【艦これ】ある研究者のレポート (63)

艦これのちょっとした考察

とあるゲームのレポートを参考にしたりパクってます

胸糞意味不明が多いので抵抗がある方は左上のブラウザバックを押すことを推奨します

ぶっちゃけ20レス程度で終わります

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1404024649

私は長い間多くの知識を身につけてきた。

だが、私にもわからないことがある。

海の奥深くには闇が眠っている。

先日も謎の生命体によって船が沈められたという。

それは深海より現れ、再び深海へ去っていく。

この平和な世に異変をもたらしている。

「奴ら」は何を目的としているのか。

研究者の端くれとして、どうしても知っておかねばなるまい。

どんな手段を使おうとも。

海の底に潜む闇。

「奴ら」は既存の兵器では傷をつけることが非常に難しい。

「奴ら」に対抗するにはどうすればいいのか。

海に近いこの場所で実験を行なうことにした。

鹵獲した「奴ら」を、解剖する実験。

人間に、「奴ら」の細胞を移植する実験。 

ところが、細胞の移植に手を出したとたん、被験者の身体はことごとく崩壊してしまった。

強い肉体を持つと思われた者も例外ではない。

人間とは、なんと脆いものか。

治療を施したものの、彼らは回復するきざしを見せず、命を失った。

私は遺体を研究所の地下の水槽に移動させた。

それからしばらく後、研究所の地下で「奴ら」を発見した。

代わりに遺体はどこにもなくなっていた。

「奴ら」はいつの間にか研究所の地下に穴をあけ、そこから逃走をしていたらしい。

どうしてこの施設を破壊せずにただ逃走したのかはわからない。

しかし、研究所も広さに限度がある。

奴らのそのような習性を利用し、今後もそこを使っていくことにする。

「奴ら」が船だけを襲うのはなぜなのか。

「奴ら」には謎が多すぎる。

確かなのは、「奴ら」が感情を持っていることが確認できないことだ。

おそらく「奴ら」の正体や目的が判明すれば、深海の闇の謎を解く鍵が見つかるだろう。

さらなる研究を続けねばならない。幸いサンプルの数に不安はない。

「奴ら」は次から次へと発生おり、人間もコネがいくつもある。

しかし、いつまでも名前が無いと少々不便だ。

「奴ら」の呼称が必要だ。

よろしい。

深海から出でし者…深海棲艦と名づけよう。

研究所にあるもう一つの水槽を使い、鹵獲した深海棲艦の観察を行うことにする。

深海棲艦はある程度複数で行動し、陣形を組むことがあるようだ。

数種のサンプル(生物・無機物)を与えてみると、無機物、とりわけ鋼材・ボーキサイト・燃料・弾薬に強い反応を示した。

深海棲艦はそれらを吸収して、さらに成長。

さらに大量の資源を与えて検証しよう。

また、深海棲艦の行動原理についても研究を進めなければ。

感情を持たないと思われる彼らだが、知性はあるようだ。

しかしコミュニケーションの方法が分からない。


本日の実験では、孤児院で暮らしていたという年端もない5人の少女たちが使用された。

そこで私は驚くべきものを目にした。

なんと彼女らは、細胞を移植されても体が崩壊せず、安定した状態を維持しているのだ。

私は彼女らに吹雪・電・漣・五月雨・叢雲と名付け、私の養子として育てることにした。

さらに、この実験により、一つの仮説ができた。

今までは男性のサンプルばかりだったが、女性のサンプルを使ったらどうなるのであろうか。

明日から早速試してみよう。

また、観察に使った深海棲艦は成長しすぎたため処分した。

奴らはいったいどこまで成長するというのだろうか。

女性のサンプルを使った実験、それは革新をもたらした。

ほとんどのサンプルが細胞に適応し、安定を保っていた。

しかし、成功したサンプルの多くが10歳~30歳までの年齢の女性であり、それ以外はことごとく失敗した。

失敗したサンプルは、例のごとく地下の水槽に入れておいた。

成功したサンプルは関係者に預け、研究所近くの別荘で暮らさせておくことにする。

数日後、人としての外形を持った深海棲艦が確認された。

