クリスタ「ねぇ、ユミル」ウォーダン「どうした、クリスタ?」(124)

ユミル「お前じゃねーよ、ウォーダン・ユミル」

クリスタ「あ、ウォーダンさんもユミルでしたね!ごめんなさい」

ウォーダン「いや、構わん」

ユミル「ていうかクリスタがお前に対して『ねぇ』とか話しかけると思ってんのか?」

ユミル「テメェの無駄に厳ついガタイをもっぺん見直してみろ」

ウォーダン「…………うむ」

クリスタ「もう、ユミル!」

ユミル「ヘイヘイ……

ユミル「しっかし紛らわしいな、 訓練の時もつい反応しちまうし」

ウォーダン「……すまん、だが俺の名はウォーダン・ユミル。この名は譲れぬ」

ユミル「まぁ、名前は大事なもんだからな」

ユミル(名前しか覚えてないってんじゃ余計にな……)

ユミル「なぁ、クリスタ?」

クリスタ「あ、う、うん……」

ウォーダン「……では、俺はもう行く」

ユミル「おう、行っちまえ行っちまえ」




クリスタ「ウォーダンさん、か……」

ユミル「あの筋肉だるまがどうかしたか?」

クリスタ「やっぱりなんか不思議な人だなぁ…って」

クリスタ「馬たちもウォーダンさんの前だとやけに従順というか……」

ユミル「……まぁな」

エレン「お、クリスタにユミルじゃねーか」

クリスタ「あ、エレン」

ユミル「……なんか用かよ?…って水汲みか」

エレン「おう。で、お前らは何してんだ?」

クリスタ「う~ん、ちょっと馬たちの様子を見に行こうと思って」

ユミル「ま、変な足止めを二度も喰らっちまったわけだが」

エレン「?」

クリスタ「ああ、それはさっきユミルって呼んだ時にウォーダンさんが近くにいたみたいでね」

エレン「あ~、あの人もユミルだもんな」

ユミル「けっ」

クリスタ「それにあんまり喋ったことないからかもしれないけど、なんだか不思議な人だなぁって」

エレン「……そうだな。俺も姿勢制御の適性判断のときに――――」

――――
―――
――

――――姿勢制御適性判断

ウォーダン「エレン・イェーガー、と言ったか?」

エレン「あ、は、はい。 ……ウォーダンさん、でしたか?」

ウォーダン「ウォーダンでいい、それより一つ頼みがある」

エレン「なんですか?」

ウォーダン「ベルトを見せてくれ」

エレン「……はぁ」

ウォーダン「すまん、整備を信頼していないわけではないが自分の目で一度確かめておきたくてな……」

エレン「…………へぇ」

ウォーダン「…………」

ウォーダン「…………むぅ」

エレン「どうしましたか?」

ウォーダン「これを見ろ」

エレン「……ここんとこの金具の形が違ってますね。どっちか壊れてるんでしょうか?」

ウォーダン「教官に確かめてくる」

――――
―――
――

エレン「――――まぁ、ウォーダンさんが壊れてるのを見つけてくれたおかげで何の問題もなく適性判断を受けられたんだ」

クリスタ「そんなことがあったんだ……」

エレン「それで不思議っていうかなんていうか、あの人記憶喪失なんだろ?」

エレン「なのになんか戦うことへの心構えっていうか、兵士とはなんかまた違う感じで……」

ユミル「説明ヘッタクソだな」

クリスタ「ユミルってば……」

エレン「そういや、酒を一口飲んでぶっ倒れたりしてたな」

クリスタ「一口で?」

エレン「うん、一口で。卒倒だった」

ユミル「不思議といやぁ――――」

――――ある日の夕食

サシャ「あ~、やっぱりこれだけじゃ足りませんね……」

ウォーダン「…………」スッ

サシャ「パァンッ!♪」

サシャ「いつもありがとうございます神様~!!」モゴモゴ

ユミル「おい、ウォーダン……」

ウォーダン「どうした、ユミル?」

ユミル「な・ん・で、お前は芋女にパンをやってんだよ?」

ユミル「あれか?おっさん年甲斐もなく若い女に手ぇ出してぇのか?」

ウォーダン「……お前たちはまだ成長期だろう?」

ユミル「あん?」

ウォーダン「そして俺は成長期ではない。俺よりも貴様たちの方が栄養が必要なはずだ」

ユミル「……んな理由なわけねぇだろ」

ウォーダン「……実のところ」

ユミル「実のところ?」

ウォーダン「動物を餌付けするのは存外面白いものだと感じた。馬然り、サシャ然り」

ユミル「……意外と失礼だな、お前」

ウォーダン「ム?」

――――
―――
――

ユミル「――――ってなこともあったっけか」

エレン「サシャも動物と同じ扱いかよ!?」

ユミル「……まぁ、一番不思議なのは」

エレン「?」クリスタ「?」

ユミル「あんなおっさんが訓練兵団にいることだな」

――――
―――
――

キース(『ウォーダン・ユミル』、エルヴィンが連れてきた正体不明の男)

キース(壁外調査の時に地面に埋もれているところを保護されたという)

キース(どうやら記憶の混乱を起こしていたようで巨人のことさえ覚えていなかったらしい)

キース(調査兵団がしばらく身柄を預かっていたものの、名前以外の何も思い出さず)

キース(現在に至るまでウォーダン・ユミルが持つ情報は判然としていない)

――――
―――
――

――――ある日の対人格闘風景

エレン「…アニ、降参だ…降参する………」

アニ「降参?降参なんかしないで学習しなよ」

アニ「力の使い方と女の子との話し方を」

ミカサ「…………クッ!」

キース(『ミカサ・アッカーマン』、類稀なる膂力の持ち主)

キース(恵まれた体格のブラウン訓練兵をも軽々と投げ飛ばす。だが……)

ウォーダン「……どうした、ミカサ・アッカーマン」

キース(『ウォーダン・ユミル』、現在対人格闘成績1位)

キース(アッカーマン訓練兵と拮抗し得る… いや、凌駕する筋力、そして耐久力を持つ)

ウォーダン「技が乱れている。それではお前の攻撃は俺まで届かんぞ!」

ミカサ「……アニのあの技、私も覚えたい」

ウォーダン「そうか、では俺はエレンと組み直そう」

ミカサ「!?」

キース(戦死したと思われていた調査兵団の生き残りなのか、壁外から来た人間なのか)

キース(記憶が戻らない以上、ユミル訓練兵の正体は全くもってわからない)

キース(そして、彼の失った記憶が人類にとって薬となるか毒となるかも、だ)

キース(審議所にて当面の危険はないものの、常に監視下に置いておくべきと判断された)

キース(本来は開拓地に行くはずだったが本人の強い希望でこの104期訓練兵団へと入団した)

キース(願わくば彼の正体が巨人でないことを強く願う……)

オイオイ…アイツラガヤンノカ? ユメノカードガ! ド…ドッチダ? ヤッパリアニカナ?

