真「巻きますか、巻きませんか。」 (866)

エリア88×ローゼンメイデンのクロス作品です。


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1396333621

ゴォォォォ……
戦車「右上方に敵機!回避せよ!回避せよ!」
ズ┣¨┣¨┣¨┣¨ドドド
戦車「うわぁ!」
ドカァァァァァァン!
パイロット「エリア88コントロール!こちら00セクション風間真!」
真「俺の獲物だ!手を出すなよ!」
┣¨┣¨┣¨┣¨ドドド
ズガァァァァン!
真「これで6千ドルは稼げたかな?」
真「エリア88コントロール!こちら00セクション風間真!これより帰投する!」
ゴォォォォォォ…

MISSION1 裏切りの大空


~エリア88~

ウイーン

マッコイ「へへへ。お帰り、シン。」

真「マッコイじいさんか…。」

マッコイ「さて、今日はどうするかね?」

真「サイドワインダーを俺の機体に付けといてくれ。それに20mm砲弾300発も頼む。」

マッコイ「…全部で1千ドルってとこだな。」

真「高いよ。800ドルにしろよ。」

マッコイ「なら850。」

真「…いいだろう。俺のターゲットチップから引いといてくれ。」

マッコイ「毎度~。」

???「よう!あんた日本人だろ。」

真「お前は?」

ミッキー「俺の名はミッキー・サイモン。今日からここで世話にならぁ。ところであんたの名前は?」

真「風間真。」
真「目標は知らんが、稼ぎたいなら期限内は頑張るんだな。」

ミッキー「連れないね~。もっと人生楽しんだらどうだい?」

真「俺達は外人部隊…金で雇われた傭兵…戦争のプロに仲間はいらん…じゃあな。」


~真の部屋~

バタン

真「…あと2年と3か月…。」
真「…あと2年……………ッ!」ブン!

ガシャーン

真「2年なんて長い…長すぎるよ…!」
真「帰りたい…早く日本に帰りたい……!生きて、日本の土を踏みたい…!」

コンコン

真「…何だ?」

職員「カザマ・シンさんにお届け物です。」

真「届け物?」

職員「ええ。詳しいことは分かりませんが、届けてくれと基地司令の命令で。」ドス

真「サキが…。」

職員「では、失礼します。」バタン!

真「…随分大きい鞄だな…。」
真「取り敢えず…中身を見るか。」ガチャ

真「………!?」

真「人形…?誰がこんなものを…。」
真「…随分高級そうだな…。コレはねじか?ならば…。」
真「…やっぱりあった。ここに挿すんだな。」

真「試しに巻くか…。」キリリ・・・キリリ・・・

ちょっと落ちます。

投下再開します。

真「……?何も起きない…。不良品か?」

人形「」フワッ

真「!?」

人形「………」ストン

真「人形が…立った…!?」

人形「………」トコトコ

真「う…ぁ…く、来るな!こっちに来るな!!」

人形「………」スッ

真「う…あ…ああ………!」

人形「………」ジロ

真「うわああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

人形「うるさい。」バシン

真「ぶっ!?」ビシッ

人形「………」スッ

真「う…あ…ああ………!」

人形「………」ジロ

真「うわああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

人形「うるさい。」バシン

真「ぶっ!?」ビシッ

人形「………」スッ

真「う…あ…ああ………!」

人形「………」ジロ

真「うわああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

人形「うるさい。」バシン

真「ぶっ!?」ビシッ

人形「………」スッ

真「う…あ…ああ………!」

人形「………」ジロ

真「うわああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

人形「うるさい。」バシン

真「ぶっ!?」ビシッ

人形「………」スッ

真「う…あ…ああ………!」

人形「………」ジロ

真「うわああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

人形「うるさい。」バシン

真「ぶっ!?」ビシッ

人形「………」スッ

真「う…あ…ああ………!」

人形「………」ジロ

真「うわああああああああああああ!!!」

人形「うるさい。」バシン

真「ぶっ!?」ビシッ

人形「………」スッ

真「う…あ…ああ………!」

人形「………」ジロ

真「うわああああああああああああ!!!」

人形「うるさい。」バシン

真「ぶっ!?」ビシッ

人形「………」スッ

真「う…あ…ああ………!」

人形「………」ジロ

真「うわああああああああああああ!!!」

人形「うるさい。」バシン

真「ぶっ!?」ビシッ

人形「………」スッ

真「う…あ…ああ………!」

人形「………」ジロ

真「うわああああああああああああ!!!」

人形「うるさい。」バシン

真「ぶっ!?」ビシッ

人形「………」スッ

真「う…あ…ああ………!」

人形「………」ジロ

真「うわああああああああああああ!!!」

人形「うるさい。」バシン

真「ぶっ!?」ビシッ

失礼。やりすぎました。

人形「貴方が私のねじを巻いたの?」

真「しゃ、喋った!?」

人形「そこの貴方。名前は?」

真「…か、風間真…。」

人形「そう、シンと言うのね。」

真「お、お前は何だ!?」

人形「レディに向かって『お前』とは失礼ね…まあいいわ。」

人形「私は誇り高きローゼンメイデン、第5ドール。名は真紅。」

真「ローゼンメイデン?」

真紅「そう、私達ローゼンメイデンはお父様…ローゼンによって造られ………」

真紅「………よって生き残った1体だけが『アリス』となってお父様に会うことができるの。」

真「そんなものが現実にあるとは…。」

真紅「さあ。次は貴方のことを教えて頂戴。」

真「あ、ああ。俺は…今は傭兵だ。」

真紅「傭兵?」

真「ああ。俺は元々日本で飛行機のパイロットをしていたんだがな………」

真「………という訳で親友に騙されて今は人殺しをさせられている所だ。」

真紅「そう…。大変ね。」

真「まあな…。」

真紅「それはそうと、貴方がねじを回したのよね。なら私と契約なさい。」

真「契約?何のことだ?確かに俺が回したが…。」

真紅「簡単に言えば、貴方の力を貸しなさいということよ。」

真「契約するとどうなる?」

真紅「貴方は私の下僕となるの。」

真「下僕?冗談じゃない。何で人形なんかにこき使われなくちゃならないんだ。」

真紅「もちろんタダでとまでは言わないわ。この真紅がレディの何たるかを教えてあげる。」

真「そんなこと教えられても、レディのいないここでは無意味だがな。」

真紅「貴方の左手の薬指の指輪に口づけをすれば契約完了となるのだけど。」

真「指輪…!?い、いつの間に!」

真紅「無理に取ろうとすると肉が削げるわよ。」

真「……分かった。契約しよう。」

真紅「あら?人間にしては物分りがいいのね。」

真「生き残るためなら何だってしてやる。それよりどうやって契約するんだ。」

真紅「この指輪にキスをして。そうすれば契約完了となるのだわ。」

真「まさか人形の手にキスをすることになるとはな。」チュッ

パアアアアア

真紅「契約成立ね。」

真「今更だが、どうしてこうなった…。」

真紅「ところで、ここが貴方の部屋?随分汚い場所ね。」

真「寝る分には問題ないさ。」

真紅「まったく…人間の男の考え方は理解できないものね。」
真紅「それよりも真。紅茶を入れて頂戴。」

真「そんなものここには無い。」


真紅「なら今すぐ用意なさい。」

真「はぁ。仕方ない、マッコイじいさんのとこで仕入れてくる。」

真紅「急ぎなさい。」

真「分かってるって。」


~マッコイの倉庫~

マッコイ「シン、どうした?」

真「紅茶が飲みたいんだが…何かあるか?」

マッコイ「紅茶?珍しいな。お前が紅茶なんて。」

真「俺だってたまには紅茶を飲みたくもなるさ…。」

マッコイ「生憎インスタントのは切らしてるんだ。ダージリンの茶葉ならあるんだが。」

真「それでいい。あと、カセットコンロにヤカン、ティーセット一式。」

真「それから、小さなカップはないか?人形遊びに使うような。」

マッコイ「あるにはあるけど…何に使う気だい?」

真(人形が使うためなんて言えないよな…)

マッコイ「…まあいいけどね。毎度あり~。」


~真の部屋~

真「買ってきたぞ。」

真紅「遅かったわね。早く用意なさい。」

真「うるさいな。」カチャカチャ

真「はい。」カチャ

真紅「ありがとう。」コク
真紅「…まあまあの出来ね。」

真「そりゃどうも。」

真紅「でも…貴方、強い願望を持っているようね。そう…日本に帰りたいという。」

真「!?どうしてそれを!?」

真紅「味と貴方の淹れ方で分かるのよ。」

真「…そういうものなのか?」

真紅「勿論よ。誰かを想って淹れると美味しくなるのよ。」

真「誰かを…。」

真紅「そう、貴方が涼子という人を思っているように。」

真「な!?そんなことまで知っているのか!?」

真紅「知らないわ。指輪で繋がっているから少しだけ考えが分かるのよ。」

真「心を読まれるなんて聞いていないぞ!」

真紅「安心なさい。貴方の心を無暗に覗いたりは今後しないし他言もしないわ。」

真紅「それにしても、貴方はその涼子という人間に好意を抱いているのね。恋人かしら。」

真「まあ…な…っと!」
真「すまないがもう作戦会議に行かなければならない。頼むからここで大人しくしていてくれよ。」バタン

真紅「レディへの頼み方がなっていないのね。」


~ブリーフィングルーム~

サキ「今夜、反政府軍の地対空ミサイル基地を攻撃する。参加者は名乗り出てくれ。」

真「サキ。俺は今回は降りるぜ。」

サキ「シン。命令拒否は5000ドルの罰金だぞ。」

真「もちろんそんなことは承知の上だ。5000ドルで命が買えるなら安いもんさ。」

サキ「いいだろう。他に命令拒否する者は?」

ミッキー「おい、どういうことだシン。そんなにヤバい目標なのかよ。」

真「人によるさ、ミッキー。」
真「最新鋭機に乗って、正常作動の高度警戒レーダーを備えているなら、生きて帰れる率は高くなる。」
真「俺のF-8Eクルセイダーじゃ、雨のように飛んでくる対空ミサイルを避けきれるかどうか。」
真「稼ぎたきゃあ、頑張ってみるんだな。」
真「参加人数が減ると、危険は大きくなるが割り当ても増える。報奨金もな。」

ボウマン「サキ!俺もごめんだ。」

サキ「ボウマンか。君の貯金は2000ドルしかないぞ。」

ボウマン「お、おいシン。3000ドル貸してくれ。な、頼むよ。へへへ、いいだろお前。」
ボウマン「敵の戦闘機や戦車をボカスカやっつけて、もう何万ドルも貯金があるんだから、3000ドルぐらいどうってことはないよな。な?」

真「断る。死んで来い!」

ボウマン「だ、だれか貸してくれ!お、お願いだよ!」

ジェフ「ボウマン、俺が付き合ってやるよ。」

ボウマン「ジェフ…。」

ジェフ「ペアを組んでケツを守ってやるから心配すんな。」

サキ「おい、そこの。新入りのミッキーと言ったな。どうするかね君は?」

ミッキー「俺も止めさせてもらうよ。」

サキ「いいだろう、ミッキー。君も5000ドルの罰金だ。」
サキ「作戦は10分後だ。ハイエナどもよ!金が欲しければさっさと準備をしろ!」


~真の部屋~

真「ただいま。」

真紅「お帰りなさい、真。作戦とはどういうものなの?」

真「お嬢様が知って得するようなものじゃないけどね。」

真紅「そう…。大体のことは分かっているけど。」
真紅「ところで、貴方が持っている戦闘機というのを見てみたいのだわ。」

真「な!?今か!?」

真紅「この真紅が命令しているのよ。早く見せなさい。」

真(今はみんな出払っているし…今基地にいるのは俺とミッキーだけだが…)

真「分かった。案内しよう。」

真紅「素直でよろしい。それでは真、抱っこして頂戴。」

真「はいはい。」スッ

真紅「随分手際がいいのね。」

真「人形遊びは昔随分やったからな…。」コツコツ


~真のスポット~

真「これが俺の機体さ。」

真紅「思ったより大きいのね。」

真「F-8Eクルセイダー。30年前に作られた機体だ。」

真紅「クルセイダー…。十字軍の騎士ね。」

真「よく知ってるな。」

真紅「伊達に長生きしていないもの。この大きな口は何?」

真「空気取り入れ口だ。ここで吸い込んだ空気を後ろから排出してその勢いで飛ぶんだ。」

真紅「後ろには一角獣のマーク…とても攻撃的なのね。」

真「まあ攻撃するのはこいつで操作するのは俺なんだが……。」

真「!?」

真紅「どうしたの、真?」

真「やばい!ミッキーが来た!早く後ろに隠れろ!」

真紅「レディをせかさないの。」

真「いいから早く!」

ミッキー「よおシン。お前も夜風に当たりに来たか?」

真「あ、ああ。」
真「ところでミッキー、お前どうして止めた?」

ミッキー「勘さ。ここは相当ヤバい仕事をする基地だと分かったからな。」
ミッキー「なら、生き残るのが一番上手い男を見習った方が安全ってもんだ。」

真「成程…。」

ピーピーピー
コントロール「敵編隊接近!敵編隊接近!迎撃準備せよ!」

真「やはりお出でなすったか。」

ミッキー「シン!お前それが分かってたから基地司令の命令を拒否したのか!」

真「ああ。ミサイル基地なんかの固定ターゲットより、戦闘機なんかの移動ターゲットのほうが賞金は高いんだ。」
真「危険率が同じなら、稼ぎの多い方を取るってことさ。」

真「まわせー!!」

ミッキー(カザマ・シン…たいしたやつだぜ!)
ミッキー「よし!俺も一丁稼ぎに行くか!いくぜ、スイセイセキ!」

翠星石「まわせーですぅ!!」

ここから先はまあ上空で戦闘があったので省略。

ちなみにこの時、真の座席の後ろに真紅が隠れており、ミッキーの膝に翠星石が乗っています。
っていうかクルセイダーの座席の後ろにスペースあったっけ?

~戦闘後~

真紅「まったく、頭をぶつけるわ髪は乱れるわで大変だったわ。」

真「ははは、すまんすまん。今度からはちゃんと座らせてやるから。」

翠星石「まったく、荒っぽい運転だったです。もうちょっと丁寧にやるですぅ。」

真・真紅「!?」

ミッキー「あんなのいつものに比べたら屁でもないぞ。ま、あそこまでやる必要はなかったかもな。」

人形「なら猶更丁寧にやれですぅ!」

真「ミッキー…お前、その人形…。」

ミッキー「おう、紹介するぜ。俺の相棒のすい…すー…」

ミッキー「スータンミンだっけか?」

人形「さっきまでちゃんと言ってたのになんで中華スープになってるですか!!」

真紅「…翠星石!」

翠星石「…え?」

真紅「やはり貴方なのね、翠星石。」

翠星石「し、真紅!?」

真「知ってるのか?真紅。」

真紅「ええ、彼女はローゼンメイデンの第3ドール。名は翠星石。」

ミッキー「なんだ。シンも持ってたのか、その人形。」

真「ああ、成り行きで俺のところに来ちまったんだがな。」

サキ「2人とも。我々が留守にしている間によく基地を守ってくれた。報酬はいつもの倍払おう。」

ミッキー「よっしゃあ!」

翠星石「やったですぅ!」

ボウマン「ようシン!もうお前なんかにデカい顔させねえからな!」
ボウマン「ミサイル基地でランチャー10台ぶっ潰して戦車5台撃破したぜ!しめて3万ドルの稼ぎだ!」

真「ジェフはどうした?」

ボウマン「ミサイルに当たってイチコロよ。あいつは運が無かったのさ。ハハハ…」コツコツ…

サキ「ゲスめ…!」

真紅「あの人間は見た中で一番下劣なやつね。」

真「あいつらは稼ぐために命を張ってるんだ。しょうがないさ。」

サキ「…ところでシン。その可愛らしいお嬢さん方は?」

真「………!」

真(しまった!こんな時にすっかり存在を忘れてた!)

真紅「普通ならそちらから名乗るべきだけど…まあいいわ。」

真紅「私は誇り高きローゼンメイデンの第5ドール。名は真紅。」

翠星石「そして私がその第3ドールの翠星石です。よく覚えておくですよ。」

サキ「成程。ローゼンメイデンでしたか。私はアスラン王国空軍中佐のサキ・ヴァシュタール。どうぞお見知りおきを。」

真紅「随分冷静で真よりも礼儀正しいのね。」

真「サキ。ローゼンメイデンを知っていたのか?」

サキ「昔、私の母から聞いたことがあってね。しかし、本当にいたとは…。」

真紅「ところで真。」

真「なんだ?」

真紅「貴方、さっきの下劣な人間は稼ぐために戦っているといったわね。」

真「そうだが。」

真紅「なら、貴方は何のために戦っているの?」

真「俺を裏切った大空のために…さ。」

真紅は分かっていた。

真は日本に帰るために、生きて涼子に会うために、親友に会って真相を確かめるために戦っているのだと。

だがあえて言わなかった。それが彼との約束なのだから。

どうも僕です。
生まれて初めてのSSで分からなかったり慌てたりもしましたが、なんとかMISSION1は完成しました。
次の投下は明日以降になると思います。それまでしばしお時間を。

これより投下します。


ゴォォォォォォ…

???「今日も生き残りは俺1人か…。」


MISSION2 その男、ボリス


~エリア88~

ゴォォォォォォォ

真紅「また帰ってきたのはあの1機だけね…。」

ミッキー「あれ第4次攻撃隊のやつだろ?」

真「ボリスだよ。元イギリス空軍中佐。対地攻撃に関しては天才的な腕の持ち主さ。」
真「またの名を『死神のボリス』。」

ミッキー「死神ねぇ…。」

真紅「死神…。」

マッコイ「ようシン。まだ生き残ってたかい。」

真「じいさんこそ。相変わらずだな。」

マッコイ「ところでシン。サイドワインダーの安いのが入ったんじゃ。」

翠星石「じじい。そうやって私達に武器を売りつけて稼いでるといつか地獄に落ちるですよ。」ヒョコ

真紅「ここは地獄の最前線『エリア88』。これ以上どこまで落ちると言うの?」

マッコイ「そこのお嬢さんが言ってるとおりだぜ。これ以上落ちんわい。」

ミッキー「それもそうだな。」

ちょっと落ちます。再投下は午後になると思います。

再開します。

真「ところでじいさん。さっきの話だけど、いくら安いんだい?」

マッコイ「そうこなくっちゃ。50発で1000ドル。どうだ、買ってかねえか?」

真「馬鹿に安いな。不良品じゃないか?飛ばないとか。」

マッコイ「失礼な。わしが飛ばないミサイルを一度でも売ったことがあるか?」

???「当たっても爆発しないのはあったぜ。」

マッコイ「こらボリス。わしの商売の邪魔をする気か。」

ボリス「俺達はいつも命の駆け引きをしているんだ。」
ボリス「不良品は命取りになる。気を付けてくれ。」

真「と言うことだ。今回は止めとくよ、じいさん。」

マッコイ「ボリスの奴。商売の邪魔をしよって。」

真紅「そういえば彼の部屋はいつも電気が付いているわね。」

真「暗くすると、二度と闇から出られなくなりそうで怖いんだ、と言ってた気がするな。」

翠星石「鬼みたいな面してるくせに怖いですか~?」

真「それは人それぞれだろ。じゃ、またなじいさん。」

真紅「貴方も今度はまともなものを売るべきなのだわ。」

マッコイ「わしはまともなもんしか売っとらんわい。」
マッコイ「くそ、どっかにおらんかの~。いいカモは。」

???「じいさん。ちょっといいかな?」

マッコイ「ん?」


~ブリーフィングルーム~

サキ「サザンデビジョン、ポイント2-C。地対空ミサイル基地だ。」

グレッグ「悪魔の口ん中に飛び込むのか。」

バクシー「あそこは傍を通っただけでミサイルが雨のように飛んでくるところだぜ。」

サキ「明日午後、アスラン国空軍が作戦を展開する。その際の被害を最小限に食い止めるために、この基地を叩く必要がある。」

傭兵A「へっ。俺達は正規軍の犠牲になるってわけかよ。」

傭兵B「ヤバい仕事ばっかり回ってくるな。」

サキ「君達は我がアスラン王国が金で雇った外人部隊だ。その事を忘れるな。」

一同「…………。」

サキ「出発は6時間後だ。希望者は名乗り出てくれ。報酬はいつもの倍、2万だ。」


~真の部屋~

真紅「今日の作戦もボリスが参加するのね。」

真「そうらしいな。」

真紅「勿論、貴方も参加するのでしょう?」

真「ああ、早く150万ドル貯めたいからな。」

真紅「なら、私も付き合うのだわ。」

真「いいのか?お嬢様には似合わない光景を目の当たりにすることになるが。」

真紅「…そんなもの、昔から何度も見ているから慣れていてよ。」

真「…わかった。そろそろ行こう。」


~真のスポット~

真「日没20時30分…。行くか!」
真「真紅、ベルトはちゃんと締めたか?」

真紅「ええ、いつでも飛んでよくてよ。」

キィーーーーーーーーン!

管制塔「コントロールタワーよりブルー1、テイクオフ!」

ゴォォォォォォォォ…

管制塔「ブルー2、タキシングの後テイクオフせよ!」

真「出力全開!バーナーオン!」

キイイイイイイイイイイイイイイイイン!

真「GO!」

グォォォォォォオオオオオオオオオォォォォォォ…


~上空~

真「まさか真紅まで付いて来るなんて思わなかったぜ。」

真紅「私としてはみんな出ていってしまったら静かすぎて退屈で仕方ないのよ。」

ミッキー「こっから先は生きるか死ぬかの運試しだ。今更帰りたくなっても遅いぜ。」

翠星石「翠星石を誰だと思っているですか?人間の攻撃なんか跳ね返してやるですぅ。」

ミッキー「嬉しいこと言ってくれるじゃないの。」

真紅「ところで真。敵の戦闘機は出てくると思って?」

真「さあね。今日のターゲットは対空ミサイルをごっそり配備した補給基地だからな。」

ボリス「常識じゃ、対空ミサイルを主とした攻撃設備があるなら戦闘機は必要ないがね。」
ボリス「さて…そろそろ高度を下げんと敵のミサイルの喰われるぜ。」

ゴォォォォォォォ…


~敵管制室~

レーダー兵「敵戦闘機、音速で低空侵入。」

司令官「いい腕だ、外人部隊の連中だな。だが…」

司令官「皆殺しにしてやる!」

レーダー兵「距離10…5…」

司令官「今だ!牙を出せ!」

ポチッ


~敵基地直前~

ズズズズズズズズズ

傭兵「な、何だ!?」

ズザァーーーーー!

傭兵「うわ!」

ドカァーーーーン!
ガッシャァーーーーーーーン!

真「何!?」

真紅「真、翼を畳むのよ。」カチッ

ウイーーン
グオオオオオオオォォォォォォォ


~敵管制室~

レーダー兵「敵2機侵入。絶対防衛圏を突破されました。」

司令官「何!?」

ヒュゥゥゥゥゥゥゥ

ドカアアアアアアアアアァァァァァァァァン!
ドオオオオオオオォォォォォォォォォォン……


~上空~

真紅「機体性能に助けられたわね。」

真「ああ、翼を畳んで飛行できる機体なんて、クルセイダー以外にそうは出来ないからな。」
真「だが、とっさに翼を畳んでくれた真紅のお蔭でもある。助かったぜ。」

真紅「ミーディアムである貴方に今死なれたら困るもの。」

ボリス「真、翼を畳んで鉄の牙を潜り抜けるとはさすがだな。」

真「ボリスこそ。」

ボリス「いや、俺はそっちのお嬢さんに通信をもらってな。でなかったら、間に合わなかったよ。」

真「真紅、今回はお前のお手柄だ。報酬は3人で山分けだな。」

真紅「私にお金など必要ないわ。分けるなら上を飛んでいる人間に分けなさい。」

お花見行くのでちょっと落ちます。

再開します。

ゴォォォォォォ

ボリス「ミッキー!上空援護してくれたのか。」

翠星石「でっかい獲物はお前達に譲って、翠星石達は上空でハエ叩きですぅ。」

ボリス「そうか…。翼を畳んでヨタヨタ飛んでいたのに、上から敵が来なかったのはそのせいだったのか。」

ミッキー「真紅もこう言ってるわけだし、賞金はこの3人で山分けだな。」

ボリス「いや、賞金はやっぱり2人で山分けだ。」

ミッキー「何?」

翠星石「何ですと~!?」

真「おいボリス!どういうつもりだ!」
真「ミッキーがいなかったら、俺達2人ともあそこで死んでたんだぞ!」

ミッキー「いいよ、シン。こいつはどうせこういう男だったのさ。」
ミッキー「俺はそんなはした金なんざ、いらねえや。」

真「なら俺もお断りだ。賞金は全部お前にくれてやる。」

ボリス「フフフ…この早とちりの馬鹿野郎どもめ、俺が3人でと言ったのは…お前たちで分けろという意味だ。」グフッ

真「ボリス!?」

ミッキー「どういうことだ?」

真紅「あの人…もうすぐ死ぬわね。」

真「何!?」

ボリス「どうやら、空気取り入れ口から対空機関砲弾を2、3発食らったようだ。」

ボリス「友だちってなあいいもんだ…特に…生死をともにした友だちってのは…一生のうちにそうザラに出来るもんじゃない…。」
ボリス「そんな…友だちでも…いつかはどちらかが先に死んじまうのが戦争だ。」
ボリス「せつないよなあ…だから…友だちは作りたくなかったんだ…。」
ボリス「部屋を暗くして眠ると、先に逝っちまったあいつ等が出てくるんだ…。」
ボリス「1人…1人…『よう、ボリス…元気か!?』ってな…。」
ボリス「グハッ……俺も逝くぜ…ゆっくり眠れそうだ…。」

真「ボリス!スティックを引け!」

ゴォォォォォォォォォ…

ボリス「シン…帰ったら俺の部屋の電気…消しといてくれ…。」

真「…ボリス…!」

ドォォォォォォォォン………


~エリア88~

サキ「ご苦労だった。あの基地を破壊したお蔭で敵の前線部隊は補給が出来なくなり引き揚げ始めた。」
サキ「出撃数15機…未帰還機8機…。次の作戦は明後日になると思う。」

真「分かった。」

ミッキー「まったく、愛想もくそもないやつだな。」

真紅「あくまでも貴方たちは雇われたエトランジェ…使い捨ての傭兵に情けはかけない…。」

真「上の人間というのはみんなそういうもんさ。」

翠星石「じじい~!じじいはどこですか~!とっちめてやるですぅ~!」

真「…何か不良品でもつかまされたのか?」

ミッキー「あの大安売りのミサイルを買ったのはいいんだが…。」

真紅「当たっても爆発しなかったのでしょう?」

ミッキー「いや、結構派手に爆発するんだ。」

真「じゃあ何が不満なんだ?」

ミッキー「信管がボロでよ。当たる前に爆発しやがるんだ。」
ミッキー「敵機の100mも手前でよ。バカにしてやんの!」


~ボリスの部屋~

真「ボリスの遺品はこれだけか?」

職員「はい。でも、送り先がないんですよ。念のため、司令部で保管しておきますがね。」コツコツコツ…

キイ…

真「おやすみ、ボリス…。」

パチン バタン

このエリア88で戦うパイロットに墓標は無い。

彼らがその死に場所として選ぶのは、ただ1つの地点座標だけ。

墜落地点、AR-16-B7。

その男はボリス…。我が友、ボリス…。

という訳でMISSION2終了です。
今までOVA主体で話を進めていこうと思いましたが、原作にアレンジを加えていこうと思います。
それではまた。

これより投下開始します。

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨!

ドカァーーーン!

真「悪く思うなよ。俺はまだ死ぬわけにはいかないんだ。」

真紅「真、後ろから3機近づいているわよ。気を付けなさい。」

真「何?」

グォォォォォオオオオオオ!

真「しまった!ケツにつかれた!」

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨!

ドン!ドン!ドン!

ピー!ピー!ピー!

真「くそ!エンジンのコンプレッサーをやられた!」
真「何故だ、何故逃げ切れない…!」

MISSION3 はてなき砂丘


~半年前 フランス・航空学校~

学校長「カザマ・シン、カンザキ・サトル、両名とも素晴らしい成績です。」
学校長「もう、この学校で教えることはありません。」
学校長「2人が更なる努力と経験を積んで、世界中の大空を飛べる日が来ることを願っています。」


~学生寮 真の部屋~

真(…やっと日本に帰れる…やっと……涼子に…)

神崎「よお真!もう帰る支度してんのか?出発は明日だぜ。」

真「やあ神崎!」

神崎「さては、早く帰って津雲涼子嬢の顔を見たいってハラだな?」

真「おい!」

神崎「やれやれ。大和航空の社長令嬢のハートを射止めるとはな…おかげで出世コースまっしぐらだろ。」

真「そんな…まだ結婚までは考えてないし…今は空を飛べることで頭がいっぱいさ。」

神崎「まったく…相変わらず欲ってもんが無いな。ま、それがお前のいい所なんだろうけど。」

神崎「とにかく、俺達は大和航空の第一線パイロットとしての道を開けたんだ。お互い頑張ろうぜ。」

真「ああ。」

神崎「よし!そうと決まれば街に出てパァ~っとやろうぜ!」

真「え?」

神崎「ほら、お前も来いよ真!」

真「お、おい神崎!」


~パリの街中~

神崎「よぉ~し、もう1軒行くぞぉ~!」

真「も、もう勘弁してくれよぉ~。」

神崎「何言ってやがるぅ。まだ夜は長いんだぁ!」

真「も、もうらめ…」


~とあるバー~

真「ZZZZ………」

神崎「おい真、起きろよ。」

真「眠いんだよぉ…寝させてくれよぉ…。」

神崎「これにサインしたら寝させてやるからよ。ほら。」

真「サイン…?何に?」

神崎「外泊証明だよ。さ、ここに。」

真「外泊証明の用紙にしちゃあやけにデカいなぁ…。酔ってんのか俺…。」

神崎「あとこれにもサインしとけよ。」

真「はいはい…。」

神崎「あとこれも。」

真「これも…。」

神崎「これもこれもこれもこれも…」


~書類十数枚にサインさせられた後~

神崎「ほれ、これで最後だから。」

真「ん?」

まきますか まきませんか

真「はいはい…まきます…っと。」クルッ

カタン

真「ZZZZZ……」

スッ

神崎「あばよ…真!」コツコツコツ…
神崎「っていうかまきますなんて書類あったっけ?…あれ、ない…。」

神崎「…気のせいか。」


~しばらく経って~

???「起きろ。我々と一緒に来てもらうぞ。」

真「ん?あんたら誰だ?」

???「君は、我々と契約したんだ。」

真「契約?契約なんかした覚えないぞ?」

???「君は風間真…日本人だな?」

真「ええ、そうですよ。付け加えるなら大和航空の海外実習生です。」

???「君は、午前0時を以って大和航空を退社しアスラン王国外人部隊に編入されたんだよ。」

真「なん…だと…?」

???「このサインに見覚えがないとは言わせんぞ。」スッ

真「…た、確かに俺のサインだ…。」

???「この契約により、君はアスラン国空軍で3年間軍務に服することになる。」
???「過去や経歴、年齢、国籍は問わない。優秀であれば誰でも歓迎する。」

真「そんな…ハッ!」

神崎(これにサインしたら寝させてやるからよ。外泊証明だよ。さ、ここに。)

真「…何故…何故だ、神崎………ッ!」


真「何故だあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

真紅「うるさい。」バシッ

真「ハッ!…す、すまない真紅。」

真紅「エアブレーキよ。速度を下げて敵の後ろにつきなさい。」

真「分かってるって!」グイ

ゴォォォォオオオオォォォォ

真「当たれ!」カチッ

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨!
ドオオオオオオオン…

真「やったか…。」

真紅「残った2機は既に引き上げたわ。帰投しましょう。」

真「ああ。エリア88コントロール!こちら00セクション風間真!これより帰投する!」

作戦基地名エリア88。

空の上は生きるか死ぬかの運試し…

というわけでMISSION3完成です。
それではまた ノシ

と思ったけどMISSION4投下します。


ゴォォォォォォォ

整備員A「ほお…。編隊を組んで新兵のご到着か。」

整備員B「ありゃあBACライトニングだ。また古い機体で戦争しに来やがったな。」

シュウウウウウウ…

カチャ

黒人A「…。」ジロッ

カッ…カッ…カッ…

整備員C「アフリカの内乱で食い詰めて流れてきたんだぜ。」


MISSION4 暁の追憶

ミッキー「おう、じいさん。俺の機体にサイドワインダーを積んどいてくれ。」
ミッキー「もちろん、ちゃんと敵機に当たるやつな。」

マッコイ「そりゃ、お前さんの腕次第だろ。」

翠星石「前回みたいに騙そうったって、そうはいかないですよ。」

マッコイ「そんなこと言ってると、お前さんが頼んだワイン勝手に開けちまうぞ。」

翠星石「え?もしかして、シュタインベルガー届いたですか?」

マッコイ「夕方にはこっちに届く予定だよ。」

ミッキー「ドイツワインか。お前そんなの飲むんだな。」

翠星石「これは私の趣味じゃなくて、フーバーの趣味ですよ。」
翠星石「いつもお世話になってるですからね。そのお礼ですぅ。」

翠星石「あ、よかったらミッキーも付き合うですぅ。」

ミッキー「そいつはいいな。一稼ぎした後の楽しみにしとくぜ。」

翠星石「ただし、じじい、てめぇはダメですよ。」

マッコイ「誰もお前さんからの酒なんざ欲しくないわい。」

翠星石「ウガ~!なんですと、このクソじじい~!」

マッコイ「なんだと、このクソ人形。」

ミッキー「ハハハ。じいさん、すっかりスイセイセキに嫌われちまったな~。」
ミッキー「さて、俺達もぼちぼち出撃するぞ。」

翠星石「う~、わかったです~。」

ミッキー「そういや、じいさん、シンのやつは知らないか?」

マッコイ「あいつならまだ帰ってないぞ。」

翠星石「え?シン確か夜の出撃も参加してたですよね?」

マッコイ「150万ドルまで、あと2万ドルのとこまできてるそうじゃよ。」

翠星石「だからって、ちょっと無茶ですよ。」

ミッキー「ま、あいつなら大丈夫だろ。シンクのやつも一緒だしな。」

翠星石「いや、真紅部屋で寝てたから…真、一人で行ったんですよ。」

マッコイ「人の心配より、自分の心配しなよ。焼き人形にワインは合わんからな。」

翠星石「あ、ワイン勝手に飲む気ですね~!」

マッコイ「死人には過ぎたもんじゃろ?」

翠星石「絶対生きて帰ってきてやるです~!」
翠星石「ミッキー、出撃するですよ~!おら~、私の機体まわせ~ですぅ!」

ミッキー「たく…あんまりからかわんでくれよじいさん。」

マッコイ「そいつはできん約束じゃな。」


~戦闘中~

翠星石「さっさと目標ぶっ壊して帰るですよ、ミッキー。」
翠星石「必見必殺、全ての障害を粉砕して押し進むですよ~。」

ミッキー「ったく。他の人形はもっと大人しいってのに、なんでウチのはこんなんなのかね~。」

翠星石「翠星石は喧嘩は嫌ですが、人間共をいたぶるのは大好きですからね~。」

ミッキー「あ~あ。かわいくねえな~。」

翠星石「『みんなの妹』で慕われているこの翠星石が可愛くない、なんてことがあるですか?」
翠星石「いや、あるわけないんですね~。」

ミッキー「分かったから、ちゃんとレーダーに気を使ってくれよ。」


ドカァァァァァァァン!

ゴオオオオオォォォォォォォォォ…

真「あと1機…!あと1機で150万ドルになる!」

真(涼子…。俺は帰るぞ!もうすぐ日本に帰れるんだ!)

キィィィィィィィィン!

真「悪く思うなよ。お前が最後なんだ。だから勘弁してくれよ!」カチッ
真「!?」カチッカチッ
真「た、弾が無い!?」

グォォォォォォオオオオオオオオオオ!

真「くそ!残弾計を見ていなかった!」

バババババババババババ!
ドン!ドカン!
真「うわっ!」

ドォーン!


~エリア88~

ミッキー「ただいまー。」

翠星石「ただいま~ですぅ。」

マッコイ「ようお2人さん。」

ミッキー「真は?」

マッコイ「まだだよ。」

サキ「おかえり、ミッキー。」

ミッキー「おいサキ!なんでシンのやつを止めなかった!これじゃ過重労働だぜ!」

サキ「作戦参加は個人の自由だ。私がとやかく言う必要はない。」
サキ「自分の体力や技能を考えた上での空き時間での利用なら私の口を出すところじゃない。」

ミッキー「けどよぉ…。」

サキ「このエリア88から出ていくには、3年の期日を生き残るか、150万ドルの違約金を払うか、」
サキ「それとも…脱走するかだ。」カッカッカ…

翠星石「…もしかして撃ち落されてたりして…。」

ミッキー「バカ!縁起でもないこと言うな!」

翠星石「……悪かったですぅ。」

マッコイ「……おや?」

ゴォォォォォォォ…

ミッキー「また誰か火を噴いて帰ってきやがった……ん!?」

ゴオォォォォォォ…

マッコイ「ありゃあ、シンのクルセイダーじゃぞ!」

ミッキー「やべぇ!」

翠星石「あっ!待つです!」

ウ~ウ~ウ~

ゴォォォォォォォォ

真「頼むぞ…なんとか降りるまで持ってくれよ…。」

ドキャ!

ガッシャアアアアアアアアン!

ドォォォォォォォン…

ミッキー「シン!」


~事故処理後~

真「じいさん、こいつの修理にいくらかかる。」

マッコイ「買い換えたほうが早いね。」

マッコイ「同程度の機体なら、安くて50万ってとこかな。」

真「2万ドルを焦って50万ドルの出費か…。」

翠星石「命があるだけめっけもんですよ。人生明日があるですよ。」

ミッキー「お前が言うことか。」
ミッキー「まぁ、こいつの言う通りだ。生きてるだけめっけもんだ。」

真「生きてるだけましか…。」
真「50万ドル稼ぐのに、また何人殺せばいいと思うんだ!」ブン

カン!カタカタカタ…

黒人A「ミスター風間。こいつはお前さんの頭を守ってくれるもんだ。大事にしたほうが良いぜ。」スッ

真「余計なお世話だ!人の心配するくらいなら自分の頭のことでも心配してろ!」パシッ

カッカッカ…


~夜~

真(くそ、こんなとこ脱走してやる。俺は日本に帰るんだ)
真(パリまで無給油で飛べる、音速の2倍は出る機体でないと…)

真紅「脱走する気なのね。」

真「ああ、こんな所はもうたくさんだ。」

真紅「そう…。」

真「止めないんだな。」

真紅「ミーディアムである貴方が死なない限りどうしようと貴方の勝手だもの。」

真「そうか…。」

???「こんな時間に散歩かね?ミスター風間。」

真「誰だ!?」

黒人A「事情は大体知っている。だが脱走はよくない。」
黒人A「何故なら逃げきれないからさ。」

黒人B「今まで俺達の囲いを突破できたやつはいないぜ。」

黒人C「なんなら試してみるか?」

真「お前等は…。」

???「そいつらはエスケープキラー。脱走兵を狩る3人組さ。」

真「ミッキー!」

ミッキー「さて、エリア88のナンバー1、2が相手になるんだ。」

翠星石「お前らも確実に2人は死んじゃうですね~。」

???「いや、1人も生きて帰れないぜ。」

真「グレッグ!」

グレッグ「わしらも一緒にやらせてもらうぜ。」

バクシー「脱走もしていないのに脱走兵と決めつけたんだ。」

キャンベル「落とし前付けてもらおうか。」

フーバー「俺達を倒せば一気にチャンピオンだぞ。」

黒人A「うわ!」

黒人B「あ…ああ…。」

サキ「それくらいにしておけお前達。」

真「サキ!」

ミッキー「へぇ~。あんたの差し金かと思ってたぜ。」

サキ「見損なうなよ、ミッキー。ここでセオリーが通用すると思ったら大間違いだ。」
サキ「そこの3人。軍本部に帰ったらこう報告しておけ。」

サキ「『エリア88に脱走するようなやつは1人もいない。』とな!」

黒人A「わ、分かったよ、サキ司令…。引き上げるぞ。」

グレッグ「ほら野郎共。境界線まで見送ってやろうぜ!」

一同「おおーーー!!」

真「みんな…聞いてくれ。俺は…」

ミッキー「いや、聞きたくないね。」

翠星石「そうです。聞きたくないですね~。」

真紅「真。みんな分かっているのだから、また頑張ればよくてよ。」

サキ「私も今回の件は見なかったことにしよう。」

サキ「なあ、すぐに取り戻すさ、シン。」
サキ「お前ぐらいの腕があれば、日本に帰るのも難しいことじゃない。」

真「サキ…。」

サキ「シンは日本に帰るために戦っている。が、私は何のためだろうか。」
サキ「内乱で、同じ国の人間同士が血を流し合う程、悲しい現実は無い。」
サキ「私が戦ってる相手、反政府軍のリーダーは私の父だ。」コツコツ…

東に朝日、西に夕日。変わることのない自然の繰り返し。

男の友情もまた同じである。

ここはエリア88。戦場ど真ん中!

はい、MISSION4完成です。

MISSION5行きます。

キイイイイイイイイイイイイイイイイン!

真「F-5EタイガーⅡか!」

真紅「虎ね…また攻撃的な機体だこと。」

真「マッコイじいさん。よくこんなのが手に入ったもんだな!」

マッコイ「でぇあははは!金さえ出せば何だって持ってきてやるわい!」

真「テスト飛行をしてみたいんだが、出せるか?」

マッコイ「ああ、いつでも飛べるぜ。」

真「真紅、君はどうする?」

真紅「翠星石もミッキーと一緒に出てしまったから、付き合わせてもらうわ。」

真「よし、行こう。じいさん、パワーを上げるぜ。離れないと吸い込まれるぞ。」

マッコイ「はいはい。それじゃ好きなだけ飛んで来い!」

真「発進!」

ゴオオオオオオオオオオォォォォォォォォ…

MISSION5 孤独の交差点


~とある空~

神崎「テルアビブコントロール。こちら大和航空126便。気象状況を知らせてくれ。」

管制『こちらテルアビブコントロール。現在こちらは雨。視界12マイルを少しきっている。雲高は500m。』
管制『前線は地中海方面にギリシャまで伸びている。高度3500mで飛行されたし。』

神崎「126便、了解。何か変化があったら知らせてくれ。」

管制「テルアビブコントロール了解。」

神崎(それにしてもなんだってオートパイロットを切って飛ばにゃならんのだ…)

???「神崎。これは俺のお前に対する最後のテストだ。」

神崎「並川キャプテン!」

並川「いくら最新鋭機とは言ってもそれを動かすのは人間だ。その人間の力量が安全を確保するんだ。」
並川「このボーイング747を電子装置やオートパイロット無しで無事に東京まで飛ばせたら…」

並川「誰が何と言おうと俺はお前を国際線機長として認めてやる!」

神崎「!」

神崎「…いいでしょう。こいつを俺の腕1本で東京まで飛ばしてみせますよ。」


ザーザー…
キィィィィィィィィィィン…

真紅「足を伸ばせばもう地中海ね…。」

真「雨が降っているとは知らなかったな。」

88管制「エリア88コントロールよりシンへ!第3次攻撃隊で機位を見失ったまま地中海の出ちまったやつがいる!」
88管制「すまんが探して基地まで引っ張ってきてくれ!やつにはポーカーで貸しがあるんだ!」

真「了解!」

真紅「雲の上はしばらくお預けね。」

真「まったくだ。」

ゴォォォォォォォ…

ゴォォォォォ…

管制『テルアビブコントロールより大和航空126便へ。高度を2800mまで下げよ。』

神崎「126便、了解。」

並川「計器をよく見ていろ。雲に入る時よりも出る時の方が大変だからな。」

神崎「分かっています。」

ズズズズ……

キィィィィー…ン

真紅「あれね。」

真「エリア88コントロール!こちら真!第3次攻撃隊のやつは海に落ちたみたいだ!生存確認できず!」
真「ポーカーの貸しのことは諦めろ!俺も燃料がギリギリだ!そろそろ帰投する!」

88管制『エリア88コントロール、了解!』

真紅「さあ、帰りましょう。」

真「ああ、ギアアップ!」

ウイーン

ゴォォォォ…

真「やれやれ、やっと雲の上に出られる……ん?」

ゴォォォオオオオオオオオオ

真紅「民間機!?」

真「うおおおおおおおおおおおおおお!?」グイ!

真紅「キャッ!」

神崎「何!?」

ギュウウウウウウウウウン!

真「大和航空!」

真紅「日本の飛行機ね。」

真「あいつは南周り東京行き…。」

並川「あのパイロット相当いい腕をしているな。避けてくれなきゃモロに食らっていたぞ。」

神崎「ハァッ…ハァッ…」

並川「神崎!その状態じゃ無理だな。俺が変わろう。相手のパイロットに感謝するんだな。」

真「日の丸か…。」
真「俺は絶対日本の土を踏んでやる…。」

ゴォォォォォォォ…

灼熱の砂漠上空1万m…

真と真紅を取り囲む大気は今日も孤独だった…。」

はい、MISSION5完成です。
話のペースが速くてすみません。投下のタイミングも分からないので、あまり見てもらえる機会がないかもしれません。

MISSION6投下開始だ!

ウイーン

カシャッ

真「?」

???「おっと、そのままそのまま。動かないで。」カシャカシャ
???「熱砂の戦場で明日を戦う侍一人。」カシャ

???「いい顔してるぜ、あんた。」

真「日本人か?」

???「日本人に会うのは久し振りだろ?」

???「NP通信の六木剛ってんだ。」

真「六木…。」

六木剛「通称ロッキー。そう呼んでくれ。」

真「それぐらいにしてくれ。写真を撮られるの、好きじゃないんだ。」

ロッキー「つれないなあ。これでも商売なんだぜ。」

真「だったらあれなんか、あんたの好きそうな被写体だ。」

ゴォォォォ…

ロッキー「火が出てる!」

真「グレッグのスカイホークだよ。」


MISSION6 はるかなる戦い


キキッ

グレッグ「ええい!早く火を消してくれ!」
グレッグ「マッコイじいさん!マッコイじいさんいるか!」

マッコイ「あいよ。」

グレッグ「風防に一発喰らってよ。破片がヘルメットの中を跳ね回りやがった。ハハハハハ!」
マッコイ「アルコールじゃろ?ほれ。」ポイッ

グレッグ「あらよっと。命は大切にせんとな。」パシッ

マッコイ「大事にすれば一生使えるぞ。」

グレッグ「くぅ~、沁みるな。ヘアトニックより効くぜ。」

マッコイ「ほら。」ブン

グレッグ「よおし!燃料を入れてくれ!もっかい行ってくらぁ。戦車がうじゃうじゃいやがるんだ。」グルグル

ロッキー「今、火を消したばっかで、整備もしないでまた行くのか?」
ロッキー「ん?」

ゴォォォォォ…

ドキャ

ガッシャアアアアアアアアアン!

バクシー「ちっくしょぉぉう!ここまで来てへたばりやがって!」

一同「HAHAHAHAHAHAHA!」

傭兵A「バクシーのヘタッピ!」

傭兵B「てめえが下手だから悪いんだろ!」

グレッグ「命より飛行機を大事にしろぃ。」

バクシー「やかましいやい!この髭ダルマ!」

整備員「バクシー。お前の機はもう使えねえよ。」

バクシー「だぁ~、買ってまだ1ヶ月しか経ってないっていうのに。ぐぐぐ…。」

一同「HAHAHAHAHAHAHA!」

ロッキー「俺もずいぶんベトナムやアフリカで取材したが、これ程無茶苦茶とぁ知らなかった。」

真「度胆を抜かれたようだな。ここじゃ、当たり前のことさ。」コツコツ…


~真の部屋~

コンコン

真「?」ガチャ

ロッキー「やあ、入っていいかな?」

真「ああ…。」バタン

ギイッ

真「何かその…日本の話を聞かせてくれ。少しでいいんだ。」

ロッキー「日本の話か。いやぁ、俺もここ3年、日本には帰っていない。」
ロッキー「イギリスに本社があってな、ずっとヨーロッパで仕事してて。」

真「そうか…。」

ロッキー「日本に家族は?」

真「!……いない。」

ロッキー「外国か?」

真「…家族なんて、生まれた時からいないさ!」

真「…母親の顔だって…!」

ロッキー「そうか…マズイこと聞いちまったな…。」

真「日本人に会っただけで、気が休まったよ…。」

ロッキー「そりゃよかった。ところで…」


ロッキー「人殺しは楽しいか?」

真「!」

真「…好きでやってるわけじゃない。」

ロッキー「そうかな?外人部隊ってのは自分から志願して入ると聞いているが…。」
ロッキー「つまり金稼ぎたい傭兵が入るようなとこなんだぜ。好きできゃやらんだろう。」

真「違う!!俺はそんなんじゃ…」

ロッキー「じゃあ説明してくれよ。他のやつとどう違うんだ?」

真「そ、それは………」

ロッキー(こいつは…)


~司令官室~

サキ「ロッキー君。」
サキ「私はサキ・ヴァシュタール。アスラン王国空軍中佐だ。」

ロッキー「そして、ここの最高指揮官か。よろしく頼む。」スッ

サキ「どうして日本人の君がここへ?」

ロッキー「…いやあ、傭兵部隊の空軍はここしか無い。それに、日本人のパイロットもいるっていうからな。」

サキ「カザマ・シンのことか。」

ロッキー「なに、もう会ったがね。」

サキ「ロッキー君。ここでの取材は認めるが、ここは地獄の最前線だ。命の保証はしかねるぞ。」

ロッキー「ラジャー♪」

サキ「必要なものはスポットの端にあるマッコイの倉庫に行けばいい。大抵の物はあるはずだ。」

ロッキー「フィルムもかい?」

サキ「ティッシュペーパーから核弾頭まで、何でもな。」


~マッコイの倉庫~

ロッキー「マッコイじいさ~ん。」

マッコイ「おお、さっきの文屋さんかね。そろそろ来ると思っとった。」

ロッキー「え?」

マッコイ「いや、こっちの事じゃて。」

ロッキー「フィルム、35mmトライXを50本程。」

マッコイ「あいよ。」

ミッキー「近頃の文屋はフィルムも持たずに取材するのかい?」

ロッキー「あんた等は?」

ミッキー「ミッキーだ、よろしくな。」

翠星石「翠星石ですぅ。よく覚えておくですよ。」

ロッキー「可愛らしいお嬢さんだな。俺はロッキーだ。」

ロッキー「フィルムのことだがさっきの事故の時、炎天下にフィルムバックを放りっぱなしにしちまって、200本パァ~にしたのよ。」

ミッキー「ここじゃ、失敗は命取りだぜ。」

翠星石「でも、失敗は誰にでもあるから気にしちゃダメですよ~。」

ロッキー「あんた等もシンの仲間かい?」

ミッキー「あいつがどうかしたのか?」

ロッキー「ちょっと気になるヤツでね。俺も長年あっちこっちの戦場を飛び回ってきたから分かるんだが、」
ロッキー「あいつは兵隊の目をしてない。あんた達とは違うんだ。」

翠星石「え~。翠星石ミッキーと同じ扱いですか~?ちょっと嫌なんですけど~。」

ミッキー「そりゃどういう意味だ。」

マッコイ「流石だね、文屋さん。シンはミッキーなんかと違って、好きで戦争やってるんじゃないね。」

ロッキー「知っているのか?」

マッコイ「ここにはいろんな過去を持ったヤツがいる。じゃが、過去や経歴を語るヤツはおらんよ。」

ロッキー「だろうな。」

マッコイ「ほれ。」ボス

ロッキー「ああすまん。」

マッコイ「まだ300本ある。無くなったらまた来な。」

ロッキー「そいつは助かるぜ。」コツコツ…

マッコイ「え~っと~フィルム~50本~。」

翠星石「じじい、よそ者には随分親切ですね~。」

マッコイ「なに。あいつのバックを炎天下に放り出したのはわしじゃて。」
マッコイ「これでバッチリ儲かるわい。ハハハハハ…。」コツコツ…

ミッキー「ようやるわ…。」

翠星石「さすがクソじじいですぅ。」


~深夜~

ドォーーーン!