今まで確認されていた深海棲艦は、まるで魚のような形をしており、人型は確認されていなかった。

私が女性を実験に使ったことと何か関係があるのだろうか。

養子にした5人の子どもたちは、外見は人間と変わらない。

しかし、その身体能力や生活は異常なものがある。

例えば、彼女らに荷物を運ぶのを手伝わせているとき、吹雪が階段から落ち、頭を打った。

普通の人間ならば命に係わるであろう落下の仕方であったが、なんと彼女はほとんど無傷であった。

また、運動能力に関しても、走るのが異常に早い、力が異常に強いなど人間とは思えない点がいくつもある。

とりわけ異様なのが彼女らの食事である。

彼女らは深海棲艦と同じく燃料・弾薬・鋼材を食べることが出来るのである。

彼女らの細胞と深海棲艦の細胞が互いに影響し合っているのだろうか。

ただし、知能には個人差が激しく、同年代の人間と変わらないものと思う。


子どもたちは海が大好きだ。

だから私がそれを発見したのもそう遅くはなかった。

子どもたちが海の上で水面に立っている姿を。

子どもたちは水面で歩行・走行・スケートのように滑るなど俊敏な動きを見せていた。

子どもたちにどうやっているのかを尋ねると、分からない、と答えた。

潜ることはできるのかを聞くと、やりたくない、と答えた。

海中に生息する深海棲艦の細胞を持つというのに、潜りたくないというのは、人間としての側面が強いということなのだろうか。

女性を実験に使った数日後に出現した、人型の深海棲艦。

それらについて研究を進めている。

まったく未知の生命体だ。

今までのものよりさらに装甲は固く、両腕に装着されている砲はより強力な砲撃ができる。

また、採取できた細胞は人間のものと近くなっており、子供たちにこれを移植したらどうなるのかも気になる。

文献をあたってみたものの、このような性質を持った深海棲艦を観測したという記録は存在しなかった。

私が女性に細胞を移植したことによって、初めて現れたということか。

この小さな世界をつつむ無限の海には、こうした生命体が無数に漂っているのだろうか。

できることなら深海へ旅立ち、真理を探究したいものだ。

あの海のどこかに、私の知らない世界があるのではないか。

好奇心は強まるばかりだ。

…いや、かなわぬ夢を語るのはよそう。

深海棲艦に襲われずに深海を調査できる方法は、今のところは存在しない。

私も他の者たちも、この小さな陸地にとらわれた囚人でしかない。

ある日実験の休憩がてら子どもたちと海岸へ散歩へ出かけた。

子どもたちは思い思いに遊び、楽しんでいる。

ここの海岸は深海棲艦がよく出没するが、奴らは船でなければ襲ってくることはない。

それは私の地下施設の事例によって証明済みだ。

そう思っていた。

しかし奴らは襲ってきた。

私ではなく子どもたちに対して。

深海棲艦に襲われた子どもたちどうなったか、それはあまりにも私の想像を超えていた。

子どもたちは深海棲艦に対しておびえるどころか立ち向かっていった。

そして子どもたちの身体に変化が起こる。

身体から深海棲艦のものと似た砲を出現させ、奴らを撃ちはじめたのだ。

するとどうだろう、現代技術を結集した兵器でも傷を付け難い奴らの装甲を、いとも容易く打ち貫き、撃沈させてしまった。

ふと思う。

子どもたち…いや、実験に成功した者たちは、私が長年求めてきた深海棲艦の秘密、そのものなのではないのだろうか。

深海棲艦の細胞と適応した女性たちには、奴らと戦うことが出来るだけの力がある。

成功サンプルをすべて集め、深海棲艦と接触させたところ、子どもたちと同じ現状を引き起こした。

彼女らの変化には差があり、子どもたちのように俊敏に動くことの出来る者、砲撃に特化した者、弓に似た射出機から艦載機のようなものを飛ばすことが出来る者など様々だ。

また、彼女らに鋼材や燃料・弾薬・ボーキサイトを与えると、傷や失ったはずの武器がみるみる回復していくことにも気が付いた。

彼女らの姿や扱う武器は、世界大戦中に使われた軍艦によく似ている。

何より、船以外狙わないはずの深海棲艦に攻撃される。

ならば、今後彼女たちをこう呼ぶことにしよう。

自らが艦となって戦う少女、艦娘と。

先日採取した人型深海棲艦の細胞を子どもたちへ移植した。

