からかギターの音色と歌声が聞こえてくる。

サキ「ウォーレンが歌っているのか?」

金糸雀「みたいかしら…。」

その後、シン達は命からがら邸内から脱出し、悪路をアメ車で爆走していた。

ブオオオオオオオオオ!

エラー「マップ!何処へ逃げるんだ!?」

マップ「黙ってろ!舌噛むぞ!」

ズザザザァァァァァァ…

チャーリー「ちぃ!」

ブオオオオオオオオン!

チャーリー「あんの野郎!何だってこんな山道へ!?」

シン「離されるな!」

ジャリッ

エラー「アメ車のサスじゃ腹打ちつけてぶっ壊れるぜ!」

マップ「これしか手元に無かったんだ!」

悪路に弱い車であったがマップは構わずアクセル全開で飛ばす。

チャーリー「ちくしょー!なんて運転だ!」

シン「…にしてもうまいな、マップは…っと!」ガタン

チャーリー「あんにゃろーは元ラリードライバーだ!サファリラリーやモンテカルロじゃクラス優勝だってした男さ!」

シン「ほう…それで地形や地図の読み方が早いのか…。」

チャーリー「ヘナヘナサスのアメ車だからまだ追いつけるけどよ、あいつにラリー仕様のポルシェなんか与えたら俺じゃ追いつけん!」

エラー「目的地は何処だっ!?」

マップ「聞いてどうする!?5分以内に着かなきゃ飛び降りて歩くさ!」

エラー「これじゃミキサーの中と同じだ!」

ブオン!

その時、丘の上で飛び上がった。

ガシャン!

エラー「ぐえ!」

ズザザザザ…

マップ「着いたぜ…飛び降りるなり歩くなり好きにしな。」

エラー「」

一行は古びた浄水場に着いた。

マップ「調査している間に見つけたんだ。武器もある程度確保しておいた。」

チャーリー「さすがだな…と言いたいが足は全部ぶっ壊れてしまった。どうやって国外へ逃げる?」

マップ「これさ。」

マップがタンクの間にかかっていた布を剥ぐと、そこには1台のトラックがあった。

シン「何だ?このトラックは。」

チャーリー「ほう…ウニモグか…。」

マップ「そう、メルセデスベンツ『ウニモグ』さ。」

シン「ウニモグ?」

チャーリー「正式な名前はUNIversal Motor Great…つまり『UNIMOG』。前進20段、後進8段変速、時速は0.8km/hから100km/hぐらいまで。」

マップ「万が一の場合は山越えしなきゃならんからな。」

同じ時間、ボッシュは近衛師団のバブエ大尉と共に爆破事件が起こった官邸に来ていた。

ボッシュ「ったく…やりやがったぜ。完全に裏をかかれたな。」

バブエ「あの天井裏に潜伏していた模様です。」

ボッシュ「ふん。」

バブエ「大統領一家を引き連れての逃げならさっさと国境を目指すと思えば…。」

ボッシュ「だが…もう3日遅らせるべきだったな…。」

バブエ「何故です?」

ボッシュ「あと3日も国境周辺に軍隊を配備して警戒には当てられん…少数のグループを残して引き上げざるを得ないだろう。」
ボッシュ「市内もそう空っぽには出来んからな。国境のあちこちに穴が出来る。」

バブエ「では…。」

ボッシュ「もう大丈夫だと判断したのか…それ以外の事情か………」
ボッシュ「…!成程…この暑さで天井裏だ…訓練を受けた人間ならともかく、大統領夫人と娘の体力が心配になったと見るのが妥当だな。」
ボッシュ「市内各所を徹底的に調べろ!国境付近は現状のまま警戒を続けろ!」

バブエ「ガザル閣下が大統領一家が見つからなければ例の方法をとると…。」

ボッシュ「よく似た人間を広場で処刑してごまかすってやつか…ふん、気の小せえ野郎だな。」
ボッシュ「まあいい…好きにしろと言っておけ。先に殺すか後で殺すかの違いだ。死体を持って帰らずに済むだけ手間が省ける。行くぞ!」バタン