作業員A「1機落ちたぞ!」

作業員B「第1次攻撃隊のマーシャルだ!」

ウ~~ウ~~

ロッキー「乗せてくれ!」

作業員C「早く乗れ!」

ブロロロロロ…

シャーーーーー!

ロッキー「ごめんよ!」ドン

パシャパシャ

傭兵A「マーシャルは!?」

作業員D「だめだ。もう炭になっちまってる。」

パシャパシャ

傭兵B「またあいつかよ。」

傭兵C「死体なんか撮って何が面白いんだろうな。」

傭兵D「仕方ないだろ、あいつは仕事で来てんだから。」

傭兵E「あいつ等も結局は俺達と同じか。」

傭兵F「人の生き死にで食っていけるんだからな。」

傭兵G「ケッ!」

コツコツコツ…

???「貴方。」

ロッキー「?」

真紅「人の死に顔を撮るのが仕事なのね。」

ロッキー「何だい君は?」

真紅「私の名は真紅。今は真の主人よ。」

ロッキー「(主人?)そうかい、俺はロッキー、よろしく。」

真紅「でも、仕方ないわよね。それが貴方の仕事だもの。」

ロッキー「そうさ。俺達従軍カメラマンはみんな危険を承知で戦場に行く。でも…」

真紅「好きで行くわけじゃない人もいるのでしょう?」

ロッキー「…ああ。行くやつにもそれなりの理由があるんだ。」

真紅「真も同じような感じよ。」

ロッキー「なら知っているんだろ?なんで彼がここにいるのか。」

真紅「………」

真紅「彼は…日本に帰るために戦っているわ。」

ロッキー「日本に…?何故?」

真紅「彼は本心でこの基地に来たのではないのだわ。」


ロッキー「…そういうわけだったのか…。」

真紅「そう、彼を他の下劣な傭兵と一緒にしないでほしいのだわ。」

ロッキー「そうらしいな。俺はあいつにひどいことを言ってしまったようだ。」

真紅「なら謝った方がいいわ。彼もそこまで鬼ではないから。」

ロッキー「そうするよ。ありがとな、真紅ちゃん!」カッカッカ…

真紅「…………。」

真紅(真…ごめんなさい…)


真「………。」コツコツコツ…

ロッキー(人殺しは楽しいか?)

ロッキー(好きできゃやらんだろう。)

真「…好きでやるわけないだろ……ん?」

バクシー「…………。」

真「バクシー…。」

ロッキー「真…さっきはすまなかった。あんなひどいこと言っちまって。」

真「いや、いいんだ…。」

ロッキー「あいつは…。」

真「バクシーだ。ああして出撃していった仲間の帰りを待っているんだ。」

ロッキー「もう、帰っちゃこねえだろうにな。」
ロッキー「死んでいったやつら、一体どんな人生を歩んできたんだろうな。」

真「この基地には、いろんな奴がいる。」
真「元軍人、牧師、ボクサー、マフィアの幹部だったやつもいるさ。」
真「それぞれ口には出さないが、深い事情があるんだろうな。」

ロッキー「真はどうなんだ?」

真「フッ、真紅から聞いただろう?」

ロッキー「すまない、どうしても聞きたくてな。悪いのは俺…」

真「いいさ、別に怒ったりしないからさ。」

ロッキー「真…。」

真「それに…女の子を泣かせたら他のやつから袋叩きにされるしな。」

ロッキー「フッ、それもそうだな。」

真紅「バクシー。」コツコツコツ

バクシー「ようシンク。」

真紅「何を待っているの?」

バクシー「あんにゃろうが行ったっきり戻ってこねえんだ。」

真紅「グレッグのことね?」

バクシー「いや、大丈夫だろうな。きっと道草食ってるんだろう。」
バクシー「昨日あんだけ悪態ついてたんだ。そう簡単にくたばるわけないさ。」

真紅「…そうでしょうね…。」

バクシー「ミーティング、遅れるってサキに伝えといてくれ。」

真紅「分かったわ。」コツコツ…

ロッキー「…………。」

真「東京も…今頃は暑いんだろうか…。」

乾いた音をたてるモータードライブの音。

生を写しているのか死を写しているのか…。

ここはエリア88。悪魔に魂を売り渡した男たちの砦…。

MISSION6完成です。
ちなみに私はエースコンバットは未プレイです。
現実の戦闘機で好きなものは三菱重工のF-2です。

あと原作アレンジで行くと言ったな。あれは嘘だ。
どう見ても思いっきりOVA主体で話を進めています。
ですが、途中からは原作も交えていこうと思います。

MISSION7 投下開始!


~東京 大和航空本社~

安田「社長、お嬢様がお見えです。」

善三「おお、来たか。」

ガチャ

善三「ああ、涼子。わざわざすまないな。」

涼子「御用だと言うので…どうなさったの?お父様。」

善三「いやぁ。用というわけでもないんだが、さ。」

涼子「………。」ストッ

善三「私も年だし、いつもお前に私の仕事の代役ばかりやらせてすまないと思っているよ。」

涼子「そんなこと。」

善三「…お前の結婚のことでな。」

涼子「結婚?」


MISSION7 カラスたちの午後

善三「そろそろどうかと思って。」

涼子「ええ…でも私、今の仕事が好きだし、やっとコツを掴んだ所よ。」
涼子「少なくともお父様の役には立っているつもりだけど。」

善三「勿論だとも。自分の娘だから言うわけではないが、お前の仕事振りは実に優秀だと…」

涼子「だったらいいでしょう?まだ結婚は。」

善三「はぁ…。」

善三「…風間君のことが忘れられんのか?」

涼子「………。」

善三「気持ちは分かるが、彼はこの大和航空から去っていった男だ。私にとっては、飼い犬に手を噛まれたようなものだ。」

涼子「お父様!」

善三「私は風間君か神崎君をお前の婿にと考えていた。2人とも優秀だった。しかし、風間君がいない今…」

涼子「聞きたくないわ、そんなお話。」

善三「はぁ………。」


~秘書室~

ガチャ

安田「少しお疲れのようですね。」

涼子「結婚の話、断るの大変…。」

安田「お嬢様のことを思えばこそですわ。」

涼子「安田さん。女って思いでだけで生きていけると思う?」

安田「思い出は時間が経つにつれて美化されていくものですわ。」

涼子「かもしれないけど…。」

安田「それにしがみ付いていくこともできますけど、目の前の幸せを逃してしまうこともあります。でもお嬢様。」

安田「本当に風間さんを愛していらっしゃるなら、その心に忠実に従っていくべきだと思います。私はいつでも味方ですよ。」

涼子「…ありがとう。」


~エリア88~

傭兵A「早く発進しろ!グズグズするな!」

傭兵B「あとがつかえてんだ!さっさとやれ!」

真紅「朝から騒々しいわね。どういうことなの?」

ミッキー「よおシン。朝っぱらから騒がしいな。」

真「おはようミッキー。」

翠星石「真紅、おはようですぅ。」

真紅「おはよう。」

マッコイ「ようシン。お前も行くか?」

真紅「マッコイ。これはどういうことなの?」

マッコイ「ヘヘヘ、ランディが用もないのに自費出撃しやがるもんだからな。」

ミッキー「ミサイル売らんって脅して聞き出したらしいのよ。」

翠星石「じじいらしいですぅ。」

マッコイ「それでな、あいつが低空飛行してたときによ…」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

キィィィィィィィィィィィン…

ランディ「ん?」

ブロロロロ……

ランディ「敵の陸軍部隊かな?でも何もしてきやしねえ。」
ランディ「こっちは見えているはずなのに…。」
ランディ「試しにやつらの通信拾ってみるか。」ピッピッピ

『ザーーーーーー』

『…さが…せ…のはずだ…』

『…ルド…ゴールド…イ…ポータント…』

ランディ「ゴールド?」

『…輸送機…お…たはずだ…』

ランディ「輸送機…ゴールド…重要…!」グイ

グオオオオオオォォォォォ…

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

マッコイ「…ってなわけでみんなこぞって金探しの真っ最中さ。」

真「金…?」

真紅「私も聞いたことがあるのだわ。敵と取引する時には金塊か砂金が使われるらしいのだわ。」

ミッキー「そんなのうそうそ。ランディのガセネタに決まってらぁ。」

ロッキー「そうとばかりは言えんぞ。」

真「ロッキー。」

ロッキー「俺がアフリカで内乱を取材した時も一番信用されたのは砂金と塩だった。ドル札なんか紙屑同然さ。」
ロッキー「反政府軍が武器調達に砂金を使うのもおかしくはない。」

サキ「カラスめが…死肉に群がるカラスどもだ…。」

ミッキー「よおサキ。」

サキ「じいさん、マズイ情報を流してくれたな。これでは夜の作戦に出す人数を割くのが大変だぞ。」

マッコイ「そりゃ悪かったね。」

真紅「ところでマッコイ…。」

マッコイ「なんだい真紅。」

真紅「そうやっていくらもうけたの?」

マッコイ「なあに、情報提供料としてすこしな。」

翠星石「人が悪いですねじじい。」

サキ「シン、ミッキー、君達は行かんのかね?」

真「俺は砂金になんて興味無いしね…。」

翠星石「サキはどうするですか?」

ミッキー「金が見つかれば今後の軍資金にだってなるだろ?」

サキ「フッ」

サキ「敵の塩を当てにするほど我が国は落ちぶれちゃいないんでね。」コツコツ…


~深夜~

傭兵C「おーい!大変だ!」

作業員A「どうした!?」

傭兵C「グレッグが帰ってきたぞ!」

作業員A「何だって!?」

作業員B「あのヒゲダルマがか!?」

傭兵D「死んだと思ってたのに。」

ミッキー「あのヒゲダルマ生き残りやがったか。」

真「彼は血の気が多いからな。」

真紅(バクシー…よかったわね…)

真「どうした真紅?」

真紅「いえ、何でもなくてよ。」

ミッキー「よし!あのヒゲダルマを迎えに行ってやろうぜ!」

グレッグ「ハーックション!!」
グレッグ「ふい~。砂漠で寝てたら風邪引いちまったぜ。」

サキ「よく無事で戻ってきたな、グレッグ!」

グレッグ「ようサキ!あんたも元気でなによりだ!」

真「おかえり、グレッグ!」

グレッグ「よおシン!ありがとな。」

ミッキー「しっかしよく戻ってこれたな!」

グレッグ「いやぁ、輸送機が飛んでたもんだから近づいたら向こうからぶっ放してきてよ。」
グレッグ「相打ちになっておんなじとこに墜落しちまってな。」

真「輸送機?」

傭兵A「どんな輸送機だった!?」

傭兵E「何積んでた!?」

傭兵C「砂金はあったか!?」

グレッグ「何の話だ?」

傭兵F「お前が落とした輸送機に砂金が積んであったって話だ!」

グレッグ「砂金?」

グレッグ「そんなもんねえよ。中にいたのは変なおっさん1人と高そうな鞄2つだけだ。」
グレッグ「おっさんの方はもう死んじまってたが、書類鞄の方にはJ・C・ゴールドって名前が書いてあったな。」

サキ「J・C・ゴールド!?敵の作戦参謀だ!」

サキ「その書類はどうした!?」

グレッグ「なんかよく分からん字しか無かったからな。」
グレッグ「暖を取るのにだいぶ燃やしちまったな。」

サキ「も、燃やしたぁ!?」

グレッグ「紙ってのはあんまり暖まらないもんだな。お蔭で風邪引いちまったよ。」
グレッグ「残ったやつも鼻かんで捨てちまってもう残ってないだろうな。」

サキ「捨てただと…!?敵側の重要暗号書類をか!?」

真紅「とんだ愚か者ね。」

翠星石「このバカダルマ~!!ですぅ~!」

サキ「フフ…フハハハハハハ!!」

真「サキ?」

サキ「まったく、阿呆なカラス共だ。ゴールドという人の名を砂金と勘違いしててんやわんやで探しにいくわ、」
サキ「砂金なんかよりも大事な書類を燃やして鼻かんで捨てるわ!」

サキ「その暗号書類が手に入れば一気に敵を攻撃してこの国の内乱にケリがついたかもしれんのに!ハハハハハハ…」

カッカッカ…

一同「…………」

グレッグ「へぇ~、そんな大事な紙切れだとは知らなかった。」

傭兵B「なんでぇ、人の名前かよ。」

傭兵G「がっかりさせやがって…。」

傭兵A「ランディの阿保を吊し上げろ!」

ランディ「ちょ、ちょっと待て!」

ランディ「大体そんな紛らわしい名前のおっさんの乗った輸送機を落としたグレッグが悪い!」

傭兵C「そう言われればそうだ!」

傭兵E「よく分からんが大事な書類までパーにしやがって!」

グレッグ「え~!?俺かよぉ!」

真「待て!」

傭兵D「なんだよシン!」

ミッキー「お前等さっき何て言ってたか気が付かなかったか?」

傭兵F「さっき…?」

真紅「グレッグ、あなたさっき鞄が2つあったと言ったわね?」

グレッグ「ああ、紙切れの入っていたやつよりももっと高そうなやつがあったな。」

翠星石「どこにやったですか!?」

グレッグ「風邪でしんどくてな。滑走路渡る前に捨てたよ。」

真「どっちの方角だ?」

グレッグ「たしか…あっちだったな。」

傭兵B「あっちだ!」ダダダダダ

傭兵F「きっとあれが金に違いねえ!」ダダダダダ

ランディ「今度こそ金は俺のもんだ!」ダダダダ

一同「うおおおおおおおおおお!!」┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

ミッキー「ったく金金うるせえな。」

翠星石「まったくですぅ。金なんかじゃないのにです。」

真「金じゃない?何が入っていたんだ?」

グレッグ「それがよぉ…」

グレッグ「小さい女の子が入ってたんだよ。」

真「女の子!?」

ミッキー「そ、それでその子どうしたんだ?」

グレッグ「女の子かと思ったら人形で、えらい細かく造ってあってよ。動きだしそうで気味悪いからすぐ閉めて持ってきたんだよ。」

真紅「やはりね…。」

真「真紅、あの鞄の中身を知ってるのか?」
真紅「知ってるも何もあの中には…。」


真紅「私達と同じ、ローゼンメイデンが入っているのだから。」

真「何だって!?」

ミッキー「お前等と同じ人形が入ってるのか?」

真紅「ええ、正確には分からないけど、今いるローゼンメイデン6体のうちの1体があの中に入っているわ。」

傭兵D「あったぞ!」

傭兵H「どけ!俺のもんだ!」

傭兵I「この野郎!抜け駆けは許さんぞ!」

傭兵E「待ちやがれ!クソッタレが!」

バン!
ガチャ

一同「!!!」

傭兵A「何だこれ?」

傭兵I「女の子だぞ!」

傭兵F「女の子?」

ランディ「まさか…死体とかじゃないだろうな。」

傭兵B「バカ!気持ち悪いこと言うな!」

傭兵D「こいつ人形だぜ!」

傭兵G「新手のダッ○ワイフか?」

真「すまん、通してくれ!」

ミッキー「あいよ、通るぜ~。」

翠星石「どきやがれですぅ!」

真「…どうだ?」

真紅「間違いないわ。この子は第6ドール、名前は雛苺。」

真「雛苺…。」

サキ「シン!人形は見つけたか!?」

真「サキ!」

サキ「この子がそうか…これは好都合かもしれんな…。」

ミッキー「何が好都合なんだ?」

サキ「シンク。ローゼンメイデンには契約者が必要なんだろう?」

真紅「ええ。私達ローゼンメイデンは契約者を力の源として動いているの。」

サキ「そしてその雛苺とやらは敵の輸送機の中にいた…。」
サキ「ということは、その人形と契約したものは敵軍の中にいるということだ。」

真「まさか…!」

ミッキー「俺達みたいなのが向こうにも?」

サキ「ならば向こうがこの人形を取り返しに来るに違いないし、」
サキ「敵の戦力をこの人形から聞き出すこともできないことはないだろう。」

真紅「残念だけど、それは無理ね。」

サキ「何?」

真「なんで無理なんだ?」

真紅「この子は今誰とも契約していない状態なのよ。」
真紅「私達も、彼女の存在に気づいたのはグレッグが出て行った直後のことだから…。」

真「…まさか最初から輸送機には乗っていなかったのか?」

ランディ「じゃあ、なんで輸送機の残骸の中に?」

真紅「普通、契約する人間にはその前に人工精霊がその人間のもとに手紙を送るのだけれど。」

ミッキー「ああ、あの『巻きますか?巻きませんか?』ってやつだろ?」

グレッグ「それならあの紙切れの中に混ざってたな。」

真「まさか、お前『巻きますか』に丸付けたのか?」

グレッグ「面白半分におっさんが持ってたペンで付けてから置いといてな、燃やす紙がもう無えからその紙を使おうとした
らいつの間にか消えててよ。」
グレッグ「そしたら書類鞄の横にもう1つ鞄があったんだ。」

ミッキー「はぁ~。お前ってやつは…。」

真「…で、この雛苺とかいう人形、どうするんだ?」

真紅「『巻きますか』に丸を付けても別にグレッグが契約しなければいけないというわけではないわ。」
真紅「ねじを巻くのも巻かないのも貴方たち次第。よく考えることね。」

真「どうする?」

ミッキー「とりあえずグレッグ、ここはお前が契約しとけ。」

グレッグ「俺はどっちでもいいんだがな…でもこんな親父が契約しちまって大丈夫かね?」

真紅「雛苺は特に人間に対して好き嫌いは無いから誰でもよくてよ。でもね…」

真「でも?」

真紅「その子は1人になるのが嫌いなの。なるべく接してあげられる人に契約してもらいたいのだわ。」コツコツ…

ミッキー「1人が嫌いね…。」

グレッグ「…そうだろうな。」



グレッグ「どんなやつでも、ひとりぼっちは寂しいもんな…。」



1人戦う一匹狼。だが、彼は孤独を知らないわけではない。

他者とのふれあいが無い者はやがて他者から拒絶される。

ここはエリア88…。一匹狼たちが集う人生の交差点…。

MISSION7完成です。
最後のは狙ったわけではありません。マジです。
まどマギSSを見た直後ですが狙ってません。

お待たせしました。MISSION8投下します。


~エリア88~

傭兵A「チャーリーだ!不死鳥のチャーリーが戻ってきたぞ!」

傭兵B「あいつ足を洗ったんじゃなかったのか!?」

マッコイ「あいつ、また死にに来おったか。」

ミッキー「よおチャーリー!久し振りだな!」

チャーリー「ようミッキー、生きてたか。」

ミッキー「ハハハ、娑婆じゃ生きた心地がしねえだろ。」

チャーリー「そうだな。火薬のにおいが身体の芯まで滲み込んじまうとなかなかねぇ。」

ミッキー「と言ってここで命を張ってると、また娑婆が恋しくなる。」

チャーリー「そういうこと。行きつ戻りつ行き着く所はみな地獄よ。」

ミッキー「ハハッ。歓迎するぜ、よく帰ってきてくれた。」

チャーリー「サキは司令所か?」

ミッキー「いや、パリ経由で空輸ルートの交渉に出かけている。今日にも帰ってくるだろう。」

ミッキー「ようシン!シンク!紹介しておくぜ。不死鳥のチャーリーだ。」
ミッキー「カザマ・シン。お前がいなくなってからはエリア88のNo.1だ。2は勿論、俺よ。」

チャーリー「そこのお嬢さんは?」

真紅「私は誇り高きローゼンメイデンの第5ドール、名は真紅。真は私の下僕よ。」

チャーリー「(下僕?)…よろしくな、カザマ・シン。それにシンク。」


MISSION8 火薬の立ち込める大空


~フランス シャルル・ド・ゴール国際空港~

アナウンス『エア・フランスロンドン行き53便にお乗りのお客様は18番ゲートに。』
アナウンス『バンナム16便ロンドン経由サンフランシスコ行きは出発時刻が変更されました…』

涼子「通関も済ませたし後は…」

ドンッ

???「キャッ!」ドテッ

涼子「ああ、ごめんね。」

???「こちらこそごめんなさいかしら。」

サキ「どうも失礼しました、マドモアゼル。」

涼子「いえ、いいんです私が…」(すごい黒髪…)

サキ「失礼。さ、行こう。」コツコツ…

???「はいかしら~。」テクテク…

ここでちょっと補足。
涼子は父親からの呼び出しでフランスから日本に帰るところです。
また、原作では涼子の隣に安田さんが座っていますが、ここでは混雑のために涼子の2列後ろ、中央の座席になっています。そして涼子とサキの間に???が座ることになります。


~大和航空82便機内~

安田「お嬢様の席はここです。私は2列後ろの中央通路側におりますので、ご安心下さい。」

涼子「ありがとう。」

サキ「失礼。」ガチャッ

涼子「あっ!」

サキ「貴方もこの飛行機でしたか。」

???「あっ。さっきのお姉さんかしら。」

涼子「さっきはごめんね。えっと…」

???「カ・ナ・リ・ア。私の名前は金糸雀かしら。それにもう何でもないかしら。」

涼子「東京まで参ります。あなた方は?」

サキ「テルアビブで乗り換え、アスランへ。」

涼子「アスラン?」


~離陸後~

副操縦士「現在高度3万ft。」

神崎「よし、オートパイロットに切り替える。」

航空機関士「神崎機長、パリ管制から呼び出しです。」

神崎「ん、何だろ?」カチャ

神崎「こちら大和航空82便の機長、神崎。」
神崎「はい…はい…………何だって!?」

副操縦士「どうしました?」

神崎「こ、この飛行機に爆弾を仕掛けたやつがいる!。」

航空機関士「ええっ!?」

神崎「ど、どこに付け………何!?」

副操縦士「機長、犯人は?」

神崎「パリ警察に捕まったそうだ…。」

航空機関士「すぐに引き返し、乗客を避難させましょう!」

神崎「だめなんだ!」

副操縦士「どうしてですか!?」

神崎「高度を下げると爆発するんだ。気圧高度計と連動になっているらしい。」
神崎「左右の翼の付け根に2個、この機体を吹っ飛ばすには十分過ぎる量の爆薬だ。」
神崎「高度5000mで信管作動スイッチが入り、1万mで時限信管も作動するらしい。」
神崎「このままだとあと3時間で木端微塵だ。」

副操縦士「犯人の要求は?」

神崎「この機に乗っているある人物の命だ。」
神崎「つまり、これはハイジャックではなく暗殺計画なんだ!」


~客室内~

スチュワーデス「サキ・ヴァシュタール様ですね?」

サキ「そうだが?」

スチュワーデス「恐れ入りますが、あちらのラウンジまでお越し下さい。」

サキ「私に?」コツコツ…


~ラウンジ~

サキ「何!爆薬!?」

神崎「そうだ。あんた1人の為に、乗客300人がこの機と共に吹っ飛ばされるんだ!」

サキ「クッ…。」

神崎「おい!何とか言ったらどうなんだ。一体お前は何者だ!?誰があんたを!?」

サキ「…私を殺したいやつはたくさんいる。」
サキ「私はアスラン国政府軍の空軍中佐だ。そして、反政府軍に最も損害を与えている外人部隊の司令官でもある。」

神崎「外人部隊?」


~エリア88~

真「何だって!?大和航空!」

サキ『そう、日本の飛行機だ。』

真「………。」

ミッキー「で、爆発物の種類は?」

サキ『機体の重量チェックにかかっていないから、プラスチック爆弾だと思う。』

翠星石「なんてこった!ですぅ!」


ゴオオオオオオオオオ

サキ「あと2時間で爆発する。」

真「に、2時間!?」

サキ「高度は下げられん。お前達の腕一本に300人以上の命が係っている。」

真「ちょっと待てサキ。飛んでる飛行機に近付くか、翼の下に潜り込むか、どちらにしても俺のタイガーⅡでは…」

チャーリー「サキのクフィールはどうだ?」

真「チャーリー!」

チャーリー「サキ、たしかこの前クフィールが2機基地に入ってきたよな?」

サキ「ああ。何なら使ってもかまわん。」

チャーリー「クフィールはデルタ翼機で、しかも空気取り入れ口の横にカナード翼を付けている。安定性なら並の乗っている機の比じゃない。」

チャーリー「それに、88に来たやつの搭載機銃は一発撃ちができるデファ30mm機関砲だ。」

真「それにしても高度1万mだぞ。ドジれば全員一巻の終わりだ。」

真紅「何で私達を選んだの?」

サキ「殺し方の上手いやつなら、活かし方も心得ているはず。伊達にエリア88のNo.1、2と呼ばれているわけでもあるまい。」

神崎(エリア88!?)

サキ「コンタクトポイントはRL22C。今から30分で飛んで来い。シン、ミッキー、頼んだぞ!」

神崎(…し、真!)


ゴオオオオオオオオオオ

真(フッ…大和航空の国際線か…。中東の空で巡り合ってもおかしくはないか…)

真(涼子…。君は今どうしてるんだ……?)

真紅「真、あれよ。」

ゴォォォォォォ…

真『サキ!爆弾は確認した!』

グォォォォォォ…


~大和航空82便機内~

金糸雀「むぅ~~。サキ、遅いのかしら~。」

涼子「大丈夫よ、カナリアちゃん。もうすぐ戻ってくるわよ。」

金糸雀「カナ、ちょっと偵察に行ってくるかしら~。」ストッ

涼子「ええ!?大丈夫?」

金糸雀「すぐ戻るかしら~。」テテテテ…

ゴオオオオオオオ

真「だめだ。エンジンポッドが邪魔をして、斜め後方からの射撃は無理だ。」

翠星石「じゃあ前からやるですぅ!」

グオオオオオオオォォォォォォ

真「無理だ。あの小さなターゲットに照準を付けるには、スピードがあり過ぎてなおさら難しい。」

ギュゥゥゥゥゥゥゥゥン!

ミッキー「どうすんだよ!後ろからだって胴体の下をギリギリターゲットに接近させるには、垂直尾翼が邪魔になるぜ!」

神崎「あんたの部下がいくらいい腕でも、この飛行機の腹に付いている爆弾を削ぎ落とすなんてのはとても無理だ!」

サキ「だが、このまま死ぬよりはいいだろう!」

ミッキー「シン!グズグズしてたってらちがあかねぇ。一発やってみるか?」

真「ミッキー!」



金糸雀「逆さまでやればいいかしら!」


一同「……!?」

サキ「カナリア!どうしてここに?」

金糸雀「ラウンジに行っても誰もいないからここまで来てみたら話し声が聞こえたのかしら。」

神崎「おいおいお嬢ちゃん。今は忙しいんだ。悪いが席に戻っててくれ。」

サキ「そうだ、今はとても忙しい。自分の席に戻っててくれ。」

金糸雀「むぅ~~。」

真『サキ!』

サキ「どうしたシン!?」

真『さっき、何て言った!?』

サキ「さっき…?」

真『そこの女の子、さっき何て言ってた!?』

サキ「ああ、逆さまでやればいいと………ハッ!」

真「そうだ!背面でやれば垂直尾翼が邪魔にならない!」

ミッキー「何!?宙返りした状態で旅客機の腹の底を潜り抜けるのか!?」

真「照準を合わせるのはそれしか無い。ミッキー、右をやれ!俺は左だ!」

ミッキー「よおし!やったろうじゃないの!」

真「こちら真!今からターゲットに向かう!」

ゴオオオオオオオオオオ
グルーーーーーーン…

ガタガタガタガタガタガタガタ

乗客A「ど、どうしたんだ!?」

乗客B「なんだこの揺れは!?」

神崎「クッ!」ガタガタ

サキ「来るぞ!操縦桿をしっかり固定しろ!」ガシッ

ゴオオオオオオオオオオオオ

真紅「今よ!」

真「当たれ!」カチッ

ドォン!
パキューン!

ゴオオオォォォォォ…

翠星石「こっちもやるですぅ!」

ミッキー「それっ!」カチッ

ドォン
パキューン!

ゴオオオオオォォォォォ…

ドォォォォォォォン…ドォォォォォォォン……

真「やった!」

ミッキー「ふう!死ぬかと思ったぜ。」

サキ「2人とも流石だ。よくやってくれた。」

神崎「お、恩に着る…。」

サキ「礼ならあの2人に言ってくれ。ミッキー・サイモンに、カザマ・シンだ。」ガチャ

神崎「………!!」

ゴォォォォ…


神崎「…真…!」


安田「お嬢様、軍用機が。」

涼子「………!」

金糸雀「ただいまかしら~。」ストン

涼子「おかえりなさい。」

サキ「………。」ストッ

涼子「何でしたの、今の?それにあの戦闘機。」

サキ「何でもありません。あれは私の部下です。」

涼子「…………。」

真「…………。」

翠星石『何ボーっとしてやがるですか真!さっさと帰るですよ!』

真「あ、ああ。」




真(…さよなら…大和航空…)




ゴオオオォォォォォォ………

MISSION8完成です。
僕はエリア88は知っていますがローゼンメイデンには疎いのであまり話に絡ませる自信がありません。
ですが、彼女たちの能力や性格次第では本来死亡するキャラを生き残らせようとも考えています。
それではまた。

みなさん、お待たせしました。MISSION9投下します。

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

ドカアアアアアアアアアアアン!!

ヒュゥゥゥゥゥゥゥウウウウウウウウウウ

ドオオオオオオオオオオオオオン!

ゴオオオオオオオオォォォォォォォォ…



MISSION9 傭兵対傭兵


~エリア88 ブリーフィングルーム~

サキ「被害状況は、全損が15機。大破が20機。小破が5機。」
サキ「足の速いやつはほとんどやられてしまった。」

真紅「ファントム機も全滅…。まともな戦闘機は残っていないようね。」

真「今回の襲撃の被害は酷いな。ツイてないぜ。」

ミッキー「これはツキのせいじゃないぜ。」

サキ「どういうことだ、ミッキー。」

ミッキー「レーダーを掻い潜って超低空侵入。」
ミッキー「うち1隊が上空制圧、残り3隊で滑走路を中心として左右を攻撃。」
ミッキー「上空の1隊が攻撃漏れを潰していく…。」
ミッキー「俺がベトナムで散々やった方法だ。」

真「つまり、奴らも傭兵か?」

ミッキー「それも、プロ中のプロだな。」

真紅「厄介な相手ね。」

翠星石「こっちには戦術戦闘機が1機も無いですし…どうするですか?」

サキ「その件に関してだが、1ヶ月もすればマッコイじいさんがなんとか調達してくるそうだ。」

真「さすがじいさんだな。だが、その間にも敵は攻めてくると思うぜ。」

サキ「それも大丈夫だ。軍本部から10機ほど回してもらえる。」
サキ「そして、この10機のパイロットはこちらで指名させてもらう。」

サキ「シン!ミッキー!グレッグ!バクシー!ランディ!ロバーツ!フーバー!ベンスン!チャーリー!」

サキ「以上9名、今から機体を受け取りに行く。」
サキ「傭兵対傭兵。こちらも編隊を組んで攻撃だ。」

サキ「編隊長は私が務める!」


~本部に向かうヘリの中~

サキ「今回支給される機体だが、代金を払う必要はない。その代り、私の命令に従ってもらう。」
サキ「命令拒否は認めん。その場で銃殺だ。」

グレッグ「いつまであんたの命令で行動しなきゃならないか、期限を決めておこうじゃないか。」

真紅「そうね。相手は傭兵だけど、こちらもアスラン王国に雇われた傭兵だもの。お金さえあれば自分の命を買うこともできるのだから…。」

チャーリー「それに新型機の費用を相[ピーーー]るにしてもずっとサキの命令を聞くのは高くつきすぎる。」

サキ「いいだろう…では…。」

サキ「2か月!2か月間私の命令で行動してくれたら、費用はタダで撃墜数分だけ報酬は出そう。」

フーバー「武器、弾薬、燃料は?それに修理と整備もだ。」

サキ「全部こちらでもとう!」

ミッキー「いいだろう。妥当な条件だ。」

グレッグ「みんなは?」

ベンスン「それでいい!」

フーバー「引き受けよう!」

雛苺「わぁ~い!みんなでお出かけなの!」

翠星石「お前みたいなチビは家に帰って寝てればいいですぅ。」

雛苺「むぅ~!ヒナもみんなのお友達なの~!」

真紅「そう言わないの。雛苺はグレッグと契約したのだから、なるべく一緒にいた方がいいのよ。」

グレッグ「俺としては戦場にまで連れてくるのには気が引けるが…。」


~翌日 上空~

ゴオオオオオオオオオオオオオ

ママ・ウルフ「No.2からNo.4、左に旋回しろ!No.5からNo.8は俺に続け!」

一同『イエッサー!』

ママ・ウルフ「ママ・ウルフよりパパ・ウルフへ!攻撃パーティは完成した。「ブラッディ・スクリュー」開始までこの隊
形を維持する!」

パパ・ウルフ『了解!』

ウルフパック3『ウルフパック3よりパパ・ウルフへ!エリア88の連中が発進したようです!』

パパ・ウルフ「中東の空で同じ外人部隊同士の一戦だ!丁重にお迎えしろ!」

カギン

ザパァァァン!

ウイーン

ゴオオオオオオォォォォォォ…

サキ「敵側の傭兵部隊のデータを教えておく。」
サキ「使用機種はミグ27D。15機程のチームだ。」
サキ「対地対空攻撃に抜群の腕を持っている。」
サキ「コードワードはウルフパック。編隊長は通称「パパ・ウルフ」。」
サキ「チームの癖戦法は…不明。」

ゴォォォォォォォォォォ…

チャーリー「面白れえ。敵さんのお手並みを拝見させてもらおうか。」
チャーリー「ついでにエリア88、No.1の腕前もよ。」

真「…………。」

サキ「レンジON!散開!」

グオオオオオオオオオォォォォォォォ

バシュ!

ドオオオオオオオオオン!

ズ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨ドドド!

ドカアアアアアアアアアアアン!

ベンスン「くそ!周りは全部敵の機体だ!」

真紅「これじゃ編隊の組み直しは無理ね。」

ママ・ウルフ「ハハハ!まんまと囲いの中に入ったな!さあ、とっくりと味わうがいい、「ブラッディ・スクリュー」の恐ろしさをな!」

グオオオオオオオオオオオ!

グレッグ「何!?」

バリィィィィィィィィィン!

グレッグ「うおっ!」

雛苺「キャッ!」

グレッグ「ブハッ!」

真「グレッグ!」

真紅「どうやら衝撃波でキャノピーが割れたようね。」

雛苺「大丈夫?」

グレッグ「な、何とか…」
グレッグ「…う…吹き出した血が渦を…。」

ママ・ウルフ「どうだ!これがブラッディ・スクリューの恐ろしさだ!」

グレッグ「この野郎!」グイッ

ギュウウウウウウウウン!

ママ・ウルフ「反転したか…思うツボだ!せいぜい苦しめ!」

グレッグ「あんのや…!!」ギリッ

グレッグ「うおおおおおおおおお!!」

ママ・ウルフ「耐Gスーツが身体を締め付けて、もっと血が吹き出すことになるぜ!」
ママ・ウルフ「高度を下げたところを狙い撃ちしてやる!No.2、3、4、かかれ!」

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨!

ドン!ドン!ドン!

グレッグ「ハァ…ハァ……ッ!」

真紅『グレッグ、上よ!急上昇しなさい!』

雛苺「グレッグ!起きて!起きるの~!」

グレッグ「………ハッ!!」グイッ

ギュウウウウウウウン!

ママ・ウルフ「何!?血が無くなるぞ!」

ゴォォォォォォォオオオオオオオオオ

真「くそっ!一体どうすれば…。」


金糸雀『目には目を!歯には歯をかしら!」

真紅「金糸雀!?」

金糸雀「敵の戦法が分かったのかしら。」

翠星石「それは何ですか!?」

金糸雀「飛ぶときに出る衝撃波でキャノピーを破壊してパイロットを負傷させているのかしら。」

真紅「成程。機体は動くからパイロットは最後の1滴まで血を流しながら戦い続けるのね。」

真「よし!いくぜミッキー!」

ミッキー「おう!ドジるなよシン!」

ゴオオオオオオオオオオオ!

ウルフパック「ギャッ!」バリーン!
ウルフパック「ブッ!」

ドォォォォォォォォォォン…

ママ・ウルフ「ママ・ウルフよりパパ・ウルフへ!応援をよこしてくれ!」

パパ・ウルフ『ママ・ウルフへ!こちらは別口のエリア88の編隊と交戦中だ!』

ママ・ウルフ「何!?しまった!やつ等も二手に別れていたのか!」

ギュゥーン!

サキ「逃がすか!」

グレッグ「サキ!そいつは俺にやらせろ!」

サキ「グレッグ!」

ミッキー「おい、グレッグ!これ以上無理に動くと血が無くなるぜ!」

グレッグ「あんちくしょうの息の根を止めるのは俺だ!」カチ

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨!

ママ・ウルフ「うわっ!」

ドォォォォォォォォォォン…

雛苺「グレッグ、大丈夫?」

グレッグ「ああ、耐Gスーツのホースなんざ引きちぎってやった。」

真「まったく。グレッグの血の気が多くて助かったぜ。」

グレッグ「まったくだ。」

サキ「とにかく、みんな機体を捨てずによく頑張ってくれた。」
サキ「今、エリア88にはこの10機しかないんだからな。」

ミッキー「よく言うぜ。流した血の分は払ってくれよ。」

サキ「帰ったらオイルでも入れておけ。」


狼たちが牙をむいて天空を駆けた…

牙と牙がかみあって散らせる火花は男達の魂の色…

ここはエリア88。狼達の駆ける空…

はい、短いですがMISSION9完成です。
ここで補足を入れたいと思います。
この時、涼子と安田は真が生きていることをロッキーが撮った写真が掲載されている雑誌で知ります。
そして、テルアビブ経由でアスランへ行こうとする途中で涼子はジョゼを引き取ります。
詳しくはWikiで。

続けてMISSION10投下します。

ブオオオオオオオオオオオン!

コントロール『部品が来たぞ!整備班は集合せよ!集合せよ!」

マッコイ「よっと!」スタッ

キィーン…ゴゴゴゴゴ…

マッコイ「悪魔共は相変わらず元気だな。」


MISSION10 隔たりに中で

キャンベル「やあマッコイ、おかえり!」ガチャ

マッコイ「よおキャンベル。生きてたようだな。」

キャンベル「砂漠は細かい埃が多くてな、すぐ隙間に入りやがる。」
キャンベル「スイス製の機械油は仕入れてくれたか?」

マッコイ「勿論だとも。10ダースもあるから半年はもつだろう。」

キャンベル「そいつはありがてえ。」

マッコイ「そろそろベアリングも取り換えねえといけねえんじゃねえか?」

キャンベル「まあな、でももうちょいいけそうだ。油は俺の部屋に運んどいてくれや。」

マッコイ「あいよ!」

ガッチャンガッチャン…

真「おかえりマッコイじいさん!」

真紅「おかえりなさい。」

マッコイ「ようシン!シンク!お前等も相変わらずだな。」
マッコイ「そうだ!お前等に土産があるんだ。」ゴソゴソ…

真・真紅「?」

マッコイ「これさ!」スッ

真「カップラーメン?」

マッコイ「代金はいらんよ。お前さん達はウチのお得意様だからな。」

真紅「どうかしら。その代わり別に買ってもらいたいものがあるとか言うのでしょう?」

マッコイ「失敬な、そんなの当たり前じゃねえか。」

真・真紅「……………。」

真「…今度は何売りつけるつもりだい?」

マッコイ「レーダーの部品さ。マトラ社がミラージュ用に開発したレンジ・ブースターの一種なんだが。1000ドルでどうだい?」

真「買ってもいいけど俺のクフィールに搭載できるかな?」

マッコイ「多分大丈夫だろう。それに、搭載すれば今までの倍以上のレンジ幅を持つことができるぜ。」

真紅「その性能で1000ドルでは安すぎるのではなくて?何か裏でもあるのでしょう?」

マッコイ「さすがシンク、鋭いねえ。」
マッコイ「実はそいつ、猛烈に電気を食うんだ。1分以上使うとヒューズが飛んでしまう。」
マッコイ「それで開発中止になったのを買ってきたんだ。」

真「だから1000ドルね…。」

マッコイ「性能は保障するぜ。敵なんかあっという間に見つけられるから。」

真「分かった。機体をハンガーに入れておくから搭載してくれ。」

マッコイ「毎度ありー!」


~ハンガー~

整備員A「回路チェック!」カチッ

パッ

マッコイ「よし、OKだ。パワー入れてみるか。」

整備員B「電源車のスイッチを入れろ!」

整備員A「OK!」

真「近距離マーク!レンジ幅2度!」パチッパチッ

ピキッ…ピキッ…

真「金属反応があるぜ!」

真紅「滑走路の端を誰かが歩いているようね。」

マッコイ「お…ありゃキャンベルだ。あいつの義手や義足に反応しているんだ。」

真「へぇ、こいつはすごいな。」

真紅「真、そろそろ1分よ。」

真「そうか。電源車スイッチOFF!」

ウゥゥゥゥゥゥン…

真「1分しか使えないのが問題だな…。」

真紅「だから安値の1000ドルね…。」


~上空~

真「こちら真!F地区を索敵中!敵影見えず!」

管制塔『コントロールよりシンへ!攻撃隊はもう出発した!』

真「何!?」
真(もう少し待てなかったのか…)

真「敵の追跡機がウロウロしてるってのに…。」

真紅「こういう時こそあのレーダーを使うべきではなくて?」

真「仕方ない。1分に懸けてみるか…。」
真「レンジON!」パチッ

パッ

真紅「ブースターON。秒読み開始」カチッ

ピキッ…ピキッ…

真紅「1…2…3…」

ピッピッピッ…

真紅「16…17…18…19…」

真(1分…1分以内に探すんだ…!)

真紅「29…30秒。31…32…」

ピキッ…ピキッ…

真紅「48…49…あと10秒。」

真「くそ!」

ビービービー

真「だめか…これ以上やるとレーダーが全部駄目になる…。」クッ

ピピピピピピ

真紅「敵機発見!」

真「サイトON!オートシュート!」

ビィィィィーン
パッパパッパパパ

真「追跡機6機!全弾発射!」カチッ

バシュッバシュッ!
ゴォォォォォ…

真「…………。」

ピッピピッ…

真紅「…………。」

ピッ

真紅「全機撃墜。」

真「ふぅ…。」カチッ
真「エリア88コントロール!こちら真!ただいまF地区グリーン!これより帰投する!」

ゴォォォォォ…


~エリア88~

シュゥゥゥゥン

マッコイ「よう2人とも、ご苦労さん!」

真「ただいまじいさん!」

マッコイ「レーダーの調子はどうだい?」

真紅「まあまあという所ね。」

整備員A「おーい!キャンベル達が帰ってきたぞ!」

整備員B「3機とも穴だらけだ!」

ゴォォォォ…

真「あれは…キャンベルの機体だ。」

真紅「火が出ているわね。」

キキッ ガシャ!

真「あっ!」

ドォォォォォォォォン…

ウ~ウ~ウ~

整備員C「ほらよ、お前の義足だ。」

キャンベル「あ~あ、ひでえなあ。丸焼けだ。」

真「ヒヤッとしたぜまったく。」

ジャクソン「死んだかと思ったよ。」

真紅「爆発寸前で脱出できてよかったわね。」

キャンベル「でも足をステップにかまれたまま飛び出しちまったからな…。」
キャンベル「義足でなきゃ今頃あの世行きだな。もうけもうけ!」

マッコイ「キャンベル。足のスペアは3日程したら届くよ。」

キャンベル「おう、ありがとよマッコイじいさん!ニューイヤープレゼントとしてタダってわけにはいかんかい?」

マッコイ「ずうずうしい子供にはプレゼント無しよ!」

一同「ワハハハハハハハ!」

MISSION10完成です。それではまた。

お待たせしました。MISSION11投下します。


~エリア88 ハンガー~

ガシャン!

整備員「だめだこりゃ…完全にオシャカになっちまってらぁ!」

真紅「原因はやはりあのレーダー?」

整備員「まさかねぇ。通信回路とはまた別の回路だから電圧負荷がかかるってことは無いと思うんだけどね。」

真「でもあのレンジブースターを付けてからだぜ!ガチャガチャになったのは!」

真紅「通信管制で殆ど使用することは無いけど、耳元で雑音が入ると耳障りなのだわ。」

整備員「ま、とにかく全部の回路をチェックし直すよ。」

真「じゃあ、今日の出撃は無理かな?」

整備員「そうだな。乗機整備中ってことでサキに報告しておくから、今日はのんびり寝てたら?」

整備員「いざとなったら新しい通信機と交換しなきゃならんかもな。」

マッコイ「なら手頃なのが3つほどあるぜ!」

整備員「マッコイじいさん!いつの間に来てたんだ?」

真「これだかんね…。」

マッコイ「アメリカ製が新型で2500ドル!西ドイツ製が3000ドル!日本製が3500ドル!いずれも有名メーカー品!」

真紅「マッコイ…あのブースターはそのつもりで売りつけたのかしら?」

マッコイ「何を言う!?人聞きの悪い!」


MISSION11 怒りの操縦桿


~日本 新東京国際空港~

神崎「やあ、安田さん。」

安田「神崎機長…。」

神崎「涼子さん、中東に行かれるんですってね。」
神崎「安心して下さいよ。今日の82便は私が操縦しますから。」
神崎「お嬢さんが乗られると聞いて急いで機長を交代してもらったんですよ。」

安田「まぁ…それは安心ですわ…。」
安田(なんてこと…わざわざ外して予約したのに…)

神崎「仕事絡みの旅行ですか?」

安田「ええ…テルアビブの支店や代理店の様子を見て、あとはアラビアンナイトの世界見て歩きたいのが本音ですわ。」

神崎「でもまぁ、アスランは今内乱状態なので気を付けてくださいよ。」

安田「ええ…勿論ですわ…。」
安田(この男…何か感づいている……)
安田「じゃ、私VIPルームに行きますのでこれで…。」

神崎「そうですか。じゃあ後で僕も行きますから。」コツコツ…


~VIPルーム~

安田「え!?この子も一緒に!?」

涼子「ジョゼフィンと言うのよ。今日から旅行の仲間よ。」
涼子「こちらは大親友で秘書でもある安田さん。」

ジョゼ「ボンジュール!マドモアゼルヤスダ。」
ジョゼ「とても魅力的だわ!リョーコから聞いてたよりずっと素敵!貴方を好きになれそうよ!」

安田(いかん…子供に飲まれかけている…負けそう…)
安田「お、お嬢様。ちょっとこちらへ…。」

涼子「何?」

安田「犬や猫の子じゃないんですよ!それに今回の旅行の目的が違うでしょ!」

涼子「でも…あの子の立場を考えるととても他人事とは思えないのよ。真も昔ああだったから…。」

安田「真…真…真…何でも真!ええ、いいですわよ。訳を聞きましょ!」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

安田「…………まぁ…。」ホロリ
安田「あんまりよ~!可哀想に!!」よよよよ…
安田「いいでしょう…。この安田が引き受けます!ええ、任せてください!」

涼子「ねっ!」

ジョゼ「うん!」


~エリア88~

ゴォォォォォ…

ドキャッ!

ヒュゥゥゥゥゥゥゥン…

ミッキー「シン!」

真「ミッキー。」

ミッキー「どうだ、無線は直ったか?」

真「いや…。」

翠星石「じゃあ何してるですか?」

真紅「マッコイの罠にまんまとはめられて無線機を交換することになったのよ。」

真「どれがいいか選んでんだ。」

フーバー「メーカーは?」

ミッキー「よう、フーバー。」

真紅「アメリカ製、西ドイツ製、日本製の3つ。」

ミッキー「シン、そりゃあなんたってアメリカ製を使うべきだ。」

フーバー「いや、通信機は西ドイツ製だ。なんたっていっちゃん良い!」

ミッキー「何がいっちゃんでえ!エレクトロニクスはアメリカ製だ!」ケンケン

フーバー「何を言う!精密機器は西ドイツ製に決まっている!」ゴーゴー

ギャーギャー

マッコイ「決まったか?」

真・真紅「日本製にするよ(わ)。」


~とある上空~

管制『テルアビブコントロールより大和航空82便へ!』

神崎「こちら82便!どうぞ!」

管制『空港が混雑している!しばらく上空待機となるがいいか?』

神崎「燃料はあるから5分以内であればいい!」

管制『了解!なんとか5分以内にカタをつける!』

グレイ『コントロール!パンナム61便のグレイだ!燃料があまり無いんだ!大和82より先にならんか!?』

神崎「パンナム61のグレイ機長!俺は大和82の神崎だ!あまり勝手なことをぬかすな!降りたいのは誰だって同じなんだ!順番を待て!」

グレイ『なにをー!このジャップめ!カンザキとか言いやがったな!降りたら覚えてろ!』

管制『コントロールより!航空無線で喧嘩するんじゃない!』

神崎「やるかコノヤロー!」


~エリア88~

真「パワーON!」パチン

真紅「周波数セット。」キリキリ

真「コントロール!聞こえるか!?」

管制塔『ああ、聞こえる。前より良い声に聞こえるぜ!』

真「歌でも聞かせてやろうか!?」ニッ

管制塔『いや、遠慮しておく!』

ミッキー「この頃コントロールも言うようになったな。」

真「なんでぇ、せっかく聞かせてやろうと思ったのに…。」

管制『アリタリア101便!高度3000mに下げろ!ルフトハンザ91便!6000mで待機せよ!』

真紅「民間周波は相変わらず混んでいるわね…。」

管制『パンナム61!勝手に高度を下げるな!大和82!8000mでもう少し待ってくれ!』

真(大和航空…)

グレイ『パンナムのグレイだ!これ以上は待てん!大和82便より先に降ろしてくれ!』

真紅「だいぶ焦っているようね。」




神崎『82のカンザキだ!順番が待てないなら他の空港に行け!グレイ!!』




真「神崎!!」


真紅「真?」

真「神崎…神崎………貴様…!」

ミッキー「シン、どうした?」



真「…ミッキー、離れろ。」



ミッキー「は?」

真「機体から離れろ!!死んでも知らんぞ!!」シュゥゥゥゥゥン

ミッキー「何?」

ゴオオオオオオオオオオオ!

真紅「真!何をする気なの!?」

真「神崎!貴様の息の根を止めてやる!そこを動くな!!」

キイイイイイイイイイイン!