すると、子どもたちの砲撃・雷撃・装甲・対空武器の強化が行われていることが確認できた。

そう、まるで艦に改修を行うように。

さらに艦娘の得意分野によって伸び代にばらつきがあることも最近分かった。

吹雪などのように俊敏な動きができるものは雷撃威力の伸びが大きく、金剛や長門など耐久・砲撃火力が高いものは雷撃はできないが、さらに火力を増やすことが出来る。

また、鳳翔や加賀などの艦載機を扱うものは対空能力が高く、扱う艦載機にも差があるようだ。

だが、細胞移植による能力の底上げにも限界があり、あまりに多くの投与を行うと苦しみだす。

驚くべき事件が起きた。

深海棲艦どもと戦わせていた艦娘の一人が、奴らに殺されたのだ。

奴らに殺された者の最後、それは移植された深海棲艦の細胞に取り込まれ、新たな深海棲艦と化すというものだった。

どうやら、如何に細胞に適応できたからといっても、その命が絶たれれば失敗サンプルと同じく、奴らの細胞に取り込まれるようだ。

この現象により、私が地下に破棄した遺体が深海棲艦化していたことへの証明となった。

新たに生み出された深海棲艦は今までに見たことのない黄金の光を出しており、非常に手強い。

不用意に艦娘を沈めると、奴らの戦力が大きく上がってしまうので注意が必要だろう。

さらに、私が一度に指揮がとれる艦娘は最大でも6隻であろう。

それ以上は今回のように不用意な死を生み出してしまう。

また、殺された艦娘は最後に何かを言い残していた。

いったい何を言っていたかは定かではないが、悲痛な声であったことは確かだ。

艦娘の一人である島風が、自分はもう戦いたくないと言い出した。

恐らく先日の仲間の死を見て恐怖しているのだろう。

私は彼女に考え直さないかと尋ねたが、彼女の考えは固いようだ。

戦いの意思のないものが戦場に出ても周りの輪を崩し、崩壊につながるだけであろう。

そして気が付く。

艦娘から人間に戻す。

この実験を行っていないことを。

結果から述べるとこの実験は成功であった。

島風は人間の少女に戻ることが出来たのだ。

しかし、彼女は細胞の浸食がまだ緩いからできたのだろう。

深海棲艦を人間に戻すことはおそらくできまい。

艦娘を人間に戻すというのは、さながら船舶の解体のようだ。

軍の元帥と名乗るものが私のもとを訪ねてきた。

どうやら艦娘のことを何処からか聞きつけたらしい。

軍は艦娘を対深海棲艦用の決戦兵器として扱うことに決めたようだ。

彼からは一部の艦娘と、身寄りのない島風を引き渡すという条件のもとに、興味深い話を聞くことが出来たが、とりわけ気になるのが「深海棲艦の発生源」というものだった。

一昔前に勃発した世界大戦、その際に沈められた艦の周辺で多くの深海棲艦が観測されるようだ。

艦娘…すなわち戦う力を持った艦。

私が生み出した艦娘たちにも、何らかの関係があることは間違いない。


深海棲艦という存在が、船と密接な関係があることは間違いない。

深海棲艦の研究を進め、その性質を解明すれば、奴らの目的のみならず、これまで謎につつまれていた、深海の闇についても突き止められるはずだ。

手始めに、ある装置を開発した。

深海棲艦を人工的に生成する装置である。

深海棲艦は身体の制御ををなくした者から自然発生した。

ならば、人間の身体を作る構成物質を応用して使用すれば、合成できるのではないか…。

そう考えた私は、これまでの研究の成果を応用して装置を完成させた。

試験的に稼動させたところ、なんの問題もなく深海棲艦が発生した。

この装置をさらに改良すれば、無から深海棲艦を生み出すことも可能かもしれない。

装置で作り出した深海棲艦と、自然発生した深海棲艦を比較したところ、その性質や能力には、大きな差があることが判明した。

より正確な実験結果を導き出すためには、この2種類の深海棲艦は厳正に区別するべきであろう。

装置で合成した深海棲艦には、自然発生したものと違い、緑がかった光を出すため、識別は容易であろう。

人に心があるように、艦もまた心を持つ。

大海に散らばった数多くの艦…そのひとつひとつに、心がある。

沈んだ艦や今も航海している船には、船員によって生み出された心が隠されているのだ。