ライナー「は!?バカか!俺はミカサに晩飯全部だ!」

キース「……貴様ら、何を騒いでいる?」ゴゴゴゴゴゴゴ……

エレン「やっぱり強いな、ウォーダンさんは……」

ウォーダン「ウォーダンでいいと言っている」

エレン「……ウォーダン」

ウォーダン「うむ」

エレン「なぁ、ウォーダンは今まで何してたんだ?まだ思い出せないのか?」

ウォーダン「……すまんな」

エレン「いや、謝ることじゃねーよ…… でも、これだけ強いんだ」

エレン「やっぱり兵士だったんじゃないのか?」

ウォーダン「…………むぅ」

――――
―――
――

――――ある日の夕食風景

コニー「そういや、ウォーダンはどこに配属されたいか聞いてなかったな?」

ウォーダン「? そうか?」

コニー「あれ、聞いてたっけ? ……忘れちまった」

ウォーダン「……調査兵団、と言いたいところだが」

コニー「えぇっ!?マジかよ!エレンと一緒でウォーダンも死にたがりかよ!」

ウォーダン「死にたいわけではない」

コニー「ん、そうか」

ウォーダン「ただ、恐らく俺は駐屯兵団に配属されるだろう」

コニー「え、なんでだよ?」

ウォーダン「俺が記憶を失っていることは知っているな?」

コニー「おぅ?」

ウォーダン「その失った記憶が問題でな」

コニー「?」

ウォーダン「最悪のケースを仮定しよう。俺が実は巨人だったとしたら」

コニー「ま…マジ……マジかよっ!?お、お前……」ガタガタ

ウォーダン「……例え話だ。真に受けるな」

コニー「お、おお…… なんだよ、脅かすなよ」

ウォーダン「……続けるぞ。もし俺が巨人だったとして憲兵団に所属していたらどうなる?」

コニー「そりゃあ…… ぶっ殺されるな」

ウォーダン「それは当然過ぎる話だ。巨人が暴れれば王都に害が及ぶ、これが問題だ」

ウォーダン「もう一つ例え話だ。俺が調査兵団の生き残りだったとすれば……」

コニー「……どうなるんだ?」

ウォーダン「巨人が犇めく壁外で発見されるまで生き残る術があったということだ」

ウォーダン「仮にそんなものがあったとすればそれは人類にとってかなり有益な情報だろう」

ウォーダン「そして、俺が壁外から来た人間だった場合は……」

ウォーダン「我ら以外にもまだ人類がいるかもしれんということだ」

ウォーダン「俺の記憶にはその可能性がある。故に死亡率の高い調査兵団に回されることもないだろう」

コニー「それってつまり…… どういうことだ?」

ウォーダン「俺はウォール・シーナの内側に入れるには危険過ぎ、ウォール・ローゼの外側に追いやるのは惜しい存在とされてしまった」

ウォーダン「そういうことだ」

コニー「…………??」

ウォーダン「……やはり、か。期待はしていなかったが」

ウォーダン「まぁ、ウォール・ローゼの剣となるのも悪くはない」

コニー「おお、なんかカッコいいなそれ!!」

ウォーダン「……まぁ、本当は記憶がないわけではないのだがな」ボソッ

――――
―――
――

一旦終わり

眠れないので続きー

――――ある日の夕食後の風景

ウォーダン「―――――――――――-」

ウォーダン「チェストォーーーーーーッッ!!!」斬ッ!!

ウォーダン「……まだだ、この太刀筋では――――」

パチパチパチ…

ウォーダン「――――ム?」

キース「凄まじいな…… 雄叫びといい斬撃といい」

ウォーダン「……キース教官」サッ

キース「……楽にしていい」

キース「さて、就寝時刻はとっくに過ぎているはずだが……」

ウォーダン「……申し訳ありません」

キース「まぁ、イタズラなどではなく自己研鑽を積んでいるようだ」

キース「本来なら注意する程度の問題なのだがな……」

キース「投書があったのだよ」

ウォーダン「……どのような内容だったのでしょうか?」

キース「……夜、大きな声が聞こえてきてうるさくて眠れないといった内容だ」

ウォーダン「…………」

キース「以後は声量を抑えるようにするのだな」

ウォーダン「……申し訳ありませんでした」

キース「気をつければそれでいい。鍛錬を重ねること自体はよいことだ」

キース「だが、無理な量をこなそうとするな。お前は他の者と違いハッキリ言って年を取り過ぎている」

キース「若さゆえの回復力というものがない。それは覚えておけ」

ウォーダン「ハッ……」

キース「しかし、見事な斬撃だ」

ウォーダン「いえ、まだまだ未熟な太刀筋です」

キース「そうか…… とてもそうは思えんがな」

ウォーダン「ハッ……」

キース(ただ、真っ向からの一刀両断は巨人に対して有効打とは成り得んのだが……)

――――
―――
――

――――ある日の立体起動装置を用いた巨人の索敵及び戦闘訓練

ベルトルト「フッ!」ズバッ

キース(『ベルトルト・フーバー』、斬撃申し分なし)

アニ「ハッ!」ザシュッ

キース(『アニ・レオンハート』、斬撃に非の打ちどころなし)

ミカサ「…………」ズバァッ

キース(そして『ミカサ・アッカーマン』完璧といっていい斬撃)

ウォーダン「チェストォォォオオオ!!!」スパッ

キース(『ウォーダン・ユミル』、先の3人以上の腕前)

キース(以前試したいことがあると言い、見事超硬質ブレード1本だけで訓練目標の肉を削ぎ落として見せた)

キース(斬撃に関しては人類最強と謳われるリヴァイすら上回るのではないか、と教官たちが噂するのも頷ける)

キース(……だが)

ウォーダン「う…むぅ……ッッ!?」

キース(その巨体ゆえか立体起動に少々の難あり。とは言え平均以下ではない)

キース(当初は目標の後ろに中々回り込めず正面から叩き斬るという行動が目立った)

キース(実戦であればまず不可能だ。切ることはおろか真っ向から近づくことさえ)

キース「しかし…… 彼ならやりかねんと思えるのが少々恐ろしい」

教官「同感です」





ジャン「汚ねぇぞお前ら」

ジャン「俺が先に目標を見つけたのに……」

やいのやいの

ウォーダン「…………」

コニー「どうした?ブレードなんか見つめてよぉ?」

ウォーダン「いや、やはり薄い……そう思ってな」

コニー「薄い?」

ウォーダン「刀身がだ。それに軽過ぎる」

ウォーダン「斬艦刀とまでは言わんがもっと重く…身幅の広い肉厚な……」

コニー「ザンカントー?」

ウォーダン「いや、何でもない……」

――――
―――
――

――――第104期訓練兵団解散式後

キース「今年の訓練兵の成績上位10名……」

キース「この中にウォーダン・ユミルは4位として名が挙がっている」

キース(生来の気性なのか、正面から立体起動で立ち向かう癖が減点対象となったか……)