バブエ「はっ!」バタン

ブロオオオォォォォォ…

エリア88臨時基地では機体の総点検が行われていた。

ルロイ「よう、せいが出るね。」

ミッキー「ふん、マッコイが部品を持ってこんから自分で修理するっきゃねぇのよ。」

ミッキーは工具箱を出してF-14の修理を行おうとしていた。

ミッキー「ったく…メンテナンスに限って言わしてもらやトムキャットを使ってることを後悔するね。大飯ぐらいだしよこのドラ猫は。」

ルロイ「もう1週間以上マッコイからは連絡が無いな。」

ミッキー「あのじーさまときたひにゃ伝票抱えて世界中駆けずり回っていやがるからな。」

ルロイ「今頃は南極でペンギン相手にミサイル売ってるかもしんねぇぞ。」

ミッキー「ははは、まさか…。」

発令所では、サキ、ラウンデル、金糸雀の3人が現状について話し合っていた。

金糸雀「弾薬や燃料のストックが底をつき始めたかしら。」

サキ「この連中だから日常の訓練なんて必要もなく無駄弾を出さずに済んでるようなものだが…これが正規軍なら3日ともたん。」

ラウンデル「今更ながらにあいつ等の実力の高さが分かりますな…即戦力になります。」

金糸雀「マッコイからの連絡は?」

サキ「ない。」

ラウンデル「キムとセラからは?」

サキ「ない。」

一同「…………。」

翠星石は蒼星石の自機のF-15の整備を手伝っていた。

グエン「よう。」

翠星石「よっ!」

蒼星石「こんにちは。」

グエン「どうだ、2人共?」

翠星石「電子装備の一部が使用不能になっちまってるです。」

グエン「細かい錆もあるな。」

蒼星石「海が近くだし潮風で金属疲労が進んでいる箇所もいくつか出てきています。」

翠星石「オーバーホールできるハンガーがほしいですね。このままじゃいざって時に心配です。」

グエン「サキも考えているとは思うが…あまり無理も言えんな。」

バンバラで逃亡を続けるシン達は、浄水場で逃走ルートを模索していた。

マップ「シン、見てくれ。この位置じゃ一番近い国境線は東に35km行った所だ。」

チャーリー「ジャグアナか…北に50km行った方の国境線は?そっちの国の方が海が近いな。」

マップ「ああ、こっちはルンガだ。」

シンはルンガという国名に聞き覚えがあった。

シン「ルンガ?何処かで聞いたことが…。」

マップ「2年か3年前に独立した国だな…。」

シンはふとギリシャでキムが言ったことを思い出した。

キム(ルンガという独立して間もない小さな国ですが…)

シン「キム!」

マップ「どうした?いきなり…。」

シン「知ってる…俺が88で一緒に戦った部下の母国だ。」

マップ「ほう…。」

シン「あいつは…たしか第3王子だと言ってたな…。」

チャーリー「王族か…。」

シン「逃げやすいのはジャグアナだが内陸部へ入り込むことになるな‥そこから外部への交通手段がまた厄介だ。」
シン「その点、ルンガなら海に出られるし伝手があるなら船ももらえるかもしれん。15kmの差しかないじゃないか。何とかなる」

マップ「数字の上じゃ15kmだがルンガ国内に入るには国境に出るまでに山1つ…ルンガに入ってから山2つだ。」
マップ「ジャグアナまではこの山1つ越えれば後は平原だ。ルンガまでの山道は限られてくるし、追われたら不利だぞ。」

シン「当然、ボッシュもそう考えるだろうな。」

エラー「シン!」ザッ

茂みの中からエラーが出てくる。

シン「エラー!」

エラー「5キロ向こうに偵察隊が来ている!30分もすればこっちに来るぞ!」

シン「ニップル!子供達を車へ!エラーとチャーリーは表のアメ車を始末しろ!すぐに出発できる準備をしろ!」

一同は慌ただしく浄水場を去っていった。

今日はここまで。

追記
前スレMISSION15でドラケンを解説したチャーリー解説員にウニモグも担当してもらいましたww。

これより投下。

バンバラの中心にある広場では…

ざわ…ざわ…

国民が絞首台に並ぶ6つの死体を見上げていた。

ギッ…ギッ…

風で揺れる死体を見る民衆の中に1人の老人もいた。

マッコイ「シンじゃ…ないしチャーリーでもない…ということは逃げおおせたかな?」


MISSION79 背後の牙

捜索隊本部にボッシュはいた

ボッシュ「16号から連絡が入ってない…呼び出しにも応答がない…連中はきっと浄水場から国境に向かっているに違いない。」

バブエ「では16号は…。」

ボッシュ「もう始末されているだろう。」

ボッシュの言葉通り、シン達が小休止していた浄水場へ向かった16号の隊員は既に始末されていた。

ボッシュ「問題はどっちへ逃げてるかだ…ルンガかジャグアナか…。」

バブエ「ジャグアナへは35km…しかも国境を越えれば平原です。きっとこっちへ逃げたに違いありません。国境警備隊に連絡を…」

ボッシュ「待て!」

ボッシュはバブエ大尉を制止する。

ボッシュ「マークⅢとして援護を受けられるならジャグアナだ。平原に出た所に輸送機を配置しておけばよい。」
ボッシュ「だが連中は何の援護も受けられん。だとすれば脱出のしやすい海を持つルンガだ。」

バブエ「しかし…ルンガへは50km以上…しかも国境を越えてから更に山が2つ…。」

ボッシュ「今夜中にケリ付けてやる。連中に朝日は拝ません。」

マッコイは事務所へと戻った。

薔薇水晶「いかがでしたか?」

マッコイ「聞いた限りじゃまだ見つかってないようだ。もう隣国に逃げおおせてるかまだこの国ん中を逃げ回ってるか。」

真紅「そう…隣国はジャグアナか…ルンガ?キムの母国ね。」

薔薇水晶「ジャグアナはここから65km…ルンガまでは80kmありますが…。」

マッコイ「何とかしてあいつ等捜さねえと…。」

真紅「見つけても彼らは無線装備を持っていないから連絡のしようがないのだわ。」

マッコイ「大丈夫だ。お前のスカイランサーを見ればすぐに分かるだろう。心配なら発光信号使えばいい。」

真紅「そう…そうね、私がいることを見抜けない程愚かではないものね。私の機体を見ればきっと下僕であることに歓喜するに違いないのだわ。」

マッコイ(素直じゃねえな…)