ミッキー「シン!」

翠星石「早く追いかけるですぅ!」

ゴオオオオオォォォォォォォ…




真(殺してやる…殺してやる…貴様をこの手で葬ってやる…)




MISSION11完成。続けてMISSION12投下します。

管制『テルアビブコントロールより大和82!ルフトハンザ93が着陸した!アプローチを開始してくれ!』

神崎「大和82了解!」
神崎「ギアダウン!フラップ15度!」グイッ

ゴォォォォォ…

神崎「大和82よりコントロールへ!北側より計器進入する!」

管制『コントロール了解!』
管制『コントロールより大和82の上にいる軍用機へ!接近しすぎだ!離れろ!』

神崎「コントロール!上に何かいるのか?」

管制『空軍の軍用機だ!君の真上だ!』




真『神崎…よくも…俺を…!』




神崎「真!!」




MISSION12 激情の大空

ゴォォォォォォオオオオオオオオオ!

真「貴様ぁあああああああああああ!!!」

真紅「真!やめなさい!」

神崎「くそ!」

ゴオオオオオオオオオオ!

乗客A「きゃああっ!!」

乗客B「わあっ!!」

安田「お嬢様!」

涼子「どうしたの!?一体何があったの!?」

ギュウウウウウウウウン!

真「逃げても無駄だ!旅客機が戦闘機から逃げられるか!!」

神崎「止めろ真!!こいつには涼子が乗っているんだ!!」

真「涼子!!」ビクッ

カチッ

バアン!

真「おわーーー!!」

ギュウウウウウウン!

真「りょ、涼子が…あの機に!?ばかな!!」

安田「お嬢様!」

涼子「安田さん!」

スチュワーデス「機長!一体何事ですか!?」

航空機関士「コントロール!大和82だ!攻撃を受けた!どういうことだ!?」

管制『コントロールより!今調べている!』

神崎(くそ…真のやつ…なんてことをしやがる!)

ゴォォォォォ…

真紅「真!貴方なんてことを!」

真(涼子…涼子…何処にいる!?)

涼子「…………。」

真「涼子!!」

安田「危険ですわ!窓から離れて!」

涼子「ええ、でも…。」

ジョゼ「リョーコ。あのパイロットの人、何か言ってる…。」

涼子「え?」

ゴォォォォォ…

真「くそ!ヘルメットを着けていては分からんか!」カチッ

真紅「真!今すぐ旅客機から離れなさい!命令よ!」

安田「お嬢様!!」

涼子「待って!ヘルメットを取ろうとしているのよ。」

真「くそ!」

涼子「あっ!」

グオオオオオオオオ!

真「あっ!」

ギュゥゥゥゥゥゥゥゥン…

ミッキー「シン!民間機を撃つなんて気でも狂ったのか!?」

真「ミッキーか!どけ!!どかんと撃ち落すぞ!!」

真紅「いい加減にしなさい!!」キイイイイイ

真「真紅!お前も止めようとしたら外に…グッ!」

ギュウウウウウウン!

真「あ、熱い…!ゆ、指輪が…!」

真紅「私は貴方を媒介にして動いている。力を使い過ぎれば貴方は指輪に取り込まれる…。」
真紅「取り込まれたくなければ今すぐ落ち着きなさい!」

真「ぐ…………わ、分か……った…。」

真紅「よろしい。」シュゥゥゥゥゥ…

ゴォォォォォ…

真「ハァ…ハァ…ハァ…」

サキ『シンは落ち着いたか?』

真紅「ええ、何とかね。」

サキ『シン、基地に戻るんだ!さもなければ撃墜するぞ!』

真「ご…後生だ…サキ…た、頼むから…み、見逃し…てくれ…。」ハァ…ハァ…
真「俺…の…事を………俺が…生きていることを…伝えなけれ…ば…。」ハァ…ハァ…

サキ「だめだ…シン!」
サキ「これ以上あの旅客機の周りをうろついてるとイスラエルの軍用機が上がってくるぞ!」
サキ「我々アスランはイスラエルとは友好関係にあるが民間機に発砲したとあってはただではすまん!」

真「う…!」

翠星石「どんな事情があるかは知らんですが今はこの場を離れるです!」

真「くっ………!」

ゴォォォォォォ…

神崎「ふう…やっと離れてくれたか…。」

副操縦士「寿命が縮まりましたよ…。」

安田「お嬢様…。」

涼子「もう少しであのパイロットの顔が見えたのに…。」

ジョゼ「リョーコの顔を知ってたみたい。」

涼子「え?」

ジョゼ「だって…リョーコって言ってたもの…。」

涼子「冗談はよしてジョゼ。聞こえるわけないじゃない。」

ジョゼ「口の開き方で分かるもの。」
ジョゼ「ママンは耳が聞こえなかったの…だから相手の唇の動き方で何を話してるか分かるのよ。」

安田「読唇術ね…。」

ジョゼ「あのパイロットが言ってたのはリョーコしか分からなかったけど…。」

安田「そうか…ジョゼはフランス語の読唇術は出来ても他の外国語は出来ないのね。」

ジョゼ「あたしがリョーコって言う時と同じ口の動き方をしてたもの…。」

安田「固有名詞はどの言語で発音しても同じだから…」

涼子「真よ!」
涼子「こんな小さな窓からあたしを見て名前を言ったのよ!真よ!間違いないわ!」

安田「…………。」


~エリア88~

ガンガン!

真「出せーー!!俺をここから出せーーー!!」ガンガン!
真「帰るんだ!!日本へ!!」ガンガン!
真「サキ!!ここから出してくれーー!!」ガンガン!

職員A「すげえ暴れようだな…。」

職員B「手がつけられん…。」

職員C「何かわめいているけど外国語だからさっぱり分からん…。」

真「くそ………!」ハァハァ
真「涼子…涼子……俺は…生きている…。」
真「だが…明日には…もう生きていないかもしれないんだ……。」




真「………涼子………。」




翠星石「サキ…どうするですか?真のこと…。」

サキ「本来なら銃殺ものだがな…。」

ミッキー「ま、あんたがシンを銃殺したらその後俺と出撃するようなことがあれば気をつけな。外さねえぜ!」

翠星石「ミッキー!」

サキ「ミッキー。それは上官脅迫か?」

ミッキー「どうとでもとってくれ。じゃ、明日が早いからもう寝るよ。行くぜ、スイセイセキ。」コツコツ…

翠星石「あっ!待つです!」テテテテ…

サキ「…………。」


~3日後~

キィィィィィン…

ミッキー「べぇ~!ばてたばてた!」

翠星石「暑くてかなわんですぅ!」ピョン

マッコイ「ミッキー!」

ミッキー「なんだいマッコイじいさん?」

マッコイ「シンはどうなってるんじゃ?」

ミッキー「さあな…独房にぶちこまれて3日目だからな…。」


~独房~

真「…………。」ブツブツ…

サキ「どうだ、シンの様子は?」

職員「サキ司令…。」

真「…………。」ブツブツ…

職員「何かブツブツ言っているようですが…。ま、なんとか収まりましたがね。」

サキ「話がしてみたい。中に入るぞ。」

職員「しかし、司令…。」

ガチャ

真「…………。」

サキ「どうだ?少しは頭が冷えたか?」

真「…………。」

サキ「どうして民間機を撃つ気になんてなったのか理由を聞かせてもらおうか?」

真「…………!」グッ

真「うおおおおお!!」ブン!

サキ「ぐあっ!!」ガン!

職員「サキ司令!」

ダダダダ!

職員「止まれ!止まらんと…」

サキ「待て!!撃つな!撃っちゃいかん!」

職員「サキ司令!大丈夫ですか!?」

翠星石「ちょっと真の心の中を見てみる必要があるですね。」

真紅「真が私達を中に入れてくれればいいけど。」

ミッキー「頼むぜ。誰も受け付けない今お前等だけが頼りなんだ…ん?」

ダダダダ…

ミッキー「ようシン。もう出られたのか?」

サキ「ミッキー!シンを止めろ!錯乱している!」

翠星石「え?」

ミッキー「おい待てよシン!」ガシッ

真「う…うう…!」ジロ

真紅「真!」

真「うあおおお!!」ブン!

ミッキー「うおっ!!」

真紅「止めなさい!」キィィィィィ

真「ぐ……!」バタ…

真紅「ごめんなさい真…。貴方に怪我をしてほしくなかったの…。」

真「か…帰る……。」

ミッキー「え?」

真「帰る……家へ………」ガクッ

サキ「なんとか止められたな…。」

真紅「サキ、どうしたの一体?」

サキ「分からん…いきなり殴りかかってきた…。」

ミッキー「大丈夫か?かなり出血してるぜ。」

サキ「部屋に運んで、軍医を呼んでくれ。」

職員「はい!」

ミッキー「なんてこった…。まさか本当に心がぶっ壊れてしまったんじゃないだろうな…。」

サキ「う……。」ズン…

ミッキー「サキ!?」

翠星石「サキ!しっかりするですぅ!!」

真紅「早く担架を!」

MISSION12完成!

お待たせしました。MISSION13投下します。

真「うさぎ…追いし…かの山…か。殆ど歌詞を忘れちまったな…。」
真「おい番兵!」

独房管理官「番兵じゃねえス!独房管理官ッス!」

真「サキの具合はどうだ?」

独房管理官「さあ…何も言ってこないから大丈夫なんでしょ。」

真「大丈夫なんでしょ…か。冷てえな。お前等の司令官だろ?」

独房管理官「ええ…でもあの人は1度我々を裏切った人ですからね。」

真「裏切った…?どういうことだ?」


MISSION13 傷心の獅子

ゴォォォォォ…

ダダダダダダダ!

ドカァーーン!

真「やっと1機目か…。腕が鈍ったな…。」

真紅「後ろに敵機よ真。」

真「何!?」

バシュゥゥゥゥゥ!

真「うお!!」

ピーピーピー

グォォォォォオオオオオオオ

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨!

ドォォォォン…

真「くそ…至近距離だったもんであいつのミサイルは弾道調整する暇が無かったんだ…。」

真紅「助かったわね。」

ブルブル…

真「情けない…震えが来てやがる…。」ブルブル…

真(1週間も戦場を離れるとこんなになるもんかなぁ…)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

神崎「だめだよ真!今休んだら単独飛行がまた遅れるぞ!おまけに今日の午後は機体が空いているんだ!」

真「でも…この間風邪引いてバイトを休んじまったから金無いしさ…どうしようもないよ…。」

神崎「しょうがねえな…ほれ!」スッ

真「神崎!」

神崎「俺はもう先週から単独飛行に入ってる。今週1回抜けたってどうってことはない。」

真「でもこれ…アパート代だろ?」

神崎「気にすんな。夜のドカチンを1週間もやりゃなんとか取り戻せる。」

真「すまん…恩に切るよ…。」

神崎「がんばんな!早いとこ俺達の夢を実現させなくちゃな!」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

ゴォォォォォ…

真(神崎…)
真(そうだ…俺達には共通のでっかい夢があったはずなんだ…。神崎…なのに何故俺を裏切るような真似をした…)

独房管理官(あの人は1度我々を裏切った人ですからね。)

真(サキ…)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

独房管理官「詳しいことはよく知りませんがね、あの人の所為で我が軍の最強部隊1個大隊が全滅したってことです。」

真「どういうことだ?」

独房管理官「弟さんに情報を流したそうですよ。」

真「弟?サキに弟がいたのか?」

独房管理官「知らなかったんですか?」

真「知るもんか…。他人の事なんかどうでもいいことだからな…で、その弟っていうのは敵の人間だったのか?」

独房管理官「いや、その時までは政府側の人間だったらしいです。ただ、その情報を持って反政府側に寝返ったということ
ですが…。」

真「じゃあ別にサキが裏切ったということにはならないんじゃないか?」

独房管理官「いや、我々の知る限りでは弟さんが反政府側に逃亡することを知ってて情報を流した上で逃亡を手助けしたということなんです。」

チャーリー「その先を教えてやろうか、シン!」

真「チャーリー!」

チャーリー「久しぶりだなシン!」
チャーリー「ザマねえな…。おい番兵!出してやれ!」

独房管理官「番兵じゃねえス!独房管理官ッス!」
独房管理官「それにここから出すにはサキ司令の許可状がいりますが…。」

チャーリー「ほら、今もらってきた。シンは今日から第一線に復帰だ。」

独房管理官「はい、分かりました。」ガチャ

コツコツ…

真「チャーリー、さっき言ってた先の話を聞かせてくれないか?」

チャーリー「他人の事はどうでもいいんじゃないのか?」

真「錯乱していたとはいえ、ぶっ飛ばした上司の事だ…少しは気にかかる…。」

チャーリー「さっきの番兵が言ってた最強部隊1個大隊ってのは、サキが以前所属していた第1空軍のことだ。」
チャーリー「反政府軍を率いていたサキの親父はその部隊ごと反政府軍に加われと言ったそうだ。」

真「サキはそれを断った…だから部隊は全滅か…。」

チャーリー「まあそう話を急ぐな。もう少し深いわけがある…。」

チャーリー「親父にそう言われてサキも多少は心が揺らいだんだろう、当時の政務次官だったキム大臣に相談したんだ。」

真「それで、そのキム大臣はサキに何て言ったんだ?」

チャーリー「事実上サキが指揮してる第1空軍を使って反政府勢力を叩き潰せとさ。親父を殺せと言うのと同じだな。」
チャーリー「とにかく戦争を終結させなければ国そのものが成り立たなくなってしまう…そう考えたんだろう。」

真「惨いな…実の父親を殺せとは…。」

チャーリー「つまり試されたのさ、あいつは…。」

真「試された?」

チャーリー「アスランの正規軍…つまり父の弟の味方をするなら証拠見せろという意味も含んでいたのさ。」
チャーリー「で、考えに考えたサキは自分の弟に打ち明けて親父の所に行けと命じた。」

真「弟に?」

チャーリー「サキはこう考えていたんだろう。」
チャーリー「数日後に自分が指揮する部隊が攻撃を仕掛ける。反政府側に勝ち目は無いから今のうちに降伏してくれ…と。肉親同士で血を流し合いたくないと。」
チャーリー「彼は血の繋がりに最後の望みをかけたんだろうな…。だが、それが彼の甘さでもあったわけだ。」
チャーリー「部隊を集結させておきながらも何かと理由をつけて出撃を遅らせていた彼の所へ親父の方から攻撃をかけたそうだ。」
チャーリー「部隊は全滅。生き残ったのは彼1人だけだった…。」
チャーリー「そして何よりもサキを後悔させたのは、反政府側の攻撃隊を指揮していたのが彼の弟だったということだ。」

真「何だって!?」

チャーリー「サキは国王の前で自分の額に罪の十字を切り入れて、自分の身体と命をアスランに捧げると誓ったそうだ。」

真「あの額の傷はその時のか…。」

チャーリー「まあな…。一生罪を背負って生きるってことかな…。」
チャーリー「国王は彼を正規軍の司令官に任命しようとしたんだが彼はそれを断ってここに来たのさ…。」

真(サキ・ヴァシュタール…。罪を額に刻み付けた傷心の獅子…)

チャーリー「まあ、人にはそれぞれあらァな!」
チャーリー「じゃあな!明日から出撃だ。ミッキーやシンクが心配してたぞ。行ってやれや。」コツコツ…

真「…………。」

シュゥゥゥゥゥン…

ミッキー「シン。どうだった、1週間ぶりの空戦は?」

真「…怖かったよ。」

ミッキー「はははは…。まあそんなもんだろうよ。」

真「サキは?」

翠星石「さあ?今日は見なかったですけど。何か用ですか?」

真「いや…別に。」

ミッキー「マッコイじいさんがシャンパン開けてくれるってよ。」

真「ああ…じゃ、装備を置いたらすぐ行くよ。」

翠星石「早く来ないと無くなっちまうですよ~!」

真「ああ…分かった…。」


~医務室~

サキ「どうですか?」

軍医「左より少し反応が遅れるな…。精密検査をしてみないとまだどうとも言えん。」
軍医「飛行に関しては問題ないから大丈夫だと思うがね。」

サキ「そうですか…。」

軍医「サキ、そこのペンを取ってくれないか?」

サキ「ああ…はい。」スッ

コッ

サキ(遠近感が狂っている!)

軍医「どうしたね?」

サキ「いえ…何でもありません。」

コツコツ…

サキ(まずいな…一時的とはいえ、右目がこの調子では…)

真「サキ…。」

サキ「シン…。」

真「すまなかった。錯乱してたとはいえひどいことをした…。」

サキ「気にするな…。だがもう二度とごめんだぞ。今度は間違いなく射[ピーーー]る。」

真「ああ…。」

サキ「指揮所にいる。用があればそっちに連絡をくれ。今日の戦果は?」

真紅「戦闘機2機…まだ調子が出ないみたい。」

サキ「なに…すぐに戻るさ…。」コツコツ…

真「…………。」

真紅「真?どうしたの?」

真「いや…何でもない。さてと…あのカップラーメンでも食うか…。」

真紅「独房にいた時はまともなものを食べていなかったものね。」

軍医「ああ、ワシだ…。サキのことで…」

真「?」

軍医「明後日脳波測定をしてみようと思う。どうも右目の症状が気にかかるんだ。」
軍医「今は大丈夫だが、最悪の場合失明するかもしれん。」

真「失明!?サキが!?」

軍医「手術?う~ん、分からん!取り敢えずザク国王にはそう伝えてくれ…」

真(俺が…俺があの時に負わせた傷が…サキ…彼から光を奪ってしまうのか…)

真紅「真…。」




真(どうすればいいんだ…俺は…)



続けて投下します。


~真の部屋~

シュンシュンシュン…

真「お湯を注いで3分か…。」トポポ…

真紅「こういう時は誰でも、邪魔されたくない気分になるわね。」

真「真紅、お前も食べるのか?」

真紅「前に日本で食べたことがあるのよ。それにこういうのもたまには悪くないわね。」

真「ふっ……ん?」

真紅「どうしたの真?」

真「真紅…う、後ろ…!」

真紅「後ろ?」クルッ



真紅「!!」



MISSION14 不死鳥のように

???「…………。」ニュ…

真紅「…貴方……!」

真「お、おい。まさかこいつも真紅達と同じ…。」

真紅「そう、彼女がローゼンメイデンの第1ドール、水銀燈。」

水銀燈「フフフ…お久しぶりね、真紅。」

真紅「できれば今は会いたくなかったのだわ。」

水銀燈「相変わらず不細工ねぇ。」

真紅「何ですって!私のどこが不細工なのよ!説明なさい!」

水銀燈「全部。その怒った顔も含めて。」

真紅「ちょっと真!早く私の鞄を開けなさい!」

真「わ、分かった…………!?」

水銀燈「…………。」ジー

真(な、なんだこいつ?)

水銀燈「ふぅん、他の人間に比べたら長持ちしそうね。でも…」




水銀燈「みんな壊してあげる。」ブワッ



真「!?」

真紅「!!」

ババババババババ!

真紅「ぐっ…!」ギギギ…

真「真紅!」

水銀燈「媒介が近くにいるのに満足に力を出せないなんて、眠ってるうちにゼンマイが錆びたんじゃないのぉ?」

真「貴様!」バッ

カッ

真「羽根!?」

水銀燈「あんたは大人しくしていなさい。」

真紅「…真…!は、早く…鞄を…!」ギギギ…

真「分かっている!」ガシッ

水銀燈「!」バッ

真紅「真!危ない!」

真「ぐっ!」ブスッ

水銀燈「貴方も真紅と同じように壊してあげるぅ。」クスクス

真「そうはいくか!」ガチャ

???「!」ヒュン

真「!?」

真紅「やってくれたわね、水銀燈。」バッ

水銀燈「人工精霊を出されちゃ面倒だわ。来なさいメイメイ。」

メイメイ「!」スゥ

真「待て貴様!」

水銀燈「貴方は面白そうだからまた今度相手をしてあげるわ。」

真紅「今度はこっちの番…あっ!待ちなさい!」

水銀燈「やぁよ。怖いもの。」
水銀燈「また今度会いましょ真紅。nのフィールドでね。」スゥッ

真紅「ホーリエ、追って!」

ホーリエ「!」スッ

真「な、何だったんだ今の?」

真紅「…………。」

真「おい真紅!何でさっき鑑から…」

真紅「………。」バタッ

真「……真…紅?」

真紅「…………。」シーン

真「真紅。おい起きろよ。」ペシペシ

真紅「…………。」シーン

真「…放っとけば起きるか………あっ!」
真「ラーメン伸びてるの忘れてた!」

ズズ~

管制塔『敵編隊接近!敵編隊接近!』

真「ちっ!せっかく食ってるのに!」スッ

真紅「…………。」

真「…………。」バタン

真紅「…………。」


~作戦中~

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨!

真「くそ!振り切れない!」

ミッキー『こっち片付けたら行くからもうちょっとの辛抱だ!』

真「仕方ない。反転して…」グイッ


真「…ッ!!」ズキッ


ギュゥーーーーーン!

真(しまった!さっきの傷が!)

フラフラ…

ダダダダダダダダ!

バシュ!

ドォン!!

ビービービー

真「落ち着け真…!落ち着くんだ…!」

ビービッ

真「しめた!自動消火装置が効いた!」

ミッキー「シン!」

バシュッ

ドカァァァァァァン!

真「ミッキー!ケツの方を見てくれ!どうなってる!?」

ミッキー「直撃じゃない!だがアフターバーナーを捥ぎ取られてるかもしれん!」

キャンベル「排気口が溶け落ちている!ヤバいかもな!」

真「くそ…巡航速度以上は無理か…。」

ミッキー「赤リーダーのミッキーだ!マッキンレー、指揮を取れ!俺はシンを基地へ連れて帰る!」

真「よせやいミッキー!手を引いてもらわんでも1人で帰れる!」

キャンベル「強がり言ってる場合か!そんな状態じゃ追跡機に喰われるぞ!」

チャーリー「俺が行ってやる!ミッキーとキャンベルは戦列に戻れ!今日は稼ぎ時だぜ!」

ミッキー「チャーリー!」

チャーリー「こちとら残弾数があと数十発だ!引き揚げんことにはどうにもならん!追跡機には20発もあれば十分だ!」

キャンベル「お前さんなら任せても大丈夫だな!」

ミッキー「じゃあ頼んだぜ!チャーリー!」

チャーリー「あいよ!」

ゴオオオオオォォォォォォォ…

真「チャーリー!こっちはこれ以上スピードが出ない!敵と鉢合わせしたらいいカモになっちまう!」

チャーリー「いいさ。気にするな…。」

ゴォォォォォォォ…

チャーリー「なあシン。前から聞きたかったんだが…何でこのエリア88に来た?」

真「さあな。自分でも知らない間に書類にサインして強引に連れてこられたのさ。」

チャーリー「じゃあ早いこと国に帰りたいだろう?日本に恋人なんかはいるのか?」

真「…………忘れたよ。」

チャーリー「そうか………。」

ピーピーピー

チャーリー(後ろに追跡機2機か…シンは後ろをやられたから後部警戒レーダーは役に立たん)
チャーリー(…俺が手を出さずともやつ等が立派に戦死にしてくれる…)

チャーリー「シン!下に注意しろ!歩兵が持っている小型対空ミサイルが心配だ!上は俺が見張る!」

真「ああ、頼む。」

チャーリー(あばよ…シン…)

グオオオオォォォォォ…

真「下は異常無しか…チャーリー!上はどうだ…」

真「何!?」

ゴォォォォォォ

真「いつの間に!」グイ

バスッ

真「うわっ!」

ドオン!

ゴオオオォォォォォ…

チャーリー「ありゃ…もうやられちまいやがった…何がエリア88のNo.1だ。口ほどにもねえ…。」

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

チャーリー「いけねえ!うかうかしてたらこっちまでやられちまう!」

ギュゥゥゥゥゥゥン!

ダダダダ!ドオン!

チャーリー「後は逃げるが勝ちだな。」

ゴォォォォォォ…


~エリア88~

サキ「何!シンがやられた!?何処で!?」

チャーリー「ポイントF10あたりですかね…もうどうしようもなかったんすよ…。」

サキ「…分かった。後で報告書を提出しておいてくれ。」

バタン

チャーリー「惜しい男が死んだぜ…まったく…。」

ゴォォォォォ…

真「グッ…もう…ここまでなのか…。」

グレッグ『シン!大丈夫か!?』

ゴォォォォォォオオオオオオオオ

真「グレッグ!」

グレッグ「頑張れ!もうちょっとで基地だ!」

雛苺「シン!頑張るの~!」

真「もう無理だ!あと2分もすれば燃料が切れて…」

グレッグ「よし、ヒナ!あれ、いっちょやってみっか!」

雛苺「やってみるの~!」

真「あれ…?」

ゴオオオオオオオオオ

真「な、何をする気だ!?やめろ!」

グレッグ「いいからそのまま動かすなよ!」

真「わ…わ…わ…!」

ゴン

真「当たってるぞ!」

グレッグ「今だ!」

雛苺「うぃ!」パァァァァ

シュルルルルルル…

真「あれは…茨…?いや…イチゴ!?」

ギチッ

グレッグ「どうだ!驚いたか!?」

真「グレッグ!これは一体…!?」

グレッグ「ヒナイチゴの能力さ!こいつは大抵の物なら持ち上げることもできるんだぜ!」
        ・・・
雛苺「グレッグはちのけが濃いから強くなったの~!」

グレッグ「これで基地まで持っていくから近づいたら自分で降りろ!いいな!」

真「ああ…すまん。」

ゴォォォォォ…

ウ~ウ~ウ~

管制塔『火災機接近!火災機接近!消火班は滑走路に出動せよ!』

チャーリー「ミッキー達が帰ってきたか。シンが死んだと聞いたらどんな顔するか…ん?」

ゴォォォォ…

チャーリー(1機だけ?ミッキーの隊は全滅するほどドジじゃねえはずだが…)

チャーリー「あれは誰だ?」

消防士A「シンです!」

チャーリー「シン!?」

ゴオオオオオ…

真(もうちょい…もうちょいだ…!頼むから頑張ってくれ…ここで死ぬわけにはいかないんだ…頑張ってくれ…!)

バスッ!

消防士B「ああ!爆発した!」

ガシャアアアアアアアアア!

ガランゴロン!

ドオオオオオオン…

管制塔『救急班は滑走路へ急げ!』

ウ~ウ~ウ~


~作戦終了後~

真紅「…………。」

コンコン

ミッキー「よっ!暇か?」ガチャ

翠星石「真の疲れた顔を見に来てやったですぅ。」

ミッキー「って、なんだシンクは寝てんのか。」

翠星石「お~い、真紅~。」プニプニ

真紅「…………。」シーン

翠星石「こりゃゼンマイが切れてるですね。」

ミッキー「ゼンマイ?」

翠星石「翠星石達だって人形です。ゼンマイが切れれば動かなくなるですよ。」

ミッキー「これか。」スッ

キリ…キリ…

翠星石「…………。」ジー

ミッキー「…………。」

真紅「…………!」パチッ

ミッキー「起きた!」

真紅「起こすのが遅い…って、ミッキーと翠星石じゃないの。」

ミッキー「良く眠れたか?」

真紅「ちっとも良くないわ。水銀燈がやってきてラーメンを食べる時間を台無しにされたもの。」

翠星石「え!?水銀燈も起きてたですか!?」

ミッキー「うわ~。このラーメンもう伸びきってやがる…。」

真紅「まああのカラスのことはどうでもいいわ。それより真は何処?あの下僕私を起こすのを忘れているようね。お仕置きしなければ。」

翠星石「…あいつなら今医務室です。」

真紅「医務室?」

ミッキー「あいつ帰る途中で追跡機に喰われて滑走路に落ちたんだ。」

真紅「そう。珍しいわね。彼が落ちるなんて。」

ミッキー「多分傷が癒えていなかったんだと思う。」

真紅「傷?」

翠星石「出撃前、真右腕を抑えていたですから…。」

ミッキー「だいぶ無理していたと思う。途中フラフラしていたってチャーリーも言っていたからな。」

真紅「そんな………。」

スッ

翠星石「何処に行くですか?」

真紅「ミッキー!私をすぐに医務室に連れて行きなさい!」

ミッキー「あ、ああ。」ヒョイ


~医務室~

ミッキー「サキ!」

サキ「ミッキーか。それにシンクにスイセイセキ。」

真紅「真は?」

サキ「今治療が終わって寝ているところだ。」

真紅「面会できるかしら?」

サキ「ああ、大丈夫だ。」

コンコン

真「どうぞ。」

ガチャ

ミッキー「俺だ。シンクもいっしょだ。」

真「いいよ。」

真紅「ミッキー。悪いけど真と2人で話をしたいの。席を外してくれるかしら?」

ミッキー「分かった。」バタン

真「…………。」

真紅「…………。」

真「なんか用か?」

真紅「…貴方に言わなければならないことがあるの。」

真「何だ?」

真紅「…ごめんなさい。」

真「何で真紅が謝るんだ?珍しいな。」

真紅「あの時、貴方を怪我させてしまった所為で、更に大怪我を負わせてしまった…。」

真「…………。」

真紅「貴方をこんな目に遭わせた事は貴方を守りきれなかった私にも責任があるの。」

真「…………。」

真紅「私は貴方の主人としては失格…」

真「それ以上言わなくていい。」

真紅「…………。」

真「済んだことはいいじゃないか。俺達は生きている。」

真紅「でも…。」

真「それにここは地獄の最前線のエリア88、生きるか死ぬかその2つに1つなんだ。」

真紅「…………。」

真「ここでは全てが自己責任だ。命を懸けなきゃ生きていけないぜ。」

真紅「…………。」

真「そんな暗い顔するなよ。この程度の怪我。」




真「ここでは死ぬこと以外かすり傷さ。」




空を駆け抜けるエトランジェ達

彼らに待っているのは生か死かその2つだけ

ここはエリア88、彼らは生きるか死ぬかの瀬戸際にいる…

どうも僕です。今回はまともなローゼンメイデンのネタを入れてみました。
雛苺の苺わだちの強度に関してはグレッグの血の気の濃さの所為ということにしてください。

お待たせしました。投下します。

ジジー ガッガッ

整備員A『シン!シンク!新しい機体の整備が完了した!』

真紅「ありがとう。ハンガー前に出しておいて。すぐに行くから。」

真「よし、行くか。」ガチャ

バタン コツコツ…


MISSION15 新しい翼


~ハンガー前~

ミッキー「よっ、シン!新機体だな!」

真「やあミッキー。おはよう。」

翠星石「おはようです、真紅。」

真紅「おはよう。」

ミッキー「しかし、よくこいつを使う気になったな。」

ミッキー「サーブ35『ドラケン』。」

真紅「スウェーデン製のドラゴンね…。」

翠星石「熱帯用のフィルターなんか付けてるですか?」

ミッキー「こいつを作った工場の連中、まさか中東で使われるとは思ってもみなかっただろうな。」

真「まあね…。でもこいつも戦闘機だ。戦いの無い空を飛ぶ機体じゃない。」

ミッキー「原型初飛行は1958年だからな。今から22年も前の機体だぜ。大丈夫か?」

真「そのことはマッコイじいさんともよく話したし、別にこいつでなくても格安で手に入る機体はあったんだ。」
真「でも長いことクフィールに乗っていたせいもあってデルタ翼の方が扱いやすくなってしまったんでね。」

真紅「そういえば貴方達も機種を変えたのでしょう?」

翠星石「よっ!よくぞ聞いてくれたですね!」

真「じいさんに聞いたんだけど教えてくれなくてな。昨日C-130で運び込んだのは知ってるんだ。」

翠星石「にひひひ、当ててみるがいいですぅ。」

ミッキー「どれ、少しヒントでも教えようか。」
ミッキー「ま、このエリア88では最新鋭機だな。それに俺が乗りこなした機体だ。」

真紅「ミッキーが乗りこなした機体…。」

真「ファントムじゃ最新鋭とは言えないし……!」

真「トムキャットか!」

ミッキー「大当たりぃ~!」

翠星石「F-14『トムキャット』ですぅ~!」

真紅「猫!!」ビクッ

真「どうした真紅?」

翠星石「真紅は猫が苦手ですからね。」

ミッキー「へぇ~。お前にも苦手なもんがあるのか。」

真紅「猫はこの世界で一番野蛮な動物よ。私の前の持ち主が猫を飼っていて…あぁぁ…思い出したくもないわ…!」

真「猫ね…。」

ミッキー「安心しとけ。猫ってのは名前だけだからよ。」

真紅「本当に?」

翠星石「ほんとです。猫っぽいのは可変翼の部分だけであとは戦闘機、強いて言うなら垂直尾翼のところにウサギです。」

真紅「ウサギ…。」

ミッキー「俺のパーソナルマーク、プレイボーイのラビッドヘッドだ。」

真「なんだ、ウサギも苦手なのか?」

真紅「そういう訳ではないのだけれど…。」

翠星石「…………。」

真「しかし、よくこんな最新鋭機が手に入ったな。」

ミッキー「イラン空軍に何機か納入されてたんだが例の革命騒ぎでさ、ドサクサに紛れて1機ここに来たってわけよ。」

真紅「マッコイらしいわね。火事場にはいつも儲け話が転がっていると言っていたのだわ…。」

マッコイ「人聞きの悪いこと言うんじゃねえよ!まるでわしが火事場ドロボウみたいに聞こえるじゃねえか!」

ミッキー「ははは…。でも別に落っこちてたのを拾ってきたわけじゃないだろ?」

マッコイ「まあな。ちったぁ汚い手を使わせてもらったが商法からは外れちゃいねえ。」
マッコイ「革命のゴタゴタでよ、フェリーでイタリアまで来てそのまま軍の倉庫で眠てたやつよ。本当はアメリカに返却されるはずだったんだがね。」
マッコイ「納品伝票をちょいちょいと細工してもう既にイラン空軍に納入された機体にしちまったのさ。」

真「悪ぅ~!」

マッコイ「ほんでまあ、半年前に事故で飛行不能になったやつの機体番号とすり替えて、こいつはスクラップとして引き取ってきたってわけさ。」

真紅「まさかとは思うけど、あのドラケンもそうやってここまで持ってきたのではないでしょうね?」

マッコイ「ありゃもっと大変だった。」

マッコイ「スウェーデンのサーブ社ではもうドラケンは製造していない。全部新型の『ビゲン』に切り替わりつつある。といっても部品はまだ保存してあるけどね。」
マッコイ「最初にデンマークの払い下げ業者にあたったんだが空軍の方じゃまだ第一線使用機種でね。だから次にフィンランドの業者にもあたったわけ。」

ミッキー「ようやるよあんたも!」

マッコイ「あたぼうよ!何だって持ってくるのがこのマッコイのポリシーさ。金さえ出すならクレムリン宮殿だって持ってきてやるぜ!」

翠星石「おー。そりゃすごいですね。」

マッコイ「んで、フィンランドでスクラップになっている2機をみつけたんだ。」

真「それを合体させたの?」

マッコイ「合体は大丈夫だったんだが問題はエンジンだ。どっちにもエンジンが無かったんだ。」
マッコイ「こうなりゃもう正式手続きを取ってサーブ社から取り寄せるしかないとおもったんだが…」

マッコイ「あっちの国防省の許可が下りるまで1ヶ月以上かかるもんだからまいったねこりゃ。」

真紅「スウェーデンは厳正中立を標榜している国ですものね。」

真「でもドラケンのエンジンはイギリスのロールス・ロイス・エイボンのはずだぜ?イギリスならすぐに手に入るだろう?」

マッコイ「バカぬかせ!RB146シリーズ300のエンジンだけなら手に入るけどそれに付いているFM67というアフターバーナーはスウェーデンのボルボ社しか製造しちゃおらんのだ!」

マッコイ「あっちこっち駆けずり回ってアフターバーナーだけドイツの中古業者から手に入れて、エンジンはオランダの業者からかすめ取ってきたんだ。」

真「血と汗と涙の結晶というわけか…。」

マッコイ「だからよ、ヘタするとミッキーのF-14よりも高くついてるかもしれねえんだ。」

真「え~~~!」

翠星石「分からんですね~。何でそんな中古の時代遅れに金かけてるのか。」

ミッキー「性能的には今の一戦機より劣るのに…。」

チャーリー「フフフ…、アメリカのデコレーション・プレーンに乗り慣れたお前さんにゃこいつの良さは分からんさ。」

ミッキー「チャーリー!」

チャーリー「こいつが今の新鋭機より劣っているのは電子装備だけだ。あとは全ての面において現代の新鋭機の前においてもなんら遜色は無いぜ。」

ミッキー「おー、随分自身ありげに言い切ったな。」

翠星石「この間はさっさと真を放り出して逃げたくせにですぅ。」

チャーリー「なんかえれぇ所に絡んできたな…。」
チャーリー「あの時はシンの後部レーダーが破損してるなんて思わなかったんだ。てっきりもう警報は出ているもんだとばかり…。すまなかった、シン…。」

真紅「チャーリー、そのことには私にも責任があるの。」

真「もういいよ2人とも。済んだことだ。」

ミッキー「そんなシケた顔してねえでさっさと話を戻してくれよ。」

チャーリー「ああ。そんじゃあ話を戻すけど、疑ってるならトムキャットとドラケンで模擬空戦やりゃあいいんだよ。」

真紅「模擬空戦?」

チャーリー「ああ。2人とも腕は互角だから機体の優劣がはっきりするだろう?」

ミッキー「ちょっと待てよチャーリー。そりゃ、フェアじゃないぜ。」

翠星石「ミッキーはベトナムでドラ猫を扱い慣れた男です。でも真はドラケンは初心者ですよ?」

真紅「真のドラケンは二個一ならぬ三個一とはいえ完全にオーバーホールされた新品同然よ。貴方達のF-14は倉庫に放置されていた機体でしょう?」

チャーリー「ドラケンは軽いがエンジン1基。トムは重いがエンジン2基。おまけにトムは可変翼だ。どうしてもフェアじゃないんだったら翼畳んでデルタで飛べば?」
チャーリー「制限時間20分で何回ケツを取れるか。たまには遊びも必要よ。」コツコツ…

翠星石「ふ~む…。」

ミッキー「よし!やったろうじゃないか!」

真紅「真…。」

真「いいよ。面白そうだ。」

キイイイイイイイイイイイン!

ミッキー「おっ!シン達はもう足が離れたか。」

翠星石「機体が軽いだけあって早いですね。」

真紅「これだけ早く飛び立つ機体はそうあるものではないようね。」

真「スウェーデンはいざとなれば高速道路で離着陸するような国だ。STOL性は初めっから計算に入れてある。」

ゴオオオオオオオオオオオオオ!

ミッキー「たはー!上昇性能も大して変わらんじゃないか!」

翠星石「向こうが首一つリードしてるって感じですね。」

ミッキー「よし!そろそろやるぞ、シン!」

真「OKミッキー!どこからでもどうぞ!」

ゴォォォォ…

マッコイ「あ~あ、本当にやり始めたぜ。旋回性能はトムの方がいいけどな。」

チャーリー「アメリカ製のゴロツキネコかスウェーデン製の森林狼か…こいつは見ものだぜ。」

ゴオオオオオオオオオ

ギュン!ゴオオオオオオオォォォォォォ…

翠星石「とはー!スナップアップもすげえですぅ!」

ミッキー「こっちは馬力が2倍もあるのによ!」

ギュゥゥゥゥゥゥゥン…

ミッキー「ケツについたな…見てろ!」グイ
ミッキー「機首上げ48!ラダー切り替え!」

ウイーン

バゥン!

真「あっ!」

ゴオオオオオオオオ

真紅「すごいわ。あの状態からシザー運動ができるなんて。」

真「よくGに耐えられる…。」

ミッキー「なんせこいつは猫だからな。図体でかくても身軽なわけよ!」

真「よし!今度は全速運転やって降りようぜ!」

ミッキー「OK!」

ゴォォォォォ…

マッコイ「やはり空戦性能はトムの方がいいのか?」

チャーリー「まあね…高空戦闘やればあんなもんよ。」
チャーリー「でもこのエリアでの仕事の半分は地上攻撃だからな。それに6000mより高空での空中戦も稀だし。」
チャーリー「ミッキーはまだ気付いていないだろうが、ドラケンの本当の強みは地上に降りてからさ。」

マッコイ「降りてから?」

チャーリー「整備にかかる時間はトムの1/5。戦闘が終わってミサイルや弾薬を補給して離陸できるまでわずか5分!1万mまで2分20秒…こいつは早い!」

マッコイ「へぇ~。チャーリー、お前ドラケンを使ったことあるのか?」

チャーリー「いや、1度も無いけどね。」
チャーリー「なんにせよ、20年以上も前に設計された機体とは思えないよ。」

マッコイ「ああ…。」

チャーリー「設計思想が1歩も2歩も先進した飛行機だ。今の時代になってようやく他の飛行機が肩を並べ始めたってわけさ…。」

ギュゥゥゥゥゥゥゥゥン…

キキッ!

シュゥゥゥゥゥン…

マッコイ「2人とも調子はどうだい?」

真「満足できる性能だ。」

ミッキー「やっぱり乗り慣れた機体が1番!」

マッコイ「わしもこれで一安心じゃ!お客に喜んでもらえる商品を売った後は気持ちが良いからな!」

ミッキー「俺のトムは後席をスイセイセキに合わせてスイッチ類せり出させといてくれ。」

真「トムの火器管制システムはここではモード3までで十分だと思うが?」

ミッキー「一々俺の膝の上にこいつを乗せてたら邪魔でしょうがねえんだよ。」

翠星石「何ですとー!翠星石を荷物呼ばわりする気ですかー!そんなんだったらすぐにでも降りてやるですぅ!」

真紅「落ち着きなさい、翠星石。」

翠星石「でもぉ…。」

真紅「よく考えてみなさい。ミッキーは貴方のために貴方だけが座れる座席にすると言っているのよ。」

真「翠星石はミッキーに必要とされているんだ。むしろ喜ぶべきなんじゃないか?」

翠星石「!」

翠星石(翠星石だけの席…翠星石だけが座れる場所…)

翠星石「しゃ、しゃ~ね~な~ですぅ!ミッキーが言ってるんだからさっさと改造するですぅ!」///…

真紅「単純ね。」

真「単純だな。」

マッコイ「ああ、そうだ。シン!」

真「何だい?」

マッコイ「お前さん、昔大和航空にいたとか言ってたな。」

真「ああ。それが?」

マッコイ「西ドイツの業者から聞いたんだが、あの会社ヤバいってよ。」

真「ヤバい?どういう意味だ?」

マッコイ「社長が交代したらしい。」

真「え!?」

マッコイ「おかげで、部品の代理店が相当入れ替わったらしくてな…」

真「本当なのかそれは!」

マッコイ「新しい部品導入を一手に引き受けたのがマックウェルって会社だが、東側にも大量の武器を流しこんでいるらしい。」
マッコイ「その武器が、このアスランの反政府軍にも渡っているって噂じゃよ。」

真「新社長には誰がなったんだ?」

マッコイ「ん~何ってったかな?日本人の名は覚えにくくて…ええと、か…かん?か…かんざ…」

真「神崎!!」

マッコイ「そうそう!カンザキ!…って知ってんのかシン?」

真「神崎が…どうしてやつが…!」

マッコイ「まあ、そういうことだってよ…」コツ…

真「待て!じいさん!」ガシッ

マッコイ「お、おいシン!ら、乱暴すんな!ワシはか弱い老人じゃぞ…」ジタバタ

真「マッコイじいさん!もっと詳しく聞かせてくれ!」グルン

マッコイ「どうしたんだよシン?」

真「前の社長は?家族はどうなったんだ!?」

マッコイ「無茶言うな!海の向こうの話じゃぞ。ワシが知るわけないじゃろう。」

真「……じいさん。金はいくらでも出す。大和航空に関する情報をもっと集めてくれ。」

マッコイ「シン…いったい何があったんじゃ?」

真「頼む!金さえ積めばクレムリンでも引っ張ってこれるマッコイじいさんじゃないか!」

マッコイ「分かった分かった。来週、商談で西ドイツへ行くから調べてきてやるよ。」


~東京 大和航空本社~

神崎「安田君!」

安田「はい、社長。」

神崎「先週の株主総会の報告を聞かせてくれたまえ!」

ちょっと風呂入ってきます。

投下します。

ビービービー!

管制『南西方向より戦闘機編隊接近!迎撃部隊はただちに迎撃態勢をとれ!』

真「グリーン・セクションの真だ!上がるぞ!」

ゴオオオオオオオオォォォォォォ…


MISSION16 男たちの棺

ゴォォォォォォ…

真紅「ウォーレン。右につきなさい。ケンは左よ。」

ウォーレン・ケン『ラジャー!』

ピッピッピ…

真「まったく…しょうこりもなく次から次へと…。」

真紅「同高度3時方向に敵機!」

真「西ブロックに逃げたやつはミッキーのレッド・セクションに任せろ!後は我々で血祭りにあげてやれ!」

ゴォォォォォォォ…

バシュウウウウウウゥゥゥゥゥ…

ドォォォォォン…

真(考えてもしょうがない…今の俺は[ピーーー]しかない…)

真紅(…………)

ゴォォォォォォォ…

真紅(中東の天地がひっくり返って地球が逆さまに降ってくる…)

真(高度計の針は気が狂ったように回転し…ブースト計は一気にレッドゾーンに飛び込んでいく…)

真紅(残弾カウンターが一瞬にして2桁飛ぶのに1秒とかからない…)

真(そして…やつはもう助からない…大地にめり込むのにせいぜい悲鳴1回分の時間も無いだろう…)

真紅(音速での殺し合い…コンバットと呼ぶにはあまりにも鋭利なすれ違い…)

管制『コントロールより緑セクション1!ブルー・セクションが近づきつつある!識別コードは3!』

真「緑セクション・リーダーよりセクション各機へ!識別センサーをコード3に切り替えろ!」

ピッピピピッピ…

真(時速1000km/h以上のスピードだ…点となって視界に入ってくる標的を敵か味方か見分けるなんてなかなか出来ない…)

真紅(識別コードを電波によって感知するセンサーが何よりの手段…)

真(30mm砲弾は戦車の走行だってぶち抜いてしまう…)

真紅(0.8mmのジェラルミンなんか紙と同じ…)

真(ボロギレのように落下していく鉄の棺…)

真紅(明日は自分がそうなるかもしれない…)

真(俺達は外人部隊…紙切れよりも薄い己の命…)

真紅(燃え尽きるのにわずか数秒…)

真「緑セクション各機続けーー!」


~エリア88~

キィィィィィ…ン

整備兵A「緑セクションが帰ったぞ!」

真「弾薬補給を頼む!燃料も満タンにしてくれ!」

ガガガァ… ゴウンゴウン…

キィィィィィィィン…

整備兵B「ミッキーの赤セクション、着陸します!」

シュゥゥゥゥゥゥン…

ミッキー「整備兵!補給を急げ!」

真紅「翠星石。東側はどう?」

翠星石「真紅ですか。ちょっと押されぎみです。」

ミッキー「今オレンジ・セクションとアンバー・セクションがやってる。補給が終了したらすぐに出なきゃ。」

整備兵C「緑セクション1補給完了!離陸OK!」

ミッキー「早いな…5分だぜ。」

真「それがサーブ社の最大のメリットさ!地上時間が短いんだ!」カチッ

真紅「じゃあね。生きていたらまた会いましょう。」スッ

翠星石「真紅も、どうか無事で!」

真「コントロール!緑セクション1離陸する!」

管制『コントロール了解!』

キイイイイイイイイイン!

管制『コントロールより緑セクション1!味方機が炎上して帰還!離陸中止!』

真紅「何ですって?」

真「バカ野郎!何で反対側に誘導しなかったんだ!」

キィィィィィィィン…

真紅「今からでは間に合わないわ。このまま離陸しましょう。」

真「そうだな。コントロール!もう間に合わん!このまま離陸する!」

キイイイイイイイイイイン!

ガキンッバシュ!

真紅「真!ミサイルが!」

真「うわ!!」グイ

ギュウウウウウウウン!

ミッキー「シン!」

翠星石「真紅!」

ドカアアアアアアアアアン!

ゴォォォォォォ…

真「ばっきゃろ!!こんなとこで死んでたまるか!俺の機体は棺桶じゃないんだ!」

ドォォォォォォォン…

ゴオオオオオオオオオオ

ミッキー「ちっきしょう!やってもやってもキリがねえぜ!」

翠星石「どっからこんなに飛んできやがるですか!」

ビビビ…

翠星石「全速で10分…補給に帰った方がよさそうですね。」

ミッキー「グスターフ!オコンネル!基地へ引き上げるぞ!」

グスターフ「ミッキー…あ、あれ…」

ミッキー「ん?」

ゴォォォォォォォ…

翠星石「まだあんなに…!」

ミッキー「ふへへへ…後戻りはさせてくれねえようだな…。」
ミッキー「ミッキー・サイモン、中東で死す…か。へっ!上等じゃねえか!」

翠星石「翠星石もいることを忘れるなですぅ!」

ミッキー「分かってらぁい!」

ゴオオオオオオオォォォォォォォ…


~エリア88~

ビービービー

管制『西側より敵編隊接近!』

グゥゥゥゥゥゥン…

整備兵D「発射!」

バシュウウウウウウウウ!

ドォン!ドドォン!

ヒュゥゥゥゥゥゥウウウウウウウウ

ドカアアアアアアアアン!

一同「うわああああああ!」

一同「ぎゃあっ!」


~管制室~

サキ「エリア88の腕っこきが全部上がっても防衛ラインを守りきれんのか!?」

金糸雀「で、でもサキ!今日の敵はいつもの倍以上の数かしら!」

ガチャ

サキ「ハンガー!私の機のエンジンをかけておけ!すぐ行く!」

管制官A「司令!」

サキ「腕っこきとは言っても所詮は個人プレーの得意な傭兵だ!指揮官無しで連携プレーなんか出来るわけがない!」

管制官B「司令!赤セクションのミッキーから入電!南西方向より戦爆多数接近…迎撃する…以上で途切れました!」

サキ「何!?」

管制官B「エリア・ヘッド・コントロールより赤セクション・リーダー!応答せよ!」

サキ「そのまま呼び続けるんだ!私が上がったらパープル・セクションとブラック・セクションを発進させろ!」
サキ「カナリア!私がいない間は頼むぞ!」

金糸雀「任せるかしら!」

キイイイイイイイイン!

整備兵E「サキだ!」

整備兵F「いよいよサキが出るのか!」

フーバー「黒セクションのフーバーだ!サキ!用意はいいぞ!」

サキ「すまんな!さっき帰ったばかりなのに!」

ジェンセン「紫セクションのジェンセンです!発進用意よし!いつでもどうぞ、サキ!」

サキ「GO!」

グオオオオオオオオォォォォォォォ…

MISSION16はここで終了です。続いてMISSION17行きます。


~上空~

ゴォォォォォォ…

サキ「左前方、敵4機…。三角フォーメーションで張り倒すぞ!フーバー!ジェンセン!続け!」

フーバー「了解!」

ジェンセン「イエッサー!

ギュウウウウウン!

ダダダダダダダダダダダダ!

ドオン!ドゴォン!

整備兵G「すげえ…あっという間に4機を血祭りにあげたぜ。」

整備兵H「ふえ~~!」

整備兵G「サキが出ていくんだ。ただ事じゃない…。」

整備兵H「このエリア88も今日が最後かもしれんな…。」

整備兵I「縁起でもねえこと言うんじゃねえよ!」


MISSION17 魔物たちの祭典

ゴオオオオオオオオ

真「ウォーレン!ケン!左にかますぞ!ついて来い!」

グオオオオオオオォォォォォォォ…

真「バカめ!今頃散開しても遅いわ!」カチ

ダダダダダダダダ!

バン!バン!ドゴオオオォォォォン…

ウォーレン「シン!シンク!燃料がわずかだ!どうする!」

真紅「チャーリーの青セクションがもうすぐ来るわ。それまで粘りなさい。」

ゴォォォォォ…

真(くそ…味方が何処にいるやらまったく見当がつかん…早く来てくれ…チャーリー!)