キース「彼は若く見積もっても20代後半から30代前半、伸び代はほとんどない」

キース「にもかかわらず10番以内に食い込んできた事実……」

キース「そして、『闇討ち』に対しても完璧と評してよいほどの対応を見せました」

キース「それは彼が既に兵士としてほぼ完成されている身体だったということに他ならず」

キース「また、私が調査兵団に籍を置いていた時にウォーダンらしき人物が在籍していた記憶はなく、エルヴィン現団長も同じく記憶していない」

キース「即ち、彼は元調査兵団員ではなく壁外から来た人間であり且つ戦闘員、兵士であったと考えます」

総統「……それで?訓練兵の教官として、君はウォーダン・ユミルの今後の処遇をどうすべきだと感じたのかね?」

キース「……3年間訓練兵として研鑽に励んできた彼の実績を鑑みるに、ウォーダン・ユミルは人類に仇成す存在ではないと感じました」

キース「そして3年の月日を以てしても彼は記憶を取り戻せませんでした」

キース「以上のことから彼の失われた記憶に可能性を見出すより、兵士としての技能を人類に貢献させるべきと判断します」

総統「フム……お前はどう思う?ピクシス」

ピクシス「確かに……3年もあったのに何も思い出さんということはこれから先思い出すこともほぼないじゃろう」

ピクシス「キースの言うように、才ある兵士の一人として扱っていく方が良かろう」

ナイル「……お言葉ですが、私は反対です」

総統「……して?」

ナイル「ウォーダンの正体がいまだ判然としない以上、奴を街中に置いておくのはリスクが高すぎる」

ナイル「しかしこの4年で9割以上の団員を失った調査兵団に送るというのも、奴の持つ可能性を鑑みると最良とは言えません」

ナイル「やはりどの兵団にも属させず開拓地に送り、厳重な管理下に置いておくべきです」

ナイル「そもそも我々憲兵団は、あの男に戦う術を身に着けさせるつもりもなかったのです!」

ナイル「もし奴が巨人だったとしたら……知恵のある上に立体起動装置といった我々の手の内も知っていることになる」

ナイル「それがどれだけの脅威となることか……ご想像いただけるでしょう!?」

ピクシス「……となると、やはりわしのところで預かることになるかのぅ」

ナイル「……は?」

ナイル「つい今しがた、奴を街中に置いておくべきではないと……開拓地に送るべきだとお話ししたと思うのですが?」

ピクシス「……開拓地にはワシらの食い扶持を作ってくれている者たちがおる」

ピクシス「仮にウォーダンが巨人だったとして、そんなところで暴れられたらどうなる?」

ピクシス「耕作地は基本的に平地じゃし、足場もよくない。巨人が1体だけだとしてもすぐに退治できるわけもなかろう」

ピクシス「そこにお前さんの言うとおり人間と同じ知恵を持っていたらどうなるか……」

ナイル「…………」

ピクシス「農地は壊滅しきっと食料はすぐに底をつくじゃろう……すると、じゃ」

キース「食料の奪い合い……食料のために人間同士が殺し合う」

ピクシス「……そんなもん、ワシは見とうない」

総統「……まぁ、どれも最悪のことを想定した話だ」

総統「まったく、扱いに困る男だ。いっそウォール・ローゼ内で見つかっていれば良かったものを……」

総統「壁外で見つかったことにより我々はあの男に希望と絶望を見出すこととなってしまった」

ピクシス「それで?あの男の処遇はどうする?」

総統「……やはりピクシス、お前のところに任せる」

ピクシス「ウム……それが一番妥当な答えじゃろうて」

ピクシス「さて、兵士たちにはどこまで話すべきかのぅ……」

ピクシス「徒に不安を与えさせるわけにもいかん」

――――
―――
――

エレン「さっさと行けよ内地に… お前みてぇな敗北主義者がココにいちゃあ士気に関わんだよ!」

ジャン「勿論そのつもりだがお前こそ壁の外に行きてぇんだろ?さっさと行けよ、大好きな巨人がお前を待ってるぜ?」



エレン「…めんどくせぇ」

ジャン「へっ……」

バキィッ!!

ウォーダン「……あれが若さというものか」

コニー「年寄みてぇなこと言うな、お前」

ウォーダン「…………」

コニー「ああ、そういやウォーダンおっさんだったな!」

ウォーダン「……お前はどうして9位になれたのだろうな」

コニー「ああ、俺天才だから」ドヤァ…

ウォーダン「……偶にお前を羨ましいと思う」

――――
―――
――

――――第104期訓練兵団解散式翌日

やいのやいの

ウォーダン「どうしたエレン?ミーナも言っていたが、昼食はまだまだ先だぞ」

エレン「いや… ようやくここまで来たな、ってさ」

エレン「人類の反撃はこれから始まる……そう感じてさ」

ウォーダン「そうか、ならばアレは――――」




ウォーダン「――――敵の宣戦布告ということか」

超大型巨人『…………』ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……

オヤスミー

ちょっと再開

ウォーダン「……来るぞ!」

超大型巨人『…………』ブォワァァァアアアアアアア!!!

エレン「熱ッ!?」

エレン(何だ、蒸気か!?俺は吹き飛ばされてるのか!!?

「うわあああああぁぁぁぁ………」

エレン「みんな!!クッ………!!」

エレン「立体起動に移れ!!」パシュッ

コニー「ハッ」ミーナ「ハッ」サシャ「フッ」トーマス「クッ」

カッ カカッ

エレン(よし、みんな無事か…… !?)

エレン「ウォーダンは!?」

ウォーダン「俺を呼んだか!エレン・イェーガー!!」

エレン「壁の上!?」

ウォーダン「……衝撃、来るぞ!」

超大型巨人『…………』ドゴォォォォォオオオオオオオ!!!!

トーマス「壁が壊された……」

コニー「まただ……また…巨人が入ってくる……」

エレン「固定砲整備4班!戦闘用意!!」

コニー「!?」

ウォーダン「目標、眼前の超大型巨人!!」

エレン「これはチャンスだ!壁を壊せるのはコイツだけだ!!ここでコイツを仕留められれば……」ダダダッ …シュタッッ

超大型巨人『……………』

エレン「よう…5年ぶりだな……」

ウォーダン「……動けたのはお前だけか!俺は右から仕掛ける!!」

エレン(!? さっき壁を掴んでた左腕の上を!!?)

超大型巨人『……………』

エレン「どっちを向いてやがる!こっちにもいるぜ!!」パシュッ

ウォーダン「敵対する者は全て破壊する!!」パシュッ

エレン「鈍い!!」ギュォォォォオオオオオ

ウォーダン「推して参る!!」ギュィィィィイイイイイイイイ

超大型巨人『…………』ブォワァァァアアアアアアア!!!

エレン「なっ……!?」

ウォーダン「ぬぅっ……!?」

エレン(また蒸気かっ!?でも……)ィィィイイイイイイイイイイ

エレン「いっけぇぇぇぇ!!!!!」ブゥンッ

ウォーダン「チェストォォオオオオオ!!!」ヴンッ

エレン「!?」ウォーダン「!?」

ウォーダン「……手応えなし、外したか?」パシュッ

エレン「イヤ… 違う……消えたんだ」パシュッ

エレン「5年前と同じだ、アイツは…突然現れて突然消えた……!!」

――――
―――
――

エレンたちが超大型巨人と交戦してからは慌ただしいものでした。

住民たちは一斉に避難を開始し、駐屯兵団が壁の修復と迎撃の準備に走っていました。

よりにもよってもっとも実戦経験豊富な調査兵団は壁外調査でいなくて、俺たち104基の訓練兵も駆り出されることになりました。

少しだけ喧騒が収まったと思ったら、駐屯兵団の方々が作戦の詳細を伝えに来ました。

前衛、中衛、後衛に分かれて、俺たち訓練兵は中衛を任されることになりました。

そして俺たちは卒業間も無くして、巨人と戦う地獄に放り込まれたんです……

――――ダズ訓練兵(当時):談

――――ウォールローゼ防衛線佳境




カンカンカンカン……

ウォーダン「……一時撤退の鐘、か」

ウォーダン「しかし……」




ウォーダン「本部があの状態ではな」

ウォーダン「巨人どもが群がっている……内部にも入り込んでいる、か」

ウォーダン「だが、あそこに群がっているということは、だ」パシュッ

――――
―――
――

アニ「ライナー… どうする?」

ライナー「まだだ…… やるなら集まってからだ」

ウォーダン「……なにをやる気だ?」ザッ

ベルトルト「!?」

ミカサ「…………」ダンッ

「ミカサ!?」「お前後衛のはずじゃ…!?」

ウォーダン「……エレンか?」

ミカサ「うん… 私情を挟んで申し訳ないけど……エレンの班を見かけなかった?」

アニ「わ、私は見てないけど……」

ライナー「そ、そういやあっちに同じ班のアルミンが……」

ミカサ「わかった」

ウォーダン(アルミン・アルレルトのあの表情、察するに……)