深海棲艦は、それらの心を求めている。

沈んだ艦の闇から生まれた深海棲艦が、その心を満たそうとしているのではないか。

そうだ。

深海棲艦は沈んだ艦の心から生まれた。

深海の奥底に潜む艦の闇、そこは深海棲艦の世界なのか。

私にはわからない。

ならば確かめればよかろう。

そこには必ず答えがある。

私が追い求めた謎…深海の闇の謎の。

深海の闇に触れたその時、私はすべてを知る者となるであろう。

なすべきことは決まっている。

鍵となる深海棲艦を探し出し、そして艦娘たちを…。

さらにもうひとつ。

深海に隠された闇の謎を探るためには、私の体はもろすぎる。

以前訪ねてきた元帥に私の研究のすべてを明け渡した。

これで人類は深海棲艦におびえるだけでなく対抗することができるであろう。

私の行ってきた人体実験に関しては、報酬と一緒に闇の中へと隠された。

人工的に深海棲艦を生み出す装置も破壊されるだろう(元よりあまり使っていなかったが…)

艦娘達も軍で育てられていくだろう。

養子の5人の子どもたちは、私と別れることを強く拒んだが、私は振り払った。

一つだけ心残りがある。

私は彼女たちに何かしてやれていたのだろうか。

元帥は別れ際こう言った。

多くの艦娘を指揮し、育て上げた君はまるで提督だ…と。

これでもはや思い残すことはない。

深海へ行くにはどうすればいいか。

それは私自身が深海棲艦となればよい。

いままでの研究を応用し、艦娘たちの身体データを使えば不可能なことではない。

さぁ行こう…私が求める場所へ…

私は深海棲艦へと変化したはずだが、何ら変化は無い。

確かに肉体は一時的に崩壊した。

だが、他の深海棲艦とは違い、以前の記憶を持ち、深海棲艦としての本能を持っているわけでもない。

まだまだ解明しなければならないことが多いということだ……。

この地上では無い深海の闇の側へと行くには、全ての艦の心を繋げた場所の向こう側へと行かなければならない。

世界の艦の心を繋げた奥、深海の闇の世界へと繋がるその場所(詳細は別データに記憶しておこう…)

まだ知らぬ世界は数が多い。

現存する世界

深海の闇の世界

地上の世界

そして、

狭間の世界

真の楽園はどこに存在するのか?

心が肉体(船)を捨て去った時、その肉体の行き先はどこに向かうのだろうか?

心と魂は別であり、その魂は肉体に宿ったままとなる。

魂が宿りし肉体を、滅んだと認識してもよいものか?

確かに、深海棲艦へと回帰する際、肉体は一時消滅する。

だが、それはこの世界での話しであり、また別の世界で、

深海棲艦のように姿を変え、存在しているのではないか?

だとすれば、自分以外にも自分がどこかに存在することになる。

闇でも光でも無い存在。

狭間に生きる存在。

心に捨て去られ、抜け殻となり、光も闇もうらむ者。

単純には解明できはしないであろう。

心と肉体の関係は複雑である。

ひとまずここではこう記すことにする。

光と闇の狭間にある存在…

"妖精"と

終わり

もうちょっと違うのをまた後日書くかもしれない

キングダムハーツのアンセムレポートを読んでる気分だ

つか、キングダムハーツっぽい要素多いな

>>25
というかアンセムレポートの改編です。(こんなにも早く気づかれるとは)
深海棲艦がハートレス、鬼姫がノーバディにしか見えなかったので書きました。

次書くとしたら恐らくbbsの設定を使うと思います。熱いシーンの構想はあるけどそれ以外の構想はさっぱりですが
書くとしてもエタ防止のために全て書いてから投稿かな(書くとは言ってない)

因みに細胞云々はゴッドイーターから持ってきてます。艦娘について書いてあるところはオリジナルです(ノムリッシュさが無い)

乙したー

裏レポートはよ

ノムリッシュさだったらノムリッシュ翻訳使えば良いんでね?
あれ使うと一気にギャグっぽくなるのが欠点だけど

乙や感想ありがとうございます。
>>29
裏レポートはこのss自体が裏レポートの内容も兼用してしまっているので難しいですね···。もっとゲスにしなきゃいけない。書けてロクサスダイアリーですね
>>30
あれはオサレ過ぎたので使用を断念しました。せめてまともな文章になってくれれば···