シン達は依然としてルンガを目指して走り続けていた。

ブォォォォォ…

シン「よし、あと20kmで国境だ。頑張れ!」

マップ「おう!」

すると…

ズドォ…ン…

シン「!」

一同「「!」」

後ろから爆発音が聞こえてくる。

スラッシュ「やったか…追手が地雷に引っかかったらしいな。」

チャーリー「音は1つだけだ…先頭が吹っ飛んだみたいだな…。」

その通り、シン達の遥か後方では…

ガラガラガラ…

大きな音を立てて瓦礫と共に軍用トラック2台が谷底に落ちていく。

ブ兵士A「後方トラック2台大破!道路が崩れて後続は通れません!」

ボッシュ「ニップルの奴…地雷を仕掛けたか。」

バブエ「工兵隊を呼んで橋を掛けさせて後を追わせましょう。我々は先に…」

ボッシュ「待て!あの橋の渡り口を調べろ!おそらく爆薬が仕掛けてあるはずだ!」

バブエ大尉は急いで橋の下に潜り込む。

バブエ「大佐!ありました!橋に重量がかかると爆発する仕掛けです!」

ボッシュ「ニップルの奴…ダブルトラップをかけやがったな。よし、追うぞ!」

バブエ「大佐、他にも罠があるかも…」

ボッシュ「もう無いさ。そうそう罠をかけてる程の時間は取れんはずだ。続けっ!」

その頃、ニップルは道を塞ぐ大木を爆破しようとダイナマイトを仕掛けていた。

ニップル「よし…みんな、下がれ。」

シン達は岩陰に隠れる。

ニップル「せえの…。」グッ

バッ!

ドドォォォォォォォン…

バブエ「大佐!」

ボッシュ「追い詰めたぞ!連中だ!おそらく道路を塞いでいる岩か木でも吹き飛ばしているんだろう!」

ボッシュに連絡が入る。

バ兵士A『大佐!工兵隊が到着しました!そちらは…』

ボッシュ「連中の位置が分かった!今から追い詰める!」

ジャカッ

ボッシュはAK-47の安全装置を解除する。

ボッシュ「これまでだな、シン…お前は俺が殺してやる!」

その頃、真紅と薔薇水晶はマッコイの事務所にいた。

真紅「…………。」

紅茶を片手に黙り込む真紅。

薔薇水晶「どうかしましたか?お姉様。」

真紅「貴方にお姉様と呼ばれる筋合いはない。貴方はローゼンメイデンではない…。」

薔薇水晶「…………。」

真紅「でも…今は利害が一致している。今回は許すのだわ。」

薔薇水晶「ありがとうございます。」

その頃、パリにいる涼子は1人、不安な日々を過ごしていた。

涼子「…………。」

ガチャ

雛苺「リョーコ!リボン結んでー!」

涼子「はいはい。」

涼子はどこか哀しい笑みを浮かべながら雛苺のリボンを結ぶ。

涼子「はい。」

雛苺「ありがとなのー!」

涼子「…………。」

涼子は再び窓の外で光る月を見つめる。

涼子(真…真紅…今何処にいるの…)

雛苺「泣いてるの?」

彼女を見ていた雛苺が言う。

涼子「え?」

涼子は自分の頬を涙が伝っているのに気付いた。

涼子「泣いていないわ。さ、もう寝る時間よ。」

雛苺「うん!」

涼子は雛苺を鞄へ入れる。

涼子(もう泣いたりしない…あの人に…あの子に会うまでは…)

だがその目から溢れるものは止まらない。

涼子(でも…涙がこみ上げてきて…)ジワ…

その様子は鞄を閉めかけていた雛苺からも見てとれた。

雛苺「…やっぱり泣いてるの?」

涼子「…………。」ポロポロ…

涙を流しながらも笑顔を作ろうとする涼子。すると…

雛苺「泣いてもいいのよ?」

涼子「………!」

雛苺「リョーコの苦しみ…みんなヒナが受け止めてあげるから…。」ギュ…

雛苺は涼子に抱きつく。

涼子「ありが…と…う…うぅぅ…。」ポロポロ…

涼子は声を殺しつつも気が済むまで泣いた。雛苺も彼女が泣き止むまで傍らにいた。



もう我慢しなくてもいいのね。

それがいいかな。

だって、もう会えないなんて思ってないもの。



涼子(何時までも待っているわ…真…)