アルミン「34班――――」

アルミン「トーマス、ナック、ミリウス、ミーナ、エレン……」

アルミン「以上5名は自分の使命を全うし…」

アルミン「壮絶な戦死を遂げました……」

ミカサ「!?」

ウォーダン「……やはり、か」

アルミン「ごめんミカサ… エレンは、僕の身代わりに……」

ウォーダン(……予想はしていたが、それ以上に皆の士気が低くなってしまった)

ミカサ「落ち着いて、今は感傷的になっている場合じゃない」

ウォーダン「気丈な……」

ミカサ「それで?本部に群がる巨人を排除できればガスの補給ができてみんなは壁を登れる」

ミカサ「違わない?」

ウォーダン「うむ、そこでこれが必要になるだろう」ドサッ

マルコ「これは… まさかっ……!?」

ウォーダン「……先に散った者たちが残してくれたものだ」

ウォーダン「ここに来るまでにできる限り集めておいた。ガスの残量が心もとないものはこれを使え」

ウォーダン「だが、どれも壁を登れるだけの量はないだろうがな」

マルコ「でも… これは……戦死した誰かのガスじゃ……」

ウォーダン「……ここで生き残れなければ、誰が彼らの死に報いてやれる?」

ウォーダン「誰が彼らを弔ってやれる?誰が彼らの死を悼んでやれる?」

マルコ「…………」

ミカサ「……そう、私たちは勝つ」スッ

ミカサ「私は…強い…あなた達より強い…すごく強い! ので私は…あそこの巨人どもを蹴散らせることができる…例えば…一人でも」

ミカサ「あなた達は…腕が立たないばかりか…臆病で腰抜けだ… とても…残念だ。ここで…指をくわえたりしてればいい…くわえて見てろ」

ミカサ「戦わなければ生き残れない……」

ウォーダン「……ならば、その露払いは俺が引き受けよう」

ミカサ「?」

ウォーダン「俺が巨人どもを惹き付ける。その後に飛び出せ」ドサッ

ベルトルト「えっ!?」

ライナー「ウォーダン、お前何をっ!?」

ウォーダン「俺の立体起動装置にもある程度ガスがある。お前たちで使え」

アニ「は?」

ウォーダン「……戦友よ、また会おう」バッ

マルコ「お、おいっ……!?」

ウォーダン「………フンッ!」スタッ

ウォーダン(ゼンガーとの決着をつけたあの日、俺は深き地の底で永き眠りについたはずだった)

ウォーダン(しかし、俺は目覚めた。巨人が大地を踏みにじるこの地に)

ウォーダン(ここがあの世界のなれの果てなのか、システムxnの時空転移による異世界か、どちらともわからん)

ウォーダン(だが、そんなことなどどうでもいい)

ウォーダン(この世界にはシャドウミラーもゼンガーも、そしてメイガスもいない)

ウォーダン(……俺はこの新たな生をウォーダン・ユミルとして生きると決めた)

ウォーダン(ゼンガーでもない、w15でもない俺の生き方をこの世界で全うすると決めた)

ウォーダン(……そう)

4m巨人『…………』

5m巨人『…………』

ウォーダン「我はウォーダン! ウォーダン・ユミル!!」ジャキィンッ

ウォーダン「ウォール・ローゼの剣なり!!!」

三度寝する

遅ようございます

4m巨人『……………』ズシーン ズシーン

コニー「お、おい……アイツ喰われちまうぞ!!」

ウォーダン「……ヌァアアアアア!!」

ウォーダン「一刀!両断!!」ザシュッ

4m 巨人『…… ……』ズズーン…

ジャン「……っそだろ?」

ベルトルト「巨人を… 正面から……」

アニ「……真っ二つ?」

ウォーダン「……我ニ断テヌモノ無シ」

5m巨人『………』

巨人a『……………』ヌゥ…

巨人b『…………』ニマァ…

ミカサ「…………」

ウォーダン「……どうした!?躊躇うな、行けっ!!」ダッ

ミカサ「……くっ!」パシュッ

マルコ「オ、オイ!?」

ジャン「……クソッ!」

ジャン「オイ!俺たちは本当に指をくわえて見ているだけか!!違うだろ!?」

ジャン「ミカサやウォーダンだけに戦わせるのか!?違うだろうが!!」

ジャン「お前ら!!本当に腰抜けになっちまうぞ!!」

「ちくしょう……」「好き放題言いやがって…」「やってやる、やってやるぞ……」

『うおおおおおおおおおおおおオオオオオ!!!!!!!』

――――
―――
――

ウォーダン「はぁああ!!!」ザシュッ

巨人a『……………』ドォォォ…

ウォーダン「……もうこの刃も使い物にならんか」カキンッ

ウォーダン「せめて立体起動装置は外すべきではなかったか……?」

巨人b『アアアアアアアアアアアアアア!!』

巨人c『ブオオオオオオオオオオオオオ!!!』

ウォーダン「足さえ斬ればと思っていたが、足の一本だけでなまくらになるとはな」

ウォーダン「考えが甘かったか」

ウォーダン「フンッ!」ザスッ

巨人b『アアアアアアアアアアアアアアアアア!??』

ウォーダン(斬り損なったか!?)

巨人c『ブオオオオオオオオオオオオオ!!!」ガブゥッッ

ウォーダン「な、なんという顎の力だ…ぐぅ……」ググッ グゥ…

ウォーダン(長くは…持たんか)

巨人c『…………』ゴックン

――――
―――
――







――――
―――
――



ウォーダン「……ここは…涅槃か?」

ウォーダン「以前にも来たことがある」

緑ワカメ(w15……この程度で終わるとはな)

ウォーダン「ウィンデル・マウザー……ッッ!?」

ウィンデル(所詮はただの人形に過ぎんということか……)

ウォーダン「……違う、俺は人形では…w15ではない!」

女(そう?ならそれを証明して見せなさい?)

ウォーダン「レモン・ブロウニング……!?」

レモン(ほら、貴方の半身が…魂が呼んでいるわよ?)

ウォーダン「我が…魂……」

レモン(見せてごらんなさい?貴方の生き様を……)






ウォーダン「……今の俺はシャドウミラーのw15でも、メイガスの剣でもない」

ウォーダン「我はウォーダン・ユミル!」

ウォーダン「ウォール・ローゼの剣なり!!」

ウォーダン「我が叫びに応えよ!斬艦刀ォォ!!」




――――the gate of wall rose (magus)




ええ、びっくりしましたよ。あの時はね。

聞いたこともないようなでかい音が聞こえてきましてね。どうも巨人の雄叫びではない。

何だろうと思って振り返ってみると、地面から赤くて白くて黒い何かが飛び出してきたんです。

その時、空に向かって吹っ飛んでたのは多分巨人……かな?