このスレでもうちょっと書くかもしれない(前述のロクサスダイアリーとか)から暫くhtml依頼は出さないかもです

書き終わりましたー。投下しますね
なんというか、KHと艦これ、この二つは似ているようで似てないなとつくづく思ったよ

我らのような選ばれし提督のみが持つある特徴。

それは本来女性にしか適応しない深海棲艦の細胞に、男の身でありながら適応できるというものだ。

このような者は艦装こそ出すことが出来ないが、驚異的な身体能力・艦隊指揮能力を得る。

また艦娘も、一定の経験を積んだ者や指揮に特化した者は提督となることがある。

そして有事の際、提督自らが深海棲艦と戦闘を行うこともでき、軍部では重要戦力とされている。

しかし、いかに適応しているとはいえ所詮人間の肉体。

奴らの瘴気にあてられるというのは同じことであり、

その肉体が滅べば深海棲艦となる。

現在確認されている主な勢力には3つある。

我々が保有する、艦娘。

この海を徘徊している、深海棲艦。

人間と艦娘の間に突如現れた存在、妖精、この3つである。
 
深海棲艦の源は、深海の闇に沈む艦の負の心であるとされ、艦娘の力となる光の心とは対となるものである。

しかし、深海棲艦は強い光の心を持った時、艦娘へと生まれ変わり、

また艦娘も深海棲艦によって撃沈された時、奴らの細胞に取り込まれ闇に染まるため、

どちらの側が光か闇かなどは大した違いではない。
 
そして、3つ目の存在、妖精は、艦娘と深海棲艦が戦いを始めて間もなくにどことなく現れ、未知の技術を有している。

この妖精の協力がなければ、船の墓場へ近づくことすらできないとされている。

純粋な光の心を持つ、7人の選ばれし妖精の心を集める事で、船の墓場への道が開かれるのだ。
 
そしてもしも船の墓場を完成させる事ができれば、すべての世界、人間、深海棲艦、妖精までを掌握する事も可能であると言える。

深海棲艦に秘められし謎、ただの深海棲艦とは別の存在。

数年前より現れ始めている鬼と呼ばれる深海棲艦のさらに上。

呼び名は同じだが、その表記の仕方は姫。

そして有象無象の深海棲艦とは似て非なるもの。
 
姫は、船の墓場の存在と共にあるもの。
 
姫は、純粋な艦娘の光の心と、純粋な深海棲艦の闇の心、その二つの心が均等な力で交差したときにうまれる。

そして、その時同時に出現する船の墓場こそ、人為的に集められた心の集合体ではなく、すべての艦の心が集約されたものである。
 
であれば、世界を隔てる深海棲艦が存在する現在であろうが、姫の心さえ手に入れば、妖精などの力を借りずとも、

その場で全ての艦の心を集約した船の墓場が完成し、この戦争が小さく見えるほどのこと…新世界が誕生することになるだろう。

兄弟弟子である中将は、艦娘の持つ光の側面を絶対のものとして考えているが、光は闇があってこその光。

我は光と闇の均衡こそが、世界を保つバランスであると考える。

しかし、艦娘の力が大きく上がり、深海棲艦の力が衰えてきている現在、我の考えに沿えば世界のバランスは崩れていると言える。

現状の艦娘の秩序を一旦崩し、再び深海棲艦の台頭によって、世界を再編する必要がある。
 
数年前、中将と意見の対立の後、しばらく休暇を取り世界を流浪した。

少年時代に故郷を離れて以来、ようやく自由を手に入れたのかもしれない。

しかし、既に大将となった自分には、もはやこれといった目的もなく、元帥の後継者となるわけでもない。

自分に残された使命は、後進の育成くらいしかなかった。
 
本来、少将以上の階級となった者はその経験を生かし、提督・艦娘としての教えを説き、次代へつないでいかなければならない。

だが、我が故郷を捨ててここまで歩んだ道の最後をそれで迎えていいのだろうか?

いや、いまだ自分の目で確かめたいことも多いまま、静かに最後を迎えてしまっていいのか?