今日はここまで。結構gdgdになってますけどお許し下さい。

お待たせしました。これより投下します。

バ兵士A「な…これ…!」

バ兵士B「信じられん…ここを登っていったのか…?」

ボッシュ「くそう…マップの奴、ウニモグを用意してやがったのか。」

バブエ「な…何ですか?そのウニモグって…。」

ボッシュ「メルセデス・ベンツの特殊車両だ。45度ぐらいの坂なぞ楽々登る。」

バブエ「くそぉ…ヘリ部隊に連絡しろ!」


MISSION80 生への3時間

ボッシュ等が来るおよそ15分前…。

マップ「ここと…ここと…ここもか。」ピッ

エラー「マップ!早くしろ!2kmに近付いたぞ!」

マップはひたすら地図の上に印を付けていく。

シン「何だ?その印は…。」

マップ「地形的に弱いと思われる個所だ。北斜面とか張り出してる尾根の影になる部分は植物の育成が良くないんだ。」

シン「つまり、根が張ってないから崩れやすいってことか。」

マップ「当たり。その他、谷に面して風の影響を受ける場所とか地下水が通りそうな場所とかね。ま、大体地図で辺りを付けとくと連中よりは早く走れる自身はある。」

マップは印を付けた地図をシンに渡す。

マップ「ルートを200mずつの線で区切っておいた。この位置を0基点として危険印の付いた200m手前で教えてくれ。」

シン「分かった。」

マップ「ようし…行くぞ!」グッ

マップはウニモグを発進させると、そのまま右側の斜面に向かって走らせていく。

マップ「スーパーローチェンジ!」ガキン

すると、自動車であるウニモグは壁に張り付くように急斜面を登り始めた。

シン「し…信じられん…こんな所を車が走れるなんて…。」

マップ「こいつだから出来るんだ。ジープじゃ無理だ。」

その頃、後ろでは…

ライラ「うぐ…」

ローデ「姉さん!」

ライラは車内に伝わる揺れによって吐き気を催していた。

エラー「この揺れだ…無理もない。」

ライラ「ご…ごめんなさい。」

エラー「俺がシートベルト代わりになるべ。」スッ

ライラ「あ…。」

エラーはライラを抱きかかえた。

エラー「こうしてれば少しはマシだろ。」

ライラ「でも貴方が…。」

エラー「はん、鍛え方が違わぁな。」

ライラ「…………///」

その頃、マッコイの事務所では…。

真紅「やはりくんくんを見るのは至福の時ね。」

薔薇水晶「…………。」

真紅と薔薇水晶は2人そろってくんくん探偵を見ていた。

ガチャ

そこにマッコイがやってくる。

マッコイ「真紅、動きがあったぞ。連中ヘリ部隊を出動させるようだ。」

真紅「静かにして頂戴。くんくんが犯人を警察に突き出す最後の部分なのだから。」

マッコイ「ちょ、おま。」

薔薇水晶「…………。」

それから数分後…

真紅「さて…行きましょうか。」

薔薇水晶「はい。」

F5DとF-15はタキシングし、離陸位置についた。

管制『コントロールよりローズ1!ローズ2!発進を許可する!』

真紅「了解。」

キイイイイイイイイイイン!

2機は日の落ちかけたバンバラの空へと飛び立っていった。

マップ「おわ…。」

ウニモグはもはや壁と言ってもいい急斜面を前にしていた。

シン「だ…ダメだ!いくら何でもこいつは…マップ!」

マップ「やるっきゃねーよ。おい後ろ!登るぞ!こぼれるな!」グイ

ブオオオオオオオオン!

マップは休む間もなくアクセル全開でウニモグを壁に突っ込ませる。

シン「マップ!!」

マップ「るせー!気が散る!せーの…!」

ガッ…ザザ…ズザザザ…

マップ「よし、前輪がかかった…いける!」

後ろの荷台は凄まじいことになっていた。

ガタ!

ローデ「うわ!」

45度を遥かに超える斜面に中にあったもの全てが後ろに寄っていた。

マップ「登れ!登れ!!」

ブオオオオオオオオオオ…

シン「空しか見えん…まるで戦闘機で急上昇しているみたいだ…。」

シンは地面に着いているか分からないタイヤを気にしながらフロントガラスから見える空を見ていた。

ニップル「は…早く登り切ってくれ…とても車に乗ってる気分じゃない。」

リデア「ごめんなさい。」

ニップルはリデアを支えつつ壁にしがみついていた。

チャーリー「おわ!」ガン!

上から落ちてきたコンテナに潰されるチャーリー。

エラー「スラッシュ!荷物支えてろ!」

スラッシュ「無理言うな!」

そしておよそ1分半後…

バン!

ウニモグは壁の頂上に辿り着いた。

マップ「よし…やった!」

シン「凄い車だな、このウニモグってのは。」

マップ「よし…あとちょいだ。一気にルンガまで突っ走るぞ。」

ウニモグは再び暗闇の中を走り始めた。

シン「夜明けまであと3時間か…。」

ブォォォォォォ…

ババババババババ…

森林のすぐ上でヘリの編隊がホバリングで待機していた。

ボッシュ「ケニー、貴様がいてくれて助かったぜ。後は命令されなきゃ動けんフヌケばかりで役に立たんからな。」

ケニー「御託言ってねえで早く上がってきてくれ。この高度でのホバリングは結構おっかねぇ。」

ボッシュ「よく言うよ。」

ボッシュはロープでケニーの乗る隊長機に乗り込む。

ボッシュ「12.7mmガンポッド、何発入ってる?」

ケニー「片側200発だ。」

ボッシュ「十分だ。」

飛ぶこと8分…

ボッシュ「ほらいた…あそこだ!」

同じ頃、ヘリ編隊から26km離れた上空でも…

ピッピッピ…

薔薇水晶「お姉様、発見しました。」

真紅達も敵を発見した。

真紅「数は?」

薔薇水晶「全部で12機。高度110mを飛行中です。」

真紅「分かったわ。10kmに近付いたら降下して機銃掃射。ミサイルは戦闘機に備えて2発は残しておきなさい。」

薔薇水晶「了解。」

夕陽で赤く染まった2つの翼は獲物へ近づいて行く…。

今日はここまで。

これより投下します。

ブォォォォォォ…

マップ「この尾根を越えればルンガに入る。後は下りだぜ。ルンガに入ってしまえば小休止だ。」

シン達は後ろから来るボッシュ等のヘリ編隊に気が付かなかった。

ケニー「セオリー通りケツからかますぜ。」

ボッシュ「よし…。」

ケニーが12.7mmガンポッドのトリガーに指をかけた時、

ドォォォォォォォン…

ケニー「どうした!?」

バ兵士A「ミサイルです!9号がやられ…うわあ!」

ドオオオオオオオン…


MISSION81 生死の分水嶺

ケニー「ミサイルだって!?連中戦闘ヘリも持ってたのか!?」

ボッシュ「まて…ミサイル搭載型のヘリでも熱源式なら1~2kmに近付かんとダメだ。でも後ろには何もいない…となると…。」
ボッシュ「くそっ!奴等、戦闘機を援護に回してやがる!」

真紅「遅い!」

バシュゥゥゥゥゥゥゥ…

バ兵士B「うおっ!?」

ドカアアアアアアアアアン!

