―事務所―

響「はいさーい！……あれ？今日は真と美希だけ？って言うか二人とも寝てる！？」

真「ん……あ、響、おはよう……うわぁ、すっかり寝ちゃったなぁ。」

美希「二試合続けてだもん、仕方ないの。」

響「……なんの話だ？」

真「ああ、ワールドカップをね、観戦してたんだ。プロデューサーも居るけど仮眠室で寝てるよ。」

響「もうそんな時期なのか。へー。……ん？て事は、二人は泊まりで見てたって事！？」

美希「そうだよ？美希のお家だとテレビちっちゃくて……。」

真「ボクも、折角だし美希と見ようかなって思って。」

響「ふーん。」

千早「おはようございます……。」ｶﾞﾁｬｯ

響「あ、千早。おっはよ……凄い隈だな！？」

千早「早寝したんだけど、結局そこまで寝られなかったのよ……。幸い、今日はオフで良かったわ。」

真「もしかして、千早も見てた？」

千早「ええ。メキシコとカメルーンの試合はちょっと判定が酷かったわね。」

響「うわぁ……見てないの自分だけ？って言うか千早はなんでオフなのに来たんだ？」

千早「えっ、勿論スペインとオランダの試合を三人で見直す為よ？」

響「なんか凄い千早がサッカーにはまっちゃってるぞ……。」

真「響は見ないの？」

響「うーん……自分、そもそも日本代表の選手すら知らないんだ。」

美希「！この際、響に選手を教えて引き込んじゃえばいいって思うな！」

千早「それは名案ね。さあ、我那覇さん。日本代表の選手を私たちが教えるわ。一緒にサッカーも見ましょう。」

響「えっ、わ、分かったぞ。」

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響「何もわざわざ眼鏡掛けなくたっていいんじゃないか？」

真「へへっ、形からだよ！んじゃ、解説していくよ。とりあえず、ポジションとかはこの前教えたから覚えてるよね？」

響「えーと、ゴールの前に居るのがゴールキーパー(GK)で、その前で相手が攻めてるのを防ぐのがディフェンス(DF)……。」

真「うんうん。んで、よくボールを回してるのがミッドフィールダー(MF)、シュートを打つのがフォワード(FW)、だね。」

美希「もっと沢山役割はあるんだけど、これだけ知っとけば問題ないの！」

響「うん。大丈夫だぞ。」

千早「それじゃあ、実際に選手を紹介していきましょう。まずはGKとDFを私が紹介するわ。」

響「お願いしまーす！」

千早「GK1番、川島永嗣選手。日本代表の正GKよ。川島選手は判断力の速さと素早い反応が特徴で、幾多ものピンチを救ってきているわ。」

千早「彼がビッグセーブをした後に見せるドヤ顔は、まさに代名詞ね。」

千早「GK12番、西川周作選手。彼の特徴は、正確なロングフィードね。前線の選手にぴたりと合わせられるから、一気にカウンターチャンスを持ってくる事も可能だわ。」

響「ロングフィード？」

千早「FW等の前線に居る選手に向けて蹴り出す長いボールね。」

響「ああ、あれかー。」

西川正GKに期待していた時期もありました
なおザンビア

千早「続けるわよ。GK23番、権田修一選手。まだ若くこれからの選手だけども、シュートに対する鋭い反応は持ち味の一つ。ポテンシャルはかなり高いわよ。」

響「なるほど……。」

千早「GKはこの3人ね。続いてDF、右サイドバックからね。」

響「右サイドバック？」

千早「説明すると長くなるのだけど、ざっと言うと、右サイドで上下動する選手ね。サイドを走り抜けてFWの選手にクロスをあげたり、サイドアタッカーと対峙してディフェンスをしたり……。」

