悟飯「僕の右手の小指の爪は?」ミギー「食っちまった」 (131)

その日も僕は未明まで勉強をしていた。

学者を志している以上は、運動以上に必要なことだ。


何だか物音がした。

悟飯「また小動物でも入ったかな?田舎だし仕方がない。…鼠は嫌だけど」

そう思って部屋を見渡すと、何だか蛇みたいのを見つけた。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1403093390

悟飯「なんだろう?変わった蛇だな」

そう思ったのも束の間、その『蛇』は飛びかかってきた。

咄嗟に右手で防ぐ。

悟飯「え!?入り込もうとしている?」

よく見ると頭の部分がドリルの様になっていて、僕の右手に穴を開けようとしていた。

学者志望者の好奇心が優ったので、気を最大限に抑えて、その『蛇』が手に入れるようにしてみた。

何とか手に穴を開けて潜り込んできた。

気に当たれば簡単に死んでしまうだろう。

細心の注意を払いながら、『蛇』の周囲の気を抑える。

僕は手首を抑えて、出して確認してみようと小指の指先の方に押しやっていく。

そろそろ出せると思っていたら、外から声がする。

チチ「悟飯ちゃん!!」

悟空「おーい悟飯!どうしたんだぁ?」

悟飯「あ!何でもないです!」


おとうさんとおかあさんが部屋に入ってきた。

チチ「こんな時間帯に悟飯ちゃんの声がしたからビックリしただよ!」

悟空「学者になりてぇのは解ってっけど、ノイローゼとかはやめてくれよ~。」

悟飯「…あはは……大丈夫ですよ」

悟空「おめえが寝ぼけて暴れるだけで地球がぶっ壊れちまう。勉強もほどほどにな。」

悟飯「あ……はい………」

おとうさんとおかあさんは部屋を出て行った。

指先を確認したら、例の『蛇』は消えていた。

指先は抑えてたし、指先の気も消していた。消えるはずはないんだけど……


悟飯「おとうさんの言う通り寝ぼけてたのかな?」


とりあえず、その日は寝ることにした。

翌日は何事もなく。何時もの様に朝食を食べた。

やっぱり、お父さんが居る食卓はいいな。


悟天はまだおとうさんに慣れないのかどこか恥ずかしそうだ。

それでもやっぱり嬉しいのだろう。笑顔が多い。

食事も終わり、僕は何時もの様に変身してからサタンシティに向かった。

何も変わらない日常風景だだ。


サタンシティに着いた。

変身を解き、僕の通う高校『オレンジハイスクール』の中に入って行った。

授業中にビーデルさんと無駄話をしているのがバレた。


チョーク投げが得意な教員だった為にチョークを投げつけられた。

目立たない様に当たっておいた。皆に笑われた。

授業が終わった。本日も異常なし。目立たない様に過ごせたようで良かった。

ビーデル「悟飯くん、時間あるなら買い物に付って欲しいんだけど……」

悟飯「あ!ごめんなさい!!ちょっと気になることがあるから家に帰らないと……」

ビーデル「……そう」


家に帰りついた。おとうさんとおかあさんへの挨拶もそこそこ部屋に戻る。

僕は右手の小指に対して話しかけた。

悟飯「僕の右手の小指の爪は?」

???「食っちまった」

僕の小指は爪はそう答えた。

悟飯「え…っと、どちら様でしょう?」

小指の爪は答えた。

???「ざんねん……だ…おれ……失敗」

爪は続ける。

???「言葉……まだ少し……できない。教えて……ゴハン……」

悟飯「あはは!なんだろう、凄く面白い。いいよ!よろしくね」

翌日の朝を迎えた。

その爪は膨張し、触手のように数本の枝に別れそれぞれが部屋の本を読んでいた。

悟飯「おはよう。徹夜で読んでいたんだ?」

???「…………」

気が付かずに夢中で読んでいる。よっぽど本が好きなんだろう。

悟飯「ねぇねぇ。キミなんて名前なの?」

邪魔しては悪いかと思ったが、構わず問いかけた。

???「……うん?いらん」

悟飯「でも呼びかけるのに不便なんだよなぁ」

???「…じゃあ『ツメー』でいい」

悟飯「爪だから?……なんか違うな。僕の相棒っぽく、右手から『ミギー』これにしよう」

ミギー「……好きに呼ぶといい」

悟飯「そういえば、体積が随分と増えてるよね?どうやってるの?」

ミギー「悟飯の肉体はとてつもない密度が高いから、かなり大きくできるんだ」

ピッコロさんが再生できる理由も似た感じなのかな?と思いながら会話を続ける。

悟飯「へー…あれ?僕の体?」

ミギー「ああ……僕はゴハンの体を使って成獣になったんだ。」

悟飯「成獣…ああ……一昨日の夜の『蛇』がミギーだったのかな?」

会話を続けてるとおかあさんの声が聞こえた。

『悟飯ちゃーん!!朝ごはんが冷えちゃうべ!!』

僕はそろそろと着替えながらミギーに聞いた。

悟飯「ミギーは何を食べるの?」

ミギー「ゴハンの爪の付け根から栄養を貰っているから食べない」

会話を終えて、朝食に向かっていった。

何時もの様に学校に行くつもりだったが、飛んでいる途中にミギーが苦しい言い始めた。

右手の気を抑えたら、ミギーも楽になったようだ。

この様子じゃ、気を全開にしてしまったら吹き飛んでしまうだろう。

気を付けないといけないと思いながら、学校に着いた。

昼休みに一人で中庭に居たら、ビーデルさんが後ろから本気のチョップをしてきた。

当たってあげた。

悟飯「うわぁ。ビーデルさんか。驚いたなぁ」

ビーデル「もう!……避けようともしないんだもんなぁ嫌になっちゃう」

悟飯「…あ、あはは……」

どうやら、この選択は間違いだった様だ。

ビーデル「あ!用事があったんだ!じゃあ、またね!」


ビーデルさんは立ち去った。それと共にミギーが話しかけてきた。

ミギー「ゴハンは今の雌と交尾したい……そう思っただろう?」

悟飯「え!?いや、その……」


僕は話をそらした。


悟飯「そういえば……ミギーは一体何なんだい?」