薔薇水晶「2番、3番発射。」カチッ

バシュバシュウウウゥゥゥゥ…

ケニー「くそ!戦闘機2機じゃ分が悪い!」

ボッシュ「お前等!何とか食い止めろ!」

部下達に2機を任せたボッシュ等はウニモグを狙う。

マップ「きしょー!空からだぜ!」

バババババババババババ!

ウニモグは寸前で弾を避ける。

ドン!ドドン!

ケニー「やっぱり夜間照準はやりづらいぜ。」

ボッシュ「腕がなまったんじゃないのか?」

ケニー「へっ、見てろ…ベトナムじゃ1日にトラック100台は血祭りに上げたんだ。」

ケニーは再びウニモグへ近づく。

シン「来たぞ!後ろ上方12時方向!」

ババババババババババ!

マップは弾を避けるために急ハンドルを切る。

キキィィィィィィィ!

3発の弾がコンテナを貫通する。

バン!ババン!

ライラ「きゃああっ!」

シン「後ろ!大丈夫か!?」

ニップル「大丈夫だ!破片が中を飛び回っただけだ!」

エラー「それよかシン!すぐに走らせてくれ!ぶち落とす!」ガチャ

マップ「バカやろ!相手はジェットヘリだぞ!」

エラー「そいつは並の腕の奴に言うんだな。ニップル!後ろ開けてくれ!」

その頃、真紅と薔薇水晶はヘリを相手にしていた。

ドオオオオォォォォォォン…

真紅「これで4機目…薔薇水晶、弾は何発残ってて?」

薔薇水晶『あと97発です。』

真紅「そう…ヘリは小回りが利くから難しいわね…。」

真紅は旋回して残った4機のヘリへ向かう。

真紅「照準よし…今よ!」カチッ

ドドドドドドドドドドドドド!

弾は3機のヘリに当たる。

ドォンドドオオオォォォォォン…

真紅「3機撃墜、残りの1機は…」

ドオォン!

突然、コクピットの後方から激しい爆発音が響く。

ピーピーピー

真紅「火災発生…エンジンに当たってしまったようね。」

すぐに自動消火装置が機能する。

薔薇水晶「お姉様!」

真紅「私は大丈夫。貴方は最後の1機を始末なさい。」

薔薇水晶はすぐさま飛んでいる1機に照準を向ける。

ダダダダダダダダダダダ!

ヘリは20mm弾によって蜂の巣にされ…

ドォォォォォォォォン…

夜の森を明るく照らす炎となった。

薔薇水晶「お姉様、大丈夫ですか?」

真紅「何とか飛べるのだわ。このまま真の所へ行きましょう。」

薔薇水晶「はい。」

ゴォォォォォォ…

バラバラバラバラバラバラバラバラ」…

ケニー「死ねぇ!バラバラにしてやる!」カチッ

ババババババババババババ!

ヘリのガンポッドは容赦なくウニモグを狙う。

エラー「にゃろ…」

エラーは赤外線スコープ付きのAK-47でヘリを狙う。

エラー「ちぃ!」グッ

ダダダダダダダダダダダダ!

弾丸はヘリのキャノピーを貫く。

バシバシッバシッ

ケニー「うわっ!」

キューン!ガシャーン!バシッ

ケニー「うわっち!腕をやられたぜ!」

ボッシュ「エラーの奴だ!」

ヘリはウニモグの上を通過する。

エラー「ちっ、外したか…ん?」

スラッシュ「どうした?」

エラー「くそっ!戦闘機だ!2機来るぞ!」

チャーリー「見せろ!」

チャーリーはエラーからスコープを奪い取る。

チャーリー「F-15に…F5D…安心しろ、あれは味方だ。」

エラー「何?」

グォォォォオオオオオオオ!

戦闘機もウニモグの頭上を高速で通過する。

シン「スカイランサー!?真紅…来たのか!」

マップ「知り合いか!?」

シン「ああ!死線を共にしてきた!」

マップ「そいつはよかったな…うん?」

ガスッ…ガスッ…

ボンネットからの異常な音を聞き取るマップ。

マップ「エンジンに食った!ちきしょう!」バン!

マップはハンドルを叩いて地団駄を踏む。

シン「みんな降りろ!散らばれ!」

一同は一斉にウニモグから降り、森の中に隠れる。

キュンキュンキュン…

ヘリは上空でホバリングする。

ケニー「いいのか…1人で?」

ボッシュ「1人だからいいのさ。」

ボッシュは不敵の笑みを浮かべながらロープを伝ってヘリから地上に降りる。

ゴォォォォォォォ…

真紅のスカイランサーも異常な音を発していた。

ドォン…バスッ…

真紅「出力低下…高度維持不可能…薔薇水晶、悪いけど脱出させてもらうのだわ。」

薔薇水晶「分かりました、お気を付けて。」

真紅はすぐに脱出装置に手をかける。

真紅(今まで戦ってくれてありがとう…さようなら…私の翼…)シュッ

バシュゥゥゥゥゥゥ…

射出座席で機外に飛び出した真紅は、そのまま暗闇に落ちていく愛機を見送った。

ドォォォォォォォォォン…

ヘリに1人いたケニーは乗り捨てられたウニモグに狙いを定める。

ケニー「へっ、止まってやがる。足を吹っ飛ばしておいてやりゃ、ボッシュも仕事がやりやすかろう。」

ダダダダダダダダダダ!