チャーリー『青セクションのチャーリーだ!シン!シンク!生きているか!?』

真紅「来たわ。」

真「ああ…かろうじて生き残っているが、もう燃料が無い!基地に戻らなきゃならん!」

チャーリー「俺の編隊は右の敵と交戦している。燃料はあとどれぐらいもつ?」

真紅「よくもって15分…と言ったところね。」

チャーリー「それだけあれば俺の編隊が戻ってくる。それまで2人でここは死守するぜ。」

真「よし、分かった。ウォーレン!ケン!先に引き上げろ!」

ウォーレン・ケン「ラジャー!」

ゴォォォォォ…

チャーリー「俺1人で5機ぐらいは引き受けられる。シンは後ろで撃ち漏らしを片付けてくれ。」

真「分かった。無理はするなよ。」

ゴォォォォォォ…

チャーリー「なあシン…。」

真「何だ?」

チャーリー「どっちが死んでも恨みっこなしだぜ。」

真「え!?」

チャーリー「俺は…ある男からお前を[ピーーー]ように命じられている。」

真「誰だ…それは…?」

チャーリー「悪いが言えないな。」

真紅「何故?」

チャーリー「これはビジネスなんだ。名前を出さないのがプロの鉄則でね。」

真紅「でも後ろについているのは私達…このボタン一押しで貴方はあの世行きよ。」

チャーリー「ふふふ…まあな…。」

ゴォォォォォ…

チャーリー「そう言いながらあえて射撃位置にぴったりつかないところがお前の甘さだな。」
チャーリー「人を信じないと言っているその心の裏で信じたくて信じたくてしょうがない…そんなお前の甘さが命取りだ!」

ギュゥゥゥゥゥゥン!

真「!」

チャーリー「闇撃ちでもよかったんだが、お前にはこうした方がいいと思ってな…だが…」
チャーリー「これが俺の甘さかもな…。」

真「真紅!頭を伏せろ!」

チャーリー「あばよ…シン!」カチッ

ダダダダダ!

ドン!バン!ガシャン!

真「ぐはっ!」

真紅「真!」

グォォォォォォ…

真「俺は…まだ死ぬわけには…いかないんだ…チャーリー…!」グッ

ギュウウウウウウウン!

チャーリー「うお!?」

┣¨┣¨┣¨┣¨ド!

ガン!ガン!

チャーリー「ぐわ!」

ドォン!

チャーリー「シン…!1つだけ教えてやる…。依頼主は…お前と同じ…日本人だ…。」

真紅「日本人!」

真「そいつの名は!?答えろ!チャーリー!」

チャーリー「あばよシン…今度こそ…本当に…。」

グレッグ『シン!チャーリー!』

真「グレッグ!」

雛苺「2人とも大丈夫なの~!?」

真「俺は大丈夫だ!それよりもチャーリーを!」

グレッグ「分かった!またやるぜ、ヒナ!」

雛苺「うぃー!」

シュルルルルルルル…

ゴォォォォォォォ…

グレッグ「チッ!こんな時に敵かよ!」

真「敵はこちらで引き受ける…!お前等は早く基地へ…!」

グレッグ「バカ!お前も機体もそんな状態でまともに動かせるわけないだろ!」

真「でも…ここで戦わなきゃみんなそろって落ちるぞ!」

真紅「私が操縦するのだわ。」

一同「「「真紅!?」」」

真紅「こう見えても真の主人よ。戦闘機ぐらい操作できないでどう生き残ると言うの?」

真「だが、お前の手じゃ操縦桿は…」

真紅「貴方こそそんな身体で握れないでしょう?」

真「…………。」

真紅「私に任せなさい。グレッグは早く基地へ!」

グレッグ「あ、ああ。頼むぜ!」

雛苺「真紅!頑張って~!」

ゴオオオオオォォォォォォォ…

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨!

真紅「来たわね。」グイ

ギュゥゥゥゥウウウウウウウン!

真「グッ!」

真紅「我慢しなさい。あとちょっとだから。」カチッ

ダダダダダダダダダダ!

ドオオオオォォォォォォン…

真紅「あと1機…。」

ゴオオオオオオオオオ!

真紅「落ちなさい。」カチッ

ダダダダダダダ!

ドカアアアアアァァァァァァァン…

真紅「敵は全部撃墜したわ。真、生きている?」

真「ああ…なんと…か…」

真紅「真!」

ゴオオオオオォォォォォォ…


~エリア88~

管制『消火作業班は装備を補充しろ!救急班は滑走路に急げ!』

ゴォォォォォ…

整備兵A「シンのドラケンだ!」

整備兵B「火が出てる!」

キキッ

シュゥゥゥゥゥン…

マッコイ「シン!大丈夫か!?」

真「あ…ああ…。」

真紅「早く!救急車を!」

整備兵A「ひどい出血だ!」

整備兵C「救急車急げ!」

マッコイ「おいシン!しっかりしろ!」


~救急車内~

ウ~ウ~ウ~

真「じいさん…他の連中は…?」

マッコイ「ん、ああ…。」
マッコイ「…フーバーが戦死したよ…。いいやつだった…。」

真「フーバーが…?」

真紅「鋼鉄の撃墜王…空戦の神様のフーバーも死んだのね…。」

マッコイ「それに…ミッキーとスイセイセキ、サキもまだ帰ってこない。」

真「ミッキーが!?ばかな…あいつ等がやられるわけない!」
真「うっ!」

マッコイ「身体を動かすなシン!出血がひどくなる!」

真紅「翠星石…。」


~病室~

チャーリー「…………。」

真「…………。」

真紅「…………。」

チャーリー「………なあ、シン…。」

真「何だ、チャーリー?」

チャーリー「何故俺を助けた…?俺はお前を…」

真「言うな。」

真紅「外で聞かれたらリンチされるわよ。」

チャーリー「…………。」

真「お前にはいろいろと助けられたからな。これでお相子だ。」

チャーリー「シン………。」



チャーリー(…悪いなファリーナさんよ…もう依頼は果たせなくなっちまったよ…)



ゴォォォォ…

真紅「1機帰ってきたわ。」

真「トムキャットか?クフィールか?」

真紅「ちょっと待ちなさい。」

ゴォォォォ…

真紅「クフィールよ。尾翼にライオン…サキよ!」
真紅「真!サキは帰ってきたわ!」

真「そうか…。」

チャーリー「この分ならミッキーも大丈夫だな…。」

整備兵A「サキだ!」

整備兵D「サキが帰ってきた!」

整備兵B「サキ!」

ゴォォォォォォォォォォ

サキ「何処だ…滑走路は何処だ…くそっ。無線が効かん…。」




サキ「コントロール!応答しろ!目が…目が見えん!」



MISSION17完成です。
このSSではチャーリーを生かしておきました。このまま生き続けるかどれぐらいまで生き長らえるかは検討中です。

MISSION18投下します。


~手術室~

医師「麻酔!」

ピッピッピ…


助手「呼吸、脈拍正常!血圧…やや低下!」

医師「クリップ!」

チッチッチッチ…

マッコイ「…………。」

金糸雀「…………。」


MISSION18 カラスたちには鉛の弾を


~滑走路付近~

整備兵A「通信機がぶっ壊れてておまけに目も見えなくてよく滑走路が分かったな…サキは。」

整備兵B「まったく。なんて人だ。」

整備兵C「耳で聞き分けたのさ…低空で飛行して砂の上を反射してくるエンジン音と、滑走路のコンクリートに反射してくるエンジン音とをな。」

整備兵D「神業だぜまったく…。」

整備兵C「神技か…違うな。神様ならとっくの昔に天国に行ってらぁな。地獄に戻ってくるために使う神技なんてあるかよ。」
整備兵C「…悪魔が味方してんだよ、あいつらには…。」

一同「…………。」


~手術室~

ガラガラ

金糸雀「ドクター!どうなのかしら、サキの容体は!?」

医師「身体の方は大丈夫だ。鍛え方が普通じゃないからな。問題は目だ。」

マッコイ「目!?もしかして…失明なのか?」

医師「このままいけば確実に光を失う!それまでにそう長い時間はかからんと思うがね。」

マッコイ「そんな!」

金糸雀「何とかしてあげてかしら、ドクター!このままじゃサキは死んだも同然なのかしら!」

医師「ザク国王もそう言っておられる…。しかしな、ここには十分な設備が無いんだ!」

マッコイ「何処に行きゃあるんだ?」

医師「国王ともさっき電話で相談したんだが…視神経外科ではヨーロッパで一番の権威と腕を持つ医師がスイスのチューリッヒにいる。そこにサキを移送することに決定した。」

金糸雀「そこに行けば治るのかしら?」

医師「確実性は無い…だがここで手術するよりは安心できる。」

マッコイ「…分かった。わしのC-130を使ってくれ。精密機器を運ぶための特別仕様のハーキュリーだ。必ず役に立つ!」

金糸雀「心配なのはサキが納得するかかしら…。サキはこの基地を離れたがらないかしら…。」


ジジジ…

ミッキー「うるせえなあ…誰だ?耳元で電気カミソリで髭なんか剃ってるバカは?」

ジジジ…

ミッキー「向こうへ行ってやれ!向こうで!ちくしょう!俺は頭が痛いんだ!」
ミッキー「う…。」ズキッ

???「気が付きましたか?ミッキー・サイモン君とやら。」

ミッキー「ちっ…てめえは誰だ?ここは何処だ?エリア・ナンバーの何処だ?」

???「ここはエリア・ナンバーの基地じゃない…サイモン君。」

ミッキー「じゃあ、あちち…遊牧民の村か?」

???「君達にとっては敵…つまり反政府軍の基地ですよ。」

ミッキー「そうか…そうだったな…くそ、頭がくらくらしやがる…。」

ミッキー(そうか…数百機の敵に囲まれて…死ぬ覚悟で突撃したんだ…)

???「そう…なかなか凄まじい戦いぶりでしたよ、サイモン君。我が軍にもあれほど勇敢なパイロットはそうはいない。」

ミッキー「褒めてくれてありがとよ。お礼に俺のことをミッキーと呼んでもいいことにしてやるぜ。」
ミッキー「お礼ついでにもう1つ注文してもいいか?」

???「いいでしょう…なんですか?」

ミッキー「スイセイセキを出せ!俺の相棒にもしものことがあったらこの基地ごとてめえを吹っ飛ばしてやる!」

???「流石は兄上の部下だけのことはある。あれだけ痛めつけられてもまだ牙を失っていない。」

ミッキー「兄上?…どういうこった?」

リシャール「私の名はリシャール・ヴァシュタール。君達の司令官のサキ・ヴァシュタールは私の実の兄です。」

ミッキー「リシャール…兄上…お前…サキの弟か?」


~エリア88~

マッコイ「シン!もう起きてて大丈夫なのか!?」

真「ああ、傷口はもうふさがったからな。無理さえしなきゃ平気だ。」

マッコイ「サキが今日の午後、チューリッヒに行くんだそうだ。」

真紅「そう…出撃準備で忙しいから見送りは無しよ。よろしく言っておいて頂戴…。」

マッコイ「いっそこのまま目が見えなくなった方があいつにとっては幸せかもしれんな…。」

真「どういう意味だ?」

マッコイ「視力が戻ればまたあいつはここへ帰ってくる…そしてどこかがぶっ壊れるまで戦い続けるだろう…。」

真「…………。」

マッコイ「目が見えなきゃもうチューリッヒから戻ってくる必要はねえんだ!そのまま一生を楽に暮らせる…。」

真「なあマッコイ…俺達は死を見ることに慣れている…他人の死も自分の死も…。」
真「一番怖いのは、その死が近づいてくるのが見届けられないことなんだ。」

真紅「手が無くなろうが足が無くなろうが、目だけはしっかり見開いていたい…。」
真紅「最期の瞬間までこの目で見ていたいものよ。」

真「暗闇の中でそのまま引きずり込まれていく死の世界なんてごめんだ。」
真「地獄の火でこの身が焼かれようとも燃え尽きてしまうまで自分の目で見ていたいと思う…。」

マッコイ「お前達…サキと同じこと言うんだな…。」
マッコイ「一番心配だったのはあいつにチューリッヒへ行くことを納得させることだと思ってた…。」
マッコイ「ところがあいつ、あっさり行くと言ったんだ…今のお前等と同じこと言ってな…。」

真「…………。」

マッコイ「神様ってのは何を考えてんのか…わしにはもう分からんよ…。」

真「かんたんさ。」

真「人には希望を、男には勇気を、女には愛を、子供達には未来を、老人達には安らぎを、」

真「俺達みたいなカラス共には鉛の弾を与えているのさ…。」

マッコイ「…………。」


~反政府軍基地~

リシャール「この国は新しくしていかなければ意味が無いのです。文化を導入することによって、その国らしさが消失するかもしれませんが…。」
リシャール「その国らしさを守るために人々は貧しさや不便さの犠牲になってはいけないのです!父はこの国の改革を目的としています!」

翠星石「随分高くつく改革ですね。そのために死んだ人間の数は両手両足じゃきかんですよ!」

リシャール「兄上から父上を説得しろと言われた時は本当に迷いました…。私は兄上も父上も両方とも好きです…。どちらの気持ちも分かります。」
リシャール「ザクおじさんも父上もこの国をより暮らしやすい国にしようとしているのは明確なのです…が…こういった最悪の事態になってしまった…。」
リシャール「ミッキー、スイセイセキ。本来なら君達はこの基地に降ろされた時に銃殺される身でした。私がそれを止めたのです。」

ミッキー「そりゃありがたい…何なら今からぶち殺してくれても差し支え無いぜ…プリンス・リシャール!」

リシャール「私はこれを恩に着せて貴方にお願いがあります。」
リシャール「この国の王制を廃止するのです!」

ミッキー「!?」

リシャール「もう何年もかけて父上を説得してきました…あとは兄上の協力が必要です…。」
リシャール「兄上に伝えて下さい。ザク国王を説得してくれと…全ての決定権は国民にこそあるのだと…。」

ミッキー「民主化の波は結構だがね…仮にその世界が出来上がった時…国民があんた達に死の審判を下したらどうする!?」

リシャール「それに従いましょう!この首1つで死んでいった者達への慰めになるのなら簡単なことです。」
リシャール「父上もようやく私の意見に同意してくれるようになりました。」
リシャール「兄上はとても父上に似ています。力の考え方も、意地の張り方まで…。」

翠星石「あんたは母親に似たんですか?」

リシャール「らしいですね…。」

キィィィィィィィィィィン!

リシャール「貴方方の機体は武器こそ積んではいませんが、十分な整備と燃料の補給をしてあります!」

翠星石「翠星石達を逃がしていいんですか?ヘタしたらあんたも銃殺ですよ?」

リシャール「ご心配なく!手は打ってありますから。」

ミッキー「俺はサキに何も報告しないばかりか戦争が続くのを望んでるかもしれないんだぜ?なんせ戦争が商売なんだからな!」

リシャール「貴方はそれが出来る人ではない…さっきから話していてよく分かります。」

翠星石「それにミッキーが言わなくても翠星石が言うですからね!」

リシャール「そうですね…スイセイセキ、貴方も正直な人ですからね。」

ミッキー「二股かけて商売するってのはどうもね…だが…命を助けてもらった恩もある…。」

リシャール「ミッキー、スイセイセキ、貴方達を信じます…。貴方はきっと兄上にこの事を伝えてくれると信じます…。」

ミッキー(プリンス・リシャール…)

リシャール「じゃあミッキー!スイセイセキ!気を付けて!」

キイイイイイイイイイイン!

グオオオオオオオオオォォォォォォォォ…

ミッキー(リシャールか…優しい王子だ…。炎のような情熱じゃなく、炭火のような暖かさを持っている…)

翠星石「聞きたくなかったですね…この話。」

ミッキー「ああ、これからが戦いづらくなる…。」


~エリア88~

傭兵A「ミッキーだ!」

整備兵A「ミッキーが帰ってきた!」

傭兵B「ミッキー!」

ミッキー「いよう!生きてんな、みんな!」

傭兵C「この野郎!死んだかと思ったぜ!」

翠星石「わははは…そう簡単にくたばってたまるかですぅ!」

傭兵D「無事でなによりだ!」

整備兵B「何処でクダ巻いてたんだ、ええ!?」

真「ミッキー!」

ミッキー「シン!元気か?俺がいなきゃこの基地はつまらなくて死にそうだろ?」

真「何言ってやがる!静かで住みやすい!」

ミッキー「ひでえ言い草だ。もっといたわってくれ。」

一同「HAHAHAHAHAHA!」

翠星石「真紅!」

真紅「無事だったのね、翠星石。」

翠星石「サキは何処ですか?ちょっと報告しておきたいことがあるですが…。」

傭兵E「サキなら目を治しにチューリッヒの病院に行ったよ!」

傭兵F「当分帰ってこねえよ!」

ミッキー・翠星石「そんな…!」

真「どうしたんだミッキー?」

ミッキー「いや…何でもない…。」


~スイス チューリッヒ~

キキッ

ガチャ

出迎え「大丈夫ですか?長時間、車に揺られてお疲れでしょう…すぐにお部屋の方に…」

サキ「いや、大丈夫だ…。」

涼子「…………?」

ジョゼ「ねえリョウコ!早くパパの所へ行こうよ!」

涼子「…………あの人は…!」

続けて投下します。

キィィィィィィン!

シュゥゥゥゥゥン…

傭兵A「どうだ?西の方は?」

傭兵B「影も形も無いよ!」

傭兵A「こないだまではあんなに攻撃してきてた敵が1機もいないなんて…どうしたんだろう一体?」

ゴォォォォォ…

傭兵B「シンのドラケンも帰ってきたぜ!」

傭兵A「ミサイルを積んだままだ。敵とは交戦しなかったみたいだな。」


MISSION19 渇いた希望


~ブリーフィングルーム~

ざわ…ざわ…

金糸雀「みんな!静かにするかしら!」

傭兵C「いよー!カナリア大統領!」

金糸雀「命令書を読むからよく聞いておくのかしら!」
金糸雀「今から名前を呼ばれた者はただちに装備を付けてエリア85に向かうかしら!」

傭兵D「エリア85?」

傭兵E「あそこはヘリコプターの部隊だぜ。」

傭兵F「どうしてだよ!」

金糸雀「そんなことカナは知らないかしら!とにかくそこに行って作戦に参加すればいいかしら!期限は1ヶ月!」

金糸雀「真!ジェンセン!キャンベル!マロリー!グレッグ!」
金糸雀「以上5名!これからエリア85に行くかしら!」
金糸雀「それから戦隊指揮官はチャーリー、貴方がやるかしら。」

チャーリー「分かった…。」

グレッグ「さてと…じゃあ行くぞみんな!1ヶ月の間しばしの別れだ…生きてろよ!」

真「じゃあなミッキー!死ぬなよ!」

ミッキー「気をつけろ!シン!」

バクシー「グレッグ!」

グレッグ「すぐに戻ってくらぁ!心配すんな、バクシー!」

翠星石「…………。」

キイイイイイイイイン!

ゴオオオオオオオオオオオオ!

ジェンセン「こちらジェンセン!離陸位置に向かう!」

真「真だ!ジェンセンの次に上がる!」

管制『ラジャー!』

真「!」

ミッキー「…………。」スッ

真「…………。」ピッ

キイイイイイイイイイイン!

ゴオオオオオオオオオオォォォォォォォ…

グレッグ「みんな、よく見ておけよ…。エリア88の見納めかもしれんぞ…。」

ゴォォォォォォ…

真(ミッキー…死ぬなよ…)

グレッグ「作戦の内容はヘリボーン作戦をサイドから援護することだ!正規軍との合同作戦だからな!ゴダゴダを起こすんじゃねえぞ!」

ジェンセン「損だよな、俺達は…。」

キャンベル「何が?」

ジェンセン「外人部隊って言うだけで正規軍からも敵扱いだぜ!右も左も敵ばっかだ…。」

ゴォォォォォ…


~エリア85~

キュンキュンキュン…

バリバリバリバリバリ…

真紅「ヘリも集まるとすごい音ね…。」

キャンベル「鋼鉄のトンボだからな…。ところでグレッグは?」

真「作戦室に行ってる。もうすぐ来るだろ。」

兵士「おら、じゃまだじゃまだ!」ドン

ジェンセン「お!」ドス

ジェンセン「てめえ!ぶつかっておいて何て言い草だ、この野郎!」

真紅「よしなさい、ジェンセン。」

兵士「なにぃ?ハンパもんのくせしやがってでけえ面すんじゃねえよ!」

ジェンセン「ハンパだと?どういう意味だよ!?てめえらの働きが悪いから俺達が出張って来てやってんのにでけえ面するな?もう一度言ってみろ!」

兵士「何度でも言ってやる!貴様等クズの来るとこじゃねえ!」

ジェンセン「この野郎!!」

ガッ!ドッ!バキッ!

兵士A「何だ何だ?」

整備兵A「喧嘩だ喧嘩だ!」

兵士B「やっちまえリブ!」

兵士C「外人部隊のやつなんか殺しちまえ!」

ワーワー!

マロリー「想像以上に険悪な雰囲気だな…。」

真「ああ…。」

兵士D「俺も加勢してやるぜ!」グッ

ガスッ

兵士D「うわ…!」

キャンベル「手を出すなよ、若いの!」ガタン
キャンベル「俺はキャンベルって言うんだ…鉄腕キャンベルで通っている。」
キャンベル「それ以上前に出たらこのジェリカンみたいになるぞ。ヘリパイのヘルメットなんざコーンフレークを同じだからな。」

兵士D「わ、分かったよ…。」

ジェンセン・リブ「ハァ…ハァ…ハァ…。」

リブ「てめえ等…人の家に上がり込んで勝手なマネした上に喧嘩まで売りやがんのかよ…こんちきしょう…!」

ジェンセン「人の手を借りなきゃ家ん中のゴダゴダを収められんくせしやがって…大きなこと言うな…!」

真紅「…………。」

バババババ…

兵士E「バッサンの隊が帰ってきたぞ!」

兵士F「うお…!」

バラバラバラバラバラバラ…

グラッ

一同「あっ!」

ドカアアアアアアアアアン!

整備兵B「やりやがった!」

兵士G「誰だあの機は!?」

ワーワー

真「…………。」

整備兵C「シリアル35番!カッセイの機体だ!」

リブ「!どけ!」ブン

ジェンセン「わ!」

リブ「カッセイ!」ダダダダ…

バシャーーー

ゴォォォォォォ…

リブ「カッセイ!カッセイ!」

整備兵D「よせリブ!」

???「どいて!」タタタタ…

整備兵D「よせソウセイセキ!行くな!」

兵士H「もう間に合わん!」

リブ「う…。」

ゴォォォォォォ…

ガシャン!

一同「!?」

ズッズッズ…

蒼星石「早く!カッセイを医務室へ!」

リブ「カッセイ!」

兵士I「生きてたのか!」

整備兵E「担架持ってこい!」

カッセイ「ソウセイセキ…ありがとう…君は命の恩人だ…。」

蒼星石「無事でよかった…。」

リブ「ありがとう…!ありがとう…!俺の友達を救ってくれて…!」

???「ソウセイセキ。」

蒼星石「ハッサン隊長!」

ハッサン「君は勇敢な子だ。危険を顧みずに同胞を救いだしてくれた。感謝する。」

蒼星石「人の命に国籍や人種なんか関係ありません。僕は僕に出来ることをしたまでです。」

ジェンセン「けっ!ガキがあるめえし、ピーピー泣きやがって。」

マロリー「ま、そう言うなジェンセン。我々と彼らとは同じ戦場で戦っていても立場が違う。」

ジェンセン「どう違うんだマロリー?命を懸けて戦っているんだぞ。」

マロリー「俺達は金のために命を張ってる…。あいつ等は国と信念のために戦っている…その違いだ。」

真紅「あれは…!」

真「お前と同じローゼンメイデンか?」

真紅「ええ、名前は…」

雛苺「蒼星石!」タタタタ…

蒼星石「雛苺!?起きてたの!」

雛苺「えへへ~。」

真紅「お久しぶりね、蒼星石。」

蒼星石「真紅!君も起きたんだね。」

グレッグ「お~い!ヒナ!勝手に走るなよ!」┣¨┣¨┣¨┣¨…

真「どうだった?」タタタタ…

蒼星石「この人達は?」

真紅「紹介するわ。こちらは私の下僕、名は風間真。」

真「よろしく頼む。」

雛苺「そしてこっちはグレッグなの!」

グレッグ「グレッグ・ゲイツだ、よろしく。」

キャンベル「俺はキャンベル。鉄腕キャンベルって言われている。」

ジェンセン「ジェンセンだ。よろしくな。」

マロリー「マロリーだ。」

蒼星石「どうも、僕は蒼星石。第4ドールです。よろしく。」

グレッグ「ところでジェンセンがボロボロになってたがもめ事か?」

キャンベル「なあに、大したことじゃない。」

真「俺達の作戦スケジュールは決まったのか?」

グレッグ「ん、ああ…そのことだが、ちょっと来てくれ。」


~作戦室~

グレッグ「ここが、俺達のいたエリア88…正対しているのが反政府軍だ。でまぁ、ここが今いるエリア85なんだが、このサイドに敵がいる…。」
グレッグ「おかしいと思わんか?」

真「反政府軍にしちゃえらく本隊と離れているな…。」

真紅「確かに。エリア88とここエリア85では直線距離で500kmは離れているわ。」

グレッグ「そこなんだ…。我々エリア88が正対している反政府勢力がほぼ本隊と考えると、このサイドに位置する部隊は遊撃隊ということになる。」

キャンベル「それにしちゃえらく手こずってる感じだな…。」

グレッグ「ところが偵察を出して調べてみたところサイドの敵はどうも反政府軍じゃないらしい。」

ジェンセン「ないらしい?そりゃ曖昧だぜグレッグ。」

グレッグ「偵察のデータからはそうとしか言いようがないんだ。かと言って反政府軍に対して攻撃を加えた事実も無い…。」

真「それなら反政府軍じゃないか?」

グレッグ「それが共同の作戦は一切していない。命令系統も全然別のものらしい。」

ジェンセン「何だよそりゃ!」

マロリー「分からんな…。」

真紅「いずれにせよ敵なのでしょう?私達に攻撃してくるのだから。」

グレッグ「まあ、そういうことになるな。」

ジェンセン「まあいいや…どこと喧嘩したってもらうもんは同じだ。その第2の敵の勢力はどのくらいだ?」

グレッグ「勢力としてはそう大きくない。だが、装備は最新だ。」
グレッグ「攻撃ヘリを主体とする部隊と対地、対空ミサイル車両及び戦車1個師団。それに最近ジェット戦闘機が参加している。」

マロリー「ほう…。」

真「小部隊にしちゃ贅沢すぎる装備だ。」

ジェンセン「ジェットの種類は…ミグかスホーイか?」

グレッグ「驚くなよ…ホーカー・シドレー・ハリアー!」

真「ハリアーだって!?自由陣営の兵器じゃないか!」

グレッグ「その他ミサイル車両を含め東側のものは一切使っていない。反政府軍の兵器なら全部東側のはずだ。」
グレッグ「この数週間の作戦で参加したヘリ部隊2個大隊が全滅した。」

ジェンセン「全部ハリアーにやられたのか?」

キャンベル「だろうな…。戦闘ヘリでも最大速度は400km/hちょっと…音速で飛ぶハリアーとは勝負にならん。」

マロリー「しかもハリアーは滑走路がいらない。垂直上昇、後進、横進、動作はヘリと同じだ。」

真「グレッグ、もう1つおかしなことがあるんだが聞いてもいいか?」

グレッグ「何だシン?」

真「この報告書のコピーを見た限りじゃ歩兵を運ぶ輸送車両及び航空輸送隊が見当たらない。」
真「それにヘリの2個大隊を全滅させたわりには戦線を前進させていないじゃないか。」

真紅「まるで侵攻する気が無いみたいね…。」

グレッグ「その通り。敵の行動が不可解なのはそこなんだ。」

キャンベル「気味が悪いな、こういうのは。勝手に縄張りを作って入ってきたやつは[ピーーー]…か。」

グレッグ「どっちにしてもこのエリア85が無事なのは連中が前進しないからだ。あれだけの装備を持ちながら歩兵部隊が存在しないこともおかしなことだ…。」

真紅「でも放っておくわけにもいかないわ。この勢力を潰さなければエリア85は大量の歩兵を前線に入れることが出来ないのだわ。」

ジェンセン「くっそう、どうりで俺達が毎日毎日バカみたいに出撃して潰しても味方の歩兵が来ないと思ったぜ。」

グレッグ「俺達はこのハリアーの部隊を相手にする。その他の対空車両、対地ミサイル車両も攻撃目標になる。」

チョキン…チョキン…

雛苺「蒼星石?」

蒼星石「やあ、雛苺。」

雛苺「何してるの~?」

蒼星石「この木の手入れをしているんだ。」

真紅「貴方は庭師…戦争とは無縁の仕事ですものね。」

雛苺「大きい木なの~。でも…」

蒼星石「でも?」

雛苺「この木1本だけなの。」

蒼星石「…………。」

真紅「何かあったの?」

蒼星石「実は…。」


~数日前~

チョキン…チョキン…

兵士J「相変わらず木の手入ればっかやってるな、ソウセイセキ。」

蒼星石「僕は庭師だから…。」

兵士K「ところでソウセイセキ、ヘリの整備とか興味無いか?」

蒼星石「ヘリの?」

兵士K「ああ、今整備兵が不足してるんだ。お前さえよければだいぶ力になるんだが…。」

カッセイ「よせよ!」

兵士J「カッセイ?」

カッセイ「ソウセイセキは人形といえどもまだ子供だぞ!戦争に子供が関わる必要はない!」
カッセイ「それに、俺達はこんな小さい子供の平和のために戦っているんだ!そんな俺達が子供を巻き込んでどうする!」

兵士J「わ、悪かったよ…。」

蒼星石「もういいですよ、マスター。」

カッセイ「よしてくれマスターなんて。ネジを回したくせに契約していないんだぞ。」

蒼星石「分かっています。でも、マスターが僕を起こしてくれなかったらこの木達は枯れていたでしょう。」

カッセイ「そうだな。お前のお蔭で、このオアシスの木は甦ったんだ。」

蒼星石「オアシス?」

カッセイ「このエリア85はオアシスの元に作られたんだ。だからこのオアシスは俺達の命の源でもある。」

蒼星石「そうですか…。」

カッセイ「それに…この木達を見ていると、なんだか元気が湧いてくるんだ。」

蒼星石「元気が?」

カッセイ「ああ、戦場でたくさんの仲間が死んでくじけそうになった時、この木達から元気をもらったんだ。」
カッセイ「こんなところでくじけたら、死んでいった仲間に申し訳ない。アスランに申し訳ないって。そういう思いが込み上げてきて、また明日も戦える。」
カッセイ「俺達の今があるのは、お前が生き返らせてくれたこのオアシスやこの木たちのお蔭なんだ。」

蒼星石「そう言ってくれると嬉しいです。」

ウ~ウ~ウ~

管制『敵編隊接近!敵編隊接近!』

カッセイ「何てこった!この基地に敵が来たことなんかないのに!」ダダダダ…

蒼星石「…………。」

ゴォォォォォォ…

蒼星石「ん?」

ダダダダダダダダダダ!

蒼星石「きゃっ!」サッ

ダン!ダダン!

ギギーッガランゴロン…

蒼星石「あ…。」

ドカァァァァァァン…

ドォォォォォォォン…

蒼星石「その時に無傷で残ったのがこの木なんだ。」

雛苺「可愛そうなの…。」

真紅「辛かったでしょうね…。」

蒼星石「うん…だから僕も一緒に戦えればいいと思うんだ…。」

真紅「蒼星石?」

蒼星石「僕が戦えばこの基地の人達の役に立つし、この木も守れると思うんだ…。」

真紅「…………。」

バババババ…

マロリー「え~っと…。」カパ
マロリー「なんだこりゃ?」

サラサラ…

マロリー「整備兵!電装品に砂が入っているぞ!」

整備兵F「それが…」

マロリー「何ぃ!?ジェット機の整備は初めてだと!?」

整備兵F「ええ…今までヘリしかやったことが無くって…。」

整備兵G「同じようなジェットタービンだからお前等やれって…。」

マロリー「無茶苦茶だ…同じ原理のターボファンでも出力伝達系統がまるっきり違うんだ…。これじゃいくら命があっても足りんぞ…!」

真「よっと…。」ピト
ククッ
真「OK!」
キャンベル「大変だなシン。整備まで自分でやらなきゃならんなんて。」
真「やあキャンベル。」
真紅「ドラケンはまだいい方よ…所々メンテナンスフリーの部品を使ってあるから…。そっちもスカイホークだから整備はしやすいでしょう?」
キャンベル「ああ、俺とグレッグはスカイホークだからな。手間は余りかからん。問題はジェンセンとマロリーのクフィールだ。」
キャンベル「メッチャクチャ時間を食うぜ。1人でやってりゃ1日仕事だ。」
真紅「実際のところ毎日の実働に耐えられるのはドラケンとスカイホークだけということになるわね。クフィールはマッハ2級で最新鋭機だけどこれだけラフな整備体制ではちょっと…。」

キュンキュンキュン…

バババババババババ…

真「あいつ等…何機戻ってくるやら。」

真紅(陽炎の向こうは死…)

真紅(それを承知で命をさらす戦士達…国のためか、信念のためか…)

真紅(私達は違う…)

真紅(私達は自分の明日に命を懸ける…)

真「スタンバイ!エンジンスタート!」

キャンベル「ようし!いっちょ行くか!」

蒼星石「キャンベルさん…でしたね。」

キャンベル「ん?どうした?」



蒼星石「僕も…一緒に乗せて下さい!」



真紅「蒼星石!?」

雛苺「蒼星石も来るの~!?」

グレッグ「本気かい?お前が見るには早すぎるようなことばっかだぜ。」

蒼星石「本気です。さっきあんなこと言いましたけど…。」
蒼星石「戦っている人達のために、僕も何か役に立ちたい…でもそれはあの人達の立場に立ってみなければ分からない…。」

真「…………。」

グレッグ「…………。」

キャンベル「…分かった、乗れよ。」

ジェンセン「キャンベル!?」

真「本気かよ!」

キャンベル「俺達を手伝ってくれるっていうんだ。借りないわけにはいかないだろ。」

マロリー「それに、新しい世界を見るいい機会だろうしな。」

キャンベル「いいだろう?グレッグ。」

グレッグ「…いいだろう。」

真「…分かったよ。」

ジェンセン「覚悟しとけよ?」

キャンベル「さあ、行くぜ!ソウセイセキ!」

蒼星石「はい!」

MISSION19完成です。ここでちょっと補足。
蒼星石はエリア85のカッセイという兵士が巻きますに丸してねじ巻いて起きましたが現時点ではまだ契約はしていません。
これは、彼女の居場所をエリア85から88に移す上で88のパイロットと契約するというシナリオを見通しての設定です。

お待たせしました。MISSION20投下します

バババババババ…

兵士A「マーベリック4より全機へ!目標まであと5分!」
兵士A「スキナーは左!パッカーは右だ!アタックオン!」

バラバラバラバラバラ…

ザザァーー!

兵士B「戦車だ!」

ドォン!

グワアアアアアアアアン!

兵士C「隊長機墜落!全機突入!突入~!」


MISSION20 地獄への進入路

バババババババババ…

キュラキュラキュラ…

グーン

兵士D「遅い!」

バシュバシュ!

ドォォォォン!ドカァァァァン!

兵士D「スキナー2よりマーベリックへ!牛は始末した!直進せよ!」

兵士E『サンキュースキナー!』
兵士E「へっ!今日は援護がいるからあの忌々しいハリアーを心配しなくてもよさそうだぜ!」

兵士F「どうかな?いざとなりゃ俺達を援護してくれる外人部隊は逃げ出すことだって出来るんだからな…。」

バラバラバラバラバラ…

兵士F「ターゲットだ!補給集積所を徹底的に破壊しろ!」
兵士F「撃て!」

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

ドカアアアアアアアン!

グワアアアアアアアアアン!

バシュバシュ!

ドン!ガン!

兵士G「ひっ!」

バババババ…

兵士G「こちらマーベリック1!被弾した!エンジンを貫通したらしい!出力が上がらん!」

兵士G「指揮をマーベリック5に任せる!グッドラック!」

パリッ…パリッ…

兵士G「アスラン万歳!!」

ドオオオオオオオオン…

兵士H「マーベリック1は戦車に体当たりした!我々はやつの死を無駄にしてはいけない!最後の最後まで戦い抜くのだ!」

ゴォォォォォォ…

ジェンセン「最後の最後まで…か。いい台詞だよな。信念のために死ぬやつにはいいまじないだ…。」

グレッグ「俺達外人部隊には何のまじないも無いからしめてかかれよ!そろそろハリアーのお出ましだ!」

真「…………。」

キャンベル「よく見ておけよソウセイセキ。これがやつ等がいる戦場だ。」

蒼星石「はい。」

ババババババ…

シュォォォォォォォォン!

兵士I「出た!ハリアーだ!」

キィィィィィィィン…

兵士J「う、うわあ!」

ババババババババ!

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨!

兵士J「ぎゃ!」

ドォォォォォォォン…

ギュゥゥゥゥゥゥゥン…

兵士K「外人部隊の野郎!どうして援護に来ないんだ!」

キィィィィィイイイイイイン!

兵士L「反転してまた来るぞ!全機散開!」

キイイイイイイイイイイイン!

兵士I「うわああ!後ろにつかれた!助けてくれー!」

ドカアアアアアアァァァァァァン…

兵士I「!?」

蒼星石「大丈夫!?みんな!」

兵士I「ソウセイセキ!?」

マロリー「トロトロ飛んでねえでさっさと編隊をかき集めろ!狙い撃ちされるぞ!」

ジェンセン「こちらジェンセン!ハリアーが1機だけってのはちょっとおかしい!」

グレッグ「確かにな…いくらこっちが戦闘力が上だといってももう少し手の打ちようがあるはずだが…。」

キャンベル「何か嫌な予感がするぜ!こっちの出方を見ている気がする!」

真「あ!」

ゴォォ…

真「真より全機へ!前方より敵!」

マロリー「機種はハリアーか!?ミグか!?」

ピーッ

真紅「ミサイル接近!」

真「散開せんとやられるぞ!」

ゴオオオオオォォォォォォ…

キイイイイイイイイイイイン!

ギュゥゥゥゥゥウウウウウウウン!

ドオォン!ドカアァン!

真「それじゃあ、お返しさせてもらうぜ!」

バシュウウウウウウウゥゥゥゥゥゥゥ…

ボォォォン…

真「?」

真紅「敵にしては妙に動きが鈍いわね…それにハリアーとは違う…。」

グレッグ「シン、機種が分かった!F-18!西側の最新鋭機だ!」

真紅「何ですって!?」

真「F-18といえば垂直上昇機じゃないぜ!何処に滑走路があるんだ!?」

キイイイイイイイイイン!

管制「GO!」

ゴオオオオオオオオオオォォォォォォォォォ…

ファリーナ「フフフ…まさか政府軍の連中もこういう仕組みになっているとは気が付くまい。まあせいぜい気を入れて戦ってくれ!」

ドカアアアアアアアアアン!

真「何かおかしいな…。」

真紅「そうね…まるで動かしているのが人間じゃないみたい…。」

キャンベル「一体どうなってんだ?」

蒼星石「あの戦闘機…人が動かしていないのかも…。」

キャンベル「何?」

蒼星石「だって…あの機体、本気で避けようとしていないから…。」

真「真よりグレッグへ!こいつはちょっと変だ!」

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨!

ドオオオオオオオオン!

グレッグ「ああ…ちょっとおかしいな…。」

ジェンセン「こちらジェンセン!大変だ!この敵機には人が乗っていない!」

真「何ぃ!?」

ジェンセン「俺の前にいるやつに近寄ってみろ!機銃は狙い撃ちして壊してあるから安全だ!」

ゴオオオオオオオ…

真「あれは…。」

カチャ

真紅「まさか…カメラ?」

グオオオオオオオォォォォォォォ…

真「あ…逃げる…。」

ジェンセン「どうだシン!シンク!何か見えたか!?」

真「ああ…何か機械のような物が…。」

真紅「きっとあれは遠隔操作で動いている無人機…ラジコンと同じね。」

ジェンセン「何てこった…俺達は無人の飛行機を相手に喧嘩してたんだ!」

真「そうか…少し感じが違ったのはその所為か…。」

真(普通、空戦の時に相手のケツにつけば相手の恐怖が手に取るように分かるもんだ…慌てふためいてラダーを動かしたりスポイラーを動かしたりしてな…)
真(ましてや銃撃を浴びようもんなら相手は完全にパニックだ…)
真(我武者羅に攻撃に出ようとする機体もあれば、死に物狂いで逃げを決めるやつもいる…。)
真(何せ生きるか死ぬかの瀬戸際だ…なにふり構っちゃいられない…)
真(なのにこいつは…この敵は…違う…)
真(冷たいんだ…血が通っていない…)

真(成程な…全部機械じゃ恐怖なんて感じまい…一杯食わされたぜ!)

キャンベル「どうするグレッグ!?相手が機械じゃどうしようもないぜ!生身のこっちの方が分が悪い!」

グレッグ「確かにな…ヘリ部隊も引き上げたし、俺達も引き上げ時かもな…。よし!基地に戻って対策を考えよう!」
グレッグ「とにかく…連中が滑走路も無いのにどうやって発進と着陸をしているかってことを突き止めんと…。」

真「ああ…。」


~エリア85~

兵士M「そんなバカな!」

兵士N「じゃあ我々は機械に仲間を殺されたっていうのか!?」

グレッグ「まあな…正確にはその機械を操っているやつに…だ。」

ジェンセン「そう…血を流したのはあんた達だけで相手は血の一滴も流しちゃいない…。」

兵士O「く…!」

兵士P「それじゃ死んでいった多くの仲間達はどうなるんだ!」

兵士Q「からくり相手に死んでいった仲間の魂はうかばれない…。」

キャンベル「近代戦てなこんなもんかな?戦争なんてひっくるめて言えば経済のぶつかり合いみたいなもんだ。貧乏人は負ける…。」

兵士R「し…しかし、俺達には信念が…!」

ジェンセン「アホくさ!信念で勝てりゃ世の中平和よ!」

真紅「戦うためには信念や根性も必要だけど…それはあくまで相手も血の通った人間である場合の話よ。機械相手では信念や根性なんか何の役にも立たないのだわ。」

グレッグ「悪いこたぁ言わねえ!しばらくヘリ部隊の出撃は控えさせた方がいい!俺達に任せろ!」

兵士S「そんな!」

兵士T「俺達は戦うんだ!逃げに来たんじゃない!」

兵士R「相手が機械だろうが何だろうが政府軍が勝利を得るまでは1歩だって下がるつもりはない!」

グレッグ「バカ野郎!!犬死にしてえのか!!」

一同「…………。」

蒼星石「みんな…今回はこの人達に任せてくれないかな?」

兵士Q「ソウセイセキ…。」

蒼星石「外人部隊の人達はこのアスランの戦争が終わればまた別の戦場を求めてここを去っていくかもしれない。」
蒼星石「でもこのエリア85のみんなは違う。戦争が終われば荒れた国を建て直していかなければならない。」
蒼星石「チョンガーさんはお嫁さんをもらって…子供を作って…みんな養っていかなければいけない…これは戦争なんかよりも大変だよ。」

グレッグ「ソウセイセキの言う通りだ。命を粗末にするのは俺達だけでたくさんだ…。そのために俺達は高い金を貰って雇われているんだ…。」
グレッグ「俺達は傭兵だ…帰る故郷も無いし…立て直す人生も無い…。」

真「…………。」

ヒュゥゥゥゥゥ…

真(帰る故郷は俺には…ある!いや…帰らねばならない!)
真(俺の信念は金を得ることではなく死ぬことでもない…)

真(俺の信念は生き抜くことだ………)

真紅「…………。」

続けてMISSION21投下します。


~エリア85~

シーン…

真「さすがにヘリ部隊は今日は静かだな…。」

真紅「そうね…でもどちらにしても善後策を考えなければならないわね…。」

グレッグ「うお~い!みんな集まってくれ!」

真「グレッグ。」

グレッグ「とにかくだ、ハリアーは別としてF-18が滑走路も無しでホイホイ飛び上がってくるのはおかしい…飛行場を探さにゃならん。」


MISSION21 故郷はるかに

マロリー「そこなんだよな…でも何処を探しゃいいんだ?F-18の行動半径はけっこう広いぜ。」

真紅「でも、ドロップタンクを積んでいない所を見ると、そう遠くから上がっているわけではなさそうね。」

ジェンセン「ロケットブースターを付けて打ち上げてんじゃねえか?」

グレッグ「離陸はそうとしても着陸はどうする?いくら人間が乗ってないといっても帰ってきたしきりから砂漠に落とすわけにもいくまい。」

ジェンセン「ん~~~?」

真「フックを使うとすればどうだ?空母と同じ着艦ロープを使えば100mもあれば停止できる。」

キャンベル「ブルドーザーで鉄板を引けば100mぐらいのスペースはすぐにできる。」

グレッグ「それじゃ、その機材を入れておくだけのハンガーや倉庫のような固定目標が見つからんのはどうしてだ?それだけのものを毎日、背中にしょって歩き回ってるわけではないだろ!」

真「う~~~む!」

キャンベル「ん~~~~?」

ゴォォォォォ…

真「大体ここら辺りなんだが…。」

真紅「F-18を発進させて戦闘させるにはこの辺りが適当なのだわ。」

真「滑走路はおろかロケットブースターの発射器さえ無いぞ。」

真紅「もう少し西をあたってみましょう。」

ゴォォォォォ…

ウイーン

レーダー兵「飛び去ります。」

敵兵士A「指定圏外に出るまで対空レーダー車に追尾せよと言っとけ!」

ファリーナ「艦長…。」

艦長「は、何でしょうかファリーナさん?」

ファリーナ「この状態からあの飛行機を攻撃できるかね?」

艦長「やれないことは無いのですが…砂の中からですと照準に時間がかかります。」

ファリーナ「やってみてくれ。今度、反政府軍を相手にするとなると音速機かたの攻撃も設定しておかんとな…。データはコンピューターに連動でインプットされるようにしておけ。」

艦長「分かりました!火器管制班!測敵急げ!」

敵兵士B「方位38!敵速0.8!」

敵兵士A「アペックスAAM発射用意!オートシュートにセット!」

敵兵士C「軸線グリーン!照準完了!」

敵兵士D「セットオン!」

ゴゴゴゴゴ…

ズザアアアアアアアア!

ゴォーーーン…

バシュウウウウウウウウゥゥゥゥゥゥ…

敵兵士E「発射しました!目標撃破まであと5秒!シグナルブルーゾーン!」

ゴォォォォォ…

ピーッ!

真紅「ミサイル!」

ピーピーピー

真(回避…いや、間に合わん!)

ドカアアアアアアアン!

ゴォォォォォォ…

グイッガスッガスッ

真(脱出装置が動かん!)

ボォォォォォン…

敵兵士E「撃墜しました!」

敵兵士A「今のデータを全部コンピューターにインプットして同一条件下での攻撃は全て自動化できるようにしておけ。」

敵兵士F「了解!」

ザザザザザ…

キュラキュラキュラ…

ファリーナ「こうやって集めたあらゆるデータを収録したデータバンクをいくらで売りつけるか…だな。フフフ…。」


~エリア85~

兵士A「出撃してから既に6時間を過ぎてます。ドロップタンクを満タンにしていてもこれ以上は無理でしょう。」
兵士A「何処かに墜落したのは確実です。この確認書にサインをお願いします、ミスター・グレッグ。」

グレッグ「もう少し待ってくれんか?あと2、3時間だけでいい…あいつが死んだなんてとても信じられん…。」
雛苺「グレッグだって砂漠に落ちたことあるけど2日かかって基地に辿り着いたのよ~?」

兵士A「しかし、我々のこのエリア85近辺にはオアシスもありませんし墜落したが最期、生きる望みは…。」

グレッグ「とにかくもう少し待ってくれ。」

兵士A「分かりました…しかしパトロール隊は引き上げさせます。これ以上的の制空圏内をウロウロさせるわけにはいきませんから…。」

グレッグ「ああ…勝手にしてくれ…。」

雛苺「真紅…。」

蒼星石「…………。」


~エリア88~

ゴォォォォォ…

チャーリー「ミッキー!スイセイセキ!」

ミッキー「ん?」

翠星石「何ですかチャーリー?」

チャーリー「エリア85に行ってるグレッグから報告があった。悪い知らせだ…。」

ミッキー「何かあったのか?」

チャーリー「それがな…」

ミッキー「バカな!あいつが死ぬわけないんだ!」

翠星石「よく探捜したんですか!?」

チャーリー「ああ…一応捜すには捜したらしいが発見できなかったそうだ…俺もまさかとは思ったんだが…。」

ミッキー「くそったれめが…。」

チャーリー「気持ちは分かるよ…シンとは一番仲が良かったからな…俺だって同じだ…。」

ミッキー「墜落地点は?」

チャーリー「Eブロックの東辺りらしい…。」

ミッキー「よし…。」コツコツ…

翠星石「あっ、おいてくなです!」タタタタ…

チャーリー「おい2人とも!どうするんだ!」

ミッキー「イグニッションスタンバイ!」
ミッキー「スタート!」カチッ

キイイイイイイイイイイイン!

チャーリー「ミッキー!スイセイセキ!」

翠星石「心配すんなですぅチャーリー!すぐに帰ってくるですぅ!」

シューン…

ミッキー(シン…死ぬなよ…お前の流すべき血はこの砂漠が部隊じゃないだろ…)

ミッキー・翠星石「GO!」

ゴオオオオオオオオォォォォォォォ…

チャーリー「気の短いやつ等だ…もう行っちまいやがった…。」

真(……ここは……?)
真(……誰だ?)

フーバー(やあシン!)

真(フーバー!フーバー・キッペンベルグ!生きてたのか!)

フーバー(さあ…俺と一緒に行こう…)

真(何処へ?)

フーバー(さあ…)

真(待ってくれよフーバー。足が思うように動かないんだ…)

フーバー(手を貸そうか?)

真(すまん…)

???(駄目よ!その手を取っちゃ!)

真(!)

涼子(駄目よ真!そっちへ行っちゃ!もう戻ってこれないわ!)

真(涼子!)

真紅(引き返しなさい真!彼女を置いていく気!?)

真(真紅!)

フーバー(早くしろシン!置いて行くぞ!)

真(彼女達も一緒に連れて行くよ…いいだろ、フーバー?)

フーバー(駄目だ…お前だけだ…)

涼子(駄目よ真!いっちゃ駄目!)