ミギー「私は自分が何なのか知らない。ただ一番古い記憶は『脳を奪えだった。』」

悟飯「え!?」

ミギー「次の記憶は『この生物は無理だ。生き残れだった』そうして、かろうじて爪を食べて成熟したんだ」

悟飯「もしかして…まだ、僕の脳を狙ってたりするの?」

ミギー「成熟してしまった以上は無理だ。成熟前でも無理だったと思う」

悟飯「もし、脳を奪えてたらどうなったと思う?」

ミギー「たぶん頭が変形する人間に似た生物になっていたと思う。」

この時、昼休みを終えるベルがなった。

放課後、ビーデルさんに軽食に誘われた。

ビーデルさんが奢ってくれた。

ビーデルさんは『相変わらず美味しそうに食べるね。』なんて言っていた。

ビーデルさんはあんまり食べてなかった。調子が悪かったのかな?


帰り際にビーデルさんに呼び止められた。

ビーデル「……悟飯くん………」

悟飯「うん?」


ビーデル「…きみ……孫悟飯くん…………だよね?」

悟飯「え!?…ああ!!力を開放してもらってからは、別人みたいってピッコロさんも言ってました。」

でも油断をしたところをブウに吸収されちゃったんだけど……

ビーデルさんも修行の成果がでて、ピッコロさんみたいな鋭さが出てきたみたいだ。

そういって、ビーデルさんと別れて家に帰った。

それから数日経った。

僕はその日は珍しく街に着ていた。


悟飯「えっと…おかあさんに頼まれた買い物はこれだけかな?」

買ったホイポイカプセルとメモを確認ししていた。

その時突然ミギーが声をかけてきた。

ミギー「止まれ!『仲間』だ!同種がいる!!」

悟飯「へー!!ミギー良かったね。会ってみよう。どこにいるの?」

ミギー「直線にして約200メートル!!!」


僕たちはそこに行った。そこは空き地になっており、犬が共食いをしていた。

犬が話しかけてきた。

犬(?)「おまえも…失敗…か?おまえは…場…所…おれは…種……」

ミギーが僕に注意してきた。

ミギー「逃げろ!」

悟飯「え!?折角仲間に会ったんだし……」

ミギー「殺意を感じたんだ!!」

悟飯「でも……同じ悩みを持ってるんだから、良い相談相手になるかもよ?」

ミギー「そんな悠長なことを言っている場合じゃない!」

悟飯「別に襲ってくるわけじゃないだろう?」

ミギー「人間のままのおまえを以上に警戒している!!襲ってくるかもしれないぞ!!」

と、ミギーが言うが早いかその犬(?)は頭を変形させ、鞭のようなのを数条伸ばしてきた。


よく見るとノコギリの刃の様なものが付いており、複雑に形状を変化させている。

僕はそれをかわしながら、その犬(?)に声をかける。

悟飯「えっと……なにか気に障ったかも知れないけど……こいつと仲良くしてくれないかなぁ?」

なおも攻撃を続けてくる。

悟飯「お互い不満があるみたいだし、言い合えば楽になると思うんだ」

攻撃は止みそうにない。

僕はふと気が付く。『これって彼らのコミュニケーション手段じゃないのかな?』

そうとなったら話は早い。僕はその触手のようなものを全部左手で捕まえた。

悟飯「どう?敵意は無いって解ったでしょ?」


ミギー「ゴハンよくやった!!」

ミギーはそういうと爪から触手を伸ばし犬(?)の心臓を貫いた。

悟飯「ミギー!!何をするんだ!!!」

ミギー「やはり……宿主の内臓器官を流用していたようだ。」

悟飯「ミギー……」

初めての『仲間』との出会いがあんな形でショックだったろう。

僕はミギーにかける言葉を見つけられなかった。

今度こそ『仲間』を見つけてあげたい。

幸いミギーには『仲間』を感じ取ることができるようだし、時間を見つけては街を彷徨うことにした。


そう思って、街を彷徨っていたある日のことだった。

ミギー「なぁ?ゴハンはなんで街を散歩してるんだ?」

悟飯「ああ…それは……」

ミギー「待て!ゴハン『仲間』だ!近づいてくるぞ」

悟飯「え!?どこ?」

ミギー「左の人混みの中に居る。離れよう!」


悟飯「折角会えたんだし、挨拶をしていこうよ」

僕は人混みの中に入って行った。

どれだろうと思っていたら、一人の男が話しかけてきた。

男「なるほど……頭が残っているのか」

この人だな。

悟飯「あ…あの僕は……」

男「接触してきたと言うことは話があるんだろう?」

悟飯「え、ええ」

よかった話が早い。今度こそミギーに友達が出来そうだ。

男「ここじゃなんだ。付いて来い」

僕がついて行こうとしたらミギーは制止した

ミギー「危険だ!ついて行くな!!」

悟飯「ミギーは心配性だなぁ。大丈夫だって。この人なら前みたいにならないよ」

僕はホイホイついて行った。

着いた先は人気のない空き地だった。

ミギー「ほら……言っただろう」

空き地に着くと男が口を開いた。

男「なるほど……そいつの小指の爪なのか」

男は何を思ったのか右手の小指の爪をむしり取った。

男「喋れると言うことは思考が維持できてるんだろう?小さいのに大したものだ」

ミギー「何をしているんだ?」

男「お前の居場所を作ってやったんだ。こっちに移ってこい」

ミギーはそれを聞くとゆっくりと体を伸ばした。

小指の近くに行った途端ミギーは角度を変えるとともに速度を増して、男の心臓を貫いた。

男「な…なぜ……」

ミギー「私は普通の爪には収まれない」

男「それならば…右手ごとでも……」

ミギー「私は爪以外にはなれないのでな」

ミギーはそういうと人面の形をとどめていなかった、男の顔をバラバラに切り裂いた。

悟飯「あんなに友好的だったのに殺すなんて……」

ミギー「友好的なものか。あいつは私が移った後はゴハンを殺す気だったのだぞ」

悟飯「僕の事は気にしないで移っても良かったのに……」

ミギー「ゴハンの体はかなり特殊だ。おそらく栄養の大部分が小指の爪に集中していた」

そうだったの?