ドカァァァァァァァァァン…

ケニー「ん?」

ケニーはスカイランサーから飛びだしたパラシュートに気が付いた。

ケニー「どれ…穴だらけにしてやるか。」

ヘリは真紅に向かって急接近する。

薔薇水晶「お姉様!」カチッカチッ

薔薇水晶のイーグルは既に残弾、ミサイル共に0であった。

薔薇水晶「出来ることは…1つ!」グイ

グオオオオォォォォォォォ…

真紅「くっ…。」

バババババババ…

ケニー「んな…女の子!?」

その時、

ゴォォォォオオオオオオオ!

薔薇水晶「お姉様に手出しはさせません!」シュッ

ケニーは左から迫る紫のF-15を認識した。

ケニー「Oh!!」

だが時既に遅し。

真紅「薔薇水晶!」

ズガアアアアアアアアアアアアアアアン…

シン「おお!」

2機の残骸は赤い閃光を放ちながら…

ガシャァァァァン…ズズゥゥゥゥゥン…

谷底へ落ちていった。



真紅「薔薇水晶…愚かな妹…。」






真紅「特攻を仕掛けるなんてやり過ぎではなくて?」

薔薇水晶「すいません、つい…。」

真紅「まったく…。」

薔薇水晶は真紅のすぐ上にいた。

スラッシュ「どうやら脱出できたみたいだな。」

シン「ああ…。」

エラー「ところでシン、あれは誰なんだ?」

シン「あまり驚かないでくれよ…。」

岩陰からはボッシュがその様子を見る。

ボッシュ(バカめ…さっさと引き上げりゃいいものを…)

一同「「「人形!?」」」

真紅「私は誇り高きローゼンメイデンの第5ドール。名は真紅。」

薔薇水晶「私は薔薇水晶と申します。」

ニップル「これは…可愛らしい味方だな。」

ライラ「すごい…まるで本物の女の子みたい…。」

マップ「魔法かなんかの類か?」

チャーリー「そう取ってもらって構わん。」

シン「真紅、涼子は?」

真紅「今、雛苺がそばにいる。きっと励ましてくれているはずよ。」

シン「そうか…マップ、ルンガまでどれくらいだ?」

マップ「今ここだから…1km無ぇな、歩きでも行ける。」

スラッシュ「トラックやられちゃ歩くしかねえだろ。」

シン「よし、行くぞ。ぐずぐずしちゃおれん。国境さえ越しちまえば地上部隊は追えんだろう。」

チャーリー「ニップル、先導しろ。エラーとスラッシュは側面援護。俺は後方につく。」

マップ「俺ぁしんがりやるよ。先頭きったんでちっと疲れた。」

シン「よし、マップはチャーリーの後ろにつけ。」

ニップルはナタで生えている草を切り払って道を作っていく。

ザッザッザ…

ローデ「すごいなぁ…ブルドーザーみたいだ。」

エラー「大丈夫?」

ライラ「ええ…。」

大統領「シン…君にはなんとお礼を言っていいか分からん。」

リデア「ええ…本当に…。」

シン「もうすぐルンガに入ります。頑張って下さい。」

一同は徒歩でルンガを目指す…。

すいません。寝落ちしてしまってました。

これより投下します。

シン「離れるな。」

シンは全員に注意を促す。

ザッザッザ…

マップ「…………。」

スタッ

何者かの腕がマップの口を塞ぐ。

マップ「!」

次の瞬間、

ドスッ


MISSION82 サバイバル・ゲーム

シン「どうだ?」

スラッシュ「ダメだ…もう息が無い。」

エラー「声も立てられないなんて…。」

一同は凍りついた。

チャーリー「左肩口から心臓へモロに一発…殆ど即死だ。」

スラッシュ「これは…ボッシュだぜ。」

シン「何だと?」

スラッシュ「以前やった作戦であいつがこれで6人の兵隊を音も立てずに殺ったのを見たことがある。」

真紅「そのボッシュとやらが近くにいるのね…。」

シン達は暗闇の中を見渡す。

スラッシュ「奴には俺達が見えている…俺達には見えん…皆殺しにされるぞ。」

シン「落ち着け!スラッシュ!」

チャーリー「固まっているとマシンガンの一連射で全滅だぞ!散るんだ!」

その時

ズドドドドドドドドッ!

シン「おわっ!」

エラー「伏せてっ!」

ライラ「きゃっ!」

エラーはライラを抱いて茂みの中に飛び込む。

シン「もう数分で夜が明けます。それまで何とか辛抱してください。」

大統領「あ…ああ。」

リデア「あなた…。」

待つ事3時間、太陽が昇り辺りは明るくなった。

シン「エラー、ニップル、チャーリー、スラッシュ。」

シンが呼ぶと、一同は茂みの中から出てきた。

シン「よかった…子供達は無事か…。」

シンはある違和感を感じた。

シン「スラ…。」

シンが覗きこんだ先には1体の死体があった。

シン「くっ…。」

エラー「何てこった…」

エラーが触れようとすると…

ニップル「触るなエラー!」

シン「ニップル。」

ニップルは死体の背後から何かを取り出した。

ニップル「ほれ…不用意に死体を動かすと手榴弾が爆発する仕掛けだ。」

エラー「………!」

エラーはぞっとした。

チャーリー「悪魔のような男だぜ…ボッシュ…。」

真紅「とにかくこの場を離れましょう。」

シン「ああ…。」

残った一同はすぐにその場を離れようとした。

ローデ「………。」パサ

ローデが草を手で避けた時、

ピン

ニップル「ローデ!」

ニップルがローデを抱え込みながら仕掛けられた手榴弾を遠くに投げた。

ズガアアアアアアン!