真(しかし…)

フーバー(…………。)



フーバー(じゃあな…また会おうぜ…シン…)



真「フーバー!」



真「あ…」

ファリーナ「気が付いたかね?」

真「ここは…ここは何処だ?」バッ
真「うっ!」ズキッ

ファリーナ「足が折れている。それにあばらも2、3本ヒビが入っている。無理しない方がいいと思うがね…。」

真「質問に答えろ!ここは何処だ!」

ファリーナ「砂漠空母の中さ。」

真「砂漠空母?」

ファリーナ「君の所属はエリア88だね。パイロットプレートを見たんだが…。外人部隊に日本人がいるとは珍しいね、カザマ君…。」

真「あんたは?」

ファリーナ「ジュゼッペ・ファリーナ、商売人さ。もっとも世間では黒い商人と言われているがね…。エリア88の中にも私が売った機体を使っている人がいるはずだ。」

真「武器商人か…。」

ファリーナ「君達のドラケンは脱出装置が作動しなかったようだが、そのおかげで命が助かった…。運の強い男だね君は…。」

真「どういうことだ?」

ファリーナ「コクピットが砂にめり込んで墜落のショックを吸収してくれたのと、後部爆発の時に燃料がかぶらなかったのさ。」
ファリーナ「射出座席で脱出してたら爆発に巻き込まれてただろうね…。」

真「真紅は何処にいる?」

ファリーナ「ああ…あのローゼンメイデンとか言う人形かね?紅茶を要求してきたので別室で休ませている…もうすぐ会えるさ…。」

真「もう1つだけ質問してもいいか?あんたは俺達の敵か?味方か?」

ファリーナ「君の出方次第だがね。フフフフ…。」

真「…………。」

ジーッ

ファリーナ「わしだ…ん?…ああ…。」

真「?」

ファリーナ「今この艦はエリア88に向かっている…さっそく君の仲間が来たそうだ…。」
ファリーナ「F-14だそうだ。珍しいね…ポンコツ戦闘機ばかりでやってる外人部隊にこんな最新鋭機を使ってるパイロットがいるなんて…。」

真「ミッキー!それに翠星石!」

ファリーナ「ほう、知り合いかね…それではなおさら丁寧に接待しなくては…マスタード君!戦闘用意だ!」

真「貴様!」

ゴォォォォォォ…

ピカ…

ミッキー「何だ?」

翠星石「ミサイル警報です!」

ミッキー「敵にしちゃえらい遠くから撃ってきたな…よっと。」

ゴォォォォォォ…

敵兵士E「第1射を回避に入りました。」

マスタード「よし、予定通りだ。」
マスタード「コンピューターに自動攻撃させろ。データバンクの成果が見たい。」

敵兵士F「ライン作動!出力レベルグリーン!」

敵兵士G「オートセンサー、オートリサーチ作動!」

敵兵士H「オートシュート、セットオン!」

敵兵士I「目標追尾中!」

敵兵士C「軸線に乗ります!」

ピッピッピッピ…

敵兵士J「ホーマーAAM待機限界に入ります!4…3…2…1…」

バシュバシュ!

ゴオオオオオオオオオォォォォォォォォ…

翠星石「下方よりミサイルですぅ!」

ミッキー「おわ!」

ドカアアアアアアアアアン!

ヒュゥゥゥゥゥゥゥ…ドォォォォォン…

敵兵士E「撃墜したそうだ…脱出確認なし!」

ファリーナ「どうやら私は君の敵になってしまったようだね…ミスター・カザマ!」

真「ミッキー!」


真「見てろ!貴様を必ず殺してやる!」


~西ドイツ フランクフルト~

パサ…

医師「目を開けていいよ。」

サキ「…………。」パチ

涼子「…………。」

ジョゼ「…………。」

サキ「…見えます。」

涼子「よかった!」

ジョゼ「見えるのね!」

サキ「ああ、もちろん!」

涼子「おめでとう!」

サキ「ありがとう、君のおかげだ!」

サキ「フォルコン・ハイム先生、どうもありがとうございました。」

フォルコン「いや、見えるようになってよかった。」
フォルコン「だが気を付けたまえ。半年間は無理な運動や強いショックを与えないように…無理をすると間違いなく失明しますぞ。」

サキ「分かりました…。」

フォルコン「日中はサングラスを絶対に外さないようにな。」

ジョゼ「サングラスをかけた顔も渋くて素敵よ!」

サキ「ありがとうジョゼ。君に言ってもらえると自身がつくよ。」

ジョゼ「うふふふ!」

涼子「またエリア88にお戻りになるんですの?」

サキ「ええ…。」

涼子「戦闘機に乗れば光を失うかもしれませんのよ…先生もおっしゃってましたわね…無理な運動は避けるようにって…。」

サキ「気を付けましょう…。」

サキ「Au revoir!マドモアゼル・リョウコ!」

涼子「気を付けて…お元気で…!」

ジョゼ「さよなら!」

ブロロロ…

???「最終便の手配も終わっています。3時間もすればロンドンですよ。」

サキ「ありがとう。ムッシュ・サワ。」



サキ(さあ…戦闘開始だ…!)


完成です。ではまた。

どうも僕です。これよりMISSION22投下します。

キュラキュラキュラ…

敵兵士A「偵察2号車が例のエリア88からのパイロットを連れて戻りました。腕が折れていますが生きております。」

ファリーナ「ほほう…エリア88の人間はみんなよほど運が強いと見えるな…。」


MISSION22 霧に吠える

ドタドタ…

ミッキー「痛て!痛てて!バカ野郎!怪我人なんだ、丁寧に扱え!」

翠星石「こら!翠星石は猫じゃないです!さっさと降ろすですぅ!」

ファリーナ「ようこそ、この砂漠空母へ…。」

翠星石「てめえが親玉ですか。こんなデカブツ引きずり回しやがってご苦労なこったですぅ。」

ファリーナ「まあね…伊達や酔狂で引きずり回しているんじゃないんだが…早い話がエリア88の現在の戦力はどれぐらいか聞きたくてね。」

ミッキー「おうおう、そんなもん聞いてどうすんだ?バカにすんなよ!口が裂けても言うかよ!」

ファリーナ「じゃあ試しに裂いてみようか…おい!」

マスタード「はっ!」チャッ

ミッキー「う、うわ!冗談はやめろ!男前が台無しになっちまう!」

ファリーナ「言うかね?」

ミッキー「いふ…いふよ…。」グイー
ミッキー「戦闘機1万機、戦車100個師団、その他戦闘ヘリ5000機。そりゃすげえんだから…もう。」

ファリーナ「その大ウソつき共の口はこれ以上裂いたら何をしゃべり出すか分からんからな…放り込んどけ!」


~独房~

ガチャ!ドサ!

ミッキー「痛てえ!畜生!」

翠星石「レディを投げるなー!ですぅ!」

真「ミッキー!」

ミッキー「ん?」

ミッキー「シン!」

真・ミッキー「うわあ!生きてたのか!」ガシッ

真・ミッキー「いたたた…痛てえ~!」

真紅「馬鹿ね。」

真「お前手をやられたのか?」

ミッキー「お前は足かよ?」

真・ミッキー「くっそ~~~!」

ミッキー「そうか…こいつらこのアスランを実験場にしてやがんのか!」

真紅「ええ…反政府軍にとっては敵でも味方でもない…。」

ミッキー「けっ!だからゴタゴタは早く片付けねえと駄目なんだ!グズグズしてるとこんな連中が入り込んで好き放題やりやがる!」

真「とにかく脱出しなくては…。」

真紅「この砂漠空母の次の目標はエリア88よ。」

翠星石「その次は反政府軍ってわけですか。」

真「戦闘機なんざいくら落とされたっていいんだ…連中はデータさえ集めりゃいいんだから…。」

ミッキー「よし…脱出しようぜ!」

真「そのための計画をこれから練らないと…。」

ミッキー「なに、脱走ってのは捕まった初日が一番やりやすいんだ。連中だってまさか初日にやるとは思わんだろ!」

翠星石「どうせやるなら飛行機をかっぱらわないとですぅ。」

ミッキー「リモコンのF-18だろ?何とかならぁ!」

真紅(まったく…)

真「どうやってかっぱらうんだよ!お前は手が使えなくて俺は足が動かないんだぞ!」

ミッキー「う~~~む!」

翠星石「こうすればいいです。ゴニョゴニョ…」

真「え…?」

真「大丈夫かよこんなんで…。」

ミッキー「何とかなるさ…。」

真紅「ローズテイル!」ササァァァァァァ…

番兵「…………。」

ブワッ!

番兵「くぁwせdrftgyふじこlp!」キュゥ…

真「くそ!どの鍵なんだ!?」ガサゴソ

ガチャ!ギィィ…

翠星石「ほら!誰もいねえですぅ!」

ミッキー「今日は大人しくしてると思っているんだ!」

ぼてーん…

真「ひでえ…中東で2人羽織やるとは思わなかった…。」ぶよん

翠星石「ブツブツ言うなです!シン!」

真「翠星石こそ鞄に入ってる身で黙ってろよ!」

真紅「2人とも黙りなさい。第一もっと大きい鞄はなかったの?」

真「しょうがないだろ。あの番兵が持ってたこれしかなかったんだから。」

ファリーナ「フハハハハ!こいつはすごい!私はこの連中が大好きだよ、マスタード君!」ゲラゲラ
ファリーナ「初日からこれだ…アッハハハハハ!」ゲラゲラ

マスタード「はぁ…。しかしあのまま放っておいては…。」

ファリーナ「やらせておけ!こんなに楽しいのは久し振りだよ!あの格好を見ろ!」
ファリーナ「楽しませてくれるお礼だ…F-18を2機くれてやれ!」

マスタード「ファリーナさん!」

ファリーナ「鍛え抜かれたやつ等だ。あれだけ怪我をしていても操縦は出来るだろう…。」

マスタード「冗談が過ぎますよ!ファリーナさん!」

ファリーナ「かまわん!かまわん!あの4人がかっぱらうF-18は離艦するまで好きなようにさせておけww。」
ファリーナ「エリア88の基地に近付いたらそのまま突っ込ませろ!フハハハハ…。」

マスタード「分かりました。」

ミッキー「おっとっと…。」ヨタコラヨタコラ…

敵兵士B「格納庫に近付きます。」

ファリーナ「警備の連中に知らん顔しろと言っておけ!」


~格納庫前~

真「ウス!」サッ

警備兵A「…………。」スッ

テッテテ…テ…

警備兵A「www。」

警備兵B「www。」

真紅「ミッキー、変よ。すんなり行き過ぎるわ。」

ミッキー「気のせいさ…俺達よっぽどうまくやってんだ!」

真紅(こ、これでうまいものなの?)

アナウンス『2番、3番スポットの機は発進用意!係員は機体から離れろ!』

真「あ…。」

ファリーナ「さあ…どうするかな?」

真「しっかり押せよ!」

ミッキー「分かってる!」グイ

真「このやろこのやろ!俺が乗るんだ!」ボカスカボカスカ

ファリーナ「アッハハハハハハ!」ゲラゲラ

マスタード「…………。」

真「ミッキー!何とか乗れたぞ!そっちは!?」

ミッキー「おう、もうちょいだ!なんせ手がな…。」

翠星石「早く上がるですぅ!」

アナウンス『2番機、カタパルトへ移動!』

ウイーン

カタン…チャッ

敵兵士C「発進!」

グオオオオオオォォォォォォォ…

真「さあ…行くぞ!」

敵兵士C「3番機発進!」

ゴオオオオオオオオオオォォォォォォォォ…

ミッキー「わははは!この怪我でもけっこう飛ばせるもんだぜ!」

真「…………。」

ファリーナ「さてと…マスタード君、マイクを貸してくれ。」

マスタード「はい。」カチャ

ファリーナ「あ~、聞こえるかね君達。どうだね?最新鋭機の乗り心地は。」

ミッキー「何!?」

真「くそ!通りでうまくいきすぎると思ったんだ!」

ファリーナ「その機体はそのままエリア88に持って行ってもらおう。」
ファリーナ「リモコンを壊したつもりで安心しているんだろうが、生憎我々の装置はそんなチャチな物じゃないんでね。」

ミッキー「くそ…リモコンロボットをぶっ壊して大丈夫だと思っていたのに…。」

真紅「どうやらあれは視覚装置だけだったようね。」

ファリーナ「フフフフ…まあ4人ともエリア88に着くまで気楽に飛んでくれ。その機体の発信装置で諸君の位置は手に取るように分かるんだ。」

ファリーナ「エリア88にあと10kmの地点まで近づいた所でこちらの誘導に切り替えさせてもらう。おっと、脱出しようったって無理だよ。風防はロックしてあるからね。」
ファリーナ「それからもう1つ言っておく。その機体には燃料をあまり積んでいないんだ。寄り道して遊ぶのもいいが3000mの高度からダイビングする勇気は無いだろう?」

翠星石『うるせえですぅ!下は砂です!うまく着陸すればいいことですぅ!』

ファリーナ「おお、それはとても良い考えだよスイセイセキ君。」
ファリーナ「3000mから高度を下げられればの話だがね…。試しに操縦桿を前に倒してごらん。」

ミッキー「え?」グイ

キィィィィィン…

翠星石「あら?」

ミッキー「あらら?」

グォォォォォォォ…

ミッキー「シン、こいつぁ3000m以下には降下出来んぞ…下げようとしても勝手に自動修正しやがる…。」

ファリーナ「そういう訳だよ諸君。さあ、しっかりエリア88まで飛んでくれたまえ!」

真「くそ、まんまと一杯食わされたわけだぜ!」

ゴォォォォォォ…

ミッキー「このまま飛んで落ち着く先は弾薬庫かガソリンタンクか…どっちにしても地獄への道のりだぜ。しまらねえな!」

翠星石「じじい!高度は上げても構わないんですか!?」

ファリーナ『…………。』

翠星石「ありゃ…切っちまってやがるです…。」

ミッキー「お話も一方通行かよ…。」

真(3000m以下には下げられん…左右の旋回は可能だが…)
真(グダグダ旋回してもいたずらに燃料を食う…どうする…)

真紅「真。」

真「何だ、真紅?」

真紅「あそこ、空気取り入れ口の所…。」

真「ん…………!」
真「何だありゃ?」

真紅「アンテナにしては変わった形ね。」

ミッキー『どうしたシン!』

真「ミッキー、お前の…」

真(いやまずい…通話は一方的だがこちらの会話もレシーバーを通す以上ファリーナに聞かれているかも…ん?)

ホーリエ「!」ふよふよ…(※窓の外)

真「うわ!」

真紅「ホーリエ!」

真「こ、こいつあの時の。」

真紅「この子はホーリエ。私の人工精霊よ。」

真「人工精霊…そうだ!」

真紅「真?」

真「真紅、ホーリエにこう言ってくれないか…」

ゴォォォォォ…

ミッキー「ん?」

ピカ…

ミッキー「何やってんだあいつ等?」

翠星石「あれは…ホーリエです。」

ミッキー「ホーリエ?」

翠星石「そうです。真紅の人工精霊です。」

ホーリエ「!」ピューン

ミッキー「あ、こっちに来る!」

翠星石「何ですか、ホーリエ?」

ホーリエ「!」クルクル

翠星石「…何ですと?」

ミッキー「おい、あいつ何て言ってんだ?」

翠星石「この飛行機の腹に変な物が付いているって…。」

ミッキー「変な物?」

ホーリエ「!」ピューン

ミッキー「また向こうに行ったぞ。」

真紅「どうだった?ホーリエ。」

ホーリエ「!」

真紅「そう…伝わったようね。」

真「よし。」グイ

グルーン…

ミッキー「何だ?」

翠星石「あ!あれですぅ!」

ミッキー「…あれか…。」

グルーン…

ミッキー「また来た。」

ホーリエ「!」クイクイ

翠星石「機体の腹のアンテナを見たか…ですと。」

ミッキー「ああ…。」コク…

ホーリエ「!」

翠星石「この機体にも付いている…ですって。」

ミッキー「そうか…。」

ホーリエ「!」ピューン

真紅「どう?」

ホーリエ「!」

真紅「向こうは分かったようね。次は?」

真「そいつをへし折ってやれ!」

ホーリエ「!」ピューン

翠星石「今度は何ですか?」

ホーリエ「!」クイッ

翠星石「そのアンテナをへし折ってやれ…ですって。」

ミッキー「何?」


~地上空母~

敵兵士D「何かゴチャゴチャ言ってますよ。あまり意味の無い会話のようですが…。」

マスタード「まあいい、放っておけ。それより連中はそろそろ10km圏内に近付くんじゃないか?」

敵兵士「あ…2機が異常接近します!」

マスタード「何?」

ピッピッピ…

敵兵士D「あ!ぶつかる!」

マスタード「何だと!?バカな!自滅なんかするような連中じゃない!見せろ!」

ピーーー…

マスタード「ふー!何てこたぁ無い。2機が上下に重なっただけだ…。」

敵兵士D「し…しかし、随分接近してますよ。」

マスタード「注意して見てろ。何をやるか分からん連中だ。ファリーナさん、例のボタン押しますか?」

ファリーナ「いや…待て。もう少し様子を見てからだ。」

ゴオオオオオオオオオオ

ミッキー「ちきしょう!手がうまくきかん!冷や汗もんだぜ!」ググッ

グオオオオオオオオオ

ホーリエ「!」

真紅「あともうちょっとだそうよ。」

真「分かった。」グ…

真紅「気を付けなさい。ラダーを使わないとみんな爆死するわよ。」

ホーリエ「!」

真紅「もうすぐ当たるそうよ。」

真「さあ、ミッキー!いくぞー!」

真「たありゃ!!」グイ

バキィン!

グウウウウウウウウウン!

ピッピッピッピ…

真「やった!高度は自動修正しなくなったぞ!」

真紅「真!上昇なさい!」

真「うわ!」グイ

ギュウウウウウウウウウン!

マスタード「ファリーナさん!リモコン受信アンテナを壊されました!」

ファリーナ「そうか…さっき重なったのは腹をこすり合わせてアンテナを壊すためだったとはな…。」

マスタード「自爆装置を作動させろ!」

ファリーナ「待て!」

マスタード「しかし、ファリーナさん!」

ファリーナ「マスタード君。私はね、あの連中が気に入った。このまま[ピーーー]のは本当に惜しい。」
ファリーナ「そのボタンは何時でも押せる。内蔵された爆薬は普通の分解方法じゃ発見されないしね。」

マスタード「しかし、あの4人を生きてエリアに帰せばこの空母の位置も装備も分かってしまいます。」

ファリーナ「ああ、その通りだ…。」
ファリーナ「だがそれがどうした?それが分かったところでやつ等に何が出来るというのかね?」
ファリーナ「あの程度の戦力でこっちに攻撃を仕掛ける程バカでもあるまい。よしんば、外部の人間がそれを知ったとしてもそんな話を誰が信じると思うかね?」
ファリーナ「なんせ、エリア88は外人部隊の集団なんだからな…フハハハハ…。」

ゴゴゴゴゴゴゴゴ…

ヒュゥゥゥゥゥ…

真紅「どう真?歩けそう?」

真「ああ…何とかな。下が砂だからそれほど骨に響かんさ…。」

ミッキー「余計な手間がかかったからな…。」

翠星石「燃料がもたなかったです…くそ…。」

MISSION22完成です。
ところで人工精霊たちってどれくらいの速さで飛べるんですかね?

お待たせして申し訳ありません。これより投下します。


~エリア88~

ヒュゥゥゥゥゥン…

ミッキー「どうだ?発見出来たか?」

傭兵A「冗談じゃねえよ。今日1日目一杯うろついたけど影も形も無えよ。」

蒼星石「あれくらいのデカブツです。そう簡単に姿をくらませられるはずねえです。」

傭兵A「じゃ、自分で行ってみたら?」

ミッキー「アホ!この手で行ったらミサイル食らって今度こそ本当にオシャカだ!」

傭兵A「じゃ、大人しくしてるんだなww。」


MISSION23 白い終笛


~マッコイのハンガー~

真紅「どう、マッコイ?何とかなりそう?」

マッコイ「ああ、中身はイカれていないからね。」
マッコイ「しかし…ま、何だね。転んでもタダでは起きねえってとこが大したもんだね。」

翠星石「じじい程じゃねえですぅ。」

真紅「あら真、ミッキー。足は大丈夫?」

真「ああ、何とかね。あと3週間もすればギプスは取れる。」

マッコイ「それまでにはこいつも飛行出来るだろう。ただ…これだけの最新鋭機となると部品が手に入らねえよ。市場にまだ流れていないからな。」
マッコイ「マニュアルだけ手に入れて自作できる部品は何とか作っちゃいるがね。なるべく壊さんようにしてくれ。」

ミッキー「機体の心配より身体の心配してくれよ。」

マッコイ「へっ!叩いても壊れんような顔してよく言うよ!腕も足も替え部品はあるから心配無えよ!」

すんません。風呂入ってきます。

再開します。

マッコイ「それよか、この部品見てくれ。マニュアルには載ってないんだがエンジンにくっついているんだ。」

真「何だろ?」

マッコイ「取り外しが出来ないんだよな、これ…別にどうってことない部品なんだが…。」

ミッキー「じゃあくっつけといていいんじゃない?」

真紅「でも何か気になるわね…。」

翠星石「ヘソみたいなもんじゃないですか?」

マッコイ「バカ言え!エンジンにヘソなんかあってたまるかよ!」

真紅「ま…どっちにしても身体の方を治さないことにはいくら最新鋭機でも動きがとれないわね。」

真「ああ。」

ゴォォォォォォ…

シャンペン3「ん?」

シャンペン3「シャンペン3よりリーダー!キャタピラの跡だ!」

リーダー「シャンペン・ファミリーよりエリア88コントロール!F地区東10km、ポイントOR25でキャタピラの跡を発見した!」

シュゥゥゥゥゥゥゥゥウウウウウウウウ

シャンペン3「ぎゃ!」

ドカアアアアアアアン!

リーダー「コントロール!シャンペン3が撃墜された!地中に潜ったミサイル車両だと思う!今から攻撃する!」
リーダー「GO!」

ヒュウウウウウウウウウ

ドオン!ドオン!

バシュバシュゥゥゥゥゥ!

リーダー「うわあ!」

ドカアアアアン!ドオオオオオオン!

敵兵士A「上空、飛行物体無し!全機撃墜!」

ファリーナ「いかがですかな?この空母の力は…。」

???「すごい…。」

ファリーナ「これを使えば政府軍など赤子の手をねじるも同然。エリア88の腕利きもあのザマですからな。」

???「これを我々反政府軍にお貸し下さると?」

ファリーナ「さよう…いかがかな?リシャール殿!」

リシャール「…………。」


~ロンドン~

サキ「どうでしょうか?マクガイヤー教授。」

マクガイヤー「ま、大体こんな所だな。まるでサターンロケットを発射塔まで移動させるために使う台車みたいだな。」

サキ「ICBMでも使おうってのか?」

マクガイヤー「まさか!内戦ごときでそんな物はいらん。」

サキ「ますますわけが分からなくなってきた…。」

マクガイヤー「しかし、このデカブツがアスランに入ったことだけは確かなようだな。」

サキ「信じられない…父がこれを一体何に使うつもりなのか。」

マクガイヤー「いや、これは台車だけだが…」

マクガイヤー「これにミサイルを搭載したり上部を滑走路に使用しれば陸上を移動出来る攻撃型空母となる。」

サキ「陸上空母!!」

マクガイヤー「まあね…そんなとっぴなことを考え付くやつが昔ドイツにいたがね。実用的ではなかろう。」

サキ「いや…アスランという国土では十分に実用的ですね。大戦中のように都市内でこれを使うのは無理としても、砂漠という海を使うのであれば!」

マクガイヤー「むぅ…。」

サキ「教授!これを仮に攻撃型空母として使用した場合の予測データは出せますか!?」

マクガイヤー「まあ、おおまかなところならね。」

サキ「それで結構です!多分間違いない…マフィアはこいつを父に売る気だ!」
サキ「ぐずぐずしてはいられない!大急ぎでアスランへ帰る!ザク国王にこいつを報告せねば!」

沢「し、しかし…まだマフィアの件が…。」

サキ「何処だって同じさ!ロンドンだろうがアスランだろうが、私の命に明日の保証は無いんだからな。」

サキ「帰るぞ…戦場へ!」


~エリア88~

キイイイイイイイイイイイイイイン!

マッコイ「OK!全域にわたって吹き上がりは良好だ!」

ミッキー「まったくよ、砂漠に落ちた機体を整備するってなぁ大変よ!」

マッコイ「外も中も砂でジャリジャリするからな。」

ミッキー「ご苦労さん。」

マッコイ「なに…割増整備料はガッチリいただくさ。」

管制『出撃命令!出撃命令!F地区OR25においてシャンペン・ファミリーが全滅した!報告のあった地上空母と思われる!』
管制『重爆装備の機体を所有するパイロットはただちに発令所に集合せよ!』

傭兵B「なんだなんだ?」

傭兵C「シャンペン・ファミリーが全滅しただってぇ!?」

真紅「スカイホークで編成された隊ね。」

マッコイ「結構腕利きが集まってたはずなんだがな。」

整備兵B「シン!ミッキー!発令所で呼んでます!すぐに行って下さい!」

ミッキー「おう、分かった!」


~ブリーフィングルーム~

ざわ…ざわ…

金糸雀「静かにするかしら!」
金糸雀「空母そのもののスピードは大して速くはないかしら!でも船体に砂を被せてカムフラージュする能力を持っているかしら!」
金糸雀「搭載機は各種あるみたいだけどどれぐらいの数を保有しているかは不明かしら!」
金糸雀「なお、この空母から発進してくる航空機はミッキーの報告によると無線操縦かしら!」

傭兵D「けーっ!オモチャと喧嘩すんのかよ!シャンペンの連中も腕が落ちたな。オモチャ相手に全滅かよ。」

真紅「構造はオモチャでもそこから発射されるミサイルは私達が“殺し”に使う物と同じ、もしくは数ランク上級の物と考えていいわ。それでも笑っていられるかしら?」

傭兵D「い、いや…そんな意味じゃ…。」

ミッキー「どっちにせよ、なめてかかると痛い目に遭うのはこっちだ。こっちはミサイルに当たりゃあの世行き。だが敵さんはお構いなしなんだからな。」

金糸雀「攻撃隊の編成は前に軽戦闘機、後ろに戦闘爆撃機!各小隊別に集中攻撃できるフォーメーションをとるかしら!」

整備兵C「整備班より!F-4、A-4、F-5に爆装終了!」

金糸雀「OKかしら!」
金糸雀「この空母が反政府軍に渡れば事態は最悪になるかしら!何としてでも打ち砕いてしまわなければならないかしら!」
金糸雀「さあみんな!出撃かしら!」

一同「うおおおおおおおおおおおお!!」

真「サキの時とは全然違う雰囲気だな。」

ミッキー「フーバーと同じで、あいつの指揮はサキよりも安心だからな。」

傭兵E「回せー!」

キイイイイイイイイイイイイン!

ウイスキー1「ウイスキー1だ!離陸する!」

管制『コントロールより!西側から3機進入中!しばらく待機せよ!』

ウイスキー1「3機?誰か帰ってきたのか?」

ゴオオオオオオオオオ

グレッグ「おやまあ、今から出撃するみたいだぜ!」

キャンベル「ああ、随分にぎやかそうだ!」

蒼星石「あれが…エリア88…。」

傭兵F「グレッグだ!エリア85から帰ってきたんだ!」

傭兵G「ジェンセンやキャンベルもいるぞ!」

ドピュッ!

ミッキー「おー、相変わらず見事な着陸で…。」

シュゥゥゥゥゥゥン…

雛苺「これからお出かけなの?」

整備兵D「ああ、F地区でシャンペンが全員カモられた!今から仕返しに行く!」

ジェンセン「シャンペンが全員!?」

グレッグ「まいったな…ま、シンとミッキーがポカ食ったというからただもんじゃないと思ってたが、シャンペンが全部ねぇ…。」

グレッグ「よし、分かった!モグラ退治に俺も加わるよ!1000ポンド2発とあとは対地ミサイル軽そうなの積んでくれ!」

整備兵D「えーっ!今帰ってきたばかりなのに?」

グレッグ「頭数、多い方がいいだろ?」

整備兵D「そりゃそうだが疲れてんのに無理すんなよ!」

グレッグ「けっ!こんなの疲れのうちに入るかよ!」

整備兵D「そうか…って、このちっこいのは誰だ?キャンベル。」

キャンベル「ああ、忘れてた。こいつはソウセイセキ。エリア85から転属してきた新入りだ。」

整備兵E「オーライ!オーライ!」

ガチャン

真「グレッグ!」

グレッグ「おうシン!足は大丈夫か?大事にせんとキャンベルと同じになっちまうぞ!」

キャンベル「うるせー!」

真紅「蒼星石!」

蒼星石「真紅!それに真!みんな無事だったんだね!」

真紅「ええ。翠星石の提案で、あの空母の艦載機を奪って脱走してきたの。」

蒼星石「あははは…翠星石らしい考えだね。」

真「マロリーは?」

グレッグ「ん…あいつは一昨日の着陸の時にエンストして滑走路で宙返りやっちまった…。」
グレッグ「整備不良が原因さ!いくらソウセイセキが手伝ってくれたからってヘリの基地だから固定翼のジェットの整備なんか思うように出来ねえしな…。」

グレッグ「ま、ソウセイセキが念入りに脱出装置を整備してくれたおかげで宙返りになる直前に脱出できたからよかったけどな。」
グレッグ「でも自分の機体も無いし85の連中も忙しいみたいで帰れるのは明日以降になるそうだ。」

真「そうか…。」

整備兵F「爆装終了!何時でも発進できます!」

グレッグ「ようし!ケツッペタに1000ポンドぶちかましてやる!行くぞ!ジェンセン!キャンベル!」

ジェンセン「ああ!」

キャンベル「ソウセイセキ!お前も来るか?」

蒼星石「はい!マスター!」

真「マスター?」

真紅「あの子…キャンベルと契約したのね…。」

真「え?あいつカッセイってやつと契約してたんじゃなかったのか?」

真紅「確かにネジを巻いたのはカッセイだけど契約はしていなかったようね。蒼星石も了解していたようだけど。」

真「みんな、気を付けて!何処からミサイルが飛んでくるか分からんぞ!」

キャンベル「任せとけ!」

ゴォォォォォォ…

グレッグ「コントロール!発進する!」

キイイイイイイイイイイイイイン!

ゴオオオオオオオオォォォォォォォォ…

マッコイ「とんぼ返りで出撃かい!忙しい男達だな、あいつ等も。」

翠星石「蒼星石~!蒼星石は何処ですか~!」

ミッキー「マッコイ!スイセイセキ!」

真紅「彼女ならもうキャンベルと一緒に出撃したわよ。」

翠星石「そんな~!」

真「くそ!足さえまともならこんなところでグズグズしてはいないものの!畜生!」

ミッキー「シン。その気持ちは俺も同じさ…だが、ここで無理をすれば元も子も無くなっちまう。」

真「ああ…分かっているさ…。」

ゴォォォォォォ…

カクテル・リーダー「カクテル・リーダーより全機へ!マティーニとブランデーは右と左につけ!ウイスキーは後ろから高度を下げて進行しろ!」

グレッグ『カクテル・リーダー、モリソン!聞こえるか!?俺だ!』

モリソン「やあ、グレッグ!見物しに来たのか!?」

グレッグ「バカ抜かせ!見物するのに1000ポンド抱えてのこのこ出てくるかよ!攻撃隊に加わる!どのポジションについたらいい!?」

モリソン「分かった!クフィールのジェンセンはこのまま我々の編隊に加わってくれ!グレッグとキャンベルはウイスキー・ファミリーだ!」

ジェンセン「じゃあな!グレッグ!」

グレッグ「ああ、しっかりやんな!」

ゴオオオオオォォォォォォォ…

グレッグ「よしキャンベル、ケツにつくぞ!」

キャンベル「ラジャー!」

ゴォォォォォォ…

アレキサンダー「アレキサンダーよりカクテル・ファミリーへ!キャタピラの跡を発見!通常の3倍はある!」

バシュバシュ!

アレキサンダー「おわっ!ミサイルだ!こいつだ!こいつに間違いない!」

ゴオオオオオオオオ!

アレキサンダー「ぐ!」

ドカアアアアアアアアアン!

モリソン「アレキサンダーがやられた!全機突入せよ!」

モリソン「アターック!!」

ギュウウウウウウウウウン!

はいMISSION23完成です。投下するペースが遅くてすいません。もっと上げられるよう努力します。

これよりMISSION24投下します。

ゴォォォォォオオオオオオオオオオ!

モリソン「アタックオン!ウイスキー1、2、続けっ!」

グオオオオオオオオオオオ

モリソン「相手は砂でカムフラージュしている!構わんからそこら中に落として皮を引っぺがせ!」

ウイスキー1&2『ラジャー!』

キィィィィィィィン…


MISSION24 蟻と魔神

ヒュゥゥゥゥウウウウウウウウ

ドオオオオン!ドドオオオオオオオン!ボォン!

モリソン「攻撃続行!ウイスキー3、4、突撃!」

ウイスキー3&4『ラジャーだよ!』

グレッグ「おらぁ!モグラ野郎!出てきやがれ!」

雛苺「早く出てくるの~!」

ヒュウウウウウウウウ

ドカアアアアアン!ドオオオオオオン!

ゴオオオオオオオオオオ!

グレッグ「うわ!」

ギュウウウウウウウン!

グレッグ「く!」

ドォン!ドドォン!

グレッグ「にゃろ!どれくらい深く潜ってやがるんだ!?」

雛苺「グレッグ!前!」

ズザアアアアアアアアアア!

グレッグ「うおっ!」

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨…

グレッグ「で…でけぇ…!」

雛苺「まるでクジラさんなの~!」

キャンベル「あ…ああ!」

蒼星石「これが…エリアのみんなを…!」

グレッグ「ウイスキー1、2!こいつは500ポンドをちょこちょこ当てたって駄目だ!基地へ帰って対地ミサイルのでかいやつ積んでこい!」

ジェンセン『グレッグそこどけ!俺の爆弾で横っ腹に穴開けてやる!』

グレッグ「よせジェンセン!まだ相手の攻撃翌力や攻撃範囲が分かっちゃいない!」

ジェンセン「てやんでぇ!攻撃能力が分かるまでトロトロやってられるか!」

キャンベル「ジェンセン!」

蒼星石「ジェンセンさん!」

グオオオオオオォォォォォォ…

ジェンセン「てぇい!これでも食らえ!」

ボシュボシュ!

ジェンセン「あ!」

ドォンドォン!ドォン!

グレッグ「ジェンセン!」

ジェンセン「こ、こいつはハリネズミだぜ!」

グレッグ『ジェンセン!脱出しろ!早く!』

ジェンセン「けへ…もうヤバいみたい。あばよ、みんな!」

蒼星石「ジェンセンさん!早く脱出して!」

ジェンセン「ソウセイセキ!短い付き合いだったけど、結構楽しかったぜ!」

ジェンセン「………ぶち当ててやる…!」

グオオオオオオオオオオオオ!

ジェンセン「あは…こら…しっかり…飛べ…よ…。」

ドォォォォォォォォン…

グレッグ「ジェンセン!」

キャンベル「ジェンセン!」

カクテル1「カクテル1、2、突撃します!」

ギュウウウウウウウウン!

グレッグ「やめろ!みんな熱くなるな!落ち着け!」

キャンベル「無理だグレッグ!あれだけのデカブツ相手に熱くならん方がどうかしている!止めようがない!」

グレッグ「むぅ…。」

蒼星石「やめて!みんなやめて!」

ドカァァァァァァン…

ゴォォォォォォォ…

ドォォォォォォォン…

グレッグ「何てこった…いつもなら針の穴だって通すほどの射爆技術を持つ連中があのザマだ!」


~エリア88~

キイイイイイイイイイイン!

整備兵A「ウイスキー1、2が帰ってきたぞ!」

整備兵B「どうだ!?相手はどうなんだ!?」

カクテル1「火器搭載班!急げっ!1000ポンドを積めるだけ積んでくれ!過重でも構わん!」

真「ブリッキー!どうなんだ!?グレッグやキャンベルは!」

ブリッキー「敵さんを食い止めてる!ジェンセンがやられた!」

真「ジェンセンが!?」

ブリッキー「あ…ああ。あいつ、最後には体当たりかませようと…でも力尽きて…くそっ!」

整備兵C「搭載完了!」

ブリッキー「出るぞ!どけー!」

真紅「ブリッキー!後部甲板を狙いなさい!搭載機を打ち出すカタパルトやエレベーターがあるのだわ!弱いかもしれない!」

ブリッキー「わかった!じゃあな!」シュゥゥゥゥゥン

キイイイイイイイイイイイン!

傭兵A「おーい!サキが帰ってくるぞ!今連絡があった!」

真紅「サキが!?」

真「サキが…帰ってくる!?目は…治ったのか!?」


~ロンドン~

沢「どうしても行かれるんですか?」

サキ「ああ…君には随分世話になった…十分なお礼も出来ず申し訳なく思っている。ムッシュ・ツグモやマドモアゼル・リョウコ、ジョゼには君からよろしく言っておいてくれ。」

沢「今度見えなくなったら最後ですよ。もう二度と光は…。」

サキ「構わんさ。親父の息の根を止めるまで見えていれば十分だ。よしんば、見えなくなっても手探りででも喉をかき切ってやる。」

沢「…………。」

兵士A「ヴァシュタール中佐。準備が出来ました。」

サキ「よし、エンジン始動!すぐに行く!」

沢「マフィアの件、このまま調べますが…連絡はどうしますか?」

サキ「マフィアか…ま、私がエリアに戻ればどうだっていい事だ。たとえ親父がやつ等の組織と手を握ったとしても私が叩き潰す。」

サキ「じゃあ、サワ…もう会うことは無いと思うが…。」

沢「グッドラック!」

カッカッカ…

キィィィィィィン…

沢「ロックウェルB-1か…まだアメリカ本国でも使ってない機体をよくもまあ…。」

兵士「ロールス・ロイスのエンジンテスト用として秘密のうちにイギリスに来たとはいえ、よくこいつをアメリカ空軍やイギリス空軍が渡す気になりましたね。」

サキ「まあな…中東にはいろんな国がおべっかを使いたがっているからな。力関係というのは面白いもんさ。こいつを持っていけば、マッコイだって腰を抜かすさ。」

ゴオオオオオオオオオォォォォォォォォォ…

沢「…………。」

ゴォォォォォォ…

兵士「アスランまで4時間程かかります。後部でお休みになっては?」

サキ「そうだな。」

サキ「この白い機体が親父の血で朱に染まる夢でも見よう…フフフフ…。」

ゴォォォォォォォ…

ドカアアアアアアン!

グレッグ「くそーっ!ウイスキー1、2はまだ戻らんのかー!」

雛苺「すごく固いの…あんなに爆弾落とされてもまだ動いてる…。」

グレッグ「武器商人め!とんでもない物をアスランに持ち込みやがった!」

キャンベル「グレッグ!こっちにはもう落とす爆弾が無い!一度引き上げよう!」

グレッグ「ああ…しかし、ウイスキー編隊が戻るまではこいつに食い付いていないとまた位置を見失ってしまう!」


~地上空母~

敵兵士A「まだ上空に2機張り付いています!」

敵兵士B「大方、後から爆装した編隊が来るんだろう。この空母の位置を見失わないために上空で見張っているのさ。どうせ手は出せやしない!」

敵兵士C「副長!カタパルト室から発進OKのグリーンランプ!」

副長「よし!戦闘機を発進させろ!」

ビービービー

アナウンス『発艦要員はただちに第1カタパルト室に退避せよ!火器管制班は次期発進に備えて装備点検急げ!消火作業班は現在のポジションをキープせよ!』

管制『総合コントロールより伝達!作戦士官はDルームへ!』

ゴォォォォォ…

雛苺「グレッグ!あれは!?」

グレッグ「おお!」

ウイーン…

グレッグ「いかん!リモコン機を発進させる気だ!この上防御から攻撃に出られると厄介だ!キャンベル!発進させるな!食い止めるんだ!」

ギュウウウウウウウウウン!

敵兵士D「上空2機、攻撃軸線に乗りました!」

副長「はん…尻に火が付いたか。構わん、発進を急がせろ!後部ロケットランチャー、オートシュートにセット!」

敵兵士E「ラジャー!ランチャー、オートシュート!」

ダダダダダダダダダダダダ!

グレッグ「ちきしょう!アデン30mm2門だけじゃどうしようもないぜ!」

敵兵士E「ランチャー作動範囲に入りました!オートシュート作動します!」

バシュバシュバシュ!

グレッグ「うお!」

雛苺「いっぱい来るの~!」

グレッグ「こなくそ!」

キュンキュンキュン!

ピーピーピー

グレッグ「うるさい!ミサイルが飛んできてるのは分かってんだ!ちったぁ静かにせんか!」

ゴオオオオオオオォォォォォォォ…

敵兵士E「ランチャーの第1射をかわしました!すごいやつ等です!あれだけのミサイルの雨の中で全然スピードも落とさない!」

副長「確かにな…凄腕らしい。後部ランチャーは近接防備兵装だから近接作動信管は使えんし、コンピューターもノーマルポジションで作動させるからああいった型破りのパイロットにはデータ不足だしな。」

敵兵士E「副長!カタパルト室から報告!今の敵機がすれ違いざま撃っていった弾がエレベーターのラッチを…ラッチのロックが破損してますので交換に20分程かかります!」

副長「何だと!?じゃあカタパルトに乗ってる1機しか発進できんのか!?」

キィィィィィィン…

副長「冗談じゃない!後部甲板を20分も開けっ放しにしておけるものか!それに20分もすれば次の爆装した編隊がここに来てしまう!」

副長「とにかく飛行甲板に乗っかってるやつは発進させて上空援護させろ!艦内作業班に修理を急がせるんだ!」

敵兵士F「上空2機そのまま動きません!」

副長「そうか…連中も弾が無くなったんだ!よし、今のうちだ!」

キャンベル「弾切れでやんす!」

蒼星石「皆さんって本当に何処の国の方ですか?」

グレッグ「情けねえ!」

ゴォォォォォォ…

雛苺「あ~あ、とうとう1機飛出しちゃったの。」

グレッグ「キャンベル、逃げようぜ!F-18相手に丸腰でやるほどアホじゃねぇ!」

キャンベル「グレッグ!ちょい待ち!発進したF-18が上がってこないぜ!それに後部甲板が開きっ放しだ!」

蒼星石「ひょっとしてさっきの射撃で何か壊れたのかもしれません。」

キャンベル「攻撃するなら今のうちだ!」

グレッグ「そうだな。でも弾も爆弾も無いのにどうするんだ?」

雛苺「早くウイスキーのみんな来てくれないかな~。」

グレッグ「連中もバカじゃねぇからすぐ修理するだろう。」

キャンベル「簡単なこった。こいつをぶつけりゃいいんだ!俺がやる!」

蒼星石「ええっ!?」

グレッグ「バーカ!目標はデカいといっても甲板のエレベーター口の所だぞ!真上から急降下して激突コースに乗せた後脱出するにしてもコントロールをどうする!?」
グレッグ「射出座席の作動ショックで機体が少しでも揺れたら目標には当たらねえ!おまけに急降下中だ!パイロット無しでは機体はコースから外れるぞ!」

キャンベル「はははぁ…普通のパイロットならそうさ。グレッグ…俺の右手、右足は生身じゃないんだぜ!」

蒼星石「どういうことですか?」

キャンベル「操縦桿とフットバーは手足で固定したまんま切り離すことが出来るんだぜ!スペアの手足はマッコイの倉庫に置いてある!そろそろ交換しようと思ってたとこだしな!」

雛苺「さすがてつわんキャンベルなの!」

キャンベル「うろついてるF-18は任せるぜ!でも体当たりはするなよ!お前は生身の手足なんだからな!」

グレッグ「わーったよ!」

グオオオオォォォォォォォ…

グレッグ「はぁーーーーっ!俺も身体の一部を機械化してスペア部品を基地に置いとく身分になりてぇよ!こういう時は羨ましいぜ、あいつが!」

グウウウウウウン…

キャンベル「よし、ソウセイセキ。用意はいいか?」

蒼星石「はい!マスター!」

キャンベル「行くぞーーーっ!」

ギュウウウウウウウウウウン!

敵兵士G「真上から1機降下します!」

敵兵士H「何ぃ!?体当たりかます気か!?エレベーター室!修理はまだかっ!?」

敵兵士I「もうすぐです!」

グォォォォォォォォォォ…

キャンベル「ようし!軸線に乗ったぁ!義手固定!」グッ
キャンベル「さあ脱出だ!しっかり捕まっとけ!」ガチッ

バシュ!

グレッグ「やったな!キャンベル!」

グォォォォォォオオオオオオオ

グレッグ「さあ、これであそこは大穴パックリだ!後はウイスキーの腕がどんなにヘタクソでも当たる!帰ったら一杯奢らせてもらうぜ、キャンベル!」

雛苺「あの椅子誰も乗ってないの。」

グレッグ「はぁ!?」

ヒュゥゥゥゥ…

グレッグ「ふ、2人とも乗ってない!じゃ…じゃ…」

キイイイイイイイイイイン!

キャンベル「グ…グレッグ…こいつ…ボロでよ…離れねえ…あは…。」

グレッグ「キャンベル!!」

雛苺「蒼星石!」

キャンベル「ソウセイセキ。早く飛び出せ。下は砂だからそこまで痛くねえはずだ。」

蒼星石「…嫌です…。」

敵兵士J「エレベーター修理完了!」

キャンベル「悪いことは言わねえ。死ぬのは俺1人で十分だ。」

蒼星石「…嫌…。」

敵兵士K「開口部閉じます!」

キャンベル「早くしろ!お前も死ぬぞ!」

蒼星石「嫌だ!!」サッ

ウイーン…

グォォォォォォォオオオオオオオオオ!

ドカアアアアアアアアアアアアン!

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…

ゴォォォォォ…

雛苺「キャンベル!蒼星石ー!」

グレッグ「キャンベル…ソウセイセキ…お前等…う…う…。」

ゴォォォォォォォ…

整備兵D「サキだ!」

キィィィィィィィィィン…

傭兵B「サキが帰ってきた!」

ドピュ!

傭兵C「すげぇ…B-1だ!エリア88始まって以来の爆撃機だぜ!」

整備兵E「それも最新型もいいとこの…たははっ!マッコイ、負けるぜよ!」

マッコイ「うるせー!」

カッカッカッカ…

整備兵F「白い機体に死の翼か!」

傭兵D「へー!」

サキ「報告は大体機内の無線で聞いた!」

金糸雀「ウイスキーの編隊が攻撃中かしら!」

サキ「ま…今日中に始末するのは無理だな。」
サキ「新しいメンバーを紹介しておく!私と一緒にB-1に乗り組む隊員だ!」

サッ

傭兵E「女だ!」

傭兵F「何だと!?」

サキ「この連中は私個人の私兵だ!私の命令しか聞かん!」
サキ「シン!君に話がある!後で部屋に来てくれ!」

傭兵G「ふえー、ハーレムだぜ!」

傭兵H「へーーー!」

傭兵I「いいねぇ…司令ともなると女がついて!」

真「…………。」

という訳で完成です。この先、投下が不定期になりますのでご了承ください。それではまた。

どうも僕です。これより投下します。

カッ…カッ…カッ…

私兵A「…………。」カチャッ

真「サキの命令でね、来いと言われた!通してくれ!」

私兵B「…………。」

真(お前等、そうやっていつもサキの身辺を守るってわけか…)

私兵C「…………。」


MISSION25 戦士の魂

サキ「シンか、入ってくれ!」

私兵D「…………。」スッ

真「はん、大したもんだ…やあ、サキ!」

サキ「久しぶりだな。その足のことは報告書で読んだ。かけてくれ。」

真「で、俺に用とは?でも…この足じゃ戦いたくても戦えんがね。」

サキ「そんなことは百も承知だ。」
サキ「君の恋人…リョウコ嬢にスイスでお会いした。聡明で、しかもチャーミングな女性だ。」

真「涼子に!?」

サキ「ヨーロッパでは随分世話になったし、よくよく君とは関わり合いになるものだと感心したよ。」

真「…………そのシャバでの話を聞かせに呼んだのか?」

サキ「いや、用件は別にある。」

サキ「君は1年前にこのエリア88に来たのだが…私は書類を見て君はてっきり志願兵だと思ったんだ。」

真「まあね…志願したつもりは無いがそうなってしまったようだな…もっとも、今となってはどうでもいいことだが…。」

サキ「本来ならこういったことは切り捨てるつもりだ。ききに来る兵隊達の過去や理由を一々聞いていたんでは身が持たん。」
サキ「だが今回は例外だ。ここに来た理由を話してくれ。」

真(…………。)

真「…それを聞いてどうする?」

サキ「聞いてから決める!」

キュン!

キィィィィィィィン…

整備兵A「グレッグだ!」

整備兵B「グレッグが帰ってきた!」

シュゥゥゥゥン

整備兵C「グレッグ!」

整備兵B「どうだ!あのデカブツは!?」

グレッグ「キャンベル達がやられた。もうちょっとの所で後部甲板の扉が閉まりやがった…。」

雛苺「ひっく…ひっく…」ポロポロ

傭兵A「何だって!?」

傭兵B「キャンベルが…!」

傭兵C「じゃあソウセイセキも…。」

グレッグ「マッコイじいさん。」

マッコイ「何だ?」

グレッグ「俺のカードの金、全部使っても構わねえ。」

グレッグ「『A-10』、絶対に手に入れてくれ。」

マッコイ「エ、A-10って…ありゃ今時の最新型で…。」

グレッグ「金さえ払えばクレムリンでも…だろ?」

マッコイ「…そこまで言われちゃ断りようがねえな。本当にどんだけ金がかかっても知らんぞ。」

グレッグ「分かってるさ…。」コツコツ…


~発令所~

ワイワイガヤガヤ

グレッグ「…………。」ドスン

グレッグ(何てやつだ…あれだけでかいと俺のスカイホークじゃ歯が立たん…!)