ミギー「だから、極めて高密度に私は存在できている。だから、思考を維持できる」

悟飯「思考の維持?」

ミギー「ああ。私たちは極端に小さくなると思考が維持できないのだよ」

悟飯「小指の爪サイズだと考えることが出来ないってこと?」

ミギー「普通ならね。でも悟飯の場合は爪の密度が異常に高くて私も見た目通りのサイズじゃないんだ」

悟飯「密度が高い?」

ミギー「ああ。以前にも言ったけど、密度を通常にすると膨張するんだ。」

悟飯「そういえば膨張して本を読んでたね。」

ミギー「奴も予想以上に私が伸びたのであっさりと心臓を貫かれた。私はゴハンの爪以外では生きられないのだよ」

悟飯「それなら、右手とかでも……」

ミギー「私は爪以外のなり方が解らないんだ。ところで、いつまでもここに居るのは不味い。離れよう」

ミギーに促されて、僕はその場を離れた。

僕たちは家に帰った。


幾ら人間じゃないとはいえ、目の前で人型が死ぬのはあんまり気分が良くない。

ミギー「ゴハン。そんなに気を病む必要はない。殺さなければ殺されていたんだ。」

ミギーは僕が殺されると思っていたようだ。あんまり責めるわけにはいかないだろう。


それにこれは彼らの種の習性なんだろう。他の種が介入する話じゃない気もしてきた。

そうなると、ビーデルさんが驚いていた、空を飛ぶのも止めて、極力普通の人の様に振る舞おう。

それがミギーの為だし、この奇妙な生き物を観察するのにはベストなんだろう。


僕は考え方を割り切ることにした。

翌日学校に行こうとしたらミギーが聞いてきた。

ミギー「今日は飛んで行かないのかい」

悟飯「ああ……今まで飛べてたのはまぐれなんだ」

そう言って筋斗雲を呼んだ。悟天にあげてたのを暫く貸してもらうことにした。

ミギー「……ゴハン…ああいうのはまぐれとは言わずに奇跡っていうんだ」

僕は聞き流した。暫く早朝に家を出ないといけないな。

そんなある日、通学中にミギーが話しかけてきた。

ミギー「『仲間』がいる。」

ミギーやこの前の男と似た気を探す。学校の中だ。

遭遇したら、また、殺し合いを始めてしまうのだろう。

種の習性だから仕方がない。会わせ無い様に気を付けよう。


学校に着いた。

ミギー「この建物にいる」

うん。知ってる。

その日は集会があった。

ビーデルさんのクラスの担任が怪我をしたので、それに代わる新任の教員の紹介だった。

その新任の教員はミギーの『仲間』だった。

副担任が担任に繰り上がり、新任の教員----ミギーの『仲間』----が副担任になるらしい。

「大学に行って、教員免許を取得してるなんて偉いなぁ」と感心してみていたら、目が合った。

ミギーによればバレたらしい。

その新任の教員----田宮良子という----の授業を受けた。

解りやすい授業をしたので、感心していたら職員室に呼び出された。

僕は普通の生活を維持したいから殺し合いは勘弁してほしい。

ミギーが学校の先生を殺してしまっては、飼い主の僕もここにはいられないだろう。

悟飯「……とはいえ、無視もできないよなぁ」


僕は意を決して職員室に行った。

意外と友好的で続きは近所の喫茶店でということになった。

『仲間』にシャイなミギーも同意した。相性がいいのかもしれない。

僕は一足先に約束の喫茶店に着いた。

ミギーに話しかける。

悟飯「よかったね。今度こそ友達ができるかもよ?」

ミギー「私はそんなものを望んでいない」

悟飯「意外と彼女になっちゃったりして……そういえばミギーの性別ってどっち?」

ミギー「私たちには……」


ミギーがそこまで言った時に、ミギーの『仲間』が二人喫茶店に入ってきた。

ミギー「二人だ……」

気で解っていたがミギーが僕に解るように言う。


ミギーにお友達を紹介するようだ。

先生をやっているだけのことはある。

二人が僕らの前に立つ。

田宮良子「紹介するわ。……名前が無いから『Aさん』としておきましょう」

田宮先生は僕らに一人の男性を紹介してきた。


ところが、その男性は開口一番、

A「こんな奴は仲間と言えない!」

その男性は不満そうだった。


もっとも、田宮先生に一括されると渋々テーブルに着いた。

非常に言いにくい話だが、この二人はセックスをしたらしい。

………高校生には刺激が強すぎる話だ。

二人とも大人だし、付き合ってればそんなこともあるだろう。


頭では解っていても、いざ面と向かって言われるとビックリする。

学校の先生でもやる事はやってるんだ……僕もいずれビーデルさんと………

そんな妄想を色々していて、話の内容は全く入ってこなかった。

気が付けば、男性が怒って出て行ってしまった。

僕が上の空だったからかな?

ミギーに友達ができるチャンスだったのに、悪いことをしてしまった。


紹介してくれた田宮先生にも謝らないといけないと思っていたら、先生が先に口を開いた。

田宮「さて孫くん。人間はたまに不可解なことをするから忠告をしておくわ」

先生もちょっと怒っているようだ。

田宮「私のクラスにもお友達がいるのだろう?」

悟飯「あ…はい。ビーデルさんとか……」

田宮「私がその気になれば3秒で皆殺しにできる」


そう言うと口の中に入れたスプーンを丸めた。

幾ら先生で、恋人を怒らせたからと言ってこの言い草はないだろう。

僕はムッっとしたが、スプーン曲げは面白い芸だ。場を和まそうとしてくれたのかな?