ローデ「ニップル!大丈夫!?ねぇ!」

ニップル「ああ…大丈夫さ…心配ない。」

エラー「何てこった…至る所に罠を仕掛けやがって!これじゃ身動きがとれん。」

真紅「蜘蛛ね…毒蜘蛛のような人間ね…。」

大統領「どうすればいい…シン…シ…!」

大統領は抱き寄せていた妻の異変に気付いた。

大統領「リデア!?おい!」

シン「大統領!」

ライラ「ママ!」

リデアの首元には針が刺さっていた。

薔薇水晶「吹き矢です…。」

エラー「シン…。」

チャーリー「…………。」

ライラ「ママ…嫌あ!目を開けて!ママーー!!」

シン(何て迂闊だったんだ…傭兵ボッシュ…たった1人で1000人を相手にできる男…敵に回せばとんでもないことになる男…どうすればいい…どうすれば…)

真紅「真!」

シン「!」

真紅の一喝で我に帰るシン。

真紅「早く移動しないと…夫人の遺体の側では虫が寄ってきて発見されやすいのだわ。」

シン「分かっている…大統領。」

大統領「この非常時に戯言を…と思われるかもしれんが…何とか…何とか妻を埋葬してやりたい…。」

シン「お気持ちはよく分かります、しかし…」

大統領「頼む…最愛の者に対する自分の最後の務めだ。革命の時から苦楽を共にしてきた…これは私の妻だ。この世にたった1人の私の妻だ。頼む!」

大統領は妻の遺体を抱いたまま立ち上がった。

シン「大統領!」

ライラ「パパ!」

ダダダダダダダダ!

大統領「はうっ!」

彼の身体を7.62×39mm弾が貫通する。

ライラ「パパっ!!」

だがライラよりも先にエラーが動いた。

エラー「許さん!ボッシュ!」ガチャ

バァン!

森林の中で銃撃戦が始まった。

ドドドドドドド…バババババババ…

チャーリー「バラスイショウ!」

薔薇水晶「はい。」

チャーリー「お前の力で結界を張って子供達を守れ!」

薔薇水晶「了解。」

キィン!

子供達の周りを水晶が覆う。

シン「大統領!止血を!」

シンが大統領に駆け寄る。

大統領「よせ…もう私はダメだ…。」スッ

大統領は胸のポケットから1枚のカードを差し出した。

シン「?」

大統領「君にあげよう…きっと役に立つ…。」

シンはカードを受け取る。

大統領「子供達を…頼…む…。」

彼はそのまま息絶えた。

バシッ!

エラー「あうっ!」

エラーの右肩を弾丸がかすめる。

ニップル「エラー!」

エラー「だ、大丈夫だ!」

チャーリー「奴が逃げる!」

シン「エラー!ニップル!チャーリー!あいつの足を止めろ!」

チャーリー「シン!」

エラー「肩、貸してくれ。」

ライラ「え?」

ライラは自分の肩にAK-47の銃身が乗っているのを認識した。

ババババババババ!

弾丸の1発がボッシュの足を撃ち抜く。

シン「うおおお!」バッ

シンはボッシュに飛びかかる。

ボッシュ「!」ブン!

ボッシュはサバイバルナイフをシンに向けた。

ガキン!

ナイフの刃先はVz.61スコーピオンの銃身とストックの間に挟まっていた。

シン「ぐ…。」

ボッシュは力一杯にナイフを突き刺そうとする。

ボッシュ「死ねぃ!」

シン「でぇい!」ブン!

喉に刺さる寸前でシンはボッシュを銃ごと投げ飛ばした。

シン・ボッシュ「!!」

シンはボッシュのナイフを、ボッシュはシンのスコーピオンを手に取る。

ボッシュ「これまでだ!シン!」

バァン!

ボッシュにはシンの左胸を弾丸が貫通するのが見えていた。

ボッシュ「ぐお…。」

それと同時に自分の右胸に自分のナイフが深く刺さるのも見えていた。

ドサ…

2人は同時に倒れ込んだ。

ボッシュ「おぐぁ…!」ズッ

ボッシュは自分の胸に刺さったナイフを引き抜いた。

シン「!」

そしてそのままシンに向かってナイフを突き立てる。

ボッシュ「ぐああ!!」ブン!

その瞬間、

ガァン!

ボッシュ「がっ!?」

ニップルが彼の頭を殴り、

バァン!

ボッシュ「ぐおっ!」

チャーリーがベレッタM92で彼の胸部を撃ち抜く。

チャーリー「てめぇ…。」

ボッシュは再び倒れ込んだ。

ボッシュ「どうせなら…空で…死に…た…かった…ぜ………。」

彼は二度と立ち上がらなかった。

シン「貴様に…!空で死ぬ資格なぞ…!あるもんか…!」

シンは精一杯の力で彼を罵った。

バラバラバラバラバラ…。

一同は遠くから聞こえるヘリの音に気付いた。

シン「ボッシュの配下の戦闘ヘリだ!走れっ!森に逃げ込むんだ!」

真紅「待ちなさい。あれはボッシュの配下ではなくてよ。」

シン「何?」

マッコイ「おーい!シーン!わしだ!マッコイだ!」

ヘリから身を乗り出しながらマッコイは叫ぶ。

シン「じい…さん…。」

今日はここまで。

お待たせしました。これより投下します。

ザザァ…

地中海を進む1隻の大型タンカー。

船長「港に打電しろ。入港予定PM3:00だ。」

船員A「はっ!」

副船長「船長!左舷に!」

船長「え?」

ブリッジにいた全員が2発のミサイルが左から迫りくるのを認めた。

船長「バ…バカな!」

カッ!