ミッキー「よう。」

グレッグ「なんだ、ミッキーいたのか?」

ミッキー「ああ、話は聞いた…。キャンベルにソウセイセキもあの世に行ったみたいだな。」

グレッグ「犬死にだな、あいつ等の死に方は…くそ…!」

ミッキー「ここの連中で死んでいくのに犬死にじゃないやつなんているのかい?」

グレッグ「………いるさ。」

ミッキー「…ローゼンメイデン達のことだろ?」

グレッグ「あいつ等の死に場所はこんな砂漠じゃねえはずだ…ましてや親父に会えないうちになんて…。」

ミッキー「ローゼンってやつは一体どう思ってんだろうな…。」

グレッグ「他人の心配より自分の心配した方がいいんじゃねえか?」

ミッキー「それもそうだが…今言えることは…」
ミッキー「あいつ等の親父を見つけたら1発かましてやりてえってことだ。」

グレッグ「同感だ。」


~ミッキーの部屋~

ミッキー「さぁ~て、あのデカブツを退治する方法を寝ながらでも…」スッ

ミッキー「…!」ピタッ

翠星石「う…うっうぅ…」グスッ

ミッキー「…………。」

翠星石「う…そう…せ…い…せきぃ…うぅ…」グスン

ミッキー「…………。」

コツコツ…

ミッキー(今までうるさい小悪魔扱いしていたが…)

ミッキー(あいつも子供だったんだな…)

コツコツ…


~地上空母~

グオン…グオン…

リシャール(何て巨大な兵器だ!全身から禍々しい空気を発散させる!こいつを…こいつをこのアスランから追い出さなければ…)
リシャール(しかし…どうする?兄上のエリア88のパイロットですらこいつに敵わない)
リシャール(うちの軍のパイロットでは無理だ!おまけにエリア88との交戦で戦力は半分以下になっている!どうすればいい…)

コンコン

リシャール「どうぞ。」

敵兵士A「リシャール殿。艦長がお呼びです。」

リシャール「分かった。」ガチャ

艦長「どうも、リシャール殿。」

リシャール「艦長、一体どうなさったのですか?夕食にはまだ早いと思うのですが。」

艦長「ええ、ですからフロアーで食前酒でもと思っておりましたが、それよりこの空母のとっておきの秘密兵器をお見せした方が食が進みそうですな。」

リシャール「秘密兵器?」


~エレベーター内~

艦長「本艦は現在エリア88の西、200kmの地点におります。本日の日没から5時間後に浮上して移動を開始。明日の午後までにエリア88から100km地点に進む予定です。」
艦長「そしてエリア88に攻撃をかけ、約20時間後エリア88は基地ごと消滅します。」

リシャール「20時間後…それはまた随分正確な時間ですね。」ウイーン

艦長「ええ、何せミサイルのスピードが時速5km/hぐらいですからな。100km進むのに20時間かかるわけです。」コツコツ

リシャール「ミサイル?時速5km/h?何です、それは?」コツコツ

艦長「ご覧ください!」

リシャール「あっ!!」

艦長「これが我々の秘密兵器『グランド・スラム』!」

リシャール「グランド・スラム!?」


~エリア88 司令官室~

サキ「そのカンザキという男、今は大和航空の社長だそうだ。」

真「何だと!?」

サキ「どっちにしてもかなりの悪のようだね。君をこの外人部隊に送り込んだのもその考えがあってのことだろう。」

真「じゃ、涼子や津雲社長は!?」

サキ「心配するな、元気そうだった。それにわずかではあるが、心強そうな味方もいようだ。」

真「…………。」

サキ「私もリョウコ嬢にできるだけのことはすると答えた。彼女の君に対する愛情は直向きなものだ。」

サキ「…生きて帰るか?シン!」

真「もちろんだ。」

サキ「ロンドン土産だ!」ポイ

真「よしてくれ。ネックレスをするようなタイプじゃない。」

サキ「古い友人がくれたものだ。『戦士の魂』という名の宝石なんだそうだ。私より君に必要だろう。」
サキ「君をここまで支えてきたのはカンザキという男に対しての憎悪の心だ。本当の君の戦いの時までその命…大事にな!」

真「…………。」コク

サキ「話すことは以上だ。宿舎に戻りたまえ。」

真「ああ…大事にさせてもらう…!」

コンコン

サキ「何だ?」

私兵A「…………!」ヒソヒソ

サキ「ミッキーが?いいだろう、通してくれ。」

真「じゃあな、サキ!」

ミッキー「なんだシン…ここにいたのか?」

真「ああ、ちょっと話があってね。」

ミッキー「美人ばかりのようだけどえらく無愛想だな。あの小娘たちの方が少しはマシに思うぜ。」

真「ま…ね。」

サキ「元気そうだな。」

ミッキー「あんたも元気そうで何よりだ。」

サキ「で…話とは?」

ミッキー「あんたの弟に会ったよ。もっとも、それを伝えようと帰ってきた時にはあんたはスイスに行っちまった後だった。」

サキ「何だって!?リシャールに!何処で…!?」

ゴオオオオオオオオオオオオオ!

整備兵A「マッコイじいさん、この忙しいのにお出かけかい?」

マッコイ「ああ、機体の買い付けにな。」
マッコイ「フェアチャイルドA-10だってよ…まったく、B-1といいF-18といいその上またA-10だって…開発した国すらまだ実践配備もしてないってのに…。」
マッコイ「金さえ出しゃクレムリンすら…か。ありゃ自分でも言い過ぎだと思っとるのに本気にしてやがる。」
マッコイ「ま、このマッコイの商売台帳に仕入不可能なものは無いはずだからな。何とかはなるさ…。」
マッコイ「!」
マッコイ「ふふふふ…台帳に載ってない仕入不可能なものが1つだけあった…。」



マッコイ「死んでいったやつの魂だけは…仕入不可だ!」


完成です。でわまた。

ではこれより投下します。

整備兵A「はー、静かだな…。」

整備兵B「ウイスキーのグループが敵空母を見失ってから攻撃隊の発進も無いからな。マッコイじいさんも機体の買い付けに行ったきりだし…。」

整備兵A「ああ。いつも騒々しいこの基地がこんなに静かだと変な気分だよ。」

整備兵C「何か悪いことが起きる前触れかもしれんな。ほれ、言うだろ?嵐の前の静けさ…って。」

整備兵A「ぶるる…冗談言うなよ!」

整備兵C「バーカ、本気で震えてやがる。」

整備兵A「いや、そうじゃなくて…本当に今夜は冷え込むと思わないか…?」

整備兵B「まあね、そういや…?」


MISSION26 堕天使の歌

シンシン…(雪の降る音)

整備兵B「な、何だこりゃ?」

整備兵D「空からチリが降ってくる!」

整備兵E「え!?」

整備兵F「何!?」

整備兵A「雪だよこりゃ!」

整備兵C「雪?」

整備兵E「何だそりゃ?」

整備兵F「えーっ!ここは中東だぜ!それも砂漠のど真ん中!」

整備兵B「別に砂漠だからってまったく降雨が無いわけじゃないよ。それこそ1年間に数mmって程度だから降らないのと同じだとみんな思ってるだけさ。」

整備兵C「それにしても雪か…聞いてはいたけど見るのは初めてだぜ。」

整備兵B「30年に1回ぐらいなんじゃないか?」

整備兵E「へー!」

整備兵F「これが雪かぁ…。」

ケン「へぇ~雪だ。ははは…一応ここにも季節があるって感じがするな。」

真紅「気温が下がることはあっても雪が降るとはね…。」

ケン「ガキの頃、よくスキーに行ったよな…父さんや母さんに手引いてもらってさ。」

真紅「貴方に子供の頃があったなんて思えないわね。」

ケン「バーカやろー!これでも昔は天から舞い降りた天使のようだと言われたんだぞ。」

真紅「その天使が何故この地獄にいるの?」

ケン「それは……ま、いいじゃねえか。いろいろあって天には帰れなくなっちまったんだ。」

♪~♪~

ウォーレン「俺達は堕天使…迷彩色の心臓を持ち…天と地の狭間で生きる…」

ケン「ウォーレン、そんな歌やめろよ。」

真紅「雰囲気が沈んでしまうわ。」

ウォーレン「そうだな…へ、何となくこんな雰囲気だと派手な曲は弾きづらくてな。」

ウォーレン「よし、パーっといくか!」

真「雪か…。」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

~約20年前 わかばホーム~

子供A「雪が降ってる!」

子供B「先生!雪だよ!」

先生「まあまあほんとに。じゃみんな、外に出て雪合戦しましょう。」

子供達「わあーい!」トトトト…

真「?」

神崎「…………。」

真「ねえ、君も外に出てやろうよ。いっしょにさ。」

神崎「いいよ、別に…。」

真「僕、風間真って言うんだ。君は昨日来た悟君だろ?」

神崎「うん、神崎…悟…。」

真「園長先生が言ってたよ、すんごく強い子だって。」
真「普通はみ~んな一晩中泣いてるんだって。君は泣かなかったって。」

神崎「…お前は泣いたのかよ。」

真「ううん。僕は小さい時このホームの前に捨てられてたからよく分かんない。」

真「赤ん坊だったから、多分ピーピー泣いてたんじゃないかな。」

神崎「………。」

真「ねぇねぇ、あのさ、お母さんってどんな感じ?僕、お母さんって知らないんだ。」

神崎「えっ?」

真「だから、ねぇ教えてよ。」

神崎「…お母さんってのはさ、暖かいんだ。」
神崎「やわらかくて…いいにおいがして…」

真「それから?ねぇねぇそれで?」

神崎「…一緒にいると…とっても安心できるんだ…!」

真「どんな風に暖かいの?どんな風に柔らかいの?」

神崎「な…何だよお前!だからさぁ、分かんないかな…お母さんってのはな…」

真(神崎…)

医師「やあシン。君も雪を見てるのか?」

真「ドクター!そろそろギプス取れるんじゃないでしょうか?」

医師「ん…そうだな。」

~司令官室~
翠星石「ま、あんたに早く連絡つけたかったですけど、あんたはヨーロッパで行方不明ですよね?翠星石達はこの基地から1歩も出られないですし。」
サキ「リシャールか…。で、弟は何か言ったのか?」
ミッキー「ザク国王を交えて和平の会談を…とな。」
サキ「何!?」
翠星石「長い間かかって親父をようやくその方向に説得しかけているんだそうです。後はこの国の王制を廃止してこのドロ試合にケリを付けようって…。」
サキ「リシャールがそう言ったのか…王制廃止を…!」
ミッキー「…………。」
サキ「………ふ…ふふふ…」
ミッキー「?」
サキ「ふはははははは!こいつぁお笑いだ!今までに聞いた中では最高の冗談だ!はっはははははは!」
翠星石「サキ!」

キィィィィィィィン!

ガリガリガリ…

真「肉まで切らんで下さいよ!」

医師「ははは…心配するな。」キューン…

真「どうですか、足の方は?」

医師「まだ完全じゃないが…歩いてもいいだろう。ただし無理はせんように。」

真「無理をするから生き残ってきたんですよ。でなきゃ…とっくに冷たい心臓抱えて砂の中…です。」

ガチャ

真「あ…っと。」ヨタッ

医師「大丈夫か?まだ筋肉が突っ張ったままだから。部屋まで誰かに送らせよう。」

真「いや、いいですよ。この足に希望することは、機体に潜り込む時に梯子を上ることとフットバーを蹴っ飛ばすことだけですから。」

バタン

真「よ…っと。くそ、自分の足じゃないみたいだな。」

真紅「あら、もう杖はいらないのね。」

真「何とかね。」

真紅「外は雪よ。」

真「ああ…結構なリハビリ日和ですよ。」


~地上空母~

敵兵士A「外気温度は氷点下2℃。」

敵兵士B「えらく冷え込んだもんだな。」

敵兵士A「おかげで冷却機の調子は抜群ですよ。」

敵兵士B「よし、この状態の間に艦を移動させよう!艦長を呼んで来い!艦体浮上!」

敵兵士C「艦体浮上!」

敵兵士D「各員配置につけ!」

敵兵士E「レベル・グリーン!」

敵兵士F「原子炉出力60%!」

敵兵士G「ミリタリーパワー、セットオン!」


~艦長室~

敵兵士H「艦長。」

艦長「ん?」

リシャール「?」

艦長「さあて…そろそろ本気で戦いますよ。外は雪だそうです。敵の戦闘機も飛んでこんでしょう。天は我々に味方しましたよ。」

リシャール「雪?」

艦長「グランド・スラムを発射する時はお知らせしますよ。貴方の手でボタンを押してみますか?」

リシャール「ええ…お願いします。」

艦長「じゃあ、それまでゆっくりしてて下さい。何せこいつは動いてもスピードが出ませんから。まだもう少し時間がかかります。」

リシャール(そう…時間がかかってくれた方がいい…)

リシャール(グランド・スラム…この命に代えても発射はさせん!)


~エリア88 司令官室~

翠星石「しかし、あんたの弟も嘘を言ってるようには見えんですよ。」

サキ「あの子は優しい子だからな…どちらかと言えば母親に似ている…全てが思いやりと話し合いと愛情で片が付くと思ってる…。」

ミッキー「世の中全部の問題が愛情で片付くとは思っちゃいないが、愛情抜きで片付く問題もおそらく無いんじゃないか?」

サキ「甘いよミッキー。もう事態はそうこう言ってる段階じゃないんだ。もう叩き潰すしか無いんだ。」
サキ「私のB-1の尾翼に描いてあるマークを見ただろう?」

翠星石「ああ…あんたにしちゃ珍しく大げさなマークですね。」

サキ「そう…。」

サキ「あのB-1は死の翼さ!核を使う!」

ミッキー「何だって!?核を!?」



ウォーレン「ヘイ!マギー 俺の背中に乗って天国まで付き合わないかい…」


続けて投下します。

整備兵A「エンジン圧縮比チェック!」

整備兵B「パワー80%、チェック!OK!」

キイイイイイイイイイイイン!

整備兵C「よーし次だ!電源車接続!コンプレッサー始動!」

真「…………。」

整備兵D「ようシン。もう足はいいのか?」

真「まあね。ハンガーまで行くのなら乗せてってくれ。」ガチャ
真「しばらく動いてなかったからな。身体が鈍っちまった。」バタン

ブロロロ…

整備兵D「マッコイは飛行機を引き取りに行ったからいないぜ。キーは預かっているよ。」

キッ

整備兵D「手を貸そうか?」

真「いや…いい。」カチッ

ガーーー…


MISSION27 エリア88消滅作戦発動

整備兵D「西側の最新鋭機、F-18か…タダで手に入ったんだ。儲けたな、シン。」

真「タダじゃないさ。足2本…1ヶ月以上オシャカにされたんだ。これで動いてくれなきゃ俺の丸損さ。」

整備兵D「ああ、そうだ。ミッキーのやつも昨日、先生から飛行許可をもらったぜ。」

ミッキー「そう…それで一番乗りを決め込みたかったんだがね…先を越された。」

真「ミッキー!」

ミッキー「へっ…ヨタヨタの足しやがって…フットバー踏み損なって落ちるなよ!」

真「よく言うよ。ヘナヘナの手で操縦桿を動かせたらお慰み!」

ミッキー「…………。」

真「…………。」

2人「はっははははははは!」

ミッキー「たははは…元気いいな、シン!」

真「お前こそ、もう大丈夫って感じだぜ!」

ミッキー「長い間お預け食らってたもんなぁ…いよいよこれで商売再開ってとこだ!」

真「こいつ持ってくる時は痛い目見たけど引っ張ってきた甲斐があった…基地まであと100mで燃料切れだったもんな…アワ食ったよ!」

ミッキー「さあ、初乗りだぜ!」

真「ああ!」

真紅「残念だったわね、真。」

ミッキー「あっ!」

真「真紅!」

真紅「貴方達が来る2分26秒前に先に乗せてもらったわ。」

真「くっそー!俺の初乗り横取りしやがって!」

ミッキー「ま、いいじゃないか。どっちみち乗るんだし。」

真「ところで翠星石は?」

ミッキー「…………。」

真紅「…………。」

真「…すまん。気に障るようなこと…。」

ミッキー「無理もねえ…人形であっても、あいつにとっては家族なんだからよ…。」

真紅「そう…あの子達は双子…2人で1人…彼女にとって蒼星石は自分の半身…。」

真「…………。」

真「エンジンチェック、APU作動!」

キイイイイイイイイン!

ミッキー「お…いい調子だ。とても1回砂を噛んだエンジンたぁ思えねえぜ!」

真紅「パワー・ノーマル!レベル・グリーン!」

ゴオオオオオオオオオオオオ!

真「コントロール!シンだ!試験飛行に上がる!離陸許可を頼む!」

管制『OK!シン、西側から離陸せよ!』

ミッキー「シン、見ろよ。サキのB-1だ。」

真「ん…。」

ミッキー「あいつの周りをこいつで飛んだらガッチリ絵になるぜ!」

真紅「そうね…。」

ゴオオオオオオオオオオ!

真紅「MAXパワー!」

真「よし、吹き上がりも上々だ!」

ミッキー「リモコン装置を取っ払ったからな!やっぱヒモ付きでないやつは手ごたえいいぜ!」

ゴオオオオオオオォォォォォ…

ミッキー「1万mまで放り上げて水平飛行に入ろう!」

真「ラジャー!」

ギュゥゥゥゥゥゥン!

グオオオオオオオオオオ…

ミッキー「かーっ!気持ちいいなぁ!」

真(これで殺し合いさえ無けりゃなぁ…俺はどんな空だって好きになれる…)


~とある砂漠~

クルックルッ

敵兵士A「現在時間AM6:00!現在位置、エリア88東南東100km地点!」

艦長「よし!グランド・スラム作戦開始だ!副長!アスランの王宮とエリア88に向けて打電しろ!」



艦長「これから20時間後にエリア88は消滅する…とな!」


アナウンス『戦闘態勢発令!戦闘態勢発令!』
アナウンス『火器管制要員はただちに第2デッキに集合!グランド・スラム発射係は位置につけ!ただいまより24時間の全員戦闘配備!』

リシャール(来るべき時が来たか…神よ…!守りたまえ…!)

ガチャ

敵兵士B「あ、リシャール殿!現在戦闘配備中です。艦長の指示があるまでどうぞお部屋の中でお待ち下さい。」

リシャール「艦長は私にボタンを押させてくれると言ったよ。グランド・スラムのね。」

敵兵士B「少々お待ち下さい。」

マイヤー「ブリッジ!第3デッキのマイヤーです!艦長を!」

スッ

マイヤー「あっ…。」

リシャール「やあ艦長、私だ。いよいよらしいね…私にボタンを押させてくれる約束だろう?」

艦長「これはこれはリシャール殿、早起きですな。もっともこの騒ぎでは寝てもおられませんか。もちろんお約束は守りますよ。」

リシャール「よかった…何せ私の知らない間にあれが兄に向かって発射されては残念なのでね。寝ずに待っていたんですよ。」

艦長「分かりました。グランド・スラムを発射するにはもう少し時間がかかります。ブリッジへおいで下さい。ここでゆっくりコーヒーでも飲んで…そしてボタンを…。」

リシャール「感謝します。ではすぐに。」

ガチャ

リシャール「というわけだマイヤー君。私はブリッジに行くよ。」

マイヤー「は、はい!ではご案内いたします。」

リシャール「ははは…よしてくれ。もう何日もこの空母で寝起きしているんだ。ブリッジの行き方ぐらい分かるよ。」
リシャール「それに、この作戦が成功すればこいつを我が反政府軍の切り札として私が指揮権を握ることになっている。司令官が案内されてブリッジに上っていたのでは格好がつかないよ。」

マイヤー「分かりました。では、これを胸の所にお付け下さい。」サッ

リシャール「これは?」

マイヤー「艦内では戦闘態勢になると自動警備装置に切り替わります。そのラベルを胸に付けておかないと各所に配置してある警備モニターに反応します。」
マイヤー「あそこをご覧ください。ラベル反応の無い人間ですと、あのレーザーで射殺されます。」

リシャール「私にこれを渡せば君が危ないんじゃないか?」

マイヤー「私達はこのベレーにそれと同じ役割をする反応器が組み込まれています。ただし第3デッキのみ有効ですがね。」
マイヤー「でも私は連絡員の任務についておりますので各ブロック、フリーパスにそのラベルを胸に付けているのです。」

リシャール「つまり…こいつを付けていないと乗組員ですら持ち場を離れて他のデッキへはいけないのか。」

マイヤー「そういうことです。」

リシャール(成程…うまくできている…戦闘になればビビッて持ち場を離れて逃げるやつも出てくる…それを防ぐためと不法侵入者を防ぐためとの2本立て…ってわけか)
リシャール(近代戦争ってのは人間をいかに部品単位で動かせるかに勝負がかかるという…この空母はまさにその実験台ってことか…)

マイヤー「じゃ、私はこれで…。」

リシャール「ああ、ありがとう。作戦の成功を祈っててくれ。」

マイヤー「期待しております。」

リシャール(作戦成功…か…そうさ…祈っててくれ!)



リシャール(私のグランド・スラム破壊作戦をな!)



~エリア88~

通信士A「通信室です!例の空母からアスラン政府とこの88に向けてメッセージが入ってます!」

サキ「内容は?」

通信士A「AM7:30より20時間後にエリア88を攻撃して消滅させると言っております!」

サキ「何!?」

金糸雀「20時間後にここを消滅…!?」

サキ「…………。」チラ

チッチッチ…

金糸雀「今7時…あと20時間と30分でここを消滅させるっていうのかしら?どういうこと?」

サキ「20時間もあればこの基地の全員が逃げ出すのに十分な時間だし、第一そんなチンタラ攻撃時間を予告してくる戦争なんて聞いたことが無いぞ…。」

金糸雀「20時間後に大空襲かしら?」

サキ「いや…それなら消滅させるとは言わん。消滅というからには1発で……!」

サキ「…核…か!?」

金糸雀「まさか中距離弾道ミサイルでも使うつもりなのかしら?」

サキ「いや、おかしい。核攻撃をするのなら20時間なんてまるで避難時間を与えているようなものじゃないか。」

金糸雀「ただのデマ…じゃないかしら?」

サキ「何か別のことをやるための陽動作戦か?」

金糸雀「いずれにせよ早く手をうたないと!」

サキ「分かっている。直ちに全員を招集してくれ。」

金糸雀「金糸雀かしら!作戦室に全員集めるかしら!」ガチャ

サキ「これよりエリア88は24時間の非常戦闘配備につく!敵は核ミサイルを使用する可能性が高い!」ガチャ

金糸雀「今、上にいるのは誰かしら?」

管制員A『シンとミッキーが試験飛行で飛んでます!』

金糸雀「例のF-18かしら…すぐに戻るように言うかしら!」

管制員A『ラジャー!』

サキ「核ミサイル迎撃班を編成する!マッハ2クラスの迎撃ミサイル搭載可能の機体を全部押さえろ!」ガチャン
サキ「イーニー!作戦室に行く!」

イーニー「はい。」

コツコツ…

サキ「イーニー…。」

イーニー「何でしょう?」

サキ「今のメッセージはデマかもしれんし本当かもしれん。相手が核ミサイルを使用するのならこの基地は1発で吹っ飛ぶ…。」

金糸雀「…………。」

サキ「ザク国王の下へミーニーとアイニー、ムー、そしてカナリアを連れて帰れ。女が死ぬ場所じゃない。」

イーニー「私達はザク国王の命令で貴方様を守るよう命じられております。その命令は私達の命がある限り有効な永久命令です。」
イーニー「もし…貴方様が私共を邪魔だと申されるならばいたしかたありません…。」

スッ

イーニー「これで私達を殺し、死体を王宮にお届け下さい。」

サキ「…………。」

金糸雀「…………。」

サキ「まったく!アスランの女は頑固だというがお前達はその見本のようなもんだ!勝手にしろ!」ドカドカ…

金糸雀「サキ!」テテテテ…

サキ「嫁入り前の娘を5人もぞろぞろと引き連れて歩くこっちの身にもなってみろってんだ!しょうがないオジキだ!」ドカドカ…

イーニー「サキ様お1人ではいつ死に急ぐかもしれぬ…というのがザク国王様の意見でございます。貴方様のお命を私共がお守りするのは敵からの攻撃からばかりではございません。」

サキ「は!自分で死ぬことも出来んのか…御大層なこった…。」

ではまた。

それでは投下します。

ゴォォォォォォ…

真「低空での切れ味もいい!ガタつきも無い!」

真紅「マッコイが帰ってきたら礼を言わなければね。」

ピー

敵兵士A「敵2機接近!方位305!」

艦長「何!?」


MISSION27 鉄の棺に血のバラを

敵兵士A「敵機接近!方位305!真っ直ぐこちらに向かってきます!」

艦長「エリア88の機体か?反政府軍の機体じゃないのか?」

敵兵士A「識別コードが赤になってます!敵です!」

艦長「火器コントロールを対空レンジへ!」

グォォォォォォォ…

ピー!

真「!」

真紅「真、緊急帰還信号よ。」

真「そうだな。何かあったのかな?」

グオオオオオオォォォォォォォ…

敵兵士A「引き返します!」

艦長「ふむ…ま、いい。作戦を続行する!対空レンジを解除しろ!」

敵兵士B「はっ!」

敵兵士A「艦長、今気が付いたんですが…接近した敵機に自爆反応パルスがあるみたいです。」

艦長「何?」

敵兵士A「対空レンジと識別ランプに目をとられて気が付かなかったのですが、今モニターを再生しますと…ほら。」

ピキーッピキーッ

敵兵士A「この艦の艦載機に取り付けてある自爆装置の信号音です。」

艦長「じゃあさっきの2機は…前にファリーナ氏が逃がしてやったエリア88のパイロットか…。ほう…生きていたのか。」
艦長「しかもちゃっかり自分の飛行機にして今度はここを攻撃するというのかな?」

敵兵士A「でも自爆装置は外してないみたいですよ。」

艦長「そりゃそうだろ。殆どエンジンと一体にしてあるから整備の時には分からんし、気が付いた所で特殊な工具が無いと外すことは出来んからな。」
艦長「あれぐらい新しい機体となるとエリア88じゃ交換用のエンジンも無いだろうし…。」

敵兵士A「自爆装置を作動させますか?」

艦長「まあ待て。せっかく敵の懐に爆弾2個置いたんだ。もう少し待って効果的な使い方を考えよう。」

敵兵士C「第4デッキからです!グランド・スラム発射準備完了!」

艦長「うむ!よし、発射5分前!スタンバイ!」


~エリア88 ブリーフィングルーム~

ざわ…ざわ…

サキ「以上が敵側のメッセージの内容だ。最悪の場合、核の使用が考えられる。反政府軍は以前、エリア81に核攻撃を行っている。」

傭兵A「ぶるる…やだやだ、逃げようぜ!」

傭兵B「20時間もあるんだ。さっさと逃げ出せば全員助かる。」

ミッキー「どう思うお前等?」

真「デマか本物か…本物だとすれば20時間というのは変な時間だな。」

真紅「たぶん本物でしょうね。」

ミッキー「どうして本物だと言えるんだ?」

真紅「何となくよ…勘というものね。それにあの人間共、核は使わないと思うのだわ。」
真紅「以前核攻撃で消滅したエリア81は他のエリアナンバーの基地の中ではアスランの首都から一番離れているし、81は安物のコイン機しかない小規模の基地…。」

真「反政府軍としちゃ脅しのつもりで行ったんだろう。早く降参しろ…とね。」

真紅「でもこの88は首都から一番近い…核攻撃すれば首都もただではすまないのだわ。」

ミッキー「いいじゃないか。それで一巻の終わりだ。」

真「ミッキーは元々アメリカ軍だからそう言えるんだよ。自分のところに広大な土地さえ有しているなら邪魔な敵は消してしまえばいい…と。」
真「でも反政府軍はこのアスランが欲しいんだ…民衆もひっくるめてね。核なんか使ったら後が大変だ…元も子も無くなってしまう…。」

真紅「全員が退避する時間は5時間もあれば大丈夫よ。仮にこのメッセージが本物として残り15時間以内で敵を発見して殲滅するしかないでしょう。」

ミッキー「何となく真綿で首を絞められるって感じだな…。」


~砂漠空母(地中)~

アナウンス『発射3分前!管制員は最終チェックをせよ!』

ピッピッピ…

敵兵士D「35…38…10、グリーン!」
敵兵士D「距離セットグリーン!Ok…」

ガン!

敵兵士D「がっ!?」バタン

ズリ…ズリ…

リシャール(これが距離カウンターか…図体でかい割には簡単な構造だな…)
リシャール(最少単位は10kmか…ま、しょうがないな。巻き添えを食わないための方法だろう。では、その10kmにセット!)カチカチ…
リシャール(もう1発はどうする?こいつが失敗したとすればすぐにあれを発射するだろうし…今セットし直しても次の発射の時にまたチェックするかもしれん…発射装置を壊すしかないか…)

アナウンス『発射1分前!管制員は退避せよ!』

班長「人員確認!シムソン!オービル!フレイ!…」

リシャール(しまった!作業員の確認があるのか!)

班長「ランバー!ランバー!?いないのかおい!」

リシャール「ここだ!」ドサッ

班長「リシャール殿!どうしたんです?」

リシャール「最終チェックが終わった後、あそこをくぐろうとして頭をぶつけたらしい。下を見てたらすごい音がしてね。」

班長「ドジなやつだな…救急班を呼べ!」

敵兵士E「リシャール殿!ブリッジから艦長がお呼びです!」

リシャール「分かった!すぐ行く!」



???「…………。」テテテテ…



~ブリッジ~

シュィィィィン

リシャール「やあ、艦長。いよいよだね。」

艦長「あと30秒で最終秒読みに入ります。それが発射ボタンですよ。」

リシャール「…………。」

艦長「これが成功したら正式にお父上に会わせていただけますな?」

リシャール「もちろんですよ。父も喜ぶでしょう。」

敵兵士F「発射30秒前!カウンター入ります!28…27…26…」

艦長「いよいよですな。」

リシャール「…………。」

敵兵士F「24…23…22…」

ビーッ!

敵兵士G「1番機にワーニング・ランプ!2番機に切り替えます!秒読み続行!」

敵兵士F「2番機グリーン!18…17…」

敵兵士H「1番機に事故発生!現在2番機作動中!発射後、再点検をせよ!」

リシャール「2番機!」

艦長「どうかしましたか?」

敵兵士F「10秒前…9…8…7…」

リシャール(失敗した!もう間に合わない!)

敵兵士F「5…4…3…2…」

艦長「発射ボタンをどうぞ。」

リシャール「…………。」

艦長「どうしたんですリシャール殿?ボタンを…」

ビーッ!

敵兵士G「2番機にワーニング・ランプ!」

艦長「何!?」

敵兵士G「現在状況確認中です!」

リシャール「?」

敵兵士H「大変です!例のエリア88の連中が脱走しました!」

艦長「何だと!こんな時に!」

敵兵士H「現在捜索中ですがまだ見つかりません!」

副長「脱走者は見つけ次第射殺しろ!はやくグランド・スラムを直せ!」

艦長「申し訳ありませんリシャール殿。問題が解決するまで今一度お部屋で待機願います。」

リシャール(助かった…しかし何故…?)

???「…………。」テクテク…

警備装置『カードを胸に付けなさい!』

???「はぁっ!」ブン

ガシャン!

???「OKか?」

???「はい、マスター!」

ダダダダ…

ゴォォォォォ…

真「コントロール!こちら真!ポイント3通過!空母は見えん!他をあたる!」

グオオオオオオオォォォォォォォ…


~しばらくして~

敵兵士F「21…20…19…18…」

艦長「お待たせして申し訳ありません。今度こそ念願の発射ですよ。」

リシャール「…………。」

敵兵士F「14…13…12…11…10秒前!」

リシャール(くそ…30分しか時間を稼げなかったか…!)

敵兵士F「5…4…3…2…」

艦長「ではボタンをどうぞ!」

リシャール「…………。」

艦長「今度はどうなさいましたか?早くボタンを…」

チャッ

リシャール「近寄ると艦長の命は無いぞ!」サッ

艦長「リ、リシャール殿!一体何を!?」

副長「構わん!撃て!」

リシャール「動くな!」

副長「どういうことです、リシャール殿?貴方は我々の味方ではないのですか?」

リシャール「貴様等の味方になぞ断じてなるものか!」

副長「では…敵ですな!」ガチッ

ドオン!

リシャール「ば…ばかな…こんな…」バタッ

副長「我々は任務を完遂するのが第一目的!たとえ艦長を人質に取られようとも作戦は続行するようになっている!」

リシャール「き…貴様等…それでも…人間…か…!」

副長「我々は戦うために機械だ!」

副長「グランド・スラム発射!」カチッ

敵兵士F「発射しました。カウント…1…2…」

副長「艦長の死体を始末しろ!」

リシャール「あ…。」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

敵兵士H「副長!発射室からです!1番機の距離カウンターが最少目盛にセットされていたとのことです!また2番機はコントロール装置が破壊され修復に時間がかかります!」

副長「成程…貴方の仕業か?」

リシャール「殺せ…!」

副長「我々としても任務以外のことには少しは人間らしい感情を持ち合わせておりますのでな。」
副長「艦を浮上させます。降りていただきましょう。ただし、1人で出口まで…」

副長「このカードを外してね!」スッ
副長「各部レーザー銃がお見送りいたします。出口まで辿り着ければお慰み…。」

一同「ふふふふふ…。」

副長「廊下に放り出せ!」

敵兵士I「はっ!」ブン

ドサッ

副長「ではごきげんよう…。」シューン

リシャール「はぁ…はぁ…」

リシャール(知らせなければ…何としてでも…兄上に…ここでは[ピーーー]ない…)

警備装置『カードを胸に付けなさい!』

リシャール「!」

警備装置『繰り返します!カードを胸に!』

リシャール「…………。」

警備装置『Bブロック侵入者!』ビーッ!

ビシッ

リシャール「ぐっ…。」ヨタヨタ…

警備装置『Cブロック侵入者!』ビーッ!

リシャール「ぐわっ!」ビシッ


~Lブロック~

リシャール「明り…が…出口…か…」

警備装置『カードをどうぞ!』

リシャール「…………。」

警備装置『繰り返します!カードを!』

リシャール(…母上…)

警備装置『Lブロック侵にゅ…』

ガシャアン!

リシャール「…!?」

???「大丈夫ですか!?」テテテテ…

???「おい!ひでえ出血だ!大丈夫か!?」

リシャール「あ…貴方方…は…?」

???「大丈夫です。僕達はエリア88所属です。」

リシャール「エリア88!」

???「よっと、気をしっかりもてよ!」バッ

失礼、さっきのはMISSION28でした。


バババババババ…

マッコイ「ありゃ?どうも88は通信管制に入ったみたいだな。何かあったんだ…。」
マッコイ「ま、いいか。味方コードを出しておけばいきなりミサイルを発射されるってこともなかろう。」

パイロット「大丈夫ですかマッコイさん?」

マッコイ「ふん。わしを撃ち落した日にゃ一番困るのは連中じゃわい。ま、どっちにしても早く届けにゃならんものもある。」

ババババババ…

パイロット「ん?」
パイロット「マッコイさん!人がいる!」

マッコイ「ほっとけ!どうせ遊牧民かなんかだろう。」

パイロット「いや、1人はパイロットスーツを着ているし、もう1人は背広、子供までいますよ!」

マッコイ「何?パイロットスーツ?どれどれ………!」

パイロット「知っている人ですか?」

マッコイ「し、知ってるも何も…あ…あいつ等は…」



マッコイ「キャンベルとソウセイセキじゃねえか!」



MISSION28 緋色の砂の下に

パイロット「ええ!?キャンベルとソウセイセキ!?」

マッコイ「あいつ等…てっきり死んだとばかり思ってたが生き延びやがったか!」

パイロット「どうしますか?急いでいるなら後で救援隊に向かわせましょうか?」

マッコイ「いや、降ろせ降ろせ!背広着てるやつもいる!身なりが良いならどっかの金持ちかもしれんぞ!助けりゃ儲け話があるかもしれん!」

パイロット「死んでるんじゃないですか?」

マッコイ「遺体を届けりゃお礼がもらえる!」

パイロット「負けたよ、あんたにゃ。」

バババババババ…

キュンキュンキュン…

キャンベル「よお!マッコイじいさん!」

蒼星石「お久しぶりです!」

マッコイ「キャンベル!ソウセイセキ!お前等生きていたか!」

蒼星石「僕達のことはいいから、早くこの人を!」

パイロット「あの人どうしたんだい?」

キャンベル「例の空母から脱出するときに見つけたんだけどよ、どうやら反政府軍のやつらしいんだが…。」

マッコイ「どれどれ…。」

蒼星石「どうですか?」

マッコイ「おいキャンベル!ヘリの中に鞄があるから取ってきてくれ!緊急用の薬品が入ってる!」

キャンベル「ったく、人使いの荒い…。」ザッザッザ…

マッコイ「見ればまだ若いのに…どっかのいい家のボンボンのようだが…この傷はどうしたんだ?」

蒼星石「空母の警備システムのレーザーでたくさん撃たれたらしいんだけど…。」

キャンベル「ほれ!」サッ

マッコイ「ありがとさん!」

蒼星石「何をする気ですか?」

ピピッ

パイロット「何だそれ?」

マッコイ「蘇生剤だ。これまでに何人か成功したことがある…。」

キャンベル「…………。」

蒼星石「…………。」

ピクッ

蒼星石「やった!」

マッコイ「よし!効いたみたいだな。運ぶぞ!そっちの足持ってくれ!」


~エリア88~

整備兵A「サキ司令!マッコイじいさんから連絡です!通信管制中なので一方的に入ってきましたが、救急車と手術の用意を頼むと言ってます!」

金糸雀「何かしら?」

サキ「あのじいさんもよる年波で心臓でもいかれたのかな…?ま、いい。おい!救護班を待機させろ!」

バババババババ…

整備兵A「マッコイのヘリです!」

金糸雀「あら?いつものハーキュリーじゃないのかしら?」

キュンキュンキュン…

蒼星石「救護班急いで下さい!」

金糸雀「ソウセイセキ!それにキャンベル!生きていたのかしら!」

サキ「何と…!」

キャンベル「ようサキ。心配かけたようだな。」

サキ「いや、2人ともよく生きて戻ってきてくれた。」

マッコイ「おい!早くしろ!」

サキ「何だ、元気でピンピンしてるじゃないか。死にかけてたんじゃないのか?」

マッコイ「へっ!このマッコイが死んでたまるかよ!」

キャンベル「死にかけてんのはこっちの若いのだよ。」

サキ「若いの?」

マッコイ「何でも例の砂漠空母であの2人が見つけたらしい。」

サキ「何!地上空母でか!?」

金糸雀「でかしたかしら!乗組員かもしれないかしら!」

蒼星石「たぶん違うと思う。この人、背広を着ているから…。」

サキ「…………!」

サキ「リ、リシャーーーール!!」

マッコイ「何だ、あんたの知り合いか。助けたんだから後で幾らかよこせよ。リシャールね…ふん、どこかで聞いた………」

マッコイ「って、リシャール!?サキ!じゃ、こいつ、あんたの!」

サキ「弟だ…。」

蒼星石「この人が…。」

キャンベル「サキの弟…。」

ゴォォォォォォ…

ミッキー「くそ…これだけの広さの中から空母を見つけ出すっての大変だぜ。どっからあたるよ?」

真「ポイントC辺りは反政府軍の縄張りだ。そこら辺りから探すしかないな。」

ミッキー「見つけたらどうする?」

真紅「出来るだけ引き付けて時間を稼いでサキのB-1を呼び寄せましょう。」

真「サキは本気で核を使う気かな?」

ミッキー「さあな…俺にはあいつの考えてることが分からん…。」

ゴォォォォォォ…


~手術室前~

サキ「…………。」

金糸雀「…………。」

ガチャ

サキ「どうなんだ、様子は?」

医師「出血が多くて、輸血がおっつきません!パイロットの中にA型の人は?」

金糸雀「分かったわ。何人かいるはずかしら。みんな!」

整備兵B「はい!」ダダダダ…

サキ「同じ血を分けた兄弟なのに血液型が違うとはな…皮肉なもんだ…。」

医師「…………。」

金糸雀「…………。」

サキ(お前が死んだら…私は…本当に1人ぼっちになってしまう…)


~管制室~

マッコイ「シンとミッキーが見当たらないが、上がってんのか!?」

管制員A「やあマッコイ!」

管制員B「グレッグのA-10は手に入ったのか?」

マッコイ「NATOに配備になるやつを途中でちょろまかした!後2日もすれば来るよ…それよりシンだ!連絡つけたい!」

管制員C「えらく急ぎだな。もう5分程で第1次の通信管制が終わるから待ってくれ。」

マッコイ「そんな悠長なことやってられねぇ!マイクを貸せ!」バシッ

管制員C「あ!マッコイ!」


マッコイ『シン!!ミッキー!!聞こえるか!?聞こえたらすぐに基地に戻れ!!』


ゴォォォォォ…

真「ミッキー!今の聞いたか!?マッコイが怒鳴ってる!」

真紅「あのじいさま、帰ってきたようね。」

ミッキー「たまんねぇな。通信管制も何もあったもんじゃねえ。こっちゃてんてこまいしてるってのに…。」

グオオオオオオォォォォォォ…

管制員C「何だよマッコイ!あんたにはパイロットの作戦をどうこう言う命令権は無いはずだぜ!」

マッコイ「うるせえ!」

マッコイ「F-18の整備マニュアルを見てたら、あのエンジンにくっついてる出っ張りはノーマルには無いんだ。何か分からんが…やばいような気がする。もしかしたら自爆装置かもしれん…。」

管制員C「自爆装置…。」

一同「…………。」

整備兵C「サキ司令からA型の血液保持者は病院区の方へ来てくれって!」

管制員D「お前は?」

管制員E「俺O型よ。」

マッコイ「ああ…何だってこうゴチャゴチャしてやがんだろうな!このクソ忙しい時に!」

ゴォォォォォ…

整備兵D「シン達が帰ってきたぞ!」

ドピュッ

キィィィィィィィン…

マッコイ「おーい!!」

真「マッコイだ。えらくあわ食ってるぞ。」

ミッキー「あのじいさん、何時だってそうだ。」

マッコイ「ふえーっ!心臓が止まりそうだ。年寄りを走らせるな!」

真紅「何を言っているの。自分で走ってるくせに。」

マッコイ「さっさとエンジンをカットして降りろ!」

真紅「一体何の用事なの?」

ミッキー「何だってぇ?」

真紅「自爆装置?」

真「まさか?」

マッコイ「確信は無いが、あの出っ張りはマニュアルに載ってねえ。」

マッコイ「ハンガーに機体を入れろ!エンジンを降ろせ!」

真「冗談じゃないよ!今あいつを取り上げられたら地上空母を探せねえよ!」

真紅「あと数時間しかないというのに…。」

マッコイ「ああ、その話は聞いた。」
マッコイ「グレッグのA-10を仕入れに行った先で熱源トレーサーを手に入れてきた。あそこのファントムに今付けてるとこだ。」

ミッキー「成程、熱源トレーサーか…。」

マッコイ「あとサキのB-1にも付けなきゃならんがな…。誰が後ろに乗るんだ?後部座席のやつがトレーサーを操作しなけりゃならんのだから…。」

真紅「私ではスイッチに手が届かないわ。」

真「ミッキーの方が海軍でファントムに乗り慣れてるはずだし…。」

ミッキー「ああ…じゃ、俺が前を…。」

マッコイ「それじゃマニュアルはシンに渡しておこう。」

真「サキは?」

マッコイ「サキは手術室だ。キャンベル達が砂漠でぶっ倒れてた弟を連れてたのを拾ってきたんだよ…。」

真「キャンベル達が!?」

真紅「じゃあ蒼星石も!?」

マッコイ「ああ、2人共元気だったぞ。」

ミッキー「それに弟って…リシャールのことか!?」

マッコイ「ミッキー、知ってるのか?」

ミッキー「あ、ああ。ちょっとな…で、どうなんだ?」

マッコイ「酷い怪我で半死半生だった…今手術中だ。血が足りねえってんで基地中のパイロット集めてらぁ…A型だそうだ。」

ミッキー「そうか…。シン、すまねぇ…前に乗れねえよ。俺はA型だ…。」

真紅「何も貴方が名乗り出なくたってまだ基地にはA型は大勢いるのよ。」

ミッキー「すまん!訳は後で話す…。」

真「…………。」

真「ウォーレン!後ろに乗れ!」

ウォーレン「うーす!」

ミッキー「シン…。」

真「後でゆっくり聞かせてもらう…じゃあな!」

シュィィィィィン…

グオオオオオオオオオォォォォォォ…

真「ウォーレン!マニュアルは読んだか!?」

ウォーレン「ああ、大体ね…でもよ、これフランス語で書いてあらぁ…俺、フランス語なんて分かんねえよ…。」

真紅「困ったわね。ドイツ語なら分かるのだけれど。」

真「…………。」

ピピピピピピ…

ウォーレン「あ!」

真紅「真。反応があったわ。」

ウォーレン「地下20m、ゆっくり動いてる!」

真「真より基地攻撃隊へ!空母発見!ポイント7ESへ発進せよ!」

今日は終わり

これより投下開始します。


~司令官室~

サキ「君達2人に来てもらったのは他でもない。例の地上空母についてだ。」

蒼星石「はい。」

サキ「マッコイから聞いた限りでは君達は空母からリシャールを連れて脱出してきたそうだね。」

キャンベル「ああ、あん時は大変だったぜ。」

サキ「ぜひ詳しく話してもらいたい。」

キャンベル「実は特攻する前に…」


MISSION28 迷宮空母


~特攻前~

キャンベル「グ…グレッグ…こいつ…ボロでよ…離れねえ…あは…。」

グレッグ「キャンベル!!」

雛苺「蒼星石!」

キャンベル「ソウセイセキ。早く飛び出せ。下は砂だからそこまで痛くねえはずだ。」

蒼星石「…嫌です…。」

キャンベル「悪いことは言わねえ。死ぬのは俺1人で十分だ。」

蒼星石「…嫌…。」

キャンベル「早くしろ!お前も死ぬぞ!」

蒼星石「嫌だ!!」サッ



ジャキン!



キャンベル「…………は?」

蒼星石「早く!外に!」

キャンベル「あ、ああ!うおりゃあ!!」ダッ

ギュゥゥゥゥゥゥゥン…

ドカアアアアアアアアアン…

蒼星石「えいっ!」ボスッ

キャンベル「痛てっ!」ドサッ

蒼星石「大丈夫ですか?マスター。」

キャンベル「ああ、何とかな。」

蒼星石「砂の上でよかったですね。」

キャンベル「義手義足じゃなかったら死んでたな。」

蒼星石「あははは…。」

ブロロロロロ…

敵偵察車『そこのパイロット2人!大人しく投降しなさい!』

キャンベル「ちっ、大人しく従うしかねえな。」

蒼星石「はい…。」


~ブリッジ~

艦長「ほぉ。君もエリア88の傭兵かね?」

キャンベル「そうだよ。鉄腕キャンベルで名が通ってる。」

艦長「鉄腕キャンベルね…それにしてもエリア88はローゼンメイデンが集う基地なのかね?」

キャンベル「!」

艦長「1週間前に君と同じ88のパイロットが2人も捕まったんだがね。丁度その2人もローゼンメイデンを連れていてね。シン・カザマとミッキー・サイモンだったかな。」

キャンベル「そういえばあいつ等も捕まってたんだった…。」

艦長「彼らは運がいいようだね。ファリーナさんの計らいで自動操縦のF-18、2機を貰ったんだがまさかアンテナをへし折るとは思わなかったよ。」

蒼星石(何かすごいことやってのけるんだねあの人達…)

艦長「神様は君達に味方しているのかな?」

キャンベル「あながち間違っちゃいねえ…でも違うな。」

艦長「ん?何が違うのかね?」

キャンベル「俺達には悪魔が味方してんのさ。」

蒼星石(悪魔………)

艦長「はっははははは…その中でも君達は特に寵愛を受けているようだ。」

蒼星石「どういうことですか?」

艦長「君達の帰る基地はもうすぐなくなるんだよ。」

キャンベル「何?」


~独房~

蒼星石「僕達、どうなっちゃうんでしょうね…。」

キャンベル「さあな…基地が無くなった後に処刑かな?」

蒼星石「そんな…。」

キャンベル「くそ、あいつ等基地が無くなるなんてこと言ってたが何をする気だ?」

蒼星石「まさか核爆弾でも落とす気では?」

キャンベル「いや、反政府軍でなくても連中も88が首都に近いことは知っているはずだ。そんなことしたら首都も被害を被ることになる。」

蒼星石「でも反政府軍じゃないとしたらあの人たちは何なんですか?」

キャンベル「やつ等は武器商人に雇われた兵士さ。」

蒼星石「武器商人?」

キャンベル「ああ、ファリーナって名前、どっかで聞いたと思ったらイタリアのマフィアのボスで政府軍と反政府軍両方に大量に武器を送り込んでいるやつだ。」

蒼星石「両方に?」

キャンベル「88にファリーナを通して機体を買ったやつが何人かいる。連中にとって俺達はいい金づるってことさ。」

蒼星石「…人って、何で戦争なんかするんでしょうね…。」

キャンベル「戦争起こすにはいろんな理由があるさ。でもどっちも自分が正しいと思っている…戦争なんてみんなそうさ。」
キャンベル「そんな時にファリーナみたいな連中は武器を売りつけて兵士を戦わせる…自分はがっぽり儲かりながら高みの見物ってわけだ。」

蒼星石「そんな…そんなの…許せない!」

キャンベル「そう思ってるだけお前はまだましさ。俺達、外人部隊は人を殺して商売してんだから…。」

蒼星石「…………。」

キャンベル「?おい、眠たいのか?」

蒼星石「…マスターは…。」

キャンベル「?」

蒼星石「マスターはどうなんですか?」

キャンベル「…………。」

蒼星石「外人部隊だからって自分のいた基地が無くなるなんて信じきれますか!?」

キャンベル「…………。」

蒼星石「あの時…たくさんの仲間が落とされた時、何とも思わなかったんですか!?」

キャンベル「…………。」

蒼星石「自分の仲間が散っていくところを平気で見ていられますか!?」

キャンベル「…………。」

蒼星石「このままみんなを見殺しにして…」

キャンベル「いいわけないだろ。」

蒼星石「!」

キャンベル「このまま手こまねいて見てるわけじゃないさ。」

蒼星石「マスター…!」

キャンベル「88にはグレッグやミッキー、シン、サキがいる。それにお前の姉妹もな。」
キャンベル「せめてお前ら姉妹だけでも平和な場所まで送っていきたい。」

キャンベル「…脱走するぞ!」

蒼星石「はい!」

番兵「…………。」

キャンベル「…………。」ニュー

ガシッ

番兵「××△○□□!!?」キュゥ…

キャンベル「え~っと~鍵は~。」ガサゴソ

ガチャ

キャンベル「なんでぇ、番兵以外誰もいねえじゃねえか。」


~廊下~

蒼星石「僕が先の方を見てきますね。」

キャンベル「気を付けろよ。」

タタタタ…

蒼星石「!」

警備装置『…………』ウイーン

蒼星石「えいっ!」ブン

ガシャン!

蒼星石「大丈夫です。」

キャンベル「よし!行くか。」

蒼星石「それにしても、どっちに行けばいいんでしょうか?」

キャンベル「本来なら出口を探すところだが砂漠に出たが最期…ど真ん中で干からびて干物になるのがオチだな…。」

蒼星石「じゃあどうすれば…。」

キャンベル「ここはシン達がやった方法で行くしかないな。」

蒼星石「真さん達がやった方法?」

キャンベル「例の艦載機のホーネットをかっぱらうのさ。」

蒼星石「でもあれは遠隔操作されているはずでは?」

キャンベル「シン達の情報のお蔭でカメラとアンテナを壊せばどうにかなるってことが分かった。だったら飛ぶ前に壊せば済む話よ。」

蒼星石「成程。」

キャンベル「そうと決まれば格納庫探すぞ。」

蒼星石「はい!」


~十数分後~

キャンベル「くそ…この空母広過ぎだろ…。」

蒼星石「もういた独房の場所も分からなくなってしまいました…。」

『カードをどうぞ…』

キャンベル「何だ?」

『繰り返します…カードを…』

キャンベル「!?」

蒼星石「助けなきゃ!」ダッ

キャンベル「おい!ソウセイセキ!」

警備装置『Lブロック侵にゅ…』

ガシャアン!

リシャール「…!?」

蒼星石「大丈夫ですか!?」テテテテ…

キャンベル「おい!ひでえ出血だ!大丈夫か!?」

リシャール「あ…貴方方…は…?」

蒼星石「大丈夫です。僕達はエリア88所属です。」

リシャール「エリア…88…!」

キャンベル「よっと、気をしっかりもてよ!」バッ

ダダダダ…

キャンベル「早えとこ格納庫探さんと…。」ダダダダ…

リシャール「か…格納…庫は…その突き当りを…右へ…」

キャンベル「右だそうだ!」ダダダダ…

蒼星石「はい!」テテテテ…

リシャール「そ…その先…の…左に…い…入口が…」

蒼星石「ありました!誰もいません!」

キャンベル「よし。若いの、もう黙っていいぞ。」ダダダダ…

リシャール「…………。」

アナウンス『8番機、9番機、カタパルトへ移動!』

キャンベル「よし!アンテナを切ってくれ!」

蒼星石「はい!」チャッ

ジャキン!

キャンベル「こっちもだ!」

蒼星石「はい!」

ジャキン!