気づけばこの肉体もすっかり老いていた。

我は、衣を着用しなくなってから特別な術を使えるようになっていた。

自らであろうが、他者であろうが、心を持つものであれば、その心を取り出す事ができるのだ。

我はこれを繰り返しさえすれば、自らの心を他者に移し、その体を乗っ取ることで、永遠に現世に留まる事が可能であろう。
 
少年の頃、夢見た世界の果て。

未だ何者もたどり着いていない世界。

そう、それは誰もまだ見ぬ世界。

船の墓場へ君臨し、新世界を創造し、光と闇が均衡する世界を完成させるのだ。
 
多くの知識を得、新たな目的も生まれ、残されたのはこの老いた肉体。

次に為すべき事は、我にふさわしい新たな心の器を探す事だった。
 
そして大和と出会い、我が指揮下へと置いた。

彼女との出会いは運命的であり、その資質も感じたが、彼女はあまりにも優し過ぎた。

脆弱な大和を器として使えないと判断し、もう一つの目的のために使う事にした。
 
大和の心から光を取り出し、同じ形をした心のない空の肉体に入れ、光と闇の二つに分けるのだ。

心から光が消えたことで残された肉体はすぐに深海棲艦の細胞に取り込まれた。

その後すぐに光の心が入った肉体へ深海棲艦の細胞を移植し、再び大和を艦娘とした。

これで純粋な光の心を持つ艦娘と、純粋な闇の心を持つ深海棲艦が完成する。

やはり形だけの空の肉体では、新たな心に適応することができず、純粋な闇の心を持つレ級を生み出す事には成功したが、大和は眠ったままとなった。

嬉しい誤算だったのは、大和の艦娘としての忠誠心がよほど高かったのか、捨て去られた大和の元々の肉体は、

深海棲艦となって尚、我の指揮下へと下ったことである。
 
純粋な光の心、大和。

純粋な闇の心、レ級。

この二人を育て、いずれこの二つの心を交差させれば、姫が完成する。
 
しかし、レ級の闇の心が、彼女の中では比重が大過ぎたのだ。

大和の心は壊れ、光の心は消えかけていた。

じきにこの肉体も深海棲艦に取り込まれてしまうだろう。

せめて安らかな場所で眠らせてやるため、脳裏に浮かんだ場所は、我が故郷であった。
 
そして自然と足が向き、気づけばあの時旅立ちを決意した海辺に立っていた。

故郷を出て一度も戻った事はなかったが、本当に何一つ変わっていない、まるで時が止まったかのような静かな場所。

ここなら大和の心も静かに眠れるであろうと思っていたが、眠る大和が艦装をかかげたのだ。

彼女の光の心はまだ消えてはおらず、深海棲艦に取り込まれてもいなかった。

大和とレ級、今はまだ光と闇のバランスが合わず、二人を同じ場所で育てる事はできない。

レ級の闇が、大和を蝕むのだ。
 
光の心を育てるのに適した場所はただ一つ、それは光を絶対なものと考える中将の元であった。
 
中将は我との対立を気にする事もなく、再会を喜び、大和のことも快く受け入れてくれた。

後は大和がが中将の元で、その心を強く成長させるのを待てば良い。
 
久しぶりに出会った中将は既に、選ばれし提督である少佐と、艦娘ではなく提督の素質のある鳥海の二人を育てていた。

そしてその内の一人、少佐の中に潜むものを感じた。

少佐はその優しさゆえに力を求めている。

力への執着はやがて心に闇を生む。
 
我が器は決まった。

時は満ちた。

中将が育てていた2人の提督が正式に自らの鎮守府を持ち、そこへ着任するという知らせが届いたのだ。

少佐と鳥海…。

あの二人を外海へと誘うのは容易な事。

しかし、肝心の大和をどうするか…。
 
レ級は大和の心を感じる事ができる。

そのレ級によれば、大和の鍵を握るのは少佐の存在。

大和が修行を始めて間もない頃、少佐と共に模擬戦を行い、その際に和傘を譲り受けた以来、少佐を本当の兄のように慕っているらしい。

つまり、大和を揺さぶるには、少佐だ。
 
まず少佐を孤立させる必要がある。

そしてその不安感を大和に植えつけるのだ。

そうすれば、大和は闇に向かって進む少佐を心配し、追うだろう。

その果てに我は少佐の若き肉体を手に入れ、大和とレ級を融合し、姫を生み出した後、船の墓場を作り出す。 

これですべてが交差する。

我は新たな世界を創造し、それを見届けるのだ。

これで終わりです。
とりあえず、これ以上は設定が食い違いすぎるのでレポートはこれ以上このスレでは書きません。
新しいスレを立ててDaysで書くかもしれないです(書くとは言っていない)
本編はぶっちゃけ戦闘シーンを書く自信が全くない上、アンヴァース役どうすんねんとなるので厳しいです。実際のゲームをやってお楽しみください