ズドオオオオオオオオオオオン!


MISSION83 大統領の遺産


~スイス・チューリッヒ~

ライラ「もっと寒いのかと思ってたわ。」

エラー「冬はね…厳しいさ。」

シン達はマッコイが手配した高級ホテルにいた。

ライラ「逃げ出した時は10人…生き残ったのは6人…そしてあたしと弟は二度とバンバラには帰れない…この世にはもう生きていないはずの人間ですものね…。」

遡る事20時間前…

バラバラバラバラバラ…

マッコイ「ボッシュとか言う奴の無線を盗聴しながら位置を割り出してたんだが…夜になってプツンと切れちまってよ。」

シン達はマッコイが乗るヘリに乗せられていた。

マッコイ「ヘリとウニモグの残骸を見て殆ど諦めかけていたんだ…。」

シン「ありがとう、助かったよ。」

マッコイはシンの右肩の怪我を治療し、ガーゼを貼った。

マッコイ「よし、これでいい。ほい、そっちの若いのも服脱ぎな。」

エラー「あち…。」ヌギ…

ライラ「あ…」

ローデ「あ…」

エラー「え?」

エラーは自分を女と偽っていることをすっかり忘れていた。

ライラ「男の人だったなんて…。」

ローデ「他の人は知ってたの?」

ニップル「まあな…。」

ポロ…カタッ

シン「おっと…。」

シンの服の胸ポケットから1枚のカードが落ちた。

マッコイ「シン、こいつぁ…。」

マッコイは豆鉄砲を喰らったような顔でつぶやいた。

真紅「大統領が死ぬ間際にシンに渡したのだわ。銀行のカードのようだけれど…何か大事な物なの?」

マッコイ「大そうかどうかは問い合わせてみないと分からんが…。」

シン「問い合わせる?何処に?」

マッコイ「スイス銀行だ。」

シン達は故ナダト大統領が渡したカードの意味を求めてスイスに身を寄せていたのだ。

ライラ「あの時は死ぬのが怖くて必死で逃げ回ったのに…今はどうして生き残ってしまったのかって…思うの…。」
ライラ「いっそ死ねばよかったと思うわ…パパやママと一緒に…」

エラー「バカなことを言うんじゃない!死んで良いことなんかあるもんか!」

エラーが遮る。

ライラ「でも!今は死ぬより辛いわ!両親もいない!国にも帰れない!ローデはまだ幼いわ!この広いヨーロッパで誰に頼って生きていけばいいの!?」

エラー「僕じゃ頼りにはならないのかい?」

ライラ「何の取り柄も無い女よ…大統領の娘でもないし…大金持ちでもないわ…ただの身寄りのない女よ…。」

エラー「僕が身寄りになろう。僕も大統領の息子じゃないし大金持ちでもないよ。」

ライラ「でも…貴方は素敵よ…とても綺麗だわ…あたしは…」

エラー「君も素敵さ…。」

ライラを抱き寄せるエラー。

ライラ「あ…」

2人は唇を熱く重ねた。

マッコイ「ま…なるようになったってとこだな。」

マッコイがドアの隙間から覗きこんで言う。

チャーリー「覗き見はいい趣味じゃないぜ、じいさん。」

マッコイ「ウエディングドレスがいるな、近いうちに…。」

真紅「ミサイルを仕入れるようにはいかなくてよ?」

マッコイ「バカ言うな!わしゃ何だって仕入れてみせる!」

シン「金さえ出せばクレムリンだって引っ張ってこれるんだろ?」

マッコイ「不可能は無い!」キリッ

シン「あ…もしもし、レンタカーの手配を頼む…午後からだ。よろしく。」

ブロォォォォォ…

シンはマッコイを乗せて銀行へ向かっていた。

シン「最初スイス銀行という銀行があるのかと思ったけど…スイスにある銀行協会に登録してある銀行全部のことなんだな。」

マッコイ「ああ、ワシだってスイス銀行にゃ口座は持ってるさ。」

シン「へー。」

マッコイ「だがこのローゼンマイヤー銀行ってなぁ…ワシらみたいな貧乏人にゃ口座は与えてくれんぜ。」

シン「ほー。」

同じ頃、アスラン某所では…

ゴォォォォォォォォ…

管制『着陸地点まであと5分!高度を500mまで下げろ!』

輸送機「了解!」

F-14の誘導で4機のC-130輸送機が滑走路に接近する。

金糸雀「来たかしら…総員配置!」

ラウンデル「燃料輸送機を除いてエンジンはかけっぱなしにさせろ!」

サキはマイクを取る。

サキ「総員に告ぐ!総員に告ぐ!燃料輸送機を最優先させろ!時間はあと30分しかない!急げ!最悪の場合、物資補給機は物資を投下せよ!」

ドピュッ

1機目のC-130が着陸したと同時に傭兵、作業員が一斉に飛び出してきた。

グレッグ「ぐずぐずするな!時間がないぞ!」

ヘアバンド「燃料バルブを全部解放にしろ!」

ケン「送油パイプをこっちへ!」

バクシー「電源車接続!ポンプ作動OK!」

キャンベル「急げっ!あと25分だ!」

ルロイ「第2班はコンプレッサーを接続させろ!機体側のAPUじゃ間が持たん!」

基地にいる人間が一丸となって作業にとりかかる。

ラウンデル「しかしきついですな…アスラ