キャンベル「操縦の仕方は分かるな!?」ガシャン

蒼星石「はい!心得ています!」ガシャン

キャンベル「よし!先に出ろ!」

蒼星石「はい!」

キイイイイイイイイイイン!

アナウンス『8番機、発進!』

ゴオオオオオオオォォォォォォ…

アナウンス『続いて9番機、発進!』

ゴオオオオオオオォォォォォォ…

リシャール「う…ぐ……は…早く…」

蒼星石「大丈夫ですか?」

リシャール「グ…グラン…ド…スラム…は…88が…」

蒼星石「え?何ですって?」

ピーピーピー

蒼星石「な、何!?何の音!?」

キャンベル「落ち着け!燃料が無いんだ!このまま不時着するぞ!」

蒼星石「そ、そんなーーー!!」

ギュゥゥゥゥゥン…

キャンベル「…んで、基地まであと1kmのところで落ちたわけよ。」

サキ「………突っ込みどころが多すぎる。」

蒼星石「あ…あはははは…。」ポリポリ

サキ「ま、まあいい。F-18は無事なんだな?」

キャンベル「それが不思議なことにな…。」

サキ「何だ?」

蒼星石「僕達が降りてからすぐに爆発しちゃったんです。」

サキ「爆発?」

キャンベル「煙も出ていないし、別にこれと言って激しく壊れたとこも無いのに急になんだ。」

サキ「爆発…………はっ!」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

マッコイ(F-18の整備マニュアルを見てたら、あのエンジンにくっついてる出っ張りはノーマルには無いんだ…もしかしたら自爆装置かもしれん…)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

サキ「いかん!!」ガチャ!

キャンベル「サキ!?」

バタン

完成!

お待たせしました(待ってなかったか)。投下します。

管制塔『攻撃隊発進せよ!発進せよ!』
管制塔『シンの機体が熱源トレーサーで空母を発見した!ポイント7ESへ発進せよ!』

傭兵A「この基地を吹っ飛ばすなんぞとでけえ口叩きやがって!ボカチン食わしてあの世行にしてやらぁ!」

傭兵B「回せー!」

管制塔『コントロールよりレッド・リーダー!離陸よし!』

赤リーダー「ラジャー!」

キイイイイイイイイイイン!

赤リーダー「行くぜ、野郎共!しめてかかれよ!」

ゴオオオオオオオオォォォォォォォ…


MISSION29 バニッシング・デザート

管制塔『コントロールより!レッド・セクション離陸後、パープル・セクション離陸用意!』

紫リーダー「高度1万まで上がれよ!モタモタしてるとどやしあげるぞ!」

ゴオオオオオオオオォォォォォォォ…

マッコイ「へっ!やっとこの基地らしくなってきやがった。ダンマリの出撃待ちばっかりじゃ気がめいっちまわぁ。」

整備兵A「おーい、マッコイ!シン達のF-18のエンジン、降ろしてドリーに乗せたぜ。バラシにかかるか?」

マッコイ「おう、そうだった…コロッと忘れてた。すぐ行く。」


~ハンガー~

整備兵B「例のエンジンの出っ張りだけど、何か…一体構造になってるんで外せないんじゃないか?」

マッコイ「そんなことあるもんか。永久結合の部品なんてそうザラにあるもんじゃない。ラジオ・アイソトープ測定装置は使ってみたか?」

整備兵B「ああ。でも鉛が使ってあるみたいで放射線が通らないよ。」

マッコイ「けっ!くせえな…かまわねぇ。ブロックごと切断しちまえ。」

整備兵B「いいのかよ。シンに断りも無く…。」

マッコイ「いいさ。まだこいつの料金は貰ってねえ。それにNATO高官のスキャンダルをネタにこいつのスペアエンジンを何とかする話はついてるんだ。」

整備兵B「もう…あんたは一体、外で何をやってんだ?」

ゴォォォォォ…

真「ウォーレン。敵の位置は変わらんのか?」

ウォーレン「ああ。一直線に動いている。しっかしトロイなぁ。」

真紅「真、あまり高度を変えないで頂戴。数値が読み取りにくいわ。」

ウォーレン「そうだぜ。ただでさえこのチンプンカンなマニュアル読みながらなんでやりづらいってのに…。」

真「愚痴るなよ。落とされたいのか。」
真「連中は地下に潜っていたってこっちを攻撃出来るんだ。砂の上にレーダーセンサーを出していてこっちの位置は手に取るように分かっているはずだ。俺もミッキーもそれでやられたんだからな…。」

ウォーレン「くわばらくわばら!でもよ、そのレーダーセンサーってのも空母と同じように動力を持っていて動き回るのか?」

真「!」

真紅「ウォーレン、空母は今何km/hで動いていて?」

ウォーレン「5km/hぐらいかな…少しずつ遅くなったり速くばったりはするみたいだけど…。」

真(待てよ…?地上空母がミッキー達を攻撃した時はたしか動いていなかったはずだ…)

真紅(しかも地下20mの深さにいる空母の上にかかる砂の重量は1万tや2万tではきかないはず…)

真「真紅!ウォーレン!下の敵の大きさは分かるか!?」

ウォーレン「位置と深さは大体分かるがな…。」

真紅「大きさは測定出来ないようね。動力系の熱源の強さで判断するしかないわ。」

ウォーレン「それにしても、あまり大きくはないみたいだ。」

真(こいつは空母じゃないのか…?だとしたら何だ…?)


~エリア88 管制室~

金糸雀「シンと攻撃隊は合流したかしら?」

管制員A「もうすぐです!」

金糸雀「空母の位置は?」

管制員B「ここです。西側から、ほぼ一直線にこちらに向かっています。」

金糸雀「艦載機を発進させるとしたらもうそろそろ浮上するはずかしら。」

管制員C「カナリア副司令!シンからです!」

金糸雀「シン…どうかしら?…ふむ…ええ。確かに変…分かったかしら。攻撃隊がすぐに見えると思う。上空で待機していて。」ガチャン
金糸雀「マッコイのハンガーに繋いで。」

管制員D「はい。」

金糸雀「地下20m…並の弾頭じゃ屁のツッパリにもならないかしら…。それに、シンの言うようにこいつが空母じゃないとしたら何…?本体は何処にいるの…?」
金糸雀「囮として別方向からこの基地に近付いているのかしら…?」

管制員D「マッコイが出ました。」


~ハンガー~

シュィィィィィィィン…

マッコイ「どうしたカナリア?わしゃ今忙しい…え?熱源トレーサーがもう1台あるかって?ああ、サキのB-1に積んであるよ。」
マッコイ「え!?積み替えろって!?ああ…そりゃ簡単だからやってもいいが急ぐのか?」

整備兵B「もうちょいだな。」

整備兵C「ああ。」

ビイイイイイイイイイイン!

ガチャ!

サキ「いかん!!エンジンから離れろ!」

金糸雀・マッコイ「え?」

サキ「爆発するぞ!」

金糸雀「爆発!?」

マッコイ「おい、お前等!早く離れろ!」



ガガッ!





ピカッ!


ズズゥ…ン…

金糸雀「マッコイ?マッコイ!どうしたの!」

整備兵D「大変だ!!マッコイのハンガーが吹っ飛んだ!!」

管制員E「消防班!マッコイのハンガーで爆発事故だ!」

サキ「誰か言って状況を知らせろ!」

管制員F「はい!」

管制員G「救急車を回せ!」

ウ~ウ~ウ~

バシャーーーーーーー!

金糸雀『マッコイ!!聞こえるかしらマッコイ!!』


~病室~

ワヤワヤ…

イーニー「?」

バタバタ…

イーニー「騒がしいわね。何かあったの?」

整備兵D「マッコイのハンガーで爆発事故だ!5、6人吹っ飛んだ!」バタバタ…

リシャール「う…………。」

イーニー「!」

リシャール「う…く…グランド…ス…ラム……88が…危ない………。」

イーニー「え?よく聞こえないわ。」

リシャール「グランド…ス…ラム………。」


~管制室~

管制員H「サキ司令!病室からです!」

サキ「うむ。」スッ

イーニー「ええ…はい…まだ意識が朦朧としておられるらしくて…でも何か盛んにうわ言のように…。」

サキ「うわ言?」

イーニー「グランド・スラム…としか聞き取れませんが、後は88が危ないとか逃げろとか…。」

サキ「分かった。すぐ行く。」ガチャ

管制員I「被害状況です!エンジン・ドリーのそばで買いたい作業をやっていた作業員は殆ど死亡です!」

金糸雀「マッコイは!?」

管制員J「瓦礫の山の中で探してますがまだ報告は入ってません!」

管制員I「他機への被害はありません!」

金糸雀「とにかく救護を急いで!攻撃隊からの通信回線は病室の方に回して!」

ゴォォォォォ…

真紅「攻撃隊よ。」

ジャクソン「へい、シン!その下か!?例のやつは!攻撃にかかるからそこどいててくれ!」

真「ジャクソン、ちょっと待て!さっきも言ったようにこいつは空母じゃないかもしれん!」

ジャクソン「んなこと、やってみなきゃ分からんべぇ!続けー!」

ギュゥゥゥゥゥゥゥゥン…

ジャクソン「地下20だろうが何だろうが立て続けに爆弾落とせば苦し紛れに出てくるぜ!」

ガキン!ヒュウウウウウウゥゥゥゥゥゥゥゥ…

ドオン!ドドドオン!ズドオン!

ウォーレン「なんだ…あまり大した穴は開かんもんだな…。」

真紅「砂だから爆発の衝撃を吸収してしまうのよ。」

真「シンよりサキへ!どうする!?連中おっぱじめちまったぜ!あまり効果は期待できんと思うが…。」


~病室~

金糸雀「サキ。シンから連絡かしら。」

サキ「リシャール!しっかりしろ、リシャール!私が分かるか!?」

リシャール「…あ…兄上…。」

サキ「もう大丈夫だ。安心しろ。ここは私の基地だ。」

グッ

リシャール「グ…グランド・スラムだ…地下を…潜ってくる…」

サキ「グランド・スラム?」

リシャール「ここ…ここが…それ1発で吹き飛ぶ…!兄…上…早く…逃げ…」
リシャール「ぐうっ!」ゴフッ

サキ「リシャール!」

金糸雀「ドクター!」

リシャール「はぁっ…はぁっ…」

サキ(グランド・スラム…地下…ここを…1発で…)

サキ(では…シンが発見した空母以外の物…)

金糸雀「酸素吸入を!」

サキ「コントロール!そちらに行く!シンを呼び出しておけ!」チラッ

チッチッチッチ…

タッタッタッタ…

サキ(地中を進行するミサイル…)

金糸雀(強力な弾頭…)

サキ(スピードは遅い…)

金糸雀(この基地に達するまでに20時間…)



サキ・金糸雀(こいつか(かしら)…!)


サキ『サキよりシンへ!そいつの正体が分かった!ミサイルだ!地下を進むミサイルだ!』

真「な…何だって!?」

サキ「1000ポンドやそこらの爆弾でやったって埒はあかん!B-1を発進させる!局地用の核弾頭を使用する!攻撃隊を引き上げさせろ!」

真「わ、分かった!」

ミッキー「局地用の核を使用するのは無理だぜ、サキ。」

サキ「ミッキー!」

ミッキー「マッコイのハンガーが吹っ飛んだんでB-1用の外部ミサイル搭載装置も全部いかれちまった。」
ミッキー「他の搭載装置を改造して流用するにしても工作に最低半日はかかる。もうミサイルは目と鼻の先だぜ。」

サキ「む…。」

金糸雀「サキ。いくら局地用でも基地から10km以内では使えないかしら。かといって通常の爆弾では地下20mを潜ってくるミサイルは破壊できない…どうする?」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…

真紅「この下を動いているミサイルが爆発すればエリア88が一瞬にして消滅するわけね…。」

真「バニッシング・デザートか…どうする?真紅!ウォーレン!」

ウォーレン「さあね…。」

真紅「消える前にフランス語を覚えた方がよさそうね。」

ウォーレン「同感。」

真「…………。」

今日はここまで。

どうも、これから投下します。今回はちょっと長めかも。

真「88コントロール!こちら真!グランド・スラムはマニューバー・ラインの西15kmの地点!」

真紅「大きな岩ね。」

ウォーレン「あれはビッグ・レッグっていう大岩だ。基地のやつ等にもあの大岩を目印に帰るやつが多い。」

真紅「ビッグ・レッグ…。」

真「たしかミサイルはこのビッグ・レッグの真下を通るんだよな…。」

真紅「大岩…真下…20m………!真!」

真「何だ?」

真紅「サキに変わって頂戴!1ついい考えがあるの!」

真「分かった!」


MISSION30 88絶体絶命

真紅「サキ、こちら真紅。1ついい考えを思いついたのだわ。」

サキ「何だ?言ってみろ。」

真紅「グランド・スラムはこのまま直進するとこのビッグ・レッグの真下を通過することになるわ。」

サキ「ああ、そうだ…で?」

真紅「この大岩を爆破してグランド・スラムの前方に岩の壁を作るのよ。これで何とか食い止めましょう。」

サキ「しかし…やっこさん地下20mを進行してるんだ。ビッグ・レッグを爆破しても岩が食い込むのはせいぜい5m…とても無理だ。」

真紅「簡単よ。前もって20mの穴を開けておけばいいのだわ。精密爆撃ができる人間を集めて頂戴。それからマッコイに高性能爆薬を30㎏、ヘリで運ぶように伝えて。」

サキ「マッコイは重体だ。」

真「何だと!?」

サキ「ハンガーの中でお前とミッキーのF-18から降ろしたエンジンが解体作業中に爆発したんだ。もっとも、キャンベル達が強奪してきたF-18も乗り捨てた直後に爆発したから怪しいとは思っていたが…。」

金糸雀「爆発の時は事務所の中にいたからかろうじて助かったけど…。」

真「そんな…。」

真紅「あのじい様が…。」


~エリア88 ブリーフィングルーム~

真「マニューバー・ラインというのは諸君も知っての通り、この基地から西へ30kmの地点にある幅50m、長さ5kmに亘る土の帯だ。」

傭兵A「ああ、知ってるよ。周りが全部砂ばっかりなのにあそこだけ土だからな。」

傭兵B「でっかい岩山もあったよな。」

真「そう…ビッグ・レッグと呼ばれている高さ60mに及ぶ岩山がある。この基地に帰る時の目標にしている者も多いと思う。」
真「このビッグ・レッグは高さが60mあるが、根本の20mは砂岩質で非常にもろい構造になっている。」
真「つまり40m…重量数万tの岩がマシュマロのような台地にかろうじてバランスを取って乗っかってるわけだ。」
真「こいつを爆破する!」

ざわ…ざわ…

真「静かに!」

真紅「グランド・スラムがこの下を通過するまでに直径50m、深さ20mの大穴を開けてこの岩をそこに転がり落とす。グランド・スラムといえど幅50mの岩板を貫く力は無いはずよ。」

傭兵C「計画は分かったけどよ、俺達が穴ぽこ開けてる間に岩がショックで転がり落ちたらどうすべぇよ?岩がすっぽり入る程の大きさの穴を開けるんだ、並のショックじゃおさまらんぜ。」

真紅「穴を開ける爆弾は1発でよくてよ。」

傭兵D「え?」

傭兵E「そんな…1発で直径50mの大穴なんて開くかよ!」

真紅「心配は無用。貴方達はビッグ・レッグの根本の1か所を集中的に爆撃なさい。そして最後はB-1が落とす1発で穴あけと岩崩しを同時に行うのだわ。」


~ミッキーの部屋~

翠星石「…………。」

コンコン

翠星石「…誰ですか。」

ミッキー「俺だ、ミッキーだ。」

翠星石「…何の用ですか。」

ミッキー「精密爆撃のミッションが入った。お前の協力が必要だ。」

翠星石「…勝手にやれです…翠星石がいなくたって十分やってのけれるです…。」

ミッキー「んなこと言わねえで頼むよ。」

翠星石「うるさいですぅ!!翠星石に話しかけるなですぅ!」

ミッキー「…!!」

翠星石「さっさと行くがいいです…。」

ミッキー「…………。」

翠星石「…行ったですか…?」

ミッキー「あ~あ、だらしねえな!自分の半身亡くしたからって落ち込みすぎだろ!人形の分際で!」

翠星石「なっ!?」

ミッキー「これだからお前はお子様なんだよ!たかが人形の1体や2体、壊れたからってどうってことねえだろうよ!」

翠星石「な、何を言ってやがるですか!」

ミッキー「もとはと言えばお前等は争ってるはずだろ!ローザミスティカを巡って、てめえの父親に会うために!だったらソウセイセキには死んでもらった方がよかったんじゃないのか!?」

翠星石「そ…それは…。」

ミッキー「やつの死に際看取ってやれなくて残念だったな!まあ人形ごときに憐れむようなやつは1人もいねえよ!俺はむしろあいつがいなくなってせいせいしてるんだ!」

翠星石「お…お前というやつは…!」

ミッキー「どうした!?なんか言ってみろ!木偶人形が!!何ならお前もあの木偶人形の後を追って…」



翠星石「だまれですぅ!!!」


ミッキー「…………。」

翠星石「翠星石のことは何と言われても構わないです!!でも…でも蒼星石のことを侮辱するのは許さないですぅ!!」

ミッキー「…………。」

翠星石「ミッキー…今日からお前は翠星石の敵です!翠星石はお前が大っ嫌いです!!」



ミッキー「ああ!俺もお前が大嫌いだよ!!」



翠星石「…!!」

ミッキー「お前の泣き顔が!その何かにすがっていなければ生きていけないようなお前の泣きじゃくった顔がよ!」

翠星石「…………。」

ミッキー「だからお前はだらしねえんだよ…。いつまで経っても昔のことを引きずって現実を見ようとしない、そんなお前を見ていたら反吐がでるぜ。」

ミッキー「なあ!ソウセイセキ!」

翠星石「…………?」

蒼星石「そうだね…僕も、君のことが大嫌いだった…。」

翠星石「…………。」

蒼星石「君の泣き顔は…僕の鏡の素顔を見るようで…大嫌いだった…。」

翠星石「…………。」

蒼星石「君は何時でも何処でも僕と一緒…2人で1人とか言って僕に頼ってばっかりいた…。そんな君を見ていたら…」



蒼星石「本当に反吐が出るよ。」



翠星石「!!」

蒼星石「僕はもう君を助けない。君は1人で…自分の力で何とかするんだ。」

翠星石「…………。」

蒼星石「君が乗らないのなら僕が乗る。君は部屋で大人しくしているんだ。」

翠星石「……や…です…。」

蒼星石「君には戦う意志が無い。ならここにいる資格は無い。」

翠星石「いや…ですぅ…!」ジワッ

蒼星石「さっさと荷物をまとめてどこにでも行けばいいや。」




翠星石「嫌ですぅ!!」ガチャ



ガバッ!

翠星石「お願いです!1人にしないでです!」ポロポロ

蒼星石「翠星石…。」

翠星石「蒼星石に迷惑が掛からないようにするからぁ!1人で出来ることは1人でするからぁ!」ポロポロ

蒼星石「…………。」

翠星石「みんなのために戦うからぁ!!資格があるようにするからぁ!!」

ミッキー「…………。」

翠星石「お願いです…翠星石を…1人にしないでほしい…です…。」ヒック

蒼星石「…………。」

翠星石「お願い…だから…。」グスッ

蒼星石「…ありがとう。」

翠星石「…え?」

蒼星石「君のその言葉を聞きたかった。」

翠星石「…………。」

蒼星石「僕は本気で君を1人にするつもりはないさ。」

翠星石「…………。」

蒼星石「でも君は1人で歩ける強さをちゃんと持ってる。」

翠星石「…………。」

蒼星石「その強さでちゃんとミッキーさんを手伝ってあげてね。」

翠星石「…………。」

ミッキー「…………。」

翠星石「………いい…ですか?」

ミッキー「何がだ?」

翠星石「こんな…みっともない翠星石を…また…乗せてくれるですか…?」

ミッキー「あたりまえだろ?俺はお前のマスターなんだからよ。こんなこと言うのも何だが、スイセイセキがいてこそのミッキー・サイモンだ。」

翠星石「…本当…ですか?」

ミッキー「なあに、心配することは何もねえよ。さっきお前のことを大嫌いって言ったが…」

翠星石「?」

ミッキー「俺はお前が大嫌いだが、誰よりも大好きさ。」

翠星石「ミ…ミッキ…ィ…!」ブワッ

蒼星石「僕も君のことは大嫌いだけど、ミッキーさんに負けないくらい誰よりも大好きだよ。」

翠星石「うわぁぁぁぁぁぁぁん!!」ダキッ

ミッキー「おっとっと。」ヨタッ

蒼星石「よしよし。」ナデナデ

翠星石「蒼星石ぃ…!ミッキー…!ありがとうですぅ!」ポロポロ

蒼星石「はいはい…………!」

~宿舎の入口から~

キャンベル(やったな)ピース

真(よくやった)サムズアップ

蒼星石(…はい!)ピース

ゴォォォォォ…

キャンベル「パープル・セクション、キャンベルだ!これからビッグ・レッグを爆撃する!目印は!?」

管制『ヘリの連中が白ペンキで描いておいたはずだ!』

蒼星石「あっ!あそこです!」

キャンベル「はん…あれか…。よおし、行くぞー!」

グオオオオオオオオオオ!

キャンベル「クソッタレめ!ひねり込んでの精密爆撃なんて、まったくもう!」カチッ

ガシャ

ヒュゥゥゥゥゥゥゥ………ドォォォォォォン…

キャンベル「けっ!ちとはずれたか!」

蒼星石「爆弾はあと2つです。」

キャンベル「OK!もう1回行くぞ!」

ゴオオオオオォォォォォォォ

キイイイイイイイイイイイイン!

管制『コントロールよりB-1『ランサー』、離陸よし!』

サキ「OK!よし、行くぞ!」

イーニー「はい!」

グオオオオオオオオォォォォォォォ…

整備兵A「なぁ、もしこの計画が失敗したらどうなるんだ?」

整備兵B「決まってらぁ!この基地ごと吹っ飛ぶんだ!」

ゴォォォォォ…

サキ『シン!うまく誘導してくれ!1発で決めんと後が無い!』

真「分かってる!」

グオオオオオオオオオオ!

翠星石「今ですぅ!」

バシャッ

ヒュゥゥゥゥゥゥ…

ズガアアアアアアアアン…

ミッキー「うまく当たらんもんだな!」
ミッキー「ミッキーよりシンへ!ビクともせんぞ!」

翠星石「マシュマロの上の岩だなんて嘘ですよね!がっちりしてやがるですぅ!」

真紅「当たり前よ。今崩れてもらったら困るのよ。」

イーニー「グランド・スラムはビッグ・レッグに5km地点まで近づいています!」

サキ「あと1時間か…。」

ミッキー「ようし!もう1丁行くぞ!」

グオオオオオオオオオオオオオ!

翠星石「今ですぅ!」

バシャッ

ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥ…

ミッキー「これでどうだ!」

ドカァァァァァァン…

グラッ

観測員A「観測班より!2度傾いた!」

観測員B「それ以上やると穴開ける前に崩れるぞ!」

真『サキ!聞いた通りだ!照明弾落とすから正確にそこを狙ってくれ!』

サキ「うむ!」

ゴオオオオオオオオオオオ!

真(こいつで止められなきゃ88は絶体絶命だぜ!)

真「投下!」

パシュッ…パァーーーー…

ウォーレン「ヘリで行った連中が先に高性能爆薬を埋めているはずだ!」

真紅「後はサキの爆撃次第ね。」

真(1発で決めろよ、サキ!)

サキ「照明弾確認!爆撃コース、そのまま!」

ゴォォォォォォォォオオオオオオオオ!

サキ「くそ!」

イーニー「目標軸線!5…4…3…2…1…投下!」

バシャッ

ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥ…

ドオオオオオオオオオオオオン!

ズズズズズ…

ズゥゥゥゥゥゥン…

観測員A「やりました!すっぽり穴の中に!」


~管制室~

サキ「0時…か…。」

金糸雀「リシャール王子が言ったことが本当ならあと3時間でグランド・スラムの燃料は無くなるはずかしら。」

管制員A「観測班からです!」

観測員A『観測班です!グランド・スラムは進んでいません!たぶんこのまま燃料を使い果たして停止するものと思われます!』

一同「やったぁ!!」「バンザーイ!」「助かった!」

サキ「基地に帰るための目標を失ったパイロットには何か別の目標を作れと言わねばな…。」

金糸雀「真達は?」

管制員B「マッコイの病室に行ってます。」


~病院区画~

ガチャ

サキ「どうだ…じい様の容体は?」

真「全身あっちこっちの骨折と火傷でね…。」

真紅「年ですものね…ところで貴方の弟さんは?」

サキ「酸素吸入と点滴を続行しているが意識不明のままさ…。まったく、今日はロクなことがない…。」

真「…………。」

サキ「ま、あと数時間もすればあの変なミサイルの息の根も止まる。今度はこっちが空母を見つけ出して息の根を止めてやる。」

真紅「あの空母…ここが消滅しなかったと分かったら次はどんな手を打ってくるでしょうね…。」

真「厄介な連中だ。」

サキ「とにかく疲れた…夜中の3時に30km先で花火が上がるのを確認したら少し眠るさ…。」

整備員A「サキ司令!管制室からです!」

サキ「どうした?何か変わったことでも…………何!?」

真「!!」

真紅「一体どうしたの?」

サキ「2人共!やつが…」



サキ「やつが岩を突き破ったぞ!」



真「何だって!?」


どうも、僕です。翠星石が立ち直ったのでほっとしています。それではまた。

ただいまより投下します。

翠星石「何ですと!?グランド・スラムがあの岩を突き破ったぁ!?」

ミッキー「ば、バカな!あの巨大な岩をどうやって!?」

サキ「ブッ倒したショックで岩そのものがグズグズになっちまったのかもしれんな。」

真紅「巨大とは言っても砂岩質の岩…もろいことも確かですしね。」

サキ「観測班!やつの位置は!?」

観測員A『ちょ、ちょうど今我々の真下を通過します!』


MISSION31 戦慄の長い日

サキ「グランド・スラムがこの基地へ到達する予定時刻は?」

管制員A「岩を突き破るのに丸1時間かかってますから、夜明け前の4時半ってとこですね。」

真紅「グランド・スラムの航続距離が100kmしかないとすれば、あの岩を突き抜けるのに消費した1時間分の燃料はどれくらいでしょうね。」

サキ「シンク、どういう意味だ?」

真紅「発射器でもある空母からこの基地の真下までの距離をちょうど100kmと仮定したとすれば、ミサイルは基地の1歩手前…近くても滑走路の端で燃料を使い果たすことになるわ。」

真「やつの爆破信管がどういった種類のものかは分からんが、おそらく時限信管じゃなかと考えられる。ただ、それがこの基地の真下に到着した後作動を開始するか…それともかっきり発射後20時間で作動するか…。」

翠星石「どう違うですか、真紅?」

管制員B「到着後の作動と発射後の作動…?」

真紅「簡単よ。発射後20時間で爆発する時限信管なら、基地の下であろうと手前であろうと20時間経過した時点で爆発するのだわ。」

管制員C「到着式の作動なら?」

真紅「ちょっと厄介ね…。」

ミッキー「その場合はこの基地の下に到着したという確認装置が必要になってくる。通信パルスや基地そのものが外部に熱として出している赤外線、この基地の発電装置、航空機のエンジン、各部屋に付いているエアコン、滑走路灯…」
ミッキー「少なくとも砂漠の自然状態と異なる部分を多量に発見した場合、爆発する。」

翠星石「つまり爆発ですか…。」

管制員D「じゃ、じゃあミッキー。あいつの手前でナパーム燃やして基地の熱源に見せかけたらどうだろう?」

金糸雀「多分だめかしら…それで信管が作動して爆発するくらいならさっきのランサーで爆撃した時点で作動したはずかしら。」

サキ「多分この基地の真下…あるいは手前でも20時間経って停止した直後にその信管が作動し始めるのだと思う。」

真紅「トレーサーでの探知ではミサイルは1時間に5km進んでいたから1時間の岩でのロスを含めると単純計算で…基地の手前5kmで止まることになるのだわ。」

真「5kmか…。」

ミッキー「ギリギリだな。」

金糸雀「5kmというと…ミサイルの赤外線探知装置に引っかかる寸前の距離かしら。」

サキ「5kmで止まってくれりゃな。前後1kmぐらいはずれ込むだろ。」

金糸雀「観測班へ!グランド・スラムの動きを追い続けるかしら!基地から8km以内に近付いたら連絡するかしら!」

管制員C「了解!」

金糸雀「あと、念のためにエリア88防衛圏一帯の地質調査もお願いするかしら!」

真「どうする、サキ?」

サキ「5km手前でやつが止まるのを神に祈るしかないさ…止まればその上でたき火でもしてやれば爆発するだろう。」

真紅「けれどもこの基地を1発で吹き飛ばす威力を持ったミサイルよ。5km手前でも損害は出る…覚悟しておく必要があるわね。」

ミッキー「あと2時間か…。」

翠星石「…………。」

キイイイイイイイン!

管制『ブルー・セクション1から3まで離陸用意!』

傭兵A「コントロール!離陸許可をさっさと出せ!」

ゴオオオオオォォォォォォ…

サキ「万が一のことを考えて航空機を分散させておく!ただし、各リーダーとサブリーダーは基地に残れ!

真「サキ…全員避難させた方がいいんじゃないか?見張りは俺達がいればいいじゃないか。」

真紅「相変わらず先のことを考えないのね。」

真「何?」

真紅「彼が恐れているのはグランド・スラムが爆発した時の被害だけではないわ。」
真紅「恐らく敵はグランド・スラムを恐れて私達が基地を放棄することを望んでいるはずよ。無防備になった基地を空母の人間共が占領したが最期、アスランは喉に剣を突き付けられたのと同じことになるのだわ。」

真「そ、そこまで…!」

真紅「戦術とはそういうものよ。」

サキ「このサキ・ヴァシュタールの目の黒いうちはアスランに1歩たりとも入れさせん!たとえ敵と刺し違えても…ここは守り抜いてみせる!」
サキ「お前達を全員殺して屍の山を作ってでも…だ。ビビッて逃げようとする者がいたら…私がその場で射[ピーーー]る!」

真「サキ…。」

真紅「…………。」

金糸雀「グランド・スラムの動きが止まり次第、ただちに動力物及び通信施設の運用を停止するかしら!音も出しちゃだめかしら!」

管制員E「観測班より最終入電!やつが停止しました!7km地点です!」

ミッキー「やった!7kmじゃ探知機能外だ!ナパームを使えば爆発させられる!」

サキ「天は我々に味方したな!よし!シン、ミッキー!グループを爆装させて発進しろ!」

管制員E「観測班より!やつが動きます!」

サキ「何だと!?」

管制員C「動力系の音はしません!しかし動いています!この基地に向かっています!」

金糸雀「そんな!動力も無いのにどうして動くかしら!?」

サキ「観測班!測定計器の故障じゃないのか!?」

観測員A「故障ではありません!たしかにやつは時速3km/h前後で動いています!しかし推進音がまったくしません!」

観測員B「ちょ、ちょっと待って下さい!」

サラ…サラ…

観測員B「砂だ…砂が流れてやつを運んでいる!」

真紅「流砂ですって?」

サキ「地下水だな…砂漠と言えど20mも下じゃ水もある。地図を出せ!」

ガサッ

サキ「マニューバー・ラインからこの基地までわずかに標高差がある。10mぐらいか…水は高い所から低い所へ…流れると同時に砂も水について流れる!」

金糸雀「流れは丁度このエリア88の直前で更に下に潜り込んで2手に分かれて行く…基地の水もこの水脈から採っているかしら。」

サキ「ふ…勝負は水物とはよく言った…潤いも厄災も同じように運びやがる…。」

翠星石「のんきに構えてる場合ですか!サキ!」

ミッキー「とにかく、速度が落ちている今のうちにナパームでも何でも落として爆発させんと!」

サキ「まて、ミッキー!今ここでグランド・スラムを爆発させれば南側の滑走路の1/5は被害を被ることになる。」
サキ「だが砂の流れに任せれば…5時間後にはこの基地から離れることになる。しかも深度はどんどん増してな。」
サキ「我々はとにかく6時間…じっと待つのだ。息を殺して…音を立てずに…。」

金糸雀「サキ、残念だけど待っている時間は無いかしら。」

サキ「何?」

金糸雀「さっき観測班から地質調査の結果が報告されたかしら。それによると、このまま流砂の流れに乗れば2日後にはアスラン首都まで行くかしら。」

真「何だって!?」

サキ「この基地から10km離れた所での爆破は可能か?」

金糸雀「ダメかしら。地下水脈はこの基地を境に深度が一気に200mも下がるかしら。アスラン首都はここより標高差が100m低いし、水脈も少し上がって首都の南2kmで50mぐらいになるかしら。」

サキ「やつはアスランの下で爆発するのか…やつを食い止めるにはこの基地でやるしかないのか…!」

金糸雀「サキ!早く指示を!今爆発させられれば滑走路の被害は1/5あるいは1/4で済むかしら!」

ミッキー「サキ!」

真「どうする!」

サキ「…やむを得ん。1/4ならばかろうじて運用できる。」



サキ「出撃だ!」


キイイイイイイイイイイン!

真「北側末端より発進する!」

サキ『ここから南側の滑走路の端まで4000m!やつはさらに4km先だから発進後すぐに投下せよ!分かったな!』

真「ラジャー!」

キイイイイイイイイイイイイイイイイン!

真「ドジ踏むなよ、ミッキー!」

ミッキー「お生憎様、こっちには天下のスイセイセキ様が付いているからな!」

翠星石「翠星石にかかればグランド・スコーンなんか朝飯前ですぅ!」

真紅「グランド・スラム、よ。」

真「ふっ。」



4人「GO!」


グオオオオオオオオォォォォォォォ…

真「攻撃軸線に乗った!」

翠星石「投下5秒前…4…3…2…1…投下!」

バシャバシャ!

ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥ…

ズガアアアアアアアアアアアアアアアアアン!

グラグラグラ…

管制員A「うおおっ!?」

管制員B「うわあ!?」

金糸雀「非常回線開くかしら!!」

管制員D「ぶわあ!!」

ゴゴゴゴゴゴゴ…

ミッキー「やったな!」

真「ああ、これで消滅の危機は去った。」

翠星石「えっへん!どんなもんですぅ!」

金糸雀『みんな、よくやったかしら!』

真紅「これで使用できる滑走路はおよそ2000m以下…大方離着陸には問題無いわね…。」

真「もう…夜明けまで静かにしてほしいぜ…長い1日だった…。」

どうも僕です。というわけで完成です。
ところでsageと書けば[ピーーー]が消えるはずですけどなんで消えないんですかね。

それでは投下開始します。

ブルー・リーダー「ブルー・セクションより各編隊へ!エリア88は滑走路の1/4を破壊された!しかし88は運用続行可能!繰り返す!88は運用続行可能!」


MISSION32 悪魔が夜明けを迎えるとき

傭兵A「こちら捜索機12号です!ええ…サキ司令は無事ですが…はい!」

サキ「マイクを貸せ。軍司令部!私だ…ああ、無事だ。被害だが、滑走路の1/4を例の化け物に食われた!」
サキ「現在使用可能距離は1800m以下!機種及び重量に制限を設ければ作戦は可能!」

司令部『サキ司令!その機に乗って急いでアスラン王宮までおいで下さい!』

サキ「ザクおじには無事だと伝えてくれ。今はここを離れるわけにはいかん。急ぎの用ならこの無線を王宮に繋いでくれ。」

司令部『無線では傍受される恐れがあります!直接王宮までおいで下さい!』

サキ「ったくもう…この忙しい時に…イーニー!ミーニー!」

イーニー「はい!」

ミーニー「はい!」

サキ「手術を要する負傷者および重症者をヘリに運べ!」
サキ「シン!王宮まで飛んでくれ!複座で離陸出来るやつはあるか?」

真「爆破の時に使ったファントムⅡがあるぜ。」

サキ「よし、操縦を頼む!」

ゴオオオオオオオオオオオオ…

真紅「今回は危なかったわね。」

サキ「ああ、あと30分決断が遅かったら半分は持っていかれただろうな。」

真「ファントムなら離着陸に問題はないからそのまま帰れるな。」

サキ「いやシン…君達は帰る必要は無い。その足でギリシャまで飛んでもらう!」

真「何だって!?」

真紅「それはどういう意味?」

サキ「転属だ!これは命令だ!」

真紅「命令…。」

サキ「ギリシャで我がアスランの傭兵部隊が基礎教育をやっている。君も半月の訓練をやったはずだ。」

真「あ、ああ…。」

サキ「航空教官として残る契約期間をやってくれ。給料は下がるが、命を失うことはない。」

真紅「…………。」

サキ「君のフィアンセ殿との約束を守るため…司令官としての最大限の譲歩だ。もっとも、外に出ればそれぐらいの権限しか私には無いのだがね…。」

真「サキ…。」


~アスラン王宮~

サキ「何だとぉ!?グランド・スラムがこの下に!?」

ザク「ビデオを!」

副長『アスラン政府首脳諸君!このメッセージを単なる脅しと受け取ってもらっては困る!その証拠に、諸君の最前線基地、エリア88は既に消滅した!』

サキ「抜かせ!」

副長『今やアスラン首都における国民の生命、財産、権利は我々の手中にある!返答は明日、正午までに聞かせてもらおう!』
副長『くれぐれも言っておく!外国の軍及びそれに等しい救助団体に助けを求めても無駄だ!我々はその場で…このボタン1つでこの美しい都を灰にすることが出来る!』ブッ

サキ「くそっ!」ダン!

首脳A「サキ殿…この爆弾がこの下に埋まっているのは本当だろうか?奴等のハッタリじゃないのか?貴方も無事だったし、基地もまだあるようだし…。」

サキ「たしかにエリア88はまだあります。滑走路が崩れて1機着陸に失敗したので使用可能距離は1500mまで制限されますが、B-1やC-130のような大型機を除いて機体総重量に制限をかければ殆どの機体での運用が可能です。」
サキ「ですがあの化け物の爆発によって通信施設の大半が使用不能に…機能回復までにおそらく1~2週間はかかるでしょう。」
サキ「一応、あちこちの基地に分散させておいた機体は基地に戻せますが、管制設備が十分に機能しないので大がかりな作戦には支障が出るかもしれない…。」
サキ「そういった意味でいうと88は消滅とまではいきませんが手痛い損害を被ったわけです。」

ざわ…ざわ…

ブロロロロ…

真紅「それで…どうするの?」

サキ「とにかく、88から機材を持ってきてグランド・スラムの正確な位置と深度を測る。位置が分かれば市民をとにかく避難させるんだ。10km四方は…ま、アウトだ…。」

真「他に方法は無いのか?」

サキ「地上空母を見つけ出して奴等がボタンを押す前に破壊するしか無いな…ただし、明日の正午までにだ。無理な相談だな…。」


~飛行場~

キイイイイイイイイイイイン!

真「コントロール!離陸する!」

管制『コントロールより、離陸よし!』

グオオオオオオオオオオォォォォォォォォォ…

真紅「さらば、アスラン…天国と地獄を持つ国…。」

真「再び戻ることはないぜ!」

ゴォォォォォォォ…

涼子「あ…飛行機!」

安田「さあ、下のレストランで夕食でもいただくことにしましょう。」

涼子「ええ。」



涼子「ごめんね、真…明日はきっと貴方に会える…。」


ゴォォォォォ…

真「ふっ…市内じゃ水が無くてこっちじゃ井戸から水が溢れてる。グランド・スラムが水脈を塞いだ所為か…?」

真紅「こちらの丘は市内より標高は高いけれど、圧力がかかって水位が上がってしまったのでしょうね。」

真「!」

真(こっちの井戸を全部塞いで高圧コンプレッサーで圧力をかければ…水脈上のやつは押し戻されるかも…)

ピッピピ…

真紅「真!無線では聞かれるかもしれないわ!」

真「おっと…。」

真(どうする真…戻るか…地獄に…それともこのままギリシャに飛ぶか…)

真紅「サキの命令を忘れたの?」

真「それは分かってる。でも…」

真紅「貴方は一刻も早く日本に帰りたいはずよ。なら死ぬ確率が低い方を選ぶべきだわ。貴方には死を覚悟してアスランに戻る動機が無い。」

真「なら真紅、お前にはあるのか?その動機ってのが。」

真紅「………無いわ…。」

真「そうか…。」

真紅「…強いて言うなら…」

真「?」

真紅「…翠星石達を88に残してきたことね。」

真「…………。」

真紅「あの子達は自分の意思で基地に残ると言った…戦友のために…主人のために…。」

真「…お前達はローザミスティカを巡って争っているはずだ。」

真紅「確かに、私達は仲間でもあり敵でもある…。」

真「だったら…。」

真紅「でも、私は闘いに疑問を感じているの。」

真「疑問?」

真紅「この世界で姉妹達と闘ってローザミスティカを奪い合うべきなのか。」

真「…………。」

真紅「今彼女達はアリスになるためではなく一国の内乱を静めるために戦っている。そんな彼女達の油断を付いてローザミスティカを奪い取るのは私としては不本意よ。」

真「…………。」

真紅「それに、これはお父様が私達に与えてくれた休息の世界かもしれない。」

真「…………。」

真紅「戦って壊し合うのではなく、姉妹として交流し共に危機に立ち向かう。そう…この不毛な争いを終わらせるために。」

真「…………。」




真「………命令を。」



真紅「何?」

真「早くご命令を。」

真紅「一体何のマネ?」

真「俺は真紅の下僕だからさ。下僕が主人の命令に従うのは絶対だろ?」

真紅「でも貴方は…」

真「助けたいんだろ?姉妹を、友達を。」

真紅「…………ありがとう。」

真「礼なんかいいから。さ、お嬢様。どうぞご命令を。」

真紅「で、では…。」コホン



真紅「この真紅が命ずる。風間真、直ちにアスランへ戻れ。」

真「了解!」グイ

グオオオオオオオォォォォォォォォ…


~アスラン王国~

コンコン

サキ「入れ。」

???「入るぞ(わ)。」

サキ「シン!?シンク!?」

真「はん!用事を残したまま行くってのはどうも気がかりでね!」

真紅「散歩のお土産よ。」スッ

サキ「土産なんかどうでもいい!どうしてギリシャに行かなかった!?命令違反だ!」

真「5000ドルの罰金だったよな。」

真紅「ならばこの地図、5000ドルで買ってもらおうかしら。この都を救えるかもしれないのだから安いものよ。」

サキ「何?」

真「見てくれ。上空から地下水の溢れている井戸を全部チェックしてある。これらの井戸は全て市内より標高が高い。」

サキ「ふむ…。」

真「高圧コンプレッサーを使用してフルパワーで水圧をかければ水脈の上に乗っかってるやつは移動するぞ。」

サキ「!!」

スピードを8.8と切りよくするため続けて投下します。


~エリア88~

整備兵A「風が出てきたな。」

整備兵B「しかし静かだな…。」

整備兵A「この基地の飛行機は殆ど他の基地に移動しちまったからな。」

整備兵B「連中がいないとこうも静かなのかな。」

整備兵A「まあな、外人部隊の連中は騒々しいので有名だから。」


MISSION32 バトル・ライン88

金糸雀「その騒々しい連中もあと4時間でまた戻ってくるかしら。」

整備兵A「カナリア副司令。」

金糸雀「アスランを守るためにはこの基地はどうしても必要かしら。だからみんな気を引き締めて頑張ってほしいかしら。」

整備兵B「当たり前ですよ!副司令は俺達のアイドルですから!なあ、みんな!」

一同「おおーーーー!!!」

金糸雀「こんなに忠実な部下を持って金糸雀は幸せかしら………ん?」

整備兵A「どうかしましたか?」

金糸雀「…………機械音がする…。」

整備兵B「風の音でしょう?この基地にゃ今動く機会は発電機とクーラーだけです。」

金糸雀「…………!」

ゴゴ…………

金糸雀「双眼鏡を!」

整備兵A「は、はい。」スッ

金糸雀「…………!」ジーッ

ゴゴゴゴゴゴ…

金糸雀「空母が…地上空母がやってくるかしら!」

整備兵A「ええっ!?」

整備兵B「ほんとだ!何故今!?」

金糸雀「総員直ちに迎撃態勢を取るかしら!」

整備兵A「わ、分かりました!みんな、迎撃態勢をとれ!」

一同「イエッサー!」

ゴゴゴゴゴゴ…

金糸雀「近くの基地に打電するかしら!大急ぎで爆装させて上がらせるように!」

チャーリー「通信!サキと連絡は!?」

通信員A「発電機のボルテージが上がらなくて電波が途切れます!」

管制員A「副司令!地上空母は10kmに近付いてます!敵戦闘機来ます!」

ゴォォォォォォ…

ヒュゥゥゥゥゥウウウウウウウ

ドカアアアアアアアアン!

整備兵C「うわあ!」

整備兵D「ぎゃあ!」

ミッキー「畜生!こんな時に限って!」

翠星石「使用できるジェットは!?」

管制員B「ミッキーのF-100にチャーリーのF-4、後はF-5が2機にA-4が3機、クフィールが1機、モーリスのTバード、残りはコイン機だけです!」

金糸雀「待って!まだ滑走路の安全が確認されていないかしら!」

チャーリー「よし!最初に俺が出る!それで滑走路が大丈夫だったら続いてくれ!」

キャンベル『ちょいと待った!その役目は俺にやらせてくれ!』

チャーリー「キャンベル!?」

蒼星石「スカイホークなら小さいから目一杯装備しても重量は他の機体と大して変わりません!お願いします!」

キャンベル「それにあの化け物にはだいぶ痛い目に遭わされたからな!頼む!」

チャーリー「…分かった。無理はするなよ!」

ミッキー「頼むぜ、キャンベル!ソウセイセキ!」

翠星石「蒼星石!あんなオモチャさっさと蹴散らしてしまうですぅ!」

管制員B「コントロールよりキャンベル!タキシングの後テイクオフせよ!」

キャンベル「ラジャー!」

キイイイイイイイイイイン!

キャンベル・蒼星石「発進!!」

グオオオオオオオオォォォォォォォ…

蒼星石「無人のF-18が4機発進しました!」

キャンベル「くっそう!こっちはミサイル4発…1機1発で仕留めなきゃならんのか!」

ダダダダダダ!

キャンベル「おっと!」グイ

ギュウウウウウウウウウウン!

キャンベル「行けっ!」カチッ

バシュゥゥゥゥゥゥゥゥゥ…

ドゴォォォォォォォォォン…

蒼星石「1機撃墜!」

キャンベル「よっしゃあ!この調子で残りも叩き落とすぞ!」

管制員C「続けて2機撃破!残りは1機です!」

金糸雀「流石は鉄腕キャンベルかしら。」

グォォォォォォォオオオオオオオオ!

キャンベル「オラァ!」カチッ

バシュウウウウウウウゥゥゥゥゥゥ…

ドカァァァァァァン…

キャンベル「全機撃墜!」

蒼星石「いえ!まだです!」

キャンベル「何!?」

ゴォォォォォォォォ…

チャーリー「空母からまた出てきたぞ!」

金糸雀「今度は3…4…5…6機!?」

ミッキー「いくらキャンベルでもあの数じゃやばい!」

ダダダダダダダ!

バン!ドン!ドドン!

キャンベル「ぐわっ!」

蒼星石「マスター!」

ドオォン!

ギュゥゥゥゥゥゥゥン…

ドォォォォォォォォォン…

チャーリー「キャンベル!!」

翠星石「蒼星石!!」

ゴゴゴゴゴゴゴゴ…

ミッキー「あの野郎…!」

ブロロロロロ…

管制員C「タキシングウェー上にブロンコが!」

金糸雀「何ですって!?誰が操縦しているかしら!?」

チャーリー「双眼鏡を!」スッ

チャーリー「…ありゃグレッグだ!」

ミッキー「何!?」

ブオオオオオオオオオオン!

金糸雀『グレッグ!まだ滑走路が安全かどうか分かっていない!早く戻るかしら!』

チャーリー『止めろ!そんなコイン機じゃどうにもならんぞ!』

グレッグ「うるせぇ!敵が来たら戦う…何だっていい。飛べる機体ならそれで戦う…!」

グビッ

グレッグ「ジェンセンよぉ…キャンベルよぉ…ソウセイセキよぉ…お前等…悔しかっただろうなぁ…う~い!」

ミッキー「あいつ酔ってやがる!おい、誰か止めろ!」

グォォォォォォォォォ…

グレッグ「へっ!A-10が来てからと思ったが、もう待ちきれねえよ。なぁ…ソウセイセキ…。おらぁ飛ぶぜ…飛んでお前等の敵を討つぜ…てやんでぇ…モグラの1匹や2匹…。」

グレッグ「うおーーーー!!グレッグ様のお通りだぁーー!道を開けろー!」

グオオオオオオオオオオオ!

ドドドドドドドドドドド!

ドオン!ドドオン!ドカアアアアアアン!

ミッキー「グレェーーーッグ!!」

チャーリー「おお!」

翠星石「あ…ああ…。」

ガラガラ…ズズゥン…

管制員D「滑走路が!」

金糸雀「グランド・スラムの爆発でアスファルト1枚になっていたのが崩れたのね!」

ミッキー「くそっ!」ガシッ

金糸雀「ミッキー!?」

ミッキー「上がるぞ!突破口は俺が開く!」

翠星石「後の連中は背中に羽根括り付けてでも上がってきやがれですぅ!」

管制員E「しかしミッキー!今の滑走路じゃ離陸は無理だ!」

翠星石「ぐぅ…!」

金糸雀「無理ではないかしら!」

ミッキー「何?」

金糸雀「ハンガー!ミッキーのF-100のエンジンをかけるかしら!ロケットブースターを使用する!」

チャーリー「ロケットブースター!?」

金糸雀「こんなこともあろうかとマッコイに頼んでRATOを10機分ほど運んでもらったかしら!」

翠星石「流石は金糸雀ですぅ!」

ミッキー「俺達に出来ないことを平然とやってのけるッ!」

一同「「「「そこにシビれる!あこがれるゥ!!」」」」

金糸雀「御託はいいからさっさと出撃するかしら!!」

ミッキー・翠星石「イエッサアアアァァァァァァ!」ダダダダ…

金糸雀「それとチャーリー!モーリスを呼んで!Tバードにカナを乗せて飛ばせるかしら!」

チャーリー「何をする気だ?」

金糸雀「見ていれば分かるかしら。もうあのクジラの化け物に好き放題はさせないかしら。」


~ハンガー~

ミッキー「ハンガーの中から直接発進させる!ハンガー前のゴチャゴチャしたものはブルドーザーで片付けてくれ!」

整備兵C「ミッキーが離陸するぞ!急げ!」

整備兵D「ロケットブースターを装着するんだ!」

ガキン!

整備兵E「ブースター装着完了!」

整備兵F「スタンバイ!エンジンスタート!」

雛苺「ミッキー!翠星石!ヒナも連れてくの!」

ミッキー「ああ!?人形が2人も乗ったらいっぱいいっぱいだぞ!?」

翠星石「グレッグの仇取りたいのは分かるですけどここで大人しくしてるですぅ!」

雛苺「違うの!アスランに水銀燈がいるの!」

ミッキー「スイギントウって…あの時シンを襲った奴か!?」

翠星石「早く真紅達の所に行かないと!」

ミッキー「何でだよ!」

翠星石「もしあんな所で鉢合わせでもしたらマズイですぅ!」

ミッキー「そんなに強いのか?」

翠星石「真なんかがいたってどうにもならんです!」

キイイイイイイイイイイイイン!