今度真似しておとうさん達に見せようかと思ったがおかあさんに怒られそうだ。止めておこう。

その日はそれで解散となった。


ミギーは『ゴハンは恐怖心が全くないようだが、本によれば人間はか弱い。気を付けてくれ』と言っていた。


それは翌日の授業中に訪れた。

ミギーが突然小声で話しかけてきた。

ミギー「大変だ!攻めてきた!!」

悟飯「え?」

ミギー「おそらく、昨日の『A』だ!」

気を探る。確かに昨日の人が学校の敷地内に入ってきている。


悟飯「…先生の恋人なんだし……確かに職場にくるのは変だけど………」

ミギー「恋人?ゴハンは何を言っているんだ?我々が目当てに決まっているだろう?」

悟飯「まさかぁ~ ただ上の空だったっていうだけで……」

ミギー「きみはさっきから何を言って……今…障害物を3つ排除した」

『A』の気を探っていた僕はミギーに言われるまでもなく、

『A』の居る玄関口付近で3つの気が弱まったのを感じた。


悟飯「先生!ちょっと便所に行ってきます」

僕は先生からの返事を待たずに教室を飛び出た。

教師「…さっきからブツブツ言ってたし……よほど漏れそうだったのね」


僕は一目散に玄関口に向かった。

教師が立ちふさがる。

教師「授業中だぞ!教室に……いや、校庭に避難しろ!」

僕はそれを押しのけ、倒れてる人を確認した。

3人とも弱っているが、そのうちの2人はこのままでは死んでしまうだろう。


何かの為に持っておいた仙豆を3つに分けて、それぞれの口の中に押し込んだ。

これで3人とも助かるだろう。『A』の気はこちらに戻ってきている。

ミギーの言う通り、僕たちが目当てなのかもしれない。

そう思っていたら校内放送がなった。


『B棟の生徒は教師の指示に従って避難してください。ルートは……』


下手をすれば避難中の生徒とかち合う。このままでも、ここには教師たちが多数いる。

……確かこの上の階に空き教室があったはずだ。

僕は混乱している教師の目を盗み窓から飛び出た。


教師「……あれ?さっきの生徒は?」

そのまま空き教室に入った。


ミギー「ゴハン……まさか…ここで迎撃するっていうんじゃないだろうね」

悟飯「……そのまさかだよ。勿論話し合いで解決できればいいけど」

ミギー「それは無理だ……勝機は『A』は我々を二人とは見ないことだろう」

そういうとミギーは机を壊し、そこから作った尖った鉄パイプを渡してきた。

ミギー「これがゴハンの武器。私と『A』の実力は互角だから、君が参加するしかない」

悟飯「えっ!?僕も戦うの?」

ミギー「ゴハンが動揺して私の足を引っ張れば負け……逆に効果的に動けば勝ちだ」


僕は「闘い」についていえばミギーより専門家だ………

今までにも「セル」を一匹殺している。


でも、これはミギー達の戦いだ。ミギーに従おう。

ミギー「私は防御に専念する。ゴハンは油断している奴を攻撃してくれ。」


暫くしたら『A』が教室に入ってきた。


戦いはミギーに任せるとしてもやっぱり説得だけはしたい。

悟飯「あの……昨日の事が気に障ったのなら謝りますので……警察とやらに自首しません?」

A「全身不統一の貴様には勝ち目はないぞ!後は痛がり屋の役立たずだからな!」

聞く耳がない感じだ。『A』とミギーはチャンバラを始めた。

僕はミギーの言う通りにゆっくりと近づく。鉄パイプの射程距離に入った。

ここで僕はミギーに聞いた。

悟飯「ねぇ?やっぱり、僕が参加しなきゃダメかな?」

ミギー「ここで何を!?」

A「何時の間にここまで!!何を企んでいる!」

Aはそういうと同時に刃を僕に向けて振ってきた。

僕はそれを左手で振り払う。

ミギー「……いまだ!!」

ミギーは一瞬の隙をついて『A』の心臓に一撃を加える。

ミギーは止めの一撃を加えようとしたが、僕はそれを妨害した。

ミギー「ゴハン!!何をする!」

悟飯「なにも無理して殺そうとしなくてもいいじゃないか!」

その間に『A』は教室から遁走した。

ミギーも諦めたようだった。

ミギー「ゴハン……さっきの攻撃をよく防げたな」

悟飯「え……たまたまだよ!たまたま」

ミギー「…そうかゴハンは運がいいんだな。……校庭に出て他の生徒と合流しよう。」


校庭に出たころ家庭科室が爆発した。

後々の噂では『A』があれで自殺したという話だ。

事件から一か月程経ったある日のことだ。


田宮先生が他の先生と揉めていた。

なんだか辞めるとか辞めないとか言う話みたいだ。

僕として折角のミギーの『仲間』だったから辞めては欲しくなかった。


校舎裏で話を聞く機会があった。

田宮「『田宮良子』はいなくなった」

悟飯「そんな……折角先生にもなれたのに…簡単に放棄するんですか?」

田宮「ハエは教わりもしないのに飛び方を知ってる。蜘蛛も同様に巣を張れる」

悟飯「?」

田宮「私が思うにあらゆる生物には『命令』を受けているんだと思う」

自分探し的な事をしたくて先生を辞めるんだろうか?今時流行らないのに……

田宮「人間には『命令』がきていないのか?」

ベジータさんとかおとうさんは『命令』に従ってる気がしてきた。

田宮「私には一つの『命令』がきたぞ……”この種を食い殺せ”だ」


……!!”食い殺せ”………!?