土煙もすごくて、本当に何が起きているかわからなくて、パニック状態でしたよ。

で、土煙の方から声が聞こえんたんです。「……け」ってね。

そしてその後、「ドリルブーストナックル!!」って聞こえた瞬間にいろんなところから血飛沫が上がったんですよ。

それがどうみても人間一人の量じゃない。すぐにわかりましたね、巨人の血飛沫だって。

でも、なぜそうなっているかはわからない。何が起きているかはわからないけど、巨人が死んでるってことはわかる。

そして土煙が収まった後、そこには壁と大して変わらない高さの純白の巨人がいたんです。

その巨人とは似てたけど全然違う巨人の正体、それが『スレードゲルミル』

俺が初めて見た瞬間です。

――――トム訓練兵(当時):談

――――
―――
――

トム「な、何が起きてるんだよ…なんなんだよマジで……!?」

ジャン「!? トム、後ろだ!?」

トム「え」

渋い巨人『…………』メヂカラッ

トム「あ、うああああああああ!!!?」ギャリリリリリリリリリ

渋い巨人『!?』ドパァッ

トム「げぇ!?」ベシャッ

トム「ぐふっ」ドサッ

ジャン「トム!大丈夫か!?」ザッ

トム「な、なにが…なにがおきてるんだ……俺生きてる?わけわかんねぇわけわかんねぇ!?」

ジャン「落ち着け!とりあえず落ち着け!!」ドドドドドドドドドドドドドドドド……

???『…………』ドドドドドドドドドドドド……

ジャン「……俺だって、何が起きてるかわかんねぇよ」

ジャン(デカい…デカ過ぎるだろ!? 超大型巨人クラスだろうが!?どこから出てきやがった!!?)

ジャン(いつのの間にここまで来やがった!?)

ジャン(それに見た感じ全身がまるで金属みてぇだ…… ブレード通るのかあれ!?)

ジャン「……超大型巨人と鎧の巨人が一発やってできた子どもか、オイ?」

???『……どうやら大丈夫そうだな』ドドドドドド…

ジャン「!?」トム「!?」その他「!?」

マルコ「そ、その声……」

ウォーダン『この巨人は我が愛機、スレードゲルミル』ズズゥン…

ウォーダン『そしてこれが……』ギゴゴゴ…

ウォーダン『俺の魂、斬艦刀!!』ガキィィンッッ

トム「な…な……」

ジャン「なんつー馬鹿でかさだよ……」

ウォーダン『活路を斬り開く、俺に続け!!』

補給兵a「……ねぇ、何か聞こえない?」

補給兵b「どうせ巨人の声だろ……」

補給兵a「そうだね……」

ウォーダン『はぁぁああああああ!!!』

補給兵a「!?」

ジャン「うおおおおおおおおおおおおおおお!!!」

補給兵b「!?」

ジャン「な、何人たどり着いた……?」

マルコ「た、多分…近くにいた人は全員……無事だよ!」

ジャン「そ、そうか……そうか!」

訓練兵b「…………」

ジャン「お、お前ら… 補給の班……だよな!?」

訓練兵b「……ああ」

ジャン「…………」グッ

訓練兵b「え?」バキィッ

マルコ「よせ!!ジャン!!」

ウォーダン『その通りだ、マルコ・ボット』

ウォーダン『ジャン・キルシュタイン、今は怒りに身を任せている場合ではない』

ウォーダン『ここまでたどり着けたとはいえ、その中にもまだ巨人がいるはずだ』

マルコ「そうだジャン、一先ずここはガスの補給室を奪還する手段を!!」

ウォーダン『俺はここでこれ以上の巨人の侵入を防ぐ…… 任せたぞ』

ジャン「……チッ、わかったよ」

ウォーダン 『……む?』

?巨人『アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!』

ジャン「!?」ガシャンッッ

ジャン「ミカサ…!??」

コニー「やったぞ…ギリギリ着いた……」

コニー「あのトゲトゲしたバカでっけー巨人がここにいるのを見たときゃ、どーなることかと思ったけどよ!!」

コニー「やったぜアルミン!!お前の作戦大成功だ!!」

アルミン「痛い!痛い!!」

ミカサ「痛いのは生きてる証… ところでマルコ、あの白黒の巨人は何?」

ミカサ「排除できそうにもないから一か八かでここに飛び込んだのだけど……」

アルミン「そう、飛び込もうとする僕らをまるで守るかのように……」

ジャン「あれな、どうやらウォーダンらしい……」

ミカサ「え?」

ウォーダン『そういうことだミカサ、アルミン』

アルミン「!?」

ウォーダン『今度は俺が聞きたい、貴様らと一緒にこちらに向かってきたあの巨人は何だ?』

ウォーダン『見たところ、他の巨人を殺しているようだが……?』

コニー「あれはな!あの巨人は巨人を殺しまくる奇行種だ!!」

コニー「しかも俺たちには興味がねぇんだってよ!!」

ウォーダン『フム、今のところ敵ではないということか』

ウォーダン『ではあの巨人と俺とで周囲の巨人を薙ぎ払う。アルミン、お前はここを奪還する作戦を指揮しろ』

アルミン「え!? ぼ、僕が……?」

ウォーダン『お前にはその能力がある、自信を持て』

アルミン「……よし、みんな!今わかってる状況を教えてくれ!!」

ウォーダン『頼んだぞ……フンッ!』

モブ巨人『!?』ドグチャアッ

――――
―――
――

ウォーダン『目につく限りの巨人は破壊したが……』

?巨人『アアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!』

ウォーダン『巨人を殺す奇行種……何かの手掛かりを掴めるかもしれん』

?巨人『アアアアアアアアアア!!!』グシャッ ガッ ガッ

ウォーダン『……スレードにも斬艦刀にもこの程度では傷一つ付けられん』

ドドドドドドドドドドドドド

ウォーダン『銃声!散弾かっ!?』

ウォーダン(あそこは…補給室のあたりか)

ウォーダン『そこの巨人、巨人の相手は任せるぞ」バッ

?巨人『アアアアアアアアアアアアアアア!!!』ゴッ ガッ

ミカサ(捉えた…!!)ザシュッ

ミカサ(みんなは…!?)ダンッ

コニー「う…」サシャ「あ……」

巨人's『…………』

マルコ「サシャとコニーだ!!いそ……」ガシャァァァンッッ

ミカサ「!?」

ウォーダン「見切ったぞ」バッ

ウォーダン「はぁあああああ!!」ズドンッ

巨 人「… …」ズルゥッ

ウォーダン「もう1体!!」

アニ「…………」ズシュッ

巨人's『………』ズゥ……ンン

サシャ「神様ぁぁぁぁぁぁ!!」

ウォーダン「騒ぐな、とりあえず立て」

マルコ「外は!?巨人は!?」

ウォーダン「粗方片付いた。残っていたとしても例の巨人がいる」

ジャン「全体仕留めたぞ!補給作業に移行してくれ!!」

――――
―――
――

ミカサ「みんな脱出できた」

ウォーダン『と、なれば問題は……』

アルミン「あの巨人だね……」

?巨人『アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!』

巨人's『…………』クチャクチャ

アルミン「……あれって共食い…だよね?」

ウォーダン『理由はわからんが、肉体の再生ができていないようだな。疲労か?』

ミカサ「どうにかしてあの巨人の謎を解明できれば…」

ミカサ「この絶望的な現状を打開するきっかけになるかもしれないと思ったのに……」

ウォーダン『同感だ。そしてなにより……』

ミカサ「?」

ウォーダン『あの巨人の戦いぶり、他の巨人と一線を画すだけでなくどこかで見たような動きを見せている』

ウォーダン『もしや… まさかとは思うがあの巨人は……』

ライナー「確かにあのまま食い殺されっちまったんじゃ何もわからず終いだ!」

ライナー「あの巨人に纏わりついてる奴らを排除して…とりあえずは延命させよう!!」

ウォーダン『……異論はないか?』

ジャン「……正気か?」

ウォーダン『今まで聞いたこともない行動を示す奇行種中の奇行種だ』

ウォーダン『有益な情報が得られるかもしれん』

ジャン「……人類に味方する巨人ってんならウォーダン、お前がいればいいんじゃねぇのか?」

ウォーダン『これは巨人ではない、「スレードゲルミル」』

ウォーダン『言うなれば立体起動装置の遥か延長線上にある人型起動兵器だ』

アニ「!?」ベルトルト「!?」ライナー「!?」

ウォーダン『故にあの巨人の存在が必要になってくる』

アルミン「あ! あいつは……」ギリッ

ぬぼーっとした巨人『………』ノンベンダラリ

アルミン「トーマスを食った奇行種……!?」

?巨人『……………』ダァンッ

一同「!?」

ウォーダン『……ほぅ』

?巨人『アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!』

――――
―――
――

ジャン「……やべぇな」

アルミン「あんな状態なのに……3体も」

?巨人『…………』クルッ

ウォーダン『残るは俺だけということか……』

ウォーダン『いいだろう!真っ向勝負!!』

?巨人『アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!』

ウォーダン『フンッ!』ガッ

?巨人『……!?』ビタァァァンン!!