ガガガガガガガガ…

整備兵G「早くしろっ!」

整備兵H「瓦礫が重くて…!」

ゴォォォォォォオオオオオオオ!

整備兵H「うわぁ!」

金糸雀「第一楽章『攻撃のワルツ』。」♪~

ドォォォォォォォン…

整備兵D「何だ!?」

整備兵F「何が起こった!?」

金糸雀「今のうちに早く!」

整備兵H「は、はい!」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…

翠星石「あのポールが邪魔ですね…。」

整備兵A「し、しかし…。」

ミッキー「いいだろう。ブルドーザーは自前でなんとかすらぁ。」

整備兵B「無理ですよミッキー!このまま発進したら尻がポールに…。」

翠星石「ハンガーの前でウロチョロするでねえです!」

ミッキー「どけい!発進するぞ!」

整備兵A「うわ!」

整備兵B「きゃ!」

ミッキー「けっ!ベトナム以来の荒業だぜ!」カチッ

ダダダダダダダダダダダダダ!

整備兵C「うおっ!?」

整備兵E「ひぃっ!?」

ギギギィ…ズゥゥゥン…

整備兵A「き…機銃でポールを…。」

整備兵G「おい!早くどけっ!」

ミッキー「エンジン全開!」

翠星石「ブースター、ON!」

ドドドドドドドドドドドドドドドド!

ミッキー・翠星石・雛苺「発進!」

グオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォ…

整備兵A「ふぁ…飛んでった…。」

整備兵B「すげぇ!」

ゴォォォォォォォ…

翠星石「へっ!舐めくさって…こっちだって堪忍袋の緒は切れてんです!」

ミッキー「てめえらの血を見なけりゃ収まらねぇんだよ!」

雛苺「みんな落ちてしまうの~!」

ダダダダダダダ!

ドカアアアアアアァァァァァァン…

ミッキー「エリアが燃える炎だけじゃ天国までの道行き…暗くてたまらんとよ!」

翠星石「お前等も燃えてグレッグのあの世までの道を照らしてやれですぅ!」

バババババババババババ!

ドォォォォォォォン…

ミッキー「グレッグ…ちきしょう、こんなもんでどうだ?」

???『ああ、そんなもんでいいだろう。』

ミッキー「そうかい、明るいかい…………え?」

翠星石「グレッグ?こらグレッグ!生きてんですか!?」

グレッグ「生きてりゃ悪いような言い方だな、スイセイセキ。生憎だがな…生きてるよ。酔いも覚めちまった…。」

雛苺「グレッグはちのけが多いの~!」

グレッグ「ようヒナ…ブロンコに燃料が入ってなくてよ…穴が開いただけで燃えなかった…いきなり滑走路が崩れて落っこっちまってよ…引っ張り上げてくれ。」

翠星石「あのアホダルマ…!」

ダダダダダ!

ミッキー「おわ!」

ギュウウウウウウウウウウン!

グレッグ「おーい!引っ張り上げてくれー!」

ミッキー「んなこと言ったってこんだけ派手に喧嘩しちまっちゃ、はいそうですかって降りるわけにゃいかんだろ…。」

翠星石「自分で何とかしろですぅ!」

バシュゥゥゥゥゥゥ…バシュゥゥゥゥゥゥ…

ミッキー「見れー!他の連中もその気になって上がってきた!知らんぞ、もう…。」


~アスラン首都~

真「西地区は異常無い!南に回る!」

ブロロロロ…

サッ

真紅「誰!?」

スタッ

真「両手を挙げて出ろっ!発砲するぞ!」チャッ

ヌッ

真紅「真!」

真「おっ!」

ブワッ!

真紅「ローズテイル!」サササ…

真「すまん!」

ガシッ

真「えいやー!!」ブン

ヒュゥゥゥ…スタッ

真「軽い!?」

???「ふふふふふ…久し振りねぇ…真紅ぅ。」

真紅「水銀燈!」

真「貴様ぁ!ここで会ったが2253時間42分目!覚悟しろ!」

水銀燈「ちょっとぉ!私のマネしないでよぉ!」

真紅「というかよくそこまで覚えているわね…。」

真「腕の負傷の恨み、晴らさぬべきか!」

水銀燈「何の話よぉ!」

真「お前の羽根の所為で機体ジャンクになるわ大怪我するわ散々だったんだよ!」

水銀燈「ッ!」

真紅「真、その言葉は…。」

水銀燈「なら…あんたもジャンクにしてあげるわぁ!」ブワッ

真「うおっ!?」グラ…

ガン!

真紅「真!」

真「」キュゥ…

水銀燈「丁度いいわ。nのフィールドで決着をつけましょう。」

真紅「臨むところよ。」

真「」


~アスラン 飛行場~

キィィィィィィィン…

翠星石「ええい!早く止まりやがれです!このポンコツ!」

雛苺「早く止まるの~!」

ミッキー「ポンコツ言うな!戦闘機は急に止まれない!」

シュゥゥゥゥゥン…

ミッキー「おいサキ!シンは何処にいるんだ!?」

サキ『今シン達から連絡があった。市内中央通り西寄りだそうだ。』

ミッキー「車を回せー!」

ギュゥゥゥゥゥゥゥン…

モーリス「来るぞ!」

金糸雀「ディスコード!」♪~

ギュン!ギュン!

ドカアアアアアアアァァァァァァン…

チャーリー「こなくそ!」カチッ

ダダダダダダダダダ!

ドオオオオオオオオオン!

マロリー「ソウセイセキの仇だ!」カチッ

バシュウウウウゥゥゥゥゥ…

ドォォォォォォン…

整備兵A「いいぞ!そのままやっちまえ!」

整備兵B「キャンベルとソウセイセキの仇を取ってくれ!」

キャンベル「俺達まだ死んでねえんだけど…。」

敵兵士A「こらそこ!騒ぐな!」

蒼星石「金糸雀…。」

ゴゴゴゴゴゴゴ…

ブリッキー「でけぇ…こんなにでかいとは思わなかった…。」

傭兵A「まるで化け物だ…。」

傭兵B「なあグレッグ…俺達、殺されるのかな…?」

グレッグ「さあな。アスランの人間は大丈夫だろ。俺達外人部隊はどうか分からんがね。」

敵兵士B「おいそこ!喋るな!」


~ブリッジ~

副長「ええい!あのガキは一体なんだ!」

敵兵士C「動ける人間は全部西側のハンガーに集めました。整備と通信関係の人間ばかりで外人部隊のパイロットは数名しかおりません。」

副長「ふむ…もうアスランの連中にもグランド・スラムが消えちまったのは分かっているはずだ。」

敵兵士C「ええ、まさかあれ程腐食が早く進むとは思いませんでした。」

副長「外人部隊が行動に出るとすれば夜明けか…この空母始まって以来の大戦闘になるな。」

副長「各部警戒員を増やせ!今より24時間の臨戦態勢に入る!」

敵兵士D「はっ!」

副長「今飛んでいるTバードは好きにやらせておけ。あんなプロペラ機如きに何が出来るもんか。」

敵兵士D「はっ!」

副長「もう少し早くオライリーの廃鉱がグランド・スラムの進路に引っかかってるのが分かっていたらな…。」

敵兵士C「はい。」

副長「武器商売だけやってりゃいいものをつまらんものに手を出しやがって…。」
副長「夜明けまでに艦載機の整備を終わらせろ!組立途中の機体もなるべく多く完成させろ!夜明けと同時に全力発進させるんだ!」


~nのフィールド~

真「…………ん?」

「ローズテイル!」

サササ…

真「ここは……!」

「フン、ソンナモノ!」ブワッ

真「あ!あの女…」

バサバサ…

真「飛んだ!?」

真紅「ホーリエ!」

水銀燈「メイメイ!」

ホーリエ「!」ピュー

メイメイ「!」ピュー

カッ!

真「眩しっ!」

ホーリエ「」ポト…

真紅「ホーリエ…。」

真「真紅!後ろ!」

真紅「!」

バシュッ

真紅「くっ!」

水銀燈「あっははははは!ほらほらぁ!さっきの勢いは何処にいったのぉ!?」

真「貴様!」ダッ

水銀燈「役立たずは引っ込んでなさい!」バババ!

真「くそっ!」バシッバシッ

真紅「真!」ギチ…

水銀燈「ふふふ…捕まえたぁ…またこうなっちゃったわね…。」

真紅「っ!」キッ

水銀燈「…何よ、その目…。」クイ

真紅「ああっ!」グイッ

真「真紅!」ダッ

水銀燈「いいこと、真紅?」

真「このぉ!」ガシッ

真紅「ぐ…!」ググッ

水銀燈「水銀燈は…」

真「ぐ…何だこの力は…!」グググ…

真紅「ぐぅ…!」ギリギリ…

水銀燈「私はジャンクなんかじゃあ…」

ギギギギ…

水銀燈「ない…!」クイ

真紅「あああっ!!」ギ…



ブチィィィン!


これで完成です。
今回は88にローゼンメイデンのストーリーを無理やり入れたので少し長くなりました。
今更入れても焼け石に水でしょうがなにとぞご理解をお願いします。

真「し…真紅…!」

水銀燈「あははははははははは!」

真紅「…………!」

水銀燈「ねえ痛い!?痛いわよね!?あははは!なんて不格好なの真紅ぅ!」

真「き…貴様ぁ!」

バババババババ!

真「ぐおっ!」ドサッ

水銀燈「ぬるい仲間ごっこなんてしてるからこうなるのよ。アリスに孵化できるのはただ1人なのに。」プラ~ン…

真「何だこれ…どうやったら…!」ギギギ…

水銀燈「言ったじゃない…結局はみんな一人ぼっちなの。どうせ私達ローゼンメイデンはいつか闘いローザミスティカを奪い合う仲なのよ。」

真紅「…………。」

真「畜生…!このままじゃ…。」




翠星石「喧嘩は止めやがれーですぅ!!」



ズオオオオオオオオオオ!

水銀燈「!?」

真「何!?」ポトポト…

真紅「!」ポトポト…

ミッキー「おわぁぁぁぁぁぁぁ!」ヒュー…

雛苺「きゃぁぁぁぁぁぁぁ!」ヒュー…

ズドォン…

真「ミッキー!?」

真紅「翠星石!雛苺!」

ミッキー「痛てて…何処だここ?」

水銀燈「ち…」

シュルルル…

水銀燈「!?」

翠星石「よくも真紅をこんな目に…!」

雛苺「もう怒ったわ…なのよ!ヒナが絶対こらしめてやるんだから…水銀燈!」

蒼星石「僕も同感だよ。」

水銀燈「!」

蒼星石「君の片翼も切り落としてあげようか?水銀燈。」チャ…

水銀燈「あ…あら…?」

真「貴様…。」ジャカ

ミッキー「人間なめんなよ!」ジャカ

水銀燈「あ…あの、ちょっと…?」

ピシッ

真紅「!」

ゴゴゴゴゴゴ…

真「何だ…?」

翠星石「夢が…崩れるです!早く逃げないと!」

ミッキー「何!?」

蒼星石「みんな!早く!」

ガラ…

真「おわ!」グラ…

ミッキー「シン!」

ガシャァァァァァ…

真「うわあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…」

真紅「真!」

翠星石「シーン!」

真「うおおおおお…はっ!」

フワフワ…

真(真紅の腕!)

ス…

真「あ…くそ…この!待て!待てよ!」

真(…?)

(…お母さんってのはさ、暖かいんだ。やわらかくて…いいにおいがして…)

真(神崎!?)

(あ…ああ…うわぁぁぁぁぁぁぁぁ…)

真(これは…)

(目障りなんだ、真!!この世の中で…お前ほど目障りな男はいないんだ!!)



「真!!」


「オイシン!オキロ!」

真「う…う~ん…。」ムクッ

ミッキー「起きたか。」

真「ミッキー…そうだ!真紅は!?」

ミッキー「…あそこだ。」クイ

真「!」

真紅「…………。」

翠星石「真紅…。」

雛苺「…………。」

真「…………。」

兵士A「始動!」

ゴォォォォォォォ…

兵士B「フルパワー!圧力上昇!5…10…15…10…」

兵士C「第1圧縮タンク限界圧力!第2圧縮タンク、あと5秒で限界に達します!」

兵士B「内圧上昇中!30…35…38…」

ピシッ…ピシピシ…

副隊長「井戸のコンクリートがどこまで持つか…だな。」

兵士D「こんな無茶苦茶な機械の使い方って初めてですよ。」

兵士E「隊長!司令室より入電!コンプレッサーを停止させろとのことです!」

隊長「何だって?やっと圧縮が安定したとこだってのに今度は止めろだとぉ?」

副隊長「動かせと言ったり止めろと言ったり…どうしろってんだ?」

隊長「ま、いい。命令じゃしょうがない。機械を止めろ!停止だ、停止!」

副隊長「ゆっくりと圧力を戻すんだ!急激にやると負圧がかかって水が吹き出すぞ!」

兵士A「6ポイント作動停止!」

兵士F「7ポイント作動停止!」

兵士C「12ポイント停止完了!」


~司令室~

兵士G「中佐!各ポイントとも全機作動を停止しました!」

サキ「追って指示をするまで現在位置を離れず、装備もそのままを確保しろと言っておけ!」

ブロロロロ…

サキ『シン!詳細は今話した通りだ!すぐに司令室に戻れ!今何処だ!?』

真「市内中央通り東寄り…かな。王宮のすぐそばになる。」

ミッキー「司令部まで10分もあれば戻れる。」

真紅「…………。」

ブロロロロ…

サキ「状況は?」

ミッキー「分からん…俺達はブースターを使って飛び上がり5、6機叩き落としたところまでしか覚えちゃいない。」

真「他の連中は?」

翠星石「今も戦っているです。今ある装備を積めるだけ積んで艦載機や空母に攻撃を仕掛けたですから…。ただし、ブースターは10機分しかないから1度上がってしまえばそれっきりです。」

ミッキー「おまけにカナリアがモーリスのTバードに乗ってバイオリン弾き始めたと思ったら艦載機がどんどん落ちていくもんだから、もう訳が分からん。」

真「バイオリン?」

真紅「金糸雀はバイオリンを弾くことで攻撃するの。人間や物に対しての攻撃は彼女が得意なのだわ。」

真「ふうん…。」

サキ「何はともあれ、これで地上空母の位置ははっきりしたな。探す手間は省けたわけだ。」

兵士H「中佐!探査班から連絡です!地下のグランド・スラムが消えちまいました!」

サキ「何だと!?」

一同(グランド・スラムが消えた!?)

サキ「どういうことだ!探知機の故障じゃないのか!?」

兵士G「いえ、2時間前から探知出来なくなったのだそうです!探査班も故障だと思って何度も測定値を変えたり機械をチェックして確認しましたが、消えちまいました!」

サキ「そうか…連中が88へ強引に乗り込んだわけが分かったぞ。あいつ等もグランド・スラムを見失ったんだ。ふははは…。」

真「サキ!」

サキ「連中はもうとっくにボタンを押したんだよ!」

ミッキー「何だと?」

翠星石「どういう事ですか?」

真紅「まだ分からないの?あの連中にはもうとっくにグランド・スラムが爆発しないと分かっていたのよ。」

サキ「TVの電波に乗せてアスラン王宮を脅迫したのは、この私をここにおびき寄せるため…グランド・スラムが強力な爆弾だということを証明するためさ!」

真紅「つまり連中はその不発弾を更に利用したのよ。88が吹き飛ばされた後、サキが探知機を持って駆け付ければ今にもグランド・スラムがアスランを吹き飛ばすように見える…そんな生の説得力が必要だったのだわ。」

サキ「そして私が88を離れてばあそこは蛻の空だ。滑走路が1/4無かろうが半分無かろうがそんなことは問題じゃない…滑走路は自前で持ち歩いている奴等だ。」

真「手の込んだ搖動作戦というわけか…。」

翠星石「まんまと一杯食わされたわけですね。」

サキ「外人部隊のパイロットがいる全ての基地に通達!」



サキ「直ちにパイロットを集結させろ!夜明けを待って総攻撃をかける!」



~仮眠室~

真紅「…………。」

コンコン

真「俺だ、手直ししたドレス持ってきたぞ。」

真紅「いいわ。」

ガチャ

真「大丈夫か?真紅。」

真紅「あら、大丈夫に決まっているのだわ。このくらい何ともないもの。」

真「本当に?」

真紅「右手が無くたって左手があるもの、すぐ慣れるわ。そうでしょ?」

真「そ…そう…?」

真紅「そうよ、平気なのだわ。ボタンだってこうやって…」

グッ…

真紅「…………。」

真「…………。」

真紅「もう寝る時間だわ。」

真「まだ8時半だぜ。」

真紅「…………。」

真「ほら着てみろよ。ちゃんと破れてるとこは直してあるから…」

真紅「いらない。」

真「は…?」

真紅「腕が無いのにドレスなんて不格好だもの。もういらない。」

真「お、おい…。」

真紅「…………。」

真「と…とりあえず何か買ってやるよ、パーツとか…義手っていうのか?人形なのに変だけどとにかくそういう…」

真紅「いらない。」

真「…………。」

真紅「私は不格好だわ。不完全だわ。」ポロポロ…

真「…………。」

真紅「お父様が下さった大切な一部を無くしてしまったジャンクだわ。」

真「な…そんなの!腕が無くったって真紅は真紅じゃないか!誰だって不完全な部分はあるんだし…すこしは元気を…」

真紅「…………。」

真「…………。」

真紅「…………。」ガチャ

真「守ってやれなくてごめん。」

真紅「…………。」

真「俺に力が無いばっかりに…お前の腕を…。」

真紅「どうして謝るの?」

真「だって…」

真紅「もういいのよ。もう過ぎたことだわ。」

真「でもそれじゃ…」

真紅「いいの。」



真紅「私は…人形だから。」



真「…………。」

真紅「ガラクタの人形、なんて誰もいらないの。」

パタン

真「…………。」ガチャ

バタン

サキ「どうだ?シンクの様子は。」

真「かなり気落ちしてるみたいだ…無理もないさ。完璧なアリスを目指しているローゼンメイデンにとって壊れることは致命的な欠陥だからな…。」

サキ「そのシンクの右腕を奪ったスイギントウとやらはまだこの都に潜んでいるのか?」

真「場所までは分からんが…奴のアジトがこの街にあることは確かだ。」

サキ「そうか…。」

今日はここまで。

投下開始します。


~アスラン首都 飛行場~

キイイイイイイイイン!

シュゥゥゥゥゥゥゥン…

整備員A「すげぇな!まるで降って湧いてきたみたいに集まってきたぜ!」

整備員B「あ…あいつ等が例の外人部隊の奴等かよ…。」

傭兵A「おらー!ぼさっとしてねえで燃料入れろ!」


MISSION34 鋼鉄の砂丘

ワイワイガヤガヤ

「1000ポンド20発!」「500ポンド80発!」「早くしろ!」

ヘアバンド「だめだよ、俺のは20mmなんて豆鉄砲じゃないんだ。40mm砲の弾じゃねえと。」

整備員C「40mm!?」

整備員D「あいつ等戦闘機に高射砲でも積んでんのか?」

整備員E「装備がそれぞれ違うから大変だ!」

整備員F「まるで武器のスーパーマーケットだ!」

キィィィィィィン…

シュゥゥゥゥン…

ケン「いよーウォーレン!フランス語は覚えたか?」

ウォーレン「ウィ、ムシュー!」

ケン「ムシューだってよ。ははは、すっかりその気になってやんの。」

ウォーレン「メルシーボクウ。」

ケン「お、ウイスキー・ファミリーだ。」

ゴォォォォォォォ…

ケン「へ、だんだん血が騒いできやがったぜ。」

ウォーレン「戦争大好き全開中年だもんね。」


~ブリーフィングルーム~

ざわ…ざわ…

カッカッカッカ…

サキ「注目!」
サキ「目標は地上空母!位置は我々の古巣だ!」
サキ「攻撃の手順は次の通り!第1波はウイスキー・ファミリー空母攻撃!第1波の援護はブルー・セクション!第2波はカクテル及びシャンパン・グループ!第3波は…」

そばかす「腕がなるわ。」

傭兵E「かましてやるぜ。」

ざわ…ざわ…

ミッキー「どいつもこいつも生き生きしやがって…どうしようもねえ極道共だな。」

真「まあね…。」


~夜明け~

管制『コントロールより全機!アイドル・アップ!』

全機「ラジャー!」

グオオオオオオオォォォォォォォォ…

翠星石「なんか久々ですね。この雰囲気も…。」

真「ああ、マッコイが聞いてりゃ大喜びさ…。」

整備員G「アイドル・アップOK!ミッキー、スタンバイ!」

ミッキー「ようし!行くぞ!」

翠星石「はいですぅ!」

ミッキー「シン。生き残れたらいいな。」

真「生き残るさ…必ず…!」

ゴオオオオオオオォォォォォォォォ…

ゴォォォォォォ…

真「12時方向、敵戦闘機。被られてる…まあいい、どのみちやらなきゃならん。ケン!ウォーレン!行くぞ!」

グオオオオオオオオォォォォォォォ…

バシュウウウウウゥゥゥゥゥゥゥ…

ドォォォォン…

真「無人機だ!反応が遅い!構わんから全部叩き落とせ!」

ケン「イエッサー!」

ウォーレン「ウィ、ムシュー!」

ギュウウウウウウウウウン!

ダダダダダダダダダダ!ドオオオン!

真「まず1機!」

グォォォォォォ…

ウイスキーリーダー「ウイスキー・ファミリーだ!攻撃に入る!青セクションよろしく頼む!」

ミッキー「ブルーセクション、ミッキーだ!思いっきりやんな!上は見なくていいぜ!」

翠星石「ラリー!マクファーソン!続くですぅ!」

グオオオオオオオオオオ!

ドオン!ドカアン!ドドオン!

カーライル「あり?思ってたより数が少ねえな…。」

傭兵F「カーライル!右だ!右にいるぞ!」

カーライル「うわっ!」

ドカアアアアアアン!

カーライル「?」

モーリス『しっかりしろ!』

カーライル「モ、モーリス!?」

金糸雀『あのクジラを静めるまでは落ちたらだめかしら!』

ミッキー「あいつ等、まさか1機で倒してたのか!?」

翠星石「金糸雀のバイオリンの威力は強烈ですからね!」

金糸雀『さあみんな!今こそ進撃の時かしら!』

一同「「「うおおおおおおおおおお!」」」

傭兵G「よっしゃあ!ロキシー、1発かますぜ!」

ロキシー「食らいやがれ!」

ガキン ヒュウウウウウウウウ…

ドカアン!ドカアン!

敵兵士E「第1甲板損傷!」

副長「何て奴等だ!」

敵兵士F「後ろ上方、敵戦闘機!」

グオオオオオオオオオ!

ダダダダダダ!

バクシー「うわあ!ミッキー!早く来てくれ!ケツに付かれた!」

ミッキー「バクシー!」

ドン!ドドン!ドカアアアアアァァァァァァン…

バクシー「あれ?」

ギュウウウウウウウウン!

真「怪我は無いか?バクシー。」

バクシー「シン!?」

真「ほら!早くそのぶら下げてる物を奴にぶち当ててやれ!」

バクシー「お、おう!」

バシャッバシャッ

ズガアアアアァァァァァァァン…

敵兵士F「だめです!第3甲板まで貫通しました!」

副長「くそ…何て奴等だ!」

敵兵士H「上空援護機、残り5機!」

副長「何だと!既に80機は上げたはずだぞ!」

敵兵士I「そ、それが殆どあのTバードの子供にやられて…。」

敵兵士E「また1機コントロールアウト!」

副長「船体沈下!ミサイルで応戦しろ!」

ズズズズズズズズズズズ…

金糸雀「沈みかけてる!全機一斉攻撃!全てのミサイル、爆弾を当てるかしら!」

真「逃がすか!」

ミッキー「これで終わりだ!」

翠星石「蒼星石の仇ですぅ!」

ヒュゥゥゥゥゥゥ…

バシュゥゥゥゥゥゥ…

ドン!ドドドドドドン!ドカンドカアアアアアアン!

敵兵士J「うわあ!」

敵兵士K「わあっ!」

敵兵士L「大変です!沈下制御装置が効きません!」

副長「手動に切り替えろ!」

敵兵士L「だ、だめです!手動では…わあああ!」

副長「バカな…そんなバカな!?」

敵兵士L「沈下スピード増します!甲板圧力13…14…15…16…17…」

ズズズズズズズズ…

モーリス「やっこさん、沈むぞ!」

金糸雀「ミサイルが飛んでくるわ!全機離脱するかしら!」

一同「「「ラジャー!」」」

グオオオオオオオォォォォォォ…

敵兵士L「だ、だめ…うわー!限界深度を…」

バキッバキバキバキ…

ミッキー「全速離脱しろ!爆発に巻き込まれるぞ!」



ピカッ



ズドオオオオオオオオオオオオオオン!



ゴォォォォォォォ…

金糸雀「全機人数確認!」

ミッキー『ブルー・セクション、ミッキーだ!全機無事だ!』

シャンパン・リーダー『こちらシャンパン・リーダー!全員いるぞ!』

カクテル・リーダー『カクテル・リーダー!みんな無事だ!』

ヒュゥゥゥ…

真「これもあの空母の残骸かな…。」

ミッキー「ああ、一応放射能反応があるな。」

真「グレッグ達は大丈夫なのかな…?」

ミッキー「空母の連中、後で全員生き埋めにするつもりでみんなをシェルターの中に収容したそうだから…おかげで助かったみたいだな。」

真「これだけの距離で残留放射能があるんだ…。」

翠星石「88基地あたりはしばらく使い物にはならんですね。」

真「また新しい基地を何処かに作るのかな。」

ミッキー「さあな…。」

翠星石「金糸雀が空母乗員の生存者から聞いた話ですけど、グランド・スラムが消えてしまったのは死んだオライリーが所有する鉱山の下を通ったかららしいです。」

ミッキー「オライリー?」

真「マッコイじいさんの友人で整備関係の道具なんかは大抵そいつを通して手に入れていたらしいから、頼めばコンプレッサーも何とかなると思ったんだが…空母の偵察員にとっくの昔に殺されてたってわけよ。」
真「鉱山と言っても既に廃鉱になっていて、どちらかと言えば産業廃棄物置き場かもね…強酸性の工業廃液がそこに廃棄されていて、グランド・スラムはその中を通ったようだ。」

ミッキー「首都の地下まで辿り着いたもののそのまま腐食が進んでバラバラ…ってわけか。」

真「あくまでもシェルターでグレッグ達を見張っていた下っ端の証言だから詳しい事は分からん。」

翠星石「あのファリーナって奴も死んだんですかね?」

ミッキー「さあね…たぶんあの爆発じゃ助からんだろう。へっ…敵ながら妙に憎めないおっさんだったけどな。」

真「新しい基地…。」

鋼鉄の砂丘の上の悪魔の神殿…

供物は血の色…男の命…

続けます。

ゴォォォォォォ…

翠星石「金糸雀!ギリシャで部隊の再編制をやるって本当ですか?」

金糸雀「ええ。今回の戦争屋達のお蔭で88は使い物にならなくなってしまったしね。ロプロトに西に新しい基地を建設中かしら。」

サキ「反政府軍もヒッカムの北に集結していると聞く…外資が相当流れ込んでいるようだし力を付けてくるぞ。」

金糸雀「今まで外人部隊がいたのはエリア88のみだったけど。今後は部隊数を増やして各部隊に外人兵を送り込む予定かしら。」

真紅「正規軍の中に?」

サキ「そうだ。」

ミッキー「見ろよ。ギリシャだぜ…。」


MISSION35 地中海を越えて


~ギリシャ 飛行場~

シュゥゥゥゥゥン…

ラウンデル「ようこそ、ヴァシュタール中佐!お待ちしておりました!」

サキ「ラウンデル!しばらく厄介になるぞ!」

コツコツ…

サキ「シンとミッキーだ。こちらのレディはシンクとスイセイセキ、それにカナリア。以前話をしていたローゼンメイデンだ。」
サキ「シンはここで戦闘訓練を受けたことがあるから知っているだろう。

ラウンデル「成程…3年前のヒヨコが今日まで生き延びてきましたか。少しは目つきも変ったようですな…。」

サキ「私はカナリアと共にラウンデルと今後の打ち合わせがある。しばらく町にでも出てのんびりするがいい。」

翠星石「やったですぅ!」

ミッキー「そりゃありがてえや!な!」

真「…………。」

真紅「…………。」

翠星石「何者ですか?あのおっさん。」

真「戦闘訓練所のボスさ。しごかれたよ。」

ミッキー「へぇ~ここで人殺しの方法教えてんのか。」

真紅「民間や事業用の免許を持っている者は一応ここで戦技訓練を受けるようね。」

「カーラス麦が豊作だよー!エッホエッホ!」ダッダッダ…

ミッキー「ほぉ~、あいつ等か。」

真「新兵さんだ。3年前の俺だな。」

新兵達「神々はいつも山の上!俺たちゃ…」ダッダッダ…

ミッキー「へ~ぇ、バッカだねえあいつ等。何を好き好んでこんなとこに来たんだろ。」

翠星石「娑婆の方がよっぽど住みやすいってのにです。」

真「もう遅いさ。紙切れ1枚で地獄行き…。」

真(紙切れ1枚…サイン1つで地獄送りだ…せいぜい生き残ることを考えるんだな…?)

新兵「…………」ダッダッダ…

真(…日本人…!)


~ギリシャ市内~

ミッキー「サキはあのおっさんに何の話があるんだろうな。聞いてるか?」

真「アスラン首都の警備兵増強以来だろう。冗談じゃなく、このままじゃヤバいからな。

翠星石「反政府軍が首都に攻め入るっていうんですか?両軍にとって、首都は血を流してはいけない聖域のはずですよ。」

真「西と東の勢力圏に削がれて、アスランは微妙な立場にある。この双方のバランスを崩して一儲けしようと企んでいる人間が西側の中にもいるんだ。」
真「死の商人にケツを叩かれりゃ、奴等は聖域にだって踏み込むさ。」

ミッキー「マックウェル社か…日本で大きな事故を起こしたんだってな。さっさとエアバスから手を引いて戦闘機の売り込みたぁ強かねえ。」

真「まごまごしてりゃ、この国はそういう死の商人の支配下に入ってしまう。サキも焦ってるわけさ…。」

ミッキー「いつまでも親父と叔父で王位争いをやってる場合じゃねえや。おかしな一族だぜ、まったく…。」

翠星石「ちょっと、どうでもいいですけど…。」

ワイワイガヤガヤ

翠星石「何ですかこの人混みは!」

「きゃーかわいい!」「お人形さんみたい!」「僕達もこんな子供が生まれたらいいね。」

ミッキー「しかもみんなアベックばっかりじゃねえか。子連れは俺達だけじゃねえかよ。しまらねえな。」

真「何言ってやがる。誘ったのはそっちだぜ。」

???「すいません。シャッター押していただきたいんですが。」

ミッキー「え?ああ、いいよ。」

タッタッタ…

翠星石「ですからね。」

真「ふっ。」

ミッキー「はい撮るよ!セイピース…」

ミッキー「………!」

???「…………!」

ミッキー(…トレイシー!)

トレイシー「…………。」

翠星石「ミッキー?」

真「…………。」

夫「すいませーん!早くお願いしまーす!」

ミッキー「…あ、ああ。」カシャ

タッタッタ…

夫「どうも。」

ミッキー「あははは…上手く撮れたかな?」

ミッキー「…新婚さん?」

夫「ええ、まあ。」

ミッキー「お幸せに!」

トレイシー「…………。」

真「…………。」

ミッキー「ははは…まいったねぇどうも。昔の恋人に会っちまった…。」

真「あの人がトレイシーか?」

ミッキー「新婚旅行だとよ…。」カチッカチッ

翠星石「…………。」

ミッキー「けっ、自業自得よ。ざまあねえや。」ペッ

ザザー…

ミッキー「なあ、シン。」

真「?」

ミッキー「お前の東京の恋人、待っててくれるといいな…。」

真「涼子…。」

翠星石「…………。」

真「待っててくれるさ…。」


~夕方~

サキ「砂漠に囲まれた小さなオアシスのような都市…それがアスランだ。小さくてもアスランは平和で豊かな国だった…少なくとも私の母が死ぬまではな…。」

サキ「母は誰からも愛されていた…そして母は誰よりもこのアスランという国を愛していた…。」
サキ「前の国王には2人の息子がいてな…長男が私の父アブダエル。弟がザク、今のアスラン国王だ。」
サキ「前の国王は、進歩的だが外国資本の導入を考えている長男を嫌っていてな…王位を保守派の弟に譲った。当然、次期国王になれると信じていた父はそれから弟を恨むようになった。」
サキ「国王崩御をきっかけに反乱を起こそうと企てたのさ。まあ、私に味方するように行ってきたよ、父と子だものな。」

サキ「しかし私は母のために断った。父も母を深く愛していたし、亡くなった妻が眠る大地をよもや血で汚すようなことはすまいと私は信じていたのだが…。」
サキ「が、外国企業に踊らされ父はとうとう反乱軍を組織、内乱を起こしてしまった…。」

真紅「…………。」

サキ「つまらん話を聞かせてしまったな。」

真紅「いいえ、しかし私には関係のないこと…他人に自分の過去を語るは無用、聞くは不作法…それが外人部隊だと真に教えられてきた。」

サキ「違いない。久し振りに生まれ故郷に接し、少々愚痴っぽくなったようだ。」

真紅「内情不安定と言えどもここはオアシス。人が住み観光客も訪れる。湿っぽい風も吹くでしょうね。」

サキ「…………。」

真紅「エリア88は心も渇く砂漠のど真ん中にあったんですものね。」

サキ「ところで…シンク、腕は大丈夫なのか?」

真紅「平気よ、右腕が無くても左腕があるのだから。」


~夜~

ウ~~~~

ブロロロロロロ…

ダンダン!

サキ「シン!私だ、起きてくれ!」ダンダン!

ガチャ

真「どうした?サキ。」

サキ「脱走兵だ。」

真「脱走兵?ふっ、よせよ。俺は外人部隊とは契約しているが軍属ではないぜ。脱走兵を捕まえる義務はないな。」ギィ…

サキ「いや、脱走兵は捕まえた。ショウイチロー・イトー。日本人だ。」

真「日本人!?」ギィ

サキ「今日入隊してきたばかりの男だが、入隊書にサインしているから立派な軍人扱いだ。」

真「どうなるんだそいつ?」

サキ「戦時逃亡罪で銃殺刑だろう、多分…。」

真「銃殺…!」

サキ「その男が君に会いたいと言っている。兵士から聞かされたらしい。アスランで暴れまくる日本人撃墜王のことをな。」

コツコツ…

真紅「真、本当に会うつもり?」

真「向こうが会いたいと言っているんだ。こっちには断る理由が無い。」

コツコツ…

サキ(まもなく軍法会議が開かれるが、裁判など10分で終わる…終われば1時間後に刑執行だ)

ガチャ ギィィィィ…

独房管理官「10分間だけですよ。」

真紅「私はここで待っているわ。」

コツコツ…

バタン

ショウイチロー「風間…真さんだね。」

真「俺に用だって?」

ショウイチロー「あんた凄いんだってな。エリア88きっての名ファイター、ダダダダダダダ…。」

真「バカなことをしたもんだな。3年経てば日本に帰れるものを…。」

ショウイチロー「3年間、人を殺し続けてか?」

真「っ!」

ショウイチロー「無理だね、俺には。人を殺すなんてとても出来ないよ…。」

真「…………。」

ショウイチロー「あんたは一体何人殺してきたんだい。え?風間さんよ。」

真「殺さなきゃ殺される!ここは日本じゃないんだ!甘っちょろい平和主義が通用するか!誰のじゃない!自分の命だぞ!自分で守るしかないんだよ!」

ショウイチロー「そうさ、自分の命さ。だから脱走したんだ。」

真「銃殺を覚悟してか?」

ショウイチロー「その方が納得する、俺はね。」

真「じゃ何で入隊したんだ?何故サインした?」

ショウイチロー「…………。」

真「させられたんじゃないぞ。自分の意思でしたんだろ!え!?」

ショウイチロー「俺もバカだったのさ…いいかっこ主義の見栄っ張りでとっぽい人生を夢見て国を飛出し、誘われるままにサインしちまった…。」
ショウイチロー「どうせ人里離れた国境の警備ぐらいをやらされるんだろう…それもロマンがあっていいんじゃないかと思ってね…。」

真「…………。」

ショウイチロー「ところがどっこい、半年間の訓練が終わったら最前線送りだとよ。」
ショウイチロー「初めて気づいたよ。ここは渋谷でも原宿でもない。一歩観光都市を離れれば実弾が飛び交うアスランだ。ここが俺の国なら愛国心や主義主張で銃も握れたろうさ。」
ショウイチロー「だが違う!ビジネスだぜ!1人殺していくら!1機撃ち落していくら!銭をやるから戦争をやれと言われたんだ!風間さん!あんたはそれをやってるんだ!」

真「!!」

ショウイチロー「あんたは…愛国兵士じゃないんだよ!金で殺しを請け負っている殺人鬼なのさ!そういう目をしているよ。」
ショウイチロー「あんたと話をしたかったんじゃない…人殺しの上手な日本人の目を見たくて来てもらったんだ…。」

真「…………。」

ショウイチロー「俺、間違ってなかったと思うよ。あんたから見れば軟弱な日本人だろうが…これが俺の…アホで軽薄な俺の…責任の取り方さ…。」ガタガタ…
ショウイチロー「だって…人殺して生きようだなんて俺…日本でそんなこと教わってこなかったもんな…え…?…ええ…?」ガタガタ…

チッチッチッチ…

真「…………。」

真紅「…………。」



ウワァァァァァァァ・・・ウワアアアアアアアアア・・・



真「!」



ヤメロォォォォォォ・・・タスケテクレヨオオオオオオオオ・・・



真紅「…………。」



カアサアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!!



真「くっ!!」



ズドオン!ズドオン!ズドォォォォォォォォォン…


今日はここまで。

投下開始!

右にエーゲ…左にアドリア…背後にバルカン山脈…遠く流るダニューブ川は黒海へと水を運ぶ…

わずか13万km²の面積…厳しい自然と風土…ここはギリシャ…

古代…圧倒的な勢力を誇るローマ帝国でさえもこの小民族の心と文化は支配出来なかったのである…


MISSION35 神と黄昏の男達

ゴォォォォォォ…

ラウンデル「コンガ・リーダーより全機!目標まであと1分!編隊を乱すな!」

グラ…

ラウンデル「乱すなと言った!聞いていなかったのか!?」

訓練兵「は…はい!」

ラウンデル「1回で地形を覚えろ!軸線に乗せるための目標物は自分で探せ!生き残るためにはそれが必要だ!」

ゴォォォォォォォォ…

翠星石「すげえです…スパルタ教育ですね…。」

ミッキー「ま、生き残るためとありゃしょうがあんめぇ。」

真「人を確実に殺すためにもな。」

ミッキー「…………。」

真紅「まだ昨日の銃殺刑になったイトーとかいう人間のことを考えているの?」

真「…………。」




ショウイチロー(あんたは…愛国兵士じゃないんだよ!金で殺しを請け負っている殺人鬼なのさ!そういう目をしているよ)



真「違う!」

真紅「真?」

真「だ、誰が好き好んで…人殺しなぞやるもんか…!誰が…」

ピーピーピー

真紅「タービンの内圧が下がっているわ。」

真「変だな…パイプかノズルに異物でも詰まったか?」

ガクンガクン…

ミッキー「おいシン、大丈夫か?」

真「大丈夫だ。すぐにエンストするわけじゃない。」

真紅「真。あれ、滑走路ではなくて?」

グォォォォォォ…

ミッキー「農業機専用みたいだぜ。降ろせるか?」

真紅「一応このF-5にはドラグシュートが付いているけれど…。」

真「海へ静まるよかいいだろう。やってみる。」

真紅「ギアダウン!」グイ

ウイーン…

キキッ

バシュッ!

ギュゥゥゥゥゥゥゥゥン…

真「ふわ…ギリギリだな。」

グォォォォォォォォ…

真「位置が分からん。連絡を取って軍の車を寄こすよう言ってくれ。」

ミッキー・翠星石『ラジャー!』

ゴォォォォォォォ…

真紅「ついてないわね。」

真「ああ…。」

ピピピピ…チチチ…

真「整備マニュアル整備マニュアルと…まいったなぁ、こんなとこで店広げるなんて…。」ガサゴソ…

真紅「エンジンはまだ冷えていないわ。ティータイムにしましょう。」

真「おい、いくらなんでもこんなところで紅茶を用意できるわけ…」


???「動かないで!」

真「!」

真紅「!」

???「うちの農園に何の用!?」

真「アスラン空軍の者だ。事故でね…怪しい者じゃない。」

???「身分証明書は?」

真「…………。」ス…

???「こっちへ投げて!」

ポイ

???「シン・カザマ…日本人?珍しいわね、外国の軍隊に日本人なんて…。」

真「訳があってね。」

???「ところでそちらのお嬢さんは?」

真「親戚の娘さんでね、今基地に送っていくところだ。」

???「それにしてもよくこんな狭い所に降りられたわね、軍用機が…近頃の機は性能が良いのね。」

真「腕の方も褒めてくれないか?オリーブの木は1枝だって折らなかったよ。」

???「ありがと…いい腕だわ…大したものね。」

真「もう手を降ろしていいか?」

アリシア「結構よ。あたしはアリシア・イリス。よろしく…あ…ミスター・カザマ。そしてミス…」

真紅「真紅でいいわ。」

アリシア「そう、よろしくねミス・シンク。」


~イリス邸~

アリシア「かけて楽にしてちょうだい。冷たい物でも入れるから…。」

真紅「できれば紅茶がいいのだけれど。」

真「こら真紅!おじゃましているのにそんな。」

アリシア「いいのよ、ちょうどティータイムの時間ですものね。」

真「あ…その前に電話を貸してもらえないかな。」

アリシア「いいわよ。そこのカウンターの端にあるわ。」

真「Eucharisto.」

アリシア「Parakalo.ギリシャ語出来るの?」

真「挨拶ぐらいね。交換台?テサロニキ1919…ここは?」

アリシア「スパルタ3512…。」

真「スパルタね…。」


~ギリシャ 飛行場~

サキ「ミッキー、スイセイセキ。」

ミッキー「ん?」

サキ「シン達のタイガーは燃料ポンプの故障らしい。今スパルタから連絡があった。彼らの降りたのはイリス農園だ。」

翠星石「イリス農園?」

サキ「車を回していたんじゃ時間がかかりすぎる。大型のヘリ1台回してバラして運ぶ。」

ミッキー「燃料ポンプだけ持ってって付け替えれば?」

サキ「農業機用の1000m滑走路だ。タイガーの離陸距離にはちょっと不足だ。」

翠星石「ロケットブースターを使えば?」

サキ「300mで離陸して焼け焦げのオリーブを買わされるのは誰だと思う?」ギロ

ミッキー・翠星石「大型ヘリで行って来やーす(です)。」

キュンキュンキュン…

ミッキー「どれくらいかかる?」

パイロット「2時間…ってとこですね。」

ミッキー「機体バラして積み込んで…帰ってこれるのは夜だな。」

パイロット「何か予定でも?」

ミッキー「いや、別に…。」

金糸雀「ミッキー!翠星石!」

翠星石「金糸雀?どうしたですか?」

金糸雀「サキからかしら!これをイリス農園の人に渡してくれって!」スッ

ミッキー「赤いバラか…。」

翠星石「分かったですぅ!」ヒョイ

ミッキー「よし、行くぞ。」

バババババババババ…


~イリス農園~

アリシア「そう…アスランの内戦で右腕を…お気の毒に…。」

真紅「もう何ともないわ。右腕が無くても左腕があるもの。」

アリシア「ふふふ…そういう強い所、私好きよ。」

真「…………。」

アリシア「あたしの兄もパイロットだったのよ。ギリシャ空軍のね。何てったっけ、ほら…こ~~~んなに先が細くって…ん~空飛ぶ鉛筆って感じのやつ?」

真「スターファイターかな?ギリシャ空軍が使用してると思ったけど…。」

アリシア「んふ…よく分からない。その飛行機に乗って、エーゲ海のどこかにいるわ。」

真「どこかって…。」

アリシア「墜落したの…機体も発見されず遺体も見つからない。原因も不明。」

真紅「…………。」

アリシア「空…飛んでて楽しい?」

真「ああ、とてもね。」

アリシア「兄もよく言ってたわ。空を飛ぶのは楽しいって。これが軍用機でなけりゃもっと楽しいだろうって。」

真紅「貴方のお兄さんは軍用機が嫌いだったの?」

アリシア「何か事があればすぐに人殺しの道具に変わるってのが恐ろしいって言ってたわ。」

真「そ…そうだね…。」

アリシア「アスランは今内戦なんでしょ?貴方は敵と交戦したことがある?」

真「あ…うん…。」

アリシア「自分の国を守るためとはいえ、人と人とが殺し合いをするって嫌なことね。」

真「そうだね…。」

アリシア「あ…別に貴方のこと悪く言ってるんじゃないのよ。気にしないで。貴方も軍人だから戦うのはやむを得ないっていうこと…よく分かってるつもりだから。」

真紅「…………。」

アリシア「アスランに早く平和が訪れますように…乾杯!」スッ

真紅「乾杯。」スッ

真「…………。」スッ

ブロオオオオオオオオオオオオ!

ミッキー「ヘリって結構遅いんだな。」

パイロット「そりゃあんた達みたいにいつも音より速く飛んでる人にはね…。」

翠星石「海が夕日に染まって綺麗ですね。」

パイロット「ええ、地元ですが何時見ても綺麗ですよ。右に見えるのがサラミス島です。その向こうがペロポネソス半島。」

ミッキー「ペルシア王クセルクセスがアテネ軍によって滅ぼされた島か…歴史の上を飛んでいるな、俺達は…。」

パイロット「スパルタまであと40分です。」

グォォォォォォ…


~イリス農園~

ババババ…

アリシア「お迎えが来たようね。」

真「ああ…基地で1番大きなジェットヘリだ。」

バラバラバラバラ…

真「じゃ、どうも。騒がせてすまなかった。」

アリシア「いいのよ。おしゃべるができて楽しかったわ。」

真紅「ありがとう。とてもおいしい紅茶だったわ。」

アリシア「ふふっ、それはどうも。」

真「それじゃ…。」

ミッキー「おーい!シン!」

キュンキュンキュン…

ワイワイガヤガヤ…

作業員A「搭載終了しました。発進OKです。」

ミッキー「よし、帰るぞ。」

アリシア「空軍の方ね…基地は何処なの?」

作業員B「テサロニキです。」

アリシア「カルキィディキ半島ね…兄のいた頃はその辺りに基地は無かったわね…。」

作業員B「彼らはアスランの軍ですからね。」

アリシア「あの黒い服の人…アメリカ人みたいだけど、アスランってそんなに混合民族だったっけ?」

真紅「いいえ、彼は真の仲間のミッキー。彼らはアスラン空軍外人部隊所属の傭兵よ。」

アリシア(傭兵!)

作業員B「あ、シンクさん。準備できましたのでヘリへ…。」

真紅「いえ、もう少しお話を。」

作業員B「分かりました。」タッタッタ…

アリシア「シ、シンク。あの人…傭兵って本当なの?」

真紅「ええ、外人部隊の傭兵はお金さえ払えば明日は敵にだって寝返る戦争のプロ…。」

アリシア「そんな…あの人が…。」

真紅「話さない方が良かったかもしれないけれど、彼のためにも今は私の話を聞いて頂戴。」

アリシア「話って?」

真紅「真はなるべくして傭兵になったわけではないの…」

真紅「…というわけ。」

アリシア「ひどい話ね…無理やりサインさせられて人殺しをさせられているなんて…。」

真紅「貴方には彼がただお金のために人を殺すのではないことを伝えたかった。そうでなければ、きっと貴方は彼を軽蔑したでしょう。」

アリシア「…………。」

真紅「でも彼をどう見るかは貴方次第よ…。」テクテク…

アリシア「…………。」

翠星石「あの人は誰ですか?」

真「あ、ああ…この農園主の娘さん、アリシアさんっていう人さ。」

ミッキー「ははーん…それでか。これ見ろよ。」

真「どうしたんだ?そのバラの花束。」

翠星石「サキがね…お礼に持って行けですって。」

ミッキー「あんな顔してて結構神経細かいとこあるんだ。ほらよ、お礼言ってきな。正式なお礼は後で軍の方から出るから。」

真「ああ。」

タッタッタ…

アリシア「…………。」

真「どうぞ…これは司令官から貴方にとのことです。」

アリシア「血のように赤いバラね…。」

真「!」

アリシア「結構よ!人の血で染まったバラをいただくわけにはまいりませんとお伝え下さい!」

真紅「…………。」

アリシア「人の命をお金で左右するような人からプレゼントされるのはまっぴらよ!」

真「…………。」

アリシア「早く出て行って!二度と来ないでちょうだい!」

真「…………。」

真紅「…ごめんなさい…私が余計なこと話したばっかりに…。」

真「いや、いいさ。ああいう風にはっきり言ってくれたほうがこっちもすっきり…」ジワ…

アリシア「ミスター・カザマ!」

真「!」

アリシア「貴方が生きて日本に帰れることを祈っています。」

真「…………。」

アリシア「さよなら。」

スタスタ…

ミッキー「お、おい…どうなってんだ?」

真「さあね…分からないよ…。」

翠星石「真…。」

真「ふっ…きっと…きっと平和すぎて…頭がどうかなってんのさ…。」ブワッ

ミッキー「お、おい…シン!ちょっと待てよ!」

真紅「ミッキー、今は放っておいてあげて。」

ミッキー「…………。」

ババババババババ…

ミッキー「どうする?このバラ…。」

真「エーゲ海にでもくれてやったら?」

翠星石「分っかんないですね…女ってのは大抵、花を贈られりゃ感激するもんですよ。」

真「俺達の血で汚れた手からじゃだめなのさ。」

ミッキー「誰の手から贈られようが花は花だ。」

真「貸せよ。」スッ

ガチャ

真「っ!」ブン!

ザザァー…

アリシア「…………。」

ザザァー…



アリシア(ミスター・カザマ…貴方は人を殺せるような人ではないでしょう…)



神の玉座に血のバラを…男達の黄昏に命の花を…

真(日本か…)

真紅「…………。」

バババババババ…

どうも僕です。
本編の真があまりにも可愛そうだったのでちょっと救いの手を差し伸べました。
結構無理があるかもしれませんが、そこんとこは理解願います。

投下開始!

ゴオオオオオオオオオ!

真「タンゴ3より!射撃を開始する!」

カチッ

ダダダダダダダダダダダ!

バン!バン!

ギュウウウウゥゥゥゥゥゥゥゥン…

コントローラー『コントローラーよりタンゴ3!標的2つしそんじたぞ!』

真「ラジャー!」

グォォォォォォ…

真「何か…今一つ調子が出ないな。観光ボケで腕が鈍ったかな?」

グレッグ『わははは!ギリシャ美人の尻にでも見とれていたんだろ!』

真「な…!」

グオオオオオオオオオオオオオ!

真「うおう!」


MISSION36 遠い記憶の何処かで

グオオオオオオオオオオ!

グレッグ「いつも空中戦ばかりだから地上攻撃は大変だろう。見てろ!」

真「グレッグ