響「うーん、何となく分かったような。まぁ、その辺りは試合見れば分かるよね？」

千早「そうね。じゃあ、続けるわ。」

千早「DF2番、内田篤人選手。」

響「あ、この選手は知ってるぞ！他の事務所のアイドル達が写真見てたし。」

千早「知ってるのね。そう、この選手は男性アイドル並のルックスを持つサッカー選手なのよ。」

千早「彼の持ち味は走力と一対一の安定性。今大会は怪我明けなのが心配だけども……彼ならきっとやってくれるわ。」

千早「DF21番、酒井宏樹選手。彼は上背が高くて空中戦にも強いわ。そして彼の代名詞が独特のテンポをもった高速クロス。」

千早「相手の嫌な所にピンポイントで蹴ってくるのが大きな強みね。」

響「へぇー……守備面はどうなんだ？」

千早「勿論日本代表に選出されるくらいだから、そこは安心して良いはずよ。ただ……日本代表はDF陣がどうも落ち着かないみたいなのよね。」

千早「失点が多いのは頭痛の種、ね。」

響「ふーん……。」

千早「続いて左サイドバックね。DF5番、長友佑都選手。この選手は無尽蔵のスタミナに走力、そして攻守にわたって献身的な動きが出来る事が強みね。」

千早「特にスタミナは試合終盤になっても殆どスピードが落ちず、対峙した選手が良く足を攣る程よ。身体も強くて当たり負けしないし。」

響「凄いな、その選手……。」

真「日本が世界に誇る左サイドバックだよ！ドリブルも進化したし、シュートも打てる。更に人格者で本当に言う事無し。期待が掛かるよね。」

千早「それじゃあ、次行くわね。DF3番、酒井高徳選手。」

響「ご、ごーとく？」

千早「ええ。彼は左右両方出来る万能型のサイドバック。献身的に動くし将来性もあって良い選手よ。」

千早「今大会では合宿中に怪我をしたと言う事だったけど、恐らく明日の試合までには間に合うと思うわ。」

千早「あとはセンターバックね。DF22番、吉田麻也選手。この選手は日本人の中ではかなりの長身で、空中戦に強いわね。」

千早「左右両足を高い精度で使えて、フィードが正確だから後方からの起点になれる選手よ。」

千早「DF6番、森重真人選手。顔がゆるキャラのおでんくんに似ているって言われているわ。」

響「その情報は要らないよ！」

千早「彼もまた空中戦に強くて、実は足下の技術が高いのよ。この前のザンビア戦で見せたフェイントはFW顔負けだったわね。」

千早「頭角を表してきていて、今大会での躍進が期待出来るわ。」

千早「DF15番、今野泰幸選手。彼はセンターバックとしてはそこまで身長は高くないのだけど、ポジショニングとカバーリングに長けているわ。」

千早「後は元々ボランチの選手と言う事もあってパスも上手いし、DFの中ではスピードもある方よ。」

千早「最後はDF19番、伊野波雅彦選手。彼は監督の戦術理解度が高いと言われてる。本人もセンターバック以外にも複数ポジションが可能で、確実に計算できる戦力の一人、と言う所ね。」

千早「……まずGKとDFの選手を紹介したのだけど、どうだった？」

響「DFだけでもみんな特徴が違うんだなあ、って。凄いな。ちょっとプレーっぷりを見たくなってきたぞ。」

千早「ふふ。楽しみにしていてね。次は真に任せるわ。」

真「それじゃ、MFはボクが説明するね。……あ、FW登録の一部の選手も一緒にやっちゃうよ。」

真「まずはボランチ。さっき千早が言ってたボランチ、って言うのは分かる？」

響「いや、分かるような、分からないような……。」

真「んー、この前見に行った試合でさ。6番と8番が居た位置、分かる？あの辺りだよ。」

真「言葉で説明すると、DFの前に居て前線の選手のパスを供給したり、DFより前で守ったり、攻守で重要な役割をするポジションなんだ。」

響「あー、あの辺りか。」

真「うん。んじゃ、説明するよ。MF7番、遠藤保仁選手。この選手はとにかくパスセンスが素晴らしいんだ。」

真「緩急、長短織り交ぜたパスで日本代表の攻撃のリズムを作る事が出来るし、自身もチャンスとなれば果敢に前線に飛び出してくる。」

真「日本代表の心臓、と言っても過言ではないね！」

響「へぇぇ……。」

真「MF17番、長谷部誠選手。日本代表のキャプテンだね。長谷部はボールを奪う事が上手いし、とにかく献身的でみんなを引っ張ってくれる、大黒柱的な存在だね。」

真「色んなポジションを経験して、幅広いプレーが可能な事も持ち味だね。怪我明けだけど、頑張ってくれると思う。」

真「MF16番、山口蛍選手。まだ若手だけど、ボールを奪う能力やよく動き回ってピンチの場面に顔を出して止められるのが特徴だね。ボランチは実力がみんな拮抗しているから誰が出ても楽しめるよ。」

高徳の弾丸クロス見たい

真「MF14番、青山敏弘選手。この選手も正確なパスを持ち味としていて、ザンビア戦では交代で投入されてから僅か10秒ほどでアシストしたんだよ。」

響「10秒！？それ、すごすぎるぞ！」

真「勿論前の選手の走り出しが良かったのもあるんだけど、長い正確なボールを蹴れるのは強みだよね。」

真「それじゃ、次は二列目の選手。ここからはFW登録になるね。」

真「FW4番、本田圭佑選手。この選手は相当有名だから、分かるよね？」

響「CMで良く見るぞ。スポーツ飲料に、お菓子に、お酒。携帯やハンバーガーのCMでも見たな！」

真「日本代表の顔、みたいな選手だね。彼はフィジカルの強さでちょっとやそっとじゃ倒れないし、細かいパスも得意としているよ。」

真「何より、彼はフリーキック(FK)の名手としても有名だね。このチームでFKを蹴るのは本田か遠藤が基本で、遠藤は曲がるFKが得意だったと思うけど、本田は無回転FKを蹴る事が出来るんだ。」