ミカサ「……相手にならない」

アニ「大人と子供……それよりも大きさの差があるからね」

ライナー(やれそうか、ベルトルト?)

ベルトルト(その時が来たら、やるしかないんだろう!?)

ウォーダン『……再生能力の限界までダメージを与えれば捕獲は容易か?』

?巨人『…………』ボォォォォォォォ……

ウォーダン『やりすぎたか』

ジャン「もういいだろ?ずらかるぞ!所詮巨人は巨人なんだよ!」

ウォーダン『いや、待て』

ジャン「おい、どうした?」

ミカサ「…………」アニ「…………」

アルミン「…………」ベルトルト「…………」ライナー「…………」

ウォーダン『……あの巨人の体捌き、技。まさかとは思っていたが』

?巨人改めエレン「…………」

ウォーダン『エレンが巨人だったとはな……』

トロスト区奪還まではいきたいなー
一旦終わり

そうぞうどおりだどもあんましレスつかなひ

そうだな… 私はただ駆け抜けるだけのことだ……

――――
―――
――

エレン「……殺シテヤル」

アルミン「……エレン?」

ミカサ「エレン!?」

ウォーダン『……目覚めたか』

エレン「はっ!?」

ズラリトナランダブソウシュウダン、ワレラソノナヲチュウトンヘイダン!!

アルミン「エレン!ちゃんと体は動くか!?意識は正常か?」

ウォーダン『アルミン、まずはお前が落ち着け』

ウォーダン『エレン・イェーガー、現状は理解できているか?』

エレン「え?あ、え…と……」

エレン(現状って… 俺たち3人は囲まれて、剣を向けられてる……?)

エレン(巨人を殺すための武器で、バケモノを見るような目で……)

エレン(あれ?ウォーダンはどこだ? ……この巨人の足みてぇに馬鹿デカい白黒柱は何だ?)

エレン(それにこの左腕…… これは……?)

小鹿「イェーガー訓練兵!!意識が戻ったようだな!!」

小鹿「今貴様らがやっている行為は人類に対する反逆行為だ!!」

小鹿「貴様らの命の処遇を問わせてもらう!!」

ウォーダン(下手にごまかしたり動こうとすれば榴弾をブチ込む、か)

ウォーダン(そんなものが聞くはずもないことはわかっているだろうに……)

小鹿「率直に問う、貴様らの正体は何だ?」

小鹿「……巨人か?人間か?」

エレン(え、なんだよその質問?バケモノを見る目で……)

エレン(俺が、バケモノだって言いたいのか……!?)

エレン「し… 質問のい……」

ウォーダン『俺たちは、戦う者だ!!』ビリビリィ……

ウォーダン『人間や巨人といった話の前に……』

ウォーダン『俺たちは巨人を駆逐せんと、戦う意思を持つ者だ……』

ウォーダン『人類と敵対する意思はない』

シ-------…ン

小鹿「し、白を切る気かバケモノめ!!もう一度やってみろ!!」

小鹿「貴様らを粉々にしてやる!!正体を現す暇など与えん!一瞬で粉砕してやるぞ!!」

小鹿「大勢の者が目撃している!貴様らがそれぞれ巨人の体内から姿を現したのをな!!!」

小鹿「貴様らのような得体のしれん奴らを我々人類はウォール・ローゼ内に侵入させてしまっているのだ!!」

小鹿「貴様らが王より授けられし訓練兵であってもリスクの早期排除は妥当だ!!」

小鹿「私は間違っていない!!」

ウォーダン(……恐怖に支配されている、か)


イマナラヤレル! ニンゲンニバケテイルヤツナラヤレルハズ! ヤリマショウ!!

ミカサ「……私の特技は、肉を… 削ぎ落とすことです」

ウォーダン(ミカサは冷静さを失いつつあるのか、はてまた……)

ウォーダン(アルミンが押さえてくれるだろうが、果たしてどうなるか?)

小鹿「もう一度問う!答えろ!貴様らの正体は何だ!?」

ウォーダン『…………』

エレン「じ、自分は… 自分は……」

エレン「人間です」



小鹿「――――そうか」

小鹿「悪く…思うな……」スゥ…

ウォーダン(やはり、な……)