悟飯「あの…”食い殺せ”って何かの比喩ですよね?」

田宮「お前少しうるさいな……死ね」

田宮先生は顔の一部を変化させる。

悟飯「そんなことより、”食い殺せ”ってどういう意味なんです」

その時、田宮先生は僕の目を見た。

田宮「ほう……人間以外が混じっているな………」

悟飯「え!?いや!!これは…その……あの…」

田宮「おもしろい……見逃そう」

サイヤ人が混じっているのがバレたかもと気が動転してしまった。

田宮先生を追及するのも忘れて、去っていく後ろ姿を見つめてしまっていた。


それが先生を学校で見かけた最後だった。

ある日の食卓での出来事であった。

悟飯「旅行?」

悟空「ああ!しばらく悟天のことを任したぞ」

チチ「悟空さはいつも修行か死んでるかで旅行できなかったべ」

悟空「ああ……折角生き返ったんだし、チチと二人で旅行でもと思ってさ」

そんな感じでおとうさんたちは旅行に出かけた。

おとうさん達が旅行に行ってる間は、

朝に悟天と一緒にブルマさんの所に行って、そのまま悟天を預けて、学校に行く。

放課後は悟天を引き取って帰る。そういう計画になっていた。

ブルマさんは泊まればいいのにって言ってくれたらしいけど、畑もあるし、そうもいかない。

……悟天を預けるのはいいかもしれない。そう考えながら悟天と一緒に西の都に向かった。


西の都についたら、ベジータさんが飛んできた。

悟飯「あれ?ベジータさん?どうしました?」

ベジータ「チッ!!よりによって悟飯かよ!!」

そう言うとベジータさんはスーパーサイヤ人2に変化した。

ベジータさんはビッグバンアタックの構えを取りながら悟天に呼びかけた。

ベジータ「悟天!!そいつから離れろ!!そいつは悟飯の様で悟飯じゃないぞ!!!」

悟飯「へっ!?」

ベジータ「西の都に足を踏み入れたてめえを呪うんだな!……悟飯の仇を討たせてもらうぜ」

悟飯「なに言ってるんですか!僕ならここに居るじゃないですか!ここには悟天を連れてきたんですよ!」

ベジータ「上手に化けてやがるぜ……化物の気配とともに悟飯の気配も感じるぜ……うん!?」

ベジータさんは急にばつが悪そうな表情になった。


ベジータ「……本当に…悟飯なのか?」

悟飯「……なんなんですか?」

ベジータ「…化け物退治に着たらお前だったんで焦っただけだ……」

悟飯「はぁ?」

ベジータ「……てめえのその右手の先にいる野郎が悟飯を乗っ取ったのかと思ったんだよ!!」

悟飯「えっと……話が見えてこないのですが………」

ベジータ「てめえの気配とその化け物の気配の二つある時点で気付けっていうんだろ!だから焦ったと……」

ベジータさんは本当に恥ずかしそうだ。

ベジータ「……とりあえずその指先の化け物を処分させてもらうぜ」

悟飯「あ!指先の生き物はミギーって言うんです。」

ベジータ「名前まで付けてやがるのかよ……そいつらは例のミンチ事件の犯人だぞ」

悟飯「ミンチ事件?なんですか?それ」

ベジータ「……散々テレビや新聞で報じられてるんだが」

悟飯「……うちはテレビがありませんし、新聞もとってないんで………」

ベジータ「……兎に角、その化け物を処分しないなら、ここから一歩も先に進ませんぞ」


その時、僕はある事に気が付いた!!

悟飯「あ!もうこんな時間だ!!ベジータさん悟天をよろしくお願いします!」

それだけ言うと僕は飛び去った。

ベジータ「……ブルマに自宅警備員から都警備員になったって褒めてもらったのを自慢したかったぜ」

遠くでも聞こえたけど、それって褒め言葉だったのかな?そう思いながら、学校に向かった。

後でブルマさんに連絡をした。

内容は、おとうさん達の旅行中は悟天を預かってもらうことだ。

自分で飛べばとにかく、筋斗雲を使って移動するなら結構時間がかかるからだ。

おとうさんに任された仕事を早々に放棄しちゃった気もする。



……ビーデルさんを自宅に呼ぶために厄介ばらいをしたわけじゃないぞ!!……たぶん。

翌日、通学途中でクラスメイトの長井君が3人の人に殴られていた。

僕は止めに入った。

悟飯「あの~…その辺にしておいた方が……」

僕がそう声をかけると、一人の人が近づいてきていきなり殴ってきた。

目立たない様に黙って殴られておいた。

僕が普通の生活を送る為に手に入れたコツ。何もしないだ!


不良A「痛ってーーーーー!!!」

その人は大げさに叫びながら拳を抱えて転げまわっている。

困った。これでは僕が何かをしたみたいじゃないか。

光夫「てめえ!なにしやがった!!」


一番大柄な人も殴ってきた。また殴られておいた。

光夫「フゥーフゥー」

その人は手を脚の間に挟みながら、涙目になってこちらを睨んでいる。


悟飯「えっと、どうしました?」

光夫「なめやがって!!」

そう言うと近くにあった木材を持つと散々に殴ってきた。

木材が折れない様に微妙に体を動かして衝撃を分散させるのがコツだ。


彼らの友達っぽい女の子が一喝して止めてくれた。

遅刻しそうだったから助かった。


最後に止めてくれた子が一番びっくりしてたのは謎だけど、おかげで遅刻をしなかった。

昼休みにシャプナー君が声をかけてきた。

長井君は近所の高校生と揉めていて、今朝のもその一環だったらしい。


ビーデルさんと談笑しながら下校してたら、校門のところで今朝の子と会った。

僕のことを「変でしょ?」ってビーデルさんに聞いて、ビーデルさんが怒って追い返してた。

それから数日経ったある日のことだった。

ビーデルさんが軽食を奢ってくれるらしい。

一緒に下校していたら、この前の三人組が現れた。


ビーデルさんを掴み、長井君を殴ってた空き地に連れ込んだ。

ビーデル「きゃー助けて」

思いっきり棒読みです。


空き地についていくと一人の人が声をかけてきた。

光夫「お前は帰っていいんだぜ」

ビーデル「悟飯くーーーん❤」

悟飯「!?えっと…その子を離した方が……」

今回は初めから角材で殴ってきた。

途中ミギーが声をかけてきた。

ミギー「ゴハン…参考までに相手のパワーを教えてやる。」

なんていうんだろう?