おまけ

大将「この時を待っていた…」
  「老いて脆弱なこの肉体を捨て、若く強い器を手に入れようとな!」
  「これで見届けられる!船の墓場の先にあるものを!」

大将「少佐よ!貴様の闇が、我が器となるのだ!」

少佐「っ!?」

少佐は大将から流れ込んでくる心から少しでも自らを守るために衣を展開した。
自分はこんなところで死ぬわけにはいかない。仲間を守らなければならない。そう強く思いながら…
しかし、その行動はもはや遅かった――――――
衣が剥がれたとき、そこに立っていたのは、大将の特徴を残した青年だった。

大将「心は闇に帰った。」
  「世界は闇に始まり、闇に還る。」
  「心に芽生えた小さな闇が、やがて心のすべてを飲み込む。」
  「それが心のあるべき姿。」
  「あらゆる心は深海棲艦…深海の闇へと還るべきなのだよ…!」

大将は歩き出した。散らばった少佐の衣を一瞥することもなく…次の目標である姫を完成させ、船の墓場へ君臨するために。
その時――――

大将「何!?」

少佐の衣が動きだし、衣から発せられた光がドーム状となって周辺を包み、大将の行く手を塞いだ。

大将「ぬぅぅぅぅ…!!」

大将は少佐の衣を忌々しそうに睨んだ。
少佐の衣は、中身はないものの一人でに動き、自らの武器である軍刀を地面に突き刺し佇んでいた。

大将「思念となって尚逆らい、留まろうというのか!!」

少佐の思念の詰まった衣が立ち上がり、軍刀を引き抜いた。
二人の最後の戦いが始まる――――――――――

おまけ2

大和とレ級の心の深層―――――――――

レ級の手には姫の装備であろう艦装が握られていた。
しかし、その艦装は欠けており、鈍い光を発していた。

レ級「私たちの融合は不完全だった…」
  「今一度、姫への融合を!!」

大和は決意に満ちた表情で首を振った。

大和「私はあなたを倒して、その艦装を破壊する…!」

レ級は嘲笑した。

レ級「この艦装は私とお前の心と体から出来ている…」
  「こいつを砕けば、お前の存在も消えるぞ?」

大和「それでも構わない!少佐と鳥海を救えるのなら…!」

その様子を見たレ級はひどくつまらなそうに言った。

レ級「ふん、またお友達のためってやつか」

そして大和は心から叫んだ。

大和「あなたにはわからないでしょうね…」
  「友達が、仲間がいるから戦える!」
                      






                     「繋がる心が、私の力だ!!」




はい、ではhtml依頼出してきますね。
初SS故拙い事ばかりでしたが、ここまで読んでいただいた方、乙と言ってくれた方、ありがとう御座いました。
そういえばKHのキャラって著作権ディズニーにあるらしいですね。著作ミ級が来るかも…おや、こんな時間に誰だろう?

おまけ3(面倒くさかったなんて言えない…)

最後の戦いの後姿を消した少佐を探し、突っ立てる若大将を見つけた鳥海

鳥海「少佐!」

しかし少佐は虚空を見つめており反応が薄い。
鳥海は少佐に近づくが、少佐は鳥海の首を絞めた。

若大将「私は…誰だ?」

鳥海は少佐から漂う闇の心を感じた。

鳥海「違う、あなたは少佐!」

若大将「少佐…?うっうぅ…」

鳥海を開放し、若大将は頭を抱え出した。
そのあとすぐに若大将の闇が大きくなるのを感じた。
そして若大将の態度が一変する。

若大将「奴の心は…闇に消えた!」
    「自らの闇に溺れたのだ!」

わずかに残っていた少佐の心を押し込め、再び大将の心が少佐の身体を再び支配したのである
若大将は手にした軍刀で鳥海に襲いかかった。
鳥海はそれを避け、未だ残る少佐の心を信じて若大将に告げる。

鳥海「私の名は、高雄型4番艦の鳥海!」
   「友の心は、返してもらう!」

大切な友を救うために鳥海は強大な闇に戦いを挑んだ。

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