響「無回転？」

真「ボールの回転を無くすんだ。すると、ボールが不規則な弾道を描くから、GKは処理しづらくなるんだよね。取るにも回転してないから難しいし。」

響「へぇ、凄い武器だな。それは。楽しみだぞ！」

真「FW8番、清武弘嗣選手。彼もまたボールを正確に蹴る技術に優れていて、FKやコーナーキック(CK)を蹴る事も出来るんだ。」

真「攻撃的な選手では控えに甘んじているけど、パスも上手いし、ワールドカップで力になってくれるよ。」

真「それで、最後にFW10番、香川真司選手。なんというか、彼はボールを操るテクニックに優れていて、凄く良いポジションでボールを受ける事が出来るのが持ち味かな。」

真「決してフィジカルが強い訳じゃないけど、小柄さを生かして大きな選手を華麗にかわしていける、まさに日本のエースだよ。」

真「ワールドカップの試合に向けてコンディションも上がってるし、楽しみだね。」

真「と言う訳で説明がおわったけど、どう？」

響「自分、うずうずしてきたぞ！早く日本代表の試合がみてみたい！」

真「慌てない慌てない。まだFWの選手の紹介が終わってないから……んじゃ後は美希、頼んだよ。」


美希「任せるの！じゃあ、まずは9番の岡崎慎司選手の紹介なの！」

響「あ、その人ってもしかして。」

美希「ミキの一番好きなサッカー選手だよ！こう、俺がゴールを決めるんだー！みたいな貪欲？さ、が特徴なの。」

美希「足下も上手いし、ヘディングも上手いし、今本当に調子がいいの！沢山ゴール決めて欲しいって思うな。」

美希「次は、FW20番の齋藤学選手なの。齋藤選手は、ドリブルが上手いの。」

美希「するするーってドリブルしていく様は和製メッシ、って言われてるケド……。」

響「けど？」

美希「和製なんとかって、あんまり成功しないイメージなの……和製アンリとか……。」

真「翔さんの悪口はやめてもらえないかな！？移籍してから結構良いんだよ？」

美希「ミキの率直な感想だったのに……でも、齋藤選手のドリブルは独特だから、見ておくといいって思うな！」

美希「あ、ちなみにね？ロンドンオリンピックのメンバーが今の代表の中にけっこー居るんだ。」

響「あー、オリンピックは沖縄にいた頃に観たなあ。サッカーも流し見してたぞ。」

美希「権田選手、吉田選手、酒井選手はどっちも、山口選手、清武選手はロンドンオリンピックに出てたの。」

美希「世代的には大迫選手や柿谷選手、香川選手もそうなんだけどね。」

美希「じゃ、次ね。FW11番、柿谷曜一郎選手なの。ジーニアスって呼ばれてるんだよ？」

響「天才？ふーん……。」

美希「トラップの技術が本当に上手くて、自分のシュートしやすい位置にボールを納めてシュート出来るの。それと、DFの裏に抜け出すプレーが得意なの。」

美希「キーパーと一対一の駆け引きも上手くて、ゴール決めてくれる事を期待してるんだ。」

美希「次はFW18番の大迫勇也選手なの。この選手は半端無いの。」

響「半端無い？？」

美希「後ろ向きのボールめっちゃトラップするの。そんなの出来ないの普通。」

響「な、何言ってるんだ？」

美希「高校時代の大迫選手の評価なの。大迫選手は、前線でボールを納める事が出来る選手でね、シュートも上手いの。」

美希「柿谷選手とはライバルみたいな感じだけど、しっかりと前線でボールを受けられるって言うのは大迫選手の持ち味なんだー。」

美希「最後に、FW13番の大久保嘉人選手。とにかくシュートへの意識が凄いの。去年は得点王にもなったし、ここぞと言うときのゴールが凄いんだよ。」

美希「試合に出たら絶対になんかしてくれそうな選手だって、ミキは思うな！」

美希「これで全員分だけど、どだった？」

響「試合が観たくて仕方ないぞ～！早くみたいんだ！自分は！」

千早「我那覇さん、慌てないの。明日の朝10時から日本代表対コートジボワール代表の試合があるわ。テレビで観ましょう。」

真「他にも、明日はイングランド代表とイタリア代表の面白そうな試合があるからね。」

美希「待ちきれなかったら、今から過去の強化試合を観るといいの！ミキ、ちゃんと録画してるの！」

千早「いえ、ここはスペインとオランダの試合を見せましょう。凄いゴールばっかりで楽しめるわよ。」

響「おお、じゃあ、見る！明日10時の試合も絶対見るぞ！」

真「じゃあ、明日も10時に事務所で見ようか！」

響「そうする！明日が楽しみだぞー！」

美希「頑張れ日本なの！」


おわり

日本代表対コートジボワール代表は、明日9時からNHK総合で生中継です。
サッカー好きな方は是非お休みだったら見ましょう。日本は今大会最低でもベスト8まで行ける事を願っています。
勿論優勝を狙って欲しい。頑張れ日本

見てくれてありがとう

>>7
ザンビア戦の西川は言っちゃいけない(白目)
どっちかというとDFが微妙だったってのが問題だったのでは、と思っています

>>14
高徳のクロスも良いですよね。ユーティリティ性とクロスの精度は強みだと思ってますしみれたらいいなー的な。

そういえば我那覇って選手もいたな。
年代別かA代表か忘れたけど。

>>28
我那覇和樹ですかね。現在カマタマーレ讃岐所属の。
A代表選出経験もあります。