ミギー「殴っている男を20とすると、きみの同級生を含めた3人は右から12、200、13だ」

惜しい!ビーデルさんは気を爆発させられるから、実際は500くらいだ。

ミギー「なんで彼女は捕まっているんだ?動物だって相手をみるのに彼らは馬鹿なのか?」


ミギーがそんなこと言っているとこの前の子がやってきた。

加奈「光夫……いい加減にしろよ……」

光夫「か…加奈」

あの子は加奈と言うらしい。


その時シャプナー君の声がした。

シャプナー「お前らその子を離した方が良いんじゃないか?」

3人組が小さな声で話し合ってる。

不良A「……あいつボクシングで有名なシャプナーじゃねぇか?」

不良B「マジかよ……」


シャプナー「お前らが捕まえてる子は、ミスターサタンの娘のビーデルだぞ」

不良A・B「え!?」

シャプナー「ちなみに殴られてる奴も天下一武道会の本選出場者だ」

光夫「………え!?」

不良A・B「知らなかったんです!!ごめんなさい!!ごめんなさい!!」

光夫「……クソッ!!」

そう言って彼らは退散した。


ビーデル「馬鹿シャプナー!!折角悟飯君に助けてもらおうと思ったのに!!!」

凄く怒られてた。奢りの話も流れてしまった。

帰りの筋斗雲で、ミギーが『人間って不合理だな』って言ってたのがなんとなく心に残った。

翌日例の加奈って子に学校の近くであった。

三人組のことを代わりに謝っていた。見た目は不良っぽいが良い子みたいだ。

ミギーに言わせると『勘がよく、我々を感知できるようだ。近づかない方が良い』らしい。

ミギーはなんで存在を隠したがるんだろう?僕も人のことは言えないけど……

明日はおとうさん達が帰ってくる日だ。

……ビーデルさんと家で遊ぶ機会がなかった。


夜、おとうさんから電話があった。

悟空「悟飯か!」

悟飯「おとうさん……!?」

悟空「明日は帰れなくなった。チチが……」

悟飯「え!?どうしたんですか?」

悟空「オラは警察に行かないといけねぇ」

悟飯「え、警察!?」

悟空「ああ……チチが人を殺しちまった」

悟飯「おかあさんが!?」

悟空「死にそうな奴がチチを後ろから襲おうとして、反撃しちまったんだ」

僕は頭が真っ白になった。

悟空「ブルマとサタンに相談したら何とかしてくれるらしい」

悟飯「え…いやでも……」

悟空「ブルマの用意してくれた弁護士って奴が言うには、

正当なんとかだか、それかそもそもチチが殺したわけじゃねぇから大丈夫って話だ。」

正当防衛と……因果関係で争うのかな?

悟空「ブルマとサタンは裁判にもさせないと息巻いてた」

色々圧力をかける気なのかな?

悟空「ベジータとブウは吹き飛ばせばいいとか言ってて、なだめるのが大変らしい」

なんとなく想像ができる。

悟空「いざとなれば、ドラゴンボールもあるし、でぇじょうぶだ!」

まぁ……そうだろう。

悟空「悟飯は心配はいらねぇ。困ったことがあったらブルマの所に行くといい」

おとうさんがそう言うと電話口からなにか聞こえてきた。

「うわー!!牛魔王だ!!!」

「ここ20年大人しかったのになんで警察署に……」

聞き覚えのある声もした。

牛魔王「チチー!!どこだー!!!」

「お父!!オラここだべ!!」

悟空「……悟飯。やっぱり今日帰るわ。また後でな」

おとうさんはそういうと電話を切った。


その直後に後ろから声がした。

悟空「ただいま」

おとうさんとおかあさんとおじいちゃんが立っていた。瞬間移動をしたらしい。

おかあさんが帰ってきた!

おかあさんが開けた穴をおかあさんが埋めてくれた!!!








もちろんそんな感動はない。

悟飯「あ、おかえりなさい」


ブルマさん辺りが『折角穏便に済まそうと思ってたのに…』と言いそうな状況だ。

ただ、僕としては、すぐに帰ってきてくれて何よりだ。


その後、おとうさんが悟天を迎えに行った。

連れ帰った後に、おとうさんは

『ブルマが呆れてたぞ~ベジータは満足げだったけどさ』

と言っていた。


ともあれ、明日から何時もの日常だ。

転入生がやってきた。こんな時期に転入してくるなんて謎に違いない。

きっと超能力者か何かだ。

期待は脆くも裏切られ、ミギーの『仲間』だった。


初めは変わった生き物と思っていたミギーだったが、『仲間』は結構いるようだ。

そのうち選挙とかにも立候補するんじゃないか?


転入生は『島田』と言った。

僕たちと友達になりたいそうだ。

良かった。ようやくミギーにも友達ができた。


ある日、校門の辺りで、加奈さんと島田君が揉めていた。

島田君に声をかけたら、立ち去った。強引にナンパでもしてたのかな?

加奈さんはその後、腕を組んできて、それを見たビーデルさんと揉めてた。

ある日島田君をぱったり見かけなくなった。

そういえば、田宮先生も急に自分探しの旅に行っていた。

ミギーの『仲間』には失踪癖でもあるのだろうか?

もしかして、ミギーもそのうちいなくなってしまうんだろうか?