小鹿「仕方のないことだ… 誰しもが自分は悪魔ではないと、証明できないのだから……」

エレン「……くっ!」

ミカサ「エレン!アルミン!上に逃げる!!」

エレン「よせ!俺に構うな!!」

ウォーダン『狼狽えるな、じっとしていろ』

小鹿「……ってぇぇぇ!!!」

ズドォォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンン------……




小鹿「ば、馬鹿な…… 無傷だとッ!?」

スレード『…………』

ウォーダン『3人とも、無事か?』

アルミン「は、はい……」

ウォーダン『そうか、斬艦刀は間に合ったか』

エレン「え… まさか、これって巨人の足で… ウォーダンも巨人……?」

アルミン「いや、ウォーダンさんのは兵器だって言ってた、人型の兵器だって……」

小鹿「さ、再装填急げぇぇぇぇいいい!!!」

ウォーダン『ここの榴弾程度では何発あろうとも無駄なのだがな……』

小鹿「ぬぅうううう……」

ウォーダン『話の分かる者が来てくれればいいのだろうが、それまで無駄弾を撃たせるのはな』

ウォーダン『アルミン、貴様に任せる。この連中を説得してくれ』

アルミン「……えっ?」

ウォーダン『俺とエレン・イェーガーは当事者、駐屯兵団は質問者』

ウォーダン『第三者の視点で話せるのはお前とミカサだけだ。……頼む』

エレン「……俺からも頼む、アルミン」

アルミン「エレン!?」

エレン「お前ってやばいときほどどの行動が正解か当てることができる、それに頼りたい」

アルミン「……いつそんなことが?」

エレン「いろいろあるけど……5年前だ」

エレン「お前がハンネスさんを呼んでくれなかったら、俺もミカサも巨人に食われて死んでいた」

ミカサ「アルミン……」

ウォーダン『……アルミン、連中の目を覚まさせてやれ』

アルミン「……わかったよ、やれってことだろ!」ダッ

小鹿「貴様!そこで止まれ!!」

アルミン「彼らは人類の敵ではありません!私は自分の知り得た情報をすべて開示する意思があります!!」

小鹿「命乞いか!聞く耳持たん!!」

小鹿「奴らが敵ではないというのならその証拠を出せ!出してみろ!!」

アルミン「証拠はありません!」

小鹿「なにっ!?」

アルミン「しかし、大勢の人が彼らを見たと聞きました!ならば彼らが巨人と戦う姿も見たはずです!!」

アルミン「そして周囲の巨人が彼らに群がっていくのも!!」

「!!?」

アルミン「それは彼らを巨人たちは人類と同じく捕食対象と認識したということ!」

アルミン「つまり彼らは我々と同じ人類であるとの証拠ではないでしょうか!?」

小鹿「………!?」

小鹿「――――れが、それが……」プルプル

小鹿「それがどうした!?それは巨人を奴らが喰おうとしていただけのこと!!」

小鹿「巨人が食べようとしていたからと言って、奴らが人間である証拠になるわけがない!!」

アルミン「さらに言えば!!」

小鹿「!?」

アルミン「ウォーダンは今にも巨人に食べられそうだった仲間を助けました!」

アルミン「エレンは戦友を食った奇行種に対し激しい怒りを向け、真っ先に倒しにかかりました!!」

アルミン「これらのことは仲間を守る、戦友の仇を取るといった人間の感情に基づく行動です!!」

アルミン「彼らは人間の心を持ちながら戦っていたという証左ではないでしょうか!!?」




小鹿「げ……」

小鹿「迎撃態勢をとれ!!奴らの巧妙な罠に惑わされるな!!」

アルミン「!?」エレン「!?」ミカサ「!?」

小鹿「奴らの行動は常に我々の理解の範疇を超える!!人間に成りすますこととて不可能ではない!!」

小鹿「これ以上奴らの好きにさせてはならん!!!」




アルミン「この身は既に人類復興の為に心臓を捧げたもの!その信念に従った末に命果てるなら本望!!」

アルミン「彼らの持つ『力』と残存兵力の『力』結集させれば!この街の奪還も可能です!!」

アルミン「人類の栄光を願い!これから死にゆくせめてもの間に!!」

アルミン「彼らの戦術価値を説きます!!」


小鹿(……しかし、だがしかし――――)

老人「よさんか」ガシッ

老人「相変わらず図体の割にはキッツのように繊細な男じゃ」

老人「お前にはあの者の見事な敬礼が見えんのか?」

老人「それにじゃ」

老人「こんな馬鹿デッカい相手にようもちょっかいをかけるのぅ…… 下手に暴れられたら一瞬で全滅じゃて」

ウォーダン『ピクシス司令……』

ピクシス「ウォーダンか、今着いたところだが状況は早馬で聞いておる」

ピクシス「キッツ、お前は増援の指揮に就け」

ピクシス「ワシは… あの者らの話を聞くとしよう」

ウォーダン『……ようやく話の分かる者が来てくれたか』

ピクシス「まったくウォーダンめ、よくも問題を増やしてくれよる……

――――
―――
――

ピクシス「そうか、その地下室に行けばお主のことなど全てがわかると……」

エレン「はい、さっき砲撃を受けそうになったときに思い出しました……」

エレン「……信じて、もらえますか?」

ピクシス「言っとる本人が確信を持てぬからには、とりあえず頭に入れておくといったところじゃの」

ピクシス「……そしてお主は?この時代の人間ではないとか… ようやく記憶を取り戻せたようじゃが」

ウォーダン「この世界の人間ですらないやもしれません」

ピクシス「そのスレードゲルミルとかいう兵器を目の当たりにした以上、嘘とも思えんがの」

ピクシス「ま、お主らの命はワシが保証しよう。もっとも……」

ピクシス「スレードゲルミルとやらに暴れられたらどうしようもないしのぅ」

ピクシス「榴弾も効かん、ブレードも通らんではな……」

ピクシス「アルミン訓練兵、…じゃったかの?」

アルミン「ハッ!!」

ピクシス「お主は先ほど彼らの力を使えばトロスト区の奪還も可能だと申したな?」

ピクシス「具体的にはどのようなことを考えとったんじゃ? ん?」

アルミン「――――巨人になったエレン、もしくはウォーダンさんのスレードゲルミルで……」

アルミン「あの大岩を運んで破壊された扉を塞ぐ、というものです」

アルミン「ただの思いつきですし、せめてエレンの力が現状を打破できる可能性があるんじゃないかって……」

アルミン「苦し紛れに思いついた命乞いの、なんらの確証のないものですけど」

ピクシス「フム……」

ピクシス「できるか、ウォーダン?」

ウォーダン「……無理です。あの大きさではスレードの関節が荷重に耐えられません」

アルミン「!?」エレン「!?」ミカサ「!?」

ウォーダン「ですが……」

ピクシス「うむ… エレン訓練兵よ……」

ピクシス「穴を塞ぐことはできるか?」

エレン「…………」

エレン「塞いでみせます!何があっても……!!」

ピクシス「――――そうか」

ピクシス「よう言ったの!主は男じゃ!!」

ピクシス「参謀を呼べ!すぐに作戦を立てようぞ!!」

アルミン「え……!? そんな、いくらなんでも……」

ウォーダン(そうも言っておられん現状か……)

ウォーダン「エレン・イェーガー!」

エレン「は、はい!」

ウォーダン「ここでできるかどうか、それがお前の今後を決める。心しておけ……」

――――
―――
――

ウォーダン(ドット・ピクシス、司令官を任されるだけのことはある)

ウォーダン(兵士たちの心を無理矢理とはいえまとめあげた手腕、犠牲を受け入れる覚悟)

ウォーダン(俺は武人として、それに応えねばなるまい!!)

ウォーダン「……開始の合図!」

ウォーダン『ウォーダン・ユミル、推して……参る!!』ドドドドドドドドドドド……

スゲェッ ホントニトビヤガッタ!! パネェッ!

ドドドドドドドドドドドドドド…………

モブ兵士「……もしアレが敵になったら… 俺たちは戦えるのか?」

ウォーダン(あれはエレン… うまく巨人化できたようだな)