その後も加奈さんは度々ちょっかいをかけてくる。

ビーデルさんに誤解されては困る。

僕は彼女にはっきりと言うことにした。

彼女の大雑把な住所は聞いていたので、気を探る。

かろうじて見つけたので、そこに向かった。


そこは廃屋だった。

ミギーの『仲間』の気配も感じる。


ミギー「食欲だ!!」


一緒に夕ご飯でも食べているのだろうか?

廃屋で食事会とは変わった子だ。

建物に入ると加奈さんが血だらけで倒れてる。

寄生獣「仲間だと思ったら、なんだ貴様は!!」

僕は構わずに加奈さんの所に駆け寄る。

かなりの重傷だ。このままでは間もなく死んでしまう。

仙豆はこの前使ってしまったからもうない!


ミギーの『仲間』も心配しているのか励ましてくれているのだろう。

僕の背中や首をペチペチ叩いてくる。


神殿に飛んでデンデに治してもらうか?

全力で飛べば間に合うだろうが、ミギーがもたない。


僕の腕の中で加奈さんが『夢』がどうとか言ってる。

意識が混濁しているようだ。迷っている暇はない。

僕は加奈さんを抱えサタンさんの家に向かった。

サタンシティは隣街だからすぐだ。

ミギーの『仲間』は最後まで見送ってくれたようだ。

サタンさんの家の前にはビーデルさんがいた。

僕の気を感じていたのかもしれない。

ビーデルさんは『酷い振り方ね』と言いかけた。

ビーデル「……って、その子大怪我してるじゃない!!」

悟飯「説明は後だ!ブウは居る?」

ビーデル「え、ええ!奥でパパと遊んでいるわ」

と言うと同時にビーデルさんはドアを開ける。

ブウの所に着いた。

サタン「いやー流石ブウさん!上手ですね~」

ブウ「おう!」

サタン「おや?悟飯さんこんばんは。どうしました?」

悟飯「ブウ!この子を……」

サタン「うわ!その子大怪我してるじゃないですか!!ブウさん治してあげてください!!」

ブウ「サタンの頼みだしいいぞ」

ブウがそう言って手をかざすと加奈さんの怪我が治った。

加奈「え!あれ?あたしは確か化物に……」

ビーデル「あーよかった~…」

悟飯「ブウ、ありがとう」

加奈さんはサタンさんに気が付く。

加奈「え?まさかミスターサタン!?」

サタン「え…あ、ああ!そうとも!サインが欲しいか?」

ビーデル「ちょっとパパ!涎が出てるわよ!どうせ下品なことでも考えていたんでしょ!」

サタン「え…いや……あの………」

ビーデル「全く、娘と同じ年頃の子に何を考えているのやら……」

一連のやり取りを見ていた加奈さんが口を開く。

加奈「……あんたは本当にミスターサタンの娘だったのかい!?」

ビーデル「……ええ…そうよ」

加奈さんは急に笑い出した。

加奈「……アハハハハ!王子様には、やっぱりお姫様ってことなんだね!」

どこか吹っ切れたような表情で続ける。

加奈「いいよ。あんたには負けた。どうも助けて貰ったみたいだしね」

そう言うと加奈さんはいままでの誤解を解くかのようにビーデルさんと談笑してた。


それを傍目にミギーに質問した。

悟飯「そういえば、さっき食欲って言ってたけど、ミギーの仲間は何を食べるの?」

ミギー「………私には食欲を知らないからな。…『仲間』が何を食べているかも知らない」

それ以来、ビーデルさんと加奈さんは結構仲が良くなったみたいだ。

そのおかげで、特別トラブルもなく毎日を過ごしていた。




そんなある日、再びミギーの『仲間』がやってきた。

ミギーが言うには3匹で敵意も持っているらしい。


以前の『A』のようになっては困るので、学校を抜け出し、人気のない山林に誘い込んだ。

ミギーは3匹と言ったが……なんだか違う。言うなればセルの様な混じった感じの気だ。

ミギー「相手は三匹。悟飯にも協力してもらうぞ」


その3匹が姿を現した。

ミギー「驚いた!一つの体に同居しているのか!!」

ミギーの言う通り、そこには一人の男しか立っていなかった。


その男は運動が苦手なようで、山林の足場の悪さに苦戦していた。

その時、何を思ったのか、頭が外れ、右手と交代した。途端に完全に気が混じった。

ミギー「凄い!完全に一人になった!!」

ミギーがそう言ったのも束の間、その男は一気に山を駆けてきた。


いままでのミギーの『仲間』より格段に動きがいい。

流石のミギーも駄目そうだ。どうしようか悩んでいたらミギーが声をかけてきた。


ミギー「ゴハン……すまない。君に謝らないといけないことがある。」

男が脚を刃に変えて上空から攻撃してきている。それをかわしながらミギーに耳を傾ける。

ミギー「一つは、あえて言わなかったが、私たちは本来は宿主を殺し体を乗っ取る。」

悟飯「え!?」


ミギー「次に、私たちの種の食性だ。君には知らないと答えたが、乗っ取った生き物と同種を食べる。」

悟飯「え!?それなら、人なら人ってことなの!?」

ミギー「もし君が知れば、以前西の都で出会った男の様になっていた。だから、言わなかった。」

悟飯「……」


ミギー「それから、君が普通の人間じゃないこと寄生した時から知っていた。」

悟飯「え!?」

ミギー「考えてみるといい。脳を乗っ取るべき生き物がそれを諦めた時点で変だろう?」

悟飯「あ……」

ミギー「君は飛べたし普通じゃなかった。それでも普通を演じようとしていたんだろう?」

悟飯「えっと……それは………」

ミギー「……私はそれを知った上で君を『仲間』を倒すのに利用していたんだ」

そういえば、僕に攻撃を任せたりしていたな。


ミギー「最後にもう一つだけ謝らせて欲しい」

なんだか嫌な予感がする。

ミギー「君が飛んでいる時に私が苦しいと言ってから、君は何かを抑えているだろう?」

気が付かれてたようだ。

ミギー「私がいる所為で君は全力を出せずに今苦戦をしている」

それは違う!あんなのは簡単に倒せる!!

ミギー「なら簡単だ。私が離れればいい。……私に配慮してくれて今までありがとう。」


「待って!!」と言う間も無くミギーは僕から離れた。

ミギー「さよならだ………ゴハン。巻き込んでしまいすまなかった」

ミギーは繁みの中に消えていった。

悟飯「ミギー!?」

僕は男をかめはめ波で盛大に消滅させると繁みの中を探した。

そこには干からびて息も絶え絶えなミギーがいた。

かめはめ波を近くで撃ってしまったのも影響しているのかもしれない。

ミギー「……勝て…たんだ………ね…………よ、よかった………」

ミギーは全く反応しなくなくなった。

悟飯「ミギーーーーーーーーー!!!!」


































その後、僕はドラゴンボールを集めた。

願い事は、ミギーの蘇生とミギーを人間にして欲しいという二点だ。

無事に願い事は叶った。

ミギーなら一人で何とかできるだろう。

その間、ビーデルさんとドラゴンボール探しと言う名のデートもした。

ビーデルさんが「悟飯く~~~~~~ん❤」等と言って攫われるイベントもあった。

犯人はビルの屋上に追い詰めた。


『僕は普通の人間じゃないから(略』


って内省の後に犯人を気絶させた。


勿論ビーデルさんは屋上から突き飛ばされている。

悲劇のヒーローを気取っていたら、舞空術で浮いてるビーデルさんに凄く怒られた。

また選択を間違えたらしい。


気が付けば、ミギーの『仲間』達を見かけなくなっていた。
















都の警備員編がもうちょっとだけ続くきます。

~~~都の警備員編~~~


俺はベジータ。サイヤ人の王子だ。

カカロットがナンバーワンで俺は二番目だ。

悟飯は認めん。

そんな自己紹介も終わったところで状況を説明しよう。


今は人間をミンチにして殺す。そんな全国的な事件が世間の話題の中心だ。

何で詳しいかって?トレーニング以外はワイドショーとかを見る生活だからな。


ブルマに言わせると働けと言うことらしいが、俺は自宅の警備で忙しい。

そのかいもあって悟飯かカカロットかブウが来ない限り万全なつもりだ。

……ゴテンクスも微妙だが、その前に叱るのが親の責務だろう。


そんなある日、人間以外の生き物が西の都に居ること気が付いた。

普通の人間よりも少しだけ戦闘力が高く、時たまその近くで気配が消える……すなわち殺している。

こいつらがミンチ事件の犯人に違いないだろう。

気が付いた理由は暇だからだ。

流石にトレーニングとテレビを視るだけでは退屈するからな。



……ところで俺は誰に説明しているのだろうか?

そんなある日ブルマが愚痴った。

ブルマ「最近社員の行方不明が多いのよね~ どうしたのかしら?」


またある日、トランクスが泣いていた。

同級生が失踪したらしい。


例の人間以外の生き物の仕業に違いない!

俺はブルマやブリーフ達といった家族に危害を与えかねない生き物、

トランクス達の友人を奪い悲しませる生き物の駆除をすることにした。


一日中街を巡回する俺に対して、ブルマが言ってきた。

『まるで都の警備員ね』

自宅警備員よりも責務が重そうだ。ブルマも少しは認めたようだ。

日々の活動もあって西の都での駆除は終わった。

ところが、悟飯、悟天とともに例の生き物がやってきた。

俺がそこに行くと、生き物は悟飯の中に居やがった。

俺はスーパーサイヤ人2になり、死も覚悟した。

だが、よく考えてみれば、悟飯の気と同時に存在するなんてありえない。

気配を探ると気配は悟飯の右手の小指辺りから出ていた。

悟飯はコイツに名前まで付けて飼っているようだった。

俺は万が一を考えると家族に近寄らせるわけにはいかないので、悟飯を追い返した。

その後、カカロットの嫁が襲ってきた奴を返り討ちにしたらしい。

大方、例の生き物が襲ってきたのだろう。

そうでなくとも関係はない話だ。

カカロットは強引にチチを開放したようだ。

いいぞ。それでこそサイヤ人だ。

ブルマはカカロットに『余計な手間を増やさないでよ』と言っていたが明らかに本心では無い。

西の都の化け物は全滅させたがそれでもしょっちゅう新規が訪れる。

この前も十代後半の体格をした奴がきたので花火にしておいた。

どんなに巧妙に化けようとも気配の違いで明らかだ。

…最近、隣の市に例の生物が集まっている。


どうも市長が飼っているようだ。

もっとも多く集まったタイミングを見計らって市庁舎を襲撃し、大量の花火を打ち上げた。

市長は人間だった。こいつは俺の仕事じゃない。放っておいた。

ついでなので、そいつの市全体にも花火を上げた。




ブルマ達には害を与えさせん。

……なのに、相変わらずブルマは働けと言いやがる。くそったれ!































チラ裏SSおちまい



見切り発車だったのでかなりだらだらしていたと思います。

お付き合い頂いた皆様においてはお疲れ様でした。

アンケート

次の作品はどうしましょう?

このスレで聞く以上はドラゴンボールメインです。


0.半年ロムってろ

1.強くてニューゲーム系(斜め下。設定のみで見切り発車。長編?)

2.if系(設定のみ。原作をなぞる。長編かも?)

3.原作の続編系(厨二。結論あり。中編)

4.ハンターハンターとのクロス(中・短編)

5.ガンダムとのクロス(結論あり。長さ未定)

6.ゲンガンアシュラとのクロス(短編。結論あり。……知ってる人が少ないのが致命的)



コンマ以下2桁の小さい人の意見を尊重。

ただし、意見数もある程度みる。

〆は長くても今日中。たぶんその前に〆ます。

ご協力ありがとうござしました。

今日~明後日にこっそりスレを立ててまったりやります。

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