ウォーダン『ムッ!?』

エレン『…………』ドゴォッ

ウォーダン『ミカサをっ!?』

イアン「ミカサ、止せ!そいつから離れろ!!」

ミカサ「エレン!!私がわからないの!?」

リコ「……分かってたよ、作戦失敗だ」スッ

ウォーダン『……いや、まだだ』ズゥゥ…ンン

リコ「!?」

イアン「避けろミカサ!!」

エレン『…………』ドゴォッッ

駐屯兵a「アイツ、自分で自分の頭を殴り飛ばしやがった……」

駐屯兵b「何だコイツ、頭の悪い普通の巨人じゃないか……」

駐屯兵c「イアン班長!前扉から2体接近!!10m級と6m級です!」

駐屯兵c「後方からも1体!12m級こちらに向かってきます!!」

リコ「おい、アンタ!」

ウォーダン『ム?』

リコ「アンタのそれならあのバカの代わりに大岩を運べるはずだ!違うか!?」

ウォーダン『……可能だ。だが、それはしない』

リコ「はぁ!?」




アルミン(エレン… ミカサ……)ゴトッ

マルコ「え?アルミン!?」

アルミン「……行かなくちゃいけない気がするんだ!」




リコ「やらないって… できるのにしないってどういうこと!?」

ウォーダン『これはエレンが自身を乗り越えてやらなければならぬことなのだ』

ウォーダン『エレンが得た巨人の力、それはハッキリ言って得体のしれん未知の力だ』

ウォーダン『だからこそ、今奴はその力を制御できるようにならなければならん』

ウォーダン『時に貴様ら、エレンを排除しようと考えなかったか?』

「!??」

ウォーダン『それを責めるつもりはない。当然の反応だ』

ウォーダン『エレンはこれからそういったものと戦っていかなくてはいけない』

ウォーダン『俺やミカサは訓練兵としてエレンと共に学んできた。だからエレンがどういう人間かよく知っている』

ウォーダン『しかし、それを知らない者たちはエレンのことを得体のしれないバケモノとしか思えないだろう』

ウォーダン『エレンはそういった人間に見せつけなくなくてはならない。自分の有用性を』

ウォーダン『巨人の力を使いこなし、人類の味方であることを証明せねばならない』

ウォーダン『故に、あの扉を大岩で防ぐのはエレンでなくてはならんのだ!』

リコ「…………」

イアン「…………」

駐屯兵c「は、班長!こうしている間にも巨人は迫ってきます!」

ウォーダン『前扉からくる巨人は貴様らに任せる。俺は後方を死守する』

ウォーダン『ミカサ!お前はエレンが目覚めるように呼びかけ続けろ!』

ミカサ「…………」コクッ

ウォーダン『エレン・イェーガー!聞こえるか!!』

ウォーダン『お前がこれからも生きたいと願うならば!戦い続けるというのならば!!』

ウォーダン『ミカサやアルミン、仲間を救いたいのならば!!目覚めなければならん!!』

ウォーダン『そして巨人の力を支配するのだ!エレン・イェーガー!!!』

ウォーダン『……後は任せるぞ、精鋭班。ミカサ』

イアン「……」ミカサ「……」リコ「……」

ウォーダン『敵対する者は全て破壊する…… 行くぞ!!』ゴォッ!!




イアン「……行ってしまったか」

リコ「どうするの、イアン?」

リコ「エレンが、あの大岩を運んでくれる可能性なんてゼロだよ?」

イアン「……わかってる」

イアン「それでも俺たちは…… 自らの命を投げ打って、健気に尽くすしかないんだろうな」

リコ「イアン!?」

イアン「ウォーダンの言うようにことがうまく進むはずがない。だが、奴の言うとおりエレンは人類にとって貴重な可能性だ」

ミカサ「……大丈夫です」

リコ「はぁ?」

ミカサ「エレンには… 私たちを導く強い力があります」

ミカサ「私がきっと、エレンを目覚めさせて見せます。この試練を… 超えさせてみます!!」

リコ「……そんなものを信じろって言うの?それってあなたの只の願望でしょ?」

ミカサ「…………」

リコ「――――でも、そういうものを信じてやってみるしかないんでしょうね」

ミカサ「!?」

リコ「アイツにたった今殺されかけたアンタが、アイツをそこまで信じるっていうんならさ」

イアン「リコ!?」

リコ「……人類がこの絶望的状況を打破するには蜘蛛の糸みたいな可能性に賭けるしかないんでしょ?」

リコ「納得できないし理解もできない。でも、犬死だけはごめんだからね……」

リコ「私の班で6m級をやる」パシュッ

駐屯兵b「……俺たちで10m級だな、イアン」

イアン「…ああ!」

――――
―――
――

モブ兵「!? スレードゲルミル、こちらに来ます!!」

参謀「なんだとっ!?」

モブモブ「やはり、アイツも巨人だったっってわけかよチクショウ!」

モブ兵「い、いえ!スレードゲルミルの目標は町の隅から、精鋭班の方に向かった巨人の排除だったようです!」

参謀「そ、そうか……」

ピクシス「……死んでくれた兵たちが無駄死ににならぬよう、頼むぞ」

――
―――
――――

アルミン「…エレン… 何をしているんだ、エレン!?」

ミカサ「アルミン!?」

アルミン「ミカサか!?作戦はどうなった?エレンはどうなっているんだ!?」

ミカサ「わからない!でも、呼びかけ続けるしかない!!」

ミカサ「ウォーダンは後方に行ってしまった!エレンを目覚めさせるしかない!!」

アルミン「……わかった、エレンを起こそう!」タッ

アルミン「後頭部からうなじにかけて、縦1m… 横10cm……」

ミカサ「アルミン何をっ!?」

アルミン「エレンを……叩き起こす!!」

――――
―――
――

ウォーダン『斬艦刀―――――』ゴォォォォ……

ウォーダン『一刀打尽!!』ズァァアアアアアア!!

巨人ども『………!?』ズンバラリ ズズゥゥ---… ン

ウォーダン『砕け、ドリルブーストナックル!!』ギャリリリリリリリリリィッッ  ドワォッ

巨人ども『…!?』コッパミジン ドシャァアア……

参謀「……なんと、凄まじいことか」

モブ兵「……まさに彼こそが、人類のk」

ウォーダン『我はウォーダン!ウォーダン・ユミル!!』ビリビリィ……

モブ兵「!?」参謀「!?」駐屯兵団御一行様「!!?」

参謀「なんと凄まじい叫び声だ……」

ウォーダン『ウォール・ローゼの剣なり!!!』

ウォーダン『そして、エレン・イェーガー…… 奴こそが人類の希望!』

ウォーダン『聞け、巨人ども!貴様らに希望の灯を消させはせん!!』

ウォーダン『この俺と斬艦刀ある限り……』

ウォーダン『これより先へは一歩足りとも通しはせんぞ!!!』

ピクシス「ホッ!言いよるわい……」

イアン「なんて馬鹿でかい声だ……」

駐屯兵c「巨人5体、扉から来ます!」

イアン「くっ、エレンは!?」ズゥ… ン

イアン「!?」

ズゥ… ン   ズゥ…  ン

エレン『…………』ズゥーン… ズゥーン……

リコ「……アイツ!?」

ミカサ「イアン班長!エレンが、エレンが勝ちました!!」

アルミン「エレンを扉まで援護すれば!僕たちの勝ちです!!」

ウォーダン『……そうか、乗り越えたか。エレン・イェーガー』

イアン「死守せよ!我々の命と引き換えにしてもエレンを扉まで守りぬけぇぇっ!!!」

駐屯兵a「うおおおおおおおおおお!!!」パシュッ

イアン「なんとしても… なんとしてもぉおお!!!」パシュッ

駐屯兵b「やらせるかぁあああああ!!!」ズパァッ

巨人『…………』ズズゥーン…

駐屯兵c「扉より巨人、また来ます!!」

イアン「チィッ!!」

リコ「まだ来るのか!……まぁ、当然だけど」

ミカサ「エレン!」ギャリリリリリリリリリ!!!

ウォーダン『ドリルブーストナックル!!』ズドォォオオオ!!!

リコ「ウォーダンかっ!?」

ウォーダン『……援護する』

アルミン「ウォーダンさん……!!」

エレン(戦え!……戦え!!)ズゥーン… ズゥーン……

イアン「こっちだマヌケ面!!」

リコ「仕留め損なうな!行くぞ!!」

エレン(戦え!……戦え!!)ズゥーン… ズゥーン……

ウォーダン『……お前の道を行け、エレン・イェーガー!』

エレン(自由を… 手に入れるために……!!)ズゥーン… ズゥーン……

ミカサ「エレン……」

アルミン「いけぇぇええええええええええ!!!」

ズドォォォォォォォォォォォォ…… ビシビシッ  ビシィッ……

ウォーダン『……しかと見届けたぞ、エレン・イェーガー』

こうしてウォール・ローゼは再び巨人の侵入を阻んだ

「進撃の巨人」エレン・イェーガーと「ウォール・ローゼの剣」スレードゲルミルという2つの巨人の力を手に入れた人類が

巨人の侵攻を阻止した快挙であったが それに歓喜するには失われた命の数はあまりにも あまりにも多すぎた……






















―――――――――――――――――未完!!!

以上にて、終了

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